本会議 第14号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/03/13
会議録
○議長(船田中君) これより会議を開きます。 ————◇————— 海外移住審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件 売春対策審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件 肥料審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件 国立近代美術館評議員会評議員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件 蚕糸業振興審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件 畜産物価格審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件 米価審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件
○議長(船田中君) おはかりいたします。 内閣から、海外移住審議会委員に本院議員中龍夫君、同田原春次君、同永田亮一君、売春対策審議会委員に本院議員井村重雄君、同小林進君、同田中龍夫君、同中野四郎君、同本島百合子君、同山口シヅエ君、肥料審議会委員に本院議員、足鹿覺君、同小川平二君、同始関伊平君、国立近代美術館評議員会評議員に本院議員長谷川峻君、同長谷川保君、参議院議員林屋亀次郎君、蚕糸業振興審議会委員に本院議員吉川久衛君、同高田富之君、同谷垣專一君、同中澤茂一君、同長谷川四郎君、参議院議員木暮武太夫君、同小山邦太郎君、同中田吉雄君、畜産物価格審議会委員に本院議員谷垣專一君、同芳賀貢君、同長谷川四郎君、参議院議員仲原善一君、同矢山有作君、米価審議会委員に本院議員淡谷悠藏君、同舘林三喜男君、同根本龍太郎君、同湯山勇君を任命するため、それぞれ国会法第三十九条但書の規定により本院の議決を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————◇————— 日程第一 公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(船田中君) 日程第一、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。 —————————————
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長森田重次郎君。 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔森田重次郎君登壇〕
○森田重次郎君 ただいま議題となりました公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案の内容の第一は、政府は、予算で定める金額の範囲内において、公営企業金融公庫に追加して出資することができる等、公庫の資本金に関する規定を整備するものであります。 第二は、本公庫の業務運営が適切かつ能率的に運用されるよう、監事の権限を強化するため、監事は、監査の結果に基づき、総裁または総裁を通じて主務大臣に意見を申し出る道を設けるものであります。 本案は、一月二十九日本委員会に付託となり、同三十一日自治大臣より提案理由の説明を聴取し、以来、各政府関係機関に対する出資の状況、監事の権限、地方公営企業の再建、なかんずく公共料金の抑制と企業経営との関連等について、慎重に審議を行なったのでありますが、その内容は会議録によって御承知いただきたいと存じます。 二月七日質疑を終了いたしましたが、三月五日、監事の権限につき、三党共同提案により、監事は総裁を通ずることなく、直接主務大臣に意見を申し出ることができる旨の修正案が提出され、趣旨説明がなされた後、討論の通告もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって本案は修正案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、本案に対し、三党共同により、公庫に対する政府出資金の増額、公庫貸し付け利率の引き下げ、償還期限の延長、融資のワク及び融資対象の拡大等を内容とする附帯決議案が提出され、とれまた全会一致をもって可決いたしました。 以上御報告いたします。(拍手)
○議長(船田中君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 日程第二 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件 日程第三 北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件 日程第四 千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
○議長(船田中君) 日程第二、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第三、北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第四、千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。 ————————————— 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件 北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件 千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。外務委員、長赤澤正道君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔赤津正道君登壇〕
○赤澤正道君 ただいま議題となりました三案件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、原子力に関する日米協定の改正議定書について申し上げます。 わが国の原子力研究事業に必要な特殊核物資の需要が増加している実情にかんがみ、政府は、現行協定に基づいて入手し得る研究川特殊核物質の量の制限を撤廃するため、米国と交渉を行なっておりましたが、これが妥結を見ましたので、昨年八月七日、この議定書の署名が行なわれました。 本議定書により、研究用の特殊核物質が、合意される条件により、合意される量だけ入手できることになったのであります。 次に、おっとせい条約の改正議定書について申し上げます。 北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約は、日、加、米、ソの四ヵ国の間で、おっとせい資源保護のため適切な捕獲方法を研究することを目的としたものであります。本条約により設置されている委員会の勧告に基づいて四カ国会議が開催され、条約に所要の改正を加えた議定書に昨年十月八日署名が行なわれました。 本議定書は、条約の有効期間を六年間延長すること、同委員会に海上捕獲が許容されるかどうかを研究し、勧告させること、皮の配分方法を変更することなどを規定しております。 次に、コーヒー協定について申し上げます。 世界市場におけるコーヒー需給の均衡と価格の安定をはかるため、本協定が採択され、わが国は一九六二年九月二十八日、この協定に署名をいたしました。 本協定は、輸出国側の輸出割り当て及び生産統制、輸入国側の生産制限についての協力及び消費の増大に努力することなどを規定しております。 おっとせい条約及び原子力に関する日米協定の各改正議定書は二月十四日本委員会に付託され、コーヒー協定は、参議院において承認され、二月二十六日本委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。 かくて、三月六日、この三案件についての質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、原子力に関する日米協定の改正議定書は多数をもって、おっとせい条約の改正議定書及びコーヒー協定は全会一致をもって、それぞれ承認すべきものと議決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(船田中君) これより採決に入ります。 まず、日程第二につき採決いたします。 本件は委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。 次に、日程第三及び第四の両件を一括して採決いたします。 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、両件は委員長報告のとおり承認するに決しました。 ————◇————— 日程第五 特定船舶整備公団法の 一部を改正する法律案(内閣提 出)
○議長(船田中君) 日程第五、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 —————————————
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長川野芳滿君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔川野芳滿君登壇〕
○川野芳滿君 ただいま議題となりました特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、内航船舶並びに港湾荷役機械の近代化を促進するため、特定船舶整備公団の業務の範囲を拡張するとともに、公団の監事の監査機能の強化をはかろうとするものでありまして、 改正の第一点は、公団は、老朽貨物船等を解撤する海上貨物運送事業者等と費用を分担して内航貨物船の建造ができることとし、また、港湾運送事業者等と費用を分担して港湾運送用荷役機械の製造ができるようにしようとするものであります。 第二点は、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長または理事長を通じて運輸大臣に意見を提出することができるように改めようとするものであります。 本案は、二月十日本委員会に付託され、翌十一日政府より提案理由の説明を聴取し、三月三日及び六日に質疑を行ないましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。 かくて、同月十日、自由民主党山田彌一委員より、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、運輸大臣に直接意見を提出することができるようにする旨の修正案が提出され、討論を省略し、採決の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第でございます。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(船田中君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇—————
○小沢辰男君 日程第六は延期せられんことを望みます。
○議長(船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程第六は延期するに決しました。 ————◇————— 日程第七 文部省設置法の一部を 改正する法律案(内閣提出) 日程第八 北海道東北開発公庫法 の一部を改正する法律案(内閣 提出)
○議長(船田中君) 日程第七、文部省設置法の一部を改正する法律案、日程第八、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 —————————————
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長徳安實藏君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 〔徳安實藏君登壇〕
○徳安實藏君 ただいま議題となりました二法案につき、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 文部省設置法の一部を改正する法律案は、文部省職員の定員を、本省において三千九百二十七人増員し、文化財保護委員会において四十八人の減員を行なおうとするものであります。 本法案は、一月二十九日付託、二月十八日提案理由の説明を聴取、二月二十七日より質疑に入り、慎重審議を行ない、三月十二日、質疑を終了、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案は、政府の公庫に対する追加出資、公庫の監事の権限、公庫の業務の範囲についての規定をそれぞれ整備せんとするものであります。 本法案は、二月六日付託、二月十八日提案理由の説明を聴取、二月二十八日より質疑に入り、慎重審議を行ない、三月十二日、質疑終了、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党より共同修正案が提出されました。その内容は、監事の権限中、「総裁を通じて」とあるを削除しようとするものであります。また、山内広君より、政府の公庫に対する追加出資に関する改正規定を削って資本金を四十五億円とする旨の修正案が提出されました。右修正案及び原案につき討論が行なわれた後、採決に入り、三党共同修正案は全会一致をもって可決、次に、山内広君提出の修正案は起立少数をもって否決、修正部分を除く原案は起立多数をもって可決、よって、本法案は修正議決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(船田中君) これより採決に入ります。 まず、日程第七につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第八につき採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(船田中君) 議院運営委員会の決定により、内閣提出、暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨の説明を求めます。法務大臣賀屋興宣君。 〔国務大臣賀屋興宣君登壇〕
○国務大臣(賀屋興宣君) 暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 近年における暴力犯罪の実情を見まするに、その数において依然減少の傾向を示さないばかりでなく、特にいわゆる暴力団、すなわちばく徒、暴カテキヤ、青少年不良団、売春、麻薬暴力団その他の暴力的不良団体の構成員またはその仲間ともいうべき人々による悪質な暴力犯罪が増加の傾向を示しておりますことはきわめて憂慮にたえないところであります。もとより政府におきましては、このような事態に対処するため、さきに昭和三十三年には刑法等の一部改正について、また、同三十七年には銃砲刀剣類等所持取締法の一部改正について、それぞれ国会の御審議をわずらわし、法律としてこれらを逐次実施に移しますとともに、法の運用面におきましても、関係政府機関において緊密な連携のもとに暴力犯罪の防遏に努力してまいっているのであります。しかしながら、いわゆる暴力団の構成員等が依然として常習的に暴行、傷害等の暴力犯罪を繰り返し、また、その犯行の手段としてしばしば拳銃、日本刀等きわめて危険な凶器を用いていることは顕著な事実でありまして、この際、この種の社会不安を惹起する暴力犯罪に対して、より一そう強力かつ適切な対策を講ずるために必要な法改正を行ないますことは、単に強い世論にこたえるというばかりでなく、国家の刑政から見ましても、きわめて緊要なことと考えられるのであります。これが本法案を提出するに至りました理由であります。 この法律案の骨子は次のとおりであります。 第一点は、銃砲または刀剣類を用いる傷害を特別の犯罪類型として一般の傷害罪より重く処罰する規定を新設しようとすることであります。この規定を設けます理由は、銃砲または刀剣類を用いる傷害がきわめて高度の危険性を持つ悪質な犯罪であるばかりでなく、すでに述べましたように、この種の危険な傷害が暴力団の構成員等によって多く犯されている実情から見ましても、当面、特にその必要性が認められるからであります。なお、本罪については、その犯罪の性質にかんがみ、未遂罪を処罰するとともに、日本国民の行なう国外犯をも処罰することが相当と考えられますので、その趣旨の規定を設けることといたしたのであります。 第二点は、常習的暴力行為に関する規定を整備、強化しようとすることであります。すなわち、現行の暴力行為等処罰に関する法律第一条第二項に規定されている常習的暴力行為に対する法定刑を引き上げるとともに、現在でも右の常習的暴力行為に含まれている暴行、脅迫、器物損壊のほかに、新たにこれに刑法第二百四条の傷害を加え、傷害を含む常習犯について通常の傷害罪より重い刑を定めたことであります。その趣旨は、暴力団の構成員等の多くが暴行、脅迫、器物損壊のみならず、傷害をも含めた暴力犯罪を常習的に繰り返している現状にかんがみ、一面において、この種の常習犯に対する法定刑を引き上げ、その強力な防止をはかるとともに、他面、この種の常習犯人に対し、相当期間にわたる適切な矯正処遇等の措置を講じ、その改善更生をはかることが、当面最も緊要と考えられるからであります。 最後に、裁判所法の一部改正は、右に申し述べました暴力行為等処罰に関する法律の一部改正によりまして、短期一年以上の懲役に当たることとなる罪にかかる事件については、事案の性質等にかんがみ、地方裁判所は原則として、一人の裁判官でこれを取り扱うこととしようとするものであります。 以上が、暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手) ————◇————— 暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(船田中君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。坂本泰良君。 〔坂本泰良君登壇〕
○坂本泰良君 ただいま趣旨説明のありました暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表し、首相並びに関係所管大臣に対し、質疑をいたさんとするものであります。 説明の便宜上、現行法を現暴力法、改正案を新暴力法と略称いたします。 質疑の第一は、戦後特に労働運動、大衆運動に乱用され、国民大衆よりその廃止を叫ばれている現暴力法は、いまより四十年前、大正十五年四月十日成立した刑法の特別法でありますが、日本の現代史を振り返ってみると、この前後の世相は、今日の世相と思いあわせてきわめて重要な時期でありました。すなわち、大正十四年に普通選挙法が国会を通過し、長年にわたる普選運動が成功したときであり、小作争議、労働運動が急激に盛り上がり、水平運動等々、社会運動が官憲の弾圧を受けながら強力に推進されたときであります。 当時天下の悪法といわれました治安警察法第十七条が、猛烈な廃止運動と世論に押されまして、大正十五年、ついに廃止となったのでありまするが、この第十七条の規定は、同盟罷業を遂行するためも労働者として労働を停廃せしめることを目的として他人を誘惑した者は一カ月以上、六カ月以下の重禁錮にするというストライキ弾圧法であったのであります。現行憲法第二十七条、二十八条におきまして、労働者の権利、ストライキ権を認められるに至ったのでありまするが、これは、日本の労働者が、治安警察法のあくなき弾圧に屈せず、血のにじむような戦いによってかちとられたものであります。 大正十四、五年当時の日本政府は、国際的には、ソ連邦との国交回復が迫られ、国内的には、治安対策、小作争議、労働争議、その他民主的な大衆行動を弾圧するにきゅうきゅうたるものがありました。政府は、国民の要求でありまする普通選挙法をのむ代償として、日本を敗戦に導きました大悪法であるところの治安維持法と現暴力法を国会に提出したのであります。 現暴力法は、当時世間を騒がせました、現在の世相のような、一連の暴力団犯罪の取り締まりを口実といたしまして提出したのでありまして、四十年後の今日、これを改正して、新暴力法をもって暴力団等による暴力犯罪を取り締まると宣伝いたしまするが、今日の世相を見まするときに、フランスの中共承認をめぐって日本の中共政策の転換、吉田元首相が先般台湾を訪問されたが、台湾政権はおそらく壊滅するだろうが、日本政府のアメリカ路線による台湾政府擁護反対、米軍事基地撤去、米原子力潜水艦寄港反対、あるいは労働争議の続出等々を思いあわせまするときに、四十年前のあの世相と相似たるものがあるのであります。 池田首相は、アメリカ独占資本の支配下にある日本独占資本の上にあぐらをかき、高度成長政策とか、財政数字に明るいとか、庭いじりとか、ちやほやされ、外遊においては親子そろって栄耀栄華の極地に達した写真が新聞に出るなど、あたかも雲の上にでもおるような日常生活で、日本の現代史を振り返られたことがありましょうか。独占資本の頂点にいては、働く国民大衆が生活に困窮し、塗炭の苦しみにあえいでいることはおわかりにならないのではないでしょうか。 四十年前成立した現暴力法は、はたして、成立直後から小作争議、労働争議あるいは水平運動等々の弾圧に使われ、同年廃止された治安警察法の生まれかわりであったのであります。 今度の新暴力法の提出は一昨年来のことで、廃案になったものの三度目の提案でありますが、四十年前を振り返りまするときに、この新暴力法は、いわゆる治案立法として日の目を見なかった政防法や警職法が形を変えたものであることが明らかであります。(拍手)はたして、提案理由のごとく、暴力犯罪に対してのみ適用されるでありましょうか。暴力取り締まりとは、いわゆる隠れみのの美辞麗句でありまして、そのねらいは、独占資本擁護の労働運動弾圧であり、日韓会談反対、固定資産税等、税金値上げ反対、人権と生活を守る社会運動等々の、この大衆運動弾圧のためのものであることは明らかであるのであります。(拍手)池田首相や足をこわしておる賀屋法務大臣あるいは大橋労働大臣の所見を、この際、今後の問題としてはっきり承っておきたいのであります。 第二は、この法案の内容であります。 従来、十年以下の懲役または二万五千円以下の罰金であった傷害罪のうち、常習傷害及び銃砲または刀剣類による傷害行為については、刑の長期十年は従来のままとして据え置き、刑の短期を一年に引き上げたのであります。その上、選択刑としての罰金刑を削除しています。このほか、銃砲または刀剣類を用いる傷害については、新たに未遂罪の処罰を規定し、さらに傷害、暴行、脅迫、器物損壊行為については、従来三年以下の懲役または二万五千円以下の罰金刑であったのを、三月以上五年以下の懲役刑と定め、選択刑としての罰金刑を削除しておるのであります。 そこで、政府は、ただいま提案理由として、最近における暴力犯罪、特にいわゆる暴力団その他の暴力的不良団体の構成員等による暴力行為の実情にかんがみ、このような法律案を提出すると申したのであります。そこで、新暴力法はぐれん隊等々による暴力行為の絶滅には幾らかはその機能を果たすでありましょう。しかしながら、これは現行刑法によっても十分その目的は達せられるのであります。すなわち、常習であると常習でないとを問わず、また、銃砲刀剣等による傷害であるといなとを問わず、傷害罪に対しては最高十年までの懲役刑を科することができるのであります。わが国の刑罰法規は、裁判官に与えられた量刑の範囲が非常に大きいのであります。これが教育刑を主眼とする日本刑法の特色であります。今回の改正案は、量刑の最低限を引き上げることによって、裁判官による自由裁量の範囲を狭めることを一つのねらいとしているのであります。しかし、最近における交通事犯の裁判例にも見られまするとおり、交通事犯に対する国民の批判が高まり、政府もまたその対策に真剣になる場合は、裁判所もまたその量刑の範囲内において刑の量定を重くして、交通事犯の絶滅に向かって、国民の声に沿うべく努力しておることがうかがわれるのであります。ぐれん隊等による傷害事犯についても、裁判官が科し得る刑罰の最高限は懲役十年でありますから、刑罰による暴力行為の抑圧は現行法の適用によって十分可能であるのであります。傷害に至らない常習の暴行、脅迫、器物損壊については、刑罰の最高限が三年から五年に引き上げられておりますが、裁判官による現実の科刑が法で許された最高限をはるかに下回りている現状におきましては、特に最高限を引き上げるまでもなく、法の運用によって十分解決ができるのであります。また、常習傷害及び銃砲刀剣類を用いての傷害罪の刑の最低限を懲役一年とすることにより、違犯者に対しいわゆるわれわれ専門家の、権利保釈の適用をなくすることが、この法案の一つの理由になっておりますが……(発言する者あり)しろうとの法務大臣はわからぬですけれども。常習者に対しては、現行刑事訴訟法のもとにおいても、権利保釈の適用は排除できるので、暴力団によるお礼参りというような問題も、現行法の運用によって十分阻止できるのであります。 要は、ぐれん隊等の暴力団に対する国民の非難を政府が真剣に取り上げ、政府が国民と一体となりまして、暴力団に対決する姿勢を示すことにより、この問題に対する裁判官の深い関心を引き起こすことが大切であります。(拍手)新暴力法の刑罰の加重は、暴力団対策としてはほとんど無力といわなければならないのであります。政府・自民党は、暴力団の親分が死んだらその葬式に花輪を贈ったり、ストライキが起きたならば使用者側が暴力団を雇って、そして労働組合と対決させる、なぐり込みをかける、警察がこれを応援する、かような現在の状態では、暴力団の絶滅は絶対思いもよらないのであります。(拍手)首相並びに関係大臣の所見を承りたいと思うのであります。 第三は、新暴力法の提案理由には全く述べられていないのでありまするが、これが施行された場合の弊害について非常におそれるのであります。すなわち、現暴力法は、冒頭に述べましたように、当時弾圧法として著名な治安警察法十七条を削除した代償として、治安維持法とともに現暴力法が制定されたのであります。この現暴力法を第五十一議会で審議するにあたりまして、時の司法大臣は、労働運動、小作運動、水平運動など取り締まる目的はない、暴力団等の暴力を取り締まる法案である、こう言明したのであります。ところが、この現暴力法が施行となるや、最初から太平洋戦争敗戦に至るまで、時の政府によってあらゆる労働、小作争議、その他大衆運動の弾圧に利用されたことは周知のとおりであります。(拍手)敗戦後、日本国憲法でストライキ権が認められた今日において、なお一そう弾圧にこの現暴力法が利用されております。犯罪表によりますると、昭和三十年から三十四年までの五カ年間における争議関係者で起訴された罪名は総数六千百五十名でありまするが、傷害事件が千四百四十二名で、現暴力法によって起訴されたものが千二百四名の多数に達し、第二位であることからしても明らかであります。 新暴力法が施行された場合に、労働争議の関係者が権利保釈の権利を失い、多数の労働者が争議中に身柄を拘束され、とのため争議が事実上続行不能となったり、重刑による威嚇によって労働運動が弱体化するおそれがあり、あるいは、先年の安保闘争、政防法闘争、警職法の反対闘争に見られるごとき大衆行動が弱体化するおそれが十二分にあるといわなければなりません。また、一たん起訴された場合、裁判官の量刑が制約されるのであります。 このように新暴力法は、暴力団に対する威嚇としてはほとんど用をなさず、反面、労働運動、大衆運動における善良な国民の権利行使に対する威嚇としての効果を持ち、さらに単なる威嚇にとどまらず、弾圧のための現実の武器として政府に利用されることが目に見えている以上、提案理由に盛られた美辞麗句に惑わされることなく、ここに断固反対するものであります。首相、労相、法相の所見を承りたいのであります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えにいたします。 暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、ただいま提案の理由を説明したとおりでございまして、最近の世相にかんがみまして、銃砲刀剣類を使用する傷害罪あるいは常習的暴力的行為及び傷害罪に対しまして重科しようとするものでございます。あくまで暴力犯罪に適用するものでございまして、労働運動やその他の大衆運動を弾圧するものでは決してないのでございます。(拍手)この意味において、暴力行為を阻止する姿勢がこの法案の提案理由でございます。(拍手) 〔国務大臣賀屋興宣君登壇〕
○国務大臣(賀屋興宣君) お答えを申し上げます。 この法律案の趣旨は、ただいま総理大臣もお話がございましたが、世間一般が認めておりますように、いわゆる暴力団等に属しまする構成員等の暴力が目に余るものがございまして、世間は戦々恐々としてその被害をおそれております。お礼参りとかいろいろございまして、これを摘発することにも、後難をおそれて十分にやれないというような状況でございまして、この国民一般の不安を除きまするためには、どうしてもかような立法を必要とするのでございます。 ただいま、現行の法律が労働運動その他の集団的の国民の正当な権利を弾圧するかのごときお話がございましたが、これは全く見当が違っておるところでございまして、さような目的は全然ない次第でございます。現行法の運用におきましても、詳細に数字を御検討願えれば、さような運動の際にたまたま法に触れて有罪になったものはございますが、運動自体に対する弾圧は決してないのでございまして、一般の暴行に対しまして、そういう際に行なわれた犯罪件数はまことにその数が少ない。現行法の通用におきましてもさような次第でございますが、今回の改正法は、ごらん願いますように、集団的威力とか、そういう現行法の第一条にあるような文字はさらにないのでございまして、その意味からしましても、集団的の運動その他に対する何らの意図がないということは、なおさら明瞭であろうと思うのでございます。 それからまた実績に徴しましても、今回新たに刑罰を重くいたしまする、刀剣銃砲等を用いますいわゆる特殊な凶器によっての犯罪は、幸いにして労働運動の際にはそれによって処罰されたものはない、常習犯もない、全く無縁でございまして、御心配は全くの見当違いであるのでございます。(拍手) それからなお、刑の量定につきまして最下限のお話がございましたが、これは外国の立法例や他の日本の刑罰規定に照らしまして、罪質がきわめて悪質でございますから、断然の方法でございまして、裁判官の決定に対しまして法によって適切な限界が示されるということは、これまたこの種犯罪の現状にかんがみましてきわめて適切であろうと存ずる次第でございます。 さような次第でございまして、本法は御心配の点は全然見当違いでございます。何とぞすみやかに慎重審議の上可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
○国務大臣(大橋武夫君) 団結権、団体交渉権、団体行動権のいわゆる労働三権を保障した日本国憲法のもとで制定されました現行の労働組合法は、第一条第二項において、労働組合の正当行為についての刑事免責を規定いたしております。したがって、組合の正当活動は、暴力行為等処罰法の適用の余地はございません。しかし、正当な組合活動の範囲を逸脱した暴力行為まで刑事免責の限りでないことは、同条同項ただし書きにも明瞭でございます。したがって、組合活動に際し発生したかかる暴力行為には、暴力行為等処罰法の適用は当然で、最高裁判所の判決例も一貫してこの見解を支持しておるのであります。過去におきまして、労働争議に際し、傷害行為が発生したために行為者が罰せられたこともありまするが、かかる傷害行為は、組合の正当なる要求の達成をかえって傷つけるものでありまして、組合大衆の利益のために断じて排しなければならぬものであると確信をいたすのであります。(拍手)いやしくも組合活動の名のもとに看過すべき事柄ではございません。この改正においては、特に銃砲刀剣類による傷害及び常習的暴力行為に対する刑の加重を規定いたしたものでありまして、町の暴力の取り締まりを強化するもので、組合活動には全く関係のない改正でございます。(拍手) また、労働争議に際し、右翼の暴力が用いられるということも特に聞いておりまするが、かかる暴力を徹底的に取り締まって、組合の正当なる活動を擁護するというのがこの法案の趣旨であり、適切なる法案であると思います。これを要するに、組合を守るためにも必要な法案であると考える次第でございます。(拍手) —————————————
○議長(船田中君) 林百郎君。 〔林百郎君登壇〕
○林百郎君 私は、日本共産党を代表して、ただいま趣旨説明のありました暴力行為等処罰に関する法律の改正案に対し、政府に質問いたします。 最初に、私が総理大臣はじめ関係大臣に問いただしたいのは、今日の時点で、政府は何ゆえ本改正案の国会通過を強行しようとするか、その政治的な意図についてであります。 政府も十分御承知のごとく、本改正案については、法制審議会の刑事部会で構成要件があいまいであり、従来の刑事法体系にない概念や解釈が持ち込まれるものであるから許すべきでないとの意見が多数を占めました。また、国会においても、二回も廃案となり、自民党の諸君ですら前の国会で修正案を考えざるを得なかったほどの案件であります。したがって、政府が執拗にこれが国会通過の強行を迫っていることは、明らかに暴力犯罪の取り締まりにその目的があるのではなく、他に政治的な意図があると断ぜざるを得ません。 そもそも、暴力法は、大正十四年制定の当初から、日本の民主運動を弾圧する目的で生まれたのであります。したがって、旧憲法下における民主運動弾圧の治安立法、暴力法は、終戦と同時に治安維持法等とともにポツダム宣言によって廃止されなければならなかったのであります。日本共産党は、何よりもまず、民主主義運動抑圧の役割りを過去に果たしてきた暴力法自体を廃止すべきものであると主張するものであります。もっとも、本法律案の当時、江木司法大臣も池田内閣と同じように、暴力法の立法目的は、暴力団犯罪の取り締まりにあるとし、労働運動、小作運動などを取り締まる目的は毛頭ないとの趣旨説明をいたしました。しかし、事実はどうでしょうか。まさに民主運動弾圧の有力な武器に使われてきたではありませんか。最近の例を見ましても、われわれの目の前で安保反対闘争と三池闘争が激しく戦われた昭和三十五年、また、政防法反対闘争が激しく展開された昭和三十六年に暴力法によって検挙された者のうち、五割から六割近くは実は民主運動の犠牲者でありました。さらに、昭和三十年から三十四年までの五カ年間の犯罪統計によると、民主運動に対する弾圧事件、すなわち、公安犯罪のうち、暴力法が適用されたものは実に二一・六%で、トップとなっております。それを労働争議の事件に限ってみますと、暴力法適用が一九・六%であって、第二位を占めているわけであります。このように、暴力法が労働運動や民主運動の弾圧の治安立法であることは、過去の実績からして明らかであります。政府は、はたしてこのような厳然たる歴史的事実を認め、暴力法の真の目的が、労働運動や民主運動弾圧の治安立法にあることを認められるかどうか。私は、まずこの点について総理並びに関係大臣にお聞きしたい。 さらに、このたびの改正は、現在の法体系の上からして、だれを対象とするとしても絶対に許せないという点であります。 すなわち、このたびの改正要点は、第一に、銃砲刀剣類による傷害罪とその未遂罪を設けたのであります。すなわち、いかようにも拡張解釈のできる銃砲刀剣類という要件を設け、髪の毛の一本、小指のかすり傷一つにまで傷害罪を適用するようにしております。また、いかように拡張解釈もできる未遂罪なるものを設け、これを短期一年以上の重刑をもって処罰しようとしております。これは明らかに今日の刑事法の体系を根底からくつがえすものであります。 第二に、常習の傷害罪という乱用の危険のある構成要件を設けました。そして、これを一年以上十年以下の刑で処罰しておるのであります。判例によれば、常習とは、前科がなくも、一回の行為をもってしても、同じことを繰り返す習癖ありと認定されれば常習犯とされるのであります。これは明らかに組織的運動である労働組合運動をねらっておるといわざるを得ません。 第三には、法務省、検察庁が裁判所側の強い反対を押し切って法制審議会を欺瞞し、素通りさせて、本来裁判官の三人の合議制で行なうべき裁判を、一人の裁判官の専断でできるようにしております。 第四に、傷害並びにその未遂罪を一年以上の刑として権利保釈を許さず、身柄拘束のまま、自白を強要しつつ裁判を行なうことができるようにいたしました。 第五には、常習性なる構成要件を拡張、乱用することによって、犯罪捜査の名をかりる警備、公安警察の日常的な悪質スパイ行為がほしいままにできるようにしておるのであります。 以上が、本改正案の問題点のおもなものであります。このような改正は、明らかに刑事法をはじめ現行の法体系に重大な変化を持ち込み、現行憲法における基本的人権の規定を質的に改悪するものであって、いかなる目的をもってするも絶対許すことのできないところであります。これに対し総理並びに法務大臣の責任ある答弁をお聞きしたい。 次に、私は、池田総理に、総理大臣として、また、自民党の総裁の立場に対してお聞きしたい。 それは、われわれの今日の平和な社会生活を脅かしておる暴力団を根絶し、増大しつつある少年非行犯罪を絶滅する根本対策についてであります。今日、暴力団と少年非行犯罪を育成し、庇護しておるものは、実に自由民主党、池田内閣の政治そのものではありませんか。事実を申し上げます。一昨年の東京都知事選挙では、自民党の推す東候補は右翼暴力団と結び、にせ証紙やはがきの横流しを公然と行なっておるではありませんか。池田首相自身の宏池会が、かつて右翼暴力団に金を出しておったことは、もうたびたびの国会審議で明らかになっておるところであります。また、安保闘争の高まりの中で、国会周辺においてすら維新行動隊なる右翼暴力団が、大学の教授や新劇人等の文化人の国会請願に公然となぐり込みをかけ、三十数名に重傷を負わせております。この背後には警察官が協力しているではありませんか。さらには浅沼社会党委員長に対する右翼による暗殺事件、 また、わが党野坂議長に対する大日本護国団によるテロ襲撃、このような一連の暴力が公然と許されているではありませんか。ちまたには戦争と人殺し、婦人を動物視し、暴行を加えるやくざや暴力団を賛美するアメリカ映画、テレビ、小説が野放しにはんらんしております。それだけではありません。池田内閣は、国際的には、南ベトナムにおける毒薬使用作戦で明らかなごとく、世界で最も残虐な侵略主義者アメリカ帝国主義と共謀し、F105ジェット機の水爆戦闘機を日本に配備し、原子力潜水艦の寄港を許し、自衛隊の核武装化を進めております。また、アジアにおける最も暴力的ファッショ政権である南朝鮮の朴軍事政権と協力し、日韓国交正常化の名のもとにこれと軍事同盟を結ばんとしております。かくのごとく、池田自民党内閣こそが、国際的、国内的暴力集団を庇護し、育成しているのであります。暴力犯罪を根絶せんとするためには、何よりもまずこの自民党池田内閣の政治をやめなければなりません。この点につき、総理の責任ある答弁を求めます。 最後に、私は、政府がこのような反動法案を直ちに撤回することを強く要求し、もし政府がこの成立を強行するならば、警職法改悪粉砕以来六年、治安立法の成立を阻止してきた日本の民主勢力はこれを必ず粉砕するために戦うであろうことを明らかにし、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど答えたように、労働運動やその他一般の大衆運動を弾圧するものではございません。正当な権利、行動をじゃまする者を私は排除しようとしておるのであります。 なお、浅沼君の事件を申されましたが、ああいう暴力行為をやめさすためにこの法案が必要であるのであります。(拍手) 〔国務大臣賀屋興宣君登壇〕
○国務大臣(賀屋興宣君) お答えを申し上げます。 何ゆえに今日の時点において改正法律案を出すかというお話でございましたが、最も必要を感じているのは今日の状態でございまして、先ほども申し上げましたように、国民は、町の暴力によりまして、暴力団その他に属するものによって日常生活を脅かされ、身体その他に非常な不安を感じておるのでございまして、今日の時点において最も必要なものでございます。これが民衆を弾圧するというのは、およそ見当違いでありまして、先ほど申し上げましたように、いろいろ暴行罪のうちに、たまたま不幸にして労働運動その他に際しまして処罰を受けた者の数は比較的少ないのでございます。しかも、それは運動そのものの弾圧にあらずして、運動に際して不当、不法な行為があったことに由来するのでございます。 なお、この銃砲刀剣類があいまいであるということでございますが、これは銃砲刀剣類の取り締まり規則にも明瞭にその範囲が書いてあるのでありまして、その範囲が双方同じであるということはいまさら申し上げるまでもない、きわめて明瞭な範囲で、疑いを存する余地がないものでございます。 また、未遂罪を罰しますのは、この種の悪質な犯罪は、他の犯罪の刑の量定その他からいたしまして当然の帰結でございます。 常習犯にいたしましても、これは、あるいは麻薬あるいは賭博等におきまして、常習犯の解釈、判例、これまたきわめて明白でございまして、御心配な点はない次第でございます。 なお、裁判で単独制をとったがどうかということでございます。この種犯罪はきわめて悪質有害でございますが、事案としてはさほど複雑なものはないのでございまして、単独制をとりましても、ごうも差しつかえがない次第でございます。 権利保釈はできないというお話でございますが、これは刑の量定を適正にしますためには、当然権利保釈にかからないわけでございます。故意にそう立法したわけではございませんが、結果としては、いわゆるお礼参りなどを防ぎまして、多くの国民は、これで事実上大きな安心を得る結果を生ずるものと考えておる次第でございます。 なお、これは労働運動その他国民の集団的行為の弾圧である、基本的人権をそこなうものである、あるいはアメリカ帝国主義とかいろいろお話がございましたが、全然さようなものではないのでございまして、これによって国民は暴力行為の恐怖から免れまして、その身体、行動等、ほんとうの基本的人権が守られる次第でございます。 右、お答えを申し上げます。(拍手)
○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十七分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 池田 勇人君 法 務 大 臣 賀屋 興宣君 外 務 大 臣 大平 正芳君 文 部 大 臣 灘尾 弘吉君 運 輸 大 臣 綾部健太郎君 労 働 大 臣 大橋 武夫君 自 治 大 臣 早川 崇君 国 務 大 臣 佐藤 榮作君 出席政府委員 内閣官房長官 黒金 泰美君 内閣法制局長官 林 修三君 法務省刑事局長 竹内 壽平君 ————◇—————