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46回国会衆議院1964/02/25

予算委員会第一分科会 第7号

発言数
233
登壇者
21
会派数
2
開催日
1964/02/25

会議録

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  昭和三十九年度一般会計予算中大蔵省所管、昭和三十九年度特別会計予算中大蔵省所管、昭和三十九年度政府関係機関予算中大蔵省所管を議題といたします。  この際申し上げます。本日は質疑通告が十名ありますので、質疑時間はさきに申し上げましたとおり、本務員については一時間、兼務負もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度とし、時間厳守に御協力をお願いいたします。  質疑の通告があります。順次これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 大蔵省もこのごろ国有財産の整理についていろいろお考えになっているようでありますが、もう戦争後大体二十年近くになりましたので、国有財産の整理のことについてどんな方針を持っておられるか、この点について大臣にお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 御承知のとおり国有財産法に基づきまして適切な管理を行なっておるわけでございますけれども、戦前等に比べまして国有財産管理につきましてはより適正を期すべきであるという御意見もありますので、国有財産法の一部改正案をこの国会に御審議をお願いしまして、より合理的な運営を期したい、このように基本的に考えているわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 国有財産に関連いたしまして地方の財務局の問題がいろいろ問題になっておるのですが、これは御承知の財務局は主として地方の財政指導と、それから国有財産の整理をやっておられますが、現在のところでは全国の財務局は活躍しておられると思いますけれども、一体地方の国有財産の整理のような問題について大臣はどんなふうにお考えになっておられますか、これもお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 各地方にあります国有財産の処分その他につきましては、御承知のとおり財務局が取り扱っておるわけでありますが、これが決定に際しましては各財務局ごとに設けられております国有財産地方審議会の議を経まして決定をいたしておるわけであります。しかも問題の多い案件等につきましては、財務局と管財局との合議をいたしまして、指示すべきものは指示をしながら適切な処置を行なっておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 地方財務局に関連いたしまして、私はちょうど戦争中に主計をやっておったのでありますが、戦後二十年になりまして旧軍関係の国有地というものはどれくらいに整理の過程にあるのか、またいつまでにそういうものの整理を終えられるかということについて大臣の方針と、それからできれば大蔵省の事務当局の方に、現在がどうなっているか、それがあればお示ししていただきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 戦後二十年になりますので、旧軍関係の物件の処理等も急いでおるわけであります。御承知のとおり当時旧軍関係におりました職員の諸君が地方財務局の特に管財の仕事をおもに担当いたしておりますので、その間の事情も十分熟知をしておる諸君が手がけておりますので、徐々に整理ができつつあるわけであります。いままでどの程度処分をされ、また将来どのような方針であり、現在の保有高がどのようになっておるかというような数字の面につきましては、いま政府委員がこちらへ向かっておりますので、後刻取り調べて御報告をいたします。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 事務当局が来られるまでにもう一つ伺っておきますが、今度大蔵省から近く法案が出ると思いますが、管財局の名称が変わるような形になるわけですが、そういう名前を変えるだけに何か特別な考え方ができたのか、あるいはそういうような問題について大臣はどんなお考えになっておられるか、これは内閣委員会にかかるだろうと思いますけれども、お伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 管財局を国有財産局に名称を変更いたしますものにつきましては、このたび大蔵省設置法の改正案を御審議願っておるわけでありますが、現在の名称よりもより時代に即して、また国民各位から見てもこの局が何を一体やっておるのかということが的確にわかるような制度に改正をすることが必要であるという考え方で、御承知の為替局という局を国際金融局に改めようとするものと合わせて、管財局を国有財産局に改めようということを考えておるわけであります。  管財局でもいいじゃないかという議論がございますが、国民各位また世の識者の御意見等も十分伺ったわけでありますが、管財局というような専門語よりも、国民が簡単にわかり、また理解をするためには、国有財産を取り扱っておる役所として国有財産局というのは非常にわかりやすいということが一つございます。  もう一つは、あなたがいま御発言になられておりますように、もう戦後二十年も過ぎておるのでありますから、主計関係の歳出、歳入につきましては非常に明らかになっておりますが、それに匹敵するような大きな国有財産という問題に対しては、いままでも十分努力をしてまいりましたが、やはり新しい視野と立場に立って国民の負託にこたえなければならないという考え方から、行政財産、普通財産その他に対して移管の問題、またこれが効率的な弾力的な運用管理その他について法律を改め、大蔵大臣の国有財産に対する合理的な権限関係も調整をいたしたいという考えで国有財産局に名称を改めるとともに、国有財産法の改正も考えておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 ちょうどきょうの質問に間に合ったのですが、きのう国有財産中央審議会が開かれまして、大臣に四つばかりの決定事項を、改正案を出しておられるのでありますが、この四つの点について大臣はこれを採用されるのかどうか、これは将来の問題にわたりますけれども、どういうふうなお考えを持っておられますか、これを伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 大体その考えの方向で検討をしてまいりたいというふうに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 それからもう一つ、先ほどの旧軍関係の国有財産のほかに国有地というものが相当まだ残っておると思うのですが、そういうようなものの整理方法についてはどのような方法をとられるのか、これまた事務当局でもけっこうでありますが、現在の事情を考えますと、まだ種々雑多な問題があるし、未解決な問題がたくさんありますが、そういう問題の整理については、もう二十年という長い時期になっておりますから、その当時いろいろ地方なんかにもなかったこともありますけれども、どのような整理の過程になっておるのか、これは大臣でも事務当局でもけっこうでありますが、お伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 処理の現状につきましては、いま事務当局が参りましたらすぐお答え申し上げますが、方針といたしましては、あなたがいま御発言になられましたように、いつまでもだらだらとこれを延ばしているべきではないという基本的な考えを持っておるわけであります。  これが払い下げの対象等につきましては、国が代替をして使う場合、各省間で考えて使う場合もありますし、なお地方公共団体が都市計画その他地方公共団体の使命を達成するために必要だという場合には、優先的にこれを考えたいというふうに考えております。なお、公園、緑地それから公共用の施設として将来必要であるというようなものに対しては、できるだけそのような方向を優先して処理をいたしたいというふうに考えておるわけであります。なお、新しい考え方といたしましては、公務員住宅をつくるとか、また、国が将来必要になるというような計画がほぼ明らかなものにつきましては、換地の方法等もとりたいと思っておりますし、そのような意味で国有財産の処理が合理的であって、その最終的な結論が、まあほめらるべき結果を得たいという考え方を基本にいたして各出先にも指示をいたしておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 もう一点伺っておきたいと思うのですが、地方に国税局と財務局と二つございます。そこで私は、国の財産が整理されれば、財務局というのはむしろ地方の金融、そういうものの指導に当たっておりますが、これは通産局もあるわけで、こういう点については国の行政整理の問題で問題になっておると思いますけれども、しかし、大蔵省の管轄として財務局と国税局と二つ地方に同じところにあるということが、何かその目的とやっておることが違っておりますけれども、こういうものについて新しい考え方で整理統合をしてはどうかというような意見もちょいちょい聞くわけであります。大臣は忙しいのであまり地方においでにならぬと思いますが、こういう問題について一応考える必要があるのではないかというように私は思っておりますが、大臣はその点どういうようにお考えになっておりますか、お伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 行政調査会の一部にも国税局と財務局とを統合できないかというような意見があるようでございますが、これはどうも大蔵省の財務局の必要性ということに対してのPRが足らないというふうに考えております。国税局は、御承知のとおり大蔵省の中にあっても、構成上のたてまえからも国税庁は国税庁長官を主にして税行政に携わっているわけであります。その意味で税を除く大蔵省の所管の地方に関する仕事というのは非常にたくさんあるわけであります。いままで財務局というのは国有財産の処理ということに重点が置かれておったということ、また戦後の統制的なものがだんだんと自由化されてまいりましたので、増資その他に対しての事務を行なうとか、そういう意味で財務局の、また財務部の存在理由等をいろいろ軽視せられる向きもありますが、私はこれは間違いであって、財務局というものはこれから大いに拡充強化をしていくべきだというふうに考えているわけであります。なぜかと申しますと、自由化に対応してまいります国内産業の実態を十分把握をしながら、特に金融の問題、それから倒産をしたというような問題、手形の状況、そういう問題に対しては、地方通帳局でもやっておりますけれども、大蔵省として全国総合した調査がこれからいよいよ必要になるのであります。私はこの前の財務局長会議で、倒産、不渡りの状況、手形の状況、中小企業の金融、その地域における特別な開発の事情、そういうものに対して調査を求めているわけでありまして、財務局の仕事はこれからいよいよ重要になるというふうに考えております。ただ、日本人の感覚で、国税局というと税という字がありますから、これはすぐわかるのです。財務局というと、何か県か市の財務局、東京都の財務局のような気持ちと同一視をしておるようでありまして、何かいい、国民が財務局の必要性をぴんと感じるような名前がないかと考えてみたのですが、最後になると、やはり地方大蔵局とでもすればこれはわかると思うのです。ところが大蔵という字そのものに対する誤解の面の御意見もありますので、地方大蔵局というのも少し誇大過ぎるようですし、何か国民が、地方財務局というものがわれわれの生活と非常に密着しているのだ、こういう考え方のわかるようなことがあれば私も採用したい、このように考えているわけでありまして、いい意見がありましたらひとつお聞かせいただければ幸いだ、こう考えます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 田中さんも選挙区は地方でありますから、いろいろ御存じだと思うのでありますが、私どもで例をとりますと、名古屋なんかには、国税局あり、財務局あり、通産局あり、いろいろ中央におけるそういうような出先機関がたくさんありまして、事を処理する場合にはいわば役所のなわ張り争いという感じを持つ問題がたくさんあるわけであります。私は少なくとも大蔵省のような実力のある当局として、そういうようなものについては何も国のあれを待たぬでも、みずから進んでそういう整理統合をして、他の省に一つの模範を示すような形をとらなければ、ますます今後膨大なものになって国の経費がかかるというような傾向が出てくるわけであります。一たんできたものは、これはなかなか整理統合はむずかしい。こういう点がありまして、私はそういう点では大蔵省、特に田中大蔵大臣のように民間から出て非常に合理的な、しかも経済的な仕事をやっておられる人にとっては、役所の仕事というものは非常にむだが多いような点があるのじゃないか。少なくともそういうところに目を届かしていただいて、そういうような問題の解決に当たられる御意思があるかどうかということを、大臣としてひとつ伺っておきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 行政の簡素化ということは、国民の立場から見れば当然必要なことであります。窓口が一つであることは好ましい、こういうことであります。また、その反面、戦後の新しい機構——いままでは府県中心で人事の交流を行ない、一品でやってきたわけでありますが、地方分権の制度ができまして、ついに通産局ができ、それから財務局ができ、国税局ができ、またそのほかに建設局ができ、農林省の農地局ができ、だんだんと中央の権限が強くなるのじゃないか。これは権限紛淆が起きるというような考え方もわかります。しかし、少なくとも私は、できれば整理統合して合理化することは好ましいことでありますけれども、大蔵省は予算をやっておりますし、それから予算をやるためには、国々のすみずみまでの状況をよく知っておって、そして各省から出る概算要求というものに対して、立ちどころに財政法に基づく対案をつくらなければならない非常に重要な任務でありますので、国税局及び財務局というものは、これをどんな場合でも縮小したり、また統合するような範疇にないというふうに私は考えております。ある意味において、私は整理統合論者でもありますけれども、これは大蔵大臣になったからではなく、今度の金融機関の問題とか、中小企業の問題とか、地域開発の問題とか、そういう問題にすべて金融とか資金の問題が最も重要であるという考え方から立ちますと、財務局や財務部は、これからますます国民の要請にこたえるような機構にしなければならぬと思いますし、これだけはやはり整理統合の範疇外にありというようにお考えいただければ幸いだと思います。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 佐藤君に申し上げます。管財局長参っておりますから、時間の都合がおありでしょうから、お知らせしておきます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 管財局長にちょっとお伺いするのですが、いま国有財産の問題を問題にしておりますが、払い下げの問題を、先ほど、いまどれくらいやられておるのか。国有財産の問題ですね。  もう一つお伺いしたいのは、外務省の所管の大、公使館以外に国の財産が外国にあるのかどうか、これは答弁ができなければあとで資料でいただいてもいいですけれども、ちょっとそれだけ伺っておきたいと思います。

江守堅太郎大蔵事務官(管財局長)

○江守政府委員 国有財産の整理の状況でございますが、これは国有財産増減報告書というものを、この国会にも御提出をいたしておりまして、毎年正確に把握をいたしております。  三十八年三月末におきます国有財産の総額は三兆四千百九十三億でございます。そのうちいわゆる行政財産と申しますものが一兆八千八百三十三億ございまして、総額の約五五%を占めております。残りの四五%が普通財産でありまして、一兆五千三百六十億余りでございます。  行政財産のうち——行政財産は官庁の用に供しております公用財産、公共用財産、皇室用財産、それから特別会計の企業用財産というふうに分かれておりますが、そのおもなものは公用財産と企業用財産でございます。公用財産のうち防衛庁の所管しておりますもの、国立学校の持っておりますもの、これが公用財産の約半分を占めております。それから企業用財産のうちほとんど九割近くのものを国有林野が占めております。あとは郵政、印刷、造幣等の特別会計の財産でございます。  普通財産のうち大蔵省が所管しておりますものは、一兆四千四百九十四億でございますが、そのうちいわゆる政府の出資が一兆二千三百十六億で、非常に多くの部分を占めております。大蔵省の所管しております普通財産、これが財産の処分その他でいつもいろいろ論議されるところでございますが、大蔵省の所管いたしておりますところの普通財産は、いま申しました政府出資を除きますと、約三千億でございます。その三千億のうち六五%くらいが旧軍の財産でございます一それから一四%ばかりが終戦処理費で取得いたしました財産でございます。それから三・六%が物納によって普通財産になった財産でございます。残りがいわゆる戦前から引き継ぎました雑種財産でございます。  このうち旧軍財産でございますが、旧軍財産はすでに防衛庁に所管がえをいたしました財産あるいは公共用、産業用にすでに売り払いましたものを除きまして、現在ございます旧軍財産の額は千七百八十八億でございます。このうち非常に多くの部分はいわゆる提供財産でございまして、駐留軍に提供しておる財産でございます。  旧軍財産のうち夫利用の財産がどのくらいあるかということは、ただいま正確に把握いたしておりません。ただ普通財産のうちで未利用になっておる財産は、二百七十七億ございます。この中に旧軍未利用財産があるわけでございますが、先ほど申しましたように、現在あります旧軍財産の非常に多くの部分は提供財産になっておりますので、旧軍財産そのものとして未利用のものはございますけれども、そう大きな額ではないというふうに思っております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 なお管財局に伺うことはありますが、時間がありませんので、大蔵委員会であとのことは質問いたします。  それからもう一つ田中さんにお伺いしたいのですが、国際収支の赤字がどうもなかなかとまりそうもない。そういう点でいろいろこの間総理にも質問したのでありますが、そのおもな原因は、貿易外収支が非常に悪いということも伺っておりますが、こういう点について、国際収支の赤字が予想外に多いのじゃないかということが言われております。この点についてどういう解釈をされておるのか、これをひとつ伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 貿易外収支が赤字になっておるということは、御承知のとおりであります。このままの状態でいいとは考えておりません。できるだけ早い機会に経常収支がバランスをとるような方向で施策を進めておるわけであります。三十九年度の見込みでは、貿易は御承知の六十二億ドルでバランスをとっておるわけでありますけれども、貿易外の赤字が相当大きいので、これらの問題につきましては、今度の予算で御審議をお願いしておりますように、国内海運会社の船舶の増強につきまして、開発銀行の融資比率を上げたり、また過去のものに対して利子を猶予して、一般会計からこれを補てんいたしましたり、税制上、合併等をしたものに対しては、その赤字を合併会社にずっと引き継いで償却ができるようにする道を開きましたり、外航船舶の増強に対しては意を用いておるわけであります。今年度は運輸省の要求どおり六十四万二千トンの船をつくることにいたしましたけれども、なお昭和四十年、四十二年、四十五年というような長期の見通しを立てまして、経済成長率を考え、また輸出輸入の数字を想定して、これに対する国内船による積み荷比率を上げていくような方向で、できるだけ早い機会に海運収入の赤字というものはひとつ消してまいりたいという考えであります。  もう一つは、観光の問題であります。観光につきましては、今度政府がお願いをしておるわけでありますが、外人に対する遊興飲食税を免税にしたいとか、いろいろなことをしながら、イタリア等は年間七億ドル余も観光収入によって国際収支のバランスをとっておるのでございますから、そういう面についても、新しい角度から観光政策を大いに進めてまいりたい、このように考えておるのであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 時間がありませんから、最後にお伺いするのでありますが、田中大蔵大臣はいつごろから国際収入が黒字に転換するかという見通しの問題と、もう一つは三月危機といわれ、またこのごろは六月危機というようにだんだんあとへ延びていくようでありますが、しかしこれがやはり私はこの国際収支の赤字という、大きな悩みを持っておるんじゃないかということを考えるわけでありますが、最近なかなか証券界もせっかく政府がいろいろ考えておりながら伸びない。かえって非常に下がるような傾向にあるのですが、こういう点をからめて、国際収支の正常に戻るのはいつごろであるか。また国際収支の赤字というものがこの経済危機とからまっておるんじゃないかというように考えておりますが、その見解を最後に伺っておきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 三十九年度は輸出輸入六十二億ドルであり、年間を通じまして、資本収支を合わせ総合収支で約一億五千万ドル程度の赤字になるという見通しを立てておるわけであります。しかし、政府もできるだけ早い機会に経常収支のバランスをはかりたいということでありますので、おそ過ぎると言われるかもわかりませんが、昭和四十五年をめどにしながら、少なくとも私は経常収支で黒字を来たすような目標をうけて各般の施策を行なっていくべきであるというふうに考えておるわけであります。  当面の問題としましては、今年度一億五千万ドルの赤字を考えておりますけれども、資本収支も当初私たちが考えておるような面よりも多少ヨーロッパ市場その他も好転をしつつありますので、できるだけ国際収支、三十九年を通じて赤字を少なくしたいという考え方でおります。私は経済成長率を名目九・七%でずっと見、実質七%を見込んでおるのでありますから、三十八年度に比べて成長率は多少落ちるということを横ばいということでありますが、日本国内における好況度というものが急激に引き締めを受けて非常に不況になるというようなことはないだろうというふうに考えておるわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)分科員 オリンピックを控えて、外人が来るために相当日本のあれもうるおうと思うのですが、ただいま大臣からもイタリアの例をとられて、観光客の誘致ということが相当問題になったのでありますが、そういう問題と国際収支の赤字という問題とはいろいろ関連がありまして、われわれもいろいろ希望的な意見がございますが、きょうは時間がありませんので、あと大蔵委員会で質問します。これで私は終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次に、川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、こまかいことは国税庁長官にお尋ねをいたすことにいたしますが、私の手元にまいりました資料によりますと、ことしの水稲収穫高に対して、ことしの農業所得税の特に水稲所得水準につきましては、少し見積もりが過大であるのではないかという印象を受けるわけでございます。私の手元にあります水稲所得標準によりますと、仙台局管内と関信局管内だけの資料でございますが、これを農林省の統計、すなわち十二月の二十四日閣議報告の全国収量高よりも一六、七%収穫が多く見積もられておるようでございます。農林省の収穫高として閣議報告されました際に、これを大体お認めになったんじゃないかと思うのです。閣議に報告するのに異論があれば別、再検討を求めるならば別ですが、これは大体承認されたと見てよろしいのじゃないか、だとしますならば国税局も大体その方向でなければならないと思うのです。もう少し詳しく話をしながら大臣から答弁願ったほうがいいのじゃないかと思うのですが、大体これを見ると、むしろ十一月の最終予想高を基準にして査定されたように感ずるわけでございます。これをもって推定いたしますと、農林省の統計で推定いたしますと、御承知のように三十八年度の十二月二十四日に発表いたしました閣議報告に出しましたのは、最終予想高よりも青森は一万トン、岩手が二万七千七百トン、宮城が一万四千四百トン、秋田は五万七千七百トン、山形が増の五千八百トン、福島が減千五百トン、こうなって、これを通算いたしますと減でございます。わずかに山形だけが五千八百トンの増でありますが、他は大幅に前年度を下回りました減収でございます。ところが仙台国税局の標準を見ますると、前年度よりいずれも上回っておる。前年度が誤りであるのか、今年度が誤りであるのか別にいたしまして、前年度よりも収量が減っておるにかかわらず、前年度よりも収量を上げております考え方——数字ではないのですよ——こういう考え方に対して大臣はどうお考えになりますか。

鳩山威一郎大蔵事務官(国税庁直税部長)

○鳩山説明員 私からお答えさせていただきます。  農林省の作報の統計は、私ども農業所得を計算いたします場合にも、これは一番大事な資料として尊重して、いろいろの指数を見ます場合にはこれをよりどころにしておるわけでございますが、ただ、私どもが標準をつくります場合は、特定の一カ町村——基準町村と呼んでおりますが、その一カ町村をとって基準として調べております。その際に、いろいろ災害等がございますと、こういう要素は除いたところで基準をつくっておるわけでございます。それで実際に課税になります場合の所得は、これよりさらに個々の被害のものを控除いたしまして実際課税になるわけでございますから、実際課税になります段階では、むろん農林省の作報より上回るというようなことは全くないと確信いたしております。  なお、前年度との標準につきましては、仙台局管内におきましては、前年度の収穫量よりも本年度は相当低めになっておりますので、前年度よりふえるというようなことは全くないと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 一体基準というのはどうなんですか。やはり一番中心になるような、標準になるようなところをとって、それで全体を推定できるというのが基準でしょう。それがおそらく標準でしょう。全体を推定できないような基準地ということは誤りだということになるのじゃないですか。基準といい、標準というのは、大体全体を推定できる場所を選ばれた収量だと思うのです。そうでなければならない。そうでなければ、基準というより例外的なところということになるでしょう。基準というからには全体が推定できるところ、こういうことにならなければならぬと思うのです。それでなければ基準の意味をなさない。あなた方は抽象的には基準だという頭がありましても、これは基準にならない。それで大体全体が推定できるものでなければならぬ。個々の所得は別です。個々の所得がいい悪いなんということはここで論じられるわけでもない。それほど差がありますから。しかし大体の基準、標準というものから見て、収量が多過ぎるではないか。それをもって秋田県全体なり東北全体を推定できるとしますならば、これは県が標準ですから、県の推定から見ますと、標準が高過ぎるじゃないか。これはだれでもわかるでしょう。税務署だけが特別にわかるようなのは基準とはいわれない。何人も大体承認できるようなところが基準であり、標準でなければならない。

鳩山威一郎大蔵事務官(国税庁直税部長)

○鳩山説明員 基準の町村を選定いたします場合は、その署の管内で比較的適用の多いところの町村をとっております。ただ先ほど申し上げましたのは、現実問題としていろいろ災害というものは個々の農家によって非常に違うものでございます。でございますから、そういった災害を非常に受けたという農家は基準にはとっておりません。そういった関係で、全戸数にこの基準をかけますと、あるいは作報より多くなるという問題が起きるかもわかりません。しかし基準にとります場合には、あるいは山間部の町村もありますし、平坦部もありますし、中間地帯もありまして、収穫量は非常に差があるわけでございます。しかし大体に平たん地のところをとりまして、その農家の経済状態を分析いたしましていろいろ計数をつくりますので、したがって、これは平均という意味ではないのでございます。標準的な農家の大体の所得の標準ということでございますから、山間部の農家になりますとこれよりぐっと落ちるわけでございます。そういった意味で、もちろん基準は平均に近いものでなければおかしいじゃないかという説はわかるのでありますけれども、現実問題として一番多数の農家のあるところ、そこを基準にとっておるということでございますので……。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それはあなた農業を知らぬからですよ。全体の収量からいうと、山間地は面積も少ないし反当収量も少ないから、全体からいうと影響は少ない。山間地がどんなに収量が多くても、県なりあるいは村全体から見るとウエートが少ない。したがって、基準になっておるものをもって大体県の総体の想定ができるということにならなければならないはずなんです。そういう意味で私どもは基準なり標準なりというものを理解するのが妥当なものの考え方だと思うのですよ。特殊なところは違うということはあたりまえのことです、個人だってみんな違うのですから。そうではなくて、標準になるのはどの程度かということで、その標準になるものは、県全体が推定できるものでなければならないし、国全体が推定できるものでなければならない。これは、農林省の統計だって個々の統計じゃないのですよ。みんな統計学で、これで標本地を見出して、それで面積を延ばしていった収量ですから、農林省のは個々の収量じゃないのです、積算数量じゃないです。御承知のとおり、統計調査部のものは、統計学的に積算収量じゃないのですよ。一つの標本地をとって、この標木地はどれだけの面積を代表するものだという計算で予想収穫高、実収穫高というものができているのですから、あれも個々の精算じゃない、これは国税局御存じでしょうね。これを知らないで、積算の基礎も計算の方法もわからないで、いや農林省の統計を見たんだといっても、見方が違っておればたいへんな間違いですよ、この点御存じなんですか。

鳩山威一郎大蔵事務官(国税庁直税部長)

○鳩山説明員 この作報との数字の違いでございますが、これは先ほど申し上げましたように、主として災害を引いてあるか入っておるかということでこういった差が出ておりまして、もちろんそういった災害を落としたところでこういった数字をつくれとおっしゃれば私ともつくっても——もちろん、そういうやり方もありますが、私どもは、やはり災害は個々に非常に違いますから、個々の納税者あるいは個々の部落単位にその災害の収穫量を落とすというほうがより便宜でありますので、こういった数字をもとにしてやっておるものでありますから、総体の作報の数字を私どもの数字とは決して矛盾をしてないというふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そんなのだめですよ。個々の農家で、昨年より供出量が多ければ課税対象になるのです。一般が災害を受けましても個人が災害を受けなかった場合は、結局供出量にあらわれてきますから、供出量が多ければ収入を上げておるでしょう。災害を受ければ減らす、それはあたりまえのことなんです。それは標準と比べて、どれだけ収量の増があったか、こう見ておるわけです。減があれば減を見るわけです。個々においては同様なんです。減だけを見るわけじゃない、収量増も見ておる。その増は何かというと、供出された、政府へ売り渡した米をもって増があった、なかった、こう見ておるのですから、したがって減ばかりじゃない、増も入るわけです。それでは、どんなに供出量が多く増してもこの標準より上げないのですか、収量を上げないですか、そうじゃないでしょう。標準よりも供出量が多ければ所得があったと査定するでしょう、減れば減ったという査定をする、当然なことなのです。あなたは、減収があれば、それは見るのだ、増収があれば見る、これは同じことなのです。ただ標準と比べてみて、どれだけ増があったか、減があったかと見るだけですから、その標準が一体妥当かどうかということなのです。個々は別ですよ。個々は増があれば標準よりも課税されても、これはやむを得ないでしょう。減があれば減じなければならぬ。そんなことを聞いているのじゃないですよ。標準というからには、その標準をもとにして、減があったか増があったかということを見ておられるのだから、これはただ収入ばかりじゃないのです。はなはだしいのは——あなた方の計算はあとで言いますけれども、たとえば増があった場合には必要経費も増にする、減があった場合には必要経費も削るのがあなた方のいままでの課税のやり方なのですよ。一体減があったときに必要経費が減るなんというのはおかしいのです。異常な、天候のために滅があった場合には、投資は多いけれども減があったということで、減があればすぐ必要経費が減るなんという計算のしかたは、農業から言うとしろうとのことになる。大蔵省は農林のことはしろうとだと言ってもやむを得ないでしょうが、税をかける場合は厳格でなければならぬ。おれはしろうとだから課税してもいいのだということには絶対ならないはずなのです。大臣そうじゃないですか。おれはしろうとだから課税するときには間違えたってやむを得ないのだということには絶対ならないと思いますが、この点だけひとつ大臣から御答弁願いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 そのとおりであります。大蔵省もそういう考え方でやっておるわけであります。あなたがいま基準というけれども、標準数値を出せば、それを中心にして検討されるから、標準数値そのものが実際よりも高ければ、加減乗除をしても基礎は高いのじゃないか、こういうことであります。大蔵省はこの表はお出ししておりますけれども、坪刈り調査をやったり在庫調査をやったり収穫量を調査して、また農林省の統計調査事務所の調査、収穫量等も参考にして、非常に厳密な考え方をしておるわけであります。なお、きめるときにおきましても、農業団体の意見を十分聴取しておる、こういうことでありますから、農林省が報告をした数字と標準のとり方が違うかもわかりませんが、実際の徴税面の数字を見ますと適切な配慮をしておる、こういうふうにおとりになっていただけないかと思います。事実そのとおりであります。しろうとが算定した基準によって一方的に押しつけているなどということは絶対にないということを申し上げておきたいと思うのです。  私もいま宮城、岩手、福島とずっと数字を見ておりましたが、農林省の数字と違うということはございますでしょうが、新潟あたり反収五百十三キロ、私も選挙区の事情はよく知っておりますが、標準数値としてはほぼ妥当なものじゃないかと私は考えます。いま国税庁の諸君にもよく実情を聞いてみたのですが、これは標準であって、実際の徴税に際しては、実情に合ったように、地元農業団体の意見も聞きながらやっておりますので、過酷だというものでは絶対ありませんし、しろうとが暴を指示しておるということは絶対にない、こういうことでありますから、御理解賜わりたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私は、しろうとだと申し上げたのじゃないのです。農業上のことはよくわからぬとおっしゃるから、それではしろうとの判断は誤りじゃないか、こう申し上げたのです。よくわからぬというから、わからぬで課税するということは危険だ、こういうことを申し上げたのです。別に農業に詳しくなければならぬということはないけれども、課税するからには、その道については相当知識を持たなければならぬであろう、そうでなければ危険だ、こう申し上げたのであって、百姓と同じようなやり方ができる、できない、そういう意味のしろうとじゃなく、課税についてはやはり専門的でなければならない、こう申し上げたのです。これは大臣だってお認めでしょう。百姓よりやり方がうまいとかうまくないとかいうことではない。ことしの作況は全体としてどうであろうかということぐらいは、大蔵省といえどもわかっていなければならぬはずだ。課税をするものからいえば収入ですから、そんなに経済の専門家でない大蔵省でありましても、ことしの景気がいいか悪いかというようなことで課税をきめるというのは当然なことなんで、景気がいいか不景気かわからない、それでも税金は別だというような考え方ではならぬだろうと思う。それと同じです。そういう意味でお尋ねをしたわけですが、新潟を見ましても昨年より標準収量は上がっておる。ところが作報のは——これも村々によっては違うでしょうが、ことしの最終の予想高は八十三万七千八百トンで、二万一千三百トン減収になっておるのです。昨年と比べて新潟全体が減っておる場合は、やはり標準も減るべきだ、基準も減るべきだ、こういう考え方なんです。個々の農村については別ですよ。標準としては減るべきじゃないか、こういうことなんです。それでなければ趨勢というものは出てこない。ことしはこの資料の新潟が五百十三キロというのが妥当か妥当でないかというのは別なんです。これは新潟の基準としては適当じゃなかったといわれるなら別ですよ。基準がどうも誤っておるというなら別ですけれども、これが基準だといわれるならば、不当に高い基準ではないか、こういうことになるわけです。これはまた個々の農家になると別です。この点を指摘しておるのですが、どうなんですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほどから申し上げましたように、実際の課税をしますときには農業団体の意見も聞きながら実情に合わせるようにしておりますから、あなたの言うように、議論の上におきましては確かにそれは標準が幾らか上がっておればまずいじゃないか、こう言われますが、しかし、各県別に見ますと、三十七年から宮城は四百七十四キロが四百三十二キロに標準を落としておりますし、岩手は四百八十六キロが四百三十八キロに、福島は四百二十六キロが四百二十四キロに、秋田は四百六十三キロが三百六十四キロに、こういうふうにだんだん落ちておるわけであります。新潟だけは確かに四百九十八キロが五百五キロに一〇一%になっておりますが、これは横越という新潟県の下越地方の非常に反収の多いいいところであります。こういうところが新潟県全部の基準になっておるわけでもありませんから、そういう意味では、実際の徴税をやります過程においては、あなたの言うような合理性を持って、できるだけ実情に即して、また農業支出及び災害等の状況に対しては現状を十分把握しながら、また農業統計によって支出も十分加味しながら課税をしておるのでありますから、この数字から見ると、あなたの御意見のとおり、いろいろな問題があるじゃないかという議論になりますけれども、徴税の実情は、あなたがお考えになっておるように適切妥当十分な配慮をもってやっております、こういうことを申し上げておきます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、巧みに説明をされましたけれども、これは大臣が査定する場合ならまかせておいてもいいと思うのです。しかし、現実には標準以外の査定をしますと、国税局でどうしてそういう査定をしたかといって各署へ問い合わせをしてなかなかやかましいのです。これは一つの標準といいますか、予定といいますか、予定収入にもなるわけでしょう。一体農業所得で予定収入を考えるなんということは無理なことなのです。大蔵町自体が来年度の税収入の見込みを出しておるでしょう。そういう中には、こういうものを基準にして、これだけの収入はあるだろうという予想をしておられるわけです。もちろん来年の収量というものについても、これは問題が出てくるわけですけれども、総体の国の収入の中の何%にも当たらぬでしょうけれども、これらはやはり基準になるわけです。  そこで、あまり大臣に聞いても、あなたに聞くのは無理なのは初めからわかっておりますが、あなたのような考え方であれば、何も私は質問して、その変更を求めるなんというような考え方はないのですけれども、税務署というのは、とかくやはり成績をあげなければならない、成績をあげた署長は栄転をするというようなかっこうもありますから、過酷になりやすい。過酷であってはならないのじゃないかということなんです。収入のあるところに課税をするというのは、これは当然なんです。収入のあるところに課税しなければ大蔵省の怠慢になるわけですから。そんなことを言うのではなくして、やはり不公平な税の取り方はつつしまなければならない、こういう意味で申し上げているのです。こういう標準を示されると、それにどうしてもならわざるを得ない。強制されるようなかっこうになる。これは納税者が強制されるのではなくして、税務署が強制されるようなことになる。御承知のとおり、長野のような場合には署平均というような形で出しておられる。これは大体県内の標準になるようなかっこうになるのです。それは、長野県だけはどうして署平均になっているのか知らないのですが、長野県だけは署平均になっておる。考え方としてはみなこうなっているのです。しかし資料としては、署平均というような考え方を長野ではしておりますけれども、ほかも同じような考え方でおられるわけなんです。それが基準だ、標準だ、その標準に対して減収があるか、増収があるか、こういう見方をしているわけですから、そういう意味で、基準というものが使われておるし、それが有効になっておるわけです。基準がなければあまりにも農業所得税については不公平な結果が出てくるために、もちろんこれは申告納税ですから、標準なんというものは要らないといえば要らないようなものだけれども、大体のものさしがないと非常に不公平になるということで、あえて基準というものがつくられた。それほど農業所得税というものはむずかしいのです。ほかの場合ですと、基準なんというものはないはずなんです。せいぜいあるとすれば、物価について、お菓子屋のような場合には、ことしの景気はどのくらいだから、お菓子がどのくらい売れただろうという総体の勘定をするでしょうが、農業所得について標準をつくるというのは、いままでの徴税からいってあまりにも不公平であったと申しますか、あるいは標準から見ると、安かったり高かったり、国税局全体から見ると、そういう欠陥があったというところから、あえて標準をつくられたんですから、そういう意味では、私はそれを悪いと言うのじゃない。それだけにまず基準をきめる場合には、これはかなり強制力を持っておる。署に対して行政的な指導性を持っておるものでありますから、十分注意をしなければならぬであろう、こういうことを申し上げておるわけです。この標準によらないのだということを大臣がはっきり言ってくだされば、申告納税だから当然よらないのだ、もしよった場合には、徴税し直しをするのだというような言明があるならば、これは別ですよ。みなこれによって支配されているということは現実なのです。国税局が各税務料の報告を求める場合には、標準と非常に狂いがあるかないかということを見ておられるわけですから……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 農業の大家ですから、どうも釈迦に説法ということになるかもしれませんが、しかし税に関してはいろいろ私のほうも話を聞いておりますから申し上げます。  あなたは、いま標準をきめて押しつける、これは政府が標準をきめまして、これを流すということの立場から見ますと、確かにそういう議論が成り立つと思いますが、この基準を数字にしましたのは、政府がきめたのではなく、これは税務署でその地方の農業団体と話をしまして、またその前に坪刈りをしたり、実際の支出や反別収入を十分検討して、農業団体がこれでよろしゅうございます、こういうところでもってきめたものが、この税務署の基準の数字になったわけであります。そのまま報告をされて、これに国税局が手直しをして、数字をきめたのではありません。これは現地からきた数字をそのまま差し上げているわけであります。たとえば、この中で福島県の例をとりますと、福島市に対しましては、この数量で農業団体との話もおおむねついているわけですから、税務署の管内においては、それを基準として実際の状況に合うように徴税しているわけです。長野県自体は、署平均というのは、長野県の農業団体と話をしまして、長野県の状態はこれでよろしい、こういう数字でもってきまっておるのであります。また新潟県は横越の基準を新潟県全部に適用して、これでもってやれということではなくて、税務署別でもってこういう数字をつくっているものでありますから、これが強制力を持つものだ、また徴税が過酷になる、法制上そうなる可能性があるのだというような、政府が一方的に流す基準、標準とは相当違うものであって、下から出てくるものをそのまま数字として書き連ねたにすぎない、こういうことです。もう一つは、この数字を基準にして税収見込みをしているだろうということですが、私はいま聞いてみましたが、そうではないのです。農業所得に対しましては、前年度の状況よりどのくらいの伸びがあるのか、伸びがないのかということで、不作豊作という考え方を加味したにすぎないようであって、この基準から三十九年度の農業所得に対する税収を算定しておりません。こういうことでありますから、一般論から一言いますと、あなたの申されるようになりますが、しかし強制力を持っておりませんし、農民に不当な徴税等は絶対にやっている根拠の数字ではない、こういうことであります。それを大体知っておられての御発言だと思いますが、いずれにしても、強制力がないものだったら、もう少し低くしろ、場合によっては農林省の数字をとれというような御発言だと思いますから、将来かかる問題に対しては、大蔵省としてはどういうふうな数字をきめるべきかということは、検討に値するとは思います。しかしこれはただ政府が一方的に農林省と大蔵省が話し合いをして、税務署に流すべきものではない。ですから、強制力を持っているものではない、こういうことを申し上げているわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 時間がだんだん迫ってまいりましたから、一言だけつけ加えたいと思いますが、秋田の例を申し上げますと、ことし農業団体と打ち合わせをする予算もないので協議ができないということで、いまだ協議が行なわれておらぬようです。あるいはここ数日前にあったかもしれませんが、約半月前には打ち合わせがない。農業団体からしきりに打ち合わせをしたいという申し入れをしているようでございますが、まだないようでございます。ですから、必ずしも打ち合わせをしたものではないということ、それから個々の税務署の意向を聞いてみますと、標準が出てから、初めてその管内の課税標準をきめるようです。この標準が出ない間は各署が自分の標準ができないでおるのですね。そういう傾向がある。それほどこれに影響を受けておることは事実なんです。この決定前に各税務署で税務署管内の標準ができておるかというと、できていないのです。これを参考にしなければできない。これで食い違いがあった場合は訂正させられておる。これが現実でしょう。それほど標準になっておるんですよ。標準になっていないというならば別ですが、それじゃそういうことをやる必要はない。これができない前はきめられない。これと違った傾向が出てくると国税庁から訂正させられておる。調整させられておる。それほど標準になっておるんですよ。これが現実の姿です。  そこで私は言うのです。収量が影響しておる。それからもう一つは、収量が下がると必要経費も下げられる、そんなことはないはずなんですね。必要経費と収量とにらみ合っている。収量が上がれば必要経費は上がるだろう、収量が減れば必要経費は減る、こういう算定のしかたなんです。これは農業実態とは全く一致しないです。必要経費というものは予想収穫高でかけるけれども、結果的なことは予想してはいないのです。そこに農業収入の非常なアンバランスが出てくるわけなんです。多く金をかけたために、あるいは労力をかけたために、かえって減収になる場合もあるわけですから、収量と必要経費とは必ずしも並行していない。これは天候が平年的であり、天候に恵まれるというと、必要経費と収穫高とが大体並行してくるということは言えるのですけれども、天候が非常に異変な場合には、必ずしも必要経費と収量とは一致しない。農業の悩みはそこにある。ところが大蔵省は、そうではなくて、収量が上がれば必要経費は多く見る、収量がなければ必要経費は少ない、そういう見方をしておられる。私はそこに農業の実態をあまりに知らなさ過ぎるのじゃないかと大臣に指摘した点なんです。これをごらんになりましても、収量の多いところは反当の必要経費を高く見ておられる。普通の作況の場合にはこれでもいいと思う。ことしは作況が非常に異変だった、通常でなかったわけです。それにもかかわらず、収量が少なければ経費が少ないんだ、頭からこういう見方というものは誤りじゃないか。誤りというよりも、税金を取り過ぎる傾向が出てくるんじゃないか、こういうことを指摘しなければならぬと思うのです。しかし、いずれにしても申告納税でありますから、ことしのような作況のときには、よほど実態を把握しておやりにならなければならぬ。もちろん申告納税だからそうあるべきなんです。そうあるべきにかかわらず、標準収量をきめられておる。申告納税なんですからこんな標準なんか要らないはずです。それにもかかわらず標準をきめられておるから、その標準は比較的妥当なものでなければならない、こう言っておる。税法からいえば、申告納税ですから何もこんな標準なんか要らないはずなんです。あなたの言うように、収量がふえれば課税するし、減収であれば減る、こういうのですけれども、申告納税は本質的にそうなんです。ところがあえて標準をつくられるということは、なるべくそれに公平妥当な線を見出したいということであろうから、それならば公平妥当でなければならぬ、こういう指摘なんです。大臣、どうですか、そういうつもりで御指導願えればそれでいいですが。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 そのとおりであります。そういうことで実情は過酷にならないように、適正妥当な徴税を行なうように大いに配慮しているわけであります。数字が出ておりますから、確かにこの数字を見ると、増収になるときには経費が多くなっている。私も新潟県ですから、手間をかけないときにはうまくいく、実際台風などでもって稲が全部倒れてしまって、手も三倍も五倍もかけるときには収穫は半分に減る、この事実は私は承知しておりますが、これは一般的な標準ではなくて、農業団体とも十分話をして、かかる要素を全部織り込み済みでまあよろしゅうございます、こういうことでもってきめたものを大蔵省が標準にしたのであります。そしてまたその実際の個々のケースにおいては、十分現状を把握して、いやしくも一律画一的な徴税になってはいかぬ、そういうことを十分考えてやっておりまして、農民各位からも異論がないところでありますので、その事情はひとつ御了解いただきたい。しかし、この農業課税に対しましては非常にむずかしい問題でありますので、ややともすると、いまあなたが御指摘になったように、収益が減っているときにこの問題があり、また増収にならないときにより多く出ておる支出の面で見落とされるというようなこともあると思いますから、かかる問題に対しては、十分実態に即して課税が行なわれるように配慮いたします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大体ことしの傾向を見ますと、必要経費については、従来から非常に非難のあった点を従来よりかなり増しております。これは明らかです。私はここが不思議なんですね。確かに必要経費はいままでずさんであったということで非難を受けて、必要経費についてはよく見るようになったと思います。実態はわかりませんよ。この資料だけを見るとそういう感じがいたします。確かに必要経費、いわゆる支出の面というものを十分見たという傾向がありますよ。それはいいですよ。しかし、これだけの必要経費を見てやれば、これだけの収量だろうということで収入のほうを上げていく傾向も出てきているのではないか。この資料だけから見たのですよ。実態ではないのです。あなたのほうの統計から見るとそうなるのです。いままでよりも少なくとも一二、三%以上の必要経費を見ております。それはかつてない必要経費の見方です。非常に十分に必要経費を見るという傾向は確かに明らかに出ていますよ。そのかわり、それにも増して収入を上げていかないというと、過去の税収入が生まれてこないというところから、収量を無理したのではないかという感じがこの数字から見ると出てくるのです。税金を取ることについては、なかなかたくみになっておる。収量から見ると確かにそうなんです。確かにいままでよりは必要経費はよく見ておられます。その点は認めるのです。それに振りかわって収量を増して税はもともとだ、こういうようにこの数字から見ると見えるのです。従来は収量は割合によく実態から見なければならない。そのかわり必要経費はなるべく少なく見るということでやっておられたのを、必要経費もやはり実態に即応して見なければならないというところから、確かにこれは一三、四%ぐらい従来よりも上げておられます。物価の値上がりもありましょうけれども見ておられます。これはいい。  そこで結論になりますが、大臣から農業所得については実態に即してやらないと、今後の農業経営の上に大きな支障を来たすから、標準でなくて、なるべく申告納税の趣旨に従ってやるということになりますならば、いまの答弁はそれでいいと思うのです。これは申告納税でありながら申告納税を押えているかっこうでしょう。問題はそこにあるのですよ。税法からいえばこれは申告納税です。しかも申告納税なら標準は要らないというのをあえてつくっているというのはどういう意味です。食い下がればそういうことになりますが、私はそういうことで食い下がろうという気はないのです。やはり適正な納税をさせるということについては別に異議がない。ところが、とかく農民だということで過酷になりがちな傾向がありますから、ここに警告をしたいということの質問なんです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 これはひとつ御理解願いたいと思いますが、宮城県は四百七十四キロ三十七年のものが、四百三十二キロというふうに反収は減っておるわけです。減っておりますが、必要経費は八千百三円から八千三百三十八円にふえておるわけです。あなたの秋田県の例をとりますと、四百六十三キロのものが三百六十四キロに減っておる。しかし経費は七千九百九十七円から八千八百十五円にふえておる。これは先ほど言ったように、減収になるときには金がよけいかかる。こういうところまで非常に実情に即しておるのは数字で明らかであります。国税庁も大蔵省も、政府自体がそうですが、農業というものは別な意味で国が保護しなければならない重大な産業であるという考え方から、しかも、第一次産業は第二次、第三次産業に比べて成長率が低いという考え方から、農業の収入を過酷に取り立てて税収を上げようという考えは毛頭ないのであります。農山漁村に対しては民族の苗しろという観念でおりますから、できるだけ優遇しよう、こういう考え方でおるのでありますから、数字の上でも、また昨年対比の上から考えましても、国税庁も破格というぐらいに相当あなた方の説を入れまして、適切妥当なる徴税をやっておるということでひとつ御理解賜わりたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 税についてはその程度にいたしたいと思います。田中さんも農村を背景にしておられるわけですから、これが理解されなければ名大蔵大臣を失なうことになりまするから、おそらく十分配慮されるであろうことは期待していいと思うのですが、一段の御注意を喚起したい、こう思うわけでございます。  そこで、続いてですが、本来は食管に入りたいのですけれども、農業所得税についてどんなに忠実に努力されましても、国税庁の役人というのは行き先がないのですね。今度、国家公務員法百三条の適用で営利企業に就職した人の調査をいたしました。これは百三条に基づいて国会に報告があったわけです。これを見ると、一番多いのが運輸省です。次に大蔵省なんです。大蔵省でも、国税庁におった人は、民間企業に入りましても、これは税現出みたいな待遇を受けると見えまして、あまり優遇されたところについておられませんね。ところが、同じ大蔵省でも、国税庁関係でない大蔵省出身の人々は、相当対外的にもいい会社、こう表現いたしますか、相当な待遇を受けるようなところの営利企業に就職されておるわけです。これを見ても、国税庁が公平な税金を取るのはあたりまえなことであって、あまり恩恵がない。あたりまえなことをやるのですから恩恵がないのはあたりまえでしょう。したがって、国税庁出身の人は、渡邊喜久造さんのような人あるいは池田さんみたいな人は別ですけれども、営利企業に入っている人のあれを見ますると、どうもあまり受けがよくないようです。受けがよいというのじゃなくて、営利企業に入る余地が少ないようです。せいぜいあっても税理士的な待遇で入っておられるようです。そこへいくというと、ほかの局におられた人々は営利企業に入るにしてもなかなか優遇な地位で入っておる、こういうことになると思う。国民の税という最も厳格なものでなければならぬところにおる人は不利だということは、大蔵行政としては再考しなければならぬのではないかという判断をするのですが、これは資料をいま出してもいいのですけれども、時間がないから、ただ大臣に検討願いたいということだけにとどめます。それほど税をやっている者は優遇されていないのじゃないか。  特に地方の税務署あたりの署員などは、家を借りるにしても、非常に弊害があるというので、署長なども、あの家に間借りをするのはいかぬとか、やかましいほど厳格なんですね。厳格であってもいいと思うのです。間借りをする、家を借りるという場合に、それほど厳格でなくてもいいのじゃないかと思うほど非常に厳格にやっておられます。それは私は正しいと思います。そうなれば、やはり大蔵町自身が署員の宿舎くらいつくってやらなければならぬ。やかましいことばかり言っておって、署員の宿舎などについては、公舎と申しますか、住宅などについてもあまり考慮されておらぬ。公平を期するならば、みずから進んでこういう負担をしても国民は異議を言わないのではないか。公務員だけがぜいたくな家に入っているとか、あるいは住宅を持っているという非難は、税務署員に限っては私は起こらないのじゃないかと思う。なぜかといえば、みな公平であってほしいということは国民の要望だから、公平を期するために宿舎を持つということは、私はあまり非難がないのではないかと思う。非難がないようなことをもう少しおやりになったらどうかと思う。どうも税務署の官吏は、そういう点では気の毒のような気がするのです。今度は同情ですが……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 国税庁の職員に対してはあなたと同じ気持ちでおります。非常に御激励を賜わって、ありがたいことだと思います。税務署の職員が法律に基づきまして非常にむずかしい仕事をやっておるにもかかわらず、国も宿命等の問題に対して配意が欠けておったようでございますし、同時に過酷といわれるほど身の正しさは要求せられておるわけであります。そういう意味からして、私も大蔵省に参りましてから、税当局や関税の職長に対してはできる限りのことをしよう、年次計画を立てても宿舎等の設備をやらなければいかぬということで、今年度の予算では画期的といわれるほどの宿舎計画をやっておるわけであります。また、国有財産の交換等によりまして、できるものにつきましては、この法律改正によって十分各地方でも考えていこうという考え方をとっておるわけであります。  それから、国税庁の職員が就職する場合、非常に営利企業に行かないということでありますが、これは上級公務員につきましてはそういう数字によって言われたと思いますけれども、実情はちょっと逆なんです。中堅以上の実社会でものになるという人々は、いま引っぱりだこで、とにかく法人税などにおったら翌日から口がかかるというようなことで、徴税機構そのものの中でも何らかの特別な優遇措置を講じて、徴税組織の中に残ってもらわなければ困るというようなところでございます。税務署につとめられておったような人たちが、各私企業になぜ一体行かないのか。これはちょっとした条件で行くよりも、税理士のほうが収入が多いという実情もあります。私は大蔵省の諸君に対して、大蔵省だからといって私企業に入ってから経理担当常務などが一番いいのだという考え方自体が間違いなんだ、と言っております。大蔵省の諸君を見ますと、何でもできる。よくもまあ何でもできるものだと思うくらい有能であり、多才であります。そういう意味においても、大蔵省職員自体が、おれは大蔵省だから経理担当だというように狭くものを考えてはいけない、営業担当でも何でもやったらどうだ、手形の取り立てでもやるような勇気を持てば非常によろしい、こういうことを私は絶えず省議でも言っておるわけでありまして、国税庁の職員その他に対しましては、事実は外で考えるよりも、大蔵省のほうで困るぐらいに引っぱりだこであるということは事実であります。今度また答申がありましたので、二十年間もつとめた諸君は当然税理士になれるような無試験の制度をひとつ開こうというので、いま国会に法律案の御審議をお願いしておるわけですが、こういう法律は、国税庁職員の有能さをお考えになっていただいて、ぜひ御賛成賜わりたい。このように考えておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これは高級官僚だけの調査でごさいまするから、そういう答弁になったと思いますが、高級官僚だけの調査を見るというと、そういう結果になっておる、こういう指摘をしただけでございます。  それでは、今度は続いて結論でありまする食管会計についてお尋ねをしたいと思うのです。これも大臣ちょっと無理なところがございます。しかし、食管の赤字を論じられます場合には、やはり一応理解がなければならないと思うので、再びこの問題を問題にするわけです。  三十八年の決算におきまして——これは米穀年度からいうと三十七米穀年度になるわけですけれども、会計年度からいうと三十八年の決算でございます。赤字の算出について、特に見積もりを過大にした赤字じゃないかと思われる点があるわけです。これは赤字を一席論じる場合に、この赤字を幾らか消費者に負担させたいという宣伝があって見積もりの赤字を増大させておるんじゃないか。というのは、大臣、簡単なことですけれども、ことしは米の需給が非常に逼迫をいたしまして、倉庫に在積をしておる米が不足なわけですね。それにかかわらず、保管料は従来と同じような保管料の計算になって赤字を算出しておる。保管するものがなければ保管料というものが出てこないはずにかかわらず、従来の実績から見て保管料はこのくらいあったんだということで保管料を算出しております。これが政府経費として出てまいりますから、赤字の要因になっておる。——計算上の要因ですよ。決算をするというと、これは別です。会計上決算をいたしまするなら、この赤字はもっと減るであろうと思われますが、そういうことです。たしか石当たり、百キロ当たり二百七十円か見ておると思うのですが、従来と同じような計算の仕方をしておるようでございます。大体そういうふうにして、保管料は従来と同じように出ております。  それから、本来ならば、大蔵省はどうせ一般会計から繰り入れするのであるからして、必要経典についても、出るものはやむを得ないんだという形をとっておられるようでありますけれども、やはり内容から見てみると、事務、人件費なとは、食管法からいうと当然一般会計で初めから一定額を負担をしておく。あるいは金利等につきましても、事業財産で資金を持っていないのが食管会計でございまするから、一定量の資金を持ったと同じような金利関係を計算いたしまするというと、政府で負担すべきものの経費、食管法に基づいてやらなければならぬ行政上の経費というものを初めから見ておく、こういうことにするというと、赤字というものは少なくとも石当たり八百円前後がなくなってくる。八百円というと、大きな食管の中の赤字です。赤字というものはなくなる。そのかわり、赤字はなくなるけれども、一般会計の負担は変わらないという結果になるかもしれませんよ。しかし、その上でも赤字が出た場合には、これは消費者が負担すべきだというふうに、明確に区分すべきじゃないか。政府が負担すべき赤字も、消費者が負担すべき赤字も、ごっちゃにしておいて、赤字だから消費米価を上げなければならないというのは、少し妥当を欠くのじゃないか。むしろ食管会計の中は、当然政府が負担すべき経典、あるいは消費者が負担すべきものというふうに区分をしておくならば、消費者といえども、やむを得ないという感じで消費米価の値上がりを容認するであろうと思う。いまのところ、政府が当然負担すべきような経費も、あとで負担するのだから、赤字になった場合は当然負担するのだからということで、初めから負担をされていないのです。表面上の赤字というもので、ほんとうは赤字じゃない。負担すべきものをしてないために起こってくるものですから、これは赤字じゃないのです。怠慢上の赤字とも言うべきものなんですね。あるいは二重課税を、税金のほかにまた課税をされているという言い方もできると思うのです。  この程度のことなら大臣も答弁できると思いますが……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 食管問題につきましては、三十九年度千九十五億の赤字といいますか、政府が繰り入れる調整金といいますか、そういうことになっておるわけです。これはいつでも、その事務費というものを、それも一般会計でもって負担せよ、こういうことの議論は昔からあります。私たちも検討したことがございますが、三十九年度純然たる事務費百八十七億三千七百万円、こういうものを見ておりますから、これは別ワクで出せばいいじゃないか——これは食管全体の問題として、一つずつ片づけようとしてもなかなか片づかぬ問題であります。これが、食管制度というものに対して、新しい視野に立って当分必要である、必要であるならば明確にすべきである、それで政府が当然この制度をとっておる以上は、政府で負担すべきものは明確に一般会計から負担をして、しからざるものの、俗にいう赤字というものに対しては消費者が全部負担すべきものであるというふうになるか、また政府がこの制度をとっておる以上は、何分の一は政府が負担すべきものである、こう明確になってしまえばそれでいいのですが、この事務費の百八十七億円を除いたものくらいに政府の一般会計からの繰り入れがとどまるということは、もう常識的に考えられないわけであります。少なくとも千億の繰り入れをやっておるという、千億自体が問題になっておるのでありますから、私はやはり長い間問題になっておるこの事務費をはずしてしまえ、という考え方も一つの考え方ではありますが、それよりもやはり、食管会計そのものを合理的にするにはどうあるべきかということに対して、やはり勇気をもって検討すべきだと思う。政府は、今度の予算にも、非常に苦しい中から七百万円ばかり食管調査会の費用を見ておるわけです。これはひとつ食管を廃止するというような、そんなものではないのでありますから、食管制度というものはどうあるべきか国民の前に明らかにする。こういう考え方で、何かお互いに触れたがらないで、食管会計は永久に残すならば農林予算からはずすべきであるとか、いろいろな散発的なものの考え方よりも、やはり勇気をもって食管会計のあり方というものを高い立場で、より広い立場で検討していただきたい。これがやはり一番合理的であって、その中で食管会計を何十年残すならば一体政府はどうしなければいかぬ、十年間だったらこうしなければいかぬ、こういう事態がくるときにはこうしなければいかぬ、こういう明確な線が出てくれば、どうせ百八十七億くらいの繰り入れでは済まないのでありますから、何かその一部でもスライドするという制度になるのか、そういう問題とあわせて、何とかひとつ結論を出すような方向でお考えいただければ幸いだと考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、わかったようでわかっておらないですね。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 わかっているのです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これはわかっていない。食管会計の一番の矛盾はどこにあるかというと、不作であれば赤字にならないということなんです。こんなばかな会計はありますか。不作であれば赤字にならない、豊作なら赤字だというような会計がどこにある。豊作は国民の希望するところなんです。希望すれば赤字だというような矛盾が出てきておるでしょう。これは一番おかしい会計なんです。食管会計からいくと、不作であってくれたほうがしあわせだということになる。国民経済からいうと、不作であっては困る。不作であれば赤字は出ない。いまのところ黒字にはならぬでしょうけれども、やや黒字に近いものが出てくる。少なくとも予算よりは黒字になるということは言える。一体そんなばかなことがありますか。国民は何としても納得しない。不作であれば食管は赤字にはならない。ここに一番の問題があると思うのです。それだけに、これは大蔵省の考え方とは違ったのが実態でないか。これは大蔵省だけの問題ではないでしょう。大蔵省の考え方が、そういう点について配慮しないのではないか。  そこで、これはよく間違えているのですが、食管会計と食管法とは違うのですよ。食管法というのは、ごくわずかな単純な法律なんです。すべては何によっているかというと、施行令や施行規則にゆだねておるのです。それをごっちゃにして、食管法が、食管制度が、というけれども、食管制度のうちには入らない。それを受けての特別会計であることには間違いない。これは御承知のとおり、高橋是清の時代に、約三千万という金を一般会計から出して、それで資金繰りをしたのです。そういうこともある。当時、歳入歳出二十四億というわずかな国の財政の中で三千万円という金を出したのですから、予算面から言えば膨大な金を出した。その当時三千万円の繰り入れを行なったわけですね。支出に繰り入れた。資金として繰り入れたわけです。これは金利負担が非常に少なくなったわけです。そういうやりくりもしたのです。それを見ると、今日二兆億、三兆億という予算から見ると微々たるものなんです。これを一ぺん、私はもっと、赤字を苦慮されないならば、間接統制にしたらば一番いい。間接統制にするならば、いまよりももっと多くの一般会計からの負担がふえてくるであろうと思われます。なぜかというならば、安全量を確保しなければならぬ。この倉庫料からみな間接費の中に入らざるを得ない。これを全額負担しなければならない。事務費、保管料全部負担しなければならないということになってくると、間接統制というものは非常にばく大な経費のかかるものだということを痛感されるであろうと思う。やらないというと大蔵省というものはなかなかわかりにくいから、一ぺんやって、大蔵省を解体するくらいのところまでいかないと、なかなか理解できない。それまでしないでも、田中さんの時代には解決つけられるのじゃないか。解体までしてから解決つけなければならないということは迂遠なことだと思うのです。田中さん、ひとつ勇気をもってやられたらどうです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 食管会計の赤字、赤字、赤字と、こうだれでも言っておるのですが、大蔵省では赤字と言っておらないのです。調整勘定からの繰り入れ、こういうことを言っておるわけです。確かに不作のときは外米が入りますから、その収益によって会計は豊かになる。こういうことになる食管制度そのものに対して問題があるわけでありますが、しかし、私は食管の問題をお互いに議論しながら食管を維持していこうというのは、いわゆる農村に対して、農業者に対する所得補償方式をやっておりますから、ですから特別会計、いわば公団であれば、普通であれば、とにかく原価が上がれば売り値を上げてしまうということは自動的にいくわけでありますが、そういうことになっておらぬわけであります。でありますが、いま高橋大蔵大臣時代のことを言われましたけれども、二十四億に対して三千万円、確かに三兆二千億ですから、予算は千五百倍になっております。千五百倍に三千万円をかけると四百五十億ということになるわけです。ですから、千億の繰り入れをやっておるということは相当なものであるということは事実であります。  いずれにしましても、食糧を外国から仰がなければならないということになったら、これはもう国際収支の問題で、たいへんなものでありますし、また農村そのものを、第一次産業部面を振興せしめなければならないという政策目的もありますから、御承知のとおり、いま食管制度というものをそのまま存続さしておって、農民に対しても所得補償方式によって政策を行なおう、一石二鳥、一石三鳥というようなことがいまの食管会計の中でまかなわれておるわけでありますので、なかなか一片の食管会計論だけでは片づかないということが現状だと思います。  いま、大蔵省が解体するようなお話がありましたが、大蔵省が解体するようなつもりはございません。大蔵省もこれは十分知っておるのです。食管会計に対して一番何とかしてくださいと言うのは、大蔵省が一番何とかしてくださいと言っておるだろうと思うのです。がしかし、なかなか実情そのように簡単にはいかぬということで今日になっておるわけでありまして、大蔵省や大蔵大臣が食管会計を抜本的にどうするというよりも、私がやはり合理的なことを考えておりますのは、予算も組んであるのですから、超党派で食管問題調査会をおつくりになっていただいて、あらゆる角度から検討していただいて、食管会計かくあるべし、こういうことになれば、私は倉庫料だとか運搬料とか、金利とか人件費とか、そういうものは当然大蔵省が背負うようになるかもしれませんし、これは戦時中からの長い歴史を持つものでありますから、ここらでひとつ川俣さんの発言などを契機にして、そういう方向にいっていただければ私たちもその決定には従う、こういう考え方でおります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大体これで質問を終わりたいと思います。  ただ、よく学識経験者を集めてやられますが、学識経験者くらい無責任なものはないです。過去の分析については学者というものは優秀なものですけれども、これからの見通しを立てた政策なんということになったら、学者ほど低いものはない、こういわざるを得ない。いままで学者の意見というものは、食管法の場合でも、いや生産費及び所得補償方式ではだめだ、需給均衡価格でなければだめだ、こう言っておったでしょう。ことし、需給均衡価格でなんか米価を出してごらんなさい。とんだ米価になるでしょう。これほど逼迫した事情で、需給均衡価格なんというものをやってごらんなさい。いま消費者米価が抑えられているから別ですが、需給均衡価格がいいんだなどという、学者というのは、将来の見通しを誤るようなことを比較的言いやすいものですよ。だから、私は常々米審で学者どもなどと言ったんで、学者の連中がなり手がないということになるとたいへんだ、私は失敗をいたしたと思っておりますけれども、実際、どもというようなことを言いたくなる。先の見通しがない。たとえばモチ米の価格を見てごらんなさい。モチ米なんていうのは余っているのだから、あんなもの加算は要らない。十一月になってからおととしはモチ米の加算を上げた。集まらない。このぐらい見通しの誤るものはない。  どうかそういう意味で、実態に触れたものを算定をするというようなことや、やはりいまになってみると、生産費及び所得補償方式はいい方式であったということが気がつく。需給均衡価格なんかやってごらんなさい。ことしあたり、たいへんなことですよ。外米は割合に高いし、高く入って売れないし、小麦も予想よりも高いし、世界的な需給均衡価格なんかやってごらんなさい。たいへんなことになると思われる。  そういう意味で、農業というものはむずかしいのですから、田中さん、あなたもむずかしいこと十分御承知だから、ひとつ大蔵省も抜本的にやったらどうですか。農業に理解のある田中さんがいる間に、ひとつ大蔵省にも検討さしたらどうか。こういうことで私の質問を終わります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 御発言はけんけん服膺して、ひとつ大いにやりたいと思います。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次に、加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 私は、この際、主として中小企業金融の正常化についてお尋ねをしたいと存じます。  予算委員会も大詰めになりまして、振り返ってみまして、今度の国会で何が収穫だったかとながめてみますると、外輪に対しては、閣僚が中共貿易に対してある程度前向きの姿勢をとったということ、内輪に対しては、大蔵大臣が金融正常化について非常な点欲を示していただけたということだと思います。  ところが、金融正常化につきまして、予算の総括、一般質問、あるいは大蔵委員会、分科会等々の至るところでこの質疑応答がなされておりますけれども、その答弁のニュアンスの違いか、新聞の発表するところなども必ずしも一致しておりません。そこで、ほんとうに正常化を具体化し、これを実施させるには、軌を一にしておらなければならないと存じます。したがって、本日は、今国会における金融正常化のお清書を書くつもりで質問をいたしますので、大臣もそのつもりで、やるかやらないか、やるならば何をやるかということを簡明直截にお答え願いたいと存じます。  金融について行政措置をするかせぬか、公取としては職能を十分に発揮するかしないか、するなら一体何をするか、こういうふうにお尋ねいたしますので、ひとつぜひそのおつもりで願いたい。  その前提となる問題でございますが、物価は大体二年で値上がりを防止させる、国際収支の赤字は大体五年、いままでの答弁ですとそういうことになってくるようです。ところで、中小企業の倒産が続発してますね。これは一体何年でもとの姿に直すか、何年かかったら中小企業を倒れないようにするか、こういう問題ですが、このめどありやいなや、ありとすればどのような対策が行なわれるのか、まず前提条件を承りたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 簡明直截にお答えをしたいのでありますが、どうも加藤さんの御質問が非常に複雑多岐な御質問でありますので、やはり答弁にも限度があることをひとつ御了承賜わりたいと思います。  何ぶんにも日本の中小企業というものは特殊な状態でありまして、非常にたくさんあります。まさに複雑多岐である。こういうものを国際収支改善のめどのように、何年間でこれを倒産しないようにということはなかなかむずかしいことであります。また、これは政府が考えても、中小企業の諸君が倒産するような方向にみずから突っ走られては、これはどうにもならないわけであります。ですから、やはり中小企業が政府の考えておりますようにめどをつけながら、零細企業が中小企業に、中小企業が大企業に、目標に向かって堅実な経営態度を進められたいということが一つの前提になるわけであります。同時に政府は、そのような政策的目的に到達するように諸般の政策を行なわなければならないわけであります。そういうことに対しては、税制、金融その他各般の施策を行ないながら、中小企業が国際競争力に耐えながら倒産等のうき目を見ないような堅実な発展を続けていくように日夜これ努力をいたしてまいるつもりであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 時期のお答えをいただきたいのでございますが、それができないとすれば、それではさしあたって三月危機は避けられるか避けられないか、避けるとすればどのような措置をするかということについて承りたいのです。  なぜかならば、理由だけを簡単に申し上げますと、中小企業の倒産は戦後最高ですね。たいへんなことですよ。あなたも御存じのとおり、去年の十一月を見てごらんなさい。二百九件あるんですよ。金額にして二百十七億四千百万円ある。ところが、今度三月危機に投入しようとする金が二百億程度でございますけれども、倒産して倒れていくものに必要な金だけがもう二百億ある。本年一月は、トータルが出ておるはずですが、百九十八件、二百八十二億一千六百万円なんです。この金額は戦後最高でございます。ところが、三月危機を救うために投入しようとした二百億は、買いオペ百億、それから投融資百億。倒れるものを救うだけで一ばい一ぱいです。はたしてそれで、他のいままさに倒れんとしておるものを救えるか救えないか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 加藤さんはすべてを御承知になって御発言をして、政府を鞭撻しておられるわけでありますから、私も率直に申し上げますが、私は三月危機というふうにいわれるものを回避したい、回避をしていくためにあらゆる施策を講じなければいかぬという態度でおるわけであります。三月危機なるものが戦後最高の倒産であるといいますけれども、この前の予算委員会でも御質問がございましたが、日本の経済成長の伸びも戦後最大である、こういうような観点にも立っていろいろ数字は検討しなければならない問題であります。しかも、倒産の内容を見ますときに、これは正常な経営態度にあるものが倒産をするということであるか、思惑等によって特殊なものが、いつの世にあってもかかる経営態度であるならば倒産をするのかという、いろいろの問題があるわけであります。でありますから、件数だけではなかなか論断しがたい状態でありますので、各財務局等を通じて、財務局管内全国あらゆるところの倒産状況、何で一体倒産したのか、金融機関はだれが一体貸しておったのか、なぜ一体つなぎ融資をしなかったのか、こういう問題をいま全部調査をしておりますから、これはいずれひとつ加藤さんに申し上げます。  それから倒産の総額が百九十億、二百億になるのだから、二百億ばかりの手当をしたところでどうにもならぬじゃないかということでありますが、そうじゃないのです。十二月にもうすでに財政資金二百億、それから余裕金を百億、買いオペレーションを二百五十億、今度は百二十億の三機関の融資ワクをふやしましたことと、百億の賢いオペレーションをやっておりますから、合わせますと八百七十億くらいになるわけであります。昭和三十六年が戦後最大であります。これは約千億と一口で言いますが、実際は九百億で、それに近い対策をやっておるわけであります。そのほかになお日銀総裁は、だいじょうぶだと思いますけれども、中央銀行としても機に応じて臨機応変にやります、三月の倒産はないように十分努力します、こういう異例の談話を出しておるわけであります。私のところでも、銀行局長通達を出しておるわけであります。銀行局長通達ばかりでなく、私もこうしてあらゆる機会に、倒産をさしてはならぬ、金融機関の内容さえも、倒産した企業に対して相当大口に貸し付けをしておった金融機関の状態も調べるとさえ言っておるのですから、相当な態度でおるということは御承知になっていただけると思います。  それから、昨年に比べて三機関の融資等が二七%もふえておるのです。それに対してなお百二十億も追加をするわけですから、日本の企業というものは実費八・一%と実はいま見通しておるわけであります。これが一〇%になったとしても、三〇%に近い資金量を供給しておってなお、その三月危機が回避できないというふうには、常識的に考えるとならないわけであります。そういう意味であなたの御意見に沿うように大いに努力をしておることはひとつ認めていただきたい。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 私が最も尊敬しているあなたまでが、中小企業倒産の原因を思惑だなんておっしゃってくれては困りますよ。思惑論については、池田さんのつくられたことばでございますから、いずれ池田さんとはっきりやりたいと思いますが、中小企業の倒産の歴史は決して思惑の歴史ではございません。国際収支が赤字になった、そこで対策として政府は引き締めをする、そのしわ寄せのために、常に倒産がそのときに増発してくるのでございます。いわゆる政府の政策のおかげなんです。リセッションのたびに倒産は続出してくるのです。思惑だなどというようなことばは、自分の罪を中小企業にひっかぶせるための手段にしかすぎない。いずれこの問題は、ゆっくりと別の機会にやります。問題は三月危機の問題ですが、それでは、あなたは避けられるとしましょう。私もある程度前向きの姿勢をとられた政府のおかげで、三月危機は大難が小難になるとは思います。しかし延びたそれが五月にどう響くかということが問題なんです。三月はのがれたけれども、しわが今度は五月に寄ってくる。その理由のこまかいことを言っているひまはございません。この五月危機に対する予備工作はどうか、こうお尋ねします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 さすがに中小企業専門に御研究になっているだけに、非常に痛いところをつかれるわけで、私もそう思っております。十二月が何とかいきますと、これが二月三月に延びるわけです。二月三月は期末でありますから、何とかしてとにかく帳面づらを合わせる、またこれを切りかえるということになると、五月が一番たいへんだ。たいへんでありますから幾らでも金を出せばよいのか、こういうことになりますと、そうならないのです。私もあなたと同じものの考え方でおるのですが、企業間信用が二カ年間、三カ年間で倍にもなっておる。しかもその中で融通手形の状況さえもわからない。こういうふうに雪だるま式に金融が大きくなっておるときに、どこかでそのけじめをつけなければならないのです。けじめをつければ、倒産ということが起こるわけです。ですから画一的一律的な公定歩合の引き上げという問題は、昨年十一月ごろからずっときておりましたが、さすがに日銀もやらなかったわけです。そういうことはひとつどこかでめどをつけなければならぬと言いながら、そのめどを早くやると将棋倒しにいくわけであります。企業間信用の膨張というものの実態をつかみながら、しかも正常な経済というものは六%と見ておるところが実質八・一%になっても、事実一年間二倍三倍になっておるわけではないのであります。でありますから金融の正常化ということ、これはもう、二面にはオーバーローン解消というのですが、オーバーボローイングの解消ということを企業家自身も考えなければいかぬ。そういうことは全然別にして、とにかく目先でどうにも決済資金が足りないのだということで、いつまでも資金を出していったならば、これは破局的な状況になるわけであります。でありますから、金融の正常な状態を可及的にすみやかにはかりたいという一つの目標に進みながらも、金融の実態というものを十分把握をしながら、黒字倒産等に導いてはならぬ、こういう配慮が十一月ごろからずっと今日まで続いておるわけでありますので、やはり国民と政府、金融機関がまさに一体になって、正常な経営態度に徹するというようなときまで、やはり幾らかずつ水を流していかなければならないというところのむずかしさを、ひとつよく考えていただきたい。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 私も、中小企業の倒産の危機を救うにあたって、資金量だけをふやせばそれで事が足りるなどとは、つゆさら考えておりません。むしろ資金量をふやすというよりは、金融の正常化をはかるというほうが先決である、こういう信念を持っております。ところがさしあたってのカンフル注射となりますというと、これはやはり、焼石に水と言われても、資金量をふやすよりほかに手はない。そこでこれはやや長期にわたる問題でありますけれども、中小企業の倒産の過去を分析してみますると、すでに自由化された品物、これをつくっているもの、これに関係あるもの、ここにわりあいに多く発生しておるのでございます。そこで過去のことはいざ知らず、このたび自由化のあらしを受けます、そのあと半年先、一年先、一年半先に倒れてくるものがございます。これの予防措置は講じてあるかないか、講じたとすれば、どんな措置をしていらっしゃるのか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 そういうことを十分配慮しなければならないわけでありますが、自由化に向かった企業はあまり倒産しないのです。これは私、倒産のずっと内訳を持っておりますから申し上げますが、自由化に向かうというときには、企業家が非常に強い責任感を持っておりますので、そういう意味ではこれに対応していくように相当真摯な対応策を講じておりますから、収益が減るということはありますが、自由化のために、それが原因で倒産したことは少ないと私は思います。しかし倒産をしておる例を見ますと、いま私が金融に対して非常に神経質になって考えておりますのは、これは専門企業というものがそれだけではやっていけないというので、製鉄屋が土地造成をやったり、観光事業会社経営をしたり、あらゆることをやっていく、多角経営をしなければうまくないというので、多角経営のほうに本来の金がつぎ込まれる、そういう意味で下請代金が延びる。そういういままでの経済的な常識では考えられないような複雑な状態の中で、金が流れているわけであります。でありますから、一挙に引き締めということではなくて、十分あるめどを立ててということを考えておるわけであります。ですから、今度倒産をしたようなものを考えますと、これはあなたには悪いのですが、機屋さん等の思惑があったり、暖冬異変があったりということで、親企業がつぶれたために下請が将棋倒しになっておる。だから下請などに対して私どもがよく見ても、これだけのものに対して黒字倒産をせしめなくてもいいのじゃないかということもよく考えられるのです。また、その下請はどういう状態で倒産しているかというと、一千万円程度の資本金であって十億円の手形を振り出したり、一億円の資本金で二十億円以上の手形を出しておる。金融の正常化という面から見ると、相当違った面を露呈して倒産をしておるわけであります。だから金融機関に対して、この程度のものを見れないかと言っても、もうこれ以上見れません、こういう例があるわけであります。だから、三月危機といわれるものに対しては、私たちもあなたと同じような立場で、政府自体としてできるだけの配慮をしながら、その倒産をさせないようにしなければならない。あなたとさっきからお話しをしておるような状態で、私はこんなことも考えたことがあるのです。いま出しているものはどうにもなりませんから、一年程度の期間を置く。しかしその際、いまと同じような形態でもって金は幾らでも借りられるのだというような考え方でいって倒産しても、これはあなた方の責任ですよと、何かめどをつけて、その間にいまの企業間金融を縮小せしめるような、正常化できるようなことをほんとうに積極的に考えないと、どこまでも議論しながら倒産が続いていくということになることもあり得ると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 本日私があなたとお清書を書きたかったのは、この問題ではない。しかし、意見が全く食い違っておってはいけないので、実例を申し上げますが、繊維会社の倒産の原因は、繊維製品の自由化、それがデパートに蔓延する。その結果、内地製品の冬物がどんどんいま返されている。これは必ずしも暖冬異変だけではないのです。そういう実例。それから、やがて来たるであろうところの映画のフィルムの自由化、これに対して対処しなければならないが、いままですでにテレビ・フィルムがどれだけ輸入され、それで映画館がどれだけ倒れていったかということを、私は今度別の委員会でやります。繊維のほうは繊維新法において、映画のほうは、これは通産省へ移管される問題でございますので、そちらのほうで行ないますが、貿易の自由化に際して政府は、総合メーカーや大企業に対してはいろいろ施策を講じておられますけれども、中小企業に対してはほとんど見るべきものがない。その結果、倒産のうき目にあっているところは、もう数知らず繊維界にはございますということだけを申し上げて、次に進みましょう。  そこで、ほんとうにあなたと一問一答をしたかったのは、金融の正常化でございます。銀行の横暴に対してでございます。特にその第一が歩積み、両建てでございます。この歩積み、両建てに対して一体大蔵省としては、過去どんなことをなさったのでございましょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 毎度申し上げておりますとおり、一昨年からでありますが、銀行検査を行ないましたり、また歩積み、両建てに対しては、各金融機関に対してその解消について積極的な姿勢をとり、大蔵省を納得せしむるような具体案をひとつ作成せられたい、こういうことをやっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 それでは、現在の大蔵大臣の認識の程度を知りたいのですが、一体現在の金融機関はどの程度拘束預金を行なっているか。借りた金に対して何%程度の歩積み、両建て、拘束預金をさせておると御認識でございますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 まあ金額的に申し上げるわけにいきませんが、相当多額であるというふうには考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 先般の討議ではせいぜい二〇%とかどうとか言うておられたのですが、あるいはまた他のところでは三〇%程度、こう言われておられたのでございますけれども、大体信用金庫の自粛決議、これでは三〇%をめどにしたいと言うている。相銀は二年間に二割まで引き下げたいと言うている。銀行も二、三割程度にしたいと言うている、きのう、きょうの自粛決議では。そうしますと、現行はそれ以上行なわれているという何よりの証拠である。実際は、ひどいのは一〇〇の借り入れに対して、一二〇の預金拘束をしている実例がございます。一〇〇の借り入れに対して一〇〇%、そっくりそのまま拘束している実例がございます。さて、過去において大蔵省は、銀行局長名により、銀行に対するサゼスチョン、注意事項を十一回出しておるのですね。銀行は、また協会は、これに見合って五回の自粛決議をしているのですね。ところが現在、一向それが直っていないというところに問題があるわけです。これがますます累加されていくというところに、問題があるわけなんです。そうでしょう。最初の規制は昭和二十六年に行なわれているでしょう。大蔵大臣、銀行局長名をもって、戦後の最初の規制は二十六年に行なわれている。それから年を経るにしたがって今日まで、昭和三十八年、これまでに十一回行なわれているはずです。そうでしょう。自粛決議の中にすでに、歩積み、両建ては一割程度がよろしい、そうすべきであるということを、おのれみずから語っているわけです。ところが、一向行なわれない。どうするつもりですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 確かに歩積み、両建てという問題に対しては、金融機関も自粛の方向へ行っておりますし、私たちもこの歩積み、両建ての解消ということに対して、非常に努力をいたしておるわけであります。歩積み、両建ての中で一番問題は、政府関係機関からの協調融資をやっている窓口が、その政府機関から出るものさえも歩積み、両建てを要求するという問題は、非常に悪いというので、この問題に対しては、政府の窓口業務を停止するという強い通達を出しております。それから、その次のものは、これは貸付をするときに高額の歩積みを要求する。歩積みは、一回の手形割り引きに対しては大体三%程度が常識とされているわけであります。しかも、総体の貸し出しに対して一割程度はやむを得なかろうということが言われているわけでありますが、確かにその程度は非常に高い。でありますので、昭和三十八年十二月に、相銀は二年間で二〇%まで引き下げる、信金もそのような方向でいま進めております。銀行もその程度のことをいま前向きでやりたいと言っておるわけでありますが、確かに実情は好ましい状況にあるわけではないのでありまして、戦後、金融機関の設立から今日まで日が浅いとはいいながら、金融機関も相当自粛をしてもらわなければならぬということで、十分自粛の実を上げるようにいま行政指導をしておるわけであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 中小企業金融公庫の総裁にお尋ねいたしますが、あなたのところの代理貸し、この代理貸しの金についてまでも、すなわち政府資金でありながら、これを受け取った銀行が歩積み、両建てをやらしておる、そういう件について、去年本予算委員会において私は約束をしたことがございまするが、それは実際行なわれたですか、いかがです。

舟山正吉中小企業金融公庫総裁

○舟山説明員 中小企業金融公庫の代理貸しにつきましては、政府の御方針と一致いたしまして歩積み、両建てを厳に戒めるように通達を出して……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 通達を出して、それが行なわれているかいないかということが問題なんです。

舟山正吉中小企業金融公庫総裁

○舟山説明員 それをこれから申し上げようと思っておるのでありますが、政府資金、特に私のほうの公庫の資金に関します限りは、自粛の実は非常に上がっております。それまでに公庫の資金で歩積み、両建ての行なわれましたのは、この公庫の資金の貸し出しがある、それに見合って一方、固有勘定のほうへ代理店が預金を積ますということであったのでありますが、これは大いに自粛されております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 わかりました。自粛自粛と言って、実際にあったらあなたはどうします、いま大臣は、政府資金の融資をその銀行に対しては停止させる、こう言いました。去年の約束は同じことでした。ところが、なお行なわれている。一罰百戒だ、こう言われた。ところが一回も罰を食わしたところがない。一回も停止を食らわしたところがないじゃございませんか。しかもそこでどうしたかといえば、検査部を強化しなさいと言うたら、すると言われた。検査部を強化なさったですか。実際に調査なさったのですか。あなたのほうがないと言うなら、私は実例を出します。

舟山正吉中小企業金融公庫総裁

○舟山説明員 話の途中で重ねて御質問をいただいたわけでありますが、自粛のあとが見えまして、だいぶ少なくなってまいりましたけれども、まだちらほらそういう例はあるのであります。これをただいま申し上げようと思っておりましたところに、重ねての御質問であったわけであります。  そこで、全体としては代理店の扱い方が改善されてまいりましたけれども、昨年の四月から十二月までの監査におきましても、不良と認められます代理店の数は十ございました。これに対しましては、いまお話のありました代理貸しの資金ワクの削減を行なって、将来に向かっての戒めとしておるわけでございます。  それから監査部要員のお話でございますが、昨年も御指摘がございまして、できるだけ監査の陣容を充実したいのでございますが、御承知のとおり、昨年から公庫の貸し付けワクというものも非常にふえまして、一方審査のほうがおくれますと、またこれはいろいろ御非難も受けるということでありまするし、また、監査に従事します人員と申しますのは、相当の熟練者で帳簿の裏までも読み取るといったような人でなければつとまらないわけでございまして、人民の増加は思うにまかせませんのでございましたが、督励いたしまして、質的には非常に向上しておると確信しておる次第であります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 いま大臣は、政府資金に対して歩積み、両建てをやらせたものについては政府資金を停止させる、こう言われた。それについてあなたはどうお考えになりますか。あなたは、いままで削減してきたとおっしゃいましたが、今後の問題として、あなたに停止させる勇気があるかないか。

舟山正吉中小企業金融公庫総裁

○舟山説明員 ただいま申し上げましたように、不良代理店に対しまする資金ワクを削減しておるのでありますが、さらに進んで罰則的処置といたしましては、代理店契約の解除といったようなこともございますけれども、これは一方中小企業の疎通をはからなければならないときに、よほど慎重にしなければならないということで、全体として自粛の色が見えておりますから、これをむしろ善導して、誤りなきようにしていくほうが適当であろうと考えておる次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 いや、いま大臣が政府融資の資金をもとに歩積み、両建てをした銀行に対しては停止させるとおっしゃったわけである。あなたはそれについて、どうしなさるかと聞いておる。

舟山正吉中小企業金融公庫総裁

○舟山説明員 ただいま申し上げましたことで私の気持ちが、不十分でありましたが、おくみとり願えるかと思うのでありますが、非常に性質の悪い代理店に対しましては、ワクの配賦を休止、あるいはさらに、代理店契約の解除というところまで進むべきであると思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 代理店契約を解除させなさるんですね。つまり停止ですね。わかりました。  次に、お尋ねしますが、金融機関みずからが集めた資金、これを貸し出す場合に、一体歩積み、両建ては、信金は三〇%程度にしてくれ、相互は二〇%程度にしてくれ、市中都市銀行、十二大銀行はまあ二〇%程度にしてくれ、こう言うておるのでございます。さてそこで、一体大蔵省としては歩積み、両建てをまさか全部なくせよと言ったって、急にできっこないんですね。そうでしょう。だからどの程度をめどに基準となさろうとしていらっしゃるのか、さしあたっての問題です、大臣。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 銀行の拘束預金と債務者預金の比率を二年間に二〇%くらいに、引き下げるとかいって、定期性債務者預金と一般預金との比率を相銀、信金等に似た三〇%をこえる分を三割まで二年間に引き下げるとか、いろいろなことをやっておるわけでありますが、私は先ほど申し上げたように、手形を割引きをしてやるというようなときには、一回に三%くらいの歩積みということは、これは信用の問題もありますので、私は許されることだと思います、どこでもやっていることでありますから。それでまあ、貸しているものの総額に対して、一割くらいのものを歩積み、両建てとして要求しておるというようなことは正常だと思いますが、実際あなたも実例を十分御承知だと思いますが、一割とか二割とかいうものではなく、一回に対して二割要求しておるところもありますし、三割要求しておるところもありますが、そういうものを正常なものにしなければいけない、こういうことでいま行政指導をやっておるわけでありますが、何分にも歩積み、両建てのほうが多いのでありまして、これを一挙に、当面一年間に一割ずつ下げろというようなことは、なかなかできないようでありますが、私たちとしては、できるだけ悪質な、借り主の意思に反しての歩積み、両建てというものは根絶したいということを考えております。ただ、金融の正常な立場から、だんだんと将来いまは百万円のものが十年後には千万円、二千万円になるのだから、そのためには拘来性預金ということよりも、私の口座の金として、一回の貸し出しに対して幾らかずつは積みますよ。そういうことによって信用を維持していく、担保率を減らしていくといような状態からの歩積みは、これは認められるものでありますけれども、異常なもの、借り主の意思に反した不当な歩積み要求に対しては、根絶をはかっていきたいという考えであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 こういうことなんですね。政府資金に対しては、これはもう初めからいけない。だから罰則で臨む、こうきたわけなんです。ところが、みずから集めた資金ですね、これを貸す場合に、根絶と言うたら、これは金融界のみならず、中小企業に対してもとんだ問題が起きてくることは火を見るより明らかだ。  さて、現在一〇〇%のところもある、八〇%のところもある、七〇%のところもある。それでその自粛決議を見ると、これがまた銀行によって違う。宇佐美前銀連会長は、せいぜい一〇%程度ということを去年ここでおっしゃった。ところが一ぺんにというわけにはいかないでしょう。計画的にいかなければならぬ。今年度はどれだけ削る、次にはどれだけ削る。したがって、その理想の、あなたのおっしゃった五%とか一割は、何年先にはそうさせると、こういうスケジュールがなくては、これは空文に終わってしまう。いままで何回も何回も銀行局長の指令が出ていたにもかかわらず、それが行なわれなかったということは、目標の基準と、それに到達するところの経過措置というものがなかったからなんです。したがって、ほんとうにあなたが過酷なものはやめさせるというならば、スケジュール闘争でいかなければならぬ。だから、そのスケジュールと基準が聞きたいわけです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほどから申し上げておるとおり、宇佐美さんも、言われたそうですが、大体一割ということが理想的である、こういうことを考えているのです。考えておるのですが、何しろ相当歩積み、両建てといいますか、債務者預金というものが多い現状にかんがみまして、一ぺんにやれないのです。やれないから何年でやるか、こういうことですが、それは十年も十五年もかかろうなんて気はないのです。だから少なくとも相当なめどをつけておるのですが、金融機関に及ぼす影響というものが相当に大きいものですから、この意味で私たちとしては歩積み、両建ての実態をつかまなければいかぬ。そういう意味で、まずあなた方が現在出せる自粛の原案を出しなさい、こういうことでいま信金とか相互銀行、また都市銀行からもとっておるわけであります。でありますから、それをまず出してみてもらって、それからわれわれがその金融の実態というものを十分把握をして、まあこの程度はやれるなと、こういうことでないと、これを直ちに五年でどうします、三年間でどうします、こう言うわけにはとてもいかないわけであります。いろんな例も私も承知しておりまして、どうも少しよろしくない、こういう気持ちは十分いたしております。それからある時期に対しては、数字をつかもうとしてもつかめなかった場合どうするか、こういうこともありますから、そのときには、借り主が拘束性預金とみなされる損金を同一銀行にしておる場合には、その分に見合う金額は金利を非常に安くする、こういうことが起こってくるわけです。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 一銭六厘にきまっておる。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 一銭六厘できまっておるということではなく、いわゆる預金者に払う利息と、その間にどうしても手数料というものがあります、月給を払っておるのですから。そういう意味で、少なくとも一銭六厘のものが一銭七厘になるか一銭八厘になるか、とにかく二銭五厘とか三銭になるわけはないのです。自分の金に自分で利息を払っているということはないわけですから。その程度のことまでしないと、この拘束性の預金というものの弊害をある程度縮めるわけにはなかなか事実上いかない。私、そこまで考えておるのです。考えておって、ある時期にそれも出してひとつやろうということですが、やはり木を見て森を見ない、角をためて牛を殺してはたいへんでありますから、また、それでもって実質金利が三銭五厘にもなってしまうような状態でも困るし、実際日本の開放経済に向かっての金利も、戦前金利にだんだん近づけていくような金融機関の育成強化ということも考えなければならぬわけでありますから、そういう意味で、私は、預金とか資本蓄積とか、そういうものに対する減税は絶対必要だと、声を大にしておるわけであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 いいお話が出ました。歩積み、両建ての預金に対する銀行金利ですね、これをぐっと引き下げていく。そうすると、銀行側はうまみがなくなりますね。これはいいアイデアであって、私は、この預金金利と歩積み、両建ての金利をぐっと変えて、歩積み、両建ての金利だけはぐっと下げていく、そうしてそのさやかせぎができないようにすれば、歩積み、両建てはおのずから減っていく、かように思います。  もう一点は、ノルマを課するということがございます。これが問題なんです。預金を集めた額、これが銀行のランキングになる。そうして、そのランクに従ってほうびがつく。これがいけない。どんなほうびがつくかというと、政府の資金、税金あるいは公団が使うところの金等々が、みんな預金のランクに従ってその銀行のパイプを通じて流される。だからランクが上のところは、それに政府に追い打ちをかけていただけるものだから、預金扱い全額はよけいに伸びますね。こういうことを、どろぼうに追い銭と言うてはことが悪うござんすけれども、追い打ちをかけて、なおそれを助けるような行為を政府みずからがやっていらっしゃるのですから、したがって銀行では預金の競争になる。支店長はノルマを課せられる。だから、うそでもいいから預金の数をふやせ。この結果は、ほしいときに預けた金をもらいに行くと、ちょっと待ってくれ、こういうことになる。きょうは月末だから、きょうは帳簿に載せなければならぬ日だから、先に延ばしてくれ。自分の預けた金でさえも、ほしい時間に行ってもらえぬという結果が出てきておる。あまりにもノルマにたより過ぎてくる。  そこで政府にお尋ねしたいことは、どうでしょう、政府が預託する金、これをランクにたよらずに——たいてい、どこの銀行だってもうつぶれやしませんよ。ランクにたよらずにやれないか。同時に、公取にお尋ねしますが、公取としては歩積み、両建ての基準はどの程度がいいか、どの程度だったらそれを特殊指定にするか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほど申し上げたとおり、いまの抱束性預金といいますか債務者預金について、貸し出したものに対して金利を一定限度に押える。二銭をこしてはならない、一銭六厘でなくても二銭をこしてはならないということになれば、これは相当なものであることは事実であります。ただ、これは一ぺんに急激に引き締めてしまう、こういうことになりますから、その間の金融機関の経営状態、経理状態等も十分検討していかなければならぬ問題ではあります。  それから政府資金、政府関係機関の預金を民間にということで、これは問題があります。私などは、大蔵大臣としては、これは昔のように全部日銀に預けておいて、必要なとき払い出してくれば一番いいのです。ところがいろいろな面からいいまして、それは特に民間金融機関に預けさしてくれという趨勢にあることは、これははなはだ遺憾であります。事実それはあらゆる人たちがそういうものを何で民間金融機関に集めるのか、私にはわかりません。わかりませんけれども、そういう趨勢にあることは、遺憾でありますが事実であります。  金融機関が過当競争をしておる。これは確かに、預金獲得に対しては過当競争をしておる。中には定期預金をすれば香港に行けるというので、私はそういうばかな行き過ぎのことに対しては大いに注意を発しまして、やめましたけれども、その程度であるということは事実でありますので、こういう問題はひとつ金融の正常化の方向に沿ってどんどんと正常な状態にしていきたい。これは結局、結論的には資金需要が非常に多いということが一番大きな問題だと思いますが、いずれにしても、これらを含めて、金融の正常化はいま大いにはかりたいということで努力をしておるわけです。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 私のお答えは前回、加藤さんにも申し上げましたが、いま大蔵大臣からお話がありましたように、大蔵省が指導をして金融機関を大いに自粛させる。しかしその実の点につきましては、私はそう長い時間をかすつもりはありませんが、どうもやはり特殊指定のようなものを片方に持ったほうが、自粛の実が上がるのじゃないかというふうな心境に少なくとも現在はおりますが、ただ特殊指定の基準をどうするかという問題につきましては、拘束性預金というふうに一がいに言いましても、たとえば、定期の期限がまだこない、しかし金が要る、そういう場合におきましては、昔から、その定期を担保にしてそれじゃ金を貸そうというようなことがよく行なわれた事例もありまして、いわゆる正当と思われるようなものもありますし、それから最近きわめてひんぱんに行なわれており、われわれとしてもどうも納得できぬような不当な拘束性預金があります。したがって、そうしたものについては、これはパーセンテージとかなんとかということを抜きにして、一応これはいかぬというものがやはりあり得るのじゃないだろうか。それから手形のいわゆる歩積みの問題ですが、これにつきましては、やはり全部それがいかぬと言い切れるかどうか、ある程度の割合までは認容できると言えるかどうか、こういうような問題があるわけであります。それで、一応銀行のほうで出してきている自粛基準というものを、いま相当こまかくいろいろな場合を頭に置きながら検討しております。したがって、まだ私のほうとしまして単純に何割までいいとかなんとかいうような答えを出すのは、よほど検討を進めた末の結果にならざるを得ないのじゃないか。現在においてそこまで割合を出してはおりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 時間がございませんので結論を急ぎたいと存じますが、公取としては、五百六十五万八千円と、本件に関する、つまり不公正取引に関する予算がことしはふえておるはずです。そこで、これは一般指定十号をはずして特殊指定にするということが一番早道だと私は思う。銀行側はそれをきらっておるようでございます。しかし、銀行局長が十一回にもわたって注意を喚起しているにもかかわらず、依然としてそれが直らない。しかも自粛決議を五回もしていてもなお直らないということになりますると、これは大蔵大臣命令が直接に行き届く、公取委員長命令が直接行き届く、こういう手だてにすべきであると私は思うのでございます。  そこで公取委員長にお尋ねします。あなたは調査中だとおっしゃいますが、調査の結果、どういう事態が発見できたら特殊指定にしますか。どのようなことを公取で行なわれたらこの金融は正常化されるとお考えでございますか。相手の調査と同時に、こっちの基準がなければならぬはずです。こちら側の基準を承りたい。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 こちら側の基準を、これは率直に申しますと、大体自粛措置に書いてあることを一応検討して、その上に乗っかりながら特殊指定ということが大体やり得るのじゃないかというふうに初めは思っていたのです。ところが、しさいに見ていきますと、いわゆる白粛措置の基準というものに非常にあいまいな点が多いのです。したがって、現在私のほうでやっておりますのは、そのあいまいな点をどこまではっきりできるか、いいものと悪いものとの間の区別をどこまでできるか、これをやはりやりませんと、急ぎまして、それであいまいをあいまいのままでもって特殊指定をしても、大して効果がないのです。したがって、私のほうとしては、時間が多少かかりますが、やはりそこももう少し検討しているというのが現在の段階です。したがいまして、その準備が完了しますれば——これもそう長い時間をかけるつもりはありませんが、これは大蔵省のほうにもある程度状況を聞きまして、そして必要と認めればすぐ措置をするような手続をとりたい、こう思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 その時期はいつですか。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 いまタイム・テーブル的にいつということを言うときにまだきておりませんが、そう長い先ではなく……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 何月何日でなしに、いつごろでけっこうです。桜の時期とかモミジの時期とか……。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 まあそう遠くない時期だということだけは申し上げることができると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 そこで今度は大蔵大臣に結論を承りたいと思いますが、あなたが御認識のとおり、銀行の不正常ということは、中小企業のみならず、日本の金融界に非常な暗雲をもたらしている。にもかかわらず、借りる側は、たたかれながらもその手にすがっていかなければならぬ。そこで、いま公取も調査中とおっしゃるが、これは大蔵省といたしましても実態の把握にお困りでありましょう。そこで、苦情処理機関というものを、つまり、銀行から金を借りる、それが不正であった、強制であった、そのことを気楽に訴え出られるところをつくる必要があると思う。そうしないと、これは陰にこもって、ないしょで代議士のところへはかけ込んできますけれども、名前だけは伏せておいてください、これが実態なんです。江戸のかたきを長崎でとられるのがこわいから。したがって、こんなことが民主主義の世の中に行なわれておっていいこととは思われない。まるで徳川時代みたいです。だから、あまねく広く苦情を承るところ、苦情承り所をつくるべきだと思います。銀行がそれをみずからやるというけれども、こんなものは節穴だらけで、だめなんです。なぜかならば、銀行が苦情処理をしたって、苦情処理によう訴えない。また、これを検査し、これを処理するその人が金を貸す人なんだから、仲間同士なんだから、すねに傷同士なんだから、やれっこない。これはあなたがよう御存じのとおり、繊維設備制限法をつくって制限して、スクラップ・ダウンするのだ、こういった。ところが、仲間にまかせた結果は、幽霊紡織機が、十年たった今日なお動いている。そこで、もう一ぺん法律をつくり直さなければならぬというのが今日の段階なんです。十年はおろか、百年河清を待つ。そこで、予算委員長が筆頭になって、与野党共同で予算委員会の中に恒常的な苦情処理機関をつくろうではないかということが、もう寄り寄り話になっている。すでに与党のほうにも特別委員会ができたようであります。まことにけっこうだと思います。この予算委員会においてそれをつくる勇気があるかないか。もしないとすれば、失礼ながら、わが党だけで苦情処理機関はつくってみせます。いかがなものでしょう。私は、超党派的にこの予算委員会の中につくったほうが妥当だと思います。苦情処理機関といわなくて、懇談会でもけっこうです。名前は何でもいいです。訴えたいけれども、訴えることのできないという、その金の借りたい人たち、その人たちの苦裏を救ってあげるためにここに機関をつくりたい。どうしてもできぬとおっしゃるならば、わが党につくってみせます。準備は十分できております。いかがなものでしょう。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 苦情処理委員会につきましては、地方の金融機関自身も苦情処理委員会をつくろうと考えておりますし、また地方銀行協会でもつくろうと思っておりましたし、なお、全銀協の中にもつくろう、こういう考えでおります。しかし、銀行同士だからなかなかうまくいかぬだろうということで、国会につくられる。国会が国政調査権の立場からおつくりになることは、一向に差しつかえないことでありまして、私のほうでもって、国会におつくりくださいなどということを申し上げる範疇のものではございません。これはもう国会の独自の考えでおやりになることだと思います。しかし、行政に関することですから、国会でおつくりになるということが、金融行政という面で、そんなことをするよりも、大蔵省や日銀でもつくるならば、われわれはつくらぬでいい、こういうような方向で御質問があるなら、また新しい発言でございますから、また研究してみます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 公収のほうが特殊指定をしますとか、あるいは、銀行局長名ではきかぬから、大津命令が出せるようにいたします、こういう答弁があれば、何をか言わんやです。ところが、確たるそういうことが今日の段階において聞くことができなかった。将来やる、桜の時期かモミジの時期かにおいては前進する、こうおっしゃってみえるけれども、さしあたって三月危機、五月危機、これを解消するにあたってでも、私は、ほんの短時間でもいいから——苦情処理というより、苦情承り機関というたがいいでしょうね、あるいは懇談会でもいい、こういうものをつくろうじゃないかという話が持ち上がりまして、いま予算委員長は大賛成、しかも与党の方々も賛成なんです。それならば超党派的につくろうじゃないか。もちろんそれは大蔵大臣と違った考え方ではない。大蔵大臣の業務を一そう応援してあげようというわけなんです。それがあなたのほうにはできぬというならば、今度は社会党においては、国政調査権を発揮するところの、苦情承りだけでなくして、もっと前向きのものをつくろう、こういう考えでございます。相なるべくはこういうものの必要がないことをこいねがうわけでございまするが、やむを得ざる措置として、短期間においてでもいいからこれをつくりたい、こういう考えでございます。あとでゆっくり考えてひとつ御答弁願いたい。  最後に、国民金融公庫の総裁が来ていらっしゃるようでございます。私は感謝の辞をささげたいと思う。非常によくいっています。惜しむらくは資金源の足りないことでございましょう。娘一人に婿四人か五人、これはひとつ大蔵大臣に資金源の増額をお願いしたいものだと存じます。  それから、中小企業金融公庫については、長貸しをふやして代理貸しをだんだんに減らすという方向をとられるべきだと存じます。それがやがて歩積み、両建てを少のうする一つのゆえんでもあると思う。  それから商工中金、これは問題がございます。きょう来ておられますか。——来ておられなかったら、大臣にお尋ねしますが、大臣、ここの歩積み、両建ては、相銀が二割というてきておるから、その半分くらいにしたいという答弁をこの間ここでなさいましたね。そうすると一割ということになりますが、ここは遺憾ながら資金源が、これは政府の金じゃない、割商です。それを一割買わしただけで、それじゃあとどこに買わせるか。買いオペで全部買っちゃいますか、銀行に買わしておいて。ちょっと困難じゃないかと思うんですが、これは大臣の御答弁でございまするので、念を押しておくわけです。はたして一割でいいのか。あなたは、一割だ、半分にするとおっしゃったんですから、どこが半分になるのか、これははっきりしておかぬといかぬことだと思います。  次に、信用保険公庫の総裁、来てみえますね。これは今度手形の割引という業務を開始されるはずでございます。この概要をひとつここでお漏らし願いたい、こう存じます。

山本茂中小企業信用保険公庫総裁

○山本説明員 手形の割引保証のことでありますが、従前も保証協会で若干やっておるところがあるわけでありますが、それは今年の上半期におきまして約二百十一億、年間に推定いたしますると四百八十億、約五百億の手形の割引保証をやっておるわけであります。これはいわゆる制度的にやっておるわけでありませんので、これを制度的に今回取り上げるということになりますれば、すべての協会がそれをやるようになる。したがって、われわれの一応の推定でありまするが、約一千億くらいが昭和三十九年度に手形割引保証として行なわれるのじゃないかと思うわけであります。従前若干の協会しかやっておりません。すべての協会がやっておりませんのは、これは手形一枚一枚を保証いたしますると非常な手数になりまするので、根保証の形、つまり極度の保証をしております。極度の保証をしておりますると、あいている部分についても保証料を払わなければならぬ、したがって、われわれのほうに保険料をあいている部分についてもやらなければならぬ、割り高につくというような関係で、やっていない部分があるわけでありますが、これが制度として取り上げられると、全協会が取り上げるようになる。したがって、利用していない部分についての保証料なり、したがって、われわれのほうの保険料が安くなるということにやっていただかないと、保証協会なり、ひいては中小企業者の不利になりまするので、この点政府のお考え——われわれのほうも陳情しておるのでありまするが、結局は中小企業庁あるいは大蔵省において御研究になっておるのでありまするが、漏れ承るところによりますると、普通の保険料よりも一割五分くらいは安くなる、したがって、そうなれば手形保証によってすべての協会がこれを利用する、したがって、中小企業者の受ける利益はばく大なものになり、われわれの推定では約一千億くらいの金額が手形割引保証で中小企業者のために流れていくのじゃないかと考えておるわけであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 いままでの審議によって、本日は大臣の御答弁により相当前進したと思いますが、その前進が、さいの川原の石積みに終わってはいけないと思うのです。十一回も命令を出したけれども一度も聞かないというようでは、これは困ると思うんです。そこで、末端の業者、つまり支店長以下にも周知徹底させると同時に、今度は借りる側ですね、これにも、おっかなびっくりではなくして、周知徹底させることがいいことだと思うんです。それをせんければならぬと思うんです。そこで何かいい方法はないのか。私としては、各銀行が行なっているこの自粛決議、これの周知徹底は、公の新聞、ラジオ、テレビに月に一回くらいずつ発表させる、広告させる、それから各店々の窓口には大きなビラを張り出させて、そうして預金者にも周知徹底、それから窓口で業務を行なっている者にも周知徹底ということが、さしあたって浮かんでおるわけなんですけれども、せめて自粛決議をしたら、それを大蔵大臣の手元へ提出するだけでなくして、これは実行に移すことなんですから、新聞、ラジオ、テレビというりっぱな周知徹底機関があるんだから、それに出させるということぐらいはさせるべきだと思いますが、いかがでございましょう。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 それも一つの手ではありますが、どうも穏当を欠くようであります。もうこの自粛決議の問題、それから歩積み、両建てということに自粛をしなければならぬというようなことは、国会の審議を通じておりますので、新聞広告をするようなことよりも、テレビ、ラジオ、新聞その他雑誌等であらゆる人にもう周知徹底いたしておりますが、問題は、そういうことをするよりも、金融機関に自粛をさせる、そしてその実効をあげるということでありますから、また国民自体が、歩積み、画建て問題が議論になっておるし、また自分自身も、こういうことはなくなったほうがいいのだということは十分承知をいたしておりますので、各金融機関別に新聞広告を出すということよりも、先ほどから申し上げておるように、歩積み、両建ての解消ということに一つ一つ実をあげていくということがいいと思います。この解消の問題に対しては、具体的にいろいろなことを考えております。今日ここで申し上げられないような新手、名手も考えておるわけでありますけれども、そういうものもひとつおいおい実効を重ねて、御期待に沿えるようになると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 新聞発表はこの全銀連の自粛決議の中に入っていることなんです。ところが、自粛決議に入っているけれども、いまだかつてやったことがないから、申し上げる。だから、自粛決議を実際に行なわせる。自粛決議とは行なうものであるということであれば、これは当然やらなければならぬことなんだ。ところが、自粛決議とは大蔵大臣に対する言いのがれであって、やらぬでもいいことであると解釈すれば、これは私の言うことはやらぬでもいいわけです。私は自粛決議の中のことを言うておるわけです。したがって、当然、もう一度お尋ねします。銀行の自粛決議というものは、大蔵大臣に対する言いのがれのために出すものか、それとも実行に移すべきものであるか、もう一度お尋ねします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 大蔵大臣にも出すものであり、自粛もしなければならぬものであります。実行に移すべきものであります。  なお、新聞に発表するというのは、広告をするというのではなく、新聞にそのつど発表するということで、記者会見をして発表いたしておりますから、まあ広告をしてやることもなかろう、このように考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)分科員 これで終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次に、野原覺君。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 時間の関係もありますから、きわめて簡潔にお尋ねをいたします。きょうはきわめてじみな問題をお尋ねしたいと思うのであります。  まず大蔵大臣にお伺いいたしますが、日本の税関は、あなたは大蔵大臣として、外国の税関と比べて、サービスあるいは外国人が日本に来た場合の感じ、そういうもので評判がいいと思いますか悪いと思いますか。そのくらいなことは知っておられると思うので……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 いいほうではありませんが、特別悪いほうではありません。大体税関で一番やかましいのはアメリカと日本の税関だ、こういわれておることも知っておりますが、しかし、これはいろいろ特殊な事情がありまして、その特殊な事情等に対しては、また御要求があれば申し上げます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私は外人で日本に来られた人にたくさん会います。私も外国に行って、三十五カ国ばかり回ってまいりましたが、日本の税関というのは、どうも何かあまりにも警察的で、非常に印象が悪いです。出国のときはそういう感じを持ちませんでしたが、三十五カ国ほど回ってきて、欧米からエジプト、東南アジア、ずっと回ってまいりまして帰ってくると、そういう印象を受ける。この点は大蔵大臣も、落第点ではないけれども、あまりいいほうでもないということでありますから、やはり観光日本というようなことが池田内閣でも叫ばれておるようにも聞きますので、この点は十分ひとつ御注意願わなければならぬと思うのであります。  そこで、私は税関の問題を若干お尋ねいたしますが、まず、輸出輸入それぞれについて、最近十年間の税関で扱う食糧品、原料品、加工品の貿易実績はどうなっておるのか。昭和二十七年から昭和三十七年まででけっこうです。これをひとつ御答弁願いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 事務的な問題でありますから、政府委員をして答弁せしめます。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 貿易量について申し上げますと、昭和二十九年に比べまして、輸出貿易額は、税関の統計で、暦年でございますけれども、三十八年は三・三四倍、輸入は二・八一倍という数字になっておる次第でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、昭和三十八年には、輸出は三・三四、それから輸入は二・八一ですか、それらのものを扱う税関職員の人員はどういうことになっておりますか。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 昭和二十九年におきます税関の定員は五千四百八十七名でございます。三十八年におきましては七千百六十八名でございますので、一・三一という数字になっておるわけでございます。三割一分の増加でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 取り扱いの数量が、輸出三・三四倍、輸入二・八一倍、ところが人員は一・三一倍、これではそう完全にものをこなすことができないのじゃないか。取り扱いの物件が四倍近くなって、輸出輸入合計いたしますと五倍になっておるのに、人員は三割一分しかふえない。このアンバランスは今日どういうふうにしてカバーしておるのですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 確かに品物はふえておりますが、品物と人員の比率を必ずしも三倍にしなければならぬというようなことはないのであります。御承知のとおり、設備もよくなっておりますし、検査の方法も非常によくなっておりますし、なおまた、化学的な問題に対しては、研究所方式のものをつくって総合的に検討もいたしております。また、輸出入の量がふえてくるというのは、品物が個々のケースでよけいにふえてくるのじゃなく、同じ単一の品物の数がふえてくるというので、これは一々全部当たるということではありませんで、そういう意味では、専門的な業務でありますので。いまの状態で人員の増加が不足であるというふうには、そう感じておらないわけであります。でありますから、ことしも約二百名余増員をいたしておるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 三倍になったから三倍にしろというような、子供みたいなことは私も言っていないのです。ところが、輸出は約三・五倍、輸入は約三倍、それなのに人員が三割一分しかふえてないということでは、これはどこかに無理があるのじゃないかという角度でお尋ねしておる。大臣の御答弁によると、いや、やっていけるのだということです。  それでは次にお伺いをしたいのですが、これは大臣あまり御承知じゃないかもわかりませんが、税関に乗船官吏というのがおる。今日この乗船官吏という人の任務、これは荷役その他いろいろな監督をする、密輸その他があってはいけないから、そういう監視もすることにあるのだろうと思うのですが、そうなると、一つの船に一人の乗船官吏ということが原則でなければならぬと思うが、現状はどうなっておりますか。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 原則はお話のとおりにいたしておりますが、実際問題といたしまして、人員が十分でございませんので、要注意船につきましては、一船につきまして一人ということで行なっておりますが、問題のないものにつきましては、兼務を行なわしめております。二隻、三隻、場合によっては四隻になることもございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 大臣、あなたお聞きですか。人員が十分でないからと言っております。あなたが答弁したあとで私は具体的に聞いたら、人員が十分でないからと言っておる。これは原則は一船に一人いなければならぬのです。私の調べたところによると、今日計算してみると四・五隻に一人。そのためにたいへん荷役業者に迷惑をかけておるのです。それでも大臣は人員が十分だという御見解を貫きますか、いかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私はあまり税関のことは専門でありませんから、十分やれますということを言っておったわけでありますが、私も、半年ばかり前でございますか、もう少し前かもわかりませんが、羽田の税関支署から船に乗りまして、一日東京湾を視察いたしました。そのときに、確かに船の上で手を振っておるのがありまして、彼がオーケーをしないと船は入れないのだ、一体こういうことでいいのか、こういうことも質問をしましたら、大体三十九年度に二百名くらいもし増員してもらえれば、これから年度計画を立てながら合理化していきたいと思いますということでありましたので、行政管理庁とも相談をしまして、問題はあったようでありますが、特に二百人の増員の確保をはかったということでありまして、いま局長が御答弁申し上げたようなことが事実であれば、これからも増員その他に対して十分配慮していきたい、こう考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 外国船がくる、あるいは貨物船が入る、客船が入る、そういう場合に、規定によれば乗船官吏は川船に一人となっておるのに、乗船官吏がいない。そのために荷役業者の受ける迷惑——私はいろいろ苦情を聞いております。これは何とかならぬのかという話も聞いておる。こういう点は、あまりにささいな問題のようですけれども、実はそうじゃございませんので、大臣も忙しいでしょうが、十分ひとつ人員の面については今後御配慮願いたいと思います。  それから税関には監所というのがあるのです。見張りのところです。これは通常何人勤務することになっておりますか。監所には何人立っておるのですか。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 監所の守備範囲と申しますか、受け持ちの範囲、監所の大きさ等によって、一人でやる場合もありますし、二人でやる場合もあり、三人で行なう場合もございます。なお、それが三直制をとるような場合もございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 要注意船、怪しげな船が埠頭に入る、それでもなお監所に一人立っておる。その一人がパトロールする。要注意船がくるぞ、こういう電報が入って、たとえば大阪の安治川にどうも怪しげな船が入るぞ、それでも一人が立ってパトロールしておるのが現状です。これは非常に危険ですよ。こういう点も考えてもらわなければならぬと思う。特にこの監視の勤務は二十四時間勤務で、真夜中に要注意船というものが入ってくる、密輸の船や、あるいは密入国の人間を乗せた船が入ってくる、それを真夜中にただ一人で勤務しておるのですね。これは大臣に申し上げておきますが、大阪で事件があったのです。大臣も知っておると思う。去年の十二月四日に、大阪税関で村田進君という十九歳の青年がこの監所に立っておった。ところが、海に落ちて死んだわけです。この村田青年は、武道もできるし——税関はなかなか武道教育を盛んにやっておるようでございますが、心身ともに健康な、将来のあるまじめな青年であったのですが、真夜中に立っておって、海に落ちて死んだ。なぜ二人立てないのか。夜だから、おそらくあやまって足を踏みはずして落ちたのだろうと思う。二人立っておれば私は助けられたのだろうと思う。一体、要注意船がくるとか、こういう税関に重要なときに、一人立ててほうっておかなければならぬくらい今日人員は足らぬのですか、大臣。今後、要注意船がくるとか、真夜中の勤務等については、二人立てるところの手配をとってもらいたい。これは村田君の冥福を祈るためにも私はそうしてやるべきだと思うが、大臣の考えを承っておきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私は、三十八年、三十九年の両予算を編成いたしますときには、特に国税関係及び税関関係につきましては、あまりにも専門分野にまたがっておるために、大臣が直接検討するようなことが少ないであろうと思うから、この問題に対しては特にひとつ十分考えるということで、主計、主税、国税、それから税関等の間で十分検討しまして、特に急激に事業量がふえるものに対しては相当思い切って施策も行ない、人員の整備も行なうようにという特別な指示をいたしておるわけであります。いまのような問題、これは確かに専門分野であるために、そのような配慮が足らないところもあると思いますので、これを機会に税関等の問題に対しては特にひとつ勉強もして、誤りなきようにしたい、こう思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 率直な御答弁に敬意を表します。  関税局長にお伺いしますが、村田君のような例がしばしばあるのじゃございませんか。これはどうなっておりますか。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 最近では村田君の事件が一件だけあったように記憶いたしております。先生御指摘のように、真夜中に若い職員を一人でパトロールさせますことは、このような事件を起こす原因になると考えまして、今後は複数制の勤務ということを励行さすつもりでございますし、いろいろの勤務上の安全の問題につきましても、一そうの注意を払いたいと考えておるところでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私のところに陳情——村田君のような死亡事件は、最近は一人のようですけれども、しかし、海に落ち込んだ経験者、そういう者はたくさんいる。大体、こういう事件が起こってから二人にするというようなことではだめです。そうなったのも、これは大蔵大臣いまになってお気づきですけれども、一番最初の私の質問に対して、やはり人員は十分だというようなお考えを持たれておる。これは関税局長と大臣との間に意思の疎通が十分できていない。関税局長はやはり税関の責任者ですから、足らなければ足らないで要求したらいい。日本の税関はほんとうに評判が悪いのですよ。世界で一番悪い。アメリカのハワイもきびしいけれども、それどころではないのです。ということも、人間が足らぬからやはり神経がとげとげしてくるのではないか。最近特にたくさんの者が羽田の空港にも入る。あるいは神戸の港にも入ってくる。輸出輸入の取り扱い物件数は、四倍にも五倍にもなっておるが、人間はちっともふえておらない。こういうところの配慮をひとつしてもらわないと、池田内閣の観光国日本もだめになりますし、それどころではない、かなりの負担を特定の労働者に負わせるというようなことでは、仕事の能率だけではありません、これは労働問題からいっても私はゆゆしいことだと思う。そうして事故が次から次へと起こってくる。こんなことでは税関勤務なんというものはなっていないじゃないか。こういうように私は思われるから実はお伺いをしておるのです。  そこで災害安全の問題で、労働組合と交渉をされたようでございますが、村田君の場合はどういうように結局処理されましたか。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 御指摘のように深夜単独でパトロールをやっておりましたので、そこのところは監所を整理しまして、人員を浮かせて複数でパトロールするように改めました。なお、タラップをおりますときに足をすべらしておるようでございますので、安全ぐつというようなものを一般にはかせるようなことを検討いたしております。懐中電灯が足りないという要望等もありますので、そこらも手当てをいたすつもりでございます。  なお税関一般といたしまして、爆発物を扱いますとか放射能物質を扱うとか、いろいろな安全の問題がありますので、これは総体にわたりまして各税関とともに十分な手当てをすべく努力しておるところでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 災害をなくするためには根本的には夜間勤務について再検討を加える、これはよくわかります。それから人員をふやす。特に監所のごときは危険な業務でございますから、人員をふやす。ふやしてやらないと、見張りの責任も十分果たせないわけですね。それから単独勤務をなくして複数制にする、こういうことの御答弁、その上に私は、監所のごときは終日終夜の勤務ですから、これらの諸君に対して——これはほんとうに下級職員です。年若い諸君がやっておる。これらの諸君に対して、やはり疲労をなくすることについても思いやりのある、あたたかい配慮がなければならぬのじゃないかと思うわけです。  そこで局長にお尋ねしますが、あなたの五千何百人の現在の人員で、三十九年度の予算の定員で、どうですか。一切の災害を起こさないで、思う存分十分な仕事ができますか。これは率直に言いなさい。大蔵大臣が非常に考えようと言っておるわけだから、いまのあなたの人員で、あなたは関税局長として、あなたがいま言ったようなそういう関税行政に自信を持ってやっていけるかどうか、この人員で十分だと断言できますか。これは先ほどは足らないということでしたが、もう一度聞いておきたいと思う。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 人員が理想的に十分であるとは考えておりませんけれども、現在の人員をもちましても、事務の効率化、重点化ということをはかってまいりまして、負わせられております責任分野につきまして一体となってこれをやり抜くつもりでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それは、あなたは局長ですから、与えられた予算と与えられた人員でやり抜かなければならぬと思うのです。それはよくわかるのです。しかし、あなたが何べんも言っておるように足らぬわけです。これは大臣も考えるということですから、来年度の予算ではひとつ早急に考えていただきたいと思います。ただ、関税局長は、行政庁長官であるあなたの上司の大蔵大臣にどれだけの人員を要求したのか、そして田中さんはそれを結局押えたのだろうと思うのだが、そこら辺のいきさつを説明してもらいたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 これは関税局が要求をして、主計局との間——大蔵省の中でありますから、両方の責任が私にありますので、私のところまで持ってきましたときには、主計、関税の間でもって二百人ということでありました。でありますから、これでいいのか、まあひとつ、ほかの省も押えておりますし、行政の人員はなかなかふえないことでありますから、大いに努力してやります、こういうことでありましたから、しかしこの問題は行政管理庁の問題がありますのでというので、私が特に山村行政管理庁長官に連絡をしまして、これはぜひひとつ認めてもらいたい、こういうことでありましたが、どうも税関、少し多いのじゃないかということで、ちょっと問題があったようでありますけれども、最終的には、十二月二十九日の朝でしたか、とにかくやらしてもらわなければ困るのだ、こういうことで特に合意に達したということでありまして、関税局と主計局の間でもって折衝をしましたということよりも、とにかく大蔵省の意見としては二百名ということにきめまして、行政管理庁と折衝して実現をはかったわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 大蔵大臣、日本は、国際収支の危機を打開するためにも、観光と貿易に重点を入れなくてはならぬ。国際収支の問題はここでは出しませんけれども……。それが私は日本の今日当面の大きな国策だと思うのです。これはよくわかるのです。私は役人をふやせと言っておるのじゃない。今日の税関は、どこに行っても、下の声は足らないということです。悲鳴を上げておる。関税局長は何人か要求したのだけれども、主計局長が押えたということだが、これは考えてやらぬといけませんよ。貿易はやらなくてはいかぬわ、それは国策だわ、観光日本で、今度はオリンピックでたくさんの外人が来るわ、これはどうやってやっていきますか。私はおそらくさばけぬのじゃないかと思う。日本は外国に門戸を完全に開いたわけでしょう。第二の開国に今度なったわけですね。そういうことからいって私は聞いておる。ところが関税局長、これは小さいことですが、あなたは要求をされたのだが、削られたら、は、はいと言って引き下がって、おれは与えられた人員、予算の範囲内でやるのだ。その決意はとうといですけれども、やはり人員の要求は今後もどんどん続けていかなければならぬが、あなたは、災害防止のために、職員に水泳と武道の訓練を非常にきつく仰せつけておる。落ちたら泳げなくてはいかぬ。これは泳げるにこしたことはない。それから悪いやつが来たら投げ飛ばさなければいかぬ。そういうことばかりに力を入れておるという評判がありますが、これはどうなっておりますか。

佐々木庸一大蔵事務官(関税局長)

○佐々木政府委員 災害に際しまして、まず泳げなければはなはだ事故が防げないという感じがいたしますので、それは水泳の訓練というものを十分やるように申してございます。なお、武道をやるようにと申しましたのは、新入生の講習期間においてこれを講習の科目のうちに入れたということでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 やらせるのが悪いとまでは私も言いませんがね。しかしその前にもっとやはりほかの施策をとらなければいかぬ。災害防止は水泳と武道では防げませんよ。村田君は武道の達人とまではいかぬけれども、柔道のかなり強い人であった。十九歳の青年ですけれども死んだじゃありませんか、村田君は泳げたが死んだじゃありませんか。だからこれは何回も言うのですが、ぜひとも考えてもらいたい。  ところで大蔵大臣にお伺いいたしますが、税務官吏というのは非常に職制が多いようですね。国税庁でも関税局でも一つの職制に二人か三人……。これはあなたの方針ですか。一つの課長、主任のところに、二人くらいしか平員はいない。これはよその役所にないことですが、こういうことにしなければならぬ特殊な理由があれば、ひとつお教え願いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 国税、関税というところは、あなたがいま数字をもって申されたとおり、非常に事業量がふえておるわけであります。でありますから、優秀な職員が必要であるということで、国税庁としては非常にたくさん優秀な人たちを採用しておるわけでありますし、また税務署採用でもって採用いたした諸君を税務講習所へ入れて、りっぱな職員として訓練を受けておるわけであります。ところが課長などが多いと言われておりますけれども、課長は事業量や機構に比べてそう多いとは考えておりません。ただ普通の官庁であれば、もうとっくに課長になっておるというような年齢、または職歴の人たちでも課長というのが非常に少ない。中へ入ってから十五年、二十年という非常にエキスパートになっておる諸君に与える地位がないということで、何らかのことを考えなくちゃいかぬということで、専門官の制度をつくったわけであります。これは郵政省の現業等に比べてみまして、国税庁が多いというふうには考えておりません。場合によれば、もっと考えてやらなければいかぬのじゃないかとさえ考えておるのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは大臣、あなたがどう答弁されようとも平員が三人で、主任がそこに三人しかいないのです。そしてそれは職制になっておる。これはよその官庁にないことですから、税金を取り立てる上に、あるいは税関の監督をしていく上に、警察的な職権と申しますか、それに近いものがあるわけだから、そういうような必要があるのかと思ってお伺いしたのです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私も大蔵省に入りましてから、そのように考えておるわけであります。いまの職階というものと給与が関係をしておりますので、国税庁につきましては、警察が警部補あり、警部あり、警視あり、こういうことで、課長とか課長代理とかいうことではなく、一級徴税官、二級徴税官といいますか、何か特別な職階制が必要であるということを考えて、国税庁の諸君にも、また主税局の諸君にも研究をするようにということを言っておるわけであります。私は、やはり国税、関税という機構の中にある人に対しては、一般の公務員の職階制と給与の関係だけではなく、防衛庁などでは特別なものがありますから、防衛庁の職階等を参照にしながら、何か画期的なものをつくりなさい、外国の例等も十分考えなさい、こういうことを言っておるわけであります。そうでないと中だるみになって、ちょうどその中間で十五年から二十年というエキスパートが全く恵まれないので、民間にみな出てしまう。希望がつなげないというようなことがありますので、それらの問題に対しては、新しい角度で検討を進めたいというふうに考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 時間もないですからあと一、二問で終わります。皆さんにも御迷惑ですから終わりますが、大蔵大臣、労働組合に対して分裂させる、こういうことは監督者としてはすべきではない。組合が、組合員の自主的な考え方で分裂することはやむを得ませんけれども、いまの組合が気に食わぬから、第二組合をつくってやろうということは、私はよろしくないと思いますが、いかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 そのとおりであります。また労働組合は自主的な状態で発展していくべきであって、いやしくも官がこれに干渉するというようなことは絶対にいけないことである。不当労働行為は絶対にやらないということを考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 あなたの監督する税関長が不当労働行為をやっておったら、もちろん処分しますね。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 不当労働行為はやってはならない、やっておらないという立場に立っておりますので、そういうことはないと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 ないと思うと言っても、あるわけです。これは横浜税関です。横浜税関では、いまの組合が気に食わぬというので、第二組合をつくる相談を税関考査官室、それから出張所長の部屋を使ってやっておる。第二組合の設立趣旨を書いたビラを、考査宮室から運んで職員に配っておる。この事実は不当労働行為と見られてもやむを得ないと思うが、どう考えますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 野原さんの御発言でございますから、信憑性ありという認定に立っておりますが、どこから御入手になったか、私のところにはそういうものは全然きておりません。そんなことはないと思います。御発言でありますから調べますけれども、ここには武藤君という非常にりっぱな税関長が出ておりまして、いやしくも不当労働行為になるようなことをやる男ではないというふうに信頼をしております。しかし事実の有無に対しては関税局長にも調べさせます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは調査をしてください。私は幸い大蔵委員でもありますから、しょっちゅう大臣にも委員会でお会いする機会もありますから、適当な機会に御報告いただきたい。これはおそらく組合から入手したんじゃなかろうかというお考えを持っておられるようですが、なるほど組合からも入手いたしました。私も実は調査をして資料を持っておるわけです。きょうは時間がありませんから出しませんけれども、こういうことはまことにけしからぬ。どんなに気に食わないからといって、不当労働行為を特に税関係では盛んにやっておる。長が率先して部下にやらしておる。そして組合つぶしにやっきになっております。これはたいへんな問題です。ILO八十七号条約批准が、この国会で問題になろうとしておるやさきでもあります。直さなければ調査団でも来たらまっ先に私は話してやろうと思っておる。そういうことをやるから、片一方労働組合のほうも先鋭化してくるわけです。これはひとつ適当な機会に調査をされて御報告をされた上で、私はなおこの問題を追及してまいりたいと思います。以上で終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時五十九分休憩      ————◇—————     午後三時十二分開議

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  大蔵省所管について質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実は先般、たばこと肺ガンという問題について大蔵委員会で論議をいたしましたときに、広告宣伝費の問題について資料が不十分でありましたので、本日は本年度予算を含めてこの専売公社の宣伝費の問題を少し伺いたいと思います。  そこでまず最初にお伺いをいたしますが、昭和三十九年度におけるところの専売公社の役務費の中に含まれておるところの宣伝費は一体幾らであるか、報償費よりこれまでも大体五千万円内外のものが組みかえて宣伝費に使用されておるけれども、その報償費からの組みかえ分は一体幾らであるか、総計昭和三十九年度に予定しておる宣伝費はこれからのもので幾らなのかということのほかに、米葉資金から振りかえの形で用いられている宣伝費があるわけでありますが、この米葉資金振りかえによるところの宣伝費は一体幾らなのか、この三点についてお答えをお願いいたします。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 お答ええ申し上げます。  専売公社の予算で三十九年度に計上しておりまする宣伝費でありますが、これは御指摘のように役務費の中に含まれているわけでありますが、その中の金額といたしまして一億二千五百万円を予定しております。  それから報償費から実際上組みかえて毎年使用しておるものがございますが、これにつきましては御指摘のように、これも毎年五千八百万円とか九百万円とかいったような額が組みかえられて使用されておりますが、これにつきましては、三十九年度につきましてはどういう宣伝計画をいたしますか、まだ具体的なところまでは確定いたしておりませんので、組みかえ額のほうもまだはっきりいたしておらないというような現状でございます。  なお、米葉資金の関係でありますが、この米葉資金はアメリカとの間の条約に基づきまして、アメリカから米葉を買いつけますが、その関係で出ておりまする資金でありまして、この資金を受け、またこれを支出します関係は、米国側はタバコ・アソシエーションというたばこ業者の団体がこれに当たっておりまして、ことに日本側におきましては従前はたばこ小売り人の全国の組合がこれを受け入れて計画を立てて支出しておりましたわけですが、現在はたばこ小売り人輸出入業者をも含めました米葉協会というものをつくりまして、それがこれを受け入れて支出するということにいたしております。そういうことで公社の会計とは関係のない収入支出になっておるわけであります。金額は向こうの会計で毎年きまっておりますが、一九六三年七月から六四年六月までの分、これを申し上げてみますと十五万ドル、日本円に直しまして五千四百万円という金額が予定されておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実はこの前大蔵委員会で論議をいたしましたときに、御承知のようにたばこと肺ガンには密接不可分な因果関係があるということは、大蔵委員会で国立公衆衛生院、厚生省の公衆衛生局長等から明らかにされたところでありまして、そのときに私が申し上げたのは、健康上望ましくないものであるからあまりそれを奨励するようなかっこうで宣伝はしないほうがいいだろう、こういうことを申し上げたわけであります。ところが、実は公社の宣伝費を見ておりますと、いまの報償費よりの組みかえ分というのは今後どうなるかわからないということでありますけれども、実は昭和三十八年度に比べて三十九年度の役務費の中に含まれているところの宣伝費が約一千八百万円も増額をされたことになっておるわけですね。  そこで公社のほうにお伺いをいたしますけれども、これは一応予算を組んだから使わなければならないものだとも私は思わないのですが、こういうような世上の状態で、実は過去の資料を拝見をいたしておりますと、減ったりふえたりで昭和三十五年を一〇〇としてみますと昭和三十八年というのは一〇八にしかなってないのでありますが、三十九年は一二六というふうに大幅に指数が飛び上がるわけですね。こういうふうに千八百万円も、ここだけではありませんが、ふやすということは私はどうも適当でないのではないか。   〔主査退席、田澤主査代理着席〕  もう一つは、アメリカの場合のように各企業が民間の企業であり、多数の企業が競争をしておる場合には、広告というものはある程度やむを得ないと思うのですが、日本の場合にはこれは一種の独占企業であって、広告をしてあったからたばこを吸うという関係のものではないのではないか。ところが週刊誌を開いても、テレビを見ても、その他至るところに実はたばこの広告が相当たくさん出ているわけです。いまの一億二千五百万円におそらく五千四百万円ぐらいの米葉資金からくるものがあり、それから報償費からの組みかえ金がおそらく五千七、八百万円ということになりますと、今度は大体二億四、五千万円近いものが広告費として使われることに相なろうかと思うわけです。  私はまず第一点として、それは単に肺ガンに限りません、たばこは実は健康には医者の立場からするとよくないのです。心臓その他の神経系統にも非常にニコチンというものは、本来これは植物神経系統に対する毒物だということに医学上ではなっておるわけです。劇薬と毒薬というのがありまして、劇薬というのは少量に使えば効果がある。しかし毒薬というのは少量でも毒なんだというふうに規定をされている毒物でありますから、これはのまないにこしたことはないし、量が減るほうが望ましい。ここには財政収入との間に非常に矛盾をした面があるわけですが、そういう意味でどうも米葉資金のほうは向こうからくれて、それを宣伝に使ってもらいたいということならこれは別になりますけれども、公社が予算の中に組むものがやはり一億八千万円くらいにはどうしてもなるのだろうと思うのですが、これはやや多きに失するような気がいたします。これを実行の上で少し削減して、そうしてより有意義な用途に使う意思はないかどうか、公社総裁にお伺いしたいと思います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 宣伝費の問題につきましては、確かに御指摘のように公社は専売でございますので、アメリカのような非常にコンペティションの激しい、業者同士が広告いたしておりますが、そういったような広告をする必要もないことはもちろんでありますし、事実アメリカなどに比べますれば非常に少ない宣伝費の支出であるわけでございます。それで最近の肺ガン問題、またたばこの健康に及ぼす影響の問題につきまして、公社としての宣伝方針もこういうことを背景に考えていかなければならないということを、他の機会にもお答え申し上げましたように私ども考えておるわけでございます。  それで、明年度の宣伝費に使われる金額の問題でありますが、これは先ほども申し上げましたように、これからの宣伝のやり方そのものを検討いたしまして、それに基づき必要な経費を支出していくということにいたしたいと考えておるわけであります。現在のところ、御指摘ありました報償費から組みかえます分等につきましても別段予定はいたしておらないわけでありまして、御指摘のような新しい情勢に適応する宣伝方針を立てまして、それに必要なものを出していくということで進みたいと思います。ただ、今年度の予算の中に見積もりました一億二千五百万ですか、この金額がふえておるという点についての御指摘がありましたが、これは例年に比べて対前年増加額が多少多いような感じもあるわけですが、事情といたしましては、最近宣伝費、広告費の媒体になりますいろんなものの価格、料金等がかなり上がってきておりまして、同じことをやるにいたしましても金がよけいかかるという状態になってきております。なお昨年オリンピアスを売り出しまして、この新製品の発売につきまして宣伝費にかなり資金も要りましたので、そんなような事情も考慮いたしまして、三十九年度は三十八年度より少し多い予算を計上したということになっておるわけであります。そういう事情ではありますが、将来の計画につきましては先ほど来申し上げましたようにやってまいりたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 その点はひとつそのように御配慮をいただきたいと思います。  実は公社の予算を拝見しておりまして、ちょっと得心のいかない問題が一つございます。それは、昭和三十六年の日本専売公社事業計画を見ますと、「たばこ製造高及び購入」という欄に「新製品(FL)」こう書いてあります。その次に「新製品(T)」、その次に「新製品(A2)」、こういうふうに実は三つ書かれておりまして、今度は「製造たばこ売払高」という中には「新製品(FL)」、これが金額にして九十一億円余り計上されておるわけであります。私はずっと毎年のものを並べておりますけれども、いつの間にかずいぶんたくさんな量をつくって購入をし売り払っておるけれども、どうも新しいたばこが出たようにないのですが、一体これはどういうことになっておるのか、お伺いいたしたいのであります。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 FLの問題につきましてお尋ねでございますが、これは年度の開始します前、予算を編成する当時に、いろいろと翌年度の商品計画といいますか、どういう製品をどういうふうにつくって売っていくという計画を立てますが、これはその後の推移によりまして必ずしもそのとおりにはやっていないわけであります。それで具体的にFLににつきましてお尋ねがございますが、このFLは、フィルターつきのロングサイズのものということで、大体フィルターつきロングサイズと申しますと、現在のハイライトがございますが、ハイライトとまたちょっと別種のものを出そうということで計画したわけでありますが、現実の事情を簡単に申し上げますと、ハイライトが予想以上に非常に売れ行きがよろしいために、ハイライトの充足といいますか、増産に追われまして、FLという新しい銘柄を発売するひまがなかった、こういうのが実態になっております。したがいまして、数量といたしましては、つづめて申し上げますれば、FLで予定しておりました数量以上にハイライトがよけいに売れたという結果になっておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実は私ちょっとFLを取り上げましたのは、これも毎年毎年出てくるのです。これは三十六年には三十五億本で売り払い高は九十一億円という予定になっていたわけです。この年はできなかった。それは最初の年はそういうこともありましょう。今度は三十七年にまいりますと三十五億本だったのが五十億本製造することになって、売り払い高はその次の年も百二十四億円にまたふえておる。ところが、いまのお話のように、ハイライトとの関係で見ますと、ハイライトのほうは四十二億本であったのが、今度は百十五億本というふうに片一方はふえつつある。そういうふうに片面ふえつつある中でFLは五十億本で百二十四億、またその次の年にまいりますと、今度はFLは百十億本にまた増加をして、その予算額は二百六十七億円に実はなっておる。三年間続いて、要するに「製造高及び購入」の項にあげ、そうして毎年毎年増額をして売り払い高にも出ておる。最初のときが九十一億から始まって二百六十七億までふえておる。そうして今度は三十九年にまいりましたら、初めてFLなるものは影も形もなくなった、こういうことになっておるわけですね。これはもしその途中の経過の中で見通しが立たないのならば、同じ額であげるという話ならわかりますが、毎年毎年上げていって、そうしてともかく売り払い高が二百六十七億という相当膨大な金額が予定され計上されておるということになると、何か製造したのでなければ私はおかしいのじゃないかという気がする。それならば公社の予算なるものは実にでたらめにこういうものをあげておけ、一億や二億のはしたなら言いませんが、二百六十七億も三十八年にあげたものが、こつ然として三十九年にはゼロになって消えてしまうということは、公社予算というものが非常にずさんなもののような気がしてならないのでありますが、何かいまのお話だけでは、ちょっと私納得できないのです。一年だけ、二年だけならわかるが、三年も続いてこういうことになっておるということはどういう理由に基づくのか、もう一回伺いたいと思います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 ただいま御指摘の点はまことにごもっともな点でございます、これは最初にお答え申し上げましたように、公社として予算をつくる、あるいは事業計画を立てます場合に、やはり翌年度の需要の見通しを立ててそれぞれ計画をするわけでありますが、簡単に申し上げますれば、ハイライトに対する需要が予想以上に非常に多かったということに帰着すると思います。各年度とも当初に立てました計画によりますと、ハイライトの非常な増産を予定して、その程度増産すればハイライトの需要が満足されるだろう、こういうことでスタートいたしたわけでありますが、幾ら増産いたしても、それ以上の需要があるということで、そういう状態におきまして新規の製品を出す、既発銘柄の需要が十分に充足されていない段階で同じフィルターたばこで別の銘柄を出すことはいかがかと思いましたので、そういう意味で各年度とも計画を取りやめた、結局各年度とも結果といたしましては、どうもFLで予定しておりました以上にハイライトのほうがふえたという結果に帰着いたしたわけであります。大体結果としてはそういうことになりまして、これも公社が自分の計画どおり、何でも予定どおりそれぞれの銘柄をつくって売るんだ、こういうことでは、やはり企業として、あるいは消費者の需要に応ずるという意味で適当なやり方でないと考えるわけでありまして、需要に応じてやはり要求されるものをつくっていくというふうに持っていかなければならないのじゃないか、見通しの悪かったことは、これはまことに申しわけないのですが、しかし、やっていきます場合には、やはり消費者の需要にできるだけ応じていくという形で進みたいと考えておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 どうも私ちょっと釈然としないのです。一年、二年ならわかるけれども、だんだんふやしてはやめたというのは納得しかねるのですが、もう一つ、毎年、新製品としていろいろなものがここに製造高及び購入の予定になっておるわけですね。ところが、中には、製造高及び購入のほうにはあがっているけれども、売り払い高のほうにはちっとも入っていないものがあるわけです。新製品というものがそういうかっこうであっちこっちにいろいろなんですね。昭和三十八年度には新製品T、これが二億二千万本ですか、それから新製品A、これが六億本ですか、それからいまの新製品FL、百十億本、こういうふうに出ている。ところが、昨年の売り払い高のほうには、新製品のTは出ておりますけれども、そのTの出方も、片一方の二億二千万が二億しか出ていない。新製品のAというのは、本数はたくさん書いておるのだけれども、売り払い高のほうには出てこない。そうしてこの二つともいつのまにか今度はなくなって、昭和三十九年度のほうでは、新製品FAというのが、四十五億本ですか、出てくるのですね。この試作をしているのかどうかわかりませんけれども、いまのT、Aというのは一体どういうものであったのか、何を意図したのか、ちょっとお答え願いたい。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 TとかAとかいうことで見込んでおりましたものについてのお尋ねでありますが、Tといいますと、ターキッシュという略で、大体オリエント・タイプの葉を使ったたばこ、そういうものを出そうということを予定いたしておったわけであります。それは結局オリンピアスというたばこを発売いたしましたが、あのオリンピアスの発売ということで最後に実現されたわけでございます。それからAのほうは、大体アメリカン・タイプといったようなつもりでAという仮称を使っておったのですが、この分は、いろいろ研究しておりましたが、結局発売しないで終わったわけです。  ただいまの、製造高があって売り上げ高がないという点につきましては、これは大体新製品を発売いたします場合には、やはりある程度の量を準備して、これを全国なりあるいは主要な場所で発売しなければなりませんので、大体年度末までにAをかなり蓄積しておきまして、それを四月一日、新年度から売り出すというような計画を考えておりましたので、そういうような形になっておるものと考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこでちょっとお伺いしたいのは、いままでの話の中でTだとか、AとかFLというのは、予算面にだけ出てきておるのか、ある程度実際につくったのか、これはどういうことでしょうか。製造高及び購入のほうにあがり、売り払い高のほうにあがってないのは、全部をつくったのではないかもしれませんが、実在したものなのか、架空のものなのか、ちょっとお尋ねをいたします。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 これはTにつきましては先ほどお話し申し上げたとおりであります。FLとAにつきましては、試作というか、研究的にいろいろな葉組みでつくってみて、研究はしております。現在でもいろいろやってみておるわけでありますが、ただ具体的にこれを工場で量産するというところまではまだいっておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 本年度は新製品FA、これはフィルターつきアメリカン・スタイルというのですか、これが四十五億本計上されまして、売り払い高が四十億本、百二十億円を予定されておりますね。これは見通しとしてはどうなりますか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 FAにつきましては、これは御指摘のように、アメリカン・タイプで、しかもフィルターつきのもの、現在のハイライトよりも多少価格も安いものをつくろうということで計画いたしておるものであります。現在葉組みその他の点につきましていろいろ検討いたしております。これはまたあとで予定が変わったじゃないかといっておしかりを受けると困るのですが、現在のところ、本年度の後半から発売したいということで準備を進めておる段階でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いまの問題はおおむねわかりました。  実はこれから大臣にお尋ねをしたいと思うのですけれども、専売公社の予算をずっと少しこまかく見ておりますと、特別会計の予算とどうもあまり変わらないような感じがするのです。実は臨時行政調査会のほうに各公社等が、こういうふうにしてもらいたいという要望をいろいろ出しておるのです。政府機関にはいろいろなものがあるのですが、きょうはとりあえずこの公社をモデルにしてお伺いするわけです。そこで専売公社のほうに伺いますが、皆さんのほうから臨時行政調査会の第二専門部会に対して報告をお出しになりましたね。この予算上の問題についての報告の主要な骨子でもいいです。あなた方がこういうふうにしてもらいたいということを書いておられますね。それについてちょっとあなたの口からお答えをいただきたい。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 お答えいたします。  公社の予算その他の制度の問題については、臨時行政調査会から、公共企業体の予算及び決算は、企業性にふさわしい形になっていない、根本的に改めるとか、あるいは国会の議決を要しないというようなことにする必要はないかというお尋ねがたしかあったわけでありまして、それに対しまして公社側としては、現状といたしましては、現行予算その他の制度の運用によりまして十分やっていける——やっておるわけでありますが、理想的な形をとるといたしますれば、やはり御指摘のように、現在の予算制度は従来の特別会計時代の予算制度と形式的にはかなり似た点がありまして、公社のような企業という形にはとかくぴったりしない点もあるというふうな意味から、そういうふうな事業計画、資金計、画あるいは予定損益計算書といったような形のもののほうが、公社の実態にはより適切ではないか、こういう御返事を申し上げたことがあります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 大蔵大臣が御不在中に公社の総裁が答えたので、公社の総裁にもう一ぺん言っていただくのもお気の毒ですから、言いますが、要するに、私ずっと政府関係機関予算を調べておりますと、こういうような形に政府関係機関が置かれている目的が、実は予算関係の上では少しも通っていないという感じがするわけです。これはいまあなたにこの時点で聞いてどうということではありませんが、大蔵省側の見解はあなたに聞く以外に手がありませんから伺いますが、ここに掲げられておる政府関係機関の中の公社、公庫、その他いろいろあります、銀行もありますが、こういうものがこういう形で設けられておる本来の趣旨、特に特別会計であったものから公社に移っていったものは、何のために公社というものをつくることになったのか、特別会計であっても差しつかえないのではないか、それを公社にしたのはそれだけの理由がなければならないというふうに私は考えますから、一体その理由というのは何であったのか、ちょっと伺いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 御承知のとおり、三公社は戦後の新しいやり方であります。特に三公社制度は、占領軍のメモ・ケース的なものであることは御承知のとおりであります。メモ・ケースのものであっても、現在まで引き継がれておるものでありますし、その後の情勢によって、非常にいいものだということだけは言い得るのであります。また、そのような状態でもって次々と新しい制度もできておるわけであります。でありますから、一般会計でやっておりますものが特別会計になる場合には、特別な収入源もあるのでありますから、一般会計よりも特別会計として経理を区分するほうがより合理的だ、一般会計に近いものでありますけれども、特別会計という特定な財源があるものに対しては、区分をしたほうがより合理的だ、こういうものは特別会計に移しているわけであります。公社、公団はそれよりもより民間企業のように意欲的な、弾力的な運用ができることが好ましい、そのほうがより合理的である、こういう考えのものは、特別会計よりももう一歩進めまして公社という制度になっておるわけであります。公社からもっと進めば、公団、特殊会社、民間営、こういう段階を通じておるわけでありまして、その意味では、一般会計よりもより弾力的に、事業の性質によってより合理的に行なわれる、こういう目的をもって移されておるものであります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いまお話のように、公社というのは、特例会計よりも、より企業に徹したほうがいいということで、一歩前進をさせたのだということであります。ところが、特別会計から、予算上の問題として見ますと、あまり前進しているようなことが実は見られないのです。そこで大蔵大臣、予算の上で見て、こまかいことは言いませんが、あなたが、ここはもう特別会計から一歩踏み出して大いに企業性が織り込まれておると思われるものがあったら、ひとつ教えてもらいたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 予算の流用、移用、それから繰り越しというものに対しては、公社が自主的にやっておるということであります。特別会計は政府自体が財政計画を立てますけれども、公社になりますと、事業を主体にして、公社が中心になって予算を立てて、主管大臣がこれを国会に提出をする、こういうことになっておりますので、特別会計に比べては相当弾力的な運用がせられておる、このように理解いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 少し問題が技術的でありますから深くは触れませんが、いまの流用の問題は、なるほど、おっしゃるように特別会計よりは一歩前進をしていると思うのですけれども、いま一番問題になる点は、これをずっと見ておりまして、給与の総額がきめられているわけです。給与総額をきめてあると同時に、基準内の費用と基準外の費用の流用も昭和三十二年以来禁止されている。それまではそれの流用も認められておったらしいのですが、それも禁止をされておる。さらに、そういうものをもし変更しようとするならば、結局公営企業労働委員会の裁定によって、大蔵大臣の承認を経て経費の流用もしくは予備費の支出が認められるというかっこうになっているわけですね。こういうふうに見ていきますと、ともかく企業体の中で非常に問題になるのは、企業能率が上がればそれが従業員にはね返ってくるというのが企業体の特殊性だろうと思うのです。これは特別会計あるいは一般会計ではそういうかっこうにはいかないけれども、企業というかっこうになった以上は、多少そういう点に合理性が出てくるということが、私は企業会計を施行さした非常に大きな問題点だろうと思っておるのです。ところが、現実の状態を見ると、いろいろなところに区切りをつけられておりまして、公社ではどうにもならないような仕組みになっておるわけです。特別会計とこのあたりはほとんど差がないというふうに私ちょっと感ずるのですが、ここらはどうでしょうか。特別会計と公社の予算の中にそういう問題点で差があるかどうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 三十二年ですか、私が郵政大臣のときに、電電公社を中心にして、当該年度の業務上の収益が予算を越えた場合には、これを使用してよろしいという予算総則によって変更をしたわけであります。それを契機にして弾力条項が認められたわけであります。これは特別会計とは相当違う弾力的運営になるわけであります。もう一つは特別給与制度があります。これに対しては、合理化努力によって利益が計上せられた場合には、一般の公務員とは違って、特別に給与を出すことができる、その問題に対しては団体交渉によってやるということでありますから、これは一般会計、特別会計とは相当違うことであります。ただ、そうではあるけれども、なかなか実際がそう行なわれておらぬじゃないかということがいわれると思いますが、これはなかなかむずかしいのであります。これは現実問題としては私たちが関与するようなことではなく、公社自体がいま団体交渉をやったりしておるわけでありますけれども、もうかったときだけ分けるというのじゃなく、もうからないときには一体どうなるのかという問題ですが、国鉄のように、非常に因ったときでもやっぱり出さなくちゃいかぬ。困ったとき、当初の見込み収入を割った場合でも、やはり何らかのプラス・アルファはつけなければいかぬ。こういうことをやっていると同時に、当該年度に非常に収益が予想を上回っても、全部はき出すということはできなくて、前に出しているものとか、いろんなことで将来の調整も考えながらやっておるかもわかりませんが、それは労使間において自主的に交渉せられるものでありまして、そういうことは一般会計、特別会計とは全く違う制度である、このように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 おっしゃる点は、弾力条項のようなかっこうで確かにあります。ところが、その弾力条項の項目自体に私いまちょっと疑問を感ずるのです。これは専売公社の場合にはどうも適切な表現がないのですが、これは公社に直接関係ないけれども、この問題については関連していますから——予算総則の二十六条に、いまあなたのお話しになった電電公社の「特別給与の支出」という項目が実はあるのです。それを読みますと、こういうふうに書いてあるのです。「前条の規定にかかわらず、日本電信電話公社は、郵政大臣が大蔵大臣に協議して定めるところにより、職員の能率向上による企業経営の改善によって収入が予定より増加し又は経費を予定より節減したときは、郵政大臣の認可を経て、その収入の増加額又は経費の節減額の一部に相当する金額を、昭和三十九年度において職員に対する特別の給与の支出に充てることができる。」こういうふうに書かれております。そこで私は非常にわからないのは、さっき申し上げた「収入が予定より増加し」と書いてあるのですね。ところが、一体予定収入というものは、公社の場合でもおそらくそうだと思うのですが、客観的な条件できまるものかどうかというと、私はきまらないと思うのです。要するに、来年度は専売公社で——電電でもいいけれども、これだけの事業をしてこれだけ収入があると思います、こういうものは電電公社側は出すでしょう。ところが、大蔵省は査定をして、いや、それはそれほどはないだろう、こういうことになって、そこで何かの関係で予定が出てくるわけですね。これはまさに恣意的判断ですね。何ら客観的な事実をもとにして出てくるものではない。恣意的な判断が予定ですよ。そういってきめた予定に実際がどうなるか。それで弾力的に特別給与が払えるなんというのはi実際のほうというのは客観的に起きてくることですから、もう間違いないですが、予定をどこに置くかなんというのは、そのときの判断だけですね。だから、判断が間違ったら、場合によったら特別給与が出てみたり、判断が間違わなかったら、今度は逆に減収になってみたり、まことに私は、この予算総則というのは、何というか、あまり根拠のないことで、気休めのようなものが置かれておる、こういう感じがするのですが、大臣どう感じられますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 まあ堀さんのような考え方も出ますけれども、この弾力条項を置きましたのは、御承知のとおり、予算額というのがありますから、予算をきめまして、それに対応する給与費を算定いたしておるわけであります。でありますから、これは大蔵商がいつでも水増しをして、高い水準でもってきめておれば、実際出ないじゃないか、こういう議論が労働組合等から出たことがあります。私もそんな話を聞いたことがありますが、これはそうでなく、やはり妥当ないわゆる給与予算総額というものと事業の見込みを立てて年度間の予算をきめるのでありますから、非常に景気がよくなったりして増収になったり、もう一つ経常経費を節減したために浮いたものというようなことになっておるわけであります。しかもこれは前はその年度におけるものは全部当該年度には使えない、翌年度もしくは翌々年度に使えるというようなことになっておりましたものが、弾力条項は、こういうことではいかぬ、当該年度に対して当然増収が出たものに対しては、一番初めは施設費にこれを使うことができるというところから道が開かれてきたわけです。でありますから、私は、客観的にきめられないのだから、目標の金額を下回っても、ある意味では増収かもしらぬというような議論がありますけれども、これはそう不当な見通しをつけておるわけではありません。大体収入金額を見積もるときには、それにかかる総経費をちゃんと見積もって給与総額をきめておるのですから、そのワクをオーバーした場合には当然この弾力条項が発動できるという考え方に立っておるのでありますから、条項だけはあるけれども、この予算総則の条項はさっぱり弾力条項にならないというふうには考えておらないわけであります。また逆に、上回ったときは、大体支給したり、当該年度に流用したりするわけですが、下回ったとき、特に鉄道の例をとって悪いのですが、いつも出るのは国鉄なんです。ですから国鉄等は、予算を下回っても、過去においては特別なものを支給した例があります。でありますから、この条項があるので相当弾力的に運用されておる、こう認めるべきだと思います。

田澤吉郎自由民主党

○田澤主査代理 堀君に申し上げますが、質疑時間がだいぶ経過しておりまして、このあと質疑者がありますので、結論をお急ぎ願いたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実は私はこういうきめ方は科学的でないという感じがするのです。もし科学的にきめるのなら、やはり生産性の問題ですね、付加価値の増加のあり方とか、客観点に立証できるものが私はあると思うのです。だから、だれが見ても、なるほど付加価値は増大してきたのだから、それをどう分配するかという角度でものを見るのでないと、この考えというのは、国の予算を見ておりますと——これはあとで少し触れますが、税収なんか見ていますと、いつでも低い目に出して、出したときは、これが適当だと思いますと言うのですが、おおむねはずれますね。当たるも八卦というけれども、めったに当たらない。上にいくか下にいくかということになるわけですね。私は、予定した収入というものは本来そういうものだと思うのです。そういう不確定なものに基準を置いて弾力条項をつけるというような考えは、私はあまり科学的でないと思うのです。だから、行政というものは科学的にあるべきだし、特に公社というものが企業形態になってきておるということになれば、国の予算のような形とはやや違うわけだから、そこらでは、やはり能率が上がればそれに見合う賃金が支払われる、これは資本主義の原則だろうと私は思うのです。ところが、官公吏については必ずしもそういうわけになかなかいきません。税収の関係とか、いろいろあるからいかないでしょうけれども、少なくとも企業になったものならば、いまは資本主義の世の中なんですから、能率が上がったもの、付加価価がふえたもの、それの一部は少なくともそこの従業員に分配をされるということであっていいと思うし、その意味では、基準内外の賃金までも拘束をしないで、あなた方のほうで給与総額をきめたら、その中身はもう少し自主的にやらせるというのが、やはり企業の方向へ一歩前進する道ではないか。これは逆行ですね。もとはそれができたのを、うしろへ引き戻したという感じがするのです。この点はどうでしょうか、大蔵大臣。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 科学的にきめるといっても、なかなかきまらないのです。民間の例を申し上げますと、民間も、年間の見通しをつけて、特に業績が上がったときには、業績給としてボーナスをよけい出す。ですから、これはきめ切るといってもなかなかむずかしい問題であって、大体妥当だと思われる。特に公社とか公団とかいうものは長い実績がありまして、しかも民間のいろいろな問題に対して相当影響されるということではなく、独占企業である、一般会計からだんだん移ってきたものであるということで、歴史も身元もしっかりしておるわけであります。でありますから、長い伝統と歴史の中から数字のしに積み重ねてくるのでありますから、三公社五現業等の収支見通しというものはそう狂いがない、おおむね妥当なものが出ておる、こういうふうにいままでいわれておるわけであります。  第二の問題の、給与総額をきめて、公社にもうあっさりまかすべきだという議論は、前からあります。公社も、そこまで前進すべきであるということ私もそういう議論を五、六年前にやって弾力条項の道を開いた、こういう立場にありますから、確かにございますけれども、いま申し上げるとおり公社という特性、民間でもない、特別会計、一般会計でもない三公社である、こういう戦後の新しい企業でありますこの独占性、それから政府が全額出資のものである、そういうものから見まして、将来どうあるべきかということは、公社等の研究をしていただいておるところもございますので、そういう方々のより高い、広い立場から見ての答申等を待ちながら検討していくべきであろう。私もいまこれを総額でもって公社に全部まかしてしまって、自由にやっていいのだというふうに踏み切るべきであるかどうかという問題に対しては、にわかにお答えができないということであります。その問題に対してはまだはっきりとした定見を持っておらぬということでありますが、これを機会にひとつ検討をいたします。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 税収のことは大蔵委員会でやることにいたしまして、臨時行政調査会でいろいろこれから意見も出てくるだろうと思うのですが、そういうところで、いまのそういう流用したほうがいいというような答申がもし出たら政府はどうしますか。仮定の事実ではあるけれども、少なくともそれだけじゃありません。公社というものは、もうちょっと企業会計に徹しさせたほうがその趣旨が生きて、公社の運営がよくなるのではないか、私はこう思っているのです。いままさに役所とちっとも変わらないというような感じがしておる。私はこの間イタリアに行ってみて感じましたけれども、イタリアでは実は政府の資金がほとんど入っていないようなところはたくさんあるのですけれども、しかし、公私混合経済でなかなかうまくいっているのです。ところが、日本の場合には、日本の公社などというものは、まさにそういう形であっていいと思うものが政府機関とちっとも変わらないということは、私は進歩がないような気がするのです。  だから、いまの給与の問題は単に一例ですけれども、しかし、いろいろと臨時行政調査会に対する回答を読んでおりますと、そういう希望が一般的に公社その他の側にあるわけですね。これは非常に象徴的な問題でもあるから、そういう意味で、そういうところからこういう方向を出せ、やれということになれば、大蔵省としてはそれに応ずるような姿勢があるのかどうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 行政調査会からそういう答申が出るかどうかの問題でありますが、出てもなかなか政府もいろいろな問題がありますので、尊重をすることはもちろんでありますが、慎重かつ合理的な結論を出したい、こう思います。

田澤吉郎自由民主党

○田澤主査代理 次に、華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山分科員 中小企業金融のことにつきまして、お伺いいたします。  その前に私、申し上げておきますけれども、自分のことになりますが、私は戦後高利貸しに頭を下げ、銀行に頭を下げ、大企業に頭を下げて、苦労をいたして今日まできております。しかし、私は中小企業を代表いたしまして議員になっているわけでもございませんけれども、私の申し上げることは、人から聞いた話でもなく、陳情を受けた話でもなく、実感でございますので、そういう意味でお聞き取りの上お答えを願いたいと思うのでございます。  このたび中小企業金融の予算が増額いたしましたが、非常に微々たるものでございます。中小企業金融の範囲を一千万円から五千万円に上げた、そういうことを御考慮の上今度の予算は編成されておりますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 中小企業に対しては大体五千万円ということがいま定説になっております。でありますから、そのようなつもりで予算編成はしたわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そういたしますと、中小企業金融というものの範囲が一千万円から五千万円に増大した。私はその見地から言いまして、実数的にそんなに中小企業の予算が増したものではない、こういうふうに考えます。なお、数字等につきましてはあとでまた申し上げる機会があるかと思います。  次に伺いますが、最近われわれも苦しんでおりますけれども、歩積み、両建てということをなくしていこうというお考えはけっこうなことで、ぜひやっていただきたいと思いますが、この結果中小企業金融機関における資金量の減少、そういう御心配はなすっていらっしゃいましょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 歩積み、両建てを排除したいということについては、強い決意をもってこれに対処いたしておるわけであります。  歩積み、両建てを解消していきますと中小企業向け資金が減るというような御発言であったようですが、第二の問題はどういう御発言ですか、ちょっと聞き取りかねたわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 中小企業金融をやっておるような、そういうところの資金量が減らないだろうかということでございます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 それは歩積み、両建てをやりますと、表向き資金は相当減ります。これは債務者預金というものが相当減ってまいりますから。しかし、これは同じことだと思います。歩積み、両建てをさせておって表向き非常に大きく貸しておるような形式をとっておるものと、歩積み、両建てをなくしまして実質的にまるまる貸し出しということは、事実その金融機関の問題としては何ら変わらないわけであります。ですから、歩積み、両建てを排除していけば少なくとも金利負担は非常に下がってくる、こういう見方をしておるわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 利子のこともございますから、当然私はそのことはしていただきたいと思いますけれども、大臣のおっしゃるのは、借りる量は少なくて済むからということでありましょうか。借りるのは少なくて済むから、したがって影響はない、こういうことだと思いますけれども、やはり貸す資金量というものは減るのではないでしょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 歩積み、両建てがなくなれば、いままでは百万円借りておるといっても事実は五十万円歩積み、両建てになっておりますから、自分の金に自分が利息を払っておるということでありますので、百万円借りておるけれども実質的には五十万円しか借りてないのだということになります。ですから、歩積み、両建てをなくしまして百万円借りられるということになれば、金利負担はうんと軽くなるわけであります。  しかし、金融機関そのものは、水ぶくれになっておる両建ての一方が落ちれば、当然絶対の資金量というものはきまったものでありますから、貯蓄増強ということに励むか、日銀その他からの借り入れの道を開くか、いずれかをしなければ絶対的には貸す量はふえないということは事実であります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私はその点を心配いたすのでございます。現在における中小企業者——私もその一人でありますが、毎日のように新聞に政府のいろいろな施策が出る、いろいろな施策が出てまいりますけれども、私どもは、これで中小企業がよくなるという実感を持ちません。常に銀行を指導されるというふうなことを言われるのでありますけれども、実際問題としてそのとおりに動いておりません。  それで、両建ての問題でございますけれども、大体銀行におきまして最近は両建てのことを言わなくなってきました。しかし、中小企業が借りられるワクがあるということは御承知だと思う。ワクというものは一体何できまっておるのかと申しますと、その銀行のその中小企業に対する信用もございましょう、どういう約手を持っていくかということもございましょう。大体におきまして、その銀行に幾らの預金があるかということが基礎になっている。御存じかと思いますが、現在われわれの経験によりますと、大体三分の一の預金がワクとして必要なんです。私の経験によりましても、銀行から約手の割引の量を増すために、自分たちでは増資ができないからといって、よその大企業に泣きついて銀行にそのまま預金をしてワクの拡大をはかったような経験がございます。ところが、相変わらずそういう三分の一程度というふうなワク、両建てとは言わなくても、そこに預金をしなければワクが拡大しない、こういうふうな状態でございます。これに対しまして、私は救済の方法がいまここにないと思いますけれども、大臣はどんなふうにお感じになり、そういう方法も救済ができるというふうにお感じになりますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私も中小企業出身者でありますから、あなたの言うことは非常によくわかります。確かにワクなどは絶対にない、こういうことを金融機関は言いますけれども、ワクはあります。これは資金量によって、相手の信用度によってワクをきめ、あんたのところはこのワクしかありません、こういうことを言っていることは、これは事実であります。なお、これを全部やめさせろということは、言い得てなかなかむずかしい、これはあなたの言うとおりであります。銀行はやはり私企業である。公共性を持ちながら私企業であるということでもって、銀行が集めた金は預金者に対しては絶対的に払い戻しに応じなければならないという、そういう一方で貸し付けて、その金利差によって銀行というものは成り立っておるのでありますから、債権確保をはかる。債権確保をはかるためにはどうしても担保の償却もすると同時に、全然政府関係機関ではありませんから、やはり信用度というものに対しては、長いことつき合っておる人にも貸せないのですから、新しくお貸しする方には、新しく預金してください、いずれにしても私の銀行と親類になってください。こういうことは、これはどこの銀行でも言うのです。ただ、それが度を越して、非常に、百万円を貸すのに百万円積まなければだめですよとか、百万円半年間積んでから、半年後になれば今度は貸せますとか、いろいろな行き過ぎた、不当なといわれるようなことがありますので、そういう問題はやはり何とか片づけなければいかぬということで、中小企業専門金融ということを考えついた。であります。その意味で、信用金庫、相互銀行等に対しては、中小企業のみに一〇〇%これを貸しつけるようにという制度を開いたわけでありますから、やはり中小企業というものの資金源をどうして確保するかという問題に対しては、相当積極的に対処しなければならぬと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ただいまそのことをお聞きしたのでございますけれども、資金源を確保するということをおっしゃいました。私はそのことを大臣からお聞きしたくていままで申し上げたのでございます。戦後間もなく、しばらくの間、中小企業金融、特にそういう専門機関に対しまして、政府の預託ということをなすっていた。それで、この両建ての解消ということにつきましては、順調にいけばいいのでございますけれども、どうしてもいろいろな点におきまして、資金源の減少ということをおそれてなかなかやらない面もあるのじゃないか、そういう面もありますので、政府の財政資金あるいは資金運用部資金、そういう面におきまして預託等のことをおやりになるお考えはございませんでしょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 確かに、かつて資金運用部資金を中小企業専門金融機関に預託したことがございますが、その後この問題に対してはいろいろ議論がありまして、これはやめにしたわけであります。しかし、これにかわるべき問題として一体何を考えているかということでありますが、財政資金をもっての買いオペレーションを考えておるわけであります。しかも、この三月等に行なう千億の問題につきましても、中小企業金融機関にいくことをひとつ幅を広げようというようなことを考えておりますので、いま資金運用部資金の余裕金の預託ということをやるよりも、やはり買いオペレーションの制度を相当拡充をしていくということが一番合理的じゃないかというふうに考えております。資金運用部資金の市中金融機関に対する預託という問題に対しては、理論的に非常に問題があります。前にやったんだからやればいいじゃないかという議論と同時に、非常にいろいろな問題がありますので、いまの状態では、過去にやった資金運用部資金の預託ということよりも、買いオペレーション制度を拡大するということを考えておるわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 買いオペレーションのことにつきましては、また後ほどお伺いいたします。  それから、もう一つお聞きいたします。長い間、私も十何年同じ銀行に取引いたしておりますが、現実の問題で申し上げて、はなはだ恐縮でございますが、三分の一程度の預金ということは、自分のワクを維持するためにはやむを得ないというお考えでございましょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 三分の一というのは多いと思います。私は先ほども申し上げましたが、せめて歩積み、両建てというのは総貸し出し残高の一割ということぐらいが一番合理的だというふうに考えておるのでありまして、三分の一、二分の一なければいけないというような考え方では中小企業は金融的に非常に困るという事実は、そのように理解します。

華山親義日本社会党

○華山分科員 大臣に申し上げますが、私の会社のことを申し上げて恐縮でございますけれども、私の会社はぼろ会社ではございません。中小企業でございますけれども、十何年間も同じ銀行と取引をいたしておりますけれども、大体三分の一でございますし、私の取引先その他も中小企業が多いのでございますが、やはり大体三分の一なんかはいいほうでございます。いま大臣からたいへんいいことをお聞きいたしました。私は、大臣がこう言ったなんということを銀行に言ったら、こっちがおこられますから決して言いませんけれども、ひとつそういうふうに大臣がお考えならば、そういう方面に十分の一程度に引き下げるということを強力にやっていただきたい。それは三分の一が現実でございます。むしろ商習慣ではないかと思うくらい現実でございます。十分に御認識を願いたい。  それから、約手のことでございますけれども、約手の現実はどうなっておるかということを、われわれの仲間、下請企業、そういう方面からいろいろ入りますので、また私の商売をやっている上で気がつくのでございますけれども、約手のことをお伺いいたします。これはあるいは通産関係かもしれませんけれども、大体約手を何カ月というふうなこともございます。それもございますけれども、約手というものをどれだけ大企業、親企業、一番もとの企業が発行するかということになりますと、そこに納めた品物の残高、その残高の何分の一、三分の一だったならばいいかもしれません。三分の一の毎月の残高によって払うというのが現実でございます。三分の一、そういうものを約手を切られたのでは、大体原料を買うことはできません。そういうふうな状態でございます。そういうことを私は考えるのでございますけれども、この問題につきまして、とにかく総理大臣は革命的なことだとおっしゃいましたからひとつお願いをするのでございますが、とにかくいまのところ銀行等に、あるいは大企業等に、通産省、大蔵省が号令をかけてもなかなかやらない。そういう状態でございますので、やはり政府は、ここでひとつどろをかぶらなければいけないと思う。  その意味におきまして、私はお願いするのでございますが、一部、二部に上場しているような大企業、そういう大企業の振り出したところの約手、そういうものによって納税、そういうふうなことが、私は地方税でもよろしゅうございますが、そういうふうなことを方法を考えてやっていただく。あるいはそれが少なくともすぐ納税にならなくとも、これをひとつ税務署なりあるいはそういうところに納めて、そしてその金の入るまで許してもらう。そういうことをひとつ国のほうでも、めんどうだと思いますけれども、ひとつどろをかぶって、おやりになってみたらいかがでございましょうか、お伺いいたしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 大企業の下請代金の支払いが相当延びておる、手形のサイトが非常に延びておるということは私も承知しております。現在これを個別に調査をいたしております。なお、政府も先般閣議で稲田通産大臣から発言がありまして、約二千社に対して中小企業庁長官通達を出しまして、下請代金支払い遅延防止法の解釈によって場合によっては立ち入り検査も行なう、こういうことをきめたわけでありますから、下請に対する代金も多少よくなるだろうというふうには期待できます。  また、三月危機につきましては、国税庁長官通達を出させまして、産炭地に行ないましたように、また昨年の十二月行ないましたように、徴収猶予というような問題も含めまして、あらゆる角度から中小企業の三月対策に対しては、税制上、徴税上も十分配慮ができるように措置をいたしておるわけであります。  何ぶんにも、中小企業というのは、ちょうど歩積み、両建てと同じことでありまして、私もあなたと同じように、長いことこの問題を研究したことがあります。そうすると、やはり壁にぶつかるのです。歩積み、両建てということでもって、こちらが盛んに実質金利を下げてやろうというような話をしていますと、金利よりもまず量だ、こういう話がすぐ出てくるのであります。中小企業もあんな悪らつな元請企業、親企業に対してはひとつボイコットしろというと、ボイコットしようとすると、そこに別な新しい中小企業が飛び込んでいって、わしは現在のままでもいい——これが中小企業の持つ弱さであります。これは中小企業基本法等によってだんだんと中小企業の団体化、組織化もはかられてきておりますので、政府もそういう実態を十分把握しながらこれに対処したいという考えであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私のお聞きしているのは、約手で納税させろということなんです。あるいはその約手というものを一つの保証にして、そうしてそれが入るまで納税を延期する。因っているとか困っていないとかということでなしに、約手というものを納税の一つの方法にとってもらいたい、こういうことでございます。これは、私は、単に号令をかけるということでなしに、政府がやはりこのときにどろをかぶらなければならぬ、そのことをお願いしているのでございますが、いかがでございますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私は徴税土のこまかい問題はわかりませんから、そういう問題に対してはあとで政府委員をして答弁させますが、確かに代金として決済され、そのバランスによってその年度の税がきめられるわけでありますから、納税のときにその約手の納税を認めろ、こういう御説であります。  いままで現金、それから有価証券等の代納は認めておるわけであります。約手というものと小切手というものとのその差はそうないわけでありますから、小切手は認めておって約手は認めないということは、約手が落ちるか落ちないかわからぬ、やはり約手のほうが小切手よりも案外不安定だというところにあるのでありましょう。同時に、約手の期日によって利息をどうするのかというような問題があるでありましょう。私もいろいろなことを研究しておったつもりでありますが、きょう初めてその御意見を伺いましたので、これが処置に対してはいま国税庁当局に答弁させることにいたします。  その答弁のいかんは別でありますが、この問題に対しては新しい問題として、とにかく研究しなければならぬ問題であることはわかります。  そこで、納税は現金をもって納税をしてもらうということでないと、国はその歳入確保ができない、こういうことで、いま主税、徴税の専門家と話をしたのですが、それは延納するときの担保として出してもらうというようなことはできますが、現金としてそういうことをやるということになると、六十日でいいのか、五十日でいいのか、しかも台風手形を出して、全部納税は手形でといったら、それはもう歳入ゼロになって、月給ももらえなくなりますよ、こういうことであります。私はいま突然聞きましたので、私も中小企業でなかなか苦労したこともありますから、それはやはり考えなくちゃいかぬなと思って、いま聞いてみましたら、とてもいまのところではむずかしいようであります。しかし、この議論は、私個人として検討いたします。しかし、これは理論としては全然だめです、こういうことを言っておりましたことを申し上げておきます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 理論としてはだめだとおっしゃるのですけれども、いまの法律とか何とか、そういうことにとらわれるからそうおっしゃるのだろうと思うのです。池田さんは革命的なことをやるとおっしゃった。  私は、約手で何でもいいと言うのではないのです。とにかく上場株になっているような大企業が振り出したところの約手、そういうものに限ってやってみたらどうか。それは融通手形のようなものまで出して、お互いに手形を出し合って、そうしてそれを税金にするというふうなことは困ります。しかし、大企業は一応信用できるので、大企業と中小企業の間に融通手形もないでしょうから、そんなことをやるのだったらたいへんな大企業になりますが、大企業の出したところの手形というものはきまっております。そういうふうな確実な手形でもありますから、そういうふうなものはひとつ何といいますか、税金として、あるいは落ちる日もございましょうから、その辺の日歩の関係もございましょう。いろいろなことがあると思いますが、ぜひひとつ、これは御考究を願いたいと思う。  それから、先ほど滞納の納税延期ですか、そういう場合に手形を保証にとるとおっしゃいましたけれども、その程度のものならばやれるじゃございませんか。そうして、よほどの場合でなければ延納ということは認められない。そういうことでなしに、とにかくいま中小企業は、大企業の先ほど申し上げましたように三分の一しか出さないというふうな状態でございますから、そういうふうな状態をほんとうに政府が救う気持ちになっていただきたい。こういう意味で私は申し上げておりますので、個人的とおっしゃいましたが、ほんとうに研究してくださいますか、どうですか。大蔵大臣、もう一度お願いしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 とにかく税金は現金で納めるということが原則でありますので、その問題で御質問でありますが、そうであれば、やはり下請代金は法律どおりやらせるというほうに力を入れたほうがよさそうに私はいま考えました。これはやはりなかなか、大企業といっても、大企業とは一体どういうふうに線を引いたものか、これは非常にむずかしい問題でありまして、ことばの上では言えますけれども、実際問題として考えると申し上げましたけれども、なかなかむずかしい問題のようであります。  まあ中小企業全般の問題として、いまの下請代金が六十日以上は利息を払えということになっておりながら、台風手形を出しておる。これは台風手形どころではない。造船の手形なんか二年間先払いであります。私もその事実はみな知っております。そういうことは、もう手形なのか契約書なのか、実際においてわからないのです。そういう事実にどう対処しなければならぬかということは、いま政府も真剣に取り組んでおるのでありますから、そういうことでひとつ御了解賜わりたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 よく御存じのようでございますが、真剣に取り組んでもだめだから——この問題は一体何年くらいになっているか、もうたびたびそういうことをわれわれ中小企業者が聞いてきたけれども、一つもよくならない。なかなか通産省も大蔵省もやっていらっしゃるようだけれども、私はできないと思う。それでどこかで踏み切って、そして約束手形というものの紙がどこの店でも買えるような制度がいけない。大体昔のように、銀行というものが約束手形の用紙を出して、そしてその引き受け銀行はその用紙の銀行だということによって、手形というものを信用づける、そういう経済社会ができなければいけないと思います。そのためにはやはりどこかで政府が踏み切って、そういうところで——この納税ということで私は問題が解決するとは思いませんけれども、そういう踏み切りがなく、指導とかなんとかということではだめなんじゃないかと思う。  それから一つ、中小企業の立場から申し上げておきますが、これは大蔵省の方々に聞いていただきたいのでございますけれども、大体金融の引き締め、それからそうでなくなる場合、こういうことがございますね。金融の引き締めのあるごとに、手形のサイトが延びる。そして金融がゆるんでも、決して大企業はこれを緩めることはしません。それですから、中小企業の最もおそろしいのは、金融引き締めになって金が借りられないということよりも、手形が延びる、金融引き締めがゆるんで手形のサイトが縮まるかと思えば、決して縮みません。そしてまた延びるわけですから、金融引き締めをたびたびやられるということは、サイトを延ばすばかりでございます。そういう点、これは言ってもしかたがない問題かもしれませんけれども、あまり金融引き締め、引き締めということを二、三年置きにぽつぽつやられることは中小企業のためになりませんので、お気をつけ願いたいと思うのです。  それから、一つ伺いますが、とにかく私は中小企業者の仲間が百人も二百人もおります。取引先で中小企業同士でもおりますし、大企業でもおりますが、きょうの話を中小企業者に話したならば、政府の施策というものは雲の上の施策であるというふうにみな感じておりますが、やはりそうだったのかと言ってがっかりする。新聞等に三段抜き、四段抜きに書かれたって何にもなりません、何にもこないのですから。そこでひとつ思い切ったこと、先ほど言ったとおり、オペレーションもいいですが、預託をしてみたらどうか。それから、納税をやってみたらどうか。とにかく直接中小企業者に役に立つようなことをお願いしたい。  それからもう一つ伺いますが、日本銀行の月報に日銀の勘定が出ておりますけれども、日銀勘定の資産の雑というところが非常に年々ふえてきている。これは買いオペレーション、売りオペレーションの関係かと思いますが、その内容はどういうふうになっておりますか、お聞きしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 政府委員をして、いま調査してお答えいたさせます。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 仰せのとおり、従来は雑勘定が非常に多かったのでございますが、オペレーション等により買い上げた債券の分を別建てにいたしまして、国債以外のその他債券勘定が、たとえばこれは二月の二十日現在でございますが、二千九百八十九億円というふうに計上されまして、雑勘定は従来よりも大幅に減り、百八十六億円になっております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 大臣でなくてもよろしゅうございますが、その中に政府保証債は幾ら入っておりますか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 ただいまはっきりした数字を持っておりませんが、政府保証債が買い入れのうちで一番大きな割合を占めておりますから、したがってこの中で占める割合もかなり高いものと思いますけれども、ほんとうの数字が幾らになっておるか、あとで調べて御報告申し上げます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 お調べになる際に、大体金融債、政府保証債、そういうものが、雑でございますから何も書いておりませんのでわかりませんけれども、分類をされまして、過去五カ年間ほどの、毎月といっても何でございますけれども、その部分だけが勘定の中でふえておりますので、研究をさせていただきたいので、資料をいただきたいと思います。  それでお聞きいたすのでございますけれども、政府のほうでは日銀引き受けの公債を出さない、これが健全財政だ、したがってインフレーションはないのだ、こういうふうなことが言われておるようでございます。政府保証債というものを大体金融機関が引き受けておると思いますが、それが買いオペレーションで出る、そのために日銀から金が出る、こういうふうなことになりますことは、結果において一つの日銀引き受けの公債発行のような形になりませんでしょうか。その点を伺いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 それは日銀が引き受けっぱなしというのではないのでありまして、金融の正常化をはかりながら、機に応じて買いオペレーションをやるわけでありますので、一時は確かに資金を金融機関に流しますけれども、これは時を見て間髪を入れず売り戻しをやっております。できるだけ日銀の手元はゼロに近いものにしておくということでありますから、これは日銀が原則的に引き受ける赤字公債というようなものでは全然ありません。

田澤吉郎自由民主党

○田澤主査代理 華山君に申し上げます。質疑時間が……

華山親義日本社会党

○華山分科員 それは大臣、違うように思うのです。ごらんになっていただきたいのですが、日銀勘定の雑の部分というものが——銀行に対する貸付は、そういうふうな面はほとんどふえておりません。それで雑の部分が非常なふえ方をしておるのです。日銀勘定をごらんになればわかります。いまここではそれを追及いたしませんが、私はそういう心配が大いにあると思います。なお私研究して、今後機会がございましたならばお聞きいたします。ひとつ資料を事務当局で出してもらいたい。それは驚くべき増加でございます。  それから一つ伺いますが、私長い間県の副知事をいたしておりましたので、関心を持つのでございます。先ほど預託ということをやらないとおっしゃいましたけれども、私、貧しい県でございましたが、県金庫で余っておる金はできるだけ庶民金融機関に預託して喜ばれてきた。県のやれることをどうして政府がやれないのか。弊害とおっしゃいますけれども、むしろコールとかああいうものを十分に取り締まって、その金が都会とか大企業に流れることを押えればいいのであって、私は預託の弊害なんということは考えられない。ぜひひとつそういう面につきまして——県がやって弊害のなかったことを、国がやってどこに弊害があるのか私は了解ができません。  もう一つ伺いますが、そのことにつきまして政府の施政方針演説の御答弁の中で、大臣は、今度の住民税の減税につきましてあとはどうするのかというふうな質問に対しまして、基準財政額の部分をこえて超過課税をしておるのだから、それが減っても何でもないのだ、そういうふうなお答えでございましたけれども、基準財政額で間に合わないから貧乏なところは増税をしている。何も好んで増税しているのではない。私は大蔵大臣、何か間違っているかどうか、あのときに非常にことばが少のうございましたので、この点につきましては私は地方行政委員会にも所属しておりますので聞きたいと思いますが、間違って考えておるといけませんので、ちょっとひとつ……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 超過税率を標準税率まで下げたいということで、二カ年間にわたって二分の一ずつ戻すということにしておるわけであります。もちろん私も、東京や大阪のように財源の豊かなところではなく、他に財源を求めることのできないような貧弱市町村がかかる苦肉の策をとっておるのだという事実は、十分承知をいたしております。その意味で、さなきだに生活の苦しい住民から特別の税金をとらなければいかぬ、それもその地域の開発のためにはやむを得ないということであっても、こういう不合理を是正したいということで、今度減税に踏み切ったわけであります。これは地方分権のたてまえ上から言いますと、当然地方が減税する場合には地方が負担をするということがあたりまえの議論ではありますが、そんなことで通らないということで、三分の二国が補てんをする、こういう処置をとったわけであります。それで、残余の三分の一につきましても起債でいくべきであるということでありましたけれども、基準財政需要額にこれを入れて交付税でもってやりたいというような自治省側の非常に強い意見もありまして、まあ、私は、そんなことをすると、あらゆる地方税の減税というものを全部めんどうを見なければならぬようなことになる、これはやはり少し無理なようであっても、正すべきものは正すことによって、地方分権の確立、地方財政の確立というものを真剣に取り組むべきだという議論をやったわけであります。最終的には政府としましては、交付税でもって残余の三分の一も見るということに決定をいたしまして、いま地方税の改正案をお出ししましたし、なおこの補てんに関する部分については、単独法をもちまして近く国会に御審議をお願いするということになったわけであります。

田澤吉郎自由民主党

○田澤主査代理 華山君、あと一問だけ……。

華山親義日本社会党

○華山分科員 これで終わります。大臣が御用事だそうですから、またの機会に御質問いたしますが、私は非常に中小企業の施策に対しまして不満でございます。私は中小企業の苦しみを大臣がなめられておられるということであれば、どうして先ほど申しましたような預託であるとか、あるいは納税の面とか、そういう面につきましてもっと御研究を願いたいのでございます。  なお、先ほどの最後のことでございますが、そういうことになっておるということは承知しておりますが、答弁の際に、激変を避けるためにやるのである、こういうふうなことで、地方のほうで負担するのがあたりまえだというふうな御答弁だったように聞いたので御質問申し上げたのでございますが、そういう意味じゃないのでございますね。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 表現の問題でもっていま御質問がございますが、しかし政府として、私の立場で申し上げるのは、やはり地方税の減税は地方税でもってやることが正しい。理論的にはそのように考えておりますけれども、しかしあなたも申されたとおり、やむにやまれずとっておる特別の財源でありますから、これをただ理屈一点張りでもって押していって地方財政というものは確立されるわけじゃないのでありますから、これに対しては国もできるだけの配慮をすべきであるという結論に達して措置をいたしたわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それでは終わります。     —————————————

田澤吉郎自由民主党

○田澤主査代理 次に、昭和三十九年度一般会計予算中国会所管を議題といたします。  質疑の通告がございます。これを許します。茜ケ久保重光君。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 時間もありませんので端的に、簡潔に質問しますので、ひとつ答弁も端的にお願いします。  先般当分科会で町原覚委員が事務総長に質問をしておりますが、その中で行政(二)職を撤廃すべきであると思うが、と事務総長の見解をただしております。それに対し事務総長は、自分としても行政。職は好ましくない、したがって、でき得るならばこれをなくしたほうがいいという御答弁でありました。私もかつて当分科会で何べんかこのことについて、前の事務総長の時代にも質問をし、要望をしたのでありますが、たびたびそういった質問が出、要望があり、しかも事務総長なり、あるいは庶務部長の答弁が同じように、好ましくない、何とかしたいという御答弁であるけれども、今日まで容易にそれができないということは、一番大きな原因はどこにあるのか、この点についてひとつ事務総長からお伺いいたします。

山崎高衆議院事務総長

○山崎事務総長 行(二)の撤廃ができない原因は何かということでございますが、先般の当分科会におきまして、私は、端的に、私の努力目標といいますか、そういうふうに努力したいということを申し上げたのであります。その気持ちは今後も変わらないのでございますけれども、何といっても、行(二)は政府関係職員が一般に使っているものでございまして、私は、国会については行(二)はなるべく少なくするか、あるいは、できれば最終的にはこれはなくすほうがいいのではないかというふうに考えておりますが、その辺につきましては、やはり政府職員との均衡があるかと思うのでございますが、大蔵省当局の理解を、もちろんその前提としては参議院とも十分相談をいたしまして、そうして大蔵省当局の理解を得たい、そのためには今後も努力したい、かように考えておるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 国会の中に、いわゆるあってはならぬ状態が存在することは、私は非常に不見識だと思います。もちろん一般政府職員との関連もありましょうし、あるいは大蔵商との問題もありましょうが、そういったことは、私は事務当局だけが折衝したり、あるいは心配するのでなくて、われわれ議会に席を有する、いわゆる最高機関と自負するこの院内でそういうことがあることに私は非常に不信を感じておるのです。また、私どもはこういった席で当局に質問したり、要望するだけでなくて、当然私どももこれの解決には責任があると思うのです。したがって、いままでの状態のように、ただ一分科会なり、あるいは議運の庶務小委員会等で質問とか要望だけで過ごすのではなくて、事務総長はひとつこの際思い切って、そういうお気持ちがあるならば、われわれに積極的な要請と協力をされて、これは当然私は早期に解決すべきだと思うのですよ。また、解決しなくちゃならぬと思うのです。いまお聞きしていると、専務総長は自分で責任を感じておられるのですが、私はやはり事務総長という一つの職責に対して言うことは酷であると思うのです。したがって、これは長い一つの歴史のことでありますから、くどく申しませんが、ひとつここで言っておきたいことは、これを契機に事務当局は検討されて、われわれもこの撤廃にはあらゆる協力をするし、そういった法制化を必要とするならば、法制化についても協力するのだから、ひとつ具体的にこういう方法でまず第一に、ほかにもありましょうけれども、国会内における行政。職をなくするということを、他の行政官庁に対して範を示すといった意味でも、私はやるべきだと思う。したがって、私どももこれは全面的な協力を惜しみませんから、早急にひとつそういった立案なり、考え方をまとめてもらいたいと思う。これは要望でございます。これに対して、そういったことがあなた方の現在の状態で可能であるかどうか、またそれをそういった方向へ持っていくお考えがあるかどうか、お伺いしたい。

山崎高衆議院事務総長

○山崎事務総長 ただいま御好意ある、御理解あるお話を承りまして、まことに厚く御礼申し上げるところであります。  先生も議運の委員でございますので、よく御承知と思いますが、この問題は庶務小委員会でも私に質問がございまして、やはり私もここで申し上げたと同じように、率直に自分の考えを申し上げておったわけでございまして、国会職員の給与につきましては、両院の議運でもって決定し、議長が定めるという法律の基礎がございますので、今後はひとつ私は私としても大いに努力したい、かように考えております。いろいろと予算の折衝に際しましては、何もかもすべて一ぺんにオーケーというわけにまいらぬ事情もございますので、今後とも努力を続けたい、かように考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 事務総長もお忙しいでしょうから、事務総長に関することを先にお聞きします。  続いて、去る二十日の当分科会の大蔵省所管の質問のようでございますが、わが党の田口誠治議員が人事院の給与局長に質問しております。その中で、こういうのがあります。国会職員は特別職であるから、一般の公務員の給与表とは別に、いわゆる国会職員としての給与表をつくるのが妥当と思うが、人事院はどう考えるか。こういう質問に対して、人事院の給与局長は、国会職員は特別職であるから、国会の衆参両院の御要望がそうであるならば、相談をしてもいい、話に乗ってもいいという趣旨の答弁がありました。私どもも従前からこれはときに触れ言っておったことでありますが、業種もそうであるし、いろいろな関係で一般の官庁の職員諸君とはかなり違うと思うのです。そこで私どもとしても、できるならば、先ほど言ったように、行政(二)の問題もありますけれども、一般の行政(一)に属する諸君の給与も国会のいわゆる特別な給与体系をつくってこれを施行したら最も望ましいと思うわけであります。しかしそれは人事院の関係でいままでできなかったのでありますが、いま調べてみますと、衛視の諸君とか速記の諸君は、国会だけの給与体系があるようでございますが、その他のいわゆる行政(一)(二)に属する諸君についても、このような処置ができるならば望ましいと思う。したがって、二十日の当分科会における田口議員の質問に対する人事院当局の答弁を見ますならば、国会側にその意思があるならば、人事院としてはこれに応ずる用意があるといったように解釈できる答弁があったのです。もし人事院側にそういう受け入れる用意がありますならば、国会としてはそのように国会の職員の給与体系を別につくってもいい、あるいはつくりたいという御意思があるかどうか、この辺をお聞きしたい。

山崎高衆議院事務総長

○山崎事務総長 国会職員につきまして全然別の給料表をつくるかどうかという御質問でございますが、帝国議会から国会になりましたときに、国会職員法をつくり、国会職員給与規程をつくる際に、われわれの給与体系をどうしようかということは、ずいぶん部内で検討したのでございます。たとえて言うと、会議運営職というようなものにして全然に別にするかどうか、それがいいか悪いかという点も、いろいろその当時研究したのでございますけれども、結局一般行政職の職員につきましては政府と同じにしよう——その当時はもちろん行(一)とか行(二)とか分かれていなかったわけでございますが、同じにしよう、それから警務課の諸君、議院警察職と速記者の諸君につきましては別にしよう、この三本立てでやったわけでございます。そこで、議院警察職につきましては、事務系統と全然違いますし、また政府の関係で言いますと、警察という特別な給料表があったものでありますから、対応するにかっこうなものがあったわけでございます。速記は、これは全然国会だけのものでございますので、これも全然別にしよう。その際に、やはり各職場のバランスの問題が出てまいったわけでございまして、三者の間においてバランスをとってつくったといういきさつがあるのでございますが、一般行政職につきまして、全然国会が別のものにしますと、過去の例を見ましてもわかりますように、ベースアップ等が何回もございまして、その基礎につきましては、相当多数のスタッフを擁して、一般国民の生計費なりあるいは物価指数なり、いろいろな点を勘案してやったような関係がありまして、そこでこれはスタッフの点からもむずかしい、また、その当時は官吏からすぐ移ったばかりでございますので、そういう身分関係の移動とか、政府職員との格づけのバランスというような点から見て、たとえば政府の省では局長を使っておっても、こちらは部長というような関係もございまして、そのとき俸給表の関係で格づけをつくるというような関係もございまして、結局政府職員のほうのをそのまま使ったほうがよかろうというようなわけでまいっておりまして、ただいま行(一)につきまして、しからばどうするかということでございますが、行(一)につきましては、いまにわかに国会だけ独自のものがいいとまで踏み切るところまでは、実は十分なる基礎的な確信というものがないのでございまして、もうちょっとこれは研究しなければいかぬと思っておるのでございますが、議院警察職並びに速記職につきましては、これはややいまの実態と俸給表自体がちょっとそぐわないという点が出てきたように見える点もありますので、目下鋭意検討している、こういうような状況でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 私どもは、これはもちろん検討を要しますが、一般官庁の職員と国会の職員との人事交流がかなりひんぱんに行なわれている実態がございますならば、あまり俸給表の独自のものをつくるのもいかがかと思いますが、おそらくいまの状態からいきますと、国会職員と一般官庁の職員との人事交流はほとんどないのではないか、特別な人は別として、そう思うのです。そうしますと、特別な給与体系をつくってもいいのではないかと思うのでありますが、その点はまた別な機会にといたしまして、もう一点事務総長にお伺いしておきたいのは、いまもおっしゃるように、行政(二)の撤廃には賛成だけれども、にわかにできない、これは私もわかります。したがって、私はいま赤坂の宿舎にお世話になっておりますが、あそこにめがねをかけた、かなり年配の女の方がいらっしゃるのですが、ちょっとこの間聞きましたら、二十年つとめておるそうです。現在お年は幾つか聞き忘れましたが、かなり年配と思います。まあ二万三、四千円もらっていらっしゃる。いつ見ても非常に陰ひなたのない働きをしていらっしゃって、私ども宿舎生活をするについて非常に気持ちのいい状態でおられる陰の仕事をしてもらっているのですが、こういう、いわゆる事務総長を頂点にして千人余りの職員がおるわけですが、事務総長が安心をして仕事ができるのも、そういった下積みの皆さん方がほんとうに骨身を惜しまず働くことでありますし、また、私どもが何の心配もなく国会の活動ができますのも、そういった人の陰の力が非常に大きいと思うのです。私は常日ごろそういった気持ちでおりますが、しかし、にもかかわらず、そういう人が非常に恵まれない状態であると思うのですね。それは、いま言うように、行政(二)といったようなことに格づけされて、二十年もつとめながら、仕事はあるいはお極所の掃除なり部屋の掃除でありますけれども、私は決して、それだから事務をとっている人よりも仕事が悪いとも思いませんし、大事でないともいえないと思う。むしろ私は、事務室のどこかでよたっている人たちよりも、もっと大事な人だと思うのです。ところが、いま言った行政(二)というところに抑えられてどうにもならぬという事態、これに対して私はやはり、先ほど言ったように、国会という場から見て、どうも納得がいかないのですね。そこで、行政(二)、の撤廃を主張するわけですが、しかしそれは現実の問題としてできないとなれば、何かこれを救済する方法はなかろうかと思っていろいろ検討したのでありますが、そこで出てまいりましたのは、等級であります。等級というのがありますが、行政口の人たちは、三等級とかいうのにまでしかできないで、現在二等、一等に上がっておられない。それは何かいわゆる格づけの基礎があるようですが、それはありましょうけれども、こういう点は、私は事務総長のいわゆる行政的な責任と手腕でできると思うのですよ。したがって、仕事はお便所の掃除やあるいは部屋の掃除だけれども、二十年ほんとうにすべてを打ち込んで国会のために尽くしていただいた、たとえ女の方でも、男もちろんでありますが、用務員さん、こういう人がいま直ちにその行政(二)から抜けられぬとするならば、この等級表のいわゆる展開によって、あるいはある程度そうした人たちに対する報いができる手があるという道を、私自身検討した。   〔田澤主査代理退席、主査着席〕 もちろん現状でいきますと問題もありましょうけれども、そこは私は先ほどから指摘するように、他の官庁と違って、国会という日本の国の台所をちゃんと握り、いろいろな法制をつくっていく場の一つとして、私は常に職員に対する処遇なりいろんな点は、人事院が国会の実態をまね、国会の職員のいろんなことが一般の公務員に及ぶくらいなプライドを持っていいと私は思うんですよ。そのほうが望ましいと思う。そういった意味で、いま直ちにこの行政(二)が撤廃できぬとするならば、行政(二)のままでもいいから、等級をひとつ、ぜひ格上げする対策を立て、いま用務員として長い間つとめていただいている方々、あるいは、運転手の諸君はかなり最近行政(一)にもなっておるようでありますが、やはり問題は私は、一番国会の最末端で苦労していただいている用務員さんと呼ばれる人たちだと思う。この日陰にあり、何らその将来に望みの持てない人たちに、そういった意味で希望と、自分たちの生活に対する何かの潤いを持たすことは、やはり私ども議員としての責任であり、国会としても当然なすべきことであると思いますが、ひとつこういう点について事務総長は、事務総長の行政的な力と、いわゆる責任者としての態度から、そういう方向へ持っていくだけの御熱意があるかどうか、お聞きしたいと思う。

山崎高衆議院事務総長

○山崎事務総長 ただいま職員に対しまして御理解あるお話を承りまして感謝にたえません。国会職員千七百人おりますが、明日の仕事に希望が持てるようにいたすことが私の責任であると考えておるところでございますけれども、今後ともなお努力したいと思うのでございます。ただいまお話しの、等級について、いわゆる昇格と申しますか、それによって解決したらどうかというお話でございまして、たいへんけっこうなお話でございますので、もちろんその方法も考えておりますが、予算的にはこの等級というものは定員がございまして、なかなかその定員以上にやるということができないというようなたてまえになっております。しかし、私どもといたしましてはその間の事情をよく知っておりますので、平素予算折衝におきまして、なるべくその等級をよけい取るということの努力をいたしておりますし、まあ行(二)がある以上は、なるべくその上のほうの等級のワクをよけい取る、それから予算の許す限りにおきましては、また初任級の是正というような点も考えまして、あるいは、ことに待遇の低い者につきまして、現在の世相から見て、なるべく財源の許す限りにおいて上げるというようなことも考えておりますが、しかし、ただい左の現状でもって決して満足しているものではございません。やはり今後とも十分努力いたしまして、何とかしてひとつ、少しでも職員の生活が楽になるように努力したい、かように考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 いろいろありますが、時間もありませんので、以上で事務総長に対する質問は一応終わりますが、ひとつ私どもも協力しますから、私が先ほど言ったように、国会職員のあり方が、これは内容、形式ともに一般の官庁の職員の範とするに足りるような状態に持っていくことが当然であるし、望ましいと思いますので、事務総長もぜひ——あなたも苦労人でございますし、よくわかっておるから、ただ単なる——私どももこの分科会で質問すればいいのじゃなくて、常住ともにするのでありますから、もちろん愛情と熱意をもってやらなくちゃなりませんし、それはもうやります。したがって、ひとつ事務総長も、国会の正常といった気持ちでぜひお願いしたいと思います。  続いて庶務部長にお伺いしますが、現在、衛視という職責にある人たちがかなり欠員があるという話を聞くのでありますが、常任者並びに臨時で幾人ぐらい欠員があるか、と同時に、その欠員の理由はどこにあると思われるか、この二点について伺います。

大久保孟衆議院参事(庶務部長)

○大久保参事 お答えいたします。  第一の点でございますが、現在常員で十名の欠員がございます。それから臨時衛視と申しますか、そのほうで現在二十二名ございますが、臨時衛視の点につきましては、近日中に三名ないし四名補充する予定でございます。したがって、臨時衛視の欠員は十七、八名になると存じております。  第二の点についてお答えいたします。なぜこう多いのかという点でございますが、これは衛視さんだけでなしに、まあ一般的な問題とも関連いたしますが、採用する際にもちろん選考試験その他ございますので、なかなかとれない面もございますが、一般的に申しまして非常に採用しにくい状態になっております。それは一般公務員全般の問題にもなろうと思いますが、やはり初任給その他の点についてもとりにくいという面が出てきているんじゃないかと私は考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 衛視のいわゆる常任で十名、臨時で二十二名という欠員は、これはやはり国会のいわゆる正常な運営と申しますか、特に議員諸君の身辺に対するような問題等も起こりやすいのでありまして、これは非常に憂うべきことだと思うのです。したがって、これらの早急な補充は、もちろんこれは緊急中の緊急でございますが、いま庶務部長のお答えのように、問題は給与だと思うのです。特にいわゆる臨時なんというと、これは非常に不安定な状態でありますから、臨時が三十人くらいの定員の中で二十二名欠員、これは過半数が欠員でございます。常用ですとまあどうにかということですが、そこでいま部長もおっしゃったように、給与の関係が非常に低いということだと思うのですが、幸いと申しますか、警察職は国会の特殊な給与体系でございますので、これは全般的な引き上げを検討すると同時に、初任給の引き上げが当面急務であります。私いろいろ検討した結果、表等も持っておりますが、この詳細は省きますけれども、いわゆる他の一般官庁と比して、高卒あるいは短大卒、大学卒という同じ学歴で、ほかの官庁への採用の初任給とはかなり開きがあるようです。こういう点にも問題があるので、これはぜひ初任給の引き上げをひとつ強く要望しておきます。と同時に、あらためて給与体系の検討もしたがいいと思うのです。これはひとつ要望をしておきます。  それからもう一つは、臨時職員の常用化、これは従前からたびたび指摘したことで、そのたびに常用化してきたわけですが、現在のいわゆる常用衛視並びに臨時衛視——現在、国会の通常会が百五十日でございますが、たいがい延長がございますし、あるいは臨時もあるので、年間を通じてほとんど国会は常時開会と同じような状態ですから、幾らかの経費の違いはあるけれども、いま言ったように、臨時職員の採用が非常に困難ということは、いわゆる安定しないということが大きな原因でしょうから、これを常用化することが当然問題だと思う。したがって、国会としては、われわれ身辺をあずかってもらうという立場からもこれは非常に大事でありますから、まず臨時職員を常用にすることのほうが緊急中の緊急と思うが、この点は庶務部長はどう考えておられるか。

大久保孟衆議院参事(庶務部長)

○大久保参事 お答えいたします。  臨時職員の常員化の点でございますが、これは三十七年度に、当時一般公務員の場合も同じですが、常員化いたしまして、現在ごくわずかな分について、国会要員と申しますか、開会中に採用しておるのがございます。ただこの問題は、やはり一般の役所と違いまして、国会の開会と閉会との間が非常に差が激しいと申しますか、多い点がございますので、ただ、給与でございますか、その点は一般の職員と同じような形で臨時のほうもとっていきたい、そういうように考えます。いま全部それをやめてしまうというのは、国会の特殊性にかんがみまして、ちょっとまだ検討を要するのじゃないかと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 それと同時に、これは少しこまかくなりますが、やはりお伺いしたいのは、何か衛視諸君の階級があるのですね。金筋の入った人がおりますが、階級があると思うのです。もちろん、金筋がふえたり階級が上がれば等級も上がるのでしょうが、中には、いわゆる金筋のふえないままで、一般の衛視として長く勤めておられる方もかなりあります。これはどういう都合で金筋がふえるのかどうかわかりませんが、金筋がふえなくとも、まじめに、しかも一番大事なところに、たとえばデモ等があった場合には一番先頭に飛び出してやらなくちゃならぬという状態の方たちがたくさんあるようでありますが、そういった人が一定のととろで押えられて、これでまいりますと、いわゆる四等級から三等級への移行が最近全然押えられておる。かつて昭和三十二年までは、何かいろんな問題があって、これがかなり四等級から三等級にいわゆる普通の衛視のままでなり得たのが、だんだんそれが既得権がとられて、最近ではほとんどそういうことができないという状態にあるようでありますが、こういう点は四角ばったことでなくて、いまもあなた方が非常に苦労しておるように、衛視の定員すら補充できないような現実でありますから、やはり現実に働いてもらっている人たちにより多く、より長くおつとめしていただくということが私は一番大事だと思うのです。それにはまあそれだけのことをしなくちゃならぬ。そうなりますと、階級が上がるか上がらぬかは別としても、現状のままでやはり俸給もかなり上がることが大事だ。私の調べたところによると、そのままで四等級におりますと、だんだんに年間の昇給率が下がってきて非常に因る。ところが、三等級に入りますと、同じ状態の中でも、年間の昇給が高い。これは私は大きな問題だと思うのです。そこで私は、事務当局の責任者はやはりそういう点をひとつ親心を持って考えて、できるだけ職員に有利な方向へ持っていくというためには、いま言ったように、具体的には、四等級のものをそのままでも三等級に繰り上げるということもやってもらいたいと思うのだが、いかがでございましょう。

大久保孟衆議院参事(庶務部長)

○大久保参事 お答えいたします。  四等級から三等級になる場合は、一応役付といいますか、班長ということになっておりますが、実際の運用面で、いま先先も御指摘になりましたように、四等級の衛視なら衛視のままで三等級にいくという道も運用上考えておりまして、いわゆる暫定三等級と申しますか、そういう面で運用させていただいておるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 ぜひそれは積極的にやっていただきたいと思う。と同時に、そのことは衛視の人員確保にもなるでしょうし、また衛視の諸君が、ある場合には危険を顧みずに職務に精励するということにもなりましょうから、ぜひお願いしたいと思います。  それから次に速記の点について一、二お伺いしたいと思うのですが、速記者というのは、職業としてはありますけれども、集団的にたくさん同じ場所に勤務するというのはおそらく国会だけだと思うのです。そういう意味で、速記者のためには特別な給与体系というものがあるようでございますが、これもいま指摘した衛視の諸君と同じように、現在、格づけと申しますか、何かの関係で長い間給与が頭打ちになってどうにもならぬという状態があるようであります。速記者諸君は、いま言ったように、他へ転職するとか、自分たちの行く先というものは特に限定されておりまして、自分で独立してやるか、あるいはまあ特殊なところに雇われるといたしましても、非常に行く先、転身先が限定されます。したがって、やはりどうしても国会にいることが一番望ましいし、また、そうせざるを得ないというような状態ですね。そうなりますと、かなり長い年月つとめていただいていることになるわけでありますが、一方においては、今度はいま言ったように格づけの関係で、ある程度ここにきて衛視と同じような状態が起こる。これに対して、いわゆる速記者の場合にも、特殊な、やはりいま言ったようなことを考えて、いわゆる普通の速記者であるという状態の中でもある程度の俸給のところまでいけるような道を講じなくちゃいかぬと思う。現在、調べてみると、かなり多くの人たちが頭打ちの状態で非常に苦労されておる。このことはやはり国会の職員としてはそう望ましくないと思うのです。したがって、衛視のときに触れたと同じような理由と状態から、速記者の給与についても、名前はわかりませんが、班長とか係長とかあるようですが、かつては、速記者であって、格はないけれども課長と同じような状態にある人たちがかなりあったらしいのですが、現在はそういうことはないということです。したがって、はっきりしたことを言えば、課長という職でないけれども、速記者という一つの仕事の中で課長と同じような俸給をとれるような状態に持っていくということが望ましいと思うのだが、遺憾ながら、現在はそれがないというところに問題があると思うのです。この点についても、先ほどの衛視の関係と同じように、事務当局は思い切ったそういったことをやられるだけの心がまえと意思があるかどうか、この辺をお答え願いたい。

大久保孟衆議院参事(庶務部長)

○大久保参事 お答えいたします。  速記職の給与についてでございますが、御承知のとおり、三等級までは、速記につきましては試験制度でやっておりまして、特殊な技術でございまして、一般の標準に比べますと非常に高いと思います。先生の御指摘の点は、一、二等級のことだと思います。一、二等級につきましては、予算上定数がございますので、その定数の改定に現在まで努力しているつもりでございますし、今回も努力いたしました。なお、その課長と同じ給与というのは、おそらく一等級の上のほうじゃないかと思いますが、その点につきましては、これは別な措置と申しますか、運用で行(一)の三等級のほうに、古いと申しますか、そういう方は行っていただいて、そういうことを運用の面ではかって、優遇といいますか、処遇の改善に当てているのが現状でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 こまかいことはまたあらためた機会に申しますけれども、一応庶務部長の答弁を誠意ある答弁と理解しておきますが、問題は、ここで答弁されましても、具体的に事実になってあらわれぬと、何にもならぬと思う。先ほども言ったように、事務総長を頂点に部長さんその他がおられますが、そういう管理職にある方々はいいとしても、いわゆる一般の職員の諸君、速記あるいは衛視、こういった人たちは、私は、このままでまいりますと、補充するのにかなり困難な状態も起こり得るのではないかと心配される。国会運営の重要なポイントを持っていらっしゃる方々でございますから、私は、これはやはり単なる機械的な格づけではなくて、思い切った処遇をして、そうして国会運営に支障のないようにしなくちゃならぬと思うのです。したがって、先ほども指摘したように、私どももこれはできるだけ協力しますから、事務当局は思い切った処置をして——こういったことが不満として残ると、やはりいろいろな場合に差しさわりがあります。したがって、私はいつも思うのに、一般の諸君は、自分の直接上司の諸君の監督と指揮のもとにありますけれども、国会職員の諸君は、いわゆる直接の上司の諸君のほかに、議員というまことにうるさいものがありますから、私はこれは気持ちの上では非常に苦しいものがあると思います。私どもはそれを意にしながら、できるだけ職員諸君には議員という立場で重荷にならないようにお互い心がけておりますが、ややもするとなかなかそうもいかぬ場合がある。したがって、国会職員は、先ほども言ったようにいろいろな意味で一般職員とは違う点があるから、その点は遠慮しないで、国会職員の特殊な立場から、要求するものは要求し、これに対する処遇はしなければならぬと思う。これに対して、ぜひいま言った特別な給与体系を持っている衛視並びに速記者に対して特別な御配慮を願いたい。  そこで、速記者についてもう一つ伺いますが、最近、速記者養成所の生徒が以前と違ってかなり志願者が少ないかのように聞くのでございますが、これはやはりいま言ったように、速記者としての将来性、いわゆる国会という特殊な場はありますけれども、他に転ずるという場合に範囲が非常に狭いということもございましょうし、もちろん、ほかにいい職があることも問題でございましょうが、やはり何と言ってもこの速記者としての恵まれざる状態が原因だと思うのですが、最近の速記者養成所に対する志願者の減った原因あるいは現実の状態と、あるいは生徒に対する手当等の増額その他については何もお考えないかどうか。

大久保孟衆議院参事(庶務部長)

○大久保参事 お答えいたします。  最近速記者養成所に志願する者が減ってきたではないか、またその理由はどこにあるのかというお話でございますが、ことしは約百二十名の応募者がありました。ただ、最近女子が多くなっております。その点につきまして、いま速記者養成所の生徒には手当がついておりますが、それが少ないんじゃないかというお話でございます。研修科で四千五百円ですか、出ておりまして、一般の養成機関から見まして、現在のそれが極端に少ないとはちょっと考えられない点がございますが、なお十分に検討さしていただきたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 だいぶ時間が長くなりましたから、そろそろ結論にまいります。  次に図書館のほうに伺います。大体図書館も衆参両院と同じことだと思うのでありますが、私の調査したところによりますと、図書館関係はまたさらに衆参両院とはいろいろな点で格差があるようでございます。これは先般の図書館小委員会でもちょっと触れたのでございますが、あのときに触れ得なかった点について一、二端的にお伺いいたします。  その一つは、図書館に監視という職がございますね。衆議院にもございます。第二議員会館とか第三議員会館には、これは監視という職種はないのですが、監視ということばで呼ばれている人たちがおるようです。これは全部行政(一)になっておるようでございます。ところが、同じような仕事をしている図書館の監視は依然として行政(二)である。同じいわゆる国会の中で、衆議院の監視的な職務をしている者は行政(一)であって、図書館の監視業務をしている者は行政(二)、こういうふうになっておるのですが、これはどこに原因があるか。同じ国会職員でありながら、国会図書館の職員は、いわゆる衆参両院の職員に比していろいろな意味で冷遇されている観がある。これは図書館長や副館長の責任ではないと思うけれども、これはやはり御承知のように不合理であって、善処されなければならぬと思うのですが、これについてももちろんいろいろ問題があると思いますけれども、とりあえず監視の行政(二)が行政(一)にできぬものかどうか、この点お伺いいたします。

岡部史郎国立国会図書館副館長

○岡部国立国会図書館副館長 御指摘のとおり、国立国会図書館には監視という職に三十一人おりますが、これは行(二)となっております。これが行(一)とならない理由、特に衆参両院の衛視と根本的な取り扱いを異にする理由は、衆参両院の衛視は議院警察権の執行に当たる、しかるに図書館の監視は、何ら警察権に触れないで、もっぱら図書館の出入の取り締まりに当たる、こういう点に職務上の違いがある。そこからきているものと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 いわゆる国会議員に関するものと一般ということでありますが、仕事の内容は私はそう変わりはないと思う。したがって、私に言わせると、これはやはり当然行政(一)にすべきであると思うのだが、そういう行政(一)にするための努力をされたことがあるかどうか、また、いままでなかったとすれば、今後いわゆる衆参両院のように行政(一)に移行させる努力をされる意思があるかどうか。

岡部史郎国立国会図書館副館長

○岡部国立国会図書館副館長 先ほど申しましたとおり、議院警察権の執行に当たるかどうかということが、現在のところ、行(一)と行(二)の制度上の基本的な理由だと存じますが、それとは別問題といたしまして、監視の職の中におきましても、ことに図書館の監視につきましては、議員さんはじめ図書館を利用する閲覧者にいろいろ知的な御援助もいたすというような点がございますので、行(一)のほうに入れたほうがふさわしいと考えまして、ここ数年来努力しております。昨三十八年度においては行(一)のほうに五人入れましたし、明年度におきましても監視の中から行(一)のほうに一人繰り入れる予定でございます。そういうように予算上お願いしているわけでございまして、従来とも、行(一)行(二)という制度があります限りは、若干困難、矛盾もありますけれども、実際問題として行。という職があります限りは、監視もできるだけ行(一)のほうに入れたい、今後も努力いたしたいと思いますので、その点御了承いただきたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 まあ努力のあともわかりますし、なかなか困難かとも思いますが、しかし、先ほどからたびたび指摘しますように、そういったものを国会関係の中から打開する努力と実績が出なければ、なかなか現在の日本の官僚機構の中では容易でないと思うのですが、いわゆる議員の協力があれば、私は可能でないとは言えないと思うのです。いままでは私どもにも責任がある。というのは、いわゆる事務当局にまかせっぱなしで、こういう分科会なりで短い時間で質問したり要望しっぱなしであったところに問題があると思うのです。幸い私は議運に入っておりますので、今後これを議運でたびたび指摘して、ぜひ前進する形で解決したいと思うのです。  最後にもう一点、図書館のことでお伺いしたい。待遇格差がいろいろな面で出ていることは指摘しましたが、たとえば、まかない雑費とか国会手当とか、あるいは一人当たりの超勤とか、そういった面を調べてみますと、図書館と衆参両院では非常な格差があるのです。まあ仕事の内容その他が違うといえばそれまででございますが、しかし、同じく国会職員という立場である場合、たまたま図書館に勤務するか衆議院に勤務するか、これは本人の責任ではないと思うのです。そこで、同じ国会職員という形では、やはり待遇は諸雑費等においても当然同じであるべきだと思うのだが、現実にはかなりの格差がある。おそらく図書館当局はこの格差是正にはいままでも努力されておるし、今後も努力されると思うが、この大きな格差がある原因はどこにあるか、原因がわかれば、これを解決する道もあると思うので、この原因をお伺いしたい。また今後のことについても触れていただきたいと思う。

岡部史郎国立国会図書館副館長

○岡部国立国会図書館副館長 ただいまたいへん私どもにとってありがたい問題を御指摘いただきましたので、率直にお答えを申し上げたいと思います。  第一点は超過勤務の問題でございます。超過勤務は、それが待遇に直接つながる、こう解釈してはいけない問題だと思います。しかし、現実の問題といたしまして、超過勤務手当が多いということは、仕事がやりやすいこと当然でございますので、申し上げますと、現在のところ、国立国会図書館の職員には、新年度の予算においては一律年間二百二十一時間の超勤がつくことになっております。これはいろいろ諸先生のたいへんな御協力、お力添えによりましてここまでまいったわけでございまして、いままでは二百十六時間でございました。それから、一昨年は百九十二時間でございました。超勤が年々ふえております。私ども、ますます超勤をふやしたいと思いますが、単にふやすのじゃなしに、図書館の勤務体制を、まず国会議員に第一に奉仕するという勤務体制を強化いたしまして、事務局と同じような勤務体制をとることによりまして事務局と同じような超勤が必要だということに持っていきたい、こう考えております。したがいまして、図書館の勤務体制が、まず国会の図書館といたしまして国会議員に奉仕する体制が事務局と全く同じになりますならば、私は事務局と同じ超勤をぜひひとつ実現いたしたいと考えておりますので、その点よろしくお願いいたしたいと思います。  第二点は、国会特別手当でございます。この国会特別手当と申しますのは、これも申すまでもなく、国会開会中勤務が強度である場合においては特にこれを出すということになっておりまして、衆参両院の事務局の職員に対しましては一月分の給与の五割出ることになっております。それに対しまして、図書館の職員に対しましてはその半分の二割五分しか出ない、こういうことになっております。その差がどこにあるかと申しますと、これもやはり長い間の伝統でございまして、結局、図書館の職員が事務局の職員と同じ国会奉仕の体制がとれていないというところに原因が根本的にあるのじゃないかと考えます。私ども年来、もっと勤務体制を強化すると同時に、国会特別手当も増額してまいりたい、こう考えまして、実はこの二割五分も、二割から二割五分へ三十八年度において実現したような次第でありますので、これも今後ふやしていきたいと思っております。  それからもう一つ、まかない雑費、これも特に国会特別手当を出すものに対してまかない雑費が出ているわけなんでございます。これも従来、その勤務体制やらいろいろな関係で、昨年すなわち三十七年度までは予算上認められてなかったのでございます。これも議運の諸先生はじめ、たいへん皆さまの一お力添えによりまして、三十八年度から初めて予算上立目されたという状態でございます。その額におきまして、衆参両院が三千円に対しまして図書館は千五百円やっとついた、こういうような状態でございますので、これも私ども、ただ単にまかない雑費がふえればいいというのじゃなしに、勤務体制を充実すると同時にこのようなものをふやしていきたい、こう考えておりますし、今後も最善の努力をいたしたいと思いますので、何とぞよろしくひとつ御協力をお願いしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保分科員 いろいろと聞きたいこと、要望がありますけれども、時間もきましたので、一応これで質問を終わります。  先ほどからたびたび指摘しますように、国会という特殊な環境にある職場の人たちの精神面、あるいはいろいろな面を勘案されまして、ひとつ国会事務当局も十二分にその点を勘案されて、こういった問題の解決に努力してもらいたいし、また議員の側としても、これは私どもは、自分たちの歳費が上がるだけではなくて、やはり私どものそういった状態が上がることは、したがって同じところで働いている、しかも私どもの下積みの仕事をしてもらっている方々の状態がよくならなければ、まことに不愉快でございます。したがって、私どももできるだけの協力を惜しみませんから、ぜひひとつ、ただ単に答弁でなくて、真からそういった気持ちから努力されることを要望して、質問を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 以上をもちまして国会所管に対する質疑は終了いたしました。  明二十六日は午前十時より開会し、大蔵省所管について質疑を行ないます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十五分散会

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