農林水産委員会でん粉等価格対策に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/10/09
会議録
○野原小委員長 これよりでん粉等価格対策に関する小委員会を開会いたします。 でん粉等価格に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。赤路友藏君。
○赤路小委員 先月の三十日の本小委員会で、でん粉対策についての基本的な線について、一応の質問を行ない、政府のその時点における御答弁を得たわけでありますが、最終的な統計の集約というものは、十月一日現在の実績を予想して、その上で支持価格その他についての発表をしていきたい、こういうようなことであったのでありますが、本日はすでに九日であります。十月一日現在の収穫予想量というものがすでに集計されておると思いますが、その点はいかがな状態になっておるか、お聞きしたいと思います。
○久我説明員 ただいま御質問のございました十月一日現在のカンショの予想につきましては、七日一ぱいに一応まとめ上げました。まだ正式の報告が全部まいっておりませんから、端数で多少狂うかもしれませんが、ほとんど変わりないと存じます。 そこで、その数字を申し上げますと、作付面積が二十九万六千七百ヘクタールでありまして、昨年から見ますと、面積が一万六千四百ヘクタール減っております。したがいまして、反当収量の予想は、全国的に申しますと、平年対比一〇二でありまして、必ずしも悪くはないのでありますが、面積も相当減っております関係上、総収穫高の予想は五百九十二万二千トンとなっております。前年は御承知のように、これはイモにつきましては大豊作で、六百六十六万トン余でございましたから、これから見ますと、約七十四万トン近く、七十三万九千トンの減となっております。 なお、同日にバレイショのほうも一応まとめ上げたわけでございますが、これは八月十五日に予想をすでに出しております。それよりも収穫量がややふえておりますが、その数字を申し上げますと、全体といたしまして収穫量は三百七と十六万四千トンでございます。これは全国でございまして、そのうち、北海道は百八十四万七千トン、したがいまして、前回よりもわずかにふえておりますが、ほとんど変化はございません。 大体十月一日におきますところのカンショ、バレイショの予想はそのようになっております。
○赤路小委員 十月一日現在におけるカンショとバレイショの植えつけ面積、反収予想を伺ったわけでございますが、ちょっと一点お尋ねします。 九月二十一日発表のときのカンショの収穫予想量は五百四十二万八千トン、それで、ただいまのお答えによりますと、五百九十二万二千トンでありますから、五十万トンばかり九月二十一日発表のものよりも多くなっておるわけでありますが、何か五十万トン程度増収になったというのはどういう理由でしょうか。
○久我説明員 カンショにつきましては、これは毎年の例でございますが、八月の半ばに調査いたします。以後いわゆるカンショの肥大率がどの程度であるかということを見込んで予想しなければならないわけでございますが、毎年九月中に非常に増大いたしますので、その点がいつも九月一日の調査ではできないのでございます。そこで、カンショにつきましては、大体十年のうち七、八年は、九月のときと十月のときとでは増大をするのとが普通なのでございます。ただ、年によりましては必ず増大するということではございません。初めから見込みますけれども、急に減少する年もございます。思うとおりに肥大しない原因がまだ十分につかめていないというようなことのために、九月一日でいつも予想いたしますが、そして従来は価格決定にもこの材料をお使いいただいたこともあるのでございますが、どうも九月一日の調査では、非常に不正確になるということがいなめないわけでございまして、ことしも、その後のイモを掘りまして、いずれの時期も予想するわけでございます。そういう点が一点であります。 それからもう一点は、ただいま五十万トンというお話がございましたが、九月のときの調査は、生産県だけの調査をいたしておりまして、全国でございません。そのための差額も入ってくるということでございます。したがいまして、九月一日の調査は、いわば将来のことを考えていただく参考になるという程度でございまして、十分なことは言えないのでございます。ただ、その後の研究もだいぶ進みましたから、来年からはイモの価格の問題もございますので、大体九月二十日前後に――まだその日にちを確定的にきめておりませんが、二十日前後にもう一回調査をいたしますならば、十月一日のときとそう差がなくお使いいただけるのではないか、こういうことで、目下大体来年はそれを実施するというつもりで研究をいたしておるところでございます。
○赤路小委員 いろいろお聞きしたのですが、そこで私の感じを申し上げますと、たとえば九月の統計は主産県だけでおやりになった。特にカンショの場合は、鹿児島県が全国でまず第一位の面積を持ち、生産量をあげておると思うのでありますが、九月一日現在、すなわち、二十一日発表による統計のほうの収量を見てみますと、昨年よりもざっと十万トンの減収になっております。確かに先ほどおっしゃったように、平均に対して一〇二%、こういう部長のお話でありますが、昨年よりいたしますと、これは九十何%になる。鹿児島の場合はすでに九月一日現在で十万トン減収という予想が出ておる。その上に二十号台風で十六万八千トンの減収が予想されておる。といたしますと、鹿児島だけで二十七万トンという減収になるわけです。そうしたことを考えてまいりますと、減収になる量はかなり大きいものと考えられるのです。そういたしますと、主産県以外のほうは増産になっておるという資料が出ておりましょうか。
○久我説明員 必ずしも主産県もただいま先生のおっしゃいましたような作柄にはなっていないわけでございますが、むろん鹿児島、宮崎等、その台風の通りましたところが下がっておることは事実でございますが、お話のありましたような数字になっていない。この点は実はこういうことになっております。作柄を出しますときには、平年対比で出しております。平年と申しますのは、なかなか押えにくいものでございますので、大体これは五カ年平均を使いまして平年として使っておるわけでございます。これは国際的にも大体そういうようなことでやっております。ところが、被害のほうになりますと、平年からどれだけ下がるかということでございますと、被害対策を講ずる場合に、農家に対して非常に不利をもたらすおそれがございます。そこで、大体被害を押えます場合には、いわばなかりせば反収とよく申しますが、もし被害が起こらなかったならば農家はことしこれくらいとれるんだというふうに期待しておりますものからの差額を出しておるわけでございます。そういう関係から、この両者を加えたことには減収にはならないのでございますが、農家の期待しておられるのは一〇二どころでございませんので、イモの場合は大体二七、八から一二〇くらいを期待されるようなかっこうになりますので、したがいまして、被害量はそれを基準にいたしませんと、たとえば被害対策を講ずるという場合に、イモのようなものが、平年から差し引きますと、非常にわずかな被害になる。ひどいときには、被害は相当あるんだけれども、平年というのがたまたま平均でございますから、非常に悪い年がございますと低く出ておる。そういうことからいたしまして、被害があるのに、指数は平年が非常に低いためによくなるというようなこともございます。そこで、統計の利用目的から基準が違えてございますので、その点は御承知おき願いたいと思いますが、全般的に申しまして、私の感じといたしましては、反収はわりによくとっておりますけれども、しかし、面積が非常に減少しておるということが、今日の総収穫高を非常に下げておる一番おもな原因だというふうに見ております。
○赤路小委員 いずれにいたしましても、昨年よりは大きく下回っておるということだけは確実のようでございます。 この数字的な面はその程度にいたしまして、あと一つ次官にちょっと御答弁を願いたいのでありますが、先ほど来部長の御答弁にもありますとおり、カンショの主産県である鹿児島、宮崎等は、二十号台風による被害が非常に大きなものがある。また、バレイショ産地である北海道では、長雨、冷害等による被害が非常に大きいのでありまして、それぞれイモ県の農民は、極端なことばで言いますと、打ちのめされておるというのが現在の姿であろうと思うのであります。したがって、カンショ主産県あるいはバレイショの主産県である北海道等におきましては、イモ価格の決定ということに農民は一つの大きな望みを託しておる。こういうことが現実に私ども見てきた姿でございます。いま私たちが一番重要に考えなければならぬことは、そうした冷害に打ちのめされ、たび重なる台風にやられ、ほんとうに立ち上がる気根も失って、暗い気持ちになっている農民に、少しでも明るい希望の持てるような元気づけと申しましょうか、そういった体制をどうしてつくり上げていくかということだと思うのです。いま統計部長のほうからいろいろお話がありました。私は率直に申し上げますが、行政官としての行政のあり方というものについては、おのずから一つの限界があろうと思います。おそらくそれ以上のことは出ないと思うのであります。私は、イモに関する限りにおいては、特に本年の場合は、先ほど申しますような諸条件から考えてみましても、政治的に解決をつけざるを得ないんじゃないか、これ以外に方法はないと思いますし、そのことが私はほんとうに国民のための政治のあり方だと思う。こういうふうに考えておりますが、次官どういうふうにお考えになりますか、ひとつ端的にずばりものを言っていただきたいと思うのであります。
○舘林説明員 お話のように、先般の二十号台風あるいはまた北海道、東北一帯の冷害というような関係から、農民の方は、ことにバレイショを生産される農民並びにカンショを生産される農民といたしましては、カンショ並びにバレイショの原料基準価格がどうきまるか、またカンでん、バでんの価格がどうきまるかということは、非常に注目されているところでありまして、数々の陳情もいただいておりますし、また関係国会議員の方々が非常に真剣に御陳情になっていることもよくわかっておりますし、農林大臣としても十分にわかっておるわけでございます。しかし、赤路先生は、行政の限界を越えて政治的に価格を決定すべしというお話でございますが、一応農林省といたしましては、農産物価格安定法というはっきりと国会でおつくりになりました法律がありますし、それに基づきまして、原料であるバレイショ、カンショの基準価格の算定の方式もきまっておりますし、またそれに応じまして、カンでん、バでんの基準価格の決定の方式もきまっておるわけでございます。農業パリティの指数を参酌するとか、あるいは生産費を参酌するとか、あるいは需給関係を参酌するというようなことでございます。いまやっと統計調査部長が御説明いたしましたように、きょう初めてカンショ、バレイショの収穫高もきまりましたので、大体の見当はつけていま進めているわけでございます。したがいまして、今日の問題といたしましては、第一次的には、もちろん法律の定むる方式に従って、特にいままでずっとその方式どおりに毎年やってきたわけでございますから、従来の方式どおりに、また法律の定むるところどおりに一応算定いたしまして、これから大蔵省とも交渉したいと思っております。しかし、それにつきましては、米価の決定のときと同じように、いろいろ御意見もあろうと思います。さような際に、第二次段階においてどうするかということは、いましばらく検討させていただきたいと思うわけであります。ただ、行政的な法律の執行の限界を初めから飛び越えまして、政治的に直ちに価格を決定するということはどうかと思います。とにかく今日の段階におきましては、少なくもきょうの段階におきましては、法律的な算定の方式に従って算定いたしまして、大蔵省と交渉をいたしたいと思っております。
○赤路小委員 次官の御答弁ごもっともと思います。まず第一次は、法律があることでありますから、農安法に基づいて御検討を願うその段階だと思います。そこで、いまさら言うまでもないのでありますが、農安法の第一条にはこういうことが書いてあります。「農産物の価格が正常な水準から低落することを防止し、もって農業生産及び農家経済の安定に資することを目的とする。」この目的は非常に明確に打ち出されております。同時に、農安法施行令第二条によりますと、これは施行令のほうで計算の一つの基礎を言っておるわけでありますが、「農林大臣の行う生産費調査の結果による甘しょ馬鈴しょ、なたね又は大豆の生産費及び経済事情を参しゃくして定めるものとする。」こういうふうになっておるわけであります。そこで、次官の御答弁ごもっともでありますので、一言ここで御参考までに申し上げておきたいのでありますが、三十八年度の生産費の調査の結果をこの前小委員会で承りました。それによりますと、カンショの場合は反収が二千五百六十二キロ、それから反当粗収入が二万二千九百二十円、これが三十八年度の農林省のほうのカンショの生産費調査であります。これを前提にして、私は鹿児島県の平均反収から換算をいたしてみました。そうすると、昨年の鹿児島県の平均反収は二千三百三十三キロであります。で、支持価格を二三・五の三十円で計算いたしますと、粗収入は一万八千六・百六十円、これが反当の粗収入になるわけであります。そういたしますと、政府が出しました三十八年度の二万二千九百二十円とは四千二百六十円という差がそこに出てくるわけであります。だから、生産費の調査されたものが本年度の価格決定の一つの基準になるといたしますと、いま申しましたような、たとえそれがサンプリング調査であったといたしましても、こういう計算が一面において成り立つことは間違いがない。そうすると、反当たり四千二百六十円も違った面で生産費計算がされるということになりますと、出てくる答えはたいへんなことになるのじゃないか、こういうことを私は心配いたします。この点が一点、これはひとつお考え置き願いたい。 第二の点は、農安法が創設されましたのは昭和二十八年、それから十年の間にバレイショ、カンショ、それからバでん、カンでんの価格の変わり方はどういう状態になっておるか。これをちょっとあれしてみますと、昭和二十八年のバレイショは三・七五キロで二十二円ですね。バでんは千九百五十八円、十年後の三十八年度はバレイショが二十三円、バでんが千七百八十七円。そういたしますと、十年の間にバレイショは〇・四五%上がりになる。それからバでん価格は約一〇%下がっておるということになっております。それからカンショのほうは二十八年が二十八円、そういたしますと、これは十年の間に大体約〇・七%上がったことになる。カンでんのほうは千七百七十円でありますから、五・五%下がっておる。こういう結果になるわけであります。この十年間の政府の出しました物価指数を見てみますと、二十八年から三十八年までの間に約三九%強物価は上がっておるわけです。物価指数が三九%も上がっておる。イモ類につきましては、〇・四五から〇・七程度の上がり、でん粉は逆に下がるというような結果になっておる。だから、他の物価と比較いたしてみますと、その値上がり率と申しますか、十年間におけるイモの値上がり率は七十分の一にしかすぎない。これは数字的にそういうふうに出てまいるわけでありますが、これはちょっと他に類のない姿だと思う。これにはそれなりの理由もあるかもしれませんが、こうしたことがある。物価高の今日、なおこういう状態でイモが放置されておるということを十分ひとつ計算の中に入れておいていただきたいと思うわけです。 私がこのことを申し上げますのは、いま次官のほうから御答弁を得ました、まず第一次の段階としては、農安法に示された算定方式、そうしたものをそのまますなおに計算をしていこう、こういうことでございます。そこで、この中にあります経済事情の参酌ということばは、非常に広範な意味を持っております。たとえば砂糖の価格ということもありましょう。あるいはでん粉の手持ち量の推移ということもありましょう。あるいはまた物価の上昇率ということもありましょう。その経済事情を参酌する場合、それぞれの条件のウエートの置き方によっては、いかようともなると極言してもいいんじゃないかと思います。そこで、私は、先ほど申しましたような諸般の情勢というものを十分お考え願って、そしてこの第一次の算定をやっていただきたい、こういうことを申し上げたいわけであります。何か御意見があったら、この際承っておきたいと思います。
○舘林説明員 赤路小委員から、昭和二十八年から昭和三十八年までのカンショ、バレイショあるいはカンでん、バでんの値上がりあるいは値下がり状況等御説明がありましたが、例をカンショにとりましても、十年間にわずか二円の値上がり、他の物価の一般的な上昇とか、あるいはことに農村の主たる収入であります米価の値上げの状況等を考えますと、全くお気の毒だと私は思います。しかし、これは決して私が農林省の立場から弁解する意味ではありませんけれども、昭和二十八年に農安法ができまして、それを法律の形式どおりに実施いたしますと、こうなってきたということだと私は思う。しかし、こんな情勢は私は一政治家としてもいいことではないと思うわけです。これは根本的にはやはり農安法そのものに欠点があるのじゃないか。御存じのとおり、農安法は昭和二十八年の制定でございます。その後、カンショでん粉界とかあるいはカンショの生産農民の情勢から考えますと、周囲というか、客観情勢は、根本的と言うのはどうかと思いますけれども、大きく変わっておる。ことにいま問題になっておりますように、何といっても原因は粗糖の自由化にあるわけでございまして、粗糖の自由化のない前のカンでんとかバでんの相手は小麦粉くらいのもので、たいした強敵がないときの農安法の制定でございますが、その後自由化の粗糖がどんどん出てくる、しかも糖価がどんどん低落してくる、またコンスターチがどんどん進出してきて、水あめの社会にまで入ってきておる、そういういろいろの条件がすべて、カンでん、バでんあるいはカンショ、バレイショの価格決定をする上に非常に悪条件となっておるわけであります。率直に申しまして、農安法そのものを改正する段階にきておるのじゃないかと思います。農安法が存する限りは、まことに冷酷なようでありますけれども、現在私たちが考えておるような、いま第一次に行政的と申しましたが、そんな意味の価格を算出する以外にはないわけであります。しかし、そのときに、赤路小委員は、この法律の中には需給事情その他経済事情ということばがあるから、当然その他の経済事情を幅広く考えるべきではないかというおことばでございます。まあそれも私は一つの意見だと思います。しかし、やはり中心になりますのは、需給事情その他の経済事情とあるわけでありまして、やはり何といっても、需給事情ということを中心に価格の算定をすべきではないかと私は思っております。もちろん、その他の経済事情を一切参酌しないというわけではありませんが、とにかく従来の算定のやり方は、需給事情一本やりというようなことできたということだけをお答えいたしたいと思います。 なお、第一の問題につきましては、第二部長からお答えいたします。
○岡田説明員 ただいま御質問の第一点にお答えいたします。生産費の調査はもちろん全農家をやっておるわけではございません。したがいまして、ある数の農家を抽出いたしまして調査をいたしております関係から、具体的に申しまして、この数字と必ずしも一致しないという例は、もちろんあり得ると思うのでございます。いま赤路先生のお話しの点は、三十円ということで計算をされたように思われるのですけれども、現実に昨年は相当高いイモ価格が実現されております。したがいまして、収入といたしましては相当な収入があったであろうというふうに想定されるわけでございます。そういう点からの相違ももちろん出てきておるのじゃなかろうかというふうに考えます。
○赤路小委員 岡田さんがそういう御答弁をなさるのは無理はないと思いますが、それなら私も二つ言わしてもらわなければならぬことになるわけなんです。私がただいま申しました数字は、私なりにかなり良心的に申し上げたつもりであります。ここで一例を申し上げておきます。これは鹿児島県の三十八年の統計事務所の統計であります。三十八年度の平均反収は二千五百七キロになっております。そうしてその際の百キロ当たりの糖価格、これが千二十七円、換算いたしますと。だから、統計事務所が出しておりまする二千五百七という数字はこれは、もちろんサンプリング調査ですから、 二十戸の中からとったのでしょうが、しかし、こういったものを基礎にするのでは、やはり生産費調査というものに間違いができるのじゃないか。だから、私はこの数字を取り上げたわけではない。こういうものも、農林省のほうでは、一つの平均した三十八年度の生産費調査の確かに基礎になっておるのですね。そのことは間違いないわけなんです。こういう農家は鹿児島に七万町歩ありますけれども、私は昨年の場合においても数少ないんじゃないかと思うのです。三十八円という価格は、これは行き過ぎの価格です。よほど昨年のようなああいうムードを巻き起こした状態における初期の価格です。平均はこうはいっていないはずです。だから、私はそういう点を考慮の中に入れながら、先ほどの数字を出しました。その点はひとつ御考慮おきを願いたいと思います。そういうことでございます。 次官の御答弁に最後に一つ申し上げておきたいのですが、よくわかるわけなんです。というのは、農安法の現在の姿というものは、一面において非常に冷酷なものがあると申しますか、ちょっとことばにそういう受け取り方があるのですが、その冷酷な姿の出る農安法のそでに隠れてやらないということをお願いしたいわけなんです。そこで、私は当初非常に無理な言い方であったかと思いますが、行政庁の仕事のあり方を十分承知の上で政治的に御解決を願わないと、いまの農民はたいへんな混乱を農村では生じてくる、このことを申し上げたのですから、その点はひとつ十分御勘案のほどを願います。私は、舘林政務次官が前回の小委員会から今日の御答弁まで、一貫して誠意のある御答弁をしていただいているものとして安心をして、これで私の質問を終わらしていただきます。 最後に、大蔵省が来ておられるようなので、ひとつ大蔵省に端的に一点だけお聞きいたしますが、政府が農協に保管さしておりますところのカンでんの五万トン、これの政府買い上げをわれわれも希望いたしておりますし、農民のほうはあげて要望しておるのですが、どうでしょうか、お買い上げ願えますか。大蔵省お金を出してくれますか。ずばり一言でけっこうです。いかぬならいかぬ、いいならいいと……。
○宮崎説明員 御承知のとおり、食糧管理特別会計の三十九年度予算では、当初予算ではもう歳出のワクがございません。したがいまして、現在のところ買い入れができない、こういう状況で、いまやっております政府の調整保管措置が行なわれておるわけでございます。したがいまして、これを今後買い入れをするかどうかということは補正予算の問題になります。そこで、農安法でも調整保管というような規定がございますが、それを政府の買い入れというものにかわる措置として、現在も五万トンの調整保管が行なわれておるのでございます。それが本年度末まで一応保管料金利について補助をいたすということで、農林省のほうともお約束をいたしておりますので、それまでの期間において、当然これは米の買い入れ費等の不足もございますから、補正予算を組むという事態がまいると思いますが、その際にあわせて検討したい、こういうことでございます。現在のところ、どちらともまだきまっておりません。
○赤路小委員 補正予算を組む機会があるから、それまでにひとつ十分検討したいという御答弁なんで、まことに大蔵省らしい答弁だと思います。ここの農林水産委員会というのは、どうもずばりものを言うくせがみなついているものですから、ちょっと大蔵省とはだが合わぬようなんですが、今度臨時国会にいろいろ補正予算を組んで提出するわけなんですが、そのとき出ませんか。
○宮崎説明員 補正予算を検討いたすのは、先ほど申しましたように、米の買い入れ等の関係がありますから、おそらく臨時国会に出すのじゃないかと思いますが、これはまだきまっておりませんので、ともかく補正予算を検討いたす際にあわせて検討いたしたいと思います。
○赤路小委員 次官にひとつものを申し上げておきますが、いま大蔵省の答弁あのとおりであります。おそらく主計官としてもむずかしいところで、はっきりここでは言えないと思うのです。主計官だったって、いまの農民の苦しみなりこの実情なりは十分承知のはずなんです。だから、ぜひ大蔵省と御折衝願って、すみやかにこれに対する処置をおとり願いたいことをひとつお願いしておきます。 それから、一点だけ肝心なことを忘れていましたが、支持価格はいつお出しになりますか。大体だいぶ計算はもう進んじゃっているのですか。今晩でも出しますか。
○舘林説明員 先般お約束いたしましたように、十月の八、九日の間に収穫量の予定ができますから、それからなるべく早い機会に出す、少なくとも十 一日くらいまでにできるだろうということで申し上げたのであります。それより早くなるかもしれませんが、なるべく早い機会にひとつやってみたいと思っております。
○野原小委員長 芳賀貢君。
○芳賀小委員 統計調査部長にお尋ねしますが、先ほどのカンショ並びにバレイショの作況の報告でありますが、 〔小委員長退席、倉成小委員長代 理着席〕 特にバレイショの十月一日現在の作況のただいまの説明については、われわれとしては非常に疑問を持っておるわけです。それは、当委員会においては北海道の冷害調査のために、十月三日から昨日まで現地調査を行なっておるわけでありますが、そのとき、たまたま十月三日に、札幌市におきまして、北海道庁はじめ統計調査部並びに食糧事務所等が出席いたしまして、それぞれ所管事項に対する説明並びに資料が提出されたわけです。特に関係のある点については、北海道の春まきバレイショについて、札幌統計調査事務所がこのような精細な資料を出しておるわけであります。これによりますと、八月十五日現在の予想収穫高は、先ほど統計調査部長が言われたとおり、百八十二万四千トンであります。その八月十五日以降の作況の変化について、冷害と関連した報告がなされておるわけでありますが、これを統計調査事務所の資料によって申し上げますと、八月十五日以降の作況の変化としては、「八月十五日以降の天候は低温寡照に経過し、降雨量も平年に比して多目であったため土壌水分過多となり湿害をもたらした地帯もあり、全般的に後期肥大は緩慢となり雨天続きのため薬剤撒布も充分出来ず、疫病の発生がやや多目となり、茎葉の枯凋も早まり、加えて軟腐病の発生等もあって、いもの腐敗が目立ち被害の増大によって作況指数は低下する。」こういうことが、十月三日札幌において、十月一日現在として実は資料が出されておるわけです。そうしますと、当然、八月十五日現在の百八十二万四千トンなる予想収穫は、十月一日の時点においては相当下回る数字が出るということは言うまでもないわけでございますが、先ほど統計調査部長の報告によりますと、わずかではありますけれども、八月十五日を約二万三千トン程度上回る数字というものが報告されたわけでございます。そうしますと、現地において担当の地方事務所が、八月十五日以降の作況というものは相当大きく変化する、作況指数は低下するということをわれわれ調査団に説明しておきながら、本日の報告が若干でも上回るということに対しては、了承できないことであります。先ほど久我部長は、このような統計調査上の作況指数等が価格決定上に悪用されることは遺憾であるというような趣旨の発言をされたわけでございますけれども、これによると、むしろ統計調査事務所自体が、今度の十月一日現在の作況というものは、農安法に基づくイモ類、でん粉等の価格決定に対して影響がある、関係があるということを念頭に置いた政治的な報告をしたというふうにもわれわれは考えざるを得ないわけでありますが、この間の事情について、統計調査部長から具体的な説明を願いたいわけであります。
○久我説明員 ただいま芳賀委員から御質問がございました点について申し上げます。 実はお聞きいただきましたように、作柄がだんだん下がっておるということは、これは間違いでないのであります。ただ、ただいま申し上げましたように、総収量が上がりましたのは、実は八月のときには、面積調査が十分できませんので、いつも前年の面積を使っておるわけでございます。それに対しまして、今回の十月のときまでには、これは全国でございますが、夏作の作付面積が明確になります。そこで、それを使用いたしますことから、北海道におきまして約八千ヘクタール弱の面積が昨年より増加しております。したがいまして、総収穫高としては多少ふえておるかっこうになっておるわけでございます。しかしながら、この作柄その他につきましては、われわれといたしましても、十分先生のおっしゃっているような点は注意をして調査をさせております。 なお、北海道につきましては、関連して申し上げますと、ことしの冷害の影響等も、地域によって非常に差が出ております。特に帯広や北見になりますと、相当に下がっておる。それに対して函館などの道南の地区は、八月に見ましたよりもちょっといいかという程度になっておるというようなことでございますけれども、全体といたしましては、先生のおっしゃるように作は下がっておるのでございますが、調査をいたしましたときよりことしの面積が伸びておりますので、総収穫高が前回より多少上がっておる、こういうことでございます。
○芳賀小委員 その面積の点についても、これはこの資料に載っておるわけでありますが、北海道全体の三十九年の作付面積は、総体において九万一千五百ヘクタールということになっておるわけです。これは前年度と同様ではなくて、昨年度の統計調査部の発表による作付面積は八万五千ヘクタールということになっているわけですから、すでに八月十五日現在においても、前年に比べて約六千五百ヘクタール作付面積はふえておるということが明らかになっておるわけであって、決して前年度の作付面積を八月十五日現在で採用したということにはならないと思うわけです。
○久我説明員 先生に現地でどういうふうに御説明いたしましたか、 私もよく存じておりませんが、ただいまちょっと持ち合わせておりませんが、八月十五日にはまだ北海道では面積がわかっていないはずだと思います。先生に申し上げましたのは、その新しく固まりました九万一千五百ヘクタールという作付面積ではないかと存じます。この点は調査をいたしますが、今年全体といたしまして、作は確かにおっしゃるように悪くなっておりますけれども、前年対比でございますと、指数で九八くらいに見ておるわけであります。したがって、思ったほどひどくなかったということは言えるかと思いますけれども、それにいたしましても、九月二十八日の結氷、これは十月一日でございますから、ちょっとまだ入れられないのでございまして、先生のおっしゃるような今後の見通しということになりますと、十月十五日に北海道庁とわれわれのほうと同日に冷害の調査をいたします。その調査を待ちませんと確定的なことはわかりませんけれども、作が下がりぎみであるということは、われわれも決してわかっていないわけではございませんし、それからおそらく先生にお話をいたしましたのは、あるいは私の記憶違いかもしれませんけれども、正確になった面積を特に御説明申し上げたのではないかというふうに思っております。その点はもう一回調べてみます。
○芳賀小委員 これは相当精密な資料が調査団には用意されて配付されたのです。この配慮はわれわれとしても非常に尊重しておるわけですが、ただ、この春まきバレイショの場合は、春まきバレイショ予想収穫高八月十五日現在というので、これは札幌、北見、函館、帯広の四事務所の作付面積、十アール当たりの収量、予想収穫高、作況指数等もそれぞれ明細に出ておるわけです。そのトータルが北海道においては九万一千五百ヘクタール、十アール当たりの平均収穫量が千九百九十五キログラム、予想収穫高が百八十二万四千トン、作況指数は一〇〇、こういうことになっているわけですね。ですから、われわれとしてはあくまでもこのとおり受け取れば、八月十五日現在ですでに作付面積等についても現況が十分把握されておる、これ以降の変化というものが面積の面であったというふうには考えられないわけです。しかし、統計の業務というものは、政治的に数字を左右するというようなことは、現在の久我部長のもとにおいてはやらぬというふうに私は信じておるわけです。しかし、現地報告と本日の報告された数字が予想として違っておるという点だけは、どこにその食い違いがあったかということを後目十分調査をして、その結果というものを報告してもらいたいと思うわけであります。 それから次に、政務次官にお尋ねしておきますが、すでに農林省がカンショ及びバレイショの価格あるいはでん粉の政府支持価格については一応算定の作業を終わって、その方向というものは、前年度よりもカンショ、バレイショについてもでん粉についても価格を下げるという案を用意して、現在大蔵省とその線で折衝中であるというふうにわれわれは聞いておるわけでありますが、もしそうだとすれば、昨年度の価格よりも下げることを農林省がすでに考えて用意して、理由なしにいつでも下げようとする大蔵省と折衝しておるということになると、何もわざわざ小委員会を開いてここで論議をする必要はすでにないと私は考えておるわけでありますが、その点はどうなんですか。
○舘林説明員 農安法の規定に基づきまして、やはり前年どおりの算定の方式によりまして一応の案を立てておりますが、先ほど赤路委員からも御質問がありましたように、いわば法律上の行政的な価格として出しておるわけでございます。しかし、もちろん、その他の経済事情というお話もありましたが、いまお話しのように、せっかく開いているでん粉小委員会の意見等も十分参酌いたしまして、今後交渉したいと思っております。
○芳賀小委員 私が聞いておるのは、すでに農林省においては農林省案というものの算定作業を終わって、そして大蔵省と折衝段階に入っておる。その折衝に用いておる農林省案なるものは、カンショ、バレイショあるいはカンショでん粉、バレイショでん粉等についても、昨年の政府の告示価格よりも下回った原案というものを用意して、大蔵省と折衝しておるということを私は聞いておるわけですが、そういうことであるならば、去年よりも値段を下げるために何もわざわざ農林委員会の中に小委員会を設ける必要もないし、小委員会に対してそういう算定の内容というものを明らかにしないで大蔵省と交渉を進めておるということであれば、この小委員会は意味がないのです。そこでお尋ねしたい点は、去年よりも下回る数字というものを用意して大蔵省と折衝しておるらしいが、その点はいかがですか。
○舘林説明員 下回る、下回らないという意味じゃなくて、去年と同じような算定の方式に従って計算いたしたわけでございます。その結果、需給事情等のいろいろの影響関係がありまして、農業パリティのいろいろな値上がり要因もありますけれども、需給情勢等の関係から、若干下回るというようなことになっているわけでございます。しかし、それにつきましてはいろいろ見方もあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この委員会の御意見等も聞いて、十分に政治的に考えてみたい、私はかように思っております。
○芳賀小委員 この委員会は、これは農安法ができて以来、たとえば米価審議会にかわるような性格を持った委員会としての扱いをしておるわけです。ですから、毎年度価格決定をする場合には、政府側において農安法の附録算式に準じて計算されたいろいろな資料というものを委員会に説明して、それらをわれわれは検討の資料として、委員会で独自の方針というものを定めて、政府に対してもその方針が実現するように指摘あるいは鞭撻してきたのが、従来からの経過であります。ですから、もしも当委員会に全然具体的な資料を明らかにしないままに、しかも去年よりも下回る農林省案というものを策定し、用意して、大蔵省と交渉に入っておるということになれば、これはゆゆしい大事だと思います。これは何も当委員会に秘密にすべき問題ではないと思います。政府がこの附録算式に基づいて計算したもの、これは一様の算式ではないと思います。二様、三様の算式を用いた場合、ABCとしてこういうことになる、こういうことになるということを、毎年の委員会においては当局から説明をわれわれは徴しておるわけです。ですから、この間の事情を明らかにしてもらわないといけないと思います。
○舘林説明員 前年と同じ算式にいたしまして交渉中の問題につきましては、これから第二部長から御説明いたしたいと思います。第一案、第二案、第三案とあるわけではありませんので、去年も一つの案として確定したわけであります。最後におきましては確定したわけでありまして、その結果、カンショ三十円、バレイショ二十三円と出たわけでありまして、前年の計算どおりの方式ではこうなったということは、これから第二部長に説明いたさせます。
○芳賀小委員 その前に、大蔵省と交渉しておるというのは、どういう内容ですか。単に数字を用いない政治的な折衝ですか。去年同様にするか、下げるか上げるか、そういう政治的な話し合いをまず大蔵省と行なって、それから数字的な問題に入るつもりなんですか。そういうようなことは政府内部においては従来もやっておらぬ。これはやはり明確にしてもらわないと、一方において折衝をやっておって、農林委員会を目隠ししてそれを明らかにしないということは許されないと思います。これは正直にどういうものを基礎にして農林、大蔵間の折衝をやっておるのか、これはぜひ政務次官から明らかにしていただきたい。
○舘林説明員 何も秘密にしようということはありませんで、いま芳賀委員から御質問がありましたから、これから第二部長に説明させますと言っておるわけであります。
○芳賀小委員 それでは説明してください。
○岡田説明員 御説明いたします。 ただいま政務次官からお話のありました基準価格の問題につきましては、先ほど統計調査部長からお話がありましたように、一応生産量が出ておりますし、パリティその他も大体きまってまいっております。そういう関係から一応試算をいたしますとこういうことになるということで、試算をいたしておるわけであります。そういたしますと、従来の方式によりまして、パリティによるものと、それから生産費、需給事情その他経済事情を参酌してということによりまして、一応計算をいたしましたものは、カンショについては二十八円五十銭、それからバレイショにつきましては二十二円五十銭という計算が一応出たわけでございます。そういうことで、一応計算はそういう計算が出ますので、その計算についていろいろと話し合いをいたしておるわけでございます。
○芳賀小委員 でん粉はどうなんですか。
○岡田説明員 でん粉につきましては、そのカンショとバレイショの価格に対しまして、一応従来からの加工経費を加えまして計算をいたしました。そういたしますと、カンでんにつきましては千六百十五円、それからバでんにつきましては、製粉につきまして四十五キロ二千百十円ということになります。未粉は二千六十円でございます。
○芳賀小委員 念のため、昨年度の決定数字を、比較する関係もあるのでちょっと述べてください。
○岡田説明員 昨年度の数字は、カンショにつきましては三十円でございます。それからカンでんは千六百八十円でございます。バレイショにつきましては二十三円でございます。それからバでんにつきましては、米粉が四十五キロ当たり二千百円、それから製粉につきましては二千百四十五円という数字になっております。なお、カンショ切り干しが落ちておりますが、カンショ切り干しにつきましては、先ほどの計算をいたしますと千七十円ということになります。現行の価格は千百十円でございます。
○芳賀小委員 そうすると、この数字で大蔵省と折衝しているのですか。
○舘林説明員 とにかくこの算定の方式は、くどく申しますように、法律に規定してあるとおりでございまして、前年どおりやったわけでございます。そしてこの数字が前年どおりの法律に甚づく方式によって算定した数字であるけれども、これについてはなお各般の事情等も考慮いたしまして考えなくてはいけないという音加味を含めまして、交渉しておるわけでございます。
○芳賀小委員 ですから、農林省当局がすでに大蔵省と折衝に入っておることは、これはもう関心を持った当委員会の委員諸君はみんな知っておるわけであります。ですから、その場合、昨年よりもこのように下回った数字で大蔵省に折衝しておるということになれば、大蔵省が全面的にこれを了承した場合においても、結果は昨年よりもこのように下回るという決定しかなされぬわけですね。従来の経緯を見ると、宮崎主計官もおられますが、農林省原案というものがそのまま通るということは、これはなかなか容易なことではないわけです。ある場合には、政治的な圧力と言っては変ですが、政治的な判断等で、これはこのようにきめるべきであるというような、そういう方針もこれに加わって、従来はきめておるというような経緯があるわけですから、農林省がこの案を持ち込んでいった場合、大蔵省としてこれ以上にするなんということは、全然ないとは限らぬが、あり得ないと思うのですよ。そうなると、これはゆゆしい問題になるのです。去年どおりに計算したからこうなったといったって、それは説明にならぬと思うのです。
○舘林説明員 私は必らずしもそうは思わないのでございまして、たとえば米価の決定等におきましても、一応農林省としてあるいは政府案として出されたものよりも、相当上回った価格で決定されております。いろいろ価格の決定についてはありましょう。たとえば農林省が、一応従来の方式に従ってこうだ、しかし、それについてはいろいろの事情があるから、こう上げていただきたいという交渉のしかたもあるわけでございます。必ずしも農林省がこれだけ要求するからそれあるいはそれ以下できまるということはないと私は思っております。
○芳賀小委員 それでは農政をあずかる農林省として、どうして去年よりも下げるという根拠なんですか。計算なんというものは、数字を先に出して、あとは逆算すればいいのですよ。従来そういうことをやっているのですからね。良心的に積み上げた結果がこうなったなんということは一回もないのですよ。想定した価格というものを先に打ち出して、それを今度は逆算して、いかにも附録算式に当てはまったような、そういう算定の作業をしているというのが従来の経過です。これは政務次官といえども否定できないと思うのです。だから、そうなれば、この数字を何のためにまず取り上げて逆算しなければならぬか。しかも去年の据え置きではなくして、むしろ去年より下げなければならぬという理由が、農政を担当する農林省として、どこにその理由があるかということを、この際明らかにしてもらいたい。これは農林大臣が出席すべきですが、きょうは山村新治郎君の葬送の日にあたっておるので、出席できないのもやむを得ないと思いますが、これはゆゆしい大事ですよ。
○舘林説明員 芳賀委員は何かそこを誤解しておられると思いますが、私は、また農林省といたしましても、今度のカンショの価格を前年より下げなければいかぬとは何も考えていません。むしろ、いろいろの情勢から、またたくさんの陳情もきておられますし、国会議員もたくさん陳情されている。当然、私はとにかく前年据え置きあるいはそれ以上ということを考えているわけです。農林省自身もそう考えているわけです。ただ、農林省というような行政官庁といたしましては、やはり法律の規定に従って算定するということは当然のことでございまして、逆算なんということは何もやっていない。先ほど申しましたように、需給の詳しい計数、生産費のパリティ、農業のパリティ、さようなものを考えてやったことが、結果においては二十八円五十銭になったというわけであります。
○芳賀小委員 では下げなければならぬ要素というものを説明してください。農安法には何も書いてないでしょう。昭和三十九年度のイモ類やでん粉は前年よりも下げなければならぬということは、法律に書いてないでしょう。ありますか。そういうふうなことが書いてあればやむを得ないです。法律の明定した事項によって行政庁が行なうということは、これは当然なやり方であるが、農安法のどの条項を調べても、三十九年度のイモ類やバレイショのでん粉は前年よりも下げるなんということは、どこにも書いてないじゃないですか。だから、あるとすれば、算定の要素というもの、下げる要素というものをどういうものを用いたかということ、これは政治的な答弁じゃだめですから、岡田第二部長から説明してもらいたい。どこに下げる要素があるかということです。
○岡田説明員 それでは申し上げます。 一応附録算式で計算いたすことになりますと、供給量というものをきめまして、それで前三カ年の生産費の平均に供給量のパリティをかけまして、それから供給関係の数字をかけまして、それで一応出すということになるわけでございます。パリティは一応きまっておるわけでございますが、三十九年度の供給量というものは、現在政府が保管団体に保管さしております数量が五万トンあるわけであります。それから日本ぶどう糖工業協同組合に持たしておりますものが三万トンあるわけでございますが、そのほか政府が買い上げているものが二万五千トンあります。こういうものが一応現在三十九イモ年度の供給量になることを考えまして、供給量を計算します。そういうことにいたしますと、先ほど申し上げましたような二十八円五十銭という数字が出るわけでございます。
○芳賀小委員 だから下がるのですよ。いいですか。あなたはこの間なったばかりだから……。この十年間にわたって、たとえば政府の手持ちでん粉あるいは農安法に基づく調整保管団体が一応凍結しておる、そういう数量を価格決定上に供純量として用いたことは、過去十一年を通じてどういうことになっておるかという点なんです。これは政府としては当初相当大量にカンショでん粉等の買い入れをやった年度もあるわけだからして、その場合、いまあなたが言われたとおり、政府が保管しておる手持ちでん粉あるいは調整保管の数量等を全部この決定年の供給量に入れようとしたことがあるのです。しかし、われわれとしては、それでは慶安法の意味がないじゃないか、農安法というものは、需給関係を見て、そうして供給が過剰になるような傾向というものは、価格というものを引き下げる最大の要素になるんだからして、それを避けるためには、農安法の目的に沿って、一定数量というものをこれを流通面から隔絶して、そうして正常な需給均衡の状態というものを市場に及ぼす、そうして政府が意図しておる価格というものを最低限にささえるというところに、農安法の目的があるわけであって、その凍結し隔絶するために、政府が買い入れ、あるいは団体が次の時限で買い入れを予想している。保管しておるものを全部これを供給量に入れるということになれば、何もこれは農安法の必要はないじゃないですか。そういうことを過去においても当委員会は指摘して、その後、こういう間違った、農安法の趣旨に反したような需給関係の計算というものは、やるべきでないということで、自後用いないということになっておるわけです。しかし、経過的には、その保管量の二分の一の数量とか三分の一の数量を勘案したという年度はあるけれども、原則としては、この凍結した数量というものは決定年の供給量には見ない、こういうことで今日まで運営されておるのです。十万五千トンまるまるカンショの供給量に見るということになれば、これは下がるのはあたりまえですよ。こういう間違ったことをやるからいけないのです。これは岡田さんがまだ部長になったばかりだから、追及するわけではないのだけれども、少なくとも部長とか局長というクラスは、担当の部門がかわっても、その日から間に合う有為な人材が農林省には多士済々なわけだから、きのうかわったからわからぬとか、こういう間違いをおかしたなんということは、これは理由にならぬわけです。こういうのは当然削除すべきだと思いますが、いかがですか。過去の経過を見れば、全部わかりますよ。
○岡田説明員 ただいまおしかりをこうむったわけですが、私も部長になりましてまだ間がないものですから、はなはだ不十分な点が多いと思いますので、御了承願いたいと思いますが、一応計算をいたします場合に、農安法の規定では、要するに、先ほどお話がありましたように、一条に目的が明示してありますけれども、そういう範囲内において一つの需給安定価格というふうに考えられておると思うのでございます。そういうことから考えまして、現在在庫がありますものが、これが今後来年度にどのように売却されるかということは別にいたしまして、その存在する量というものは、やはり需給の価格にある影響を及ぼすことは明らかでございます。そういうふうな点から、一応政府が持っておりますものも、需給の計算として考えます場合には計算をいたして、それから価格をはじくというのが、一応の計算方式ではなかろうか。企業の場合におきましても、やはり在庫量というものが、年度末の計算、翌年度に繰り越す場合には、在庫量も全部入れて計算するということになるわけでございます。そういう意味から申しましても、一応国全体の全部の商品の需給の計算ということから生ずる価格というものを計算する場合には、それを入れるのが妥当なのではなかろうかというふうに実は考えたわけでございます。過去においてもそういうふうなことはあったというふうに聞いておるわけでございます。
○芳賀小委員 過去にそういうインチキをやったことをわれわれが発見して、そういうことをやることは農安法の精神に全く背反する、それでは何も農安法の必要はないではないかということで、それはやらないということになったのですよ。ただ、長い十年の間ですから、たとえば昭和三十九年度のイモ年度において、政府の先般買い上げた数量とか、それから従来から保管した数量等については、一年間の需給の見込みというものを立てて、どうしてもこれは供給が不足であるというような場合には、当然政府手持ちを計画的に放出することは必要なことになるわけですからして、そういう場合には、明らかに予見される政府の放出しなければならない数量等については、これは供給量の勘案事項として用いたことはあるが、しかし、全量を供給量として認めるということになれば、これは放任しておることと同じことですからね。そうでしょう。これは十万五千トン全部来年度しゃにむに放出するという考えですか、そうじゃないでしょう。
○岡田説明員 その点は、全部放出するという考えではございません。一応の需給の計算の基礎といたしまして、十万五千トンというものを供給の計算の基礎に置いているということでございます。
○芳賀小委員 だから、それが大きな間違いなんですよ。これは完全に凍結しておいても、政府がたとえば十万トン手持ちがあるということになれば、それは市場に対しては潜在供給力として、いろいろな面で、保管がこれだけあるということだけでも、市況には響いておるわけです。それにもかかわらず、今度はこれだけ供給するぞということになれば、これはもう最初から価格に水をかけて、極端に値下がりを誘発するということにしかならないと思うわけです。この点は、過去十年間にわたり毎年度いろいろな変化をたどって、適正な運用をするために当局も努力されたあとは、われわれも、長い間携わたっておるからわかるわけであるが、この点はぜひ間違いのないようにしてもらいたいと思うわけです。 それから先般の小委員会でもあらかじめ指摘しておいたわけですが、コーンスターチの生産量を、今度の算定の場合には、でん粉の供統一として用いてあるかないか、その点はいかがですか。
○岡田説明員 コーンスターチにつきましては、水あめ、ブドウ糖類にコーンスターチが出るというふうなことは考えておりません。それはでん粉の供給量ということで考えております。
○芳賀小委員 だから、供純量の中にコーンスターチの生産数量というものを織り込んであるか。織り込んであるとすれば、その全量の見込み数量であるか、一部であるか、そういう点を明らかにしていただきたい。
○岡田説明員 この計算方式の中に、コーンスターチの供給量というものは全然計算はいたしておりません。それは全部除外して考えております。これはイモ、イモから出ましたでん粉というものだけに限定をしておりますから、コーンスターチのことは全然考慮いたしておりません。
○芳賀小委員 それは算定の勘案要素、生産事情とか需給事情、経済事情、そういうどうでもなるような勘案要素をたくさん並べてあるので、それは有利にも不利にも使いようがあるのですが、そういう勘案事項としても、コーンスターチの数量は用いてないわけですね。
○岡田説明員 でん粉の需給の全体を見渡してみますときには、コーンスターチの生産というものが最近伸びてまいっておりますから、コーンスターチというものがある程度影響いたしておりますことは事実でございます。しかし、そうだからといって、そのコーンスターチの量をでん粉の価格の算定の基礎に入れるということはございません。ただ、全体的に経済事情を判断いたします場合に、たとえば最近の糖価の事情だとか、それから生産費の事情だとか、そういうものは考慮の要素にはなりますけれども、その際、需給事情等につきまして、コーンスの生産の状況というものは、もちろん経済需給の情勢に反映をしてきてはおりますけれども、そのもの自体を取り上げて考慮要素にしておるということはございません。
○芳賀小委員 いずれにしても、今年度においても、食糧庁の報告によると、大体十四万五千トンないし十五万トンの生産というものが予測されておるのです。それから、設備も相当また拡張されておるわけですから、明年度はおそらく見通しからいえば十八万トンあるいはそれ以上になるかもしれないわけです。これらは先般も指摘したとおり、この原料であるトウモロコシは完全に自由化になっておるわけですから、これを輸入規制ということは、いまの状態では政府としてもなかなか簡単にはできがたいと思うのです。だから、一面において、コーンスターチの生産形態というものは、原料の輸入自由化という形の中で無制限に伸びる。しかし、国内におけるでん粉の需要というものは、それを度外視して行なわれておるわけではないわけです。相対的にでん粉の総需要量の中で、あるいはそれに対する総生産量、供総量の中で、コーンスターチの占める数量、その割合が増大していけばいくほど、一面において国内産のカンショでん粉あるいはバレイショでん粉が圧迫を受けるということは、これは不可避的な現象だと思うわけです。ですから、こういう点は政府の政治の貧困に基因したことは、第二部長も同調できると思うのですが、こういう点を、全部生産者あるいは国内のイモ類でん粉製造業者にそのしわ寄せとか犠牲を転嫁させることは、政府としてはとるべきではないと思うのです。イモ類でん粉の製造業者がそういうことをやると言ったのではないのです。原因はそこにないのです。いまの自民党政府がそういうことをやっておるわけですから、その結果を農民に転嫁することはできないと思うのですが、この点はどうですか、政務次官。
○舘林説明員 農民に転嫁するということは、何ら自民党としても、政府も考えておりません。ただ、価格の決定にあたりましては、一つの筋道ではあるということでございます。もちろん、それにつきましては、たとえば先ほど芳賀委員から御指摘のありました持ち越し量をどうするかという問題がありましょう。さような問題につきましては、とにかく一応二十八円五十銭という価格としては出してはあるけれども、それにつきましては、いろいろな政治的な考慮を加えるという場合に十分に考えたいというのが私の趣意でございます。
○芳賀小委員 次に、歩どまりの状態はどういうふうになっておるのか、カンショでん粉あるいはバレイショでん粉の……。
○岡田説明員 歩どまりにつきましては、一応昨年度と同じように、カンシょでん粉につきましては二三・五%、それから、バレイショでん粉につきましては一六%ということで一応考えております。
○芳賀小委員 この歩どまりの問題についても、カンショ地帯は数県にまたがっておるから、最高の鹿児島県あるいは最低の千葉県等があるわけですが、平均的に正確にどうなっておるということは把握しがたい点だと思うが、ただ、北海道の場合、一六%というのは全くのでたらめですよ。先ほど私が久我部長に指摘したものは、北海道における統計調査事務所、これは食糧事務所も出席しているわけですが、ことしの北海道における冷害を誘発した半年間の気象条件、その中では、これはやはりでん粉歩どまりに非常に関係があるわけです。低温で多雨で温潤であるということになれば、そういう気候条件あるいは土壌の条件の中で、でん粉化を平年より高めることは、これはできないのです。こういう条件の年は必ず平年度よりも歩どまりが低下する。同じ品種のイモであっても、でん粉の含有量は低下するというのが、技術的に見ても間違いのない点なんです。、この点については、舘林政務次官は明日から北海道の冷害事情調査のために北海道におもむかれるので、まことに御苦労であります。これは現地に行ってごらんになれば直ちに明瞭になる点です。ですから、そういう点を、現地の事情を十分把握しないで、ことしは北海道のバレイショでん粉は歩どまりを一六%にしましたというふうに簡単に扱われては、これは非常に現地においては大きな迷惑になるのです。でん粉歩どまりを高くするということは、でん粉のコストを下げる最大の要素になるわけですからして、こういう点はもっと的確な資料を集めて、誤りのないようにしないといかないと思うのです。どうでしょうか。
○岡田説明員 ことしできましたものにつきましての歩どまりがどうなるかということは、もちろん、いまのところちょっとわからないわけです。それで、過去の実績だとか傾向だとかいうことから判定せざるを得ないと思うのでございますが、過去の数値から見まして、大体一六%ということでいいのではなかろうかという判断をいたしておるわけでございます。過去三年の実績をとりましても、これは一六%ということになっておりますし、傾向的に見まして、一六%ということでそう狂いはないのではなかろうかと判断をいたしております。
○芳賀小委員 それは大量のバレイショの中には、一部一六%の歩どまりのものもありますよ。しかし、全体を平均して一六%あるということにはなっていないのですからね。われわれ調査団がたとえば空知から十勝、網走、上川、留萌、宗谷、まあ石狩、空知管内はそれほどバレイショの耕作はないのですが、十勝管内とか網走支庁管内あるいは上川支庁管内、留萌、宗谷管内、これは北海道においてもバレイショの主要な生産地帯ですが、冷害事情を調査した場合においても、収量についても、平年に比べて大体各地とも二〇%くらいの減収である。でん粉の歩どまり等については、大体ことしは一三・五%ないし一五%程度の間であるということです。特にわれわれは上川支庁管内の音威子府村における常盤農業協同組合のでん粉合理化工場に立ち寄って、でん粉の生産状態というものをつぶさに調査してきておるわけです。このでん粉工場においても、これは一日六十キロにして三千俵くらいのバレイショを処理しておる、中型ではあるが、相当合理的なでん粉工場である。ここにおいても、昨年度よりもでん粉歩どまりは非常に低下しておる。大体一三・五%ないし一四%くらいしか回収できないということを、ここの組合長はわれわれに説明をしておるわけです。ですから、ことしのことはわからぬといって、ことしの値段をわからないままにきめるというのは、これは危険千万なことになるわけです。だから、こういう点、もう少し厳密に今年度生産されるバレイショのでん粉含有量はどうであるかということを、これは北海道にも随所に食糧庁の出先の食糧事務所あるいは出張所があるわけですからして、現地の確認を十分やってもらいたいと思うわけです。しかも昨年のバレイショの基準価格の二十三円というのは、これはでん粉歩どまり一五・五%のものを二十三円ということにしておるのですから、ことしは一六%を基準にするなんていうことになると、これは去年よりもまだ不当に改悪するということに当然なると思うわけですからして、こういう点についてはもう少し慎重な検討が必要と思いますが、いかがですか。
○岡田説明員 一応まあそういうことで計算をいたしております。先ほど申し上げましたように、ことしのこれをどういうふうに見るかという問題でございます。したがいまして、どのような形で考えたらいいかというのが問題になるのでございますが、従来からの調査に基づきますと、合理化工場等はかなり高いものもあるわけでございます。そういうふうな一応三カ年の実績を見ましても、一六%より商いものもあるわけでございます。そういうふうな点から、一応一六%ということで妥当なのではなかろうかという推定をいたしておるわけでございます。十分検討はいたしますが、そういうふうな考えで、いまのところ一六%ということを採用したのでございます。
○芳賀小委員 宮崎主計官は省議のため退席したいということですから、一問だけ宮崎さんに聞いておきますが、ことしのイモ類でん粉の価格決定は、これは相当重大な関心の的になっておるのです。決して大蔵省に政治的判断でものをきめろとはわれわれ言いませんが、しかし、昨年よりも下げなければならぬというような、そういうばかげた考えで農林省と折衝されるということになれば、これは非常に重大な結果が生まれてくると思うのです。最近われわれが見ておると、農林省もかまどは大きいけれども、大蔵省に対しては全く萎縮したような態度で、言いたいことも言えないというのが、あなたから見た場合もその実情だと思うのですよ。ですから、ことしは事もあろうに、農林省の原案を去年よりも下げて大蔵省と折衝を開始したことは、まことにこれは許しがたいことなんだが、いま赤路委員並びに私が要点をいろんな角度から指摘しておるわけですが、こういう事情等についても、十分これは判断の資料にして、当然決定する場合には農林大臣が定めるわけでありますが、しかし、財政当局と十分合議が成立しなければこれは決定できない点ですから、この点については、従来と違った姿勢で、十分熱意を持って決定に協力してもらうように私から申しておきますが、どういうお考えでしょうか。
○宮崎説明員 先ほどから御議論を拝聴しておりまして、農安法の運用につきまして、先ほど政務次官からもいろいろお話がございました。赤路委員からも御指摘がございましたように、やはり実際の需給状況というものが市況に大きく影響いたしますし、価格が変動いたしておるという姿になっております。この農安法による価格の、安定措置というものが、そういった実際の経済の動きというものと矛盾なく動いている、しかも農業者の所得の維持という面に寄与するように運用していくという、いわば非常にむずかしい制度である、こういうふうに私どもは考えております。したがいまして、従来の例を見てまいりますと、やはり政府が買い上げをするとか、あるいは調整保管をしなければならぬというような事態になりまして、相当のストックを持つというようなときには、どうしても基準価格も下がっておるというような運用になっております。今回も先ほど二部長からも御説明がございましたように、政令算式によって計算をいたしてまいると、これは下がってまいるということになるわけでございます。私どもの立場といたしましても、やはりこの法律の趣旨に従ってやっていくとすれば、今回のような時点には下がることもまたやむを得ない場合もある、こういうふうな考え方で実はやっておるわけでございます。もちろん、農業全般の問題から見て、これを耕作しておる農民の方の所得はどうかというような点も、私どもももちろん十分注意を払わなければならぬことは承知しております。ただいままだ折衝中の段階でございますので、大臣にも御意見の点をよく申し伝えるようにいたします。
○芳賀小委員 次に、ことしのでん粉の生産費、いわゆる加工賃等の面については、もちろん、労賃の値上がりとか物価の上昇等の条件が、いずれもこれはコスト値上がりの要素になっているわけです。でん粉の製造経費等については、当然これは去年と同様というわけにはいかないと思う。あるいはまた生産費から差し引く副産物収入等についても、最近の実情からいうと、でん粉かす等は、政府として相当これを高目に評価して、副産物収入とみなしておったわけですが、最近の実情は、そういうものは価値としてあまり計算すべきものでないということにもなっているわけです。その間の製造経費あるいは副産物収入の関係は、前年に比べてどういうような計算を進めておるわけですか。
○岡田説明員 製造経費につきましては、毎勤の食料品工業の調査を見ますと、人件費というものは若干上がっております。しかし、日銀の卸売りの物価指数を見ますと、これは下がってきております。そういう関係から、生産財とか資本財につきましては、やや価格が下がり、それから人件費につきましては若干値上がりをするというふうな形で、全体的に見ますと、大差がないというふうなことになっておるわけでございます。したがいまして、現在きまっております加工費でやっていきたいというふうに考えたわけでございます。
○芳賀小委員 以上で要点だけを私はただしたわけですが、いずれも不当に値下がりを企図したような要素を使っておる。当然製造費等は、一般製造工場における商品にしても、とにかく物価が値上がりしておるということは、それはやはり製造経費の面についても人件費を含めて値上がりしておるということになると思う。物価がどんどん値上がりをして、製造のコストは据え置きということになると、その間の膨大な利潤というものは一体どういうふうに処理されておるかということにもなるわけですが、でん粉製造の実情というものは、一部にはごく少数の合理化された製造設備もあるが、ほとんど大部分は原始的な、時代離れをしたような零細工場が非常に多いわけです。だから、そういうところに合理化が進んだとか、コストダウンが行なわれたということには、なかなか一年くらいの間になっていないと思う。だから、こういう点は、やはり製造経費等の面は、当然コストとしてこれはかかっておる経費ですから、それを否定するような算定というものはとるべきでない。こういう問題についても、どうも今回食糧庁が附録算式に基づいて忠実にやったといっても、全くずさんきわまると思う。端的には、でたらめな計算を出して、ことさらに去年よりも価格を下げるような意図で作業を進めておるということは、われわれとしては全く了承できがたい点です。ですから、きょうの委員会のいろいろな指摘事項というものを念頭に入れて計算をし直した場合は、一体どういうことになるか、おおよそでいいですから、これはどうなりますか、当然前年を上回るようなことになると思いますが、そうならぬですか。
○岡田説明員 いま御指摘がありました点が、主として歩どまりの問題と、それから製造経費の問題、それからその前に供給量の問題があります。そういうものをどの程度考慮するかということによって非常に違ってまいるわけでございます。したがいまして、その数量がきまりませんと、幾らになるかという計算はちょっとむずかしいと思いますけれども、みなそれらの要素が価格をつり上げる要素になるわけでありますから、少しでも動かせば少しずつ上がっていく、こういうことになることは明らかだと思います。
○芳賀小委員 あなたは正直なことを言うじゃないですか。それはそうですよ。でん粉を十万五千トン供給量から引き去れば、これは相当の需給関係上の変化が出ますから、当然値上がりになると思います。それから歩どまりが実情に沿わぬということで、それを実情に沿うように歩どまりを下げれば、また値上がりの要素に当然なるわけです。製造経費についても、かかった分だけを計上すれば、それはそれだけでん粉の価格というものを上げなければならぬ。この重要な点をあなたのほうは逆にこれを無視したり、または採用していないわけですから、自分のほうで値段を下げるような要素だけ過大に取り上げて、当然上げなければならぬ要素というものを採用しないということは、農安法の精神からいっても、附録算式の規定からいっても、これは妥当でないと思うのです。ですから、これはすみやかに良心的な計算をもう一回やり直して、その結果が去年よりも相当上回るということであっても、それをもって当然これは大蔵省と折衝をすべきであると私は考えるわけですが、政務次官のお考えはいかがですか。
○舘林説明員 カンショ、バレイショの基準価格の決定につきまして、私たちの説明した以外に加工費の問題とか、あるいは歩どまりの問題あるいはまた持ち越し量の取り扱いをどうするか、最も重要な問題につきまして御意見拝聴いたしました。先ほどからくどく申し上げますように、われわれといたしましては、なるたけ安く安くという意思は全然ないことだけはひとつ御了承願いたい。ぜひひとつ、いまのような問題を再考いたしまして、生産農民の御期待に沿いたいと思います。
○芳賀小委員 小委員長に申し上げますが、まだ質疑通告があるかもしれませんが、価格決定が目睫に迫っているわけですから、当委員会として何らかの結論を出す必要もあるのじゃないかと考えるわけですが、小委員長においてはどのようなお考えをもっておられますか。速記を一時中止してみんなにはかってもらいたい。
○倉成小委員長代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○倉成小委員長代理 速記を始めてください。 この際、おはかりいたします。 本件に関する小委員会の報告につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成小委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十五分散会