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46回国会衆議院1964/03/11

逓信委員会 第9号

発言数
188
登壇者
12
会派数
2
開催日
1964/03/11

会議録

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題として審査を進めます。森山欽司君。

森山欽司自由民主党

○森山委員 前回の委員会でお願いしておきました竜土町の問題についての資料を提出していただきたいと思います。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 配ってあるはずですが……。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それではこれについて説明してください。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お配りをいたしました資料につきまして御説明を申し上げます。  新しく取得をいたしました放送センターの敷地の購入の関係につきましては、総体で約一万九千坪でございますが、そのうち一万五千九百十三・二坪につきましては、取得価格が坪当たり十八万三百三十円、こうなっておりまして、二十八億六千九百六十二万七千四百円ということになっております。残余の三千二百九坪七一合、これにつきましては、竜土町の敷地のうちでスターズ・アンド・ストライプス紙が使っております部分を除きました六千五百坪の土地と等価交換ということになっておるわけでございます。以上でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この前のお話ですと、竜土町の土地は取得当時の価格で返還をした、それから渋谷の放送センターのほうの土地は時価で払い下げてもらい、差し引きすればあまり損得ないというようなお話があったものですから、それでそういう意味でこの資料を提出してもらうということだったと思いますが、そういう意味の御説明はこれでどういうことになるのか、ちょっと聞きたいと思います。そういう意味の資料だと私は受け取りました。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 この資料にございますように、新たに取得をいたしました土地の坪単価は十八万円でございます。私どもはこの十八万円の坪単価につきましては、大体周辺の実際に取引のありました点等とも参照をいたしますと、大体におきまして、私どもの胸算用でございますが、少なくとも坪当たり二万円は有利に払い下げを受けておる、このように見ております。そういたしますと、一万九千坪全体につきましては約三億八千万円でございます。他方、竜土町の土地につきましては、取得の価格が五億四千万円ばかりでございますが、これはそのままの値段で買い取ってもらっておりますけれども、これに、かりにいまの三億八千万円、これを比率にとってみますと、七割見当以上の値上がりがあったと同じような状況になるのであります。しかも竜土町の土地を入手いたしまして現実にこれを大蔵省へさらに買い上げてもらいました期間、この期間の値上がりがさようにあったとは一般の状況から見て考えられません。そういうような点から、私どものほうでは、決してこれは不利でない、このように判断をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この放送センターあるいはラジオセンターの坪当たり単価をどのくらいに見たらいいかということについて、もしこれを勧業銀行等で正しく評価すれば、はたしてあなたのおっしゃるような御説になるかどうかわかりませんけれども、この問題はそれ以上はこの際は詰めないことにいたしたいと思います。ただ問題は、残る部分の、三千二百九坪ですか、現在NHKの持っておるスターズ・アンド・ストライプス紙が使っておる土地は……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 約二千五百坪でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 二千五百坪という土地がまだ残っておる。それからスターズアンド・ストライプス社がおたくの土地と建物を無償で使用し、その中のおたくで調達した機械をそのままスターズ・アンド・ストライプス社で使っておるわけですね。そういうものによる損害額がどのくらいかという、計算のしかたはいろいろ問題がありましょう、しかしとにかく大ざっぱにいえば数億円のロスがあったということは事実だと思います。それで、それを現状のまま、このままに放置しておくつもりですか。それともどういうふうにこれを処理されるわけですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 問題の土地並びに地上の物件につきましては、日米関係条約によります接収の問題にかかっております。したがいまして、早期接収解除というようなことができれば、土地並びに建物の処分はできるわけでございますので、この関係について損失をこうむるようなことはないと考えます。ただ、接収がいつ解除になるか、こういうような問題でございますけれども、アメリカ側としては条約に基づく理由によって接収の目的があるのだということになっておりまので、その目的の解消がないとなかなか接収解除にならぬではないか、このようにも考えられますが、われわれ問題の解決といたしましては一早期に接収を解決してもらって、自由にこれを処分し得る状態に置けば損失はない、かように考えております。      ————◇—————

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 この際、電気通信に関する件について緊急調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを評します。森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 電電公社に申し上げておきますが、昨日、委員部のほうから本日緊急に質問を行なうということを通告してあったはずでありますので、きょう委員会が大体十時二十分ごろから開会せられるということがわかっておったはずですから、公社のほうとしても、そういう点については、国会から連絡があれば、国会の開会中には即座に応待できるようにしておいてもらいたいということを特に私はきつく申し上げておきたいと思います。そのために与党の森山先生にたいへん御迷惑をおかけしてまことに申しわけない、こう思っておるわけでありまして、それはすべて電電公社の責任になるわけでありますので、今後とくに御注意を願いたいと思います。  時間がありませんので、これはいずれ私はゆっくり質問をいたしたいと思いますが、ただ緊急に御質問申し上げたいと思いますのは、二月二十七日に高知県にありますところのマイクロウエーブの中継所で、有沢峠という峠があるわけでありますが、この有沢峠という峠ができるときに、その時の通信部長の有沢という人がここで遭難をしまして死亡いたしました。それを契機に有沢峠と命名した因縁のあるマイクロウエーブの中継所でありますが、そこで今回またも二人の電電公社の職員が、このマイクロウエーブの定期的な巡回試験に行っておりまして、積雪のために途中で一人が倒れまして死亡するという、まことに残念な事故が起こっておるわけであります。これについて、公社のほうでも情報を得ておると思いますので、ひとつ簡単でよろしゅうございますから、御説明を願いたい、こう思っておるわけであります。

米沢滋日本電信電話公社副総裁

○米沢説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。  高知の無線統制中継所の整備課の工事主任竹中忠義君と岩川進君の二人が、二月の二十五日に高知を出発いたしまして、有沢無線中継所に二泊三日の予定で電力の巡回保全にまいりました。ちょうどこのころ、やっぱり鳥形無線中継所というところがございますが、そこに別なグループを派遣いたしまして、やはり雪のもようでありましたけれども、無事に到着できるということでありましたので、有沢統制中継所のほうも、当日天候が晴れておりましたので、大体行けるのではないかということで出発した次第であります。しかし、まいりましたところが、途中自動車の事故がございまして、自動車が道から少し横へそれまして、自動車が谷底へ落ちてはいけないということから、この二人が緊急措置をとられて、そのために非常に時間がかかった。その結果遭難されたのでありまして、竹中忠義さんはとうとう死亡されました。ここでつつしんで哀悼の意を表したいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはこの高知新聞でも大きく報道せられておりまするが、こういう問題については、せめてそのときに一休みしておれば、こういうことはなかったのではないか。それからまた、皆さんはおそらく南国土佐といえば、こういうふうに雪が積もるというようなことについては、副総裁、総裁なんかも考えてもおらぬというふうに、私の見る目では考えられるわけでありますが、この有沢峠あたりは、積雪二メートルくらいになることもしばしばあるような土地であります。しかも、これに似たようなマイクロウエーブの中継所が各地にあるわけでありますが、それが定期試験でありますので、御承知のとおり、これは大阪から眉山、眉山から、さらに徳島の一部を通りまして、有沢峠を通って高知を通り、さらに松山を通って、松山から大分に拔けるという電々公社のマイクロウエーブの基幹になっておるわけであります。そうなってまいりますと、これには民間放送、さらにまたNHKのテレビの中継も全部乗っておるわけでありまするから、大阪統制無線中継所を中心としての試験を、やはり定期的に行なわなくてはならぬ。そうなった場合には、雨が降ろうが、風が吹こうが、あるいは積雪があろうが、ある程度やらなければならぬ、こういうふうな事情になっておるわけであります。もっとも、その場合、聞いてみると、特に事情を言えば、これをやめるということはでき得ますけれども、ほとんど今日までこのような定期的試験はやめたことがないというふうに聞いておりますし、さらにまた加えまして、標高何百メートルという高い山の上にあるわけでありまして、無人中継所でありますから、その間におきます道路というものは、ほとんど林道と同じような道路である。それをいわゆるジープで上がっていかなければならぬ。林道でありまするから、何といいますか、ガード・ブレーキといいますか、要するに道路のわきは断崖絶壁でありまするから、それを阻止するような措置も全然ないというふうなことで、まことに遺憾な点が非常に多いわけでありまして、そういう点からいたしまして、やはり今後こういうふうなマイクロウエーブのいわゆる無人中継所の措置について考えなければ、今後何人かの犠牲者が出るのではないかということが想像されるわけでありまして、きょうは時間がありませんので、そういう点について深く突っ込んで質問をいたしませんけれども、いずれ日をあらためて、こういう問題については、ひとつとくと質問をしていきたい。  さらに、私が心配をいたしますことは、そういうふうな第二、第三の犠牲者が出るということと、そういう無人中継所の場合に、積雪が非常に多くなって行けないというふうな状態になると、その場合に障害が起こるということになって、肝心のマイクロが不通になった場合には、おそらくNHK、民間放送、あるいは電話回線全部が不通になるという可能性も出てくるわけであります。こういうあらゆる観点から見まして、現在、山頂のあっちこっちにありまする無人中継所の保守あるいは今後の保管という点については、かなり慎重に考えてみなければならぬ点が多いのではないかというふうに考えておるわけでありまして、そういう点については、私は日をあらためまして一つ一つ小さな問題を追及していきたいというふうに考えておりますが、さしあたり私が特に問題にしたいと思いますことは、このなくなられました方の御遺族の関係でありますが、特にこの奥さんのほうは、まだ二十四歳で、子供さんが二歳というふうな状況でありまして、まことに今後暗たんたるものがあるわけでありますけれども、こういう場合に、電電公社としては、そういうふうな奥さんを特別に採用するというふうなことも考え得られるのではないか、あるいはまた、遺児の将来についても、電電公社がかなり責任を持った方向の教育のやり方というものもやれるのではないか、そういうことをやること自体が私は公社の任務でもあり、またそれが、故人に対するところの一つのつとめではないかというふうに考えておるわけでありまするが、そういう点について、公社としてはどういうお考えであるか、ちょっと聞いておきたいと思います。

米沢滋日本電信電話公社副総裁

○米沢説明員 お答えいたします。ただいま森本先生が言われましたように、残された夫人あるいはお子さんに対しまして、公社といたしまして最大のことをいたしたいと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それではこれで私のきようの緊急の質問は一応終わりますけれども、ひとつ、今後のこういう無人中継所に対するところの道路の問題、さらにまたこれの保守の問題、あるいはまた具体的な人員の問題、そういうふうなあらゆる状況の問題について、公社のほうとしても十分具体的に検討しておいてもらいたい。いずれ日をあらためましてそういう点については私のほうから質問をすることにいたしまして、本日の緊急の質問を終わります。      ————◇—————

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 中断いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、引き続き森山欽司君の質問を行ないます。森山欽司君。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この前の私の質問で、二月の二十一日の読売新聞に「NHKの「ムダ使い」郵政省がきつい意見書」という記事が出ておることについて、NHK側の見解をただしたわけです。そのときNHK側の答弁といたしましては、この問題について読売新聞に抗議をした、あるいは抗議をしたということが適当でなければ、内容について不適当であるということで懇談をした——どちらかわかりませんが、そういう趣旨の御説明があったように思います。どういう点で抗議をされたのか、あるいは内容についていかがかと思うということで懇談をされたのか、その辺のところをもう一回言っていただきたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 抗議をいたしました。抗議の相手は高橋雄豺副社長であります。抗議をいたしまして、それについて高橋副社長は、社会部長その他と話し合いをされまして、当日NHKに社会部長を派遣いたしまして、内容の誤伝について社会部長からNHKの広報室長に対して正式に申し開きがございました。したがって、私どもといたしましては、別に事実の取り扱い方についての考え方が明らかになれば、それ以上謝罪文を出させるとか、そういう必要は、同業でもございますので、ないという判定をして、これを了承いたしたわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると「NHK広報室の話」という部分についてだけ抗議を申し込んだわけございますか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 西村次官その他の郵政省関係の談話については、抗議を申し入れておりません。しかし、NHKに関する限りのすべての問題について抗議をいたしました。

森山欽司自由民主党

○森山委員 実はこの間そういう御答弁をいただいたあとで、三月八日の日曜日に、同じ読売新聞の「電波放送を国民の手に」という見出しの一ページの記事でございますが、その中に「まず、放送行政にからむさいきんの話題を三つ。」その中の三については、ちょうど二月二十一日の読売の記事を圧縮したような内容の記事が出ておりますが、これに対する御見解はいかがですか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 私は実は詳細に読んでおりません。しかし、私ども自身は、そういう記事その他に対してえりを正さなければならないと考えておりますが、しかし新聞記事あるいは週刊誌の記事について、記事の書き方についてまで私どもが責任をとるわけにはいかないと考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私はNHKに責任をとれということを申し上げておるわけではございません。ただ、この中に、「政府は、七百八十八億八千万円にのぼるNHKの三十九年度予算と事業計画をこのほど承認したが、そのさい郵政大臣の名で例年にない「きびしい」意見書をつけ、NHKの経費の使い方につき警告した。以上のことはNHKが聴視者から公共料金のような形でとっている受信料を「湯水のようにムダ使いしているとの声がある」(郵政省某課長)ため、政府もようやく、それらの批判にこたえる「姿勢」をとりはじめたことを示すものだろう。」というような記事が載っておりますので、それは私は二月二十一日の記事の要旨を圧縮したような印象を受けるものですから、どういう御見解をお持ちになっておられるかということでお尋ねをしたわけです。この前、社会部長さんがお見えになって、いろいろお考えになるというようなお話が読売からあってから間もなく、先週の日曜日の三月八日に、二十一日の記事と同工異曲の記事がここに載っておりますものですから、それでNHK側の御見解を承っておきたい、こういうわけでございます。

阿部真之助日本放送協会会長

○阿部参考人 私はその記事を読んでおりませんが、そういう記事が出たとすれば、はなはだ私どもは遺憾に存じております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 会長から遺憾だというお話がございましたから、これ以上お伺いいたしません。いずれにしましても二十一日に、そういう記事についてそういうやりとりがあった、しかるに三月八日にほとんど一ページの中に記事としてそういうことが載っておりますものですから、念のためにお伺いしたわけでございます。  次に、私からお伺いしたいのでございますが、NHKはいろいろな外郭団体をお持ちのようでございますが、外郭団体の現状について一応御説明を願いたいと思います。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 外郭団体というものをどういうふうなことで考えるか、非常にむずかしい問題ですが、まあわれわれが普通外郭団体と考えるのは、NHKが何がしかの助成をしておる団体を、われわれの正確な意味における外郭団体というふうに考えております。この性格をいろいろ言いますと長くなりますが、現在助成金を交付している団体といいますと、NHKの共済会がございます。それから健康保険組合がございます。これは組合でございます。それからNHK交響楽団がございます。それからNHK厚生文化事業団がございます。それから日本放送協会学園、高等学校でございますが、これがございます。  以上が大体NHKが助成をしている団体でございまして、この団体は、一応助成をしている範囲においてNHKがその内容について十分検討しておるということで、これが外郭団体というふうに考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 助成をしていない外郭団体もあるのじゃないですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 外郭団体といいますと、ちょっと問題がありますが、非常に緊密な関係を持っている団体といいますか、会社その他財団があるわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 どういうところだか伺いたい。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 NHKサービスセンターがございます。これは財団法人であります。それからNHK美術センター、これは株式会社でございます。それから日本放送出版協会、これも株式会社でございます。  以上は、その内容から言いまして、サービスセンターはNHKの目的を達成するために必要な業務を行なうためにNHKと契約をして仕事をしております。それから美術センターは株式会社でございますが、美術関係の製作をしている会社でございます。それから出版協会は、これはいろいろな出版をやっておりますが、NHKに関する限りにおきましては、テキストその他の出版をここでやっております。  大体以上でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 外郭団体ということで補助を与えておる団体、それが五つあるというお話でございますが、どのくらいの補助を与えておるか、三十九年度の予算案でひとつお示しを願いたい。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 最初にNHK交響楽団でございますが、三十八年度の承認予算によって助成されている金額が一億六千百万円でございます。それからNHK厚生文化事業団でございますが、これはやはり三十八年度の承認予算でありまして千三百八十万円の助成になっております。それから日本放送協会学園でございますが、これはやはり三十八年度の承認予算で一億三千八百万円の助成額になっております。それから日本放送協会共済会でございますが、これはやはり三十八年度の承認予算で三億一千万円の交付金を出しております。それから健康保険組合、これは助成といいますか、事業者負担保険料でございますが、そういう保険料のNHKの負担として出ておりますものが、三十八年度の承認予算で五億一千八百五十五万三千円、そういうふうになっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 きよう配付いただいた資料にそれが載っておるようでございます。いま三十八年度承認予算と言いましたが、三十九年度の予算をいま審議しておるのですが、それでは幾らくらいになっておりますか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 NHK交響楽団につきましては、三十九年度には予算として一億六千百万円を予定をいたしてございます。ここに書いてあるとおりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 これは一二十九年度の額ですか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 三十八年度と三十九年度と同額であります。念のためにほかのものにつきましても三十九年度を申し上げますと……。

森山欽司自由民主党

○森山委員 全部同額ですか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 違うものもございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ここに載っておるのは三十九年度ですか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 三十八年度を載せてございます。三十九年度を申し上げますと、NHK厚生文化事業団につきましては、三十九年度の予算といたしまして二千万円を予定いたしてございます。それから日本放送協会学園に対しましては、三十九年度の助成金といたしまして一億九千万円を予定いたしてございます。それから共済会に対しましては、NHK側の負担金といたしましては、三十九年度は三億七千六百万円を予定いたしてございます。それから健康保険組合のNHK側の分担金といたしましては、三十九年度の予算におきましては、収支規模が七億三千九百万になっておりますが、そのうちで協会負担の保険料につきましては五億五千四百七十八万六千円を予定いたしてございます。以上でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それでこの外郭団体には入ってないけれども、緊密な関係にあるということで、NHKサービスセンター、NHK美術センター、日本放送出版協会というのがあるというのを承りましたが、これはどういう性格ですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 これはみな違っておりますが、サービスセンターはNHKの仕事をいろいろな面で援助する関係の仕事をやっております。これは財団法人でございます。それから日本放送出版協会でありますが、これは株式会社でございして、長い間、NHKのテキストが主体でございますが、テキストを主体にして出版しております出版会社でございます。もちろんその他の出版も業務としてやっておりますので、必ずしもNHKの仕事だけをやっている会社ではございません。それから美術センターでございますが、これはNHKの番組の美術関係、大道具、小道具その他の仕事をやっている株式会社でございます。大体そういうことでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、NHK美術センターと株式会社日本放送出版協会、これはいまのお話ではテキストをつくっておられるというのですが、この株はどの程度NHKが持っておるのですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 NHKは持っておりません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 全然持っていないわけですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 そのとおりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それではお伺いをしたいのでございますが、このテキスト類は日本放送出版協会がつくっているわけですね。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 つくって出版しているわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この株式会社日本放送出版協会は、株をお持ちになっていないからどの程度の収支状況か知りませんが、業務上関係が非常に深いわけでありますけれども、どのくらいの収支状況なんですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 この出版業務は実はサービスセンターが発行者になっておりまして、NHKのテキストは出版元が出版協会になっているわけでございます。この出版協会の財政状況でございますが、われわれが正確に知り得るのは決算総会における決算によって知り得るわけでございますが、大体昨年の決算の状況を見るならば——いまちょっと詳しい資料は持っておりませんが、調べればわかると思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 NHKの放送テキストをつくっているのが日本放送出版協会、それを発行しているというか販売しているのがNHKサービスセンターだというのですが、これは一体どういうやり方になっているのですか。要するに発行元とか編集とか、印刷上のいろいろな熟語がありますが、どこでテキストをつくっておるわけですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 NHKが編集をしております。発行業務はサービスセンターと契約いたしまして、サービスセンターに委託しているわけです。サービスセンターがその発行の管理業務をやりまして、サービスセンターから出版協会がそれを受けて出版している、そういう形になっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 よくわからないのですが、NHKが編集をして一サービスセンターが発行するわけですか。そして出版協会の手を経て発売しているということですか。どういうことですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 サービスセンターが発行、販売をして、出版協会が出版をする、そういう形でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 出版協会が印刷をしているのですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 そうです。

森山欽司自由民主党

○森山委員 常識から考えまして、この放送のテキストというのは非常に売れているわけです。ですからこれは商売としては成り立つような仕事ではないかと思う。そういうところはさすが補助金はやってはいないようでありますが、しかし、社長とか理事長とかいう方はどういう方ですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 どういう方というのはどういう意味でございましょうか。

森山欽司自由民主党

○森山委員 どなたが社長とか理事長をやっておられるのですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 出版協会のほうですか。

森山欽司自由民主党

○森山委員 両方とも。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 サービスセンターの理事長は溝上けい、それから出版協会の社長は加藤正夫です。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それはNHKとどういう関係があった人ですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 溝上けいはNHKの元副会長でございます。それから加藤正夫は最終的にはNHKの理事をしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 テキストの発行というのは相当収益性のある事業だと思うのですが、収益性のある事業のほうはNHKのワク外に出しておるわけでございますね。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 テキストにいろいろございまして、非常に販売の数が上がっているのはある程度収益をあげておりますが、また一方、NHKの公共性からいいまして、売れないけれども出さなければならぬというテキストがありまして、結局これは出版会社の経営でございますから、私からかれこれあまり言えないと思いますが、そういうものを相殺いたしまして大体企業がうまくいっているというふうに聞いております。ただ、われわれとしましては、テキストが広くかつ安く、良質のものが頒布されるというのがわれわれの目的でございまして、その線に従ってわれわれはいろいろとそういう方面と相談しながら仕事を進めているということでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私はただ常識的に思うことは、テキストの販売というのは商売として相当ペイする仕事に違いない。まあ利潤がある程度出る仕事ではなかろうか。だからこれは株式会社の放送出版協会がやっておるわけです。足りないところに対して事業として補助されるのならわかりますが、今度はNHKの仕事でもってプラスになるところは少しNHKのほうに金を吸い上げてもいいのじゃないか。やはり雑収入として、本来ならば協会内部でやってもいいことなんだ。だからそういうものも入ってきてもいいのじゃないかと思うのです。テキストあたりは、単なる編集料というだけではなくて、そういうものによって利益が生まれれば、これは財団法人で、NHKの一部門でもって教科書みたいなもの、テキストをつくって、それを売ってもおかしくはないのですから、一向これは差しつかえない。そういうことは私はNHKではできないということはないと思う。そうなれば相当ペイするかもしれぬ。またその部門に関する限りペイすると見るのが常識です。そうすると、その分はNHKのほうに還元してもいいのじゃないか。ペイしない部分についてNHKは補助金を出す、ペイする部分についてはNHKのほうに入ってくるという考え方があってもいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 テキストの種類は非常にたくさんありまして、たとえば、具体的に申し上げますと、英語会話とかそういうのは十何万部くらい出ております。この面では非常に収益があがっておるのじゃないかと思います。ところが、あるテキストになりますと、非常に発行部数が少なく、ペイするまでにはいっていないテキストもあるわけですが、こういうテキストの発行も、われわれのほうとしてはやらなければならぬということで、結局両々相まって大体いまのところペイしている。もし、それによって多額の収益をあげるというようなことがありますると、これは問題でございまして、いま先生のおっしゃられるとおりでございますが、その場合はやはりテキストの価格を下げる。これを聴視者に還元する。それからテキストの内容を充実して、もっと良質の紙を使い、良質の編集をして、そうして聴視者にサービスする。そういう観点に立ってわれわれ仕事をしておりますので、収益のあがった分をNHKがいただくというようなことはやらないで、それを聴視者のほうに還元していくという考え方でやっておるわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ちょっとした印象ですと——NHKの交響楽団、これは一億六千万円ほど三十八年度に出しておられる。決して私は交響楽団に出すことが悪いと思いません。わが国文化の発達のためにけっこうなことですけれども、楽団をかかえるのがNHK本来の仕事かどうかということと、またいろいろな意見はあり得るだろうと思うのです。それで、そういう意味で、楽団が自立してやっていくことはなかなか困難であるというなら、これに応援してやることも、NHKとしては仕事のなわ張りをその程度まで広げるということは、私は決してこれをいかぬとは申しませんが、反面、テキストなんというのは、あれだけ相当多種類、たくさん出すのだから、これは出版事業として相当ペイして、そういうような費用は、本来ならNHKのほうに入ってきていい費用じゃなかろうかというような印象を受けるのですがね。原稿料、編集費というようなものはNHKは取っておるのですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 先ほども申し上げましたように、テキストの編集はNHKが全部行なっております。その放送内容と直接関連するところの原稿料でございますが、原稿料はNHKが負担しております。その他の部分については、いろいろ学校の先生方にお願いしてテキストの原稿を掲載しております。そういうものは全部出版協会が負担しております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 原稿料はNHKが負担をして、そしてあとの費用だけを出版放送協会が負担しておる、こういうお話ですね。本来なら、出版物というのは、原稿料等はその出版元が払うのが常識だと思うのですがね、その辺のところは……。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 結局そのテキストによって放送するわけですから、放送に直接関係する部分の原稿料は、NHKがどうせ放送するのだからということでNHKが負担する。それ以外にいろいろ加筆してもらったり、いろいろなものを載せる場合は放送出版協会がやっておる、そういうことに大体区分けしてやっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いずれにしましてもサービスセンターとか出版協会の収支状況をひとつ出していただきたいと思うのです。業務が非常に関係がありますから、参考までにひとつそろえられたらそろえてもらいたいと思います。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 これはやはり出版協会の同意を得なければならぬと思いますが、しかし決算だけは公表しておるのですから、決算報告は出せると思います。よろしゅうございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その場合、放送協会と美術センター、これは株式会社でありますから、株主名簿、資本金、それから決算、営業成績というのはとれるはずです。なぜならば、たとえば電電公社が発注するところのどこどこの会社のものをとってくれと言えば、すぐとれるわけでありますから、これは遠慮は要らぬわけでありますので、いまのような質問があった場合には、やはりはっきりする意味において、株主名簿、資本構成、それから役員構成、営業成績、決算、これをひとつ資料として、サービスセンター、出版協会、美術センター、この三つについても、ここに出しておる資料と同じようなかっこうで出してもらえば一番いいというように考えるわけです。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 出すようにいたしましょう。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そこで、残っているのはNHKに美術センター、これはどこにありますか。それから社長さんはどなたになっていますか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 芝の高浜町にございます。社長は和地武雄でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 高浜町というところにあるNHK美術センターの建物はどこのものですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 NHKのものでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 先ほど株式会社NHK美術センター、株式会社日本放送出版協会の株を、NHKは一株も持っていないというお話だったのです。こういう仕事の上では関係があるかもしれませんが、しかしそういうところにNHKの建物を貸すというのはどういうわけなんですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 有償で貸しております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 NHKはスタジオや何か足りないというので、盛んにそういうものをよそから借りたりなんかしているんですね。そういうときに、NHKの持っている建物を貸すなんという余裕があるのですか。借りるのが大体普通なのに、貸すというのは、一体どういうわけなんですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 当該の高浜町の地点につきましては、NHKが本来いろいろな品物を置きますための倉庫の所要のものとして土地を確保しまして、倉庫の建物を持っております。その中にいろいろ大道具の製作、さらにそれを番組に関連を持ちましてNHKのスタジオに搬入してこれを貸与するというような仕事を、道具類——大道具、小道具についてやっておりますので、そのような関係からいろいろな利便もございますし、また、ただ単なる利便をそういった株式会社に与えっぱなしでは、これは筋が通らないと思います。したがいまして、時価で倉庫の借料を徴しまして提供をし、かたがたのNHKの番組と非常に密接な関係もございますので——そういった道具関係のものを一般のところから借りることにいたしますと、ほとんど一回限りで製作費全体のものを払わなければならない、これは不経済でございますので、そういった考えで、何回も使えるものは、その一回分の製作費に見合うようなそれに近いような不経済な借料を払わないで、数回に分けて支払う、そういう面で道具類の経済化をはかる、こういうように非常に有効に利用し得る面もございますので、そういった面で倉庫の余裕のあるところをこれに貸しまして、しかもそれについて借料を徴しておるというようなことであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 高浜町の建物というのは、お宅の予算をおつくりになったときは予算にあがっておるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 予算には計上いたしておりました。

森山欽司自由民主党

○森山委員 間違いなく計上しておりましたか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 間違いございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いつから計上しておりますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 土地を入手いたしましたのが三十五年でございます。建物を建てましたのは三十六年度に着工いたしまして、三十七年度に完成いたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 どうも私は三十五年以来の予算にそれはあがっていないのじゃないかと思うのです。ただ決算の面でそれが出てくるというふうに聞いておるのですが、名目はスタジオとしての計画じゃないですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 スタジオではございません。局舎、宿舎その他としてあがっておりまして、予算の上では非常に件数が多うございますから、一々どこどこに何ぼ、こういうような内訳はなかったとも思いますが、予算といたしましてはそういった建物、局舎、宿舎、こういった問題の予算の中に一括入っておるわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それはNHKのスタジオとして計画にあがっておる。しかしそれは、当初には予算にあがってなかったように私は思っておるのですが、その点はもう一ぺんお調べ願いたい。そうして次回にまた御説明願いたいと思います。それができ上がってみると、NHK美術センターという外郭団体に貸してしまったかっこうになっているように私たちは思うのです。スタジオが足りない、足りないと言って、事実NHKの周辺で非常にお借りになっておるように思うのですが、一方において、スタジオとしてつくられたというふうにわれわれが聞いておる建物を、そういう外郭団体に貸しておるというのは不当じゃないか、こう思うのですが、その辺は何ら矛盾はないのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 スタジオとして使う予定の建物として建設いたしたわけではございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 経理担当の重役さんのおっしゃることですから、もう一度お調べ願って、そういうことであればけっこうですが、ただ私どもは、足りないと言っておりながら、スタジオとして建てたものを、NHK美術センターというところに貸すというのはどういうわけだという疑念を持ったものだからお伺いしたわけでありまして、もう一度予算、決算面の取り扱いについてそれを明らかにしていただきたいと思います。外郭団体につきましての私の質問はこの程度にいたしておこうと思います。  それからNHKの受信料が最近非常にふえて、予算に比べて決算面でふえておるわけですが、その予算面と決算面でどの程度ふえたか。この前の委員会で若干数字の御説明がございましたが、もう一回あらためて説明をしていただきたいと思います。三十五年度以降でけっこうです。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 三十五年度の受信料収入の予算は二百九十四億円でございます。決算額につきましては三百二十億二千七百万円になっております。したがいましてこの年には増収は二十五億四千七百万円ございました。  それから、三十六年の受信料収入の予算額は三百六十七億九千万円でございました。これに対しまして決算が四百三億円でございまして、差し引き増収といたしまして三十五億一千百万円ございます。  それから、三十七年度におきましては、四百六十八億二千万円の予算額に対しまして、四百九十七億八千万円の成績をあげまして、二十九億六千三百万円の増収を得ております。  以上でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 三十八年度の見通しはいかがでしょうか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 三十八年度につきましては、ただいま経過中で、成績の向上に努力いたしておりますが、三十八年度の予算といたしましては五百八十九億円でございましたが、年度当初に予算に組みました受信者の数と昨年度末の受信者の数とのずれがございまして、年度当初に予定したより受信者の数がふえてまいりましたので、その分の影響を受けまして、現在の見通しでは二億三千三百万円程度の増収を予定いたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 二億ですか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 さようでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この受信料の増収をしたものをどういうふうに使うかということについては、予算総則に、増収になった分については「事業量の増加等により、収入が予算額に比し増加するときは、その増加額は、経営委員会の議決を経て、その一部または全部を事業のため直接必要とする経費の支出、借入金の返還または設備の新設、改善に充てることができる。」第二項は、職員の能率向上による分が規定されておりまして、第一項にはそういうふうに書いてあります。  それから、毎年の郵政省の意見書を見ますと、三十五年度は、ちょっといまありませんが、三十六年度は長期負債の返還、三十七年度も長期負債の返還、それから三十八年度は難視聴地域の解消、長期負債の返還ということで、予算に余りがあった場合についてはひとつそういう点に留意しろ。すなわち、能率の向上、冗費の節減につとめるとともに、次の事項に配意すべきものとして、いまのような受信料の収入について、もしその予定を上回ることになった場合、極力長期負債の返還というようなことになっております。いままで、三十五年度以降——三十五年度二十五億、三十六年度三十五億、三十七年度二十九億というような予算と決算とのずれについて、どういうふうにこの相当巨額の金が使われたか、そのことをちょっと御説明願います。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 お答え申し上げます。三十五年度の二十五億四千万円の増収につきましては、次のとおり使用いたしました。  予算総則第七条の第一項の関連といたしまして、十六億七千四百万円を使用いたしてございます。その内容といたしましては、第一番に、これだけの増収を徴収いたしますための契約経費、集金経費が増加してまいります。この受信者の増加に伴う手数料関係といたしまして三億九千三百万円でございます。それから次に、テレビ共同受信施設の助成経費の追加といたしまして、共同受信施設の助成を拡大することを考えまして、一億三千九百万円をこれに振り当てて使用いたしました。それから、放送番組の充実関係の経費といたしまして三千四百万円、施設の増加に伴う維持運用費関係といたしまして二億九千三百八十一万円、設備の改善関係に六億六千九百万、それから放送債券の償還積立金の繰り入れの増加に五百万円、未収受信料欠損償却の増加に三千九百万円、もう一つ、借入金の返済に一億円を充ててございます。以上が十六億七千四百万の内訳でございまして、七条の第一項によって措置したものでございます。  次に、七条の第二項によります振り当て額といたしまして職員の努力に対しまして特別の給与の支給をしたしまして、二億四千二百万円使用いたしました。  以上で十九億一千六百万の使用をいたしまして残額六億三千百万円つきましては次年度に持ち越しております。  それから三十六年度につきましては、三十五億千百万円増収がございましたが、総則第七条の一項の振り当てによりまして三十六億百万円を使用いたしてごいます。  その内容といたしましては、受信者の増加に伴います、先ほど申しました手数料関係に四億九千三百万円、それからテレビの共同受信施設の助成の拡充を考慮いたしまして二億五千六百万円、番組の充実関係の経費に四億円、施設の増加等に伴います維持運用経費の増加といたしまして二億五千五百万円、テレビ局の周波数変更に伴います受信状況の改善対策の経費といたしまして四千万円、それから設備の改善といたしまして九億六千八百万円、それから業務量の増加に伴いまして——受信者増等によりまして集金の増その他がございまして、人件費の増に一億五千七百万円、未収受信料の欠損償却が、受信料収入の増加に伴いまして予定いたしましたものよりも増額する必要がございまして、二千九百万円をこれに充てました。以上が二十六億百万円の七条一項の振り当てでございます。  次に、三十六年度に、同じく七条の二項の振り当てといたしまして、職員の企業努力に対しまして特別の給与の支給をいたしておりまして、三億四千二百万円を出しております。この年には三十五億千百万円の増収がございまして、使用いたしましたものは二十九億四千三百万円でございまして、残額五億六千八百万円につきましては、予備金に繰り入れをいたしてございます。  それから、三十七年度におきましては、二十九億六千三百万円の増収がございまして、振り当てをいたしましたものは、そのうち二十五億二百万円でございます。  第七条の第一項の規定の適用によりまして、このうち二十一億円を振り当てております。内容といたしましては、受信者の増加に伴う、先ほどの契約収納関係の経費といたしまして七億四千八百万円。それから、受信契約体系の変更がこの年にございましたので、これに伴う受信者開発PR関係の費用といたしまして一億五百万円、放送番組の内容充実関係の経費に二億二千九百万円、設備の増加、業務量の増加に伴います一般管理費の増加に対しまして五億六千五百万円、設備の改善に二億三千万円、受信者の増加に伴います人件費関係の増加といたしまして、外勤、内勤の費用でございますが、二億二千万円、以上が二十一億の内訳でございます。  なお、この年にも、七条の第二項の適用といたしまして、職員の企業努力に対しまして特別の給与の支給をいたしてございます。四億二百万円を振り当ていたしました。以上で総額二十五億二百万円になりまして、残額四億六千万円につきましては予備金に繰り入れをいたしてございます。  以上でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 剰余金が生じたような場合について、いまのNHKの予算総則の規定、それから郵政大臣の意見書、これは私もずっと例年の分を見ておりませんが、両院の委員会等の附帯決議というようなものもあると思います。どういう点を中心にして剰余金の振り当てをきめておられるのか。剰余金というのは初めから予算上当てにしなかったことですから、たとえば三十六年度を見ますと、長期負債の返還というようなことをいっておるわけであります。それから三十七年度も長期負債の返還、三十八年度にも長期負債の返還と難視聴地域の解消というのが、こういう文書になって、郵政大臣の意見書として出ておるわけです。ところが、三十六、七年度は放送債券償還積み立て金の繰り入れとか借り入れ金の返済とかはゼロになっているわけです。郵政大臣はそういうふうに意見書をつけておる。ところが、その郵政大臣の意見書を、三十五億とか二十九億とか、それだけの予算に対する剰余金が出ながらやっておられないわけです。郵政大臣は、あれは意見だから格別気にしなくていいというようなことなのか、その辺のところはどういうことでしょうか。  それから郵政省に伺いたいのは、こういう意見書を出したのですから、しかも三十五億とか二十九億とか剰余金が出たわけですから、それをやるということが経営の健全化のために必要だと思ってお書きになったのだと私は思うわけですが、現実にはやっていない。この辺のところをどういうふうに理解したらよいのか、郵政省側の御意見を伺いたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 この予算総則の運用につきまして何を重点にしておるかというような御質問でございますが、もちろんここに掲げてあります事柄は、経営委員会の議決を得まして、記載のとおりの方向にそういった剰余金を使い得るわけでございます。これには郵政大臣の意見書がございます。これは非常に尊重すべきものと考えております。剰余金の関係につきましては、NHKの正しい使命に沿った方向に使わなければならないと思いますけれども、将来の財政の負担の軽減をはかる意味合いにおいてこの剰余金の使途を決定いたしますと同時に、いずれやらなければならない事業計画の繰り上げ促進の関係で、できるだけそういう剰余金を生ずるような恵まれたときに、たとえば全国普及の使命を果たしますとか、あるいは施設内容の改善に資しますとか、番組の向上改善に資しますとか、そういうようなことをいたしてまいっておるわけでございます。もちろん受信料収入だけでは財政をまかなっていくわけにはまいりません。非常に膨大な建設計画を持ちます限りにおきましては一自己資金以外に年々多額の借り入れ金をいたさなければならないことは従来の例から見まして当然でございます。そのような意味におきまして、外部負債の経営に及ぼす負担の軽減の面から、あとう限り借金の返還に充てるということは、毎年の郵政大臣の意見にもそのような注意が加えられております。この趣旨に沿ってわれわれも運用してまいっておるつもりでございますが、先ほどの三十五、六、七各年度の状況を主計部長から御披露申し上げました中には、その辺が十分でないではないかというような御意見も当然出ようかとも思うわけでありますが、私どもは、この意見書の関係につきましては、ただ単に借り入れ金をその剰余金のうちから返還することでなしに借り入れ金全体の一連操作によりまして、当該年度における借り入れ金の所定の計画を、そういうゆとりがあれば取り入れて増収によって返し得る余力があれば、既定の借り入れ金計画を縮小して借り入れを行なう措置もあわせて考えて、意見書の面を尊重してまいっておるつもりりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 なるほど予算総則の第七条第一項によると、経営委員会の議決を経て、ここに書いてあるような使途に充てることができるということになっております。それについてNHK独自の立場でおやりになる。本来ならざ、これだけ増収が生じたら、あらためて予算の補正というようなものが必要なわけであります。しかし、いまは、予算総則の中に包括的に承認することによってこの予算の補正をやってないわけですね。ですから、少なくとも予算よりも増収が生じた際には、NHKが経営委員会の意見さえ聞いたらもう一存でできる、経営委員会の議決を経れば一存でできるというたてまえに法律上はなっておるわけです。しかし、その法律上の問題はともかくとして、三十六年度には三十五億、三十七年度には二十九億という膨大な剰余金が生じたわけです。しかもそういう際に、もう長年にわたって郵政大臣のほうから、受信料収入について、もしその予定額を上回った場合長期負債の返還に充当する、そうして財政的基礎の確立に資するようにつとめろという意見書が三十六年度、三十七年度、三十八年度、また三十九年度のものにも出ておるわけですね。三十六年度、三十七年度に三十五億とか二十九億とかいうような相当大きな剰余金がありながら、そうしてそれに対して郵政大臣がそういう意見を付しておりながらも、それが全く無視されておるような感じを私は受けるわけでありまして、どうもいまの小野さんの内容では、どんな郵政大臣の意見書がつこうと、私たちは、将来のNHKの姿を考えてわが道を行くとうい御見識でおやりになる、それも一つの方法ですが、そういうことですか。そういう意見書が出ようと出まいと、どんなことを書こうと、それはもう法律のワク内でやれることはNHKは何でもやるんだ、この大きな一つの公共企業体ともいうことばは、広い意味に考えて、パブリック・コントロールが、予算総則を承認してしまえば国会さえ手に及ばぬわけですから、三十五億とか、二十九億とか、相当大きな額ですから、これはもう思うとおりにやれるんだ、こういうお考えなんですか。そのとき、ここに書いてある長期負債の返還というのも、郵政省も、ただ恒例のきまり文句で書いたのではないと思う。NHKの財政を考えて長期負債の返還というようなことをお書きになったので、例文ではないと思うんです。拝啓時下ますます御清栄の段賀し奉り候という文句と違うと思う。私はこういうものは現実には無視されておるように思う。それで、あなたの御返事を伺う前に、郵政大臣に——これはちょっとこまかくなりますから、電波監理局長でもあるいは放送部長でもけっこうですから、どういうふうにこんな問題を考えておるか伺いたい。郵政大臣の意見書というものは、合理性があるようなものをお書きになったのか。意見書を書いたって、全然これは無視されておるように思うのだが、その辺のところはどうなんですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 意見書と申しますものは、われわれが慎重に事業計画の内容を検討いたしましてつけたものでございまして、これに対しては、NHK側も十分に配慮をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 しかし三十六年度、三十七年度は、全然長期負債の返還をやっていませんが、これは一体どういうふうにお考えなのですか。

吉灘中郵政事務官(電波監理局放送部長)

○吉灘説明員 お説のとおり、三十五年度には一億借り入れ金の返還に回っていますけれども、三十六年度、三十七年度は全然借り入れ金の返還に充てられておりません。当時のことを推測で申し上げるのは非常に恐縮でございますけれども、この決算書を見てみますと、三十六年度、三十七年度におきましては、国内放送費が大幅にふえている関係上、あるいは業務費もふえておりますが、おそらくそういう国内放送費あるいは業務費に多く回ったがために、借り入れ金の返還まで見る余裕がなかったのじゃないかというふうに考えます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私が伺いたいのは、郵政大臣の意見書を書いたって、そんなものは問題にされない、そういうような意見書をどうして書いたか。それはNHKのやり方が——法律上の問題じゃありませんよ、NHKのやり方がおかしいか、郵政大臣の意見書のつけ方が悪いか、どっちかだと思う。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お答え申し上げます。  ただいま放送部長から御説明になりましたような事情も確かにあったわけでございますが、それよりも、大前提といたしまして、郵政大臣の御意見を軽視はいたしておりません。拳々服膺すべきものと考えております。またきわめて適切なる御意見であろうと思います。企業の経営として、当然にまず第一に配意しなければならぬ問題と思います。ところが、実績は、先ほど主計部長から申し上げましたように、増収の額に対しまして三十五年度はわずか一億ではないか、まさにそのとおりでございます。三十六年度、三十七年度は何もやっておらないじゃないか、こういう御説でありますが、その年度内においてその増収の中からは手配をいたしておりません。三十六年度におきましては、先ほど申し上げましたように、増収の中から返還するということの局限された問題だけでなしに、その年度には放送債券並びに長期借り入れ金の予定の計画があるわけでございます。この新規に借り入れをする額を操作することもまた借り入れ金負担を少なくするゆえんであろうと思いますので、三十六年度には、既定の借金をすべき当初計画から、十億は借金をしないで済ましております。三十七年度につきましては、二十九億の中から——七年度中には返しておりませんが、年を越えまして三十八年度、初頭に—剰余金の一部はそのまま全部使い切らないで、先ほども御披露がありましたように翌年度に持ち越しておりますが、この中から二億三千万円は返還をいたしております。これは三十七年度に見合うものと私は考えておるわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、三十六年度十億というのは、借りるべきものを借りなかったから、本来ならば増収額は四十五億になるべきであったということですね。予算どおりに借り入れをしていれば、増収は三十五億が四十五億になるべきであった、こういうことですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 増収は額は変わっておりません。これは借り入れによるものでございまして、事業収入、業務収入、受信料収入にかかるものではございません。建設関係を進行いたしますために、自己資金のほかに外部から調達する資金の予定計画を十億縮めた、こういうことに相なるわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いまの点よくわかりましたが、そういう意味で長期負債の返済をやったというふうに郵政省はお考えなんですか。要するに郵政大臣の意見書というもので、受信料収入についてもしその予定額を上回ることになった場合には、極力長期負債の返還に充当すること等により、事業運営に対する財政的基礎の確立に資するということは、その予定額を上回ることになった三十五億について、その中からひとつお返しなさいという趣旨に私どもは解釈しているのですが、それと違うのですか。いま小野さんの言ったような程度のことでもよろしい、こういうことですか。

吉灘中郵政事務官(電波監理局放送部長)

○吉灘説明員 郵政省といたしましては、NHKの経営の健全化をはかるという観点からいたしますならば、できる限り借り入れ金の返還に回すよう配慮してもらいたいという気持ちに変わりはございません。予算総則第七条の第一項におきまして「直接必要とする経費の支出、借入金の返還または設備の新設、改善に充てることができる。」こういうふうになっておるわけでございますけれども、直接必要とする経費の支出というものにつきましても、極力経費の節減をはかっていただきまして、できるだけ将来の経営の健全ということも考えまして、現在約九十億の借り入れ金があると記憶しておるわけでございますので、極力、少しずつでも返還してもらいたい、こういう気持ちには変わりございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 すると、郵政大臣の意見書に付した意見から見ると、小野さんの御意見は少し違うのではないですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 私は変わっておらないと思います。ただ増収の中から返せ、これはもちろんその他からも借り入れ金の計画が縮少できるものなら、当初の計画を縮小することも当然でございますし、また増収の中から返し得れば、できるだけ財政負担の軽減をはかるために返しておくということは当然と思いますが、これはいずれも趣旨は、財政の健全で、外部負債の負担をを軽くしろというように解するのが本旨であろうと考えますので、当該年度の借り入れ金の計画を縮小する、これも一方法でありましょうし、増収の中から積極的に返すのも一方法であり、いずれがどうこうということはないと私は解しております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 もう一回聞きます。一応事務当局に聞いて、あとで大臣に伺いたいと思いますが、いまのような小野さんの解釈でこれから——ことしのものにも書いてあるのですが、三十九年度は増収が出るかどうか知りません。しかし、とにかくいまのようなことでいいのですか。そういうことならもうやったんだということになっていいのですか。予算と決算の差から何がしかの余裕が出る、余裕が出たら長期負債の返還あるいは難視聴地域の解消、そういうところに重点的に——事業量の増大に伴ってやむを得ない分は除いて、やるべきだと思うのですが、どうもその辺のところは、郵政大臣の意見書は、われわれのようなしろうとが読んでみても、実はやっているんだというようなお話では、ちょっとわれわれ納得できぬのです。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 過去のことは私必ずしも数字的につまびらかにしておりませんけれども、このたびの意見書をつけた趣旨、また意見書というものの元来の趣旨から申しますならば、この文字どおりに積極的に、第一義的にこの趣旨を取り上げて、長期負債の返還に充てる、こういうことがやはり常道であろうと考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この問題について大臣の御所見を……。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 私としましては、この予算総則の趣意も勘案しながら、この予算に対して適当と認める意見を付したわけでございますから、この政府の意見は、NHKとしては十分に尊重してもらいたいということを強く要望する次第であります。  さらに資金のやりくりについて小野専務理事からの御説明もありましたが、なるほど事業を堅実にする上においては、それでもいいじゃないかという説も一方においてはあるとも考えまするが、しかし、政府としては、やはり収入が予算を相当に上回ったような場合には、この意見書の趣旨に従って、経営委員会の議決を経てさような取り計らいをしてもらいたいということを要望いたします。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そういたしますと、郵政大臣の意見の趣旨と、小野さんが答辯された趣旨とはちょっと食い違いますが、今後どうされるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 郵政大臣の御意見ごもっともでございます。私どもはその本旨をくみましていたしておるわけであります。そこに多少のずれがあるかもわかりません。大臣の言われるとおりの処置、また森山先生の御指摘のとおりのそれにいたしますと、かりに三十六年度に限って申しますと、十億の額がいいかどうかは別問題でございます。いろいろな批判があろうと思いますけれども、十億の返還についてその年度においてかなりの努力をしておる、こうかりにお認めをいただければ、意見書にあります文字のとおりにいたしますと、十億は銀行から借りまして、そうして増収の中から十億を返していく、こういうような結果になるわけでございまして、その間にむしろ借り入れの手数の増加等の関係が介在するわけでありますから、それよりも直接法をとりまして、当初の借り入れ計画を縮小いたしまして、これで増収から返したと同じような財政健全化のの目的を達成する、このように私は解しておるわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 郵政大臣の意見を尊重するかどうかは、ある意味で、法律上はNHKの自制です。ですから、あなた方がこれだけの仕事をやりたいということをあくまで通そうとすれば、それはいまあなたがおっしゃったようになる。しかし、郵政大臣の意見もあることだから、自分たちはこれだけやりたいが、その点はこの程度に考えようという政治的な配慮をするかどうかの問題です。そうすると、そういう配慮をされないというわけですね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 配慮をいたさないというわけではございません。先ほども申し上げましたように、将来とも意見書のそれはあくまで尊重してまいるつもりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私もう一回郵政省の事務当局に承りたいのですが、この辺は大事なことになるのですが、郵政大臣のつけた意見はこれからどの程度尊重されるかという問題になるのです。いまのようなことで、郵政大臣の意見はあなた方の御趣旨に合致したものであるという程度に考えていいのですか、どうなんですか。私は専門家ではありませんから、この文章を読むだけで、どうも郵政大臣の意見書どおりやってないように思うのだが、一体どういうことなんですか。

吉灘中郵政事務官(電波監理局放送部長)

○吉灘説明員 郵政省がここに毎年出しております意見書というものは、われわれといたしましては、単に事務当局が考えて大臣の決裁をいただいて出すというような性格のものではございません。これは電波監理審議会に諮問する事項になっておりまして、電波監理審議会の委員の御意見も入れまして、われわれとしては内々御相談をしながらまとめてあるわけでございまして、いまの問題になっておりますところの増収の問題に限らず、全体の問題につきましてそういう趣旨でこれは書かれておるわけでございます。したがいまして、いま問題の、消極的な意味での借り入れ金の節約、額をふさない、節減ということばかりでなしに、積極的な意味をもってここに書いておるという趣旨でありまして、過去の決算におきましても、三十五年度において六億、三十六年度において五億六千万円、それから三十七年度において四億六千万円を予備金に回しておるというような実態でもありますので、むしろこの中から、こういった予備金に回さないで、幾らかでもそういった借り入れ金の返還に充てることが望ましいというふうに解する次第でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いまの吉灘放送部長の意見について副会長はどうお考えですか。要するに、もう一回申し上げますが、消極的に負債の返還をはかるというよりは、消極的に長期負債の返還問題を取り扱うよりは、積極的に剰余金があったらやるのだ、こういう趣旨なのだ、こういう話があったわけです。郵政大臣の意見というのは、郵政省関係の機関にかけて、閣議にもかけてきまったものですから、そういうものはやはり尊重すべきではないか。そういうものがあろうとなかろうと、NHK独自で積極的な意味においてもう返さないでもってわが道を行くのだというNHKの御趣旨ですかということを伺いたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 お答え申し上げます。  たびたび小野専務理事からお答え申し上げましたように、私どもとしてはこれを完全に尊重する考え方でおります。また、それを実施いたしたいと考えております。ただ、つけ加えさせていただきますと、三十六年から三十七年にかけての金融情勢は、必ずしも次年度の借款、借り入れあるいは放送債券の発行が予定どおりにいける情勢になかったということを勘案いたしまして、これを一度予備金に繰り入れて、金融情勢に応じてこの御趣旨を実行いたしたいという考え方でございました。したがいまして、数字あるいは記録としてあらわれている点では、森山先生のおっしゃるとおりに、これを文字どおり実行しなかったではないかという御意見があることはまことに当然でありまして、私どももその点はまことに遺憾に存じておりますけれども、当時の金融情勢は、たとえば予算でおきめいただいた放送債券の発行も、その総額を発行し得なかったという情勢がございまして、したがって、これを借り入れ金に振りかえるという情勢までありまして、その点についても予算審議の際承認をいただいたわけでございます。そういう意味で、その年度の資金の操作の推移の状況に応じて、小野専務の答弁は、結局借り入れ金をそういう形で減らしておるという実情を申し上げたわけでありまして、この大臣の意見書につきましては、私どもは完全に尊重いたしたいという精神には変わりはございませんし、また、同時に、将来も金融情勢の変化のない限りは、私どもは即時この御趣旨を実行いたす所存でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 経営者としていろいろお考えの点は私もよくわかります。しかし、郵政大臣が一応こういう意見書をお出しになっている。お出しになっているとすれば、いまのような情勢については、郵政省のほうに、こういう処理をしますよということについては、十分了解を得ておやりになったのですか。これは法律上の問題ではない。郵政大臣の意見をどう尊重するか。しかし、どうもこれは文字どおりの尊重ができないというようなことについて、郵政省のほうと十分話し合いをして、そういう処理をされたのですか。これは法律上そういう必要はないですよ。先ほど尊重しますとおっしゃるから、そういうような手続を経ているのじゃないかと思いますが、その点についてはどうでしょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 具体的には借り入れ金の予定計画を変更いたしたことについて、事前に御連絡をしたことはなかったかと記憶をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 やはり郵政大臣の意見を尊重するならば、そういう点は事情がおわかりにならぬといかぬからよく説明をして、もし尊重されるならば——尊重しないというなら別ですよ、法律上は、増収があろうと、それは経営委員会においてNHKの好きなようにできるのですから。しかし郵政大臣の意見書を道義的といいますか、政治的といいますか、尊重するとおっしゃるならば、その文字どおりの線、積極的な意味においてわれわれが常識的に理解する線と違った線をおやりになるならば、どうも今年度はこういうわけでいかなかったのだという御説明がしてあるかどうかが重要であって、口で幾ら尊重するとおっしゃっても、そういうことをやらぬで尊重もへちまもないと思うのですが、吉灘さんのほうには、あるいは電波監理局のほうには、いままでそういうことについての連絡等はあるのですか。

吉灘中郵政事務官(電波監理局放送部長)

○吉灘説明員 過去のことはよくわかりませんが、おそらくなかったと推測いたしますけれども、今度の三十九年度予算に付しました意見書につきましては、われわれとしましては、事前によくNHKにも御説明し、実際にこれを具体化するための計画をよく話し合いたい、こういうことでNHKとも、付します段階から話し合いをやっておる段階でございまして、現実に予算が具体化する過程におきましては、今度つけました意見書の一項から五項目にわたって実際上の話し合いがあるものと期待しておりますし、そういう約束にもなっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私は過年度の従来の慣行を聞いたわけです。口では尊重されるとこの席上で言われる。そこに郵政大臣とNHKの会長以下幹部が並んでいるんですから、隣の郵政大臣が何を言おうと私は知りませんというようなことは、まずおっしゃれませんでしょう。けれども、実際問題としては、このことばどおりに郵政大臣の意見書を読んで、われわれは、どうやっているかなと思って実績を見るとそうなっていないから、私のほうはそういうことを聞いているんです。しかし尊重しますと言う。それならば、ほんとうに尊重したならば、郵政省のほうにこういうことについて相談しているかと思うと、私はいなかったけれども、多分格別の連絡はしなかったろうと言うんじゃ、口先だけ尊重すると言いながら、いままでは実際は尊重していなかった、私はそういう見方をしてもやむを得ないだろう思います。しかし三十九年度の予算については、郵政省としては十分この運用についてNHK側と連絡を緊密にするということでございますので、この際NHKのほうに承っておきたいのでありますが、NHKとしてはいままでの分については、私のような見解が間違っておるのか、あるいはそう見られてもやむを得ないというのか。それから、これからの分についてはどうされるのか。その点をひとつはっきりしておいていただきたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 私も記憶しておりませんでしたが、三十五年以降の増収の措置について、郵政大臣の御意見に関連して事務的の連絡が不備であったという点については、事実であればまことに遺憾だと考えます。しかし、私どもは決して郵政大臣の御意見あるいは当委員会での附帯決議、これを軽視しているわけではございませんで、もしかりに、私は弁解を申し上げようとは思っておりませんが、過去において連絡しなかった事実がありとすれば、おそらく三十七条の条文にだけとらわれて、その間の連絡がまことに不十分であり、その点についてはまことに遺憾だと考えます。今後そういうことのないように十分御趣旨を体してまいりたい、このように考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私が先ほど来申し上げたのは、郵政大臣の意見書の中に例年載っておる長期負債の返還問題を取り上げた。しかし毎年郵政大臣は意見書を出しておられるわけでございます。それらの内容は必ずしも長期負債の返還だけではない、年によって相当盛りだくさんの場合もあり、きわめて簡単な場合もございますが、そういうことでございますから、単に長期負債の返還の問題だけではなくて、付せられた郵政大臣の意見書というものは、これからその内容について十分ひとつ御尊重を願うようにお願いしたいと思うのです。その点において前田副会長の御発言を了といたしますが、今後そういうふうに実行をしていただきたい。  この際郵政省にもお伺いをしたいわけでありますが、郵政大臣の意見書というものの扱いでございます。いまNHK側から、これから大いに尊重しますということでございますから、尊重するということになれば、皆さま方の計画も通り一ぺんのさしみのつまみたいなものであっちゃ困る。率直な印象から申しますと、この内容はほとんど機械的におざなりなものを出している形跡もいままであるやに思います。特にこれは具体的には申し上げられませんけれども、われわれ与党内部における取り扱いも、その点においていいかげんであったとさえ考えられる面があるわけでございます。今後郵政大臣の意見書をつくられるに際して、NHK側と十分連絡をして、NHKの経理の実態に合うようなりっぱな意見書をつくるとともに、こういう席上に出しても十分論議の対象となり得るように、そういう単におざなりなものではなくて、あるいはさしみのつま的なものではなくて、郵政省が信念を持ってこういう点をやるべきだというような内容のものに私はしていただきたいと思うわけでございます。この点について郵政大臣のお考えを伺いたいと思います。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまの御意見はまことにごもっともでございます。意見書は法律にも規定されておる必要事項でございますし、当省としましてもその内容については十分にNHKの財政の内容等もつぶさに検討をし、また十分打ち合わせも遂げまして、慎重に、また万全の内容にいたしまして、意見書として付することを今後やってまいりたいと思います。  さらに、この意見書につきましては、あくまでNHKとしてこれを尊重されることを期待し、またその実行にあたりまして、十分当省と連絡をとられるということを私はNHKに対して強く要望いたしたいと存じます。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連して。これはいま森山委員が質問をする事項については、私は非常に賛成でありますけれども、これは放送法に基づく非常に重要な問題でありますので、私は、大臣のいまの答弁に対しまして、関連質問をしておきたいと思います。ということは、この出ております意見書というものと、それからこの放送法の三十七条の二項に基づくところのいわゆる予算の承認権というものとは、国会が同様に承認をするわけであります。この点について、そこに日本放送協会の特殊的な問題があるわけであります。ややもいたしますと、政府のいわゆる干渉が非常に激しければいけない、あるいはそうかといって、それを野放しにしてはいけないというところに非常に微妙な日本放送協会のあり方があるわけであります。だから、国会が意見書を承認すると同時に、放送協会の予算も承認をする、そのことによって協会で実施ができる、郵政大臣は郵政大臣として、意見書を実行していくかどうかということについては確かに見守っていく必要がありますけれども、それに付随をいたしまして、予算をつくる場合に、あらかじめ詳細に郵政大臣と相談をし、実質的には現在やっておるにいたしましても、形式上の問題としては、それを一から十まで全部承認を受けて、予算を提出するということになってまいりますと、これは放送法の趣旨から非常にはずれてくるわけであります。これはまことに微妙な放送法の解釈の問題になってくるわけであります。  そこで、国会が承認をいたしました意見書というものと、放送協会の予算というものは同格であります。だから、その同格の点において、ひとつ合うような方策を考えていかなければならぬというところに微妙な点があるわけであって、だから、実際には意見書と予算書というものが著しく食い違ってくる場合も法律的にはあり得るわけであります。そうでなければ、この放送法のたてまえが貫けないわけであります。その点は、今後の放送法の改正にもからんでくるきわめて重要な問題でありまするから、私はその点についての大臣の所見を聞いておきたい。  要するに、意見書というものと、収支予算というものは、同格において国会において承認をされておる、こういう形になってくるわけであります。そうでないと、政府の統制下に置く、いわゆる従来の——昔の日本放送協会のようになったのでは、これは放送法の趣旨からはずれてくるわけであります。そこに協会は、意見書については十分に国会が承認をしておりまする意見書でありますから、国会に対してこれを尊重する義務を持ってくるわけであります。同時に、郵政大臣としては、日本放送協会の予算に対しては、ああせよ、こうせよという指令を前もって指示するということはできないわけであります。たとえばNHKの予算が郵政大臣としては著しく不満であるという場合は、著しく不満であるという意見を付して国会に提出をするということも法律上はあり得るわけであります。その場合に、国会の内部において、与野党の比率からいって与党の大臣の意見が、著しくこれは不満であるというようなものを出してきた場合には通らぬことは当然でありますけれども、しかしながら、法律のたてまえはそうなっておるわけであります。これはカナダの放送法と非常に似ておるわけでありまして、要するに日本の放送協会というものをすべて最高に監督するものは国会である。それから日本放送協会の最高機関は経営委員である。経営委員の承認も、だから国会において承認をするものである。政府というものは特別にこれを指示し監督するものではないという形になっておるわけでありまして、そこに非常に微妙な点があるわけでありますので、重ねて私はこの放送法の趣旨に基づくところの大臣の御所見を聞いておきたい。私の考えとしては、意見書というものと予算書というものは、同格において国会において承認をされるものである、それは国会が判断をすべき問題である、こういうふうに私は考えるわけでありますが、大臣はその点をどうお考えになっておりますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 お説のとおり、この法律にもございますように、大臣はこの収支予算並びに一連の計画につきまして、これを検討して意見をつけて国会に提出してその承認を受けなければならない、こういう規定になっておりますから、意見書を付しまして一括して国会の御審議を仰ぐ、こういうたてまえになっております。さらに放送協会に対しましては、もちろんその自主性を十分に尊重せねばならぬこともお説のとおりであります。したがって、予算も、それにつきまして政府がとやかく干渉をいたすべきものではないということもお説のとおりです。ただ、実際上は予算について内容を検討してまいらねばなりませんから、その検討の際には、説明を聞くこともありますし、また、それに対して、要すればこちらの意見もお話しすることもある、こういったような関係にあるということは、ただいま御意見のあったとおりと存じます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いまの森本委員の御発言ですが、三十七条で国会が承認をするということは、NHKの予算に対してだけ承認をするのであって、郵政大臣の意見書に対する承認に含まれないと思うのですが、いかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 この国会において御審議を願いまするのは、NHKの予算並びに一連の計画と、そして意見書、これは同時に一括して御審議を願うわけでございます。しかし法律上のたてまえで正式に国会が承認をするというものは、この予算自体並びに一連の計画自体である、これがこの法律の解釈であろうと存じます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ですから、承認をする対象はNHKの予算である、郵政大臣の意見書は承認の対象にはならない。それから、第三項の関係から考えても言えると思うのです。NHKの予算と、それからこれに対して郵政大臣が変更すべき意見があるとき国会の委員会は——これはGHQ時代の法律であるから、「国会の委員会は、」と書いてありますが、「協会の意見を徴するものとする。」しかし、それで郵政大臣が、この意見で、この予算は承認できない、おおむね良好であるということがいえないということになった場合、実際には政府与党の政党政治のもとだから、郵政大臣と国会の意見が違うことはまずないと思います。しかし論理的にはそういう場合があり得る。だから郵政大臣の意見では、NHKの予算に対して承認できないといっても国会が承認することがある。したがって、郵政大臣の意見書は承認の対象にはならない、こういう考え方で私はよかろうと思いますが、それでよろしゅうございますね。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 そのとおりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ただ、したがって法律上の問題としては、その他の点を除けば、森本委員のおっしゃるように、法のたてまえがそうなっておることは事実でございます。しかし、運用の実際として、私が初めから申し上げるごとく、法律上の問題としてではなくて、政治的に一あるいは道義的に、これを尊重するかどうかということを言ったわけであります。またこれを尊重するということになるとすれば、事前に相当いろいろな打ち合わせはしておかれる必要があるであろう、そのほうが円滑に事が進むであろうという趣旨であって、そういう意味においては、私は先ほど来の大臣の御答弁でけっこうだろうと思うわけであります。  私は郵政大臣の意見書に関連して、先般問題になりましたラジオの乙料金の免除の問題を取り上げたいのであります。郵政大臣の意見書というものがほんとうに権威があるものであるならば、前々からこのことは問題になっておったのでありますから、したがって郵政大臣の意見にある程度こういうことを盛るべきではなかったかという意見も一方においてあり得る。しかし大臣は、これは希望であるという形で御表現になっておられるのでありますが、この意見書の取り扱いについては、郵政事務当局はもちろん、大臣自身も、従来あまり重きを置いておられなかったような面があるのではないかいと思ます。これについては御返事は要りません。しかし、この乙料金の免除の問題については、従来の経過にかんがみて、金曜日の日に、宮澤経済企画庁長官に来ていただいて、従来の経過を相当詰めてひとつ検討してみたいと思っております。きょうはその問題に触れることは避けたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連して伺いたいのですが、法律上は、確かにいま森山委員の言われたとおりであると私も解釈をいたします。しかしこの三十七条の収支予算、事業計画及び資金計画に対しては、ここではっきりしておいてもらいたいと思いますが、大臣がこの収支予算、事業計画及び資金計画というものを受理して、これに意見を付して内閣を経て国会に提出するわけであります。そこで法律上は、放送法三十七条の二項に基づくところの収支予算、事業計画及び資金計画というものの承認ということになるわけでありますけれども、国会がこの意見書に対して別段異議を申し立てないということになった場合においては、意見書というものも同時に国会において一応の承認を得ておる、こう解釈をするのがほんとうではないか。これは法制局に聞けばはっきりわかると思いますが、おそらく法律上の問題としては森山委員の言われたとおりになりまするけれども、しかし三十七条二項の問題から関連をしてずっと考えてまいりますると、かりに意見書に対して、国会がこの意見書もおかしいというのであれば、この意見書はおかしいという意見を付帯決議なりあるいは決議なりで明確にすべきであって、それがなくしてこれが承認をせられるということについては、私はやはりこの意見書についても、国会が承認をしたという形をとるべきではないかというふうに考えるわけでありますが、そこら辺の法制上の問題はどうなりますか伺いたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまも森本委員からお触れになりましたが、法律上から言えば、承認の対象はあくまで放送協会の収支予算、事業計画及び資金計画であります。しかし意見書も同時にこれに付して提出して御審議願っておるわけでありまして、御審議の対象になっておるわけでありまするから、実質的にはこれも国会において御審議の上実質的な承認を受けるものと、こう解釈しております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 乙料金免除の問題、次会の経済企画庁長官が御出席の際に、お二人並んでいるときに経過の聴取を私はいたしたいと思います。  最後に、私は今年度におけるNHKの収入見込み、特に受信者契約数の増減見込みというものがございますが、この増減見込みというものと、六カ年計画というものがあるそうですか、六カ年計画との関係ですね。それから、当初放送料金を改定する当時——これは六カ年計画と同じになるのかどうか存じませんが、見通しを持っておやりになったのだと思います。それとこの予算とはどういう関係になっているか、ずっと年度別にお話を承りたいと思います。趣旨は、今年度の収入見積もりが実際的であるか、過大であるか、過小であるかというようなことを中心にして伺いたいと思います。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三段階の比較を御質問になったわけでありますが、実質的には二段階になっております。と申しますのは、受信料改定の際にいろいろ目算をいたしました契約件数の異動の状況、この辺は、その後の状況におきまして実行上は六カ年計画の改定をいたしております関係で、今後の見通しと申しますと、それはまさに改定いたしました六カ年計画でございますので、この二つの比較でやるわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 六カ年計画の改定というのはいつされたのですか。六カ年計画というのは私認識が足りないでよく存じませんが、六カ年計画というのはいつお立てになっていつ改定されたのか、そのことをちょっと聞かせてください。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三十七年度を起点に六カ年計画を編成をいたしております。三十六年度中に策定をいたしましたものは第一次の六カ年計画でございます。その後三十七年度の実行過程を通じましていろいろ見直さなければならならぬ面が出てまいりました。そういう面で三十七年度以降、特に三十八年度以降につきましては、事業計画その他について、当初の計画よりも若干変更をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いつ変更したのですか。変更の時期は……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三十八年度予算編成期、ちょうど三十七年の秋でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、三十六年度に六カ年計画をつくって、三十七年の秋にはもう早くも変えた。だから実行第一年目に改定をしたわけですね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 さようでございます。特にその中の大きいものは、先般来御指摘を受けました将来の放送の拠点になりますテレビセンター、竜土町からラジオを含めましたテレビ、ラジオ総合の放送センターでございますが、こういったものが大きくクローズアップされて、それと難視聴地域の解消に関するいろいろなチャンネルプラン等の見込みもやや明確になってまいりましたので、そういうものを織り込みまして、将来さらに正確化し得る問題につきまして当初計画を改定をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それじゃ三十七年度の最初の六カ年計画、三十七年から四十二年度における甲料金の最初の計画、それからその改定計画、それから実績というふうに、三段がまえでひとつお示し願いたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 当初受信料改定の基礎になりますために描きました契約件数の推移につきましては、甲料金について見ますと、三十七年度に二百三十万件増を見込んでおります。三十八年度には百九十万件の増を見込んでおります。三十九年度には百三十五万件、四十年度が九十五万件、四十一年度が八十八万件、四十二年度が八十三万件、このように見込んでおったわけでございます。  その後現在までの状況を申しますと、三十七年度の二百三十万件の予想に対しましては、三百十四万件の増に実績はなっております。三十八年度の百九十万件につきましては、予算編成当時に前年度の実績をも勘案いたしまして当初計画を十万ほど上げまして二百万件の増加があるものと期待をいたしまして、現在その予算を実行中でございます。おそらく実績もこれに近いもので大差ないと思います。三十九年度以降は予想にかかるものでございますが、当初の計画は百三十五万でございますが一長期計画初年度におきまして実際の予想よりもはるかに上回っております。そういう関係で普及が促進をされておるというように見られますので、百三十五万件の当初の予想に対しましては、現在実行で持っております増加期待件数は百三十万件でございます。四十年度は九十五万に対しこれは大体九十五万ぐらいであろう、現在でもそのとおりに予想をいたしております。四十一年度には八十八万を当初予定をいたしておりましたが、七十五万ぐらいに減るであろう、こう考えられます。四十二年度は八十三万の当初計画に対しまして、目下見込んでおります増加期待件数は六十一万件ぐらいにすぎないのではないか、このように見ております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ですから、甲料金は三十七年度二百三十万の計画に対して三百十四万、実績が八十四万予想よりも多かった、それが非常な大きな増収になって、三十七年度は二十九億という数字になってあらわれたのだと私は思います。三十八年度は計画よりも十万増、そして今度三十九年度は百三十五万に対して百三十万と、五万だけ計画より減らしておるのですが、この計画より五万減らしたというのはどういう根拠をお持ちになってやっておられるのか。一応計画があるのですから、その計画の線に沿って、その計画の線でやればわれわれ常識的でよさそうなものだけれども、その五万を減らして百三十五万が百三十万しかふえないと見た根拠はどうなんですか。何か積算の根拠があると思うのです。普通計画をしたならばむしろ計画のとおりにやればよろしいと思うのだが……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 これはいろんな作業をいたしておるはずでございますが、将来にかかる見通しの問題でございます。最近の月別の契約件数の増加傾向から見まして、漸次鈍化しつつあります。そういうような関係も勘案をいたしまして、五万件を減じて現在予想を立てておるわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 こういう席上でこまかい積算内容を詳細に検討できなくて残念ですが、それじゃ見方を変えて、テレビはどのくらい普及をしておるとごらんになっておるか、その普及率調査というものを皆さん方のほうでもお持ちかもわかりませんし、それから契約数と二本立てになってあるわけです。一体どのくらい普及しておるか。特に都市ではどのくらいに見ておるか。特に東京附近ですな。あるいは大きな都市、三十程度の都市を平均した、そういうものでテレビの普及率をどのくらいにごらんになっておりますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 テレビの普及率と申しますのに二通りあります。NHKにおきしては、一世帯何台持っておりましても、契約数は一件でございます。総世帯の中でテレビを持っている世帯がどのくらいあるかということに相なるわけでございます。これは現在千五百万件を少しこえております。日本全国の全体の世帯数で現在時二千二百万でございます。その二千二百万の中で千五百余万の契約を見ておりますので、約七五%くらいの普及率、このように見ております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 都市ではどのくらいですか、都市と農村に分けて。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 現在私どもが持っております面で申しますと、東京、大阪、名古屋、こういったところが一番普及の度合いが高うございます。九州関係が一番低いようでございます。続きまして中間くらいのところに、中国地区とか北海道地区、こういうような地区が入っておるというような状況でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ですから、その主要都市で何%くらいと見ておるのか。たとえば、東京はどうとか六大都市はどうだとか、統計をお持ちだと思います。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 大都市ではおおよそ八〇%くらいになっておるようでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 これは消費者動向予測調査、これは経済企画庁でやっているのですか、どこですか、二十八都市を平均いたしまして、昨年の八月で九一・二%という数字が出ておりますね。いまのお話だと、主要都市で八〇%というと、NHKの受信料を取っているのよりもおよそ一〇%以上取れていないところがあるのじゃないかということが、統計上出てくると思うのですが、それはどうですか。要するにおたくは受信料をよう取り切っていない。まだまだほんとうは取れるのだ。したがって、収入の見積もりは過小であるという印象を甲料金について受けるのですがどうですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 調査の実態がどのようになっておりますか、経済企画庁の数字は私どもつまびらかにいたしませんが、およそ九五・六%というような普及率は考えられないのでございまして、あるいは台数計算の推計によって普及率を見ておるのではないかとも想像されます。これはわからないのですから断定的には申しませんが、ここでは、NHKの現在の契約の中で取るべくして入っておらぬものがありはしないか、その度合いはどうかという御質問でございますが、皆無とは申せないと思います。いまの普及の状況から見まして、契約獲得につきましては、絶大な努力をいたしておりますので、そのような漏れはそう多くはない、このように私は判断をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 調べたところはわかりませんけれども、その消費者動向予測調査、都市世帯、二十八都市を平均したものが、昨年八月に九一・二%というふうにふえておるとするならば、これはかりに多少異動があるとしても、いまのお話だと八〇%という程度の数字では差が大き過ぎる。したがって、取り切ってないという面があるというふうに考えるのが常識的に当然じゃないか。したがって、収入が見積もり過小になっていないか。経理をやる者は、だれでも収入はかたく踏んで、そうして支出は——特に国家予算とか、こういうところの予算はできるだけたくさんやって、そうしてバランスをつけて運営においてゆとりのある運営をしていこうというのは、だれでも変わらないというのが心理であります。そういうのが通常の心理ですけれども、どうも収入がテレビの問題についてもちょっと足りないのじゃないか。  それからもう一つは、たとえば自動車の場合ですね。ラジオをつけ得る可能性のあるものが、小型四輪車までつけられるとすれば二百万台くらいになるというのですね。そうしてみると、おたくでは二十万台でしたか、正確な数字は忘れましたが、自動車についてはほんのわずかだとおっしゃる。最近の自動車のラジオ料金だって取れるんじゃないか。テレビ料金だってまだまだ取り得る余地がある。そういう努力をあまりおやりになっていないんじゃないか。収入の見積もり不足に加えて、いま経理が楽だから無理して取らぬでもというような気持ちでやっているんじゃないか。しかし、こんな情勢が百年続くわけじゃありませんから、いつまでもそんなことをやっておれないということになれば、どうしてもテレビ料金、ラジオ料金、甲料金、乙料金を取りにいかざるを得ないだろうと思うのです。取り切ってない面があるんじゃないかと思うのですが、いかがですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 前段の取りこぼしの面につきましては、現在NHKでそのような契約獲得並びに集金の要員をかかえております。あるいは、これは郵政省へ委託した分もございますが、非常な努力をいたしております。そういう関係で、現在普及の状況は先ほど申し上げましたような状況になっておりますが、お手もとにお持ちの資料と比較いたしまして、かなり差があるようでございますが、その資料が正しければ、努力をいたしておりましてもまだ収入減を回復する余地があるとも見られますが、私ども実情から見ましてさようには考えておりません。  自動車のラジオの関係については、もちろんいろいろな自動車はラジオを取りつけ得るわけでありますが、自動車の台数は非常に多いのでございます。が、私どもがいま自動車につけておるラジオを、家庭で持っておるラジオのほかに、別の設置場所として料金をいただいておりますのは、自動車の車体の一部として固定をしたものでございます。そういうような面から見ますと、私どもが最近に持っておりますそのようなものの登録台数は二十八万台でございまして、そのうち実際にはまだ七〇%くらいしか取れておりません。これは明らかに一〇〇%まで取れておりませんので、努力が足らないとおしかりを受ければ、そのとおりだろうと思いますが、実情はそのようなことでございます。ただ、その他の自動車につきましては、最近はトランジスター式のものを車内へ持ち込みまして、それが固定してどこか箱の中に入る。車をとめれば、それを持って外で携帯をして聞けるというようなものが多いようであります。これは、私どものほうの契約の準則の中にいろいろな基準が記載してございますが、これには現在の状況では該当をしないことに相なっておるわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、二百万台くらいつける可能性のある車を私はあげたのです。しかし、いまお話しのように二十八万台くらいつける可能性があるが、その七割くらいしか取れていないというお話ですが、それは放送法三十二条「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」それで放送設備を持った者のほうに義務づけておるようなわけですが、この裏には、やはり日本放送協会と契約義務が当然あるんだろうと思います。そうすると、これはどうも三割くらいほおっておくということは、経理がいま楽だから無理しないというようなことであって、三十二条の精神にNHKがいまやっていることは反しているのじゃないのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 経理が楽であるから、その辺の契約の獲得義務を怠っておる。まさに法律の条文から申しますと、相手方にそのような義務があれば、NHKといたしましても十分にそれをそのとおりに達成することが義務づけられておると思います。しかも三十二条の二項には、「前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。」一定の制約のもとにしか減免できないということが書いてあるわけです。こういうような規定とのうらはらで読みますと、まさにNHKは法律のとおり万全を尽くしまして契約させる義務があろうかと思います。現実にそのような努力はいたしておりますが、法律上はそのようになっておりましても、さてそれを全部契約獲得に至りますまでの手段、方法から申しますと、立ち入りの調査権はございません。また受信機を備えた方々には、義務はございますが、申告の義務はないわけです。結局足で働いて、わらじがけで所在を突きとめて契約をしなければならぬというのがいまの法律上の実態でございます。そのような面で、設置されて契約までの間契約未定になるものも多少はあろうかと思います。これは否定し得ないところだろうと思いますが、少なくともそれを意識的に、財政が豊かであるために、契約の獲得について何かでブレーキをかけておるというようなことは、先生の誤解でございまして、そのようなことはございません。あとうべくんば、そのようなことがあるとすれば、全部契約していただいて、料金の減額をはかるというのがNHKの本来の姿ではないか、かように考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 NHKは財政が豊かだから、そう無理して特に乙料金などは集めなくてもいいと——法律には書いてあるが、乙料金免除という大臣のお話等もあるから、またそういうようなお話が出るバックグラウンドが世の中にあるから、法律には違反するけれども、事実上NHKは免除しておるということなんですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そういうことではございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 最後に一つ、これは一聴視者として聞きたいのですが、私の友人に、おれはNHKの放送を聞かないから、ラジオ、テレビは持っているけれども、NHKと契約をせぬと言ってがんばっている友人がおりますが、そういう人に対してはどういうような法律関係になるのか承りたいと思います。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 現実にNHKの放送を受信できる設備を持っておられる方ならば契約をしなければならない、これは法律の規定のとおりでございまして、それはどこまでも契約をしていただかなければならないわけであります。現実に放送を聞いておられるかどうかは、法律は問うておらないのでございます。法律の規定はそのとおりでございますが、現実には、ただいま仰せのような、先生の御存じの件だけでなしに、集金契約等にわらじがけで行っております外勤の諸君は、しょっちゅう悩まされておりまして、何とかそういう面で御理解をいただいて、契約をしていただくような努力を重ねておるような状況でございま。

森山欽司自由民主党

○森山委員 理解をしないで、私は契約しませんよという人がいた場合にはどうされるのですか。法律上は罰則がないようですね。だからどういうふうにされますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 放送法上の罰則はございません。したがって、その限りにおきましては処置なしでございます。ただし、民法の関係でこれは契約不履行というような面は起きようかと思います。訴訟をし得る問題にはなろうかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 契約しないのですから契約不履行なんかないでしょう。そういう場合どうなんですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 契約しなければならない義務を履行しないのでありますから、その面につきまして、これは民法上の訴訟でいけば契約すべきだ、そういう判決はあろうかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 契約不履行というのは、契約があって契約不履行なんでしょう。契約がないのですから、契約不履行というのは、民法の第何条ではなくて、もっとほかの条文になるのではないか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 契約義務の不履行でございます。現在契約しておるその契約内容の履行を怠るわけではなくて、契約をしなければならない義務を履行しないわけでありますから、これはやはり放送法の規定で契約しなければならない義務がありますから、その義務の不履行の問題として、民事訴訟の問題では、訴訟を提起いたしましたならば、放送法の規定のとおりにすべきだ、このような判決が下されるのではないかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 これは念のために承っておきたいのですが、契約があれば義務を伴いますから契約不履行の問題が生じますが、これは契約がないのです。ただ法律の三十二条に契約義務というのがあるわけです。契約してからの受信料を不払いにするとかなんとかいうことではなくて、契約は締結しないのです。そういう義務違反は民法上どういうふうに追及できるのですか。

吉灘中郵政事務官(電波監理局放送部長)

○吉灘説明員 いまの受信契約の法律的な性格をどういうふうに解するかということでございますが、これはいまの放送法三十二条の放送サービスに対する対価であるというように考えた場合には、契約をしないで聞いておる者は不当利得になる、こういうふうに解していいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 不当利得という民法上のことばが出てきたのでありますが、法律関係は不当利得か不法行為か、あるいはどういうことなんですか。吉灘さんのところで具体的に考えたことがありますか。(「いままでにきまっておるよ」と呼ぶ者あり)不当利得というふうにいままでの委員会できまっておるのですか。(「そうじゃないよ」と呼ぶ者あり)それではいまの放送部長のあれは、従来の委員会に対するお答えと違うようでありますから、よく法制局等とも相談して御返事いただきたいと思います。  私はなぜこういうことを聞くかといいますと、やはりNHKというものの放送内容の問題は別にいたしまして、経理内容について国民が疑惑の念を持つと、おれはもうNHKには受信料を払わぬ、契約はしないという者が続出してくるということをおそれるから聞いておるのです。事実いま伺いますと、集金人は各所でそういう人にぶつかるということであります。しかし、そういう際に、法律上の関係はまた追って伺うことにいたしますが、処置なしということであるならば、NHKもやはり国民というものがあるということを常に頭に置いて仕事をしていただきたいと思うのです。国民の代表として国会におるわれわれがこういう質問をすれば、NHKのお立場からすれば、いやなことを聞くなと思われるかもしれませんが、しかしそれでもやはり国民の立場において明らかにしておかなければならぬ。これは国会の任務であります。そういう意味で、いまの私の質問の意のあるところについてNHKも理解をしてもらいたいと思うわけであります。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先生の御趣旨のあるところは、肺臓をえぐられるようにわれわれもよくわかっております。そのようなことで、私どもといたしましても、ただ単に権利義務の関係でものは片づかないと思いますけれども、NHKも法律の問題についてはむずかしい限界があるわけでありますが、それを法律の所期の目的どおりに円満に運用できますように、国民の立場、受信者の立場に立っての気持ちで十分に運用の円滑を期するように心がけてまいりたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 副会長からも同様の御趣旨であれば御返事を得たいと思いますが、先般問題になっておりました受信料乙の問題の取り扱いにつきまして、金曜日に経済企画庁長官と郵政大臣お並びの上に質問することを留保いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。もし前田さんのほうからお話がありましたら伺います。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 ただいま小野専務理事が申し上げたとおりでありまして一私どもはこれが執行機関という立場にございますが、これは私どもNHKの中で働いている者の機関であるという考え方は持っておりません。これは国民全体の機関である、そういう意味におきましては、私どもの心がまえとしては、先生御指摘のとおりの心がまをできるだけ完ぺきに実行してまいりたいという精神に燃えております。したがって、あらゆる問題について、料金の問題についても、とにかく御理解をいただくことが先決問題であるという考え方を持ちまして、昭和三十五年以来会長を先頭にして全国的に機会あるごとに、また計画的に全国の聴視者との懇談会を開いて今日まで続けてまいっております。その回数はおそらくもう五百回をこえておると思います。そういう意味では本日の森山先生の御発言をさらに私どもは肝に銘じまして、一そうその方向に努力いたしたい、このように考えております。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 次会は明後十三日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会

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