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46回国会参議院1964/07/31

建設委員会 閉会後第1号

発言数
89
登壇者
15
会派数
3
開催日
1964/07/31

会議録

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求についておはかりいたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査の一環としまして、本日、多摩川河川敷の住宅団地建設計画に関する件について、参考人といたしまして、元東京大学教授工学博士安芸皎一君、作家石川達三君、国土総合開発株式会社取締役社長小川榮一君、東京都都市計画審議会委員・神奈川県都市計画審議会委員折下吉延君、東京市政調査会専務理事田辺定義君、東京都首都整備局都市計画第一部長大河原春雄君に出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  それでは建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。  参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日は酷暑の中、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき厚く御礼を申し上げます。  つきましては、多摩川河川敷の住宅団地建設計画問題について、忌憚のない御意見を拝聴いたしたいと存じます。  議事の進め方といたしましては、初めに、参考人の方々より、お一人約十分間程度で意見を述べていただき、次いで各委員の質疑に答えていただくということにいたしたいと思います。  それでは田辺参考人からお願いいたします。

田辺定義東京市政調査会専務理事

○参考人(田辺定義君) 私どもが見聞しました範囲での材料によって判断いたしますときに、今回のこの問題は、都市計画の上からこれは非常に憂うべき、あるいはむしろおそるべき構想であるということを確信いたします。したがって、建設省当局はこの案をお進めにならないように強く要望いたします。  これが結論でありますが、簡単にその理由を述べますと、問題の多摩川の堤防及びその河川敷の一部は、これは単に自由空地というだけでなしに、歴史的に、あるいは社会的に景観的に特殊な、これはかけがえのない存在でございまして、ことに東京都側の約百六十万坪は、古くから都市計画風致地区として指定されており、次いで緑地に指定されております。緑地すなわち公園であります。さような性格を持っておりますために、この地域は河川行政の上において一つの用途制限を受けておるということと、さらに都市計画の上から公園緑地の行政の対象になっておる、いわば二重の客体である、二つの性格を持っておる、かように考えますときに、この地域は軽々に変更し、その他の処置を加えらるべきものではない、かように確信いたすのでございます。私は、水利関係とか、あるいは河川工学につきましては、ここで触れないことにいたしまして、もっぱら都市計画の上から私の意見を述べさしていただきます。  日本の都市、特に大都市がいかに自由空地に飢えておるか、また自由空地を確保するために、いかなる困難を味わっておるか、これはもう申すまでもないことでございます。しかるに、そのさなかに、せっかくの緑地に対して、致命的な破壊的措置を行なうという今回の構想、計画、これは私ども全く理解ができないのでございます。もちろん住宅問題、重要である、交通問題、重要である、いずれも当面した緊急の問題ではありますけれども、それを解決するのには、おのずから道がある、また、あるべきはずでございます。これをただ安易な方法と申しては、あるいは失言かもしれませんけれども、その解決手段の一端を空地の転用によって、これをそれに求めようとするその事柄は、結局都市計画の基本的原則である総合性、有機的総合性というものを全然無視しておるものではないかと、こういうふうに考えるのでございます。  私は、ここで皆さま方の御認識を喚起いたすために申し上げておきたいのでございますが、現在の大都市経営の悩み、その根源は、結局人口の過密、つまり人口の過密ということは裏を返せば空地が足りないということ、人口と空地とのアンバランスの問題、それが大都市問題のこの困難を来たしておる根源であると、私どもはかように理解するのでありますが、そのために大都市計画の上では空地、特に公園緑地をいかにして広くするか、これに大きな努力が払われておるのであります。都市公園法では、公園緑地の面積は、住民一人当たりについて幾ら幾ら以上あるべし、こういうふうに国家の意思をもってきめてあります。その例を東京にとりますと、三多摩地区を除きまして、都市部、それがその法定制限のようやく六分の一強、それから二十三区で申しますれば、四分の一強、かような状態でございます。この都市公園法において標準をきめました当時の立法関係者のこれは進歩的見識を示しておりますけれども、これを欧米の大都市に比べますというと、非常にまだ少ない率でございます。いわんや現実としましては、前に申しましたとおりの程度でございまして、ほとんど比較にならない小さな面積でございます。そこで東京の都市計画関係者あるいは公園行政の関係者は、この空地、緑地公園、その面積を確保するためにかなり苦心を払っておられまして、現在ある公園につきましては、その有効面積をなるべく広くするようにいろいろ努力しておられます。次には、新たにその面積を拡大するために、多くの支障と戦いながら、かなり努力しておられます。私の仄聞するところでは、約八十万坪の緑地を広げるために、それは農地法その他の支障によって困難を来たしておるにかかわらず、ともかく、それに向かっての最善の努力を尽くしておられるのでありますが、そういうような深刻な事実を眼前にして、そうして国家の意思でもって都市の公園面積、緑地面積はこれ以上とるべしということを定めておく一方において、現に利用されておる、そうして法的に認められておる広大な指定緑地、しかも、これは過去において貴重品であり、今日において貴重品であり、将来これは永久に貴重品であるべきところの多摩川の沿岸を住宅地とするために、あるいは交通道路の敷地とするために、これをむざんにも転用しようとする今回の計画、これはかれこれ比較いたしまして、天下これほどの矛盾はないではないか、あるいは都市計画の権威いずこにありゃと、私どもは強く叫びたいのであります。  私は、以上の観点に立ちまして、計画をお立てになった方にもう一ぺん考えていただきたいのでございますが、それは都市計画の総合性、重要性、そういうものの認識に向かってもう一ぺん考えていただきたいと、かようにお願いいたしたいのでございます。ただ単に、そこに無償で手に入れ得る空地があるから住宅団地にする、そこに自己の所有する空地があるからこれに道路をつけると、こういうきわめて安易な、いわばばらばらで、そして一つ一つの現象を追うことに忙しいあまりに、都市計画の一体的総合性というものを閑却される、そういうことのないように、この際ひとつお考え直しを願いたいと、こういうふうに訴えたいのでございます。私は、もし万一にもこの案が実現いたしますことになりますれば、まあ極端な表現になりますけれども、多摩川というものを実質的において殺すことになる。その殺すことになるほかに、その影響が非常に大きく及んでくる。都市計画の関係の法制あるいは行政、そういうものにつきましては、いわば建設省はそういうものの番人であるはずなのであります。その番人である建設省がみずからかような措置をおとりになるということになりますというと、実施以来やがて半世紀になろうという日本の都市計画が、かくのごとく右に左に低迷して、そうしてこれの本質的に何か日本に適せないものがあるのではないかという疑惑あるいは絶望感というものを呼び起こす可能性がないことはない。さらに憂うべきことは、との案が通りますと、一種の連鎖反応として各地方団体に必ず及ぶ危険を私は痛感しておるのであります。御承知のごとく、今日では公共事業に最も必要な公益優先の思想、その公益優先の思想は薄れ切っております。そして土地収用法にいたしましても、いわば半身不随の姿で、そして従前のような機能を発揮することができません。加えて財政の隘路があります。かれこれいたしまして、地方団体は公共用地の入手に非常な困難を来たしておる。その際に、本家木元の建設省がかような見本をお示しになるということになると、待っていましたといわんはかりに、地方巨体はこの自由空地に向かってどういう措置をとるか、その運命のほどを私は想像いたしますときに、非常に寒心にたえないのでございます。  以上が本参考人の意見の大要でございますが、お示しに従いまして、率直にということでございましたので、思いのままを申し上げましたが、あるいは非礼にわたった点があるかもしれませんが、さような際にはお許しを願いたいと存じます。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 次に、安芸皎一参考人にお願いいたします。

安芸皎一元東京大学教授工学博士

○参考人(安芸皎一君) 私安芸でございます。実は私、ただいま問題になっておりますところの場所につきまして、現地につきましてただいまどうなっておりますか、あまり詳しい知識を持ちませんので、その点、はなはだ申しわけないのでございますが、大体一般論的にひとつお聞き願いたいと思うのでございます。  もちろんこの堤防に沿って住宅が建てられておると申しますことは、非常に珍しいことではないのでございまして、どこでも川のへりというものは自然に幾らか高くなっておるものでございますから、そういうところへ、堤防に沿いましてくいを打って家を建てるとか、土盛りをいたしまして堤防に沿って家を建てていくというのは、実は古くからしきたりでどこでもそういうことは行なわれてきたわけでございます。しかし、これは以前非常に、何と申しますか、まだ生活水準の低い時代と申しますか、そういうふうな行き方がどこにでも行なわれてきたのでございますけれども、今日のようになりますと、少し疑問に思う点が出てくるのでございます。それは一体、何と申しますか、以前でございますと、長い間何代もそういう川のへりに住んでおるものでございますから、堤防の効用なり何なりというものをよく理解しておる、自然に身についておるという点から、堤防自体というものを、これはどんなふうに洪水のときに働くのかということをよく理解しておるために、維持とか管理とかいうものについても、おのずから自分の仕事、自分の生活の中でそのようなものを受け入れたと思うのでございます。ところが、今日の時代になってまいりますると、だいぶその事情が変わってきておるのでございまして、実は堤防のへりに住んでおる方々でも、今日の堤防のほんとうの作用と申しますか、働きと申しますか、そういうものについてどれだけ理解しているかという点に多少疑問を持つようになってきておるのでございます。それは今日の堤防の、何と申しますか、維持とか管理とかいうものが、以前に比べますと、率直に申しまして、かなり悪くなっているというふうな感じを持つのでございます。  実際私考えますのに、一体堤防というものは、これは絶対にどのような場合でも安全なものだとは言い切れないと思うのでございます。御承知のように、堤防の高さをきめますときでも、一応ある洪水を想定してつくっております。それもだんだんと最近になりますと、その規模も大きくなってまいりまして、と申しますのは、その堤防で防いでおる地域と申しますか、そういうところの生活環境というものが以前と変わってきておるからてございますが、以前なら十年に一回とか、それ以下のような洪水に対する堤防をつくっていたのでございますが、今日ではたとえば多摩岬のような一級河川になりますと、おそらくいまの堤防は、百年洪水とでも申しますか、大体そういうものを対象にしてつくられていると思うのでございます。しかも、それでも何年に一回くらいに起きるという洪水というものを対象にしてつくられておるということでございます。  それからもう一つは、私考えなければならぬと思っておりますのは、われわれすでにいろいろ経験しておるのでございますが、その流域で人間がいろいろと働きかけてくる、たとえば堤防をつくること自身もそうなんでございますが、そのほか流域の土地の利用のあり方と申しますか、さらにそこにダムをつくる、ダムをつくって、これをどういうふうな操作をするか、目的に使うかというようなことから考えましても、実は洪水量というものは変数なんでありまして、そういうふうな人間の働きかけによっていつでも変わってくる数字だと思うのでございます。それでございますから予測するということが非常にむずかしいのでございまして、それにかかわらず堤防というのは、御承知のとおり、ただ土を盛り上げて水のはんらんするのを防ぐと、そういう構造物でございますから、これが特に長期的なものを考えるほど、一体、期待するようにいつもその条件に合うのかどうかということになりますと、やはり一つの疑問を持つのでございまして、ここでやはり維持と管理というものを非常に大きな課題として私は考えなくちゃならぬと思うのでございます。実際どこでも重要な堤防になりますと、よく管理されております。危険性のあるところになりますと、十分管理されておるのでございまして、たとえば、これはいまこういうところで申し上げてどうかと思うのでございますが、オランダあたりでございますね、海岸の第一線の堤防になりますと、堤防ののりなんかも絶対に人は歩かせない。堤防の上もただ歩くだけにしておきまして、そうしてこれは自動車の通るような交通路は、堤防の裏側に小段をつくりまして、これを少し幅広くとりまして、これを交通用に充てている。しかも、これは本堤との間にさくまでしまして、通るところをはっきりさしておくというようなシステムまでとっております。これが二線、三線になりますと、それだけまあ危険性に応じまして余裕はありますけれども、しかし、やはり非常に注意して維持管理に気を払っております。たとえば、これはミシシッピーの例なのでございますけれども、ああいうところでは、やはり何と申しますか、TVゲストリクトと申しますか、TV地区とでも申しますか、そういう関連しているところでそういう組合のような制度をつくりまして、それが堤防の維持管理の責任を負うというようなシステムをとっております。  こういうふうに、堤防というのは、とにかく、ただ土を盛り上げてつくったものでございまして、まあこれを、その目的を達せられるようにいつでも、いつ来るかわからないものを対象にしておるのでございますから、やはりこの際に私は維持とか管理とかというものに非常に関心を持たなきゃならないと思っております。どうも、率直に申しまして、近ごろ日本のこの大河川の堤防も、維持が十分完全にいっているかどうかということにつきまして、私見たところでも多少疑問を持つのでございますが、これはやはりだんだんとそういう規模が大きくなってきて、結局地元が、自分でもってこれをつくり、管理しているという意識がないような段階になってまいります。地元はこれに対する関心というものがだんだん薄くなってくるのじゃないだろうかという気がしております。これはやはり堤防というものの本質を考えますと、どうしてこれが完全に、いつでもつくったときの目的を達せられるように維持され管理されているかということが大事だと思うのでございまして、そのためには、十分こういうところを維持していくということ、要するに、まあ公益のためには常に私益に優先していくという観念が、そういう地域に十分こう浸透するような手段を持ち込むことがもちろん必要なのでございますが、そういう点から考えまして、今日の時代でそういう事態、たとえば洪水なら洪水の実態、堤防というものはいかなるものか、その役割りというものを十分理解しない段階で、その近所に、その周辺に人が住むようになるということは、その目的を、堤防なら堤防の目的に十分こたえ得るかどうかということに私多少疑問を特つのでございまして、これはやはり十分管理し得られるような環境にまず置くということが、今日の段階では私必要じゃないかというふうに思っておるわけでございます。  まあ非常に抽象的になりましたのでございますけれども、一応私の見解を申し上げまして御参考にでもなればしあわせだと思っておる次第でございます。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) ありがとうございました。  次に、小川榮一参考人にお願いいたします。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) 私小川榮一でございます。  本日御照会にあづかりましたような書面に対しての私の簡単な結論からいえば、私は住宅団地をつくることは反対なのでございます。世間では私が非常に賛成のように思われておるのでございますが、隣の先生とも、小川君、きょうは君と戦かわなきやならぬというような話があったのですが、私は、アイデアというものは――少し脱線したことになってすみませんが、もう一つ掘り下げて。私の意見を申し上げますと、アイデアというものは愛情というものから生まれてこなければアイデアじゃないのだと、原子力にしても愛情から生まれてこなければ、要するに人殺しになってしまうのだということでございまして、私は、現在の多摩川の風致地区あるいは緑地地区というものが、法律的に名前だけ存在しておって、実際は何も緑地地帯の役目を果たしておらない。おいでになればおわかりになるでしょうけれども、川の水は下流にくれば非常に臭気を発しております。それから堤防の上は子供の戦争ごっこのような騒ぎになっておったり、堤防の中はプロ野球やゴルフ族の専有するところであって、ほんとうに緑地帯というものが大事であるならば、もっと親切なアイデアでこれを研究される必要があるのではないか、こういうふうに思っておるのであります。  たまたま建設省の委員会などに出まして、どうしても東京の経済生活の上において、放射道路も従来一番大事であったけれども、物資の配給その他いろいろな点において、大環状線というものがなければ東京の物価その他生活環境の改善はできないといういろいろな議論になりましたときに、その環状線というものによって、初めてその環状線から一キロ平均の輪が一つの配給の経済的な輪である、それにはただ行ってこいだけの道路だけでは中央に集結するばかりで何にもならないから、どうしても大環状線というものができてこなければ困るということで、だんだん論議をしてまいりましても、行き詰まるところは、土地がない――土地はありますけれども、これを収用するについてはばく大な費用がかかる。これをどうしても、つまりどっかに求めなければならぬという議論でまいりますると、多摩川、荒川というものを杉並区のほうで結んで大環状線という一つの構想を練りますると、約百キロ以上の大環状線になるわけでございます。その大環状線に取り巻かれている土地というものは、大体両岸の堤防敷が三十メートルないし五十メートルあるわけでございます。したがって、両岸合わせて八十メートルないし百メートルございます。これが百キロ余にわたっておりますから、約一千万平米、約三百万坪というような堤防敷になっておるわけでございます。川原が約その四倍強ありますので、約千二百万坪というのが川原及び水の流れておるところになっております。したがいまして、合わせて千五百万坪のいわゆる荒川、多摩川というものがそこにあるのでありますが、これをもっと緑地化しながら、経済的にも環境的にも、つまりソーシャル的にもエコノミカル的にも有効にならないものだろうか、そういうアイデアが大衆に親切であるという真心から生まれ出た場合には、大きな非難を受けずにサンキューされる地帯になるのではないだろうか。現に、御承知のように、東京都内にあります中小企業の工場が持っておる坪数が約一千万坪強といわれておりますが、この多摩川、荒川というものが有効な緑地帯としての、あるいはエコノミカルな関係に利用されるならば、この都内における千万坪以上の土地という毛のが緑化され親切に扱われるのだ。御承知のように、黒部峡谷にいたしましても、最近の水とめは、アーチ・ダムによって縦にコンクリートでとめております。したがいまして、三百年同じようにどろばかりでもって堤防を築いておるようなところは、ライン河のまわりに参りましても、セーヌ河のまわりに参りましてもございません。今日の進歩した考えでいえば、要するに堤防敷というものは、むしろコンクリートの箱にしてしまって、そしてその出てくるどろを両方に分けて、これを道路にして、その道路によっていろいろなものが配給され、したがって、多摩川、羽田とか、あるいは荒川の海岸先というものは非常に貿易物資集散の有力な場所になって、これによってつまり物の配給ができるけれども、道路ができたからといって、私は景色が害されるとは思いません。やはり宝は十分に研究をして活用すべきものじゃないだろうか。もし十メートルの箱でもって堤防ができておるとするならば、その残るどろはどこに持っていくのだとおっしゃるでしょうけれども、それはあるメートルの高さにならしてそれを道路にしたらどうでしょう。その箱の中は今日困っておるその環状内の全部の下水を――全部とは言いませんが、できるだけ多くの下水をそこに入れてそうして浄化をするパイプのラインにしたらどうか。多摩川の水を至るところで浄化しながら臭気ふんぷんたるものを除去したらとうか。そうしてその川原――先ほど申しました千二百万坪の川原ですね、これはとにかく完全なる緑地帯にして、東京都二百万児童のためのプールを至るところにつくったらどうでしょう。そういうような場合に、ただ土地を利用するということでなしに、ライン河のようにりっぱなホテルがあり、りっぱなレストハウスがあっても差しつかえない。ただそれを活用させる場合に、十分にそれから利益を取ってその費用を予算の中に組み入れて、そうしてこの千五百万坪というものを名実ともにりっぱな緑地帯であり、エコノミカルなものにさせることができないはずはないのじゃないだろうかということが、たまたま誤り伝えられて、住宅公団の土地、建物がいいとかなんとかいうようなことになっておりますけれども、もっと愛情を持ったアイデアで――皆さんが多摩川のへりを散歩していらっしゃったときに、これはほんとうに東京都民のためにいろいろな角度から非常に活用できる土地であり、水である一まつ黒な水であってはならない水であるということになるのじゃないか。たまたま私ども不平に思いますのは、役所が名前をつければもうすでに緑地帯になっておるように思う。ところが、それは名前だけでございまして、それはちっとも現在緑地帯じゃございません。何一つ手入れしておりません。要するに、変な族がいろいろとこれを悪用しておるだけです。ほんとうに都民を愛するならば、この千五百万坪というものを名実ともにエコノミカルにソーシャルにこれを活用することを根本的にお考え願いたいというのが私のお願いでございます。  失礼しました。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) どうもありがとうございました。  次に、折下吉延参考人にお願いいたします。

折下吉延東京都都市計画審議会委員神奈川県都市計画審議会委員

○参考人(折下吉延君) ただいま小川参考人のお話を聞いて、私も一部同感でございます。東京都は緑地帯を一つも緑地帯にしておらぬということ、同感でございます。その点は同感でありますが、あるいは道路をつくり、あるいは箱にして住宅をつくるという、さようなことには賛成はしておりません。  大体都市計画ということの始まりましたのは大正八年ごろからでございます。この都市計画法を立案したのが、故人になりましたが池田宏君でありまして、その当時自由空地論というのを「都市公論」に発表して、私も大いに同感で、池田さんの教えを受けて今日まで約半世紀の間その問題と取っ組んでまいりました。一体都市計画というものは、まあ精神的な面は別として、技術的構造その他の面におきましては、道路、橋梁、上水道というような土木的面、公共建築その他一般住宅の建築面、それから、はなはだ貧弱ではありますが、いまの公園、緑地というような自由空地に関係のある部門の三部門、いわゆる、かなえの三つの足のようなもので成り立つと思います。そのうち、道路はすこぶるいまはやりっこで進んでおります。建築も経済的に引き合うか、盛んにりっぱにつくられております。どうも公園緑地のほうは入園料を取るわけにもいきませんし、公共のために一般公開をするというようなことでありますから、収益があまり上がらぬというような点もあるんじゃないかと思うのですが、これが一番おくれている。つい一昨年ヨーロッパを回って見ましたら、日本がやっぱり一番おくれているように思います。それで先ほどどなたかのお話しにもありましたが、私、四十五、六年前にヨーロッパを調べて、その当時論じたことがありましたが、ワシントンでは一人当たり公園面積が十八坪あったと思っております。それからイギリスでは九坪ぐらいある。そのときに日本では〇・二五、つまり畳半畳、いわゆる寄席で言う半畳を入れるという、あれぐらいな坪数しかなかった。それで大いにどなってずいぶんいろいろ努力したのですが、一向にはかばかしくまいりません。もちろんその当時は、十五区六郡といった十五区内のものでございましたが、いま多少はふえておりますけれども、いろいろのものを寄せ集めての話であって、ほんとうに公園緑地の面積というものはまことに少ない。それで大東亜戦争になったこるに、こういう時代になって爆撃を受けたりなんぞしたら非常に危険だというので、そのときの内務省における都市計画の公園緑地の担任者北村徳太郎君は非常に心配して、方々と連絡して、防空局とも連絡をして、防空上からもいけない、危険であるということで、当時防空課長をしていた、いま衆議院におる亀山君と一緒にいろいろ市内の空地をできるだけ保存するべく、防空緑地というような名前で、東京都内にばかりでなく、方々の都市にとりましたのですが、だいぶ指定をした。それで建築物を少なくとも禁止をした。それでこれからというときに終戦になってしまいまして、終戦を迎えると同時に、また元の地主に返せ、防空緑地は返せというような問題が起こって、農地問題とからんでだいぶ減りました。それからまた終戦後東京都の大発展のために、なかんずく区内、市部の防空緑地あるいは公共緑地というようなものを設定したのでありますが、私は自来ずっと東京都の都市計画委員として参画しておりますが、そのうちの半分以上というものをいろいろの名義で解除させられた。その解除するときに、東京の周辺には多摩川沿岸の風致地区、緑地というようなものがあるから、それでこれはひとつ解除してもらいたい。それで、よんどころなしに解除した。そうして、そういうところにアパート群というようなものもたくさんできた。その緑地なるものは、いま小川さんがおっしゃるように何もしていない。それだから世間の非難を浴びるのはもっともなんです。私どもも大いにどなっているけれども、あらゆるものが、予算は、オリンピックといわれればオリンピックに持っていかれてしまうし、今度何かといわれればそれに持っていかれてしまって、公園緑地の予算というものは、世界第一の徴々たるものじゃないかと思うのであります。いままた、これを道路にする、アパート群をつくる、アパートを並べるというようなことにして取り上げられたら、そのかわりのものをどこか下さるか、前のを取り返すかしなければ、われわれ何のためにやっているのかわからない。  それで、災いを転じて福とするということわざがございますが、こういう機会にわれわれの意見を皆さんに、有力な方々に聞いていただいて、この機会に緑地全般にわたって大いに御同情願いたい。学校関係については、PTAというものがあって守っているのでありますが、われわれは、古く内務省時代に公園課長をしておりましたのですが、われわれが首をかけて守る以外にはなかった。いつも辞表をふところにしてやりました。どうも近ごろの人は、首をかけてやる人がいなくなった。上から言われればすぐやられる。前の河野建設大臣なんていうのは有名なんです。おまえ、それじゃやめてしまえと言われればすぐやられてしまう。ああいう人が大臣になるとびっくりしてしまって、すぐ応ずる。そんなばかなことじゃだめだ、おまえらにまかしておけぬというので、先般来各協会、学界等に呼びかけまして、私は実は火つけ役でございます。つけ火をしたわけでございます。それでこれだけ盛り上がったのはまことに幸いなことでありまして、どうぞ皆さん、ひとつPTAになってやってください。そうして公園緑地をもっと大いにふやし、予算をいただきたいものでございます。  大体私は二度ばかりヨーロッパを歩いて見ましたが、日本ほど海岸とか川岸とかいう風致のいいところを個人が占領しているという国はございません。みな公共用に使って、みなそこへ遊びに行ってゆっくり風景をながめられるようにしております。多摩川なんぞは昔から有名な風景地でありますが、いまごらんになるとまことに情けない次第です。その点は小川さんと同様な意見であります。これをひとつこの機会に大々的に、もう本年でオリンピックも終わりますから、この点は道路もさることながら、緑化事業にひとつうんと予算を計上していただいて、また、これは直接議会がやるわけじゃございませんが、ひとつ当局に予算を出してもらうように働きかけますから、お認めを願いまして、大々的に事業の進行を見ますようにお願いをいたします。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) どうもありがとうございました。  なお、石川達三君は、御都合が悪く  て本日出席できない旨の申し出とともに、意見を文書にして提出しておられます。  この際おはかりいたしますが、本文書を専門員に代読させることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと認めます。  〔専門員朗読〕

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 以上をもちまして参考人各位の御意見の開陳が全部終わりました。  これより質疑を行ないます。  なお、政府側から、建設省の関係各局長及び首都圏整備委員会事務局長が出席しております。  質疑がおありの方は順次御発言を願いますが、安芸参考人は、急用のため午前中しか出られないとのことでありますから、御質疑のある方は、先に安芸参考人に対しまして順次御発言をお願いいたしたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 安芸さん、結局あなた反対なんでしょう。そういうことはあり得ないと思うのですよ、結論として。そうですね。

安芸皎一元東京大学教授工学博士

○参考人(安芸皎一君) そういうわけです。

田中一日本社会党

○田中一君 河川局長にちょっと聞いておきますが、私ども前国会であれほど熱心に河川法の改正の審議をいたしました。そうしてどうやら通過した、成立したものでありますけれども……、河川局長来てないんですか。――それじゃ、安芸さん、新河川法には堤防、河川敷等には他の工作物をつくってよろしいという規定があったでしょうか、私はないと思うのですが……。

安芸皎一元東京大学教授工学博士

○参考人(安芸皎一君) 私も、ないと思いますですね、聞いておりませんから。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、河川法の審議のときにもこの問題取り上げたいと思ったのです。しかし、何といっても会期末なもんですから、どうにもならぬもんだから触れないでおったのですけれども、先ほど田辺さんも言っているように、これ一つを容認した場合に、一級河川、二級河川はおろか、地方河川においても、地方自治体は御承知のように財源的に非常に苦しんでおります。また、宅地を収用するために非常に困難をしておりますから、こういう自分の管理地の適地を求めることは容易なわけなんでありますけれども、地方に及ぼす影響というものはどういうぐあいに想定したらいいでしょうかね。これはもう許しがたいものである。しいて言うならば法律違反であるということではなかろうかと思うのですが、その点はどうです。

安芸皎一元東京大学教授工学博士

○参考人(安芸皎一君) お答え申し上げますが、とにかく日本で水害がいかに問題になっているかということを考えますと、これがどういうふうな形で常に起きているかということになりますと、やはり川というものは、小さいところから大きな川に至りまして、これはもちろん水害の様式とか原因というものはそれぞれ特性を持っておりますけれども、やはりいかにして災害を防ぐかということで、そのためには河川法がいろいろ改正され、流域全体として見なければならぬということ、要するに、これは川全体が安定した形で利用度も上げていきたいという趣旨であると思うのでございますが、そういう点になりますと、やはり河川の河川敷があり、堤防敷、これが国有地というふうなことになりますが、ああいうふうな無私物というような形でもって管理しているというのは、どうやったら一番日本のような環境のところで災害を防げるかというところから出発しているものと思うのでございます。それは先ほどもお話がございましたのですけれども、日本の洪水と申しますのは、主として大きなものは台風によるものでございますが、洪水の原因になっている水、渇水とか洪水の際の水の開きが非常に大きいのであります。そしてまた開きが大きいだけあって、どの程度の水が出るのかという予測が非常に困難でございます。私は、さらに長期的な対策が立てられれば立てられるほど、常にわれわれが期待しておるような環境が維持されない限りは非常にむずかしいのではないか、そういう点で私は常にこういうものはよく監視ができ、その意味に従って管理ができるような状態に置かなければ目的は達成せられないのではないかというふうに感ずるわけなんでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 たとえば八王子からその上流方面に相当、かっての災害による河川敷――まるきり広い河川敷が、いいわゆる砂利取り場があります。しかし、これらのものは廃川化して廃川敷となって他に利用されるということは考えてもいいんではないかと一面思うわけなんです。これはただ単に風致とかなんとかというものでなくて、小川さんも言っているように、科学的にこれが利用されればという面から見れば、他人の道路をつくるために他人の土地を強権というか、収用法その他でもって取ることと見合ってみても、これは当然河川としての幾能はもうないのだという場合には利用する道はあろうと思うのです。この場合には、少なくともこれは河川でないわけです。廃川敷なわけですからこれは差しつかえないと思うのです。そういう地点等もありますが、何といっても、いま住宅公団が計画しているという計画を見ますと、全くこれはもう実は、いつも人間が一ぱいレクリェーションに来ている地域であります。これは論外だと思うのです。  そこで、安芸さんは先にお帰りになるといいますけれども、一応委員長、住宅公団は来ておらなければ、住宅局が考えられた計画ですね、これをひとつ説明してほしいと思うのです。そうして説明してもらうと同時に、これがだれの意思でどういう系統で命令が起きたか、そうして住宅局長、政府が住宅公団をしてどういう経緯でこれを命令して作成さしたかという経緯まで詳しく説明してほしいのです。省議でこれはきまったものであるか、その点をひとつ明らかにしてほしい。

前田光嘉建設省住宅局長

○説明員(前田光嘉君) お答え申し上げます。われわれが現在計画いたしております多摩川堤防における住宅は、多摩川の下流の二子橋から丸子橋の間約五キロございますが、その両岸の堤防を利用いたしまして、そこに住宅を建てる、現在のところ利用できる土地を利用し、同時にまた、道路関係等もございますので、建てられますと、四千五百戸程度のものをその両側に並べることを考えております。とりあえず本年度におきましては、両岸に千戸ずつ二千戸の計画をもって目下調査を進めております。これは単に堤防に住宅を建てることだけじゃございませんで、その河川敷を総合的に利用して、一面におきまして、ただいま申しましたように住宅を建てるということでございますが、同時に、いまある特定街路、その他の道路を整備いたしまして、付近の交通の便に資し、同時にまた堤防の、川の上流のいまある河川敷につきましては緑地を整備いたしまして、公共的な公園にし、一般の都民、市民の利用に供する考えでございます。また、その外には自動車専用道路をつくりまして、ただいまお話が出ましたように、公共の外郭環状線の一環として利用する、こういう総合的な多摩川の河川敷の計画の一環でございます。  この案につきましては、昨年の夏ごろから、建設大臣の御意思もございまして、われわれ関係の者がいろいろ協議いたしまして案をつくっておりまして、現在いま申し上げましたような計画の案を一応整えましたので、さらに細部の調査及び必要な試験、設計等を行なっております。  住宅公団がこの事業を実施するのが適当だと考えまして、住宅公団に住宅建設を実施すべく話し合いを進めておりますが、いまお話しのように、法律上の命令というものではなくて、本年度の住宅公団の事業計画の一環として実施するということで住宅公団と話し合いがついております。細部の設計等におきましては、住宅公団が目下計画を進めているところでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 河川局長、河川局はこの計画に対しては同意を示しておるものですか。

上田稔建設省河川局長

○説明員(上田稔君) お答え申し上げます。この多摩川という川は、御承知のとおり大菩薩峠に源を発しまして、そうして東京湾に注いでおります川でございますが、下流のほうの四十キロの区間は、直轄河川改修工事区間といたしまして直轄改修工事を行なっているのでありますが、最近――最近といいますか、ここ十年ばかりの間非常に河床が下がってまいりまして、その河積というものが非常に大きくなってまいりまして、近年に出ました洪水といいますか、改修工事を行ないましてから出ました洪水というものが、計画高水よりも非常に低く、約一メートル五十から二メートル近く低いということになっております。そういうようなことでございまして、河積としては、計画高水以下に、相当余裕があるというふうに考えておりまして、そういう意味におきまして、河積を幾ぶん整理いたすというような感覚でいきますと、堤防をこの前に出して、そうしてその堤防敷を住宅に使うということでございます。洪水には支障がない、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 新河川法では、それらの工作物をつくってよろしいという条項がありましたか。

上田稔建設省河川局長

○説明員(上田稔君) お答え申し上げますが、新河川法には、そういう堤防の上にというものは――河川敷内にということはございません。

田中一日本社会党

○田中一君 堤防の上ならよろしいのですか。

上田稔建設省河川局長

○説明員(上田稔君) お答えいたします。先ほど堤防の上と申しましたが、その堤防の上というのは、現在あります堤防の上でございまして、今度の許可をする場合におきましては、その部分は河川敷からはずすというふうになるわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 それは、河川を改修していわゆる容積がふえたから狭めて廃川敷に住宅を建てようということですか。先行している意思はどっちですか。河川の水量が、容積がふえたから――地盤沈下してふえたから、だから河川敷を縮めようという考え方に出発して廃川敷に建てようという計画なのか、この住宅建設の計画が立ったから河川敷を縮めて住宅を建てようということになったのですか、どちらですか。これは政治の上の非常に大きな意思の問題なんです。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) ちょっとお尋ねいたしますが、そういうお話ですと、私ども参考人としては退場してもよろしいのですか。

田中一日本社会党

○田中一君 一応小川さんにも聞いていただきたい。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 速記を始めて。

田中一日本社会党

○田中一君 それでは、いまの問題ひとつ小川さんから答弁してください。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) 私は参考人として御意見だけを申し上げて、それに対して質疑がなければ、退場さしていただきたいのですが。それから、きょう、この経緯がどうであるとか、あるいは大臣がどうのこうのという、そういうような問題まで拝聴しているのは私は非常に、専門外でございますので、ごかんべん願いたいのですが、ひとつちょっとお願いしたいことは、いろいろ法律があるからどうのこうのということでなしに、つまりこれは全国の有力な緑地、公園地帯であると同時に、災害に非常に関係のあるところだから、これだけ文明が進み、土木工事も進んだのだから、ひとつ根本的に、いままでの法律だけの問題であったりしないで、ここで先ほど申し上げましたような、アイデアはアイデアであるという考え方で、多摩川自身のためにも、東京都民のためにも、日本国民全体のためにも、範になるのでありますから、この機会に、ひとつ私は建設省で河野大臣がこれに取り組んだ心境はこういうふうに想像しておるのです。私もこのことでは激論をした一人でございますから、つまり真剣に多摩川というものと取り組んでみようじゃないか、これが私は原因だと思うのです。ですから、これは取り組んだやつがけしからぬというふうには簡単におきめにならずに、この機会に、先ほど折下さんもおっしゃったように、つまり根本的に全国の河川の今日の土木工事をエコノミカルにもソーシャルにも掘り下げて、その上に必要があれば法律を変えていただくとして、これの力は皆さんお持ちなんですから、ぜひこれをひとつお互いに親切な考え方でもってにらんでいただいて、そうして万言人身攻撃とか、そういうことでなくて、ほんとうに日本の今日の土木工事を河川、いろいろわれわれの生活との間にどういうつながりを持つべきであるかという、災いを転じて福とするようないいチャンスだと思って私は参ったわけでございまして、どうぞひとつ皆さんも過去の法律論や、あるいは河川敷に対していろいろな考え方だけでなしに、いわゆる現在のわれわれの生活と結びつけてひとつ御研究を願いたい。これが私のお願いでございますから、どうぞ。

田中一日本社会党

○田中一君 小川さんに一つ質問します。実は当委員会は法律論議をやる以外には何にもないのですよ。御承知のように、私ども法律をつくるほうの側に立っておりますから、まずそこから出発しないと問題にならぬわけですよ。で、小川さんは、いま答弁引き受けてお立ちになったから、今度あえて質問いたしますけれども、巷間伝えられているととろによると、小川さんのアイデアが相当強く反映しているといっておりますけれども、私はあなたの考えは非常にいいと思う。そのくらいまで、法律は国民のための法律でありますから、法律のために国民が生きておるわけではございません。ただ問題は、あまりにも都政というか、東京都――これは東京都の問題ですよ。先ほども、あなた丸子大橋ですか、あの周辺の悪臭というものはひどいと言ったでしょう。これは悪臭が流れることを、発生することを許容して、そうして何かそれに利用しようという魂胆から東京都はしているのだというように解釈されることもあり得るのです。これはそういう事象はたくさんある。最近池田さんもそれに気がついたかどうか、東京都政をもう一ぺん調べるということを言ったそうでありますけれども、問題は、私は、あなたの考えられているところのアイデアというものは、これは非常にいいと思う。それがなくちゃ前進がないと思うのですけれども、ただこの問題に局限した場合に、その問題がどこから生まれたか、どうして今日になったかということなんです。住宅公団はもう実施する計画をちゃんと立てている。そうして非常にこまかい設計もできております。いま住宅局長が言っているように、四十年度予算でこれを実行しようとしているのです。これは大問題なんです。こいつは大問題です。これはやはり法律論からこないと解決されなくなるもんですから、あなたにも聞いていただきたいと思って、実は河川局長に質問したわけなんですよ。私どもその範囲しかございません。あとはもう行政権は政府が持っているのです。実施権も計画権も政府が持っていますし、私どもは法律論からこないと問題の中核に入らぬもんですから、たいへん時間のお忙しい、ことにあなたお忙しい方を引きとめて申しわけないけれども、特に申し上げたわけなんです。  では短くその経緯を話してください。どちらが先行してこうなったか。河川法を改正しようという意思でもって、小川さんおっしゃっているように、河川法を変えるのだという意味でもってこの問題出たのか、そうでないのか、これは大事なことなんです。私どもはつい二カ月ほど前にこの法律の通過のために大いに激論を戦わしたのでありますから、それだけに伺っておきたいと思うのです。

上田稔建設省河川局長

○説明員(上田稔君) お答え申し上げます。どちらが先かということになりますと、住宅のほうで御出願になるという形になるわけです。というのは、費用は、河川改修の費用は出しません。したがいまして、これは住宅の建設の費用でおつくりになっていただくと、こういうことでございます。たとえば河川の一部分に広いところがあり、これを整正して、河川管理上不用となる土地を利用するというような出願の方式もあり、これもそのような形かと存じます。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 安芸さん、だいぶ重要なあれのようですが、よろしゅうございますか。

安芸皎一元東京大学教授工学博士

○参考人(安芸皎一君) よろしゅうございます。

田中一日本社会党

○田中一君 一体河川改修なり何なりを住宅予算で行なうということを大蔵省毛これは了承しているのですか。河川局が河川改修をする場合に、河川予算でないもので行な一おうという根拠はどこにあるのですか。いま説明を聞くと、廃川にする河川敷、いわゆる堤防につくるのではない、こういう結論のように聞きますけれども、内輪に河川を引いて、堤防を引いて、普通よりも狭めて、あるいは廃川、旧堤防、そして現在堤防でないものについてそこに建てるのだというような説明をしておったようですが、そうすると、その新しく内輪に、流れのほうに寄せて、寄せるというか、狭めてくると、堤防の築堤というものはどういう予算と、どういう形でつくろうとするのか、河川局の予算でつくらなければ堤防はつくれないはずなんです。堤防の予算でつくるべきはずなんです。それがそうじゃなく、住宅局の予算でもって、つくるのだというようなことは、ぼくはかつて聞いたことがない。また、そういう法律の改正をしようという意図のもとにこの計画が立っているのかどうか、これを伺っておきます。政務次官が幸い見えたから、政務次官からも伺っておきます。そういう根本的な方針がきまっておるのかどうか、それを聞いておきたい。

上田稔建設省河川局長

○説明員(上田稔君) 公有水面の埋め立ての考えでございますが、その受益者にその工事をやっていただくと、こういう考えでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 社会的な利用という面を重視するために、あらゆる法律を駆使して、そうして一つの目的を達しようという考え方が、これは根強いもんだと、いま上田君の説明から聞き取れるわけなんですが、これは法の悪用です。一つの目的のために、ほんとうにそれをやるならば、ずばりと河川法を変えてしまったらいい、こういうことなんです。あらゆる面であなた方は、法律の職人もたくさんおりましょうから、これらがあらゆる法律を駆使して法の盲点を利用して、悪用して、そして、この一つの目的を達しようという考え方は、これは間違いであります。国民はそこにいつも強い疑惑を持つのです。ずばりと、小川さんが説明されたアイデアというものは非常にいいと思うのです。いいと思うのは、そうした感覚ですね、これは正しいんですよ。法律は役人のものではないのです。国民全部のものです。しかし、その法律を悪用してあらゆる面から盲点を引っぱり出してやろうという、行なうということは、行政の一番悪いことなんです。それは省議で決定したものですか。これは政務次官に伺います。そういう問題は省議で決定したものですか。たとえば河川の埋め立てという申請をさせて、そして堤防をつくるのだ、当然これは水面埋め立ての問題もあります。あなたが言っておるようにあります。そういう方針がきまっておるのですか、いまの現在の政府として。私どもは、つい二カ月前に新河川法というものを通したのです。これはこういう構想を持った建設大臣がかわっちゃったものですから、つい政務次官あなたのところにいくわけですが、これはやむを得ません。

白浜仁吉自由民主党

○説明員(白浜仁吉君) ちょっとごあいさつを兼ねて御答弁をさせていただきます。  今回、政務次官を仰せつかったわけでございますが、私、ただいま勉強させてもらっておりますので、なかなか御質問にお答えすることはできませんが、ただいま勉強させてもらっておるところでは、私、そういうふうな御質問のような趣旨で、総合して建設省ではやりたいというようなことで検討しておるというように承っておるわけでございまして、詳しいことにつきましては、担当の局長から答弁させてもらいたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これは小川さんお忙しい……、ちょっと聞いていてくださいね。  都市局長、都市公園法ができてから七、八年になります。それで少しでも都市公園はふえておりますか。また計画されておる、約束されておる――予算という制約がありますが、約束されておる法律の精神というものは少しでも伸びておりますか。

鶴海良一郎建設省都市局長

○説明員(鶴海良一郎君) 都市公園につきましては、現在地方の単独事業費等も合わせまして、年間八十億程度の公園事業が進められております。御承知のように、補助事業は至って微々たるものであります。大部分が単独事業であります。そして現在都市計画として予定しております公園面積でございますけれども、これは市街地人口一人につきまして、都市人口一人につきまして、約六平米という都市公園法の精神できております。おりますが、事業の進捗が、そういう状況でございますので、現在確保されております公園は、都市人口一人につきまして、二平米強でございます。二平米をちょっと上回った程度のものしか確保されておりません。しかしながら、年々少しずつふえてまいっております。さような状態になっております。

田中一日本社会党

○田中一君 風致地区は公園に準ずるもので、そこで、ことに東京都内にある三多摩は別にして、風致地区、緑地帯というものがこれに準ずるものという考え方ができるわけです。これが大幅に今度は都市公園にかわる。都市公園というものを伸ばしながらも、多摩川という、いま小川さんを含めた参考人の方々は、あれを残すべきだということを言っておる。ことに折下君などは、はっきりと公園緑地というものをふやすべきだという議論から立っておる。その都市公園法を、逆に今度は公園としての機能がなくなるということになったならば、いわゆる緑地としての機能がなくなったならば、これは逆行なんです。幾ら八十億つくろうが、八百億つくろうが、それ以上のものがなくなれば、これは都市公園という法律が死滅するということを言っても過言ではないのです。たとえば新宿御苑をどうするとかこうするとかいうことは、これは必要でありましようけれども、いわゆる社会的な公園というものがなくなってきているのは、結局においてなくなってくるということにならざるを得ない、減少するということにならざるを得ないと思うのです。こうした考え方は、都市局は賛成しているのですか。

鶴海良一郎建設省都市局長

○説明員(鶴海良一郎君) 風致地区は公園に準ずるものであるというお話でございましたが、風致地区は、いろいろございますけれども、東京都が多摩川沿いにかけております風致地区、これは都市の美観の維持といいますか、そういう趣旨でございまして、河川の堤防敷のみならず、たとえば田園調布の住宅のある一帯にかけているような次第でございます。これは都市の美観の維持で、建築を必ずしも全面的に禁止するものではございません。都の運用といたしましては、住宅の建築は一般に認めております。河川敷につきましては、これは河川法の規制がございますし、また東京都の多摩川河川敷につきましては、緑地がかかっておりますから、これは建築は認められませんが、あの辺一帯の風致地区は、権限を持っておる人であれば住宅建築は認められるという規定になっております。  それじゃ、多摩川沿いの緑地をやめてしまっていいかというふうな御質問でございますが、御承知のように、先ほども小川参考人からお話がありましたが、多摩川沿いの河川敷につきましては、都側におきましては、緑地を決定したしておりますけれども、これはまだ計画の段階でございます。都が権限を取得して緑地として都民に開放するに至っておりません。大部分がプロ球団の野球場でありましたり、ゴルフ場でありましたり、そういうふうなものが入っておりまして、一部、区が河川を使いまして区立の公園にしておるところがございますが、それ以外はまだ一般に開放されていない。この計画が出ました際に、こういう計画を実施するならば、この際あわせて河川敷の緑地化といいますか、都民に広く使われる緑地として整備をしていく事業をあわせて行なっていくべきであるというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 道路局長、ここへ持とうという、何というか、外郭線というのですか、外郭の環状線というのか、どういうのか知らぬが、これはどういう道路になるのです、どういう性格の道路になるのです。むろんこれが外郭環状線でしょうけれども、これは道路法上、たとえば水が出たらば必ず水没するという地域もある。かりに集中豪雨でもあって出水する場合には、これは水没する道路だと思うのですが、必ず水没する道路というのは、道路法上のどういうものからきめようとしているか。それはやっぱり道路ですか。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○説明員(尾之内由紀夫君) 東京外郭環状道路と私どもは俗称いたしております。これは、ここ最近のことではございません。私どもがこの考え方を出しましたのは数年前からでございます。その当時は、東京に入ってまいりますところの動脈的な幹線、すなわち東海道あるいは第三京浜道路、北に上がりまして中央道、また東北自動車道、大宮バイパス、そういうような各方面から非常に幹線道路が入ってまいりまして、これらを都内とどういうふうに調節させるかということを検討いたしました結果、東京の周辺にそれらを受けとめるところの環状道路が必要である、こういう見地から東京外郭環状道路という構想を持ったわけでございます。これは大体、いろいろの案がございますが、全体で八十キロか九十キロぐらいの総延長でございますが、性格は、ただいま申しましたようなものでございますから、私どもでは、自動車専用道路にいたしたい、こういうふうに考えております。道路の種類といたしましては、国道あるいは都道、こういうようないろいろな考え方がございますが、私どもは、少なくとも国道的なものである、こういう考え方で案を立てておりますが、なお、これらにつきましては、一部多摩川の河川敷なり、あるいはまた一部荒川の河川敷を使うことを考えておりますが、それらはいずれも、なるべく経済的に有効に他の道路と連絡できる、そのような観点から考えております。もちろん都市の中の道路でございますから、いろいろな問題点を解決いたしまして、都市計画決定をした上で実施したい、こういうふうな構想に基づいたものでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 現地ある橋梁と立体交差するためには、どうしても水画に近いところに道路を持たなければ金が余分にかかり過ぎて困る、そこでどうしても川原をと。これは水没することはあり得ると思うのです。前提が水没するという前提に立っておる。こういうもので道路のほんとうの機能を発揮できますかね。道路と言えますかね。道路法の道路は、やはり常に安全に支障なく通行し得るということが前提になっている道路が道路だと思うのです。そういう災害等の場合には、なおさらこの道路を利用することが多くなるのですから、それは必ず水没するということになった場合に交通が途絶するということになったら、それは道路と言えないわけですね。定期的に豪雨なり何なりあれば水没するという道路は道路などというものではないですよ。まあこれはなかなか考え方があると思うのです。これもまた小川さんの言われるよいアイデアかもしれません。親切なアイデアかもしれぬ。しかし、必ず途絶するのだという前提の道路なんというものは道路と言えないわけなんですよ。そういう点はどういうぐあいに道路法を直そうとするのですか。これこれこれこれの道路はこういう場合には必ず途絶するのだ、そうしてまた、その現象が終わった場合にはまた必ず通行ができるのだ、これを道路法上にどういうふうに規定するのか。新しい道路法というものが生まれなければならぬと思うのです。こういう点は、やっぱりそこまで法律を変えようという前提でもって考えられておるのですか。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○説明員(尾之内由紀夫君) ただいまの点、お答えを申し落としました。御指摘のように、洪水時には若干交通に支障があるということを承知しての上でございます。荒川につきましては、おそらくそういうことはたびたび起こる可能性がございますので、荒川につきましては、高水敷を使うという計画は持っておりません。かりに使いましても、それは洪水に支障のない高さで使うことになろうかと思います。多摩川につきましては、御承知のように最近高水敷に水が漏るということは非常に少のうございます。年に一回、あって二回程度のものでございまして、その程度もきわめて軽少でございます。そういうような観点から、その程度の障害は、都市内でございますからやむを得ない、こういう観点に立って計画したものでございます。  これについて道路法を直すかどうかという御質問でございますが、私どもただいまの考えでは、道路法まで直す必要はなかろう、場合によってはそれに伴って入れておりますところの構造令のほうで何らかの例外的な改正の必要があるかと思っておりますが、まだこれについては、そこまで十分検討したものではございません。

田中一日本社会党

○田中一君 この問題は、これは小川さんのアイデアということは、ぼくはわからぬから言いませんけれども、少なくとも愛情ある政治の一つのあらわれとしていろいろ出てくるものだと思うのです。そこで、いま申し上げたようないろんな意味の隘路がある。これはむろんあなたおっしゃるように、法律は国民のものでありますから、そのために法律を変えてもいいじゃないか、これは同感です。しかし、いまのようにどう法律を変えるかということに問題がある。行政措置だけではこれはできるものではありません。ここに大きな問題があるわけなんです。そうして先ほど田辺参考人も言っているように、地方に及ぼす影響というものはたいへんなものなんです。やっぱりやすきにつく傾向が今日の行政の面に多々見受けられるわけです。一多摩川の問題だけではなくて、地方の行政上の問題で非常に心配するわけなんですが、小川さん、これはちょうど一万河川ぐらいあるのです。そのうち、このような形でもってやっておるもの――これはまだ一級河川はきまっておりませんけれども、おそらく四、五十本くらいある。二級河川の、いままでの河川法上の河川というものは百六本くらい現在あるわけです。これがそういう形で利用された場合、どうなるのかということを考えなければならぬと思うのです。ただわれわれの社会というものは、すべて目先の経済性だけをとうとんで大きな経済性を忘れるという傾向が最近顕著なあらわれになってきておるわけなんです。目先の経済性は認められるとしても、将来の経済性、一面逆にまた目先の社会性にとらわれて百年後の大計を間違うなんということもありますけれども、私は、今度の計画なんというものは、具体的に、非常に現象的に今日の計画を見る場合には、これが全国に波及した場合には、政府はこれに反対することはできない、申請に対して。ましてや二級河川というものは、一応都道府県知事の管理下に置かれるわけでありますから、これは反対できない。そうなった場合には、われわれ国民は、これだけ水の災害におびえておりますけれども、また水によってわれわれの一つの生活というよりも生存の楽しみを持っておるわけなんでありますけれども、この点は非常に大きな問題であろうと思うのですが、これはひとつ小川さんはどういうお考えか。これは必ずいま言うとおりに法律の改正を行なったとしても、大きく日本の国の中の河川利用に対する一つの問題点になろうと思うのですが、ひとつ御見解を。私がいろいろ局長に聞いたのは、僭越ながら小川さんにそういうことを知っておいていただきたいと思ったからなんです。ひとつ御意見をお聞かせください。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) 私は、住宅公団といいますか、住宅団地問題というものが生まれたのは、私たちが考えておる河川の災害及び美という問題からいえば、百分の一ほどの一番派生的な問題であるように思っておるわけなんです。実はこういう問題が出てくるとは思っていなかった。要するに、いまのままで日本の河川を放棄しておいていいのか。これは全部、日本の、ことに東海道に直角に走っておる河川というものは、すべて大衆の楽しい場所であり、災害を防ぐ場所であり、美しい場所であるということにメスを入れてくれませんかということにすぎなかった。それがたまたまそれを住宅問題に結びつけたということは、これは私はまだ研究途上の問題でなかろうか。  それから先ほどの水をかぶるとおっしゃる問題も、これは富士山型のうちにつくるということも、楽だからそうするのかもしれませんけれども、富士山型の外につくったっていいのじゃないか。  それから一つのコンクリートの壁も入れずに堤防であると言うておるのもおかしいのじゃないか。セメントやコンクリートがなかった時代ならとにかくとしても、今日とにかくいろいろなものができておる。ここでつまり緑地化とか災害、それから国民の生活というものに結びつけてメスを入れてくれませんかということであって、あとは技術の人たちが十分研究してほしい。そうして私はもう一歩――脱線と言われるかもしれませんけれども、都市計画そのものについては、その都市都市に有力なコンサルティング・カンパニーをつくっていただきたい。つまり役所の人たちに文句を言うわけではありませんが、りっぱな人であっても、三年たてば地位が変わるような方々によっていつまでも都市計画がつくられておるということよりも、そういうものをつくって、こうすれば風致にも経済にも産業にも、全部貢献するのだというようなものを根本的に研究していただけませんか。  それで一つの例を申し上げますと、ノー・リバー・シティーであるつまりロスアンゼルスのようなところには、結局政府の力で二百六十マイルあるボルダー・ダムから持ってきたその水以上には人口はふやさない。また、水で困っているニューオルリンズみたいなところでは、りっぱなコンサルティング・カンパニーがあって、水の面より一メートル以上低いところに全部の都市がある。だから災害の中にあるようなものだ。今日そのコンサルティング・カンパニーによって、こういうふうに都市が改良されて、その改良された費用が全部実は受益者負担で生まれてきたというようなことであって、私が十二カ所ほど建設省に頼んで特徴ある都市だけ見てまいりました。どの都市でもコンサルティング・カンパニーの社長が説明して、役所の方は付き添いであったのでございますが、この機会にひとつ住宅問題を取り上げられていることは、むしろ派生的な、私どもが考えた範囲においては、ちょっと先へいって議論をしなければならぬ。もっと根本の問題を、日本じゅうの河川そのものに対する国民の要望、声というものを、皆さんお聞きくださって、この機会に、いかにあるべきかということを――私どもは道路というものを、ただ自動車が通る道路というものじゃなくて、水を調節するパイプを含んだ道路、つまりよその県の水を盗んでくるのじゃなくて、パイプというものは水を調節するパィプであって、道路によって車だけが走って、女、子供には関係のない道路でなしに、必ず今後からは、いわゆる水やいろんなもの、あらゆる公共的なものをも運ぶことのできるような余地を残した道路とか、そういうふうに――われわれはあまり技術を知らないものですから、そういうことを御研究くださいませんかという私どもの声の中に、私は残念ながら一番末端のものが一番先へきて、けんかのもとになっているような感じがして非常に残念に思っているものです。

田中一日本社会党

○田中一君 小川さんもいま御答弁があったように、住宅を建てるなんということは、これは末端の問題だという御意見、そんなものはいま未熟のうちに、熟さないうちにやるべきではないではないかというような御意見のように承っているのですが……。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) ですから、最初に私は、この御質問だけの文書で御返事するならば、住宅問題は反対でございます、こう申し上げたのです。しかし、もう一歩掘り下げて、この機会に皆さんが親切に河川の御研究をなすっていただけませんか、こういうことを申し上げたいのだけが参考人小川榮一の意見であります。

田中一日本社会党

○田中一君 小川さんへの質問はこれでやめます。  もう一ぺん田辺さんに一つ。いろいろなあなたの先ほどの御意見で大体私たちは集約されているものだと思うのですが、東京都の行政に対して、ひとつこの際大まかに河川行政なり住宅行政なり、河川、住宅、道路、住宅に含まれた土地ですね。こういう問題の貧困から、こういうところにできものができるわけです。都政をちょっと短くていいですから批判してください。東京都が何か都民のためにしてあることがあるか。できものなんです、いまの問題は。

田辺定義東京市政調査会専務理事

○参考人(田辺定義君) 都政の問題を、これは幾ら簡単に申し述べましても、私どもの力ではちょっと困難かと思います。しかし、いま東京の膨張力を年齢でいえば壮年期であろうと思うのです。ロンドンのごとく老成した老年期に入ったところと違いまして、壮年期。そこで、これはだれの責任でもないと思います。今日ここまできましたのは、明治の初期に市区改正条例ができまして、それから四十七、八年前に都市計画ができて、今日それをコントロールすることになっておりますけれども、日本全体の社会構造というものから、都市集中の一番の欠点を露呈しておるのが東京都の姿でございます。それで最近国が自治政治に干渉するかのごとき非難もあります。そういう観を呈しておりますけれども、私は、これは東京都の持っておる一つの宿命的なものであって、むやみな干渉はいけませんけれども、国がある程度これに関与されるということは、これはフランスのパリ、あるいはアメリカのワシントンのDCのごとく、キャピタルであるがために持っておる一つの必然的なものがひそんでおるのじゃないか。たまたまこれが自治尊重ということで押えられておりましたけれども、今日どうもこれは非常に情けない話でございますけれども、東京都政に関しては、国の援助が、これはある程度自治の本旨をそこなわない限りにおいてやっていくべきものではないか。歴代の、ことに終戦後の都の当局の方の御努力は、これは相当私は高く評価したいと思います。ずいぶん御苦労であったと思います。しかし、何ぶんにも都議会というものがありまして、これは世界で一番大きい数でございます。百二十人という都議会、これは世界でこんな数のところはないのです。ニューヨークにしましてもわずかに二十五人、区会にしても、大田区のごときは六十人、あの不完全自治体が六十人の区議会議員を持っておる。そういうような都議会議員が百二十人、区議会議員が合わせて千人、そういうような態勢のもとで、これは選ばれた知事が幾ら偉くても、なかなかうまくいかぬのじゃないかと思いますが、しかし、大体私が自分らが率先してこうやってみたいと思うことは、都民の協力態勢がもう少し強まらなければ、幾ら都の有能な理事者をもってしても、いまのように文句だけは言うけれども、協力の態勢のもとで協力の責任を感じていない、こういう態勢力を改める意味で必要じゃないか、こういうふうに思っております。結局これは根本の――私が知事さんにお願いしたのは、職員の精神革命、つまり職員の根性を――技術の問題じゃない、行政能力の問題でもない、精神の問題、それに都民がこれに自分のことのように協力する態勢、この二つが確立しないことには何をやってもうまくいかぬ、こういうふうな私の考えでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 都政の問題については、いろいろ私なりに考えております。これはいずれかの機会に自分の意見を申し上げますが、政務次官、この問題は、いまの建設省としてはいつごろまでに結論を出そうとして考えておるのが。御承知のように、道路とか緑地帯その他のかえ地の問題は、都市計画審議会とかにかけなければならぬわけですが、これは結論が出なければどうにもならぬと思うのです。そこで、どういう施策を持っておりますか。いつごろまでにこれの結論を出して、四十年度予算にはこれを実行しようとしておるのか。あるいは、まだ検討中なんかじゃいけませんよ。こういう切実な問題であり、住宅公団のほうではもはや実施するような、もういつでも実施できるような段階まで進んでおるという現実から見ても、大体きまっておるのですか。

白浜仁吉自由民主党

○説明員(白浜仁吉君) 御承知のとおり、三十九年度予算が住宅公団で見込まれておりますので、私ども早い機会に結論を出したい、少なくとも十月ぐらいまでには、各種委員会関係の審議会などにも相談いたしまして、その結論をまって決定をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 大河原君、東京都はこの問題についてはいままで何か相談があったのですか。そうしてあったかないかの問題と、正式には文書でそれらの問題の結論を出すための申し出が政府からございましたか。

大河原春雄東京都首都整備局都市計画第一部長

○参考人(大河原春雄君) 東京都に対しましては、いま正式の要請はまいっておりません。したがって、どういう内容か、当局としてははっきりいたしておりません。したがって、いろいろな手続は進めておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 小西君、首都圏整備委員会にはこの問題は当初から相談があって今日ここまでの経過が進んできておるのかどうか、そういうこと。それからまた、今回も委員長並びに建設大臣は同一人だそうでありますから、その辺はどういうぐあいに示達されておるのですか。

小西則良首都圏整備委員会事務局長

○説明員(小西則良君) この問題につきましては、首都圏整備委員会としては、過去に話は受けておられないようでございます。それでただ首都圏整備委員会としましては、御承知のように、首都圏の整備法によりまして、既成市街地と周辺地区に対する構想というものは基本的にはでき上がっておりますので、その線に沿いまして首都圏整備委員会としては進めていきたい、こういうように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅局長、これは三十九年度予算にこれを織り込んでおる計画の戸数なのですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○説明員(前田光嘉君) 二千戸分につきましては、三十九年度以内に着工したいと考えて研究いたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 質問をもうこれで私やめますが、この問題については、急遽もう一ぺん委員会を開いていただきたいと思うのです。大臣がよくお国入りなんかして当委員会の要求を断わるような傾向があるのです。これはだれか、官房長いないか知らぬけれども、これは厳重に大臣に申し入れていただきたい。大体新任の大臣、政務次官ができたにかかわらず、当委員会が開かれておるのに出席しないということは例はございません。これも十分に戒告していただきたいと思います。  私はこれで質問を終わります。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 田中君の要望につきましては、後ほど理事会においては十分対処していきたいと思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 参考人の方にお伺いいたしますが、いままでお聞きしましたところによれば、大体多摩川団地建設計画そのものには賛成いたしがたいという結論のようにお聞きをいたします。問題は、東京都政としてももうもてあましているんじゃないか、こんなように感ずるのでありますけれども、年間たとえば三十万なり四十万なり人口がふえるという状態をそのままにしておけば、緑地帯であろうと何であろうと、河川敷であろうと片っ端からつぶしていかないことには間に合わなくなってくるというのは、私は当然だろうと思うのですよ。汽車だって座席の定員だけ人が乗っていれば、何も通路やら洗面所まで人はすわらないのですけれども、定員以上に人間がどんどん詰め込まれれば、通路にも洗面所にもデッキにも立たなければ間に合わなくなっちまう。そういう基本の問題を考えていくならば、これはもう社会構造の面からいって、首都圏なり東京都のあり方がいかにあるべきかということに思いをいたさないことには、やはりこの派生的な住宅問題であるとか緑地問題というものは解決ができないんじゃないかという気がいたします。そうしてみると、今回のような問題が起きてきた原因というのは、やはり住宅難であるとか宅地難であるとか、せっぱ詰まったところから、役所としては、あらゆるところに手を伸ばして住宅を建てるということを考えることになると思う。これは自分たちが置かれたワクの中でものを考えれば、そういうふうに何でもかまわずつぶさざるを得ないということになっちまうのはあたりまえだと思う。だから河川のあり方、これは多摩川がたまたま今度爼上にのぼりましたけれども、淀川もまごまごすると同じ運命をたどる。一つ前例ができれば、荒川であろうと利根川であろうと、河川の河川敷、堤防というものはみんなこういう形態をとるということが予想されますので、河川のあり方がはたしてこれでいいのかどうか。緑地というものも、小川参考人の「週刊朝日」に載っております記事を拝見いたしますと、緑地帯というものはそのままがんばるというのはおかしい、女の裸も美の極致というけれども、衣をつけることによってさらに美しくなる、こういうふうに書いておられます。大自然というものの緑地をそのまま放任をしておけば、確かに観光用にはいいかもしれませんけれども、それだけ都市の中にあれば機能を発揮することはできないということは私も同感だと思います。それで緑地プラス人口ということになってきますと、その人口はどういう形で手を加えたらよろしいかということを、この際やはりいかにあるべきかという面での御意見をお伺いしたいわけです。たとえば道路にするのか、あるいは公園にするのか、あるいは前に問題になりました建設大臣の構想のように団地をつくるというのがよろしいのか、いかにあるべきか、都内の開発、都政のあり方ということを考えまして、これは大方の御意見が、今回の構想はよくないということはわかりますが、しからば、どうしたらよろしいか、方向だけでもよろしいから、御意見をお聞かせ願えるなら、私どもといたしましては、参考人各位の御意見をもとにいたしまして、役所関係にあらためて質問をしたいというふうに思いますので、その点、それぞれ御所見がございましたならば、簡単でよろしゅうございますからお聞かせを願いたいと思います。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) ただいまたいへんどうもありがたいおことばをちょうだいしたように存じております。もともとこういう問題が起きた原因も、ただいまお話しのあったようなことが根本問題でございますが、東京から離れて、おまえは東京の役に立たぬ人間だから引っ越してしまえといっても、なかなか東京から引っ越すわけにまいりません。それならば幸いに日本の埋め立て船というものが現在六十万馬力ございまして、一年に六メーター水深までを平均いたしますと一千万坪の住宅造成力を持っておるのでございます。そうして京葉間のごときものは簡単に三千万坪くらい埋め立てられますし、これに市内の先ほど申し上げました一千万坪余の――中小企業あるいはそれを取し囲むところの職場の人たちというものを、つまり十年計画なり二十年計画で移すことは、年賦でもって払い下げてやるならば私はできる。それに対して基幹産業地帯というものは、地盤の関係から木更津地区にやればいい。東京――横浜間の貿易物資集散地帯としての計画も、これは予算があればできるのでございますが、残念ながら開発銀行にはまだ土地造成資金のワクがございません。僻地に対する開発資金は多少ついておりますけれども、いわゆる東京都を中心にした整理整とんするためのような、あるいは中京を中心にした整理整とん、大阪を中心とした整理整とん、日本の経済活動に最も大事な、しかも日本の人口の三割にもなるような地帯に対する土地造成資金のワクというものは全然できておらない。幸いに開発銀行に三百億円くらいな資金ができますと、憶病である市中銀行からも、これに伴って六百億円くらいな資金が集まってきて、おそらく民間において一千億円くらいな土地の資金が生まれてくるんじゃないか。そういうようなところにオリンピック道路をつくる場合に、立ちのかなければならぬ人たちに、あらかじめ着物を着かえられるように用意をしておいて、その都市計画に入れば、おまえさんはいまここにいるよりももっと安全に繁栄するのであるというような代替地は全然公共用地として持たれずに、じゃまだから立ちのけ、じゃまだから立ちのけというような今日のような状態で都市計画が進められておったならば、ただいま先生がおっしゃったように、もうこの問題をつぶしても、次から次へといろいろな問題が起きてくるのじゃないか。ぜひ、世界第一の埋め立て能力を持っているものが日本にあるのでございまして、これを、単に工場のための造成地ということだけを考えずに、つまりいまの差し迫った問題に対して、少なくも一千万坪というものは増加していけるのだと、こういう状態もぜひ諸先生にここはお考え願って、開発銀行にいわゆる住宅地造成資金、たんぼをつぶすというだけでなしに、あるいは丘陵地をつぶすということだけでなしに、都市計画をして、大体一万二、三千円で全部できるのでございますから、これに公共施設をし、義務教育の学校も建てて、でき上がったものを、二万五千円ぐらいで年賦で民間に払い下げるという方法も考えて、大体緑地帯その他にまでもう少し余裕を持った考え方でいけるような、政府の資金のみならず民間資金を導入できるような、開発銀行その他に対する措置を御研究のあらんことを私はこの機会にお願いをする次第でございます。

安芸皎一元東京大学教授工学博士

○参考人(安芸皎一君) 私は、ただいまのお話しお聞きいたしておりまして、ごもっともだと思うのでございます。とにかく経済は非常に高度の成長を遂げてきたと、ある一つのものに対しましても需要が、要求がいろいろな面から起きてくる、そういう意味で、これを最も合理的に恒久的に使えるようにしていくという意味で計画ということが必要になってきたと思うのでございますが、私は、そうなれば、利用のあり方が複雑になればなるほど、このほんとうの自然の環境とでも申しますか、この地理的な性格、たとえば洪水の点で申しますと、一体川というものがほんとうにどうなっているのか、この川が。そしてこれがどんなふうになっているか。たとえば、いまのところ砂利をとっていますから川底がずっと下がってきている。小さい洪水はそう上まで上がってこないというのですけれども、一体これを、この日本のように非常に地形が複雑なところでは、洪水の形と申しましても、その原因から結果というものが非常に変動しやすいということと、非常に変化する幅が広いという問題があるのでございます。そういうふうに、私は、利用が複雑になればなるほど、もう少し基礎的な自然の環境における知識、われわれの知識というものを、やはり常にそういう条件にこたえられるように、やっぱり上げていく必要があるのじゃないか、そういう点が私はかなり跛行しているという気がしているのでございまして、そういう点ぜひ先生方にお考え願いたいと思うのでございます。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) その他、参考人の方御意見ございますか。――折下さん、田辺さん、御意見ございますか、いまの瀬谷君の質問に対して。

折下吉延東京都都市計画審議会委員神奈川県都市計画審議会委員

○参考人(折下吉延君) 私少し年をとって耳が遠くなっておりますので……。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 何かいままでのやりとりの論議の中でさらに御意見がございましたら、この際お伺いしたいと思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私の申し上げた、お聞きしたいことは、大体において今回の計画については、反対の御意見が多かったということはわかりましたが、問題は、しからば河川のあり方であるとか、あるいは人工を加える場合に、この堤防あるいは河川敷を利用する場合には、これを道路にすべきか、公園にすべきか、あるいは団地にすべきか、いかにすべきかという点についての御意見がさらにございましたならお伺いをしたい、こういうことでございます。

折下吉延東京都都市計画審議会委員神奈川県都市計画審議会委員

○参考人(折下吉延君) 万やむを得ぬければ草原にしてもいいと思います。たとえば木曽川とか、長良川のずっと下のほうに行くと、ずっと草原になって牛を放してあります。そういうことも一向差しつかえない。いわゆる放牧地もまた可なり。あるいはそういうところに牛を飼わして――まあ多摩川を言うのじゃありませんよ。そこで新鮮なミルクを飲ますような、レクリェーション・センターを置いてもいいと思います。要するに、なるべく建物なんぞは建てないように願いたい。それから河川敷、高水敷というようなものは、樹木を植えることをきらいます。これは当然だと思います。しかしながら、ほんの小さな柳の灌木のようなものは、自然発生もするのでありますから、特に植えてやるのじゃない程度の風致は、やはり趣があっていいと思います。そうして自由に子供らが行って遊べるように、たとえば子供の野球なんぞはどこでやっても、そんなに、天然の高水敷のようなところであっても、ふだんは差しつかえない。あるいはそこに権利を設定して――農地を設けるとか、そういうことはどうかと思いますが、まあ高水敷利用のゴルフ場にした元祖は私であります。これはある程度のメンバーのものでありますが……。その全部をゴルフ場にするわけじゃないのでありまして、一部使った例もあります。自来、ずいぶん各所の河川がそういうふうに利用されておりますが、あるいは私はオープンのゴルフ場なんぞは、あっても一向河川のためのじゃまにはならぬと思うのであります。あんまり遊園地式のものをつくらないで、きれいな緑のいわゆるグリーンの公園、こういうような自然公園式のものであってほしいと思います。あまりたくさんの手をかける必要はないと思います。独占、個人の住宅にしたり、あるいは囲われたる料理屋に貸したりするようなことは望ましくないのであります。  以上、終わり。

田辺定義東京市政調査会専務理事

○参考人(田辺定義君) 私はもう申し上げないつもりでおりましたが、いろいろ承っておりまして、一番のキー・ポイントは、つまり個々の現象処理、現象に追っかけ回されてその処理に忙しいということ。それは前に述べましたとおりでありますが、ことに衣食住の問題は一番深刻でありますが、なかんずく住の問題、住宅なくして、住む家なくして何の緑地か、自由空地かということになりますけれども、これはそれなりに非常に強い根拠を持っておりますが、ここで一番大切なことは、都市計画というものは総合的なものであり、一つ一つの現象に追っかけ回されて、その処理に横も向くことができないということは、これは今日、日本の都市計画はもう反省期になって、そういうことをやっている時代ではない。科学的に、有機的に、総合的にものを考える場合には、必ずこの多摩川がいかにあるべきかということは、当然出てくると思いますので、問題の置かれるところは、結局個々の現象、なかんずく住の問題について、それに追っかけ回されているのあまり、ほかが見えない、これに非常なる弱点があり、これがやがて悲劇のもとになるのだ、こういうふうに考えます。  ついでながら、小川参考人から、緑地になっていないじゃないかということでありますが、なるほどあそこは独占的に使用されておりまして、これはおのずから別個の問題だと思います。私どもはああいう形は賛成できません。しかし、何にも植えてないからといって、また、何にも設備がしてないからといって、緑地でないとは言えない。私どもの解釈では、緑地というものは、ああいう間の抜けたところがあってけっこうなんです。むしろこういう深酷な都市生活を営んでいる者の中には、ああいう間の抜けたところがあることこそ望ましい、こういうふうに考えております。これはやがて適当な設備になりましょうけれども、いまの何もしてないからといって緑地でないということは、都市計画上からいっても、緑地でないというその説は当たっていないと思います。それから愛情の問題もありますが、何も手をつけないのが一番の愛情だと思っております。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) その他の参考人の方、御意見ございますか。――小川さん、田中さんの質問があるそうですから……。

田中一日本社会党

○田中一君 公共用地の代替地としての埋め立て、これは一つのアイデアだと思います。しかし、それだけではないということは、むろんお考えですね。たとえば土地というものは立体的な土地、あるいは空間の土地がたくさん余っているということも御承知だと思うのですが、その資金の確保はこれは当然です。これは方針がきまれば資金がつくということですが……。これから何かにつけて当委員会で私はあなたに参考人に来てもらいますから、ひとつそういうアイデアを知らしてほしいと思います。ただ水面埋め立てというものは、これはやはり問題になるのです。これがなくてはならないということは認めますが、さて、どこにどういう形でそれを求めるかということになりますと、同じような漁業権の問題とか、同じことが起きるわけです。水面の埋め立てをするにしても、一つのこれは公共代替地として見た場合には、またもう一つ問題が起きて、それを解決するためにまた別の問題が起きてくるということも確かだと思うのですけれども、もう少しこれも一つのアイデアとして違った形のものを……。これはあなたはお仕事としてやっていらっしゃるから、そういうところにすぐそろばんをはじきますけれども、もう少し何かないですか。何か田辺さんの場合は、裸のままでいいのじゃないか、私はそれでもいいと思うのです。しかし、それを利用するには水面埋め立てだけでは解決しないのではないかと思うのですが、その点はどうですか。

小川榮一国土総合開発株式会社取締役社長

○参考人(小川榮一君) 私はよく住宅公団の人から、道路が今度できたのだが、君はああいうことに興味を持っているから行って見ないかということをお役人の偉い人に言われて見たこともございますが、むしろ大人口の東京の周辺の丘陵地は利用しないで、むしろこれは国木田独歩が歩いたような公共的な緑地地帯として残してもらって、そしてだんだん緑地に水が流れ込んできて毛水田にならない場所を地上げしてやっていただきたいということも考えておりますが、先ほどの埋め立ての問題になりますと、東京湾の漁業権者が文句を言っておるのは、実は買ってもらいたいということで、実は個々の工場だけで埋め立てようとすると、おれのほうも考えてくれないならばじゃまするぞ……。いわゆる東京湾におる漁師の方の生活問題を十分に研究すると、むしろ漁師の方を助けるというたてまえから考えませんと、首都圏ではそういうりっぱな図面ができておりますが、私は全面的に政府が補償の手続をおとりくださって、そして先生らは安心して転職したいのだけれども、額がきまらないうちに転職してしまうと権利を失ってしまうものですから、ある地区ではタバコのバラ売りなどをして何にもしないで漁業補償に全力を注いでいるというようなかっこうなのです。農地のほうは私は安心しておられる立場におりますが、都会の人口密集地における漁師の立場というものは、これとは別の角度から十分にこの問題を検討していただきたい。  それから多摩川の問題でも道路の問題がある。緑地帯にした場合でもそれに道路だけでもりっぱな道路がないと、ゴルフやその他いろいろなことに利用する人が、上に道路がないと、堤防の上を走ったりして重要な堤防を破損しているような場合が非常に多いわけです。やはり緑地帯にして利用する場合、いろいろの場合にしても道路というものをネグレクトしては、実際もう今日これだけ車がふえてきた時代には、小学生が一週間に一回その緑地帯を利用する場合でも、市内の建て込んでいるところから貸し切りバスで行って利用するというようなことになりますので、この点もあわせてお考え願いたいと思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 この際住宅局長に一言お聞きしておきたいんですが、さっき言われた、すでに計画を進めて、公団のほうで手をつけている、あるいは計画しているという、いわゆる二千戸の中で神奈川県の地域に入る分がどのくらいあるか、お聞かせ願いたいと思います。

前田光嘉建設省住宅局長

○説明員(前田光嘉君) まだ明確な設計ができませんので、正確な数字ではありませんが、一応二千戸ということでそれを配分いたしておきまして、あとは設計によりまして、可能性によりまして変わってまいります。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 右岸、左岸おのおの二千戸ですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○説明員(前田光嘉君) おのおの一千戸ずつでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 これもほんのお答えだけでけっこうなんですが、東京都及び首都圏整備委員会、これらについてはまだ何の連絡もなし、言うなれば寝耳に水のようなふうに受け取れたわけです。同様に神奈川県に対しても、何らの諮問あるいは協議、そういうものはなされていないと理解してよろしいのかどうか。

前田光嘉建設省住宅局長

○説明員(前田光嘉君) 関係のほうとは非公式に意見を交換いたしておりますけれども、まだ正式に話し合いはいたしておりません。さらにこの計画について各方面の意向を聞き、詳細な案がまとまってきた場合に、適当ななるべく早い時期をつかまえまして、県当局にも正式に話し合いをいたしたいと考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 この際折下さんにちょっとお聞きしておきたいんですが、いまお聞きのとおり、県当局等に対しては、非公式には話をしたかのように承っているわけなんですが、あなたのほうの審議会のほうには、それらしいにおいが何かされたことはございませんか。さっき承っている範囲では、全然聞いておられないようで、その立場に立ってずっと反対しておられるように承っているわけなんです。

折下吉延東京都都市計画審議会委員神奈川県都市計画審議会委員

○参考人(折下吉延君) 東京都側は、全部でないかもしれませんが、緑地地域に指定して、あるいは一部風致地区になっているということはありますが、神奈川県のほうはないようですな。したがって、神奈川県に行って聞いたけれども、新聞で見る程度くらいしかおっしゃらなかったんです。しかし、神奈川県知事としては、これが本格的の何になれば、かなり世界的に歩いておられる方ですから、おそらく賛成しないだろうと思う。ひとつ東京都のほうは私がんばりますから、ひとつ反対してくれということを言ってきました。こういう実情でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 東京都と神奈川県と都市計画審議会の委員の名簿を出していただきたい。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) ほかに御意見ございますか。参考人の方はよろしゅうございますか。

田辺定義東京市政調査会専務理事

○参考人(田辺定義君) 一言だけ。さっき瀬谷委員のあれに対する私のお答えの中でぜひつけ加えておかなければならぬ、しかも、一番強くつけ加えておかなければならぬことは、くどく申すようでございますが、個々の現象を追うことに忙しかった、総合的にものを考えなかったというそのことが都政の、行政当局の非常な御心配にかかわらず、今日かくのごとく混乱しているということは、結局総合的にものを考えなかった、河川なら河川、道路なら道路、港湾なら港湾だけに重点的にものがいって、総合性というもの、これが今日の都市計画の成長しない一つの事由であるとともに東京都政が、混乱ということばを使い得るならば、混乱したのはまさしくそれなんだ。これが私の強く申し上げて結びたい一カ条でございます。

安田敏雄日本社会党

○委員長(安田敏雄君) 他に発言もないようでございますから、本日は、本件についてはこの程度にいたしたいと存じます。  なお、参考人の各位におかれましては、お暑い中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会

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