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46回国会参議院1964/01/28

オリンピック準備促進特別委員会 第2号

発言数
91
登壇者
11
会派数
3
開催日
1964/01/28

会議録

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) ただいまからオリンピック準備促進特別委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  オリンッピック東京大会準備促進に関する調査のため、東京都、首都高速道路公団、日本放送協会、オリンピック東京大会組織委員会、東京オリンピック資金財団及び日本体育協会の役職員に参考人として出席を求めることとし、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  本日は、オリンピックの準備状況に関する件、昭和三十九年度オリンピック関係予算に関する件、選手強化対策に関する件、これらについて政府及び関係者から説明を聴取することにいたします。  なお、本件調査のため、委員長は本日、オリンピック東京大会組織委員会署務次長、佐藤朝生君、東京オリンピック資金財団事務局長近藤直人君、日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部長大局鎌吉君、以上の方々に参考人として出席を願っております。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) この際、佐藤国務大臣より発言を求められております。御発言をお願いします。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 私、オリンピックを担当することになりまして、どうぞよろしくお願いします。この機会に二、三ごあいさつを申し上げたいと思います。  ことしは、オリンピック東京大会がいよいよ開催される年であります。アジアで初めて開催されるオリンピック大会として、東京大会は全世界の注目を集めており、この大会の成否は、日本の将来の国際的な地位に大きな影響を及ぼすものであります。オリンピック東京大会は、このような意義を持つ国家的な大事業でありますので、政府もオリンピック関係閣僚懇談会、オリンピック準備対策協議会などを設置するとともに、関係各省の事務体制の強化をはかるなどして、大会の成功のために積極的な準備を進めてまいりました。  幸い、政府、東京都をはじめ、関係地方公共団体など、一致協力して競技施設を初め、道路、輸送施設、環境整備など、関連公共施設や宿泊施設の整備に努力し、ほぼ所期の計画を完成できる見通しにありますし、大会の直接の運営主体である組織委員会も大会運営についての万全の措置をとり、りっぱな大会ができるよう努力しているところであります。さらに、大会時に来訪する多数の選手、役員、報道関係者、外客等に対する宿泊、接遇の面及び交通輸送の関係などにつきましても、目下万全の準備を進めております。あと二百五十日余で大会が開催されますが、担当大臣としては、この大会が史上まれに見るりっぱな大会になるよう全力を尽くす所在でございますので、どうぞよろしく御支援のほどをお願いいたします。  これからの余すわずかの期間においては、大会準備の総仕上げをするわけでございますが、特に強調いたしたいのは、オリンピック国民運動の推進であります。大会のための直接的準備はおおむね順調に進んでおりますが、大会を迎えるにあたっての国民一般の関心、理解は、まだまだ十分とは言いがたい節もあり、国をあげての本格的ムードの盛り上がりの必要性を痛感する次第であります。  そこで、国民一般にオリンピック東京大会の忠義をよく理解してもらい、大会開催国にふさわしい国民として心身ともに健全であるよう公徳心の高揚、社会環境の改善などについて、今後一段の努力が必要と考えます。このため、昨年六月、オリンピック国民運動推准連絡会議が結成され、オリンピック理解、公衆道徳高揚などの七つの運動目標を掲げ、関係機関、団体相協力して具体的な事業を計画実施しているところであります。そこで、昭和三十九年度においては政府としても予算を大幅に計上しており、この運動の飛躍的発展を援助したい所存であります。他方、各都道府県におきましても、それぞれの実情に即した組織を作り、具体的流動を展開する準備を進め、この運動が全国津々浦々に浸透するよう努力しておる次第であります。あと残されたわずかの期間に、このオリンピック国民運動が大きな成果をあげ、大会を成功させるよう、今後とも関係機関、団体と連携努力して、有終の美を飾りたいと思いますので、国会方面におかれましても格別の御支援、御協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げる次第でございます。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) それでは、オリンピックの準備状況及び昭和三十九年度オリンピック関係予算について政府から説明をお願いいたします。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 総理府は、総合的な準備に当たっておりますので、今後何かとまた皆さんにお世話になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。  ただいまから主要な準備対策の進捗状況につきまして御報告申し上げます。  オリンピック東京大会の準備は、ほぼ所定の計画のとおり進捗いたしておりますが、本年一月一日現在の進捗状況を一応御報告申し上げます。  一、競技施設整備でございますが、競技場は二十種目、三十会場余にわたっております。これらの競技場となる競技施設は、新設、増改築、仮設工事等それぞれの整備計画に従って準備が進められております。仮設工事が未着工であるほかは、一斉に工事を進めております。大会時までには確実に完成の見通しであります。このうち代表的なものの進捗状況は、国立競技場でございます。これは増改築が九五%できております。屋内総合競技場は、本館が五五%、別館が五五%であります。戸田漕艇場は、拡幅完成地上設備が四〇%、武道館が三〇%、江の島ヨットハーバーが、これは新設でございますが、九四%できております。駒沢スポーツセンター、これも新設でありまして六八%、大宮蹴球場も新設六五%であります。  二、競技運営関係施設整備でございますが、プレスセンターは日本青年館の改修工事中でございます。プレスハウスは昨年の七月着工いたしまして、現在約四五%、NHK放送センターは昨年四月に着工いたしまして、オリンピック記念会館、選手村(ワシントンハイツ住宅地区)は七百二十六号館を除き昨年の十二月十日に全面解除になりまして、七百二十六号館を本年の八月十四日に解除する予定になっておりまして、OOCにおいて選手村としての整備工事に着工いたしております等の現況でございまして、大会時までの整備には問題はありません。  三、選手強化の問題でありますが、国で体協の選手強化対策本部の事業に対しまして、昭和三十四年来毎年助成いたしまして、競技技術向上対策は進捗しておりまして、いまや本格的な強化訓練期であります。とくに、菅平高原の夏季トレイニングセンターは、すっかり整備が完了いたしました。  四、道路整備でございますが、オリンピック道路といわれる三十三路線についての整備区間約百三十キロメーターを、総事業費約一千八百四十億円で整備をはかっておりますが、戸田ボートコース関係の一級国道十七号線笹目橋等でありますが、これは八〇%でき上がり、首都高速道路が八〇%、東京都単独整備街路の一部がおくれているほかは、全般的に順調な進捗状況であり、平均しておおむね八〇%であり、所定工期内の完工は間違いないという見通しでございます。  五、環境の整備でございますが、明治、駒沢、戸田等の公園整備は、ほぼ六五%の進捗であり、上水道六〇%、下水道六五%、し尿消化槽、ごみ焼却場整備、隅田川浄化、屋外広告物規制もそれぞれ所定の計画に従って進捗中であります。  六、輸送対策を御説明しますが、これは東海道新幹線は目下用地買収が九九・九%、路盤工事が九六%の進捗状態でありまして、中央線の一環七立体交差は、用地取得が七四%であり、工事関係が六二%、都営地下鉄が八五%、営団関係の地下鉄が七〇%、私鉄の都心に乗り入れますものが七五%、東京国際空港が九〇%の状況で、順調な状況でございます。  なお、各輸送機関別輸送力の把握及びこれに伴う観客輸送の処理方法につきましては、目下具体的に計画を作成しております。  次に、宿泊観光対策でございますが、外人のお客さん三万人の宿泊対策として、登録ホテルが一万二千八百人。登録旅館が三千五百人、ユースホテルが千人、改造日本旅館が三千人、船中泊が七千人。一般の民家にお願いする民泊が千五百人、プレスマンハウスが千人、その他二百人の計画区分に従って、それぞれの施設の確保に努めておりますが、このうち最も主要な施設でありますところの登録ホテルにつきましては、不足ベット約三千四百ベットの整備のための開銀融資の確保の見通しは、ほぼついてまいりました。  なお、観光対策一般といたしましては、観光の案内所、休憩施設、ガイド等の確保整備を進めております。  次に、交通警備対策でございますが、駐車場につきましては、OOCにおいてその具体的候補地の確保に努めておりますが、ほぼ見通しを得ております。なお、交通規制、警備、消防等の措置も具体的に計画を作成し、検討いたしております。  次に、放送、通信施設等の整備でございます。NHK放送センターは、昭和三十八年四月十三日に着工いたしまして、ほぼ順調に工事が進んでおりますし、宇宙通信施設の整備を進めつつあります。その他簡易郵便局、新電話局の設置等、郵便、電気通信関係につきましても具体的に準備計画を進めております。  次に、オリンピック国民運動の推進であります。昨年六月に政府、民間の各団体が提携いたしまして、オリンピック国民運動推進連絡会議を結成いたし、その部会を八部会に分けまして、部会ごとに基本方針及び事業計画を定めて実践活動に入っております。特に本年はこれを最重点に考えまして、その強化をはかる計画でございます。重点的盛り上げの時期を本年の三月、六月、九月に予定しておりますほか、この運動の地方への浸透を強化する考えでございます。  その他、資金財団の資金調達計画は、大体総額四十億円でありますが、一月一日現在でございますが、実際に調達いたしました額は約二十八億円でありまして、残りは本年の上半期中にほぼ確保できる見通しでございます。  その他青少年のキャンプ、選手村の運営方法、優良みやげ品の提供方法、外国人の出入国管理の諸問題につきましては、引き続き関係者で具体的事項を検討中でございます。  次いで予算の関係をちょっと御説明申し上げますが、オリンピック東京大会準備対策事業関係予算は、別冊で皆さんにお配り申し上げております。詳細はそれをごらん願いたいと思いますが、昭和二十三年度来の年々の経費の総額について見ますと、大会に直接……。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 ちょっと待って下さい。どの資料ですか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) オリンピック東京大会準備対策事業関係予算事項別一覧、これがお手元に差し上げてありますが、ちょっとごらん願います。一応概要だけ申し上げます。  大会に直接必要な関係事業費は、これは競技施設整備、組織委員会の補助、競技技術向上助成等であります。総額が二百二十三億一千万円、その他の関連経費は近路、輸送、宿泊施設、環境整備などでございまして、財政投融資等を含めますと、約一兆五百億円で、合計いたしますと約一兆七百億円余に上るわけでございます。このうち昭和三十九年度の予算案につきまして御説明いたしますと、直接的な関係事業費は、競技施設整備二十億十万円、競技運営関係施設整備が千九百万円、オリンピック東京大会組織委員会の補助が十二億七千八百万円、競技技術向上助成等が一億五千九百十万円、オリンピック国民運動の推進、オリンピック青少年キャンプ等に二億百六十万円であります。  次に、オリンピック国民運動は昨年六月二十二日、関係者各庁十七、関係民間諸団体百六十五、許百八十二の参集を得て、オリンピック国民運動推進連絡会議を発足いたしまして、議長に足立正氏を選んでおります。この運動は、次の七つを運動目標としておりまして、それぞれ部会を置いたのでございます。一、オリンピックの理解運動、二には国際理解運動、三は公衆道徳高揚運動、四は商業道徳高揚運動、五は交通道徳高揚運動、六は国土美化運動、七は健康増進運動、なお、この運動別の部会のほかに総合部会を置きまして、八つの部会に分かれまして、それぞれ具体的に運動を進めておりますが、その詳細は別冊配付資料をお届けいたしてありますから、ごらんを願いたいと存じます。予算その他につきましてお尋ねがあれば、係の者が全部参っておりますから、お答えいたします。一応概要だけ御説明いたしました。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) それでは予算等に関しましての質疑は、おありの方もあるかと存じますが、これはあとに回しまして、直ちに大臣に対しての質疑を行なうことにいたしたいと存じますが、質疑のおありの方は順次御発言を願いますと同時に、ちょっと申し上げたいと思いますことは、大臣の御日程がだいぶ詰まっているように見えますので、質疑の方はそれをお含みの上御発言、下さるようにお願いいたします。それでは柴谷君。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 大臣に御出席をいただいて質問をする機会を与えていただきましたことにお礼申し上げたいと思います。特に大臣は御多忙であり、すでに二つ目の会議がもはや瞬間的に始まっておる、こういうお忙しい日程であるそうでございますので、要約して重要な点だけお伺いして質問を終わりたいと思います。  まず第一点は、オリンピックとはどういうものかということを学校の先生が小学生に質問をしたら、家を建てることであり、道路をつくることがオリンピックだと、こう答えたという話を聞いたのであります。そこで、まさしく名答だと私は思うのでありますが、道路という道路は掘り返され、ダンプがわがもの顔で走り回っているというのが実情だろうと思う。特に産物としてはほこりが舞い、騒音が立っておる、しかも、新聞は三日おかずにこれらの状態の中で事故発生を伝えているのであります。このような情勢の中で東京都民はひたすらに近づくオリンピックのためと心得て、まあ何といいますか、がまんをしているというのが都民の実情ではなかろうかと思う。都民の話を聞いてみまするというと、どうも最近の工事は暴力工事だ、都民の気持などには一向におかまいなしに道路をつくればいい、建築をすればいい、こういうことで、請負った土建業者の方々の非常な工期短縮なり、あるいは促進というようなことでやむを得ない現象かとは思いますけれども、都民の実態を顧みない工事が非常にたくさん出ているのではないか、そのために迷惑をこうむっております都民の気持をこの際大臣は多少でもやわらげていこうというような都民に対するあたたかいお気持がございましたら、その心境の一端を御披露いただきたいとお願いをする次第です。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) オリンピックの関係の工事のためにたいへん都民に御迷惑をおかけしていること、私どももたいへん恐縮に存じております。ただ、この工事は御承知のように期日があるものですから、そのためにあちらこちらに無理をしている、そういうことでたいへんただいまの状況は御迷惑だと思いますが、これが予定どおり完成をいたしますれば、必ず都民も喜んでいただけるだろう、いましばらくのごしんぼうをお願いするわけであります。で、大体工事といたしましては、全体的に見まして約八割くらいできているのではないかと、かように思いますが、なお来月中旬にもなれば、建設大臣とともに監査をするつもりでございまして、ただいま監査の日程、その場所などもいろいろ研究しておるようでありますが、この場合には民間の方を中心にし、それに建設大臣と私、ともども現地を見まして、そして監督してまいるつもりでございます。そうしてただいまお話にありましたような御迷惑がないように、しかも工事が予定どおり進行するように、これを心がけて監査するつもりでございます。また、工事の途中におきまして、各地において事故等を起こしておりますこと、まことに残念遺憾に思います。この点は一そう私どもも注意をいたしまして、今後この種の事故のないように最善の努力をいたしてまいるつもりでございます。  以上、私の気持を率直に申し上げまして、御了承をお願いする次第でございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 なお、あすの新聞等で大臣の心境を伝えていただけると思いますので、都民も迷惑をしております気持が多少でも大臣の発言によってやわらげていただきますならば、これに越したことはないと、かように期待しているわけであります。報道陣の皆さんにぜひお願いしたいと思います。  第二の問題は、オリンピックという大きな仕事をやります際に、あまりにもどろなわ式であったのではないか、こう考えるわけであります。いろいろ検討してまいりますというと、道路の狭隘、輸送力の不足、こういうものが特に目立ってきておると思うのであります。その質問をいたしますというと、いや鉄道のほうでは東海道新幹線ができる、だから輸送の面ではかなり緩和される、こういうふうな御答弁があろうと思うのでありますが、それならば、東海道新幹線ができて、東海道新幹線によって輸送できる態勢というものを考えてみますと、そう期待はできないのじゃないか。現在東京都に発到着をしております列車の本数は、大臣も専門でいらっしゃいますからよくおわかりだと思いますが、一日に二千四百本からの列車が発車したり到着したりしておる、一分間に大体一・六から七の率できておる、これ以上の輸送は東海道線にはあり得ないと思うのです。ところが、オリンピックともなりますと、たいへんな国内の人たち、あるいは外国からも多数の人がお見えになるということになるというと、今の輸送力では、東海道新幹線ができたからといって、たいへん輸送力がついたということにはならぬと思いますけれども、この点は他にオリンピックに備える方針として大臣お考えになっておる節があるでありましょうか。私は今の状態で考えてみますと、東海道新幹線によって多少は緩和されますけれども、それ以上の手はもはや時期的に打てないし、どうしようもないというのが現状ではないかと思います。そこで現在の既設の交通機関を利用してオリンピックに備えるためには、もっと交通規制的なことを十分考えていきませんといけないのじゃないか、そのことになりますと、どうしても朝の輸送時を確保するためには、いま国鉄にまかせて時差出勤などをやらせておるようでありますが、もっと強力に内閣がこの時差出勤などの問題についても本腰を入れて検討されて、輸送面を十分確保できるようなお考えを大臣お持ちになられるかどうか、この点をひとつお尋ねしたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 新幹線は大体十月を目標にして、土地の買収その他をやっておりますので、これはまず間に合うだろう、かように思いますが、ただいまお話のように、オリンピックとなると、たいへん全国からお客さんも来るのじゃないか、また外客も来るだろう、全国の鉄道網もさることですが、東京都を中心にしての輸送は一体いいのか、こういうお尋ねだと思います。柴谷さんもその方面の専門でいらっしゃるのでよくおわかりだと思いますが、ただいまの国鉄の輸送力ではなかなか十分このことを期するというか、際限のない需要に対するだけの交通供給ができないように思います。そこに制限がございますので、私どもオリンピックで大体どのくらいの人が動くだろうか、たいへん多数の方が関心を持ってくださることは非常にけっこうだけれども、まず収容能力のほう、これを主体に考えてみまして、そうすると、おのずからその限度というものがわかってきやしないか、そういう意味で輸送にいろいろの計画を立てておる、鉄道の輸送もさることですが、バスあるいは自家用車、またその他の交通機関等々あわせて考えてみまして、その万全を期する、そのほうではむしろ交通取り締まりが非常に研究の対象になるだろう、ことに駐車場なども特別なものを考えないと、いまの状況ではこれは間に合わないのではないか、こういうことでそれぞれの専門家等に計画を立てさせまして、そうして駐車場なども一応のものを用意した。またマラソン競走などの際における交通の取り締まりについても、これは十二分に在来の警察を動員するばかりでなく自衛隊にも出ていただいて、そしてまあ万全を期そう、こういうことでただいまのところまずまずというところの計画が立ててあるのでございます。以上申し上げておきたいと思います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 交通問題については専門の担当大臣がございますから、十分な配慮をしていただけるものとして大いに期待をしてまいりたいと思います。  次に、やはりこれは東京都民が一番心配している問題でございますが、水道の問題がございます。東京でオリンピックが開かれ、外人客が来たけれども、ホテル住まいをして水が足りないということになると非常に悲劇じゃないか、こう思うわけであります。この実情からまいりまして、都民が現在水は一体どうなるんだろう、オリンピックばかりでなしに、東京都民の使っている水ですら今日不足しておるのに、東京でオリンピックを開かれる際に、このようなことが続いていくのであろうかどうかという心配もあると思うのでありますが、この点について大臣の見解をお尋ねしたいと思います。まあ都のほうの専門家にこまかいことは後にお尋ねしてまいりたいと思いますけれども、昨年の一月二十日の小河内ダムにおきます貯水量は七千二百二十万トンあったのであります。ところが今年一月二十日、同期の比較をしてみますると、小河内ダムの水は非常に減水いたしまして、四千五百万トンしかない、非常な激減ぶりでございます。この状態は、一日大体二百万トンからの使用量を必要としております水道を今日全区の六割に給水制限をして、一日の使用量を百三千万トン程度で抑えてすら、昨年同期から比較をいたしますると、二千五百万トンほど低いわけであります。このような状態でまいりますというと、夏季を通りオリンピック開催時には非常な悪条件が備わってくるのではないか。一にかかって降雨量を待つ、こういうようなまことに非近代的な東京の水の状態を見ますると、ほんとうにいまのうちからもっと真剣にこの問題はお考えいただかないと、東京オリンピックを開催をして、恥をかく、オリンピック開催の栄誉は東京都に与えられるものでありますから、日本 の不名誉にならぬ、こうお考えになる方があるかと思いますが、そうではないと思います。この点をひとつ、今日憂えておりまする都民のために、大臣の心強い御答弁をいただければ幸いだと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいままでのところ、小河内の貯水池、これでは御指摘のとおりの状態でございます。そこで金町の浄水場、そこの能力を上げたいのであります。さらにその水をふやす、そのほうは大体七月から金町の浄水場が整備されるということであります。これでだいぶん水の量がふえると思います。また利根川から水を取らなければいけない。こういうことで他方利根川の水の取り入れをいたしておりますし、また荒川の水路の整備もいたしております。こういうことで、この三つの計画と合わしてみまして、オリンピック時の水というものはまず解決できるのじゃないか。これはたいへん明るい感じを持っておる次第でございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 大臣は、水道の問題についてのいまのお話は、どうも楽観的なものが出ていると思うのですが、これは数字的にたいへんな間違いをされているのじゃないかと思います。ただいまあげましたような利根川の水を引き入れる、あるいは金町浄水場を拡張するといったような計画でまいりますというと、都の六割に給水制限をやっておりますものを復活する水量にも足りないくらいなんであります。この計画は。でありますから、オリンピックを開く時期には、鋭意努力して今日立てられた計画でいっても、全域に給水をする量には満たないのであります。この計画は、十分私も建設省から資料を取り、東京都から資料を取って検討したのでありますが、そういう実情なんであります。ですから、もう一歩てこ入れをして、もう少し利根川の水を東京都に入れる施策を、ひとつできればプラスをしていただきたい。そのことがより一そう完全である、こういうことを実は申し上げたいものですから、私質問をいたしたわけであります。ホテル建設のために大臣が一声かけたら、開銀からの融資が六十億にふえた、倍ほどになった、こういう事例がございますので、どうかひとつ実力を持っております大臣ですから、いま言ったようなプラスをしてもらいたいために私質問したのでございますから、十分ひとつ御賢察を願いたい。  ついででございますから、もう一つだけお許し願いたい。外人客がたくさん日本に入って来る時期でございますから、諸外国の例にならえとは申しませんけれども、外人観光客が迷わないために、いま東京都内には赤電話というものが非常にできて、われわれ都民に便益を与えておりますが、ひとつ観光客のために白電話を取り付ける用意がないかどうか、この白電話というのは、赤電話と同じように、町の通行人が料金を入れれば使えるようにして、そうして中央電話局にできれば英語、フランス語、ドイツ語ぐらいの案内のできる交換手を置いて、そうして外人観光客のために便益を与える。これは電電公社にそういう施設をさせれば、たいへん外人観光客に喜ばれると思う。おそらく日本の観光業者もこれを希望しているようでありますが、オリンピックを開く前に、東京都あるいは観光地でよろしいのですから、そう膨大な経費はかからないと思います。こういうものを設置していただけるかどうか、できることならぜひ実現を要望しておきたいと思いますので、御見解を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんおもしろい御提案だと思いますので、私電電公社のほうにこの意向を伝えてみたいと思います。御承知のように、ただいままでのところは、赤電話が非常に電話不足を緩和しており、庶民に喜ばれており、さらにそれが白電話になって、特別な観光客だけに使う、またその特別な通訳も要らないで、いわゆる語学のたんのうなオペレーターがいる、こういうことになればたいへんけっこうだと思いますので、これは一度よく話をしてみたいと、かように思います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 委員長、終わります。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) ちょっと申し上げますが、大臣はほかに一つ会議を開いておりますので、おそくとも二時半ごろということでございますので、なるべくその前に……。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 大臣お忙しいようでありますから、二点だけ伺います。  昨日か一昨日の新聞で私は拝見したのですが、インスブルックでいま冬季オリンピックをやっておりますね、その際に、ブランデージ会長がIOCの会議でクーベルタン精神を強調して、現状の世界のスポーツ界には、アマチュアリズムについて、非常に遺憾な点が多いということを強調している記事を私は見ました。たとえば国費でもって選手を強化するとか、学業を捨てて、スポーツに専念するとか、その他日本の国の現状を見ましても、一々それがうなずけるようなことは、おそらくブランデージ会長がIOCの会議でかような警鐘を乱打したと申しますか、こういう発言をしたことは、世界各国がアマチュアリズムというものはどこかへかなぐり捨てられて、プロ化しておられるという現状を嘆いただけならいいのですけれども、これに対してあらためてオリンピック精神を呼び戻して、お互いに厳格にいこうじゃないかということであるならば、現在、東京オリンピックをの前に控えて、日本のオリンピックの準備のためにやっておるもろもろのこと、ことにここに大島君がおられますけれども、日本の選手強化の状況というものは、私は厳密にいってアマチュアリズムに抵触していると思います。しかし、これが世界の実状である、向こうがやるからこっちもやらざるを得ないということで私はここへきておると思う。もしこれをブランデージ会長が東京大会を控えて、東京大会の機会にそういう発言をし、これを強調されるならば、とりあえず私は担当国務相の佐藤国務大臣は被告席に立たなければいかぬと思うのですよ。そういうことで、私はこの機会にこの問題についてはもう少し真剣に国際的によく連絡をとるとか、また日本だけやってできるものじゃございませんから、そこらに対する用意というものも必要じゃないか、こういうふうに思うのです。隣に大島君がおられますが、大島君はお忘れになったかもしれませんが、私は大島君から言われたことを覚えておる。一昨年のアジア大会で、河野君、東京大会がいわゆるクーベルタン精神によるところのオリンピック大会の最後になるであろう、もし国際オリンピック大会を続けるならば、東京大会以後においては別な形のものを考えなければいけないであろうという感想を述べられたことを私は覚えております。私もなるほどなと思ったことがある。その大島さんがいま選手強化の担当者である、そうしてアマチュアリズムを踏みにじってやらざるを得ないという苦境に立っておられると思う。これは単に組織委員会の問題や体育協会の問題ではなくて、もう少し東京大会を開くにあたりまして、スポーツ界の現状というものについて、ブランデージ会長の発言というものを吟味されまして、国際的に十分これに対して備えをしておく時期じゃないかとこういうふうに思うのですが、その新聞の記事をごらんになったかどうか、もしごらんになったならば、それに対してどういうふうな御感想をお持ちであるか、またごらんになっていないとおっしゃるならば、これからそれに対してどういうふうな措置をとられるか、これを私は伺っておきたいと思う。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 私はその新聞は見ませんが、ただいま言われるような点を私自身が実は感じておる。一体アマチュアというものはどこまでがアマチュアなのか、これは職業選手との間に区別がないじゃないか、ただいままでのところオリンピックでは一応の基準を設けて、その基準が守られているかどうかということを、ただいまもこの委員会が始まります前に実はお話をしていたような次第であります。ただいま言われるお話の点はたいへんしごくもっともな話だ、私もこれについて同感の意を表しますが、したがって、今回の選手強化に際しましても、われわれは取りきめられたもの、それを厳守する、そういう方向でいきたい、かように考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それは差し迫った問題でもございませんから、大臣はそういうふうにアマチュアリズムに対しての一つの御見解をお持ちになるならば、これは日本だけでできることではなくて、国民感情からいけば、この際はアマもくそもない、勝ってもらわなければならぬというのが国民感情です。一方、東京大会ということになれば、主催国であるところの日本なり東京というものがこれを厳守しなければならない、こういう一つの矛盾にぶつかっておると思います。ですから、これにつきましてはきょうとは申しません。大臣がそういうような見解をお持ちであることを心強く思います。この機会に十分に御検討の上備えをしていただきたいと思います。なお、この問題につきましては大臣御退席のあとで、私は大島さんからもひとつもう少し伺ってみたいと思います。  次に、組織委員会その他オリンピック準備のための職員の身分の問題でございますが、非常に大ぜいの方が日夜オリンピックのために精進して下さっておるんですが、もうオリンピックが済んだあと、これらの方々の身分というものはどういう形において保障されるということを、はっきり私は大臣の責任においてひとつ保障してやっていただかぬと、私はほんとうに魂を打ち込んだオリンピックの準備というものに精進ができないと思うんです。これはしかも三十人や五十人の問題じゃございません。でありますから、これに対しましては、十分政府におきまして御検討済みと思いますが、この点につきましては、具体的にオリンピックが済みましたあと、これらの関係職員、職員に限らずこれに関係するところの方々の身分はいかにして保障することの政府が責任を持つか、東京都が責任を持つかということにつきまして、これは大臣が責任ある御言明をなさる時期ではないか、かように思いますが、もし幸いにして御準備があれば、当委員会を通じて御発表いただければ私はたいへん幸いだと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) このオリンピックの関係職員の身分につきましては、いろいろ今日から、やめた後というのでなしに、今日携わっておるその間から実は問題になっておる。ただいまも会社側で特別な便宜をはかってくれ、こういうような話をしばしば聞くんです。したがいまして、これらの点でも私あらゆる便宜をはかるようにしておりますが、この職員諸君のうちには、いわゆる本拠をどこかに持っておりまして、そうして出かけて組織委員会で働いておる、こういう者が多いのでありますから、今度一応済めばそれらの人はもとへ返っていく、そのもとの勤務場所へいく、これは私どもも十分責任を持ってあっせんしたいと思います。またオリンピックの組織委員会に専門的に臨時に雇われた者につきましても、オリンピックの委員会がすぐ済むわけのものでもございませんので、その中の一部のものはあとへ引く仕事もございます。御承知のように、記録をつくったり何かしております者は、その後ずっと数年間引き紡いで残りますから、そういう点のものも考えておるわけですし、またほんとうの臨時雇いのものについての処遇、これは私どもとしても十分考えてやらなければならぬだろう、かように思いますので、いわゆるオリンピックが済んだ後、これが直ちに問題を起こすとはただいまの状態で私ども考えておりませんが、なお御注意がありましたので、よくそれの対策をそれぞれの身分について考えてみたい、かように考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 国務大臣のほうにまだあまり組織委員会その他から詳しく報告が私は届いていないと思う。そういう少ない人数のものでもなければ、そう私は簡単に処置できる問題じゃないと思う。むしろ私はこれはすでに本年度において、いま私が申し上げるようなことも一部予算化しなければならぬ問題でさえあると思うんです。しかも、私は露骨に申しますが、スポーツを愛好して、スポーツに非常に熱心な、スポーツのことについて間に合うというような人は、これは一般の社会にはあまり通用しない人が多いんですよ。正直の話多いんですよ。でありますから、事は人数も多いし、きわめて私は困難な問題だと思うんです。それだけに私はいまから予算化するといっても間に合いませんけれども、ことしのオリンピックですから、また何かの機会がありましたら、ある部面で予算化すべきものは予算化して、そうしてそれらの方々が身分を保障されて十分オリンピックの準備のために専念できますように、私はこの機会に特に大臣のお耳に入れまして、御者急いただくということにしまして私の質問を終わります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 一点だけ。オリンピック担当国務大臣のお仕事の範囲は、三十九年に開かれるオリンピックとそれから六八年に開かれる予定の冬季オリンピック、そういうお仕事の箱囲も加わっているものでしょうか。それによって質問が……。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 大体オリンピックはみんなやっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 ああそうですか。先般の国会で、衆参一緒になって、冬季国際オリンピックを六八年に日本に招致する、こういう決議をして、それぞれ各国に働きかけておったようですが、きのうの新聞で見ますと、たしかきょう投票があるように聞いているわけです。当初の予想と、反して、非常に招致が困難な情勢にあるということが伝えられているわけです。担当国務大臣として、それについて、国会の決議というものをどのように各国に御反映になっていらっしゃいましたか、そのことをお尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) これは最善を尽くしてこれの実現を期するようにいたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 きょう投票だということを伺っているのですけれども、その見通しについてはどのようにお考えになっていますか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 私ちょうど昨年ウィーンに参りましたものですから、その際も冬季オリンピックの招致についてあらゆる努力をしてまいったのであります。また、今回東京都知事を、委員でございますから向こうに差し遣したというか、そういう意味でもあらゆる努力をして国会の決議の線に沿って努力してまいったのです。何ぶんにもきょうが投票日でございますが、これは投票の結果を待たなければわかりません。ちょうど真夜中の時間になるのじゃないか、かように思いますので、日本時間としては明早朝午前二時くらいですか、そのころの時間になる。ただいまたいへん心配しておる状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 私は一つだけ伺っておきたいのです。幸い文部省の人もいるからよく聞いておいてほしいと思うのです。昨年の暮れに、建設常任委員会では東京都内の各施設を夜の十二時まで歩いて視察してまいったのです。その際に、屋内競技場は非常に最初の計画と違っている工事を施しておるわけです。たとえば二つの柱を立てて、それにロープをつって、それに屋根をつるという工事ですね、中に全面に足場を組んでつるのじゃなくて、持ち上げて、しっかりがっちりとつなぎ合わせて足場をとるというような工事をやっておるのです。これは何かといいますと、危険の防止と、それからもう一つ工期を制約されておるために安全な方法をとってこういう工事をやっておると思うのです。またそのような工事はたくさんございます。関連する事業としての地下鉄にいたしましても、あらゆる施設がそういう非常に無理な工程のために非常な経費をかけておるという実情をたくさん知っておりますけれども、これらの問題は担当の国務大臣として、クレームが起きるとしてもこれは起き得ないわけです。工期を制約され、時間を制約されていますから。そういう問題がオリンピック後におけるクレームといいますか、紛争というものを完全に解決するという見通しのもとにやっていらっしゃるのか。あるいはおっつけられた工期を短縮するというような場合、不測の事故によって工期が延引しそうになった、それは認められないという事態からして、そうした費用というものは国の直接注文を出したもの、あるいはその他の関係の団体の出したものも全部解決するという見通しに立っていらっしゃるか、聞いておきたいのです。ことに建設大臣は、われわれ建設常任委員会におきましても、夜間作業を進めてやれ、工期をいやおうなしにこれを縮めるという契約違反の事項をたくさん強制されておる事実があるのです。これはむろん建設大臣も市民感情——いわゆる交通が混雑するという面からもそれを進めていると思いますし、また、オリンピックの定期開催に間に合うようにということがありますけれども、その点についてはそういう紛糾というものは完全に話し合いのもとに解決するという見通しに立っておるのかどうか伺いたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 田中さんは専門家だからたいへんお詳しくていらっしゃいますが、私はしろうとですから、その意味では的はずれかもわかりませんが、ただいま御指摘になりました屋内競技場、これは途中で設計変更いたしまして、そのために本年度の予算でも支出を増額いたしました。したがいまして、ただいまのところ屋内競技場を除くその他のものはそれぞれの計画どおりというか、予算どおりに取り運んでおる、かように承知しております。いずれにいたしましても、来月中旬になれば建設大臣とともに民間の方を中心にした、そうした監査をする予定でございますが、そういう場合に、はたしていま言われるように契約に違反した事項をやらしておるかどうか、そういうような問題も監査の対象になるだろうと思います。ただいまの屋内競技場だけはこれは別でございまして、わざわざそのために予算を増額したような次第でございます。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) それでは大臣に対します質疑者のリストはこれでよろしゅうございますので、大臣適宜にどうぞお立ち下さいますように……。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) ありがとうございました。     —————————————

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) それでは次に選手強化対策について大島参考人の説明をお願いいたします。

大島鎌吉日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部本部長

○参考人(大島鎌吉君) 昨年度まで四年間、計画的な選手強化の仕事を進めてまいりましたが、いよいよ本年度最終の段階に入りまして、最後の仕上げの準備を二十競技団体それぞれやっているわけでございます。  予算につきましては、お手元の資料にございますが、皆さま方の非常なる御協力によりまして、総額三億六千九百万円、国庫補助金を一億三千万円いただくということができまして、選手強化も一応最後の仕上げができるだろうという見通しでございます。で、目下実行予算を編成すべくそれぞれ準備に当たっておるわけでございます。  御承知のとおりに、東京オリンピックにおけるところの選手強化対策本部の成績の目標でございますが、それは昨年と同様でございまして、大体十五以上の金メダルを取ろう、一位を取ろうということになっているわけでございます。二十競技団体のそれぞれの入賞目標につきまして、それを合わせますと、三十四という数になるのでございますが、対策本部といたしましては、日本におけるそれぞれの競技団体の努力のしかた、並びに相手であるところの諸外国の努力のしかたなどを勘案いたしまして、昨年度末十五以上はとれるという、ある程度の確信に到達をいたしたのでございます。しかしながら、勝負のことでございますので、実はやってみなければわからぬ。昨年度それだけの見通しがつきましても、その後の世界の力の変化によりまして、それは変わることもあり得るのでございますが、とりあえずその目標に向かって進んでいこうということで、目下諸活動を進行中であるわけでございます。現在までのところ、大体諸準備はでき上がったのでございますが、しかしながら、最後の仕上げにあたりまして、おく幾つかの隘路がないわけではないのでございまして、それらの隘路につきましては、ひとつ各方面の努力と協力によってこれを乗り切っていきたい、かように考えております。私たちがもう一つ関心を時っております問題は、これは善後処理と申しますか、今日ここまでやってまいりまして、いろいろと手を広げてまいったのでありますが、しかしオリンピックが終わると、それが何もなくなるというようなことでは、将来の日本のスポーツのために、あるいは体育のためによくないのではなかろうか。したがって、これだけ手を広げたものを何らかうまく組織をいたしまして、オリンピックが終わりではなくて、オリンピックを新しいスタートとして、これらを日本の体育、スポーツの将来のために備えたいというような考えを持っているのでございます。それにつきましては、先ほど河野先生から大臣に組織委員会の面についてお話がございましたが、それは組織委員会の面ばかりではなくて、監督、コーチの処遇につきましては、選手強化対策本部そのものが当面している大きな問題でもあるわけでございます。目下のところ、これらの問題を処理する委員会を作りつつあるのでございまして、やがてその委員会ができますならば、オリンピック後の諸問題につきましても、ある程度のめどがつくのではなかろうか。また、その節には、いろいろとお願いをしなければならない問題なども出てくるのではなかろうか。かように存ずるのでございますが、その節は従来に変らず御協力をお願いしたいと、かように存じております。  たいへん簡単ではございますが、きわめて大ざっぱに現状を申し上げました。  なお差し上げてありますところの資料の中には、昨年の十二月十四日に作成をいたしましたところのいわゆる選手強化白書、すなわち選手強化の四カ年の成果と今後の方針というものと、それを要約いたしましたところの小さな刷りもの、それから東京オリンピック関係費、予算でございますが、その資料。それから本年度六四年度の選手強化対策本部の現業、並びに本日でき上がりましたところの国際スポーツ情報第八号、すなわち各国の情勢などを印刷いたしました資料その他が入っておりますので、ひとつごらんをいただきたいと思います。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) では、ただいまの説明に対しまする質疑と、それから先ほどの野田総格長官の御説明に対しましての質疑をあわせて行ないたいと存じます。質疑のある方はどうぞ順次御発言をお願いいたします。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 大島さんに、私が先ほど佐藤国務大臣に質問いたしましたブランデージ氏の発言について大島さんの御意見を伺いたいと思いますが、お差しつかえがない限りお話願いたいと思います。

大島鎌吉日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部本部長

○参考人(大島鎌吉君) 河野先生から非常に重大な、これは世界的に重大な問題でございますが、ブランデージ氏がそれより以前、過般アメリカにおりましたときに、今年の一月の初めごろだったと思いますが、キャンプの中で二十一日の三週間以上の特別なトレーニングをする者については、これはアマチュアの資格がないと思うというような発言をされた。これが世界的に非常に反響を呼んだのでございます。越えてこの間のインスブルックの地におきます国際オリンピック総会のときにおきます開会のあいさつの中で、そのような趣旨の発言をされ、これが各国に伝わったのでございます。要するに、スポーツマンが一定のキャンプの中で二週間以上継続してトレーニングをし、それがそれぞれの選手の本業、ほんとうの仕事をディスターブしてはいかぬのだ、仕事をやめて三週間以上継続して特別のトレーニングをやってはいかぬのだ、そういうことをする者にはアマチュアの資格は認めがたいということを言われたのが趣旨でございます。先ほどお話がございましたように、日本も非常にあぶないのではないだろうかというようなお話もございましたが、ほかの国はどうあろうとも、わが国の選手強化につきましては、ホストの国としてわれわれが送り出すところの選手が、明らかにアマチュアの選手でなければならぬという考え方の中で今日までやってまいったのでございます。具体的に申し上げますならば、すなわち合宿を三週間以上続けてやってはぐあいが悪かろう、学校を休み、仕事を休んで三週間も合宿をするというようなことは困るのではなかろうかということで、最初からそういう事態の起きることを極力避けてまいったのでございます。三十八年度の予算におきましても、合宿経費の切り方は、それらの点を十分に考慮をいたしましたと同時に、三十九年度の今度の予算におきましても、私たちのほうでは、それらの事相を十分勘案をいたしまして、合宿の経費の配分をすることになっているのでございます。へ理屈みたいになるのでございますが、われわれの調べたところによりますと、かりに学生の選手であるならば、この四月から十月のオリンピック期に至るまで春の休暇と夏の休暇を合わせて六十二日ございます。それに祭日が三日間ございますし、さらに日曜がございまして、全部で八十三日、フルに練習いたしましても、その期間に練習すれば学業あるいは仕事には差しつかえないという日数があるわけでございます。さらにつとめている人の立場に立って考えますならば、大体有給休暇が二週間あるいは二十日間ばかりあるのでございますが、それに休みを加えますならば、やはり三十日くらいは本業をディスターブしないでトレーニングができる時間があるわけでございます。これはへ理屈でございますが、さらにもっと合宿が必要であるということならば、それにブランデージさんが言っておられるところの二十一日を加える、学生であるならば百数日、勤め人でありますならば五十数日は合宿していいというような計算に相なるわけでございます。で、これでいいかどうか、社会的に見まして全部それに振り向けていいかどうか、これはまたおのずから議論はあるだろうと思うのでございますが、しかし三十九年度の合宿の経費などは大体六十日を限度として押えておりますので、ブランデージさんが御心配になるような事態は起こらないのではなかろうかと、かように存じている次第でございます。  なお、この問題につきまして、私どもブランデージさん個人と多少ともお知り合いの関係もございますので、個人的に手紙を送りまして、今日並びに将来のアマチュア・スポーツの発展のためにあなたの発言はまことに時宜を得たものであると思うが、しかし少なくとも日本では、アマチュア・スポーツの線を守りながらトレーニングをやっている、ただ、わが国に比較的組織的に、あるいは計画的にトレーニングをやるというようなことがかってなかったために、外国の通信社の方々などがこれを見て、あるいは聞いて、何か日本は間違いを、制度の下をくぐって何かやっているんではないだろうかというような一つの記事を送ったものがあるかもわからないけれども、しかし、たてまえとしてはそういうことがないように、また一、二例外はないわけではないと思うが、しかしその例外は全部ではないのだと、その点は御安心を願いたいという旨の手紙を出したのでございますが、ブランデージさんから、そういうたてまえでひとつ十分強い選手をつくってもらいたいという返事がまいっております。今後も選手を勝たせなければならぬという現場の非常に激しい熱意あるいは情熱によりまして、例外が全然起こらないということはこれは保証はできないのでございますが、しかし、われわれといたしましては、例外はできるだけ起こらないように今後とも努力をし、これがオリンピックのみならず、将来の日本のスポーツ界のために一歩も二歩も前進がなされるように努力してまいりたい、かように考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私はブランデージさんに会ったこともなければ、直接手紙をお送りしたこともないのですが、そこで大島さんに伺いたいのですが、ブランデージさんがほんとうに世界のスポーツ界の現状を嘆いて、この機会にクーベルタン精神に引き戻さなければいけないという、本気で取り組む意思でああいう発言をしているのか。いまのままでほうっておきますと、だんだんアマチュアリズムはどこかにいってしまって、プロとアマチュアの境がなくなって、オリンピックなんか、あなたが言うようになくなってしまうんではないかということを憂えて、本気であれを言っているのか、これ以上あまり堕落しないようにという程度でものを言っておられるのか、私はそこが非常に大事だと思うんですよ。だから、この機会にひとつ警告を発しておこうというようなことならば、お互いにある程度自粛をし、あるいはある程度言いわけの立つ程度にしておけばいいですけれども、本気でクーベルタン精神に戻さなければならぬという気持で言っておられるならば、これはあなたはへ理屈になるとおっしゃるけれども、私はへ理屈にもならぬと思う。ただ、いまの日本だけのことを考えましても、日本の選手強化の態度といい、選手強化の予算の仕組み方といい、これは厳格な意味からいえば、こんなものはアマチュア精神というものはすっ飛んでしまいますよ。ただ、今年は東京大会でありまして、日本が主催国でありますから、この主催国が、あのブランデージさんの発言が本気でああいうことを言っており、また本気で東京に来てああいうことを言われたならば、私はもういかに道路をつくり、施設をつくりましたところで、日本そのものが次から次へと欠格者になってしまって資格を失ってしまう、こんなことになると私は思うんです。まさかそういうことはないと思いますけれども、そういう意味合いで、こういう機会にブランデージさんの発言を私は見まして、この問題をもう少しオリンピックの準備として真剣に取り組まなければいかぬ。事が起こったらたいへんなことであると、こういうふうに私は憂えているのですよ。この点、あなたの御感触は——まさかブランデージさんだって世界のスポーツ界の事実を知らないはずはない。あんな理想主義を言っても通ずるものではありません。ありませんけれども、これ以上堕落させたくないという気持でものを言っておられると受け取っておられるのか、これを前に引き戻そうとして真剣にやっておられると受け取っておるのか、そこのところはどういう気持であなたは受け取っておられますか。

大島鎌吉日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部本部長

○参考人(大島鎌吉君) これは全く感じであり、観測でありますが、私は、ブランデージさんはクーベルタンのあの精神を生かさなければならぬという考え方だろうと思いますが、しかしながら、ブランデージさんの考え方に同調されていないIOCの委員——まあたとえば具体的に申し上げて恐縮でありますが、副会長のイギリスのエクゼターキさんなどは、かなり現実的にものを考えておられるというようなことでございまして、私は、ブランデージさんは、オリンピックの精神を掲げるところの一つの聖者みたいな存在ではないかと考えます。しかし、一方において私はそういう方がいればこそオリンピックというものが、今日いろいろな形には変わりますが、続いておるのではなかろうかというふうな印象を受けます。これはまことに印象で恐縮でございますが、そういうような印象を受けます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 じゃ、私は国内だけの問題でもう一つだけあなたに伺いたいのですが、大島さん自体は、日本のこの現状から見て、これでアマチュアというものはいいとお考えになりますか。やはり私はあなたも、ブランデージさんと同じように、何かこれをもう少し秩序あるものに、アマチュアはアマチュアらしいものに引き戻さなければいかぬというような感想を持っておられるのではないか。ところが、たまたま強化対策本部長というようなことで、あなたの持っておられる気持と現実と矛盾を感じながら、日夜選手強化に奔走しておられるのじゃないかと思うのですが、で、選手強化本部長は本部長として、それは別として、あなた自体はこれでいいとお考えになっておられるのでしょうか。たしかあなたがおつくりになったのじゃないかと思うのだが、体育協会にオリンピック憲章を掲げてある。スポーツは楽しむことが目的であって、それ以外の目的を持ってはいけない、スポーツは人間のみが持つところの最高の文化であるとか、道徳であるとかいうスポーツ憲章がありましたね。これはあなたがつくったか、もしくはあなたの息のかかった憲章ですよ。その大島さんが、現状においてどういう感想を持っておられるか。これは私は、私だけの感想を申し上げますと、オリンピックはオリンピックとして、オリンピックだけがスポーツのすべてではありませんから、この機会に、国民が非常にオリンピックに関心を持ったときに、やはりアマチュアリズムというものを大いに強調するいい時期ではないかと思うのです。そうでないと、逆にスポーツというものの生命が非常に短くなるのではないか、こう思うのですが、私はこういう機会に、ほかの委員の方をおいてお尋ねをするのはどうかと思いますけれども、この機会に、幸いアマチュアリズムというものについてのあなたの持つところの御意見を伺えればけっこうだと思います。

大島鎌吉日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部本部長

○参考人(大島鎌吉君) 河野先生御指摘のとおりでございまして、私たちは、選手強化の仕事はやっておりますが、しかし、日本の代表として出るところの選手は、日本の青年のりっぱな代表であるべきだという考え方で、選手とともにやっておるわけでございます。ただし例外は幾つかございます。その例外をもって全部を推しはかってものを言うことも、私たちとしては非常に迷惑な話であるわけでございまして、例外は出ないように努力はいたしております。  で、私のほうで出しておりますところの機関誌「オリンピア」がございますが、これは多くの人に読んでいただいておると思っておるのでございますが、これなどにはアマチュアリズムの問題、強化対策本部のものの考え方、アマチュアのスポーツを将来とも振興するためにわれわれは一つの人柱になっていくんだというような考え方が、常に出ておるわけでございます。選手強化対策本部出発の当時には、いろいろの意見もありました。最近では、首脳部の方々も大体われわれと同じような考え方で選手強化に励もうではないかというふうに、方向がついているかに考えられるわけでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 これは総務長官に伺うよりも、むしろ佐藤さんから入場券のことで聞きたい。もともと足らないものをさばくのですから、入場券の問題は次から次へとあなたたちが予想しなかったようないろいろな問題が起こっていることは、これはあたりまえです。これはあなたを責めようとは思いません。思いませんが、この事後処理はなかなかむずかしいと思うのです。そこで、私は具体的にひとつこの前お尋ねしたことを引き続きお尋ねする。私がこの前、あなたもたしか御同席だったと思いますが、入場券が国内でこれだけ不足して大混乱をしているときに、東京オリンピックであるから、この機会に日本を世界に紹介するにはいいチャンスであるから、外人に対して特に優先権を与えろということに異論はないのであるけれども、ただ、その優先権にも限度があるというお尋ねをした。そこで私は、外人とは何かということを聞いた。そしたら、外人とは外国人であると言ったから、私はおこった。私が言うのは、私の見解をもってすれば、組織委員会でまずホテルの準備をし、自動車の準備をし、入場券の準備をし、一切の不自由をかけないようにやる対象になる外人というものは、オリンピックの関係の役員、プレス関係、外交官、そういった限られたところの外人が、いわゆるあなたたちが準備するところの対象になる外人だと、こう思う。国籍を異にする人みんなが、ホテルの準備をし、自動車の準備をし、切符の準備をしなきゃならない対象だとは私は思わない。これは毎回四年ごとに行なわれるオリンピックにおきまして、われわれが外国へ行きました場合に、これは外人ですわね。向こうの政府なり組織委員会なりその他から、ホテルの準備をしてもらって、切符の準備をしてもらったことはありません。自動車のお世話をしてもらったこともありませんよ。半年なり三月前に、それぞれ在外公知なり在外の商社なりを通じまして、自分で準備をし、自分で努力してホテルを獲得し、向こうに行きまして自動車を雇ってゆくわけです。それが例でしょう。それは、私の誤解かもしれませんけれども、日本におきましては、外人が三万来るのであるとか、二万五千来るのであるとか——二万五千とか三万という外人は来るかもしれませんけれども、あなたのほうで責任をもってホテルなり車の世話をしたり入場券の世話をする外人というのは、そんなにあるはずはないと思うのです。それを、いまでも、あなたのほうでは、国籍の違えるものは、それが外交官であろうとなかろうが、プレス関係であろうがなかろうが、一般の観光客も、一切、外人としてホテルのお世話をしたり、その他のお世話をする、こういう対象にお考えになっておりますか。これを私は伺いたい。はっきりしてください。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいま河野先生からお尋ねがございましたが、河野先生のおっしゃるとおり、外人関係につきまして私のほうでホテルを世話し、また、入場券——何といいますか、席を確保いたしますのは、おっしゃるとおり、IOCの委員諸君でありますとか、ISFの委員でありますとか、選手諸君でありますとか、プレス関係の方々だけでございまして、ほかの観光客につきましては、私のほうで入場券をだいぶ外国に対しまして売りますけれども、これにつきまして、私のほうでホテルを準備するということではございませんが、ただ、入場券を売りますにつきまして、ホテルの手当てのついたものだけ入場券を売るというたてまえをとっておりまして、これは私のほうでありませんで、東京都のほうでおやりになっております。  それから、ただいまお話のございました自動車の件等につきましても、大会関係者の交通輸送につきましては、私ども自身が世話しなければならぬものでございますから、ほかの一般観客につきましては、政府各省にお頼みいたしまして、いろいろな御便宜をはかっていただくという程度でございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 そうしますと、私と全く見解は同じでございます。これは従来数多く行なわれましたオリンピック開催国におきますところの外人に対する取り扱いの共通した例ですね、そのとおりおやりになる。こういうことでございますが、それなら、いま現在で一般の外人の観光客と申しますか、これはどのくらいお見込みになっておりますか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) 私のほうで考えておりますのは、先日来からお答えいたしましたように、ピークにおきまして三万人ぐらい一般観光客がオリンピックのときにこちらに来るのじゃないかということで、いろいろな準備を進めております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 もうしかし、それぞれの国が在外公館なり出先の商社なり、その他縁故を通じてオリンピックを見たいということで、いろいろホテルとか入場券というものを手当てをしておる、そろそろ固まってきておるのじゃないでしょうか。いまごろ、まだ三万であろうとか二万五千であろうということでなしに、もう少し固まってきているんじゃないか。われわれが外国へ行く場合には、少なくとも半年前にすべて手当てしましたよ。それを、日本のみが開催の直前まで数字がわからぬというようなばかなことはない。直前でないまでも、三月前になってもわからぬということはないと思うのです。  じゃ逆に聞きますが、いつごろになったら、それを締め切るつもりですか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいままでの入場券の販売状況につきまして一応御報告いたしたいと思います。本年の一月十日現在の数字がいまございますので、それを御報告申し上げますと、国内につきましては、ただいまのところ三十一万売れております。海外につきましては、この前から御報告いたしましたとおり、約十万を売り出しておりますが、ただいままでのところ、販売されましたものは、まだ一万二千でございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 そこで、私はいま言うようなことをしつこく伺うのですが、向こうから十万来たいというなら、十万でもいいですよ。ところが、国内でこれだけ切符がなくて騒いでいるときに、十万というものを別ワクにしておいて、そして、もし、最後にいってそれが五万で終わりました、三万で終わりましたということでは困るじゃないですか。それなら、外人が求めるところの数量を早く固めたらいいじゃないですか。  それからついでに伺います。こういうことはできませんか。私の耳に入ったのだが、国内ではなかなか切符が買いにくいのですけれども、日本人でも外国へ行くと切符が買いやすい、だから、日本人でちょっとりこうな男は、ロンドンの商社の出張所とか、ニューヨークの出張所とか、ハンブルグの出張所とかという商社の出張所に頼んで、向こうで十万のワクの中から切符を買わして、そうしてそれを国内に送ってもらう。何も明治神宮野球場で徹夜して買うというばかなことはしなくていいのだ。在外高社の、外国で生活している者に頼んで、向こうで切符を買ってこっちに送ってもらえばいいのじゃないかというようなことを聞きましたが、そういうことはできるのですか。また、そういうことをお耳にしておられませんか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいまのお話でございますが、先ほど申し上げましたとおり、外国のエージェントにまかせておりまして、それでやっておりますので、それには国内で、こちらで宿泊設備があるとか、そういうような証明によってやっておるわけでございますが、ただいまおっしゃったようなことは、私あまり聞いておりませんが、そういうことのないように今後も気をつけたいと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 在外のエージェントにやっておる、そのエージェントが売る場合には、それは日本人には売ってはいけないということはない。だからロンドンならロンドンのエージェントに、そこに日本からロンドンに行っている商社の方が買いにいった場合に、これを拒むわけにはいかない、いまの制度からいえば。そうではないですか。そうすると、私がいま聞きましたようなことが起こり得ますね。たとえば、かりの名前で、三井物産なり三菱商事、これのロンドンの支店から切符を二十枚なり三十枚エージェントに申し込む、切符が足りなければ送ってやるといって、東京にどんどん送ってくる、一番早いじゃないですか。私はそういうことはあり得ないと思うけれども、うわさでもそういうものが出たら、それに対しても十分に組織委員会で秩序を立ててもらわなければ困ると思う。要するに、私が申し上げたいのは、国内でこれだけみんなが見たがって大騒ぎをしているのだから、日本人に一枚でもよけい売って機会を与えてやるということについて、もう少し関心を持ってもらいたいと思うのです。これは私は外人を粗末にしようということではない、外人優先けっこうでありますけれども、優先にも限度があります。そういう点で十万くらい売れるか売れないかわからないものを、こういうもので外貨を獲得したってたいしたことはない。それほど日本人は貧乏ではない、切符でかせごうというようなことは考えていない。だから、外人優先の考え方は間違いではありませんけれども、その中にも、国民に、もう少し機会を与えるためにはどうしたらいいかという御苦心があっていいと思うのです。私は、ないとは申しませんが、もっとあってもいいと思う、どうですかその点。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいまの河野先生のお話のとおりでございまして、国内でこれだけ入場券の獲得に非常に不便を感じているときでございます。国外で売りますものは一応予定しておりますが、国外ではもちろん状況を見まして、売れ残ったものはこっちに返しまして、こちらで売り出すつもりで、いろいろ作業を進めておりますし、ただいまいろいろお話の点につきまして、今後十分検討していきたいと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 これはちょっと私の質問が少しピントが当たっていないかもしれませんが、外国人を一応三万とかと予定をされておりますね。ところが、外国のエージェントに預託しておるのは十万、それはどういうわけですか。それが全部売れたら十万外人が来るのですか。いまちょっと伺ったので、御答弁を聞けばすぐわかることですが……。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) 十万と申し上げましたのは、競技会全部の切符の総計でございまして、ピークには三万ぐらいしかきませんけれども、一人の方がたとえば二枚であるとか三枚であるとか買うことを予想して十万発売しているわけでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 問題は、入場式の問題だと思うのです。それはどのくらいいくのですか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) 開会式、閉会式ともに二万でございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それは、外国のやつはいつまでに締め切るのですか、締め切り日はないのですか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいま私お答えしたのは、ちょっと違っておりました。開会式は二万、閉会式は一万五千でございまして、六月末で締め切るつもりでおります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私の希望ですが、六月末よりももっと早く締め切ることはできないのですか、もっと早く締め切って、そうしてそれをできるだけ国内のほうに回す。  それから念を押しますが、国外の商社等でそういうふうに買うことについては、これは手続上いけないということをはっきりさせるわけにいきませんか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) 国外の商社が買うことにつきましては、従来もそれを指示しておりますが、今後も十分気をつけて指示いたしたいと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 六月のやつをもっと早く締め切ることはできませんか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) その点につきましては、もう少し見当さしていただきたいと思います。見当しまして……。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 いまの河野委員から御質問の問題にも関係しますが、先ほども総務長官から御説明のあったところで、外客三万に対しての対災の御説明があったわけですそれはそれでいいのですが、一方、別紙の、オリンピック東京大会に来日が予想される外国人数、いま河野さんからも御指摘があったのですが、いまの御説明では納得できないが、これによると、会計が十一万八千二百二十、こういう数字、もしこの予想される外人客が十一万八千二百二十名ほど見えられたら、三万人に対する宿泊の準備では、はるかに及ばないという、そういう結果になるのですが、これは三万人の外客対策をされることだけで事足りるわけですか。三万以上、予想どおりこの十一万八千二百二十名がもし来られたら——来るということは理論上あり得るわけです——もし来られたら、急には間に合わないわけですね、この関係を……。先ほどの御説明でよくわかりませんので……。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) そこに差し出しました資料に、オリンピック東京大会時に来日が予想される外国人ということにつきまして、いま伊藤先生からお尋ねがございましたが、先ほど私ちょっと御説明いたしましたとおり、ここに一般十一万八千人と書いてございますのは、一人の人が何枚も競技会の切符を買うということで予想したので、延べでございまして、ピーク時はやはり三万で、合計二万ということでございます。ちょっと表のつくり方が悪かったので、その点おわび申し上げます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そうしますと、見出しは、予想される外国人数という、そういう見出しの合計トータルを見ますから、当然十一万八千二百二十人、そうすると、これはいまの御説明では、人間の数ではなくて、もし人間の数なら延べの数であって、入場券数ですね。そういうことで了解してよろしいのですか。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) お話のとおりでございますが、少し表のつくり方が悪うございまして、大会関係者のところは、これは実際の数でございまして、あとの一般のところの数字だけが延べになっております。ちょっと表のつくり方が悪かったものでございますから、その点おわび申し上げます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 それではついでに、時間の関係もありますから、一つだけお伺いしますが、昨年東京国際スポーツ大会がございまして、私も参ってよく拝見さしていただきましたが、そのときに、いろいろの問題を見聞したわけです。一つの事例を申し上げると、選手の入場の際の行進の途中で、あるいは写真をとったり、あるいは横になっておったとか、そういう見苦しい状態が散見されておったとか、また、急づくりの、何といいますか、いわゆる通訳ですね、その通訳の人が、競技ですから、いろいろ専門語が必要なわけですね。そういう専門語に、急の場合で間に合わないで、どうも意味が通じないでもたもたしている。そういうものも散見した一つの問題です。いろいろあげると、たくさんあろうと思います。また、ここにも詳細出ているようですが、ここでお伺いしたいのは、この昨年行なわれた国際大会こそ、この成果と反省がことし行なわれるオリンピックによくかみしめられて、その成果と反省の上に立ってオリンピックに備える、そういう心がまえが非常に大事であろう、そういうふうに考えられるわけですが、そういう点については、もちろん十分お考えでしょうが、そういう点については遺憾のない手が打たれておるのかどうか、また詳細は後ほど伺いますが……。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいま伊藤委員から御指摘のありました点につきましては、昨年の国際スポーツ大会におきまして、いろいろのわれわれといたしまして反省すべき点が多々あったと存じます。ただいま一例におあげになりました通訳の問題等、いろいろな問題がございました。われわれといたしましても、国際スポーツ大会が終わりましてから、われわれ内部におきまして、また競技団体におきましても、いろいろと検討いたしまして、ことしのオリンピック大会にはこういうことのないように、いろいろ反省し、いま準備しておる段階でございます。われわれといたしまして、予算でこれまた必要なものは計上いたします。この点に遺憾なきを期したいと存じます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 ちょっと資金財団の方にお尋ねしたいと思うのですが、オリンピックの入場券、国内の券の扱いは交通公社に一手にまかせたと思うのです。これをまかせるときに、手数料その他は定額でおきめになったのか、それともかかったものは負担をするというきめでやられたのか、これをちょっとお聞かせ願いたい。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) お答えいたします。交通公社にお願いしておりまして、その手数料は五%ということでございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 実は交通公社が十二月一日に株式会社になって出発をしたのですが、そこで十一月末日までの決算の資料を取り寄せていろいろ検討したのですが、オリンピックの入場券を一手に引き受けているから、さぞかし交通公社は膨大なもうけをしておるのじゃないか、こういうふうに思ったところが、営業収入とそれから営業経費とを検討してみますと、たいへんな赤字なんです。こういうことになるというと、五%の契約ではたいへんどうも欠損ができるのじゃないか。あとで交通公社からまた資金財団のほうにこれこれの赤字だから出してくれというようなことを言ってくるのか。それとも膨大な赤字が出ようと出まいと、約束どおり五%ときめたから、それでやらせるのか、この点をちょっとお聞かせ願いたい。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) その点につきましては、ただいまお話のございました点は、私ども従来まで聞いておりませんので、何とも申し上げられませんが、ただいまのところ五%の手数料でやっていけるというふうに聞いておりますので、お話がございましたらまた検討いたすにやぶさかではございません。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 ちょっと参考に申し上げておきますと、十一月末の概算速報というのでオリンピック入場券の収入が千百二万七千円、ところが営業経費としては千三百四十四万九千円で、すでに二百四十三万円の赤字になっておる。ところが十一月ですから、これからずっとやっていきますと、かなり高額の赤字が見込まれるのです。こういう結果になっておりますので、この赤字処置については、交通公社に持たせることはけっこうだと思うのです。だからあえて手数料の引き上げなどする必要がない、こう思いますが、しかし、まあ一手に引き受けているからには、かなりもうけているだろうという誤解が出てもいかぬから、あくまでも負担させるならさせるように、ひとつ資金財団でも取りきめをきちんとさせておいたほうがいいのじゃないかと考えますので、質問の過程で要望しておきます。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいまのお尋ねでございますが、十一月の決算がそういうふうにお話がございましたが、初めに交通公社に頼みまして、初めのほうの経費はわりにかかったのではないかと私は想像いたします。いままでの話し合いで五%の数料で交通公社が引き受けておりますので、それでやっていく方針でおります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 佐藤さんに伺うことがいいと思うんですが、準備の中で、オリンピック開催時における治安対策について、何か警察庁その他との連絡機関をすでにやっておられますか、もしやっておられたらどういう打ち合わせができておるか、もしやっておられなければ、私は委員長にこの機会にお願いしますが、次のオリンピック委員会に、警視総監なり警察庁の長官なりをぜひひとつ呼んでいただきたい、かように思います。私は、この機会に私がかように申す気持を申しますと、町をきれいにしましょうとか、花を植えましょうとか、準備としてけっこうですよ、けっこうですけれども、もしオリンピック開催時において、毎日われわれが新聞紙上、ラジオを通じて聞いておりますように、凶悪犯罪が起こって、しかもその凶悪犯罪の相手方が、まあ、あなた方三万人と予想しておられますが、外人であったというようなことがかりに一つの事件でも起こしてごらんなさい、これはもう百日の説法へ一つというのはこれですよ。私はこれにつきましてなかなかこれは困難な問題だと思う。いまの東京都の現状からいきまして困難な問題でございますけれども、これはよほど掘り下げて治安対策につきましての万全の備えをしなければ、これが民族の祭典であるとか、世界の祭典であるとか、日本の文化を世界に紹介するいいチャンスであるとかいいましたところで、紙くずを拾ったり、花を植えましたところで、そんなものは何にもならないんで、これこそ、私はせめてオリンピック開催時におきましては、きわめて平和な、平静な東京都というものを私は外人に見せなきゃいかぬと思いますが、これは私はもうすでにやっていらっしゃると思いますよ、やっていらっしゃると思いますが、もし治安対策について、何らかの連絡協議会なり、その他打ち合わせがありましたら、どの程度まで進んでおるか、ひとつ御開陳いただきたいと思います。

佐藤朝生オリンピック東京大会組織委員会事務次長

○参考人(佐藤朝生君) ただいま河野先生からお話がございました点、われわれも非常に関心を持っておる点でございまして、私どもといたしましても非常に関心を持っておりますが、また政府におきましてもいろいろとお考え願わなきゃならない点がたくさんあると思います。とても私どものほうの力だけではできません。政府においていろいろお考え願いたいと存じておる次第でございます。われわれのほうで、いままでこの問題につきまして治安当局と話し合ったことはあまりまだないようでございますが、今後ともいろいろ政府にお願いしまして、この問題に万全を期したいと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 これは私からいろいろお尋ねしておきながら、これは私たち自体の責任の問題だと思うのですが、オリンピックの予算、予算といって騒ぎますけれども、そのオリンピックの準備の予算の中に、治安についての予算について、私たちが考えておったけれども、形の上において何も出ていなかったことは、私たちは自分自身も怠慢だと思うのです。しかし考えてみれば、今申し上げたように非常に大事な問題だと思います。でありますから、しかも佐藤さんは、率直に私たちのほうでまだそういうふうな連絡協議会的なものを持ってまだ打ち合わせていないということであれば、これを私どうこう言いませんけれども、ただし私がいま申し上げたことは重大であるということだけは共鳴されるでしょう。それならば、私たちもこれからそれに対しての準備については大いに協力することはやぶさかではございませんけれども、あなたのほうでも即刻それについて何らかもう少し考慮をされなければいかぬじゃないか、かように思いますし、私は重ねて委員長にお願いしますが、他の委員の方に御同意を得られれば、次の機会に私は警察当局をひとつ呼んでいただきたい、かように思います。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) ただいまの河野委員の要求の件につきましては、理事会で協議いたしまして善処いたしたいと思います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 最後に一問だけ大島さんにちょっとお尋ねしたいと思います。最近資料を見ますると、金メダル十五、こういうことが大へんわっと表に出てきてしまった。こういうことがかえって金メダルを取る、勝ち得る選手に重荷になって逆効果ではないか、こういうふうに思いますが、一つは鼓舞する意味において、責任づける意味において、こういうふうに表面に打ち出したほうがいいのかどうか、その点をちょっと伺っておきたい。

大島鎌吉日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部本部長

○参考人(大島鎌吉君) 御指摘のとおりでございます。確かに一応目標として、目標を立てることが適当であろうと考えて、あのような措置をとったわけでございますが、現在私たちが非常に迷惑をしておるのは、実はマスコミ攻勢でございます。金メダルを取るような選手、私どもではだれとだれが金メダル候補であるというようなことは申しておりませんで、みんなの努力で十五は取ろうじゃないかという見通しをいたしておるのでありますが、マスコミ関係の方々は、大体予想がつくとみえまして、それぞれ金メダルの候補選手に向かってこの暮から正月にかけまして、いろいろな取材の計画を立てられる、それでかえって計画的なトレーニングができないというような事態が起こってまいってきておるのでございます。それで、私はそういうようなマスコミからの影響力で計画的なトレーニングができないというようなことがあるので、それはなるべくそっとしておいていただきたいというふうに考えております。それからもう一つ危険といいますか、心配になりますのは、選手自身に責任感を持ってもらうのは、これは非常にけっこうなんでございますがマン・ツー・マンの形式で選手とコーチが一心に勉強する措置をとっております。そういうふうな関係から、コーチのほうが無理をしいる、成功をあせるために無理をしいることが起こるのではないかという点で心配をしております。そこでお手元に差し上げました資料の中にございますが、マスコミ関係につきましては、過般東京運動記者クラブと覚え書きを取りかわしまして、取材については選手強化計画がディスターブされない限りにおいて選手強化対策本部もこれに協力を惜しまない。また一方、東京連動記者クラブから、御承知のとおりテレビ、ラジオを含めまして二十九社約六百名ばかりのく会員がおるのでございますが、東京運動記者クラブのほうでも、選手強化に協力をしたいというような意味の覚え書きを取りかわしたわけでございます。具体的な問題につきましては、それぞれ競技団体と個々に折衝してもらいたいというような覚え書き——実はきょうも四時からもう一回会合を開くことになっております。問題になりますのは、ここで申し上げるのはどうかと思いますが、端的に申しますと週刊誌その他雑誌社でございます。これがいろいろな計画、スポーツに関係ないような計画がたくさんあるわけでございます。私たちの考え方としては、東京運動記者クラブとの取りかわしました覚え書きによりまして、相なるべくはそれぞれの関係の機関もこのような考え方で協力を願いたいというので、最近のうちにお願いをする予定になっております。一方コーチも非常にあせることによりまして選手を追い込みはせぬかという心配につきましては、今後何回かコーチ会議その他を開きまして、ほかが何を言おうとも計画どおりやってもらいたい、まあ腹固めのための会議を開きたい、かように思っております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 関連ですが、私いままで質問しようと思って遠慮しておったのですが、さっき河野委員のほうから、やはりオリンピック本来の使命というのが逸脱されてくるのではないかという、そういう御心配を伺ったのですが、実はこの間、東京国際スポーツ大会ですか、ございましたね。そのときに渋谷の学校の校長先生みんな呼ばれたのです。行って帰っての感想を聞いたのです。そうしたら、どうもぼくたち学校におって、いろいろなマスコミ、たとえば漫才一つをとってみても、オリンピック金メダル、その金メダルは幾つで幾らでどうだのこうだのとばかり出てくる。子供は非常にスポーツに興味を持っておりますから、金メダルに頭が集中して、オリンピック白痴化という傾向がだいぶ出てきて心配している。ところが国際スポーツ大会を見て非常によかった、やっぱりああいう中から正々堂々と日本というものが国際的な体育の中にどう位置づけられて、しかも勝敗は別にして、ほんとうにスポーツマンシップというものを学ぶ最大の機会だと、こういう国際的な視野の中に立ったものが教育の一環として受け取られてきたということを言われたのです。そこで私はふっと心配したことは、体協の役員が改選になったときに、プリンスホテルで役員の紹介の会があったのです。そのときに私文教委員会に属しておったのですが、荒木文部大臣が代表してこういうことをおっしゃった。とにかく勝たなければならない、何でもかんでも金メダルは全部日本にもらうように皆さんおやりなさいと、こういうことをあの中で言ったのです。いらっしゃった方あるでしょう。私そのときにはっと思って、大臣に、ちょっとそれは変ですねと言ったところが、そばにおった文部官僚の皆さんはてんとして、あれはメッセージだからということでそしらぬ顔をしていた。こういう中で一国の文部大臣がこう言うことは、オリンピックを開催していく当の文教の責任者として、非常に問題がある。しかもそれが大学その他に波及していって、勝つためには何ものも犠牲にする、こういう傾向が出てきたのではないか。そういう点で非常に心配しておったのですけれども、最近のやはりマスコミ関係その他を見ていきますというと、何か金メダルどこそこが幾つ、どこそこが幾つということが非常に大きく出てきて、やっぱり当の日本でやるオリンピックの意味というものが薄れかけていくのではないか。アマチュア問題の限界はともかくとして、そういう点、非常に心配するわけです。そうすると、有終の美を飾るということと、将来の青少年に対するやはり教育の場面としても思わしくないのではないか、こういう点考えますが、これはいない大臣のことですが、うそを言っているのではなくて、私開いたので間違いないことですけれども、とにかく全部全メダル持ってこいということを聞いたのです。いまの文部大臣まだ聞きませんけれども、体育局長どうなんですか、それは。

前田充明文部省体育局

○政府委員(前田充明君) 私どうもその席をはっきり覚えておりませんが……。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 あなたいたですよ。

前田充明文部省体育局

○政府委員(前田充明君) 金メダルを取ってこいという意味のことを言われたことは確かにあると思います。しかし、まあそのときの大臣のお気持は、これは選手が集まっている場所でございます。したがって激励をする意味でおっしゃったと思っておりまして、私どももいろいろな機会で、その機会の空気によってそういうようなことも言うことはございます。しかし、私ども決してだからといって何ものも犠牲にしてもいいというような考えは毛頭持っておりませんで、クーベルタンが、参加することにオリンピックの目的はあるのだということを言っておられるとおり、オリンピックは、もちろん勝つために何ものも犠牲にしていいということはございませんし、先ほど来アマチュアとプロフェショナルの問題がございましたが、私も一昨日ですか、毎日新聞の記者に話をしまして、それが新聞に出ましたが、私自身も今日のオリンピックにおいては、その国際的な立場というものと民族的な立場というものをどうやって一体調整をし、考え方でいくかというところが、確かに一つのオリンピックの問題点であるのだ、また日本としても、行なわれる以上は、それがりっぱにいくようにということを一つのオリンピックのビジョンとして私自身も考えておりますが、かような立場から申しまして、文部省として決して何でも犠牲にしていいというようなことは毛頭持っておりませんし、前大臣が、そのときはちょうどそういう選手の何か壮行会のような場所ではなかったかというような感じがしておりますが、そういうような席でございますので、大いに激励した意味で申されたと思っております。また私どももそういうふうに確信しておりますが、ひとつその点は誤解をしていただかないようにお願いを申し上げたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは誤解じゃなくて、あなたは善意に、自分の担当大臣ですからかばうのはけっこうですけれども、あなた流の解釈でやはりものを言ったらいけないと思うのです。その場にいたのは、あなたは文部大臣の下にいますから文部大臣をかばう意味かもしれないけれども、やはりそれはへたなかばい方で、ああいう席で一国の文部大臣の言ったことは非常に問題で、日教組の征伐ばかりかと思ったらあんなこともやるのだなといって、もの笑いになっているのですよ。これは言うべきことじゃないので、私はそういうことを真剣に考えて言っているのですから、あなたもかばうのは程度にしてもらって、いけないのはいけないということで、きちっと上に言っていくという習慣をつけないと、変な方向にいきますから、気をつけていただきたいと思います。

前田充明文部省体育局

○政府委員(前田充明君) もし、そういうふうにお思いになったとしますと、私どもの補佐が悪かったわけでございます。今後とも十分そういうように世間から誤解を受けるようなふうな発言をなさらないよう十分補佐いたしたいと思います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 前田さん、誤解じゃなくて、荒木さんはもうおやめになって灘尾文部大臣になられたから、灘尾さんという方は非常に慎重に問題を扱う人ですから、そういうばかなことは言わないと思いますけれども、つい最近大相撲が終わりましたね、大鵬が全勝優勝をしたが、その大鵬の心境を語ったのを私は聞いたのですが、双葉山とタイ記録をつくろうという気持を前回は持っていた。十二回優勝すればタイ記録になるという気持で相撲をやったら、豊国などにもころっと負けた。ところが今度はそういう気持を捨てて、ただどうしたら観衆に納得いくような相撲がとれるか、そういう一念でいったら全勝ができたと、こう言った。これは大鵬の言われる心境はよくわかると思います。そういうように選手をしなければ……。それを、集めたところで全部に金メダルを持ってこいと言っても不一能なことだ。そういうことを要請することによって、金メダルを取れるような選手が非常に固くなってしまって、実際競技のときに失ってしまうというんではいけないから、こまかい配慮をお願いしようじゃないかという……。荒木さんだけでなくあなたが言ってもいけませんよ。誤解じゃなくて、そういうことはお互いに慎んで伸び伸びとひとつやってもらおうじゃないか、こういうことでおりますから、一個人が言ったからというようなことでなくて、お互いに相戒め合っていこうじゃないか、こういうことでひとつお聞き取り願って、その価に当たる文部省の体育局長ですから、御配慮をいただきたい、こう思うわけです。われわれまた大いに自重して、選手に負担をかけないような、しかもりっぱな競技をしてもらいたい、こういうことで大島さんの実の上がるようにわれわれは協力をしたい。それは大臣擁護はけっこうですけれども、そういう立場でやったんでは擁護になりませんから、そういう点を御理解願って、これで終わりたいと思います。

前田充明文部省体育局

○政府委員(前田充明君) 御趣旨のほどは十分わかりましたので、そういう方向で進みたいと思います。申さしていただきたいのは、私どもも非常に激励をすることばのあまり、ついそういう激励のことばの雰囲気の中で悪い意味にならないように、あるいは私どもなどもよく失言をいたしまして、言い過ぎますのでございますが、そういうことにならないように気をつけたいと思っております。

佐藤尚武第二院クラブ

○委員長(佐藤尚武君) それでは別に御発言もないようでございまするから、本件につきましての質疑は、本日はこの程度にいたします。  参考人の方々にごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中のところをわざわざ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。今後とも本委員会の審議のために御協力をお願い申し上げます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十五分散会

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