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46回国会衆議院1964/06/23

法務委員会 第44号

発言数
55
登壇者
4
会派数
2
開催日
1964/06/23

会議録

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより会議を開きます。  この際、小委員会設置の件についておはかりいたします。  すなわち、最近における暴力団の構成員等による悪質なる犯罪の激増にかんがみ、法務行政及び検察行政の適正を期するため、暴力団の構成員等による暴力事犯の実情、青少年による暴力事犯の実情、暴力事犯の検挙状況及び処罰の実情等について調査する小委員十一名よりなる暴力犯罪に関する調査小委員会を設置いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ君あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、小委員に    上村千一郎君  大竹 太郎君    鍛冶 良作君  小島 徹三君    田村 良平君  三田村武夫君    坂本 泰良君  細迫 兼光君    横山 利秋君  竹谷源太郎君    志賀 義雄君 また、小委員長に三田村武夫君を指名いたします。  なお、おはかりいたします。今後における小委員及び小委員、長の辞任及び補欠選任につきましても、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより請願の審査に入ります。  今国会において本委員会に付託されました請願は五十三件であります。  請願日程第一より第五十三までを一括して議題といたします。  まず、審査の方法についておはかりいたします。各請願の内容については文書表で御承知のことでもありますし、また先ほどの理事会で検討願ったところでありますので、この際各誌願について紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決に入りたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  これより採決いたします。請願日程中第一ないし第五、第七ないし第一二、第四五、第四六、第五〇、第五一及び第五三の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、日程第二二ないし第三七、第四一ないし第四三、第四八、第四九及び第五二の各請願は、いずれも議決を要しないものと決し、残余の各請願は、いずれもその採否を留保いたしたいと存じます。  以上につきまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、松山地方裁判所の本庁舎改築促進に関する陳情書外四件で、お手元に配付してありますとおりであります。この際、御報告いたしておきます。      ————◇—————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、閉会中審査に関する件について、おはかりいたします。  まず、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  すなわち、裁判所の司法行政に関する件、法務行政及び検察行政に関する件、国内治安及び人権擁護に関する件、以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行ないたいと存じますので、この旨議長に対し申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、おはかりいたします。  閉会中審査に関し、最高裁判所の長官またはその指定する代理者から出席説明の、要求がありました場合には、そのつど委員会にはかることなく、その取り扱いを委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査のため、実地調査の必要がある場合には委員派遣を行なうこととし、派遣委員、派遣地及び期間等、その他議長に対する承認申請の手続等すべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、おはかりいたします。  さきに設置いたしました暴力犯罪に関する調査小委員会は、閉会中審査案件が付託された場合は、引き続き存続し、調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、法務行政、検察行政及び裁判所の司法行政に関する件について調査を進めます。  臨時休憩いたします。    午前十一時八分休憩      ————◇—————    午前十一時十四分開議

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 それでは再開いたします。  資料提出要求について発言を求められております。この際これを許します。志賀義雄君。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 去る四月三日の当法務委員会において、私は、この七月五日で時効になる十五年前の下山国鉄総裁の死因を究明するために、死体検案井並びに秋谷教室の物質鑑定書を請求いたしました。この死体検案書は、できている文書は死体鑑定書であるということでありますが、それにしても、それからもう長い間たっておりますが、検察庁のほうからは何も御答弁がありません。途中聞くところによりますと、どこに行ったかわからないとか、ロッカーのかぎの持ち手がどうとかこうとかということでありましたが、事実どうなっておりますか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 下山事件に関しましては、毎々申し上げておりますように、最後の瞬間まで捜査を継続する考えでおりますが、この前御要望のございました検案書等につきましての中身でございますけれども、調査をいたしましたところ、鑑定書が二つございます。一つは桑島直樹外三名に嘱託をいたしました鑑定でございまして……

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 それは死体鑑定書ですか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 さようでございます。この鑑定事項は、傷害の部位、程度、生前にひかれたか死後にひかれたか等々、みんなで九つに項目が分かれております。もう一つの鑑定は、秋谷七郎氏に鑑定を嘱託したものでございまして、これは下山氏が死亡当時着用しておった着衣の血液その他付着物の付着状況等を鑑定したものでございます。仰せの死体検案書と申しておりますのは、検案の程度以上に、ただいま鑑定を正式に嘱託したものでございます。これらにつきまして当委員会に資料として原文を出せないかという御要望でございましたので、いろいろ検討いたしましたところが……

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 その前に、なぜ今日までおくれたかの理由を言ってください。要望したのは四月三日でしょう。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 なぜおくれたかということでございますが、時間的に申しますと、まさしくおくれておりますが、私のほうとしましては、これを回避していたのではございませんで、こういう鑑定か——鑑定内容につきましては報告を受けておりますけれども、鑑定書自体を当局としましては見ておりませんでしたので、それを見せていただく、読ましてもらうといったようなことをいたしておりましたのと、あとは国会審議等の関係でだんだんおくれまして、まことに申しわけないわけでございます。  そこでこの資料を出すか出さぬかということでございますが、鑑定書そのもののコピーを国会に出しますことは、捜査中でございますので差し控えたいと思いますけれども、鑑定の事項と鑑定の結果につきまして、これは私、お手元に差し上げても差しつかえないんじゃないかという判断を、検討の結果いたしておるわけでございますが、資料といたしましてはそれでよろしゅうございましょうかどうか、さように私ども考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 私がなぜ今日までおくれたかということを伺ったところ、この前、廊下の立ち話ではありましたけれども、またその前には当法務委員会の委員部を通じて中間の回答がありました。最初は、どこに行ったかわからないからさがしているという御答弁だった。ところが、いまあなたに伺うと、当委員会の審議の関係でおくれました。まるで法務委員長、あなたの責任みたいなことを言っているんだ。何ですか、そういうふうに、委員部に聞いてもらったら、どこに行ったかわからないからいまさがしていると言われた。あなたに伺えば、こちらの審議の関係上おくれたと言われる。どちらがほんとうなんですか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 ここで私が答弁申し上げておりますのが真実でございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 そうすると、さがしていて見つかりませんというのは、法務の委員部のほうから私に連絡があったのはうそですか。あなたの言ったのがほんとうの理由だというと、国会の審議がおくれていた関係上おくれたと言われるが、私のほうから途中で、一カ月余りたったときに催促しましたところ、どこに書類が行っているかわからないから目下さがしているのだという回答がありました。委員長、どっちがほんとうだかはっきりしてください。あなたの責任もある。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 委員部からの御照会があってそういうふうにお答えをしたというただいまのお話でございますが、それは事務的にそういうお話があったかもしれませんが、私は、わからないのでさがしていたというようなことは承知いたしておりません。ただ一時的に、あるにはあるんですけれども、かぎのかかったロッカーの中に入っていていま手に入らないというようなことが、われわれのほうの事務の東京地検との調査の際にそういうことがあったことは事実でございますが、どこにいったかわからないのでさがしておるというような趣旨のことはないはずでございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 委員長、どっちがほんとうなんですか、調べてください。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 どっちもほんとうでしょう。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 どっちもほんとうなんて、たよりないことを言うなよ。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 いやいや、それがほんとうだ。どっちがほんとうだというから、どっちもほんとうだ。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 さがしているがわからないというのが、法務委員長の仕事を補佐する法務委員部の、中間の向こうへ照会した結果なんです。ところが、いまの局長の答弁によると、国会の審議の関係で答弁がおくれました、こう言うのです。どっちがほんとうなんです。そのあとで私が局長に聞いたところ、かぎを持っている人が旅行しておったのでおくれている、二カ月も旅行していたのですか。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 志賀君に申し上げます。断片的に、どっちもほんとうらしいですよ。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 どっちもほんとうだという。どういうことか。さがしていたがなかったのもほんとう……。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 さがしておったということもほんとうだろう。それから国会審議でおくれたということもほんとうだろう。だから両方ともほんとうでありましょうと、こういう……。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 わからないですね。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 いや、わかっているじゃないですか。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 とにかくそういう逃げ口上を言っちゃだめなんだ。それで出さないことに——実物を見て、あなたのほうでどういうことが書いてあるか、あなたはよくわからない、こう言われる。そうして調べた結果、それは出さないほうがいいということは、どういう判断でそういうふうになさったのでございましょう。結果の報告だけは項目的に出してもいいが、死体鑑定書並びに秋谷教室の実物鑑定書は出さないほうがいい、こういう判断をなさったところの理由はどういうところにあるのですか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 捜査中の事件でございますので、関係記録は公開しないというのが従来の取り扱いでございます。したがいまして、何も申し上げられないということも言えるわけでございますけれども、御熱心なおことばもございますので、私としましては、厚い鑑定書全体をコピーいたしまして差し上げますことは、これは控えなければならぬけれども、何を検事が嘱託したかという鑑定を嘱託した事項と、それに対しまして鑑定を受けました専門家がどういう答えを結論的に出したかという、質問と答えの主文に当たる部分だけは摘記いたしまして、これはお手元にごらんに入れても差しつかえないんじゃないか、かように私は現在考えているわけです。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 では、先ほどのお話では、まだ捜査中の事件だから、こういうことをおっしゃったのですが。捜査中の事件も何も、あと七月五日、あるいは六日が時効になるという説もございますが、あなたのお話では、先日、七月五日が時効の満期になると、こう言われました。それを前にして目下鋭意捜査中のようなことをおっしゃっても、これはちょっと通用いたしません。いままで十五年たっておりますが、何でしょうか、ここで時効の満期のときまでにはなお目鼻がつき、その時効が満期になったときには何か見解を発表なさる御予定でもあるのでございましょうか。今日までやってきたけれども、こうこうこういう理由でついにここの辺までしか調べられなかったとか、こういう取り調べをしたが、こういうところでまだつかえていたんだとか、そういうなには全部ございませんか。と申しますのは、私のうすうす聞いたところでは、報道関係のほうでも、やはりこれは問題にしているようでございます。そうしますと、刑事局長がここで再三の要求を受けてものらりくらりしておったのがこういう結果になったのだということにもなるのかもしれませんし、当法務委員会の怠慢ということにもなりますから、やはりここの責任も明らかにしておかなければならない、こういう意味もあって伺っておるのでございます。その点はいかがでしょうか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 東京地検当局が、時効完成というような時期を迎えました場合にどういう処置をとるであろうかということにつきましては、もちろん考えておると思いますけれども、私ども事前に打ち合わせをいたしておりませんが、仰せのような非常に世人の重大な関心を持った事件でございますし、その成り行きにつきましては新聞報道の方々も関心を持っておることでございますし、それを通じまして国民もまた同様でございますので、何らかの意思表示をしたほうがいいのではないかという感じが私もいたします。したがいまして、御趣旨のあるところも地検当局に伝えまして善処していただくように配慮いたしたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 では、ただいま第一のほうはなんですか、死体鑑定のほうの九つの項目ですか、それでそういうように質問事項がありますね、こういう点を調べてくれという、それに対する回答の主文に当たるものがある。この範囲は発表してもよろしい、こういうふうにおっしゃった。では、その全体に対する私の資料請求の要求は、これはしばらく保留するとしまして、いまのあなたのお答えの範囲のものは出していただけますね。それはいつまでにできましょうか。何分七月五日が特効の期限でございます。一日も早くそれを発表していただきたいと思いますが、いま何日に出すという御約束いただけますか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 リコピーにとりまして、一時間くらい御猶予いただけば差し上げられると思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 ではそのように、いま局長が言われたような手続でもってなるべくすみやかに委員部のほうからお手渡し願いたいと思います。そのようにお取り計らい願えますか。よろしゅうございますね、委員長。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 承知しました。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 では、これで終わります。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 三田村武夫君。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 法務当局にお尋ねいたしておきたいことがございます。  ことしの二月三日に法務省から提出されました第四十六国会提出予定法案(確定)としてあるそこの中に、経済関係罰則の整備に関する法律を廃止する等の法律案、これが入っております。この法案の未提出の理由についてもう少し早くお尋ねいたしたいと思っておったのでございますが、暴力等処罰に関する法案が参議院に参りますと、法務大臣も刑事局長も参議院にくぎづけにされてしまいまして、当委員会になかなか御出席が願えなかった。そういう関係できょうまで延びておったことを非常に残念に思いますが、御承知のように本国会もあと余すところ三日になりました。この際、この法案の取り扱いについて法務当局の御所見を伺っておきたいのでございますが、ついに未提出に終わったその理由をまずお伺いして、さらに質疑を続けていきたいと思います。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 提出予定法案の中に、経済罰則の整備に関する法律の廃止法案を登録いたしておりましたことは事実でございまして、そのほかにも少年法の一部改正法案等、当時といたしましては、ある時期以後に申し出ても政府としては受け付けないということでありましたので、可能性のありますものはとりあえず登録しておいてほしいという御要望に基づきまして、可能性のある改正法案、廃止法案といたしまして登録をいたしたのでございますが、その後いろいろ審議をいたしておりますうちに、今国会にはとうてい結論を得るに至らないという状況になりましたために、残念ながら提出ができなかった次第でございます。この経済罰則につきましては、法務省としては従来から検討を続けてまいったものでございまして、特に全面的に改廃をいたしたいという考えで成案を得るに努力をしてまいっております。現にいたしておる次第でございます。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 長々と理屈がましいことを申し上げるつもりはございませんが、御承知のとおり、この法律は戦時中の立法でございます。私も戦時中から議席を持っておりましたから、この経済罰則の基本法とも申しますか、国家総動員法それから戦時刑事特別法、両法律とも審議にあたった一人でございます。この法律は昭和十九年の法律でございますが、当時の法務大臣岩村さんの提案理由を見ますと、経済関係罰則の整備に関する法律案について御説明を申し上げますと、これは長い引用はやめますが、要するに戦時の統制経済というものを円滑にかつ完全に実施するために、この法律が必要なのだ、「經済統制進展ノ實情ヲモ愼重ニ考慮致シマシテ、時局下眞ニ巳ムヲ得ザル範囲ノ經済關係罰則ノ整備ヲ行ハントスルモノデアリマス、」こういう趣旨の説明がついているのです。でありますから、法律の内容といたしましては全く戦時立法であります。別段に時限がついているわけではございませんが、戦争が終わればなくなる法律です。戦争目的のための立法でございます。それが終戦後数度にわたって改正され、今日まで残っておる、まことに私は不可解千万だと思うのです。端的に申しますが、もしこの戦時立法を戦後なお存続せしめておく必要があるといたしますならば、これは私は法務当局を責めるわけではございませんけれども、一応戦争終了と同時にこの法律はなくなって、基本法はすでにないのですからなくなって、そのあとに戦後の経済の混乱に対処する立法はこれは私は必要だったと思います。それがずるずると戦後十八年もこのままあることは、私は法体系の上からいってもおかしいと思います。もしいまもなおこういう経済の統制といいますか、経済政策遂行のために必要な罰則が要るならば、別な立法をやることが法のたてまえとして正しいので、戦時中の全く戦争目的のために立法された法律をそのまま残すことは私はおかしいと思うのです。これはどうでしょう、どういうふうにお考えになっておりますか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内(壽)政府委員 ごもっともな御質問でございますが、この法律は三田村先生もよく御承知のとおり、経済統制そのものの違反行為を罰しようという法律ではございませんで、そういう経済統制をやる、その統制に違反した者については罰を定めておる総動員法を初めとして幾多の法律があるわけであります。そういう法律の罰の中で、一般の民間の方が国家事務に動員されたわけでございますが、その一般のそういう経済団体の役職員の人たち、中には公務員も含まれまするけれども、そういう人たちの涜職罪、秘密漏泄罪のこの二つの罪を統一的に処罰しよう、こういうのがこの法律の立法の目的であったように私は承知いたしております。でありますから、この経済罰則という法律は普通の法律と違いまして一つのワクをつくった法律であります。つまり中身を申しますならば、ある団体の役職員がある目的に従事しておる場合、そういう役職員が秘密を漏泄しては罰せられる、あるいは涜職罪を犯せばわいろ罪の特別罪として罰せられる、こういう趣旨のいわばワクでございます。そのワクの中に別表甲号、乙号とかいうふうにして分けまして、いろいろな法律が入っておったわけであります。成立の当時、昭和十九年の成立でございますが、この立案の当時におきましては二百数十の法律がこのワクの中に入っておったようでございますが、戦時的な意味においての統制経済を戦後やめてしまいますとともに、この多くの法律は一斉にこのワクの中からはずれてしまったわけで、逐次今日時代が変わってまいりまして、このワクの中に入れておく必要のない法律が年々歳々出てきておるのでございますが、そこでかようにもうほとんど中身がないようなワク、つまり外形だけが残っておるような法律をさらに残しておく必要があるかどうかという点につきましては、そういう意味において私は三田村先生のお考えと全く同一でございまして、この法律はもはや果たすべき使命を果たしたものとしてやめてしまう、こういう方向に進むべきものだと考えておるのでございます。その善後措置としまして、それでは全くわいろ罪とか、秘密漏泄罪とかいうようなものは無意味なものであるかどうかという点につきましては、これは依然として今日でも無意味ではないという実質的な理由があると思うのであります。したがいまして、そういうものを単行法で、それぞれの事業団体の単行法ができておりますが、そういう法律の中に還元をすることによりまして、この罰則の整備に関する法律のワクは、中身はゼロということにして、この法律を廃止してしまう。これが私はこの法律を終息せしめる最もいい方法だと考えておるわけであります。  そこで中に入ってくる単行法となるべきいろいろな事業法でござ、いますが、これは年々歳々目まぐるしく変わってきておるのでございますし、経済の実態も変わってきておりますし、事業もまた新しい分野に大きく広がってきておりますので、それらの単行法が内容的に見ましてもはや涜職罪を必要としないということであれば、これは涜職罪を削るのは当然でございますし、それから秘密漏泄罪も要らないということであれば、これも削るのは当然でございます。ただ、事業法関係の責任の省は法務省では。ございませんで、各事業を担当しております大蔵省とか、あるいは通産省とか、いろいろな省に分かれております。そこでこれらの省の方々が、そういう涜職罪、秘密漏泄罪というものは要らないと、かりに仰せになりましても、その罪自体は一つの刑法の罪でございますので、申さば刑事司法と行政の接点にあるところの罪でございますので、両者の間で慎重に、罪を置くべきか廃止すべきかということを協議検討をいたさなければならぬのでございまして、中には協議の整わないものも若干まだ残っておりますので、そういうものが協議ができましたならば、それぞれの単行法にそれらを規定することによりまして、この罰則の整備に関する法律そのものはもはや必要ない、こういうことで廃止をいたしたい、かように考えて努力をしておるのでございますが、今日までの間では、まだ最終的な結論を得るに至っておりませんでしたから、この国会にはついに提案の運びに至らなかった次第であります。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 いま刑事局長の御説明のとおり、これは刑法の特別規定だと私は思うのです。つまり内容にあるものは機密の保護です。それからもう一つは、刑法の別形態をとった涜職罪、これが必要であるかどうかは個々の経済行為のケースによって見なければわからぬことです。御承知のとおり経済の方向も内容も、戦争中と今日とはすっかり変わってしまった。いま、いわゆる開放経済のもとにおいて、一体こういう経済統制の規制が必要かどうか、こういう問題は別途あると思うのです。しかしながら、こういう必要があるという論点に立つならば、これも一つの政策的な見地でありますから、私はあえて必ずしもそれを否定しようとは思いません。これは別な角度から別な立法をなすべきものでありまして、実際にその立法目的を失ってしまった法律を、形を変えて残しておくことは私はどうしてもおかしいと思うのです。いまお話しのように、この法律はもともと経済立法ですから、大蔵省、通産省あるいは政府関係各官庁に関連がある。非常にめんどうであります。しかし、これはいつまでも、めんどうだから、めんどうだからというので進まないことは行政の怠慢だと思う。だから、そういう点はもう一ぺん考えていただいて、この問題の処理をできるだけ早くしてもらいたい。と申し上げることは、これは法務当局の耳にも入っていると思いますが、この問題についてはいろいろ雑音があるのです。非常に好ましくないことだと思うのです。問題が処罰の規定を内容とする法律でありますから、妙な雑音の中に包まれたままで、せっかく今国会に提出を予定されておって、ついに未提出のままで終わるということは非常に残念だと思う。法務委員会としても私は困る問題だと思うのでございます。と申し上げることは、昨年の国会でも、これは大蔵委員会で問題になっている。社会党の佐藤觀次郎君がこの問題を取り上げまして、戦争中の立法がなぜいままで残っているのだ、経済関係の法律だが大蔵大臣はどう思うのだというような質問をいたしております。法務省から羽山刑事課長が出て説明をいたしておりますが、このことについて田中大蔵大臣は、「私も、先ほど申し上げたとおり、このような問題がいままで残っておったこと自体に対してもより積極的に措置すべきであったとも考えております。」「経済罰則に関する云々の法律につきましても、やはり戦前、戦後の特殊事情をもとにしてつくられた法律でありますから、その中の幾部分か新しい角度から見て、新しい立場で必要であるならば、法律の体系を変えて別な観点から新法の制定をお願いするということが正しいのであって、いままでの問題が、いろいろな事情がございますので大半は必要ございませんが、なかなか廃止にも改正にも踏み切れないのですというようなことはとるべきではないという考えでございます。」大蔵省は要らぬと言っている。数年前に、こういった関係の経済関係の法律は廃止するように法務省に申し入れたと大蔵省は言っております。どこでひっかかっておるか、私の調べたところによりますと、経過規定だ。法律を廃止した場合には、その罰則についてはなお従前の例によるということをずっといままでやってきておりますよ。これは法制局の一つの思想ですが、私はこの法制局の思想について非常に疑問を持つ。法制局の思想は思想としていいのですが、立法権は国会にあるのです。どうしても法制局の意見がそうであるならば、法務省がそのままお出しになってもいいのです。立法権は国会にあるのですから、必要がないと思えば国会は削ります。そうして法律の性格を正しくしなければ私はいかぬと思う、この点はどうでしょう。   〔発言する者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 本日はこの程度で散会いたします。    午前十一時四十六分散会

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