文教委員会 第29号
- 発言数
- 23 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/05/29
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について、調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。落合寛茂君。
○落合委員 私はいつも筑波学園都市問題につきまして御質問申しますので、いささか気がさすくらいでありますが、実は二、三日前の朝日新聞に大きく全国版で報道されておるのです。筑波学園都市建設につきまして、いろいろ刑事上の問題が起きまして、それは土地の問題でありますが、ブローカーがたくさん入り込んでいろいろに土地問題が起きてきまして、新聞に出ておる以外にも、私ども近所におりましてたくさん同じような問題が起きております。最初に私質問いたしましたときに、そのことを心配いたしたものですから、そのことにつきましてもいろいろ質問、意見等を申し上げておいたのですが、この際こういう問題が起きてくるとどういう結果になるかというと、国家事業として大きな意義を持っております学園都市問題が、いろいろにゆがめられてまいるおそれがあるのでありまして、これをすっきりした形で成功させていくにはよほどいまのうちに施策を考慮していかなければならないと私は思っておるのであります。その一番大きな原因はどこにあるかというと、県でいろいろに計画を立てたり関係者を集めたりしていろいろな協議会等を開いてやっておりますが、これはやはり国のしっかりした根本方針がそこにきまってこないと、いろいろ問題がますます起きてまいるだろう、こう思いますので、まず最初に建設省の御当局から、こういう問題が起きてくることにつきまして、ひとつお考えを伺うとともに、もう一つ積極的に、国がいつ買収にかかって、いつこれこれの今年度の予算における買収を完了する考えであるということを御答弁を願っておきたいと思います。
○井上説明員 お答えいたします。 研究学園施設を中心といたしまする都市の建設につきましては、昨年の九月十日に閣議了解になりまして、筑波地区が選定されまして、その後首都圏整備委員会が中心になりまして、建設省、科学技術庁あるいは文部省、住宅公団というのが、関係県であります茨城県の担当部局の方と地区の選定及び買収方式につきまして協議を進めてまいりました。御承知のように、今年度の予算におきましては、日本住宅公団に一千百七十万坪の団地の買収分、それから農地の代替用地としまして三百万坪分で百七十億円の債務負担が認められましたので、買収方式と買収の地区につきまして、昨年、それから昨今まで協議いたしてまいりました。当初予定しました一千百万坪は地元の市町村の土地の利用状況等から見まして、取得することが困難であるということになりましたので、首都圏整備委員会におきまして科学技術庁あるいは文部省と協議されまして、施設用地としては六百五十万坪を必要とする、これはもちろん学校及び研究施設のほかに、これらに勤務する職員の住宅とかあるいはこれに必要な市街地を含めての面積でございますが、この六百五十万坪をいかなる方法で取得するかということにつきまして県当局と協議しました結果、国といたしましては、山林を主体としまして一団の土地を予定しまして、そこを全面的に買収していきたいということで県当局に依頼したわけであります。ただ県当局からは、現在までのところでは初めから一団の土地をまとめて取得しないで、山林を中心に買えるところを買って、区画整理でまとめてほしいという要望がございましたが、何分にも六百五十万坪という広い区域を一挙に区画整理を行なうということは、手続上も、また人的能力におきましても非常に困難を伴いますし、また減歩等の問題で地元で反対される面もありましたので、買収方式でいきたいということで県の意向を聞いております。これにつきまして県におきましては、研究学園都市建設の特別委員会が設けられておりまして、そこの委員長と副委員長が、本日でしたか、県知事と最終的に打ち合わせをいたしまして、今月末あるいは来月上旬には国に対して買収方式につきまして政府案に対する回答をするというふうになっております。私どもといたしましては、県の最終的な回答を待ちませんと、政府案のみで買収を強行するというのもどうかと思われますので、案を待っておりますが、六百五十万坪を山林を中心として買収していく、この場合に、農地等が入りますけれども、これにつきましては学校は学校、官公庁、研究施設は研究施設としまして、それぞれ都市計画決定をする、それからこれに必要な業務施設あるいは住宅地区等を含む市街地につきましては、新住宅市街地開発法によりまして都市計画事業として地域を決定しまして、これにつきましては租税特別措置法上の恩典もありますが、買収を進め、やむを得ない場合は一部土地収用もあるかと考えております。 なお、この計画がいつになるかという問題でございますが、やはり地元の責任者なり土地所有者の大部分の方の了解が得られませんと仕事がやりにくいものですから、そのためには、日本住宅公団に今年度予備費が計上されておりまして、この夏ごろから調査に入るつもりでおります。調査で地域を確定次第都市計画決定をいたしまして、実際の買収は来年度から始まるのではないか、このように考えております。
○落合委員 ただいまの井上さんの御説明は、実はいままでこの委員会にお出かけにならなかっただろうと思いますが、局長さんやその他から伺いましてすっかりもう承知していることなんであります。ただ、私、きょう特にお伺いしたいことは、今度の筑波町で、いま疑獄が起きておるようでありまして、町長まで引き合いに出されて、土地としては大騒ぎになっておるわけでございますが、その筑波町の問題になりました陸軍で使っていた飛行場のあと、その土地にからんだそういうものでありますが、それは、先ごろ県でつくりました買収土地の想定図がありますが、それで見てみると、その想定図の中には入っていない場所のようなんであります。ですから、その想定図以外の、そういう全然関係のないような土地にからんで、そういう問題がすでにたくさん起きておりますし、いま起きつつあるわけなんであります。だからして、どうしてもここで土地買収については、国としてしっかりした方針をひとつきめていただいて、そして買収はこういうふうだという国の方針をはっきりとひとつ立てていただきたい。いまのお話によりますと、買収の方式もまだきまってないんだ。これから実はやるんだ。それから、いつになるか、ちょっとそのことも、所有者やその他のなにがあるから、なかなかはっきりしたことは言えないというふうなお答えでありますけれども、実は、もうこれは非常な大きな問題化そうとしておりますので、その点について、もう少し何か具体的ななにをお伺いしたいと思いますが、どうでしょう。
○井上説明員 買収の計画につきましては、現在、日本住宅公団に研究・学園都市開発室という室を先般設置をいたしまして、買収いたします場合には、まず最初に現地における調査に入りますけれども、日本住宅公団の職員をして直接全面的な調査をするだけの人的増加も不可能でございますし、また好ましくありませんので、現地に事務所はつくりますけれども、県当局に事務費を委託しまして、県に調査の大部分はやってもらう、こういうつもりでおります。なお、それで、買収の時期とかが明確でないという点御指摘がございまして、私どもも、まあ図上等で最も適当な土地を選定しまして、そこを政府案としてきめまして、収用にかけてもそこを買うという方法もございますけれども、地区が非常に多いことと、それから、あの地区内には、農林省が農業構造改善事業をやっておられる地区もありまして、そういったような関係、それから、営農対策が非常に問題になる関係、あるいは、地元から要望がございましたが、新しい町ができますと、下水道を敷設したり、あるいは道路を整備したり、あるいは学校を設置するといったような地元の財政負担等の問題もありますので、それらと、現在営農している人々の生活再建の方策等も考慮いたしますと、この場合には、ある程度地元の意向を聞いた上でないと、地区が最終的にきめがたいというので、いま先生のおっしゃいました地区につきましても、相当県当局の希望を聞いた地区で当方も最終的にきめたわけでございますけれども、その地区の取得方法につきましては、先ほど申し上げましたように、一両日中に県で、建設省が示しました都市計画事業として決定しまして、そこを買収する。もし不可能な場合には、その地区は収用する。もちろん収用します場合には、収用される方に対しましては、代替農地の造成あっせんにつきましては、県当局と十分協議しまして、県当局におきましても、代替地のあっせんは必要な人にやっていくというつもりでおりますので、それにつきましては、当方としましても、万全の協力をするというつもりでおります。時期につきましては、実は、地区が広くて調査が三月ばかりかかろうと思いますので、いまのところ、実際の個々の所有権者との買収契約に入るのは、今年度内はむずかしいのじゃないか、こののように考えております。
○落合委員 それで、収用法の問題ですが、いまそれが非常にその地域に住んでいる人たちの関心事になっているのですが、今度の学園都市の土地問題については、基本的に収用法を発動するんだということに解釈していいのですか、いろいろにおのおの交渉してみて、そのなににかからないのは収用法を使うのだ、こういう方針ですか、そこをちょっとお聞きしたい。
○井上説明員 この地区の取得につきましては、都市計画事業としていたしまして、収用し得る権能は事業主体に与えられるわけでございますけれども、その地区の大部分は、任意の同意による買収をしていきたい、このように考えております。また、事実、県当局の記によりましても、地区の選定によりましては、その地元の開発にもなることでありますので、大部分の方は協力的である、それは、代替地の取得につきまして懸念がありますので、その点の了解と、それから、単価が適正な価格であれは、地元の有意による協力が得られるというふうになっておりますので、特にいま収用にかけて相当規模を取得するというふうには考えておりません。
○落合委員 昨日私直接行って現地でいろいろに聞いたりしてみますと、結局は収用法にかけられるんだ、だからして、いまのうちに何とかして土地を相対で処理してしまうほうがいいだろうというふうな事実がたくさん流れているわけなんですが、当局におかれては、結局、この土地を買収するという問題が一番基本の、大きなこの事業の成否の問題になると思うのですが、ひとつぜひそういうお考えのもとに、至急国として方策をはっきりと立てていただきたい。この学園都市の質問はそれで私終わります。 それから、ちょうど法務省の方がたくさんお見えのようでありますから、お伺いいたしたいのは、実は、私監獄の教戒師をいたしておりまして、実際面について監獄のいろいろななにを伺ってみますと、ことにその中で、少年刑務所でありますが、その少年刑務所で、刑期をつとめて出たあとの問題なんですが、どうも私の貧しい経験によりますと、刑務所に収容されて、刑期が満ちまして、社会に出てきたそのあとが、何と申しますか、非常な段落がついてしまいまして、そのために再犯をする非行少年が非常に多いように思われるのでありますが、国としていわゆる保護観察と申しますか、そういうなにについてのお考えをこの際伺っておきたいと思います。
○武内政府委員 私どものほうの仕事は、いわゆるアフターケアという部類に属するものでありますが、刑務所、少年院などの施設から仮出所、仮出獄、仮釈放というふうに刑期期間の途中で出ます者、こういう者に対しましては保護観察の制度がありますので、保護観察所におきましては、保護司の方々の協力を得まして就職の斡旋をいたしております。何にしましても、まず生活が落ちつき、住所もあり、職もあるということが更生への先決要件でございますので、そういうふうに計らっておるのでございますが、その就職を助ける場合には、なるべく刑務所または少年院で習い覚えました仕事につけるように配慮いたしております。しかし、本人の適性と、またその仕事に対する一般社会の需要と申しますか、求人の状況から、必ずしも本人の希望するようなところにつけるとは限りません。しかし、私どもはせっかくの習い覚えた仕事を生かすように気をつけております。この仕事では保護司の方々が気をつけるばかりではなしに、更生保護会と申しまして、施設を持ってそこに収容しておる場合がございますが、ここはまず住居の提供はできますから、もっぱら就職問題について更生保護会の経営の方々は苦心をするわけであります。 現在多く就職しておる部面は、機械の製造部門、農業、それから自動車の運転関係、木工所といったふうな多人数の労働力を要するような職業部門、ここは最近就職の率もよろしいようであります。また土木建築、そういう方面の需要が最近は非常に多うございますので、そこへ行く者も多うございます。必ずしも本人の適性のある仕事につくとは限りませんが、なるべくその方面につくように努力いたしております。
○落合委員 いま御説明になりましたようないろいろな保護施設、保護観察の現状はよく承知しておるわけなんでありますが、あとからあとから出てまいる非行少年の驚くべき増加に対して、何か国としてもう少し変わった――いまは未成年者でない普通の囚人が刑期満ちて出ましたそれに対すると似たような方法がとられているのですが、何か青少年だけに通ずるような耕しい保護法の制定は、法務省としてお考えになっていないのでございましょうか。その点ひとつ。
○武内政府委員 現在更生保護会は全国に百五十一団体ありますが、そのうち千葉の船橋にございます少年職業訓練所と申しますのと、堺にございます泉州寮、これは特殊な仕事を持っております。船橋のほうは機械部品の修理、製造でございまして、もっぱら少年を収容しまして、その方面の技術を圧かし、またその方面での技術を伸ばしていく、そして同時に仕事についての知識をふやしていくというふうにやっております。泉州寮のほうは、自動車の修理というふうに特定の修理業でございます。何ぶんにもいまのここへ入ってまいります青少年は、機械とか自動車とかいうものについては非常に積極的な意欲を持って働いておるよりであります。そのようにして、それぞれの更生保護会が収益事業といたしましてそのようなことをいたしておるわけでございますが、それ以外に、一般的に更生保護会に入ります青少年の就職ということにつきましては、各地の職業安定所の方々が同時に一部保護司になっておりますし、ことに一般の人たちと違いまして、就職面で非常にいろいろな悪条件がございます。そういう面をカバーするために、職業安定所の方々が特に配慮をしてくだすっておるのでございますが、それ以上に法制化いたしまして、端的に一つの方向へ持っていくということは、目下検討中でございますけれども、とりあえず、保護観察と申しますのは個別処遇を原則とするようにいままでやってきておりますので、各人の能力、適性、希望、環境、素質というものを重点にいたしまして、それぞれの生きる道を探すように、みずから立ち直るという気持ちをまず持つように、ほかから援助するよりもまずみずから立つ、それを助ける、こういうような方法をとっておりますので、さしあたりはそのような方向でやっていきたいと思っております。
○落合委員 ただいまの千葉のような施設はまことにけっこうで、私もこれはたいへんけっこうななにに思っておるのでありますが、もう少し広い意味の、いわば出てからの精神方面の指導その他について、私は全国の教戒師の総会なんかに臨んでみましても、いかにも教戒というものが徴弱であって、日増しにふえていく非行少年の精神指導というものがなかなか万全を期すわけにいかないということがみんなにあるわけなんであります。教戒問題については、法務省ではもうこの程度でいいのだというお考えでありましょうか、あるいはもっとこれを充実させていきたいというようなお考えでありますか、それをちょっと伺っておきたい。
○武内政府委員 お話しのとおり、この施設から出ます者の社会復帰という問題につきましては、ただ仕事につくように援助するとか、宿泊所の世話をするとかいうふうな物的な援助ということであってはならないと、私ども部内では考えておりまして、この精神的な面での充実ということが大事であると思います。したがいまして、保護観察の面におきましても、また更生保護会の中での処遇にいたしましても、補導ということを非常に大きく打ち出しまして、またそれに従事する人々も、研修会を開くたびにいかに補導していくかという心がまえ、本人が社会で立ち直るための心がまえという点に苦労しておるのであります。そのためにいろいろと講習会、研修会を開いておりますし、また講師といたしましてこの問題には心理学的な知識、精神医学的な知識、その他社会学、教育学の方面の知識を備えていなければいけませんので、その道の専門家に来ていただきまして、いろいろな角度から講習をいたしております。現在では個人の人格の影響力、個人の考え方というものではとても若い人たちにはマッチいたしませんので、あらゆる意味の科学的な処遇のしかたということにつきまして施策を進めていきたいと思っております。一般的にこの仕事に従事する者、役員と保護司それから更生保護会の職員の方はそういう気分であります。ただ政策といたしましては個別処遇といいますか、社会福祉関係でよく行なわれていますケース・ワークの原則を導入いたしまして、画一的にいくことを避けるようにいたしております。このためには将来心理工作の方法をもっと拡充していくとか、現在でもいたしておりますけれども、これをさらに広げていくようなこと、そういう施策が必要であろうというふうに考えております。
○落合委員 お説のとおりであるのであるのでありますが、実際に各刑務所あたりの教戒事業を見ますと、費用がないために一月に一ぺんあればいいほうなんであります。二月とか三月、半年に一ぺんくらい教戒師を連れてきて精神方面の指導をいろいろやっておるのですが、こんなことでは全く何にもならないのでありまして、いまの精神方面のお話にあるように、もう少し教戒方面に積極的に国で何らか考えていただくわけにいかないか。実は費用がないのでありますから、教戒師を呼んでも旅費さえ出ない、弁当代がないから十一時でやめて帰ってくれというのが実情なんであります。これだけの大きな問題をかかえておるのでありますから、憲法で宗教に対しては国が何することができないということがあっても、何かもっと方法があると私は思うのです。昨年ですか、百万円ばかり講習費として、それも教戒師の講習費として出されたようでありますが、この一つで方法がわかるように、幾ら憲法で何されてあっても、いま言うような便法もあるのでありますからして、何らかの形で積極的に国がそれに考えを及ぼしたならば、もっと精神教育のそうした教戒方面も充実していくことができるのじゃないかと私は思いますが、これは本省の大沢さんにひとつ……。
○大澤政府委員 ただいま御指摘いただきました少年あるいは成人一般の収容者につきましての教化の根本と申しますものは、要するに人格の改善であらねばならぬと考えるのでございます。このために徳性の涵養あるいは情操の陶冶というものが中核をなすということも仰せのとおりでございます。われわれもその線に沿いまして宗教教戒でございますとか、あるいは官としてなし得る宗教的情操の涵養という点につとめておるわけでございます。 ただいま御指摘のございましたいわゆる宗教教戒師の方々に対する報酬と申しますか、実費弁償と申しますか、きわめて金額が少ないのでございまして、これまた御指摘のように、憲法の、国が宗教的行事に金を支出してはならぬという規定によりまして、きわめてその点の配慮が欠けておるということも仰せのとおりでございます。われわれとしまして現在宗教教戒師の方々が各都道府県で教戒師会を結成され、また全日本の組織といたしまして全日本宗教連盟を結成せられまして、かような矯正施設内におきまする収容者に対する宗教教戒を通ずる精神教育について御努力を願い、またそれをますます活発化、充実化するように御努力願っておるわけでございまして、これに対しまして国としていかなる方法をもって、お礼とまではいきませんが、その活動を援助申し上げることができるかということにつきまして、毎年苦慮しているわけでございます。やはり憲法の規定というものが根本的にございまして、なかなかもちましてその費用の予算化ということが困難でございます。われわれのほうとしては実費弁償という意味合いから、毎年その謝金の増額にいまつとめておりまして、昭和三十八年度と比較しまして今年度昭和三十九年度におきまして約百万円の増加を見たわけでございます。しかしこれをもってわれわれ十分とは考えておらないのでありまして、何らかその辺につきまして宗教教戒師の方々に効果的に、そうして御迷惑をかけずに、なるべく御負担を少なくして、役所の行なうべき宗教教育を通ずる精神訓練という面に御尽力をしていただきたいと考えているわけでございます。その点につきましてはさらに努力したいと思っております。
○落合委員 私は実費弁償と言うのはおかしいと思うのです。実費弁償の金がたとえ百円であろうが、それが一億円であろうが、憲法違反は違反だと思うのです。憲法をかつがれて、そうして教戒事業を阻害しておるようにわれわれには見えるのですが、その点どうなのでしょうね。もう少し何か国が本気になって矯正的な問題を考えたならば――私は百万円くらいなはした金をこれだけの非行少年に対する教戒事業に出して事足りたような顔をなさっていらっしゃるから、実に心外にたえないのですが、もう一度ひとつ……。
○大澤政府委員 決して事足れりというふうに考えておるわけではないのでございまして、その点憲法の規定につきましていろいろ議論もあることでございます。われわれとしましても何とかそれを増額して、いわゆる宗教教戒という、一党一派の宗教じゃなくして、全般的な宗教的情操教育という面で説明のつくように考えまして、これは内輪の話でございますが、教戒師連盟の役員の方々とも寄り寄り協議いたしまして、最も合理的な予算の獲得という点に、これは御鞭撻を待つまでもなく努力しているわけでございます。なおひとつ研究をさしていだたきまするように、しばらく時間をおかし願いたいと思う次第でございます。
○落合委員 どうぞぜひ来年は、百万円ということでなしに、少なくとも何千万円の単位の何をお出し願うようにひとつ願っておきます。 最後に一つだけお伺いしたいのですが、かねて宇都宮刑務所に、何年前でしたか起きました問題がありましたが、これは少年囚ではありませんが、いま監獄では宗教教戒の場合に希望を募るのです。御承知のように、お前はキリスト教か、お前は仏教か、お前はマホメット――はないですが、ということで希望の宗教を募って、そしてその講師を頼んで話をさせるのですが、それにつきまして、いま宗教法のなにによりましてたくさんの新興宗教が出てきております。そこでいま国としては、新興宗教というものをどういうふうにお取り扱いになって、その場合に講師として、創価学会とかあるいは佼成会とか、そういう新興宗教と名づけるものを正面から頼んで、そして教戒させるかどうか、その点をひとつ……。
○大澤政府委員 われわれといたしまして、ただいま御指摘ございました刑務所内におきまする宗教教戒の希望を募るという点でございますが、われわれみずからは宗教活動ということは行ない得ないのでありましても、各収容者の信仰の自由という点の保障はやはりでき得る限りいたさなければならないと考えておるわけでございます。さような意味合いから、いわゆる宗教法人となっております団体、これらのものを背景として社会的に布教活動を行なっておるというものにつきまして、本人から希望がある場合には、刑務所の都合等を勘案いたしまして、できるだけその教戒を受けしめて、信仰の自由の保障を全ういたしたいと思っておるわけでございまして、さような意味合いから、各人からどういう宗教についての教戒を受けたいかということを希望を募る場合もございます。ただ全部が全部まかなえるわけではございませんし、宗教教戒といたしまして、本人に会って教戒を願います場合でも、やはりそこには教育者としての教育的立場から見まして、その付近に適任者がない場合には、これまた不可能でございます。また刑務所といたしまして、受刑者には作業を課する義務があるわけでございまして、拘禁して刑役に服するという刑法の規定に基づきまして、監獄では作業を課さなければならぬ。それ以外の時間でさような個人的な個別教戒を行なうことになりますので、勢い日曜日等の休日になってまいりますが、その時間的な制約もございまして、全部が全部実際問題としてはその希望をかなえるということも不可能ではないかと思います。さような意味合いから、われわれのほうでさようなわれわれの職員配置がつき、また余裕のある時間につきまして、各希望に応じまして、しかるべき時間の割り振りをするわけであります。これまた国が一宗教にのみ利益を与えるということになりましても、またいかがなものかと思われますので、この点につきまして、できる限り各宗派で御相談願いますように、各都道府県の宗教教戒師会にお願いいたしまして、刑務所としてのさような時間を提示いたしまして、そして自主的にお話し合いを願いまして、時間割りをきめていただくともいうような方法をとりまして、現在個人的な宗教教戒を実施しているわけでございます。
○落合委員 そのことはよくわかっておるのですが、新興宗教と名のつく創価学会とか、あるいは佼成会とかいうなには、いま実際に教戒師あるいは講師は出て囚人になにしておるわけなんですか。実はこれ宇都宮の刑務所に実際にあったことなんですが、この前の前でしたか、法務大臣が視察に行かれて、囚人をみんな並べておいて法務大臣が訓辞をしたところが、中で一人飛び出してきまして、直訴をしたわけです。それで非常に問題になって、それがある新興宗教の信者で、どうしておれたちの希望するなにを講師に頼んでくれないんだということで、非常に議会で問題になった事例があるのですが、今日私伺いたいのは、そういう新興宗教の教戒師がそういうことを契機にして携わっておるのですか、ないのですかという事実です。
○大澤政府委員 宇都宮の当該事件は私承知しておるわけでございます。詳しい報告は受けておりませんが、これは問題は創価学会であったかと思います。現在は来ていないように思っております。
○落合委員 私の質問はこれで終わりますが、自分が教戒師でそんなことを言うのはおこがましいようでありますが、実際においてみんな相当なそういう方面の人たちがおるのですが、経費の都合上どうしてもそれは頼めないのです。ですから、そういう点をひとつ御考慮くださいまして、もう少し非行青少年たちのいわゆる精神的方面をなにしていただくとともに、やはり実際になにしてみますと、未成年者にはお母さんといいますか、婦人というもののなにが非常に強いのですから、私は保護司のほかに、青少年を取り扱うような、そういう一つの機関をこしらえられて、そしてそれに婦人の委員か何かを、その村なら村の地域の婦人たちをなにして、そして仕事をさせたらいいんじゃないか、こういうように、考えておるのでありますが、御参考に申し上げておきます。 私の質問は終わります。
○久野委員長 次会は来たる六月三日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会