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46回国会衆議院1964/04/28

法務委員会 第31号

発言数
6
登壇者
3
会派数
1
開催日
1964/04/28

会議録

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため出席できませんので、その指名により私が委員長の職務を代行いたします。  商法の一部を改正する法律案を議題といたします。

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 政府より提案理由の説明を求めます。賀屋法務大臣。

賀屋興宣自由民主党法務大臣

○賀屋国務大臣 商法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。  この法律案は、現時の経済情勢にかんがみ、株式の流通を円滑にし、株式会社の資金の調達を容易にする等のため緊急に改正を要する事項について、商法の一部を改正しようとするものであります。  次に、この法律案の要点を申し上げます。  第一に、会社が額面株式と無額面株式とを発行している場合には、株主は、額面株式を無額面株式に、または無額面株式を額面株式にすることを請求できるものとして、株主の便宜をはかることといたしました。  第二に、記名株式の譲渡も株券の交付によってするものとし、記名株式の移転に裏書または譲渡証書の添付の必要がないものとして、株式の流通の円滑化をはかりますとともに、株券の所持を欲しない株主からその旨の申し出があったときは、会社は、株券の発行を停止し、または株券を銀行または信託会社に寄託しなければならないこととして、安定株主の静的安全の保護をはかりました。  第三に、株主の新株引受権を譲渡する道を開き、新株引受権を与えられた株主が新株の払い込み資金を得るために旧株の処分等を行なう必要がないこととすることができるものとして、株主の利益の保護をはかるとともに、新株の発行が円滑に行なわれるようにいたしました。  第四に、転換社債の転換の請求は、株主名簿閉鎖期間内もすることができるものとし、転換社債権者は、同期間内に転換の請求をすることによって株式を取得して、これを処分する道を開いて、転換社債権者の利益の保護をはかるとともに、転換社債の募集の円滑化をはかりました。  以上がこの法律案の要点であります。何とぞ慎重審議の上すみやかに可決されますよう希望いたします。

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 次に、政府委員より逐条説明を求めます。平賀民事局長。

平賀健太検事(民事局長)

○平賀政府委員 ただいま議題となりました法律案につきまして逐条説明をいたします。  まず、第百八十八条第二項第五号の改正でありますが、現行法では発行済み株式の額面無額面の別が登記事項とされておりますが、第二百十三条の改正により額面株式と無額面株式との転換ができることとなったことと、発行済み株式の額面無額面の別は、登記する実益に乏しいことにかんがみまして、これを登記事項から除こうとするものであります。  第二百五条は、現行法では、記名株式の移転は、株券の裏書きまたは株券及び譲渡証書の交付によってすることとされておりますが、近時における大量の株式の流通にかんがみ、記名株式の移転も株券の交付によってするものとしたものであります。なお、この結果、株券の所持人は、適法な所持人とみなすこととしております。  第二百十三条でありますが、現行法には、額面株式と無額面株式との相互の転換を認める規定がありませんが、額面株式と無額面株式とを有する株主は、その双方の株式の株券を併合することができず、不便があるので、第一項におきまして、株主は、このような転換を請求することができることといたしました。また、会社の事務上の便宜を考慮して、この請求は、会社が額面株式と無額面株式とを発行している場合に限るものとしたほか、定款で別段の定めをすることもできることといたしました。なお、株主が無額面株式を額面株式にすることを請求する場合には、粗面株式の額面未満の発行が行なわれたのと同様の結果になることを防止するため、第二項において、会社の資本が額面株式一株の金額に発行済み株式の総数を乗じた額以上であることを要するものといたしました。  次は第二百十四条ないし第二百二十一条でありますが、これは第二百十三条の規定の新設に伴う条文の整理であります。  第二百三十二条ノ四でありますが、新株引受権証書の制度の新設に伴う、これまた条文の整理であります。  同じく第二百二十三条第一項も、第二百二十六条ノ二の新設に伴う条文の整理であります。  次は第二百二十六条ノ二でありますが、第二百五条の改正により、記名株式の移転も株券の交付によることとなるため、記名株式の流通は容易になりますが、その反面、株主が一たん株券を失うと、その株券について神意取得者が生じて、旧株主は、株主としての権利を失う危険が大となるおそれがあります。そこで、本条において、株式の流通よりむしろ株式を安全に保持することを望む株主のために、株主が株券の所持を欲しない旨を会社に申し出たときは、会社は、株券の発行を停止し、または株券を銀行または信託会社に寄託しなければならないこととして、株券の喪失による危険から株主を保護することといたしました。  第一項は、株主は、その記名株式について会社に右の申し出をすることができる旨を定めたもので、この場合すでに発行された株券があるときは、これを会社に提出しなければならないこととしました。なお、会社の事務上の便宜を考慮して、定款で別段の定めをすることができるものとしております。  第二項は、第一項の請求があった場合には、会社は、遅滞なく株券を発行しない旨を株主名薄に記載し、または株券を銀行または信託会社に寄託することを要することとしたものであります。  第三項は、会社が株券を発行しない旨を株主名簿に記載したときは、会社は、株券を発行することができず、また、第一項後段の規定により会社に提出された株券は、無効になる旨を規定したものであります。  株券の所持を欲しない旨の申し出をした株主も、後に株式の譲渡を欲する場合があるので、第四項において、そのような場合には、株主は、株券の交付または返還を請求することができるものとしました。また、会社が株券を銀行または信託会社に寄託した場合には、株主は、会社に対してのみ株券の返還を請求することができるものとして、法律関係の明確化をはかりました。  なお、株主の申し出によって会社が銀行または信託会社に株券を寄託したときば、第五項により、その費用は、会社の負担として、株主の利益の保護をはかりましたが、会社が株券の発行を停止した場合、株主の請求によって株券を発行するときは、その発行費用を株主に負担させることができますので、その場合との均衡を考慮して、その費用に相当する額については、会社が銀行または信託会社に株券を寄託したときも、会社は、株主にその支払いを請求することを妨げないものといたしました。  第二百二十九条、第二百六十六条ノ三は、いずれも条文の整理であります。  第二百八十条ノ二は、現行法では新株引受権の譲渡は、会社に対してその効力を生じないと解されております。この結果、株主に新株引受権が与えられた場合、株主が新株の払い込みのための資金を有しないときは、旧株の譲渡等によって資金を調達しなければならないという不便があります。またアメリカの株主に新株引受権が与えられた場合には、アメリカの証券取引法の規定に従って登銀した後でなければ、新株引受権の行使を催告することができないのであります。もっとも、外国投資家の有する新株引受権は、外資に関する法律により、他に譲渡することができることとなっていますが、一般の株主の新株引受権に譲渡性がない結果、新株引受権の取引市場がなく、外国株主の新株引受権の譲渡は必ずしも円滑に行なわれてない実情にあり、このため外資調達上も支障を生じております。  そこで、本条において、定款または新株発行に関する取締役会もしくは株主総会の決議において、株主に与える新株引受権の譲渡ができることを定めることができるものといたしました。なお、この場合には、会社は、新株引受権証書を発行しなければならないこととなりますが、会社の事務上の便宜を考慮して、株主の請求があるときに限って、新株引受権証書を発行する旨を定めることができることといたしました。  第二百八十条ノ四、第二項は、前述のように、新株の引受権を譲渡することができる旨を定めたときは、これを公示する必要があるので、その旨を本条第二項の規定による公示に際して、あわせて公告することといたしました。  第二百八十条ノ五は、新株の引受権を譲渡することができる旨並びに株主の請求があるときに限って新株引受権証書を発行すること及びその請求をすることができる期間を定めたときは、これを株主に知らせる必要があるので、その内容を本条第一項の株主に対する通知及び第二項の公告に記載しなければならないことといたしました。  第二百八十条ノ六ノ二、株主の新株引受権を譲渡することができる旨を定めたときは、その譲渡は、有価証券である新株引受権証書によってする必要がありますので、会社は、申し込み期日の二週間前に新株引受権証書を発行しなければならないことといたしました。ただし、株主の請求があるときに限って、新株引受権証書を発行すべき旨及びその請求をすることができる期間を定めたときは、その定めに従うことといたしました。なお、第二項において、新株引受権証書により新株の申し込みに必要な事項を知ることができるよう、新株引受権証書の記載事項を定めました。  第二百八十条ノ六ノ三、これは株主の有する新株の引受権の譲渡ができることとする場合には、その譲渡が円滑に行なわれることが必要でありますから、新株引受権の譲渡は、新株引受権証書の交付によってすることとし、新株引受権証書の善意取得者の保護のために、小切手の善意取得に関する小切手法第二十一条の規定を準用することといたしました。  第二百八十条ノ六ノ四は、新株引受権証書を発行した場合には、新株引受権の譲渡は、新株引受権証書の交付によってされることとなりますので、第一項において、この場合の株式の申し込みも新株引受権証書によってすることとし、株式申し込み証による株式の申し込みに関する規定中所要の規定を準用いたしました。  なお、新株引受権を有する者が新株引受権証書を喪失した場合には、除権判決を得る期間がないと考えられますので、第二項において、新株引受権証書によらず、株式申し込み証によって、株式の申し込みをすることができることといたしました。しかし、新株引受権証書を取得した者があって、その者がその新株引受権証書によって株式の申し込みをしたときは、株式申し込み証による申し込みは、効力を失うこととして、その間の法律関係を明確にいたしました。  第二百八十条ノ十二は、新株引受権証書の制度の新設に伴う条文の整理であります。  第二百八十条ノ十四は、新株引受権証書を発行する場合について、株金の払い込みの取り扱い場所に関する所要の規定を準用したものであります。  第二百八十四条ノ二は、第二百十三条の新設規定によって額面株式を無額面株式とし、または無額面株式を額面株式とした場合に、資本に変更を生じないこととして、資本の額を明確にしたものであります。  第三百四十一条ノ五は、次条により、株主名簿閉鎖期間内の転換社債の転換請求が認められますと、その期間内の転換請求により株式が発行されることとなりますが、このような株式の株主もその期間内に開かれる株式総会において議決権を有することといたしますと、その者に対する総会招集通知が必要となる等会社の事務上の負担を増加し、転換社債権者にとりましても、その総会で議決権を行使する必要性は少ないと考えられますので、第一項において、このような株主は、株主名簿閉鎖期間内は議決権を有しないことといたしました。  また、会社が総会において議決権を行使すべき株主を定めるため基準日を定めた場合において、その日後の転換請求により株式が発行されたときは、その株式の株主についても、株主名簿閉鎖期間内の転換請求により発行された株式の株主と同様に、その総会においては議決権を有しない旨を第二項において定めました。  第三項は、次条において株主名簿閉鎖期間内も転換社債の転換請求を認めることとしましたが、会社の事務上の便宜を考慮し、定款で、その期間内は転換の請求をすることができない旨を定めることができることとしたものであります。  第三百四十一条ノ六は、現行法では、株主名簿閉鎖期間内は、転換社債の転換の請求をすることができないこととしておりますので、転換社債権者にとっては、その期間内に転換社債の転換を請求して株式として売却することができないという不便があり、このため外国において転換社債を発行するについて支障を生じております。そこで本条の改正により、株主名簿閉鎖期間内も転換の請求をすることができることとしたのであります。  第四百九十八条は、新株引受権証書の作成及び株券の所持を欲しない旨の株主の申し出に関する規定を設けたのに伴い、罰則について所要め改正を加えたものであります。  次は附則の規定であります。  第一項は、施行期日の定めであります。  第二項は、新法の適用に関する原則を定めたものであります。  第三項は、この法律の施行前に行なわれた株式の移転または取得については、この法律の施行後も、なお旧法第二百五条及び第二百十九条の規定を適用しますが、この法律の施行前に株券を取得した者がこの法律施行後株券を占有するときは、適法な所持人と推定されることとしたものであります。  第四項は、この法律の施行前に発行された株券をこの法律の施行後取得するにつきましては、株券の裏書きまたは株式の譲渡を証する書面の整否について調査をしなくとも、善意取得の妨げにはならない旨を規定したものであります。  第五項は、商法第二百二十四条ノ三第一項の規定による基準日がこの法律の公布の日前であるときは、新法第三百四十一条ノ五第四項の規定は、適用しないこととしたものであります。  第六項は、新法及び附則第七項による改正後の再評価積立金の資本組み入れに関する法律の規定により株主の新株引受権が新株引受権証書によって譲渡できる道が開かれたことに伴いまして、外資に関する法律の規定を整理したものであります。  第七項は、株式会社の再評価積立金の資本組み入れに伴い新株を発行する場合も、商法の規定により新株を発行する場合と同様、株主の新株引取権を新株引き受け権証書によって譲渡する道を開くため、株式会社の再評価積立金の資本組み入れに関する法律に所要の改正を加えたものであります。  第八項は、商法の改正に伴う会社更生法の規定の整理であります。  以上のとおりであります。

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 これにて提案理由の説明及び逐条説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日の議事はこの程度といたし、次会は公報をもってお知らせすることとして、これにて散会いたします。    午前十時五十六分散会

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