公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/02/27
会議録
○委員長(小柳牧衞君) ただいまから、公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。 公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。 まず、昨年施行されました衆議院議員総選挙に関する臨時特例法についての意見及び世論調査の結果の概要等が資料として、また昨年十月、選挙制度審議会から内閣に対し答申がなされておりますが、その答申書が資料としてそれぞれ提出されております。この際一括して自治省当局から説明を求めます。
○政府委員(長野士郎君) それでは、選挙制度審議会の昨年十月十五日に答申をいたしました答申について、初めに概略申し上げます。 答申につきましては、第一ページに書いておりますような考え方でございまして、選挙の公明化をはかりますためには、選挙区制あるいは政党制度等の根本的な検討が必要である。しかし、さしあたって措置すべきものを第二次選挙制度審議会としては答申をする。特に議員定数の不均衡是正というものにつきましては、これは一日もすみやかにやってくれ。ここに書いております「来る総選挙は、新定数によって実施すべきである。」と申しますのは、これは十月十五日に答申をいたしまして、実は、この前の総選挙に間に合わせるようにという趣旨で、選挙制度審議会が答申をいたしたものでございます。 答申の内容は、第一番目が、議員定数の不均衡是正に関する問題になっております。それから第二番目が、選挙資金、政治資金の規制、選挙運動の方法の合理化、選挙運動の公営の拡充等に関する事項という、二つに大別されておるのであります。 議員定数の不均衡の是正につきましては、衆議院の選挙区別の定員数と人口との間に、地区によって三・二倍をこえる不均衡があるということから、その是正を一日もすみやかにやるべきだということにしておるのであります。そういたしまして、現行の中選挙区制を維持するという前提に立って原則的に考えていくことが必要であるけれども、もしそういうことで、各選挙区の定数を三人ないし五人とし、それから人口に比例して不均衡を是正をするということを非常にきびしくすることにすると、増減の及ぶ範囲が非常に広くなって、実際的でないということを述べまして、したがって、今回は不均衡の特に著しい選挙区についてのみ是正を行ない、議員定数は著しく増加させない。それから、現在の選挙区別議員一人当たりの人口の偏差が三・二倍以上というのを二倍程度に引き下げることがいいというような考え方に立ちまして、そして全国の平均の議員一人当たりの人口が二十万でございますので、上下おおむね七万人ならば、十三万人台から二十七万人台となるように考えたということの結果といたしまして、大阪五区、東京三区、愛知一区、神奈川一区、大阪二区、兵庫一区については、それぞれ一名ずつ増員を考える。東京四区、東京五区、東京一区、東京二区、大阪一区、東京六区では二名ないし三名の増員を考える。そこで、合計いたしまして、十二選挙区につきまして十九名の増員を考える。それから、兵庫の五区につきましては、十三万人台まで選挙区の人口がございませんので、それを一名を減ずるということにいたしまして、差し引き十八名の増員を考えたらどうか。この際また、まあ沖縄県についても、そういう暫定定数というものが考えられるのではないか。そういうことを見まして、衆議院議員の議席の総数を四百八十九とするという考え方でございます。そういうことを中心にいたしまして、答申をしておるわけでございまして、したがって、実施についてはすみやかにやれ、それから同時に、参議院の地方選出議員の定数不均衡の是正もあるが、これについては、引き続き審議をしたいということを述べておるわけであります。それからさらに、議員定数の不均衡是正のための恒久的な組織の設置についても、今後引き続き検討して考えていきたいということを述べております。 第二番目の選挙資金、政治資金、選挙運動公営の問題につきましては、選挙資金、政治資金の規制につきましては、寄付金拠出の原則を個人に限り、会社、労働組合その他の団体からの寄付は禁止するという第一次審議会の答申を再確認をいたしました。そうしてまた第二番目には、資金の収集機関を設けて、そして個人が集め、あっせんをすることは認めよう。ただし、寄付者は個人に限る。また、強制にわたらないようにしなければならない。寄付金額の制限につきましては、さしあたっては制限を設けない。将来の場合は設けるというようなことで、選挙資金や政治資金の規制についての問題の原則を答申をしておるのでございます。 それからその次に、選挙運動の方法の合理化、選挙運動の公営の拡充等につきましては、第一番目に、言論による選挙運動の自由化ということで、言論による選挙運動、たとえば個人演説会等は公示か告示の前後を問わないで自由に開催できるものとする。そしてそういう費用につきましては、公示または告示前における費用につきましては、法定選挙費用には加算しないのだ。それから第二番目に、文書による選挙運動の自由化といたしまして、それも公示または告示の前後を問わず、原則として自由とする。そうして公示または告示前における費用は、法定選挙費用に加算しないものとする。そうしてその通常選挙運動の自由化というものの限界ということをその次に記しまして、自己の政見とか所属政党の政策綱領等の普及徹底をはかるということで当選を得たり、また当選を得しめることを目的とするような、そういう選挙運動を考えておるのであって、他人を誹謗するとか、または他人の当選を得せしめないことを目的とするようなものは、言論あるいは文書の自由ということの中には入れないのだということを答申しておるのであります。この選挙運動の合理化とか公営の拡充につきましてのこの運動の自由化は、非常に新しい考え方になっておるわけでありますが、これにつきましては、そういう新しい原則を答申をしておるのであります。それから、その次のラジオ、テレビジョンによる選挙放送、これは、現在の選挙放送につきましては、新聞とか雑誌における選挙に関する報道や評論の自由の規定とちょっと違った扱いをいたしておりますので、それを新聞、雑誌等におけるものと同じようにしたらよかろうということであります。 それから、選挙運動用の通常葉書につきましても、不正譲渡の防止措置を講ずる。それから、ポスター掲示場につきましては、一投票区三カ所以上の増設を考えておる。ただ、この場合、審議会のほうといたしましては、ポスター掲示場以外にもポスターを掲示することを前提にしておる。そこがちょっと違うわけであります。それから、テレビジョンの利用、経歴放送等のことでございます。それから新聞広告の回数、これあたりは、この前の特例法におきましては、実現をしたところでございます。 それから、立会演説会の開催回数をできるだけ増加しろ。こういうことでございます。それから投票日当日におきますところの政治活動の規制をする。それから、それに伴いまして罰則を整備する。こういうことでございます。 それから、変わっておりますのは、附帯決議をくっつけまして、演説会場におきますところのやじとか脅迫、会場混乱というような言動、そういうものにつきまして、当局は積極的に取り締まりを励行しろ。そういうことを強く付帯決議としてつけておるのであります。 この前の答申の中心の主眼は、定数の不均衡是正ということを中心にしておることは、前文の書き方においても明らかであります。それから、第二の資金関係、運動関係につきましては、答申が出ておるわけでございまして、その答申の線に沿って実現を期するということに相なるわけでございます。なお、その中では、相当検討を要する問題があるのではないだろうかというふうに実は考えております。また、運動の中の個々の具体的な項目につきましては、大体特例法等においても相当取り上げられておる問題に相なっておることと思うのであります。 それからその次に、衆議院議員の総選挙に関する臨時特例法についての意見(都道府県選管関係)というのがございますが、これは、ここに書いておりますように、主として府県の選挙管理委員会の関係の意見を中心にして取りまとめたものでございまして、この前の特例法の項目につきましての意見でございます。 第一ページのたとえば「投票時間の延長について」というのを見ていただきますと、賛成意見というものについては、全面的な賛成がないということでありまして、サービスという点からは好評であったという意見はあるが、全面的に賛成の意見はない。反対の意見、むしろこの場合は反対の意見が多うございまして、投票率との関係では、選挙管理機関の負担が多大である。即日開票を困難にする。投票成績も必ずしもよくはなかった。そういうことが一つと、いろいろな言い方をしておりますが、まとめますと、その次にあります延長時間内の投票者の多くは、従来午後六時までに投票していた者にすぎないんだ。それから、帰宅後または用務終了後投票しようと思いながら投票の機会を逸した者が多いのではないか。それから、農山村地帯におきましては、農閑期であったため効果がない云々ということで、まあいろいろ時期延長につきまして、そういういい方をいたしております。そういうものを取りまとめまして、実は、おしまいのページから二枚目でございますが、十九ページを見ていただきますと、まとめ方が必ずしも要領を得ておらぬかもしれませんが、各項目についてまとめたのでございます。これは、数字であらわすことはどうかと思いますが、一応便宜こういうふうにやってみますと、投票時間の延長については、そういう意味で、賛成が一つもない、全部が反対だというかっこうになっております。理由はそれぞれ違いますが、一応そういうかっこうになっております。それから、連呼行為の緩和につきましては、賛成は、この意見によりますと、三十三が賛成でございます。反対が三ぐらいございます。反対の理由は、品位がなくなる。それから、時間制限が守られないというようなことでございます。それから、その次のページに参りまして、街頭演説の場所において使用する文書図画の制限について、賛成が二十一、反対が六、反対の中には、現行法どおりで支障がない。街頭演説に対する関心を減少させる。意見なしというのが十一。四番目に、選挙運動用ポスターの掲示制限及び公営ポスター掲示場につきましては、賛成が三十五でございます。これは反対がなし、意見なしが三でございます。五番目の新聞広告の回数の増加につきましては、賛成が三十、反対が二でございます。反対のほうの意見は、公営性に乏しい。それから、選挙公報やテレビによって目的は達せられる。意見なしは六でございます。六番目のテレビによる経歴放送の実施につきましては、賛成が三十六、反対がなし、意見なしが二でございます。それから、おしまいのページへ参りまして、個人演説会場前の公営立て札の増設について、賛成が十三、反対が二十。これは、反対のほうが多くなっております。それから、確認団体の選挙当日の政治活動について、これは、禁止に賛成が三十五でございます。反対がなし、意見なしが三。なお、府県がどういうことを理由としてそういうことを述べたかということにつきましては、前のほうに、各項目の中に県の名前を入れております。 それからその次に、お手元にお配りいたしました「世論調査の結果の概要調」というのがございます。これは、お断わりをしなければなりませんのは、自治省で調査をいたしたものではございません。公明送挙連盟で、昨年十二月に、中央調査社というのに委託いたしましていたしました世論調査の結果をもとにいたしまして、主要な項目についての若干の分析をさしていただいたものでございます。 調査の概要、この調査地域は全国でございまして、調査対象は、一ページに書いてございますように、年齢満二十才以上の個人、調査対象数は三千名でございます。そういうことで、調査は、調査員による面接調査になっております。昨年の十二月の初めに調査を行なったのでございます。いろいろ、どういう人に対して行なったかということはございますが、五ページを開いていただきますと、投票率と投票時間の関係、それで、投票した、しないという質問が最初にございまして、投票した人が非常に多くなっております。 それから、十五ページを開いていただきますと、ここから臨時特例法の関係のものがあるわけでございます。特例法がどの程度周知しておったかということの関係でございますが、投票時間の延長を知っておったという人は八九%で、たいへん多い。連呼行為の緩和、ポスターの一括掲示、テレビの経歴放送、だんだん下がっておるようでございますが、しかしながら、かなり知られておったということになるわけでございます。 それから、十六ページのまん中から下のほうを見ていただきますと、特例に対する評価というのがございます。投票時間の延長、「投票時間は、今度のように午後八時までがよいと思いますか。従来のように午後六時までがよいと思いますか。」という質問に対しまして、午後八時までがよいというのが六七%、午後六時までというのが一五%、一がいに言えないが一三%、不明五ということになっておりまして、先ほどの府県の関係の意見とは必ずしも一致しないかっこうになっております。 それから、十九ページの連呼行為の緩和でございますが、「走っている自動車から連呼することは今度のように認めたほうがよいと思いますか。従来のように認めないほうがよいと思いますか。」これは、認めたほうがよいが三一%、認めないほうがよいが三四%、一がいに言えないが二四%、こういうかっこうになっております。ここもちょっと様子が違っております。 それから、二十一ページでございますが、ポスターの一括掲示、「候補者のポスターは、今度のようにポスター掲示場に一括してはるほうがよいと思いますか。従来のようにどこにでもはるほうがよいと思いますか。」一括して張る七八%、これは、一括掲示が圧倒的に評判がよろしいということを示しております。あと、反対のほうが九%。 それから二十三ページの下のほうに、テレビの経歴放送について尋ねておりますが、次のページには、テレビでもやったほうがいいというのが七七%、これは圧倒的でございます。 まあたくさんの項目がこの中でとらまえられておるわけでございますが、世論調査の選挙のほかの問題もございますけれども、特例法の関係を主として御説明申し上げましたが、以上のような状況になっております。
○委員長(小柳牧衞君) 本件に関し質疑のある方は、順次御発言を願います。
○秋山長造君 いまの投票時間の延長については、都道府県、選管のほうの意見と世論調査とは、全くこれは真反対の結論が出ているようですが、こういう場合には、これは、自治省のほうとしては、どういうように考えていられるか。というのは、せんだって国政調査の報告があったわけですが、大体第一班、第二班、第三班、どの班の報告を聞いても投票時間の延長はおよそ無意味だ、現行法に認められた程度の、二時間程度伸縮できるという幅が認められているわけですが、あれを活用する程度でいいんじゃないかということに、もうほぼ一致していたと思うのですが、われわれの出かけていって聞いたのは、必ずしも選管関係者だけの意見じゃないので、一応それぞれの地域での各階層の代表の意見を聞いてきたつもりなんですが、それでもってなお、ほぼこのいま御説明になった都道府県、選管関係の意見と同じように、投票時間の延長は無意味だ、やめたほうがいいということであったと思う。それからまた、私ども個人的に選挙区の一般有権者の人なんかに聞いたところでも、やはりどうも、積極的に投票時間の延長よろしいという意見はあまり聞いていないのですが、その他の点については、大体世論調査の結果、こんなものだろうと思うけれども、時間延長の点だけは、率直に言って、意外な感じがするのですけれども、しかし一応、権威のある世論調査の結果ですから、それは間違いだとはこれは言えぬと思うのですが、やはりわれわれもまた、少し見方あるいは考え方を変えてみなければならぬかとも思うけれども、しかし、いまちょっと御説明を聞いた程度では、どうも世論調査の結果やはりこういう数字になろうかなあと思って、疑問を持つのですけれども、自治省としてはどう考えられるのですか。
○政府委員(長野士郎君) 率直に申しまして、私ども、いま秋山委員のおっしゃったと同じような印象を受けておるものでして、世論調査、これはこうなっておりますので、そのとおりにここにあらわさしていただいてあるわけでございますが、投票時間の延長が便利だということは、確かにそのとおりだと思いますが、ただし、投票時間の延長によって、投票率なり棄権を防止できる程度がどの程度であるかということになりますと、これは、選挙によってそれぞれ必ずしも明らかではございません。ただ、ほかに前例がないものでございますから明らかでございませんが、この間の選挙につきまして、大都市等におきまして見ますと、六時以降の延長につきましては、その一日の総投票数の中の六時から七時までの間に一〇%、七時から八時までの間に一三%の人が投票しております。これは、大都市におきましては、その日の最高の投票になっております。これは、都市近郊の市におきましても多少調べたのでございますが、それぞれの二時間に一一%ずつになっておりまして、これもその日の最高を示しております。中都市におきましては、六時から七時までが一〇%、七時から八時までが八%でございまして、この一〇%というのが、この前の選挙でございましたが、その日の最高を示しております。小都市におきましては、六時から七時までの間が八%、七時から八時までの間が六%でございまして、これは、いずれもその日の最高を示しておりません。それから、農山漁村におきましては、六時から七時までの間が五%、七時から八時までの間が四%でございまして、これもその日の最高を示していない。それから大都市で、三十五年の場合を見ますと、三十五年の選挙、これは日曜日と週日の差がありまして、必ずしもその点ははっきりいたしませんが、三十五年の場合は、六時までの間で最高の投票率を示しましたのが、十一時から十二時、一時から二時、二時から三時、五時から六時のおのおの一一%というのが最高になっております。それから、大都市近郊の市におきましては、十一時から十二時、一時から二時、四時から五時、おのおの一〇%というのが最高になっております。それから中都市におきましては、一時から二時の一一%が最高でございます。小都市におきましては、朝の七時から八時の十三%というのが最高でございます。農山漁村におきましては、朝の七時から八時の一六%というのが最高でございます。で、ここではっきり出ておりますことは、中都市以下につきましては、午前中の投票が午後に回わっている、というか、二時間延長のほうに回わって、投票率がむしろ下がったということは、ある程度はっきり指摘できるようでございますが、大都市、大都市近郊の市につきましては、その点は必ずしも明瞭ではございません。しかし、投票率はこの前よりずっと下がっておりますから、その日の投票時間としての二時間は、投票した人が一番多かったことははっきりしておりますけれども、それが投票率を上げるということにまでは働いてないということもまた明らかなように思われるのでございます。この点は、投票当日におけるところの遅刻あるいは早びけを認めるということが、いままでは普通に言われておりましたわけでございますが、かえって、私どもの心配いたしておりますのは、八時までにいたしますと、そういうことをしないでも投票に間に合うのではないかということで、したがって朝一斉に投票するということが、この前の選挙では、そうしてその結果行列を作るような朝の投票場の風景というものがほとんど見られなかった。そうしてそれが夕方へ回ったというかっこうになっているようにも思うのでございます。ただし、大都市なり大都市近郊の市におきまして、数字上にそれがはっきり出ておるかといえば、必ずしもそうでもございません。もう少し分析いたしたいと思っておりますが、そういうことでございまして、投票時間の延長は、この世論調査におきましては、八時までがいいという、これは唯一の私どもの目にする資料でございます。それ以外には、八時までがいいという意見を聞いたことはございませんし、選挙管理上、あるいは即日開票の問題、それから、いまの早びけとか遅刻というものを認めない結果として、かえって投票率を下げていくのじゃないかというような問題を考えますと、時間延長というものをそのまま恒久化することがどうだろうか、むしろ疑問に思っておるわけでございます。
○市川房枝君 ちょっと関連質問。選挙局長に伺いますが、いまの投票時間の延長について、世論調査は延長に賛成をしておる、府県の選管関係はあまり賛成していないと、こういう数字が出ているわけなんですが、私のほうで、東京都内で六百人の婦人有権者についてやはりこの点を調べたんですが、世論調査をしたんですが、そこでも時間延長のほうに賛成という声が出てきております。だから、選管関係、それから私ども地方へ行ったときに、各団体の方にももちろんお目にかかって御意見を伺ったんですが、そういう方々の御意見も、比較的時間延長にはあまり御賛成が少なかった。私参りましたのは大阪と岡山でしたけれども。これは、時間延長によってお骨の折れるのは選管なんですし、あるいは立会人とか何とかで婦人団体でもそれに参加している方は、やっぱり同じような立場にお立ちになる場合が多いんじゃないか。だから、世論調査の公明選挙連盟のが出て、これを拝見しますと、私は、やはりこれはたいして役に立たないというか、むしろそのために費用がかかるし、あまり望ましくないというずぐ結論を下すことは早いんであって、やはり一般の有権者の立場というものをむしろ重視すべきではないか。もっとも、農村なんかへ行きますと、これは多少事情が違いまして、さっきお読み上げになった統計の数字でも、農村のほうなんかは、延長されたときの投票率が非常に低いと、こういうことになっております。だから、必ずしも一律でなくても、地方の選管によって時間を繰り上げるところもあってもいいという程度の融通性は、私、持たせていいと思うんですけれども。せっかく一回時間を延長した、そして一般のほうはむしろ歓迎しているというときに、やっぱりこれは望ましくないというんで、また元のとおりに戻るということはどうか。もう少しこれは試みてみてもいいのじゃないかというふうに私は思いますが、いかがですか。
○政府委員(長野士郎君) 市川委員のおっしゃいますことはごもっともでございます。この数字は、世論調査で、これは三千人を対象にしておるのでございます。で、二千五百五十人の回収率でございまして、この程度で、ほんとうにそうなんだろうかという気も実はいたすのでございます。それからもう一つは、いま私どもが疑問だと申し上げましたのは、小都市とか農山漁村では、これははっきり指摘できるのでございますが、ほとんど時間延長の効果はない。それから、大都市とか都市近郊、中都市のあたりがはっきりしないわけでございます。このあたりになりますと、むしろ、どういうふうでございますか、婦人で家庭におられる方の問題をどう考えるかということは、これは、日曜日以外の場合には特にあるかもしれないが、勤務につかれておる方々がかりに多いといたしますと、この人たちは、むしろ、いままでの便宜という点から考えれば、勤務時間の中で投票が当然認められておったわけでございますから、その点で、いままでの時間が非常に投票に支障を与えているということになるかというと、これはならないだろう。かえって勤務者にとっては、変な申し上げようでございますが、午前中が遅刻を認められるとか、午後が早びけを認められるということのほうが、勤め人根性から言えばありがたいようなものでございまして、ここにそれぞれ……。ただ、家庭におられる婦人の便、これは、休日の場合とかウィークデーの場合とによって違うと思います。そういう点から考えると、なるべく投票の機会が多く与えられる時間があるほうがいいという議論も成り立つのではないかという感じがいたします。もう少しなお分析をいたしたいと思いますが、私ども、実は投票時間の二時間延長が投票の機会を多く与えまして、非常にいい効果を期待をしておったわけでございますが、それほど期待したほどでないということがあります。 それから、一番技術的に困りますのは、管理関係の人間というだけでございませんで、即日開票——投票の結果を早く知らせる、これがまた国民の一面要望でもあるわけですが、それに非常に大きな支障を与えているというところがございまして、実は、報道関係者というのが一つも賛成をいまのところしておらぬのでございます。報道関係者はみな反対でございまして、これだけは、選挙法始まって以来、投票時間が大体いままでの時間にきまっておりましたから、これを変えてもらうことは困るということが新聞協会あたりから、そっちのほうの関係から入ってまいりまして、まあそういう意味では、選挙管理委員会の関係者の御都合というだけでもない、いろんな面から出ていることもございます。もう少し数字を検討していかなくちゃならないと思いますが、いまのところは確かに便利には違いないけれども、それだけ、やっていくほどの便利といいますか実益というか、そういうことを申しちゃ非常に悪いのでございますけれども、非常にその両方のかね合いが、どうなると考えたらいいのであろうかというところをいま検討しておるわけでございますが、個人的な意見にわたって何でございますが、私といたしましては、これは、やはりいままでどおりの投票でもいいのじゃないだろうかという気がしておるのでございます。
○委員長(小柳牧衞君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
○秋山長造君 よくこういう声を聞くのですがね。投票時間が延長になった。特に夏なんか、八時までならまだ明るいけれども、このごろのように、冬の日の短いときに、八時までというと相当暗くなるわけですね。そうすると、かえって、この暗やみにまぎれて違反行為といいますか、あるいは違反類似の行為がいろんな形で行なわれるおそれがある。行なわれた事実があるのじゃないか。たとえば、立ち話で誘導的なこととか、あるいは暴行、脅迫的なこととかいうようなことはなかったのかどうか。それから、婦人なんかの場合、われわれも確かにせんだって聞いたことは、去年の選挙では、自治省のほうがそういう指導をされたのだろうと思うのですが、開票立会人なんかに必ず婦人を何人か加えるということを指導されたと思うです。これは、いなかのほうまでわりあい徹底してそういうことを行なわれたと思うのですが、婦人なんか立会人になった場合非常に困るのですね。八時までぶつ続けですわらされる。夕飯の支度も気にかかるというようなことで、困るようなことも私はだいぶ聞いたんです。しかし、それは一応選挙の管理をする側の都合だから、まず投票者の都合を主体に置くべきだといういまの市川さんの御意見も、全く私らも賛成なんですけれども、ただ、その反面、そういうことの真正面の議論にはならぬかもしれぬけれども、やっぱり暗やみの中を投票所へまた出直して行ってくるというようなことは、特に婦人なんかの場合は、あんまりこれは好ましくないことがいろいろできたりするような、まあいまの世相としてね。そういうこともあるんではないかというような話も聞くんですよ。ただ、まあわれわれ断片的に聞くだけで、全国的な話の取りまとめ中で、あなた方はそういう、前段で言った違反行為あるいは違反類似の行為が夜陰にまぎれて行なわれたというような事実を聞いておられるかどうか。それから後段の、まあ婦人の立場を主にして見た場合のいろんな何か話を聞いておられるかどうか。その両点についてお答え願いたい。
○政府委員(長野士郎君) 前段の、この場合は非常に暗くなったわけでございますが、そのために選挙についての違反が起こるおそれがあったということは、実はあまり耳にいたしておりません。ただ、非常に暗くなりますから、投票所までの足場というものが非常に不安定というか、心細いから、ああいう時間では投票に行く人に一面時間的には便利だけれども、実際問題としては、学校その他で、周囲が非常に心細い所が多いわけでございますので、実際には、それがほんとうはそういう設備からしてかかるべきかもしれないので、その点が必ずしも効果があがらないという、足場が悪いという意見を聞いておりまして、不安であるといいますか、そういうことの話は聞いたことがございます。
○林虎雄君 選挙制度審議会の答申も出たわけで、説明を承ったんですが、この選挙制度の改正、選挙法の改正ということは、まあ政治的にいろいろ問題もあると思いますので、自治省としても、そう簡単に答えられないと思いますが、一体この答申に基づいて改正の作業に取りかかろうという、そういう積極的かまえをいま持っておいでのわけですか。その点を承りたい。
○政府委員(長野士郎君) 定数是正につきましては、政府の方針がまだ十分にまとまっておりませんけれども、ぜひこの通常国会において実現をいたしたいということで、自治省としては、準備を進めておる段階でございます。 それから、第二番目の選挙資金、政治資金、運動合理化、運動の公営の拡充の問題でございます。選挙資金や政治資金につきまして、個人の寄付に限る、それから、資金収集機関を設けるというようなことになっておりますが、個人の寄付につきましての規制し得る問題かどうかといういろいろな意見もございます。それから、資金の収集機関というものをどういうふうに考えるかということも、少し時間をかけなければ、なかなかこの答申そのものは非常に抽象的で簡単でございまして、もう少し具体的に検討の時間をかけさしていただきたいというふうに思っております。それから、選挙運動のことにつきまして個々の項目としてのラジオ、テレビの問題とか、ポスター掲示場、テレビの利用とかいうようなことにつきましては、これは、いまの特例法の中で合理的に考えて、いいものは恒久化するという問題がございますが、その中に相当のものが吸収される、同じことを言っているものが多いわけですが、というふうに考えているわけでございますが、ただ、前のほうの言論による選挙運動の自由化、文書による選挙運動の自由化ということになりますと、これは、事前の演説会とか文書図画を自由にしよう、そうして法定選挙費用に加算しない、こういうことでございますが、これは、正直申しまして、これをいまやりますと、いまの選挙法の規制しておりますのは、こればかりとは申しませんが、非常にこの点のむしろ規制が厳重にできているわけでございますから、選挙制度の運動に関するものの根本的な考え方を変えるというに近いものになってくるのではないかというふうに思われるわけで、そこで、この点ももう少し具体的に、個々の問題につきまして検討していく時間が必要ではないかというふうに思うわけでございまして、そういう意味から、この第二の資金と運動の関係につきましては、特例法の恒久化という点で実質上実現できますものがある秘匿にまあなりはしないか。なお今後検討しなければならぬ問題になります。同町に、私どもといたしましては、この答申を土台にいたしまして、第三次選挙制度審議会で、ひとつ相当具体的に項目を分けて研究をむしろ重ねていただかなければならぬのじゃないかというふうに思っております、資金と運動の関係につきましては。そういうことでございます。
○林虎雄君 臨時特例法ですが、去年の選挙の経験から見まして、ただいま秋山、市川委員からもそれぞれ発言がありましたように、投票時間の延長ということには賛否両論もありますし、連呼行為あるいはポスター掲示場の制限という点についても、それぞれ意見もありますけれども、まあしかし、私ども乏しい経験ですけれども、あの選挙に関係してみて、時間の延長には多少問題があると思いますが、連呼行為などは、時間を守ればむしろもう、一般の世論調査もそうでありますが、いいのではないかというふうな答えが出ておりますが、新しい人の出るという上には、連呼行為はかなり効果もあろうと思いますが、それはそれとして、この臨時特例法についての個々の内容は別といたしまして、この選挙法を改正する場合には、これはかなりの部分を中へ織り込もうというお考えはあるのですか。特例法の経験のいいところをですね。
○政府委員(長野士郎君) 私ども、いま特例法の恒久化という国会方面のお話もあるわけでございまするし、また、今後の選挙につきまして、選挙のたびごとに特例法ということもどうだろうかということで、意見も集め、また問題点を整理いたしまして特例法のみではございませんが、この前の選挙の経験にかんがみまして、特例法及び公職選挙法一般に、何か改善をしたほうがいいと思われるものを拾いまして、いま問題を検討している最中でございますが、私どもといたしましては、事務当局といたしましては、できればこの国会におきまして、そういう関係の法制度を恒久化できるようにお認め願って、一般の制度とさしていただいたほうがいいのじゃないか、選挙のたびごとに特例法ができるという形よりはいいのではないかというふうに思っております。
○林虎雄君 選挙のたびに特例法を設けるということについては、だいぶ世論調査にも意見がありますがね。選挙期日直前の特例法の制度はまことに迷惑だと、困ると、そういう意味で、改正の場合には考えたいということでございますね。
○政府委員(長野士郎君) さようでございます。
○市川房枝君 選挙制度審議会は、第二次の方々の任期はもう済んだわけですね。次は、第三次の委員会が構成されるわけなんですが、それはいつごろになりましょうか。
○政府委員(長野士郎君) お話のとおりでございまして、四月ごろに第三次の選挙制度審議会を発足していただきたいと考えております。
○市川房枝君 そうしますると、いまの特例法なんかで恒久化するような改正なんかは、もし今国会中にそれを国会に提出して成立させようとすれば、審議会にはかけられないわけですね。というか、別の言葉でいえば、審議会の審議を経た上でということになりますと、もう次の国会ということになりますか。
○政府委員(長野士郎君) 審議会の審議を経た上でということであれば、この国会に間に合うということは非常にむずかしいかもしれないと考えております。
○市川房枝君 定数是正の答申案が出ていて、政府としては、それに従って前の特別国会に改正案をお出しになりましたね。それは審議未了になったのですが、その定数案については、今国会にお出しになる御予定ですか。また、その内容はこの答申案のとおりですか。ある程度の変更が行なわれるかどうか。これは、政務次官から御答弁いただきたい。
○政府委員(金子岩三君) いま省内でも、答申そのまま出すか、あるいは答申に手を加えるか、いろいろ議論がありまして、検討中でございますが、できることならこの国会で通したいという考え方で、来週一ぱいにはひとつ結論を出したい、こういう方向で進んでおります。
○市川房枝君 この前、特別国会にお出しになったときの案は、選挙制度審議会の答申そのままでしたか。少し違っていたような気もするのですが、いま、近いうちに成案を得られるという御答弁のようでありますが、その内容は、ある程度答申案と違っているものになりますか。まあその内容は、まだそれこそきまっておいでにはならぬかもしれませんが、答申案とはちょっと違うことになりますか。その点いかがですか。
○政府委員(金子岩三君) これは、今日のところ、まだはっきり申し上げかねますが、答申の精神はいろいろ解釈が分かれておりまして、昨年、とりあえず十一月の総選挙にそれを間に合わせるというので、暫定的にこれをこうすべきだというような答申である。したがって、昨年の答申のときの審議会の精神は、今日の段階ではそのままそっくり受け取っていいものかどうかといったようないろいろな配慮をめぐらしまして、検討中でございます。
○市川房枝君 ついでに、ちょっと選挙局長か政務次官に伺いたいのですが、この前私は、大阪府と和歌山県とへ、委員会からほかの方々と御一緒に選挙制度の、選挙の結果なんかの調査に参ったのですが、その中の一つとして、お願いして、選挙管理委員の方々の名簿、職業というようなものを各県の選挙管理委員会からつくっていただいて実は拝見したのですが、その中で、一つはっきり知りたいと思ったことは、選挙管理委員会の委員の中に婦人も含めていただきたいということを前々からお願いしているのですが、それがどの程度入っているかということを知りたかったわけであります。ところが、大阪府の選挙管理委員会は、何名でしたか、七、八名くらい婦人が入っておりました。府並びに市の選挙管理委員会にはございませんでしたけれども、区の選管として、あるいは大阪府下の他の市の選管の中に入っておりまして、入っているところでは、四人のうち二人女というところも二カ所あったわけなんです。ところが、和歌山県へ参りまして名簿を拝見しますと、女は一人も入っていないわけでございます。この問題は、実は最初の選挙制度審議会、第一回の選挙制度審議会の答申で、選挙管理委員の中にはなるべく婦人を加えることと、これは、法律ではその規定はしないけれども、それを推進するようにという決議がありましたわけなんでして、その後、実は自治省に対してどんなふうに御処置なすったか伺いましたらば、各地方の選管に対してそれを申し送った、勧奨しているのだと、こういう御答弁をいただいていたのです。それで、この間地方へ行きましたときに、婦人の関係の問題で、自治省から何か勧奨といいますか、すすめてきておりますかと、実は伺いましたら、来ておりますがと、簡単に答えたところがあったのです。私実は、帰ってきてから、自治省のほうから一体どんな文句でおすすめいただいたものかと、その写しを拝見したのですが、そうしたら、すすめるも何もない、ただ、ほかの選挙制度審議会の答申を全部地方の選管にお送りになるときに、選挙制度審議会の決定、こういうふうに決定したのだ、これを送るというだけのことであって、特別に勧奨も何もしていただいていないということを実は発見したわけなんですけれども、一体自治省としては、どういうふうにその問題をお考えになっていただいておるか。私は、選挙管理委員会がいわゆる有権者の政治の常時啓発ということを一つの大きな目的に持って、公明選挙運動も選挙管理委員会がすることになっているわけなんでして、したがって婦人の有権者は全国で二百五十万もやはり婦人のほうが多いわけですし、婦人に対する政治啓発なんかを進めていく場合に、やはり選管の中に一人くらい婦人が入っているほうが、私はそれをお進めいただく上においてたいへん便利じゃないか。婦人が入っているところについて聞きますると、そういう人たちは、非常にまじめに一生懸命やっておりまして、相当成績をあげておるということを聞いておるわけなんですけれども、ただ、これは政治的なポストになっておりますし、問題は、各地方議会の政党が推薦をなさる、選挙をなさるということになっておりますので、別に自治省が何もそれに対して権限がないということは、私はよく承知はしておるのですけれども、しかし、常時啓発、公明選挙運動を推進していく責任をお持ちになっておる自治省としてどういうお考えを持っておりますか。それを伺います。
○政府委員(金子岩三君) 経過について、いま市川先生の申されたことについては、局長のほうが詳しいのかもしれません。局長から答弁させるのが妥当だと思いますが、ただ、自治省の立場で、いま申されたことを政治的にどういう配慮を持つかというような御質問だろうと考えまして申し上げます。 お説はごもっともだと、私どももそのとおりに考えます。できるだけひとつ強い指導をして、御趣旨に沿いたいと考えます。
○市川房枝君 私、二つの府県だけで実は名簿なり数字を見たわけですけれども、ごめんどうかもしれませんが、何かのついでに、全国でどのくらい婦人が入っておりますか。府県別といいますか。あるいは市なんかでひとつお知らせをいただいて、そしてそれをまたさらに検討してみたいと思いますから、ひとつお願いを申し上げます。
○政府委員(金子岩三君) さっそく資料を整えさせることにいたします。
○委員長(小柳牧衞君) 他に御発言もなければ、本日の審議はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二十二分散会