予算委員会第三分科会 第6号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/02/22
会議録
○松浦主査 これより会議を開きます。 昭和三十九年度一般会計予算及び特別会計予算中、通商産業省所管を議題とし、質疑を行ないます。 質疑者玉置一徳君。
○玉置分科員 中小企業の倒産や、これによりまして引き起こされました業界の恐慌というものに対する対策、並びにこれらの中小企業の生産調整及び近代化というようなことにつきまして、主として西陣を中心といたします京都の丹後地方の、出機と私のほうでは申しますが、それから京都の西陣並びに南山城地方におきます金銀糸業者、これの恐慌につきまして、お伺いをしてみたいと思います。 御承知のとおり、昨年の十二月以来の非常な金融引き締めによりまして、中小企業の倒産や内整理、不渡り手形の激増をしておりますのは、御承知のとおりでございます。一月の東京におきます不渡り手形の枚数は、先日私が申しましたとおり六万枚、前年一月対比で二割増し、倒産件数は百九十八件、前年一月対比は実に二倍にのぼっておるわけでありますが、負債金額に至りましては、戦後最高という記録を示しております。さらに、手形決済期に当たる三月末には一そうの事態の悪化を予想される次第でございまして、巷間中小企業の三月危機ということが叫ばれておるのも、この意味だと思います。中小企業特有の経営の脆弱とかあるいは暖冬異変によります見込みはずれということも事実でございましょうけれども、また、昨年以来の苛烈な金融引き締めがそれに輪をかけたことも、いなめない事実だと思います。政府は、この情勢に対処されまして、三月危機を乗り越えるために、資金運用部資金の特別融資及び特別買いオペ合計二百二十億円の対策を立てられた。またこういった問題が必ず中小企業にしわ寄せされますものですから、下請代金等につきましても、善処を約束されておるわけでございます。なお、先般はこれに対する徴税猶予の特別措置を講じようとしておることも承ってはおりますけれども、これはただにこういう金融上の問題だけじゃなくて、わが国産業界の伸展に伴いまして急激な構造変化を来たしておる、その底辺でもみくちゃになっております中小企業というものが、こういった一連の金融対策だけで乗り切ることができるかどうかということが、私ははなはだ疑問であります。ことばをかえて申しますと、金融の引き締めだけで起こった原因ではなしに産業の伸展に伴いまして、中小企業もまた近代化、系列化、組織化されなければならない過程にあるわけでありますが、それがなおいまだ十分ではないというところに、この問題が一そうの破綻と混乱を引き起こしておるのじゃないか。したがって、一連の金融政策のほかに、これの近代化、系列化、組織化というものが並行して行なわれていかなければ、この問題の解決はなかなかむずかしいんじゃないか、こういう感じがいたすわけであります。これに関連いたしまして、ひとつ大臣の御所見を承りましてこれから質問をしていきたい、こう思うのです。 そこでまず第一点でありますが、今次の中小企業の危機は、ただいま申しましたように、経営の放漫や暖冬異変による見込み違い、その上に輪をかけて金融の引き締めがあった、これが直接の原因であることは事実でありますが、問屋と下請企業との系列化、これの不整備、同一零細企業間の組織の欠除、こういうものが、生産調整をでき得るような機構ができていない。このことは、先ほど申しました中小企業の近代化、組織化ということが、わが国の大企業の高度成長に比べまして非常に手おくれになっておる。これが今日の問題を提起しておる最大の原因ではないかというような感じがするのですが、大臣の御所見をお聞きしたい。
○福田(一)国務大臣 玉置委員のお話がございましたとおり、日本の中小企業をこれからりっぱに育てていきますには、いわゆる近代化と組織化が必要であります。一般的にいっては、それは絶対に必要でございます。そうして、また同時に、これは産業全部についていえないかもしれませんが、産業によっては、いわゆる系列化、それから系列化の下の共同化、こういうことも必要であろうかと思います。ただ、西陣のことについてお話しでございして、私非常にけっこうで、一つの問題をよく勉強しますと、そこからりっぱな地についた政策が生まれてくると思うのでありまして、西陣の場合は、消費者の希望に基づく一つの流行、その流行にどういうふうに対処していったらいいかという問題が、もう一つ含まれておるのではないかと私は考えておるのであります。
○玉置分科員 そこで次に、先ほど申しましたように、政府が二百二十億円の財政資金の投入をしていただきまして、非常にけっこうでございますが、国から出ます財政資金は、中小企業の総需要量の一割にすぎないことは、御承知のとおりであります。そこで、せっかくそうやって水向けをしていただきます政府財政資金の投入は、残り九割以上を占めます市中銀行が、よく政府の意のあるところを体しまして、これにどういうふうに協力をしてくれるかということが、実に大きな要素を占める、こう思われるわけです。先般大蔵省銀行局長の通達によって強く市中銀行に要請せられたのも、市中銀行の協力を呼びかけられたのも、このゆえんだと思うのです。そこで、政府の財政資金にしろ、またこの市中銀行の協力が得られましたといたしましても、これは御案内のとおり、いずれも短期資金でございます。したがって、巷間いわれる三月決済の集中いたします危機に対処し得たといたしましても、それを向こうへ追い送ったにすぎないのじゃないかということも、ことばをかえればいえると思う。したがって、日銀の総裁が当委員会におきまして答弁もされておいでになりますように、ただに貿易の決済だけじゃなしに、貿易外を含めまして、日本の対外収支がある程度の見通しのつくまでは、この金融引き締めを続けていきたいという言明からいたしましても、かなりこの金融引き締めは長期にわたるものと考えざるを得ないと思います。したがって、三月危機をうまく切り抜け得たとしても、こういうことは悪く言えば慢性的に、よく言えば恒常的な計画のもとに、業者も、またそれに対する政府の施策のほうもお考えいただかなければならないと思うのですが、これに対します政府の御所見を承りたい、かように存じます。
○福田(一)国務大臣 お説のとおりでありまして、私は、日本のいまの経済の姿から見て、いわゆる設備投資あるいは消費需要というようなものが、相当金融引き締め的措置等が国民に浸透いたしまして、そういうようなムードができてこないうちは、なかなかいわゆるこういう高度成長自体からくる一つの現実の弊害といいますか、われわれとして是正をしなければならないような問題は、解決をしていかないのではないかと思います。したがって、日銀総裁の言っていられる、相当長期にわたって窓口規制その他規制を行なわなければいけないという意見には、私は賛成をするものであります。ということになりますと、あなたがお話しになったように、三月危機を乗り切ったからといって、それで中小企業の金詰まりあるいはその他の問題が解決するものとは思っておりません。こういう意味から言えば、政府としては、三月以降に対処して、中小企業のために親切な何らかの手を考えていくということは、当然のことであると思うのであります。
○玉置分科員 したがって、前向きに中小企業の整備ということに常にひとつ御配慮いただきまして、積極的な推進の手をお打ちいただきたいと思うのでありますが、私のほうの西陣の問題になりましてまことに恐縮でございますが、具体的にこの問題を掘り下げ、もって全般の行政のあり方をお考えいただき、御質問申し上げたい、かように思うのです。 大臣もお聞きいただいたと思いますが、京都の西陣の問屋並びに親機の倒産にあいまして、丹後、与謝地方の三千戸にのぼる出機と申しますか、下請の工賃仕事をしております者が恐慌を来たしておりますのと、全国の九割の生産をあげております京都南山城地方の金糸業者の恐慌につきまして、具体的に御質問を申し上げたいと思います。 京都の室町には、京都織物卸商協同組合加入の問屋が五十五社ございます。その下に約六十社の買い継ぎ商社というものがございますが、京都織物卸商買継協会というものをつくっております。このうちの約二十社が、着尺を専門に扱っております。またこの下に四十社、六千台の織機がございますが、これがいわゆる京都の西陣織屋と称せられるものであります。これを親企業いわゆる親機といたしまして、京都府下の丹後並びに与謝地方に百七十の取り次ぎ所、代行店、すなわち仲介人でございますが、またこれを通じまして賃加工を主といたします出機がござまいして、わが国のウール地主産地の重要な一つを形成しておるわけです。これが三十四年、三十五年より農業がことに不振になりましたために急速に増加いたしまして、二月当たり織機二ないし三台の家族労働を主とする零細企業でありますが、現在は実に織機八千台、戸数三千戸にまで発展を見たわけでございます。さきに西陣関係の問屋及び中継ぎが三社、それに関連いたしまして、先ほど申し上げました親機十一社が倒産したのでありますが、その余波を受けまして業界が混乱し、先ほど大臣のお話にありましたとおり、こういうものは先物注文でございますので、先行きの警戒のために親機から出機への原糸の供給が締められてきたわけです。現在では約一千機が完全に休業をいたしまして、その他も著しく操業度が落ちております。工賃も、こうでなかった場合に比べまして、三割近く低下しておりまして、おまけに、二月、三月の手形の集中決済の時期には、一体どうなるのだろうという非常に心配な状況にございます。このようにいたしまして、一つには設備をいたしました織機の設備資金の借金の返済でございますが、これが問題と、休業による生活費と申しますか、こういうものによりまして、実に三千世帯、一万五千の家族を含めまして、前途の不安と今日の生活の困難の中に政府の救いの手を一日千秋の思いで待っておるのが、現状でございます。私も先般行ってまいったのでありますが、通産省、大阪通産局にもよく連絡してお願いしておったのでありますが、先般本省からも、大阪からも、府の係官を伴いまして現地を御調査いただきまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。そこで、その方々ともいろいろ話してみまして状況を聞いたのでありますが、まず緊急の対策として要望されることは、現在織機設備の借り入れ金の残がおおむね八億八千万円、主として農協及び信用金庫の借り入れでございます。休業あるいは操業度の著しく低下しておる現状におきましては、生活費と申しますか、工賃に相当する部分がここ当分かせぎ得られることが一番幸いなことくらいでありまして、とうていこれを返済する余剰が出るような見通しはございません。したがって、毎月返済に要する資金でありますが、これに対しましては、商工中金融資をすみやかに増額されるよう商工中金のほうにお手当てをいただきたい、かように思うわけでございますが、政府当局の御答弁をお伺いいたしたいと思います。
○磯野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御要望のありました設備資金の返済の資金でございますが、これにつきましては、いろいろなむずかしいことがあると存じております。先ほどお話がありましたように、これを借りております者が、大体農家あるいは漁家を中心といたしました副業的な零細経営でございますので、そういうふうなものが直接に設備資金の金融の相手方になるということにつきましては、そこにいろいろな問題があろうかと存じます。それで、その点につきまして、実は私ども昨日も商工中金の京都支店長を呼びまして、いろいろ相談をいたしましたわけでございますけれども、まずもって必要なことは、そういうふうな零細企業が、これも先ほどお話がございましたように、現地に取り次ぎ商が百七十社ぐらいございますので、しかもその中でいろいろ有力な方もあろうかと思いますけれども、その百七十社と約二千の零細企業との従来の関係は、単なる賃加工の発注、受注関係にあったのではないかと思いますけれども、そういうことでなくて、その取り次ぎ商を中心にいたしまして従来よりも系列化を強化して、いわば一種の生産共同体、グループ化というものを進めたらどうかというふうに考えております。そして、その取り次ぎ商につきましては、これは相当の商取引もございまして、金融の対象になりますので、その取り次ぎ商に対しまして、たとえば丹後織物信用組合というのがございますので、その丹後織物信用組合などから必要な資金を流したらどうか。そして、その資金量につきましては、これは傘下の賃機、出機の加工賃等々のことも考えまして、その資金手当てを流していくというふうに、金融の相手方になるところへ金融の道をつけまして、そこからその金融の効果を零細企業のほうに波及させていくというふうなことが一番適当であろうかと考えております。そして、かりにそれに関係をいたしますれば、これも御承知かと思いますけれども、丹後織物信用組合がそういう取り次ぎ商あるいは産地問屋に対していたします融資につきましては、これは信用保証協会の保証の対象にもなることでございますし、また、丹後織物信用組合は、御承知のとおり、商工中金の代理店でございますので、商工中金といたしましても、必要な限りにおいては、その資金を信用組合に流していくということも可能でございますので、さしあたりのつなぎ資金の問題といたしましては、そういう方法が一番適当と考えておりまして、先日も商工中金にその実施方を要望いたしております。
○玉置分科員 お話はよくわかりましたが、これはあとでまた関連いたしまして一緒にもう一度お伺いしたいと思います。 その次は、休業あるいは操業度の著しい低下に伴いまして、生活資金と申しますか、三割方は雇用労働者を使っておる六織機以上のところがございますが、これの解雇と申しますか、おやめになるというふうな問題も間々起こると思いますが、こういう問題も若干、生活資金と申しますとお話にならないのかもわかりませんが、経営安定のための資金をこの信用組合だけじゃなくて、国民金融公庫から個人の相手方としてお考えいただかなければいかぬ、お金も若干用意を願わなければ、ちょっとうまくいきにくい、漏れるところがあるんじゃないかというような感じがいたすわけでありますが、国民金融公庫のほうはどういうようにお考えいただいておるか、お伺いを申し上げたいと思います。
○磯野政府委員 国民金融公庫のほうにつきましても、いまお話しのような必要があろうかと考えておりますが、この点は、ざっくばらんに申し上げまして、まだ具体的に進めておりませんが、御趣旨に従って善処したいと思います。
○玉置分科員 もう一つは、問屋買い継ぎ三社、親機十一社、これが倒産いたしました関係と思いますが、先般の御調査では、現在約一億二千四百万円の不渡り手形がありまして、これが問題を一そうむずかしくしておるもとだと思います。問屋、中継ぎ及び親機、それから取り次ぎ商に対しても、同じように適切な金融の措置を施して、零細な出機企業者の工賃支払いでありますので、これが滞らないようなお手配がお願い申し上げたいのですが、このことは先ほどの商工中金、したがって信用金庫のやつでようございますか。
○磯野政府委員 先ほどお答えいたしましたのは、主として一番零細な出機に対する融資の関係につきましては、織物信用組合の経路を考えるのが一番よろしいのではないかということを申し上げたのでございますが、ただいま御指摘のございました親機の関係、それから買い継ぎ商等の関係につきましては、これは私どもの考え方といたしましては、むしろ私どもの関係といたしましては、商工中金より直接の関係で考えたほうがいいし、また考えられるのではないかというふうな感じでございます。御承知かと思いますが、親機がつくっております西陣着尺工業組合は、すでに商工中金から年末融資を受けております。その関係で、三友が倒れました連鎖反応で、親機は若干めんどうな関係になっておりますけれども、そういう点につきましても、この金が相当の手当てとなっておるわけでございまして、そういうふうな商工中金直接の関係で考えたほうがいいと考えております。
○玉置分科員 そこで、先ほどにも戻りまして関連いたすのですが、これから恒久的な対策を一つお伺いをいたしたい。これらウール生地の需要は、非常に生活に密着いたしまして、必ずしも悲観したものではないというような調査も承っております。私もそういうように感じております。したがって、今般の問題にいたしましても、問屋、親機、出機及び中継ぎ、取り次ぎ等の関係があまりにも複雑に過ぎるんじゃないだろうか。そこに有機的な組織が整備されていないために、生産調整がスムーズにいきません。必要以上の不安と混乱がこのために起こっておると、われわれは見ざるを得ないと思うのです。したがって、中継ぎ及び取り次ぎ商を含めまして、これら問屋、親機、出機の有機的な系列化の促進、並びに問屋は問屋、親機は親機、出機は出機というように、同業種ごとの横の組織化もやはり完備しなくちゃいけないのじゃないか。先ほどこれは大臣からもお話がございました。できるものは、まん中を含めまして親機と子機までの系列化、と同時に出機は出機の横の組織化ができますならば、こういうような需給調整の態勢が早く立ちまして、手当てをしていただくのでも非常にしやすいのではないか、こういうように感ずるわけでございます。この業界がある程度安定した操業を続けるためには、これが唯一の道じゃないか。実際はかかる態勢にあってこそ、逆にまた初めて適切な救済策が講ぜられるわけであります。金融その他の救済策を講じるときこそ、いまがまたこれをしてあげられやすい、またみながついてくるチャンスじゃないか、かように思います。通産省も、京都府の協力をお願いしていただきまして、この際積極的にこうした組織化の指導をお願いしたいと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○福田(一)国務大臣 考え方としてはお説のとおりだと思いますけれども、ただ、行政指導といいましても、いままでの習慣とか、いろいろの経緯があるだろうと思います。それをこうしなければいけない、こうしなさいというところまではわれわれとしてはできない。したほうがいいと思います、というようなことは言ってしかるべきかと思いますが、それには限度がおのずからあろうと思います。むしろ、それはそれに関係をしておられる方の、そういうことに対する認識と意欲の問題がこれを解決する一番根本だと思うのであります。そういう意味で、この問題がすみやかにいい方向に解決されていくことをわれわれとしては希望はいたしております。
○玉置分科員 大臣のおっしゃることもよくわかりますが、そこで局長、先ほどお伺いいたしました金融のやり方でございますが、結局中継ぎ所を廃止しろとかいろんなことを言うのじゃなしに、現状において一番積極的、意欲的、自発的に取り組んでいく、そのものをそのまま取り上げてやっていっていいんじゃないかと思うのです。そこで、いまのところこういった中継ぎ所が、一番積極的にお動きになっていることも事実であります。きょうまでその三社、十一親機の倒産にかかわらず、出機のほうへ迷惑をあまりかけていないやにこの間の御調査にも聞いております。したがって、とりあえずこれが金融の対象にせざるを得ないといたしましても、やはり生産調整その他を考えれば、親機を含めました、問屋を含めました形にまで将来持っていかなければやりにくいと思います。いままでほとんど未組織のままに、自然発生的な形で大きくなってまいりました丹後の機業でございますので、言うべくしてなかなかむずかしい問題であることは私もよく承知をいたします。けれども、将来とも操業度を安定させていくためには、どうしてもこういったところまで成長してまいりますように、ひとつ皆さんの御指導と御協力をいただきたい、かように思うわけです。 そこで話を変えまして、操業度を高め経営の安定をはかりますためには、機械を減らすことが——現在、どうしても当分過剰のような感じがいたします。新規増設の規制につきましては、中小企業団体法五十八条の指定はしていただいておりますけれども、これは御承知のとおり全国的な総数量を対象にしておりますものでありますから、北陸地方から、他府県から権利を譲っていただいて、きょうまでこれがふえてまいったわけでございますが、地域的にもこの五十八条が適用できるようなぐあいになりますと、非常に法目的の達成がしやすいのでありますが、将来そういうように法改正をされるお考えがあるかどうか、局長からでけっこうですからお答えをいただきたい。
○磯野政府委員 いま御指摘のございましたとおり、計画的な生産が一番必要だろうと思います。ウールお召しそのものにつきましては、年間一千万反くらいではないかと思いますが、相当着実に伸びておりますので、そういう伸びに見合った生産が行なわれれば、今回のようなことはないというふうに考えております。それにいたしましても、いま御指摘のような設備過剰の問題につきましては、この丹後の関係は五、六年間に約三倍の機械になっておりますので、この伸び方は過去におきまして、たとえば生糸の価格が安定しませんでしたのでウール着尺のほうに転換しましたので、少し異常の伸び方ではないかと思います。したがいまして、今後設備をふやさないということが必要であろうと思います。それからウールの関係、西陣の関係につきましては、御指摘のような横の関係で相当多数の組合がございます。それから縦の関係につきましては、お話のように出機、取り次ぎ商、親機、買い継ぎ商、問屋というような非常な複雑な流通機構がございまして、もしもその流通機構あるいは生産機構の中の一つが、たとえば思惑的な生産、取引をやるということがございますと、これは全体に波及いたします。それで縦の流れ方につきましても商業関係、工業関係、いろいろ雑多のものが入っておりますので、一つの組合系統というわけにはまいりませんけれども、その縦の系統でよくお話し合いをし協調体制をつくって、そして着実な、実情に合った生産取引ができるように常にお話し合いをしていただいて、生産調整につきましても、もし必要でございますれば、役所のほうでもいろいろ行政指導いたしまして、中に入りましてそういうようなかっこうに持っていくことが必要だと考えております。
○玉置分科員 五十八条の地域的指定ができないとすれば、業者がただいまお話のような相互の各階層にわたる協調体制ができますれば、自主的に新規増設がこの地域でできないようにお互いに自力でやっていかぬとしかたがないし、またそうすべきだと思うのです。そこで今度の繊維法の改正のごとく、いつか行なわれたと思うのでありますが、織機の政府買い上げはでき得ないかどうか。 もしも買い上げができないとすれば、自主的にこの団体が織機買い上げの措置をとったときに、それに対して長期の低利融資をする方法をひとつ考えていただくわけにいかないかどうか。これはこの業種だけでなくて将来各業界であり得るのではないか、こう思うのです。 あるいはまた転廃希望者に若干の転廃資金として長期、低利の貸し付けができないか、この三つにつきまして御答弁を賜わりたい。
○磯野政府委員 織機の買い上げの問題でございますけれども、御指摘のとおり過去におきまして織機の買い上げをやったことはございます。ございますが、本件につきましては、これまた現地でいろいろいっているのとあるいは多少違うかもしれませんが、私どもの感じといたしましては、まず第一に農漁家の副業で相当やっておりますので、その点に若干の問題がある。 第二番目といたしまして、ウールお召し等の将来の需要を考えました場合に、これは足利、八王子等もございますから、全体的に考えなければなりませんけれども、織機の買い上げなどをするということをいまそういう事情等から考えまして必要であるかないか等の問題がございまして、今回の時点といいますか、問題を契機といたしまして、現地においても若干調整期間が続くとは思いますけれども、しかし、ただいまいろいろ御指摘のございましたようなことがうまくいきますれば、これは回復する時期があろうかと思います。したがいまして、現在のところ実態からいいましても、そこまで考える必要は少し早いのではないかという気がいたしております。
○松浦主査 結論を急いで簡潔に願います。時間が過ぎておりますから。
○玉置分科員 そこでいまのお答えには、自主的な調整で買い上げをしたときに長期、低利資金をお貸し付けができるかどうか。もう一つは転廃業資金の手当てというものはでき得ないだろうか。このお答えがなかった。
○磯野政府委員 これはもしも自主的な調整、組合の調整等によりまして買い上げというふうなことが行なわれました場合には、それに要する資金につきましては商工中金等々で考えたいと思います。もしそういうことが行なわれればということでございます。
○玉置分科員 下請代金の支払いにつきましては、通産省でこのごろ非常にお考えをいただいておるわけでありますが、これはいずれも工賃でございます。したがって、企業と申しますよりは、ほんとうの工賃を別個の場所において働いておるというだけにすぎないわけでありますので、下請代金の場合と同じように将来は工賃が現金で確保でき得るように、あるいは現在三割もダウンされておりますのが、前の普通の状態に、適正な賃金に戻るように、なるべくすみやかにひとつ御指導いただきたいと思うのですが、いかがお考えになりますか。
○磯野政府委員 ただいまのところ工賃の支払いが少しずつ手形がふえてきたといういうな現象はあるようでございますけれども、これはいま申し上げました取り次ぎ商、産地、問屋等の手形がうまく割れますれば、現金として工賃の手形も落ちるわけでございまして、そういう手形割引の資金量の拡大等の方法を通じまして、そういうような方向に持っていきたい。
○玉置分科員 設備資金の借り入れが五年以下の、農家の企業としては比較的短いほうになっております。この返済に無理をするために、非常に長時間働いて、朝の六時から十一時まで、昼飯、夕飯を夫婦で交互に食べまして、機械を休ませずにやってきたのが、先般から八時までの労働短縮をしたわけですが、将来ある程度操業度を増すためには思い切って時間短縮をしなければならないことは事実でありまして、この経営難切り抜けの調整期間が若干続くと見なければなりませんので、設備資金の借財を長期低利の資金に借りかえるような資金繰りができますと非常にこの混乱を避け得るのでありますが、通産省の系統としては、そういう長期低利資金というものはあり得ないような感じもいたすわけでありますが、この際お考えをいただくわけにはいかないかどうか御答弁をいただきたい。
○磯野政府委員 これは、通産省の系統といたしましては、何といっても最後の資金を借り受けますものが非常に零細企業的な関係もございまして、非常に困難な問題があろうかと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、そういう零細農家等が設備資金の対象になるような企業等への結びつきを強くすることによってあるいは受けられる道が出てくるのではないかと思いますが、そういう意味で、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような系列化、グループ化、あるいは全体としてもう少し丹後織物工業協同組合そのものへの解け込み方等につきまして、もう少しいろいろなことが行なわれれば、そういう方法もあろうかと思います。
○玉置分科員 税金問題についてもお願いしたいと思っておりましたが、先般大蔵省のほうで徴税猶予その他がございましたので、これは質問をとりやめておきたいと思います。 その次に簡単にお願いをいたしたいのは、先ほど申しました南山城地方百八十社の金糸業者でございます。これは国内の約九割を産出いたしておるわけでありますが、十名ないし三十名程度の女子従業員を雇用いたしましたこれまた零細企業でございます。繊維産業の倒産、それから一般の不況、大臣が先ほどおっしゃいました先行き警戒、こういうようなあおりを食いまして、昨年末から平均約四割が操業いたしておるにすぎないのでございまして、先ほどの丹後の状況よりは実は労務者の問題をかかえておりますだけに深刻な要素を含んでおるわけでございます。業界の親企業と下請企業との関係は、先ほどのような複雑なものではないわけであります。しかしながら、二つ業態がございましたのが、先般ようやくこういう事情も申し上げまして一つの商工業協同組合にいまなりつつあるわけでございます。そういうことになりますと、生産調整並びにどういう経営安定資金が必要かということも、近く業者諸君だけじゃなくて、行政機関その他から見ましても、これだけの資金手当てをしてあげれば安定する、操業度はどういうように持っていくべきだ、いろいろな問題が具体的に出てまいると思いますので、先ほど同様の救済策をひとつ講じていただきたい、かように思うわけであります。 もう一つ時間の都合でついでに申し上げておきます。金糸業者の問題につきましては、中小企業団体法五十八条の指定はいただいておりますが、現在それで事足っておるわけでございますけれども、将来操業の不安定が参りますときに、御承知のとおり撚糸全般に入っておるものでありますから、急に金糸業者のことだけをどうしていただきたいということは言いにくいと思いますが、将来五十八条の指定を撚糸と別に金糸だけにひとつやれるようなぐあいにしていただきたいというのが業者全般の要望でございます。ぜひとも御考慮いただきたいと思いますが、どういうようにお考になりますか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○磯野政府委員 金糸の組合業者につきましても、相当いま御指摘のような操業難があるようでございまして、これは協同組合をそれぞれつくっておりますので、その協同組合の共同事業、あるいは場合によりましては一般撚糸等も取り入れていくというふうなことが将来必要ではないかと考えますけれども、そういう方法によりまして、できるだけ操業の安定をはかっていきたいと考えております。 それから、あとの撚糸の工業組合と切り離して金糸だけで設備制限等々のお話がございましたが、これは私どもといたしましては、御承知のように金糸の組合は、京都撚糸工業組合の傘下に入っております。それから本年一月十六日に施行になりました撚糸機の設備制限規制は、金糸を撚る撚糸機につきましても同様に設備制限の効果が及んでおるわけでありますので、そういうかっこうで、いましばらく様子を見たいというふうに考えております。
○玉置分科員 最後に大臣にお伺いをいたしたいと思います。 先ほど来の御説のとおり丹後の出機業者といたしましても、あるいは南山城の金糸業者といたしましても、いずれも零細な企業でございますが、この際組織を強化いたしまして、いよいよ企業の近代化をはかる意欲を持ってみずから立ち上がらなければ、ただに政府の救済策を待ち望んでおるようなことでは将来が案じられる、かように思うわけであります。そこで、逆にまたこういう機会が、そういうところへ持っていくのにはあるいはチャンスかとも思われるわけでありますので、中小企業近代化資金助成法に基づきます設備近代化資金の貸し付け及び中小企業近代化促進法の業種に指定していただくようなぐあいに持っていっていたただいて、そうしてこの業界がすみやかに操業の安定と経営の合理化を見出して将来明るい希望のもとに仕事ができるようにひとつ御指導いただきたいのでありますが、御所見を承りたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ただいま申されましたような業種につきましては、その必要性があるのではないかという考え方で、ただいま繊維局のほうでも研究をいたしておる段階でございます。
○玉置分科員 終わります。
○松浦主査 これにて玉置一徳君の質疑は終わりました。 次会は来たる二十五日午前十時より開会し、午前は経済企画庁、午後は通商産業省に対し、それぞれ質疑を行なうことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時一分散会