大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/01/28
会議録
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨年十二月二十三日、戸叶武君が辞任され、その補欠として成瀬幡治君が選任されました。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 先般、租税及び金融等に関する調査のため、中京、関西、四国及び九州方面に委員を派遣いたしましたが、この際、派遣委員から報告をお願いいたしたいと存じます。 まず、中京、関西方面に行かれました第一班にお願いします。柴田君。
○柴田栄君 中京、関西班は、柴谷理事、大竹委員及び私柴田のほか、新谷委員長、西川理事の現地参加を得まして、去る一月十日より十五日までの六日間、名古屋、大阪、京都地区を中心として、財務局、国税局、造幣局、税関、専売公社地方局より所轄業務の執行状況について、また道路公団、建設局より名神高速道路の施工状況についての説明を聴取するほか、冬地区における代表的な主要工場を視察し、物品税の徴収状況並びに自由化の進展に伴う影響等について懇談を行ないました。また、大阪においては、特に金融業界及び酒造業界の代表者の方々と懇談いたし、現下の諸問題について種々意見の交換を行なったのでありますが、その詳細については後日関係案件が審議される際に触れることとし、ただいまはごく簡単に、各地の経済情勢なり、各業界より聴取いたしました要望事項のおもなるものを申し上げたいと存じます。 私どもの参りました派遣地は、日本の主要産業経済圏でございます関係上、地方の特殊性といったものを特に指摘することはできません。中央の施策も若干のおくれこそあれ、そのまま反映いたしておるような実情でありまして、したがって、要望を受けました事項も全国共通な問題として処理さるべきものが多いと思われます。 最近の金融経済情勢の推移を見ましても、大体日本経済の動きとほぼ同じ経過をたどっております。生産、消費は引き続き高水準にありますが、貿易収支は輸入の増勢のため悪化傾向を見せ、物価は上昇傾向を示すなど、先行き警戒すべき気配を示しております。また、金融面におきましても、昨年末以来とられておりました一連の金融引き締め政策の影響がぼつぼつあらわれ始めており、特に中京、関西地方は繊維関係業界をかかえておりますだけに、この面では相当深刻な様相を呈しているように見受けられました。今後金詰まり傾向も一段と激化するものと予想されまするので、中小企業金融については特に慎重な配慮を講ずべき必要があるものと思われます。 なお、この際御参考までに申し上げたいと思いますることは、雇用関係についてであります。両地方とも全国的傾向と同じく労働需給は逼迫し、新規中学卒業者に対する求人難が深刻となっておりまするが、特に中京地方は逼迫の度合いは全国一であろうといわれております。この要因としましては、近県に労働力の供給地が少ないことと、東北地方、九州、四国地方等の余剰労働力がいずれも関東、関西地方にそれぞれ吸収されるために、両者の中ばさみとなって非常に窮迫した情勢に置かれておるからであります。したがって、ある経営者は、中京地方における中小企業の最大のネックは金の問題ではなく、人の問題であるとさえ申しておりました。 次に、国税問題について申し上げます。 全国収納額の一〇%を占める名古屋国税局と、その二四%を占める大阪国税局とも、収納状況は順調でありまして、昨年十一月現在の収納済み額前年比を見ますると、名古屋は約一九%、大阪は約一四%と順調な伸びを示しております。 この内訳を見ますると、名古屋では、源泉所得税が一九%増、法人税、申告所得税がそれぞれ一五%増と平均的な増加傾向を示しておりまするが、酒税の一七%増、物品税の三〇%増は、ビール会社の新規進出と輸送機械の増産等による特殊事情によって招来されたものと思われます。大阪では、源泉所得税が一五%増、申告所得税が一六%増、法人税一四%増、酒税一七%増と、 これまた主要税目は高い伸び率を示しております。なお、申告所得税のうち特に譲渡所得関係の伸び率が高いのは全国共通の傾向であろうと思います。 現在、国税当局が最も関心を持ち、その処理に苦慮している問題として、民主商工会及び労音、労演の動きが注目されております。特に民主商工会の活動はきわめて活発でありまして、名古屋では連合会、支部を含めて約三十くらいの組織があり、会員数は大体八千人程度、大阪では会員数五万九千人と推定されておりますが、会員の増加傾向が急激な点は注目すべきものと思われます。民主商工会に加入しているものは申告水準が一般に低く、過少申告を提出するのが通例となっておりまして、これに対し当局側としても積極的な調査を行ない、名古屋の例をとると、調査件数二千二百件のうち更正決定した数は八八%、千八百件に達し、所得額も申告額よりも一五〇%程度の増加が見られているようであります。名古屋、大阪地方とも民主商工会の中心地でありますだけに、民商としても全国税労組の支援を得て相当力を入れてその発展を期しているところでありまするから、政府としても今後の推移については十分監視するとともに、両者の対立を解消する具体策を急速に打ち立てるべきであると思います。また、これに並行して、私ども大蔵委員会といたしましても、できるだけ早い機会に両者間の調整をはかって納税者の不信感を一掃させる責務があるのではないかと痛感いたしております。 次に、名神高速道路の建設状況について申し上げます。 御承知のように、この道路は西宮より名古屋まで、全長約百九十キロメートル、総幅員二十四メートル四十、四車線の高速専用道路でありまして、現在のところでは、尼崎より滋賀県の栗東までの七十一キロメートルが完成しており、尼崎から西宮までの七キロメートル、栗東から小牧までの百十一・六キロメートルが建設中でありまするが、本年三月末までには一宮まで開通する予定であるといわれております。 この道路は諸外国にもその比を見ないほどりっぱな道路といわれておりますが、現在のところは何分にも半分しか完成していないため、産業道路としての使命を果たすことができず、観光道路として利用されている点にかんがみ、速急に全線を貫通せしめて、その経済的効果を十分に発揮させるべきが緊要であると痛感いたしました。 名神高速道路は数年後にはいずれ東名高速道路と連絡することになるわけでありますが、その完通の暁には、日本経済の動脈として、その経済的効果ははかり知れないものがあると思われますので、このための財政資金の調達、技術者の確保については格別の配慮を払うべきであると思われます。 ただ一点注文をつければ、せっかく高速道路が完備しても、インターチェンジと隣接都市とを結ぶ道路が整備されてないために、利用者の不便はたいへんなもので、この点国なり地方との緊密な連携を持っていただきたいと存じます。 次に、各界からの要望事項について申し上げます。 第一は、国税局、財務局など各官庁共通の問題であろうかと思われまするが、職員の宿舎の増設について強い要望がありました。中でも税務担当の職員は、仕事の性質上ひんぱんに移動させられるために、特に配慮されたいとのことでありました。現在両国税局とも約二〇%前後の住居不安定者がいるといわれておりますが、他の官庁も同様に住宅問題は勤労意欲を阻害する最大の要因といわれておりますので、宿舎増設費の確保について配慮されたいとの要望がありました。 また、これも国税局関係のみの問題と思われますが、終戦後の業務拡大に伴って、現在職員の構成が三十歳から四十歳までのものが総員の過半数を占めるに至っており、当局としてはこれらに対し資格なり給与面での優遇措置を講ずることが困難なため、最近では民間への転出が続出している傾向にあります。このため業務の遂行に支障を来たす結果となっておりまするので、専門職を増設する等の方法を講じられたいとのことであります。今国会に予定されている税理士制度の改正にあたっては、税制調査会の答申どおり税務職経験者の無試験資格取得を織り込まれることと、老朽度の激しい税務署庁舎の新築を促進されたいとの要望がありました。 第二は、金融業界からの要望でありまするが、開放経済体制下においては預貯金の促進は緊要事であるから、この際は高い見地に立って貯蓄増強のため積極策を講ずべきであること。したがって、理論的には問題もあると思われますが、この際利子所得の免税措置を講ずべきであり、同時に預金の秘密性を保持する必要があること。また、物価の上昇など先行き不安の際、景気を刺激するような大型積極予算化をセーブすべきであり、かつ予算の編成にあたっては特に中小企業育成のための資金確保に努力されたいこと。また、証券問題について、株価の安定策としては、支払い配当分の税率の引き下げ等目先的には効果があがる政策を打ち立てることよりも、もっと本質的な面まで掘り下げて、政府、政界ともに資本市場の育成という根本問題について深い認識を持つべきであるとの強い要望がありました。 第三は、酒類業界より多数の要望が、ございましたが、特に以下五点について申し上げます。 その一つは、清酒、みりん等酒税は逆進性も強くいまだに過重となっており、清酒については業界のかねてよりの主張である三割以上の減税幅のうち一割程度しか実現されていないから、その完全実施を、またみりんについては、他の酒類のような致酔飲料とは異なり、調味料的性格を持っているものであるから、大幅な減税を実施されたいこと、また従価税の対象となっている特級酒のうち、税額より控除される容器代は実情に即していないので改正されたいこと。 その二は、昨年、中小企業近代化促進法の指定業種に清酒製造業が指定されているが、特別ワク内の資金確保についてはいまだ確定されていないので、決定に際しては優先的に配慮されたいこと、しょうちゅう乙類製造業も、中小企業近代化促進法の指定業種に指定されたいこと。 その三は、清酒の増産をはかるためには、所要の良質の酒造米を確保することが先決問題でありますが、最近の入荷状況を見ると、必ずしも適格米が入手できる情勢とはなっておらないので、酒づくりの季節的制約をも考慮して早急に対策を講ぜられたいこと。 その四は、最近合成酒業界においては、米を一〇%まで使用したリキュール類の製造を検討していると聞いているが、かりに、もし製品化されると、合成清酒よりも米使用率が増加するにもかかわらず、税率は逆に低くなり、一升当たりでは合成清酒よりも四円五十一銭安く、清酒二級よりも四十六円五十四銭安くなり、分析上では精酒とも合成清酒とも判別のつかない酒類が出回ることになって、酒類業界に混乱を来たすことになりまするので、現行酒税法の不備によってこのような製品の出現も可能となっておりますることは、清酒業界としては非常に不安であるから、この際酒税法を改正して、リキュール類の定義を明確に規定する必要があると思われること。その五、最近ビール業界では新規進出したビール会社と旧三社との間に激しい販売競争が行なわれ、遊休設備をかかえて不測な損害をこうむっている会社もあるやに聞いております。また、海外市場での過当競争は国民経済の見地から見ても損失であり、許すべからざるものと思われるので、監督当局は販売面における調整をすみやかにはかるべきものと思われることであります。 最後に、物品税について申し上げます。電機製品製造業者の取り扱う物品の大部分は物品税の対象となり、その納税額は会社経理上高いウェートを占めておりまするが、その法定納付期間は担保提供条件を含めても三カ月であるのに対しまして、実際に消費者から売り上げ代金を回収する期間は四カ月でありまするため、製造者が巨額の立てかえ分を負担することとなり、会社経営を圧迫する要因となっておりまするので、延納期間を実情に即するよう改正されたいこと。また、現在暫定軽減措置がとられているステレオ等の期限到来するものについては、その生産、普及状況等にかんがみ、従前どおりの税率に据え置かれたいこと。また、現行の輸出所得控除制度が本年三月末をもって廃止され、これにかわる措置として輸出特別償却制度等が検討されているが、軽電機製造業者の場合、新制度では課税所得が著しく増加することとなるので、何らかの優遇措置を講ぜられたいとの要望がありました。 以上、それぞれの業界よりの要望事項について要約してその大筋のみを申し上げ、派遣報告といたすわけであります。以上。
○委員長(新谷寅三郎君) 次は、四国方面に行かれました第二班にお願いいたします。
○柴谷要君 四国班は、天田理事、川野委員と私とが参加し、租税、金融及び専売事業につき、四国財務局、高松国税局及び日本専売公社高松地方局管下における、それぞれの所掌業務を中心として調査を行ないました。これら業務の一般概況につきまして詳細に申し述べることは割愛いたしまして、以下特異な事情、今後配慮を要すると思われる事項等につきまして御報告いたします。 まず、財務関係について申し上げます。 四国財務局管内の金融の状況について見ますと、地方銀行四行、相互銀行六行、信用金庫二十二金庫の昨年十二月の資金量は五千五十二億円、融資量は四千百三十九億円に達し、一昨年同期に比較して総額としては順調な伸展を示しております。ただ、金融機関別資金量の構成を見ますと、全国平均に比較して銀行が低いのに対し、相互銀行、農協、郵便局等の中小金融機関と系統金融機関の資金量のウェートが特に高いのが特色として指摘されます。これはとりもなおさず四国における産業経済の実態を反映したものでありますが、特に信用金庫の資金量は、預金量十億円以下の小規模金庫が多いため、一金庫平均十五億円とかなり下位にあるのが目立ちます。融資対象としては中小企業がほとんどであり、銀行、相互銀行、信用金庫等の業務分野は明確でないようでありまして、これら小規模信用金庫のあり方については適切な指導が望まれます。 証券業の現況について見ますると、株式売買高は、昨年四月に一億九千百万株と戦後の最高を記録したものが、ドル防衛措置等の影響の結果、十一月には五千六百万株と半年の間に三分の一に激減しており、投資信託について見ましても、ユニット型投信及び公社債投信は若干純増を示しておりますが、オープン型投信については解約が目立っております。 四国財務局管内には証券業者は四十五社あり、管外本店業者が二十社、管内本店業者は二十五社となっております。管内本店業者はすべて非会員業者であり、その株式売買高に占める比率は三割にすぎません。また、管内本店業者のうち資本金の最高は二億円でありますが、法定最低資本金五百万円の業者が五社もある現状であります。証券業者の最低資本金は御承知のとおり昨年六月の政令改正で二千万円に引き上げられ、四十年十二月までに実施しなければならないのでありますが、これに該当するものは実に二十二社を数えます。これらの業者は法定期限までにはすべて増資する予定といわれ、ただいまのところ合併、廃業等の動きはありませんが、小会社が増資しても、これに伴う売買高が確保できないため、増資後の過剰資金の運用に苦慮して、一部統合、廃業等を余儀なくされる業者が出るものと予想され、当局は常に適切な指導を怠らないようではありますが、大衆投資家に迷惑をかけぬよう十分留意することが望まれます。 次に、財務局及び財務部の業務で目立ちますものは、災害の査定立ち会いであります。昨年は四月から六月にかけての長雨、六月の三号台風、八月の九号台風等のため大規模な被害を出しており、財務当局の災害復旧事業検査立ち会い等の業務は実に一万件近くに達しておりますが、被災地に山間僻地が多く、その上人員、予算ワク等に制約されてだいぶ苦慮している様子でありまして、今後予算措置等の面で格別の配慮が必要と思われます。 四国における国有普通財産の現在額は三十二億円でありますが、政府出資等を除く財産額は九億円にすぎません。旧軍用財産の大部分は処理済みでありまして、未済なものには零細な雑種財産が多く、管理処分に腐心しております。なお、旧軍用財産の貸し付け、について、市内中心部の旧歩兵連隊あと地の膨大な土地を市当局に貸し付け、これを競輪場に使用せしめている事例がありますが、その適切性については再考べきではないかと考えます。 また、不法占拠等の要処理財産は一千二百七十五件あり、本年度の処理計画は四百七十四件とされ、十一月現在、売り払い、貸し付け、返還、訴訟移行等百四十三件が処理され、年度中には処理計画を達成する見込みのようでありますが、不法占拠者には極端な悪質者は見当たらないようではあり、管理処分の適正を期するためにも、また海浜等の占拠者の防災等の見地からしても、可及的すみやかな処理が望まれるところであります。 次に、国税関係について申し上げます。 四国国税局管内の昨年十一月現在における国税収納金整理資金収納状況を見ますと、過年度分を含む徴収決定済み額は百八十三億円に達し、収入歩合は九五・四%と前年同期の九三・三%を上回る好成績を示しております。 課税状況で特に目立った点は、源泉所得税のうち利子所得税額が顕著に伸びたことであります。すなわち、三十三年度わずか六千二百万円にすぎなかった税額が、三十七年度には三億九千七百万円と六・四倍にも達しております。これは過般の改正を契機に金融機関が自発的に課税処理をして訂正してきた結果を如実に物語るものであります。 法人税関係では、国税局調査課所管法人数が三十七年度の二百七十四法人から三十八年度の百三十九法人に著減しているのが目立ちます。これは調査課所管法人の資本金が三十八年七月から五千万円以上と改められた結果に負うものにほかなりませんが、その業務量の負担が局から署に転嫁されたわけであって、法人税の専門担当官を署に配置がえして処理をはかるよう努力したといわれます。 酒税について見ますと、四国地区は小規模な清酒製造業者が集中しているのが特色でありますが、免許場数は三十三年度の二百九十五から三十七年度の二百八十一に減少しております。これらの業者のうち三割は灘の大手業者へのおけ売りに依存しており、次第にその系列下に収容される傾向にあります。ただ、世襲的企業でありますために、共同びん詰め等の共同化には抵抗を感ずるようでありますが、恣意的な経営者主観に拘泥せずに企業対策を積極的に講ずる必要が指摘されるのであります。酒税関係につきましては、業者からの要望もありますので、後に申し述べます。 次に、民商の取り扱いについて申し上げます。四国地区には、民商は二十三団体、加入者一千二百七十七名、うち法人が百七法人あり、特に愛媛県下は加入者が七百三十名と多く、三十五、六年ごろから松山市を中心に調査拒否等の行動が熾烈になったといわれます。ことに松山税務署においては、三十六年六月に署員が暴行を受けて全治二カ月の重傷を負う事件が発生し、三十八年四月、被告三名に対し第一審において体刑の判決があり、現在は高松高裁において審理中でありますが、本人も悔悟の情を示しているといわれます。また、同署の本年度の概況調査の際には、妨害されて、二十六件の調査不能を出したという報告に接しました。高知税務署の場合は、来署されても他の執務の妨害になるような状態のもとでは面接を拒否し、調査の際の立ち会いはこれを排除する等の基本線を定めて対処しており、これら第一線税務職員の苦労を察した場合、国税当局はもとよりのこと、国会においても、税務行政が円満かつ公平適切に行使できるよう、その取り扱いについての結論を早急に打ち出す必要があると痛感いたしました。 また、労音、労演関係の入場税問題について見ますと、新居浜、松山、今治、宇和島等を中心に、百三十六万円余の課税決定を見ておりますが、納入額は皆無でありまして、現在では異議申し立てを却下し、協議団において審査中であります。 次に、国税局関係で注目されることは、職員定員の漸減傾向であります。局署合計の施設職員を含めた定員数は、二十四年度に三千六十七名であったものが、十年後の三十四年度には二千五十六名と約一千名減少し、さらに本年度には一千九百四名に縮小されております。これは東京、大阪局管内が定員の漸増傾向にあるのに対し対照的な事情でありますが、業務量は減少しないにもかかわらず、東京、大阪局等に経験十数年の優秀職員を吸収される結果となり、税務行政の簡素化、合理化が強く望まれております。 なお、財務、専売関係についても言い得ることですが、特に転勤率の高い税務関係について強調しなければならない点は公務員宿舎の不足であります。国税関係の公務員宿舎は、三十八年度設置計画を合わせ、省庁別二百五十二戸、合同宿舎百五十六戸のほかに、国有と借り上げの寮が若干あるにすぎず、約千九百名の職員のうち五百名以上の住宅不安定者がいる状況であります。特に松山税務署の場合は、副署長制を置くAクラスの署でありながら、署長宿舎が本年六月に完成するというほどの非充実ぶりであります。かかる状態のもとでは、転勤率の高い税務職員の人事管理の運営に少なからざる支障を来たしているのでありまして、早急に宿舎対策を拡充強化する必要が痛感されたのであります。また、宿舎用土地購入単価等も地価高騰の実情にスライドせず、両三年のズレがあるようにいわれておりますが、十分考慮すべきであると思います。 次に、専売事業関係について申し上げます。 たばこの販売状況では、三十八年度十二月までの実績で、代金面で対前年度一〇%の伸びと好成績を示しておりますが、昨年の長雨、九号台風等のため、葉たばこ生産及び塩の生南面でだいぶ打撃を受けております。葉たばこ生産面では、三十八年度十二月までの実績によれば、前年度に比して量目、代金ともに減少し、十アール当りについて見ますと、量目では三〇%の減収、代金では二〇%の減収を示しており、奨励金、災害補償金等でかろうじて一〇%減収程度に維持している状態であります。 塩生産面では、御承知のとおり、全国生産量の三分の一を占める産地でありますが、昨年前半には五〇%近くの減収を記録し、その後持ち直して現在では二〇%程度の減収といわれております。かかる状況のもとで、塩業者は再製塩によって救われている実情であり、特に採かん業者の収支状況は悪化しているようであります。 次に、塩田整理及び転活用の状況について申し上げます。三十四、五年の塩田整理は、明治四十三、四年の第一次、昭和四、五年の第二次に引き継ぎ第三次整理といわれ、全国の整理面積は二千ヘクタールでありますが、高松地方局管内の整理面積は五百三十ヘクタールに及びます。この廃止率は香川県下の場合は二三%になります。また、製塩能力で見ますと、整理塩量は全国で四十万トン、高松地方局管内で十一万トンであります。整理資金の交付額は全国で百十四億円でありますが、同局管内では二十九億円という実績を示しております。この結果、工場数は三十五が十一に、また従業員数は三千二百五十人が一千五百五十人に縮小されたのであります。 廃止塩田の転用率は香川県下が六三%、愛媛県下が三五%にすぎず、両県下を通じ約半分に当たる二百七十五ヘクタールが未活用の状態であります。廃止塩田を好条件下に利用しているものとしては、養魚場、木材工業等がありますが、臨海工業地帯を造成しようとする構想も、廃止塩田が分散している上に小区画である等のために意にまかせぬ実情のようであります。 坂出市におきましては、廃止塩田をも含め、番ノ洲埋め立てによる港湾計画を実施中でありますが、財政的な支援をすることにより、このような計画をも含め廃止塩田の活用をはかることは、今後研究すべき重要な課題であると考えます。 高松地方局の松山工場は、設備の最もおくれた工場といわれ、たとえば一千万本当たり実働時間を見ても、近代化された茨木工場などの一千五百時間に対し二千七百七十時間という実情にあります。しかしながら、職員の勤務状況はきわめてよく、毎月の製造予定遂行率も常に一〇〇%を上回っております。ただ、両切り紙巻き機が旧式な一型のため、成績を向上させるネックとなっております。当事者は二型の導入を強く希望しており、一型は他に転用する方法もあるとのことでありますので、しかるべき配慮をすることがこの際必要であると考えます。 最後に、酒造業者からの要望について申し上げます。 第一点は、清酒原価の高騰にもかかわらず販売価格の引き上げが不可能であるから、酒税率を二割程度引き下げられたいとの要望であります。また、先回の酒税法の改正により酒数の種類区分が変更された結果、一級酒のみが売りやすくなったが、四国地区は小規模な二級酒業者が多く、銘柄も著名でないため、広く販路を求めることも困難であるから、特に二級酒の税率を引き下げるようにされたいという強い要望でありました。 第二点は、昨年九月、酒造業は中小企業近代化促進法の業種指定を受けたが、中小企業近代化資金の割り当てがきわめて少額であり、たとえば徳島県のごとき機械的に計算すれば一件当たり十万円にすぎない程度であるので、近代化を促進し適正規模化をはかって法の期待に沿うためには借り入れ金により採算を度外視しなければならない。財政商品を製造する業者に対しては、この際、格別の資金措置を講じてほしいというものであります。 また、中小企業近代化促進法に基づき、近々、清酒業者の第一次計画による適正規模が四十三年までに五千石と定められるようであるが、現状では合同等がきわめて困難な事情にあり、業者に不当な圧力を加えないよう、適正規模化へのテンポを緩和するよう格別に配慮されたい旨の要望もありました。 第三点は、原料米の確保を促進されたいとのことでありまして、岡山、兵庫県等の収穫が予想以上に悪かった等の事由で、原料米の手当てが著しくおくれているが、高温地方では醸造期間に制限があるので、すみやかに優良な原料米を手当てされたいとの要望であります。 以上、調査結果の、いわば特記事項のみを御報告申し上げたわけでありますが、今回の調査を通じ、財務、国税、専売関係の職員各位が熱意と責任をもってそれぞれの業務に精励し、上下融和し合って業績をあげております事実に接し得まして、まことに喜ばしく感じましたことを、この際特に付言いたしまして報告を終わります。
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、九州方面に行かれました第三班にお願いいたします。
○野々山一三君 第三班の報告を申し上げます。 第三班は、佐野委員、日高委員及び私の三人で、一月十日から十五日まで六日間、福岡県及び鹿児島県において、租税、金融並びに専売事業等について、当局から説明を聴取するとともに、関係各界と意見を交換するなど、調査を行なったのでありますが、その主要なものにつきまして簡単に報告を申し上げます。 まず、北九州における経済等の概況のうち、おもなものについて申し上げます。 三十七年十月の金融緩和措置による景気回復とともに、翌年二月から上昇した鉱工業生産は、漸次その水準を高め、十月には機械工業の二倍強の増産を中心に多業種の上昇を見、前月比二〇%余の上昇をいたしましたが、十一月はこれが反動減で前月比一二%余低下いたしているのであります。 石炭は、三十八年度の九州地区の出炭目標二千六百六十万トンに対し、十一月末の達成率は六〇・五%であり、前年同期に比べて百七十四万トンの減少となっているのであります。これはスクラップ化が合理上化よりその速度が進んだこと、労働者が減少したこと、能率が低下したことなどが原因とされているのであります。その反面、石炭の引き取り、売れ行きが活発で、七月に百五十万トンの貯炭も、十月には百万トンを割るということになり、三池事故による出炭減もあり、十二月末推定貯炭量は四十五万トンと、三十七年以降の最低となるものと見込まれているのであります。 鉄鋼の生産も、景気回復に伴い、五月以降増産傾向を示し、十月以降は粗鋼生産制限の撤廃に踏み切っているのであります。 雇用面においては卸小売り、金融保険、運輸通信、建設関係で、二ないし五%の増加を示したのに対し、製造業は〇・八%、石炭を中心とする鉱業は二一%余の大幅減少となっており、中高年齢求職者の滞留が目立つとともに、若年労働者が不足しているようであります。 消費も、景気調整でその伸びは鈍化しても、依然堅調でありますが、全国比より見れば、その増加率は低いようであります。 金融一般については、三十八年一月から十一月までの預貸金の伸びはともに前年同期を上回る伸長率を示しましたが、その後の日銀の一連の引き締め政策は、コールレートの下げどまり、都市銀行の貸し出し規制強化等漸次そのきざしを見せておりますが、年末金融は平穏裏に行なわれたようであります。すなわち、年末の売り上げが好調で企業が潤ったこと、金融機関の資金繰りに余裕があったことなどが考えられるようであります。 以上が概況でありますが、財務局労働組合から、今回の臨時行政調査会においては財務局並びにその出先機関の改廃を答申するやに聞いているが、これらの職場が現在までに果たした役割りとその実態を十分考慮されて、安心して財務行政に専念できるように努力されたい旨の陳情がありましたことを申し添えたいと思います。 そのほか税務行政、税関業務、専売事業等につきましては、特段に申し上げることはございませんが、国税局当局から、職員の特殊事情として、年齢構成及び経験年数の高いわりに役付になれぬ者が多いので、係長、課長及び専門官職の増加配置について、職員の住宅の増設、既設宿舎の改善、完備などについて、職員でその子弟を教育のために都市に残して転勤する者が多いので、これが厚生施設について、また税務調査のための出張旅費日額の増額、増配について、それぞれ要望がございました。 なお、八幡製鉄所及び若戸大橋を視察いたしましたが、若戸大橋につきましては、その通行料が、たとえば普通乗用車三百円、普通貨物車三百五十円でありますが、いま少し料金が低額ならば、利用度も多く、したがって収入も公団において予定する額は十分確保でき、結果的に利用度を高め、償却を早めることができるのではないかとの、地元からの強い要望がありましたことを申し上げます。 また、北九州市を訪ねましたが、その際、北九州市が、既成有力、五市対等合併という特殊性が市政に大きく作用するとともに、五市合併の経過措置に基づく制約によって、自主財源に乏しく、したがって独自の市政を行なうということは非常に困難なので、市の合併特例に関する法律の趣旨を尊重され、特段な国の援助と法的な措置を強く要望されたことを申し上げます。 次に、鹿児島県における経済等概況の主要なものについて申し上げます。 本県は生産性の低い農業を基盤とするいわゆる後進県で、一人当たり県民所得は、三十六年において七万八千円という全国最下位であります。本年度は、後半天候の回復とともに主要農作物が豊作となり、これらの影響で銀行等の四月ないし十一月の貸し出しは一九・四%の伸びを示し、預金も一九・五%とわずかながら貸し出しを上回っております。したがって、年末の金融も平穏に推移した模様であります。 消費につきましても、デパートの売り上げは、前年に比し約一七%伸びております。卸売り物価及び小売り物価につきましては、前年に比し、八・三%及び六・一%の高騰を示しております。 また、雇用面におきましては、新規学卒者は県外に就職する者が多く、三十五年六月において中、高校卒県外就職者は二万人余、三十六年において一万九千人余、三十七年において二万三千人余、三十八年においては二万五千人余に上り、地元では若年労働者の不足をかこっているのが実情のようであります。 次に、税務に関するもののうち、本県の特産であります、しょうちゅう乙類について申し上げます。県下における、しょうちゅう乙類の製造免許場は百六十四カ所に及び、そのうちの七〇%は百キロリットル以下の小規模なものであります。これらは昭和二十八年以来生産規制を行ない、消費に見合った生産を行なうとともに共販制を行なっており、かつ年々消費が三ないし四%伸びておりますため、比較的平穏安易に推移してきたようでありますが、近時各銘柄の格差による販売競争の激化、清酒、ビールの消費の伸び、及び嗜好の変化による消費面の圧迫は、ようやく業界もこれが対策の必要を認めつつあるようでありますが、生産及び消費の範囲がおおむね南九州に限られていたため、生産、販売及び経営の面において企業的努力が十分でなかったようであります。酒造組合との懇談におきましても、この点に関しまして、業界の合併、合同、協業等近代化を進めるために、清酒製造業と同様に、しょうちゅう乙類製造業も中小企業近代化促進法の指定業種として指定を受け、近代化資金の利用その他の利益を受けられるよう要望がございました。なお、この懇談におきましては、清酒製造業に対する近代化に要する資金の確保について、また、先般の酒税の引き下げによる税収入への影響の少ないことにかんがみ、さらにこれが引き下げについて、それぞれ要望がございました。 鹿児島税務署当局からは、前述の福岡国税局と同様の職員の待遇に関する要望がございました。 税関業務につきましては、入出国旅客数において、羽田支署に次ぎ全国第二位にある鹿児島税関支署は、対琉球、香港、韓国、東南アジア等との貿易の伸展に対処するとともに、各離島を含む長大な海岸線の密輸取り締まり等事務量も逐年増加し、これが処理、取り締まりには、担当職員の不足もあり、その配置に苦慮されているようであります。 専売事業につきましては、鹿児島地方局管内における状況は、一時減少したたばこ耕作面積は逐次増反され、昭和三十九年度は七千百ヘクタールの面積が見込まれているようであります。鹿児島地方局を視察いたしましたが、工場の機械設備並びに庁舎が老朽化しておりますので、最新式機械への更新並びに庁舎の改築が計画されております。しかし、これが実施は昭和四十年以降となるようでありますが、すみやかに実施されるよう特に希望がありました。 終わりに、銀行等金融関係の方との懇談におけるおもなものについて申し上げます。 公定歩合に対する関心は非常に強く、当局のこれが政策については、慎重な長期の見通しに立った安定したものを希望するとともに、零細企業に対する国の金融面からする厚い施策と、実施面における行政事務の簡素化、及び敏速化が希望されました。 また、中小零細企業が事業資金の不足及び緊急必要に際し、やむを得ず利用する、いわゆる町の金融機関の融資は、高利な上に正規のルートによる流通秩序を乱している事実が顕著のようであるから、当局においてこれが対策を講ぜられるとともに、これらの資金が正常なルートにより運用されるよう措置をとられたい旨の要望がありました。 さらに、地域格差を是正するための施策、特に観光事業等に対する長期資金の貸し付けについても、当地の特殊性を考えて格段の配慮を要望されました。 以上きわめて簡単でありますが、報告にかえる次第であります。
○委員長(新谷寅三郎君) 他に御発言もないようでありますから、派遣委員の報告は以上をもって終わることにいたします。 この際、御報告をいたしておきますが、先刻理事会で打ち合わせました結果、次回の委員会は二月四日午前十時開会することにいたしまして、参議院先議の案件の提案理由の説明を聞きました後、審議に入ることにいたしたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時七分散会