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46回国会参議院1964/06/17

運輸委員会航空、海難、路面事故防止対策に関する小委員会 第3号

発言数
58
登壇者
8
会派数
2
開催日
1964/06/17

会議録

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) ただいまから航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員会を開会いたします。  本日は航空関係について参考人の出席をお願いいたしておりますので、これから航空事故防止対策について参考人の方々から、それぞれの立場から約十五分程度で御意見をお述べいただき、一通り終わったところで委員からの質疑に入りたいと存じます。  この際、参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。各参考人の方には、御多用中にもかかわらず、当小委員会に御出席くださいまして、ありがとうございます。順序といたしまして、まず十五分程度で事故防止について忌憚のない御意見をお述べいただき、後刻委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、まず日本航空株式会社常務取締役大庭哲夫参考人からお願いしたいと存じます。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) 私大庭でございます。できれば今日社長じかに御回答すべきですが、公用でアメリカのほうへ参っておりますので、私かわりましてお答えいたしたいと思います。  実は、事故防止対策の問題ですが、事故防止対策——私のほうでは、事故防止対策と申しましても、これを安全対策というように考えて、実は事故というものを頭に想定して安全対策をはかっているというのが今日であります。したがいまして、ことばの中で事故と申さぬで安全と申すかもわかりませんが、そこのところはひとつ御了承願いたいと存じます。  今日までの統計上、御承知のように、事故と申しますのは、大部分が、乗員の質と申しますか、錯誤と申しますか、あるいは技量上のミスと申しますか、乗員から起こる事故が六〇ないし七〇%を占めているわけであります。その以外には、航空機のいわゆるメインテナンスから起こる事故その他になっているわけであります。  したがいまして、乗員につきましてどういう対策を講じているかと申しますと、乗員につきましては、その日の対策としましては、ディスパッチャー——いわゆる会社の組織上の出発責任者がいまして、そこに集まってくる気象上あるいは航空路上あるいは飛行上の情報を全部集めまして、それをその日の出発します乗員に提供すると同時に、その日の飛行の計画を両者で立てまして、そしてそれを両者で検討し合いまして、安全な方向に決定を見まして、その日の飛行をさすということになっているわけであります。それに従いまして、乗員は自分でプランを立てて、ディスパッチャーのプランと比較対照して、その安全な方向にきめたものに従ってその日の運航を実施していくということになっているわけであります。  その乗員でありますが、結局、乗員の事故というものから考え合わしまして、乗員に対しましては質の向上を常時はかっているわけであります。たとえば乗員につきましては、コーパイにするまでに五百時間、あるいはジェットのコーパイにするためには千二百時間、あるいはキャプテンにするためには三千時間というような時間を厳守させまして、プロモートのなにをはかっていく。あるいはコーパイにつきましては、キャプテンおのおのに、いわゆるそのついているコーパイの素質をチェックするようなカード・システムを現在つくらしまして、自分についているコーパイの技量向上と申しますか、その持っている技量をそのたびごとにチェックしたカードによりましてチェックさして、それにキャプテンがサインして回す。また次に、コーパイが次のキャプテンについた場合には、それに従ってまたチェックを受けるようにして、コーパイの技量保持に努力しているわけです。キャプテンにつきましては、御承知のように、政府のきめられています半年ごとの健康の診断あるいは技量の検査をいたしまして、キャプテンの技量保持と健康の管理というものをいたしているわけであります。  その他、いわゆる乗員の健康管理と申しますか、それにつきましては、御承知のように、その一日に飛び得る時間、たとえば八時間、それ以上は飛ばさない、あるいは国内でありましたら二日に一回の一日の休暇を与えるとか、あるいは三日に二日の休暇を与えるとかいうような一つの規定を設けまして、乗員の疲労に対して、健康管理上いわゆるそういうような休養時間を設けているわけであります。これによって乗員が疲労回復した新鮮な気持で飛行機に乗れるというように管理をいたしている次第であります。その他、乗員の生活環境、これがまた一つの大きなファクターになるわけでありまして、これにつきましては、乗員手当というものを支給いたしまして、乗員がいわゆる生活上の不安がないようにはかっているわけでありまして、これによって乗員の健康管理あるいは生活環境の管理というものをはかっているわけであります。まあ、そういうような事故対策と申しますか、事故対策というものを頭に入れた安全管理をやっている。  また一面、機材による事故というものもあるわけでありまして、機材につきましては、その日出発のときにプリフライト・チェック——出発前の点検、あるいは飛行機が通過するときに通過点検、あるいは基地に帰ったときには基地点検というように、点検の様式を全部変えまして、その重要さに応じた点検の様式をきめているわけであります。また、長期にわたりましては、御承知のように、オーバーホールあるいは時間点検というものを確実に実施しまして、機材上のミスが起きないようにはかっております。これにつきましては、その日の飛行から起きますいろいろな故障というものが発生するわけでありまして、必ずあくる日の午前九時に担当者を集めまして、前日の故障を全部報告させまして、その担当者はそれを持ち帰りまして、その故障を全部アナライズしまして、そこから対策を立案しまして、それをマニュアルの中に入れまして実施さす、それの結果をチェックしているわけでありまして、私のほうでは、そういうものをやった結果上、大体五〇%の事故防止はできているのではないかというような統計があらわれてきているわけであります。そういうようにして、あくる日、メカニック上の——機材上のブリーフィングをやると同時に、オペレーション全体にわたりまして、あくる日の九時半から担当者を呼びまして、わずか十五分くらいの計画でありますが、前日起きましたあらゆる面につきまして報告を求めまして、担当者がそれを持ち寄りまして、再びそれらがないような対策を講じるようにさしているわけであります。  大体、乗員の事故防止と申しますか、安全対策と申しますか、それと機材に対する事故防止と申しますか、安全対策と申しますか、そういう方向をとっているわけであります。  その次には、これは幾らか要求という点になるかもしれませんが、私の会社では、この安全というものと、金がかかるということは、どうしても相逆になる問題、安全をはかればはかるほど金がかかる。会社の経営が、あるいは世の中の経済がうまくいっているときは、これは安全対策のあらゆる計画が充実されていくわけですが、御承知のように、航空事業というものは、長期にわたりますと、いろいろなカーブをなし、プラスの場合もあり、マイナスの場合もある。そういう面から出るマイナスのときに、いわゆる安全というものについて、いろいろ思い切った政策、思い切った計画が実施されないような場面が出ることがあるわけであります。あるいはまた、新線を開拓するというような場合に起きる事業上のマイナスというものから及んでくる、安全に対するある程度の牽制というものが起きてくるわけでありまして、これにつきましては、会社はできる限り経営上の合理化をはかっているわけでありますが、ひとつ政府におかれても、この点につきましては、いわゆる援助の手を十分に差し伸べていただきたい。とりわけて乗員の問題につきましては、御承知のように、その訓練費というものが相当かかっているわけでありまして、今日いわゆる一年に十八億ないし二十億の訓練費がかかる、今日までの総決算をいたしますと、今年を入れて大体八十億以上の訓練費がかかっているわけであります。こういう支出に対しまして、経営上のバランスというものはなかなかむずかしい。御承知のように、乗員のプロモートと申しますか、いわゆる機材につきまして、私のところには、6B、あるいはコンベア、DC8というのがありまして、DC8一機を入れますためには、コンベアのほうのクルーも教育しなければならない。また6Bのほうも教育しなければならない。要するに、DC8一機について大体五組のクルーが要るわけであります。それに対して、コンベアのほうからも五組出さなければならない、6Bのほうからも五組出さなければならない、そのまた穴埋めもしなければならないというようなことになりまして、三重の経費がかかります。これらに対して、収支バランスというものはなかなかむずかしいということになるわけでありまして、安全というものと、経費と申しますか、会社の支出と申しますか、この点はなかなか相反するものであります。この点、ひとつ十分政府におかれましても御認識願いまして、いわゆる安全というものに対して政府の御援助を、これをぜひお願いしたい。  また、一面には、飛行場の施設あるいは航空路の施設と申すものは、政府でこれをやっていただくことになっているわけでありますが、御承知のように、航空機の進歩と申しますか、その性能上の進歩は年を追うて進んできているわけであります。御承知のように、DC4から6B、あるいはコンベア、あるいはDC8、それに対して、その性能に対応するような飛行場の設備あるいは航空路の管制上の設備というものが並行していないのでありまして、この点につきましては、安全の面から立脚しまして、ぜひ各会社が使用している航空機材に適当な、また十分なような飛行場の設備、航空路の設備がほしいということであります。  大体十五分という時間でかいつまんで御説明したわけでありますが、一応私としましては、この程度のことを申し上げて陳述を終わりたいと存じます。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) どうもありがとうございました。  それでは次に、全日本空輸株式会社取締役副社長福本柳一参考人にお願いします。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) それでは申し上げます。  私は、事故防止対策は、大ざっぱに考えまして、当面の措置をしなければならない問題と、根本的にこの対策を立てなければならない問題との両面があるように考えますが、なかんずく、将来のことを考えますと、当面の対策を非常に急がねばならぬような気持ちにかり立てられるのでありますけれども、よく考えてみると、この際根本的な問題にすぐ着手しなければ、ほんとうに当面の対策というものが——一時の間に合わせにはなるかもしれませんが、ほんとうに事故対策の実をあげるゆえんではなかろうということを痛切に感ずるものでございます。ただいまこの道の大庭先輩から、具体的なオペレートについては、るるまた詳しく適正なる御陳述がありましたので、私はしろうとでもありますし、この点は全くさように考えております。むしろ、幹線並びに日本の国のすみずみまでローカル線を十年余り経営いたした経験から、私は別の面からひとつ陳述さしていただきたいと、かように考えているものでございます。  なぜ当面の対策というものがそういうふうに考えられるかという問題につきましては、ここに大庭さんもおられますが、日本の国内航空の現状というものをもう少し各方面からしさいに観察していただきたいと思うのであります。というのは、全日空も合併早々下田沖の大事故を起こしまして、国会方面にも多大な御迷惑をかけ、国家の御援助も得て今日までまいったんでありますが、これが大きな転機になりまして、その後の事故を全滅させるような防止の方策はできませんでしたが、非常に参考に相なったわけでございます。運航の大局から見ますと、国内の最もりっぱな空港で最も設備のよく行き届いた空港、かような空港は幹線のみであります。しかも、この幹線に運航している航空会社は日本航空と全日空とでありまして、日本航空さんには及びませんが、まあ比較的経験を積んだ有力なものと称されているのはこの二会社になっている。その余のきわめて設備の不完全な、天候の影響を受けやすい、そういうところには、会社の実力がまだ充実していない、訓練においても先ほど述べられたような十分な訓練を積んでいない、そういう会社の人々が、最も困難な、不完全な設備の空港を幾多経営をしているというのが、日本の国内航空の実情であると私は考えております。また、そのとおりに体験をしてまいったものでございます。したがいまして、当面の問題といたしましては、そういう実情でありますけれども、日本のこの山が多くして、ちょうどヨーロッパとは山と平地が逆になっている比率を保っている日本の国内の航空事情といたしましては、容易にこれらの空港の設備を充実し、周囲の環境をよくするということは、むずかしい問題だと思います。けれども、当面の問題としては、いささか金もかかり、骨も折れるようでありますが何はさておいても、空港の周囲の障害物をなるべく少なくして、滑走路を長くして、そうして全天候運航に近い運航ができるような通信その他の設備をするということが、これはもう急務であります。これがなければ、いやしくも運航率を上げようと思うて運航する会社にとって、事故というものは絶えず大きな不安をかもすことは、これはもう理の当然でございます。  そういう前提のもとに、たまたま私の属しております全日空があの事故以来とってまいりましたことを一応申し述べて御参考になればと思いますが、先ほどお話がありましたように、機種の問題について考えてみましても、あのときはダグラスの3を運航してあの事故が起きたのでございますが、ダグラス3を全日空が入手して運航するまでには、最初はダブという八人乗りの飛行機を入手し、その次には日航さんから譲っていただいたヘロンという十四人乗り当時の飛行機、それからダグラス3の三十人乗りにいって、機種の点につきましてはほっと安堵の胸をなでおろしたという実情でございます。御承知でありましょうが、終戦後における機材の入手というものはきわめて困難で、ただいま申し上げましたような機種以外にはわれわれの会社としてはいかに手を尽くしても入手の方法がなかった。そうしてやっとダグラス3を入手いたし、これは戦前からメインテナンスについても操縦についても国内に相当なれた人がおったのでありますから、そういう意味合いで愁眉も開き、また機体も大きくなりまして、やっぱり多少安堵したのでありますが、それがああいうふうな事故を起こしまして、申しわけない結果になったのでありますが、その原因を尋ねてみますと、会社も合併いたしまして、乗員も極東航空と日ペリ航空とが一緒になり、集まった飛行機は、中の操縦席、まわりの装備の統一はできていない、計器の配列もいろいろになっておりましたために、相当経験のある人でもその操作を誤ることが絶対にないとは申せなかったような実情もあり、あの精密なる原因というものはいまだにわかっておりませんが、かれこれ考えまして、政府の援助も受けまして、まずこれら所有機の装備の統一ということをやったわけであります。  それからさらに、新たな飛行機について考えましたことは、どうしても、日本の国土に合い、しかも経営上の採算に合う飛行機はどういうものを入れたらよいかということは、これは飛行機の性能がいいからというだけでは選定ができませんので、技術委員会というものを設けまして、もちろん航空局の技術部長さんや検査課長さんにオブザーバーとしてメンバーになってもらい、日本航空さんの最高の技術の方、あるいは木村さんをはじめ学者の方、それに自分の会社の技術陣その他を集めて、そうして研究をいたして、その後のフレンドシップ、バイカウントというようなものを決定するに至ったのでありますが、幸いに今日これらは、これだけの順序と協力を得たために、まず日本の国内においては適当なものではなかろうかという線にまでまいったわけでございます。そういうわけで、機種の問題についても、日本の国情に合う、採算上もいい、そうしてそのほかにもう専門的に考えられるとわかる各種の要件を備えてあればいいという、そういうところへ相当重きを置かねばならぬということを感じたわけであります。  それから、先ほどお話しのありました操縦士の問題につきましては、私からあまりつけ加えることはありませんが、この問題も、技能の点はさることながら、先ほどお話がありましたように、非常に微妙なる操作をしなければならぬ場合もありますので、いわゆる乗っておる間だけの心がまえとかからだのコンディションというものだけでなしに、生活環境から服務規律というようなものが相当重要なものであるということにかんがみまして、こういう点も相当力を入れることにいたし、またその行程におきましては、せっかく航空大学を出られたとかあるいはその道の方面からおいでを願ったような人であっても、さらに十分なる中間のチェックをいたしまして、いわゆるエリミネートと申しますか、他のほうへ転換をしてもらうような人もその後にわが社においても出るような厳選をいたすという心がまえになったわけでございます。さらに、いろいろの方面で再教育をやりまして、それから採用基準も相当適性検査に力を入れるようになり、これは私から専門的にわたることを申し上げるのもどうかと思いますが、エマージェンシと申しますか、非常時にあった時分の措置というものは潜在的な性質に関係することが多いのでありまして、なかなかむずかしいことでありますが、適性の検査ということも相当重要になってまいったことを知ったわけであります。  それから、その他いろいろな点がありますが、これは省略をいたします。先ほど述べていただいたのと、大体日航さんのやられるのを手本にして採用いたしておりますので、大同小異でございます。  整備の問題につきましては、これはじみな商売でありますが、きわめて重要な仕事であります。ただ、羽田をはじめといたしまして、各空港におけるローカル航空会社の整備につきましては、まだ夜間作業というものをやる程度にまでは発達しておりません。それには相当の人員と設備とを要し、とうてい経営の内容からはこれを実施するということまでまだまいっておりませんが、航空機を有効に使用をし、明日の朝に十分備えるためには、日航さんがやっておられるここまではどうしてもいくだけの整備の基本的な条件を備えなければならぬということを痛感いたします。全日空におきましても、まだそこまでまいっておりません。ただ、これを補う幾多の方法はシフト制によってつくっておりますが、まだそこまでまいっていないようなわけでございます。  それから、通信の設備でございますが、これは新潟の昨日の震災におきましても、あの震災によって飛行場がどうなっておるかということを調べようとしましても、これは余分な話でありますが、秋田から帰りがけに寄って見るくらいで、通信施設が十分でない、全然知る余地もないようなわけでございます。これが、平生の空港に発着をいたします場合に、それの通信というものが十分にでき、また精密なる進入ができるような少なくともGCAくらいの設備がないということになりますと、やはり安全ということについては大きく欠くるところがあるのじゃないか、かように考えておるようなわけでございます。したがいまして、当面の対策といたしましては、すでに事故の対策の調査団もおできになって、いろ  いろお調べになり、それに対する資料は書面をもって差し出してあるわけでありまして、一々その点は申しませんが、私は時間もありませんから最後に  一言だけ——その根本対策ということを至急に並行して行なっていただくということがわが国の少なくとも国情には最も緊急なることじゃなかろうか、かように思います。それは、先ほど申しましたように、力があり経済力もあるものが比較的容易な好条件のもとに運航しておるという状況を、ほかのローカル会社も大体この程度くらいな運航ができる基礎条件というものの上に働きたい、こういう実情を提出したいと思うのでありますが、これは、言うべくしてなかなか行ない得ないのでありますが、そこで最近は、航空の再編成とか、いろいろの問題が起こっております。この際私は、そういう経営の外部的基礎条件を改善するとともに、経営の衝に当たる会社自体の経営基盤の改善ということがあわせて行われないならば、画竜点睛を欠くような結果になるのじゃなかろうかと思うのであります。それには、航空はいたずらに、外面的のけんらんさというものに多少世間は幻惑されておるのじゃないか。だからその実態がわからないので、言いにくいことではありますが、政府の政策もきわめて放漫政策に逐次なりつつあるように思われます。したがいまして、現在の国内の航空経営基盤というものがきわめて浅く、きわめて分量の少ないものであるにもかかわらず、それによって育てられようとする航空会社の数はきわめて多い現状、そういうことでありますので、こういう状態をそのままにほっておいて、いまの航空事故の対策をいかにりっぱな条件を並べても、これは実施が不可能である。したがいまして、まず現在の航空の経営基盤というものはどれがほんとうなのか、どの程度のものであるかということを十分に調べた上で、かくあるべきであるという新しい航空の体制と申しますか、ビジョンと申しますか、そういうものを打ち立てて、そういう方向を示して、しかる後に会社の合併をするなりあるいは体制を変えるなりということにしないと、まず放漫なる会社を許して、後に事故対策をやっても、これはものごとが前後いたしまして、効果をあげるゆえんではなかろう、かように考えております。はなはだ僭越でありましたが、当面の対策といたしましては、みずからとっておることは、まだ細部にわたればありますが、以上のとおりでありますけれども、それに即応して、裏づけとなる会社経営の基盤をどうしたらいいかという新しいビジョンに向かって、むしろ航空対策の政府の強力なる施策が並行して行なわれることを希望してやまない次第であります。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) どうもありがとうございました。  それでは次に、日本国内航空株式会社取締役社長菅野義丸参考人にお願いいたします。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) 日本国内航空の菅野でございます。最初に、私ごとき者を当委員会で参考人としてお呼びくだされまして、愚見を述べる機会を与えてくださったことにつきまして、厚くお礼を申し上げます。委員長はじめ、委員の先生方すでに御高承のごとく、当会社は、旧日東航空、富士航空、北日本航空の三社が合併いたしまして、四月十五日に発足した、全く新しい会社でございます。実は私の聞いておりますところによりますと、かように先生方が航空事故についていろいろ御心配をしていただいておりますのも、合併前の旧三社が相次いで事故を起こしまして、それが世間に対し非常に御迷惑をかけ、また皆さま方にも御心配をかけておる原因であるというふうに伺っておりますが、それを承継いたしました私といたしましては、心からおわびを申し上げまして、今後再びかようなことのないように十分注意をいたしたいと存じておる次第でございます。私は、当社の創立と同時に社長になったばかりの者でございまして、先生方と違いまして全くのしろうとでございます。したがいまして、皆さまの御審議の御参考になるような意見は述べられないと存じますが、ただかつて私の半生以上の年月を陸運にささげてまいった者といたしまして、交通事故というものがいかにおそるべきものであるか、また世間に対していかに大きな影響を与えるものであるかということを身をもって体験しておるつもりでございます。  私は、相次いで起こった航空事故のあとこの会社を引き受けまして、まず最初に考えましたことは、何とかして事故によるこの会社に対する不信感というものを一掃しなければならない、あらゆる犠牲を払って安全な航空をして社会の信頼を得るようにしなければならぬということを最も緊要に考えまして、まずその点に着手したのでございます。会社の財政的な状況は非常に想像に余るようなみじめなものでございますが、それを建て直すよりも、まず第一にしなければならないのは事故防止ということであると考えまして、あらゆる方面からその対策を練ったのでございます。先ほどもお話がございましたが、事故の最も大きな原因は乗務員あるいは整備をする人の問題でございます。  私は、人の問題につきましては、そのうち一番影響をするのは精神的な問題であるということを確信いたしまして、機会あるごとに第一線の職員を集めて自分の考えを述べ、また書面等でもって広く職員に自分の考えを伝えたのでございますが、その趣旨は、要するに前途に光明を持てと、会社の現状は非常にみじめであるけれども、必ず諸君の前途には光明があるから、しばらくの間がまんをして前途に光明を持ってもらいたい。それから、交通機関というものがいかに公共性の強いものであるか、自分たちの双肩にはいかに大きい重い責任がかけられているかということをもう一回考え直してもらいたいということを、口あるいは文書で徹底するようにつとめたのでございます。何とかして安心してこの会社にいてもらう、そうして前途に光明を持って仕事に励んでもらいたい、こういうことに主眼を置いて、まず精神の安定をはかったのでございます。と同時に、家族の人にも同様にこの会社の現状あるいは将来というものについて一応理解を持っていただきたいと思いまして、その方面にもあらゆる機会をとらえて懇願しまた連絡をいたした次第でございます。  そういたしまして、まず精神の安定をはかった上に、今度は技術の向上でありますが、この点につきましては、日航さんあるいは全日空さんのような先輩各社がございますので、その各社からいろいろな援助をいただいております。人的に、あるいは設備を拝借するとか、その他いろいろな示唆を受けるとか、非常にいろいろな援助をいただいております。ことに日本航空さんには、たくさんの人を借り、その上にまた現在第一線で働いておられるような権威のある人たちをコンサルタントといたしまして、いろいろこちらの案について御意見を伺ったりなぞいたしておる次第であります。また、防衛庁方面からは、これも中心になる人たちをお願いいたしましたり、あるいはまた相当経験の深いりっぱな権威者を顧問に招聘するなどいたしまして、技術の向上、あるいはわれわれの会社のやっていることが間違っていやしないかということをチェックしたのでございます。  それから、私は、最初に申し上げましたような方針によりまして、当分会社の財政的な犠牲を払ってもかまわないから、絶対事故を起こさないように安全サイドでやってくれということを主眼といたしまして、まず疑わしき場合には必ず安全サイドをとれ、それからいろいろな計画でもって、たとえば裏日本線といいまして、大阪から札幌へ行く線の開通を四月二十日に予定しておったのでございますが、どうしても私には、まだわずか五日間しかたっておりませんから自信が持てませんので、私は航空局とも御相談の上、六月一日まで延ばしたのでございます。そのために会社のこうむった犠牲は相当大きいかもしらぬけれども、開通するからには、絶対自信のある、信頼のできる航空路を開こうということで、一カ月以上開設を延ばしたのでございます。そのために地元の人たちには御迷惑をかけておりますけれども、もし自信のないことで始めて事故でも起こしたならば、もっとひどい影響を社会に与えるというのでもって、私は絶対安全な方向を選ぶという方針を貫いたわけでございます。その他、天候あるいはいろいろな事情でもって、だいじょうぶだと思うけれどもあぶないという要素が少しでもあった場合には、会社の犠牲を顧みず、それは安全サイドをとるようにいたしております。  それから、私が会社に入りましてしろうとながら驚いたことには、私の会社にはコンベアという飛行機が九機ございます。ところが、その九機の飛行機のスペックと申しますか、仕様と申しますか、これが四種類ございます。私はコンベアならコンベアでもって全部同じものだと思っておりましたら、四種類も違っておるのでございます。したがって、一つの種類の操縦ができる。パイロットも、そのほかのコンベアは操縦できないのでございます。これでは全く人あるいは機材の総合運用ということはできないわけでございますが、何とかしてこれを、少なくとも安全に関するものだけでも統一しようということで、いま計画をいたしまして着々進めておりますが、これを統一するだけでも二億円以上の金がかかるのでございます。これはおそらく、会社が古いものを買ったのと、各仕様会社がかってにいろいろ自分の会社に都合のいいような仕様を製造会社に注文して各自特殊的な仕様をつくったためであると思いますが、こういうことにもずいぶん大きなむだがあるということを発見したのでございます。  その他、乗員の訓練、あるいは整備の人たちの指導、こういうことにつきましても、先ほど来申し上げましたとおり、もっぱらいまのところは、会社の収益を上げるとか、会社の財政状況を建て直すとかというようなことは度外視して、信頼できる会社、信頼できる路線をやるということによって会社の面目を建て直ししようというようなつもりでもってやっておる次第でございます。  それにつきましても、先ほども福本全日空副社長からお話がございましたが、われわれのやっておりますいまの路線というものは、北は北海道から南は鹿児島までございますが、実に貧弱な線でございます。その空港は、ちょっと霧がかかってももう運航をやめなければなりません。夜間はもちろん航行ができません。天気のいいとき、しかも日中というような飛行機の使い方をしている路線をいくら持っておりましても、これは会社として成り立つはずがないのでございます。かような席でこういうことを申し上げてはどうかと思いますが、会社の内情でございますけれども、この間も私が、現在の路線をはたして全部一〇〇%やりまして、しかも一〇〇%お客さんが乗った場合を想定して、その運賃を計算いたしますと、ちょうど必要な償却をして必要なコストをまかなう実費と大体同じになります。ところが、実際の就航率というものは、天気が悪かったり、あるいは機材の故障があったりというようなことで、おそらく平均しますと六〇%から六五%が普通でございます。しかも、そのわずかな就航率の中でもってお客さんが利用する利用率というのも、また同じくらいのものでございます。それが全部両方とも一〇〇%でも、ようやく償却と実費がまかない得ると、こういうような路線でございます。これでは航空会社がやっていけるはずはないわけでございます。そこはローカル線と幹線とは違いまして、幹線は、いわゆる計器飛行ができたり、あるいは夜間の飛行もできる、空港の設備は十分整っているということで、全天候的に、あるいは昼夜を分かたず航行ができますし、またそれをやるだけの旅客がございますが、私どものやっておりますような非常なへんぴなところのローカル線というものは、旅客の数も少ないし、空港の設備は非常に貧弱でございます。どうしても安全ということを考えますと、非常に会社の採算というものは悪くなるものでございます。私は、現在のところにおきましては、いかなる犠牲を払っても再び事故を起こさないようにして、社会の信頼を得る会社でなければならぬというかたい決心でやっておりますが、長い目で見ますと、こういうことではこの会社は自滅をするよりほかはないというような懸念もございます。そういうふうになってまいりますと、やはり、先ほど全日空の福本副社長が言われたように、根本的対策として、日本の国内航空というものをどうするか、どういうふうに持っていって健全なる会社、健全なる航空運輸をするようにできるかということは、これはひとつ先生方をはじめ日本の全体の各方面の知識を集めて考えなければならない問題ではないかと、私も同様に感ずる次第でございます。  きょうは、せっかくお招きいただいたのでございますが、何ぶんにも創立以来まだわずかな時間でございまするし、私技術者でなく、しろうとでございますので、御参考になり得ることを申し上げられませんが、後ほどまた御質問でもあれば喜んでお答え申し上げます。一応陳述を終わります。ありがとうございました。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) どうもありがとうございました。  ただいまの御意見に関し御質疑のある方は、どうぞ御発言願います。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 三社それぞれの責任者から貴重な参考となるべき御意見を伺いまして、私どもその衝に当たります運輸委員としては、たいへん参考になったと思うのであります。さらにこの際若干具体的な質問をいたしたいと思いますので、経営を担当いたしております方だけに、この道ではくろうとだと思いますが、ぜひ私どもに教える立場でお答えいただきたいと、かように思います。  おおむね、三社のただいままでの御意見を伺っておりますと、航空事業というものは、私どもも当初からそう考えておりましたけれども、容易にできる企業ではない、商売ではないということだけはわかったと思うのであります。しかも、事故をどう防ぐかということについてもそれぞれの御意見がございましたが、私どももたび重なる委員会で同趣旨のそれぞれの意見を述べ合ったところでございます。私は、何といたしましても、その企業の基盤を強化させなければ、こうした事故問題についてもやはり大きな問題の基本的な解決が容易ではないんではないか、これがためには、一面やはり政府が責任を持ってその企業を育成する、援助をする、そういう方向がなければならないのではないかというふうに思うのであります。とりわけ、日航の大庭さんにお伺いいたしますが、日航さんの場合は、国際線と国内の幹線を主として担当しておるように私ども伺っておりますが、経営の基盤強化をいたします場合に、やはり何といたしましても、今日的な日本の産業経済の状況からながめましてみますれば、どうしても日航さんには国際線を強化をしてもらわなきやならぬ、こういうことに、必然的に社会要諦がそこにくるのではないかと考えております。そうした場合に、私ども国際的にながめまして、国際の航空市場というものが今日的なものでいいのかどうかということについて非常に私は疑問を持つ一人であります。  その第一は、先般もソビエトからミコヤンさんがおいでになりまして、日ソの首都間の航空路の開設について種々お話し合いがあったというように、新聞紙上で私ども見てまいりました。その結果、どこに責任があるかないかは私ども存じ上げませんけれども、結果的にはその協定の内容が具体的に話し合いとしてまとまらなかった、こうまあ私ども存じているわけであります。これなどは、実際国際線を担当いたしていく日航さんとして、どうこれらの問題を今後扱っていったならばいいのかという具体的な私はこの際御意見をこの委員会で出していただきたい、こう思うことが一つであります。  それから、冒頭にお話しがございましたが、ただいま日米間の航空協定の関係の会議が行なわれていると思うのです。日航の社長がその会議に出席をしているのではないかと思いますが、これなども、私どもから考えてみますると、非常に片手落ちの航空協定になっているように思うのです。現実に、日本の国内事情は全くアメリカに全部開放しておって、一面今度は日航さんがアメリカで使用してまいりまする航空路線についてはものすごい規制をされる、これなどはまことに国際間の航空協定としては他に類例のないものではないか、こう私ども存じ上げております。こういう点についても、当面その航空路を担当しておりまする日航さんはどう考えておるのか、もしここでお聞かせ願えるならば、私どもこれからの運輸委員会で取り扱う非常に参考になりまするので、この際は意見を聞かしていただきたい。漸次そのあと全日空さんあるいは国内航空さんにも私は質問をしたいというふうに思いまするので、とりあえずこの航空協定についての考え方を伺っておきたいというふうに思います。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) その航空協定につきまして、実は私よりも高木常務に——よろしゅうございましょうか。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 けっこうです。専門家でけっこうです。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) ちょっとこの際御報告いたします。ただいま出席している日本航空株式会社常務取締役高木養根君を参考人として追加承認されました。

高木養根日本航空株式会社常務取締役

○参考人(高木養根君) 私日本航空の常務をしております高木でございます。営業を担当しておりますので、その立場から、ただいまの吉田先生の御質問に対して、会社の考え方をお答え申し上げたいと思います。  先生が御指摘くださいましたように、大体国際航空におきます協定といいますのは、元来相互平等ということがあくまで原則であるべきだと考えます。また、その場合に、政治あるいは経済の中心地、まあ原則的にいいますと首都間の相互乗り入れというのが、これがあくまで原則でなければならないというふうに考えます。  そこで、まず初めのソビエトの関係でございますが、これは政府の担当のところで御交渉をいただいたわけでございまして、私どももいわば仄聞しておる、こういうことでございますが、まあ新聞紙上等にあらわれておりますその経過を見ましても、ソビエト側ではシベリア上空を通ってのモスクワヘの乗り入れということを認めないということで、そこに問題がございまして、これは日本航空の立場といたしましても、やはりこの協定というものはあくまで原則を貫くべきであるという立場で、残念ではございましたが、あのような結果になるのは日本国の立場からいいましてもやむを得ないのじゃないかというふうに現在考えております。ただし、このことは、このままでいいことではございませんで、今後ともひとつ政府におかれては、この原則を貫く形で日ソ間の協定というものを結ぶような万全の配慮をお願いしたいというふうに考えております。  日米間の問題につきましても、会社としては同様に考えております。まさしく先生が御指摘くださいましたように、全く現在の形は不平等だというふうに考えております。アメリカ側は、日本の首都の東京を通りまして、さらに西のほうに幾つものルートを持っている。これに対して、日本側は、わずかにアメリカの西海津に行っているのみで、その首都ワシントン、あるいは政治経済の中心であるニューヨーク、あるいはさらにこのニューヨークを通りましてその先ヨーロッパということは、現在のところ御承知のように認められておりませんが、やはり何とか政府の強力な御交渉によりましてこれを獲得していただきたいというのが日本航空の強い念願でございます。  以上、簡単でございますけれども会社の考え方を述べまして、御参考に供したいと存じます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 政府の役人来ておりますか。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 大沢技術部長、浜田航務課長の二人でございます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 いまの参考人の御意見に関連いたしまして、政府にこの際若干質問いたします。本来的にはかなりただいまの日米航空協定に関する問題などは政策の問題ですから、運輸大臣あるいは航空局の最高首脳に尋ねなければ私はある程度のものが出ないかもしれない、こう考えますけれども、どうもいま申し上げたように、きわめて日米の航空協定等々については不平等の扱いをされておりますことは、運輸省の関係の諸君は十分承知をしていたと思うのであります。さて、そういうことを承知をしておって、いままでの各委員会におきまして、大臣以下航空局の諸君は、今日の国際航空競争力をつけ、その経営基盤を強めなければならないので、日本航空にかくかくしかじかのことをしなければならない、こういう方向を常に明らかにして主張をして、それぞれの法改正をいたしたり、若干の国家財政の中から財政援助をしてきたと思うのであります。こういう理解に立ってまいりますれば、私は、今回の交渉こそ、政府はもっともっと、ただ単に、航空会社の社長さんはもとよりであるけれども、積極的に、アメリカの追従外交のようなかっこうではなくして、日本は完全に開放経済体制の中における、今日まで航空局なりあるいは運輸当局が主張してまいったところの国際競争力をつけるという、この立場に立って私は交渉を進めなきゃならぬじゃないか、こう実は思うのです。具体的に私は追ってあと、この結論を出す本委員会において、種々質問したり、私どもの意見を述べますけれども、とりあえずいま参考人も私の質問に対して同趣旨のような御意見が出ましたので、当面いま日米のこの航空協定会議は開かれつつあるわけですから、そういう場合に、政府の態度としてどのような態度を持っておるか、この際お聞かせを願いたい、こう思うのであります。

大沢信一運輸省航空局技術部長

○説明員(大沢信一君) 私、航空協定直接の担当でないので、適当でないかと思いますが、先生の御意見はごもっともでございます。それから、いま高木常務がお答えいたしましたような、全く同じ考えを航空局幹部一同持っております。明日航空局長は協定交渉のために出発いたしますが、いま先生おっしゃいましたように、この際いわゆる不平等条約を平等に改正するのだというかたい決意で出発するわけでございます。昨日も私と話し合ったのでございますが、たまたま占領下という状態でアメリカ側の航空会社が先に入ってきておりましたために、こういう不利な条件になったのはまことにやむを得なかったわけでございますが、いわば明治初期の条約改正にもなぞらえるべき航空に関する条約改定だということで、全く先生のおっしゃるとおりの趣旨で出発いたします。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 私の趣旨のようでありますから、ぜひ航空局長に——きょうの小委員会においても、事故をなくしたり安全を確保するその根本の問題は何であるか、こういう事柄から、はたしてこの問題が委員会で取り上げられた。したがって、今日の日米間の各種の会議であるとか協定等々、非常にしばしば国民の理解を得られないような結果に終わっていることは御承知のとおりでありますから、一つの事例を取り上げてみましても、大陸だな等においてもそうです。ですから、今度の場合はかなり高度の政治折衝が私は必要だと思うわけで、政府はその上に立ってより積極的に私はアメリカとの折衝をいたすことに強い要望をいたしましたので、この面を局長に伝えていただきたい、私はかように思うわけであります。  それから、全日空さんの福本さんにお伺いいたしますけれども、全日空さんの過去の発展の過程などについてるる御説明がございました。私どももある程度存じ上げておりますけれども、  その中で、今日的に国内の主としてローカルを担当してきた、こう自任されまして、その関係においてはかなり御苦労をされた、こういうお話でございまして、まさに私どもはそのとおりだと思います。でございますが、一面福本さんは、政府に対する、政策、施策ということについても、かなり強い御要望があったやに私は承っているわけです。その後段のほうの関係になりますと、私ども全く同意見でございますから、運輸委員会でそのつど私どもは、政府に対して、その面で指摘をしたり、あるいは追求をいたしております。なお 今国会も開会中でありますから、さらに私どもはこれらの問題について基本的に委員会全体として取り組んでまいりたい、こう思います。  私どもしろうとでありますけれども、一面今度は全日空さんに私は要望があるわけです。という意味は何かというと、全日空さんといえども私は一つの企業体であると思う。ですから、その企業が経営基盤をどう強めて、安全性を確保して、事故を防止して、そして旅客、つまり国民大衆に奉仕するかということについては、みずからやはりその面の一つの会社としての自覚が私はあっていいのではないか、こう思うのです。しかも、いくらこの企業体であるからといって、三社の方が述べられたように、その辺の自動車会社であるとか、あるいは何か商売をやるというような事業とは質的に違いますね、この企業というのは。ですから、そういう企業の特性といいますか、特質等を勘案してみる場合に、いたずらに私は企業性だけ追求すべきものではない、こう考える。ところが、決してこれは全日空さんの悪口ではありませんけれども、どうもおい立ちから、この企業性を追求するあまり、数々の私は事故が——今日はあまりないようですけれども、従前はあったやに私どもは見受けられるし、そういう点でも伺っております。今日的にしからばそれが解消されたかというと、いまあなた方がおっしゃっておりまするように、政府はもとよりやらなければならぬけれども、会社企業として、商業ベースとして採算とれないにかかわらず、ローカル路線というものをどんどん、どんどん認可申請をやっているというこの段階である。許可したほうの運輸省が悪いと、こう今日的に言われても、私はこれはどちらのほうに悪いとかいいとかいう答えは直ちに出てこないような気がするのです。のみならず、そうした状況の中で、非常に私は無理な機材の活用をしているのではないか、無理な運航をしておるのではないか、こういう点を私ども利用する者として実は感ぜざるを得ない。一つの例を具体的に私申し上げますけれども、今度のたとえば東京——札幌間に就航いたしております新しいこのボーイング727、これなどを私が間接的に調査してみたわけですけれども、機体はまだ一機でございますね。日曜は一応機体の点検、整備をやるということで就航を休みますけれども、一日に三往復いたすダイヤを編成しておるわけで、六日間これは連続就航いたしますから、しかも、いまかなりの天候が悪くても札幌——東京間は航空管制飛行しておりますから、就航率は約一〇〇%に私は近いのではないか、こう思うのです。かく見てまいりますれば、結局は十八往復の運航をするということになりますね。まさしく私はピストン運航しておると言っても過言ではないと思うので、これなどをひとつ事故の面から見てまいりますれば、たいへんやはり、私どもしろうとでありますから、その内容を存じ上げておりませんから、これは多少言い過ぎかとも思いますけれども、事故防止をしていくという安全対策という面から見ますると、かなり心配のある事柄ではないか。いまのところたまたま事故がないからそれでいいけれども、一たんそういうものに直面した場合に、私は非常にやはり会社として企業追求のためにそういう無理な運航をしておるという国民の批判を受けることは間違いないと思うのですが、こういう点について全日空さんはどうお考えになっておるのか、この機会にお聞かせ願いたいものである、こう思うのであります。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 御満足のいくような答えができるかどうかわかりませんが、考えておりますところを一応申し上げます。  ボーイングの運航につきましては、ただいまお話しのとおりに、一機でやって三往復いたしております。片道が約一時間でありますから、往復二時間、それにいろいろな地上の作業がありますので、それが両方で加わるわけでございますが、この点につきましては、ここに大沢技術部長さんもおられますし、参議院には御経験のある源田さんもおいでになりますから、専門的には私から詳しく申し上げる必要はないかと思いますが、そういう先生のおっしゃるような点は十分考慮をいたしまして、飛行機のもう少しフル稼働ということになりますれば、四往復ぐらいはできるというのが一般の研究の結果出ましたのですが、お話のように、初めてジェット機を運航いたすという点と、ボーイングは世界的な支援を受けておるりっぱな飛行機であり、日航さんとわれわれとが、政府の勧告に基づきまして、ジェット機の機種をあのボーイングに統一をいたしましたという点から、相当信用のある飛行機とは思いますが、こういう点も考慮いたしまして、あれは三便に、三往復に縮めたわけでございます。なお、整備の点に十分を期するという点につきまして、あるいは日曜日も一便ぐらいはできるという会社の中の技術陣の研究ではありましたが、これはすっぱりやめまして、バイカウントをもって運航する、こういう順序を経まして、ただいまのような運航を開始しておるようなわけでございます。  それから、信頼性の問題につきましては、ただいま申し上げましたような順序で機種を選定いたしましたが、操縦士並びにメインテナンスの問題につきましては、ほとんど全面的にボーイング航空機会社関係、UAL航空会社の関係の御援助を得て運航をいたしておるようなわけでございまして、実質上携わっておりますわれわれのパイロットといたしましては、アメリカさんへ最も優秀な人を二組やりまして、向こうで訓練をいたして、その免状をいただいて戻って、ともどもにいまやっておるようなわけでございます。メインテナンスの問題につきましては、もっぱら向こうのお方が指導的立場に当たりまして、全日空といたしましては、これまた相当優秀なメンバーをそろえまして、その手伝いをやらしておるというのが実際の実情でございまして、おっしゃるように、航空機の事故というものは、われわれも絶対に起きないというような大それた考えでなしに、毎日をはらはらして暮らすような状態でありますので、念の上にも念を入れて、その程度がよかろうというところに決定をいたしておるわけでございます。御了承を得ますかどうかわかりませんが、以上でございます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 いまのお答えで、機能がきわめてりっぱであるし、飛行機そのものも性能がすばらしいものである、しかも、その面での経験はまだ運航してから間もないことでございますけれども、この間の信頼性の問題についても、いまのお答えでは問題がないように私は受け取りました。したがいまして、先ほど申し上げたように、私どもはその道の経営者でもないし、経験者でもありませんから、これ以上私どもはどうこう言いませんけれども、いずれにいたしましても、何といたしましても、一たん事故が発生した場合に、これは国民のとうとい生命、財産を失っていくものだけに、非常に大きな社会問題になりますことは、過去の例にならってみても明らかだと思うのです。ですから、こういう点では、ぜひ会社経営いたします皆さまにおいても、十分配慮をしていただかなきやならぬと思うのです。もとより、政府としてやらなきやならぬ、先ほども指摘されました一面としては、滑走路の延長の問題であるとか、あるいは国内航空さんから申されたようなローカルの夜間飛行路の設備の整備であるとか、あるいは財政的な政府としての援助であるとか、あるいは機内における計器の統一であるとか、管制飛行に対する政府の具体的な施策等々の問題が数々残されておりますから、こういう問題につきましても、私ども委員会一同は、その面についてこれから政府を叱吃激励することについてはやぶさかではないわけでございまして、ぜひ私どももそういう方向で努力はいたしますけれども、皆さんのほうにおいてもそういう方向で努力をしていただきたい、こう思うのであります。  で、たまたま、いま政府としてやらなければならない、たとえば滑走路の延長の問題にしても、私はやはり、その面はその面として問題はあるけれども、今日の日本の航空機を利用する需要と供給のバランスから考えてみて、どうもやはり会社ははでな商売をしておるせいか、過当競争をしているような面もなしとしないと思うのですね。ために、滑走路が長かろうが、短かろうが、ペイになりそうなところには、その滑走路にそぐわない、たとえばバイカウントを持っていってみたり、ないしはそうでない機種を持っていくような事柄だって、私はないとは言えないと思うのです。ですから、そういう、つまりこの需給のバランスからいって、それほど無理な過当競争するようなことまでしなければ今日的な航空会社が合わぬのかどうかという点で、非常に私は疑問を持つ一人なんです。もとより、短いものより滑走路は長いほうが発着陸について安全性が保たれますことは、これはどなたさんが見ても直ちに出てくる答えであるけれども、はたしてローカルの場合それほどの需要者があるのかどうかということは、これは航空白書あるいは運輸省の統計等を見てまいりますれば、私どもはそれほど統計上ないのじゃないか、こう認識しておるものですから、あえてこういう——愚問になるかもわかりませんけれども、質問が出る。私のみならず、全般にこういう点についてはいつも考えているところではないか、こう思う。たとえば、私北海道でございまして、たびたび函館に参ります。御承知のように、函館の飛行場というのは立地条件が——これはどこの責任かわかりませんけれども、非常に飛行場の立地条件はよくないのですね。しかも、二種空港ですから、これまた明らかに飛行場の整備が整っておりません。ですけれども、乗客は、需要度合というものはそれほどはないけれども、かなり無理して大型の飛行機を発着陸させるような傾向になっている。これが一つの例です。  それからもう一つは、私ども先般運輸事情調査に九州に参りました。例のたしか富士航空の事故の起きる直前であって、鹿児島空港等々も視察もし、大分空港等々も視察をいたして、それぞれの関係者から御意見を賜わりまして、そういうときに、やはりいま私があなたにお伺いしておるようなことを、逆にわれわれが質問されるという実態等を私ども経験しておりまするだけに、いまあえてこの点について、これは日本航空さんも含めて、全日空さん、また新たに発足いたしました国内航空にしても、現在のコンベアだけにおそらくは限らぬと思いますので、あえて私はこういう点三者ともどもに並行して伺っているわけです。たまたま私の経験したのは函館空港のバイカウントの問題でございますだけに全日空さんに聞いただけなんでありまして、こういう点ひとつ皆さんのほうでも何か御意見があったら伺っておきたいと思います。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 私は、日本のローカル空港全体の問題につきましても、広く世界の実情に通じておられます日航さんの御意見を——全般的に世界的のレベルから見、また航空事業そのものの安全性から見てどうあるかという御意見を開陳していただくのがよかないかと思ったのでございますが、ローカル空港だから私にというようなお話で、私から申し上げます。  これは、専門家ではありませんが、たとえば函館のごときは、おそらくは現在のところで、いまおっしゃるように人員が運べぬで困るというような状態については、それぞれ見方が異なると思います。ただ、全般といたしましては、もっとも、経験は全日空がたくさん持っているわけでありますが、日本の国内航空、ことにローカル線の経営につきましては、諸外国に比べますと採算分岐点というものがきわめて高い。したがいまして、つまり一般公衆の利便というものを相当犠牲にして採算制に重きを置いているのじゃないか。そういう点からいきまして、国際的にこれを見まするならば、日本の航空運送事業というものは相当シビアなものであるということがまず第一に言える。しかも、その運営のし方は、採算分岐点がきわめて高い。これは経営の巧拙の問題もあるのでありましょうが、日本では、YS−11を期待する現状では、部品一つといえどもことごとく外国から輸入しなければならない。また、ボーイングをやるにいたしましても、新しい航空機のメインテナンス、パイロットの指導も、全部外国から受けなければならぬ、あるいは外国へ派遣してやらなければならぬというようなことで、きわめてコスト高になる傾向があります。そういう点で、現状のままをもってすれば、先生のおっしゃるような点は十分うなずけるごもっともな説だと思いますが、そういう点を考え、現在のローカル線における乗客の伸びというものを考えますならば、すぐは間に合わぬことでありますが、ある程度事前にこれを措置していくということは必要じゃなかろうか、かようにその面からも考えておるわけであります。  それから、滑走路自体を見てみますというと、いかにも、千二百あって、フレンドシップ及びDC3をあそこへおろすのには支障はたいしてない。これは一応技術上は明らかに証明できておるところでありますが、機種につきましては、横風にきわめて弱い機種もございます。フレンドシップは、幸いにその点は、皆さんの御研究をいただきましたので、横風に強くて、まあ事なきを得ておりますが、私自身も初めあの地元の代議士さんと一緒にあの空港開きのおりに参りましたところが、きょうは横風が少し強いようだから千蔵まで行かなければならぬだろうというのでずいぶん待機しておりましたところが、やっとまあ限度のところまで下がっておりることはできましたが、そういうぐあいで、いろいろな条件がまざってきますと、どうも最近の状況では、千二百の現状ではどうしても安全ということには不安があるのじゃなかろうかというのが、全日空といたしましては痛切に感じておるようなわけでございます。  その他の問題につきましては、他の航空会社の方から御答弁があるかもしれません。私はさように社内で教えられ、また自分も痛感しておるようなわけでございます。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) 私の会社は幹線ばかり飛んでいるので、一応問題はないわけですが、ただ技術者といたしまして一応お答えいたしますとすれば、いわゆるローカル線の飛行場のその使用機種というものは一応政府で認められているわけで、したがってある範囲内では安全だと言い得るわけですが、ただいわゆる天候の状態、たとえば、いま福本さんからお話がありましたように、滑走路が一本である、それに対する横風と、その横風の強さというものからいきますと、なかなか一様に判断することはむずかしい。したがいまして、一応定期という問題からいきますと、いわゆる安全の問題ではなしに、定期性という問題からいきますと、問題はいろいろ起きてくるのではないか。安全と定時離発着という問題を比較対照しますと、いわゆる安全のためには定時を犠牲にする、また定期性を犠牲にするということであれば、問題は起きないのじゃないか。しかし、会社経営上定期性を保ち、また定時性を保っていくということになりますと、そこに無理が生じて、安全が阻害されてくる。それをどう判断していくかということが問題でないかと考えるわけでございます。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) お尋ねがございましたので、私からも卑見を述べさせていただきます。私の会社のような、まだ微力でございまして、意見を申し上げる段階ではございませんが、私個人の考えから申しますと、先生のおっしゃるとおり、過当競争というものは絶対にいけないと思います。ただ、しかしながら、航空の仕事というものは独占でもいけないと思います。できれば両者があって、フェアな競争をするというのが一番いいのじゃないかと、こういうふうに考えております。そこで、フェアな競争というのは、機種の競争をやめるということは、私は大賛成でございます。先般、日航さん、全日空さんの先輩会社が、政府の御勧奨によりまして、幹線においてはボーイング727に機種を統一しようということをおきめになったということは、非常に将来のためにいいことでありまして、私どももそれにぜひならいたいと思っております。ローカル線におきましても、機種の統一をして、フェアな競争をするということはいいと思いますが、どうしても独占ということになりますといろいろな弊害が起こると思います。しかし、ローカル線は、これはもう御専門の皆さんを前に釈迦に説法でございますが、初めは非常に貧弱なもので、旅客も少ないのでございますけれども、逐次多くなってまいるのでございます。これを育成と普通呼んでおりますが、この路線を育成する間におきましては、これは一社で十分であります。こういう時代におきまして二社が出てまいりますと、少ない旅客の奪い合いをするために、いわゆる過当競争になるように私思います。そこで、相当便数もふえて、二社がやっても十分だというときになって、二社が出まして、そしてフェアな競争をする、これは非常にいいことではないかと思います。そういう意味合いにおきまして、私どもが将来だんだん一人前になってまいりました場合は、ぜひそういうような方針で先輩各社とお話し合いをしていきたいと、かように考えておる次第でございます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 それぞれお答えになりました意見、私ども非常に参考になるわけでございますが、重ねてお伺いいたしますけれども、やはりどういいましても現在の日本の場合は過当競争におちいったことは間違いないと思うわけです。これがゆえに、ローカルの六線六社というものが経営基盤はもとより脆弱でございますし、そういうようなことから、運輸省が、あるいは運輸大臣が、監督行政の責任者である立場で、集約統合という方向を打ち出して、ある意味においてはあっせんをして、全日空さんをはじめ、国内航空株式会社もその方向をたどって合併作業を終わられて、国内航空の場合は、五月十五日ですか、との資料を見ますれば、発足をした、こういう経過になっていると思うのです。たびたび申し上げますけれども、そうした政府の責任において行政指導をした場合は、各社が悩み抜いている幾多の多面性を持つ問題は、当然私はこれから政府の責任においてやられなければならない事柄であろうし、そういう事柄を法律づけるのはわれわれ国会議員の任務でありますから、そういうところでやりますけれども、企業としても、皆さんはもとより商売人ですから、どういう点で需要率の伸び方というものを算定するのか存じ上げませんが、私どもは、たとえば今日の池田内閣の所得倍増計画の部会等の出したものを見てまいりましても、それほどローカルの場合は、国内航空事業に関する限りは、伸び率というものは見込んでいないように、われわれはその資料で存じ上げているのです。しかも、私は、日本のようなこういう狭い、しかも南北に長い立地条件を有しているような国の運輸事業というものは、おのずからその輸送の分野を分担して担当すべきものではないか、こう考えております。こういう考え方がはたしていいか悪いかは別問題として、現状をながめて見て言えるのではないか。それはローカルの場合は、航空事業としてやっても、先ほどの採算分岐点が高いだけに、私はそれほど需要者というものは伸びないと思っております。しかも、時間的にもそういうことが言えると思うのですね。ですから、そういう場合は、つまり路面交通にその輸送の分野をゆだねるとか、あるいは鉄道部門にゆだねる等々のことが政策的にも考えていいものではないか。逆に今度は長距離の場合は、時間的にも経済的にもかなり今度はそれとは逆に航空輸送分野にゆだねなければならないものが要素として出てきやせぬか、こう私どもは見ておるわけです。  こういう話は別にして、先ほども言ったように、そういう事柄であるかどうかは別として、所得倍増計画の部会で出した答申の中における伸び率というものは、いま福本さんのおっしゃった方向では私どもはないと判断をしております。ですから、そこに勢い——これはまあ皆さんから申しますれば、政府がかってに認可事業であるという立場でどんどん基盤の弱いものまで許可した結果がこういう過当競争になったと、こうまあ言えると思うし、私どももそう見ておるのですが、せっかく今日政府が——先ほど申し上げたように、監督官庁の責任において、ある意味においてあっせんをして、どうやらこの航空事業についてもやや系統的に体系づけられてきたのじゃないか、こう思うのでありまして、ここまできますれば、若干なりともかりに伸び率があるとするならば、やはり私は、過当競争にならないように、当然お互いに、それぞれ三社で、調整といいますか、そういうことを自主的に行なわれてもいい段階ではないか、いい時期ではないか、こう思うのであります。いまのところ、運輸省のこれはまあ諮問によるものかわかりませんけれども、国内における航空事業の秩序を確立をする、こういうたてまえから答申が出ておる。日本航空さんと全日空さんはその線に沿うてたびたび事務協定のような事務等もしたことは、新聞紙上に私ども見受けましたけれども、やられておると思うのです。そこで、それはけっこうですけれども、先ほど私が申し上げた面にさかのぼって申し上げますと、政府が過去の種々のあやまちを是正をして、国内航空については、できるだけ六線六社というものを集約統合をして、そうして基盤強化をしつつ、一面においては日本航空さんの場合は国際競争力をつけていく。国内の場合は、いま言ったように、過当競争におちいらないようにして、しかも事業が非常に企業性の強いものでありますから、その事業を通して国民の産業経済に寄与していくのである、こういう方向が明らかになっておるだけに、私は、この段階にまいりますれば——それはまだ日本の企業内容にはものすごい格差があることは私も認めておりますけれども、体系的にはようやく三社に集約統合されたようなことになっておりますから、私は、この際は、やはり答申に基づいて、先ほど申し上げたように、日本の国内における航空事業の秩序を確立するという意味で、十分この路線の問題であるとか、幹線輸送の問題であるとか、そうしてまたローカル航空の問題等々について抜本的に話し合って一つの答えを出して、その答えを、たとえばこういう場であるとかあるいは政府にその要請をいたす時期にきておるのではないか、こう思いますので、三人の方々どなたさんでもけっこうですけれども、大体大きいのは日本航空だというふうに私ども認識しておりますが、日本航空の大庭さんでもけっこうですが、私がいま申し上げたような考え方に対して、皆さんの意見を参考までに私はお聞かせ願いたいものだと、こう思っているわけです。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) お答えいたします。いまの吉田先生の御提案は、まことに当を得た御意見であります。私たち国内航空を一部担当している日本航空としましても、当然国内航空、その今後のあり方という問題につきましては、いろいろこの際検討をしなければいけない時期でないかというように考えているわけであります。私は、日本航空と全日空との間には、経営協議会を開きまして、お互いに営業的その他企業面におきまして十分話し合って進んでいるわけであります。このたび国内航空もでき上がった。この際、今後の混乱が起きないように、国内における民間航空事業はいかにあるべきかということを、三社寄りまして十分今後の計画を検討し、それを実行していくべきでないか、また反面運輸省の十分な御指導のもとにこれを実行していきたいというように考えております。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 全日空の考えておりますことをちょっと申し上げます。私は、ローカル線の過当競争につきましては、機種の問題というよりは、それに先行すべき路線の重複免許ということをやめていただけば、私は過当競争にはならぬと思います。と申しますのは、空港によりまして、各路線によりまして、お客の数は違います。わりあい早く採算点に達する路線もありますれば、昨日災害のありました新潟のごときは、五年以上やっておりますが、まだ採算点にははるかに及びません。こういうところへ当然二重に重複に免許があるはずはないと思いますが、まだ十分採算点の達していないところに重複免許の実例がないこともない。かようなのは、処置なしであります。私は五年、七年の開発費というものは、人的に、経済的に見て相当重要なものである。それが、新たに免許を受けた会社が、それへすぐ非常に有力な力によって免許をされるということに相なりますれば、これは会社といたしましては処置なしでございます。これは当然過当競争に追いやられるようなムードに相なるんじゃないかと、私は心配しております。したがいまして、ローカル線は、少なくとも採算点に達して、やや幹線に準ずるような状態になって、初めて重複免許ということはいいんじゃないか、これは私見でございますが、さように考えております。  幹線につきましては、機材競争というものが私は過当競争の最も大きなる根本的な原因であると思いますゆえに、政府におかれましても、非常に強力なる御勧告によりまして、この機材を統一をして、そうして輸送力の比率を定め、秩序のある、企業意欲を減殺をさせない、お互いに技術なり企業意欲というものを練摩しつつやらせようというお考えで、私はきわめてこれはけっこうなことであり、協議会は、私と営業担当の常務の山本というのと二人で、日航は前の次官の朝田専務と高木常務とで、航空局長のオブザーバーのもとで、毎月やっております。これはきわめて、いまの方向によれば、順調にいくんじゃないか。  ただ最後に私は、先生のおっしゃるように、体系はいま大体三つになったようでありますけれども、まだ東亜航空、中日本航空、長崎航空という三つの会社があります。これらの会社も、私は、今度誕生されました日本国内航空さんと同じように、主張すべき憲法上権利がある、また要請をすべきその気持ちというものをくんでやらなければならぬのではないか、かように思いますので、私はまだ秩序の方向が確立したような安心感を持っておりません。それに、先ほど申しましたように、一体日本の国内で収益はどこからあがっておるかという、いわゆる現状把握ということを強く申しましたのはそこであります。いまは、全日空の収支を見ましても、ローカル線はかろうじて採算に全般を通じてなったと、収益の大部分は幹線からあがっておるのでございます。しかも、幹線の全日空の運航率というものは、全般の二割五分程度でございます。しからば、国内からあがる収益の七割五分というものは日航さんの所有に帰しておるのです。私が絶えず申しますのは、言いにくいことではありますけれども、ほんとうにここに経営基盤の点を公平に考えるならば、まず国内のあがる収益を全部持ってきて、これは余るならどこへか持っていこう、そうでなしに、いまのを全部生かすという政府の目的を達するのには、この全般のコップの水は十分なのか、あるいは七割五分取ったあとはやはりみんなののどを潤すのにきわめて不十分なのかという前提をきわめた後に、何社が適当で、どういうふうにあるべきかということの将来のビジョンがきまるべきではないか、私はかように絶えず考えておるものでございます。だから、体系のあり方としては、私はいまのは単なる参考でありますが、現在の国内のそういう経理の内容というものは、航空白書も拝見をいたしましたけれども、実情を反映しておりません。と申しますのは、各航空会社の経営報告というものが、統一した企業会計原則に基づく経理になっておりません。たとえば償却の問題にしても、ほかのことはよく知りませんが、藤田航空を合併いたしましたが、これは償却をほとんどやっておりません。やっても、年度の途中に入ったものはそれはやらぬとかいって、まちまちであります。おおむね実態よりはよく反映しているのではないか。だから、私は、国内航空のいわゆる経営基盤というものがどのくらいの程度であるかということをまず十分に把握をして、しかる後にいまのようなどうあるべきかのビジョンをつくっていただきたい、これが念願でございます。はなはだ僭越のことを申しましたが、御参考までに。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) 先ほどの吉田先生の御意見につきましては、私は全面的に御賛成申し上げたいと思います。ことに、少ない会社であるから自主的に話し合って調整しろという御意見は、全く同感でございまして、敬意を表する次第でございます。ぜひそういうふうに、私どものような後輩会社は、先輩会社にお願いしょう、こういうふうに考えております。また、いろいろの点につきまして、ただいまでも技術的にあるいは営業的にお話し合いをしておることは事実でございます。  それから、ただいま福本副社長からお話しになりました経営基盤の強化という点につきましては、私も身をもってはだえに感じておるところでございまして、これはほんとうに日本の航空事業をどうするかという根本問題でございます。何とぞ皆さん方の御理解を切に私からもお願いする次第でございます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 いま福本さんから経営の経験者としてこの御高見を拝聴いたしまして、非常に、私のみならず、むしろ政府のほうが、これは将来日本の民間航空、特にローカル航空の施策を施すために参考になったんじゃないか、こう思います。そういう面については、何回も申し上げますけれども、きょうはまだそこまでやる時間的にもそれから順序にもなっておりませんから申し上げませんけれども、私どもはそういう面については追って正規の委員会でそれぞれ意見開陳いたしまして、できるだけ皆さんの御要望に沿うような方向に努力したい、こう思いますので、この点は誤解のないようにしていただきたいというふうに思う。いずれにいたしましても、今日まだ日本の民間航空そのものは、日本航空さんが一番古い歴史を持っておりますけれども、欧米と比較してこれは問題にならない浅い歴史より持っておりませんし、ある意味においては過渡的過程だと私は思っている。ですから、福本さんのような御意見もあれば、大庭さんのような御意見もあれば、菅野さんのような御意見もあり、そしてまたわれわれのようなしろうとのようなこういう意見もある、こういうものだと思う。いずれはこういう事柄というものは、全体としてやはり統一をされて、官民一体となって日本の航空事業の発展を遂げなければならぬと思います。航空事業の発展即私は日本の産業経済の発展だと考えておりますので、そういう方向にあらねばならぬと思いますので、こういう点は、いろいろいままで愚問をいたしておりましたけれども、あしからず御了承のほどをお願い申し上げておきたいというふうに思います。  さて、時間もかなり経過しております。私だけ質問いたしておることはどうかと思いますから、最後に航空局のほうにこの際伺っておきます。  事故の問題は、いろいろ、経営基盤の問題にもあるであろうし、あるいは技術的に問題がないとは言えないし、あるいはパイロットの教育の問題にもあると思うけれども、やはり施設の問題にかなり私はウェートがあるような気がするのです。特に飛行場の滑走路の問題を含めて、いろいろな設備の問題もたびたび問題になりますが、一つの例——代表的なものでございますけれども、羽田の空港を例にとってみましても、今日あの飛行場は、航空機の出入りが増大したということのほかに、飛行場そのものの機能を一〇〇%に発揮することができないと思う。これはわれわれより、航空局の諸君は十分調査研究しているところだと私は思います。御承知のように、横田の基地がございまして、米軍の航空管制上からかなり制約を受けていることは間違いないわけですから、私はこれ以上あの羽田の飛行場を、さらに伸びつつありまする航空界で、国際国内を通じて飛行機の発着を認めていくということになると、やはり危険性が非常にある、心配だと、こう思っている。で、いつかの委員会でもこういう事柄が問題になりまして、もうそろそろこの際は新しい国際空港をつくっていい時期じゃないのかということが問題になったと私記憶しております。私どもしろうとでありますから、簡単に飛行場というものはそうどこにもできるというものではございませんけれども、やはり飛行場をつくるには、飛行場から陸上の輸送時間は、大体アメリカでもそうでございますし、ヨーロッパあたりでも私ども見てまいりましたけれども、大体おおむね一時間くらい、そういうところであるとか、あるいはその地盤の関係であるとか、あるいはまたその近接の飛行場との関係で発着に支障がないところ、これは航空管制も御承知のとおり問題でありますけれども、そういう問題等々いろいろ条件があろうと思うのですが、やはりこの際政府は、今年度はやむを得ぬとしても、もう間もなく来年度の各省庁の予算編成期に私はきていると思うのです。この国会が終了後直ちにそういう時期に入ると思うのでありますが、運輸省はどう一体これを考えているんだろうか。われわれは新聞紙上ではたびたび、そういう問題が、政府で問題になったか、あるいは与党の部会で問題になったのか知らぬけれども、ちらほらそういうにおいらしきものが新聞に出てまいりました。ところが、どうもえてしてこういう問題になりますると政治的な問題がからんできて、先般の新聞でも、某実力大臣がこう言ったとか、あるいは何とかいう大臣がこう言ったとか、吉田忠三郎がこう言ったなんということになって、どうもせっかく大事な根本の問題がどっかに吹っ飛んでしまうというようなことになりつつあるような印象を受ける私は新聞記事を読んだことがございますが、政府の私はこの際は確固たる、もしあるとするならば、基本的な、これからのわれわれは審議の参考にいたしたいと思いますので、そういう点をこの席で明らかにしていただきたい。これはまあ技術部長にそういう大方針を明らかにしろと言っても無理かと思う。ですから、冒頭に私が言ったように、本来こういう大きな問題を扱う場合は、運輸大臣なりあるいは関係の責任者においで願わなければならぬのですけれども、所用のためにおいでになっておりませんから、おそらく皆さんは省議の中でそういうことは、ちらちら少なくとも新聞紙上に出る限りにおいては、議論をしているのではないか、検討しているんじゃないかというふうに思いますので、知っておられるアウトラインでけっこうですから、答えられる範囲でけっこうですから、お答え願いたいと思います。

大沢信一運輸省航空局技術部長

○説明員(大沢信一君) それでは私が承知しております範囲内でお答えいたします。ただいま先生が御心配になりましたように、羽田空港の限界と申しますか、着陸回数から考えましても、あるいはパーキング・エリアから考えましても、いろいろな面で早晩行き詰まる面が目の前に迫っております。したがって、航空局、運輸省としましては、第二の新しい空港を建設するということを考えまして、その用地あるいは場所等につきましてかねがね検討を進めてきたわけでございます。ただいま先生が御指摘になりましたように、何をおいても隣接飛行場との管制上の問題、そのほかに都心まで高速道路で少なくともせいぜい一時間以内、その他約七百万坪を考えておりまするので、こういう広大な地域の入手の容易の問題、あるいは地盤の問題、気象の問題、いろいろの要素がございます。こういう点も十分検討いたしますために、運輸大臣の諮問機関として航空審議会というのがございますので、大臣からの諮問にこたえまして、ただいま航空審議会の中で専門委員会を開きまして、何回かの会議を開きました結果、候補地を一、二見出したわけでございます。なかなか関東地方で一〇〇%条件のいいというところが得られなかったのでございますが、まずまず他に比べてよさそうなのは千葉県の富里と申します地区、それがどうしてもだめになれば霞ケ浦の近くということで審議会としては答申をいたしまして、この答申を大臣が閣議で報告いたしました。ところが、その際、もう少し西のほうも調査したらどうなんだ——私たちは、いま吉田先生が申されましたように、西のほうには、横田のみならず、入間川、立川、厚木、こういう軍の一連の基地がございまして、一応の壁になっておりますので、ほとんど考えておりませんでした。しかし、一応調べてみる必要が理屈としてはありますので、それ以来鋭意調査を進めてまいりました。現在大体その調査結果がまとまりつつありますが、私たち事務当局のつもりでは、来年度予算においては当然新空港の建設の第一年度を踏み出すべく予算も計上しております。また、ほんとうは本三十九年度から建設にかかりたい、そのためには、一航空局の力ではあまりに大き過ぎますのでで、公団組織にして、十分技術者も集めてやりたいと考えておりましたんですが、それが一年ずれたことになっております。しかし、現在航空局では、来たるべき新空港建設のために専門の参事官——これは部長級でごさいますが、参事官一名と、計画課、調査課という課が二つ新設されまして、これが新空港のことだけを現在考えております。したがって、もし場所がきまり、来年度の予算が認められますと、来年度からこれらのものが公団に移りかわりまして、新空港の建設にかかる予定になっております。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 いまの答弁で大体のアウトラインはわかりました。  その重要性にかんがみて、諮問委員会というものなどつくってそれぞれ検討しておる、こういうことだと思うのですが、大体この諮問委員会のメンバーというのはどんな人なんですか。

大沢信一運輸省航空局技術部長

○説明員(大沢信一君) いろいろな方がおられますんですが、土木関係の専門家もいらっしゃいますし、それから気象庁関係からも出ておりますし、その他いわゆる運航会社ですね、日航あたりからも入っております。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 そのメンバーは私ははっきりしませんから、それをあえて求めようとしません。しませんけれども、せっかくこの諮問委員会などができて、しかもあなたのお答えでは、来年度の予算で第一期工事をやりたいというようなことですから、こういう非常に意欲的なことですから、私は非常にけっこうなことだと思う。われわれも積極的に当然委員会として側面的にこれを進めるようにやらなければならぬと思いますけれども、幸いこの委員会には今度その道の権威者である源田先生などもおいででありますから、そういう専門の人がいるわけですから諮問委員会のメンバーになっているかどうかよく私存じませんからあえて言わないけれどもそういう人も含めて入れて、やはり第二といいますか、第三といいますかわかりませんが、新しい飛行場を建設してやらなければならぬという方向だけは何人も私は否定できないと思うんです。これは航空事故をなくするという意味もあってですよ。ですから、ぜひいまおやりになっております作業を積極的に進めていただきたいと思うんです。  で、やり方としては、直営でやるのか、あるいはいまのお話では公団で、こういう言い方ですけれども、公団でやるにしてもいろいろあろうと思うけれども、公団でやるとするならば、これは決して私議論しようと思いませんけれども、またまた国会で問題になるような公団設置に関する法律というものをつくらなければいかぬわけでしょう、制定されなければなりませんね。ですから、そういうことではなくて、万人がその必要性を認めれば、あとあとは私は資金の問題だと思う。どう政府の国家財政の中から財政投資をするかということが大きな問題だと思う。それさえ議会並びに政府といろいろディスカッションして統一した意見が出たとすれば、私はやり方によっては、今日だって政府と民間とが協力し合って数々の飛行場をつくってきておるわけですから、そういう方向だって差しつかえないじゃないか、これはまあ一つの意見ですけれども、いまこのやり方についてお互いにきょうのところは述べ合う場じゃありませんから言いませんけれども、いずれにしてもぜひそういう方向をもっともっと積極的に政府みずからが先に進めていただいて、できるだけ今日の羽田空港というものは民間専用の飛行場にして、新しくできるものは国際空港にする、こういう施策を施していただきたいことをきょうの委員会では要望いたしまして、私の質問を終わります。

源田実自由民主党

○源田実君 二、三お伺いしたいのですが、飛行安全の問題に関しまして、各会社でおやりになっておるのは、さっきちょっと聞いたのですが、こういう飛行安全を担当する専門のパイロットなり、整備員なり、こういうものをお持ちになっておりますか、各会社。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) お答えいたします。  いまの御質問がちょっとわかりづらいのですが、私のほうは組織で動いているもので、安全を担当している——その安全という意味をもう少し平たくおっしゃっていただきたいと思いますが。

源田実自由民主党

○源田実君 このフライング・セーフティの問題で、私は前に自衛隊におったのですが、自衛隊でやっておるフライング・セーフティの方法、これがどういうことをやっておるか。フライング・セーフティの学校が浜松にあるわけです。そこへ各隊からずっと人を入れていくわけです。そこで飛行安全に関する一般パイロットが持っておるよりはるかに深い教育をするわけです。そして、その教育を終わった者が今度出ていって、各部隊のフライング・セーフティ・オフィサーというものになって、これが各パイロットから全部に対する飛行安全の指導をやるわけです。そうして、新しいニュースとか何とかいうものは全部それが流してくるわけです。それが、中央にやはりそれを担当する本部がございまして、その本部がそこと連絡をとってずっと流していくわけなのです。  そのことを私が申し上げるというのは、よく新聞あたり、自衛隊の飛行機がよく落ちる、また落ちたというのですが、新聞は書くだけ書きますから。しかしながら、実質はどうなのか。実質は、昨年になって——それまで事故率は十万時間に対して米空軍よりちょっと多かった。初めはもっと多かった。昨年初めて米空軍の事故率を抜いたというか、少なくなったというのです。それはほとんど、英国、西独、あるいはフランスその他の空軍全部を通じて最低のものなのですね。その最低の率が、ことしになってさらに下がってきております。ジェット機だけで、十万時間についてメイジャー・アクシデント、二・二%ぐらいまで下がっております。このことは新聞には一つも書きません。一般の方々は、またも自衛隊機墜落とかいうので、たくさん落ちておるように思われるけれども、実際に飛んでおる時間が多いから、事故率は非常に減っておるということは一般にはわかってない。それはいまの飛行安全教育というものが成果をあげた大きな原因だと思います。それで、いま私がお聞きしたいことは、新しい事態が、航空においてはいままで予測できなかったような危険性というものがちょいちょい出てくるわけです。そういうものを、英国で起きたり、あるいはアメリカで起きたり、いろいろなところで起きたやつを、ぼんやりしておれば一つもわからないわけです。これを全部収録して、統計にとって、しかもそれを分析して、未然にこれに対してはこういう対策をとれということをやるのがフライング・セーフティ・オフィサーの一つの任務なんです。たとえば、三十六年の三月に富士山の横で、あれは私の三十年間の航空生活の中でいまだかつてああいうものにぶつかったことはないのですが、ジェット戦闘機が四機で飛んで、しかも全くの快晴で、気流はきわめてよかった。それで富士山の裏側で、富士山よりはるかに高いところを飛んでおったから、何ら富士山の影響を受けてないと思われるところで、何かわからぬけれども、突然四機の飛行機が一ぺんにひっくり返るような状況が起きたのです。そこは非常な強い渦があったか、非常に低い気圧であったか、よくわかりませんけれども、あの飛行機の強度の限度をこえるようなものの中に飛び込んだのです。もとより空気だから見えない。しかし、これは何十年の間に一ぺんくらいしかないようなことです。それで、あとから調べてみたところが、英国で一ぺん、アメリカで一ぺんか二へん、前にあったことがあるのです、何十年か前に。これは一つの例なんですが、そういう問題を、よそで起きた例をすぐとってきて、自分のところに適用して、未然にそれに対する対策をやっていく、こういうような係のものを会社にお持ちであるかどうか。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) お答え申します。いまの安全委員会と申しますか、セーフティ・コミッティというような名前ではありませんけれども、私のほうでは事故対策委員会というものがありまして、一面には乗員の事故対策、それと機材の予防対策、両面に分かれているのですが、乗員の面につきましては、私のところのベテランのいわゆる管理職の十二名の者がその委員になりまして、そして国内並びに国際で起きました事故をアナライズしまして、そしてそれに対処する方法を見出しまして、それをマニュアル化いたしまして、それを実行に移させまして、それの結果を統計的にチェックしている。技術関係につきましても同じことでありまして、国内に起きた機材の故障というものをアナライズすると同時に、国際的な事故につきまして、資料なり、統計なりを収集いたしまして、それを委員会で、取り上げるべきものか、取り上げないものか、その選択をさせまして、取り上げるものにつきましては、それを具体的に取り上げる方法をつくらせまして、それをマニュアル化しまして、実行に移させまして、それをトレースさしていくというのが現状でありまして、先ほどちょっと申し上げました——技術的なことだけを申し上げたのですが、大体統計的にそういうようなアナライズをすることによって、故障と申しますか、それを五〇%くらいは現状で削減し得ているというのが今日の状況でございます。操縦士につきましても、日本で起きました、会社で起きましたことにつきましては、すぐアナライズさせまして、その乗務員に対しましては訓練所に入れまして再教育さしている。しかし、国際的の問題につきましては、先ほど申しましたように、その故障が乗員の分野から起きた故障であるかどうかということを調査いたしまして、乗員の分野に起きたものにつきましては、いま申しました十二名のコミッティの委員が十分アナライズいたしまして、その対策を練って、それを訓練所のほうに移しまして、訓練計画の中に入れさせてやっているというのが現状でございます。しかしながら、名前は、セーフティ・コミッティではなしに、事故対策委員会という名前で実行いたしております。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 全日空でやっておりますことを申し上げますと、もとからありますのは、事故調査委員会というものがありまして、これはただいま大庭さんからおっしゃったように、事故が起きたあとでこれをいろいろ分析調査をいたしまして、その対策を講ずるというのでありますが、その後に事故にかんがみましてつくりましたのは、安全委員会というものを運航部の中に設けております。これは委員長は、私のほうの最も先任機長でさきの運航部長をやっておりました石田操縦士が委員長になって、安全委員会を運営いたしております。それからもう一つ、技量をさらにチェックしたり、服務規律、先ほど申しましたその他の環境まで立ち入って監査査察をいたすために、運航監査室というものを設けまして、これの室長は航空局でこの方面の担当をしておられた亀山さんという航務課長さんに来てもらっていま担当をいたしてもらっております。したがいまして、安全委員会で対策をいろいろ講じますが、それの実際面は、運航監査室というものをそういう意味で新たに設けまして、それの実態を絶えず見守り矯正をしておるようなわけでございます。それから、ラインの運航につきましては、ラインごとになれた操縦士を指導操縦士ということにいたしまして、各機種ごとにこれが指導に当たらせるというような方法を講じましてやっております。それから、整備のほうにおきましては、全般的に安全委員会というものを設け、これは整備が非常に広範囲でありますから、社長直属の機関として設けておるようなわけでございます。  以上、大体実際を申し上げました。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) 私どもの会社はまだ規模が非常に小さいものでございますから、別に委員会とかそういうものはつくっておりませんが、指導パイロットとか、あるいは整備のほうのチェックの責任者とか、そういう制度はもちろんでございます。整備は整備部長、運般は運航部長が全責任を負ってやりますが、一番初めに申し上げましたように、全機構が安全運航第一ということを念願といたしまして、いまその組織を通じて安全運航にあらゆる注意をしているというような状態で、別にそういう組織をつくっておるということは私のほうではございません。

源田実自由民主党

○源田実君 次に、パイロットの身体検査をするお医者さんは、これはどういうお医者さんですか。それは会社に専門家がおるわけですか、それとも国立病院なんかのあれですか、どうなっておりますか。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) お答えいたします。日本航空では、大体慈恵医大に委託いたしまして、慈恵医大で健康診断をしていただいております。これは慈恵医大から会社のほうに来ておるのじゃなしに、慈恵医大に行きまして健康診断を受けております。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 全日空も全く同様で、慈恵医大及び病院のほうにお願いしております。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) 国内航空も同様でございます。

源田実自由民主党

○源田実君 その慈恵医大のお医者さんは、私は知らないんですが、それは航空医学を専攻している方ですか。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) 航空医学専攻ということではないと思いますが、会社が始まって以来そこに委託しているわけなんで、私どもの乗員全部がそこにいままで行っているわけですから、相当な統計はとっているはずでございます。かつまた、政府の持っていられる航空技術審議会の航空医学心理学部門、そのほうには出ているそうであります。

源田実自由民主党

○源田実君 それで、各パイロットが、ことに日航さんのは、三万一千フィートとか、三万五千フィートとか、そういう高いところをジェット機が、今度全日空さんも飛ぶんですが、その場合に、お客さんは、私は、プレッシュアリゼーションがこわれても、お客さんを全部身体検査して乗せるわけにいかないので、これはまあ失神するだけで、いいと思うんです。ところが、パイロットは、これが失神されたら全部死んでしまうんですね。パイロットさえ生きていれば、あとは全部人事不省になっても、安全に乗せて帰れると思うんです。その。パイロットは、いまのいわゆる低圧タンクといいますか、これの試験は全部受けておるわけですか。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) 私どものところはまだ受けておりません。

源田実自由民主党

○源田実君 航空局に伺いますが、航空局としてはそういうことをやられる意思があるのかどうか、またやるとすればどこでやるのか、それはどうなっておりますか。

大沢信一運輸省航空局技術部長

○説明員(大沢信一君) 現在のところ、身体検査基準の項目には入っておりません。また、設備も民間ではございません。たしか防衛庁ででも拝措する以外に方法はないと思います。

源田実自由民主党

○源田実君 偉そうなことを言って全く恐縮なんですが、これは質問じゃなくて、私がアドバイスとして申し上げたいんですが、いま申し上げたように、厳重につくってある飛行機だから、まず間違いはないと思いますけれども、もし三万何千フィート飛んでおる飛行機が、あれがいま幾らかの圧力で、わりに低いところの高度で調整してあるわけです。それがぱっとくずれた場合には、へたをすれば全部参るわけです。その場合に、パイロットはそういうところにぶつかってもある程度持ちこたえるような体質の者を充当することが必要だろうと思うんです。したがって、私なんかジェットで飛ぶ場合には、ほとんど七万何千フィートまで飛び上がられたです。そうして、大体ずっと上がっていって、四万フィートぐらいからだんだん、自分は確かなつもりでも、字を書いたりすると書けなく、自分は書いたつもりでも、人が見ておりますと書いてないんですね。最後にぴたっと参ります。それを、この人は何万フィートまでもてる、このくらいはもてる——あまり低いのはもうジェットに乗せないです。したがって、そういうことの研究というか、今後ジェット機がふえてくるし、また自衛隊のパイロットなら自分だけ死ねば済むんですが、たくさんの貴重なお客さんを乗せ、あるいは総理大臣とかそういう偉い人をたくさん乗せなければならないんですから、パイロットに関しては、これは航空局の問題と思うんですが、こういう問題も今後事故防止のためには御配慮あってしかるべきだと私は思うんです。  それから、そのお医者さんは慈恵医大のりっぱなお医者さんだろうと思うのですが、やはり地上のお医者さんと——酸素や圧力が少ない場合、たとえば地上では非常に秀才であっても、その秀才が三万フィートくらい上がるとばかになるんです。地上じゃそれほど私みたいな頭のよくない者が、その秀才よりは三万フィートまで上がると頭がいい。だからパイロットとしてやってこられた。したがって、お医者さんにしても、航空的見地から身体検査を十分するようなお医者さんで、私は、これは国家として、人命を預かる輸送機のパイロットの身体検査は国家がこれを管理するような方法をとる、特別なお医者さんを置いて、それが安全上適当じゃないかと考えております。御参考までに。  それから次に、妙なことをお伺いするんですが、パイロットがいろいろなソースから来ておる。しかも、航空事故は、民間とあるいは軍の飛行機とを問わず、ほとんど六〇%近くのものは人的原因、しかもパイロットが直接間接の原因をなしておる。そうすると、パイロットというものは事故防止上はもうナンバーワンのプライオリティーを持ってこれを考えなければならない。ところが、そのパイロットに現在民間でお使いになっておる者には、旧軍の者、もしくは旧民間の者、それから自衛隊から行った者、航空大学を出た者、その他のいわゆる新人という、いろいろな種類があると思うんです。そうして、このおのおのについてひとつ忌憚のない御意見を——自衛隊の者はどうもあれは信頼できないというならば、自衛隊がもっと教育を変えるべきであるし、旧軍の者はいけないというならば、あまり素質がよくないというならば、旧軍の者はなるべく早く排除して、新しく教育された者を充てるべきであるし、そこらのところをひとつ忌憚のない御意見を各社からお伺いしたいと思うのです。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) お答え申します。忌憚のないお答えをいたせということでありますが、まあ私のところのパイロットを分解いたしますと、大体現在キャプテンになった者は、航空大学の一期生が現在キャプテンになっております。その一期生をのけますと、あとは戦前のパイロット、その中には、もと日本航空でベテランであったパイロット、あるいは海軍の委託生、あるいは陸軍の委託生、もう一つは民間の養成所の教官をしていた者、この大体四種類に分かれているわけです。しかし、現在私のほうの十二名のトップクラスは、大体日本航空の従来のエキスパートであった者を選抜して十二名を最初にアメリカに送ったクラスであります。これが指導の立場に立って今日やっているわけであります。したがいまして、今日教育した中で、どちらかといいますと、終戦に近いときに養成所を出た者は相当技量的に落ちるという傾向があります。したがいまして、ピストンのキャプテンまでは持ちこたえてきましたが、ジェットに上がる場合にどうしても上がりきれない、そういう者につきましては、ジェットに上げずに、ピストンでそのまま継続をさしていく、まあ本人もそれで納得してやっていっている。したがって、大体それに落ちました人間は、終戦間近の養成所の教官であった者であります。その後航空大学で教育を受けてコウパイになり、キャプテンになってきたわけですが、この素質を申しますと、大体一期、二期というものにつきましては、航空大学ができたときでもあり、またそこへ上がっている生徒の雰囲気と申しますか、また教官の雰囲気と申しますか、まことにいい雰囲気であったと考えられるわけであります。一期、二期につきましては申し分ない成績をとってきているわけですが、三期、四期、五期と落ちるに従って、どうやら航空大学の性格そのものの素質があらわれてきているやに見受けられます。これにつきましては、監督官庁である航空局のほうへ十分私のほうから注文をつけまして、その素質の向上、また人格的な向上について十分申し入れして、今日の八期、九期となりますと、漸次よくなってきている傾向を見ております。それからその次には、大学の二年の者を航空大学と同じように採用しまして、それを軍の委託生として送り込んであるわけですが、これの卒業を見ますと、まあそれを航空大学と比較対象しますと、はなはだ申しづらいんですが、その二十四時間と申しますか、四十八時間と申しますか、その生活環境が違っているために、技量よりも人格的なもので相当の差格があるということが申し上げ得るんじゃないかと思います。そういう点で、いまのところ大別いたしますと、分け方としましては、技量的には、航空大学の者と、自衛隊を出てきた者、それが技量的に差格があるかと申しますと、それほど差格はないんじゃないか、ただ本人の持っています人格の問題と申しますか、パイロットで一番ほしい魂の入れ方と申しますか、この点がどうしても航空大学では欠けていると判定される点で、ざっくばらんに申しまして——政府に対してまことに申しわけなかったかもしれませんが、ざっくばらんにお答えいたした次第であります。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 私は大庭さんほど専門家でないので、お答えがなるかどうかわかりませんが、全日空のパイロットは非常に各方面から集まっておりますので、的確に大別することも相当むずかしいんじゃないかと思いますが、これは私の感じから申しますと、いま航空大学のほうは全日空も分けていただいておりますが、多少当初におきましては、たいていの志願者がまず日航というので、日航がぐあい悪いようなら全日空というような傾向があったんじゃないかと思いますので、同じ航空大学のうちでも、まず選択の方法は日本航空のほうに相当ウエートがあったんじゃないかと思いますが、その後この傾向は改まりまして、ただいまは大庭さんのおっしゃると同じようになったと思います。ただ、航空大学の卒業者につきましては、これは私も面接試験のおりにたびたびお聞きしたのでありますが、何さま単独飛行時間というものがきわめて少ない。これは驚くほど少ないので、中には三十分とか四十分とかという、大学を出る前に単独飛行した経験はそれくらいだというお話で、びっくりしたのでありますが、そういう意味合いにおきまして、操縦そのものというものは、出られてから後に相当の経験を経なきゃならないという点で、世間一般に大学という感じから受ける感じとは実態は相当遠いのじゃないかという感じは持っております。それから、自衛隊からも見えておりますれば、また民間からもずいぶん見えております。元陸海軍の方面からも見えております。相当優秀なと思われる人たちは、非常に優秀な、いわゆるベテランとして活躍をしておられた人が、戦後において航空が再開されるや、やむにやまれず、どうしても空に帰りたいというような念願で来られた優秀な人は、これは最も中心をなす優秀なる人のように思われます。それから、最近に至りましては、先ほども源田先生からお話がありましたように、過去のレシプロ時代とは違いまして、ターボ・プロップになり、ジェットになるということになりますと、素質という点、またはその習得をすべき年齢に相当関係があるんじゃないかというところで、まあ研究を多少いたしました結果、これはパイロットが少ないということも原因の一つでありますが、自家養成をいたしますれば、ちょうど適当と思われる年齢の人を適当な時期に訓練をすることができるというところに主眼を置きまして、ただいまは自家養成というところにも相当力を入れていっております。これの実績はまだ十分に見届けるまでに至っておりませんが、ただいまの傾向としてはやっぱりよろしいんじゃなかろうかという見方のほうが強いように思われます。その他全般的の判定を下すという私は実情も知りませんし、能力もありませんが、事情はさようだと考えます。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) ただいまのお尋ねに対しましては、まことに申しわけございませんが、私直接パイロット及び乗務員の人に接しておりませんし、まだ日も浅いので、よく性格まで存じておりません。しかし、これは非常に大事な御質問でございますので、日常そういう人たちと直接接しております者の意見を後日書面をもって委員会のほうにお答えいたしたいと思います。

源田実自由民主党

○源田実君 私は、この航空事故防止の一番大きな問題は、やはりパイロットの——むしろ一般に技量未熟ということをよく言われますけれども、技量未熟で致命事故をやるということは非常に少ないのです。そうじゃなくて、パイロットの間違いとか、誤判断とか、あるいはパイロットが精神平衡を失ってそうして起こす事故が重大事故にみななっておる。しかも、その中には、先ほど大庭さんのお話の中に、いや福本さんでしたか、どちらかのお話の中に、エマージェンシーの場合に起こすパイロット反応は平生これを見出すことができないのだというお話がありましたが、そのとおりだと私は思います。どんなうまいパイロットでも、その者が緊急状態に入った場合にはすっかり平生の技量がなくなってしまう。そうして大きな事故を起こすということがあり得るのであって、これは長い経験を通じてはじめて、この人間は将来こういう方向に向けていってもだいじょうぶだ、これはもう適当なところでこのところにとどめなければならぬというようなことが、分岐点が出ると思うのです。したがって、私はここにこういう意見を持っておるのですが、いまは各会社でパイロット教育を相当おやりになっている。このためにかかる経費はたいしたものであろう。ことにジェット・パイロットの一人前の者を養成するということはたいへんな経費になるわけです。したがって、その将来のジェット・パイロット、ことにスーパーソニック・トランスポートが出てきたときのパイロットというものは、よほど厳選を要する。したがって、こういうパイロットの供給源というものを、一応国家として統一した供給源をつくり、そうしてその統一した供給源のもとに統一した教育を行なって、それを、これはいまの航空大学とか、あるいは自衛隊の各教育機関、これを全部プールしまして、具体的に言えばプールして、そこでいわゆる軍隊的な教育をやる。そうして出た者は、しばらくの間——四年か五年くらいはいまの自衛隊の飛行機で実際の飛行作業を相当の経験を積ませる。そうして積ませたあと、その中から全部が全部いい者というか、悪い者は一人もいないのですから、落第者はいない、及第者ばかりですから、その中を適当な按分比例によって、民間の会社に分け、自衛隊にこれだけ分けるというような方式でいけば、自衛隊のほうはもう死んでも一人だけですから、一人か二人だけくらいで、しかもお客さんを乗せないのですから、これはそれほど大きなあれはないと思うのです。しかし、民間機というのは、これは絶対に事故を起こしてはならない、それこそ絶対に起こしてはいけない、それが原則だと思うのです。したがって、そういうようなパイロット教育を国家統制して、そしてそこを出た者以外はお客さんを乗せる会社では使わないというようなぐあいにすることが適当ではないかと思うのですが、そうじゃない、やはり自分のところは自分で初めから養成したほうがいいというような御意見もあるかもしれないと思うのですが、もちろん養成するときにいまは会社からある程度分担されておるようですが、これは一応国家として、全部パイロットをつくるまでは国家の国費で教育して、それから分けていく、こういうような案に対してはどういうぐあいにお考えですか、ちょっとその御意見だけ伺っておきたいと思います。

大庭哲夫日本航空株式会社常務取締役

○参考人(大庭哲夫君) いまの源田先生のお考え方そのものに、原則的には私は賛成でございます。ただ、その会社の——会社と申しますか、国営の学校のあり方について、いわゆる将来とも変わらないあり方であっていただきたい。その重点をどこに置くかを優先されると困るという問題があるのじゃないか。私たち民間航空に携わっている者としまして、操縦士の供給源と申しますか、それがない。かつまた、全日空、今度国内航空、こういうような国内航空でまず鍛えられた中から国際航空にパイロットを使っていく、その優秀な者だけを国際航空に使っていくというような一元的なパイロットの養成方法あるいはそれの運用方法を考えていく必要があるのじゃないかというのは、私も考えていましたし、全日空の会社のほうでも考えていた。今後そういう方向に持っていくことによって、何らかのいわゆる経費の節減と申しますか、あるいは乗員の素質の向上と申しますか、あるいは一等肝心な精神の入れどころと申しますか、そこにいわゆる共通的なものを持って、お互いの会社がそこに利益を分配していけるのじゃないかというふうに考えられる。源田先生のお考えそのものが、いわゆる民間事業というものを十分加味された国営の教育、乗員養成所と申しますか、学校であれば、私は大いに賛成です。ただ、軍の目的、民間の目的、そこに、先生が先ほどから申されるように、軍のパイロットは、自分だけ死ねば、飛行機は何も……、民間は、先ほどから先生の申されたように、どうしても死んではいけない、客を百人も預かって、どこまでも着陸して客を救わなければいけないという目的の大きなものを持っているわけですから、その点を十分勘案していただければ、私は賛成でございます。

福本柳一全日本空輸株式会社取締役副社長

○参考人(福本柳一君) 私も、大庭さんと同意見であります。同時に、それは基本的には、源田先生のおっしゃることはよろしいと思います。いまではその供給源がまちまちであり、しかもきわめて貧弱であるということでありますので、程度の問題でありますが、ある程度の飛行技術を習得するまでは、先ほどどなたかのお話のありますように、人格というものと、それをも並行させた、いわゆる目的は民間航空でありますが、規律は軍隊式なりっぱな人間陶冶に必要な部門を十分取り入れた国家機関が全般的に供給源となることは、きわめてあらゆる方面から考えていいんじゃないか。いずれにいたしましても、素質は本人次第でありますので、そういう機関に適応性並びに本人の人柄というものについて十分選択していただくならば、いま現在行なわれているより数等いいんじゃないか、私はそういうふうに考えられます。

菅野義丸日本国内航空株式会社取締役社長

○参考人(菅野義丸君) 源田先生の御意見に全く賛成でございます。私どものような会社が自分で乗員訓練をするということは、非常な負担ばかりでなくて、非常に困難でございます。また、教官と設備その他すべて会社が持つということは、国家的に見ましても、非常に大きなむだになると思うのでございます。日航さんの乗員訓練の様子を聞きましても、こういうことも、それほど大規模でないにしても、今後やっていかなければならないということになると、非常なこれは経済的な負担にもなるのでございまして、ぜひ乗務員の同じような性質の、均質なソースといいますか、供給源を確保するためにも、国家が十分力を入れてそうしてやっていただくということにつきましては、もとよりもう賛成でございます。

源田実自由民主党

○源田実君 この問題は、航空局において、航空機の乗員の養成に関する根本的な検討をやるということで、現在検討されていると思う。しかし、きわめて重要な問題であり、大きな今後の日本の航空国策に重大な影響を及ぼす性質のものだと思うのでありますが、ひとつ航空局にお願いしておきたいことは、ともかくも日本が欧米の先進国に追いつき、これと肩を並べていくためには、いままでのやり方をこのままやっていったんでは決して追いつくときはないと思います。したがって、このいろいろな問題がありますが、まずこの操縦者の養成という問題について、ひとついまのような問題を十分に虚心たんかいに御検討を願いたい、これをひとつお願いしたいと思うのです。  そこで、もう時間もずいぶんだっておりますから、あまりたくさん申し上げませんが、最後に、先ほど吉田議員からもお話しがありましたが、第二国際空港の問題ですね。閣議におけるまあいろいろなことが新聞に出ておった。それからその後、産業開発何ですか、松永さんが会長をやっておられる、あれの意見がやはり出ております。しかし、私はああいうものを見まして、あのどこにも、飛行機が持っておる特殊な飛行安全——飛行機の安全、地上の安全、こういうものにほとんど触れていないと思うのです。あの中には、東京から便利がいいか悪いか、東京の正面玄関である、首都の正面玄関であって、国際的な事例とか、そういうようなことは書いてあるし、また経済的な問題も触れてありますけれども、一番大事なのは、その飛行機が安全に運航できるということであり、また、飛行機のことでありますから、これはどんな場合で毛絶対に間違いないということはあり得ないと思うのです。そういう場合に、もし万一のことがあった場合、お客が乗っておったらことにいけないのですが、お客が乗っていなくても、そういう回送する飛行機の場合でも、そういう万一のことがあった場合に、どういうことを地上に及ぼすかということがやはり十分に考えられていないと、私はああいう書類を見まして考るのです。また、事故が起きなくても、あれはコンコードでも音速の二・二でしょう。アメリカのやつは大体二・七から三までいっておると考える。そういう飛行機が、大体そういうことはないと思うのですが、ああいう飛行機は、ちょっと雲があったら、たとえばVFRのクリアランスで出発したけれども、そこにやはり予期しない雲があったとなると、頭を突っ込むわけです。雲の中に入っちゃいけないのですから、そうすると、うっかりするとすぐ音速を越えると思うのです。その音速を越えたときに、その下は、飛行機の飛ぶ範囲全面的に、例のスーパーソニックの、このソニック・ブームというやつが起きるわけです。そうすると、まあ三万フィート以下ぐらいだったら、沿線みなガラス窓がこわれます。それがちょうど離陸直後東京の町の真上を飛ぶような飛行場というものは、これをやった日には、毎日々々何十回となくたいへんなことになると私は思うのです。いわんや、もし事故が起きた場合、あの二百何十トンもする飛行機が落ちた場合に、持っている燃料だってこれはものすごい燃料ですね。それがどんな影響を地上に与えるかを考えると、これは身ぶるいをせざるを得ないのです。もちろん、航空局、運輸省において、運輸大臣が賢明な決断をされるということを私は信じて疑わないのですが、とにかく二つの問題がある。飛行機が故障をした場合にそれが地上に及ぼす被害、それはどんなにものすごい被害があるかということ、これはものすごいと考えるのです。それから、飛行機は故障しないけれども、地上に常に被害を与えるということを避けるためには、海岸線に非常に近い——海の上に飛行場をつくるわけにはいかないので、どうしても陸上ですが、その陸上もきわめて人口が少ないところ、そうしてたとえ音速を越えてもたいした被害を与えないというようなところに選定をしなければ、できてしまってからたいへんなことになる。私は自分の専門的見地から考えて、慎重に——慎重にというか、賢明にひとつ航空局でやっていただきたいと、こういうぐあいに考えるのです。いまのところ、いろいろなところから——航空審議会の答申を除けば、あと出てくるのは、ほとんど、いまのソニック・ブームの問題や、それからまさかの場合の事故のこと、それは考えていない。それからまた、海の上でタイタニック合金が少しコロージョンに対しては抵抗力が大きいようですから、いまのアルミニウムの飛行機ほど影響はないかもしれないが、やはり潮風がかかるところではコロージョンという問題を考えなければならぬ。そのコロージョン・コントロールが十分いかない場合は、飛行機自体の強度という問題が起きてくる。そういう場合には、十分御検討を願って、最も安全なところを選定されるように、これは私はちょっといままでの経緯を聞いておると心配でしようがないですから、特にこれを航空局にお願いしておきたいと思います。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 参考人各位に対し一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり本小委員会の調査に御協力をくださいまして、まことにありがとうございました。本日拝聴いたしました御意見及び御答弁は、私どもにとって貴重な参考となりましたことを、小委員会委員一同にかわって厚く御礼申し上げます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記を始めて。  次回は二十四日午後の予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会

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