P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
46回国会衆議院1964/09/30

農林水産委員会でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号

発言数
79
登壇者
9
会派数
2
開催日
1964/09/30

会議録

野原正勝自由民主党

○野原小委員長 これよりでん紛等価格対策に関する小委員会を開会いたします。  このたび私が小委員長に指名されましたので、よろしくお願いいたします。  でん紛等価格に関する件について調査を進めます。  この際、昭和三十九年度産カンショ及びバレイショの原料基準価格並びにでん紛及びカンショなま切り干しの政府買い入れ価格に関する問題について、食糧庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。齋藤食糧庁長官。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 三十九年産のでん紛の価格を決定する時期がまいったのでありますが、その前に、本年度におきますカンでんに対します措置につきまして、まず概略申し上げたいと存じます。  三十八年産のカンショでん紛におきましては、出回り当初におきまして砂と糖の一般的な高騰が影響いたしまして、甘味類一般に価格が比較的好調であったわけであります。でん紛価格につきましても相当高い市況が続いたのでありますが、ことしの二月ないし三月以後から価格が漸次低落するに至りまして、六月ごろになりますと、政府のカンでん価格に対する支持価格に接近し、あるいはそれを割るというような事態が生じてまいったわけであります。  そこで、それに対処いたしまして、カンでんの政府の買い入れ措置を講ずることにいたしまして、現在三十九年度予算におきまして計上しております経費をすべて使いまして、約二万五千トンのカンでんの買い入れ措置を行なったのでございますと。その後の市況も、必ずしもこれによって回復を見ず、また、でん紛の需給関係におきましてもなお過剰が見通されるに至りましたので、約五万トンにつきまして、調整団体、つまり全販連、全澱連系統におきましてこれを調整保管するという措置をとりまして、これに対しましては金利、倉敷を助成する、こういうことにいたしたわけでございます。  カンでんに対する措置といたしましては、以上のような措置をとったわけでございますが、同時に、糖価の一般的な低落というようなことが影響いたしまして、当初予定いたしておりましたカンでんを原料とするブドウ糖の市況もまたくずれてまいったような次第でございまして、したがって、当然通常の場合においてはブドウ糖企業においても原料のカンでんを購入すべき状態にもかかわらず、これが買い得ないというような状況になってまいりましたので、ブドウ糖におきましても、さらにブドウ糖の生産量として二万五千トンに必要なでん紛約三万トンをぶどう糖工業協同組合におきまして共同買い入れをするという措置をとりまして、これによって生産されたブドウ糖については、これは一定期間保管する、そして、これに対する金利、倉敷の助成をするというような異例の措置をとってまいったわけでございます。  本年度の状況といたしましては、出回り期を控えまして、一般的に甘味類の市況は必ずしもよいという状態ではないわけでありまして、昨年度に比べれば相当下回っているというふうな状況に相なっておるわけでございます。そこで、われわれといたしましては、一面、このような糖価に対応して、でん紛あるいはブドウ糖等についての今後のあとり方等につきましても検討を進めておるところでありますが、同時に、十月末までには、法律におきまして、農安法に基づいて最低価格あるいはでん紛の基準価格をきめるということに相なっておるわけでありますので、目下それを早急にきめたいということで作業を進めておるような次第でございます。  第一回の作況は大体判明いたしておるわけでありますが、全国的な予想収穫高が、統計調査部の発表によりますと十月十五日ということになっておるわけであります。しかし、われわれとしては、できるだけ早い機会にきめたいという考え方を持っておりますので、これらの資料も集まり次第、公表を待たずにできるだけ活用して、農安法に基づく価格算定要領によって価格の算定を進めてまいりたい、こういうことで、目下それに関連いたしまする数字の収集と、それから他の糖価等の関係からの検討と、両方をいま進めておるという段階でございます。できれば中旬ぐらいまでには早くめどをつけたい、こういうつもりで、いま鋭意努力いたしておるようなわけでございます。  以上、簡単でありますが、御報告いたします。

野原正勝自由民主党

○野原小委員長 以上で説明は終わりました。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。藤田義光君。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 ただいま齋藤食糧庁長官から御説明がありましたが、私たちは、今回のでん粉、カンショなま切り干しの価格決定にあたりましては、農政全般から考えていただきたいと思います。去る七月十日に決定いたしました米価は、農業基本法第一条が意図する、ほかの産業との所得の格差解消へのきざしを見せたと私は考えております。でん粉、なまカンショ等が農家収入の非常に重要な一翼をになっておることは、御案内のとおりであります。特に熊本、鹿児島、宮崎をはじめとする後進地域、しかも畑作地帯の主要作物でありまして、この価格決定いかんは、米価によって示されました政府の農政に対する意欲をまた逆戻りさせる危険があるということを私たちは非常に心配いたしておるのであります。現行の農産物価格安定法は、農業基本法ができる八年前の昭和二十八年の施行であります。したがいまして、この価格安定法が現時点において現状に即しません。われわれはかねて非常な不満を抱いておるのでありまするが、現在においては早急な改正も望めませんので、この現行法のワク内において最大限に農業基本法の目ざす方向に向かって結論を出すべきである、私はそのように考えておるのでありますが、ただいま食糧庁長官の御説明では、資料の収集、糖価の動き等を中心に作業を始めているということであります。私は、本問題は食糧庁内の純然たる行政として考えてもらいたくない。一番政治の盲点といわれる農業政策の一環として大所高所からこの問題に取り組んでいただかないと、事務的に考え過ぎて結論を出しますと、また政党との段階において大混乱を来たすということを憂慮いたしておるのであります。  そこで、まず第一にお伺いいたしたいのは、政府買い入れ価格の算定にあたりまして、物価、賃金との関連を十分勘案して決定されると思いますが、この点に対しましては、どういう資料でどの程度、米価決定にあたり参酌された資料程度のものを勘案されるのか、あるいはその後の情勢も考慮して原料基準価格を算定されるのか、その点をお伺いしたいと思います。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 御承知のように、農安法におきます価格のたてまえといたしましては、大体過去三カ年の取引基準価格にパリティ価格を乗じまして、それに三十九年イモ年度末におきまする需給事情をその中に織り込んで価格を決定するという方法をとっておるわけであります。十月にきめるということになりますと、例年でありますと、九月のパリティ指数を過去三カ年の取引価格に乗ずる、こういう方法をとっておりますので、最近におきまする物価、賃金の動向は、パリティ指数を乗ずることによりまして反映するわけでありますが、農安法におきます価格のたてまえは、御承知のように自由な市場取引価格があるという前提で、その下限価格をきめるというたてまえになっておるわけであります。したがいまして、米の価格と若干違う点は、需給事情がその中に織り込まれて市場実勢の下限価格をきめる、こういうたてまえをとっておるわけでございます。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 この作物は、いわゆる選択的拡大の論議を呼んだ重要な作物であります。特に自然的条件等によりまして、どうしても畑作地帯ではカンショ、バレイショ裁培から転換できないというようなやむを得ない条件のもとに、この種作物の裁培を続けておるのであります。粗糖の輸入自由化の際におきましても、この点は十分論議されまして、粗糖百七十万トンの輸入等によりまして直ちにこの種の国内作物の価格に影響を与えないという、相当詳しい答弁もあったやに記憶いたしておるのでありますが、長官の説明によりましても、粗糖の自由化というわれわれが憂慮した問題に関連して、今回の基準価格の問題が考慮されているようでありますが、自由化したあとにおいても、原料基準価格はある程度責任を持って保証するという政府当局の言明もあったように私記憶いたしております。  したがいまして、次にお伺いしたいのは、この年度末におきましてでん粉の需給関係はどの程度の余剰が出るかという見通しと、余剰でん粉については、全量買い上げにすることが絶対要件であると思うが、この予算措置は考えておられるかどうか、こういうことを聞いておきたいと思います。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 三十八イモ年度末におきまするカンショでん粉の需給でございますが、当年度の期首持ち越しはほとんどたいした量はなかったのでありますが、結局出回り総量と、それから本年度の需要量になるわけであります。三十八年度は三十七年に比べまして、出回り量といたしましては約十四万トン増加いたしております。それに対しまして需要量といたしましては、われわれの見込みでは、前年よりも四万トン程度逆に需要量としては減るであろうという予想を立てておるわけであります。そこで、年度末持ち越しといたしましては、先ほど申しましたように、政府の買い上げました二万五千トン、それから農業団体あるいは全澱連で調整保管しております約五万トン、これが期末の繰り越し在庫になるのではなかろうかというふうに思っておるわけであります。二万五千トンにつきましては、これは政府が買い上げておるわけでございますが、いまの調整団体で調整保管しております五万トンにつきましては、これは買い上げ予算を当然計上すべきではなかろうかというふうに考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 この基準価格の決定時期に関してお尋ね申し上げます。従来の実績を見てまいりますると、昭和三十三年、昭和三十四年には、大体十月早々に決定を見ておるのであります。市場出回りの現状から見まして、一刻も早く決定してやることが、農家のために非常に有利であると考えておるのでございますが、先ほど長官の御説明では、十月の中旬ごろ何とかきめたいというような御説明であったように考えております。作報事務所の報告も九月一日現在では出ておるようでありますから、できれば十月一日現在は、大体九月二十日ごろから作報事務所で資料を集めておりますので、技術的に考えましても、あと数日中にはこの資料が出そろうのではないか。おそくも来週中に、八日か九日までに何とか決定するということはできないものかどうか、お伺いしておきたいと思います。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 できるだけ早くわれわれも資料を集めたいと思っておりますが、それまでに決定できるかどうかは、各省あるいは党とのいろいろの折衝がございましょうから、それらの経過を見ましてきまるということになろうと思います。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 久我部長にお伺いしますが、十月一日の作報は大体いつごろまでに出そろうか、お伺いします。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 御承知のように、農林統計のやっておりますのは、全体でことしは流通統計も加えまして四百種類ばかりございます。そこで、年度の当初から、大体何月何日にどのような調査をするかということの計画を出張所ごとに立ててやっておりますので、そこで、調査の期日を大幅に動かすということはなかなかむずかしいわけでございます。かてて加えて、本年は台風二十号がちょうどまことにぐあいが悪い時期に参りましたので、そのほうの仕事も入っておりますために、ただいま申し上げましたように、大幅に動かすということはできないわけでございますが、しかし、たまたま流通統計の関係でテレックス装置等もできましたので、そこで、大体私どものほうの見込みといたしましては、来月の八日ごろまでにはある程度の材料が集まる、ここが精一ぱいのところではなかろうか、こういうようなことでございます。したがいまして、これをまとめますと、先ほど長官のおっしゃいましたような時期になるのではないかと思いますけれども、できるだけ、それも日でも二日でも早めるようにするように目下連絡をいたしておる最中でございます。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 久我部長の御答弁によりましても、八日、これをがんばれば、大体六日くらいにはまとまるのじゃないかというふうに、答弁から私は想像したわけです。長官として、八日の朝くらいまでには大体一応の基準価格の線が出せるかどうか、ひとつ、小委員会ですから、ざっくばらんにお答え願いたい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 いろいろの考え方で、幅を持ったものは常にやっておるわけであります。具体的な数字に基づいてぴしゃりこうだというようなものは、あるいは八日ごろにはできかねるかと思いますが、考え方とかなんとかいうものについては、いろいろ検討した幅のあるものとして、われわれの考え方がある程度述べられる段階になろうと思います。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 昨年の千六百八十円の線を維持することが精一ぱいであるとか、あるいは困難であるというちまたの情報が流れています。農林当局ではそのようなお考えではないと思いますが、生産者団体その他関係団体の要望は、最低の場合でも千八百円というような要望が出ております。舘林政務次官、ひとつ政務次官御就任後の最初の大仕事として、どの程度までお考え願えますか、お気持ちがありましたらお答え願いたい。

舘林三喜男自由民主党農林政務次官

○舘林説明員 先はどから、藤田委員からカンショの価格の決定については、米価と同じように農民の所得格差の是正という方向で、大所高所からきめるべしという御意見でございました。まことにごもっともでございますが、ただ、米と若干違いまして、やはり甘味資源全体の価格の問題と関連させなくちゃいけないことでございますし、また値段を幾ら上げましても、米の場合には、直ちにこれが配給の過程で消費者に流れるというわけでございますが、やはりある程度米と違いまして、自由市場の中に動いているものでございます。したがいまして、幾ら値段を上げましても、それが売買の対象にならないと、市場のルールに乗らなかったら何にもならないわけでございます。そこを実は農林省として苦慮している次第でございます。さような意味で、先般の当委員会におきましても、なるべく現在の価格に近い価格できめたいということを申し上げておったのでございますが、農民の切なる気持ちもございますし、また農政全般の方向から考えましても、大いにその点は考えなくちゃいけないことでございます。ぜひひとつ藤田委員の御質問のとおりに私といたしましては努力いたしたい、かような程度に考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)小委員 舘林政務次官から非常に誠意のある御答弁をいただきましたので、これ以上追及する必要もないと思いますが、実は私、この種の問題を考慮する場合におきましては、その会計年度内だけを考えるという従来の弊風をやめていただきたい。同じ農業基本法を実施しております西ドイツにおきましては、公社制度を採用いたしまして、何年でもストックして、市場価格が農民の期待する線まで安定するのを待つというような、非常に妙味のある農作物価格対策をやっておるという現実からしましても、ことし余剰でん粉が相当量出ましても、二年、三年かかってもやはり農家の期待に沿うような価格体制を打ち立てることによって、農政を軌道に乗せる、こういうふうな心がけでやっていただきたいと思うのでございます。去年の千六百八十円という一応の前例がございますが、その後の諸物価の高騰、高度経済成長のひずみ等の諸問題を考えますると、こういう線ではとてもわれわれは納得できない。相当思い切ってこの際、それは問題の性質は多少米とは違いますが、やはり農家経済をささえる、所得水準の非常に低いのにあえいでおる農民の救済という観点から、ぜひともひとつ思い切った措置をとっていただきたい、かように考えておるのでございます。時期に関しましても、ぜひともこの十月の上旬中には決定していただきたい、こういうことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。

野原正勝自由民主党

○野原小委員長 赤路友藏君。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 私のほうで質問したいのは、いま長官のほうから本年度の大体の考え方をお聞きしたわけなんですが、その中で少しお聞きしておきたいことは、現在の政府手持ちのでん粉が二万五千トン、それから農協とブドウ糖協会ですか、これのほうに保管さしておるものが八万トン、合計して十万五千トン、そのほかに民間で在庫しておるものがどの程度あるか、これが一点。  それから、いろいろ御説明があったようですが、ずばりひとつ、今期のでん粉の需要見込み量は何万トンになるのか、これに対応するでん粉の供給量は大体どの程度と押えておるか、これを量でひとつはっきりお示し願いたい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 政府手持ち以外の民間の在庫がどのくらいあるだろうかということでございますが、これはわれわれの承知いたしておりますところでは、大体先ほど申し上げた在庫量にみな包含されて、ほとんどないというふうに聞いております。  それから三十九年度のでん粉需給がどうなるかということでございますが、需給量といたしましては、最近、三十九年度におきます伸びは、三十八年度に比べて相当下回るのではないであろうか。三十八年度の需要を六十七万二千トンというふうに予定いたしておりますが、三十九年度においては約六十万トン程度になるのではなかろうか。これは価格の関係で、ブドウ糖がそれほど今後砂糖と競争して伸びるかどうかという点が一つと、それからいまひとつ、若干水あめ等に使用される原料カンショでん粉が、値段の関係でコーンスターチの原料に置きかわりつつある傾向が見られますので、そのようなことがまだ続くであろうというふうに思いますと、このほうの需要が前年に比べて減るのではないだろうか。ブドウ糖のほうは伸び悩み、水あめのほうは原料カンショでん粉がコーンスターチに置きかわるのではないだろうか。なお、そのほかに、たとえばビールであるとか、あるいはグルタミン酸であるとかいったようなものに従来カンショでん粉が使われておった分も、コーンスターチのほうに若干価格の関係で置きかわるのではなかろうかというようなことを考えますと、前年に比べまして、先ほど申し上げたように、でん粉需要量としては下がるんじゃないか、こう思っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 でん粉の需要量が下がる。そうすると、いまの長官のあれでまいりますと、大体三十六年程度の需要量ということになりますね。これは食糧庁のほうで、甘味資源の特別措置法のときに参考資料として出したものが、ちょうど三十六年度の消費が六十二万八千トンになっていますから、大体三十九年度のでん粉の使用量はこの程度、こういうふうな御意見のようです。それで、供給のほうはどの程度に押えておられるか。これは野放しになっておるわけなんですか。大体の点はわかると思います。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 生産の出回りのほうでありますが、先ほど申し上げました政府の買い上げております二万五千トン、あるいはでん粉の調整団体で保管しております五万トン、これを除きますと、さきに統計調査部で発表された九月一日現在原料イモの作況でございますが、それからでん粉の出回り量を推定いたしますと、六十六、七万トンではなかろうか。それに、先ほどもお話しのありました二万五千トンと五万トンのでん粉が在庫としてはつけ加わわる、こういうことになります。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 それではもう一つ、資料としてお聞かせ願いたいのですが、三十八年度の生産費調査はどうなっておるか、概略をひとつお示しを願いたい。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 第二次生産費で申し上げますと、三十八年度百キログラムあたりの第二次生産費は六百七十九円ということになっております。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 それでは私のほうからお尋ねしますから、それでひとつお答え願いましょう。  三十八年度のあなたのほうの生産費計算の場合の反収はどれだけになっていますか。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 二千五百六十二キログラムになっております。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 それから次に、百キロあたりの当価格は……。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 当価格とおっしゃいますが、価格でございますか。——それはちょっと手持ちの資料をいま持っておりません。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 そうすると、反当粗収益はどうなっていますか。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 反当粗収益は二万二千九百九十円となっております。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 そうすると、一日当たりの家族労働報酬はどの程度になっていますか。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 一時間当たりで出しておりますが、一時間で百七円八十八銭ということになっております。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 本年度のカンショ作付面積は、この九月二十一日の発表によりますと、二十九万六千七百ヘクタール。だから、昨年よりも五%減になっておりますね。それから収穫のほうは大体九%減ですね。これでの予想はそういうこと。それから現在の政府手持ちと保管分を合わせたでん粉の量が十万五千トン。民間の市場にあるものはこの中に含まれていない。それから今期でん粉の消費の見込みと申しますか、需要の見込みは大体六十万トン程度ではなかろうか。これに対して供給量が、いまの生産量予想からまいりまして大体六十六万トン、これに手持ちが入りますから、今期でん粉の供給可能量というものは大体七十六万トンそこそこ、こういうのが、ことしのカンショ及びでん粉と加工との三要素の関係だと思うわけです。これで見てまいりますと、この諸要素の上に立って価格決定が行なわれていくと思うわけなんです。いままで藤田君のほうからもいろいろ指摘されておったようでありますが、私は、いままでの御答弁の中から引き出しました諸要素から考えてまいりますと、昨年の二三・五%で三十円というこの価格を割るというような要素は全然ない、こういうふうに考えるわけなんです。で、この前の農林水産委員会で特に次官に日収後にお願いをしておいたのですが、もちろん、従来の価格決定にあたりましては、それぞれでん粉の手持ちであるとか、需要条件であるとか、いろいろな要素が含まれてきて決定されてきておるようでありますが、この際、そういうようなやり方を基本的に変えて、生産費・所得補償方式という形でこの価格決定をするということを検討してほしい、こういうことを申し上げておいたのですが、これからの価格決定にあたりましては、基本的にどういうお考えでおやりになるのか、この点をひとつ簡潔にお示し願いたいと思うわけです。

舘林三喜男自由民主党農林政務次官

○舘林説明員 カンショの価格の決定につきまして、現在のパリティ計算、農業パリティと、それから生産費の実態並びに需給関係という三つの要素をかけ合わして算定することもつの方式でございましょうし、また、米のように生産費及び所得補償方式というのをとるのも一つの方式だと思います。ただ、農林省といたしまして、当面、あと十日ばかりするときめなくてはいけないカンショの問題につきましては、農安法の規定によりまして、はっきりと価格算定の規定は出ているわけでございます。したがいまして、これから先の政策の問題は別問題といたしまして、当面している緊急な問題としてのカンショの価格の決定につきましては、やはり現行法によってやるということ以外には私はないだろうと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 いま次官の御答弁によりますと、従来の方針をとって当面のところはやっていかざるを得ないだろう、そういうような問題については将来の問題として検討していこう、こういうような御意向のように承ります。ただ、私ここで申し上げたいことは、いまの主産県の状況というものは、十分農林省のほうではおわかりのことと思うわけです。すでに主産県においてはでん粉すり込みが始まっておる。しかも、先ほど長官の御答弁の中にもありましたように、砂糖の市価の低落あるいはコーンスターチへの水あめの転換、いろいろな悪要素が含まれておる。そういうことが、でん粉製造業者自体をも、何か先行きに対して非常な不安を持って、不安定な状態にさしておる。まして、生産を担当しておる農民のほうでは、そういう空気が反映いたしまして非常に不安を感じておるわけです。これはもうおわかりだと思う。特に、私は自分の県のことを言うわけではありませんが、鹿児島県の場合は、御承知のとおり、長雨でやられ、あるいはまた異常冷害であるとか、こういうようなことで農作物がやられて、もう一切が、何と申しますか、カンショにかかっておる。ところが、カンショはそういうような不安定な上に、今度二十号台風でまた被害を受けておる。こういうような状況なんです。それだけに非常に不安定な状態でやられておる。いま農協が中心になってすり込みをやっておりますが、これの内渡し金は貫二十五円——内渡し金のはずなんです。ところが、それが一般には、そういうような変な悲観ムードといいますか、そうしたものがあるために、単なる内渡しであるべきものが、内渡しでない確定的な価格のように受け取られがちなんです。そういうところに非常に不安な要素がありまして、十分熟成しない間にでも売りさばきたい、こういうような空気が出てきておる。これはこのままほうりっぱなしておくわけにいかぬです。私はいろいろ事情があると思うのですよ。いま統計のほうから御答弁がありましたように、従来の経緯から参りましても、十月一日現在の実地調査が価格決定の一つの基本になっておることを私は認める。あるいはそれをやらないと自信が持てないということもわかります。しかし、先ほど藤田君が指摘いたしましたとおり、これは八日に本省必着になっているわけですね。本省に八日に必着いたしますならば、非常に御無理であろうが、これはぜひひとつ早急に積み上げていただいて、そうしてすみやかに、少なくとも十日前後にはもう指示していただくというようなことが、私はいまのような特異な情勢下における農政の方向だと思う。私は、いつもの場合とは本年の場合は非常に違った要素を持っておる、こういうふうに思いますので、無理ではあるが、その点はぜひひとつお聞き取り願いたいと思います。これはもう答弁は要りません。私は言うだけ言わしていただきます。  そこで、御答弁を願いたいのは、政府が現在買い付けさしておりますところの八万トンですね。これは金利と倉敷は政府のほうで持つ、これを市販したときにその金は回収していく、こういうことのようなんですね。これではやはり市況に対する不安定要素がまだ十分残ると思う。ここは政府のほうは思い切って予算を慰んで、この八万トンを買い上げるという措置が、むしろこの際市況を強化する上において重要な一つの施策でないかと思います。これをおやりになる意思があるかどうか、この点ひとつ端的にお伺いいたします。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 先ほど藤田委員に御答弁した中に包含されておると思いますが、八万トンのうち、五万トンは、でん粉の形で全販連系統、それから全澱連系統で調整をいたしておる。それからあとの三万トンは、これはぶどう糖協同組合が購入しまして、これをブドウ糖に変形しておるものでございますから、買い上げるといたしますれば、まず五万トンのでん粉についての措置が問題だと思います。これはわれわれといたしましては、いま食管の予算がありませんので、二万五千トンの買い上げに全体の予算を全部使ったわけであります。したがいまして、これを買い上げるといたしますと、食管会計の補正を要することになるわけです。われわれとしては、これを補正の機会があれば買うという考え方もありますけれども、一面、また金利、倉敷を補完すれば、どうせこれは封鎖されておるわけですから、市況に対する影響としては同じではないかという意見もありまして、大蔵省といろいろ協議しておる。私の考えとしては、早く買うようにしたほうがいいんじゃないか、こう思っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 いまの長官の話では、ぜひ補正を組んで買い上げたい、五万トンは農協関係の保管分、そういうことだと思うのですよ。そこで、十一月に一応臨時国会があるわけですが、ここでは災害関係、それから人事院勧告の関係等の補正予算が提出されるのですが、どうですか、この十一月の国会で補正予算を組んで出すという腹はありますな。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 食管会計のほかの補正の関係もありますので、その点をどう織り込むか、大蔵省ともまだ話が詰まっておりませんので、断言的に申し上げかねるのでありますが、そういうふうな気持ちを持っておるということであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 私は、食糧庁といいますか、農林省の考え方はよくわからぬのですが、委員長、大蔵省はきょう来ていませんね。

野原正勝自由民主党

○野原小委員長 呼んでおりません。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 大蔵省を呼んでおかなければいかぬと思う。どうしてもあなたのほうでぜひ——そういう弱い腰ではいかぬと思う。いまの情勢は違っておりますから、これだけはぜひひとつ農民のためにがんばってもらいたい。あと九日には本委員会がありますから、本委員会では大蔵省に出席してもらって、この点はなおひとつあれしていきたいと思います。  そこで、特に念を押しておきたいのですが、この前の委員会で、中島さんが長官がおられなかったのでいろいろ御答弁をなさっておりますが、その答弁の中に、砂糖の自由化、こうしたものを実行する、あるいはコーンスターチが入ってくるとかいうようなことがあっても、カンショでん粉については、農安法あるいは甘味法等でこれは保護していっているのだ、これはよしんぱ砂糖の自由化というものがあっても、法律的に農安法あるいは甘味法等でこのほうは守っていっているのだから、こういうことを言っておりますが、これはそのとおりですね。間違いありませんね。守りますね。砂糖が自由化されようと、砂糖がどれだけ下がろうと、農安法あり、あるいは甘味法があれば、その法律に基づいてやはり守っていくという義務が行政庁としてはある、政府としてはあると思いますが、そのとおりおやりになりますね。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 小委員会であるからというわけではございませんが、率直に申し上げますと、確かに法律のたてまえとしてはそういうふうなことであると思いますけれども、ただ、われわれといたしまして、たとえばブドウ糖あるいは水あめ等、従来のでん粉を原料とした第二次甘味資源というものが、非常に割安、価格が下がってくるといったような際におきまして、でん粉自身は、やはり一次加工品ででん粉そのものとして利用される用途もありますけれども、現在においてはそういう甘味資源品としての原料的な地位が非常に高いわけであります。そこで、われわれが現在非常に悩んでおり、困っておることを率直に申し上げますと、かりにでん粉価格が非常に高く支持されるということになって、その価格によってはとうてい現在のブドウ糖企業あるいはその他の甘味類関係企業は成り立たないというようなことになってきますと、つまり、政府の支持価格が即市場の最低価格になるというようなことに今後なっていったことを想定いたしますと、いわばでん粉の全量買い上げというようなことがかりに想定されるというふうになりますと、これはいま千五百もあるでん粉工場あるいは二十三もあるブドウ糖企業その他の関連企業に対する従来の取引が一変する。その間の流通関係というものについては、非常に大きないろいろの問題を生じてくるのではなかろうか。これらの問題を一体どういうふうにわれわれとしては今後考えていったらいいかという点については、私自身回答を率直に言って持っておらないわけであります。実はそれはひとりでん粉の問題ばかりではなしに、他の甘味品についても同じような問題が、率直に言ってわれわれとしては検討すべき重要な課題になっているのではないかというふうに思うわけです。それらを一体統一的に今後どう考えていくかということも、われわれの課題として検討すべき問題じゃなかろうか。単純にこれはこれ、あれはあれというふうな段階にだんだんなりにくい情勢も応あるということで、私の気持ちを率直に申し上げたわけでありますが、お話のとおり、たてまえとしては、そういう法案のたてまえになっておりますけれども、それを運用する諸前提、諸条件というものが非常に目まぐるしく変わっている。これらに対処してどう運用していくべきかという点を実は非常に悩んでいるという事情になっているわけであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 いまの長官の御答弁は実に率直であったと私は思うのですが、いまの長官の御答弁は裏返しますと、今日こういうようなからイモあるいはバでん、カンでん等全般を通じての混乱がきた一つの原因は、やはり政府当局に一貫した、はっきり確立した指導方針というものが立っていなかったのじゃないかというようなことを考えるわけです。こう言ったらえらく人の悪いような言い方でありますが、長官はそれを認められて、これから前向きの姿勢でこれとひとつ取っ組んで、一貫した方針を出していこう、こういうことだと思うのです。私もそう思います。いまかりにカンショの生産からでん粉の製造、第二次、第三次加工、この三つの製造過程、これをどういうふうに調整していくか、製品と需要との関係をどうアンバランスにならないようにやっていくかということ、これはもうこの段階では放任しておいてはならぬ段階じゃないか。少なくとも行政的に一つの方向を見出し、方向づけをして、この事態を前向きに持っていくということでなければ、常にこうしたことを繰り返していかなければならぬと思うのです。この前長官はお見えになっておりませんでしたが、この前の委員会でもその点を私のほうの兒玉委員は指摘をいたしておったようであります。たとえば昨年の場合、長官もきょう冒頭に説明の中で言われましたが、確かにでん粉業者のほうがむしろ思惑買いで過当競争をして、必要以上にイモを高く買った。その結果がああいうような非常に苦しい立場に追い込まれる原因になっている。同時に、でん粉工場がわりと大きな資本を擁さないでできるものですから、小工場がたくさんできている。その小工場はまたコスト高になっている。どうしても小工場では買いあせりをやりますから、コスト高にならざるを得ない。そうした面が今日までそのまま放置されてまいってきておったというところに、やはり行政の欠陥があろうかと私は思う。答弁の中では、何か金融の場合はそれぞれ条件をつけておると言っておりますけれども、確かにいままではでん粉工場がやたらに続出したということは言えると思う。いまこの段階でこれをどうするかということは、一つの大きな問題点だと私は思うのです。この点については、何ら地方庁に対する農林省の指導というものが徹底していない。何かでん粉工場設立について指示なりあるいは通達なりやったことがありますか。それがあればお示しを願いたい。しかもでん粉工場については、かってできました水質二法がちゃんと適用されることになっておるわけです。あの法律ができてからもうすでに六年になる。でん粉工場による被害が非常に大きい。これは農林省の監督なんです。農林大臣直轄の監督のもとにある。ところが、そういった農林省の責任でありながらも、地方長官に対して、これに対する何の指示も与えていない、私はそう思う。もし与えておられるならば、それをお示し願いたい。私は、もっと本格的に取っ組んでいただきますなれば、いまのでん粉工業の諸情勢というものも好転せしめることができると思うのです。その点何かお答えがあればお聞きいたしたい。非常にえげつない言い方ではありますが、何もやっていないと私は思うから、この際、ひとつふんどしを締めて、前向きでこれに取っ組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

舘林三喜男自由民主党農林政務次官

○舘林説明員 前回の農林水産委員会におきましても、私からお答えいたしましたとおりでございます。いま赤路委員から御説明のとおりに、でん粉工場は千五百ぐらいあるといま長官申しましたが、全く、零細事業でございまして、それに対する指導が十分いかなかっただろうと思います。もちろん、一般の中小企業に対する政策により、減価償却制度を短縮するとか、あるいは設備近代化資金を農林関係のでん粉工場についても適用する、それで設備の近代化を行なうというような指導もやっておりますし、また、一応企業の整備統廃合あるいは協同組合化というようなものも進めておることは事実でございます。ただ、私の率直な——いかにも農林省の政策を批判するようでございますけれども、通産省の中小企業に対する政策のような熱意がなかったということも事実だと思います。何か承りますと、全体の数のうちで、九九・九%は中小企業と承っておりますが、そのうちの半分は実は農林省関係で、農林水産関係すべてだそうでございます。そういたしますと、やはり通産省が中小企業庁を通じて商工業関係の中小企業を育成するような熱意が、当然農林省になくてはいけないと実は私思っておるわけであります。そんな立場から、実はきのうも、幹部の方にも、農林省としても全般的な中小企業の育成について通産省に劣らないだけの育成措置を講ずべきじゃないかということも申し上げたわけです。そんな一環から、いまお話のように通牒が出たかどうか知りませんが、あとでお答えさせますが、ぜひひとつ私も新しい観点からこれに取っ組んでいきたい、その一環として、でん粉工場の問題につきましても研究させていただきたいと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 いま次官の御答弁を得ましたが、そういうふうにこの問題にひとつ前向きで、少なくともある程度はやはり計画性を持った状態に持っていっていただきたいと思います。  最後に、私は一言お願いをしておきたいのでありますが、いま価格決定にあたりまして、やはりこの政府手持ち、それから農協の保管分、こうしたものの滞貨ということが、かなり大きなウエートになってこようかと思う。その際、ひとつお考え願いたいことは、昭和三十四年は政府手持ちが政府資料によりますと二十一万八千トンあるわけです。それからそれが三十五年度には十二万四千トンとずっと減退をしてきておるわけです。いろいろな諸条件はあると思います。しかしながら、こういう今日のような状態がいつまでも続くようでは、このイモの主要県はお手上げだと思う。あるいはでん粉工業というものもやっていけないような事態になるのではないかと私は思いますので、いずれにいたしましても、今度の価格決定にあたりましては、かつて現在の政府が責任を持つ手持ち分の三倍に近いものが政府手持ちとしてあったという、この事実を十分考慮の中に入れていただきたい。このことが一点。   〔野原小委員長退席、池田(清)小   委員長代理着席〕  もう一つは、いろいろ理由はありましょう。先ほど長官のほうからも、米の価格決定とイモの価格決定とはおのずから違った線があるということをおっしゃっております。確かにイモと米とは違いますから、違った線があると言われることはわからぬではありません。しかしながら、米の場合一三・六%上がっておる。何といっても上がっておることは事実なんです。この事態をやはりその価格決定の際の考慮の中に十分入れておいていただきたい。このことを特にお願いをいたしておきたいわけであります。  それから、先ほど藤田委員のほうからもでん粉の全量買い付けということがございましたが、次官は、この前の委員会の答弁では、来年度はひとつ十分買い付けに対しては考慮をしたいというような御答弁もありました。四十年度分については、もうすでに予算編成も終わって、大蔵折衝の段階に入っておるわけなんですが、来年度分の買い付けについては、本年と違いまして、大きく飛躍しておることを期待しておるわけなんですが、いまここでどれだけあるのだというようなことはお尋ねいたしません。十分おやり願っておるということを期待いたしまして、もしその点について御答弁がいただけるならば、率直にお示し願えますならばけっこうだと思います。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 実は今回のでん粉の調整保管しておる分の買い上げの措置並びに来年度予算における農安関係の予算におきましては、まだ最終的なわれわれの検討結論を得ておらないわけでありますが、ことしの事情から見まして、来年度予算におきましてはやはり相当の買い上げ予算を計上せざるを得ないのではないかと思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)小委員長代理 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 本日の小委員会は、特に政府のイモ類でん粉の価格決定の作業の相当進行した段階ということで、九月三十日に開会ということになったわけですが、いままでの事態並びに藤田委員、赤路委員の質疑の中においても、政府側において何ら具体的な作業というのは進んでおらぬということは、まことに遺憾であります。そういうことになると、結局価格決定が非常におくれるか、あるいは決定した内容というものがずさんなものになって、期待に沿わないようなものが提示されるということがいまから心配されるわけであります。  そこで、第一の点は、今年度のカンショ並びにバレイショの生産見込みでありますが、これは十月十五日に公表されることになっておるとわれわれわきまえておりますが、早期に価格を決定するという場合に、たとえば前例としては、十月二日あるいは三日に決定したような年度もあるわけでありますから、そういう場合には、十月十五日の公表を待たないで、資料を整えて価格決定をしたということに当然なるわけでございます。そこで、これは本年の三月国会において甘味資源特別措置法の審議を行ないました際に、私から食糧庁に要求した資料に基づいて、尋ねたいと思うわけでございますが、第一の点は、三十八年のカンショの生産量は六百六十六万二千トンであります。バレイショの生産量は百七十四万三千トンということになる。これは統計調査部の公表内容であります。したがって、これに対比して、三十九年度のカンショ並びにバレイショの現在統計調査部長が把握しておる予想の数字というものがいかようであるか、明らかにしてもらいたいと思います。   〔池田(清)小委員長代理退席、小   委員長着席〕

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 カンショにつきましては、先ほどからお話がございますように、九月一日に調べました調査がございます。実はこれは全国の主産県を中心にしてやっております。そのカバーをしております率は約九〇%程度でありますが、そこの結果によりますと、五百四十二万八千トンでございます。  それからバレイショにつきまして申し上げます。バレイショにつきましては三百七十四万一千トンということになっておりますが、北海道のバレイショの確定値は、今回のカンショの予想時に同時にできるように手配いたしておりますから、一そう正確になるかと存じます。予想はただいま申し上げた数字でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 バレイショの場合は、主としてでん粉の原料に供されるバレイショ、あるいは北海道を主産地としての出回りが行なわれたそういう数字が、昨年の場合には百七十四万三千トンということになっておったと思うわけです。したがって、いま部長が言われた三百数十万トンという数字は、前年に対比した場合には、これは数字の取りようはいろいろあると思いますが、国会に提出された資料に基づいた対象の数字をこの際お尋ねしておきたい。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 ただいま申し上げましたのは、全国でございましたが、先生のおっしゃいますように、北海道だけをとりますと、百八十二万四千トンということになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そうしますと、カンショについては、まだこれはあるいは確定的なものではないかもしれぬが、その後、九州等には先日台風被害等が起きた関係もあって、このカンショの五百四十二万八千トンというものは、その後大きく量的にふえるということはわれわれとしては予想できがたいわけです。そうしますと、前年の六百六十六万二千トンに比べますと、ことしは百二十万トンもカンショにおいては収量の減少ということが当然予想されるわけですね。この点は、やはり食糧庁として作業をされる場合には、十分頭の中へ入れて、この次どういう数字が出るかわからぬが、十月十五日を待つというわけにはいかぬわけですから、当然これはいま統計調査部長の申された五百四十二万八千トンというものが、相当大きなウエートとなって算定の作業には使われるわけでございます。またバレイショについては、昨年よりも若干の生産増となるかもしれませんが、しかし、その後の北海道の畑作物あるいは水稲の作況等も、昭和三十一年に指摘されるような冷害の度合いが非常に明らかでありますので、これらの数字は十分的確な検討を要すると私は考えておるわけであります。  第二の点でありますが、三十八年度におけるカンショでん粉、バレイショでん粉の政府が国会に提示した資料によりますと、三十八年のカンショでん粉は七十万トンということになっておるわけです。バレイショでん粉については十五万五千トンであります。これを基礎にいたしまして、さらに三十八年度のカンショでん粉あるいはバレイショでん粉の需給見込みというものが、同様の資料として実は私の手元にあるわけであります。これによりますと、カンショでん粉については、三十八年度でありますから、三十八年度の前年からの持ち越しが四万トン、三十八年度の出回り量が先ほど申し上げましたとおり七十万トン、計供給量として七十四万トンということになっておるわけです。これに対する需要あるいは消費の見込みは、水あめあるいはブドウ糖等化学製品の原料すべてを入れた品目別の需要の見通しということが詳しく載っておりまして、それによりますと、三十八年度の需要の総計は六十九万五千トンということになっているわけです。したがいまして、過不足量は、三十八年度においておおよそ四万五千トン需要に対して供給が上回っておる、こういう数字が実は出されておるわけです。これに対して、その後政府は、先ほどお話のありましたとおり、政府の正式買い入れとして二万五千トン、全敗連、全澱連に対して農安法の規定に基づく団体の調整保管分として五万トン、さらにまた用途を明らかにしてブドウ糖関係で三万トンということになると、これは政策的あるいは制度的に十万五千トンの凍結をしたわけでありますから、政府の需給見込みの四万五千トン供給過剰という数字から見ると、これは実態に即さないということに当然なるわけであります。したがって、このような見通しのそごというものは、どこに一体原因があったか。しかも、これは三月に政府から出された資料でございますので、この誤りの内容等についても明らかにしてもらいたいと思うわけです。  次に、バレイショでん粉については、これは需給関係については、前年からの、いわゆる三十七年度からの持ち越しが八千トン、出回り量が先ほど申しましたとおり十五万トン、政府の三十八年度における売却予定が六千トンで、合わせて供給十六万四千トンということになっておるわけです。これに対して三十八年度の年間の需要見込みは総計十七万一千トンでありまして、過不足については、七千トンこれは供給不足ということになるわけです。供給がまだ足らぬ、そういう数字に実はなっておるわけです。  そこで、この際明らかにしてもらいたい点は、カンショでん粉については、需給見通しの誤りか、非常に過剰であるということでストックの措置をとっておるという、この誤りの内容等、バレイショでん粉については、先般、御承知のとおり、九月十一日に政府手持ちのバレイショでん粉が三千七百トン放出されておるわけです。計画によると、七千トン供給が不足だという中において、あるいは放出することは必要になったかもしれぬが、しかし、われわれが判断した当時の需給の状態あるいは価格の趨勢等を見た場合において、一方においては大量にカンショでん粉の政府買い入れを行なっておる、一方においては、またバレイショでん粉の売り渡しを行なうというようなことについては、でん粉全体に対する政府としての施策に一貫性がないということが明らかになるわけでありますので、この点について、数字をあげて少し具体的に説明してもらいたいと思うわけなんです。

大山一生農林事務官(食糧庁業務第二部砂糖類課長)

○大山説明員 甘味法のときに出しました資料を手持ちしておりませんが、当時におきまして糖価は百四十円がらみの糖価であったわけです。当時におきます国際糖価にいたしましても、大体七セントとか六セントとかいう事態であったわけでございます。砂糖が値下がりしてまいりましたのは、この五月、六月ごろからでございまして、砂糖の値が下がってまいりますと、ブドウ糖は消費が減ってまいります。従前の考え方では、ブドウ糖は対糖価比六五、したがって、ここを基準にいたしまして——時期的には七〇になったり六〇になったりしますけれども、大体六五くらいの平均で動いてきた。ところが、糖価が百二十円を切ってまいりますと、最近の傾向として見ますと、ブドウ糖の中の約半分を占めます砂糖の代替としての性格のものが、砂糖にかわってまいるという事態が出てきているわけでございます。その関係で、ブドウ糖の消費が著しく減ってきたということがあるわけでございます。それは過去においても糖価が百二十円とかいう時代はございますけれども、当時においてはブドウ糖というのがそう大きな企業になってなかった。自由化後の新たな傾向として、百二十円、百十円、ときには百七円というような糖価に対しますブドウ糖の感受性の問題は、この六月以降出てきておるわけでございまして、当時の見通しと現在と食い違っております大きな原因は、糖化製品の減でございます。  それからバでんにつきまして、先般四千トン入札いたしたわけでございますが、本年のバでんにつきましては、すり込みがおくれている、収穫が約二週間ほどおくれているという問題があったわけでございます。それで、在庫が非常に少なくなるということは好ましくないということがありましたので、入札をいたした次第でございます。さらに、ここからは小委員会だからかんべんしていただきたいと思いますけれども、現在のコーンスターチ等におきます値段は、平均いたしまして大体四万七千円くらいだと思っております。四万七千円ということから見合いのバでんの値段を考えた場合には、現在のバでんというのは非常に割り高になっているということは否定できないと思うわけでございます。十七万トンくらいまでいくかどうか、大体十五、六万トン程度のバでんであれば、バでんの固有用途といいますか、用途としては一応維持されている。その結果、二千円を上回る値段で推移したわけでございますが、バでんの用途先というのは非常に零細である。したがって、バでんを使ったりコーンスターチを使ったりというわけにはいかない。しかし、バでんとコーンスというものが全然無関係ではない。たとえば加工でん粉等におきましては、バでんとコーンスの両方が利用できるということもありますが、零細な企業で一たびコーンスにかわった場合には、バでんに返すというようなことにも……(芳賀委員「質問外だ」と呼ぶ)そういうようなこともございまして、入札したわけでございますが、現在のバでんの価格につきましては、そういう観点からいって、そのために非常に価格が下がったというふうには考えていないわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 私は何もそういうことを聞いていない。需給計画からいえば、バレイショでん粉については、年間を通じて七千トン供給不足になるという数字が出ておるが、これとの関連で政府において先般三千七百トンの放出を行なったというふうな理解もできるが、その間の事情について明らかにしてもらいたいということを言っておるわけで、コーンスターチがどうしたとか、コーンスターチの値段が安いからどうだなんということは、何も聞いてないじゃないですか。何かあなたのほうで先回りをして、弁明、弁護しているような節もあるが、このバレイショでん粉の放出がそういうものに何か政策的な関係があるとするならば、あらためてこちらからお尋ねしますから、これは長官のほうから明らかにしてほしい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 私その当時の数字を持っておりませんので、抽象的なことでごかんべん願いたいと思いますが、三十八年度当初、御指摘のとおり、カンでんについては約十二万五千トンも過剰になるというふうに想定していなかった。むしろ全体としてはバランスがとれるのではないか、前年度においては輸入をいたしたわけでありますから、本年度、つまり三十八年度においては、大体需要はバランスがとれるのではないかという当初の計画でありました。おそらく国会に出しました四月ごろにおきましては、若干砂糖が下がりぎみになって、甘味資源の用途も多少制約を受けるというようなことで、過剰が出てきたという当時の資料だと思います。ところが、その後におきまして変わりました点は、先ほど申し上げました価格の関係で、主としてコーンスターチが置きかわった。水あめ、粉あめ、それからブドウ糖の当時予測した需要の伸びが停滞したというようなことが主要な原因になりまして、結果においては、当初予想した、需要量が下回ったということであります。そうすると、結局八万トンになるわけでありますが、ブドウ糖のほうの三万トンというのは、これは当初から需要に予定しておったものを、売れ行きが悪いということで、なかなか引き取らなかった予定分が、先ほど申し上げたような形で置きかわったということでありまして、これは数字には関係ない。結局、当初予定しておりました、先ほどのお話によりますと約五万トン、四万五千トン、これが八万トンにふえたということで、これはいま申し上げたような事情であります。  ところが、カンでんの価格が急に下落したにかかわらず、バレイショのでん粉価格というものは依然として堅調であったのはどういうわけだろうか。三十六年、五年当時におきましては、バでんの価格とカンでんの価格はある程度並行的に動いたわけであります。ところが、本年度はバでんの価格は総体的に堅調であった。これは一つには、バレイショでん粉の使用用途がカンでんの用途とある程度違った領域を占めておるということ、特に加工でん粉、工業用でん粉、こういう用途が相当多く占めておりますので、そういう関係の用途が固定しておるということ、それから昨年度は供給量が思ったほどなかったということが原因で、バレイショでん粉の価格は堅調であり、需給も当初われわれが予定したよりも多少引き締まりぎみになったということではないか、こう思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 バレイショでん粉の関係が明らかにされていないのですが、先ほど大山課長の説明によると、新物の出回りが例年に比べると二週間程度おくれておるので、それで端境期における円滑な需給状態を保つために政府が放出した、これは全くうそなんですよ。ことしは水稲地帯は冷害の関係で刈り取りをできるだけ延ばすということでやっておる。あるいは豆類の地帯も霜がなるたけおそければいいということで、これも収穫を控えておる、そういう関係で、まず何をおいてもバレイショの刈り取りを先にやるという収穫作業をやっておるわけです。ですから、主産地である北海道においては、そういう冷害の関係事情があって、バレイショの収穫は例年よりも早いわけです。収穫が早いということは、それを原料にしたでん粉の生産も例年より早いということになる。先ほど食糧庁で説明した、例年より出回りがおそい、繰業がおくれているということは、全く逆なんです。こういうような現地の事情をよく調べないといかぬのであって、したがって、これは理由にならない。出回りが例年よりおくれるので端境期の調整をするために放出を行なったということは、事実理由のないことです。そうであるとすれば、一体どういう理由で放出しなければならぬかということになるのです。たとえば需給が非常に逼迫しておるということを政府として判断した場合、あるいはまた価格が非常に高騰しておって、国民経済に影響を与えるという判断がなされた場合には、これは放出ができるわけですが、需給逼迫という事態はないことは、毎月のバレイショでん粉の需給の状態とか販売の状態等を見れば、そういう心配の状態は例年に比してないわけです。それから価格が暴騰して押えなければならぬという事情もこの数カ月間はないわけです。何らこの機会に放出しなければならぬという理由はないのです。一方においては、カンショでん粉の政府買い入れあるいは生産者団体の調整保管、これでもまだ足らぬというような状態は、単に種類がカンショでん粉とバレイショでん粉であるから、扱いが違うというものじゃないので、イモ類のあるいはでん粉全体の国内の需要の動向とか価格の動向というものを十分把握して、総合的に政府として対処するのが当然だと思うが、何にも理由がなくてやったということになれば、それ以外に当然理由があるということになると思う。  そこで明らかにしてもらいたい点は、この九月十一日に政府が放出、売り渡しをした価格というものは一体幾らであるか、その当時の市況というものは一体どうであるか、それらを基礎にして、農産物価格安定法による政府の手持ち農産物等の売り渡しの条件ですね、でん粉の場合には、でん粉を売り渡す条件というものは当然農安法の中に明記されておるわけですからして、それらのことを判断した場合に、九月十一日の政府の特別安売りというものは、一体何に基因してやられたか、これは長官から直接明確にしてもらいたい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 先ほど申し上げましたように、どうもカンでん価格とバでんの価格の動き方が違っておるわけであります。その理由についてはあるいは先生からお教えを願いたいと思うわけでありますが、私の見解によりますと、たとえばカンでんでありますと、直接甘味資源と競合する。つまり、ブドウ糧、水あめ類が、全体のでん粉の需要量の約六十七、八万トンに対しまして、五十万トンというものがそういう甘味資源の原料として利用されるわけでありますが、バでんにつきましては、甘味資源といいますか、水あめ、ブドウ糖というものが、十七万トンの中のわずか二万トンでありまして、大部分というものは、固有用途であります水産練り製品、あるいは繊維、製紙、あるいは加工でん粉といったようなものに利用されておるという実態があるわけであります。そこで、今年度のバでんの価格の推移を見ますと、五月、六月ころ二千円台でありましたものが、六月には二千百五十三円、それから七月には二千百二十三円、八月には二千百三十円といったような価格で推移しておりまして、一方これらの従来バでんに用途を求めておりました企業として、バでんに対する買い受け希望が非常に出てまいったわけでありまして、そこで、原料の手当てを必要とす肥るということで、食糧庁に対する強い要望がありまして、政府が手持ちしておりますバでんの中から、一部約四千トンばかり入札に付するという措置をとったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それはわかっておりますから、その事情を聞いておるわけです。それで、私の聞いているのは、なぜ特別安売りをしなければならなかったのかということです。それはどうい占うわけですか。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 これは農安法に基づきまして、時価に準拠して一般入札をするという方法をとっているわけであります。今回におきましても、そういう方法でやりまして、たしか第一回では落札できず、二回目の入札で四千トンばかりが落札したということで、特別に随契で安売りということをいたしたわけではございません。農安法に基づく通常の売却方法によって、一般入札に付して出したということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 特別安売りは農安法でできるのです。私の判断は、農安法の規定に基づいて特別安売りをする必要を認める。時価を度外視し、買い入れ価格を度外規して安売りをされたというふうに、善意に理解しておるわけであります。これは特別安売りでしょう。市価を度外視し、買い入れ価格を無視して売るということ、これは特別安売りしかないじゃないですか。特別安売りならばいいですよ。特別安売りの理由は何であったかということです。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 今回の場合、特別随契で安売りするということでなくて、一般の入札売却という方法でやったわけです。特別に安く売るというような場合、たとえば、かつてブドウ糖企業に安売りするというようなことを行なったことがありますけれども、今回の場合は、原則的な一般入札によって売却するという方法をとったわけであります。事情といたしましては、先ほど申し上げましたように、これら北海道のバでんに従来用途を求めておりました企業におきまして、原料手当てをしてもらいたいということで売却いたしたものでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 この農安法で安売りする場合の規定は、第七条の二項で明らかになっておるわけですね。その一が「新規の用途又は販路に向けるため必要があるとき。」、その二は「試験研究の用に供するとき。」、その三は「管理上の必要により売り払うとき。」、この場合には、農林大臣の定める価格で特別売却ができるわけです。だから、需要者の要求とか希望にこたえて安売りができるという規定は全然ないのです。そうでしょう。それは理由にならないじゃないですか。需要者が特に安く売ってくれという希望があったので、それにこたえて特別安く売ったということは、これは農安法からいっても何も根拠がないじゃないですか。どういうわけなんですか。需要者が特に安く売ってくれという申し出をした場合は、農林大臣はその希望にこたえて特別に定める値段で売り渡してもいいという規定があるのですか、どこかに。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 どうも説明が不十分なので恐縮ですが、今回の場合は、そのいま先生がお読みになりました、新規用途に対して特別に安く売る、あるいは試験研究のために特別に安くするというようなことによって安くいたしたわけではないわけでありまして、今回の場合は、一般的な政府の手持ちでん粉を入札によって売却する、売却価格は時価に準拠して売却する、こういう方法をとったわけでありまして、特に業者から希望があったから安い価格で売り渡した、こういうたてまえで売却したわけではないのであります。当時の事情は、先ほど申し上げましたように、従来せっかく北海道バでんになれていた業者が品がなかなか入らないというようなこともありまして、出回り端境期であった関係もあったと思いますが、そういうことで、従来の北海道でん粉を政府が持っておったわけでありますから、それを入札に付した、こういう経緯でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 特別安売りの規定を使わないということになれば、この第七条の一項の規定でやるわけですね。「政府は、第二条第一項の規定により買い入れた農産物等を、当該農産物等の需給事情を勘案し、農産物等の時価に悪影響を及ぼさないように売り渡すものとする。」その第二項は「前項の売渡の価格は、買入基準価格及び時価を下ってはならない。」ということになっておるわけです。そうなると、九月十一日に政府が二十五キロ当たり千二百六十円で特別安売りをしたということは、これは法律上から見ても違反の措置だということは明らかになるじゃないですか。それは、たとえば九月四日に政府が入札に付した場合の政府の予定価格は大体千三百八十円でしょう。それから一週間後に百二十円安い千二百六十円で政府が売り渡しておる。しかも、この九月四日並びに九月十一日の時価というものはどのような価格水準であったかということは、ここで私が新たに指摘する必要はないほど、食糧庁においてもそれは重々承知しておるわけです。当時の時価から二十五キロ当たり百円以上も下回るような価格で、いかに需要者の要請が強かったといえども、法律の規定を無視して、法律違反のような形で特別売却をするということは、これは重大な責任があると思うのです。否定する根拠は何もないじゃないですか。こういう、時価から不当に二十五キロで百円も安く売るということは、それを落札した業者というものは、落札したとたんに、それを他に売却しても相当膨大な不当利潤をおさめることができると思うのです。そういう特定業者となれ合いをして、特定の業者に特別の利益を与えるような、政府が保管しておるでん粉にしても、農産物の売却の方法というものは、これは非常に世間の疑惑を招くと思うのです。一体、何の必要があってこういうことをあえてしなければならなかったかという点。何も頭をひねる必要はない、特定の業者と結託してと言われてもしかたがないでしょう。それ以外何もこういう安売りをする根拠はないじゃないですか。この点を明らかにしてもらいたい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 安売り安売りとおっしゃるのでありますけれども、どうもよく理解がいたしかねるわけでございます。私のほうは四千トンといわず、現在持っておるものにつきまして、一般市場に入札競売に付するような条件があれば、どなたでも取っていただく、こういうのが入札の方向でございまして、当時におきましても政府の手持ちは約二万トン余りあったわけでございますが、結果において落札をしたものは四千トンにすぎなかったということでありまして、実はもっと出るかと思っておったわけでありますが、予定価格で落ちたものは四千トンにすぎなかったということでありますから、これが外に転売されて利益があるなんということは、私としてはとうてい理解いたしかねるわけでございます。当時第一回の入札に際しまして、これはほとんど落札者がなかった上に、小樽相場を中心にいたして予定価格をきめて入札に付したわけでありますが、当時の状況からいって、物がなくて名目的な相場であるということで、落ちなかったのじゃないかというふうに言われたわけでございます。そこで、第二回目におきましては、の価格を見込みまして、そして予定価格で入札に付したところが、二万トンのうち四千トンが落ちた、こういうことに相なっておるわけでございます。特に安くするとか随契で払い下げたとかいうものでは全然ないのでありまして、一般的に入札者があれば落札させる、こういうことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それは、たとえば政府が入札に付したとき、九月四日の当時の市況というものがどうであったかということはわかるでしょう。その市況に対して政府の予定価格というものは千三百八十円程度であった。この場合は市況のほうが政府の予定価格よりは若干下回っておったということは、われわれにはわかっておるわけです。その場合には時価を非常に上回るような予定価格を立てたということはおかしいのですね。需要が非常に圧盛であるということ、そしてぜひ政府から放出してもらいたいということは、その時限における時価というものは、政府の予定した千三百八十円よりも若干下回っておった。時価が予定価格より下回っておるという場合には、なかなか落札できないという理由があることは明らかなのです。それで、法律には時価を下回ってはならぬということになっておるからして、その時価というものは、変動の激しい場合の上限、下限の時価というものはとるべきではないが、大体その中庸を得た時価の線である場合においては、それがやはり判断の基礎になるとわれわれは考えておる。ところが、十一日に入札した場合の時価というものは、四日の時限の時価よりも高いのです。時価が四日よりも十一日が高い状態の中で、政府の売り渡し価格というものを、四日の千三百八十円の予定価格よりも、一週間足らずで、特に百二十円下げて千二百六十円で落札させたということについては、これはだれも了解できないのです。何を根拠にして、四日には千三百八十円を予定し、十一日には千二百六十円を予定したかということになるわけです。当時の時価と売り渡し価格というものは、明らかに百円以上差があるのですからね。時価より百円安く買えば、市価が百円高い場合には、他に転売しても、その時価が有効であれば百円利ざやが出るのじゃないか、そういうことにならぬですか。そのまま原料に用いればそれでもいいが、一たん落札して所有に帰したものは、また転売したってかまわぬでしょう。政府が放出したものは必ず他に転売してはならぬという規定は何もないわけなんだから、時価が百円高い、落札した値段が百円安い、その場合、時価がそれを消化するだけの力があれば、百円高く売れるじゃないですか。そうでしょう。売れないということはないじゃないですか。だからわれわれが判断した場合、法律の規定は時価を下回ってはならぬということになっておるにもかかわらず、当日の時価よりも百円程度安値で払い下げをしておるということになれば、当然、これは法律の忠実な運用からいっても、食糧庁としては大きな誤りを犯しておると言っても差しつかえないでしょう。また今度は千円で売ってくれと言われても、あと二万トン近くあれば、売ることもあなたはできると思っておるでしょう。そういうばかげたことをやっているのがいまの食糧庁のやり方ですからね。だからわれわれとしては、先ほど大山課長から説明のあった、出回りがことしはおくれているということは、そういう事実はないのですから、根拠にならぬ。需給が逼迫しておるということも、そういう事情がないから、これは理由にならぬ。価格が暴騰して、この際に政府手持ちを放出して国民経済の安定をはかるような、そういう切実な状態は生じていないということになれば、ことさらこういう不当な安売りをする必要性は、情勢の面から見ても何ら理由は生じてないのですよ。ただ判断は、特定の業者に特別の利益を与える意図で放出したのか、あるいはちょうど出回り端境期であるからして、三十九年度のイモ類のでん粉の価格をきめる事前の措置として、このような不当な放出をやることによって、時価を極端に低落さして、でん粉の価格決定時の政府が考えておる安い値段と時価がおおよそ接近するという状態をつくるために、作為的に放出したとしか考えられないわけです。このうちのいずれかでしょう。特定の業者に不当な利益を与えるためにやったのか、三十九年度産のでん粉価格を不当に安く政府がきめやすいような客観情勢をつくるために、あえて放出して市況を急激に低落させる意図であったか、これ以外に理由がないでしょう。第一の理由であるか、第二の理由であるか、これを行った食糧庁長官から明確にしてもらいたい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 私の考えを率直に申し上げれば、そのいずれでもないわけでございまして、第一回の場合は、先ほど申し上げましたように、小樽相場を基準にとって入札に付したというわけでありますが、これは実勢の価格でない、つまり、物の取引を伴わない名目的な価格を基準としたという関係で、落札しなかったというように聞いておるわけであります。法律においては時価に準拠してということになっておりますし、また買い入れ価格等を下ってはいけないということになっておりますが、もちろん、買い入れ価格を下回るような価格で売るということは当然許されるべきでない。問題は、時価に準拠して売ったという場合に、それが妥当であったかどうかという判断になると思いますが、第一回で落札できず、それがノミナルな小樽相場であった。したがって、第二回目においては実勢価格を織り込んだ価格にしたということでありまして、特別に特定の業者にどうこうするというふうな配慮は毛頭考えておらないわけであります。もしそのような事態がありますならば、私の記憶では、入札資格者というものは別に縛っておりませんから、非常にもうかるだろう、値上がりをするだろうということであれば、四千トンといわず、どんどん買っていくであろうと思われるのでありますが、事実はわずか四千トンしか落札者がなかったということでありますから、それによって他に転売し、利益を得るというようなことがかりにあったとしても、それは全く偶然的なことであろうと思われるのでありまして、むしろ、そういう事態であるならば、四千トンよりももっとどんどん入札者があってしかるべきだというふうに思われるわけでありますが、当時の需要量として私は必要な分であったのじゃないかというふうに判断しておるわけであります。それによって来たるべきでん粉価格をどうこうするというようなことは、私のほうは毛頭考えておらないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 この際、市況の推移を、不当な安売りによって市況にどういうふうな変化を与えたかという点を、ここで私のほうから明らかにしておきたいと思うのです。北海道産のバレイショでん粉にしても、産地によって、たとえば小樽ということを長官は言われたが、いわゆる北海道の道南の地域と、それから十勝、北見の地域の場合は、消費地との距離の関係もあって大体二十五キロについて十五円ないし二十円ぐらいの値幅はあるわけです。それで、この際、安いほうの十勝、北見の場合の価格を申し上げますと、十一日当時の時価は大体千三百八十五円程度、端数切り下げで千三百八十円としてもこれはいいと思いますが、千三百八十円の市況、それから道南ものはこのときは大体千四百十円ぐらいですね。ですから、千三百八十円の市況があるにもかかわらず、千二百六十円でこれは政府が売却をしたということになっておるのです。こういう不当な売却をやるものですからして、その後急激にこの市況が低落して、九月十五日には千三百二十円ぐらいに下がっておる。それでもまあ千二百六十円の安売りよりはまだ相当高いわけですが、それがだんだん低落をたどってきまして、今月の二十二日には千二百七十円台になってきておる。それでもまだ政府の売り渡し価格よりも十円高ぐらいですが、ですから、政府放出から二週間程度で百円ぐらいこの市況を低落さした。そしてそれ以降は大体今日に至るまで千二百七十円、道南ものは大体千三百円ということになっておる。だから効果としては、この不当な、安売りを行なったことが、その後今日に至って、それが政府の目的だったと私は思っておるわけですが、非常に順調に推移したバレイショでん粉の市況を極端に引き下げてしまったということになっておるわけです。その面においては、政府の不当な安売りというものは、一つのねらいを果たしたということにはなるわけであって、そのねらいは、業者に不当に利益を与える気はなかったとすれば、やはりその価格を作為的に政府の手持ち放出という形で引き下げて、大体前年の政府支持価格の線にこの端境期を引き下げて、そうして三十九年度の価格決定の場合にも、大体政府側の考えておる有利な条件、生産者の側にとっては不利な条件ということになるわけですが、まあ前年同様くらいに、理由をつけるためにやったと、これはわれわれ善意に判断してですよ。業者に不当利益を与えるためじゃないかとわれわれ考えておるのですが、しかし、長官の答弁のとおり善意に判断した場合には、そうでなければ、ことしの値段をきめる場合の条件をつくるために、こういうような安売り措置を発動したとしか考えられぬわけです。これは弁明の余地ないと思うのですよ。これをやらなければこういう結果になっておらぬわけですからして、この責任は政府として重大だと思うのです。役人が小手先ででん粉の価格を左右する、しかも農安法の精神にそむいて、生産者に甚大な不利益を与えているというような、そういう小手先のやり方というものは、自今慎んでもらいたいと思う。これは今年度のイモ類あるいはでん粉の価格決定の直前ですから、私はこのような具体的な事実をあげて反省を促しておるわけでありますけれども、この点については、ほんとうは農林大臣の出席を求めて、かかる役人の間違いというものを大臣の責任においてただしたいと実は考えておったのですが、まあ大臣が出席されておりませんので、この際、舘林政務次官から、これらの事態に対してどう考えておるかということを明確にしておいてもらいたいと思います。

舘林三喜男自由民主党農林政務次官

○舘林説明員 北海道のバでんの売却につきましては、実は初めて聞いたわけでございます。ただいままでの芳賀委員と長官との応答の模様を見まして私感じたのでございますが、農林省といたしましても、決して何か業者と特別に結託するとか、あるいはバでんの取引価格決定の前でございますから引き下げる、その両方とも意思がなかったことは、私は長官の意見のとおりだと思います。ただ、原料事情が非常に逼迫しておりましたために、業者の方から特別の要請があった。これがきっかけであったことは申すまでもないことであります。ただ、長官がしばしば申し上げましたように、とにかく何も原料手当てを希望されない人に対しても、当然入札の道は開かれているわけでございまして、たまたまそれが非常に少なかった。いろいろ言い方もありましょうが、わずかに四千トンしか放出できなかったということも事実でございます。また、その四千トンの放出の結果、いま芳賀委員がおっしゃいましたように、北海道の産地のものが相当値段が下ったということも事実でございますが、やはり政府の操作しているバでんを放出するときは、幾らかの値下がりができるということは、私避けられないと思うのです。ただ、これがいま申し上げましたように、価格決定前になるたけ新しい年度の価格を安くするためにきめたという意思は、全然ないだろうと思います。しかし、お話しのとおり、もっともの点もございますし、今後におきましては、この問題につきましては、なおいろいろ農業団体等の意見も聞きまして——農林省だけの意見じゃなくて、農業団体の意見も聞いてきめたそうでございまして、その点は、十分食糧庁としても注意をしてやったと思います。今後におきましても、かような問題につきましては、一般の市況の値下がり等も十分に考えまして、慎重に配慮いたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 これは事実だけを指摘しておくわけです。  次に、長官にお尋ねしますが、農産物価格安定法が制定されたのが昭和二十八年であります。これは議員立法で成立したものであります。だから、二十八年から農安法に基づくイモ類並びにでん粉の価格を政府は決定して、それによって運用してきておるわけですから、去年の三十八年産までに及ぶと、ちょうど十一年間にわたって、この農安法は生産者の期待にあるいはこたえなかったかもしれぬが、運用されておるわけです。  そこで、ここで明らかにしてもらいたいのは、第一回の昭和二十八年におけるカンショあるいはバレイショ並びにカンショ、バレイショでん粉の価格、それ以降昨年までに至る毎年度の価格はどういう内容で決定、告示されたか。これは本年度のイモ類、でん粉の価格をきめる場合に非常に重要な参考になるわけですから、明確にしてもらいたいと思います。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 バレイショの一貫当たりの価格から申し上げますと、二十八年二十二円、二十九年二十三円五十銭、三十年二十一円五十銭、以下年次を追って申しますと、二十一円五十銭、二十円五十銭、二十円五十銭、二十円五十銭、二十円五十銭、三十六年が二十一円、三十七年が二十一円五十銭、三十八年が二十三円ということになっております。カンショの価格は、二十八年が二十八円、二十九年が二十八円五十銭、三十年が二十四円、三十一年が二十四円五十銭、三十二年が二十四円五十銭、以下二十五円、二十五円、二十五円と三年続きまして、三十六年が二十六円、三十七年が二十七円五十銭、三十八年が三十円、こういうことになっております。  でん粉の値段ですが、バレイショの精粉について、三十七・五キロ当たりで申し上げますと、二十八年が千九百五十八円、二十九年も千九百五十八円、三十年が千八百七十五円、三十一年も千八百七十五円、三十二年が千七百二十五円ということで、これが三十七年まで据え置かれまして、三十八年が千七百八十七円。それからカンショでん粉三十七・五キログラム当たりでありますが、二十八年が千七百七十円、二十九年が千七百七十円、三十年が千六百二十円、三十一年が千五百六十円、三十二年が千五百五十円で、三十五年まで四年間据え置きになりまして、三十六年が千五百八十円、三十七年が千六百十五円、三十八年が千六百八十円ということになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 いま長官の言われた価格の趨勢を顧みても、たとえばバレイショの場合には、昭和二十九年が一貫目当たり二十三円五十銭であった。その後、それより下回った年度もありましたが、昨年、三十八年度の決定価格は二十三円ということになって、二十九年が最高の年度で、その中間においてはそれよりも低落した年もあり、とにかく十年間に据え置きではなくて、十年後には一貫目について五十銭バレイショの価格は下げられておるわけです。カンショの場合には、昭和二十八年が二十八円で、昨年が三十円でありまして、十一年間にわずか二円しか上がっておらぬということは、全く据え置きと同じなんです。これでは、一体農安法というものは生産者のためになったか、農安法がむしろ生産者に不利益を与えたかということも反省しなければならぬ点だと思うのです。でん粉につきましては、長官の言われたとおり、昭和二十八年がバでんについては千九百五十八円、それが昨年、三十八年には千七百八十七円ですからして、一袋について大体百七十円程度これは下げられておるのですね。据え置きどころか、これは下げられておる。一割程度下がっておるわけです。カンショでん粉の場合もそうでありまして、二十八年の千七百七十円に比べて、昨年若干値上げをしたわけでございますが、それでも千六百八十円ということになれば、一袋について九十円十一年前よりも価格が下がっておるということになるわけです。ですから、われわれとしては、この十一回にわたる価格決定の場合においても、農安法には、食管法と違って審議会というものの設置がないわけです。ですから、それにかわるに、この農安法を委員会において成立さした関係もありまして、審議会はないが、政府に独断的にこれをまかすわけにはいかぬので、法律にはないが、毎回価格決定前に委員会の中に小委員会等を設けて、そうして価格決定する場合においては、政府の価格決定に要した作業の内容とか努力等を十分委員会に伝えて、そうしてできるだけ委員会の意向等も尊重して、一方においては、もちろん法律の中では、生産者団体の意見を徴して、その意見を尊重してきめなければならぬということになっておるので、善処すべきであるということで、毎年のように委員会としては、適切な決議あるいは政府に対する鞭撻を行なってきたわけでありますけれども、一度として委員会の期待に沿ったような、生産者の期待に沿ったような価格決定をされた前例というものはないわけです。ですから、この点について長官としても思いを新たにして、一体十一年たって原料イモあるいはでん粉が当時の価格よりも下回るということが、これは農民保護の立場からあるいは農産物の価格政策上、妥当な措置であるかどうかということについて、この際十分に反省してもらいたいわけです。どうしてこういう数字になっておるかということになれば、いまのたとえば農安法の政令の附録算式等を極端に悪用して、ある場合には供給が非常に過大であるということを理由にして、需給均衡のたてまえから値段を下げなければならぬ、ある場合には前よりも歩どまりが上昇しているからコストが低減しておるので、値段を下げてもかまわぬとか、あらゆる理由をさがし出して、そうして価格の据え置きあるいは下落をはかるというのが、今日までの政府のとってきた態度であるということは明らかであるわけです。この際、本年度の価格については、こういう従来の悪い考え方とか、附録算式や農安法を悪用するというような考えを捨て、もう少しまじめに問題に取り組んでみたらどうかと考えるわけですが、その点に対しては、どのようなお考えの上に立ってこれからの作業を急ごうとしておるのか、これは長官並びに政務次官からもお答えを願いたいわけです。

舘林三喜男自由民主党農林政務次官

○舘林説明員 先ほどの藤田委員からの御質問にもお答えいたしましたとおりでございまして、農林省として、また食糧庁といたしましては、カンショあるいはカンでん等につきましては、農安法の規定に従って、米と違った算定方式があるわけでございまして、決して生産農民の努力とか、あるいは価格についての値上げしていただきたいという希望を無視しておるわけではありません。ただ、法律のたてまえで実施したつもりでございますが、今後の政策論といたしましては、お話しのとおりでございまして、十年間も全く上がらない、むしろ下がった場合もあるというようなことを考えますと、やはりこれは真剣に考えなくちゃいけないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 最後に一、二点明らかにしてもらいたいと思いますが、たとえば先ほどの本年度の生産見込みからいうと、統計調査部長の御報告によりますと、前年対比で、カンショが百二十万トン生産が減退することになっておるわけです。事実そのとおりいくかいかぬかわからぬが、たとえば百二十万トン原料であるカンショが減産した場合、この百二十万トンというものは、カンショでん粉にして何万トンに相当するものであるか、その点をお答え願います。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 先ほど私申し上げましたように、五百四十二万トンと申し上げましたのは、主産県だけでございます。そこで、主産県だけとりまして昨年と比較いたしますと、約五十四万六千トンの減になるわけであります。ほかのところにつきましてはちょっとわかりませんが、先生のおっしゃいましたように、百二十万トン減ということにはならないかと思っております。ちょっとその点御参考に申し上げます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それはどの数字を使ってもいいのですよ。百二十万トンのイモはでん粉何万トンになるか、あるいは一割減収の場合には六十万トン減収になれば、その六十万トンはでん粉の生産面において何万トンの生産減になるか、六十万トンでもいいです。大体見通しとして前年より一割減産ということであれはてすね——それではあとで計算してください。これは歩どまりにもよりますが、すぐやればやれると思います。  もう一点で終わります。先ほど長官の説明にもありましたが、今後は国内で生産された——原料は外国から輸入するわけでありますが、コーンスターチの価格をむしろ基準にして、国内産のでん粉価格をきめなければならぬというような意図があるように受け取れたわけでありますが、もしそういう考えで今後需給の計画あるいは価格決定を行なうのであれば、これは重大問題になると思います。コーンスターチの価格とか生産というものは、生産面においてはたとえば農安法の付録算式を用いる場合においても、前年度からの持ち越し、あるいは当該年度におけるでん粉の供給数量、あるいはその基礎をなすところのカンショあるいはバレイショの生産数量あるいは商品化率というものが、価格決定には大きな要素となるわけでありますけれども、今後コーンスターチの生産というものは、でん粉全体の需給関係に対して大きなウエートを持つ、あるいはまたコーンスターチの価格というものは、でん粉価格決定上に支配的な影響を持つということになれば、これは非常に重大な結果が生まれると思うわけです。そのような意図であるように先ほど受け取れたわけでございますが、この際、これを明らかにしてもらいたいわけです。その点があいまいであると、これは非常に問題の発展が大きくなると思いますので、ぜひこの点を明らかにしてもらいたい。

齋藤誠食糧庁長官

○齋藤説明員 先ほど赤路先生に御答弁いたしましたように、いまの農安法の価格のたてまえでいいますれば、いまお話しになりましたように、イモのパリティ価格と、それからイモ類のでん粉需給によって、これを参酌して価格をきめるというのが従来の例であったわけであります。したがいまして、いきなりコーンスターチの価格を基準にしてでん粉価格をきめるというふうなことには相ならぬと思いますけれども、先ほど申し上げたのは、イモとカンでん、バでんのでん粉需給ということでなしに、最近では、だんだんでん粉類にも、コーンスターチのでん粉あるいは小麦粉でん粉といったようなものも考えたでん粉の需給というものが、非常に影響を受けるのじゃないか。したがってまた、そういう面から競合する価格関係というものも、経済事情としては、いろいろわれわれとしては考えてみる必要があるのじゃないかということを申し上げたわけでありまして、農安法のたてまえは、いまお話しになったようなことで従来きておるわけであります。それを基本に置いてものを考えるというのは当然であろうと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 その点は大事ですよ。いいですか。コーンスターチの原料であるトウモロコシ、あるいは家畜の飼料に供するトウモロコシは、すべて現在自由化になっておるわけです。そこで、三十八年度はトウモロコシ全体の輸入量は実に二百七十万トンに及んでおるわけです。そのうちえさ以外の用に供するものは二十二万トン程度ということになっておるが、これは正確なことは把握できないと思うのです。二百七十万トンのうち、二十二万トンだけがコーンスターチの原料であるというようなことは、食糧庁としてもなかなか正確につかめてないと思うのです。ただ問題はえさ用のトウモロコシの場合には関税率が五%である。それ以外の場合には一〇%である。その関税率の差というものは、やはりコーンスターチの製造業者あるいはえさ業者にとっては、それを国内において一これはいずれもトウモロコシに相違はないわけですから、国内においてそれを流通あるいは処理する場合においては、できるだけ関税率の安いトウモロコシを入れて、それを有利に処理するということも応考えられるわけです。そういう点についても、やはりこれは政府の行政的な措置に問題があるということをわれわれは随時指摘しておるわけです。それから政府の資料によりましても、三十八年度は、このようなトウモロコシを入れて国内で生産、製品化したコーンスターチは、最低十四万トンは生産されるということがいわれておるわけです。これはここ四年間、二万トンぐらいから始まって毎年倍々にふえておるのです。そういうことになると、おそらく三十九年度はこれはまだふえる。場合によっては二十万トンにもなるかもしれぬ。そういうことになった場合に、一方においては農安法によって国内のイモ類、でん粉を保護しておるが、一方においては政府の誤った政策によって、競合するでん粉あるいは原料というものが自由化になっておるというような場合に、一体自由化体制の中で、農安法によって国内のイモあるいはでん粉生産者の保護ができるかどうかということは、これは政策上から見ても重大な問題であります。ですから、そのように野放しされて、無計画に生産されるコーンスターチというものは、これもやはり国内においてはでん粉であります。このでん粉の生産量がふえればふえるほど、カンショでん粉あるいはバレイショでん粉の生産あるいは需要というものが圧迫されることは、これは事実です。そういう諸条件の中で今年度イモの値段あるいはでん粉の価格というものをきめるわけでありますから、やはり農安法に忠実であるということになれば、需給関係とかあるいは流通の状態、生産状態等においても、このコーンスターチ関係というものを分離して、純粋に国内においてイモを原料にして生産されたでん粉というものを主体にして、当然これはでん粉の価格あるいはイモの原料価格というものをきめるのが、当委員会としては至当であると考えておるわけですから、この点は間違いのないように重々念頭に置いて作業を進めてもらいたいと思うわけであります。  もう一点は、この農安法の第七条にも、イモ類の値段あるいはでん粉価格をきめる場合には、事前に生産者団体の意見を聞いて、その意見を尊重して農林大臣はきめなければならぬということが明記されておるわけです。しかし、従来の例を見ますと、なかなかこのことが実行されていない。どうも告示の前日あるいは二日前ぐらいに、政府の決定が固まってしまってから、形式的に生産者団体に尋ねるというような、そういう形で行なわれておるわけです。これでは意味がないわけです。ですから、今年度はやはり作業の過程において生産者の団体の意見を聞き、それをできるだけ尊重して政府の方針をきめるというふうにぜひやるべきであるというふうに考えておるわけです。まだ作業が中途どころでなくて、始まらぬような状態だと思いますので、これ以上深く質疑を繰り返してもあまり効果はないように考えますので、この二点について、政務次官並びに長官から明らかにしていただいて、私の本日の質問は終わりたいと思います。

舘林三喜男自由民主党農林政務次官

○舘林説明員 カンショでん粉にいたしましても、バレイショでん粉にいたしましても、コーンスターチにいたしましても、すべて価格の決定にあたりましては、先ほど長官が申し上げましたとおりに、全体のでん粉の需給関係を勘案しながらやっておるわけでございまして、決してコーンスターチを中心としてきめるというようなやり方でやっていないことは、いま長官の言ったとおりでございます。ただ、現実にいま芳賀委員がおっしゃいましたとおりに、コーンスターチのほうの圧迫が非常に強いということも事実でございますので、やはりこれは今後といたしましては、コーンスターチにつきましては特別にいろいろ考える必要があるということは、全く同感でございまして、ぜひひとつ研究さしていただきたいと思います。  それからまた、生産者団体の意見を、農林省として、政府として決定する場合には聞かなければいけないということは、これはもう法律のたてまえでございまし、全販連その他の意見を十分に聴取いたしまして決定いたしたいと思います。

野原正勝自由民主党

○野原小委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後一時十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗