P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ ☆
第46回国会参議院1964/05/26

大蔵委員会 第33号

発言数
58 件
登壇者
6 名
会派数
2
開催日
1964/05/26

会議録

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十日、鈴木一司君及び坪山徳弥君が辞任され、その補欠として大谷贇雄君及び青木一男君が、また二十二日、日高広為君が辞任され、その補欠として高橋衛君が、それぞれ選任せられました。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 国際開発協会の出資増加に伴う本改正法律案に関連して、大蔵大臣に三点質問をいたしたいと思います。  その前に、きょうの新聞を見ますと、藤山総務会長が政府のこれまでの金融政策、特に金利政策について批判をしているんですが、その点について大蔵大臣はどういう御所見を持っておられるか。  質問の要点は、大臣は御承知と思うのですが、第一は、これまでの金利政策、金融政策は、金利の引き下げを行なったとき、その前にたとえば高率適用とかあるいは窓口規制とか、そういうものを先に緩和して、それから金利を下げるという順序を踏んできたのに、それは逆であるというようなことについて、従来の金利政策を批判しております。それから、今後の問題としては、かりに国際収支が改善されて、かりに金利を下げても、実勢金利はこれはなかなか下がらぬだろう、こういうような政府の金利政策について、これまでの金利政策及び今後の金利政策について批判をしているわけです。  で、これはかなり自民党の重要なポストにある人の、ことに経済の専門家の意見でございますし、かなり重要な発言であると思うのですが、今後の政府の金利政策と関連して、藤山総務会長の見解に対して大蔵大臣はどういうふうにお考えになるか、この機会にお伺いしておきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御質問でございますが、藤山さんの記事は、先ほど記者会見がございまして、同じような質問がございましたが、けさ少し多忙でありまして、あまり新聞読んでおらなかったわけございます。いまここにございますが、新聞の記事だけでは、どういうふうに言われておるのか全貌がわかりませんが、日本経済は、「公定歩合引き下げても実質金利下がらぬ」、こういう題でございますので、こういう御質問だと思います。  金融調節の段階で、その具体的な方法といたしまして、公定歩合の引き上げ、それから窓口規制、それから預金準備率の引き上げという問題がございます。でありますから、上げるときもこの三つを、どれを先にするか、また下げるときも、公定歩合を先に下げないで、一番最後に公定歩合をして、窓口規制や準備率の引き下げ、また輸入担保率の引き下げというようなものを個々にやりながら、公定歩合を一番最後に引き下げる、こういうことはまあ方法としてあるわけであります。藤山さんは、公定歩合を引き下げる場合は一番最後に引き下げる、前段に窓口規制とか、準備率の引き下げとかをやって、しかる後に公定歩合を引き下げるべきだというようなことを言っておられるようであります。  しかし、これは演説の全文がわかりませんので、申し上げるわけにはまいりませんから、まあ方法論としては、そのときの情勢を見ながら、まあ買いオペレーションをやるとか、窓口規制をどうするとか、いろいろ具体的な問題があるわけでございます。私たちが過去にやりました、これは引き下げた場合のことを言っておられるようでありますが、引き下げた場合に対しては、あとからまたすぐに引き締めなければならないような状態があったのだから、やり方がまずかったのじゃないか、こういうきっと御説があると思いますが、当時としては比較的に時を見ながら適切にやったつもりでございますが、その後また金融調整を必要とするという事態が参りましたので、その場合には、引き下げたものをもとに戻すというようなことをやったわけでございます。  輸入担保率とか、窓口規制とか、そういうものと公定歩合の関係が、どっちが先でいいのかというのは、ぶつかった場合の情勢によって判断をしておるわけでございまして、どちらを先に、どちらをあとにすべしというようなことは、その事態において検討してまいるべきものであって、基本的にこれが先でなければならぬということはないのではないかというふうに現在のところ考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私も、政府の金利政策、金融政策については意見もあるのですけれども、これはきょうの委員会の主たるテーマじゃございませんから、金利政策、金融政策に関しては簡単にもう一点だけ伺って、開発協会の出資増加に伴う法案の質問に移りたいと思います。  もう一つは、最近貿易収支が少し好転したので、金融をゆるめるべきだとか、緩和すべきだとか、そういう意見も台頭しているように報ぜられておるのですけれども、今後の金融引き締め政策については大蔵大臣はどうお考えであるか、また、最近の貿易の収支の好転も、私は一時的であるように見ているのですが、大蔵大臣は基本的にこれは改善されておると見ておるかどうか、この点について伺っておきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 信用状収支を見ますと、御承知のとおり、五月の一旬におきましては五千万ドル余の黒字でございます。これも二十日、ちょうど五月のまん中ごろの数字を見ますと、一億三、四千万ドルの黒字であります。五月一ぱいを通じて見ますと、大体信用状収支では一億七、八千万ドルの黒字になるのではないかというふうに考えます。しかし、信用状外の輸入も相当大きくなっております。それから、このたびの貿易収支を見ておりますと、輸入はあまり減らないけれども輸出が伸びておる、こういうところに信用状収支じりが非常によくなっておる、こういう特徴がございます。でありますから、このような状態でずっと年度問を通じて輸出が伸びるというような見通しも現在すぐ持つわけにはまいりませんし、とにかく五月に入ってから貿易収支がよくなっているという見方はとってもいいのじゃないか、こう考えておるわけでございます。  しかし、貿易収支がよくなったから、すぐ調整段階から離れてまた金融緩和の状態に入らなければならないというような考え方は、いま持っておらぬわけであります。今度の金融調整が、前もって申し上げましたとおり、国際収支の安定、物価の抑制、それから四月一日から八条国に移行いたしまして、あと戻りのできない日本の国際競争力培養、こういうような問題も含めて予防的な立場からも金融調整を行なったわけでございますので、現在の状態をもう少し続けてまいる。でありますし、しかも、この金融調整が大企業の設備投資や大企業の生産調整ということも相当目標といたしましたので、ここで直ちに金融緩和に踏み切れるような状態ではない、またそうすべきではないという観点に立っておるわけであります。  しかし、調整が長引くことによって、中小企業その他に対しては相当金融上のしわが寄るような状態につきましては、きめこまかく、実際を見ながら、政府関係機関その他の措置をとりながら、金融調整過程において中小企業等にしわが寄らないように十分配慮をいたしてまいる、こういうのが現在の段階における考え方でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 中小企業のお話ございましたから、簡単に中小企業の問題についてもう一点触れておきたいと思うのです。  有史以来の倒産が起こっているということが新聞で伝えられておりますが、政府は、前に池田総理は、これまでの高度経済成長成策が大企業中心で、中小企業、農業を立ちおくれさした、だから、もう画期的な、革命的な近代化、合理化措置を行なう、こういう方針を出したのですが、私は、政府は真剣に中小企業対策を行なっているかどうか疑わしいと思うのです。何か、中小企業はいままで放漫経営であったから倒産するのはやむを得ないというような見解に立っているように見えるのでして、こんなに有史以来の倒産件数があらわれている、こういう事態に対して、政府の取り組み方が非常に消極的でもあり、怠慢ではないかと思うのですが、これはどうも、政府の中小企業基本法というものが、開放経済体制に移行するにあたって、日本には中小企業が多過ぎる、過当競争をやっておる、だから、それを機会にやはり整理淘汰するということが基本になっておるのではないかというようにさえ思われるのですが、この点はいかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 中小企業を整理しなければいかぬというような考えは毛頭ございません。日本における特殊な状態である中小企業を育成強化しながら国際競争力をつけていかなければならないというのが、基本的な考え方でございます。でありますからこそ、金融調整の段階におきましても、公定歩合が引き上げられても、中小企業に対する金利はなるべく引き上げないように配慮いたしましたり、下請代金支払遅延等防止法によりまして通産大臣が各企業に対しての支払いの促進をはかりましたり、また私たちも銀行から大手筋に融資をした金もひもつきにいたしまして、その中小企業に対してどのくらい流れたかという報告をみずから徴しておるような状況、また、昭和三十九年の第一四半期につきましては、中小三公庫の資金量としては前年対比二九%余も資金量をふやしております。そのほかに日銀が行ないます買いオペレーションの内容も、中小企業金融機関の率を大きくふやしましたり、また十二月以降六百五十億にも及ぶ財政資金による買いオペレーションも行なっておるわけであります。でありますから、政府が中小企業の状態に対してほんとうに万全の態勢をとらなければならないという考えのもとに、実際の施策を行なっておることは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。  にもかかわらず戦後最大の倒産件数があるということでございますが、私たちも、この問題に対しては非常に深刻な気持ちで、倒産をしたものの一件一件検討をいたしております。黒字倒産等が避けられるように、各金融機関の協力も求めておるわけであります。いままでの倒産の内容を見ますと、どうも少し放漫経営があったとか、また親会社の倒産による連鎖倒産というものもございます。自己資本が非常に少なかったと、こういう特徴が相当大きいようであります。中には、一千万円程度の資本金で、十数億というような手形を出しておって、その手形決済に事を欠いたというようなものもございます。年商五億ぐらいのものがどうして一体十一億、十二億の手形を持っているのか、私にはちょっと理解できないようなものもございます。一年間の年商が五億であるものがどうして一体十何億も手形を持っておるんだろう、こういう問題に対していま財務局を通じて十分検討をせしめておるのでございまして、この金融調整の過程において中小企業にしわが寄ったり、中小企業が非常に困るような状況にならないように、あらゆる角度から施策を行なってまいりたいと考えておるわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この問題については私もまだ意見がございますが、これは次の機会に譲りたいと思います。  そこで、次の質問は、国際開発協会への出資増加に関連して、三点お伺いいたしたいと思うのです。  第一は、政府の低開発国援助の基本方針について伺いたい。第二は、国際流動性の問題、第三は、低開発国援助の基本方針に関連して、具体的な問題として韓国及び南ベトナムに対する援助の問題を伺いたいのです。この三点について伺いたいのですが。  まず第一に、低開発国援助に対する政府の基本方針でございますが、国連の貿易開発会議の討議に見られますように、いわゆる南北問題が東西貿易の問題とともに国際的に非常に大きくクローズ・アップされているわけです。しかも、今後ますます国際経済上の重大な課題となる公算が非常に大きいわけです。そこで、今後政府は低開発国援助に対してどういう基本的な方針をもって臨むか、この点を伺いたいわけです。  前回の委員会では、援助の形式としては、政府の二国間の援助、あるいは政府の国際機関に対する出資の形とか、あるいは民間ベースの援助、こういう三つの形式があると。しかし、この三つの形式を通じて、基本的な方針としてどういう方針で臨むか。  日本は、IMF八条国に移行し、あるいはOECDに参加しております。また今後関税の一括引き下げの問題も起こるわけですが、そういう事態になって、今後の日本の低開発国援助というものは財政金融上からも非常に重要視されなきやならぬ問題です。したがって、大蔵当局としても、ただ漫然と出たとこ勝負で、たとえば国際開発協会の出資を要求されたからオーケー、これを承認する。それからまた、今後IMFの増資の問題が起こった場合、これに応ずる。そのときに起こった問題に対してケース・バイ・ケースで対処するというだけでは、今後済まなくなってくるのではないか。やはり日本の今後の国際収支の改善対策とも関連し、低開発国に対する資金援助の問題は基本的にやはり方針をこの際打ち立てておく必要があるんじゃないか。しかもまた、OECDへも参加し、日本はだんだん国際的な会議に臨む機会も多くなってまいりましたし、国際的の地位も向上してまいるといわれておりますが、そういう際に、やはり日本がかなり指導的な立場をとって、後進国のあるいは低開発国の援助に対して、日本としての方針をやはり明らかにする必要がある。そういう点から、低開発国援助に対して政府は何か基本的な方針をお持ちになっているかどうか。この点についてまずお伺いしたいのです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 後進国援助の問題は、もう今後の問題ではなく、御承知のとおりDACの問題として長いこと取り上げられ、しかも、その後国連貿易開発会議が生まれてまして、ここではもう低開発国側から当燃の要求というようなことで非常に強く要求をされ、また先進工業国も後進国援助をしなければならないという基本的な姿勢に立っておりますので、国際的な世論としてひとつ低開発国の援助は積極的にやらなければならないということが一つございます。  もう一つ、わが国の考え方としては、貿易の実態を見ますと、低開発国に半数以上の輸出がなされておるという特異な状況があるわけでございます。でありますので、この貿易の実態を見るときに、低開発国側に対して、また東南アジア諸国に対して非常に大きな出超でありますので、当然これら低開発国側の要求も入れながら、国際会議の場において、また二国間交渉の場において、日本も一次産品等の輸入に対してはできるだけ先進国としての広い態度で先方側の要求をいれなければならない。また、そうすることが日本の転出を伸ばしていく、シェアを確保していく一つの道でありますので、こういう二つの立場で低開発問題と取り組んでおるわけであります。  御承知のとおり、いまあなたが御指摘になったとおり、IMFとか、それから世銀とか、IDAとか、そういうところで出資を要求された場合には、当燃その出資を引き受けるということが一つ。  もう一つは、ガット等の場において関税一括引き下げの問題がございますが、特に後進国側の要求をいれて一次産品等できるだけ、国内の産業の影響を十分配慮しながらも、前向きでこれを受け入れるという態勢に立っております。  もう一つは、国連貿易開発会議等において論議をせられておりますように、日本の立場は非常に特殊なものがございます。先進国とはいいながら、工業的には先進国でありますが、中小企業や農山漁村部門に対しましては、まだまだすべて自由な状態にするほどの状態にないわけでございますが、この事実を述べながらも、基本的には低開発国の援助を進めるとともに、関税の引き下げとか、また国内税の撤廃問題とかというものと前向きに取り組んでおるわけでございます。  ただ、ここで申し上げたいのは、これは議論はいたしておりませんが、卒直な意見として、国連貿易開発会議における先進工業国と後進国との間には、例をとりますと、アフリカ諸国などは、長いこと君たちに搾取をせられたんだから当然今度返してもらわなきゃいかぬと、こういうような雰囲気もあるようであります。ですから、ヨーロッパにおける先進工業国は昔盛んに収奪をやって今日は返さなきゃならぬと、こういう考えに立っておる国々の中に入って、日本がそれと同じ立場でもって後進国に対していかなきゃならぬという問題は、事実問題としてたいへん苦労がある問題でございます。しかし、大勢がそういう方向に向かっておりますので、後進国援助の問題に対しては日本の実情を十分理解をせしめながら前向きで対処しておるというのが実情でございます。  三十五年には約二億五千万ドル、三十六年には三億七千百万ドル、三十七年には二億八千百万ドルというように、また三十八年には二億六千四百万ドルというように、先進工業国十カ国のうち六、七番目というように相当大きな援助をやっておるわけであります。この中には、御承知のとおり、賠償問題もございますし、賠償に付随する経済援助もございます。この間閣議でいろいろ議論もしまして、経済閣僚会議の結論としましては、国民所得の大体一%程度をひとつ後進国援助に向けるように努力をしようと、こういうことでございます。総理は、一%なんと言わぬで二%でも、目標は高いほどいいと、こういうことでございましたけれども、そうでかいことを言うよりも、一%といえばもう世界の十カ国の中の何番目かになると、こういうぐらいの数字でございますので、大体一%はやろうというようなことで、前向きで対処するということを基本的にきめておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 低開発国援助についての大体の政府の考え方はわかりましたが、いま国民所得の一%とか二%とか言われました。これの内容ですね、二国間援助を中心にするのか、あるいは民間ベースを中心にするのか、その点はどうなんですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) これは相手のある話でございますから、ですから、国連貿易開発会議でもってきまるものは日本もそれに対応していかなけりゃいけませんし、また、いま申し上げたとおり、民間ベースもございますし、また二国間交渉でもってやっていかなきゃならぬ問題もありますので、そういう問題は全部あわせながら、最も日本に有利ということよりも合理的であり、将来の投資が生かされて日本もよく、相手国もいいようにということを考えながら、ケース・バイ・ケースで対処してまいりたいという考え方でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 次に、条件なんですが、これはあくまでもコマーシャルベースで援助するのか、あとでもそれに関連して質問したいと思ってるんですけれども、たとえば韓国とか南ベトナムのように非常に政治的な援助というものも含まれるのかどうか。やっぱり条件あるいは質−質といいますか、それが非常に問題になると思うんです。問題としては、あくまでも平和的な援助なのか、あるいは、軍事的援助というものも含まれるのか。また、その援助に際しては、コマーシャルベースによるものか、あるいは政治的な、コマーシャルベースよりははるかに有利な条件で援助するということも含まれるのかどうか。そういう基本的な方針はどういうふうに考えられているか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 後進国に対する援助というものは、DACにおいては五年以上の商業ベースの延べ払いを援助とみなしているわけでございます。しかしIDAで出しておるものは丑十年無利息というようなものもあるわけでございます。国際機関を通じてやる場合は別でございますが、少なくとも無利息五十年というのは、いま日本では問題としておりません。ですから、基本的に考えられることは、五年以上の延べ払いであって商業ベースに乗るもの、こういう考え方で、軍事援助等をやろうという考えは全燃持っておりません。また、政治的に全燃加味しないというわけではありません。日本と戦争したとか、また日本が賠償をやってあるので、その賠償を生かすためにより政治的にもう少し追加して信用供与をするとか、いろいろ問題がございますが、全く政治的に援助をやるという考え方でなく、世界各国の後進国に対する援助の状況を見ながら、また日本と特別の国々の間の貿易の実態にも徴しながら、具体的な案件はきめてまいるということでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この基本方針につきまして、いままでの政府の考え方を承っておりますと、諸外国の例を見てやるとか、国民所得の一%とか二%とか、これはフランスの提案ですね。日本自身として何か、これほど南北問題が国際的に大きな問題になっているのですから、ひとつ低開発国援助に対する指導的な意見、指導的な主張というものを、この際私は打ち出してもいいじゃないか、また打ち出すべきじゃないか。  大体、世界的に、もう大蔵大臣も十分御承知のように、きのう国会で承認されました部分的核停の条約の問題も、その将来の目標は完全軍縮まで指向しているわけです。それで、軍縮問題に触れずして、基本的な、根本的な南北問題の解決なり、低開発国の開発というものは困難ではないかと思うのです。したがって、やはり低開発国援助の問題は軍縮の問題と関連させて私は主張すべきでないかと思う。一カ年に千二百億ドルも再軍備のため金を費やしているのですから、そのうち一割さいても百二十億ドルですよ。それだけ資金が浮いてくる。この問題に触れずして、低開発国援助といいましてもその資金は十分でないのです。これは国際流動性の問題に関連してまいるのでありますが、国際流動性の問題で、いま低開発国における交換性通貨の不足というものが、一番大きな問題と思いますが、そういう点から見ましても、やはりこれから日本は、低開発国の問題あるいは南北問題の解決の一つの大きなめどとして、やはり軍縮をもっと積極的にやって、それによって資金を浮かして、それを低開発国に向けるべきだ、こういう主張をやはり強くいたすべきだと思う。そしてまた、日本みずからも、日本の防衛費の増加をここで食いとめて、そして日本が防衛費に向ける分を低開発国に向けるのだ、こういう前向きの姿勢を打ち出したら、日本は非常に世界的に評価されるのではないかと、こう思います。もう世界の大勢はそうなってきているわけでして、もう五年と待たないかもしれませんが、三年、五年先はそうなると思う。ですから、日本はその先べんをつける、リーダーショプをとる、そのくらいの気持ちが必要ではないか。  私が言わんとするところは、また質問したいと思ったところは、低開発国援助の基本方針というものはそういうところに置くべきではないか。これは私の意見も含めてですね、お伺いしているのですが、前向きのひとつ御答弁を願いたいと思うのです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) まあ低開発国の援助というものが、軍縮も行なわれて膨大もない金が低開発国に回るということは好ましいことだと思いますが、現実問題としまして、一体そういうことがいますぐできるかどうか、日本もイニシアチブをとってやれるかどうかという現実問題もありますので、やはり打ち出し方としては、世界の情勢を見ながら慎重にいかなければならぬというのが、現実のようであります。  これはひとつ申し上げますと、この国連貿易開発会議でもって、君がいままで貸したものは永久になかなか返せない、これからもひとつそういうものを出してくれ、こういうことを言っている国の中で、盛んに新しい戦車を買って、ソ連のやつもアメリカのやつも、西ドイツのやつも、いろいろなものを並べておる。大体、援助を受ける国だからそういうものを買わないで、それでひとつ国民の生活レベルを上げたらどうかという話をお茶飲みの場でやると、君らはそういうことを議論する人ではない、そういうものは別な人がやるので、われわれのいま要求しておる金を出すか出さぬかだけを君らが議論すればいいんだ、そういう状態であるようでありまして、なかなかどうも援助を要求しておる側が、鉄砲とか飛行機とか、そういうものは別の必要性からわれわれは持っているので、そういうものを議論しないで、まず金を貸せろ、そういう議論を大多数がやっておるようでありまして、なかなかいま日本がイニシアチブをとりながら軍縮を大いに進めることによって、年次計画で、これだけ世界のための生活レベルが上がるのじゃない、われわれ主要工業国の製品がこれだけレベルアップした、地球上の数多い人たちが消費をしてくれるというような議論が、なかなかいま通らないようでありますので、いまそういう問題を表に打ち出すことがなかなかむずかしい現実でありますので、日本は世界の会議において、前向きで先進工業国の一員として可能な限り低開発国援助をいたします、こういう基本的な態度をとっておるわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 日本は非武装憲法を持っておるのですし、きのうの部分核停条約の討論にもありましたように、日本は原爆の被害を受けた世界唯一の国でありますし、そういう点からいっても、もっと積極的にいま軍縮の問題を取り上げ、それを単に政治的な問題だけでなく、現実に経済の問題として、やはり軍縮の問題をもっと積極的に進める必要があるのではないかと思います。  これは、この前、政府委員にも質問しましたが、政府委員の御答弁としては無理で、大臣に御質問したのですが、これ以上御質問しても、御答弁は大体いま御答弁された範囲をこえないのじゃないかと思いますが、これはわれわれ社会党の基本的な主張なんですから、意見でございますから、これに対する御答弁はけっこうです。いづれ、これは政党間の一つの争点として、意見を述べておくにとどめます。  次に、国際流動性の問題について伺いたいのですが、いま国際流動性の問題はどういうふうになっておりますか。新聞の伝えるところによれば、これはことしの九月七日ですか、東京でIMFの年次総会が開かれる。そこで流動性問題が討議されて、大体まあそこで結論は出されるのじゃないかというように聞いてもおります。それからまた、それと関連して、IMFの出資割り当ての問題ですね、それの増加、増資の問題も起こっているようです。これについてはEECが反対しているというふうに新聞では報ぜられておりますが、この国際流動性の問題について、いままでパリの十カ国蔵相会議ですかの模様を聞きましても、これは秘密であって、その内容をお答えすることはできない、前に渡邊為替局長からそういう御答弁があったのですが、いまどういう点が問題になっており、日本は、日本の政府はどういうふうに対処しようとしているか、その点を。それから、日本の政府の今後の態度ですか、対処のしかた、これについて、これは具体的な問題になりますから、大蔵大臣でなくてもいいのです、事務当局からでもけっこうですから、なるべく、でき得る限り詳細に具体的に御答弁をいただきたいと思うのです。

渡邊誠大蔵省為替局長

○政府委員(渡邊誠君) 国際流動性の問題につきましては、昨年のIMF総会の際に、IMF自身がこの問題を研究する、それから、それとは別に十カ国の蔵相会議がやはり流動性の問題を検討する、そうしてできるならば東京における総会までに何らかの結論を出したい、こういうことでございまして、昨年十月二日に十カ国蔵相の共同コミュニケが発表されたのでございます。  それによりますと、現在のところ国際流動性については問題はない、しかしながら、アメリカの国際収支が改善されていくにつれて、最近十年以上を通じて国際流動性の主要な供給源泉でありました米ドルの散布がやんでくる、そういう場合にその補完をどうするか、また各国の国際流動性の将来の需要はどの程度のものになるのか、世界経済及び各国民経済がインフレもデフレもなく発展、正常な状態で発展していくためには、将来の国際通貨制度はいかにあるべきかという問題を、大臣の代理に研究させるということになりました。  したがいまして、一方におきましては、IMF内部におきまして、これはIMFの規約によりまして五年目ごとにIMFのクオータ、割り当て額の増加問題を検討することになっておりますのにも関連いたしまして、IMFの中では国際流動性問、題を研究する。で、十カ国のほうは、蔵相代理が、十一月からすでに六回、ほとんど毎月パリに集まりまして、ことに四月にはワシントンに集まりまして、大臣会議の御下命によりましてその下請けの検討を続けておるわけでございます。大臣代理会議のほうにおきましては、IMF、OECD、それからスイスにあります国際決裁銀行からも、それぞれ代表者が参加いたしまして、十カ国の研究を助けておる、こういう状況でございます。  十カ国蔵相代理会議のほうは、大体作業を終えまして、来月の十五日にパリで蔵相の会議が開かれるわけでございまして、それに対するレポートを準備中でございます。IMFは総会が近づいてまいりましたので、総会にどういうやはり専務理事が報告するかということで、IMFのほうも具体案を検討中でございます。パリの会議にはIMFからもシュバイツァー専務理事が参加いたすのでございまして、そこで今後の流動性問題についてのIMFの研究、それから代理会議の研究をあわせて検討して、十カ国のほうは大臣が何らかの結論を出され、場合によれば共同のコミュニケが発表されるであろうという段階でございます。代理会議の内容は、これは大臣の委任を受けまして検討しておるのでございまして、御報告申し上げるまでは発表する自由がございません。また、御報告しましても、この共同コミュニケの範囲内のことしか言えないということでございます。  そういうことで、流動性の問題につきましては、非常に広範な研究が行なわれておりますけれども、まだ十カ国については大臣会議が開かれるまで、IMFはレポートを書いて総会で取り上げるまで、まだ今後の流動性対策についての方針がきまっていないという状況ではないかと思います。しかしながら、一言にして申し上げれば、現在のところは流動性についての問題はこの近い将来については起きない。しかしながら、将来の問題として、国際通貨制度の健全な運営をはかる意味において十分な検討を続けていくべきであるということになろうかと思っておるのでございます。  ただ、IMFの増資の関係は、これは五年目ごとに増資案を検討するということで、今年の末にやはり増資に関します小委員会が開かれる、設けられるということになっておるのでございます。したがって、IMFのほうは増資をどうするかという問題を今度の東京総会で取り上げざるを得ないのでございますが、IMF自身といたしましても、目下検討中でございまして、先般ニューヨークでシュバイツァー専務理事がIMFのクォータ増加は必要であるというような見解を述べておられますが、具体案についてはまだ固まっていないのではないかと推測されるのでございます。  日本といたしましては、経済が非常なスピードで伸びておりますから、どうしても国際収支のスウィングというものは大きくなっていくわけでございます。したがいまして、IMFのような国際機関を通ずる流動性の増加ということは、原則的に賛成ではないかというふうに考えておる次第でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 IMFの増資の問題についてEECが反対しているというのは、どういうのですか。新聞でそういう報道を見たのですが……。

渡邊誠大蔵省為替局長

○政府委員(渡邊誠君) これは全く新聞の推測記事でございまして、EECはIMFの増資に反対であるというような見解は、いまだかつてEEC諸国の政府当局が公式に述べたことはございません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいまの御答弁で、ここ当分の間は国際流動性の問題はたいして問題にならないというお話でしたが、それは国際流動性についていろいろ意見がありますけれども、それは世界の貿易量の増加に対してこの流動性の増加が追いつかない。まあトリフィンの見解みたいな、そういう立場に立っての流動性の問題は問題にならない。ただ、世界経済全体の立場から見て問題にならないけれども、しかし、個々の国の国際収支についてはやはり問題があるのであって、それについては個々の国がやはり国際収支の改善に努力すべきだと、そういうような方針、そういうような方向なんですか。そういう意味において、流動性はいまのところ問題にならないということなんですか。

渡邊誠大蔵省為替局長

○政府委員(渡邊誠君) 国際流動性の問題は、トリフィンが言うように、世界の貿易が伸びたらそれに必要な国際資金の需要がふえるから、流動性を増加させる何らかの方法を考える必要があるという考え方に立っておるのではございませんで、流動性の問題は結局各国民経済、各国自身の問題であるわけでございます。したがいまして、総体でどのくらいの国際流動性が必要であるかという問題の提起のしかたは、若干方角が間違っておるのではないかと思われるわけでございます。あくまでも各国自身の問題というふうにお考えいただいたほうがよろしいのではないかと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 時間がないようですから、この問題については、将来の国際通貨制度の問題としても関連がありますし、非常に大きな問題でございますので、また別の機会にもっと体系的に根本的に伺いたいと思います。  最後に、具体的な問題ですが、二つ伺いたいのです。  韓国に対する援助の問題ですが、すでに韓国に対しては日本は四千七百万ドルの清算勘定、債権を持っています。それから、中期延べ払いとして四千万ドルの債権があります。それから、食糧の延べ払い、食糧の韓国に対する輸出の延べ払いとして千八十二万ドルの債権があるわけです。こういう状態のもとにおいて、最近、日韓会談が成立する以前においても、つまり日韓の国交正常化前においても、日本の民間経済協力は請求権とは関係なく積極的に進めて差しつかえないと、こういうことを外務大臣が外務委員会で述べているわけです。それで、この点、大蔵省としてはどういうようにお考えになっているのですか。この韓国に対する国交正常化前の民間経済協力の問題、それと請求権との関係はどうなるかということですね。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、日韓交渉が、日韓間の懸案を解決するとともに、隣国である韓国との間に正常な国交を回復をいたしたいということでございます。でありますから、政府間で特別な配慮をするということではなく、日韓交渉は別に進んでおるのでありまして、それとは別に民間ベースで貿易をするということはいままでもやっておったことでございます。でありますし、民間が信用供与しようということであるならば、ケース・バイ・ケースで、こちらも十分調査はいたしますけれども、これを政府としてやってはならないというような問題ではないのでありまして、民間ベースの、商業ベースの経済協力を行なうということに対しては、差しつかえないのではないかというふうにいま考えておるわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 かりに、まあ政府の問題じゃなく民間の問題だから差しつかえないと言いますけれども、問題になるのは、こうしたすでに韓国に清算勘定ばかりでなく債権があるが、この償還能力の問題ですよね。実際もうすでに清算勘定もなかなか返せない、そのほかに延べ払いや何かまあ援助しておりますが、しかし、それの償還も非常に現在のところは悲観的です。将来さらに積極的に民間ベースで援助するという場合、一体いまの韓国の経済の実態からいって、償還が可能であるかどうか。  それは最近、大臣も御承知のように、五月三日から為替レートの切り下げが行なわれましたですね。一ドル百三十から二百五十五に切り下げられたですね。そしてこの安定基金として大体五千万ドルくらい必要だというのが、一千万ドルくらいしか安定基金として調達できないのですよ。それでものすごい物価の値上がり。為替の平価の切り下げをやらなくても、一割ないし一割五分くらいの物価が上がるだろうといわれておったのです。ところが、切り下げて、安定基金が五千万ドル予定しておったが一千万ドルくらいしか確保できない。このままいくと、物価は五〇%、五割くらい上がるんじゃないかともいわれておる。非常に悲観的なんですよ。そういう実態のもとで、これからも積極的に、国交正常化前でも民間協力、民間ベースならもっと援助しても差しつかえないということになって、どんどんやると、あとで私は——いま政府保証がないということを聞きましたですね。これについては政府の保証がないと聞きましたが、しまいにこれが取れなくなると、結局日本の政府が何かあと始末しなければならないような状態にならぬという言明、はっきり大蔵大臣はここで言明できますかどうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、オープン勘定以外はスムーズに代金決済を進めておるわけであります。それから、これから韓国の物価が高くなるとかインフレが高進するとかいうことでございますが、代金は御承知のとおりドルで決済するわけでありますので、問題ないわけであります。しかも、民間の取引につきましては、韓国銀行が保証いたしておるわけでありまして、まあ取れなくなって、政府がこれをしりぬぐいするというようなことは考えておりません。韓国というものは、これからあれだけの労働力があり、あれだけの建国に燃えておるのでございますから、少なくとも日本との通商の代金が払えなくなるという考えではなく、やっぱりわれわれが貿易をし、これから日韓交渉をまとめて請求権問題等を片づけることによって、隣国である、かつてわが同胞であった韓国というものが隆々と伸びてもらいたい、こういうことを考えておるわけでございますので、これはまあ民間が契約をした代金まで払えなくなって政府がしりぬぐいするなんという前提に立っておらぬのであります。これは韓国というものは、お互い相協力しながらよりよい韓国になってもらえる、またそうならなければいかぬ、こういうことでございますので、まあ代金が焦げつくというような心配はいたしておらないわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 結局、政府がしりぬぐいしないとすれば、韓国の要求する請求権、大体無償三億ドルですね、これが肩がわりになるんじゃないですか、結局は。その決済ができないから、それを引き延ばし引き延ばししておいて、そうして正常化したあとで、日本が無償援助する、それが結局しりぬぐいということになるのではないか、結論として。また、日本の業者も、そういうことを見越して民間ベースでやっているんじゃないか。そうすると、無償援助が担保になるというような形になるのではないか。そういうふうになるのではないかということは、この前もちょっと質問したのですが、韓国の新聞はそういうことを報道しているのですよ。そうすると、無償三億ドル援助をきれても、そういうのが差し引くと、もうたいしたことにはならぬのだと。韓国の経済復興に対してたいして役に立たないのだ。結局、現在さえネット、三億ドルというけれども、差し引き三億ドルぐらいになってしまうのではないか。そういうこともあって、そればかりではありませんけれども、この日韓会談に対して韓国の反対が民間に非常に強い。その反対の強い一つの理由として、いま私が申し上げたようなことが指摘されているのです。こういうことはどういうふうに日本の政府としては考えておられるか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 民間ベースのものは民間で考えておるわけでございまして、無償援助の中で肩がわりをするなどというようなことは、政府はごうまつも考えておりません。これはやる人が、われわれがやっても肩がわりしてくれるだろうと。これは夢でございまして、その方々がどういう考えを持っているかは存じませんが、われわれとしてはそういう前提で考えておるわけではないのでございます。  韓国新聞でそういうことを書いておるということは、どういう立場で書いておるかわかりません。少なくとも私のほうは、オープン勘定も別に払っていただく、もちろん民間が信用供与したものに対しては当然払っていただく、こういう考え方で、請求権問題とは分離をして考えておるわけでございます。しかし、これはまだまとまっておりませんから、まとまる過程において、向こう側がそれはすべてのものをこれでもって、ひとつ充ててもらいたいというような申し出があれば、これはまたそこで考える問題でございますが、現在、どうせ三億ドルも供与するのだから、それを担保と考えれば何をやってもいいんだというような考え方は全然持っておりませんということを申し上げておきます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 現在、輸銀の保証はないと聞いておりますが、そうですね。今後もやはりそうなんですか、日本の輸出入銀行の保証は。韓国に対する民間ベースでの取引について、日本の輸銀の保証というものはないのですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 輸出をするときに輸銀の金を使っておるということは、輸出でありますから、これは当然あるわけであります。しかし、輸銀が保証というのはどういうことなのか。民間銀行が金を貸して、そうしてそれを保証しておると、そういうことですか。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 輸銀は保証することができるように法律改正をいただきました。が、しかし、韓国の問題に対して、輸銀が民間金融機関の保証を始めたということは、まだ聞いておりません。ないと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ、あとでまた調べて……。  それから、最後にもう一つ、これは南ベトナムに対する援助の問題です。これはもう前も質問したのですけれども、これは大蔵大臣に特に質問したいわけなんですが、この南ベトナムの政府及びアメリカから、南ベトナムへ従来以上の、いままでよりも多くの援助を供与してほしいと、こういう要請があったといわれておるわけです。また、事実あったということを、この前質問したときに外務省の協力局長は答弁されております。これについては、大蔵省としてはどういうふうにお考えになっているのですか。この問題はいまどういうふうに処理されようとしておるのか。  前に、私は三月十日の大蔵委員会で、外務大臣に、低開発国に対する援助の問題について質問したときに、政治的な借款ですね、政治的な借款については、韓国については考えておるけれども、御国以外のところについては、政治的借款というものを低開発国援助について全然考えないわけではないけれども、しかし、韓国以外のところについては大体商業ベースでやっていけると思うと、こういう御答弁があったのですよ。  それで、アメリカ、南ベトナム政府から援助の増額が要請されておる、この援助の増額の内容、これが商業ベースのものであるのかどうか。それから、もう一つは、その中身が、軍事的なそういう援助というものは含まれるのか含まれないのか、この二点をお伺いしたいのです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 外務省のほうには何か御要請があったようでございますが、大蔵省にまだ合議をしておりません。外務省の事務当局でいま検討をして、検討が終わればこちらへ持ち込む、協議をするということになるかもわかりませんが、現在のところ、まだ私のところまで来ておらないわけです。外務省からあったら、いたします。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 こういう問題については、大蔵省もやはり非常な関係があるわけでしょう。それは単に南ベトナムだけでなく、南ベトナムに対する援助の条件とか内容というものが、またほかの低開発国に対する援助の条件とか内容に影響してくると思うのですよ。そういう意味で、やはり重要視しなければなりません。特に、いま南ベトナムは御承知のような国際的な紛争の焦点にあるような、そういうところでございますから、そういうところへ日本が政治的な援助あるいは軍事的な援助というようなものをやることになると、これは日本の低開発国援助の基本的な方針からどうもはずれるのではないかというような感じを持つわけです。その点、いまどういう話し合いになっておるのですか。それは外務当局でけっこうです。それは卒直にひとつ御答弁願いたいと思うのです。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) 援助の内容は、大別いたしますと、商品援助と技術援助の二つになっております。それで、アメリカ側の要請は、具体的な条件は述べておりません。ただ現在事務当局の間で検討中でございますが、長い間ベトナムは戦乱の地でありましたので、民生上非常に困難な状況があると考えられますので、この軍事援助とかそういうものではなくて、人道的な見地から民生の安定のためというようなことで、何か援助を供与しなければならないという見地から、事務的に現在検討している段階でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この軍事的な援助というものと関係なく、人道的な立場から民主安定に協力するという意味での援助と言いますが、これまで非軍事的な援助を行なってきたわけです、これまで。しかしそういう非軍事的な援助を行なう一方、ヘリコプターとか上陸用舟艇とか、それから歩兵銃とか手榴弾、七十ミリのバズーカ砲、対戦車砲、対戦車ロケット、六一型戦車、小型船艦、こういうものが米軍発注とかフィリピン経由などで、いろいろな形で送られているといわれておるのです。これは事実ですか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) 私の知っております限りにおきましては、そういうようなことは聞いておりませんです。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから、日本の軍事顧問団は作戦を、南ベトナムの作戦さえ指揮しているともいわれておるのです。そういう事実があるのですか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) そのようなことも私の知っている限りでは聞いておりませんでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 外務当局はみんな聞いていないというのですけれども、そういうことが新聞とか雑誌等に書かれておるのですよ。ですから、非軍事的な援助で人道的立場から援助するのだ、こう言っておりますけれども、また、それがどこまで非軍事的でどこまでが軍事的であるか、その区別が困難ですね。いままでダニム水力の発電計画ですね、これはまあ賠償を通じて援助しているわけですね。これなんかも、どこまで非軍事的でどこまでが軍事的であるか、これの区別も困難なわけですよ。そういうことから見まして、これから援助を、増額要請されて援助を行なうという場合、われわれにもうはっきり人道的な立場による援助であるとわかるようなものを援助するのか。それから、援助の額ですね。大体もう賠償は一段落したわけですね。ですから、今後どういう形での援助なのか、これは民間ベースの援助になるのか、まあ政治的な援助ということになるとどういう形で、借款という形になるのか、そういう点はどういうふうに考えておられるのか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) これまで、御承知のように、賠償と、それから賠償に伴う経済協力借款によりまして、いま先生もおっしゃいましたダニム・ダムの建設をいたしたのでございますが、来年の一月の十二日くらいから、商業ベースによりまして経済開発借款の九百十万ドルというのが動き得る状況になると考えられております。したがいまして、これは通常の商業ベースによる、民間のイニシアチブによる開発でございますから、これは合理的なものでございましたら、だんだんと進んでいくようになるのではないかと考えられております。  また、この技術援助につきましても、いろいろと現在事務的に検討中でございますが、まだ結論を得たところに至っておりませんです。  それで、このようなことは、とにかくベトナムは農業国でございますので、農業の生産力を増大することによって民生が安定してまいりますと、そこの生活水準が安定いたしまして、そうして政治的な安定が得られるのだろうという確信のもとにおきまして、こういうような援助を行なう、こういうことになっておりますが、そういうよなわけでございますので、その目的というものはあくまで人道的、民生の安定ということにあると考えられております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 技術の援助というのは、コロンボ計画に基づく技術援助ですね。それで、最後に、アメリカ及び南ベトナム政府から、これまで以上の援助の供与をしてほしいという要請を受けた、これを受けていま検討中であると言われていますが、 そうしますと、この援助は、その条件とか、いろいろこれは一応別にしましても、これまで以上に積極的に援助を行なう、そういう方針であるのかどうか。どの程度に援助を増額するのか、この点、最後に伺っておきます。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) 現在、その問題につきましては検討中でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 検討中というのはどういう意味なんですか。援助要請にこたえるということは結論として出ておって、その額とか条件とか内容ですね、そういうものを検討中ということなんですか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) いまおっしゃったとおりのことでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それではもうけっこうです。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 よくわからないから……。外務省関係に、例のチンコム、ココム、こういうようなことについて。南北問題を中心として木村委員がいま伺ったのですが、東西関係のことも出てきたのですが、こういうようなことについて何か話が出て検討されておるとか、そういうようなことがあるのかないのか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) そのようなことはございませんです。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 たとえばトラックなんかで、いままでは二トンくらいのトラック、あるいは六トンだとか八トン、十トン、いろいろなものがありますが、そういうような場合に、ここまでがいわゆるリストに適用する、いわゆる軍事力関係になる、それからミトンとか、五トン、六トンくらいまではいいという、そういう同じトラックでも積載量によって区別があるのかないのか。そんなことが新聞に少し出ておったわけですけれども、どういうような基準なんですか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) ちょっと御質問の要旨がはっきりわからないのですが……。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 トラックというと、車種で、トラックという種類でリスト・アップされているのか、そうではなくて、積載量でそういうような区別をされているのですか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) 実は、私いま御質問に対して考えましたときに、チンコム、ココムは、実は共産圏に対する輸出の規制の問題でございますので、特に南ベトナムの問題は、ちょっと別の問題ではないかと考えております。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私の聞くのは、東西貿易と関係して聞くわけです。いわゆる共産圏貿易の関係で私は聞いているのです。それに対して、ココム協定があってできない、その場合には、たとえばトラックという一つのそういう車の種類で、そういうものできまるのか、積載量できるのかと言っているのです。どちらできまるかと言っているのです。ちょっとそれは問題が別でしょうか。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) これはいま私詳細なことを存じませんので、調べてお答えさせていただきたいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そういうことを取り扱うのはどこで扱っているのですか、いまは。

番徹夫外務省アジア局外務参事官

○説明員(番徹夫君) 経済局の東西通商課でやっております。ここで所管いたしておりますので……。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 本案に対する質疑は、本日のところこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗