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46回国会参議院1964/06/26

石炭対策特別委員会 第10号

発言数
39
登壇者
7
会派数
3
開催日
1964/06/26

会議録

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) それでは、ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会について御報告いたします。  本日は、鉱山保安法の一部を改正する法律案について、前回に引き続き質疑を行なったあと、討論、採決を行なうこととなりましたから、御了承願います。  なお、その後、請願の審査についておはかりすることとなりましたから、これまた御了承願います。     —————————————

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) では、鉱山保安法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

牛田寛公明会

○牛田寛君 鉱山保安法の改正はこれまでにも何回か行なわれてきたわけでございますが、鉱山保安については、これはもういままで当然のこととしてその整備なり強化なりが行なわれてきたわけでありますけれども、その結果、鉱山、特に石炭鉱山における災害がなかなか減少しない、むしろ増加する方向に向かっている、これも周知の事実であります。いままで昭和三十六年の十一月に中央鉱山保安協議会に大臣が諮問されて、今回が第三回目の中間答申に基づく鉱山保安法の改正だと称しておりますが、まだこれだけでは不十分である。で、将来この鉱山保安法の整備、それに関連した保安規則等の整備についてどういうお考えなり構想をお持ちになっておるか、それをまずお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 鉱山保安の問題は、われわれとしても、これは非常に重要な問題でもあり、人命に関係をいたしますので、特に重視をいたしておるところでありますが、今回一応審議会の議を経まして、ただいま提案をいたしておりまする二つの事項を中心といたしまして改正をすることにいたしておるのでありますが、しかし、今後といえども、われわれとしては、人命尊重のたてまえから、鉱山保安のこの法制につきましては、必要に応じて改善をいたしまして、極力保安の実をあげるように努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第であります。

牛田寛公明会

○牛田寛君 今回の改正は、いわゆるいままでの保安管理者の制度を保安統括者という新しい制度に改正されたわけでありますが、これは一つの前進と思いますが、いままで何回か法改正をやっておいでになります。で、その方向ですね、いわゆる昭和三十六年十一月に諮問なさって三回目の保安法の改正だと思いますが、どういう方向に順次その法改正を持っていかれるか、その将来の基本方針といいますか、従来の経過から将来に向かっての基本方針というものがあればお示しを願いたい。

川原英之通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(川原英之君) 鉱山保安法の改正につきまして、従来、御指摘のごとく、数回にわたる改正を行なっております。三十三年には法律の改正をやり、さらに三十七年に法改正を行なっておりますが、三十三年には鉱害防止に関する条項でありますとか、あるいはボタ山に対する保安義務というようなことを改正をいたしました。さらに、三十七年におきましては、保安委員会に対するいろいろ行政上の処分を通知する条項でありますとか、さらに請負関係の規制、また、法律に違反しましていろいろ災害を起こしたというような場合に対する業務停止、事業停止、あるいは保安協議会の改組、さらに罰則の強化、鉱業権の取り消し、こういうふうな改正を行なったわけでありますが、すでに御承知のごとく、保安法自体は鉱山保安に関します基本法でありまして、主として監督並びに罰則に関する規定及び管理機構に関する規定が中心になっております。さらに、その具体的なやり方につきましては規則に譲っておるのでありますが、これにつきましても、これまた数回にわたる改正を行ないまして、ことにいろいろと新しい技術等に沿い、かつ、いろいろ経験にも徴して改正を行なっておりますわけであります。で、今後の問題といたしましても、ただいま大臣から御答弁がございましたように、そういう法律と規則の分野において新しい事態、あるいは新しい現状に即するように改正してまいることになると思いますが、その内容は、ただいま申し上げましたように、法律自体は、主として基本的な管理機構あるいは自主保安のやり方というようなことについての改正に相なろうかと思います。また、規則につきましては、具体的な技術の問題についての改正が行なわれることに相なろうかと思います。

牛田寛公明会

○牛田寛君 一つ一つここであげることもできませんが、いままで九州においても北海道においても、各所で炭鉱災害が起こってきたわけであります。それで、その炭鉱災害の原因は当然究明なさっておるわけであります。その原因を究明なすった上で、こういう点が不備である、あるいはこういう点について欠点があった、そういう立場からいわゆる災害の原因を究明した上でやはり一連の対策というものが講じられてきたと思いますが、そのこまかい問題はともかくといたしまして、一つの流れですね、ただいまのお話の中にも若干あったように思いますが、この災害の主要な原因、それに対してどのような対策を講じてきたか、それについてもう少し具体的な関連性のあるお話を伺いたい。

川原英之通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(川原英之君) 従来の災害と法律の改正がどういうふうに結びつくか、こういう御質問でございますので、これまでの経過について御説明いたしたいと思います。  御承知のごとく、三十五年から三十六年にわたりまして、たとえば夕張、あるいは籾井、豊州というようなところで、あるいは爆発災害、あるいは坑内出水、それから、そういう原因に基づく災害が起こっております。で、この中で、これを防止いたします方法といたしまして、先ほど申し上げましたように、三十七年の改正におきましてこれを受けておるわけでありますが、いろいろ保安機構上、たとえば保安委員会の強化とか、あるいは法律違反に対する事業停止、さらに保安委員会の活用という面の改正を行ないますと同時に、具体的な技術的な問題に対する事項、あるいはこれは対する対応策というような問題を中心にいたしまして、石炭規則のほうで、たとえば一酸化炭素マスクの常備であるとか、あるいは共同救護隊の強化であるとか、待避壕の問題であるとか、警報連絡装置の設置、浄化装置の措置、さらに請負作業についての規制というような、これまでに起こりました問題のいろいろな重なっております理由に基づきまして、それに対応する改正をそのつど行なってまいったわけであります。今回の改正も、また、さらにそういう面の監督を強くすると申しますか、管理機構を強化する。で、責任の所在をはっきりいたしますと同時に、実際の日常起こります災害を未然に防止するという意味で、労働者の意見が十分反映するということを願いまして、これは三池災害等の経験も徴しまして、先ほど御指摘のございましたような保安統括者の新設及び監督員の補佐員という制度を新しく設けましてこれに対処しようという考えでおるわけであります。

牛田寛公明会

○牛田寛君 時間もございませんから、あまりこまかい点まで触れることはできませんけれども、三池の災害については、まだ直接の原因の究明が結論を得ていないというふうに伺っておるわけですが、もちろんこれは刑事捜査の段階でありましょうからそうなると思いますが、いわゆる鉱山保安の立場から、三池の災害におきまして、現在の時点において、その原因等についてはどの程度まで認識なさっておるか、そのお考えを伺っておきたい。

川原英之通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(川原英之君) 三池の災害の原因につきましては、ただいまお話のございましたとおり、現在司法捜査の段階にございます。いろいろ証拠物件の鑑定その他を待つ必要がございますので、いま最終的な結論を出すに至っておりませんけれども、いろいろとその後調査団等も派遣いたしまして、推定し得る原因、これはいろいろあるわけでありますが、これにつきましての報告を得ております。で、先般その関連いたしました調査団の現在までの推定されておる原因といたしましては、すでに先般委員会におきましても御報告申し上げましたように、炭車の逸走による炭じんの爆発であるということになっておりますが、これに伴います。たとえば炭車の逸走防止であるとか、あるいは炭じんの規定であるとか、さらにそういう処理を明確にする、あるいはその後の一酸化炭素マスクの備えつけを十分全員に行き渡る方向に持っていくということにつきましては、それぞれあるいは行政措置によって達成いたしておるものもございますし、また、規則の改正を要するものももちろんございますので、これはこの保安法の改正と相まちまして、現在、規則の改正を順次進めておる次第でございます。ただいまお話を申し上げましたようないろいろな問題についての改正ということが現在進行中の内容でございます。

牛田寛公明会

○牛田寛君 法律の整備も大切でありましょうし、鉱山保安の組織等の整備も大切でありましょうが、最近のいわゆる災害の状況をいろいろ、われわれしろうとでありますが、考えてみますと、いわゆる規則はある、保安要員もいる、しかし、その規則どおりに実行されていない面が非常に多いのではないか。これは大手の炭鉱ばかりでなしに、中小炭鉱においてはなおさらだというふうな状況が感ぜられるわけであります。私どもは、実際にそういうところで働いておる現場の人の声を実は聞いてみた。ところが、災害として表面化しないまでも、災害の起こる危険性のあるような問題がたくさん聞こえてまいります。これは私は実際に炭坑に入ったわけじゃありませんから、それはどうであるかわかりませんけれども、実際に現場に働く人の声を聞きますと、そういう懸念が多分にある。いわば災害として顕在化しないけれども、非常に災害の起こる可能性のある問題があちらこちらに散在しておる、そういう感じを受けるのであります。その点をもう少し当局がはっきり究明なさいませんと、これはいつでも災害を追いかける形になるのではないか。そういう意味で、当局において、鉱山保安の問題、いわゆる潜在している災害等の問題についてどの程度に認識されておるか、私は不安に思うわけであります。三池でありますが、三池のこれは一部の人の声でありますが、やはりいま非常に労働人員が不足しておる、前はベルト・コンベア、チェーン・コンベア等、一つの機械を一人で担当したけれども、合理化後は二、三台受け持つようになった、点検等のことも非常に連絡が不十分で、そのためにやはり事故の起こる場合があるというような声を実は聞いております。中小炭鉱ではなおさらです。そうなりますと、今回の改正は、もちろん鉱山の最高責任者が保安の責任を持つということで、いわゆる組織上では一歩前進した形でありましょうけれども、それだけではたして解決する問題かどうかということは疑問になってくるわけです。その点をどうお考えになるか。この人員不足の問題、特に現在出炭目標が到達できない、五千三百万トンを割っておるというような状況にありまして、かなり人手不足の面が表面化しておる。そうすれば、ますます災害が起こる可能性がふえてきておるのじゃないか、これは規則を改正する以前の問題じゃないか、その点についてどんなお考えをお持ちか、伺いたいと思います。

川原英之通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(川原英之君) 御指摘のごとく、鉱山保安を確保いたしますためには、もちろん鉱山保安法令、あるいは規則という問題だけで十分があるということではないのでありまして、われわれといたしましては、この災害を減らし、かつ、絶滅していくということのためには、具体的な、実体的ないろいろな措置を必要とすると考えます。われわれとしましては、いろいろと保安の監督につきまして、従来も各監督官を極力この監督の強化に向かって進めてまいったのでありますが、さらに今年に入りましてからは、具体的な山の一般的な山の一般的な保安計画というものを具体的にきめまして、その保安計画の内容によって全般的な山ごとの保安問題をつかんで、それによって予防保安を具体的に進めると同時に、抽出検査、あるいは一斉検査ということを極力強化することによって、先ほど御指摘のような、災害を追っかけるというようなことのないようにつとめてまいりたい、かように存じておる次第でございます。  なお、法律に並行いたしまして、もちろん石炭規則の改正等も行ないます。かつ、今年から拡大いたしました具体的な保安設備に対する保安融資制度を極力活用することによりまして、ただいま御指摘のございましたようなことの起こりませんように、われわれといたしましては全力をあげてまいる所存でございます。

牛田寛公明会

○牛田寛君 いろいろ問題があると思いますが、これは大手から中小を通じて次第に表面化しつつあるのではないかと思われますのが、ただいま申し上げました労働力の不足の問題である。この労働力不足が、結局保安の監督を非常にきびしくする、あるいは規則の整備をやるという対策を立てても、やはり人手不足のために実際には手を抜いてしまう。で、ごく簡単なことが大きな災害を誘発するのではないかと思われる節がたくさんある。今度の三池の災害について、その当時のいろいろな情報から考えましてわれわれが感じられるところは、やはりごくつまらない一つの事故というものが、これがきっかけになって大きな災害を引き起こすという性格を多分に持っておる。そうなりますと、これは労働力不足ということは災害を誘発する一つの大きな原因になるのではないか。これは生産対策上の問題であるばかりでなく、いわゆる鉱山保安の一つの重大な問題になってくる。現在、非常にいままでは景気がいいといわれておった常磐炭鉱あたりでも、第二会社に切りかえて首切りをやる、いわゆる従業員が大幅に減らされております。そういう傾向がまあ強いわけです。これはまあ私が言うまでもない。そういたしますと、そういう面からの災害の誘発が起こるんじゃないか。いわゆる労働力不足という面から、それのやはり鉱山保安に対する影響をどのように把握されているのか、また、それに対して対策をどのようにお考えになっているのか、その点をもう少し具体的に伺いたいわけです。

川原英之通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(川原英之君) ただいま労働力の不足によって保安が守られないではないかという御指摘でございます。私どもといたしましては、まず保安をしっかりやることが労働力の充足上も最も基本的な問題であるという考えを持っておりますが、なお、先ほど申し上げました保安計画の聴取をいたします際に、いろいろとそういう面につきましても検討を加える。その鉱山に労働者の構成上の欠陥があれば、それについての対策を具体的に構じていきたい、かように存じております。で、いろいろ御指摘のございました三池の問題につきましても、たとえば散水炭じん処理、そういうそれぞれの仕事につきまして、災害以後、特に以前よりは人員を増大いたしまして、生産にかかわる保安要員をふやすという方向に持っていくことを極力進めておる次第であります。われわれとしましては、その労働力充足のためから申しましても、なお保安を一そう厳重にやっていくということが基本問題であろうかと、かような見解に立っております。

牛田寛公明会

○牛田寛君 時間がありませんので、もう少し伺いたいのでありますがこの辺でやめておきたいと思います。九州関係の炭鉱で、現場で働く人の声を聞いてみたのであります。三池では、先ほど申しましたように、機械一台で一人というのが、二、三台を一人で持つ、点検がどうしてもおろそかになりやすい、こういう声です。それから、これは福岡県の田川郡の豊前炭鉱ですが、ここでは坑道の維持改修が人員の不足のために非常におくれている、そういうような声がございます。そのほか長崎県の方面でもやはりそういう声がございます。いろいろ炭鉱によって実情が違うでありましようが、共通した問題はいずれも人手不足である、そのためにいろいろと規定どおりの保安が行なわれていないので心配であるという声が共通の声なんであります。ですから、この点を解決いたしませんと、将来またこれによって災害が起こりはしないかというのが私どもの不安なんであります。それで現在どうしても炭鉱でみな働きたがらない。炭鉱をやめる場合も、やめた将来に対しては希望がないというようなことで、働く意欲も失っているという状況も非常に多いわけであります。これはこの前の当委員会でも質問の中にあったようでありますが、鉱山保安の立場から考えましても、この労働力不足という問題は無視できない問題ではないか、それに対してこれからどのようにそれを解決なさっていくおつもりか。これは単に鉱山保安法の改正だけでは解決できないことは言うまでもありませんが、それに対して、現在において大臣がどのようなお考えをもって、この点についてどういうふうに解決されていくおつもりか、その構想なり決心なりをお聞きしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、ただいま、石炭産業におきましては人手不足ということが非常に大きな問題になっております。もちろんこれはほかの産業におきましても人手不足の問題は起きていることでありますが、石炭の場合におきましてはスクラップ・アンド・ビルドのその後の事情から見て、また特殊の事情も私はあると考えているのでありまして、この問題は非常に重要でございますが、何といっても一番大事なことは、保安の万全を期することと同時に、将来石炭産業というものは一応有望な産業である、こういう認識が名実ともに備わるような努力をすることが一番大事ではなかろうかと思っているのでございまして、われわれとしましては、そういう意味において今後努力いたしまして、そうして順次こういうような人手不足というような問題を解決しつつ前進を続けるようにいたしてまいりたい、かように考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 一、二点だけ質問します。  先般六月九日の委員会で、私、通産大臣に、この保安法に関連して、有沢調査団長の出された答申から今日までの経過を見て、すでに再調査をしなければならない時期に立ち至っているではないか、こういう御質問をしたわけです。ところが、大臣に、いまの場合そういう考えは持っておらないし、もうしばらく経過を見てみたい、こういう御返事があったはずであります。ところが、その翌日の新聞では、こういう調査団の名前まで書いて調査をするのだということがでかでかと新聞に出たわけなんですが、一体これはどういうことなのか。ここで私が公式な場所で、こういう事態に立ち至った——いま牛田君から質問もいろいろ出ておりましたが、そういう状態の中で、再調査しなければならない時期にきているではないかという私の質問に対しては、その時期にあらずということで大臣は一蹴されたわけなんです。ところが、翌日の新聞ではでかでかと、調査団が再調査をするのだ、しかも、調査団の団長、顔ぶれまで発表されて新聞に載っておった。一体どういうことなのか。そういう腹案があるのを新聞記者に発表し、翌日の新聞に発表しておる。それは新聞記者がスクープしたとおっしゃるならば、それはそうかもしれない。しかし、いずれにしても、そういう腹案があるのを何でこの公式の場所で言えないのか。その点一点だけ私はどうしてもこの委員会に対して非常な大臣が軽視をされているような気がしてならない。私は、相当通産大臣を尊敬しておったはずなんです。ところが、非常に軽視されておる。新聞ではでかでかと出ておる、この会議では、そんな時期ではない、もう少し模様見させてくれということを言われたので、あまり違うのでどうなのかと、通産省には実際それはないのか、ないなら一体どうするのかという問題についてお尋ねを申し上げておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 先般御質問をいただきました御趣旨は、スクラップ・アンド・ビルドの有沢調査団の計画をいま根本的に改定する必要ありと認めるが、その意味において調査をする意思があるかないか、こういう御質問と承りまして、私は、根本的にこれを改定する意思はまだございません、いましばらく事情を見た上で措置をいたしたいと思います。とこういうお答えをいたしたのであります。ところが、その次の日に、確かに仰せのとおり、新聞に調査団を出すということが出ておりました。これはいいままでのやってきたこの実情につきましてどういうふうになっておるかということを調査して、そして有沢調査団の立てましたスクラップ・アンド・ビルドのその計画を遂行する上においてのまだいささか不備な点があるのではないか、足りないところがあるのではないか、そういうところがありとすれば、これは補わなければならない、あるいは補正しなければならない、こういう意味で調査をする、こういう観点から調査団を実は出すことにいたしておったわけでありまして、実はそういうことも私はあとで聞いたので、ほんとうはそういう調査団を出すということがわかっておれば、そのときに、根本的な問題では出しませんが、こういう計画もありますと言ってお答えをすべきであったと思うのでありますが、ところが、実はその事実を私が知らなかったものですから、そこで、根本的な計画の改定をやるかどうか、こういう御質問に対して、いまのところ考えておりません、こうお答えをいたしたのでありまして、そういう意味で誤解を招き、あるいはまた、何かいかにもあなたの御質問に対して誠意のある答弁でなかったように受け取られたといたしますならば、これは私はまことに遺憾であると存じますので、この際、そういう事情を申し上げてあなたの御了承を得たい、こう考えているわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それは国会の末期になって大臣が忙しいから、あっちの委員会、こっちの委員会に出ておって、大臣が、かりに御存じなかったとしても大臣の横には局長がいるはずです。石炭局長は一体そういうときにはどういうサゼッションをするのか。いま大臣が言われたように、根本的に——私まだ議事録を見ておりませんから、どういう発言をしたか、よく覚えておりませんが、根本的な問題があるから調査するのじゃないのだ、しかし、非常に状態が変わってきたから調査するのだから、質問が根本的な問題に触れているから調査団はやらないけれども、こういう調査団が出るようになっているということを何で大臣に耳打ちをしないのか。今後そういうことがあるならば、大臣は大臣だけ、局長は局長だけで質問いたしますよ。局長が横におっても翌日新聞に出るということならば、新聞社がかってにつくったわけじゃない。通産省が発表しておらなくても、通産省にはそういうものがあったはずです。あったから新聞で発表しておる。その翌日にでかでかと発表すると同じような質問を私はしているわけです。それに対して大臣が知らなかったんだというお答えなら、それはわかる。しかし、その補佐として局長はそのときおられた。ならば、局長はそのときに大臣に、もう実はこういう準備ができております。こういうふうに耳打ちをされれば、ここでこんな食い違いはないはずですね。局長はどういうふうにそのときお考えになったか。私はあれだけ質問をしたわけです。相当な時間かけて質問をした。それに対して、まだまだそういう時期じゃありません、もうしばらく模様を見させてくださいということを大臣ははっきりおっしゃったわけです。そのときあなたも聞いておったのだから、いやいや、うちにはこういう調査団を準備しておるのだと言われれば、私は翌日の新聞を見て驚く必要も何もないのです。その点、どういうふうに局長は私の質問をお聞きになったのか。そういう場合は、局長として大臣に話すことはできないのかどうか。もしもそういう点があったとするならば、局長にわざわざ来てもらわぬでよろしい、大臣だけに質問します。どうです。

新井眞一通商産業省石炭局長

○政府委員(新井眞一君) まことに申しわけないことだと思うのですが、私、そのときもそばにおりましたし、まあ補佐につきまして届かぬことも多うございますけれども、その節、先生のお話は、大臣もちょっと先ほどおっしゃったように、少しぼんやりしておったのかもしれませんけれども、まあ有沢調査団でやったいろいろな事態が相当変わってきておる、だから、それを見直す必要があるかどうかと、相当長くおっしゃったのでありまして、私はそういうふうに解釈したのでありまして、まあせっかくきめたあの基本計画がぴしゃっとしておるのでありますし、この情勢は見ていく、こういう形で大臣もお答えになったのでありますし、私もそれでいいと思っておりましたが、そういう調査団もつくって、そういう明確な——これは私がぼんやりしておって聞き違ったのかもしれませんが、そういう御意図のように受け取れなかったのが一つあるわけであります。  もう一つは、あれは国会の本会議の決議として出たわけでございまして、これはあのときはまだ出ておりません。通産省でどうのこうのということじゃございませんで、国会のほうの、こういうことをしなければならぬという決議を受けて私どものほうは検討しなければならぬ。それにいたしましても、もしそういう御質問でございますれば、これはやっぱり私としては、これはやはりこういう向きもございますということを大臣に申し上げるのが至当であったかと思います。その点は重々おわびいたしますが、少し質問の取り違いがございましたことは御了承願いたいと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 まあこれで長く質問しようとは思わないのですが、この前の質問では、通産大臣は、有沢調査団の五千五百万トンのベースはこれは変えないと、こうおっしゃったのです。まことにそのとおりです。私のほうでも考えた上でそういう質問をしたわけなんです。そうすると、有沢調査団が四十二年度に十二万名の炭鉱労務者だということを答申されておるはずです。ところが、現在十一万何がしで、十二万名をもうすでに切っておるわけです。そうすると、その人員ですでに有沢答申の計画は狂ってきたではないか。それが、きょうも言われておったように、そういう人員減が保安に結びついてくるのだ。なぜかならば、能率は、御承知のように、どんどん上がっておるわけです。能率をそれだけ上げるためにはどこの手を抜くか、十一万何がしになった炭鉱労務者、五千五百万トンの石炭を出しておる炭鉱労務者——そうすると、どこを手を抜くかといえば、非生産的なところしか抜けないわけです。非生産的なところを抜くとすれば、保安関係以外にないのじゃないか。そういう点から再度調査する必要はありませんかという質問をしたわけなんです。まだそのときは国会の決議はしておりませんでした。そういう事態ならば、また通産省としても、これはもう一回調査しなければならぬのだということは当然だと思うのです。もう一回調査して、そうして十一万何がしでいいのかしら、五千五百万トン出すために十一万名でいいのかどうかということは当然考えられると思うのです。また、一つの問題は、業者が口をそろえて言っておるのは、四十二年まで千二百円のダウン——毎年毎年九%以上の物価が上がってきておるのに、自分のところだけダウン、こういうことではやっていけないというようなことを盛んに言っておる。一方では盛んに油業者が、われもわれもと押しかけてきておる、こういう実情があるわけなんです。だから、今度の国会でもエネルギー調査団というものを、こういうことをやったわけなのです。こういうことは、まず通産省のほうが早く考えるべきじゃないですか。ここまできてこんな災害が起こっておる。で、労働者はどんどん減るばかり、そういう点で私は質問を申し上げたのですけれども、私の質問が悪かったのか、翌日の新聞にはでかでかと出たけれども、私の質問にはそっけない答弁であった。こういうことで、さっそく局長には電話しましたけれども、もう少し委員会で答弁する場合には、私は、たとえば委員の質問が極端であった場合でも、私はぴしゃりたとえば百の質問をして、これは九十九だから答える必要はないというような答弁は、私はあり得ないと思う。だから、もう少し議員の質問に対しては真剣に答弁してもらわなければ、これは新聞記者に聞いたほうが早いようです。いまのようなことだったら、大臣に聞くよりも、局長に聞くよりも、新聞記者に聞いたほうが早いんじゃないか、こういう考えを持ったので質問をしたわけです。私は再質問でございますし、時間もないようですから、これでやめますが、以上のように、石炭保安問題について、特に災害の多い保安問題については非常に真剣に私どもは考えて、今度出された改正案にしても、決してこれでいいとは思っておりません。しかし、保安問題であるならば、その場でとどまっているよりも、一歩でも進んだほうがいいじゃないかということで審議を急いでいるわけなんです。そういうことで質問もいたしておりますので、どうぞひとつ、新聞記者にもそれは発表はけっこうですけれども、ここで質問をやったやつには答弁いただくように、切に御要望申し上げまして私の質問を終わります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいまの御要望でございますが、ごもっともだと私は考えております。また、石炭の問題につきましては、これはやはり今後も十分注意をして、事態の推移を見守りながら処理をしていくべきことでありますから、たとい私が二週間前でしたか三週間前でしたか、あるいは一カ月前かもしれませんが、ああいうことを言ったから、それでもうそういうことは全然しないと、こういうものでもございません。また、調査団を出さなければ石炭の政策についての問題が解決できない、また、立案していけない、こういうものでも私はなかろうと思います。私は、そういう意味では、かなり柔軟な考えを実はほんとうから言えば当初から持っておるので、まあいわゆる有沢調査団のものの考え方は、一応私はもちろんけっこうだと思っておりましたが、しかし、このままのあれでずっとやっていけるかどうかということについては、ちょっと観点が違っておりまして、あなたとは観点が違っておりましたけれども、実は私は考えておったことがありました。でありますから、必ずしもそういういまの政策にあくまでもスティックしていくと、こういう考えではございません。やはりその面では柔軟な立場をとりつつ、事態の推移を見守りながら、いわゆる生きた政治をするように考えていくべきだという意味では、私はあなたと意見が一致しているだろうと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 鉱山保安法の一部改正案が成立するにあたりまして、私は、特にこの際、通産大臣並びに関係部局の方々に一、二希望意見を述べておきたいと思うのであります。  その一つは、法律及び規則の抜本的な検討と改正についてであります。今日、中央地方を通じての鉱山保安協議会が会議を重ねて、鋭意人命確保のための保安法の改正に御努力をされ、その結果として、ただいま議題となっております鉱山保安法の一部改正が政府当局によって提出をされましたことは私も認めるところでありますが、しかし、ひるがえって考えてみますると、今日実際に適用、かつ、運用されておりまする鉱山保安法及びその規則、これは実際にそぐわない面がしばしばあると思うのであります。したがって、私は、三池の災害を中心とした、その前後から、人命尊重には、単に当事者である労使間だけでなく、政府も、また、国民全体も非常な関心を持って対処していかなければならないという方向に向かいつつあるおりからでもありまするので、単にこの提案の趣旨に盛られました改正だけで満足をするのではなしに、ほんとうに災害を撲滅をし、人命を尊重するという原則を貫いて、保安法それ自身及び規則の改正にもっと積極的に政府も取り組むべきではないかと思うのであります。たとえば規則に至りましては、今日その規則がありましても、実際上適用もしくは実施ができないという部面もありまするし、あまりにも形式的であり、運用面においては法律どおりの結果を得ることを得ぬ部面がかなり私はあると思うのであります。したがいまして、この際、政府は鋭意ひとつ法律そのもの、及び規則の内容そのもの全般にわたって検討し、保安協議会の協議を経て、もっと前向きのものを提出するように御努力を願いたいというが第一の希望意見であります。  第二の希望意見は、政府の予算措置を含めた行政指導についてであります。今日、経営者の中には、ともすれば保安に対する投資は再生産に結びつかないという考え方が優先をして、人命尊重というものが二の次にされる傾向にあります。なるほど人命尊重のための保安設備に対しての投資は新しいものを生み出すということになりませんけれども、しかし、考えてみますれば、人命を尊重するための保安設備の改善ということは大きな事故を防止する道であり、事故を防止する道というのは、一つには会社の設備や財産の保全にもなるわけでありまして、考え方としては、人命を尊重することが、みずからの設備と財産の保全の役割りを果たすんだという考えを本質的に経営者に持たせるような行政の指導方法をとるべきではないかと、こう思うのであります。最近、政府当局におきましては、たとえば中小企業に対しての無利子の保安設備に対する融資の措置等が出まして、前向きに徐々に人命尊重というものが守られつつありますことは非常に喜ばしいことではありまするが、しかし、まだまだもっと積極的な方法を必要とする予算の措置の面、また、行政指導の面があることと思いまするので、そういう面につきましても、同様、積極的なひとつ御努力をお願いしたい。  以上二点を私は希望いたしまして質問を終わりたいと存じます。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘を願いました、いわゆる保安法自体をもっとよくしていくといいますか、改善すると同時に、規則その他も実情に合わせつつ保安の徹底を期すべきであるという問題、並びに保安に投資することは、それ自体がいわゆる石炭産業の基礎を固くし、また、経営を全うしていく道であるから、もっとそういう行政指導をすべきであるという御趣旨はごもっともな御意見であると思いますので、十分これを尊重して善処してまいりたいと思います。

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。−別に御意見もないようでございますので、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  鉱山保安法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 次に、請願九件を一括して議題といたします。  当委員会に付託中の請願は九件でございまするが、便宜上、委員長及び理事においてあらかじめ慎重に検討いたしました結果、議院の会議に付することを要するものであって内閣に送付を要するものと意見の一致を見ましたものは、お手元に配付いたしました請願表の第四八号、これと同趣旨の第一一二号、第一一三号、並びに、第六七号、これと同趣旨の第五四三号、第七九二号、及び、第一五四号、第二三三号、以上八件でございます。  なお、第二五一三号はさらに検討を要するものと認め、これを留保すべきものと協議いたしました。  この際、おはかりをいたします。ただいまの請願八件を当委員会で採択いたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。  当面の石炭対策樹立に関する調査につきましては、会期中に調査を完了することが困難でありましたので、本院規則第五十三条により、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり)

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  閉会中、当面の石炭対策樹立に関する調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。  つきましては、委員派遣の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本院規則第百八十条の二により、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田幸雄自由民主党

○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会

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