逓信委員会 第1号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/12/20
会議録
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 去る十七日、鈴木市藏君が委員を辞任され、その補欠として須藤五郎君が選任されました。 ——————————
○委員長(光村甚助君) 調査承認要求に関する件を議題といたします。 本委員会といたしましては、今期国会開会中、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を、本院規則第七十四条の三により、議長に提出いたしたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ——————————
○委員長(光村甚助君) 次に、今期国会開会中適当な時期に、先ほどの調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。 つきましては、委員派遣承認要求書の内容、提出手続等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午前十時五十八分休憩 ————・———— 午後二時十分開会
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。 郵便物の滞貨問題等に関する件について質疑を行ないます。 質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○野上元君 大臣に私から質問したいのですが、大臣は、十七日の閣議が終了したあとで新聞記者団と会見して、今日の郵政省と労働組合との間における紛争について、あなたの談話のようなものを発表されておるのでありますが、その内容を見ますと、きわめて重大な問題を含んでおるように私は考えるのであります。新聞の記事によりますと、日本経済新聞及び毎日新聞の十七日の夕刊に掲載されておるのでございますが、今次の問題は、すでに郵政大臣の手を離れて、私の一存では解決することができない、と言われておるわけでありますが、郵政大臣はみずからの権限を放棄されたのですか。それとも、他から権限を取り上げられたのですか、どちらなんですか。
○国務大臣(古池信三君) 御承知のように、火曜日と金曜日には、定例的に原則として各新聞社の記者諸君とお会いをしております。そして、閣議における問題その他当面の問題について私の所見を申し述べることがならわしになっておるのであります。私がお話をしたことを、新聞記者諸君がそれぞれの感覚において受け取られまして、これを適当に抜粋をして、そして新聞の記事にされるということは申すまでもないと存じます。したがいまして、そこには、私がお話ししたことと、この記事との間には、表現の上において、あるいはニュアンスの上において違いの出てくるということも、これはお認めいただけるだろうと思います。この新聞記事は、もちろん私のお話をしたことの速記録ではございませんから、私が記事のとおりに申し上げたというわけには参らぬと思います。 なお、ただいま御指摘になりました点でございまするが、私は、記者諸君からの質問にお答えをしまして、大体こういうふうにお話をしたと思うのでございます。今日、この問題は非常に重大な問題になってきておる、単に郵政省における事務的な問題ということではなく、その根本には、管理運営事項というような経営権に触れる問題、私どもの考えでは、これは経営権に対して団体交渉をするかせぬかという問題と考えられるので、容易にこれはそう簡単に譲歩するとかなんとかできるものではございません、ということを私はお答えをしたのでございます。
○野上元君 私は、いまあなたの語っておる内容を記事にした日経新聞及び毎日新聞の切り抜きを持っておるのですが、そうしますと、ここに書いてあることはあなたの真意ではない、こういうふうに言われておるのですか。
○国務大臣(古池信三君) 先ほども申し上げましたように、私がその場でお話ししたことを記者の諸君が受け取りになって、その感触において記事をお書きになったのでございますから、私がお話ししたことは、ただいまここで申し上げましたとおりでございます。
○野上元君 新聞は、私から申し上げるまでもなく天下の公器であり、この新聞に記事が出るということは、一般国民に与える影響はきわめて大きいと思います。したがいまして、あなたの考えておられないことがかりに新聞に出るということになると、これはまた重大な問題です。したがいまして、あなたがこの新聞の記事を読まれて、あなたの真意でないというのならば、これを訂正する必要があるほど内容は重大な問題を含んでおると思うのでありますが、あなたはその点についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(古池信三君) まあ、新聞のほうでは、記者諸君が受け取ったその感触によってお書きになるのであって、一々それを私が表現が違うからといって取り消しをするということは必ずしも適当ではない、こう考えております。
○野上元君 私は、ささいな問題ならばそれでいいと思います。しかし、少なくともあなたの所管である事項について、あなたがもはや手の届かない問題になってしまったのだと、こういう表現を使われておる以上、国民一般は、この問題は郵政省には解決能力がない、解決すべき当事者能力を喪失したのだ、こういうふうに見られるような記事が出ておるわけであります。これはきわめて重要だと思うのです。そうしたら、一般の国民はだれを相手にしてこの問題を解決したらいいのか、労働組合は一体だれを相手に話し合いをしたらいいのか、ということになるのです。それほど重大な内容を持っておる新聞の記事なんです。それに対してあなたが、それは新聞がかってに書いたのだから私はそれを訂正する必要はないのだ、こういうふうに言われるのですが、そういう考え方でよろしいでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) ただいまこの国会の委員会におきまして、私がはっきりと申し上げ、またこれが議事録となって公表されるわけでございますが、国民の代表であられまする皆さま方の前で、しかも公的の場において私が申し上げたことがすなわち国民に対して私の真意を訴えるもの、かように私は理解をしておりまするので、ここで申し上げたことがすなわち私の本旨でございまするから、国民の皆さまにはよく了解していただけるものと考えます。
○野上元君 しかし、あなたがここで述べられたことは新聞の記事にはならないですね、残念ながら。ところが、あなたが談話で発表されたものが新聞記事になっておる。国民は、一体どちらによりどころを求めるべきですか。一々国民にこの議事録を渡して、そのあなたの真意をくみ取ってもらうという措置でもとられるというのですか。片一方は、もうすでに新聞に出ておるのです。しかも、一新聞だけではなく、二つの新聞がこれを取り上げておるのです。そういうことになれば、当然、あなたがそういうことをその会見でおっしゃったということを国民は受け取るはずです。当然のことだと思います、あなたが訂正されない限りは。どういう措置をとられるというのですか。あなたの真意をどうやって国民に伝えられようとするのですか。議事録を郵政省で買い集めて国民に配るというのですか。どういう措置をとられますか。
○国務大臣(古池信三君) 九千万人の国民に議事録を買い上げて配るということは、それは実行不可能なことでございます。私がこの国会において正式に発言をいたしたことが、直ちにこれは速記録に載るわけでありまするから、これが国民に対する私の所信表明であると存じます。 なお、新聞における大臣談話というようなことがときおりございますが、いわゆる大臣談話として発表いたしますときには、その要旨を原稿にしたためまして発表するのが慣例になっております。かように、随時多くの新聞記者諸君とお会いをして話し合うということは、特に大臣談話として発表したわけではございません。
○野上元君 大臣談話として発表しようが、会見として意見を求められようが、同じじゃないですか、それは。会見のときにはあなたはいいかげんなことを言われる、談話のみをあなたは真苦心とくみ取ってくれと、こう言われるのですか。
○国務大臣(古池信三君) いま野上さんが大臣談話として発表したではないかというお尋ねであったから、そうではありませんということをお答えしたのです。
○野上元君 そうすると、あなたは、十七日には、記者会見でこの記事に載っておるようなことを答えられたのですか。
○国務大臣(古池信三君) 先ほど申し上げたとおりのことをお答えいたしました。
○野上元君 それでは、一つ一つ私は詰めていきます。この記事が正確であるかどうかについて、これは重大な問題ですから、一つ一つあなたの御意見を伺いたいと思いますが、私はこれを読んでみます。 古池郵政相は十七日、閣議後の記者会見で、全逓との特定局舎問題をめぐる対立について「わたくしの一存ではどうすることもできない。全逓が妥協しないかぎり政府ならびに党の高い政治的見地からの解決を待つしかない」と次のように語り、この問題がもはや郵政省の段階を越え、まったく政治問題化していることを明らかにした。 特定局舎に対する簡保積立金の融資措置は自民党としての決定で党県連を通じ、下部組織にまで絶対に譲るなとすでに流してあり、もはや郵政省の手を離れている。政府ならびに党が基本方針を変えないかぎり、わたくしとしては解決の糸口を見いだしようがない。第三者の仲介など高い政治的見地からの解決策を待つばかりだ。こう書いてありますが、この記事に対してあなたの所感を申し述べてもらいたいと思うのです。
○国務大臣(古池信三君) ただいまお読みになった記事は、私もここに切り抜きを持っております。 先ほどもあらかじめ御了承を得ましたとおり、私の申したことがそのままのことばにおいて速記されたものではございませんから、そこにニュアンスの違いなり、あるいは表現の相違のあるのは、これはやむを得ないということを申し上げております。そこで、「わたくしの一存ではどうすることもできない。」ということは、何と申しましょうか、先ほどもちょっと触れましたが、なかなかそう簡単な問題ではありませんと、十分に考慮もせねばならぬし、また重大な問題であるだけに慎重にやっていかなければならないという意味のことを私は申したのであって、それを反面から、一存ではできないというふうに解釈をされたものと私は思います。それから、「全逓が妥協しないかぎり」云々ということですが、組合側がよく私の言うことを理解していただきまして、そうして妥協していただければ、これは解決は早いと、そこで「政府ならびに党の高い政治的見地からの解決を待つしかない」というところまでは私は申さなかったつもりでおります。それから、「郵政省の段階を越え、まったく政治問題化していることを明らかにした。」とありますが、これは、先ほども申しましたように、単に郵政省内の事務的な問題ではなく、非常に経営権とか、あるいは管理運営事項というような政治的な問題を含んでおるのであるから、なかなか重大であるということを申し上げたことが、かように表現されたものと了承いたしております。それからその次に「自民党としての決定で」云々とありますが、この問題は、私、党におきましても、それぞれの機関に報告をいたしました。報告をして、党としても承認を願い、また指示してもらっておるということをお話ししましたが、この書き方でいうと、自民党として決定をして、そして郵政省の手を離れているというふうに書いてありますが、これは表現が違っておりまして、あくまでこれは郵政省の手にあります。また、この解決の責任者は郵政大臣であることは申し上げるまでもないと思います。また、「党県連を通じ、下部組織にまで絶対に譲るなとすでに流してあり、」と、こうありますが、私が漏れ聞きましたところでは、党のほうからは、やはり組織内の各県連に対しまして、この趣旨を間違いのないように徹底するために、文書を発送したという話を聞いておりましたので、そのことをそのときにお話をしたわけでございます。それから「政府ならびに党が基本方針を変えないかぎり、わたくしとしては解決の糸口を見いだしようがない。」こうありますが、政府といえばこれは私であります。私が政府における郵政関係を担当しておるのでありまするから、私が方針を変えない限り「解決の糸口は見いだしようがない。」、これは私はそのとおりだと思います。私が組合の皆さんのおっしゃることをそのままのんで、いままで私が持ってきました基本方針を変えれば別でありまするけれども、変えない限りはなかなかむずかしいだろうということをお話ししたのでございます。党としては、私のこの方針に対して賛意を表してもらっておることは申し上げたとおりであります。 それから、「第三者の仲介など高い政治的見地からの解決策を待つばかりだ。」、これは少し違っておるようでありまして、だれか第三者の仲介を頼む意思はあるかというお話がございましたから、いまのところ、第三者の仲介をお願いするという意思は持っておりませんという答えをしました。しからばだれか第三者が出てきて仲介をするといったらどうするか、こういう質問がありましたから、それはそのときの状況によって私は考えましょう、こういうふうな問答がなされたわけでございます。
○野上元君 あなたの説明を聞いておりますと、この新聞記事とは非常に違っておるように思いますね。こういう記事をそのまま受け取られることは、あなたとしては、迷惑だ、こう言われるわけですね。
○国務大臣(古池信三君) まあ、迷惑、迷惑でないという問題よりも、私がその記者会見で問答に応じてお話ししたことは、ただいまここで私はっきりしたとおりであるということを申し上げます。
○野上元君 私は、実はこの新聞記事を見て非常に驚いたのです。郵政大臣は、もはや自分の手にはないのだと、この解決策は、高いところにいってしまったのだと、こういうふうに言われておるのですね。しかも、これは一新聞ではなくて、二つともそういうふうに書いてある。そういうことになると、明らかに郵政大臣は、特定局制度の問題に関する限りは、あなたの所管事項ではなくなったというか、あなたの職権を放棄されたという感じさえしたのですよ。そういう記事の内容です、これは明らかに。これが事実とするならば、実際問題として、一般国民はだれが一体それではこの問題を解決するのだということになろうと思います。しかも、あなた方には交渉相手があるのですから、その交渉相手は、もはやあなたの手から離れたということになるならば、一体だれと交渉したらいいのだということになると思うのです。そういう記事をそのままに放置して、私どもが真意を聞かなければあなた方がそれをおっしゃらないということは、非常にあちらこちらに迷惑をかけるじゃないですか。私は、そのことが実は非常に心配だったわけですよ。その点を、あなたのほうとしてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(古池信三君) 私の真意は、ただいまここで詳細に申し上げましたとおりでございます。
○野上元君 そうしますと、あなたは依然として特定局舎の問題に関しての解決策はあなた自身が握っておられるというふうに承知してよろしいですか。
○国務大臣(古池信三君) 当面の責任者として私がこの問題の解決に当たり、また努力しておることはお話のとおりでございます。
○野上元君 そして与党の態度もこの中には書かれておるわけでありまするが、それは、いま大臣がおっしゃられたように、あなたが基本方針をきめて、それに与党が賛意を表しておる、したがって、与党の圧力によってあなたがどうこう言っておるのではないのだ、あなた自身の問題だ、こういうふうに解釈してよろしいですね。
○国務大臣(古池信三君) まあ、いまさら申し上げるまでもないことでありまするけれども、私の考えをお聞きいただければ幸いだと思いますが、今日のこの議会政治の根本はやはり政党内閣制をとっておることは申すまでもございません。したがって、政府すなわち内閣というものは、その政党の政策というものと食い違いがあっては相ならぬのでございまして、常にその政党の政策を具体的に適正に実行していくのが政府の責任であろうと、こう私は心得ておるわけでございます。したがって、今度の問題につきましても、もし私がとっておりまする方策が、政党の、すなわち自由民主党の政策と違うようなことがあってはいけませんから、私はこの問題を党において、それぞれの機関にはかっていただいたのでございます。そうしましたところが、党としては、郵政省のとっている方策はよろしいから、その方針を変える必要はないから、それで進んでいくことに賛成をする、こういうことで、いま党も私のこの態度、考え方というものを支持してもらっておるわけでございますから、私は、政府において郵政事業を担当する責任者として、政府と党との間の意見の相違は全くないという考えのもとに、この問題の解決に当たっておる次第でございます。
○野上元君 そうしますと、あなたが基本的な方針を変えれば、党はそれに従ってくれるということになるわけですか。
○国務大臣(古池信三君) かりに——これは仮定の問題でございまするから、そのつもりでお聞きとりを願いたいのですが、かりに、私が今日までの方針を変えたと仮定いたしまして、そういう場合にも、もとよりそれは今日まで党が賛意を表し支持してもらっておった方針とは異なるわけでありますから、直ちに党に参りまして、党の機関によく話をして、そうして党と政府とあくまで意見の不一致のないように、同一の方策をもって進んでいくというふうに努力せねばならぬことは申し上げるまでもないと存じます。
○野上元君 あなたがそれほど確固たる気持ちを持っておられるなら、こういう新聞記事にはならなかったと思うのです、私は。しかし、残念ながら新聞がもうすでに全国にこれを報じてしまっておるので、一般の人はそういうふうに考えておると思うのです。一般の人は、あなたがこの問題については政府から権限を取り上げられてしまった、あるいはこの記事にはっきり出ておりますように、与党から取り上げられてしまったのだというふうに、解釈をしておるのです。これは私の解釈だけではありません。みんながこの記事を見てびっくりしておったのですが、こういう記事が出るということは、こういう紛争のまっただなかにおいて、きわめて遺憾なことだと思うのです。私は、あなたが、あなたの信念に基づいて、最高責任者としてこの紛争に対決していくという心がまえが絶対に必要だと思うのです。そのことがないと解決ができないと思うのです。その点については、あなたはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(古池信三君) ただいまの御意見のとおり、この問題の解決については、私が責任をもって今後努力をしていかなければならない、かように考えております。
○野上元君 そういたしますと、あなたの基本的な態度が変わらざる限りということでございますから、あなたはいまでも、やはり今日まで私どもに示された考え方というものは変わらないとおっしゃるわけですか。
○国務大臣(古池信三君) 組合のおっしゃっておられまする特定郵便局舎に簡易保険の積み立て金を運用するという問題は、団体交渉の対象にはならないという見解を私はとっておりますから、この問題をはずして、団体交渉の対象ではないのだということを組合のほうで理解をしていただきまするならば、私は、ほかの経済問題、あるいは労働条件の問題そういうふうな問題につきましては、もう進んでいつでも組合のお話し合いに応じようという態度を今日もとっておる次第でございます。
○野上元君 あなた方はいろいろと今日までの情勢を検討されておると思うのですが、そういう事態に好転するようなきざしがありますか。
○国務大臣(古池信三君) 何さまこれは相手方のある問題でございまするから、私は好転するきざしのすみやかに出てくることを念願をしておりまするけれども、相手さまの内情についてはよくわかりませんから、その辺のところはちょっとここで私が明言はいたしかねます。
○野上元君 そうしますと、このままずるずると交渉が妥結せざるままに、年末を迎えるということも当然あなた方は予想されておると思うのですが、それの準備はできておりますか。
○国務大臣(古池信三君) 私は、あくまでも組合の諸君がこの事態をよくお考えになって、私の申し上げることが無理ではないということを御理解をしていただいて、一日も早く正常な姿に立ち戻っていただくということを心から期待をいたしておるのでございまするが、しかし、これも相手様の御意見でありまするから、よくわかりませんが、どうしても私の言うことはのみ込めない、あくまで徹頭徹尾反対であるといって、超過勤務も依然としておやり下さらぬということになれば、私はだんだんと非常に困る事態になってくるということを心配しております。おりまするけれども、それかといって、ここで正しくない方法によって安易な妥協をはかるということは、非常に私は悔いを千載に残すものであると思いまするので、その際は省は一致いたしましてこの難局打開のために全力をあげて努力をしまして、そうして国民に御迷惑をかけることを極力最小限度に食いとめたいと、かようにいま考えておる次第でございます。
○野上元君 依然として管理運営事項ということを固執されておるのですが、きょうの新聞を見ますと、国鉄当局と動力車との間には、交渉がおおむね了解に達して、ストを回避することができる、こういうふうな記事を読んだのですが、その内容を見てみますると、明らかに管理運営事項のごときものをたくさんかかえて交渉しておるようでございますが、なぜ郵政省だけが管理運営事項であるからといって交渉しないのですか。年賀郵便が混乱をしても、これはがんばらなきゃならぬのだというような考え方になっておられるのですか。その点が、どうしても私どもにはわからないのです。その点ひとつ大臣から明確にお答えを願いたいと思うのです。
○国務大臣(古池信三君) 国鉄の事情につきましては、これは私の所管ではもちろんありませんし、動力車組合の交渉の内容等について、具体的にどういうふうになっておったかということは、新聞記事で承知をしておる程度でありまして、深く掘り下げて研究をする時間もございませんし、なかなかしろうとがそういう争議の内容を知ろうと思っても、そう簡単にできるものではなかろうと思いまするので、その詳細な具体的な正確な内容を把握しない限りにおいては、それと全逓とは同一であるというふうに即断することは、また危険ではなかろうか、かように私は考えております。
○野上元君 動力車の問題は、もうこの月初めから行なわれておるのです。それを、今日までまだ研究しておらないと言われるのは、どういうことなんですか。これは、この前の逓信委員会のときにも私が申し上げました。こういうふうに国鉄当局はやっておりますよと、こう言ってあなた方に示唆したつもりなんですが、それをいまだに研究もしておらないということはどういうことなんですか。やろうとしないのじゃないですか。
○国務大臣(古池信三君) 私が研究をしておらぬということをお取り上げになりましたから、しいて言うのではございませんが、一体こういう労働争議という問題につきましては、これは野上さんのほうが非常に私はお詳しいと思うのです。従来の御経験で、いろいろな場合に直面して御苦労なすったという御経験は、よく私は承知しております。したがって、こういう問題について、その渦中に飛び込んで実際体験を持っておやりになっている方は、はっきりした正確な認識が得られると思うのでありまするけれども、やはりその部外者、局外者から見ると、どうしても皮相の観察をするというおそれが多分に私はあると思うのでございます。したがって、直ちにあれとこれとを比較して、向こうがこうだからこっちはこうだというような結論を早く出すことはむずかしいではないかと、こういうふうに私は思っておるのでございます。
○野上元君 私も、確かに動力車の交渉の内容を別に詳しく知っているわけじゃないのです。しかし、新聞紙上等で読んでみますと、いわゆる管理運営事項のごときものを交渉をやって、そうしてストライキまでやった。そうして第二回目の交渉のときにようやく妥結をして、第二回目のストライキを回避することができたということなんですね。その時点、そのことをとらえて言っておるのですよ。国鉄もやはり政府の一環じゃないんですか。政府の統一見解があるならば、管理運営事項であっても、こういう混乱のときには、交渉をすることに何らちゅうちょされる必要はないのじゃないかというふうに考えるのです。妥結の内容まで私は申し上げておるのじゃありませんよ。この動力車の内容を見てもおわかりのとおりであります。相当紆余曲折を経て、必ずしも組合に有利な条件で妥結をしておるとは見えません。しかし一応とにかく話し合いをした。そうしてその中で、何とかしてこの紛争を解決しようという努力が行なわれておるというのです。ところが郵政省では、それは管理運営事項であるからというだけで全然交渉に入っておらないというのは、政府の統一見解がない今日においては、あまりにもいこじなやり方ではないかというふうに考えられてしかたがないので申し上げておるのですよ。この点だけをはっきりしてもらえればいいのです。
○国務大臣(古池信三君) 実は、私は元来あまりいこじな人間じゃないのでございます。なるべく皆さんと妥協をして、調和をはかっていこうという性質の人間でございまするけれども、しかし、どうもこの問題ばかりは、私が強く主張して、いかにも郵政大臣というものは、がんこな、話のわからぬやつじゃとお考えかもしれませんが、ほかのことなら私はできる限り妥協もし、譲るべきことは譲っていきますけれども、何と考えても、この経営権に属する問題を団交の対象として、組合の同意がなければやっていけないという筋道が、私は腹に入らぬものですから、かような方針をとっておるのでございまして、その点はどうかひとつあしからず御了承をいただきたいと思います。
○野上元君 私は、動力車のことを取り上げて申しましたし、この前も、わが郵政省が過去においてとってきた経験もお話を申し上げたわけです。そこで、もう一度振り返ってみたいのですが、もう終戦直後からこの問題は郵政省と全逓との間に話し合いが行なわれてきておるのです。そうして、十七、八年かにわたって行なわれてきておるのです。いわば一つの慣行ですよ、これは。慣行というのは、私は、法律的にどうかしりませんが、しかし少なくとも法律というものは、慣行であるとか習慣であるとか、そういうものが基礎としてでき上がるものであるとするならば、これは長年の慣行から見るならば、両者をある程度拘束するのじゃないか、もしそうでないならば、あなたのほうで、今後管理運営事項に関することは一切交渉に応じられないという声明を発表せられなければ、相手は話し合ってくれるものだとのみ思ってやっておるのじゃないですか。突如としてあなた方の態度がかたくなになってしまったという点が、今日問題を起こしておる点じゃないでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) 特定局に関する問題は、非常に多年の問題であるというお話でございまするが、私も、この特定局という問題は、今日まで明治以来日本の郵便制度の発展のために非常な大きな功績があったということは、もとよりこれを認めるにやぶさかでございませんけれども、しかし今後、日本のあらゆる面の非常に急速な進歩発展、近代化に即応して、この制度がはたしていつまでもいいかどうかというような問題は、非常に私は重大な問題だと考えます。今日、日本で約一万六千の郵便局がありまして、そのうちで一万四千五百くらいは特定局でありまするから、そういうふうな行き方が、はたして将来にわたっていいのかどうかという問題は、私はとくとこれは検討してみたいと思います。特にこの年末に際して、組合のほうでも強くこれに対する御意見も出ているわけでありまするし、また一般国民、利用者の方々の立場に立ってみても、こういう問題は十分に検討してほしいという世論が私はあるだろうと思うのです。また、一方において、外国の例をいろいろ聞いてみますると、私も詳しいことは存じませんけれども、やはりアメリカにしても、ヨーロッパにしても、日本の特定局制度に似たような制度があるということは聞いております。そうすれば、そこにどういういいところがあって残っておるのか、あるいはまた外国においてもどういう弊害が常に訴えられておるのか、こういうようなことも十分に比較して研究してみる必要があると思うのであります。ですから、私はまじめに考えまして、この年末忙しいときにどうこうというわけにもまいりませんけれども、来年にでもなりましたら、ひとつ何かの検討する機関を設けまして、そこでみっしりと検討してみたい、そうして将来の日本の発展に即応するような郵便制度というものを打ち立てていきたいと、こういうふうに考えております。そういう機会には、もちろん組合の皆さんの御意見も十分に私は伺うつもりでおりまするし、またかような問題は、組合とわれわれ管理者とだけが話し合ってきめるというような性質の問題ではございません。もっともっと広く国民の利用者の立場というものを十分に考えて、国民の方々の熱心な御意見も十分取り入れて、そうしてこの国の制度というものを完全なものにできるだけしていきたいと、こういうふうに私は考えておりまするから、私の真意はひとつどうか御了承いただきたい。何も、私もむやみにかたくなになっているわけでないということは御了承いただきたいと思います。
○野上元君 私は、あなたの言われる気持ちは了といたします。私も同感ですよ。同感ですが、なぜその努力をしないのか、ふしぎでしょうがないですね。もう十二月の初めからこの問題はひっかかっているのでしょう。ところが、一向話をされる様子がない。そしていよいよ年末の最高潮期になってきて、いまではとてもできないというふうに言われておるのですが、それはちょっと逃げ口上になるような気がするのですね。そういうことであるならば、月の初めからいち早くそういう問題について交渉し、そしてあなた方の真意を十分に述べられればいいんじゃないですか。組合だって、そう私はむちゃくちゃなことを言うとは思えないのです。だから、私どもはそういう問題をひっくるめて早く交渉に入りなさい、そうすれば何とか妥結の道があるはずだと言うのですよ。ところが、両者が会わないままにずるずるずるずるいってしまうということは、国民にとっては非常に迷惑だと思うんですね。また、あなた方の責任は結局は追及されてしまうと、その点も私たちは心配しておるのですが、そういう努力をなぜ組合側にも訴えないのですか、あなたみずからが。
○国務大臣(古池信三君) いま私が申し上げました特定局に対する検討をやろうという問題は非常に大きな問題でありまするから、この年末の際に取り上げてやるべき問題ではむろんないと思います。また、これに取りかかったら、私は、場合によりましたら専門家をアメリカやヨーロッパに特別に派遣をして、向こうの制度も詳細に調査をしてもらうというようなことも必要が起こってきやせぬかと思います。そうなれば、この問題の最も妥当な結論が出るのでは、あるいは一年間、あるいは場合によっては二年、三年もかかるかもしれません。それくらいの腰を据えて大いにかかっても十分その値打ちのある問題であると私は考えております。で、さような問題でありまするから、この年末にすぐ解決できるというようなことではありません。したがって、かような問題はもともと団体交渉の対象になるべき問題でもありませんから、どうか組合側はこの際団体交渉ということを言わないで、ただ意見を言うから、大臣のほうでも聞いてほしいということであれば、これはまた年末のこの忙しいときでなくて、ゆっくりとまたお聞きする機会もあると思います。だから、この際は団体交渉事項からはこれをはずして、そして本来の経済問題、あるいは労働条件の問題にしぼって交渉をなさったらどうか、それならばわれわれも十分に誠意をもって皆さん方とお話し合いをして、できる限り御希望にかなうようなふうに努力はいたしましょうと、こう申しておるのでありますから、私の申し上げるところはちっとも無理はない、きわめて自然なことだと思っておるのであります。
○野上元君 私も、あなたの言われることはわからぬことはない、あなたとても、とにかくあなたのブレーンなりスタッフを従えて、向こうの最高首脳部並びに中央執行委員全部と会見して、そういう問題について意見を交換したらどうですか。それもやれないのですか。それがわからぬのです、私には。
○国務大臣(古池信三君) どうもそこへいきますと、話がまたもとに戻ってしまいまして、非常に残念でありまするが、ともかく通牒というものを取りやめて撤回をしろということからそもそも始まっておって、これを撤回しない以上は、自分たちはもう会見しない、話し合いをせぬと、こういうことで席を立って帰られたのでありまして、私のほうは撤回する意思はないと、こう申しておるのであります。そもそもかような問題を団体交渉の対象にすること自身については私は反対でありまするから、ぜひこれは団体交渉からはずしてきてもらいたい、こういうふうにお願いをしておるわけでありますから、それがどうもお聞きにならぬことには、これはちょっとこの話はなかなかむずかしいのではないか、こう思っております。
○野上元君 あなたの立場からそう言われるのですが、それはそれでいいとして、そういうことをこの席で言われるよりも、そしてまた文書で形式的に往復するようなことはやめて、あなた自身が直接そういうことを言われたらどうですか。そういう場を持ったらどうですか。そうすれば、お互いに意見が吐けるのではないですか。この問題の取り扱いについて。
○国務大臣(古池信三君) 何度も繰り返して申し上げるようでまことに恐縮にたえませんが、私の申しておることを正当に御理解くださって、組合側が、それではこの問題は団体交渉の対象にはしないでおこう、いずれ意見を言う機会はあるかもしれぬが、この際は団体交渉からはずそうというようなことで、そういうお考えがおありになれば、また私も十分考えてよろしいと思います。しかし相手様が、あくまで最初の御主張のとおり、これを省が撤回するとか、やめない限りは、断然これは会見はせぬというふうなお考えを堅持しておられます以上は、どうにもこれは話の道がないように思いますし、会ってみても何ら効果のないことだと私は考えております。
○野上元君 あの通達によって、現実には何局くらい建っておるのですか。そしてまた建ちつつあるのですか。
○国務大臣(古池信三君) これはちょっと古い資料で、ごく最近のところはわかりませんが、私が耳にしたところでは、すでに完成してしまっているのは八局くらいあるそうです。それからもうほとんど完成に近い、いまごろはおそらく完成しているかもしれぬが、それが二十一局あるそうです。いま着々工事が進んでおるのが二十八局くらいあって、全部で五十七局くらいはもう完成したり、やがて完成に近づいておると、こういうふうな状態であるということを、これはだいぶ以前に聞きましたから、その後もっと進んでおるかもしれません。
○野上元君 組合は、そのできた局、あるいはできつつある局をもこわしてしまえというのですか、通牒を撤回しろということは。そういうことではないでしょう。
○国務大臣(古池信三君) その点は、まあ組合のほうのお考えがどうなのか、向こうでは、ともかく通牒そのものを撤回し、取り下げろと言われるのですから、通牒を取り下げたらそういうことは実行できないわけですから、その辺の感触はよく私わかりません。
○野上元君 私は、わからぬというのが困るのです。そういう点を話し合っておらないのではないですか、全然私なんかにもわからないのですが、それはわれわれ局外者ですから、その点はよくわかりませんが、そういう問題はどうする、こういう問題はどうするという、問題はたくさんあるのではないですか。こういう問題も話し合わないで、ただやれないやれないと言っておったんでは、これは問題の解決にならぬと思うのです。
○国務大臣(古池信三君) これは私も申し上げたいことなんで、組合のほうはただ通牒を撤回しろ撤回しろと、そういう簡保の資金を特定局舎に利用することは反対だ、だからやめろやめろと言っておられるものですから、まことにこれは話も何にもならぬのであって、でき上がった局舎をこわしてしまえなんて、そういう非常識なことは、これはちょっと普通の人間だったら言えないことだということはまあ私も承知いたしますけれども、ともかくできていようができていまいが、あの通牒自身が反対なんだからああいう政策はやめろと、こういうふうな一本調子でありまするから、これはどうにもこうにもしようがないと、こういう状態であります。
○野上元君 その話はもうその辺でやめましょう。何べん繰り返しても切りがないですから。 そこで一つお聞きしたいんですが、小包の引き受け停止を大幅にやっておられる。これは明らかに郵政省と全逓との間の紛争が片づかないからそういう措置をとったと思うんですね。ということは、あなたのほうは一部の業務を放棄したことになりはしませんか。完全にやってみせる、アルバイトを雇ってやってみせると言われたこととは、ちょっと違うんじゃないですか。それはどういうふうに考えますか。
○国務大臣(古池信三君) もとより、郵便物の送達を平常の場合のとおりに正常な運営ができればそれにこしたことはないことは、もう申し上げるまでもないことであります。しかしながら、この十二月のただでさえ郵便物の量がふえる最繁忙期にあたって、平素手がけておる従業員諸君が時間外の勤務はやらないということでこれを拒否しておられる限りは、当然これは郵便の正常運営に支障を来たしてくるということはまず自然の理であろうと思います。しかし、そのことのよしあしを言うのではなく、そういうような場合には私どもとしてはもう最善の努力をいたさねばならぬ、またいたすつもりで今日までやってきておるのでありまするが、最近小包の引き受けにある程度の制限を加えねばならなくなったということは、まことに遺憾にたえません。私どもとしては、まず何といたしましても重要な通信はあくまで確保していこうという考えに立ちまして、重要通信を確保する上においては、小包の一部引き受け制限もまずやむを得ないこととして行なってきたと、こういうことでございまして、別に私はこんなことを好んでやるわけでもありませんし、できることならば小包の制限などはなしにこの年末を切り抜けたいということで努力しましたけれども、やはり物理的にも非常に困難になってきましたので、まず重要性が少ないと言っては語弊がありまするけれども、より重要な通信、すなわち第一種、第二種などの重要通信を確保せんがために、やむを得ずとった手段であるということを御了承いただきたいと思います。
○野上元君 昨年、年賀郵便を——昨年というか、ことしの年賀郵便を三日間の間に配達したのは、全体の何%ぐらいになりますか。
○政府委員(佐方信博君) 全体の八五%配達いたしております。
○野上元君 このままの状態で紛争が解決しないとすると、来年の賀状は三日間でどれくらい配達できる予定ですか。
○政府委員(佐方信博君) 年末首に超過勤務協約がなかったというのは全く初めてのことでございますので、私としましても、ここでどうも的確に何%と予想できる資料を全然持っておりません。したがいまして、いまお話のございましたように、今日ただいまの滞貨をできるだけ少なくする。それから、どうしても三六協定がない場合には、極力非常勤者を入れてやる。それから郵便局内においての相互差し繰りをよくやりまして努力していこうということで、ただいまのところはっきりここで何%という計算は、いまいろいろと検討しておりますけれども、ちょっと正確に発表できかねる次第でございます。
○横川正市君 この現場の作業状況というものを、通常超勤のない場合に完全に配送することができないで、大体百万とか二百万とかいう大幅な滞貨をかかえているというような通常業務の実態ですね。これに加えて十五日から年賀特別取り扱い、従来の例からいきますと、年賀特別取り扱いというのは、これはほとんど超勤で区分をしておって、その区分が一日から三日までに過去において八五%配達になるわけだけれども、超勤がない場合に、いわゆるこの月越しとか、あるいは郵便物の収集した局における他局への配送ができても、自局におけるところの各戸の区分というものは完全にこれは超勤がなければストップするわけじゃないですか。そうすると、どれだけアルバイトを入れたらそういう状態の中でどのくらいのものが大体配送できるかというのは、これは郵便の計画をやっている係の者ならば、すぐ計算というものは出ているわけですがね。ことしは前例のない状態なんだけれども、一体、通常の郵便物がたまっているという状態の中で、超勤がなくて年賀の配送というものはできるのですか、できないのですか。それはまあ大体いまの現場の事務の量とそれから作業の状況を見ればわかるのじゃないですか。
○政府委員(佐方信博君) 総体的な感じとしては、先生がおっしゃったように、計算できると思います。ただ、御承知のとおり、ここ数年来、十二月の十日から二十日までに異常に出回りました小包が、二十日以降においても押せ押せになってきた状態があったわけです。そこで、第三種郵便物も出てくる、五種も出てくる、重要通信——一種、二種も出てくる、その間に通常業務を終えたあとで超過勤務をしてもらう、あるいは通常業務の中で一部仕事を差し繰って、おっしゃっような大事な配達区分をするというようなやり繰りをしているわけでございまして、郵便局はその局に応じまして予定物数を立てて、そしてこの部分は本務者なり、あるいはこの部分は非常勤でやると、個個の局ごとに物数計算をしているわけでございます。そこで、まず第一は、私たちは、滞貨がありますと、どんな計算をしておりましてもその計画が狂ってしまうのですから、できるだけ滞貨を少なくしていこう。そういうことで過去数年来苦い経験をしましたので、小包の引き受け停止をして、二十日以降小包の重荷はからにしたい、こういう手をまず打ったわけです。それから、いわゆる印刷物等につきましても、府県区分の協力等をしてもらいまして、これもできるだけ局からほかのほうへ配送する手間のないようにするというようなこともいたしまして、至るところで外部の協力を得まして、できるだけ身軽な形にしていこう。そのあとを、今度は大事なところをできるだけ本務者にやってもらって、仕事の性質上むずかしいところは本務者にやってもらいたいというようなことで、各郵政局でも検討してもらっておるわけでございます。そうして、二十日までの段階におきましても何ら話が進展いたしておりませんので、あらためてまた月末までのこまかい計画をつくってくれるようにということでいま連絡をいたしておりますので、一般の賀状の差し出し状況その他と合わせまして、各郵便局とも着々その計画をつくっておるところでございます。それを集計いたしますと私たちは大体の見当がついてくるだろうと、こういうふうに思っておりますので、ちょうどいま作業の途中でございますのでちょっと何%という御確約を申し上げるまでに至っていないことをお許し願いたいと思います。
○横川正市君 そうすると、私は新聞であなたのほうの計画を大体読ましていただきまして、たとえば町内会だとか、婦人会とか、4H会というものが動員されて、郵便の配送に協力を頼むらしいのですが、そういうような人たちのやれる範囲内というのは、私は非常に大まかな区分だろうと思うのですよ。あるいは町内会という場合には、町内会が区分をするわけですが、それをやりましても、大体局の中における仕事というものは大まかな仕事になるわけですね。 この間もちょっと中央郵便局の現場のニュースがラジオで放送されておりましたが、アルバイトは、府県区分をするのに、府県の記帳のないものについては、どんどん事故物みたいにのけておいて、そして府県別に別の人が地図か何かでさがして区分をするというふうに、二重三市に事実上間がかかっておると、現場の課長の声というのは、全然アルバイトの作業能率というものは上がりません、これじゃあ全然自信がありませんと、こういう声が電波に乗って全国に出ているわけですよ。そういう現場の事情というものは、私どもがちょっと見て、一体きのうか発表されたあなたのほうの配送計画というのは、これはいわば私どもから見れば非常に安易な計画で、結果的には配送というのは困難だけれどもしかたがないからいろいろ手を打ってみてという程度にしかとれないわけなんですけれども、いま小包の制限をすれば大体仕事は軌道に乗りそうですということもいわれておるようでありますが、実際には責任を持って年賀の配送というやつをやれるのですか。何%配達するかということよりか、もっと私はその前の問題として配送に少し危惧を持つわけですがね。
○政府委員(佐方信博君) 小包の利用禁止等をいたしましたのも、全く重要郵便物を配送するために独占事業であるものは完全に確保していきたいという、こういう気持で出ておるわけです。それは、長年の訓練を経たベテランが超過勤務してくれないということになりますと、非常に大きな打撃だと思います。しかし、かといって、いまのままで話が全然進まない、組合がどうしてもいまの態度を変えないということでありますれば、われわれとしてはありとあらゆる方策をもってこれを乗り切るように努力しなければならないというのが私どもの責任でありますので、いままでですとほとんど郵政局にまかしておりましたけれども、昨日のは相当こまかいところまで話をいたしましてやったんでございますので、決して私どもはおざなりでなくて、いままでよりもさらにこまかくどういうふうに人を配置するかという一定の基準を示しまして、できるだけの努力をしたいということをあらわしたつもりでございます。
○横川正市君 実は、私きのう家へ帰って、大体三十通くらいの郵便物が来ておったわけですが、その三十通の中に六通、集会、会合の通知がすでに期間経過をされたものが入っているわけです。私はやむを得ませんから、実は通知がおくれたために失礼をいたしましたと、その通知のはがきを書いて出さざるを得なくなったわけですね。重要郵便物の確保ということは、どこまでが重要郵便物なのか。同じようにラジオの電波に乗っておる放送では、神田あたりの本屋さんは、郵便によって注文を受け、小包によって物を送り、それで生計を立てると、これは非常に重要な問題だと私は思うのだ。送られた小包は重要でなくて、受けた一種は重要だ、こういう考え方も私はおかしいと思うのですが、これには二つ問題があると思うのです。そういう死活問題にぶつかっておる中小企業、あるいは図書業者——私どもの会合は、行かなくても別に命に別条ありませんけれども、人間的にいえば非礼になった、そういう代償、そういったものが未解決のままで一体独占企業というのがあるのかどうかですね。私は、労働組合というのはストライキ権を持っておって、働かないということをバックにして経営者に対して、要求を貫徹すべきものだと、こういうふうに思っております。しかし、全逓にはストライキ権がありませんから、ただ働きはいやだということで、超勤についての要求が出てくる。また、超勤は個人の意思によってやるやらないはきめられるわけですから、自分で要求する問題があったときに、やるやらないということは、これは別に違法だと私どもは考えないわけですが、しかし、そのことによって、郵政省が意地を張り、あるいは組合が意地を張り、そして受ける国民の側の、いわゆる独占企業で受ける被害というものが、要するに千差万別な形で国民のほうにしわ寄せになっている。意地というものも、いわゆる管理運営事項とか経営権、たとかいうのも、実は郵便の独占というものが守られていて初めてそれは役に立つもので、郵便の独占企業というものがもう全くその体をなさないのに、あなたたちが経営権だあるいは管理権、だと言っておるのは、これはだれが考えてみてもおかしな意地っばりということになるんじゃないかと思うんですよ。そういうことは、もちろん度をこせば、組合に無理があれば組合がつぶれる、またあなたのほうに無理があればあなたたちの管理体制がつぶれてしまう。これはやっぱりどこかで国民の立場というものを守る、いわゆる解決するという線が私はあると思うんですが、それに対して一向に努力のあとが見えない、この点が実は委員会で何回でも皆さんに質問をする要点だと思うんですが、これは私は幾つかの問題をあげて質問をいたしておりますので、当局としてお答えをいただきたいと思うんです。
○政府委員(佐方信博君) こういうほんとうに大事な時期に御迷惑をかけておりますことにつきましては、業務を担当しております者としてはまことに申しわけないと思います。 何が重要な郵便物かということについては、先生御指摘のいろいろな見方があると思うんですけれども、いまの段階におきまして、いわゆる通常郵便物というものは、郵便法によって明らかに郵政省の独占事業でございますから、これは第一に確保しなければならぬ。それから小包郵便物は、いまおっしゃったように、利用者の方にとっては大事な死活問題だと思いますけれども、これは何にも政府の独占事業じゃございませんので、まことにこの際申しわけないけれども、ほかに運送機関があるから、そこを御利用願いたいという意味で、私たちは、現在の段階におきましては、通常郵便物の確保をまず第一に考えていきたいということで、小包郵便物の禁止ということに踏み切って、全般的な禁止じゃございませんけれども、非常に郵便物の配達面で困難を来たす地域を計算いたしまして、そういう一部停止という措置をやっておる次第でございます。
○野上元君 大臣も何かお急ぎのようだし、時間もありませんので、さらに須藤委員が大臣にどうしてもお聞きしたいことがあるそうですから、そのほうに譲ることにいたしますが、最後に一つだけお聞きいたしておきたいと思うんですが、あなたの基本的態度は、とにかくあらゆる努力をして解決するんだという基本的な態度なんですか。それとも、もう時はすでにおそい、もはや解決の希望はない、こういうふうに考えておられるのか、どちらですか。
○国務大臣(古池信三君) 私はもう最後まで努力を続けるつもりでおります。
○須藤五郎君 もうこれまで社会党の委員諸君がずいぶん質問をされたことだと思いますし、あるいは私の質問がダブる点もあるかもわかりませんが、それはお許しを願って、短く二、三の問題について、ちょっとお尋ねしたいと思うのです。 郵政省は国民全体の利益になるように郵政事業を運営し、その限りで郵政事業を発展させなければならない、こういうふうに私は考えております。決して特定の自民党に結びつくもの、すなわち、自民党の選挙地盤である特定の人の私利私欲のために運営されるものではない、こういうふうに私は考えておりますが、大臣も同じようなお考えでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) ただいまの須藤さんの御意見、全く私と同感でございます。
○須藤五郎君 そこでお尋ねするのですが、簡保資金の運営につきまして、私は四十三国会で質問をしたことがあるのです。零細な国民の積み立て金は、独占資本本位の財政投融資に回すのではなく、国民に無条件で低利長期資金を貸し、貸し付け単位も大幅に増加せよ、このときにそういうふうに私は要求いたしました。こういう運営こそが、零細な国民が切実に望んでいることだし、これを実現するのが国民に奉仕する郵政事業だ、こういうふうに私はそのときに申し上げたわけです。郵政省のほうでは、この私の要望したことを真剣に検討していただいたのかどうかという点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) 私は、かように考えております。お話のように、この簡易保険というものは零細な掛け金によって今日の発展をもたらしたものでございます。今日すでに積み立て金の累計額は、もう一兆をこえておるという非常な多額にのぼっておるのであります。これは、皆さんに御決定をいただきました法律によりまして、まず、この運用は、確実にして有利であると同時に、公共のためになること、さらにまた、運用の方針としては、できるだけ地方に還元するように、こういう大方針が打ち立てられておりまして、しかも、これが運用にあたっては慎重を期して、その基本原則、方針等については、資金運用に関する運用審議会の議を経、あるいはまた、その意見を聞いてやれ、こういうふうになっておりますので、今日までその法律に従って行政当局は運用をしてまいってきたと存じております。
○須藤五郎君 大臣、そうおっしゃいますがね、実際は、私のこの要求が無視をされておるように私は思うのです。国民の零細な積み立て金を、今度は地方自治体を通じて特定郵便局の局長個人に貸そう、そういう通達が出されておるわけなんですね。私は、全く国民と加入者の要望を踏みにじり、特定の人間の私利私欲に奉仕してやるやり方だと黙って見のがすわけにはいかぬので御質問するわけなんです。しかも、融資の仕方は、郵政省が直接するのではなく、地方自治体を中間媒介者としてやることになっております。なぜこんな無理なややこしいやり方をとるのか、私にはわからないのです。何で政府が直接貸すことができないのか、そのできない理由は何であるかということをひとつ御説明願いたいのです。
○国務大臣(古池信三君) 今日でも個人に直接貸すことはしております。しかし、それは加入者に対して貸し付けをしておるわけでございます。自分たちが零細な掛け金をかけてそうして積み立て金ができたのであるから、自分が資金が必要になった場合には、その積み立て金の中から貸してほしい、こういう要望があれば、加入者貸し付けば今日でもやっております。しかしながら、一方においては、やはり公共のために使おうという方針が確立しておりますので、地方自治体等に貸し付けまして、いろいろな万般の社会施設なり、あるいは公共機関等に貸し出しておることは御承知のとおりだと存じます。これらの問題については、たとえば病院を建てるから貸せとか、簡易水道をつくるから貸せと言われましても、これは郵政省が一々そういうことをやっておったんでは手間もかかりますし、また、実情を調査したりいろいろなことでめんどうも多いのでありますから、便宜上これらは地方公共団体へ貸し付けまして、地方公共団体の手によっていろいろな運用をやってもらう、こういうたてまえになっておるのでございまして、実際の手続その他の問題からいいまして、かような方法をとることが一番実情に即した方法ではなかろうか。しかも、それについては運用審議会というような機関もあって、ここで慎重審議をしてやられることでありますから最も適当な方法である、かように私は考えております。
○須藤五郎君 そうはおっしゃいますけれども、実際のねらいは、特定郵便局長が、従来の局舎の私有制度と世襲任命制度とを何とかして温存したい、擁護したい、直接貸すとこの制度がくずれてくる、こういうところから今回のような措置をとられたのではなかろうかと、こういうように考えます。それだけではなく、いまでもいなかへ参りますと、何か催しがあれば、そこの学校の校長さん、巡査さん、郵便局長さんというのが上座にすわるのが、今日でもしきたりだろうと思うのです。こういうふうに戦前のいわゆる反動反動といわれている人たちに非常に都合のよい時代に歴史をもう一ぺん返していこうという動きがあるのではなかろうか、そういう考えから今度の措置がとられておることは明らかではないかというように、私たちの立場で考えるわけです。それと、自民党が国民に対する政治支配を強める足がかりに、特定郵便局長たちの反動的なねらいを利用しようとする党利党略からこれが出ているのではないだろうか、ほんとうのねらいはそこにあるのではないだろうかというように、私たちのほうとしては考えるわけです。御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) お説のとおり、歴史から申しましても、特定局長は地方における最も信望のある公平な立場の人が任用されております。したがって、そういう方は人格識見からいいましても、やはりその村においては重きをなす人でありますから、いろいろの会合におきましては、自然そういう人が中心となり——中心となるというよりも、中心的な立場に村の皆さんから置かれるということになるのは、これは私は自然であろうと思います。それから、かような措置について特定局長が特定局制度というものを護持し、あるいは世襲制度を守るために非常に希望しておるのだという御観測がありましたが、私は、決してそういうふうなものではないと、こういうふうに考えております。その辺のところは観測において、須藤さんとはちょっと私の考えが違うのでありまして、また、自民党が党利党略でやるというようなことも、私はそんなことは全然ないと考えておるのでありまして、先ほども申し上げましたように、特定局長制度というもの、そのものについては、やはり近代化もし、時代の進運に応じたような発展をさせていくということは必要であるけれども、しかし、なかなかこれは重大な問題であって、一朝一夕にどうこうすることのできる問題ではないということを、先ほどからいろいろと申し上げたのでありまして、今回非常に老朽化したり、あるいは狭隘になった局舎を、一日も早く改善をしていこう、しかも、その方法としては、私どもでは、適当であり、かつ、適法である方法によって改善をしていくならば、その付近の住民の方も、きたない局舎よりはりっぱになった局舎を御利用下さるほうが気持ちもよく、また、その局で働いておる従業員の立場からいっても、じめじめした古い狭い局舎で働くよりも、明朗なまた清潔ないい局舎の中で働くほうが気持ちもよく、いわゆる職場環境が改善されるのであるから、どの道、これはけっこうなことだと、望ましいことだと、こういうふうな考えでやり出したのでありまして、そのほかの何ら他意があるものではないということを、ここで私から表明いたしておきたいと思います。
○須藤五郎君 局舎をりっぱにするというようなことですね、それから局舎をふやすということ、これに対して、私たちは決して反対してはいないのです。地方と言わず都市でも、郵便局の増設は私は必要だと思う。しかも、りっぱな郵便局が必要です。いまの薄ぎたない薄暗い郵便局よりは、りっぱな近代的な建物にしてやれば、あんたのおっしゃるように、非常に働く人も気持ちがいいし、私はいいと思うのです。しかし、私たちいまの全逓の諸君が反対しておるのは、そういうことに反対をしておるのではなく、いま申しましたように、いま地方へ行きまして、特定局の局長さんなどというのは、中には進歩的な人もありますけれども、概して保守的な人が多いですね。そういう保守的な力を温存する一つのてこ入れとして今度の融資ということが考えられておる。すなわち、金鶏勲章を持っているような人は自民党支持者が多い、そのために金鶏勲章に十万円の金をやろう、こういうことを考えるのと同じ意味で、自民党の党利党略から出た、自民党を擁護する、自民党を支持する連中に対する何といいますか、援助だと、こういうふうに私たちは考えたんです。だからこそ、私は、全逓の諸君が、労働者がそういう立場から反対をしておるのだろうと思うのです。だから、それならばいっそのこと、何も地方自治体を回してぐるっとやる、そういう手の込んだことをやらないで直接政府が貸し与える、その政府が直接貸すことがいまの特定局の何かに反することならば、その組織を危うくすることならば、全逓の諸君の言っているように、特定局などというこういう不合理な制度をやめてしまって、すべて国営にして、そしてりっぱな局舎を建てて皆を気持ちよく働かせるということが私は必要じゃないか、こういうふうに考えるのです。先ほど大臣も大いに研究を要する問題だとおっしゃいましたから、私も了とするものでありますが、そういう方向にもっていけば、今度のようなこういういさかいが起こって国民に大きな迷惑をかけることは要らないんじゃないですか。大臣、ひとつ思い切ってあんたのときに踏み切ってやられたらどうですか。
○国務大臣(古池信三君) この郵便局を利用していただく方は、自民党の人もあれば社会党の人もあり、共産党の人も、皆さん平等に利用していただくのでありまするから、私は自民党の人のために郵便局をりっぱにしようというようなことは毛頭考えておりません。もちろん、この郵便事業というようなものは、あくまで公平無私であらねばならない、そしてできるだけよいサービスを提供するということが本質であるということは十分心得ております。ただ、その上において全部国営にしたらというような御意見もいま少しありましたけれども、これは一万四、五千もある特定局を一挙に国営にするということは、言うはやすくして実行としてはこれはなかなか困難なことでございます。それから、一体これは日本だけの制度かというと、アメリカにもヨーロッパ各国にもみなあって、しかも、それぞれ成功しておるという話を聞きますると、これは日本だけの制度じゃないし、やはり文明諸国においてやるとすれば、そこに必ず有利なところが、いわゆるレーゾン・デートルがあるだろう、そこをひとつ探求してみる必要があるんじゃないか、かように私は考えておりますので、私自身は、非常に公平な立場からこの問題を処理していきたい。とりあえず、いまの当面の問題としては、緊急にこの局舎を改善するには何が一番早道であるかということから考えついたのが、いまの保険の積み立て金の運用でございまするから、それ以上に何ら他意がない、別にその特定局を将来末長く温存していこうとか、そういうふうな意図のもとに私が発足したわけじゃないということは御了承いただきたいと思います。
○須藤五郎君 皆さん方の計画では、初年度三億円、二年目から五年目まで毎年五億円、合計二十三億円、年利六分五厘、返済は、木造で十五年、鉄筋・ブロックで二十年、こうしておるのですね。郵政省が特定郵便局長に払う家賃と、特定郵便局長が返済する金とのバランスを比べてみますと、家賃のほうが高いわけですね。まるでただやるようことになるわけじゃないでしょうか。しかも、郵政省の三十九年度予算要求では、さらに家賃を上げてやろう、こういうふうにしておいでになるように私たちは思います。これじゃ家を建ててやった上に、国民の税金を補助金として特定郵便局長にくれてやることではなかろうか、一体なぜこんなことまでして特定郵便局長を育成してやらねばならないのかどうか、ここらに私たちが大きな疑惑を持つ点があるわけです。
○国務大臣(古池信三君) 私、別に須藤さんのことばじりをとるわけではございませんけれども、いまお話の中に、国民の税金をどうとかこうとかいうお話がございましたが、この問題は税金とは直接の関係は私はないと思います。あくまで加入者の積み立てた保険金を融資するわけでありまして、しかも、その利息は、ちゃんと標準の六分五厘という利息をとるわけでございます。しかも、これの用途として、自分の私利私欲の目的というのではなくて、公共の、公衆のために利用する局舎でありますから、公共機関の建築のために使うということは不当なことではなく、また、さような公共機関を国が国の事業のために借り上げて使うということになれば、これは無償で使うという手は、幾ら国といえどもないと思います。やはりこれに対して適当な借料を払うということは、これは今日の日本の経済社会状態から考えて当然のことでありますから、貸したものに対しては、元利の償還をさせる、また、できたものを使うときには、これに適当な家賃を払って国の用に供するということ、これはどなたに聞いていただいても、まことにもっとも千万な話であって、ただでやるとかいうことは少し考え過ぎではなかろうかと、かように私は思っております。
○須藤五郎君 ただで使えと私は言っておるわけではないんでして、実際は、国から貸した利子よりも高い金で家賃を払う、これでは金は安い金を貸して、そしてそれで建てた家を高い家賃を払ってやるのだから、だから、郵便局長の何ら負担にならない。郵便局長は、ある年限がたてばその家がただで自分のものになってしまう。何ら郵便局長は負担を受けない、そこまで国がめんどうを見なければならぬ理由がどこにあるか。そこまで国がめんどうを見ることは、私、さっき国民の税金と言ったのは、私の読み間違いですが、そこまで世話するところには何かあるだろう、すなわち、保守勢力の温存ということ、ここではなかろうか、私たちはそう考えておるわけです。だから、全逓の労働者諸君が、こういう制度に反対をする、だから、そういう制度はやめてしまって、すっきりとした国営——私は、すべて一万何千ある特定郵便局を国営にすることはむずかしくないと思う。事業はそのままでもって、いまでも月給を払っているんでしょう、特定局長に対しては。だから、そのままで国営にすることは、私は何ら不合理はないと思うのですよ。簡単にできることだと思う。なぜそれをやらないかというところに問題があると思う。
○国務大臣(古池信三君) これは、事業そのものは国営事業であることは間違いないのです。ただ、局舎の建物そのものについて、局長なり、あるいは局長でない場合もございます、民有の中には。そういう人に資金を運用して建てさせるということでございまして、これを詳しく説明しますと、だいぶ長くなりまするけれども、その家賃と利子とを比べた場合に、家賃が高いじゃないかというお話は、もう少し掘り下げてみますと、こっちが六分五厘で貸します金は、建築費の七割以内なのでございます。そうすれば、三割というものはやはり局長なり、その所有者が自分でくめんをして、高い利息で金を借りてきて建てなければならない。したがって、その分もできたもののやはり一部の資金になるわけでありますから、それらを全部加味したり、また、土地に対しても、ただで借りるというわけにまいりません。そういったものも、土地代も考えて、諸般の事情を勘案して適当と認めた借料を出すわけでございますから、利息よりも高いじゃないかと言われても、それはいまのような説明をすればすぐ御了承いただけるだろうと思います。 それから、まあこれは社会制度の根本に触れる問題でありますから、共産主義の国であったら、すぐに私は国営というものはできると思うのです。だけど、遺憾ながら日本はそういう共産主義はとっておりませんから、須藤さんから言わせれば、遺憾ながらでありましょうが、私どもは遺憾とは思っていませんけれども、共産主義の国でありませんから、一がいにこれを取り上げて全部国有にもっていくというようなことは、ちょっと私はできない相談であると思います。
○須藤五郎君 大臣も何か会議があってお急ぎのようですから、これ以上あまり言う必要はないと思うのですがね。しかし、大臣の説明でも私たちはやはり納得いかないですわ。それは、土地も借りる金が必要かもわからない。しかしそれは、私が今申しました年限ですでにもうただになるような計算になるのですから、それを今後ずっと長くやっていけば、いつかは特定局長は自分の金を一文も使わなくて、家も屋敷も国の家賃で全部自分のものになる時代が必ず来ると思う、計算してみなければわかりませんけれども。そういう心づかいをなぜ特定局長にしなければならぬか。特定局というものは、先ほども大臣おっしゃるように、不合理な点もあるということは大臣自身も認めて、これは根本的に、抜本的に検討しなければならぬ問題だというところまで大臣がきておるのでありますから、いつかは特定局はなくなりますよ。なくさなくちゃならない問題だと私は思っております。大臣もそこまで考えがきているのだから、それを何でこの際ストライキとか、けんかをしてまで、全逓の労働者諸君を向こうに回して国民に大きな被害を与えることまでやって、なぜがんばらなくちゃならぬのかどうか、私たちにはどうしても納得できない。これはやはり自民党の党利党略が根元にあるから、大臣の考えだけではいかぬということになるのじゃないんですか。やはりそこへ問題はいくのじゃないですか、私たちはそう考えますよ。
○国務大臣(古池信三君) 誤解があってはいけませんから申し上げますが、私は、将来特定局制度をやめるとは申しておりません。ただ、この制度を将来いかにすべきか、いかによりよくしていくかということについて、十分に検討してみたいということを申し上げたのでございまするし、何も年末のこの際に私が好きこのんでかような紛争を起こしているわけでも何でもないのでございます。私どもは、あくまでもこの場合は受け身でございまして、どうもああいうふうな申し入れがあったのでは、私どもとしては、聞きかねるということを申しているのでありまして、その辺の事情はひとつよろしく御了承いただきたいと思います。
○須藤五郎君 あなたのお話を伺っていると、どうもやはりやめる意思はない。あくまでこの特定局という制度は温存していこう、やはりそれが自民党の党利党略から出た方針であるがごとく私に聞こえますから、そういうふうに私は考えて、理解して、それでもうこの質問やめます。
○委員長(光村甚助君) 私からも大臣にひとつ、答弁されなくてもいいのですが、何か共産党の人と議論されるのはけっこうですけれども、特定局舎を一挙に国有にできぬとおっしゃるのですが、それはできないですよ。しかし、昭和二十一年から全逓が要求しているということは、あなた知っていますか。もう十七年になっているのですよ。そういうことを考えずに、あなたの代で一挙に特定局舎を国有にせいなんていうことは、これはできないんです。過去のそういう歴史も調べて答弁したほうがいいです。あなたの代に一回にそれを国有にせいということなら、これはできないですよ。そういうことはやはりよく勉強して答弁しなさい。ただ共産党とのやりとりならいいですけど、委員会でそういう答弁をされるということは——もうちょっと勉強しなくちゃ……。本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十四分散会