農林水産委員会 第45号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1964/05/08
会議録
○高見委員長 これより会議を開きます。 湯山勇君外二十名提出、学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案を議題とし、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。湯山勇君。
○湯山議員 ただいま議題となりました学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案につき、提案者を代表して、その提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十九年に学校給食法が制定され、現在、全国四万数千の小中学校等におきまして、ミルクの学校給食が実施されておりますが、わが国では、このミルクの学校給食が、輸入脱脂粉乳を中心に行なわれており、政府は、昭和三十九年度にも、アメリカから脱脂粉乳六万六千トンの輸入を計画しております。 ところが、御承知のように、昨年は、給食中に子供たちが飲もうとしたミルクの中から異物が発見されたり、子供たちの中から下痢をする者が出たり、子供たちがきらって飲みたがらない等々の事件も起き、現在全国の父兄の間から、学校給食用のミルクは、輸入脱脂粉乳ではなく、国産の生牛乳を使ってほしいという、強い要望が起こっているのであります。 ひるがえって諸外国の例を見ますと、今日、ミルクの学校給食を実施している国は数多くございますが、この中で、脱脂粉乳を飲ませている国は、イタリー、ブラジル、セイロンのわずか三カ国のみで、他はすべて生牛乳による給食を実施しております。また経費の点につきましても、スウェーデン、フィンランド、アイルランドなどのように、全額国が負担して、無償で給与している国も多いのであります。 御承知のように、わが国の国民一人当たりのカロリー摂取量は、現在、欧米諸国の七割程度であり、ことに栄養価の高い牛乳等の摂取量は著しく劣っております。このような現状を改善していくためにも、育ち盛りの学童、生徒に対する学校給食の制度を拡充し、その体位向上をはかることはきわめて重要であり、当面、ミルクの学校給食については、とかく問題の多い輸入脱脂粉乳による給食をやめて、栄養価の高い国産生牛乳による給食に切りかえ、少なくとも、この生牛乳の学校給食は、憲法第二十六条の義務教育費無償の精神に基づいて、全額国費をもって実施すべきであると考えるのであります。 社会党は、このため、学校給食法の一部改正案を今国会に提案し、ただいま御審議をいただいておりますが、この牛乳の学校給食を円滑に実施するために、これに必要な牛乳の確保をはかることが重要であり、そして、このことは、また同町に、わが国の酪農の発展に大きな役割りを果たし、ひいては国民全体の食生活の改善に寄与すると考えるのであります。 現在政府は、酪農を農基法に基づく選択的拡大の中心において奨励しておりますが、一方では、脱脂粉乳やチーズなど酪農製品の輸入量の増大と、これに基づく生産者乳価引き下げの問題が起こり、酪農民の生産意欲に少なからぬ影響を与えております。しかも、政府が昭和三十九年度に予定している学校給食用脱脂粉乳の輸入六万六千トンは、これを生乳に換算すれば、およそ三百が石に近い数量となり、わが国の牛乳総生産量の四分の一、飲料牛乳消費量の二分の一に近い数量となり、国産生牛乳の消費拡大を著しく圧迫することになるのであります。 現在わが国の牛乳生産量は、年間百七十万石ずつ増加しておりますが、これに付する消費の拡大が、輸入乳製品の増大や、学校給食用脱脂粉乳の膨大な輸入によって圧迫されたのでは、わが国の酪農の発展は望み得ないと言わなければなりません。 政府も昭和三十九年度には、国産生牛乳による学校給食を、四十万石計画しておりますが、これは輸入脱脂粉乳の一割程度にしか当たりません。しかも将来この国産生牛乳による学校給食を伸ばしていくのかどうかが明確ではありません。一方で酪農を選択的拡大の中心におきながら、他方では学校給食の中心を輸入脱脂粉乳において、国産牛乳の需要拡大をはばむということは、全く矛盾した政策であると言わざるを得ないのであります。 われわれは、国民の食生活の向上をはかるため、牛乳を主食に準ずるものとして重視し、米と並んで酪農をわが国農業の二本の大きな柱として、健全な酪農の発展をはかるべきであると考えるのであります。そしてそのために、まず学校給食用のミルクは、国産生牛乳に切りかえ、国が無償で給与することとし、これに必要な牛乳を確保するための措置を、国の責任で強力に講ずべきであると考えるのであります。 以上が、この法案を提案する理由でありますが、次に法案の内容につきまして、簡単に御説明申し上げます。 第一に、この法律は、学校給食法に基づく、牛乳の学校給食を無償とする措置を円滑に実施するため、牛乳の生産の振興、牛乳流通機構の整備等に関して、必要な措置をとることを趣旨としております。 第二に、このため国及び地方公共団体は、学校給食の用に供する牛乳の確保をはかるため、牛乳の生産振興、牛乳の流通秩序の整備等必要な措置を講じなければならないとしております。 第三に、国は毎年度、学校給食用牛乳を購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付することとしております。 第四に、農林大臣は、毎年度、その年度の開始前に、文部大臣と協議して、学校給食用牛乳の購入及び給付に関する計画を定め、公表しなければならないこととし、この計画は次の事項について立てることとしております。 (1)学校給食の用に供する牛乳の給付数量。 (2)都道府県別の学校給食用牛乳の給付数量。 (3)都道府県別の学校給食用牛乳の購入数量。 (4)その他学校給食用牛乳の給付に関し必要な事項。 第五に、学校給食用牛乳の国の購入価格は、その牛乳について定められる生乳の生産者価格に、処理費、運賃、その他の諸掛かりを加えて得た額によるものとしております。 なお、僻地等の学校で生乳による給食が不可能な地域については、長期休暇中等に国が購入した生乳を加工して、乳製品で給与できることとし、これについての規定は政令によって定めることとしておりますが、この場合の国の購入価格は、その乳製品の原料乳価格に、加工費、運賃、その他諸掛かりを加えた額としております。 第六に、生乳の生産者価格は、生乳の生産費を基礎とし、物価その他の経済事情を参酌し、生乳の再生産を確保することを旨として農林大臣が定めることとし、この場合、生産費に含まれる自家労賃の価格は、他の産業に従事する労働者の賃金と同一水準のものでなければならないとしております。 また、生乳の生産者価格は、毎年度、その年度の開始前に定めて告示することとし、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、または生ずるおそれがある場合、特に必要があるときは改定することができることとしております。 第七に、国は学校給食用牛乳の購入については、生乳生産者団体から購入を優先的に行なうものとしております。 第八に、国は、生産者団体に対して、学校給食用牛乳の処理施設の設置に要する経費の三分の二を補助することとしております。 第九に、国は、牛乳学校給食に要する経費の収支については、食糧管理特別会計の中に、学校給食用牛乳勘定を設けて経理するものとし、これに必要な関係法令の改正を行なうこととしております。 最後に、この法案は、昭和三十九年四月一日から施行し、昭和四十一年度には学校給食用牛乳は全部、国産生牛乳をもって実施できるようにすることを目標としております。 以上、本法律案の提案理由及びその内容の概略を申し述べました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。 ————◇—————
○高見委員長 次に、食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、質疑を続行いたします。稲富稜人君。
○稲富委員 今回政府は食料品総合小売市場管理会法案を提出されておりますが、これは、今日問題になっております生鮮食料品の消費者価格というものが高騰するので、なるたけこの生鮮食料品の小売り価格を下げたいというところに趣旨があるだろうと思うのでございます。そのように伺うわけであります。ところが、この生鮮食料品の生産者価格が非常に安くて、今度は消費者価格が高いという問題は、この生鮮食料品の流通機構の上に大きな問題があるのだということを多年叫ばれておりますし、歴代の農林大臣も流通機構の改正等は常に言われておるし、卸売り市場の問題等は検討されておるようでございます。こういうような基本的な問題はそのままにして、今回小売市場管理会法案というものを提出されておるわけでございます。見方によりますと、この基本的な問題はほっておいて、これに何か事をそらしたというような感じを受ける面も非常にあるのでございますが、政府はこの流通機構の基本的な改正問題というものはどう考えておられるか、これによってその流通機構の改正というものは放棄されるのであるか、この点、まず政府の御意思を承りたいと思うのでございます。
○松岡(亮)政府委員 まことに仰せのとおりでございますけれども、流通機構のパイプは、産地の出荷機構から大消費地の中央卸売り市場、その「中央卸売り市場の」中で荷受け機関、つまり卸売り人、さらに仲買い人の組織がございます。それにさらに小売りの段階があるわけでございます。いま御指摘になりましたのは、末端の小売り段階だけの改善をはかって、最も大きな中央却売り市場なりそういった面の改善がおくれているではないか、こういう御指摘かと思うのでございますが、中央卸売り市場につきましては、政府としましては数年来種々の対策を講じてまいっております。まず、中央卸売り市場の施設がすでに狭隘になっておる。また相当な都市でまだ整備されていないところも相当数ございます。そういうところにつきましては、昨年から八カ年計画で中央卸売り市場の新設と拡充並びに内部の整備をはかるようにいたしておりまして、予算も、また起債のワクも、年々相当額増額いたしておるわけでございます。特に東京におきましては、築地の中央卸売り市場が非常に狭隘になっておりますので、隣接の経理学校用地、それから海上保安庁の水路部の用地等を譲り受けまして、その方面に施設を相当大幅に拡張するような措置をとっておるのでございます。また、これは施設の問題でございますが、その中における取引の機構及び取引の方法につきましては、昨年生鮮食料品の流通改善対策を閣議決定いたしまして、いろいろ御批判がございましたが、中間経費の節約の一部としまして、手数料の引き下げと、これにあわせて、産地への交付金等の節減をはかったわけでございます。それから取引方法についても、せり方法がきわめて問題がございます。そのせり方法の改善を実施いたしております。さらに仲買い人に相当問題がございます。仲買い人は現在非常に数が多い市場がございます。一面において、横浜市のように仲買い人を置いていない市場もございますけれども、特に築地の水産部門等は千五百以上の仲買い人がおるのでございます。仲買い人に対して小売り商のほうは、東京都の小売り商が五千くらいでございます。ほかに料理屋などもございますけれども、五千軒の小売り商に対して千五百からの仲買い人がおる。こういうような実情でございまして、これにはいろいろな長い経緯がございますから、一度にこれを少数にすることはなかなか困難が伴いますが、昨年来これを統合して大型化するように勧奨し、また金融のあっせん等も申し入れておるのでございますが、なお目下その準備をやっている段階でございます。 それで、最後の小売り段階の流通機構の改善、これは実は一番むずかしい問題でございますけれども、何といっても流通経費のうちで、小売り段階のマージンが一番大きいわけでございますから、これをないがしろにして中央卸売り市場なりその方面だけの改善をやりましても、効果がむしろ十分でない。小売り段階の大きなマージンを何とか節減するということが必要でございます。最近やや消費者物価が落ちつきを示しましたけれども、また反騰しつつあるのでございます。やはり経済の成長に伴って今後労務費等は上がることは必然でございますし、小売り段階などは特に労務費が多いのであります。その近代化をすることは非常に重要であるという趣旨で、まだ十分ではございませんけれども、この法案を提出いたした次第でございます。
○稲富委員 もちろん、今回のこの法案の趣旨はわかるのでございますが、問題は、中央卸売り市場の仲買い人制度の問題のごときもしばしば論ぜられたのは、仲買い人制度が必要であるという議論と必要ではないという議論があるのでございます。こういう問題に対してどうするかということで、まず一つの対策をとって、中央卸売り市場の現在の機構の問題をすっきりしたものにして、そういうことからさらに小売り商に対してこれをどうするかという問題は、筋道として当然やらなくちゃいけない問題ではないかと私たちは思うのです。ところが、非常に複雑多岐にわたっている卸売り市場の制度の問題は、いま局長が言われるように、いろいろ御計画はなさっておるようでございますけれども、これはずいぶん多年の問題でありながらも、何らこういう問題は具体化しないままに、一番先端の小売り商に対する対策をやろう、こういうことは、いかにもうるさい問題、むずかしい問題には手を触れないで、そうしてそれは一つのその機構としておいてやるのではないかという、こういう感じさえも抱くわけなんです。この卸売り市場問題は、これはまたいずれ機会があったら大いに検討しなくちゃいけない問題であると思うのでございますが、それでは現在の卸売り市場の仲買い人制度その他の問題をそのまま放任しておいて、ほんとうの末端の小売り業に対してこの制度を設くることによって、どれほどの期待を持たれるかという問題なんです。小売り業消費価格が高いのは、小売り商の持っておるマージン、小売り商が使用する人件費、これがためにこの消費価格が高くなっている、これだけの問題ではないではないだろうか、こうわれわれは考えるわけでございますが、政府はいかにも小売り商のマージンが多いがために消費価格が高くなっているのだ、こういうことに結論づけられておるようにも思うので、それは非常に見解違いじゃないかと思うのでございますが、これに対する考え方をひとつ承っておきたいと思うのです。
○松岡(亮)政府委員 決して小売り商のマージンが高騰していることだけが最近の消費者物価の高騰の要因ではない、それだけではない、私どももそう考えておるわけでございます。最近の消費者物価の高騰の要因をしさいに分析してまいりますと、まず生産の面において上がる要因がかなり強く働いておる。つまり、消費構造がかなり大きく年々変わっておりますが、それに対応した生産の形になっていない。つまり、同じ野菜でも、高級野菜とかそういうものの消費がふえているのに、その生産はそれほどふえない。消費に即応してふえない。あるいは、これは需要供給の面でございますが、生産のコストの面で、労務費が上がり、農家の労働報酬に対する意識が荷まっておる。それに対して十分な報酬を得よう、蔬菜の生産等については当然出てまいるわけでございますが、それがやはり働く。第三番目に、大都会の近郊の蔬菜産地等が、漸次、農地の転用とか耕作の放棄というようなことで、より遠回りの地域に産地が移動しておる。したがって、輸送費等が若干ふえてきておる。そういう生産の面の要因もございます。また、中央卸売り市場における取引にももちろんあるわけでございます。ことに最近著しいのは、中央卸売り市場の取り扱い高が、数量の面におきましても、価格の面におきましても、ふえておりますので、それだけ荷受け機関に余裕が出たためでございますか、産地への歩戻しというようなものが激増しつつあったわけでございます。こういうものに対しては、その激増している傾向をやはり押えていく必要がある。中間経費がいたずらに大きくなるということから、昨年それに対する規制を行なったわけでございます。それから、確かに御指摘のように、まだ仲買人の問題については完全な実施に移っておりませんけれども、現在その仲買人の大型化については、勧奨し、進めておる段階でございます。
○稲富委員 非常に御親切な御答弁、けっこうでございますが、まだたくさん質問者もあるようでございます。特に先日来同僚各位から御質問もあっておりますので、私の質問がほかの同僚委員の質問と重複する点があるかと思います。その点はすでにもう質問に対して合弁しておるからということで、簡単に御答弁願いますと、また議事録を見まして承知することにいたしますので、さようお願い申し上げたいと思うのであります。 ただいま局長の御答弁のような状態で、今度小売り商に対するこの制度が設けられるわけでございますが、私たち考えますと、これは一つの商行為に対する農林省としての非常に思い切った対策のようでございますが、ここにおいてわれわれが考えることは、それではこういうような制度を設けたがために農民の生産者価格がどれほど高くなるかということに大きな問題があるので、まず農林省としての施設であるならば、この点をお考えにならなければいけないと私は思うのでございます。ところが、御承知のとおり、先般来、野菜等におきましてはほとんど豊作貧乏といわれて、できた野菜をただで捨てているというような状態も各地に見られるわけでございますが、こういうような野菜の生産者価格をいかにして維持するか、こういう問題に対して政府にもっと積極的な措置を当然おとりにならなければならないと私は思うのです。こういう問題は、別に生産費に対する価格対策は積極的な態度をおとりにならないで、消費部面に対する、この小売り扱いの問題だけをやって、いかにもこれによって生産者価格が高くなるような考え方というものは、非常に甘いのではないかと私思うのでございますが、この制度を考える前に、生産費に対する価格をいかにして保持するか、こういうことに対しては、農林省としてはいかなる措置をおとりになろうとしておるのか、将来どういう対策をとろうとしておるのか。また、いままで実際非常に困っておりました、豊作貧乏で生産農民が泣いておるこの状態に対して、どういう措置をおとりになったか、この点を承りたいと思うのであります。
○松岡(亮)政府委員 私が申し上げるまでもなく、生鮮食料品の価格の安定ということはきわめてむずかしいことであります。農林省といたしましては、最近のように価格の変動も激しく、また消費者価格が上昇するという傾向が目立っておりますので、不十分ではございますけれども、野菜の生産安定事業を、これは最初タマネギから始まったわけでございますが、それをカンランに広げてやっておりますが、これは三十九年度からは、従来京浜地区だけでありましたものを関西のほうにも及ぼすといったような措置をとる、最近の野菜の暴落につきましては、これも不十分ではございますが、従来なかった低利資金の融通をやりまして、暴落による収入減を低利資金で一時補てんする、こういう手を、決して十分な対策とは申しかねまするけれども、打ってまいっておるのでございます。また、魚につきましても、魚価安定のために、冷凍魚というようなものをやりますとか、冷蔵庫の施設も、産地にも消費地にも国の補助で相当規模の冷蔵庫を設置する、そういった対策を講じてまいっております。そのほかにまだいろいろな対策が考えられるべきものと思いまするが、加工するということはきわめて重要ではないかと思います。最近加工部面が非常に発達してまいりましたけれども、それを促進するために、融資の面ではかなりの融資を拡充してまいっております。これは今後とも一そう拡充する必要があるのじゃないか、こういうように考えておるのであります。
○稲富委員 農産物の生産価格が非常に下落する、農民が困る、こういうことになりますと、すぐ政府は融資の面で何とか補おうということをやられるようであります。御承知のとおり、融資は返さなくてはいけない。現に融資なんかでは追っつかない、できた製品をもう捨てなくちゃいけないというような状態なのです。市場までリヤカーで持っていきましても、リヤカー代もない、実際上こういうような状態なのですよ。こういうようなことが年々歳々繰り返されているのですが、こういうことに対してもっと積極的な指導が行なわれないかという問題です。農村にはこういう話があるのですよ。最近一番当たらぬものは天気予報と農林省の指導だというのです。天気予報が雨が降るといった日は、天気がよくなるし、天気がよくなると天気予報でいったときには、かさを持っていかぬと雨が降るという。農林省がこれがもうかるからといった時分にやってもだめで、いや損するのだといわれた時分にやったらもうかるのだ、こういう実に皮肉な話なのです。そういうように、指導というものが一貫してないのですね。いまおっしゃるような加工に持っていくとか、そういう一つの計画的な事業、計画的な生産に対して、もっと積極的な指導が要るのじゃないか。これに対して、さらに生産された価格に対しては、もっと農民が生産費を補えるような方策をやってやることが必要だ。農産物の価格は非常に困難だと局長はおっしゃる。困難だということはこれは事実です。ところが、困難だとしてこれをほっておいては、これは政治ではありません。困難な問題をいかに処理するか、困難な中に農民がいかにして恵まれるか、かようにすることが農政であろうと私は思う。農村にはすでに野菜ができて投げ売りをしているというような問題があるのに、こういう問題に対してもっと積極的になぜ政府は取り組まないか。そういうものに取り組んで、それと同時に、消費の面においてこういう制度をやろう、こうおっしゃるならばよくわかります。ところが、生産の面においてそういうような状態に置きながら、目先の消費面だけやろう、消費面をやることによって、農産物の価格が非常に上がってくるのだ、安心して農民が野菜の生産をやることができるんだということが保証されるならば、非常にけっこうなんです。この点が非常に私は今日の状態では困難じゃないかと思うのですが、こういうような小売り商に対する制度を置かれるならば、これと同時に並行して、農村における農産物、いわゆる野菜の価格を確保するための対策というものを立てていただくということが必要であると思うのでございますが、これに対してのはっきりした何か御計画があるならば承りたい。これを承らなければ、われわれは、どうもこの問題に対していかにも片手落ちだというような不十分な感じがするので、この点をひとつ承っておきたいと思うのです。
○松岡(亮)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、生鮮食料品の流通改善対策といたしましては、不十分ではございますが、昨年来生産から消費に至るまで一応一貫した考え方で施策を進めておるのでございます。小売り市場のみが先行しておるという御印象を持たれたようでございますが、実は生産対策その他のほうが先行してまいっておる、しかし、決して十分だということは私どもも申し上げかねるのであります。意欲といたしましては、昨年来ずいぶん苦心しておるのでございまして、腐敗性の農産物なり魚に対する対策というもの、価格の安定の方法あるいは生産の安定の方法というふうなものは、技術的にはなかなかむずかしい。そこに隔靴掻痒といいますか、歯がゆいところがございます。決して御満足はいかないと存じますけれども、次第次第に拡充いたしてまいる。今後とも大いに特に加工とか貯蔵の方法を整備していくというようなことも考えながらやらなければならぬ。意欲におきましては、おしかりを受けますけれども、十分持っておるわけでございます。なかなか知恵と力が足りなくて、何とも申しわけない次第でございます。
○稲富委員 それでは結論としまして、生産価格の問題については非常に意欲は持っていらっしゃるけれども、遺憾ながら実績があがっていないというのが今日の状態なんです。実績をあげるように、政府としては生産者をもっと保護するような、生産費が償い得るような対策をさらに積極的に進めていこう、単なる意欲ばかりではなくて、進めていこう、こういうような熱意をまず実行に移していくという決意がおありになるだろうと思うのでございますが、その決意があるならば決意だけを承って、一応それは了承するようにしたいと思うのでございます。今後いままでのようなことではなくして、もっと生産者が野菜の投げ売りをしないでいいような、こういう具体的な処置をとるような御計画をなさっていく、こういうような御意思があれば、この問題もさらに私は考えなくちゃいけないと思うのでありますが、そういうような御意思が強いならば、その点をひとつ意思のあるところを承りたいと思うのです。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま経済局長が申し上げましたように、非常な熱意を持ってやってはおりますが、結果的にはいいものが出ておりませんので、おしかりを受けるのは当然だと思います。ただいま稲富先生がおっしゃいましたように、成績をあげなくちゃなりませんので、全力を上げて、豊作貧乏の農業にならないように、価格の安定ということに前向きの姿勢で誠意を持って、今度こそ成績のあがるように努力をいたすということを申し上げておきます。
○稲富委員 その問題はそれといたしまして、さらにお尋ねいたしたいと思いますことは、生産価格を高くして消費価格を安くするという問題は、いま局長も御答弁で触れましたが、生産者より消費者へという問題、これに対しましては、あるいは生産地の出荷組合であるとか、農協であるとか、こういうものが地方においてそういう生産者の市場を持つ、直売場を持つ、こういうことも一つの方法じゃないかと私は思うのです。こういうことに対して政府は積極的に取り組むことも一つの方法じゃないかと思うのでございますが、あえてこういうことをおやりにならないで、今度は小売り商に対する管理会法案を提出されたという意思、この点は、生産者より消費者へという制度を生かすことが何か弊害があるというようなお考えがあったのか、そういうことに対しては将来お考えになっていないのか、この点ひとつ承りたいと思うのです。
○松岡(亮)政府委員 弊害があるとか、そういうことは毛頭考えておらないわけであります。むしろ、できるならばそういうこともあわせて考えるべきである、こう考えておるのでございますが、実は現状においては、消費者を十分に集めて相当な売り上げを上げるには、品物の種類、品種が豊富でなければならない。それには、現状では、協同組合の直売等ではそういうのもはなかなかすぐにはできないというのが実態でございますし、それからもう一つは、日本においては、これらの小売り商の問題というものは、やはり外国と違って無視できないものであります。零細な規模で営業いたしておりますから、できるだけ既存の小売り商を生かして、小売りのパイプを大きくするということをあわせて考えなければならない。そういう趣旨から、直接の直売という方式をこの中では考えていないわけでございます。しかし、特定の品物につきましては、できるだけそういう方向もあわせて考えて、何も中央市場を通さなくても、そのほうが安い場合があります。そういうものについては、仰せのような方法に近い形をあわせて考えていきたいと思います。
○稲富委員 そこでお聞きしたいのは、いま局長が言われるように、農村の生産組合が消費市場に店を持つ、これに対してあなたのほうで建物を建ててそれを貸与する、こういうことになれば、品物は集まると思う。ただ問題は、そういった場合に、小売り商というものをいたずらに圧迫しはしないか、こういう点から弊害があるという考えがあったのではないかという意味で私は聞いたのであって、やはりそういう生産者より消費者へという理想に向かって、出荷組合等の市場、農協等の市場をつくれば、いたずらに小売り商が圧迫されるのではないか、こういう懸念もあって、この際はそういう制度はやらないで、この小売り市場をやろう、こういうような計画にいったのだ、こういうような意味でございますか。
○松岡(亮)政府委員 大体そうでございますが、しかし、品物によっては出荷団体なり生産者団体と直結していくことが妥当と認められるものもございますけれども、それをしいて小売り商といいますか、中間のいろいろな取引を通じなければならぬ、こういうことは必ずしも考えておらないということであります。
○稲富委員 そうしますと、次にお尋ねしたいのは、政府といたしましても、この法案に対しては、少なくとも生鮮食料品の現在仕事をやっておる小売り商の人たちを圧迫はしないのだ、こういうような御意志はあるようでございますが、この管理会法案によって、これを実施する場合、これに同居して店舗を持つ者、こういう人たちをよほど精選しなければ、やはりいまおっしゃったような目的を達することが困難であって、地方の小売り業者とこのマーケットとの間にいろいろの問題が起こり得るということも考えられると思うのでございますが、こういうような問題に対しては、政府はいかなる処置、いかなる考え方を持っておられるのかを伺いたい。
○松岡(亮)政府委員 まず入居する者を選定する場合に、これはいろいろ抽象的な基準はございますけれども、この選定にあたっては、できるだけ業界代表も含めたものの審議会の意見を聞きまして、きめてまいりたい。しかも、特定地区におきましては、特定地区の業界なりあるいは消費者団体、そういうものの意見を聞いて、入居業者の選定に誤りなきを期してまいりたいと考えております。しかし、そういたしましても、周辺の小売り商を生かすようにいたしましても、これは私どもとしては若干の影響はあり得るものと考えております。また、影響のないくらいでは効果もないということでございますし、多少の摩擦はあり得ると考えておりますが、その辺につきましては、十分選定の際においてもよく協議いたします。話し合いを進めて、同時に、これをモデルとしてほかの業者も一歩前進したいという人に対しては、また金融等のあっせんをやるとか、そういうことで、さらにそのほかの人々も近代化できるように施策を進めてまいりたい、こう考えております。
○稲富委員 そうすると、その入居者に対しては、新規の人は入れないのだ、従来そういうような店舗を持っているというような小売り業者、こういう方の中から選定するのだ、こういうような御意思でございますか。
○松岡(亮)政府委員 大体その地区で営業している人が優先されるということでございますが、しかし、その小売り市場を設置する場所としては、特に新開地あるいは大きな住宅団地などができた場合に、そういう業者もあまりいないという場合がございます。そういう場合には、ほかの地区からも引っぱってこなければならない、あるいは新しく近代的な経営をやりたいという意欲のある若い人が相当おりますから、そういう人々を選定してまいる必要もあると思います。その辺の場合に、出荷団体等についてもいろいろな協力をしてもらわなければならぬということがあるかと思います。
○稲富委員 そういうことは、結局二十四条に載っております業務方法書等によって決定されるのだろうと思うのですが、農林省令でその業務方法書を決定なさるようですが、大体これに対する腹案等がありますか。腹案等がありますならば、概略でも承ればこの際参考になると思います。
○松岡(亮)政府委員 腹案と申しますのは、具体的に作文ということはございませんが、どういうことを規定するという骨子はすでに用意はいたしております。大体の骨子を申し上げますと、小売り市場をどういう場所に設置するかというのが一つの眼目でございます。これはまだ書いたものではございませんけれども、われわれの腹がまえといたしましては、できるだけ一般の勤労者あるいは消費者の住んでいる地域、東京で申しますれば環状七号線の沿線、こういうような地域、あるいはその次の点としては規模、それから構造、これは非常に営業上影響がございますので、内部設備等の基準をつくる、それから入居業者の選定基準、それから重要なものとして、貸すわけでございますので、場所の使用料の問題、それらのことを定めてまいる。そのほか幾つかの項目がございますが、大体重要な運営基準というものをここで定めております、
○稲富委員 そうすると、いまの入居者の問題が出たら、その中にやはりその地方の小売り業者というものをまず優先せしめる、また優先せしめなくちゃならないが、それが足らなかった場合には、他地区からもそういう業者を入居させる、こりいうことが第二段になるわけですが、それがさらに足らなかった場合には、新規でもやるのだ、こういう三段階の形になるわけでございますか、この点をひとつ……。
○松岡(亮)政府委員 その辺はがちっと三段階で考えるというふうに、あまりルールとしてかたく考える必要はないと思っております。その地区の実態もございますし、実際に業界との話し合いでだれを入れるかという問題もございますので、若干の弾力性を持って考えたいと思っております。
○稲富委員 それで結論といたしましては、この法案の成立によって、われわれが期待する、また希望したいことは、こういうような消費価格が下がることによって、生産費の価格が保たれるような、農民がもっと安心して野菜をつくり得るような制度をひとつ確立するということが、まず先決条件でなくてはならないと思う。この点に対しては、先刻から、政府としても十分考えてやっていく、こういうような考えのようですが、そうすると、第二の問題は、こういうような市場をつくることによって、その地方の現存しておる、現在事業をやっておる小売業者が、圧迫を受けないような方途もやはり考えなくてはならないのではないか。この点もずいぶん考えられておるようですが、この点に対してはひとつ遺憾なきを期してもらいたい。 最後に、お伺いしたいと思いますことは、どうも今回のこの制度を見ましても、管理会の役員人事等があるのですが、往々にしまして、こういう役員というものにはお役所の天下り人事というものが行なわれるのでございます。農林省がおつくりになると、農林省のおば捨て山のような形になるのですが、かりそめにもそういうようなそしりを受けないような人事が必要でなければならないと思うのですが、これに対して政府は十分なお考えを持っておられるか、この点をひとつ最後にお伺いいたしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 この団体は、一面において指導的な役割り、一面においては民間業務の役割りの両面の仕事をやる、かなりむずかしい仕事になると思います。これは私どもとしては運営を適切にやってもらうには、何といっても人を得なければならないということから、形式的にどういう人とか、そういうことを考えないで適任者を選びたい、こう考えています。それから、いま御質問のありましたような印象をよく一般に与えますので、常勤役員等につきましては最少限度にとどめることにいたしたいと思っております。
○稲富委員 政府は非常にこの法案に対しては期待をされておるわけ、です。私たちはあまり期待を持たないのでありますが、これがひとつ前進をして、野菜の消費価格が高過ぎるというようなそしりを免れることができ、さらにこれによって生産者が安心して生産し得るような制度になれば、非常に喜ばしいと思いますので、これが運営に対してはひとつ遺憾なきを期していただきたいということを特に希望申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。
○高見委員長 湯山勇君。
○湯山委員 いままでに各委員からそれぞれ適切な御質問がございましたので、私はなるべく重複を避けまして、お尋ねをいたしたいと思います。 お尋ねの最初は、法律自体は組織法のような形になっていますから、法律自体の中でお尋ねしておきたい点を先にお尋ねいたしたいと思います。 その一つは、第九条の役員でございます。局長の御説明によりますと、役員については常勤をできるだけ少なくしていくというような御説明でございまして、そういう御精神は非常にけっこうだと思いますけれども、しかしながら、この仕事そのものは、かなり利権その他に影響があります。利害にからんでおる。したがって、運営というものは相当厳重にやっていかなければならない、そういう性格を多分に持っていると思うのですが、それから見ますと、役員構成が理事長一名、刑事は常勤二名、非常勤三名、それから常勤の監事一名だけということになっております。で、管理会の業務の監査に当たるというのは監事だけであって、こういうかなり幅の広い仕事をしていく管理会の監事が一名、単数であるということは、私は非常に不安なものがある。それは大臣がずいぶん人選をして信頼のできる人を得られるとは思いますけれども、それにしても、監事が単数であるということは、たてまえとして非常に不安なものがあるわけですが、その点は、私は、当然複数にすべきだ、ことに本法の性質がこういう性質であるだけに、複数でなければならないとまで極言したいのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 御指摘の点は、確かにそういうお考えも私どもはあり得ると思うのであります。ただ、この管理会の運営については、運営審議会のメンバーとして管理会の運営自体に非常に関心の強い委員が選任されますので、事前にそういった面での規制が相当行なわれる。もちろん、主務大臣としての監督も行なわれますけれども、通常いろいろな法人におきまして監事あるいは監査役に常勤は一名この程度の規模でございますと一名という場合が多いわけであります。私どもとしては、一応今回は常勤でございますから一名といたしまして、将来事業が拡大された場合にさらに増員してはどうか、こう考えたのでございます。
○湯山委員 いまの点は、事業が拡大するしないの問題ではなくて、当然機構としてそうあるべきではないかということを申し上げておるのであって、もし常勤監事が一名しかとれないという場合には、非常勤の監事を二名置くとか、そういう方法をおとりになってはいかがでしょうか。そういたしませんと、審議会というのは、理事長に属するものである、執行機関に属するもの、したがって、それらを含めて監査するのが監事の役目でございますから、それが単数であるということは、将来この機構自体の一つの欠陥になってくるのじゃないか。この点で、人件費が一人分ふえるふえないという問題ではなくて、こういう機構においては、当然監事というものは複数であるべきだ、そういう考えを持ちますが、局長もその点については御同感の点もあるようですけれども、この発足が大事であれば大事であるだけに、たちまち、どこへ設置するかとか、あるいは仕入れその他、あとでお尋ねしたいと思うのですけれども、ともかくもそういう問題が単純な事務ではないわけですから、ひとつこの点については再考をわずらわしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 確かに非常勤の監事を通常置くというのが多いわけでございますが、やはり何といいましても肝心なのは常勤でございます。また、確かにめんどうな仕事でございますけれども、事業規模がそれほど大きくない。私どもとしては、事業規模に応じて考えたほうがよろしいのではないかという気持ちでございます。しかし、御指摘の点は、私どもはむしろもっともだと思っております。しかし、時期は、もう少し事業を大きくする際にという点で、多少の違いがある、こういうことでございまして、御了承をいただきたいと思います。
○湯山委員 御了承はこちらがお願いしたいので、発足で大事なときであるだけに、これにこだわらないで、率直にもう一名増員するということを積極的にお考えいただきたい、私のほうがひとつお願いしたいと思います。 第二にお尋ねしたい点、二十一条関係ですが、二十一条で、管理会の役職員については、「法令により公務に従事する職員とみなす。」こういう規定がございます。このみなすという規定は、いろいろな解釈ができるわけですが、一体管理会の役職員については、どういう点において公務員と同様の拘束を受け、どういう点においては公務員と違った自由な立場に置かれるか、こういう点は明確にしておく必要があると思いますから、その点について御説明をいただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 公務員として扱われますのは、この仕事が特に汚職等に関連のあるような、つまり、経済的な利権といいますか、利害に対して裁定を下すような行政的な仕事が一面にあります。特に公平でなければいかぬとか、そういう意味で、刑法の適用につきましては公務員として扱うということでございますが、その行動につきましては、官庁的な業務ばかりではございません。公務員としての待遇、たとえば給与の規定とかあるいはそういったいろいろの身分上の問題、そういうものについては公務員としては扱われない、こういうことでございます。
○湯山委員 「刑法その他の罰則の適用については、」というただし書きがございますが、たとえば政治活動、公務員に対して禁じられておる政治活動については、この役職員はどういう規制を受けるわけですか。
○松岡(亮)政府委員 法律上の直接の規制はございませんが、政治活動をやることの適否ということは、別途の問題としてあるかと思います。
○湯山委員 公務員の場合は、人事院規則等によって政治活動については相当強い規制があります。それには行政罰がついておる。刑法ではございませんけれども、「その他の罰則」ということになると、これはやはり関係するのじゃないか。それから直接大臣が任命する公的性格を持った機関の役職員が、大っぴらに政治活動をやるというようなことについては問題があると思うのですが、それについては禁止規定は全然ないわけですか、立候補その他。
○松岡(亮)政府委員 この第二十一条でいっております「その他の罰則」というのは、経済関係罰則の整備に関する法律をさして言っております。したがいまして、公務員法上の罰則ではございません。政治活動につきましては、したがって適用がないわけでございますけれども、特に役員等は政治的な官職の兼務を禁ぜられております。政治活動をやることは穏当でないということの問題はあると思います。また、職員につきましても、公然と政治.活動をするということは、こういう団体の性格上遠慮してもらう性質のものではないか、こう考えております。
○湯山委員 そうすると、議員との兼職というようなことはできない、これは当然だと思いますが、現職で立候補するというようなことはどうなんでしょう。
○松岡(亮)政府委員 どうもそこまで検討が十分でございませんが、それは立候補はできると思いますが、道義的には退職した上で立候補するのが良識ある行動であると思います。
○湯山委員 いまの点は、何か規則とかなんとかで明文化される機会がおありになるんだろうと思いますから、さらに御検討いただきたいと思います。 その次は、二十二条に関連してでございます。役員は非常勤を入れて七名程度ということになっておりますし、審議会の委員は十名以内ということになりますが、この法律で示されておる生鮮食料品、特に食料品の種類、品質、価格、購入、保管、販売、これらについて必要な指導を行なう、こういう役目をしなければならない。たとえばくだものならくだものだけにしても、その種類、品質、価格、購入、保管、販売等についてやっていこうというのは容易なことではない。これが野菜、くだもの、それから肉、乳製品から魚介類、すべてにわたってそういうことをやっていくというようなことを、はたしてこれぐらいな管理会でやれるかどうかということが一点と、もし管理会がこの程度であるとすれば、その中の職員の組織は相当膨大なものになるのではないか。それぞれの専門のものがあって、それらについて必要な指導を行なっていく。さらにまた、場合によってはそれの購入のあっせんをする、そういうことになってくると、ずいぶん膨大な職員の組織が必要ではないかと思いますけれども、それはどのようにお考えになっておられるのでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 その点は、私ども計画を立てる際にいろいろ検討いたしたことでございますが、あまり役職員の数が多くてかえって入居業者の負担を増すというようなことは、もちろん避けなければならないと思います。しかし、一面において、あまり商業活動を制約することになってはいかぬと思いますが、かなり指導をしなければならぬということで、いろいろ業務の内容にわたって必要な員数を積み上げてみて、それを現在大阪市でやっている例なども参考にいたしまして——大阪市では四十市場で十七名で、これは直接見回って指導するような人々でございますが、やっておるわけでございます。それらを参考にいたしまして、大体職員の数といたしましては二十四人ぐらい、これは大阪と違って建設関係の仕事がありますので、大阪よりは少し人数がふえる、こういうふうに考えておるわけであります。
○湯山委員 二十四人程度でいまおっしゃったような仕事がはたして完全にできるかどうか、その点についてはどうなんでしょうか。もし中途はんぱなことになれば、結局、せっかくこういうものをつくったにしても、極端に言えば、振り回される、わからないで、ただ言われるままにやっていくということになる伊おそれがありまして、相当な権威を持たなければならないと思うのですが、その権威というものが、ただ単なる監督権、法律に保障されたいわゆる権力というようなものではだめであって、見識から生まれたそういう権威でもって指導しなければならない。いまこれだけの種類のものをしかもいまのような多岐にわたって指導するというときに、人数の多い少ないは別としても、はたしてやれる自信があるかどうか、その点はいかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 私どももその点は十分配慮いたしまして、仕事の内容にわたって積み上げをやっておりますので、これで完全だと申し上げるわけにはまいりませんけれども、さしあたり、順次建設いたします二十市場につきましては、この程度の員数でやれる、こう考えておるのであります。しかし、今後まだ市場の数をふやしてまいる予定でありますから、その際はさらに増員をしなければならぬ、こう考えております。
○湯山委員 そういうことになりますと、その二十四人の職員がどういう分担をして、どの程度の業務をするという細部にわたってお聞きしなければ、いまの点は明確になりにくいと思いますけれども、これは時間の関係等もありますから、そこまで立ち入ってはお尋ねいたさないことにいたしますが、大ざっぱに分けて、その機構はどういうふうになるわけでしょうか。事務局の機構というのですか、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 業務の種類を大きく分けますと、まず建設でございます。これは全く新しい設計に基づく、しかも内部設備につきましても特別のくふうを要するものでございますので、建設業務が一つの大きな業務になっております。それから管理的業務、これは入居業者を選定する、入居契約をする、それから市場の管理をする、使用料を取る、そういう業務がございます。それから第三番に、やはり同じく指導業務、これが価格の面における指導とか、営業の直接の、たとえばチェックアウト方式をやるのにどういう配列でやるとか、そういうような指導がございます。そのほかは、一般の共通の事務で企画とか庶務、経理、こういうふうに分かれております。
○湯山委員 そういたしますと、指導の内容というのはどの程度になるか。たとえば二十のそういう店舗というのですか、それをぐるぐる回って、この卵は少し高いとか、この肉はこういうのじゃなくて、こういうのを仕入れろとか、そういう指導も一々たんねんにやるわけですか。そういうことをやるとすれば、二十四人で二十店舗になれば、いまの建設業務そのほかをのけていけば、一つの店舗へ平均一人が一日行けるというような実情になりますけれども、生鮮食料品あるいはその他ここで扱う食品のすべてにわたって、非常にこまかい見分けが必要だと思います。ネギならネギにしても、産地別によってうんと格差があるというようなことまで見分けていく、それを指導するということになれば、これはとても手が回らない。結局、大阪式にそこでやっておる店舗それぞれにまかしていくというような形になってしまって、実際にはその管理機構が管理機構としての役目を果たせないということになるんじゃないでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 その指導の業務は、確かに非常に熟練を要する業務でございます。人数よりも熟練した人が非常に必要でございます。大阪の場合は非常に練達した人が指導に回っております。やはりそういう人を養成し、確保することは必要でございます。値段につきましては、毎日そのときのマージンの幅をきめるというようなやり方でなくて、一応の基準をつくりまして、たとえばサンマはきょうは卸の値段がこれだけだから、当然このくらいであるというような形の標準的価格にしてまいる。それで、できるだけ毎日見回る。これは大阪でも見回りをやっておるようでありますが、東京の標準店ではそれが十分行なわれていない。そういう面で見回りはできるだけ毎日やる。それから営業の指導の面は、毎日必ずしもやるわけでなくて、仕入れの方法をどういうふうに改善しようとか、あるいは販売の陳列のしかたをどうするとか、そういうことでございますから、毎日回るというようなことにはならないわけでございます。
○湯山委員 それから次は、三十三条関係ですが、役職員の給与、退職手当金の支給基準、これは大臣の承認を必要とするということですが、もしどなたかから御質問があったのならけっこうですけれども、まず役員の給与、これはどういう腹案をお持ちになっておられるのでしょうか、理事長については幾ら、それから常任理事は幾ら、常任監事は幾ら……。
○松岡(亮)政府委員 大体これは見込みでございますけれども、理事長が本俸二十一万円、常勤理事が十七万円、常勤監事は十三万円、それから部長級と申しますか、それが本俸六万五千五百円、そのほかに各種手当がつきます。それから調査役と言っておりますが、まあ次長格の人が五万一千七百円、副調査役が四万四千四百円、一般職員が三万五千円、職員につきましては職務手当あるいは扶養手当、通勤手当等がこのほかに加わります。したがって、部長でも十万円をこすかと思います。それから退職手当引き当て金の計算はいたしておりますが、こまかいことになりますので、省略いたします。
○湯山委員 それから市場のほうですね。小売り市場の役職員、これは何かそういう給与の基準がきめられておりますか。
○松岡(亮)政府委員 これは管理会のような特殊法人ではございませんし、一般の会社あるいは組合でございますから、できるだけ自主的にきめてもらいたいと思っております。したがって、どれだけという基準はないわけでございます。大体の計算上の見込みといたしまして、営業のいろいろな売り上げとか諸経費などの計算の中で、見込みといたしましては、一般職員は平均いたしまして月額二万七千円くらいを見込んでおります。
○湯山委員 そうすると、先ほどあるいは先般来御答弁のありました、こういう小売り市場ができたら、その市場に吸収された小売り店の主人であった者も、このベースでいくわけですか。
○松岡(亮)政府委員 いままで小売り店の主人であった者は、店長あるいは主任というような——これは名前はどういうふうにつけられるかわかりませんが、そういう形で、いまの平均の計算には入っておりますが、高い給料が支給される、こういうことになると思います。
○湯山委員 高い給料が払われるというのは、現在小売り店を経営してある収入額がある、それを上回るものを保障するということなんですか。そうではなくて、全部御破算にして、そうして小売り市場の職員としてそういうある給与体系のもとに支給される給与でいく、こういうことなんですか、それはいずれになりますか。
○松岡(亮)政府委員 それは、入居業者が会社の形式をとるか、組合の形式をとるか、つまり組合員として参加するか、その形式によって違います。また全部が一会社に必ずしもならない場合もあると思います。いろいろな場合が想定されるわけでございますが、会社となった場合は、職員であるか、役員であるか、いずれかの形で入ってまいると思います。
○湯山委員 そこでお尋ねしたいのは、この小売り市場の中へ入ってくる業者、これは承るところによりますと、短期の契約でいく、十年、二十年というような契約ではなくて、一年とか二年とか短期の契約でそれをやっていく、こういうことですが、そういう場合に、いまの給与と短期契約との関係はどういうふうに処理されていくのでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 入居した業者が一つの企業体になりました場合に、これはその企業体として独立しているわけでございます。それで、契約違反があって市場から外に出るという場合には、その企業体自身がほかの場所で営業するというような事態が可能性としてはあるわけでございますが、大体そういった契約違反がない場合には、常に契約が更新されて、その中で長く営業できる、こういうことでございます。
○湯山委員 いまお尋ねした中で、いろいろなケースがあるようで、この点、私どもは、もう少し、この二十なら二十の小売り市場というものはある規格の中に入るものだと思っていたのですけれども、いまのお話では、同じ小売り市場の中でも、一体法人が幾つできるかわからない、必ずしも単一ではない、もちろん、組合になるか、株式会社になるか、これは別としても、非常に雑多な形式になるような御答弁のように承ったのですが、そういうことなんでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 その点は私のことばが非常に足りませんでしたので、さらに申し上げますが、私どもとしては、原則としてぜひ企業体になってもらいたい、しかも一市場一企業体、今年度は二十市場でありますが、今後三十、五十にふえた場合に、それが全体として一つの仕入れ組織をつくるようにできれば持ってまいりたい、こう考えておるわけであります。
○湯山委員 そうなりますと、かりに株式会社になった、あるいは協同組合になった。そのときに、そこに入ってきた小売り店、短期の契約で入った。そしてそこの職員になったという場合に、その短期の契約の解消と、職員の身分の解消ですね。これは必ずしも一致しないのじゃないか。しかし、一致させないとぐあいが悪いんじゃないか。この二つの問題は矛盾してくるんじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 その点は、理論上は、あくまでも従業員と企業の関係は管理会とは直接関係しないわけでございます。したがって、その間の労働契約なりいろいろな契約関係は企業とできておりますので、企業が契約解除になって外に出た場合は、企業体九つぶれれば別でございますが、別な場所で営業するという形で、従業員の地位を保持していく、こういうことになるわけであります。これは中央卸売り市場の場合におきましても同様でございます。ほかのいろいろな賃貸借契約の場合もそうならざるを得ないと思います。
○湯山委員 そうすると、いまのように店舗が市場の中に入って一緒にやっておったけれども、店舗だけは抜ける。そして本人は職員として残る。その分かれていった店舗は、奥さんなら奥さんがやる。これはかまわないわけですか。ある区域ですね。五百メートルなら五百メートルの区域で小売り市場の中へ、いま入居者というものは、その付近の小売り店の中から選定するということで、入ってきた。そしてこれは企業者じゃなくて、身分は職員になった。そうすると、その後において、店舗のほうは別に持ちたいというので、それから抜けていく。職員はかってにやめさせるわけにはいかないから、職員は職員としてやはりその市場の業務に当たっておる。店はまた別に自分の家族か何かにやらせるというような形態が出てきた場合も、これは認められるかどうか。私は、そういうことがあったのじゃ不都合じゃないかというのでお尋ねしておるわけです。
○松岡(亮)政府委員 企業体として、たとえば株式会社の形式をとります場合は、一方でその企業体に入って株主としての地位もあるわけですが、職員として働いている。しかし、いやになって外に出たが、株は持っている。こういう状態でやられることは、これは何も法律違反とかそういう問題ではございませんけれども、しかし、それは避けてもらいたい。その場合は、入居している人に的確な人を別途選ぶ。そのかわりになってもらう。それは株式を譲渡して、株主の地位と役職員の身分というものを同時に取得するということになると思います。企業体はその場合必ずしも必要ない場合もあると思います。しかし、同じ人が一方で営業し、こっちがいやになったからあっちに出ていく。しかし、権利だけは持っておる。こういう状態はないようにしたいと思います。
○湯山委員 そうすると、いまの点は、業務方法書か何かそういうもので明確にされるかどうか。そうしないと、職員になった場合には、株主の場合は、いまのような点もあり得るかもしれません。役員の場合も方法があるかもしれません。しかし、職員になってしまった場合には、職員という身分とそれとはまた違ってまいりますから、お考えはそうであっても、実際はそういう運営をする場合には、トラブルが起こる可能性もあると思います。何かそういうことについて明確な規制を設けられる御予定があるかどうか。
○松岡(亮)政府委員 御指摘がありました点は、確かに今後問題となり得る点でございますので、十分研究いたしまして、必要によっては契約書に明らかにするようにいたしたいと思います。
○湯山委員 大体法律の条文の中で明確にしておきたい点は、以上の点でございました。 今度はこれらの実質的な面についていろいろお尋ねしたいのですが、その理由は、先ほど稲富委員からも御質問がございましたが、この法律は消費者対策、こういうところに重点が置かれておって、生産者対策がほとんど考慮されていない。生産者対策については別途考慮する。たとえば指定産地生産安定資金協会、こういうもので対策を立てていこうというようなお考えもおありになるようでありますけれども、今度の野菜暴落については、この制度はほとんど用をなしていない。これは農業新聞ですかにずいぶん大きく出ている。その理由は、予算の限度、資金の限度の中でやるということであったから、当然一億以上出さなければならないのが、三千万程度で押えておるというようなところから、もうこの制度には農民自身が期待を持っておりません。こういうのをそのままにしておいて、消費者価格だけ、小売り価格だけを手をつけていくというのは、片手落ちであって、食管がそうであるように、生産者対策も、ここで買える場合には買い上げるのだ、そして中間経費を少なくして、小売り価格はこれでいくのだという両方の対策がなければ、農林省の出す法律としては片手落ちではないか。通産省あたりから出るのでしたら、それはそれでいいとしても、農林省の出す法律としては、私は、その点では非常に片手落ちではないかと思います。そこで、この法律に基づいて生産者対策をどうするかという具体的なものがおありになるかどうか。これと切り離しての問題はいろいろありますけれども、それはそれとして、ちょうど食管法が生産者米価と消費者米価とをくっつけておるように、この法律で何かそういう方法が、かりに条文になくても、やる方法があるのかないのか、それをお尋ねいたしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 御指摘ありましたように、直接には買い入れる段階——消費者に対する対策でごさいますが、一面中間経費を節約するという方向でのもので、ただ これはあくまでも末端の組織でございますので、これが直接に産地なり生産者段階の価格までをどうするということは、なかなか手が届かないというのがほんとうのところでございます。それとまだ二十市場でございますから、いまそこまで申し上げるのは少し過ぎると思うのでございます。これは今後整備されまして、数がふえてまいりますと、ある程度の調節機能がおのずから出てまいるかと思います。そういう意味では、いまはこの法律に基づいてこうするということは申し上げられませんが、しかし、たびたび問題になっておりますように、出荷団体との結びつき方によって、できるだけ生産者価格の安定に寄与する方向への運営は、まだ小さいながら役立ち得る、こう考えております。
○湯山委員 具体的に御意見を伺いたいのは、たとえば今回のように野菜が値下がりをした。そうすると、それについては、指定産地生産安定資金の制度によりまして、過去何年かの平均価格というものが保証価格として考えられる。そうすると、管理会があっせんして仕入れ等をする場合には、指定産地からは、あるいは指定産地でなくても、その価格を上回って買うのだというようなことは、これはできるのじゃないでしょうか。先ほどの必要な指導を行なう中に、仕入れの指導、購入の指導というようなことがございます。その購入のあっせん等をする場合に、指定産地については保証される価格以上で買うのだというようなことは、ここでお約束いただいても、そんなにこれは無理なことではないと思うのです。そういった体制はとらなければならないし、おとりになれるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 現在の機構でございますと、あまり有力なきめ手にはならないと私は率直に申し上げます。しかしながら、こういう非常な事態においてせっかくこういうものをつくって、それが何にも役に立たないということであってはならないと考えるのであります。したがいまして、その機能の許す範囲で、たとえば直接産地からやや高値で引き取るというような非常手段をとらなくても、中央卸売り市場で買い取る際にも、できるだけ安定するのに寄与するような働きはやり得る、こう考えております。こういう組織でございますから、いわば公のものでございますから、そういう場合に、小さいながらも役に立つように運営させるということは考えなければならぬと思うのであります。
○湯山委員 中央卸売り市場から仲買い人を経て買う場合にといっても、これは市場そのものが価格形成をするわけですから、それをあとでいまの指定産地の過去何年かの平均で幾らというような価格に戻すことは、これはかりに戻したとしても、直接生産者には返っていかない。そうじゃなくて、この場合は直接生産者から買い入れるということも可能ですから、そういうときにはその地域はダブついているのはさまっておるわけで、そこから直接仕入れる場合に、いまのような配慮をして買い入れるということは、これは不可能でもないし、それによって流通機構を乱すわけでもないわけで、そこまでならできるというようなことにはならないでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 具体的にどういう方法ということは、いまここで申し上げられませんけれども、とにかくそういう場合に、一面において行政の問題でございますから、こういう組織があるという前提に立って、行政庁としてはこれを買い出動させる。したがって、中央卸売り市場でももっと考えてほしい、こういうような手を打ったり、あるいはせり行為の中でも相当な荷口になっております場合には、これ自身が相当な役割りを果たし得る、これはやはりその事態に即応して、非常的場合にこういう組織が役立つようなくふうをやらなければならぬ、こういうふうに考えます。
○湯山委員 それから、供給が多い場合は、いまのような場合があります。しかし、供給が少なく、需要が多い場合には、逆に生産者をたたくという役目を同じように果たす場合があり得ると思いますが、これはいかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 たたくというようなことはやらせないようにいたしたいと思います。 それから、しばしば申し上げておりますが、よく投げ売りが小売り商で行なわれる。もちろん、腐りかけたものとか、そういうものの投げ売りということは、これはやむを得ない。そうではなくて、余ってしょうがないからどんどんたたき売る、こういうことは、それによって非常に値くずれが起こりますので、常に安定するように、これだけの力ではまだ不十分でございますけれども、だんだん整備されるに従って、安定的に売り、また買う、それがまた中央市場に反映する、こういうように持っていくべきではないか、こう考えております。
○湯山委員 いまの点はまだはっきりしませんけれども、いまのような点がまだはっきりしないという要素は、現在の経済のたてまえが資本主義経済であるし、自由主義経済である。何といっても利潤を追求していく。こういう経済体制の中で、はたしていま局長の言われたようなことが思い切ってやれるかどうか。それが効果を発揮できるかどうか。ともすれば、これ自体が独立採算制ですから、どうしても仕入れを安くする。そして合理化その他によって利潤が大きく出てくる体制の中から、その利潤を幾らか縮めていく、こういうことになって、なるべく安く仕入れるという原則に立たなければやっていけないという体制をとらざるを得ない、こうなると思うのですが、これは現在の体制全体が変われば別ですが、現在の経済状態の中ではそうならざるを得ない。したがって、小売り市場も、値段の引き下げにはある程度期待が持てるとしても、結局それはある場合には生産者にしわ寄せになるということはどうしても避けられない、そういう宿命にあるんだということになると思うのですが、この点はいかがでしょう。
○松岡(亮)政府委員 価格の低落が生産農民の負担になるということを、これだけのもので避けるということは、なかなか申し上げかねると思います。特にこれはまだ組織であります。直接統制しておるわけではございません。しかし、一般の農産物の価格等もそうでありますが、自由経済の中でも、政府なり行政が価格の動きなり流通に介入するということは、その範囲内で自由なる変動に一定の制約を加える。これはまだ力はございませんけれども、そういう形で伸びてまいりますならば、安定的な要因としては働き得るということは言えると思います。
○湯山委員 それぞれ品目によって違うと思いますけれども、一般市価に比べて大体一割程度安く売るというようなお考えのようですが、それはそういうことでございますか。
○松岡(亮)政府委員 一般市価よりは、品物により、時により違うわけでございますが、私どものいろいろな営業の見込みの計算で言いますと、要するに、マージンをどれだけ節減できるかという問題でございますけれども、販売方法の改善、つまり、セルフサービスにして尾行販売をやめるとか、プリパッケージで包装の手間を省く、あいるはチェックアウトの方式をとるということで、大体これは主として人件費の節約でございますが、これは計算上六%くらい減る。それから仕入れを大量化する、それによって運賃を節約する、あるいは仲買いマージンを幾らかでも下げてもらうというようなことで、四%くらい減る。要するに、経営上のくふうで一割前後のものが計算上節減できる。これはほかのいろいろな一般小売り商の例と、それからいわゆるスーパーマーケットとして現に存在するものの事例を調べまして、当たってみたものでございます。
○湯山委員 いまのお考えでそういうような程度の安い供給ができるということですが、これはかりにそういうことがあり得るとして、一般のその周辺にある小売り店は必ずしもそういうふうにはいかない。それはなぜかと申しますと、仕入れ価格かけるマージンという形でいかないのは、これはそこの経営の資金といいますか、生活の資金——かりに大根一本が十円としても、それを一日千本売れば、それで何千円かの利潤がなければ一家の生活がささえられない、こういう要素を持っているわけです。そうすると、いまのような小売り市場でそういうふうに一割なら一割安く売るということになってくると、これはその周辺のそれぞれの専門店といいますか、小売り業者にとって大きな打撃になるというようなことから、たとえば食肉なら食肉について、例の中小企業団体組織法によって、八割の議決で決定して、そして規制勧告あるいは規制命令、アウトサイダーを規制するというようなこと、これが大きければ大きいだけに、機能を発揮すればするだけに、その周辺の——別に暴利をむさぼっているわけでなくて、生活をささえる最低限のものを売って利潤を上げている小売り店舗から、それではわれわれはやっていけない、そういうことで申し合わせをして、そしてその組合で決議をする、申請をして規制命令が出るというようなことになりかねないと思います。これはものによってですけれども……。そういう場合には、せっかくそういう意図をもって一割程度安く供給しようということになりましても、周辺の事情がそれを許さない。一方においてそういう中小企業を保護する法律がございますから、それの規制命令によって肉も普通の値段でしか売れない、こういうことになるおそれがあるわけですが、この法律との調整はどういうふうになっておるのでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 中小企業の一般的な対策とか立場というものは、十分考えなければならないと思うのでございますが、これは最近の新聞に通産省の調査が出ておりますが、一般にどうも商品の流通機構は非常にむだが多い。特に私どもが所管している生鮮食料品についてはそれが著しい。非常に前近代的な流通組織である。これはもちろん急激に激しい施策をやるということはなかなか困難でございますが、漸次近代化するという方向でやっていかなければならぬ。その場合に、こういう施策の効果をあまり阻害するような、他の中小企業組織法に基づくようなものがあらわれてくるということは、むしろ政府としては避けていかなければならないと思うわけでございます。これは商工組合の調整規定は認可にかかっております。アウトサイダー規制命令については、それぞれ行政庁から出すわけでございます。行く行くはわれわれとしては、そういう点に注意を怠らないようにいたしたいと思います。しかし、それかといって、窮境に立つような小売り商もあり得るわけでございますが、その辺に対しては、いろいろの低利資金なりを用意いたしまして、別途の対策を考えるという考え方に立ってまいりたいと思います。
○湯山委員 こういう問題は、すべての生鮮食料品についてそういうことがあるということではないと思います。しかし、食肉等については、もう設備等も環衛法でかなり厳重にきめられておる。したがって、その間の中間マージンを少なくしょうということを考えても、もうある程度限度に達しているものが多い。そういう場合に、ここで一割なら一割安くやられるということは、業者にとってはたいへん大きな痛手で、当然そういう問題が出てくると思います。これは農協に対してもそういう問題が出てきておりますし、生協に対しましても同じような問題が出てきておる。そういう中でこの小売り市場だけが例外であるということはあり得ないと思いますし、それをただ単に資金面で考慮するといっても、これは農林省が資金を持っておるわけでもなし、非常にむずかしい問題で、その辺よほどこれは慎重な検討が要りますし、それから通産省とも十分な打ち合わせが要ると思います。その辺はどうなっておるでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 この法律案の提出にあたりましては、中小企業庁と十分協議いたしております。中小企業庁の了承も得ておるわけであります。御指摘のありましたように、特に農協でも購買事業と、周辺の小売り商あるいはサービス業者との間に、最近ひんぱんにトラブルが起きております。先ほど私が申し上げたような荒筋だけではなくて、実際の運営におきしては、こまかい配慮が必要で、十分な手配をやって摩擦をできるだけ少なくするというような配慮も必要であろうと思います。しかし、方向としては、やはりこれが前進する方向で、同時に一般の小売り商の近代化が進む方向でいくという心が震えで、こういった摩擦を避けていくということにいたしたいと思います。
○湯山委員 私がこういうことを特にお尋ねしておるのは、周辺の小売り業者に影響が大きい。局長も言われたように、影響がなければこういうことをやる必要は極端に言えばないのだ、そういう御説明ですけれども、御存じのように、生鮮食料品の小売り店舗というものの消長は、大きくなり出すとすぐ大きくなる。逆にさびれ出すとすぐさびれていく。したがって、この小売り市場が非常に好評で、それがどんどん能率をあげていくということになれば、ほとんど周辺の生鮮食料品の小売り店というものは立っていかなくなる、そういう例がずいぶん多いのです。少し店が繁盛し始めると、新しいものを安く仕入れてくる。それがさらに倍加されていって、だんだんその店は大きくなっていく。逆にその近所の店は、現在同じ店同士の間でもそういう消長が極端に出ている。そうなってまいりますと、これによって、その周辺の小売り店が非常に圧迫を受けるという事態が起こると思います。そうすると、対抗手段として、これじゃやっていけない、政府は中小企業対策といいながら、実はこういう零細小売り店をつぶしているじゃないかというような訴えが出て、アウトサイダー規制の勧告なりあるいは規制の命令これは地方の自治体の首長としては出さざるを得ないという場合が必ず出てくると思います。一方は数が多いのですから……。そういう場合に、それじゃこれももうしかたない、そういうことなら同調しましょうということになって、結局機能を果たさなくなるというような事態も、これは杞憂じゃないと思います。そういう場合に対処してどうするかという問題は、やはり検討しておかなきゃならない問題だと思いますので、あえてお尋ねしておるわけですが、そうしないと、この法律、この小売りの市場というものが、結局政府の零細商店の切り捨てということになる、こういう批判を受けざるを得ない。それについてどのように対策をお考えになっておられるか。周辺の小売り店舗についてはつぶすようなことはしないんだというような保証がなされるのかどうか。そこへ吸収されたものはそれとして、そうでないものについて何らかの配慮が別途なされなければ、これはやはり社会問題を起こすと思います。そういう点についてはどのようにお考えでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 全くごもっともなことです。実は私どももそこのところの問題について一番苦心をし、中小企業庁とも話し合ったところであります。これは先ほど来一般論を申し上げたわけですが、つぶさないという保証をするというようなことばの上の問題ではなくて、実際にどうやるかという問題であります。具体的にいろんな事例が起こり得る可能性は確かにあります。その事例に即応して、きめのこまかい措置をしなければならぬ。どうしてもそういう解決方法をとらなければならぬ、こう考えておりまして、いろいろ低利資金の用意などはございますけれども、それだけでなくて、実際の問題にぶつかってきめこまかく解決してまいりたい。現に中小企業基本法をつくられる場合に、農協と一般の業者との問題が非常な問題になったわけでありまして、それもいろいろ知事のあっせん、調停とかいうようなことも考えられたわけでございます。実際にそういう面が起きた場合、これはいきなりアウトサイダー規制とが調整規定とかそういうことではなくて、行政庁自身が責任を持ってその解決に当たるという心がまえでまいりたいと思います。
○湯山委員 これは実際にやってみないと、考えられるケースについてのいろんな議論が、ただ議論になりがちですけれども、これはそういう点では非常に重要な問題だと思います。そこで、それについては、ひとつ審議会がどうだとかそういうことじゃなくて、政府自体として、農林省ももちろんですけれども、中小企業庁とずいぶん御連絡をとって、遺憾のないような措置をぜひおとりいただきたいと思います。 それからその次に、お尋ねいたしたい点は、現行市場との関係です。これは谷垣委員の御質問でかなり明確になった点もありますけれども、なおお尋ねいたしたい点は、現在の中央卸売り市場、さらにそれ以外に地方市場がたくさんございます。これは市場としての機能は中央卸売り市場よりももっと大きい。大阪等におきましても、大体条例のないような野放しになっている野市、そういうものがずいぶん実際には民間市場の半分程度あって、しかもそれが非常に大きな役割りを果たしている。それにたよらなければ結局やっていけないんだというような状態にある。そこで、流通機構のもっと根本的な改革という観点からいえば、中央卸売り市場の整備、これはもちろんですが、しかしまた、中央卸売り市場さえ政府は完全に掌握してはいないと思います。これだって手に余っている。まして地方市場、それからいまの野市のようなものは全く野放しである。しかし、ほんとうに流通機構に手を加えていくとすれば、それらの体系づけ、それらの法制化、そういうものはこの際、やはりこの小売り市場の末端の市場をこういうふうにしてある程度握っていこうということの機会に、その中間段階をもっと整備していくということが必要であると思います。そうでないと、単に生産者から消費者への直結ということだけならば、これは必ずしもそうはいえないにしても時代の逆行だというような批判も出てこないとは限らない。 そこで、現在の地方市場にも中央市場になりたい希望も相当あると思います。私の知っている範囲においてもそういう例があるわけですが、それならば、もっとどんどん中央卸売り市場というものを全国的に拡大をしていく、そしてそれでなおどうにもならないものについては、地方市場についての立法を進めていく、こういった措置がこの際当然とらるべきではないかというように考えますが、これについての政府のお考えを伺いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 地方市場の問題は、確かにゆるがせにできない問題ではないかと思います。現在県条例等である程度の規制をやっているところもございますけれども、やってないところもある。その辺にかなり問題があると考えます。また、そういうものが非常に過剰になっているという声もあるようであります。そういうことで、実は丹羽政務次官からも御指示があったのでありますが、いまの地方市場の業態というものが非常に多種多様でございまして、自治体もあれば、農協がやっているものもある、あるいは普通の会社がやっているものもある。非常にさまざまな形態がございますので、園芸局あるいは水産庁で予算を組んでそれぞれ調査を実施いたしております。省内におきましても、その問題について立法化すべきか、立法化するとすれは、どういう事項を法律として規定すべきか、そういうような検討を進めておる段階でございます。
○湯山委員 現在中央卸売り市場になりたいという申請は相当参っておると思うのですが、全国でどれくらい来ておるでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 御承知のごとく、現在中央卸売り市場を設置し得るのは人口十五万以上の都市でございます。十五万以下の都市で中央卸売り市場になりたいという申請が出ているのは、十五万以上も含めて、十ぐらい申請が出ております。
○湯山委員 それらについてはもうさっそくに補助があるはずですが、来年度あたりはもうさっそくそれらを全部承認してやらせるというような措置はおとりになれますか。やはりなかなかむずかしいという情勢でしょうか。
○松岡(亮)政府委員 私どもとしましては、消費量の非常に大きな都市の中央卸売り市場がまだ設置されてないところもございます。また、すでに設置されたところでも非常に設備が足りないという状況になっておりますので、そういう方面の整備を急いでおりますが、新しく設置しようとするものに対しても相当に進めております。御指摘の点は、むしろ人口十五万をわずかにこえるとかそれ以下である、あるいはもっと小さくて、地方都市といわれるような性格のものであろうと思います。それはやはり中央市場法と別に地方市場法という体系をつくった場合、どうするかという考え方を確立しまして、その問題に当たったほうがよろしいのではないか、こういう考えを現在は持っております。
○湯山委員 お尋ねしておることが二つに分かれておりまして、一つは、現在資格を持っておるもので中央卸売り市場を設置したいというものについては、これはすみやかに設置を認めていく。もちろん、御答弁のように、現在の中央卸売り市場でも施設が狭隘だというのがたくさんございます。それはもちろん整備していかなければなりませんけれども、全般的にそういう市場のない県が多いわけですから、そういうところについてはこれを承認していく。それから資格に達しないものについては、これは別途地方市場法、そういうものをつくって、これに一定の資格を与えていくというようなことが必要ではないか。と申しますのは、いまのように末端のほうはこれで一応整備していこう。しかし、中間段階が抜けている。野市のようなものは、これはそもそも市場の発生的なあれからいえば、自然にできるようなところにできています。そこらに何かすればちゃんとできるようになっているわけですから、そういうものを無視しないでやっていくということが、流通機構の改革の上からは非常に重要である。いままでむしろそういう面に手が抜け過ぎていた。そこに一つの今日の流通機構の混乱のもとがあったように思いますので、市場関係の整備については、一つは中央卸売り市場を資格のあるもの、申請のあるものについてはどんどん認めていく。 それから第二は、地方市場法のようなものをつくって、それ以外のものをやはり保護していく、あるいは合理化していく、整えていく、こういうことがなされる御予定があるのかどうか、この点は政府の方針としてはどうなのでしょう。従来お尋ねしたときには、中央卸売り市場さへ手が回らないのだから、地方市場はお断わりだというのが政府の御態度でした。今回は卸売りじゃなくて、末端の小売り市場までやっていこうという積極的な踏み出しをやったんだから、当然地方市場、中央卸売り市場のさらに拡充整備ということが考えられなければ、再三御指摘のあったように、片手落ちになってくる。その基本的な御態度はどうなのだろうということをひとつ明確にしていただきたいと思うわけです。
○松岡(亮)政府委員 まず、中央卸売り市場につきましては、できるだけ資格のあるところにつくってもらいたい。先ほども申し上げましたが、八カ年計画で整備をする計画でおるわけでございます。申請が出てきたものから逐次実施いたします。ただ、その場合に、もしも非常に申請が多い場合は、大都市を優先するというようなことを考えておりますが、できるだけ広範に整備していく、こう考えております。地方市場につきましては、従来の農林省の態度は、御指摘があったようなことがあったかと思いますが、現在は地方市場法を整備するか、あるいはその法律の整備だけでなくて、補助とかそういったものを出す必要があるか、その検討を始めようとするため、調査を現にやっている段階でございます。まだ園芸局なり水産庁と私どもとの間で論議が尽きておりませんので、ここではっきりそうやるとまでは、申し上げかねますが、そういう方向で進んでいると申し上げてよいかと思います。
○湯山委員 流通機構については、なおそういう大きな問題もありますから、あとでまたお尋ねいたしたいと思います。 こまかい問題ですが、ずいぶんいろいろな品物を扱うようになっておりますが、特に取り出してお尋ねしたい一つに、なま牛乳はこの小売り市場でお扱いになる計画になっておりますか。
○松岡(亮)政府委員 まだ畜産局の関係においてはそういう予定はいたしておりません。これは御承知のように、系列の配給組織ができておるものですから、なま牛乳を入れようとしても、どこかの系列のものになるということで、問題は、また別な問題が出てまいりますので、当面牛乳を扱うということは考えておりません。
○湯山委員 鯨なんかも特約の系列があると思います。牛乳もいまのようなことから、実際には牛乳の値上がりが非常にいま問題になっている。こういうときに機能を発揮して初めてこの市場の意味があるわけで、系列にこだわらないでやれるということについては、なおひとつ御研究願いたいと思うわけです。そうしないと、結局特約店的な機能だけしか果たせないということになれば、だれのための市場かわからないという心配もあるわけで、なおこれについては御検討をわずらわしたいと思います。 一応ここで終わります。
○高見委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 ————◇————— 午後二時十六分開議
○高見委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 農林大臣に、法案の重要な点だけをお尋ねしますが、第一の法律の目的についてですが、法律の内容を検討いたしますと、農業政策的なつながりが非常に不明確になっておるわけです。農業の生産とかあるいは生産を基礎にした消流対策ということになれば、もう少し法律の目的のうたいようもあるのではないかと思うわけです。これによると、何か消流機構の合理化あるいは近代化をはかることによって、国民生活の安定に寄与させるということになっておるわけですが、単に、国民生活の安定なるものが、消費者に対して寄与する政策だけを重点にするということは、これは非常に誤りがあると思うわけです。したがって、農林省として、しかも農林水産委員会に提案する法律であるならば、この小売市場法の内容等についても、生産面と消費面とにおけるつながり、あるいは生産、消費を総合したところのいわゆる流通機構の近代化、合理化というものはかくあらなければならぬという点が、やはり表面に出てこないと、われわれとしても、協力して真剣な審議はできないと考えるわけですが、この点に対する大臣の御所見を伺いたい。
○赤城国務大臣 生鮮食料の流通機構ということを考える場合には、御説のとおり、生産から出荷、及びその市場等を通じて末端の消費者の手に入るまでの総合的な一貫したものでなければならないと思います。たとえば価格の問題にいたしましても、生産者の価格というものが安定することによって、消費者のほうの価格も安定するということでございますから、問題は、いまの御説のとおりだと思います。そういうふうな関連から、あるいは流通対策等につきましても、総合的に検討いたしてきておるわけでございます。ただ、いま提案いたしておりますところの総合小売市場関係の法律は、その中で、一番末端でありまするところの消費者関係とのつながりにおいての問題を法律的に提案いたしておりますので、この法律そのものには、生産者の生産対策、それからここまでくる間の流通対策等を含んでおりません。そういう意味におきましては、一部分の法律に相なるわけでございます。しかし、御説のとおり、流通対策としては、生産の面から一貫したものでなければなりません。でございますので、この法律が通りますならば、運営の面においては、生産関係からここまで来る間の関連等も十分考慮して運営していく、こう考えております。
○芳賀委員 そこで、お尋ねしたいのは、この法律を提案された経緯ですが、たとえば政府の農業基本法に基づいても、需要の高度化に伴って、生産体制の確立はもちろんであるが、同時に、消流対策についても時代に適合するような措置を講じなければいかぬ。それには生産部面を担当する機関としては、協同組合あるいは連合会の共販事業あるいは共同出荷体制等を整備して、消費構造にこれを直結させるというようなことが、現在の農業基本法にも打ち出されておるわけです。したがって、農業基本法の精神を受け継いで、かかる生鮮食料品の市場機構をつくるということであれば、やはりその精神というものは、法律のどこかに包蔵されていなければならぬと思いますが、その点が、先ほど言ったとおり、非常に欠けておるのではないか。われわれの判断によりますと、農基法との関係は全く考えられない。三十八年七月九日に、生鮮食料品流通改善対策要綱なるものが閣議決定されておるわけですね。おそらくこれがこの法律の目的、精神になっておるのじゃないかというふうに考えるわけです。したがって、このような点について、農林大臣の立場から、むしろ小売り市場で扱う品目というものは、すべて農業生産を通じての食料品であるということになれば、こういう点についても十分の配慮が必要でなかったかというふうに考えるわけでありますが、むしろ法律の目的の中に、生産と直結したそういう消流機構、消流構造の確立ということを明確にされたほうがいいんではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○赤城国務大臣 これは一つの大きな筋道といたしましては、生産に直接関係のある農協等を一貫して、消費関係などにも直売所的なものを設けていくということも、これは大きな筋道として考えられることでございます。ただ、いまお読みになりました緊急対策等、非常に生鮮食料の価格が当時上がってきておりましたので、そういう関係からは、できるだけ現在の小売り機構といいますか、こういうものとの摩擦を起こさないで、しかも流通が円滑に、あるいは価格面におきましても安定的な価格でやっていき得るような方法がなかろうか、こういう立場からいろいろ検討いたしましたので、前段御指摘のような直売所的なものも、これは考えられないわけではありませんが、そういうものでなく、現在の小売り的なものの整備をはかり、また摩擦を避けながら合理化をはかっていこう、こういうふうに考えられましたので、いまの自由経済の機構であるところの卸とか仲買いとか小売り等の既成の流通市場を尊重して、これらのものの経営近代化を促進していく、ほかの小売り等の面もそういうふうになっていくような指導をしていこうじゃないか、こういうところに重点がありましたので、提案いたしましたような次第でございます。しかし、食料品総合小売り市場はいまのような観点から法案化したのでございますが、取り扱い品目のうちで特定の品目、たとえば食肉とか食鳥あるいは鶏卵、こういうものにあっては、農業協同組合またはその連合会等を活用しまして、総合小売り市場と直結して、要すれば直売に近い形で場所を設けて販売させるようにも考えていきたい、そして消費者価格の安定をはかりたい、こういうふうに考えております。御承知のように、もっと協同組合等が強くなりまして、さっき座談的に出ましたが、ブラジルのコチア農業協同組合、ああいうところにあっては、卵などはほとんど消費者まで直結して生産者がやっているような例もございます。それはそれとして一面考えなければなりませんが、この法律におきましては、既成の流通機構の近代化をはかって、価格の面あるいは流通の面を円滑にしていきたい、こう考えて提案いたした次第でございます。でありますけれども、いまのような直売に近い形で、総合市場において場所を設けて、その参加も求めるという道も考えないわけではございませんので、その点も十分考慮をして運営していきたい、こう考えております。
○芳賀委員 繰り返すようですが、いま政府が、たとえば物価政策にしても、あるいは食料品の消流価格政策にしても、大臣も言われましたが、生産面に対する強力な配慮というものを全く度外視して、何か経済企画庁を中心の構想が前面に出ておるように考えられますね。一昨日ですか、経済閣僚会議等においても、牛肉の値段をどうするとか、あるいはコンニャク玉とか、それから韓国ノリの自由化をやるとか、レモンの自由化をやるとか、これらの行政は農林大臣の責任において十分やられておるにもかかわらず、総理大臣の裁断でなければできないようなことは、これは全く不自然だと思うわけです。そういう場合にも、大臣としては、生産面を考えない対策というものは同意できないという発言をされたということが新聞にも伝えられておりますね。たとえば牛肉の価格を総理大臣が四百六十円にせいと言った。これは全く不当だと思うのですよ。たとえば国内の牛肉の価格というものを国の方針で規制しなければならぬという場合は、現在畜産物価格安定法というものがあるわけでして、それだけ牛肉が重要であるということになれば、当然豚肉に準じて牛肉を畜産物の指定品目に加えて、そこで安定基準価格とか安定上位価格というものを農林大臣の責任できめて告示するということでいくべきだと思うのですけれども、それをそういう問題にまで総理大臣が介入して指示するというのは、全くけしからぬと思うのですが、農林大臣はどう考えますか。現在の池田総理大臣のかかる態度に対して……。
○赤城国務大臣 経済閣僚懇談会の内輪話を申し上げるわけでもございませんが、いまのお話のようなことでございまして、たとえば牛肉に安定価格を設ける。これは、牛肉に安定価格を設けるならば、畜産物の安定法で豚に準じて牛肉を指定すればいい。これについては、私も、一体安定価格というのはどういうものだ、生産者を無視して安定価格をつくるという、しかも法律にない安定価格とは何だというふうに、大いに詰問したのでございます。輸入をする場合の安定価格、生産者のことを考えないで、輸入をするかしないかという問額を考えるということじゃ、物価の安定というものはでき得ないのだ、やはり生産者の価格が安定するということが、長い目では消費者の価格が安定する、それをせつなせつなに輸入する輸入するというような形でやっていたのでは、いつまでも安定しないのだ、そういうことを私は強く言いました。そこで、牛肉の問題も、別に総理が裁定したわけではございません。経済企画庁のほうから、内輪話を言えば、輸入する場合の安定価格を過去五年間できめよう、こういうわけなんです。だから私は、そんなことはだめだ、三年間に限ってやれ。経済企画庁のほうでは、三年間じゃ高いときばかりだ。それじゃ生産者の価格を押えるような、そうして輸入することばかり考えているような考え方は間違っているということで、三年の価格をとって輸入する場合の一つのめど、こういうことにいたしたわけでございまして、いまの畜産物安定関係の安定価格と違うわけでございます。違うわけでございますが、それにいたしましても、生産方面のことを考えずに、ただ末端の消費の面だけで輸入するかしないかというようなことを騒ぎ立てることは妥当ではないということは、私も強く感じております。いまのお話のような点は、私も同感でございますので、また機会あるごとに強く主張していきたい、こう考えます。
○芳賀委員 質問のついでですが、牛乳の安定価格にしても、先日も申し上げましたとおり、飲用乳なるものは、現在の畜安法の対象になっていないわけですね。それがやはり盲点になると思うのです。ですから、総理大臣や経済企画庁がそこまで心配するのであれば、この際、生乳全体を畜安法の対象に入れて、そうして生乳の生産価格あるいは飲用乳の最高販売価格をどの程度にすべきであるということを制度の中に明確にすれば、これは赤城さんの権限のもとにおいて適正に行なわれると思うわけなんです。それから牛肉の問題等についても、わざわざ閣僚会議の決定を待たなくても、農林大臣として、どのくらい国内需要に見合って生産が足らぬかということはもうわかっておることですから、それほど重要度が高まったとすれば、やはり法律の中に政令で指定すればいいわけです。ですから、牛肉を加えて、そうして法律に基づく適正な生産価格と販売価格というものを御決定になればいいのじゃないかと思うのです。あと、レモンの問題等にしてもそうでありますし、コンニャク玉にしても干トンだけ入れて、あとは自由化にするというのは、全くこれは根拠のない意見だと思うのです。ノリにしても、最近の国内ノリ事情というのは、天候異変等が原因になった災害によって国内のノリが減産しておるわけですから、正常に戻れば、これは何も大急ぎで自由化しなければならぬという性格のものではないと思いますが、これも二億枚入れて、あとは自由化でやる。そういう点を新聞等でわれわれが見ると、一体わが国の農業政策というのは、農林大臣の責任だけではできないのかというような不安も考えるわけでございますからして、赤城さんは池田主流派でない点はわかりますが、しかし、農林大臣の権限として農政を担当している以上、何も池田直系の未熟な閣僚の意見に押しまくられる必要はないと思うのです。ひとつ確信を持ってやっていただきたいと思います。 余談になりましたが、そこで、農業基本法の関係からいうと、現在の政府の農業基本法によりましても、その第十二条で、農産物の流通の合理化等がうたわれておるわけです。法文は、「国は、需要の高度化及び農業経営の近代化を考慮して農産物の流通の合理化及び加工の増進並びに農業資材の生産及び流通の合理化を図るため、農業協同組合又は農業協同組合連合会が行なう販売、購買等の事業の発達改善、農産物取引の近代化、農業関連事業の振興、農業協同組合が出資者等となっている農産物の加工又は農業資材の生産の事業の発達改善等必要な施策を講ずるものとする。」と、やや具体的に基本法でうたっておるわけです。ですから、この精神を受け継いで、消流機構の近代化をはかるということになれば、これはその恩恵というものは、消費者、生産者に当然及ぶことになると思うものであります。それから社会党の基本法案によると、こういうことになっている。需要と流通の合理化の点については、十七条で、「国は、農畜産物の需給と流通の合理化を図るため、農畜産物の生産と出荷を計画的に行なうための指導及び助成の措置を講ずるとともに、農業協同組合による共販事業を促進し、その加工、貯蔵、市場等の事業を助成しなければならない。」さらに十八条では、「国は、農畜産物の取引の適正化を図るため、公営の卸売市場を整備拡充する措置を講じ、特に必要がある場合においては、農畜産物の市場を国営とし、又は国の管理の下に置くことができる。」こういうことをわれわれは方針としておるわけでありまして、底流をなすものは、そう大きな違いは・ないと思うわけです。ですから、この基本線に沿って、今後市場対策あるいは市場の行政を行なうのだとすれば、われわれとしても十分協力でき得るわけでございますが、やはりこの法律の欠けたる点は、その目的においても、生産面が消費面、需要面に結びついておらないというところに、最大の欠陥があると思うわけです。この点については、大臣からも、小売り市場開設の場合においても、特に食肉、あるいはブロイラーであるとか、あるいは鶏卵であるとか、冷凍魚等については、これは農業協同組合、いわゆる生産者団体の直売場あるいはそれと同様の趣旨によって運営されるものをその中に設置する意思はあるというような御答弁もありましたので、この点をもう一度明確にしておいてもらいたいと思うのです。
○赤城国務大臣 先ほどから申し上げましたように、生産面と消費面ができるだけ直結するのが望ましい次第でございます。でございますけれども、いまのように、小売りというような面もありますので、卸、仲買い、小売りの既成秩序を尊重しつつ、総合食品市場を設けるわけでございますが、いま御指摘のような食肉とかブロイラー、鶏肉、冷凍魚、これは協同組合等が生産側で相当キャッチしておる、つかんでおるものでございます。でございますので、こういうものは、やはりマーケットといいますか、市場におきましても、直売に近い形で、そういう場を設けて、消費者のために寄与できるような形を運営上やっていきたい、こう考えております。
○芳賀委員 先日来の局長の答弁によりますと、現在の中央卸売り市場で扱う品目と、今回の小売り市場で扱う品目は、大体同種のものなのですね。したがって、仕入れ業務等については、大部分は中央市場に依存するという説明があったわけでありますが、そのときにも、いま大臣の言われたように、特定の品目については必ずしもそういうルートでなくてもいい、そうした趣旨の説明もあったわけですが、何もわざわざ卸売り市場に持ち込んで、それから小売り市場が仕入れをしなければならぬ問題ではないと思うのです。ですから、やはり面接的に生産者との結合ができる、そういう態勢が生産側も受け入れ側も整った場合においては、それを活用するほうが、小売り価格を安定させる、あるいは従来の不当な中間マージンを整理して、一部は生産者にそれが寄与する、一部は消費者にも利益が配分されるという形が初めて生ずると思うわけです。特に中央市場の機構の根本的な改革もできない現状において、小売り市場ができるということになれば、やはり生産面と直結した業務を相当重点的に取り上げていく、そのことが、現在の中央市場のいろいろな矛盾や欠陥を是正させる力にもなるのじゃないかというように考えられるわけでありますが、方向としてそのことが妥当であるという点については、大臣も同感と思いますが、どうでしょうか。
○赤城国務大臣 取引が制度として、自由取引というような制度のもとで行なわれておりますので、そういう関係から言いますると、需給の調整をしたり価格を一定のもとにきめるということに、中央市場その他の市場が機能を発揮しているのが現状でございます。でございますので、そのほうのベテランといいますか、こういう機能を発揮するに適当にやっておる面も非常に強いわけでございます。でございますけれども、この改革をしなくちゃならぬという面もございますから、これの改革も進めておるわけでございます。同時に、いまのように商売げといいますか、そういう面にはいささか熟練はしておりませんけれども、しかし、生産面から消費面に直結するということによって、それをカバーできる面が相当あると思います。でありまするから、特にこれをどういうような場所に設けるかということも、業務方式等においてきめるわけでございますが、特に団地等、こういう面などにおきましては、市場を通じないで直結するようなことなどが最も望ましい面が出てくると思います。そういうようないろいろな実態に即して、いまお述べになったような運営も進めていきたい、こう考えております。
○芳賀委員 そこで、具体的な問題になりますが、たとえば豚肉の価格、ブロイラーの価格等についても、最近の小売り価格というものは、生産者価格が高過ぎるから小売り価格が高いという判断の上に立っておるかというと、そうではなくて、生産者価格というものは、過去三カ年、五カ年を通じてもそれほど高騰しておらぬが、むしろ卸売り段階、小売り段階の流通経路における欠陥とか矛盾があって、末端価格が非常に高騰しておるという判断に立たれれば、これは非常に重大な点だと思うのですね。これは大臣としてはそこまで研究しておられぬかもしれぬが、経済局長でも畜産局長でもよろしゅうございますが、最近の、たとえば三カ年間でも五カ年間でもいいですが、豚肉の価格等については、農家の販売する生体のキロ当たりの価格と、卸売り段階における豚肉のキロ当たりの価格、それを精肉に換算した場合の値段は当然出るわけですから、精肉換算の価格と、東京都内における小売り価格との差額は一体どのくらいになっておるのか、どういう趨勢をたどっておるかということは、資料をお持ちだと思うのです。あるいはまたブロイラー等についても、生産者の生体価格と、あるいはひなの屠体価格であるとか、精肉換算の価格、小売り価格、こういうものは、それぞれ農林省の仕事としてそういう確実な資料はあると思いますので、現在の小売り価格あるいは卸売り価格というものが、者価格から及ぶ価格構成全体の中においてどういう構成になっておるのか、こういう点を明確にしなければ、新しい法律をつくるといっても、なかなか的確な制度はできないと思うわけです。これは一つの事例になりますが、両局長のいずれからでもいいですが、この二点について明らかにしていただきたいと思います。
○赤城国務大臣 概観的に私から申し上げますと、確かにそうだと思います。たとえば消費者の価格が上がった、非常に物価が上がった、こう言っておるから、生産者のほうもそれだけ潤って高く売れておるかというと、そうではない。また消費者価格がだいぶ下落したというと、今度はそれ以上に生産者のほうは下落しておる。ひどい打撃をこうむっておる。こういうことで、生産者の手取りと消費者の払う価格との間に非常に差がある。これがぐあいよくいっておればいいのですが、そういう点は概観的に言いますならば、私はあると思います。数字で申し上げる資料はいまないようでございますけれども、お話しのような結論になると私は思います。 なお、両局長から、資料があれば資料によって、その資料がなければいずれまた資料を提供いたしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 豚肉の卸売り価格と小売り価格の違いについて、私どものほうの資料がございますが、これはカーブに描いてみますと、大体卸し価格、小売り価格は大ざっぱには並行しておるわけでございます。しかしながら、こまかい点では卸売り価格が下がっておるのに、逆に小売り価格が上がっておる。それから注目すべき点は、豚肉に限らないのでございますが、最近その幅がやや広がる傾向がある、こういう傾向がございます。生産者価格との関係におきましては、ちょっと対比した資料がございませんので、はっきりしたことを申し上げかねるのでございますが、大体において卸売り価格あるいは小売り価格が上がるのと若干時間的なズレがあって、あとで生産者価格が上がる、こういう傾向もございます。それから卸売り価格が上がったほどには生産者価格が上がらない場合がある、こういうような傾向がございます。御指摘のような問題は確かにあると思います。
○桧垣政府委員 厳密な意味と申しますか、そのときどきにおける相関の資料を持っておりませんが、過去五年間といいますか、三十四年から三十七年にかけての豚肉の農家庭先き価格と卸売り価格との間には、約一七%の中間マージン率がありますが、この価格の動きはやはり全般的には相関の関係をもって動いております。大体一カ月くらいのおくれをもって相関の関係をもって動いておる。それから卸売り価格と小売り価格との間には、おおむね二五%ないし三〇%の価格差がある。これもやはり相関の関係がございますが、生産者価格と中央露売り市場における卸売り価格との相関よりは、小売り価格における相関比のほうが乏しいという、いわば小売り価格の非弾力性というものが見受けられるように思います。詳細な資料を持ち合わせておりませんので、概括お答え申し上げますと、以上のような経過になります。
○芳賀委員 一例だけ申し上げますと、豚肉の三十八年度平均の結果を申し上げると、肉豚の農家の販売価格、これは生体一キロ換算で二百二十五円、それからこれを枝肉価格にした場合には三百八十九円、精肉換算にした場合には五百五十円、その小売り価格が七百二十四円ですから、卸売りの精肉五百五十円と小売りの七百二十四円というものは、大体百七十円くらいの、価格からいうと幅が出るということになるわけです。ですから、卸と小売りの価格差というものは、檜垣さんが言われた以上の価格差があると思うのです。それから食鶏、ブロイラーの場合は、三十八年度で生体一キロが生産者価格で百五十六円、ひなの屠体価格にして二百四十七円、それから精肉換算をした場合には四百九十七円で、精肉の一キロ当たりの小売り価格が七百十八円、これもやはり卸売り価格と小売り価格では二百円以上の差があるということになるわけです。ですから、こういうような価格差というものをこのまま放置しておいて、いかに市場機構だけを新たにつくっても、根本的な解決にはならないと思うのです。このことを十分政府としても判断されて、そうしてもちろん小売り価格を引き下げることも大事であるが、いわゆる中間における排除すべきマージンというもののあり方を十分検討して、やはり生産の確保とかあるいは農家所得の向上ということでいくとすれば、どうしても生産と消費の直結というような大原則を、それが卸売り市場であろうと、小売り市場であろうと、この基本というものを貫く必要があるということで申し上げたわけです。 時間の関係もありますので、次に移りますが、次は役員の選任の問題であります。この法律ができる当初から、また政府は新しい機構をつくって天下り人事をやるのじゃないかということが批判されたわけです。むしろ、そういうことをやるために法律をつくるのじゃないかという極論さえ出ておることは、大臣のお耳にも入っておると思うのです。ですから、そういう疑点が多々あるわけでございますから、この法律が通れば、大臣が理事長あるいは監事の任命、さらにまた理事長が任命する五名の理事等についても、農林大臣の承認が要るわけでございますが、どういう分野から適格者を人選しておきめになる御意思であるか、その点について大臣の直接のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○赤城国務大臣 これは政府あるいは自治団体の直営というような考え方はないわけではございませんが、いろいろ技術的な意味から相当の経験も必要であろう、こういうことから、実は管理の特殊法人をつくることにいたしたわけでございます。特殊法人をつくったことが、いわゆる天下り的人事でやろう、こういう意味ではないわけでございますので、せっかく特殊法人をつくりました場合の人選等におきましては、その趣旨に沿うて、あるいは先ほどからお話がありましたように、生産者団体等々と直結できるような形の人選も必要でありまし上うし、あるいは流通関係等の小売り等におきまして、非常にベテランと申しますか、その方面にすぐれた管理才能を持っているというようなものも必要でありまし上うし、あるいはまただんだんこういうものがふえていくことが望ましいのでございます。そういう点で、学識経験者というようなものも人選をする場合に必要であろう、そういうふうに考えます。要は、天下り的なものではなくて、停滞しないで、この機構を十分消費者あるいは生産者のために活用できる、こういう人々を見つけまして、そういう人に管理をたのむというふうにいたしたい、こう考えている次第であります。
○芳賀委員 官僚の天下りを全面的に否定するわけでもないが、あまりそれが重点になると問題が起きることは、大臣も配慮されていると思います。しかも、この管理会の業務というものは、いろいろ利害も伴いますし、いろいろ利権の問題にもからむような問題が派生するわけですから、そういうおそれのないような適格者、人材を選ぶことが最大の要件だと思います。特に生産者とのつながりということを考えた場合に、やはりその分野において信頼できる、経験のある有能な人物というものが、役員等の中に加わるということは当然のことだと思いますが、その点に対して、大臣としてはいかようにお考えですか。
○赤城国務大臣 特殊法人の役員の問題と運営審議会の二つの問題があろうと思います。の特殊法人の人選等につきましては、これは一つの商売をやる法人でございますから、いろいろ疑われたり、あるいはまた運営が十分ではないというのでは困りますので、信頼され、しかも運営が十分にいけるような人々をもちろん選びたい、こう考えております。また、運営審議会の委員等は十人以内を予定しておるのでございますけれども、その選任につきましては、あるいは地方自治体の推薦する人、あるいは管理会の業務運営についての学識経験のある人、こういう者を考え、先ほど申し上げましたように、市場運営についての識見のある人とか、生産、出荷、流通等についての経験なり学識のある者、こういう各方面から選びまして、この運営が十分に目的を達するよう、十分注意してやっていきたいと思っております。
○芳賀委員 私の聞いておるのは、大臣が直接選任される理事長、監事、あるいは理事長を通じて選任する常勤理事並びに非常勤理事、それから十名の運営審議会委員——これは出資公共団体の長あるいは長が推薦する者ですね。これは大臣が任命される委員ということで、十名の人選が行なわれるわけです。ですから、その構成の適正をはかるということになれば、もちろん手落ちはないと思いますが、生産者の関係の経験とか判断、あるいはそのつながりの十分な条件の整った人材というもの、これは運営上どうしても必要だと思うのですよ。ですから、そういう分野から、たとえば理事長とか運営審議会の委員の選定をされる場合も、農林大臣としては特に配慮されて行なわれる御意思かどうか、その点が明らかになればいいわけです。
○赤城国務大臣 もちろん、そういう生産関係と密接な連携を必要とするものでございますし、また生産地とも関係があるものでありますから、その方面に経験のある、識見を持つ人々に当然一役買ってもらいたい、私はこう思っております。
○芳賀委員 次に、管理会の運営あるいは業務ということになれば、一番大事な点は、第三章の二十二条以下の業務の関係になると思いますが、この点については、主として業務方法書にこれをまかせるということになると思うわけです。もちろん、業務方法書の内容等については、省令に基づいてつくられるわけでありますし、また決定する場合においては、運営審議会にはかって業務方法書の決定を行なうということに当然なるわけでありますが、この業務の内容等について、当然、小売り市場に入居させる入居者の選定基準であるとか、入居条件であるとか、あるいは運営の方針であるとか、あるいは市場に付随した建物とか、いろんな設備の利用あるいは処分まで、主として業務方法書にまかせることになるわけでありまして、逐一大臣にお尋ねする時間もありませんが、特にこの業務方法書の中で、先ほど大臣の言われた、生産者と直結の形で小売り市場の運営をやっていく形ということになれば、方法としては、やはりその市場の中に生産者団体の直売所を設けるということが一番明確なやり方になるわけであります。あるいはまた、特定の品目を業務として仕入れをするというような場合においても、卸売り市場から仕入れする場合もあるでしょうし、また生産地と直結した、あるいは生産者団体と結んだ形で、直接仕入れをする、そういうことにも当然方法としてはなると思うわけであります。ですから、問題を二つに分けて、開設される市場には、生産者団体の全部というわけにはいかぬでしょうが、たとえば食肉であるとか、ブロイラーであるとか、鶏卵であるとか、冷凍魚であるとか、そういう特定の品目については、そのほうが有効であり、効果的であると判断された品目、あるいはその販売等については直売の組織ですね、そういう道を明確にするということは、当然法案審議の中でも明らかにしてもらわなければならぬ点です。 それからまた、入居者が業務方法書の規定を順守して仕入れの業務をやる、あるいは管理会が市場の委託を受けて業務を行なうことができるということになっておるわけですが、委託を受けて管理会が直接の業務をやるわけですね。あるいはその委託を受けた管理会が特定の機関等を指定して、それに委託を受けた業務をまたやらすということもできるわけですね。法律の解釈にもよりますが……。そういう場合の業務方法書の規定というものは、すでに用意されていなければならぬと思いますが、その点はいかようになっておりますか。大事な点だけでいいですから、明らかにしておいていただきたい。
○赤城国務大臣 事務当局からなお補足して御答弁申し上げたいと思いますが、もちろん、業務方法書は法律の施行規則みたいな性質を有するものでございますから、その骨子あるいは腹案を持っております。その中におきまして、いまお話しのような入居業者の選択の基準というようなものなどもきめていかなければなりませんし、入居業者の取り扱い品目の範囲とか種類、こういうところをきめていく場合におきまして、先ほどからお話しのような、直売的なものでやっていくほうがいいというようなものなどは入れていかなければならないと思います。あるいはまた仕入れの方法等につきましても、管理会におきまして仕入れ方法を指示した場合には、その趣旨に従う旨を契約事項とするというようなことも予定しておりますので、管理会のほうにおきまして、先ほどからいろいろ論議がありましたような方向で、直売に近いものを入れるべきが適当だというものがありましたならば、そういう指示をして契約の中に入れるというようなこともやっていきたい、こう考えています。 なお、詳しくは事務当局から申し上げます。
○松岡(亮)政府委員 大臣から申し上げましたことで尽きているわけでございますが、いまの仕入れの方法に関する指導の基準を業務方法書で定めるわけでございますが、その際には、管理会と入居業者との間で締結します契約に順守事項を定めるわけであります。それで、その際に、先ほど来問題になっておりましたような品物につきましては、中央市場から買い入れるよりも、直接生産者団体等から買い入れたほうがいい、あるいは直売に近い方法でやったほうがいいということについては、その管理会が指示した場合には、その指示に従うという内容を契約事項にして定める、こういうことでございます。それから入居業者の委託を受けて行なう業務の範囲、これはいまのところはチェックアウトについて委託を受ける場合がある、こういう予定でございます。つまり、入居業者が一本になってしまえば、チェックアウトはそのまま入居業者がやればいいわけですけれども、加工品などについて別な店舗がかりにできた場合、別々の店舗のチェックアウトを一カ所でやってやるために、管理会は委託を受けてやる、こういう内容を定める予定でございます。管理会自身は、この法律案によりましても、売買の業務はできませんで、委託を受けて管理会自身が販売するという場合は考えておりません。あくまでも入居業者または入居業者に相当する直売に近い形、そういう方法でやる、こういうことでございます。
○芳賀委員 だから、その点、いろいろな態様によって判断が違ってくると思いますが、第一の点は、生産者機関に対して直売所を認めるという点ですね。その場合も、入居者が一本の形になって法人化するとか、あるいは共同化の形で業務をやるということになれば、そこに一つの問題は生ずるかもしらぬが、原則としては、生産者の直売を排除するかしないかということがやはり大事な点になるわけです。農林大臣の御意思としては、その道は開くということであるからして、われわれはそれを了承するわけです。それから、局長からも言われたとおり、入居条件の場合、入居者については、たとえば食肉であるとか、ブロイラーであるとか、鶏卵であるとか、これこれの品目については、管理会の示す仕入れ先、あるいは生産者なら生産者、これこれの団体から仕入れしなさいという指示を条件として示した場合に、それを応諾し順守するということでなければ、入居条件が満たされないということになる。ですから、その点は明らかにおやりになるということから了承したわけです。 もう一つは、入居した小売り業者が管理会に業務の委託を行なった場合、管理会としては直接の販売とか仕入れとかはできないわけです。その場合に、委託を受けた管理会がさらに適当な機関を選定して、それに一部の業務を管理会にかわって行なわしめる、そういうことは考えておらなかったのですか、あり得ないというふうに思っておるのか、その点はどうなんでしょう。
○松岡(亮)政府委員 そういう場合を実は想定していなかったわけでございますが、管理会自身が売買はできませんので、入居業者でない他の者に再委託をするというような形をとってはどうかという御意見でございますが、これはむしろあっせんというふうな形になると思います。委託は自分の能力の範囲でなければ受けられませんので、あっせんというような形になる。そういう場合は、何かくふうを加えることによって今後やり得る余地があるかと思います。
○芳賀委員 もうちょっとその点はっきり要約してください。
○松岡(亮)政府委員 一番通常の形として考えられますのは、生産者団体が自分のブランドを入居者に委託させる、自分のブランドとして売る。ですから、金の出し入ればすべて直接生産者団体に帰属させる。それは直売に近いやり方です。それから、この場合はまだ結論も出ておりませんですが、入居業者の場所の一部を貸してやるというような方法があり得るのではないか、そういうことも検討いたしておるのでございます。
○芳賀委員 最後のお尋ねになりますが、これは午前中湯山委員から政府委員に質問した点ですが、私からも指摘しておきたいと思います。 役員の選任の場合、監事が一名になっているわけですね。これは政府機関の公社、公団とかいろいろな機関にその例を求めても、監事が単数であるという例は全くないのです。たとえば常勤が一人で非常勤が一人という場合はあるとしても、監事が一名しかいないということになると、監事の性格あるいは使命からいって、一人で十分だということにはならないと思うわけです。何かの理由があって一名でいいと思ったのかもしれませんが、こういう点は、やはり的確な運営をする上からも必要な監事ですから、人件費とか何かにあまり遠慮をして、一人のほうが二人よりもかからぬということで扱うのであれば、これは非常に問題だと思うのです。こういう点は、後日、来年あたりまたふやさなければならぬことになると、不手ぎわなことになるわけですから、この点に対する大臣の判断と、もう一つは、ことしの国会においては、各既存の公社、公団等においても、監事規定の強化を法律改正の中でやっておるわけですね。この法律には、監事を一名置く、監事は監査に従事するということしかうたってないわけですが、それでもいいのです。あと何にもうたってなくても、監事の権限として、主務大臣である農林大臣に報告するとか、意見を述べることが自由にできるわけなのです。ただ、今国会において、既存の各機関の監事の権限というものをわざわざ法律改正の中で明文化した例が幾多あるわけです。そういうことになると、この新しい法律の場合においても、監事が直接あるいは理事長を通じて農林大臣に報告あるいは意見を述べることができるということにしておいても、何も行き過ぎではなかったのではないかと思いますね。そういうものを必要ないとするのであれば、たとえば公庫法等も必要なかったということになると思うのですが、その点。 それからもう一つは、これも湯山委員から指摘があった点ですが、飲用牛乳の扱いを小売り市場等においては当然取り扱い品目の中に加えるべきではないかという質問があったわけです。この飲用牛乳の問題等については、局長は、これは系列化されておるから、特殊の系列の問題に持ち込むということは問題があるというような答弁をしておりましたが、そういうことにこだわると、今後ほとんどあらゆる企業——食品にしても、大企業などの系列化がどんどん進んでいくわけですからして、系列以外ということになると、この市場の運営も非常に窮屈なことになるのではなかろうか。この市場の効果性あるいは市場に対する消費者の期待からいった場合、どのようなものを市場で取り扱うのが妥当であるかということをむしろ考うべきであって、これは系列でやっているからうまくないということでは理由にならない。そうなると、乳製品等においてもほとんどこれを系列でやるということになると思うのですね。これらの点については、市場の関係は経済局でやる、それから食品の関係は、畜肉にしても鶏卵にしてもそうですが、そういうものは畜産局でやるということになると、なわ張りが違うことによって、何かそこに不統一があるような印象を受けるわけですね。これらの点は農林大臣としては総合的に御判断になって、一体これからどうやるべきであると考えておられるのか、その点をお尋ねしておきます。
○赤城国務大臣 いろいろ慣習的、慣例的な状況はあろうと思います。それも流通を円滑にするのには尊重しなくてはならぬと思いますが、私は、必ずしも系列というようなことでなくて、この法律の目的に沿うような形の弾力的な運営をしていったらよかろう、こう考えております。 監事の点は、どうも私も気がつかなかったのですが、運営してみてのことになります。一名というのは少しどうかと思ったのですが、最小限度に一人ということにしたようですが、どうもせっかく提案したので、運営の面でまた考えなければならぬ部面が出てきましたときには考えてみたいと思います。いまのところでは、提案のとおりでやっていけるのじゃないか、こういうように考えます。それから意見を出す場合に、今度監事等におきましても直接監督の大臣等に意見を出すようなことにほかの公団等においてなったと思います。それと同じような形で監事はやってよろしいと思います。特に規定がないとしても、それは当然そういう形にほかにできておりますから、やっていいのじゃないか、こういうように考えます。
○芳賀委員 これで終わります。ちょっと直接の関係はありませんが、先般の経済閣僚懇談会にも出た問題と思いますが、鶏卵の規格取引制度を、これは牛乳価格安定と並んでお考えのようでありますが、こういうものは農林省として何か研究を進めておるかどうかということですね。総理大臣の思いつきでいろいろなことをやられても、全部これは生産者にしわ寄せがくるようなことになると、たいへんなことになりますから、農林大臣もだいぶ注意して、総理の言動なんかについても監視をしておいてもらって——三選をねらっていろいろな放言をしたり、約束だけを打ち出すと結局それは自由化を進めて生産者を犠牲にするというようなことになりやすいわけですから、一体この鶏卵の規格取引制度なんというのは、何を考えておるのか、それだけ伺っておきたい。
○赤城国務大臣 事務当局で検討はしておりますので、一応答弁いたさせます。
○桧垣政府委員 畜産物の規格取引につきましては、やはり一定の規格に基づきました水準的な価格形成というもとにおいて行なわれることが、流通の面から見ましても、あるいは生産者の立場から見ましても、有利であるということは、私どもの一つの一貫した考えでございまして、鶏卵の規格取引につきましても、鶏卵の取り引き規格の研究は進めてまいりまして、現在おのおのその取引規格そのものは成案を得ておるのでございます。ただ、規格の取引を実行いたすという段階になりますと、出荷団体等いわゆる出荷者の側、それからそれを買い受けます買い受け側について、その規格取引というものの実行の手段をどういうふうにするかという問題が残っておりますので、現在それぞれ市場流通の担当者、出荷者の団体等で実行方法について研究中でございます。最近農業団体等出荷団体につきましても、規格統一による迅速公正な取引ということについては、これに同調していくことが適当であろうというような考え方で、積極的な推進の態度をとってまいっておりますが、お話のように、規格取引という結果が生産者側に不利になるというようなことがあっては、これは本来の目的に反しますので、慎重にそういう関係者の間で専門的な研究を続けておるという段階でございます。
○高見委員長 足鹿覺君。
○足鹿委員 時間がありませんので、簡単に農林大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。 この法案の必要となった契機とでも申しましょうか、それについて若干申し上げて、御所見を承っておきたいのでありますが、昭和三十七年の野菜の不作による消費者価格の異常な暴騰につれまして、魚類なりあるいは肉類等の生鮮食料品も軒並みに値段が一時上がりました。また一方、国民の消費生活が拡大する、そこに需給のアンバランスが生じまして、不安な状態が続いたのであります。政府は緊急対策として、生鮮食料品の価格引き下げをはかるために、中央卸売り市場の取り引き手数料の引き下げあるいは仲買い人の合併等、流通過程における施策を若干講ぜられたのでありますが、需給のアンバランスの上における物価の高騰は、一朝にしては解決できなかったように思うのであります。これがために、政府は、長期的な消費者対策の一環とでも申しますか、この法案を考えられたようでありますが、私どもこの法案を読んでみた感じは、第一条の目的にありますように、生鮮食料品の小売り価格の引き下げをはかっていく、中小企業対策の一つとも言えるでありましょうし、また消費者対策に農林省みずからが積極的に乗り出したかのごとくでもあります。したがって、午前中他の委員からも御質問がありましたように、農林省本来の目的である生産者対策の面に、いささか欠くるところがあるのではないか、こういう感じを持っておるのであります。もちろん、中小企業対策の基本対策とは別としまして、本案が示しておりますように、生鮮食料品の小売り価格を適正価格に安定させるための措置としては、悪いことではない。一歩でも半歩でも改善前進されるであろうことが含まれておると思うのであります。しかし、どちらかというと、このこと自体が、農林省の中心使命である生産者対策に直結しておるとは言えない、かように思うのであります。 そこで、農林大臣に伺っておきますが、いわゆる消費者対策的な意味あるいは中小企業対策的な意味、こういうものが必要であるとしますならば、関係省等との協力体制、または今後の協力体制については、どのような御構想なり方針を持っておられますか。私どものこの法案に対する態度を決定いたす上におきましても、また今後に備えるためにも必要であろうと思いますので、御所見を承っておきたいのであります。
○赤城国務大臣 お話のような、この法案は直接生産者と結びついておるということにはなっておりません。御承知のように、この法案は、既成の流通機構である卸、仲買い、小売り、こういう機構の秩序を尊重して、末端における消費者対策という観点からの法案でございますので、生産者対策と直接の結びつきはないことは、御指摘のとおりでございます。ただ、流通価格対策ということから考えますならば、当然、生産者の関係の価格対策あるいは流通出荷対策等が安定しまして、初めて最末端の消費者の価格とかあるいは流通のほうもよくいくということだろうと思いますので、この法案で直接生産者の関係は盛られておりませんけれども、生産者の関係の流通対策といたしましては、しばしば申し上げておりますように、あるいは作付についての 一つの基準——統制ではなく、一つの見通し、そういうものを設けるとか、あるいは魚にいたしますならば、貯蔵、冷凍の問題から始まっていくとか、あるいは出荷につきましても、出荷の調整というようなことで、出荷が多かったり少なかったりということでなくて、できるだけ平均的な出荷ができるような調整、こういうようなこと等、あるいは野菜等につきましては、産地の指定制度を拡大していくというようなこと、あるいはまた価格の下がった場合の補給金的な制度、こういうようなものを考えまして、生産者、それから中央の卸売り市場等、いまお話のありましたように、整備あるいは仲買い人の合併等々を考え、一連の関係で流通の問題をできるだけ解決していきたい、こういうふうな観点で進めてきたわけでございます。でございますので、この法案そのものは、生産者対策と直結はいたしておりませんが、これとは別に、ほかの面とのにらみ合いあるいは総合的な観点から全体をよくしていきたい、こう考えております。私どもの立場といたしましては、生産者の対策に相当力を入れていきたい、こういうふうに考えております。
○足鹿委員 農林省の本来の仕事は、農林、畜産、水産業、これらの生産者対策だということは申し上げるまでもないことですが、そういう立場から、どうも生産者の生産物安定対策というものが、本法案においては置き去りにされておる感が深い。消費者対策に力を入れられるということはけっこうではありますが、農林省自自体が血道をあげられるには、生産者対策というものがこのような意図と並行して進む必要があるのではないか。そういう意味から、これだけを見ておりますと、本末転倒の観もないではないという印象を受けるのであります。と申しますのは、現に昭和三十七年の野菜の暴騰の翌年は野菜が暴落をしている。本年もまた野菜が暴落をしております。私はこの聞くにへ帰りまして、農民車一台にタカナと春大根を山のごとくに積んで三百円です。全くお話になりません。そういう状態をあなた方は知ってか知らでか、こういう法案をお出しになることはけっこうでありますが、こういう法案を出すならば、一面において、そういう生産者対策というものを車の両輪の形でやるべき筋ではなかったか。他にも施策は若干予算その他の面について講じられておりますが、あとで触れますが、私は遺憾に思っておるのでありまして、以下、他の同僚諸君の質疑と重複を避けまして、そういう観点から、園芸局長もおいでになっておるようだし、園芸局ができたって、まだ日が浅いから、そう一気によくなるとは思いませんが、こういうときに園芸局設置の本来の任務を一面果たしてもらわなければ困ると私は思うのです。そういう角度からひとつお尋ねをいたしたい。 農林省は野菜の価格安定制度の確立を意図しておるのかどうか、検討しておるかどうかということであります。先ほど大臣も言われましたように、とりあえずの緊急策として、タマネギ及びカンランの不足金払い制度を実施しておられます。この制度が必ずしも十分に成果をあげておるとは私は思いません。この制度は、申し上げるまでもありませんが、特定の地域の特定の農家、一定の数量、一定の期間と、すべて一定のワクに入れられ、これが実情と非常に隔りを持っておりますために、十分の成果があがっておらないと私は思うのであります。たとえばカンランをとってみましても、対象の主要生産地の耕作面積が一万五千町歩以上であるのに、農林省が指定された面積はわずかに二千町歩にすぎません。そういう状態、現状がそういう実情であるのにかかわらず、これをもっと積極的に拡充強化する意思が具体的にうかがえないのじゃないか、そういう感じを抱かざるを得ないのであります。特に一例を申し上げますならば、寒玉カンランは、総基金量の一億五千万円のうち八千万円となっており、これらの制度の恩恵をこうむる農家はほんのわずかにすぎません。したがって、ことしのようにカンラン、白菜、大根の価格が大暴落を来たした場合は、カンランの安定基金の八千万円は当然全部取りくずすことになるわけであります。次の対策に対する基金の造成はどうする御所存でございますか。八千万円はみんな食っちまって、あとは一体どうされる御所存であるかという問題が起きてくると思うのであります。これらの対策は臨時的の制度であるとしておりますが、臨時的であれ恒常的であれ、来期のカンラン対策、特に現在あなた方が指定しておるカンラン対策というものは、どういうふうになさる御所存でありますか。野菜類に対するところの価格安定制度の一環としておとりになった寒玉カンラン制度についても、以上のような矛盾をすでに呈しておる。これにどう対処されるか。この機会に明らかにしていただきたい。
○酒折政府委員 御指摘のとおり、カンランにつきましては、昨年秋以来の大暴落によりまして基金がなくなったわけであります。これはそもそもの考え方は、最初価格安定が非常にむずかしいので、一つの試験的なものといたしまして、京浜地区への出荷カンランにつきまして、この制度を試みたような次第であります。ところが、不幸にして、第一年目にしましてこういう事態心になったということで、われわれといたしましても、その点、この機会にこの制度を根本的に再検討して、しかも単に京浜地区ということではなくて、広い範囲で適用できるような制度を考えたいということで、目下鋭意検討中でございます。したがいまして、本年度予算におきまして、ある程度従来の考え方を踏襲した予算を一応計上してあるわけでございますが、実はこの予算の執行を一時見合わせて、早急に新しい考え方を確立したいというふうに考えておるわけであります。
○足鹿委員 農林大臣、いかがですか。
○赤城国務大臣 いま事務当局からも申し上げましたように、野菜の価格安定ということには非常にむずかしい問題がございます。これも御承知のとおりだと思います。しかしながら、あるいは暴騰し、あるいは暴落し、運賃にも足らぬような事態にありますので、この安定制度を拡充していく必要があろうかと思います。そういう意味におきましては、地方等におきましてやっている制度もございますし、たとえば農協等におきましてある程度高い場合に積み立てておる。そして下がった場合に、その金で補てんしていく、こういう制度なども自主的にやっているところも相当ございます。こういうふうな制度はやはり拡充して、もっと資金面においても強化していかなければならぬ、こう考えております。いまのカンランの問題等につきましても、園芸局長がお答え申し上げましたように、試験的にやってみましたが、暴騰、暴落が非常に激しかったので、いまこの試験的にやったものを再検討して、もっと強化し、拡大しなければならないという段除にきております。検討しつつ善処したい、こういうように考えております。
○足鹿委員 この制度について再検討を加え、拡充対策を考慮するということでありますから、けっこうでありますが、その拡充の中身とでも申しますか、今年の暴落について見ましても、野菜の指定産地の生産安定事業の対象となっている契約以外のものは、対象外のカンランあるいは白菜、大根といったようなものには、何ら救済の制度がないのであります。これをどうするか。いわゆる拡充とは、現在の夏カンラン、寒玉カンラン、タマネギ、これらの安定対策というものは拡充するし、同時に、その範囲も広げていく、そういう意味で御検討になっておるのでありますか。いまのような状態が続く限りは、生産が価格の安定によって裏づけられない限りは、暴騰の生ずることはやむを得ないです。それをあなた方が無理やりに引きずりおろそうということは、これは農政の貧困であると同時に、そういうことをやるとすれば、農民に対する裏切り行為ですよ。ですから、そういう点については、他の米にしろ、畜産物にしろ、一応曲がりなりに価格の安定制度というものが現在行なわれておるけれども、野菜類については欠けておる。だから、もっと真剣にこれを機会に、あなた方が直接中小企業対策、消費者行政にまで手を伸べようとするならば、当然困りに困っておる農民の救済のために立ち上がっていただきたい。このことを私は申し上げておるのであります。政府はことしの臨時対策として、十五アール以上の農家に対して、十五アール当たり一万円以下の範囲内で、期限六カ月、年利六分五厘、総額十五億円の融資をすることにしております。これは天災融資法と同じようなものですね。これは激甚地指定というものがありませんから、三分五厘はありませんね。そうすると、六分五厘です。このような天災にひとしいような、流通機構上その他からくる不可抗力に近い理由によって、先ほど述べた農民車一台が三百円、市場に出しても運賃は農民負担、こういう状態を救うためには、天災法に準ずるならば、激甚地指定の三分五厘の制度もあるそうだから、当然そういう面も考えられなければならぬと私は思うのであります。こういう現状の上に立って、もっと大臣は野菜等の価格安定制度と本格的に取り組んでもらいたいと思うのであります。消費者物価対策に政府が全体として力を入れることはけっこうでありますが、農林省はそれに幾倍して、生産者対策というものを十倍も二十倍もやってもらわなければ困る。どうもこの法案をわれわれが見ておって、法案自体に反対する理由はないようである。けっこうなことでありますが、何か当農林委員会がこの法案審議にあたって空虚なものを感ずるのは、私がいま指摘したような点があるからではないかということが御理解を願えないでしょうか。そういう見地から、新しく対策の中心をどこに置くかということを、大臣に構想があれば、もう少しこの際明らかにしていただきたい。たとえば現行野菜指定生産地の安定事業の基金の増額をはかっていく、あるいは主産地における生産農家はすべて対象となるようにする。これと並行して本年採用した融資制度を天災法と同様の制度で、野菜の生産費減収に対する融資制度を確立するといったような一連の施策をこの際講じられなければ、消費者対策に乗り出された本法案の一方の車は回るかもしれませんが、一方の車は回らない、こういう事態が現出することをおそれるものであります。その点について、くどいようでありますが、ひとつ、大臣の思い切った構想がありますならば、この際承りたい。また将来どのように御検討になる御所存であるか、あれば、それもあわせて伺っておきたいと思います。
○赤城国務大臣 再々申し上げておりますように、この法案そのものは、流通機構の最末端であるところの小売り等に関する問題でございますので、生産面に深い関心を持っておりますところの当委員会においては、何か空気の抜けたような感じがしないわけでもないというお話、まことにそのとおりだと思います。しかし、これはこれとして、消費者対策の一つの対策でございますので、ぜひひとつ御賛成を願いたいと思います。 やはり生鮮食料の物価対策といたしますならば再々申し上げておりますように、生産から始まり、ことに生産の安定、価格の面においても安定があって、初めて最終的に消費者の面も安定すると私は考えておりますから、生産面をおろそかにしようというような考え方ではなく、むしろ、生産面に重点を置かなければならない、こう思っております。ただし、特に野菜にいたしましても、鮮魚類にいたしましても、生鮮食料品というものにつきましての一つの統制的な姿をとるということには、非常にむずかしさがございます。そういうむずかしさはございますけれども、これをほっておくわけにはまいりません。また価格の面におきましては、どうしても需給価格といいますか、需要供給に左右される面がございます。そういう面で、生鮮食料品の価格の変動が相当あることはいなめないのでございますが、それを少なくするという意味におきましては、一つの生産に対して計画的なめど、どれくらいの需要に見合ってどれくらいの生産をしたらよかろうか、こういうめどをつけていくといいますか、こういうものをいろいろな機構を通じて指示、あるいは目標を立てるように、指算するということが必要だろうと思います。 それからまた、暴騰したからこれを押えるというような考えは、私実は持っていません。なぜとならば、暴騰したからといって、それだけ消費者面に暴騰していることがすぐに反映しているわけではございません。押える気持ちはございませんが、値下がりした場合には非常な打撃を受けるわけでございます。そういうのに対しまして、個下がりの場合の補給金制度といいますか、補てんの制度、そういうものにつきまして野菜の種類を指定しておりますけれども、こういう品目等をできるだけ拡大していく、あるいは指定生産地等につきましても地域の拡大をしていく、こういう考え方、進め方、あるいは融資の面におきましても、この間融資をいたしましたが、この面におきましても拡大をしていく、こういうふうなことから、できるだけ変動が少ないように、安定していくような方向に持っていきたい、こう考えています。全部につきましてこれを保証するというようなことは、これは生鮮食料品につきましては非常に困難でありますし、またでき得ない面が自由経済におきましては相当多いと思います。でありますけれども、できるだけいま申し上げましたような方向に進めていきたいということを検討し、また検討の段階で手をつけるべきものはどんどん手をつけて進めていく、こういうふうに考えております。
○足鹿委員 具体的に申しますと、野菜作農家経営安定資金に関する特別措置というものは臨時的なものであって、三十八年の秋冬作野菜、つまり、十二月一日から翌年四月三十日までの期間に主として、出荷される野菜をいうということであります。ところが、ことしのような暖冬異変になってきますと、一年ばったりで臨時的に試験的にやったのではいかぬ。いつでもこれが適用されるような恒久化が必要ではないか、こういうことを私は申し上げた。たとえばタマネギの価格安定制度にしましても、これは現在実施されておるけれども、発動されておりません。そういう矛盾も持っておる。時間がありませんから、多くは申し上げませんが、先ほど私が指摘しましたように、この融資制度の問題について見ましても、あるいはカンラン、タマネギ以外の主要野菜に対するところのてこ入れの制度にしましても、相当本格的にお取り組みにならなければならない段階がきておるのではないか。都市においてはスーパーが進出してきておる。見方によるならば、この法案は、小売り業者が政府の協力を得てスーパーにどう対抗するか、そうして消費者に安い品物をどう供給するかという意味を持っておるとも考えられる。それくらい消費者に対して農林省が熱意を持たれることは、大所高所に立ったなかなかの善政の一端であるとも言えるかもしれませんけれども、肝心な農民が泣いておる。先ほども芳賀委員からも畜産物問題について指摘をされておる。私は野菜の事例を指摘を申し上げる。その対策を欠かしておいて——こういう方向に走ることが悪いとは言いませんよ。言いませんが、何かわれわれとしては納得のいかないものがある。ですから、たとえて申しますと、この臨時措置を恒久化していく、あるいはその他のタマネギ、カンラン等指定しておるもの以外にも主要なものに拡充をしていく、指定産地も広げていくというふうな一連の対策が考えられなければならぬ。現在野菜の指定産地の生産安定事業の基準価格を見ましても、五年平均価格の中央市場の半額以下になったときには全額ということになっておりますが、これは物価は相当動いてきておりますし、経済条件は変わっておりますし、この補償についてももっと考えてみなければならぬ面があるのではないかというふうにも思います。そういった点を農林大臣は高い角度から事務当局に御指示になって、蔬菜が暴落あるいは暴騰を常なくしておるようなこの現状を安定して、生産農民の期待にこたえるという面が、私はこの法案審議にあたって不可決の問題だと思う。でありますから、くどいようでありますが、いま私があげた現実にある事実に基づいてどう拡充強化されていくかといったことについて、御構想があればお聞きしたい。こまかいことで、あなたが具体的な内容で検討が足りなければ、あなたにかわって園芸局長からでも、もう少し突っ込んだ御答弁を願いたいと思います。
○赤城国務大臣 消費者対策を講じており、こういう法律案を出していますが、消費者にできるだけ安いものを供給すること即生産者に被害を与えるというふうには私は考えてはおりません。しかし、お話しのように、消費者対策より以上に生産者の対策を講じていくべきじゃないかという御注意につきましては、一々ごもっともでございます。そこで、具体的な問題につきましては、野菜の品目等の指定してありますものを広げていくとか、あるいは地域を広げる、あるいは融資を臨時的なものでなく、恒常的なものにするとかいうような線を進めていきたいと考えますけれども、御質問のこまかい点等につきまして、なお園芸局長のほうでいろいろ検討している面もございますので、園芸局長からさらに答弁させます。
○酒折政府委員 野菜は、御存じのとおり、大体生産農家が五百万戸ございまして、生産面積が約六十万町歩、全体としては非常に大きな生産規模であります。しかし、個々に見ますと、零細な経営が多いということでございまして、この点がわれわれ価格問題、生産改善問題を考える場合に、非常に大きなネックになっております。何とかこの問題を解決していきたいということで、先ほど来大臣からも御答弁いたしましたように、現在の段階では、指定産地制度なり、野菜値下がり補てん制度の品目の拡充とか、あるいは地域拡大ということでもって対処していきたい、こう考えております。なおまた、それで足らない部分につきまして、今般実施しましたような融資制度、これをもう少ししっかりしたものにしていく、そういうことも検討しておる次第であります。 それから野菜に対する対策は、資金の面におきまして相当額かかってもいいと思うが、問題は、その金が最も有効に、かつ生産者にとって非常に効果的に使われるということについての技術的な方法なりやり方について、問題が非常に多々あるわけでございます。そういった点を現在鋭意実は検討して、何とかひとつまとまった制度なり方策を確立したいということでやっておるわけであります。
○足鹿委員 どうも私の質問に対して十分な御答弁でないと思いますが、これは大きな問題でありますし、この法案とは車の両輪のような意味に立って、真摯な検討を続けてもらいたいと思います。近き将来にその全貌が明らかにされればけっこうだと思います。 まだあとに質問者があるようですから、はしょりまして、最後に一点だけ伺っておきますが、この流通体系を分類しますと、第一には、生産出荷の面で、生産物を契約により系列化的なルートによって契約価格、契約数量に基づいて売り渡す方法があります。つまり、共同生産なり共同出荷というかっこうになる。第二の中間流通面におきましては、生産者から消費者に直結する方法、生産者から小売り者へ販売される方法と二つありますが、本法案は、やや生産者から小売り者を経て消費者へ直結する方法を考えておられるようであります。これは流通体系の面からいって、一つの新しい形を政府みずからがやろうとしておるのではないか。つまり、小売り業者が消費面で大型化していく、これを国なり地方公共団体の協力なり業者の協力を求めて、生産者から小売り者へ販売していく、そして消費者に直結していく、こういう一つの方向を出しておられると思うのでありますが、こういう方向を六大都市に限定をしたのみでは効果はあがらないと思う。一つの方式を出してこれを堅持していこうとするならば、政策としては価値のある政策として発展する可能性もあると思う。中途はんぱで腰を折るならば、これは意味をなさないことになるであろう。したがって、この法案を施行されるにあたっては、いま私が指摘したような立場に立って、これを地方の中小都市にも及ぼしていく、こういう構想に立ったものと解してよろしいのでありますかどうか。これを明らかにしておいていただきたい。 それからいま一つは、これと対照的な関係になってくると思うのですが、時間がありませんから省略をいたしますが、地方の卸売市場の整備問題であります。生鮮食料品の約六判を占めるといわれております地方市場対策を、政府は軽視しておられるのではないかと私は思うのであります。中央卸売り市場にもかゆいところに手が届いておりません。がしかし、審議会の答申等もあって、遅々たりといえども進みつつあると思います。ところが、地方市場については、湯山委員からも触れられたと思いますが、取り扱い量が膨大であるにもかかわらず、施設、経営が一面において問題があります。青空市場がいまだに地方に行けば駅頭等において行なわれておる。県条例でこれをやろうとしても、不徹底でやれない。また類似市場行為というものを取り締まるについては、憲法上の問題もある。いろいろな点があって、まことに不徹底の現状であります。こういう本来の中央、地方の卸売り市場の整備充実ということについて、一体農林省はどう取り組もうとしておるのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。経営形態も、会社組織あるいは個人経営が半々程度です。資本金も三千万円から最低は五千万円、大多数が百万円から二百万円という零細なものであります。このような地方市場に現在何らの手が打たれていないということは、私前申しましたように、おかしいと思う。生産者対策とこのたびの対策が車の両輪とするならば、この地方卸売り市場は、これを取り持つ一つの心棒とも言えると思う。そういう面がもっと並行されなければならぬと思います。昨年七月、生鮮食料品対策要綱を出して、中央卸売り市場の措置に準ずるような通達を出したと政府は言うでありましょうが、一体その効果はあがっておりません。市場法改正の際の衆参両院の施設整備推進の決議をもっと本気で実行してもらわなければ困るのであります。これらの問題がやはり相関連をして、初めて生産、流通、消費と問題が進展をしていくだろうと思うのであります。どうも考えておられることそれ自体について、私どもは、ちゃちではあるけれども、本案についての意義は若干それなりに評価しておりますが、関連する対策が欠けておる。このことを十分お認めになって、今後対処してもらいたいと思いますが、以上二点を御答弁をいただきたい。私予定よりも三十分ばかり質問をはしょったわけでありますから、そのおつもりで、急所に触れた御答弁をお願いをしておきたいと思います。
○赤城国務大臣 御質問の第一点、これはとりあえず東京都だけに設けるわけでございますが、第一条にあるように、大都市及び人口集中の著しいその周辺の地域に逐次設けていくということでございます。それでありまするから、とりあえずは東京に設けますけれども、これは全国的にこういう制度は広げていく。むしろ、地方都市のほうが効果があがるかというような考え方もございます。しかし、大都市が緊急でございますから、東京都に設けることでございますが、地方都市にもこれを拡大していく、こういう方針でございます。これは法律の第一条にも設けてある趣旨でございます。 第二に、地方の卸売り市場の問題でございます。卸売り市場等は、従来は自由経済における需給の調整あるいは価格の決定等の役割りを持っており、いまでもその役割りは持っていますが、次第に公共性を帯びてきておるのは、御承知のとおりでございます。でございますので、従来地方の市場等につきましては、都道府県の指導にまかせておりましたが、生鮮食料品の流通過程に占めるウエートも高くなってきておりますし、公共性も次第に帯びてきておるものでございますから、国としてもこれを重視していかなければならぬと思っています。そういう関係から、国の監督とか指導とかいうことにだんだん進めていきたいと思いますが、それにつきましては、ある程度の出資その他もしなければなりません。そういう関係で、検討はいたしておりますが、地方の市場等につきましても、国が相当発電力を持って指導していくという方向に進めていきたい、そういう考え方のもとに検討いたしております。
○高見委員長 赤路友藏君。
○赤路委員 簡単に二、三質問さしていただきますが、答弁はできるだけ簡潔にお願いいたします。 この法律によってできる市場管理会の経営の主体、これはどういうふうにお考えになっているのか。
○松岡(亮)政府委員 市場の管理の主体は管理会でございますが、その出資者は国と地方公共団体でございます。
○赤路委員 人選については大体考えておりますか。もう率直に聞いていきますから……。
○松岡(亮)政府委員 これは私から申し上げるのはいかがかと思いますが、まだ具体的な人選はきまっておりません。それから光のことはむしろ大臣から……。
○赤城国務大臣 だれをするかというようなことはまだ考えておりませんが、運営審議会も設けてあります。運営審議会のほうを申し上げますと、自治体の長が推薦する委員二人、そのほか学識経験者の委員としては公益の立場の人二人、小売り業界等の流通関係の立場の人三人、消費者の利益を代表する人三人、こういうふうなことを一応考えておりますけれども、十分自治体とも相談し、また生産者関係等の人人も考えなければならぬと思っています。この特殊法人の役員等につきましては、別にどういう人をいま持っていこうかというようなことは考えておりません。慎重に検討いたしたいと思います。
○赤路委員 非常にむき出しで率直なことをお聞きするようでありますが、この法律案提出にあたって、農林省の中に反対意見があったと聞きますが、そういうことはございませんか。
○松岡(亮)政府委員 農林省の中で別に反対の意見はございません。むしろ当面の責任を持つ私のほうが慎重な態度であったのでございます。
○赤路委員 ざっとなにを見てみますと、政府の出資が一億五千万円、それから東京都の出資が一億五千万円、それからそれぞれ四億の融資、合計いたしますと、十一億ですね。その他は地方債ということになる。そして合計二十億。そうすると、この中に入居せしめる小売り商、中小業者、これには使用料を取って貸し付けをする、こういう程度ですね。これらには出資をさすということはないわけですね。その点を……。
○松岡(亮)政府委員 入居業者の出資は求めません。出資者はあくまでも国と公共団体だけでございます。
○赤路委員 そうしますと、この管理会が絶対的な権限を持ちますね。 そこで、もう一つ、お尋ねいたしますが、入居者が仕入れをする場合は指導するようになっておるのですが、これによりますと、入居業者が大量仕入れ、セルフサービス等近代的な経営方式を採用する、こういうことになっておるのですが、この入居資格者は相当なものでないといけない。大量仕入れですね。相当なものでなければいけないということですね。 それからもう一点、生鮮食料品ということが表に大きく出ておるわけです。生鮮食料品の大量仕入れというのは、一体どの程度のものなのか。たとえば魚であり、野菜である。一カ所一億円で、二百坪のそこで、ずっと分散してそれぞれ貸し付けをやるわけですから、それで、大量仕入れとは一体どの程度のものを見ておるのか。
○松岡(亮)政府委員 入居業者に対してスペースを貸し付けるわけですから、御指摘のとおりでございます。どういうことで大量仕入れになるかと申しますと、ここの大量の量ということは、一般の小売り商に比べて大幅にふえるという意味でございますが、それはセルフサービスになりますと、尾行販売というようなことがない。つまり職員が一々お客さんについて販売の手間をかけない。それから現金で支払われます。そういうことから、商品の回転が非常にふえるわけであります。実際にいま現にありますスーパーマーケットの売り上げは、一般の小売り商の数倍になっております。従業員一人当たりにいたしましても、坪当たりにいたしましても、そういう経営に持ってまいりたい、こういうことでございます。
○赤路委員 ここの管理会は特殊法人のようですが、ここのところにうたっておる、入居業者の仕入れに関し必要な事項について指導するということですね。そこのところなんですが、仕入れについて必要な事項を指導するというのですが、その「必要な事項」とはどういうことですか。
○松岡(亮)政府委員 「必要な事項」と申しますのは、たとえば二十の小売り市場がございますが、この中で共通の品物が相当ございます。そういうものはできるだけまとめて共同組織で買い入れるというような指導も一つあります。それからプリパッケージという、最近の商品の包装がございます。それなどは非常に手間を省き、しかも清潔な品物を売れるということから、だんだん普及し始めているわけでありますけれども、プリパッケージしたもので仕入れをやるというような指導、いろいろな改善方法等がございます。
○赤路委員 あたりまえの答弁ですね。 それじゃ、むき出してひとつ御質問申し上げますが、その仕入れの場合、管理会のほうから、この商社なら商社、この会社ならこの会社、ここから買うべし、そういうような指示をすることがありますか、指示いたしませんか。するかせぬかだけでいい。
○松岡(亮)政府委員 原則的にはいたしません。いたしませんが、問題になっておりましたように、たとえば直接生産者団体から入れてそれを普及させるほうがいい、あるいは冷凍魚のようなものは、国でも魚価安定のために大いに冷凍魚の販売を拡充したいというような場合に、そういうものであっせんをするという場合がございます。
○赤路委員 正当な意味における自由競争、これはいいのですね。ところが、管理会が特定な業者に対して、ここから買うべしというようような線をかりにも出すと、これはおかしくなるのです。私は何も質問する意味じゃなかったのですよ。しかし、これはもうはっきり聞いておかざるを得ないのですが、私たちが一番心配するのは、管理会ができてすべて運営に当たるわけなんですね。そうすると、入ってくる人は全部自分で出資したわけじゃないのだから、一つの権利規定ですか、入居資格を審査してもらって入居してきた人には、管理会が絶対権限を持つのですよ。その権限を持つ管理会が仕入れの指導をするということをはっきりうたっておるわけですね。仕入れの指導の場合、ある特定の業者のみ指定するということになると、これは変なことになるですね。いま問題になって出てきているのは、これは特定な業者の販売網を独占化する一つの手段なんだ、こういうことが出ているわけなんです。そういうような結果になっては困るから、私はあえてここで質問するわけなんです。もっと率直に言いますよ。伊藤忠という名前が出ているのですよ。これは伊藤忠の販売網の独占化だ。こう言っている。私はそんなことは信じません。信じませんが、それはありそうなことなんですよ。出資をしてないから発言権はありません。しかも、その運営をするための仕入であれ、販売であれ、管理会が指導するものですから、管理会の権限というのは大きいわけだ。その大きな権限を持った管理会がやれば買わざるを得ないでしょう。そうなってくると、これは特定な業者の販売網の独占化といいますか、そういったことにならぬとは言えない。私はそんなことは信じません。単なる風聞だと思う。風聞だと思うが、これははっきりしておかなければいけない。そういう実態は絶対ないということ、それでないと誤解を生む。御承知と思いますが、すでにこれに対して反対運動が起こっておるのです。われわれはその反対運動を筋が違うと考えておる。自分たちの立場だけ考えちゃいかぬと思っている。これははっきり言えば、双手をあげて賛成するほどのものでない。しかしながら、反対する要素はないですよ。流通機構がこれによって一歩何らかの形で前進し、改善されるとするなれば、けっこうじゃないか。ただ、そういうような疑惑を一般に起こすようなことははっきりしておかないと、ありがちなことですからね。 私は、もう一つだけ聞いておきます。この二十カ所の場所は大体選定できておりますか。
○松岡(亮)政府委員 管理会が入居業者に対して指導あっせんをいたします場合に、特定の商社あるいは特定の入荷機関、仲買いあるいは特定のメーカー、そういうものから買えというようなことは、絶体にさせないつもりでございます。伊藤忠というような名前をいま伺いましたが、私ども全く意外で、何もそういう話はございません。 それから第二の点でございますが、予定地でございますが、これは一応候補地としていろいろな地区を選んでございます。しかし、どこの何番地の何坪を買うというようなところまではきめておりません。大体、概括的に申し上げますと、環状七号線の沿線地区、あるいは新しく住宅団地が大きくできましたので、そういうようなところがよろしいのではないか、こう考えております。
○赤路委員 その二十カ所の地域ですね。これにすでにいろいろ陳情がきて、それの選定の過程にありますか。
○松岡(亮)政府委員 まだ誘致したいというような連動はございません。
○赤路委員 それではこれで終わります。そこで、いままでは大臣から一言も答弁を承っておりません。いま申し上げたようなことで、他意はありません。問題は、この運営がへたをすると、いま言ったような結果におちいる。十分この点について注意をしていただきたい。特にこれに対しては、すでにうわさといいますか、そういうようなのが出ている.出ていればこそ、問題が起こるわけですから、もしここにいま言ったような——伊藤忠と言いましたが、これはその他のあれであっても、そういった事態が出るということは、これは責任ですね。この点だけ明確に申し上げて、大臣、ひとつ何か一言でも決意があったら言っていただきたい。
○赤城国務大臣 局長が答弁したとおりでございますが、赤路さんの質問も他意がないということでございますので、私のほうも他意があってこういう法案を出していることでございません。慎重に運営をいたしたいと思います。
○高見委員長 林百郎君。
○林委員 いま赤路委員が質問されたことに関連しまして、この法案の目的の中に、流通の合理化と適正な小売り価格の形成ということがあるのです。これは大臣に御答弁願いたいのですが、適正な小売り価格の形成ということは、普通の小売り商よりは小売り価格を安くするという意味なんでしょうか。それともう一つは、流通の合理化ということはどういうことなのか。これは実は自民党の谷垣委員の質問で、松岡局長が、仲買い人の統合と卸の単一化を進めていくというような一これは新聞ですから、正確でなかったらあとで……。こういうこともあるのですが、流通の合理化と適正な小売り価格ということはどういうことか、お聞かせを願いたいと思います。
○赤城国務大臣 流通の合理化は、別なことばで言えば、近代化ということだと思いますが、なるべく人手を省いて、しかもサービスがよくできるような形、こういうことだと思います。それから適正な小売り価格でございますが、先ほどからしばしばここで話題となっておりますように、生産者のほうから見ると、もっと安くてもよかろうと思うものが、消費者の方面にいくと、全体から見れば高く売られている現状でございます。ですから、小売り価格が生産者等から見ましても適当なものじゃないというような感じが持たれるようなことです。ですから、一般的に言えば、一般よりも低目に安定する、こういうねらいを持っておる、こういうふうに御解釈願いたいと思います。
○林委員 そうすると、小売りをする場合に、消費者に対して一般の小売り業者よりは安い値段で売るという意味にとってよいのですか。生産者の農民との関係は切り離してもけっこうです。消費者との関係は、他の小売り業者より安くなるということですか。
○赤城国務大臣 合理化した結果、安目に売られるような形に持っていきたい、こういう意図を持っております。
○林委員 そうしますと、このことが、さっき申しましたように、他の小売り業者に対する重圧、そういうことになりはしないかという点はどうでしょうか。
○赤城国務大臣 他の小売りのほうでも、そういうふうにならっていく、こういう形に持っていきたいと思っております。正当な、安目にできたということは、別に圧迫にはならぬと思います。もしも高く——合理的に売っていればどうかと思いますが、そうでなければ、やはりそれにならったような形になるだろうと思います。人件費やその他が節約されれば、その分だけは安目に売れる、こういう形になると思います。
○林委員 そうしますと、もう一つ聞いておきます。流通の合理化という中に、御承知のとおり、東京都の中央市場でも、これは売買参加人がありまして、消費者が直接セリに参加できているわけです。それから小売り業者も、御承知のとおり、生産者と結びついていけないということは、市場法には別にないわけですね。そうすると、特に今度この小売り市場を設けるということは、流通の合理化という面では何を合理化するのですか。いま中央卸売市場という制度があるが、それを民主化し合理化するという形を省いて、こういうものを新たに設ける理由はどこにあるでしょうか。何か特殊な機能を発揮するわけでしょうか、流通の合理化という面から。
○松岡(亮)政府委員 具体的な面でございますので、私から申し上げます。先ほども申し上げましたように、荷口をできるだけ大きくする。大きくすることによって、まず運賃も節約できる。それから既存の取引業者である仲買人から買う場合に、仲買い人のマージンを少なくしてもらうことができる。また、神田青果市場では、いまお話がありましたように、小売り業者が直接荷受け機関のセリに参加いたします。そういう形をとります場合においても、大口の買い手としてやはり安く買うことができるわけであります。築地の魚の場合は、仲買い人がセリに参加し、小売りは参加いたしておりませんが、仲買いを通ずる場合にも大口だけに安く仕入れられる、こういうこと、そのほかの合理化もございます。
○林委員 そうしますと、これは二十カ所設けるということですね、大体の腹案は。二十カ所のうちに小売り人を何人お入れになるつもりですか。
○松岡(亮)政府委員 大体一カ所十人くらい。そのうちに加工食品もございますから、半分から七割くらいは生鮮食料ということになります。そうしますと、二十カ所で二百人から三百人くらい、こういうふうな見通しであります。
○林委員 そうすると、全部で二百か三百ですね。それだけのもので東京都にこのたくさんの小売り業者があるのに、この市場が、価格の点から配給の点から、いま大臣の言うような合理的な指導性を発揮できるということは、われわれとうてい考えられないわけです。もう一つのことは、十人入れると申しますけれども、しかし、十人でも何人でも、これは管理会がコントロールする権限があるわけですけれども、ここで十人が集まって営業をする形態はどういう形態でやるでしょうか。営利法人だとか、あるいは組合組織だとか、それはどういう組織になるのですか。
○松岡(亮)政府委員 確かに二十市場だけでは大きな影響力を持たないということは、御指摘のとおりでございますが、一面においてはモデルとして普及をさせたい。それから現在小売り商が、大企業の経営しておりますスーパーマーケットのほうにかなり影響を受けている。それらに対して小売り商自身がそういう経営に成長していくということも、一つのねらいでございます。価格の面におきましては、確かに御指摘のように、二十市場の取り扱いは東京都の入荷量の数%にすぎない。大きく影響力を持つとは思いませんが、数%でも、この市場の周辺に対しましては通常の小売り商よりは大きな商勢圏を持つ、こういうことになりますので、だんだん拡充いたしまして、その機能を次第に大きく発揮できるようにいたしたいと思います。
○林委員 もう時間ですから、大臣に一つだけお聞きいたします。私は、時間がないから、結論を急いで申し上げますと、また自民党の諸君のほうから、私の意図を十分御理解なくて、いろいろ批判があると思います。私は結論は急ぎませんけれども、結局この市場がたとえば営利法人になる。お互いに出資をして、たとえば権利金だとか敷金だとか賃借料ですね、そういう権利を譲渡することについて規制するものがない。管理会がどのような行政的なコントロールをするか知りませんが、法律的には規制がないわけです。そうすると、その権利が統合するということが考えられる。そこだけで営業できないわけですから、場合によってはビルディングなんかを上に建てることがあるわけです。これは極端な場合ですが、大ビルディングを建てて、八千万円なり一億なりの敷金が一挙に出せるものは、そこの全部の占有権を取得するということも考えられる。これは必ずしも小売り商がそのスーパーマーケットに対抗するための施設でもないし、そうかといって、値段がそう安くなるものでもないということなると、消費者のためにもならない。それよりは、いまある機構の中央卸売り市場だとか、あるいは仲買い人だとか、いろいろな制度について、合理的な方法を考えることがまず先決的な問題じゃなかろうかというふうにわれわれは考えるわけです。要するに、この総合小売り市場が、結局大きな資本に統合、集中される可能性があるということが一つ。 もう一つは、第二十二条の中にある、先ほど赤路委員も質問していたのですけれども、「生鮮食料品等の購入のあっせんを行ない、」とありますね。これはやはり谷垣委員の質問で、ここへ直接出荷するものは何だろうかというと、局長は、食肉、ブロイラー、卵、冷凍魚というようなことを言っているわけです。おそらく食肉、ブロイラーあるいはバナナなんかも入ると思います。そうすると、さっき赤路委員が言いました、アメリカの余剰農産物や加工食料品を貿易している伊藤忠、三菱商事、三井物産というような大口の貿易業者からの、市場を通じない直接の出荷がここへなされるということになりますと、これは、農林省がむしろ日本の生産農民の利益にならないようなことをやる危険があるのじゃないか。要するに、半ば公営的な色彩を持ったスーパーマーケットであって、ここではレジスターや冷暖房装置もやる、おそらく坪当たり十二万くらいの近代的なものをつくるでしょう。そして非常に感じのいいところにしておいて、そこにアメリカの横文字の入ったような加工品がずらっと並んでおるということを考えますと、これは一体だれのためにこういうことが考えられるのだろうということを思うわけです。ブロイラーとかアメリカの輸入食料加工品とかバナナとか、そういう直接中央市場を通じない輸入品が、ここに出荷されるという可能性は考えられますか。そういうことはあり得ないですか。
○赤城国務大臣 第一番目のお尋ね、こういう総合小売り市場などをつくるよりも、中央卸売り市場等の整備をしたほうがいいではないかということでありますが、もちろん、中央卸売り市場その他市場関係の整備を着々進めておるわけであります。場所的にも、また機構面におきましても、相当進めております。ただ、この一環としての総合小売り市場でありますので、これもお認め願いたいと思います。 それから、こういう総合小売り市場ができることが大資本の統合になりはしないかというお尋ねでありますが、これは逆であります。大資本に対抗して、むしろ共同的に小さいものがそこで営業をやっていけるという場所を与えてやるということでありますから、大資本の統合とは逆に、小さい業者の共同行為をし得る形に持っていくようにすべきものだ、こう考えております。 第三には、先ほどお話がありまして、私はそういううわさを聞いたことはありませんが、何かアメリカの余剰農産物等——余剰農産物というのはどうかと思いますが、ブロイラーの販売店になって、チェンストアの末端みたいになるのではないかということでありますが、そういうことは絶対あり得ないと思います。市場を通じ、あるいは生産者との関係を通じていくべきものでございますから、むしろ、そういうものよりも、国内のものを迅速に、より安く消費者の手に渡るような一つのモデルをつくっていくということでありますので、たいへん大きな構想にお考えになると、アメリカのものをみなそこで販売する下請け機関みたいに考えられますが、そういう大きなものでもございませんし、一つの杞憂と言っては失礼かもしれませんが、そういうことはあり得ない。またそうさせたくない。そういうつもりはありません。以上であります。
○林委員 大臣はけっこうです。 局長にお尋ねいたしますが。大臣はそういう資本の集中はあり得ないと言うのですが、先ほどの質問にもありましたように、委託を受けて小売り業にかかる業務の一部を行なうとか、あるいは食料品の購入のあっせんを行なうというようなことは、これは、力の弱い業者は自然にそこの実質的な営業から消極的になり、場合によっては脱落するというのですか、そういうことになり、あるいは必要な指導の中で、不健全な営業に営業指定権をとるというようなことも考えられます。それからもう一つは、法律的に自分の権限の移譲を禁止する条項がないので、それは大臣の考えとしては、そこへ大きな資本が集中するようなことはないと思いますと言うけれども、しかし、そういう道が開かれておるのではないですか。そのことが一つと、それから前の谷垣委員の質問にも出ましたが、これはあなたがこのとおり答弁したかどうかわかりませんが、これと関連して、仲買い人の統合と卸売りの単一化を進めたいということですが、こういうことをおっしゃったかどうか。言ったとすれば、本法案の市場と関連して、こういうことがどういうように促進されるのか。その二つをお尋ねします。
○松岡(亮)政府委員 管理会があっせんを行ないます場合に、特定の大メーカーのものを扱うとか、そういうようなあっせんはいたさないつもりでございます。むしろ経営合理化に役立つような指逆手をやるわけでございます。特定の大メーカーとか大企業の商品を売るためにあっせんをやるとか、そういうようなことは絶対にいたしません。
○林委員 そういう意味ではなくて、入居者の選定にあたって、それは小売り業者を大スーパーマーケットの資本に対抗させるというけれども、しかし、敷金も、たとえば一カ所にしても、合して計八千万になるわけでしょう。あるいは借り入れ金とかもありますそういう資本の負担もありますし、また行政的に指導する場合も、やはり健全なものを入れたいという気持ちになりますと、東京都じゅうの小売り業者のうちから、二百人か三百人選ぶのですから、それをどういう基準で選ばれるのか。何としても、健全な資本力のあるものが選ばれるだろう。場合によっては、その営業の過程で、ここにあるように、営業を委託するというものも出てくることも考えられる。あるいはいろいろな取引についてあっせん指導をするということも考えてみますと、それが漸次集中されてきまして、本法の市場の中の入居者も、また資本の集中が行なわれてくる可能性が出てくるじゃないか。単に零細な小売り業者の救済としてこの市場が設けられるのじゃないというように私は思うのですが……。
○松岡(亮)政府委員 選定の基準は、一応は信用力とか経験とか、そういうことでございますけれども、実際に入居させる場合には、その地区の関係業者なり消費者の意見も十分聞いてやるようにいたしたいと考えております。そこで、公平な措置をとる。それから使用料も、実際の事例を見まして、小売り業者が負担できる程度の水準で使用料を徴収する予定でございます。これは実際に調査もいたしております。普通のデパート式の、たとえば駅のビルなんかで貸すよりも、ずっと安いもので貸すようにしたいと思います。
○林委員 もう一問だけ。さっき赤路委員も質問されておったし、また社会党の各委員からもしきりに御意見を聞いておるわけですが、何としても何十万いるか知らない小売り業者のうちから、この市場へ二百人から三百人の人を選定するという中で、適正公平な行政権の行使をわれわれは疑わざるを得ないわけなんです。しかも、本法の市場だけで購入した土地の償却が十分考えられない場合は、それと付属した施設のものを考えるでしょう、そうすると、高層の鉄筋コンクリートの、ビルディングを建てることも考えられるわけです。そういう中へこの零細な小売り業者だけが住むとはわれわれ考えられないわけですね。そうすると、いつの間にか、やはり資本力のあるものが、しかも社会資本は国や地方自治体が心配してくれて、非常に有利な条件の中で営業するという事態が起きないかどうか。現に中央卸売り市場では、卸売り人というのは、御承知のとおり、水産業で約四社、いろいろ入れまして約九社ともいわれておりますが、仲買い人でも千六、七百人と制限されておりますから、こういう事態が起きないという保障がないんじゃないかということが一つ。 もう一つ、局長は答弁を忘れておりますけれども、仲買い人——売買参加人ですか、これと卸業者を整理統合していくというようなことをあなたは言われておるようですが、本法の市場の設置はそれとどういう関係があるか。その二つを答弁してもらいたい。時間がありませんから、もっと私は十分納得するように聞きたいのですが、いつも私の質問は二十分とか制限されて、意を尽くさないので残念ですが、その二つをあなたに聞いておきたい。
○松岡(亮)政府委員 あとのほうから申し上げます。荷受け機関の整理というお話ですが、これは農林省としては従来から単数がベターであるという考えを持っておりますが、実際にはなかなか実現しがたいものであるというお話を申し上げたわけであります。 仲買い人の統合については、昨年の末以来、あまりに小型の仲買い人が相当おるものですから、できるだけ大型になるように統合するよう勧奨いたしております。必要な金融のあっせんもいたそう、そういうことで勧奨いたしておるのでありますが、それをこの前申し上げたのは、仲買い人を飛ばして市場の荷受け業者が自然に参加するのではないかという心配がございますので、仲買い人は仲買人で合理化し、近代化し、統合し、大型化してもらう、そうやっていけば、この市場の設置は、そういう意味で仲買い人の合理化に役立つ、こういう趣旨を申し上げたわけであります。
○林委員 もう一度よく聞いておきますが、この市場の入居者の選定基準というのはどういう基準にするのですか。何か周辺の関係者からの意見を聴取するというのですが、それはもっと具体的に言うとどうなるのですか。
○松岡(亮)政府委員 公益的な機関での営業をやってもらうわけでございますから、なるべく信用、経験年数等を一つの基準としてつくりたいと思います。これをつくる場合には、運営審議会で小売り業界の代表の人、消費者の代表の人の意見を聞いて定めたい。さらにそれを適用して、具体的な地区で、具体的な選定をやる場合には、その地区のいろいろな関係の人々の意見も聞いていきたい、こう思います。
○林委員 ですから、そういう場合に、販売実績だとか資産の状態だとか、経営の内容とか、そういうことが基準の内容になるわけです。そうすると、そういう広範な業者から推薦を受け、公共団体から推薦を受けるというものに、スーパーマーケットに対抗するために救済されなければならないような小売り業者が、はたして推薦されるかどうかということですよ。口ではそう言っても、現実にはそういうものが推薦されてこないではないでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 それは具体的に基準をどの高さにきめるかという問題になるかと思います。つまり、資産が非常に悪い状態の人に公益的な設備を貸すということはなかなかできがたい。その辺をどこに定めるかということで、これは妥当な基準を各方面の意見を聞いてきめたい、こう考えます。
○高見委員長 これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○高見委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もないようでありますので、直ちに採決に入ります。 食料品総合小売市場管理会法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○高見委員長 この際、足鹿覺君外二名より本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨弁明を許します。足鹿畳君。
○足鹿委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党共同提案に基づき、食料品総合小売市場管理会法案に対し、附帯決議を付するの動議を提出いたします。 案文を朗読いたします。 食料品総合小売市場管理会法案に対する附帯決議 近年における野菜、果実、魚類等生鮮食料品の需給と価格の動向にかんがみ、その安定を図ることは、目下の緊急の要事である。 よって政府は、とくに生鮮食料品の生産の安定的拡大を図るため、野菜指定産地制度、野菜作農家経営安定資金融通制度等の諸施策を拡充強化するとともに、流通機構の整備充実及び流通の合理化を促進するため、さらに一層の中央卸売市場の施設の整備と取引の改善ならびに地方卸売市場の育成強化、体制整備を推進して、公共性の増大に努めもって生鮮食料品の再生産の確保及び価格の安定を期するよう努めるべきである。 以上の観点にもとづき、食料品総合小売市場管理会法の運営にあたっては、積極的に次の措置を講ずべきである。 一、生鮮食料品に関する生産者価格安定制度の拡充整備を図るとともに、これによる価格水準を管理会の行なう価格指導についてその基準設定の参酌事項となるよう努めること。 二、食料品総合小売市場の運営にあたっては、中央卸売市場機能との調整を考慮しつつ、流通秩序の確立と小売価格の安定を図ること。 三、食料品総合小売市場に入居しない一般の中小小売商業者に対しても、その近代化を促進するよう金融その他の助成指導措置の拡充強化を期すること。 四、食料品総合小売市場における取扱品目のうち、中央卸売市場及び地方卸売市場における既存の取引の適正、円滑な運営を図り、食肉、食鳥、鶏卵、冷凍食品等特定の生鮮食料品等については、生産者団体の直接又はこれに準ずる方法による販売により、生産者団体の共販機能を活用し中間流通経費の節減を図るべきである。 五、食料品総合小売市場は、東京都の区域にさらに増設するほか、全国的にその設置の普及を図ること。 六、機構の拡大に伴ない管理会の監事の増員の措置を講ずること。 右決議する。 昭和三十九年五月八日 衆議院農林水産委員会 以上であります。 この趣旨説明につきましては、各委員の熱心な御質疑において尽きておると思いますので、これを省略いたします。(拍手)
○高見委員長 採決いたします。 足鹿覺君外二名提出の動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。丹羽農林政務次官。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、御趣旨を十分尊重し、遺憾のないよう運営いたしたいと思います。(拍手) —————————————
○高見委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高見委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決し、ました。 〔報告書は附録に掲載〕
○高見委員長 次会は、来たる十二日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会