法務委員会 第46号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/07/31
会議録
○濱野委員長 これより会議を開きます。 この際、大坪政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。大坪政務次官。
○大坪説明員 大坪保雄でございます。去る二十四日付をもちまして法務政務次官を命ぜられました。全くの未熟者でございますのでどうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) ————◇—————
○濱野委員長 法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。赤松君。 赤松君にお願いします。いま政府委員しか来ておりません。大臣はおいでにならぬので、入国管理局長の小川さんがおいでになっているから、小川さんにお聞き取りを願います。
○赤松委員 質問の都合上、先に入管局長に質問するのはまずいのです。大臣が来ましてから入管問題をやりたいと思います。
○濱野委員長 大臣はいま閣議で当分来られませんから、事務的なことを先にお聞きになったらどうですか。
○赤松委員 それではせっかく小川さんが出てきてくれたから一点だけ聞いておきましょう。 前に私が何度も質問申し上げたのだが、朝鮮に墓参をしたい、あるいは子供の病気を見舞いに行きたいというような申請が行なわれております。その点について、法務省のほうでは十分検討するということですが、前に賀屋法務大臣は、国家が有害であるというように認定した場合にはそれは許可しない、こういう答弁でありまして、したがって国家に有害でないと思われる場合においては、ケース・バイ・ケースでもって許可していいという答弁を予算委員会あるいは法務委員会におきまして私に昨年の暮れにしたことは御承知のとおりだろうと思う。そのケース・バイ・ケースにしたがって、これは七十近い非常な老人でありますけれども、こういう人たちから出入国に関する申請が行なわれておりますが、この点についてはどのようになっておりますか、お答え願いたい。
○富田説明員 お答えいたします。現在までに四十九件、五十五名の在日朝鮮人の方から、正式な申請ではございませんが、事情を具して再入国の許可を認めてほしいという陳情が出されております。これにつきましては、先般の国会の際にもお答えいたしましたが、いろいろその間の事情を調査いたしまして、五十五名の方の約二四・五%と記憶いたしておりますが、それらの方々は三十八度線以北の出身の方でございまして、終戦以来往来しておらず、年とった両親ないしはきょだいというような者と会いたいということで陳情がなされております。残った七五%の方は、北鮮帰還によりまして、この二、三年来北鮮帰還された方々でございまして、これらがすでに再帰国した子女と会いたい。子供が生まれるから、その生まれた子供の顔を見たいというような陳情が出されておるわけでございます。これは書面でわれわれの手元にまいっておりまして、その後その中の大部分の方が本局にお見えになりまして、私なり担当の資格審査課長などに会って、いろいろまた口頭で事情をお伺いしております。それらの方々に対しまして、私も資格審査課長も申し上げておるのでございますが、従来の運動というものが、その主張なりあり方なりいろいろわれわれの目から見ますと行き過ぎや間違いがあったと思われるその段階で、急に人道問題だからこれだけひとつ考えてくれと言われても、いまにわかには踏み切りがたいのだ。やはりそういった従来の運動の行き方から見ますと、これが政治的に利用されないというぐあいにはわれわれとしても踏み切りがたいので、しばらく御猶予願いたいという趣旨のお答えをしておるわけでございます。
○赤松委員 結局はどうするのですか。
○富田説明員 現在の段階においては、なおまだ時期的に踏み切れないのだということでございます。
○赤松委員 政治的理由、政治的理由といって、あなたのほうが政治的理由をくっつけちゃって政治問題にしているわけです。私は前の委員会で詳細申し上げたので繰り返し言いませんけれども、この再入国申請に関する申請者のそれぞれの理由は、あなたよく読んでいらっしゃると思います。これは従順の問題と関係のあるというものではないのであって、客観的にはあるいは共通するのかもわかりません。しかし、主観的にはそういうものでないのであって、しかも町内会その他の方々の副申などもついておりまして、これを全面的に踏み切れないというような答弁は私どうも解せないのであります。たとえば、これは今度は厚生省を呼んで一ぺん私は聞きたいと思っているのですが、厚生省にいま朝鮮人の遺骨が二千柱くらい保管されております。この保管された遺骨をいつまでもほっておくわけにはいかない。私はこの遺骨がどうして生まれてきたかというようなことをここで申し上げようとは思わない。これはまた観点を変えて別の機会で言いますけれども、人道上の立場からいえば、当然これら二千の遺骨については、それぞれ朝鮮人に遺骨を持たして祖国へ帰らして、これを祖国の墓に埋めさして、そして再び日本に帰らせるというような措置が講じられていいと私は思うのです。こういう問題も政治的理由で踏み切れないのですか。こういう問題までも、何か政治問題である、こういうふうにお考えになるのですか。いかがですか。
○富田説明員 この遺骨を持って郷里の墓に埋めるということとか、あるいは七十になる父母に会いたいということだけを取り上げてみますと、これは政治的な問題ではないと思うのでございます。しかしながら、そういった人道問題ではございますが、この人道問題をやはり政治的に利用しているとわれわれは認めざるを得ない。従来の運動のいきさつなり、その間に耳にするいろいろな問題を総合いたしますと、ここに出ている申請そのものについては人道ケースだと思いますが、これがどういうぐあいに利用され、いろいろな国の内政外交問題に影響するかという点が、いろいろ踏み切れない問題があるわけでございます。
○赤松委員 それならば、国家に有害だというふうに認定した場合は許可しないけれども、そうでない場合はケース・バイ・ケースでもって十分検討するという法務大臣の答弁は一体何ですか。それではいつまでたってもケース・バイ・ケースでもって検討されないということになるじゃないですか。ここに出されているところの申請なんというものは、もう七十をこした老人が自分の係に会いたい、もう自分は余世幾ばくもないのだ、日本で手術をしたけれども思うようにいかない、そこで朝鮮の中央病院で治療した結果、快方に向かっておる、そこで自分も間もなく死ぬのであるから一目会いたい、こういう申請なんです。これが一体何の政治問題ですか。日韓問題と何の関係があるのですか。こういう点はもっと人道的に踏み切ったらどうですか。そんなことをあなたたちが言えば、私ども言いたいことは、韓国人に対しては非常な大きな恩恵を与えておるわけであります。こういう点はなお私はあなたに質問したいと思うが、しかし、それにはあなたの限界があるということは私たちよく下知しているので、また法務大臣が出席されたら法務大臣に質問したいと思いますけれども、ひとつ前向きの姿勢で大臣を補佐していただきたいということを強く要望しておきます。なお、あなたに対しては趙安博氏の入国問題で穂積君から関連質問を通告しております。 次に民事局長にお尋ねしたいのですが、かねて建設委員会あるいは地方行政委員会で問題になっておりました公営住宅の、これを使用料と解するか、あるいは家賃と解するかという問題です。これは長い用懸案になっておりまして、当時法務省の民事局長の解釈としては明らかに民法上の契約に伴う家賃であるという解釈をしておられる。ところが自治省のほうはこれは使用料である、したがって強制徴収ができるのだというような解釈をしておられたわけでありますが、この問題はすでに大阪の裁判所で判決もございまして、当然これは民法上の契約に基づく家賃と解すべきである、こういう判決も出ております。この際法務省の見解を明らかにしておいていただきたいと思います。
○平賀説明員 ただいまお尋ねの件につきましては、従来法務省におきまして公式にどちらかと言ったことは私の記憶いたしますところではないように思うのでございます。ただ、私どものほうで従来の行政上の先例を一、二調べてみますと、公営住宅の使用料は私法上の家賃と解すべきであるという見解、それから、いやそうではない、まさしく公の施設の使用料である、滞納処分の例によって徴収できるという二つの相抵触する見解があるように思うのでございます。ただいま仰せのような下級裁判所の判決はございますけれども、まだ最高裁判所の判例なんかもございませんで、解釈上それは非常に疑義があるのではないかと思うのでございます。御承知のとおり、公営住宅につきましては公営住宅法という法律が出ておりまして、かりに公営住宅の使用関係を賃貸借であると解釈するにいたしましても、この公営住宅法の中には相当民法あるいは借家法なんかの例外規定が入っておるわけでございまして、どうも現行法の解釈としてこれをどう解釈するかというと、これは非常に私どもとしましても疑問があるように思うのであります。しかしながら、現行法のこの解釈を決定したら一体どうなるのかということになりますと、やはり家賃である、公営住宅法でも家賃ということばを使っておりますし、本質は私法上の家賃と解釈せざるを得ないのではないかというふうに私どもとしては考える次第でございます。しかしながら、これはあくまで現行法の解釈を押し詰めた場合にそうなるというのでありまして、実態を見ますと、やはり地方公共団体の公の施設という性格も非常に持っておるわけでございます。立法論として、これは私法上の家賃として立法することも可能でありますし、また公の施設の使用料というふうに立法することも不可能ではないというふうに考えておる次第でございます。
○赤松委員 私は立法上の問題についてあなたに聞いているのではなしに、家賃か使用料かという法律解釈についてお聞きしておるのであります。したがって、あなたはいま私法上の家賃と解すべきであるという答弁をされましたが、そういうように解釈してよろしゅうございますね。受け取ってよろしゅうございますね。
○平賀説明員 そういうふうに私どもとしては解釈いたしております。ただ、御承知のように公営住宅法にはいろいろの例外規定がございます。純然たる私法上の家賃とはかなり修正を受けておる。たとえば家賃の増額、減額の請求に関する借家法の適用なんかはないというようなぐあいで、これは公営住宅法で相当修正を受けておるということになろうかと思うのでございます。しかし、本質は私法上の家賃と解釈すべきものであろうというふうに思うわけでございます。
○赤松委員 大阪地裁の判決によりましても、あなたと同様の見解を示しておりますし、それから当時法務省の見解もやはりそうでございました。昭和二十六年当時の見解であります。 それから、昭和二十六年五月二十五日の参議院建設委員会におきまして、いまの大蔵大臣の田中角榮氏が、本法は、困窮者及び低額所得者に対して、「高度の社会政策を行おうということに主眼目を置いておりますので、先行する、優先するとはいいながら、いわゆる入居者にマイナスをもたらすような事項に対しましては、借家法のほうが先行するとお答えしたほうが適切であろうと思います。」というように、行政府としての見解を明らかにされておるわけであります。したがって、ただいまの答弁によりまして大体この点か明らかになってまいりました。それでは、私の質問はさらに大臣が来られてから続行するということにいたします。 消防庁の川合次長さんがおられますか、実は私、資料を自分でつくって持ってきたのですが、ちょっと会館に忘れてきちゃってあれなんですが、きょうはあなたに対して、消防庁の最近におけるいろんな仕事の上の諸問題について質問するのではないのであります。法務委員会でございまして、主として私は消防に従事する消防士の人権を守るという立場から、この際消防庁の注意を喚起しておきたいと思うのであります。 私の調べたところによりますと、警察官その他国家公務賃と比較をいたしまして、消防庁の職員の待遇の上には——いまは警察官あるいは国家公務員ですら非常に待遇が悪いのですけれども、その上なお消防庁の消防士の待遇については格差があるようであります。それから超過勤務手当等につきましても、ほとんど満足に支払われていないというような状態にあるようでございますけれども、この点についてはどうなっておりますか。
○川合説明員 消防吏員の待遇につきまして格差があるという御指摘の点につきましては、御指摘のとおりでございまして、私ども指導の至らざるを率直なところ残念に思っておるわけでございます。私どもの指導の考え方といたしましては、公安職と同様の給与体系をとってもらいたいということでございまして、御承知のように、国の消防、市町村の消防というたてまえをとっておりますけれども、かような点におきましては格差のあるべきでないという考え方で、せっかくやっておるのでございますが、事実の問題といたしまして、公安職に体系をとっております市町村はおおむね半分にまだ至らない状況でございます。
○赤松委員 消防士の職責はきわめて危険度の高いものである。この間の品川におけるあの不幸な事件を見ましても、現在の状態に置いておくということは、これは国の住民の福祉から申しましても、あるいは消防の任務を達成するという見地からいいましても、あるいは人権を守るという見地からいいましても、ゆゆしい問題であると思うのであります。この点について、消防庁のほうでも、具体的にその格差を是正し、消防庁職員の危険度の高い本来の仕事をカバーするために、何か特別な待遇改善について方針を持っておられますならば、この際明らかにしていただきたいと思います。
○川合説明員 当初、あけすけに申し上げて恐縮でございますが、私ども、市町村の吏員でございますので、あまり差し出がましく言うこともいかがかという感じも実は二、三年前までは持っておったのでございますが、ただいまもお話しがございましたように、この点につきまして格差があるということは決して正しい姿でないというふうに思いまして、先ほども触れたのでございますが、公安職と同じ体系をとるようにということを随時随所、また公の指導通達といたしまして出しておりますほかに、財政的な裏づけという問題につきまして、基準財政需要額等の算定におきましての基準につきまして、その点の裏づけをいたしておるところでございます。
○赤松委員 品川事件が発生した後に、自治大臣並びに大蔵大臣などと——もっとも内閣改造などもあったのでありますけれども、そういう点の政治的折衝ではなしに、何か事務的な折衝でもおやりになったのですか、格差の除去について。
○川合説明員 品川の殉職者十九名、吏員十八名、消防団員一名でございますが、これにつきましての処遇と申しますか、殉職された方に対しますその弔慰の方法につきまして、東京の場合は、一般的にはほぼ警察官と同じ処遇の体系になっておるのでございますが、警察の場合と違いますのは、実は総理大臣からの特別報償金と申しますものが、現在まで警察にございまして消防にない点でございます。むろん全部というわけではなくて、殉職のあったうちで功労のあった者というふうに、警察のほうでも相当しぼられておりますが、私どものほうにはとにかくそういうものが一つもないわけでございますので、この点につきまして配慮していただきたいということを、事務的に総理府、内閣に話をいたしておる次第でございます。
○赤松委員 これ以上申し上げませんけれども、特別報償金なんというものを総理大臣が出して、いわばポケットマネーみたいなものを出して、そしておまえうまくやったからごほうびをやるというようなばかな給与制度はないと思います。だから、消防だけを責めて——しかもそういう劣悪な待遇状況の中で、今日消防職員の諸君は命を的にやっているわけですね。このことを国民もよく考えなければならない、それから政府当局もよく考えなければならぬと思います。おそらく国民の中で、いまの消防士の労働条件がそういう非常に封建的な、反民主的なものであるというように理解しておる者はほとんどないと思います。こういうことが明らかになってきますと、国民はびっくりしますよ。私どもが安心して休むことのできるのも、ひとえに消防士諸君の不眠不休の努力の結果でございまして、私は、こういう人にこそ率先近代的な給与体系をつくって、その労に報いるのに誠意をもって示さなければならぬ、こういうふうに考えております。もちろん川合さんだけの力ではどうにもできないと思うのでありますけれども、私ども国会のほうの側も、こういう点をだんだんあなたたちの手で遠慮なく明らかにしていただいて、直すべきものは今後直していく。それから大蔵省に対しても、あるいは内閣に対しても、そういう点は堂々とひとつ要求していただいて、全国消防士諸君の立場を代表してやっていただきたい。今後こういう点についての政治的な折衝が行なわれるということになれば、おそらく与野党を問わずこのことは全部賛成だと思うのでありまして、協力を惜しむものではないのであります。そういう点については、あなたは勇気を持って大いに政府と折衝してもらいたい、こう思います。あなたの所信をお伺いしておきます。
○川合説明員 ただいまお話のございました点は、東京の場合につきましては、事実は公安職、警察とほぼ同じ処遇であるのでございますが、私どもの一番の悩みとしておりますのは、地方等におきます格差の問題でございます。しかし、いま御指摘の趣旨は、東京はどう、地方はどうという問題以前と申しますが、問題以上に、消防吏員全体につきましての待遇について、われわれもっと努力しろという御趣旨のお話と承りまして、御指摘の点を十分肝に銘じまして、今後努力いたしたいと思っております。
○赤松委員 私はこの際、品川の災害で殉職されました消防士の諸君、その御労苦に対しまして、また、なき消防士諸君の霊に対しましても、心から哀悼の意を表したいと思うのであります。同時に、いまあなたのおっしゃいました点は努力していただくと同時に、この際自治大臣を呼び出して、自治大臣に対しましても、私ども強くその点を要望したいと思います。ひとつあなたたちとわれわれ協力して、消防士の待遇改善のために努力したいと思います。どうも御苦労さんでした。 次に、防衛施設庁にお尋ねしたいと思いますが、実は私は防衛施設庁に質問するのでなしに——小野さんの責任じゃないんですね。小野さんの顔を見ると気の毒で質問ができなくなるのですが、きょうは外務大臣が出てまいりましたら、外務大臣及び外務省の日米合同委員会担当の諸君に質問をしたい、こう思っておりましが、外務委員会が来月の十日に延びましたので、残念ながら質問ができません。したがって、外務省の全般の政治問題に関する問題は、これはきょうはやめましょう。これはしかし小野さんに質問するといってもなんですが、富士山麓の例の日本婦人射殺の問題なんです。 それではこの点については一点だけ伺っておきます。日本に駐留しているアメリカの軍隊は、戦時体制をとっておるのか、平時の体制をとっておるのか、それをひとつ明らかにしてもらいたい。
○小野説明員 日本に駐留しております米軍は、日本国内におきましては戦時体制をとるということはないと思います。
○赤松委員 そうすると平時体制である。そこでキャンプ地における米軍の管理警備規程というものがおそらくあると思うのです。なければならぬはずだと思います。これは戦時体制の場合と平時の場合とは違うと思うのでありますが、いま答弁されましたように、平時である。そういたしますと、アメリカ海兵隊の射場管理隊警備規程というものがあると思うのでありますが、これはあるかないか、あれはどういうものであるか、これを明らかにしていただきたいと思います。
○小野説明員 まことに恐縮でございますが、私どもといたしましては詳細な資料を持っておりません。ただいまその点については捜査当局においていろいろ検討されておると存じます。
○赤松委員 これはあらためて私から外務省に要求することといたしまして、次に、あの際に散弾を使っているわけですね。言うまでもなく散弾を使うという場合は、これはハチの巣のように全身に穴があく。現に殺された婦人はそういう状態であった。ところが、この散弾は鉛製のものであるかどうか、どのような金属によってできておるのか。それが鉛製のものであるとすれば、また問題が出てくると思うのでありますが、こういう点は調査の結果どういう金属製のものでございましたか。
○小野説明員 その点につきましても、残念でございますが、私ども正確な資料を持っておりません。これも現在捜査当局が捜査中の事項であろうと思います。
○濱野委員長 赤松君に申し上げます。警察か、刑事局長か法務省、そのほうでないと当を得た質疑応答はできませんから、いま警察を呼んでいるようでありますから……。 それでは刑事局長、ついでながら就任のごあいさつをして、そうして御答弁願います。
○津田説明員 発言の機会を与えられましたので、ちょっとごあいさつ申し上げます。 私は先般竹内刑事局長の後任といたしまして刑事局長に就任いたしました津田でございます。まことに浅学非才でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ただいまお尋ねの点でございますが、ただいままで明らかになっておる点を申し上げます。しかしながら、この件につきましては、警察当局と静岡の地方検察庁並びにアメリカ軍の捜査当局とともに目下捜査をいたしておるところでございまして、まだ結論的なことを申し上げることはできないわけであります。 事件の概略は御承知のとおりでございます。したがいましてその点は省きます。そしてただいまお尋ねの、加害者でありまするところの一等兵が命ぜられましたところの職務の内容及びその職務に関する規則につきましては、目下ある程度のものがわかりつつありますが、ただいままだ完全なものではございませんので、ここで御報告申し上げる程度に至っておりません。なおいろいろな問題点について明らかにすることにいたしております。 それから、用いました銃につきましては、ウィンチェスター十二口径散弾銃であるということはわかっております。薬きょう中に九発の散弾が入っておるわけでありまして、そのうち七個が被害者に当たっておるという事実であります。ただ、ただいまのところまでの状況におきましては、なぜ散弾銃を用いたかと申しますと、他の銃でございますと、射程距離が長いために非常に他に害を及ぼしたり、あるいは危険物の発火を誘発するというようなおそれがあるので、到達距離の短い散弾銃を用いておったというような事実のようでありますが、この点もなお正確なところは捜査中でございます。弾丸の物質は、鉛に属するかどうかという点は、いまだ明らかにしておりません。その点も明らかにしたいと思います。
○赤松委員 それでは先ほど申し上げましたアメリカ海兵隊射場管理隊警備規程、これはいま調査されておるようでありますが、全部調査が済みましたら、本委員会に出していただくということを要求しておきます。 それからもしこの散弾が鉛であるという場合におきましては、散弾使用については陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約二十三条違反の疑いがあるわけであります。すなわち二十三条ホ項に「不必要ノ苦痛ヲ与フヘキ兵器、投射物其ノ他ノ物質ヲ使用スルコト」を禁止しております。これに反するということになるのでありますが、この点についてはどうお考えでございますか。
○津田説明員 ただいま申し上げましたように、その物質の内容がはっきりいたしておりませんので問題でございますが、その点につきましてはもちろんこれは捜査の問題とは別個の問題になると思いますけれども、捜査の過程におきまして、どのような物質を用いておるかということは明らかにいたしたいと思っております。
○赤松委員 それでは私もこれ以上質問しません。これは外務委員会で外務当局に対しまして、外交問題あるいは政治問題として質問する。きわめて技術的な捜査に関する問題でありますが、このこと自身はむろん重要でありますけれども、ただこの際一点指摘しておきたいことは、この散弾はどのような金属によってできておるかということが非常に重要であります。それが鉛製のものであるならば国際法違反の疑いがある。つまりダムダム弾等を禁止した一八九九年のヘーグ宣言、陸戦ノ法規慣例二関スル条約二十三条ホ項、これらに違反するのではないかという点も出てくるわけであります。それと同時に、三度誰何してそして撃った、こういうふうに言っておりますけれども、これもまだ全面的な捜査が終わっていないようでありますが、しかしながら、三度誰何してそして撃つということがはたして妥当であるかどうかという点、これは規則の問題でなしに、外国人が日本に駐留して、そして駐留しておる外国人がその駐留先の国民である日本人をどのように見るかという根本的な問題に属するのであります。したがって、こういう点については、事は外交上、政治上重要な問題でありますので、私はこれを外務委員会の質問に譲っておきます。 小野長官にたいへん御多忙のところ出てきていただきましたが、このほかに町田事件についてあなたはお読みになったと思いますけれども、私は先般この委員会で質問をいたしまして、あなたからたいへん具体的な補償方法について答弁をいただいたわけであります。補償の問題はおそらく全面的に進行しておると思うのでありますが、あの町田基地における米軍の飛行の方法あるいはその他改善すべき諸点があるわけであります。ここに、実は投書を持ってきておりますが、これを読む必要はちっともないと思うのでありますが、あの当時防衛施設庁が約束してくれたこと、あるいは米軍が約束してくれたことをちっとも実行していないという意味の投書であります。その後の経過をひとつ簡単に御説明願いまして私の質問を終わりたいと思います。
○小野説明員 先般申し上げましたように、厚木基地の飛行機が厚木飛行場に出入いたします問題といたしまして、その進路が町田の上空にかかっておるということが心配の種でございましたが、その点につきましては、先方と協議の結果、町田に計器進入をいたします飛行機も町田市を去る二キロほど南に下がりましたところで進入方向に入るということにいたしました。その他厚木飛行場の周辺に待機あるいはその他の関係で旋回飛行をいたしますコースも町田をはずれるように規定してあります。また計器によらない進入については西側のほうから入るというようにきまっております。現在たてまえといたしましては、町田上空から進入態勢に入るということはないと考えております。ただ、何と申しましても一般の航空問題といたしまして、ある高度以上は当然に飛ぶことがあるわけでありまして、そういう点でときおり上空を飛ぶ飛行機があるということはやむを得ないかと思うのであります。そういうふうに考えております。
○赤松委員 それでは、さらに努力を重ねていただくということにいたしまして、防衛施設庁に対する質問を終わります。どうも御苦労さんでした。 大胆が出席になったならば、オリンピックの問題について、すなわち朝鮮民主主義人民共和国の選手選考に関する問題について質問をしたいと考えておったのでありますが、この点は大臣が出席されてから質問することにして、保留しておきます。
○濱野委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○濱野委員長 速記を始めて。赤松君。
○赤松委員 人権擁護局長にお尋ねしますが、例の帝銀事件の平沢貞通の再審に関する問題です。これは現に再審をするかどうかということで目下東京高裁で審理中であります。したがって審理中の事件でございますから、その内容あるいは経過、見通しを明らかにせよということを要求しましても無理だと思うのです。ただ、先般私はこの委員会におきまして、いわゆる松井名刺が当時証拠物件としてあげられておりましたけれども、この松井蔚の名刺なるものは全くでっち上げのものであります。むしろあの裏に字を書き、これを消したのは冥賀という警部であることが明らかになったわけなんです。したがって、この事件で唯一の物証だといわれておりました名刺の事件は全面的にくずれました。昭和二十三年二月一日付の読売新聞の記事を見ますると、品川区小山町三の一二二鈴木八郎方のメモを記入した覚えはないことが明らかとなり云々という記事が載っていますが、これを見ましてもこのことが明らかである。こういうように唯一の物証がくずれた。続いて十六年ぶりに平沢の所持金に新しい事実があらわれた。事件の二カ月前に十五万円でテンペラ画を買ったという証人が名のりをあげてきたわけであります。この証人は野村淡水養魚場経営者の野村晴通という人で、帝銀事件の前年の昭和二十二年十月末ごろ平沢宅を訪れて、本人からテンペラ画十六点を現金十五万円で買ったのであります。事件後の翌年三月に再び平沢宅へ行って、夫人から現金四万円で八点絵を買ったのであります。かようにいたしまして、金の出所があいまいであったという疑惑もこれによって解けてまいったのであります。念のために言っておきますが、この野村さんはいつでも裁判には証人として証言する、こう言っていらっしゃるわけであります。なお、これらの新事実と証拠物件を添えて、東京高裁の兼平判事の手元にすでに再審請求の新証拠として提示をいたしました。こうして全面的に帝銀事件の平沢犯罪というものはでっち上げである、全くこれは白であるということは明らかになってまいったのであります。いまこういうように事態が明らかになったにもかかわらず、死刑執行をいつやるかという不安な状態に平沢は置かれておる。全国には平沢を救う会が結成されまして、そして八月の五日には仙台でレセプションが行なわれ、さらに平沢を救うために、各界の人たちが善意を持ってそれぞれ運動を続けておるわけであります。こういう状態の中で、人権擁護局長としてこういう問題に関するところの考え方、あるいはこの事件をぜひ明るみに出して、そして黒白をつけるということに努力をするという気持ちがあるかどうか。先般も申し上げましたが、私は、がんくつ王吉田石松の事件にしましても、本委員会におきまして、これが再審となって、かりに白と決定した場合でも、裁判の威信が傷つくどころか、裁判の威信はさらに一そう高まり、裁判に対する国民の信頼は強まるだろうということを申し上げた。全くそのとおりになってまいりました。この際勇気をふるって裁判所のほうも、あるいは法務当局も、再審をやって、そして事件の内容を明らかにすることが必要である、こう思うのでありますが、人権擁護局長の見解をただしたいと思います。
○鈴木説明員 生命、身体に対する侵害というのは、人権侵犯の中でも非常に重要なものであると考えておるわけでありますが、これは同時に刑法上の犯罪になるのでありまして、刑法上の犯罪が成立する疑いがある場合には、捜査官が捜査をしまして、さらに刑事裁判手続に移る、こういうふうになっておることはいまさら言うまでもないことであります。そこでただいま御指摘のいわゆる平沢の事件、これはすでにこれまた御承知のように、裁判所の非常に慎重な刑事裁判手続が進められました結果、一審、二審、さらに上告審というところまで参りまして確定しておる事案であります。なかなか複雑な事件でありまして、その後、御指摘のようにいろいろな新事実が出てくるというふうにいわれておるのであります。これまたそういったことを理由といたしまして再審の手続という段階に入っておるのであります。 ところで、このように刑事手続としてすでに正常に動いております事件、これにつきましては、私どもとして、特段の必要がない以上、これはやはり裁判所の刑事手続、すなわち純粋に第三者的立場にある裁判官が双方の言うことを十分に聞かれまして最後の判断をする、そのほうの手続におまかせするのが、これは最も策を得たものである、このように考えておるのであります。したがいまして、現在のところ、御指摘の平沢事件につきまして、これまた御指摘のような事実の有無について調査し、さらに処置をとるというふうなことは考えておりません。
○赤松委員 あなたが人権擁護局長に就任されて、おそらく私は最初の質問じゃないかと思います。いままで質問したことがありますか。なかったでしょう。
○鈴木説明員 あります。
○赤松委員 ありますか。何回ありますか。
○鈴木説明員 はっきり覚えておりませんが、三回くらいじゃなかったかと思います。
○赤松委員 あなたが人権擁護局長におなりになって、少し人権擁護局のほうも前進するだろうと非常に私ども期待を持っておったわけでありますけれども、その後人権擁護局の仕事ぶりを見ておりますと、人権擁護局とは名ばかりで、実際には人権擁護に関する具体的な行政活動をおやりになっていない。全然やっていないとは私は申しませんけれども、非常に消極的である、こういうふうに思っております。こういう点はどこからくるかといえば、これはちょうどあのがんくつ王の再審の問題のときも、検察庁は猛烈に抵抗しました。法務当局自身も、再審については、消極的だけでなしに、むしろこれを阻止する方向に動いておったとさえ思われる節があるのであります。そういう行政機構の中で本来人権擁護局というものは、これは独立をして、そしていわば検察庁の側あるいは法務当局の側に立つのでなしに、国民の基本的人権を守るために国民の側に立って、つまり侵される人権を守る立場に立って戦っていくという、いわば憲法を守り、人権を守り、法律を守っていくという立場に立たなければならぬわけであります。いまの答弁を聞きますると、もとより法律的にはそうでしょう、あなたのおっしゃるとおりだ。だから私は冒頭に申し上げた。東京高裁においてただいま審理中のものであるから、その内容なりあるいは見通しなりをお尋ねしても答弁はできない。したがってそういうことは尋ねない。しかし、こういう新事実があらわれつつある。これに対して人権擁護局としてどういう考えを持っておられるか、その見解を私はただした。法律的な手続とか、それから人権擁護局の法律的な任務とか、そんなことは私はただしているわけじゃないのであります。だから、ひとつあなたは人権擁護局長として、そういう新事実があらわれてきたことは、これはますます再審の必要を感ずるぐらいのことは言い切っていいじゃないですか。どうも事実として認めがたいと私は考えるという、検察庁側に立ったような見解を示してもけっこうです。それならそれで私はまたあなたに文句と言うことができるわけでありますが、あなたのように、これはいま審理中の問題であって、法律的にはとやかく言うべき問題ではない。そんなことは初めからわかっておる。それを前提として私はあなたに内容、見通しなどを言ってくれということを言っておるのではないのです。だからあなたは率直に人権擁護、つまりあなたは平沢のほうの側に立つのか、検察庁のほうの側に立つのかどっちですか。あなたの任務は言うまでもなく平沢のほうの側に立たなければならぬ。検察庁の側に立ってはいけない。それが人権擁護局の仕事じゃないですか。つまり人権を守る。人権とは何ですか、権力を持っていない人、その権力によって人権が侵される者を守っていく。権力の側に立っちゃだめですよ。そうではなくて、侵されようとする人の側に立たなければならぬ。だから、そもそも私は人権擁護局の存在それ自身に実は疑問を持っておる。こんなものはむしろやめたほうがいいじゃないか、別の第三者機関、民間機関のような権威あるものをつくるべきではないか、たとえば日弁連あたりを中心に人権擁護委員会とか擁護協会とかそういうものをつくる。すなわち、憲法を守る責任は政府にあるのですが、そういう努力をして、そうして国民の人権を守っていくというようにしたほうがいいのではないかとさえ、最近はそういう疑問が生じておるのであります。最近人権擁護局は一体どんな仕事をされたんですか、具体的にあげてください。日常の問題ではありません。人権擁護に関してこういう仕事をやったということがあれば三点か四点あげてごらんなさい。
○鈴木説明員 御質問が広範にわたりますので、お答えいたしますが、まず平沢事件についておまえはどう考えるかという御質問であります。これは繰り返して申すようでありますが、やはりものごとはすべて真相を発見して、これに対して正しく法律を適用するという順序になるのでありますが、その第一段階としての真実の発見、これは一方的に一方の事実を聞いただけではわからないことなのでありまして、利害が対立する場合には必ず双方の言うことを率直に虚心たんかいに聞きまして、さらにそれに対してどのような証拠があるかということを慎重に検討する必要があるのではないかと思うのであります。これまた同趣旨のことを繰り返して恐縮でありますが、すでに再審手続に入っておる。とすれば、それぞれりっぱな弁護士がついて、あるいは相手方としては検察庁という大きな組織でもって、それぞれの機能に応じてできるだけの資料を裁判所に提出して、そこで公平な第三者が裁判をする。こういう段階に入っておるわけでありますから、おまえとしてどういうことを希望するかと問われますと、これは双方がいま申しましたようにできるだけの資料を出して、それを裁判官が慎重に検討されて、そうして適正な結論を出すということを希望するわけであります。 おまえの立場は一体どっちかと言われますと、私は現在裁判官ではないのでありまして、おっしゃるように、どちらかといえば、これはもちろんいまの立場のうちの被害者側、人権を侵される側の立場に立って事件を処理する必要があろう、こういうふうに考えております。 それから次に、一体最近人権擁護局としてはどんな仕事をしておるかという相当きつい御質問でございますけれども、これは実は本日そのための資料を十分そろえてまいっておりませんので、正確なまた全般的なお答えはいたしかねます。大体私の承知しておるところといたしまして、いわゆる人権侵犯事件というのを年間に六千ないし八千、この数年間若干の動きはありますが、処理いたしております。特に人権擁護局の存在の意義につきまして、どうも政府機関の一部にある、法務省の中にあるということになると、検察庁あたりと同じような意見を出すのではないか。むしろ民間にこういう団体を置いて、純粋に独立な立場で判断すべきではないかというような御質問でありますけれども、これはまことに一面においてそのとおりでありまして、現に日弁連の中にも人権擁護委員会とかというのがありまして、そこで必要に応じて事件を取り上げて処理していらっしゃるようであります。さらに民間の団体として自由人権協会というのもあります。それに対して人権擁護局は一体どういう存在意義があるかといいますと、これはやはり政府機関として法務省の部局に中央では人権擁護局があり、それからその出先機関といたしましてブロックの法務局に人権擁護部があり、さらにその他の四十一府県の地方法務局に人権擁護課があり、それからその双方の支局というのが大体全国で二百数十カ所あります。ここで実際に人権侵犯があると思われた被害者あるいは関係者からの申告を受けて事件を処理しておる。それから、これとはもう一つ別の体系といたしまして、各市町村長から推薦を受けて法務大臣が任命いたしました人権擁護委員というのが現在全国で九千百七十七名だったと思います、これは多少違うかもしれませんが、各市町村におりまして、市町村の地域住民と直結をいたしまして、これまた侵犯があると思われるときにはそれぞれの事情を聞くというのを主たる任務としておるわけであります。 そうして特に仕事の上で重点を置いておりますのは、非常にむずかしい困難な事件についてというよりも、日常起きます事件について早急にその侵犯の事実を排除する。その件数はもちろん現在何件かということは覚えておりませんが、これが相当あるわけでありまして、いわばそういった末端の仕事に重点を置いておるわけであります。民の声なき声を聞くと申しますか、りっぱな弁護士がついて、裁判所の法廷で一審、二審、上告審、さらに再審と新聞にもどんどん書きたてられるというような事件、これはそのほうですでに救済の方法ができておるわけでありますから、特段の必要がない以上、さらに私どもが現在の陣容でそれに加わる必要はなかろう。むしろ、そこまで上がってこない、法規によって認められております救済のところまで上がってこない事件を引き上げて処理するということに重点を置いてやっておるわけであります。 なお、それじゃそのほうが十分現在目的を達しておるかということになりますと、これは私自分で自分の仕事を採点いたしましても、決して現在百点の仕事をしておるわけではないのでありまして、まだまだ不十分な点はたくさんあろうかと存じますが、各方面の御協力、特に当法務委員会の強力な御支援を得まして、できるだけ百点に近い仕事をやろう、かような覚悟であります。
○赤松委員 施設演説を聞いたのですが、せっかくですけれども、あなたいま人権擁護局は全国で七千件近い件数の人権侵犯問題を扱っている、九千人の人権擁護委員を委嘱している、るるお述べになりましたけれども、問題はそういう人数が問題じゃないのです。件数が問題ではないのです。問題は、その七千件の件数というものは、人権擁護局がほんとうに人権を守ろう、声なき民の声ですか、いまあなた何か言ったね名文句を、声なき民の声を聞いて、そうして人権を守ろう、命がけで、それこそからだを張って人権侵犯の事実はないかといってずっと下部の人が日の色を変えてそういう問題と取り組んでおるかといえば、遺憾ながらそうではございません。人権擁護局の諸君が無能である、働いておらない、そういうことを私は言おうとしているのではない。機構そのものがそういう仕事ができないようになっている。六千件、七千件といったって、それはたまたま一般大衆から、弁護士に相談するには金がない、やむを得ないから人権擁護局へそれを持ち込んでくるというきわめて消極的なものです。ある意味からいえば、それほど大きな件数があるということは、それほど大きな人権侵犯が行なわれているという証拠なんです。それであなたの考え方というものは、いまずっとお述べになったけれども、私は、平沢を救う会はむしろあなたがやらなくちゃいかぬ。こういうようないろいろな疑問のある事件については、あなた自身が、真実を発見するためにということをさっきおっしゃったが、その平沢を救う会のいまやっておる仕事をあなた自身が担当すべきだ。絵を買った野村さんのことなど、真実の発見をあなた自身がやるべきだ。松井名刺のあの冥賀警部が書いた、あるいは消した、その事実をあなた自身が発見すべきだ。ところが人権擁護局は何もそういうことについてはやっていないじゃないか。しかたがないから善意の人がみんな集まって、自分で労力を提供し、あるいはものを提供し、自分の負担で、みんな善意に燃えながらやっている。そうしてようやくこういう真実が、われわれの側からいえば真実、しかしあなたの立場は、さっきから一方につかないということをおっしゃったけれども、それは裁判官のやることなんです。人権擁護局というものは人権を侵される被害者の側に立つ。被害者ということをあなたはさっき言ったが、その被害者の側に立つ。つまり国民の側に立つ、平沢の側に立つ、それがあなたの立場でなければならぬわけです。いままで人権擁護局は、たとえば平沢事件で一回動いたことがある。それは平沢事件担当の弁護士が、出射検事が小菅刑務所に出張して調書をとったかどうか、このことについて調べた。人権擁護局は小菅の所長に問い合わせて、小菅の所長は出射検事は来なかったという返事をした。そこで人権擁護局のほうは磯部弁護士に対して、こういう回答がありました。一カ月ほどたって、実はあれは間違いでした、出射検事は参りました、こういう回答が再び来た。じゃ出射検事は一体どこで調べたかということになると、取り調べの場所は、出射検事と出射検事と一緒に来た書記官と、二人の場所の認識が違うわけです。ある人は戒護室で調べたと言い、ある人はそうじゃない、ほかで調べたと言う。そうしてそのまま真実の探求が行なわれない、真実の追求が行なわれない。うやむやになってしまった。先般私はこの委員会でこの問題を取り上げた。結局人権擁護局が調べた。調べた結果は、出射検事は来なかった、こういう返事が公式に来た。一カ月ほどたって、今度は小菅の所長は、いや、来たのだ。そうしたら、ああそうかということで、全然事実の、真実の探求をしようとはしない。私はそういうことであってはならぬと思う。あなたのほうのいまやっておる仕事というものは、上から下まで、地方を含めて持ち込まれてきたいろいろな人権侵害の問題、その問題を聞いて、そうして非常に消極的な形で、中には解決したものもあるでしょう、解決しないでほってある問題もあるでしょう。私は、七千件のうちでどういう人権侵犯の問題が一番多かったか、そのうちで解決したものは何件か、未解決のものは何件か、未解決のものについてはどういう処理をしたか、あるいは将来しようとしているか、そういうことまで聞きたいのでありますが、いまお手元にあなたは資料を持っていらっしゃらないから、そこまで聞くのは無理だと思いますけれども、要するにあなたの人権擁護局長としての基本認識を変えてもらわなければならない。あなたは人権を守る側に立つのだから、それがいま政府の機構、つまり法務省の機構の中にあるから、あなたの仕事に限界が生まれてくる、こういうことになるわけであります。そもそも官僚出身の人をそういうところに持ってくるということは私は反対なんです。官僚出身の人、たとえば検察庁上がりの人あるいは裁判官上がりの人は、どこまでいっても裁判官としてのあるいは検察官としてのその認識、そういう習慣、そういう習性からなかなか抜け切れない。だから私が質問をしましても、あなたの答弁を国民が聞いて、ああこれは非常にあたたかい、何か心あたたまる答弁だというような受け取り方はだれもしない。おそらくこの中の諸君だってしないでしょう。あなたはただ数字をあげて、そうしてかくかくやっておりますという答弁だけだ。そこには人権を守ろうとする一片の誠実、一片の人間性、そういったものがにじみ出ていない。にじみ出すということを要求するのが無理だということはぼくは万々承知いたしておりますけれども、これくらい事態というものが明らかになってきた。なってきたとすれば、人権擁護局として裁判の自由を侵したり独立権を侵すことはいけないけれども、人権擁護局として何らか平沢を再審にして、そしてその真実、黒白を明らかにするような協力を払うことは私は裁判独立の侵害にはならぬ、こう考えるのです。これについてどうですか。
○鈴木説明員 人権侵犯事件と刑事事件との関係につきましては、先ほど一応御説明いたしましたから、その点は省略いたしまして、平沢事件について、これほど疑問があるのにおまえのほうは何にもしないじゃないか、わずかに先ほど御指摘のようなことをしただけだというおしかりでありますか、これはそうではないのでありまして、まだ平沢事件が最初の刑事手続として進行し、最高裁までいって決定した、これについてどういう点に疑問があるかというふうなことが一般的に言われます前に、実は真犯人はほかにいるのだということが言われまして、当時私は東京の法務局長をしておりまして、東京法務局の人権擁護部で取り扱ったわけでありますけれども、いろいろ影響も多いというようなことを考慮いたしまして、できるだけ一般の方面に及ぼす影響というふうなことも考えまして、慎重に関係者数十人について調査をしたわけであります。その結果、何とも法務局といたしましてイエス・ノー、白黒という結論を出すまではっきりした証拠が出ないという理由で、これははっきり覚えておりますが、昭和三十年の十二月十六日付で東京高等検察庁に事案を回付したのであります。その後、現在のようにいろいろ世間的にも問題にされまして、しかもすでに事案が裁判所の再審という手続に乗っかっているわけであります。したがいまして、これも繰り返すことになりますが、現在さらに加えて私のほうでこの事件を再調査し、検討する必要がないだろう、こう判断するわけであります。どうも人権擁護局は態度が消極的でいかぬじゃないか、もっと積極的にやれというおしかりもあったわけでありますが、気持ちとして、気分の持ちようとして、積極的にあくまで被害者の人権を擁護するという熱意を持って仕事を処理すべきこと、これは当然であります。しかし、ものごとはやはり冷静に考えて処理する必要があるのでありまして、結局、現在の人権擁護局の機構と申しますか陣容、あるいはその出先の職員の数等の関係をいろいろ考えますと、すべての場合に積極的に出ていくのがいいかどうか、これはやはり問題でありまして、敵を知りおのれを知れば百戦危うからずというふうに言われますが、そのうちの敵を知るよりもおのれを知ること、自己判断ということが非常にむずかしいのでありまして、結局限られた陣容をもって一方に力を集中するということになれば、どうしても他方がおろそかになる、これは必然の結果であります。したがいまして、このようにすでに裁判の決定に入ったものは重ねてやる必要はない。もっと新しい、また先ほども申しましたように表にあらわれていない、裁判の軌道に乗っていないでしかも人権を侵犯された者の救済に全力を尽くすべきである、かように考えております。
○赤松委員 なかなかあなたは雄弁だけれども、どうも内容に人間性としてほとばしるようなものがないので、どうもそれじゃもし代議士ならばあまり票は取れぬと思う。 二点あなたにお尋ねしますが、第一点は、読売新聞の記者で遠藤さんという人、この人は松井名刺の事件について当時荏原の警察ですか、そこの担当記者をやっていた人で、その内容について非常によく知っていらっしゃる、これが一つ。もう一つは絵を買ったと言われる野村さん、このお二人を、あなたのほうで真実を探求するために、その真実を発見するために、お二人に協力していただく、調べるのではないですよ、協力していただく。これは裁判とは全然別ですよ。裁判とは全然別です。人権擁護の立場から、この事実、真実を発見するために協力をしていただくというような措置をおとりになる考えはあるかどうか、これを聞いておきます。
○鈴木説明員 同趣旨のことを繰り返してお答えいたしまして恐縮ですが、そのような反証があるならば、それこそ直接裁判所のほうに成規の手続に従って証拠の申請をされるほうが、より手っとり早い近道であろう、このように考えております。
○赤松委員 裁判所は独立したものだよ、君。君は法務当局の中の一機関であり、人権を守る機関ではないか。裁判所に証拠を提出することは人民の権利だ、国民の権利だ。そんなことは言われなくたってわかっている。すでに出してある。そういう新事実が発見された場合、事実であるかどうか、そのことは何も裁判に影響を与えるわけじゃないんだ。そのお二人に協力をしてもらって、そうしてそういう事情を聴取して事実を発見するために努力をするということがなぜできないのか。それは裁判所でやれ、裁判所で必要な事実を出したらいいだろう。そんなばかな答弁があるか。そんなら人権擁護局なんて要らぬじゃないか。ばかな答弁をするな。何で人権擁護局があるんだ。ただそういう場合の答弁として、裁判所に出すとか出さぬとか、君の指図を受ける必要はない。ただ、私のほうといたしましては、直接には裁判には影響はないと思いますけれども、しかしながら、それが客観的に影響を与えるようなことがあるといけませんので、慎重を期したいと思います、そういう点については十分ひとつ相談をして後日答弁をしたいと思いますとかなんとか、もっとあたたかい答弁の仕方があると思う。裁判所にやりなさい。そんなことはわかり切っていることだ。ちゃんと裁判所へ手続は済んでいる。しかし、人権擁護局として人権擁護局の立場から、その侵されている人権を守る立場から、被害者ということを言っておるその被害者の人権を守るために、すでに二人の新しい証人というものが出ているから、その人から事情を聴取するというくらいのことはできないかということなんだ。それを裁判所に持っていけとは何だ。
○鈴木説明員 裁判所に出されておるので、決して人をばかにしておるというふうな気持ちは毛頭ないのでありまして、事件がそこまで行っておればそのほうでやることがより近道ではないかという意見を申し上げたつもりであります。重ねて人権擁護局として調査する必要が私はいまのところはない、かように考えております。
○赤松委員 もう一ぺん答弁してください。わからない。
○鈴木説明員 重ねて人権擁護局として調査をする必要は、先ほど来るる説明いたしました理由によりまして、現在のところはその必要はなかろう、かように考えております。
○赤松委員 その理由というのを一口に言ってください。
○鈴木説明員 全体の仕事の配分の点から考えまして、同じ事件を二重、三重にやる必要はない、こういうことです。
○赤松委員 その全体の構成というのは何だ、二重、三重って何だ。いままで調べたことないじゃないか。調べたことあるのか。もう一ぺん答弁しなさい。
○鈴木説明員 本日ここに参りました当初から御説明しておりますように、生命、身体に対する人権侵犯というものは、同時に犯罪となりまして、事件として捜査あるいは刑事裁判の手続に入っていくわけであります。刑事裁判の手続におきまして、検察側あるいは弁護側双方の言うことを十分に聞いた上で、裁判官が裁判をするという段階に入っております事件について、人権擁護局がさらに重ねて同じ事実について調査をし意見を出すという必要はこれはなかろう、こういう意味であります。
○赤松委員 そうすると、これは立法府と裁判所の関係ならば、いま言ったようなことは通ずる。しかし人権擁護局それ自身は、裁判所であろうとなかろうと、人権を守るために行政をする役所なんだから、それをやっていけないという理由はちっともないと思う。 こういうことをやり取りしておれば、大臣も出席したし、皆さん大臣に質問しようというのでさっきから待っておられるから、私はこの問題は保留にして次に回したいと思うのだけれども、人権擁護局長に私は言っておきます。あなた自身の擁護局長としての認識は私は根本的に誤っておると思う。次の機会に私はあなたに対して十分に質問したいと思いますから、保留しておきます。
○濱野委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○濱野委員長 速記を始めて。
○鈴木説明員 ことばが不十分だったかもしれませんが、もう一度繰り返すような形になりますけれども、刑事手続が現にその軌道に乗って正しく動いている場合には、人権擁護局としてさらに同一事件を取り扱いまして調査する必要はなかろう、動いていない場合には、これはもちろん同時にこれが重要な人権侵犯になりますから、これは事実を慎重に調査いたしまして結論を出す、こういうことになります。
○濱野委員長 それが矛盾があるというのです。必要がなかろうとか、必要があろうとか、その認識ですね。それは擁護局の本来の使命の基本的観念というものが、あなた最初答弁になったことなんです。ところが具体問題になってくると、こういう場合は必要がなかろうと突っ放している。それでは一体人権擁護局の存置の基本的条件の認識が、最初答弁したところとは今度は違うじゃないか。それじゃいたずらに議事だけ引き延ばしておって、いつまでたっても終止符を打つわけにはいかない。ですから、もう少し、次の機会でもいいですから、いま答弁された内容を十分検討して、慎重にひとつお答えを願いたい。これは委員長として議事進行上特にあなたにお願いをいたします。 ————◇—————
○濱野委員長 ただいま法務大臣がおいでになりました。発言を求められておりますからこれを許します。高橋法務大臣。
○高橋(等)国務大臣 このたびはからずも法務大臣に就任をいたすことになりまして、平素ごじっこんにあずかっておりまする皆さま方のたいへんな御後援のたまものであると感謝を申し上げております。特に法務委員会の皆さま方から見れば、たいへんこれからお世話になることと存じますが、何ぶんともによろしくお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。 ————◇—————
○濱野委員長 明日大臣はどこかへ出席されるそうですので、きわめて明瞭簡潔にひとつお願いいたします。赤松勇君。
○赤松委員 実は先般来オリンピック委員会並びに当法務委員会で問題になっておりました、朝鮮民主主義人民共和国において在日朝鮮人の中ですでに記録を持っておる者——一般に公募するのじゃありません。記録を持っておる者を平壌に招いて、これは日本だけじゃありません。各国に居住する朝鮮人ですが、そうしてそこでオリンピックの選手として選考する、そういう手続をとりたいというので、在日朝鮮人のスポーツ団体に朝鮮民主主義人民共和国のほうから申し入れがあったわけであります。その点について、衆議院のオリンピック委員会並びに法務委員会でしばしば論議になりまして、多数の意見は、これは政治問題と違って純粋のスポーツの問題であるから許可すべきではないかという意見が与党の内部にもあるわけであります。こういう点について、何か法務省のほうではこれを拒否するという態度をきめられたというように聞いておりますが、この点についてはどういうことになっておりますか、お伺いしたいと思います。
○高橋(等)国務大臣 ただいまお述べになりましたように、オリンピックの予選のために北鮮へ往来をするということにつきましては、法務当局としては、いろいろな角度から考えましたけれども、この際は認めないことに決定をいたしております。
○赤松委員 どういう理由でお認めにならなかったのですか。
○高橋(等)国務大臣 従来、最近ことに盛んに行なわれておりまする自由往来運動というものについて、いろいろな情報を集めてみますと、政治的色彩がきわめて強いのでございます。ことに幹部間におきましても、あるいは人道問題だとか、あるいはスポーツのこの問題を取り上げまして、自由往来運動の突破口をつくる、あらゆる理由のあるものは全部総合して突破口をつくろう、こういうことが、これは朝鮮総連の総会等におきましても言明をされ、計画をされておるのであります。そこで現在、これはやはり自由往来運動の一環として考えておる。オリンピックに参加する選手につきましては、もちろん入国に際しましてもできるだけの便宜をはかりまして、御存じのように、清浄から日本の港へ直行できるような方法も考えるというようなこともやっております。あるいはまた観客につきましても、百名を限りまして入国を認めようということにいたしておるのでございます。が、この再入国の問題は、いま申し上げましたような状況にありまするために、外交上、内政上の問題を考慮いたしまして慎重に扱いたい。しかし、これは将来ともにいけないというのではないのであって、将来にわたりまして、こうした再入国の問題については十分慎重に検討を続けたいという私は気持ちでおります。が、ただいまのところではまだ時期尚早である。その一環としまして、オリンピックの予選でありますから、何か考えてあげたいとも考えましたけれども、いま言うたような事情から、この際は許可をしないということにきめたようなわけでございます。
○赤松委員 いま申請をしておるのは、最初に引率者が一名、それからコーチ一名、陸上一名、重量上げ二名、柔道四名、射撃二名、体操二名、計十三名であります。私はこの間、これは新聞記事だけでよくわかりませんが、ちょうど刑事局長がおられるのでお尋ねしておきたいと思うのでございますけれども——手元に資料があるのですが、ちょっと見当たりませんが、韓国の射撃のいわゆる名手というか、彼がある刑事事件にひっかかりまして、そして取り調べを受けておる、現に裁判中である。ところが、彼の釈放を強く要求する方面から、何か圧力があったかなかったか知りませんが、そういう強い要求があって、検察庁の反対にもかかわらず——検察庁は、彼を釈放すると事件全体がくずれるという見地から、その釈放には反対した。反対したけれども、ついに裁判所は彼を釈放した。こういう事件があったようでございます。これは一体どういう方面からそういう要請があったのでございますか。
○津田説明員 ただいまのお尋ねの件につきましては、私は、新聞で何かそのようなことがあったような記憶はあるのでございますけれども、具体的に報告等についてはまだ検討いたしておりませんので、お答え申し上げることはできかねます。
○赤松委員 私は、韓国に対しましては、そういう非常な、何と言いますか、ゆるやかな寛大な措置がとられておる。ところが、朝鮮民主主義人民共和国のほうに対しましては非常に過酷なそれが行なわれておる。まだ両国とも国交が回復していないわけであります。私はここに再入国申請に関する理由書というものを持っておりますけれども、先ほど申し上げたこれら十三名のうち、 コーチ、引率者を除く選手は、すなわち十一名の選手は、それぞれみな記録を持っておる選手なんです。日本において非常に高い記録を持っておる選手です。その選手十一名と、コーチ、引率者を含めて十三名を平壌にやって、そこでオリンピックの選手として適正であるかどうかということをテストして、それからその中からあるいは選手として出場する者もあるでしょう、あるいは選手として不適格な者も出てくるでしょう。とにかくいずれにしても、オリンピックという純粋のスポーツにこれを出場させるということが、どうして一体自由往来の問題と関連するのか、私はさっぱりわからない。午前中も申し上げたのですが、いま法務省の再入国についての申請をしている者がある。その理由は孫に会いたいとか、あるいは墓参をしたいとか、それぞれ理由を書いて、そうしてみなおおむね六十、七十の年寄りなんです。死ぬまでに一ぺん自分の家の墓へお参りしたい、祖国の自分のうちをたずねたい、孫の顔を見たい、そして死にたい、こういうことなんです。これは政治問題ですか。これは日韓会談等に関係がある、日韓会談に悪い影響があるというならば、一般的な自由往来の問題は、これはまた私も別の次元でお互いに話し合うとして、さしあたってこのスポーツの問題は、こういう純粋な問題であるから、もちろんそれは一部においては自由往来の一環として考える人もあるでしょう。考えたっていいじゃありませんか。朝鮮人の立場からいえば考えるのはあたりまえのことなんです。しかし、日本はもっと自信を持ちなさい。日本は独立国なんです。いわゆる池田さんに従えば、日本はアジアの大国だそうです。世界の大国じゃありませんか。持って、十一名ぐらいの者、コーチと引率者を含めて十三名、これを平壌に派遣して、東京オリンピックの中へそれを参加さしたからといって、それが一体政治問題だというように大げさに考える必要がどこにあるのですか。何をびくびくしているのですか。この程度のことは思い切ってやりなさい。韓国の射撃の名手、これをぜひオリンピックに出したいというので、韓国の強い要求によって釈放したじゃありませんか。一方ではそういうような政治的配慮をやりながら、他方においては、純粋のスポーツの問題を政治問題に関連させてくるということは、全く非人間的な扱いだと私は思うのです。この点について重ねて私は大臣の答弁を要求します。
○高橋(等)国務大臣 現在、いまお話しになりました日韓関係はきわめて微妙な段階である。最近の北鮮政権及び北鮮系の在日朝鮮人は、日韓会談反対運動等日本政府の重要施策に反対をいたしまして、あるいはまた在日朝鮮人間の反日抗争を助長する動きに出ております。そういうわけで北朝鮮地域との往来については、先ほど申しましたように外交上、内政上の問題を考慮いたしまして、慎重を期しております。いまだ一名もこの北鮮地域との往来については認めておらない、こういう状況になっております。もちろん将来にわたって、先ほど申しましたように本問題については慎重に検討を続けることは当然でありますけれども、オリンピックなるがゆえに特に認めるという段階でないんだというように私は判断をいたしております。
○柳田委員 関連して。この問題は法務委員会においても過ぐる日問題になり、オリンピック特別委員会でも問題になった。したがって朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北鮮ですが、そこの体育協会、日本で言えば日本体育協会ですが、在日本朝鮮人体育連合会という組織を設けているのですが、そこに要請して、七月一日から七月二十五日まで平壌で予選会をやるから、特に日本にあって、これは拓大とかその他学生がおもですが、そういうところで優秀な成績を持っている者を平壌の予選会に帰してくれ、朝鮮のオリンピック委員会から在日本朝鮮人体育連合会にこういう申し入れがあって、在日本朝鮮人体育連合会から法務省にそういう要請があったわけですね。それに対しては、これは認めないということになっていますが、この問題は、あなたの前任者の賀屋法務大臣時代に問題になったわけです。それで、認められないという時点はいつの時点ですか。すなわち、前法務大臣賀屋さんの時代に認められぬということを決定して、あなたが事務引き継ぎとして受けられたからさようにここで答弁されたのか。賀屋法務大臣時代はこれはなおペンディングの問題で、ペンディングのまま事務引き継ぎになって、あなたが新任の法務大臣としてあなた自身の御判断として認められぬと御決定になったのですか、そこら辺はどういうことですか。
○高橋(等)国務大臣 別に引き継ぎをこの問題について特に受けたわけではございません。前大臣時代から継続しておる問題である、そういうように私は理解をいたしております。私の朝鮮人の自由往来運動に対する態度につきましては、ただいま申し上げましたように、いまのスポーツの選手の帰国などについても、柳田さん、赤松さんのお話もわからないことはないのであります。しかし、現在の段階ではちょっとこれは時期尚早だという考え方でおるのでありますが、将来にわたっては再入国の問題については慎重に検討を続けたい。しかし、現在はまだ何といても時期尚早である、こういう考え方に私も立っておるようなわけでございます。
○柳田委員 私は、この点ははっきりしたいので尋ねるのですが、本院は東京オリンピック完遂の決議案を通しております。同時にまた日本国民として東京オリンピックの完遂を心に願わぬ者は一人もない。大臣おわかりですね。そこで、この前の国会における賀屋さんの時代はまだ決定の段階に至っていなかったのです。われわれとして非常に難点があるけれども、御要請の点についてはなお十分研究して善処いたします、こういうふうに含みのある答弁で終わっているわけです。この委員会を通じて、これは認められないというのは初めてあなたの口から聞くわけなんです。だから、認められないという決定を下されたのは賀屋さんのときに下されたのか。下されても、その間オリンピック特別委員会も法務委員会も開かれておりませんから、本委員会を通じてあるいはこの国会を通じて政府として見解を述べる機会がなかったわけなんです。以前の委員会においては、十分なお研究いたします、もう少し時日をかしてくれ、なかなかむずかしい問題もあるのだ、また入国管理局長のほうは、われわれ事務当局といたしましては非常にむずかしい問題があるけれどもと言って、上層部の政治的解決できめていただくより方法がないかのようなニュアンスのことを言っております。いまあなたの口から否定されたけれども、そういうような申し入れがあるのでありますから、法務省としては一応決定をしなければならぬ。それはどちらでありますかということを私は聞いている。
○高橋(等)国務大臣 引き継ぎがなかったもので、ついうっかりした御答弁を申し上げて恐縮ですが、決定は七月八日賀屋法務大臣当時の決定でございます。
○柳田委員 たぶんそうだろうと思った。まさか私はこの委員会を通じて、特別委員会を通じてでも賀屋さんの口から否定的なことを聞きたくないので、これは自民党のオリンピック特別委員会の委員長である伊能さんも、またオリンピック特別委員長の島村さんも中に入って、また川崎秀二さんも中に入って、そうしてこれを前向きに解決しようというので、非公式に懇談会をやった。そのときの賀屋さんのことばから受け取りますと、とても肯定的なことばをわれわれは受け取るわけにいかなかった。だから、いま大臣が否定されたが、賀屋さんは名にし負う戦犯ですが、まさかあなたが法務大臣になってこれを否定されるとは私は思わなかった。だから、そこでこの責任はやはり明らかにしておかなければいけません。少なくとも、日本の東京でオリンピックが開かれる。今後東京あるいは東京を含む日本でオリンピックが開かれるのは、私はオリンピックの組織委員をしておりますが、おそらく百年の間にはこないと思う。百年間でオリンピックは二十五回しかない。もうこの次はアジアのほかの国は黙っておらぬ。インドも黙っておらぬでしょう、フィリピンも黙っていなでしょう。また中国が参加すれば中国も黙っていない、インドネシアも黙っていない。かりにそういうふうになってまいりますと、南米にはまだいっておりません。ようやく日本の次にメキシコ、中米に初めていきます。ヨーロッパのほうは、オリンピックというのはヨーロッパが元祖だから、もうそろそろヨーロッパへ戻せと言っている。こうなってまいりますと、二十五回のうちには日本にはとてもやってこないと思う。われわれの生きている間はともかく、われわれの次の時代でもおそらくこないのではないかと思う。そのときに、特にこのオリンピック憲章には、スポーツというものは宗教、政治その他から一切支配されてはいけないということになっておる。ところが、先ほど赤松さんの御質問のように、韓国に対してはそういうような政治的配慮を加えながら、この自由往来の一環として考えるべき問題ではないということは赤松さん御指摘のとおりなんです。だから日本におる選手を十一名に厳選している。たくさんの選手がまだ日本に来ている。政治的配慮を加えるならば、オリンピックの選手を、夏向きは伝馬船でも行ける、地下工作をやろうと思えばやれる。それを厳選してたった十一名の選手だけを予選会へ帰してくれ、それでこれは二十五日に切れましたが、どうなったのかと思って、私は取り上げた責任上聞いてみたところが、なるたけ優秀な選手をもって東京に送りたいというので、多少期日はずれても予選会に参加させる、こういう態度らしい。私は、オリンピックというものは勝つことが目的ではない、参加することが目的だというけれども、私も組織委員の一人として、今度のオリンピックは施設面においては全然心配しておりません。先般のローマのオリンピックを視察に参りましたが、とてもローマの比のごときものではなしに、いままでの世界で一番りっぱなオリンピックをやる自信を持っております。同時に運営面でも、こう言うと前のイタリア人にはなはだ失礼でありますが、のろのろとして不評であったローマと、今度は日本でありますから、運営面でも日本のオリンピックというものは史上初めてのりっぱなオリンピックをやる自信がある。ただ問題は、悲しいかな、日本でやるオリンピックで一体何本の国旗が上がるか、同時にまた日本でやるオリンピック——日本でやるというのは、これはオリンピック委員会では、アジアの日本で開くのだ、その首都の東京で開くのだ、こういうことなんです。ですから、やはり同じことならばアジアの選手に優秀な成績をおさめてほしい。幸い台湾には楊伝広という、これはこの前のローマの十種では二等になった、ほとんどすれすれで二等になった。今度はおそらく優勝だろう。朝鮮には辛金丹という女子の八百メートルの選手がおって、これはおそらく一等でしょう。それからインドにはシンという四百メートルの非常に優秀なランナーがいます。こういうようにして、ようやくスポーツに関しては後進国であったアジアも、今度の東京オリンピックではアジアの花が一度に開くというような機運になった。できるならば東京で開いたオリンピックにアジア民族が優秀な成績をおさめるように日本が協力するのが当然だと思う。そのアジアの一つの国である北朝鮮がなるたけベストのメンバーを送りたい。幸い東京に学生なんかで十一名の優秀なのがおるから、これを選手団に一緒に予選を通して加えてほしい。たとえばこの前、山中選手がローマで負けたローズという有名な水泳の選手、これは四百メートルの世界記録保持者で、優勝した。ところが、このローズはアメリカの競技会に出ておるわけです。アメリカの競技会に出て非常に優秀な成績をおさめた。ところが、メルボルンでは、ローズはアメリカにおって、アメリカの競技会に出ておって優秀な成績をおさめておるけれども、メルボルンのオーストラリアの予選会へ入っておらぬからオーストラリアの選手として派遣することはできぬ。こう言っておる。それくらい国内の予選というのは大事なものだから、日本におる北朝鮮の選手は優秀な記録——記録というものは総合的にわかります。しかしながら、やはり予選会を通さなければ北朝鮮の選手として派遣することができぬくらいのことはスポーツの常識です。だから、北朝鮮の選手と一諸に再度日本にくるのですから、これは再入国の問題とかそういう問題じゃないと思う。十一名の問題で、政治工作をやるとは何ですか。それくらいのことは政治的に特に配慮して、そうしてこういうものは先ほど韓国の政治的配慮が行なわれたと同じように配慮して、賀屋さんの時代は一たん否決しておったけれども、もう一ぺん考え直してみて、日本のオリンピックに花を添えしめよう、こういうような親心があっていいじゃないか。オリンピックというのは平等なんです。あなたのお名前は高橋等だが、同じなんです。こういうことができなければ、あなたの名前が泣きますよ。これはもう一度お考え直しをしていただきたいと思います。いかがですか。
○高橋(等)国務大臣 お話の趣旨はよくわかる、筋ももちろんあるのでございますが、先ほどから申し上げましたように、今回は見送るより以外にないのでございます。
○柳田委員 法務大臣は御多忙で、このような問題は法務行政の中ではウエートが少ない。だから、私はあなたに真剣に申し上げているが、これくらいの真剣さで局長なり下僚から御報告を聞いているか疑わしいと思う。ただもう事務的な引き継ぎが行なわれたにすぎぬと思う。そこで、先入観を持って、もうきめたことだからどうということでなしに、再考を促されたらどうだろうか。ここで決定的答弁をいただこうとは思いませんけれども、この問題は、柳田が言っておったがどうだろうか、あるいは河野オリンピック担当大臣に佐藤さんから引き継ぎがなかったと思うので、河野国務大臣と御相談になってみたり、あるいは組織委員会の会長となり事務総長とも、あるいはときによったらこういう問題は総理とも直接話し合う。一たん賀屋さんの時代にきめているので、法務省としてはまことにまずいけれども、きょうは法務委員会のたっての要望なので、何か条件をつけてもよいからもう一度考え直す、これくらいの幅があってよいじゃないですか。最初あなたは、百人の一般応援団を認めるとおっしゃったが、たいへんけっこうであると思う。特別の船を仕立てて清津−新潟航路もけっこうです。あるいは渡航証明書、これにも何らかの便法を設けていただくこともけっこうでありますが、北朝鮮側から要請してきている四百名を四分の一の百名に削られた積算の根拠は何ですか。
○小川説明員 それでは私から一応御説明を申し上げます。 北朝鮮の観客の入国の問題でずいぶんもめていたことは先生も十分御承知のとおりであります。そこで、オリンピック特別委員会でもそのつどたいへん問題になりまして、積算の基礎と申しますか、人数をきめたならばその理由をはっきりさしてくれという御質問もございましたが、政府といたしましては、諸般の情勢上人数はなるべく少ないほうがよいという基本的な方針を持っております。それに基づきまして、OOCのほうも、受け入れ態勢その他の関係もございまして、まあ百名程度ならば御希望に沿うこともできるだろうというような見解で、OOCとの間で最終的にまとめました数字なんでございます。最初は積算の基礎を考慮いたしまして数式などを研究いたしましたが、何ぶんとも初めての参加国のことでもございますし、人口の比率とかいろいろなファクターもございましたけれども、最終的に百名程度ということにまとまった次第でございます。
○柳田委員 私もOOCのメンバーですが、事務当局と折衝になって、もう一度御再考願いたい。これは初めてのケースです。ことに国交未回復国の問題であるから小川さんのほうも苦慮されたと思いますが、同じようなケースがローマのときにもあったのです。ローマのオリンピックに東ドイツの選手が来ていたが、東ドイツの選手が東ドイツとして来たわけではない。東ドイツと西ドイツが、国旗ではなしにそれぞれ一つの旗を持って、優勝者には国歌を吹奏しますが、ベートーベンの曲をやったりした。韓国と北朝鮮も東西ドイツの例にならって、合同で一つのチームをつくる努力をずいぶんした。ところが、これは北朝鮮側は折れたが、韓国側ががんとして聞かなかった。まことに残念ですが。この前のローマのとき、東ドイツは未承認国です。ところが、それに対して観客は無制限に入れたのですが、この辺のところの研究はどういうようになっているか。これはやはり同じようなケースとして参酌される必要があると思う。北朝鮮と韓国の人口比だとか、また四百人は少しかまをかけてきたんだからということで百人に削る。そんなことでは困る。一衣帯水で、清浄から新潟へ来るのは博多から函館へ行くより近いのです。チリーとかブラジルなんかより、一番近いのです。鹿児島の県民が東京のオリンピックに見学に行こうというのと、清津から北朝鮮の人が東京へ来るのとあまり変わらぬ。近いところは距離ということも考えなければいかぬ。今度OOCのほうは、入場券を発売するとき距離ということも考えている。したがって、東京にうんと割り当てをする。そういう意味からも、ただ人口比だけでなしに、距離も考えてもらわなければならぬ。それは余分でありますが、イタリアが東ドイツにとった態度をあなたはどういうように御理解されておりますか。
○小川説明員 私も、ローマ大会のときにおきます西独、東独の関係も十分調べました。ただいまちょうど資料を持ってまいっておりませんが、記憶によりますと、たしか西独の観客の十分の一程度のものを東独の観客として発売しておったというように記憶しております。やはりイタリアの場合におきましても、御存じのように、統一チームではございましたけれども、承認、未承認の関係からであったろうと想像いたしておりますけれども、切符の発売数では差別をいたしておる次第でございます。 それから、四百名の要求に対して百名に削ったというふうに仰せになりましたけれども、それは、私どもといたしましては、最初から最小限度の人数ということで百名と申し上げておった次第でございます。
○濱野委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○濱野委員長 速記を始めて。 穗積七郎君。
○穗積委員 私もオリンピック委員の一人でございまして、この問題で発言しているのですが、いまの問題についてはどうぞひとつ、ぜひ委員長の御提案まことに時宜を得て、われわれ賛成でございますから、そのゆるやかな態度でひとつ進めていただきたい。これはこれで打ち切っておきます。 もう一つは、御就任早々でなんでございますけれども、同様なような問題が起きているわけです。これは中国の趙安博氏の入国ビザの問題でございます。御承知のとおり、今度は原水禁第十回世界大会に中国代表として参加するために入国申請をしたわけですけれども、伺いますと、世界大会の評価を理由にして入国を拒否されたわけではないように、客観的にもそう受け取るのが当然だと思っております。また、私どもの立場も一応明らかにしておきますが、私ども昨年までは統一大会でありましたが、やむを得ざる事情によりまして今年度は二つに分かれた大会になっていて、趙安博氏が出席しようとしている第十回大会はわれわれ関係のない会合でございます。ただ、ここで私が社会党の議員としてもこの問題を再検討していただく必要があると思いますことは、先ほど言いましたように、今年度の世界大会に対する評価を基準にして趙安博氏を入国させる、させないということをきめたのではなくて、彼の言動について一般的、原則的のシャットアウトされた、こういう取り扱いでありますというと、実はそれ以外の入国についても、一体彼は好ましくない人物である。人間そのものが好ましくない、こういうことになってまいりますと、事は外交的に非常に重要であると思うのです。と言いますのは、手短に申し上げますが、彼は周総理側近の知日派の一人でありまして、しかもいま池田内閣が前向きで処理しておられますLT貿易の口火をつけた中の一人でもあるわけであります。さらにその池田内閣のそういう経済発展の情勢を判断いたしまして、中国側におきましても、昨年中日友好協会を結成いたしまして、それの会長がLT貿易の責任者である蓼承志氏、それから日本のことばで言えば、理事長に当たります秘書長を趙安博氏がやっておるわけでございます。言いかえますならば、池田内閣と中国との間で経済、文化交流の発展を促進しておる場合の中軸的な人物であるわけです。今度趙安博氏一人でなくて、外一名の入国についてもこれを拒否されたわけでございますけれども、特に私がそういう意味でこの際、賀屋大臣との引き継ぎの当時のいきさつもあると思いますから、与えるところの影響はどういうふうになるか、十分に分析、御検討になる余裕のないまま法務省の事務当局または前任大臣からのお引き継ぎ等もあって、早々の間にいまの朝鮮問題と同様に趙安博氏の入国も御裁決になったのではないかと推測されるわけです。そうでなければ、朝鮮問題、先ほどの問題についても、中国問題あるいは東西問題について前向き政策をとっていくという池田グループとしては政治的にわれわれは了解できないのですよ。いまのオリンピック問題については、池田グループより政治的に右寄りであり反共的であると言われた佐藤オリンピック大臣も、オリンピック問題については決して政治的な偏見なり理由は付さないでやりたいということを言われて、そのとおり非常に理解ある態度をオリンピック委員会で示されて前向きでやってこられた。ところが、これに最後のとどめをさしましたのが、私の判断では、あなたの所管内における公安調査庁の諸君の言いがかりの材料と、それに利用されました賀屋法務大臣の思想的偏向により、池田内閣なり日本全体の外交に好ましくない決定が行なわれた。こういうふうに考えますので、この問題は事務当局の問題をすでに離れまして、池田内閣の外交政策、対中国政策の問題の重要な一つの目をなす問題でございます。私は、お取りきめになりましたことについて、一々大臣の責任を追及して喜ぶという態度をとりません。そうではなくて、いまの朝鮮問題に示されましたように、何らかの方法で、大会は劉寧一を団長といたしまして八月九日まで継続しておるわけです。まだ時間的な余裕も多少ありますので、その点ひとついまの朝鮮問題で示されましたように、これは特に外交上の関連のあることでございます。きょうは外務委員会もありましたので、椎名外務大臣、新任大臣の対一国政策に対する基本的なお考えを伺いながら、私もお尋ねいたしたいと思っておりましたが、大臣が御帰省になりまして、外務委員会は開かれましたが、大臣のお考えを伺うことはできなかった。それで行政的な所管である法務大臣だけをお責めいたしまして、そして政治的な外交上の問題についての観点をあなただけで再検討していただきたいということを申し上げるのは少し筋違いかと思いますけれども、少なくとも行政上の責任の最高責任者であられるから、私は先ほどの問題と同様に、賀屋さんと公安調査庁の意見によって法務省の省議が決定したということであるなら、この無理解な、反共的な、むしろある意味における政治的な意図を持った決定もわからぬではない。ところが、あなたが池田派の直系として、そしてわれわれ議員仲間から見ましても、正義と公明をもって事を処せられようとしておるあなたが、これが冒頭に、いまの朝鮮問題と同様に趙安博入国拒否の問題について、非常な——私から言わせれば、池田内閣の立場に立っても、これはつい軽率なミステイクであったと私は考えます。これは党派にとらわれないで率直に申し上げるわけです。そこで私はお尋ねいたしますが、どういう理由で一体趙安博氏の入国を拒否されましたか。 それからもう一つは、いま申しましたように、もしその理由が今度の大会の評価、あるいは今度の入国目的が好ましくなかったということで拒否されたのではなくて、趙安博氏自身の思想なり、言動なりが好ましくない。すなわち人物に、パーソナリティーについた条件によって彼が好ましくないとするならば、ここ当分の間は少なくとも彼に、何と言いますか、大きな変化がない限りは、あらゆる名目に、あらゆる機会において彼の入国を拒否するつもりであるかどうか。そういうことは非常に大きな日中間の今後の発展のために影響のあるところでございますから、その二点について簡潔にあなたの御存念を伺っておきたいと思うのです。
○高橋(等)国務大臣 最近私が扱いました入国問題の中で、いろいろ検討し、結論を下しましたおもなものは、一つは孫平化の入国であります。それからいま御指摘になった二名の方の入国の拒否でございます。この孫平化につきましても、いろいろな意見が実はあった。実は強硬な意見も私着任後受けたわけでございます。しかし、日本の中共との貿易を進めていくという絶好のチャンスにいまあるわけです。せっかく皆さんが苦労していただいてLT連絡事務所でというこの際に、何か入国できるような方法はないだろうかというので、前外務大臣も非常に苦労いたしまして、御存じのような制約その他の問題が解決されまして、その他まだいろいろな手続もあったのですが、私としましては、これはやはり政経分離で、貿易のほうに重点を置いてやってくれるんだという心証を得まして、その心証に基づいて孫平化氏の入国を許可した、これが一つであります。趙安博外一名の者につきましては、いまお話しになりましたような点も十分私は調査をいたしました。過去数回、七回でしたか、来日をされておる。その間に、いろいろまた日本の戦犯の釈放とか、貿易の再開等についても配慮をしていただいておることも了承いたしますが、政府の政策につきまして非常に強烈な非難を日本国内でたびたびやっております。そしてまた、その扇動行為も実はあるわけで、日本としましては、どうもそうしたことを外国人、ことに国交回復してない国の人々が国内に入ってきて、そういうことをやらないというような話し合いの上で入ってきた者が、それを繰り返されておるということにつきましては、これはわが国としましては非常に利益を害するのだという観点が一つあったわけです。 いま一つは、原水協の問題は、日本は唯一の世界の被爆国なんで、日本国民の感情は、今後こうしたことが行なわれないようにやる、そのための大会であって、この大会は厳粛に行なっていただきたいというのが私は国民の全般の感情だと思います。ところが、遺憾なことに、ソビエトと中共との間の抗争が激しくなってまいっております。ことしの大会では相当これが両国抗争の一つの場になるということも実はわれわれとしましては非常に迷惑である、国民としましては迷惑であると判断いたしまして、そういう判断に立ちまして、いままで日本の政府の施策を常に誹謗してこられた方であり、しかも日本入国の目的が、いま言うように原水協であるというような点を考慮しまして、このたびは入国をしていただかないほうがいいのだという結論に達したようなわけなのであります。それならば将来はどうか、将来の来日目的にもよります。また、いろいろ入国に際しまして受け入れ態勢等も考えなければなりませんけれども、そうした心証がはっきりしてまいりますれば、これは趙安博氏をシャットアウトするというわけではないので、機会を見て、そうしたことがはっきりと裏づけられるような状況でありますならば、ちょうど孫平化氏の入国を許可いたしましたと同じように考えていきたい。こういう意味で、永久にシャットアウト、好ましからぬ人間だというようならく印を押したというわけではないということを御了承願いたいと思うのでごございます。
○穗積委員 この問題は、ここで私は大臣と議論をしようとは思っておりません。それはなぜかというならば、問題をいま言いましたように、日中の将来の発展のために誤解なく友好的にものを解決するというのが、目的であります。ところが、ただ一点大臣に、失礼でありますけれども、認識を深めていただいて再検討をしていただきたいという理由として、二点だけお尋ねいたします。 第一点は、これは御注意をいただきたいと私特に思うのですが、趙安博氏なりその他呉学文氏等につきましても、彼の日本訪問中の言動が好ましくなかった、こういうことの材料は、入管局や大臣室で御検討になるのではなくて、私どもの大体見ておるところでは、警察特に公安調査庁の調査目的、指示に従いました全国的な警察関係の人が調べられておる。それがいま言いましたように、政府の政策を非常に誹謗したとか、あるいはまた扇動をしたとか、扇動と判断されましたのは、あなた自身が判断されたのではなくて、現地の非常に短見でしかも反共的な、いわばすきあらば口実をつくりたいという気分でおられる、事あれかしと見ておられる一個人的な警察官の偏見や短見によって、そういう扇動行為が行なわれたという規定がなされる場合がある。これはあなたは、旧内務省関係に席を置かれたこともあるし、私もかつては警察庁に、大学を出ましてちょっとおったことがありますが、当時戦時中でありまして、情勢は違いますけれども、これはお互いに、当時のいわゆる検察または特高関係の、警察関係の方々の中に、客観的に見まして、やはりことばじりをつかまえて、針小棒大に、それが非常に悪質なものであるかのごとく規定してしまう、そういう悪意を持ったスパイ的な行為、それがその人物の思想、言動のすべてを支配しておるかのごとく、そういう報告がなされて、心外に思ったことがあるわけです。ところが、最近、特に中国問題につきまして、中国とアメリカとの関係が、ああいった形で行なわれておりますときでありますから、そしてまた、ドゴールの中国承認等がありまして、そして中国の国連代表権の復活あるいは日中の国交回復等が時間の問題ではなかろうかという恐怖心を持って、その板ばさみの中で、非常に最近特に公安調査庁を中心とする一部の短見、反共的な官僚の諸君が、あることないこと、政治的誹謗——むしろ誹謗だと私は思うのです。日本の個人のことにつきましても、自民党の議員さんの身上調査につきましても、それからあるいはまた政府の要路につかれました次官その他の人の言動につきましても、実に噴飯に値するような調査をしておられる。それが堂々と公安調査庁の権威ある報告であるとして出されておるような事実が、私ども狭い情報の中でも、最近目に余るものとして実は感じとっておるわけです。いま先ほど言われた趙安博の在日中の言動が好ましくない、あるいは好ましくないどころか、日本における共産主義の立場に立って扇動すら行なわれておるというふうなことを、あまり簡単にとられて、それが権威ある事実であるかのごとく、大臣がそれを理由にされて、この趙安博氏を葬る、日本国民と離間をせしめるというような挙に出られることは、これは趙安博個人の問題ではない、その他の問題にも多数ありますから、その点はぜひひとつ検討していただきたいと思うのです。もし御所感があったらこれについて……。特に公安調査庁中心の戦時中の特高に類する最近の動向というものについては、私は、これは党派を超越して問題にすべきではないかとすら考えておるやさきでありますから、それらについて私、御注意を申し上げ、認識を改めて、ひとつ所管の大臣でありますから今後処理していただきたい。そうして、いまの趙安博氏の具体的な例について、彼が好ましくない。池田内閣の誹謗をしたとか、あるいは国益を害するような誹謗をした。意見は言いましょう、内政じゃありません、外交上のことは直接日本政府の政策というものが中国に影響のあること、それに関する限りは意見を言うでしょう。好意的な批判をするでしょう。それを扇動といって、これは国益を害する敵であるという規定をされること。一体池田内閣としてそういう断定をされることが、私はこれはちょっと当を得ていないのではないかというふうに考えるわけです。御所感があったら伺っておきたい。 それから第二は、これは局長にもお答えいただいてもいいわけですが、実は今度は中国は大会代表は二十二、三名だったわけです。それが昨年の大会におきましても、中ソ同数ということで十五名、ことしも両方とも同数で十五名、こういうことでけられたわけですが、その後、他の目的をもって入国されましたソ連の代表が、最近数名この大会代表として参加されることになって、二十名をオーバーすることになっておると思うのです。そういう事実はありませんか。もしあれば、そういうことを今後どういうふうに処理されるか。代表としては認めないけれども、その他の目的、名目をもって入国された方に大会に参加する自由を与えておられるのかどうか。それから、中国の場合については、参加させないということを条件にしておられるわけですね。それらの取り扱い上のことについて国民の間に疑惑を生じておるわけです。それで、これにつきましては大臣の御答弁をわずらわす必要は、答弁によっては御答弁いただきますけれども、まず、そういうことの事実があるとするなら、また将来あり得るとするならば、どこに根拠を求めておられるか。 それから、趙安博氏のことにつきましては、私が先ほど言ったとおりでありますし、同時に影響がある。さらに大臣もおっしゃったとおり、彼が好ましくない人物であるというので、当分の間彼をシャットアウトする。あらゆる機会、あらゆる希望についてシャットアウトするつもりであるというのではない。これは区別して理解してくれという趣旨の御答弁でありました。そうでありますならば、私はこの際、近く他の方法等も考えられる可能性があると考えます。そのときは、いまの御答弁をよりどころといたしまして、しかも信頼をして、あらためて御相談に上がりたいと思っておりますから、それについてはあらかじめ好意ある御理解を示しておいていただきたい。順次ひとつお答えをいただきたいと思います。
○富田説明員 人数の点でございますが、これはおそらく宗教者平和会議に参加された中ソの代表の方々が、原水禁へさらに横流れをする問題ではないかと存ずるのでございます。この点につきましては、宗教者平和会議の主催者の方々数名に対しまして、中ソ両方とも絶対横流れはさせないように、もし参加するようなことがあれば、その後の在留期間というものの更新は認めませんよということをはっきり申し上げてあります。したがいまして……
○穗積委員 変わりはありませんね。
○富田説明員 その態度に変わりはありません。
○穗積委員 両方ともに。
○富田説明員 はい。
○濱野委員長 それでは田中委員。
○田中(織)委員 ただいま穗積委員から質問申し上げた点に関連して一点だけお伺いしたいわけです。いわゆる趙安博氏外一名の入国拒否の問題でございますが、穗積委員から申し上げた点は、私ども社会党全体としても、原水禁大会は不幸にして趙安博氏らの出席するものには、社会党はあげて参加しないわけであります。しかし、趙安博氏は、穗積さんが言われたように中日友好協会——国交を回復していない国との間の友好協会が中国側でつくられたというのは中日友好協会というのが初めてで、それの秘書長でございます。高橋大臣もお答えになるように、彼が、今日国交は回復しておりませんけれども、日中間の友好増進のために過去に功績のあったという点は大臣も認められるとおりであります。そういう意味で、穗積さんが言わたように、前回アジア・アフリカ連ときの講演内容等を取り上げられておるのではないかと私は思いますけれども、私どももアジア・アフリカ連帯委員会の日本側の委員でございますが、もちろん意見の対立はありましても、それは日本の国の利益をそこなうというようなものではない。今日池田総理をはじめ、日本が世界の大国だということに、特に外国においては理解されておるというような認識の上に立ちますならば、私は、趙安博氏その他中国側の呉学文君にいたしましても、そういうような言動が日本の国家の利害に影響を持つというような考え方自体がおかしいのではないかというので、そういう問題が入国拒否の理由であるということであれば、これはすみやかに改めていただかなければならぬと思います。 私、実はたまたま二十三日の社会党の中央執行委員会の決定に基づいて、この趙安博氏らの入国拒否の問題について、内閣へ、こういう差別待遇は困る、よくないことだから改めなさいということを申し入れにまいりまして、鈴木官房長官と会見をいたしたのです。そのときに、実はいま大臣がお答えになるような、趙安博氏の言動云々という点は、鈴木官房長官は触れられていないのです。ただ、まあ形式的な理由でありましょうけれども、ソ連代表が十五名なので、中国代表もやはり同数に圧縮をしてもらうという意味なんだ。こういうことだから、そういうことであるならば、それはむしろ中国側に十五名の中に趙安博氏を入れるなり、そういうようなことで、名ざしでやること自体が理解できないということを私は申し上げたのです。ところが、一つはいま申しましたように、ソ連側が十五名であるからということのようで、そのことだけしか官房長官は述べられなかったのでありますが、なお部内で社会党からの申し入れは所管大臣にも伝えて再考しましょうということで、実はそのままになっておるのであります。けさ関係筋からの連絡によりますと、穗積さんも言われましたように、ソ連代表は二十二名だ、こういうふうに私は連絡を受けておるのです。そういうことになりますと、まだ趙安博氏などは香港で待機しているようでございますが、大会はきのうから国際会議が始まっておるようでありますが、九日までありますので、官房長官がお答えになった、ソ連側と人数は合わしてもらったほうがというような意味合いからであれば、これは拒否をされる理由はなくなったように私は思うのです。 そこで、いま大臣の隣にすわっておられる方は公安調査庁ですか、入管の次長ですか、局長がおられるのに次長がお答えになるということ、ちょっと私理解に苦しむのでありますけれども、宗平協に参加している人の原水禁大会への参加は絶対認めない、そんなことは筋の通らない問題で、宗平協に参加している人たちも、実は今度の世界大会の構成員、それぞれのメンバーなんです。そういう宗平協に参加した人を、入国目的が違う、原水禁大会に参加を認めないのだ、それはきわめて短見なことで、それは撤回してもらわなければいけないと私は思う。そういう関係からいたしますれば、私が連絡を受けた関係からは、ソ連代表は原水禁大会に参加するのは二十二名なんです。現在中国側からまいっておるのは十四名だ。だから、趙安博氏など香港で待機しておる六名を入れていただいても、数の上からいって、中国側が多いのだという形で原水禁大会で中国側の意見を押しまくるために来るという、そういう短慮は私考えられないことだと思う。そういう観点から、この問題については局長もおられるわけでありますが、次長の実際の事務をとられておるという立場からでけっこうですが、ソ連のいわゆる原水禁の大会に参加する代表は二十二名だということであれば、これは十五名に圧縮したのだという鈴木官房長官の私に対するお答えとはその後変更になってきておるわけですから、そういう点から改めてもらいたいと思うのです。特にこの点は、穗積さんの質問に対して高橋大臣がお答えになったように、賀屋前大臣の時代にきめたという問題じゃなくて、高橋さんが大臣に就任されましてから入管問題として決裁をされた問題のようであります。私どももそういうように理解をいたしておる。そういう点から、特に中国側との今後の友好親善という点、さらにLT貿易の孫平化君等の代表の入国は決定をいたしたようでありますけれども、そういうことで、一段と池田内閣の中国政策を前進させようという線から見て、私はこれは大きな意義を持ってくるのではないか、そういうふうに考えるのであります。この際、事務当局からでけっこうでありますが、ソ連代表との数の振り合いの問題が、事情が変わってきているという事実があるようでございますので、その点を確かめていただくと同時に、これは前大臣時代の決定をくつがえすということになりますれば、先ほどのような一たん省議できまったものをという、また前大臣の決定をくつがえすというような政治的な意味合いを持ってこようかと思いますが、高橋大臣が就任をせられて決裁された問題でありますならば、その後の事情変更を理由にして、これは入国を認めていただく、こういうふうに考えるのでありますが、その点についての高橋大臣の御答弁をわずらわしたいと思います。
○高橋(等)国務大臣 鈴木さんがおっしゃったことについてはまだ何にも承っておりません。問題の一部分について話したのだろうと思います。所管外ですから、鈴木君も就任早々ですから無理からぬことと思います。さよう御了承願えればけっこうだと思います。それで、その他のことについてはいま穗積さんに申し上げたとおりでございます。将来はとにかくとしまして、このたびはお断わりをすることが適当である、こういう考えでございます。いろいろ趙安博氏の地位その他につきましてはよく了承いたしております。その点をお含みおきを願いたいと思うのであります。
○富田説明員 私が宗平協の関係で局長にかわりまして答弁をした失礼をお許しいただきたいと思います。 数の問題でございますが、ソ連から最初原水禁大会に参加したいという方が十五名以上おったと記憶いたします。しかしながら、それにつきましては十三名までしか査証を認めない。それ以外の者は追加も新たな申請もひとつ御遠慮願いたいということでいままで押し通してきております。十三名プラス二名の二名でございますが、これは総評大会に参加した四名のうちから二名だけは参加を認めましょう、それでちょうど十五名になるわけでございます。したがいまして、その他の面からそちらに入りますことは十五名、十五名に押えた趣旨に反しますので、御遠慮願いたいということで申し上げておるわけでございます。 それから、先ほど説明がいささか不十分でございましたが、宗平協に参加しております中国の趙安博氏、これは最初から原水禁についても参加するという申し出がございましたので、これは原水禁に当然御参加いただく。そうしますと結局十五名になりますので、その他の方はひとつ御遠慮願いたい。この態度で今後も臨んでいきたいと思います。
○田中(織)委員 数の点で私どもの聞いておるのでは、私どもが支援をいたしておる広島、長崎、静岡の被爆三県の主催による大会への参加者のことでありますから、現地へ参りますればわかると思うのですが、二十二名参加するというふうに実は承っておるのでありまして、その点から実は次長の答弁と食い違うわけであります。私あなたの答弁をそのまま了承するわけには参らないわけでありますが、宗平協に参加する、これはソ連、中国関係それぞれ数はどういうようになっているかということにつきましては、内容をつまびらかにいたしませんけれども、しかし、宗平協も宗教家の立場から世界平和のために参加しよう、したがって世界平和の中心的な問題である原水禁運動へ参加しようというのでありますから、宗平協に参加した人が原水禁大会へ参加することの横流しは認められないというようなことは、これはやはりせっかく入国を認めた人たちに対する礼を失することにもなると思うので、お考え直しを願いたい。やはり、ソ連代表が二十二名原水禁大会に参加するという事実がどうもあるようでございます。そういう観点から趙安博氏の問題につきましては、今後原水禁大会以外の場合はおのずから別だという内容を持った高橋大臣の答弁でありますけれども、まだ大会が九日まで続くという関係がありますので、その間において、先ほど特に穂積さんから指摘したように、公安調査庁から上がってきているであろう趙安博氏の日本における言動等については、中国側の有力な幹部の一人でありますから、その内容は高い次元に立って判断すれば私は理解できるのではないか、そういう観点から法務省におきましては、大会中に入国ができるように再考を願いたいと思いますが、この点については私の要望を申し上げることにとどめておきます。
○濱野委員長 本日の議事はこの程度といたします。 次会は明八月一日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時三十五分散会