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46回国会参議院1964/08/31

オリンピック準備促進特別委員会 閉会後第1号

発言数
86
登壇者
13
会派数
3
開催日
1964/08/31

会議録

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ただいまからオリンピック準備促進特別委員会を開催いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。  本日、田中一君が辞任され、その補欠として戸叶武君が選任されました。   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  オリンピック東京大会準備促進に関する調査のため、東京都、日本放送協会、オリンピック東京大会組織委員会、東京オリンピック資金財団、日本体育協会等の関係者を参考人として御出席を願うことがあると存じまするので、本委員会において必要の際は、右関係者に参考人として出席を求めることとし、その人選及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  本日は、東京オリンピック記録映画に関する件等について調査を進めます。  なお、本件調査のため、委員長は、オリンピック東京大会組織委員会事務総長与謝野秀君、同事務次長佐藤朝生君、同報道部長富永正信君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君、同事務局長近藤直人君、東京オリンピック記録映画総監督市川崑君、東京オリンピック映画協会会長田口助太郎君、日本体育協会オリンピック選手強化対策本部本部長大島鎌吉君、日本放送協会東京オリンピック放送実施総本部統轄本部副本部長岡本正一君、以上の方々に参考人として御出席を願っております。  それでは、最初に御説明をお願いいたします。与謝野オリンピック東京大会組織委員会事務総長どうぞ。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) オリンピック記録映画の製作に関する今日までの経過につきまして概略の御説明を申し上げます。  この記録映画は、ローマオリンピック大会が行なわれます前から監督の黒沢明氏をお願いするという方針が立てられておりました関係上、この制作も、東宝及び日映新社という両社に制作を委託されるということに大体内定しておったのでありますが、一方、黒沢監督が種々の都合から監督を引き受けることがむずかしくなったという事情がございました。また、他方、他のニュース映画六社から、日映新社一社に委託するのはおかしいではないか、国家的事業であるから全部で共同してやるべきだという声が上がりまして、東宝も、それではというので、みずから辞退されたわけでございます。  そこで、ニュース映画七社、日映新社を加えました七社に委託して制作を行ない、また配給に関しては、映画の五大会社の社長で構成している映画連盟というものがございまして、そこで研究していただく、こういう方針できまりまして、いよいよ東京オリンピック映画協会というものを七社で設立することになりましたが、これも、こういう重要なものを扱うわけでございますので、社団法人として認可を求めておりまして、ことしの一月に、この社団法人東京オリンピック映画協会は文部省から認可されたわけでございます。この間にも、すでに七社の報道、ニュース・カメラの人たちが東京オリンピックに備えまして、昨年十月行なわれた東京スポーツ大会でいろいろと撮影を行ないまして、研究をし、実験を進めてまいったわけでございます。  その後、映画協会が設立された後に、黒沢監督にかわる、どなたかいい監督はないかというので、いろいろ物色されたのでありますが、結局、大映の市川監督が総監督としてこれをお引き受けくださり、また同時に、技術監督として、日本のカラー映画の権威である碧川道夫氏が技術監督に就任されることにきまりました。また、当時映画協会の協会長であった田口助太郎さんが、他の職をすべてなげうって、これに専念してくださることになりました。プロデューサーということをお引き受けくださったわけでございます。その後、ことしになりまして、各競技場の室内の照明であるとか、その他いろいろ映画作製に必要な調査等を行なって今日までまいったのでありまして、また、シナリオライターに和田夏十氏以下のスタッフがきまりまして、大体シナリオの原本もでき上がったわけでございます。  また同時に、この映画関係を、撮影を担当する人たちと協議するために、組織委員会の中に記録映画委員会をつくりまして、各方面の権威者に入っていただきまして、また、各競技場と非常に密接な関係があるものでありますから、記録映画制作連絡協議会というものを、各競技団体の代表一名ずつと、この映画協会のスタッフ及び組織委員会のスタッフでつくりまして、打ち合わせを行なっております。  すでに、撮影はいろいろな点で始まっておるのでありますが、今般ギリシャへ聖火を受け取りに行きました一行にも記録映画の人たちが同行しておりまして、すでにギリシャから途中の映画を撮影している、こういう状況でございます。  また、今月に入りましてから、田口プロデューサーの補佐として東宝の谷口千吉監督が就任され、また、音楽の担当に黛敏郎氏が就任され、いろいろ陣容を整えて遺憾なきを期しているわけでございます。  ただ、まだ未定になっておりまする部分は、その配給の問題で、五大映画会社の社長同士の話し合いで大体話がついておるのでありますが、まだこまかい点で最後の打ち合わせというところまでいっておらない。こういうのが現状でございます。  以上、簡単でございますが、概括的に御報告いたします。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) では次に、市川東京オリンピック記録映画総監督にお願いいたします。

市川崑東京オリンピック記録映画総監督

○参考人(市川崑君) いま与謝野さんから御説明になったように、着々と記録映画の構想は固まりつつあるんでありますけれども、私といたしましては、予算その他の点は、何も心配しておりませんのです。ということは、その方面のことは、与謝野さんとか、プロデューサーの田口さんとかに、もうおまかせして安心しておりまして、いま、この映画をどういう意義ある映画にするか、そのことに専心しているのが現状であります。ただ、少し事務的に、機材その他がまだ手元に入手できませんので、この辺をもう少し促進していただきたいというふうに思っております。  予算の点その他のことで心配はないというのは、厳密に言って、足りないいろいろな問題はあると思うのですが、私は、そのことにあまり頭を散らさないで、そのことは田口さんのほうにおまかせして、自分は制作のほうに現在かかりたいと思っております。簡単ですが……。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 以上で説明を終わりました。  これより質疑に入ります。質疑の通告がございます。これを許します。河野君。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 オリンピックをわずか四十何日の間近に控えまして、きょう御出席いただきました参考人の各位、非常に御多忙のことは承知しながらも、なおかつ、きょう御出席いただきました私の気持ちといたしましては、私が言うまでもありません。オリンピック開催時に直接各競技場に入りまして見物ができます国民というものは、国民全体から見ればわずか一%か二%にすぎません。でありますから、この場に臨みますと、準備も大体できたようでありますから、特に重点を置いていただきたいのは、オリンピックに直接触れることのできない大多数の国民に、いかにしてオリンピックの零囲気を味わってもらうか。これは私は非常に大事だと思う。お考えになっておると思う。その意味で、記録映画というものは、いま与謝野さんがお話しのように、いろいろな紆余曲折を経て、ここにスタッフが構成されたんでありますけれども、私は、思い切って、かかる金はかける、施設すべきものは施設する、人員等も、IOCの規定によりまして制約はあるようでありますけれども、できるだけ人員もより多くの人を配置して、りっぱなものをつくっていただきたい、こういう気持ちでございます。  その意味で、いま市川さんから構想についてあまり具体的にはお触れくださいませんでしたが、この機会に、市川さんは市川さんなりに、技術者として、予算その他のことは別問題にして、自分は予算にかまわず、大多数の国民のために喜ばれる、満足してもらえるような記録映画というものはどういうふうにしてつくる、どうしたらいいだろうということを、ひとつ、あらためて構想を伺えば非常にしあわせだと思います。

市川崑東京オリンピック記録映画総監督

○参考人(市川崑君) いま河野さんからおっしゃいましたように、私も、オリンピックの全貌というものは、とにかく科学が進歩しまして、テレビその他で——あるいは実際に競技場に行ってごらんになる方もあるわけですけれども、ほんとうの意味のオリンピックの全貌というものは、この記録映画にとどめを刺さすんじゃないか。しかもなお、記録映画はそういうところにキーポイントがあると、私もそう信じて、いま制作の構想を練っておるわけなんですけれども、映画と申しますのは具体的に何かを発言せいと言われましても、たいへん感覚的で、そしてたいへん創造的なものですから、でき上がってごらんになっていただくまでは、ああだこうだと私の口から申すのも、たいへん弁解がましくなりますんで、必ずやそういう意義ある作品をつくるという信念でいまやっておりまして、その意味において、一つの記録映画じゃない創作、つまり映画としての生命がある作品にこれを仕上げたいと思っています。何か具体的なことを申し上げても、やや専門的になると思いますんで、具体的な問題は、田口さんのほうからでも説明していただいたほうがいいんじゃないかと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それでは、もうすでに記録映画はスタートしておるんでありますから、それぞれ内部的にいろいろな具体的な打ち合わせも進行しておると思いますが、田口会長の立場で、いま市川さんの構想に基づいて録記映画をほんとうに国民に満足してもらうようなものをつくるために、何か不足しておる資材とか、または予算とか、その他、もしこれがあったならば、こうしてくれたならば、というようなものがございましたならば、進んでひとつ御発表いただきたいと思います。

田口助太郎東京オリンピック映画協会会長

○参考人(田口助太郎君) お答えいたします。  映画というものは、かければ幾らでもかかります。劇映画の場合でも、まあ一千万くらいから何億とかける映画、外国にいけば何十億もかける映画というようなものがあります。したがって、映画は、予算面から見ると制限がないというような性格の商品であります。あるいは、芸術といいましょうか。したがって、ある程度の限界は当然守らなければならない。  しかし、日本の国民に出して、あるいは私たちがいままで記録映画をずっと見まして、「民族の祭典」が最高である。その後ずいぶんできておりますけれども、あれが最高である。これは、私自身ばかりでなく、監督以下全部が、今度の映画をつくるについて見まして、そして全員一致の意見で、いままでずっと幾つもつくられたけれども、あれが最高である。あれがつくられてから二十八年、あらゆる科学技術は進歩しておりますし、芸術も相当いろいろな方面に発展しておる。それが二十八年後に少しも古さを感じないし、りっぱな映画である。しかし、日本も映画国としては世界に一、二を争う技術を持っておる国でありますので、映画技術的には決して「民族の祭典」に劣るようなものをつくりたくない。あれ以上のものをつくりたいという考えでスタッフ一同ががんばっております。しかし、そういう「民族の祭典」を上回るものということになりますと、なかなか現在の——あの当時は、国が予算をおかまいなしでやりましたので、相当現在の金に直せばかかったと思います。いま、あれほどはかけられないのですが、一番問題になるのは、私たちは、予算が少ないために、リハーサルが一回きりできなかった。選手強化というものは数年前からやっておりましたけれども、私たち映画をつくる側も選手と同様に強化しなければならないと思います。選手が新しい世界記録をつくるために、人類の持つ、人間の持つ最高のエネルギーを出すと同様に、われわれ映画人自身も、あの瞬間は選手に負けない技術と精神力を爆発させなければならない、そのためには訓練期間が非常に少なかった。昨年の国際スポーツ大会に技術的テストをやりました。それに基づいていろいろ反省をいたしました。しかし、それの完成後は、予算の都合上ストップ、全員解散というような状況でありまして、ほんとうにわれわれが動き出したのは、二月になって、事務局を入れて二十名くらいとなり、七月になってそれが五名ふえた、八月一日、十六名ふえた、この九月に二十名ふやす、九月十五日に三十八名ふやす、それから本番時になりまして、十月一日から百八十六名を動員する、こういう計画でやっております。したがいまして、ほんとうの意味の訓練期間というものは、大部分が十五日間の訓練であの映画をつくると言わなければならぬ、これでは、なかなか人件費その他がオーバーであるというようなことで、私は、会長の立場とすれば、一日も早く訓練をしたい。最高時には三百人の人間を出すのでありますから、これらのチームワークとか技術というようなものの準備に相当万全を期するために、予算があれば、もっと早く選手強化と同じくらいにやってみたかったと考えております。予算面としては、もうここまで来ては、あまり期待できませんが、しかし、われわれは、予算があれば、一カ月でも期間を早めて、十月一日と言わず、半月でも一カ月でも早く全員集合してもらって訓練をしたいというのが私の希望であります。  もう一つ大きく心配されるのは、現在でも、監督と責任者である私とがいろいろ議論をし、今後本番時になってくると、相当大きくけんかをしなければならないであろうと覚悟しておりますのは、フィルムの問題であります。  フィルムは、現在予算では十万三千メーターでございまして、仕上がった作品から見ますと、二十三倍であります。ニュース映画は大体十倍ぐらいの損耗率でありますが、二十三倍というような、よけいとるというようなことで、十万三千メーターの予算でやっている。したがって、普通の映画づくりの常識から見ますと、非常に多いというような感じを受けられると思いますし、またわれわれも、二十三倍あればというふうに考えておりました。しかし、これを競技別に割ってみたり、それから機械台数で割ってみたりしますと、非常に少ないということが言えると思います。  たとえば、今度準備いたしました機械は、アイモと申しまして、よく議会などでも手持ちでやっている機械でございます。これが、ピーク時は三日間でございますが、四十六台出ます。これは、全部ニュース七社から借り上げて出る機械でございます。それからアリフレックスと申しまして、大体それより大きい機械でございますが、これが四十七台ピーク時に出ます。それからハイスピードはこれは非常に高いものでございますので、小さいハイスピードだけ二台買って、あとは劇会社からそれぞれ一台づつ貸してもらう計画を立てまして、総計いたしますと約百台になる機械がピーク時に出ます。しかし、これはピーク時でありまして、毎日それだけの機材が出るというものではありませんで、これを平均して大体半分というふうに私は考えてみまして、平均して、アイモが二十三台、アリが二十四台、ハイスピードは、これは七台が全部出ますが、日数が少ない。  アイモが二十三台、半分にしまして、一分間に大体二十七・五メートル回ります。したがって、一つのアイモの機械で六分間一日に平均回してもらうといたしますと、五万六千九百二十五メートル要ります。アリフレックスは、平均して半分の二十四台にいたしまして、一日十二分回してもらうといたしまして十一万八千八百メートル要ります。ハイスピードは、アリ、アイモの五倍の速度で大体回す計画でありますので、十二分間に一台の機械が千六百五十メートル回ってしまいます。したがって、十二分間回すということは、一台の機械で一万一千五百五十メートル回る。これは七日間ぐらい予定しておりますが、それだけでも八万八百五十メートル。総計いたしますと、二十五万六千五百七十五メートル。  一つの機械が、平均いたしまして、一番多いので十二分、少ないので六分というような、非常にこれは常識で考えられないような分数きり回せない。それでも予算の二倍半はかかってしまう。一つの機械が六分間、一日じゅうに六分間ということは、これをどう制限するか。一台の機械で四時間も五時間も回すメイン・キャメラもあります。また、マラソンのように、沿道で一分間で済むものもありますが、とにかく、フィルムが多くなければいいものはできないというので、いろいろ苦心しておりますが、なかなかこの点が、監督とプロデューサーの私とが、予算面でこれからも相当やり合わなければならない。ほんとうの芸術的良心に従ってやるとすれば、おそらくそういう要求以上のものが出るであろう。しかし、日本の財政その他の面から見て、現段階では、既定分の十万三千メートルで、三千メートルぐらいはすでに使っておりまして、本番には十万メートルぐらいという点で、この点が、理想の映画をつくるということについては、私としては非常に心配であるということを現在考えております。  大きなよりよい映画——機械台数も、ぶっつけ本番でございまして、機械台数が非常に多いということが、フィルム量を多くする原因であります。劇映画の場合には一台の機械で大体できる。したがって、ピーク時には百台近くの機械を出すというようなやり方がフイルム量をたくさん費す。予算の面から機械台数を減らそうかという考えも持ちましたが、しかし、ぶっつけ本番、いついかなるときにどんなことが起きるかわからない。監督のイメージどおりに、劇映画ならば、監督が、泣いてくれとか笑ってくれ、悲観そうなかっこうをしてくれということは注文がつきますが、今度の場合は世界一流の大スターでありますけれども、残念ながら、われわれ映画人の要求するようなポーズはしてくれません。したがって、機械を相当方々に据えまして、単なるいわゆる記録ではない、非常に創作的な、永遠に残るものというような考えでいきますと、機械台数を制限いたしますと、シャッターチャンスを落とす。あるいは監督のイメージに遠いものがとれてしまうという形で、大体場所その他の制約から、これだけは置けるという数は各競技団体から了承を受け、準備、設定をする場所等も獲得をしている点から出た数字でございますが、しかし、この点も、機材をこのまますると、六分から十二分というほどきり、平均に回せないというような状況である。それでもあれですから、現在の予算からいくと、大体二分から四分、平均いたしますと。全体の機械台数の半分の機械が十五日間動くとして、現在のフィルムから見ますと、二分から四分くらいが一台平均の回し量であるというようなことで、非常にさびしく心配する点だと思います。  大体私の会長としての立場で、今後見通され、現在不便を感じておると思うものは、以上のものが大きなものであると思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私は、この段階にきて、記録映画撮影を今後理想的に進めていく以上において、いろいろ問題がまだ残っていることはよくわかったのですが、私がいまさら言うまでもなく、オリンピックの意義は、オリンピックを通じて世界各国に日本をよく理解してもらうという大きな目的もあるわけです。ところが、世界各国からこのオリンピックを、日本に来て直接見ていただく方は当初予定したよりも少ないようだ。かりに予定どおり来ても十数万の人ではないか、十万以内の人だということになりますと、どうしても、この記録映画を通じて、フィルムを通じて、世界に日本をよく理解してもらうという積極性が私はなくちゃいかぬし、その点に少し積極性が足りないと思う。同時に、前段申し上げましたように、国内を見ましても、九千数百万の国民の中で、オリンピックに直接触れることのできる人はわずか一%か二%ということになりますと、国民の血税によって、計算のしようによっては一兆ないし二兆という大がかりな準備をしてオリンピックを開催した、ところが、オリンピックが終わってみたら、大多数の国民には、オリンピックは何であったかわからぬということでは、私は相すまぬと思う。そういう意味合いで、私は、ここに与謝野さんもおられますが、もし希望される資材その他ございましたら、私は積極的にこれには協力すべきであると思うのですがね。  この機会に、ちょっと横道にそれますが、私は、しかもこの金は出しっぱなしではないと思う。記録映画をつくって、これは記録映画をただで方々にくれてやるわけではないでしょう。一体記録映画をつくったあとの処理、処分というものは、どうされるか。いずれ、これは売るのでしょう。考えようによっては、かりに五億、十億かけましても、その金は一時立てかえであって、すぐに五億、十億の金は回収されるものだと思う。この記録映画に投ずる金というのは、予算上は、一体組織委員会なり資金財団のほうは、どういうふうにお取りになっているか。出しっぱなしではないでしょう。そういうことを考えますと、金をかけてりっぱなものをつくれば、りっぱなものが高く売れる、高く貸せるというのでありますから、何もここで、大体間に合っていると市川さんおっしゃいますけれども、田口さんの話を聞きますと、必ずしも間に合ってないというようなことで、この機会に、もう少し私は、田口さんなり市川さんの立場を離れて、組織委員会なり文部省なり、記録映画についてどういうふうな考え方を持っておられるか、これを私は伺いたいと思うのですがね。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) ただいまの河野先生の御意見、ごもっともでありまして、実は、私も同じことを言って、今日まで予算獲得に、大蔵省なり文部省なりにお話ししてまいっておるわけでございます。実は、田口さん、市川さんがお引き受けくださった後も、こういう機材が足りない、こういう照明が要るというような御要求がありまして、従来の予算をはみ出したようなときでも、できるだけ御希望に沿うように今日まで努力してまいりました。また、河野さんのおっしゃるように、これは何もただでみんなにくれてやるものでなくて、回収できる金だというのは、まさにそのとおりなのでございますが、かりに三億かけましたときに、これで三億全額回収できるかどうかというところが、やはり見通しが立たないもので、ある程度はマイナスになる面も出てくるのじゃないかということはあるのでありますが、全額ただになるというようなことはないのでありまして、イタリアの例を見ましても、いまごろになってようやく黒字に近くなってきたというような実情もございます。私どもとしては、田口さん、市川さんのほうからいろいろな御希望がありますと、できるだけこれを実現するために今日まで努力いたしてまいりましたし、予算上も、当初の予定よりだいぶふえたという面もございまして、今後も、どうしてもこれがなければむずかしいという御注文がありましたなら、また研究して一緒に御相談したい、こういうふうに考えておるわけでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 そうしますと、記録映画に対する予算は、あくまでも予算であって、記録映画に投ずる金につきましては相当弾力性を持ってお考えになっておる、こういうことですか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) いままでの予算は、御承知のように、政府の補助及び東京都の補助、それから一般民間から受ける寄付、こういう三本立てになっていたわけでございます。政府の補助を受ける面のほうは、もう予算で、すっかりきまっているわけでございますが、ただ、民間の資金というようなもので、まだ考慮するなり、予備費というものが、まだわずかながらございますので、それを流用するというような方法はまだ残っている、こういうわけでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それから、市川さんに今度はまた伺いたいのですがね、記録映画の構想を私は伺ったのですが、実は、私があなたの口から構想を伺いたかった一面は、記録映画というと、すぐ先ほどお話のあった「民族の祭典」を思い出すのですが、あれは、われわれも若いころに見まして非常に感激したのですが、しかし、あの「民族の祭典」は、記録映画としてはりっぱでありましたけれども、一スポーツマンとして、スポーツの技術を観察する点から見ますと、価値がないのですよ。ところが、これは文部省でもひとつ——お考えになっておると思うけれども、記録映画に——見る人がですね、二いろあると思うのです。いわゆる記録映画で満足される人と、これからのスポーツを愛好する青少年各位、これが、スポーツの技術というものを、今後のオリンピックを通して技術映画というような観点から、ひとつ記録映画をお考え願って、いわゆるしろうと向きと、くろうと向きと、こういう二つの面が私は望ましいと思う。いつまでも、何か国際試合があるたんびに、日本の二十年、三十年前の古い選手が外国に行って、そうしてコーチ団を編成して外国へ行って、高い旅費を使って、そして見てくる。これは非常に意義のあることですが、これだけでは、次のメキシコで開かれるオリンピック大会を控えましても、その次を控えましても、これから大いにスポーツの選手を育成しなきゃならぬ。対象は、いまの高校、中学の生徒です。これらの生徒には満足いかないわけですよ。そこで私は、幸い今度東京でオリンピックが開かれ、世界の一流中の一流という選手が一堂に会するという機会に、記録映画と平行して、技術映画という観点から何か一つ残してもらいたい、こういうように思うのですが、市川さんの構想の中に、少し欲ばっておりますけれども、そういう構想も含めての何かお考えがございますか。

市川崑東京オリンピック記録映画総監督

○参考人(市川崑君) いま、そのお答えをする前に、ちょっと申し上げておきたい点がございますが、私が先ほど予算のことは心配ないというように申し上げたのは、もう心配だらけでしてね。私がそれを考えますと、もう演出のほうができないというような状態なものですから、もうそんなことじゃ、お金のことは知っちゃいない、そう自分で思っているわけです。そのほうの心配はむしろ田口さん、それから与謝野さんにしていただく。私はむしろ創造的なものをやるというようなことを申し上げたので、どうぞ。足りているということではないのです。  それから、いまおっしゃった、そのやや学術——いい意味での学術的な面ですね。そういう面も十分現在考えております。あくまでもこの映画は、私も切めて経験するのですけれども、記録映画とは言い切れない、もう少しスポーツという、まことに天真らんまんな人間の運動、人間のつまり一番素朴な動き、そういうものを通じて、やはり学術的——ということばはすごく変なんですけれども、いい意味でのわれわれができない、若い人のみができる、そういう人間の大きな機能、そういったものを重点的に描いていきたいと、私はそう思っております。  ただし、これはおそらく相当——いま田口さんがおっしゃったように、その一面でもフィルムが相当必要になってくるだろうということは事実ですね。ということは、あらゆる角度から、あらゆる尺数でそのスポーツ競技をそのままとらなきゃならない、そういうふうになると思うのです。ですから、やはりこれは予算が足りないわけですね、きっと。(笑声)ですから、もうあまりぼくは発言したくないわけなんですね、もう現在の状態では。まあ、ことばの上では、意義ある作品をつくると申し上げるわけですけれども、しかし、何事にもワクがあるわけですから、そのワクの中で最高とするものをつくろうと、自分では腹をきめてはいるのですけれども、まあ、あと足りない、足りない、そのあとのことは、与謝野さん、田口さんのほうでよろしくアレンジしていただきたいと、私はそう思っているのです。で、そのスポーツというそのものは、やはり映画の構成上どうしても重要視されてきますし、おっしゃるような形で、きっと入ってくると思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 文部省の体育局長に伺いますがね。御承知のとおり、スポーツの普及に一番大切なことは、施設と指導者の養成ですね。まあ、施設は遅々として進まぬけれども、文部省のお骨折りで、全国にプールがどんどんできたり、競技場ができたり、いろいろしております。また、各自治体も、それぞれ国体を通じまして、施設の充実をはかっております。  ところが、指導者の養成というものは、あなたのほうでやっておられるけれども、なかなか中途はんぱな指導者ばかりで、指導者らしい指導者はいないですよ。早い話が、迷惑千万だろうけれども、今度東京大会やるたって、相変わらず、われわれとあまり年代の変わらぬ織田君、南部君、田島君だのを引っぱり出してこなければ、それ以外に指導者はいないじゃないですか。そういうことを考えましても、指導者の育成ということは非常にスポーツの振興に大事だと思うのです。  そうすると、私の理想から言えば、今度のオリンピックを通じまして、技術的な映画をうんと金をかけてつくって、そうしてNHKも非常にお骨折願っておりますが、全国の高校大会とか、中学校の対抗とか、いろいろ大会ありますね。この方面に非常にスポーツ熱が盛んになってまいりましたが、私は、今度のオリンピックで技術映画をつくって、その技術映画を、全国の中学校、高等学校くらいは、一本ずつ全部これを届ける。大した金ではないと思う。これによって、私は指導者の育成というものは一ぺんに解決するというくらいに思っているのですよ。あなたのほうじゃ、毎年指導者育成というような種類で予算を組んでおられるが、なかなか大蔵省はがんとして出さない。出さないわけですよ。何だかピントが合わないのです、あなたのほうでやっている指導者育成という予算は。だから、具体的に、今度のオリンピックを通じて技術映画というものを作製して、これだけで全部片づくわけではありませんが、画期的な指導者育成ということにこれを通じて寄与すればいいじゃないか、そう思うのですが、それについて、あなたのほうでは、今度の記録映画について何か御意見ございますか。

前田充明文部省体育局長

○説明員(前田充明君) たいへん有意義なお話を伺ったのでございますが、記録映画からちょっと申し上げたいと思うのでございますが、記録映画は、組織委員会におきましては、憲章に基づきましておつくりになる。いま、おつくりになるものが、実際に競技の技術的な立場からいいまして非常に役立つかどうかという問題から出発しておられるのでございますが、「民族の祭典」において技術的な点で欠けるところがあるというようなお話もございましたのですが、そういう場合もあるかと思うのですが、私どもの感じから申しますと、「各種目の決勝を撮影した完全な映画によって、競技大会が永久に記録されるよう」、こういうことが憲章の中にうたってございまして、そういうことは、芸術的におとりになるとしても、憲章の精神は無視するわけではないと思うのでございます。  かような意味で、ある程度はもちろん役立つであろうと思っておりますが、憲章の中に、さらに「各国際競技連盟は、当該種目の技術的な十六ミリ映画を撮影して、学校、競技者クラブ、あるいは、その他同様の非公開の観客に対して、有料で上映することができる。」と書いてあるわけでございまして、こういう国際スポーツ競技連盟の関係の方は、競技場へ入って撮影をすることは許されておるわけでございます。したがって、そういう十六ミリ映画をつくるということはいいわけでございます。現に、これは私まだよく確かめておりませんが、国際陸連その他一、二の国際団体は十六ミリ映画をとる予定をしているというようなことをちょっと聞いておりますが、これは全く「技術的な十六ミリ映画」と初めから書いてあるわけでございます。相当役立つものができるのではないかと思っております。  で、私ども文部省のほうから申しますと、競技場へそうどんどん撮影者が入りますと、競技のじゃまになるわけでございます。そういう意味で、憲章でこういう許される範囲の人を一々書いてあるわけでございまして、したがって、まあ現状では、私ども文部省がそういう映画をとる計画は特に実は持っておりませんが、しかし、こういう国際競技連盟等、その競技場へ入る資格のある人たちが大いにそういうものをとってもらうということについては非常にけっこうなことだと思っておる次第でございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それは、あなたの御意見は非常に消極的でいかぬですよ。もう少し、国民体育の向上、スポーツの振興を責任を持って預かっておる文部省の体育局長がですよ。私が前段申しましたように、スポーツの振興に大事なことは、施設と指導者なんです。いかにして指導者を養成するか。この手段において、私はいまの技術映画というのが一番いいと思う。私も、それは、オリンピック憲章で許された範囲というものがあって、今度の場合は、陸上に、ドイツの技師かなにかが二名来てやるということだけだと聞いておる。まだほかにもあるかもしれぬが、私はそういうふうに聞いておる。それだって、陸上に二名だけの、ドイツのどういう人が来るか知らぬけれども、もう少し日本のスポーツ界としての観点から、こういう技術をぜひ記録に残しておきたいというものがあるはずですよ。それを、オリンピック憲章に違反しちゃいけませんけれども、オリンピック憲章の許される範囲内においてですよ、積極的に技術映画を残そうと思えば、何か方法があると思う。  そこで伺いますが、与謝野さんね、オリンピック憲章で許された範囲で、NHKのあれは入りますね。取材班は入りますね。それから記録映画は入りますね。このどっちかで、もう少し技術映画に重点に置いた取材というものをやる方法を積極的に私は御検討願うべきだと思うのですがね。私は、かく申しますのは、スポーツが好きですから、NHKのオリンピック、アワーというのをしょっちゅう見ております。私は、あれは技術的な面からやや満たされておると思う。しかし、遺憾ながら、NHKの取材を見ておりましても、いわゆる今度日本に集まって来るような一流の選手、これが必ずしも満たされていない。かりに満たされましても、いわゆるオリンピック大会を控えまして、本物のところは、真剣勝負のところはなかなか出てこないわけです。ですから、もし市川さんのほうでやられる記録映画に技術映画というものを並行してできないならば、NHKのほうで、それを何か取材班のほうにいまから準備して、そのほうの支度をしてもらうとか、もしそれがオリンピック憲章としていけないなら、堂々と許された記録映画の範囲において、そういうものをひとつ並行してつくってもらうということを、組織委員会なり文部省は積極的にあっせんすべきですよ。私はそう思う。  ただ私は、市川さんできるとおっしゃったけれども、技術面でちょっと心配するのは、私は百姓のせがれですから、百姓の例を申しますよ。たとえば、品評会で一等になった牛、品評会で一等になった豚、これを少し新聞社の写真マンに何かちょっととってもらいたいと言いますと、大体頭のほうからとるのですよ。ところが、ほんとうの酪農家、ほんとうの養豚家というものは、頭のほうはとらないのです。乳房を中心にしてとる。きたないことばだけれども、しりのほうをとる。けつの骨格をとる。こういうことですわね。まあ、あなたのほうは、そう言っちゃ何だけれども、やはり頭のほうから、目つきなり鼻つきをぐあいよくとる。こういうことだと思うんだ。ところが、やはりスポーツの専門家になりますと、いわゆる技術映画的なものになりますと、牛の例で言えば、乳房を中心にしてとるとか、けつのほうの骨格を中心にとるということになるのだけれども、その技術者というものは、あなたのほうでいまから間に合うかどうか。その点は、NHKのほうは、わりあいによく、いままで取材班で、そのほうの訓練もできておる人もお持ち合わせのように伺っておりますし、また持っていなければ、あのオリンピック・アワーで出てくる、ああいうふうな技術映画というものはわれわれ見るわけにいかない。見ている、現に。  そこで、私は、いずれにしても、NHKでもよし、記録映画のほうでもよし、オリンピック憲章に違反しないで、この技術映画を後世のスポーツを愛好する青少年に残す。また、あわせて、日本のスポーツの指導者を育成するために何としても私は残してもらいたいと思う。これには与謝野さん反対ないでしょう。ただ賛成というだけではなく、積極的に私は賛成してもらいたい。ただ、そうするにはどうすればよいかということを御検討済みなら、御検討の結果を御発表願いたいし、もし、これから研究しようとするなら、研究するでもいい。ただ、とにかくこれはやろうという気持ちになってもらわなければならないと思う。その点について御意見を私は伺いたいと思います。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 先ほどIOCの憲章で場内に入って撮影できる人がきまっているということがございましたが、実はこれは国際競技連盟がきめるのでございまして、特に国際陸上競技連盟は非常にむずかしいことを言って、われわれの記録映画班にも一人しか入場を許してくれなかったのであります。ところで先ほど話が出ました国際陸連がみずからとります十六ミリの技術映画は、二人場内に入って撮影できる。こういうことになっておりますので、われわれとしては一人ではどうしてもそういうあれがとれないので、先般、日本の陸連の代表たちがロンドンへ行きましたときに、ぜひ記録班の増員方を要請してくれということで、結局、やぐらを立てて、やぐらの上に二人乗るまでは許してやるというようなことで、増員を認められたようなわけでございまして、なかなかNHKのほうとしても、技術的に大勢の人を使ってこれをとるということがむずかしい競技場もあろうかと思うのであります。今度は、国際競技連盟から十六ミリの記録映画をとるためによこす団体は国際陸連、国際体操連盟、馬術連盟等、四つしかないのであります。この四つは、またそれをもらい受けて利用できるのだと思います。私としては、この技術映画を組織委員会として積極的にとるという計画は持っていないのでありますが、先ほど田口さんからお話がありましたように、ともかく二十三倍というフィルムがとられるわけであります。おそらく最後の構成に利用されないで残される二十三倍のフィルムの中には、やはり競技に関連しての参考になるものもあろうかと思うのでありまして、そういうものをむだにせずに、各競技ごとにいろいろ役立てさせてもらうような方法を考えるということはできるのではないかと、こういうふうに考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 かりにその記録映画のほうで、記録映画と同時に技術映画をひとつあわせてつくれるということになった場合に、これは予算は二つになるのでしょうね。記録映画の予算、技術映画の予算、しかしいまは記録映画の予算だけだ、この技術映画の目的に沿うような映画をつくる場合には、また別にひとつあなたのほうは予算化しなければならない、こういうことになると思うのです。そうなった場合に、ここですぐと言っても無理かもしれませんが、目の子算で一体どのくらいの予算を必要としますか。

田口助太郎東京オリンピック映画協会会長

○参考人(田口助太郎君) 憲章にいう技術映画と、河野委員の言われる技術映画とはちょっと違う。日本の次代の人にほんとうのスポーツの技術を勉強させるのだ、それをテキストに使うのだというような観点の映画というようなものは、この記録映画としては考えておりません。もちろん中にはありましょうけれども、先ほど申しましたとおり市川氏はアップ、アップ、顔をねらっておりまして、おしりのほうからとるというような考え方でとっておらない。したがって、根本的には技術映画は偶然には入るでありましょうけれども、ねらってはおらない。ほんとうの意味の技術映画というものを安くつくるには十六ミリで早くから準備すればよかったかもしれませんけれども、現時点ではなかなかできない。そこで、私たちが、協会でどうしたらできるかということを考えると、フィルムを五万メーターぐらいもらって、人間は大体さっき申しましたとおりで、ピーク時は機械を全部で百台ぐらい入れております。これは、陸上については、全体のフィルムの大体半分ぐらいを使う予定ですから、ほとんどいろいろな角度からとれる。しかし、その他の競技になりますと、本には長々と書いているようですが、オリンピック憲章に基づきまして、先ほど前田局長が言いましたが、必ず一つは入れるといいますが、その長さは一分でも一秒でもかまいません。極端に言いますと、陸上競技といいましても、憲章からいって、百メートルだけとっても憲章違反ではない。また、これを百何十種目全部をとるというようなことは、これはもう売る映画、大衆に見せる映画という範疇には私は適さないと思います。したがいましてフィルムの面から見ましても、三十メーターぐらいきりとらないと初めからきめている競技種目もたくさんあります。それでも足らないといっているのでありますから、とにかく三十メーターぐらい、全体で一分少々ぐらいきりとらない、そういう競技もある。決勝だけで、それきりない。そういうふうに、わずか一分足らずで何台かの機械でやるというものですから、技術的な映画になるというものは、陸上競技以外にはほとんどないと言っても私はいいのじゃないか。そこで、どうしたらいいのだと申しますと、技術映画はこの時点では場所が中心となって問題になる。人が問題になる。機材が問題になる。そこで、これらの点を考えますと、私たちの協会は、すでに先ほど申しましたようにカメラのポジションを確保しております。この地点からでは技術映画としてねらう点がちょっと不足するけれども、まあまあ大体いける。したがって機材のほうは何一つ買わなくても済む。人間のほうもニュース会社のカメラマンは大体スポーツはほとんど毎週のようにやっていますから、ある程度わかる。それに、各競技団体の役員、指導者とディスカッションしていけば、別の形の映画は、最後に編集できるだろうと思います。そのためにはまずフィルムを確保しておかなければだめだ、私たち協会でやりますときは、これは白黒でもいいのですけれども、現場で使い分けはできませんので、天然色でやっておく。そうしますと、目の子算でフィルム代が大体千六百万ぐらいかかります。人件費、機材費は要りません。フィルム代だけ千六百五十七万ぐらい要る予定であります。それから今度は、そのとったものを編集していく。各競技団体が二十団体ありますが、全部をやるかどうかは別といたしまして、一競技団体に三十分ぐらいの技術映画をつくるといたしますと、そのあとから加工する費用が大体二百万近くかかると思います。二十団体ぐらい全部やるといたしますと、約四千万かかる。合計五千五、六百万はかかる。しかし、これは、機材、人件費は全部ただで済むという前提でありますから、何びとが十六ミリでやってもこの値段ではできないであろうという点で、私は、やれば十分できるというふうに思います。しかし監督が、そういうものを一緒にやると自分のイメージがぶちこわされるから、ちょっと困るのだという意見だと、これはわれわれは、重点が記録映画でありますから、心配して監督とも相談したのですが、いやいや、技術映画の技術の中にもりっぱな芸術性の出るものもあるのだから、フィルムが許せばぜひやりたい。初めから一分間ぐらいしかとらないとか、使うのは何秒というような前提に立たずに、フィルムさえあればとってもらっておいたほうが、記録映画としてもプラスだという監督の意見でありますので、私もこの点は真剣に考えて、文部省なり、OOCなりに考えてもらって、まず最初に約千五、六百万円のフィルム代を出してもらえば、われわれの与えられたポジションで、人件費も機材も楽にできるという確信を持っております。あとはそれを各競技団体がどう確保するか。いろいろあるでしょうが、大体二百万円くらいあったならば、一つの競技団体についてはできる。二十全部つくるとしても四千万円くらいで確保できるというふうに考えますので、河野委員のおっしゃるようなことは、やってできないことはないと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 与謝野さんなり靱さんにひとつ伺いたいのですが、私が技術映画というものをこれだけ強く申し上げるようになった動機は、うわさに聞きますと、これは靱さんなり与謝野さんの耳に入っておると思いますが、先ほど与謝野さんの、技術映画を今日こういう組織でスタートするまでの経過の御説明の中に出てまいりました日映新社ですか、そういう会社に組織委員会から数千万円の金を出して、技術映画の作製を依頼しておるという話を聞いております。ところが、それはいいんですけれども、私が聞いておるのでは、その内容は日本の選手の従来の強化合宿、その他オリンピック準備の過程における選手の活動、それからオリンピックが始まりました場合の対象は、あくまでもこれは日本の選手である。こういうふうに聞いておるのですが、私はそれは全然意味がないとは申しませんけれども、それだけ技術映画についての御関心があるならば、なぜこの世界の一流選手が一堂に会したときに、世界の選手を対象にして技術映画を作成することに積極的にならないのかどうかということに、疑問を私は持つのですが、何か日本のある映画会社に数千万円の金を出してそういうものを依頼したとか、委託したとかいう話がありますが、これはデマですか、全然ございませんか、そういう事実は。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 私も初めて伺うのでありますが、これは体育協会のほうの選手強化本部というところで、過去においても、ただいまお話の日映新社に何か映画をつくってもらって好評を博したという例もあるものでありますから、おそらく体育協会のほうにそういう希望があるのかもしれませんが、私どもノー・タッチでございまして、これについては存じません。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 靱さんは聞いておりませんか、その話は。

靱勉オリンピック資金財団理事長

○参考人(靱勉君) 私も全然聞いておりません。それから、なお、資金財団の立場といたしましては、御案内のように、組織委員会、体協のオリンピック関係につきましては、政府なり東京都なりの補助金もついておりますので、総合しまして、財団としましては、文部省のほうの監督を受けておるわけでございます。すべて話のまとまったもので、財団としてはどの程度配分するかということがきまってくる次第でございまして、私どものほうが組織委員会、体協なりと直接かってにふやしたり減らしたりするというようなかっこうには相なっておりません。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 与謝野さん、数十万円、数百万円ならいいけれども、数千万円という金です。そういう金は、体育協会があなたのほうに予算の使途の内容の何らの説明もなしに、かってにそういうものの配分ができるのですか。体育協会はやっているかもしらぬけれども——私は、知らぬとおっしゃいますけれども、体育協会というものは、金をもらって、その金の使途につきましては、何千万円単位までも組織委員会に説明を要しないのですか。私は、これはおかしいと思う。そんなに体育協会がかってに使えるものじゃないと思う。文部省、そんなことをもしあなた知らないのなら、とんでもないことです。前田さん知っていますか。

前田充明文部省体育局長

○説明員(前田充明君) 与謝野総長がお答えするよりも、私のほうがいいと思ってちょっと申し上げるのでございますが、私もその日映新社ということばはちょっと実は知りませんのでございますが、選手強化は、これはまあ国からも、資金財団からも、東京都からも金を出して、オール・ファンドで約二十億の予算を出しておるわけでございます。これが、私もきょう、こまかい数字を持ってまいっておりませんので、はっきりお答えできないのでございますが、この選手強化の記録と申しますか、選手強化の進展の状況を選手強化のために使う意味において映画をとってきておるわけでございます。したがって、オリンピックのときが選手強化の最後という意味で、オリンピックまでをとるような仕組みでやっておるというふうに聞いておりますので、まあ先生のおっしゃるのは、選手強化のほうの費用で映画をとるものであろうと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 選手強化にそういう何千万円の金をかけて、技術映画というか、記録映画というか、そういうものを残すことについて——あなた、何千万円という金と、その映画を残す意義というものとバランスがとれますか。私はここであなたに言うのじゃない、選手強化そのものを担当しておるものが無責任だと思う。そんなことは、ここにまたNHKがおられるが、NHKにちょうちんつけるわけじゃございませんが、そんなものに二千万円も、何千万円もかけなくても、それ以上のものがNHKでちゃんとできていますよ。そういうような選手強化に名を借りて、従来の金の使い方に非常な紊乱がありますよ、私に言わせれば。これはまあきょうの議題じゃありません。  いずれにしても、日本の選手強化を担当しておるコーチ陣でも、技術映画を残しておきたいと、この意義は痛感しておられるわけです。それならば、狭い範囲の国内で、いつでもとれるところの日本の選手を対象にしたものよりも、世界の一流の選手を対象にしたものを、いま田口さんに伺えば、せいぜい四千万円か五千万円あれば、記録映画のほうの担当の側においても——市川さんの側においても、それは並行してできると、こう言っておられる。それをたかが日本の選手を対象にして一営利会社に二千万円とか三千万円の金をやって——私は意義がないとは申しませんけれども、あってもわずかなもので、たいした意義はないと思います。そういうことは、あなたのほうでもっと監督すべきだと思うのですよ。まああまり長くなって、ほかの委員の方に御迷惑をかけますから……。何としても予算の問題があるようです。  そこで私は、予算の問題について伺いたいのですが、一体靱さん、資金財団というものは、オリンピック遂行のために必要な金を窓口になって集める機関ですね。したがってこれは、あげてオリンピックのために使う金を集めるわけですね。これがいよいよこの段階へ来て、大体予備費に回せるものがどのくらいあるとか、まだ足りないとかいう段階のお見通しはついておると思うが、私は、相当なお骨折りによって、資金財団の活動が予期以上の成果をあげて、相当金が余ったと言ってはなんですが、余裕ができたように聞いておりますけれども、その点はいかがでございますか。

靱勉オリンピック資金財団理事長

○参考人(靱勉君) ただいま河野委員のおっしゃるように、財団はオリンピック東京大会のために必要な資金を集めまして、これを組織委員会及び日本体育協会、これに配分する。かってにいろいろなものに使ってはいかぬという形で寄付行為ができておるわけでございます。国会等において特別立法等の御措置もありましたし、当初におきましてはなかなか困難な状況でありましたけれども、おかげさまをもちまして本年に入りましてからは、さらに必要な多額の資金が確保できるような態勢になっております。現在までに現実に入っておりますものが四十四億、それで大会終了時までとにかく必要なものとして私どもの財団の予算といたしまして、三十九年度までのを全部通計いたしますと五十億余りというもの、これを確保すれば、それで一応ただいままで御要求がありましたものに対しましてはおこたえできる、こういう形になっております。それで本年度におきましては、およそ十億——三十九年度というのは御承知のとおり十月に大会でございますので、私どもできるだけ早期に資金を確保いたしまして、関係機関において御心配ないようにいたしたいというのが当初からの目標でございます。ただいまのところ、その十億に対しまして三億か四億程度のものが現実に入っておりますし、その他の資金につきましてももう確定的なものが相当ありまして、まあ率直に申しますれば、ただいままでの御要求の金額でございますならば、十分余裕を持っておこたえできると、こういう形になっております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 まあそうしますと、おかげで予期の成績をおさめ得ると、それに確信を持っておると。これを受けて立つ体育協会なり組織委員会は、資金財団の五十億なら五十億の目標に対して、五十億そのまま全部を配分決定しているわけじゃないと私は思う。そこに何分かの予備金というものを予定しておられると思う。かりにいま資金財団の靱さんがおっしゃったように、資金が見通しがついて集まる——集まったも同じですね。そうなった場合に、どのくらいいまの段階で余裕金ができるのですか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) いままでに予算に計上されておらなくて、必要なことが起こったために資金財団から特に文部省、大蔵省の許可をいただいて出しておったものもございますが、今日資金財団のほうで最後に幾ら余裕ができるのかはっきりしたことは私どもまだ伺っておらないのであります。現在のところ三十九年度予算で認められました予備費がまだわずか残っておりますので、予備費でまず処理して、それで足りなくなった場合に、文部省、大蔵省と相談した上で資金財団の力を借りなければならないことが起こるかもしれない、こういうふうに考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 うわさによりますと、だいぶ金に余裕ができてきた。そこでもう、その余裕金の使途についていろいろの話がある。たとえば体育協会に、将来に備えてスポーツ振興の資金にそれを充てて、その機関をつくろうというような話もありますが、文部省の体育局長、そういう話はあなたの耳に入っておりますか。

前田充明文部省体育局長

○説明員(前田充明君) 体育協会の中にそういう意見があることは、私もはっきりとそういう意見がございますということを申し上げるほどよく存じてはおりませんですけれども、実はこの資金財団に一体余裕ができるかどうかという問題につきましては、先般も、本年度に入りましてから急に分村をどうしてもしなくちゃならぬということで、約二億八千万という金が必要になってきた。そこで組織委員会としては、分村をするということが決議されましたので、そこで二億八千万円を資金財団にお出し願ったことがあるわけでございます。その他まあオリンピックには特別経験がなかったものでございますから、途中でどうしてもこういうものをやらなくちゃならぬ、またIOCなり、あるいは国際競技連盟なりから急にいろいろな御要求があっても、国の予算はもう決定しておりますから、どうすることもできないので、結局資金財団にお願いをしなくちゃならないというようなことがいままでもあったわけでございますから、それで資金財団が一体幾ら残るであろうかということは、私どももはっきり申し上げるととは困難でございますが、しかし万一残ったらどうなんだということで、いまのお話のような問題が起こってくるわけでございます。私どもの考え方で申しますと、この資金財団の寄付行為の三十二条に、「この法人の解散に伴う残余財産は、理事現在数および評議員現在数のおのおの四分の三以上の同意を経、かつ、文部大臣の許可を受けて、この法人の目的に類似の目的を有する公益事業に寄付するものとする。」、こういうことが書いてございまして、この法人の目的に類似のものというのは、まあこういった資金財団というようなことになるかと意うのでございます。しかし万一残った場合どうなんだということは、これから大いに検討いたしたいと思っておる次第でございます。で、私どもとして、もし万一残った場合には、この残った金をどうするかということについては、最終的な意見が決定いたしておるわけではございません。しかし寄り寄り検討はいたしておるような状況でございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私がいまさら言うまでもなく、資金財団を通じて集まる金は、オリンピックの準備並びにオリンピックの遂行のために国民が協力する金ですね。むだづかいをしいてする必要はないけれども、あげてこれはオリンピックに使う金ですよ。それをオリンピックを四十幾日先に控えて、いまごろから余った金をどうするのだ。体育協会でどうだ、こうだというようなうわさが出るだけでも、そんなことはおかしいですよ。だから私は、そういうことを聞くから、一方において、これは非常に重大な意義がある記録映画にも金が足りないと言っておる。あとNHKにも一言聞きたいと思うけれども、NHKは国家の機関といいながら非常に大きな負担をしてやっておられる。国民のオリンピックに協力した浄財をこれに使ったら国民にほんとうにこたえる意味があるだろう。こういう金の使途は幾らでもあるわけですよ。それを、そういう必要と思うところに金を出し惜しみしておって、そうしてその間において、あと始末ならいいけれども、あとの楽しみか何か知らぬけれども、残った金をひとつプールして、そうして何か文部省が二つできちゃったように、将来の体育の振興を引き受けようというようなこと。これはあなたの仕事ですよ。ほかのところでそんなことを考えておるのはおかしいじゃないですか。前田さんはまだ御存じないからしあわせだ、当然あなた方が決定するだろうが、しっかりやってほしい。  それにしても、私は、与謝野さんに特に御出席願ったのは、私が一番最初に申し上げましたように、オリンピックの入場券を買って入る者よりも、もっと数十倍の国民が、それを見られない国民がいるのですよ。それを見られない国民に何をもってこたえるか、それをもう少し考えてもらわなければならないと思う。また世界各国にオリンピックのPRをするにはどうしたらいいか。私はあげてこれはフィルムの問題だと思うのです。  そこで、私は最後に、ほかの方もいろいろ御質問があるようですからNHKに伺いたいんですが、私はさっき技術映画につきましては、主として記録映画のほうの関係で伺いましたが、現にNHKは私は私が希望するところの技術映画的なものをたくさんつくっておられますが、NHKが今度のオリンピックを通じまして記録映画とは別に技術映画的なものをここに編成されるような企画がございますか、どうですか、これを伺いたい。また、それを企画される場合に何か支障となるものがありましたら、ひとつお示しいただきたいと思うんです。

岡本正一日本放送協会東京オリンピック放送実施総本部統轄本部副本部長

○参考人(岡本正一君) 御承知のようにわれわれは、実況放送以外にデイリーのニュース・フィルムをつくるように組織委員会から委託されております。憲章によればわれわれはテレビジョン局から一日九分間、三分ずつ三回、各放送の間に四時間の間隔を置いて放送することを認められております。今回組織委員会からその仕事を委託されまして、民放とも協力いたしまして五十名のカメラマンを連日各会場に派遣して毎日のフィルムをつくるわけでございます。で、これらのニュースは当然国内はもとより世界各国に約十分程度のものにいたしまして配給するわけであります。したがいまして放送に出るもの以外に相当量のフィルム——申しおくれましたが、もちろん十六ミリでございますが、これらのフィルムが残るわけでございます。先ほど河野先生のおっしゃいました技術指導映画というようなものについて具体的なことは現在考えておりません。ただ、これらのフィルムが放送以外に残っておるものが相当量ございますので、何か有意義なものに使いたいというふうには考えておりますが、大会終了後、このフィルムを自由にわれわれは使うことを禁じられておりますので、でき得れば今後そういう御計画があれば、どこがおつくりになるにしても組織委員会のお許しがあれば十分御協力したいと考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 そうすると、NHKのほうでは純然たる技術映画、ニュース用ではなくて純然たる技術映画をつくるのは、いまの陣容をもって事足りる。しかし予算が足りないとか、予算は何とかなるけれども陣容が少し足りないとか、かりにあなたのほうに技術映画を委託された場合に何か不足するものはございますか。

岡本正一日本放送協会東京オリンピック放送実施総本部統轄本部副本部長

○参考人(岡本正一君) ただいまおっしゃいました映画の制作の目的からしますと、NHKが制作して配給するということが、はたして他の団体あるいは組織委員会の考え方などを推測いたしますと、あるいは適当でないというふうに考える方もあるのではないかと考えますので、現在はっきりとそういう計画を立てておりませんので、ただいまの御質問に十分なお答えができかねるのでございますが、当然ニュースとは申せ五十名のカメラマンが各競技場に入って、放送と違いまして重点的に写すわけでございますから、あとは編集、制作そういった問題が残るわけでございまして、素材としてはかなり十分なものが残っておるというふうに考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 まあNHKで現在企画しておられるものでも、技術映画の目的に沿うようなものができると、ただそれをたとえば全国の高等学校に出すとか、各府県の体育団体にそれを出すとかいう場合には、組織委員会等の意見も聞かなければならないということですが、与謝野さん、それは私は差しつかえないと思うのですが、何か支障がございますか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) ある一定の期間これを商業上流さないようにということは、記録映画の頒布と競合するという精神から出ておるかと思います。教育上の目的ということであれば、また別に考えなくてはならない、こう考えております。つまりそれが商業用として流される場合のことでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 いや、それは記録映画じゃございませんわね、もう画然と技術映画と記録映画、これは区別できると思うのです。それを記録映画を商業用じゃなくて、体育団体とか文部省を通じて各高等学校、中等学校とかいうものへ流すことは少しも差しつかえないでしょう。それは前田さん差しつかえあるかね。しかも、いまNHKの話をしているが、かりにNHKでない記録映画の担当の部門において技術映画ができたという場合も同様だ、それは差しつかえないじゃないですか。それはどうなんですか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 現在のNHKとの契約の内容につきまして報導部長から簡単に御説明をいたさせます。

富永正信オリンピック東京大会組織委員会報道部長

○参考人(富永正信君) 現在のNHKとの契約といいますか、これは憲章に、従来の憲章の主たる精神に従って契約をしておるわけでございますが、それはいま河野委員がおっしゃておることとはちょっと違います。やはりニュース映画のことを契約しておるわけでありますから、技術映画ということで契約しておるわけではありません。ニュース映画ということで、一日三分三回、四時間間隔ということで契約しておりますが、それをまとめてすぐテレビでなくてほかの機関に出すということはしない。というのは、やはりいま総長がちょっと申しましたけれども、記録映画の将来の配給とかいうことに関係があるので、そういう規定になっているわけであります。しかし、技術映画を教育的な目的で使うというようなこととは違いますから、それは別に考えられております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 技術映画と記録映画ははっきり分かれておりますね——性質が違う。いままであなた方技術映画ということを考えておらなかったので、その契約内容に入っていなかった。あらためて技術映画を作製せしめる。それが記録映画の田口さんのほうであろうと、NHKのほうであろうと、それができた場合はおのずからいままでの契約内容とは違いますから、新しく考えることはできるでしょう。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 私は、技術映画をつくるとなればまた別な観点から考えられると思いますが、まだ文部省その他——それは文部省でやるべきことだという御意見があるかもしれないと思います。

前田充明文部省体育局長

○説明員(前田充明君) 純粋の技術映画は、憲章のほうから申しますと、国際競技連盟がやることになっておりまして、それ以外の技術映画の問題は憲章には規定されておらぬわけであります。したがって新しい問題として、これはIOCとの折衝と申しますか、あるいは各競技連盟と折衝して話をきめていかなくちゃならないと思っております。で、記録映画で写されたものであって技術映画になるもの、またNHKでニュースとしてとったものが、これが技術映画として利用できるもの、そういうものを全部編集し直して、そしてまあかりに映画にするとかいう問題でございますと、これは新しい問題として考え、なおその考えた場合に、いつから映写するかという期日の問題がおそらく私は出てくるのじゃないかと思うのです。相当な期日を経れば、これはおそらく許されるものと思うのであります。そこで記録映画として残す場合には、オリンピックが済んだ翌日からもうそれをやるということよりも、むしろ後になってから十分に検討しながら見るとか、そういうことになるかと思うのであります。したがって、そういうものが編集し得るかどうか。またそれをどうやって編集して、どういう人に見せるかという問題は後の問題として考えれば、一つの交渉によって可能性はあるんじゃないかと思うのでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 時間もだいぶ経過しましたが、私の非常に遺憾に思うのは、技術映画の作製ということについて、あなたたちは少しも積極的でないんだね、特に文部省は。たびたび申しますように、スポーツの振興というのは何から始まるかといったら、施設をやることと指導者の育成ということじゃありませんか。指導者の育成には、技術映画は絶対に必要ですよ。織田君の説明や田島君の説明も大事でありますけれども、もっと世界的な技術映画をつくっておいて、これを全国に配布するということによって、技術の指導というものは非常に前進しますよ。なぜこれをもう少し——ぼくらから要求されて技術映画について受け答えしているんじゃなくて、あなたのほうから、こういうものが必要でありますが、しかし予算が足らないとか、IOCの憲章に少し抵触するとか、そういうところにどういうネックがあるという御説明があってしかるべきじゃないですか。オリンピックを直接見られない大部分の国民に対して、特にこれから次代をになうところの青少年に対して、このオリンピックを通じて世界的の技術というものを記録に残すということは——これも先ほど申しましたが、何千億、何兆という金を使って施設をしてオリンピックをやる。この施設に直接入ってオリンピックを見る人は国民の一%か二%、大部分の者はその施設にさえも入ることができないんだと。これにこたえるのは記録映画の技術映画しかないじゃないですか。何でもう少し積極的にならないんですか。入場券を買って入る人なんて幾らもいやしませんよ。くどく申しますけれども、外国だってそうですよ。世界にオリンピックをPRする、日本をPRするというけれども、外国から何人来るんです。何万人じゃないですか。あとはフィルムを通じて世界に宣伝するより方法はないじゃないですか。私は、技術映画、記録映画というものにはもっと積極的であるべきだと思う。私は最後に、同じことを幾ら言ってもいけませんが、与謝野さんなり体育局長にはっきり言っておきますが、りっぱな記録映画、技術映画、これをつくるために事欠かない予算措置はとりますということを、ひとつ言明してもらいたいと思う。そうでなくて、もし金が余った。その金は何かスポーツ振興だの、わけのわからんものに金をどこかへためておくんだということは、断じて許しませんよ。私が許さないんじゃない、国民が許しませんよ。国民はオリンピック開催のために基金を出し、寄付をしたんだ。ほんとう言えば、オリンピックが終わったら全部ぱあでいい。それが、一部において金が余るということがある。一方において余しておいて、一方において、そういう技術映画、記録映画にも金を渋っているというようなことがあっては、断じていけませんよ。そういうことはありませんか、絶対。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) お答えいたします。先般オリンピック担当の河野大臣からも、私に対して、オリンピックのために民間から寄付が集まっているものを、その目的以外のためにためておくというようなことには賛成できないというお話がありまして、私も同感だと申し上げたのであります。私が予算を出し惜しんでいるんではなくて、まず大蔵省及び文部省がいろいろと査定をする、この乏しい予算をそこで食いとめることに努力しているのがわれわれの立場でございます。それから国会で認められた予算——つまり、大蔵省及び東京都は資金の五分の一ぐらいを補助しているのでありますが、民間からの資金も統制されている。したがって、私どもは、いままで全般の予算について査定を受けて、その中でやってまいったわけでございますが、もともと乱費する考えはございません。また責任を分担していただくという意味で、それは非常に楽な面もあるわけではありました。しかし、今日もう政府の補助金というものがきまりました。組織委員会自体の収入と、あとは民間の資金に余裕ができるかどうかということが残っているわけでありますが、今後できるだけ有効に、このオリンピックがりっぱにやれるように、またそれに関連した費用を関係官庁にお願いをしたい、こう考えているわけでございます。

前田充明文部省体育局長

○説明員(前田充明君) 資金財団の費用につきましては先ほど申し上げましたわけでありますが、はっきり余るかどうかということは、はっきり申し上げかねる実情でございます。資金財団の金はこれはもう浄財でございますので、決してむだづかいをしては相ならぬ。また、それはオリンピックのためでございますから、決してほかのものへとっておいて——それを出し惜しみをしてとっておいて何かに使おうなんという意図は、私どもに関する限りは絶対ございません。  それから記録映画の予算の問題でございますが、記録映画につきましては二億五千万円の——たしか二億五千幾らかと思っておりますが、その程度の御要求で、御要求どおりことしの予算ではそれが国会で認められたわけでございます。したがって私どもとしては、記録映画は予算は御要求どおりでございますので、それで差しつかえないものと今日まで思っておったわけでございますが、特にまたそういう問題がございますれば、これは組織委員会の問題として、問題をまた論議していただくのが適当かと思っております。それから、純粋の技術映画というものについては、先ほど与謝野総長からお話がありましたように、つくるということには、これはもう新しく人間を入れるということについてはなかなか困難な情勢もあるわけでございます。私どもとしては予算計上はいたしておるわけではございません。それで、ほかの面でとったものが技術映画として十分役立つものがあれば、これまたこれを新しい問題として私どもとしては検討さしていただきたいと思うのでございます。決して私ども、技術映画ができることは必要ないというような考え方を持っておるわけじゃございませんし、たいへんけっこうなことだと思うのでございますが、そうかといって、いままで私どもそれについてそういう予算を要求いたしておりませんでしたので、先生から非常に消極的だとおっしゃられるような申し上げ方になったかと思うのでございますが、できること自体、決して私は悪いと思っておりませんし、けっこうなことだと思っております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 前田さん、あなたは文部省の体育局長でしょう。スポーツの振興は、私がたびたび申しますように、施設の完備と指導者の育成ということに最重点を置かなければなりません。ところが指導者の育成には、技術映画というものがどれだけ役に立つかということがおわかりでしょう。技術をわざわざ獲得するために、いま大島さんもお見えになりましたけれども、何回となく外国に行って、多額の旅費を使って、外国の選手に触れて技術を獲得していらっしゃるでしょう。今度一ぺんに外国選手が来るのだから、そのときに何かそこで技術映画的なものをとるということは、文部省として積極的にやるべきだ。ぼくは——ぼくだけで予算をきめるわけじゃないけれども、こういうことに積極的でない体育局長が、これからスポーツ振興の予算を組んでも、私はそんなものに賛成しませんよ。現に要求された記録映画の予算を出したと言うけれども、そうかもしれない。しかし現実に田口さんなり市川さんが、われわれがりっぱな記録映画をつくるには金が足りないと、こう言っている。それはあなたのほうでこれ以上出せないと言うから、しょうがないから二億五千万組んだのじゃないかと思う。これからそれはよく相談してください。しかもそういうことは話が出ましてから、これから考えますというような政府答弁じゃなくて、積極的に何か記録映画なり技術映画のりっぱなものをつくるにはどうしたらいいということを御指導願って、具体的に御返事願いたいね。もしそれができないとおっしゃるなら、私が先ほどから長々と申し上げているように、技術映画なんというものは意味がないとおっしゃるのか。それならそれで私は私個人としては下がりますけれども、そうじゃないと私は思う。あなただってそう感じておられる。これをいいかげんでは、一時間もしゃべっただけで私は引き下がれませんよ。しかもこの大ぜいの委員の方、これから御発言もあるでしょうが、ほかの委員の方も私の申し上げましたことにつきましては同様に御賛成だと思う。そんな金がないなら別、金があるのに何でそんなことにぐずぐずしているか。体育局長、もっと積極的にやらねばいかぬと思う。大島さんが見えたので大島さんに聞きたいこともあるが、またほかの委員の発言もあることですから、私は一応この程度にして、最後に前田さんからもう一ぺん御答弁をいただいて、あとほかの委員に譲りますけれども、また必要に応じて御発言を許可願わなければいかぬと思っております。

前田充明文部省体育局長

○説明員(前田充明君) 関係の方と御相談いたしまして、これは文部省だけの問題でございませんので、組織委員会その他との関係もございますから、十分検討いたしまして、その結果については御報告申し上げたいと思っております。

靱勉オリンピック資金財団理事長

○参考人(靱勉君) 資金財団の立場といたしましては、先ほど河野委員から御指摘のとおり、東京大会のために資金を組んでいるわけでございます。それを最も有効適切に使用されるように望むことは、やはり資金財団の責任かと思っております。  それで、先ほどちょっと説明が足りなかったかもしれませんが、全年度を通じて五十億という中には、三十九年度に配分予備金というものを二億余り見込んでおります。五十億集まって、いままでの御要望だけであればその配分というものは余る。さらに、五十億ぴったりでとめるというわけにはなかなか——私どもの事業を詳しく申し上げるとよくおわかりかと思いますが、いま時間もございませんから申し上げませんが、その線ぴったりでとまるというわけにはいかないので、私どもは多く計画していま調達しておる、こういう状況でございます。

山本利壽自由民主党

○山本利壽君 今回のこのオリンピック記録映画というものに対して、各方面が非常に期待をしていると思うのでございます。したがって各方面からいろいろな希望やら注文が出まして、ほんとうにその衝に当たられる方は御苦心が多いと思うのでありますが、先ほど河野委員から技術方面に対するいろいろな御希望が出ましたので、私は別な方面からちょっと気のついたことを一つ申し上げておきたいと思うのでございます。もちろん、これは要求ではありません。御参考にでありますが、先ほどちょうだいいたしましたこの記録映画の資料の七ページのところに「雲の海。重なり、流れ、薄れて、やがて、見えはじめる建物。」、その次に「広島原爆ドーム。」、こういうことが出ているわけですが、なぜここへ原爆ドームが出なければならなかったかと、ちょっとふしぎに思ったから御質問するわけでございますが、まあ日本が原爆を受けて、その廃墟の中から立ち上がって、しかも、こんなすばらしいことをやったという感じを見る人に与えるという意味とも思うのでありますが、今度のオリンピックは「世界は一つ、東京オリンピック」という標語のもとにやるわけでございまして、ほんとうに世界じゅうの人がこの記録映画を見て、ああよかったと楽しみ、かつまた、希望を抱くような映画にしてもらいたいと思うのであります。先ほど読みましたところのものは、今度の映画が必ずこのとおりできるという意味でもないかと思いますので、あえて発言したわけでございますが、私はこの原爆を落としたことについては、そのことのよしあしは別として、アメリカ人は非常に心を痛めておると思うんです。われわれはけんかをして、こちらが正しくても、だれかにけがをさせたら、そのけがのあとを見るということは、私はほんとうにいつまでもいやなものでありますから、やはりアメリカ人としては、今度のこの映画でせっかく東京オリンピックがどんなものであったかと思っていると、そこへ原爆の廃墟ドームがパッと写ると、あまり愉快なものでは私はないだろうと想像する。またアメリカに反対するところの反感を持っておる国々は、あれを見ろ、あれはアメリカのやった残骸だというふうにすぐ思いはしないか。それでわれわれ日本人が思っておる以上に、こういうことは世界の人々には響くところが多い。見た者がみんな喜んで見た。ほんとうにいい映画であった、楽しい映画であった、しかも意義のある映画であったと思うような映画をひとつつくっていただきたいので、この原爆のドーム、広島のドームがそういうことと一致するものかどうか、うまく一致するようにおとりくださるとは思いますけれども、ひょっとした日本人の思わないことで、外国人にちょっとこの原爆の話をすると、何かひどく響くこともございますので、ちょっと気のついたところを私は申し述べたわけでございます。もし御参考になれば、そういうふうにお願いしたい。別に原爆のドームは写すべからずという意見を申し上げたわけではございません。

小西英雄自由民主党

○小西英雄君 先ほど来の河野委員の質疑で大体重要な問題、われわれの聞かんとするところは尽きたのでございますが、ほかにいろいろたくさんの参考人も来ておられるので、お尋ねしたかったのですが、時間がございませんから、特にしぼって、ただいま問題になっておるこの記録映画について——記録映画は、もうまさしく日本をこの際オリンピックを通じて世界の人にわかってもらいたい。同時に日本の国内の各位ほとんどの人は、ほんとうに入場して目で見る人は河野委員の言うとおりわずかな人でございまして、記録映画をりっぱにつくってもらいたい。そのいろいろな質疑を通じて、やはりここに田口さんが見えられておりますが、田口さんのほうから言わすと、技術的にも世界に日本は劣っていない、また監督さんのほうも十分経験者であって、われわれの信頼するに足る監督さんでございまして、これらの人と、こちらのほうの予算を組んでおられる方々との間に多少の意見のそごがあるんじゃないか。体育局長のほうから言わすと、二億五千万円程度のものを言われたなりに出すようにしておるのに、一方のほうでは予算がしぼられて、三億何千万かかるところを二億五千万円にしぼられたために、非常にフィルムの点で将来残したいフィルムもとれないかもしれない。また監督のほうもいろいろ心配しておるようでございますので、その点について田口さんのほうがいろいろこのオリンピックの記録映画を「民族の祭典」あるいは「ローマ・オリンピック」等いろいろ参考に見られておると思うんでありますが、大体どれほどの予算で自分たちの目途は、大体これぐらいあれば、それらに劣らない、また近代的な科学の粋を集めたものからいっても、これを十分世界に持っていって紹介して、いろいろな人の批判を受けてもいいような、りっぱなものをつくるには、大体二億五千万円では、現在のいろいろな問題から足らなくなったと言われるのか。その足らない分を組織委員会のほうへ、あるいは予算を持っておる大蔵省その他のほうへ、その機関を通じて、それを交渉しておられるのかどうか。そういう点について田口さんのほうから、自分たちはもうちょっとの点でフィルムが、先ほど言われた千万か二千万円程度のものがあれば、一応記録として各種の団体を通じて残すこともできるというふうな点をちょっと承ったんでありますが、その点についてお答えを願いたいと思います。

田口助太郎東京オリンピック映画協会会長

○参考人(田口助太郎君) お答えいたします。私のほうの、文部省のほうの予算を組んだのは三年前で、私たちはノー・タッチであります。これはIOCと話し合って文部省が組んだのだと思いますが、われわれ映画のほうから別に予算を出して、その技術的検討のもとに出したと思っておりません。これは、あくまでもお役所的に組んだというふうに考えております。しかし、大体見せられて、この程度でできるのじゃないかということで引き受けたことも事実であります。ただ、だんだん煮詰まっていって、よりよいものをつくりたい、「民族の祭典」以上のものをつくりたいという希望、これはあくまでもいたしたいということになりますと、いろいろと足らない。そこで、ある程度IOCにも無理を願いまして、録音なんかも、従来ローマなんかと、それから「民族の祭典」と比較して、音楽効果、音の効果というものは、はるかに「民族の祭典」よりも高い——ローマは興行的にもまずかった。あるいは各国の国旗の掲揚の場合に、国歌というものを現場で同時にとっておらない。音楽で全部一律に流す。やはり日本人が日本の国歌を聞く場合の感激というものは、これは世界共通だ。そういうことで、われわれは音響効果を中でとりたい、音楽だけで片づけないと、いうふうな形にしてもらうために、IOCにお願いしまして、そういう現地録音中心主義の、しかもステレオ方式でとることの、その予算を認めてもらいました。その後、閉会式が夜になりますので、現在の日本の機械ではどうにもならない。それから現像処理でもどうにもならないということで、この分についても約一千万ほどの特殊機材と、それから現像というような予算も認めてもらいました。そのほかに、われわれ映画人が考えてみますと、映画をとる場合には、ライト、あかりが必要であります。しかも天然色で、ワイドでとるというのは世界で初めてでありまして、非常に光量が、最低千五百ルックス要るというのでありますが、極端な、夜間の横浜の文化体育会館ならば三百三十ルックスしかない。それを上げる。ところが、映画的に上げるのはあまり金がかからないのですが、スポーツを運営する場合に、一部にライトが明るかったり暗かったりしては、とても競技ができないという点で、競技の運行に差しつかえない限りということで、全体を明るくしてもらう処置をとってもらいました。したがって、施設そのものが明るくなる、その予算も出してもらいまして、相当IOCのほうとしても努力してもらいまして、考え方を変えてもらって、その予算を予備費から出してもらったという状況であります。  その後、今度煮詰まってきますと、さっき申しました人間の訓練期間が足りないというのが、ぐちになりますけれども、大蔵省の予算を見ますと、全部三十日間でつくっちゃうという予算になっております。準備期間というものは何もない。選手ならば強化期間というものがあるのに、われわれは、準備期間というのは、十五日間の競技期間でありますから、十五日きり準備期間がない。そういう予算の組み方で、これではだれがやったって、いいものはできない。そこで、私たちは人件費を三割節減しまして、各ニュース会社にお願いしまして、予算に組んである金額より三割安くする。プロデューサーなどの予算も一年以上組んでおりますけれども、これも停止しまして、これも繰り延べまして、先ほど申しました二月ころから逐次何年かに埋め合わしていっていただくというのが現実でありまして、予算の組み方としては、映画づくりという観点としては、非常にしろうとのつくったものであるし、劇映画をつくるのでも十五日間の準備期間でできるのだということでは私はないと思います。すでに監督も、ことしの一月に契約され、五月一日から連日連夜働いておる。その組み方がちょっと映画的ではなかったということで、非常に苦しい。しかし、契約したことも事実でありますので、私たちは、その範囲内でできるだけがんばって、予算にしてはりっぱなものができたと言う以外にはないというふうに考えます。  ただ、われわれは、最初の考えは、国がきめた予算で、これから幾ら言ったってどうにもならないという考え方で進んでおりまして、非常に節約したつもりですが、限界があります。したがって、もし資金財団などで余裕金がありますならば、私は、この時点におきましては、もう少しフィルムを、技術映画を兼ねるという意味でも、千五百万かそこらの金を出してもらえれば、両方が非常にうまくいくのではないかというふうに考えております。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) まだ岡田委員の発言が残っておりますので、それに…。

小西英雄自由民主党

○小西英雄君 それに関連して、与謝野事務総長から……。  いまの田口さんのほうへお尋ねしたのは、田口さんのほうがいろいろな契約その他で相当要求して、大体のところ、十分とは言えないが、これで自分は自信を持って記録映画ができると考えられておるのか、また、その点はいまのような機材の点からできないというのか、そこをもう一言、二言……。

田口助太郎東京オリンピック映画協会会長

○参考人(田口助太郎君) とにかく、与えられた予算のワク内で最高のものをつくりたいという考えでありまして、もしふえれば、より以上ベターのものができると思います。しかし、どうしても出なければ、その限界を守って最高のものをつくりたいというふうに考えております。ただ、もし出るならば、それはわれわれ決してむだづかいではなくして、フィルムはよけいにかかるのだ、それだけいいものができるということは言える。どうも出なければ、やっぱりその範囲内でやる以外にはしかたがないということになると思います。

小西英雄自由民主党

○小西英雄君 それで、いまの河野委員が言われたことにわれわれも同感で、技術映画というものが、あなたのほうへ千五百万かそこらのものを組み入れれば、そういうものは、あとでいろいろ記録映画の中から別な方法でつくっておいてやれる可能性もあるわけですか。

田口助太郎東京オリンピック映画協会会長

○参考人(田口助太郎君) はい、そうです。

小西英雄自由民主党

○小西英雄君 その点についてどうですか、与謝野事務総長から。そういうことを、先ほどから文部省、あるいは河野委員からいろいろお尋ねがあって、われわれもそういうものを残しておきたい、もう少し、わずか千五百万かそこら別に、契約かなにかになるのだが、出しておけば、その中で摘出して、いろいろあとの、各種の方法によってできるならば、やる方法がございますか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) お答えいたします。  田口さん、市川さんと、この問題の実現に、どの程度の金でどういうものができるか、金ばかりでなくて人手の問題もあるのですが、これを詰めました上で、できるだけ実現に進みたいと思っております。

小西英雄自由民主党

○小西英雄君 けっこうです。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 映画の問題について一点お伺いしますが、この脚本は各方面で御検討をされまして、そしてすでに決定して、これでもってずっととっておられる、こういうことでございますか。いかがですか、田口さんのほうから。

田口助太郎東京オリンピック映画協会会長

○参考人(田口助太郎君) お答えします。  このスポーツものというものは、初めから予定が多いものですから、とったフィルムから再編集してアナウンス原稿を書くということで、一応基本方針としては、この本でやっておる。しかし、その本どおりになかなか役者が動くというわけではありませんで、そのとおりにいいものができるというふうにはまいりませんので、もう一ぺん、とったあとで今度つくり変えるという形をとって進んでおります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 いや、実は、いま山本委員からこれについての話があったので、私は、もうすでにこういう方針でおやりになっておる、これは、ただいまの御意見でもって、それを削るとか、あるいは別な形に直すということは、どうもこの委員会としてもあまり申し上げるべきことではない、こう考えまして、ちょっとお伺いしたわけであります。これは私の意見です。別にお答えを願わないでもいいのです。  次に、与謝野さんにお伺いしたいのですが、これはこの映画の問題と離れまして、インドネシアが今度の東京大会に参加できるようになりましたことは、皆さん方の御努力もあり、まことに慶賀にたえないところであります。ところが、国際陸連のほうでもってガネホに出た選手は出場させない、こういうようなことで、この問題がまた引っかかっている。とにかく、IOCのほうでは、インドネシアを出場させるということでございます。ところが、ガネホを開いたことに対して既往のことを問わないという態度になったからそうなったのだろうと思うのですが、そうすると、国際陸連がガネホに出た者を出さないというととは、まことにおかしな話だと私は思うのです。この問題について、あなた方のほうでも、これは努力はされておると思うのでありますが、その後の経過をひとつ承りたいと思うのです。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) インドネシアがIOCの決定によって東京大会に参加できることになりました。われわれとしても、むずかしい問題が一つ解決したわけでございますが、ただ、ガネホの大会のときに、昨年、国際陸連は、この大会に参加した者のはオリンピックに出られないぞということを予告しておったようでございます。また国際水連は、インドネシアを、中共と試合したという理由で除名——除名というより脱退したわけでございます。そこで、今日のところ、ガネホの陸上競技に参加した選手及びインドネシアの水泳の選手というものは、東京に来てもオリンピック大会に出られないということになるので、それよりもきれいな形で、国際陸連なり国際水連がそういう措置をもう取り消すなり、時期を早めて復帰を認めるというようなことがあると非常にいいと思って、われわれとしてもできる方法をいろいと考えてもおり、また努力もしておるのでありますが、何ぶんにも、IOCというものが、IF、つまり国際競技連盟に対して命令する権利がない。各国際競技連盟の決定にまかされているわけになるのでありますから、国際陸連なり国際水連が態度を変えない限り、やはり参加ができないという事態になるというのが現状でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 これは、現状の御説明はいいのでありますけれども、インドネシアの参加問題についてもずいぶんむずかしいようであったのが、比較的急転直下解決を見てきた。あるいは国際陸連のほうで、相当まぎわになって、たとえば東京において、そういう、もう一度参加させるという決定なんかがあり得る場合も考えられるかどうか、その点はどうですか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 国際陸連の総会が東京で行なわれるのでありますが、これはもう協議が終わった最後に行なわれるので、その総会の決定を待つというのでは、もう間に合わぬのであります。そこで、日本陸連からも、ロンドンヘも人が行って、向こうの会長に会ったようでございます。われわれのほうとしても、人が国際陸連の意向をただしてきたりしておりますが、やはり国際陸連が非常に強い、IOCよりも強いというようなことを言っておりまして、いまアラブ連合のIOCのメンバーがジャカルタを通って東京に来ておりまして、いろいろこの人は仲介にもいままで立ったことがある人で、私ども話を聞いたり、今後の見通し等について話し合っておるわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それは、総会以外にも、取り消して認めるという手はあるのか。たとえば、総会でないところで、たとえば会長の権限で復帰といいますか、参加を認めるということができる性質のものかどうか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 国際陸連の議事規則をはっきり知っているわけではないのでありますが、会長その他が理事に書面でもって意見を聞き、そういう、やはり取り消すのが適当だというような意見が大多数だったら、そういう可能性も出てくるのじゃないかと私は思っております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それは、開催地の日本でございますので、日本の陸連のほうからも働きかけていただきたい。また、いろいろな形で働きかけていただいて、そうして、まぎわであっても、とにかく復帰できるようにさらに御努力を願いたい、こう思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 ちょっと関連して。いま岡田さんから御発言がありましたがね。私は、いまのこのインドネシアの問題、北鮮の問題、これは、日本のように政治とスポーツというものが画然と区別された国ではないのですね、これは与謝野さん御承知のとおりなんです。でありますから、向こうの選手がいよいよこっちへ来て、そこで資格を認めるとか認めないとかいうことになると、あとで紛糾しますので、これは、相手国がインドネシアである、北鮮である場合には、この前のアジア大会のときの経験に徴しましても、この問題は、私は外交官活動というものが絶対必要だと思うんです、在外の外交官活動というものが。ただ、これは単に日本とか、イギリスとか、アメリカとかいうような国のように、スポーツと政治というものを、画然と区別されている、それを十分国民も理解しているという国とは違いますからね。だから、やはり向こうの選手が日本にやってくる前に、外交交渉を通じて、私はIOCなり、国際陸連なり、国際水連なりと十分の連係をとって、この場合に限って私は外交官活動が必要だと思うんですがね。そういう点は、与謝野さんは特に外務省御出身でありますし、特に向こうの事情もよく御存じだが、私はそう思いますね。与謝野さん、どうお考えになりますか、来てしまったらたいへんですよ、これは。来るだけは向こうも自由なんですから、来てしまって、あとで入れるの入れないの、出すの出さないのといったら、それこそ私は大きな政治問題になってしまう。好まざることであるけれども政治問題になってしまう。それを、いわゆる水ぎわ外交というのもあるのでありますけれども、この場合は水ぎわ外交じゃなくて、やはり水ぎわに来ないうちに処理しないといかぬと思うんですが、これは、外交の経験者である与謝野さんね、組織委員会の事務総長としてじゃなくて、外交官の与謝野さんとしての御意見でもけっこうですが、そういう意味で、与謝野さんも大いに知恵をかさなければいかぬと思うんですが、どうですか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 御指摘のとおり、一番やっかいな問題で、できるだけ早く解決したい、こう考えているのでありますが、御指摘のとおり、日本へ来ますと、競技させないというわけにはいかない。IDカードというものを持っています。しかし、あと紛糾が非常に多くなるのでございます。また、たとえば北朝鮮の場合、辛金丹選手、その他世界一流の選手がいるのでありますから、北朝鮮の希望をいれまして、組織委員会としては政府にお願して、特に清津から新潟に直接船で来ることを認めるようにいたしたわけなんでありますが、そこで、辛金丹だけ一人乗ってやってくるというわけにもいかないというようなことがいろいろ起きてくるかと思って、いろいろ皆さんの意見も聞いたり、いろいろ知恵をしぼっているのであります。今日のところ、こうやって解決するだろうということをまだ申し上げる段階にはないと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 まあ、これは与謝野さん、お答えができるかどうかわかりませんが、いまの段階で、たとえばインドネシアの在外公館等にこの事情をよく連絡して、在外公館の活動というものは始まっておるのですか。私は、この前のインドネシアのあのアジア大会のときに、事前に、在外公館には、よくああいうふうな紛糾が予測されておったのですね。いまの黄田次官には。黄田さん自身はよくわかっておった。ところが、これはスポーツの問題だということで一歩下がっておったところに、ああいうふうに大きな問題になってしまった。あれを、日本の選手が飛行機に乗って出かける前に、もう少し在外公館の活動というものがあって、向こうの事情がよくわかれば、まだ私は解決の方法があったのじゃないか、こういうふうに思うのですが、それやこれやを考えると、在外公館というものが絶対に私は活動しなければいけないと思うが、いま、そういうことを、組織委員会は、外務省を通じて、何かそういうふうな問題についての検討なり調査なりをやっておられるのかどうか。もしわかったら知らしてください。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 実情を黄田外務次官等に説明いたしまして、いま、インドネシアの大使は更迭の時期で、大使は向こうにおられないものでありますから、自分が直接出ていく必要があれば、またいつでも相談に乗るからということで、お話ししておりますが、それ以上は、まだいろいろほかにも関連した問題がございますので、いましばらくおまかせ願いたいと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私、大島さんに、もっと早くお見えになったら、いろいろお伺いしたいことがあったのだ。あなたがお見えになる前に、あなたが一番期待されるであろうと思う技術映画について、もう少し文部省なり組織委員会も積極的になってほしいということを、るる希望を申し上げたのですよ。あなたは、強化本部の本部長として、ここまで持ってくるのに非常に御苦労なすったと思うのですね。これからメキシコの大会もあります。アジア大会もあります。来年ですか、世界学生競技会がある。こういうときに、一々技術指導、選手強化というものは問題になります。そういう際に、あなたは今度身をもって体験されたと思うが、日本の選手強化コーチ団というものがいかにも手薄ですよ。ですから、この一助として、この機会に技術映画をつくって選手強化の一助にされたらいいと思うし、また、スポーツ普及にも私は非常に役立つと思うのです。と思って言っているのですが、何か、さっきの与謝野さんの御説明によりますと、選手強化の予算の中で数千万円の金が一映画会社に、映画を作製するために出ている、しかも、それは日本の選手が対象だ、こういうことだったのですが、そういう事実はございますか。

大島鎌吉日本体育協会東京オリンピック選手強化対策本部本部長

○参考人(大島鎌吉君) 第一点の問題につきまして、外国からたくさん選手が参ります。しかも、それが非常にいい技術を持って参る。それを、この機会に撮影をいたしまして、将来の選手強化あるいはスポーツの技術の普及に当てたらどうかという御意見のようでございますが、全くそのとおりでございまして、私のほうでは、現在のところ、約三百五十人ばかりおりますところのコーチを、こういうことばは使ってどうかと思いますが、作戦に使いますコーチと、調査研究に使うコーチとの二班に、二つに分けまして、調査研究に当たるところのコーチ諸君は、それぞれ撮影機を待ちまして、練習場あるいはできるならば競技場において純技術的な観点から撮影をし、それを一応編集をしようという考え方を持っておるわけでございます。しかし、何ぶんにも、私たちもきわめてわずかばかりの予算の中でやるのでございますから、十分にいくということ——あるいは、オリンピック憲章の規定に取材活動に対するいろいろな制限がございますので、うまくいくかどうかなども心配をしておるのでございますが、しかし、まあ私たちの気持ちの中では、できるだけのことはして、これを将来の日本のスポーツの財産として残していこうという考え方でいまやっておるわけでございます。もちろん、現在の規則の中で取材規制がございますので、コーチ諸君がそれぞれそういうような取材活動をいたしましても、どうしても足りないというような点は出てくると思うのでございます。それは、先ほどからいろいろお話がありましたところの、たとえばオリンピックの記録映画、さらにNHKその他がおとりになるところのニュースの技術的な部分をいただきまして、それによって編集をしようかというぐあいに考えておるわけでございます。  それから問題の第二点でございます。例の、ほかの映画人に頼んで、日本選手だけの記録映画をつくってやろうというお話でございますが、これはもうすでに選手強化対策本部がスタートいたしましたときに、こういうような機構が選手強化のためにできたことは、日本のスポーツ界におきましては最初のことであるので、われわれは文書によっていろいろ記録は残しますけれども、しかし、目に見えるところの記録を一応残しておく必要がありはしないかということで、日映新社、これは共同入札によってきまったんでございますが、すでに一昨年からこの作業を開始しております。そういうような関係で、これは日本の選手強化対策本部だけの記録映画として残していきたいという考え方でやっておるわけでございます。  私たちに一番必要なのは第一点でございまして、純粋な技術的な観点から将来に記録をこの機会に残しておきたいということで、これにつきましては、われわれも、わずかばかりの予算の中から、人員、機構を引き出しましてやっておりますので、十分とは言えないと思うのでございますが、しかし、現場におりますところのコーチの良心において、ひとつできるだけのことはやろう。気がまえだけは持っておるわけでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 御苦心のほどはわかりますけれども、ちゃちな機械で、ちゃちな技術で、いかに専門家といえども、コーチ団として、選手のコーチとしてはりっぱであるかもしれないけれども、一人二役で映画のほうがうまくいくとは思いませんね。しかも、どのくらい予算を組まれたかわかりませんけれども、持っている機械だってちゃちなものです。繰り返しますが、ちゃちな機械で、ちゃちな技術で、技術映画というものは私はうまくできるものではないと思う。それよりも、それほど必要を感じておられるならば、記録映画と並行して技術映画というものの編集を強化本部のほうでなぜ堂々と要求されないのか、私はおかしいと思うのです。  そうかと思うと、一方において、日本の選手の記録映画に二千万円も——私はむだだとは言いませんよ、言いませんけれども、たいして意味がないと思う。日本の選手の強化合宿から選手の活躍をとっていくことは意味がないと思う。それにしかも二千万円の金を使っておる。田口さんにさっき聞きますと、記録映画の部分で技術映画をあわせてやるとしても、いろいろな技術的な問題は残るでしょうけれども、予算からすれば、フィルム代だけだといわれる。これはひとつ、体育局長が中心になって——いまさっそく検討するということでお約束をいたしましたが、大島さんがそういうことであるならば、さっそく体育局長も相談相手になって、何とかひとつ具体化してくださいよ。それはおかしいじゃないですか。コーチが、やみ屋じゃあるまいし、もぐっていって、写真機を内緒で持っていって、ちょこちょこやる。そんなこと、うまくとれるわけありませんよ。そんなやな屋みたいなことはよしなさいよ。それは、試合ですから、作戦はあるでしょう。しかし、そういう技術映画的なものは、何も堂々とやったらいいと思う。そうでしょう。私の意見に何か違った点があったらお小言をいただきたい。(「いや、そのとおりですよ」と呼ぶ者あり)そこでなかったら、率直に仕事を進めていただきたい。体育局長、いまお聞きのとおりなんだ。さっそく具体的にまとめて返事をしてください。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 これは、私も与謝野さんに聞いて、適当なお答えが得られるかどうかわからないのですが、コレラが発生しまして、まあ広がらないようで、たいへんけっこうなんですけれども、ああいうことは、伝えられると、相当やはりオリンピックに響く、いろんな面で響く防疫対策のほうも、できてはおるでしょうけれども、そういうものの影響が、たとえば外国人の観客に対する影響もありましょう。あるいは、そのほかいろんな影響があると思うんです。これについて、すでにどういうところに影響があらわれておるか、それからまた、もう万全な対策ができて、安心して来られるような状態になっているという報告を受けられておるのかどうか。その点ちょっとお聞きしたい。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) 外国から、発生しましたコレラについての反響があったかどうかということでございますが、私どもは、新聞で見てる以外にないんでありますが、多少新聞に心配している向きがあるような記事がございました。  また、内地で万全の防疫対策が立ってるかどうか。これは、厚生省、東京都、その他関係方面でお考えくださっているんだと思うんでありますが、われわれ自身も、新聞をあけてみて、もうあと出てこないなと思うぐらいでありますから、私の口から、もう万全だということを申し上げるまだ時期が来てないと、こういうふうに思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういうことについて報告がないんですか。あるいはまた、そういう点について、あなたのほうで心配されて報告を求めておらないんですか。ただ新聞で見るだけということなんですか。

与謝野秀オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○参考人(与謝野秀君) これは、私が見ただけということでありまして、私のほうは出先機関があるわけではないのでありまして、報告は回り回って来るにしても、外務省を通じてということで時間がかかると思います。組織委員会に医事衛生の特別委員会というものがございまして、また医務課長もおりまして、関係方面に対して連絡をとっております。先般、戸田の奇病というようなものがありましたときも、あそこではボートレースがあるので心配しまして、一生懸命関係のほうに調査を依頼して、安心したということもございます。決して連絡していないわけではございません。今度のコレラについても、防疫対策が万全だという報告は、まだ内地の関係の向きからは受け取っておらないのでございます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかに質疑もないようでございますから、本件に関する質疑は、本日はこの程度にいたします。  参考人の方々にごあいさつを申し上げます。本日は、御多用のところ御出席をいただきまして、長時間にわたって、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。今後とも本委員会の審議のため御協力をお願い申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時十四分散会

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