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46回国会衆議院1964/03/13

逓信委員会 第10号

発言数
143
登壇者
13
会派数
2
開催日
1964/03/13

会議録

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。森山欽司君。

森山欽司自由民主党

○森山委員 まず経済企画庁長官に対して質疑をいたしたいと思います。  第一番に、NHKの受信料問題につきまして、昨年の五月ごろから経済企画庁の物価対策協議会あるいは物価問題懇談会でいろいろ論議されておるということを新聞を通じて承知しておりますが、この経過と内容をお話し願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ただいま森山委員の御指摘になりました昨年の五月といいますのは、物価問題について、各種の物価を形成いたします要因について、私どもの役所と関係各省御一緒に研究をしておりまして、昨年の五月であったと思いますが、NHKの受信料も検討をし得る条件があるのではないのかという問題を提起いたしたことがございます。もっともこれは昨年の五月が初めてではございませんで、その前からいろいろな可能性を広く検討しておりますから、内部ではそういう話題になったこともあったわけでございます。御指摘の昨年の五月にそういうことを各省の物価問題の連絡協議会で、当時の経済企画庁次官が発言をいたしております。この問題についての私の基本的な考え方は、これは政府が自分の意思で自由にし得る狭い意味での公共料金とは異なりまして、非常に広範ないろいろなむずかしい問題を含んでおりますから、したがって、そういうことがかりに実現し得るといたしましても、NHKなり、あるいは関係のもろもろの方面で、自発的に無理のない形で問題が決定をしなければ、政府として一方的にどうこうありたいという種類の問題ではございません。したがって、そういう機運が自然に醸成されるということを終始一貫して希望しておるわけでございます。したがって、問題の取り上げ方も、常にそういう立場から問題の提起をしてきて、今日に及んでおるということでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ただいまのお話を伺いますと、昭和三十九年度のNHK予算案につきましては、編成の過程でおそらくNHKとしても検討したことであろうと思いますし、経済企画庁においても、物価対策の観点から、いまのお話で検討をされたことと存じますが、現実の問題として出てまいりました三十九年度のこのNHKの予算案については、全然考慮されておらないわけでございます。また、そういうような問題についてNHKあるいは郵政省側から何らのコメントなくこの予算案は提出をされたわけでございます。私は与党の通信部会でこのことを問題にいたしたいと思ったのでございますが、その審議の機会を与えられなかった。たまたま二月二十一日の新聞記事を見ますと、受信料乙についてはその全廃を宮澤長官とNHKの幹部との間で了解がついたというような趣旨の記事が載っておりました。長官はNHKの幹部とこの問題について何回くらいお会いになったか、またそのときの話し合いの模様はどうであったかということをお話し願いたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 一般に、かりに公共料金の問題にいたしましても、主管大臣がすべておられますので、経済企画庁の長官の動き方というものは、実は非常にめんどうな、むずかしいものでございます。ちょっと出過ぎますと、むしろ問題の解決を妨げるようなことがしばしばございますので、したがって、その辺の用心はかなりいたしてきたつもりでございます。いわんや、これは公共料金でございませんで、先刻申しましたような、もう少し複雑なむずかしい問題かたくさんあるわけでございますから、その配慮の必要なことはますます当然であるわけでございます。したがって、郵政大臣とも内々では御連絡なり、そのつど私としていたしましたことは御報告しておったわけでございますが、今年に入りましてと記憶いたしますが、二、三度NHKの幹部の方においでを願いまして、昨年から何度か話題になっておることでございますので、昭和三十九年度の予算の編成等々に当たられてこの問題についてどういう御意向であろうか、まあ物価の観点から申せば何がしかの御考慮を願うことが非常に望ましいことだとは思いますけれども、しかしこれは政府としてかれこれ申し上げることではないので、NHKにおかれては、どういう御意向であろうかということを両三度ばかりおいでを願って懇談をしたことがございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 NHKの幹部に来てもらって両三度お話しなさったというのは、どういう幹部の方と両三度どういう話があったのか聞かしていただきたい。簡単でよろしゅうございます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 私どもも具体的にNHKの三十八年度のあるいは九年度の収支というものがわかっておるわけではございませんので、したがって、概してどのような収支のお見込みであるのか、その中で、かりに受信料乙について御考慮を願えるとすれば、どのくらいなことが収支予算の面から可能であるのか、またそういうことが御考慮願えるものであるかどうかというようなことがお話の主たる内容でございました。おいでをいただきまして主としてお話をいたしましたのは、NHKの前田副会長でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それでNHKの前田副会長は、どういう御返事をそのときあなたにされたのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 前田副会長の御考慮の内容というものは、やはり問題を反映しまして、終始非常に複雑であり、かつ用心深いお立場であったと思います。すなわち、まず第一に昭和三十九年度の予算をこれから作成をし、閣議決定を経て国会に提出をするというその時点において、こういう問題を公に提起するには客観情勢が熟しておらないということ、それからNHK自身としても、いかにすべきかということについて、必ずしも最終的な意思の決定が見られないというようなこと、けれども、前から問題になっておることでもございますから、物価問題という観点から私が関心を持っておることは、十分にこれは了解することができる、したがって、三十九年度の予算にそういう問題を織り込むことについては、にわかに自分のほうはそういう決心はできませんけれども、政府としても関心を持っておることはよく了解できるから、これからの問題として検討するにはやぶさかではありません、概してそういうような御意見であったように了解をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、前田副会長からは、これからの問題として検討するという程度であって、一月から実施しますとか、そういうはっきりしたことは、あなたにお話があったわけではないのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 私としてはそういうことに願えないかという希望は持っておりましたけれども、最後までNHK当局からそういうことをいたしましょうというコミットメントはいただけませんでした。したがって、そういう意思表示がNHKからの正式の意思表示としてあったものとは私は了解しておりません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それではNHKの副会長に伺いますが、経済企画庁長官とお会いになったときの話はそういうことでございますか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 ただいま経済企画庁長官がおっしゃったとおりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 経済企画庁長官とそういう話し合いが行なわれたということについて、郵政大臣のほうに報告がございましたか。また郵政大臣は経済企画庁長官からどういう趣旨のお話を聞いておられましたか、ちょっと伺いたいと思います。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 この問題につきましては、経済企画庁長官からは随時御連絡は受けておりました。特にただいまお話のありましたNHKの幹部と会ってその意向をただしたいという問題については、あらかじめ事前に私に対しまして、もちろんこの料金の問題は郵政省の所管事項であるけれども、総合物価対策というような見地から、一応事前にNHKの幹部と会って話をしたいと思うから了承してほしいというお話でございましたから、私はそれはけっこうでございます。経済企画庁長官の立場からいろいろと御検討くださることは差しつかえないことであるからというので、了承いたしました。それから、その後に至りまして、経済企画庁長官からは、NHKの幹部とお話し合いをしたけれども、この問題は直ちに結論に達するというようなわけにもいかぬようであるから、一応正式に郵政省に申し入れて、今後郵政省から措置をとってもらうというようなことにはならないであろうというような御連絡がありました。さらにNHKの前田副会長は、日にちははっきり記憶しておりませんが、その当時であります、企画庁長官と会われて私のところに来られまして、企画庁長官からこれこれのお話があった、まあことしはとうていむずかしいと思うが、来年にでもなったらこのラジオ乙料金の全廃できるような方向に考えてみたいというような意味のことを御返事したという報告でございました。もとより私は正確にメモをとったわけでもありませんから、そのときの副会長の発言そのままを申し上げることはできません。しかし内容的には大体そういうふうな意向であるというふうに私は受け取っておるわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 経済企画庁長官にお伺いしたいのですが、そういうことを将来検討したいという程度の話は前田副会長からあった、そうしたらかなり具体的な話はもっとなかったのですか。たとえば、そういうことで料金が減ってくれば、財政投融資をよけい認めてやるように尽力しようとか、そういうような話はなかったのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 私としてNHKの大体の収支を三十八年度並びに三十九年度について副会長から承っておりますうちに、ことにオリンピックを控えまして、この際NHKの建設に相当経常的でない資金が必要であるということはよく納得ができました。したがって、もしそうであるならば、かりに私どもの希望が終局的にいれられるようなことになりました場合に、その歳入減というものを何かの形でかりに政府がお力添えをしてお助けすることができれば、これは当然私どもとして尽力をいたすべき筋合い、こう考えましたので、そういう長期の借り入れあるいは債券の発行等々で政府としてお助けすることがあり得るかどうかについては、私は大蔵省などとも相談をいたしながら、かなり具体的に検討をいたしました。しかしそれはそういう要請をいたす私の立場として、当然それだけの可能性は探求をする義務があると考えましたので、かなり具体的に研究をいたしましたことは事実でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そのことをNHKの代表者にもお話しになりましたか。それに対して、もしお話しになったとすれば、どういうような御返事だったか伺いたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 放送債券をかりに余分に発行されますときに、国の政府機関がその一部を余分に引き受けるということは、場合によっては可能であるかもしれないと思いますが、どういう御意向でありますかというようなことは、NHK当局に伺っております。それに対してNHK当局の御返事は、それはしかし長期の資金であっても、それなりに利子のつくことであって、受信料の収入は申すまでもなくこれは利子のつかない金でございますから、両方を代替関係に立てるということは少し無理があるのではないだろうか、そういうような御意見がNHK側からあったことも事実であります。そこで私はその問題を最終的にまで詰めませんで、御感触をそういうふうにして伺った程度でございました。

森山欽司自由民主党

○森山委員 二月二十一日の郵政大臣の談話の前の段階までの事情は、いままでのようなことでございまして、それ以後のことについては社会党のほうからもすでに質問されておりますから、重複する質問はこの際避けまして、この問題の質疑はこれで私は打ち切りたいと思います。  ただ、最後に、先般私が質問していた事項につきまして、NHKの答弁で誤りがあった点があるようでありますから、この際、それを釈明をしていただきたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お答え申し上げます。  先般私が美術センターの所在をいたしております高浜町の倉庫建設の関係につきまして、当初事業計画に計上して、予算化して御承認を得た、このように申し上げましたことは、私がそのように記憶いたしておったわけでありますが、これは誤りでございます。まことに相すまぬ御答弁を申し上げたわけでございます。心からおわびを申し上げますと同時に、訂正させていただきたいと思います。  この関係の土地建物建設は、予算総則の関係に基づきます実行上の増収の手当てによっていたしておるわけでございまして、当初から事業計画に具体的に計上して実行したものではございません。訂正させていただきます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 高浜町分館は倉庫ですか。スタジオとしての取り扱いではないのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先般もお答え申し上げましたように、スタジオそのものではございません。いろいろスタジオ関係に使います道具類を格納いたします倉庫として建設いたしたものでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この高浜町の分館の問題ですが、予算に計上してないその理由は、増収があった資金の中からまかなった、そのまかなったのがこの放送協会の収支予算の総則の第七条によって「事業量の増加等により、収入が予算額に比し増加するときは、その増加額は、経営委員会の議決を経て、その一部または全部を事業のため直接必要とする経費の支出、借入金の返還または設備の新設、改善に充てることができる。」 この条項によってやられたものだと思う。ただし、これの工事並びに計画は三年間か四年間にわたっておるはずです。三年度ぐらいにわたっておると思う。ところが、最初の年はこれは増収があったらそれで予算にのってこないのはわかるけれども、二年目も三年目も全部予算に計上しないで処置するというようなやり方をいたしますと、放送法の三十七条に基づいている国会の承認権というものは、全く国会の承認を経ても経なくても、増収があればもうそのものは長期にわたるものでも思いどおりできる。その当座の処分をするものは別にして、長く残るようなものも思いどおりできるというようなことは、これは放送法の精神に反するのじゃないですか。法律に基づいて、ちょうど戦前でいえば緊急勅令、戦後でいえば政令によってある程度の委任をするということはあり得ますけれども、もうとにかく二年度、三年度にまたがって全く予算の中身に計上されないでそういうものが処置されるということは、私は方法として正しいやり方でないと思うのですが、いかがですか。総則七条の上で形式的に経営委員会の議決を経てやれば、委任をされておるからといって、その精神はやっぱりNHKの財政というのは最終的には国会の審議を経、承認を得て初めてきまるという精神からいえば、一年間だけならいいですよ、しかし、二年度にも三年度にもまたがってとうとう予算にものらないでやってしまうということになれば、国会の審議権なんて一体どういう意味があるのだ。特に二十億、三十億というような増収が三年間、四年間続いておるのですから、そういうやり方をおやりになることが、違法であるかどうかは別にして、適当であるかどうかということになると、私は適当だと思えないのですが、いかがですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 正常な扱いからいたしますと、先生の御指摘のとおり、二年度目の計画は事業計画に明確に入れてやるべきだと思います。ただし、その当時におきまして、土地の入手は早目にいたしましたが、建物の関係につきましてはこれの利用関係を考慮いたしまして、明確にまだ事業計画にのせる段階に予算編成当時はなかったわけでございます。在来のそれは鳩ケ谷のようなかなり遠隔の地にそういう倉庫を持っておりました。また、これらがあまり遠隔なので一応運動場等を間に合わせに使ったこともございますし、そのような関係と、一方には大道具類、小道具類の整理関係に対する基本計画の関係の策定に時日を要したというような関係もございまして、結果といたしましては総則上の条項には準拠しておりますが、正常な扱いではないということは、私はそう思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 放送法三十七条の精神によってそういうことをおやりになるというようなことは、今後慎んでいただきたいと思うのですが、副会長いかがですか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 私どもの考え方といたしましては、当初予算にこれが計上されなかったことは、総則第七条の条項で処理すべき可能性があるからでございまして、そして収支の結果として剰余金があり、その剰余金の使い方について第七条の条項に従って正規の手続をとったことでございますので、私どもとしては違法という考え方は実は持っておりません。それでは、その後の問題はどうかということになりますと、その第七条によって決定された方針は、次年度の予算の中に引き継がれて、予算の一部として御承認をいただいたものと考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 小野専務もそれでいいですか、同じ意見ですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 副会長の答弁を訂正いたしますが、私が先ほど申し上げましたとおりでございまして、二年度の関係につきましては、諸般のこれを利用いたします問題、これは抽象的にはそういう利用の対象を明確には持っておりますから、この計画を具体化いたしますのに非常な時日を要します。そういう関係で事業計画上に明確に計上をいたさないで実行でいたしたというような事実でございます。御指摘のとおり正常なる扱いではない、このように考えます。将来は、このような問題は、やはり明確に計画に計上して予算化して執行するのがたてまえであろうと思いますので、そのような運用を将来は心がけたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それでは副会長からもう一度御返事願います。お二人の返事が少し違うから……。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 小野専務理事の答弁のとおりでございます。間違いました。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この問題について、前回の委員会では、予算にのっておるという事実と違う事柄を私どもに答弁しておる。私が調査しておるところでは、どうものってないようだということでもう一回調べてみろ、こう言ったわけです。われわれはこのNHKの予算というものは、こまかいことを一々われわれが調べておるわけにはいかない。予算の大筋を検討する、そういう趣旨なのです。予算の大筋を検討するときには、やはりNHKが法の精神にのっとって正直にやっておいてもらわぬと、われわれ安心がいかぬ。たまたまこういう問題がわれわれの目について調査した。調査したところが、国会における答弁が、前回のやつは今回間違っていました、間違っていましたと言うかと思うと、副会長があれでよいのだと言う。そういうことでははなはだ困るわけでございまして、やはり国会の権威というものもあるわけです。個人的にわれわれは皆さま方とはきわめて御懇意を願っておりますが、やはりかみしもを着てお話しをしなければならない責任が国民に対してあるわけでございますから、こういう点をもっとしっかりやっていただきたいと思うわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはきわめて大事なことでありますので、はっきりしておきたいと思います。  第七条の分については、その年の分のものについて、これを経営委員会によってやるということは事実正しいわけであって、それはやっていいわけでありますが、これが、次年度にまたさらにそれを繰り趣していくというときには、当然次年度の予算に計上してやるというのが予算のあり方じゃないですか。そうでしょう。これははっきりしておきたいと思うのです。それをもまたさらに次の第七条の項の、いわゆる増収分でやるというようなことは、これは非常におかしいわけでありまして、この点は、第七条でやる分については、その年の剰余金においてやる分については、それは副会長の言うとおり違法でも何でもない。そのとおりやってよろしい。しかしそれが継続されてやる場合は、次年度の本予算にきちんと計上してやるのが正しい。はっきりしておかないと、これは問題になる点でありますから。二年目以降を増収分増収分でやるということになりますと、いま森山さんが言ったように、予算に一つも計上されずにやられてくるということになるわけであって、これはまことに遺憾千万であって、そういうことがあってはならないわけでありまして、第七条の項は、あくまでも初年度の、その年度の増収分であって、次年度は本予算にはっきりと計上してやっていくということが正しい、こう思うわけでありますが、これはひとつNHKと郵政省とからはっきり回答しておいてもらいたい、こう思うのです。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 先生のおっしゃるたてまえは、まことに私どももそうなければならないと考えております。ただ予算総則の第八条においてはまた別の規定がございまして、すでに、予算編成後における前年度の収支の剰余の使い方について、七条の原則との関連で第八条がはっきりした規定をつくっておりますので、事務当局としてはその規定に従って次年度を処理したものと考えております。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 第七条の解釈につきましては、森本先生のおっしゃるとおりであるとわれわれは考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 副会長、これはやはりさっき申し上げましたようにすなおにしたほうがいいと思います。第八条の場合は、決算を終えてやった暁の問題であって、第七条の意味とは若干違うわけでありまして、第七条の場合はある程度予測して使うことができ得るわけであります。そうでしょう。第七条の場合は、これを予測して使うことができるけれども、第八条の場合は、ぴしっと決算が済んでその年度を越していかなければできないわけであります。だから、第七条の分を一年度やって、次年度は第八条の分において行なうということは、ちょっとこれは趣旨が違うわけであって、やはり電波監理局長がいま答弁したことがはっきり正しいわけであります。この点の解釈は明確にしておきたいと思うわけでありまして、いまの第八条において無理にやればやれぬことはないわけでありますけれども、その解釈は非常に無理な解釈であります。やはり何と申しましても、第七条において始めた工事そのものについては、次年度については次年度の予算にはっきりと計上して国会の承認を得て行なうというのが正しい予算総則の解釈のあり方でありますから、この点だけははっきりしておいてもらいたい、こう思うわけです。過去のことを問うておるわけではありません。これから先の問題でありますから、これははっきりしておいてもらいたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 全く仰せのとおりでございます。ただ、私が御説明申し上げましたのは、この件の処理は、事務当局としては、第八条に該当するものと、それから実際問題としてもそのときの時限における処理ということを考えたものと私は解釈いたしますが、今後の問題につきましては、御説のとおりこれをはっきりさせてまいりたいと考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私はまだ質問したいこともたくさんございますが、相当長時間にわたって質問させていただきましたので、私の質疑を終わりたいと思います。  最後にごく簡単に私の所信を申し上げたいと思います。  NHKが仕事を進める上で非常に自主的にアグレッシブにおやりになられているということは私はよくわかるのでありますが、反面、こういうような経済の大きく膨張する時期、そしてNHKもそれだけ財政が大きく拡大していくときに、やや独走のきらいはないか。将来長きにわたってNHK財政の基礎に心配のないような情勢でお仕事をしておられるかどうかという点については、若干の危惧の念を感じておるわけであります。それだけに私は、今日放送法第三十七条による国会のパブリック・コントロールの任務というものはまことに大きいと思っております。願わくば、ひとつNHKにおかれましても、また、これを財務面で意見をし、その他いろいろな面で関係の深い郵政省におきましても、国民からの受信料に基づいてやっておる大きな企業体、しかもこの企業体は、放送機構としてはおそらく世界最大の放送機構ではないかと思いますが、この企業体の健全な運営のために、それぞれの立場において機能を発揮するように、すなわち、国会はパブリック・コントロールの機能をもっともっと強く発揮しなければならない。NHKは放送法の精神に基づいて、その仕事についてあるべき姿を十分に示して、その機能を発揮しなければならない。NHKもまた、これだけ大きくなったのですから、もう少しみずから戒めて、自戒自粛の気持ちをもって業務の推進に当たっていただきたい。老婆心ながら一言付言をいたしまして、私の質疑を終わります。

森本靖日本社会党

○森本委員 経企長官がせっかく見えておりますので、ちょっと聞いておきたいと思います。聞いておくというよりも、私は長官に若干注文をしておきたいと思いますが、それは物価対策の一環としてこの受信料の乙を値下げする、どうこうするということを経企長官がNHK当局を呼んで相談をし、あるいは話し合いをするということはまことにけっこうであります。けっこうでございますけれども、これは御承知のとおり放送法の三十二条を改正しなければできない問題であります。そこで放送法の三十二条という問題は、いま放送審議会にかかりまして、その問題も関連をして検討する問題でありまして、日本の放送界全般にとっても三十二条というものはきわめて重要な問題であります。だから、単に物価対策の一環からのみこれを論ずるということにはまいらぬわけであります。そういう点から考えますと、一方、放送法のたてまえからいきますと、非常に重要な問題であって、経企長官が、五十円だから簡単にこれを下げたほうがいいというふうに考えるほど、事は簡単なものではないわけであります。だから、こういう問題について、私はNHKの経理内容を聞くことも重要でありまするけれども、実際問題として一番先にやはり十分に相談をし合わなければならぬのは郵政大臣との間であろうと思うわけであります。そこで経企長官が郵政大臣にこれを相談をした場合には、郵政大臣としては当然こういう回答があってしかるべきだと私は思う。その点、五十円については確かにこれをまけてもいいけれども、現在においては、来年の四月ごろからやってもいいという状態にはなっておるけれども、現に放送審議会においてこの問題が審議をせられておる重要な問題である、三十九年度についてはその問題は出しておらぬので、この問題については、放送審議会の答申案が出てからそのときにおいて初めて検討をしたい、こういうふうな話し合いがいわゆる郵政大臣と経企長官との間になされたということであるとするならば、われわれ法律をあずかるところの立法機関としては承認ができるわけでありますけれども、こういう単に物価対策の一環のほうから見て論ずるということについては、若干私は——まあ経企長官は物価対策のほうから見るのは当然でありましょうけれども、所管の郵政大臣との話し合いというものがあまりにも少な過ぎやしなかったか。最初に経企長官が発言をせられたときに、そういうふうに放送界全般にとってきわめて重要な問題であるという認識がなかったのではないかという点が非常に心配をせられるわけであります。まあ経企長官が目をつけられたところは確かにいいわけであります。物価が高くなっておる、何か下げるものはなかろうか、そこへ持ってきて、ちょうどNHKの受信料の乙、これは幸いだと飛びつくのはあたりまえでありますけれども、しかし現実には放送法の三十二条というものが厳としてある限りにおいては、これを改正しなければならぬ。ところが、現実に三十二条というものをいま改正するということは不可能に近い。いわゆる答申案が六月に出てから放送界全般をやっていかなければできない、こういう現状になっておるわけであります。そういう点について郵政大臣から経企長官に詳しく説明があったのかどうか。いま郵政大臣に私が質問をいたしますと、何でもかんでも答申案が出てからその答申の線に従って善処いたします、検討いたします、これがすべて郵政大臣の当委員会における回答でございます。ところが一方では、一番重要な三十二条の改正問題については堂々と発表しておる。こういうことでは私は、国務大臣同士の連絡というものが、法律に基づいて正しく連絡をしておらぬというふうに考えられてしかたがないわけでありまして、経企長官が郵政大臣とお話しになったときに、放送審議会の問題から放送法三十二条の問題に至るまで郵政大臣のほうから詳しく経企長官のほうにお話しがあったかどうか、その点だけ、ちょっとお話を伺っておきたい、こう思うわけであります。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 私もしろうとでございますから、そう詳しいことは逐一知っておるわけではございません。しかし、堀の深さは大体検討はつけておりますものですから、あまり軽卒にこういうことを言い出してはならぬという常識は持っておりますわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 大体、経企長官は非常に慎重な答弁でありまして、郵政大臣はまずい答弁でありますが、そういっては失礼でありますが、郵政大臣のほうは、経企長官のほうからそういうお話があった場合に、いま私が言いましたように、これは相当深い問題であるということを、経企長官に御説明があったかどうかということを、私は経企長官に先にお伺いしたい、こういうことを聞いておるわけでありまして、相当根の深い問題であるということを御説明があったかどうかということであります。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 いま森本委員が事を分けてお示しくださいましたような具体的な形では、郵政大臣から承っておりませんけれども、しかしこの問題は、なかなかむずかしいので、ということは何度か伺っております。それだけで大体十分なので、相当この堀は深いということは、よく私も郵政大臣から承っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 大体わかりました。郵政大臣にいつも申し上げておりますように、こういう点については、経企長官あたりから相談があったときには、いま私が言った内容を、やはり十分に説明をして、そうして国務大臣同士が十分に奥深く話をするということが必要であって、やっぱりなおざりにしておったというような感が、いまの経企長官の答弁を聞いておると、なきにしもあらずでありますので、ひとつ今後は、こういう問題については慎重に取り扱っていただきたい。関連ですからこれでやめます。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまの森本委員のお説はまことにごもっともでございます。今日まで、私としましては、できるだけ関係閣僚とは連絡を緊密にいたしておるつもりでありますけれども、しかし、なおかつ十分でない点もあるかもしれませんので、今後はさらに一そう念を入れて十分に連絡をして、遺憾のないようにいたしたいと存じます。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 引き続いて畑和君の質疑を行ないます。畑和君。

畑和日本社会党

○畑委員 私は電波法とか放送法、そういった専門的なことにつきましては、きわめてしろうとでございまして、目下勉強中というところでございますから、あるいは専門家、この道になれた人から見ますると、愚問だと言われるような問い方をあるいはするかもしれません。しかし、この場を通じまして私自身も勉強しようという考えでの質問でございますので、ひとつ私の質問に対しましては、そういう意味で懇切丁寧に御教示が願いたい、かように考えます。  まず最初に質問いたしたいのは、通信衛星のことです。これはおもに郵政省のほうにお伺いいたしたい。一月ごろかに、郵政省、国際電電、電電公社、NHKこの四者でもって宇宙通信実験連絡協議会というものを結成されたというふうに伺っておりますが、そのことについて郵政大臣に承りたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 お答え申し上げます。  御承知のように、昨年十一月の二十三日に初めて宇宙通信衛星を通じてアメリカからテレビが中継されてまいりまして、非常に成功を見たことは御承知のとおりでございます。そこで、その前にすでに準備する段階が相当期間あったわけでありまするが、この通信衛星を使ってテレビの受像をするということにつきましては、政府としては郵政省が当たっておりますが、実際のその作業に当たっていただく機関としては、やはり国際電信電話株式会社、さらに放送そのものについてはNHK、また日本の地上施設のありまする茨城県の十王町の施設から東京に運びまする間の問題は日本電信電話公社、さらにNHKから全国に中継をされるにつきましても、電信電話公社の線を利用されるわけであります。したがって、この四者が常に緊密なる連絡をとって事を運んでいかないとうまくまいりませんので、すでに二、三年前からこの四者の連絡協議会はできておるわけでございます。  なお、詳細については事務当局のほうから御答弁いたさせます。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田(功)政府委員 いま大臣から申されましたように、この宇宙通信実験連絡協議会は、一昨年から郵政省が主宰いたしまして始めております。なお、一昨年の十一月の六日にアメリカの航空宇宙局と覚え書きを取りかわしましたので、それの前から、準備段階のときからやりまして今日までしばしば会合を持っておる次第でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうしますと、この連絡協議会が一昨年から持たれておる。おそらくこの間のケネディがなくなったちょうどそのとき実施されたアメリカからの受信、これがとりあえずの目標だったと思うのです。それがああいうことで成功をいたしましたが、その後、次に今度は問題になるのは、送信の問題だと思うのでありますが、一月ごろから送信の問題について、日本から宇宙通信衛星を媒体としてアメリカに送信をするということのために相談をされたと思うのでありますが、そのことについてお伺いいたしたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 一月二十二日と記憶しておりますが、アメリカのほうでリレー二号というのを打ち上げられたのであります。そこで私どもとしましては、このリレー二号の衛星を利用して、今度はぜひ日本側から送信をして向こうに送りたい、こういう希望を持ちまして、自来引き続いてこの四者の協議会を開きまして、いろいろ協議をしておる段階でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 何か話に聞きますると、リレー二号というのは、ちょうど送信をするに最も適当な時期が三月から四月ごろであるというようなことで、それを目標として米国側と交渉をいたしておる、こういう話に承っておるのでありまするが、この点についてはいかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまの御質問のとおりでございます。いろいろアメリカ側とも折衝いたし、また日本側においては、この四者の協議会を緊密にいたしましてその準備を進めておる段階でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そういたしますと、その送信は、各実施団体でありまする四団体でチームワークをとって送信をするということになるのでありましょうけれども、それのキーステーションとなるところはどこを使うのですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田(功)政府委員 いまお話の出ております送信実験でございますが、これも実験でございますので、たとえば公開でいたします場合でも、また非公開で技術テストをいたしておる場合もございますが、軌道の関係、またこれを受けますほうのアメリカのNASAとの関係をいろいろ目下相談しておりまして、適当な時期に送信をするということでございます。これはいま申し上げましたように通信実験でございますので、いま実施団体といたしまして、先ほどから申し上げております連絡協議会をつくって構成しておりますメンバーでその点を実施しようというようなことを相談し合っておるところでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、いまのところでは、いつごろその実験をやれるというような見通しですが。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田(功)政府委員 当初の予定は、いろいろと技術的に軌道の関係を研究いたしまして、大体三月の下旬なり四月なりということでやっておりますが、何分受けるほうの関係がございますので、まだ正確な期日はきまっておりません。

畑和日本社会党

○畑委員 その経路でありますが、もちろん放送自体はNHKが担当すると思います。そしてそれをマイクロで運ぶのは電信電話公社だと思うのですが、それをNHKの放送センターから——まだ放送センターはできませんが、NHKの送信所から、そのままずっとそういったものを通じて直接できるのですか。それとも、それがうまくいかないで、その間どこからどこまで運ぶという点は、自動的にいかない面があるのですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田(功)政府委員 受けますときもそうでございましたが、また送る場合も大体そうなると思いますが、要するに無線局といたしましては、現在のところ十王の国際電電の局を使っておるわけでございます。かりにそれで送ります場合も、送る番組その他は別につくるわけでございます。それを経路といたしまして、いま先生のお尋ねのように、たとえばNHKのスタジオからそのまま直行で送るという場合と、あるいはかん詰めにいたしまして十王に持っていって、十王の無線局から送る。現在やっておりますテクニカルテストは無線局でやっておるわけでございます。今後いたしますのは、せっかくのこういう機会でございますから、ぜひなま中継で届くようにしたいということで目下相談しておるわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 なま中継で送るということはいま研究中だというのだけれども、それはそのままこの四月ごろまでにできますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 御質問の意味がちょっと取りかねるところがございますが、NHKから公社のマイクロウェーブの中継所をただいま建設中でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 それはいつごろできるわけですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 それが三月二十日以降においては使えるように、二十日ということはちょっとはっきりいたしませんけれども、そのころを目ざして使えるように目下建設中でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 郵政省でやっておる鹿島の実験所というのがございますね。これは今度のあれでは使えませんか。まだその域まで達していないのですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 鹿島の研究所は、周波数としてはリレー衛星用の周波数一七〇〇メガサイクルを送信するような計画でずっとまいってきておるわけでございますが、遺憾ながらいまのところまだ機械の搬入中でございまして、六月を予定していま仕事をしております。

畑和日本社会党

○畑委員 それでは次の質問に移りますが、最近外電の報ずるところによりますると、十月に行なわれる国際オリンピックの実況を宇宙通信衛星を通じて世界に送りたいというようなことで、日本側のほうからNASAのほうへ対しまして連絡をしておるということは、この前、大臣からもちょっと簡単に答弁があったと思いまするけれども、そのことについて実はお伺いをいたしたいのでございます。この間、その関係の事項について、ただ外電というだけではなく、東京新聞の杉浦特派員がワシントンからの報道として載せておる。これが比較的詳しく書いてあると思うのです。これによりますると、カース議員という、これに非常に関心を持っておるアメリカの議員が、関係者でありますハリマン国務次官やNASAのウエッブ長官、ローワンUSIA局長に書簡を送った。それで一つは、国務省、NASA及びUSIAは十月のオリンピックを実況中継できるように通信衛星の打ち上げを真剣に考慮すべきであるということ、これに要する一切の費用は以上三者で均等に分担することを求め、このような米国の行為は宇宙技術水準の高さを世界に示すだけでなく、これに要した費用を回収してなお余りある効果をあげようというような、これを推進するための書簡を送ったということがいわれております。これに対する各当局の回答はどうかということについても詳しく書いてございまするが、これに対してダットン次官補は、その回答で、国務省、NASA及びUSIAとの間にテレビ中継を実現できるよう日本政府、関係テレビ放送会社、さらにできれば他の西側諸国とも協力する可能性を検討している。しかしこのような計画を実施するための費用は、米政府よりはむしろ関係国政府及びテレビ会社が最大限に負担することが望ましく、国務省としては、米政府資金の使用を提案するに先立って、この線に沿って問題を検討する計画である、こういうふうに言っておる。またNASAの長官ウエッブ氏の回答では、NASAにはテレビ中継に必要な通信衛星の打ち上げロケット施設、ロケット、人員など一切予算を持っていない、もし国務省とUSIAすなわち米海外情報局がこのような計画が国家的に利益になると判断すれば、その能力のワク内であらゆる支持を惜しまない、こういうふうな回答をいたしておるというのです。そうなりますとNASAのほうには別に予算もない、国務省のほうでそういったことをやるのであれば一切のできるだけの支持、協力をする、こういうことでございます。結局新しい通信衛星を打ち上げるといたしますと、この文にも書いてありまするが、推定で約三百万ドル、邦貨で十億八千万円という金がかかるといわれておる。NASAにはいま手持ちが一つあるということだが、いずれにしろこれは予算措置が必要だ、あるいは使用目的変更について議会の承認を経なければならぬといったようなことでありまして、なかなかその辺がむずかしい、NASA自身は五輪中継に何ら科学的な新しい意義は認めておらず、消極的だ、米政府全体から見ても、五輪中継を真剣に考慮する十分な態勢にはまだない、打ち上げ費用の負担については、通信衛星公社、ATT、衛星の製作会社、放送会社など国内の民間機関に受け持たせることが考えられているけれども、このような計画に最も適当と認められる通信衛星公社に打ち上げ費用を負担させるにしても、同公社は新設直後であって、まだ軌道に乗っておらぬ、したがってそういうこともなかなか不可能だということで、東京五輪の取材権を独占したNBC放送でもすでにこれをあきらめておって、もう飛行機を何台か用意して空輸するような計画を進めているというようなことも報道しておるのであります。これで見ますると、ダットン次官補の言明については日本の大使館当局は、米側はこれまでのところ国内での資金調達の方法を考えていると言ってきているだけで、日本や関係国が大部分を負担することについては公式に何も聞いていないと言って驚きの色を見せておる、こういうようなことが報道されておるのでありますけれども、結局問題は費用の負担の問題だと思うのです。日本といたしましてもまたとない機会でございます。しかも放送関係の技術も相当進んでおりまして、有数の国に属しておるわけでありますが、こういう機会に、またとない世界的な行事をそのままなまで放送する、そして向こうで受信してもらうということは非常に意義があると思うのであります。それに向かって当局もまた各機関も全力をあげておると思うのでありますが、問題はさっき申し上げましたように費用の問題、この辺が非常にネックだと思うのであります。この点につきまして、郵政大臣のほうといたしましては、協力を要請はしておるのでありましょうけれども、費用負担等につきましてはいままでどういうような予定でおりましたか。ただでやっていただけるものだと思っておったか、あるいはまた相当負担をしなければならぬと思っておったか、その辺はいかがでありますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ことしの秋東京に開かれまするオリンピック大会の模様を通信衛星を通じて世界各国の人々に見ていただきたいという希望は、私強く持っておるわけでございます。そこで先般来NASAに対しましていろいろ要請もしたり、あるいはまた外交ルートを通じてアメリカに要請もいたしておるわけでございます。ただいまお読み上げになりましたアメリカ特派員の新聞記事も、私一読いたしたのでございますが、政府に対する公電としてはさような詳しい報道はまだ入っておりません。今日まで入っておりますものとしては、NASAの長官から私に対しまして、要するにNASAの実験計画予算の範囲内では遺憾ながら上げるだけの予算がない、そこでいまアメリカの関係機関において、この資金の調達について熱心に協議をしておる段階である、それから資金さえ調達できれば、NASAとしてはあらゆる技術的な援助協力を惜しまないものである、結論的にさような意味の回答がまいっておるのでございます。そこでわがほうとしましては、極力アメリカにお願いすると同時に、最近の情報も得たいと考えて努力しておりますが、まだ公式な通知には接しておらぬ、これが事実でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうしますと、公式な回答としては、いろいろ費用の捻出等について、NASAとしては技術的にはやりたい、しかし資金の問題がある、それについて向こうの国内の各種の放送関係の団体等から捻出するように努力をしておる、こういうことのようでございますが、それで向こうだけで金を負担してくれるならよろしいが、それがもし不可能だというようなことになりました場合、あるいは日本でも少し負担すれば、これだけ負担すればやってもよろしいというようなことの場合——もっとも向こうは全然不可能だ、日本だけで全部持てとなったらなかなかやるわけにはいかぬだろうけれども、向こうである程度のものは持つ、たとえば半分なら半分持つ、あとの半分は日本でひとつ負担してくれ、こういったような回答でも最終的にあった場合、日本政府としてはそれを捻出してまでやる考えであるかどうか、この辺担当大臣として、終局的な、最後的なことは言えないまでも、そういった場合のときの大臣の考え方をひとつ量りたいと思います。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 この問題はまことに微妙でございますから、私としてこの段階ではっきりしたことは申し上げられませんが、できますならば、ただいま御報告いたしましたように、アメリカの関連しておる諸機関の間で資金調達について積極的に協議を進めておるというお話でありますから、その協議の結果、アメリカ側においてその資金を全部調達してやっていただくということが最も望ましい姿であると考えております。さらに今日までアメリカ側から正式に日本に対しまして、しからばこれだけの資金は日本が調達できないかというふうな照会もまだまいっておりませんので、いずれ今後の状況の変化に応じまして、この問題を成功させるために関係の皆さんの御協力を得て、その方向に前進していくようにしたい、こう考えております。

畑和日本社会党

○畑委員 まだいろいろ具体的な問題について米政府から連絡がないから、いまの段階ではちょっと微妙であるから申し上げにくいということのようであります。それをすなおに受け取りまして、その点に対する問題はそれだけにいたします。  ただ、またこれに関連をいたしまして、さらに次の問題でございます。最近報道されておりますが、これは何もオリンピックというようなことを目標とせずに、将来通信衛星を媒体として商業的な電信電話あるいはまたテレビ放送、こういうものを会社をつくって——もうできておるようでありますが、それをずっと常続的に、今後そういった世界を宇宙通信で結ぶということをやろうというような計画があるようであります。それについてこの間新聞で報道されておりましたが、先方の宇宙通信会社ですか、それとNASAのほうとで一緒にこちらへ来て、日本と豪州とアメリカとの間で、予備会談というか、一つのそういった構想についての説明会というものがあったそうでありますけれども、その点について承りたいのですが、もし郵政大臣でなければ技術関係の担当者でけっこうです。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまお尋ねのとおりでございまして、アメリカの通信衛星会社並びに国務省の方も日本に来られまして、豪州の関係者の方々もおいでになり、日本で三者の間の会合が行なわれたことは仰せのとおりでございます。今回はむずかしい会談というような性質のものではなく、ただこの問題についてアメリカのその方面の人たちがどんなことを考えておるのかということについての説明会、こういうふうに了解をいたしております。なお詳細につきましては担当官のほうから御説明申し上げることにいたしたいと存じます。

畠山一郎郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○畠山(一)政府委員 大臣の御説明に補足して申し上げます。  先週でございますが、今月の三日から五日までの間、アメリカから国務省の人と通信衛星会社の人とがまいりまして、日本と豪州との関係者がアメリカの将来の商業衛星通信に関する構想を聞いたわけでございます。その概要を申し上げますと、全世界をカバーする通信衛星組織をつくりたい、その組織は国際的な共同営利事業とするということでございます。参加したいと思う国はどこでも参加できるということでございます。そして参加する場合には、それぞれの国の政府が公私いずれかの一つの電気通信事業体を指定するということになっております。それから参加の方法としては二通りございまして、一つは当初から投資して衛星などの共同所有権者になって経営に参加するという方法と、もう一つは使用料を出しまして回線を借りて参加するという方法と、この二通りでございます。この衛星通信系のスケジュールといたしましては、来年の三、四月ごろだったと思いますが、実用化試験をいたしまして、五カ月ばかりテストをしたあと、来年の九月ごろ方式を決定したいということであります。たとえばシンコム方式でいくか、あるいはリレー、あるいはテルスター方式でいくかというような方式を決定いたしまして、再来年の中ごろに本サービスのための衛星を打ち上げる、こういうスケジュールのようであります。なお建設費の総額は、方式が決定いたしておりませんため正確には出ておりませんが、約二億ドル程度という概算になっております。概略以上のような説明があったわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 大体わかりましたが、考え方は、日本と豪州とアメリカとこの間協議した。そのほかに西欧諸国、そういったところでも同じようなことをやったのかどうか、やったとすれば、そのおもな国の名前をあげてもらいたい。

畠山一郎郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○畠山(一)政府委員 アメリカは西ヨーロッパ諸国とも接触しているようであります。二月の十日から三日間ローマで、西ヨーロッパ諸国相手に、先週東京でやりましたような説明会を持っております。会議の主催はヨーロッパ郵便電気通信連合というのがございまして、そこが主催して西ヨーロッパの十七カ国ばかり集まったようであります。西ヨーロッパのおもだった国は大体全部入っております。それからソ連とも接触しているそうでございまして、まだ具体的な話し合いに入っておりませんが、一応ソ連の態度といたしましては五月から九月までの間に話をし合いたいという返事がアメリカのほうにきているそうでございます。したがいまして、西ヨーロッパとソ連と、太平洋側といたしましてはカナダとはだいぶ接触しているようでございますが、そのほかに日本とオーストラリア、以上の国についてはアメリカから接触しているということは聞いておりますが、それ以外の国については聞いておりません。

畑和日本社会党

○畑委員 通信衛星が具体化するとすると、これはどういった衛星を使うのですか、シンコムですか、ほかのテルスターあるいはリレーというようなものですか。それから、それを打ち上げるとすると、何個ぐらい打ち上げるというような話ですか。

畠山一郎郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○畠山(一)政府委員 どういうふうな衛星を使うかということは、まだ決定していないといっております。しかし説明の模様を聞いておりますと、どちらかと申しますとシンコム方式に傾いているような感じをわれわれは受けております。

畑和日本社会党

○畑委員 まあこの間は説明会というような程度でございますから、将来のことはちょっとはっきり言えないかもしらぬけれども、郵政当局としては、これが実現するということになれば、その参加の方法は、株を持つという方法と、それから使用料を払って使わしてもらうという方法と二つあるけれども、そういう点についてはどう考えておりますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 世界の大勢がこういうふうに向かっておりますから、日本としては基本的にはかような計画には協力していくべきものではないかと考えております。さらに具体的にどういう方法をもって協力していくかというようなことにつきましては、ただいま関係各省、各機関の間で事務的に十分検討を加えつつある段階でございまして、その結論には至っておりません。

畑和日本社会党

○畑委員 では、その問題につきましてはそれで終わりといたします。  次に臨時放送関係法制調査会ですか、これが目下御承知のように答申を準備中だ、あの委員の任期はことしの八月ごろまでだったかと思うのでありますが、六月ごろに答申を出すというようなふうに承っておるわけであります。もちろん政府のほうでも、その中に人を送って、いろいろ政府の考え方、問題点等も出して、あるいはサゼスチョンいたしておる模様でありますが、この調査会の設置のねらいは、もうお聞きするまでもなく、最近放送法の制定当時とだいぶ現実が変わってきておる。民放が異常な伸びを示しておりまして、もうNHKと拮抗するようなところまできておる。なかなか鼻息が荒い。もう現実に法律が合わぬじゃないかというようなことで、その点はだれしも考えておる。そういうことで抜本的に電波法あるいは放送法等をこの際改正しようということだと思うのです。けっこうだと思うのでありますが、いままでいろいろ放送法等が改正をされてきました。まあ大した改正ではございませんけれども、そのつどどうも、いままでの歴史を振り返ってみますと、政府の放送に対する監督強化といったような方向が見受けられ、またそれに対して、そうであってはならぬといったような意見も相当ありまして、放送の自主性、言論の自由を守るといったような方向での戦いもあったようであります。今度の場合も、私はいまのままであってはいかぬけれども、日本の放送の特殊性ということ、世界的になかなか優秀な、独特な行き方と思う。そういう点で、政府が監督を強化するというふうな方向に向かうことを私は実はおそれておるのですが、その点どうもいまのままではぐあいが悪いといったようなことは確かにある。あるけれども、かりそめにもそういう方向に向かうことはいかぬと私は思うのですが、その辺は政府のほうはどういうふうに考えておられるのですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 お話しのように、ただいま、臨時放送関係法制調査会と申しますが、その調査会におきまして熱心に御審議を続けていただいております。今日まで各方面からもろもろの意見を聴取されておるように伺っておりますが、省としましては、これには庶務をつかさどる、要するにお手伝いをする人間を出しておるだけでございまして、あくまでもこの調査会の自主性ということを尊重してまいっております。先ごろも何か郵政省に意見でもあれば聞きたいというふうな調査会の御意向もありましたけれども、郵政省の意見というものは、要するにこの調査会の答申を待って、それを尊重しながら郵政省の方針はきめるべきものであって、答申の出ない前に郵政省の考えを述べるというようなことは適当でない、こう考えましたので、さしあたり今日の諸法制を通じて考えられまするいろいろな問題点と申しましょうか、かような点が問題になっておるということを整理いたしまして調査会に御報告したような次第でございます。  さらに、日本の放送事業がこの十数年の間にすばらしい躍進を遂げたこともお説のとおりでございます。今後私どもとしましては、やはり放送事業というものはあくまで自主的に運営されねばなりませんし、と同時に、また、あくまで公正に、適正に運営さるべきものであると考えております。これについて政府が干渉し、あるいはいろいろと指図がましいことをするということは極力慎まなければならない問題であって、ただ、最近、放送番組に見られまするようないかがかと思われるような番組もなきにしもあらずという状態につきましては、事業者のほうにおかれまして自発的に、自主的にかような問題の規制をはかっていただきたいということを要望しておるような次第でございまして、幸いにしまして事業者の方々も、さような意味合いにおいて近いうちに番組に関する委員会のようなものをつくって自主的に規制していこうという空気が盛り上がってきておるように伺っておりますので、たいへん喜ばしいことだと考えております。

畑和日本社会党

○畑委員 郵政大臣の考え方を承りまして、そのとおりにまっ正直に受け取っておきます。確かにいま言った低俗番組等のいろんな批評が最近ございます。事実そのとおりだと思うのでありまして、これはゆゆしい問題ではあると同時に、またそれはへたをすると言論統制になる。その辺のかね合いがきわめてむずかしいのだろうと思う。そういう点では十分いまの大臣の御答弁を伺いますとうかがわれるわけでございまして、あくまでもそういった立場で放送の自主性というものを尊重して、言論のあるいは表現の自由の擁護のため、ひとつそういった考え方でやってもらいたい。  それにつきまして調査会のほうでNHKあるいはまた民放、それから各新聞社、こういったところからいろいろ意見を徴しておるようであります。そこで今度NHKのほうへ承りたい。意見書を大体読んだのでありますが、NHKのほうの今度の新しい電波法あるいは放送法、そういったものに対する——どうありたいというようなことですね。おもな、中心的な、基本的な問題だけを簡単に言っていただきたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 お答え申し上げます。  私どもも調査会からこの意見を聞かれまして、それにつきまして私どもが出しております考え方のあらましは、第一に、放送という問題は、単なる無線通信局としての電波技術の問題に限られない。特に最近日本におきましても電波を媒体とする放送事業というものが、世界の関連においても躍進的に国民生活の内容と直結しておるというような状態におきましては、放送政策というものがやはり国にとっても非常に大きな問題の一つになるという見地に立ちまして、私どもといたしましては放送行政の根本方針をこの際法律的に確立していただく必要があるということが第一点でございます。  この見地に立ちまして、過去昭和二十五年に制定され、数次にわたって部分的改正をされておる現在の放送法が、過去十年以上、いわゆる公共放送と商業放送との並存の形を規定し、運営するためには不十分である。その見地に立って、この大原則からくる次の問題として、NHKと商業放送との法律的性格のみならず、運営上の性格をはっきり規定していただきたいという考え方が第二点になります。  結論的に申し上げますと、いわゆる放送行政の確立の上に立って、公共放送と商業放送の性格を明らかにするということは、同時に公共放送の性格があらゆる面で法律的に正しく規定されなければならないし、これに対して商業放送が商業、利益追求の機関であるということも同時にはっきり規定されなければならないという結論を私どもは意見として開陳いたした次第でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 NHKでは、NHKの性格というものにつきまして、全国民、聴視者を構成員とする一つの公の機関だ、そういったような基本的な考えを持っておるというように承っております。そこに日本の基幹放送としての特色があるのだと思う。ちょっと世界にも珍しいのではなかろうかと思うのでありますが、イギリスのBBCともちょっと違うところがある。そういう考えで、そういった自負心のもとにNHKではそういった立場で強力にいろいろな仕事を推し進めておられると思うのであります。そのことは私も同感でございますが、最もNHKこそが民主的な放送の団体だ、こういう自負心を持っておられる。それであるから最も民主的だ、こういわれるのでありますが、契約者すなわち団体の構成員だ。それで日本の聴視者はきわめて善良でございまして、法律の命令どおりにちゃんちゃんと聴視料を大体納めておる。これは世界でもちょっとないんじゃないか。実に善良だと思う。なかなか聴視料、受信料を取りにくいこともあるようでありますが、しかしそれは微々たるものである。みんなよく納めてくれている。そこで初めてNHKの財政が持っておる、健全な状態を維持しているのです。そういった意味で全国民聴視者を対象として、それが主人であるということ、要するにそういった主人に対して最も忠実でなければならぬ、それが一番の目標だ、そういうふうな考え方だと思うのですが、私けっこうだと思う。それでまた政府も直接監督というようなことは一切しない。それで国民の代表者である国会が、こうして予算について審議をして、チェックをするところがあればする、こういうことの機構でありますが、そういう点でいままでもそういう考えでおられて、そういう趣旨に沿うようなやり方をやっていたと思うのですが、そういった聴視者との直接の結びつきという点でいままでどういうことでやってきたか。また今後さらにそれを強化しなくちゃならぬと思うのですが、いままで国民とのつながりは、どうも聴視者の団体——これはなかなかむずかしいのですけれども、そういう団体との結びつきがどうも具体的にあんまりなっていなかったと思う。これでは幾らNHKが言うておっても、いまの現状では、なるほどそのとおりだというふうになかなか国民が納得しがたいところもあるのじゃなかろうか。NHKが今度の法制調査会に意見を述べ、うちの団体こそが最も民主的で、日本全国民のNHKだというような自負心に燃えているといたしますならば、その点をもっと強化しなければならぬ、またその点について法制的に規定をする、こういうふうにすればよいといったような考えがあろうかと思う。その点、いままで結びつきの面はどうやつでいたか、またそれを新しい法制にするために今後こういうふうにやっていきたい、それでそれを法制化したい、こういった点がおありでしょうか。その点を伺いたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 畑先生の御意見はまことにごもっともだと思います。私どもも、従来不十分ではございますが、その方向ででき得ることはすべてやってきている、そのように考えております。それはどういうことかと申しますと、昭和二十五年以来私どもはその方向を目ざして続けている問題でございますが、特に三つないし四つの方向でそれを総合的に推し進めてきております。  まず第一には、これは特に昭和三十五年以来積極化している運営のしかたでございますが、NHKの幹部が全国に出向いて聴視者との直接の懇談会を持つという方向でございます。ただいま正確な数字は覚えておりませんけれども、少なくとも一年間に百回をこえるこういう集会を持っております。その集会で、これは階級であるとか、職業であるとか、年齢の差、そういうものを問わないで、皆さんの御意見をあらゆる分野から承り、また聴視者の皆さんの御疑問に対しては、あらゆる面で責任者が答えるという形をとってきております。このやり方も、もちろんまだ全国的にすべてそう行なわれているということは申されませんが、少なくともその努力を継続して今日に至っているということは申し上げられると思います。  第二の具体的な問題は、番組と聴視者の直結という方向でございます。したがいまして、各地域の聴視者の御要望に応じて、その御要望される番組を現地で実演して、それをそこから放送に乗せるという方向でございます。その他ラジオ、テレビジョンの放送を通じまして、少なくとも一カ月に一回聴視者に向かって、私どもが実行しつつある仕事の内容、ものの考え方をお話し申し上げるというやり方であります。それからまた新しい年度予算の御承認をいただいた暁には、その予算の内容と事業計画というものを、各分野の代表者とうちの責任者が放送を通じて語り合うという方向をとってまいっております。そのほか、原則的なやり方としては、それは放送法上の義務でもございますが、NHKの文化研究所は法律上の義務として、日本全土にわたって聴視者のすべての問題についてのNHKとの関係での世調調査を事業として行なってきております。それはただ単に番組に対する嗜好調査とか、あるいは聴視率調査にとどまらず、国民各位の生活時間の調査——生活時間の変遷と実情についての調査まで行なってきております。  さらに法律上の問題としては、先生すでに御承知のとおり、その運営については幾多の御議論もあるようでございますが、NHKの運営は両院の承認を経て内閣が命ずる経営委員会によってその年の基本的な政策を検討していただくことになっております。私どもの考え方といたしましては、実体に対する議論は別としても、この形は明らかに聴視者代表がNHKの施策の根本に触れていただく方式であるということを考えております。  さらに、現行法におきましても、御承知のとおり番組審議会を持つことが義務づけられており、この番組審議会は法律上の制度として現存しておるのでありまして、この番組審議会の活動も同時に良識を代表する聴視者の番組審議の機関であり、これに対してNHKの会長があらゆる機会に番組の問題を諮問して、それを十分反映させる番組編成を行なうことになっております。  以上、具体的な私どもの仕事の運び方並びに放送法上の基本的な制度と関連して私どもは総合的に今日まで全力を尽くしてまいりましたが、新しい放送法制の法体系の確立の中でこれらの点がさらに明確にされることは、私どもの最も希望するところであり、またそれに即応してわれわれの活動が、聴視者との関係がさらに拡大、積極化されていくことは当然の義務と考えております。  以上であります。

畑和日本社会党

○畑委員 大体NHKの考え方はわかりました。そういたしますと、いままでやっておらられたことをおもな事項について言われましたが、それはもちろん法律できまったものではない、ただ、その性格上、国民のNHKであるというような考え方からそういったことを自主的にやっておられた、それをさらに法制化することこそ望ましい、こういうことだと思うのです。ひとつそういう点で将来ともお願いをいたします。  その点はそれで質問を終わりまして、その次に質問いたしたいのは、この予算案に対する政府の意見書、これについて一、二まず郵政省のほうに承りたいのです。  郵政大臣に伺いたいのは、意見書の第二項「テレビジョン放送の難視聴地域の解消については、極力建設の合理化を進め、置局の促進をはかり積極的にこれを推進すること」こういうことになっております。この「極力建設の合理化を進め、置局の促進をはかり」ということは、実際には大臣としてはどういうことを期待しておるのか。私はたぶん経済的、合理的な建設ということだと思う。そして各地にNHKと民放とがある。施設がおのおの別々だ。放送塔その他が全然別に同じ山の上に二つ立っておる。どこへ行っても同じです。高いところに立っているのはあたりまえで、どこへ行っても同じものが立っているのを見るのですが、そういうことを民放やNHKで一緒にやれば、合理的、経済的に済む、こういう意味なのかどうか。その辺ひとつ……。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 大体お説のとおりでございまして、この意見書の内容は、こまかいことを言いますと時間がかかりますが、大体局を置くにつきましては、できるだけその敷地でありますとかあるいは局舎、また空中線、またこれをかけまする塔のようなもの、そういうようなものの購入ないしは建設ということは、できるだけ一般民放のほうの事業者と共同して行なう、こういうふうな具体的なことにつきまして十分検討されて、建設の単価を極力引き下げるということが必要であろうと思います。さらにまた設備自体につきましても、できるだけ経済化をはかるように技術的にもいろいろ研究を進めてもらう。そして極力この建設費の節減をはかっていただきたいということ。さらに積極的に早期促進をはかってもらいたいという点は、今日着工予定の総合、教育各十五局になっておりまするから、これは必ず年度内に完成するようにしてほしい、こういうふうな意味であります。

畑和日本社会党

○畑委員 これはぼくはしろうとでわからぬのですが、担当の技術者に聞きたいのですが、同じ放送塔を使って二つのあれが可能なんですか。もっともそれでなければ大臣はそういうことを言わぬだろうけれども。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 波が違いますから、同じ鉄塔の上に乗せるとか、それから——もちろん送信機は別になりますが、たとば電源を入れるとかそういうようなことによる方法があります。

畑和日本社会党

○畑委員 そこでNHKに聞きたいのですが、この予算で見ますと、三十九年度の総合テレビジョン局が建設中あるいはこれから建設に着手するものを合わせて七十局、それから教育テレビのほうがやはり両方合わせて七十七局、こういうふうになっておりますけれども、大体一局の建設費というのは、どのくらいかかるものですか。大小あるかもしれませんが、その辺承りたい。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 お答え申し上げます。御指摘のようにテレビ局には比較的電力の大きいものと非常に小さなものとがございまして、その平均というのは出すのが——具体的に申し上げませんと困難だと思いますが、いま五十五局を——もちろんこれは大臣のお話しになりましたように、いろいろな方法で合理化いたしまして、さらに安くしたいと思いますが、これは大、中、小、U、V——Vは高うございますが、こういうものを平均いたしまして約四千数百万円でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 それは道路や何かも全部……。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 全部でございます。この内訳を御説明申し上げますと、いまの四千五百万と申しましたのは、総合、教育、両方の二つの系統の波を出しました場合でございます。あらゆるものを含めまして、平均が四千五百万ほどになるわけであります。実際問題といたしましては、この幅は大体二千万から八千万くらいの幅がございまして、平均でそういうふうな四千数百万になるかと思います。  この四千五百万円の内訳でございますが、建物、土地、これは山の上の整地を含みますが、整地をいたしまして、土地代、それから建物が五百万円平均、それから空中線、鉄塔、フィーダー、アース、こういうものを合わせまして、千三百万、それから放送機が二台で千八百万円くらい。それからあと放送機の付属品、それから電源、そういう電力関係のもの、それに関連したようなものが、大体二百万、その電源と申しますのは、直接の放送機の電源でございまして、局内設備でございます。それから道路、電力、外から電気を引っぱってまいりますが、その電気の引き込み、その他の工事の管理費などを含めまして六百万円、これは平均でございまして、先ほど申し上げましたように、安いところでは二千万以下でできるところもございますし、八千万くらいかかるところもございます。

畑和日本社会党

○畑委員 これも愚問かもしれぬけれども、NHKは総合テレビと教育テレビの放送局は現実に同じ放送塔やなんか使ってやっておるのですが、それは同じところの場合でも別々なんですか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 お答え申し上げます。  送信機は必ず別々でございます。それから鉄塔は共用いたすのが原則でございます。それからアンテナは、チャンネルによりましては共用できますし、チャンネルによっては共用できない場合もございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうしますと、いま建設中あるいはこれから建設するというのが、総合テレビ七十局、それから教育テレビ七十七局、こうなっておりますけれども、そうすると、送信機その他のものは別として、おもなるものは大体両方のあれで各局が共用してやっておるのですか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 御指摘のとおりでございます。先ほど申し上げましたように、絶対に一緒にできないのが送信機でございます。そのほかのものは、空中線があるいは別々になることもございます。共通できる場合もございます。それから、先ほど大臣からお答えのありました商業放送との今後の共同建設につきましても、いま申し上げましたような技術的な条件がございますが、道路、電源引き込みは在来といえども共用しております。したがいまして、これから建物、鉄塔、場合によってはアンテナも、私どもの総合、教育と同じような考え方で商業放送と共用ができるかと思っております。

畑和日本社会党

○畑委員 大臣の意見の趣旨はそういうことなんですが、これはおもに中継局だろうと思うのです。これを共同で建設するということについてのNHKの考えをひとつ聞かしてもらいたい。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 それは非常に合理的な趣旨でございまして、私ども極力その線で商業放送と共同建設の打ち合わせをして進めてまいりたいと思っております。ただ、一番問題になります点は、NHKは早急に置局したというような場合、それに対しまして、比較的僻遠の地でございますので、商業放送がそれを同時にやりたくないケースもございますので、そういう場合にいろんな問題が起こることもございまして、場合によりましては、単独建設ということもあり得るかと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 私もその点が問題だったから聞こうと思ったのです。けっこうなことではある、けっこうなことではあるけれども、民放が一つの団体をつくっておるけれども、民放構成会社がおのおの別だし、その家庭の事情も一あるだろうし、経済的な事情もあるだろうし、それから建設しようとする規模の大きさ、企画の考え方の違い、こういったものもいろいろあると思います。こういう点で、理想としては、そのとおりけっこうなんだけれども、そのことによって、なかなかそれがきまらぬということになりますると、結局それを目指すのあまり、NHKの置局がおくれるというような事態になりはせぬかと思うのです。その点、いま田辺理事から言われたのですが、そうすると、協議が早くととのわないと建設がおくれるという結果になるかもしれぬ、こういうことですね。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 そういうこともあるかと思いますが、極力そういうことのないように、今後は打ち合わせをすみやかに進めまして、合理的なやり方をしたいと思っております。

畑和日本社会党

○畑委員 NHK側と民放のほうで、このことについて一般的な打ち合わせか、何かをしたような話しも聞いておりますが、どうですか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 御指摘のように、すでにそういうように、具体的な話し合いを進めております。相当話が進みましたところは二、三局でございますが、先ほどの話に関連いたしまして、五十五局のうちで、十数局につきましては、商業放送も同時にやる、あるいはおくれましてもきわめて短い期間にほとんど同時に近いうちにやりたいという意向を持っておりますので、それらにつきましては、話し合いが今後きわめて円滑にいくように期待しております。しかし、残りの過半数のものにつきまして、いまところ、商業放送のほうがNHKより相当おくれておるような考えのところも多いようでございますので、それらにつきましては、今後また話し合いを進めまして、場合によっては単独建設の局もできてくるかと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 その点はそれだけにいたします。  その次に承りたいことは、意見書の第三「UHF帯によるテレビジョン放送および実用化試験のための超短波放送が行なわれている地域における受信機普及についての具体的方策をたて、これが積極的推進をはかる」こういう意見になっておりますが、これはどういうことか。読んでわかる気がするのだけれども、私はしろうとでよくわからぬ。UHF帯によるテレビジョン放送というのは、目下研究中で、いろいろやっておるのでしょうけれども、その次のほうの超短波、これはFM放送のことだと思うのですが、それについての受信機普及についての具体的方策を立てる、こういったことはどういうことを差し示しているのか概略承りたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 UHF帯によるテレビジョン放送というのは、申すまでもなく中継局として今日やっておるわけでございます。これにつきまする問題としましては、このUHFの特性、さらにこれが受信の方法等につきましては十分に周知をはかりまして、そのアンテナの取りつけであるとか、あるいはコンバーターの取り扱いというようなことについての技術指導をやってもらいたいということ。また、コンバーターの購入並びに取りつけ経費の負担というような負担につきましては、一部助成をされておるものがありますが、これらにつきましても、合理的な方法を検討して、具体的な方法につきましてよく周知して、受信者のほうで知らなかったというようなことのないように積極的にやってもらいたいということでございます。  また、FMの問題につきましては、今日実用化試験のためにやっておるわけでございまするが、その番組の内容につきましても、積極的に周知をはかると同時に、FMの放送は一般の標準放送に比べまして混信も少なく、音質がきわめて優れておるというようなことについても、十分一般の人に知らせてもらうというようなことが必要でなかろうかと思っております。また、受信者に対しまして良好な状態で聴取できるようにアンテナの選定、またステレオの受信方法というようなことにつきましても、できるだけ技術指導を行なう。  さらに番組面につきましては、先ほどもお話がございましたが、受信者の意見、要望というようなものをできるだけ集めまして、放送の効果の向上をはかるように、これまた積極的な改良をしてほしい、かような事柄が含まれておるわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 UHF帯によるテレビジョン放送、これは、いまの大臣の話によりますと、中継局と言っておられましたね。いま認められておるのはVの局。それで、いまのところの政府の方針としてはVを使う。それでどうしてもVでだめのところはUを補助的に使うということが基本方針であるようであります。そういう意味で、どうしてもVでだめのところをUでやるというところがあるわけですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 現在の段階におきましては、いまお話しになりましたような方法をとっております。しかし、将来に対しましては、UHFの親局というような問題も出てまいります。これらの体系はどういうふうにしたが一番いいかという問題は、先ほど御指摘の調査会のほうに十分に検討してもらう、こういうことになっております。

畑和日本社会党

○畑委員 ですけれども、非常にVの波が欠乏しておる。NHKが全国に相当の局を持って、N局がどこにも二つある。Pが大体各県に一つずつ——違うところもありますが、大体そういう方針だと思います。それで、地方には、混信の関係で各県に一つという大体の基準で、それ以上Vの局は設けられないのですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 VHFの波を使いますことの方針を立てまして置局してまいりまして、その後民間放送等につきましてVHFの波があとから出たというような経緯もございますけれども、現在におきまして大きな局でVHFを使うということは考えられないほどVをたくさん使っております。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、いまのところ余裕はない、こういうことになりますな。そうですな。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 そのとおりでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうなると、いま大臣も、目下研究中だ、放送法制調査会でこの点も答申の中に盛り込むであろう、それを待っているんだ、こういうことなのですが、もうVの波がほとんど不可能だ。ところで、Uでも何でもいいからとにかく免許してくれというのが、あっちこっちにまだ大いにあるようです。それで、もうこの辺で、どう対処するかということが非常に大きな問題だと思う。アメリカにおいては二つ、UとVと両方使っておる。初めVを使って、その後Uを使った。そうすると、両方が重複して困った。だんだんUのほうに統一しようという空気もあるというような話でございますけれども、そういうむずかしさはあるといたしましても、たとえば東京近辺は——私、埼玉県に住んでおりますが、非常に恵まれておりまして、総合テレビと教育テレビのNHKのほかに、TBSあり、フジあり、日本テレビあり、NETあり、さらに今度は一二チャンネルができようといたしておる。とにかく相当恵まれておる。ところがいなかのほうに参りますと、いま言ったようなことでNHKの基幹放送だけしか聞けない。また、やっと聞こえるとしても、P局が一つあるだけだ。場所によってはそれも聞こえない。こういうようなことで、非常に公平の原則に反すると思うのです。やはり東京近辺と同じように、どのチャンネルを回しても聞こえる、見れるというようなことにするのが理想だ。もっとも、あまり商業放送で金をかけてあれすると、結局は国民の損だというようなたてまえで、それはあまり望ましくないようなことを言うている人もあるようですが、しかし、人間だれしもいろいろなチャンネルを見たいというのが人情だと思う。また、そうしてやるのが私は妥当だと思うのであります。しかし、非常にむずかしさがある。むずかしさはあるけれども、ここで避けてはならぬ。そろそろこれに対して、政府としても決断をしてやらなければならぬのではなかろうか、そういう時期に来ているのではなかろうか。単に中継として穴を埋めるということだけではなくて、これを一つのVと同じような放送帯として踏み切ってやるべきではなかろうかと思うのでありますが、その辺は、大臣いかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 まことに大事な問題だと存じております。そういうような点も含めまして、十分慎重に検討して、将来に禍根を残さないようにいたしたいと考えております。

畑和日本社会党

○畑委員 それでは、それ以上お聞きしても、なかなか適切な答弁を得られないと思いますので、その点はそれだけにいたしまして、あとは森本さんあたりに、専門的な点でいろいろ質問してもらいますが、この点はこれだけで終わりといたします。  その次にお聞きしたいのは、これは郵政省のほうへお聞きしたいのですが、民放のことなんです。最近、民放が非常に収益をあげております。その収益率、配当などは二割以上の配当をしておるような話を承っておりますが、そういった配当率とか収益事情の点について、郵政当局としてはどんな程度に見ておりますか、参考にひとつ……。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいま一般放送事業者というものの経営状況がどうかという御質問だと思うのでありますが、私のほうでその点につきまして調べたものがございますので、お答えいたしたいと思います。配当につきまして各社の報告によりますと、事業者全部で四十四社のうち、一割以上の配当を行なっているものは四十一社(畑委員「最高は」と呼ぶ)最高は、たしか一割五分ぐらいかと思っております。それから一割以下の配当をしておりますものが二社、無配のものが一社、こういうようなことでございます。ただいまテレビ関係のことでの御質問だったと思いますので、お答えしたわけでございます。  こういうようなことから考えてみますと、一般のテレビ事業者の経営状態というものは、まあ順調と申しますか、そういうふうに考えてよろしいかと思っております。

畑和日本社会党

○畑委員 相当経営の内容はよろしい、相当高い収益をあげておるというように見られております。ところが、それに比べて、最近非常に番組の内容、質が云々されておると思うのであります。ついこの間も、国民政治研究会ですか、唐島基智三氏らの主宰するところから、番組の問題に対する提言という意見が発表された。また、それに対して民放側からは、テレビ悪玉説に対してとかなんとかいう題目で、それの反駁が文書になってわれわれのところまで来ておる。なかなかにぎやかでございますが、いずれにいたしましても、民放がNHKに比べて非常に収益をあげておる割合に、番組がいわゆる低俗化のそしりを免れないというような傾向があると思う。その点につきましては、大臣のほうでも慫慂をいたしまして、NHKと両方含めて、自粛規制という点で、自粛と、そうして番組を改良するというような方向で指導しておるように承っておるのでありますが、それをさらに進めて、番組の充実にもっと金をかけて、安番組でなくて、金をかけたいい質のものをつくらせるというように指導する考えはないか、承りたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまの御説はまことにごもっともだと存じます。ただ、指導と申しましても、その指導のやり方はなかなかむずかしいと思います。したがって、放送事業の自主性をそこなわない範囲において適当に話し合いをしていきたい、こう考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 質問が重複するのを避けて、ちょうどいい機会でありますので伺います。  民間放送の収益が一割五分あがっておるところもあるし、無配のところもある。しかし、無配のところは、だんだん配当が、おそらく一割以上にはなると思います。そこで、この民間放送事業というものは株式会社であって、資本による会社であるということについては間違いございませんけれども、新聞とか雑誌とか、そういうものとは意味が違いまして、免許による制度でありまして、これは限定せられた電波であり、その限定せられた電波を免許せられて行なう会社でありますから、自然、一般のいわゆる株式会社とはだいぶ意味が違ってきて、相当公共性を持ってこなくてはならぬ。そこで株主配当にいたしましても、自由であるといたしましても、一応の限度があろうかと思うのであります。すなわち、これが一割五分あるいは二割も配当するということになるとするならば、そういうことよりか、少なくとも難視聴地域の解消に民放としても大いに努力をする。そういたしましてもさらに収益があがってくるということになってくるならば、少なくとも社会施設に貢献するとか、そういう方面に金を使っていくべきであって、こういう民間放送事業の株主配当というものについては、ある程度これは——制限をせよとは言いませんけれども、そういうことを自主的に民放が行なうということが望ましいことではないか、私はこう考えるわけでありますが、大臣が全くこれと同感でありましたならば、同感でございますという一言でけっこうであります。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 全く御同感でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 次に質問を進めます。  難視聴地域の解消ということが、大臣のほうの意見書にも載っております。それの使命の達成のために、前にも質問等で出ておりますが、テレビの共同受信施設、これを積極的に助成を進めてやっておられる話は承りました。そこで、施設とか、あるいは助成額とか、そういったものについても聞きたいのでございますが、あまりこまかく聞きますと時間がかかりまするから省略いたします。  ところで、共同受信施設がせっかくつくられた。ところがその後中継局ができて、それがむだになるというようなことがあろうと思うのです。いわゆる二重投資になるおそれはないか。私は、国民経済に反するし、せっかく助成してくれ、またもらって、さらに金を足して共同受信施設をつくったのに、中継局ができてそれが要らなくなるということになろうかと思うのですが、それにはよほど計画的に置局を進めなければ、うまく共同受信施設のほうと両方で連絡をとってやらないと二重投資になる。この辺につきましては、NHKはどういうふうな方策で臨んでおるか。二重投資にならないように、それを避けるようなことはどういう方針でやっておられるか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 お答え申し上げます。  ただいまの御質問、きわめてもっともなことでございまして、私どもも従前よりその点はきわめて重大な配慮をいたしております。現在までに多数の共同受信の助成をやってまいりましたが、これらにつきまして、その審査をやります際の一応の基準といたしまして、比較的その助成額に近い期間、一年あるいは二年以内ぐらいに置局ができますようなところは、できるだけこれを避けるような方針をとっております。それから、一方、実際に助成の申請が参ります地域と申しますのは、ほとんど第一次チャンネルプランかあるいは第二次チャンネルプラン——三百十一局ございますが、それらの局ができましても、なおかつ難視聴であるというところが大多数でございます。大体過去のデータをまとめてみますと、八〇数%はそういうふうな重複地域でございません。したがいまして、その残りの一〇数%のところがチャンネルプランと関連が出てくるわけでございますが、これにつきましても、できるだけ早期に解消するところにつきましては、なるべく重複する期間を、短いものはこれを避けていく、そういう方針でやってまいります。NHK側の立場を申し上げますと、たとえ一年でも二年でも、その間共同受信のために受信者が放送がある期間早く受信できるという点もございまして、二年以後にできましたものを考えると、大体助成金額と見合う金額が戻ってくることになりますので、そういうことも配慮いたしまして、御趣旨の線でやっております。   〔委員長退席、秋田委員長代理着席〕

畑和日本社会党

○畑委員 共同受信施設でありまするが、一定の率の助成をしておると思うのです。ところで、さらにそれの率をよくする考えはあるかどうか。もう一つの問題は、いまのところ二十名が基準のようであります。ところが、さらにもっと少なくて、なかなか文化の恩恵に浴さないようなところがある。そこでその二十名の基準というのを下げる、むしろこういうことはNHKじゃなくて国が助成すべきじゃなかろうかとさえ私は思うのですが、その点二十名以下の基準に下げるという考えはないか。この二つを簡単に伺いたい。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 第一点の御質問でありますが、現在NHKが助成をしておりますのは、施設の数の多い少ないによりまして金額は違いますが、大体三分の一程度は出しております。この三分の一と申しますのは、NHK側の考えといたしましては、先ほど申し上げましたように、二年数カ月程度で、二年ないし三年以内に大体その助成金額が回収できるであろうということが一つと、もう一つは、共同受信施設の場合には、NHKの放送、総合、教育だけが受信できるわけじゃなくて、その他の商業放送の受信もできるようになります関係で、これを全部NHKが商業放送まで助成してやるということは、多少理論的におかしいかと思います。したがいまして、これを始めました当時は、NHKが一局の場合、総合テレビジョンだけの場合もございまして、その後教育が追加された地方もございますが、したがいまして商業放送が二局ぐらいは大体平均して見れるということで、一方そういうふうな理由から三分の一というような助成金額をきめてまいったわけでございます。したがいまして、いまのところこの基準を大幅に上げることは考えておりません。それからもう一つ、最近におきましては、施設を建設いたします経費も若干下回っております関係もありまして、そういうことも考えまして、これをふやすような考えはいまのところ持っておりません。  それから第二点でございますが、この二十世帯以下のものにつきましても助成をするようにということは、先日片島先生の御意見もございまして、しごくもっともだと思います。現在最低二十というのを一応基準にしておりますが、これをだんだん少ないもののほうの助成に回してまいりますと、先ほど申し上げましたような一応三分の一程度の助成をすることにいたしましても、きわめて膨大な金になってまいりますし、それからその数も、非常に極端な場合には、一世帯の助成もしなければならないということになってまいりまして、財政的にも非常に負担も大きくなるということで、将来の問題といたしましては、なるべくこの数を少ない数にいたしたいと思っておりますが、一応現在では二十ということで、あるいは十八、十九というような二十に近い施設につきましては、受信者をなるべく勧誘いたしまして二十に持ってまいりまして、それを助成する、そういうふうなことでいきたいと思っております。

畑和日本社会党

○畑委員 その問題はそれではそれで終わりといたします。  その次に、国際放送のことについて聞きたい。放送法を見てみますと、私はしろうとなので——最近読んでいるのですがちょっとわからないところがあるのです。国際放送の項につきまして、放送法では、三十三条に、「郵政大臣は、放送区域、放送事項その他必要な事項を指定して、協会に国際放送を行うべきことを命ずることができる。」こういうような規定になっているのです。いまNHKがやっておりまする国際放送は、この三十三条によって大臣の指定によってやられている国際放送であるかどうか、この点を大臣に伺いたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 御承知のように、国際放送につきましては、ただいま御引用になりました法第三十三条によりまする政府の命令に基づいて行ないまするものと、別に、第九条の二によりまして、NHKが自主的に行なってまいりますものと二つございます。国の命令によるものに対しましては、その経費は予算に計上いたしまして支給することになっておりまするが、自主的にNHKのおやりになるのはそのNHKの予算の範囲内においておやりになるわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 それでわかりましたが、どうも国際放送に対するNHKの予算が六億もあって、それで政府の交付金が一億ぐらいしかないというのはどうかと思うのです。それで聞いたんですけれども、そうすると第九条の二、これはおそらくあとで追加されて、本来のNHKの業務はこの九条だけであったのが、その後国際放送ということで九条の二というのは追加になって、国際放送についてNHKが法に規定されて、自体でできるのだということになったのだと思う。おそらくその三十三条というのが前からあって、九条の二というのはあとから挿入された、私は詳しくは知らぬのですけれども、こう想像するのです。それで、初めは三十三条で命令によってやる、その金は三十五条によって全額国庫が負担する、こういうことになっておったが、三十三条あるいは三十五条によるものでなくてもできるように九条の二というものを新たに設けて、NHK自体の経費の負担においてやるということになったようでございますが、その点私よく知らぬのですけれども、いきさつはそういうところですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 そうであればわかったのですが、どうもその辺がわからぬので聞いたのです。NHKが国家的な仕事に対して相当受信料をもらっておる。国内の契約者に対してこれはやるのが当然ですが、それ以外に国際放送ということで、国の外に対して放送するということについて、自分のほうで金をもらう以外にやっておるということになるのでしょうけれども、それにしても政府の負担が軽過ぎてNHK自体の負担が重過ぎると私は思うのです。  そこで、それはおくといたしましても、三十三条によって、大臣が指定して国際放送を命じておるという事項が明確にあるのです。区域と事項を指定してと書いておりますが、やっておられるのですか、その辺を承りたい。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 政府の命令によりますれば十八方向三十六時間ということに相なっております。三十九年度におきましては、一億二千二百万円の国の命令による放送を予定しておるわけでございまして、それは百キロワットの送信電力で放送しておりましたものを二百キロワットに増力するということを内容とした経費でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 それからついでに承りたいが、三十四条の「放送に関する研究」、これも同じように、命令した場合には国で負担するというふうなことになっておるしかし実際には、NHKの業務として本来九条の中に調査研究という項目がある。自体でできる、命令されずにできる。そうすると、いまのところは予算にはないけれども、こういう放送に関する研究については、三十五条に従って政府が研究を命令して、政府が金を負担したという例があるのかどうか承りたい。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 いままでのところ、そういう例はございません。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、これはほとんど空文ですね。これはなくてもいいようなものだ。命令しないでも、NHKのほうでみな金を出して自発的にやっておる。もっともこれはNHKのためにもなるのだけれども、それではそういうことに理解して、その点の質問を終わります。  それからカラーテレビのことについて聞きたい。カラーテレビは最近だんだんと技術的にも進んできた。もっともまだ試験的な段階でありましょうが、一日三時間ですか、NHKでやっておられる。最近カラーテレビ局が新しくだいぶできたようですが、これについては、マイクロ回線が何か特殊なマイクロ回線でなければいけないというような点がいままで隘路になっておった。ところが、それもだいぶできてきたので、カラーテレビ局がふえてきたというふうに聞いておるのですが、そのマイクロ回線という規格のいいものが必要だというのはどういうことですか。愚問のようでありますが、技術的なことはわからないので聞きたいと思います。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 私の御答弁申し上げることかどうか存じませんが、公社のマイクロウエーブにカラーの信号を増すためには、やはり性能をあげなければならないということがございます。そういうようなことで、カラーテレビの通りますような回線でなければ、キー局のカラーテレビの受像はできない。キー局のカラーテレビを受けて出すということはできないわけであります。しかしながら、カラーテレビのフイルムというようなものの研究によって、それが可能になれば送ってやるということも可能でありますから、回線の問題だけでできないというふうにはいえないかと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 今度のオリンピックを目ざしてカラーテレビを全国に普及しようということでNHKも考えておるようでありますが、これは全国まで放送できることになるのですか、その点むずかしいのですか、承りたい。

畠山一郎郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○畠山(一)政府委員 現在カラーテレビの送れるように規格のよくなりましたマイクロ回線は、東日本ループと申しておりますが。東京から北陸回り大阪間と、東海道回り東京−大阪間であります。そのあとの部分につきましては、四十年度に完成することを目標といたしまして現在工事が進められております。いまのところ、工事の状況はそういう状態でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 最後に一点、NHKの業務量と人員の関係、給与の関係といったことについて聞きたいのです。  いまNHKの業務量はますますふえておると思うのです。もちろんいろいろな自動化の方向にありますので、自動化がどんどん進めば進むほど、合理化になりまして人手が要らぬということになりましょうけれども、その速度を越えてもっと事業量がふえておる。しかもことしの十月はオリンピックがあるということになりますと、そのほうに非常に重点を置いていかなければならぬが、そうかといって人間は急に募集するわけにはいかぬし、また首を切るわけにもいかぬ、いままでの人間ですべて間に合わせる、こういうことになると、地方の局からこちらへ人を呼ぶというようなことになりまして、地方の局では、それだけ減った人員で仕事もやらなければならぬというようなことで、ますますその点は、ことしの特殊事情も加味して、人員のわりあいに業務量が非常にふえるということになろうと思うのでありますが、その点につきましてどういったような方策をNHKでは考えておられるか、承りたい。

栃沢助造日本放送協会専務理事

○栃沢参考人 第一点の業務量と人員の関係でございますが、いま六カ年計画が進行中でございまして、この六カ年計画から見ました業務量を、いままでの定員算定の方式からはじいてまいりますと、四十二年度になりますと一万八千三百五十名程度の定員になるのであります。現在は大体一万五千五百でございますから、そういう関係から先般来機械化を実行いたしまして、増員をしぼって業務量増に対応できるような体制をいま考えておるわけでございまして、目下のところ機械化ということと、それから経営の近代化に伴いまして、いろいろな業務の合理化を進めておりますから、これによってそういう増員をしなくても業務量増に対応できるような体制をいま考えておるわけでございます。  それから第二点のことしのオリンピックでございますが、このオリンピックの場合には、わずかな期間に集中的に人間を集めなければなりませんから、いま先生の御指摘のように、少なくとも東京の人間を中心に考えますけれども、地方からの応援も当然考慮しなければならないわけでございます。そういたしまして、いまオリンピックに投入いたします人員量は、大体一千四百から一千五百程度を考えておりますが、これにつきましては、オリンピックの期間に業務を停止する部分もございますし、それからまた番組関係におきましては、事前に相当量のとりだめという方法もございまして、現場の仕事がオリンピックによって阻害されないような配慮もいたしておるわけでございます。これによって職員が過当の労働強化にならないというようなことを主眼に、いろいろ対策を考えておる最中でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 いま言われたのは、四十二年度になると一万八千ですか、これを考えておるというのですね。

栃沢助造日本放送協会専務理事

○栃沢参考人 ただいま一万八千三百五十と申し上げましたのは、業務量増に対応しまして、いままでの定員の算定基準で考えますと、一万八千三百五十になるけれども、機械化によってこの増員を抑制して、四十二年度においても大体一万五千五百の現状の定員の数でやっていけることと考えておるわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 自動化が進むから人間の数も比較的その点で節約できるということになるのかもしれないけれども、ともかく業務量に比べて人員がいまでも少ないのであります。相当労働強化になっているのではなかろうかと思うのですが、この辺ひとつ労働強化にならないように、さらに一そう気をつけてもらいたいのであります。私この間「今日のNHK」というのをもらいまして、これは去年のものですが、これをちょっと参考に見たのです。そういたしますと、英国のBBCとの比較が出ておるのです。表がありまして、それを見ますと、何から何まで日本のNHKのほうが大きいのですね。ラジオ局数にいたしましてもBBCに比べてはるかに多い。それからテレビ局の数も、やはり三十七年現在のようですけれども、BBCは三十三局、ところがNHKは総合が九十三局、教育が二十四局、こういうふうになっておる。それから年間放送番組時間数の比較につきましても、やはりNHKのほうが多い。それから受信料収入は、三十七年三月現在の比較によりますと、NHKのほうが三百六十七億、それからBBCのほうが三百九十六億で、ちょっとBBCのほうが多い。ところが、その後は、御承知のように、テレビの急増、それと甲乙に分けた結果が影響いたしまして、非常に膨大な数字になったことは御承知のとおり。そうすると、受信料も含めて職員数以外は、全部BBCよりも日本のNHKのほうが大きい。職員数は、この昭和三十七年現在で日本のNHKが一万三千二百名、それからBBCのほうが一万七千百二十五名、こういう数字になっていて、仕事の量でも何でも全部——局の数でも多い、時間数も多い、ただ人員だけが日本のほうが少ない。こういうことは、技術の点等も相当進んでおるはずですから、そういうことになりますと、一人頭の仕事の量などは非常に多くなるのではないか。現に非常に労働強化になっておる。世界的に考えても私はそう思うのです。もっとも日本は非常にそういう点で労働賃金のほうをうんと節約する。これは何もNHKだけのことではなくて、全部が日本はテープ・レーバーでやっておるのですけれども、しかし日本の基幹放送であるNHKでございますから、こういった世界的な傾向も考えて、もう少し人員もふやす、それで賃金もふやすのを節約せずに金の払いをもう少しよくして、労働条件をよくしてやるということが私は必要だと思います。この点についてはどう考えていますか。簡単にひとつ……。   〔秋田委員長代理退席、委員長着席〕

栃沢助造日本放送協会専務理事

○栃沢参考人 先生の御指摘のように、協会が少ない職員でBBCと比較しまして倍近い番組をこなしておるという状況でございますが、しかし、人員の点から申しますと、なるほどBBCのほうが数が多うございますけれども、国際放送に三千四百ほどの数を使っておりますから、そういう関係から申しますと大体同じような員数でございます。それからまた、局数から申しまして、日本のほうが非常に多いようでございますけれども、実際番組を編成して出しております局を比較しますと、大体同じでございます。ただ、同じ数で、番組の放送時間が——ラジオの場合は大体同じでございますが、テレビの場合は、倍近い番組を出しておりますが、この点がBBCと違う点だろうと思います。しかし英国は、われわれが理想としておりますような社会保障に恵まれております国でありまして、それからまた労働条件がきわめていい国でございますので、われわれとしましても、今後ともでき得ればこれを理想にしてその線へ持っていきたいというふうに考えております。

畑和日本社会党

○畑委員 まあいずれにいたしましても、BBCに比べてはまだはるかに落ちると思うのです。日本の基幹放送であるNHKでありまするから、その辺ひとつBBCに追っつくようなことで職員の待遇改善も力を注いでもらいたい。何としても働く人が気持ちよく働かなければ仕事はうまくいかない。そういう点でひとつ今後ともお願いいたしたい。  そこで、NHKの今度の予算の説明を見ますと、給与の点につきましては、適正な水準を維持するというふうになっております。これで適正な水準を維持したといえるかどうかということは、私はそういう意味でもまだまだ疑問だと思います。一体給与関係につきまして何を適正というのかということですが、私の調査しました給与の関係をほかのマスコミ、同業というか、民放、それから新聞社、こういうものと比較をしてみますと、基準賃金があって、そのほかにいろいろあるが、若い人が比較的多いところと少ないところ、こういうのもございますし、また勤務年限が長いか短いかというようなことをアジャストしなければならぬわけですが、それで最後の換算をした平均の賃金を見て、NHKを一〇〇とした場合にどういう結果になるか。私の調査したところによりますと、日本テレビは一二三、北海道放送が一一一、NETが一〇八、それから毎日放送が一一九・二というようなところで、大体NHKよりも給与がもっとよくなっているというような数字が出ておるのですが、少ないところももちろんございます。中部日本放送が九九・四、毎日新聞が九七・二、読売新聞が九四・六というアジャストした、換算した平均賃金がNHKを一〇〇とした場合に出ておるのですが、こう見ますと、NHKよりもいいところのほうが多い。NHKより悪いところはごく少ししかないということなんです。そこで、NHKはともかく日本の基幹放送でございますから、先ほど申し上げたようなことで、もっと給与をよくしてもらいたい、こう思うのです。一々どうするかといって返事を求めてもしかたがないのでございまして、ひとつそういうふうに極力やってもらいたい。予算総則の第七条の第二項、これば毎年活用してもらっておると思いますが、おとといだったかの報告によりますと、どうも今度の決算ではあまり剰余金が出ないというような話も聞いた。三十九年度はどういうことになりますか、これから先のことになりますけれども、職員の能率向上、働きぐあいによりまして経費を節約するというようなことができた場合に、この点極力特別給与のほうに回すということにひとつ配慮していただきたいと思うのですが、この辺はどういう心組みでおられるか承りたい。

栃沢助造日本放送協会専務理事

○栃沢参考人 協会の給与が関連産業と比較して相当劣っておるじゃないかという御質問でございますが、いま先生が御指摘になられましたほど劣ってはおりません。しかし、大体協会の規模と同じような新聞社ないしは東京のキーステーションに当たるような大きな民放と常に連絡をとりまして、それぞれの給与の差がつかないように、それからまた、いろんな水準もございますから、お互いに話し合っていこうということでやっておるわけで、それほどの開きはございませんけれども、まだある程度の開きのあることは事実でございます。先生の御指摘がございましたように、企業努力によって給与の改善ができる道もあるわけでございますから、適当に、各社の水準からはるかに劣らないような職員の待遇改善をこれからもやっていきたいと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 以上で私の質問を終わります。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 次会は来たる十六日月曜日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十五分散会

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