農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1964/02/28
会議録
○高見委員長 これより会議を開きます。 いずれも内閣提出にかかる甘味資源特別措置法案及び沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。 この際、私から二、三の点について農林大臣にただしたいと存じます。 甘味資源特別措置法第一条には、砂糖類の自給度の向上に資することを目的とする旨がうたわれておるのでありますが、政府は、この趣旨に沿って、砂糖類及び甘味資源作物の需要及び生産の長期見通しの具体策として、甘味資源作物の生産五ヵ年計画並びに年次計画を樹立し、これを公表すべきであると思うのでありますが、この点農林大臣の所信を伺いたいと存じます。
○赤城国務大臣 お答えいたします。 砂糖類の自給度の向上につきましては、本法案制定の目的の一つでもあることにかんがみまして、適地において甘味資源作物の生産振興を進めていく考えであります。このため、政府としては、御趣旨に沿うよう、甘味資源審議会の意見を聞き、甘味資源作物の生産計画を立て、これを指針として、土地基盤の整備、生産奨励等の生産対策を強力に推進してまいる考えであります。
○高見委員長 次に、最低生産者価格につきましては、法案第二十二条に、甘味資源作物の再生産を確保することを旨とすることが規定してございます。政府はこの趣旨を生かすため、最低生産者価格を決定せられるにあたりまして、基準年の取り方についてはいかようにお考えになっておりまするか。三十八年産てん菜の最低生産者価格の基準となるパリティ価格の算定にあたりましては、単に三十七年度原料てん菜の告示価格を基準とするということでは不十分であると思われまするので、最近の過去二ヵ年の告示価格をとる等の御配慮も必要ではないかと存ぜられます。 また、三十八年産てん菜の農家手取り額につきましては、農林大臣が勧告をせられた価格でありまするので、この点も十分参酌すべきであると存じまするが、これについて農林大臣の所信をお伺いいたしたいと存じます。
○赤城国務大臣 お答えいたします。 最低生産者価格の決定にあたりましては、当該甘味資源作物の再生産の確保に支障を来たすことのないよう、生産対策と相まって十分配慮してまいる所存であります。 なお、パリティの基準年次につきましては、最近の生産事情を反映する前年を基準とする考えでありますが、三十八年産てん菜の最低生産者価格の決定にあたっては、御趣旨に沿うよう善処したいと考えます。
○高見委員長 最後にいま一点。原料てん菜の取引価格につきましては、製糖業者と農協または農協連との間におきまして、取引価格の協定が成立いたしました場合には、政府としても、その取引価格の額及び経緯を報告せしめ、適切な処置をすべきであると存じまするが、この点に関する農林大臣の所信を伺いたいと存じます。
○赤城国務大臣 政府としても、製糖業者及び農協または同連合会の両当事者間において、取引価格の取りきめがなされた場合には、その協定内容等の報告を受け、原料の円滑な取引が行なわれるよう善処する考えであります。
○高見委員長 甘味資源特別措置法案及び沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案の両案に対する質疑はこれにて終局いたしました。 —————————————
○高見委員長 この際、松浦定義君外二名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案にかかる甘味資源特別措置法案に対する修正案が提出されております。
○高見委員長 趣旨説明を求めます。松浦定義君。
○松浦(定)委員 私は、ただいま議題になりました甘味資源特別措置法案に対する自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同による修正案を提出いたしたいと思います。 修正案を朗読いたします。 甘味資源特別措置法案の一部を次のように修正する。目次中「甘味資源審議会」の下に「及び都道府県甘味資源作物生産振興審議会」を加え、「第三十四条」を「第三十五条」に、「第三十五条−第三十七条」を「第三十六条−第三十八条」に、「第三十八条−第四十一条」を「第三十九条−第四十二条」に改める。 第六章の章名中「甘味資源審議会」の下に「及び都道府県甘味資源作物生産振興審議会」を加える。 第四十一条を第四十二条とし、第四十条を第四十一条とし、第三十九条第二号中「第三十五条」を「第三十六条」に、「第三十六条第一項」を「第三十七条第一項」に改め、同条を第四十条とし、第三十八条を第三十九条とし、第三十五条から第三十七条までを一条ずつ繰り下げ、第六章中第三十四条の次に次の一条を加える。 (都道府県甘味資源作物生産振興審議会) 第三十五条 生産振興地域の区域の全部又は一部をその区域の全部又は一部とする都道府県は、都道府県知事の諮問に応じ甘味資源作物の生産の振興に関する重要事項を調査審議させるため、条例で、都道府県甘味資源作物生産振興審議会を置くことができる。 2 都道府県甘味資源作物生産振興審議会に関し必要な事項は、条例で定める。 以上であります。 この修正案に対する理由の一部といたしましては、本問題が非常に重要でありまするだけに、将来本目的を達成するためには、やはり地方におけるただいま提案いたしました審議会を設ける必要がある。そしてこの目的完遂のために、農林省その他政府当局は、全力をあげてその目的完遂に努力されるよう、各地方の意見を調整する必要があるというのが主とした目的であります。 以上で修正案の趣旨説明を終わります。
○高見委員長 これにて修正案の趣旨説明は終わりました。 —————————————
○高見委員長 修正案に対する質疑の申し出もないようでありますので、これより甘味資源特別措置法案及び同案に対する修正案、並びに沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案を一括して討論に付します。 討論の通告があります。順次これを許します。谷垣專一君。
○谷垣委員 ただいま議題にのぼっております二法案、甘味資源特別措置法案に関します点につきましては、修正部分を除く原案並びに松浦委員外二名から提案されました修正部分に関しまして、今日の状況にかんがみ、きわめて適切な案であると思いますので、自由民主党を代表いたしまして、賛成をいたします。
○高見委員長 足鹿覺君。
○足鹿委員 ただいま提案をされました両法案、並びに松浦定義君外二名提出の修正案に対しまして、日本社会党を代表して賛成をいたすものであります。 この二法案は、第四十五国会から継続審議となっておった法案でありまして、本委員会において先般審議が開始せられまするや、委員長の主催による理事懇談会等において、十分慎重なる検討を加えまして、十回に近い回数を開いたのであります。しかしてその結果が、ただいまの修正意見となり、また後ほど付せられるであろう三党の共同の附帯決議等によって、運営の万全を期することに意見の一致を見たものであります。 なおまた、必要な政省令によって、さらにまた十分本法の運用に遺憾なきを期する等の諸点についても、意見の一致を見たところでありまするので、私どもはこれらの経過にかんがみまして、ここに賛意を表する次第であります。
○高見委員長 中村時雄君。
○中村(時)委員 ただいま提案になりました松浦君外二名の修正案に対しまして、本来なれば内容的にはいろいろな問題を含んでおると思いますが、一応生産的な確保をするということを原則にして、前国会から継続審議になり、各党のこの法案に対するところの衆議院における審議の経過においても、一応皆さん賛成をしておるので、私どもも、基本的にはこの問題に賛成をいたしますが、内容的には、いままで御存じのとおり各委員からいろいろな質疑応答があったわけであります。この問題に関しましては農林大臣も十分配慮せられ、今後の運営を間違えないようにしていただきたい。その点を明確にしておいて、この問題に賛成をいたしたいと思います。
○高見委員長 林百郎君。
○林委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になっておる甘味資源特別措置法案並びに沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案の二法案、並びにこれに関する自民党、社会党、民社党三党が賛成されておる修正案に、いずれも反対の意思を表明するものであります。 その理由の第一は、本法案は甘味資源作物の生産振興のためと銘打ってありますが、それについての政府の保証が全然ないということであります。すなわち、同法二十一条、二十二条の最低生産者価格についても、それはパリティ方式によるものであって、生産農民の利益に合致しない。生産費・所得補償の最低生産者価格でない上に、このような最低生産者価格について、製糖会社がその価格をもって農民から買い上げない場合、また買い上げることについての政府の確固たる保証が見当たらないのであります。この点については、私の質疑に対する農林大臣の答弁においても認められておるところであります。このことについては、大臣の指示する勧告価格についても、同じことが言えると思います。もっとも、政府は、製糖独占会社が最低生産者価格で農民から甘味資源作物を買い入れない場合は、政府は国内産糖を買いれないという間接的な強制力を持つと言っておりますけれども、製糖独占会社としては、かりに政府から国内産糖の買い入れを受けない場合においても、甘味資源作物を生産者から最低価格を下回った価格で買いたたいて、十分な利益を上げるということも考えられるのであります。 第二には、政府の示す国内産糖の標準価格についても、政府買い入れの一つの基準であって、国内製糖業者に甘味資源作物を農民から最低生産者価格で買い入れさせるという拘束力の保証にはなっておらないのであります。この点についても、私の質疑に対し農耕大臣が認められておるところであります。 第三点は、また、製糖独占会社が最低生産者価格で農民から買い入れたごとく装う脱法行為についての取り締まりの規定もないのであります。すなわち、仮渡し金とか精算金のあと渡しというような形で、とりあえず一部の金を農民に渡し、あとは残金の支払いをサボるというようなことも考えられますけれども、これに対する取り締まりも何ら考えておらないし、また、業者製糖独占に対する行政的な断固たる処置をとられるということについての大臣の言明もありませんでした。 以上が、私は、本法案が、甘味資源作物の生産農民の生産意欲を振興するという立場からの法案としてはとうてい満足するものでなく、反対せざるを得ないのであります。 次に、審議会制度についてでありますが、これも、大臣の任命の制度をもってしては、民主的な諮問制度、民主的な生産者の側の利益を保証する制度ということは十分保障されないと思います。また、三党賛成の修正案をもっていたしましても、都道府県の審議会制度については、条例をもってこれを定めるということであって、民主的な発言権がどのように保障されておるかということは全然見当たらないのであります。 なお、四として、この際、私は、砂糖行政について一言触れたいと思いますが、貿易の自由化によって外貨の割り当て制度を廃止することにより、製糖の大独占が中小製糖会社を整理併呑する道が合法的に開かれております。製糖業界の合理化、再編成が中小砂糖製造業者の犠牲のもとに行なわれ、ますます独占と集中が強行されることは必至だと思うのであります。このことは、指定製造施設の設置承認という制度と相まって、中小製糖業者が犠牲になり、大独占と集中がますます強化されるということが予想されるのであります。 さらに、国際的な見地からしますれば、日本の製糖業者が原料糖を台湾から買い入れる場合に、キューバ糖に比してトン当たり約二十三ドル、約八千円も高いものを四十万トン以上も買い、キューバからは従来年間約四十万トンも買い入れておったものを、わずか十三万トン程度に減縮して、アメリカのキューバ封じ込め政策に協力しているところに、今日の日本の砂糖行政の根本的、決定的な解決をしなければならない問題が存在しておると思うのであります。本法案には、このことについては何ら触れておりません。すなわち、日本がアメリカの経済の従属から脱して、真に平等互恵の国際貿易に踏み切ってこそ、国際的立場に立って日本の正しい砂糖行政の方向を維持することができる、こう考えます。政府はまず砂糖行政の政治的な姿勢を大きく正す必要があると思いますけれども、このことについては、本法案には何らの保障もございません。 以上の理由から、日本共産党は、ただいま議題になっておる二法案並びにこれに対する修正案に反対するものであります。 わが党は、真に甘味資源作物を生産する生産農民の立場に立って、甘味資源作物につき、生産費・所得方式に基づく生産農民擁護の政策を政府が施行し、甘味資源生産農民の自主的な生産意欲を振興するように要求するものであります。 また、製糖独占資本の無制限の利益を民主的に統制し、今日までの不当な利益、すなわち、百億近くの政府が当然回収できる貿易の差益金を直ちに吐き出させて、もって甘味資源生産農民の生産に投入することをあわせて要求いたします。 最後に、当面二重価格制をとりまして、そして同時に砂糖消費税を全廃して砂糖の消費値段を下げ、消費者の利益を守ることもあわせて要求し、私は本二法案と修正案に反対をするものであります。
○高見委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 まず、松浦定義君外二名提出の甘味資源特別措置法案に対する修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。 次に、沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○高見委員長 この際、長谷川四郎君外二名より、ただいま修正議決いたしました甘味資源特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨弁明を許します。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党三党提案にかかる附帯決議を申し上げます。 いままでの審議の過程によりまして、経緯は十分皆さんが御了承のことと存じますので、文案だけを読み上げます。何とぞ皆さま方の御賛成をお願い申し上げます。 甘味資源特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、左記の諸点に留意して本法の施行の円滑を期すべきである。 記 一、法第一条の目的たる砂糖類の自給度向上の裏付措置として、政府は長期の需給の見通しの具体策につき、生産五ヵ年計画並びに年次計画を樹立し、甘味資源審議会の意見をきき公表すること。 二、最低生産者価格は、前年を基準年としたパリティ価格とするが、制度発足年たる昭和三十八年産てん菜の最低生産者価格の決定に当っては、昭和三十六年度、昭和三十七年度のてん菜生産振興臨時措置法による告示価格のパリティ価格を基準とし、昭和三十八年産てん菜の取引価格についての農林大臣の勧告価格をも参酌して再生産の確保に遺憾のないよう措置すること。 三、製糖業者と農業協同組合又は同連合会との間に取引価格の協定が立した場合には、農林大臣は、取引価格の額及びその経緯を報告せしめること。 四、政府は、甘しや糖生産の分みつ糖化を推進するにあたり、分みつ糖化の困難な離島、へき地等の黒糖については、黒糖の生産調整に際し、これらの地域の黒糖生産を優先的に確保するよう取扱うとともに生産基盤の整備、黒糖工場の合理化等を推進することにより、これらの地域のさとうきび作農家の保護に万全を期すること。 右決議する。 以上でございます。何とぞ皆さま方の御賛成をお願いいたします。
○高見委員長 採決いたします。長谷川君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、長谷川君の動議のとおり決しました。 この際、本附帯決議に対する政府の所信を求めます。赤城農林大臣。
○赤城国務大臣 政府といたしましては、附帯決議の趣旨を尊重していくつもりでございます。(拍手) —————————————
○高見委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高見委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕
○高見委員長 次会は、来たる三月三日午前十時理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後五時四十三分散会