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46回国会参議院1964/02/05

災害対策特別委員会 第3号

発言数
101
登壇者
13
会派数
4
開催日
1964/02/05

会議録

小平芳平公明会

○委員長(小平芳平君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  一月二十三日、温水三郎君が委員を辞任され、その補欠として田中啓一君が選任されました。  また一月二十八日、占部秀男君が委員を辞任され、その補欠として藤田藤太郎君が選任されました。     —————————————

小平芳平公明会

○委員長(小平芳平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、昭和三十八年度発生災害のその後の処理状況並びに東京湾等のノリの被害状況等について報告を聴取することといたします。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) お手元に、左とじの紙で三枚にわたりまして「昭和三十八年度発生災害の農林水産関係被害概況」というのをお配りしてございます。  全体の合計をまず見ていただきますと、二枚目の表の一番右の端の合計欄の一番下の欄、施設関係で六百二十七億円にのぼっております。さらに、次の三枚目の紙は農林水産物の被害状況でございますが、これの右の欄の一番下を見ていただきますと、千七百九億円に及んでおります。その内訳は、左のほうにございますが、農作物の欄を見ていただきますと、千五百五十九億円ということで非常に大きな被害がございます。  で、このほかに、十月から十二月にわたりまして、東北地方から東海地方にかけてノリの養殖漁場に暖流が流入した、あるいは潮位が不順である等の異常海況がございまして、養殖中のノリに赤腐れ病とか白腐れ病が大量に発生しているようでございます。被害状況につきましては、目下水産庁で、現地調査あるいは技術的な調査を含めて調査中でございます。その結果を待たなければ詳細は判明しませんが、相当量の減収が見込まれております。現在までの被害八県からの報告によりますと、ここ数年間二百億円強の平均的な生産数量に対して、現在までの減収は約八十一億円というふうに、府県のほうからは言ってきております。その後、若干生産が回復しておる点も見られるようですが、三十八年度のノリ全体の生産見込みは九十五億円くらいにとどまるのではないかということで、被害が八十一億円、生産が九十五億円というような形であるといわれております。なお、農林省としましては、調査を急ぎまして、天災融資法その他の段取りをつけていく必要があろうということで作業を進めております。  豪雪、凍害等の一月以降の対策でございますが、一、二月の豪雪、凍害によります被害は四百八十三億円ということで、農林水産物の被害は約三百九十八億円、これは三枚目の一番上にございます。特に果樹等農作物の被害が大きうございます。それらに対しまして、天災融資法、それから激甚災害法を適用いたしまして、経営資金の融通をはかりまして、資金ワク約六十億円ということで措置したわけでございます。  果樹等永年性作物の樹体損傷の被害も大きうございます。これを天災融資法の融資対象ということで四十三国会で一部改正を行なったわけです。  それから自作農維持資金の追加配分は約十七億円いたしまして、さらに公庫から、主務大臣の指定災害復旧資金及び果樹植栽資金を融通するにあたりまして、貸付条件を緩和する、金利を引き下げる、償還期限を延ばす、というような措置をあわせ講じたわけでございます。  そのほか、麦の再保険金の概算払いもいたし、また十月に、農作物の種苗の確保、果樹だなの復旧等に対して一億三千万円程度の予備費の支出もするというようなことで措置したわけです。  そのほか草地の災害復旧費の補助金を出す予定でございますが、これは県からの申請によりますと、国庫補助約六百万円という要望になっておりますが、まだ査定中であります。  それから入植施設の災害復旧事業費は、当初予算の流用によって千六百万円程度補助をして済ませております。  四月以降の長雨がございますが、これは、被害額全部で九百八十六億程度です。作物の関係は三枚目にございますが、これらに対しまして、麦、なたねの被害が非常に広範囲でございます。天災融資法における特別被害農業者の範囲につきまして、その適用の特別措置を講ずるということで、四十三国会で天災法の特例法が制定されました。御承知のように、裏作の収入が八〇%以上の被害を受けた場合に、これを特別被害農業者とするというふうにいたしたのでございます。経営資金等は約百三十億円の融通をいたしたわけです。さらに融資限度を二十万円に引き上げるということもあわせ講じたわけでございます。  自創資金は、それにつきまして五十億円の配分を行なっております。  さらに、米の予約概算金を増額しまして、石当たり二千五百円にするというふうにいたしたわけです。そのほか飯用の麦が足りないというようなこと、あるいは等外下麦について飼料用としての販売あっせんを行なう、あるいは種子の麦を確保する等、それぞれの措置をあわせ講じたわけです。  種苗確保と、いもち病の異常発生対策等につきましては、七億五千万円の予備費を支出しております。これは、十月十一日の閣議で決定いたしたわけです。  共済金と保険金、再保険金の支払いにつきましては、熊本県外二十三県に対しまして、再保険金の概算払いを六十三億円、本払いにつきましては、十二月中旬に再保険金として百三十四億を支払っております。共済組合連合会は、これを受けまして、それぞれ組合に支払い、組合は百五十七億円の共済金を払っておるということになっております。  それから、三十八年産麦の長雨等による被害に伴いまして、多額の再保険金を支払ったわけですが、そこで、特別会計の農業勘定におきまして支払い財源に大きな不足を生じました。それを補てんする措置を四十五国会でいたしております。その支払い財源の補てん措置が行なわれますまでの間に支払い財源の不足分がございましたのは、それについては農業共済基金から連合会に対しまして、つなぎとしまして三十六億円の資金融通を行なっております。  さらに再保険金の支払い特別措置に関しまして利子補給をあわせ講じたわけでございます。利子の支払い総額は約千六百万円程度になっております。これらにについては、特別会計の農業勘定の予備費等から急速に支出する等の方法で措置することを検討しております。  それから異常気象、異常海況による漁業でございますが、とりあえず系統の金融機関あるいは公庫等に対しまして、償還期限の延長、再生産に必要な資金融通の促進につきまして指導をいたしておりますとともに、中小漁業融資保証制度によります保証ワクの追加措置をしております。  異常海況そのものにつきましては、先ほど少し触れましたように、水産研究所、さらに都道府県の水産試験場に調査を行なわせております。で、本年度の異常な事態にかんがみまして、科学技術庁を中心として、関係省庁協議しまして、約四千万円程度の予算をもって調査を続けております。  それから日本海中部から山陰沖にかけましてのまき網漁業者から当該海域におきまするまき網漁業を半分程度他種漁業に転換するという強い要望がありますが、これらについても慎重に検討を進めておる次第であります。それから、六月以降の集中豪雨、台風九号等によります災害でございますが、施設関係で四百八十五億、農林水産物関係で九十八億となっておりますが、天災融資法を適用する政令を十一月の末に公布施行しております。融資ワクは八億円。  それから、台風九号の関係の自作農維持資金の追加配分は、あとで触れます低温の災害とあわせまして行なったわけです。  それから、共済金の仮払いにつきましては、再保険の概算払い措置としまして、高知県の水稲に対して一億九千万円というような概算払いをいたしたわけです。  施設関係、あるいは林道関係の災害復旧につきましては、現地査定はほとんど完了しておりますので、予備費の支出と、さらに前国会で可決を見ました補正予算等によりまして、復旧に支障のないようにつとめておるわけでございます。  激甚災害法の適用につきましては、六月から七月にかけました豪雨、それから七月の中旬の豪雨、さらに台風九号等について措置いたしております。  夏の低温によります農作物の被害対策でございますが、七月以降は非常に大きな規模で、冷害的な現象が起きまして、全国的な規模で発生した被害は約百七十六億円といわれておりますが、天災融資法を適用します政令は十二月に公布施行しております。その際、融資の総ワクを十二億円と決定いたしました。  自創資金の追加配分につきましても約十億円をみたわけでございます。さきにちょっと触れましたように、台風九号に対します追加ワクとあわせて措置いたしまして、全部で十九億円が九号と低温とあわせた災害のための資金ワクとして使われることになるわけでございます。  東北とか、北陸地方の一部、あるいは関東以西の地域におきます山間地帯で、それを誘因としましていもち病、あるいは蚕繭についての軟化病が発生いたしました。これらにつきまして再保険金の概算払い措置を講じまして、それぞれ措置いたしたわけでございます。  最後に、ノリの被害でございますが、赤腐れ病、あるいは白腐れ病等につきまして、各県の水産試験場を通じまして原因等を究明中でございます。  先ほど県から上がってきた被害について申し上げたのでありますが、まだ若干の時日を要すると思いますが、至急に対策を講ずる必要があると考えておるわけでございます。  以上、概略でございますが、被害の概況と対策を申し上げたわけであります。

小平芳平公明会

○委員長(小平芳平君) 次は、畑谷建設省河川局長。

畑谷正実建設省河川局長

○政府委員(畑谷正実君) 建設省関係の三十八年の発生災害の状況と、事後処理の状況について御説明申し上げます。お手元に差し上げてございます縦刷りでございますが、「昭和三十八年発生災害の事後処理状況」につきまして御説明を申し上げます。  内容といたしましては、建設省所管の公共土木施設災害復旧事業、うち、河川、海岸、砂防、道路等でございます。そのほか、都市施設災害、住宅災害について御説明申し上げます。  一ページをごらん願いまして、「概要」と書いてございますが、昭和三十八年に発生した災害のおもなものは、兵庫県を中心としました六月上旬の災害、北九州を中心とした六月下旬災害、岡山県を中心とした七月中旬災害、熊本を中心とした八月中旬災害及び台風九号による災害等でございますが、このうち、国庫負担の対象事業として決定した工事費は、会計いたしまして、公共土木施設関係で約六百五十八億円、都市施設関係で約七千万円、住宅関係では被災戸数が約六千六百戸となっております。  これに対しまして、三十八年度において支出いたしました国費は、公共土木関係で約百五十五億円、都市施設関係では約二千万円を予備費及び補正予算から支出したほかに、住宅関係では公営住宅建設のための補助金として約三千万円を支出し、災害復興住宅等に対する融資として約四億円の貸し付けを行なっております。  こまかい詳細について御説明を申し上げますと、まず第一に公共土木施設災害でございますが、いまお話ししましたとおりに、昨年じゅうに発生した災害につきましては、全部昨年じゅうに査定を完了いたしまして、総額約六百五十八億円の工事費を決定いたしました。  その内訳は、直轄の分として約三十億円、うち河川分が二十八億円、海岸分が二千五百万円、砂防分が五千四百万円、道路分といたしまして一億四千万円、こういう内訳で、合計して、直轄の三十億円、補助災害といたしまして六百二十八億円となってございます。これらの復旧に対処するために、三十八年度において出した国費は、予備費で四十四億円、それから補正予算で百十一億円、合計百五十五億円の国費を支出いたしまして、それに対応する事業を実施中でございます。この結果、直轄災害は大体五〇%の進捗です。補助災害については三〇%の進捗がはかられることになっているわけでございます。  なお、そのほかに、昨年発生した災害のうち、台風九号の災害及び八月十四日から二十一日までの豪雨災害につきましては、激甚災害の指定がされまして、それに対する高率負担の措置が講ぜられております。  二ページに、各府県別の内訳が書いてございまして、「別表1」といたしまして、昭和三十八年発生災害の決定工事費の各県別の内訳が書いてございます。北海道から始まりまして北九州市まで、補助の合計が、一番下から三行目をごらん願いますと、箇所として四万三千三百九十三カ所、金額が六百二十八億一千六百一万九千円、こういうふうになってございます。  おもな被害の大きいところは、北海道の三十七億、秋田の二十四億、新潟の三十六億、石川の二十七億、福井が二十五億、兵庫の二十八億、岡山の六十六億、山口の三十九億、高知が三十七億、福岡二十九億、熊本三十六億、こういうような府県が被害が大きい部類に入ってございます。一番下から二行目の直轄の合計の三十億と合わせまして六百五十八億、こういう数字になってございます。  その内訳といたしまして、直轄災害の概要についてさらに詳しく申し上げますと、三ページの中ごろに直轄災害というものがございまして、そのうち、直轄河川については総額二十八億円、その内訳は、内地が二十億円、北海道が八億円、そのおもな災害としては、北海道河川の融雪出水による災害が七億円、内地では七月中旬の豪雨により、古井川、菊川等を主とした災害が六億円、九号台風による仁淀川、渡川を中心とした災害が五億円というようなおもな被害になっております。  この災害に対しまして復旧対策としては、予備費といたしまして十三億円、うち、内地九億八千万円、北海道三億二千万円を計上いたしまして、北海道は三カ年、内地は二カ年、こういうことで事業を進めているわけでございます。  そのほか、直轄海岸といたしまして、額は小さいですが、一月の冬期風浪による鳥取の皆生海岸、これが、復旧事業費が二千四百万円、予備費といたしまして一千百九十九万七千円が支出されまして護岸の復旧をいたしております。  それから四ページに直轄砂防関係、それから直轄の道路についての概要を書いてございますが、詳しくここに書いてございますとおり、砂防ダム関係で六カ所、決定金額が五千三百九十万七千円、それに対しまして予備費で二千六百十四万五千円を出して事業を実施しております。  道路災害につきましては、被害個所が三十八カ所、被害の総額が一億三千七百八十六万一千円、うち、内地十二カ所、四千八百万円、北海道二十六カ所、八千九百万円、それぞれ出ているわけでございまして、これに対しまして、内地分といたしまして三千五百七十二万円、北海道千八百七十三万七千円、それぞれ支出いたしまして、復旧をやっているわけでございます。  次に、五ページにはこれらの内訳を書いてございますので、それぞれごらんを願いたいと思います。  それから六ページには、補助災害についてのおもな要点を書いてございます。  補助災害は総領六百二十八億円でございますが、そのうち、おもな災害としましては、兵庫県、石川県を中心とした六月上旬の梅雨前線による災害八十一億、それから六月下旬における災害が五十七億円、それから三番目、岡山県、山口県及び兵庫県等中国地方を中心とした七月中旬の集中豪雨の災害が百三十三億円、八月中旬の熊本県を主としました豪雨災害が四十七億円、高知県、愛媛県、大分県等主として四国、九州地方に発生した台風九号による災害が八十四億円というふうに、おもな気象における気象別の被害を総計して出しております。  これに対しまして、予備費から二十九億八千六百万円、補正予算で百十億八千三百万円、合計百四十億六千八百万円の国費支出をいたしまして、それに相当する復旧事業を実施中でございます。その結果、本年度におきましては三〇%の復旧がなされる予定でございます。  なお、激甚災害についても、先ほど申しましたとおりに指定がございまして、それぞれに対する処置をしているわけでございます。  なお、七ページにつきましては、いまお話ししました個所をさらにこまかくここに書いてございまして、おもなる被害地、おもなる被害河川道路名、決定事業費を書いてございますので、ごらん願いたいと思います。  それから八ページには、いまお話ししました府県別の決定工事費に対します予備費、補正予算の支出した内訳が書いてございます。これもごらん願いたいと思います。  それから九ページに、都市施設災害について書いてございますが、昭和三十八年発生都市災害は、主として六月、七月、八月の豪雨及び台風十四号によるものでありまして、その事業費は七千百二十一万三千円、この復旧対策としましては、本年度の予備費から一千四百六十八万円、補正予算から五百七十一万一千円、合計二千三十九万一千円の国費を計上いたしまして、これに対応する事業、大体復旧率として六一%の復旧をはかっております。内訳は別表に書いてあるとおりでございます。  なお、そのこまかい事項につきましては十ページに記載してございます。  それから十一ページに住宅災害について記載してございますが、昭和三十八年における災害による住宅の被害状況及びこれについてとった対策といたしましては、これらの災害のうち、公営住宅法第八条第一項または住宅金融公庫法第十七条第六項に該当する大規模の災害は、一月、二月の豪雪、四月の秋田県峰浜村火災、八月の台風九号及び八月の九州豪雨による災害であります。これらの大規模の災害については、それぞれ次の対策を講じております。  一月、二月の豪雪に対しましては、住宅金融公庫から災害復興住宅資金として住宅建設資金三百四十戸分及び住宅補修資金千二百四十戸分を貸し付けた。こういう措置をいたしました。  なお、秋田県峰浜村火災につきましては、災害復興住宅建設資金といたしまして十二戸分を貸し付けたほか、個人住宅建設資金として五戸分を貸し付けました。  台風九号による分といたしましては、災害復興住宅建設資金四戸分、同補修資金二戸分を貸し付けたほかに、住宅改修資金として百七十一戸分を貸し付けた措置を講じておるわけでございます。  九州地方の集中豪雨に対しましては、住宅改修資金百二十八戸分を貸し付ける、こういう措置をしておるわけでございます。  上記以外の災害については、事業主体から公営住宅建設の希望がある場合には、一般公営住宅補助ワクからの補助、また被災者からの申し込みがある場合には、住宅金融公庫の個人住宅特別貸し付け及び住宅改修資金の貸し付けを行なっておるというのが現状でございます。  なお、このこまかい資料については十二ページに書いてあるとおりでございます。  以上、建設省関係の三十八年度発生災害の事後処理状況について御説明を終わります。

小平芳平公明会

○委員長(小平芳平君) 次は、柴田自治省財政局長。

柴田護自治省財政局長

○政府委員(柴田護君) 私どものほうから「災害に伴う地方交付税の繰上げ交付」という刷りものをお渡しいたしておりますが、私どもの関係では、六月、七月の集中豪雨災害並びに八月の台風九号及び集中豪雨、それぞれにつきましては、そのつど御報告したかと思いますが、そこにございますように、二十億、十五億、それぞれ地方交付税の繰り上げ交付を行ないまして、当面の地方公共団体が行ないました復旧事業の資金に支障なからしめるように措置いたしました。  なお、この災害復旧のあと始末につきましては、これからでございます。  当初、三十八年度発生災害に備えるものとして、補助災害分として二十億、単独災害分十五億の合計三十五億のワクを地方債計画の中に持っておりましたが、その後の災害発生状況にかんがみまして、昨年の十一月半ばであったと思いますが、地方債計画を補正いたしまして、このワクを拡大いたしました。補助災害分を五十九億、単独災害分を五十億、その中身は、純粋の単独災害復旧事業が三十八億、そのうち小災害分が十億、激甚法に基づく歳入欠陥に充てるものが二億、合計五十億。したがいまして、補助災害分と合わせまして、両方で百九億でございますが、百九億のワクにこれをかえまして、現在補助災害分、単独災害分ともに、地方からの事情を聴取いたしましてワクの配分作業を行なっておるわけでございます。  また歳入欠陥その他のものにつきましては、例年の例によりまして、特別交付税の算定を行なうわけでございますが、これも現在作業中でございます。大体二月一ぱいで起債も特別交付税も措置できると考えております。  簡単でございますが、以上でございます。

小平芳平公明会

○委員長(小平芳平君) ただいまの報告に対し、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 官房長にお尋ねするのですが、建設省のほうからの報告は、昨年三十八年災に対する事後処理の状況というのがかなり詳しく説明されたわけです。ところが、私どものきょうの災害対策で特に期待しておったのは、昨年農林省において講じられた諸種の施策が末端においてどういうふうに処理されておるか、そのことが知りたかったわけです。あなたのいまの御説明を聞いておりますと、それは大体十月に被害概況と対策として発表されたものをおっしゃったのではないか。ところが、末端の実態を調べてみると、対策として発表されたものが十分末端に徹底をして消化されておる段階にいっておらぬという現実があるのじゃないか。そういう点があるから、私はきょうの災害対策では、実際に講じられた対策がどの程度消化されておるのか、このことを重点に問題を出していこうと思った。ところが、先ほど言いましたように、建設省ではかなり詳しく事後処理の状況が報告されたのに、農林省でどうしてそういうふうな現在の段階で充実した事後処理の対策というものがつかめないのか、このことをまず第一にお伺いしたいと思います。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 末端に、何といいますか、及ぶ処理につきましては、施設関係等につきましては実は非常に関係個所が多うございます。本日用意ができなかったのでございますけれども、詳しく一覧表等にいたしまして、進捗度その他については、本年度の進捗率あるいはそれ以降の見通し等について御報告することはできます。そういう点については、追って資料を整理して御提出したいと思います。  で、農作物等の関係につきましては、天災融資法の融通資金筆にいたしましても、各府県に配分いたしまして、それぞれが末端の金融機関等を通じて農家のそれぞれのほうに流れていくわけでございます。その点については、やはりわれわれとしては県別程度の把握で、あとはそれで事態がおさまったかどうかという事実認定の問題が多うございます。そういう点については、まだ確たることを申し上げかねますけれども、現在までの融資ワク等で各府県からそれでは困るという話は聞いておりません。大体申請と配分ワクというものですべておさまっておるというふうに現段階では考えております。  それから麦等の被害につきましての予備費で支出しました補助の問題がたくさんございますが、これらにつきましては、それぞれ県段階を通じて上乗せ等があって末端にいっておりますが、これらについても、それぞれ要望に沿っておるというふうに考えております。  ただ、御要望があって沿えない点もありますので申し上げておきますと、一つは、麦の被害が非常に大きくて、政府に対する売り渡しが非常に激減いたしまして、その関係で農業倉庫関係で積数が非常に少ない。といいますのは、倉庫に入った麦の量も少ないし、あるいはそれが倉庫にとどまっておった期間も少ない。保管料収入が相当減ったということに対してどう措置すべきであるかという点でございます。これはなお検討するということにしておるのでございますが、大きくは、来年度の食管特別会計の予算で積数が減った場合の特別措置を考えております。将来に向かってそういう措置を考えておるんですけれども、昨年の保管料収入減等については、何といいますか、保管料収入減そのものは金額にすれば相当多額だと思うのですが、それぞれの単位組合に割りつけてみますと、さほどでもない。農業協同組合自身の系統の融資等を通じて経営そのものは維持していけるということで、さかのぼっての対策はいまのところとることにはいたしておりません。  それと、もう一つは、あちらこちらで麦を積み上げて焼却したというようなことで、新聞なんかにも写真がずいぶん出ておりまがしたが、その関係の、何といいますか、作業費といいますか、あるいは地力が落ちたというような点についての政府の施策が十分でないじゃないかということも伺っております。これらにつきましては、草地関係については、地力保全についての炭カル、燐酸質肥料等についての補助を織り込んで予備費支出をするというたてまえで進んでおりますけれども、草地以外については、計算の基礎も非常に理論的に積み上げにくいものがございます。そういう意味で御要望に沿えなかったものもございます。  概略追加説明さしていただいたのですが、一番初めに申し上げました施設関係の現況については、さらに補充する資料を提出させていただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 大体天災融資法の適用による処理、あるいは自創資金の措置等によって、いまのところ各府県から問題が出てきておらないと、こうおっしゃっておりますが、問題はたくさんあるのです。というのは、天災融資法の適用を受けて資金を借るにしても、自創資金を借るにしても、非常に手続が繁雑である。おそらくわれわれが借り入れ書類を見ても、書き入れに苦労するくらい……。ましてお百姓がそんなことできるわけがない。非常に手続が繁雑であるから。そういうことをやってわずかの金を借りるよりも、もう将来こういう調子では、農業もどこまで維持できるかわからぬ。こういうことで農業に対する魅力がなくなってしまって、金を借りて苦労するよりも、出かせぎをして日銭をかせいだほうがいい、こういう空気が非常に強くなっておる。したがって、案外被害額が大きいのにかかわらず、こういう資金を利用しようという希望が出てこないのかもしれない。このことが私は現実だと思う。しかし、このことを災害対策の委員会で議論しても、これはもっとより根本的な問題なんですから、これは農水委員会その他でまた突っ込んだ審議が行なわれると思います。  しかし、あなたのおっしゃったような府県から問題が出ておらないから、それによって、措置された、天災融資法による措置あるいは自創資金による措置が十分であった、という解釈をされるということは認識不足だと思うんです。  それから、末端においての事後処理がまだできておらぬということは、私も狭い範囲しか調べておりません。調べておりませんが、昨年の終わりからことしの初めにかけての豪雪の災害に対する処理にしてもあるいは長雨災害に対する処理にしても、国から出していった補助金等が末端にまだ届いていないという部面があるんじゃないですか。この点はどうですか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 補助金の予備費支出等につきましては、十、十一、十二月にかけて何回かの閣議できまったものが多うございます。それについての交付要領その他の段取りで十二月の末からいまごろにかけて末端で処理されておるものが多いと思います。そういう意味で、全体としては、仰せのように、まだ末端で処理し切れていないというものが相当残っているということはそのとおりだと思います。年度内には大体片づくようにということで、それぞれ督促いたしておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 その場合、なるほど十月ごろに閣議決定をされた、そしていろいろな措置をされたと、こう言われるのですが、それが災害の発生した時期から比べて非常にずれ過ぎる。したがって、その間、地方の実態としては、放置しておくことができぬから地方の自治体でみずからやって、国から金の来るのを待っておるのが実情なんです。それだけに、地方自治財政に対する圧迫というものが強くなっているということも御認識していただかなければならぬ。  そうした災害に対する措置というものは、一月や二月に起こった災害がやっと十月ごろに閣議で決定されるというようなのんびりしたものでは農民は困る。したがって、そういう災害に対する措置というものは迅速にやってもらわなければならぬということで、この災害が発生した当時の災害対策委員会でも、あるいは農水委員会でも、いろいろと論議されたところなんです。そういう論議を事務当局が尊重されるならば、それに合わせて事後処理を進めていただかなければならぬと思うのです。そういう点に事務当局の怠慢があるのじゃないか。  たとえてみれば、事後処理の状況をわれわれが知りたいというのに事後処理の状況に対して満足な報告が得られない。十月の終わりごろにまとめた報告を中心にしてやられておる。末端において処理状況が一体どうなっておるのかということをようつかんでおらぬ。そういうところに農林省の事務怠慢がある。そんなことでは、革命的な農政を叫んでおられる池田さんの御意思にも反する。あなた方自体が、与党なり現在の池田内閣の政策を革命的な農業政策をやるということをサボっておるということになる。そういうふうにお思いになりませんか。  私は、少なくとも一国の総理が革命的な農政をやると言うた以上は、農業に対する一番大きな不利というのは自然的な不利なんですから、その自然的な不利を克服されるような最大限の努力を払うということが第一番になすべきだと思うのです。それすらできないということでは、革命的な農政というものはできるわけがない。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) まあ、だんだんのお話で、われわれ反省すべきこともあるのでございますが、災害対策の中身をいろいろ考えてみますと、豪雪の被害があったというような場合に、次の麦の対策、あるいは経営資金というようなのは、経営に取りかかるときに出ておればそれで時期が得られると思うのです。ただ、農地を手離さないと経営ができないというような差し迫った問題につきましては、これは天災融資法とあわせて自創資金等でめんどうをみるというようなことで、急場のことは措置いたす、まあ自然的な条件の不利といいますか、それをどういうふうに克服していくかというような問題につきましては、これは年次別に進捗度というのをきめて適確に取り進めていくということで措置を従来もいたしておりますし、現在もそういうことでやっておるわけであります。全体が非常に間延びしておるということじゃなしに、その間の系統金融等のつなぎ等もございますから、経営そのものに支障があるというようなことは極力避ける努力はいたしております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 経営に極力支障のないようにしておられるということは確かにあると思うのです。しかしながら、先ほど私が言いましたように、融資その他の点についてはなるほど手が打たれておるようです。ただ手が打たれておるといいましても、最初に私が指摘しましたような問題があるので、それによって農民が満足するほどの手が打たれておるとは私は考えておりませんが、手が打たれておるということは認めます。しかしながら、その他のいろいろな施設の災害復旧等については、先ほど言いましたように、国の処理がおそいから、地方の自治体がその間をやっておる。だから、そのことが、自治行政に対する非常な圧迫になっておるのだと、だから、そういうような手続をもう少し早めて処理をしていただかなければならぬということを申し上げたわけです。  それからもう一つ問題は、私どもが一番関心を持っておりますのは、災害による農地の復旧とか、あるいは農業用施設の復旧というのが、大体三カ年で復旧することになっておるようです。ところが、農地や農業用施設の災害復旧三カ年というのでは、その間の農業生産にも差しつかえてくるわけです。この点は、法律ではなるほどそういうふうになっておりますが、ここらに何らかの検討を加える必要があるのじゃないかということを私どもは痛感しておるのです。  で、話は前後しますが、災害対策に対する、特に農業における自然的な不利を克服するのはどうするかという基本的な問題については、これは別個にまた、われわれ社会党としての考え方もありますので、先般の災害委員会でも議論しましたが、今後も引き続いて議論はいたします。いたしますが、それはさておいて、農地災害復旧あるいは農業施設の災害復旧に対して、農業の生産に差しつかえないような努力を払っていっていただきたいと思いますし、あくまでも法律にきめられておる三カ年ということでいかれるということになると、さしずめ困る問題が起こる。したがって、こういう問題についてどういうふうにお考えになっておるか、それをひとつ伺いたい。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 全体といいますか、制度の仕組みについてお話でございます。そういう意味では、今後われわれ検討すべき重要課題であると思いますが、現段階では、三カ年間で進捗をして完了させるということで取り進めておるわけです。で、何といいますか、日本の耕地その他の実情から見まして、すぐに原状といいますか、被害がありました直前の状態に戻すのがいいのか、あるいはそこの模様をもう少し変えて、さらに生産性の上がるようにしていけばいいのか、というような点につきまして、それぞれの市町村農民の段階でも、相当大きな問題をかかえておるわけでございます。そこで、計画の段階で相当手間どるというようなこともございます。が、趣旨としましては、全体の完了を早めるという御指摘には賛成いたすわけでございますが、被害の査定のみならず、将来に向かってのその部落の村づくりということも含めての若干の期間は、やはり要るのではないか。被害があったから一年でもとどおりにするだけで済むわけでもないという気がいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは、将来の村づくりの問題まで出されてきますと、いまやっておられる構造改善事業がはたしていいのか悪いのかという問題にまでいかなければならぬし、日本の土地の利用状況がどうかという議論にまで入っていかなければならぬわけです。しかし、少なくとも、査定を完了された農地災害や、あるいは農業用施設の災害復旧については、これはやはり農民としては、早急に災害復旧をやってもらわぬことには、再生産ができないのですから、このことはやはりあなた方のほうでもじっくり踏まえて、早期に復旧をやるという考えがなければならないのじゃないか。特に革新的な農政を打ち出しておるのですから、絶好の機会なんです。事務当局は、池田さんが値新的な農政と言ったのなら、三年間で農地復旧をやるというようなでたらめな話はないんだ、少なくとも次の再生産には間に合うように災害復旧をやってくれろという積極的な姿勢が、農林省のほうから出てこなければならぬ。私は、農林省が、農民の立場に立って行政をやっておると思う。その農林省自体が、いまあなたがおっしゃったようないろいろなものをかれこれ取りまぜて話されておったのでは、これは革新的な農政の線に沿うことにならぬのじゃないですか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 非常に大きな転換期にある農政をこれからどういうふうに取り進めていくかということと災害復旧というものは、密接に関連するという点については、まさにそのとおりであると思います。そういう点で、従来の災害復旧体制というものをこの際反省するということについては、御趣旨のとおり取り進める必要があろうかと思います。ただ、災害復旧の進度とか、あるいは融資の手続の問題、そういう点だけが出かせぎをふやしておる原因でないということは、もうすでに御承知のとおり、全体の経済発展の中での農業の地すべり的な現象ということだと思うのですが、だからといって、金融の手続がいまのままでいいとは思っておりません。公庫法の改正等におきましても、融資条件、金利体系等を整備改善する、手続もあまりむずかしくないように改善していくということをあわせ講ずることに来年度からはしておるわけでございますが、そういうものの一環として、御指摘のいろいろな点については善処してまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから、いまおっしゃったことばを私が信頼をして、農林当局にそういうふうな処理を急いでいただくことを特に要望したいと思いますし、その中でも特に私が強くお願いしたいのは、農地関係の災害復旧を早期にやってもらう、このことだけは、ぜひあなた方のほうで実現に向かって努力を願いたいと思うのです。  もう一つの問題は、先ほど御説明の中にも確かに出ておったと思うのですが、農協関係の運営の問題なんです。昨年は、御承知のように非常に災害が多かった。したがって、それに伴う農業団体の支出も多かったはずですし、しかも収入も非常に減ってきておる。したがって、かなり農協の運営に苦労しておる面があるのじゃないかと思うのです。これについては、いろいろと検討中だということを言われましたが、大体昨年の災害によって、農協がこうむった収入の減の状況、あるいはまた出費がどの程度増高しておるか、そういう問題について調査しておられれば、ひとつお伺いしたいと思います。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 概要の数字を申し上げるわけですが、先ほど申し上げました麦の政府に対する売り渡しが激減して、その関係の保管料の減収のことを申し上げたのですが、そのほかに取り扱いの代行手数料の収入も減っております。両方合わせると十三億円程度の平年に対する減収があったというふうに見込んでおります。で、十三億円と申しますのは、それ自体としては大きうございますけれども、農協の総収入、全体の中でどれくらいの地位を占めておるかと見ますと、一・四%くらいになります。これは、農協関係の統計が、三十六年の事業年度でございますから、最近ではこの一・四という数字が若干変わっておろうかと思いますが、大きくは変わってないと思います。そんなことで、農協によっては、かなり影響を受けたものもあると思いますけれども……。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 ちょっと、いまの、何%ですか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 一・四%です。で、農協自身の経営が苦しくなったという点については、系統組織として、何といいますか、相互協調で建て直しをはかるという内部的な力も相当強いわけでございます。十三億円の被害があったから、農協の経営が非常に不振に陥って、そのために事業ができないというようなことは現段階ではないというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから経費は、たとえば種子対策だとか、あるいは生産指導とか、そういったものに、災害関係でかなりの経費を食っておると思うんです。それがどの程度例年に比べて多くなくたとか、そういう点がわかりますか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) そういう点については調査もいたしておりません。で、そういう点についての経費がよけいかかったからどうしてほしいという要望も実はまだ聞いておらないわけです。それに似たようなことでございますが、先ほどちょっと触れました麦の焼却その他で若干労働力がよけいかかった、地力が減耗したという話は聞いておりますが、経費そのものについての話は、調査もいたしておりませんし、要望もないわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは官房長、ちょっと、あなたそういう要望が出ていないと言うのは、あなたが知らぬのじゃないかな。私どものところには、すでに種子対策だとか、あるいは生産指導の経費がかなり例年よりかかったということで、数字まで持ってきて、何とか善処してくれという陳情があったわけです。われわれのところに陳情があって本省にそういう陳情がなかったというわけはないはずです。  それはそれとして、ただいま総収入に対して一・四%程度の損失だと、だから農協経営にはたいした支障はないだろうと、こうおっしゃいますけれども、それは全般的な話であって、農協個々に見た場合に、相当運営に困難をしておるところがある。そればかりでなしに、こういうような損失が、さらに経費がたくさんかかった、そういうところから、農民が望む融資をなるべく押えるというような傾向も、末端の農協には出てきておるわけです。それが一つ。  さらに、なるほど一・四%の損失はたいした数字ではないとおっしゃいますけれども、農協の活動というものを今後どう持っていくかということを考えた場合には、数字が総体の一・四%の損失だから、それに対して手当てをする必要はないんだという考え方は成り立たぬ。農林大臣も、今度の所信表明で、いわゆる流通改善だとか、まあその他いろいろの問題を打ち出しておられます。しかし、その農林大臣が言っておる重点施策として施行しようとする農政の中で占めていく農業団体の位置づけというものを今後どう考えていくかということを考えた場合には、わずかな損失だから何とか農協内部で処理できるだろうということで済ましておったんでは、現在の農協をそのままの姿でいいというふうに農林省が考えておることになるのですがね。私どもは、むしろ、今後の革新的な農政を展開していくその中心に農業団体というものを据えてやっていこうとするならば、農業団体の体質改善なり強化というものを積極的にならなければならぬと思うんです。そうすれば、被害の損失の程度が、数字が少ないから、それで処理を積極的に考えてやる必要はないという論法は成り立たぬと思うんですがね。そういう点はどういう御意見ですか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 農業協同組合そのものの位置づけとなりますと、問題が非常に広くなるのでございますが、まあ、来年度の予算でも、農業協同組合その他が行ないますいろいろな共同施設等についての低利長期融資というものは、近代化資金、公庫融資等を通じて相当大幅な改善を見ております。そういう前向きの姿勢での対策で十分力づけ得る要素も多々見られるわけですが、まあさらに、例の御承知の、団体職員共済の年金制度等についても、これはまあ待遇改善といいますか、というような意味も含めまして、国家公務員の取り扱いに近い措置に切りかえるということも、来年度から実現を見るわけです。そういうような点での前向きの施策に力を入れて、農協の活動力を強化するということで措置する。まあ決定的に、この十三億円のめんどうを見ないと言い切るのは早過ぎますけれども、前向きの施策とあわせ考えれば、一・四%程度の収入減というものを、そのものとして救済するのも、まず必要がないのではないかというふうに考えまして、今回の措置をいたしているわけであります。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 ちょっと関連して…。  ただいま矢山先生の保管料収入減に対して単協が困っていないのだというような答弁があって、三十六年度の農協の総収入に対して、麦の保管料収入あるいは手数料収入の収入減は、パーセンテージにすればわずかに一・四だと、こういうふうなお話があったのですが、三十六年度と三十八年度といえば、人件費あるいはその他の農協の経営というものは、かなり支出が大きくなっていることは、これは間違いないのですね。私、数字を持っているけれども、きょうは申し上げません。  それから困っていないというようなことばは、少しこれは官房長としては、私は納得のいかぬ答弁と思います。なぜかといえば、これは、西日本の最も集中長雨の被害の多かった、しかも水田の裏作として麦をつくったところでは、いわゆる選択的農業といっても、水田の裏作には畜産園芸というものはなかなかやれない。非常に困難なんです。そこでやはり麦作というものは、かなり大きなウエートを占めておる。そういうところは、麦作の収入が減ったから保管料は当然減る。いま矢山先生おっしゃるとおりなんです。その点については、それを全然否定するという答弁は、われわれ直接関係している者としては納得がいかない。同時に、要望がないというような点、あるいは私の聞き違いかもしれぬが、これは全然間違っている。強く関係者は要望いたしておる。むしろ、政府のそれに対する相当の施策を望んでいる次第なんです。そのことだけを帯しておきます。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 先ほど来私の申し上げようが悪い点があったのかもしれませんが、十三億円、一四%の収入減ということがあって、お困りにはなっていると思うのです。ただ、農業協同組合の系統全体として、その県段階、あるいは中金等を含めて、そういうものの協調体制で克服していく力が内部にあるのじゃないかということを申し上げているのです。困っていないというふうには申し上げていないつもりでございます。  で、さらに要望等につきましては、なおわれわれ内部的にいろいろ調査もいたしてみますが、経費が増高したというような点についても、これはまあ、被害があって経費が増高したというような点と、前向きのいろいろな仕事をやっていく点についての経費の増高と、いろいろ協同組合の中の経費の支出内容は、年とともに変わってきていると思うのですが、そういう経費全体の問題として考えますと、不振農協対策をどうするかというような、何といいますか、麦の被害があったからどうだということでなしに、もう少し一般的な問題として対策を講ずる、そういう点の用意は、まあいろんな協同組合対策全体として、農林省としては手段は持っておるわけです。そういう意味で、そういう手段で措置しなければならないような事態に、この被害というのは一つの大きな要素となって、結果として総合的対策で受けざるを得ないというような場合には、一応総合的対策で受けていくということは、これは用意としては十分しなければならないと思っています。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 いまの答弁ちょっと不満足ですから……。  ただいまの官房長の、あるいはことばの表現を、私があるいは聞き違えたのかもしれませんが、さっき申し上げたように、農業は、申し上げるまでもなく、その土地によって違うということは、非常に違いがあるのですね。したがって、その農協の、その災害によって受ける困難なり打撃の程度というものは、それぞれ農協によって違っているのは当然なんですね。ただ、全国的な組織全体がどうだとか、全国の農協がどうだとかいうようなことと、農協の経営そのものの不振、それをひとつ回復するんだというものと、それから政府がいやしくも収入減を否定している、ことに農村の場合には、市街地と違って、麦の入庫がなくなったからといって、直ちに他の商品を転換して入れて収入を得るということはできない。市街地なら、これは他の商品を入れて保管料をとるということはできるのですね。ですから、ただ単純に全国的な問題のように考えたり、あるいは一般的な農協の不振問題とからませて、災害の問題とごっちゃにするような答弁は、これはひとつ、よくいまの実態を考えて答弁して下さらぬと、農協の全体の関係者あるいは農業者に与えるいまの農林省の当局のお答えとしては親切でないと思うのですね。この点ひとつ、私らのように直接関係を持っている者から強く要望をいたしておきます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いま、森部さんのおっしゃったの、これは当然のことなんです。それから私は、先ほど官房長のお話を聞いておれば、農業者が出かせぎに出るのは、何も災害の原因だけじゃないということをおっしゃったのですが、そのことは私どもよく存じております。いわゆる現在の政府がとっておる高度成長政策で、農業に希望を失ったから農民が流出しておる。ところが、それにさらに拍車をかけておるのが今度の災害なんです。このことをやはりかみ分けて考えてもらわなくちゃいかぬ。ごっちゃにして物事を考えられたら、災害対策というものは成り立たなくなる、これが一つです。  それからもう一つは、農協は困っておらぬとおっしゃるけれども、先ほど森部さんのお話に加えて、さらに私ども言いたいのは、農協は困らないように、なるべく金が外へ出ていかぬようにしているわけです。農民からの貸し付け要求があっても貸し付けをしない。入ってきた金は、たとえば天災融資なら天災融資で貸し付けを受ける金を、肥料代やその他に農協が差っ引いてしまって、それから農民に残りがあれば渡してやると、こういうことすらやっておる農協すらある。それだから、内部は概念的に見ると困っておらぬように見えるのです。しかしながら、あの災害で、保管料、手数料等の激減、さらに種子対策、生産指導による経費増高、これらのことを考えたら、個々の農協というものは、あなたがおっしゃっているように困っておらぬという段階ではないのです。困っておるからこそ、各農業団体は強力な陳情をやっておるはずです。その陳情をやっておることを官房長が御存じないということになると、これは官房長の認識不足、それじゃ農政の推進はできない。  それともう一つは、明年度農業協同組合等については前向きの対策を打ち出しておるとおっしゃいます。しかし、今後の農業等のあり方をどうするかということは、これは基本的な問題なんで、私は災害対策で論ずるよりは、農水の委員会で今後の農業協同組合の位置づけ、農業団体をどういうふうに持っていくかということで論議したいと思うのです。しかし、そのことと、当面の災害対策とは分けて考えてもらわなければいかぬ。これは森部さんのおっしゃるとおりです。だから私どもは、現在災害によって農協が経営困難におちいっておるところがあるということはたしかなんだから、そういう点をもう少し農林省では的確につかんで、それに対する対策というものをまず立てられぬと、来年度前向きの姿勢で農業協同組合対策をやるんだということだけでは片づかない。現在の経営困難、現在のおちいっておる困窮の状態を救済しないで来年度のことを言ったんでは、農民も農業団体も満足しないです。だから、その辺のけじめをつけて御答弁ください。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 個別のそれぞれの協同組合が、特に麦の主産地等においてどういうふうにお困りになっておるかというようなことについてはわれわれとしても十分調査を続けていくつもりでおります。特に三月の決算になれば、経営の実態ははっきりしてきます。そういうようなものを踏まえて、どうしていくかということを考えたいと思います。  さらに、その災害のために経営が苦しくなって、そのために農民に対するサービスが非常に悪くなっておるというようなことも、十分心配しなければならない問題だと思います。そういう点につきましては、農林省としては、それぞれの単協が力がなければ、県連からの貸し出しという道も聞き得るわけでございますから、それぞれの実態に即して措置してまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 もうこのくらいでやめたいと思いますが、最後に申し上げておきたいことは、先ほども言いましたが、繰り返すことになりますけれども、災害対策と、それから今後の農政の方向というものとは一応分離して考えてほしい。完全に分離はできぬでしょう。しかし、まず災害対策に対する十分な手を打たないで、次の前進する施策が出てくるわけはないですから、だからその点で、まず災害対策の完全を期するという立場を強く要求したいと思うのです。そのためには、いま問題になっておる農業団体の収入減、あるいは経費の増高、これに対する処置というものを、最初あなたがおっしゃったように考えておらぬということでなしに、今後考えるということに切りかえていただかなければいかぬ。それで検討して善処するということになれば、私もそれで引き下がります。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) だんだんのお話で、御要望の趣旨よくわかったわけでございますが、われわれとしては、方向として、災害対策をさらに充実するという観点に立って善処をいたしたいと思います。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 麦の保険金の支払い状況について、報告がありましたので、ちょっとお尋ねしたいのですが、御了承のとおり、国のほうから多額の保険金が流れてまいったですね。その大体一割に相当するものが県の連合会の責任で支払わなければならぬのですが、県によりますと、県連合会の財政状況が非常に悪いために、その一割の調達ができない。やむを得ず、国から来た保険金だけを支払っておる。いわゆる支払うべき金額から一割引いた額で支払いをしておる。こういう実情の県があるのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。私は長崎ですが、長崎県の状況を見ますと、連合会が約一億負担をしなければならないのに、積み立て金その他の全資産を投げ出しましても六、七千万円の不足になるわけです。したがって、連合会としては、やむを得ず、それだけ差し引いた額で農民に支払いをしておる。こういうことで、現在県に対して何らか助成してもらえないか、また国のほうにも何か方法がないかということが陳情されていると思うのですが、これは直接国の責任ではないことではありますけれども、事態がそういう事態でありますから、何か融資の方法はないものか、あるいは県がそれを県自体で助成しました場合に、これは自治省関係になると思うのですが、特別交付税その他でこれを見てやるというような方法はできないものか。その点について、事情がわかっておればその事情と、対策を考えておれば対策について、簡単にでも御説明いただきたいと思います。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 担当の農業保険課長が来ておりますので。

岡安誠農林省農林経済局農業保険課長

○説明員(岡安誠君) いまの御質問でございますが、共済金の支払いにつきまして、国の特別会計から支払います再保険金さらに県にあります共済組合連合会、それが自分の手持ち資金を加えまして保険金としまして共済組合に支払います。それらを合算しまして、共済組合が農案に共済金を支払うわけでありますが、御質問の県の連合会が手持ち資金が不足する場合にどうするかという点でございますが、この点につきましては、現在、農業共済基金という団体が中央にございまして、この基金から不足分は融通するということになっております。したがって、県の連合会が支払うべき保険金はこれを減らすということはないはずでございます。ただ問題は、末端の組合が、やはり自分の手持ち責任部分を付加いたしまして農家に共済金として支払うわけでありますが、共済組合につきましては、全体の一側について支払う責任を持っております。ただ、非常な災害でございまして、その一割の責任のうち、自分の手持ちでもってまかなうことができない組合があるわけでございます。これにつきましては、現在、融通の措置というものはないわけでございまして、制度のたてまえの上からは、自分の手持ちの共済金と、さらに従来積み立ててありました積み立て金等がある場合にはそれを支出いたします。それでもなお不足する場合には、これを削減をするというふうにこれはたてまえ上そうなっております。したがって、この部分だけは金額から差し引きまして保険者に支払います。現在いろいろ検討いたしておりますが、融通等の方法は現在ないということでございます。

柴田護自治省財政局長

○政府委員(柴田護君) 実態はよくわかりませんから、ここではっきりしたことをお答えいたしにくいのでございますけれども、やはり、保険制度があって、その保険制度によって支払うというたてまえがあります以上は、それをやるべきである、県が支出するとしましても、一種の立てかえ支弁という形のものではないか。したがって、それを特別交付税に結びつけるということには問題がありはしないか。その本来の制度じゃ、どうしても、何といいますか、救いきれぬとか、それほど規模が大きいとか、あるいは全然本来の制度が対象にしていない別の事態が起こっている、関連があるけれども別の事態だ、したがって、本来の制度をフルに活用しても、なおかつその関連する施策というものを考えていかなければならぬという問題が起こりました場合には、これは検討の余地があるかと思いますけれども、いまのお話では、どうもやはり特別交付税にはなじまないことじゃないかというふうに考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、しろうとで詳しいことはわからないことあるんですが、いまの官房長の答弁の中でちょっとただしておきたいことがあるんです。これは災害特別委員会ですから、それで災害の問題をやっぱり明らかにしなくちゃならないと思うんです。そういう点から聞くんですが、先ほど農協の保管料、手数料が十三億減少した、これは一・四%に当たるというのは、全国の農協の総収入に対してですか。一・四%はどういうことですか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) ちょっと不十分な御説明をしましたので、補足さしていただきたいと思いますが、十三億が一・四%というふうにあるいはお聞き願ったかと思いますけれども、十三億が一・四%でなしに、手数料と保管料の収入が三十六事業年度において総収入に対して一・四%ということでございます。その一・四%の中でさらに被害によって減収があったということでございます。その点訂正さしていただきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、この麦の被害の非常にひどかった北九州ですね。そういう地域ではどうなっているんです。それは調べてあるんですか。それを調べなければ、その統計が出なければ話にならぬ。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 農政局の参  事官から答えます。

玉置康雄農林省農政局参事官

○説明員(玉置康雄君) 県別に全部申し上げてもなんでございますから、たとえば、福岡県の例で申しますと、年間の総収益の中で、麦の手数料、保管料が占める率が二・三%でございます。三十六年度でございます。それで、昨年度保管料の収入減が、平年に比較いたしまして六二%の収入減となっております。ほかの県も申し上げましょうか……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私聞いていて、やっぱりこれは、災害特別委員会で、その災害が非常に激いしところを復旧し、それを保護していく、そういう任務を持っているわけでしょう。ところが、どうも部分的な問題を全国的な統計で答弁されていると、一般論に解消されちゃうんですね。そうして何か問題が分散させられるわけですよ。ところが、いまのお話は、少なくとも北九州の非常に昨年の麦の被害の多かったところの統計で答弁するならいいけれども、全国的なそういう統計で答弁してくると、問題をはぐらかしてしまいますから、こういう答弁のしかたというのは、こういう災害特別委員会で用いてはいかぬ。災害のそういう局部の問題を問題にしてやっているわけです。いまの答弁、あらためて答弁してもらいたい。  もう一つ。先ほど矢山委員からも質問があったんですけれども、非常に上のほうでやることがおくれている。閣議決定が十月で、しかも今年度には何とか届くだろうという答弁。しかし、この問題を、実際抜き取り調査でいいんですが、幾つかの形があると思うんですが、これをほんとうに把握するというような、そういう何か機構がないのか。これはあなたに求めても無理かもしらぬけれども、民間に委託するなり、もっと自由に、末端の被害を受けているところの、そこのところについて、実際その補助金なり保険金がどういうふうに執行されているのか、こういうことを実際調査することは、そんなこと、すぐできると思う。しかもそれは科学的にやらなければなりませんよ。最初から意識的に、報告用で、自分の成績にかかわるから、ぐあい悪いからと、そういう調査項目でやったのでは、これは実際の実情把握というのはできない。実情把握が非常に不十分だから、対策がいつでものんべんだらりとしているのです。そうして、昨年から何べんも繰り返してきているけれども、実際に末端のかゆいところに手が届かない、こういうことになっている。これは、次官にお伺いしますが、次官、こういう問題を何とか処理しなければだめだと思うのですが、どうですか。そういう、ひとつ、抜き取り調査でもやってみなさいよ。はっきりする。はっきり報告を求めたらいい。こんなの一カ月も要らぬですよ。やる気だったら十日でできる。報告すればいい。どうです。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○政府委員(松野孝一君) 先ほど来、矢山委員あるいはその他の委員からも同じような御指摘があったのでありますが、農林省といたしましても、お話のように、災害がありましたら、できるだけ早くその処置をとるというというたてまえでいるわけであります。ものによりましては、たとえば再保険金の概算払い金というようなものを一部は七月一日から八月中に支給をしておるような状況であります。また、災害も長く継続的に行なわれておるので、おくれておる分は、いま官房長が話したように、処置がおくれているわけでありまして、いまお話しのように、災害を早くつかまえるということは、農林省には統計調査の機構が全国にありますので、わりあいに早く本省に来ておるわけであります。今後とも、われわれはこのおくれている面は十分督励いたしまして、できるだけ早くやるようにいたしたいというように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私言っているのは、それは農林統計があって、いろいろそういう調査をやっていることはわかっていますけれども、ただ、いつでもおくれているのは、実態がやっぱりつかめない、深刻な。だから、抜き取り調査のようなものをやってみたほうがいいと思うのです。これは、そんなに費用がかかるわけでもない。だめならむしろ民間に委託するとか、それから、学者に委託するとか、できるのです。これでやれば。あんまり官僚的なやり方はしないで、本気になってやる気なら、私はこんなの半月だってやれますよ、抜き取り調査を。そういう広いところを対象にしないで、一般的な統計論でごまかさないで、やっぱりはっきり具体的につかまえて、これをやってみればできるのですよ。そういうところにわれわれ政治家の心が及んでいたいから、そういうものが及んでいないために、いつでも鈍感になってしまう。上のほうではそれをつかんだらいい。どうですか。やる気だったらできる。そういうことを心がけてみたらどうかということなんです。それを聞いておきたい。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) お話の御趣旨、ごもっともだと思います。農林省といたしましては、被害の実態把握、これは先ほど政務次官からお答えしましたように、統計調査部の機構を通じまして、被害の調査はきわめて迅速に集めております。その上で対策を考えるわけですが、施設関係等につきましては、災害査定官の制度もございます。で、非常に広範囲なときは、若干巡回していくについて時間がかかる場合ごもざいますけれども、建設省あるいは農林省、大蔵省等、それぞれ共同して回るというようなこともいたしまして、ばらばらでなしに、できるだけ総合的に被害の実態を把握するということで、査定官の活動を強化してまいっておるわけです。さらに、農林省の内部で申しますと、いろいろな施策についての末端に浸透しておるその状況については査察官の制度もございます。そういうものをフルに活用することによって、逐次改善は見ておると思っておるのでございますが、さらに御指摘のように活動を強化していくという方向へ進みたいと思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それじゃ、ここでひとつ資料の要求をしておきたいのです。昨年度豪雪から以後の災害の事後の処理の状況、特に末端においてどういうふうに処理されておるのか、おそらくつかめるはずですから、この処理状況というものを資料として出していただきたい。  それからもう一つは、災害に関係のある地域の農協の災害による収入減とか、あるいは経費の増高がどういうふうになっておるか、さらに経営実態がどうか、つかめればそこまで調査して資料として提出していただきたい。その上でさらにこれらに対する対策というものを災害対策委員会としては論議していかなければならぬと思うのです。その資料を提出願えますか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) 第一の資料については、至急に取りまとめて御提出申し上げます。  それから農協の経営実態等につきましては、若干時日を要するかと思いますが、御趣旨のような方向で取りまとめます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それじゃ、最近発生したノリの被害の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、先ほど官房長のほうからお話があったところでは、まだ十分に実態がわかっておらぬ、こういうふうなお話だったように思っております。ところが、それは官房長のほうからのお話であって、私としては、担当の特別の責任者である水産庁の長官のほうから最近のノリ被害の実態というものを、できる限り詳細にひとつお知らせを願いたいと思う。われわれとしては、実際には資料がほしかったわけですけれども、資料の提出をいただいておりませんので、お話を聞いてから、それに対する対策等について、どういうお考えを持っておられるか、お伺いしたいと思いますので、まず、その点の御説明をお願いしたいと思います。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) お尋ねの、最近発生いたしておりますノリの被害状況につきまして御説明申し上げます。  昨年は、御承知のように、一、二月ごろから非常に冷水塊問題が起こったわけでございまして、総体といたしまして、太平洋の千葉沖あたりに冷水が停滞いたしたわけでございますが、そういう冷水塊被害が九月ごろから徐々に回復はしてまいったわけでございますが、ノリの種つけ時でございます九月前後にはまだ水温が低かった、こういうような状態でございます。一体に、種つけ時に海水があたたかくて、そうしてこれが徐々に下がってまいりまして、十二月までに海水の温度差が非常にあるということが、ノリの成育には非常にいいわけでございますが、例年に比して、種つけ時には水温が低くて、そうして十二月まで海水の温度差が非常に少なくて、一体に海水が黒潮の影響等で平年に比べて高い、こういうような状態で、ことしの暮れのノリの被害は、海況の異変によるものとわれわれは考えております。  そういうことで、一番被害の多い県は、千葉、宮城、福島、岩手、青森、神奈川、それからなお愛知、三重のほうにまで被害が及んでおる、こういう状況でございます。海水が温度差がない、それから海水が一体に温度があったかい、こういうようなこともありまして、成育が悪いということと、かって加えまして、そういったようなことが原因で、また赤腐れ、白腐れが発生しておる、こういう状況でございます。  それから、昨年から非常に県のほうから報告が参ったわけでありますので、水産庁といたしましては、被害県に調査班を出して実態把握につとめたわけでございます。また、先般は、関係府県の水産技術者並びに国の試験研究機関、それから大学等の専門家、そういう者も集まりまして技術的な検討もいたしまして、そういう点が判明いたしたわけでございます。  それで災害の状況でございますが、現在のところは、大体県からの報告、それから、われわれが現地に出向いて調査いたしましたところを取りまとめますと、十億枚をこす、こういった被害でございます。金額にいたしまして八十一億以上にのぼる、こういうような状態でございますが、今後、まだノリの最盛期に一月、二月までかかるわけでございます。千葉あたりでは、そういった被害が非常に激甚でございまして、網を揚げておる、こういうような状態で、今後の生産は見込まれない、こういうような状態になっております。千葉等の減収が一番ひどいわけでございますが、大体全滅に近い、こういうふうになっております。  この問題につきましては、こういうことでノリ養殖漁家の被害が非常に激甚でございますので、被害額をこういうふうに取りまとめ、ただいま天災融資法の発動につきまして、大蔵省と打ち合わせ中でございますが、早急に講ずる対策を決定してまいりたい、こういうふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 大蔵省のほうにお伺いしたいのですが、農林省とすでに御連絡があったことと思うので、ノリの被害がどれだけ激しかったかということと、さらに、それによる漁民の打撃の程度がどれくらい大きかったかということは、すでに御承知だと思うのです。その場合、水産庁のほうとしては、天災融資法を発動するという点で検討されておるようですが、大蔵省のほうとしては、現在どういうお考え方を持っておられるか、それについてお伺いしたいと思います。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) ただいま水産庁のほうから被害の状況の御説明がございましたが、そのようなことにつきましては、私のほうでも同様に御説明を伺っております。本件につきましての問題といいますか、私どもの相談の中心になりますものは、一つは、被害の程度でございます。これは、いま数字もございましたけれども、正式には統計調査部のほうで数字をお出しになることと思っております。これが大体政府としての判断の根拠になるわけでございます。  それからもう一点は、何ぶんにも今回の暖冬によるノリの被害というようなものは、あまり前例がないものでございますので、これがはたして天災融資法による天災として見るべきものであるのかどうかというようなところに、若干のまだ議論があるようでございます。御承知のとおり、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法、第一条に、天災というものについて書いてあるわけでございますが、ちょっと読んでみますと、「この法律は、暴風雨、豪雨、地震、暴風浪、高潮、降雪、降霜、低温又は降ひょう等の天災によって」ということでございまして、いまのようなものがはたして天災ということになるのかどうかというところは、やはり若干議論があるようであります。まあ私どもとしては、その辺は常識的に考えていっていいのじゃないかと考えております。昨年も、実は豪雪の際に若干議論がございましたのですが、これは「降雪」というのがありますから、その点はあまり問題なかったと思いますが、これはとにかく対象にいたしておるということでございますので、今回のものも大体問題ないのじゃないかと私は考えておりますけれども、なお法律的に議論がある、こういうことでございます。  いずれにしましても、統計調査部のほうの被害の数字が確定いたしましたならば、できるだけ早く処理をする、こういう方針でおるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 主計官にいま法律を読んでいただいたのですが、この天災法の法律の中に出ておる文句は、いまおっしゃったような暴風雨、豪雨、地震、暴風浪、高潮、降雪、降霜、低温、降ひょうなどです。ところが、これだけが天災かと、そういう解釈を大蔵省がされるところに、いわゆる融通のなさというものがある。暖流というものは、これは人工によって起こるものですか。しかも、私どもが持っておる資料によると、今度のこのノリの暖冬凶作というのは、千葉県の内湾水産試験場が調査した詳細な資料があります。これによると、従来の経験からして、また、科学的な調査をやってみた結果が、いかに人工的に努力をしても、暖流による災害であったと言わざるを得ないということを言っているわけです。それなのに、その暖流を天災でないとお考えになるような大蔵省の見解というものは、私はこれは妙な見解だと思いますが、その法律解釈に疑問があるというところに、私たちは疑問がある。大蔵省というのは、そういうような法律解釈をするところなんですか。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) 誤解のないように申し上げておきますが、大蔵省が法律解釈に疑問があると申し上げておるわけではございません。これは当然法制局とか、そういうところでひとつ十分に議論していただくという問題でございます。また、天災という場合に、この法律では、こういうふうな書き方でございますが、ほかの公共土木施設災害の国庫負担法とか、農林水産業施設災害の暫定措置法におきましても、災害という定義がございます。そういった定義などもあわせて考えてみますと、大体今回のものは天災として問題ないのじゃないかと、私個人としては思っております。ただ、そういった解釈上の議論は、法律上書いてあるわけではないから、やはりはっきりしておく必要かあるのじゃないか、こういうことであります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それじゃ、えらい突っ込んで聞くようですが、この暖流による凶作異変を天災だと考えることに疑問があるという根拠がどこにあるのですか。暖流が人工によるものであるかもしれぬとお考えになった上、疑問があるとおっしゃっておるのですか、この点はっきりしていただきたい。私どもは、暖流による凶作異変は明らかに天災だと思っている。私は、もしあなたが、明らかに天災でございます。とおっしゃっていただけばそれでいい。ところが、暖流異変を天災として解釈することに疑問があるというところがおかしい。どこでそういうような法律解釈が疑問になっているのですか。その疑問を出されているのは、どこが出しているのですか。そこをひとつ明らかにしていただけませんか。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) まず一点申し上げておきますと、暖流異変というものにつきまして当然議論すべきところは、気象庁あるいは海上保安庁であろうと思いますが、そういったところからの御意見というのは、私どもまだ伺っておらないわけであります。先ほど水産庁のほうからお話しがございましたが、県のほうでそういうお調べがあって、現在報告があるという段階でございますので、この点について、至急気象庁等の御意見を私どもとしては拝聴したいと考えております。もちろん、連絡してございますが、まだそのほうから、どうだというほどの御意見をいただくに至っておりません。これはおそらくこれから御調査をされるのだと思います。  それから、この法律上の問題については、一体だれが文句を言っておるのかというお話でございますが、これは、私のほうにも法律担当の課がございますが、そういったところで、一体これで読めるかどうかという点について、若干問題があるかもしれぬ、こういう議論がございます。水産庁のほうでも議論があるじゃないかと思いますが、その辺のところは、だれがというと、非常に問題でございますので、なんだったら、私がやはりこれを見まして問題だと思っているということでもけっこうだと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 気象庁がまさか幾らとぼけておっても、暖流を天災でないというはずがないと思う。それから大蔵省の法律解釈を担当する人が幾らとぼけておっても、暖流による異変を天災でないということはできない、そういうような考え方が間違いだと言うのです。暖流は人間の力では防げないから、これは明らかに天災ですよ。しかもあなたがここに、第一条に並べられておることばだけをいま摘出されて言われている。ところが、その先をちょっと読んでいただかなければいかぬ。よろしいか。「低温又は降ひょう等の天災」「等の天災」となっておる。だから、天災といえば、こういうもの、こういうもの、こういうもの、こういうものといっていろいろたくさんあるでしょう。それをまるでひっくるめてここにはあげてない。あげてないけれども、「等の天災」といってあげてある。そうすれば、「等」の中に暖流異変というのは天災として含まれてくると解釈をするのが、あたりまえの解釈なんだ。その解釈ができないというのは、これは解釈のできないほうがどうかしておる。私は当然、「等の」の中に暖流を含めて明らかに天災法を適用できる、ということを、はっきりあんたからおっしゃっていただきたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまのは大蔵省の統一見解じゃないでしょう、あんたの個人的見解だね。大体ここに政府委員が来ていないで、一主計官がそういう私見みたいなことで出すということは不謹慎だ、取り消しなさい。そんなこと許されぬ。あんたのなにを出すのはいいが、説明員がそんな法律解釈の問題で、しかも、事実に反した、そういう私見なんて認められない、撤回すべきだ、政府委員じゃないだろう、ここは国会だ。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あんたのいま言った議論は取り消すんだ。あんた法文の読み方を間違っているのだよ。「降ひょう」の次に「等」が入っている。「等」というのは何のことだ。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) どうも説明員でまことにそういったことを申し上げましたのはおわびをいたしますが、いまの「等」は、私どももちろん読んでおります。なお、つけ加えて申し上げますと、たとえば台風とか、あるいは豪雨というような場合でも、いずれも災害として見る場合には、数量的な基準がございます。たとえば降雨であれば、一日の降雨量が何ミリというようなことが、取り扱い上各省の間でそれぞれ統一見解がきまっておるわけでございます。おっしゃるように、暖流は天然現象でありましょうから、天災でないというのは、非常におかしな解釈だと思いまするけれども、一体どの程度からそういうものを取り扱いの対象にすべきかという議論は、いままでされたことはないわけでございます。私が恣意的にこうだというようなことを申し上げるわけではございません。そういった点を、これからお話がございましょうから、それを聞いて、大蔵省としては、その方針に従って処理してまいりたい、こういうことでございまして、決して天災でないと申し上げておるわけじゃございません。おそらく天災ということに解釈はなるでしょうと思いまするが、まだそこまでのはっきりした決定になっておらないということを、実情を申し上げておるわけでございまして、御了承を願いたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あんたがいまおっしゃったのは、融資の基準をきめるときの問題なんですよ。天災かどうかという解釈がいま問題になっておる、天災かどうかという解釈がね。その場合に、明らかに、天災になるだろうと思う、じゃない、天災なんですよ、これは。人工災害じゃないのだから、暖流による異変というのは。だから、天災になることに疑問があるとあんたがおっしゃるから、われわれはあんたに文句を言わざるを得ない。疑問ではない、天災になる。その点を、あんたもきょう大蔵省の他の方々が差しつかえて出てきておられぬので、だから言いにくいかもしれぬけれども、あんたも出てきておる以上は、大蔵省を代表して出ておるのだから、天災になります。といってはっきりおっしゃい。それが言えないで大蔵省を代表して何しにこの災害対務委員会に出ておるか。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) つけ加えて申し上げておきますが、ただいま問題になっておりますのは、この法律を適用する天災ということで見るか見ないかという問題だと思います。そういうことでございますれば、いわゆる通常の意味の天災といいますか、天然の災害といいますか、そういう解釈であれば、それはもちろん天災ということでございましょうけれども、この法律の対象とするような天災なのかどうかということを申し上げたわけでございます。第一条と第二条とあわせて議論しているじゃないかというような議論はあるかと思いますが、その点は若干説明が不十分であったかもしれませんけれども、この法律上の問題として考えた場合にどうか、こういうことだろうと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは、天災程度と天災であるということをごっちゃにしておるのだ、あんたは。だから、天災法が適用になるかどうかということは、災害程度によるのだからこれは別なんです。われわれは、大蔵省がこれを天災と見るか見ないかということを問題にしておる。だからあなたが、天災と見ます。と言えば、これがどう具体的に適用されるか、それは自後の話なんです。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) まあ押し返して議論はいたしません。ひとつ御趣旨の点も十分、私どもも帰りまして、法律担当者のほうともよく相談いたしまして、できるだけ善処するようにいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これを天災でないなんという結論が出たらわれわれ災害対策委員会としたっておそらく与野党の委員としたって、承知しませんよ。そういうかってな解釈ができるわけがないのだ、この法律で。それだけだめ押ししておきますよ。きょうの議論をあなたは帰ってよく上司に報告して、そんなとぼけた法律解釈をするような人間がおったら、はっきりとあんたのほうから言うことだ。  それじゃ次にお伺いしますが、水産庁のほうの見解は、天災であるということにはっきりしておりますね。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) 海流の異変というふうにわれわれは考えておるわけでございまして、ただいま大蔵省のほうからも御答弁がありましたように、この天災法の適用になるかどうかということについて、いま大蔵省とよく打ち合わせ中でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 天災法の適用になるかならぬかじゃない、水産庁は天災と考えておるかおらぬかということを聞いておるわけです。水産庁がそんな腰抜けたようなことじゃ話にならぬ。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) 昨年の冷水の異変、それからその後におきまする黒潮の流れの非常に大きな変化、こういうことによりまする海況異変ということにつきましては、非常に平年に比べまして異常なものがございますので、天災と考えて天災法の適用を大蔵省に相談中でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それで水産庁の考え方ははっきりしました。天災ということの上に立って大蔵省と今後折衝していく、そのことだけをわれわれのほうでも確認します。  その次にお伺いしたいのは、私はこの間、千葉県のほうにこの災害の実情調査に行ったわけです。そのときに出た話は、こういうことなんです。非常に大切なことですから聞いておいていただきたいのですが、従来なら、たとえばノリが多少不作であった場合でも、東京湾において漁業ができた、ところが、現在では東京湾で漁業ができない、したがって、ノリ作一本にたよっておる状態だ、自分たちはこの四年間人工採苗によるノリ養殖は安定しているのだと思って安心をしてやってきた、ところが、今度の大災害を受けたのだ、その災害の上に立って何とかして自分たちの本来の仕事である漁業で生計を維持したいと思うけれども、先ほど言ったような状態で、漁業は一切できない、したがって、日雇いに出るか、それ以外に収入源はないのだ、しかも、日雇いに出るにいたしましても、若い人なら多少日雇いに出られる、しかし、大体四十五歳以上ぐらいになると、もう日雇いの仕事もない、しかも、日雇いの収入というのは、一日に六百円か七百円程度くらいしかならぬのだ、こういうことで、われわれの生活というのは極度に困窮しておる、こういう話をわれわれは聞かされたわけです。その中で、千葉県としては何とかしてやらなければならぬというので、年末の越年資金の手当てを、県のほうで農林中金から金を借ってやっております。さらにもう一つは、この七月の仕込み時期まで待っておったんではどうにもならぬ、できるならばこの二、三月に、いろいろな網のつくろいだとか何だとか準備をしたい、そうして、仕事のない期間にその準備をやっておいて、そうして七月の仕込みにかかりたい、したがって、天災融資の発動も早期にやってもらわなければどうにもならぬ、こう言っておるわけです。そういう点について、水産庁のほうでは、十分にそういった実態を把握し、それに対処していくというお考えがありますかどうか。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) ただいま御指摘の点は、私ども千葉県の知事から再々伺っております。特に被害が甚大でございました千葉県といたしまして、また、ノリ専業の漁家が多いわけでございますので、そういう点、千葉県におきましても非常に対策に重点を置いておられると、こういうふうにわれわれは報告を受けております。そういう意味におきまして、ただいま天災法の適用の問題が問題になっておりますが、できるだけ早く、再生産資金の確保ということについて手を打ってまいりたい、こういうふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 さらにもう一つつけ加えたいのは、漁民としては、何とかしてノリの採取をやりたいということで、二次綱も張った、あるいは他県から買い網もやった、あらゆる手を尽くしておるわけです。どんな手を尽くしても、それが全部成功しなかった。しかも、買い網等をやったための費用というものが、富津町というところがあります。その富津町の漁業協同組合の構成員というのは千二百六十人ばかり、それが買い網等に要する経費として七千百二十万円からの借銭をしておる、こういう実態もあるわけです。そうすると、生産がほとんど皆無だ、なるほど一部、一月十日ごろまでは多少の生産もあったようです。しかしながら、一月十一日以後においてはほとんど生産皆無と、こういう状態なんですね。したがって、いままでただ単に生活費で困っておるだけでなしに、そういうふうな買い網等をやった経費についても、多額の負担をして、困窮しておるわけです。それだけに、措置のとられることを早急にやってもらいたいという希望が非常に強いわけです。このことを踏まえて、水産庁としても、あるいは大蔵省としても、天災融資法の発動というものについては早期にやってもらわなければならぬ、こういうふうに私どもは希望するわけなんです。大体そういった状況を、まあ私が申し上げぬでもよく御存じであろうから、その状況を踏まえて、いつごろ天災融資法の発動をやられるか、およそのめどというものを聞かしてもらいたいと思うのです。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) ただいま大蔵省と協議中でございますが、できるだけ早くということで、早急に発動いたすように努力いたしたいと、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あのね、水産庁長官、できるだけ早くになりますと、先ほど一般の昨年の災害で私がいろいろ言ったように、わりあいおくれるのですよ、これが。ところが漁民のほうは、とにかく二、三月中に一部手当てをしてもらいたい、それで準備にかかりたい、それで七月にさらに手当てを受けて、三十九年のノリの生産をやりたいと言っているわけです。だから、「できるだけ早く」というのは、「できるだけ」ということじゃ困るので、われわれとしては、二月あるいは三月の初めくらいに、その資金手当てをやってもらわぬと、漁民が非常に困ってくる。水産庁の長官としては、それだけの腰をもってひとつ話を進めてもらいたい、それに対する見通しがあるのかないのか。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) これにつきましては、県の報告と概略の調査をわれわれはいたしているわけでございますが、さらに部落別とか、漁協別、こういった調査も要るわけでございますので、そういう点、いま進めております。そういうのを早急にやりまして、いま御指摘のような時期に間に合うように、こういうことで措置いたしたいと思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは天災融資法の発動、さらに、それに伴う資金手当てについては、ただいま私が申し上げたような状況なり、さらに、水産庁でよく御存じの状況を踏まえて、漁民の再生産に差しつかえないように、早期にやってもらいたい、このことをひとつ強く要望しておきたいと思います。  それからもう一つ、これはちょっと問題が災害対策で論議する問題ではないと思うのですけれども、せっかくの機会ですから、水産庁長官にひとつ注文をしておきたい。というのは、東京湾が、現在あれだけ工場が沿岸にずっと立て込んできて、もう漁業はほとんど成り立たないような状況になっているわけです。しかも、ノリですら、天災による災害を受けることはもちろん、昨年の九月以降でも六回からの廃油による災害も受けている、いわゆる公害による災害というものも非常に大きくなってきているわけです。しかも、あの沿岸は高度成長で埋め立てがどんどん進んでいる。そうすると一体、今後の漁民の生活というのはどうなるのか、これに対して非常に大きな不安があるわけです。そこで水産庁として、今後のこの漁民をどうしていくかということについてお考えがあるならば伺っておきたいと思います。ただしこの問題は、さらに突っ込んだ議論というのは、これは農林水産委員会等でやらしていただきたいと思いますが、せっかくの機会ですので、ひとつ伺っておきたいのです。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) 東京湾が公害が起こり、あるいは高度成長に伴いまする埋め立て等で、ノリの漁場等が喪失されていく、こういう状況でございます。こういう点につきまして、沿岸の漁業をどういうふうに持っていくか、こういうことについては非常にむずかしい問題でございますが、ただいま千葉県については、沿岸漁業構造改善対策事業を指定いたしまして、そういった点を織り込んだ計画をいま樹立中でございまして、いずれ計画を千葉県と相談して、そういう点も考えました構造改善対策の中で、どういうふうに持っていくかということ等も計画的に定めまして、事業化して、いきたい、こういうふうに考えます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 なるほど、沿岸漁業構造改善対策事業で処理していきたいとおっしゃったのですが、水質保全法があっても、これすら実効を発揮しておらないような状態の中で、あの公害をいかにして防いで沿岸漁業の振興ができるのですか。私どもは、ただいま千葉県の沿岸漁業の構造改善をやって、何とか漁民を食えるようにしていきたいという水産庁のお考え方に、私は多分の疑問を持つのです。はたしてそういうことが成り立つのですか。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) なかなかむずかしい問題でございまして、漁場の転換とか、あるいは漁業の転換というようなことも構造改善の中でやっているわけでございますが、そういう点で転換できる面、あるいは転換できない面もあろうかと存じます。そういう点については、前には干拓等をやった場合にも、一部入植させ、農地の配分をさせる、そういった半農半漁の対策もとったこともございますが、いろいろそういう措置をとっていきたいと、こういうふうに考えております。場合によりましては、あの付近が埋め立て等によりまして工業地帯になるということで、すでに漁業者から工場従業者にも転換さしているという面もあるわけでございます。いろいろな面でその生活が立つようにということで、千葉県においても考えられておりますし、われわれも千葉県と連絡をとって、そういう点の対策をやっていきたい、こういうふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ沿岸漁業構造改善事業の問題については、いろいろ問題点がありますから、これは本格的に農水委員会等で論議さしていただきたいと思います。しかし、あなたが沿岸構造改善事業というものを柱に置いて、あそこの漁民対策を考えているという考え方でおられ、さらに埋め立て等による工場誘致等によって職業転換も考えられる、こういうふうなことをおっしゃるのでしたら、私は、参考のために一つだけ申し上げておきますから、今後施策を講ぜられる場合に、大いにその点を勘案されて、本格的な沿岸漁民の生活確保という問題を考えていただきたい。そのことは、たとえば君津町に私は参りました。君津町に参りまして調査いたしましたところが、あそこは三年前に埋め立てを始めた。そのときには、計画は七十八万坪の埋め立て計画をやったわけでございます。ところが、三年たった今日、十四万坪だけ埋め立てができた。それは例の高度成長政策の破綻によるものです。しかも、その埋め立てをやる場合に、漁業権を放棄しておりますが、その代償としてできた約束は、一世帯一人を雇用してやろうという約束ができておる。ところが、その約束が、今申し上げたような事情等から、これは全然物の役に立っておらぬ。しかも、あの地帯で現実に埋め立てして、漁業を放棄して工場に雇われた人間がどういう状態にあるか。ほとんど臨時人夫です。臨時人夫であれば、本工に比べて給料は安い、手当てはつかぬ。いろいろな問題が起こっております。そういう問題もしさいに検討されて、安易な埋め立てによって、工場が来ればそのほうにも転換をさしていく、それが漁業構造改善事業の一つの本旨でもあるのだといような考え方については、十分今後御反省を願わなければならないと思うのです。  それから、もう一つお尋ねしたいのは、天災融資法を発動される場合に、私は、これは特例法を設けてもらわなければならないと思います。なぜかといいますと、千葉県の実態をいろいろ聞いてみますと、大体三十万円ぐらい、どうしてもかかる。なぜかといいますと、それはノリの収穫が全然なかった。大体あそこの漁民というのは、一戸当たり平均しますと、ノリの収入が七十万ぐらい、それから、そのノリ作以外の収入が十八万ぐらい、この程度で生活をやっているわけです。ところが、先ほど言いましたように、ノリ作の収入はほとんど皆無の状態になった。したがって、生活はやりにくい。しかも、先ほど言いましたように、何とかして生産を回復しようというので買い網等をやったために、多額の経費を要している、こういうようなことから、すでに年末に、先ほど言いましたが、県から融資をしてやっておる。さらに、今後生産をしていくためには、一さくについて大体一万五千円かかると言っておる。ところが、あすこの漁民は、多い人で大体十八さくくらい、少ない人でも十一、二さくをつくっているわけです。そうすると、天災融資法のこのままの発動ではどうにもならぬわけです。その場合に、水産庁としては、そうした実態を踏まえて、天災融資法の特例法をつくって、ノリの再生産を確保してやるというお考えがあるかどうか。特に、ノリ作というものは、私は、漁業構造改善事業の中でも相当大きなウエートを占めて今日まで進められてきたのじゃないかと思う。それがこういうふうな大災害を受けたわけですから、その点については、私は十分お考えをいただかなければならぬと思うんです。その点の御見解をひとつお伺いしたとと思います。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘の点もあろうかと存じます。ただいまそういった実態の精密な調査を至急続けておりますので、それが判明いたしました上で、御指摘のような点善処したいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 大蔵省の方に、私はもう質問はしませぬがね、一応天災であるということは明らかになった。しかも、私が今申し上げましたように、三十九年のノリの生産にかかるためには、大体三十万程度の資金が要るということも、御説明申し上げた。そうすると、天災融資法このままの発動ではどうにもならぬ事態に立ち至っているわけです。この点をよく踏まえていただいて、あまりかた苦しい解釈をなさらずに、人間に生きていかなければならぬのですから、そういう立場で水産庁とよく協議をされて、漁民の期待に沿うような線を出していただきたい。このことはひとつ私の要望としてつけ加えておきます。  それで、先ほど御答弁は要らぬと言いましたが、私のそういう意見を尊重していただけますかどうか。それだけくらいは、ちょっとこう言っていただきたいと思うのですがね。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) 御趣旨を尊重いたしまして善処いたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 期待いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。これは資料を要求しておきたいんですがね、実は一昨年、一九六二年のたぶん二月ごろだったと思うんですが、千葉県富津町の、ことに青堀部落はほとんど壊滅したのだけれども、米軍の油送船が座礁した、それで重油を放出したわけですね。それがために、あすこの木更津、富津、ことに富津の町はものすごい被害を受けたんです。それでずいぶん騒いだ問題ですけれども、その後善後措置はどうなっているか。これは水産庁のほうから資料をいただいておくことが、今度の問題を検討する上に非常に重要だと思います。一体どれくらいの熱意でどれだけ適切な手が打たれたか、これを検討することが今度の問題を解決する上に非常に重要だと思う。これは文書で、そんなにくどいものは要りません、この善後処理の状況をお願いできますか、いかがですか。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) イーグル号の廃油によるノリ被害の問題につきましては、その後イーグル号のほうとも折衝いたしまして、一億七千万円程度と記憶しておりますが、賠償金が出されたわけでございまして、地元のほうもそれによって承知をして、解決いたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文書で出していただけますか。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) その程度の簡単なことなら出せると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこでもう一つお伺いしたいのですがね、きのうの夕刊を見ますとね、四日の閣議で、韓国ノリの輸入の問題が出ているようです。これは新聞の報道ですので、はっきりしたことはわかりませんが、朝日の報道によりますと、田中蔵相は、「韓国ノリの輸入で国内のノリ価格を押えるべきだ」と提案されて、一億枚のノリを韓国から緊急輸入をするということで、閣議の了解を得た、こういう発表になっております。それからもう一つ、日経のほうによりますと、韓国ノリの輸入については、農林大臣としてはなかなか慎重な態度をとられている。特に現在の不作を、ノリの値上がりによって多少でも漁民の犠牲を防ごうというようなことも考えられて、ノリ輸入の時期については、慎重に検討をしているのだ、こういうように日経にはなっております。そうすると、私どもの受ける印象としては、大蔵大臣は、ノリが不作で値上がりをするから緊急輸入をやるんだ、こういうふうに考えておられるようですし、農林大臣のほうは、緊急輸入をやったんでは、ますます漁民が困るんで、輸入はするにしても、その輸入の時期を慎重に検討したいと言っておられるんですから、両者の間に微妙な食い違いがあると思うのです。この点について、水産庁なり大蔵省のほうから御意見を伺います。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) 昨日の閣議で、ノリの緊急輸入の問題が話題になったということを承知いたしております。農林大臣から私伺いましたところによりますと、ただいま御指摘のように、ただいまがノリの最盛期でございますので、そういった最盛期にあたり、さらに災害も起こっている、こういう時期に、ただいま直ちに緊急輸入ということはどうであろうか、やはり最盛期等を考えて、輸入の時期については慎重であらねばならぬという発言をした、こういうふうに大臣から伺っております。水産庁といたしましては、従来そういったノリの緊急輸入につきまして、一部の業界からも要望が来ておるわけでございまして、それにつきまして、われわれの態度といたしましても、こういう災害が起こって、それについての災害対策というものもはっきりいたしまして、さらに最盛期というものも考えながら、この緊急輸入に対処していきたいということで検討中でございまして、いつ入れるということは、まだきめておりません。

宮崎仁大蔵省主計局主計官

○説明員(宮崎仁君) ただいまの輸入の問題につきましては、私、予算の担当でございますので、大臣からお話を直接に伺っておりません。したがいまして、どういうお考えであるか、もしあれでしたら、また後ほど大臣の御意見を伺いまして御答弁を申し上げたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 災害対策委員会というのは、わりあい大臣が出てこぬ委員会らしいので、大臣の発言をあなたにお伺いすること自体が大体無理な話なんです。したがって、この問題は、あなたがおっしゃるように、われわれとしても重大な問題なんで、ぜひ大臣からも御意見を伺いたいとは思いますが、せっかくきょうおいでになっておるんですから、これからの議論というものをひとつよく聞いておいていただいて、お帰りになってから大臣のほうによく話しておいていただきたい、だけでなしに、政務次官もおられるんですし、また、水産庁長官もおられるんだから、大蔵大臣が見さかいもなしに、韓国のノリの緊急輸入だといってぶち上げるような不謹慎な態度については、十分話をしておいてもらいたいと思うのです。なぜかというと、私は沿岸漁業構造改善事業が進められておる中で、ノリの養殖というのはかなりウエートをかけてやっておられるのじゃないかと思うのですが、それがこういう天災にあった、値上がりをする、すぐ外国から、値上がりを押えるために韓国のノリを輸入するのだ、こういう方針で行かれたんでは、せっかく沿岸漁業の振興をはかるということが骨抜きになってしまう。たとえば一例を申し上げると、昨年の三月の畜産物の審議会で、豚肉価格が今後どんどん値上がりをする、豚肉価格の値上がりを押えるためには輸入をしたらいいじゃないかという議論が出てきた。国内の生産を安定させるための施策をやらないでおいて、国内の生産がいわゆる価格の値下がりによって不振になってきた。当然値上がりをするから、それを補うために外国産品を輸入するのだ、こういうことでは、たとえば豚肉の場合だって、これは国内生産をいかに畜産振興で進めてみたところで何の役にも立たぬ。それと同じようなことが、今度の韓国ノリの場合にも行なわれようとしている。私は、少なくとも沿岸漁業構造改善事業をやって、沿岸漁民の生活を確保するために、ノリの養殖というものを今日まで進めてきた責任ある立場としては、そのような沿岸漁民だけにしわ寄せになるような外国ノリの輸入というようなことは考えるべきでは私はないと思う。むしろそれよりも、いかにして災害を受けたノリ養殖業者というものの生活を確保してやるかということを、先に考えなければならぬと思う。その点、水産庁長官はよほど腹を据えてかかっていただかぬというと、案外政治的に押し切られて韓国ノリの輸入ということになるかもしれない。あなたがこの際性根を入れてひとつ韓国ノリの輸入という問題について対処していただきたいと思うのですが、ひとつ御決意のほどをお伺いしたい。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) 先ほどから御説明いたしましたように、そういう点については、慎重にわれわれは対処いたしているわけでございまして、御趣旨の点はよくわきまえて処置いたしたいと、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 大体ことしの生産見込みがどの程度あるか、これは農林省のほうから資料をもらって議論するのが一番いいと思うのですが、私どもが聞いているところでは、大体三十一、二億枚の生産はことしはある、こういうふうにいわれているわけです。その中でわずか一億枚そこらの韓国ノリを輸入してみたところで、はたしてそれが消費者価格を押える力があるのかどうか。ここに私は大きな疑問があると思う。むしろ消費者価格を押えることにはならないで、こういう不況の時期に韓国ノリ一億枚を輸入するということをぶち上げられることによって、生産漁民のほうの値段がたたかれるという現象だけが起こってくるのじゃないかということを心配しているのです。この点について、どういうふうにお考えになりますか。

庄野五一郎水産庁長官

○政府委員(庄野五一郎君) ただいま最盛期でございますので、的確な生産見込というものはまだわかっておりませんが、ただいま御指摘のように、大体平年度が四十億枚近い数量を生産いたしております。被害県がだたいま八県ほどございますが、それの十億枚程度の減少、こういうことになりますので、いま御指摘ありましたように、三十億枚前後になろかと思っております。そういう生産でございますので、それについて価格がどう動くか、ただいま調査いたしておりますが、生産地の入札価格というものも相当上がってまいっておりますが、閣議で問題になりましたのは、やはり消費者物価の値上がりに、このノリの価格が非常に暴騰する点から、閣議でもそういうようなことが問題になった、こういうふうに承知いたしておりますので、そういう点、いろいろ問題があろうかと存じますが、われわれ水産庁の立場としても、十分生産者にこれが不利にならないような道で考えていきたい、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 水産庁の長官がおっしゃるとおり、いつも消費者物価の値上がりだけが問題になるのです。だから、今度の農林省が考えている流通改善にしたところで、消費者物価の値上がりをいかに押えるかということだけが重点になっていると私は思うのです。実際に生産に当たっている漁民なりの生活がどうなるのかということが考えられておらぬ。ここにいまの政治の大きな欠陥が私はあると思うのです。したがって、その点を十分考えていただいて、水産庁の長官としては、災害を受けた漁民に追い打ちをかけて、さらに生活を困窮化させるような韓国ノリの輸入というようなものは、これは断固阻止してもらいたい。しかも、十億枚程度の損失に対して、わずか一億枚を輸入することことによって消費者価格を抑制できるというふうな簡単なものじゃない。このことは、先ほど言いましたように、生産者値段の買いたたきの手段に供せられるだけなんです。したがって、この点は農林省当局、水産庁は、農民を守る、あるいは漁民を守るという立場から、全力をあげてもらいたいと思う。大蔵省はそういうふうなお考えはあるいはないかもしれない。実情がわからない。実情がわからないところには、実情をよくあなた方のほうから言って、そういう追い打ちをかけるようなことをやらぬようにぜひやってもらいたい、このことだけを強く要望しておきます。特に次官もおられるんですから、この実態というのはよく御存じのはずなんで、消費者価格の値下げにもならぬ、ただ単に生産者の買い上げ価格をたたき、漁民の生活を不安定にするその動機になるところの韓国ノリの輸入というものは、あなた方は全力をあげて阻止してもらいたい。それから私は、この際申し上げたいのは何かといいますと、実際に公害対策というものが十分でない。だから、沿岸漁業構造改善事業をあなた方が幾ら進められても、それが端から端からくずされていっている。それで漁民の生活は不安定の度が深まっていっているわけです。したがって、公害に対して、いかに対処していくかということを、今後重要な課題としてひとつ真剣に検討していただきたい。と同時に、現在東京湾における公害によって漁業状況がどうなっているのかという資料がひとつほしい。そのことをお願いしておきます。  で、特に最近は、政府の方々は、煙が立ちのぼるのを見て、これは日本の経済の景気はいいと思っているのだが、昔、仁徳天皇が高いところに上がって、民のかまどから煙がよく立っているというので、民の生活は豊かだと言った。ところが、いまは状況が違うんです。煙が立っているのを見て、民の生活は豊かであると考えておったら大間違い。煙が立っているところには、民の生活は必ず貧窮化しているという現象が起こっているんです。だから、煙だけを当てにしないで、農林省、さらに水産庁としては、煙を見ないで、地面を見たり海面を見たり、ひとつしっかり足元を見て、政策樹立を推進していただきたい。大蔵省にしたってそうなんです。大蔵省にしたって、煙だけ見ていても、ろくな政策は成り立たない。政治家というのは、いまの政治家は煙ばかり見ないで、海を見たり土地を見たり、しっかり足元を見るようにしていただきたい、こういうことをひとつ最後にお願いをしておきたいと思います。  それで、先ほど言いました資料と、さらに、ノリの養殖被害に対する詳細な資料がまとまりましたらば、これを御提出いただきたいということを、資料としては二つを要求しておきます。  それからさらに、先ほど言いましたように、ノリ生産漁民の実態というものは、現在漁業ができない、しかも、日雇いの仕事もない状態なんです。しかも、仕込みのための費用には二十万ないし三十万を要するのですから、天災融資法の発動については、この点を十分考えられて、特例法を制定されるということ、さらに、仕事のない漁民が、いまのうちにノリの生産準備にかかれるように早期に手当てをするということ、このことをしっかりひとつ腹におさめておいていただきたいと思います。このことについては、さらに農水の委員会等でも問題になりましょうが、ここだけの議論で、これで万事終われりと考えていただいちゃぐあいが悪いので、私たちはいつでも、もしあなた方が処置をしていただかぬのなら、千葉県の漁民を百人でも、千人でも二千人でも、いつでも連れてまいりますから……。その点で腹を締めて早期に対策を立てていただきたいと思います。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○政府委員(松野孝一君) ただいま矢山委員の御意見、これはごもっともと思って非常によく拝聴いたしました。十分善処いたしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 善処だけじゃだめですよ。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○政府委員(松野孝一君) 資料は出すことにいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 早期の天災融資法の発動をやる、さらに特例法をつくる……。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○政府委員(松野孝一君) 善処いたします。

小平芳平公明会

○委員長(小平芳平君) ほかに御質疑もございませんようですから、本件についてはこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後雰時五十五分散会

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