予算委員会 第8号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/02/05
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和三十九年度一般会計予算、昭和三十九年度特別会計予算、昭和三十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。 川俣清音君。
○川俣委員 途中交通事故のためにおくれて、まことに申しわけないと存じます。 私は、ここに質問するにあたりまして、第一に、政府の答弁が非常に無責任で、あやまちを起こすような思いつきの答弁がありまするので、厳に慎んでいただきたいと思うのであります。それは、一昨日のわが党の石田委員の質問中、固定資産税の再評価問題の答弁中に、農地の再評価は行なわないような答弁があったわけでありますが、あるいは農地の再評価によって固定資産税が引き上げられないような答弁でございましたが、その際の農地とはどんな定義を持っておるのか、どんな定義をもって説明されたのか、ここに明らかにしていただきたいと思うのであります。池田総理も農地のことばをお使いになっておりますが、農地の範囲はどうお考えになっておられるのかを明らかにしてほしいと思います。一体どんな土地を農地と呼称されたのか、この際自治大臣並びに総理大臣の御答弁を願いたいと思います。その後に農地の所管大臣である赤城農林大臣に農地の定義をひとつ御説明願いたいし、大蔵大臣にも、固定資産税に関係することでありまするから、農地とはどういうお考え方をしておられるのか、この際明らかにしてほしいと思うのであります。
○早川国務大臣 お答えいたします。 この固定資産税を三十八年度に据え置くという意味の農地は、現に農耕の用に供している田及び畑をいい、宅地転用の許可を受けた田及び畑等は含めておりません。
○池田国務大臣 自治大臣がお答えしたとおりでございます。
○赤城国務大臣 農地の定義につきましては、このたびの固定資産税の評価にあたりましても、従来と変わりありません。すなわち、耕作の目的に供される土地を農地ということにいたしております。
○川俣委員 農地なる表現については、判例も幾つもあるのでありまして、それほど農地の範囲については問題の多い法律用語でございます。法律用語としては、「農地とは、耕作の目的に供される土地をいい、」、これは農地法並びに土地改良法に表現されておるところでございますが、法令用語としては、あるいは農業用語としては、肥培管理が行なわれておる土地をいうというのが農業用語であります。「主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものを」採草放牧地といい、農用地とみなされておるのであります。これも農用地となっております。したがって、苗圃も農地、竹林地、竹を植えてあるところの竹林地、あるいはキリ畑、あるいはため池、または農業用付属農地として井ぜきあるいは牧野を農業用地とみなされる規定があるのでありまして、判例もあるわけであります。あるいは苗圃はもちろんでありますが、茶畑も農地として判例を見ておるわけであります。まあ畑ですから、茶畑は入るのでしょう。あるいは原野であってコンニャク地も農地の判例の中に入る。これは大審院の判例の中にある。訴訟になりまして、農地とみなして、解放の場合に農地とみなされておったわけであります。 こういうように、農地の範囲が非常に複雑であると同時に、適用いかんによりましては、単に農地は引き上げないのだと称されましても、その範囲がどこであるかということが非常に明瞭でないわけであります。したがって、この用語につきましては、将来誤解を招くおそれがありますので、十分注意をしてお使い願いたい。そうでないと問題をあとにまた残すことになると思います。あるいは農業用道路まで付届農地として適用を受けておる。あるいは地目が宅地でありましても、宅地の中の一部を肥培管理しておった場合は農地とみなして、農地法の適用を受けた例もあるわけであります。したがって、法律用語としては、たとえば休閑地であろうとも、その地目が田畑になっておりませんでも、あるいは宅地、山林、原野でありましても農地とみなされる場合もありますし、土地台帳または不動産登記法による地目は必ずしもそのとおり見なされない、不動産登記法による田畑でありましても、必ずしもこれは農地とは見ない場合もあるわけでありまして、何によって一体農地と判定するかということになりますと、従来の先例やあるいはこういう用語例に基づいて説明されなければならないと思うのであります。以上のような状態ですから、答弁にあたりましても、さらに誤解を生むような答弁は厳に控えてほしいというわけでございます。 第二には、この際質問の前に予算委員会のあり方について総理大臣にひとつ御答弁を願いたいと思うのです。 本来、予算委員会のあり方につきましては、国民の血税である国の予算をどう国民経済に寄与させるために民主的に運営していくかということが問題でありまするだけに、この委員会を通じて国民に予算のあり方を説明し、その予算によって経済的に与える影響をつまびらかにすることがこの委員会の目的であろうと存じます。したがいまして、従来の先例もありますように、修正をも行なわれた予算審議があったわけであります。私はあえてこの際修正の問題を取り上げるわけではございませんけれども、与党も野党も真剣に予算に取り組みまして、本来の予算のあり方について十分審議すべきものであると思うのであります。ただ早く行政府でつくられた政府原案を通せばいいという無責任な態度であってはならないと思うのでありますが、この際総理大臣の所見を明らかにしておいてほしいと思うのであります。
○池田国務大臣 お説のとおりでございまして、予算案を中心とし、一般施政に関しまして十分論議を尽くし、ただすべきはただし、そして改むべきは改める、しかし、改める要のないときには原案でひとつお願いいたしたい、こういうことでございます。
○川俣委員 予算の編成にあたりまして、とかく世の中の批判を仰いでおるわけであります。国会の表の舞台で十分審議されずに、与党という、責任を持っておるとはいいながら、舞台裏で予算の編成が行なわれ、しかも、それが国民の目から隠されるばかりでなくして、予算編成にあたりましても、自民党としてよりも、自民党の派閥のなごりをとどめておるような予算編成が行なわれたことを、国民はひとしくひんしゅくの眼をもって見ておるようでございます。たとえば、公共投資あるいは社会資本としての道路予算が増強されるというと某派の勢力拡大に利用されるおそれあるからということで、この予算について批判を加えたり、あるいは、国鉄の予算がふえると某派の勢力が拡大するから、なるべくふえないことを期待するような動きがあったと一部の人々は批判をいたしております。あるいは、旧地主補償の問題につきましても、自民党の中にも、あるいは某派の者だけが運動費を独占したのであるからわれわれはそれに関知しないというようなことが公然と行なわれたり、熱心にやっているものは某派だけだというような批判が起こっております。こうしたことは池田総理大臣として十分監視をしなければならないだけに、予算審議にあたりましても、こういう公然な場所でそういう主張がされて、そうした、いわゆる派閥を解消したにかかわらずなお派閥のなごりを残すような、派閥の体臭が残存しているような印象を与えることを差し控えるためにも、やはり公の場で十分論議されなければならぬと思う。大蔵大臣はそういうことがないというような様子を表現されておられますけれども、しかし、国民の血税であるだけに明瞭でなければならない。大臣の信念はどうであろうと、大蔵大臣の信念はどうであろうと、総理大臣の信念がどうであろうとも、そうした疑惑を一掃するためにも、公然な場所で十分審議されなければならないと、あえて私は主張するわけでございます。これは答弁を要しません。 次にお尋ねをしたいのは、まず第一に企画庁長官と総理大臣にお尋ねいたしたいのですが、物価の値上がりを押えるために公共料金を一年間据え置くということでございます。けっこうなことだと存じます。一体、なぜ一年と言われるのかどうか、これがわからないのです。中には、皮肉を言う人は、まことに私は皮肉だと思うが、あれは一年ではなくてことしの七月までのことであろうなどという批評をする人もございます。私はあえてこれはとらざるところでございますが、一体、一年と言われるのは十カ月であるのか、十二カ月であるのか、十三カ月を限って公共料金は引き上げない、値上げを認めないという意味なのか。一年という意味は、ほんとうに一体十二カ月を意味するのか、もう少し長い期間物価を抑制しなければならないために公共料金を引き上げないというのか、引き上げを認めないというのか、この点があいまいなようでございます。政府はあいまいでないかもしれないけれども、受け取るほうが疑惑を持って見ております。公共料金の範囲、また、いつまで公共料金を上げないのか、あるいは、公共料金とはいうものの、公共料金につきましてもいろいろ解釈があるでありましょう。公共的性質を持っておるものは、しかも物価の値上がりのムードを助長するような公共料金は据え置くという意味であろうと善意に解釈いたしますが、総理の御見解を承りたいと存じます。
○池田国務大臣 公共料金につきましては、企画庁長官から詳しくお答えさせますが、一般公共料金と言われておるもの、また、政府の規制し得るもの、こういうふうに考えております。そして、もともとこれは経済原則には沿わない非常手段というべきものでございます。それで、ちょうど十二カ月と、こういう限定すべき筋合いのものじゃないと思います。大体一年間、大体十二カ月、こうお考えいただければいいと思います。これはあくまでやはり値上がりムードを一時的に押える非常手段でございます。まあこれに関係しておる業者につきましてはまことにお気の議でございますが、物価安定という大局的見地からひとつがまん願いたい、こう考えております。
○宮澤国務大臣 昨年、総理大臣の所信表明におきまして、消費者物価の動きを二両年のうちにまず正常なものにしていきたいということを申し上げたわけでございます。昨年の十月ごろから、多少いろいろな条件が手伝いまして、消費者物価が弱含みになりつつございます。ただいまもそういう状況にあるわけでございますが、昭和三十九年度におきまして、私ども、今年の三月と明年の三月と対比いたしまして、年度間の消費者物価の上がりを大体三%ぐらいに押えたい、こういうふうに考えております。そこで、そのためにいろいろな政治的な努力をそこに結集いたしておるわけでございますが、ただいまのような、幸いに環境も多少整ってまいったと思いますので、さらにその上に、政府として、公共料金及び政府の規制し得る価格について、ともかく一定期間据え置きをやってみよう、こういう考え方から施策が出ておるわけでございます。一年と申しましたのは、特段に一年ということに意味があるわけではございませんが、たまたまそういう環境でもあり、また、そういう政治的な決心もいたしておりますので、今年一ぱいはともかくそういう措置もやってみたい。先ほど総理大臣が答弁をされましたように、純粋な経済法則から考えれば、これはずいぶん無理なやり方でございます。各方面に犠牲もしいるやり方でございますが、ともかく一年間やってみよう、こういう考え方でございます。
○川俣委員 公共料金であるかないか、そういう議論は別にいたしまして、政府の管理下にある料金は、特に物価を引き上げる要因をなすようなものは極力抑えていこうという意味の公共料金の値上がりを一年間阻止する、こういうことだろうと思います。 そこで、消費者米価などは、公共料金であるかないかなどという議論は別にいたしまして、消費者米価は引き上げられるのではないかという不安が国民の国に起こっております。というのは、一つは需給が逼迫をいたしておりまするし、また、その他小麦粉の不足あるいはうどん、パンの値上がり傾向などからいたしまして、日本の国民の主食である米麦もまた引き上げられるのではないかという不安を持っておりますが、公共料金よりももっと他の物価を引き上げる要因となるおそれのある米麦の消費価格の引き上げについては、政府はどのような見解を持っておられますか、この際明らかにしてほしいと思うのであります。
○宮澤国務大臣 その点につきましては、過日この委員会で、農林大臣から年内消費者米価を動かす意思はないという言明をしておられますとおりだと思います。
○赤城国務大臣 ただいま答弁したとおりでございます。
○川俣委員 いずれも自信のない答弁のようでございまして、ことばではなしに、消費者米価が引き上げられるのではないか、あるいは配給量が減らされるのではないかという点について、現に、引き上げないという御答弁でございますけれども、結果的には現在はどうですか。徳用米などはやめております。やめたということは、安い徳用米をやめておるのですから、実際的には値上がりの傾向をあらわしておるのだと思います。もう一つは、政府は、米麦等はもちろんのこと、公共料金に近い管理料金などは極力押えていこうといういまの説明でございますが、大蔵大臣並びに総理はどうお考えになっておりまか。固定資産税が引き上げられまするならば、すなわち、土地の評価を高く見積もって課税いたしますならば、当然地代、家賃に響いてくること、これは明らかでございましょう。すでに、団地におきましても、私有団地におきましては、固定資産税が引きしげられまするならば、増徴されまするならば家賃を上げてもらわなければならないという折衝がたな子との間にもう起きております。私も昨日そういう相談を受けた。こういうことは、固定資産税を評価がえをすることは税金の公平取り立ての上からも必要だ、あるいは土地の値上がりに基づく当然な処置だと説明されまするものの、公共料金に匹敵するような、あるいは公共料金をみずから引き上げるようなことになるのではないか。そういう影響を無視してもなお固定資産税の評価がえをしなければならないのかどうか、大蔵大臣にお尋ねをしたいと思う。一体どっちのねらいがほんとうなのか。物価をまず引き上げないために全力を注ぐのか、税の公平な配分の上から、物価を引き上げてもなおこれを実施しなければならない、そういう決意でやっておられるのか。明らかに家賃、地代等が上がることは想定されておると思う。国民不安を助長する値上がりムードに拍車をかけることになると思うのですが、大蔵大臣はどのような見解を持っておられますか。並びに総理の見解をもあわせて御説明願いたいと存じます。
○田中国務大臣 固定資産税の評価がえの問題は、あなたがいま申されたとおり、税負担の公平、あまりにもその差が大きいということで、いつの日にかやらなければならない、こういうことで、長い時間をかけて検討してまいりましたものがちょうど今年度に当たりますが、しかし、政府は急激な評価がえを行なうということの弊害を十分考えまして、総ワクにおいて増収にならないようにという各般の配慮をいたしておるわけであります。一部において、あなたがいま言われたとおり、もうすでに上がらないうらから、農地から転用されて住宅地になった新開地等は、相当程度上がるであろうということで問題になっているところもあるようで、上がれば当然家賃にはね返るという面もあると思います。しかし、御承知のとおり、住宅政策を強力に進めておりますので、年々公営及び民間の自力によって建てられる住宅も急速に戸数を増しておるのでありますから、これらができるだけバランスをとるように、固定資産税の評価がえによって一部税額が高くなっても、それが直ちに家賃に及ぶということのないように十分な配慮をしてもらいたいというふうに考えておりまして、自治省当局とも、また地方公共団体との間にも、それらの問題をひとつ検討すべきだと思います。これは、もう一言申し上げますと、税額が上がればすぐ家賃にはね返るということは、極端な家主根性だと思います。固定資産税の率というものが、たしか千分の幾つだと思いますが、これらが上がることによってすぐ家賃を引き上げなければならないというほどの影響は、事実はないというふうに考えます。
○池田国務大臣 固定資産税の評価がえは、やはりお話にもありましたように、負担の適正を期するということが主でございます。これは上げることを主たる目的としておるのではございません。公正にするということでございます。したがいまして、評価がえをするとすぐ上がるかという問題でございます。時価主義によるから上がるたてまえでございますが、先ほど来問題になっておるように、農地は上げないことにいたします。宅地にしましても、ある程度の制限を受ける。いまの家賃の問題でございますが、静からある家につきましては、古くなるのですから、だんだん償却していくということから言うと、これは安くなるのが一応は自然の数でございます。そこで、自治省のほうも、家屋につきましてはある程度安くなるだろう、全体といたしましては、新規の自然増がございますから、その程度のものはふえるかもわからぬが、在来の分では上げないという方針をとっておるようでございます。だから、評価がえによって直ちに全部が上がるのだという結論にはならない。古い家は下がってくるということもあり得ましょう。その下がり方と宅地の上がり方とのバランスの問題でございますが、私は、相対的には負担の増を急激に起こすようなことはしないというたてまえでいけば、お話のように、家賃が当然上がってきて、そうして大家さんとたな子さんの間の問題が起こるというほどには考えていない。そういうことのないようにやはり調整していくことを考えております。
○川俣委員 地代、家賃にはね返るおそれはないのかという質問でございます。したがいまして、はね返るおそれがないというならば、その対策が当然講ぜられておらなければならないであろう。地代、家賃直上がりを起こすならば、引き上げを起こすならば、おそろしい社会不安が起こると同時に、物価値上げのムードを助長するおそれがあるのではないか、こういうことですから、計算上は上がらないのだ、経済上は上がらないのだという説明をされましても、一体ほんとうに上がらないような施策を政府は考えておるのかどうかということが一番問題だと思うのです。上げないような施策があってほんとうに上がらなければ、これは議論の余地がないのであります。いかに説明されても、説明の裏をかいてすぐ地代、家賃が上がるようでは、ここの答弁は空論になってしまうのであります。この点について、その施策があるのかないのか、どういう対策をもってたな子やあるいは一般物価に及ぼさないように企画庁は考えておられるのかどうか。さっきから考えておるという説明ですが、自治省などはあまり考えているようなかっこうがないのですな。地方税についてはおれのほうだけれども、物価などはおれのほうじゃないという考え方が強いようでありますから、企画庁はどういう対策を考えておられるのか、大蔵省は引き上げられないような処置をどう講じておられるのか、この際明らかにしておいていただきたい。
○田中国務大臣 ただいまの御発言がありましたから、自治省当局も十分家賃等の値上げにならないように配慮すると思います。御承知のとおり、固定資産税は千分の十四でありますから、百万円基準にして考えましても二万四千円、その最も上がるものでも最高二割以内に押えるということでありますから、年額に対して最高に押えても二千八百円ということでありますので、一カ月にすれば二百五十円ということでありますから、基準を百万円に押えるものとすると、逆算してみれば坪数も出ると思いますが、このような状態で調整をされることが家賃、地代に響くということは、これはもう全く籍口をして値上げをするということであって、今度の固定資産税の調整によって家賃、地代等に響くものではないということを明らかにして、値上げ等の口実にしないように万般の処置をとるべきだと考えます。
○早川国務大臣 ちょっと補足いたしますが、宅地の場合には、いま申されたように千分の十四の二割を最高にして、それ以外はちょん切ります。同時に、家屋につきましては、償却資産の評価では、むしろ減るのが出てくると思います。それから、住宅につきましては、大蔵大臣と相談いたしまして、今回新たに、新築の住宅の固定資産税は、二階以下は三年間二分の一、三階、四階の高層は五年間、五階以上の高層は十年間半分にいたします。そうすることによって住宅の家賃を低くしよう。それから、もう一つは、やはりいまの住宅難その他は結局以前よりは宅地が商いということです。そこで、来年度におきましては、自治体においても大規模に分譲宅地を公共団体でつくって、安い宅地をできるだけ自治体としても提供していこう、こういう措置をあわせて考えておるわけでありますから、固定資産税の問題で家賃が非常に高くなるというようなことはないと私は考えておるわけであります。
○川俣委員 時間がないから省略しますけれども、そういうのは起こらないのだという説明でごまかそうといたしておりますが、御承知のように、判例を見ましても、税の改正によって起こる引き上げについては、判例も認めておるところでございます。その他の理由では調停や裁判の場合には認めない場合が非常に多いようでございまするけれども、税の改正によっての負担増については、当然その分について、あるいはそれ以外も含めて認める機会を与えておるようであります。認める機会ですよ、引き上げの機会を与えておるのが前例にもあるとおりだ。そういうおそれがないのかとお聞きしておるのですよ。引き上げようとしておるところに油を注ぐような、火をつけるような結果になるのではないか。このくらいでは上がる要因とはならないのだという説明をされるのですけれども、上げようとしておるところに火をつける結果になるのじゃないか。これがおそろしい。いわゆる物価を引き上げる要因となるのではないか。さらに連鎖反応を起こして諸物価の値上がりに拍車を加えることになるのではないかということが一番憂えられての質問なんです。計算上、経済計算上はならないんだと言うが、なろうとしているところに拍車をかける、勢いをつけておるわけです。当然調停などの場合でも、税率が上がるならば、税金が上がるならば、それだけは認めなければならぬであろうという調停になるであろうと存じます。先例から見ましても、家賃・地代の紛争から見ましても、従来の例から見ましても。いや、それは千分の幾らだと言うであろうけれども、引き上げのチャンスを与えることだけは明らかなんだ。この点について自治大臣はどうお考えですか。
○早川国務大臣 いま固定資産税が上がるから家賃を上げようというなら、五倍、六倍になりはせぬか。御承知のように、土地が非常に高くなっておるから、評価すればそういうような数字が出てくるわけです。したがって、それがそっくり税金になるのじゃないかというようなムードがあります。そこで、われわれとしては、はっきり一・二までに押えるという法律をつくるわけであります。片や、新築住宅は、固定資産税をむしろ五年、十年にわたって二分の一に今度は逆に減税するわけであります。そういうことを考えましても、これだけで家賃を上げるという理由はなかなか立ちにくいのではないですか。ムードとしてそういうことになるではないかという御指摘ですが、それは私の答弁する筋合いではないかもしれません。そういうことで、それだけで家賃を上げるほどの増税にはもちろんなりませんし、下がる面も出てくると考えておりますので、税負担の公平からああいう措置をとるということになったわけであります。
○川俣委員 自治庁長官にお伺いしますが、もし上がったら、一体だれが責任をとるのですか。これは総理にもお答え願いたい。上がらないと言うけれども、上がったならば一体だれが責任をとるか。たな子が責任を負わなければならないのか、あるいは借地人が責任を負わなければならぬのですか。あるいはそれによって引き起こされた物価の値上がりについて、だれが一体責任を負うのですか。犠牲になるのは国民だけじゃないですか。しかも、今日の経済成長の大きな要因となって勤労意欲に燃えておる、それらの労働を提供しておる、最も日本の経済に寄与しておる人々の犠牲をしいるような結果になるのです。上がらなければけっこうなんですよ。上がった場合の責任をこの際明らかにしてほしいというのが私の質問の要点なんです。
○池田国務大臣 ものには程度の問題がございます。そうして、われわれといたしましては、いまの当然上がるべきものをやっぱり二割程度で押える。また下がるものもあります。それをだれが責任を負うかというと、これは経済のあれでございますから、全体としての運営の責任は持つのでありますけれども、個々の大家さんとたな子さんで上がった、それはすぐ政府の責任だ、これはいかがなものかと思います。たとえば、われわれいま一番心配しておりますのは、四月からの授業料の問題でございます。私立学校の授業料が上がったら、これは政府で、池田内閣責任を持てと、これは、全体のあれは、私は上がらないように努力しますけれども、政治にはおのずから限界がある。そうして、その限界をできるだけ緩和するようにしておるのがいまのわれわれの施策でございます。
○川俣委員 そのとおりだと思う。答弁にも限度があるのです。上がるはずがないと、こう言われるから、上がった場合はその責任をどうするのですかと言う。一般に上がるというのに、上げないんだ、こう説明されますから、それでは、言われるからには責任を負って答弁されておるものと思うが、だれが責任をとるのですか、こういう質問をしたわけです。いや、これは経済の趨勢として上がるんだ、こういう答弁であれば責任を追求する、何でも池田さんの責任だなんという、そんなことは国民も言わないであろうし、われわれもここで質問はいたしておらないのです。上がらないんだと言われるから、もし上がったならだれが責任を負うのか。上がる趨勢にあるんだ、経済情勢にあるんだ、いや上げないように処置しますと、こう言う。上がったならばどうするのか、こう国民が聞こうとするのは、これまた無理のないところだと思います。もう一度、無理なようだけれども、総理の……。あなたは上げないんだと言われるから、それを信用しよう、池田さんは信用しようということで、上げないんだと言うから、上げないだろうと期待しておったが、上げられたということになると責任をやはり追及したくなるのもやむを得ない状態じゃないかと思うのです。
○池田国務大臣 家賃を上げないとはだれも言っていないのです。農地の負担は上げない、これは言っておりますよ。それから宅地は二割程度に抑える、こう言っておるわけです。片一方では、家屋なんかは、償却があるから下がる場合もあるだろう、こう言っておるわけです。だから、何も家賃を上げないと言っておるのじゃございません。上げないような努力は、こういうふうな方法でいたしております。上げないというのは農地です。そういうことなんで、農地の負担を上げないと言ったら、すぐ家賃も上げないんだと、こうお考えになるのはあれで、宅地のほうは二割程度上がる。しかし、家屋は下がる場合もありましょう。したがって、全体として上げないようにする。しかもまた需要供給の原則によりまして、高層建築などは従来よりも固定資産税を安くして、とにかく全体として家賃が上がらないように努力しましょう、こういうことなんです。上げないと言っておるのではないのです。
○川俣委員 固定資産税が宅地の場合は二割ぐらい上がるのだ、それが地代、家質にはね返ってくるのじゃないかというのが私の質問の要点なんです。宅地の二割内外——必ずしも二割じゃないでしょうが、二割内外の引き上げは地代、家賃にはね返ってくるのではないか。家屋の評価がえによって、宅地の増税によって、それが家賃・地代にはね返るおそれがあるのではないか、その対策があるのか。いや、千分の二くらいな値上がりだからしてはね返らない、こう言われるから、私ははね返るのじゃないかと言う。もうすでに上がろうといたしておるところに拍車を加えるのではないか。いまずいぶん調停にも出ておる。その調停の様子を見ますと、税の変更があった場合は上げざるを得ないであろうという調停の意向だという。調停委員を左右する力はないですよ。私は固定資産税を上げることが悪いとかいいとかの議論はすでに終わっておるのです。それによって引き起こってくる地代・家賃のはね返りについてどうお考えになっておるか。地代・家賃が上がらない、上がるおそれはないと、こう言われるから、固定資産税の引き上げによって家賃・地代の引き上げが起こって、国民生活に不安を与えるのじゃないか。というのは、税制の改革を批判しているのじゃないのですよ。それによってひき起こる事態を憂慮して質問をしておるということをお考えになって、御答弁願いたいと思います。
○池田国務大臣 御質問の気持ちはわかりますが、答える私の気持ちもおわかりいただけると思います。そういう経済の変化によって、負担の公正を一応はかるべきだ。しこうしてそれをはかった上に、結果が家賃の上昇を一度に起こすかということになりますと、宅地の上がりは実際は倍とか三倍になっておるところもありましょうけれども、またこれくらい上げていいところもありましょうけれども、家賃その他のことを考えますから、二倍、三倍になっておっても二割に押えます、そうして税率は千分の十四でございますから、千分の十四の二割上がった分の上がり、そうして家賃ですから、家は建っておりますが、象の償却による課税標準の低下ということもありますね。そういうところを考えますと、いまの施策でそう値上がりムードを起こすほどの影響はありますまい。あったって非常に少ない、ネグリジブルだというくらいに考えておるのであります。そういう方向でいろんな施策をとっておるのであります。
○川俣委員 私の望みたいのは、そういう事態が起こったならば、これこれの対策をもって抑える自信があるという答弁を求めておるのでありますが、いまの池田内閣にはその答弁が無理なようでございますから、これ以上質問いたしません。統制経済でないのだから、公共料金を引き上げないなどと言ってもあぶないのじゃないか、こう言っておるところから起こっております。 次に、無計画なと申しますか、いたずらな経済の均衡のとれないムードに支配されるような経済成長政策は、非常に危険であると私は判断をいたしておりまするし、池田さんも、これはとらざるところだと存じます。すなわち、いまこれを端的に表現いたしまするならば、最もわかりやすい表現をするならば、日照と陽光と努力によって咲かせる草花よりも、所得の上昇があるならば、あるいは経済が発展するならば造花でもいいのだというムードが起こっておるようであります。人間のとうとい愛情によって育てる草花に対して、経済の成長さえ考えるならば、デラックスな造花のほうがもっといいのだというムードが起こってきた。このことが商品を売るよりもイメージを売れというような形が出てまいりまして、均衡のある経済の発展ではなしに、所得さえ得られるならば自然を犠牲にしてもいいのだというような環境をつくり出しておると思います。雨上がりに庭をながめて、先き先きとした草花をながめるような情緒はなしに、いたずらにつくられた——あくまでも造花はにせものなんですよ。にせものをつくっても経済の発展を願うような経済政策にはピリオドを打っていいのじゃないか。これは私は池田さんの本意じゃないと思います。最近だんだん円熟された池田さんは、そういうドライな考え方はないと思う。花を愛することはウエットですけれども、造花はウエットじゃないです。ドライですよ。造花のほうが大量生産できるのですが、草花はそう大量生産もできません。コストを下げるということもなかなかいきにくいものです。そこに情緒があるわけです。勤労意欲も生まれてくるわけでしょう。動物に対する愛情、植物に対する愛情も生まれてきて、そこに住みよい社会が生まれてくる、私はそう理解しておる。池田さんは、造花はあまり奨励をするようなことはなさそうに思う。これは精神問題でなく、いまの経済の成長の中には、そうしたムードがあることをたしなめていかなければならないのではないかという私の観点について、総理の見解を伺っておきたい。
○池田国務大臣 花につきまして、造花と自然の花とどちらがいいかといったら、それはやはり自然の花がいい。これは、味もあり、あたたかみもあり、潤いがあります。政治にもやはり潤いのある、味のあるものがいいんで、いたずらに画一的な機械でつくるような花は、私はあまり好かないのでございます。しかし、この造花につきましても、やはり労力がかかっておるのであります。そこで技術の進歩その他によって、その花がこれは造花であるから排斥すべきだということでもございますまい。しかし、どちらがいいかといったら、やはり自然の花がいい。もっと進んで言えば、何にも花のないよりも造花でもあったほうがいいということにもなるのじゃないかと私は思います。しかし、どちらを奨励するかといったら、どちらが好きかという問題であって、奨励する奨励しないは、これは一般万民の好むところに従うべきものだと思います。
○川俣委員 そこに池田さんの経済成長に対するあやまちが出るおそれがあるのじゃないかと思っております。ほんとうは生きた花が好きだ、しかし——そのしかしがいかぬのです。しかし、経済の発展になることならば、あるいはそれによってさらに生き花をつくることよりも造花をつくるほうが所得がふえるならば、それも一つの行き方ではないか、こう言われるところに今日のいたずらな物価の上昇のゆえんが生じてまいりますし、生み得ないものを生ませるという努力よりも、ある資材を活用と言いますか、あえて活用と言いましょう。それを使って所得をふやすという、原料の奪い合いとなってきて、経済の発展が阻害されるおそれがあるのじゃないかというのが、私のあなたの経済政策に対する批判の一つなんです。もちろんあなたに望みたいことは、最近円熟されてきたのであるからして、昔のようなドライな政治をやろうとする意思がないことは、万々最近の情勢を見てわかるところであります。しかし、事経済政策になりますと、数字をあげて、生きたものを取り扱うことよりも、そろばんに重点を置いた政治というものが起こってくる。そこにいたずらな、いわゆる消費ムードが生まれてきておる。それは日本の経済の発展をある程度助長するであろうが、むしろブレーキをかけるような結果になるのではないか。これは私のあなたに対する批判です、質問じゃないですから答弁は要らないのですけれども、これは心得てやるべきじゃないかと私は思います。その心得に対してだけはひとつ質問といたしますから、答弁を願いたい。
○池田国務大臣 御趣旨の点はよくわかります。そういうことも頭に置いて今後処置いたしたいと思います。
○川俣委員 もう一つだけ農林大臣にもあわせてお尋ねしておきたいのですけれども、こうした経済の成長の中には、天然を愛し、日照を愛し、日光を愛し、そうしてより多く日照時間を与えて作物をつくるということよりも、造花的な農業というものを好むような傾向が出てまいりますることが、私、今日のような食糧の自給を困難にする大きな要因になっているんじゃないかと憂えている。これは私の憂いです。農業を軽視すること、農産物を軽視する、この天然と日光と清浄な空気の中に生産される農産物を軽視するということは、私は好まないところであります。好まないのは、そういうムードが生まれてきますならば、私は、これは日本の民族の破綻になる、こう理解をするし、また農産物を軽視するということは、しまいには日本の経済を破綻に尊くおそれも出てまいりますだけに、十分農林大臣も心得ていかなければならぬだろう。単なる計算で——赤城さんは百姓をやったことがあるから、百姓の心理、気持ちがわかる、あるいは植物の気持ちもわかると思いますが、多くの日光を与えて、積算日照を考えてものををつくるというところに私は農業の本質がある。それが日本の民族の発展の基礎にもなっておると思うのです。もしも農産物が軽視されるような世の中というものは非常に不しあわせな世の中だ、私はそう言いたい。むしろ暗黒な世の中だとさえ言いたいのでございます。したがって、農産物を軽視するということは、今後の日本の産業の発展の上からも世の中を暗黒にするゆえんにもなりまするだけに、十分農業政策の上にこれを考えていかなければならぬと思うのですが、農林大臣の見解をこの際承っておきたいと思う。農産物が少し軽視され過ぎますよ。
○赤城国務大臣 全くそのとおりでございまして、私も日光、空気、自然と、そこから生み育ってくる農民の気持ち、それから出たところの農産物というものは非常に尊重されなければならない。私どもも子供のときからもったいない、もったいないで育ってきたものですから、農産物につきましては非常にとうとく考えております。したがって総理も、農村は民族の帯しろだと、こういうふうに言っておったのでございまして、そういう気持ちで農村対策をやっていっております。ただ、農業そのものが、やはりもったいない、ありがたいだけで立っていかないと困ります。企業的な農業と言いますか、そういう面で経済的にも安定していくということでなければならないと思います。しかし、農産物を尊重するという気持ちは、全くそのとおりでございます。
○川俣委員 私はなるべく端的にわかりよくあなた方に理解させたいと思うので申し上げますけれども、最近の農産物の需要の動向、野菜の摂取量等を見てまいりまするというと、根菜類からだんだん葉菜類の摂取量がふえてきております。これはいわゆる青物が日光に当たって吸収したものをまた人間がこれを摂取しようとする傾向がこれだと思います。ところが最近の八百屋を見ておりましたり、あるいはじんあいを見ておりまするというと総理、こういうことが起こっている。 〔委員長退席、青木委員長代理着席〕 最も日光浴をした大根の葉は捨てられて、葉菜類が盛んに摂取されるようになったにかかわらず、大根の葉っぱが捨てられていくのですね。総理から言わせると、そういう人もあって農業の需給が増してくるのはいいであろうと言われるかもしれませんけれども、そこの見解の相違なんですね。ますます葉菜類、青物が尊重されるようになってきたのであるから、昔のように大根だといえば、葉は要らないのだというのではなくして、尊重されなければならないと私は思う。ところが、大根が多く売れるためには、葉っぱを捨ててたくさん売れたほうがいいのだというような考え方があるのではないか。もしも農業政策の中にそういうものがあるならば、私はあやまちだと言いたいし、政府の経済政策の中にもそうしたムードを生んでおるのではないか、総理大臣どうお考えですか。これはいたずらな消費ムードだと思うのです。私は購買力がつくことは否定するのではないですよ。せっかく日光浴をして愛情を持って育てたものが、不必要ならば別にして、葉菜類がだんだん摂取されるようになったのに、なぜ大根の葉っぱを捨てなければならぬか、これはいまのあなたのムードがそうさせているのです。片はそういうムードはなかった、池田政策の結果、こういうムードが起きたのではないかとすら私が誤解しやすい。そこでそれを取り除くように配慮してほしいものだという意味での質問です。
○池田国務大臣 これは日本のくたものにしましても、野菜にしましても、私はよく外国人に言うのです。日本のくだものは非常にうまい、外国でもくだものができる、野菜もできる、しかし、日本はつくるのだ、人手をかけてつくるのだ、だからうまいのはほんとうなんだ、こう私は言っている。ほんとうに日本の農業はそれなんだ。それだけ手をかけてつくったもので、できたものではない、つくったものを粗末にするということはいけません。しかし、いま大根のお話でございましたが、これは同じ大根でも、小さいときにはつまみ菜として葉を食べるわけであります。それから中ごろのときには、やはり大根と葉っぱを切ってつけものにして食べます。しかし、農業のあれが大根として売るべくやったものだから、大根として売るときの葉っぱは、これはまずいと申しますか、それだけの値打ちがない。だから、大根の葉っぱを食べないということは、私も子供のときから、大根の葉っぱは大きくなったときには、いなかでも食べません。だから、これは経済の原則によるのです。その葉っぱを食べないからといって、非常に粗末にするというのではない。食べれるときには食べるわけです。小さい大根のときには、葉っぱと一緒にして塩づけにして食べるわけです。しかし、大根自体を食べようというときには、それは葉っぱを犠牲にして大根をおいしくしてやろうというのでございますから、これはやはり葉っぱを食べないから非常に粗末にする、こういうわけではないのでございます。食べれるときには、やはり食べる。昔はイモのつるでもわれわれは食べたのでございます。それだけやはり生活がよくなり、あれしたのではございますまいか。しかし、できるだけ食べれるものは食べたほうが、せっかく人手をかけてつくられたものですから、大事にしなければならぬということは当然だと思います。
○川俣委員 私は単に大事にせよと言うのじゃなくして、いまの日本は、葉菜類が不足をして値上がりの傾向にあるわけです。これは非常に多くなって生産が伸びたときには、大根の葉っぱも捨ててもらいたいし、少しぐらい悪いところは捨ててもらいたいのです。ところが、いま大臣の心配されているように、野菜類が一番値上がりのムードの中にあるときに大切にしてもらいたいものだというのは、経済政策の上からも私はそう望むのですよ。これはあり余っているときには、ぜひ粗末に食ってもらいたいのは農民の心理でしょう。いま、野菜類の値上がりの傾向にあって、需給は逼迫しておるのだからして、こういうものを活用する道を開かなければならぬでしょうが、いまのムードは、そういうものも捨てていくことのほうが経済の発展になるのだというような錯覚を起こしておるおそれがありますので、あえて申し上げたのですよ。こういう大根の例などをとる必要はないのですけれども、あえてとったのはその意味なんです。それは大根も余っているときには、なるべく悪いところは捨てて——悪いといわなくても、ちょっと虫のついたようなところは捨てて食っていただきたい。それは農業を愛するのだから、大切にしなければならぬ。私はそう思うのですよ。いまはそうでない。農業を愛するばかりでなくして、人の労働というものを、勤労意欲というものを尊重するようにならなければだめじゃないかという意味でのものなんです。ギャンブルをやっても、あるいは利権をやっても、所得がふえればいいじゃないかというムードを生んではならないのではないかと思う。所得をふやすために手段を選ばないというやり方、これがあえて犯罪を包む結果になっているのじゃないか。もう一つあるのですよ。なるべく不労所得を押えていくということも必要なのにかかわらず、農民のこうした勤労意欲を否定するような旧地主の補償の問題などに血道をあげているようなことは——気の毒は気の毒であろうけれども、不労所得を押えていくということが必要なんです。私が土地の値上がりについて問題にしておるのは、不労所得から所得をふやそうというような傾向を抑えていかなければならないひずみがきておるのじゃないか。単に経済的にそのくらいの報償をすればいいとか悪いとかの問題ではなしに、不労所得を助長するような考え方を抑えていかなければ、経済の均衡ある発展は期し得られないだろうし、その経済は、どこかで行き詰まる経済になるであろうことを指摘をいたしたいのでございます。企画庁長官、いかにお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 さように考えております。
○川俣委員 次に、もう時間もなくなってまいりましたので、いよいよ本論に入りたいと思いますが、農林省では選択的拡大、成長部門として畜産を盛んに奨励しておられるわけでございまして、国民も食生活の構造の変化に伴いまして、畜産物の生産を非常に期待をいたしておるわけでございますが、まだしかし、日本の狭い土地の中で、耕地の不足な中では、なかなか外国を模倣したような畜産が振興されないことをおそらく農林大臣も歯がゆく思っておられるだろうと思います。また、しばらくは貿易の自由化、開放経済が必至でありましょうし、そのことによって畜産物の価格を引き下げていく非常な力を持つでありましょうが、外国の食糧にだけいつまでも依存するという考えから脱却していかなければ、米麦を軽視した結果、あるいは外麦、外米に依存できるという過去の考え方が批判をされなければならない行き詰まりを来たした原因でもありますから、この際、日本の畜産については格段の努力が必要ではないかと思います。大蔵省も非常に理解をされて、ことしの予算は三億数千万円になっておるようです。大蔵省がいかに理解を示しても、受ける側が、あるいは世の中が十分受け入れるような環境をつくらなければ、その予算というものは効率の低い予算になるおそれがあると思うのです。私はそうだと思う。そこで、せっかく大いに予算的鞭撻をされたのであるから、これを受け入れる農林大臣は、その期待に沿い得るような施策を講ぜられるかどうか、この点お尋ねしたいと思います。 〔青木委員長代理退席、委員長着席〕
○赤城国務大臣 飼料の問題は、お話のように非常に重大化しておりますし、強い関心を持って飼料問題につきましての施策を進めておるわけでございます。お話のように、大蔵当局ばかりでなく、政府もこれにつきましては深い理解を持っておりますので、私どもといたしましても、本年度の予算等におきましても、お話の線に沿うて施策を進めてきておるわけでございます。 具体的にいろいろ申し上げますと、いま輸入飼料が非常にたくさん入ってきておる。これはそのとおりでございます。その理由も、もう御承知のとおり、濃厚飼料の依存度の高い鶏とか豚が急激にふえておりますし、あるいはまた、草を食べておりますところの乳用牛等につきましても、購入飼料に依存することが非常に高くなってきておりますので、相当輸入をいたしております。しかし、こういう輸入飼料が増大いたしますことは、飼料の安定的供給の上から好ましいことでないとは思っておりますが、事実はそういうふうになっております。そこで、飼料対策といたしまして、飼料の自給地盤を確立していきたい。いま、予算等も大蔵省のほうで相当考えたじゃないか、農林省としてもどうしておるかということでございますが、三十九年度におきましては、草地造成につきまして補助率を五%ばかり引き上げました。事業量も、構造改善及び開拓、パイロットを含んで約三万ヘクタール拡大いたしまして、これを強力に推進するほか、既耕地につきましても、飼料作物の導入等につきまして、新たに一万八千ヘクタールについて飼料作物の緊急増産をはかること等によりまして、自給飼料基盤の整備につとめております。また、いま流通しております飼料でございますが、これは飼料需給安定法に基づきまして、政府の操作飼料の運用によりまして、小麦は、三十九年度におきましては、売り渡し量が八十六万八千トン、それからふすま、大麦等を国内飼料の需給状況に応じまして放出するという対策を講じております。 また、第三に輸入食糧でございますが、これは御承知のように、昨年秋にソ連とか中共等がたいへんに不作でございましたので、国際的にその方面にいく量が非常に多い。そのためにフレートが大幅に上昇いたしております。こういう関係でございますけれども、今後国際的に見まして、飼料穀物の需要は、そういう事情で増大の傾向にあります。しかし、潜在的生産力も大きいので、国際飼料価格の低落は来たしがたいといたしましても、おおむね安定的に推移していくのではないか。日本といたしましても、手当て等を非常に適期にやりましたので、この輸入食糧等につきましても、価格の安定的な方向で進めていける、こういう見通しでやっております。
○川俣委員 これも実例を引いて企画庁並びに大蔵大臣にも注意の喚起を求めたいのですが、最近、私の知っているところの養豚組合が、農林省のすすめによりまして、多頭飼育を始めた。いままでは赤字だったけれども、今度初めて黒字になった。これは豚を飼って黒字になったのではなくして、えさを農民に売って、えさのもうけで組合が黒字になった。養豚組合が、養豚によっての黒字ではなしに、飼料を売って組合が黒字になった。これも、養豚組合が黒字になったんだから、決して悪いことじゃない。養豚による黒字じゃなくて、養豚家へえさを売ることによって生まれた黒字だ。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)これは現にあるんだ。名前から何からみな知らしてもいいですけれども、時間がないから……。いま秋田で肉牛をやっておる、かつて民社党の鈴木一君という人がおりますが、これもいままで数千万円つぎ込んで肉牛をやった。肉牛では赤字だけれども、えさではもうけてとんとんだ、こういう。おかしいじゃないですか。これは牛がとんとんだ。(笑声)これがえさの実態なんですよ。したがって、本質的な生産でなくて、どこかに不足をしておるものですから、それによる利益を求めておるのです。それでは農業上からいうと、邪道なわけですよ。こういうムードがあることを私はおそれておるのです。もう一つは、やはり国内食糧というものを確保しておかないと、外国食糧は、これは動物との食物の競争になるおそれがありますので、国内の人間の食う食糧は自給体制をとり、動物の食糧は、外国に依存しなければならぬ場合には依存してもよかろうが、できるだけこれも避けていく。人間と動物とが競争しなければならぬのは、野蛮な社会ですよ。いま人間と動物は競争しなければならないじゃないですか、えさで。人間のえさも動物のえさも大体近いですからね。そう離れたものじゃないですから、化学的には。(笑声)ほんとうですよ。同じですよ。麦じゃないですか、あなた。麦類じゃないですか。イモ類じゃないですか。そんなに離れたことじゃないです。やがて人間の食糧が不足してくると、動物と競争しなければならない。自分の食糧源である、もとである家畜と食いものの競争をしなければならぬという事態を生むわけです。国内食糧の自給体制については特に考えていかなければならないことが畜産の中にも出てきたということを、私は指摘をしたい。 次に、……(「飼料の値上げをついたらいいじゃないか」と呼ぶ者あり)いま雑音が入りましたけれども、さっきのムードからいっても、これはまたえさの値上がりの傾向が出てくるばかりでなく、政府の払い下げもしたがって……(「政府もふすまの値上げを準備しているんだ」と呼ぶ者あり)そういう傾向が、雑音のような傾向が、確かに出てきておる。これに対して農林大臣の見解をひとつお伺いしておきたい。
○赤城国務大臣 買い上げたものを払い下げるというようなことでございますけれども、一定の基準もございます。極力値上がりしないでやるように進めていきたいと思います。
○川俣委員 次に、池田内閣がわざわざ青森まで出かけてまいりまして、一日内閣をつくられて大衆に接触したその態度は、大いに称賛してもよろしいと私は思います。そのときにやはり誤った連動に巻き込まれたのではないかと思うのは、国有林の開放の問題でございます。国有林の開放の大会へ出てみますると、あるいは青森の開放を希望しておるところを見ますると、利権を求めて、あるいは政府の施策では得られないところを国有林の開放で埋め合わそうとする開放運動が起きておるようでございます。 農林大臣に先にお尋ねいたしまするけれども、森林の効用について、どのような理解を農林省は持っておられるのか、お尋ねしたいと思うのであります。いままで森林については、木材資源の供給源、あるいは木材資源の需給調整のために国有林を持っておるのだというような考え方、あるいは政府も言っておられるようでございますが、国土保全のために持つのだというような旧来の考え方から、もう一歩やはり前進しなければならぬのじゃないかと私は思うのです。それは国民が健康的な生活、安楽と申しますか、そうした生活を望むならば、もっと植物の持っておる同化作用というものを認識して、今日のスモッグも、植物の、森林の同化機能でかなり削減できるわけです。街路樹を見てごらんなさい。全部じんあいを葉に受けて、それでもなお同化作用を行なって、空気を清浄にする努力を人間のためにやっております。森林はその機能を発揮してくれるわけです。これを単なる木材の給供源である、価格の安定のためにだけ用いる、あるいはいまの国土保全というのは、災害防止だけであります。積極的な、人間生活を豊かにするというのではないのが、従来使われた国土保全の考え方であります。官房長官どうなんです。国土保全というのは何をいうかというと、保安林であるとか、災害防止とか、そういうものを——あなたはこの間の記者会見の中でも、その片りんが出てきている。そこで私はあえて言うのですけれども、国土保全というと、災害防止だけが国土保全だというふうに一応しろうとが考えるのは、これは無理がないですよ。責めるわけじゃないですよ。だけれども、さらに積極的な人間の健康を保持するというようなところにまで及ばなければならないのではないか。せっかく残っておる森林のこの生理機能が、人間生活に非常に役立つわけです。これを活用する道を求めていくことが——私は森林を愛するがゆえにあえて誇張するわけですが、これは必ずしも誇張じゃないと思います。私は、池田さんが庭つくりをするということは、ほかでは尊敬する気にはならぬが、この点だけはほんとうに尊敬している。うそじゃなく尊敬している。これは池田さんの健康のもとだと私は思っております。木をいじったり、重い石をいじるようなことが、健康のもとですよ。私は尊敬しているつもりです。尊敬はするけれども、あなたの政策になるとどうなるかというと、いや森林は木材の供給源だ、そういう考え方になる。庭木が木材の供給源なんかになりますか。庭木がなぜ木材の供給源になるのか。庭は、人間生活の潤いの場所としての庭の価値、木の価値がある。森林もまたその機能を持っている。木のない山なんというものは、全くさびしいでしょう。人間生活にほど遠い状態なんです。そういう意味で、何でも切ればいいんだ、こういう考え方で開放しなければならないというような考え方については、やはり心得た施策をしなければならぬ。私は、池田さんがそのくらいのことを知らぬわけはないんだ、こう思っているのですよ。ほんとうにそう思っているのですよ。それを農業用地が足りなければ切って使ったらいいじゃないかというような、全くドライな考え方に対して、私はとらざるところなんです。池田さん、これは私答弁はなくてもわかりますけれども、世間のために明らかこしておいてほしい。
○池田国務大臣 これも、先ほど申し上げましたような、程度問題でございます。やはりわれわれ、国民のために最も利用度を高くすることが必要であると思うのであります。お話のように、森林ももちろん必要でございますが、その必要限度以上に国有林が存在し、そして民生の安定と向上、産業の向上に害をするような場合におきましては、これは転換するのが全体のためにいいのじゃないか。全部森林をやめてしまえというような、そんな極端なことは私は毛頭考えておりません。
○川俣委員 具体的な施策になると、そういう見解が出てくるわけです。いままで国有林を一体どのくらい処分をいたしましたか。林野整備あるいは町村合併に雄づき、あるいは開拓地造成のために、多大な国有林野、国有地を開放してきた。それがどれだけ活用されているか。開拓地などは、農地局に所属がえしたのが、放棄されて返ってきたのが二万町歩ぐらいあります。ほんとうに活用されるならいいですよ。いまでは放棄されている。国有林台帳に載っています。二万町歩返還されてきている。明治三十九年、日露戦争のあとに、農村が非常に窮迫をしたので、国有林を開放いたしております。これはいま何に使われているか、地元山村民の経済の窮迫を救うために開放されたものが、農業用地として使われておるよりも、農業以外の用地として使われているほうが非常に高い。それによって生計ができておるならこれは別問題、生計も得られない。むしろ、土地騰貴のためにだんだん転売されて、地元の農業者よりも、あるいは山林業者よりも、土地投資のために転売されているにすぎない。そして土地の値上がりによる所得を求めておる姿が出てきておる。林業でもいいですよ、農業でもいいですよ、その土地を、日本のような狭い領土ですから、これを利用するという考え方にならなければならぬのに、利用しないで、ただ土地の値上がりを待つというような傾向が出ておるわけです。大蔵省も政府も、どうも銀行家みたいな考え方で、予算面については非常にしぶい態度をとって、国民の血税であるから一銭もむだにするなという考え方をしておられるようですけれども、事、物になりますと、ルーズなことは、大蔵省をはじめとしておびただしいのです。総理、そうお考えになりませんか。十円足りないというと、あたかも徹夜しても探すような銀行が、有名な絵画がなくなってもあまり問題にしない、これが銀行の風習なんです。どうも国もそういうきらいがあるのじゃないかと思う。私は最も適当な例を出しましょうか。帯広営林局管内に、九十九万七千町歩という台帳面積の国有林がございます。これは管理もされないで放任されておるらしい。池田さん、そんなことはあるまいと思っても、御承知のとおり、これは南千島並びに中千島、北千島の地籍です。明らかに国有林台帳に載っておる。国有財産として大蔵省の財産台帳に載せておられるわけで、どう管理しているのだ。大蔵大臣、これはどう管理していますか。
○田中国務大臣 御承知のとおり、北千島及び南千島の国有財産は、国有財産台帳に載っております。これは、北千島の帰属がまだ平和条約で決定をいたしておりませんし、昭和十七年現在だと思いますが、当時のそのままの価額で記載をいたしておるわけであります。
○川俣委員 記載しておるからには、財政法に基づいて、これは当然大蔵大臣が管理しておらなければならない。管理の及ばないものを国有財産だというわけにはいくまいと思う。しかしながら、これは御承知のように領土権を確保しておかなければならないための犠牲でありましょうから、あえて私はこれを追及するわけではないですよ。古来の領土だという主張のためにあえて記載をしておるものとは、そうは理解をします。しかし台帳に載せておるからには、行政権の及ぶような方策を当然とらなければならないと思うのです。そのまま放任しておくことは無責任だと思う。無責任だからすぐやれといったって、これはなかなかできるものでないことは十分承知です。しかしながら、国有財産台帳に載っておって、帰属を主張しておられるならば、外務大臣、どうですか、外務省の手腕で、努力で、国有林台帳に載っておるように行政権の及ぶように配慮してやることが外務大臣の仕事ではないか、こう思うのですが、これは認識の誤りでございましょうか、お伺いいたします。
○大平国務大臣 仰せのとおりでございまして、私どももあらゆる機会をとらえて、ソ連側に正当の主張をいたしておるわけでございます。先方といたしましては、御承知のように、歯舞、色丹につきましては、平和条約を結べば返すと言っておりますが、国後、択捉につきましては、解決済みだということで、こちらの正当な主張をいまだ認めるに至っておりません。しかしながら、当方といたしましては、正当な主張でございますので、あくまでもこれを主張し続けてまいりたいと思っております。現にあらゆる機会をとらえてそのように努力をいたしておる状況です。
○川俣委員 私は、外交の問題であえてあなたと質疑を取りかわしたいとは思わないのです。しかしながら、国有財産として、当然善良な管理をしなければならない使命を財政法に基づいて大蔵省が持っておる。台帳に載せておるからには、管理権を発動しなければならない責任を負わせられておる。責任を負わせられておるけれども、なかなか困難な状態にある。これは何としても解決しなければならないことだと思うのです。ことに歯舞、色丹というのは、北海道の花咲半島の地帯なんです。一連のものなんです。地理的にも地勢的にも歴史的にも、北海道の一部なんです。あるいは北千島にいたしましても、あるいは南千島にいたしましても、ここに千島森林史というのがございますが、あそこへ造林もしておるのですよ。色丹松というのを植えまして、造林をしておる。この経費がやはり国の予算から出ておる。特別会計から出ておるようですが、こうした努力を払って蓄積ができたこの森林、国民の血税によって、愛着によって保護されてきたこの地帯を、台帳に載せておるからには、善良な管理をしなければならぬだろうと思うのです。総理大臣の見解をこの際お聞かせ願いたい。
○田中国務大臣 財政法上の規定に基づきまして大蔵大臣が総括権を行使して、適正な管理をしなければならぬことは言うを待ちません。しかし、いまの沖繩の問題とか、千島全島の問題とかいう問題に対しては、日本の法令の定むるところはそのとおりでございますが、そこに、敗戦、占領、平和条約と、こういう全くかつて予期しなかったような事実が介在いたしておるわけであります。しかも、その平和条約やその他の問題の中に、現在の日本の政府の権限だけでは、これを国内としてそのまま行政権が及ばないという面もございます。沖繩の国有財産に対しては、当然国有財産に計上しておりますが、施政権を持っておらないという事実のために、これに対して適正な管理が行なえないという問題もありますし、また歯舞、色丹の問題に対しましても、返還要求をしながらも、あえてソ連が応じないという問題もございます。しかも北千島に対しては、帰属自体がまだ決定しておらぬ、こういうような特殊な事情がありますので、あなたが先ほど申されたとおり、返還要求等に伴いまして、できるだけ法令どおりに管理ができるような体制に可及的すみやかにするように、外交的な手段その他によって努力はいたしておりますが、現実の問題としては、法令どおりに行なえない事実をひとつ理解賜わりたいと思います。
○川俣委員 事実として法律どおり行なわれないということは、法治国であるとか、あるいは法を守れとかということを一方において言われながら——これはいろいろな苦心のあるところはよくわかりますよ。沖繩にいたしましても——私は、次に沖繩の問題に触れたかったのですけれども、あなたから積極的に触れられたから触れませんけれども、沖繩にいたしましても、千島にいたしましても、あなたが善良に管理しなければならない義務を負っておられるのです。負えないならば、本来からいえば、法制的には、やめなければならない。管理の能力ない者は、みずからその職を辞さなければならぬでしょう。しかしながら、田中さんがやめなければならぬなどという、そんなことを私は害うんじゃないんですよ。沖繩の問題といい、千島の問題といい、すみやかに政府の全責任において解決をする努力を払っていかなければ、法の権威もそこなうであろう、また今後のいろいろな施策の上にも悪影響がある、マイナスが多くなるであろうから、この際新たなる覚悟で、との問題の解決のために努力する用意があるかどうか。これは総理にお尋ねするほうがいいと思うのです。
○池田国務大臣 ただいま外務大臣がお答えしたように、千島につきましては、日本固有の領土であり、これの返還は常にやっておるのであります。先般もここで問題になりました、フルシチョフ首相の領土問題についての武力行使停止の申し出がありました。私は、せんだってこれに対して、千島は、択捉、国後は日本固有の領土だ、早く返すべきだという手紙を出したような次第でございます。機会をできるだけとらえてわれわれの主張は申し入れておる次第でございます。
○川俣委員 努力をしておられるやに見受けまするけれども、やはり解決のめどがつかなければ、努力というものは社会的に認められぬ。社会的には認めがたい。どうか、困難なる問題ではありましょうけれども、努力を国民の前に約束してほしいものだと思うわけでございます。 そこで、本論に戻りまして、農林大臣にお尋ねしたいのですが、農業基本法の遂行上、国有林野地を求める傾向が非常に強くなってまいっておりますが、国有林野の払い下げ等について、農林大臣の見解並びに政府を代表しての政府の見解を農林大臣からお尋ねをしたいと、こう思う。
○赤城国務大臣 森林の重大性あるいは国有林のあり方等につきましてお話を承りましたが、国有林の払い下げにつきましては、再々申し上げておりまするように、国土保全の必要上、あるいはまた木林の需給関係、造林、その他育成のため、国有林野地としての使命を十分考えまして経営していく、こういうつもりでございますけれども、国有林も相当多いのでございます。それで、いまの選択的拡大の方向に沿うて、あるいは草地を造成するとか、構造改善事業の中でいろいろな計画等を持っておるところもございます。また住民の福祉という問題もあります。そういう点を勘案いたしまして、国有林野としての存立理由といいますか、それをそこなわない程度におきましては国有林を払い下げていく、こういう方針で、特に農業改善事業等につきましては各営林局等にも通知を出しまして、よく具体的に一つ一つの問題を審査して、そうして利用の目的に沿うたような場合には、これは払い下げていくように、こういう指示をいたしております。本来の使命というか、それをそこなわない程度におきましては、できるだけ払い下げをしていきたい、こういうような方針であります。
○川俣委員 農民のための、土地の利用度を高める意味のいわゆる開放というものもありましょうが、最近はレジャー・ブームに押されまして、数少ない観光資源としてこれを払い下げようとする動きも、利権屋の中には出てきておるようでございます。これに対してはどうお考えになっておりますか、対応策をお考えになっておりますかどうかお尋ねをしたいと思います。
○赤城国務大臣 いまお話しのように、確かにそういう傾向はございます。しかし、観光とかなんとかいいましても、ただ払い下げるという方針はとっておりません。大体国有林野としての存在の価値があまり少ないという場合には払い下げてもいいじゃないか、しかし無条件じゃなくて、それと交換するといいますが、それに対応する価格を持った林野を、森林を国のほうへ提供する。その場合に、奥地等におきまして、国としても非常にほしいものでありまするならば、それと交換をするということはいたしております。ただ無条件で、観光用だから、こういうことで払い下げるということはいたしませんで、交換という形で払い下げをいたしております。
○川俣委員 残された観光資源として存置しておるところは、いずれも水源林地帯でありまして、保安林地帯が主であります。いわゆる政府のいうような国土保全のための必要としておるところが非常に多いわけであります。これは観光資源になるわけで、水源地即また観光資源地でもあるわけであります。こういうところにいわゆる利権屋の暗躍がありまして、いま大臣が答弁されるようこ、代替地を出ならば、あるいはそれと即応するような同価格の価値のある林野を提供するならば交換してもいいというような、悪用するようなことが現に出ていないとは言えないと思うのです。特にこれは早く情勢を察知する。あなたの答弁を直ちに逆用するような人々もいないとは言えない。早耳の代議士などが、割合にこれを悪用しておる向きが非常に多い。あなたの答弁いかんによっては、すぐこれを利権として悪用する向きもないとはしない。私は、そういう意味で、池田さんに、青森に行ったときにも国有林の開放を言わしたのではないかとさえ誤解するのでございます。国有林の開放は、農業用地として開放するのではなくて、青森のやつを見てごらんなさい。将来北海道にトンネルができるであろう、そこの用地になり得るだろうというところを、わざわざ細長く払い下げをしようとしている。農業用地だったら、細いこのくらいの幅のもので長いものは農業用地にはなりませんよ。なぜそこを開放しなければならぬのか。北海道に青森から隧道ができるだろう、あるいは道路ができるだろう、あるいは鉄道ができるだろう、先にひとつ払い下げておいて売ろうという計画、総理大臣の威力というものは大したものだと私は思うんですよ。言われたから実行されるだろうということを期待して、あなたがお帰りになった翌日払い下げの申請が出ていますよ。運動が起こっていますよ。かなり敏感なものですね。利権屋というものはそういうものでしょうが、敏感なものです。総理がいかにいい意図をもっていたしましても、やはり利権屋の暗躍する余地を防いでおかなければならないのではないか。もしこれを政治家がやるならば、汚職になるようなおそれがある。現におそれの出てきておるものさえあるのであります、私は、あえてここでそれを摘発するというような考え方はいたしませんよ、あなたがやっているのは、そういう意図でやっているのでないから。しかし、そういう権力を持っておる者は、かつがれるおそれのあることを十分警戒をしなければならないと思いますが、この点についてだけ総理の見解をただしておきたい。
○池田国務大臣 私は、一部の人が国有林の払い下げによって利益を得るようなことは、これは予想いたしておりません。もしありとすれば、厳に慎まなければならぬ。しかし、いままでの国有林の管理のあり方が、ただ単に国有林を管理するということにとらわれて、一般の経済の発展、国利、国家の利益、農民の当然受けるべき利益を阻害する場合があるのであります。そういう場合におきましては、私は、大胆に国有林は払い下げしなければいかぬ。何も東北ばかりではございません。私の地元に島がございますが、国有林の必要はない、そして、それを切ってしまえば非常にミカンができるところですから、ミカンを植えれば非常にいいわです、耕作地が少のうございますから。なぜ島に国有林がなければならぬか。何も保安林でも何でもないわけです。そういう例がございます。また自分のくにを言って悪いのでございますが、治山治水にも何も関係のない海岸が、しかも保安林でもない漁村のものでもないものが単に昔から国有林であるがゆえにずっと置いておられる。これは、もういわゆる経済の発展を非常に阻害しておる場合が多い。そういうわけで、私は何も青森に行ったから言い出したのではございません。もう五、六年、十年くらい前から言っておることなのであります。ただ、東北地方は、北海道もそうでございますが、維新等の特殊の事情によりまして非常に国有林が多い。そのために、農民が疲弊しておる原因の一つと言われておる。しかもまた、東北なんかでは、とにかく山林の七割くらいが国有林じゃございませんか。こういうことは、私はやっぱり不自然な状態であると思います。民間で森林としての経営ができないというわけのものではない。そういう意味において、もちろん国有林を保存しなければならぬ理由も多々ございますが、もっと頭を切りかえて、利用価値を国全体のために上げるような方向に向かうのがほんとうではないかという気持ちで私は言っておるのであります。利権の対象になるということは、これは厳に慎まなければならぬことはお話のとおりでございます。
○川俣委員 もうそれ以上言う必要ないと思います。国有林がもっと他に利用さるべきだというあなたの説を利用いたしまして、御存じがないかあるか存じませんけれども、京都の観光地として最も重要視されておる嵐山も国有林地です。その嵐山の払い下げ運動が起きたんですよ。何も嵐山、あの鴨川の渓流に国有林がなければならないという理由はないじゃないですか。もっと活用の道があるじゃないか、こういうことで、だいぶ農林省にハッパをかけて払い下げ運動をやった政治家もございます。名前をあげろというなら私はあげますけれども、バックになってやった方もあります。あなたが言うとすぐ反応を示して利用されるおそれがあるから私はあえて申し上げると、こう申し上げたのです。汚職の温床となるようなことがないように警戒すべきであろう、こう申し上げたかったわけです。総理は国有林の歴史を御存じだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、国有林がいままで相当経営してまいりました土地を、農林省の農地としての所属がえ、売り払いじゃありませんで所属がえですが、そうした形でかなり提供いたしておるわけでございます。したがって、必要に応じてはこれを利用させる道を開いておることは御承知だと思います。 そこで、第一の問題です。これは会計検査院においで願いたいと思ったのですが、こうした国有地を借りて利用している、いわゆる貸付地として利用しているのと、日本の役所的な考え方でしょうが、単に使用させておるという貸し方、いわゆる貸し付けをしておるという貸し方と利用の方法は二つあるようでございまするけれども、こうしてせっかく利用しておるものを、土地価格が上がったのだからして使用料を上げろということで、ここ近年貸付料あるいは使用料の非常な値上げをいたしております。せっかく高度利用のために利用しておる。利用すればすぐ利用料を払えと言う。地価の高騰だから払えと言う。さっきから指摘しているように、現に地価が上がったのだから貸付料を上げるということを、政府みずからがやっているでしょう。地価が上がった、使用料が入る。それは無責任に安く貸しておることもいかがかと思いますけれども、地価が上がったからすぐ貸付料は上げる、そんなに営業的なものでないから、そうした経済の恩恵がおくれていて、そのひずみを持っている農業に、すぐ一般の経済の影響が直接収入としてあらわれるというような考え方で、使用料が安過ぎるという会計検査院の指摘を受けて、あわてて貸付料を上げておる。それならば自治大臣に聞きたいのだけれども、国有地は地価が上がったのだから使用料は高くする、こう言いながら、御承知のような国有財産所在地交付金については、更新の時期でないから交付税は引き上げないと言っておる。まさしく予算書を見ますと、省によっては、反別、面積はよくわからないですけれども、幾らか引き上げたような様子もないわけじゃありませんけれども、上げていないようであります。これは、自治大臣どうでありますか。政府が貸しておるところは地価が上がったと言って上げておるのですよ。右へならえをしなければ不公平じゃありませんか。
○早川国務大臣 お答えいたします。 一般の民有地の固定資産は、三カ年ごとに評価がえをするのであります。国有地の場合には、五年間土地台帳において据え置かれる、こういうことによるアンバランスという問題であると思うのでございます。しかしながら、別の規定で、この固定資産評価と著しいうふうに努力いたしたいと思っております。
○川俣委員 自治大臣、十分知っておりながら努力を払っておられない。知らないで払わないなら別ですが、急に知られたかどうか、質問があったために覚えられたかどうかわかりませんけれども、知りながらやっていないですよ。これはほんとうの意味の怠慢でしょう。知らずして行ない得なかったのは責めるわけにはいかぬでしょうが、十分知っておる、調整の機能を十分御存じだ。 そこで申し上げますが、民間に国有地を貸しておるその契約期間内に上げておるのが多いのです。更新期にきてあらためて引き上げをするなら別ですけれども、契約期間中に上げておる。農林省の国有林野の貸し付けについても、契約期間中に価上げをしておるのですよ。更新期にきたのなら別ですよ。更新期もこない契約期間中に、地価の値上がりだからといって、せっかく善良にその土地を利用しておる者に、利用のしかたがいいから悪いからでなく、収入があろうとなかろうと、地価が上がったのだからということで貸付料を上げるということは、総理の言われる、農民に大いに活用させなければならないということと逆の話ではありませんか、どうですか。それだけ答弁してくださればいいです。
○田中国務大臣 国有財産の使用料の問題については、私も検討いたしております。物価抑制という意味からいっても、国有財産の使用料を直ちに上げることが妥当かどうかという問題に対しては、非常に研究しているのですが、御承知のとおり、法律で適正に運用しろということで、会計検査院との問題もありますので、いろいろ苦慮しておるようでありますが、私は、いままでの検討した段階においては、ある面においては国有財産使用料の引き上げ率のほうが実情よりも少し高い面もあるじゃないか、国有財産の運用が、効率ということに重点を置き過ぎるんじゃないかという面も、若干あるようであります。こういう問題に対しても、国有財魔法の改正をいま考えておりますので、この過程において十分検討しようという考えでおるわけであります。
○川俣委員 もう一点だけ。農林大臣、これは使用料なり貸付料が値上げされなければ、あえて開放してもらわないでも、利用さしていただくだけでも十分だというのです。ときどきかってに値上げされるものですから、そう値上げするならば開放せいという運動にもなっておる。現にそういう事態があるでしょう。利用しておるものを善良に利用させるということが目的でなければならぬのだから、利権的でなく、善良に農業用地として利用しておるならば、それを尊重して、直ちに、地価が上がったから、農業上の利益がなくとも貸付料を上げろというようなことについては、旗強に農林大臣は抵抗していかなければならないと思うのです。勇敢に抵抗しなければならないと思うのです。これについての見解を承りたい。
○赤城国務大臣 お話のとおりでございますが、純然たる農業用というようなもの、それから農業用を離れて貸し付けしておるのも出てきております。そういう面につきまして、会計検査院とかあるいは行政管理庁から、あまりに低いのじゃないか、ただみたいなものじゃないか、これでは善良なる管理者として、私どもは、あまりただみたいなものはそのままに捨てておくわけにもいかぬということで改定しました。しかし、しばしば改定ということではございませんで、御承知のように一回改定しただけでございます。そういう意味におきましては、借りている者の農業上の利用ということと、また一般的に考えまして、善良なる管理者として、あまりに低いというような場合には、これはある程度改定もやむを得ないというふうに御了承願いたいと思いますが、無理に上げるというようなことは絶対慎まなくてはならぬと思いますので、その点は十分注意していきたいと思います。
○川俣委員 時間が長くなりましたから、言い足りないところはあったと思いまするけれども、言わない裏に大きな発言をしておるということを十分お考えになりまして、対処願いたいと存じます。まだ予算委員会審議中でありまするから、あなた方の動向を十分こちらからも視察しつつ、大いに審議をしようと思いますから、御注意のほどを願いたいと思います。
○荒舩委員長 これにて川俣清音君の質疑は終了いたしました、 以上で、昭和三十九年度総予算に対する総括質疑は、全部終了いたしました。 次会は明後七日午前十時より開会いたします。なお、明後七日より昭和三十九年度総予算に対する一般質疑に入ります。本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会