P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
46回国会衆議院1964/02/19

予算委員会第四分科会 第3号

発言数
289
登壇者
23
会派数
2
開催日
1964/02/19

会議録

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和三十九年度一般会計予算及び同特別会計予算中運輸省所管並びに同政府関係機関予算中日本国有鉄道関係を議題といたします。  まず、昭和三十九年度一般会計予算及び同特別会計予算中運輸省所管並びに同政府関係機関予算中日本国有鉄道関係につきまして説明を求めます。綾部運輸大臣。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 昭和三十九年度運輸省予算の概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計の規模について申し上げますと、歳入予算総額は十五億九千七十一万三千円、歳出予算総額は八百六十七億三千七十九万七千円であります。この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、三十八億九千三十一万五千円の増加となっており、約五%の増加率を示しております。  この増加額の内訳を見ますと、行政部費では三十六億三千十六万二千円、公共事業費では二億六千十五万三千円の増加となっております。なお、ただいま申し上げました歳出予算総額のうちには、他省予算に計上され当省に移しかえて使用される予算七十八億四千四百二十一万二千円が含まれております。  次に、特別会計について申し上げます。まず木船再保険特別会計の歳入歳出予算額は三億五千四百六十二万九千円で、前年度に比較して約一千四百万円の増加となっております。自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、保険金の支払い限度額を大幅に引き上げましたことと、自動車数の増加に対応いたしまして、歳入歳出予算額を前年度予算額の約三倍に当たる三百億三千七百九万三千円といたしております。港湾整備特別会計の歳入歳出予算額は、港湾の整備を推進するため、前年度より約四十二億七千四百万円増額され、四百七十二億九千六百十一万六千円となっております。また、三十九年度より新たに設置する自動車検査登録特別会計の歳入歳出予算額は十五億二千四十三万四千円となっております。なお、以上の経費のうちには、一般会計、特別会計を通じ、定員三百四十四名の純増に伴う経費が含まれております。  このほか、昭和三十九年度財政投融資計画中には、当省関係分といたしまして、約二千六百九十一億円が予定されております。  次に、日本国有鉄道予算について申し上げますと、損益勘定においては、収入支出予算六千二百六十六億円、資本勘定においては収入支出予算二千八百五十億円、工事勘定においては収入支出予算二千三百九十七億円を計上いたしまして、国鉄の輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化をはかってまいる考えであります。  運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和三十九年度運輸省予算の大綱及び昭和三十九年度日本国有鉄道予算説明書によりまして御承知を願いたいと存じます。  何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くだされますようお願い申し上げます。  なお、お手元に配付してあります予算の説明につきましては、主査におかれまして会議録に掲載していただくよう御配慮方をお願いいたします。

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 お手元に配付してあります昭和三十九年度運輸省関係予算、同日本国有鉄道関係予算の説明は、便宜これを会議録に掲載することといたしますので、御了承をお願いいたします。

中井徳次郎日本社会党

○中井分科員 この第四分科会の中に入っております自治省の所管で、昨日地方財政計画が閣議で決定になったのでありますが、さっそくひとつ資料を出していただくように、そのことをお願いいたします。

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 承知しました。さよう取り計らいます。     —————————————

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 これより質疑に入ります。  つきましては、質疑の通告者が多数になると思われますので、持ち時間をお守り下さいますよう、各位の特段の御協力をお願いいたします。  なお、政府当局に要望いたしますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔に行なわれますよう、あらかじめお願いいたしておきます。  野原覺君。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 時間の関係もございますから、私は簡潔にお尋ねしてまいりたいと思いますが、運輸交通行政の若干について、特に道路運送法の責任者でございます運輸大臣、道路交通法の責任担当である警察庁に対してお尋ねしたいと思うのであります。  第一にお聞きしたいことは、都市交通の麻痺対策です。私は出身が大阪でございますが、大阪などはもう東京以上なんですね。どうにもならない。自動車はどんどんふえていきますし、道路はなかなかできやしない。一体これはどうなさるおつもりであるのか、お二人からそれぞれ御所見を承っておきたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 全く、率直に申し上げましてお手上げの状態であるのです。と申しますのは、経済の発展に伴いまして、われわれが予想しておった以上の人口の増加というものが急速にまいりますし、加うるに経済がやはりまた伸び率が世界に比類を見ないほど特に発展してまいりました。それに従いましてトラック、人間の動き等は全く御指摘のとおりであります。これにつきましては、都市につきましては都市交通対策基本問題調査会というのがあるし、また交通全般につきましては交通閣僚懇談会を開きまして、順次対策をきめまして、できるものから、またしこうしてなるべくその緩和の要望に沿うよう努力いたしてまいりたいと存じます。ただ、早急にこのなにを解消することはなかなか困難であるということを私どもは痛感いたして、ほんとうに恐縮に存じております。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 私どもといたしましては、大都市交通の問題は、交通の円滑化という点と安全という、二つの問題で取り組んでおるわけでありますが、ただいま運輸大臣の御説明にありましたように、私どもといたしましては現在の道路と車両のアンバランスを私どもの道交法にきめられておりますところの法律的な措置、すなわち交通規制という面で一応過渡的な段階において対処をするということになっております。特に車種別規制を強力に進めるということで、それぞれの大阪あるいは東京におけるところの交通規制を強化をしていきたいということで、いろいろと交通規制の具体的なやり方についてきめこまかくやりたいと思っておりますが、やはり基本的には道路の問題が解決されない限り、なかなか抜本的な解決策はない。私どもの交通規制は、一つの過渡的な段階におけるところの応急的な処理対策が大部分を占めるのではないか、こういうふうに考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 運輸大臣の御答弁は、失礼ですが、抽象的で中身が全くなかったと思うんです。私がお尋ねしておるのは、どうしたら都市交通の麻痺を緩和できるかということですね。あなた、いろいろな委員会があるとかなんとか申しましても、あなたが運輸大臣として、どうしたら一体緩和できるというのか、具体策をお述べいただきたい。  それから警察庁ですが、これは道路をつくる、あるいはターミナルをつくるということが先決であることは申し上げるまでもありません。これは当然です。だから今日の国策を、私は、道路行政に持っていかなければどうにもならぬ時点がきておると思うけれども、幾ら道路ができましても車のふえる率というものに追いつかぬのです。道路が幾らできたって、道路ができた一カ月後には、その広い道路ができたからと行ってみると、もう動きがとれない状態にきておるんです。これに対して一体どう対処するのか。あなたは道交法でいろいろ交通規制をやると言うが、じゃどういう交通規制を考えていけばこの都市交通の麻痺が緩和できるのか、これも具体的にそれぞれ承っておきたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 具体的の結論は交通審議会その他におきまして結論を得て、その結論を尊重して、その線に沿ってやっていきたいと思います。ただいま直ちにここでどうするという考えを、私としては申し述べる段階に至っておらないのをはなはだ遺憾に感じております。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 われわれのやります交通規制は、御承知のように駐車禁止あるいは一方通行、右左折禁止、あるいはさらに積極的な手段としては車種別規制というのをやっておりますが、私ども現在考えておりますのは、いわゆる交差点におけるところの渋滞というものをいかに処理するか、道路の交差点の処理能力を向上するかということに一つの重点を置いております。そこで、交差点の処理能力を少しでも多くするための交通規制、特に信号機の開発について相当の改良を加えて、交差点処理能力を増大をしていくということが一つ、さらにはいま申し上げた信号機の改良の一つとして、現在第一京浜等においては自動感応式の系統式の信号機を採用しておりますが、これをそれぞれの地域において適すべき場所に設置をいたしたいということで対処いたしたい、こう考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 運輸大臣から、きわめて見識を持っていらっしゃるのだろうと思うけれども、その見識の一端も御披瀝がないということは遺憾です。はなはだ遺憾千万です。私は、そういうことでは幾ら委員会を持っても、いいかげんな答申しか出てこないのではないかと思う。やはり運輸行政の総元締めはあなたですから、せっかく御見識をお持ちであれば、こういう機会にその具体策を積極的にお述べになることがやはり麻痺緩和のためにも私は必要じゃないかと思うのです。しかし、それがないのはきわめて遺憾であります。  いま、警察庁から交差点の処理能力の問題、信号機の問題等が出されましたが、時間の関係もございますから私は先を急ぎますが、時差交通、今日、朝のラッシュを緩和するために時差通勤というのが冬になるととられておるが、時差交通というものをやはり考えていく時点にきておるのではないか。大型のトラックなんていうものは、夜走らせることにしてしまう。これは半永久的にです。そうして自家用車は都心部には入れない。そうして都心部を一般市民に開放する。公衆の利用する乗りもの、たとえばバスあるいは地下鉄、そういうものはどんどん入っていったらいいと思うけれども、個人が乗っておる自家用車はスペースばかりよけいとって、回転率はほとんどないのですよ。だからそういうものはもう都心部には入れないようにするといったような、やはり抜本的な対策を講じないと、幾ら道路を広げるといったって限界があるのですよ。広げるといったって、大阪や東京では広げられやしない。地価は高いし、立ちのきはしないし、一体どうして広げますか。もうビルが建っておるのだから、五十メートルを百メートルにすることは絶対にできない。かりに十メートルぐらい広げたって焼け石に水です。だからそういった時差交通とか、都心部には自家用車の乗り入れを禁止するとか、そういうことでとにかく一般公衆、市民大衆のために都心部を開放するといったような交通容量の合理化を私は考えなければならぬと思いますが、警察庁はそのお考えをお持ちですか。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 私どもといたしましては、車種別規制を徹底していくという考え方に基づきますと、いま申し上げたような交通量を削減していく、ある時間帯に集中する交通量を削減するためにはどうしたらいいかというので、従来車種別規制というものをやっておるわけであります。いま、野原委員の言われました方策、私どももいろいろと検討しておりまして、たとえば特定の地域についての自動車の乗り入れ制限というような、いわゆる通行制限の方向によりまして交通量の削減というようなものについて考慮いたしております。現在、近く科学技術庁と相談をいたしまして、来年度の科学技術開発予算の中で、東京もしくはその他の大都市における特定地域におけるところの交通削減対策、並びにいまのような施策のための実験的な地域を設けまして対処していきたい、こう考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 道路はふえても、広くなっても、車がふえるというこの事実の上に立ってやはり具体策を講じていかなければ都市交通の麻痺は緩和できない、そういう見地で私は私案の二、三を申し上げたわけです。大型貨物は夜走らせる。これはやはり早急に検討して結論を出してもらいたい。それから都心部から不要不急の自動車を締め出す。公衆交通機関とそれから歩行者、歩く者に都心部を開放する。回転率の少ない自家用車でスペースばかりとるような、ぶらぶらと遊びに来たような、そういうようなものはもうまっ昼間は都心部からは締め出してしまうといったような、やはりそういうような抜本的なことをも考えねばならぬ時点に今日はきておりますよ。だからして、これは早急にひとつ対策を講じてもらいたい。  なお、交通局長にお尋ねしたいことは、交通事故です。最近の死者、負傷者の統計をひとつ御発表願いたいと思います。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 非常に恐縮なんですが、私の手元に三十七年と三十八年の事故件数、死者、負傷者の発生状況はございますが、それ以前の数字についてはちょっと手持らがございませんので、後ほどお知らせをいたしたいと思います。  三十七年度は、事故件数が四十七万九千八百二十五件、死者が一万一千四百四十五人、負傷者が三十一万三千八百十三人でございます。三十八年度は、事故件数は五十三万一千六百四十件、死者は一万二千三百一名、負傷者は三十五万九千九十人、これを三十七年、三十八年の前年比で申しますと、三十八年度は三十七年度に比べまして一〇・八%の増、死者につきましては七・五%の増、負傷者につきましては一四・四%の増でございます。なお、三十六年度の死者の比率は、三十五年を一〇〇といたしまして、一〇七か何かに相当したと思いますが、これは私も記憶いたしておりませんので、後ほどお知らせいたします。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 ただいま承りまして、これはおそるべき事故件数であり死傷者の数だと私は思います。そこでこの点については警察庁としても、交通事故を少なくしなければならぬというので鋭意御努力されておることも私は知っております。この御努力には敬意を表したいと思いますが、しかし年々ふえてきておる。いまあなたの発表を聞きましても、三十七年一年間でおそるべき増加なんですね。これは三十年にさかのぼった統計を点検してみたら、たいへんなことになってきていないかと思うのです。一万数千人も交通事故のために死者が出るなんということは、全く文明国の常識では考えられないことなんです。この点について警察庁としては今日どのような努力をされておるのか。どのようにしたならばこのおそるべき事故防止が可能であるとお考えであるのか、あるいは政治の面その他で要求すべき点があれば、そういうこともあわせて御発表願いたいと思うのであります。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 先ほど御説明いたしました三十七年度の死者の数字というのは、これは戦後で実は最低の数字を示したわけであります。三十七年度は各方面の努力が実りまして、死者をこの程度にとどめ得たということであっても、なおかつ一万一千四百四十五人、三十八年度の死者は三十七年度の死者を上回っておりますが、三十六年度よりも少ない、こういうことでございます。ただ、しかし、いま御指摘のように、このような多くの死傷者が出るわけでございます。そこで、私どもといたしましては、本年度に入りましても、公安委員会の御指示もあり、当面の目標を交通事故半減という点に置きまして、特に人身事故をできるだけ少なくするという目標に立って総合的な事故防止対策を樹立いたしたわけでございます。その一つの要点は、私どもといたしましてはいろいろとできた事故の内容について正確に分析をして、直ちにこれに対する対応策の立てられるような事故原因の分析をしていく。そうしてこれが道路の問題であるか、あるいは施設の問題であるか、あるいは運転者の問題であるか、あるいは車両整備の問題であるかというような点について、直ちに事故分析の結果を反映さしていく。でき得る限りそれぞれの交通行政に関連する関係行政庁に対して、事故防止のための施策を直ちにとっていただくような総合的な対策をひとつとっていただくという点に重点を置きまして、特に、この死者の中で私どもが非常に残念に思っておりますことは、自動車対歩行者、あるいは原動機つき自転車対歩行者の事故が約三〇%あるわけでございます。したがって、私どもは、歩行者の事故が多いということは、現在文明国にとってはほとんどないことでありますので、歩行者の事故を一掃するということに重点を置いて、自動車対歩行者、自動車対自転車、原動機つき自転車対歩行者、こういうような点について、死傷者の数を大幅に減らしたいという点に重点を置いております。その他踏切の事故、あるいはバスの転落事故、すなわち一つの事故によって多数の死傷者の出るような事故を防止するということで、踏切の事故の防止、あるいはバスの転落事故の防止、こういう点に重点を置いております。さらには年少者の事故が非常に多いということは、将来のある児童あるいは年少者にとって非常に嘆かわしいことでありますので、年少者の事故防止という点に重点を置いております。その他六項目ばかりの項目を定めまして、先般私どもの次長通牒で第一線に流しまして、鋭意努力をいたしておる次第であります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 狭い道路を猪突猛進してくるような自動車を見ると、私はいつも思うのですが、全く殺人機が走ってくる感じを持つと思うのです。そういうことでございますが、いま交通局長の御答弁にもありましたように、事故原因の分析をされて、その分析の上に立って具体的な対策をお立てになられて、そうして交通事故を少なくするために努力されておることには、先ほども申したように敬意を払います。敬意を払いますけれども、なるほど三十六年度よりは少なくなっておりますが、これはたいへんな数なんです。万以上の死者が出るなんということは、これはたいへんなことなんです。うかうか外にも出られないで、特に遊び場のない都会においては、子供はやはりお母さんの目が離れますと、よちよちと外へ出て遊ぶ、そこに車が走ってくる、こういうようなところに日本の都会はでき上がっておりますので、なおさらに私はひとつ根本的な検討をされて御努力を願いたい。ここではとやかくのことは申し上げません。さらに交通警察当局の一段の御努力をお願いするにとどめておきたいと思うのであります。  そこで運輸大臣にお尋ねいたしますが、公共料金を上げないという中で、あなたはタクシー料金をお上げになられた。そのあなたのお上げになられた理由及び目的をお聞かせ願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先ほど来あなたが御指摘になった交通事故等につきまして、経営が合理的にいきまして、そして過重労働その他をなくするためには、どうしても経営を、いわゆる採算に乗る程度の経営にしておかないと、そこに無理が起こる。それが先ほど交通局長が指摘されたような大きな事故の原因になると思いまして、すべての輸送の原価の要因につきまして検討いたしまして、この程度やるにあらずんば、経営の正常化と申しますか、経済的な経営と申しますか、それに合わないという観点に立ちまして、私どもとしては値上げに踏み切ったような次第でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、営業の赤字を埋めるということが理由のようですね。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろんそれも理由でございますが、ただいま申しましたように、どうしても健全なる事業の育成がなければ、事故誘発の遠因になると考えまして、先ほど申しましたような点につきまして、すなわち人件費の増加あるいは燃料費の増加、その他諸物価の騰貴に伴いまして、経営を正常化するために私はやりました。同時に、これは理由といえば理由ですが、過去十数年の間、統計の示すところによると、ほかの物価は相当上がっておりますが、タクシーの運賃あるいはバスの運賃等は十二、三年の間据え置きにされている。したがって経営が苦しくなる。経営が苦しくなると、いろいろな点で無理をする。それが事故の遠因になっておると私どもは考えまして、その適正化をはかるために、忍びがたきを忍んで、あえて値上げをしたような次第でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 タクシーの健全な事業と申しますと、単にタクシー会社の経営の赤字が埋まったらよいというだけではなしに、タクシー会社は今日は御承知のように免許制ですが、免許制にしておる以上は、タクシー会社がタクシー会社としてその機能をより市民大衆のために果たすことができるために、やはり料金の値上げをしてその赤字を見てやらなければどうにもならぬじゃないかというので、私は上げられたのではないかと思う。またあなたの御答弁もそうであったように理解いたしました。  そこで、そうなりますと、料金を上げたことから、当然市民に対するサービスの問題が起こってくると思う。その料金はあなたが負担するのじゃない、市民が、利用者が負担させられるわけですから、料金が上がればもうちょっとサービスをよくしてもいいじゃないかというのが、金を払う側の心理なんです。その点、あなたが料金をお上げになられて、その後サービスはよくなったと御判断されますか。依然として前のままだとお考えですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 速急にサービスがよくなったとは考えません。これは根本的に申しますと、わが池田内閣がよく言うところの人つくりに関係してまいりまして、サービスをするという心がまえを持つことが一番大事かと思います。と申しますのは、私もそういう事例を耳にいたしますものでございますから、ときたまタクシーに乗ってみまして、そうして運転手その他について実情を聞いてみますと、経営者がりっぱな経営者でありまして、常にそういう公共的な公徳心の涵養等に力を入れて指導しておる会社の運転手は大体いいようでございます。そうしてまたサービスもいいように感じられるのでございまして、根本はやはり国民の道徳心を高揚しまして、そうしてこの交通事業に携わる者の心がけというものを直していきまして、市民に迷惑をかけないという思想を植えつけていくのが、遠回りのようでございますが、私は近道ではないかというような感じがいたしておるのでございまして、現況におきましてはまことに遺憾ながら全くサービスが満点ということは言い得ないと思いますが、順次改善のほうに向かっておるように考えます。これは人の見方でございますから、そんなことはないとおっしゃるかもわかりませんが、私はさように感じております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 心がまえだけじゃできませんよ。運輸大臣は最近タクシーに乗ったことがないのだと私は思う。あなたは大臣ですからりっぱな自動車をお持ちなんです。タクシーにあなたは最近乗ったことはないでしょう。私は東京駅からいつもタクシーに乗ります。雨の降るときなんかぬれて立っておるのです。運輸省の前のあの地下鉄の横にえんえんと列をつくっておる。八重洲口にいったらなおひどい。大阪の駅はもっとひどいわけです。料金を上げたのにちっとも変わらぬじゃないかと立っておる人が文句を言っておる。運転手さんは一生懸命やっておる。タクシー会社も、もうけなければならぬ仕事ですから、私は遊ばしておるとは思わない。その稼働率だって、よその会社に負けぬようにフルに運転してやろうという心がまえはできております。運転手も営業者も、市民に迷惑をかけてはいかぬと思っておるけれども、どうにもならぬ。それでああしてえんえんと雨に打たれながら立ち並んでおる。そこで、料金を上げられたのにばかばかしい、一体国会というところは何をしやがっているんだ、こういう文句を聞かなければならぬ原因は、どこにあると大臣はお考えですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は実は昨日もタクシーに乗ってみたんです。乗らぬことはありません。昨日は土橋から渋谷の駅までタクシーに乗ってみました。そうしていろいろ聞きましたが、それは余談といたしまして、要は需給のアンバランスということだろうと思います。需要と供給が合わない。すなわち希望する者が多くて車が不足しておるということにかんがみまして、私どもといたしましては、本年度は、すなわち三十九年度は、特にオリンピック等を控えまして、約六千台内外をふやす所存で、いませっかく考えております。しかしこれができましても、もう一つの悩みは、やはり運転手が足らぬということで、この対策についてまた私ども苦慮いたしておるのでございます。これまた需給の関係で、車があっても運転手がないというような現象が至るところに見られる。そのまた運転手が、悪い運転手は、もう一日かせぎでやっておって、乗客にいろいろな迷惑をかけておることは遺憾でございますが、実情はそういう実情でありまして、なるべく車をよけいにしよう。そうして、でき得べくんば、何と申しましても個人タクシーは自分の車であるし、直接利害があるものですから、周到にやるということはいなむことのできない事実でございますから、増車の主たる目標を個人タクシーに置いて、歴年度の昨年、予算年度の本年度には、その方針で、増車分の大部分を個人タクシーに許しました。そして今年度の増車の大部分を許可済みでございます。来年度はさらにふやしまして、ただいま申しましたように六千台内外を許そうと思うのでございます。ところが、御了承願いたいのは、運輸省といたしましても、個人タクシーをかりに許すといたしましても、いろいろな条件があります。その条件を願書のとおり書いて、そのまま許せばいいじゃないかと言えばそれまでですが、ずいぶん虚偽のことを書いてあります。たとえば、車庫を持っておるという。行ってみれば持っておらない。たとえば車庫はこういう契約で借りているというが、手付けだけは何したが、ほんとうの何は持っていかないからキャンセルになっている。そういうようなのを——今年は四千何百件の個人タクシーの申請がありましたが、それを一々運輸省の役人が——しかもその運転手の住所というのは、都心ではありません。郊外におるのを探し回わって、一々それを確かめるということがなかなか困難女容易に審査が進まぬというような点もございまして、おくれておるということも御了承願いたいと思います。以上のようにいたしまして、基本は需給のアンバランスであるから、これを直すということに私どもはまず心がけてやっておるつもりであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 自動車局長がいらっしゃいますから……。いま運輸大臣は、車が足らぬとこう言う。オリンピックまでに東京は六千台ふやすということですが、これは東京だけの問題じゃないんですね。大阪でも横浜でも足らないんです。一体こういった、主として大都会の車の不足台数というのはどのくらいだと局長は考えていますか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 大都市のタクシーの需給関係でございますが、それぞれの土地によってもちろん事情は違います。また、その時点によって違いますが、一昨年来大都市——東京、大阪、名古屋、横浜、神戸等、逐次増車をいたしてまいっております。東京におきましては、先ほど大臣から説明申し上げましたように、昨年は約四千両、ことし六千両というふうに増車してまいった。大阪のほうもそれぞれ増車をいたしておる。現在幾ら不足であるかということは、これはちょっとつかみにくいのであります。その年その年の需給の状況を見ながら、それにからんで増車の方針を立てるわけであります。ただ運転手の不足その他も考慮に入れなければなりませんので、必ずしも数字の上でこれだけ必要だという車が十分稼働できるかどうかという問題もございますが、毎年その都市の実情に応じまして増車の措置を講じてまいっております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 なるほど私の質問は難問かもしれないです。しかし、正確な御答弁を要求してはおりません。大体のことでよかったわけですけれども、しいて私はこの問題に固執してお尋ねいたそうとは思いませんが、大臣の御答弁の中に、車をふやしても運転手が足らぬということ。東京に例をとってやりましょう。全国ということになると、話が大きくなってまとまりにくいですから、東京に例をとりますが、東京は今日ハイヤー、タクシー業者の運転手が何人不足しておりますか。六千台ふやすとすれば、何人足らないことになりますか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 東京に例をとりますと、大体運転者の不足のために一日平均いたしまして約二百両の車が休んでおるという状況でございます。全体的には、車の数が二万五、六千両でございますが、そのうちの約二百両が、一日平均して、運転者不足のために休んでおるという状況でございます。なお、運転者の中には、常雇いの社員、職員として雇っております運転者と、ある比率において日雇いの運転者を雇うことを認めておりますが、乗車拒否その他のサービス違反あるいは法律違反的な行為をする者の多くが日雇いの運転者でございますので、今後日雇い運転者はできるだけ使わないようにして増車をしていきたい、こういう方向で努力しておりますので、そういう点も考慮いたしますと、やはり増車の車両数の計画にあたっては、そういう点も相当マイナスの考慮を加えなければならないというふうな状況でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 常雇いの運転手が何人足らないかということが第一点であります。それから六千台ふやすとすれば、どれだけの運転手が必要か。その合計が今度は足らない数になりますから、それをひとつお聞かせください。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 六千両ふやしますと、六千両のうち個人タクシーを幾つふやしますか、それから法人の車を幾つふやしますかによって違いますが、たとえば全部を法人の車の増車という前提でお話し申し上げますと、法人の会社でございますと、車は三交代で深夜をのけまして稼働いたす関係上、一両について約二・三人から四人程度の運転者が要るわけでございます。したがいまして、六千両全部会社の車としてふやしますと、一万四、五千名程度の運転者が要ります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 現在は日雇いを入れてなお二百両の車が休んでおる。常雇いの不足は何名ですか。それはあなたのほうは現在の数字を持っていらっしゃるでしょう。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 常雇いの運転者で、東京都内で不足いたしておりますのが、大体千人程度でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 運輸大臣、そうなると六千台あなたふやせば解決すると申しましても、あなた御自身お認めのように、運転手が足らないわけですね。これはどう思いますか。一万五千名は運転手を養成しないとだめなのです。しかもハイヤー、タクシーの運転手は二種免許の運転手である。普通の運転手じゃないわけです。私がなぜこの運転手の問題をしつこくお尋ねするかといえば、私はやみタクと乗車拒否の問題が今日大きな問題だと思う、自動車行政の中では。これは地方行政でも先般同僚議員が質問をしておられたようで、新聞で拝見いたしますと、この乗車拒否は何も会社がやらしておるわけじゃないのです。会社はやっていません。そんなことはしない。会社は乗車拒否しちゃいかぬと言っておるらしいのであります、それは陸運局からしかられますからね。そこで乗車拒否はだれがしておるかといえば、運転手がやっておるわけであります。つまり乗車拒否をやる運転手は、これはことばとしてはどうかと思いますが、いわゆる不良運転手だ。やっていかぬことをやったんだから不良運転手。この不良運転手がどうして出てきたかといえば、運転手の不足に私は原因があると思う。不良運転手は雇わないのだと言われればそれまでだけれども、需給のバランスがとれないために、どんな不良の運転手でも——支度金の目的で、ある会社から五万円支度金をとって、一週間ぐらいしたらまたかわっていく。中には競輪、競馬場へ出入りして、車をほったらかしてばくちを打っておる。そしてその赤字の穴埋めを乗車拒否でやる。こういう運転手が問題になっております。今日東京では何千人と運転手が足らぬ。木村さん、控え目に数字を申されておりますが、千名ぐらいじゃありませんよ。足らないのです。足らぬものだから、運転手はいないのかといって、どんな運転手でもいいから、二種免許さえ持っていれば、それがどんな不良であろうと何であろうと、とにかく車を遊ばせておったのでは商売になりませんから、やはり雇うと思います。私は、この一万数千名になるであろうところの運転手の問題を解決しなければ、乗車拒否の問題は解決できないと思う。この運転手について運輸大臣、自信ありますか。あなたが六千台ふやすと言ったが、車はふえたって、車は遊んでいますよ。どうして運転手をふやしますか。この問題は、警察庁が道路交通法の責任で、二種免許は交通局の所管でございますから、交通局長の御意見もあわせて承っておきたいと思います。どうしてこの運転手対策を講じようとされるのか、お二人のお考えをそれぞれお述べいただきたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 事務当局の自動車局長からお答えいたさせます。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 運転者の不足は御指摘のとおりでございまして、実は昨年約四千両、その中で会社の車は約二千両ふやしたわけでありますが、このときにも運転者の需給状況と見合わせまして三回に分けて、運転者が充足した分から逐次実動をさせるという措置をとっております。と同時に業界を指導いたしまして、業界で運転者の養成機関を設けまして極力養成にもっとめさせておりますが、この養成を受けて出ます者も、私の記憶では、年間せいぜい二千人弱のように聞きておりますので、これでもなお足らないという状況でございます。したがいまして、さらにことし約六千両、需要供給の面から申しますと六千両ぐらいは増車の必要があると陸運局は考えておりますが、これの増車の実施にあたりましても、運転者の充足状況と見合わせながら、時期的には一定の時期を画しまして、何回かに分けて増車をせざるを得ない、かように考えております。  なお運転者全般の不足につきましては、その対策を警察当局とも目下協議をいたしまして、いい方法はないかということで相談をいたしております。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 お答えする前に、ちょっと私からもお断わりしておきたいと思いますが、増車に併う運転者不足、あるいは増車しなくても非常に運転者が不足しておるということについて、第二種免許の制度が悪いのだ、こういうものがあるから運転者養成ができないのだということがいろいろ巷間言われたわけでありますが、私は第二種運転免許制それ自体が隘路のすべてではない、こういうことをはっきり申し上げたいと思うのであります。ということは、運転者不足というものは今日始まったわけではありませんで、元来、業界自体としてみずからの労働市場というものを育成強化していくということは、これはいかなる産業であろうとも、いかなる種類の業界であろうとも当然考えなければならないことであります。にもかかわらず、今日までその点について、すべてを二種免許にしわ寄せをするということは私は承服できない。ただしかし、もとより私どもも二種免許の試験のやり方とか、あるいは年数のとり方等についても、いろいろ意見のあることは承知いたしております。しかし現在いろいろ統計の数字をもって全国的に見ますと、私どもの調べました統計数字によりますと、三十八年六月末におけるところの二種免許の現在数は、大型が十三万四千八百三十五、普通が三十一万九千八百七十五という数字でございます。さらに三十八年の一月から六月までの試験実施の状況を調べましたところが、受験者が大型で七万四千七百十四、合格者が一万三千三百五十六、普通が五万五千四百、これに対して合格者が一万一千七百二です。したがって累計十三万百十四が受けまして二万五千です。これは半年でありますから、年間推定五万の二種免許の合格者があるわけであります。したがってこの合格率は二〇%でありますので、私どもこの合格率を上げれば運転者の数をふやすことができる。したがってこの試験のやり方等について必ずしも私どもは十全とは思っておりませんので、試験のやり方等についていろいろ考慮することによってこの合格者の比率を上げ得る可能性もある。あるいは業界自体がもう少し努力することによって合格者の比率を上げることができる。三十五年六月末における一種免許の全国推定の数は四百二十五万ということであります。三十八年一月から六月までの二種免許の受験者は、先ほど言ったように十三万でございますので、約三〇%が受けたわけでございます。したがって一応現行の三年ということと、特殊の試験をやるということについては、いろいろと検討はいたしておりますけれども、現段階において運転者が不足するから直ちにこの制度を変えるというふうには考えておりません。私どもといたしましては、業界自体としても、もう少し労務技能者というものをみずからの手で確保するという努力をすべきではないかということで、運輸省と私どもと業界と三者で運転者不足対策委員会というものをつくりまして、前向きの姿勢でわれわれの分野で解決すべきものは解決しよう、しかし業界自体としても、やはりもう少し解決すべきものがあるのではないだろうかということを警察当局としては申し上げておる次第でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 交通局長、あなたはそういう御答弁をされますけれども、現実に運転手が足らぬのですよ。どこへいってもいないのですよ。運輸大臣から、増車をすればサービス改善に役立つかのような御答弁が先ほどあったから、私はこれにからんで実はお尋ねをしたわけですが、増車をいたしますと、こういう理屈になりませんか。運転手はますます足らなくなる、運転手が足らないというと不良運転手がばっこする、不良運転手とは、つまり乗車拒否をやるものだ、こういうことになれば——あなたはいま乗車拒否をやめさせたいと言っておるけれども、増車すれば乗車拒否がふえるというこの悪循環は残念ながら認めないわけにはいかない。これはなぜかといえば、運転手対策がとられてないからだ。だから私は、料金を二十円値上げして八十円が百円になった、その料金値上げをするときに、警察とよく相談されて、運転手対策についても万全の措置をとって、国民に対するサービスを考えてあの料金値上げをやるべきではなかったかと思う。それがタクシー事業の健全な育成だと思う。タクシー事業の健全な育成とは、単にその会社の赤字を埋めるだけではなく、その会社がほんとうに国民の交通機関としての能力を十分に果たすことだ。そうなると、残念なことに、タクシーの運転手は二種免許だ。普通の免許を持っておったってハイヤー、タクシーの運転手にはなれない。しかも二種免許には、道路交通法で条件がついておる。二十一歳だとか、三年以上の経験だとか、それから官庁の証明がなければならぬし、その上に試験をするわけだ。そこで私は、いまの高橋さんの答弁には全く不満だ。あなた方がそういうような考えでおるから、タクシーの運転手不足の問題は解決しませんよ。だから私は、ここで一つの試案を——これは党の考えではございませんで私個人の試案でございますけれども、私は二種免許については、この際根本的に考え直さなければならぬのではないかと思う。これからますます車はふやさなければならぬと思うのです。いま日本の車の台数をアメリカと比較したら何十分の一でしょう。イタリアよりもはるかに少ないでしょう。今日、日本は問題にならぬ。これだけ車がふえたように私どもは思いますけれども、諸外国と比べたらとても問題にならぬ。車はどんどんふえていく、もう動きがとれぬ事態がやってくる。そうなってくると、お互いに、私どもは自家用車を持つことは、今日の国民所得からは、アメリカのようにはいかぬのでございますから、どうしてもハイヤー、タクシーというものがこれからの交通機関で大事になってくる。とすればいままでの警察庁のとってきたような運転手養成の方針ではどうにもなりませんよ。このことを高橋さんはお認めになりますか。あなたはいままでのやり方で、これからふえていく自動車の運転手は十分に責任を持って果たすことができると断言できますか。そういう断言ができれば私は引き下がります。あなたが責任を持っていただけば、これに越したことはないわけですからね。いかがですか。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 私どもは二種の運転免許の事務を扱っておるわけでございまして、運転者の養成ということについては、これはむしろ運輸省御当局が積極的に考えるべき問題です。それを受けて、私どもが運転免許の上において考えるということであって、私どもが運転免許の、いわゆるいまのハイヤー、タクシーの運転者の養成ということについて積極的な主導権をとってやるということではないということを、私は先ほど申し上げたわけです。しかし私どもが申し上げたことは、私どもだけでなかなか受け答えられないですから、との点については自動車局なりあるいは業界なり、ひいては労働省なりいろいろな面からさらに前進をしていったらいいじゃないかということを申し上げて、早急にそれぞれの打つべき手を考えようじゃないかということで、むしろ私どもが提案をして、運転者対策協議会というものをつくっていただいて、そこで私が申し上げるのは、先ほど申し上げたように、二種免許を一歩も譲らないということを申し上げておるのじゃないが、二種免許の内容について是正すべきところがあれば是正いたします。しかしそれだけですべての問題が解決できるということを申し上げておるわけではないわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは、運輸大臣、よくお聞き願いたいのですが、私は昨年の予算分科会でこういう提案をしたのです。これは個人提案ですけれども、警察庁から片岡さんが見えておられた。第一種免許で常時運転をしておる者——これは何らかの方法で調査がつきます。そうして第一種免許所有者は三年間の無事故、三年間の無違反を条件にして、ハイヤー、タクシーの運転手にしてやったらどうだ。それは第一種だって車で走っているのですから、もし第一種がほんとうにお客さんを運ぶ能力がないというならば、免許をやらなければいい。第一種の免許をもらった者は大型のダンプに乗って走っているじゃありませんか。その上に今度はお客さんを乗せる人だけ第二種というのは、それは乗せておるお客さんが大事だということでありましょうけれども、事故は乗せておるお客さんだけの問題じゃない。遊んでおる子供をひくのです。そういう危険性からいえば、第一種、第二種免許で厳格なワクをはめて、そして運転手が足りなくて国民に十分サービスが果たせない現状では、常時運転をしておる第一種免許の運転手で、三年間無事故無違反という者には第二種免許を渡す、こういうことを考えてやることも私はいいと思う。そうなると、一年たった、あと二年でおれは二種免許がもらえるぞ、それに希望を抱きます。そうしてますます慎重に運転をいたします。おれは二年半無事故、無違反できた、あと六カ月たてば二種免許がもらえるのだというので、緊張して走ります。私は、運転手というのは悪いことをしたからというので、けがを人に与えたからというので、罰金をとったり行政処分をしたりする、罰則を与えることばかり今日の当局はやっておるが、こういうほめてやるところの制度を設けてやることが一石二鳥の対策じゃないか、こういうことを申したのです。もちろん試験制度は残しておきなさい。試験でいきたい人は試験でいったらよろしい。しかしながらこういうことにしてやればやっていけるじゃないか。そうなると運転手がたくさんできますから、たくさんできた運転手の中から会社はいい運転手を採用できるわけですから、そうなれば乗車拒否の問題は解決しますよ。そしてほんとうに国民が安心して、喜んで、運転手は実に礼儀の正しいりっぱな運転手が運転をして、国民に対するサービスができるじゃありませんか。そういうことに対しては、何も運輸行政というものは頭に入れていない。ただ営業者が料金値上げをしてくれと言ったら、さっと上げる。あとは国民のことだとほったらかしだ。こういうことですから、国民が憤慨をして、けしからぬじゃないか、料金値上げをやって、ということになってくるわけです。サービスをよくしてやれば、国民は文句言いませんよ。今日会社の営業が赤字になっておるくらいは、物価値上がりの今日は、お互いの台所が赤字ですから、みんな理解しておる。揮発油税が上がるからたいへんだろうとみんな思っておるわけです。私がこの提案をしたら、警察庁を代表して、あなたのところの片岡さんが——速記録を見たらいい、速記にこう書いてある。「非常に貴重な御意見だと思いますので、検討を進めたいと思います。」私の意見に対して、検討を進めることを、片岡さんは約束して帰られた。検討は進みましたか。高橋さん、進めてくれましたか。これはいかがですか。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 いまの問題は免許課長から私聞いております。そこで、私が先ほど申し上げた、試験のやり方のいかんによって、いま申し上げた合格率を上げることができるのではないかということの一つの趣旨は、先ほど申し上げたように、その他の要素を加味することによって、試験の点数の問題について、現行のままで考えることができるのではないかということを申し上げておるわけであります。私はいま申し上げたように、現在の二種免の運用の中でも、私どもとしては、相当できる部面があるということを先ほど申し上げたわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 運輸大臣、私の提案はどうお考えになりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 しごくごもっともなことで、私といたしましては、そういう方向につきまして研究を事務当局に命じておって、せっかくやっておるところであります。いままだ実現しないのをはなはだ遺憾に思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 木村さん、事務当局がせっかくやっておるそうですか、やっていますか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 ただいまの御提案につきましては、私も昨年お話を承っております。いま高橋交通局長が申し上げましたように、運転免許の国家試験にかかわる問題でございますので、警察と相談をいたし、ただいま交通局長の申し上げたような方向で、寄り合って検討いたしておるわけでございます。  なお、つけ加えますと、運転手の不足は、いまの運転免許についての考慮を払うということもございますが、住みよいあるいは働きよい状況にタクシーの運転者をしていくというところにも大きな問題がございますので、その点につきましては、運輸省といたしまして、たとえば歩合給制度の問題、あるいは退職金の問題、あるいは休養施設その他労務管理の問題につきましては、先般の増車の場合あるいは運賃改定等の場合にも、陸運局長をして業界の指導をさせております。なお、これらの問題もある程度時間をかけまして、こまかくやっていかないと、なかなか効果があがりませんので、目下せっかくそういう面で検討させております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 交通事故は運転手の能力ではなく自覚ですよ。交通事故の原因を警察で分析されておるようですが、私は運転手の能力じゃないと思うのです。無自覚、酒を飲み、それで走る、あるいは自分の腕に自信ができて、いいかげんな運転をする。ほんとうに自覚してやると、たとえば第一種免許に及第しておるような者は、その直後は事故をやらぬ、緊張してやりますからね。これは木登りと一緒だ。かえって木登りのじょうずなやつほど落ちる、へたな者は緊張しておりますから落ちやしない。そういう点で私は申しておるんですよ。だから私は一つの自覚心を与える、同時に運転手の不足をも解消できる、こういうことで、これはぜひとも検討されるそうですから、警察庁と運輸省は、私の提案をすみやかにひとつ御検討願いたい、こう思うのです。この問題は、適当な機会に私はまたお伺いしたいと思います。  そこで、私は、もう一、二点で終わりますが、委員長、時間を守りたいと思って、きわめて簡単に質問しておるんですが、答弁が長いんですよ。これは速記を調べてくださったらわかる。  もう一点お伺いしたいことは、二種免許と一種免許の法的な違いです。これをお教えいただきたい。私は道路運送法と道路交通法をここに持ってきておりますが、一体二種免許と一種免許は、道路交通法の規則を守っていく順守義務の点で一体どこも違わぬじゃないか、何か違うところがあるのか、二種免許というのは……。道交法の責任者である交通局長に御答弁を願いたい。

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 答弁は簡潔に願います。

高橋幹夫警視監(警察庁交通局長)

○高橋(幹)政府委員 いまの御指摘の点は、運転免許の年限と、それから試験の方法が違うということでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 だから、道路交通法に書いておるところの、「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ることを目的とする。」これが道交法の目的、これは一種免許にも要求されておる。二種免許にも要求されておる。法的順守義務はどこにも違いはない。ただ若干技術が上達をしておるというだけのことなんです。一種免許をとったものが大型のダンプで走っておるんですよ。一種免許を二十一才でとった翌日に、そのダンプが事故を起こしておる。そういう点から見ても、私の提案はすこぶる妥当な提案じゃないかと思うので、大臣、これはひとつぜひ検討してもらいたい。もう一点で質問を終わりますけれども、委員長、その問題で関連がありますから……。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)分科員 関連して。いまのは非常に傾聴すべき意見だと思うんです。実は私も自動車学校の校長をやっておるんです。それでやはりいまの意見を聞いて、いろいろ感じさせられるんですが、一つは、技術がうまいということだけでかえって若い者が事故を起こす。卒業生でも、女の子は技術がまずくても事故を起こさない。それから年寄りはやはり起こさない。年寄りは覚えるのは非常に長くかかりますけれども、事故を起こさないというのは、用心をするからです。それでどうもフランス——外国に行ってみると、運転手は年寄りが多いんですね。これはいろいろな事情で年寄りになったのだと思いますけれども、ひとつ技術だけを考えないで、やはりそういう年齢とか性別とかいうものも考慮に入れたらだいぶん違うんじゃないかということが一つ。  もう一つは、これはいろいろな事情があるのかもしらぬが、流し——人間を乗せないで流して走るという、あれが事故及び交通の混雑を非常に起こしておるんじゃないか。ですからフランスのように、一定の場所、そとで待たなければならぬ。それで行ったものから、「頭」という看板を掲げておりますが、その頭は、自動車のとまっているものの一番最初のはここにとまらなければいけない。向きは同じようにですね。至るところにそういう場所をつくって、流さないで、そこで待っておるということになれば、お客のほうでも、あそこへ行けばおるんだということがわかりますし、また運転手も、行ったら順番にずっと待っておるわけですから、そこで取り締まりも非常に楽だろうし、何かにつけて非常にいいんじゃないか。個人の車をもって、銀座あたりあるいは千住あたりに行っても、昼めしを食おうと思っても、とまるところがない。そうなるとめしを食っておる間車はぐるぐる回っておる、これで非常に混雑している。銀座に行って、買いものしておる間はずっと回っておる。だから、そういういろいろなくふうですね。これが非常に必要なんじゃないかと思うのですが、いまおっしゃったことを聞きましても、どうも技術ばかりで、若い者は覚えるのが早い。十七、八の者が一番早い。しかし、これがまた一番あぶない。ちょっと関連して、時間をとって恐縮でありましたけれども、御考慮に値するものかどうか、申し上げてみました。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先日、山本先生からそういう御意見を聞きまして、私どもごもっともと思いまして、実は、私どもといたしましても、タクシー・ベイというものを、非常に乗車拒否の多い場所に、土地があり次第、順次拡大していっておるのであります。銀座の新高速道路ができましたその横のあき地に、今日約五百台くらいがとまれるようなことをやりまして、そこへ行けば乗車拒否はないということをやっておりまして、順次効果をあげておるのでございますが、遺憾ながら、繁華街におきましては、そういう空地がなかなか得られないということが、その制度を拡充していく上のガンと心得ておりまして、何か今度できる、たとえば高速道路の下とか、新幹線の下とかいうようなところは、倉庫とか店舗に貸さないで、そういう方面に利用させるようなふうに考えつつあるような状態でございますので、御説のとおりでございます。事実またそれは実現しておりますが、ただ、場所がないために市内に多数得られないでおるということもまた事実でございますから、御了承願いたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 最後にお尋ねいたしたいことは、自動車の損害賠償保障法施行令の問題です。大臣、御承知のように、二月一日からこれが改正になって、死亡者に対して、自動車保険から支払われる金として五十万円が百万円に上げられた。私はまことにけっこうなことだと賛意を表したいと思います。これでもなお少ないと思う。許すならば、もっと多額の金を死亡者には自動車保険から支払うようにしなければならぬと思うのでございますが、この中で問題は、各種の後遺障害に対する金額です。これは全体を十二級に分けておるようですね。それを見てみますと、これは週刊誌にもおもしろおかしく書かれておりましたが、第五級のところで、私どもも不可解にたえないのは、五十三万円の後遺障害に対するところで、第十項に、両側の睾丸を失った者、これは五十三万円だ、こうなっておる。そうして第五項に、一手の親指と人さし指を失った者、これも五十三万円だ。親指と人さし指を失った者も五十三万円ならば、睾丸を失った者も五十三万円。それから九項には、女子の外貌に著しい醜状を残すもの、これも五十三万円、男子の外貌に著しい醜状をのこすものは五万円です。一番最後の十二級に書かれておる。これは男子と女子の違いだからといえばそれまでですけれども、どうも納得できないのは、この三つの項目だけ比べてみても、このケースの取り上げ方、基準の定め方は実に不可解でならぬのです。男が睾丸を失ったらたいへんです。これはどういうわけで、一体だれがこんな基準をつくるのか、どういう常識でこういう基準をつくったのか、これは大臣からお聞かせ願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 基礎はおそらく労災法の基準を適用したのだろうと思いますが、詳細は事務当局から答弁させます。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 大臣から申し上げましたように、労災保険の場合の後遺症の段階をそのまま踏襲いたしたものであります。したがいまして、問題は、労災保険できめてあります後遺症の、その取り方が妥当かどうかという問題になろうかと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは労働省がいないのでどうかと思いますけれども、その労災保険の基準はどうしてきめたのでしょうか。お知りであったらお聞かせ願いたい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 その点は専門家でもございませんし、所管外でもございますので、ちょっと責任を持ってお答えできません。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは運輸大臣、見識がなさ過ぎますよ、労災保険がきめておるから、それをそのまま持ってこなければならぬという法律はない。労災保険は労災保険です。これは労災保険と違いますよ。自動車でやられて、男子たるものが両側の睾丸を失って、これが五十三万円、親指と人さし指と同じだ、女の顔と同じだ。私はこういうような基準の定め方はまことに不可解にたえない。これはぜひ検討してもらいたいですね。検討をお約束してください。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 了承いたしました。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 まだございますけれども、これで終わります。

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 質疑者が多数ありますので、質疑応答は簡潔に行なわれますよう、重ねてお願いを申し上げます。田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 私は航空事故を防止するということから、航空法の改正と、それから航空局に事故の調査権限を付与するということを考えて、当面、昨日ございました日東機の事故の問題についてお聞きをして次へ移りたいと思います。  報道によりますと、昨日、日東機が伊丹の境口で農業用水の土手に衝突をして、そうして胴体がまっ二つに割れ、多数の死傷者を出したわけでございますが、この事故原因について、ひとつ最初に承りたいと思います。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 昨日の日東航空の事故、まことに遺憾でございまして、私ども衷心から哀悼を申し上げておる次第でございます。  事故が起きましたことはきわめて不幸なことでございましたが、この事故の原因がどこにあるかということは、事故後におきまして、私どもの最も迅速に処理しなければならない重要な問題でございます。現在大阪航空保安事務所を中心といたしまして、本局からも専門の係官を派遣いたしまして、鋭意事故原因を探求しております。ただ、この場合の事故につきましては、幸いにと申しては語弊があるかもしれませんが、パイロットが、重傷ではございますが、生存しておるという点、また機体につきましては、相当こわれ、また焼けておりますが、ともかく残骸が残っておるというような点から、比較的早く事故の原因は突きとめ得るのではないか、かように考えております。ただ何分にもパイロットは重傷でございまして、現在病院で加療中でございますので、なるべく早く、また医師等とも相談いたしまして、適当な機会によく事情を聴取し、一方残骸の機体につきましては、精密な検査をすでに開始しております。したがいまして、これらの両方の事情が判明したところにおきまして、事故の原因を徹底的に追及して、今後同種の事故が起こらないように、よく関係方面に警告をいたすとともに、航空局といたしまして、その観点から、さらにその角度から厳重な監督をしていくべきもの、かように考えています。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 報道によりますと、相当の吹雪の中で離陸した、したがって目測を誤まったというようなことが書いてあるのですが、現在のところでは調査中ということで、そういうようなことは一切判明しておりませんか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 雪が降っておりましたことは事実でございますが、吹雪という程度であったかどうか、この点は、たまたま当時別の用件で、私のほうの大沢技術部長が大阪に出張しておりまして、事故の現場にすぐかけつけましたので、吹雪の程度につきましては、技術部長から答弁してもらったほうが適当だと思います。また、いまのお話の、目測を誤まったかどうかというふうな点も、その辺の実際の状況と、またきわめて技術的な問題でございますので、ちょうど本人も帯同してまいっておりますので、専門的見地から答弁をさしてもらいたいと思います。   〔主査退席、井村主査代理着席〕

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 たまたまきのうの朝大阪におりましたので、さっそく現場にまいりました。その当時の雪の状況は、ちょうど私きのうの午後帰りましたのですが、午後四時から五時ごろのこちらの雪の降り方と似ていたように思います。したがってたいした強い風もございませんし、淡い粉雪が降っていたという程度で、飛行場の視程の状況は、あそこの飛行場の、IFRと申しまして、計器飛行状態で出発できる限度内でございます。現場へまいりまして、落ちた状況を見ましたが、墜落、いわゆるまっさかさまに落ちたという状態ではございませんで、故意に行なったか、あるいはやむを得ずそうなったかわかりませんが、正規の姿勢で不時着をいたしまして、たんぼの中に正規の姿勢でまっすぐ線を引いております。これは正常な姿勢で滑走した痕跡でございます。ただ、あいにく道路の側溝にぶつかりまして、もんどり打って道路を飛び越えて裏返しになった。そのために破損が非常に大きかったのと、火が出たのではないかと思います。したがって、私がきのう午前中現場で見ました限りにおきましては、その高度を低下するに至った原因が直ちにつかめませんでしたけれども、ちょっと見た感じで、右側の発動機のプロペラが非常にきれいな形でとまっております。三枚のプロペラでございますが、その翼端も曲がっておりません。左側は焼けたり曲がったりして土にめり込んでおりますので、多少の疑問が——右側の発動機がとまっていたか、あるいは正規の回転をしていなかったかということも考えられますが、これとても、ほんとうに発動機の故障でとまったのか、あるいは着陸寸前にパイロットがとめたのかということもまだわかっておりません。したがって、きのうの午後から本局からまいりました専門官も加えまして、現地でこまかい器材の調査をしておりますが、ゆうべまでの情報では、これといった欠陥はまだ発見されておりません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 目測を誤るようなふぶきの状態ではなかったのですか。

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 私の判断では、そういう状態ではなかったと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 そうしますると、その他エンジンの故障が起きて、そして着陸するという考え方で、結局そういう事故が起きた、こういうような判断ですか。

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 先ほど申しましたように、パイロットが自分で意識的にか、あるいはやむを得ず不時着をしたのかはわかりませんが、とにかく高度がとれなかったことは事実だと思いますが、その原因が発動機の故障にあったのか、あるいはそれ以外に、新聞にもいろいろ書いてございますが、凍結あるいは何かの振動とか、どういう原因があったかは、まだ全然つかめておりません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 途中で引き返す場合でも、着陸する場合でも、陸上のほうへ情報が必ず来ることになっておりますが、それは来ていましたですか。

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 離陸いたしましてからたんぼの中へ接地いたしますまで、ほんの一分くらいでございます。したがってタワーのほうには何らの通信もしておらないわけでございますが、まずそのひまはないのではないかと想像いたします。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 それでは、きょうはどんなにお尋ねしても、事故の原因ということでは、調査中ということで、これ以上の答弁はもうできないということですか。

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 残念でございますが、本日のところはそのとおりでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 一日たっておるのですから、きょうある程度の報告はなされるだろうという期待はいたしておりましたけれども、全然できないということなら、これ以上お聞きしても、それはやむを得ませんので私は打ち切りたいと思いますが、こういう問題は相当時間がかかるのですか。

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 まあ、通常長い時間がかかることが多うございます。ただ、先ほど局長が申しましたように、パイロットが生命がございますので、その話によりますと、われわれとしては非常に有力なヒントをつかむことができるのではないか。この前の八丈島の事故のように全員死にますとどうしようもないのです。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 中間報告としては、ただいま報告のされました程度より以上、お聞きしてもだめなんですか。

大沢信一運輸技官(航空局技術部長)

○大沢説明員 これ以上はわかりません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 それでは、残念ですけれども、次に移りたいと思います。  そこで、現在米軍なり自衛隊は、除外規定がありまして、民家の密集しておる地帯でも低空の訓練が行なわれるようになっておる。こういう特権が認められておるわけです。したがって、私は米国の国内法をちょっと調べてみましたが、米国では、民家の密集しておる地域では、危険な低空訓練はみだりにやってはならないということになっておると思うのです。それはお調べになればわかりますが、したがって日本の自衛隊の場合は、日本で処理できるといたしましても、米軍が自分の国土では民家の密集しておるところでは危険な訓練ができないというようなことになっておるにもかかわらず、日本では堂々とやっておるということが、私はそもそも対等の立場にある国としては非常に遺憾な次第と思うのですが、こういう点、どういうようにお考えでございますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 航空法によりまして、最低安全高度という規定がございます。この規定につきましては、適用除外になっておらない、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 そうしますると、最低の安全高度を保つために航空法の八十一条が規定されておるのです。それでこの内容を見ますと、「航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物件の安全及び航空機の安全を考慮して運輸省令で定める高度以下の高度で飛行してはならない。」こうしてあるんだから、これは航空法ではどの程度までという程度はきめてないけれども、除外されるように運輸省令で定められるようになっておるのですが、いまこの運輸省令で定められておる程度は、地上何メートルまで認められておるのですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 この法律を受けまして、規則の百七十四条一号のイというのがございますが、これには「人又は家屋の密集している地域の上空にあっては、当該航空機を中心として水平距離六百メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から三百メートルの高度」かように規定してあります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 これは米軍機または自衛隊機以外でも同じなんですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 自衛隊機につきましては、このとおりでございます。それから米軍機につきましては、エアフォースのレギュレーションによって同種の規制を行なっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 その規定、わかりますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 現在エアフォースのレギュレーションを持ってきておりませんので、正確なことがわかりませんが、後ほど調べましてお答えしたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 それではすぐ調べていただけますね。それは見ればわかるでしょう。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 現在エアフォースのレギュレーションそのものをここに持参しておりませんので、役所のほうで調べればわかります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 きのう大体私の質問の内容を通告しておいたはずですが、そういうような重要な書類は、やはり携帯してきてもらっておかぬと困るわけなんです。したがって、この問題を事故防止という面から徹底的にやろうとすると、議事進行に協力できないというようなことができますので、これは何かの形で取り寄せるなら取り寄せて、私のあとの質問しておるうちに報告できれば報告していただきたいと思います。そして初めに私のほうから事こまかく親切に、こういう内容のことを質問するんだという通告がしてあるんだから、だからきょうはそれだけの準備をしてもらっておらなければならないと思うので、非常に遺憾ですけれども、ないものを責めてもしかたがありませんから、これは早く取り寄せて、私の質問中にひとつ御回答のできるようにお願いをいたしたいと思います。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 さっそく調べます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 そこで私は、特にただいまのようなことを申し上げましたのは、米軍機なり自衛隊機が墜落したような場合、また事故の場合には、日本では運輸省は何らタッチできないということになっておりますね。これはそうなんですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 米軍機、自衛隊機の事故調査につきましては、運輸省は原則としてタッチをしない、かようになっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 そこで、これはまじめに考えていただかなくてはなりませんことは、こういう事故などということは、事故が起きたときに、内輪の者が調査をして、そうして外部へ発表する場合には、これは不可抗力であったというような報告書もつくり出されるというような憂いもなきにしもあらずということをわれわれは考えて、こういう問題を考えなくてはならないと思うのです。したがって、私は、こういう考え方から運輸省が何かの形でタッチできるような道を開いておかなければならないと思うのです。そういうような点については、いままで不自由も感じられぬし、また、そういうような案も考えられたというようなことはございませんですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 自衛隊機、また米軍機の場合に、私どもとしては、現在まで民間機との関係があります場合には、共同で調査をするというようなことは実施したことはございますが、自衛隊機または軍用機、それだけの事故というような場合には、航空局としてはそれにタッチをするというようなことはいたしておりませんし、現在までそういう点についてタッチをしようかというようなことで折衝をしたということはございません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 ちょっと態度が弱いですね。米国では事故調査委員会の中へ航空局が加わっておるんですね。これは御存じないですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 先生のいま御指摘になりました条文は、おそらく法律の七百二条の関係ではないかと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 何の法律ですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 これはパブリック・ロー八十五の七百二十六という法律でございます。フェデラル・エビエーション・アクトと普通言っている法律でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 おぼろげながらもそういうことは御存じなんですから、私は少なくとも航空局が事故の調査権というものを、米軍機にせよ、自衛隊機にせよ、これは完全に握るということが絶対必要でないかと思うのです。そうでなかったら、ただいま一番最初に私が申しました航空法の第八十一条に基づいて、運輸省令で地上何メートルまでというような制限の除外を許可したような場合には、そういうような行動を行なうわけでございまするから、これを突き詰めて考えてみますると、行政権限によって事が処理されて、そしてどうかといえば一番こういう問題を審議するところの国会を、つんぼさじきにするというようなことにも解釈ができるわけなんでございますから、やはりどういう飛行機にせよ、事故が起きた場合には、当然航空局が事故の調査権を付与されて、そしてそれをアメリカのように事故調査委員会の中へ入って調査をしてもよろしいし、それはいろいろな方法はございましょうけれども、いずれにいたしましても、米軍機と自衛隊機には全然航空局のほうが事故の場合にタッチできないんだ、こういうようなことでは、私は、航空事故防止には大きな支障があると思いまするし、原因を究明するにも、これは完全なものを究明されたと国民が判断し得ないと思うのでございまするが、そういう点について、これは現在はないのだから、将来どうするのだということを、ただいまずっとお聞きになっておられると思いまするが、運輸大臣はどういうようにお考えになりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 非常にむずかしい問題でございまして、あなたのおっしゃることはよくわかりましたので、さらに調査いたしましてお答えいたします。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 大臣は、調査をしてこれから考えるということでございまするが、米国のほうではやっているのだからね。軍の飛行機なんかは、機密というような関係もございましょうけれども、やはりそうした方法でタイムをとられておるのでございますから、むずかしいといえばむずかしい、むずかしくないといえばむずかしくないのだから、やはりこれは、民間機にせよ、軍用機にせよ、事故を防止しようとすれば、事故がどうして起きたのかということをまじめに探求して、再び事故の起きないような方法をとっていかなければならないと思います。これは行政機関として一番大切だろうと思いまするので、そういう点で、この点についてはひとつまじめに取り組んで、今後研究をして、また運輸委員会で、どなたか先生が質問をされるかもわかりませんし、もし質問される人がなかったら、また来年私がこの続きをやりたいと思いますので、ひとつ十分に処置をとっていただきたいと思います。  それから、軍用機と民間機との併用をしている飛行場は、これは管轄はどちらの管轄なんですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 民間機と自衛隊機ないしは米軍用機と共同して使っている飛行場はいろいろございまして、場所によっては航空局が管轄し、また場所によっては自衛隊が管轄する、また場所によっては米軍が管轄している、かようにいろいろの形態がございます。具体的に申し上げますと、たとえば北海道の千歳の飛行場、これは防衛庁の所管の飛行場でございます。防衛庁所管の飛行場に隣接しまして民間のエプロン地帯がある。そうして滑走路は防衛庁の飛行場の滑走路を使っている。こういう形態がございます。それから、たとえば九州の大村に航空局所管の飛行場がございます。この飛行場に隣接しまして海上自衛隊の施設がございます。そうして滑走路は航空局で所管しております。滑走路は海上自衛隊の飛行機が使用している、こういうような例もございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 小牧はどうですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 小牧は航空局の所管の飛行場でございます。これに隣接しましてやはり自衛隊の施設がございます。滑走路は自衛隊機が航空局所管の滑走路を使用している、こういうような形態になっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 若干具体的な報告をしていただきましたが、私、小牧の例を見ますると、小牧は共同使用をしております。ただいまのお答えでは、運輸省の管轄だという御答弁ですが、実際にあそこで離陸、着陸する飛行機の数の比較は、七〇%が自衛隊機なんです。だから私が申し上げますることは、共同使用しておるところでも、運輸省が管轄しておるところでも、七〇%自衛隊機が使用しておるというような状態だから、私はいかに自衛隊機といえども、米軍機といえども、航空局が事故の場合にはやはりタッチできるような体制をつくってもらいたい、こういうことを強く要望をしておきたいと思います。先ほど申しましたように、運輸委員会の他の先生がやらなければ来年またやりますから、ひとつその点はよろしくお願いをいたしたいと思います。この点についてまだこまかいことを申し上げたいと思いまするけれども、議事進行の協力から、もう一件だけお願いしたいと思います。  今度は国鉄のほうへお願いしたいと思います。  国鉄のほうでは清掃業務というのを清掃会社なりあるいは共済会なりに請負をさせてやっておるわけですが、私がどうも疑問でならないのは、清掃会社につとめておる従業員の労働条件というものがあまりにも低い、あまりにも低いから、国鉄としてはそういう会社へ十分なる予算を渡しておらないのかどうかという点が非常に疑問であるわけです。私、調べてみましたら、会社でやっておりますのは、現在のところでは、田町、中野、下十条、上野、車坂、水戸、池袋、大船、それから大垣があります。共済会でやっておるものもありまするが、そこで私は簡単に伺いたいと思いますることは、どのくらいの予算をこの方面へかけておられるのか。この予算書を見ましても、ちょっとそういう仕訳が書いてございませんので、伺いたいと思うのですが、その引き当て予算をひとつここで報告願いたいと思います。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 客車清掃全体の予算額はちょっとここへ持ってきておりませんが、その基礎になります単価の意味であろうと思います。そうでありますならば、電車につきましては一両当たりの掃除の契約単価は大体千円前後でござます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 私がこういうような質問をあえてするのは、あの貨車を洗う従業員というのは徹夜でやる従業員もあれば、昼間の従業員もあるわけでございまして、冬の非常に寒い日でも、きのうのような日でも、水で一生懸命作業を行なっておるわけで、労働の面からいきますると、相当の労働過重になっておるわけです。そういう労働過重になっておるけれども、これは岐阜の大垣の場合を例にとって申し上げるのですが、平均賃金というのは日額でいきまして四百九十円なんです。こういうような労働条件しか与えられないような予算が国鉄のほうから出されておるのかどうかということなんです。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 どういう資料に基づいて四百九十円という数字が出てきたのか存じませんが、私どもの調べたところでは、初任給におきましても、大垣地区で男子五百四十円、女子四百七十円でございまして、これに掃除の種類によりましていろいろな加算がございますので、大体月平均月額の賃金といたしましては大垣地区で二万一千円、東京の田町の例をとりますと二万四千円程度でございますが、そう不当に悪い賃金であるとは考えておりません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 いま私の申し上げましたのは一番最低の金額でありますけれども、常用になっておる人々は、これは私が行って調べてきたのだから、あなたの調べておる資料より私のほうが正確なんです。日額は五百四十円、これは確実です。これが二十五日なんです。かけていただけばわかりますけれども、わずか一万五千円や一万六千円で一人前の人が働いておるのだから、非常にこれは低賃金だと思いますし、仕事の内容は非常に労働過重であるということなんです。したがって、なかなかここで人を雇おうとしましても、ほんとうに失業をした人がまず腰かけ式に入ってみようかというので入って、こんなに安い、労働過重なところではとてもかなわないといって、非常にそうした職員の交流が激しいわけなんです。それで、ただ特別手当といって、これはほんとうに二十五日、一日も日曜以外には休まない人には一日八十円といういわゆる特別手当式のものが入っておりますけれども、これを含めましても日額六百二十円ということなんです。これを二十五日にかけていただけばわかりますが、こんなことではなかなか生活できるものではないわけなんです。しかもここに働いておる人たちはもう堂々と奥さんを持ったり家庭を持って、一家をささえていかなければならない人たちが来ておるわけでございます。いまの新制中学を卒業した人や高校を卒業して就職がひっぱりだこの人たちは入っておらないのですから、ほんとうに一人前の人が就職してこういうような低賃金にあえいでおるわけでございます。しかも超過勤務手当は、労働基準法には違反をせぬ二割五分というものは増して払っておりますし、夜勤手当も労働基準法すれすれにはなっておりますが、ただ時間的にいきまして、夜勤の場合には十時から五時ということが基準法できめられておりますけれども、これが八時半からということになっておりますので、その点はちょっと違反になっておると思いますが、いずれにいたしましても、こういう違反になっておる、おらないというようなこまかい問題は別といたしまして、安い賃金でとにかく使っておるんだから、服装を見ましても、市民が見てもこれは国鉄の職員と何ら変わらないような、線路工夫さんの着ておられるような、あの菜っぱ色の服を着てやっておるわけなんです。したがって、そういうようなことでございますから、私はもう時間の通告もございましたからこれで終わりますが、大垣のあの清掃会社には一体年間どれだけの予算で請け負わしておるかという、その数字をひとつ出してもらいたいと思います。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 年間四千七百万円でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 私はこれでもう質問は終わりますが、少なくとも国鉄の付随業務といっても運送やなんかの付随業務と違って、どちらかといえば直接にこれは国鉄の従業員がやらなければならない仕事であるわけなんです。ところがこういうような仕事はどうしても人がきらって、従業員がその方面へ行かないというようなこともあるから、特別に清掃会社とかあるいは共済組合というようなものに託して仕事をさしていくわけでございまして、こういう基準を出す場合には、一日の仕事量、どれだけ仕事ができて、そしてどれだけ員数が要るか、そうすると最低限度賃金はどれだけ保障してやらなければならないという点から逆算をして予算を組んで請け負わしてもらわなくてはならないと思うんです。こまかい計算はしてみませんけれども、四千七百万円という金で、私は非常に少ないと思います。そういうことから非常に安い賃金で、十人が十人ともいやがるような仕事をしておるのでございますから、こういう点はもう少し国鉄のほうでもあたたかい気持ちで、国鉄従業員に準じた労働条件を得られるような請け負い単価を出して、そうしてこの仕事をやらしていただきたい。この点を強く要望いたしまして私の質問を終わります。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 小林進君。

小林進日本社会党

○小林分科員 私は、主査として国際航路の問題について御質問いたしたいのでありますが、航空局長が十二時二十分まで第一分科会のほうへ行くことを了承願いたいという話がありましたので、その前に若干本筋からはずれた質問をいたしたいと思います。  第一の問題といたしましては、きのう社会労働委員会で、私は運輸省並びに国鉄当局の労働行政のあり方や災害防止に関する問題について貴重な質問を進める準備をいたしてまいりまして、運輸大臣と総裁、副総裁並びに関係理事の出席を要望したのでありますけれども、一人もおいでにならなかった。どういう事情で大臣はおいでにならなかったのか、お聞かせを願いたいのであります。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は参議院の運輸委員会に終日——九時から閣議をやりまして、十時には終わりまして、十時過ぎから参議院の運輸委員会に参りまして、ずっと午後四時までそこにおって、鉄道建設事業団法の審議で、私にどうしても質問をするからおれ、こういうたっての要望でございました。社会党の相澤君が一人で質問をされたので、そこにおって出られなかったのはまことに残念でございますが、そういう事情でございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 国鉄の副総裁もお見えになっておるようでございますが、一体国鉄当局はどうしてきのうお見えになることができなかったのか、理由を伺いたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 私は、実は昨日の朝、やむを得ない事故の関係の用事で川崎に参っておりまして、十一時ごろ帰ってまいりまして、やはりいま大臣がおっしゃったように、参議院の運輸委員会のほうにずっと出ておったわけであります。総裁のことは、ちょっと聞いてまいりませんでしたけれども、そういうことで、鉄道建設公団法の審議がございましたので、そちらに参っておりました。

小林進日本社会党

○小林分科員 私が出席の要望をいたしましたのは、運輸大臣と総裁と関係の理事でございまして、副総裁は、私がおいでを願うという数の中に入っておりませんでしたから、あなたは用事があってどこへおいでになろうと、あるいは参議院の運輸委員会へおいでになろうと、それは関係がありませんけれども、ただ、そのとき総裁の出席できない理由の中に、三河島の事故の弔慰慰問のために出かけているから出席できないということがありました。国会が開かれて、重大な審議が開かれておるそのさなかに、一体三河島事件はいつ勃発したか。私はそういうことの弔慰弔問を軽視するわけじゃない。重大な仕事の一つでございましょう。地球よりも重いという命を、あなた方の不当な労働行政のために、あるいは運輸行政のためにむざむざと取られた人でありますから、陳謝し、地に泣き伏したところで間に合わぬ大きな罪悪でありますけれども、しかし、もう時期がたっておる。国会で重要な審議が行なわれている過程において、そういう弔慰弔問のために国会へ出席ができないという理由を私は容認することはできないのであります。そういうようなことは、運輸大臣、あらためて私は社会労働委員会でその問題も含めてゆっくり質問させていただきますけれども、私の出席要望を故意に拒否をされたのか、意識的に拒否をされたのか、あるいは国会を軽視されたのか、いずれにしてもその姿勢は正しい姿勢のあり方じゃないと思うが、大臣いかがでございましょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 お話のごとくんば、まことに遺憾千万でございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 大臣のおことばをちょうだいいたしましたから、それを足がかりにいたしまして、またゆっくりこの問題の質問をさせていただきたいと思います。  きょうは、実は政党を異にいたしますが、個人的に友人の関係にありまする田村代議士から、ひとつついでに運輸当局に聞いてくれという注文がございましたので、一問だけ御質問をいたします。それは、東海道線だそうです。私が直接経験したことじゃありませんけれども、乗りますと、パルプ工場の何か醜悪なにおいが入ってまいりまして、旅行の感興をそこなうのみならず、衛生上も非常によろしくない、こういうことでしばしば運輸委員会で超党派的に、特にわが党の岡本代議士がしばしば運輸当局に善処を促してきたのでございますが、その後一体関係官省であります通産省や厚生省等と運輸省がお話し合いをなされて、どういうふうに善処されておるのか、この問題について御答弁をお聞かせいただきたいと思うのであります。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 東海道線というだけでもってあとはよくわからぬわけでございますが、一体場所はどこでございましょうか。

田村元自由民主党

○田村(元)分科員 関連して。昨年も一昨年も岡本隆一君から分科会あるいは委員会等で御質問があったと思いますけれども、国鉄沿線の悪臭ですね。これは必ずしも、運輸省、国鉄のみの問題ではないのでありますけれども、特に吉原の付近とか、それからあれは天竜川でしたか、あの付近、ずいぶんひどいにおいがして、食堂車に入っておりますと吐きそうなにおいがしてまいりますが、そういうことに対して善処を促す旨の質問があったわけであります。関係各省は御協議をなすったものか。あるいはどのように善処をされたものであるか、そういう点を私からお伺いしようと思ったのでありますけれども、小林委員がすでに発言の次の順位者でありましたので、私は御遠慮申し上げて、ちょっと質問をしてくださいませんかといってお願いしたわけなんです。ひとつ経過を御説明願いたい。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 まことに申しわけございませんが、ちょっとその間の事情をつまびらかにしておりませんので、至急調べまして御答弁申し上げることにいたします。

田村元自由民主党

○田村(元)分科員 これは御存じないとは言えないんじゃないでしょうか。私は党派が違いますけれども、岡本君あたりは毎年この問題で質問をしておりますし、そうして乗っておる者自体がたいへんぶつぶつ言っておる問題で、国鉄当局の首脳部がそれをしっかり御存じないとすれば、当局の首脳部は汽車に乗らないで飛行機で関西へ行かれるのかどうかと私は疑いたくなるほど、あれに乗ってみればすぐ不愉快な思いをすることはわかりきったことなんです。いまもってまだつまびらかにされないということは、われわれとして了承できない問題ですけれども、しかし御存じなければしかたがありませんから、早急にお調べいただいて、可及的すみやかにしかるべき機会にひとつ御報告を願いたいと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井分科員 関連して。先ほどから御答弁を伺っておりますと非常に簡単に扱っていらっしゃるようで、河村さんとおっしゃるかどなたですか、だいぶひどいですよ。いま田村君からお話があったが、私も一週間一回ぐらい通りますが、こちらからいくと天竜川の手前にパルプ工場がありますよ。それから吉原の付近、いま田子の浦の港湾のしゅんせつをやっておりますところからもう少し向こうへいったところ、それから蒲原の日本軽金属——関連で申し上げて恐縮なんですが、先般も総括質問のときに私は日本の公害の問題について質問をいたしましたからあえて申し上げるわけでありますが、この問題は厚生省が中心になって、それに通産省が中に入って、いま、あのくさい汚水の流れ道みたいになってしまった隅田川をどうするかというような問題、あるいは関西におきましては四日市方面の公害の問題、さらに鉄道沿線のそういう問題について国鉄の諸君が知らぬというのは、これはたいへんひどいと思います。この公害の問題は、世界的にどこでも取り上げられておる問題であります。単に東海道だけでございません。この間私は国際電電のテルスターの、いま注目されておりますところのあの施設を見にまいりました。やはり日立の北のほうで、鉄道に乗っておりますと、非常に悪臭を放っております工場があります。汽車の中でも私は感じました。乗っておる人はみんな、先生、あの工場です、ということでありました。やはり国鉄当局とされましても、運輸当局とされましても、そういう公害の問題はいま差し迫った非常に重要な問題になっておるのでありますから、経営のたてまえからいっても、当然国鉄沿線においてこことここは問題点であるということは、やはりやかましく言って、そしてそういう近代的な行政の一環として十分手当てをしてもらいたい、私はかように考えますので、あえて関連でもって希望なり、皆さんのそういうことを御存じないというふうなのんきなものの考え方、それについて警告をいたしたいと思います。一言申し上げます。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 小林、中井両委員に申し上げます。適当の機会に詳細調べて適当な機会に御回答申し上げるよう取り計らいます。

小林進日本社会党

○小林分科員 主査の仲介の弁がありましたから、これ以上追及はいたしませんけれども、一事が万事、こう言ってはお気に召さぬかもしれませんけれども、大体国鉄公社というものはこういうことなんだ。これが、いま知らないから警告をするという話ならまだいい。この委員会を初め何回も繰り返されてきた。このことはいまお話しのとおりだ。そういうものをここへきて知らないという。これがいかに国会を軽視していますか。われわれが精魂を傾けて、そして論じたり、注文をしたり、お願いをしたり、要望する問題を、それを知らないという一片の答弁で聞き流しておくという姿勢の問題ですよ。私は国会にきのうやきょう出てきたのではない。十数年私はここにいるんだ。あらゆる公社の関係全部論じているんだ。国鉄公社ほど国会の論議や国会の要望を軽視しているところはありませんよ。実にけしからぬ。こういうようなやり方だから事故が絶えないのです。不祥事件が絶えないのです。運輸大臣、こういうことは、最高の責任者であるあなたが、こういう姿勢だからだめなんだということをよほど肝に銘じてひとつ考えてみてください。これだけでもやりたいのでありますけれども、局長も見えられましたし、私の本論に入る時間がございませんから、きょうのところはこれを留保しておきます。決してやめたのではありません。場所を変えてやりますから……。  それで本論に移りまして、国際航空路の問題についてお尋ねをいたしたいのでありますけれども、最近の情報によりますと、北京政府、中国人民共和国政府のアジア・アフリカ委員会の主席であります廖承志のほうから提案があって、いろいろの経済貿易その他の提案がございましたが、その中で北京と日本との航空機乗り入れのお話があったというのであります。これに対して一体運輸省はどういうお考えでおいでになるのか、お聞かせを願いたいと思います。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 ただいま先生の御質問の中国と日本との間の航空路線開設の問題でございますが、この点につきましては、私は昨日の新聞の朝刊でもって非常に大きなニュースとして読んだわけでございます。ただ、現在までのところ外務省と私のほうとでこの問題について十分意見の調整をしておりません。したがって、いま外務省と調整済みの見解を申し上げることができないのは残念でございますが、現在といたしましては両国間で航空協定を締結するということはできない、かように考えております。しからば、民間会社同士の間の取りきめというようなものについてはどうかという御質問もあるかとも存じます。いずれにしましても、現在の段階におきまして定期航空路線を設定するということは、現在は少なくとも航空局としては考えておりません。

小林進日本社会党

○小林分科員 北京と東京との航空機乗り入れの協定が現在のところは不可能だとおっしゃるが、その理由は何でございましょう。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 現在航空協定は政府間協定でございますし、またいろいろな関係もあると思います。この点は、いわば外交上の政策というような点が基本的な問題になってまいるというふうに考えております。したがいまして、その点につきましては、私から外交上の考え方を申し上げる資格もございませんので、先ほど申し上げましたように、外務省との意見調整ということが必要ではないか。この点は昨日の朝新聞で見たのでございますが、いまだ現在まで外務省当局と意見の調整ができておりませんので、私からお答えするのは不適当である、かように考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 外務省の見解を承りたいと思うのでありますが……。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 国際協定課長でございますが、いま航空局長から御答弁がございましたとおり、この問題につきましては航空局と十分な意見の交換をしておりませんので、明確な御答弁はいたしかねると存じますけれども、航空協定を結ぶということになりますと、これは政府として、国として、お互いに乗り入れ権を認め合うということになるわけでございますが、政府間の協定ということで国としてそういう義務をお互いに認め合うということになりますと、中共の承認問題ということにからんでまいりまして、いまその点非常にデリケートなときにあることは御承知のとおりでございまして、そういう意味で政治的なインプリケーションを持ってくる、そういうふうに存じております。

小林進日本社会党

○小林分科員 こういう北京−東京はまたあとでひとつ御質問をいたしまするが、あるいはモスクワ−東京というがごとき重大な国際航路における路線がそのまま封鎖されているということが、一体世界の自由往来の面において好ましいことであるかどうか、そういう中華人民共和国承認問題等の問題は別にいたしまして、こういう北京と東京との間の航空路が封鎖されていることは、一体運輸大臣として好ましいことであるかどうか、ひとつお聞かせを願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 一日も早く中華人民共和国と正常なる状態になることを希望し、同時に、一日も早くモスクワと乗り入れ、あるいは中共との航空路の協定について、できることは、私どもは非常に望ましいことと思いますが、現在の状態におきましては、現に私どもは中共と正式な交渉ルートを持っておりませんので、外交上のことでございますから、外務大臣とよく話し合いまして善処いたしたい、かように考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 最近の新聞紙上でありまするが、フランスが中国人民政府を承認することによって、その第一歩の具体的な仕事として、フランスのパリと北京との飛行機乗り入れの話し合いが進められているというのでありまするが、これを御存じでありますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 新聞紙上等において、うわさとして了承いたしております。

小林進日本社会党

○小林分科員 こういう重大な問題をうわさの程度で聞き流しておられるという運輸大臣の感覚を、私どもは疑わなければならぬのであります。その話の内容は、たしか二本の航空路を考えて話し合いが進められているのでありますが、その中の一本には、やはり東京−北京という、こういうコースも入っておるわけであります。もっと詳しく言いますならば、一本は、考えている線でありますから、そのうちに変更があるかどうかはわかりませんけれども、一本はパリ−モスクワ−カラチ−ラングーン−北京、これは東京には関係ありませんけれども、いま一本の線はパリ−ニューヨーク−ロスアンゼルス−東京−北京という、こういうコースを一つ議題に載せて話が進められておる。その話の過程において、中国側にはそれほどの問題はないけれども、東京−北京の乗り入れに対しては日本側にむしろ問題があるのではないか、こういうふうに言われているのです。どうして一体北京側に問題がないにもかかわらず、日本側にその乗り入れを拒否するような原因があるのかどうか、それを私は大臣にお尋ねいたしたいのでございます。うわさの程度と言わないで、あなたの主管に関する、しかも国際上の問題でありますから、少しきちっとした所見をお聞かせ願いたいと思うのであります。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 さっき申し上げましたように、私たちとしましては、フランスがどういうことを考え、中共がどういうことを考えておるかということは関知せざるところでありまして、正式に運輸省なりあるいは外務省にそういう話が参りますれば考慮いたすことは当然でございまして、私もそういうことが正式なルートに乗りまして協議が進められるということを運輸大臣としては念願いたす、これ以上お答えできません。

小林進日本社会党

○小林分科員 こういうような重大な問題、しかもどうしても将来これは可能にならなければならない問題である、それをいま話し合いがないからといって、まだ外務省と運輸省と話し合いもつけていないという、調整ができていないという、その行政のあり方がいかにも私は緩慢だと思う。そんなことで生きた政治はできませんよ。生きた行政はできませんよ。そんなことはもう三年も五年も前から、ちゃんと話し合いぐらいは進めていられなければならない性質のものだと私は思う。実に、私はあなたの運輸大臣としての見通しと識見を疑わざるを得ない。けれども、その問題は別にいたしまして、国際間のいわゆる外交は、お互いの国を承認し——外交が復活していないから航空機の相互乗り入れ協定はできないと、そうあなたはおっしゃいました。それに間違いございませんか。国際関係が復活していなければ、断じて航空機の乗り入れの、国と国との話し合いはできないとあなたはおっしゃいましたが、間違いございませんか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 そういうことを考えることを、それができる、できぬは別問題といたしまして、いま正式に私はあなたがおっしゃる非常に重大問題なるがゆえに慎重にやっておるのでございまして、それ以上はどうも議論になるような気がして、いつまでいっても平行線になると思います。

小林進日本社会党

○小林分科員 航空局長にお尋ねしますが、あなたは国と国との外交が復活していないから、だから飛行機の乗り入れの契約はできないとおっしゃったが、一体そういう外交関係がまだ正式にでき上がっていない国と航空機の乗り入れ協定を結んでいるというような例はございませんか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 国交が回復しない関係におきまして正式な航空協定を締結しておるということは、私の知る限りではございません。

小林進日本社会党

○小林分科員 あなたの答弁はそのままいただいて、あとでまたもう一回この問題は繰り返しますが、いまフランスが、このコースが一応決定的になれば、何らかの形で日本政府に申し入れがあることは間違いないと思うのでありますが、そういうときの準備のためにも早急にひとつ外務省とも話を進めて、私はりっぱな結論を出しておいていただきたいと思います。これはあらためてお尋ねをいたします。  北京と東京との関係は時間もありませんからこの程度にしておきまして、モスクワと東京と相互飛行機乗り入れの話し合いはだいぶ以前にもあったはずであります。その後どういうふうな形になっておりますか、お聞かせをいただきたい。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 日本とソビエトの間におきまする路線の開設という点につきましては、昨年外務省のほうからソ連の大使館あてに一つの提案をいたしました。その提案の概要は、日本航空がソ連の飛行機をチャーターして東京からモスクワに直行するというような案を骨子としておりました。この点につきまして、その後まだ明確な反応がない。なおそれについて折衝を要するというような段階である、かように聞いております。

小林進日本社会党

○小林分科員 参考までにひとつお尋ねいたしたいのでありまするが、現在東京を起点にいたしまして、ヨーロッパの終着をパリといたしまして、東京からパリまで行きまする航空路というものは何本ございますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 東京からパリまでの航空路はいろいろつくり方によってできると思いますが、大きく分けまして、東京から南を回りましてパリに行くルートと、それから北極を経由してパリに行くルート、この二つが現在使われております。

小林進日本社会党

○小林分科員 大体あなたのおっしゃるとおり、一方は北極回りで日本からアラスカのアンカレッジへ行く、あるいは北欧のデンマークのコペンハーゲンですか、そういう形で行く線が一本、それから香港、ニューデリー、カラチ等の定期線と結ぶ線の二本があります。その両線のパリまで行く時間と運賃をひとつ大まかなところをお聞かせいただきたいと思います。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 運賃の資料がございますので申し上げますが、東京からパリまでは片道で一等が四十万五千円、それから二等が二十四万三千余円、切り上げまして二十四万四千円、こういうことになっております。この場合、北回りと南回りとは同じ運賃を採用しております。それから時間のほうは、まことに申しわけございませんが、詳しい資料がございませんし、途中のステイ時間等にもよりますので、まことに恐縮でございますが、いましばらく御猶予願います。

小林進日本社会党

○小林分科員 大体の所要時間でありますが、滞在、ステイ時間が三十分とか一時間とか、そんなものは文句を言いませんから、大まかなものでけっこうです。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 私の記憶では、北回りで十四時間くらいではないか、かように考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 これを直線で通って東京からモスクワ−パリと行きますと、一体距離はどれくらい違うのですか。北回りと南回りと、直線コースで行った場合、東京−モスクワ−パリの距離と所要時間を比較してひとつお聞かせを願いたいと思います。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 距離につきましては、東京からシベリア経由モスクワ−パリ、これが距離としては一番近いと思います。ただ、この場合に時間でございますが、時間につきましては、どういう飛行機を使うかというような点でいろいろな計算のしかたがございます。したがってまたステイ時間というようなものもございます。したがって、時間については、距離が短いから必ず早いというふうには簡単にはまいらない、かように考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 いまお話のありましたとおりなんですよ。飛行機の航空時間などというものは飛行機の種類によって違うなどということは、あなたにお聞きしないでも、私もわかるのですから、そういう時間を比較するときには、同種の同じ飛行機で飛んだという一つの仮定の上に数字を出してもらわなければならぬ。子供をだますような答弁はやめなさいよ。私は子供ではないのですからね。それじゃいけません。私の料金の計算でいけば、大体モスクワからハバロフスクまで百八ルーブル、ハバロフスクからナホトカまで十五ルーブル、ナホトカから東京まで六十七・五ルーブルです。総計いたしまして百九十・五ルーブルです。日本の円に換算いたしまして七万六千六百円です。モスクワからパリなんてものは、ジェット機で一時間千キロから千五百キロも飛ぶものならば、二時間もかからないで行ってしまう。料金にしてもナホトカ−東京間などよりずっと安いです。実に短いです。ちょうど弓とつるです。北回りするも南回りするも、これは弓とつるなんです。国際航空路として、これくらい便利な路線はない。それが封鎖をされている。北京政府と日本の関係と、ソビエトと日本との関係はおのずから違うわけです。外交関係は成立している。しかるになぜ一体こういう国際的な便利な短距離を——料金で言えば、私の調査によれば三分の一ですよ。北回りで行って南へ行っても、あなたが言われたように大体六百ルーブル、ドルで言えば七百ドル前後、二等でですよ。しかも料金が三倍なんだ。そうしてこういうように北を回ったり、南を回ったり、この不便な航路を通っていかなければならぬ。まん中は直線で行く、時間が短くて、料金が安くて、しかも落ちたって海じゃない、広いシベリアの平原ですから、遺骸が見えないなんということはない、どこかへ行けば拾うことができる、こういうものをなぜ開発することができないか、その原因はどこにあるのか、運輸大臣、こういう自然の哲理に反するようなことをそのままにしてはいけません。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私もその計算は大体存じておりまして、それをやることを非常に熱望いたしまして、さきに局長が言ったように、もう四、五カ月——五、六カ月となりますか、いろいろ調査の結果、日航からも人が行きまして調べて、あなたのおっしゃるようにそれを熱願いたしておりますが、これは相手方があるので、相手方がやらぬというのじゃしようがないと思って、いませっかく交渉いたしておるところであります。

小林進日本社会党

○小林分科員 私は何もソ連政府の代表ではございません。日本の国会議員でございます。しかしたまたま私もソ連の旅行、ヨーロッパの旅行をしてきたついでに、各地区へ参りまして、この航空路が開発できない理由がどこにあるのかと聞きました。ところが、あなたは相手方がとおっしゃいますが、私の公正な判断によれば、あなたの御答弁を正しくちょうだいするわけにはいきません。——外務省の方はいらっしゃいますか。国際航空協定の中に日本は入っておりますか。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 御質問の御趣旨は国際民間航空機関条約のことでございますか。——日本は入っております。ソ連は入っておりません。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 小林進君に申し上げますが、時間はもうあと七分でございます。どうぞよろしく御協力願います。

小林進日本社会党

○小林分科員 七分であろうと十分であろうと、解決がつかなければおさまらぬのであります。  そこで問題は、航空協定の中にソ連が加入しないことが、この航空路が開発しない原因であるとおっしゃるのでありますか。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 ソ連が国際民間航空条約に入っていないということのために、航空協定が難航しているということではございません。問題は、ソ連自体が、日本の航空機がシベリア上空を飛びまして、モスクワまで乗り入れるということについては、現在のところ反対の態度をとっているからであります。

小林進日本社会党

○小林分科員 そういうようなその国国によっていろいろの事情がありましょうが、できないことも壁を突き破ってできるわけでありますから、その壁を破る一環として、いまおっしゃるように、ソ連の航空機をチャーターして、ハバロフスクからモスクワまではひとつソ連の飛行機で日本航空が管理しながら飛んでいくということも一つの方法です。しかしその問題の解答が出ないとおっしゃる。解答が出ないけれどもと、じんぜん日を過ごしておれば、このために失う世界の旅客の損失というものはばく大なんだ。文化の発達に逆行すること実に甚大なるものがある。できるところからやっていかなければならない。そのできるところの一つの要望として、これは私の出身地の問題になりまするけれども、新潟の航空路とハバロフスクの航空路——ハバロフスクはソ連の極東地区、シベリアまで至らない地区だ。その地区の民間航空の相互乗り入れをひとつやろうじゃないか。ハバロフスクまで行けば、あとはソ連の国内だから自由にパリへもイギリスへもどこへでも飛んでいける。問題はハバロフスク−東京間が途絶えている。それを開くために新潟とハバロフスクの航空路をひとつ開こうじゃないかということで、これは新潟県知事もあなたのところにお願いにきているはずであります。私どもも一生懸命にこの問題を陳情、要望いたしております。どうも気に入った回答を得ることができないのであります。どうしてこれは一体遅延されているのか。どこに問題があるか。これは大臣からお聞かせを願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私どもは、国の方針がモスクワ−東京間を直通ということにきまっておりますから、その部分開設は認めがたいわけであります。

小林進日本社会党

○小林分科員 それはモスクワと東京との開通ができない原因は、いまおっしゃるように、やはり共産圏という政治的要素が入っておる。これはお認めになりますでしょう。いま一つには、国際民間航空協定などというものがあって、世界の大きな飛行機の独占が、この航空路を開くことによって自分たちの利潤が失われる、利益が失われる、その自分たちの独占的利益を擁護するためにこういう便利な航空路の開発を非常に阻害をしておる。原因は明らかなんであります。だから、そういう理由は決して正当なる理由ではございません。この短距離を安い料金で飛びたいという世界の航空機を利用する旅行者の立場からいえば、思想問題が何です。国の構造がどう違おうと、そんなことは関係のないことであります。どこの飛行機会社がもうけようともうけまいと、そんなことは関係がない。安くて早くて安全に旅行をさせてもらえばよろしいのであって、これがまた航空機行政ですよ。あなたは資本家じゃないのだから、あなたは外国の航空会社の日本のエージェントじゃないのだから、ほんとうに旅行をしたいという世界の人々の利益の上に立ってものを措置していくのが公正妥当な運輸行政、航空行政でなくちゃならぬじゃありませんか。そこから考えたら、政府がモスクワから東京までの乗り入れがいま両国間の政治的折衡において困難だとおっしゃるが、民間の相互乗り入れで新潟とハバロフスクの局地的な乗り入れをすることがなぜ一体政府の方針に反するのでありますか。またいささか反しても、世界の便宜のためにという崇高な精神に立つならば、こんなことを許可したところで、日本が失う損失がありますか。ないならば、当然大乗的見地に立ってやるべきじゃありませんか。運輸大臣、いかがでありまするか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私とあなたは意見が違うので、私は、許すことが日本にとって不利と考えておりますから……。

小林進日本社会党

○小林分科員 これは実に重大問題であろうと思うのであります。新潟とハバロフスクの航空機の相互乗り入れが日本のために不利だとあなたがおっしゃった理由をひとつお示しを願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 国策上、日本の根本方針に反するから、したがって私は不利だと考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 国策というのは非常に抽象的なことばでございますが、国策という内容は具体的にどんなことを言っておるのか、あるいは根本的に損だという、その根本はどういうことをさしておるのか、お聞かせを願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 これは具体的に申し上げられません。

小林進日本社会党

○小林分科員 これは秘密会議ではございません。国会の委員会の場で申し上げられないなどという事項があろうはずがありません。あなたはお間違えになっているのじゃありませんか。申し上げられないことがあるならば、申し上げられる範囲でつとめてここでお話を願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先ほど申しましたように、モスクワ−東京直通相互乗り入れがソ連との間に関する航空の基本方針でございますから、それを分割してやることは私としては反対でありますし、やれません。

小林進日本社会党

○小林分科員 モスクワと東京との相互乗り入れの関係で問題がある。これはあるいは向こうがこの狭い島を飛んで東京まで入ってくるのに、日本の地区を飛ぶ区間は短いじゃないか、片方は極東からシベリアを経由して、あの長いソビエトの地区を全部偵察されるから、その関係においてこの協定は不公平だ、不利だ、だから、ハバロフスク−東京間の航空機乗り入れでいこうというのが向こうの主張らしいのであります。それならば、新潟とハバロフスクならばこっちも東京まで来ない、日本の上を飛ばさないで済む、日本海のせとぎわなんですから。向こうもモスクワまで行かない、ハバロフスクまでしか行かないのでありますから、極東の一部までしか行かないのでありますから、いままでの両方のいわゆる不一致の関係は、新潟とハバロフスクの航空機乗り入れによって全部懸案は解消されるのではありませんか。私の調査によれば、ソ連側は、ハバロフスクまでの飛行機の乗り入れならば何ら支障はございません、私のほうでは何ら支障はありません、喜んでその協定に応じますという回答をしている。これはハバロフスク市長みずから、民間協定ならば、私の責任でありますけれども、喜んでお受けいたしますと言っている。向こうにおります政府関係の責任者も、東京がいやならハバロフスクと新潟間の民間相互乗り入れならけっこうでございますと、相手方はちっとも支障がないと言うのに、日本側では支障があるという理由がわからない、いま一度明快にお答えを願いたい。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 小林委員にちょっと申し上げますが、時間もちょうど切れましたので、また、これ以上やれば討論になりますから、ひとつ別の機会にお願いいたします。

小林進日本社会党

○小林分科員 それでは、別の問題に入って結論を急ぎます。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先ほど申したように、私としては、航空行政を預かる者としては、それには同意いたしかねるということでございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 とてもそういう答弁で満足するわけにはいきませんけれども、委員長の弾圧がありましたので、この問題はやめにしますが、もう一回だけ御質問しまするけれども、先ほども航空局長は民間の相互乗り入れの協定がないような話をしておりますけれども、日航とそれから韓国の大韓航空という飛行機会社と業務提携ができ上がっている。この四月から日本と韓国との間の民間協定に基づく飛行機の乗り入れが実施されるはずでありますが、これは大臣、御存じでありましょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 存じております。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 私もよく存じております。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたのは、政府間の正式の条約、協定というものは、私の知る限りでは、ないということを申し上げたわけであります。

小林進日本社会党

○小林分科員 いまの答弁のとおりです。韓国というまだ外交関係もでき上がってない国でも、あんた方はそうやって日本航空とその国の民間会社との相互乗り入れの協定を認めておきながら、同じ形でハバロフスクと新潟、また一方福岡と上海、こういう民間航空の話も出ているはずでありますがこれが一体なぜできないのでありますか。航空機の乗り入れば思想問題でもないし、政治問題でもないでしょう。もっぱら旅客の便宜のために行なわれておるものであります。なぜ韓国の大韓民間会社との航空機乗り入れができて、日本の新潟とハバロフスク、福岡と上海だけができないのか、これをいま一回明確に御答弁を願いたいのであります。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 韓国の間は御承知のように会社間の協定でございます。そこで、それではなぜシベリアとの間の民間協定ができないかという点でございますが、民間協定というものも、これは実態的には定期航路になります。  それから、この点は先ほど大臣からも申し上げましたように、ソビエトとの関係におきましては、東京とモスクワを直通するということで方針をきめております。韓国との関係におきましても、東京−ソウルという首都間の乗り入れということが基本になっております。  それから中共との問題でございますが、これはソビエトともまた事情が大いに違う点があるわけでございますが、この点につきましては、先ほど申しましたように、外交政策の問題というものがございますので、民間会社同士の協定ということが技術的に不可能であるということを申し上げておるわけではございません。

小林進日本社会党

○小林分科員 時間がありませんから私はこれでやめにいたしますが、そのやめるというのはこれでこの質問が終わったというわけではありません。留保をして、あらためて場所を変えましてやるということでございますけれども、いまも言われるように、東京とモスクワがいけないのだったら、モスクワも東京も捨てて、その中間地帯のローカル線の新潟とハバロフスクの間、この航空機相互乗り入れ協定がなぜできないか。しかも相手国のほうは一向差しつかえありません、非常に好ましいことだから歓迎いたしますと言っておるにもかかわらず、なぜ日本の政府、運輸省はそれができないかということでございまして、その間の区間さえ解決すれば、あとはハバロフスクからすうっとモスクワまで短時間で飛んでいくことができるのです。今年は日本はオリンピックがあります。オリンピックがあって、世界のお客さんが全部日本へ飛んでこようとしておる。このときに、この一直線の航空路が開かれることによって、この日本とヨーロッパとの道はすぐにぱっと開かれる。そして、日本は初めてヨーロッパ並みの高い地位にのし上がることができるのです。その重大な問題がなぜできなくて、この日本にオリンピックで集まってくるお客さんを、あんなアンカレッジのような草木もはえないところに飛ばしたり、南は南であの灼熱の地をなぜ迂回させてこなければならぬのか。いかにも運輸大臣の航空行政の能力が足りなさ過ぎるのではないか。悪いけれども、私は、そういう問題こそ処置していくのがこれから世界の地位に飛び立とうとする日本の重大な役割ではないかと思う。いま少し蒙を開いて、そういう道を打開するようにあなたに努力していただきたい。これをお願いいたしまして、留保いたします。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 午後二時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時八分休憩      ————◇—————    午後二時十二分開議

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  主査は所用のためおくれて参りますので、主査の指名により、私が主査の使命を行ないます。  それでは、昭和三十九年度一般会計予算及び同特別会計予算中運輸省所管並びに同政府関係機関予算中日本国有鉄道関係に対する質疑を続行いたします。川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 質問の前に、大臣に大体の資料を用意しておいていただくほうが、途中で資料を取りまとめられるより楽かと存じますので、ここにお出し願わぬでもいいから、資料を用意願いたい。  一つは国鉄関係で、国有財産の貸し付けを受けておる面積及びその価格、私の手元にあるのは秋田県の秋田営林局管内、生保内管内のものでございますけれども、そのほかのものが手元にございませんので、概要でよろしゅうございますから、用意だけしておいていただきたいと思います。  それから運輸省所管の組織として航空官署、項として航空官署ですが、三十四、三十五ページにわたるのですけれども、同じ目で、たとえば目の九で通信業務庁費というのが三つぐらい出てくるわけですが、事項が分かれているのだという説明がいまあったのですが、これは非常に読みにくい羅列になっておりますので、これを明確にしておいていただきたい。同じ目の庁費の中でも、庁費というのが幾つも出てくるわけです。これはその事項が違うのだそうですか、それならそれらしく見てわかるような説明をしておいていただきたいものだと思うのです。たとえば庁費の中で、航務用庁費、管制用庁費というのが三カ所ばかり出てくるわけです。同じ目でこのように出てくるわけですが、これも事項別だそうですけれども、これは事項別だということが明確にわかるようなことが大切じゃないかと思うのです。こんなことは質問するに当たらないようなことなんです。もう少し明確にしておけば、質問の要がないわけです。そういう点、いま同僚議員によると、予算というのはなるべくわからぬようにつくってあるのだというが、そんなことじゃ審議にならないのですから、質問というよりも、それを明確にして、事務当局からの答弁はあとでいただけばいいから、そうしていただきたいと思います。それだけの資料を用意していただきまして、あとは大臣並びに国鉄にお尋ねをいたしたい、こう思うわけでございます。  経済の成長をささえ、かつ国民所得の倍増に寄与するために、その根幹である輸送力の充実に責任を負う国鉄予算についてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。  国鉄がになう輸送力の増強は、単に国鉄のためのものでなく、国民経済の伸展の上からも、また国民生活の向上の上からも欠くことのできないものであることは申すまでもないことでありまして、その基本的なものであると存じます。国民大衆の要請であるばかりでなく、国の要請でもあり、またその重責を果たすことは政治上の求めておるところであると思うのでありますが、国鉄及び運輸省の所見をお伺いいたしたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 御趣旨のとおりでございます。国家経済の発展上、あるいは国民の要望する輸送力としての国鉄というものは、重大な使命を持ってそのときそのときに対処せねばならぬと考えており、全くお示しのとおりのものと私は思います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 総裁が参議院の決算委員会に行っておりますので、お許しを得まして私から答弁させていただきます。  ただいまの御質疑につきましては大臣のおっしゃったとおりでございまして、私どもといたしましても、国の経済発展の一番基礎をなす国鉄の輸送力の増強につきましては、白夜あらゆる努力をしなければならないというふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで、たび重なる不幸な事故の発生、また輸送難に対する限りなき非難が国鉄をおおうておるわけでございます。物資の輸送の不円滑からくる物価高、この解決を求めておるのが今日の日本の国民経済であると思うわけでございます。せっかく努力して生産し、収穫いたしました生鮮食料などを、輸送の不円滑のために腐敗させたり、あるいは無価値にひとしいようなものに放置するような輸送の隘路に対しては、もう国民は怒りを爆発さしておるのではないかと見られるわけでございます。ところが、国鉄及び運輸省は、これを聞きながら聞かないふりをしておるのじゃないか、見ていながら見ないふりをしているのじゃないかという非難さえ起こっておるわけでございます。そういう意味で、さらに具体的にお尋ねをいたしたいと思うのでございますが、国鉄は昭和三十六年から五カ年計画で、東海道新幹線の工事を含めまして、総事業規模一兆三千四百九十一億円で出発をいたしまして、三十八年度、今年度におきましてはおおよそ五割の事業達成をする予定で出発したはずでございます。これは国民経済の要請に従って五カ年計画を立て、その期待に反しないような計画で出発したわけでありますから、三十八年度には大体完了しなければならないはずでございます。仰せのとおりだということになれば、三十八年度で完成していなければならないということになると思うのです。さっき仰せのとおりだと言われた。仰せのとおりだとするならば、この五カ年計画をあえて計画をし、それに対して予算の裏づけ等があり、国会の承認を求められて今日に至ったのでありますから、三十八年度には少なくとも八、九割は完成しておらなければならないのではないかと思うのです。ところが八、九割どころじゃなくて四割に足りない進捗率はどこに原因があるだろうか。国鉄に能力がないのであろうか。しかし、国鉄は技術陣におきまして、その能力におきまして優秀であるとさえ称されております。陣容が優秀であり、技術もまた優秀であるにかかわらず、なぜ一体完成できなかったか。国鉄に能力がないのじゃないですね。こうした既定計画が遂行できない原因は一体どこにあるのでしょうか。これは国鉄さんに聞いてもわからないことで、大臣が御答弁なさらなければならない。大臣はさっきごもっともだとおっしゃったが、ごもっともだということがやれないということはどこにあるのでしょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 いろいろな事情もありますが、やれなかったというおもなる理由は、国家財政の都合上国鉄が所要する資金が得られなかったということにおもな原因があると思います。それにつきまして私どもは鋭意調達すべく努力いたしたのでございますが、国家財政全般から見まして遺憾ながらそれが実現し得なかったことは私責任を感じております。しかし、すべての問題について一体国鉄が現状でいいのかどうか。すなわち、よく言われる企業性と公共性をいかに調和していくか。その企業性の面から言えば運賃は当然上げるべきじゃないか、それから公共性から言えばそれは全部国が負担すべきじゃないか、等々いろいろの問題がございまして、国鉄の要求する金を全部国の財政が一文も削らずに認めてくれるような状態であるならば、それは国鉄が悪いのですけれども、国鉄が要求した予算が認め得られない。本年度のごときに至りましては非常な大削減を受けて、私どもも苦慮いたしたのでございますが、かようなことがあるものでございますから、おもな原因である財政上資金が得られなかった。その資金が得られない理由としては、ただいまも申しましたように、公共性と企業性の矛盾ということにあると私は考えまして、いかにすればその資金が合理的に得られるかということについて、今回政府のほうに根本的に国鉄のあり方についての調査会を設けることにいたしまして、その調査の結果に基づきまして、何としても安全の確保と輸送の迅速という面に遺憾なきようにいたしたいと考えております。それで内閣の中に国鉄に関する基本問題調査会という意味の調査する組織と申しますか委員会と申しますか、それをやるようにいま内閣に要望いたしまして、そこでひとつ根本的に論議いたしまして、ただいまの五カ年計画が年度末に至るもなお四割程度しかいかぬというようなことについて、そのおもな原因は財政資金が得られなかったから、財政資金がなぜ得られないかといえば、いわゆる公共性と企業性の矛盾がある。企業性のみを押していくならば、いまの国鉄運賃はすぐ倍上げたって——企業性を重視するならばそれでなければやっていかれぬということになる。そういうような問題について根本的に調査をして、その結論を得まして、それにあわせまして国鉄の予算をこれから国の施策の上に行ないたい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 せっかくの御答弁でございまするけれども、国鉄に能力がないのか、運輸省に能力がないのか、あるいは運輸省のアドバイスが不足なために、いずれにしても資金を得られなかったということは、得られない程度の能力よりないということになると思う。綾部運輸大臣の政治力をしてできなかったということは、残念ながらやっぱり能力がなかったという非難を受けざるを得ないのじゃないかと思う。企画庁の説明によりましても、輸送力の強化を必要とする。経済の成長の渋滞を打開していくには、輸送力の増強が必要だということを認めておるわけですね。それに基づいた予算が当然裏づけがなければ、必要だといって、これは国会では、文書じゃない、説明じゃない、少なくともやはり予算の裏づけがなければならぬはずだと思うのです。そういう意味からも、政府全体として認めておるならば、資金が不足、枯渇をして輸送力の強化並びに保安対策ができないわけはないはずだと思う。不必要なら当然これは予算化が困難で、必要に迫られておれば当然予算化が政治上要請として出てこなければならぬことだと思う。これは説明が足りないのでないでしょうか。努力が足りないのでないでしょうか。綾部さん、あなたにこういうことを聞くのは失礼でありますけれども、聞かざるを得ないのでございまして、御答弁願いたいと存じます。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 国家財政の上でいろいろ軽重がありまして、国鉄の輸送力増強、保安対策より重要な国家の資金の用途があるということで大蔵大臣がその議論を私はとったのだろうと思いますが、それについては私どもは不満なんです。それですから、さらに一そう大蔵省その他国全体としての強化策にどうすればよいかということで今度の審議会でひとつ検討して、そうして国家の要望にこたえる手段、方法をさらに有力にいたしたい、かように考えておる次第です。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 しつこくお聞きいたしますけれども、決してこれは綾部個人を非難する意味ではないのです。あなたの鉄道に対する熱意を何らかの形で実現しなければならないという意味でお尋ねをするわけですが、当初の三十六年度の五カ年計画というのは閣議の了承を得ておるはずですね。閣議に報告されておるはずです。どの程度の了承を得たか。当時の新聞を見ると、閣議に報告した。報告であれば、反対があれば報告にとどまらなかったはずだ。おそらく報告しても問題がなかったということは、これは私どもの推測から言えば了承を与えたものだと思うわけです。国会に対しましても、三十六年の五カ年計画については国鉄から、初年度はこう、こういう計画で進めるということを説明があったわけですね。したがって、直接総予算の全額についての国会の承認は得ておりませんけれども、年次計画としての初年度の実施計画は裏づけされておるはずでございます。初年度の予算が裏づけされたからには、継続的な予算が当然予算化されなければならぬのが国会審議の常識だと私は理解をする。それを実行できないとすれば、これは政府の責任であるか、運輸省の責任であるかということを、もう一度あなたを追及しなければならないということになるのでございまして、まことにことばがきつ過ぎますけれども、綾部さんもう一度御答弁をお願いしたい。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局長)

○廣瀬政府委員 やや事務的な観点にもわたりますので、私が補足をいたしますが、ただいま大臣の申し上げたとおりでございまして、私ども国鉄の輸送の増強あるいは保安対策というものにきわめて重点を置いて予算を編成してまいったのでございますが、国鉄の希望しておる額が得られなかったことは事実でございます。しかし、いま先生もおっしゃいましたように、三十六年度から発足いたしました五カ年計画は、当初は総額が九千七百五十億円でございました。途中で三十七年度の緊急補正で二千六百九十一億円、それから東海道幹線増設費の増加額八百七十四億円、それから東海道新幹線の開業後の改良費百七十六億円を加えまして、当初の九千七百五十億円に三千七百四十一億円が追加になりまして、いま先生が御指摘になりましたように、改定の計画は一兆三千四百九十一億円というかっこうで目下進行中でございます。  なお、この五カ年計画と申しますには、国鉄で案をつくりまして——もちろん私どももこの目標に向かって進んでおるわけでございますが、ただいまおっしゃいましたように閣議決定を経たというかっこうのものではございません。もちろん私どもはこれを目標にして毎年努力をしておるわけでございますが、実はこの五カ年計画の内容は、幹線の輸送力の増強、線路増設であるとか、あるいは電化であるとか、ディーゼル化とかでありますが、この中でやはり一番大きなウエートを占めておりましたのは東海道の幹線の増設、いわゆる新幹線の増強でございます。これは東海道線が全国の幹線の中で一番行き詰まっておるということで、五カ年計画の前半におきましては重点を新幹線に置いたわけでございます。したがいまして、一般の改良と新幹線とあわせて五カ年計画を推進してまいったわけでございますが、ただいま申し上げましたように、いろいろな事情から東海道の幹線増設費というものが、当初の一千九百億円余りがほぼ倍額になったということが一番大きな原因でございまして、したがいまして、一般の改良と新幹線とあわせて考えますと、三十九年度の、現在国会で御審議を願っておりますこれが通りますと、三十九年度まで入れまして進捗率は六九・四%ということになります。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、年度割りに平均しますと四年目でございますから八〇%前後になっていなくてはいかぬわけでございますが、その点は、金額の面では約一〇%ぐらいおくれておるというのが事実でございます。この理由は、いま申し上げましたように、前半に東海道線に非常に重点を置いたということでございまして、新幹線は幸いにしまして予定どおりこの十月に開業いたしますので、そのあと後半は一般改良にさらに重点を置いて進んでまいりたいと考えておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 いまの答弁では、私の聞き取れたところによると、東海道新幹線は、国鉄の事業遂行の上から必要で、新幹線計画に入られたように聞こえるわけですが、そうではなくて、オリンピックを前にいたしまして国内の輸送力を強化しなければならないという社会情勢に対応しなければならないところへ追いやられまして、国の要請で、進んで新幹線の工事に入らなければならなかったのではないかと私は思う。国鉄の要請で新幹線をやったのではなくして、国の要請と申しますか、国をあげてオリンピックを遂行する上から、国の要請に基づて国鉄が新幹線完成への踏み切りをいたしたものと私はそう理解するのですが、いまのあなたの説明だと、そうでないように聞こえるわけです。何か国鉄の必要があって、国鉄がみずから好んで——好んでということばが適当かどうかは別として、新幹線をおやりになったように聞き取れるわけです。そうじゃないでしょう。国の要請と申しますか、国をあげてオリンピックを前にして完成をしなければならないという要請、国鉄の要望ではなくして、国民経済の上からあるいはオリンピック遂行の上から無理じいとまでは言わないにしても、国の要請に基づいてやったことだ、私はそういうふうに理解をしておるわけでございますが、この理解は間違いでございますか。大臣、御答弁を願いたいと思います。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局長)

○廣瀬政府委員 国の要請と国鉄の要請となかなかこれは区別しにくいわけでございまして、実際問題は、大体一致すると私は考えておりますが、新幹線の問題は、先ほど申し上げましたように、国鉄の幹線の輸送力の強化、この一環で始めたものでございまして、特に国が新幹線をまっ先にやれというふうに指導したわけではございませんで、先ほど申し上げましたような五カ年計画全体の計画として、国鉄が立てまして、国鉄がほかの線区よりも、やはり東海道線の輸送力の行き詰まりというものが一番早い時期にまいるということで、強力に工事をやってきたわけでございまして、たまたまオリンピックとも重なっておりますし、そういうことで、世間ではオリンピックのためだというような一部誤解もございますが、そういうわけではないので、幹線の輸送力、特に一番詰まっておる東海道線の輸送力の増強ということで、国と申しますか、国鉄が強く希望して工事を進めてきたわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これは非常に重大なことですよ。国鉄が東海道線の輸送を強化しなければならないというために新幹線を計画したとするならば、当然国鉄自体がその事業の裏づけとなるみずからの資金計画ができていなければならぬはずです。そうでなくて、人に強要されたといえばことばが少し荒うございますが、国の要請だということでやむなくやったとすれば、資金計画もできないうちにやらざるを得ないということもあるだろうと思う。しかしみずから計画したものであるならば、当然その資金計画もなければならぬはずだと思う。できないものでなくて、できる計画がなければならぬはずだと思う。そうではないですか。人からといいますか、国から要請されたのでやむなく、やむなくというかどうかわかりませんけれども、進行しなければならなかったというならば、資金についての手当てがおくれがちであったということは出てくると思います。みずから進んでやらなければならぬ、あるいは国鉄の業務運営の上からやらなければならなかったものであるとするならば、国鉄みずからが資金計画を立てていなければならなかったはずだと思うのです。逆に国の要請に従ってやったのであるから、国がその資金の裏づけをすべきではないかというのが私の質問の要点であったわけであります。ところがあなたにお聞きしますと、国鉄の必要でやったんだということになると、国の財政を当てにしないで国鉄の中で当然資金計画ができていなければならなかったはずだと思うのです。そのために鉄道債券の発行権を持っておるわけです。みずからの計画がなければならなかったと思うのです。そうではなしに、国の要請で、ほかのものも犠牲にしてやらざるを得なかったということならそれはわかりますよ。それならわかります。しかし初めからこれは国鉄の必要上からやった計画であるというなら、当然資金計画が伴っていなければならぬはずです。民間の運輸会社を見てごらんなさい。みずから資金計画を持ってやっておるでしょう。あなた方もその資金計画を監査されて、これならば許可してやろうといって監査をしておるじゃありませんか。この資金計画でだいじょうぶかといって念を押しておる人が——人のことは念を押すけれども、自分のことはそんなことは考えないでやったなんて言うことができますか。そんなことで私鉄の監査ができますか。これは少しきついようですけれども、あえて私がこれをお尋ねをするゆえんは、みずからの責任なのか、そうしたらみずからの資金計画を立てなければならぬ。立てないでやったら、それはずさんだということになる。大臣どうでしょう。非常にきついことばで言うけれども、言わざるを得ないのです。どうか了承の上で御答弁願いたい。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局長)

○廣瀬政府委員 的確なお答えができるかどうかわかりませんが、五カ年計画というものは、新幹線を含めまして国鉄が一応計画を立てまして、そして資金計画はもちろん一応持って発足したわけでございます。資金計画と申しますと、結局国鉄の自己資金と、それからやはり国の財政的な援助と申しますか、その二つにたよっておるわけでございまして、これで発足したわけでございますが、先ほど申し上げましたように、主として途中で新幹線の建設費にいろいろな事情から狂いが生じてまいったということ。それから三河島事故を契機といたしまして保安対策にさらに重点をおかなくちゃいかぬというようなことで、先ほど申し上げましたような資金の増を必要とするに至ったわけでございます。そしてそのような二つの点が原因となりまして、やや狂いを生じてきたというのが事実ではないかと思います。  なお、先生のお尋ねの、新幹線は政府が強要したのではないかという点につきましては、国鉄からお答えを願います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 ただいまの先生の御質問でございますけれども、私どもといたしましては、結局線路をふやす、車をふやすその理由は、日本の経済が発展して、それだけ旅客なり荷物なりがふえる。それがやはり線路をふやし車をふやす原因でございます。したがいまして、東海道新幹線をつくらなければならないということにつきましては、いろいろな角度から計数的に計算いたしまして、昭和三十九年度には現在のままの東海道線では輸送ができなくなるという数字が出ましたので、閣議の御了解を得た上で新幹線の計画を立てたわけでございます。御承知のとおり、私のほうは自分で資金計画を立てる力が実はないわけでございまして、ただいま先生のおっしゃいましたとおり、一般の会社でございますれば、そういう計画を立てて、その資金手当ては全部自分でするわけでございます。私のほうといたしましては、さっき鉄監局長が申されましたように、単に自己資金、すなわち運賃からの上がり以外には自分で資金計画は立てられない。あとは全部、先生のお話の鉄道公債にいたしましても、あるいは財政投融資にいたしましても、全部政府、国会の御承認がなければ借金ができないということになり、全く自分で借金能力がないわけでございますので、したがいまして資金計画は自分で立てられないと申しますか、立てた資金計画は政府なり国会なりの御了承があって初めて有効なものになってくる。したがいまして、どうしても単年度、毎年毎年の資金計画になってしまうわけでございます。したがいまして、先ほどの御質問に多少的がはずれるかもしれませんが、私どものほうの現在の機構から申しますと、長期の計画というものは、政府なり国会なりに対する一つの見通しを御説明しているという程度の効力しかないのじゃないかというふうにも考えておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 資金計画が十分でないのに新幹線の完成を急がれたということは、やはり当局の要請に基づいてアップせざるを得なかったのであろうと私は理解をしておるわけです。自分の計画だけであれば、資金の面からいって停滞をするということがあり得たはずだと思うのです。それをあえてスピードアップしなければならなかった、完成を急がなければならなかったということは、国鉄の要請でもあるかもしれませんけれども、それ以上強い要請に基づいてやらざるを得なくなったのではないかということを先ほどから指摘しておるのです。そういうことなんですよ。自分の資金であるならば、あんなに急がれるわけがなかったはずだ。それをあえてやらざるを得なかったというのは、他の強要ということばはどうか知りませんが、穏当なことばにすれば要請ということになるかもしれませんが、そういう要請に対応せざるを得なくなって、あらゆるものを犠牲にして進捗させていったということだろうと思うのですね。そうでなければ説明がつかないと思うのですよ。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 そういう角度からこの問題を見ますれば、確かにお説のとおりでありまして、私どもといたしましては、国鉄の趣味とか趣向とかでやっているものではもちろんないのであります。昭和三十九年度の秋にはどうしてもいままでの東海道線が輸送ができなくなる、これは国の経済発展の、冒頭に先生の御質問にありました結局経済の基礎の輸送力が足りなくなる。その輸送力と申しますのはお客さんがふえる、荷物がふえるということであります。これは即日本の経済発展を示すものだ、その発展を示す数字から結論いたしますと、どうしても三十九年度の秋までにはつくり上げなければ東海道線が完全に行き詰まってしまう。行き詰まることは、即日本の経済の発展を阻害するのだという見地から、政府の御了承の上で、この問題に着工したわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、そうでしょうね。そういう説明でなければ説明にならないのです。  そこでさらにお尋ねしたいと思うのです。時間もだんだん迫ってまいりましたから、次にお尋ねしようと思いますが、そういう観点に立ちまして、少なくとも国鉄の業務運営の上から見ましても、また国の要請にこたえなければならないという立場からいたしましても、公社の使命からいたしましても、やはり国の施策である先行投資を思い切って行なわざるを得ないところに現在の国鉄はきていると思うのです。そういうのでありまするから、国鉄経営の思い切った先行投資がむしろ国鉄経営の上昇になるでありましょうし、加えてそれ以上に国民経済の発展にこたえ得るのでありまするから、いかに国鉄が要望いたしましても国の経済にブレーキをかけるようなことはなかなか許されないと思いますが、国民経済から見ても国鉄の上から見ても、先行投資的な資金の運営をはかる必要があるのではないか。そうしてまいりまするならば、予算の不足をどう処理していくかということに全力を注がなければならぬじゃないかということになりますが、政府におきましても、綾部大臣の御尽力もありましょうが、尽力どころでない、当然やらなければならぬことでございましょうが、さらに補正予算を組む、あるいは国庫負担行為の承認を得て事業を進捗させるというようなことが当然考えられておるようでございますが、もう少しみずからも努力をする必要があるのではないかと思うわけでございます。そうしていかなければ、いま、になっておりまする輸送の欠陥というものを除去することができない。結局国鉄に国民から大きな批判がくるということになるであろう。国民全体から見て、それだけの使命をになってできた公社であるから、当然国はそれらの裏づけをしてくれるものと理解をしておるだろうと思います。できないならば、できないなりに、国民に協力を求める必要があるのじゃないか。  そこで私は具体的に建設的な意見をこれから述べようと思うが、綾部さんに聞いていただきたいのです。私、前から国鉄の路線敷地について、金のない国鉄がお金持ちみたいに土地を買って敷地を置くなんというそんなぜいたくなことができるような財政内容じゃないのですね、いまお聞きするとおり。そうなれば少なくとも国有財産などについては借りるというようなことはできないものでしょうか。国民経済に寄与するために国有財産の活用として貸し付けをを受けるというようなことはやれないわけはないと思うのです。あるいはもう一歩進んで、道路公団のように無償貸与を受けるというようなこともできるのでしょうけれども、そこまで踏み切るのはなかなか容易じゃないでしょうから、有料で借りるくらいなことは、できないはずはないじゃないか、こう思うのですよ。賃料を出して借りる。そうすると借り賃のほうがいいのか融資を受けた金利のほうがいいのかもちろん計算が出てくるでありましょうけれども、一がいに金を借りるばかりじゃなくて、こういう方法によって借りたと同じ結果が出てくるだろうと思うのです。賃借りをする。私は実はそういうことを大いにすすめた例もあるのでありますけれども、なぜそういうことを考えられないのか。考えておるのだけれどもやれないのか。秋田県に盛曲線というのがあります。盛岡と大曲の間ですからこれを盛曲線と呼んだり、生保内と橋場の間で生橋線と呼んだりしておりますが、この敷地もあえて買わないで借りておる。これは林野庁が少し渋っておったのです。そういう点でひとつ協力したらどうだということ、かつての前例もあるのでありますから、資金計画ができなければ、一歩進んで、借りるということも資金計画の一つなんですね、結果的には。金利と借り受け料とどっちが高いかという問題は出てきましょうけれども、大きく言うと同じ結果になる。買うことはできないけれども、借りることくらいは、土地を借りることのほうがやさしいとすれば、いろいろな困難はありますけれども、これに努力を払っていいじゃないかと思うのです。大臣どうでしょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろんそういう場合があるならば、私はそれをやるほうがいいと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 あるならばじゃなくて、積極的に運輸省があっせんをして、資金手当ての一面としてそういう方向を指導してやる、あるいはあっせんをしてやることが必要なんじゃないかということで大臣にお尋ねしているわけです。民間の私だってあっせんできたのだから、大臣みずから進んでできないわけはない。私は、これが国民に対する協力の求め方だと思うのです。または民間の土地でありましても、いたずらに国鉄路線ができるということで、初めは鉄道の誘致運動をしながら、確定すると地価を上げて売りつけるというようなことは、それは協力じゃないのです。いろいろな面で対価が得られることでありますから、協力が必要なんじゃないか。だからと言って、個人のものを安く買う、みんなが利益を得るものをある個人だけが負担するということは困難だと思いますけれども、そういう町村に対しては鉄道債券を買ってもらって協力するというようなことは、私はそう無理な相談ではないだろう。誘致運動にばく大な金をかけることよりも、進んで施設に役立つような協力の姿こそがほんとうの協力じゃないかと思うのです。ところが、そうじゃないと思いますけれども、行って運動してごちそうしなければ協力ではないような考え方、そういうことを考えさせることのほうがあやまちだと思う。やっているとは言いませんよ。やっているとは言わないけれども、いまのところはそういうことが運動だと理解されておるのです。それよりも債券を持ってくれるほうがよほど協力的だということをみずから進んで説明したらどうだ。もちろん一番いいのは、さっき言ったように国の資金で全体の計画を立てていくことが望ましいですよ。望ましいけれども、次善の策があるじゃないですか。どうです。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局長)

○廣瀬政府委員 いま先生のおっしゃったとおりでございまして、これは個々のケースによってみんな違うわけでございます。借りたほうがよければ借りますし、それからやはりいろいろのことを考えまして、国鉄が所有権を取得したほうがいい場合もございますし、いろいろなケースによって違うと思います。なおまたいま、たとえば新線建設などの場合に誘致運動にうき身をやつして、いざ土地を取得するとなるとむずかしいという話がございましたが、そういった例もございますし、また心がけのいい地方は、地方公共団体がかなり積極的に鉄道用地をあっせんし、比較的安い値段で売る。場合によっては停車場用地などを寄付したり、そういう例もございます。どうせその地方の開発に非常に貢献するわけでございますから、私どもはぜひ先生のおっしゃったようなかっこうで各地方が協力していただくことを期待しております。なお輸送力増強の関係でいろいろ借り入れをいたします場合にも、地方によっては利用債等非常に積極的に持っていただいているところもございます。ぜひそういったようなかっこうになっていただきたいというふうに私どもは考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 土地を持つことのほうが望ましいなんて、これは普通の常識ですよ。しかし持てるだけの資力もないのに持ちたいという欲望——欲望はよく理解しますよ。持つほうがいいというようなことは、これはそのとおりです。しかし、いま資金計画は困難だとおっしゃるから、困難なのを打開するにはそういう方法があるのじゃないか、こう言うわけです。十分資金計画を持っているならば買うほうがいいことは、三歳の子どもといえども知っておる。自分のところはないと言うのですから、なければしようがない、借りるよりほかないじゃないか。これは最もわかりやすい常識論でもある。そんなむずかしい議論じゃないですね。あまり高尚なことを考えるからむしろできないのかもしれない。私みたいに俗な者は、いつも金を借りておる者は、どうして金を借りるかということを常に考えなければ生活できない者は、いろいろ苦慮しておるわけですが、国鉄はあまり大きくなり過ぎて殿様になり過ぎているのじゃないですか。土地は持ったほうがいい。それはそのとおりですよ。私たちも土地を持ちたいと思うけれども、持たなければ土地を借りて家を建てるよりないじゃないですか。あまり国鉄は世帯が大きいものですから、大世帯なものが土地を借りるなんてみっともないというのですか、あまりていさいにとらわれてあなたは監督しておられるのじゃないですか。資金が窮屈だ、こう言うから、それで詰まっているならば、詰まっているような解決をしなければならぬだろうということなんです。土地を持ったほうがいいというようなことはわかり切っていますよ。だからいままで土地を持っておられる。秋田の生橋線でも、資金がなくてなかなか計画ができないというから、借りられたらどうですか、こう言ったのです。十分資金があったら買うのがあたりまえのことです。所得が多ければあたりまえのことです。便法なんですね。確かに便法なんです。便法であることは間違いない。便法だということで次のような問題が起こるのですね。林野事業財産というものは必要で持っているのです。したがって、貸すというようなことは、これは本来の目的に反するわけです。それでもなお木材の輸送に常日ごろ協力していただいておる国鉄のことであるからして、輸送力をふやさなければ林業というものはやっていけないのでありまするから、あえて貸さなきゃならぬという理由も出てきたと思うのです、理論的に。それで貸すことになった。ところが、大臣、次が問題です。せっかくいい人で貸してやっても、予算がないということで、あの線が、敷地を求めていながら、ただ使わないでおるということになると、返せという問題が起こると思うのです。これは買ったなら別ですけれども、使わないで借りておるならば、むだな使用であるから返せと言われたら返さなきゃならぬ。そういうところで買わなきゃならぬということになると思うのですよ。それはわかりますよ。しかし、せっかく借りたからには、やはり所期の目的のように、それを路線敷地にして竣工をするということをしなければならないという義務が、借り地の場合は起こってくる。必要で借りたのですから。まだ計画しないものなら借りないほうがいいということになる。そういう義務が出てくる。これについてどうお考えになりますか。義務をしょっていながら一向進まないということは、貸している目的に反するわけです。敷地にするということで借りたのですから、それを敷地にしないでただ置くならば——しかも敷地にするというので立木を伐採しておる、測量のためもありましょうが、おもに測量のためだろうけれども、お使いにならないならば——置いておきますと、木は成長するんです。あるいは、貸し付け料を取る以上に木は成長するんです。人の成長はとめておいて、自分の予算が都合がつかないから、まだ切りっぱなしにしておくんだというようなことは、これはお互い事業会計をやっているものに対してはとるべきじゃないと思う。せっかく便法で寄与しようと貸してやったのが、お使いにならなければ返さなきゃならぬということが起きてくるんじゃないか。こういう点で、私は貸すことについては賛成だが、お使いにならないんなら返されたらどうか。国有林野の使命からいっても返したらどうかということになると思います。きょうもあとの委員会で、国鉄が使っていないようなものをなぜ貸しておるかということを追及しなければならぬ。そういうことになると思いますね。せっかく便宜をはかってやっても、お使いにならないのなら、ただ金持ちみたいに持っていればいい、借りていればいいという欲なことはできぬ。国鉄が火の車みたいに金にきゅうきゅうしておりながら、ただ借りておけばいいということは許されないと思います。そういう意味でやはり資金計画を十分立てられて、その上で借りるようにしなければならぬと思いますが、国鉄の窮余の一策として借りられたのは、国鉄の一大進歩だと思うのですよ。従来は自分の所有権にしなければやりにくいとかどうだといったのを踏み切って借りられたのは、非常にいいことだと思います。しかし、いいことであるけれども、それには事業を遂行しなければならないという義務が出てくるのでありますから、一面いいけれども、財産を持ったほうがいいんだという議論も決してわからぬわけじゃないけれども、これに対して国鉄はどうお考えですか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 ただいま先生のお話のとおりでありまして、実は御承知のとおり昭和二十四年に運輸省でありました時分は、国有地は無償でいただいておったわけでございます。ところが公共企業体になりましてから、会計が違うからということで全部有償になったわけでございます。その際に、新線建設する際には、やはり原則として土地を買うべきだということでいままでまいっておりますが、先生のごあっせんで生橋線につきましては、営林署から年間約一万六千円で十三万平米を借りておるわけでございます。しかし、いずれ将来線路ができるまでにはうちのほうで買わしてもらうというような約束で実は現在借りておるわけでございますが、一方毎年の建設費の非常な不足によりまして全般的に建設線がおくれております。そのために、先生のおっしゃるとおり土地を借りたままで仕事があまり進んでいないという実情でございます。しかし最近の状況によりまして、やっとこの区間については四十一年秋までには全線開通する見込みをつけました。一部雫石−赤淵間、これはわずか七キロではございますが、一番問題になりておる路盤でございますが、これはことしの春開業するべく、いま事務的に打ち合わせしております。いずれにいたしましても、こういった線路はいずれ鉄道新線建設公団が引き継ぐことになりますので、そういった御趣旨は十分新しい公団に引き継いでまいりたいと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それほど進捗して、熱意があるならば、国有林野会計に向かって、使っていないようだから早く回収して事業計画を立てろといって無理にけしかける必要はないわけでありますが、全然やる意思がなければ当然そういう要求が起こってこざるを得ないんじゃないかと思うのです。確かに一万一千五百四十・六ヘクタール、一万六千七百九十四円、このほかに発電所の路線の敷地なんかも借りているようですね。それからトンネルは立木に影響がないというので無償で借りておる。そういう意味で、もっと資金の融通の道もあるであろうと思う。いま磯崎さんがおっしゃったように、国有鉄道であった時代に、いまの道路と同じように無償で所属がえをしておった。いわゆる所属がえということで取得しておった。今日こうなったためにできなくなったとはいいながら、無償ではない有償の貸し付けを受けるということになると、土地の買収費を見まして資金のやり繰りは非常に楽になってくるであろうと思うのであります。ですからやってやれないことはないのです。いま国会で指摘されなければわからなかったということは、磯崎さんとすれば少し足りないと思う。もっと計画の才能のある人がわれわれ経験のない者に教わらなきゃならぬということは情けないと思うのですが、そういう意味で、国民の要望するところの、特に通勤列車のこの殺人的な状態、または輸送の隘路になっておりまする電化の問題、あるいは複線問題等につきましても、一般の国の財政投融資が本来でありますが、これは本来はそうしなければならぬのでありますが、できなかったとすれば、間に合わせと申しますか、便法も講じなきゃならぬ。土地を持つことは本来です。しかしながら、借りるという便法も講ずるというような方法がとらるべきじゃないか。本来は国の財政投融資によって、あるいは出資によって補うのが当然なことです。されて当然。ところがそれが困難だと言われた。それならそういう便法を講じなければならぬということです。これは本来じゃありません。確かに本来じゃない。または国鉄でもやっておられるようですけれども、停車場の敷地等をはじめ、そういう問題についても、同様に利用債等を利用していただいて国民の協力を受ける、私は、これは単に便宜的なものではない、国鉄がかくも資金難におちいっているということを国民に理解してもらって協力を求めることが、国の財政投融資を確保する一つの道を開くゆえんだと思います。われわれがこれだけやっておるのになぜ国がやらないかという要請が、野党流に言うと当然生まれてくると思うのです。これは野党流ですけれども、民間がそれほどまで協力するのになぜ国が協力できないのかという追い込みができると思います。これは私流かどうか知りませんけれども、できると思うのです。民間がそれほど協力しておるのに、国が知らぬ顔をするというわけにいかないでしょう。そういう意味で、国民の協力を求められたらどうか。単に利用債について、池田さん流に金さえ借りればいいということじゃなしに、国民に広く理解を求めるという意味での利用債の活用というものを考えられるべきじゃないか、こういうことでありますが、時間も迫ってきましたから、これで終わりたいと思いますが、大臣ひとつとくと御答弁を願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 非常に有益なる御意見を承りまして、国鉄をして、もしも土地が得られない、資金が得られないという場合には、そういう方向に向かうようにいたします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 もしも得られないなんて、現に得られないという御報告だから、ひとつやられてはどうか。これは閣議等でも、国の協力を得られなければ、国鉄はやむを得ず民間の協力を得なくてならなくなってきたし、これはだんだん国の責任の追及が強まりますので、それくらいの、おどかしと言ってはいけないかもしれないが、発言が必要だと思います。そういう意味で、私は特に大臣に期待をするところが大きいんですが、ひとつそこまで大臣が踏み切られまするならば、国鉄当局もよほど決意をして、能率をあげるばかりじゃなくて、国民の期待するような運営方法もとるであろう、私はそう思います。磯崎さんどうですか。そうでしょう。御答弁を願いたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 民間の資金の活用につきましては、十分運輸省の御協力を得ましてやってまいりたいと思います。現在利用債が大体六百億、そのほかに車両会社から現在二百億ぐらい借金いたしております。ときどき大蔵省にしかられますけれども、できるだけそういった意味で民間の資金の極度の活用もはからしていただきたいというふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 東北開発会社というのがございまして、東北の産業開発のために使命を持った特殊会社でございますが、これがいろいろな事業に手を出しましても、みんな赤字で、公共性もなしに赤字を出しているということで非難が多かった。こういう会社はあまり利益をあげるのが主目的ではないんだから、東北に豊富にあります物資の輸送の使命をになうことも開発の会社の使命ではないか。したがって利用債を活用したような民有貨車、あるいは民有客車まで持って東北の開発に寄与したらどうかということで相当進んでおったんですけれども、局長の理解によると、国鉄に対する二重投資になる。足らないものをやって二重投資なんておかしな話なんですけれども、しかし事務当局は、大蔵省から来ている局長はそういうことを言っておりましたが、宮澤長官は、同じやるならばこれはいい方法だ、こう言っておりましたが、大蔵省の査定が二重投資だというようなことになりまして、これを認めなかったのです。こういうのを二重投資だなんてことを言われておるようですけれども、十分につけてその上にプラスするならば二重だということも言えるけれども、マイナスをつけておいて二重なんてことは世の中の常識と合わない。大蔵省の常識には合うかもしれないが、一般の国民常識に合わないのですけれども、どういうわけでこれは二重投資だと言うのですか。

熊田淳一郎大蔵事務官(主計官)

○熊田説明員 利用債が二重投資であるということの意味が、私にもわかりません。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私もわからない。大蔵省が査定にあたってそう言うから言うだけのことで、私は二重投資じゃないと思うのですよ。それを大蔵省に聞いているのですが、われわれと違う常識を大蔵省は持っておられるから、異常な考え方だと思うから、その異常な考え方をお聞きしたいと思うのです。われわれの考え方とはあまりにも違う。幾らか同じくらいであったら理解できるが、あまりにもわからないものだから、あなたの意見を聞かなければならぬ、こういうわけです。私もほんとうに二重じゃないと思う。利用債などで国鉄に資金を出すなんて、直接国が融資しているものと二つにいくから二重投資だと言うのだろうと思う。あるいはそうこじつけてなるべく資金を出したくないのだということかもしれませんが、それでわざわざあなたに来ていただいたのです。

熊田淳一郎大蔵事務官(主計官)

○熊田説明員 私も二重投資の意味がよくわかりませんのではっきりしたお答えはできませんが、利用債については、やはりそれによって投資が決定されるという場合であって、しかもその地方に対して負担にならぬということであれば、利用債を大いに活用されることはけっこうである、私はそう思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういう意味で、お帰りになりましたらひとつ御検討願いたい。来年から東北開発会社が民有貨車をもって——民有貨車というのは利用債だが、それをもって国鉄の輸送力に協力したり、しかも東北の発展に寄与したり、しかもさらに加えまするならば、三陸海岸の大衆魚が非常に生産されておりながら、輸送がうまくいかないために地元の生産者も困っており、大消費地も鮮魚に困っているという状態を、これを冷蔵貨車等によって運び得るならば、国鉄はもちろんのこと国民経済に寄与するところ非常に大きいと思うのです。そのために利用債を持つというようなことは、これは国鉄はもちろん反対があるわけではないし、喜んでやると思う。それで、これは大蔵省の関係だと思いましたのでわざわざ主計官においでを願ったわけですから、こういう寄与のしかたというものによって国の窮屈な財政に寄与するということについては——東北開発会社はみな赤字を出してほんとうはみな弱っているのです。何をやっても失敗しているのです。利用債ならば失敗するということはない。あまりもうけはしないですよ。利用債だから限度がありますけれども、利用債は不払いになるというようなことは主計官お考えにならないでしょう。そうだとすれば、安全な投資——投資じゃないかもしれぬけれども、単なる投資じゃなくて、非常に価値ある事業だということになると思うのです。そういう意味で、話があった場合には御協力願わなければならぬ、こういうことでわざわざ主計官においで願ったわけですから、国鉄もまたこれを大いに活用していただきたいということを申し上げまして、時間がありませんからこれで終わりたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 これにて川俣分科員の質問は終わりました。  久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 限られた時間でありますので、私は簡単に二、三お尋ねしたいと思います。  まず第一に、航空関係の問題でありますが、アメリカ軍との関係、いわゆる安保条約に基づく地位協定に基づくところの航空法適用の問題で一つお尋ねしたいのであります。具体的な例で申し上げますが、調布の飛行場に米軍関係のフライイング・クラブというのがあるそうであります。ついては、このフライイング・クラブで飛行するものは、航空法の適用はどういうふうになっているのですか。いかがですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 フライイング・クラブの飛行機につきましては、現在航空法の適用をやっておりません。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 航空法の適用をしないというのは、どういう条約、法律に基づくわけでありますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 現在日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基く行政協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律、この法律の規定によりまして、適用除外になっておる、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 航空法の適用を除外されているものというか、適用のあるものについては——地位協定に基づいて航空法全体が適用にならぬというお話ですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 部分的に適用になっておるものもございます。したがって適用除外というような形になって法律ができております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 時間がありませんので端的にお伺いしますが、航空法の九十六条から九十八条までは地位協定に基づいて適用になるわけですね。そうですね。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 さようでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうすれば、調布におけるフライイング・クラブはその条項に当てはまらぬという理由はどこにありますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 その限りにおきましては適用になります。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 その限りとは具体的にどういうことですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 具体的に言いますならば、管制の問題であります。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 答弁がよく聞き取れません。管制の何ですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 管制の問題の九十六条ないし九十八条までの規定でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それになぜひっかからぬかと聞いているのです。どういうわけで九十六条ないし九十八条の中にひっかからぬか、いわゆる計器飛行以外のものはひっかからないというのですか。有視界飛行はこれから適用除外になるとでも解釈していらっしゃるのですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 調布におきまする米国関係の飛行機につきましても、日本の飛行機と同じように管制に関する規制は受けておる、こういう意味でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それでは現実にそれは受けているかどうか。それじゃ現実にフライイング・クラブは飛行計画なり何なりの管制の関係を全部受けていますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 クリアランスを受けて飛行機は飛んでおります。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 もう一ぺん答弁してください。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 離着陸のクリアランスをもらって、管制塔の指示を受けて飛行しております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 航空局長、事実は違うようであります。そのとおりやっているかどうかということです。これは新聞や何かにもあまり載らぬからわからぬようでありますが、実際は何らのフライイング・プランといいますか、飛行計画というか、そういうものを出さないで、しろうと——しろうとと言っては語弊がありますが、米軍以外の者がこれに乗ってやっておる。途中で私のいるところを教えてください、そういう操縦をしたそうです。これは過去の話なんです。だから、もう全然飛行計画も管制塔への連絡もしていないのですね。それでは、現実に、この調布におけるところのやつは、そういうものを逐一やっているという証拠がありますか。——相談しておるうちに、時間がありませんから運輸大臣にお尋ねしますが、問題は別です。いまの問題はそららへ預けておきますから、別です。  最近自民党の衆議院議員である藤井さんが帰られて、いわゆる中共から航空機乗り入れの提案があったということでありますが、これについて政府はどういうふうに考えておられますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 公式にまだ私のほうでは聞いておりません。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それじゃ、提案が正式にあったとして、問題を処理する段階ではなかろうかと思うのです。おたくのほうの所属の代議士が向こうから——向こうは正式な方ですね。その提案を持って帰られた。ところが、最近の新聞の報ずるところによりますれば、いずれも航空機乗り入れについては否定的なようにも観測記事が書いてありますが、あなたが知らぬはずはないと思うのでありますが、御検討はしておらぬのでありますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 政府間の協定は、御承知のように国交正常化をいたしておりませんから、これはもうあり得ないのです。民間の間の協定につきましては、これもやはりいわゆる中共問題ということにつきましては、非常に外交上重要な点でございますから、その報告がありましたならば、外務省と相談をいたしまして考えていきたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 中国との間には、いまだ国交回復をいたしておりませんから、なるほどそういう解釈もありますが、国交回復しておらぬでも、民間航空協定によってこれはできるはずですね、たとえば韓国の問題がそのとおりですから。しかも最近における国際航空の問題を考えてみた場合に、大きな問題としては二つあるわけです。一つはいわゆるSST機の導入の問題が一つある。このあとでいわゆるジェット機の転換の方法が考えられる。そういうことがありますね。それからもう一つは、日本の、いわゆる極東におけるところの輸送の拠点としての価値判断、そういうことを考えるというと、いまの日本の国際航空のあり方は片ちんばであると言っても過言ではないと思うのです。というのは、大体アジアで大きな面積を持っておる、たとえば中共あるいは北朝鮮、さらにはソ連との関係では、残念ながらそのめどがついておらぬ、これを国交回復するか承認するかという問題は別にしても、やはりまずもって輸送というか、交通と郵便、そういうものを含んで交通運輸の関係は、早急にこれを開始しなければ手おくれになるのじゃなかろうか、こういうふうに思う。  それからもう一つは、いうなれば、香港はアジアにおける航空基地——民間の基地になるような要素も間々見受けられるのです。その場合に、やはり向こうからの提案というものを率直に受けとめて処理するのが当然かと私は思うのですが、そういうお考えは、どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 韓国につきましては、御承知のように、日航と大韓航空会社との間には、乗り入れがほぼ話し合いがついたように聞いております。中共につきましては、あなたのおっしゃるような非常に必要を認めておることは事実でございます。しかし、いま直ちに中共とどうするこうするということは、われわれとしては研究もし、ほぼ見通しもつけておりますが、いまここで、それはやったらいいじゃないか、それじゃやりましょうということは言わないほうがいいという気がいたします。  それから、ソ連につきましては、モスクワ−東京の直通を、国の外交方針に基づきまして、日航を調査もいたしましたし、できることならソ連とは、国交が回復しておるのでございますから、直通をぜひやりたいという希望で、われわれのほうも調査をいたしまして、どうしても直通をやることがいいと判断いたしまして、すでに五カ月くらい前にある種の提案もソ連にやっております。ただ向こうの返事が来ないだけでございまして、その返事を待っております。去日向こうの運輸大臣が来たときにもその話を若干いたしましたが、自分はその係でないから知らぬというような答えで、外交ルートを通じまして回答を速急にするように要求いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そのある種の提案というのはどういう提案でございますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 それは、ソ連は日本の飛行機がシベリアの上空を飛ぶことをいやがるのです。そこで、ハバロフスク以降はソ連の飛行機をチャーター料を払ってチャーターをして、運営は日航でやるということで相互乗り入れをやらしてくれということを交渉しておるのでございますが、いまだ回答は得られないのです。それはどういう理由かちょっと想像がつきませんが、私どもとしては、それが世界で最短距離ですから、非常に念願いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それで、ソ連の話は別にして、いまの中共の話でありますが、なるほどただいまの段階では大臣お答えができないかもしれませんが、少なくとも福岡−上海間くらいのものは許すべきだし、またやらすべきじゃないかと私は思う。なるほど東京−北京というコースになりますと、日航の北回りの問題もございましょうし、あるいはどっちにしても東京−北京では北京−モスクワというようなことで、ヨーロッパへ到達するいわゆるビヨンド北京ということになりましょう。やはりこれは時間をかけて、経済計算というものも必要かと思うのでありますが、少なくとも交流を深めていくという政経分離の立場からいっても、やはり福岡−上海等のごときは、即刻具体的に話を進めてみるべきではなかろうかと私は思うのです。お答えはどっちにしてもいただけないだろうから、この辺にしておきます。  それから、アメリカの問題、対米航空政策の問題については、過般の委員会で触れましたが、これも残念ながら確たる御返事というか、そういうものがないのです。ただ問題は、このビヨンド・ニューヨークの問題が解決しないままに超音速機の発注をしておるわけでもりますが、これはこれなりに一つの問題もありましょう。値打ちもあるかもしれませんが、少なくともビヨンド・ニューヨークの問題が片づかぬことでは、残念ながら日本の経済外交なんというものはあまりほめたものではない。特に運輸政策についてはそうだと思うのです。これは最近また交渉を再開する用意がございますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 この前のホッジスとの会談で、この前運輸委員会でお答え申しましたように、その問題について自分は権限がないと言うから、そんなことでは困るじゃないかということを強く言いまして、それでは帰国の大使、すなわち日本のアメリカ大使武内君に交渉をさすようにしてもらいたいと強く要請してございます。そういうことになって、私の希望といたしましては、ぜひひとつオリンピックまでにそれが解決するようにということを強く要望いたしまして、いろいろな資料等を武内大使に委託して、帰任次第にあらためて御趣旨に従って強力な交渉をするようにいたしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 オリンピックまでに間に合わせるということでありますが、オリンピックももう目の前でありまして、武内大使がどういうふうにスピーディに交渉を始められるかわかりませんが、少なくとも頼んでやったからだいじょうぶだろうということでは、解決がつかぬと思うのです。交渉というものはやはりタイミングが必要であります。便法もありましょう。オリンピックの期間前後とかいうのも一つの方法だと思うし、別に後退する必要はありませんが、交渉がどうしても進展しないという場合には、そういう方法も私はあり得ると思う。ぜひ御考慮いただきたい、こう思うのです。  それからもう一つ、国際航空の問題で、マレーシアあるいはインドネシアの関係で、シンガポール・ビヨンド、そういうものが危機に瀕しておるという報道があるが、これは事実でありますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 最近航空局の方がマレーシアに行って帰ってまいりまして、航空局長に詳細ななにがいっておりますから、航空局長からお答えいたします。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 マレーシア問題につきましては、先般航空局の監理部長、国際課長が代表としてクアラルンプールにまいりまして、折衝してまいりました。マレーシアとの関係におきましては、現在シンガポールが日本航空の着陸ポイントになっておりますが、これはいままでは英国との航空協定の関係で、シンガポールのポイントを持っておったわけでございます。マレーシアが独立いたしましたので、新たにシンガポール乗り入れにつきまして、日本とマレーシアとの間で航空協定を締結する必要があるということになりまして、先般先方にまいりまして先日帰ってまいりましたが、残念ながら会談は休会ということになりました。しからばどういう点で両者の意見が食い違っておるかという点について御説明いたしますと、マレーシア側としましては、たとえばシンガポールとバンコク、あるいはシンガポールとジャカルタというような間の輸送の権利を日本航空には与えたくない、こういう態度をとっておるわけでございます。わがほうとしましては、従来から対英関係におきましてそういう輸送権を持っておりましたので、現状よりも不利になるというようなことでは困るということで、強い態度でマレーシア駐在の日本の大使を初め折衝していただいたわけでございますが、先方としてはなかなかうんと言わない。一応休会ということで婦ってまいりました。したがって、また近い機会に再び先方に代表団を派遣するか、あるいはその他の方法でやるか、これは今後外務省とも相談した上で対策はきめる所存でございますが、いずれにしましても、今回は残念ながら休会ということになったわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それじゃ、休会になったが、いまある日航の協定は、これはいつまでという年限がございますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 これは私のほうと申しますよりも、日本の立場としましては、日本とイギリスとの間の協定があり、それによってシンガポールに乗り入れておった。独立国ができた場合に、シンガポールにおける日本の権利というものは、当然に新たなる協定ができるまでの間現状が維持されるもの、こういうふうに私どもは解釈しております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 しかし、問題は新しい国家としての国家間の協定ということになるでしょうから、そうしますと、いつまでも休会のままで置くわけにはまいらぬと思う。やはりこれは、交渉は近いうちに再開して、互恵平等の上に立った平和裏の解決というものが必要かと思うのですが、運輸大臣どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 そのとおりでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうでなくても、いままでの問題も未解決のものがある上に、今度はマレーシアの問題が出てきたとなれば、まさに国際航空には一つの危機じゃなかろうか、こういうような気もするわけです。そういう点からいっても、早急に解決する熱意が必要だ、こういうふうに思います。  先ほどの答弁を保留しておきまして、それからもう一つ第二国際空港の問題でありますが、これは暮れに答申が出まして、新聞の報道するところによりますれば、建設大臣からいろいろ意見が出て、結論として池田総理の裁断かとりなしか何かわかりませんが、何も東京周辺だけじゃなくて、どこか東海道筋にでもひとつ見つけたらどうかいということで、お開きになったという話を聞いているわけです。今度の予算にも一億ばかり調査費がついているわけでありますが、これは早急に決定せねば、いまの羽田空港なりあるいは五、六年後にできるところの超音速機の離着陸、受け入れというか、そういうものを考えると、じんぜん日を送るわけにはまいらぬのではないかと思う。ついては、閣議へ運輸大臣が報告されて、今日までどういうふうに答申というのは扱われているのか。それはいかがです。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 答申は一応閣議に報告いたしまして、そうしてより適当な場所がありはしないか、ことにすべての機関が都市集中の傾向であるから、東京近郊以外に適当な場所があるんじゃないだろうか、もう一度調査したらどうかというのが総理の意見でございまして、幸いに、本年度の予算におきまして、御審議の上これが通れば、一億円の調査費がつくものでございますから、さらに調査をいたしまして、航空審議会にかけまして、それがよりよいという判断がつくならば、さらに閣議に報告しまして、閣議の了解を得て決定して発足いたしたいと思う。いずれにいたしましても、超音速機の日本に予約しておるのは昭和四十六年でございまして、それまでに間に合うように——非常な大規模な第二国際空港ですから、ちょっとやって悪いからまた変えるというようなことは、とうてい言うべくして不可能でございますから、航空機の発達その他の状況にかんがみまして、世界の航空界における日本の航空界の地位等々を考えまして、慎重にきめていきたいと思っております。時間的に申しますならば、四十六年までに間に合えばいいのであるからして、ここ半年や一年待ったからといって、支障はないと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうしますと、大臣、審議会の答申というのは一応池田総理の発言によって振り出しに戻った、こういうふうに了解してよろしいですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 振り出しに戻ったというか、了承されたというか、とにかく閣議にはかりまして、さらにもう一度よりいいところはないか検討してみようじゃないかということでございますから、振り出しに戻ったという振り出しということは、全部御破算というようには私は考えておりません。もしよりいいところがないならば、あれが一番いいというように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 まあいずれにしても、どこにつくるかは二の次として、つくらなければならぬことはもうはっきりしているのでありますから、いまの御答弁だと、どうも審議会の答申も含んで幅広く検討するということになりそうですか、それ以外にあるならば、航空審議会ももう少し幅広くさがしてくれてもよかったと思うのでありますが、これは当面の責任者の局長はどういうふうに考えているわけですか。大体第二国際空港を、いま大臣の答弁のように、それではどこか別なところをもう一ぺんさがし直してみる、こういうことに考えて、これから作業を進めるわけですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 新東京国際空港につきましては、ただいま大臣から御説明がございましたような経緯がございますが、私どもとしましては、一月の初めから、東京から西にかけまして適当な候補地はないかということで調査を進めております。この点、いま現地にもあるいは必要ならば出かけるというようなことも考えております。現在のところは、机上でいろいろな資料に基づいて調査をやっておる、なるべく早く適当なところがあるかどうかという点の結論を出したい、こういう作業をやっております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 時間がありませんから、先にいきましょう。  それで、先ほどの答弁、どうですか。もう一ぺん聞きますが、フライイング・クラブというのは地位協定の範囲であるか、まず第一にそれを聞きましょう。急いだものですから順序が違ったが、フライイング・クラブというのは、地位協定の中に含まれる性質のものであるか、いかがです。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 地位協定の中に含まれる性質のものである、かように考えております。   〔井村主査代理退席、稻葉主査着席〕

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それはいかなる理由でございますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 先ほど申し上げました法律の第二項にございます「合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に、公の目的で運航される航空機」云々という規定によりまして、合衆国のために使用されておる、こういうふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 フライイング・クラブは、あなたがお読みになったものの範囲外ではないでしょうか。私はまだ実際に調べてはみませんけれども、言うならこれはクラブです。そこで日本人も入って操縦を教わって、そして飛行している、こういうことなんですよ。調べてありますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 私は日本人がそのクラブに入っておるということは承知しておりません。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それでは米軍の家族は……。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 米軍の家族は、この飛行機に乗っておるということはあるかもしれません。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうすると、地位協定に基づくものであるとしても、さっきお話があったように、九十六条から九十九条までは適用になるわけですが、先ほど申し上げたような事例が間々あるそうですね。何ら管制塔への連絡もなくて飛行しておる。これは許されることですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 調布の実際の現場における手続につきまして、航務課長がおりますので説明をさせます。

浜田幸晴運輸事務官(航空局技術部航務課長)

○浜田説明員 調布の場合、フライイング・クラブの航空機があの辺に飛行しております場合の大部分の場合は、飛行場の周辺の飛行が多うございます。飛行場周辺の飛行でございますと、これは国内についても同様でございますが、飛行計画の提出に関しまして規定しております航空法の九十七条の二項で、運輸省令で定める場合には飛行計画の提出を要しないこととなっております。これが施行規則の二百五条で飛行場周辺を飛行する場合というふうに規定されておりますが、これに該当します場合は、フライイング・クラブの飛行機につきましても、国内の航空機と同様、飛行計画の提出を要しなくて飛行できることになっております。ただし、飛行計画の提出は要しませんが御存じのように調布には管制塔がございまして、一般に離着する航空機に対しまして管制を実施しております。それで、フライイング・クラブの航空機も、その他の航空機と同様に、一様に管制を受けてやっておるわけでございます。むしろほかの航空機と別扱いされて管制を受ける航空機と受けない航空機が混在するということは、クラブ活動のほうの航空機にとりましても、何も実益がないのじゃなかろうか、そういうふうに思います。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 あなたの説明されるような形になっていれば問題はないのです。御案内のとおり、調布の飛行場は、いうならば報道関係の飛行機とかそういうもので、羽田に入れないものがたくさんあるわけですね。ところが、一般の事業用といいますか、そういうものの飛行には、特別なというか、一般の航空制限がある。ところが、遊びと言っては語弊があるが、まあ米軍の家族が特殊な日本人か知りませんが、そういうクラブに入れば特殊な扱いで、たとえば有視界飛行はどうなっていますか。これは一般は、たとえば事業用の場合何にもやらぬでも飛び出せますか。一つの例ですが、計器飛行の場合は当然管制塔に連絡しなければなりませんね。目で見るほうのやつはどうです。

浜田幸晴運輸事務官(航空局技術部航務課長)

○浜田説明員 管制機関が飛行場にございます場合には、離陸、着陸につきまして管制塔からの承認を必要とするということは、有視界飛行の場合と計器飛行方式による場合と同様でございます。ただその承認がどのような手続で出てくるか。計器飛行方式によります場合には、航空路管制機関のほうからの承認というかっこうで出てまいりまして、それが管制塔にリレーされて飛行機に伝わるというかっこうになりますが、そういうふうな内部的な手続には差がございますが、現実に離陸しまたは着陸しようとするときには、その飛行場にある管制機関から離陸または着陸について指示を受けなければならない、あるいは承認を受けなければならないという最終的なかっこうは、計器飛行方式によります場合も有視界飛行方式によります場合も同様でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 ところが、この特別の有視界飛行ですね。たとえば天候のぐあいでこの辺ならまあまあだいじょうぶだというふうなすれすれの場合もありますね。こういうものについての管制というか、調布の場合はだれが許可を出すのですか。日本側が出すのですか、それとも米軍側が出すのですか。

浜田幸晴運輸事務官(航空局技術部航務課長)

○浜田説明員 有視界飛行方式の中で、一般的に規定されておりますところの有視界気象状態には満たないのだが、一定方向にだけある程度の視界上良好な状態がある、こういう場合に、有視界飛行方式の特例的なかっこうで、通常特別有視界飛行方式といっておりますが、これはやはり管制機関がその周辺に航空機がないということを確認した上でなければ——視界が十分ではないのでございますので、危険でございますから、これは管制機関の承認を得なければ出れないという仕組みになっておりまして、現在調布の管制塔には運輸省の職員が勤務しておりまして、その承認を得て特別有視界飛行を実施するということになっております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 ところが、フライイング・クラブについては特別な扱いをどこかでしておりますか。あなたは大体実情をよく知らぬのじゃないですか。失礼だけれども、どうですか。知らぬければあとで運輸委員会に回しますよ。お調べいただいて……。時間もだいぶたっておりますからね。ただここで言いたいのは、フライイング・クラブがそういう地位協定の中に含まれるかどうかの問題が、一つ問題点かと思います。それから、地位協定の中に含まれても、いわゆる飛行計画というか、そういうものを——あなたがおっしゃったのは、飛行場の周辺なら云々とおっしゃったが、実際飛行場周辺だけではない。なれない操縦をしておる場合もあるわけです。それからもう一つは、あなた御承知のように、この調布はグリーンの十二番という航空路の下にあるわけで、ひょこひょこと無計画で出てこられては、全体の管制が狂ってくるわけですね。危険なんですね。きのうも航空機の事故がございましたが、運輸委員会で先ほどやりましたから、ここでは触れませんけれども、そういう問題が一つある。こういう問題については、時間もありませんから、次に懸案にしておきましょう。よくお調べいただいて、われわれが納得するような形で答弁をいただきたい。いままでの解釈から言えば、実際フライイング・クラブは認められないですね。ところが認めて、しかも自由に飛行させるというような形がある。片方の日本側の事業用飛行機は特別有視界飛行のときも必ずしも出ていけない、あるいはこういう支障によって事業活動が円滑にいかないという話も聞いておるのです。そういう点もありますから、これは後刻運輸委員会が二、三日後にありましょうから、そこへ移します。  それから、もう一つ、これは運輸大臣にお伺いしたいのですが、政府並びに与党の中では、防衛庁のいわゆる防衛省昇格の問題があるようであります。これは昇格するかどうかはわかりませんけれども、その段階で、いわゆる航空管制の問題は、いままでの大臣間の申し合わせというか、取りきめというか、こういうものを守っていくつもりであるのかどうか。あるいは管制について、国防省昇格と同時に何か話題が出ておるかどうか。これはどうです。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 閣議の話題には出ておりません。私は閣議の席上では聞いたことがありません。  それから、あの航空管制が防衛省になった結果どうなるかということにつきましては、航空局長が防衛庁の航空執務者との間に話をしておるという報告をいま受けましたから、航空局長から説明させます。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 防衛庁が国防省に昇格するかどうかという点につきましては、私はどういうことになりますか存じません。防衛庁の事務当局は、国防省に昇格する準備をしておるということで、法律案の案までいく前の草案を持って相談に参ったことはございます。その場合に、航空局と申しますか、運輸省と関係してまいりますのは管制の問題でございます。現在は、特定の飛行場につきましては、運輸大臣の権限を防衛庁長官に委任するということになっております。具体的に申しますならば、たとえば千歳の飛行場というようなのがこれに該当するわけでございます。ところで、防衛庁が省になりますと、運輸大臣と同じような国防大臣になるのかあるいは防衛大臣になるのか存じませんが、大臣に——いまも大臣でございますが、省の大臣ということになられるわけで、その場合に、いまと同じように省の大臣から省の大臣に委任するということについて、いろいろな法律上の問題があると聞いております。この点は私は自分自身で研究したことはございません。そこで、何らかの方法を法文上あるいは法律構成上考えなくちゃならないということになったようでございますが、私のほうとしましては、現在の実態を変えるような法律改正は困る、こういうことを申しております。したがって、防衛庁としても、おそらく私のほうの趣旨を了解して、現在と実態的に変わらないというような法律改正を提案されるのではないか、かように想像しております。ただ、いまのところ最終的にこれにするというような話は聞いておりません。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうなりますと、ここで運輸大臣にひとつ要望してというか、注文をつけておきたいのでありますが、省になることについては、私は、いま質問の内容でございませんから、これははずしまして、いいか悪いかは別にしまして、少なくともいまは運輸大臣が防衛庁長官に委任することになっておりますね。管制業務全体の総責任者は運輸大臣なんですね。これが同格の大臣になりますれば、結局権限は、委任事項というものはないわけですね。原則としてないわけです。そうなりますと、いまの形でくずさぬでということには、法文上どうひねりましても不可能なことが出てくると私は思うのです。中身の細部にわたってどうのこうのじゃなくて、大綱としていわゆるこれをコントロールし監督する者が運輸大臣と防衛庁長官と二つになる。防衛庁長官というか、そういうかっこうは今後の日本の航空のあり方としてやるべきでない、いわゆる二元的な方法はとるべきでない、こういうふうに思うのです。これだけはあなたも同感だと思うのですが、どうでしょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろんさように考えます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それでは次に、交通運輸の事故の問題でありますが、これを全部お尋ねする時間もございませんので、海難事故——先ほど運輸委員会では航空機事故の問題をやりましたし、先般は国鉄の事故の問題を一応お尋ねしてありますから、ここでは海難の問題でお尋ねいたします。  これも大体国鉄と同じように、実は三日おき四日おきといっては語弊があるほど海難があるのです。海難もいまは全損が非常に多い。この海難事故に対してまず第一に指摘されねばならぬのは、従来ありましたように小型鋼船の問題が一つあるわけです。ところが、この小型鋼船については、五百トン未満のものについては、建造検査も性能検査もなくて、書類が届け出られればそれでよい、こういうことになっているようであります。これなどももうこの辺でまず第一考えねばならぬことだと思う。それから、満載喫水線の方式を、漁船を含めてとるべきでなかろうかと思う。最近北のほうで、北海道あるいはカムチャッカの周辺で、結氷による転覆全損というのがありますね。これは乾舷なりあるいは満載喫水線というものが適当に設置され、そして守られるならば、これはある程度防げるはずです。そういう問題が二つ。三つ目には、いわゆる無線装置が今日つけられておらないのもまだかなりある。この三つの点について運輸省はいまどういうふうに考えられておるか。この点簡潔にお答えいただきたい。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 最初の五百トン未満の鋼船につきまして、安全検査が非常に簡略であるという御趣旨の御質問でございます。この点につきましては、五百トン以上の近海区域を航行し得るような船舶は許可制でございます。しかしながら、五百トン以上でも、沿海の構造を持っている船は許可が要らないことになっております。安全検査につきましては、近海区域以上の船につきしては、百五十トン以上の船になりますと満載喫水線の標示が必要になりますので、厳重な構造検査が必要になるわげでございますが、そうでない船につきましては構造の部材寸法その他につきまして、ある程度の軽減がされることは事実でございます。しかしながら、検査の実態につきましては、船が小さいために検査を簡略にするということはいたしておりません。小さい船によく事故がございますし、また小型船を建造する造船所の技術が総体的に非常に劣っておりますので、むしろ海難防止の見地から厳重な検査をやっておるつもりでございます。  それから、第二の喫水線の問題でございますが、これは昨年船舶安全法の一部改正法の御審議をいただきました際、久保委員から御質疑がございまして、その際水産庁とそろって御質問にお答え申し上げましたが、小型船に事故が多い、その事故は積み過ぎによる事故が非常に多いということは御指摘のとおりでございまして、船舶の安全のために、大小を問わず積み過ぎ防止という見地から、満載喫水線の標示あるいは適用は非常に必要なことだとわれわれは考えておりますが、これにつきましては、漁船以外の船舶につきましては、三十九年度の予算にお認め願えますならば、調査費が計上されまして、この調査費を活用いたしまして、小型船舶に対する満載喫水線の適正な基準を見出すために作業をいたしたい、かように考えております。また漁船につきましては水産庁と常に連絡、協議いたしておりますが、水産庁におきましては漁業の種別ごとに適正積みつけ基準というものを設定しまして、事実上の満載喫水線的なものを取り入れるということをいま検討中であるというふうな連絡を受けております。  それから、三番目の問題につきましては、先般の安全法の一部改正の際に附帯決議に御意見がございましたように、通信施設の整備は海難防止上非常に大きな効果を毛たらすことは、これは言うまでもないことでございます。通信施設につきましては、電波の割り当て、その他海岸局の問題とか、いろいろな問題があることは御存じのとおりでございますが、最小限度いわゆるラジオ・ブイと申しますか、海上に投げ込みますと自動的にSOSを発するようなブイでございます。これは通信施設の一部として規定で強制したい、かように考えているわけでありまして、逐次整備していきたい、かように存じております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 検査その他は十分だというが、構造の問題もあるわけですね。小型鋼船の構造、こういうものの研究はされておらないのでありますか。ずいぶん長いことになりますが、たとえば空船の場合にはひっくり返る可能性が多いとか、こういうものはどうなんです。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 小型鋼船の海難で最も大きな事故は転覆事故であります。転覆事故の原因を調べてみますと、満載の場合あるいは極端な空倉の場合に限っております。中ぐらいな普通の場合は、ほとんど起こっておらないわけであります。満載の場合、空倉の場合、ともに復原性と申しますか、スタビリティと申しますか、復原性の不足によるか、あるいは上部甲板からの浸水というような原因が直接の原因となっております。小型鋼船の検査におきまして、五百トン以上の船舶につきましては、建造時に重心の位置を確かめる、さような所要復原性を生み出すために傾斜試験を強制しております。しかしながら五百トン未満の船舶に対しましては強制はしておりません。しかしながら、この転覆事故を絶滅いたしますためには、船舶の運用の面で適正な運用をしなければなりません。五百トン以上の船舶に対しましては、船長に、インストラクションと申しますか、復原性に関するいろいろな資料を渡しまして、こういうふうに積んだらこういうふうになるというようなことで指導をいたしております。これは法令で指導をいたしております。五百トン未満の船舶につきましては、建造時に造船所で当然やっております重心の査定書というものがございますので、これを渡しまして、これを参考に積みつけその他運用をするように注意をいたしておりますし、なお海難防止協会その他の機関を用いまして、あるいは自発的にその機関から小型船の海難防止につきまして講習会その他の啓蒙指導をしばしば行なっておりますし、これは年々この指導の密度を高めてまいりまして、いわゆる人災による海難防止につとめておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 あなたの御説明でもわかりましたが、五百トン未満はやはり法令に基づく検査はしないで、内面指導というようなもので、はたしてそのとおり造船所なり船主がやっておるか。これはやっておらぬと思うのですね。そこに問題があるし、また中小造船所そのものでというよりは、中よりは小のほうですね、おそらく小型鋼船をつくるものは。そこのいままで木船をつくっていた造船所が鋼船に切りかえるといった場合には、木船の経験だけでは残念ながら鋼船は実際できないはずだ。そういうことで、五百トン未満の船についても、何と言ったって人間の命が一番重いのでありますから、これだけ鋼船が海難事故を起こしておる現実を直視して対策を立てるのが運輸省の責任ではないかと私は思うのです。だから、船舶局長長い答弁は要りませんから、五百トン未満についても規制をもう少し強めるかどうか、もう一度答弁をしてもらいたい。  それからもう一つ、これはやはり旅客船の問題でありますが、旅客船の代替建造については今年度予算もまだ出てきておるようでありますが、そこで、昨年の九月に、この検査を強化していく、それで二年間に補修のできないものは全部廃船だ、こういうことだそうでありますが、廃船になるものは大体二百四、五十隻あるというのですね。トン数にして三万三千トン以上ある、こういうことなんですね。ところが、これは必要な船で、実は使っているわけです。ところが、代替建造にいたしましても、この代替に出す船をスクラップするかというと、スクラップしない。旅客船で、これはもう検査基準からいってだめだ。それでは代替建造だということで、建造のワクだけはもらう。もらうが、この旅客船は、旅客船とは別だか、やはり船の姿でどこかに行って動いているのですね。そういう規制がないから、たまたま改造して石炭専用船になるとか、あるいはその他の運搬船になるといった場合に、安全性のないものをよそで使っておる。この政策にはこういうしり抜け的な方法があると思うのですが、この点どうですか。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 最初の五百トン未満のものにつきましては、先生のおっしゃいますのは復原性の問題だけでございますが、しかしながら、技術の拙劣な造船所やあるいは木船をつくっているところが転換したものもございますし、今後規制を強化していきたい、かように考えております。  それから、老朽旅客船の代替建造につきましては、代替される船がその他の用途に使われるというようなことがございますが、これは旅客船に使います場合には、必要な補修をやりませんければ使用できないというふうになっておりますので、旅客船として採用される場合はまずないのじゃないかと考えております。その他の目的に使います場合には、十分前歴を考えまして、厳重な検査を実施したいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 約束の時間が過ぎておりますから、この問題はあとでまたすることにしまして、船員局長などおいでになってからでもと思うのであります。そこまで聞く時間がありませんので、あとにしますが、悪しからず。  それで、海運局長がおいでですから、海運の問題で、一つだけ予算と関係しておりますので確かめておきたいのでありますが、ニューヨーク航路の一本化の問題であります。ニューヨーク航路の一本化の助成は三国間輸送の助成でやる、こういうお話でありますが、その方法の是非は後の機会に論じます。それじゃそのニューヨーク航路一本化をしたあとのその他の定期航路はどういうふうになりますか。それは別に手をつけない、こういうことでありますか。

若狭得治運輸事務官(海運局長)

○若狭政府委員 御質問の他の航路の合理化につきましては、実は一昨日も運輸大臣から、航路の合理化を早急にはかってもらいたいという大臣通達を出しておるようなわけでございます。具体的には現在中核会社が六つできるわけでございますけれども、それを中心にして合併会社における航路の合理化というものが現在行なわれておるわけであります。それによって、その状況を見た上で、その六つのグループ間の協調というものについて、さらに強度の合理化というものをわれわれとしては指導してまいりたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 私はその点では反対でありますけれども、三国間輸送でニューヨーク航路の一本化、これは言うならば、はっきり言ってごまかしだ。全体の定期航路の総合的な調整があってしかるべきなんです。いまさらのごとく三国間助成の方式でニューヨーク航路を一本化するなんというのはナンセンスだと思うのです。未来像をつくらぬで、まあひとつやれば補助金をやるから、こういうふうにしなさい。もちろん海運界の自主性のないことは実際いまさら言うまでもありません。日本が持っている全航路について、六つのグループ間における協調体制を確立する、これはもちろんであります。単なる口で言う協調体制ではだめなんです。言うならば、私が去年も申し上げたように、一つは全定期航路についての航路調整に踏み切るべきだと思うのです。時間がありませんから、私の意見だけ言って、あとで答弁をもらいます。  それからもう一つは、これからの船腹増強の比重は、何と言ってもやっぱり専用船並びにタンカー部門でありましょう。これが海運の王座になりましょう。ところがこれについては何ら政策がないのじゃないですか。ただ船腹増強だけは、所得倍増計画ともからみ合って、三年間に六百万総トンつくらなければいかぬとかどうとか、海運推進面から言っている。ところが、専用船並びにタンカーの問題をそのままにしておいて、ゆるい、いわゆる地帯別並びに特殊の物資別の輸送協議会にだけまかせておいて国際収支を改善する、四十一年でとんとんにするのには、少なくとも六百万総トン建造しなければならぬ、こういうようなことだけうたっていても、これはなるほど船はある程度つくれるかもしれない。しかし、これは今日まできたところの海運界をさらに十年後に、逆戻りさせるんじゃないでしょうか。だから、私はこういう提案をしたい。専用船並びにタンカーについては、これはやはり一つのカルテル行為でも、もう少し強化して、物資別、地帯別、これを全部集約していく。そして、いうならば運輸省が、政府がニューヨーク航路一本化のようなほうに持っていったとするならば、少なくとも物資別、地帯別の共同荷受け会社を一つつくって、そして合理的な配船計画をしていく、そうすることによってOECD加盟によってタンカーなり専用船の用船規制が早まったのでありますから、その早まった中で、やはりどう対抗すべきかは、そういう方式によって私は窓口を一本化していくことによって、一つは強化できるんじゃなかろうかと思うのです。そういう考えは持っておられるかどうか、これをお聞きしたい。いかがでしょう。

若狭得治運輸事務官(海運局長)

○若狭政府委員 まず第一に、定期航路の合理化の問題につきましては、ニューヨーク航路につきましてああいう方式をとりましたのは、他の航路についてはグループ相互間の協調、航路同盟の許可ということによって安定が期し得られるということでございますけれども、ニューヨーク航路につきましては、久保先生御承知のように、アメリカのシッピング・アクトの関係もございまして、とうてい航路同盟の許可というものは期し得られない。用船面の協調だけではこの航路の再建というものはできないという状況でございましたので、特例の措置として先ほどおっしゃいましたような措置をとっているわけでございます。これを他の航路に及ぼそうというような考えは現在持っておりません。先ほど申しましたように、まずグループ間の協調によって定期航路の合理化を促進してまいりたいと考えておるわけでございます。  それからタンカーその他の専用船の建造の問題につきましては、おっしゃるような考え方はもちろんあるわけでございます。そうして現在輸送協議会というものを民間でつくっておりまして、そこでいろいろな自主的な統制的な仕事をやっておるわけでございます。これを強化するということは当然われわれとしては考えなければならぬ。しかし、根本的に今後非常に急激に増加してまいります物資の輸送につきまして、そういう民間の自主的活動だけにすべてをゆだねるというわけにもいきませんし、根本的には各社が積み荷保証、運賃保証というものを石油会社なりあるいは鉄鋼会社との間に取りつけまして、それによって船舶を建造してまいるという方式を現在とっております。それでできるだけのところまでいってみたいというふうに考えておるわけでございます。ただ問題は、先ほどおっしゃいましたように、三年間に六百万トン近い船腹を建造するということになりました場合に、OECDの関係もございますし、外国用船の自由化というものが目前にひかえておるような観点から見まして、そういう長期の積み荷の保証、運賃の保証ということについては非常な困難があるわけでございます。したがいまして、われわれはそういう問題を解決しなければとてもいまいわれておるような船腹の大量建造ということは期待し得ないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては今後日本の海運が全く市況の変動に抵抗できないような、そういう船をつくっていくとかというようなことを現在考えておるわけでは決してございません。せっかく集約をいたしまして、海運の再建を軌道に乗せてまいっているわけでございますから、そういう観点から今後の大量建造の問題につきましても、将来のはっきりした見通しを持って建造してまいりたいと考えているわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 最後に、もう一つだけ運輸大臣にお尋ねしておきますが、海運収支の赤字解消ということで、来年度五億ドルくらいの赤字が出るだろうということで、先ほど話が出たように、三年間で六百万総トンの船をつくらなければいかぬ、あるいは積み取り比率を輸出入平均で六〇%以上とらなければならぬ、こういうことでありますが、海運企業再建途上において、先ほど申し上げたような問題を解決しないままに、国際収支というか、海運収支の赤字解消、そうして国内経済の伸展につれてのいわゆる所要船腹、それに伴う積み取り比率の向上ということに目がくらむだけでは、残念ながら海運企業はどこまでいってもこれはぬかるみから出てこられないと私は思うのです。だから、先行すべきものはいわゆる専用船並びにタンカーの処置をどうするか、海運局長はニューヨーク航路は大体オープン・コンファレンスだから、盟外船の関係もあるから、あれは特別な措置としてやったんだから、その他のものはできるだろうというような安易な考えでいいのかどうか。それじゃあらためて聞かなければならぬことは、いわゆる将来の未来像というか、ビジョンというか、日本海運のあるべき姿というものはどうなんだと言いたいわけです。そういう前提となる条件をちっとも解決しないできて、所得倍増で海運の赤字が五億ドルだから、これをひとつ三年ぐらいでとんとんにしていく、積み取り比率は単に六二%とか、そういうところに置いて、今日まで来た、過去におけるところの海運政策はいわゆる造船政策なんだ、それによって海運は今日の不況というか、どたんばに来たと言われるゆえんがあるわけです。だから、海運企業の基盤強化は、去年この国会で審議された大きな約束でありますから、運輸大臣としては、やはり海運企業の基盤強化、そして言うならば日本海運のビジョン、その構想に乗せた政策が必要なんだけれども、ちっともない。これはニューヨーク航路の一本化だけで、あとはどうにかなるだろう、そんななまやさしいものじゃないし、私はそうあるべきではないと思う。なるほど、ニューヨークの航路の一本化というのは、共同荷受け会社というか、そういうものでやるようでありますが、これを全部各定期航路に当てはめると言うのではありませんぞ、私の言うのは。少なくとも航路調整をきちっとさせろということなんです、六つのグループで。そうしなかったら、私はとてもうまくいかないと思うのです。六つのグループで協調して半分ずつ積む、船の容積の半分しかお互いに積んでいない。こんなことをやっている限りではとうてい伸びていかない。もちろん今度は六つですから、競争は激化するのですから、そういうことを考えると、どうしても私はそういうことを言いたい。それでありますから、先ほど申し上げたように、国際海運収支の赤字解消あるいは積み取り比率の改善、そういうことだけで海運を律すべきではなく、船腹の増強をきめるべきじゃないと私は考えておるのです。  もう一つは、アメリカの問題でありますが、アメリカの問題ばかりじゃないようでありますが、少なくとも海上運送法の改正を今度こそ出すべきだと私は思うのであります。もちろんわがほうは近く再提案をします。われわれは、海運の自由というものは古典的なものであってはならぬ、最近におけるOECDの中身においてもそのとおり、最近のイギリスの動向についてもそのとおり、アメリカばかりじゃありません。ほんとうは海運の自由というのは、自分の自由が守られないで他人から侵されても、海運の自由だからといってがまんしているのが日本の外交の姿なんです。だから、今度こそ海上運送法などはてきばきと出したらいかがですか。どうですか、出しませんか。海上運送法の改正によって、少なくともわがほうの主張だけは公明正大に世界に発表すべきだと思うのですが、どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私どもの考えている大体の方策は、あなたとたいした違いはないと思うのです。そこで、海上運送法の強化でございますが、これはあなたのおっしゃるような前向きの姿勢で、いま各省間の調整をやっております。必ず出すようにいたしたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 最後ですから、ハッパをかけるわけじゃありませんが、日本の外交というのは、昔ながらのいわゆる情報外交で、古典的パーティ外交なんです。外務大臣が来てくれればなおいいんですが、申し上げたいのは、日本の外交は姿は変わっている。経済外交なんです。ところがみんな経済面に弱いんです。弱いからOECDへいって、海運再建でてんやわんやのさわぎで、去年の秋の国会でもってあなたも御努力なさって、いいか悪いかは別にして、ともかく六つのグループになるわけです。そのあとでもって海運規制、用船規制はとたんにはずれてくるんですね。こういう無定見さはどこからくるかというと、運輸大臣の責任ばかりじゃありません。大きくは日本の外交の弱さ。外交の弱さといっても力ではないのです。頭の弱さなんです。だから、海上運送法にしても、外務官僚の言うとおり、アメリカの動向を見て、報復手段がどうとかというようなことで外交をやられたんでは、日本の経済は伸びないということです。そういう意味で、新聞の報ずるところによると、若狭局長は、外務省とも連絡をとって、情勢を見て、まあまあ四月か五月ごろ、そろっと出そうというのです。そんなひきょうなことで日本の海運が再建できるかどうかと私は思うのです。いまここまで、経営者の頭の脳み、その中まで手を突っ込んだのでありますから、ついでに外のほうへその手を出したらどうですか。私は要望しておきます。  以上で終わります。

稻葉修自由民主党

○稻葉主査 本日はこの程度にとどめ、次会は、明二十日午前十時より開会し、運輸省所管及び日本国有鉄道関係について質疑を続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗