本会議 第36号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/06/16
会議録
○議長(船田中君) これより会議を開きます。 ――――◇――――― 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件 日本電信電話公社経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
○議長(船田中君) おはかりいたします。 内閣から、電波監理審議会委員に金子鋭君、杉村章三郎君を、日本電信電話公社経営委員会委員に大和田悌二君、谷口孟君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。 ――――◇――――― 母子福祉法案(内閣提出、参議院回付)
○議長(船田中君) おはかりいたします。 参議院から、内閣提出、母子福祉法案が回付されております。この際、議事日程に追加して右回付案を議題とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 母子福祉法案の参議院回付案を議題といたします。
○議長(船田中君) 採決いたします。 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、参議院の修正に同意するに決しました。 ――――◇――――― 昭和電工川崎工場爆発事故に関す る緊急質問(小泉純也君提出)
○小沢辰男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、小泉純也君提出、昭和電工川崎工場爆発事故に関する緊急質問、中嶋英夫君提出、頻発する労働災害に関する緊急質問、及び門司亮君提出、昭和電工川崎工場爆発事件等に関する緊急質問を順次許可せられんことを望みます。
○議長(船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 まず、小泉純也君提出、昭和電工川崎工場爆発事故に関する緊急質問を許可いたします。小泉純也君。 〔小泉純也君登壇〕
○小泉純也君 私は、去る六月十一日、昭和電工川崎工場において発生したガス爆発事故に対しまして、自由民主党を代表して、総理大臣並びに関係大臣に若干御質問をいたしたいと存じます。(拍手) 質問に入ります前に、まず私は、なくなられた方々につつしんで哀悼の意を表し、遺族の方々に衷心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。また、不幸にして負傷せられた方々に対しましては、一日もすみやかに御回復あそばされますようお祈り申し上げます。 私は、六月十一日夕刻、いち早くこの悲報に接したのでございますが、正直に申しまして、これは何かの誤報ではないかという感じがまずいたしたのでございます。石油化学工業と申しますれば、現在発展を続けるわが国産業の中においても先端を行く産業であり、その技術水準は、欧米先進諸国に比してまさるとも劣らないものがあるのであります。したがいまして、その安全性という点にも万全の配慮がなされておると信じて疑わなかったからであります。いや、このような惨事が起こるはずはないという私の心の中には、あってはならないのだという私の願いも強く込められていたと思うのでございます。しかしながら、それは残念にも事実でございました。私は現地にこの惨事を慰問し、爆発現場の実状を見るに及んで、言いようのない悲しみと、現代科学の威力に一種の戦慄を禁じ得なかったのでありますと同時に、二十世紀の近代文明の中にあって、明らかに人災と思われる事故が発生したことに対し、政府の責任を追及するとともに、政治に携わる私たちの責務の重大なるを痛感いたした次第であります。こうした事態にあってとるべき道はただ一つ、事故の原因をきびしく追及して、そのよって来たるゆえんを明らかにいたし、適切な事後の措置を講ずるとともに、この種の事故が二度と再び起こらないように抜本的な対策を確立することであります。そして再びこうした惨事を繰り返さないことこそ、なき人々に対する何よりの供養であり、政治に携わる者の国民に対する責務でなければならないと信ずるのであります。 私は、高度経済成長と人命尊重という見地から、まずもって池田総理大臣にお伺いをいたします。 石油化学は近代産業の花形であり、各都市に続々と石油コンビナートができつつございます。いまや石油産業発展の最も大事な時期であります。この時点において、今回の惨事は住民並びに従業員に生命への不安を与え、その影響するところはまことに大きいと申さなければならないのであります。高度経済成長もとより必要であり、その成果は何人も認めて疑わざるところではございますが、保安ないし人命の尊重ということは、何ものにも優先する第一義のものであらねばならないのであります。このような意味で、最近の事故の頻発は遺憾のきわみであり、政治に対する国民の不信を私は憂えるものであります。総理はこの点についていかがに考えておるのであるか、御所見を承っておきたいのであります。 次に、福田通産大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 第一に、本件爆発の原因は一体何であるかということであります。私は、初めにも申しましたように、石油化学工業といえば、技術的にも相当高度な産業であり、防災という観点からも十分意を尽くしているとは信じていたのでございますが、このような惨事を惹起するに至った原因について、政府のほうでもすでにいろいろと調査をされておるととと存じます。それを明確にお伺いをいたしたいと思います。 次に、今回の爆発事故に際しまして、本日までに政府がとられました緊急措置についてであります。こうした大きな災害の事後措置としては、間髪を入れぬ機敏で適切な措置がとられなければならないのでございますが、特に直接その衝に当たっておられた政府の責任者としての福田通産大臣にこの点をお聞きいたしたいのであります。 第三に、最近の石炭鉱業、交通機関、建設現場、さらに今回のような化学工業等において重大災害が頻発しておるということは、まことに憂慮にたえないところであります。近年、技術革新の急速な進展に伴い、機械設備の高度化・新技術の導入、新化学物質の採用等が進み、災害の大規模化、新たな災害発生の危険性が日に増大をしておるものと考えられます。今回の事故対策も含めて、これらに対する通産大臣並びに労働大臣の御所見を承っておきたいと思います。 第四に、取り締まり法規の問題についてでございます。今度の昭和電工の場合では、第一プラントと第二プラントとが並んで建っておって、その横に第三プラントが建設中でございまして、鉄骨の二階建てがすでに組み立てられておったのであります。惨事を起こしたときは、第一プラントの運転は休止中で、第二プラントのみが運転中であったのでございます。これからのガス漏れが増設工事中の第三プラントの溶接火花に引火爆発したのではないかとしろうとにも見られる節があるのであります。毎年毎年、可燃性の新しい物質が次から次へと出ておりまして、その取り締まり対象というものは高圧ガスでもないし、従来いわれておる引火性のあるものでもない、そういうはっきりしないものが工場の一部にある、それが現に今度のような惨事を起こしたのでございます。高圧ガス取締法とこれらの規制との関係をどうするかということは、今後の大きな問題であろうと存じます。こういう法制の整備という点について、あわせて通産大臣にお聞きしておきたいのであります。 本件は、昭和三十二年に石油化学工業がわが国で操業を開始するに至って以来初めての大きな事故でございます。それだけに幾多波及するところがまことに大きいのでございます。 第五として、最後に労働大臣にお伺いいたします。 昭和電工の爆発事故現場において見られるような増築工事において、事業者がみずから工事に当たるのではなくして、建設業者あるいはプラントメーカーの手に工事がゆだねられ、さらに下請にそれが出されるというのが普通でございます。今回の場合は、プラントメーカーである千代田化工の工事であって、その下に内海建設という業者があり、さらにその下に辻という小さな請負業者があったと聞き及んでおるのでございます。また、最近の化学工業においては、装備、電気、配管、オートメのための計器取り付け等、それぞれ専門の工事を必要とするものが多いことは私どもも理解するのでございますけれども、下請から下請へと、たくさんの業者がこれに参加するということでは、安全管理の責任の不明確ということにおちいらざるを得ないのであります。この労務管理の不徹底ということが予測せざる惨害を起こした一つの原因でもあると考えるのでございますが、この点について、労働者としては今後どのような対策を講じようとしておられるのであるかをお伺いをいたしまして、私の質問を終わる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣福田一君登壇〕
○国務大臣(福田一君) 去る十一日の午後三時七分に、川崎市所在の昭和電工川崎工場におきまして、プロピレン・オキサイドのプラント増設工事中に爆発事故を起こしまして、多数の死傷者を出しましたことについては、まことにわれわれとしても残念と考え、遺憾の意を表したいと存ずる次第でございまして、特にこれによってなくなられたお方、また負傷をされたお方たちに対しては、心から哀悼の意を表し、すみやかにその負傷の全快されることを心からお祈りいたしたいと存じます。 そこで、まずこの問題の原因及び対策の問題その他について御質問がありましたが、特に高度成長と人命の尊重ということについてのまず第一点の御質問につきましては、私たちも、産業の高度成長をはかるという意味におきましては、重化学工業が一番産業の先端を行くものでありますだけに、これは最も意を用いなければならないところでございまして、いかに高度成長ができましょうとも、そこに人命がそこなわれるというようなことであっては、われわれとしての責任を全うすることはできません。したがって、今後高度成長をいたしまする石油化学その他の産業につきましては、この保安の対策並びに人命の尊重ということに、今後も十分の留意をいたしてまいりたいと存ずるところでございます。 そこで今度の事故でございますが、ただいま御質問にもございましたように、第三プラントをつくろうといたしておりまして、私も現場に行って見てまいりましたが、その場合にガス漏れがあって、そうしてその漏れたガスに引火するようなことがあってはいけないというので、トタンの遮蔽をいたしまして、第三プラントを建築いたしておったところであります。 原因はただいま取り調べておりますので明らかではございませんが、あるいは第二ブラントのほうで、何かプラント内における事故によってプロピレン・オキサイドが爆発したのではないか。あるいはまた、ガス漏れをいたしましたプロピレン・オキサイドが出まして――これは重いガスでございますから、下のほうに沈でんをいたします。その沈でんをいたしておったものに何らかの理由、たとえば、ただいま御指摘がございましたような建設工事中の酸素の火花が飛んだのではないか。それがこのガスに引火をいたしまして、その引火によってガスが燃えます。燃えたことによって、タンク内におけるところのオキサイドが爆発を起こした、こういうことも考えられるのでございまして、ただいまその原因を至急調査いたし、十分な対策を今後考えなければいけないと存じておるのであります。 私がこの十一日の午後三時七分の事故を知りましたのは、四時ちょっと過ぎでございましたが、直ちに関係でございますところの軽工業局の係官数名を現場に派遣いたしますと同時に、昭和電工に対しましては、すみやかに罹災者の救助に万全を期するということと、特に原因の究明に万全を期してもらいたいということを伝えました。 さらにまた、都道府県に対しまして、石油化学工場を持っておりますようなところ、あるいはまた、こういうガスの関係の仕事をしておりまするところに対しまして、この種の爆発が起きたことを知らせると同時に、十分に注意をするようにという指令を、特に同日直ちに出しておいたわけであります。 ただ、私は、同夜十一時ごろ、もう一ぺん昭和電工の会社に電話をいたしまして、社長その他の重役の方々に、先ほど私が申し上げたような、この罹災者の問題、あるいは原因の追及について十分な措置をとってもらいたいということを申したわけでございます。 そこで、この取り締まりでございますが、ガスのうちには、高圧ガス取締法と都市ガス取締法がございます。このプロピレン・オキサイドというのは低圧ガスでございますから、直接の取り締り対象にはならないのでございますが、今後石油化学等が大いに発展し、重化学工業が進んでいきます場合においては、この種のものを法律の取り締まりの範囲の外に置いておいていいかどうかということは大きな問題であります。もとよりこの低圧ガスにつきましては、消防法で一定の規定はありますけれども、しかし、先ほど御指摘がありました高度成長と人命の尊重という見地から考えてみますと、これを産業の面からもう一ぺん考えて取り締まりを厳重にする必要があるのではないかというのがわれわれの考えでございまして、今後原因の探求をいたしまして、その結果を明らかにすると同時に、私たちとしては、法的な措置その他あらゆる意味における万全の措置をとって、対策に遺憾のないように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
○国務大臣(大橋武夫君) 今次昭和電工川崎工場の災害の発生は、きわめて遺憾なできごとでありまして、監督指導の責めにある当局といたしましては、深く反省をいたしまするとともに、犠牲者各位に対しては心から哀悼の意を表し、また、遺族並びに負傷者の方々に対しましては御同情を申し上げ、かつ、今後の援護措置について遺憾なきを期しておる次第でございます。 事件発生と同時に、労働省といたしましては、神奈川基準局長、川崎基準監督署長ほか係官を現地に派遣いたしまして、関係機関と協力して事件の発生の状況、原因等を調査し、また、犠牲者の確認、負傷者の手当て等、労災保険給付を急がせた次第でございます。 最近、石炭鉱業、交通機関、建設現場、さらに化学工業等におきまして災害が頻発いたしておりますことは、まことに遺憾でございます。労働省といたしましては、これら災害の発生状況にかんがみまして、その対策を検討いたしていたところでございますが、先般中央労働基準審議会から、抜本的、総合的な災害防止対策について答申が提出されました。この答申は、災害防止の基本的態度としては、経済成長、技術革新に伴って頻発している労働災害に対し、これを単に災害発生の現場の問題としてのみとらえるにとどまらず、それを取り巻く各種の要因、環境の問題にまでさかのぼって対処すべきであるという趣旨が盛られたものであります。今後はこの具体化を積極的に進めまして、災害防止の万全を期したいと考えております。 次に、技術革新の急速な進展に伴う労働災害の防止対策につきましては、一般的には、ただいま申し上げました中央労働基準審議会の答申を実現していきたいと考えておりまするが、特に今回のような化学工業等につきましては、さらに、第一には、人命尊重観念の徹底、第二には、新技術に即応する労働基準監督機構の整備、第三には、産業安全研究所、労働衛生研究所を中心とする専門的立場からの研究調査、第四に、現在国会で御審議中の労働災害防止法案が成立いたしました暁には、特に災害多発業種と考えまして、化学産業部門等にも、同法に基づく労働災害防止協会の設立をはかる等の施策を講じてまいりたいと存じます。 なお、昭和電工川崎工場のこのたびの爆発事故の原因等については目下調査中でございますが、当面、六月十五日、石油化学工場に対し、全国一斉に監督を実施いたしまして、六月十七日には、関係担当官を中央に集めて、監督実施の結果について検討を加えることといたしておるのであります。 第三に、御指摘のように、一つの工事現場に下請関係の多数の事業場が一緒になって作業を行なっておりまする場合には、安全管理について、その責任の所在が不明確、また責任そのものが不統一となるおそれがございます。かような場合における安全管理の責任の明確化及び統一、安全管理の必要性につきましては、去る四月提出されました中央労働基準審議会の答申においても特に強調されているところでございますが、この点につきましては、ただいま御審議を願っておりまする労働災害防止に関する法律案に、法律上明確な規定を掲げておりますので、同法案の成立をはかりつつ、万全の措置をとってまいりたいと存じます。(拍手) ――――――――――――― 頻発する労働災害に関する緊急質 問(中嶋英夫君提出)
○議長(船田中君) 次に、中嶋英夫君提出、頻発する労働災害に関する緊急質問を許可いたします。中嶋英夫君。 〔中嶋英夫君登壇〕
○中嶋英夫君 去る六月十一日午後、昭和電工川崎工場において発生いたしました大爆発事故は、十六名に及ぶとうとい労働者の生命を奪い去り、数十名の重傷者はなお病床に呻吟し、軽傷者を含めて負傷者の数は百十一名にも達する大惨事でありました。 この原因については、目下調査が進められておるようでありまするが、その結果のいかんは別として、これがプロピレン・オキサイドの爆発であり、近代科学の発達過程における悲惨事として多くの警告を世に与えた事実はまことに重大であります。(拍手) 私は、今次事故によってなくなられた方々の御冥福と負傷者の人々の全快のすみやかでありますようにとお祈り申し上げるとともに、御家族の皆さんに、心からお悔やみとお見舞いを申し上げつつ、かかる悲劇を再び繰り返すことのないことを期して、日本社会党を代表して、池田総理並びに関係閣僚に対し、質問をいたします。(拍手) 近来、よく、人づくりとか国づくりとか耳ざわりのよいムードを持ったことばを聞きますが、人づくりの前に、まず人を大切にすること、人命こそ何ものにもかえがたいものとして尊重されなければなりません。 池田内閣発足以来の経済政策は、一にも二にも経済の成長をうたい上げてまいりましたが、とれが空虚なる所得倍増ムードと相まって、産業界にはあわただしいまでの技術革新ブームを現出するに至ったのであります。私は、国民の生活にしあわせをもたらす技術革新には大いに賛成でありますが、それはあくまでも災害の予防、公害の防止を含む諸般の対策を前提として進めらるべきであります。すなわち、災害、公害の防止対策が不十分であることは、人命軽視となり、労働災害の続発を生むことになるのであります。保安装置、公害除去装置の費用が、企業性、採算性の立場から、非生産的投資として軽んじられるならば、近代的オートメーション工場は市民生活を脅かし、労働者を危険にさらすところの暴力的存在といわなければならないのであります。(拍手) 今回の事件発生の翌朝のことであります。日本経済新聞の報道によれば、昭和電工副社長は、今回の事故で損害はたいしたことはない、今六月期、来十二月期の株主配当には影響しないと思うと談話を発表しております。過度の企業意識は、反社会、反国家、反道徳の風潮を生むことになり、まことに憂慮にたえません。 池田総理は、よく経済のことはまかしてくれとおっしゃいますが、このたびの事故でなくなられた方々の遺族の悲嘆と負傷者の不幸とを眼前に見るときに、また、爆弾をしょっているようなものですと、爆風でガラスを破られた近所のお菓子屋さんの興奮した声を聞くときに、私はこの悲劇と不幸を国民に与えたのは一体だれなのか、もうまかしてはおけないという叫びが込み上げてくるのを押えることができませんでした。池田総理及び通産大臣は、この点どのように反省をなさっておられるのか、どのように責任をとられるかをまずお伺いいたしたいのであります。(拍手)また、総理は、今後どのような姿勢で事故の再発を防止されるお考えであるかを承りたいのであります。 さて、急激な技術革新に伴い、それに対応する監督、取り締まりもまた革新されなければなりません。この点、通産省、労働省、消防庁当局は十分なる施策をなされておられたかどうかを次にお伺いいたします。通産大臣は、新しい立法措置などについてお考えを持っておられるようでありまするけれども、その点をも明らかにしていただきたいと思います。 しかし、いかに立法措置が前進いたしましても、その運用が旧態依然たるものであるならば、効果があがりません。監督官の能力あるいは待遇、または人員不足等、多くの問題がありますが、取り締まりを受けるものの技術的水準が高くて、取り締まりをするものがそれに及ばないということになると、勢い立ち入り検査はずさんになり、あるいはなれ合い検査が行なわれる危険があります。監督官の人員不足は、一年一回の立ち入り検査でも、それを綿密に行なうときは、管内一巡に数年を要するという嘆きを私どもは聞いておるのであります。労働基準監督署、各府県の工業指導担当課あるいは消防署が、化学産業の発達に追いついていけないところに、政府として十分反省をしなければならない点があると考えるものであります。 この際、特に指摘したいのは、人命尊重と直結する諸機関や担当者が、社会的にどれだけ評価されておるかという問題であります。知識水準、技術水準を高くするように要求されておる人人が、行政部内の日の当たらないところで軽視されている傾向を私は等閑視できないのであります。また、工場内においても、安全担当者がわき役的処遇を受けて、安全管理に熱心なる職員が、ああ、あれは安全屋だと笑いものにされている事実をも黙視できないのであります。本腰の入った保安訓練、保安施設の完備とともに、有能な科学者、技術者が進んで監督体制に参加し、人命尊重の大切な職務についておるという誇りを持ってその任に当たり得る条件を生み出すための施策が必要であります。この点、関係各大臣の答弁を求めます。 次に、あらためて通産大臣並びに自治大臣にお伺いいたします。 現地川崎市の金刺市長は、今回の大事故を重視し、今後の対策として、化学工場はすべてオートメ化され、年中無休で稼働されているが、保安要員が少ないのではないか、増設工事の場合は危険な装置を一時休止すべきではないか、オートメ工場は部分的改修や器具の取りかえなどがなかなかできないのではないかなどを調査の上、それぞれの工場が年間何回かの工場全体による点検再整備の日を設置するよう、市内の化学工場全部に申し入れたようでありますが、この新しい提案に対して所信を承りたいと思います。 天災と異なり、最近頻発する産業災害はすべて予測できないものではありません。現に、事件発生後の調査結果によれば、必ず予防の方法があったことが指摘されております。危険だから注意しろ、注意をしろと労働者の注意力にのみ依存をし、事故が発生するや、作業員の不注意ではないか、これでは労働者はたまったものではありません。このたびの事故の原因についてはいまだつまびらかではありませんが、少なくとも建設工事に際して、火気発生の時間中、隣接の危険な件業を中止するとか、コントロール室のメーターに変化があった場合、工事現場に直結する警報機、非常ベルを準備するとか、いろいろな方法で防ぐことができたはずであります。 去る十二日、衆議院商工常任委員会において、わが党森義視委員の質問に対し、労働省の幹部は、最近労働災害は率的に減少しておると答弁しておりますが、各企業の表面的安全競争の陰に隠された産業災害は激増の一途をたどっております。まさに池田内閣発足以来産業災害倍増の状態であります。(拍手)けがをしても、おまえの不注意だ、工場の恥になるからと言って、公傷としないで休暇をとらせたり、現場公休と称して工場内における休養制度をひそかにつくり、その犠牲の上に無災害記録が樹立されている実態を、総理及び労働大臣は知っておられるかどうか。人の生命は何ものにもかえがたい、とうとい侵すことのできないことをしっかりと確認した上での御答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
○国務大臣(大橋武夫君) 技術革新に伴う新しい機械設備についての対策といたしましては、新技術の導入、機械設備の高度化、新化学物質の使用等が進むに対応いたしまして、安全監督行政はますます重要度を加えておるのでございまするから、これに対しまして高度の専門的、技術的知識が要請されつつあることは御指摘のとおりと存じます。労働省といたしましては、産業安全研究所、労働衛生研究所を拡充強化いたしまするとともに、学界等の協力を得て、専門的立場からの研究、検討を進め、新技術、新設備等に即応する安全対策の確立、法令の整備をはかり、特に監督官の充実、資質の向上等につとめておる次第でございます。しかしながら、現在の段階におきましては、新事態に即応する監督機関の人的、物的能力は必ずしも十分とは言いがたい点があるのでございまして、当面は機動力の増強、事務の機械化、予算の効率的使用等の方法によって、監督能力の増大をはかっておりまするが、今後は何と申しましても予算人員の確保等の面について善処いたしてまいりたいと存ずる次第でございます。 なお、無災害記録達成運動の点でございまするが、この運動について、本来の趣旨にもとるようなものがございまするならば、きわめて遺憾でございまするので、今後ともそのようなことのないよう十分に指導を進めてまいりたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣福田一君登壇〕
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 この工事現場は、実は昭電のプロピレン・オキサイド・プラントというのはリモートコントロールでもってやっております。したがって、昭電関係負傷者は二名でございます。ところが、第三プラントを増設しておりまして、その関係者が多数おりましたために非常な被害を生んだのでございます。したがって、建設工事をするような場合においては、この操作をとめておいて、そうしてやったならばこういうことが起きなかったのではないかということが考えられるわけであります。また、そういう場合において、引火しないようなもっと十分な注意を払うか、あるいはガス漏れを事前に探知いたすことができましたならば、私はこの事故の発生を防止し得たと思うのでございます。こういう意味におきまして、先ほども申し上げましたように、新しい立法が考えられ、またガス漏れをすぐに探知できる自動的な研究を何か開発をいたさなければいけない。ただしかし、ガスと言いましても何百種類とございますから、それに相応した探知機でなければいけないわけでございますが、こういうことはぜひすぐに開発するようにということを、昭和電工に対しても実は厳重に申し入れをしておきました。 また、新しい立法をつくっても人が少なくては十分な監督ができないではないかというお説はごもっともでございまして、われわれとしては十分その点は考えなければなりません。 また、保安関係者の地位が低いために十分な保安の効果をあげ得られないではないかというお説もごもっともでございますので、われわれとしてはこれに対して善処いたしてまいりたいと考えております。 なお、御指摘がございました金刺市長の、保安の関係から見れば一時運転を休止してやったらよかったんだという話、または化学工場というものが非常に危険であるから、そういうものは一年の間に一応一定期間でも休んで、そうして十分な、何と言いますか保安の対策が講ぜられておるかどうかを調査すべきである、こういうお話でございます。こういうような建築をする場合、一時運休をするということは私もよくわかりますが、調査のほうは、運転しておって調査したほうがあるいはいいのではないかと思いますけれども、いずれにいたしましても、この調査を厳重にいたしまして原因を明らかにいたしますと同時に、今後はこの種の近代産業において保安が十分に達成されますように、慎重なしかも十分な努力をしてまいりたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣赤澤正道君登壇〕
○国務大臣(赤澤正道君) お答えいたします。今回の昭和電工の悲惨な事故でございますが、現行の消防関係の法令は一応守られておりますし、また消防活動に特に手落ちはなかったと判断いたします。消防法には、御案内のとおり、随時現場査察の権限があるわけでございまして、それに基づいて三ヵ月に一回ここも査察をしております。最近は三月末に査察を行ないましたが、そのときには異状は認められなかったわけでございます。 こういう事故が起こらぬためにはどうすればいいのかということにつきまして、いろいろ検討を加えておる次第でございますが、やはり一つには、こういう危険物を保管する工場側でも自主的に徹底的に点検を励行するという指導も必要でございますし、また、消防のほうももっとひんぱんに綿密に査察をする必要がある。そのためには、やはり人員の配置の問題もありましょうし、また特に技術者が足りないと判断されますので、この問題もやはり前向きで解決しなければならぬと考えます。その他、最近科学技術の進歩に伴いましてオートメーションの工場がたくさんできてまいっております。どうもいままでの行政では手が届かぬところがあるのではないかという気持ちがいたしますので、これは今後の問題として、関係各省ともよく協議をいたしまして、この何かというものをつかんで対策を立てなければならぬ、かように考える次第であります。(拍手) ――――――――――――― 昭和電工川崎工場爆発事件等に関 する緊急質問(門司亮君提出)
○議長(船田中君) 次に、門司亮君提出、昭和電工川崎工場爆発事件等に関する緊急質問を許可いたします。門司亮君。 〔門司亮君登壇〕
○門司亮君 私は、民社党を代表いたしまして、去る六月十一日午後三時七分といわれておりまする昭和電工川崎工場における爆発事件について、政府の所信をただしたいと思うのでございます。(拍手) この事件の御質問を申し上げまする前に、十六名のなくなられた方々に対しましては、心から哀悼の意を表したいと思うのでございます。なお、三十一名の重傷者、その他八十九名にのぼる軽傷者の方々に対しましても、一日もすみやかに全快されんことを心からお祈り申し上げるものでございます。 政府に対しましては、本日のこの会議における政府の御答弁は、いま申し上げましたような気持ちで私質問をいたしますので、どうか政府の答弁がなくなられた方の冥福を祈るに十分であり、負傷者の方々の慰安に値するものであるという心がまえにおいて、ぜひ御答弁をわずらわしたいと思うのでございます。 この事件は、いろいろ原因はございますが、いま取りざたされておりまする原因は、二つである。一つは、外部からの引火によるもの、一つは、作業工程の中で何らかの衝撃によって爆発したのではないかという科学技術の面からの問題でございます。しかし、いずれもこの問題は判明をいたしておりません。したがって、私は、この機会には、この二つの問題を一応想定いたしまして、以下、総理大臣並びに労働大臣、通産大臣に御質問を申し上げるものでございます。 まず最初に申し上げたいと思いますことは、労務管理の面でございます。御承知のように、先ほどからもお話がございましたように、発注者が昭電であって、工事の請負は千代田化工になっております。この千代田化工さんが、あらゆる工事の面について、十幾つかの会社あるいは事業所にこれを下請に出しております。したがって、ここで作業をいたしておりました人たちは、これらの十幾つかの作業場あるいは工場から参りました人たちでございます。したがって、同じ現場で働きながら、人と人との融和性は全くなかったと判断することができようかと思います。同時に、保安その他の問題に対しましても、命令系統が区々まちまちであって、またこれ徹底していなかったであろうことは、想像にかたくございません。したがって、危険区域であって、火気厳禁と書かれておる場所で作業するにもかかわりませず、それらの労務管理というものが完全でなかったということは私は言えると思う。したがって、これらの面について、労務管理の面から労働省は将来どういう見解を持っておるかということの所信を一応明らかにしてもらいたい。 その次には、この爆発事故によって最も大きな被害を出したと考えられますのは、この現場のわずか四メートルの道路を離れて下請工場の現場事務所が並んでおったという事実でございます。この現場事務所が現場の近くにあるということは、作業工程の中から申しますならば、きわめて便利かもしれない。しかしながら、そうした意味において、ここにたくさんの仮設の家屋があって、そこに多くの人たちが働いておった、この人たちが爆風と、さらに火炎による傷害お受けて、想像以上の犠牲者を出したということは、いなめない事実でございます。私どもは、こういう危険な個所において、ややともすればこの種の惨事が起こりはしないかと考えられるような場所でありますならば、できるだけ現場事務所は遠ざかっておったならばこういう惨事はなかったと考える。しかし、事業をする者にとりましては、できるだけ安上がりのために、できるだけ工事の都合のいいようにこういう便利な方法がとられたと考えるが、これらの問題についても、当局側はそれでよろしいというお考えなのか、将来こういう問題に対しては十分の注意をするというお考えなのか、その点をはっきりしてもらいたい。 その次に、私は通産省にお伺いをいたしたいと思いますことは、先ほども答弁がございましたように、高圧ガスに対しては取り締まりの法規がある。しかし、低圧ガスに対しては取り締まりの法規がない。ただ、消防法規の中に、危険物に対します査察、あるいは注意を行なうことのために消防の取り締まりを受けることができるようになっておる。ところが、この現場を見てみますると、第一工程と申し上げても差しつかえないかと思いますが、そこは明らかに高圧ガスである、第二工程の中は低圧ガスである、第三工程はまた高圧ガスになるという危険性を持っておる。こういう作業工程の中であって、したがって、その査察を行ないます場合においても、これは官僚の悪い癖でありまするが、結局なわ張り争いができて、そうして高圧の部分は、いわゆる頭としっぽのほうは通産省が行なう、まん中は消防庁でよろしいというようなことで、一貫したこれに対する取り締まりあるいは査察をするということが今日まで不可能であったのではないか。こういうことではこういう事件の起こるということも考えられますので、将来、これに対するいわゆる取りあえずの処置として、当然、共同というか、合同による査察を行なうという御意思があるかどうかということをお伺いしておきたい。 さらに、私はもう一つこの問題について労働省にお伺いをいたしておきたいと思いますことは、労働省が昨年の三月二十日の省令で四月一日施行になっておりまする施行規則の中で、ボイラーその他これらの問題に対しますいわゆる取り締まりの改正をなされておりまするが、その中に、不幸にして今回起こりました事件の内容がはずれておるという事実がございます。私は、せっかく法規を改めて災害の防止に万全を期せられようとするならば、この点等についてもひとつ労働省も考えてもらいたい。 そう考えてまいりますると、結論といたしましては、現在のこれらの化学産業に対しまする、あるいは石油化学産業に対しまする取り締まり規則というようなものが、いまのように区々ばらばらであって、高圧は通産省であり、あるいは低圧、危険物は消防庁であり、さらに容器に対しては労働省であるというような、こういう多岐多様にわたるようなことでなく、一貫してこれの取り締まりが十分にできるように、総合的に全面的法律の改正を行なう御意思があるかどうかということを聞いておきたいと思うのでございます。 最後に、私は、これらの事件をずっと総合いたしてまいりますと、何と申し上げましても、池田内閣のとってまいりました高度経済成長政策というものが、あまりにも企業間の競争の激化を来たした結果、さらに利潤を追求する資本主義の必然の結果として起こりましたものが、安全あるいは人命の尊重というようなことがつい忘れられがちになって、今日のこの大惨事を引き起こしたものであるということは、以上申し上げましたことを総合いたしてまいりましてもはっきり言えるかと思うのでございます。したがいまして、池田内閣は、このあやまてる高度成長政策を改める御意思があるか、そうしてあらゆる産業に対して、将来ますます発展しようと考えられておりまする化学産業、なかんずく石油化学産業に対しまする一貫した政府の所信をこの際内閣総理大臣にお伺いをいたしまして、本日の私の質問を終わりたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣福田一君登壇〕
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 工事作業場をプラント建設のすぐそばにつくったのは遺憾である、こういうことについてどう考えるかということでありますが、お説のように、この種の危険の場所におきましては、工事作業場等をその近所につくっておくことは、万一の場合に非常な災害を起こすことになりますので、将来十分注意をいたしたいと存じております。 なお、一貫した取り締まりが必要である。すなわち、高圧ガス、都市ガスあるいは低圧ガスというようなものについて、通産省あるいは消防庁、あるいはまた労働省というようなところにおいて、いろいろの違った面から取り締まりをやっておったのでは、一貫した取り締まりができないために、災害を誘発するおそれがある、したがって、今後、法律ができない間にも、査察においては一貫した取り締まりを行ない、さらに、法律をつくる場合においてもそのような措置を講ずべきであるというお説につきましては、御趣旨のように努力をいたしてまいりたいと存じます。 なお、重化学工業を今後ますます進めていかなければならない高度成長の姿におきまして、保安の必要性を強調していただいたのでございますが、われわれといたしましても、御趣旨に沿って今後は万全を期してまいりたいと存じております。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
○国務大臣(大橋武夫君) 第一に、工事現場に下請関係の多数の事業場が一緒に作業を行なう場合には、安全管理についてその責任が不明確あるいは不統一となるが、この点に対する対策はいかんという御質問でございますが、かような場合におきまする安全管理責任の明確化及び統一安全管理の必要性につきましては、政府もこれを痛感いたし、労働災害の防止に関する法律案で、法律上明確な規定を掲げておきましたので、この法案成立以後におきましては、この法律によって万全の措置をとりたいと存じます。 第二に、事務所、寄宿舎等、付属建設物の場所でございまするが、危険な設備との関係から考えて場所を選ぶ必要があるという御趣旨には同感でございまして、労働省といたしましても、工場施設等の設置にあたりましては、かような見地から、できるだけ監督指導につとめておるのであります。今回の災害を契機といたしまして、さらにこの点に関する監督指導に徹底を期したいと存じます。 第三に、取り締まり規則に不備があるという点でございまするが、労働災害の防止については、原則として労働基準法に規定されており、労働省が所管をいたしておりますものの、特定の事業につきましては、他省の所管する法令と密接な関係がある場合がありますので、かような場合については、将来関係各省とも十分連絡をいたし、遺憾なきを期してまいりたいと存ずるのでございます。 ともかくも、このたびの災害によりまして、私どもは、従来気のつかなかった新しい危険が新しい技術のもとに発生しつつあるという事態に対して、深く反省をいたしておる次第でございます。(拍手) ――――◇――――― 日程第一 東海北陸自動車道建設 法案(瀬戸山三男君外十八名提 出) 日程第二 首都圏の既成市街地に おける工業等の制限に関する法 律の一部を改正する法律案(内 閣提出) 日程第三 近畿圏の既成都市区域 における工場等の制限に関する 法律案(内閣提出) 日程第四 近畿圏の近郊整備区域 及び都市開発区域の整備及び開 発に関する法律案(内閣提出)
○議長(船田中君) 日程第一、東海北陸自動車道建設法案、日程第二、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律案、日程第四、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。 ――――――――――――― 東海北陸自動車道建設法案 首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部を改正する法律案 近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律案 近畿欄の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 ―――――――――――――
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。建設委員会理事服部安司君。 ――――――――――――― 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ――――――――――――― 〔服部安司君登壇〕
○服部安司君 ただいま議題となりました四法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、東海北陸自動車道建設法案について申し上げます。 本案は、起点を一宮市、終点を砺波市付近とし、主たる経過地を関市付近及び岐阜県大野郡荘川村付近とする路線を基準として幹線自動車道を建設することにより、東海地方と北陸地方との交通の迅速化をはかり、相互間の産業経済等の交流を一そう密にし、あわぜて沿線地域の開発を強力に推進しようとするものでありまして、六月十一日本委員会に付託、同十二日、提案理由の説明を聴取、討論を省略して直あに採沫の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 次に、首都圏近畿圏関係の三法案について申し上げます。 首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部を改正する法律案は、第一に、工業等制限区域を東京都区域のみならず、横浜、川崎、川口の各市にも指定することができるようにすること、第二に、制限施設の許可権者を都県知事または政令指定都南の市長とすること、第三に、首都圏整備審議会の委員に政令指定都市の市長及び議長を加えること等であります。 次に、近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律案は、第一に、制限の対象となる施設を工場、大学等とすること、第二に、制限区域を既成都市区域のうち政令で定めるものとすること、第三に、制限施設の許可権者を府県知事または政令指定都市の市長とすること等であります。 次に、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律案は、第一に、近郊整備区域または都市開発区域の建設計画の作成主体を関係府県知事とし、内閣総理大臣の承認を得て設定されるものとすること、第二に、近郊整備区域及び都市開発区域に工業団地造成事業を施行することができること、第三に、近郊整備区域等の建設計画達成のため、国及び地方公共団体は、必要な資金のあっせんにつとめること等の規定を設けたことであります。 以上、首都圏、近畿圏関係の三法案は、五月一日及び五月四日にそれぞれ本委員会に付託され、五月六日に一括して提案理由の説明を聴取、同月二十七日より質疑に入り、慎重審議を重ねましたが、その詳細は会議録によってごらん願いたいと存じます。 かくて、六月十二日、質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決いたしました結果、全会一致をもちまして政府原案のとおり可決すべきものと決定いたした次第でございます。 なお、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律案に対しまして、三党共同提案による附帯決議が付されましたが、その内容は会議録に譲ることにいたします。 右、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(船田中君) 四案を一括して採決いたします。 四案の委員長の報告はいずれも可決であります。四案を委員長の報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、四案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ――――◇――――― 日程第五 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(船田中君) 日程第五、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 ――――――――――――― 電波法の一部を改正する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 ―――――――――――――
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長加藤常太郎君。 ――――――――――――― 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ――――――――――――― 〔加藤常太郎君登壇〕
○加藤常太郎君 ただいま議題となりました内閣提出、参議院送付、電波法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 この法律案は、千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約の発効に備えて、電波法中の船舶局の無線設備、運用に関する条件等を新条約の規定に適合させるとともに、マイクロ波重要無線通信路における高層建築物等の建築による伝搬障害を防止するため、所要の措置を定めようとするものでありまして、マイクロ波重要無線通信路の障害防止の関係については、周波数八百九十メガサイクル以上のマイクロ波重要無線通信路について郵政大臣が指定する伝搬障害防止区域内における高さ三十一メートル以上の高層建築物等の建築を届け出制とし、郵政大臣より電波伝搬上の障害となる旨の通知を受けた場合、建築主と関係無線局の免許人とは協議によって障害防止措置を講じ、協議不調のときには、建築主は通知を受けた日から、公衆通信に対する障害の場合は三年間、その他の場合は二年間、障害原因となる部分の工事をしてはならないことなどといたしております。 逓信委員会においては、三月二十七日の予備付託以来、数次の会議を通じて慎重審査を重ねましたが、六月十二日、討論を省略して採決を行なった結果、全会一致をもって本案はこれを可決すべきものと決しました。 なお、本案に対しては、船舶無線電信局の要員確保に関し、政府は遺憾のないよう適切な措置を講ずべき旨の附帯決議を付することを決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(船田中君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ――――◇――――― 日程第六 千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の締結について承認を求めるの件
○議長(船田中君) 日程第六、千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 ――――――――――――― 千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の締結について承認を求めるの件 〔本号(その二)に掲載〕 ―――――――――――――
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。外務委員長臼井莊一君。 ――――――――――――― 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ――――――――――――― 〔臼井莊一君登壇〕
○臼井莊一君 ただいま議題となりました千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 麻薬の国際統制に関しましては、現在九つの条約が存在し、相互に重複して複雑な体系を構成しておりますので、国際連合は経済社会理事会の麻薬委員会にこれら諸条約の単一化について検討させておりましたが、単一条約の草案が得られましたので、一九六一年一月国際連合事務総長の招請により、国際連合本部において国際連合会議が開催され、同年三月本条約が採択されたのであります。本条約は同年八月一日まで署名のため開放され、わが国は同年七月二十六日署名いたしました。 本条約は、麻薬の医療上の使用が現状において不可欠である一方、麻薬の中毒が個人及び社会に重大な害悪を及ぼすことを認め、麻薬の乱用を防止する目的で、その作用を医療上及び学術上の目的のみに制限するため、所要の国際協力及び国際統制を行なうものでありまして、麻薬の国際統制機関として、国際連合経済社会理事会の麻薬委員会のほかに、新たに国際麻薬統制委員会を設立し、大麻、ヘロイン等特に危険な薬品の取り締まりを強化し、さらに麻薬原料植物の栽培に対しても統制措置をとり、麻薬中毒者の治療、保護及び更生のため特別の措置をとることを規定しております。 本件は、四月十七日外務委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。 かくて、六月十二日、質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。 右、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(船田中君) 採決いたします。 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。 ――――◇――――― 日程第七 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(船田中君) 日程第七、建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 ――――――――――――― 建設省設置法の一部を改正する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 ―――――――――――――
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長徳安實藏君。 ――――――――――――― 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ――――――――――――― 〔徳安實藏君登壇〕
○徳安實藏君 ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきましても内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、一月二十九日本委員会に付託、二月十八日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、六月十二日、質疑を終了いたしましたところ、内藤委員より、砂防工事及び地すべり防止工事等の助成、監督の業務を従来どおり本省に存置することとし、施行期日のうち四月一日を「公布の日」に改める旨の修正案が提出され、趣旨説明の後、討論に入り、日本社会党を代表して山内委員より反対の意見が述べられ、次いで、採決の結果、本案は多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決定いたしました。詳細は会議録によって御了承いただきたいと思います。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(船田中君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ――――◇――――― 日程第八 大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律案 (内閣提出、参議院送付)
○議長(船田中君) 日程第八、大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律案を議題といたします。 ――――――――――――― 大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 ―――――――――――――
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長森田重次郎君。 ――――――――――――― 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ――――――――――――― 〔森田重次郎君登壇〕
○森田重次郎君 ただいま議題となりました大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、大規模な公有水面の埋め立てによって生じた土地に、新たに村を設置する場合の手続並びにその村の組織及び運営について、経過的な地方自治法等の特例を定めようとするものでありましで、その内容は、第一に、新村設置の処分は、内閣が関係普通地方公共団体の意見を聞いて行なうことができるものとすること、第二に、新村の設置選挙は、自治大臣の指定する日以後において行なうものとすること、第三に、新村の設置選挙が行なわれるまでの間、村長の職務を行なう者を知事が都道府県の吏員の中から議会の同意を得て定め、議会の議決事項の執行は知事の承認または議会の同意を要するものとし、行政委員会等の事務は原則として都道府県の行政委員会等が管理、執行するものとすること、第四に、設置選挙後も、一定期間に限り議員及び村長並びに行政委員会の委員等の任期を短縮することなどであります。 本案は、参議院先議のため、当委員会に予備付託され、五月十三日本付託となり、同十九日赤澤自治大臣より提案理由の説明を聴取し、以来、審議を重ねてまいりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 かくて、六月十二日、質疑を終了し、討論の通告もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対して、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党共同提案により、新村設置選挙の早期実施及び新村議会が成立するまでの間における住民意思の反映措置等を内容とする附帯決議案が提出されましたが、これまた全会一致をもって可決いたしました。 右、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(船田中君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ――――◇――――― 赤澤自治大臣の新潟方面の地震の 被害状況についての発言
○議長(船田中君) 自治大臣から、新潟方面の地震の被害状況について発言を求められております。これを許します。自治大臣赤澤正道君。 〔国務大臣赤澤正道君登壇〕
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま起こりました新潟方面の地震につきまして、警察情報をお伝えいたします。 第一報 本日午後一時二分ころ、新潟県沖を震源地とするかなり大きな地震が発生したが、現在までに判明した情報は次のとおりである。 一、各地の震度 震度五 仙台、酒田、新潟。 震度四 秋田、柿岡、小名浜、福島、前橋、山形、石巻。 震度三 宮古、熊谷、甲府、秩父、宇都宮、諏訪、長野。 震度二 青森、水戸、東京、松代。 震度一 八戸、宮崎。 二、おもなる被害 一、死者二名、山形県成田新田。 二、建物一棟、山形県京田幼稚園その他被害は増加する見込み。 三、おもなる情報 一、新潟市、地割れ、地下水の湧水などがあり、市内では浸水がある模様。市内に大きい爆音があり、石油タンクの爆発と思われる。信濃川にかかる新大橋が落下した。 次に第二報。これは十四時現在でございます。 東北管区局内の被害状況は次のとおり。 一、秋田県、死者一、秋田市内、重傷二。 二、山形県、死者二、幼稚園一棟倒壊、死傷者不明。県内各警察署の電話不通。パトカーで連絡中。県内では酒田市の被害が特にひどい模様。 第三報 その後判明した被害は次のとおり。 一、山形県、新庄署管内において鉄道レールが曲がった個所二ヵ所、このため列車運行不可能におちいる。奥羽本線一ヵ所、陸羽西線一ヵ所。 第四報 一、九州、四国異常なし。 二、中部管内は震度三程度であったが、目下のところ被害なし。 三、新潟県、新潟市内で三ヵ所から火災が起きた。死傷者などは不明。 第五報 一、新潟県、信濃川にかけたばかりの橋、昭和大橋が落ちた。 二、県内各署と県本部との通信は途絶。 三、信濃川の水が逆流している。津波のおそれが強い。新潟県気象台の構内に信濃川の水が浸入してきている。 第六報 一、本地震の地域範囲は関東、東北の二管区警察局内である。特に被害の多いのは新潟県、山形県の二県と推定される。 二、新潟、山形とも有線通信は途絶し、目下無線通信で被害状況を調査中である。 第七報 これは気象庁発表の第五報でございます。 一、本地震は新潟地震と命名された。 二、規模は七・七程度である。昭和二十三年福井地震よりも大きく、大正十二年関東震災よりもやや小さい。 三、震源地は新潟県沿岸と判明した。 第八報 宮城県内では人畜被害はない。その他の被害は次のとおり。 一、国鉄不通二ヵ所 一、陸羽本線、鳴子-中山平間、レールの隆起による。 二、石巻線、小牛田-女川間、明日中には復旧の見込み。 二、私鉄不通一ヵ所、高石付近。 三、停電地域四地域、石巻、塩釜、気仙沼、築舘。 四、土砂崩壊一ヵ所、白石市内。 五、警察通信、有線不通三回線、署と駐在所間。 第九報 一、新潟県、新潟市死者一名、火災三ヵ所、橋梁落下一ヵ所、昭和大橋。 二、佐渡、津波発生、家屋流失の模様、詳細不明。 その他 一、県下交通通信途絶、被害調査は困難をきわめている。 二、長岡市内の道路数ヵ所に亀裂を生じている。 三、見附、白根付近の川の土手が亀裂し、川水がはんらんしている。 第十報 新潟県警察などの被害状況 一、新潟市内の二警察署ともほとんど倒壊す。断層による庁舎倒壊、車両使用不能。 二、検察庁が半壊。 三、警察学校が湾曲してしまった。 まあ、そのほか消防庁の情報もございまするけれども、大体似たようなことでございます。 以上、御報告いたします。 ――――◇―――――
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会 ――――◇――――― 出席国務大臣 厚 生 大 臣 小林 武治君 通商産業大臣 福田 一君 郵 政 大 臣 古池 信三君 労 働 大 臣 大橋 武夫君 自 治 大 臣 赤澤 正道君 出席政府委員 外務政務次官 毛利 松平君 建設政務次官 鴨田 宗一君 ――――◇―――――