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46回国会衆議院1964/02/26

予算委員会第三分科会 第8号

発言数
435
登壇者
36
会派数
2
開催日
1964/02/26

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これより会議を開きます。  昭和三十九年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、同特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管を議題といたします。  この際、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員になられたお方は三十分程度にとどめることになっておりますので、御協力を願います。  なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に、要領よく簡潔に行なわれますよう、特に御注意申し上げます。  これより質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。  岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 時間が一時間だと思っていたら、三十分だそうでございますので、要点だけ伺ってまいりますから、ひとつ大臣のほうでも要点だけお答え願って、肝心なお答えだけを願いたいと思います。  私、きょうお伺いをしたいのは、石炭の合理化に基づくその後のいろいろな問題について御質問をしたいと思いますが、特に最近の状態については、合理化に基づく産炭地の影響というものが非常に甚大でありまして、政府の石炭政策が、産炭地の各地域において影響がこういう形であらわれている、これに対して政府はどういう措置をするかということを中心に伺ってまいりたいと思います。  策一点でありますけれども、これは政府の閣議の決定にもあったことでありますが、石炭政策の今後の基本方針として、石炭の需要の拡大をはかっていかなければならないというのが、やはり基本問題だろうと思います。最近石炭が少し足りなくなったとかいって、石炭の合理化の問題も解決してしまったのじゃないかというような世上の印象でございますが、実際の問題はそうではないので、産炭地の地域の影響というのは、先ほど申し上げたように非常に甚大なんです。  そこでまず第一点は、石炭の需要拡大について一番大切なことは、電力とか鉄鋼、ガスなどにおける長期の引き取り体制、この問題を確立することが非常に重要だと思いますので、この点と、またそれに関連をして、火力発電の計画あるいは石炭化学の設置、こういうような恒久態勢も、当然これは考慮されなくてはならない。こういう点について、まずどういうような経過になっておるか、今後の方針はどうなのか、この点を伺いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 お説のように、この需要の問題は非常に大事でありまして、われわれとしても非常に苦心をいたしておるところでありますが、五千五百万トンという需給の関係、これは私は将来にわたっても不動の姿でもってそれだけの需要を確保する、またもちろん供給は確保するということでいかなければならぬ、このいう方針であります。それが一時的な事情で、事実ことしは五千二百万トンであったり、あるいは来年は五千四百万トンしか出ないからといって、それでもう石炭はその程度でいいのだというような感じでは見ておりません。いやしくも政治でこういうことをやりますとはっきり言った以上は、やはり政治に対する信頼感を持たせるという意味からいっても、この数字は非常に大事だと思っております。  そこで、さしあたり一番問題は、供給の面も実は問題でありますが、むしろ需要の面のほうがたいへんな問題でありますので、いまあなたの言われたように、電力、鉄鋼というような方面における需要の確保ということは、非常に大事だと思います。  そこで電力でありますが、電力の問題になりますと、これは何といっても火力発電をどれだけ——しかも石炭を使う火力発電をどうしてやっていくかということでありますけれども、九電力との関係及び電発その他との関係、いろいろ総合勘案いたしまして、やはりこの際は電発をして火力発電を行なわす、そしてその電力を九電力に供給する姿で行なうのがよかろう、こういう形で、今回の予算におきましても五十八億円の電発に対する政府資金を供給し、これが対策に大きく一歩踏み出しておるわけであります。将来は、どうしても電力で五千五百万トンのうちで三千万トンくらいは使わせる。さしあたり四十二年には二千五百五十万トンという数字を出しておりますが、将来三千万トンということであります。  鉄鋼のほうは、これはいまのところ、鉄鋼自体の生産が飛躍的に伸びております。したがって、私は、鉄鋼の需要がここ数年間にそれほど激減するとは思いません。この方面も、大体順調に予定のごとく需要が維持されるものと期待をいたしておるのでありますが、いずれにいたしましても、そういうふうな石炭を直接燃料として使う分については、そういうふうにいたしております。  また、最後に御質問のありました石炭を燃料としないで、原料として使う研究はどうなのかということでありますが、これもいませっかく技術院その他をして調査をいたさせておるようなわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 もっとこの点についても伺いたいのですが、何しろ時間が三十分なのでちょっと伺えないのでありますが、需要の問題はいま一応答弁がありましたにしても、供給の問題ですね、ことしは五千五百万トンの目標達成ができますか。私はどうも五千五百万トンが心配になっているわけなんです。というのは、政府の合理化計画が政府がお考えになっている計画以上に進行したといいますか、人員の整理なんかはすでに四十二年度の分まで進んでしまったということになってまいりまして、そのために、供給というか、生産の面ではむしろ思ったような状態にならない。そこで私非常にこれは矛盾があると思うのですが、石炭の合理化計画に基づいて、人員の整理だけは四十二年度までになっている。ところが、合理化の計画は四十二年度までですから、四十二年度までに起こるであろういろいろな計画というものは、依然として四十二年度までかかってやる。人員の整理だけ先に進んでしまった。ここで当然政策上の矛盾なりギャップがあらわれてくるわけですね。こういう点は一体どういうようにされるのか。その点は供給の問題に非常に関係のあることだと思うのだが、この点ももっと深く伺いたいのですけれども、この一点だけ伺って、ポイントだけひとつお答えを願いたいと思います。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 先ほど大臣からお答えいただきましたように、本年度遺憾ながら五千二百万トンという見通しでございまして、これはちょっとお考えいただきますと御理解いただけると思うのでございますけれども、三十七年という姿は、ちょうど四月にいろいろな問題が起こりまして、そのあと十一月まで労使休戦と申しますか、調査団の答申待ちということで、約一年ばかりそのままの状況で推移をいたしたわけでございまして、何と申しますか、うみにうんだ全体の姿が三十八年度でどっと出てきたというふうな見方もあろうかと思うような年でございました、三十八年度は、合理化の線ではまことにきびしい峠を歩いたという形に相なっておりまして、その関係でやはり、いろいろな労使の話し合いもございますし、その面での減産がかなりございましたわけであります。それとともに、御承知のように、秋に三池の問題で、百万トンの減産がございました。それやこれやまことに言いわけがましい話でございますが、三十八年度の見通しでは、五千二百万トンという形にならざるを得ないと考えております。ただ、この三十八年度、非常にきびしい、何と申しますか、病める石炭鉱業のこの一年を見て、将来の問題がどうこうということは私はないと考えております。もちろん、人の問題につきましては、若干将来に問題を残すのではなかろうかということで、現在いろいろ克明にその点の検討を加えておりますけれども、来年度それでは一体どうなるかという問題は、いま検討中でございまして、結論から申しまして、四十二年度五千五巨万トンと申しますこの基本のラインにつきましては、私ども確信を持って進めてまいるというつもりでおりますので、御了承いただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 いま三池の例とか、いわゆる労使の休戦とか、そういう問題が一つ大きな問題だとおっしゃったけれども、やはり根本的には、石炭の合理化の政策を労働者の整理ということに置いたといういわゆる政府の石炭政策の根本的な欠陥、それがこういう形であらわれてきているので、来年度においても、五千五百万トン確保というのは必ずしも私は保証できるものではないということであって、いわゆる労働者に一切の犠牲を負わせることによって合理化を進めたその政策の失敗が、こういう形であらわれたのだという事実だけを私は指摘をいたしまして、次の質問に入ってまいります。  続いて申し上げますが、時間がないから言うのですが、産炭地振興計画について二、三伺ってまいりたいと思います。  産炭地振興計画については、こういうように通産省は決定された振興計画もあるわけですが、これだけ見ていると、なかなかりっぱなことがたくさん書いてありまして、産炭地のこのみじめな状態がまるで夢のようにきれいになるように書いてありますけれども、これは絵にかいたもちであって、実際はこういうようには振興してないというのは、これはもう福田さんもお認めにならざるを得ないと思うのだが、こういう点は一体どうなんでございますか。もっと具体的に伺いますけれども、たとえば通産省の振興計画によると、北海道の石狩地区の場合では、昭和四十二年には昭和三十五年に比べて工業生産量が倍になる。したがって、そこに四千人の雇用の増大の可能性ができてくるというような、非常に夢のようなことを書いてありますが、これは一体この計画どおりいけるのでございますか、もう少しこの辺を伺っておきたいと思います。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 いまお話のございました産炭地振興実施計画でございますが、昨年の秋に御決定をいただきましたわけでございます。その計画自体、産炭地振興の基本方針、あるいは鉱工業の誘致に関する事項というふうに、一つの目安といたしまして、私どもそこに目標を置いて現実の行政を進めてまいりたいということでやっておるわけでございまして、しかし、それは目安でありますとともに、決して架空なものではないと考えております。直接そのこと自体と予算と直結はいたしておりませんけれども、民間の投資そのほか、いま全般の投資からそのくらいのところにやっていかなければ相ならぬというふうな目安といたしまして私ども仕事を進めておる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 目安としてお進めになるのでしょうが、まさに目安であって、これはどうも計画それ自体は私もなかなかきれいな計画であると思うが、まさに目安に終わってしまうのではないかと私は心配します。というのは、いまも石狩の例をあげましたが、この文章を見ると、石狩には機械工業、木材工業、化学工業、石炭を使う産業、農産加工、畜産、 コンクリート、なかなか盛りだくさんに書いてあるが、これはほとんどまだ手がついているものはないじゃありませんか。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 いま石狩の問題についてお話がございましたが、いまおあげいただきましたものは、それぞれみな芽は出かかっておりまして、石灰の関係、あるいは木材の問題は、道のほうも推奨いたしまして計画を進めておりまするし、目安だけでなくて、やはり物事は、まあ御満足はいただいておらぬと思いますが、進んでおるということで、せっかく努力いたしておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それは主として先ほど答弁の中にもあったように、民間企業を含めてこういうことを考えるということを考えておられるようですが、やはり民間企業をそこへ持っていくためには、政府がはっきりした方針を待つこと、政府がはっきりした方針を持つためには、その保証を政府が明らかにする。その保証を明らかにするためには、政府の関係企業というものをまずはっきり置くことですよ。それはすでに閣議の決定でも、石狩の場合にきまっているはずなんだ。それさえもいまだにおつくりになっておらない。具体的な方針ができておらない。セラミック・ブロックの具体的な方針がまだきまっておらぬようでありますが、このセラミック・ブロックを中心とする問題はどうなっておるのか、その点をひとつ具体的にお話しを伺いたい。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 美唄の問題は、非常に急を要する問題でございます。御承知のように、閣議でいろいろな措置を御決定いただきました。具体的な問題といたしましては、いまお話のあったセラミックの工場を、とにかく政府関係工場として——これはいろいろお話もございましょうが、実際問題としてはなかなかむずかしい問題があるわけでございます。これは政府関係工場であればさっと持っていけるじゃないか、営利性も考えなくていいじゃないかという御議論もあろうかと思いますが、しかし、行政上その他各般の問題を考慮いたしますと、私どもといたしましては、政府関係工場ではないということで、やむを得ず政府関係工場に準ずるような姿でのセラミック工場の計画を進めておるわけでござごます。その後の状況をちょっと御説明申し上げますと、若干道内の同業者のほうからいろいろなお話もございますので、それとよく協調をとりながら進めていかなければならぬということになっておりまして、現在道を通じ、また産炭地域振興事業団からも足を運びまして、道内の同業者との関連で話を進めております。近くそれも決定をいたす予定に相なっておりますので、もうしばらく御猶予をいただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 通産大臣に伺っておきたいのですが、このセラミックの問題は、すでに閣議決定でもありますし、いまさら既定方針を変えるということはないと思うのですが、この点が第一点。  それから第二の点は、それならば、早く説得するなら説得して、発足することを明確にしてもらわないと、その関係市町村のほうで困ってしまうわけです。だから、この点は大臣からはっきり御答弁を願っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 このセラミックの問題でございますが、これはいまわれわれとしては、時期はおくれておりますけれども、順調に進んでおる、こう思っておるわけです。そしてまた、そういうふうに進めさせております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 これは取りやめるということはありませんですね。この点はひとつ伺っておきたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 ただいまそのようなことは考えておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それでは順調にというのは、大体年度内に見通しがつくということですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 そのように考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それでは年度内、ちょうど北海道は……。(福田(一)国務大臣「年度内というと三月、それはちょっと無理だな」と呼ぶ)春になって雪が解けたときに着工できるようにしなければ、雪が降ったら、北海道は仕事できませんからね。だから、雪が解けるとともに仕事が着工になるように、工場の建設とか、そういうことができるようにひとつやっていただかないと、これは看板倒れになってしまいますから、その点ははっきりしておいていただきたいと思いますが、局長でもどちらでもけっこうです。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 冬場はずっと工事もできませんという点と、先ほど申しました道内の同業者との関係もございまして、年内、この昭和三十九暦年内には何とか目鼻をつけたい、そのように努力いたしたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 年内というとだいぶ気の長い話ですが、雪の降る前の年内という意味なんでしょうか。それは年内に操業ができるようにしたい、こういう意味ですか。それとも、年内に建てることをきめたいという意味なんですか。そこら辺はっきりしてもらわないと、少なくとも年内に操業ができるということでなければ、これはちょっと政府の熱意を疑うことになりますから、そこの点はっきりしてください。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 一番苦慮しておりますのは、道内の同業者との関係でございまして、相手のある仕事でありますけれども、せっかく閣議決定も行なわれた非常に重要な施策でございますので、年内に操業できるように努力をいたしたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それでは雪の降る前の年内に操業ができるというように一応御答弁があったとして私は活を進めますが、こういう点でも関連して出てくるのですが、こういう企業誘致の場合に、市場の問題というのは、非常に関係が出てくるわけなんです。特にこの市場の問題で競合するということになってまいりますと、思うようにいかない。特に誘致された企業が中小企業である場合、せっかく誘致した企業それ自体の存続が問題になるという場合が出てくる。こういう点は、企業誘致をしたんだ、したんだといって騒いでおったが、その企業それ自体がつぶれてしまったという場合も、相当考慮されなければならない問題で、こういう点についての石炭局長としての指導の方針なり、そういう点を少し伺っておきたいと思います。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 いまお話しのように、いままで石炭産業のあったところにかわって企業がくるという場合には、かなり前びろに各般の準備をしなければならぬと思いますが、そういう準備が終わって企業がまいります際にも、むしろくるときの最初の融資とかなんとかいうことよりも、いま先生お話のございました市場性と申しますか、市場としての、そのあと存続していくための諸条件ということのほうが問題であろうと思うわけでございます。  その場合に、従来の中小企業関係では、いろいろ相ともにはかりながら生産調整あるいは市場の割り振りをやっておりますので、その中に同じような企業が出ますと、かなり問題を生ずるわけであります。この面は、通産のそれぞれの物資行政の中で、特に産炭地振興についてはその点はよく考えていかなければならぬということで、それぞれ省内でいろいろ話し合いをいたしながら順次進めております。確かに先生のおっしゃる点は、一つの企業誘致のポイントであるというふうに思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 これは大臣十分御配慮を願わないと、中小企業で、企業誘致をしましたが、半年でつぶれてしまった、こういう相当憂慮される場合があるのです。これは企業誘致の場合も、そういう点を十分お考えいただくように、特に大臣にも見解を伺っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 確かに、仕事は始めたわ、すぐつぶれたわでは意味がないのでありますから、そういう供給面といいますか、需要面のほうの話も、十分考えながら仕事を始めるように進めさせたいと思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 やはり企業誘致のために、そういう点と、もう一つは、関係産炭地市町村は財政的にも非常に苦しいのですから、そういう企業を誘致する場合において、中小企業のそういう問題だけではなくて、いわゆる事業団の先行投資の問題です。こういう点で、市町村に対して援助をしてやるという形を早くとりませんといけないわけなんで、そういう点では、通産省としては大臣もそういう方針であるように伺っておるのですけれども、北海道だけは先行投資を押えているわけなんです。一体それはどういうわけなんですか。ここの事情をひとつ伺っておきたいのですが、たとえば事業団が整地をやるという場合に、北海道の先行投資についてはまだ押えている。これは北海道は雪の降る関係がありますので、早く方針を出していただかないと困るのですが、この点伺っておきたい。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 産炭地域振興事業団の土地造成の問題に関連いたしまして、北海道の投資を押えておるというお話でございます。私どもさようなことは聞いておりません。そんなことはないと思いますが、ただお話の先行投資ということでございますけれども、これは先生よく御承知のように、土地をつくったけれどもそこにペンペン草がはえるということではいけませんので、その辺はかげんと申しますか、あんばいと申しますか、なかなかむずかしい問題で、そこらを考え合わせながら——すっぱりと先行投資ということでもないのでございます。その辺はよく考えながら土地造成をやっておりますので、いまのお話で、なお具体的な問題で押えているということがございますれば、私もよく調査いたさせまして善処いたします。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 時間がありませんのでどんどん進めますが、美唄の場合なんか、先行投資をまだ押えられているわけです。これはぜひお調べいただきたいと思います。  それから産炭地域振興事業団の融資の手続に、非常に問題があるのです。北海道の場合、五十一件融資申請をしているのですが、いまだに十一件しか許可になっておらないわけです。これは手続に非常に問題があって、一切市中銀行を経由するものですから、市中銀行と同じような融資条件で押えられているために、お金はあるんだけれども貸さない、事業団からいえば。それからお金はほしいんだけれどももらえない、こういう関係がありまして、これについても、いろいろお考えを願いたいと思うのです。  その点が一点と、それから産炭地地域において、中小商工業者で、炭鉱がつぶれたために、売り掛け金が焦げつきになってしまって、それのために動きたくても動けないという人がずいぶんあるのです。やはりこれについての特別の措置を考えていかなければ、産炭地全体の影響から見て、影響は非常に深刻なものがあるわけです。こういう点も、この際思い切った措置をとらなければ、たとえば国民金融公庫に対して道があいておりますとか、中小企業金融公庫に道があいておりますとかおっしゃいますけれども、実際は、これは実態をごらんになればわかるのですが、ほとんど利用されてないのです。利用されてないというのも、融資の条件が非常にむずかしくて、担保物件がどうなるとかこうなるとかいうことになりますと、そういう中小企業は非常に困っている状態ですから、担保物件も思うようにならないというような実情がありますだけ、これはよほど産炭地の中小企業者には特別な配慮をしていきませんと、なかなか解決できないということになりますので、この二つの点を伺っておきたいと思います。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 最初の北海道の事業団の仕事のやり方でございますが、これは北海道のほうが一番事業団の支部といたしましてもおくれて発足をいたしておりますので、その点、具体的な問題を私どもよく調べまして、先生の御趣旨に沿うようにやらしていただきたいと思っています。  二番目の中小商工業者の問題でございますが、これは省内で中小企業庁の関係だと思いますが、私のほうからもよく話をいたしたいと思いますけれども、いまおっしゃるように、融資を使うことと、もう一つは北海道の特色といたしまして、九州に比べて北海道のほうは中小炭鉱の企業に対する未払いと申しますよりも、そこに働いていた労働者自体の未払いが多い。そういう面で、先般せっかくおつくりいただきました信用保証協会の特別な措置ということも、実は北海道のほうは九州のようにはアプライする事件が少ないというようにも聞いております。その点もよく実情を見まして、中小企業庁とよく相談をいたしたいと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 大臣に特に伺っておきたいのですが、第二の問題の中小商工業者、商人なんかの焦げつきの問題、これは保証制度を考えるということも一つですけれども、何か国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫に特別なワクをつくって、そこで特別に考えてあげるという措置をとりませんと、こういう実情なのですよ。たとえばある商人が国民金融公庫からお金を借りたい、こういう場合には、そこの市中銀行を経由するわけですね。そうすると、そこの市中銀行に、いわゆるそこから借りている焦げつきのあれがあるわけですよ。このために、お金は国民金融公庫から、あるいは中小企業公庫から確かに借りた、しかし、銀行の焦げつきに入れられてしまうのです。そうすると、商店それ自身は何にも恩典は出てこないということになっちゃうわけです。こういう点は、よほど特別な措置をして、政府のやっている産炭地のこういう問題ですから、特別なワクを考えて特別に配慮するとか、あるいは保証上の問題を何か特別な配慮をするとか、こういう点は大臣お考えいただかないと あれは金出してやっているじゃないかと言っても、銀行を救済することになってしまうので、これはちょっとうまくないです。この点は、大臣ひとつ御答弁願っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 お説のようなことがあろうかと存じますので、ひとつ研究をさせていただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 研究というのは、よくどこでもそうおっしゃるけれども、私も長い間代議士をやっていますので、研究というものの結果がどうなるかというのは大体わかるのですが、ひとつ前向きで研究していただかないと、研究したがだめでございましたというお話では困るので、実際に火はついているのですから、これはぜひとも積極的に研究をしていただいて、何とか個々の問題を解決できるようにお願いしたいと思います。  それからもう一つ、産炭地の市町村の財政問題で、特別交付金がいま問題になっているのですが、この交付金についても、産炭地の実情をできるだけ反映させるように、通産省といたしましては自治省に交渉すべきだと思うのですが、そこら辺はもう交渉をされておられると思いますが、その点を含めて経過がどうなっているか、ここら辺を少しお答えいただくことと、いまの研究の問題はぜひ前向きで研究していただくように、そしてこの年度内に方針をひとつ出していただくように、三月は一番中小企業者の苦しいときですから、できるだけ早い機会に研究の結果をお知らせいただけるように、ひとつ大臣からもう一度御答弁を願っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 産炭地の商工関係の方が非常に苦しんでおられる実情もわかりますし、いま申されたような事態が起きるであろうことも考えられるわけであります。しかし、政府としては、借りたものを返しちゃいかぬというわけにはいかないわけなんです。そこで、そこいらのところを、これは行政指導とか何かの形で何かくふうはできないかどうかということだと思うのでありまして、別ワクをつくれといっても、すぐこれは法律問題が出てくるのじゃないかと思う。なかなかそこにいろいろいろな問題があろうと思いますから、そういう点が実際にどうなっているかということもまだ私聞いておりませんので、先ほどのようなお答えをしたわけであります。十分考えさしていただきたいと思っております。  なお、産炭地の市町村の財政窮乏等の実情については認識しているわけでありまして、この点については局長から答弁いたさせます。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 お話しの市町村の財政状況は、御指摘のように非常に苦労いたしておりますので、六条指定の問題そのほかで、私どもも自治省によく連絡をしてお願いをいたしております。  なお、特別交付税の件につきましては、特にその中に通常は含まれているのでございますれども、特別に御注意をいただきたいというような問題につきましては、個々の案件についてお話を申し上げておるわけであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 自治省の柴田財政局長が来ています。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それではいまの問題を財政局長に伺っておきたい。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 産炭地の市町村の財政の問題につきましては、私どもも、従来からその実態を把握した上で適切な措置をとるようにつとめてまいっておりますが、私どもの持っております手段としては、交付税計算と地方債しかございません。この二つの手段を使ってできるだけ実態に沿うように、起債のワクの配分につきましても、交付税の計算につきましても、十分配慮してきておるわけであります。毎年相当額のものを見ておりますが、だんだん市町村財政が窮乏の度を加えてきておりますので、今年度におきましても、前年度以上に配慮をしたい、こういうつもりで作業をいたしております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 決定は、大体いつごろになりますか。それからもう一つは地方債の問題、そこら辺をお伺いしたい。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 特別交付税の決定は、地方交付税法の規定によりますと、二月中ということになっておりますが、今年度は、御承知のように現在雪害が出ております。したがいまして、雪害との関係もございまして、ことしは三月に入らざるを得ないのじゃないか。雪害の状況を把握することがやはり必要でありますので、作業がおくれております。  それから地方債の問題につきましては、本年度の地方債につきまして、大体ワクの配分は終わっております。終わっておりますが、特別の問題が出てまいりましたので、もう年度の変わることも近うございますし、本年度のワクでできなければ、来年度早々のワクでもって処置するといったような形でやってまいりたいと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 まだいろいろ伺いたいのですが、どうも時間の制約をされておりますから続けていきますけれども、これは産炭地振興の石狩の計画の中にもあるのですが、夕張の石炭コンビナートの計画で一番支障になっているのは、やはり地下資源の開発が問題になるのです。カーバイドの原料をどこから入手するか。そうすると、地下資源の調査というのが国でもっと積極的に行なわれませんと、わからないわけですよ。地方の道費などで調査している程度では、これはなかなか思うようにならないわけですね。こういう点で、地下資源の調査を国が思い切ってやるということが、必要になってきていると私は思う。これは別に産炭地の振興ばかりでなくて、今後の日本の資源の開発の意味においても重要なんで、これは石炭局長の関係とあるいは違うかもしれないけれども、ここら辺はどうなっているか。  それからもう一つは、産炭地の振興で、夕張の関係ですが、石勝線の関係があるわけですね。鉄道監督局長見えておられると思いますが、石勝線があそこで産炭地の離職者を使ってやっていくためには、石勝線の作業はもう始まっているわけですが、紅葉山、夕張の側から仕事していくということが、いま産炭地の計画からいっても必要になってきているわけです。その点は十分御存じだろうと思いますが、その経過等についても、この際伺っておきたいと思います。この二つの点を一緒に。

新井眞一通商産業事務官(石炭局長)

○新井政府委員 夕張のコンビナート計画につきましては、早くからいろいろ私ども考えてやっておるわけでございますが、特に北炭と電気化学のほうでカーバイドというような計画を、企業化計画によりましてそういう問題に取り組んでいるわけでありますが、さしずめ苫小牧のほうにセメント工場をつくるというのがむしろ先にきまりそうでございまして、そのあと、カーバイドの問題につきましてはいま検討中でございますが、いまお話のそのための原材料としての資源調査という点はどうだというお話でございますが、この点につきましては、いま産炭地域振興事業団で委託調査費というのがございますので、それで使えるか使えないか、その点を少し前向きで検討いたしたいと思います。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局長)

○廣瀬政府委員 石勝線の関係でございますが、これは現在着工線となっておりまして、いま御指摘ございましたように、狩勝隧道のほうを現在着工しておりますが、その他の区間も産炭地振興とももちろん関係がございますが、そのほかに、もちろん鉄道本来としてもこれは重要な路線でございまして、現在航空測量をやっており、その他の残余の区間もいずれ早急に着工いたしたい。なお来年度からは公団方式によって推進いたしますので、従来よりもスピードが上がるだろうと思います。従来よりも資金量もふえておりますので、鉄道側としましても、これは早急に着工したい区間であります。推進をいたします。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 では、鉄道の側としては、紅葉山のほうから着工したいという考えであるということになりますか。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局長)

○廣瀬政府委員 先ほど申し上げましたように、現在狩勝隧道側をやっておりますが、残余の区間も早急に清工いたしたいと考えております。なお、鉄道建設審議会の関係もございますが、事務的には早急に進めたいと思っております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 時間が過ぎておりますから、そろそろ結論に入ってください。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それでは主査から御催促がありましたので、どんどん進めますが、一番大きな問題は、炭鉱離職者対策の問題でございまして、これは大橋労働大臣に二、三伺っていかなければならない問題でございます。  そこで、三十八年度末で全国の未就職者、こういうのはまだ相当あるようでございますが、これは全国的に見て、北海道と両方見て、どれくらいの数字が残っているのか、この点をまず伺いたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府委員から申し上げます。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 昨年の十一月末現在で二万三千九百人でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 北海道の場合は。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 三千百七十人です。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 私のほうで調べているのでは一万三千なんですが、ちょっと一万が落ちたのじゃないかと思うのですが……。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 それは、合理化解雇以外の者も含めた数字だと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それからもう一つは、政府機関への離職者の吸収というのが、これは閣議の決定でもあるのですが、どれくらいしているのか、その点伺いたい。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 これも同じく十一月末現在では、一千六百五十一人でございますが、年度末までにはおおむね二千五百人ほどは吸収できると思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 それは全国の数字ですか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 全国です。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 北海道の場合には、政府関係機関の吸収は百三十七なんですよ。それで、たとえば私のほうは未就職者は一万三千と見て、これは計算の基準が違うとしても、あなたのおっしゃるようにたとえば三千としても、百三十七ぐらいしか吸収できないのではこれは話にならないのですが、この辺はどうなっているのですか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 もともと政府機関の雇用予定数は二千八百名でございまして、これに対しまして三十八年度に新規に求職者となって離職者があらわれてくる数は四万三百人、こういう数字を予定しておりますので、そのうちの二千八百という関係で、政府機関に雇い入れる数は、比率は非常に少ないわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 一番問題になるのは、未就職者のほとんど大半が中高年齢層であるということです。そうすると、就職したくてもできないわけです。こういう点が一番問題になるのですが、就職したくてもできない。しかも、御承知のように、職安法によって失業保険が一年間である。そうすると、それではそのあとどうやって食っていくのかという問題になってくるのですが、あなたのほうの御答弁は、きっとこういうことを言うだろうと思う。そのために雇用促進手当がございまして、そっちのほうに回しますとおっしゃるだろうと思うのですけれども、雇用促進手当というのは、御承知のように一日四百五十円で、これではとてもやっていけないわけです。とりあえず当面の対策として大臣にぜひ伺っておきたいのは、失業保険の給付期間の延長です。これは大臣の権限でできることなんです。三カ月ごとに延長できるのです。当面、少なくとも給付期間の延長ということを考える必要があると思うのです。これについては大臣どうですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 その措置につきましては、その個々のケースにあたりまして、すでに実行中でございます。   〔主査退席、淡谷主査代理着席〕

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 私も実行中であることは知っておりますが、全面的にこれを適用されていないことも事実なのです。これは、炭鉱離職者に関する限りは少なくとも全面的に適用しませんと、失業率というパーセンテージをつくって、その中でこの基準にはまるかはまらないかということでやっているのですが、そうなりますと、炭鉱離職者の場合に、ほかの離職者との関係からいって、離職者ではあるが、その実施中のものの恩典を受けられない場合が起こってくるわけです。ですから、そういう基準というものではなくて、炭鉱離職者に対してはすべて適用するという形をとりませんと、これは非常に不公平になってくると思うのですが、この点はどうですか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 離職者に全部一律に延長措置をとるということは、失業保険法のたてまえ上やっておりませんが、ことに失業保険の期限が切れてもなおかつ就職ができないという場合には、先ほどお話の就職促進手当の制度で三年間カバーしておる。その間に早く就職すれば、奨励金制度も今度新しく創設してまいったわけでございます。現に一年以内で就職をする者が、最近の手帳保持者の実績から見ますと九三・五%という数字になっておりますので、この一面から見ましても、失業保険金制度を一律に延ばしていくという趣旨で運用するということはどうかと思っている次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 しかし、離職者が、たとえば例をあげますけれども、一つの町にいる場合には離職者には給付延長が行なわれ、隣りの町にはその適用がない。それで、これは実施できないという場合が、当然起こってくるわけですね。同じ離職者であってそういうような矛盾した問題が起こるということは、ひとつお考え願わなければならぬ。特に炭鉱地帯なんか、皆さん御存じのように、たまたま炭鉱の住宅が隣の町とつながっておって、こっちの住居にいるためにもらえない、こっちの住居にいるためにもらえるという場合が出てくるのです。そういう点については、やはり考えてもらわなくちゃならぬ。それは局長のおっしゃるように、全面的に適用できないということなんか、私もよく知っていますよ。知っているけれども、そういう点は、政府のやっておる石炭政策の犠牲者として出ているんですから、こういう点はひとつお考え願わなければ、ただ画一的にそういうことを言われたんでは、われわれとしても納得ができないのですが、こういう点もう少しお考えいただきたいと思います。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 大体いま御指摘のような点はカバーするような地域指定をやっておるのですが、きわめて例外的にはそういうケースが出てきておるかと思います。しかし、問題は、これら  のケースにつきましても、一日も早く再就職をさせるということが問題でございますので、その面でせっかく努力をいたしたいと思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 再就職をあなた方が保証してくれるのはいいけれども、いままでできないじゃないですか。まだ先ほどおっしゃったような未就職者が残っておるのですから……。  しかし、これはあまり長くやっているわけにもいきませんので、続いて次にまいりますが、生活保護費と比べて、雇用促進手当というのが安いわけですね。これはそうでしょう。もちろん場所によってはですよ。たとえば札幌なんかの場合には、生活保護をもらっているのは、人数にもよるけれども、大体二万円ぐらいなんです。四百五十円でいくと、三十日として一万四、五千円、生活保護費より悪いということになるんですよ。こういうことではお話にならないじゃありませんか。大臣、この点どうなんですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 この点は、昨年の通常国会においていろいろな経緯があってこの金額がきまっていることは、御承知のとおりであります。私どものほうでは、決してこの金額は十分ではございませんので、この制度を盛んに活用するというよりは、すみやかに再就職をお世話しまして、この制度に依存しないで済むようにしたいという心がけでやっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 しかし、現実にこれをもらって生活している人もいるんですから、こういう人に対してはどういう措置を講ずるかということなんです。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 生活保護基準との比較は、これは世帯単位とこういうあれでは、比較ができないのですが、私どもの考え方では、いまの促進手当プラス若干の扶養家族手当がついておりますので、最高一万五千円を大体六、七割程度いただいておると思いますが、そういう程度で就職の促進期間の生活の安定をはかっていくということで、当面はまずまず生活の安定がはかれるんじゃないか、こういうふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 これでは生活の安定はできないですよ、実際は。安定などということばを局長おっしゃったけれども、およそ安定どころの話じゃない、食えるか食えないか、生きるか死ぬかですよ。そんなことで安定なんかできないわけなんで、これは大臣のおっしゃるとおりだと思う。そこで、こういう実際もらっている人に対しては、やはり特別の便宜を考えるべきだ。これは大臣ひとつお考え願いたいと思うわけです。札幌市では、こういう人の場合には市町村民税を免税する。そういうことまで特別な措置を講じているわけです。しかし、それは札幌の場合には特別にやられたわけであって、やはり国としては行政的な内面指導というか、そういう面において、地方税の免税とか、そういう措置も考えてあげるように指導する必要があると思うのですが、こういう点はどうでございますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 まことに適切な措置であると考えまするが、よく自治省とも相談いたしまして、そういう方法も実行できるようにいたしたいと思います。ただし、それだけでむろん解決する問題ではございませんので、職業安定局を督励いたしまして、安定職場がない場合においても、何らか内職的なものあるいは臨時の手伝いなり、できるだけそういった仕事でも優先的にお世話して、少しでも収入の道をはかってあげるようにすることも必要かと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷主査代理 岡田君に申し上げますが、もう予定の時間を二十分ほど経過しておりますから……。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 もう一問か二問で終わります。  もう一つ、これは非常に重大な問題なんですが、企業誘致をした場合に、その企業誘致をした産業の賃金ですね。先ほどから局長が安定安定とおっしゃるけれども、実際問題として、企業誘致はしたが、そこで炭鉱離職者が雇用される場合に賃金が非常に安いために、労働者はそこに吸収できない、こういう矛盾が起こっているわけです。こういう点はよほどお考えにならないと、これはあまりこまかいことを私は言う必要はないが、法律の規定によっても、それから閣議の決定によっても、炭鉱の合理化による犠牲者というのはその後の生活の安定を保障するように努力するということを再三きめているのに、実際問題としては離職者が吸収できない、そのことが、中高年齢層が滞留をしているという大きな原因の一つになっているのです。この点については、企業誘致の場合に、最低生活が保障できるような条件というものを、労働省がその会社に対してできるだけ勧奨をするということを努力されないと、さあ工場はできたがさっぱり就職はできないというような問題が起こってまいります。たとえば、北海道にそういう例がたくさんあるのです。一方において炭鉱離職者が滞留をしているが、片方において工場はあるけれども、工場では労働者の吸収ができない。こっちのほうは人が足りない。こっちのほうは滞留している、こういう問題が起こっているのです。こういう点についてもっと具体的な措置をおとりになることを、ひとつ具体的に伺いたいのですが、ここら辺は一体どうなっているのですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 誘致産業は、どちらかと申しますと、わりあいに労働力が豊富で、賃金も安くて、必要な労働力が得られるだろうというような安易な考え方で産炭地へ入り込むのが、実際多いのではないかと思います。その場合におきまして、誘致産業が吸収いたしまする労働力というものは、いわゆる炭鉱離職者の労働力である場合よりは、多くはその家族子弟の労働力ということでございまして、誘致産業を誘致したほうの考え方と入り込んでくる経営者のほうの考え方が、需要する労働力の面において現実に食い違いがあるということを各地で聞いております。その誘致産業の賃金が、地方の同種の産業に比べてそれでも特別に安いというような場合がございましたならば、これについては、また私どものほうといたしましても、できるだけ誘致の趣旨から申しまして、行政的に指導をするようにいたしたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田分科員 これは大臣御存じだろうと思うのだけれども、特別に安いのです。たとえば北海道美唄の北洋繊維という縫製品工場ですが、あれに対しては採用予定者は女が百三十人、勇が二十五人です。これに応募したのは、入社の申し込みが現在女のほうは百三十人に対して五十二名、男は二十五人に対して十八人ですよ。ところが一方で、先ほど申し上げたように、炭鉱の離職者は三井美唄にたくさん滞留しているのです。どうしてこういう状態が起こったかといったら、日給三百円ですよ。これは三百円じゃ来ないですよ。こういう問題があるからこれを指導してもらわなくちゃならないと私は言っているんですよ。三百円じゃ月一万円にならないんでしょうが。いかに女の子だからといっても、一万円にならないところで、九千円か八千円くらいのところで働けといったところが集まらないですよ。こういう点は、法律上の規定もあるんです。私、時間がないから、あんまりこまかいことを言いませんけれども、やはり労働省のほうははっきりそういうことについて、その会社に対して方針を出して、内面指導をやっていただかないと、これはやっていけないんですよ。そういう点をひとつはっきり申し上げておきます。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 具体的な例を指摘いただきましてたいへんありがとうございます。さっそく調査いたします。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 あとこれだけで終わりますが、先ほどから離職者の雇用をできるだけ促進するようにいたしますというあれですが、やはり職業訓練をやらない限りは、中高年齢層はどっかへ入れますといったって、なかなか入らないでしょう。それで、この職業訓練制度というものをもっと拡充してやっていくということがぜひとも必要になってきておる。これは北海道の場合は非常に重要だということが一つ。  第二の点は住宅問題ですね。北海道の場合には、三十八年度六百戸、ところが、私が調べてみると、この六百戸の中で、実際一月の二十八日現在で入っておるのは百七戸ですよ。約五百戸があいているんです。どうしてこれはあいているんですかというと、建てた場所が悪いのです。どうしてこういうところへ建てたかという問題になるわけです。札幌から十キロ以上離れておりますから、そういう山の中へ建てて、さあ、あなた方離職者だからここへお入りなさいと言われても、入れないのです。しかも、あなたは御存じのように、これは一年間で移らなくちゃならないでしょう。一年間で移るんだったら、一年間遠いところへ入って、それからまたうちをさがさなくちゃならないでしょう、これは政府の方針に不十分さがあるのですよ。  それからもう一つは、先ほど雇用促進手当でお話をしましたが、生活が安定しておらないだけに、家賃が高いんです。大体三千円くらいでしょう。そうすると、たとえば二万円給料をもらっておった人も三千円取られるのですから、これではやっていけないんです。それくらいなら、初めから札幌の市内のまん中で、交通費のかからないところをさがすということになるのです。ですから、住宅問題については、入らないからもういいでしょうというのではなくて、その住宅の場所を考えていただかなくてはならない。私は、これについてまだ詳しく知っているのですが、言わないのです。この場所は北炭の土地だ。北炭の土地というところにいろいろ問題があるのですよ。私、これ以上言いませんけれども、問題はあるんですよ。不便なところに、わざわざ北炭の土地を使ってこういうことをやった。しかし、炭鉱離職者の住宅をここへつくりました、しかしそこは入りません。ですから、新年度においては北海道の住宅建設は減らします、これは困ります。これは、政府の方針が私から言えば間違っていたんだから、住宅問題はこういうようにすべきだと私は具体的に言いますが、やはり江別市の野幌というところへつくった五百二十戸ですか、この五百二十戸をあすこへ固めて建てるんではなくて、新年度は炭鉱の離職者がちらばっている地域に分けて建設すべきなのです。たとえば苫小牧とか旭川とか室蘭とか、それから札幌でも市内とか、こういうように分けて、五百戸を全部一カ所に建てるのではなくて、そういう形で分けて建てることによってこれは吸収ができるのですよ。しかも、地理的にはいま申し上げたような点を御考慮願って建てられることが必要だと思いますので、こういう点も含めて伺っておきたいと思います。  時間がないので、私はこの程度で終わります。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 私は、札幌の住宅のお話をいま承っておりましたが、かようなことは全国にもまれに見る例外でございまして、各地の炭鉱住宅はほとんど満員の盛況でございます。したがいまして、私は政府の方針が悪いというのではなくて、どうも北海道の地方機関において政府の方針を十分にそしゃくできなかったという遺憾な点があるのじゃないかと思いますが、いずれにいたしましても、北海道の住宅の建設につきましては、明年度以降十分に反省する必要があると存じます。またいろいろ御意見等もございましたら、具体的に詳細お漏らしいただきましたならば、たいへんしあわせに存じます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これでお終わります。  北海道だけはまれに見る状態であるとおっしゃったが、まれに見るようなことを政府がおやりになったからなんです。札幌から十数キロも離れた隣の市につくって、そういうまれに見るようなことをおやりになるから、集まらない。しかもその場所は——私一言いませんよ。北炭の土地を使っているという、まれに見るようなことをなさるからこういうことになるのですよ。これは坪幾らでお賢いになったか、そこら辺ももっと具体的に時間があれば伺いますが、そういうことをやっているからこれは入らないのですよ。まれに見るのは、北海道の炭鉱離職者が悪いのではなくて、政府がまれに見ることをしたからですよ。そういうことなんですよ。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷主査代理 これにて岡田春夫君の質疑は終わりました。  次に松浦周太郎君。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)分科員 福田通産大臣が参議院の本会議に行っておられる間の場つなぎに呼び出しまして恐縮ですが、休憩しておるとまた集めるのに時間がかかるものですから、場つなぎにやるということになったのです。しかし、問題は重要であります。  問題は三点であります。それは、飼料の問題、羊毛、肉類、この三つの輸入をしておるものを自給する方法はないか。いわゆる草地改良、濃厚飼料畑の開拓、大規模の草地改良に対する公団方式の問題に結論を考えておるのであります。  それにつきまして、大体この統計は農林省や企画庁の統計をもってやったのです。いろいろ見方が違いますけれども、まず飼料の輸入、これは、一々聞きますと時間がかかりますから、こっちから申し上げますから、食糧庁長官と畜産局長はひとつよく聞いてもらいたい。  十二月末で五百二十七万四千トン、その金額は大体千百八十億円になります。ドルに見積もれば三億二千万ドル。それから肉類、これは十二月末ですから第三・四半期までで、あと第四・四半期がありますから、今年は六万トンになるのではないかと考えられる。肉類は五万二千八百二十二トン、これは昨年の三万三千九百六十七トンに比較するならば、五八%の増であります。さっきの飼料は五〇%増であります。前年は四百万トン、今年は六百万トンになるとするならば、これは五〇%増であります。卵は、昨年十七トンでありましたが、今年の十二月までは六十四トン、これは約四倍に達しております。羊毛の問題、これは十二月までに大体二百三十九万七百三十六トンでありますが、これは農林省のほうでは、これに原毛のみならずその他の皮革なども入っておるようでありますから、きのう繊維局長のほうに調べますというと、絶対の原毛量は百八十万トンであるといっておりまして、大体、これが三億五千万ドルに該当するといっておりますが、これらのものを一応計算してみると、飼料は、千百八十一億円、肉類は六十五億円、卵は三千万円、原毛は、千二百九十九億円、合計二千五百四十五億三千万円、ドルに直せば七億七千万ドルということになります。この数字は、食糧庁並びに畜産局その他はお認めになりますか。

桧垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○桧垣政府委員 飼料の輸入量は、大体の先生のお話は……。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)分科員 きっちりじゃなくていいのですよ。大体の数字が合っていればいいのです。

桧垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○桧垣政府委員 大体合っておると思いますが、三十八年、ことしの数字、六百万トンとおっしゃいましたが、私のほうで飼料の原料形態で見まして、四月末までの見込みで五百二十七万トン程度というふうに見込んでおります。六百万トンまでには三十八年度中にはならないだろう。ただ、金額につきましては、三億二千八百万ドル程度ということになりますので、金額では、先生のお活と似たところがございます。それから、食肉の輸入は、三十八年、暦年で見ますと、これはどこまで入れるかということがございますが、三十七年の三万三千トンという数字は、先生のおっしゃるとおりでございますけれども、三十八年に激増いたしまして、七万六千トンという数字が出ております。そうして金額につきましては、百五億五十三百万円、約二千九百万ドルという数字でございまして、金額のほうは、たしか先生のおっしゃった金額に近いものと考えます。羊毛につきまして、私のほうもちょっと調べたものがございますが、これは通産省のほうで御確認願いたい。それから、鶏卵につきましては、三十七年の数字は先生のおっしゃったとおりでございますが、三十八年につきましては、これもどこまで入れるかでございまして、私のほうは、支那料理用のピ一タンまで加えますと、九十三トンになっている。金額で四千三百万円くらいになっておりまして、金額のほうは近いものと思いますが、大体そんなところです。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)分科員 数字は多少違うようですけれども、金額については大差はない、むしろ私の方が少ないということでございますが、これはいま問うても直ちに答えられぬと思いますから、資料をもって出してもらいたい点を要求いたします。その前に、食糧庁の方来ておられますか。それでは、日本人の食糧の変化について私の統計を申し上げますから、あなたのほうと違う点を、いまでなくともいいから、あとで書類でもいいです。でん粉と脂肪とたん白の変化の状況です。これは三十一年は、全食糧の中の七四・二%がでん粉です。それから、たん白は大体二二・八%、それから、脂肪が十八・一グラムというものであって、その時分には二千百五十五・五カロリーをとっております。カロリーの数字は少し下がっております。現在は、でん粉が前の七四・二%に対して六七・九%で、でん粉はマイナス六%になっております。たん白は、前の二二・八%に対しまして三三・三%でありますから一〇・二%プラスになっております。脂肪は、十八・一グラムに対して三十一・九グラムでありますから十三グラムふえております。カロリーは百カロリーふえております。これが私どもの過去七カ年の調べたものでありますが、あなたのほうの状況はどうです。時間がありませんから、後でもいいですから数字で出してもらいたい。  その次に申し上げたいのは、これも数字で出してもらいたいのですが、これは畜産局にお願いしたい。先ほど申し上げました飼料の問題に対しまして、飼料の千百八十一億円というものを日本で生産するならば一体何ヘクタールの土地が必要であるかという点を調べておられれば即答してもらいたい。調べてなかったならば、研究して書願で出してもらいたい。私の研究を申し上げますから、聞いておいてもらいたい。それは、私のいままでの、北海道及びその他の地方でライ麦、燕麦あるいは牧草その他の粗飼料や濃厚飼料等をやりますというと、これだけの飼料を生産するヘクタールは二百三十六万ヘクタール、つまり、二百三十六万町歩というものが必要であると私は思います。それから羊毛千二百九十九億円、これは先ほど三億五千万ドルと申されましたが、それよりさらにプラスになっております。それを最小限度に見て、相当牧草にも肥料をやって、肥沃な飼料を生産することにいたしましても、二百五十万ヘクタールないし三百万ヘクタールを必要とするであろうと私は考えられる。でありますから、農林省の畜産局では、これらのものを自給するならば、どれだけのヘクタールが要るかということは、およそ研究があるだろうと思うのでありますが、それがなかったならば、ひとつ研究して資料で出してもらいたい。私は、これに先ほど申しました肉類等をまぜますというと、大体六百万ヘクタールの新しい土地をつくるのでなければ、日本においてこれらの七億七千万ドルの輸入を自給することができないと思うのです。またそれだけの土地はあるのです。あるけれども、施策をやらないものだから不毛の土地として捨ててあるのが現状なんです。でございますから、ここを見のがしてはならないと私は思います。いまこの資料の中で、六百万町歩ある既墾地の畑の中の二五%ぐらいのものは、これはせっかく麦をやっても去年みたいにはえてしまう、湿度の多い国ですから、これを濃厚飼料にかえるということも一つの農政の変化であると思うが、そういたしましても、最小限度四百五十万町歩くらいのものは新しく草地改良なり、あるいは畑地改良を新しい角度において開拓しなければならないということが、今日の日本の食糧の変化と日本の近代的な農政の上から考えなければならぬ重大なる問題であると私は思うのであります。これに対して林野庁の長官に聞きたいのは、こういう議論は前から行なわれておりまして、特殊土壌、いわゆる火山灰、泥炭地、あるいは海岸線、その他の特殊土壌も入れて、北海道のような平原の雑草地帯というようなところ、あるいは阿蘇山の高原、あるいは長野の高原、東北六県の雑草地帯、高原地帯というようなものを入れれば、十分あるのです。しかし、その中に国有林がやはり三分の一くらいは含まれなければならない。ところが国有林は、前から大臣はいつでも適地は開放すると言っておるが、いよいよここと選定しても、いろいろセクト主義で、あれだこれだといって林野庁の方ではっきりしない例がいろいろあるが、これは思い切ってやるかどうか。それは保安林を無理に切るなんということは言わないと思いますが、それでも必要であれば、保安林でもかえ地をしてやらなければならぬこともある。これは、ひとつ林野庁長官に私は決意を聞いておきたいのであると同時に、農地局長並びに畜産局長は、これらの事業を上からやれという命令があったならば、やるだけの技術と意欲を持っているかどうかということを聞いておきたいのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷主査代理 質問の順序に従いまして、順次答弁を求めます。

田中勉農林技官(食糧庁業務第一部長)

○田中説明員 先ほど先生がおっしゃられました趣旨は、大体そのとおりであります。

桧垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○桧垣政府委員 私のほうも、先ほど質問のございました輸入飼料を国内で自給するとすれば、草地、畑地等でどのくらいて面積を要するかという大ざっぱの試算したものがございますので、なおこまかくはもっと詰めなければいけないと思いますが、御参考までに申し上げてみたいと思います。  現在三十九年度に輸入を予定いたしています飼料の総量を、可消化養分総量に換算いたしまして、それをトウモロコシと大麦で埋めるということで考え、それを三十七年度の平均反収というものを基礎にして算定いたしますと、この場合には約二百万町歩の耕地を必要とするわけでございます。品目別に、輸入を考えておりますものをそれぞれ三十七年の反収を上げるということで考えてまいりますと、約三百万町歩の飼料畑を必要とするということになるようであります。  それから羊毛につきましては、私のほうでは、これは基礎の数字に誤りがあるかもしれませんが、私のほうで承知をいたしております羊毛の三十八年の輸入量約二十四万トンを国内で自給するという場合、国内の綿羊の一頭当たりの産毛量を三・七二キログラムということにいたし、一ヘクタール当たり十頭の飼養をするということで計算をいたしますと、三十八年の輸入量を国内自給する場合に必要な草地面積は六百四十一万ヘクタールというような数字になるようであります。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 林野庁といたしましては、戦後におきましても開拓農地等の造成のために、すでに三十八万ヘクタール以上に及ぶ国有林野を提供いたしまして、農業生産に協力をしてまいったわけでございますが、特に、最近の農業構造改善事業に伴うところの必要な農用地につきましては、これはできる限り積極的にこれを活用してもらいまして、国の農業生産に協力をしてまいりたい、こう考えております。昨年六月でございましたが、特に国有林野の活用について農林省としての方針を明らかにしたわけでございます。ただ国有林町といたしましては、いまも松浦先生のお話にもございましたように、国土の保全、治山治水の面の保安を確保しなければならないという使命もございますし、その他林産物の安定的な供給に寄与していくという使命もそこなうことができないように考えております。そういうような国有林野の機能との調整をはかりながら、一方農用地に提供し得るものは積極的に出していこう、こういう考え方でいるわけでございます。ただ、従来の国有林野の農用地への利用成績を見ますと、必ずしもその当初の目的どおりにそれが利用されていないといううらみもございますので、国土総合利用の上からいいましても、国有林野を利用さすという場合には、はっきりした計画と受け入れ態勢、そういうものの準備が必要ではなかろうかというふうに、私どもとしてはいままでの実績から見まして反省をしておる次第であります。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 お答え申し上げます。  本年度から比較的大きい草地の造成は農地局でやるようになりました。農地局といたしましては、畜産関係は、結局最終的にはその製品が売られなければならない。肉にいたしましても酪農にいたしましても、最終的にそれが売り得る見込みがある計画として成り立つというりっぱなプロジェクトがございますれば、積極的に草地造成のほうではこの仕事を進めてまいりたい、かように思っております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)分科員 通産大臣が見えましたけれでも、もう一問だけしないと結末がつきませんから……。  それでは、せっかく宮澤さんにおいで願いましたから、宮澤さんに二、三点お願い申し上げます。  いま畜産局長が申されましたのは、私の計算より百五十万町歩多いのです。畜産局長は約六百万町歩以上新たに必要とするというようにいわれますが、私は四百五十万町歩、百五十万町歩の開きがあります。一しかし、これは心がけ次第ではできないことはない。なぜならば、日本の民族ほど、土地が狭い国土が狭いといいながら、その持てる国土を粗末に使っている民族はないのです。私は三十カ国くらい諸外国の農業視察をしましたが、日本はつくる田畑のところだけは丁寧にやっておるが、あとは道路の付近でも森林の中でも全部雑草です。全然利用しておりません。そういう国はあまりよその国にはないのです。日本には米をとる農業しかないということです。ところが、さっき申しましたように、国民の食糧内容は超速度に違ってきておるのです。それを全然計画の中に考えないというのがおかしいと私は言うのです。なおさらにこの狭い国土をどれだけ利用しているか。いまの六百万町歩というのは、四つの島で六百万町歩ですが、これは一三%ないし一六%の範囲内——一六%までいっておりません。国土の一五%くらいであります。アメリカのような大きな国で二六%耕しているのです。だから、余剰農産物を世界に出すことができる。ところが日本は一三%で一億人の民族を養おうとしておる。だから、輸入に依存しているものが八億ドル以上になりますか、その中には綿やたばこは全然勘定しておりません。それは自給ができないから、十億ドルあるいは十二億ドルくらいのものをよそから買ってこなければならない。つまり国土の利用をしていないからですよ。私は、もう九%くらいは国土を利用すべきであると思う。スイスでは三十五度ないし四十度の傾斜度まで利一用して、牛が前足を折って草を食べておる。そういうところまでりっぱな牧草にしているのです。そこまでやる気になれば何でもないのです、そこまでやる気になっていないから、よそから輸入しなければならない。それは、政府が施策を行なわないからであります。やるやると口では言っている。しかしやらない。私は与党だけれども、このことだけは宮澤さんにしっかり言っておきたい。なぜならば、総理大臣は、あなたの御存じのように、革命的な農林漁業政策、中小企業政策をやると仰せになっている。これはいいことばです。世界民族の六割までが信じていることばに、初めにことばがあった、ことばは神とともにあった、できたもののうちの一つとしてこれによらざるものはなかったというのが聖書の中に書いてあります。初めにことばがあったのです。総理大臣のことばはだれが言わせたのです。その総理大臣のことばは、あなた方の資料によって言わされたのです。それならば、そのことばに従ってあなたは計画を立てなければいかぬ。その計画を農林大臣、通産大臣は行なわなければならぬ。そこに日本の政治が生まれてこなければならぬ。そうでなければどこに革命があるのです。(笑声)ほんとうですよ。私が言うからあなた方は笑っているのだけれども、野党が言ったらたいへんじゃないですか。ほんとうですよ。私は、このことをきょうは言いたかったのです。  そこであなたに言いたいことは、日本の国土をさらに九%開く方法です。九%開きますと約四百万町歩です。そうすると、従来の穀菽農業に六百万町歩、今後畜産並びに果実、蔬菜農業、あるいは濃厚飼料農業に四百万町歩、合わせて一千万町歩です。一億人に一千万町歩、一人一反、ここまでの計画を立てるならば、それくらいのことをやるならばほんとうの革命といえるのです。赤城農林大臣はある席でこういうことを言われた。一ぺん政府が土地を全部買ってしまって適正規模でやるならばほんとうの革命だ、それが政府の立場ではできないと言われたが、それはそのとおりです。革命ということばを使うならばそうです。そこまでいかないでも、国有林もたくさん持っておるのです。北海道なんかは不毛の地だといって捨ててあるのだが、最近の科学では、火山灰でも泥炭でも重粘土でもどんどんやれるのです。施策さえ行なえばやれる技術が生まれてきているじゃないですか。これをやるお考えがあるかないかということが一点。  それから、今度は経済の面について。これから貿易は毎年毎年よくなるという見通しをあなた方は持っておるが、私の見るところでは、よほどの努力をしない限りコスト・インフレになる。そうしてレジャー・ブームで民族の気分はゆるんできておるのです。民族の気分がゆるんできて緊張していないときには、いい品物はできません。良品廉価とは縁が遠くなり、コスト高の悪いものしかできない。それに世界と競争しなければならぬ非常に深刻な時代に入ってきておりますから、現在の輸入量を続けていくことがようやくなんです。そうであるならば、原料の買い込みを少なくして、それだけを国内でつくるということが国際収支の赤字を縮める方法ではないか、その手を打っておらぬですよ。その手をまず打ったならば、将来五年、六年の後にはさらに黒字が完全にあらわれるのではないか。国外から持ってくる材料を国内の生産においてせめて三分の一でも補うことができたならば、それだけ黒字を早く回復することができるのではないか、この点についてやらなければならぬが、こういう新しい政策を加えた農業構造改善でなければ、農業の青少年は農家に残らないですよ。そこで初めて青少年は将来の農業に対する希望を持つのです。いまのような消極的ないき方では希望を持てないのです。だからこの計画を、革命的政策をやるということを言わせたのは、企画庁長官、あなた方でなければならぬが、立てる意思があるかどうかという点が第二点。  第三点は、もしそれをやるとすれば、いま農地局長は、大規模の土地改良をやることになったと言っておりますが、国営ならばよいが、個人が補助金で草地改良をやる場合には、どうしても施肥あるいは酸性の矯正が一番肝心です。それを草地だからといって怠るものですから、自然によい牧草がとれなくなるから捨ててしまう。補助金をやっても、またもとの山に五、六年たったら戻ってしまう。これを徹底的にやるためには、これはどこの国でも政府にかわる公団、公社のような国策会社でやっております。オランダは干拓院というもので、大臣が干拓院の総裁になっております。そうして、あの三十万町歩、四十万町歩の埋め立てをやった。デンマークの開拓会社も公団であります。スイスの山岳農業も、やはり同様な会社でやっております。だから、そういうことをやる場合に、公社、公団のようなものをつくって、それが国有林であろうと民有林であろうと、あるいは地方有林であろうと全部買い込んで、そうして、建て売り方式で、年賦償還で売ってやるという方法をとらない限り、ただいたずらに国有林を個人に解放して、それはこの間副主査も言っておったが、利権屋が農家の名前を借りてどんどん売り払いさして自分が金をもうけるというようなことをやらしてもしかたがないじゃないですか。そうじゃなくて、こういうもので完全につくって、適正規模で、ちゃんと一定の資格を備えたものに年賦償還で安い金利で売ってやるということでなければ、ほんとうのものはできないのですよ。これはどこへ行ってもそうやっているのです。いま日本でやっている草地改良というものは、大規模の国営をどういうふうにやられるか、そのやり方によりますけれども、やはりそれをやられるにしても、でき上がったものの建て売り方式でない限り、そうでなければ公共用の共同放牧か、あるいは育成牧場か、そういう公共用のものでなければ、個人に三町歩とか五町歩補助してやったものは、よほど監督をよくしてやらなければ、いままでのやり方ならば成功しないのです。その三点について宮澤長官の御意見をお伺いしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 かねて飼料の輸入が非常にふえておるということは気がついておったわけでありますが、たまたま松浦委員の御質問を機会に検討いたしてみますと、たとえば農林省のほうで飼料の輸入が今年度三億三千万ドルというお話でございましたが、かりにその七割ぐらいをトウモロコシと考えますと、トウモロコシの輸入だけで一年にほぼ一億ドルふえておるということでございます。   〔淡谷主査代理退席、仮谷主査代   理着席〕  輸入の中で、たとえば原綿でありますとか、あるいは原油でありますとかいうようなものは、これはわが国で自給することができませんからやむを得ないといたしまして、飼料のごときがトウモロコシだけでも年間に一億ドルふえておるということは、これはゆゆしいことだと思います。改善し得るものは改善しなければ、確かに将来の輸出の見通しを考えましても、わが国の輸出の国民総生産に占める割合がもう何%か伸びませんと、輸出入のバランスすら先々はなかなかむずかしいことになるだろう、ことに、原燃料の輸入がふえることは当然でございますから、輸入の項目の中で自給し得るものは自給をしていきませんと、相当むずかしい問題が起こると思います。さしずめ年間にこれだけふえております飼料などは、まさにその中で改善をしなければならない、またし得る項目だというふうに、これは御質問を契機にいま検討いたしますと、確かにそうだというふうに感じられるわけであります。草地造成についても、いままで多少のことは予算面でやっておりますけれども、全体的に飼料の自給度を高めるということは本格的に検討いたさなければ、国際収支の面からも相当大きな問題になるというふうに感じております。具体的にそれをどういうふうにやるかということにつきましては、農林省に考えていただくわけの問題だと思いますが、この問題をとにかく本格的に提起をしなければならないようなこの二、三年間の趨勢であることは御指摘のとおりだと思います。したがって、そういう問題として真剣にこれは取り組んでみたいというふうに考えます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)分科員 公団をつくらなければできないと思うが、どうですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 そういうことのために公団が必要であるかどうかということは、私専門家でありませんので、実は必ずしもよくわかりませんが、どういうふうにして大規模にそういうことをするかという方途は、確かに速急に研究をしなければならない問題だと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷主査代理 これにて松浦周太郎君の質疑は終わりました。  次に淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 いま松浦分科員から、初めにことばありきということが出てきましたが、ゲーテはそのファウストの中で、このことばを書きかえまして、初めにタートありき、初めに行為ありきというふうに書きかえたのであります。最近の全面自由化の報道は、まさに初めにタートありきというので、かなり大胆に自由化を断行してしまったようです。   〔仮谷主査代理退席、主査着席〕  この自由化が農産物に与えた影響は非常に大きい。特にバナナの輸入が日本のくだものの価格に予想以上に響きまして、革命的政策どころか、もうアフターケアなどを吹っ飛ばしてしまうほどの大動揺を特に果実界に与えているのであります。これはひとつぜひ福田通産大臣に深刻な考慮を促したいと思うのでありますが、まず自由化を断行しましてから、バナナの輸入量がどのように変化をしたか、伺いたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 三十七年度の輸入量が八万二千トンでございますが、三十八年には二十五万トンぐらいになるのではないか、こう考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 もう少し、事務当局でかまいませんから、三十三年あたりから、数量並びに価格について最近まで御報告願いたい。——それでは詳しい数字がくるまでに、少し前後させますが、この数量の増加に応じまして、輸入する人たちの数もふえたと思うのですが、その点はどうですか。特に大きな商社などは一体どれくらいの増加を示しておるか、あるいは商社以外の人はどんなにふえたか、伺いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 最近バナナの輸入がふえて、したがって輸入業者もふえておるということは聞いておりますが、数字で幾らくらいふえたかということは、事務当局が来てもあるいはすぐには明瞭にならないかもしれません。いまもふえておるというような段階かと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この輸入業者の増加は、ほとんど野放しでふやすわけですか。それとも何らかこれを規制する方法をとっておるのですか。自由化なんだから、何でもかんでも野放しだというお考えだと、これはとんでもないことになると思いますが、その点はどうですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 自由化をいたします以上は、取り扱い業者を制限するということは非常に困難ではなかろうかと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 まあこの数字はまた聞いていきますけれども、中には卸売り市場の仲買い人などでバナナの輸入をやっている人がございますが、これはちょっと法律違反ではないですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 仲買い人は別途の法律によって取り締まりを受けておると思いますので、それが輸入をするということは、その法律の関係からいって、あるいは違反になるかと思いますが、これははなはだ失礼だけれども、御質問の淡谷さんのほうが専門家でいられるのではないかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 どうもそういうふうな御答弁では困りますが、中央卸売市場業務規程の三十六条、この中にも、「仲買人は、その許可を受けた取扱品目の部に属する物品について、左に掲げる行為を行ってはならない。」という中に、場外の買い付けを禁止されている。ふえた中にありませんかね。バナナの輸入者の中に、仲買い人が入っていませんか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 市場の荷受け人あるいは仲買い人が輸入業務をやることにつきましては、それは私の直接の所管ではございませんけれども、法律違反にはならないようになっておるはずであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 ならない理由を教えてください。明らかに場外の買い付けば禁止されておる。法律があるのですから、場外の買い付けば禁止されているものを、買い付けをして違反にならないという論拠はどこにあるのですか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 こまかい点になりますと、私もよくわかりませんから、担当の局長を呼びたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは、通産大臣もわからぬとは私は言わせませんよ。農林大臣の通達で、「バナナの輸入方式に関連する市場取引について」というのが出ているのです。これは昭和三十年十二月十四日です。この中には、「今般政府においては農林、通商産業両省合意の上台湾産バナナの輸入方式につき別紙のとおり行う」と書いてある。その中の二項に、「業務規定において開設者の許可又は承認により仲買人の場外買付禁止の規定の除外例を認め得ることとなっている中央卸売市場については当該規定に基き右記1.の業務規定の改正が行はれるまでの間の経過措置として仲買人の輸入業務を許可又は承認すること。」としてありますが、許可を出している例があるはずなんです。これは農林、通産両省の通達ですから、知らないということはないだろうと思う。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私の所管ですから、知らないということはないという御質問でございますが、なかなか多岐多様にわたっておりまして、こまかい点になりますと、そこまではとても頭が回りかねます。事務当局が参りましたら、ひとつ御説明をさせたいと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 もとより大臣のような大ものになりますと、こういうこまかいことはわからないだろうと思います。しかし、最近においてバナナが三倍になったことは、御承知のとおりです。これは自由化の結果なのです。この間私が言ったとおり、くだものの価格が落ちたことでバナナがたいへん損をしておる、そのバナナの損をほかの国内のくだものはかぶっているということを、私はこの前農林大臣に申し上げておきましたが、これは園芸局長、おわかりだろうと思うのです。そこで、損をする原因はどこにあるかということを、通産大臣の責任で御検討願わなければならない。一つは台湾です。台湾のバナナは非常に注文が殺到しています。エクアドルのバナナを台湾のバナナとでは、台湾のほうがおいしいでしょう。りっぱでしょう。ですから、全く野放しになって、輸入業者が一挙に台湾に押しかけておることは御承知のとおりです。非常に屈辱的な態度をとってまでもバナナの割りつけをとっておる。台湾は、このバナナの輸出について、つまり日本の輸入ですが、どういう規定を設けておるかお聞きしたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 事務当局が来るまでは詳しいお答えはできないのでありますが、たしか、台湾のほうとしては、窓口を一本にいたしまして、そして、日本の輸入業者に対してある程度の規制的な措置を講じておる。こういうふうに概括的には聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 自由化の結果、日本の農産物に大きな影響を与えるということはつとめて押えなければいけませんが、もう与え始めている。与え始めている以上は、なぞそうなったかということを、大臣には十分御検討があってしかるべきだと私は思うのですが、「民国五十二年十月より五十三年三月に至る迄の対日バナナ輸出処理弁法」というものがつくってありますね。これは、行政院外貿会の制定公布によるものなんです。これは大臣お読みになっているでしょうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 読んでおりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この内容について報告を受けたことがありますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 報告を受けておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは、どうもとんでもない冷淡な話ですがね。この中にはバナナの価格さえ規定してある。一挙に一ドルCIFの七ドルが八ドルにのぼってしまっています。それから民国五十一年一月から中国大陸と貿易関係がないことを取引の条件にしている。非常に窮屈な規定をつくって、この規定の中で何とか出そうとしている。日本の商人が台湾に殺到して、わいろまで出してバナナの割りつけを受けておる。その結果かなり無軌道な輸入が行なわれてきておるのです。中には、値が下がるというので、海の中にバナナを投げているのがあるじゃないですか。こういうことをお聞きになっていますか。一九六三年の八月に六万ふさのバナナが海洋投棄を見ている。これは非常に大きな日本の外資のむだづかいではないですか。こんなことまで起こっていることに対して、大臣は何らかの措置を講ずるような気持ちがあるかどうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 われわれとしては、農林省とも打ち合わせをした上でバナナの自由化に踏み切っておるわけであります。そのためにバナナの輸入が非常にふえた、結果においてふえたということになって、おりますが、これは、一つは、バナナに対する嗜好というか、日本人がそういうものを好んでおるということが一番大きな原因であったと思うのです。ところが、六万ふさでありましたか、とにかく相当程度のものを、急に輸入してむやみにバナナの値段が下がったので、海へ投げ込んだという話は聞いております。聞いておりますが、その後、そういうばかな、むちゃくちゃなまねをせぬように——実は業者が、こういうこともありますから、もう一ぺん何とか制限してもらいたいというようなことを陳情に来たことはあります。しかし、私は、あなた方が自分の損した分をわれわれに何とかしてくれと言われても、そういうわけにいきません、あなた方の見込み違いで損をしたのではないかと答えたことは覚えておりますが、その後、そういう海へ投げ込むような事態になったということを聞いておりませんので、これに対してどうするかということはまだ考えてはおりません。もしそういうことがあれば、問題は深刻であれば農林省からもお話があるだろうと思うのであります。しかし、一ぺん自由化をいたしましたことをもとへ戻すということはいろいろ問題もあると思いますが、全然制限ができないかどうかということになると、日本でバナナをつくっていればそういう方途もあるかと思っております。これらの詳しいことは研究をしてみたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは、私は農林省のほうにも、日本の果樹行政の上から一考をわずらわしたいと思うのです。バナナの自由化がこれくらい大きな影響を与えるということは予想しておりましたか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 影響がどの程度かということは、私もちょっと的確なことを申し上げられません。数量的な点について申し上げますと、自由化の前に大体七、八万トン入っておるわけなのですが、ちょっとわれわれの考えが甘くて、正直に申しますと、倍くらいになるであろうと考えておったのです。ところが、大体二倍半程度ということで、予想よりは若干多いのです。ただし、よく考えてみますと、戦前における国産果実に対します台湾バナナの量は大体一〇%でございます。これは現在二十五万トン程度のものがかりに入ったといたしまして、国産果実の量が約三百五十万トンでございますから、七%前後ということになる。そういうバランスを考えてみますと、必ずしも日本人がバナナを戦前に比べて食い過ぎておるとも言えない面があるのではないか、こういうような感じもいたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 影響がどこへくるかというと、この間私が申し上げましたとおり、通産省のほうじゃ影響を受けないかもしれませんが、一般の果樹栽培者が影響を受けているのです。成長部門である果樹を伸ばすためにも、こういう政策はよほど慎重に考えませんと取り返しがつきませんよ。倍入るつもりが三倍入った、それだけで済まないのです。見込み違いなら見込み違いでいいかもしれぬけれども、見込み違いのために受けた損害はなくならない、通産省、資料がそろいましたら数字をはっきりと御報告願いたいと思います。三十三年からの、バナナの輸入量、ドルに換算した金額を少しゆっくり言っていただきたい。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 バナナの輸入数量についてお答えいたします。  三十三年度が、暦年で一月から十二月でございますが、三万六千九百六十九トン、三十四年度が三万七千四百八十八トン、三十五年度が四万二千三百八十七トン、三十六年度が七万四千三十トン、三十七年度が八万二千五百九十八トン、三十八年度が二十五万五千六百四十八トンであります。それから金額でございますが、円で出しておりますが、よろしいですか。三十三年度が二十億三千七百万円、三十四年度が十九億七千万円、三十五年度が二十三億七千三百万円、三十六年度が四十一億七千万円、三十七年度が四十五億一千三百万円、三十八年度が百三十三億七千七百万円、外貨に直して三十八年度は約三千七百ドルであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 非常に急激な増加ですね。これに対して輸入に携わっております人の数はどのくらいふえておるか。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 正確な数字はわかっておりませんが、三十七年度の割り当て対象が、下期で三百十九軒となっておりますので、大体業者の数と合っておると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 以前の数はわかりませんか。つまり貿易自由化になってから、輸入をやっております業者の数が急激にふえておるかどうかという問題、従来の商社がやっておるかどうか。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 輸入をしたいということで、向こうにいろいろ接触をしておる方々の数、概数でございますが、はっきりはわかりませんが七、八百軒といわれております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この輸入をしたいということについては、もう外貨のワクもはずれてしまったろうし、規制する方法は何もないのですね。やりたい人はだれでもみんなやってもいいことになりますね。そうなると、残るところはただ卸売り市場法における仲買い人だけをしばることになっておるのですが、そう理解してよろしいのですか。だれでも輸入したい者はしてよろしい。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 貿易管理法の面から言いますと、自由化されますと、御承知のとおりだれでもできるということになります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 だれでもできるのですが、国内法によって仲買い人の場外買い付けが押えられておるのですが、この点は聞いたことはありませんが、国内における法律も法律ですから、これはどうですか。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 仲買い人が輸入をすることがいいか悪いかということで、いろいろ業界の方の御意見を聞いておりますが、これは農林省のほうで御検討をお願いするしかないと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 農林省はどう考えておりますか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 これは所管が多少違いますけれども、私の考え方を申し上げますと、仲買い人なり買い付け人が輸入業務をやることのいいか悪いかについては、いろいろ意見の分かれるところがあろうと思います。ただバナナの輸入業者が多いから、そこでそれを減らすために、仲買い人や卸売り人に輸入業務を禁止してはどうかという考え方は、むしろ逆であって、それが卸売り市場の正常な運営上、仲買い人なり買い付け人にそういう業務をやらしていいかどうかという立場からこの問題を考えるべきじゃないか、そう考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 どっちから考えてもかまいませんが、いいんでしょうか、悪いんでしょうか、仲買い人がそんなことをやるのは。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 現在は、先ほど申しましたように、私は法規上認められておると理解しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 許可を出したことはありますか。仲買い人が場外で買い付けをする許可を出したことはありますか。いいならばなぜこういう通達を出したのですか。許可もしくは認可を与えていいならこんなことは要らないじゃないですか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 そこまでの話になると、私わかりかねます。いま経済局長が見えましたから……。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 詳しいことはまだわかっておりませんが、仲買い人に市場外で業務をやらせるということは、原則的には好ましくないと思っております。しかし、現状において違法だということではございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 それでは農林省は、この昭和三十年の十二月十四日の経過措置として、仲買い人の輸入業務を許可または認可するという通達は、何にもならないのを出したのですね。金がむだじゃないですか。やらなくてもやれるなら、何も出す必要はないと思う。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ただ輸入商品の場合につきましては、一般の生鮮食料品、くだものとか国内で生産されるものとはやや趣を異にしております。当時のいきさつは詳細にわかっておりませんが、いろいろな関係で特にバナナの輸入について認めたのでございますが、その後だいぶたっておりますので、実績としてかなりの期間たっておりますので、いまこれを直ちにどうこうするということはなかなか困難ではないかと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は、いまバナナを規制するとか規制するなとか言っているのじゃないのです。いま生鮮食料の市場についてのいろいろな論議が盛んなときですが、買うというのは、仲買い人の場外の買い付けでしょう。こんなことをやっていいのか悪いのかというのが問題なんです。中央卸売市場法の施行規則の第二十一条には「卸売ノ業務ヲ為ス者ハ業務規程ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外自己ノ計算ヲ以テ取扱物品ノ卸売ヲ為スコトヲ得ス」とちゃんと規定してある。それから東京都の中央卸売市場の業務規程の中には第三十六条に「仲買人は、その許可を受けた取扱品目の部に属する物品について、左に掲げる行為を行ってはならない。」としてまたこれを規定してある。ですから、三十年には農林省が通産省と打ち合わせをして、そしていかぬということにきめてこういう通達を出しておるのでしょう。それをいまになって何ともないという解釈になったら、こんな通達を出す必要はないじゃないですか。通産大臣どっちですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、事情がその当時といささか変化しておるので、厳重にいまのところそのとおりやっていなかった、こういう事情であったと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この打ち合わせばバナナの問題が非常に大きいのですよ。第三のところに「輸入により買付けたバナナを中央卸売市場に搬入し場内にて取引する場合には取引が中央卸売市場の本来の取引段階(卸、仲買、小売の各段階を経て流通する)を通じて行われるよう指導すること。」これは自由化と一緒にパーですか。全然こんなものは必要なくなってきますか。これはあなた方の出した通達ですよ。私の書いたものじゃない。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 そういうような通達があったということは、実を言うと、私はいま初めて伺ったわけでありますが、それがいま実際ほとんど死文に化したような通達になっておるということは、当時と非常に事情が変わってきておる。また、その後あまりそのこと自体が弊害が起きなかったというようなことではなかろうかと思うのであります。私は、それは法律ということになりますと、すぐ法改正の問題が出てまいりますが、実際の通達の問題であれば、そのときによってそういうふうな事実上効力を失うというような場合も行政上はあり得ることだと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 関連。大臣すでに御存じのことと存じますが、本件は過去数回にわたって農林、商工で論議された問題でございます。特にバナナ輸入に関する問題は歴史が右顧左べんいたしまして、いろいろな歴史を持っておりますが、その中でも特に本件は特別な犯罪事件まで構成いたしました結果、これは予算委員会の問題にもなったのでございます。そこで、いましぼって仲買い人のところを申し上げますと、仲買い人にそれを許しますと、市場において一つの業者が売りと買いの両方の行為が行なえることになる。このことは、やがてその市場価格を独占し、その市場価格をつり上げる行為が行なえる。それは法律上の禁止行為ののみ行為であるということに相なりまして、先ほど淡谷さんの発表なさいました通達ということになったわけでございます。その通達がもはや死文化しておるとおっしゃっておりますけれども、これは貿易の自由化とかどうとかいう問題とは別個でございまして、言うなれば法学通論の問題なんです。規則以前の問題なんです、のみ行為が行なわれるとか行なわれぬとかということは。したがいまして、このことはのみ行為が行なわれないという確証ができればいざ知らず、しからざれば、本件は決して死文でもなければ時間がたったからというので消滅したものでもない、かように存じますが、通産大臣いかがでございましょう。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 その点は、先ほど来申し上げましたように、われわれはあまりよく理解というか、事実を知っておりませんでした。したがってあなたのおっしゃるようにこれをこのままにしておいていいかどうか、また解釈を明らかにして措置を講ずべきかどうかということは研究いたしたいと思います。ただ、先ほど私が申し上げておったのは、なぜそういうところがいままでクローズアップされていなかったかというと、これは、私の個人的な考え方になりますが、三人か五人の輸入業者が仲買い人を兼ねておるというような場合ならば、先生のおっしゃるような事態が当然起きてまいるだろうと思うわけであります。ところが、仲買い人でない輸入業者に非常に力の強い者があった、あるいはまた輸入業者が非常にたくさんあった等いろいろの場合が想定されますが、市場を独占するような価格を構成することはむずかしかったので、おそらくこの通達が看過されておったのではないかと思うのであります。しかし、これは確かに先生の言われるように、自由化とは関係ございません。通達自体を守らせるべきか、もうネグレクトしていいか、そのまま黙認していいか、こういう問題に相なろうかと存ずるのでありまして、したがって、これを機会にわれわれとしては研究をさせていただきたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 いかに貿易が自由化になったからというて、その自由というものは、決して法律の基礎、法律以前を踏み破ってよろしいとか、法律の基礎になる問題を破ってよろしいということではないと思うのです。また、その行為が独占行為になるとか、別に例をとりますれば、弁護問題でいきますと、原告と被告、これの両方の弁護を一人の弁護士が引き受けるわけにはいかないことなんです。どのように刑法、民法が変わりましょうとも、それはできない行為なんです。それを貿易が自由化になったから、輸入業務は自由に行なえたとしても、流通機構において独占するというようなことのみ行為が行なわれるというようなことは、幾ら検討されたっていけないにきまっておることなんです。通達のあるなしにかかわらずいけないことなんです。それが東京都条例の悪改正によって破られようとしたので、この通達ということに相なったわけです。したがってこれは大臣、あなた研究していらっしゃらないとすれば、これはやむを得ぬことですが、とくと御研究いただきまして、国民の迷惑にならないように、また業界が法律の基礎を破らないように、正常なルートで物が流れるようにしていただきたい、かように思うわけでございます。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 中央市場の中の取引秩序の問題でもございますので、私からちょっと申し上げますが、途中から参りまして、あるいは不十分な点があるかもわかりませんが、御指摘になりましたように、中央の卸売り市場の仲買い人は、原則的に産地から直接荷引きをしたり、つまり買い付けをやったりすることは許されておりません。これは、やはり中央市場の中における流通秩序を維持しなければならないからであります。ただ、当時バナナの輸入につきましては、いろいろ外貨割り当て制のもとで、しかも割り当ての額が非常に少ないために、バナナが国内で高く売られて差益を非常に生じておったというようなことで、荷受け機関だけでなくて仲買い人にもその機会を与えて、できるだけむしろ独占を排除しようというような観点から業務規程の改正が行なわれたかと思われます。  そういったいきさつがございまして、当時都条例が改正になったわけでございますが、その後平穏無事に行なわれて、現在も仲買い人が独占しておるというような状態ではございません。むしろ荷受け機関の買い付けのほうが多いわけでございます。実力から言いましても、はるかに荷受け機関が大きなものでございますから、独占というような状態にはなっていないと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは数量が多いとか少ないという問題じゃないでしょう。たまにどろぼうがあるなら数が少ないから見のがしておけというわけにいかぬ。市場法を破るというのは、一人でも二人でも破らないようにしなければ、法の威厳は保てませんよ。初めから再々言っておるのです。自由化に対しても、自由化だからしようがないと大臣お答えになりますけれども、自由化になったら日本の農産物は非常に大きな影響を受けますよ。したがって、この自由化に対しては深刻な注意を払うべしということはわれわれの年来の主張だったわけです。いまでも変わりませんよ。現にそのほうが正しくなってきておる。農林省も思ったよりもたくさん入ってきたと言っておる。しかもこの輸入したいというものの数は、三百十九軒あるというのですが、七百からあるというのでしょう。この乱雑な自由化の方針でやっていったら、ますますバナナの入る数が多くなるでしょう。多くなる結果、これはもう国民の嗜好を飛び越えてむだになる例が去年損したじゃないですか。大体通産省の見通しでは、去年一カ年でバナナの業者が損をした額を幾らに見ておりますか。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 損害額は私のほうでは調べておりません。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ただいま資料を持っておりませんが、中央市場の荷受け機関のバナナの輸入による損失は、時期的にかなり大きな額がございましたけれども、年間を通じまして、年間と言いいますと、昨年の四月の自由化からでございますが、昨年の十二月末ごろの全体を見ますと、ほとんど損失を生じておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 はっきり言われますか。いまやバナナで損をしたのは、これはもう天下周知の事実なんですよ。あなた方のほうの数字だけが損しないとなっておりましても、あるいは小売り段階、あるいはまた海へ投げたりしたバナナがあったりなんかしたんです。損をするからこんなまねをするので、もうかるなら何もバナナ投げたりしませんよ。役所の統計はそう出ているかもしれませんが、実際においては市場の動き、あるいはバナナの小売り屋さんの動きというものはもっと親切に見てやらなければならないので、私は自由化ということは無政府じゃないと思っております。自由化をしたんだからあとは政府は何らしなくてもいいんだ、これは無責任です。自由貿易をやるならやるように、政府は政治的責任を負うべきなんです。それをやらないなら無政府主義になりますよ。ほんとうにあなたバナナで損をしなかったと断定できますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 先ほど申し上げましたように、現在ここに資料を持っておりませんので、全く自信を持って申し上げるわけではございませんが、昨年の夏ごろ、バナナの輸入で確かに相当大きな損失を荷受け機関は出しておったのでございます。私どものほうとしましては、中央卸売市場の荷受け機関が大きな赤字を出しますと、生産地の農家に対して代金の支払いが遅滞におちいるとか、迷惑をかけますので、当時事情を聴取いたしました。あの当時は非常な赤字でございましたけれども、その後漸次値段も回復してまいりまして、その後の取り扱いによってその赤字がほとんど埋め合わせができたという報告を、これは東京都の市場関係でございますが、聞いておるのでございます。ただ、だいぶ前に報告を受けたものでございますから、その後の事情の変化、あるいは私に万一にも記憶の誤りがあるかとも思いますが、大体そういうふうに記憶いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 中央卸売市場の赤字が消えたというのは、バナナに関してだけですか。あとのくだものも全部ですか。全般的な景気がそうなんですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 全体としましては、年度末の決算を見ませんとわかりまんが、バナナにつきましては、当時相当な問題でございましたので、私のほうで事情を聴取したのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 それじゃ中央卸売市場が去年扱いましたバナナの数量と価格の点を御説明願いたい。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 実は私のほうにその御質問があるということを伺っておりませんので、資料を持ってまいりませんでしたから、あらためて提出いたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 それはいけませんよ。私はきのうからバナナの問題で質問しますと言ってある。あなたはいま現に資料があるというのでしょう。じゃ、私はあなたの資料が出るまで質問を保留しておきます。その間時間がたちましょうから、加藤さんにやって、もらって私はその資料がくるまで待っています。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 次は加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 私は、開放経済にあたりまして農民の苦しみを黙視するあたわず、次の質問を試みんとするものでございます。  第一は、総理が韓国ノリの輸入を勧告した、こういうことでございますが、これは事実でございますか、どうですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私は伺っておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そうしますると、韓国ノリの輸入、すなわち日本のノリの生産が非常に落ちたので、それの穴埋めとして一億枚急選輸入命令が出たというのは、これは新聞のうそでございますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 総理からそういうお話があったということは伺っておりませんが、一億枚の輸入をやるかどうかということが論議になっていることは事実でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 どこからそれが発生して、どこで論議になっておりますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 直接には水産庁でこの問題はやっておりますので、私のほうは間接に聞いておりますので、どこから出て、どこでいま論議されておるかということは詳しくは存じませんが、聞きますところによりますと、最高レベルの会議の際に雑談として出たというようなことは伺っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 あなたいま論議になっているとおっしゃいましたね。あなたはその論議に参加していらっしゃるか、いらっしゃらないか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 参加いたしておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 さすれば、この韓国ノリの一億枚急遽輸入はないものと心得てよろしゅうございますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 農林大臣のお考えは、その問題は慎重に考えたい、こういうお考えのようでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 ないものか、あるものかということが問題です。慎重に研究なさることはけっこうでございますが、それを急遽輸入されるという具体的事実に発展するかせぬかという問題ですが、ではあなたのお気持ちとしては、それを急遽輸入させるつもりですか、それともさせないつもりですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私のほうとしては現在何も考えておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 もしこれが行なわれたとしたら、あなたはどうされますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 先ほど来申し上げておりまするように、水産庁からまだ具体的な話を私は聞いておりませんので、何とも申し上げようがないのでございます。最近のノリの災害の実情には関連いたしますし、それから韓国ノリの輸入がどういう影響をもたらすかというような問題を水産庁の説明を聞いておりませんので、私はまだとやかく申し上げかねるのでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それはあなたがそこでへたな答弁をして、あとで食いつかれたら困るから、うまくここをのがれようという気持ちでいらっしゃることはようわかる。しかし、のがれることのできないのはノリ生産業者なんです。その声だけでもう買いたたきにあっておるのです。しかもその行為が水産庁で決定されるというものならば、では、あとで水産庁の長官を呼んでいただきたい。  問題はどこにあるかといえば、常に韓国ノリとバナナに手をつけた者は必ずやけどをするということなんです。これをよく覚えていただきたい。あえて火中のクリを拾うという勇気があればよろしいけれども、しからずしてこれに手をつけた者は必ずやけどするのです。局長さんも、時の大臣も、やけどする。なぜかならば、本件は農林委員会で決議をしておる、商工委員会でも決議をいたしております。その決議の内容はあなた御存じのとおりです。せいぜい年間一億枚、人口一人一枚のノリを許可する、しかしその時期は、日本の生産時期でなくして、足りなくなった端境期に入れる、そうなっているでしょう。なぜそうなっているかといえば、常に生産時期にこれを輸入して買いたたきの材料にするという行為が過去において行なわれたからなんです。しかもなお、あなたに続いてお尋ねいたしますが、あの韓国ノリの味を御存じでございますか、また何に使われておるか御存じでございますか、局長さんどうぞ。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 あまり味の区別は私は存じませんが、つくだ煮や何かに使われているのじゃないかと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それでは通産大臣、あなた商業関係の責任者でございますが、店に朝鮮ノリが出ておったことがございますか、小売り市場あるいは百貨店に韓国ノリというものが出ていたことがあるかないか。あなたはお召し上がりになったことはありませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 商売のほうでございますが、存じておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そのとおりでございます。なぜ知らないか、食べてはいるけれども知らないのです。どうしてか、全部浅草ノリに化けるのでございます。ここに問題がある。日本ノリのコストは御存じのとおりです。日本ノリのコストは大体一枚平均八円前後、いい時期で十六、七円、春先になって安くなりますと、これが五、六円から七円程度。ところが韓国ノリは、生産の形式が違います。日本のノリは手先でとって歩く、韓国ノリは石でひっかいて持ってくるのです。しかも質が悪い、色も悪い。したがって、元値は大体安値が一円五、六十銭で高値が二円五、六十銭でございます。買いたたきにあうのはあたりまえなんです。買いたたきにあっても、なお消費者がその値で受け取るならけっこうです。その値で買えれば、見合う値で買えればけっこうですがとたんに化けるところに問題がある。日本人は、お米の場合は南京米とかどうとかいう名前でちゃんと売れるのでございますが、ノリの場合だけは、愛知県でとれても浅草ノリ、三河湾でとれても浅草ノリ、朝鮮でとれても浅草ノリ、こういうことになる。山本山にいったらみんなそういうことになっておる。それだからあそこはもうかってビルができちゃう。国民は悪い安いものをいい品と称して買わされておるところに問題がある。こういうことを奨励するようなこと、しかもなお総理大臣ともあろう者が、閣議の席においてノリの生産の最中にそんなことをしゃべるとは、一体それでもって農民を革命的に助けるなんということが言えるのですか、助けないでしょう。ノリ事業者の苦労を知らないでしょう。寒中に海に入って、凍える手でひびやあかぎれの手でノリをとらなければならぬ農民の苦労を知らないでしょう。それだからそういうことになる。私は、ノリが足らなければ入れることについてあえて反対ではございません。しかし、入れるならばぜひひとつ品質表示をしてもらいたい。これは朝鮮ノリでござる、元値は二円五、六十銭だから売り値はせいぜい六、七円から八円程度、普通の商業相場で出してもらいたい。品質表示をやる気があるかないか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 どうも私の守備範囲を越えているので、品質表示をやるかやらないか申し上げることはできませんけれども、市場では、取引にそれぞれいろいろ評価があると思いますので、同じ品物ならば、消費者だって選別はできるわけでございますから、それぞれの品物に応じた値段で買い取ると私は考えておりますので、品質表示と言いましても、法律の根拠もございませんし、なかなか困難ではないかと私は考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そんなことはありませんよ。通産省には品質表示法という法律がございまして、怪しげなもの、まぎらわしきもの、国民が迷いそうなものについては、ちゃんと品質を表示することになっておるのです。通産大臣、流通部門はあなたの責任でございますが、いかがでございましょう。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 品質の表示をする業種は、たしか省令か何かできめておると思います。われわれとしては、ノリの問題にはそういう意図は持っておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 しからば今日の段階において、国民がごまかされてこれを買っておってもよろしいとお考えでございましょうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 食料品にしても、その他につきましても、一々全部について政府がそういう責任を持つということは、私はどこでもできないと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そういう不正行為が行なわれているのに対して、大臣の感覚はやむを得ぬとお考えでございましょうか。それは改められるべきであるとお考えでございましょうか。

島田喜仁通商産業事務官(企業局長)

○島田政府委員 いま品質表示法の対象品目は繊維関係、雑貨等になっておりまして、食料品はたしか含んでいないと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 これはよろしくひとつ御検討をいただきたいと存じます。  次に愛知用水です。農地局長さん、愛知用水の法案が審議されましたおりには、この水の用途は農業用水が主体であるというお答えであったように存じておりますが、いかがでございますか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 ごく一部の工業用水を除きまして、大部分が農業用水である。かつ農業用水のためにやる事業ということになっておったと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 しかるに今日では、いろいろな理由があったでございましょうけれども、この用途が工業用水にウエートが置かれて、農業用水の利用方法がとかく軽んぜられているようでございます。その生きた証拠に、あなたのほうの傘下で行なわれておりました試験場、せっかくできましたもののその内容までが変更されたことをあなたは御存じでございましょう。これについて一体どう考えるかということであります。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 愛知用水公団が試験場を持ちまして畑灌の試験をやっておりましたのは事実でございますが、それをやめまして、他に県がこの地帯におきます農業の問題といたしまして、畑灌の営農指導その他をやるということで、各地に指導所を置く、かつ改良普及員も重点的にこの地区に配分いたしまして、県が中心になって愛知用水地区の農業指導については指導体制をとっておる次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 問題は、先般経済企画庁の長官にもお尋ねした件でございますけれども、農民の受益者負担、これが反当四万五千円に相なっておりますね。しかも入植者の負担は十万円近くに相なるわけでございます。これを十五年に返済をせんければなりません。これではたして営農が成り立つかどうか。反当たり四万五千円、その他の諸掛かりを入れまして入植者は年反当一万円近くの負担金を課せられているわけでございます。はたしてこれで営農ができるかできないかという問題でございますが、いかがでございましょうか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 土地改良事業全部を通じまして、水を引きました場合に一応どの程度の収益の増があるかということを算定いたしまして、その収益の増加の範囲内におきまして興用をとるという考え方をとっておるわけであります。反当四万三千円の問題は、先生御承知のとおり、非常にもめた数字でございますが、一応四万三千円で営農は成り立つという考え方に立っておる次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それじゃあなたの営農は、入植して新しい土地を開墾したら、反当たり一体幾らの収入を見込んでおられますか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 詳細な数字はただいま調べておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 詳細に数字を知らずに、ただ営農ができるということは、この場の言いのがれにすぎないじゃございませんか。一反当たり一万円ということは、米でいうと一石ということですよ。米二石取られるということは、かつて地主・小作時代の最高が反当三俵です。それに匹敵するということなんですよ。そんな過酷な年貢米を納めてどうして営農が成り立ちますか。しかも、それは先へいって土壌が改良されて反当収穫が上がってからならいざ知らず、いまそんな収穫がありとお考えでございますか。冗談じゃないですよ。あなた百姓を知らぬね。やったことがないですな。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 ちょっとお尋ねいたしますが、一万円というのは年々のことでございますか。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そうなんですよ。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 四万三千円は、たしか十五年還付の額だったと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それは一般水田の話です。いま入植者というのは大体山を起こして、これを畑にしている。そこは反当年一万円負担になるということを言っている。数字をもって詳細に説明したいけれども、時間が限られておるから簡単にやるのです。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 入植者につきましては、御承知のとおり入植者を募集いたしまして、こういう条件で入植する方は入植していただきたいということで入っていただくわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そんないいかげんなことを言ってはいけないですよ。そうじゃない。愛知用水はあとからだ、入植のほうが先なんです。冗談言ってはいかぬ。しかもなお水底に埋没した長野県の方々は、愛知用水ができるようになってから、来るには来たんですけれども、そんなことだれも約束づけられてはおりませんよ。そんないいかげんなことを言うておってはいけません。要は反当たり一万円も取られるということは、不当である。それから水田その他でいままで天水でできたものに加えて愛知用水をいただいたために、反当四万五千円を支払わされるということは不当であるという声が横溢している。したがって、受益者はもうそんなものは要りません、愛知用水は要りません、こういう返納の事実があちらにもこちらにも起きている。そこでどうなったといったら、いやだといって逃げるときに四万五千円取るぞ、こういうことになっている。したがって、これを農地を転用してその他にしようとすれば、これを買う人は土地代金のほかに四万五千円出さなければ、ここへ工場をつくることも家をつくることもできない、こういうことになっている。これは過酷である、不当であるということなんです。もう一つ一番わかりやすい例を幸い通産大臣、経企庁長官おそろいでございますので申し上げますが、その水を農民なり中小企業なりが飲料用水として飲むと幾らになっているか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 愛知県の飲料用水としては卸売り価格トン二十一円になります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 卸売り価格トン二十一円は小売り価格四十二円から四十三円、篠島へわたりますと五十五円ということに相なっております。これは高過ぎるではないかという声をあなたはどう思われますか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 長野県からダムをつくりまして師崎まで水を引っぱつておる愛知用水の事業につきまして要しました金を、工業用水、水道、電気それぞれアロケートをいたしたわけであります。そのアロケートの額を県が引き受けてこれを売っておる、こういう形になっております。高いか安いかという問題についてでございますが、全国的に考えますと、愛知用水の上水道の値段は決して安いものとは私ども考えておりません。しかし、そういうことで進んだ事業でございます。また、その前提の上にお話し合いを続けて進んでおりますものでございますから、納得ずくでやった事業、かように私どもは考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 あなたはここでのがれることばかり考えておるが、納得ずくといっても、初めから納得ずくで値段を提示されたものじゃございませんよ。だれも納得していない。ただ、あそこへ通すから土地をよこせ。土地を収用するぞよというときに判こを押しただけの話で、値段はあとからつけられたもので、相談ずくでつけられたものでも何でもない。しかも全国平均は一立米十円前後ということになっている。ところが普通四十二、三円から四十五円、ちょっと離れると五十五円です。あなたは高いと思いませんか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 上水道を引きます場合に、非常に簡単にとれますところは価格が安い、非常に水のないところにコストをかけてとってきた水道が総体的に高くなることは私はやむを得ないと思います。全国的に比べまして総体的に高いか安いかといえば、愛知用水の水道は決して安いとは考えておらないということを申し上げておきます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 あなた、そんな議論を振りかざしているとあとで困らなければならぬ。水源地に近いところは安くて、水源地に遠いところは高くなる、まるで汽車の切符みたいですね。遠いところへ行けば高くなって、近いところで降りれば安くなる、これでは政府がつくった価値はない。そこに何ら社会保障的な考えも救済的な考えもないとするならば、これはそれだけでもすでに誤りなんです。ところが、実質はどうなっているか。遠いところがたいへんに安くて、近いところがたいへんに高いのです。あっちの水は甘くて、こっちの水は苦いのです。逆になっている。それじゃ通産大臣に承りますが、これを東海製鉄が使いますと一体幾らになりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 政府委員から答弁させます。

島田喜仁通商産業事務官(企業局長)

○島田政府委員 地域によって違いますが、五円五十銭でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そのとおりでございますが、第一期工事のほうは東海製鉄は四円、第二期工事を追加して、その追加分は五円五十銭、こういうことでございます。どうですか、この値段は。間違いなら間違いだと言ってくざさい。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 第一期工事につきましては先生のおっしゃるとおり、第二期工事はまだ予定でございますが、大体そうでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 第二期工事の佐布里の池その他が完成いたしましても、なお工業用水法によって、五円五十銭をこえることはあり得ないということがちゃんとおととしの予算委員会で審議され、工業用水法を審議するときに特に約束づけられているわけでございます。製鉄会社が安いといけないというわけでは何にもございません。なぜ安くなるだろうかという問題でございます。これは経済局長の問題かもしれませんが、なぜ工業用水だけが安くなって一般市民はその十倍の値で買わなければならないのだろうかということです。なぜその不平等が行なわれるかということでございます。これはいかがお考えですか。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、水道分としてアロケートいたしまして、県の特別会計がそれぞれこれを買って売るわけでございます。工業用に幾ら、上水道用に幾らということは県がおきめになるわけでございます。私どもはこれを批判するということはいたしておらないのであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そんな答弁をしてはいけません。県がきめるのは与えられたものを試算するだけの話で、もとは全部国会でできておるのです。農林省でできるのです。通産省でできるのです。経済企画庁でできるのです。どうして工業用水が安いか、その設備資金が国費、県費で持たされるからです。一般市民が飲みます水が高いのは、その設備資金の減価償却費を原価の中へ繰り入れられるからです。そのもとをきめるのはここなんですよ。それを県がきめるからなんて……。それでは県知事はきめられますか。県知事はよそから越してきた人に安くして、もともと愛知県に住んでおった人には高くする、そんなばかな県知事がどこにありますか。冗談じゃありません。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 私のほうの愛知用水公団との関係について申し上げたわけでございます。それぞれにいろいろな制度がございまして、補助金があったりなかったり、そういうことの結果いろいろの水準としての変化はございましょうが、国が愛知川水の工業用水は幾らで売るとか、上水道は幾らで売るということはきめたことはございませんということを申し上げているだけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 問題はすでにあなたの心のうちにおわかりのように、一般市民や農民は高い金でこの水を買わされる。農民のためにというてつくった水道ではあるけれども高い金で買わされる。しかし、片や隣にあとからできた工場は安い金で飲むことができる、こういう結果になっているわけです。したがって、不満が起きるのはあたりまえであり、不平等だと感ずるのが普通で、不平等だと感じなかったら、それはよほどどこからかもらったかなんかしている証拠なんだ。したがって、本件についてはよく検討の上対策を練っていただきたい。なぜかならば、去年の農林大臣もこれは検討しますと答えておられる。その前の農林大臣も検討しますと答えられた。親分子分の間柄でともにそう言ってみえる。ところが、今度の農林大臣も同じ意見なんです。ぜひひとつ事務当局においてよく御検討いただきまして、地元の受益者が喜んでこの水をいただけるようにしていただきたい、こういうことでございます。  次に、水産庁長官が見えたそうですから伺いますが、韓国ノリ一億枚の緊急輸入、あれの具体策はどうなっておりますか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 国内産のノリが異常な海流の状況といいますか、異常気象によりまして、ただいま非常な被害を受けております。それで、大体平年度で四十億でございますが、現在被害額十億の減収になるだろう、こういうような事態になっております。そういう関係で、ただいま水産庁といたしましては、被害を受けましたノリの養殖家に対する対策をつくりつつあります。いずれ天災融資法による生産資金の貸し出しとか、こういう措置をできるだけ早くとりたいということで準備をいたしております。そういうような関係で減産いたしておりまして、価格も上昇傾向にありますので、一部の業界から韓国ノリ一億枚輸入の要請が出ておりますが、国内でそういう減産で、非常に養殖ノリが被害を受けておる状態でございますので、まず被害の対策を講じた後においてよく検討いたしたいということで、現在一億枚を緊急輸入するという活は、私どもといたしましてはまだ考えていない状況でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 簡単に答えてください。一億枚急速輸入せいという指示があったかなかったか。あったらそれを実行に移すか移さぬか、これだけでよろしい。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 指示はございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 指示がない、それではあなたが急遽一億枚輸入の行為はいたさないわけですね。指示のないのをやる必要はないのだから。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 韓国ノリの輸入につきましては、先ほどお答えしましたように、一部の業界から要望があるということと、それから小売価格が上昇傾向にありますので、そういった面からの議論がございます。話題になっておることは事実でございますが、輸入しろという指示はまだ出しておりませんので、現段階においてはまだ考えておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 やらないのですね。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 現在においてはそういう措置は講じておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 現存ということは生産期間中をさすのか、それともここ一カ月とか半月ということをさすのですか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 ただいま大体生産最盛期でございまして、場所によりましては三月上旬まで生産期がかかりますので、災害対策もあり、また生産の最盛期でございますので、その期間は考えないということで私どもは考えております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 農林省のほう、さっきのバナナの関係の資料がきましたか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 これは昨年の四月、自由化が行なわれましてから九月までの上半期の調査でございますが、神田、築地、荏原、淀橋、豊島、それぞれの市場の代表的な会社につきまして調べたものでございます。申し上げますのは粗利益でございます。新宿青果が粗利益、つまり黒字が六百五十九万八千円、豊島青果が三千六百十三万三千円、東印、これは最も大きい会社でございますが九千四十万円、荏原青果が四千百五十万四千円、千住青果が二千六百二十三万一千円、中央青果一千百六十九万三千円、最後に丸一青果というのがちょっと赤字になっておりまして、八百九十七万九千円の赤字でございますが、その後減少いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 取り扱い数量もお知らせいただきたい。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 金額だけの資料でございまして、数量の点はわかりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 青果市場以外の扱いをお調べになっておりますか。青果市場で黒字を出したあとのほうはどうか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 御質問の趣旨がわかりかねますが……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 さっきの私の質問は、自由化以来輸入業者がふえまして、不慣れなものもたくさんある。それを規制する方法がないものだから、バナナで非常に損をする人が多くなった、これが私の前提です。市場のほうでは損しないというのですが、実際は損していることが明らかです。どこが一体損しているか。市場が損しなければ他の人が損したと思うので、市場外の人の扱いを調べておりますか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 一般のバナナ輸入業者がどの程度損したかということにつきましての調査はやっておりません。また個々の商社の採算状況なり何なりについて、内容にわたってまでの調査というのはなかなか困難であろうと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 バナナの小売りの値段の上がった下がったの関係はお調べがあると思いますが、小売相場はどうなっておりますか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 小光り相場は、品質等の問題がございまして、なかなか的確なことは申し上げられませんけれども、大体傾向といたしまして、最近のバナナは台湾もので大体二十五円を基準としております。それからエクアドルもの等はそれから四、五円ないし二、三円度安くなっておる、そういう傾向であるようであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 自由化以来バナナの小売り価格に大きな変動が起こっておりますが、これはわれわれ前から、日本の果実に対する影響が非常にバナナでは大きいということを絶えず言っておりましたが、園芸局長はそれくらいの関心を持たれていいと思います。一体どうなっておりますか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 自由化以来では、やはり八月、九月ごろにある程度下がったような事態がございましたけれども、大体趨勢としてはいま申しました線でずっときております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 小売り価格に変動はないのでしょう。小売り価格に変動はないし、他のくだものも小売り価格に変動はない。特別安くなってない。それで生産地が非常に値が下がっておる。この場合の悩みを一体あなたはどう解決されますか。これはわが国の農業基本法の中には、大きな損害を受けたりした場合には処置しなければならぬでしょう、成長部門であるくだものに対して。その消費価格が全然変わらないで、生産地価格が大きく変わっている。バナナもそうじゃないですか。これはもう台湾みたいに、生産地価格の高くなっているものがありますよ。エクアドルの、バナナは安いでしょう。この安いバナナがどっと入ってきても、市場の価格は少しも変わりはないというならば、自由化の価値が一体どこにありますか。自由化というのは、安く買わせるからというので自由化したのでしょう。それが日本のくだものの生産地価格は下がって、消費価格は少しも安くしていないということは、これは政策の面から一体どうなのか。これは通産大臣にお聞きしたいのですが、まだ来ませんからね。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 ただいまの御質問が、自由化以来どうであったかという御質問でございましたから、私はそう変わりがないということを申し上げたのであります。自由化以前に比べますと下がっております。と申しますのは、たとえばこれは具体的な数字で申し上げますと、これはちょっと例示的な数字しか申し上げられませんけれども、中南米もので、昨年の一月ごろが大体二百五十円見当でございます。それが自由化後は二百十五円から二百二十円見当で動いておるということであります。それから、特に台湾ものにつきましては、もう少し幅が大きくて、自由化前は大体三百円見当でございましたか、それが、自由化後は、二百五十円見当になっておる、こういうことでございますから、自由化後の値下がりということは事実あったのであります。それからもう一点、これは量がふえますと、おのずから品質による価格差というものが大きくなりまして、悪いものはいわば投げ売りのようなものがあるわけで、そういうような点からも、実質的には値下がりがあります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 台湾バナナの現地価格は上がっているんですよ。関税も高くなっているんですよ。それで台湾バナナのほうは下がっていますね。全くバナナの価格というのは、理論価格じゃないですね。需要供給でもう絶えず動いていると見なければならない価格です。エクアドルが入ってくるから、現地の価格が高くても安くなる。そうなると、バナナというものの値幅が非常に大きい。しかも投げ売りが——投げ売りの数はどのくらいあったのです。バナナのたたき売りというのは、これはたたき売りの有名な話ですが、たたき売りはどのくらいあったのです。これはやはりくだものの価格を問題にするならば、もっと詳細にお調べにならなければならない。ついでにもう一つ、バナナが入ってからくだものの消費価格が下がりましたか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 私どもの調査では、くだものの小売り価格は、リンゴは大体そう変わっておりません。それから、ミカンは若干下がりぎみになっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 高くなっているんじゃないですか。これは私はまあ、あんたはもうどうも少しおたおたしているようだから、きょうは時間もありませんからこれ以上追及しませんが、少なくとも日本のくだものというものの産業を大事にするならば、その点でもう少し神経を使って、このバナナの動きをはっきり見ていただきたい。通産大臣が来ませんからね。もう少し大事な質問をしたいことがあるのだけれども…。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 十五分あとに来ます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 十五分後に来る——それではこの辺でやめておきましょうか。ちょっと答弁できないでしょう。これはもし通産省がおったら、わかっていれば聞いてもいい。わかっていたら聞きますよ、もう分科会はおしまいですから。  それでは台湾で、バナナについては外貿会というものがあって、ここでやっているのは御承知だろうと思いますが、四月から九月までの輸出の計画は何万かごあります。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 はっきり聞いておりませんが、業界の話等によりますと、四月から九月まで二百万かごくらいではないかといわれております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そのうち、生産者から在日の華僑に回すのはどのくらいあります。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 二〇%ぐらいでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 青果公会というのが台湾にありますな。青果公会から在日の華僑に回すのはどのくらいあります。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 ちょっとわかりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これじゃとっても質問になりませんから。もしまた一般質問のときにででも関連でできましたらそのときにしましょう。これは非常に大事な問題ですから……。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これにて淡谷悠藏君の質疑は終わりました。  加藤君の質疑の残りを継続いたします。加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 私はこの際、国際収支の問題について二、三お尋ねしたいと存じます。  申し上げるまでもなく、国際収支、外貨は、人間のからだにたとえてみれば血液でございます。目下それが足りないので、貧血状態でございます。その結果は、日本の経済が病気の状態に相成っておるわけでございます。目下の急務は、この国際収支をいかに、いつの時期に改善するかということにかかっているわけでございます。したがいまして、この際経企庁の長官に、一体国際収支は改善できるのかできないのか、できるとすればいつをめどとしてそれができるのか、また、すべく努力してみえるのか、この点についてお尋ねいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 多少、長くなりましてもよろしゅうございましょうか。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 簡単でいいです。ほんの要点だけ……。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 実はあまり簡単でございませんので、この貿易収支につきましては、やはりわが国の国民総生産に占める輸出の割合、いま九%くらいと考えますが、これをやはり、戦前のいいときまで参りませんでも、ヨーロッパの幾つかの国並みに、つまり一三、一四といったようなパーセンテージまで持っていくという努力がどうしても必要だろうと思います。現在の国民総生産が六百億ドルでございますから、大体一%で六億ドル違うわけでございます。根本には、貿易収支では、やはりその努力を常に怠らないということが大切だと思います。貿易外につきましては、船舶の建造を進めること、そうして輸出入とも積み取り比率を上げていく、この二つのことに努力をいたす必要があると考えます。資本収支につきましては、現在のところたいして問題はないと思うわけであります。それらを総合いたしまして、貿易で輸出をそういうふうに持っていくということは、常時怠ってはならない努力であります。それから、貿易外の海運が現在以上に赤字を広げないだけでも、これはたいへんな努力を必要といたします。数年は必要であろうと思います。いわんや海運収支がバランスをするということになれば、さらに長い日月が要るかもしれないというふうに考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 この赤字を解消できる時期の見通し。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ですから、総合収支で赤字が出ないということであれば、これはさしてむずかしい問題ではないと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 総合収支で赤字を出さないようにということは、借金政策で穴埋めをする、こういうことなんです。ところがこれではもはや限度にきているではないか。たとえばかりにこのたびスイスその他で公債を発行されまして、ある程度のファンドを獲得されたとしましても、それ以上の金利とパテント料をアメリカへ払わなければならない。すでに外貨借入れ額が四十五億ドルから五十億ドル近い数字を示しておるようでございます。これに対して六分の金利を払ったとしましても、なお三億ドル近いところの金利、それにパテント料の一億有余のものを加算いたしますと、四億ドルの余になってくるわけなんです。したがいましてもはや借金政策による赤字の調整ということは限度にきておるではないか、だからこそ貿易収支によってこれを改作するということのほうが、日本経済の体質改善により役立つと思うのですが、この点はいかがでございましょう。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 国際収支を総合でバランスさせるために外資を入れておるというのでは——結果としてはそういうことになる場合はしばしばございますが、それが本来の外資を入れよりという目的ではないと考えます。外資を入れるには、外資を入れるなりの理由が別途にあっていたすことであると考えます、したがって、私どもは、借金政策でつじつまだけを合わせようという考え方をしておるのではございません。ただ基本的に、加藤委員の仰せられることは、私はそのとおりだと思います。資本収支でつじつまを合わせるという姿は、感心した姿ではないと思います。やはり貿易と、それから貿易だけでなく、貿易外のほうも経常収支でバランスをとるということがほんとうだと私は思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 これは完全に意見が一致しているようでございます。私もそのように思います。しかもそれはもういまそういう時期に到来している、これ以上借金政策を重ねるということは、日本経済の体質改善にあたっては決してよくない、かように存じているものでございます。ここに貿易振興の重大使命があると存じます。  さて、その貿易をながめてみますると、どうころんでもアメリカ貿易が輸出、輸入ともに一番大きい数字を示しているようでございます。そこで、この際アメリカ貿易の帳じりがどんなになっているかということを、ここ数年でよろしゅございます、昭和三十年ぐらいをめどに、それ以降の帳じりだけをひとつここで発表していただきたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 政府委員からお答えいたさせます。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 手元の資料で、一九六〇年から申し上げましょうか、一九五五年から数字がございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 五五年、三十年からでけっこうです。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 三十年でございますが、アメリカ向けの輸出は四億五千六百万ドル……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 帳じりだけでいいです。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 輸出輸入で出ておりますので、計算をいたしませんと帳じりは出ませんが……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それならそれはあとで計算してください、委員長に協力するために急ぎますから。私の計算でいきますと、三十年以降、つまり五五年以降だけで四十七億九千七百万ドルの赤字でございます。これを戦後のトータルで見ますと、大体六二年までで七十四億六千四百万ドルの入超でございます。それをいままでは特需その他でつじつまを合わせていたわけでございますが、いまや特需とか域外買い付けとかはだんだん減ってまいりました。特にシップアメリカン、バイアメリカン、いわゆるドル防衛以降は非常にこの差がひどくなってきているわけでございます。したがいまして日本の赤字は、ほとんどがアメリカ貿易の帳じりに左右されておるというて過言でございません。この結果は、赤字のときには必ず金融引き締め、金融引き締めをされますと、そのしわが中小企業に寄り、そのつど中小企業の倒産と、こういうことが過去恒常的に行なわれているわけでございます。したがいまして、どうしても今後はいわゆる貿易収支、特にアメリカ貿易の収支のしりを合わせることに努力せんければならぬ。言いかえれば、日本の輸出をふやさなければなりません。これについて経済企画庁として、特に通産省としては一体どうお考でございましょうか、両方にお尋ねいたします。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 アメリカとの貿易でございますが、御承知のとおり入超になっております。わが方の輸入は原材料関係、それから農産品、食糧、そういうものが主でございます。それから輸出のほうは、いわゆる機械とか繊維とか、非常にバラエティーに富んでございます。それで輸入のほうは原材料等、鉱工業生産に絶対必要なもの、あるいは食糧でございますので、やはりどうしても買わなければならないものでございますが、一次産品の買い付けが低開発国のほうに向いていきますと、多少なりともそのほうも改善するのではないかと考えます。しかし、何といいましても、先生の御指摘のとおり、輸出を伸ばすということが一番大切でございます。その点からいいまして、各種の輸入制限運動に対処し、それからその裏づけとして輸出秩序の確立もぜひはかっていかなければならない。それから、アメリカの中におきましても、東部とか中部とか西部とか、広大なる市場でございますから、その市場に応じた輸出の振興と申しますか、そういうことをはかっていかなければならないと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ただいま通商局次長が答弁をされましたように思いますが、なおそれに加えまして、やはり輸出品の多様化ということを考えていかなければならないと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 どう考えてみましても、この慢性的な赤字を解消するには、アメリカから買うことを少なくするか、ないしは売ることを多くするか、簡単な原理でございます。いままでの買うこと多くして、売ることの少なかった帳じりを、対日軍再発注であるとか、域外買い付けであるとか、あるいは対日の軍事援助であるとかということで埋めていたのですが、この問題は削減されてなくなっていくのです。したがって、どうしても買いを少なくするか、売りを多くするか、そのいずれかでございます。そうでしょう。その際に、まあバラエティーに富ませるということも必要でございましょうが、最も重要な問題は、そういうやさきにあたって、こっちは貧血状態であるにもかかわらず、なおアメリカは開放を押しつけてきている。ところが、それじゃ日本の商品を売ること、つまりアメリカ側が買うこと、これについては開放であるかというと、そうじゃない。片っ端から制限なんです。次から次へと制限なんです。いま制限品目がどのくらいあります。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 アメリカ側の要求によりまして、あるいは輸入の制限をしてほしいというような感じで自主規制をやっておるものは、約三十品目でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そんないいかげんなことを言ってはいかぬ。繊維だけで四十品目あるのです。そんないいかげんなことを言ってはいかぬ。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 品目の分類のしかたによると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 どういう分類でもいいから、そこでやってください。なかったらこっちから申し上げます。

大慈弥嘉久通商産業事務官(通商局次長)

○大慈弥説明員 私のほうは、いまの三十品目といいますのは、相当まとめてございますが……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 まとめれば、それは一品目になってしまうのです、売る品物、とこういうことで。そう言えば世間ていはたいへんうまくいくでしょう。しかしその世間ていは何かというと、アメリカにおもねる表現のしかたであって、実際日本の国民に対しては、真実を知らしたほうがいいと思う。繊維だけを四十品目に分けて、銘柄は別にいたしますると、百六十品目の余ございます。カナダまたしかりでございます。EEC諸国しかりでございます。イタリアのごときは三百六十品目の制限をいたしておることはあなたが御存じのとおりなんです。  さて、どうでしょう、長官さん、こっちの買いは自由に買え、自由に買え、こう言われる。あれも自由にせい、これも自由にせい。ところがこっちから売るものについては、あれも制限、これも制限、これも制限。はたして互恵平等でございましょうか。いかがでございます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 事あるごとに、私も加藤委員の言われたようなことを申しておるわけでございます。米国内には、ことに議会筋には、いわゆる自主規制というのは、ほんとうに日本側が好んで自主規制をしておるんだと思っておる人が、大部分くらい多いわけでございまして、その辺のことについては、私どもとして、十分にその事態を、政府ばかりでなく、米国の国会の人々にも知らせるという努力を常々怠ってはならないというふうに考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 知らせると同時に、その制限を解除する方向に努力せんければならぬと思うのでございます。その努力を、政府はどの程度行なってみえるでございましょうか。特にことばの上や表現の上では日米友好通商航海条約も、これ互恵平等でございます。常にそれに従って行なわれておるということに相なっているわけでございます。ついせんだって開かれましたところの日米合同経済委員会、それの報告を見ましても、互恵平等の精神がうたわれると同時に、その精神に沿って行なわれたかのごとく発表されておるのでございます。ところが具体的事実はしかくさようでないというところに問題があるわけなんです。この赤字が、やがてEEC諸国や東南アジア諸国に悪影響を及ぼしていることを知らなければなりません。特にカナダでは、すぐに病気のように、流行性感冒のようにうつっていくのでございます。このことを念頭に置かなければなりません。一体どのように努力をなさいますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 日米間の経済問題で一番大きな問題は、その問題であろうと思います。したがって、機会あるごとに私どももそういうことを申しますし、またワシントンにおりますわが国の公館もそういうことには非常に全力を傾けて、そのことを常に申しております。どうも私の見ますところでは、この問題についての考え方に、米国の政府当局と議会筋との間にずいぶん気持ちの上で考え方のズレがあるようであります。政府当局者は理解をしておっても、実際上議会との関係で、国内の同じ種類の製品の製造業者から陳情と申しますか、圧力がかかりまして、どうも心ならずもそういうことになっていくというような傾向が非常に見えるわけでございます。したがって、先ほど議会筋と申しましたのも、そういう考え方から申したのでありますが、政府対政府、議会人対議会人及び実業界というあらゆる段階で、常にその問題をこちらから持ち出すという努力は怠っていないつもりであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 日本政府の努力は多といたしまするが、日本品がアメリカ市場において制限を受けているところの事実は、貿易が自由化されるという今日においても解除されておりません。努力しても効果がないとおっしゃるならば、これは問題だと思う。対策を考えなければならぬと存じます。  そこで私は、具体的に例をあげて質問したいと存じまするが、たとえば綿製品協定、これは輸出を振興するために行なわれたものでございます。日本流に発表されましたときには、輸出を振興するためのものだ、こういうことだった。ところが、これが生きて動く段階になりますると、日本の品物を制限するという道具に使われたわけなんです。何のことはない。日本の代表は自分の腹へ突き刺さされるあいくちをつくって向こうへ差し上げたようなものだ。いまあなたのおっしゃったように、日本政府が努力しているにもかかわらず、なぜこういうことが行なわれなければならないのか。そういう失態をよく把握していらっしゃる経企庁の長官はこの間の合同委員会ではどのようにこれについて対処なさったのか、承りたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ジュネーブで綿製品の長期協定ができましたときに、確かに考え方は年を追って漸増するという考え方であったわけであります。このことはわが国ばかりでなく、それに参加いたしましたたくさんの国が、それをそれとして認めておったわけです。しかるに昨年起こりました問題は、どうもそのときの協定の精神をアメリカ側が忘れまして、いま加藤委員の言われましたような手段にこれを使おうとしたということは、私は率直に申して事実だと思います。なぜそのようなことが起こったかということを考えてみますと、協定をした政府当局者は、それはそういうものであったということを認めておるわけでございますが、それが先刻申しましたような米国国内の事情から、当時の協定の精神を忘れたような要求となって出てきた。妥結の結果はああいうことになりまして、満足な結果だとは私思いません。が、ともかく漸増をするということの原則だけはまあ認められたということだと思います。日米貿易経済合同委員会でも、したがって、これは綿製品の問題ばかりでなく、米国の日本に対する自主規制等々の要求、これが自由貿易の観念に沿わないということは、これは出席の閣僚が全部口をそろえて申しております。そうして、そのことは出席の米側の閣僚も、まず基本としては認めておるように私は観察をするわけでございます。したがって、政府は事態を理解しながらも、なお国会その他国内との関係でなかなかはかばかしく思うように参らない、動きは非常に遅々としておるというのが現状かと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 加藤君に申し上げます。福田通産大臣はお見えになりました。いろいろ手違いがありましたけれども、時間も相当過ぎておりますから、福田大臣のほうに集中して願いたいと思います。それで、お腹がすきましたからいいかげんのところで……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 私も同様でございます。協力をいたします。  アメリカに自由があって日本に自由がないというのが、これが自由貿易なんです。自由貿易の精神に反する輸入制限は行なわるべきでないにもかかわらず、それが行なわれているのが現実なんです。その結果去年の綿製品協定のごときは八カ月もかかりました。協定がうまくいかないものですからもたもたしている間に、輸出量は減っていきました。しかもそれはあなたは漸増の精神だとおっしゃったけれども、漸増でなしに、二億八千万スクエア頭打ちにさせられ、しかも内容は四十品目余にわたってスイッチまでも禁止されたのでございます。これが具体的事実なんです。その原因をあなたは向こうの業界と政府との意見の食い違いだと言っておられますが、表向きの言い分は常にこれはレーバー・ダンピングである、ソーシャル・ダンピングである、ラッシュするからいけないのだ、これが海外に向かって言うアメリカの言い分なんです。ところがその実は、ほんとうは自由平等の貿易も、それはアメリカ人にとってはアメリカ国の繁栄のためであって、日本国の繁栄のためでないという基本があるからなんです。そこを忘れて交渉に臨んでおれば、日米合同委員会だからといって満足な結果が得られるとは期しがたいわけなんです。やむを得ぬことなんです。ところで、せっかく日米合同委員会に通産大臣も御努力いただいたそうです。将来に向かっては、一体このような忌まわしいあるまじき行為がアメリカにおいて行なわれるかどうか、将来においてはいかがでございますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は世界の国々がそれぞれ自分の立場を主張し、おのおのの利益を守ることをしておることは、国の大小にかかわらないと思います。今後もその傾向は続くであろうと思います。したがって、その場合において、お互いが貿易をし交際をしていくという場合には、どこで妥協をするかということ以外には私は道はないと思っております。私は、そういう意味からいって、今後もそういうふうに向こうが出てくる、こちらはそれは困りますよと言って、そこで適当なところで話し合いをつけていく。それができないということになったらどうしたらいいんだということになりますと、力で解決するということになれば、これは戦争ということになる。あるいはどういうことになるか私は知りませんが、要するにストラッグルであります。そういうような利害の問題が衝突したときに、すぐにこれを力で解決するということをわれわれはとらないことは、これは加藤さんもわれわれも同じ立場であります。そこで、理屈でお互いに言い合う、そして、しかも力は用いないでどこかで妥協の線を引いていく、これよりほかに方法がないと思います。向こうの政府も、わかっておっても、向こうの国民を十分に納得させられぬ。だから、この間もそういう話が出ましたけれども、お互いに閣僚がおのおの入れかわって、日本の閣僚がアメリカへ行って、日本の国情はこうなっているんだと言う。アメリカはアメリカでこうだと言う。こういうふうでありまして、これは基本的な問題でありまして、非常に大事な問題であります。この問題を論ずるにあたって、これをのがしては私は根本的なあれはないと思っているので、実は時間が長くてあなたには恐縮ですが申し上げておる。今後は、これはしばしば問題になるだろうと思うが、しかし、これが一番基本ではないだろうか。そこで、お互いが、何もアメリカだけではございませんけれども、小さい国だってやはり日本に対してずいぶん強いことを言うておる。こちらもまた必要とあれば言わざるを得ない。それはお互いなのであります。そこをどこかで妥協をしていくということ以外には、私はこの貿易という問題の解決もないんじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 前提条件となることは、通産大臣がいらっしゃるさきにもう済んでおりますから、具体的に今後起こるか起こらないか、こうお尋ねしているのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 あなたの御質問がどういう意味か知りませんが、そういう利害の衝突ということは起こるだろうと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 すでにこの綿製品の自粛を相手国から要望されて、自主規制を常に行なってきたにもかかわらず、なお設備制限のことにまで触れて、前大統領ケネディさんから日本国に向かって、それぞれ指示と言おうかサゼスチョンと言おうかがきているはずでございますが、この問題について外務省では御存じでございましょうか。だれか御存じございませんか。外務大臣でないとわからぬかもしれぬが……。

中山賀博外務事務官(経済局長)

○中山政府委員 私は聞いておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 通産大臣はいかがです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 存じておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それでは次に繊維新法を論議いたしますときに、私がそれを持ち出したらどうなさいます。それはうそですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 持ち出されれば、事実かどうかわれわれのほうで調べて、事実なら事実と言ってお答えするほかに道はございません。われわれはいま知りません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 このサゼスチョンによって、この繊維設備制限が特に綿関係において強く行なわれるのを延期する、 つまり繊維設備制限を延期する、それが繊維新法の改定という姿になってあらわれ、それは日本の自主規制、自粛である。その表現のしかたが繊維新法になる。これは知る人ぞ知るでございます。私それを持っておりますから……。きょう時間がないから出しませんが、いずれ新法のときにお目にかかるとして、将来この問題があるかないかの問題でございますが、あるとすればこれの除去に努力をしていただかなければならぬわけです。私はあるであろうとすでに予見される問題について、ひとつ申し上げます。それが毛製品協定でございます。毛製品協定の経過について外務省はどういうように情報をキャッチしていらっしゃるか、通産省はまたどのように対策を練っていらっしゃるのか、この点について伺いたい。わからぬならわからぬでいいです、簡単に。委員長に協力しなければならぬから。

中山賀博外務事務官(経済局長)

○中山政府委員 毛製品輸入制限の動きは一九五六年ごろから起こっています。そうして、いろいろ民間も動き、あるいは業界の会談で持たれたことは御承知のとおりでございます。われわれが一番これを注目いたしておりますのは、昨年の十二月にローマで業界会談が行なわれました。(加藤(清)分科員「その前にあったでしょう」と呼ぶ)ございますが、それは省略させていただきます。それから、今年に至りましては、パリでさらにヨーロッパの業界が会談いたしております。この会談は、アメリカも入っておりませんこともあり、かつ話がまとまらなかったようで、さらに引き続きこの三月には会談が行なわれるというように聞いております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 通産省も同じですね。——いま外務省から御報告になりましたとおりの経過をたどって、日本の毛製品輸出、これを制限する準備が着々行なわれているようでございます。すなわち、いまおっしゃったとおり、一九六三年十二月のローマ会議、それ以前に一九六二年十二月にロンドンにおいて国際羊毛研究委員会、ここで提案をしておる。これがはしりですね。国際協定をつくろうという。国際協定をつくろうというのに日英伊はこの際反対しているわけなんです。国際協定になぜ反対せねばならぬかというと、それは先ほど経企長官がおっしゃったとおり、ことばの上では貿易の振興ということだが、具体的事実になると制限とこう来るから、英国もイタリアも同じように反対の挙に出なければならぬということになってくるわけなんです。一九六四年一月の三日、あなたのおっしゃいましたEEC及びEFTAの加盟十三カ国が日本を除いて本件について会合をやっている。これはまた妙なことなんです。こういうことが行なわれてよろしゅうございますか。一等国一等国と言いながら、日本だけが村八分になっている。外務省、これはどうするんです。

中山賀博外務事務官(経済局長)

○中山政府委員 一部にはこの会議に積極的に参加を申し入れたらどうだという声もございましたが、しかし、毛製品協定に対する日本業界、それから政府の立場は、非常にはっきりしておって、終始これに反対していることは御承知のとおりでございます。したがって、アメリカ政府にもはっきり申し上げてあるし、あるいはその他の政府にもはっきりしてある。そこで、なまじっかそういう会議に入って、へんなコミットメントを取られるよりも、わがほうの態度はしかくはっきりしておりますので、むしろその参加することを見合わしたほうがよかろうということでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 時間がないから、私は次へいきますが……。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 そろそろ結論に入ってください。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 参加をしないほうがよろしいなんという考え方がもしあったとすれば、日米経済合同委員会へ参加してやったことはどういう意味になるか。二律背反と言わなければならぬようになっている。まあそれは突っ込むことは時間がないからやめておきましょう。委員長に協力します。  ところで、その際に、英国やイタリア、同じ輸出相手国ですが、これがいかなる態度に出たかたいうことの情報をキャッチしていらっしゃるかどうか。特にインターラーナーの会議、EEC傘下にあるところの毛製品協議会、ここにおいてどのようなやりとりが行なわれ、どのような態度に出たかの問題について、情報を取っていらっしゃるかいらっしゃらないか。

中山賀博外務事務官(経済局長)

○中山政府委員 情報を持っております。御承知のように、ヨーロッパの諸国におきましては、政府の態度と業界の態度とが分かれております。先般のローマ会議、それからまたパリ会議は、いずれも業界が中心であります。業界では、アメリカとの間に何かいい話がつけば、ことに毛製品に対する関税率の引き下げ等を材料にして話がつけば、あるいはそういう話に乗らぬこともないというような風潮といいますか、傾きがあるということは存じております。しかしながら、政府では従来どおり非常にはっきりこういうものは困るということを申したと聞いております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それはあなたは食い違いのところだけを発表してみえますが、大臣、こういう問題です。アメリカは毛製品を制限しようとして着々準備を進めている。これに対して、英国、イタリアは、いかにかしてその行為をなくするか、あるいはやわらげるかして輸出を振興しようと努力している。その間英国は民間製造業者も政府も議会も三位一体となってこれに当たっている。イタリアしかりです。ところが、日本はどうかと申しますと、さにあらず。政府は確かに通産大臣もこの間の合同委員会でホッジス等々に対して相当強いことを言っていらっしゃることも私は知っております。次官しかり、繊維局長しかり。この努力は多といたりますが、遺憾ながら三位一体の実が形の上においてあがったためしがない。アメリカ側になぜこの問題が起きるかといえば、表向きはレバー・ダンピングでございますけれども、実質は、業界からの突き上げに耐えかねて、友好条約やあるいは経済会議の精神には反するけれども、やむなく政府側が日本その他に向かって制限制限、こう来ているわけだ。したがって、世論をとうとぶアメリカのことでございますから、日本の国会においても世論を糾合してそれをアメリカ国にぶつけるようにすれば、あなたたちが代表として会議をなさる場合でも非常に有効になるではないか、かように思われるわけでございます。  そこで、これについての対策でございますが、私は、まず、政府議会、業界、この三位一体が対策としては必要である、かように存じます。この点大臣はいかがお考えでございましょうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、そういう面で意見が一致して動くということに何も反対ではございません。そういうことが成り立っていくことは一つの行き方だと思います。しかし、それをやったからそれでアメリカの世論をはっきり圧服できるかというと、そうはいかないと思います。だから、私は、そういうのも一つの方法であるが、業界自体が向こうの業界に働きかける、あるいは国会が国会に動きかける、あるいは政府が政府に働きかける、こういうのも一つの方法かと思います。私はいろいろ道があると思います。しかし、これはみんなでやろうじゃないかということについて、異存のあろうはずはございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 一歩前進の発言です。あなたのおっしゃっておる業界はもうやっている。弁護士まで頼んで、それから業界が向こうの議員・弁護士を頼んで向こうの政府・議会に働きかけるということはもうやっている。やっているけれども、なお綿製品はかくかくのごとくになってきた。欠くる点は何かというと、向こうは三位一体になっている。こちら側は議会が能動的でなかったということがアメリカとは違うのです。そこで私はあえて三位一体を申し上げたわけですが、一歩前進で、どうです大臣……。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 加藤さん、通産大臣は石炭委のほうから呼びにきているのです。あなたの時間はもう来ているのです。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 わかっています。——対策を立てるために特別委員会を設ける意思があるかないか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 国会の問題は国会でお考えを願う以外にないと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これにて加藤溝二君の質疑を終了いたしました。  これをもちまして経済企画庁所管及び通商産業省所管に対する質疑を終わりました。  午後は二時半より再開し、昭和三十九年度一般会計予算及び同特別会計予算中、農林省所管について質疑を続行いたします。  暫時休憩いたします。    午後一時五十一分休憩      ————◇—————    午後二時三十九分開議

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和三十九年度一般会計予算及び同特別会計予算中、農林省所管について質疑を続行いたします。  質疑は通告順においてこれを許します。井手以誠君。  井手さんにちょっと申し上げます。これから質問される方が九人あります。それで、本務員は一時間、かわって来られた方は三十分ということに初めからきめてやっておりますが、それで、この九人をやりますと、八後半ないし九時までかかるのです。どうか簡潔にして三十分以内に上げていただきますよう、特に御協力をお願いいたします。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 主査に御協力申し上げます。  簡単なことを二、三点お伺いいたします。農地局長でけっこうです。土地改良協会の連合会の賦課金の問題であります。ある県のある市の部落が、一昨年になりますか、非常にひどい水害を受けましていま復旧工事をやっておりますが、激甚災害であるために九割八分程度の高額補助を受けているはずであります。ところが、全く関係のない土地改良協会連合会から、総工事費に対して、千分の二か三かはっきり私記憶いたしておりませんが、連合会の内規に基づいて賦課金を課してまいりました。災害を受けて非常に困っておるところに筋の通らない賦課金を出さねばならぬというのは、これははなはだおもしろくない話でありまして、ほうぼうの県で、災害復旧についても鉱害復旧についても、委託設計などの関係がないのに、自分の領土だ、自分の関係の府県であるといういわゆる領土みたいな考えで、工事費総額に対して賦課金を課しておるのは、これはおもしろくないと思うのです。これは末端ではどこでも文句が出ておりますが、土地改良協会もいろいろ費用が要る。それをまかなうのになかなか困ったあげくであるとは私も知っております。費用が要ることはわかっておりますが、土地改良事業ならばこれはいたし方ございません。少々賦課金がかさんでもいたし方ないと思っておりますけれども、委託設計の関係もない鉱害復旧や災害復旧について、これは自分の連合会の範囲だからという理屈で賦課金を取られることは、これはおもしろくないと思っておりますので、この機会にはっきりした農林省の方針を承っておきたいと思います。私はそれをはっきり承れば、その点はそれでいいのです。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 お答えいたします。  連合会は会員で組織されておりまして、その会員に対しまして賦課金を課する権能を認めております。昨年、御指摘の県だと存じますが、その県におきまして鉱害復旧をやっておる事業主体たとえば復旧事業団それからその他の復旧事業施行主を会員とみなしたわけだと思いますが、これに賦課金をかけておる事実を発見いたしまして、会員以外に賦課金をかけては相ならぬ、こういうことを通達をいたしまして、是正措置を講じた次第であります。したがいまして、会員ではないものに賦課金を課しておりまする問題は、私どもも今後調べまして、ありましたら即刻是正をさせます。問題は、災害復旧等で会員である土地改良区及び市町村等が事業をやりました場合に賦課金の事業割りをやる、事業費比率で分ける際に災害復旧事業を織り込むかどうか、それは災害復旧事業を事業費割りの比率の範囲に織り込むことは災害復旧の性格上適当ではないじゃないかという御趣旨と存じますので、この点はできるだけ是正をさせたいと存じます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 実情はこうなのです。市町村が会員になっておりますから、市町村内のいろいろな工事に対しては賦課金を取るというたてまえをとっております。しかし、設計もしない高率補助という激甚災害地に、工事費総額に対してその区から賦課金を取る。私が去年問題にしたのは、あれは県営工事です。県営で工事をやっておるのに、地元に、一億円の工事だからというので、非常に困っておる災害地に賦課金を三十万も四十万も要求してくる。非常に困っておるのです。だから、設計費というものは工事の中に入っておるはずですから、土地改良協会の経営については私は別途に考えなくちゃならぬと思っております。それは技術員をかかえて困っておるからそういうことになると思います。一がいに私はけしからぬとは申し上げておりません。土地改良協会連合会の立つ工夫は別に考えなければなりませんが、災害復旧とか鉱害復旧とか、地元が非常に困っておる問題で特に国が高率補助で復旧をしてやろうという、そういう内容のものに賦課金を取るということだけは、これは、できるだけということではなくて、きちっとやはり方針を明らかにしていただきたい。いま局長は、理屈はわかっておられるようですけれども、できるだけとおっしゃったが、これははっきりした方針を示していただきたい。取るべきものではない、こういう方針が必要である。そうでなければ、できるだけでございますから、私のほうは困りますから取らしていただきますなんということは困りますから、筋だけははっきりしておいてもらいたい。災害復旧あるいは鉱害復旧については地元から賦課金を取るべきではないという方針だけははっきりしていただきたい。それだけでけっこうです。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 鉱実復旧事業は明らかに土地改良事業でございませんので、これをもとにして一般の賦課金の割当の基礎に使うことは、先ほど申しましたとおり、やらせないということを申し上げたいと思います。それから、連合会が一般に仕事を営んでおりまして、それに要します経費を、私は、御指摘のとおり、一般の土地改良事業割りにやるのが筋だと存ずるわけでございます。ただ、災害復旧事業も一応土地改良事業としてやっております関係上、これはむろん災害復旧事業の性格上、これを基礎にしないということがベターであるということはよくわかるわけでございますが、災害復旧事業を一切賦課金の算定の際の事業割りの中身から落とす、完全に落とすかどうかということにつきましては、もう少し研究さしていただきたいと考えます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 私は研究の余地はないと思うのですがね。災害復旧ですよ。設計費なんかは災害復旧の工事費の中に含まれておりますね。そうであるなら、そのほかに災害を受けたところが負担しなくてはならぬ理屈はどこにもないと思うのですよ。改良事業であれば、これは負担はやむを得ません。原形に復旧する災害復旧事業については、あるはずがないのです。ただ、あるとすれば、原形に復旧する際に換地処分をするとかなんとかという部面については若干出てくるでしょう。せっかく復旧するのだから少しかえようじゃないか、換地処分しようじゃないか、そういう面についてはあると思います。その場合には換地処分に要する費用について賦課金を課すべきではないのか、その点はわかるでしょう。あなたがおっしゃる、少しことばを濁された意味はそこなんですよ。原形に復旧する災害復旧工事について、最後の段階で、鉱害復旧の場合もあるのですが、換地処分などの必要が生じたときに土地改良事業として賦課金が来るのは、あるいは総事業費の一割かあるいは五分かに相当するか、どのくらいかわかりませんが、その分についてはあるかもしれません。しかし、工事費総額に対して復旧費総額に対して賦課金を課することはあり得ないと思うのですが、どうですか。その点はすっきりしてくださいよ。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 御指摘のとおり、連合会が生きていきます上に経費がかかる。その経費を、御指摘のように調査・設計というサービスに対する対価を収入としてまかなっていく、これが一番理想的だと存ずるわけでございます。いま先生御指摘の問題は、そういうサービス業から来る収入で所要経費をまかなえない場合に、賦課金という問題が起きておると私ども考えております。そこで、賦課金を今度は連合会を構成する会員にどういう基準で割りつけるか、その際に事業量割りで割りつける部分があるわけであります。その事業量割りは、本来、災害復旧というような事業ははずして、本来の土地改良事業の割合でそれぞれの会員に割りつける、これが一番いいことだと存ずるわけでございます。しかし、いま私が多少考えさしていただきたいと思っております問題は、それが一番理想でございますが、絶対災害復旧をいかなるウエートにおいてもそういう案分をいたします事業の中に入れることはまかりならぬと、決定的にここできめるかどうかについては、もう少し考えさしていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それは、法律の根拠がなくては税金も取れませんし、賦課金も取れぬはずです。筋はちゃんときまっているはずですよ。土地改良に相当する部分については、賦課金が生ずることはあり得るのです。そうでしょう。それはありますけれども、災害復旧そのものについて賦課金を課する根拠はないはずです。原形に復旧する災害復旧のたてまえからいたしますならば、賦課金を生ずる余地はないはずです。設計に対する対価は別個の問題です。賦課金の問題ですから、それを筋だけはっきりしておいてもらいたいと思うのです。私は、災害復旧の最後の段階で換地処分などに関する土地改良の部分についてはやむを得ないと申し上げております。しかし、災害復旧総額に対して、事業総額に対して賦課金を課することは不法であると思う。適当でないとかいうことばではございません。すべきものじゃないと思う。根拠がないと思うのです。その点だけはっきりしていただきたい。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 御指摘の点でございますが、連合会という組織がございまして、連合会が生きていきます経費を会員に一般的に賦課するという権限を与えられておるわけであります。そこで、それをどういう基準で賦課するか、一会員何円という賦課の方法もございます。これは平等割りと称しております。それから、事業割りという割合で賦課するという賦課の方法もあるわけでございます。問題は、事業割りにするときに、事業割りの事業というものの中に災害復旧を織り込まないという形でやるべきか、災害復旧事業を事業として織り込んで、その比率で各会員に割り付けるかという問題と存ずるわけであります。やる事業の中から金を出せる財源があるとかないとかいう問題と一応別個の問題と私考えるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 いや、会員に賦課することはわかりますよ。しかし、被害地に賦課することはよくないじゃないかと思います。会員に割り振ることはいいけれども、被害を受けた部落にその賦課金を課することは根拠がないじゃないかと申し上げているのです。もしかけることができるとするならば、改良の部分についてすべきじゃないか、それをすっきりおっしゃってください。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 一言だけ。事業をやりましたからその事業をやった部落にとか、そういうものに賦課金をかけるということは認めません。会員であるがゆえに連合会の費用を持つという意味の賦課金以外は認めない考えでおります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 部落は……。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 部落は、連合会の構成員になりませんから、あり得ないわけであります。あったら是正いたします。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 土地改良協会連合会の経営について、私はこれは県にも責任があると思うのです、多数の技術者を擁しておかなくちゃならぬ。技術者がさほど必要でないときもかかえておかなくちゃならぬ費用を、災害その他が起こった場合、その賦課金でまかなうという考え方、この点はひとつ連合会も立っていくようにしなければなりませんが、その点の筋だけはきちっとしておいてもらいたい。  それから、もう一つは開拓関係であります。最近の新しい営農振興計画を進めるにあたって、おそらく開拓団は四百七十億円くらいの負債があると思いますが、せっかく振興計画によって立て直ろうとするときに、過去の負債に非常に困っておることは御承知のとおりです。一戸当たり何十万の負債をかかえて非常に困っております。その立て直ろうとする振興計画に、依然としてその旧慣の重圧を受けておりますと、その重圧がなければ立て直れる開拓者が立て直れなくなる。聞くところによりますと、振興計画に該当する者の半数くらいは負債のためにあるいは認定を受けられないかもしれぬという話を聞いております。私どもは、真に開拓者の営農を考えるならば旧債を十カ年くらいはたな上げすべきだという意見を持っておりますが、旧債の点は、自作農創設資金の借りかえか何か別途の方法を講じて考えてもらえぬものか、振興計画に別途に考えてもらえないものか。旧債のために、せっかく入り得る範囲の人であっても、半数くらいは脱落しそうだ、認定を受けられないという問題がありますので、それを救済する方法はないものか、この点をお伺いいたします。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 開拓者の第二次振興計画ということで、いま各地でいろいろと作業しております。それに関連いたしまして、旧債をどう扱うかということが、御指摘のとおり非常に重要な問題になります。いろいろ検討いたしましたが、大臣からの御指示も得まして、現在の自作農維持資金の運用によって一つにはどこまで事態を処理できるかという問題、それから、いま数字をあげられましたが、階層別に見ました場合の旧債の状態がどうあるかという調査の二本建てで旧債の処理をいたそう、かような体制をいまとっております。したがいまして、いま自創資金を使って旧債の問題の一部を解決するという方法につきまして、開拓者団体と具体的方法を協議中でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 赤城さん、いま局長からお話を聞きましたが、振興計画の対象戸数は六万戸くらいと聞いておりますが、旧債のためにその半数の三万戸くらいは認定が受けられないような事態になっておるようです。その旧債を自創資金の借りかえで解決するかどうか、この旧債の問題についてどういう熱意でおやりになるのか、その点をお伺いしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話しのように、旧債があるために前へ進めない、こういう事態を私どものほうも承知しております。でありますので、旧位を整理して借りかえするというような方法によって的へ進むべきだ、こう思いますので、いろいろ検討いたします。その結論といたしまして、いま法律を出すとかなんとかいうことはいたしませんが、自創資金を運用してそれで借りかえをさせて先へ進めるようにしたい、こういうことで具体的に検討さしております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 もう一点お伺いしておきます。開拓者の離農補助金、今度四十五万円になりましたか、そうですね。ところが、実際は借金がたくさんございますから、この補助金を三十万円、——来年から四十五万円もらうにいたしましても、債権者から押えられて、せっかく新たな職につこうとすることができない場合が非常に多いんです。そこで、自分のいままでの開拓地を処分する金かあるいは補助金のほうは旧債のいわゆる債務に充てないという方法か何か、いわゆる炭鉱離職者に対してはかってなことを許さないようにいたしておりますが、開拓ではだめだから新たな職につこうとする人がせっかく国からもらった補助金が、全部旧債に取られてしまう、債務に充当されてしまう、自分の一町何反の開拓地を処分しても全部旧債に充ててしまう、出ていくときに裸だということじゃかわいそうですから、これを何とか考えて、職につくときには、まとまって開拓地を処分した金かあるいは補助金の分だけは持っていって新たな仕事につけるような方法はないものか。現在、もう裸になってどうにもならぬ、町に出ていきたくとも出ていけないという人たちがたくさんございますが、大臣、この点について何か対策をお持ちでございましたら明らかにしていただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話のような事情を耳にいたしておりますので、実は、農地局長等に命令しまして、具体的に離農の補助金を持って出れるように、——全部というわけにはあるいはいかぬかもしれませんが、できるだけ多く持って出れるような方途を講じませんと、せっかくの離農補助金といいますか、助成金が生きていかない、こういう一方え方から、これを指導するように事務当局に命じておるわけでございます。できるだけ多く持って出れるように処置するよう指導いたしております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 債権債務の関係はなかなかこれはむつかしい問題で、行政指導という程度ではなかなかむつかしいですよ、これは。幾らか持って出れるようにというくらいではきき目がないと思うんです。必ずしも法律によらなくてもいいかもしれませんが、財産を処分したものは旧債に充てなくちゃならぬことはわかる、補助金の分だけは持って出れる、どちらかはっきりして、国の債務については免除するとか、何かそこにきちっとしたものができないんですか。いわゆる国から借りた、国の関係の機関から借りたものについては、開拓地の処分によってなお足りない分については、もうあとは免除する、補助金だけは持っていけるようにというふうな、何かきちっとしたことはできませんか。ただ補助金の幾らかは持って出れるようにというくらいでは、なまぬるいのです。それではきき目がございません。少し話し合って、ひとつ離農者が安心して職につけるような方針を明らかにしてもらいたい。何ならそこで相談してもらってもけっこうです。私はこの一点で終わりますから、御相談なさって御返事をいただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 離農に国から出す金は、いまお話しのとおり、財産を処分して債務に充てるべきものと性質が違うわけでございます。政策として離農するために新たに補助金を出す、こういうことでございます。その政策目的に沿うように、債権者あるいは開拓者の組合、そういう組合と話し合って、国からの補助金は持って出れるように、そういうふうに行政指導は農地局長その他を通じて強くやっていきたい、こう思っています。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 だいぶんおことばは進んでまいりましたが、もっとはっきりしておきたいのは、国の関係の機関の債務ですね。これは、財産を処分した金で足りない分、それを補助金に追求することのないように、それはさせないというくらいははっきりしてもらいたいと思うんです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農地局長と話ししましたから、農地局長から答弁いたさせます。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 先生御指摘のとおり、やはり出ていくのに文なしで出てくるということでは出れませんし、また、せっかく離農補助金を出す趣旨から申しましても、なるべく出ていただきたいということもある。そこで、実は、三十万を四十五万にふやしたのも、その措置を拡大したいという立場が一つあったわけです。したがいまして、いま何円何十銭は残すというふうにはきめておりませんけれども、政府の債務その他につきましては、御承知のとおり、出ていく方には繰り上げをして払っていただく方法と、即決和解等で年賦払いを、繰り延べを相談してやる方法とありますが、債権管理法というのがございまして、それで相談いたしまして繰り延べをいたしまして、ある程度持って出れるような形にぜひしたい。幾ら持って出れるかということは、実はまだきめておらないわけでございますが、やっぱり次の仕事に行って、しばらく次の仕事につく間のある程度の必要現金という角度から、持っていけるようにいたしたい、こういう考え方で、いまいろいろ、三十九年度から金がふえました際でございますから、そのふえた機会にそういう措置を考えたいということで、鋭意検討中の問題でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 大臣、一方では四十五万円の補助金を出す、一方では国が貸した金を回収するのじゃ、意味がないとは申しませんよ、しかし、せっかく離農しよう、新たな職を得ようとする人に助けにはならぬでしょう。そういう人は、いままでの開拓者の実情からばく大な借金を持っておる。それは借金は借金ですから払わなくちゃならぬ。それはやはり財産を処分する。しかし、一方離農奨励という立場の国の政策で補助金を出すなら、それだけは持ってやらせねばならぬという一つの線はあるはずです。三十万は持たせてやらねばならぬとか、いまは、三十万を四十五万にしたその差額はよけい持たせようというお考えですけれども、実際には一銭も残らぬで裸になった人が多いですから、少なくとも三十万は持たせるように、いわゆる国の債権の問題についても解決するならする、その線はやっぱりはっきりとあなたのほうはつくっておいてもらいたいと思います。片一方では国が取る、あるいはあとで取りますよということでなくて、せっかく国が離農奨励金を出すならば、四十五万のうち少なくとも、——新たな職につく、一家引き揚げて町に行くのですから、それに要する費用、当分の生活費だけは残るような、それは一応の基準は出てくるはずですよ。三十万なら三十万という数字が。それを確保してやる御決意ですかどうですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 債務を棒引きにするということはできませんけれども、その債務に補助金を充てて、補助金を取っていくというようなことはしない方針で、いまお話しのように、外に出て職につけるようなものを持って出れるように、そういたしたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 いま言ったように、ある程度の、何十万、二、三十万の金はぜひ持っていかなくちゃ、都会に一家移れませんよ。そうして、移ったその日から収入がうんとあるわけじゃございませんから、それは多いにこしたことはございませんが、やはり一方には債権債務がございますから、そう何もかも棒引きとは申しませんけれども、せっかく離農奨励をしておるならばその金が生きるように、三十万なら三十万を持たせてやるという、そういう方針をお立てになる必要がありはしないか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 いま申し上げたのは、そのことを言ったのです。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 もう少しはっきり言ってください。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 別に違ったことを言ったわけではありません。ただ、債務は債務として俸引きしてしまわない、そこで債務はもうないんだというようなことにはしませんが、持っていけるものは持っていかせるようにしなければいかぬ、こういうお話をしたのです。だから、その債務の弁済のために、持っていくものまで、補助金まで取り上げる、そういうようなことはしませんけれども、持って出て職業につける金は持たせるようにする。しかし、債務は債務として存在している。その際に債務はなくなったというようなことまでにはなりません。債務は債務としてあるけれども、持てるものは持っていかせるということでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これで終わりますが、その出ていく者に少なくとも幾らかは確保してやろうという方針を立てなくちゃならぬと申し上げておるのですよ。確保しますなら確保しますとおっしゃれば、それでいいのですよ。それは五万なのか十万なのか三十万なのか、それじゃわかりません。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 これはいろいろその人々の事情もございましょう。ですから、ここで画一的に幾らという数字を申し上げるについては、なお検討を要するところがありましょうけれども、職につけるようなものは持っていける、こういう方針で進みます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それでは、職につけるような金は持たせてやりたい、こういうことでございます、もっと詰めたいのですですが、お互いしらが同士ですから、まあこの程度にして終わりますが、都会に行ってしばらくの生活費のあるくらいの基準をつくってもらいたい。これを要望して、私の質問を終わります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これをもって井手以誠君の質疑は終了いたしました。  次に、茜ケ久保重光君。  茜ケ久保君に申し上げます。本務員は一時間、交代してきた人は三十分を巖守してもらっておりますから、途中でも三十分たちましたら切りますから、どうかそのつもりで簡潔にお順いします。  政府委員の諸君も簡潔に御答弁を願いたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 主査の厳命でございますから、これを守っていきたいと思います。したがって、私も要点だけを簡略にお尋ねしますから、答弁のほうもひとつそのものずばりでお答え願いたいと思います。  まず最初に、赤城農林大臣にお伺いしたいのでありますが、私どもの立場から考えますと、どうもこれは池田内閣といわず自民党の内閣の施政の中には農業政策が非常にないといったような感じをいままで持っておったのであります。まあ赤城農林大臣になってからかなりその点が進展したかと思う点もあるようでございます。赤城農林大臣のいわゆる現在まで歩んでこられた生活の中からにじみ出るものと思うのでありますが、しかし、その中で私がどうしても納得がまいりませんのは、いわゆる農村と都市生活の落差はだれもが指摘します。   〔主査退席、仮谷主査代理着席〕 さらに、その農村の中でも、平たん地の農村とでも申しましょうか、都市周辺の農村と、山間部にあります山村の生活とでは、さらに大きな落差があると思うのです。いま井手委員の質問の中に開拓農民のことが出ました。私も開拓農民の現状に非常な痛々しい気持ちを持っておるわけでありますが、それはそれとして、開拓でなくても、従来から山村に住む農民諸君の生活はだんだん窮迫してきているという現状でございます。私は政府でお出しになった三十八年度の農業の動向に関する年次報告をたんねんに読ましていただきましたが、なかなか私どもですら感心する点があります。このかなり部厚いものの中にも、山村に対する施策なり、それに対して行なった何らの点も出ていないのです。非常に遺憾でございます。赤城農林大臣はいわゆる山村に対する何かあたたかい施策をお持ちであるかどうか、この点についてお答え願いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 確かに、お話のとおり、何といっても単純ではございません。山村のほうは非常に悪い状況でございます。そういうことでございますので、山村問題というものは大きく取り上げなくちゃならぬと、こう思っています。現在やろうとしているのは、林野関係等におきましても、山村に構造改善の仕事を持っていくということでございます。あるいはまた、総合的な問題ではございませんが、林道等の予算もふくらませまして、補助率等も上げまして——率ではございませんが、補助の実質を上げまして、林道等もやっていきたい、さらに、山村の生活が貧しいものですから、こういうことにつきましては、速急になお専門的な調査をしまして、官庁の仕事はよく調査々々でおくれてしまうのですけれども、そういうふうにおくれないで、なるべく早く専門的に調査をしまして、山村対策を確立したいということで、ことしの予算等にも山村に対する調査費を計上して、専門的に調査を進めていきたい、こういうふうに考えております。お話のとおり、非常に山村問題は憂うべき問題を含んでおります。強力な措置をとっていかなくちゃならぬ、こう考えております。特にいままでにとった珍しいというか、目新しいものは持っておりませんが、いま申し上げましたようなことから進めていきたいと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 大臣もおっしゃるように、いままでの長い政治の中で、養蚕とか特殊農産物といったような点に対するそのときどきの施策はありましたが、山村に対する施策はなかったということでございます。そのとおりでございます。  そこで、端的に出し上げたいのは、私は、従前から、いわゆる国有林の山村における利用と申しますか、開放ということばも使われますが、年来主張しておりますのは、これは必ずしも国有林ばかりでなく私有林もございますが、私は一応国有林を問題にします。国有林を所有権まで移すということではなくて、問題は、私が狭い視野から見ましても、自分の住居が山の中で、自分の住居の軒先から山であって、その山が国有林ということで、その山村の農民がこれを全然利用できない。利用できないどころか、ひどいときには、まさかりをかついで山に入っただけでもかつては厳罰に処されたということがありました。最近はそういうことはありませんが、そうでなくても、自分の軒先から山であるにかかわらず、その山から何らの恩典を得ないし、生活の基礎を得ない、こういうところに問題があると思うのです。したがって、山村対策としてもいろいろ問題がありましょうが、ここで聞きたいのは、私ども従来から山林開放なり国有林の開放を主張してまいりましたが、いままでの政府はこれに対して何ら具体的に解決の方策をとらなかった。しかし、これ以上山村を放置すると、いまから調査をなさったとしても、なかなか容易でないと思う。基本的には、何といっても、国有林というものは日本の山林の大部分を占めておりますので、国有林の開放ということが基本的な線として出てまいりませんと、どういう調査をなさっても、山村の発展でなくて、山村の農民に生活の基盤を確保するということはどうしてもあり得ないと思う。国有林の開放ということばの中にはいろいろな意味がございますけれども、とにかく、その国有林の付近に住むところの山村の農民に対して、その方法なりあるいは具体的な施策は別として、国有林を積極的に開放して、国有林の開放によって農山村の農民の生活を確保するという方針をいま政府は考えておると言うし、また、農業改善事業の一環として牧町その他へ開放すると言っていますけれども、それでは私は限界があると思うのであります。牧町にできる部分は非常に少ないのでありまして、牧野にできないような完全なもっと山の中にある農村対策でございます。こういった点に対して、農業改善事業という限定された方法だけではなくて、もっと積極的な意味における開放の御意思があるかどうか、この点についてお伺いします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 いま指導いたして決定しておりますのは、農業構造改善に関連して国有林を開放するということ。それは、国有林としては国土保全というような観点は離れてはならないものですから、そういう必要を感じないような面におきまして開放していく。たとえば、構造改善等におきましても、奥地の国有林を開放されてもあまり意味をなさぬ、実は近くの民有林がほしいのだ、こういうような場合もあろうかと思いますそういう場合には、近くの民有林と国有林とを交換するというようなことをしまして、その民有林が農民の構造改善の助けになる、こういうような方法も構じたいと思います。  それから、いまお話しのように、一般の人が林野を自分のものにするための開放ということはいま考えておりませんが、山へみんな入ってその山を利用できるような入り会い制度をやっていくとか、進めていく、あるいはまた、部分林制度で、その山に植林としまして、その植林をした権利を一般の人が持っていく、部分林として分け前を一般の人が持てるように、そういう方向はうんと進めていきたい、こう考えております。  あるいはまた、労力面におきましては、山村におきましてはどうしても農閑期というか、農業をしていない間に山に入る。労力をそういう方面へ求めてもおりますし、出してもおります。そういうような点なども十分考えていきたい、こういうふうに考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 農業構造改善事業に関連した牧野というものは、実際は非常に限定されると私は思うのです。また、そういう地点はある程度別な方面でもかなり農村としての施策も講じ得ると思うのであります。問題は、先ほどから指摘しますように、そういう地点でなくて、完全に山村という状態の中にある農民諸君が非常に困っておる。実はこれは一つの具体的な例を出して恐縮でありますが、群馬県に勢多郡という郡がありまして、これはずっと山村でございますが、特に東村というのがございます。実はその一部落から私どもに国有林野開放に対する要請が来ているわけでございます。私現場を見に行ったのでございますが、約百二、三十戸の部落でございまして、部落全部が国有林の中にあるのでございます。その部落の諸君に言わせると、国有林となったその当時の歴史的なものを見ると、当然部落の者が所有すべきであったけれども、何か当時の書類の行き違いで国有林になったということを主張しております。そういういきさつは別として、私も現場に行って見ますと、山を利用する以外にどうにもならないのですね。と言っていまさら開拓農民のように離村することもできない。したがって、村の諸君がいろいろ討議した結果、これはやはり国有林の利用以外にないという結論に達して、とりあえず来たようであります。私も現場を見まして、現地の諸君の言うことでありますから、いろいろ検討したのですが、山として以外に利用できないのですから、いわゆる農業構造改善事業の範囲に入れない。したがって、問題は、その山をどういうふうに利用したらよいかということを検討したのでありますが、地元の諸君は、いま大臣のおっしゃた部分林とか入り会い権では満足できないのです。であるけれども、はたして国有林を所有権ともその地元の諸君に分譲することがよいかどうかについては私も疑問がある。むしろ、私は、所有権は国有のままにしておいて、利用することを、これはいま言ったような部分林とか入り会い権という形でなくて、完全な形における利用権を与えて、その土地の利用によって部落全体が完全な農山村の経営ができる方向へいける可能性が非常に望ましいと思うのであります。これは私は一つの例でありますが、おそらく、先ほど申しましたように、全国にはこういう山村がかなりあると思う。これは開拓地以上の問題だと私は思う。話がわかりやすいように具体的な例を出したわけでありますが、こういう点に対してはっきりしたお答えをお願いしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 例として出されました東村は、私も行ったことがありますが、もとは薪炭の産地で、奥地であったと思います。私は部分林等でやるのが適当と思いますが、林野庁の長官なども、いろいろそういう面でどういうふうにしたらよいか苦心いたしております。具体的な面におきまして御相談いたすことがあろうかと思いますが、なお、一般的な問題として林野庁長官から答弁させます。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 お答えいたします。  いま具体的にお話の出ましたその個所の国有林野の利用の要望については、林野庁といたしましても、営林局を通じましてその事情を承知いたしておりますが、国有林野に囲まれましたそういう部落が、国有林野を活用しまして、それぞれ生計の道を立てていくというような場合に、いま大臣のお話しになりました部分林制度というものもございます。なおまた、従来共用林野という制度もございます。あるいは貸し付け使用という制度もございます。先生の御意見のように、この国有林野をこまかく細分いたしまして、そうして、それぞれの私有に属せしめるということには、お説のように確かに問題がございます。そこで、そういうことでなく、たとえば共用林野というような制度によって十分にその土地の利用が可能であると存じます。また、場合によっては貸し付けする必要も条件によってはあるわけでありますが、その地帯を酪農、あるいは果樹、園芸その他農用地、放牧あるいは薪炭林でもけっこうでありますが、それぞれ共用林野の制度でその希望は達せられるのではないか、こう考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 私は自分の一番身近な例を出したわけでありますが、先ほど来指摘しますように、都市周辺や平坦地の農村においては、もちろんこれは都市との落差はございますけれども、いろいろな形で現在農民の生活もやや向上しつつあると思うのであります。もちろん、問題はたくさんございますし、政治の力を要する点もございます。しかし、何といっても、私がいま一番問題にしたいのは山村民です。開拓者はもちろんでございますが、開拓についてはそれぞれいままでいろいろな施策がございましたので、それなりにまた解決の方法もあるように見ております。いま農林大臣並びに林野庁長官からお答えがありましたが、問題は、それが具体的に実施されるということです。現に国有林の付近に住み、あるいはその中に住む山村の諸君が、都市の生活とは言わぬまでも、農民としてのある程度の生活ができるような状態を確保することが大事でありますから、ひとつぜひ御努力を願いたい。これは私どもも側面的な御協力は惜しみません。おそらくこれは具体的に問題が出てまいると思いますが、私は必ずしもこの東村の一つの例をしゃにむにどうしろというのではなくて、これは一断面でありまして、こうしたものが具体的に出ているのはまだ少ないでしょう。そういうことすら考えないで、ただお山の中にいて山を見ながら、山に住みながら山が利用できないために苦しんでいる多くの山村の実態を、先ほどのように早く調査されまして、調査した以上は具体的な対策を早急に立てると同時に、いわゆる赤城農林大臣の他の人にまねのできないあたたかい思いやりのある政治をひとつ早急に立ててもらいたい。  この問題についてはまたあらためてお願いもしようし、御要請もしますが、時間もございませんから、ただいまの御答弁を熱意のあるものと私善意に解釈しまして、どうぞこの点に対するなお一そうの施策の遂行を要望して、私の質問を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷主査代理 これにて西ケ久保重光君の質疑は終わりました。  次に、松浦定義君。  松浦君に申し上げますが、持ち時間は三十分でございますから、どうぞひとつ厳守をお願いいたします。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 私は、農林漁業政策が国の重要な問題であるという点から、農林省当局も非常に努力をされておるのでありますけれども、本日は部分的な問題について二、三お伺いいたしたいと思うわけであります。  まず第一点としてお伺いいたしたいのは、林業政策についてでございます。農業基本法が制定され、さらにまた近くは林業基本法等の問題も話題になってきておりますときに、本予算委員会におきましても、あるいは分科会におきましても、多くの委員から特に林業問題等についてはどうかといったような御意見が実はあるわけでございます。私どもがいろいろ現地の問題を見てまいります機会に、この政策の重要性をいろいろの場において指摘をしておるわけでありますが、まず第一に、国有林野というものが国の重大な資源であるということから、その施策についてはずいぶんこれまで努力されておるようでありますけれども、今日、その国有林野事業の目的というものについて、いささか行政の面から見ましても納得のできないものがあるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけであります。したがいまして、農林大臣としては、この国有林野事業の目的というものについて、今日お考えになっておる点について一応御所見を承りたいと思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 一つは、国有林野が持つ日本の風土とか、日本全体に対してそれをいかに寄与をさすべきものか、また、寄与しているかということでございますが、これは、一言で言えば、国土の保全、もちろん水資源にもなっていますし、その他気候風土の緩和もいたしておりますが、国土保全の大きな力をなしておる、こういうところに国有林の存在価値が一つはあると思います。もう一つは、資源の問題でございますが、日本といたしまして、木材の輸入等は四番くらいになっていますか、そういう形で、非常に輸入がふえているようであります。国内的にもいろいろ建築や何かで、鉄筋コンクリートや何かができておりますけれども、その木材の需要、あるいは木材を加工しての輸出というような、資源としての木材の価値が非常にウエートが大きいのでございます。そういう意味におきまして、国有林として、民間でなかなかやり得ないものを国の力で、資源の再生産、保存、確保、こういうことについてなお尽くしていくべきである。こういう二つの面が国有林としての大体の存在理由といいますか、国有林として存置しておる理由だ、こういうふうに考えます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 むろん、国有林野事業というものは非常にむずかしいということは実はわかるわけでありますが、いま大臣のお話しになりましたようなものにつきましては、むろん今日まで基本的な行政の中で執行されておるというふうに私どもとしては受け取っておるわけであります。いまお触れになりましたように、民間でできないような問題について国でやるのだといったような御意見も実はあったわけであります。しかし、私どもがいまお聞きする中には、国でやらなければならないようなものまで民間にやらせておるといったような傾向も私はなしとしないと思うのであります。そういうようなこまかい点になりましたら、これは林野庁長官からお答え願ってさしつかえないと思いますが、国有林野の事業の目的というものは、いまお話しになりましたような大綱についてはわかるわけでありますが、いろいろの仕事をする場合には、いまお話しになりましたように、直営、直傭というものはあくまで原則である、こういうふうに実は私は考えておるわけであります。これはむろんいままでのいろいろの御答弁の中でもそういうふうにお聞きしておるのでありますが、今日の段階において、直営、直傭、そうした問題と、さらにまた、たとえば立ち木の処分等につきまして民間でいろいろやっておるのですが、そういうものの比率というものは大体どの程度になっておるか、長官からでけっこうですからお伺いいたしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまお話のございました直営事業と申しますのは、立ち木の売り払い、つまり伐採に関係した面と、それから、育林と申しますか、造林の面に分けて申し上げますと、立木処分と、それからこれを丸太にして処分をするのとの比率が、大体七対三ぐらいの比率でございます。それから、造林のほうでは、純粋の直営でやっておりますのが、たとえば地ごしらえ、それから植えつけ、下刈りというような仕事につきましては、大体七側程度が直営でございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 いまお聞きいたしますと、大体七、三だという形で請け負い制度でやらしておるというお話でありますが、これらにつきましてはやはりいろいろの事情が実はあろうかと思います。したがいまして、こうした点につきましては、直営別の数量とか、あるいは各事項別に雇用の区分、そうしたようなものがもしおわかりになったらお聞かせ願いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 後ほど資料を整えまして提出いたしたいと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 そこで、先ほどの目的の中ではやはり直営、直傭が原則だということでありますけれども、約三割に及ぶものを今日請負でやらせておるということになりますと、どうしてもそれは国でやれないのか、やれない問題を請負にやらすのか、こういう点についていろいろ数字をもってお示し願わなければわからない点があるのであります。もしそういうことになりますと、やはり直営というものは国有林野の保護育成からしては当然やられるのである、しかし、それはやはり民営でやるということになりますと、公共性というものは相当くずれてくるのではないか。極端に言えば、無視されてくるといったようなやり方になるのではないかというふうに考えますが、こういう点についてはどういうようなお考えでそういう実施をしておられるのか、お聞きをいたしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまの先生のお話を材木の売り払いという面に一応限って申しますと、国が林産物としての木材を売り払う方法としては、立ち木のままで売り払うことが可能でございます。それから、場合によりまして、これを丸太にして、そうして適当な取引市場に搬出して売り払うという二つの方法がございます。あとの方法を直営生産というわけであります。そこで、この直営生産と申しますのは、沿革的には相当な奥山で、そこを開発するのには相当な設備投資が必要である、あるいはまた、その対象となる樹種、あるいは材種が必ずしもまだ市場の取引の面で歓迎をされていない。しかも、その場所の林相改良なり、あるいは材力の増進から人工林に振りかえていく必要があるというような場合に、沿革的には直営制というものが始まったと私どもは理解をいたしております。現在のところでは、先ほど申し上げましたような、たとえば市場取引の面からいってあまり利用がないために、あるいはそのために不採算であるというようなケースは漸次解消をいたしつつあるわけでございます。反面国有林の生産するところの樹材種は、民有林では簡単に入手できないというようなものが比較的多いという場合がございます。そういうものを立木のままで売り払う場合のやはり供給の面の配分の公平妥当性と申しますか、そういう面で、これを木材の需要供給の面から丸太の形で国有林がみずから生産し供給することは好ましい、あるいはまた、災害その他で右から左へ丸太の形ですぐ災害の復旧のために活用することは望ましいというようなことが考えられる場合等、いろいろございまして、依然として直営生産の存在理由というものを十分に認識しなければならないと考えておりますので、そういうふうに理解をいたしておるわけであります。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 時間がありませんし、御答弁が長過ぎる点がありますが、いまお話のありましたようにいろいろな条件がありまして、あるいは直営、あるいは民間に請け負わせるということもあろうかと思いますが、実は各地でもそういう問題が起こっておるかと思いますけれども、いま北海道の一部で、たとえば林鉄を廃止するとか、あるいはいままでやっておった直営トラックを民間に移譲するとかいう問題があるように聞いておるわけであります。そういう場合には、もし民間にやらせるとしても、いまのお話ですと、民間がやって採算がとれるような地帯を国としては漸次解消していくというお考えのようにもお聞きするわけでありますが、そういう場合には、やはり直営でやるべき目的とか、またいろいろ労務関係の問題等が出てまいると思うのですが、そういう問題は十分に話し合いをおやりにならないと、私は相当な問題があると思うわけであります。もし直営でやれない、しかし民営でやれるということになりますと、やはり民間で労務者を犠牲にして、これに採算を合わせるといったような事柄が相当出てまいります。そうなりますと、これは別の意味で労働基準法にも抵触しながら、労働者がそういう民間の業者の請負の中で苦しい生活をしなければならぬという問題も実はあることにもなろうと思うのです。直営で今日までやっておったものを民営に切りかえるということになると、これは相当な理由なしにはやれないと思うのですが、そういう問題が、それぞれ各地で起こっておるということも、私はときおり耳にしておるわけでありますが、こういう問題については、今日林野庁としては、先ほど申された直営事業の目的というものを逸脱しない形でおやりになる御意思があるかどうか、そういう点をお聞きしておきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまお話しの北海道の問題も承知をいたしております。林産物の搬出の方法として、林鉄は、今日の自動車の発達とともに林道に変わって、そしてトラックで輸送するという傾向がふえつつあります。そういうときに、トラック輸送を官営にしないで民営にするという場合は確かにございます。ただ、そういう場合には労働組合と十分に話し合いをいたしまして、そして、使っておる作業員にトラック輸送のために解雇者が出るというようなことはしない、それぞれ仕事の配置転換をやって、納得の上でやることになっております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 民営でやったほうが安く上がるからといったような形でおやりになることはございませんか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 官営のトラック輸送と請負事業によるトラック輸送のいろいろ運賃の比較等もありますが、その他この直営事業の諸般の事情をも勘案しながら、民営にする場合には民営に移すという判断をいたしております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 時間がありませんから、また委員会ででも詳しくお聞きしたいと思いますけれども、そういうことは、公有林野事業の目的を逸脱しないことをまず原則として、いろいろの処置をお講じにならないといけないと思いますので、この点はひとつ十分御配慮していただきたいと思うわけであります。  それから冬山事業ですが、これが現在だんだんと後退してまいりまして、雇用安定の問題等から考えますと、どうしても継続してもらわなければならないというふうに私どもとしては考えておるわけですが、今後こういう冬山事業についての方針は、どういうふうに考えておられますか、お聞きしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 冬山事業と申しますのは、雪を利用して搬出するいわば原始的な運材方法でございますが、近時機械が入ってまいりまして、また林道もできる限り附設されていくということになりますと、やはり雪のない時期に仕事をするほうが能率もあがる。それから材の集約利用もできるということから、漸次冬山作業が縮小されつつあることは事実でございます。また、作業員の気持ちからいいましても、やはり冬はなだれ等の危険もございますし、また、大体国有林の作業地は高寒冷地が多いものでございますから、それを好まないということもございまして、夏山に移行できるものは夏山に移していく。そうして雪のない間を活用する作業を考えるという方法で、いま考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 これらの問題につきましても、労務管理の問題等とからめ合わせて、十分配慮いただかなければならない問題だと思います。  先ほどちょっと申し上げました直営、請負等の問題で、私どもが聞いておりますところで一番問題になるのは、造林事業において直覚をやった場合と、あるいは請負をやった場合では、活着率が極端に差が出てくる、こういうふうに私どもは聞いておるわけでありますが、こういう問題につきましては、ここでお聞きするよりも、むしろ過去数年くらいの間のデータを資料としてお出しを願いたい、このように実は考えております。だんだんと機械化をされてまいりまするので、この機械の問題につきましても、三十三年ごろから今日まで、機械のどういう種類のものがどのくらい入っておるか、そうして金額につきましても、お示しを願う。さらに、これからの計画について、機械化をする場合にはどういうような計画を持っておられるのか、こういう点につきましても、ひとつ資料としてお出しを願いたいと思うわけであります。  先ほどからいろいろお話を聞いておりますと、どうしても将来は相当民間に移譲する面が出てくるといった御意見が、実はだんだんと濃厚になってくるように受け取れるわけでありますが、特にこの林野の事業の合理化等から見てまいりますと、確かにそういう点はだんだんと改正すべき点もあろうかと思いますけれども、私どもがいま見ておりまする民間事業としてやっておられる中には、先ほどからも他の委員がいろいろ質問しておりますように、国有林野の開放問題にからんでくるような、そういうような関係と非常に密接な関係のある請負制度の中に、問題もないというふうには実は断定できない面があるわけであります。特に、ずっと山奥に入りますと、相当交通不便でもあります関係から、こういう問題をやる直営事業というものは、むずかしいのでありますけれども、こういう点につきましても、ひとつ十分な御配慮をしていただきたい、このように考えておるわけであります。したがいまして、先ほど農林大臣からお話のありましたように、これは治山治水事業とも非常な関係がございますので、特に奥地におる農民が、これらの事業を兼職をしながら農業をやっておるというようなものもございますので、こうしたものの生活の安定ともつながることでありますから、単に諸費といいましても、一事業家に直接やるといったような考え方でやるのでなくして、山村を守っておるのはその地域におる農民であるといったようなことについても、十分ひとつ御配慮をしていただきたいと考えておるわけであります。いずれ詳しい問題につきましては、当該委員会等でまた直接お聞きいたしたいと思います。  時間がございませんから、あともう一点だけお伺いいたしますが、いま農山漁村で一番困っておる問題の中に、無点灯地帯の問題がございます。昭和二十七年から農山漁村電気導入促進法ができまして、さらに離島振興等いろいろなものができまして、だいぶ解消はされましたけれども、今日まだ開拓地におきましては、この無点灯地帯というものは解消されていない面がたくさんあるわけでありますが、今日どの程度の農山漁村がまだ無点灯地帯なのか、これに対して農林省は今後どういうふうにお進めになるのか、一応お聞きいたしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(農政局長)

○昌谷政府委員 無点灯部落の解消につきましては、御承知のとおり離島振興法、それから内地の僻地につきましては、電気導入促進法で年次計画を定めてやっておりますが、一般の無点灯部落の電気導入事業につきましては、年次計画に基づきまして、大体昭和四十年度までで当初対象とすることにしておりました、五戸以上の無点灯農家が集団的にやります場所につきましては、昭和四十年度の九百七地区、九千五百五十四戸をやることにいたしまして、一応所期の目的を達成することにいたしております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 この問題は非常に重要な問題で、無点灯解消問題はそれぞれの地帯においての悩みになっておるわけでありますが、特にこの事業を推進する場合に、直接受益者負担というものが、まだまだ相当の額を占めておるわけであります。この受益者負担というものを、これは全然なくするというわけにもいきませんけれども、今後相当数加減をするという考え方を政府では持っておられるのかどうか、こういう点についてお伺いいたしたい。

昌谷孝農林事務官(農政局長)

○昌谷政府委員 御承知のように、現在は一戸当たりの事業費三万円をこえる部分について、補助の対象にしております。また一般につきましては、九万円までというところで補助対象の事業の限度を区切っております。先ほど申しましたように、四十年度をもって一応当初の目的を達しますので、その完了の成果を見た上で、いま申されましたような残された問題についても十分検討いたしたい、かように考えます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 この問題は、できるだけ早くに解決しなければならない問題だと思いますので、さらにまた、別の委員会で御質問いたしたいと思いますが、特に、昭和二十七年当時からやっております問題については、相当老朽化したものもございまして、それがだんだんと改正するに従って、かえって農家の負担になる、こういうことでありますが、できるだけ早く売電あるいは農電に切りかえる、こういうことが当然必要になっているのでありますが、今日、そういう施設は行なわれておりますけれども、まだまだそういう地帯については、要請をいたしましても、なかなか取り上げられないという地帯が相当あるわけであります。原則的に、こういう問題については、すみやかにそういう処置をするようなお考えがあるのかないのか、この点だけひとつお伺いしておきたいと思います。

昌谷孝農林事務官(農政局長)

○昌谷政府委員 方向としては、お話のような方向で私ども進みたいと思います。ただ、北海道のように、なかなか一ぺんにそういう問題が片づきませんところにつきましては、施設の改修についての補助を出すというような事情になっております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 最後に、もう一点だけお伺いしておきますが、実は、これは御調査の結果でなければはっきりしたことは言えないかと思いますが、いまパイロット方式の農業経営が、非常に農林省としても農業基本法の中から相当大きく、クローズアップされておるわけでありますが、昭和二十七年に、世銀の金まで借りて実施されました北海道の根釧パイロット・ファーム、これが今日どういうような状態になっておるのか。私も、あの当時は参議院におりまして、ずいぶんこの問題については議論をしたところであります。世銀の金まで借りてやらなければならぬのか、こういうようなことにつきまして、これは将来北海道を中心として、あるいは日本の畑作農業振興のためのパイロット方式であるから、その成果によっては日本農業、特に畑作農業の伸展に大いに寄与する、こういうことであの法案を制定いたしまして、今日、相当数の金をかけておやりになっておるのでありますが、その新栄が、今日、われわれすらあまり十分知っていないわけであります。しかし、最近の農業基本法の中から出てまいりますパイロット方式というものは、相当小規模ではありますけれども、それを基一準としておやりになっておるのか、さらにまた、それを将来どういうふうな形でおやりになりますのか、この点、時間がございませんから、後刻十分承りますけれども、今日の現況についてお伺いいたしたいと思います。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 パイロットということばはたくさん使われておりまして、若干問題なのでございますが、御指摘のは、床丹の根釧パイロットの入植方式だと思います。これは、御指摘のとおり、三十一年以来人が入りまして、いろいろ酪農の仕事をいたしておるわけでありますが、粗収入につきましては、当初の計画どおり、相当高い粗収入をあげる形に進行いたしております。しかしながら、家計費の増、消費、住宅その他に金を非常に借りて使いました関係上、その開拓農家の一部におきましては、借金の返済に非常に苦しんでおる。道庁を中心といたしまして、農林省で再建対策を必要とするという対象が発生いたいておりますことは、まことに遺憾でございます。いいものはいいのでございますが、階層分化の結果、あるものは相当特別の援助措置を必要とする、かような状態に陥っております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)分科員 いまま話でありますと、どうも自信を持った御報告にならないようでありますが、当時、私どもは、審議の過程におきましては、融資と自己負担とで一戸当たり約五百万円近い金がそれに導入されたというふうに承知をいたしておるわけであります。したがいまして、そのことが十年後に、毎年何十万といったような負債の返還をしなければならぬ。これはもう絶対そういうことはできないということを当時指摘したのでありますが、いまのお話でありますと、相当苦しい農家も出ておる。私ども承知したところによりますと、どうもあの地帯で十五、六町くらいの農業経営をさせようと思ったところに問題がある。あの地帯では、少なくとも現在の農地の倍、少なくとも二十五町くらいは確保しなければ、あの目的どおりのことはできないと思うのです。それを十四、五町くらいでやれるといって、一戸当たり五百万も金をかけたということになりますと、どんなにいい計画を立てても、これは実現できないのであります。私は、いまここでそういうことをとやかく言っている時間はありませんけれども、当時あすこへ入植いたしました者は、ほとんど未経験者が多いわけであります。全国的に、ただ開拓実習所で半年か一年ぐらい基礎的な訓練をして、そのままそこへ三〇万円くらいですか、自己資金があることによって入れたのですから、そういう形をとる——私どもは、北海道の次、三男の体験した者をそこへ入れれば、たとえ反別は小さくとも、今日、御希望どおりのあるいは目的どおりの経営は、私は実証が上がったと思うのですが、そういう点は、ひとつこれからの方式の中でも十分お考えにならなければいけないと思うのであります。私があの当時申し上げましたのは、この法律の中でこれだけの資金をかけて、もしこれが成功すれば、金をかければやれるんだということで、今日全国の畑作農業というものに、このような苦しいやり方をしなくても、やはり予算的な措置をすればできるんだという一つの基準にもなるし、あるいは、これだけの金をかけても失敗した場合には、いかに既存農家が今日まで苦労したかということがありありとわかるわけであります。そうしますと、いまここで一般的な問題としていろいろな問題を言っておりますけれども、そういう問題については、少なくとも政府におきましては相当の責任がある。あれは私は、そういうことの一つの基準としてお考えになることのほうが一番いいと思うのです。成功すれば、そのとおりにどんどん振興していく。もし失敗したら、今日、数十年の間北海道を中心として全国の畑作農家の対策については、やはりいかに金をかけてもできないのでありますから、今日のその苦しい事情を考えれば、いま言っておるいろいろな問題の解決というものは、農林省、特に政府としては十分配慮をする大きな、実質的なそういう問題が目の前にはっきりしてきた、そういうふうな受け取り方をして、これからの畑作振興のために大いに努力をしていただきたい、私はこのように考えて、このことはいずれまた資料なりいろいろいただきましてから、別の委員会で御審議をさせていただきたいと思います。  時間がありませんから、以上で私の質問を終わりたいと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷主査代理 これにて松浦定義君の質疑は終わりました。  次に、角屋堅次郎君。   〔仮谷主査代理退席、主査着席〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 私は、きわめて短時間でありますので、水産の問題を中心にいたしまして、主としてお尋ねをいたしたいと思いますが、大臣並びに具体的な問題については関係局長から、簡潔に御答弁を賜わりたいと思います。  まず、御承知のとおり、農政関係では、数日前に全中の会長の荷見さんがなくなられて、さらに、政界の重鎮であられます高碕さんが、これは水産関係では非常に大きな功績を今日まで果たしてこられたわけですが、高碕さんも急逝される。時をたまたま同じゅうして農政、水産関係の大御所がなくなられるという事態がございました。まことに哀悼にたえないわけですけれども、特に高碕さんの場合は、単に大日本水産会会長として国際漁業面へ大きな功績を果たされたというばかりでなしに、アジアにおける平和外交の推進の問題その他についても、非常に大きな貢献をされてきたと私は思うのであります。国家の一大損失だと思いますが、これから日中の関係、あるいは今国会でも議論されております日韓の漁業交渉等を含む問題、あるいは日ソの漁業交渉、その他各般の問題を考えてまいりますと、いわゆる保守党の良識ある、しかも政治力を持った政治家として、高碕さんのあとを受け継ぐべきそういう人を、われわれは革新の立場から待望せざるを得ないという気持ちを、私自身は、率直に言って持っておるわけであります。今日農林大臣の責任を遂行しておられます赤城さんあたりが、やはり農政面における経験も豊富であり、また国際舞台での接触も今日まで持ってこられ、高碕さんのそのままのポストを継ぐ継がぬは別として、今後国際的にも非常に多難な農政あるいは水産各方面の問題について、いわば高碕さんの遺志を継ぐ、そういう役割りを果たされることを希望したいのでありますが、まず冒頭に赤城さんから、こういう質問を申し上げて恐縮でありますが、私の希望でもありますので、お伺いしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話のとおり、農業関係では荷見さんがなくなられ、水産関係では高碕さんがなくなられまして、非常に農水産にとりまして残念なことでございます。まお話しの高碕さんは、国際的にもいろいろ先駆的な役割りを果たしてこられました。日ソの漁業交渉等にも、前に私が行きましたときも一緒に同行していただいて、その後引き続きソ連等へも出かけました。あるいは中共との民間漁業協定なども再開した。あるいは北海道近辺のコンブ採取の民間協定、こういうものも尽力して妥結をされた。そのほか、国際的あるいは国内的なまとめ役として非常にすぐれた手腕と感覚とをもって対処されたことは、敬服いたしておる次第でございます。私がその遺志を継ぐとか継がないということは別といたしまして、こういう方向で進めたその政策というものは、私どもも進めていって、故人の気持ちをさらに発展させていきたい、こう考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 本委員会でもしばしば取り上げられております日韓の漁業交渉の現時点の問題について、私はここで深く触れるつもりはございませんが、数日来、大平外務大臣が委員会等の発言を通じまして、交渉の展望については二月をめどにひとつ判断をいたしたいというふうなことを言っておるようでございます。しかも、きのう韓国から帰られた代表との間で六者会議等を開催され、その報道もきょう出ておるわけでありますが、ご承知の、当面の日韓漁業交渉の問題ばかりでなく、間近く日ソ漁業交渉も始まる、五月以降には日米加の漁業交渉の三回目の話し合いも始まるという、非常に国際的にも漁業関係ではからみ合った姿の中で問題が進んでおるわけであります。しかも、話し合いの過程で一番いろいろむずかしい問題を含んでおるのは、日韓の漁業交渉の問題だと思うわけです。この点について、日韓交渉の妥結をあせるのあまり、漁業交渉の問題について短兵急に、専門的な詰めを十分国際的な視野からせずに進めるということになれば、これは悔いを千載に残すことになるのであって、したがって、政府与党の党内のいろいろな考え方の推進の過程で、二月をめどということがあるいは出ておるのかもしれませんけれども、どこどこをめどということではなくて、基本的な問題が解決しない限り、やはり妥結の時期というものを設定するということはできないというのが、私は基本原則でなければならぬと思います。本来、漁業交渉の問題については、私の率直な気持ちからすれば、これはやはり農林水産関係の直接の専門的な問題でありますから、外交的な視野ということで大平さんがよく発言をされますけれども、むしろ農林大臣のこの問題に対する基本的な見解というものが、漁業交渉に関する限りはやはり政府全体の方針でなければならない、こう思いますし、当面の折衝段階から見て、二月をめどということで、短兵急にあせるということは不必要なことはないか。もっと基本的な詰めの推移を見て、この問題をどうするかを気長に判断をすべきだし、またいま行なわれようとしている日ソの漁業交渉、日米加の漁業交渉等の今後の推移から見ても、そういう慎重さが望まれるし、またそういう方向で農林大臣としてはやっておられると思うのですが、今日の情勢の下においてのこの問題に対する農林大臣の見解を承っておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 日韓の漁業交渉の問題は、いまお話がありましたように、日本と韓国における公海の共同の資源を維持、再生産していくという問題を中心として交渉を続けておるわけでございますが、それにつきましては、安易な妥協ということであってはいけない。何といたしましても、国際条約、あるいは国際慣例に沿うた線で取りきめが行なわれないということになりますと、日ソの漁業条約改定も数年後に迫っておりますし、あるいは日米加の漁業交渉も、これまたこの夏三回目の交渉に入る、こういうことへの影響もございます。そういうことでございますので、私のほうからも専門委員として出ておりますが、国際条約あるいは国際慣行に基づいた線の引き方、あるいは専管区域の範囲、あるいはその上に共同規制区域を設けようとするならば、その規制区域内における資源の公平、平等、妥当、実施可能な分配というようなこと等につきまして、かなり突っ込んだ交渉をいたしておるわけでございます。でありますので、こういう問題が専門的に、あるいは国内的に見ましても、国際的に見ましても、どこから見てもまあこの辺ならば妥当だ、こういうところに落ちつかないときに、政治折衝あるいは上級会談というような形できめていくということは避くべき問題で、やはり煮詰めて、相当普遍妥当といいますか、公平な線が専門的に予備会談で出ていく上で隻数とかなんとかいうこと、あるいは漁業協力の費用というようなことならば、また話は別でありますけれども、基本的な問題は、譲れない問題はやはり譲らずに、専門的な立場の会議、あるいは予備会談等において煮詰めて、それからでないと、政治会談とか上級会談というようなところへ持っていくべきでない、こういうふうに私のほうとしては指導しておりまするし、外務大臣にもそういう点を話しまして、外務大臣もそのつもりでおるはずでございます。でありますので、その方針は続けて、いつをめどということでなく、これはきまってからの上で、向こうではめどを早めるというような意向があるようです。なるたけ早めるような気持ちがあるようでありますけれども、私のほうでは、固まって上がってくるのを待っておる。下が固まらなければだめじゃないか、こういう態度で交渉に臨ましておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 日韓の漁業交渉の問題については、まだこれからの推移で、それぞれわがほうからも、今後の予算委員会でも議論が行なわれると思いますから、私はこの程度にとどめますが、いま農林大臣が述べられましたような考え方に基づいて、あくまでも専門家会議あるいは高級会談、こういうふうなところで専門的な立場から合理性のある、普遍性のある話し合いを煮詰めるということに原則を置いて、今後とも慎重にこの問題については対処してもらいたいと思うのです。  今日、日韓の漁業交渉の問題でも、不当な李ラインの設定が十年前になされたり、あるいは日米加の漁業交渉の問題でも、自発的抑止原則で国際的に不当な取り扱いを受けたり、その他いろんな問題が出てくる根源に、戦前あるいは戦後における日本の国際漁業における漁業秩序をきっちり守ってきたかどうかという問題が、やはり反省されなければならぬというふうに思います。もちろん日本が今日漁獲高においても世界第一位を誇るというのは、国際漁業の面における比重が飛躍的に伸びてきておるわけでありますが、伸びれば伸びるほど、日本の漁業としては国際的な漁業秩序を守るということを基本原則としなければならぬ。二月の早々に、御承知のニュージーランドの沖におきまして、日本のタイはえなわの漁船が三隻操業しておるようでありますけれども、この問題について、相手国から領海内に入る、入らぬの問題で厳重抗議を受けるという事態が生じておりまして、これに対しては、そういう違反行為のある場合には、帰国を命ずるというふうな強い態度で臨んでおるようでありますが、これはもちろん、いま自由漁業ということで、大臣許可にするかどうかという漁業法の改正問題も含んでまいりますけれども、そういう具体的な一つ二つの問題は別として、やはり日本が国際漁業における模範的な漁業秩序を守るということが貫かれなければ、いかに漁業交渉で国際法の原則に基づいてやろうとしても、根底に日本漁業に対する不信感あるいは日本漁業に対するところの恐怖感というものがあっては、私はいけないと思う。こういう問題については、今後の基地漁業の発展その他とも関連をいたしまして、やはり優秀な漁業従事者の確保という問題も、無関係ではないと私は思いますし、そういういろんな各般の問題について、農林省としてどういうふうな指導方針で臨まれておるかという点について、基本的な立場からお伺いをしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 全く御説のとおりで、いろいろ国際的な条約を結びましても、その条約に違反したり、あるいは国際的な慣例、秩序を無視するということになりまするというと、不信を買いまして、あるいは毎年度の漁獲量の決定とか、あるいは条約の改定等に非常に不利な立場に追いやられる向きがございますので、そういう場合に、国際秩序を厳重に守っていくということが、私は日本の漁業を発展させるために最も必要なことだと思ってます。そういう意味におきまして、あるいは監視船、あるいは自主的にいろいろな制度をもって秩序維持にはつとめておるわけでございます。特に、いま御指摘のニュージーランドにタイはえなわ漁船が三隻行って領海を侵した。そういうことを言っては失礼でございますが、日本ではわりあいに領海なんというものをそれほどに考えていませんが、私がソ連との交渉に行ったときにも、領海を侵すということになりますと、非常におこり出すといいますか、尊厳を侵したということで憤慨するのが、国際的な例のようでございます。その意味におきまして、ニュージーランドの領海を侵したというようなことは、まことに遺憾であります。政府といたしましては、これは許可漁業ではございませんが、関係都道府県等とも連絡いたしまして、厳重に注意を喚起しておりますが、自由操業ですから、なおあとからも出るものもありますから、聞かぬような場合には引き揚げ命令を出すというようなことで、国際的な秩序を守り、また国際的な不信を招かないように、一そう注意いたしたい、かように思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 国内漁業の問題で数点簡潔にお尋ねをいたしたいと思いますが、まず輸出振興の問題と関連をして、ことし出されました「漁業の動向等に関する年次報告」の中でも明らかなように、漁業関係の輸出額は、昭和三十七年におきましては、千百二十六億程度になっておるわけです。その中で、真珠が百五十億をこえているわけです。したがって、輸出産業としての真珠の果たしている役割は非常に大きいと思いますが、レポートでも明らかにしておりますように、この三十七年の生産額は百九十六億円、そのうちの大半が輸出額になっておるわけでありまして、しかも年々輸出の点では総額として伸びてきておるわけです。ただレポートでもいっておるように、この経営数の八〇%、生産量の六〇%を占めておる三重県の場合の状態等を見てみますと、漁場の老朽化というのが非常に目立ってきておる。したがって、生産量の大きな比重から見ましても、いま沿岸漁業の構造改善の指定県で実際に実施しておりまするけれども、この点については、やはり漁場の老朽化現象の実態というものをもちろん綿密に調査しなければなりません。それに基づく漁場の改良の点については、これは通常の沿岸漁業の構造改善とは別個の立場で、根本的な漁場の改良というものをやっていくということが、輸出振興の重要な一翼としても考えられていいんじゃないか、そういう問題について、かつて真珠養殖事業法の改正問題というふうなものも俎上にのぼりましたけれども、今日はそういう点についてはたち消えの状態のように外部から見ていると思われますけれども、輸出振興の立場から、粗悪品の除外、いわゆる検査等の規制の強化その他を含めまして、今後の真珠産業の振興対策というものをどういうふうに進められようとしておるか、これをお伺いしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 真珠養殖、ことに三重県の養殖は日本の輸出産業から見ましても非常に大きなウエートを持っておるわけでございます。この養殖場が老朽いたしておりますので、これにつきまして特別の措置をとる必要があるのでないか、こういうお話でございます。十分私どもも考えておるのでございますが、いまお話しのように、これは沿岸漁業構造改善事業の中に含まれております。含まれている中におきまして、特にいまのような事情を深く考えまして、真珠の養殖生産等に支障のないような方向に持っていきたいと思います。そのために真珠養殖事業法を改正したらどうかという業者からの要望もございます。真珠がなお粗悪にならないように、あるいは量的にも一定の量でなくてはならぬというような面、買い入れ機関の問題、生産調整等、いろいろな問題があると思いますが、いまにわかに改正するというつもりはございませんが、そういういろいろな内容を検討いたしまして、どういうふうに持っていくかをさらに一そう考えていきたいと思いますが、水産庁長官のほうでいろいろ検討しておる事項もありますので、事務当局からも答弁いたさせます。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 真珠の問題でございますが、いま大臣からお答えがありましたように、輸出産業として非常に大きなウエートを占めている、こういうことで、真珠養殖事業法で毎年手術をする母貝の数量を、生産目標というものを立てまして、それによりまして大体県別割り当てをしまして、過剰生産にならないように、そして品質の保持ができるように、また輸出検査におきましても、厳重な国営検査をして品質の保持をする、こういうことを実施いたしております。三重県におきましては、御指摘のように非常に大きな生産ウエートを占めておるわけでありますし、また漁場が荒廃しつつある、こういうようなことで、ただいまは、構造改善対策事業の中に取り上げまして、漁場を広める、こういった意味で防波さくをつくる、あるいは沖合いにいかだの係留施設をつくる、そういったことをやっております。なお根本的に真珠漁場の耕耘船も沿岸構造改善の中でつくりまして、海底の耕耘をやって漁場の更新をはかる、こういうようなこともやっております。真珠試験場を中心にいたしまして、また県の水産試験所と連絡をとって、いろいろとそういう面の施策を講じ、品質の保特等をやっていきたい、こう考えております。なお、いかだが非常に密殖になり過ぎる、こういう点から災害が起こりやすい、こういう面におきましては、漁業法に基づきまして、真珠の区画漁業権の免許に際しまして、いかだ数を制限する、こういった制限条件をつけるということで、三重県等ではすでに県連でそういうことを実施して、厳重にそういう点の規制をやっておりますが、そういう点もさらに今後進めていく、こういうことを考えております。  なお、いろいろと問題があろうかと存じますが、さらに検討を進めまして、真珠の養殖の品質保持なり、生産の拡充なりに支障のないようにいたしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 角屋さんに申し上げます。大蔵省の宮崎主計官、科学技術庁の芥川研究調整局長が御出席ですから、そのほうをお願いします。それで、残り時間がもう幾らもありませんから、こちらのほうを進めてください、せっかく御出席ですから……。なるたけ切り詰めて願います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 あと二点で終わりますから……。  いずれ沿洋漁業振興対策の問題等については関係委員会で十分にやりたいと思いますが、沿洋漁業等の中で沿岸漁業と中小漁業ということを含めて法律ができたわけでございますけれども、たとえば中小企業の振興対策として本年度予算に組まれておるのは、わずかに百八十四万五千円、これはもちろんこれだけが中小漁業の振興対策ということではないでありましょうけれども、これらの問題を含めて考えてみますというと、法律制定後の第一年度の予算としては、もっと前向きに考えるべき面がきわめて多いと思います。また、これらのことはいずれ関係委員会で触れたいと思いますが、ただ昨年度漁港法の関係で、御承知のように第三次漁港整備計画というのを国会でも承認をいたしまして、今後三百八十港について向こう八年間で大体一千億円の予算を予定して整備するんだという、そういう計画になっておるわけですが、本年度の予算を見てまいりますと、修築、改修、局改その他を含めまして八十二億七千四百五十万、そのうちで修築関係は五千八億四千四百万、えてしてこれは、治山の場合も、治水の場合も、道路の場合も、港湾の場合も同様に、こういう、長期計画といいますか、一定の年限の計画を立ててやる場合に、最終年度に相当の計画の実施できなかったものが、残るということができがちでありますけれども、去年、ことしの実績から見ると、はたして第三次漁港整備計画というものが、十分に予算上から見てこなされていくのかどうかということを不安に思うわけであります。同時に、あの漁港法の一部改正あるいは第三次漁港整備計画を議論したときに、私は、漁港法の検討を根本的にやってもらいたいという問題と、特に第一種漁港、第二種漁港等についての補助率を引き上げるという問題を提起して、この点については、衆議院の農林水産委員会で附帯決議を付して法案を通した経緯がございます。これらの点が無視されておるという点も問題でございますが、漁港の整備を中心にしたこれらの問題について、大臣の御見解を承りたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 漁港関係につきましては、私どもも非常に力を入れて、一般予算の面では、いまお話がありましたように、漁港関係八十二億七千四百五十万、許可事業であります漁港関係で二十三億六千九百万円というような予算を要求いたして御審議を願っております。漁港の補助率でありますが、この補助率につきましては、いろいろ附帯決議もございましたし、そういう関係で、上げたい、こういう折衝をいたしましたが、他の公共事業との比例等もありまして、それが非常に押せ押せであっちにもこっちにも波及するというような情勢で、まあ来年検討するというようなことで、ことしは見送りというような形になりまして、まことに遺憾であります。しかし、附帯決議あるいは要望等も非常に強いものでございますから、来年はそういうわけにまいりませんが、補助率の是正ということにつきましては、今後とも一そう力を尽くしていきたい、こう考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 これも時間の関係で多く触れられませんけれども、御承知のように、補助率では北海道と内地で違う。離島関係は、これは特別の条件でございますから、私どもそのとおりだと思いますけれども、内地についても、せめて北海道並みにする、こういうのが当時も議論されたところでございまして、補助率の引き上げ問題については、特に一種、二種等の力の弱い沿岸漁業関係者の補助率の引き上げという問題を、真剣にひとつ考えてもらって善処してもらいたいと思います。  最後に、これは農林省全般ということになりますけれども、試験研究問題であります。総理は、口を開けば科学技術、科学技術ということをよく言われるわけです。まさにそのとおりでありまして、特におくれておる農林水産関係の国際競争力にたえる条件を整備するためには、何としても重要な一つのてことして、農林水産関係の試験研究というものが整備充実をし、その成果が、農業部門でも、林業部門でも、漁業部門でも、はっきりされてこなければならぬということは、理の当然であります。そういう点から、農林省も御承知のように、十数カ所の試験研究機関が、農業技術研究所、農事試験場、畜産試験場、園芸試験場、茶業試験場、農業土木試験場、農業試験場、以下ずっとありますが、この試験研究機関の問題については、基本的な問題もいろいろありまして、いずれ農林省設置法の一部改正で植物ウイルス研究所等の改正問題も出ておりますから、そこで詳細に試験研究のあり方については議論したいと思いますが、予算の問題として一、二点触れたいのは、私ども農林省の試験研究機関の予算を見ておりまして、いま脚光を浴びようとしておる他省の工業その他の関係から見ると、ややもすれば大蔵省関係で非常に低位に考えられるきらいはないのか。たとえば、科学技術庁が昭和三十九年度科学技術振興における試験研究機関経費の増額等について大蔵省に対して要望を出しておる昨年の八月七日付の意見書によりましても、御承知のとおり、人当研究費というものが昨年といいますか、予算書からいえば本年ですが、新年度でなくて今年の場合、考えられておるわけですが、ここで、非実験、実験A、実験Bというような区分で、それぞれ単価につきましては、ことしはBの部分が増額をされまして、三十三万が三十六万ということになりますけれども、Aのものが四十九万五千円、非実験のものが十六万五千円、こういう人当研究費によってやられるわけでありますけれども、その場合に、この意見書にもありますように、北海道開発庁と農林省の各試験研究機関については、二分の一係数というものが適用されておりまして、これについては、統一意見の中では、二分の一係数の除去ということが強く要請されておるわけであります。同時に、一般の基礎的な研究と特別研究費の区分をどうするかという問題がありますけれども、特別研究というのは、やはり一般研究、基礎的研究とは、人当研究費から見て、別ワクで特別研究費をぜひ考えてもらいたい、こういう点も新年度予算では必ずしも実現されておりません。これらを含んで人当研究費の中に織り込まれたような実情に、総体単価からいえばあろうかと思う。こういう点については、やはり科学技術の振興、特におくれた農林水産関係の今後の国際競争にたえる条件というものを整備する意味からいって、一般研究費、特別研究費等についても、従来の二分の一係数の除去という問題を含めて、もっとやはり大蔵省でもそうでありますし、農林省自体が根本的にこういう試験研究機関のこの種研究費の重視という問題に積極的に取り組んでもらわなければならぬ、こういうふうに思うわけでありますが、この点、農林大臣と農業技術会議の事務局長のほうからお話を願い、また同時に、そのあと科学技術庁が統一意見書を出しておるわけでありますが、科学技術庁、大蔵省のこういう問題に対する受けとめ方というものを逐次御答弁願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 技術研究に力を入れておりますが、いまのところにおきまして十分でないという点はお話しのとおりでございますが、お話の線に沿ってなおっとめていきたいと思います。  なお、よけいなことでございますが、この間日米閣僚会議がありましたときにも、技術の委員会を設けようじゃないか、その中で農業のほうの技術も非常に重要だというような話し合いがありまして、その方向も進めることに決定いたしました。  なお事務局長から答弁させます。

武田誠三農林事務官(農林水産技術会議事務局長)

○武田(誠)政府委員 農林水産関係の試験研究費、特にいまお尋ねの点は、一般の経常研究費の増額といいますか、充実をより以上にはかるようにという御趣旨であろうと思います。御承知のように、またいまお話がございましたように、農林省関係の試験研究は、いまお話しの技術研究に属するものが多いわけでございます。しかし、各試験場ごとの過去の研究経費の実績等からいたしますと、たとえば畜産試験場みたいなものと、それから農事試験場のようなものでは、やはり経常研究費と申しますか、研究に要します経費が相当単価的に申しますと違いがございます。これをいま直ちに統一してしまうことがはたしていいかどうかということについては、今後一そう検討を進めなければならないというように考えておるわけでございます。  かつまた、お話がございました特別研究費が、農林省ではAからDまで四種類に特別研究の項目を分けてございますが、この中をしさいに検討いたしますと、あるいは一般の経常研究の中に組み入れるほうが妥当かもしれないという問題もございます。これらのものを全部一そうこまかく検討いたしまして、できるだけ研究内容の充実をはかりますと同時に、お話のような経常研究費についてある適正な単価というようなものを設定できますように、今後とも財政当局あるいは科学技術庁のほうとも御連絡をいたしまして、充実につとめてまいりたいというように考えております。

芥川輝孝総理府技官(科学技術庁研究調整局長)

○芥川政府委員 科学技術庁におきましては、関係行政機関の科学技術行政を総合的に推進するということを任務にいたしております。その手段の一つといたしまして、国立試験研究機関の予算の見積もり方針の調整ということをやっておるわけでございます。この研究調整局ができましたのが昭和三十七年でございます。そこで国立試験研究機関の研究の振興という点につきましては、これは農林省と限るわけではないのでございまするが、まず人当研究費というものを増額いたしまして、そうして、それはいわゆる標準予算ということで、内容を検討しないというと語弊がございますが、毎年こまかく内容を出すのではなく、一応研究費は一人当たり幾らという人当研究費制度というものを確立したい、そういうふうに考えまして、三十七年にこの局ができますとすぐに着手いたしました。そこで、幸い三十八年度予算におきましてその制度も認められたわけでございますが、何分にも私の局も発足日浅いので、資料も十分ございません。若干国立試験研究機関の間にでこぼこができておる。そこで、これを是正するために、三十九年度予算におきましても、科学技術庁としては意見をまとめていろいろ大蔵省に対しても努力したのでございますが、力及ばずまだ遺漏がございまして、はなはだ申しわけないと思います。今後ともその辺は是正してまいるように努力したいと思います。  なお、このほかに関係行政機関の試験研究を促進する手段といたしまして、予算の成立時に予見されざる事項、もしくは特に推進すべき事項に対しまして、その年度の途中におきまして総合研究体制をつくりまして、特別試験研究の促進ができる費用、特別研究促進調整費というのを私ども持っております。そこらを支出いたしまして、各省庁の試験研究を応援しておるわけでございます。これは、農林省に御関係の深いものを申し上げますと、たとえば昨年冷水異変というようなものもございました。これに対しては四千万円以上のものを特別に支出して応援しております。そういう状況でございます。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 ただいま農林省、それから科学技術庁のほうからいろいろ話がございましたとおりでございますけれども、ただいま御指摘の農林関係試験研究機関の研究庁費の予算の計上につきましては、昨年度こうしたクラス別による人当庁費というものが決定されましたときに、技術会議という特別の機能を持っております農林省の試験研究経費につきまして、どういうふうな計上をすることが一番望ましいかということで、いろいろ議論があったように聞いております。問題は、技術会議が各研究機関の研究項目について、これを調整し、さらに推進をするという使命を持っておるわけでございまして、そのために研究調整費というものを相当額技術会議に計上いたしておるわけでございます。したがいまして、こういう研究庁費につきましても、調整費というような型、名前は庁費とは申しておりませんが、研究の強化費ということで計上いたしておりますうちに、やはり一部の予算は計上しておきたい、こういう御希望もございまして、ただいま御指摘の人当庁費の単価によって計算されます庁費の財源の一部を科学技術会議のほうに計上しておる、こういう経過だそうでございます。三十九年度予算の要求にあたりまして、この人当庁費という形で各研究機関に予算を組んではどうかという御要求もあったわけでございますが、御承知のとおり、こういう研究庁費などにつきましても、やはり各省間のバランスという問題がいろいろございます。したがいまして、これを一気に手直しをすることは無理であろうという考え方もございまして、今回としては、従来の計上方式を大体踏襲することにいたしまして、ただ全体の研究庁費としては、いまの単価増によりまする増加のほかに、総体の財源を一割ふやすということによりまして、前年度十三億程度のものでございますが、二億五千万、約一八%程度の増加にするということにしたわけでございます。今後こういった人当庁費という形で予算を計上することが望ましいという科学技術庁の御意見もございまするので、よく関係の方面と御相談いたしまして、四十年度以降の予算においてできるだけ是正をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これにて角屋堅次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、華山親義君。華山さんにお願いいたします。まだ大ぜいいますから、三十分に協定いたしておりますので、三十分になりましたら終わりますから、そのつもりでひとつお願いいたします。

華山親義日本社会党

○華山分科員 三十分で終わらなかった場合は、また常任委員会で質疑をいたします。  ちょっと言い足しますが、これは一雑誌ということの問題ですが、軽視できないことで、相当の不安を指導階級の人、有識者に与えておりますので、畜産局長、場合によっては農林大臣の御答弁を願いたいと思います。  と申しますことは、昨年の「朝日ジャーナル」に開銀の理事の下村さんが論文を書かれている。その論文の趣旨は、御承知のように、暖地であるならば、平地におきまして一ヘクタールについて一頭の乳牛が飼える、そのことによって日本の畜産は世界各国と競争しても十分に有利な立場に立てるのだ、そういうふうなことでございまして、これにつきまして、大臣の肩書きではございませんが、河野さんは反論をしておられる。さらに下村さんはそれに対して反論をしている。そういうことで、この記事は非常にセンセーションを巻き起こした問題でございまするし、とにかく下村さんは、所得倍増計画の池田さんのブレーンだということはみんなの言うところです。また開銀理事という立場におられる。こういうことで、下村さんの理論というものは一応筋の通った理論だと思いまするし、これに対しまして、資料の中には、国の農事試験場が試験をしているところの結果も出た。こういうことになりますと、これは池田さんの言われるようにほんとうに農業の革命だと思うのです。しかし、一面このことになりますと、従来の北海道の農業、畜産、または東北寒冷地等における畜産、従来の酪農地というものは脱落せざるを得ない、こういうふうな問題がありますが、公式の見解を聞いておりません。不安を除かれる意味でも、あれはだめなんだということを一言おっしゃっていただきたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 下村さんの考え方というものも、いま華山さんが害われましたように、考え方として特に悪いとは私は思っておりません。思っていませんが、実はそういうことを考えられて一つの目標を持つことはけっこうでありますけれども、その目標へ持っていく現実の環境といいますか、政策というものが大事だと思います。そういう意味におきまして河野さんとの論争もあったと思います。農村人口の問題等につきまして、あるいは酪農の問題につきましても、学者的にあるいは諸外国の例を比較して、これこれのことができる。しかし、それにはその土地というものが必要でありましょうし、草地の造成も必要でありましょうけれども、草地の造成をするといったって人の土地をむやみに持ってくるわけにはまいりません。そういうような現実面におきまして非常にむずかしさがある。ことにいま御指摘のように、かりにそういうものができた場合に、小さい酪農家との競争率といいますか、そういう問題等も考えなければなりません。でありますから、一つの考え方ではございますけれども、それをもっていく上におきましては、相当検討しなければそれをそのまま政策に盛っていくというわけにはまいりません。そういうふうに私どもは考えます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それでは、下村論文というものは当分没収であるというふうに私は了解いたします。  次に、農業の動向に関する年次報告の中で、私が平生疑問にいたしておる点を二、三お伺いをいたしますが、この年次報告を見ますと、大体五反未満の兼業農家の消費、家計費というものが専業農家の二町歩に大体該当しております。したがって、巷間農村において兼業農家のほうが、兼業小農が一番生活が安定しておるのだ、こういうふうに言われますが、この報告によりましても、そのことが明白でございます。そういうことになりますと、私は兼業農家を温存しろとは言いませんけれども、兼業農家が大農の専業農家になる、構造改善の目ざすものになる、このことは非常に困難な問題ではないか、こういうふうに考えますけれども、近い将来にそういうふうな状態が日本の農業界にできるでございましょうか、お伺いいたしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 兼業農家が所得が多いということでございますが、それは他からの収入、農業外収入で補っておる、こういうことでございますが、望ましい姿ではないと思います。農業そのものが非常に零細であり、よくいっていないから他の産業から収入を得る、たまたま収入を得る場所があるからでございまして、なかったということになりますならばこれは非常にみじめな立場だと思います。そういう意味におきまして、兼業農家はほんとうに農業としてあるべき姿ではないと私は思います。そういう意味におきまして、雇用のほうが安定して、それに伴ういろいろな社会保障制度なども拡充強化されれば、私は兼業農家の相当部分はその方面で専念するということに相なろうかと思います。しかし、ある部分の人は、やはりそういうものができておりませんから、農地に愛着を持って農業に一部分たよりながら兼業をしておるということは、御承知のとおりだと思います。そういう意味におきまして、私は兼業農家というものは奨励すべきものではないが、事実出てきておるものまで別に排斥するということであってはならないと思います。ただ、そのために、専業の農家はだめなんだ、専業農家の育成といいますか、そういう成り立ちを放棄すべきであるというような考えは全然持っていませんで、やはり農業のほんとうの姿は、相当の経営面積を持って、相当の事業を営めるということが望ましい姿であります。でありますので、報告書にもありますように、兼業が非常に多いのですけれども、専業にいたしましても、一町五反程度のものは少しふえております。二町五反というところまではなかなかいきません。そういうことでございますから、いまの構造改善あるいは土地改良あるいは価格対策、こういう農業の全体を通じまして、この専業の農家の育成というものにはなお十分意を尽くして育成してまいりたい、こう考えます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それで、専業農家が目ざすところの方向、あるいは方法等につきまして、社会党は社会党、自民党は自民党の考え方はむろんございますけれども、そういうふうな目ざすところの大農、機械、そういう人を少なく使う農業社会ができるということにつきまして、いま農林大臣はくしくもおっしゃったのでございますけれども、労働条件、社会保障、施設、そういうものが完備する、こういうことによってできるとおっしゃる。それから、この農業白書の中では労働条件、社会保障の問題もあろうしということをちょっと書いてある。これは根本の問題ではないか。これができなければ、とても目ざすような大農的なものにはならないのではないか。幾らさか立ちをなすって農業構造改善事業というものを進められても、そういうところまでは到達しないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。  それで、過日総理大臣は、長い目で見てもらいたいということを言われましたが、総理大臣の真意は、そういうふうな労働条件、あるいは社会保障の完備するときまで長い目で見てほしい、こういう意味でございましょうか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 それもあろうと思いますけれども、それ以上に農業自体が自然的、経済的諸条件というふうに、収穫も大体は一年に一ぺんでございますから、経済性からいいますと、資金の回転率なんかも非常におそいものでございます。でありますので、構造改善に着手したからその翌年からすぐに変わるというわけにいきません。土地改良をいたしましても、土地改良した翌年なんかは収穫がむしろ減るというようなことがございます。そういう意味におきまして、予定よりもいささかおくれるような傾向はあろうと思います。しかし、これは進めていきたいと思います。そういう意味におきまして、短年度で採点というか、試験成績があがらない。やはりある程度長い年月をかけませんとよくいかない。そういうことを申し上げると答弁のほうが長くなるかもしれませんが、よくいわれておりますように、イギリスが近代化すのに、百年かかったとか、あるいは西ドイツが三十年かかったとか、そういうことを言っておりますが、そういう気長でなく、日本の農業を健全化という方向に進めていきたいと考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私考えるのでございますが、イギリスにしましても、フランスにいたしましても、現在のように耕地の規模が大きくなったということには、みな各国それぞれ違った事情がございます。街学めいたことをすることはいやでございますが、申し上げますが、イギリスにおきましては、御承知のように、産業革命によりまして、羊毛をつくったほうがよろしい、羊を飼ったほうがよろしいということで、小作人を追い出してプロレタリアになった、それを背景にしてマルクスの資本論ができたというふうにいわれている。フランスにいたしましても、個人主義的な相続制度で、親から相続するときには金を払わなければいかぬ、こういう制度がかつてあって、長い世代の交代においてできてきた。こういうふうなことは、各国それぞれの事情があるという点を考えますと、日本におきましては、高度成長とおっしゃいますが、この高度成長の中でとにかく労働者が賃金を得て、自分の家族を十分に養い、親も養い、それから社会保障があって、失業してもだいじょうぶだ、農村に帰る必要もない、そして、それによって親も引き取れる、また世代の交代ということと相まって初めてそれができるのではないか。したがって、これが五年や十年でできるものではないのじゃないか、こういうふうに考えます。この点につきまして、私の考え方が間違っておりますかどうですか、簡単にひとつお願いいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 間違っておらぬと思います。ことに耕地を放てきするかどうかという問題は、兼業農家等におきましては世代の交代のときでないと決心がつかないと思います。しかし、高度成長下における雇用の安定というものが確立していけば、世代の交代を待たずとも土地を譲っていくということがあり得ると思います。でございますから、お考えの点、間違っておるとは私は全然考えておりません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それでは、農林大臣にお願いをいたしますが、労働者の労働条件の向上、社会保障の充実、その方面につきまして、これは農業の問題にも関連する重要な問題でございますので、今後ともひとつ十分な御努力をお願いいたしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 御説のとおり努力をいたしたいと思います。また一面、これは池田さんも言っておりますように、経済の成長が高度というのはどうかと思いますが、経済が成長したその成長した部分をやはり中小企業、農業方面等に投資といいますか、回す、こういうことも必要であると考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そういうふうな見通し、がまだないものでございますから、政府のおやりになっている農業構造改善事業というものにも抵抗が強いのではないか。  それで、最近私のくにでは、ある地方で農協長の会議をやりました際に、農協長は理事長ですか、大体におきまして赤城農林大臣を尊敬されている方方が多いわけでございます。これらの人々の集まりにおきましても、農業構造改善、これには人が出なければいけない、どこに行くのか、どういう状態になるのか見通しがつかない。したがって、農業構造改善事業というものも決して自分らが反対するわけではないけれども、農民にすすめるわけにいかないということをきめております。この点、ひとつ御参考までに、御答弁は要りませんけれども申し上げておきます。  それからもう一つお伺いいたしますが、これは、もうお尋ねになった人もあると思いますが、新聞等にも出ておりますから。今年度の米は、例年よりも少し需給関係が変調じゃございませんか、ちょっとお聞きいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 食糧庁長官から通じてお答えをいたすことにいたしたいと思いますが、確かに一昨年三十七年は、一番いままでの豊作の年でございました。昨年三十八年は、三番目といわれておりますが、三十七年から比較いたしますと、百三十万石ぐらい総生産で減っております。今度は、政府買い入れの米で見ますと、昨年の買い入れは一昨年よりも、いま買い入れているのは六、七十万石よけいに政府に売り込んできている。でありますから、絶対量としてはあるわけでございます。ところが三十八年の十月、端境期におきまして新米を食い込んでおります。古米が少なくなったものですから、新米に食い込んでおります。その前の年も食い込んでおります。こういう面がございますから、前の年よりは窮屈といいますか、食い込みが多いので窮屈になっております。不安な状況だとは申しませんが、前年度よりは窮屈な状況でありまするから、この消費量等もふえておりますので、不安の気分で配給をワク一ぱいにとるとか、あるいは業務用のほうに相当回るというようなことになりますると、いろいろそれに対策を講じていかなくちゃならぬ、こう思っておりますが、全体を見ましては、不安ではないけれども、一昨年よりは窮屈になっておる、こういう状況でございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それで、山形等におきましては、農協が非常に倉庫におけるところの米の東京の方面に対する回送が早いので、農協の経営にも重大な影響があるだろうというふうなことまで言っております。また、農村地の山形市等におきましては、やみ米が高くなっております。この点はそれといたしまして、いま大臣の御説明によりますと、私は、何か日本という国は、米というものがこうだぶついて、少し減らしてもいいんじゃないかというふうな気分がいままであったんではないか、しかし、非常にその需給関係というものは根の浅いものであって、やはりちょっとしたことでも米というものの需給というものは脅かされる、こういうふうな考えがございまして、やはり主食であるところの米というものにつきましては、相当慎重な考慮が要るんじゃないか、やはり米というものに対する増産といいますか、そういうふうな方向にはいままで、私察しまするのに、間違えておれば別でございますが、少し関心が薄かったんじゃないか。そういうことにつきまして、大臣でなくてもよろしゅうございますが、ひとつ長官でも御答弁を願います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 私は、関心は薄くなかったわけでございますが、豊作が少し続きましたので、幾分安心感があって、米に対する安心感が関心を持たぬようなふうに受け取られた面があろうかと思います。しかし、いつでも私は米の価格決定等に参加いたしましたが、とにかく米作地帯、稲の田というものは、これは選択的拡大といってもほかに転換ができないところで、やはり大体において米をつくるよりほかないのです。それは、飼料作物をつくるというところはありますけれども、大体において米をつくるよりほかない。ですから、やはり米というものは日本の主食であり、自給度も九九%近い。今後はどうしても米というものに一そう力を入れていかなければならぬ。ただ、御承知のように、労働力が不足していますから、いまの生産の方法にいたしましても、省力栽培とか、あるいは品種をさらに研究するとか、そういう面でもう少し力を入れていくべきではないかという考えは従来とも変えておりません。お話のとおり、私は米に無関心だとか、米を粗末にするというような政策はとっておらないし、また農林省としても、そういう政策はとらないで進めていくわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それで、兼業農家に戻るのでございますが、この報告書によりますと、米の生産の部分につきまして、兼業農家がこの米の生産ということをやっているので、それは注目すべき事実であろうという趣旨のことが書いてある。どういうことを注目して今後おやりになるのか。とにかく先ほどからの大臣の御答弁でもわかったように、兼業農家というものはなかなかなくなるものじゃない。兼業農家のできることは、これは米でございます。畜産や果樹は兼業農家はなかなかできません。米でございます。したがって、いま大臣のおっしゃったような、米というものをさらにこれは確実に伸ばしていかなければならないんだというふうな御趣旨、それをつくっているのが兼業農家。兼業農家がどのくらいつくっておりますか。ここで、私、ずっと読んでまいりましたけれども、あまり明白ではございませんが、このいろいろな資料等を見ますと、私は兼業農家等による米の生産が七〇%を占めておるのではないかと思っておった。これは間違えましたら取り消しますが、そういうふうなことで、とにかく七〇%が間違いでございましても、相当な比重を占めておる。したがって、兼業農家に米をつくらせるための対策、そういうものがあっていいと思いますが、いかがでございますか。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 第二種兼業農家戸数で約四割、その支配しております耕地が全耕地の約二割でございます。三百万町歩程度の米作面積の中でどのくらいを占めておりますか、その比例でいきますと二、三割、多くても三割くらいじゃないかという気がいたします。そこで、米作の中のウエートにおいてはそれほど多くないと思うのですが、何といいますか、われわれ関心をもっておりますのは、兼業農家の場合は、やはり労働力が十分に思うように活用されません。手を抜くというようなこともありまして、生産性は一般的に低うございます。生産性の低いままに全耕地の二割をそのまま放置しておいていいというふうには考えがたい。そこでの生産性を上げますためには、よくいわれておりますが、協業を奨励する。まあ部分的な共同化が多うございますけれども、そういうものからだんだん入っていって、全体としての生産性が高まるように政府としては力を入れていくという方向で諸般の施策を進めてまいる方針でおるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 いまおっしゃったのは、第何種の兼業ですか。全部合わせてですか、兼業のほうは。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 第二種兼業です。

華山親義日本社会党

○華山分科員 第三種を合わせますとどのくらになりますか。——時間がございませんから、まあよろしゅうございます。  それで、私は考えるのでございますけれども、せっかく兼業農家のためにいまおっしゃいましたけれども、とにかく安い金で、できるだけ負担を少なくして、そうして交換分合を行なう、あるいは機械センターをつくって、そうして共同して耕作のできるようにする、あるいは、いやなことばになりますけれども、いわゆる三ちゃん農業になりますので、優秀な青年を部落に置きまして、そうして、そこの生産性を向上さすための指導的な仕事をやっていく、あるいは、私は考えるのでございますけれども、統計によりますと、非常に忙しいのは二十日だといわれておる。それだったならば、いろいろな勤労者の休暇等もひとつその時期に集めてやったらいいじゃないか、いろいろなことが考えられるのでございますが、その点をひとつ御研究になりまして、兼業農家の米の生産を増す、そういう方面に御努力を願いたいと思うのでございます。  ちょっと最後にお願いいたしますが、現在の出かせぎの状態でございます。大体私の推定によりますと、百万人の農村の人たちが出かせぎをしております。山形県だけで四万人。そこで、労働大臣に聞きましたところが、わからないということでございます。時間がございませんので短く申し上げますが、留守になった農村というものはたいへんな状態である。こういうふうな状態でございまして、私は、政府といたしましても、このような異常の状態に対して関心を持つべきだと思うのでございますけれども、いままで、閣議では一ぺんもそういうことは問題になったことがないと労働大臣は言われる。予算も一文もつけてないと労働大臣は言われる。労働大臣に対しましては、私は、適当な施策、労働者の保護のことにつきましてお願いいたしておきましたが、農林大臣にお願いするのでございますけれども、農林省といたしまして、私はどこもここもというわけにはいきませんけれども、十二月の末、それから二月を過ぎれば、ある程度いろいろな農業上の仕事があるはずでございます。こういう方面に農村の人々を使って——山形県の四万人は、とてもそれだけではできないでしょうが、そういう方面に使って、農林大臣の御職責として農家を守っていただきたい。その点をひとつ、これは人道的な問題でもあると思いますので、お願いいたします。いかがでございましょう。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 これは、華山さんも御経験があろうと思いますけれども、地元に事業があればわざわざ遠くまで出ないのです。昔、地方に土木事業を起こした時代がございますが、それによりまして、農家における労働力をそこに吸収したりしましたが、こういう面におきまして、私は今年度から道路なども相当全国的にやりますから、ことに農道なども農林省といたしましてはずいぶん力を入れていく、土地改良等も相当力を入れていく、そして、そういう方面に労働力を出していきたい、こう考えております。また労働条件等につきましては、労働大臣ともよく協議いたしまして進めていきたい、こう考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それでは、その点はよく気をつけまして農村を守っていただきたい。非常に困った状態でございまして、山形県におきましては、三軒に一軒は出かせぎをいたしております。それも都会の方面に出て酪農などには出ませんが、部落にまいりますと、ほとんど軒並みに出ている、そういうふうな状態でございまして、人道的な立場もございますので、農林大臣の御協力をぜひお願いいたしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これにて兼山親義君の質疑は終了いたしました。  次に西村関一君。西村君に申し上げますが、農林大臣は六時でお帰りになるそうですから、そのおつもりで三十分以内というふうにお願いします。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 ただいま委員長の御注意もありますし、かつまた高碕先生のお通夜もあると伺っておりますので、三十分以内、できればそれより短い時間で質問を終わりたいと思うのであります。  本日は、去る二月の六日、農林水産委員会におきまして私が質問いたしました諸点につきまして、さらに大臣の御答弁に関連をして御質問を申し上げたいと思っておりましたが、いまのような事情でございますから、また農政の基本問題につきましては、法案の審議の中で御所見をさらにお伺いできると思いますから、本日は割愛をさしていただきます。  まず、最初にお伺いしたいと思いますことは、農山漁村における同和対策に必要な経費の予算についてでございます。御承知のとおり、全国三百万、六千部落と言われております理由のない社会的、身分的、経済的差別を受けておりますところのいわゆる同和地区の人々に対しまして、国が責任を持って差別をなくする、いわゆる同和政策、部落解放政策を推進することは当然のことでありまして、これは、部落民の中から盛り上がってまいります非常な強い、むしろ怒りを含んだ要求であるのでございますが、そういうことのあるなしにかかわらず、国としては責任を持ってこれが対策に重点的な施策を行なうべきであると考えるのでございます。本年度の予算書を見ますと、総理府関係の同和対策関係予算を除きましては、厚生省、農林省、建設省、文部省、労働省、各省にわたって同和対策予算が総計三億に近い増を見ているようでございます。しかし、これはたとえこれだけでも予算要求の額がふえているということは、政府のこれに対する熱意のあらわれであろうと思うのでございますが、私は、このくらいの予算をもってしては、十分その要求にこたえられないばかりか、政府の責任においてこの問題の解決に取り組むという姿勢にはならないと考えるのでございます。総理府の審議室において農山漁村におけるところの部落民の実情についての調査が行われておるのでございまして、近くその結果が発表されると伺っておるのでございますが、農林省がこれが対策のために予算をお立てになりましたときに、一応対象家を五万三千戸と踏まれて四十四年までの計画をお立てになったと伺っております。本年は、いままでこの五万三千数十戸の対象に対して、約二万ほどの措置が相済んだということになっているようでございますが、本年は九千五百戸を対象として計画を組まれている。ところが大蔵省の査定の結果、六千五百戸に縮められた。そして、その六千五百戸に対して、一戸当たり一万五千円をもって同和地区におけるところの農林漁業経営の安定と農山漁村の生活水準の向上をはかるということを目的として、地区の自主的な計画のもとに土地整備事業並びに共同利用施設設置の卒業を実施するということになっている。これに対して、国は必要な助成を行なうともに、これらの事業が最も合理的かつ適正に実施されるよう必要な指導、監督を行うものとするというふうにうたわれております。私は、一戸当たり一万五千円というようなものは、非常に少額な、呼び水程度のものであると思うのでございますけれども、それでも非常に困窮しておりまするところの農山漁村におけるところの同和地区の農家は、あたかも干天に慈雨のように感ずる人々もあると思うのでございます。しかし、われわれ政治に携わる者の立場からいたしますというと、これはまことに貧弱である。一戸当たり一万五千円で、いま掲げられておりまするような目的を達するために、これは助成であり、あくまで呼び水であるというものの、一体どれだけのことができるかという点に対しまして、私は政府のお考えを伺いたいと思うのでございます。承りますところによりますというと、従来のモデル地区、一般地区というようなワクをはずして、一戸一戸を対象にしてやっていくんだというお考えのようでございますが、これはまことにけっこうだと思うのでございます。都道府県知事も知らない間にモデル地区、一般地区の施策が行なわれておるといったような従来の状態から考えますというと地方農政局を通じて、きめのこまかい選定を行なって、一戸一戸を対象として指呼監督をしていくんだ、また助成をやっていくんだというお考えは、基本的には賛成でございます。しかし第一、額の面において、一戸当たり一万五千円というような額では一体何が、できるか呼び水であり、かつ単なる助成、そこから、それを呼び水として自発的に立ち上がらしめるのだというのでございましょうけれども、しかし、その程度で立ち上がれるような状態であれば、問題はそれほど深刻ではないのであります。事実、私どもの関西の地方におきましては、いま同僚の華山委員の御質問の中にもございましたような出稼ぎ山林労務者、あるいは法を犯して米の運び屋をやるというようなことで、ほそぼそ生活をしておるというのが農山村におけるところの部落民の実態でございます。一万五千円程度のもので農業経営を立ち上がらしめるというようなことが、はたしてどこから手をつけてやれるんだろうかというような点に対して、私は大臣の考えをまず伺いたいと思う次第でございます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 同和対策につきましては、総理府が中心となり、いろいろな施策につきましては厚生省が中心となって対策を講じてきておるわけでございます。農林省としては、同和地区の環境といいますか、環境を整備するということに重点があって、一戸一戸ということではないと私は考えておるわけであります。すなわち六千五百戸を対象といたしまして一億の予算を組んでおりますから、一戸当たりにすれば一万五千円程度になります。しかし、これでもってどういう仕事をするかということになりまするならば、その同和地区の土地改良に力を入れていく、あるいは共同施設をつくっていくことに力を入れていく、従来モデル地区というような課題でそこだけにやっていましたが、そうでなく、一般地区にこれを及ぼそうというのがことしの考え方でございますが、そういう意味におきまして、もちろん各家庭、各個人の問題を離れての政策というものはあり得ないのでございますが、全体としてその環境をよくしていく、こういうことには農林省としても協力をしていく立場があろうかと考えております。ただ、そういう意味におきまして、一万五千円の一戸当たりというような金で計算いたしまして、その地区がかりに何十戸ある、しからば、その地区にいくところの助成の金というのは非常に少ない、こういうことならば、確かにそのとおりだと思います。私どもその環境をよくつくっていく、こういうことに力を入れていきたいと思います。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 同和地区の環境の改善につきましては、厚生省も力を入れておりますし、建設省も住宅、道路その他の点について力を入れておりますが、大臣の申されます環境というのは、農業経営の生産基盤を整備拡充していくという面における経営上の立場をよくしていこうということが、農林省のこの問題に対するお役目だと思いますし、予算要求書の中にもそのようにうたわれておるわけなんでございまして、単なる生活環境をよくしていくということは、建設省なり厚生省が貧弱ながら予算を組んで、また主として厚生省が指導的な立場をとってやっておられるわけなんですが、私のお伺いいたしたいと思いますことは、まず第一に、一方において総理府の審議室において調査が行なわれておりますが、その調査と並行して、農林省は地方農政局を通じて農山漁村における同和地区の実態、これは私は毎国会ごとに農林省に申し上げておるのでございますが、どの程度の実態を把握しておいでになるか、それと総理府の調査とどのように調整をとっておられるか、こういう点をお伺いしたいのでありますが、一応ここには全体として五万三千戸余りの対象農家をもくろんでおられるようでございます。この数字の根拠は一体どこから出ておるか。まだ総理府は数字を出しておりません。いまやっておる最中でございますが、そういう点の競合といいますか、そういう点、や、はりただやっておるんだということだけでは相ならぬ。やっぱり実情に即して適切な施策を行なっていかなければならぬと存じますし、また、私はそういうことがあるとは思いませんけれども、間々一党一派の党利党略に用いられていくような傾向になっては、これは国策という立場から申しまして、国の政治という立場から申しまして、いずれの党派でありましても、そういうような傾きを持つということであってはならないと思うのです。それだけに、せっかく地方農政局ができたのでございますから、その農政局の管内における農山漁村の同和地区の状態をどの程度把握しておるか、またどのような指示を農林省はお出しになっていらっしゃるか。特にこの予算をお組みになった以上は、農林省独自の立場から、大臣のいまお話しになりましたような農山漁村における同和地区の環境をよくしていかなければならぬ、その経営状態を少しでもよくしていくための助成をしていくんだ、こういうことだろうと思うのでございますが、その点に対して、大臣はどのようにお考えになっておいででございましょうか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 一党一派に偏した政策等を行なうべきじゃないということは、御同感でございます。日本人の問題でございますし、日本の同和地区の問題でございます。  なお、いかにこれを把握しておるかという点等につきましては、農政局長から申し上げます。

昌谷孝農林事務官(農政局長)

○昌谷政府委員 御質問にございました五万三千戸という戸数の問題でございますが、私ども県を通じまして把握につとめておりますが、率直に申しまして、十分に把握しておるというふうには申し上げかねる点があろうかと思います。その点は、今後もなお努力を重ねてまいりたいと思いますが、五万三千戸につきましては、数年前の調査によりまして、私どもが分担をいたしますいまの農業関係の総合助成の対象として取り上げるべき要件を備えた戸数を調査いたして、その調査の全体が六万二千戸であり、そのうち今日までに対策を講じ終わったものを除きました残りが五万三千戸というふうになっております。したがいまして、六万二千戸と申しますのは、農業集落として二千戸ないしそれ以上の集落をなしておる、そういうところに行って、そこで主として農林漁業に従事をしておられる方々の、実数を調査いたしました結果、そういう数字として現在つかまえたわけでございます。なお、これにつきましても、その後の推移もございましょうが、私どもとしても、ただいまお話しのように、地方の府県を通じましてなお正確を期してまいりたいと思っておりますが、一応いま使っております予算の計画の基礎になりました数字は、そういう数字でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 この問題が提起されましてから、私の記憶に間違いがなければ、もう七、八年にもなると思うのでございます。いまだにそういう失態が把握されていないということは——私が農林水産委員会で入り会いの問題を取り上げたのは五年前でございます。そのようなときから考えまして、いまなお、いま農政局長のお話のような状態では、せっかく地方農政局ができましても、この方面に対して解決しておらない。ただ府県の報告だけにたよって対象の数をきめておられるというのでは、私は、この問題に対する取り組みが少し弱いのじゃないかというふうに言わざるを得ないのでございます。その五万三千戸の中で、一体専業農家は何戸あるか、その耕作面積は幾らであるか、そしてまた兼業農家ならばどういう状態の兼業農家であるか、健全な兼業農家であるか、不健全な兼業農家であるか、第一種か、第二種かというようなこまかい調査も、おそらくほとんどできてないんじゃないかと思います。これは総理府にまかしておいても、なかなかそこまでの調査はできないと思います。そういう実態を把掘されないで、ただ一戸当たり一万五千円というものを予算に計上したとて、これはもう焼け石に水のようなもので、分け方によっては弊害あって一利ないというようなことにならぬとも限らぬのである。そういう点に対してもう少しきめのこまかい調査の上に立った計画を出していただきたいと思うのでございます。私は五年前に農林水産委員会において質問を申し上げまして、入り会い権を持たない農業及び農業に関係のある仕事に従事している部落民の生活の窮状を訴えました。山へ入ってたきぎを拾うにも、家畜のえさの草を刈りに行こうにも、山も原っぱもない。入り会い山を持たないという非常に悲惨な状態のもとに、しかも耕作面積の少ない、しかも条件の悪い谷底のような、あるいは山のてっぺんのような、そういうところで長年の間歯を食いしばって差別にたえながら農業に従事をしておりますところの彼らの身の上を考えて、何とか入り会いの問題だけでも解決してやっていただきたい、いま国有林野の払い下げの問題が出ておりますが、私は、当時の林野庁官に対しても、こういう入り会い山を持たない農村における部落の諸君に対して、何とか国有林を開放するという措置はできないかということを尋ねましたときに、十分に調査いたしまして善処いたしますと、時の農林大臣が答えておられるのです。ところが、いまだに入り会いの問題は一つも解決がついておりません。その当時から考えるならば、今度これだけの予算がついたということは隔世の感がするのでございますけれども、しかし、初めに申し上げましたように、非常に弱い、しかもそれが的確な調査の上に立っての計画でないというところに問題題があると私は思うのです。いかがでございますか、農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 把握が十分でないことは私も認めます。それからまた、対策の点につきましても、十分でないことも認めます。入り会い権の問題でございますが、ちょうど国有林の払い下げというような時期でもございますので、入り会いあるいは部分、共有林を検討する時期に来ておりますから、なお具体的にお話がありますならば、そういうところを具体的にまた解決していきたいと思いますけれども、林野庁に検討を命じて、この曙光といいますか、方途を進めていきたいと思っております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 大臣の地方にはこの種の地域がないと見えますので、あまり実情にわたってお聞きをいたしましても——私は大臣のお気持ちはくみ取れますから、具体的なことはこれ以上申しませんが、事務当局はもう少し力を入れて大臣を補佐し、大臣の気持ちをくんでこの問題の解決に取り組んでいただく、これは前から言っていることなんであります。ただいま大臣が特定の地区とおっしゃいましたが、ほとんど全部でございます。入り会い権を持たない部落民は明治の初年に非常な迫害を受け、入り会い権を剥奪されて、それが今日まで続いております。全部がそうなんです。入り会い山を持っておる部落民というものはほとんどございません。そういう実態でございますから、ただいま大臣の仰せになりましたお気持ちの線に沿うて、林野庁長官等にも御指示をいただいて、この国会における私の質問の趣旨をおくみ取りくださって、この問題に対する適切な処置をこの際とっていただきたいと思うのでございます。  それから、農村における部落民は耕作面積が非常に狭いのであります。いま的確な数字をつかんでおりませんが、おそらく平均四反以下ということに相なるかと思います。それこそネコのひたいのような非常に狭い所にしがみついて、しかも水利の悪い、土地のやせた所で農耕に従事している。どうしたって生産基盤の整備拡充を行なわなければ農業をやっていけません。たとえば専業農家であっても農業の形態をなしません。酪農をやろうといたしましても、いま申しますように草刈り場もございません。また牧草を植える所もございません。濃厚飼料ばかりにたよっておりましては酪農はやれないことは御承知のとおりでございます。何と申しましても農地をふやしていく、増反をしていくということを考えなければならぬのでありますが、これは一万五千円ではどうにもなりません。やはり私は土地取得のための融資の道も開いていただきたい。その特別な措置を、農山漁村にあるところの同和地区の諸君に対して低利長期の融資の道を開いていただきたい。これは土地取得を目的といたして、ぜひそういう方法も講じていただきたい。  それから、国有林野の払い下げの問題につきましてもひとつ御検討をいただきまして、ぜひ入り会い権を持たない——これは部落有林ではいろいろな関係がございまして、部落有林の中に割り込んでいくということは今日の状態ではとてもできません。どうしても国有林野の中でこの問題を解決していただきたいと思うのであります。しかし、私の滋賀県では、御承知のとおり国有林野は非常に少のうございます。それだけでは問題は解決つかないし、またそれは他の方法で解決しなければならぬと思います。それでもやはりそういうかまえを農林大臣が示していただけるならば、具体的にどれだけの効果があがったという目に見えたものがなくても、これはいま大臣の仰せになりました一つの曙光として希望を与えるのじゃないかと思うのでございます。失礼でございますが、もう一度重ねて大臣のお考えを伺いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 入り会い山等が近くにないところもございます。実は私の近くにもそういう同和地区がございます。確かに耕地が非常に少ないのでございます。いま土地取得資金は、だれかれの区別なしに、一般的な資金として融資の道を講じておりますけれども、お話の同和地区に対する土地取得資金というようなことにつきましても研究をさせてみたいと思います。  入り会権の問題は、具体的にそういう要請がありますならば、早くそこを片づけますから、そういう要請を待ってどんどん進めていきたい、こう考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 終わります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 これにて西村関一君の質疑は終わりました。  川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私は、第一に中央卸売市場のことについてお尋ねをし、第二には肥料二法案の問題についてお尋ねをし、第三には農林省の農林統計について、その充実をはかる必要があるだろうという点についてお尋ねし、第四に国有林のあり方並びに民有林等の構造改善事業についてお尋ねをしたいと思います。  そこで、先に質問を全部並べますから、答弁は文書でもかまいませんからお出し願いたいと思います。  第一は、中央卸売市場の目的は、私が申し上げるまでもなく農産物及び水産物の価格の形成及び売買の取引を公平にして公正価格を保持することによって農産物の生産及び流通を円滑にして、もって国民経済の適正な運営に資することにあるのであります。このために市場ができておりますが、先ほど加藤委員が大臣に対して、ノリもやはり公正な価格を形成する必要があるのじゃないかということでお尋ねしたようでございますが、適切な答弁がございませんでした。そこで私調べてみますと、中央卸売市場には魚類というものがありますけれども、水産物という表現がないようでございます。魚類に水産物も含まれておるのかどうか、いろいろな辞典を調べますと、水産物の根幹をなすのは魚介類であるという説明がありますが、魚類で全部の水産物を代表することはできないようでございます。魚類というものは、普通生物学的には動物性のものをさすようでございますが、海草類などは植物性であります。また、これらのものを養殖することも水産業の中に入るようでございます。また簡易な加工物も水産業に入るようでございますが、今度は魚類ということになってまいりますと、かまぼこのようなもの、ノリ、あるいはコンブのようなものは取引の対象にならないようにも見受けられます。そうすると、これは国民の消費経済に与える影響の大きい市場を形成して、適正な価格を形成して、水産物及び農産物の流通の円滑化をはかろうとする市場の目的に反するのではないかと思うのでありますが、答弁を待っておると時間がかかりますから答弁はあと回しにします。  次に統計のことでございますが、農林統計が充実しておらなければならないと思うのであります。特に農業の構造改善事業による近代化の方向というものを進めながら、その基礎になる調査が不十分である結果、構造改善事業が失敗した例がたくさんあります。構造改善事業が失敗したのではなくて、基礎調査が粗漏であったための失敗ということになる。これが構造改善事業の失敗のように宣伝されておりますが、これは間違いでありまして、むしろ基礎調査が不十分であったというところに基因すると思うのであります。そういう点から言っても、農林省は基礎調査をもっと充実する必要があるのじゃないか。ことに今日の農林統計を見ますと、旧態依然とした器具で、しかも設備の不完全なところで、いまだにそろばん勘定をやっておる。あるいは計算機を持ちましても、すでに十年以上経過して、がたがたであって計算機の科学機能を十分発揮できないような状態。あるいは機動力が発揮できないような状態で、災害が発生しても、てくてく歩いていかなければならない、あるいは自転車で行かなければならないというような、農村の近代化をはかる基礎調査をするのにまことに非近代的な設備のもとに行なわれておる。これでは信頼度が薄くなるのじゃないか。特に今度私、農業所得税について大蔵省の見解を尋ねましたところ、農林省の調査はどうも適切でないので、税務署が独自の調査をした結果、今年の収量は昨年よりも上回るということになったわけです。どっちがほんとうかは別といたしまして、せっかく農林省が相当の組織を持ち長年の経験を持って収量の調査をやってきた、しかも作報時代から農産物の収穫調査につきましては、かなりの自信を持っておるといわれておる農林省の統計が、同じ国の機関内において信頼されないということになったならば一大事だと思います。そういう意味でももっと充実する必要があるのではないか。国内で全部あえて税務署が同じ国の経費を使って収穫調査をしなければならないというようなことは、農林省の権威にもかかるだろうと思います。農産物の調査が大蔵省の税務署で調べなければ正確なものが得られないのだということになったら、農林省の権威が全く失墜するだろう。そういう意味でも農林統計の充実をはかっていかなければならぬであろうと思うのです。そういう意味でのこの回答はあとに回します。  次に国有林の問題について触れたいと思うのでございますが、今日まで国有林が——中には閣僚の中でも、国有林というものは林野庁が持っていて手放さないのだというような悪評もあるようでございます。しかしながら、私調べてみますと、明治二十九年、いわゆる日清戦争後に農村が疲弊をいたしましたときに国有林を九十一万町歩開放いたしております。続いて大正の八、九年ですか、年数ははっきりしませんが、二年か三年かかっておりますのではっきりしませんけれども、いわゆる七、八年の農村の不況時代に、もっと正確なのは調べればありますけれども、いわゆる農村の不況時代に三十二万町歩開放いたしております。また、これは政務次官覚えておるかもしれませんが、国有林でなしに、共用林ということで農民に使用させておいたことがございます。あるいは部分林、昔はこれは徳川時代からあったのですが、部分林と言いまして、国の土地あるいは藩主の土地を栽培する人あるいは植林をする人と分収をしたという利用のしかたもあるわけであります。必ずしも閉じておるようには私には思われないのでございまして、これらの面積は相当な数にのぼっておる。また戦後は開拓農地として、または適切な農地として国有林野が自作農特別会計で所属がえになった数は五十九万町歩に及んでおります。その五十九万町歩の中で約三十万町歩ばかりが、いわゆる農地として適当であるということで所属がえになった。あとの約三十万町歩はいわゆる特別法によりまして、合併促進法とかによりまして、売り払ったのが約二十万町歩、合わせて五十九万町歩ばかりあるわけでございます。時間がないから正確な数字は申し上げませんが、そのように相当開放されております。  しかも、さらに農地の歴史を見ますと、農林省がこんなことを知らぬわけはないのですけれども、どこかに手抜かりがあるようでございますが、そういうことから旧地主の解放問題も出てき、国有林の開放問題が出てきたようでありますが、一体農民にいつから所有権が生まれたかというと、一八六八年、明治元年に初めて農民に土地の町有を許したわけです。許してはおりますけれども、田畑につきましては売買禁止です。売買禁止が解かれたのが一八七二年、明治五年です。それから土地制度を見ますと、北海道土地売買規則、国有地、荒蕪地の払い下げと十カ年の地租免除というのがございます。これで北海道におきましては国有地を相当処分をいたしたのでございますが、処分はいたしましたけれども、これは農地として利用されないで、ただ利権の対象になったために、規則を改めまして、北海道国有地処分規則をつくりまして、土地売買規則の払い下げ制を改めまして、開拓の成功の後に払い下げもということに変わったわけでございます。すなわち、単なる払い下げは利権の対象になりまして、開拓の目的に沿わなかったために規則を改正したのが一八八六年の明治十九年です。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 川俣君、もうあと五分ですよ。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 さらに民有地であって荒蕪地は国が買い上げるという規則ができました。民有地でありましても利用しないものは買い上げる、この制度もできております。このようにして、狭い国土をどうして活用するかということについては、徳川時代以来明治の時代になっても非常に苦労したところでございます。  ところが、今日まで国有林の払い下げについては、注意しなければならないと思われますのはどういう点かというと、農林省の施策あるいは国の施策が農民に行き届いていないために、あるいは地方財政が貧弱であるために、金をとること、予算をとることは非常に困難だけれども、持っている財産はひとつよこせ、金のかわりに財産をよこせという要望が強い。この間の大会を見ましても、それほど農村が疲弊しているのだ、ひとつ国有林を開放して、所有権を移して、売買しようということだろうと思う。大体明治二十九年に開放された土地でいま農民の手にあるものが、約六%内外でないかといわれている。もちろん農地解放前ですけれども、所有権が他に移ってしまっている。疲弊した農民は唯一の財産としてこれを処分して生計を営むということになってしまった。すなわち、今日の疲弊を打開するために土地の開放を迫っているのであります。これは国の施策が行き渡らないために起こってきた開放運動だと思う。もう一つは、これは警戒しなければならないのは、会計検査院の誤った指導であります。国有林が農業に寄与するために貸し付けております貸し付け料金を、地代が上がった、地価が上がったのだからということで数回にわたって上げております。そう貸し付け料金を上げるなら、ば所有権を持つに限るということで、さらに国有林の開放に拍車をかけているのではないかと思います。今日のような農村の貧弱な、ことに山村の貧弱なところで所有権を持ち続けることは非常に困難になっております。それに所有権を開放しましたならば、まことにけっこうな財源としてこれは利用されてしまうであろうと思われます。農業用に使うよりも、困窮した借金の対象になり、債権の対象になってしまう。これならば土地の高度利用ではなくて、農民のための利用、農業のための利用ではないということになります。したがって、私どもは林業もまた農業のうちであるからして、広義な農業として林業も考えていかなければならない。また、いままで農業のうちに入っていなかったけれども、農業に入れておられます酪農も広義な農業、そういたしましたならば、再度の利用といたしまして農牧林混合農業というような構造改善事業が進められていかなければならぬじゃないか。いままでのワクから脱却しなければならぬ。農林省は少し頭が硬化している、もう少し人に近代化をすすめる前に、農林省がまず近代化しなければならぬと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 結論に入ってください。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういう意味で、農牧林混合農業というのが一つの型ではないか、こう思うのです。これは答弁があれは——どうせろくな答弁はないと思いますから、ほんとうは答弁があってから少したたき直さなければならぬと思いますけれども、農林省は少し訓練をしなければいかぬと思っておるのです。少し温室育ちなんです。相手が農民だということで、勉強が不足だと思う。そういう意味で、今日は実はたたき直さなければならぬということで質問をいたすのです。主査が干渉いたしまして、私の発言を制限して残念でございますが、もしも農業についてもっと熱心な人たちであれば、十分発言をさせると思いますが、速記録に残りますから、十分ほんとうはやろうと思うのですが、なかなかいい意見については、発言を抑えておる。農林省を旧態依然のままにおきたいという遠慮から押えておるようでございますが………。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 川俣さん、時間が経過しましたから結論に入ってください。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 今日幸いに政務次官がおられますから、大臣はおられないでも、これは荷見さんのお葬式ですから、私はここで敬意を表する。私は、荷見さんのお通夜に行くよりも、農業問題を論ずることがどれだけ荷見さんの霊を慰めるかわからぬというつもりで質問をしておる、ただ行くだけが私は礼ではないと思う。あれだけ農業に熱心だった荷見さんの霊を慰めるためには時間をさいて農業を論ずることのほうがより荷一見さんの霊を慰めるゆえんだと思うのでございます。そういう意味で答弁を願います。なかなかこれは私ども社会党としても、国有林好の開放というと非常に受けがいいように誤解されまするけれども、あるいは自民党の中でも、中にはひどい意見もあるわけです。いまここで暴露することは避けますが、あるのです。政務次官御承知のとおりです。開放というと、そういうことに発展するおそれがあるのですよ。善良な意味の農地の問題ではなくして、これを利用する者が多い。この情けない世の中ですから、私どもは特に農林省に警告をしながら質問するゆえんはここにあるわけです。国有林町の使命というものは、先ほど質問がありましたけれども、長官よく答弁をしない。木材需給の調整と価格の調整をするために一定量の蓄積を持たなければならぬ。価格が上がったときに、民間ではこれは間接統制の役割りを果たしている、価格の関係で。あるいは需給の調整を行なう、価格調整という役割りを果たしておる。本来であれば間接統制の費用というものは一般会計で見なければならぬというのでは莫大な費用になる。これを林野特別会計で価格調整の役割りも果たして、非常に木材の価格が上がるならば売り出して価格を安くする。木材が安くなるならば、ほんとうからいけば伐採制限などをして価格の調整をはかるのがほんとうなんです。ところが、いまや日本の国内の木材の原木の状態は非常に悪く、外国から四億ドルくらい輸入を仰がなければならない。食料不足でまた入れなければならない。原木不足で入れなければならない。いまの製材業者を見てごらんなさい、原木難に悩んでいる。破綻の寸前にあるという状態です。ところが、一般の者は、なにそんなことは木なんというものは自然に育つであろうというようなことで、放任されておる。長年の撫育を必要とする森林に対する理解というのが非常に少ない。こういうものを啓蒙するのが林野庁であり農林省であると思う。国民というのは眼前のことに惑わされやすい。それよりも長期展望の上に立つのが少なくとも行政官の任務でなければならぬ。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 もう五分経過しました。結論を急いでください。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういう意味で、林業全体についても、これは構造改善をやるにいたしましても、農業という広範な意味におきまして、他の耕作農業、他の酪農業とあわせた構造改善事業を進めていかなければならぬのではないか。  それにも増して、最近だんだんと山林に従事する労働者が不足になってきております。高崎のある業者が横浜のはしけ人夫を連れて伐採に当たったそうでございますが、みな逃げられた。賃金はいい、はしけ人夫の賃金を払えるのは林業よりほかないということで、安定所から回されたそうでございますが、伐採するときのあの音を聞いて、とても木を切るなんて、おそろしくて、おれのほうに向かって倒れてくるということで、みな恐怖でもって逃げた。木なんか人間に向かってくるわけないけれども、木になれない、山になれない、ただ腕だけが強いというだけでは伐採なんかできないということなんです。ほんとうなんです。おそれてみな逃げてしまう。うそじゃないのです。こういうことから言いましても、人々に林業を理解させるようにしていかなければならぬ。それには山村経済にも寄与していかないと林業経済というものが実際成り立たないであろうと思います。  もう一つは、政府は国土保全ということをよく言います。国土保全、もちろん必要なこと論をまちません。しかしながら、さらにもっと積極的に、文化日本というものをつくり上げるからには、国民の健康にどれだけ森林というものが寄与するものか、同化作用を行なう植物によって空気の清浄化はもちろん、保健衛生の上に役立つ分野は非常に大きい。あるいはスモッグ等に対する一つの防壁にもなるわけです。こうした国民保健衛生についての考え方も森林に対する考え方として出てこなければならぬ。国土保全ばかりじゃないのです。公益的な活用というものにも目をつけていかなければならぬ。ただ眼前の施策にだけ迷いまするならばたいへんなことになると私は思うのです。そういう意味で、国有林のあり方についてもう一ぺん検討しなければならぬ。また、日本のように領土の狭い、土地の狭いところにおきましては、森林と他の農業とどうして調和させるかということも考えていかなければならぬであろう。こんなことは私が言わなくたってわかっていなければならぬ。ところが、頭が老化して硬化しておって、これに思いが至らないというところに問題があるのです。これだけ指摘をいたしますなら奮然として新しい施策を当然立てられるであろうと思う。まことに人が少なくて残念でございまするけれども……。ほんとうに残念です。人がまじめな話をするのに時間の制約をするなんということは、国会の審議を全く軽視するもの、だと私は思うのです。  まあ、そのことは別にいたしましても、これだけ述べたのでございますから、十分趣旨を了とせられまして、ひとつ施策を講ぜられますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。私の質問は、これは質問じゃなくて、政府に対する一つの警告として御答弁を願います。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 ただいま川俣委員からきわめてうんちくのある御意見を聞かせていただき、なおまた先日来予算委員会等で川俣委員の御発言を聞いておりますると、農林省に対して、前向きの姿勢と言いますか、どうも硬化し過ぎておる、だからもっと前向きの態度で農林省は一切の施策を考えるのでなくちゃならぬ、激励の御質問やら御意見まで聞いております。特にまた今日はいろいろ意見が出ましたが、非常に御質問が多岐にわたっておりまするので、私から答弁申し上げるよりも事務当局のほうからいつかの機会に詳しく御了解を求めたほうが適切かと存じます。ただし、総括的に一つ二つだけ触れてお答えをさせていただきたいと思います。  第一点は事務的なことでございますから。第二点の農林統計調査部を強化せよということ、今日の科学的な農業をなしていくのには、調査統計ということがきわめて重要であります。これらなくしては科学的なものは考えられないのでございますから、御意見のとおり農林省としては今後十分ひとつ充実強化していくように、そうして新しい農業の基本を科学的に打ち出していくようにしたいと考えております。  それから国有林地の開放でございまするが、国有林の開放のことにつきましては、先日、山を愛し、また山の持つ使命、また林業の重要さ、国民に及ばす山の環境というものについて、あのごうんちくのある御意見を総理にお聞かせいただきまして、総理も、あなたの御意見に全幅賛成したようでございます。同意の感を示しております。そこで、私は御意見のように今後進めていきたいと思いますが、ただ、御指摘にもありましたように、農村が苦しいからとか、財政に困っておるから、地方公共団体の財政を豊かにするために山を払い下げるということは、また別の角度で考えていただきたいと思っております。私のほうが国有山林をかりに開放いたしますときには、やはり御意見にありましたように、広い意味の農業、農業と林業と牧畜というものをあわせて考えたいわゆる農業構造改善と申しますか、こういう意味で取り扱っていきたいと考えておるのであります。  もう一つは、ときどき地方から山を植林するから払い下げしてくれ、そして、それを財源に充てたいと言われますが、今日ですら財政があまり豊かでない町村が、非常に長期投資をしなくちゃならぬのに、これは言うはやすいことでございますが、なかなか行ない得ないことであります。ですから、私は、そういう意味から、町村等が山を自分の手で造林するから払い下げよというようなことは、これは御説にありましたように、大いに検討を要することである、そう簡単にいかぬ、やらないという方針をとってまいる。あくまで山の持つ治山治水、水源、そして最も大きな国有林野の持つ使命というものを考えて、かりに国有林野を払い下げするならば、ただいま私の申し上げたような農業と林業と牧畜業というもののほんとうに利用される方面ということを考えてやっていきたい。きわめて要を得ないかもしれませんが、考えのうちは御想像願えるだろうと思いますが、今後の処理については十分慎重に考えていき、あなたの御意見のように山を愛してまいりたい、緑を愛してまいりたい、水源、砂防の確保をしてまいりたいと思いますから、御安心を願いたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 ほかにありませんか。——これにて川俣清音君の質問は終わりました。  これをもちまして農林省所管についての質疑は終わりました。  以上をもちまして、本分科会所属の経済企画庁所管、農林省所管及び通商産業省所管に対する質疑は全部終了いたしました。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 この際、おはかりいたしたいことがあります。  昭和三十九年度一般会計予算中、経済企画庁所管、農林省所営、通商産業省所管、昭和三十九年度特別会計予算中経済企画庁所管、農林省所管、通商産業省所管に対する討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲ることに御議異ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 御異議なきものと認めます。よってさよう決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  一言ごあいさつを申し上げます。  本分科会開会以来九日間、ふつつかなる者にもかかわりませず、各分科員の御協力によりまして円満に議事を進行することのできましたことはまことに感謝にたえません。ここに厚くお礼を申し上げます。  これにて第三分科会を散会いたします。    午後六時二十五分散会

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