決算委員会 第7号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1964/03/18
会議録
○委員長(横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 昭和三十六年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。 この際、委員長より一言申し上げます。 総理大臣に対する質疑時間は、すでに御案内いたしましたように、答弁時間を含めまして一時間でございますので、質疑者の各位におかれましては、まことに恐縮ですが、先日の各派懇談会で決定いたしました割り当て時間内で終わるよう、あらかじめ御了承願っておきます。 では、質疑の通告がございますので、順次これを許します。相澤君。
○相澤重明君 総理大臣にまず最初にお尋ねをいたしたいのは、きょう、たいへん多くの方が御出席をいただいておるのでありますが、私ども、参議院における決算審査の段階におきまして、常に政府の責任者の方に御出席を求めておるのでありますが、ともすると、予算委員会とは違いまして、決算委員会は、すでに使用した、しかも、相当の年月がたっておるということで、責任大臣の出席が少ないやにも考えられる。あるいはまた、総理大臣自身のお考えとしても、この決算審査にあたって、あなたのお考えをどうお持ちになっておるか、そのことからひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 毎年おしかりを受けるのでございますが、従来お答えいたしましたとおり、決算は、予算の執行の結果、また、行政の効果等を判定するものでございまして、非常に重要なことであることは、たびたび申しておるとおりであります。こういう意味におきまして、政府としてもできるだけ出てまいりまして、皆さん方のお考えを承り、今後の行政、予算の編成につきまして、十分留意していきたいと思います。
○相澤重明君 総理のお答えを率直にお聞きいたしますというと、総理はじめ内閣としては、関係大臣に、決算委員会の御要請がある場合には御出席がいただける、こういうふうに私は了解をするものであります。そこで、総理大臣にぜひこの点は、あなたのいまのお考えをひとつ実行に移していただきたいのでありますが、これは、総括質問の場合は、最初の提案をするときと最後の締めくくりの場合であります。今日は、昭和三十六年度の最後の総括質問でありまして、総理大臣あるいは関係大臣の御質問を終わって、あとは討論採決に入るわけであります。きょう御出席をいただいたことをたいへん喜ぶものでありますが、できるならば、私は、やはり決算の重要性から考えて、その年度の報告をいただく当初にも、総理大臣はじめ関係各大臣の御出席で総括の御報告をいただくときに質疑が行なわれる、こういうことは、私は従来も行なったのでありますけれども、そういう慣例をやはり内閣は持つ必要があるだろう、これが決算審査に対する重要性というものを如実にあらわすことだと私は考えるのでありますが、再度、恐縮でありますが、総理大臣のお答えをいただきたいのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 相澤さんのお考え、まことにごもっともでございます。政府といたしましては、その方向で努力いたしたいと思います。
○相澤重明君 たいへん総理の誠意ある御答弁で、私も了解をいたしました。参議院の決算委員会も、おそらく各委員の皆さんも、池田総理の御答弁を喜んでおると思います。ぜひ、今後はそうしていただきたいと思うわけであります。 そこで私は、時間の関係もございますので、総理大臣に対する御質問は、ごく数が少なくなっておりますが、まず第一に、昭和三十六年度の決算を審査いたしました経過におきまして、会計検査院から指摘をされましたことだけでも、私どもはこの報告に基づいて審査をいたしましたけれども、不正不当事項というものが五百七十九件、金額にいたしまして、実に十八億八千余万円というものが指摘をされております。しかも、これは昭和三十五年度までは、傾向的には、不正不当事件というものはやや減りつつあった、終戦後の混乱期を別といたしまして、たいへんよくなっておったと、私どもは理解をしておったのでありますが、この昭和三十六年度以降は、少し漸増の気配が見えるのであります。この点は、この中の会計検査院が検査をいたしましたものは、計算書、証拠書類で十八万七千余件、四千九百八十八万枚と、こう言われておるのであります。質問いたしましたものが一万二千余件、これでありますから、これは政府全体の予算執行のあとから考えてみると、まさに氷山の一角であります。しかも、氷山の一角にもかかわらず、前段に申し上げましたような多くの不正不当事項、指摘事項があるということは、まことに私は遺憾だと思うのであります。しかも、この中には、はなはだしいのは、単にいわゆる制度上の問題とか、あるいは法律上の解釈の問題ばかりでなくて、刑事の領得事件、いわゆる証拠書類として法務省等が押えておったものまで持っていかれてしまうというような、まことにさたの限りと言わざるを得ないような問題もあるわけでありますが、特に私どもは、この不正不当事件をどうしたら一体直すことができるか。そうして、この中で考えられるのは、実に多くの人たちが関係をしておることであります。私は端的に申し上げますと、補助金適正化法違反の事案を取り上げましても、昭和三十六年度におきましては、受理件数で四十件、人数にして八十三人、起訴された者が十九人もいるのであります。こういうことは、これは三十年度から三十八年度まで計算をしてみると、人数において五百二十五人、起訴人数は八十五人、そうして、早川自治大臣も出席しておりますが、都道府県の問題を見ると、どこの都道府県でも指摘をされていないところはないのです。昭和三十六年度では、北海道の十六件をはじめとして二十県で九十三件、起訴人員は十九人にもなっておるのです。しかも、そのことをずっと調べてみると、この補助金適正化法という問題について、比較的代行工事にメスを入れることが足りない。何か政府は金さえ出せばいい、一方において、自治体は金さえもらえばいいのだという頭がある。こういうことが結局は昭和三十六年度において、公共事業関係補助は二百八十四件、十億七千六百万円、一般補助が六十二件、五千五百万円、ばく大な額になっておる。不当事項は五百七十九件、昭和三十三年度の三百五十五件、三十四年度の二百九十二件、三十五年度の三百三十八件から見れば、いかに昭和三十六年度はふえているかということが言えるわけです。こういうようなことを考え、あるいは災害融資利子補給法等の、昭和二十八年に出てきたものですね、これらをずっと調べてみますと、国の負担した利子補給は、すでに八十億をこえておる。こういう国民の税金というものが、いわゆる政府の予算執行のあとが、どう効率的に運用されておるか、どうこれが国民のためになっておるかというようなことを考えると、非常に私は問題があると思う。しかも、物品管理についても、物品管理法あるいは債権管理法、いわゆる政府の契約基本法というようなものができているにもかかわらず、予定価格の調査、検討は不十分、特に防衛庁においてしかり、農林省においてしかり、建設省においてしかり、文部省においてもそうであります。単価の見積もりも、全くずさんであります。これは決算委員会でなければ、こういうことは指摘はできない。予算委員会では、予算をどうして多くつけようかということ、予算をどうしたら皆が思うようにとれるかというようなことばかりである。しかし、国民の税金というものは、こういうところに、政府が執行したあとを考えてくるというと、どうしたら一体こういうことをなくすることができるかということは、これは内閣の責任である。しかも、その内閣の責任の中心である総理大臣に、ぜひこの予算執行の適正化という問題、予算の効率的運用という問題、そうして関係行政官がいわゆる不正不当を行なわないように、また、そういう綱紀の弛緩を来たしているのは何か、綱紀の粛正はいかにしたらよくなるか、こういう点について、総理大臣の率直なひとつ御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 本決算委員会で毎年のようにおしかりを受けて、ほんとうに恐縮に存じます。予算執行に対しまして、不正不当な事件があとを断たない。ことに最近はある程度上向いているというおしかり、まことに遺憾に存ずるのであります。これはやはり予算規模の増加、法令の複雑化等がございますけれども、しかし、それによって言いわけにはならないことは十分知っております。したがいまして、私は、やはり何と申しましても法令の検討、そうして施行を効率的に行なって、公務員がもっと真剣になると同時に、やはり本質的に綱紀の粛正を厳正にし、もしそこに非違があれば、厳正な処分ということよりほかにはないと思うのであります。私は、こういう意味合いにおきまして、機会あるごとに通達をいたしておりますが、そのあとを断たないことは、まことに遺憾であります。今後十分戒飭していきたいと思います。
○相澤重明君 いままだ建設大臣は見えておらぬようでありますけれども、これはあとでまた建設大臣お見えになったらばお話ししますが、建設大臣も、委員会の要求があるにもかかわらず、なかなか出席ができない。しかも、その上に、総理大臣も、この会計検査院の指摘をお読みになったかもしれませんが、建設省の河川敷等による買収面積の全体の明確ないわゆる資料というものはない。現地の実情がどうなっているかわからぬ、こういう指摘までされているわけであります。また特に、先ほども申し上げました防衛庁、総理府、これはまことに物品管理はお粗末、繰り越し分を含めて八千百六十六件も、処理をしなければならぬ問題があるわけであります。こういうふうなことを私はずっと調べてみて、いかに総理大臣が、いま御答弁をいただいたようなことであるけれども、毎年繰り返さなければならぬ、一体これは何だろう。少し、もう池田さんも総理になってから四年にもなるので、あまり、まあまあ主義になっているのじゃないか、こういうふうなことも私は考えるわけです。いま少し積極的に取り組んでもらいたいと私は思う。いまの御答弁をいただいたのだけれども、あまりにも不正不当の指摘が多い、こういうことについては、三十七年度にいま一回また行なわなければならぬのじゃないかということを私は心配するわけです、三十六年度のこの傾向からいって。いまの御答弁をぜひひとつ私は内閣として実行に移してもらいたい、こういうことを申し上げるのでありますが、池田さん、あなたは総理大臣としてすでに相当長いわけでありますが、そういう点について、いま一度気を引き締めて、そうして綱紀の粛正をおやりになって、こういう不正不当事項、国民の、いわゆる国の財産がわからぬというようなことがないようにすることができますか、あなたのお答えをいただきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、先ほど申し上げましたごとく、綱紀の粛正につきましては、日夜苦慮いたしているのであります。いま一度でなしに、今後一そう綱紀の粛正と不当不法のないように努力いたしたいと思います。
○相澤重明君 次に、いま一つの問題点は、御承知のように、基地問題であります。これは内閣においても、基地問題については留意をされていると思うのでありますが、総理御承知のように、米軍の戦略体制によってだいぶ変わってまいりましたが、わが国の米駐留軍接収施設の解除返還ということは、国民のひとしく願っていることなんであります。ここに私は関係閣僚にも、いままで終戦以来多くの接収地を持っている地方自治体というものは、いかに財政面で多くの苦労をしているかということも御承知だと思うのでありますから、関係の閣僚も考慮してもらいたいと思うのでありますが、接収地の解除をして、できるだけいわゆる国内の生産があげられる、あるいはまた、国民の喜ぶいわゆる生活態勢をつくることが大事なことだと思うのでありますが、不幸にして、やはり日米安保条約があれば、その基地を提供しなければならぬということは、これは総理自身がおやりになっていることでありますが、これは一般にいって、基地周辺の多くの住民、そこを持っているところの自治体、これはたいへんな苦労をしているわけであります。すでに多くの都道府県知事、あるいは市長会、あるいは議長会、町村長会等を含んで、基地周辺の民生安定法を制定をしてもらいたいということは、内閣に強く要請されておるところであります。政府、自民党においても、そういうことについては、検討をされたと思うでありますが、どうして基地周辺に民生安定法が今日までできないのか。これから基地周辺の民生安定に対するこれらの法律を制定する考えがあるのかどうか、この点はぜひ総理大臣としてはっきりお答えをいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 終戦後基地問題につきまして、基地周辺の方々に御迷惑をかけておることは、私も重々承知いたしております。基地問題につきまして安定法を設けたらどうかというお話も、ございますが、これは基地によりまして多少違っておるのであります。したがいまして、終戦直後、あるいはまた、十年くらいはこの問題で非常に政府の施策がおくれたり、そのためにかえって周辺の人の感情を害したりしたことが多い。しかし最近におきましては、個々の基地につきまして、適時適正な措置を急速にとるようにいたしました。周辺の方々の御苦労を少しでも少なくしようというので、個別的に解決していくほうが私は妥当である、こういう考え方を持っておるのであります。したがいまして、いま基地周辺の安定法ということにつきましては、せっかくのお話でございますが、まだそこまで踏み切っておりません。それよりも、早く個別的に善後措置を講じていこう、こういう考えです。
○相澤重明君 私の持ち時間が限られておりますので、長く質疑を続けることはできませんが、私は、いまのせっかくの総理の御答弁でありますが、個別的に解決をするということも、わが国の実情から申しまして、基地を提供しておるということは限られておるわけであります。これは地方自治体の立場を考えれば、自治大臣とか、あるいは防衛庁長官、施設庁長官等は、そういう点は十分心得ておると思いますので、これは総理大臣、いま一度ひとつ御検討いただいて、少なくともこれら全国的な基地をかかえておる多くの悩める人たちの意見というものは、率直に受け入れられるようにひとつお考えをいただきたいと思う。 その次の問題は、今日鉄道あるいは自動車、あるいは海上における船、あるいは空の航空機、こういう事故が頻発しております。多くの人命を失われております。昨年十一月九日の三池炭鉱、あるいは国電の鶴見等の事故はもとよりでありますけれども、こうした人命が軽視されておる傾向というものは、これはどっかが狂っておると言わざるを得ない。どっかに足りない点があると言わざるを得ない。どうしたらいいか。これは少なくとも国をあずかる内閣において、その責任体制を明らかにしなければならぬと思うのであります。私も実は、今朝六時から起きまして、そして国鉄の現場のあの通勤通学の混乱の状況を視察をしてまいりました。一体乗れる人はどうなのか、うしろから腰を押していかなければ電車の中に乗れない。あるいは電車に乗ってみても、線路のカーブというものが非常に多い、あるいは支障個所というものがたくさんある、こういうものの中にいわゆるいまの輸送というものを考えると、あるいは古い電車、古い飛行機、古い船、あるいは暴走する自動車、こういうようなことを考えてくると、どうしたら一体こういう事故というものをなくして人命尊重をすることができるのかということを、政府としてお考えをいただかなければならぬと思うのであります。そこで私は、今回のこの多くの事故を振り返って見て、たとえば国鉄のような場合に、国が抜本的な方策を講ずる以外には、この解決の道はないだろう、いわゆる至上命令ともいうべきものが今日内閣に与えられておるのではないか、こう思うのであります。こういういわゆる人命を尊重する態度というもの、事故防止をするということはどうしたらできるのか、ひとつ総理にお答えをいただきたいと思うのであります。 同時に、特に私は一番心配をするのは、東京都のような、全く国際の大都市の中でも最も多くの人口を持つといわれる首都東京が、一たん事があったら一体どうなんだろうか、こういう点は私は非常に心配するのです。ということは、地盤沈下の問題あるいは高潮の問題、また、だんだん住民の生活を圧迫してくるところの工場化の問題、いわゆる公園、緑地というものはなくなってしまうというようなことを考えてくると、これはもういまから抜本策を考えなければならぬのじゃないか。幸いにして三十七年の十一月、これは自衛隊と警視庁が共同調査をして、一体東京都に大震災等があった場合に、その防災対策というものはどうするか、というようなものの結論を出しました。白書ともいうべきでしょう。これはいままでほったらかしにしておいたことから考えると一歩前進だと思います。しかし、幾ら白書を出しても、幾らものを書いても、私は、それは東京都民のためにもならぬし、日本国民のためにもならぬ。大都市のそういう防災対策というのは一体どうするのか。一朝緊急の場合にはどうするのかという日ごろからの対策がなくちゃならないと思うのであります。これは建設省とか自治省とか、あるいは関係各官庁のいろいろ言い分もあるだろう。しかしながら、これはやはり国がやらなければならない、内閣がやらなければならない、こう思うので、これらの点について抜本的な方策というものをどう政府はおつくりになるお考えなのか、この点をあわせて、人命尊重の問題と同時に、首都の防災対策についてのひとつお答えをいただきたい。 以上をもって私の質問を終わります。
○国務大臣(池田勇人君) 事故の続発につきましては、お話のとおり、政府はもちろん、国民全般の非常に心配しておられるところであります。当座の問題といたしましては、事故の原因を究明して再び起こらないよう施設その他の改善、あるいはまた、その衝に当たっている人の心がまえ等につきまして、防止の方法を講ずるほかにないと思うのであります。政府はこの意味において最善の努力を今後続けていきたいと思います。 なお、東京都その他の大都市に一朝事あるときにはどうするかという問題でございます。お話の地盤沈下の問題、高潮の問題あるいは工場を持ってこない問題につきましては、もう数年前から、いろいろ東京都におきましても処置しております。また名古屋、大阪方面でも、いろいろ施策を講じておるのであります。しかし、何ぶんにもこの程度では、お話のような心配はやみません。したがいまして、政府としては、いわゆる研究機関を東京都からはずすとか、あるいは大学を東京都へ持ってくるのをやめるとか、いろいろな方法を講じていろいろ研究いたしておるのであります。まだ確固たる案ができておりませんが、私はこの問題につきましては、政府としても、また、政府ばかりでなしに、東京都としてもお考えを願わなければならぬことでございます。今後も急速に、都市の事故防止、そうして生活の安定、脅威をなくすることにつきまして、努力を続けていきたいと思います。
○委員長(横川正市君) 大森君。
○大森創造君 まず総理にお伺いしますが、水戸の対地射爆場の返還問題については、茨城県においては、知事をはじめ起党的に、両三年来運動を続けておりますが、この問題の経過はどうなっておりますか、それからその見通しはどういうことになっておりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 私も大体のことは承知いたしております。昭和三十六年にこの問題が起こりまして、政府としましては、駐留軍に意見を申し出ております。そうして駐留軍のほうでは、他の代替地ということを強く要求されておりまして、いろいろ代替地を考えておりますが、いま二、三の地点につきまして検討を加えておる状況であるのでございます。かえ地が見つかり次第、いまの東海村付近の演習場を撤廃するよう努力を進めております。
○大森創造君 東海村の原子力センターというものは、政府の方針によって、ますます拡充するような方向になるだろうと思います。歴代の科学技術庁長官や、それから過般はライシャワー駐日大使が現地においでになって、原子力センターのわきに、ああいう射爆場というようなものを置くのは、どうしてもこれは危険だからやめにゃならぬということを言明いたしております。そこで、われわれのほうでは、防衛庁や外務省や、それから科学技術庁の方面にもずいぶん陳情をいたしておりますが、どうも政府が本腰を入れてほんとうにひとつ返還に乗り出してくれるのかどうか、まだその点納得できません。一体だれが所管をして、どういうふうに推進をするのか、防衛庁ですか、それとも外務省ですか、科学技術庁ですか。私の見るところでは、総理府あたりで、総理府の副長官かどなたかわかりませんが、そういう人が主宰をしているところの基地問題に対する会議がございますが、そういう面でもってこのことを推進するのが妥当なのかどうか、どうも各省庁にまたがっておりますので、どこに重点があるのかわかりませんので、ひとつ総理大臣からこのことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 施設の問題につきましては、防衛庁長官の管轄下にあります。しかし、それのアメリカ軍との交渉に当たりましては、筋は外務省であり、また防衛庁関係もあるのであります。したがいまして、こういう問題につきましては、基地関係の問題で閣僚協議会を設け、いろいろ話をしております。問題の東海村の付近の演習地につきましては、先ほど申し上げましたごとく、かえ地を見つけてこれを撤廃しようと努力しておる次第でございます。
○大森創造君 これは御蔵島という話が出ておりますが、御蔵島でも反対だそうです。あそこの場所も、施設庁あたりで折衝をしているだろうと思いますが、私はそういうことでなしに、先ほど相澤委員からお話がありましたように、米軍の戦略体制が違ってきたのだから、まあアメリカに対して日本も相当貢献するところ大きいのだから、この際見返り地とかなんとか言わないで、世界的に三十六カ所ばかり基地を返還するいう方針だそうでございますが、アメリカのほうは。ここできれいにひとっここの場所は特殊な地帯なんだから、原子力センターがあるのでございますから、これはひとつ大所高所から見て、日本政府としてこれを返してもらうということで、見返り地云々でなしに、返してもらうというふうな方向でやっていただけませんか、その点どうですか。
○国務大臣(福田篤泰君) 水戸射爆場の返還問題は、先ほど総理大臣が答えられましたように、昭和三十六年十二月に、正式にアメリカ側から回答を得ておるわけであります。返還については異存はないと、ただし、適当な代替地を提供してもらいたい、こういう条件つき回答を得たわけであります。その後何とかして他の代替地がないか、苦心をして調査し、また努力をしておるが今日の段階であります。先般の閣議におきまして、東海村の原子力研究所、あるいは将来予想される原子力産業、こういう点から考えて、射爆場としては不適格地である、この点は佐藤長官とも意見が合致いたしまして、射爆場は水戸からはやめようではないか、しかし、そのかわりどうしても代替地を見つけよう。目下代替地について、各倒補地について具体的に調査を進めておるのが今日の姿であります。
○大森創造君 そうすると、見返り地をあくまでさがすという方針なのですか。私が申し上げたのは、いま防衛庁長官がおっしゃられたように、どうしても原子力センターのわきにああいう危険なものを置いてはまずいから、これは撤去するというか、返還してもらうことが至上命令であるとすれば、何らかの方法をとらにゃならぬと思う。これはどうですか。先ほど私が申し上げたように、見返り地云々にかかわらず、ここの地点については、世界に類例のないようなケースだから返してもらいたいということを、日本政府の名において、米側のほうに強硬に申し入れるという意思はございますか。
○国務大臣(福田篤泰君) 現在の日米安保体制の基本的な立場から、また、現在の米軍の演習の必要性、こういう点から考えまして、無条件にただ返還だけは、私は現状の段階においては不可能と考えております。
○大森創造君 それでは見通しはどういうことになりましょうか。もっぱら努力すると言うだけで、それ以上出ませんか。
○国務大臣(福田篤泰君) 何月とか、あるいは具体的な日時は指定しておりませんが、われわれとしては、一日も早く代替地を見つけたいと考えております。
○大森創造君 その点を、防衛庁のほうの見解はわかりますが、何か防衛庁はそのことを推進する上について隘路になることはありませんか。私、先ほど申し上げたように、総理府とか外務省とか、あるいは政府当局とかいうものが協力体制ができて、どうしてもここは返還してもらうという体制ができておりますか。
○国務大臣(福田篤泰君) 御指摘の総理府の協議会あるいは外務省を通じての日米いろいろの打ち合わせ会、あらゆる点につきまして、関係筋とは十分連絡をいたしております。
○大森創造君 その次に、時間がないようでありますから、一つ申し上げますが、総理にお伺いいたします。農地報償問題をどういたしますか。
○国務大臣(池田勇人君) いま総理府でいろいろな調査をいたしております。三月末日までに完了の予定でおります。で、その調査完了を待ちまして政府としては態度をきめたい、こう思っております。
○大森創造君 自民党政府の動きを見るというと、そういう総理の言明と違ってずいぶん先ばしっておりますね。法案を用意してみたり、二千八百億かの交付公債をどうとかして、もうこういうことになって、そのことの起こりは、総理御承知のように、ずっと地主団体が圧力をかけてきて、昭和二十八年十二月に最高裁の判決があって、これは合憲ということになったので、地主団体のほうは、今度は補償を報償に変えるということになったんだろうと思うのです。そこで問題は、工藤調査会や、その他の調査会ができましたけれども、昭和三十七年の四月に、自民党の両院議員総会があって、そこで総理は言質を取られた。五項目の決議を突きつけられた。あなたのほうでは、責任をもってひとつこのことは処理いたしましょうということを言明された。このことに私は出発があるのだろうと思う。だから、いま総理がお答えのように、委員会でのお答えは確かにそうだ。三月下旬の調査会の報告を待って云々と言われますが、事実は進行しているでしょう。もっとそのことに対して、調査会の報告が——これは何というか、報告を待ってあくまでも可否をきめる、農地報償の可否をきめるという態度を明言できますか。
○国務大臣(池田勇人君) もうたびたび本院あるいは衆議院のほうでも申しておりますとおり、内閣調査室で世論調査その他実態調査等を行なっております。その結果によりまして私は方針をきめたいと思います。
○大森創造君 そうすると、結果を待って方針をきめるということでございますが、私はいままでの経緯から見てどうもこれはおかしいと思うのです。まず一つ総理にお答え願いたいことは、この問題を処理する所管省について、おれはいやだ、おれはいやだという争いをいたしました。これはふしぎなことだと思う。これは私の感じからするというと、農地問題でございますから、「農」という字がつくのだから、農林省のほうでなわ張り根性で、おれのほうでやりたいと言うのが当然だと思う。徹頭徹尾逃げ回っておる。農林省が逃げ回るこの理由、そうして総理府がどうして受けたのか、その辺の事情をひとつお聞かせ願いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、逃げ回ったとか、「農」とかいうことは、何か新聞では見ましたが、直接には聞いておりません。問題をどこで処理するかということは、いろいろの考え方がございましょう。農地問題だから農林省、しかし、農林行政とはちょっと離れた点もある。引き揚げ者の問題、これは厚生省、こういうものもありますが、やはり内閣でやった例もあります。いまは内閣調査室でこの問題を調査しておりますので、総理府のほうでやっております。私は、総理府でやろうと言う、けっこうじゃないか、こう思っておるのであります。そんな問題は、農地問題解決についてのこれは重要な問題じゃない。結局は、調査の結果を見まして内閣がどういう判断を下すかということが問題で、どこが取り扱うということは別に問題じゃない。ただ、こういう問題でありますから、総理府の調査室だけでは、なかなか人員その他でもむずかしゅうございますから、関係各省と申しますか、別に特別の関係があるわけじゃございませんけれども、人員の応援を得たりなんかすることは、今後やっていかなければならないと思っております。
○大森創造君 どうも私は、農林省はやりたくないのだろうと思います。農林省の言い分のほうが筋がある。総理府のほうがいたし方なくこれを押しつけられた形になっているのだろうと思います。 そこで私は、最後にお尋ねいたしますが、この問題について、農地補償か報償か——私は実質的には同じだと思うのです。私がいままでの経過を見るという、一本の赤い糸がずっとある。その赤い糸というのは何かというと、プレッシャーです、圧力です。そこで総理に、最後にお尋ねいたしますが、これは終戦処理という観点から、農林省でなくて総理府のほうに所管をしてもらうことにしたのですか。終戦処理的な意味ですか。
○国務大臣(池田勇人君) これは、農地問題は終戦と関係はございませんよ。これは、あれは何年でございましたか、もう戦争が済んでから後に起こった問題であるのであります。それから、私は農業政策の範囲を越えているんじゃないか、こういう考え方でやっていくのが適当じゃないか、こう考えております。
○委員長(横川正市君) 二宮君。
○二宮文造君 総理にお尋ねしますが、公社だとか公団だとか、あるいは事業団だとか、いわゆる政府関係機関、あるいは特殊法人が最近ずっとふえてきております。そのあり方について、いまいろいろと批判の的になっておりますが、つい先ごろ、本院で鉄道建設公団が議決を見ました。そういうふうな新設の意義とか、あるいは既設のものに対する整理統合とかということが、いまいろいろ言われておりますが、それに対するお考えをまず承りたい。
○国務大臣(池田勇人君) 昔、財政学上、予算について特別会計のあり方はどうかということは、これは予算一体の原則からいって、特別会計というものはよくないというのが通説でございましたけれども、事業関係その他では、やはり特別会計を設けたほうがいいということで、相当の特別会計があります。これを設けた場合におきましても、大蔵省がなかなか踏み切らなかったり、いろいろな点がありましたが、とにかく現実の問題として特別会計は相当数があるわけでございます。終戦後に至りましてこの特別会計がさらに拡大いたしまして、特別会計でなしに、政府の仕事に似ているけれどもやはり能率的からいって一つの公団、公社にしたらいいんじゃないかという考え方がありまして、公団、公社がだんだんふえてきておるのであります。これは行政が非常に広範囲にわたり、そうして政府というよりもそういう機関でやったほうが能率があがり実態に沿うという考え方から出ておるのであります。しかし、お話のとおりに特別会計と同様、この公団、公社がそうたくさんできるということが、予算一体とか、あるいは行政一体の面からいってどうかという疑問もまた残ります。しかし、それはやはり実情によって考えなければならぬ問題であると思います。だから、特別会計を減らさなければいかぬという考え方がありましても、このたび国立学校の特別会計を設けたことは、これはまた、今後の国立学校のあり方から適当であると考えたからであります。ですから、観念的にどれがいいとが、どれがどうだとかということには私はいかないと思います。 そこで、第二段の既存の公社、公団あるいは公庫等について合併する、あるいは政府関係機関の金庫関係で合併するという問題でありますが、私は検討は加えますが、いますぐ結論は出ないと思います。だから、これは実情に沿って考えるべき問題であると思います。
○二宮文造君 いろいろと法を見たんですが、なるほど業務目的に向かって単独立法になっておりますから、いろいろなやり方はあると思うのですが、並べてみますと基本的なものはあるわけです。ですから、そういう政府関係機関とか特殊法人とかいうものの性格の基本的な問題を一つの法でもって規制するというふうな考えはありますか。
○国務大臣(池田勇人君) 基本的の問題は法で規制せずに、先ほど申し上げましたように、実態に沿うようなことで、ずいぶん公社、公団ができておりますが、その基本的な問題は、個々の問題で考えていくべきじゃないかと思います。
○二宮文造君 特に私お聞きしたいのは、開いてみますと、役員の任免権がそれぞれ違っておるわけです。それが、いま巷間いろいろうわさをされておりますようなつまらぬ憶測を、あるいは心配を与えているんじゃないかと思うんですが、そういう役員の任免権というものについて、何か統一されるような考えがあるかどうか。たとえば、ある場合には内閣総理大臣であり、ある場合には主務大臣であり、また、その主務大臣が通産、大蔵に分かれていたりというふうな場合がありますが、それをひとつ一本のものにまとめていくか、何か合議体をはっきりさせておくと、そういうふうな憶測は出てこないと思うんですが、その点についてお伺いいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 公団、公社、いろいろな違いがあるものでございますから、一本にまとめることはいかがな問題でございましょう。原則としてやはり主務大臣が持つことになっておるのであります。しかし、両管のものにつきましては、両管の大臣が合議をしていくことになっております。しこうして、大体のところはやはり総理大臣に一応相談してやることにはなっておるのであります。
○二宮文造君 これは巷間のうわさですが、運輸省あたりでは公団が少ない、あるいはそういう政府機関が少ないから、ひとつ航空公団だとか、あるいは自動車ターミナル公団をつくろうじゃないかというふうな話があるように聞いておりますが、総理のお耳に入っておりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 私の耳には入っておりません。私の耳には法律上、予算上に認められたものしか入ってきませんので、予算の折衝上の問題については、私の耳に入っておりません。
○二宮文造君 そうしますと、これらを新設される考えはありますかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は内容を知らないので、新設するとかしないとかということは内容によってであります。
○二宮文造君 では最後に、よく議論の的になっておりますのが政府機関、そういうものの給与規程の問題ですが、特に退職金の規程などがたいへんに不合理であるというふうなことで、巷間いろいろと指摘をされておりますが、その給与規程とか、そういうものについて改善をされようとする意図がありますかどうか、それを最後にお伺いしておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 給与規程は、主務大臣の認可を受けてやると思います。したがって、民間の状況その他を勘案いたしましてきめておるんじゃないでしょうか。そうして大体政府関係機関等におきましては、基準があるのじゃないかと思います。そうまちまちにはなっていないと思います。
○委員長(横川正市君) 鈴木君。
○鈴木市藏君 時間の関係もありまして、ちょっとこの主題と離れるかもしれませんが、この際、次の点について総理の見解をただしておきたいと思います。 それは、いわゆる中国問題についてですが、政府は三月の五日に、政府の国会答弁資料ということで、いわゆる中国問題に対する統一見解なるものを発表いたしましたが、この見解は、いままでの政府答弁とはかなり後退したという印象を一般的に与えておりますが、この後退だと一般的に印象を与えているような統一見解をあの時期に出した真意というものは、一体どこにあったんでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 統一見解というものは私は知りません、出したことも。したがって、出した覚えもありません。
○鈴木市藏君 統一見解というのは、あるいはこれはジャーナリズムがつけたあれかもしれませんけれども、中国問題に対する政府の国会答弁資料ということで、外務省が発表した事実、三月五日に発表された事実も御存じありませんか。
○国務大臣(池田勇人君) 外務省の発表したことは聞いておりません。政府の見解は、私の衆参両議院における答弁が政府の答弁でございます。考え方でございます。
○鈴木市藏君 そういたしますと、それが政府の答弁であり、いわゆる統一見解、私は、いわゆると言う、いわゆる統一見解。政府の国会答弁資料というものを外務省が発表したことは、総理大臣としては何ら関知しないと、この機会にあなたは言明されますか。
○国務大臣(池田勇人君) 政府の考え方は、私の答弁が政府の考え方でございます。外務省が発表したかどうか、私は、発表しますとか、しませんとかいったことは、聞いておりません。
○鈴木市藏君 もう一度念を押すようですけれども、いまの総理の答弁から理解されることは、あれは一外務省の見解である、政府の見解は総理の答弁だけである、こういうふうに理解してよいのでございますね。
○国務大臣(池田勇人君) それは、総理にお聞きになることでなしに外務大臣にお聞きになったらいいでしょう。政府の見解は、私の言うのが政府の見解です。
○鈴木市藏君 しかし、それはおかしいじゃないかと思うのですが、外務大臣というのは池田内閣の何に当たるのですか。そういうのは、おそらく内閣総理大臣としての答弁として的がはずれておりませんか。
○国務大臣(池田勇人君) 的ははずれていないと思います。各省大臣はその省の大臣としているのでしょう。また、事務当局はその省の事務当局としているのです。それが外務大臣が言ったこと、あるいは通産大臣が言ったこと、これが政府のあれかといったら、いまの御質問の点は、統一見解というところから出ているのでしょう。内閣の考え方は、私の言うのが基本でございます。それを受けて各省大臣が言う、事務当局が言う。それは政府の一部局の考え方でございます。内閣の意見としては、私の言ったことが内閣全体の意見と、こうお考え願いたい。もし私の言うことと、外務大臣が言われたこと、関係大臣の言われたことが違っておるのだったら、言ってもらえば私が誤りなら改めます。私はめったに誤りません。
○鈴木市藏君 どうもいささか、いつも低姿勢でいっている総理にしては高姿勢の答弁だと思います。しかし、外務省の発表なるところのいわゆる統一見解、これは政府の国会答弁資料としてまとめたものだという見出しがついております、政府の。これはどういうことですか。あなたは全然関知しないものであるというように理解していいのですか。
○国務大臣(池田勇人君) それは外務大臣にお聞きなさいと言うのです、外務大臣に。それは外務省の考え方なんかは私は常に聞いておりますが、私がそれを聞いたからといって、私がそれでよかろうといって、これをすぐ政府の統一見解ということはならない、ニュアンスが違いますから。私の中共問題に対する考え方と、外務大臣の考え方は同一でございますが、しかし、ニュアンスが違うでしょう。私は高姿勢だと言われるが、大事なことですから、はっきり自分の所信を言っている。低姿勢というのは、所信を言わぬのが低姿勢ではない。所信を言うのがあたりまえである。だから、私の考え方が政府の方針でございます。だから私は、外務省がこれを政府の統一見解として出しますとは聞いておりません。
○鈴木市藏君 時間がありませんので、この問題をもっと明らかにする必要があると思いますが、時間の関係上やむを得ず次に移ります。 三月六日の参議院の予算委員会で自民党の某議員の質問に対して、その質問は中国承認問題に関する質問でしたが、中国が日米安保条約を承認すること、日華平和条約を尊重すること、対日賠償請求権を放棄すること、日本の内政に干渉しないこと、という四つの条件が満たされない限り、中国は承認しないかという質問に対して、総理は、ほぼ同意見であるという答弁をなさっておりますが、これは間違いありませんか。
○国務大臣(池田勇人君) まだまだあれだけではございません。たくさんございます。内政不干渉とか、それからまた賠償の請求権を放棄する——放棄するどころじゃなくなっている、賠償請求権は中華民国とである。だから私はまたつけ加えて申しました。日本とフランスを比べて、日本も日米安保条約があり、フランスもNATOの条約を結んでいる。しかるに、毛沢東氏は、一月二十六日の横田基地のあのデモを見て、これは優良な日本国民だと言っておるじゃありませんか。その翌日、フランスと国交正常化した。そうして日本の社会党その他の人に対しては、アメリカ帝国主義は日中共同の敵だと、われわれ日本人の一部の人と一緒に声明したにかかわらず、毛沢東はなぜドゴールと一緒に——NATOの条約を結んでおるドゴールと国交を正常化するときに、アメリカ帝国主義は中国、フランスの共同の敵だと、なぜ言わないのだろうと、私は心外にたえないということを予算委員会で言っております。おわかりですか。これがやはり中共承認の一つの柱であるということをつけ加えて言っておるから、あの鹿島君の質問でしたか、杉原君でしたか、どちらでもよろしゅうございますが、私は、大体そういうことは私も考えておる。だから、ほぼ大体と言ったことは、賠償権放棄なんということは既定の事実ですから、こんなものは条件にはなりはしません。しかし、考え方が大体似ておる。だから、あえて次の機会に鹿島君につけ加えて、いまのフランスとの国交正常化は、フランス人と日本人と違った考え方に立っておる、毛沢東に反省を促しておるのが私の心境でございます。
○鈴木市藏君 しかし、私の質問は、この四つの条件の中で、三、四——あなたの言った賠償請求権あるいは日本の内政不干渉という三、四は、この際一時おきます。問題の中心点は、日米安保条約を中国が承認すること、日華平和条約を尊重することということは、中国承認の条件になりますかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、中共に対して日米安保条約を承認してくれなんということは、とんでもない。日本できめることです。何でそんな承認を頼めますか。ただ彼らが日中共同の敵だということはやめろということ、安保条約というものに対して、あれを非難しておるからといって、何も安保条約を毛沢東や中共に承認願いますという、そんなことを言うことは、ほかの人は知りません、池田はしません。
○鈴木市藏君 日華平和条約はどうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 同じじゃございませんか。日本独自できめておることを、なぜこんなものを、中共にどうぞお認め下さいましと、そんなこと、だれが言えますか。そういう精神は当然認めるべきだ。したがって、衆議院のあれにおきましては、中共が自他ともに認められる——平和を愛し、世界の繁栄に貢献すると自分で誓うとともに、人もみんなそういうふうに中共が生まれ変わって、りっぱな国だというふうになったならば——という状態で入ってきたならば、正常化を考えてみるという……国連に入ったから、すぐ中共と正常化しようという考えじゃございません。中共自体が世界の人から信用を受け、世界の平和に貢献し、主義は違っても、お互いに手を握り合っていこうという気持ちに中共がなり、世界の人が認めるようになったら、そういう前提で国連に入ったら正常化を考えてみようと言っておるのであります。入ったからすぐ正常化するとは別に言っておりません。前提があるのです。
○鈴木市藏君 それじゃ、中国が国連に入ったとしても、即それは中国の承認とは結びつかない、中国の承認と国連の代表権承認とは別問題である、こういうふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(池田勇人君) わかり切ったことじゃございませんか。日本と中共との問題は日本自体できめることでございます。日本自体できめることでございますよ。そうしてあなた方に相談してきめることなんですよ、憲法上。国連が言ったから、そのとおりでやりますということは、始終自主性を言っておられる人が、何でそんなことが考えられるのですか。
○委員長(横川正市君) 時間がきておりますから、あと一問で……。
○鈴木市藏君 時間の関係で、あと一問で終わります。 総理のいまの答弁を要約して聞いておりますると、結局、中国問題、日中問題というのは、これは日米問題、日本がアメリカとの間に安保条約を結んでいる限り、また、台湾との間に日華平和条約がある限り、中国の承認問題はできない、現内閣ではできないものだと、そういうふうに理解して差しつかえありませんか。
○国務大臣(池田勇人君) 日本はアメリカと一緒にいくことによって日本が立つわけでもないし、日華条約によってのみ日本が立つわけでもございません。いま日本は世界の日本ですから、世界の動向を見ながらわれわれがきめていく問題であることをはっきり申し上げます。
○相澤重明君 総理大臣も時間がないようでありますし、私、先ほど質問いたしましたが、河野建設大臣も時間がないようですから、総理大臣もおいでのときに、私は河野建設大臣にお答えをいただきたいと思います。 それは、先ほど決算委員会審査について、総理大臣に決算委員会に対する態度を実はお尋ねをいたしました。従来、ともすると予算委員会は各省大臣、責任者も、それぞれ総理をはじめ出席をされるのでありますが、決算というのはすでに予算を執行したあとであるから、経過がたちすぎているから比較的事務当局にこれをまかせがちになる、こういう問題が特に、衆議院と参議院の場合には、二院制の中でも参議院としては特にそういう感を深くしたということです。総理大臣に、あなたはこの決算審査の場合に、総括質問の際は御出席をいただけますか、こう言ったならば、出席をいたします、という話があった。従来は、総理大臣の場合は締めくくりに、総括質疑の際に多く、提案の際の質疑の際にはまれに出席されるのでありますが、先ほどの御答弁で、池田総理も今後は同じように出席することをお約束をされたと思うのでありますが、不幸にして、建設大臣の場合には、当委員会で何回か実は建設大臣の出席を要求いたしましたが、これは事務当局の連絡の不十分か、私ども参議院の決算委員会との連絡の不十分かは存じませんけれども、少なくともわれわれがスケジュールを立てて、そしてこの決算審査を終了する方向に向かってまいりましたけれども、今日まで延び延びになって、しかも、最後の総括質問の際に、時間のないところで池田総理並びに河野建設大臣だけを一時間でお帰しをしなければならぬ、こういうことは、私は決算審査の対象にならぬ、決算審査に対するところの政府の誠意がない、こういうことを率直に申し上げられると思うのです。しかも当委員会では、事、建設省の問題についてはたくさんの問題をかかえておる。いわく道路の問題、住宅の問題、あるいは、先ほども申し上げました首都建設について、あなたの責任の立場でありますけれども、いわゆる首都圏の問題、東京都の問題あるいはまた、公害をなくする問題、特に最近はあまりにも工場誘致が盛んで、いわゆる緑地化、公園化というものがだんだんなくなっていく。特に東京では、御承知のように、日立生コンクリート工場建設のために付近の住民が非常に困惑をする、こういう問題を昨年から当委員会で取り上げておる。河野建設大臣に御連絡をいただいておるのでありますが、事務当局がなかなかはっきりしない。こういうような問題については、大臣のぜひ御出席のもとに、あなたの御態度をお聞きをしたい、こう言っておったのでありますが、不幸にしておくれたということは、まことに遺憾しごくであります。こういう点について、決算委員会に、あなたは責任者といたしまして、建設省の所管に対する質疑の際に御出席いただけるものかどうか、これはあらためて本日私は御質問をいたし、そのことだけで質問を終わりたいと思うのです。誠意ある御答弁をいただきたいと思う。
○国務大臣(河野一郎君) だんだんの御発言でございますが、たまたま参議院の予算委員会、衆議院の法案の説明等で、決算委員会から出席の御要求がございました際に、その御期待に沿うことのできなかったのは、まことに遺憾でございます。今後は十分注意をいたしまして、可能な限り出席して責任を明らかにしたいと思います。
○岡三郎君 関連。関連で時間もありませんが、いま相澤委員が言ったように、いまここで言ってもしかたがないと思うけれども、予算には非常に膨大な時間をかけて、国の決算には非常に簡単に始末している、ここに問題点が一つあると思う。予算には、前後を通じて金をどう編成するかについて、たいへんに努力なされておるけれども、そのあと始末にはまことに、これは決算委員会自体も悪いわけですけれども、政府自体ももうちょっと率直にこういう点については、ほんとうに抜本的な対策を考えるということの立場に立って、往復前後一時間なら、これは国鉄より事故が起こりやすい時間だと思う。三十六年のことを池田総理を呼んで一時間で片づける、最終的な委員会の締めくくりは、これはちょっと無理だと思う、無理を承知でいま言っているわけですが、私は、根本的にいってよくなった面もあるし、悪い面が非常にふえていると思うが、根本的にいってどうして汚職というものがなくならないのか、こういう点については、池田総理も非常にお考えいただいておると思うが、一つは、端的に言っておきますけれども、官尊民卑というものが、まだ日本の政治には、なくなっておらない、官庁に勤めている人は、私大を出ましても、課長補佐どまりということをよく言われております。これは英断をもってやられておる内閣というものは、いままでなかった、そこに並んでいる中で、河野さんは早稲田出身だから別ですが、少なくとも、人心をしてうまざらしめんことをやるということになるならば、公務員試験とか、いわゆる下級官吏の試験というものを抜きにして、やはりいい人材を登用する道を、山村行管長官もおるから、これはやらなければ、どんなに精励恪勤しても課長補佐程度でとまっていくというならば、そこに十年、二十年住みついて上へ行く望みがないというならば、これはやはりそこで人心がうんでくることは当然だと思う。だから、少なくとも人材はこれは登用していくという一つの方式というものを確立しなければ、行政機構を幾らいじってもだめだと思う。やはり人間がやるのだから、根本的にいってこの問題については、ひとつ考えてもらいたいと思う。 それからもう一つ私がお願いしたいのは、高級官吏は、公務員アパートとか、そういうところにはずいぶん入っております。給与の低い、いわゆる住宅には困窮し、困っている人ほど、生活に困窮するような状態に置かれている、こういうものに対しては、私は、政治の基本に立って、やはり俸給の低額者に対しては、これを何とか生活を維持してやる、こういう基本的な政策がなければいかぬと思う。特に最近においては、レジャーをあおって、消費は美徳なりということであおってきて、この下級公務員たちといえども、一般の人に比べてやはり生活を何とかしていかなければならない——あなたは爪先立ってきておるので私はやめますが、だいぶもう時間にあくせくしておられるようですけれども、池田さん、基本的にいって、きょうここにある郵政省のほうの問題についても、なくなっていない、こまかい一つの不当事項がなくなっていない、こういうふうな面については、いろいろ原因があると思いますが、そういう点について御配慮願いたいと思います。私どもは、下級公務員に対してあたたかい日を当てる、それが資格に応じて伸びていく、官尊民卑の弊害を打破していく、こういう点について御考慮願いたい。時間がなければ答弁は要らないです。
○国務大臣(池田勇人君) 人材登用のことは、あなたのお話のとおり、私は、大蔵省におきまして、このことを常に強くあれして、御承知のとおり、大蔵省の局長は、地方へ参りましても、昔の高文の合格者に限っておりました。で、私は、中学を出た人たちを、九つの国税局に二人は試験を通っていない人を採用しろ、戦後におきましても、こういうことでどんどんやっております。私は、人材登用、全く同感です。戦後におきましても、ずい分やっております。人材があれば幾らでもやります。 それから官舎、公舎といいますか、これは高級官吏に限っておりません。やはり職務関係を考えなければいけない。そして税務官吏なんかは、もう半分以上、いわゆる社宅におると私は考えております。やはり職域によりましてよほど考えを公平にしていくように努力する、何ぶんにもたくさんつくることが必要でございますので、建設大臣その他大蔵大臣にも頼んでおるわけでございます。俸給の上の人とか低い人で区別するのでなく、職務によって違えるようにいたしておる次第でございます。
○委員長(横川正市君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(横川正市君) それではこれより討論に入ります。 なお、昭和三十六年度決算についての本委員会の議決の内容の文案につきまして、委員長及び理事打ち合わせ会におきまして協議いたしました結果を取りまとめましたものは、委員各位のお手元に配付いたしました案どおりでございますが、これより専門員にその案文を朗読させます。
○専門員(池田修蔵君) 朗読いたしますが、二ページの中ほどの「本件審査の結果」というところから朗読させていただきます。 以上朗読を終わります。
○委員長(横川正市君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(横川正市君) 速記を起こしてください。 本件につきまして討論の通告がございますので、これより順次発言を許します。相澤君。
○相澤重明君 討論に入る前に、委員長にちょっとお尋ねしておきたいんですが、私は、昭和三十六年度の決算審査終了にあたって、いま大蔵大臣は御出席のようでありますが、一体他の各省はどういうことになったんですか。これは、ただいままで質疑をいたしました総理大臣、河野建設大臣は特に通告があって、そして衆議院との関係でやむを得ず帰ったということを認めておったわけです。ほかの省は一体どういうことになったんですか。(「政務次官がおる。」と呼ぶ者あり)ですから、各省の政務次官は当然そこにすわっておらなきゃならぬ。それが大臣なり政務次官がおらぬということでは、審査が進まぬわけです。この点早急に並べてもらいたい。
○委員長(横川正市君) いまの相澤さんの趣旨に従いまして早急に手配をいたします。 その間休憩をいたしますか、それとも議事を続行してよろしゅうございますか。 ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(横川正市君) 速記を起こしてください。
○相澤重明君 ただいま私の動機で、各委員も御承知のとおり、政府の幹部が出席をしないということは、まことに遺憾だと思う。出席した人を文句を言うわけではありません。出席しておらない各省については、これは委員長の手元で出席がわかっているわけですから、後刻厳重に、やはりこれは、この決算とは別にさらに罪が過重されるわけです。こういうことでひとつ私は討論を進めます。 私は、ただいま議題になりました昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算外三件について、日本社会党を代表し、承認を与えんとするものであります。 昭和三十六年度歳入は、一般会計において、二兆五千百五十九億三千百八十五万二千余円であり、特別会計において、四兆四千三百十七億六千四百五十六万四千余円であり、総計六兆九千四百七十六億九千六百四十一万六千余円であり、歳出においては、一般会計、二兆六百三十四億六千七百八十六万三千余円であり、特別会計においては、三兆九千五百九十二億一千一百十七万余円であり、総計六兆二百二十六億七千九百三万四千余円であり、歳入超過は、一般会計で四千五百二十四億六千三百九十八万余円、特別会計は、四千七百二十五億五千三百三十九万三千余円で、総計九千二百五十億一千七百三十八万二千余円と増加しており、一般会計の歳入超過だけでも、前年度の二千百七十八億七千六百四十余万円に比べると、二千三百四十五億八千七百五十八万余円の増加を示している。しかしながら、決算額二兆五千百五十九億三千百八十五万余円のうち、収納未済額は、十五億四千百八万余円であり、中でも病院収入、三億六千四百一万余円、公共事業費負担金、二億四千八百十七万余円、共有船舶利用収入、二億二百三十万余円と横綱格であり、国税収納金整理資金への受け入れ金の徴収決定額、二兆八百二十七億二千八百五万余円のうち、収納未済額は、三百五十四億八千二十五万余円であります。さらに特別会計の収納未済額は、百五十八億六千七百五十八万余円と、この中でおもなものは、食糧管理の国内未売り払い代で延納を認められているものを除き、厚生保険の保険料収入、六十八億百十六万余円、失業保険の保険料収入、十一億三千三百二十五万余円、労働者災害補償保険の保険料収入、十億二千七百三十四万余円等である。一般会計及び各特別会計の収納未済額と国税収納金整理資金の収納未済額を合計すると、実に五百二十八億九千百二十五万余円と、ばく大な金額に上っている。会計検査院が検査したものは、計算書、証拠書類で十八万七千余冊、四千九百八十八万枚であり、検査のために質問したのは、一万二千余件という、まさに氷山の一角にもすぎないのに、不当事項は五百七十九件となっており、金額にして十八億八百余万円となっている。もし歳出未確認額、二百七億五百七十九万六千五十一円余を確認するならば、もっと多く指摘されるであろう。また、昭和三十五年度以前の未確認額が百七十六億六千六百十四万一千六百十二円余もあることはまことに遺憾であります。 第二は、国有財産についてであります。年度末国有財産現在額は三兆一千九百六十三億九千四百五十万余円であって、前年度よりは、二千五百七十一億二千二百七万余円の増加となっている。この中で特に指摘されなければならないのは、管理が適切を欠いておることである。たとえば建設省の河川敷等により買収面積の全体が明確でなく、現地の実情がどのようになっているか不明であると言っている。また、物品管理職員が物品を亡失し、または損傷した事実について、所管庁から報告を受理し、処理を要するものは、繰越分を含め八千百六十六件、七億六千六百万二千二百五十七円余と言われ、そのうちの最大なものは、防衛庁を含む総理府において、六千五百四十三件、一億三千九百三十九万五千余円と筆頭になっており、郵政省の七百四十一件、農林省の三百六十三件、建設省の二百十一件、文部省の百六十二件と、これに次いでおります。中には、関係職員が繰りかえ払い現金や刑事領得物まで領得しているなどは、さたの限りであります。 以上が総論であり、政府は、次の各項につき積極的に取り組み、納税者の立場に立って予算の効率的運用と、いやしくも不正不当のなきようにつとめるべきであります。 一、租税及び印紙税収入が、当初予算より三千五百二十八億余円も増収したのは、言いかえれば、見積もりが過小であり、また税をよけいに取り過ぎたとも言えるのであるから、取り過ぎた税金は国民に還元すべきであり、その中心は減税であると思います。しかるに、昭和三十七年度予算減税の総額は、一千百六十四億円余にすぎなかったことは遺憾であります。今後は、国民の生活向上のため、納税者の実質的負担軽減のため、所得税減税を配慮すべきであります。 二、右のように税自然増が多いため、ややもすると徴税事務も安易に流れやすく、収納未済額が五百二十八億九千百二十五万余円の増大は、税の公平の原則から見ても芳しからざることでありまして、徴税に当たり過不足のなきよう留意すべきであります。 第三は、補助金適正化法違反についてであります。補助金等に係る予算の執行の適正化法違反を見ると、三十年から三十八年までの受理件数は二百二十件、人数にして五百二十五名、起訴人数は八十五名の多きに達しております。三十六年度は、受理件数四十件、八十三名、起訴人数は、三十二年の二十一人に次ぐ、実に十九名の多きになっております。さらに、都道府県でも北海道の受理十六件を筆頭に二十都道府県で九十三件、起訴人員は十九人に及んでいる。しかも、自来漸増の傾向にあることにかんがみ、行政上厳正を期すとともに、綱紀粛正をはかるべきである。 第四は、物品管理等については、物品管理法、債権管理法等、政府契約基本法が制定されておるにもかかわらず、予定価格の調査検討不十分、単価の見積もり等、ずさんな防衛庁をはじめ、農林、郵政、建設等、財産の管理に一般と努力をはかり、解消策を講ずるべきである。 第五は、工事についてであります。国の直轄工事はもとよりでありますが、特に代行工事について、その責任体制を明確にすべきであります。三十六年度公共事業関係補助は、二百八十四件、十億七千六百万円余、一般補助、六十二件、五千五百万円余、不当事項、五百七十九件は、三十三年度の三百三十五件、三十四年度の二百九十二件、三十五年度の三百三十八件をさらに上回っているのであります。また、災害融資利子補給法も二十八年成立以来、毎年百億余の巨額を投資しておりますが、国の利子補助金だけでも八十億円余となっております。工事の適正をはかるとともに非能率、非効率にすみやかに改善すべきであります。 第六に、基地問題についてであります。米駐留軍接収施設の解除返還については、積極的に促進をはかるとともに、基地を提供している自治体、地域住民に対しては、特に政府は、基地周辺における民生安定法を制定し、国民の期待にこたえるべきであります。 第七に、人命尊重、事故防止、天災、人災事故防止について、近来毎日のごとくに鉄道、自動車、船舶、航空機の事故頻発し、多くの犠牲者をみており、人命軽視はまことに遺憾であります。事故をなくし、人命を尊重するために、殺人的な国鉄輸送の緩和をはかり、通勤通学輸送を確保することは、至上命令であると言うべきでありましょう。これがため、国鉄に対し国は大胆に投資を行ない、抜本策を講ずるべきであります。また、大都市、特に首都東京のごときは、このまま放置することは許されません。幸い三十七年十一月、陸上自衛隊及び警視庁共同による首都における大震災等の防災対策なる白書ともいうべきものができたことは、一歩前進であるが、要は、論文でなく、建設省は各省庁、東京都と十分検討の上、抜本的方策を講ずる必要があります。 以上の各項にわたる要望等を付し、賛成の討論といたします。
○委員長(横川正市君) 山崎君。
○山崎斉君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和三十六年度決算につきまして、審査報告書のとおり議決することに賛成をいたすものであります。 昭和三十六年度決算の審査は、前年度決算の審査に引き続きまして、決算審査の新たな方針、すなわち、従来の決算審査がややもすれば、会計検査院の検査報告中心に傾く傾向のあったのを改め、検査報告について、十分の関心を払うことはもちろんでありますけれども、決算委員会としては、国会の立場から、国会の議決した予算がはたして国会の意思のとおりに執行されたかどうか、予算の執行が適法であると同時に、また、効率的であったかどうか、などの点に着目しつつ、大きな視野に立って、決算の総括的及び個別的審査を行なってきた次第であります。しこうして、この決算を審査した結果、政府の注意を喚起し、将来の財政運営上、改善を望みたい事項は、審査報告書に列記されておるとおりでありますが、なお、ここで特に次の点を申し上げたいと思います。 歳入、ことに税収の過小見積もりについては、三十五年度決算の際にも一言しておきましたが、三十六年度においては、これがさらに著しかったのであります。これは経済の成長が、予算編成当時の見通しを上回った結果としてやむを得ないところとも申せますが、反面、景気調整が必ずしも十分でなかったため、経済の過度成長が今日まで尾を引いているとも見られますので、今後財政金融政策の遂行にあたっては、経済の安定的成長をめどとして、その運営に遺憾なきを期せられたいと思います。 次に、歳出の面におきましては、防衛庁、農林省等における不当事実、郵政省における不正行為、大蔵省における国税徴収の過不足など、会計検査院によって指摘される事項が、毎年同じように繰り返されておりますことは、はなはだ遺憾で、いろいろ政府側から説明はありましたが、どうしても納得がまいらないのであります。これはせんじ詰めれば、やはり綱紀の厳正が十二分に保たれていないということになるのでありまして、これも毎年度決算審査の結果として繰り返し声を大にして申し上げていることでございますが、ここにあらためて内閣に対し、綱紀の弛緩を厳に戒め、不当不正事項の絶滅を期して特段の努力を傾けるよう、切に要望するものであります。 これを要するに、本件決算審査の結果、特に審査報告書に掲げられております諸事項を、今後の財政運営の上に十分に生かされるよう、特に強く要望いたしまして、私の討論を終わります。
○委員長(横川正市君) 二宮君。
○二宮文造君 私は、公明会を代表して、ただいま議題となっております昭和三十六年度決算について、審査報告書のとおり議決することに賛成をいたすものであります。 審査の結果につきましては、大要、先ほど朗読されました案文に指摘されているとおりでありますが、御承知のように、国、地方を問わず、その歳入歳出は、国民の血税をいかに適法かつ効果的に処理し、使用するかが第一義であり、その意味で政府は重大な責任の位置に立つものであります。したがって、その結果につきましては、国民は多大の関心を寄せており、この際特に二、三の点につき意見を申し述べ、今後の財政運営に格段の措置を講ずるよう、強く要望するものであります。 その第一は、不当事項についてであります。会計検査院の検査報告によれば、不当事項は五百七十九件、金額にして十八億円をこえております。これは前年度に比べて、件数にして二倍近く、金額においては二倍をこえるものであります。会計検査院のたび重なる指摘、勧告にもかかわらず、このような不正あるいは不当事項が年ごとに累増していく傾向は、まことに遺憾であり、その抜本的対策をもって事故の絶滅を期すべきであると思うのであります。 ことに、不当事項のうち、補助金等に関するもの三百四十六件、金額十一億三千百余万円に上っておることにつきましては、従来とかくの議論のありましたいわゆる補助金行政の欠陥を物語るものであります。すなわち、補助金、負担金、交付金、委託費、補給金等の名目によって支出されておりますものは、国の一般会計の歳出総額のうち、約二五%を占め、地方財政におきましては、総収入の約三〇%に当たるのであります。しかも、これらの金額は、財政の膨張に伴い増加の一途をたどっており、その効率的な運用が期待されているおりからであります。ゆえに、指摘されております農林、建設行政の再検討はもとより、全般的に厳重な指導監督を通じて本来の意義を徹底すべきであると思うのであります。 これに関し、特に一言しておきたいことは、指摘事項の中で、補助金の交付基準に認めていない経費、あるいは補助対象とならない補助金の交付を受けて、その返納または減額を指示されている項目が、各省庁にわたっていることであります。これらは、現行制度のもとにおいては、それ自体不当事項であるとしても、その背景となる地方財政の実態については、適正な措置を勘案すべきであると思うのであります。すなわち、国の補助基準あるいは単位費用の過小な見積もりが、地方公共団体の超過負担を助重している傾向から見て、今後、国と地方団体における行政事務の再配分等を通じ、補助金行政の抜本的対策を要望いたすものであります。 その第二は、公社、公団、事業団など、政府関係機関並びに特殊法人についてであります。近年、いわゆる経済の高度化に伴い、政府的、経済的あるいは社会的要請に基づいて、それら機関の相次ぐ設置を見ております。もちろん、画一的に論議するわけではないのでありますが、はたしてそれら機関のすべてが、所期の目的達成に必要であるかどうかにつきましては、種々異論のあるところであります。ことに最近に至り、役員、人事権、給与あるいは財務規定などについては、そのあり方を再検討すべきであるとの意見も多いのであります。したがって、この際機構簡素化、事務の効率化、財政負担の軽減という立場から、適切な規制を要望するものであります。 最後に、監査の時期についてであります。現行法のもとにおいては、予算はその執行後において種々検討を加える、いわゆる事後監査制度をとっておりますが、もともと予算の執行は国民経済と密接不可分のものであり、その適正な運営は国民のだれしもが期待するものであります。したがって、ここに、その期間中において、すなわち予算執行の段階において、公正な運営を指導監督する制度を開くべきであると思うのであります。それは単に不正、不当事項の防止ばかりでなく、責任の所在も明確となり、予算の効率化について、きわめて有意義であると確信するものであります。 以上、今後の財政運営につき、政府の善処を要望して、私の討論を終わります。
○委員長(横川正市君) 鈴木君。
○鈴木市藏君 私は、日本共産党を代表して、昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算外三件の承認はできません。 三十六年の決算を検討してみると、最も特徴的な事実に気がつくわけです。それは四つです。 第一は何かと言えば、新しい安保条約が三十六年度から発足をいたしました。この新しい安保条約のもとで、これに対応するように、高度成長、所得倍増政策が本格的な口火を切った年であります。 そして、二つ目としては、ここでまた設備投資主導型という一種の刺激的な景気が行なわれました。実績四兆億円をこえる設備投資が投ぜられ、また輸入は実績四十九億八千万ドルと、見込み額を実に十二億三千万ドルも上回るような、そういう一種のブーム的な状態を来たしたのであります。 三つ目は、鉱工業、運輸、農業、防衛と、政府の各関係機関が率先してつまり五カ年計画をこの年に発足させたのであります。その五カ年計画は、三十六、三十七、三十八と続き、三十九年度においてはすでに訂正を余儀なくされ、三十九年度からまた新しい五カ年計画に進むと言っているような実情であります。 特に、この鉱工業の五カ年計画——三十六年度から発足した五カ年計画の中においては、御承知のような、あの石炭労働者に対する無慈悲、過酷な合理化の問題も含んでおります。 また、運輸においては、国鉄の今日の過密ダイヤから生ずるところのこの事故をも防ぎとめることができずして、いたずらに見てくれのいい東海道新幹線の方向に持っていった、ああいう計画も含まれております。 また、第二次防衛計画もこの年に発足したのでありますが、それもまた、御承知のように、三年たった今日、第三次防衛計画に、防衛力増強の方向に発展していくといったような、こういう計画がすべて一斉にこの年に切って落とされたのであります。 そして、四つ目としては、物価の上がった年であります。徴税の攻勢が行なわれた年であります。合理化によって労働者が首切りを行なわれ、さらに、農業人口がなだれを打って都市に流入をした年であります。言うならば、三十六年度という年は、まさに結論的に言うならば、これは歴史的な年であったと思います。独占本位の経済財政政策遂行のために、まさに国家独占資本主義として典型的な進路を開始した年であると言わなければなりません。この年を境に、貧富の差、都市と農村の差、大企業と中小企業の差が政策的に拡大されていきました。ですから、このような状態のもとでありまするから、血税の乱費が行なわれ、不当事項が五百七十九件も数えられ——しかし、これはわずかに氷山の一角にしかすぎません。一体、これらの原因は、すべて、池田内閣が行なってきたところの高度成長政策がもたらしたものだと言わなければなりません。そしてまた、この年を境に凶悪な犯罪がふえて、特に青少年犯罪が激増してきたということは、決して偶然ではないと思います。これが三十六年度の決算が示す内容でなければならないというふうに思います。 国会の決算委員会は、断固としてこの事実について摘発を行なって、この三十六年度決算の持っている性格をえぐって、これを承認してはならないのだというふうに考えます。 さらに、この際、会計検査院の態度についても一言しておきたいと思いまするが、検査が、この三十六年度の予算というものがどういう性格を持ち、どのような観点において執行されたかという、つまりその立場をしっかりとらないと、いままでと同じようなだらだら検査ではほんとうの意味で摘発することはできないのではないかというふうに考えております。そして、今日このことを会計検査院に直接求めることは至難のこととは思いまするけれども、一体だれのための会計検査院であるかという、この基本的な立場を今日しっかりと持って、そして血税の行くえを、血税の監視者として断固たる立場に立たなければならないのではないかということを強く会計検査院自体にも要望をして、討論を終わります。
○委員長(横川正市君) 以上をもって討論通告者の発言は、全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十六年度政府関係機関決算書を問題に供します。 本件につき、お手元に配付いたしました案のとおりに議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(横川正市君) 多数と認めます。よって、昭和三十六年度決算は、多数をもって配付案のとおり議決されました。 次に、昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書、昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書を問題に供します。 以上三件につきましては、いずれも異議がないと議決をすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(横川正市君) 多数と認めます。よって、三件は、多数をもって異議がないと議決されました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。田中大蔵大臣。
○国務大臣(田中角榮君) ただいま御決議の点は、十分尊重いたしまして、各省庁とも連絡をし、その趣旨の徹底をはかりまして、万遺憾なきを期したい所存であります。
○委員長(横川正市君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十五分散会