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46回国会衆議院1964/06/27

逓信委員会 第34号

発言数
42
登壇者
4
会派数
2
開催日
1964/06/27

会議録

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大柴滋夫君。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 実は私、明日、中国政府から招待を受けた社会党の佐々木更三のお供をして中国へまいります。大体北京に二週間くらいいて、中国のそれぞれ要人と懇談する機会を持つのでありますが、そのときにおそらく日本と中国との間の郵便のことについてもいろいろな話し合いが行なわれるだろうと思います。しかし、私どもは野党でありますし、いろいろ技術的なことを知りませんが、しかし、そうは申しても、もし政府のお手伝いが何かできることがあればしたいと思っております。  そこでこの際、御質問をしたいと思うのでありますが、いま日本と中国との間の郵便というものの具体的なやりとりというものはどういうようになっておりますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 お尋ねの件でございますが、現在の事情は、小包郵便を除いて通常郵便物につきましては、香港経由で日本と中共との間の郵便物の交換が行なわれておるわけでございます。  なお、これにつきまして、詳細な点については事務当局のほうから御説明申し上げます。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 大臣のお答えのとおりでございまして、通常郵便物につきましては、香港が仲介を行なっておりまして、香港経由で中国に送っております。しかし小包につきましては、香港の郵便事情その他から考えまして、郵送できないということでございますので、小包郵便物は送っていない。月に大体中国本土あてに五万通、中共からはこっちへ十万通くらいのものが往復しております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 香港を経由して中国に行く、あるいは香港を経由して向こうのものがこちらへ来る、こういうことですが、そこの表面上というか、文書上というか、形式上の約束ごとは、いかなる根拠に基づいてやっているわけですか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 万国郵便条約に加盟しております国では、ほかの国に継ぎ越しをしてあげるということがきまっておるわけであります。そこで、香港は万国郵便条約に入っておりますので、私たちは香港に、中共との間の郵便物をひとつ交換したい、どうだろうというふうに申しますと、香港は、それは私のほうでやろうということで中国にやっております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そうすると、日本の政府と香港との間には何かそのことについて協定がある、そしてまた、香港と中共との間にはまた何か協定がある、しかし日本と中共との間には何にもない、こういうことでありますか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 日本と香港との間は、両方とも万国郵便条約に入っておりますので、郵政庁間の話し合いと申しますか、郵政庁間の契約であります。そういうことでやっております。おそらく香港と中共間は何らかのそういう約束をいたしてやっておるものと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 日本と香港との間の約束というか協定というものは、万国郵便条約に基づいて具体的にはどういうことがあるのでありますか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 実は、通常郵便物につきましては、いまの万国郵便条約の規約では、お互いに料金主義をとりまして、送りっぱなしということでございますから、私のほうで香港に、これをひとつ中共に届けてほしいといいまして、私たちはもうそういうことで送ってしまう。中共からもこっちに送ってくるということで、お互いの条約の範囲内でございますから、条約のきまったルールでやっていくということで、特別のこまかい、条約と違った規定はないわけであります。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 文書に書いたものは何もありませんか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 ここに直接持っておりませんけれども、香港経由で中共にやってほしいという文書を出して、向こうからもそれを承知したという文書が当然あるものと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 変な質問でありますが、その場合、中共というか、中国というか、そういうものはどういうものをさすのでありますか。香港を経由して郵便物を送るという場合の中共というか中国というか、何かその法的見解というものがあるのかないのか。まあ一般にいわゆる中共政府下のこの土地だというようなものでありますか。どういう中共という概念か。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 実は非常にむずかしい問題でございまして、万国郵便条約にはチャイナという名前で入っておるわけであります。それで、チャイナはだれだということになりますと、この前のオタワの大会議でサインしたのはいわゆる台湾政府ということになっておるわけであります。だから領土的にはシナ全部が万国郵便条約に入っておるともいえるわけでありますけれども、現実問題の支配というものはもちろん台北が中共に及んでいないというわけでございますので、その辺が、どう解釈するかによって、いろいろのむずかしい問題が残ってくると思います。事実問題としましては、台湾の力が直接こっちに及んでおりませんので、第三国であるところの香港が仲介をして、そして中共へは送っていくということになっております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そういう場合に、解釈は思い思いといっては失礼でありますけれども、思い思いに解釈をしておる。とにかく現実には郵便は行っているわけなんですね。そうすると、しばしば中国へ行かれた国会議員、この間も何か古井さんが行かれて郵便協定の話をしたようでありますが、これは要するに国交の再開されていない中共というか、あるいは中華人民共和国というか、名前は別としても、国交が再開されていなくても、郵便協定というようなものはいろいろな方法をもって結ぶことができるのか、あるいはいままでそういう例があるのか、あるいは例がなくても何とかすれば、郵便協定といわなくてもそれに類似したものができるのかどうか、その辺の御見解はいかがでありますか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 いままでの例といいましても、なかなか中共の実態がわかりませんものですから、正確なことはちょっと申し上げられませんけれども、いろいろなことで調べてみますと、ただいまのところでは、中共を承認している国は、当然個別の契約締結をしておるとか、あるいはまた、何ヵ国かまとまりました集団的な郵便物協約というものを結んでおるようであります。しかし中共を承認していない国は、直接の取りきめはほとんど結んでいないように思います。ただ、中共承認前のフランスが、事実問題として直接交換をしておったというようなことを聞いておりますが、事実問題というのが、正式の文書があったのかどうなのか、その辺はちょっとはっきりいたしませんが、大勢としては、承認していない国とは直接はやらないで、必ず承認している国を経由するとか、第三国を通して中共に送らせるということで、郵便はほとんどのところに行っております。しかし、直接でなくて、万国郵便条約に入っておる国を通って、あるいは中共を承認した国を通っていくというようなことをやっておるように思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 これは大臣にお尋ねいたしますけれども、郵便協定に限っては、いま次官が言ったようなフランス的なもの——フランス方式といいますか、そういうもののできる可能性が、日本と中共との間にはあるのではないでしょうか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 実際問題といたしましては、ただいま事務当局から御説明申し上げましたとおり、小包以外の通常郵便物は香港を経由して中共の国内各地にまいっておりますから、さしむき大きな不便はないと私は考えております。しかしながら、正式に郵便の協定を結べばどうかというふうなお尋ねでありますが、フランスの中共承認前のやり方は、まだ私ども確かめておりませんから、どういう方法をとっておられたかはわかりませんけれども、まあ一般の政治問題とは郵便の取り扱いというものについては多少ニュアンスが違うところがあるのではないかという気はいたしますが、それかと申しまして、これはやはり外交筋を通してやるべき問題でもありまするので、一般の外交上の手続と切り離して郵便だけやることができるかどうかということは、私簡単には申しかねると思います。しかしながら、原則的に申せば、郵便とか通信とかいう問題は、多少一般政治問題とは異なったところがあるような気がいたしております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 それで、この郵便というものはちょうど土の中へ水がしみていくようなもので、スポーツや何かと同じようなものであって、私はあまりこまかい技術的なことは知らないのでありますけれども、長崎の国旗事件の前に、双方で、北京であるか、あるいは東京であるか、郵便協定を結ぼう、こういった話し合いがありましたね。そして長崎の国旗事件でそれがぱあになったわけでありますが、その後何か具体的なこれに類するような話はないのでありますか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 先生御指摘のとおり、昭和三十年ころに直接交換の道はなかろうかということで、どういう条件でやろうかということで、文書交換をしたらどうだろう、どういうことの条件にしたいかということを文書で聞き合わしたらどうだろう、直接一ぺん当事者が会ったらどうか、北京か東京でという話があったのですが、いろいろ外交問題もありましたので、第三国でやったらいいだろうという話をしているうちに、御指摘のように長崎事件があって、その後一切交渉しない。それから、何といいますか、一切の交渉の門戸は閉ざされたという形で、ほとんどいままで返事を受けておりません。それから諸先生がおいでになるときにいろいろお聞きになっていただいておりますけれども、最近においては全くそういう熱意が感じられないというような状況であります。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 森本委員から聞いた話でありますが、昭和三十六年に、時の外務大臣の小坂さんが、中国政府さえその気があるならば日本としては郵便協定を結びたい、こういう発言が何か速記録に載っておるそうであります。この政府の態度というのはいまもなお変わらないわけでありますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 小坂外務大臣の御発言については、私調べておりませんので存じませんけれども、現実に中共側からさような希望の申し入れがあれば、私としましては十分その内容等を検討いたしまして、さらに外務省はじめ政府部内にもよく相談をして結論を出したい、こう考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 大臣は結論を出したいというのでありますが、先ほど言ったように、小坂大臣は、森本委員の質問に答えて、要するに向こうさえその気があるならばこっちは結んでよろしいんだ、こう言っているのでありますが、あなたの答弁は、結論を出したいということで、前に進んでいるのか、うしろに進んでいるのかわからぬのであります。当然これは前向きの姿勢で、いろいろの法律問題その他はあるけれども、条件さえ許せばこれに応じたい、こういうように解釈してよろしいのでありますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 私が結論と申しましたのは、もちろんそういう意味であります。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 これは次官のほうにお尋ねしますが、そうすると、この前、国交が開かれていない国同士の場合、北京やあるいは東京では困る、そうすればジュネーブならジュネーブで中共の郵政省関係の人と日本政府の郵政省関係の人が、ひとつそのことの技術的な相談をしたい、こう言えば、前のほうを見詰めながら、相談には郵政省としては乗るつもりがあるわけですね。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 前回にそういう提案をしておる次第でございます。それから郵政省といたしましては、いわゆる郵便の立場からだけ考えますと、できるだけ関係ある国とは直接やったほうがいいということはもう当然でございます。ただそれが、国の承認であるとかいうような大きな外交問題とからんでまいりますと、郵政省の仕事でございませんし、政府全体としての大きな問題になりますので、そういうことにならないで純技術的、純行政的なことで話がいけるということでありますならば、私は前の提案の精神はやはり生きていくんじゃないか、こういうように考えます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 想像し得る限りにおいて、さっき言った条件は、一つは、場所が北京や東京では困る、どこか中立国ならばいいというのが一つの条件弧あります。その他郵便協定みたいなものを結ぶに際して何か条件というものが二、三、四とございますか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 私たちが考えますのは、これはもう純技術的、純行政的なことでございますので、できるだけ郵政庁間で話し合ってやったらいいんじゃないか、こういうように考えて去りますけれども、そうじゃなくて、いわゆる正式の外交とか、国同士の話し合いをするとなってくると、またいろいろ話も出てくるのじゃないか。どういう御希望なのかということを全部伺えばあれですが、私どもではその条件の想像のしかたがよくわかりませんけれども、できるだけ純技術的なことにして、そうしてまたいろいろな取りきめは、万国郵便条約の精神にのっとって、その内容と非帯に似たものでやっていくということであれば、これは技術的なものになるんじゃなかろうかと考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 これは大臣に伺いますが、野党であるわれわれがそういうことをするのではなくて、いま次官が言ったように、技術的、行政的な面において何か中共の郵政省関係と話をしていきたいというような具体的な構想を郵政省ではいままでお持ちになったことはございますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 先ほど申し上げましたように、現実の問題としましては、ただいま非常に大きな支障もなく郵便の交換が行なわれておりますので、当方から申し入れをするという考えは今日まで持っておりません。しかしながら、先方から何か希望の申し入れがあれば、十分にこれは検討いたしたい、こう考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 この間資料をいただいたのですが、これはまだ次官が郵務局長のときだろうと思いますが、昭和三十七年の八月二十三日、参議院の外務委員会において杉原荒太さんと条約局長とがたいへんむずかしいいろいろなことを言っているのでありますが、こういうようなことを言わなくても、技術的、行政的な取りきめということができるのじゃありませんか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 結局、提案の内容を見まして、具体的にはっきりしておりますと何か返答できますけれども、そういうことがございませんものですから、この速記録にありますように、万国郵便連合に入っておるのはチャイナであって、該当するのはどこだとか、国内的に批准が要るのか要らぬのかという話が非常に出ておりまして、全く抽象的な理論ですから、私たちもこれ以上具体案が出ませんと何とも申し上げかねる実情であります。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 技術的な行政的な取りきめというものは、これは国会の承認というものは要らないんでしょう。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 先ほど申し上げましたように、万国郵便条約がチャイナということで、全部中共にも適用されておるということになりますと、これは全然問題ないわけでございます。そうでなくて料金の問題とかいろいろのことが出てまいりますと、やはりこれは国会の承認が要るというような解釈で外務省は返事をしておるのでございます。その辺が国会の承認が要るのか要らないのか、それからどういう内容になってくるのか、この速記録にあるようにどうもあいまいなことばかり直接議論になってきて、非常にむずかしい問題だと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 電報が行ったり来たりしていることはお互いに知っているわけでありますが、これも別に郵便の場合とそう大差ないだろうと思うのですが、電報だけが行ったり来たりして郵便は行ったり来たりしない、ちょっとおかしいと思うのです。いや電報はこういうことで郵便とこう違うのだ、現実的な歴史的な経過は資料で拝見したのでありますが、何か法律関係、国会との承認関係で、電報はいいのだ、郵便は違うのだ、こういうふうな議論はありますか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 どうも昨日まで郵便のほうばかりやっておりましたので、正確なお答えはできないと思いますが、電報の場合は、これは直接政府でなくて、やっておりますのが国際電信電話という会社なんであります。郵便の場合ですと直接政府なものですから、できるだけ技術的、事務的にやろうとしましても、問題によって政府間という話になってしまうものですから、そこに一つの大きなむずかしさがあるものと私は承知いたしております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 これはいままでの進捗状況、要するに政府間はなかったけれども、しばしば自民党の方々が行かれて、古井さんなど、この間行って、何か御報告が郵政省のほうにございましたか。

佐方信博郵政事務次官

○佐方説明員 郵務当局としましては、お出かけのときも、お帰りになりましてからも、直接お話を伺っておりません。しかし、中共側としましては、何かあまり積極的でなかったようなことを、ちょっと漏れ聞いております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 大体意向はわかりましたが、ひとつこの問題を、いまのような討論を、日本の政府はこういう意向を持っておるというようなことを、よく向こうへ伝えたいと思うのでありますが、向こうとしても、おそらくせめて郵便ぐらいはお互いに双方にやりとりしよう、まあうるさい問題は乗り越えてやろうというようなことになれば、郵政省としては技術的な面、行政的な面においては、その場所が東京あるいは北京でなければ、行って話し合うという考えは十分あるわけですね。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 われわれとしましては、従来からの方針を変える必要はないと思いまするので、先方からの希望の申し入れがあれば、その申し入れの内容について十分に検討をし、善処したい、こう考えます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 終わります。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 次会は来たる七月三十一日金曜日午前十一時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十三分散会

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