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46回国会衆議院1964/02/20

農林水産委員会 第9号

発言数
120
登壇者
10
会派数
2
開催日
1964/02/20

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  昨日に引き続き質疑を続行いたします。西村関一君。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 戦時中から戦後を通じまして、植林伐採の不均衡は、膨大な造林未済地を残しまして、二十三年度には百十六万町歩に及んだのであります。このような山林の荒廃が、多くの災害を引き起こすところの原因ともなったのでございますが、政府の施策と民間の協力によりまして、三十一年度には百十六万町歩の未済地がほとんど解消したといわれておるのであります。しかしながら、現在なお新長期経済計画の進行中におきまして、造林についてどのような成果があがっておるかということをまず林野庁長官にお伺いをいたしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 戦後の造林の推進につきましては、ただいま西村先生がおっしゃいましたように、まず、戦時中あるいは戦後の乱伐、過伐跡地の再造林を急速に進めることによりまして、国の治山治水及び国土保全の全きを期したわけでございますが、昭和三十一年に一応その伐採跡地の造林は一巡を見たのでございます。その後、さらに引き続き国土の保全の充実、特に戦後非常に需要の増大を加えてまいりました木材の生産に備えまして、さらに将来の長期の木材需要の見通しに立って、目下造林の推進をいたしておるわけでございますが、現在造林の年間の植栽の面積の状況を申し上げますと、国有林で昭和三十一年度の新植面積が七万七千ヘクタール、それから一般の民有林におきますところの造林の面積は三十一万ヘクタール、それから森林開発公団によるところの水源林造成を目的とする造林が一万四千ヘクタール、民有林全体といたしまして三十二万四千、国有林と合計をいたしますと四十万一千。大体年にこの程度の造林を進めることによりまして、国が樹立をいたしております森林法に基づく全国森林計画の長期計画の一環を着々進めておるというのが現況でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 明快な御答弁を承りまして、一応了承をする次第でございますが、大臣の所信表明によりますと、きょうは大臣がお見えになっておられませんが、林業につきましては、三十九年度を初年度として林業構造改善事業に着手することとし、これだけうたわれてあるわけでございます。それから予算の大臣説明によりますと、四三ページでございますが、林業関係の予算について申し上げますと、第一が林業関係公共事業、それをさらに林道事業、治山事業、造林事業というふうに分けられまして、第二としては、公共事業以外の林業振興及び林業構造改善対策等に関する予算というふうにずっと出ておるのでございます。その他、第三は、林業試験研究及び普及事業の強化というように項目が分けられまして、予算の説明が出ております。私まだしさいに予算の各款項目について点検をいたしておりませんけれども、全体として、ただいま長官のお話しになりましたような林業の構造改善事業を進めていく国の施策に伴う予算としては、まだ十分であるとは言えないと思うのでございます。  そこで、質問の第二でございますが、造林政策の骨子としては、いまさら私が申し上げるまでもなく、資源政策上の国の要請に基づいて行なわれるのが第一、国土保全上におけるところの国家的な使命を果たしていくというのが第二、第三には、山村経済の均衡的発展に対する国の使命を果たしていく、こういう見地から、造林政策というものが打ち立てられることは申すまでもないのでございますが、このような公共的な目的を持つ造林事業、ただ営利を目的とする事業にとどまらず、公共的な目的を多分に持つところの造林事業を、森林所有者の独力にまかせておくということだけでは、この事業の長期性と低利性にかんがみまして、なかなか所期の目的を達成することは困難であろうと思うのでございます。国が大幅な助成を行なってこそ、初めてこの目的が達成されると思うのでございます。この点につきまして、本年度の予算の概要と関連をいたしまして、政府当局が今年度の林業予算のどの点に力を入れて予算を編成したのであるか、また今後どういう見通しのもとに助成を行なっていくかという、大筋の政府の方針をお伺いしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 三十九年度の林業予算の重点といたしましては、申すまでもなく、公共事業の推進でございます。公共事業の中身としての治山、造林、林道、この三つの柱を、従来に引き続き、今後も強く推進をしてまいるという考え方で予算を編成いたしまして、それぞれ三十八年度の予算に対しましてある程度の伸びを見たのでございます。  まず、治山の事業でございますが、治山の事業につきましては、昭和三十五年度に制定されました治山治水緊急措置法に基づくところの治山十カ年計画の前期五カ年計画の最終年次にあたるところのものとして、予算を編成いたしました。この分は、建設省の治水事業と十分に調整をとりながら、その効果を期待いたした次第でございます。  それから造林につきましては、先ほども申し上げたようなわけでございますが、中でも造林の助成について、人夫賃、苗木代、現在の労賃、諸資材の値上がりに対応するところの引き上げを考慮することによりまして、造林地の充実を期そうと考えた次第でございます。  なお、造林につきましては、いまもお話のございましたように、きわめて長期低利な事業であり、しかも、これを民間の恣意にまかせて放置することのできない公共事業でもございますので、でき得る限り国がこれの助成の手を差し伸べるという方向で進めておるわけでございますが、三十九年度で特に新しい面と申しますと、これの造林融資に対する改善でございます。造林融資につきましては、特に従来四分五厘資金の造林を一分引き下げて三分五厘にいたし、この分は森林の経営面積五百ヘクタール未満のものに該当いたします。公有林造林におきますところの拡大造林につきましても、同じく三分五厘資金の適用をいたしたい、こう考えておる次第でございます。特に特徴的な面を申し上げると、造林につきましては以上のような面でございます。  さらに林道でございますが、林道は、これは言うまでもなく、森林経営の、さらには山村振興の何よりも前提条件となるべき基盤でございまして、これの開発促進をはかっておりますが、三十九年度におきましては、林道の採択基準の緩和という点を改善したわけでございます。つまり、たとえて申しますると、林道の補助につきましては、基幹林道一号、二号、三号、四号、さらにそのほかに山村振興林道というような種類分けがございます。そのうち、一号ないし四号林道についての採択基準、つまり、開発さるべき対象団地の面積あるいは蓄積の基準を引き下げることによって緩和をいたすということがございます。さらにもう一つといたしましては、山村振興林道の三割補助率を五分引き上げまして、三割五分の補助率にしたという点が改善された面でございます。  以上、三十九年度におけるところの公共事業の一般的な中身を申し上げたわけでございますが、そのほかの重点の事項といたしましては、先ほども西村先生のお話にありました林業の構造改善に関する予算でございます。林業の構造改善につきましては、今後この国会に提案をいたしまして、御審議をお願い申し上げようと用意をいたしておりますところの林業基本法案の重要な柱と考えているわけでございますが、林業の振興のためにいろいろな施策が考えられます。その中で、林業の経営の保有規模の零細性、つまり、日本の山林を所有する林家が約二百七十万戸ございますが、その中で五ヘクタール未満という零細な所有者が九割も占めておるというような零細な保有の状態、これの改善は、やはり林業振興の面でぜひとも必要であるというような考え方で、林業の構造改善を林業基本法案の中身としてとらえておりますが、それの構造改善のため、あるいはそういう改善をされなければならない地帯の林道その他公共投資によるところの開発、それから資本装備の強化、造林技術の改善という面につきまして、構造を改善していこう、そのための予算といたしまして、さしあたりいかなる地域にいかなる改善を考えていくかということにつきまして、三十九年度は初年度でもあり、九十二市町村につきまして、その改善のための計画を樹立しようという考え方で、予算を要求したわけでございます。  大体重要な中の特に目ぼしいものを申し上げた次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 ただいま長官からいろいろ御説明をいただきましたが、造林政策の助成にいま二つの柱があるわけです。一つは、言うまでもなく、補助金、それから融資と、二つあると思うのでございますが、そのどちらに重点を置いてお考えになっておられますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまも申し上げたように、造林推進の重要性からいいまして、でき得る限り手厚い国の助成が必要だと考えますが、そういう場合に、特に零細な森林所有者の造林の推進の助成のためには、あくまでも補助政策によるところの造林の推進を考える必要がございますし、一方また規模の大きな林業者等に対しましては、できる限り融資の面の道を開いていくという必要があると存じます。いずれにいたしましても、補助と融資の両面をもちまして造林の推進をはかってまいりたいと考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 企業の零細性から考えて、融資よりは、むしろ補助金によるところの助成を重点的に考えていかなければならぬし、また、その事業の面積の大きいもの、小さいもの、あるいはむずかしいもの、容易なものといったようなところから、やはり融資という面も十分に考えていかなければならぬという、いま長官のお答えであったようです。これで両々かね合わせながら助成の完璧を期していきたいという御答弁であったように思うのでございますが、その補助の対象となる事業の種類でございますが、どういう事業に対して補助をしていくかということをまずお伺いしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 補助の対象といたしましては、基本的には拡大造林と称しておりますが、林相粗悪な天然林を改良いたしまして、りっぱな人工造林に仕立てていくことにつきましては、相当な造林者の負担でございますので、補助の対象といたしましては拡大造林、これに重点を置いていくというふうにお考えをいただきたいと思います。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そのことは天然下種補整事業をも含むというふうに考えてよろしいですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 お説のとおりです。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 下刈り、手入れ等のいわゆる保育事業につきましては、どのようにお考えでありますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 現在の補助の対象といたしましては、植栽あるいは天然下種補整、それ以外には考えていないわけでございます。そして保育の面につきましては、先ほども申し上げました農林漁業金融公庫によるところの融資の道が開かれております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 造林融資の点でございますが、先ほどお話のように、補助金を主体として、補完的に融資を考えている。これは農林漁業金融公庫法による公庫の融資ということでございますが、今度の予算では、融資の原資のワクを広げて、それからまた、いま長官の言われましたような、基準をゆるめていくというような点が特色であると伺ったのでありますが、融資の対象となるところの事業、つまり、貸付を受けられるところの事業は、どういうようなものに限られておりますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 造林の融資を受け得る対象者といたしましては、林業者あるいは森林組合、農業協同組合、また定款に造林事業をうたっております法人等でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 ですから、これは、やはり市町村有林、部落有林もその中に含まれることはもちろんなんですね。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 もちろんでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 この市町村有林あるいは部落有林の造林融資につきまして、これは市町村の財政の困窮という点から考えましても、また入り会いの問題から考えましても、なかなか実態はつかみにくいような、つまり、所有権もはっきりしていないところもあるし、また入り会いの問題がからんでおるし、また造林をやろうとしても市町村の財政の困難からなかなかできないというような面もあって、非常に荒廃しているところが多いというのが現状ではないかと思うのでございまして、そこにまた融資の道が開かれておるというわけでございますが、これはよほど積極的な指導、助成をやらないと、なかなか所期の目的を達することはむずかしいというふうに、現状から考えて私は思うのでございます。そしてまた、そのことが、いまこの造林の問題から考えると、非常に緊要な課題ではなかろうかと思うのでございますが、一つの実例といたしまして、財産区から分離して、植林者が森林生産組合というようなものをつくって、そうして造林に当たっていこうという動きがあり、またそれが実施されておる。こういう一つの自主的な動きが出てきておるということに対しまして、長官としてはどのように受けとめておいでになりますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いま先生のお話しのような傾向は、きわめて好ましい現象として受けとめております。と申しますのは、まさにいまお話しのような地帯の造林こそ、でき得る限り積極的に進められなければならない。そしてまた、その地帯の産業経済の伸展に寄与しなければならないという考え方から必要だと考えております。そこで、そのような地帯の、たとえばお話にも出ました入り会い権等、そういうものの封建的な権利関係を近代的な権利に改変した上で、たとえば生産組合、そういうものに改組いたしまして、それの造林をでき得る限り助成していくというような考え方を時っております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そのような場合に、この森林生産組合等が融資を受けるのには、償還期限とかそれから年の利子とかいうものは、どの部類によって融資を受けられるのでございますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 その場合には、先ほど申し上げました金利といたしましては、三分五厘の範疇に入るわけでございます。それから貸付の期間といたしましては、現在三十年ということになっておりまして、そのうち据え置き期間を二十年という条件でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 いま、長官の言われましたのは、現行ですか、あるいは今度の、いま審議中の法案が通った上のことを言っていらっしゃるのではないですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いま申し上げましたのは、先般農林大臣が御説明を申し上げたかと存じますが、三十九年度から実施ということにきまった線でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 こういうこの種の自主的な立ち上がりを見せておる造林事業につきましては、しかも協同組合をつくってやろうという動きに対しましては、できるだけ国の助成を手厚くしていただきたい。また、先ほど長官のお話しになりましたように、補助金及び融資の助成を受ける受け方も、できるだけ簡易にやれるようにしていただきたいと思うのでございます。その場合、補助金を受けてさらに融資を受けるという場合には、おのずから条件が違ってくるわけでございます。そういう場合には、どういうふうになるのでございますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまお話の点は、補助金を受けて、その補助残についての融資を受けたいという場合には、これの扱い方といたしましては、この金利につきましては、現在のとおりに六分五厘ということに相なっておりまして、貸付期間、その中の据え置き期間は、先ほど申し上げましたのと同じ条件でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 現在はそういうことで、補助残融資の場合は六分五厘であるが、これも実情から申しますと、補助金も受け、融資も受けなければやっていけないというのが実情ではなかろうかと思うのです。その場合には、補助残融資につきましても、これは一がいに大きな企業だから財政的な余裕があるから金利は少々上げてもやっていけるというような考え方でなしに、いま私の申し上げたような、零細な林業家が寄って、組合をつくってやろうという場合のごときは、補助残融資につきましても、特別な、金利を下げるというような配慮が必要ではなかろうかと思うのです。現行においては、いまお話しのように六分五厘ということで、償還期限については変らないということでございますが、金利については、そういう動きが出てくるし、またそういう動きをさらに助長しよう、まことにけっこうなことであるから、その動きをできるだけ助長していこうというお考えに立たれるならば、補助残融資につきましても、できるだけ低利の融資をしていただくように考えていただきたい、こう思うのでございますが、今後長官としてのこれに対する考え方、現在はこうだけれども、今後はできるだけ安くしていこう、ひとつ検討してくふうしていこうというお考えがあるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 この点につきましては、まず三十九年度から、先ほども申し上げましたように、改善を加えたわけでございますが、造林の重要性にかんがみまして、その他の融資の制度についてもできる限り改善を加えていきたい、そういう考え方で十分に検討いたしたい、こう考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 次に、御承知のとおり、最近各府県におきまして、造林公社をつくって造林計画を進めていこうという動きが出てまいっております。従来長崎県、高知県、兵庫県がすでに実施をいたしております。目下計画中のものは石川、岩手、滋賀、この各県で計画がなされておるというふうに聞いておるのでございますが、こういう各府県が中心になってやり、またやろうとしておりますところの造林公社方式、こういうことにつきまして、林野庁としてはどういうふうにこれを受けとめておられますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 造林公社につきましては、いまお話がございましたように、いまのところ、全国で兵庫県、高知県、鹿児島県、長崎県、熊本県の五県、個所としては六ヵ所でございます。この造林公社が考えております造林の対象地域といたしましては、現在のところ、山村地帯でも特に山間僻地あるいは離島、そのような地帯であって、造林のための熱意とかあるいは経費において、そのまま放置すれば事を欠くというように考えられる地帯について、県なりあるいは関係の市町村なりあるいは森林組合との共同によって、その地帯の造林を進めていこうという趣旨のようでございまして、そのようなものである限り、農林省といたしましては、その事業の推進についてはでき得る限り協力をいたしたいという考えを持っております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そのねらうところは、造林計画をより強力に進めていくために、一つの方式としてくふうされたものだと思うのでございますが、国の責任においてあるいは地方自治体の責任においてやらなきゃならない行政の面を、公社方式にすりかえて、そうしてそこにいろいろな事業や決算の監督指導の面を間接的にしていこうというようなきらいが、従来なきにしもあらずだったと思うのでございます。非常にいい面と、また運営のしかたによりましては好ましくない面とが当てくると思うのでございますが、そういう点につきまして、当然造林計画というようなものは、先ほど来長官のお話しになっておられますとおり、国の責任においてやらなきゃならぬという考え方と、このような造林公社方式との間に矛盾を生ずることはないかどうか。こういう公社方式がどんどん各都道府県にできて、一つの県に幾つもできるということは、一面好ましいことではあるが、また一面、いま私の指摘いたしましたような点に対して、国や地方自治体の責任においてやらなければならぬことをすりかえていくというような傾向に陥っていく危険性がないかどうか。そういう点は十分検討された上で、いまこれをむしろ歓迎する方針をとっているんだと言っていらっしゃるのだと思いますが、いかがでございましょうか。そういう点は一応検討なすったのでございましょうか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 そういう点につきましては、この林業公社が発足後なお日の浅いものでございまして、その点十分に検討を加えていく余地があると考えておりますけれども、ただ、造林の対象地域といたしまして、いま申し上げましたように、そのまま放置された場合にそこの成林が期しがたいという地帯を考えているような計画については、国としてもこれの事業に協力を惜しまないという考え方でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 いまお示しになりました従来の五県六カ所の公社方式による造林は、まだ日が浅いから見るべき成果があがっているとは言えないと思いますが、従来のここ数年の公社の事業成績と申しますか、そういうものにつきまして、林野庁としては、むしろ好ましい結果が生まれつつあるというふうにおとりになっていらっしゃるか、問題があるというふうにおとりになっていらっしゃるか、その点、事業の成果はどんなふうでございますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いま御質問の面につきましては、なお調査検討中でございますけれども、ただ、地元の山林所有者あるいは森林組合単独で進めていくことによってそこの造林成果が期待できるというような地帯をも、この公社の事業の対象として選んでくるという点については、調整の要があろう、こう考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 従来の造林公社は、やはり融資によって事業をやっていくという考え方が中心でございますか、あるいは補助金を受けてやっていこうというような考え方が中心でございますか、どちらでございますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 これはどの公社も融資が中心でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 その場合に、融資を受けるが、補助金も受けるというときに、先ほど話がありましたように、補助残融資ということになって、金利が高くなるということがございますが、どちらをとるのが利点があるというふうに政府としてはお考えになるか。それは地方の自主性、公社をつくろうとするものの自主性にただゆだねているというだけであって、政府としては、それに対してあまり介入していないというお考えなのか。むしろ積極的に奨励をして、補助金も出す、融資もするというふうに奨励なさるお考えなのか。こういう動きが出てくることに対して、やはり一つの国の方針というものがなければ、ただ恣意にまかせていくというだけでは、国としても少し弱いのではないかというふうに考えますが、この点につきましてはどう考えておりますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 この造林公社につきましては、いまも申し上げましたように、事例としてまだわずかでございますのと、その歴史も日が浅いということで、これに対する具体的な方針を打ち出す段階に至っておりませんけれども、先ほども申し上げました調査研究をさらに十分に進めまして、これからはもっと具体的に政府の指導の方針を出すのが至当だ、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 現在まだ日が浅いから、ひとつ今後はよく検討をした上で、指導の方針を出していきたいということも、無理からぬことだと思うのでございますが、すでに本年度におきまして事業の申請をしている個所が、私の聞いておるところでは三カ所あるわけなのですが、ほかにもございますか。何カ所くらい出ておりますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いま申請中と聞いておりますのが、滋賀県、石川県、和歌山、岩手、鳥取、島根と、六県でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 私の出身の滋賀県の場合から申しますと、一つの大きなねらいは、保水機能を増進していこうという点にあるようでございます。琵琶湖をかかえておりまして、琵琶湖の水源地であるところの、琵琶湖に注ぐ河川の上流地帯の造林計画を進めていくことによって、保水能力を増進していこうということが、一つのねらいになっている。これは各府県の計画によっておのおの特色があり、一律ではないと思いますけれども、滋賀県の場合は、そういうことが一つの大きなねらいになっているわけでございます。そういたしますと、そういうところはほかにも必ず出てこようかと思うのでございますが、この造林公社の問題に限らず、造林計画を進めていく上において、水資源二法、それから河川法、いま国会に提案されておりますところの新河川法案等との関連におきまして、建設省等の関係が非常にあると思うのです。そういう点につきまして、造林計画を進められるところの林野庁として、こういう水資源の保全涵養という見地に立ち、保水能力の増進という見地に立って、建設省との所管の関係を合議せられたことがありますかどうか、また、そういう必要を認めておられますかどうか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 まず保水能力の向上という面につきましては、現在保安林整備臨時措置法というのがございまして、昭和二十九年から十ヵ年の限時法をもちましてスタートをいたしまして、自来保安林の整備、この中で、特に水源涵養林等、重要保安林の整備をはかってまいったわけでございます。この保安林整備臨時措置法に基づきますところの保安林整備計画、この中では、保安林の指定あるいは解除なり、保安林内の森林施業なり、あるいは保安施設事業なり、あるいはまた国が買い入れることによってその保安の効果を期待し得るというような個所の予定なり、そういうものを計画いたしておるわけでございますが、その中で、水資源の涵養、水源涵養林の適正な運営が計画をされております。それに基づいて、水源涵養保安林等を主体にする保安林の整備を行なってまいったわけでございます。  なお、その中で、特に治山事業として、建設省と意見の調整をはかりながら進めるべき事業につきましては、常に緊密にそのとおりに行なってまいりまして、この三十八年度におきましても、さらに建設省と農林省とでは、事業の分担の個所をさらに具体的に明確化するという申し合わせを行なって、現在に至っております。そこで、河川法の改正によりましても特に変化はございません。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 個々の地域について具体的に建設省と合議をして、分担区分をきめていこうということでこれをやってきたし、三十九年度においてもそれをやっていくんだ、こういうお答えでございますから、ぜひそれをより濃密にやっていただきたい。従来間々役所の縄張り争いといったような点から、地域の住民の福祉に反するようなことがないではなかったと思うのであります。そういう点から、十分に濃密にやっていただきたいし、建設省は建設省の立場から水資源の保全涵養ということについての計画をやるでしょうし、農林省は農林省の立場から山林の問題等を中心として水資源の保全涵養をやっていく。それが重なってもよろしいわけでありますが、できるだけこれが手厚く地域住民の福祉になるように、また災害防止の見地からも、水資源の確保という見地からも、十分に今後も建設省との連絡を密にやっていただきたいと願う次第でございます。  次に、この問題に関連をいたしまして、滋賀県の地域に限ることになりましてはなはだ恐縮でございますが、いまお伺いしておりまして、長官からお答えがありまして、滋賀県の水資源の保全涵養につきまして、建設省と緊密な連絡をとっていくというお話でございましたが、近畿圏整備法の施行にあたりまして、近畿圏整備本部ができたわけでございますが、本部長の建設大臣の出席を求めましたが、他の委員会の関係でお見えになりません。本部から調査官がお見えになっておると伺いましたが、法八条によるところの事業計画を立てなければならないということになっておる。近畿整備圏の事業計画の中で、水資源の保全涵養ということは、非常に大きな題目の一つになろうかと思うのでございますが、いま事業計画を立てておられる最中だと伺っておりますけれども、調査官のお立場で、まだ閣議にはかっていないものを発表するわけにはいかぬとは思いますが、どういう方向に事業計画を立てておられるか、その点をお伺いしたいと思います。

藤野良幸総理府技官(近畿圏整備本部本部員)

○藤野説明員 近畿圏整備本部といたしましては、整備計画というのは、広域かつ根幹的なものに限ると考えられております。広域かつ根幹的な事業として、水資源の問題は、近畿の死命を制する重要な問題と心得えております。したがいまして、水資源の開発に関する計画はおいおい立てております。ところが、問題は、水資源の涵養の問題と森林の問題、これは非常に微妙な関係にございます。今後ともわれわれいろいろ検討していかなければならないと考えております。戦争中からいろいろと森林が洪水の調節に役に立ったことは確かでございます。水が一気に出てこないために森林をりっぱにするということは、非常に重要なことでございまして、建設省も力を注いできたことでございますが、一方、水資源の問題ということになりますと、森林の問題は非常に微妙でございます。と申しますのは、森林といいますものは、木が水を吸い上げまして、空気中に蒸発させるわけであります。かなり森林そのものが水を食うことをやるわけでございます。私、長年近畿地方建設局におりまして、実際に琵琶湖の水の出方について調べてまいったのでございますが、琵琶湖の水は現在でも流出率が非常にいいわけであります。降った量から出てくる量の割合、これは全国の河川では六〇%から七〇%ぐらいにとどまっておりますが、琵琶湖の場合は平均いたしまして七〇から八〇という高位にございます。水資源としてはすでにりっぱな性格を持っておるわけであります。したがいまして、森林改良の問題は、そのほかのいろいろな関連を考えると重要な問題でありますから、これはわれわれもゆるがせにできないと思いますが、直接水資源との問題と関連してどういうふうに考えるかは、今後慎重に検討していきたいと考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 少し理解に苦しむ御答弁があったのでございますが、造林することによって、むしろ木が水を吸い上げるから、水資源の保全涵養ということからいかがなものだろうかといった疑問符を投げかけられるような御発言であったのでありますが、木を植えることによって水資源が枯渇するということは、いままで聞いたことがないのですが、林野庁長官、その点はどうですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 私どものほうといたしましては、森林によってこそ水資源は涵養される、森林がなければ水資源は確保されない、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 政府間の見解が全く食い違っておるじゃないですか。どうですか。

藤野良幸総理府技官(近畿圏整備本部本部員)

○藤野説明員 私、少しことばをすべらせたようでございますけれども、この問題は、水利学上の問題で、本席でいろいろ申し上げるのは少し間違っておるように思います。まだはっきり学説として定まっておりません。その点だけはっきり申し上げておきます。だから、私は慎重に考えていきたいということを申し上げておるわけであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 学説としてきまっていないということは、どういう学説があるのですか。

藤野良幸総理府技官(近畿圏整備本部本部員)

○藤野説明員 政府としては、現在のところでは、森林開発は必要だと考えております。これはすでに国会の水資源開発促進法の議論の場合にも、そういうふうに合弁してまいったと思います。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 それならば、そのような方針に従って造林計画に協力しなければいけない。整備本部としてはむしろ積極的にそれをやらなければならない。造林することによって、木が水を吸い上げて蒸発して、水資源を枯渇させるといったような発言をされることは、私は少し了解に苦しむのですが、その点はどうですか。方針と違うじゃないですか。

藤野良幸総理府技官(近畿圏整備本部本部員)

○藤野説明員 私ちょっと言い過ぎたようでございます。政府の方針といたしましては、現在治水には作用があると考えてやっております。したがって、そういう方向で解決していく考えであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 あなたは調査官だから、一局部のことだけしか調査しておられないだろうと思いますから、これ以上のことは私は追及いたしません。いずれ本部長なり議長なりから、この点については時期をあらためて詳しく聞くことにいたしたいと思います。しかし、水資源の保全涵養ということと造林ということとは、非常に密接な関係がある。よく調査し、よく検討して方針を立てると言われましたから、いま言い過ぎたと仰せられた点は認めるとして、十分前向きに検討していただきたいということを整備本部に私は要求しておきます。  以上申し上げたような点から、林野庁長官に最後にお伺いをいたしておきたいのでございますが、こういうような造林公社方式というものが続々出てくる。これは一面歓迎すべきことではありましょうが、一面また政府の指導よろしきを得ないと間違った方向にいってしまって、国の責任においてやらなければならぬ造林計画というものを公社方式に振りかえるということからくる弊害を見のがすわけにはいかないと思うのでございます。そういう点は十分前向きに、さっきも申しましたように、生産森林組合のような方式で自主的に植林者が組合をつくってやっていこうという動きとともに、民間のこういう動き、また地方公共団体及び民間の合作によるところの公社方式というものを、自然発生的に、その目的とするところ、その内容について十分に検討せられながら、前向きにこれを援助していく方向に持っていっていただきたいと思うのでございますが、先ほど長官は、まだ日が浅いから十分検討していないというふうに言われたのでありますが、その点につきまして、いろいろ補助金の問題等につきましても、こういう公社方式については、大造林として取り上げられるのか、あるいは小造林という立場で取り上げていかれるのか、その点はいかがでございますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 現在の取り扱いとしては、小造林としての取り扱いを考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 小造林として取り扱っていくということになりますと、やはり補助金は三分五厘、補助残は六分五厘というわけでございますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 先ほども申し上げました拡大造林については三分五厘ということでございます。それから補助残についてはお説のとおりであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そういうわけでございますから、林野庁におきましては、ぜひひとつ、いま私が申し上げましたような前向きの姿勢で、公社方式の造林計画を進めていくということのために、十分に検討していただきたい。前向きの姿勢でこれを助成していくという方向に不断の御努力を願いたい。最後にこれについての長官の御所信を承っておきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 今後に対する造林の必要性は、初めから申し上げましたように、これはきわめて重要な問題でございますだけに、あらゆる方策を講じましてその推進をはからなければならないと存じますが、一方それぞれの造林を行なう組織機関といいますか、そういうものの分担する分野を明らかにしながら、それを調整いたしまして、最も効果的に造林が進められることを国の政策として考える必要があろうかと存じます。そういう意味合いにおきまして、この造林公社におきましても、造林公社として造林を進めるべき分野、また進め方、経営の内容等についで、具体的な方向を国の責任において明らかにするということが必要であろうかと存じまして、現在の造林公社の実態につきましても慎重に検討を加え、そのような方向で前向きに進めてまいりたい、こう考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 それと関連をいたしまして、経済的にも文化的にも非常に立ちおくれておるところの山村の振興と林業の関係という点は、切り離すことができないと思うのでありますが、われわれといたしましては、山村振興の特別法案を用意いたしまして国会に提案したいと考えますが、経済的にも文化的にも立ちおくれておるところの山村の振興について、林野庁長官の立場から特に御見解を承っておきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 山村といいますと、平場農村あるいは純農村に比べまして、さらに残された、いわば陸の孤島といわれておりますような地帯でありますだけに、最近、この地帯の振興をはからなければ日本全体の産業経済の伸展の桎梏になるという意見が相当広範囲に出てまいってますが、その場合に、山村の振興をはかっていくということは、一口に言いますと、山村という社会全般にかかわる問題でございますから、そこで、これは農林業のみならず、文教、厚生その他全般にわたってまいる問題であろうかと存じます。そこで、この地帯の産業の振興を考えてまいる場合には、やはりその立地条件というような関係から、おのずから林業というものが主たる産業として考えられてくることはあとというふうに考えられます。ところで、林業の面から見ました場合に、林業につきましては、今後林業の基本的な方向について、これを法案として提案をいたしたいというふうに予定をいたしておりますが、それについて考えておりますことは、林業を国全体のいろいろな産業の中の一つの産業という考え方で、産業政策としての林業、林業というものの経済的な観点、そして林業の生産の総量の増大を期待し、それの生産性の向上をはかる、そして林業従事者の社会的、経済的地位の向上をはかるというような考え方に立っておるわけでありまして、山村社会の環境その他の改善から始まるところの山村の指興ということは別の次元で考えていきたい。しかしながら、林業の振興は、結果として山村社会の経済的な振興の一環になるというふうには考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 林野庁長官はこれで終わります。  次は、水産庁長官にお伺いいたしたいと思います。  本委員会におきまして、私は大臣の所信表明に対する質問を行ないましたが、その際、内水面漁業についての所信表明がなかった、全然一言半句も触れておられなかった、これはいま苦境に立っているところの内水面漁業者に対して大きな失望を与えておる、内水面漁業の振興に対して大臣はどう考えられるかということを質問いたしましたところが、所信表明では触れなかったけれども、自分は大いに振興をはかりたいと考えておる、自分のところにも内水面漁業があるのだから、一生懸命やるつもりだという趣旨の御答弁があったわけなんでございます。  そこで、水産庁長官にお伺いをいたしたいのでございますが、従来の予算の面からも、施策の面からも、また本年度の予算の面からも、内水面漁業については、どちらかといえば、まま子扱いにされておるというきらいがないではないと私は思うのでございます。これが振興をはかるためには、種々の適切な施策を立てて、積極的に内水面漁業を促進するということをしなければ、いろいろな産業形態の変化によりまして、内水面漁業は壊滅的な打撃を受けつつあるという現状から抜け切ることができないばかりか、立ち上がることさえも不可能になってしまうような状態になってくる、いわゆる斜陽産業としての状態を一そう深刻化していくと思うのであります。これに対して政府は一体どのような施策をやっていこうと考えておられるか。内水面漁業に対して一体どういうように取り扱っていこうと考えておられるか、その点、長官の考えを伺いたいと思います。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 内水面の漁業振興につきましては、ただいま先生から御指摘のように、経済の発展に伴いまして、先ほどから御質問がありましたように、水源の問題あるいは河川の水質汚濁の問題、それから湖面にいたしましても、やはり水質の問題なりあるいは干拓、埋め立て、こういったような問題がございまして、内水面に依存しておる漁業者は、専業もございますが、大部分が農業と兼業して内水面漁業を営んでおるというような経営実態でございます。そういう面におきます対策にわれわれとしても非常に重点を置いて考えております。  一方、内水面産の水産物の需要のほうも、これは非常に伸びております。内水面の最近におきます大体の情勢は、今回漁業報告に内水面漁業につきましてもやはり報告いたしてございます。三十二年以後、年々御指摘のような点もありまして、水産物の供給、生産量というものは減っておりましたけれども、三十五、六年から回復の徴を見せまして、三十七年度は、三十二年度に比べて四%の伸びになっておる、こういうことで、われわれといたしましても、過去におきましての放流事業その他内水面振興につきましての効果が徐々にあらわれてきた、こういうふうに考えておるわけでございます。生産量について申しますと、河川、湖沼の自然によります分と養殖によります分、合わせまして三十七年度は十万四千トン、こういうところまで回復しております。今後やはり需要が非常に強いわけでございますので、さらにそういう面の施策を講じて生産を上げていく、こういうことによりまして内水面の振興をはかりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  その具体的な施策といたしましては、これは先生もよく御承知と思いますが、この中でも、アユの需要なんか非常に強いわけでございまして、三十七年度のアユのほとんどが河川の産でございますが、八千七百トンというふうにアユの産額が伸びております。こういうアユを生産いたしますにつきましては、御承知のように、琵琶湖産の稚アユを全国に配給いたしまして、その購入助成ということをずっと続けておるわけでございますが、湖産のアユは、御承知のように、全国稚アユの需要量の六〇%以上を供給するといった、非常に重要な資源でございますし、この関係府県、全国の三十八県に琵琶湖産稚アユを放流する、こういったような状態でございます。それで、われわれといたしましても、こういった琵琶産稚アユの資源を維持発展させるという道と、それからやはりこれを受け入れる県の施設をよくしていく、こういったような施設を考える、こういう面がございます。  それから沿岸漁業におきましても、いろいろ問題がございまして、御承知のように、沿岸漁業の構造改善事業を一昨年から事業化してやっておるわけでございますが、内水面についても、そういうような考え方を三十八年度からとるということにいたしまして、三十八年度は自然湖沼の大きい重要なところから四地区を一年調査いたしまして計画を立てる、いわゆる内水面地域の振興事業ということを新しく始めたわけでございまして、三十九年度からは四地域をその調査計画いたしましたものに基づきまして事業化する、こういうふうな予算を組んでおるわけでございまして、そういうことで、放流、養殖、それから地域振興、こういう面で内水面の振興をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 ただいまお話のございました琵琶湖産の子アユの問題でございますが、これは御承知のとおり、県の配給組合から全国内水面漁連を通しまして、水産庁の承認した取引価格でそれぞれ各府県の配給組合に配給をされる、こういうことになっているのでございます。ところが、御承知のとおり、海産の子アユの伸びに伴いまして、琵琶湖産の子アユは打撃を受けている。つまり、海産の子アユにつきましては、自由取引で何らの規制が行なわれていない。どちらがいいか悪いかは検討の余地があろうかと思うのでありますが、そういう点についても、海産の子アユの伸びは、これはまた国全体の立場から奨励すべきことでございましょうが、琵琶湖産の子アユの配給方式についても、こういう情勢と関連して、価格をきめる場合も、また配給の方式についても、水産庁としては、琵琶湖の内水面漁民の立場に立って、こういう情勢と関連して適切なお考えをたれていただきたい、こういうふうに思うのでございますが、この点はいかがでございますか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 琵琶湖産の子アユについては、御指摘のように、需給の調整をいたしております。これは琵琶湖産の子アユに依存する各県が、先ほど申しましたように、全国の稚アユの需要の六〇%以上を占める、そういうことと、そこから購入する府県が三十八県にも及ぶ、こういうことで、よく需要と供給とを協議して調整しないと、非常に需要のほうが多いものでございますから、行き渡らない県ができたり、あるいはその間にいろいろ摩察が起こって、かえって——稚アユは生きものでありますから、適正な助成をして計画輸送をしないといけない、こういう面もございまして、湖産稚アユにつきましては、需給協議会というようなことで、秩序立った生産と配給ということを考えてまいったわけでございます。海産稚アユにつきましても、そういう面を今後は考えなければならぬか、こういうように考えておりますが、何ぶんまだ海産稚アユについては、そういったルートが確立してないという面もございまして、先生が御指摘のような調整をするために、滋賀県のほうが不利になるというようなことが起こってはいけないとわれわれは考えております。先生が御指摘のように、滋賀県の生産者側の立場も十分その協議会の場で聞きまして、そうして受け入れ側とよく協議して、納得のいくところでその配給計画を立てていくということになっておりますので、十分生産者の意見も反映させまして、水産庁は一方的にどうやるというものではございません。何ぶんやはり国が購入の助成をしておる関係で、これがいま申しましたように、需要に対しまして供給が少ないために、価格が無統制になって、いろいろな価格が出てくるということも、補助の面からみると、非常に困るという面もございますので、そういう点はよく協議いたしまして、生産者の意向も十分反映させる、こういうようにつとめておりますし、また今後もつとめてまいる所存でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 次に、PCP以外の農薬を使った場合に、半額の補助金が出ておったのでありますが、本年度の予算案にはこれがついてないということを聞いておりますが、これはどういうわけでありますか。内水面漁民といたしましては、PCPの被害について非常に神経的になっております。湖産の淡水魚に比較的影響の薄い他の農薬を使うことを希望しておるのでありまして、また県もそのような方針をとっておるわけなんでありますが、今年度の予算案には補助金がついてないというのでは、また逆戻りする心配があるのではないかというので、関係漁民は非常は神経質になっておるのでありますが、その点はいかがでございますか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 一昨年御指摘のようなPCPの被害がございまして、これは有明海と琵琶湖に非常に被害が出たわけでございます。特に琵琶湖におきましては、非常な被害が出たということで、漁民といたしまして、PCPの使用につきまして御指摘のような非常な危惧を持っておりまして、そういう面から、水産庁といたしましても、そういう被害の出ました分に対する緊急な対策、助成は、御承知のようにいたしたわけでございますが、今後の問題といたしまして、PCPの使用等について漁業の影響のないように、こういう立場から植物防疫のほうとも十分打ち合わせまして、農薬取り締まり法の改正ということも先生御承知のとおりでありますが、そういうことによりまして、PCPの使用の区域内につきまして十分漁民の意見を聞いて、知事が調整するということで、PCPの被害が起こらないような事前の処置を講ずる、こういうことで対処してまいる。新しい農薬につきましては、水産の面からも十分研究して、農薬として使用するについても、登録するにつきましても、水産側の意見を十分聞くということにいたしまして、新しい農薬につきましてもそういう配慮をいたした次第でございます。今後も農薬取締法の面から御指摘のようなことがないようにいたしたい、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 最後に、内水面漁業の試験研究機関についてお伺いをいたします。  わが国には都下日野町に一カ所国の試験所があるだけでございまして、私もあの施設を見せていただきましたが、そこに従事しておられるところの技術者の方はすぐれた方でありますが、しかし、予算の面からも施設の面からも、非常に弱いという感じを私は受けておるのでございますが、国全体の内水面漁業の振興をはかっていく上からいって、内水面漁業の試験研究機関を整備拡充していくということは、きわめて大切なことではなかろうかと思うのであります。あの種の状態では国の試験研究機関としてはまことに弱い。技術者の労に対して国が十分に報いていないし、また、その成果が一般漁家に対して十分にあがっていくだけの予算的な裏づけがない。旅費も一年に二回ぐらいしか出せないというような——二回ぐらい出張したらもうあとしまいだというような状態では、まっとうな試験研究ができないんじゃないかと私は心配しておるのでありますが、その点に対してどういうふうに長官はお考えになっていらっしゃいますか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 水産に関します試験研究機構につきましては、海面のほうは、沿岸と遠洋あるいは資源面、そういうものが七海区に置いてございますし、内水面につきましては、いま御指摘のように、日野町に淡水区の研究所が国の機関として設置してございます。その支所は長野県等にも置いてございまして、内水面に関します国としての試験研究の中枢になっているわけでございます。これは、県におきます内水面関係の水産試験研究所と連絡をとり、また研究面の指導、協力というようなことで、全国的な研究網を張っておるわけでございますが、いろいろ御指摘の点のような不備の点もあろうかと存じまして、内水面は、やはり今後の地域開発あるいは地域振興として取り上げ、あるいはさらに養殖業というもののウェートが非常に高くなりつつあるということに対処してまいりたいと思っております。これは昨年から計画して、設置法が通らないためにまだ設置に至っておりませんけれども、日光の事業、これは、いままではマスの養魚場としてこれを活用して、マスの養殖の種苗供給事業をやったのでございますが、こういう事業がもうすでに県としても普及段階に入って、そこで国で直接やるという段階よりは、むしろ内水面におきます。特に冷水性の水産動物についての試験研究が、非常に重要な時期になっておりますので、それを日野の淡水区研究所の支所にいたしまして、冷水性、いわゆるマス類でございますが、そういう面の品種改良なり、えさの研究といったような点を担当させる、そういう面を当面とっていきたい、こういうふうにいたして、ただいま設置法の改正も提案いたしておるわけでございますが、そういう面からも研究の拡充をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 最後に、私は委員長に要望いたしたいのであります。本日のこの午前の委員会には大臣のお見えにならないことは私も承知いたしておりましたが、次官が途中から出られ、最後に私は次官に質問をするつもりでありましたが、次官がちょっと中座して、すぐ帰ってくると言いながら、まだ帰ってこられない。これでは委員会の審議を十分に果たすことができないと思うのでございます。この点も委員長から政府当局に十分に戒心せられるように注意を喚起していただきたいと思うのでございます。  以上で私の質問を終わります。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後はおおむね一時より開会することといたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時五分休憩      ————◇—————    午後二時十一分開議

高見三郎自由民主党

○高見委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について質疑を続行いたします。藤田義光君。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 私は、個人的立場においては、いまさら赤城農林大臣に質問するのもどうかと思いますが、いろいろ国会運営の必要もありますので、きわめて短時間に、現在国会審議中であります農林予算につきまして、重点的にお伺いいたしたいと思います。  池田内閣が取り組みました所得倍増政策は、ようやくとにもかくにも第一ラウンドを終わりまして、いよいよ第二ラウンドに突入せんといたしております。第一段階におきましては、主として設備投資政策を中心としたいわゆる高度成長政策を実施してまいったのでありますが、先般の本会議における総理の所信表明にもありましたごとく、所得倍増政策の第二段階においては、主として従来の政治の盲点であった農政並びに中小企業政策というものを中心に展開されることが必然の勢いになっております。所得倍増政策の第一期間に蓄積されましたる財政金融の余力をあげてこれらの弱小産業に集中するということが、今日池田内閣の当面の急務であると私も考えておるのでございます。  したがいまして、農業基本法が実施されましてからすでに三年になんなんとする今日、私たちは、池田政府のいわゆる所得倍増政策第二段階の冒頭にあたり、農政の長期目標を立てることが絶対必要である、それは、あくまで先般国会を通過し実施中の農業基本法の体制下において、長期目標を樹立し、これを実行する段階である、かように解釈をいたしておるのでございます。農政の長期目標は何であるか。いろいろ見解はございましょうが、物価安定あるいは貿易・為替の自由化という政治的背景のもとで、生産性と所得の格差の均衡化あるいは食糧の確保ということが、どうしても長期目標の中心命題でなくてはならぬと考えておるのでございます。農業自体のために食糧自給度を向上しなければならないということでなくして、国民経済の今後の安定的な発展のためには、どうしても食糧の自給度を高めるということが絶対の要件であることは、おそらく大臣も御同感であろうと考えております。  ただ、私は、この際、農業基本法の志向する目標と紛淆を来たさざるような長期目標を立てることが必要であると申し上げましたが、この農業基本法が実施されまして三年になんなんとする今日、農業基本法が予定しておりまする価格政策のことを規定いたしました第十一条の二項に、法律の条文を申し上げて恐縮でありますが、価格政策に関しまして定期的に農林省はレポートを出す義務づけが規定されておると私は記憶いたしております。ところが、今日に至るも、この定期的にレポートすべき法律上の義務が一回も実施されておらない。先般本会議におきましては、グリーン・プラン並びにグリーン・レポート第三回の御報告がございました。法律の規定に基づいて実施されたのでございますが、基本法第十一条に規定するいわゆる価格レポートというものが何ら報告されていない。この間の事情をまずお伺いしておきたいと思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 国全体の経済成長関係から見た農業対策、そういう関連においてのいろいろな御意見、私も全く同感でございます。せっかく成長いたしました日本の経済力を脆弱である農業方面に投入して、農業の生産性を向上し、農民生活を安定させる方向へ強力に展開していく時期である、こういうお考え方、全く同感でございます。そのためには、農業基本法の志向する方向に沿うて、長期的な見通しをなお立てる必要があると思います。こういうことでございますので、実はその点も御同感で、いま検討をいたしております。所得倍増計画のときに一応の十ヵ年の見通しは立てましたが、なおいろいろな変化がございますので、見通しをつくっていく。  それから第三点として、農業基本法の中にある農業の動向に関することとか、行なったこととか、あるいはこれから行なうこととかいうような、いわゆるグリーン・レポート等は、現在発表しておるけれども、価格の問題についての報告が欠けておるじゃないか。いろいろな場合に出したものもありますが、正式にはそういうものをまだ出しておらぬと思います。これは近く農政審議会にはかりまして、そのレポートを農業基本法に従ったものを出すべく準備を進めておるのでございまして、そういう点で御了承を願っておきます。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 次にお伺いしたいのは、農業の長期展望をやる際におきまして、どうしても論議すべき当面重大化した問題は、農産物の自由化と、これに対する日本農業の国際競争力いかんということが、一番大きい問題であろうかと存じております。すでに九二%自由化されておりますが、残る輸入制限品目のうち、八十品目は農林物資であります。これらの問題も行く行くは全面的に自由化せざるを得ない。特に欧州共同市場、EECにおきましては、一九七〇年を目途に全面自由化を計画しておるようでありますし、これらの関連におきましても、日本の農産物の全面的な自由化ということは、事のよしあしを問わず、必至の情勢であると私は割り切らざるを得ない。ただ、テンポの見方が人によって相違しておると思いますが、情勢はさような情勢が必至である。そうしますると、この際、日本の乳製品、麦類、鶏卵その他のいわゆる主要農産物がどの程度国際競争に対抗できるかということを、すでに農林当局においてはめどをつける段階にきておると思うのであります。今後自由化が進みまして、いわゆる全面自由化、EECと同等の自由化等の問題が具体化した際における用意として、農林当局におきましては、主要農産物に対してどの程度国際競争力の自信を持っておられるか、でき得れば主要農産物について御意見を伺っておきたいと思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 国際的に日本も封鎖経済ではなく、開放経済に入らざるを得ない段階でありますことも、御指摘のとおりでございます。ただ、日本の農産物が、国際的に見まして相当コスト高でございます。でありますので、何らの措置をとらないで、国際価格と比較してみて試算を出しておるところもありますので、そういう試算などを見ますると、ものによっては、主要の米などは大体七割くらいの試算になっておるようでございますけれども、酪農品等は五割、五〇%程度のもの、いろいろな試算がございます。でございますので、何らの対策をとらずに、まつ裸で国際競争力の中に投げ込まれたということになりますならば、非常に日本の農産物のコスト高のために、輸入をふやさざるを得ない、国際収支は赤字になる、日本の農業は痛手をこうむる、こういうことに相なろうかと思います。しかし、そういうふうな脆弱な日本の農業でございますので、自由化するにいたしましても、農業基本法にもありますように、関税率の定率を調整するとか、あるいはまた財政的にこれを保護していくといいますか、カバーしていくというのが適当かと思いますが、カバーしていくというような措置をあるいは同時にとり、あるいは前にとり、あるいはあとでまたとることもあろうかと思いますが、そういう措置と合わせて自由化をしていく、こういう方針をきめておるわけでございます。  ところで、農産物についても九二%の自由化をいたしまして、あと七十六品目くらい残っておりますが、その中で、日本の主要農産物に対してどういう方針を持っておるのか、こういうお尋ねだと思いますが、主要農産物でありますところの米、あるいは麦、あるいは酪農製品、でん粉、こういうものは、日本の大きな生産物でもあり、国際競争力において強い。米などわりあい強いほうであります。強いものもありますが、酪農品等は弱いものであります。こういうものは、にわかに輸入の制限を撤廃して自由化にするということは、これはでき得ない品目だと思います。こういうものにつきましては、従前どおり相当きびしい輸入に対しての制約を設けていかなければならない。ことに国で扱っているものもございますので、そういうふうに考えております。あといろいろな品目につきましては、いまお話申し上げましたように、関税率を調整して、あるいは財政的な支持をして、そうして急激に日本の農業を困ったような方向へ導かないように措置をとりつつ、あるいは措置をとって進めていきたい、こういうように考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 今後農林漁業のビジョンをきめる際におきましては、先ほどもちょっと言及しましたように、農業基本法、あるいは先年国会を通過しました沿岸漁業等振興法、あるいは今国会に提出されております林業基本法、その他の関連において考えていくことが当然でありますし、したがいまして、これらの法律と国の財政の関連が相当計画化されることは必至の情勢であります。特にこれらの各法律には、たとえば農業基本法の第四条に見るがごとく、政府の財政支出を義務づける規定がございます。この規定は、私はやっぱり今後の農政というものの計画化、自由主義であるが、計画に基づく農政ということを予定した規定であると思うのであります。そういう観点からしますと、今後計画的な農業政策を具体化する段階において、これを受け入れるべく待機しておる農村の方々、これが結集しております農業団体、これの地位というものが非常に複雑化し、重大になってくると思うのであります。率直に申し上げまして、私は、日本の農業団体、なかんずく中央における農業団体の現状はまことは憂慮にたえない。この際、公正にまじめに農業政策に取り組んでおられる赤城農林大臣の在職中に、現在の農業団体の人的構成に対しまして、ひとつ思い切って全面的に検討される気持ちはないかどうか。かつて能吏であったがために、官僚出身の人が農業団体の理事長や総裁として必ずしも適任でないのに——あるいは適任の人もありましょう。しかし、十年一日のごとく情性でおる、今日のような中央における農業団体の最高幹部の姿というものが、そのままでよろしいかどうか。年々の農林予算の審議にあたりまして、私は非常な疑いを持っておるのであります。この点に関して大臣、何か御所見があれば伺っておきたいと思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農政を推進する点におきまして、行政面を担当しておる農林省だけで十分に計画あるいは行政の浸透ができかねる面が非常に多いのでございます。要は、全国民のあるいは全農民の協力を得、また自覚、熱意を持ってもらわなければなりませんが、その意味におきまして、農業団体というものの役割りといいますか、協力を期待する面が非常に多うございます。しからば、はたして農業団体がそういうような方向にあるかどうかということにつきましては、いろいろ協力の面もありまするし、必ずしも当を得ているとばかり考えられない面もあるような気がいたします。でありますので、農業団体につきましても、私は、検討してみる時期にきているのではないか、こう思いままして、事務的には検討を命じております。なお、いろいろそういう御協議にも参加していただく機会を得て、国会議員の御意向などもお聞きしたいと思います。現にその人的構成において当を得ていない面もあるのじゃないかというような御指摘の点もあろうかと思います。どこにどういう人が適任であるということは、私はいま承知しておりませんけれども、そういう面等、実はこちらの人事ではございませんけれども、いろいろ相談をする場合もございますし、慎重に対処していきたいとこう考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 時間が非常に短いので、抽象的で恐縮でございますが、質問を続けたいと思います。ただいまの大臣のお人柄から、ひとつこの人的構成は慎重に、公正に、大臣在職中に御検討をお願い申し上げたいと思います。私は、これはまた機会あるごとに取り上げてみたいと考えております。  今後農業政策を推進する際において、やはり一つの大きな問題は、農業人口の動きでございます。最近十年間、農業の人口減少率は毎年三%前後でございます。農家戸数の減少率は〇・三ないし〇・五%というふうな、非常にアンバランスの状態が続いておるのであります。一方昨年の百四十五万の就職一年生の就労状況を見ておりますと、農業就労はわずかに八万人にすぎない。全国八百の農業高等学校の卒業生七万六千人のうち、農村にとどまる者はわずか四千名、こういう惨たんたる状況であります。したがいまして、農林大臣が今後農業政策を樹立される際におきましては、この問題が相当私は問題ではないかと思います。日本の農業人口も、よかれあしかれ、大体全人口に対しまして一〇%程度に激減するであろうという情勢は、もう大体各界各層の人が一致した見方であります。アメリカは一九一〇年から四年前の一九五九年までに農業人口が減ってまいりまして、一〇%程度になっております。スウェーデンはまたこれらの農業人口が減りまして、三十年間に一〇%になってしまっておるという状態でありますが、日本はおそらくこれよりも早いテンポで農業人口は減少していくであろう。一方におきましては、兼業農家が激増いたしております。プロセスにおきましてはいろいろな現象が起きるであろうが、結論としましては、やはり兼業農家というものはだんだん消えていく、こういうふうな見方をする人が多くなっておるのであります。この際、大臣にお伺いいたしたいのは、今後の構想として、一体自立経営農家というものは、どの程度の生活水準を維持させ、どの程度の生産性を持ったものを自立経営農家と定義し、また、一〇%程度に激減するであろう農村人口によって、日本の食糧需給の長期態勢からどの程度のものを確保する自信があるか、こういうようなお気持ちをひとつお伺いしておきたいと思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 たいへんむずかしい問題であろうと思います。農業人口がどれくらいで日本の食糧生産をまかなっていけるか、こういうことで、いま一〇%のスウェーデンやアメリカの例も出されましたが、御承知のように、日本の経営形態は零細でございます。そういう面におきまして、これを自立経営へ経営面積を広げていこうというふうに考えて、進めてはおりますけれども、必ずしも他国の例どおりにはいきません。そういうような日本の実情からみましても、あまり農業人口が減るということは、生産面にも影響が多いかと思います。そういう面におきまして、どの程度ならばというのは、その時代の情勢というか、あるいは近代化の進み方とにらみ合わせなければちょっと申し上げられない数字だと思います。しかし、なるべく少ない人口で国民の食生活をまかなっていけるような態勢へ持っていくべきは当然であろうと思います。そういう形になっていくと同時に、そのときにおける農業者のふところといいますか、生活水準が上がることが必要だと思います。いま農業基本法そのものではそういうあれは出ていませんけれども、御承知の所得倍増計画のときの十年計画等におきましては、経営規模が二町五反で、労働力は三人くらい、農業所得年額百万円くらいへ持っていく方向でめどを立てておるのでございますけれども、その面におきましてもなかなか進んでおりません。一町五反以上の農家は、この間御報告申し上げましたように、逐次着実にふえております。同時に、第二種兼業なども四〇%を占めておりまして、この第二種兼業の対策ということも考えていかなければなりまませんが、一面におきまして、就労先の社会保障制度とにらみ合わしての雇用の安定、こういうようなことにより、農地を手放してもよいという時期がくれば、そういうことで農地が手放されると思います。また、一面におきまして、やはり農地を手放さないで農業をやっていくのだということに対しましては、共同化を進めて生産をあげていくということであろうかと思います。でありますので、人口がどの程度が最少限度かということは、経済情勢及びその近代化の進め方、こういうこととにらみ合わせて申し上げなければならぬものでございますので、数字は申し上げかねると思います。また、どれくらいの規模でどれくらいの所得ということにつきましては、一応所得倍増計画のときに立てました計画の線に沿うて極力進めておる。こういう状態でございます。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 畜産の長期需要の見通しに関して、今後十年間に現在の百カロリーが倍増するであろうということに大体意見が一致しているように記憶いたしております。日本国民の現在の消費総エネルギーは百兆億でございますから、これが百五十兆億、五割追加需要が出るということも、大方の意見が一致しておるところであります。こういう観点からしますると、今後畜産、とこに酪農を農業基本法の選択的拡大部門として推進していく際におきましては、もうすでに再三質問もございましたが、飼料対策が一番重大な問題であることは申すまでもございません。輸入飼料が年間大体四百万トンから五百万トン輸入をされておる。これでは日本の選択的拡大の対象たる酪農は発展しない。むしろ、五百万トンという膨大な輸入飼料によって三億ドル近い外貨を使うならば、初めてから畜産物を輸入したほうがよろしいというような議論まで出始めておるのであります。現在の情勢では、近い将来の飼料輸入総額はおそらく五億ドルをこすであろう、そうなることを考えますると、この際、飼料に対しては相当思い切った措置をとるべきである。三十九年度予算で草地改良事業に十七億円計上されておるし、補助率も五%アップされておりますが、こういうことではとても現在の間に合わない。従来、農林省はどうもえさ問題の解決には消極的であるという批判がよくなされております。これは後日私は資料として要求したいと思いますが、一体農林本省はどのくらい輸入飼料を管理下に置いておるか。その残りの飼料はどういう会社が取り扱って、どういうルートで流れておるか。この詳細な資料を農林当局からこの委員会に提出していただきたい。  これに関連いたしまして、一体今後の新しい農政を強力にやるためには、飼料という大問題を赤城農林大臣としてはどういうふうに考えておられますか、この機会に一度お伺いしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 飼料の農業生産におけるウエートといいますか、重大性につきましては、その額におきましてもあるいは量におきましても、肥料を凌駕しておるような状況でございますから、日本の農業、ことに選択的拡大という方向に向いておる日本の農業にとって、飼料の重大性は深く認識いたしておるわけでございます。そうしてまた、濃厚飼料のほうは大部分輸入に仰いでいる。いま政府の管理しておるのはその一〇%程度だと思います。そういう状況でございますので、やはり選択的拡大であるところの畜産の生産性を向上する、コストを下げるという意味におきましても、やはり自給飼料の面を非常に拡大しなくてはならないと思います。いま御指摘のように、草地造成のほうにも今年度から力を入れますし、また、えさの作物等につきましても力を入れていくつもりでございます。  もう一つは、価格の問題であろうかと思います。どうしても輸入に依存しているような現状でございますので、価格も輸入価格によって左右されるということでございますが、こういう点につきましても、食管会計の中に飼料の会計等を設けて、できるだけ安く飼料が畜産農家の手に入るように考えていっておるわけでありますが、思うようにいかない点もございます。  御要求の点等につきまして、この次、答弁できますことは事務当局から答弁いたさせまするし、資料として出すべきものは資料として提出いたすことにいたします。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 委員長にお願いしておきます。ただいま私が質問中に要求しました輸入飼料の取り扱い会社、その流通機構等に関しまして、農林省に資料の御提出方を委員長から要求していただきたいと思います。  次にお伺いいたしたいのは、現在飼料需給安定法がございますが、現在の法規の範囲内ではなかなかうまく運営されない。この際、何か思い切った根本的な改正をする用意はないかどうか。特に、私は草地造成事業に——こういうことを率直に申し上げてどうかと思いますが、農林省の中で、この草地造成事業の所管をめぐって意見の対立が多少伝えられておったというようなことも聞いております。そういうことは情報であろうと思いますが、とにかく私は、今日の飼料需給安定法を根本的に改正して——しかも元農林事務次官小倉氏を中心に、ある強力な研究会が出しました飼料対策を見ましても、どうしても今後国内で三百万ヘクタール程度の土地を獲得せずんば、飼料対策は完ぺきでないという、相当ドラスティックな意見が、もう専門家の間では常識になっている。したがいまして、それの前提として、現行の飼料需給安定法はどうしても根本的に改正する段階になってきていると思うのであります。大臣の御意見を伺っておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 飼料需給安定法は御承知のとおり、輸入飼料についてのあれでございますが、いま御指摘のように、自給飼料の増大をしていく必要に迫られております。そのために草地造成等も強く推し進めなくてはならぬ、  こういうことでございますから、全体といたしまして、さらに検討を進めていきたい、こう考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 自民党の農林部会におきましては、草地開発事業に関して、現存の農地開発機械公団というものを活用したいという、相当強い意見がございました。この問題に関しまして、農林省で何か新しい計画がございますかどうですか。現在の機械公団の草地開発事業を担当するための画期的な改革の予定はないかどうかということを、この機会にお伺いしておきたいと思うのであります。  また別の機会に、この機械公団の別個の資料を要求したいと思いますが、きょうは質問だけにとどめておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 私も、これにつきましては、そういうことをしたらどうかと思いまして、予算編成前にも事務当局等にも検討を命じましたので、事務当局から答弁いたさせます。

丹羽雅次郎農林事務官(農地局長)

○丹羽(雅)政府委員 事務当局から報告させていただきます。  機械公団は、御承知のとおり、開拓事業発足の際には、根釧、上北の開拓事業から始めまして、現在の八郎潟の干拓事業のポンプの貸し付け業務等、各方面の大型の機械でやらなければならない仕事を全般的にやっておるわけであります。したがって、機械公団を草地造成事業だけに持っていってしまうということについては、いろいろ問題がある。しかし、先ほど御指摘のございました所管関係の問題で、大規模草地改良事業が三十九年度から農地局でやることに相なりましたので、この大規模草地改良事業につきましては、機械公団も積極的にその部門の一事業として活用してまいりたい、そういうふうにこの問題につきましては現在の段階では整理をいたしておる次第であります。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 三十九年度予算の中で、学校給食用になま乳四十万石を放出するという新しい計画が発足いたしましたことは、非常な前進であると思うのであります。ただ、これの単価助成に関する政府部内の調整の結果、われわれの意図する助成を確保できなかったことを非常に残念に思っておりますが、しかし、何はともあれ、今後酪農の重要部門たるなま乳を計画的に学校給食用に振り向けるというようなことは、非常な前進であろうと考えております。余乳処理とか、需給調整的に利用するという従来の考え方から脱皮いたしまして、恒久制度として、先般も御答弁がありましたように、将来二百万石程度まで使わせる、こういうことが必要であろうと思うのでありますが、この機会に、私は、日本の乳業メーカーの牽制を気にしないで、思い切った施策をひとつしていただきたい。特に私の郷里の熊本で、先年二大メーカーが衝突いたしまして、酪農農家は非常な犠牲をこうむっております。また、現に、大臣は東北地帯のなま乳の問題で相当苦慮されておるということもお聞きしておりますが、この際、四十万石、四円五十銭という線が出た機会に、将来の具体的な構想をお持ちではないかどうか、もう一度お聞きしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話のとおりに、脱脂粉乳を主とした余剰牛乳での給食ということを、姿勢を改め、方針を改めまして、なま牛乳を主としてこれを逐次それにかえていく。ことしといたしましても、実はもっとよけいやったらいいじゃないかという御意見もありました。これを、諸般の問題が整備されておりませんで、ただ数字だけ上げてもどうかと思いましたので、ことしは四十万石にとどめたわけであります。学校給食の父兄の負担という問題も、御承知のとおり、負担を増さないということを文部省と話し合いました。一合三円七十銭でありましたから、これを四円八十銭まで持っていくには非常にアップ率が大きいので、財政当局などもそれに踏み切れませんでしたが、四円五十銭までは踏み切ったわけでございます。これに対してなお新しい構想を持っているかということでございますが、私は、お話がありましたように、乳業メーカー等に顧慮する点は何一つ持っておりません。むしろ、私は、乳業メーカー等は少しわがまま過ぎるのじゃないか、私の見方からすれば、そういうふうに見ておるのでありますけれども、何やかにや経営上の問題など言っておるようでございます。でありますが、私は、この牛乳の扱いにつきましては、生産者団体とメーカーというような二本立てでいくことに一応はしておきたいと思います。というのは、いま全部生産者団体に預けてはたして途中でまごつくようなことにならぬような保証があるかどうかというと、その面についてもまだ検討が足りません。ですから、当分は両方で扱わせることにいたしますけれども、これは将来生産者団体に扱わせる、こういう方向を考えております。また、その量もできるだけ毎年毎年ふやしていきたい、こういうふうに考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 次に、農業構造改善事業について、簡単にお伺いいたしたいと思います。  三十九年度予算におきまして新しいくふうをとられたことは、赤城農林大臣の成功であると率直に認めます。ただ、私は、自治省に一年間おりまして、いろいろな事態に直面したのでございますが、この問題に関しまして、地元負担というものが、今日の農村の実情からすればあまりに過重である、もう少し国の補助率を増加する必要があるということを痛切に感じておるのでございます。この点に関しましては、いろいろ工作もされたと思いますが、自治省当局におきましても、地域開発事業債の中に新たなワクをつくって、この点は考えようという動きもあるようでございますが、この際、お伺いしておきたいことは、現在の基盤整備について定額補助をやっておりますが、これを定率補助に改正する御意思はないかどうかということをお伺いしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農政局長から詳しく申し上げたいと思いますが、現在やはり定額でなく、定率で五割、あと二割は藤田さんがお話しの自治省の交付税でこれを見てやる、結局七割というようなことに相なっております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 先年制度の改正が成立いたしまして、長年の懸案に一応のピリオドを打ちました農業共済の事業に関しましては、農災団体と農協の間で、法改正の際に、三者間の覚え書きが交換されたと記憶しておりますが、この覚え書き条項はどの程度進捗しておるかをお聞かせ願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 事務当局から答弁いたさせます。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 両団体の首脳でかわされました協定の実行状況でございますが、協定が結ばれましてから、両団体の事務局が二つの部会をつくりまして、事務的に話し合いを進めてまいっております。その一つのほうの部会、これは承継部会といっておりますが、そのほうの話は大体ついたわけでございますが、もう一つの、全国の農協系統の共済団体に対して一方から再共済するという問題につきましては、まだ話が終わっておりません。これは最近農協系統団体からきわめて斬新な、非常に思い切った提案が出ております。そのために、両団体であらためてよく協議するといった状況でございまして、その結果といたしまして、まだ実行に入っていないのでございます。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 大臣、肥料二法が効力を失ったあとの新しい法案の準備について、簡単にお示し願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 肥料二法案がなくなったあとの考え方に二つあるようです。もうそういうものを必要としないという意見を言っておる人もあります。私は、肥料二法案がなくなっても、法律で規定すべきものは規定していったらよろしい、こういう観点でいろいろ検討をいたしておるわけでございます。その案等の骨子は、いろいろ御審議願っておるんじゃないかと思いますが、肥料の価格決定を生産者と消費者団体との間で約束をし、しかし、それが内需を阻害するような形であってはいけないので、肥料の価格が安定し、内需をそこなわないような、最小限度といいますか、そういう限度の——政府の介入ということでありませんが、政府がタッチしなくちゃいかぬ、経過的にそういうものが必要である、こういうような考え方でいろいろ進めておりますが、私は法律を必要とするという立場に立っております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 全く同意見でございますが、次に、水産関係のことを簡単にお伺いしておきたいと思います。  漁港の整備というとは、これはもう水産の重要な生産基盤でありますが、庄野水産庁長官を中心に現行の補助率を一割ふやすために相当努力されたようでございますが、結果は失敗したようであります。現在の補助率からしますと、どうしても北海道、離島関係の整備が進み過ぎまして、そのほかの地区がおくれるという状態になっておりますが、この点に対しまして、緊急の措置として、もうすでに政府の地方財政計画は先般の閣議で決定いたしておりますが、私は、閣議で決定した地方財政計画のワク内においても交渉可能と考えますので、あえてお伺いしますが、この際、漁港を起債の対象として考えていいんじゃないか、こういう意見でございますが、この際、ひとつお伺いしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 事務当局から……。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 漁港の整備につきまして、地元負担の点につきましては、ただいま御指摘がありましたように、補助率のアップということについては非常な努力をいたした次第でございますが、遺憾ながら一種、二種について実現しなかったということでございますが、この点については今後とも最大の努力をいたしたいと思っております。漁港の整備の促進の上におきまして、いろいろ自然的な条件もございますが、地元負担の点で事業が促進しないという面もございまして、そういう面については、補助率のアップとともに、地方負担の起債のワクを自治省のほうで十分見てくれ、こういう折衝はいたしております。現在におきましては、漁港につきましては、一般単独事業債というワクの中で処理いたしておりますが、なお、これにつきましては、三十九年度につきましても、一種、二種、三種合わせまして地方負担の部分が十四、五億に上ろうかと思いますが、三十八年度までは、この一般単独事業債の中で、申請のあったものにつきまして、自治省とよく連絡をとって申請をいたしまして、この起債をこなすようにということで、申請に対しまして大体五、六割程度は一般単独事業債ということで認められておりますが、われわれといたしましては、やはり一般の公共事業と同じように、一般補助事業債ということで処理してもらうと、手続の点その他でさらに有利になりますので、そういった点も自治省とも交渉いたしておりますが、何ぶんにもやはり一般補助事業債に対する要望がほかの業種についても多いというようなこともありまして、なかなか実現できない状態でございます。今後とも一般補助事業債として漁港整備が期待のごとく相なるように努力いたしたい、こういうように考えております。

藤田義光自由民主党

○藤田(義)委員 次の質問者が見えましたので、私はこの程度で質問を打ち切りたいと思いますが、水産関係並びに林野関係に関しましては、またあらためて質問したいと思います。  最後に、一言だけお伺いしたいのは、今国会に林業基本法が提案されます。私たちとしましては、林業基本法ももちろん重要でございますが、僻地の振興ということが、国民の所得格差是正を強調される所得倍増政策の中で、非常に重要な課題ではないかと思うのであります。経済企画庁におきましては、御存じのとおり、離島振興法を実施いたしまして、相当の成果をあげております。また自治省におきましては、一昨年から辺地債という制度を採用いたしまして、辺地に対する病院、道路、その他、一件三百万ないし九百万の金を出しまして、僻地における山村の方々に非常に喜んでもらって、相当の成果をおさめつつあるのであります。総元締めの農林省にこのような総括的な計画がまだ具体化していないということを非常に残念に思うのであります。私は、むしろ離島振興法に基づく各種の助成、あるいは自治省の辺地債、これは六割政府が元利償還しますが、こういうものは、農林省に農村振興の制度ができましたならば、あげて農林省に糾合すべきであるということをかねて主張しておりますが、林業基本法を提出するよりも、むしろそれを包括したような大きな山村振興法というものを期待しておったのでありますが、広く申し上げまして、農山村の振興に対する特別な御準備がありますかどうですか。お伺いしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 僻地僻村といいますか、それに対して重大関心を持って対策を講ずべきだ、こういう御趣旨には賛成でございます。やはり格差の最もはなはだしいのは山村僻地だと思いますので、非常に関心を深めております。しかし、それのためにいま何か立法を用意しているかということでございますが、ただいま用意はいたしておりません。しかし、その重大性を考慮いたしまして、本年度の予算中に僻地農村対策等についての調査を専門的にやりたいということで、調査費を計上いたしております。その専門的調査等をやって、この方面にも強く対策を打ち出していきたい、こう考えております。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 昨日一日、農林大臣の最も信頼をされる長官並びに局部長に、各日について御質問申し上げまして、相当掘り下げて、限定された問題ではありましたが、お尋ねをいたしました。その結果に基づきまして、大臣の御所見を承って、今後に処せられる御決意を承りたいと思います。何か御都合もあるようでありますが、私もできるだけ簡潔に申し上げますので、誠意ある答弁をわずらわしたいと思います。  第一に、昨日御質問申し上げることができなかったのでありますが、これは当初から大臣にお尋ねすることが適当だろうと思って、割愛をいたしましたが、食管制度の問題について、最初にお尋ねをいたしたいと思うのであります。  大臣は、御就任とともに食管法改正の構想として、河野農相とは異なり、自由米構想という立場をとらずに、価格面からスライド制ということを主張しておられるように思います。各新聞、雑誌その他いろいろな機会に御発表になっておると思います。つまり、生産者米価が、高度成長政策下にあって上がっていく、それにつれて政府負担がふえていくということはたまらない、したがって、生産者米価が上がれば、消費者米価もこれにスライドして上げていく、いわゆる消費者負担に持っていくのだという構想のように拝見しておるのでありますが、これは食管法の第三条の大原則を変えずしてはできない重大な問題であろうかと思うのであります。この構想について、公の機会に私ども聞いたことがございませんので、この際、本年産米価が引き上げを余儀なくされることはしばしば御答弁になっておりますが、そうした場合に、スライド制を打ち出される考え方をもって対処されるのかどうか。これは非常に重要な問題であろうかと思いますので、従来御発表になりました構想を正式にお漏らしいただきたい、かように思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 私が再度就任いたしました当時は、実は消費者米価を上げるか上げないかというようなことは、決定いたしておりませんでした。その後、消費者米価は今年度は上げないということに決定いたしましたから、その点は御了承だと思います。それからスライドの問題でございますが、私は、食管制度というものは存置するという論者というか、立場で、ずっと三、四年前からもそういうふうな立場をとってきたものでございます。そこで、食管制度はこれを維持していくということでございますけれども、いまのようにあまりに赤字が多くなると、とやかくいろいろな議論が出ます。これは食管の会計に影響することでございますが、制度にも影響してくると思います。そういう考え方からも一面考えなくちゃならぬのは、国だけが食管に出た赤字をしょっていくというような考え方よりも、やはり生産者米価が上がったならば、消費者米価も消費者として負担すべきある部分があるのじゃないか。いつかもお話し申し上げましたように、この前に食管会計を整理いたしましてどんぶり勘定を改めたときにも、そういう検討をいたしたのでございますけれども、当然消費者としても、この程度の部分ならば持ってもいいじゃないかというものがあるはずだ。そういう点から考えれば、生産者米価が上がった場合に、上がった部分の何分の一かは消費者でも負担してもいいのじゃないか、こういう一つの理があろうじゃないかという観点から、たとえば生産者米価が千円上がったから消費者米価も千円上げるというようなスライドという形じゃなくて、生産者米価が上がった場合に、消費者が上がった率の中から負担すべき部分があるのじゃないか、こういうものを検討してみたならば、生産者米価が上がったときに、その何分の一かは消費者も負担していいのじゃないか。あるいは消費者米価が上がった場合に、今度は生産者のほうでもこういう面で幾分生産者米価も上げてもいいのじゃないか、あるいは上げない場合もありましょう、こういうような相互関連性を検討してみたらどうか、こういうふうに私は考えて、スライド制と非常にざっぱくな表現でございますけれども、スライド的なものというふうに新聞等に伝えられたものでございます。ただし、これが食管法第三条に違反しはしないかということでございますが、私は、いまの生産者米価、消費者米価の価格の決定の基準をいま改めようという考えを持っての話じゃございません。生産者米価といたしましては、いわゆる生産費・所得補償方式という方式で、また消費者米価につきましては消費者の家計を乱さないように、そういう点で消費者米価をきめるというようなことがありますから、その基準でやるといたしましても、消費者が負担すべき幾ぶんのパートがありゃしないか、そういう検討をしてみたらどうか、こういうことは言ったわけでございますけれども、これはまだこれからも検討いたしていきたいという考えを持っていますが、スライドというそのものが、千円上がったから千円上げろ、そのままそっくりというような意味で考えたわけじゃございません。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 お気持ちの一端を伺うことができましたが、いまの気持ちは持っておるが、本年産の消費者米価にはこれを適用する意思はない、しかし、これを制度的に持っていきたい意思を持っておるというふうに受け取れました。そうなりますと、一部であろうと、また全部であろうと、現在の食管法第三条のたてまえは、生産者米価は消費者米価と遮断されておるのがたてまえだろうと思うのです。これに手を加えなければ、いまの大臣の御主張というものは、なかなかそう簡単にはできない、制度の根本をゆるがすことに相なろうかと思うのであります。ですから、私は、大臣にそうおやりなさいというような意味で質問しておるのでなくて、そういうことは慎重を要するのではないかという立場から質問をしておるのでありまして、重政農相当時に米穀管理制度懇談会が設置をされまして、三本の答申がなされた。あのような権威者のつどいによってすらも、三つの案が出て、一つの結論に達し得なかった。それは、与党中心あるいは与党の説を比較的支持する学者、評論家等を集めても、なかなか結論を得ることができなかった。ことほどさように、いま大臣もおっしゃいましたように、食管制度を堅持していくという立場から手直しを自分は考えておるのであるという意味のお話がございましたが、そのことそれ自体、やはり制度の根本に手をつけなければなかなか容易にできることではない、このように私思うのであります。そういう面から制度化のために、先国会から懸案になっております食管法調査会法案を御構想になり、その大臣の構想されておることを実現せんがための調査会の提案を用意しておられるのでありますか。調査会の設置法案の取り扱いについて、いまの大臣のスライド構想というものを実現するための調査会なのか、その点を明らかにしていただきたい。また、行政組織法の改正が企図されておると伝えられておりますが、そうした場合には、調査会の設置を必要としないという意向もまた一部にあるようであります。そういうことによって、次から次といろいろな調査会を設け、漸次現行食管制度というものをゆるがしていく、つまり、外堀からだんだんと内堀を埋めて、本丸だけを残していく、そういうことになりかねまじき情勢のようにもうかがえるのであります。そうでないならないとはっきしていただきたいのでありますが、調査会法案について、今国会に提案をされる構想、その取り扱い態度、そういったものについて明らかにしていただきたい。簡単でよろしいです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 食管制度に関する調査会は、いまお話のありましたように、毎々国会に出そうとして出さなかった懸案の問題でございます。そのいきさつというのは、いまお話のありましたように、農林省内に食管に関する有識者の委員会みたいなものを設けまして、いわゆる松村委員会でございますが、結論が三つ出ております。そういうふうに、結論としてどういうふうに持っていったらいいかというのも、相当な人々の間にも議論があるわけでございます。でございますので、すぐとは結論は出ないだろう、ゆっくりとそういう問題を検討してみたらどうかということで、前の前の国会でしたか、審議会法案を出そうということになっておったのでありますから、私のスライドとかなんとかいうことは、全然関係を持っておらないわけでございます。食管制度全般に対して検討してみようじゃないかということで審議会を置こうとした、そのままを私が踏襲して出そうかということになっておるのでございますけれども、いろいろな事情がありまして、その当時の事情とまたいまの事情は幾らか変わってもおります。そういうことで、出すか出さないか、本気には決定していないのです。時期的にもこれは非常に問題がありまするし、だんだんおそくなっては審議の期間がなくなっちゃう、こういう問題もあります。前の大臣時代にきめたもので、前の国会に出そうとして出さなかったのだ、こういういきさつと、それからその後の情勢も幾ぶん少しずつ変わってきている。ですから、いま出すということにきめておりません。出してゆるゆると審議をしてもらうということは、私は必要かというような気もいたしますけれども、どうしてもこうしても出さなくちゃならぬというような、そういう緊急性を持っては考えておりません。結論的にいうと、出すか出さないか決定していない、こういうことを申し上げておきます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 情勢が変化をしたので、必ずしも、前大臣の構想であるから、これを踏襲するかいなかは、まだはっきりしておらない、こういうふうに御答弁を聞いたわけでございますが、若干情勢が変化したということはどういう変化でありますか。たとえば米の需給事情が、河野農林大臣の自由米構想が発表されたときは連続豊作のピークにあった。与党の一部には、五年くらい先になれば米は余ってくる、こういう極端な議論を吐く人すらもあった。それが一つの自由米構想となり、あるいは食管制度変革の議論に発展をするというような情勢も確かにあったと思います。ところが、昨年来、御案内のように、八−九の端境期における新米の早食い率というものは、非常に大きくなっておる。近年のトータルでいきましても、端境期においては二十万石前後の政府の古米手持ち量しかない。そういう逼迫した情勢がある。そしてこれに幾倍かする早場米を早食いすることによって、この需給事情を緩和しておる。かような情勢というものは確かにある。最近新聞紙上をにぎわしておりますが、売り惜しみ傾向が米屋の間に出てきておる。こういうことすらも報道されておるのであります。現に大消費地あるいは交通その他の事情の地にありましては、三日分、五日分くらいしか食糧がない。農協は入ったかと思うと、すぐにオーダーで出庫しなければならぬ、こういう状態で、経営にも支障がくるというような飛ばっちりを受けておる。このこと自体は、米食い率というもの——麦の消費の減退、雑穀の消費の減退等が、米に移ってきておる。米が一番安い。また国民嗜好に合っておる。いままで麦を食べておった者、雑穀を食っておった者が、だんだんと米に移ってきておる。そういうふうに米の需要が増大をし、一方酒米の需要も激増しておる。聞くところによると、カリフォルニア米を政府は二万トン程度も輸入をして、酒造米のかけ米として、酒をたくさんつくって税金をたくさん取ろうということのようでありますが、そういう事情にあるようであります。事ほどさように、需給情勢というものが逼迫しておることは事実のようであります。これも情勢の変化の一つであろうと思いますが、大臣の言われる、情勢の変化によって、これは出してもいいし出さぬでもいいと、腹をきめかねておるという御心境になったものは何でありましょうか。三、四年前とここ一、二年の米穀の需給情勢というものは著しく変化をしておる、米の消費が伸びておる。しかも、これに即応していくためには、政府が年々買い入れ量を増加していかなければならない実情にある。しかし、これを多くすると、食管会計の赤字を増大するので、痛しかゆしという事情にあろうかと思います。ですから、河野自由米構想というものの出た当時の需給事情あるいは食糧事情というものと、今日とは、相当の変化があると私は思うのでありますが、そういう点をも考慮されての御答弁でございますか。需給事情とは別途の理由によって、食管制度調査会法案について態度をまだ未定であるとおっしゃるのでありましょうか。その間の大臣のお考えがありますならば明らかにしていただきたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 確かに三、四年前の米の供給といいますか、豊作という時代におきましては、もう自由化してもいいのじゃないかというような声も強かったようでございます。現在逼迫はいたしておりませんが、三、四年前のような状況よりは幾ぶん窮屈な見通しでございます。でございますので、実はいまその審議会法案を出すか出さないかということにつきましての結論をまだ持っていない理由は、そういういまのお話のような情勢の幾ぶんの変化がございますので、大体需給の見通しというようなものも少し練り直してみることもあろうかというのが一つ。それからもう一つは、検討してもらうということだけれども、実は結論を持っていないわけです。どういうふうに、あるいは直接統制のままでいくか、間接統制にするか、あるいはほんとうに自由にするかという結論を私のほうで持たないままで、しかるべく検討を願うというような形、それは正しい形かもしれませんが、実際問題としてそういうことのためにわざわざもうけていいのかどうかというような問題も残っております。実際、あの法案は、こちらで結論を持って、その結論を押しつけるというか、結論にひっぱっていくための法案というような形で出されようとしたのではございませんけれども、いろいろ国会審議の他の法律との問題やら、いまお話がありましたように、手放しで米の生産が上がってきているような四、五年前あたりの情勢とはだいぶ違っておる。こういう情勢なども頭に入れて、いろいろ検討してみたいと思っています。法案の点につきましてはまだ結論を持ってない、こういうことでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 先ほども指摘いたしましたように、需給事情は逼迫をしておると私は思うのでありますが、大臣は逼迫しておらない、要するに、新米か古米かどちらをたくさん端境期に食うかということの相違であって、需給そのものは別に困っておらない——その気持はわかります。しかし、数年前に古米を潤沢に持ってゆうゆうと需給操作をしておったものが、いまは新米の早食いを早くやらなければ需給がつかない。消費者の側から見れば、新米が、あるいはうまい米が食べられるわけですから、私はそのこと自体はさしつかえないと思う。しかし、全体として見たときには、古米の保有量が減って、新米の早食い量というものがふえておるということは、いざ何事か、交通異変とかあるいはその他の事情があって、配給に異常が起きるようなときには、困った事態が起きる、こういう心配もやはり出てくると思うのであります。最近各新聞がいろいろな報道をしておる。まあ、新聞の記事を一々取り上げて大臣の御所見をただすということにもなりかねまいと思いますけれども、事食糧については非常に重要な問題でありますので、申し上げますと、政府はお米は十分あるから心配するなと言うけれども、末端では主婦が買い急ぎをしておる。しかも、米屋さんがその気分をあおっておる。で、微増ではあるけれども、やみ米が値上がりを示してきだしておる。つまり、最近の米食い率というものがふえたということは、政府の手持ちをもってしては、一月から内地米の割り当て量が一人当たり六・四キロに減らされたという一つの事実から見ましても、何か消費者に不安を与えるわけで、米屋さんがどうも米が足りないですぞ、そこでやみ米を押しつけてもうける、そういった微妙なからみ合いが、一つの米不足のムードを醸成しておるのではなかろうか、かように私どもは見ておるのであります。そういうことに対して、やはり事実は、内地米の配給量が減るという具体的な事実が、一般の人心に微妙に響いてきておるのではないかと思うのです。そういうことについて、そういうことはない、なぜ配給米が減ったのであるか、これは次の段階においてはこういうふうに是正するのだというふうな手を打たれ、政府としての所信を明らかにされるならば、そういう傾向はおさまると思いますけれども、これがふだんの場合だと、統制がないときでありますと、買いだめ、売り惜しみというような状態が起きて、社会不安が起きる前夜のような、ちょっとオーバーなような表現かもしれませんが、雰囲気もなきにしもあらず。そういう情勢下にあって、食管制度を変革するというようなことは、私は、全く時期的にも、構想それ自体も納得いきませんが、いま大臣が慎重を期しておられるのも、そういう配慮もあるのではないかと思いますが、この消費地における米の逼迫感に対して、大臣はどのような手を打って、そういう感じを払拭し、安心を与えて、不正な取り引き等の発生を未然に防止される御方針でありますか。もし御意見があれば聞かしておいていただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 確かに端境期におきまして古米が少なくなって、新米に食い込んでいる、こういう事実は御指摘のとおりでございます。しかし、その後の情勢等で御承知のように、価格の問題もありましたろう、そういう面もありまして、政府に売り渡す米の量というのは四千五百何万石ですか、トン数にしてまだ——事務当局から申し上げますけれども、去年よりも非常にふえているわけです。そういうわけでございますから、政府の管理している米というものは、去年よりもことしは非常に多い。こういう事情でございますから、端境期における新米の食い込みということが、二年ばかり続きましたから、そういう意味においては早食いのようなことになっておりますが、管理している米の総量というものは、去年よりも多いのでございますから、そう消費者に不安を与えるというような実情ではない、こういうふうに私は見ております。ただ、十キロのうち、内地米を六・五キロですか、にして、あとは準内地米というような形で、非常にいい米の量を少なくしました。この点は、ことしの天候のために等外米等悪い米が相当出ましたので、そういう面を加えて配給するということになっておりますので、消費者から見ますならば、米が不足しているというような感じを与えるかと思います。同時に、輸入関係のいまの酒米などでも、それで足りなくて輸入しているじゃないかというような心配なども与えているようでございます。そういう面も実態を明らかにしていけば、そう不安とか動揺ということにおちいるべき事態ではないと思います。ただ、後段お話がありましたように、統制といいますか、政府で管理していないというときでありますと、こういうものは非常にいろいろな問題を起こしやすいことだと思います。そういう意味におきましても、いろいろ検討してみなくちゃならぬ問題がありますので、米の食管制度の審議の法案についてまだ結論を出していない、こういう事情です。ただ、それを出さないのは非常に不安があるのだ、それからそれを出せばすぐ自由にする前提だというようにお考えになられるのは、少し思い過ぎであろうと思います。それを出すという結論を私はいま持っておりませんから、申し上げるのでございますけれども、何か出せばすぐ自由にして統制をはずすんだ、こういうような前提でお考えになっていただかないほうが私はいいと思うのでございますが、そういう考えでこの問題を取り扱うと、やはり一つの不安感を醸成するようなことだと思います。しかし、そういうものならば、出さないほうがなお不安感がないんじゃないかという御反論があろうと思いますが、そういう意味もありまして、まだ出しておらない、こういうことでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 需給論争をしておりますと、肝心なことがお尋ねできなくなりますが、結論的に申し上げますと、この三十七年、三十八年新古米の在庫量をあなた方の事務当局によって調べてもらいますと、三十七年の八月の古米の在庫量が七十八万六千トン、新米が一万五千トン、合計八十万一千トンです。三十八年の八月が、古米が六十万六千トンで新米が一万九千トン、合わせて六十二万五千トンであります。これが端境期の九月になりますと、全然逆転してきまして、三十七年の九月には古米在庫量が三十一万トン、新米が九十三万七千トンを食っておる。で、百二十四万七千トンというふうに全体のトータルはふえておる。三十八年九月になりますと、大体古米が半分になりまして十六万二千トン、新米が百三万九千トンの早食い率で、合計百二十万一千トンということになる。こういうことをずっと繰り返していきますと、短期の需給見通し、長期の需給見通しを早急に立てられて、そうして——それでなくても内地米の配給量を減じておられることは、国民に不安を与えておることは間違いありません。いわれなき不安だとおっしゃればそれまででありますが、事実でありますから、そういう動きがあるわけです。  そこで、伺っておきたいのは、こういう需給繰作であるにもかかわらず、時期別格差奨励金を削り、あるいは買い入れ量の面においても、これらの逼迫事情を緩和するだけの買い上げのワクを増量する御用意も十分ないということでは、これがずっと年を越して回っていきますと、短期の需給にも相当ひびが入ってくるのではないか。ことしの買い上げ予定数量をもってしては、とうていまかない切れない。もっと新米の配給率を減らしていかなければならぬ。あなたが千二十六億円という最高の、食管会計の米の赤字補てんの予算を計上されたということで、非常にお困りだったようでありますが、これは消費者も喜んでおりますし、生産者もこれによって利益をしておる。これくらい政策的にじかに国民に直通しておる政策は、私はないと思う。考え方によっていろいろありますが、むだな回り道ではなしに、じかに生産者の再生産を確保する道に通じ、消費者の家計を安定せしめておるという、大きな政策的な成果をあげておると思う。ところが、配給量を減ずることはあっても、現買い込み量では、ふやすということはできない。でき得るならば、国民に全量を配給していくということが好ましいでしょう、政策目標としては。しかし、財政が許さぬ。若干の買い上げワクをふやす程度で、思い切った需給操作の緩和になるような見通しは立たぬ。こういうことでありますが、事情によっては内地米の買上げワクをふやされ、あるいは需給操作上の必要によっては、時期別格差の撤廃の問題についても再考をなさる必要があるのではないか、かようにも思われますが、御所見はいかがでありますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 時期別格差につきましては、逐次減らしていくという前の方針がありましたので、一応そういう方針で進めておりますが、これは生産者米価の決定のときにまた検討される問題であると思います。  それから、生産者の米の買い入れにある程度の金のワクを設けていて、それでそのワク以外にはストップさしておるのかということですが、そういうことはいたしておりません。申し込みがあれば政府のほうに買い入れるという食管法の規定どおりに処置しています。でございますから、申し込みがあれは——これは財政は補正しようと何しようと、あとからやってもいいのでございますから、そういう意味からいきまして、これを制限してストップさしておるという事実はございません。そういうことに御了承願います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 赤城さんもその道の権威者であるから、そうおっしゃるのでしょうけれども、事実上においては一つの制約があるということは、お認めにならざるを得ないと思うのですが、ただいまの御答弁をそのまままともに承りまして、できる限り需給逼迫の緩和のために御善処をわずらわしておきたいと思います。  そこで、第二の問題でありますが、大臣は、あらゆる機会に日本農業の近代化ということを述べておられる。私どもも、近代化を提唱して、今日まで微力ながら努力をしてきておる。ただ近代化ということを実現していくためには、土地基盤の整備であるとか、あるいは融資制度の改善であるとか、新技術の導入であるとか、人材の養成というような、政府がいま考えておられることも、もちろん必要でございましょう。必要でございますが、事実上において一番問題になるのは、自立農家が年率二、三%程度しかふえないで、政府が三年前に立てた自立経営、二町五反、百万円農家というものは、いまの調子でいきますと、これは絵にかいたもちに終わりそうな空気になっております。逆に兼業農家がふえておる。しかも、その兼業農家というものは、どういうふうに理解すべきかということは問題だと思うのです。もともと二男、三男は、これは農家から弁当を持って工場その他の職場へ通っております。その形からいうならば、その農家は兼業農家である。それが分家をして出ていく、あるいは都会へ流出するからといって、これを一々取り上げて兼業農家の論争をしておるわけではございませんが、最近の傾向として私どもが一番心配をいたしますのは、農業白書にも見られ、各種の資料にも出ておりますように、経営主自体が兼業しなければいけないという情勢が生まれてきておることなんです。経営主みずからが遠隔の地にまで出かせぎにいかなければ生計が維持できないという事態が生じておる。いわゆる従来考えられておった兼業農家というものの中身を検討してみると、そういう実態が出てきておることを私どもは心配するのであります。この兼業農家対策に対して、大臣は、兼業農家がふえているが、農業だけではやっていけないのであるから、兼業農家を阻止すべき理由はない、むしろ、現在は両面で所得を得る機会を与えることが必要だ、いまは生産本位ではなく、生活本位の時代だと、ある新聞に語っておられる。あなたの写真入りで、これはショッキングなことばとして大きく取り上げられております。といたしますと、大臣の兼業という考え方は、どういう考え方に立ってこういう意見を述べておられるのか。一口に兼業といっても、兼業の持っておる意味というものを的確につかんで、これに即応していくような農家の生産性向上のための対策としての近代化を考えておられるのかどうかということを、私は心配するのでありますがこの点、大臣の兼業農家に対する御認識、大臣はどういう見解で言っておられるのであるか。要するに、二男や三男が離農していくということは、別にわれわれはそのこと自体をとやかく言う必要はないと思う。現実の問題として起きておるのは、経営主自体が半年くらい出かせぎに行かなければやっていけない農家がふえつつあるというところに問題がある。留守番の婦人が、主人に生理休暇を十日間与えてやってもらいたいという声を出したと、この間の新聞も伝えております。私は、問題はそこにあると思うのです。この対策は、その兼業の本質、その意味というものを的確につかんで、これに直結した施策を講じなければ、私は成果はあがらないと思う。いたずらに近代化を呼号してみたところで、成果はあがらないと思いますが、いかがでありますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 兼業に対しての認識ということでございますが、非常にむだずかしい問題と思います。人間的に見れば、農業者でも普通の人と同じような生活をしたい、生活をさしたい、こういうことですから、農業だけでうまくやっていけない場合に、所得を得る面において兼業のほうへ入っていく、これは当然でありまするし、それをけしからぬというわけには私はまいらぬと思います。それから農業面からいいますると、これは農業の生産面、農業全体からみますると、兼業というものに入っていくということになりますと、あとの農業の生産その他の面におきましてプラスじゃなくて、マイナス面が多いと思います。こういう両面を備えておると思います。そこで、営業主といいますか、事業主までが出ていく、こういう傾向は、私も非常に憂うべき傾向だと思います。しかし、これは昭和三、四年から六年ごろの農業恐慌時代などにも、出かせぎが多かったこともございますが、これは逐次直ってきましたが、いまそういう傾向であるということは、私は憂うべきことだと思います。  ところが、今度は、兼業農家に対してどういう農業政策を行なっていくのか、そこへものさしを当ててやっていかなくちゃだめじゃないかという御趣旨のようでございますが、もちろん、これに対してのものさしも当てていかなくちゃならぬと思います。また、根本的には、いかに自立農家の育成が遅々としておるといいますか、目標に対しまして進みにくい状況であるとはいいながら、やはりそのほうはそのほうでどんどん進めていかなければならない。それとの関連において兼業農家というものをどう考えるかということでございますが、兼業農家等につきましては、他産業にもうすっかり入り切るのだ——企業主といいますか、経営主、経営の主人公でも迷っておると思います。一面においては、やはり食糧のある程度は生産さしておいて、そしてほかからの収入をとらなければならぬということでございまするし、賃金をとらなくちゃならぬということでございますし、また就業先も、出かせぎ等におきましては安定しておりません。いつやめるのか、いつ仕事がなくなるのか、こういうことでございます。でございますので、ほんとうに農業をもうやめてもいいのだ、ほかの仕事に十分安定してやっていけるのだ、こういう体制は農業方面だけではできませんから、厚生方面あるいは労働方面から、そういう労働対策はぜひ私どもも協力をして確立していく。安定して仕事ができるのならしたいというなら、その方面に入って仕事ができるような体制にしていく。それからまた、土地を放すということには踏み切れない、やはり農業というものをやっていかなければ、他産業からの収入だけではやっていけないのだ、こういう立場の兼業農家もあると思います。しかし、農業のやり口といたしますならば、残った婦女子、これは小さい子供や婦人などの農業でございますから、農業そのものとしてはよくいっていないと思います。これはこれとして、やっぱりできるだけ共同化といいますか、作業の共同化、こういうことを進めていきたいと思います。現在におきましても、部分的な共同化はあると思います。これは全部の例ではございませんが、主人が他の産業から給料をもらってきている、その給料をいろいろ機械を共同でやる場合の資金にしておるとか、そういう助け合いみたいな、融通し合っているようなかっこうもあると思いますが、要するに、農業としてはなかなか立ち行かない、立ち行かないから、他産業へ行って収入を得ている、こういう兼業農家でございますから、立ち行かない農業の面は共同化して進めていく、こういうふうに考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 ただいまの御答弁は、私が昨日、あなたの部下ですか、局長さん方に御答弁を願ったことと、だいぶ大臣のほうが進歩的で、実態をとらえておる。そこに並んでおられる諸君は、全くいまの大臣の答弁をよくかみしめて、今後精進をされる必要があろうかと思うのです。要するに、第一種兼業農家、つまり、経営主みずからが出かせぎに行かなければならなくなるような状態に対する対策としては、共同化が必要である、そのとおりであろうと思うのです。つまり、そういう地帯が全国にどんどん出ておりまして、相当乗用トラクターなどもそういう地帯には入っておる。都市の近郊地あるいは相当の平たん地帯、交通事情のいいような、出かせぎに便利なような地帯というところは、形式としては、機械化が進んでおるような様相を示しておる。ティラーが動き、そしてあらゆる近代的な農機具がたんぼに活動しておる、そのこと自体を見ますと、機械化は促進しておる。機械の導入などの台数の上からいけば、そういうふうにも言えるでしょう。ややもすれば、役人の見たところは、形としては、これは機械化が進んでおる、近代化である、こういうふうに見ておりますが、事実中へ入ってみると、生産は粗放化しておる。農業経営技術は未熟で、大臣も所信表明で言っておられるように、労働力は老齢化、婦人化して、質は非常に低下しておる。でありますから、生産力というものは伸びておらない。これをほんとうにがっちりと共同化していくための施策というものが必要になってくるにもかかわらず、昨日も私は申し上げたのですが、構造改善事業をもってして共同化対策の一環だと言ってみたり、あるいは機械化を促進することが共同化対策の一環だと言ってみたり、また作業の共同化を進めておるから共同化をやっておるのだというような、その程度の答弁しか得ておらない。これでは自立経営農家自体の育成に失敗をし、さらに兼業の増大ということに対して共同化の必要を大臣が御答弁になっておるにもかかわらず、実態としては、では農林省に、共同化をやるためにどこへ行けばよいか。まとまった横の連絡を受けて相談をする部課もなければ、担当官もいない。きのう昌谷農政局長に伺いましたところが、それはばらばらのようではあるけれども、各部局でやっておる、総体として見ていただけば、共同化を促進しておるのだという、苦しい答弁をしておる。そういうことを昨日答弁に聞こうとは私は思いませんでした。大臣のように率直に、こういう経営主みずからが出かせぎをしなければならない、兼業をしなければ食っていけないような、そういう生産性が低下する兼業農家、貧農に、新しい協同経営の息吹きを入れていこう、そのための必要な相談相手をやはりつくる、農林省の中につくることができなければ、民間にコンサルタントをつくるということが必要になってくると思うのです。また、これを横から見るならば、同一水準の経営規模を横に広げていく、個々の経営を横に広げて生産性を高めていくわけでありますから、自立経営とは別な形において、意味のある政策として、経営規模拡大政策の一環としてもこれは価値があると思う。ところが、あなた方のいまの農林省のやり方なり機構なり政策を見ておりますと、農業基本法の論議された当初においては、協業の促進ということが原案にあったものが、いつの間にか助長になり、そして何か協業や共同化を説くと、それはイデオロギー的に強制労働を社会党は考えておるのだとか、あるいは土地の所有権を、社会党は共同化を説くことによって国有化、共同化を考えておるとかいうような、まことにとるに足らぬ愚かな宣伝をして、共同化を何かこわいもののように印象づけていくような動きがあることは事実であります。これはもう私どもいろいろな場合に直面しておる。ところが、いまの大臣の御答弁を見ますと、新しい兼業の増大に即応していくためには共同化が必要である。その共同化にも、私どもはその力関係や条件を考え、段階を追うて無理のない共同化を促進していくことが必要だと思うのですが、つまり、一月一法人に端を発した、昭和三十二年に端を発した法人化運動が、農地法、農協法の改正を通じて、今日四千近く法人化が進んでおっても、農林省はこれに対して積極的な指導をやっておらぬ。いうなれば、組合法人をあなた方は奨励しておる。ところが、実際は、府県その他への報告を求めるという形における干渉というか、うるさくてしようがない。そこで、農民は自発的に会社組織をつくっておるのが大部分であります。しかし、運営の実態を見ますと、組合法人的な運営をして、労働に対する報酬を優先的にやっておる。出資の配分ということは二義的に考えた運営をやっております。ですから、名は会社であっても、運営は組合法人的な運営をしておりますが、これが農林省の気に入らない。そういう矛盾があることを大臣は御存じでありましょうか。私は先ほどの御答弁を聞きまして、まことに率直な御答弁と思いますが、もっとそれを進めて、機構の面においても、対策の面においても、もっと直接的に兼業化しつつある農家をその姿において把握し、その立場において生産性を高め、所得を増大していく対策というものが、いまこそもっと真正面切って取り上げられていかなければならぬ段階だと私は思うのでありますが、その点について十分所管局長やその他を再教育されて、いまの御答弁の中から新しい共同化の構想というものを進められる御意思はないでありましょうか。その点特にただいま共同化を促進するという御答弁でありましたので、お尋ねをしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 共同化が進まない原因は農林省の指導が熱意がないのじゃないかというような御質疑でありましたが、共同化のほうの生産法人等の発足がこの間であったものですから、まだそういう面の指導が足らぬ面はあるかと思います。一面において、御承知のように、農民はやはり共同化になかなかなじまない面が実際あります。長い因襲で、ほかの工業面みたいに生産物をすぐそろばんで割り切れるような体制でございません。なお、労働の力の入れ方等につきましても、勘定してすぐ割り切れるような体制でございませんので、共同化になれないといいますか、そういう面もあって、進まない面もあろうかと思います。しかし、生産法人の制度も開かれ、あるいは一面においては農地信託の面などもございます。そういう面で、私は、共同化は、兼業農家におきましてどうしても農業をやっていくというものについては促進いたしたいと思います。  また、私の考え方からいいますと、私は、自立農家とそういう兼業農家の共同というものが相反するものではない、やはり自立農家というものは個人を単位とした一つの自立農家でございますけれども、一つの共同の単位を団体としての単位の自立的な面だというふうに認識しておるのでございますから、決して自立農家育成とは相反するものではない、また現実の問題としても、そういうことをしていかなければ成り立たない面がありますから、そういう面は促進させたいと思っています。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 農林省の内部にいろいろな機構がありますが、もっと現実に即応したような機構について検討される御用意がありますか。なお、民間に生まれつつある共同化を進めていくために必要なコンサルタントのようなものをもっと助長育成する御所存はございませんか。実際に地方を回ってみますと、共同化されたところへ行ってみる、そうすると、帳面くらいは一応つけておりますけれども、それは経理的にちゃんと仕訳をして、そしてきちんとした経理の上に立った、その経営に役立つような分析がなされておらぬ、案外抜けたところもあるように聞いております。そういう仕事に直結をしていくことが、私は、協業化を助成し、促進をしていく道に通ずると思うのです。いまのように構造改善をやっておるし、その基盤整備をやることも一つの共同化で、共同苗しろもやっておる、そういうことは従来からもやっておることでもありますし、また施策の面でそれぞれ必要なこととしてやっておいでになることでありますから、それをもって共同化対策の一環だといって答弁をするのではなしに、もっと直線的に、いま言ったように、客観的な必要に迫られて出てくる兼業農家の共同化に対して、もっと積極的なものを打ち出す段階がきておると私は思う。コンサルタントの問題あるいは機構上の問題、この点については、都道府県においては一千万円前後の金を出して、そういうことに対して手を打ちつつある。農林省のほうがおくれておるのではないかということをきのうも事務当局にいろいろお尋ねをするけれども、ぬらりくらりした答弁ばかりしておられます。もう少しこういう面を大臣としては積極的に進めていただきたいということを強くこの際申し上げておきます。  時間も来ましたので、またの機会にするといたしまして、もう一問だけ簡単に申し上げますと、大臣の今度の農林漁業金融制度の改正につきましては、共鳴しておる点もありますし、また不満な面もございます。過日、農林漁業金融公庫の資料をいただきました。これを見て非常に残念に感じますことは、土地改良についての融資条件の緩和ということがきわめて軽く取り扱われておる。融資ワクは確かにふえておりますが、融資条件の緩和ということは、土地改良関係については残念ながら見受けられません。もっと金利を引き下げていかなければならぬ。これは、後日、私は、こういう公開の席上でもけっこうでありますけれども、時間を食いますから、実例をもって大臣にじかにお見せいたしますから、抽象的にきょうは申し上げておきますが、土地改良で見ますと、非補助小団地の土地改良が三分五厘、土地改良災害が五分、土地改良補助が六分五厘と、金利の面におきましては、現行と変わりはありません。貸付期間で非補助土地改良の三年据え置き十五年が五年据え置きの二十五年になり、団体営の五年据え置き十五年が五年据え置き二十五年になり、県営土地改良補助の七年据え置き十五年が、十年据え置きの二十五年償還になっただけであります。資金ワクは確かにふえております。しかし、融資条件そのものは、大臣の御主張にあります基盤整備に一番直接に活躍しておるものに対しては、条件の緩和がなかったことを私は非常に遺憾に思いますが、この点についてはいかように今後対処されるお考えでありましょうか。しょせんは、構造改善事業といいましても、これは議論がいろいろございますが、波及効果をねらったものであります。そのこと自体が、政策として日本の基盤整備を大幅に推進するという意味を持っておりません。しょせんは、モデル地区ないしはそれを通じての波及効果を主としたものであります。わが国には申し上げるまでもなく三百六十万町歩の水田があるといたしますと、必要とする土地改良面積というものは百万町歩をこえておる。現在反当五万円の工費ではできません。百万町歩を十カ年でやろうといたしますと、五千億円、一年五百億円なければいけません。農業構造改善で十カ年にやり得る範囲はおそらく三十万町歩内外だろうと思います。そうしますと、やはりこういう土地改良関係については、土地改良法の一部改正が今国会に上程されておりますので、私はその際に突っ込んだ御質問をいたしますが、少なくともあなたが誇られておるような金融制度の改正の面において、一例を土地改良にとってみますと、条件緩和が不徹底である。これはあなたの基盤整備の根本的な農政の骨格にそぐわないものをお気づきにならないでしょうか。もっとこの点については思い切った施策を講じられるべきではなかったか。土地取得がわずかに三分五厘になったにすぎません。三十七年の実績を見ますと、構造改善資金で土地取得関係は二十数億残ったと私は聞いております。これはいずれ法案の審議のときに詳細な資料提出を求めますが、使えないのです。なぜ使えないかというと、いろいろな事由もありますが、土地改良をしたからといって、直ちに米が二俵も三俵もよけいとれるというものではありません。一俵多くとれればせいぜいです。初年度においてはそうはいきません。ところが、一俵四千五百円か五千円足らずに売れたといたしましても、反当四千三百円から五千円の元利償還を必要とする。こういうことになりますと、なかなか農家はその負担にたえかねて、土地改良を始めようとしない。また、始めても途中で挫折してしまうということで、至るところに問題が起き、赤字組合が続出して経営難で困っておるのであります。これを見ながら融資条件の緩和に踏み切れなかった事情というものはどこにあるのか。要するに、構造改善中心の土地基盤整備方針ではその目的は達成できない、かように私は思うのであります。これは具体的な問題でもありますが、共通する基盤整備に関係のある問題でありますので、欠陥を指摘して大臣の反省を求め、今後の御所信を明らかにしていただきたい。補正その他の措置によって、あるいは他の方法があるならば、こういう問題についてはすみやかに条件緩和に踏み切られるべき性格のものではないかということを強く御指摘を申し上げておきたいと思いますが、いかがでありましょう。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 おっしゃるとおり、私は、構造改善だけで土地改良なんというものはやれるものじゃないので、別途土地改良をして基盤を整備しなければ、近代化だとか、近代化の中に入っている機械化だとか、あるいは選択的拡大だとかいっても、とても進むものじゃないと思いますから、基盤の整備には一番力を入れていかなければならぬという立場に立っております。そういう意味におきまして、助成面ばかりでなく、全融面によりまして十分そういう措置をとっていきたい、こう考えまして、金融制度等にも手をつけまして、条件の緩和等につとめたわけでございまして、いま御指摘のように十分でない点があると思います。直した点につきましてはまた事務当局から御答弁いたさせますが、これはなお一そう努力いたしまして、償還が長期にわたり、そうしてほんとうに基盤が整備されるということのための金融の条件のいろいろな緩和といいますか、条件の妥当性、そういうことについてはなおつとめていきたいと思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 最後に、金融問題に関連して申し上げておきますが、構造改善資金にいたしましても、近代化資金にいたしましても、農協を窓口としていく制度金融のいまのあり方についてどのようにお考えになっておりますか。最近農協が大型化し、農協のあり方についても、農協内部においても検討が進められておる。農林省としても御検討になっておると思います。いずれこの団体問題については別の機会にお尋ねをいたしますが、三年を任期とする末端組合の役員の保証がなかったならば、融資を受けることができない。したがって、役員は、資金が長期化すればするだけ長い間保証の責任を負わなければならない。ところが、任期は三年である。農協の役員というものは、適材適所のところもありますが、回り持ち制というような現状もあるわけであります。そういたしますと、どうしてもいざ融資ということになって判を押すようになりますと、三年の任期で出ておるのに、わしは十何年間の保証の判についてはどうだというのが、末端における実情であります。これは、大臣も村長大臣と言われるくらいですから、御存じでございましょうが、要するに、制度金融を農協の窓口を通じて出すということは、系統を利用されるという趣旨についてはある程度わからぬではありませんが、いわゆる経済団体であるところの農協の現状から見た場合には、それがまた一つの隘路となって、資金を必要とする貧農あるいは兼業農家というものに金が届かない、ストップしてしまう。そのためには農業金融保証協会をつくっておるから心配ないとおっしゃいますが、これには担保を求めております。質ぐさのない農家は一体どうして金融を受けることができますか。問題はそこにあると私は思うのであります。制度金融なら制度金融のようなあり方について、この際根本的に構想を考え直されなければ、条件緩和の一例を申し上げましたけれども、成果があがらないのではないか、これは農業団体のあり方等とも関連をして重大な問題でありますので、わずかな時間では申し上げられませんが、少なくとも赤城農相は、制度金融と農協金融との調整の問題に対してお考えになっておると思う。この際、御構想があれば、片鱗なりと明らかにしていただきまして、大体もう予定の時間が少し過ぎたようでありますので、きょうは私の質問をこの辺でとどめておきます。十分御検討願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 末端等につきましていろいろな支障があることは私も承知しています。あるいは政争等によって貸すべき者に貸さなかったり、保証をしなかったり、いろいろな面もあろうと思いますが、金融全体としまして、御指摘のような点もたくさんありますので、一そう検討していきたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 ではきょうはもうこれでやめておきます。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 次会は、明二十一日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後四時二十分散会

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