P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
46回国会衆議院1964/02/06

法務委員会 第2号

発言数
51
登壇者
7
会派数
3
開催日
1964/02/06

会議録

三田村武夫自由民主党

○三田村委員長代理 これより会議を開きます。  濱野委員長は、本日都合により出席がおくれますので、その指名により私が委員長の職務を行ないます。  法務行政及び裁判所の司法行政に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和三十九年度法務省関係予算及び裁判所関係予算につきまして、当局から説明を聴取することといたします。  まず法務省関係予算について説明を求めます。新谷経理部長。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 昭和三十九年度法務省所管予算の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。  昭和三十九年度の予定経費要求額は、四百九十四億一千二百九十万四千円でありまして、これを前年度の当初予算額四百二十二億二千六百二十四万円に比較いたしますと、七十一億八千六百六十六万四千円の増額となっております。なお、前年度の補正後の予算額四百三十五億七千三百八十三万六千円に比較いたしますと、五十八億三千九百六万八千円の増額となっております。  増額分の内訳を大別いたしますと、第一は、人件費の四十二億一千二百八十二万五千円であり、第二は、営繕施設費の十九億四千五百七十万六千円でありますが、このほか法務本省第二新館新営費が建設省所管に、六千六百九十九万六千円計上され、前年度に比し六千百九十九万六千円の増額となっております。第三は、その他一般事務費の十億二千八百十三万三千円であります。  まず、人件費四十二億一千二百万円の増加でありますが、これは昨年十月から実施されました公務員給与ベースの改定に伴う所要経費及び昇給原資としての職員俸給等の増額がその大部分でありまして、そのほか検事、副検事、法務事務官等六百十名の増員及び検察官事務取扱検察事務官及び入国者収容所の医療職員の俸給調整に必要な経費の増額等が含まれております。もっとも、この増員と逆に大村収容所の収容人員の減少に伴う職員二十四名の減員がございます。  増員につきましては、法務省としましては最も重点を置いたところでありますので、この際増員六百十名の内訳について申し上げますと、第一に、法秩序の確立の一環として、公判審理の迅速適正化をはかりますため、検事五名、検察事務官五名の増員となっております。審理期間の長期未済率が依然高率でありますので、東京ほか主要都市におきまして検事、事務官の専従体制を確立して、その迅速化に資するための増員であります。  第二に、交通事件処理機能の充実をはかりますため、副検事十名、検察事務官七十一名、少年鑑別所技官十名計九十一名の増員となっております。これは交通違反事件及び業務上過失致死傷事件の増加に伴いまして検察関係の事務量が増加しておりますので、検察体制を充実して事件処理の迅速合理化をはかる必要から、前年度認められました副検事十五名、検察事務官四十五名の増員に引き続いて行なうものであります。なお、少年の交通違反事件も逐増いたしておりますので、あわせて少年鑑別所機能の充実をはかりますため、鑑別技官十名の増員を行なうものであります。  第三に、非行青少年対策のため、前年度の三十名の増員に引き続いて七十二名の増員となっております。その内容は、まず少年院の教化活動の充実のための教官五十名、次に、保護観察所機能の充実のための保護観察官二十二名でありまして、青少年犯罪の防止及び犯人の改善、更生補導を強力に推進するためのものであります。そのほか、前述いたしました少年鑑別所の技官十名の増員もこれをあわせて非行青少年対策の一環とも考えておるわけでございます。  第四に、法務局におきまして事務官二百二名の増員となっております。これは、まず登記台帳事件の増加に対処いたしますための二百名、訟務事務の適正な処理を期するための三名であります。法務局の主要事務である登記台帳事件は、経済取引の活発化に加えまして、公共事業の規模の拡大に伴う特殊な登記事務も増加し、職員の執務強化、能率化をもっていたしましても、事務負担量は限界を越える状況にありますので、登記事務の迅速、適正化をはかりますために、前年度の二百名の増員に引き続いて行なうものであります。なお、国を当事者とする民事及び行政事件の訴訟事務も増加しておりますので、その事務処理の適正迅速化をはかりますために、法務事務官三名の増員があります。  第五に、羽田入国管理事務所の事務量増加に伴う入国審査官十二名の増員であります。羽田空港における出入国者の数は最近飛躍的に上昇しておりますので、これに対処して適確、迅速な出入国管理業務を遂行するために、前年度の増員十九名に引き続いて行なうものであります。  第六に、入国管理事務所出張所の新設に伴う入国審査官三名、入国警備官二名の増員であります。出張所末設置の出入国指定港中、尼崎、坂出、八戸におきまして、出入国者数の激増に伴う審査業務の増加等によりまして、入国管理事務所の出張所を新設することになりましたが、これに伴いまして、各出張所に審査官各一名のほか、尼崎、坂出各張所に入国警備官各一名を配置するための増員であります。   〔三田村委員長代理退席、委員長着席〕  第七に、出入国審査の業務の強化をはかりますために、入国審査官六名、入国警備官六名計十二名の増員となっております。これは本邦に出入し、または在留する外国人の増加に伴いまして在留資格等審査の業務量が増加し、職員の負担量も過重となっておりますので、増員により執務体制を強化するためのものであります。なお、入国警備官の増員は、舟艇建造に伴う船舶要員としてのものであります。  第八に、治安対策の一環として破壊活動調査機能を充実するため、公安調査官二百名の増員となっております。  第九に、法務本省の五名の増員があります。これは、職員の福祉厚生の充実をはかりますために必要な薬剤士一名、看護婦四名であります。  次に、一般事務費十億二千八百万円の増加の内容について、御説明申し上げます。  まず、全般的に申し述べますと、法務行政の充実をはかりますための経費のほか、職員の執務環境の改善、各種委員、保護司、矯正被収容者処遇の改善、事務能率器具等の整備等に必要な経費の増額がなされております。  そのうちおもなる事項について申し上げます。  第一は、法務行政の充実をはかるため増額されました一般の経費について申し上げますと、まず各組織に共通のものといたしまして、赴任旅費一千百十八万三千円、自動車交換差金一千五十万円、光熱水料二千五百十九万二千円、交際費一千六百六十七万五千円等が増額となっております。  次に、法務局関係につきましては、登記諸費につきましては、登記登録旅費が四百二十万七千円、庁費が七千七百五十五万八千円、供託金利子が一千万円計九千百七十六万五千円の増額となっております。なお、建物の区分所有等に関する法律に基づく登記事務処理の適正化経費としまして七百七十一万四千円、登記台帳一元化作業の充実経費としまして六百八十八万二千円の増額となっておりますほか、商業登記法に基づく商業登記及び法人登記事務を改善する経費としまして一千二百二十二万四千円が新規に計上されております。  次に、検察庁関係につきましては、検察費につきましては、検察旅費が千二百三十一万八千円、参考人等の旅費が一千三百九十七万二千円、庁費が二千八百三十一万三千円、計五千三百六十万、二千円の増額となっております。  次に、矯正関係につきましては、被収容者の管外移送の増加等に伴い護送旅費が一千二百十万円の増加となっております。また、福岡、名古屋刑務所移転に必要な備品整備等の経費五千二百九十八万四千円、刑務作業機器更新整備費五千六百八十三万六千円、計一億九百八十二万円が増額となっております。  次に、更生保護関係につきましては、犯罪者予防更生法等に基づく補導援護におきまして、成績不良者の保護観察を強化いたしますため、観察旅費三百九十七万一千円、保護司等との通信費五百十一万五千円、計九百八万六千円が増額となっております。  訟務関係につきましては、訟務費につきましては、旅費百六十五万九千用、庁費百七万三千円等、三百六十三万九千円の増額となっております。  人権擁護関係につきましては、法律扶助協会補助金が四千万円の増額となっております。これは、社会保障政策の一環としまして、貧困者の訴訟援助を実施する法律扶助協会に対しまして訴訟費用等を補助する経費でありまして、その事業を強力に推進するための措置であります。なお、人権擁護委員活動の強化をはかりますために、委員旅費が六百九万六千円の増額となっております。  第二は、刑法改正作業の迅速化をはかりますために、法務本省の刑法特別部会運営等経費並びに関係法令等調査研究経費が一千五十四万八千円の増額となっております。  第三は、刑務作業費の一億六千百四十九万九千円の増額であります。これは、刑務所被収容者に対しまして作業を行わせるに必要な経費でありまして、原材料費が相当額増額されましたほか、作業形態を、紙細工等の低格作業から印刷、機械工等の有用作業に転換するため機械器具を更新し、作業付帯経費を充実するための経費の増額であります。  第四は、職員の執務環境の改善や、保護司、矯正関係被収容者の処遇の改善に必要な経費の増額でありますが、そのおもなものについて申し上げますと、まず、職員の執務環境の改善につきましては、法務局、検察庁、刑務所におきまして、環境設備費一千四百万円、法務総合研究所、地方検察庁、矯正研修所の職員研修費一千八十六万七千円、各組織を通じまして非常勤職員給与の単価是正百七十二万八千円、外国人登録委託費一千二百八十七万六千円が増額となっております。  次に、矯正関係被収容者につきましては、刑務作業賞与金の支給計算基準を一五%引き上げるための一千二十六万二千円、少年院、婦人補導院の職業補導賞与金の支給計算基準を一〇%引上げますための二十二万三千円が増額となっております。  次に、被収容者に支給する被服、衛生薬品、日用品、教材、収容付帯事務費等の収容経費が五千四百九十八万八千円の増額となっております。  次に被収容者食糧費でありますが、菜代単価を最近の物価の趨勢にかんがみて是正することといたしまして、被収容者一人一日当たり二円ないし二円四十銭増額するのに要する経費として五千二百六十九万八千円と増額となっております。  次に、保護関係としましては、更生保護会の充実をはかり、収容者の更生に万全を期しますために、更生保護会委託費について、食事付宿泊費の現行一人一日当たり百四十五円を百七十円七十一銭に、宿泊費の現行一人一日当たり四十五円を六十円二十三銭に、また事務費の現行八十一円を九十四円に、それぞれ単価の是正を行なうために必要な委託費二千三百三万七円が増額となり、なお、これに伴ないまして、更生保護会補助金の事務費につきまして、現行一人一日当たり、二十円二十五銭を二十三円五十銭に改訂するために必要な補助金百七十二万二千が増額となっております。また保護司実費弁償金につきましては、補導費の現行単価一件当たり、対象者一人一カ月三百二十円を四百円に是正すること等によりまして、八千二百五十一万五千円が増額となっております。  第五は、事務能率器具等の整備に必要な経費の増額でありますが、そのおもなものは、法務本省のマイクロ撮影機整備等四百二万円、法務局の登記台帳等の事務処理並びに検察庁の検察事務を機械化、能率化するための経費が九百三十八万二千円の増額となっております。  以上が一般事務費の増額となったおもなるものでありますが、このほか、本年十月に実施を予定されておりますオリンピック東京大会のため本邦に出入国いたします外国人の審査業務の適正迅速をはかるため、入国管理関係経費として新規に五百六十七万一千円が増額されております。  最後に、営繕施設費十九億四千五百七十万六千円の増額であります。これは検察庁、法務局等庁舎の新営等施設費一億一千九百五十一万二千円、刑務所、少年院等収容施設の新営整備等施設費二億四千百六十八万五千円が増額となっております。このほか、昭和三十五年度国庫債務負担行為の承認を得ました福岡、名古屋両刑務所の特例取得費十五億五千万円と、福岡、名古屋の旧施設の撤去費三千四百五十万九千円が増額となっております。なお、新潟、徳島両刑務所の移転に必要な経費の一部が収容施設費に含まれております。  以上来年度予算の増額の内容について概略申し上げたのであります。  以上は主としまして予算上の組織科目に従いまして申し上げたのでありますが、法務省におきましては、昭和三十九年度予算におきまして、法秩序の確立、非行青少年対策、交通事件処理体制の整備強化、登記事務処理の適正迅速化ということを主要事項として取りまとめておりますので、前述いたしましたところと多少重複はいたしますけれども、これについて簡単にその内容をまとめて申し上げたいと思います。  第一の、法秩序の確立につきましては、前述いたしました検事等二百十名の増員を含めまして十一億一千十四万四千円を計上し、前年度に比し二億三千二百六万六千円の増額となっております。その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係として八千二百九十三万二千円を計上しておりますが、公判審理の迅速化をはかるための検事等十名の増員のほか、調査活動費八百万円の増額分が含まれております。これにより暴力、公安、麻薬事犯に対処して社会不安の根絶を期したいという考えであります。  次に、公安調査庁関係といたしまして公安調査官二百名の増員を含めまして九億三千百八十三万七千円を計上しておりますが、調査用器具等の整備補充のための庁費二千八十四万五千円及び調査旅費、活動費一億二千九百八十万円の増額分が含まれております。これによりまして破壊活動調査機能の充実を期したい考えであります。  次に、入国管理局関係といたしまして七千六百七十万九千円を計上しておりますが、不法入国者等を調査するための活動費として二百万円の増額分が含まれております。これにより不法出入国者等の取り締まり体制の確立をはかりたいと考えております。  次に、法務本省関係としまして一千四百六万六千円を計上いたしておりますが、前述いたしました法制審議会の刑法特別部会の運営経費六百九十五万三千円、調査研究経費三百五十九万五千円が増額され、これにより全面的な刑法改正作業を強力に推進したいと考えております。  第二に、非行青少年対策でありますが、前述いたしました少年院教官、保護観察官七十二名の増員を含めまして十五億九千三百九十七万一千円を計上し、前年度に比べまして一億六千六百四十二万八千円の増額となっております。その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としまして、粗暴化、低年令化しおります青少年犯罪に対処する検察体制の充実をはかるため、青少年被疑者の資質診断器具を宇都宮ほか主要地検十ヵ所に備えつける庁費及び係検事の協議会を開催する旅費等百十二万八千円が増額となっております。  次に、少年院関係といたしまして、少年院教官五十名の増員のほかに、職業補導賞与金、これは支給計算基準を一〇%を増加するわけでありますが、そのほか教育用備品、日用資材医療薬品経費、収容付帯事務費、職業補導経費、菜代等の増加によりまして、前年度に比して五千七百八十八万七千円の増額となっており、なお、施設費関係につきましても五千四百万円の増額となっております。  次に、少年鑑別所関係としまして、後に述べます交通鑑別技官十名の増員のほかに、審判少年の護送旅費、集団心理鑑別経費、医療器具、収容付帯事務費、菜代等の増加によりまして、前年度に比べまして一千五百七十六万一千円の増額となっております。  次に、保護関係といたしまして、保護観察官二十二名の増員のほか、網走ほか二カ所に保護観察官の駐在制度を拡張いたしますために必要な備品整備等経費としまして七十五万七千円が計上されておりますほか、前述の更生保護会委託費及び保護司実費弁償金等についてそれぞれ単価の是正等による経費の増額があります。  次に、法務総合研究所関係といたしまして、青少年非行の未然防止の具体的対策樹立のための各種研究を推進し、検察関係職員の研修を充実する経費といたしまして五十四万円の増額となっております。  第三に、交通事件処理体制の整備強化につきましては、副検事等九十一名の増員がございます。この中には先ほど申しました交通鑑別技官十名の増員が含まれておりますが、これらのものを含めまして、二億三千二百十五万五千円を計上し、前年度に比し七千二百二十六万円の増額となっております。その増額分のおもなものは、増員のほか罰金、過料の徴収事務能率化、機動力の強化のための備品等四百一万四千円、検察費三千八百四十五万円であります。  第四に、登記事務処理の適正迅速化につきましては、二億九千五十四万三千円を計上し、前年度に比し七千二百七十四万一千円の増額となっております。その増額分のおもなものは登記事務職員二百名の増員分のほか事務の改善、能率器具の整備のための経費二千三十四万五千円であります。  以上で法務省所管歳出予算について御説明いたしました。  終わりに、当省主管歳入予算について、一言御説明いたします。  昭和三十九年度法務省主管歳入予算額は百九十四億一千九百九十二万二千円でありまして、前年度予算額百二十億二千四百七十六万三千円に比較いたしますと、七十三億九千五百十四万九千円の増額となっております。これは過去の実績等を基礎として算出されたものでありまして、その増額のおもなものは罰金及び過料と刑務所作業収入であります。  以上をもちまして、法務省所管昭和三十九年度予算についての説明を終わります。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、裁判所関係予算について説明を求めます。岩野経理局長。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 昭和三十九年度裁判所所管予定経費要求額について御説明申し上げます。  第一に、昭和三十九年度裁判所所管予定経費要求額の総額は二百三十九億五千九百七十四万二千円でありまして、これを前年度予算額二百十九億二百十二万三千円に比較いたしますと、差し引き二十億五千七百六十万九千円の増加になっております。この増加額の内訳を大別して申し上げますと、人件費におきまして十六億一千六十二万七千円、営繕費におきまして二億五千百十九万三千円、裁判費において一億二千五百六十一万七千円、その他一般司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等におきまして七千十七万二千円であります。  第二に、昭和三十九年度予定経費要求額のうちおもな事項について御説明申し上げます。  交通事件処理の円滑化に必要な経費でありますが、激増する交通事件を迅速に処理するため、昭和三十八年から特に事件の多い地域において交通切符制による即日処理を実施いたしておりますが、事件の増加はその後も著しく、これを円滑に処理いたすために必要な経費として、簡易裁判所の交通事件処理につきまして簡易裁判所判率五人、裁判所書記官十九人、裁判所事務官三十四人の増員に要する人件費一千六百二十万七千円、家庭裁判所の少年の交通事件処理につき家庭裁判所調査官四十人、裁判所書記官九人、裁判所事務官十三人の増員に要する人件費一千八百九十八万五千円、事務能率器具の購入費百五十万円、合計三千六百六十九万二千円が計上されました。  次に、訴訟の迅速適正な処理に必要な経費でありますが、近時、事件の増加と複雑化の著しい東京、大阪等八大都市地方裁判所の裁判の適正と迅速化をはかるための裁判官等の増員と、裁判事務処理の能率向上のための機械化に要する経費としまして、増員としては判事五人、判事補五人、裁判所書記官二十人の増員に要する人件費一千六百四十五万七千円、裁判事務処理の機械化に要する経費として七千九百十二万八千円、合計九千五百五十八万五千円が計上されました。  次に、補助機構の整備充実に必要な経費でありますが、裁判所書記官の事務量の増加に伴いまして、現在裁判所書記官の事務を恒常的に取り扱っております裁判所書記官補の定員を、裁判所書記官の定員に組みかえまして、裁判官の補助機構を合理的に再編成するための必要な経費としまして、裁判所書記官補の定員六百九十四人を裁判所書記官の定員へ組みかえるに必要な人件費三千九百二十二万九千円が計上されました。  次に、執務環境の整備に要する経費でありますが、まず、下級裁判所庁舎の整備に必要な経費として、下級裁判所庁舎の継続工事二十五庁、新規工事二十四庁の新営工事費といたしまして二十億四百九十二万七千円、その他法廷の増築、庁舎の補修等の施設整備費としまして二億六千万円、庁舎新営に伴う敷地買収のための不動産購入費、これは換地清算金を含んでおりますが、四千九百十四万五千円、営繕事務費としまして四千四百六十一万五千円、合計二十三億五千八百六十八万七千円、それから事務用器具の整備に必要な経費としまして、執務環境を改善し事務能率の向上をはかるため、事務用器具を整備するに必要な経費として一千七百九十万円がそれぞれ計上されております。  次に、最高裁判所庁舎の新営について御説明申し上げますが、最高裁判所現庁舎は、終戦後旧大審院の建物を改修いたしたもので、かなり老朽の度を加えておりますし、かつ、狭隘で、最高裁判所の庁舎として必ずしも適当ではないので、この新営は多年の懸案でありましたが、このたび、三宅坂のパレスハイツ跡に新庁舎が建設されることとなり、その準備のための経費としまして、敷地の調査整備費等五百万円が計上されました。  裁判費でありますが、これは裁判に直接必要な経費でありまして、国選弁護人の報酬、証人および調停委員等の旅費、日当その他裁判に直接必要な旅費、庁費等として十八億三千八百七十九万一千円が計上されました。  次の国選弁護人、調停委員等の待遇改善の中身を御説明申し上げますと、国選弁護人の報酬は現行基準、たとえば地裁一件六千二百円を約一〇%増額いたしまして、地裁一件六千八百円にするために必要な経費としまして一千九百四十六万五千円、調停委員等の日当の増額について御説明申し上げますと、調停委員、司法委員及び参与員等の日当を、現行七百円から八百円に増額するに必要な経費としまして六千百四十四万五千円が計上されております。  次に、刑事補償金の増額に必要な経費でございますが、刑事補償金は、昭和二十五年の刑事補償法が制定されて以来据え置かれておりましたが、その後の物価の変動、賃金の上昇等の事情にかんがみまして増額する必要がありますので、現行一日二百円以上四百円以下を、四百円以上千円以下に改訂するために必要な経費として六百十五万六千円が計上されました。  以上が昭和三十九年度裁判所所管予定経費要求額の大要でございます。  なお、裁判所予算使途分類と裁判所予算の内訳のこまかな数字並びに営繕につきまして継続の個所あるいは新規改築、新営を始める個所等につきましては、表にして添付いたしておりますので、これをごらんくださることをお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 以上をもちまして予算の説明は終わりました。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 質疑を許します。坂本泰良君。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 十三ページの第三、刑務所作業費の増額でありますが、それが最終のところに昭和三十九年度法務省主管歳入予算額は七十三億九千五百十四万九千円ふえておる。罰金、過料と刑務所作業収入としてこうなっておるのですね。そこでこの刑務所の作業なんですが、ここにもありますように、機械工等の有用作業に転換するため機械器具の更新をする、こうありますね。そこで問題は、昨年こういう工場が機械化したので、大分の刑務所内でガソリン引火の事件がありました。工場が燃えたのです。そして、短期六カ月の自由刑の人で四カ月くらい過ぎて、あと二カ月くらいで出所するのが二名焼け死んだ。ガソリンの引火でまる焦げになって死んだ。その際に、刑務所では、見舞金として国から十万円、それからこの作業をやっている大阪の何とかいうところから、実際に調べてみると、これは民間の工場の下請みたいなことになっておるようですが、そこから十万円、そしてあとは看守部長か、そういうものの責任者が出てきて、それが有罪にでもなったら国家補償で賠償金を出す、こういうようなことですが、こういう危険な工場を刑務所内でやる以上は、従来のような考え方で、刑務所に入っている者だから十万円くらいでおっ放すというようなことは、これは重大な問題だと思う。ことにこのごろは、その具体的の事件なんかでは、県庁が県税の滞納できたものだから、裁判所の執行吏の差し押えなんかと違って、何か少し横着な県の職員だったんでしょう、そこで口論をして、公務執行妨害だというので裁判になって、弁護人も何もつけずに、まじめな者が執行猶予もつかずに懲役六カ月になった。そしてまじめにつとめてもう出所する前になって工場が焼けた。ガソリンで火がついて、熊本のが一名と鹿児島のが一名まる焦げになって死んだ。それに対してたった十万円の見舞い金をやっただけなんですね。そういうようなことを考えますと、刑務所の作業費を増額して、そして機械化的の工場形態にする。したがってまた、最後にありますように刑務所収入も上がるわけです。そういう点を考えますと、そういうような場合に、そういう見舞い金というか、やはり工場の経営設備その他の関係でこういう工場が燃えて、刑務所に入って働いている者が死ぬ、やはりこれも一般の工場なんかの場合を考えて、そうして損害その他も考えなければならぬと思う。そういう点について予算上何か措置をしてあるかどうか。してあるならばこの予算の関係のどこに入っておるか。その点を明瞭にしておきたいと思う。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 刑務作業は従来低格作業が非常に多かったわけでございまして、それがだんだん有用作業に転換していくということは、同時にいろいろな機械の導入その他の設備改善も伴うわけですが、勢い作業につきましての安全管理をどうするかというふうな点に御心配があるのではないかというように受け取ったわけですが……。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 いや、安全管理をどうするかということと、それが発生した場合に、そういう賠償とか見舞いとかをどうするかということです。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 いまお話しのように、過去の事例につきまして一人十万円というふうな見舞い金が出たということでございますが、現在刑務所のそういった事故に伴います死傷手当でございます。これは予算化されておりますが、最高十万円に現在なっております。これは昨年度と申しますか、本年度の予算におきまして死傷手当がかなり増額になっております。現在その最高が十万円というふうになっております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 今度は改正されて……。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 ことしも来年度も、その点は同じでございます。死傷手当につきましては本年増額になりまして、来年度は特に増額にはなっていないのであります。こういった点は、もちろん矯正当局といたしましても従来非常に関心を持っておりまして、作業の面でそういった事故をなくするように安全を期しますと同時に、万が一にも事故が起きました場合には、死傷手当等をなるべく多くして、災害を受けた人たちに対してできるだけのことはしたいという考えでおるわけであります。来年度の予算といたしましては、先ほど申し上げましたように、死傷手当につきましては特別の増額はございません。今後とも、こういった点につきましては、矯正局の関係でございますけれども十分努力いたしまして、なるべくそういった場合の救済を十分にするようにいたしたいという考えでおるわけであります。  なお、作業につきまして、先ほどちょっと申し上げましたいろいろの危険が伴う、この危険をどうして防ぐかということも、確かに刑務作業の近代化に必然的に伴って起きる問題でございます。これにつきましては、作業の安全管理のための経費としまして若干のものが予算化されておるのでございます。予算で申し上げますと七百八十六万円、作業の安全管理経費として計上いたしております。こういったものと相まちまして、できるだけ間違いのないように作業をやりたいというのが矯正当局の考えでございます。何ぶんにも刑務所の施設は明治時代につくられたものが大部分でございまして、ことに作業をやっております工場等も木造の老朽化したものが非常に多いわけであります。こういったものも逐次予算によりまして整備して、危険の伴わない安全な作業ができるようにということで私どもも努力いたしております。今後ともこういった施設なり、あるいは管理の面、あるいは災害が起きました場合の処置につきまして十分努力いたしまして間違いの少なくなるようにいたしたい、このように考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 昔の刑務所は、こよりをつくるとか、ぞうきんをつくるとか、絶対安全の作業だけだった。このごろのように機械化の作業になるといろいろ問題があるのですが、大分の刑務所なんかは、五、六年前でしたか十年前でしたか、近代化された工場ですね。そこで工場の仕事は、一般人に請け負うみたようになっておるのではないかと思うのですが、そういうふうになりなすと、労働基準法等の関係で、設備その他等については、そういういろんな制約があるわけですね。また工場の設備等については、規模とか機械化等についてもいろいろ危険な作業をする、それからガソリン等危険な化学品なんかを使う場合には制約があると思うのです。私、専門家でないからよくわかりませんが、そういうように機械化される場合は、一般人がそういう工場を経営すると同じような、そういう制約その他を、検査を受けるとかそういうようなことをやっておられるかどうか、その点ですね。それから、そういうガソリンでまる焼けで死んだわけなんですが、刑務所というところは責任があるものだから、実際死んでおるけれども、死なないことにして、病院に連れていって、そうして病院で死んだことにして、即死ではない、こういうようなことで非常に不信を買っておるような点もある。最高十万円の死傷手当というのは何を基準にしてやっておられるか。あまり少額じゃないか。自動車事故の保険でも五十万が今度百万に改正されておるようなこともあるわけです。最高十万円の基準をきめられた根拠はどこにあるか、それをお聞きしたい。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 実は刑務作業の関係につきましては矯正局の作業課でやっておりまして、私のほうでちょっと詳細なことはわかりかねるのでございますが、先ほどの作業についての機械等の一般の管理、監督というような問題、こういった実行面につきましては、ちょっと私どものほうでは御返事申し上げられないのございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 作業の安全管理ということをいろいろ言われるから、その点はどういうふうになっておるかお聞きしたわけです。これはまた委員会でやることにいたします。  次は十九ページの第一の法秩序の確立についての問題ですが、二十ページの公安調査庁関係として、調査官二百名の増員を含めて九億幾らの計上になっておりますが、これは右翼、左翼、あるいは中立ですか、右翼関係、左翼関係はどんなふうに内容はなっておりますか。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 今回の増員になりました公安調査官の実際の左右両翼に対する調査の配分でございますが、これは公安調査庁のほうで考えておるのでございますが、大体現在のところ、増員分の四〇%が右翼関係の勢力の調査に向けられ、残りの六〇%が左翼関係の勢力の調査に向けられる、こういうふうな計画になっております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 それから最後に罰金、過料、刑務所作業収入が七十三億九千五百十四万九千円となっておるわけですが、これは増額だけですが、相当収入はあるわけですね。そこでこの罰金、過料、作業収入に要する費用といってはあれですが、いろいろ増員とか、事務費とかその他の所要経費がかかるわけですね。いわゆる法務省主管の歳入関係についての罰金、過料、刑務所の作業収入というのは、経費が入ったものと収入と大体どういうふうになっておるのか。この収入で国はうんと利益を受けているのか、あるいはまだマイナスになっておるのか、そういうような計算をされたことがありますかどうか。概略でけっこうですが、もし計算をされたならば、これだけの多額の収入があるわけですが、それに対して国家はどれだけ費用を出しているか、それをお聞きしたいのです。というのは、やたら交通違反で——それは違反を起こすのが悪いのだけれども、以前は何千円、何百円であったものが、いまは何万円というようなことでやたら——やたらと言っては失礼かもしれないけれども、罰金の額なんか非常にふえていると思うのです。それからこの刑務所の作業収入なんかも、やはり一般の工場経営等と同じように収入が相当ふえておる。もちろんりっぱな製品ができて、毎年矯正関係のいろんな刑務所でできた製品について展覧会等があるようですが、そうしますと、一般の工場経営とあまり変わりがないかと、こう実質的に思われる。ですから、そういう工場経営ということになれば収入と支出ということになるわけですが、そういう点が厳格にやられておるかどうか。予算上の問題で、概略でけっこうですが、わかっているなら承りたいと思います。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 罰金、過料等の収入と検察庁のそれに関連して支出される歳出予算との関係、あるいは刑務作業収入と刑務所の収容作業等に要する経費との関係についての御質問でございます。ごく大ざっぱに申し上げますと、罰金、過料につきましては、これは検察庁の予算よりは確かに多くなっております。検察庁の予算総額が八十六億二千九百万円、したがいまして、先ほどお話のございました罰金収入と比べますと、これは確かに罰金のほうが多いわけでございます。裁判の結果そういうふうに罰金の額が確定するわけでありまして、大ざっぱに申し上げますとそういうような関係になっております。  それから刑務作業の収入でございますが、これは作業収入四十一億を来年度見込んでおるのでございます。しかし、刑務所の職員の人件費あるいは刑務所の収容費あるいは刑務作業費、こういったものを加えますと、刑務作業収入ははるかにそれを下回るわけであります。人件費の全部を計算いたしまして作業関係についてはどのくらいの金額が見合うかということはまだ計算いたしておりませんけれども、刑務所の収容費だけでも、三十三億一千万円です。それから作業費総計で十八億二千九百万円。したがってこの作業費と収容費だけでも五十億をこしておるわけです。これに関係の刑務所の職員の人件費等を加えますと、もっと多くのものになるわけです。したがいまして、刑務作業収入と刑務所の所要経費との関係ということになりますと、ごく大ざっぱに申し上げますと収入のほうが少ない、そういう関係になっております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 裁判所の方にちょっと聞きたいのですが、裁判官が実地検証、それから証人が多数ある場合、あるいは証人が北海道の事件で熊本に在住するような場合には裁判官が出張して証人尋問等やるわけですが、そういうような経費は大体どれくらいになっておりますか。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 昭和三十九年度裁判所予算使途別分類表をごらんくださいますと、裁判費目別内訳がございます。諸謝金と職員旅費がございます。この職員旅費が備考欄にございいますが、この職員旅費から支出されておるわけであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 そうしますと、ことしは減っているようですな。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 百七十万余り減少いたしております。これは職員旅費におきまして百七十九万二千円の減になっております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 国選弁護なんか、わずかではありますが上げられて、国民の権利擁護の実が上げられておるということは認めます。そこで問題は、裁判官が実地検証に行くとか、当然調べなければならない証人を、弁護人の申請であれば、裁判所も北海道から熊本まで呼ぶ、熊本から北海道まで呼ぶ。それから多数証人の場合は、その地方裁判所の管内であっても、出張しまして、その証人の多数いるところへいって証人調べをするわけですね。それを裁判官がそういうことをせずに、弁護人の証人がこっちへ出てくるならば調べましょうというようなことで、結局証人の旅費、日当は一応は国家が立てかえますけれども、判決のときは被告人の負担になるわけです。それから三十人も四十人も証人がある場合は、県内においても一人に千円ないし千五百円の旅費、日当をやらなければならぬ。それを裁判所に呼べば、それだけ払わなければならぬ。裁判官がそこに出張して行きますと日当三百円程度で済むわけです。それで裁判官が訴訟の促進と言いますか、証人なんかも調べることないから裁判所で調べると言っていますね。出張尋問しない。そうすると、自然と真実発見ができないのではないかと私は思う。ですから私は、職員の旅費なんかは、裁判官と書記官があるわけですが、こんなものはどんどん出して、裁判官はどんどん出張して、そうして調べる。実地検証なんかも積極的にやらなければならぬ。それが結局裁判所としては一年間に使い切れないと返すわけだから、大蔵省がだんだん減らしていく。建設省予算なんかは、もう一月、二月、三月になると、どんどん道なんか掘り返してしまって、予算なんか十分使っちゃうわけですね。裁判所は一月、二月になって急に証人調べに出張するわけにいかないから、その予算を使うわけにいかない。余れば返す。返せばそんなに裁判費用は要らないだろう、そういうことになって、本年度は百七十九万二千円減額になっておりますけれども、そういうことをすれば、裁判の人権の擁護ができないようになるのじゃないかと思うのです。そういうようなことについて、裁判官も裁判官次第で、非常によく出張して調べてもらってやる人があるけれども、やっぱり横着な裁判官の方は、裁判所に来い、こう言いますと、やはり三十人も呼びますと、千円、千五百円の旅費、日当を払えば、高い訴訟費用の負担になる。したがって、それじゃやめておこうということになれば、それだけ人権の擁護が欠けるということになる。それですから職員の裁判に関連するような旅費なんかは、事件がふえてきているからふえるべきがしかるべきだ、それが逆に減ってきているというのが疑問に思っているのですが、いま申し上げたようなことが主要な原因じゃないかと思いますが、その点はいかがですか。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 御説明申し上げます。実はこの昭和三十九年度の職員旅費三億一千三百八十万五千円に比べまして、前年度分が百七十九万二千円多い。これは三十八年度でございますが、多いわけは、選挙関係について特別旅費が増額になっておりまして、昭和三十九年度では選挙関係の費用というものが減になった関係上職員旅費が減になっているわけでございます。それと事件関係で申し上げますと、最近の特別の交通事件を除きましては民事、刑事、一般事件の伸びがあまり著しくない。地方によりましてはむしろ減少傾向にあるというような点がありまして、職員旅費の点につきましては減が立っているわけでございます。特に最近裁判官が現地に出かけまして証人尋問等をいたしますことを特別に制限をしているわけではございません。  それからもう一つは、職員旅費関係では、あまり予算を残して大蔵省に返すようなことは例年しておりません。その点は間違いないわけでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 それはわれわれ経験しているから言うわけですよ。訴訟の迅速とかなんとか言ってそんなことをやる裁判官が多いのです。そうすると、昭和三十八年度は地方選挙の選挙違反が多かったからということですか。私は選挙違反だけじゃないと思うのですがね。きょうわからなかったら表を、一般事件が減っておるかふえておるか、選挙違反がどうなっておるか、あとでもけっこうですから。ただ、われわれ経験した上で聞いているのですから、そんなことがないというととんだ間違いが起こるから、調べて答弁していただきたい。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 先ほど選挙関係でと説明を申し上げましたのは誤りでございまして、これは三十九年度は事件の減が立つ見込みになったためでございます。裁判旅費等は全部事件の伸び率、減少率についてかけられておりますので、職員旅費の単価に変動がございませんところから事件減が見込まれて職員旅費の減になったわけでございます。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 局長、表を出してください、そういう説明だけじゃわかりませんから。

神近市子日本社会党

○神近委員 ちょっと関連して。これは御説明を願いたいのですけれども、この刑事補償金が増額されたことはたいへんけっこうだと思うのです。この間吉田石松という人が四百円で査定されたのでしたが、あれはたいへん気の毒だというのが一般の世論だったので、これが千円に改定されたのはいいのですけれども、その必要な経費として六百十五万六千円というのは、これはどういう意味なんですか。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 刑事補償金に関しましては、その当時裁判所の予算に予定されております金額に不足がございますと、予備金から必要な金額は幾らでも支出されますので、一応前年の金額に対して計算上増額を出しているだけでございます。特に来年にはこれだけで足りるという見込みを立てたわけではございませんので、補充使途としまして予備金から必要な金額は支出されるはずのものでございます。それでこの金額で一応計算してあるという程度の意味しかございません。

神近市子日本社会党

○神近委員 本省予算のほうでお菜代を二円増額ということになっておりますけれども、二円でどの程度のものがお菜の中にふえるという見込みですか。あまりみみっちいようでございますが……。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 確かに二円とか二円四十銭という銭単位の金額の増額では何にもならないのじゃないかというようにお感じになると思います。刑務所に限りませず、収容施設の収容者に対して、お菜代につきましては、毎年私ども重点の一つとしまして非常に力を入れ、改善に努力しておるわけです。従来の実績を申し上げましても、せいぜい一円くらい、一昨年あたりたしか一円か一円五十銭くらい増額してございます。今年度かなり伸びまして、また来年度二円ないし二円四十銭ということで、それだけを取り上げてみますと、何の足しにもならないように思えるかもしれないのですけれども、収容者をたくさんかかえまして、材料の購入等につきまして非常に現地の機関で努力いたしまして、大量に購入してなるべく栄養分の高いものを少しでも回そうというような努力を払っておるわけであります。もちろんこれで十分だとは私どもも考えておりません。できるだけ物価の値上がりにスライドするように、従来の実績を基礎にしまして菜代の増額をはかっていくというのが実情でございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 大体刑務所の一日の食費は一人当たり幾らですか。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 昭和三十九年度の予算を基礎にして申し上げますと、これは主食と菜代両方合わせまして、成人の受刑者につきましては六十九円九十三銭、少年受刑者につきましては七十七円三十七銭、こういう計算になっております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 このごろ地方市町村が野犬狩りをやる、犬を収容しまして、それに与える給食、犬にやるえさ、食糧ですね、何かそれが五十円以上じゃないかと思います。私、いまはっきり覚えておらぬのですが、そうすると、人間に対しては、少年に対して七十七円、一般には六十九円と、犬の食糧の経費と刑務所の囚人にやる食糧の経費とあんまり違わぬように考えられるわけですが、これはやっぱりもう少し増額しなければ、機械化した工場の職工として働いておる人、民間の優秀な、あるいは何千円か取っておる技能工もおると思いますが、そういうようなことを考えますと、工賃のことも幾らかあるでしょうが、食費等を考えると、よほど法務省は考えてもらわなければいかぬのじゃないかと思います。参考のためにひとつ申し上げておきます。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 竹谷君。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 法務省の予算ですね。今度かなり増員をするが、人員総計で何人になりますか。それから裁判所のほうもあわせて……。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 現在昭和三十八年度の予算定員は、法務省所管合計いたしまして四万七千百三十九名になっております。これに対しまして、増員六百十名でございまして、減員が二十四名ございます。したがいまして、定員増の純増が差し引きいたしまして五百八十六名になります。その結果、三十九年度の予算定員は、合計いたしますと、四万七千七百二十五名、こういうことになります。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 そのほかに関係の公安調査庁や法務局、そういうものはいまのに加わっておりますか。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 ただいま申し上げました四万七千七百二十五名と申しますのは、公安調査庁、法務局、その他所管の増員を含めております。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 こういう増員のうち、検事あるいは副検事、それぞれ資格がありますが、その他の公安調査庁とか、保護観察官とか、これはそれぞれ全部採用の資格があるのですか、まず充足の方法はどんなふうにするのか。また公安調査官のような場合には、これはだれを充てるのか、内容を説明していただきたい。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 それぞれの組織によりまして、採用の方針が違う面もあろうかと思うのであります。たとえば一般の官庁に一番近い法務局の場合等につきましては、人事院の名簿に基づきまして、試験に合格いたした者から逐次採用をいたしておるのでございます。また、公安調査官の今回の増員につきましては、これはいつも同じでございますけれども、公務員の試験の合格者から採用をいたしますのはもちろんでございますが、他の治安機関からの転入者、あるいは民間の適格者を特別に選考採用によりまして充足するというふうなこともございます。組織によっていろいろ採用の方法が異なっておりますが、年々大体そのようなやり方で採用いたしております。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 その選考採用というのは、やっぱり一応人事院で公務員試験をやってやるのか、それとも法務省関係のその他の特別な規定があってやるのか。  それからもう一つ裁判所のほうですが、裁判所の書記官補を書記官にするのには、資格上の関係はどうなっておりますか。

岩野徹判事(最高裁判所事務総局経理局長)

○岩野最高裁判所長官代理者 裁判所の増員関係を申し上げますと、定員は現在が二万三千二百八十三名で、増員が百五一十名になるわけでございます。百五十名の内訳は、先ほど申し上げましたように、一般の訴訟の迅速化の関係で三十名、交通事件の関係で百二十名の増員ということになっております。  特に御質問のございました書記官補から書記官に定員を細みかえた場合でございますが、これは現在十分試験をいたしまして、その試験に合格——事実上書記官補が代行して書記官の業務に従事しておりますので、おそらく試験には相当受かるはずではございますが、正確に試験をいたしました上で書記官に組みかえるわけであります。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 法務省関係のいまの選考採用でございますが、これは実施は公安調査庁のほうでやっておるのでございますが、職員の採用の原則は、人事院の試験に合格しました者を、人事院に掲示されました名簿の中から採用していくというのがたてまえでございます。原則的にはそのようにやっておりますが、足りない部分を他の省庁からの転入者で補い、さらにそれでもまだ不足するというふうな場合には、人事院の特別の承認を得まして特別の選考で採用する、このようになるわけであります。その選考につきましては、公安調査庁のほうで選考試験を実施いたしまして、厳格な採用基準に従ってやっておるものと私ども了解いたしております。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 法律扶助協会という団体は法制上の団体であるのか、あるいは民間の団体であるか。また法務省はどのようにしておるか、実際の扶助をやる場合の協会は、東京だけにあるのか、裁判所の所在地に支部等が置いてあるのか、その概要を御説明願いたい。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 法律扶助協会と申しますのは、日本弁護士連合会の付属団体と申しますか、弁護士さんが中心になりましてできております財団法人でございます。本部はむろん東京にございますが、地方に四十七カ所ぐらいたしか支部があるはずであります。いずれも裁判所の所在地でございます。前からこういった趣旨の貧困者に対する法律扶助を設立の趣旨といたしましてでき上がった団体でございます。経費がいろいろ足りないというので、昭和三十五年でございましたか、最初に一千万円の補助金を計上いたしました。その後金額必ずしも一千万円には満たないような状況もございましたが、年々八百万ないし一千万の補助金を出しております。この事業につきましては、むろん扶助協会で実施いたすのでありますが、その団体の監督につきましては法務省の人権擁護局のほうで担当いたしております。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 世の中には弁護士に相談する知恵もない、金もない。また、まして弁護士に依頼もできないという人が非常に多いのです。そういう人は、当然の利益や権利の主張もできなければ、逆に悪いやつに苦しめられておる。これは非常に多いのですが、いまの法律扶助協会ぐらいの力ではどうにもならぬ。弁護士も、自分らの少ない協会の財政を豊かにするのが根本であろうと思うのです。千万円ばかりの金じゃどうにもなりませんね。これは法務省として十分人権擁護の立場から考えてもらいたい。非常に多いのです。一体こういうことはだれに相談するかという知恵がない人も多いし、あってもだれか他人に相談にいけば金がかかる。一文もそういう金はない。そうしてあらゆる点にめちゃくちゃにされておる。人権はあくまで尊重されなければならぬといわれながら、実際はそういう人が全国民の一、二割を占めるんじゃないか、これは人権擁護の立場から十分将来を考えてもらいたいと思います。  それから交際費の一千六百万の増額というのが出ておるが、これは何に使うのですか。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 まず法律扶助の件から申し上げます。確かに全国的にながめますと、法律の扶助を受けようという必要のある人がずいぶんございますけれども、それが必ずしも十分な保護を受けていないというふうな実情にあるわけでございます。従来一千万円、あるいは八百万円というふうな年間の補助金を出しまして、法律扶助協会におきまして、この扶助事業をやってまいっておったのでございますが、来年度におきましては、この補助金を五千万円に増額いたしております。つまり四千万円だけ従来より補助金の額がふえておるわけでございます。その趣旨といたしますところは、ただいま仰せになりましたように、保護を受けたくても受けられないという人が数多くございますので、できるだけその困った人を救済するという考えに立ちまして、補助金の金額をふやしたわけでございます。おそらく来年度以降におきましては、従来の扶助件数をはるかに上回る扶助件数が支出として出てくるのではないかというふうに思っております。  それから交際費でございますが、これは一般の交際費でございます。金額はまとめて申し上げれば非常に大きなような金額になるのでありますが、出先機関が非常にたくさんあります。検察庁、法務局、あるいは刑務所とか、少年院、鑑別所、保護観察所、公安調在庁というふうな出先機関が非常にたくさんございますので、それに分散いたしますと、これはわずかなものになってしまう。これはそれぞれの組織に分けて入っております。従来、たとえば法務局のごときは年間の交際費がたしか十万円、四十九の法務局がございますが、それを合計しましてわずか十万円ぐらいの交際費しかなかったと思うのでございます。これでは一般の役所としてのおつき合いもできないというふうな実情でございましたので、今回の予算によりまして、これがある程度増額されたわけでございます。これはおそらく法務省だけではございません。各省共通の問題としてこういった点の不合理を是正されるものと私ども了解いたしておるのでございます。

竹谷源太郎民主社会党

○竹谷委員 私のいまの交際費に関する質問は、そういう一般的な物価高、あるいは全体的に経費が足らないという目的のためか、それとも特殊なある仕事をするために増額を必要としたのか、それを聞いているのですが、第一の一般的な物価高その他そういう経費が各局に必要だというのでばらまかれるというのですね。特殊な方面に多く使われるというわけじゃないのですか、それを聞きたい。

新谷正夫検事(大臣官房経理部長)

○新谷政府委員 必ずしも物価高だからというわけではございませんが、従来の実績は、先ほど申し上げましたように、法務局の数が末端まで加えますと二千くらいございます。地方法務局だけで四十九ございます。それにわずかに十万円くらいの交際費でございますので、役所としてのおつき合いもできないという実情にあったわけでございまして、法務局長が身銭を切って役所のために交際をしているというふうなこともあったのでございます。これは仕事の関係に必要かどうかとおっしゃいますと、関係があるといえばむろんあるわけでございます。役所として一応世間並みのおつき合いをするために交際費というものが計上されているわけでございます。これがなければ役所の仕事が運営できないかと言われますと、そうだとも必ずしも言えない面があると思うのでありますが、これは一般の社会の生活をする上に役所として必要な交際費というふうにお考えいただければいいと思います。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 それじゃこの程度で散会いたします。    午前十一時五十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗