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46回国会衆議院1964/06/26

農林水産委員会 第64号

発言数
143
登壇者
22
会派数
3
開催日
1964/06/26

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。赤路友藏君。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 私は、きょう、昭和三十三年、三十一国会で成立いたしました水質二法のその後の運営と行政のあり方について、御質問を申し上げたいと思うわけであります。  本日はあえて大臣の出席を求めなかったわけでありますが、本日おいで願いました皆さんが行政の責任者であり、この二つの法律を運営するためいろいろと御努力を願っておる方々であると私は思う。法律ができましてから五年、私の端的な考えを申し上げますと、法律ができたにもかかわらず、各河川の水は必ずしもきれいにはなっいない。むしろ、法律ができてからあと、この期間に、より汚濁の度合いというものがきつくなっておるんじゃないか。そういたしますと、どこかに欠陥がなければならぬ。法律ができたが、一向に水質がきれいにならないということは、法律それ自体に欠陥があるのか、あるいはまた行政の機構の中にどうにもならない何か落ちた面があるのか、こういうことを運営を担当しておられる皆さん方から忌憚なくひとつ御説明を承りたい、こういうことであります。私どもは法律を国会でつくりましても、その法律が生かされなければならないと思っておりますし、また生かすために私どもも努力をしていかなければならぬ、そういう意味で忌憚なくおっしゃっていただきますなれば、私たちも私たちの立場で皆さんに御協力を申し上げ、そしてこの二つのせっかくできた法律が前向きの姿勢にほんとうに実施されていく、こういう形をとりたいと思う。時間の関係等がございますので、私はできるだけ簡潔に御質問申し上げたいと思いますので、皆さんのほうでもその点おくみ取り願いまして、ひとつ簡単明瞭に御答弁を願えますとげっこうだと思うわけであります。まず、この水質保全に関する法律の主管官庁は経済企画庁でございますので、経済企画庁のほうにお尋ねいたしますが、当初この法律ができましてから、調査の基本計画を立てておられるわけであります。その基本計画によりますと、A水域四十二、これが三十八年度までに着手をする、それからB水域三十七、四十一年度末、C水域四十二、四十五年度末、その結果、四十六年の三月三十一日をもって百二十一の全水域の調査を完了する、こういうような計画になっておるのでありますが、この計画のとおりに進められていないと私は思うのですが、その計画のとおりに進められないのには、何かそこに理由があるのか、ただいま申しましたように、どこか欠陥があるのか、その点についてひとつ御説明を願いたい。

崎谷武男総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○崎谷政府委員 調査基本計画で定めてございます百二十一の水域を予定どおりやっておるかという御質問、それが予定どおりにやっていっていないとすれば、どういうところに問題があるかということでございますが、大体いままでに四十二くらいの水域を調査をいたしております。いわゆるA水域と言っておりますものの中の調査をしてないものにつきましては、たとえばその後埋め立てられて、漁業権がなくなるというような根本的な現地の事情の変化がございまして、水質の調査を一応調査計画では立てましたけれども、水質保全法で水質基準をきめていくというようなやり方で必ずしも解決しなくていい、したがって、調査しなくていい、こういった水域がかなり出てまいりました。ですから、その後の事情の変化によりまして、必ずしも調査の必要のないものは落としていった、こういうことであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 そういたしますと、計画はできたが、その後調査を必要としないというような水域も出てきた、こういうことのようでありますが、それは一応おきましょう。そうしますと、現在三十八年度末までに完了いたしましたものがたしか三十五水域だったと思いますが、この調査の完了した水域の自後の処置と申しますか、たとえば水質基準を決定する、こういう作業はいつまでかかるつもりなんですか。大体現在のところでは、四水域が水質基準が決定され、ごく最近にたしか二水域決定したと思います。その後そのままになっておるわけです。そういたしますと、約五年余りの間に三十五の水域の調査をし、指定したのは六水域にしかすぎない、こういうことになるわけです。このピッチでいきますと、いつの日にかこの水質基準が決定するかということが私たちは心配なんです。たとえば東京都のものでありますが、東京都の都市公害対策審議会ですか、ここで公害に対するいろいろ答申を都知事にいたしておりますが、その中にも、これは多摩川の浄化対策として取り上げておるのでありますが、「都民の主要な上水道取水源であり、また健全ないこいの場である多摩川は、急激にその汚濁度合を増してきているので、これの進行を阻止するため、国における水質基準の早期決定が望ましい」このことは、単に私は多摩川だけではないと思う。およそ全国あらゆる河川において、少なくとも工場汚水を放出するような河川においては、同じような危惧を持っておられると思う。いまのような進行状況ではいっそういうものが達成されるかという心配になるわけです。この点何かしっかりした見通しがあるのかということです。こういうことをお尋ねするのは、この二月二十一日、私は本会議で質問をいたしました。その質問のときも、答えはこれは企画庁長官がおやりになったんだが、長官になるとわからぬので、あなたのほうからメモが出たんだと思いますが、こういうことを言っておられます。「一、二カ月のうちに、隅田川、石狩川の残余等五水域ぐらいの水質基準の指定をいたしたいと思っております。残りのものにつきましては、利害関係の調整が非常にむずかしゅうございますが、下水道施設あるいは共同施設などの整備を見ながら逐次指定をいたしてまいりたいと思っております。」こういう答弁をしておられるわけです。一、二カ月の間に——時期に私はこだわりません。が、なお今日隅田川が決定を見ていない実態なんです。しかもこの答弁からまいりますと、下水道の施設ですね、これの整備を見ながら逐次ということになるのですね。そうすると、今日の下水道の普及状況というものを勘案してまいりますと、双方あわせ考えていきますと、いまのようなピッチではこれはよくなりっこがない。何かひとつ具体的にここらで前向きに真剣に取り組みませんと、公害問題はますます大きくなるんじゃないか、こういう心配がありますので、一応その点に対する御説明を願いたい。

崎谷武男総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○崎谷政府委員 いままで調査をいたしました河川で水質基準をきめましたのは、先生御指摘のとおり少数のものでございます。実は弁解がましく申し上げるのはあまり本意ではないのですが、むずかしい河川から取り上げたのです。全国の川百二十一といううち、いままでのピッチでやったら何年かかるんだというお話でありますが、率直に申しまして、いま隅田川で非常に手間どっておりますが、まだ調査をいたしまして水質基準をきめ切らない河川に、明治以来の問題である渡良瀬川とか、石炭問題とからんでおります遠賀川とか、そういうものがあります。私どもとしましては、おかしな言い方ですが、数をこなすことはあまり考えていなかった。むしろ、いままで解決してまいりました北海道の石狩川にいたしましても、木曾川にいたしましても、大きな河川でかなり大きな問題があったわけであります。いままで水質基準をきめたメリットがあまりないじゃないかというお話でありますが、その中におきましてはかなりメリットがある、出つつあるものと私ども信じております。こういう大きな河川を取り上げてまいりまして、したがって、数はこなしておりません。  それから、いままで調査いたしました河川で水質基準をきめていくのはいつごろになるかというお話でありますが、これは前に長官がお話しいたしましたが、時期的にはこれはまことに申しわけありませんが、多少はずれますけれども、石狩川を七月の初めにやりまして、隅田川についても近く具体的にできると思います。それからいまのピッチではよくないので、もっと早くということは、私どもももちろん努力いたしております。確かにいまの段階では、昨年の夏以来隅田川という大きな、まあ化けもののようなものに取り組みまして、非常にそのエネルギーと申しますか、取り組んで時間をかけております。これは近くきまると思います。多摩川につきましても、隅田川が終わりましたあとすぐに、同じ部会で御審議を願うということになると思います。それから渡良瀬も近く部会で検討いただける段階だと思いますけれども、そういう大きなややこしいのが逐次片づいていきますならば、あとは——大体いままでのピッチでは毎年七、八本の河川をやっております。七、八本の河川を調査いたしまして、そのほかに補足的にまた一年調査するというような問題がございます。それから学問的にいろいろ排水と被害の関係がはっきりしないものもございます。こういった関係で、かなり学者の間にも論争がございまして、解釈に戸惑うわけでありますが、大体毎年七、八本ずつの河川をやるといったピッチでございますので、それが二年くらいたちまして水質基準が設定されるということになりますと——三十九年度も大体そういうピッチで、そのうちに渡良瀬とか大きな川がございます。こういうむずかしいところが終わりましたならば、ピッチは急に上昇していく、私どももそうありたいと思って努力しております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いま御説明になりますように、まあ問題のあるむずかしい川から手をかけていっておる、この点は了解いたしましょう。ただ、おっしゃるように、そのむずかしい川から手をつけるのはいい。しかしながら、とにかく今日まで三十五の水域がすでに調査完了しておるわけです。この三十五水域が調査完了しながら、水質基準の決定したのが六つしかないということは、これは確かに長官が本会議で御答弁になったように、利害得失と申しますか、まあ工場との関係とか、いろいろなものがあると思います。あると思いますが、そのために川がどんどん汚濁していく。もっと私は率直に言えば、法律ができましてからは、むしろ業者の人たちは、法律ができたんだから、基準設定をしてもらいさえすれば私たちは守りますという形なんです。そうしてやり過ぎに出しておるとしか私たちは考えられない。法律ができる前は、むしろ何か出して被害を与えるといけない、こういう道義的な遠慮があったと思う。法律ができてしまいますと、法律ができたんだから、水質基準を決定してくれさえすればわれわれは守るんだ、こういう変な形のものが出てきていやせぬか。それが非常に通産省あたりでいろいろな指導をやっておるが、依然として水質がきれいにならない一つの原因ではないかと私は思います。そういう状態でいつまでもほうっておいてはいけない。だから、すぐ水質基準を決定するということがやはり問題を前進させていくゆえんじゃないか。いろいろむずかしいと思う。むずかしいと思うが、いまのような状態でこのまま進められたのでは、問題はますます大きくなる、私はそう考えるが、その点をひとつ十分御理解を願いたいと思う。  それから水質基準を決定したあとの状態をどういうふうに監督し、どういうふうに検査をしておられるか、その点をお聞きしたい。一点でけっこうです。剛たとえば石狩川であってもいい。淀川であってもいい。あるいは江戸川であってもいい。どういうふうに水質基準を決定した、それが守られておるかどうか。水質が基準決定後よくなっておるのか、悪くなっておるのか。そういう監督あるいは実行面はどういうふうにおやりになっているのか。

崎谷武男総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○崎谷政府委員 先生の前段のお話は、私どももできるだけそういうふうに進めておるわけでございます。  それから水質基準決定後の川がどうなっておるか、これは実は、一応水質基準を決定いたしますと、工場排水は工場排水法、公団の関係は公団関係の法律というふうに、各主務大臣が刑にいるわけでございますが、私どもの承知しておるところでは、江戸川水域につきましては、かなり水質基準の決定後は効果があったものと承知しております。また企画庁も、一応最近になりまして、水質基準の決定後の、これは工場の排水ということでなくて、むしろ川の流水の水質を見るわけでございますが、アフターケアということにもぼつぼつかかっておるわけでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 私の言いたいのは、もりとむき出しに率直に言いますけれども、いまのあなたのほうのやり方ではおそらく無理ではなかろうか。たとえば工場排水の規制法に基づく監督は通産省がおやりになる。川の水質それ自体は、やはり水質保全の法律がある限りは、企画庁のほうで考えてもらわなければいけない。あなたのおっしゃるように、この法律は、排水口でとっておるわけですから、川の全体の水質は押えられていないと思うのです。この点は、行政管理庁のいまの勧告の中にもその点が言われておるわけなんです。そこを私は言おうとするのではない。私の言いたいのは、この二つの法律を企画庁と通産省が主管官庁としておやりになっているのだが、十分監督ができるのか、パトロールができるのか、私はこの点を心配するわけなのです。たとえば工場排水規制法に数多くの工場名が出て、それの監督官庁が全部あるわけです。本省でやっているのですが、通産省管轄が非常に多いわけです。通産省管轄では、たとえば東京都管内は東京通産局のほうでおやりになっている。それで一体、この東京周辺の数多い工場の監督なりパトロールなりの指導ができるのかどうか。もちろん、都のほうでは都の条例を出しておりますけれども、しかし、古い都の条例では、法文が全部死んでしまっている、そう私は考える。今日の段階でそういうようなことができるのかどうかということです。そこに手落ちがないかどうか。いまおっしゃいましたが、江戸川は三十七年の十月一日に水質基準が適用されておる。三十八年五月から三十九年三月まで毎月の水質を押えておりますが、約五〇%は水質基準よりオーバーしています。流山で押えている。そうすると、水質基準の設定がありながら、一向よくなっていない。これは水量の関係等もあることはもちろんでしょう。しかしながら、それでは実際問題として意味ないのです。通産省なり企画庁で、水質基準を決定したその河川の水質を調査されたことがございますか。

崎谷武男総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○崎谷政府委員 江戸川につきましては、先生御指摘のような問題は、実は私いまここではっきりお答えをするのには、技術的な問題にもなりますので、あれですが、私の承知しているところでは、新中川放水路ができましたりした関係もございまして、アフターケアの成績といたしましては、採取地点におけるCODが予想よりはよくない、こういう結果を一応承知しております。その辺につきましては、工場排水法の上でどういうふうにおやりになっているかお聞き願いたいと言えば、まことに無責任のような言い方になろうかと思いますが、水質保全法、工場排水法でいきまして、先ほどお話しになりました所管の問題その他もございますが、どの程度まで守っているのかという問題、水質保全法は、各省寄り集まって、産業協和というようなことで、一応妥協的なといいますか、水質基準をつくり、それを尊重したベースで、これは実は通産省だけではなく、たとえば食品工場なんていうものは、最近隅田川なんかにつきましては、非常に大きなウエートを占めておりますが、この食品工場なんかにつきましては、農林省との関係が出てくるわけでございますが、いずれにしましても、工場排水法のほうの主務大臣、こういうことになっておりまして、この辺が水質保全のポイントではなかろうかという御意見は、まことにごもっともでございますが、私どもいままでのかっこうでは、曲がりなりにも水質基準をきめて、工場排水法で守っていくというようなかっこうで、先ほど申し上げましたような一応の成果をあげつつあるもの、こういうふうに考えております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 通産省のほうはこの点に対してどうですか。

馬郡巖通商産業事務官(企業局産業立地部長)

○馬郡政府委員 御指摘の江戸川水域にかかります工場排水の調査は、私どものほうで、三十七年に指定されましてから、その後施設の改善につきまして指導いたしました結果、私たち通産省関係の所管といたしましては、三十八年九月調査いたしました水質によりますと、大体全工場につきまして、規定されました水質基準以下の水が流されているということで、通産省所管関係に関する限りにおきましては、現在水質基準が順守されているというふうに考えております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 通産省のほうでお調べになったそれぞれの工場の排水口、そこでの基準は、一体基準に適合しているのかどうか、こういうことだと思う。そういたしますと、江戸川の水が基準決定線よりもオーバーしているということになりますと、それは何か原因があるわけです。工場は基準どおりに出している。ところが、採水地点は浦安橋ですが、浦安橋で採水した調査資料によると、やはりオーバーしている。大体十一月が完全オーバー、それから三十九年の一月−三月、これが完全にオーバーです。こういうことを考えてまいりますと、どこかに原因がある。それはあるいは流水量全体が非常に減ってきて、そのためにそういう結果が多くなってきておる。そうすると、これは流水量との関係をよほど考えませんと、単に工場だけの立場に立った基準の設定では、公害はなくならないことが考えられると思うのです。今後あることですから、この点は十分御注意願わなければならぬと思う。現在東京都民の飲料水の七〇%までは多摩川の水に依存しておる。その多摩川で昨年の五月、九月、十二月、ことしの四月、四回にわたって魚が斃死しておるのです。この数は二十万ともいわれ、百万ともいわれておる。現に一千数百万円の損害賠償が会社側に対して出ておるわけです。ところが、今日に至るも原因がなおかつ不明なんです。そういう事態が続々起こってくるという心配があるわけなんです。この点もう少し私の言いたいことは、水質基準の設定はされたが、その後における措置に手抜かりはないか。たとえばいまおっしゃるように、各工場を押えて回る、けっこうです。それをおやりになるのは、本省でおやりになるわけがないのです。あそこの工場のあれを押えるということは、東京の通産局でおやりになる。通産局におる職員でも、あの課にいるのは八人でしょう。それで東京全体を押えていかなければならぬ。これは物理的に私は無理だと思うのですよ。私がきょう言いたいのはそれなんです。物理的に無理であることを平気でやっておられるところに、私は問題があるんじゃないかと思う。どうしてパトロールをやりますか。どうして監督をいたしますか。どうして指導していきますか。この前、私の質問に対して通産大臣はおっしゃっておる。三十五年以降毎年度五業種、十五種にわたって施設基準をきめた。中小企業の業種については、三十四年以降平易な汚水処理判断の指導書を出して指導をいたしております。——私は資料をいただこうと思ったら、ただそういうような雑誌があるというのですか、そういうような単行本があるだけでしょう。それを出しただけなんです。私はもっと突っ込んだものがあるかと思ったけれども、ないですね。私は、通産省の立場はよくわかるわけなんです。われわれは決して川をきれいにするために無理な荷を工場に負わしてはならぬと思うのです。水をきれいにしなければならぬ。しかし、工場をつぶしてはいけない。だから双方相マッチした点でこれを押えようとするわけです。それにしても、いまの隅田川の決定の場合でも、いまだに隅田川の水質基準が決定していないというのは、率直に言いますが、おかしいのです。日本化学工業協会から「工場排水の下水道放流問題に対する意見書」というものが出ておりますね。私はこれを官庁側がすなおに受け取っていただきたいと思うのです。こういうことを言っているのです。少し私はへそが曲がっておるかもしれませんが、「何れの国も放流先の河川の水質基準に適合するよう自家施設で処理する方法と下水道に放流する方法とが、どちらがより経済的であるかにより、両者を自由に選択せしめて居ります。」これは、欧州各国いずれもこういう形だということを言っているわけです。私はそのとおりだと思う。選択されていいと思う。下水道を利用するほうが工場が経済的であると思えば、下水道を利用さそう、またみずから廃液浄化装置をやったほうがいいというのなら、それをやらそう、こういうことをはっきり言ってきておる。この言っておることをそのまますなおに受け取って、指導してもらえばいいと思う。そういう点に対する指導が、上部のほうだけで何か公害対策委員会を持ち、動いておって、それが全然末端におりていないのじゃないかという懸念があるわけです。それが法律ができて今日までそういう状態できておるのだというふうに解釈せざるを得ない。そのことが河川を一向きれいにしない原因じゃないか。通産省のほうでそれに何か御意見があれば承りたい。

馬郡巖通商産業事務官(企業局産業立地部長)

○馬郡政府委員 御指摘のとおり、三十四年及び三十五年から施設基準をつくり、あるいは中小企業向けのハンドブックをつくって指導の基準といたしておりますが、これは本をつくっただけじゃございませんで、業界、団体を通じまして、講習会なり現地指導なりというものを、この指導書ないしは施設基準を通じまして行なっているわけでございまして、特に施設基準等につきましては、指定水域の水域が指定されたかいなかということにはかかわりませず、一応工場をつくります場合のスタンダードとしては、この施設基準に合わしてもらっておる。ただ、現実にその川につきまして水質基準がきまりますと、これは川によりまして水質基準の程度がいろいろと違いますので、さらに付加する設備も要ろうかと思いますが、一応のスタンダードとして指導しておる、こういうつもりにしております。事実各地方のほうでも、その点につきましては協力を願っているところでございます。特に中小企業の場合につきましては、自分の排水している水がどんな水質の水であるかということ自体もなかなかわからないというような中小企業もございますし、また事実、この処理施設を設けますこと自体が、中小企業に対しては非常に重荷になるというケースもたくさんあるわけでございまして、それらの点につきましては、あるいは中小企業の近代化資金等々を使いまして今後の指導に当たっている次第でございますが、ただ、河川の使用もふえてまいりますし、対象工場もふえておりますので、現在の取り締まり体制自体で十分であるかどうかという点については、なお現在検討を行なっているところでございます。通産局自体の陣容を強化する方法もございますし、現在一部の業種につきましては、各府県にお願いしている分もございますが、それらの点を取りまとめましてなお現在検討しているところでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 通産省のほうは後ほどまたお伺いすることにいたしまして、お見え願っておりますその他の省の方々に、いまの点でお尋ねいたしておきたいと思います。  工場排水規制法により、それぞれ工場の監督官庁がきまっておるわけで、主として通産省でありますが、おっしゃるように、都道府県のほうへ委任をしておるものがありますし、酒類製造に対する施設等に対しては国税庁のほうでおやり願っておるようなんですが、おやり願いましたでしょうか。国税庁の方、お見えになってますか。

江口健司大蔵事務官(国税庁間税部酒税課長)

○江口説明員 酒税課長でございます。  私のほうの指定水域関係につきまして、関係工場が八工場ございますが、現在のところの実施状況を御説明さしていただきたいと思います。  八工場のうち、五工場は、すでに水質基準に合致すべき施設を全部完了してございます。具体的に申し上げますと、野田の流山工場、それから東邦酒類の流山工場、合同酒精の松戸工場、宝の京都工場、サントリーの山崎工場、これだけは全部施設が完了してございます。それからそのほかに関係工場三工場ございますが、宝の市川工場、これは現在松戸のほうに新設工場を設けまして、ここで汚水処理の施設を着工中でございます。それから旭川の合同の工場がございますが、これは本年の三月に勧告をいたしまして、現在工場を休業いたしまして、設備の工事を進めておる状況でございます。  一般的に申しますと、私のほうは、製造の関係につきまして、すべて免許制度をとってございます。それから工場を移転する場合にも、移転の許可ということが法律条項になっておりますので、その際に、すべて該当施設につきましては、汚水処理施設を必ず設けるということを条件にして、免許あるいは移転の許可ということをいたしてございます。既設工場につきましては、いまのところ、残念ながら、合同の旭川工場が、諸般の事情から、施設を直ちに改善するということがなかなか困難な事情がございましたので、北海道庁とも打ち合わせをいたしまして、一応手続上、勧告という措置をとってございます。たまたま旭川工場の場合には、季節的にオーバーホールをするというふうな時期がございますので、それを若干繰り上げまして、現在設備の改善をいたしておるわけでございますが、たまたま需要の時期が近づいてまいりました関係上、一部時期を繰り上げて解除さしてもらいたい、設備の改善と並行いたしまして一部の操業を開始さしてもらいたいという要望が最近出てきております。今後新しい方向といたしましては、これは後ほどの御質問にあるのかもしれませんですが、われわれの立場としましては、指定水域につきましては、当然設備がなければ免許を下さないという方針をとっておりますし、それから指定水域以外の地域でございましても、当然将来水質の保全ということは大事な問題でございますので、必ず汚水処理の問題を条件につけまして、内免許を与えて、工場が設備を完成した上で本免許を与える、こういうことを強行に実施をしておる次第でございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いま御説明願ったように、大きな工場でありますから、当然自分のほうの手でそういうような浄化装置をおやりになると思います。またそういうような条件付で認可をしておられるということ、けっこうだと思うのです。  ここで、一点私の希望を申し述べさしていただきますと、浄化装置があるから使っておるということは必ずしも言えないと思うのです。それはひとつ御注意を願わなければならぬ。私は幾多そういうことを体験しておるのです。名前を申し上げてもいいので、工場が二億数千万円も出して浄化装置をつくっておりながら、使っていない。それで抜き打ちに行くと、びっくりして、そうしてジャーと出すものだから、それじゃそんなものはすぐわかってしまう。いよいよ問い詰めていきますと、管理費が非常にかかる。それで工場がどんどん成績があがっておるときは、わりあいいいわけなんです。少し状態が悪いと、もうちゃんと一つ逃げ道ができておるわけです。なまのままそのままで、浄化槽へ入れないで、あけちゃって出すような装置ができておるわけです。最近のように公害問題が大きく表に出てまいりますと、そういう不届きな業者はなくなっていくだろうと思います。なくなっていくだろうと思いますが、監督官庁としては、その点十分ひとつ御監督願いたい。私は、岩国でもあるいは加古川でも現実にそれを見てきております。だから、そういう点についての御注意をお願いいたしたいと思う。浄化装置をやったからというのでなしに、やはり常においでになった場合、あるいは定期的にでも、排水の状態というようなものをやっていただく。このやっていただくということが、業者をして守らすということにやはりなるわけなんです。何べんやっても、同じように守っておるでしょう。守っておるが、なおかつそれをやることが、業者がその基準なり何なりきめられたことを守っていくというゆえんだと思いますので、少し無理な御注文であるかもしれませんが、そういう点はひとつ十分考えておやり願いたいと思います。国税庁のほうはもうけっこうです。  それから農林省のほうにお尋ねいたします。  最近、ここ五年間ほどの統計を見てみますと、漁業被害が非常に多くなっておる。この前も申しましたように、ざっと四千件以上に上がっておりますが、その中で一番被害率の多くなってきておるのはでん粉工場なんです。このでん粉工場等に対します監督官庁は農林省のほうなんですが、工場の設立等にあたって、これはどういう指導を一体やっておるのか。それから廃液の処理装置などについて、何か指示を与えたことがあるのかどうか。

中島清明農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○中島説明員 でん粉工場の設立等の場合、私どものほうで、水質等の問題につきましては、水産庁とよく相談をいたすわけでございますが、実は農業近代化資金あるいは公庫資金の融資等の方法がございますので、そういう融資等に際しまして、漁業被害があるのかないのかという点をよく水産庁とも相談いたしまして、そういう被害のないことを確かめました上で融資をする、あるいはそういう必要な施設に対しましても融資をいたしますとか、そういう方法によりまして、でん粉の汚水による漁業被害を食いとめるように指導をいたしておる次第でございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いまの御答弁は、どうもちょっといただきかねます。大きなでん粉工場ならいざ知らず、最近できております中型のでん粉工場では、おそらく政府機関からの融資ということでなくともやっていくのではないかと思うわけなんです。もちろん、融資の場合、条件をおつけになるということはけっこうでしょう。そういうふうにして御指導していただいていい。ただ、私一例を申し上げますが、私のほうの池田湖は、御承知のとおり、あれはアユの稚魚の生産所なんです。川の水は全然ないわけなんです。湧水でやっている。あの周辺に驚いたことに八工場できておるのです。全部あの中に入れておる。私は見てみてびっくりした。そういうようなことが私は何も鹿児島だけじゃないと思う。各地で行なわれておる。だからこそ、こういうような漁業被害というものが出てきておるのではないかと私は思うわけなんです。いまおっしゃるようなその程度のことでは、これは問題にならない。  それじゃ、一点変なお尋ねのしかたですが、浄化装置を、たとえば荏原であるとか、どこかそういうような浄化工場でつくっておると思うのですが、でかいものでなしに、何かでん粉の小工場あるいは中のものに向くような簡単なものがあるのですか。お聞きになっておりますか。

中島清明農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○中島説明員 いま先生お尋ねの、具体的な浄化装置にどういうものがあるかという点につきましては、承知いたしておりませんが、ただ、いま先生から御指摘ございましたように、融資の際に規制するだけでは不十分である、こういう御指摘でございます。私どもといたしましても、でん粉工場の汚水によりまして、水産に被害をかけるということは、これは非常に遺憾に存じますので、よく水産庁のほうとも連絡をとりまして、なお行政指導の方法等につきまして検討いたしたい、かように考える次第であります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 そういうふうに、いま御答弁のようにやっていただきたいと思います。  一つだけ御注意申し上げておきますが、これは農林大臣所管になるわけなんですが、すべて都道府県知事のほうへまかしておるわけですね。だから、農林大臣名で厳重にこれに対してはやはり申し入れをするとか、あるいは指導要領を出すとかいう措置をおとり願いたいと思うわけです。ともいたしますと、でん粉工場の場合は、やはりそれぞれ農業との関係がありまして、知事としては非常に無理をする場合があり得ると思いますから、そういう点ひとつ御留意を願いたいと思う。  それから北海道のほうでは、たとえば美幌でん粉工場ですか、これはホクレンですか、ここで今度やっておりますものは、排水を灯地に散布をする、そして一挙両得というような形をとろうとしておるわけです。あるところでは、そのために八千万円の処理費用を何か組んでおるようですが、そういうことも地場ではやっておるわけです。そういう面に対しても、ひとつ十分な指導をしていただかなければならぬ。あるいはまた、これもたしか北海道だと思うのですが、北海道のほうで、かって、五、六年になりましょうか、でん粉の廃液の処理について、これは薬品処理でない、もう何にもない、ただ廃液の貯槽を三段がまえにつくって、ある一定の長さをずっと廃液を出す、その間に発ぽうしたものだけをどんどんとっていく。それが一体いいのかというと、川へ入ったときに、川の雑菌がその発ぽうに何かして変な悪水に変化してくる、それを防ぐというので、成功しておるという実例等もありますから、こういうところを十分御調査願いまして、ひとつ指導体制に間違いのないようにしていただきたいと思うのです。  それから、それをやるのには予算がありません。全部これは各省とも、これだけ問題になっておるのに、まともな予算を組んでいないのです。農林省なんかその最たるものである。これから予算編成にもかかりますが、ひとつ十分御留意願いたいと思います。園芸局のほうはそれでけっこうです。  次に、運輸省のほうにお尋ねいたします。外務省のほうも同時にお聞きおき願いたいと思いますが、一九六二年の九月三十日、国連におきますところの公海に関する条約が発効いたしておりますが、もちろん日本はこれに対して批准はいたしておりません。批准はいたしておりませんが、国連に加盟をいたしております限りにおいては、私は、やはり守られなければならぬ、こういうふうに考えておるわけなんです。この公海に関する条約の二十四条、「いずれの国も、海水の汚濁の防止に関する現行の条約の規定を考慮して、船舶若しくは送油管からの油の排出又は海床及びその地下の開発及び調査の結果生ずる油の排出による海水の汚濁の防止のための規則を作成するものとする。」要するに、水質保全に関する規則をおつくりなさいということになっておるわけです。これに基づいて各国ではいろいろやっておるわけでありますが、同時に国内のほうでも、三十七年十二月六日、船舶の油による海水等の汚濁の防止に関する法律案、こういうものがすでにできておるのです。それが今日に至るも何ら成立していない。どこにそういう原因があるのか、これが一点。これが三十七年の十二月六日にそういう法律案原案ができておるのに、今日に至るまでもそのまま放置されておるという原因は、一体何なのか、その理由をひとつお聞きしたい。  もう一つは、すでに国際的に油の海洋投棄については、一九六二年に国際会議で採択されたものがあるわけです。油による海水の汚濁防止に関する条約、これはすでに二十五カ国がこれに対してあれをやっておるわけですね。わが国のほうではこれがない。そこで、行政管理庁のほうのも運輸省へ出ておると思いますが、「油による海水の汚濁防止のための国際条約について」、油による海水の汚濁防止のための国際条約は、主要海運国を含む二十五カ国により批准されているにもかかわらず、わが国ではいまだ批准されていない。そしてすみやかに批准すべきであるということを行政管理庁は行政調査の中で指摘しているわけです。これを外務省なり運輸省なりは一体どういうふうに受けとめておられるのか、この二点についてお尋ねしたい。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 現在まで油によりますところの汚濁防止に関しまする法律案が成立しておりません。その原因につきましては二点ほどございます。  第一点につきましては、この五四年ないしは六二年の油濁防止条約、これにつきましては、先ほど御指摘ございましたように、これを実施いたします場合に、距岸大体五十海里以内において一切の油の投棄を禁ずるということになっておるわけでございますけれども、それに伴いまして、船舶の池水分離装置というものを強制するわけでございます。それから第二には、港湾におきますところの廃油処理施設と申しますか、そのようなものの設置を義務づける、こういうような二つの条項があるわけでございます。船舶の油水分離装置につきましては、現在におきましては、外航船舶につきましては、ほぼこれをみな備えておるという状況でございます。問題は、国内のみを航行いたします内航船舶につきましては、これはほとんどいわゆる一ぱい船主と称しまして、極度の零細企業でございます。したがいまして、これらにそういうような分離装置を強制するということは、現在の内航の企業経営という面から見まして、非常に困難でございます。この点につきまして、私どもといたしましては、従来内航対策といたしましてはほとんど何ら措置していないという状況でございましたので、本年度からは、これらの零細ないわゆる一ぱい船主、これらの船質改善措置というものを施行してまいる予定にしておりますが、この場合に、財政資金——特定船舶整備公団によるところの財政資金給与の代替建造をいたします場合に、これらの油水分離装置というものをやりたいということで、これは今後所要の法律案が成立いたしますれば、直ちにそういう方向で進めていきたい。ただしかしながら、予算その他において相当限度がございますので、現在二万数千隻にわたりますところのそういうような内航船舶に一挙に実現することは、相当困難と思われますので、多少時間をかけてもこの点を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、それがまだ完全に進んでいないというところに一つの原因がございます。  第二の原因といたしましては、港湾におきますところの廃油処理施設の設置ということでございます。この点につきましては、現在公共事業として非常に取り上げにくいというようなこともございますが、私どもといたしましては、やはり問題になりますところの港湾——港湾は非常に多うございますけれども、主としてそういうような点の問題の多い港湾といたしまして、本年度におきましては、横浜、川崎というようなところを取り上げまして、廃油の関係の施設を整備してまいりたいというふうに考えておりますが、これらも港湾が非常にたくさんございまして、ある程度の時間がかかるというような点、こういうような点で、実は条約を受諾いたします場合に、当然伴ってまいりますところの、そういうような二つの義務というものの受け入れ態勢を目下整備中というような状況でございまして、私どもといたしましては、一日も早く、こういうような船舶あるいは港湾におきますところの受け入れ施設、あるいは処理施設、こういうようなものについて、なるべく早目に完成を急ぎまして、そして大体のめどがつきましたときに、これらの条約を批准、受諾してまいりたい。また、それに伴っていろいろの所要の関係法律案を整備してまいりたいということで、現在その点も取り急ぎ検討中だという状況になっておるわけでございます。  したがいまして、第二点の条約の受諾の問題につきましても、ほぼ同様な事由になっておりまして、これらの点につきまして、現在わが国の状況から見まして、いずれにいたしましても、油濁防止条約というものをなるべく早目に受け入れ、また実施してまいりたいというふうに考えております。そのための前提条件になりますところの、いわゆる施設の整備も非常におそくなって申しわけないと思っておりますけれども、本年度からこの第一着手をやっておるというような状況でございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いまの御説明で大体了承したいと思うわけなんです。けっこうだと思うわけです。ただ、予算の関係等ということばがありましたが、予算をとる上からも、あるいはそういうようないまお考えになっておることをおやりになる面からも、やはり何か一つ法律的な基礎がありますとやりやすいではないかと思うのです。そういたしますと、私たちも側面から御協力等もできると思うわけです。よりどころがございませんと、おっしゃっていることがなかなかはかどらぬではないかと思うわけです。  そこで、きょう申し上げることは、できるだけすみやかにこれの国内法をつくっていただきたい。おっしゃるように、外航船舶等大型の会社、これは最近、あなたのほうの指導だと思いますが、政府の意図によってそれぞれ大手が何社かずつ寄って整理をされてきておる。これと違った意味で、国内の小さい業者のほうは、非常に零細であるから無理なことはわかりますが、だからといって、そのままでやっておっては前進態勢にはならないと思います。非常に御無理な点がありましても、一応ここで何かを一つつくって、それに順応さしていく。それに、対しては補助なり助成をする。皆さんおいでになるから申し上げたいのですが、これは何も運輸省関係だけではございません。いま問題になっております隅田川辺の工場が下水の中に入れる場合でも、現在の状態では、五百七十ほど下水を利用し得る工場があるわけです。そのうちで五百余りしかこれを利用していない。しかも五百余りの工場がごく零細な工場であって、一日の排水量は二万六千トンくらい、あと残された五十に足りない工場が一日に十二万トンの排水をやる。これはトン当たり五円取られるからというので、入れてない。私は事情はわかるわけなんです。零細な工場ですからね。大工場であってもそうなんです。何か生産にプラスになるならほっておいてもやりますよ。生産それ自体にプラスにならない、もう使ってしまった廃液なんですから、これに手を入れるということは、コストが高くなるだけの話です。これはわかるわけです。だからといって、そのままやられたのでは、一般の国民が迷惑をするわけです。そうしますと、国の全体の施策として、そうしたものをやり得るような条件をつくり上げていくべきであると思う。いま、たとえば固定資産税を免税しておるというようなことも一つの手。あるいはまた、その他、融資の措置等も考えておられるという。しかし、これだって、私調べてみましたが、中小企業の金庫ですか、ほとんどここではわかりません。開発銀行だって、調べたら、最近では何ほどもない。そういう状態で、金融の面でも、あるいはそういうようなことをやらせ得る条件をつくる面でも、私は手抜かりがあると思う。こういう面にやはり直剣に取り組んでいただきませんと、これはなかなか無理が生じてくると思う。もちろん、これは予算との関連があるわけですけれども、今後そういう点をひとつ十分お考え願いたいと思うわけです。あなたのほうの御答弁でよくわかりましたので、外務省のほうの関係はもうけっこうでございます。  ここで、行政管理庁のほうへお尋ねいたしますが、管理庁のほうで、公害防止に関する行政監察結果というのをお出しになっておりますが、ずっと読ましていただきます。非常に適切な指摘をなさっておられるので、私は敬意を表しておるわけなんです。非常に行き届いた注意をされておって、私は一つ一つもっともだというふうに考えておるのですが、ただ、一点疑問を持ちましたのは、この中で法律の欠陥ということに対しては全然触れていないわけです。法律というのは立法府でやっておるので、何か国会に対して無礼に当たるだろうというので、法律の欠陥について触れられなかったのか、この点ちょっとふに落ちない一点です。これは何かお考えがありましたらお聞かせ願いたい。  それからもう一つは、これだけのことを勧告していただいて、勧告のしっぱなしじゃ意味がないと思うのです。これは勧告のしっぱなしでございましょうか。その二点にわたってお聞きしたいと思います。

山口一夫総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○山口政府委員 法律の欠陥についての指摘が足りないというお話でございますが、監察にあたりましては、場合によりましては、法律自体についての意見を申し上げ、それに従って必要な立法措置をお願いするという場合もございます。公害監察のうちで、特にただいまお話のございました水質汚濁防止行政の関係につきましては、お話のございました水質関係の二つの法律がすでに出ております。この二つの法律につきましては、法律自体の欠点というよりも、むしろ法律の施行の状況が非常に目立って検討を要する点が、顕著にわれわれの監察の結果読み取られましたので、水質二法につきましては、特にその施行の状況あるいはその法律の実施に基づく各種の措置の促進という点に主眼を置いて勧告をいたしたのでございまして、監察全体といたしましては、もし必要なれば、法律の欠陥につきましても指摘をすることは、一般的には考えております。  それから第二点の、勧告しっぱなしではないかという点でございます。これにつきましては、特に問題が各省にわたる問題でもございますし、また各省の連絡によりまして十分にその成果を期待いたしたいと考えておりますので、勧告の冒頭にございました公害防止対策の推進態勢につきましては、特に今年の初めに、閣議決定によりまして、関係各省の会合つくり、すでに一回会合を持ちまして、引き続き第二回以降の会合を繰り返しまして、勧告の推進に今後とも努力してまいりたいと考えております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 何かもっともらしくお聞きしたわけで、そういう観点でおやり願ってけっこうなんですが、お願いしたいことは、末端への指導なり監督ということです。これは現在ある法律に基づいて関係各省がそれぞれおやりになるわけです。ところが、私が先ほどから申し上げますように、法律はある。そうして機構もできておる。しかし、それが何かこう上のほうだけでから回りして、末端へ浸透していかない。これはやはり人員の面で第一不足があると思う。それから予算の面で不足があると思う。私はもうむき出しで先ほどからも申しましたが、上だけでは動いておっても実際いかない。これが一点あると思います。  もう一つ、もっと地方の団体を使っていいのじゃないか。たとえば、先ほど申しましたようなでん粉、てん菜等は、都道府県知事が監督することになっておるわけです。私が一点心配しますのは、いま言うように、予算が少ない、人員も十分でない。それでこの膨大な仕事をやろうといっても無理なんですよ。ところが、法律の面では、それぞれの所管省が末端までやるようになっております。たとえば東京なら東京を取り上げた場合に、東京都ではこの法律については何の権限もありません。東京都にある都条例というものは死んでくるのです。東京都の条例をとってみましたら、公害防止条例がありましても、この新しい二法ができて、工場排水規制法ができまして、工場を監督する権限というものは全然ないわけです。だから、たとえば東京都が出ていって指導という形でのあれはできるかもしれませんが、パトロールし、監督するという立場には、少なくともこの法律面では置かれていないわけです。そこに欠陥が一つあるのではないか。人員で不十分、予算も不十分、そうして東京都なら東京都それ自体も活用できないということになると、仕事をせよと言うほうが無理である。私はそういうふうに考えるのです。だから、先ほどお尋ねしたのは、法律的な欠陥ではないのだろうか、こう思うわけです。こういう点を十分これからあれをしていただきたいと思うわけです。  それから建設省のほうにお尋ねいたしますが、先ほどからもうおわかりと思いますので、ごく簡単に申し上げたいと思いますが、下水道の関係です。おそらくいままで公害関係、特に水質汚濁の問題を取り上げて、いろいろ各省間でそれぞれの担当者がお寄りになって協議されたことと思う。現に公害防止対策協議会というものを発足しておやりになっておるわけです。何を協議され、どうなったか、私はわかりません。しかし、従来の大臣の御答弁なりあるいは従来のあり方を見てまいりますと、下水道との関係を非常に大きく重大視しておる。下水道の施設が進む、そうすると、それを活用する、そうして水質二法の目的を達成していこう、こういうピッチで進んでおることは間違いない。この法律をつくりました当初においては、そういう意図がわれわれの中にもあったわけです。ところが、一向に下水道のほうのピッチが進んでいかない。現在東京都だけを押えましても、二九%、現に荒川を中心にする十四都市全体を含めましても、下水道は三二%近くしか進捗度がないわけです。しかも本年度予算は、全体として大体九十二億減っておるわけです。三分の一くらい減っておるわけです。いまのようなピッチで進んでいったら、とてもじゃないが、計画はされておっても、計画のとおりいかないのじゃないか、こういう懸念があるわけです。そうしますと、下水は進んでいかない。下水と一緒にやるのだと言っておったのに、だんだんよごれのほうが先に行ってしまい、収拾つかなくなるのではないか、こういう心配があるわけです。現にそういう状態になってきつつあると私は思うわけです。そこで、この下水関係は、建設省のほうでもう少し進めて、計画をいまの状態よりも前進した形でやっていけないものかどうか、そういう点、建設省のほうから……。

井上義光建設事務官(都市局参事官)

○井上説明員 お答えいたします。  下水道の推進につきましては、建設省としましても、重点施策といたしておりまして、先ほど先生から下水道が進捗していないというお話がございましたけれども、予算全体について申し上げますと、昨年度は全体で国庫補助事業が二百十億ばかり、本年度は約三百億というふうに、事業の伸びとしましては、建設省所管関係では最も重点的に伸びているという事業になっております。御指摘のように、下水道の普及率は、現在全国の市街地について申し上げますと一六、七%、東京都につきましても三割弱というふうになっておりますが、厚生省の終末処理関係と十分調整をとりまして、先般成立を見ました環境整備の促進に関する法律によりまして、五カ年計画を策定いたす準備を進めておりまして、昭和四十二年までには大体全国的には市街地の二八%、六大都市につきましては五割以上を整備したいというふうに進めております。  なお、下水道は、市街地に湛水しました内水の排除あるいは環境の整備のほかに、水質汚濁の防止という重要任務がございますので、特に重要な多摩川あるいは隅田川、それから京都という大都市を上流に持っております淀川等につきましては、特別に汚濁対策としまして、昨年度あるいは本年度から三カ年あるいは五カ年で、緊急地域につきましては下水道を完了するようにという意味で計画をいたしております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 計画のとおりやっていただければけっこうなんですが、私はこれをいただいたわけなんですが、荒川だけを見てみますと、四十二年度、荒川関係だけで五三%進捗ということになっておるわけですね。しかし、これはまあ建設省のほうで計画はお立てになりますけれども、各地方団体がやります場合は、起債は自治省のほうでおやりになるのですね。その間の連絡は十分あるわけですか。この計画と関連が……。

井上義光建設事務官(都市局参事官)

○井上説明員 下水道につきましては、国庫補助は三分の一になっておりまして、起債につきましては、自治省と十分連絡をとりまして、七大都市とそれ以外の都市というふうに区分いたしまして、その財政に応じまして十分な起債が行なわれるようにというふうに措置されております。今年度で申し上げますと、国庫補助事業が約三百億、それから地方公共団体が単独でやるものと見込まれております支線部分が百五十億程度というふうに考えておりますが、これにつきましては、起債としましては二百七億というふうなものが予定されております。これによりまして、下水道につきましては、敷設いたします場合に受益者負担金という制度がございまして、下水の排水区域の土地所有者その他の権利者が三分の一ないし六分の一程度負担し、国庫補助金と起債と、あるいは県単独費を加えまして、事業の実施につきましては財源は十分措置されている、このようになっております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 それでは自治省のほうと建設省のほうとでは十分に連絡ができて、そごのないようにおやりになっておる。そうすると、下水のほうの末端の処理についても——これは建設省関係ではないですね。末端の処理場は厚生省の環境衛生局ですか、おわかりになりますか。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 私公害課長でございますが、非常に一般的な問題以外には十分なお答えができないと思います。私のわかる範囲でしたらお答えいたします。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 それではこれはあれしておきましょう。ただ、下水のほうの末端処理場は厚生省の所管ですね。下水はどんどんできても、末端処理場のほうが進んでいなければ、たぶんそういう点は十分な連絡はあるとは思いますが、資料をいただいた面では必ずしもそういうふうになっていないようですから、その点ひとつ御注意までに申し上げておきます。けっこうです。  それから、これはどなたでもけっこうですが、ちょっとお教え願いたいのですが、隅田川の水質汚濁について、人権擁護委員会のほうから申し入れとか勧告とか、こういうものがあったということを聞いておるわけです。人権擁護委員会が出すのですから、よほどのことだと思うのですが、どなたか、たぶんこれは企画庁が主体だと思いますが、企画庁のほうで、大体どういうようなことを人権擁護委員会が言ってきたのか、概略でもけっこうですが、わかりましたらおっしゃっていただきたい。

崎谷武男総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○崎谷政府委員 確かに、隅田川の汚濁問題につきましては、人権擁護委員会連合会から、希望といたしまして、隅田川の水質を早く適正にきめろ、と申しますのは、隅田川の汚濁はもうすでに人権に関する問題だ、つまり、悪臭、悪いガスその他につきまして、沿岸住民が、これは医師会あたりも言っておりますけれども、ぜんそく系統の病気がふえる、転地療養を要するといったようなことが人権に関するということでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いまの御説明を聞いておりますと、ごく簡単なような御説明なんですが、内容は私はかなり重要だと思うわけです。あの周辺の住民にとってみますと、なかなか簡単なものではないと思う。実は私押上へ行ってみたわけです。隅田川へ入っております口からちょっと上がったところなんですが、宮崎橋、そこに店を出しておりましたお年寄りですが、くつ屋のおじいさんをつかまえて話を聞いてみた。ここ十年ほど前まではそうじゃなかった。もうまっ黒です。とてもじゃないが、はたにおったら鼻がおかしくなるですよ。人間の鼻というのはおかしなもので、十分もいますとぼけてしまって、あまりくさくなくなるが、初めて行ったのでは話にならない。一ぺんあの方面へおいで願って、あそこのにおいをかいでいただくこともいいことであるかもしれぬと思うわけです。この人権擁護委員会の申し入れと申しますか、これはやはり相当重大なものとして、都民全体の声としてこれをお取り上げ願いたいと思う。私はその内容を知らぬのであるが、出たということを聞いている。人権擁護委員会が出すということは、よほどのことでないと出しません。いつか私は東京都へ参りまして、知事さんに変なことではごさいましたが、オリンピックが開かれたら、横浜と羽田へ都の職員の方々を全部出して、外国から来る方々に対してマスクを一つずつ渡しなさいと言った。そうしたら、それは何ということですか、東京都へ入りますとくそうございますから、そう言いなさい、まあ、まことにぶしつけなことでありましたが、それほど住民は考えておる。この点を十分ひとつお考え願って対処を願いたいと思うわけです。  ここで厚生省の公害課長さんにお尋ねいたしますが、多摩川の水ですね。私は多摩川の浄水場へちょっといってみた。あそこの状態を見てみたのですが、丸子橋の取り入れ口から取り上げて、あそこへポンプアップして持ってきていますが、たいへんよごれておるわけです。それで、いろいろデータを調べさせてもらったのですが、三十四年から三十七年までの間に、ざっと十倍近くも汚染度が伸びておるわけですね。同時に、いろいろ聞いてみますと、従来は飲料水、われわれが飲めるようになるのに、トン当たり管理費といいますか、費用は一円から多くかかっても二円程度、それが今日二十円かかるというのです。ちょうど汚染度が十倍になっておれば、この飲料水を正常なものとして飲ます、それまでになるのにはやはり十倍かかる、こういう状態なんですね。あの状態ではもうそろそろ限度にくるんじゃないかと思うのです。いま取り入れ口から揚げた水に魚を泳がしておけば死にますよ。これを飲まされているのかなと思って、実は私もびっくりした。たいへんなものです。私は、水道法か何かに、われわれ国民に飲ます水はこれ以上よごれたものであってはならぬ、そういうものがあるかなと思ったら、ないのですね。何ぼよごれておったってかまわない、ただ飲めるような水にしさえすればいいということなんです。下水道法とちょっと違っているのですね。そういうような状態にあることを十分厚生省のほうでは御存じのはずなんですが、何か手の打ち方などはお考えになっていますか。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 いま先生のおっしゃいます多摩川の原水の汚染につきましては、厚生省といたしましても、同様の見解を持っております。そういう意味で、多摩川の水質浄化に対しては、非常に緊急を要する問題であるという考えを持っております。  もう一つおっしゃいました原水の水質基準という問題につきましては、原水につきましては、現在のところ水質基準はございません。給水せんの末端において給水する水質については基準がございます。そういう意味におきまして、水道法によりましては、水道の処理場をつくりましたときに、給水を開始する前の原水検査を法律で課しており、また定期及び臨時の水質検査の条項がございまして、これは、給水せんにおける水質と水源が著しく汚染された場合には、原水の水質検査をいたしております。通常月に約一ないし二回の原水検査をして、非常に詳細に厳密にやっておりまして、そのレコードは五年間保存ということになっておりまして、私どもがこれを調べる場合にはいつでも調べられるという状態にございます。  また多摩川の問題につきましては、青酸の問題がございまして、今国会に出ました毒物及び劇物取締法の改正によりまして、排水につきましてさらに基準を加えていこうということで、厚生省といたしましては進めていきたいと考えております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 それじゃついでにお尋ねいたしますが、多摩川で昨年三回、ことし一回魚が全部浮き上がって死んでいる。あれは原因がわかりましたか。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 詳細な原因は、薬務局のほうの資料を見ませんと、私は責任を持ってどこの工場がどうということはお答えできませんが、毒物、劇物に関係したものといたしまして、国会へ提出いたしました改正法の関係資料の中に、事実をつけ加えて出しております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 あのときに魚が浮き上がったですね。それで毒物——青酸カリか何かわかりませんが、流れた。そのとき取水は停止しましたか。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 一時取水を停止した時期がございます。それにつきましては、水道法によって停止するという条項がございまして、それによって停止いたしましたが、あとで検査をいたしまして、浄化能力によって十分処理できるということで、取水を開始し、給水を開始しております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 もう一点、ついでだからお聞きいたしますが、これは下水道のほうでも上水道のほうでも言えることですが、最近団地でどんどん洗剤が使われるわけですね。この間も浄水場へ行ってみますと、洗剤の流れといいますか、それがかなり多量にあるために、非常に発ぼうするわけですね。それで浄水がしにくくなってきている、こういう一例があるわけです。同時に、これは下水のほうでも言えることなんです。両面言えることです。この洗剤について、あなたおわかりだったらおっしゃっていただきたいのですが、何か製造過程で考えておることがあるかどうか。たとえばいま日本で使っておるハード系というのですか、これの製造をドイツのほうでは禁止しているのですね。イギリスのほうでもそういう条件で大量に使うことは禁止しているわけですね。まだその段階にいかないといえぱそれまでだと思いますが、これからも洗剤の使用量というものは、もっともっとふえてくると私は思う。減ることはありませんね。そうすると、ますますそういうような悪条件というものが加わってくるのですが、洗剤の製造に対して何か考慮していることがありますか、その点をお聞きしたい。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 製造に関しての考慮という点につきましては、厚生省としてまだ直接関連しておりませんけれども、洗剤によって起こります上水処理及び下水処理の障害につきましては、約二年ほど前より科学技術庁の特別研究費が入りまして、厚生省及びその他の省と共同のもとに調査が行なわれておりまして、一応の報告はできております。現在の時点におきましては、この洗剤の基準をどうするかという点が、かなり技術的に詰めるべき問題点であるというように私は承っております。いまのドイツの件につきましては、私ども現在まで承知しておる範囲内におきましては、国内においては規制をしておりますが、輸出するものについては規制をしていない事実もあるということを承っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いずれにいたしましても、これはかなりな問題になっておることは事実です。ドイツなどいまお話しになりましたが、洗浄剤に関する法律を昭和三十六年九月五日のドイツ連邦議会で議決していることは事実ですね。そうしてハード型のものをソフト型に変える、要するに分解しやすいようなものに性質を変えていく、そういうふうな公衆衛生というのですか、公害をできるだけ少なくするという意味において、そういう手段をとっておる。そこまでおそらく日本の段階は進んでいないだろうと思いますけれども、これからだんだんこのほうはふえてくるわけです。もう洗剤は減ることはありません。それだけに、いまおっしゃったように、今後十分なこれに対する対策は考えていただきませんと、もういよいよ行き詰まった段階になってきてから、いや、これはたいへんだからというのでやったのではおそいと思うのです。その点をひとつ御留意願っておきたいと思います。あなたのほうの係でなければ、そういうことをおっしゃっておいていただきたいと思うのです。  水産庁お見えになっていますか。——森沢さんは今度おかわりになったので、直接の担当ではないのだが、水産庁でこの道の一番のベテランですから、ひとつ森沢さんのほうに簡単にお尋ねいたしますが、私のお聞きしたいことは、三十三年から三十七年までの間にざっと四千二百件ほどの漁業被害が出ておるわけです。その間、仲介制度を活用しておるものが十八件、現在なお仲介制度のもとで折衝されておるのが六件、全部で二十四件ですね。これは相当な金額に上っておるのじゃないかと私は思うわけなんです。これは水産資源保護協会の資料なんですが、これによりますと、三十七年だけの漁業被害の金額がざっと五十八億六千万円です。三十六年がやはり五十七億、三十五年が三十五億なんですね。ここで急速にさっと上がってきて、こうやってきておるわけなんですが、かなり大きな被害があるわけですね。水質保全に関する法律の二十一条ですか、仲介制度があるわけです。その仲介制度がありながら、四千二百件から被害があるのに、仲介にかかったのは十八件しかないというのは、どうも話がおかしいですね。数字が合わぬ。合わぬのもあまりにも合わな過ぎると私は思うわけです。もちろん、全部が解決つかないというのじゃないでしょう。この資料によりましても、それぞれその解決がつけられておるようでありますが、ただ問題は、こういうことに対する末端への指導というものが十分行なわれているかどうか、どうもその点が抜けておるような感じがしますので、そこを少し明確にひとつ。

森沢基吉農林技官(水産庁生産部海洋第二課長)

○森沢説明員 いま御指摘のございました点は、確かにそのとおりでございまして、和解の仲介という制度がありながら、いろいろいま御指摘のような紛争事件を惹起しているということは、漁業者自体にも、この水質保全法による和解の仲介制度というものに対する理解が非常に薄いと思います。その理解の薄い原因は、やはり行政庁の指導が不十分なのではなかろうか、そういうふうにわれわれも感じておりますので、昨年、水産資源保護法によります水産資源保護指導吏員というものを都道府県の水産主務課の中に任命をしていただくように各県ごとに要請をいたしまして、現在全国ほとんどの県にその保護指導吏員が置かれております。この保護指導吏員の仕事の柱の一つとしまして、水質の紛争の起こりました場合に、これを法の制度に乗せて円満に解決させる努力をさせるという意味合いにおきまして、和解り仲介制度を極力活用するように指導をいたしております。すでに都道府県には、法律によりましてこの仲介員の候補者の方がみな任命されているわけでございますので、そういう問題点を極力知事の段階で仲介制度の活用にあげるように、いま申しました組織を通じて、水産庁としては指導をしていきたいと思っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 今後なお当分は起こる問題なんですね、いままでお聞き願ったように、私がこう申し上げても、急速に河川の水なり沿岸の水質がよくなるとは考えません。したがって、なお将来も、ある期間はこうした問題は出てくると思いますので、十分ひとつ御指導願っておきたいと思うわけです。へたいたしますと、漁業者の中にもごね得というのがありますから、そういう空気をなくしていかなければならない。また、加害者のほうでも何かごまかすというようなことがあってはいかぬ。そのためにこそ仲介の制度を置いたのですから、加害者は加害者なりに、まじめに自分たちの行為に対する反省をいたさなければいかぬ。また被害者側のほうでも、何かごねさえすれば何とかなるのだというような気持ちを起こさせてはならない、こう思いますので、ひとつ十分な御指導を願いたいと思う。  いま一点お尋ねしたいのは、この水産資源保護法第四条で、これには言うまでもなく、「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつその他水産動植物に有害な水質の汚濁に関する制限又は禁止」とちゃんと明記しておりますね。ところが、こんなことはちゃんとやったことはないのです。法律には明記しておりますけれども、今度二法ができた。できたけれども、この二法との関連で一体これをどう生かしていくかということが問題になると思うのです。いままで水産庁のほうと企画庁、通産省のほうで、覚え書きか何かがあったように記憶いたしておりますが、この点ひとつ今後どういうふうに水産庁はおやりになっていくのか。行管の中でもこの点は触れられているわけです。「水産資源保護法の積極的活用について」という項目がありまして、「水産資源保護法の排水規制条項の活用について具体的に検討する必要がある。」こういうことを指摘されております。そういう御意思をお持ちになっておりますか。これをどう生かすか。一点私が申し上げておきたいことは、先般、中小漁業融資保証法の審議をここでいたしましたその場合、私は林法制局長官に来ていただきまして、法律の法理論的な面について質問をしたわけなんですが、その際、この面についても触れておいたわけです。これは私はおかしいと思うのだが、法制局長官が差しつかえないと言うのだから、差しつかえないだろうと思うし、法律というものの基本的な考え方としては、前法より後法が優先する、一般法より特別法が優先する。そうすると、この水質二法があるにもかかわらず、水産資源保護法に何か改正で手を入れてやればやれるということになるわけなんですね。そういうむちゃなことは私は考えません。考えませんが、少なくとも水産資源保護法を十分生かしていただきたい、このことをお願いするわけです。  と同時に、もう時間もありませんから、もう一点ついでに言っておきますが、河川の水質基準の指定の場合、企画庁なり各省と十分連絡があっておやりになっておると思うのです。今度北海道の常呂川が指定になりました。非常にけっこうです。これは水産資源の面からまいりますと、サケの遡上する川なんです。最近までの十年間の統計を見てみますと、常呂は平均して年一万五千尾くらいサケが遡上しておるわけです。それと同時に、網走川が大体一万七千尾くらい遡上しております。もう一つ湧別川があるのですが、これがいま日本で一番サケが遡上するところで、大体二万六千尾程度が遡上しておるわけなんです。サケの資源の最も重要なところでありまして、そういう面をも考慮の中に入れながらおやり願いたいと思う。先ほど企画庁のほうから御説明があったわけなんですが、問題のある川をまず優先しておやりになっておる。また百二十一水域ありましても、これから問題の解相するようなところ、あるいは問題の起こらないようなものは漸次落としていくことになるだろうと思う。同時に、新しく出てくるものは、それはそれなりに取り上げて、両々相まって進めていく、こういうようなことをやっていただきたいということ、水産資源をひとつできるだけ守っていくという面から、それに対する水産庁のお考えを聞いておきたいと思います。

森沢基吉農林技官(水産庁生産部海洋第二課長)

○森沢説明員 水質二法と水産資源保護法の関連についての御質問でございますが、御承知のとおり、水質二法と資源保護法は、保護の目的を異にしておりますので、理論的には、いわゆる水質保全法にあります指定水域に水産資源保護法を適用することは可能であろう、このように考えますけれども、現実の問題といたしまして、指定水域になっておりまして、経済企画庁のほうで非常に綿密な調査の上に基準が設定をされておりますところへ、資源保護法をダブって適用することは適当でありませんので、水産庁といたしましては、行政管理庁の御勧告にもございますとおり、関係各省と十分協議をいたしまして、指定水域でないところの水域で、水産資源の保護上非常に重要な水域、これにつきまして資源保護法の適用、具体的に申し上げますと、資源保護法を受けまして、各県の漁業調整規則の「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつ」この条項の発動ができるように現在検討中でございます。行管の御勧告にもありますように、水産資源保護法を発動させるためには、水産用水基準の設定、要保護漁場の調査が必要であろう、こういう点を十分詰めて、経済企画庁、通産省など関係各省とよく御協議をしてやりなさいという御勧告を受けております。水産用水基準につきましては、昨年来学者グループに資源保護協会を通じて委託をいたしまして、現在魚種別の水産用水基準を設定する作業を進めております。秋ごろまでには水産用水基準の大体の案が出てくるだろうと思いますが、そういう具体的な話も持ちまして関係各省とも十分御相談したい。  それから保護漁場などを将来どういうふうに考えていくかということにつきましては、四十年度の予算編成にあたりましても、十分考慮をしていきたい、こういうふうに考えております。  それから現在二法の適用になるべき水域につきましては、赤路先生から御指摘がありましたように、サケの問題等もございますし、サケに限らず、それ以外の重要水族の問題もございますので、水産側として、できるだけ早く保全法で御指定願って基準をつくっていただきたいところは、毎年経済企画庁に、水産庁なり農林省の立場として十分接触をいたしまして、なるべく優先的に取り上げていただく。さらに現在百二十一の計画がございますけれども、いろいろ経済情勢等も変わりまして、必ずしも優先的でない水域もありましょうし、百二十一の中にありませんものでも、水産の側から見て非常に大事であるという水域も、新産業都市その他の関係であろうかと存じますので、こういうものは逐次水産庁としても研究をして、経済企画庁に対してお願いをしていきたい、こういう姿勢でございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 大体私の受け持ち時間がきたようでございますので、これでやめさせていただきたいと思いますが、ただ、ここで最後に一つだけ申し上げておきたいのです。  私は、いままでわりと言いたいことを言って、皆さんのほうの御答弁をいろいろとお聞きいたしましたが、なお遠慮がちの答弁がおありのようでございますので、いずれまた機会を見て個々にでもお話し合いをいたしたいと思います。ただ、日本の経済の諸条件というものは、第二次産業というものを重点にやっていかなければならない、このことは当然だと思うわけです。しかしながら、そのことによって国民に被害を及ぼす、こういうようなことは極力避けていきたい、ここに非常なむずかしさがあると思うのです。通産省なりあるいは経済企画庁なり、この法律の主管庁である当面の責任者の方々が非常な努力をしつつも、なおかつ今日スムーズに進んでいかない原因の主たるものはここにあると私は思う。よくわかるわけです。しかし、私がここでもう一つ申し上げたいことは、これのためにつくられておる公害防止対策審議会がいろいろ当面の問題を御協議になるが、同時に、相当先を見通した上における協議と申しますか、討議と申しますか、そうしたものをやっていただきたいと思うわけであります。たとえば、小学生が言うようなことばではございますが、排水口で三百PPM、それを六百にするか三百にするかというので、議論がなかなか尽きない。工場側のほうはもうこれ以上はどうにもならぬ。ところが、それを管理するほうではそれでは困る、こういう形でいま論議されております。かりにその場合水量が多くなりますと、希釈されますから、やっていけるわけです。水量を多くするということをお考えになったことがあるかどうか。私たちは今国会ここで森林基本法を審議いたしました。これは御承知と思いますが、国有林だけではない、すべて日本の林野というものを計画的にやっていこう、これを私、安芸さんの資源科学研究所へ参りまして、調査させてもらったわけですが、水質汚濁の問題につきましても、科学技術庁のほうから委託を受けて毎年やっておられる。ただ、何と申しますか、針葉樹の場合、広葉樹の場合、それから幼木林である場合、伐採あとである場合、それから草地である場合において、もちろん土質によりますけれども、水をかかえる量というものはかなり大きな差がある。雨量のほうを調べてまいりますと、ここ三十年の雨量というものは、部分的にはたくさんざっと降ったこと、少なかったこと、そういうのはありますが、全体を平均して見てまいりますと、そう大きな差はない。だから、雨量全体としてそう大きな差がないにもかかわらず、川の水が三分の一以下に減ってきておる。あるいは地下水の水位が下がってきておる。このことは何を意味するか。これは私は山が坊主になってきておるということだと思うのです。はっきりとは申し上げられません。しかし、私はそういうふうに理解するわけです。そういたしますと、そうした面をも遠く見て、川の水量を多くするということが、その摩擦というものをそこで一点解消するためにもなるのじゃないか。これは五年先あるいは十年先の問題ではなくて、少なくとも三十年先、五十年先を見通してやらなければならぬ問題ではございます。先ほど申しましたように、私の考え方というものは、何か小学生のそろばんを置くような考え裏方であるかもしれません。しかしながら、少なくともこれだけ短時日の間に、水質汚濁の問題を中心にして、これが単に魚に対する影響というのでなしに、国民全体の保健上の問題、社会環境の問題が、大きく公害に関係して出てきておる。われわれはどうしてもこれを解消しなければいけない。けさ私はテレビを見ていますと、清掃問題の委員会の委員長さんですか、荻田さんというのがテレビに出ておりました。この荻田さんの発言の中にはっきり言っていることは何かというと、予算がないためにということなんです。資金がないためにということをはっきり言っている。だから、清掃事業をより前向きにやっていきたいということを考えながらも、それに縛られておる。もちろん、私はそのことを皆さん方に無理に押しつけてどうというわけではありません。ただ、私どもは、先ほど来申しますように、日本の経済の実態というものを十分承知しながらも、なおかつ国民のためにこの措置はとっていかなければならぬ。しかも法律ができてからざっと足かけ六年、よくなっていくかといったら、よくなっていっていない。悪くなっている。このままでおいておきますと、これはもう収拾つかぬような状態になると思いましたので、皆さんにお寄り願って、そしてもう一度前向きの姿勢で取っ組み直していただきたい。そして法律の欠陥は法律の欠陥として十分指摘していただく。あるいはまたわれわれに、せっかく法律はつくったのだ、この法律を生かすためにかくかくの協力をせよということを、堂々と皆さんから私たちは言ってもらいたい。われわれは法律をつくって、つくりっぱなしでいいとは思っていない。その法律を生かすということが、われわれとしても大きな責任があるわけでありますから、ぜひひとつそういうふうに今後御協力を願いたい、こう思います。私はもうこれ以上申し上げることはございません。それぞれの担当の方々の御意見も聞きましたし、また私らのほうの意見も聞いていただきましたので、これからこの線に沿っておやり願えればまことにけっこうだと思うわけです。いずれその結果は出てくるわけでございますから、一向に動かないような場合は、またあらためて次の国会にでも質問をさしていただく、こういうげたを預けておきまして、本日はこれで終わります。      ————◇—————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 理事補欠選任の件についておはかりいたします。  理事小山長規君が去る二十二日委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認めます。それでは仮谷忠男君を理事に指名いたします。      ————◇—————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 質疑を継続いたします。足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 私は、牛乳販売価格の値上げ問題について、農林省並びに関係各当局にお尋ねをいたします。時間がありませんので、ごく簡単に申し上げますので、御答弁をされる方も的確に、しかも簡潔に御答弁願いたいと思うのであります。  最初に、経済企画庁にお尋ねをいたしますが、物価抑制政策がとられておる際にもかかわらりませず、今回閣議において牛乳販売価格の値上げをやむなしとして認められたわけですが、その際に、経済企画庁の長官はきわめて重大な発言をされたとわれわれは仄聞をいたしておるのであります。すなわち、五月十九日の閣議において、宮澤経済企画庁長官は、牛乳一合当り二円の値上げは好ましくない、しかし、値上げをはばむきめ手がないので、やむを得ないものとして了承する、しかし、値上げする場合は、値上げ分の二円をできるだけ生産農民に還元、乳業会社が農民に払う乳価の引き上げに回すよう要望したと伝えられておるのであります。私どもはもっともだと思うのであります。メーカーの営業成績は、各会社の実績について見ましても、またわれわれが長い間警告を発しておりますように、この労力不足の時代において旧態依然たる配給方式をとっておる現状を打開せずにおるということは、結局怠慢と言わねばならぬ。そういう意味から、酪農の危機の伝えられた一昨年の同期と去年の同期とを比べますならば、乳牛の屠殺量八%が去年同期は一三%にのぼっておる。こういう状態でありまして、せっかく農民が選択的拡大の線に沿って酪農振興に努力しようとしておっても、事実上その努力をむなしゅうするような結果になっておる。こういう観点に私どもは立って、値上げを好むものではありませんが、もし値上げを認めるとするならば、経済企画庁長官が閣議において主張されたごとき精神において値上げを認めるべきものである、かように理解するのでありますが、去る二十三日、この閣議決定に基づいて、農林省畜産局長から飲用牛乳販売価格の引き上げについての通達が発せられておるのであります。この通達については、経済企画庁長官の閣議発言の趣旨に沿って、その配分等についてはどのように打ち合わせをされ、どのように話し合いをされて、このような通達になったのか、経済企画庁としての経緯と見解をこの際明らかにしていただきたいと思います。

高島節男総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○高島政府委員 ただいま御質問の御趣旨は、閣議におきまして宮澤長官が牛乳の値上げについて発言をした、それと通牒を出して、今回の閣議決定が具体化されたところの経緯ということだろうと思いますが、私ちょうどそのとき外遊しておりまして、長官から直接その経緯を聞いておりませんが、長官から承りましたところでは、まず企画庁としては、牛乳の値上げというものは、これは権力的に抑制する制度は現在ございませんが、できるだけ避けたいという気持ちがございました。制度と希望の格差があるわけでございますが、そういう趣旨において、むしろ企画庁長官は、発言の重点をできるだけやめたいという方向からおっしゃった。それが主眼点でございます。その際に、多少話が発展しまして、もしもやむを得ず上げるということに結果的になったら——これはどうして結果的になるということを具体化するかといいますと、権力的にこれを押えるわけにはいきませんからもやはり農林省の行政指導というものの力を中心でやるよりしようがない、農林大臣におまかせするよりしようがないけれども、その際にも、生産性の状況からいいますと、生産性は伸びておる。ただ、農業のほうの分、すなわち、農家のほうがやはり生産性を伸ばしていくにしても、いろいろむずかしい問題をかかえているであろう。そういう観点から、長官としては、一応農業部門に対するシェアというものが、値上げがどうしてもやむを得ず行なわれるなら、そちらのほうにウエートがかかるようにしたい、こういう気持ちから発言をされたと思います。それからあと農林省で具体的に指導される段階になりますと、経済企画庁としては、公共料金の中にもこれは入りませんし、やはりあとは農林省に御一任をするよりほかにしょうがない、こういう観点で、あとの指導は農林省御当局に御一任をした、こういう経緯になっております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 長官が発言をされた趣旨は、私どもきわめていい御発言であり、態度であったと思うにもかかわらず、それが全くのしり切れトンボになっておるということは、現機構のもととはいえ、まことに残念に思いますが、その発言の趣旨はあくまでも最大限度に生かされていかなければならないという立場において、農林省は処置をされたものと私どもは理解をしておるのであります。五月二十一日付の通達によりますと、「飲用牛乳の値上げ分の生乳生産、加工製造及び販売の各段階における配分については、それぞれ自主的に交渉し決定するものとするが、その際生乳の生産を確保し、酪農の安定的発展を図るため、値上げ分はできる限り、生乳生産者価格の引き上げに振り向け、その配分率の改善を図るよう努めること。」となっておりますが、その配分率の改善というような抽象的なことは、これは解釈いかんによってどのようにも受け取れるのであります。先ほども申し上げましたように、閣議においても問題になったあとで、学校給食やあるいは簡易殺菌の問題、農民から直接購入による学校給食の問題等、文部、厚生両大臣からもそれぞれ発言がなされておる。これは御存じのとおりであります。それについて赤城農林大臣も了承しておるはずである。にもかかわらず、最近の状況を聞きますと、各地においてすでに配分率の通知が発せられておる。しかも独禁法に抵触することをおそれて、文書によらずして、電話とか口頭とか、そういう形において、すでに北海道等においては原乳地帯としての三円の値上げ、一升当たり三円、一合当たり三十銭であります。東京周辺においては一合あたり六十銭でありますか、こういう口頭連絡あるいは電話通告というような形で、あとに形が残らないように、この前、一昨年十月値下げをしたときに、文書等によってあとで当委員会で問題になったものでありますから、今度の配分通告はきわめて巧妙なやり方でもって行なわれておりますが、各地の状況はどういうふうに農林省としては把握しておられますか。そして経済企画庁長官が閣議において述べられたその線に沿って、配分率の改善にどのような行政指導を行なっておられるか、状況と指導の態度について、この際明らかにせられたい。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 現段階におきまする飲用牛乳の値上げに伴います生乳価格の決定の動向でございますが、本月の半ばころから、乳業者の側から生産者に対しまして、今回の値上げに伴います生乳生産の新しい価格の提示を行なうという動きが出てまいっておりまして、すでに若干の地区においては、乳業者と生産者の間に新価格についての取りきめが行なわれた地区もございますが、現在の段階では、北海道におきまする乳価の取りきめが妥結をしたという非公式の報告を受けておりますほか、大部分は現在両当事者間におきまして乳価の取りきめについての交渉が行なわれておる段階である。その際、乳業者が提示いたしております引き上げ価格の水準は、原料乳地帯、それから市乳中心の地帯、それぞれ飲用牛乳比率というものが異なりますので、六円ないし三円の価格の引き上げを提示をしておるようであるというふうに報告を受けております。今日まで私どもも、先ほど企画庁からのお話にもありましたように、生乳の生産をはかる必要、酪農の安定的な発展をはかる必要というものは、身にしみてこの必要を痛感をいたしておるのでありまして、そういうことから、今回の値上げ分の財源につきましては、できる限り生乳生産者の価格の引き上げに振り向けるようにしてもらいたいということを、一方におきましては都道府県知事に通達をいたしますとともに、乳業者につきましても、その点の配慮を十分にして、新しい乳価の決定に臨んでもらいたいという指導をいたしてまいったのでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 まことに御答弁がばくとしてつかみどころがございません。その後の配分の経過は実質的には進んでおります。もっと実態を把握してほしいと思います。一例をあげますと、小売段階のみ九十銭をメーカーとの間に配分を決定したと伝えられておりますが、農林省は御存じになっておりますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳業者から小売り販売業者に販売をいたします、いわゆる飲用乳の卸売り価格につきましては、先月の下旬に、乳業者と販売業者の間に卸売り価格の決定についての交渉が行なわれまして、地区によりまして若干の異同はあるようでございますが、全国的な大勢から見ますれば、飲用牛乳の卸売り価格を一円十銭上げ、したがって二円の値上げの限度が認められておりますので、これが販売に際して実現するということであれば、お話のように九十銭の取り分が販売業者にいくということになったという報告は、私どもも承知をいたしております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 それはあなた方の趣旨に反するじゃありませんか。まず生産者の分をきめておいて、その残りをいかに配分するかということであなたたちが把握しておられるならば、これはわかります。だけれども、二円のうち、九十銭は小売り業者のほうにもう話をつけさして、あとの一円十銭をどう配分するかということでは、先ほど経済企画庁長官が閣議で発言されたことを引用いたしましたが、あなた方農林省としては、あまりにも軟弱というか、無能というか、なっていないじゃありませんか。先般一昨年の十月の乳価の不当値下げの際にも、当委員会は決議を行なった。その際、重政農林大臣、村田畜産局長は、私がこの問題を追及いたしました際に、もしそういう不当な話し合いがあったならば、自分は業者を呼んで適当に処理するということを御言明になりました。その後数回にわたって業者を呼び、勧告をされて、その後において若干の時間的ズレはありましたが、二円の復元が認められたことは御存じでありましょう。メーカー側と上司に向かって、あなたはどういうふうに献策をされ、また赤城農林大臣は、業界とこういう事実について是正の話し合いをなさったのでありますか。あまりにもなめられ過ぎておるではありませんか。その点を私は非常に遺憾に思うものであります。第一、この通牒の趣旨が生かされておらぬではありませんか。生産者側は話し合わなくてもいいのでありますか。生産者側に聞いてみますと、中央酪農会議という現在れっきとした団体があります。日本の現状においては、それ以外の酪農者団体というものはないのであります。過去にはありましても……。でありますから、話し合いの相手がないというのは、メーカー側の逃げ口上であって、不十分であっても、酪農の現段階としては、生産者の意向を代表するものとしては、当然それと話し合いをするようにあなた方は指導もし、勧告もし、いろいろとごあっせんをなさる責任があろうかと私は思う。メーカーと小売り業者との間には話がついて、生産者側との間には何らの話し合いが行なわれた事実がないではありませんか。そういたしますと、この通牒の意味は生かされておらないと私は思う。「各段階における配分については、それぞれ自主的に交渉し決定するものとする」という字句がある。それぞれ自主的に決定する、交渉する。現段階においては、先ほど経済企画庁が言われたように、これを強権的に押える手段がない。したがって、自主的に話し合う以外にはなかろう。あとで独禁法の問題に関連して公取にも伺いますが、少なくとも生産者側は何らの話し合いにも参加しておりません。話し合いの申し出も受けておりません。これはおかしいではありませんか。いまあなたは、メーカーと小売り業者の間に話し合いのついたことは認められました。それなら、生産者の側との話し合いについても、その決定以前に、総合的な観点から酪農振興の面から、もっと話し合いの中に入って、そして問題が困難であるならば、大臣がメーカーも呼び、関係者をそれぞれ呼んで、あっせん調停の労をとられてこそ、酪農振興の線に沿った通達と言えるでありましょう。ただ一ぺん知事に通告を出して、関係業界に要請をしたという程度でおさまっていいのでありますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳価の決定につきましては、卸売り価格及び生産者の販売価格、いずれも取り引き当事者において交渉して決定をするということが、私は本筋であると思うのでございます。私どもは、その際、その交渉及び決定に際しまして、行政庁としまして、望ましい形の決定が行なわれるように指導するということが、私どもの役割りであろうかと存じておるのでございます。ちょっと経緯にわたりますが、この通牒を発します前に、すでに小売り段階におきましては二円あるいは四円というような小売り価格の値上げの動きがあったのでございますが、それに対していかなる指導上の態度をとるかということについて、私どもも慎重に検討を重ねておったのでございます。放置をいたしますと、牛乳の販売業者の段階におきまして小売り価格が引き上げられ、そして小売り価格の引き上げに伴います配分の考え方というものが、適正といいますか、十分に考慮されないで、卸売り価格がきまるというような事態になりますと、生産者にとって最も不利な事態が起こるということを憂慮いたしましたことが、一つの動機となりまして、私どもとして、この通牒によって、生乳生産者価格の引き上げにできるだけ振り向けるという態度をとるような考え方を指導としてきめたのでございます。   〔委員長退席、長谷川(四)委員長代理着席〕  その当時、小売り業者は、かりに二円の値上げということであるならば、販売業者の現在の経済採算の関係から、一円二十銭程度のマージンを小売り業者によこせ、最大限いっても一円のマージンは譲れないというようなかなり強い態度で、乳業者との間に卸売り価格の交渉が行なわれておったのでございますが、私どもは、この段階におきまして、値上げによる配分の中で最もがまんのできるものは乳業者であると存じております。でございますから、そういう観点から、生乳生産者の価格の引き上げに振り向けられる余地を考えつつ、卸売り価格の決定をするようにという、内面的な指導をいたしておったのでございますが、ほぼ全国的に小売りの取り分九十銭ということがきまってまいりましたので、それにはいろいろ販売業者側の不満も伴っておったようでございますが、私どもとして、当事者間において決定せられた価格は、ある意味でこれはやむを得ないのではないかというふうに考えてまいったのでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 そうしますと、二円のうち、九十銭を大体販売業者のほうに振り当てるということについては、やむを得ないとしてお認めになったのですね。あとの一円十銭について、いろいろと今後指導もし、話し合いの中に入っていく、こういう態度ですね。簡単に答えてください。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 当事者間で決定をいたしました価格について、私どもがさらに介入をするということは適当でなかろうというふうに私は考えております。でございまするから、現段階におきましては、現在きまっております卸売り価格の取り分の中で生産者の価格の引き上げということを考えていかざるを得ないというふうに思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 まことに私は遺憾千万に思いますが、これはあとで公取との関係の際に明らかにしたいと思っておりますので、これ以上は申し上げませんが、とにかく六月一日から小売り販売価格が上がっておることは事実である。来月の十日ごろには生産者にも乳価の支払いが行なわれなければならぬ。といたしますと、九十銭は販売業者に一応自主的に話がついたものでいく。あとの一円十銭の配分について早急に解決をしていかなければならぬ。ただいまあなたがおっしゃたように、また経済企画庁長官が閣議で言われたと伝えられておるように、合理化によって吸収されておるのはメーカーである、これは上げる必要はない、そういうふうに言われたことを私どもは仄聞しております。農林大臣にあなたがお聞きになっても、よく農林大臣も了承されておると聞いておる。とするならば、残された道は、この一円十銭の配分問題が、実際問題としては適切に処理されなければ、今回の値上げ通牒はだれのための値上げ通達であったのか、値上げやむなしとして閣議で決定したことは、酪農振興のためではなくして、事実上においては消費者を苦しめ、小売り業者を喜ばしめ、メーカーのふところを大きく肥やさしめる結果になりはしないかということを案ずるのであります。その点について、先日、当委員会は、二十三日に参考人を呼び、さらにこれは高度の政治科断に基づく答弁を必要といたしますので、農林大臣の出席をも求めて、お尋ねをしようと思っておりましたが、会期末のいろいろな事情等によりまして、今日は大臣の御出席をいただけないのは残念でありますが、少なくともあなたはきょうは大臣のつもりになって、前向きの酪農振興の立場から、先ほども述べられたように、詰めていくのはメーカーのほうであろう、そういうふうにあなたがおっしゃったわけでありますから、そういう方針でいつごろまでにこの問題の決着をおつけになる考えでありますか。ただ、自主交渉であるから、介入するといっても、政府がそういう権限はないわけであるから、権限に基づいてするわけではないからというようなことをおっしゃっておりますが、これはほうっておきますと、いずれはあなた方に返ってくる。どうせ中央調停の申請となってあらわれてくるでありましょう。あなたはいまより以上の窮地に追い込まれるでありましょう。生産者を守っていく立場に立っておる畜産局でありますから、あなたがこの際に前向きの善処をされれば、先になってああよかったという気持ちにおなりになると私は思う。やはりある程度腹をきめて、これは大臣の意向もよく聞かれて、そしてどうせこの内閣も長くないでしょうが、最後に酪農の善政をひとつおしきになるお気持ちはございませんか。次官もおいでにならないし、これ以上のことをお尋ねすることは少し酷だと思いますので、このことだけを申し上げて、御決意をひとつ畜産局長として承っておきたい。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私から申し上げるまでもないと思うのでございますが、牛乳の用途が、各地区によりまして飲用向け、加工向けと、それぞれ比率に相違があり、個々の問題に介入いたしますことはきわめて困難であると思いますが、通牒にも書いてございますように、私どもとしては、今後できる限り生産者の価格を引き上げる方向で指導を進めてまいりたい。また牛乳の取引価格の支払いは翌月中旬が通常になっておりますので、私としましては、少なくともその時期以前にこの問題の円満な落着が見られるように努力いたしたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 経済企画庁にちょっとこれは御所見を承っておきたいのでありますが、これは畜産物価格審議会に出した政府資料に基づくものだと思いますが、諸外国の配分率について、者乳価と製造業者販売価格及び販売者価格と三様の数字があるのです。スウェーデンは生産者が四円十四銭、製造業者が六円七十三銭、小売りが七円八十三銭ということになっておりますね。デンマークは、生産者価格が三円二十三銭、製造業者の販売が五円四十六銭、小売りが六円三十五銭ということになっておる。イタリアは、生産者価格が五円六十九銭、製造業者のほうが八円三十銭、小売りが九円三十三銭ということになっておりまして、これをパーセントに直してみますと、 スウェーデンは生産者が五三%、小売り業者が三三%、メーカーが一四%、デンマークは、五一%が生産者、小売りが三五%、一四%がメーカー、イタリアは、生産者が六一%、小売りが二八%、メーカーが一一%ということです。日本はこれに比して、生産者は三九・四%、小売りが二五・六%、メーカーが驚くなかれ三五%になっておるのであります。これは諸外国に比べますと、いかにメーカーに厚く、生産者に薄いかということを如実に示しておると思います。こういう外国等の事情も勘案をされ、また物価抑制の最近の事情等勘案されて、企画庁長官は閣議において主張されたものだと私どもは理解しておる。あまりにも妥当を欠いていやしないか。これらの点について、今回の値上げは私どもは基本乳価だと理解しておりますが、基本乳価という理解の上に立ってこの問題の配分を考えるがゆえに、一時的の夏場奨励金であるとか、いろいろの奨励金とわれわれは解しておらぬ。その点について、経済企画庁の基本乳価としての受け取り方に立って、今後この諸外国の事例等を勘案されて、日本のものは是正しなければならぬという判断に立たれますか。その点の御所見があれは承りたいし、あわせて畜産局長にもこの点を伺っておきたい。

高島節男総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○高島政府委員 諸外国に比較しまして、日本の製造部門における手取りが商い、それがはね返って農家の手取りが低い、また小売りにしましても問題があるかと思いますが、日本の乳業は、全体がある意味で発展の途上にあるかと思います。それで、製造部門でもまだまだ合理化を今後本格的にやっていかれる余地があるのかもわかりませんし、また流通のあたりにもいろいろ問題を残したままできているところに、現実の行政をお取り扱いになる農林省の非常なむずかしさがあるのじゃないかと思います。将来の姿として、極力生産者の配分が大きくなっていくことを私どもも強く期待はいたしますが、一朝一夕になかなかそこまで行き得ない問題ではないだろうか。非常に小さな生産者と小さな需要との間にはさまって発展してまいっておりますから、どうしても乳業が製造業としての合理性に到達するのには非常にむずかしさがあるのじゃないか。そこの御苦労を考えますと、この問題は強力にやらなければいけませんが、またやはり相当長期の問題として解決していくべきではないだろうか。そして国際競争力をつけ、消費者物価を下げていくという方向に持っていくべきだろうと思います。したがって、足鹿さんのおっしゃることは、われわれ非常に強く引かれるわけでございますが、一朝一夕の行政で直ちにできるというふうには困難だと、農林省には深く御同情をしている次第であります。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 わが国の飲用乳の販売価格の中で、農家の手取り分が諸外国に比べまして非常に少ないということは、足鹿先生の御指摘のとおりであります。特に特徴的でございますのは、先生の御指摘の中にもありましたように、小売り段階のマージンが非常に高いわけでございます。これは日本の牛乳の消費自身が、西欧諸国に比べますとなお十分の一、あるいは国によりましては二十分の一程度しか消費をしておらない、零細な消費ということで、その零細な消費に対応する配達の方法が、御承知のような小口で毎日配達というようなことから、一種のサービス経費的なものが非常に高くなっておるということが特徴的であると思います。それからメーカーの段階としましては、全体の飲用乳の中に占めます比率については、諸外国とそれほど変わってもいないと思いますけれども、絶対額については、御指摘のように、メーカーの段階におけるコストの高さというものが目立つわけでございます。この問題は、酪農の振興状態から考えましても、また消費者乳価の安定の見地からも、私どもも指導上、あるいは将来何らかの施策を講ずることによって、乳業者のコストの低減、また配達段階、販売者段階におきます経費の節減ということをはかって、消費者価格の安定に資しますと同時に、農家の手取り分の充実をはかっていく必要があるというふうに考えておりまして、私どももその点についての研究を、いま企画庁からお話がありましたように、長期にわたって続け、また推進をしてまいりたいというふうに思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 おそらく今回の販売価格の値上げは歴史的なものでありましょう。この際に配分を誤ったならば、それはなかなか是正できないと私は思います。しかるがゆえに、私どもは重要視しておるわけであります。  そこで、まだいろいろと農林省にも伺いたいことがありますが、関係機関がおいでになっておりますので、公取の竹中さんに伺っておきたいのでありますが、   〔長谷川(四)委員長代理退席、委員長着席〕 先般東京の小売り業者が三円の値上げを話し合ったと新聞に出、公取が実情調査に乗り出されたという話も聞きました。その後、情勢はどういうふうになっておりますか。私の見るところでは、価格協定の事実は見のがすことはできないと思います。つまり、乳業会社が牛乳販売店に配分をするときに、乳業会社が単独で配分率をきめたかいなかということが私は問題だろうと思うのですが、各社がどうも事前に話し合ってやったと私は思う。でないと、乳業者がまちまちで配分率をきめたら、配分率のいいところへどんどんお客さんが集まってきますし、また生産者とメーカーとの関係では、そのメーカーのほうへ乳が集まっていきましょう。これから夏場の最盛期を迎えてそういうばらばらのことをやるはずがない。これは話し合っておるに相違ない。これはだれが見ても常識ですね。私はそう思うのです。そういう点から、先ほどの農林省への質問の際に申し上げましたが、一昨年の二円値下げのときには、文書等の証拠が残った。そこで、私はその写しをとり、現物を農林省にお見せして反省を求め、積極的な是正政策の勧告をしてもらったわけでありますが、今度はなかなか巧妙になっておる。先ほど申しましたように、実際上はやっておるだろうけれども、文書等によらないでおって、秘密協定をやっておる疑いが濃厚である。電話やあるいは口頭で通告をしておる。こういう実情のように聞いておりますが、この点について価格協定の事実認定の審査、取り調べの状況はどういうふうになっておりますか。きわめて重要な問題でありますので、現状と今後の見通しについて明らかにしていただきたいと思います。

竹中喜満太総理府事務官(公正取引委員会事務局長)

○竹中政府委員 初めに御質問のございました東京都の商業組合の三円値上げの問題でございますが、御存じのように、この商業組合は中小企業団体法に基づく組合でございまして、中小企業団体法に基づく組合は、一定の要件を備えておる場合に、一定の手続を踏んで初めて価格についての協定ができるということになっております。ところが、東京の商業組合の場合には、それらの要件もなければ、手続も踏んでおらぬということで、明らかにこれは独占禁止法に反するということが判明いたしたものでございますから、私のほうといたしましては、先月の二十二日ですか、商業組合に立ち入り検査をいたしまして、独禁法違反の疑いが非常に濃いということを申しましたところが、緊急理事会で、決定いたしました三円の値上げは破棄する、やめるということを決定し、二円の指導の範囲内で値上げをするというようなことで、東京都につきましては、問題は片づいたように思います。  それから配分の問題でございますが、これは私どももメーカー三十銭、酪農民八十銭というこの決定は、おそらくメーカーの間に話し合いがあったのではないか、これがきまらなければ、二円ということも当然きまるはずがないのだ、八十銭、三十銭については、メーカー間の協定があるのじゃなかろうかということで、いろいろ事情を調べたのでございますが、先ほどお話にございましたように、非常に巧妙な方法をもって行なわれておるかどうか存じませんけれども、現在のところ、端緒がなくて非常に困っておるというような状態でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 この際、公取の御見解を承っておきたいのでございますが、五月二十一日付で都道府県知事あてに出された畜産局長通牒によりますと、先ほども申しましたように、各段階における配分についてはそれぞれ自主的に交渉し、決定するものとする云々ということになっておる。そこで、先ほども畜産局長に私がお尋ねをしたときに指摘しましたように、メーカーと小売り業者の間にはどうもそれぞれ話し合いがあったらしい。ところが、生産者とメーカーとの間には話し合いが自主的に行なわれておらないと私は見ておる。事実ないというのですが、個々ばらばらに各個撃破でやっておるのです。この点は独禁法のたてまえからいきますならば、それぞれであろうと総合であろうと、話し合いによって行なったことは、それ自体は私は独禁法に抵触すると思う。ただ、閣議の決定による適正な配分とは一体何かということが、やはり公取としては、今後の取り扱いとして一つの目安になるのではなかろうか。したがって、そういう立場から、私どもは、少なくとも今回の値上げは、五〇%以上は酪農の危機に備えて生産者にこれを還元さるべきものである、まずこれを優先的にきめておいて、そしてあとのものについては、諸事情を勘案して配分問題を決定すべきものである、こういう理解の上に立っておるわけでありますが、それはそれといたしまして、ある一方とは話し合いをしておる。ある一方と、つまり生産者とメーカーとの間には話し合いが行なわれておらないということは、独禁法の上からいきますと、片っ方のほうは独禁法違反を行なっておるのではないか。生産者のほうにおいては何の話もなくして、一応表面上は通告の形でそれぞれかってにやった体をなしておる。しかも一方においては、九十銭というものは、これはもう話し合いで一律にいっておるわけでありますから、独禁法違反の疑いが出てくるのではないか。こういうこともあえて牽強付会の解釈とは言えぬと私は思うのでありますが、その点について私どもの価値判断は、少なくとも二円の値上げについては、五〇%以上が生産者に還元さるべき性格のものである、この精神に大体合致をしていくならば、好ましくはないことではあるけれども、やむを得ないものではなかろうか、こういう観点に立っておるわけでありまして、そういう点からいま私が指摘しましたように、小売りとメーカーとの間には話し合いが進められておる事実が歴然としており、九十銭という線が出ておる。先ほども局長が申されたとおり、あとはきまっておらない。これについて、公取としては、その九十銭を是正せしめ、そしてほんとうの閣議決定の趣旨に沿って、これを五〇%以上生産者に還元していくことに、公正取引委員会の立場からも協力ということは直接あなた方にはできないでありましょうが、あなた方の立場において、そういう線に沿った公正な配分問題が決定されるように、今後も御善処を願いたいと私ども思いますが、御所見があれば承っておきたいと思います。

竹中喜満太総理府事務官(公正取引委員会事務局長)

○竹中政府委員 二円の値上げのうち、八十銭が酪農民、三十銭がメーカー、残り九十銭、これは当然小売り業者にいくわけであります。メーカーが集まりまして、そのようなことを決定して、これを実行するということになりますと、これは当然独禁法違反になるわけであります。ただ、パーセンテージがどのくらいがいいかということは、これは私どもの関知するところではありませんで、関係官庁その他で妥当な線を出せば、これは公共の利益に反しないというようなところから、問題にはならないのではないかと思いますけれども、先ほどから申し上げておりますように、二円というものをメーカーがきめて、その配分をまたメーカー同士できめて、それを強行するということは、これは当然独禁法上の問題になると思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 その点明確になりましたので、先を急ぎますから、もう公取は私に関する限りはけっこうでございます。  文部省の臼井さん、それから厚生省の恩田さんに、一括してお尋ねをいたしておきますが、これも先ほど引用いたしましたように、五月十九日の閣議において、学校給食用の牛乳については、灘尾文相は値上げしないように強い要望をされたと聞いております。また小林厚生大臣からは、簡易殺菌設備一式——一式というとどういうことか知りませんけれども、一そろいということでしょうか、一式が十五、六万円でできるので、各学校にこれを備えつけ、農民から直接購入すればよいという御発言があったとわれわれは仄聞しておるのであります。これは農林省の言うべきことを、むしろどちらかというと、厚生大臣が端的に御指摘になったと思うのでありますが、事実上学校給食の問題については、今般の販売価格改定にかかわらず、本年度においては学校給食用の牛乳供給事業者が当初計画どおり学校給食を実施できるよう、供給価格等について全面的に協力するようにせよということを畜産局長通達でもうたっておりますが、実情はどういうふうになっておりますか。この点について、文部省としての現にとられた措置、今後どういうふうに御指導になる御所存でありますか。  なお、小林厚相から、先ほど私が述べましたような趣旨の点を検討するということが提案をされ、各当局においてはその趣旨に沿って御検討が進んでおると思いますが、簡易設備とは簡単な熱気消毒のことを意味いたすでありましょう。農民から直接購入して、これを熱気消毒をして学校給食をしていけば、経費も少なくて済む。一番私どもが従来唱えておったことをそのものずばりで言っておられますが、これについて厚生当局は、文部当局とどういう連絡をとってこれに対処していかれる御所存でございますか。一昨年の乳価の値下げの際に、当時の村田畜産局長が、私どもの追及によって、三省協議会というものをつくることを提案され、そうしてそれは発足しております。三省協議会においては、事務的に以上述べたような点はどういうふうに煮詰まって、具体的に検討が進んでおりますか。これは農林、厚生、文部三省間で正式な機関ができておりますし、学校給食の生乳給食は目下の重大問題でありますので、この点、三省協議会等の審議の経過並びに結果及びその実現の見通し等について、この際明らかにしていただきたいと思います。

臼井亨一文部事務官(体育局学校給食課長)

○臼井説明員 先ほどおことばにございましたように、文部大臣の本年度乳価の値上げをしてもらいたくないという御要請に対しまして、農林大臣もそれに応じていただきまして、御承知のとおり、農林省から各地方に通知が出ております。私どものほうといたしましても、やはり学校給食は年度当初計画でございますから、途中で値上げにならないようにということで、各地方にも、農林省の趣旨を体して値上げにならないように地方教育委員会に徹底して、据え置きをするようにということを指導をいたしました。現在承っておるところによりますと、各地方とも大体その方針でおさまっているようでございます。ただ、だんだん夏場に近づきまして、若干の県ではできるなら値上げをしてほしい、しかし、その値上げも、業者の値上げという形じゃなくて、国庫補助の増額をしてほしい、二円の値上げの分を国庫補助から追加予算でしてほしいというような要望書もぼつぼつ出ておりますから、そういうような形においての業者の要求もございますが、まだ現実的には値上げというようなことにはどの府県においてもなっておりません。  それからついでに、厚生省のほうにお尋ねでございましたけれども、簡易殺菌の問題であります。私どもからも答えさせていただきたいと思います。実は簡易殺菌のことにつきましては、すでに従前から認めておりまして、昭和三十二年生牛乳を学校給食へ導入するというそのときから、いわゆる市販牛乳を学校へ使う、また生乳を簡易殺菌で学校用に使うということをすでに文部省といたしましては認めておりまして、たとえば昭和三十三年一月二十八日付の管理局長、初中教育局長、両局長通達を見ますと、学校給食において市販牛乳を使用する場合の注意、また学校で殺菌器を用いて生乳を処理する場合の注意というものを念のためにすでに出しております。たとえばここにこう書いてございますが、生乳、搾乳したままの牛乳は必ず給食の当日に搾乳されたものを殺菌して使用すること、また生乳の使用に際しては、関係保健所の協力を得て、衛生上の万全を期するとともに、生産地域内の乳牛の疾病状況等につきましても十分承知しておく必要があるというふうになっておりまして、私のほうといたしましては、出初から殺菌器を用いてやるということを認めております。そこでしからば、そういう場合に国庫補助をしたかどうかということでございますけれども、昭和三十年のころは、農林省において、こういう簡易殺菌器の補助金十万円をつけられたところがございます。これは御承知のとおり長野県などで行なわれました。越えて昭和三十一年度におきましては、文部省の給食の施設設備の補助金のワク内で二十六万円の二分の一の補助をいたしました。その生乳殺菌器の施設と申しますと、生乳の殺菌器一台、ボイラー一式、配管材料、生乳カン、リヤカー、そういうものを含めて二十六万円ほどを考えまして、それの二分の一の補助をしたことがございます。この際、岡山、北海道が希望いたしましたが、北海道は途中で取り下げまして、岡山県のみ補助金を出しました。ただ、その後あまり各府県で希望がございませんので、そのままとだえておりますけれども、学校給食において生牛乳を飲ませる方法といたしましては確かに一つの方法でございますから、これを盛んに推奨するかどうかということは問題でございますが、私のほうといたしましては、希望があればそれに応ずるという心がまえだけ持っております。

恩田博厚生技官(環境衛生局乳肉衛生課長)

○恩田説明員 簡易殺菌器の価格が十五、六万円だということを私どものほうの大臣が申し上げたことはございます。それはいま文部省のほうからもお話がございましたが、かつて足鹿先生のほうからお話がございました三省連絡会議の話の過程に、この問題がずっと議論に出たのでございます。私のほうは、そこら辺の問題が私どものほうの関係の主たる問題でございましたので、そこら辺をはっきりいたしまして、大臣のほうへお話を申し上げておいたのでございます。  そこで、いま文部省のほうから詳細な御説明がございましたが、私のほうは昭和三十年の三月三十一日でございます。だいぶ古いことで申しわけございませんが、実は集団飲用等の牛乳の飲用の促進についてという通牒を出しておりまして、そこに、非常に長い文章でございますが、一つ一つ具体的に内容を掲げまして、たとえば駅で売る場合、あるいは興行場で売る場合、あるいは学校で牛乳を使用する場合、あるいは病院等で使用する場合、いろいろ具体的な例示をあげまして、通牒を出したことがございます。この内容はずっと変わっておりませんので、このことにつきまして、先ほど申しました十五、六万円の殺菌器が必要だということを御報告したのでございます。その内容をちょっと読んでみますと、殺菌器は撹搾器つきの貯乳式、高温式のもので、安全確実なものを用いること、こういうことが書いてあります。このものが十五、六万円すればある、こういうことでございます。これはどういうことかと申しますと、従来、学校給食とは限りませんが、集団給食で、粉ミルクももちろんそうでございますし、普通の牛乳もそうでございますが、事故を起こしておりますところは、資料も私のほうにございますけれども、たいてい羽釜でわかしておる、こういうことでございます。羽釜の場合でございますと、先生方御承知かと存じますが、牛乳は、百度になりますと、百度にはまいりませんで、あわが立ってふきこぼれてしまうということで、完全殺菌がなかなかできない。そこで年じゅうかき回して——火が当たるところと当たらない上のほうと厚みがあるわけでございますから、いつも熱い殺菌されておるところ、それが熱が加わりますと上に上がってくる、あわてて火を引くものだから、消毒したところとしてないところが出てきて、それをあわててついで、消毒したところでは事故がなかった、同じ羽釜の中で熱がいまから加わろうとするところが事故があったということで、ことしもだいぶん事故が出ております。そういうことで、昭和三十年から集団給食に使うときには、どこの部分をとっても必ず消毒されておるのだ、そういうかまを使えばいいのだ。おそらく昭和三十年ごろは十万円ぐらいでできたのでございますが、最近は十五、六万円ぐらいしております。会社によって違いますけれども、二万円ぐらいの幅はございましても、大体その程度でできる、こういうことでございます。そこで、私のほうは、こういう操作をしますところはおそらく都心ではなかろうと存じております。大体これは生産地のほうがこういうことを考えますので、このものをつけましても、冷却することは要らぬ、わかしたらそのまま飲ませろ。農家といいますか、生産者が近くにおりますから、農家の人が持ってきて 持ってくるというと語弊がございますが、農家から学校が買い上げていただければ、そこでそれをわかしてくれればいい。大体考えております大きさは四斗だる一ぱいぐらいの貯留である。貯留してかき回す殺菌器、これがステンレスでできておりまして、十五、六万円、こういうことでございます。私のほうは、このものはかりに学校給食じゃなくても、あるいは大きな病院でございますとか、あるいは療養所というところは、学校と同様に牛乳が相当必要なものでございますので、そういうところでもこれをやったらどうかということで、私のほうの医務局で国立病院、診療所をやっておりますので、その方面にも話をいたしまして、準備をしたところもございます。この昭和三十年に出しました通牒の内容は、いろんなあるいは協議会、あるいは各省打ち合わせ会、その他の場合に出ましても、この趣旨は一つも変わっておりませんので、この三十年に出しました通牒の内容をちょっと御説明申し上げまして、御了解をいただければけっこうだと思います。今後も、だれが持ってきましても、どこ  でやりましても、この趣旨で殺菌器を置いてあればかまわない、こういうことであります。  以上でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 だいぶ明確になってきたのですが、三省間でそこまで煮詰まってきた。問題は、これを制度化し、そうしていかに強力に普及し、また予算的にも奨励の裏づけをするか、こういうことになってこようかと思います。従来はきわめてむずかしかった問題が漸次解決の方向に進んでおるということはけっこうなことでありますが、ぜひこの三省協議会の結論を制度化をしていく、こういう線で今後とも御善処願いたいと思います。これは厚生省、文部当局にもぜひこの線で対処していただきたいということを申し上げて、私の質問に関する限りはもうけっこうです。  最後に、いまの問題と関連して、檜垣畜産局長に申し上げておきますが、去る六月二十五日の畜産事業団手持ちの粉乳の放出の問題について、御警告を申し上げたい。現在在庫量は七千七百トンと聞いておりますが、このうち一千トンを放出された。これは大手乳業メーカーには遠慮をさせて、そうして百トンぐらいの中小企業メーカーに払い下げるというふうにしたと聞いております。しかし、先ほどから問題になっておりますように、いま二円の値上げ問題の配分をめぐって、生産者とメーカー側との間に困った事態になってきておる。あなたたちもお困りになっておる。そういうときに、夏場の最需要期を控えたメーカー側は、のどから手が出るほどほしいでありましょう。それを一つのきめ手に使って、そしてこの配分問題の解決の一助にされるような配慮があってしかるべきだと私は思う。にもかかわらず、そのものは自主解決だといってほったらかしておいて、そして一方においては畜産事業団手持ちの粉乳の放出をするなどということは、私はもってのほかだと思う。特に、聞くところによると、今後も、国会終了後には再払い下げをする、国会開会中は農林委員会等がうるさいことを言うから、とにかく大量の放出は国会が済んでからやりましょうという話し合いがついておると仄聞しておりますが、事実ですか。国会が済んでからそういうことをしたら、いつでも農林委員会を招集して、私は鼓を鳴らして、この問題の解決がつくまでは断じて今後は放出を認めない、そういう強い態度で臨んでもらいたいと思っておりますが、国会が済んだら放出なさいますか。また、一千トンの放出は時宜を得たものとしてお考えでありますか。それにはそれの言い分もありましょうが、私は少なくとも時宜を得ておらぬと思う。今後反省をされまして、国会終了後といえども、この五〇%以上の配分問題が片づくまでは、やはり持っておるものの放出を見合わせて、そして、そこであなた方が行政的な指導なり、あるいは今後起きるだろう調停に備えられるというふうにやっていただきたいと思います。とにかく事業団というものは、いろいろな機能を持っておりますけれども、私どもの考えるところによりますと、その目的は、畜産生産農民を保護していく、同時に、市場の価格の安定需給をはかることを目的としておりますから、やはりその運営の中心は、粉乳の放出の場合は、酪農民の保護という面に重きを置いて運営してもらいたいと思う。その線をはずれた運営は、私は少なくとも邪道ではないかと御警告を申し上げたい。  そこで、国会終了後また払い下げになりますか、なりませんか。一千トンの払い下げの趣旨は、言い分はあるでありましょうけれども、今後どうされますか。とにかくこの問題が解決するまでは留保してもらいたい。私はかように考えまして、御決意のほどを承っておきたいし、いま一つは、三省協議会の文部、厚生両省からるる御説明がありました点を煮詰めて、今後制度的にこれを強力に推進していく御決意ありやいなや、この点をお尋ね申し上げておきます。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 今回事業団の手持ち脱脂粉乳を放出いたしました理由は、かねがねと申しますか、四月ごろから粉乳の市価が品薄のために急騰をいたしまして、現在すでに畜産物価格安定法によります安定上位価格に到達しておるというような高値で推移しておるのでありますが、そういう点から、中小実需者等においてこの脱脂粉乳の手当てということに困難をしておるから、放出してもらいたいという要望が続けられておったのであります。私どもは、今回の市乳値上げに伴います生乳価格の決定というものの中で乳製品を放出いたしますことについては、慎重に配慮して、実は時期的にも延ばしてまいったのでございますが、六月末から七月にかけては相当の品不足状態が起きそうであるということで、さしあたりといいますか、私どももこの夏に大量の放出をする考えは持っておりませんけれども、さしあたり一千トンを放出する。で、その放出にあたりましては、お話にもございましたように、大手乳業者を排除するという措置をとりまして、乳価交渉に悪影響の起こることを避けた。また、いろいろな配慮でございますが、これは一カ所へ集中的に落札が行なわれますと、問題がございますので、最高落札数の制限をいたしますし、また一口当たりの数量の制限もいたしまして、薄く広く中小の実需者に行き渡る配慮をいたしたわけであります。その結果といいますか、入札は昨日終わったのでございますが、一千トンのうち、約五百七十トンが第一回の入札で落札するにとどまったのであります。これはいろいろ理由はあると思いますが、入札条件をしぼったということがやはり大きな理由であったろうと思うのであります。私としては、千トンの残りの分につきましても、しばらく市況の推移を見て判断をすることにいたし、引き続き入札をするということを避けたいというふうに思っております。  ただ、国会が終われば大量の放出をするつもりかというお話でございますが、私は、乳価なりあるいは乳製品の市況に著しい影響を及ぼすような大量の放出をするという考えはもともと持っておりません。また、国会との関係におきましては、今回千トンを放出いたしましたのも、国会の時期を避けるというようなつもりでやったのではございません。やはりこの問題は、畜産物価格安定法の趣旨に従いまして、異常な乳製品の高騰を押えるという範囲内で実行すべきものと考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 まだたくさんお尋ねをしたい点がありますが、政治判断を要する点がたくさんありますので、また適当な機会に農林大臣等の御出席をいただきまして、お尋ねをいたします。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 ただいま足鹿委員より御質問がありました学校給食の問題につきまして、学校給食課長に二点だけお尋ねいたしたいと思います。  先般、学校給食の問題につきまして、毎日新聞が記事を連載しておりますが、これに対して文部省の体育局長より、これが連載を中止するようにという申し入れが強くあるということを聞いたのでありますが、事実そういうことがありますかということをお尋ねしたいと思います。

臼井亨一文部事務官(体育局学校給食課長)

○臼井説明員 ただいま体育局長は出張中でありまして、私、体育局長からそのことにつきましてまだ承っておりませんが、少なくとも体育局長と私と打ち合わせいたしまして、編集局長なり学芸部長に、事実と相違しておる点を訂正していただきたい、またあまりに一方的な片寄った点だけをつかまえて記事にするということは困るという抗議をいたしました。それで、その点につきまして中止してくれということは、私はっきりと聞いておりません。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 それではあなたのほうより抗議を申し込まれたということは、内容において違うから、その点においての抗議であって、掲載を中止してくれという抗議ではなかったということですか。

臼井亨一文部事務官(体育局学校給食課長)

○臼井説明員 私の聞いておる範囲内においては、まだ体育局長から電話連絡を受けておりませんが、先般体育局長と私と話し合いをいたしました限りにおきましては、相違点について訂正してほしい、また記事全体をあまり片寄ったことにならないように、中正な筆陣を張ってもらいたいという申し入ればいたしました。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 その点、非常に解釈の違いがあるので、これは関連でありますので、いずれ機会を得まして、さらにこの問題は再検討したいと思います。  さらにもう一つ、課長にお尋ねしたいと思いますことは、元来、課長は脱脂粉乳による給食というものが、学校給食事業といたしまして非常に貢献しておるのだというような見方をしていらっしゃるということをわれわれしばしば聞いておるのでありますが、やはりそういうような観点で学校給食に対する脱脂粉乳の問題をお考えでありますか。

臼井亨一文部事務官(体育局学校給食課長)

○臼井説明員 御承知のとおり、終戦直後、学校給食という新しい制度が出発いたしました。そのときはなま牛乳もない時代でありますが、とにもかくにも、学校給食は食生活改善、体位向上ということを目ざしまして、諸外国と違いまして、はっきりとパン、ミルク、おかずという三本立ての柱を定めたわけであります。これによって児童と国民の食生活改善に寄与したいということを打ち出したわけであります。その際には、どうしてもやはり牛乳にたよることはできませんから、輸入脱脂粉乳にたよらざるを得ないという歴史的な事実があるわけでございます。そこで、台湾では最近学校給食が始まっておりまして、別にパン、ミルク、おかずというような制度はとっておりません。何でも六百カロリーなら六百カロリーの基準を満たせばよろしいというような、要するに弁当がわりというような考え方が東南アジアでも行なわれております。それでは学校給食の本来の趣旨にどうも不徹底でございます。やはりパン、ミルク、おかずという三本立てをとったということは、私は、諸外国に誇り得る日本の一種の精神のはっきりした点であろうと思います。したがいまして、過去十八年間脱脂粉乳に依存せざるを得なかったわけであります。だから、脱脂粉乳による功罪という罪よりも、功績は、日本の学校給食制度を盛り立ててきたという意味におきましては、脱脂粉乳の効果というものは、非常に大きかったということを申し上げたわけでございます。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 これは、脱脂粉乳に対するあなたの考え方が非常に間違っていると思うのです。御承知のように、脱脂粉乳による学校給食を児童が非常にいやがっている事実もある。それをただ終戦直後にその当時使って、それをもって効果があったんだ、脱脂粉乳というものが学校給食に非常にプラスしたのだというような考え方自体に、非常に大きな問題があると思う。この問題は、内容等も検討して出さなければならないと思いますが、きょうは関連でございますので、時間がありませんから、この点だけはっきり申し上げておきたいと思います。従来、脱脂粉乳というものは、学校給食に非常にプラスしているのだというあなたの考え方というものは、今日のような状態のもとにおいて、基本的に学校給食における牛乳対策というものを考えなければいけない、こういうふうに考えますので、この点ひとつ十分あなたのほうでも検討して、これがよかったのだというような、非常に責任のない発言をしてもらうと、いかにも学校給食における脱脂粉乳はいいのだというような誤解を招くおそれがあるので、この点ははっきりしていただかなければいけないと思います。この点だけを特に私は強く発言しておきます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 資料の要求をいたしたいと思います。学校給食用の牛乳の価格については知事がこれを決定するということになっておりますが、各県別に違っているように思いますから、各県別のなま牛乳の供給価格、それから三分の一なま乳を入れた場合の価格、それから脱脂粉乳にバターを入れて加工した場合のその供給価格、県別の資料をひとつ御提示願いたいと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 それではこの際、暫時休憩いたします。    午後一時五十四分休憩      ————◇—————    午後二時三十七分開議

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員長代理 これより再開いたします。  質疑を続行いたします。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 局長にお尋ねしますが、午前中の局長の答弁では、市乳値上げ分に対する配分の問題等についても、畜産局としての指導性が全く欠けておるというふうに受け取れるわけです。たとえば昭和三十七年に市乳一円値上げが行なわれたことがあるわけですが、その際は、当時の畜産局長通達の形で、この一円の二分の一、一升で五円については、全国の生乳価格についてこれを値上げすべきである、残り二分の一の一升五円、つまり、一合五十銭分については、販売店あるいはメーカー側において適切にこれを処理すべきである、こういうことで、一昨年、市乳一円値上げ問題が畜産局の指導のもとに行なわれたこともあるわけでありますが、この前例に徴しても、今回の値上がりの処理については指導性を持たないということは、非常に不当なことであると考えますが、この点についてはどうお考えですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 過去のことを申し上げますことはいかがかと存じますが、三十七年の春、市乳の値上げと生乳価格の引き上げが行なわれました際の事情と、今日の事情とを、御理解を願う意味で御説明申し上げますと、三十七年三月の飲用乳価格の引き上げにつきましては、いわゆる普通牛乳について一円の値上げを認めたのでございますが、そのほか、加工乳については実は二円の値上げを行なったのでございます。そういうような事情が一つでございました。それから、私は乳業者の代弁をするのではなくて、客観的に申し上げるのでございますが、三十六年の当時におきます、つまり、三十七年春の時期に先立ちます三十六年の大手乳業者の経営採算は、今日よりはるかにいい事情にあったのでございます。したがって、メーカーに値上げ分を残すべき必要はなかった。また、その点については、メーカーからもあらかじめそういう意思の表示がされてあったということが一点でございます。それからさらに、これも議論をすれば余地の多いことでございますが、三十七年の値上げは、三月ないし四月にわたって行なわれたのでございまして、いわゆる夏乳価の決定以前に行なわれたものである。その三点は、明らかに今回の飲用乳の価格引き上げという事情のもとと違っておるわけであります。  そこで、私どもとしましては、午前中にも申し上げましたように、今日の酪農、乳業あるいは飲用乳消費等の事情から見まして、生産者価格に、値上げ分のうちできる限りを振り向けるべきだということまでは、私どもとしても、指導の方針として示されるが、具体的にどういう価格を配分すべきだということにつきましては、生産者、乳業者、小売り業者、それぞれ二年間据え置かれました飲用乳価格、したがって、それに伴いまして、生産者価格、卸価格というものが据え置かれておりましたことによる、度合いは違いますが、困難を伴っておるということでありますので、取引相互の理解の上で、このそれぞれの価格がきまっていくということのほうが、正常な価格形成というものが期待できるのではないか。また、今回の値上げに伴います配分につきましては、地域ごとにそれぞれ需給の事情等を異にいたしておりますので、それの傾斜の問題等につきましては、行政庁で一律に指示をすることについては、きわめて困難な点もございまして、午前中御説明を申しましたような通達の中で、その趣旨をうたった次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の言っておるのは、昭和三十七年は市乳値上げ問題並びに生乳の値上げ等については、これは畜産局として指導を行なったのだ、今回の場合にも指導ができないかどうかということにもなるわけですね。三十七年の場合には、生産者乳価が非常に低過ぎるから、一升について五円上げるということをまず前提にして、一方においては市乳の需要を拡大するという意味もあって、販売店等に対するマージンについても、一合について五十銭の引き上げを認める、こういう明確な指導方針のもとに値上げが行なわれたわけで、やはり基本になるのは、全国の生乳の値段が非常に安過ぎる、したががって、この際、市乳値上げと関連して、生乳の値段を、一升について五円上げるという、こういう農林省としての指導方針というものを明らかにしてて、畜産局長通達の形でこれを全面的に実施した。今回、農林省としてはそういう名分がないでしょう。ですからら、たとえば市乳を値上げする場合は、一番の理由というものは、やはり原料である生乳の値段をこの際上げなければいけないということは、市乳にいたしましても値上げの最大の理由でなければならぬと思うわけです。ところが、市乳にしても、乳製品にしてもも、その原料ともいうべき生乳の価格というものをどうするかということは、全然前面に出てこないで、ただ単に、市乳については、販売店に対して一合びんについて九十銭の手取りを認めるということだけが明らかになって、そうして消費者に対しては二円値上げということに実はなっております。これは順序が逆だと思うのです。ですから、われわれの言うのは、この機会に市乳二円上げるとするならば、最大の理由というものは、生乳の値段が低過ぎる、だからこの際、たとえばその二分の一である、一升について十円なら十円というものを上げる必要がある。当然これは製品あるいは飲用乳等についても、価格形成上一合一円、一升十円上げるということになれば、これは単に乳業メーカーの企業内の利潤の放出だけでは解決できないということは、これは消費者としても、国民としてもわかるわけでありまして、そういうことは、やはり政府の方針として、畜産局の方針として出せると思うのです。そういうことを明確にしないで、閣議決定のような形で、二円上げることは認める、その半分程度は生産者にこれを配分すべきであるというのは、これは順序が逆だと思うのです。だから問題は、畜産局長としては、この機会に、生乳の値段をどのくらい上げようとしておるかということをまず明確にすべきであると思うのです。その点はどうなんですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 生乳の値段をどの程度上げるべきかという御質問でございますが、ただいま申し上げましたように、市乳価格の値上げによる財源というのは、これは総体として二円を限度として認めたことは明らかでありまして、その後乳業者と販売店との間で卸売り価格の交渉、決定がありましたから、乳業者へ入ります植上げ分の金額は、一合あたり一円十銭ということにたるわけでありますが、私どもそれをいかにどういう金額を配分すべきかというのは、どうも行政庁としては具体的な金額をもって明示することは困難である。   〔足鹿委員長代理退席、委員長着席〕 これはそれぞれの主張があるわけでございまして、農民団体からは半分の値上げの主張がございますし、またメーカーは、先ほど公正取引委員会のほうからも話が出ましたが、二円値上げ分のうちの三十銭は確保しなければやっていけないというような主張をいたしておるのでありまして、しかも地域別に生乳価格に傾斜をつけざるを得ないという事情のもとでは、私どもとしてできますことは、これは理論的な問題が残るわけでございますけれども、従来の混合乳価として、小売り価格との対比で占めておりました約四〇%という比率を上回る金額を農民へ還元する財源として考えるべきである。そういう考え方のもとで、乳業者と生産者の交渉によって自主的に解決していくことが妥当であるというふうに考えてまいったのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 局長の言う分配論というのはおかしいですよ。いいですか。内容を明らかにしないで、消費者に対しては一升二十円値上げしたでしょう。そのうち、販売店に九円手取りをふやしたことはわかっておるわけです。あと残る一升十一円は、使途不明の形でメーカー側が持っておるわけですね。そういう形の分配論というのはいけないと思うのです。だから、まず値上げの理由として、原料乳についてはこの際一升十円上げなければいけない、また、それを用いて飲用牛乳というものがつくられておるのだからして、この際販売店に対しては一升について九円手取りをふやしてやる必要があるとか、そういう積み上げの結果、この際一升について二十円の値上げが必要であるということで、末端価格がきまったとすれば、これは筋道が立つが、値上げの理由がわからないで、一升二十円だけ末端価格を上げて、そうして内容不明のまま、一升十一円がメーカーの手で確保されておるということになると、これはほんとうの意味の値上げじゃないです。それをそのとおり真に受けて、分配がどうだとか、そういうものじゃないじゃないですか。だから、私の言う、畜産局長として指導しなければならぬということは、原料の生乳をどれだけ上げるかとか、飲用乳の場合には販売店の手取りをどのくらいふやす必要があるとか、やはりこの際メーカーの経営事情というものを調査して、この分に対しては一升大体何円くらい手取りがふえて適当であるという合算が、一升二十円あるいは十五円値上げということであれば話はわかるが、ただばく然と二十円上げさしておいて、分配の問題は当事者がやるべきであるということは、これは全く指導性のないやり方であるというふうに指摘せざるを得ないと思うのです。そうじゃないですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 休憩前にもお話を申し上げたのでございますが、小売り価格の値上げの問題が、かなり早くからすでに販売業者の間で行なわれる雲行きが進んでおったのでございまして、二円という問題については、消費者の立場、それから生産者の主張及びメーカーの主張、小売り業者の主張等を勘案いたしまして、この際、指導上、抑制すべき水準は二円方が適当であるということで、指導方針を定めたわけであります。したがって、お話のように、生産者については幾らを上げるべきである、乳業者については幾らを上げるべきである、あるいは小売り業者については幾らを上げるべきであるということを積み上げて、小売り価格の上昇を認めるという行き方も、これは論理的には非常にすっきりした形であると思いますが、そのことをきめますことは、正直に申しまして、私どもの持っております資料、あるいは当事者から提出されました資料等からは、判然としたものが出てまいらないということでございますので、また形式的には自由な取引の価格でございますので、それぞれ当事者間の理解のもとに新しい価格の形成をすることが適当であるというふうに考えまして、私どもとして、生産者の生乳価格の引き上げに重点を置くという頭を持って、この構想が行なわれることを期待いたしまして、通牒にあるような態度をきめたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから順序として、たとえば一升十円上げる必要があるとすれば、これは生産者と会社の合意の上で、何月何日以降は一升十円上げますということになれば、これは国民としても消費者としても、農家が生産する牛乳の値段がきょうからは一升について十円上がったということがわかれば、そういう大幅に値上がりがあった場合には、これは飲用牛乳についても当然その分のはね返りはくるということは、これは覚悟できる点なのです。そういうことが明らかになっていないでしょう。何のために二十円上げるかわからぬで、いきなり上げてしまって、そうして販売店についてはそのうち九円をやる、あと残る十一円はどうするかということがまだ決定になってないじゃないですか。だから、生乳を十円上げるなら上げて、従来たとえば平均価格というものが一升六十五円であれば、それは七十五円にしますとか、販売店の取り扱いのマージンが非常に実情に沿わないということであれば、これは一升について何円上げるとか、現在のメーカー、市乳処理企業というものは採算に合わない、どうしても値上げしなければならぬというのであれば、一体それは良心的に考えて何円上げなければならぬかということは、これは天下に表明できることだと思うのですよ。そういうものを逐次やるか、同時的にやるかということで、一括値上げになるか、あるいは部門別値上げになるかということは別にして、内容が明らかになって、それを合算したものが、最終的には消費者価格として幾らである、あるいはまたそれを原料にした乳製品代が今後幾ら値上がりしなければならぬということが理論的に明らかにされなければ、これは国民としても消費者としても、はっきりと了解することはできないと思うのです。そういう分析も指導も何もしないで、二十円については当事者の話し合いが一番望ましいということは、これは指導性がないと言われてもしょうがないでしょう。指導性があるというなら、あるように明らかにしてもらいたいと思うのです。ないならないということで肯定してもらえば、これ以上追及してもしょうがないわけですからね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 現在の酪農行政といいますか、私どものとっております行政の範囲内におきましては、ただいま芳賀先生からお話のような、理論的な根拠を持って積み上げによる値上げを算定をするということは、遺憾ながら実行する能力がないのでございます。私どもとしては、自主的な取引というものの上に立って、それを誘導する行政というものが限度であるというふうに考えておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 二十円とにかく消費者には高く売りつけておるのでしょう。あなただって飲んでおるでしょう、二十円高い牛乳を。二十円高く消費者には売っておる。販売店を通じて二十円高く消費者に消費させて、販売店には一升九円だけ販売店の手取り増ということで与えて、残る十一円は現在はメーカーが確保しておるわけです。その中から今度はむしろ分配という形で、生産者に対してはメーカーが主導権を握って、お前たちに何円やるかということはこちらできめることであるというような態度が、いまの乳業メーカーの態度でしょう。これをあなた方は分配論と称して、なるたけ話し合いでうまくやってくれということで、傍観しているわけです。こういうやり方は全く不当だと思うのですよ。一番前提になるのは、現在の生乳価格というものは、他の農産物、いわんや諸物価の上昇に比べて、非常に安過ぎる。だから、これは適正に是正すべきであるということが大きな理由になって、値上げということになればもこれは了承されるが、最大の理由というものを取り上げないで、まず二十円の値上げだけを先にやって、それから販売店の手取りをふやす、メーカーの利潤をふやす、残りを生産者に、おまえたちにくれてやるというようなやり方は逆だと思うのですよ。こういうやり方のほうがいいですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私は先ほども申し上げましたように、芳賀先生のおっしゃるように、生産者に対する生乳の価格引き上げというものから始まって、市乳価格の引き上げを容認するという指導の方向も、理論的でもありますし、そういうケースもあってしかるべきだと思いますが、今回の場合に二円の値上げを認めたということは、私どもの気持ちとしては、二円以上の値上げは抑制したいという考え方に出ておるのでございまして、そういう二円を限度とする抑制的なことを考えました場合、そこに三者の配分がどうなるかということを考えますと、これはそれぞれの主張、立場というものがあるわけでございますので、そういうスタートをいたしました場合には、当事者間における話し合いによってそれぞれの段階の価格が決定される。ただ、その場合に、生産者の立場が無視されて、生産者の販売する生乳の価格の引き上げに当てられるべき財源がなくなる、あるいは少なくなってしまうというようなことについては、これは今回値上げを認めました生産意欲の高揚ないし生産の拡大ということに沿わないということになりますので、そういう点を配慮した実質的な構成をしてもらいたいという指導の態度をとったのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いま局長の言われた点については、これは十分行政的に指導して、局長の心配したような結果にならぬようにするということなんですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私どもとしましては、生産者に対し乳業者が耐えられる限りの財源をもって生乳価格の引き上げに応ずるという指導を加えてまいりたいというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは具体的にいえば、どの程度を最低限生産者に確保させるかということになるのですよ。たとえば半分ということになれば、一升十円ということになるし、従来の価格形成の中における四〇%ということになれば、一升八円ということにもなるが、従来の生産者価格、あるいはメーカーの手取り、あるいは販売店の手取り、そういう結果から見た価格構成における配分率ではよくないので、これを是正することに努力するというのは、前回当委員会において大臣も局長も明らかにされておる点ですからして、やはり最低限確保すべき生産者の乳価への配分ということにもしなれば、当然これは二分の一の一升十円くらいが当然じゃないですか。そのくらいは確保するために最大の努力を払うということなんですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 先般の当委員会でも、私からもまた大臣からもお答えを申し上げましたように、二円の値上げによる財源のうち、従来の混合乳価による市乳価格の生産者取り分四〇%を上回る財源をもって生産者の価格引き上げに応ずるという指導をしてまいりたい。これは最低限のことでございますが、そういうふうに考えてまいって、また乳業者に対してもそういうふうに申してきたのでございますが、ただいまお話しの具体的に何円を回すべきかという問題は、非常に断定のむずかしい問題でございまして、生産者団体等が二円の引き上げのうち一円分を農民に還元すべきであるという要望が出ておりますことは、十分承知しておりますので、方向としては、その農民の要望に近づけるような指導の姿勢をとってまいりたいというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは結局確認をするようなことになりますけれども、混合乳価ですね、平均混合乳価をたてまえにして、その中で占める生産者分が四〇%とか、メーカーが二五%とか、販売店が三五%とか、これは混合乳価に対する過去の実績です。それが現在の価格構成の中のパーセントということになっても、これを下回らないように、つまり、生産者価格の場合にはこれを上回る配分率で実行がされるように最大の努力をする、これは前回もそう言われたし、ただいまもそう発言されたのです。ここでそれ以上檜垣さんに言ってもしょうがないですから、その基本線をくずさないで、近いうちにこれは明らかになる点だと思いますが、ぜひ最大の努力をして、なるほど檜垣さんはよくやったというふうに、委員会が称賛を惜しまぬような結果をつくってもらいたいと思うわけです。  そこで、一つの事例をあげますと、これは森永乳業の副社長の渡部伍良君が、十六日に当面の乳価問題について談話を発表したのが記載されております。その一つは、これは二円値上げの場合の、一升二十円値上げの配分ということだと思いますが、「配分乳価については二、三日中に発表するが、」これは十六日に談話をしたのですが、「二、三日中に発表するが、市乳地帯は平均六円、加工乳地帯は二〜三円程度で、需給のひっ迫している地域では多少色をつけることになろう。乳価が不安だといっているが、乳価は米価についで安定している。」第二は、「今期の業績見通しについては今月末の予算会議で協議することになっているので、いまはなんともいえない。会社の方針としては市乳、育粉が中心となろうが、市乳部門が増えていく傾向になろう。」その三は、「自由化の問題については諸外国でも自由化していないわけで、まともに考えることはない。ただ、価格があんまり上昇するのは問題だろう。」その四は、「需給見通しについては一般的に生乳生産が鈍化している一方、需要は人口増、消費水準の上昇などから不足だといわれているが、どの程度不足するかはわからない。」こういう要旨の談話の形の発表が行なわれておるわけですね。先日も、当委員会にメーカー、生産者あるいは販売店関係の代表を参考人として呼ぶことにしておったのが実現できませんでしたが、三大メーカーの首位を占める森永の副社長の談話によると、市乳地帯は六円上げる、加工乳地帯は二、三円程度上げるということが、二、三日のうちにきまると発表しておるのです。そうすると、今月の二十日ごろまでには、あるいは森永の場合にはきまっておるかもしれないのですね。こういう各主要メーカーの二十円の中の配分ということについて、詰めれば十一円のうちの配分ということについて、局長としてはどうお考えですか。こういう実情を十分おわかりになっておるか。わからぬでおるのか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 森永乳業等大手のメーカーが、生産者団体との生乳価格決定についての交渉に入るに際して、市乳地帯六円、加工乳地帯三円というような地域差を考えて交渉に入るという情報は、私どもも承知をいたしております。これから生産団体との話し合いが始まるものと思うのでありますが、このことについての評価といいますか、私の考えを申し上げますのは、ある意味でちょっとはばかるところもあるわけでございますが、市乳地帯というのがどういうことを意味するか、加工乳地帯というのがどういうことを意味するかわからないのでございますが、私どもの考えで、これを市乳に回る毛のについて六円、加工に回るものについて三円というようなことで試算をいたしますと、大体二円の値上がりのうち、約九円程度のものが農家に還元されるという計算になるようであります。それは単なる計算のことでございまして、各地区におきます需給の事情、市乳、加工乳の構成の事情によりまして、変化があることと思いますが、乳業会社がこれ以上出す財源がないというような数字ではないというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それではこのような形できまることは、畜産局長としては妥当と考えていない、おおよそそういうことになるのですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 たびたび申し上げて恐縮でございますが、当事者の経済的取引による決定でございますので、直ちにそういうことが是であるとか非であるとかいうことを申し上げるのは、私としてはこの際は慎むべきだというふうに考えますが、私ども今後、ただいま申し上げましたような考え方で、交渉の進展を指導したいというふうに思っておりますので、妥当な結論が出ることを期待をいたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 檜垣さん、あなたは政府の畜産局長でしょう。渡部伍良副社長というのは、かつては農林省の畜産局長であったし、退官前は農林事務次官をやられた人物なのです。だから、先輩がたとえば森永乳業の副社長になったからといって、何もおそれることはないと思うのです。個人的には先輩渡部であり、後輩檜垣であるが、あなたは政府を代表して、畜産やあるいは酪農の行政を推進する先頭に立っておるわけだから、相手が何様であろうと、政府を代表する国民の公僕として、敢然として施策を行なうということについては、そういう個人的な配慮は要らぬですね。やはり敵もさるものですね。皆さんから見れば先輩と言われるような有為の人材をそれぞれ重要ポストにつけてやり出すと、なかなか皆さんとしてもやりづらいかもしれぬが、そこは公私のけじめをつけて、畜産政策というものは、まず第一に、生産者である農民の立場、利益を確保するということを念頭に置いてやってもらわなければいかぬと思いますけれども、その信念に変わりはないですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 申し上げるまでもなく、私どもは国家公務員でございまして、公僕の一員であること十分認識をいたしております。また、農民のために、特に未組織の酪農民のために、私どもはできるだけ指導的立場をとるべきであるということについては、先生のお話のとおり心得ております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、この機会に、政府として畜産物価格審議会をすみやかに開いて、たとえば、特に当面する畜産物価格安定法から見れば、これは原料乳ということになっておりますが、いまになって考えれば、政府が指示しておる乳価というものは非常に不当ですね。四月一日から一升五十五円ということで告示されておるわけですが、審議会において、われわれは米価と同様の算式を用いれば一升九十一円になるという答申を行なっておる関係もあって、農林大臣がきめた五十五円というものに対しては、まことに不当な措置であるというふうに考えておるわけです。乳価事情から言うと、たとえばそれが飲用牛乳の消費者価格であるとしても、一升二十円の値上がりを示しておるわけですね。ところが、政府がきめた原料乳については、昨年に比べて一升二円しか値上げをしていないということになるわけです。一方においては二十円の値上がりが行なわれておる。政府のきめた原料乳価というものは、昨年に比べてただ二円しか上げてないということになると、これは非常につり合いのとれない価格上の問題ということになると思うわけです。したがって、畜安法においても、経済的な変動とか需給事情等の変動に当面した場合には、すみやかに審議会を開いてて、価格改定を行なうことができるということになっておるわけですから、いまの不当な原料乳の指示価格というものを、この際、むしろ審議会を招集して、適正に是正することによって、総合的な乳価の是正を行なう時期ではないかというふうに考えられるが、この点に対しては局長としてどういうお考えですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 加工原料乳につきまして、本年の四月一日から五十五円の基準価格を定めましたことは、御指摘のとおりでございます。これは芳賀先生にも御苦労をわずらわしまして、価格審議会で慎重な御討議、御論議を願ったわけでございますが、各種の御意見がございましたけれども、政府としてそれらの御討議の経緯を参照させていただきまして、この価格をきめたのでございます。市乳につきましては、これは公定あるいは管理的な価格の性格を持たないものでございまして、その後の市乳の需給事情、それから販売業者の事情等から、一升二円の限度までは値上げをやむを得ないということを判断いたしたのでございます。加工乳につきましては、一般に経済的な事情が急変したようには私は考えられません。現在のところ、価格審議会を開催をいたしまして加工原料乳についての基準価格を改定するということは考えておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あなたはどのくらいの格差が出れば急変と考えるのですか。原料乳については、政府の判断によって昨年よりも二円しか上げていないのですよ。法律に基づいて政府は上げておるわけですからね。ところが、一方においては、同じ牛乳を用いて販売しておるところの飲用牛乳については、一升二十円の値上がりが行なわれておるわけです。これは十倍でしょう。原料乳の値上がりの十倍も飲用牛乳は値上がりしておるのです。十倍程度は価格上の変化ということを言わぬのですか。それでは、何十倍くらい格差がついた場合に、これは価格上の矛盾とか変化ということをあなたは考えるのですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 市乳の末端価格と加工原料乳の下ざさえ価格であります基準価格とを直ちに対比いたしまして何倍というようなことが、加工原料乳に関します経済事情の変化を示す尺度として適当かどうか、私はちょっと問題であろうかと思いますが、法律で予定いたしております経済事情等の変化というのは、一般的に物価その他が異常な変動を来たした場合、そういうような事情あるいは加工原料乳についての需給事情が非常に変化をしたというような場合をさすというふうに理解をしておるのでございまして、今回の市乳の価格の改定ということをもって経済事情の変化というふうには考えられないというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは抽象的な経済事情の変化以上でしょう。同じ生乳を飲用にも使うし、乳製品の材料にも使うわけですが、生産された生乳というものには何ら変わりはないわけです。だから、政府の二円の値上げというものは不当なんですよ。いいですか。そういうことをやっておいて、今度は一方においては一升二十円の値上げを認めているじゃありませんか。二十円の範囲でとどめてくれということをあなた言ったというのですからね。そうであれば、二十円上げるということが、全部生産者に帰属する価格の値上がりではないが、少なくとも九円ないし十円は生産者の乳価が上がるということになれば、これはまことに均衡を失したことになるのじゃないですか。ただ二円しか上げなかったことに問題がありり、不当性があるわけです。われわれが九十一円の値があるのだから、そうすればいいじゃないかと言うのをぐずぐず言って、二円なんというのは上げないと同じなんです。これが阻害要因になっておることはあなたは御存じでしょう。だから渡部副社長の談話によっても、私は、これは市乳地帯とか原料乳地帯とかいうのは、何を言っておるかわからぬが、しかし、地域によっては、これによって六円上がる地域と三円しか上げない地域があるということがおよそ想定できるわけだ。場合によれば、全国で生乳価格の一番安い地域にあるいは三円しか値上げはしないという意図かもわからぬわけですね。そういう場合には、政府がきめた五十五円というものを基礎にして、それに二円とか三円しか加算しない、こういうことの結果ができやすいわけですよ。政府がそういう根拠を与えているわけだ。だからこの際、乳価上の変化が大きく出たということを理由にして審議会を招集して、すみやかに原料乳の五十五円という不当な価格を審議会の意見を聞いて是正するということは当然のことですよ。これは議論の余地はないじゃないですか。経済的な変化というのは、そうであるとかないとか言っても、実際経済の変化の中における一番関係の深いこの乳価の生産と消費の間における価格差というものが、大きく出てきておるわけだから、これを取り上げるのは当然だと思うのですよ。政務次官はそう思わぬですか。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○松野政府委員 お話の点、御趣旨はよくわかりましたが、この間、畜産物価格審議会にかけて決定したのでありますから、それ以来今日まで著しい変動というわけでもないようでありますので、ちょっといましばらくできないかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あなた法律の本を持っておるでしょう。その本には、一カ年以内に開いてならぬということもないのですよ。事情変化が生じた場合、臨時的に審議会を開くということは——毎年三月の末には開けということが書いてあるのだから、一年以内に変化が生じた場合においては、いつ何どきでも審議会を招集して、そうして検討を下して適正な価格改定を行なえというのが、畜産物価格安定法の趣旨なんですよ。一年以内やらないなんて言う必要はないのですよ。紺屋高尾じゃないが、来年三月審議会というのはまた開くのだから、そういうことじゃないのでしょう。たとえばきょう審議会で答申をして、あす農林大臣が五十五円ということにきめても、翌日大きな変化が生じた場合においては、直ちに審議会を招集するというのが、その法律の精神である。特に三月末に審議会が開かれたときに、このような市乳価格が二十円上がるなんていうことは、だれも予測も予見もしていないわけです。それがその後においてこういう突然変異があらわれたわけだから、当然それに対応するために、審議会を開いて、審議会の意見を聞いて、適当な処置をするということはあたりまえじゃありませんか。だめですよ、局長、おかしな知恵をつけては。政務次官としての見解を私は聞いておるのですからね。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○松野政府委員 よく検討してみます。      ————◇—————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 この際、足鹿覺君外二名から牛乳販売価格の値上げに伴なう生乳生産者に対する配分に関する件について、決議すべしとの動議が提出されております。  趣旨説明を許します。足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党共同提案に基づく牛乳販売価格の値上げに伴なう生乳生産者に対する配分に関する件、お手元に配付してありますこの件を決議するの動議を提出いたします。  案文を朗読いたします。     牛乳販売価格の値上げに伴なう生乳生産者に対する配分に関する件(案)   政府は、諸物価抑制の際にもかかわらず、六月一日以降、小売牛乳の値上げを認めたが、その値上げ部分の配分については、とくに酪農振興の見地から、左記事項について格段の努力を払うべきである。     記  一、飲用牛乳の値上げ部分については、その五〇%を生乳生産者に配分するよう措置すること。  二、原料乳地域の生乳生産者乳価については、加工乳、乳飲料等の値上げの現況にかんがみ、右に準ずる措置を講ずること。   右決議する。  以上であります。  趣旨その他につきましては、質疑の中で明らかになっておりますので、これを省略いたします。すみやかに御可決あらんことを希望いたします。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 採決いたします。  足鹿覺君外二名提出の動議のとおり決するに賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成者起立〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 起立多数。よって、足鹿覺君外二名提出の動議のとおり決しました。  ただいまの決議について、政府の所信を求めます。松野農林政務次官。

松野孝一自由民主党農林政務次官

○松野政府委員 ただいまの御決議の御趣旨を尊重いたしまして、乳価の配分の円滑な解決のために、指導上十分努力をいたしたいと思います。  高見委員長 なお、本件の参考送付につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 質疑を続行いたします。稲富稜人君。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 まず、畜産局長にお尋ねしたいと思いますが、それは、休憩前に私が文部省の学校給食課長に質問いたしました学校給食に対する脱脂粉乳の問題であります。文部省としては、局長もお聞きになったように、輸入脱脂粉乳が非常に効果的であるというような見解をお持ちになっていらっしゃいますが、これは畜産局としてもそういうような考え方を持っていらっしゃるのであるか、ひとつ畜産局長としての御意見を承っておきたいと思うのであります。   〔委員長退席、仮谷委員長代理着席〕

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 学校給食に脱脂粉乳を長年使ってまいりましたことは、学童の体位の向上、保健の見地から、ミルク給食をやる必要があるにもかかわらず、国内の生乳をもってその需要を充当し得ないということのためにとられたやむを得ない措置であるというふうに私どもは考えておりまして、その限りにおきましては、脱脂粉乳の給食ということが、学校給食にいわば生乳による給食の代用的な機能を果たしたという意味はあろうかと考えております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 この点は非常に重大なことでありまして、やむを得ない処置として脱脂粉乳というものを過去において使用したという解釈と、学校給食による脱脂粉乳が非常に学校給食において効果的であるというような見解とは、おのずから違うと思うのです。ところが、文部省の先刻の解釈によりますると、学校給食による輸入脱脂粉乳が非常に体位向上その他に対して効果的であった。その時分の食糧事情上やむを得ない対策として使って、これが学校給食上貢献したというなら別であります。しかし、脱脂粉乳が学校給食の上から非常に貢献したという解釈のしかた、この点は、私はおのずから違うと思うのです。なぜかというと、将来生乳を使う上においても非常に問題があろうと私は思う。特に私たちが知っておる範囲においては、過去において、学校給食における脱脂粉乳のために児童が吐きけを催す、あるいは乳を飲むことさえもきらったというような事実さえ各地で起こっておりますが、こういう問題に対して、先刻文部省が解釈されたような解釈をわれわれが支持するわけにまいらぬ。やはり輸入脱脂粉乳よりも生乳のほうが効果的である、でき得るならば脱脂粉乳よりも生乳にするということが当然の措置でなければならない、こういう立場から私は聞くのであって、先刻の文部省の給食課長の輸入脱脂粉乳に対する解釈と同一の見解を持っておられるかどうかということを畜産局長に聞きたい、こう思っておるわけです。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 文部省の見解は先ほど私もここで聞いたわけでありますが、さらに政府内部におきまして、学校給食の当面の責任官庁の発言に対しまして、私が批判がましいことを言うことは慎ましていただきたいと思いますが、私どもの考えとして、元来、学童に対します給食は、国内産の生乳をもって充てることがほんとうである、ただ、それに至るためには、生産された生乳の学童向けに供給される可能量というもののために制約をされておる間の補充的な乳製品供給という形のものであるというふうに考えておるのでありまして、将来におきましては、できる限り早い時期に全面的に生乳をもって学校給食に充てるべきであるというふうに考えております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 次に、お尋ねいたしたいと思いますことは、御承知のとおり、最近ちまたに色づけ牛乳あるいはフルーツ牛乳というようないろいろな加工乳が出ております。一般消費者大衆というものは、これに対する知識が十分でないので、同じ牛乳であるということでこれを飲んでおる。一方メーカーから言うならば、こういうような加工牛乳で出したほうがもうかるから、これを出しておる。こういうようなことが、ひいては生乳の消費にも私は非常に影響を来たすと思うのでありますが、こういうのを野放図にほっておいていいものかどうか。政府はどういうお考えを持っていらっしゃいますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 御指摘のように、最近いわゆるフルーツ牛乳でありますとか、あるいはコーヒー牛乳とかいうような乳飲料が、かなりの量消費されるようになってまいっております。この乳飲料と申しますものは、私どもは、牛乳のような食品的な位置を占めるというよりは、むしろ清涼飲料的な性格を持つものであるというように理解をいたしておりまして、また現実にも乳飲料の販売は大部分は店頭においてされておるのでありまして、お話のように、消費者においてこの乳飲料の持っております性格というものを十分理解をいたしませんで、牛乳と全く同じものであるというような感覚で消費をいたしますならば、牛乳の消費というものの促進に害を及ぼすことに相なると思いますけれども、ただいま申し上げましたように、大部分が店頭における清涼飲料的な商品として販売をされておるのでございまして、私どもとしては、現在の情勢のもとで牛乳の消費を一歩抑制するような作用をそれほど大きく持っておるとは考えておらないのでございます。他の清涼飲料等と競合することはあるかと思いますけれども、牛乳との競合は、比較的現在のところは大きくないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 ただいま局長の話によりますと、もちろん清涼飲料的な色彩が強い。ところが、一般の飲む人は、これは牛乳という名をつけられておるものだから、清涼飲料で飲むよりも、牛乳として飲んでいる者が多いと私は思うのです。試みに、コーヒー牛乳の内容を見ましても、原乳が二九%、脱脂乳が六六%、濃縮乳が〇・三%、カラメル〇・七%、水あめ二%、人工甘味料〇・一%、コーヒーは一・一%、全脂加糖練乳〇・八%、これをコーヒー牛乳としてちまたでは売っている。おそらくこれを飲む人は、牛乳と思って飲んでいるんだが、こういうような状態であります。フルーツ牛乳も、これは先刻局長がいろいろ言っておりましたが、安定剤が五〇%、人工甘味料が四〇%、水あめが〇・四%、砂糖〇・二%、原乳六%、フルーツベース〇・六%、ノサナベース二%、エッセンス〇・八%、フルーツは一つも入っていない。しかもこれをフルーツ牛乳と称して売っている。これを一般の消費者は牛乳たと思って、店頭に行きますと、片一方の手にはパン、片一方の手ではこれを飲んでいる。パンを食って牛乳を飲んでいるつもりだ。こういうものをいわゆる牛乳と称して売っている。こういうものに対して何とか規制をする必要はないかという問題、もちろん、今日この飲料に対しましては食品衛生法というものがあるけれども、この食品衛生法は、毒にならないものは取り締まる必要はないわけなんだから、毒じゃないものは野放図だ。ところが、牛乳なんというものは、特殊の栄養的な食料とされている。これを食品衛生法で一括して取り締まることができないわけです。しかし、いま申したように、牛乳と称しながら、飲料水を売っておる、砂糖水を売っておるような状態、こういうものを野放図に売らせておいていいのかどうか。これは飲料にすぐ影響するのだけれども、牛乳には影響しないだろうと局長はおっしゃるけれども、私はこれは非常に牛乳に影響すると思う。しかもメーカーが牛乳と称して売っている。こういう色づき牛乳というものは、ここに大きな問題があると思う。こういう問題に対して何とか考えはないか、これを承りたいと思います。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳飲料につきましては、ただいま私の見解を申し述べましたとおり、牛乳と同様の認識で飲みますことは、私はそれは間違いでもありますし、また牛乳の消費のためにもよろしくないと思います。  ただ、ちょっと余談でございますが、ただいま稲富先生のお話に出ましたフルーツ牛乳の中の原乳六%というのは、乳固形分六%の表示の間違いではないだろうかと思います。これは液体牛乳に換算いたしますと、六〇%くらいの牛乳分になるはずでございます。現在乳飲料につきましては、牛乳成分約六〇%、これを乳固形分で申しますと六・六%、無脂固形分で申しますと、四・八%以上の含有量を持っておりますものは、物品税の課税対象からはずしておるのでございます。この点は、税制上の問題として一つの線を引いておるのでございますが、それ以下の乳成分の少ないものも出回っておるようでございます。法律上の規制の問題としましては、先生おっしゃいましたように、食品衛生法によります雑菌の数についての基準、それから大腸菌が陽性であるか陰性であるかという基準、それだけでございまして、そのほかは製造業者の義務として内容の表示をさせるということまでが法律上の規制でございまして、それ以外の規制がないのでございます。これをどうするかということでございます。お話しの内容から受けます私どもの印象としましては、こういうものの生産販売について規制的な考え方を持ったらどうかというふうに受け取られるのでございますが、一面から見ますと、清涼飲料水につきましては、各種のものがあるわけでございまして、これが乳飲料という形で牛乳もしくは乳製品を原材料といたしまして消費されるという方向は、ある意味では牛乳の消費の促進にも相なるかと思うのでございますが、現在この問題について内容成分についての確たる基準がないということについては、私ども今後検討を要する点であろうというふうに考えます。現在、農林省所管の清涼飲料水と申します飲料につきまして、JAS規格のございますのは果汁のみでございます。JAS規格を設ける必要があるかどうか等につきましても、今後検討を進めてまいりたいと思います。それよりも、まずこの乳飲料というものが、牛乳とは全く性質を異にするものであるという点についての認識を消費者各層にしてもらうということのために、何らか必要な措置を考えてみたいと思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 ただいま申し上げました色づき牛乳とか、あるいはフルーツ牛乳、コーヒー牛乳というものが、清涼飲料水でありながらも、しかもこれは生乳を使っていない。ともかくも、生乳をやはり国民に飲ませるということを大いに広めることが最も必要であると思うのでございます。そういう点から、少なくともそういうような清涼飲料水を牛乳と称して売るようなことは、何とか規制しなければならないのではないか。私は詳しいことは知りませんが、私の知っておるところによりますと、牛乳営業取締規則というのは明治三十三年にできておる。それに発して、この食品衛生法というものがその後出てくる。こういうような状態で、やはりこの牛乳というものを——飲料水につきましては、これは別のものでございますが、ジュースなんかでも、くだものでもないのを、しかもこれは化学染料で色をつけて、砂粒水を売っているというような状態で、ジュースと称して売っている。こういうような問題も当然考えなければいけない問題だと思いますが、少なくとも牛乳というものは、生きものであるし、しかも人間の日常生活の栄養上影響のあるものでありますから、やはり牛乳というものは、牛乳という特別の一つの規格をつくる必要があるのではないか。いわゆる牛乳衛生法といいますか、そういうようなものをつくって、そうしていま言う清涼飲料水のようなものは、牛乳という名を使わないような方法をとる、こういうことにして、やはりなま乳というものが一般に普及される、こういうことが保健上からも非常にいいことである、こういうことをするためにも、やはりこの牛乳衛生法というようなものをつくって、それで十分規制をするということが必要ではないか、こう思うのですが、こういうことに対してどういうようなお考えがございますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 ただいままでも申し上げてまいりましたように、乳飲料というものが、牛乳と性質を異にするものでありながら、何々牛乳というような形で商品化されておりますことは、一種の誤解を生ずる一つの理由にもなるのではないかと思います。そういうことは私どもも気づいておるのでございますが、商品名に対する規制は、何らかの法的措置なしにはできない問題でもございますし、また当業者としましては、その名前に一種の既得権を持っておるわけでもございますので、今後食品衛生行政との立場もございますので、厚生省とも協議、連絡をいたしまして、この問題につきまして十分検討を進めてまいりたいというふうに思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 時間がありませんから、次に別な問題についてお尋ねいたします。  まず、局長にお尋ねしたいと思いますが、日本中央競馬会法の第一条の目的は、「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため、」とありまして、競馬を行なうということが明記されておりますが、畜産の振興に競馬がどのくらいの寄与をしておるのか、この点ひとつ。これは第一条にうたってありますので、明らかに承りたいと思います。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 御指摘のとおり、中央競馬会法では競馬の健全な発展と畜産の振興に寄与するという二つの使命をうたっておるのでございますが、具体的には競馬法におきまして、中央競馬会法によります国庫の納付金を畜産の振興及び社会福祉の事業のために支出をしなければならないということをうたっておるのであります。最近の実績では、中央競馬会法によります国庫納付金額は五十億をこえる額になっておるのでございますが、これが私の局、畜産局の支出予算というものの財源に充てられておるのであるというふうに財政当局は申しておるのでありまして、その限りにおいて、中央競馬会法の第一条の使命、目的というものが理解をされるのではないかというふうに考えております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 そうすると、局長の御答弁のようになりますと、日本の畜産の費用というものは、競馬がまかなっているようなものであって、国はこれに対してあまり財政的な協力はしていないということになるわけでございますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 三十九年度の畜産関係予算は、これは競馬法でいう畜産の振興ということに全部含まれますかどうか、議論の余地がありますが、約百億になっておるのでございまして、財政当局の主張といいますか、説明によれば、その中に競馬益金の歳入予算が充当されておるのであるというふうに言っておるのでございます。この点は、おそらくさらに御質問があるかと思いますが、一般会計の歳入に取ったものを、また一般会計の予算に組むということにつきましては、必ずしも明確ではないという点があることは私ども意識をいたしております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 それでわれわれが多年主張してまいりましたのは、明確でないから、やはり競馬法に畜産振興のためにしなければいけないということをうたっておる以上は、当然これは別個に国がやらなければいけない、それにプラスした一つの方策をとることが必要ではないかと私は思うのです。こういう点を明確にするような必要があるんじゃないかと思うのです。従来のように明確にしてないと、いまのようになって、せっかく競馬法に畜産振興のためにしなければいけないということをうたっていながらも、金にはしるしがついていないということで、わからぬということになってくるから、こういう点は何とかやはり地方競馬の改正をやったときのような方法をはっきりしておく必要があるじゃないかと思うのですが、どうですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 中央競馬によります競馬益金の一般会計への歳入額は、ただいま申し上げましたように相当の額にのぼるわけでございまして、これを明確に畜産振興の特定の使途に充てるということでございますと、いかなる畜産振興施策のための財源とするかということにつきまして、かなり綿密な検討を要するのではないかと思うのですが、それらの検討によりまして、また財政面におきます調整が可能であるかということになりますれば、ただいま稲富先生御指摘になりましたような方向は一つの検討をすべき問題ではなかろうかというふうに思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 さらに、中央競馬会法の第二十七条の第二項には、競馬会は「政令の定めるところにより、剰余金の二分の一に相当する金額を国庫に納付しなければならない。」ということになっております。これは大体いろんな費用を引いた百分の十というものは当然国庫に納付して、さらに剰余金の二分の一をまた納付しなければいけない、こういうことになっておるのであります。この点も非常に私たちは矛盾じゃないかと思うのです。かつて競馬法を改正しましたときに、当初出ました法案は、百分の八に相当する金額を国庫に納付しなければならないということであったのです。これはたしか議員修正で百分の十にしたというふうに私は記憶しております。政府は百分の八だったのです。それを百分の十にわれわれは修正いたしたのでございますが、そのときに剰余金の二分の一に相当するものは、しかもこの剰余金というのが、あるいはいろいろな設備をやる、こういうものまでも全部がこれを剰余金として、この二分の一を国庫に納付しなければならないということになると、いろんな設備等もできないということに相なってくるわけなんです。当然行なわるべきそういうような設備であるとか、そういうものは、経費として当然これは出すべきものであって、剰余金とこれをみなすということにも非常に無理があるんじゃないかと思うのですが、この点はどういうふうに解釈されておりますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 中央競馬会法第二十七条の一項では、ただいま先生のお話のように、勝馬投票券、いわゆる馬券の発売金頭の百分の十、十分の一を国庫に納付するということになっておりまして、いわゆる私どもが第一納付金と呼んでいるものでございます。この第一納付金の性格は、私どもとしては、一種の遊興娯楽税のような性格を持っているものだろうと理解をいたしております。さらに第二項におきまして、競馬会の剰余金が出ました場合に、その二分の一を国庫に納付をしなければならないということで、いわゆる第二納付金の規定があるわけでございます。この第二納付金の額を算定いたします場合には、中央競馬会の計算の上では、新たな施設を行ないますと、それは剰余金の中に入るのでございまして、したがって、裏返しに申しますと、剰余金の半分の範囲でなければ新しい施設ができないという点に、現在の中央競馬会が各種の施設の整備を要するという場合に、この規定のための制約を受けるという難点がございますことは、私どもも何らか検討を要する点ではなかろうかというふうに考えております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 私はやはりこういうことを言ったということは、こういうことをやっておるから、畜産振興その他にも使われないことになるのではないか。もっと畜産振興であるとか、あるいは社会事業であるとか、こういうように競馬法でうたっているものについては、使途をきめなければならないのではないか。その場合に、国が百分の十を納付させて、さらにまた剰余金に対する二分の一を納付させる。こういうことになると、非常に国はたくさんの納付を受ける。しかもこれに対して、畜産振興に対してははっきりしていない。こういうような点があるので、こういう点を一切含めて法の改正をやって、そうして畜産振興に明らかにこれが使われる、こうすることによって競馬が有効に行なわれる、こういうことになると私たちは思うわけなのですが、こういうことに対して国はどういうような考え方を持っておられますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 第二納付金の現行の制度というものをどういうふうに考えるかにつきましては、一つの難点として、ただいま申し上げましたような点があるわけでございますが、さらに広く納付金の畜産振興への寄与を明確にさせるということは、正直に申しまして、私ども農林省だけの検討では、その点の解決は困難かと思いますが、財政面における調整等が行なえることでありますれば、法律の改正についても私どもは検討をいたしたいという気持ちを持っております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 それでは長いこと聞きませんが、そういうことも含みまして、この際お尋ねしたいことは、現在の競馬法の中にも相当に矛盾があると思う。たとえば競馬法の第二条に「中央競馬の競馬場は、」ということで、「札幌、函館、福島、新潟、中山、東京、、横浜、中京、京都、阪神、小倉及び宮崎」というふうになっておりますが、これはすでに競馬が行なわれないところがここに書いてある。こういう競馬の行なわれないところをわざわざ法にうたっていくということにも、非常に無理があると思う。  さらにこの第五条には、額面十円の投票券、こうなっておりますが、すでに今日は普通二百円になっている。こういうように実際に通用しないことが平気でうたってある。  さらにまた、これまではこういうような国庫納付金が多いがために、実際の設備ができないというので、数年前は、臨時競馬というものを法制化して、国庫納付金を納めないでいい、こういう特例をつくった。いまでもオリンピック等に対する特例競馬というものが行なわれている。こういうようなものも一切含んで、ほんとうに畜産振興であるとか、あるいは社会事業であるとか、こういうようなことに使われるような、思い切った競馬法の改正を今日行なって、そして明朗な競馬が行なわれるような方法をとることが最も妥当ではないか、こうわれわれは思っているのだが、どうも競馬というものに手を触れることを政府はいやがっているようで、いつまでもほうっておかれる。ところが、時代はだんだん進んでいるのでありますから、こういうことに対しては、もっと思い切って国民の納得のいくような改正をやるという御意思はないか。当然やらなければならないと思いますが、この点の政府の考えを承りたい。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 競馬法におきまして、第二条に競馬場の具体的な所在地の名前をあげて限定をしている。また第五条で、現在全く発売をされておりません十円馬券というものを基準にしているというようなことにつきまして、現状に即さないという面、また弾力的な中央競馬の施行に支障を生ずる可能性もあるというようなことから、これは今後政府としても検討いたしてまいりたい。また、特例競馬についての一般的な原則を法律化することによって、緊急な必要を生じた場合における特別競馬の施行ということができたならば、これはまた一つの進歩になるであろうというように考えておるのでございますが、いまお話のございましたように、政府内で競馬に触れますことは、これは各方面の意見を調整するのになかなか困難な点もございますので、競馬について理解のある国会方面等におきましての御支援をいただくならば、私どもも事務的な検討は十分に進めたい、こういうように考えます。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 国が経営をしておりながら、どうも畜産局長あたりは、競馬法に手を触れることを、ギャンブルだと言われるので、遠慮しておると思う。もちろん、これはギャンブルに違いないが、ギャンブルはギャンブルなりに、いいギャンブルと悪いギャンブルとある。私のほうのある地方に行きますと、室内賭博が多い、パチンコが多い。その室内賭博がなくなったというので、警察では喜んでおります。人間の射幸心に沿うものをいいほうに持っていく、明朗なところに持っていくことが必要でないかと思う。そういう点からいうならば、いろいろギャンブルもありましょうが、その中において、競馬というものは一番品がいいものであり、一番弊害がないものでないかと考える。こう考えるならば、何もおじる必要はない。さらにその競馬というものをもっと明朗に、納得のいくような競馬をやらせる。しかも、その利益は畜産振興のためにどしどし使っていくのだ、社会事業のために使っていくのだ、こういうようなはっきりした方針でやっていかなければならない。それがためには、陰惨なところでやるのではなく、明朗な競馬をやる、こういうことが必要だと思います。そういう点から申し上げますと、中央競馬会は場外馬券が許されているが、ところが場外馬券売り場は、どこでも陰惨なところ、くさいところでやっている。そういうような場外馬券売り場でなくて、場外馬券売り場を許す以上は、もっと明るい、みんながテレビを見ながらでも、お茶を飲みながらでもやれるような、こういうような場外馬券売り場の設備をするということも必要じゃないかと思う。こういうことをやらないから、競馬というものがいかにもほかのギャンブルと同じように見られると思う。これはあなた方の指導の足らないところです。どうかその点を十分考えて、そして納得のいけるような競馬をするということ。場外馬券の問題に対しても、十分これが改善できるような指導をやっていかれることが必要だと思います。これに対して局長は、あなたも競馬はまんざらしろうとでないと思いますが、あなたのお答えを率直に承りたいと思います。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 競馬が果たしております一面の機能につきまして、稲富先生から非常に明確な御意見を承りましたが、私どもとしましても、競馬、特に中央競馬を運営するにあたりましては、公正明朗な競馬として一般大衆に愛されるものにすべきであると考えておるのでございまして、そのために、競馬場の諸施設はもとより、また最近非常に問題になりつつあります場外馬券売り場の施設の改善をはかりまして、明朗な競馬の雰囲気を保持発展をさしていくべきであるというふうに考えております。私どもその方向で指導してまいりたいと思いますが、そのためには、いろいろの施設のための財源等の確保の問題もございますので、法律の検討にあたりましても、さような見地から慎重に研究を進めたいと思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 そういう点がありますので、進んでひとつ競馬法の改正に取り組んでいただきたい。そして明朗な競馬を施行する、こういう方向で進むことをひとつつとめていただきたいということを特に希望いたしまして、私の質問を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長代理 この際、休憩いたします。    午後四時十二分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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