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46回国会衆議院1964/03/05

逓信委員会 第8号

発言数
266
登壇者
17
会派数
2
開催日
1964/03/05

会議録

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。森山欽司君。

森山欽司自由民主党

○森山委員 まず当委員会の理事会の運営について、委員長に御要望申し上げたいと思います。  昨日の委員会における理事会は、私は第一議員会館の部屋におって、理事会の招集があるかと思って待っておったのでございますが、他にも所用もありましたので、お呼び出しをお待ちしておりましたのですが、ございません。それで、私、院内に入りましたところ、いま事務局に聞きますと、私が第一議員会館から院内に入ってくる途中にお呼び出しがあった。しかし、私が到着したときにおいてすでに理事会の議は決定しておったというようなことでございます。私は、少なくも委員長がここに来られて、委員長を中心にして理事会を開いて、与野党の意見を十分聞いて議事の進行についてのお取り計らいをお願いをいたしたい。最近の交通事情でございますから、時間どおり必ずしも来れないような場合がございます。しかし、あくまでも委員長を中心に理事会の運営をなすべきものであり、したがって、委員長が来られたら、お呼び出しを願うということによって、いろいろ議員も所用がございますから、ウエイスト・タイムを少なくしてやっていくのが私は適当じゃないかと思う。昨日のような運営をされるということは、はなはだ困るわけでございます。お呼び出しがあって、そして理事会へ歩いてくる時間くらいの余裕をとられて、そして理事会の運営に参画できるというような体制をひとつとっていただきたい。今後の理事会の運営につきまして、委員長に要望しておく次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 私もちょっと要望があります。  当委員会にわが党が委員長を持っておったときがございます。これは松前委員長、松井委員長、それから片島委員長、三回委員長を持っておりました。それで理事会は十時に、定刻に開会いたします。その場合に、委員長が出てこない場合には、委員長はちゃんと筆頭理事を委員長代理に任命いたしております。それで理事会十時ということであれば、今日まで十時に必ず開会いたしております。そういう点について、もし森山委員のような御不満がございましたら、与党内において十分お話しの上、委員長が出席できないという場合には、筆頭理事を委員長の代理に任命して、委員会並びに理事会の運営をかっちりやってもらいたい。そうしないと、公報にはちゃんとその時間を記載しておりますので、委員長の都合によって、理事会が延びたり、おそくなられては困りますので、私も委員長を補佐して——三回委員長を持っておりますので、そういう点では森山委員の御要望ももっともでありますから、そのもっともな意見は、委員長も十分に聞いていただいて、与党の中で相談をしていただきまして、委員長が事故ある場合には、だれか筆頭の理事を委員長代理にして時間どおり励行するようにお願いをしたい、こう思うのです。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 委員長より御両氏の御要望に対してお答えいたしますが、今後、御両氏の御要望に沿うように、理事会の運営並びに委員会の運営をいたします。  引き続いて質問をお願いいたします。

森山欽司自由民主党

○森山委員 本日は、そういう私の立場からすれば、いろいろ問題のある理事会の運営によって、質問の順位並びに本日の質疑時間について制限を受けております。委員長よりおおむね一時間半以内にやれということでございます。また、本日は両院の審議の都合によって、郵政大臣が御出席になれないということでございます。その意味でもなお審議の足らざる時間並びに郵政大臣に対する質問は、次回の最も近い時期に譲らしていただくということにいたしたいと思います。  私は、今回のNHKの予算に対する審議に際しましての私の基本的な心がまえを申し上げたいと思う次第でございます。申すまでもなく放送法に基づく公共放送としてのNHKの使命はきわめて重大でございますから、この公共放送の使命を大分果たし、健全な発達を期するようにという意味において、この公共放送の今後の健全な発達ということに主眼を置いて、そういう観点から見て今年度の予算についての若干の質疑を行ないたいというのが私の根本的な心がまえでございます。  今回の審議は、申すまでもなく、放送法三十七条にありますように、協会の業務を活発に運営するには自主性の強いことが願わしいことは当然であるが、しかし公共性の色彩が強く、受信料を強制的に徴収ができる特殊法人の監督を全然なくするということは、また国民の立場から考えて問題がある。そこで、国民が納得するように運営されているかどうかという点について国会が最終的に監督する。そういうたてまえになっておるわけであります。したがって、だいぶ古い放送法の解説——昭和二十五年ごろの解説によりますと、一般の国家予算のような詳細な審議は行なわない、冗費があるかどうかというような点について審議し、収支予算の大綱について承認を受け、その承認を受けることによって受信料を定める、放送事業の運営、発展を阻害しないように弾力性のある措置をとるということになっておるわけでございまして、私もそういう趣旨においてこれからの質問をいたすのであるといりふうにひとつ御了承を願いたいと思う次第でございます。そこで、昨日も問題になりました受信料の問題でございますが、昨年の五月の十六日の新聞の報ずるところによりますと、政府は、五月の十五日、東京の平河町の都市センターで物価対策連絡協議会というものを開いて、十四の関係当局の代表者が集まって、上昇傾向にある消費者物価の抑制対策を協議をした。その一環といたしまして、NHKの決算面から考えると、少なくとも現行の月五十円というラジオ聴取科は引き下げの余地があるので、これを中心に値下げの検討を進めるというようなことが新聞各紙に出ておったわけでございます。それからまた、さらに本年の二月の二十一日の朝日の夕刊に、昨日も問題になりました郵政大臣の談話、来年の一月をめどにNHKラジオ受信料を撤廃するというような報道が出されておるわけでございまして、こういうような点につきまして、昨日はこれが放送法第三十二条の現行法のもとにおいてそのまま実施できるだろうかどうかというようなことも御議論になったわけでございますし、また物価政策の観点から、昨年五月の消費者物価の連絡協議会ですか、これで豚の値段とNHKの料金と同じに並べるなどということは、一体いかがなものであろうかというようないろいろな意見もございます。しかし、他方、公共料金で生産性の上がったものがあれば、これを引き下げたいという政府の考え方もあるわけでございまして、そういうような点があるわけでございますけれども、それらの問題は、きょうは時間の関係で、一時間半で私のきょうの質疑を終わらなければなりませんので、そういう問題はまた別の機会に譲って話を進めてみたいと思うわけでございます。  そこで問題は、そういう法律上の問題とか物価政策上の観点からNHKの料金をどう考えるべきかという問題点はございますが、その問題はきょうは触れません。問題は、NHKの経理というものについて、政府においてもそういうことが議論され、また新聞にも郵政大臣のそういう談話が発表され、また新聞の伝えるところによると、NHKのラジオ受信料の廃止問題については、物価対策とも関連して、かねて古池郵政相と宮沢経済企画庁長官とNHKの側の間で内々話し合いが進められ、NHK側でも廃止してもよいという意向を示しておるというような新聞記事も出ておる。そういう問題については、私どもは新聞を見て事を承知しております。その内容については全然聞いてないわけです。これはこういう委員会において聞いてないというだけではなくして、与党内部においても、こういう問題について私は聞いておらないのでございます。そういうことでございますので、それらの問題は、先ほど申し上げましたようにあと回しにして、一体そういうゆとりがNHK経理の中にあるのかどうかというNHK財政の見地からの検討をひとつさしていただきたいと思うわけであります。一時間半と申しますと、十五分過ぎに始まったわけでございますから、十二時四十五分ごろまでにどうしても終わらなければならないわけでございますが、とてもその間に全部を尽くすことはできませんので、きょうはその一端を御質問申し上げて、足らざる分は次回に譲らしていただく、こういうようにお願いをいたしたいと思うわけでございます。  それで、まず私お伺いしたいのは、われわれはNHKというものが公共放送として健全に発達をするということを希望いたしております。しかし、何と申しましてもテレビ、ラジオ含めまして三百三十円、ラジオのみで五十円という甲乙料金を取って、これがNHKと契約をすることが国民に義務づけられておる。そうして義務づけられた契約に基づいて郵政大臣の免除がない限りは甲乙受信料を強制的に徴収されるというようなたてまえになっておるわけでございますから、したがって、NHKがどういうような運営をされておるということには多大の関心を持つわけであります。先般私郷里のほうへ帰ります汽車の中で週間文春を読んでおりましたところ、「NHKの大尽ぶり」という記事が出ております。これをちょっと読み上げますと、「テレビ最大のクイズ」、こういうのであります。「いま、タレントの間ではやっているクイズがある。名づけて<テレビ最大のクイズ>「NHKのタクシー代は月に幾らぐらいか知っている」」とあって疑問符がついている。クエスチョンマークがついている。「「はねて……千万円くらいか」「とても、とても…ひと桁ちがうらしいぜ」」という記事が載っておりまして、次に「夜、われわれが乗車拒否でアタマに来ている頃、NHKの前に空車のタクシーがえんえんと長蛇の列をつくっているのを見たひとは少なくあるまい。しかし、このタクシー、NHKの伝票がなくては乗せてはくれない。どんなジャリタレだろうが、必ず一人一台、それも大船だろうと浦和だろうとおかまいなしだ。なかには、通行人としてのギャラが五百円、伝票についたタクシー運賃が二千円という極端な場合がでてくる。民放では、なかなかこうはいかない。一台のタクシーに四、五人の相乗りだ。これも午前零時を過ぎないとなかなかやってくれない。タレントだって人間だから、タクシーにも乗りたいだろう。だが、そのタクシー代がわれわれが強制徴収される三百三十円の中から支払われているとなると、何となく割りきれぬものを感じる。その他、ビデオのテスト版に何百万円もかけたり、札束番組に力を入れたり、このところNHKのお大尽ぶりは目をみはらせるものがある。」という記事がございます。私は週間誌に書かれたことが一々ほんとうのことを伝えるとは思っておりません。われわれも週刊誌に書かれたことで事実と違っておるということを知っておるときに、非常に困ったなと思うことがあるわけでございます。しかし、とにかく週刊文春にこれだけの記事が出ておって、この記事をごらんになった方は、この委員の中にも何人かおいでになるわけでございます。また一般国民も見ておる。三百三十円の聴視料を取っておりながら、そんなむだ使いをしておるのかという印象を、国民はこういう記事をもって受けるわけであります。私がこういうことを、週刊誌を取り上げて質問の素材にいたしますと、NHKからいうと、いかにも小さないやがらせをしているようなお考えをお持ちになるかもしれぬ。しかし、素朴な国民の一人としては、こういうものが影響力を持っておるのですから、こういうものについて、ひとつはっきりしたお考えを示していただかなければならぬと思うわけです。  それからまた二月二十一日の読売新聞に「NHKの“ムダ使い”」というヘディングで「郵政省がきつい意見書」、こういうので、ことしの意見書は例年になくきびしいと書かれておりますが、私は率直に申して、ことしの意見書が、いままで過去三年間の意見書と比べてみて格別さような印象は受けておらないのでございますが、ともかくそういう記事が出ております。そしてここには「NHKが視聴者から公共料金のような形で徴収している受信料を湯水のように使っている結果「番組みにカネをかけすぎ“札束番組”をつくっているとか、放送施設も民放に比べ必要以上のデラックスだという声がある」(郵政省電波監理局市川放送業務課長の話)ため。またNHKに出演したタレントを送迎するハイヤーの便い方も乱脈をきわめ「職員やタレントのなかにはNHKのチャーター車で海水浴場までとばしたり、バーの女給を自宅まで送らせる」(NHK広報室の話)など数えあげたらキリがないという。こうした実情が昨年夏ごろから郵政省にとどきはじめ「豊富な資金にまかせ、ぜいたくな宴会を開いているとか、テレビ局などの建設をもう少し合理的にやれるのではないかという話もきいている」と西村事務次官にいっている。」こういう記事があるわけでございます。どうもこのヘディングはオーバーじゃないかと私は思っております。しかしまた、郵政省やNHK広報室、事務次官の名前などが出て、こりいうことを聞いたというようなことか新聞記事に載っておるわけです。読売新聞ですから、日本で最も大きなサーキュレーションを持っておる新聞でございまして、どうも三百三十円税金みたいに取り上げておいて、金の使い方が少し荒いのじゃないかというような印象を国民が持つということは、NHKのために私は残念しごくでございます。  そこで私は、そういうことについて追及するという心がまえよりも、そういう事実があるのかないのか、もしありとすれば、そういう事実に対して率直に遺憾の意を表していただきたいと思いますし、もしないとするならば、NHKとして立場をこういう機会に明らかにしておいていただきたい。それが公共放送の健全な発達に資するゆえんであると考えまして、まずこの問題について御質問を申し上げる次第でございます。

阿部真之助日本放送協会会長

○阿部参考人 たいへんどうもいい機会をお与えくださったことを感謝いたします。それらの事実は全くないことでございます。私からはさように申し上げて、なお詳しいことはひとつ当事者からお話しすることにいたしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お答え申し上げます。  まことにNHKにとりましては重要な問題であろうと思います。そういう点を、NHKの正しい道を歩ませる上において非常に御親切な御質問と拝聴いたしました。週刊文春あるいは読売新聞等に出ておりますその記事につきましては、私どもも承知をいたしておりますが、相当事実と違った点があると思うわけでございまして、まことに遺憾に存じます。もともと公共の放送機関でございますので、かねがね経費の使用につきましては、合理的な能率的な経済的な運用を念じてまいっておるわけでございまして、週刊文春に取り上げております自動車等の関係につきましても、年間の使用の金額といたしましてはかなりの額にのぼっております。これはいろいろ出演者等に対するやむを得ない送迎関係などもあるわけでございまして、そういう関係で、金額的にはかなりの額にのぼりますが、使用の実態につきましては、平素からいろいろ厳重な監視をいたしておるわけでございまして、適正を乱るようなことのないように心がけております。  なおそのような指摘を受けますことは、事実のいかんを問わず、公共機関といたしまして、常にそういう指摘を受けないようにいたしますことが何よりも大事でございますので、一そうその辺につきましては、NHKの念願いたしておりますとおりの運用ができますように配慮をいたしつつあるわけでございます。  読売新聞の「ムダ使い」の関係等につきましても、これは私どもNHKの経理の運用等の関係からしまして、そのような取り上げ方をまことに遺憾に存ずるわけでございます。広報室関係者の談話として掲げておりますことにつきましても、これはそのような形跡はございません。まことに遺憾に存ずる次第でございます。番組の経費等につきましても、非常に多額の金を投入しておるように伝えられておるわけでございますが、これは本年度のただいま御審議をいただいております予算の規模から申しましても、総体で七百八十八億でございますが、七百八十八億ということになりますと非常に大きく映ります。しかしこの中には借り入れ金等も相当な額が入っております。また自己資金で建設関係のものもまかなっております。番組の関係に直接充てております経費は、その七百八十八億の経費の中におきましても、この予算書の中で明細でありますごとく、二百億に足らない金でございまして、これは国内、国際の放送を全部ひっくるめましてそのような額であります。巷間よく一日に二億使うとか、一億八千万使うとか、いろいろ取りざたをされるわけでございますが、実際に予算の内容を御審議をいただけば、番組の直接費として使っております金は二百億に足らない金でございまして、かような多額の経費を湯水のごとく使っておるというような実態ではないわけでございます。  重ねて申し上げますが、関係者の談としてありますそれは、私どももその後いろいろ事情を調べておりますが、そのような形跡はございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、阿部会長のお話によりますと、そういう事実はないのだ、ないのに週刊文春には「NHKの大尽ぶり」とか、それから読売新聞には「NHKのムダ使い」という記事が相当大きく出ておるわけでございます。これは、私は何もことさら集めようと思って集めたわけではございませんで、人に集めるのを頼んだわけでもない。たまたま私がくにへ帰る汽車の中で買った週刊誌、私が朝見た新聞の中に、こういうのがあったもんですから、これは一体どうしたことだろうというきわめて素朴な疑念を持ったわけです。阿部会長のお話では、そういう事実はないということでありますが、読売新聞の記事に「職員やタレントのなかにはNHKのチャーター車で海水浴場までとばしたり、バーの女給を自宅まで送らせる」これはNHKの広報室の話ということで載っており、さらにまた別に「NHK広報室の話」として「「昨年夏ごろまではタレントや職員の一部にチャーター車をデタラメに使うものもあった。世間の批判の声もあり、こうした職員はどしどしクビにしている。いまは全職員がエリを正した気持で仕事をしている」」という記事が載っておるのですが、そういう談話をした事実があるかどうかは別としまして、ここにいうようなそういう事実は全くなかったのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そのような談話の内容につきまして、そのような談話をいたした形跡はございません。と同時に、そのような談話の内容に値する事実があったかどうかでございますが、この点も調べておりますが、ございません。ただ、その談話のそれは、新聞社のほうからいろいろこういう場合、こういう場合というような問い合わせに対しまして、いわば誘導尋問のごときものに対しまして、かような事実があるとすればということで——職員の処分というようなことは過去にあった事例ではなく、そういうことが起きれば、当然処分ものだというような意味合いにおいて話をしたものであるというように調査の結果相なっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 NHKのお立場では、そういうことはなかったというお話なんで、私もたいへん心強く存じておるわけでございます。ただ週刊誌にもときどき適正な記事が出る場合があるやにも聞いておるし、読売新聞はこれは天下の大新聞ですからね。いまのお話だと、事実無根のことを新聞記事にしたようなふうになっておりますが、そういう問題について、これは何百万の国民が読むわけです。その読む国民の大部分は、NHKに受信料を素朴には税金のような気持ちで納めておる。そういう人たちが、何だむだ使いをしておるじゃないかということで、NHKとしてはまことに意外な印象を与える記事である。ある意味で名誉棄損になりますか、あるいは報道の真実に反するというか、そういうようなことにいまのお返事だとなるわけですが、そういうようなことについて、NHKのほうは、読売新聞のほうに何らかの意思表示をされたわけですか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 お答え申し上げます。  お説のとおり、たくさんの週刊誌なり新聞なりが、かなり無責任に問題を取り扱う場合が多いのでありますが、特に読売新聞の発行部数及び読売新聞の権威とNHKの権威とこの両方の問題について、正式に読売新聞には申し入れをいたしました。読売新聞の最高責任者の一人は、この記事の書き方及び内容の取り扱い方に遺憾の意を表明してまいっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そういうことでNHKとして御措置がしてあればまことにけっこうですが、しかし国民がそういう印象を受けているということについて、側とかして払拭する必要があろうと思うのです。読売新聞でも、とにかくこういう記事が出て、内容が違っておるなら違っておるような訂正記事くらいは出してもらうというようにされたらとうですか、それがもし真実でないというなら。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 訂正の申し入れはいたしませんでしたが、しかし最高責任者に会って事実の相違を指摘し、しかも記事の取り扱い方の大新聞としての無責任な態度を申し上げたのに対して、最高責任者は、その担当の責任者すべてを集めて、その記事の再検討を要求し、同時に正式にNHKにその記事の最高責任者が来て、その記事の取り扱い方の妥当でなかったことを弁明いたしまして、その限度においてNHKとしては、別に読売新聞と争いがあるわけではございませんので、そのような紳士的な態度を了承しまして、その点で打ち切ったということを申し上げたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そういうことでございますれば、私どもも逓信委員会の一員として、また国民の代表の一人として、いまの御答弁を承っておきます。  NHKについては、そういう観点からいろいろいわれておる問題が幾つかあるわけですが、私はいま世田谷の代田橋に住んでおりまして、こちらに参ります途中に、NHKのテレビセンターというのですか、その前を毎日通っておる。オリンピックを前にして、大工事がたくさんございますが、大工事中の大工事というふうに私はあの建築を毎日あの前を通って見ておるわけでございます。あのテレビセンターの構想についても承りたいと思いますし、今後どういうふうに運営されるかということについても承りたいと思っておりますが、それに先立って、テレビセンターをつくるという計画は、代々木のセンターをつくる前に、すでに計画があったやに聞いておるのですが、それはどういうことでございましたか、お聞かせを願います。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 お説のとおり、昭和三十三年度予算を当委員会で審議していただく前提として、第一次五カ年計画というものを策定し、その第一次五カ年計画の中の大きな事業目的の一つとして、テレビセンターの建設という大目的を掲げておりました。過去数年間の当委員会の当協会の予算審議並びに決算の御審議にあたっては、この問題は初めから当委員会でも非常な関心を持っていただいた問題でございます。その第一次五カ年計画の実施の過程におきまして、御承知のとおり、竜土町を一応その目標地といたしましてこれを処理したことも、当委員会は御存じのとおりだと思います。その後竜土町の敷地の問題がかなり複雑化すると同時に、その後のテレビジョンの発達並びに放送技術の日進月歩に応じて、将来公共放送として永久にどじを踏まない形の放送センターを建設することは、放送法の精神から申しましても、われわれの責務から申しましても、これを行なうべきであるという考え方で、その後第二次六カ年計画を策定いたしまして、第二次六カ年計画の根本方針に従って今回の明年度予算も皆さまの御審議をいただいているわけでございますが、その中で明らかに竜土町からワシントンハイツヘの転換、したがってその建設の目標は、第一次五カ年計画のテレビジョンだけに限ったテレビセンターから放送センターに変わっているということも、私どもといたしましては、数次の当委員会での年次ごとの予算の審議並びに決算の審議を通じて、委員各位に御理解をいただいていると考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 竜土町のテレビセンターが代々木の放送センターということに変わった。抽象的に、日進月歩の時代の趨勢に応ずるように、また長期の先を見通されてそうおやりになった、こういうお話でございますが、経費というものはできるだけ効率的に使わなければならない。そういう意味で、それじゃ従来の竜土町のテレビセンター計画が御破算になった結果、どういうような事態になっているかという点を明らかにしていただきたい。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 御質問の御趣旨をただいま直ちに完全に把握できないような気持ちもいたしますが、簡単に申し上げますと、竜土町で当初私どもが考えました予定した敷地は一万五千坪でございます。その一万五千坪の交渉の過程の中で、その敷地の一部が東京大学の生産研究室に分けられることになり、また他の一部が東京都の都市計画の一部として緑化地帯にされるということになり、さらにその後、当時竜土町はアメリカ軍の接収しておった土地でございますので、アメリカ軍のヘリコプター基地との関連でもこの土地の使用可能性がさらに狭められる。同時に、都市計画の一部として東京大学の生産研究所と、予定されるNHKのテレビセンターとの間に、それぞれ道路の提供を行なわなければならないというような問題が起きまして、予定されたわれわれが希望した坪数は一万五千坪から一万二千坪にする。最終的には七千坪余りに減ったわけなんです。その過程において、御承知のようにオリンピックが東京において開催されるという決定もありましたし、同時に、われわれ自身の公共放送としての事業計画から申しましても、総合テレビジョンの全日放送、教育テレビジョンの全日放送を目途としての年次ごとの放送時間の延長、これらを考え合わせますと、ただいま申し上げましたように、竜土町におけるテレビジョンだけのテレビセンターの建設すら、目的の五割以下になるという実情、その後のいま申し上げたような状況の発展に応じて構想を新たにして、NHKの経営、したがって国民に対する責務を遂行していくためには、新たな計画を考えて、できるだけ、あらゆる事態に対応しながら、この放送センターの建設を考え直す必要があるということになったわけでありまして、そのために、三年前に第一次五カ年計画の最終年度を吸収した第二次六カ年計画を策定しまして、御審議いただいております三十九年度予算は、第二次六カ年計画の第三年目に当たるわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 第二次六カ年計画について、また六カ年計画の一環として代々木のセンターの今後の運用の問題はまた別にいたしまして、最初、竜土町に放送センターをおつくりになるということで、一万五千坪くらいというお話でございましたが、あの一万五千坪程度でそれをおやりになろうということを計画されたわけですね。それが、その後だんだんこま切れになっていった。だんだん小さくされたとすると、その辺の見通しは一体どういうふうなことでそう縮小されたのか。最初はそんなことをお考えにならないでやったに違いないのですが、どうしてそういうことになってしまったのか。それから私の聞いたところでは、最後六千五百坪くらいですか、あるいは七千坪くらいですか、非常に縮小されましても、なおかつそれで一応おやりになろうとある時期まで思っておられたわけです。それが卒然として代々木のほうに転換されたわけです。その間に竜土町というものをテレビセンターとしてお選びになられていたことについての見通しというものについては、どうあったのですか。NHKさんのことですから、ある程度見通されておやりになったはずなんです。それがこの二、二年間に大転換をしてしまったということは、経営者としてそういう見通しの誤りというような点がなかったのですか。その辺のところをもう少し詳しくひとつ聞かしていただきたい。最初側坪であって、そしてそれが予定として大体こういうことになっておったか、しかしそれがあとで東京大学の施設とか、いろんなものに取られて、こうなったんだ、その辺のところを、見通しの誤りがあったからそんなことになったんじゃないかと思われるので、済んだことはしかたがない、できてしまったことはしようがない、こういうことだけであっては、経営者として相済まぬので、経営者として当初どういり見通しをしておって、そして最後にはこうなったのだという、その辺のことを少し詳しく御説明願いたいのです。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お答え申し上げます。ただいま副会長からお答え申し上げましたとおり、竜土町を含めましてテレビのセンターを建設する予定は、第一次六カ年計画でやっておったわけでございます。そういう面で東京都内の各予定地につきまして調査をいたしたわけでございますが、竜土町以外に当時といたしましては予定できるものがなかったわけでございます。竜土町は当時接収中でございました。そういう関係で、接収を解除してNHKの施設にいただきたい、あそこの全体の坪数は三万坪余ございますが、できるだけその中で広い土地を要望いたしたわけでございますが、政府といたしましては、これをNHKだけにやるわけにはいかない、結局NHKと東京大学の研究施設並びに東京都の公園、この三つに分割しようというようなことであったわけでございますが、NHKといたしましては、テレビセンターとして最小限度当時一万五千坪は必要だという要望をいたしておったわけでございますけれども、なかなかその要望どおりにもまいりませんでした。最終的に三者の分割で一応きまりましたのは、NHKの譲渡分は一万二千坪だということがきまったわけでございます。その一万二千坪を敷地といたしまして建設できるやに考えておったのでございますが、その後三者に土地をそれぞれ配分をいたしてみますと、あの土地と他との交通のいろいろな事情等からいたしまして、道路の建設等の必要も出たわけでございます。そういう関係で、道路の関係を応分に各関係者が分担してさかなければならないというようなことで、テレビセンターの所要坪数といたしましては九千坪に減ったわけでございます。ただし、その九千坪の坪数の中には、たまたま米軍の接収の目的の一つといたしまして活動をいたしておりますスターズ・アンド・ストライプスという新聞社がここに入っております。これは米軍関係の機関新聞でございますが、そういうような点もございまして、これをどこかへ立ちのいてもらわなければセンターが建たないということで、当時いろいろ防衛庁等にもお世話になったわけでございますが、これを早急に立ちのかせるかっこうなところがない。そのような見通しの早急に立ちかねる。センターの建設を非常に急ぐ限りにおきましては、これを当時NHKの恒久な将来にわたってのテレビのセンターと考えておりましたが、同時にオリンピック時までにはぜひ完成を一部しなければならないものが含まっておるわけでございます。そういう時限的な問題もございましたので、この間の処理を促進をはかっておったわけでございますが、そのような用途に合うような措置をいたしますためには、その新聞社を他へ移転さすことは、それまでにはとても不可能でございます。一時その敷地内の一部にこれを使わせるというようなことであれば可能であるかもわからない。しかも、その使わせます所要の坪数が、ざっと計算をいたしましても二千坪余要るわけでございまして、現実には現在二千五百坪の敷地を使わせておるわけでございますが、そのような関係もございまして、センターの建設に関しましては心そういった関係を除きました六千五百坪に縮小をいたしまして、この坪数のうちに建坪率等の配意を加えていただいてがまんせざるを得ないというような情勢にあったわけでございます。たまたまその当時から、ワシントンハイツのオリンピックに対する開放の問題、あるいは将来にわたっての都市公園の森林公園等の計画等もあったわけでございます。オリンピック関係のいろいろな利用にこれを供し得る、こういうような見込みも出てまいりましたので、先ほど副会長の申しましたようなテレビのみのセンターを竜土町へ建設する、しかも非常にいろいろな事情で制約された条件のもとにおいて建設するということを当初から予定できなかったわけでございますが、中間にそのような見込みも出てまいりましたので、テレビのみならずラジオ関係の一切を含めました総合の放送センターをここに建設してはということで、その方面のお願いをいたし、計画の変更をいたしたわけでございます。そういうような関係でございますので、竜土町の関係等につきましては、現在まだ、施設の建設の予定地でなくなりました関係におきまして、今後なお処理をしなければならない問題は残るわけでございますけれども、在来の経過は概略以上のような動きでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 NHKが公共放送としての使命を果たすために経理上許されるかどうかの問題は残りますけれども、しかし雄大な規模をもって放送センターを設立されようという方向については、私どももわからぬことはないわけであります。しかし、問題は、竜土町に一番最初に一万五千坪程度を予想して、そこに手を打ってきたわけです。それがだんだんと圧縮されて、最後は九千坪ぐらいですかの程度になってしまったということです。しかし、その九千坪程度になったにしても、なおかつそれで仕事をするつもりであったわけです。ところが、オリンピックというのは、この前ローマのオリンピックの一番最後には、次は東京で会いましょうというサインがあったのを私は覚えております。オリンピックを東京でやることは、その当時からわかっておった。それが卒然として代々木に移るということによって、そこにNHKとしては、やはり受信料の上に立って業務の経営をしておるわけですから、したがって、その受信料のむだ使いになるような結果を来たしていないかどうかという点に私は関心を持たざるを得ない。そういう意味で、竜土町の選択、そしてその後の経過、しかも最後九千坪程度になってまでもやろうとされた形跡があるにかかわらず、代々木の放送センターに方針を大きく転換されるのはいいが、その間に非常に大きなロスが伴っておるように思われる。そこに私は見通しの誤りがなかったかということを感ずるのですが、その辺はどうなんでしょう。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 私どもといたしましては、見通しの誤りが完全にあったとは残念ながら考えられないのでございます。ただ、情勢の変化がありまして、したがって、私どもの考え方としては、中途半端のものをつくっておいたのでは、かえってロスになるのであろうという考え方で、竜土町のわれわれの所有権を持っている土地を、そのままワシントンハイツの土地の一部に転換するという処置をとったわけでございます。また、それが実際上いろいろな手続関係あるいは時期的に多少のロスとなってあらわれているという事実については、私どもは率直に、まことに遺憾であったと考えておりますが、しかし同時に、受信料の関係につきましては、すでに御承知のように、昭和三十七年度以降、ラジオ関係については約四〇%、それからラジオ、テレビジョンの二つについては総合的に約二八%の値下げをして今日に至っているわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 受信料の額の問題についていま触れているわけではない。ただ問題は、竜土町の構想というものがあったのは昭和三十五年ごろからあったんでしょうか、おそらく四年か五年ごろからだろうと私は思いますが、いつごろから構想があったんですか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 先ほどお答え申し上げましたように、三十二年度に、三十三年から始まる長期計画を立てましたときに、竜土町という固定的な観念はございませんでしたが、テレビセンターをつくろうという計画をその中に織り込みまして、これの実施に努力をしていきたいということは、先ほどお答え申し上げたとおりでございます。ただ、小野専務理事からも御説明申し上げましたように、その土地の獲得が当時は現在よりもさらに困難でありまして、簡単に申しますと、四カ所くらいの土地を検討いたしました。その最後に、やはりいろいろな障害がある中でもわりあいに障害が排除できるのではないかといういろいろな客観的な、あるいは関係先との話し合いの中で出てきたのが最終的に竜土町でございまして、したがって、竜土町の土地に手をつけるという段階に至ったのは——私もこの点はっきり記憶しておりませんが、三十五年ごろではなかったかと考える次第でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、三十五年当時はもう東京でオリンピックを開催するということは大体わかっているころですね。そのときにやっと着手したわけです。私がその後調べたところでは、三十五年の五月に千四百八十四坪まず手に入れた、三十七年三月に七千五百十五坪くらい手に入れた、こういうように思うわけです。したがって、一方において新しい構想が起きながら、とにかくもうおたくのほうでは、そのために相当なお金を使っているわけです。この計画が六カ年計画だというので、大転換したときに相当なロスが出てくるというのは、ただ見通しに誤りがあったのだということになるのじゃないですか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 これははなはだ主張を続けるようでございますが、御承知のようにオリンピックの選手村、これの考え方は、少なくとも昭和三十七年までは朝霞にこれを建設するというのが当時の組織委員会の決定でございました。それがその後急速にワシントンハイツということに変更されましたので、これに対応するためにも、私どもといたしましては、竜土町の実情を勘案しながら将来の構想を考え直しまして、ワシントンハイツに移ることが、むしろNHKの将来の経営から考えてプラスになるのだという考え方を持ったわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 見通しに誤りがあるというよりは、考え方を変えた、こういうふうに考えたほうがいいわけですね。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 私どもはそのような気持ちでおります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 考え方をお変えになったのはけっこうなんですが、それでは現在竜土町はどうなっているのですか。要するに九千坪ぐらいの土地はとにかく手に入れた、しかもすでに昭和三十七年から六カ年計画が始まっているのでしょうが、三十七年の三月に土地も手に入れたわけですね。そういうことで、六カ年計画の基本的構想は済みながら、竜土町の土地を手に入れるという、金の取引などが一方において行なわれている、構想が片方に行なわれながら、片方の古い構想の行き方の実務は進んでいる、こういう状態にいまラップしているわけです。どうもその辺のところに二兎を追っているような感じを非常に受けているわけですが、そういうことで手に入れた土地は一体どうされたのですかということを伺いたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 当初竜土町を手に入れますときの経過から申し上げますと、三十五年の八月でございますが、NHKはかねがねこれをテレビセンターにいたしますために接収解除方を要請いたしまして、そういう関係につきましてNHKの要望に基づきまして、接収解除に対する米軍側の条件が明確になってまいりました。それは日本政府の接収解除の要請に対しましては、日米合同委員会の特別委員会におきまして、いろいろ審議されました結果、ここにありますスターズ・アンドストライプスのエリアが、本部の現状から申しまして、全面的返還は不可能である、ただし日本政府が適当な代替施設を米国の負担なしに提供され、かつ新聞発行を休刊せずに運行できるような配意をしてくれれば返還は可能であろう、こういうような面が明確になってまいりました。こういうスタートに基づきまして、昭和三十七年の二月には、大蔵省当局から日米合同委員会の合意事項の通告がNHKにあったわけでございます。これは先ほどの三十五年当時における日米合同委員会特別委員会のそのような気持ちをそのまま表現したものでございまして、スターズーアンド・ストライブスの代替施設を無償でつくるというようなことに相なったわけでございます。そういうような関係でスターズ・アンド・ストライプスをほかへ移ってもらうことは、大体不可能である、敷地その他の関係から申しましても不可能である。勢いあの土地において一部テレビセンターの建設にできるだけ支障の少ない最小限度においてあそこで活動をさせる以外にないということで、道路等でとられました当初の、それから引いた九千坪の中から二千五百坪の敷地を提供をいたし——提供というよりもこれは接収中でございます。その敷地の上に代替施設をつくって、ここで業務を継続してもらうという措置をとらざるを得なかったわけであります。現在そのような状況で二千五百坪の敷地はスターズ・アンド・ストライプスが使用いたしております。その上にNHKの財産であります建物が建っておりますが、これは前にありましたセンターの建設の最も重要な地点にありましたスターズ、アンド・ストライプスの旧社屋をNHKが無償で引き取りまして、そのかわりに新しい社屋を建築をいたしまして、これは接収の形において新聞社が使っております。そういうような状況でございますが、九千坪からいまのスターズ・アンド・ストライプスの使っております土地を除きました残余の土地につきましては、代々木の放送センター敷地二万五千坪の入手の関係、これの国有財産の払い下げの関係と関連を持ちまして、大蔵省に買い上げてもらっておるというような状況でございまして、NHKの所有を離れております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、もう全然竜土町とは関係がないのかと思っていましたところが、星条旗紙がおるという事実を承ったわけでありますが、スターズ・アンド・ストライプスにそういうかわりの敷地を貸してやるのか、やるのか知りませんが、貸して建物を建てる、中の機械を入れてやるという約束はいつされたのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 これは先ほど申し上げましたように、大蔵省から日米合同委員会の合意事項の通告書を昭和三十七年の二月八日付で受け取っております。これに引き続きまして、早急にそのような措置の決定をいたし、着手いたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そしてその建物ができたり、機械ができたのはいつですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三十七年の十月に建物が完成をいたしております。でき上がると同時に、これは接収という形になっております。これは従前からの経過を追っての措置であります。中の機械の関係につきましては、これをNHKでもとの使用しておりました印刷機の引きかえに提供をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 三十七年の二月に日米合同委員会で話がきまったわけですね。仕事はそれからおやりになったのでしょう。その前からやったのですか。もちろんでき上がったのは三十七年に建物ができておるのですが、二月に約束して何月でしたか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 十月でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 十月に建物ができたわけですか。三十七年は、もう六カ年計画が始まっているのじゃないですか。先ほど前田副会長の言われた代々木の放送センターというものが始まっておるのじゃないかと思うが、これはどうなんでしょう。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三十七年度は、第二次六カ年計画の初年度でございます。建物は三十七年の十月にでき上がっておりますが、ワシントンハイツに対する関係は、まだ当時におきましては見通しははっきりいたしておりませんでした。建物の建設に着手して相当段階が経過しました。ちょうど建物ができ上がるころから朝霞の利用をワシントンハイツに変えてもよかろう、あるいは変え得るのじゃないかというようなきざしがあらわれたわけでございまして、そのころから構想をワシントンハイツに移して、まず敷地の入手の要望実現のために動き出したというようなわけでございまして、その点は、建物の建築完成と大体同じころに——どうなるかわからないけれども、一応ワシントンハイツのほうの要望を強力にやろうという時期があるいは多少重なっておるかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私は、実は代々木の放送センターというのは、六カ年計画という最初の計画に基づいておやりになるのだと思っておったのですが、六カ年計画が始まった当時、当初の年ぐらいではまだ麻布竜土町でやるつもりであった、こういうことがいまの話で明らかになったと思いますが、それでよろしゅうございますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そのとおりでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、六カ年計画の当初の構想をきめ、それが発足した当時は竜土町でやるつもりであった、それがその途中、代々木の放送センターのほうがいいということで、急遽切りかえたわけですね。急遽考えを変えたというが、そのためにいろいろロスが出てきておるわけですね。これは見通しというか、考え方を変えたというか、どちらがいいのかわかりませんが、前田副会長は、考え方を変えて一歩前進したのだとおっしゃるが、見方によっては、六カ年計画のワク内において、当初麻布竜土町のテレビセンターというものは六カ年計画のワク内に入っておったわけですから、その辺は、六カ年計画の運営の見通しを変更したというか、変更せざるを得なかったというのは、やはり見通しが違ったのじゃないかという見方もできるのじゃないですか、前田さん。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 その点は見方の相違ではないかと考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 見方の相違にしても、そういう見方があるということはいえるわけですね。御自分がおやりになったのですから、おれは見通しが違ったとはおっしゃれないと思いますが、これは考えを変えたというのは、見通しが違ったから変えたのじゃないかというはたの批判があり得るということは、これはお認めになるでしょう。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 私どもとしては、先ほど来申し上げたとおりでございますが、おそらく先生としては、そのようなお立場に立っておられることと理解をいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私は、九千万の国民がやはりNHKの行き方というものを見ておりますから、したがって、NHKの行き方がそういうふうに変わったという内情がわかってくると、これは理事者の見通しが違ったという見方をする人もあるのじゃないかと思いますから、そういう観点から申し上げておるのであって、そういう意味で、私個人がいま直ちにあなたにそういうことを断定しているわけじゃない、そういう点をひとつ御了解願いたいと思います。  そこで、そうすると、現在は代々木に転換をしたためにどういうことになっておるか。竜土町の土地は幾らで払い下げられて、幾らで国のほうに返還をされて、いま幾ら残っているかということをひとつ伺いたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 六億七千七百万円で払い下げを受けまして、その間に多少の数カ月のずれがございますけれども、これをワシントンハイツとの関係におきまして、交換の形で買い上げたという値段が同額であります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 同額というのは……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 買い取りました値段と同額の六億七千七百万円の金をもって大蔵省へ再譲渡いたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 代々木の土地はどういう形で幾らでお買いになったのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 代々木の関係につきましては、総体で終局には二万五千坪いただくことになっておりますが、現在は一万九千坪で、あとの残余はオリンピック事業におけるNHK以外の選手村等に使われます。これが用途が済みましたらNHKに渡そうということになっておりまして、現在は、代価は一万九千坪分についてのみ支払いをいたしておりますが、坪当たり十八万円という計算で支払っております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 総額幾らですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 約四十三億になります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 竜土町は坪当たり幾らですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 ところによりまして段階がございますが、最高のところで坪十万くらいになっておるかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、麻布竜土町は最高のところで坪十万くらいですね、それを払い下げられたときの値段でそのまま返した。これは昭和三十五年の五月に一部払い下げてもらって、それから昭和三十七年の三月に残ったもの、それを返すときは取得当時の価格で返した。お返しになったのはいつですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三十七年のたしか三月ごろだったと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 違うでしょう。三十七年の三月に買ったはずだが……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 三十八年三月でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、早いところは三十八年の三月だから約三年間、それから最も近い時期でも約一年間たって返したわけですね。したがって、その間に使った金の金利もあるだろうし、それから地価の高騰というのもいまのところ常識ですが、それを払い下げ価格でこうやった、こういうことですね。それから代々木のほうはどうなんですか、坪当たり十八万円くらいというお話だったですが。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 代々木の関係は十八万円でございます。ただし、竜土町の関係につきましては、確かにその間に相当な年月がたっております。その間の値上がりがあるだろうということも一応考えられます。たとえ値上がりがないとしても、当初の用途を満たし得なかったということで解除いたしましても、金利の関係もあろうかと思います。そういう面も十分にわれわれといたしましても大蔵省とはいろいろ話し合いをいたしております。ただし、新しいワシントンハイツの土地に対しましては、評価上は二十五万とかあるいは二十万円は下らないとか、いろいろな面が出ておるわけです。特にあのすぐそばにあります区役所に譲り渡しましたものは、私どもがワシントンハイツで土地を現実に入手いたしました一年余前でございますが、現実に十九万円から二十万円くらいの金で取引ができております。そういう面でできるだけ新しい土地の入手を安くしてもらいたい、負担を軽くしてもらいたい、こういうような折衝と相かねて、かっこうとしては変でございますけれども、一応は旧竜土町の土地は買い上げ当時の値段そのもので渡さざるを得なかったというような状況でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 国有財産の処理ですから、国の立場からいえば何のことはないと思うのですけれども、ただNHKの企業体の立場から見ると、いま伺うと、仕事をしようと思った竜土町の土地が要らなくなったから大部分を返した、それは買い取った当時の価格である、それから代々木のほうは、だいぶまけてはもらったけれども、まあ時価に近い価格であるということは、NHKの企業経営の立場から見れば一応問題になるのじゃないですか。会計検査院だったら、そんなことはどうせ国のふところに入ることだから、国の観点から見るかもしれない。しかしNHKの経営というほうから見たならば、その点はちょっと問題がある。もしあなた自身の財産として、あなたが持っておられる土地だと思ったらそういうことをやりますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 一応扱いの表面上を見ますとそのようなことも考えられようかと思いますが、少なくとも、新しい土地につきましては、私どもの胸算用では、坪当たり二万円以上は安く買っているということになるのではないかと思います。ただ、旧土地につきましては、もともとある一定の用途をもちまして払い下げを受けたものでございます。その用途のとおりに使わないということになりますと、国有財産法の所定の手続から申しますと、契約解除として、これは契約なかりしものとして、払っただけのその金額をもらうというのがたてまえではないだろうか。ただ、大蔵省のほうの扱いといたしましては、ここにテレビセンターを建てるために払い下げるのだということがその主要な問題になりますその要点が明示されておりません。そういうことで、通常は解除していくべきものが、その解除の方式がとれないというような悩みもあったやに考えます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 関連して。非常に微妙であり、大事な点であり、私はただいまの質疑応答では不十分なものがありますので、一言お尋ねしておきます。  新しい土地は時価よりも二万円も安く払い下げることができた、古いのは元来なら契約解除して国に返さなければならないものであるが、解除まではしなかった、そしてこれを比較的安い価格で国に返した、あるいは譲り渡した、こういう形でありますが、これを実質的にながめた場合、プラス、マイナスはどれくらいになるか、概算でけっこうでございますから、その概算がここで説明できれば説明してもらうし、説明ができないならば、適当な機会にその数字をお出し願ったほうがいいのじゃないだろうかと思います。実質的にプラスになったのか、実質的には非常にマイナスになったのか、そのマイナスがNHKの経営に非常に支障になったということになれば、これは経営者として慎重を欠いたと言われてもやむを得ない。しかしながら、いま言ったように、それぞれ複雑な、微妙なものであるが、実質的に相当プラスになっているとすれば、これは私自身としてはそう深く追及すべき問題ではなかろうかと考えるので、そういう意味合いにおいて御答弁と資料を要求しておきたいと思います。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員 いまのに関連して。もっともだと思うんですが、大蔵省へ竜土町を返した価格とか代々木のほうを払い下げてもらった価格とか、そういうことだけで利害得失を考えられる問題ではないのであって、利用価値の問題、将来公共放送としての立場から見て、どっちが有利であったか、金銭では具体的に出ない問題もあるんじゃないか。それらの点も十分御研究の上、いまの答弁をしていただいたら、非常にわかりいいと私は思います。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 いまのお二人の先生の御質問にお答え申し上げます。  私どもといたしましては、ただいま小野専務理事から説明申し上げたのは、その時点における実際上の金の取引高の問題を御説明申し上げたのでございます。私どもの立場から、今後これがプラスであるかマイナスであるかにつきましては、私は、はっきりと非常なプラスになることを確信いたしております。簡単に申しまして、放送法との関係で、たとえば放送債券という問題を考えましても、私は、ワシントンハイツに放送センターをつくることが、非常に縮小された竜土町に、その一部であるテレビセンターをつくるよりも、はるかに経営の基礎は固まるものと確信いたしております。それからまた、世俗的に申しましても、約四十億の金を投じて買い求めた現在の段階での一万九千坪は、将来非常な価格の増幅があるものと、この点も確信いたしております。したがって、経営の全般から申し上げますと、私どもはしさいに将来を見ながら、NHKの経営に支障なきか、NHKの経営を強め得るかという観点からも、この問題は検討いたしたのでございまして、結論的に申し上げて、私どもは、経営がこれによって好来非常にかたくなるということを確信いたしております。  上林山先生の御要求の資料につきましては、こういう観点から予測的数字がかなり多くなると思いますが、できるだけ御趣旨に沿う方針で、後日資料を差し上げたい、このように考えております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいまの前田副会長のお話の中の、NHKの発展のためにワシントンハイツに移したほうがいいという、その点については、当委員会においても再三論議せられて、われわれ賛意を表しておるわけで、その点は私どもは移したほうがいいという説で賛成をしてきておるのでありますから、その点は私は論議しているんじゃない。いまあなたがおっしゃるように、予測的な数字も含んでいいので、要はこれが経済的に支出が多くなったのか、少なくなったのか。結局、時がたつということによって最終的な大きな利益というものはわかるのでありますけれども、当面の問題を一応やはり参考にして進むべきものである、こういう意味で私はお尋ねしておるのであって、この辺を紛淆のないようにした資料を出していただきたい、こう思います。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 資料と申しましても、いろいろ当時の時価等に対しては、正確にはわかっておりません。大かたいまの目安で申しますと、二万円ばかりは新しい土地では安くついておりますのと、他方、竜土町の関係につきましては、平均いたしまして坪八万円くらいでございますが、これを以上の利点と見合いますと、買い入れのときと売り渡しのときにおおよそ三割くらいの値上がりがあっても、大体同様だということでございます。その間に三割の値上がりというものが国有財産にあるかどうかということは問題だろうと思います。私の勘といたしましては損失でない、このように考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私は椎熊委員が言われましたように、この代々木の放送センターについても、竜土町のテレビセンターと比較しての機能的な評価を決して忘れておるわけじゃない。しかし、また、いま上林山委員が言われましたように、一応これでどの程度のロスがあったかということだけは、やはり明らかにしておかなければならぬ。国会の審議ですから、国会が最終的な財務についての監督権と申しますか、パブリック・コントロールをしなければならぬ、その事実だけは明らかにしておいて前進してもらいたい。うやむやにして前進されることは好ましくないと思うから、はっきりしておいてもらいたいという意味で、先ほど来御質問申し上げておるわけでございます。NHKとしては、こういう問題に触れられたくないかとも思いますけれども、やはり明らかにするものは明らかにして、その間に不正がなければたいしみ問題にはならぬ。しかし、経営者としての見通しの問題とか、あるいは管理の問題とかいうような問題については、神さまじゃないのですから、若干は理想どおりにいかない点があろう、そういう点ははっきり認めるべきものは認めてもらいたいというのが私の脅え方です。  そこで、次の問題で、いまの問題はあとでまた資料を出して御議論を申し上げたいと思いますが、残りの星条旗紙が使っておる場所は何坪くらい、建物はどれくらいの経費になるか、機械はどういうふうな金がかかって、実際はいまどうなっておるかということを明らかにしていただきたい。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 森山先生お尋ねのPSSに貸与しておりますものの内容を申し上げます。  土地が二千四百九十二二七六坪でございます。建物につきましては、五億四千五十三万四千円の経費がかかっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 印刷機械か何か入っておるらしいのですが……。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 輪転機を新しく据えつけまして移ってもらいました関係で、輪転機の製作経費を出しております。九千四百十九万六千円でございます。なお、契約によりまして旧輪転機を相殺して引き取るということになっておりますので、千五百万円の分がNHK側に戻ってきております。業者への契約といたしましては、相殺した価格で購入しております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 土地の二千四百九十二坪は、取得価格は幾らくらいになります。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 提供しております土地の値段につきましては、十万一千六百十円で大蔵省から購入した土地でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 放送会館をつくるために整地をしましたね。テレビセンターをつくるために整地したり、あるいは設計なんかもしたようですが、そういう経費はどのくらいかかっておりますか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 設計につきましては設計競技料といたしまして千六百万円を支出いたしております。なお、そのほかに設計審査料といたしまして百五十万円、それから設計料につきましては五千二百二十万円出ております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 整地費はどれぐらいかかっておりますか。——私はそういうこまかいことを実は聞きたくないのですけれども、ただ、要するに竜土町のものを代々木に持っていったことによって現在ロスが一体幾らぐらい計上されるのかということを知りたいわけです。それはNHKのためにも必要なことですからね。それは一切がっさい含めて大体幾らぐらいかということをほんとうは知りたいわけです。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 設計料五千二百万円と申し上げましたが、竜土町に建てる予定のテレビセンターのほうの設計からワシントンハイツのほうの設計も継続して契約をいたしております。  それから整地の問題につきましては、道路造成費として千七百四十万円を支出いたしております。以上でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、合わせて大体どのくらいになりますか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 まとめて申し上げますが、PSSに貸与いたしております施設建物及び土地につきましては、先ほど申し述べましたとおりで、購入しました土地の値段で計算をいたしまして、また建物も、先ほどの五億四千万円を入れまして五億六千四百万円になるわけでございます。それからそのほかに輪転機及び設計競技料等を含めまして八千百万円の経費がかかっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 その数字は、いろいろ検討するとどういう結果が出るかわかりませんが、ただ社屋、設備、その他一切がっさいで十億円ぐらいの金がむだになったんじゃないかというふうに私は聞いておるわけです。事実、いまの数字をしさいに検討すれば、いま志賀主計部長のお話のようなことになるかもしれませんが、ともかく、いまラジオ料金の値下げ問題があるわけですが、今年度の予算で十四億円、実際は集金手数料を差し引きますと手取りは七億円ぐらいだと言われておる。あるいはもう少し多くなるかもしれません。そうすると、大体今度のラジオ料金の値下げ分に見合うぐらいの金が、ともかくこの問題では一応損失として出ている。そういう額が出ており、そうして星条旗社に対して社屋、設備——これは借り金を取っておるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほどお答え申し上げましたように、これは接収になっておりますので、しかも当初の経過から申しまして、米軍に負担がなくてそういうようなことができるようにということが条件になっております。そういうことで無償でございますが、損失といたしましては、先ほど十億というようなお話がございましたが、正確に申しますと私はそれほどにはなっておらないと思いますが、これは所有権はNHKにございます。いずれ接収解除になればNHKの財産に帰属するわけでございますので、問題は借料なしにそういうようなことをすることがどうかという問題になるのではないかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そういう点で社屋、設備はNHKで無償で貸している。そういうことが受信料との関係で適当かどうか、その点をひとつ伺いたいと思います。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 その時点においてのただいまの問題は、少なくとも運営上の一つの誤差であるということは私は率直に認めたいと思います。しかしながら、この問題が巷間伝えられておる三十九年度予算の乙料金十四億に見合う金だから、この乙料金をそういう意味で引き下げ、あるいは免除したらいいじゃないかという問題とは別の問題だと考えます。少なくともこの受信料の問題につきましては、受信料の性格と根本的な問題と見合わせながら解決していかなければならない問題だと考えております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 私は受信料の問題とこれと関連づけて考えているのじゃないが、たまたま金額が同じような金額になるじゃないかということだけを言っているにすぎないのです。問題は、先ほど冒頭に申し上げましたように、NHK財政というものについて切り下げの余地があるかどうかという実態検討の一端として——まだたくさんあります。しかしちょうど時間がきましたからやめねばなりませんが、この何倍かの材料をいま用意してございます。これを一時間半でやれというのですから、とてもできませんので、そのうちの一端として竜土町の問題についてお聞きしたわけです。私はあくまでも代々木の放送センター、それがNHKの公共放送の前進のために有意義だというならば——そしてまた私もそう思っております。しかし、その過渡期において、その裏にやはりそういうような問題があったし、また現にペンディングで残っておる。そういう問題はやはり明らかにしていただきたいと思うわけです。率直に言って、こういう問題についてこういう詰めた議論をしたことは、党内でもそういう機会がございませんでした。国会の場所において皆さま方からお聞きせざるを得なかったわけでございます。やはり前進するためには幾つかの犠牲というものがあるかもしれない。幾つかの困難があるかもしれません。その幾つかの困難や犠牲の一端としてこういう点もあったんだということで、国民の了解を得るという必要もありましょう。受信料を国民から税金と同じような形で取られると思っておる国民も相当多いわけですから、それがむだ使いされている竜土町なんということを識者の間にささやかれておるようでは困るのであります。やはりそういう点は明確にしておく。そういうことによってNHKの健全な前進が期待できる。そういう考え方からいま竜土町の問題を取り上げたわけでございます。ほかに質問したい事項がございますが、すでに一時間半という質疑時間が終了いたしましたので、残余は後日に譲りたいと思います。特に郵政大臣に対する質問は後日に譲らせていただきます。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 次に片島港君。

片島港日本社会党

○片島委員 郵政大臣が間もなく見えるそうでありますが、郵政大臣に先にお尋ねをして順次NHKのほうにお尋ねをするのが順序でありますけれども、大臣にはあとでお尋ねすることとして、順序が転倒いたしますけれどもNHKのほうに先に伺います。  さっそく予算総則の問題からお尋ねしたいと思いますが、予算総則の第七条によって当該年度に予算額よりも収入が増加した額、これは例年どのくらいになっておるか。それと予算総則の第七条第一項と第二項に分けて書かれてありますが、第一項は、事業量の増加によるいわゆる自然増収であります。第二項は、職員の能率向上による、企業努力による増収でありますが、そのために自然増収と努力増収と二項目に分けて書かれたものと存じますが、その内訳はおわかりになるでございましょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 御質問の内容につきましてちょっと明確に聞き取れなかった点があります。何年度の問題でございましょうか。

片島港日本社会党

○片島委員 二つございます。第一は、この二年ないし三年間において、第七条第一項及び第二項による予算額よりも実際の収納額がどの程度上回ったかという問題と、さらにその上回った増加額のうちで、第一項による自然に事業が大きくなったために増収になった額と、そうでなくて人工的に職員の努力によって増加した額との内訳というものがわかるものかどうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お尋ねの第一点でございますが、予算総則第七条によりまして、事業量の増加によるものと、二項の職員の能率向上に帰し得るものとの分界がどうかという点につきましては、これはさほど明確な分界は、金額的にはつけ得ない面がございます。したがいまして、その点をお断わり申し上げますが、観念上は明確にこれは区別さるべきものでございますけれども、その金額について、どれだけが第七条一項で、どれだけが二項に該当するかということを明確にいたしますことは、いささか困難ではないかと思いますので、その点をあらかじめ御了承願いたいと思います。  予算と実績との間における増収のそれは、過去の年次について申し上げますと、昭和三十五年度におきましては二十五億でございます。三十六年度は三十五億でございます。三十七年度は二十九億でございます。大体以上のようになっております。

片島港日本社会党

○片島委員 第一項と第二項、観念上はわかると言いますけれども、使途が違うわけなんであります。そういうことでこれが全然わからないと、使い方がわからないのじゃないか。これは私大まかにでも大体の見通しというものがなければならぬと思うのであります。その点はいかがですか、もう一回……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほど申し上げましたのは、観念的には非常に明確でございますけれども、個々のケースにつきまして、これは七条一項である、これは七条二項であるという定義づけをいたしますことは非常に困難であるということを申し上げたわけでございます。いずれにいたしましても、第七条一項によりまして事業量の増加によります、これは他動的な件数の増加等によって生ずるものでありましても、この負担は職員に全部かかってくるわけでございます。そういう面から申しますと、あるいは因果関係が別になるかもわかりませんが、職員の能率向上を誘う要因をなすものでございます。そういう面におきまして、いろいろこれの運用につきましては検討いたしておるわけでございますが、ただ金額的に、先ほど申し上げました金額のうちで、これだけは職員が能率向上をはかったために増収になったんだという額を確定いたしますことは、非常に困難であろうかと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 第七条においては、その年度中に予算額よりも増収があった場合のことを一項、二項で規定しております。そうしてそういう場合には、こういうふうに使ってよろしい、こうなっておりますが、反対に予算額よりも収入が減った場合のことは規定しておりませんが、あなたのほうの予算を編成せられるときには、必ず予算額よりも増額するということを想定した上で組まれるものでありますか。私がこういうことを聞きますのは、国際放送におきまして、政府の交付金があなたのほうの実際必要な経費よりも交付金が多くて剰余を生じた場合には、国際放送及び選挙関係等に充てる、こういう規定がございます。ところが、御承知のように国際放送におきましては、一億幾らもらって五億、六億という持ち出しをあなたのほうはしております。国際放送におきましては、交付金があなたのところの実際の支出を上回ることが絶対にない事項については、余ったときにはと書いてあります。しかし不足したときにはとは書いてありません。不足することがきまっておるところには書かない。そうしてまた、これは私あとで国際放送で尋ねますが、ここに増収があったときにはこういうふうにして使うと書いてあります。また実際増収があります。しかし増収があったときにはこうして使うということを書くならば、予算額よりも少なくしか収納がなかった場合にはどうするかということも書いておかないと、これは片手落ちだと思うのでありますが、いかがでしょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 確かに予算の不足に対する対応の予算総則は表面上はございません。したがいまして、現実の運用におきましては、そのような不足を来たすおそれのない予算を編成することが前提でございまして、そのような予算の編成をいたしてまいっております。ただし、そのような事態はそう明確に事前に察知できるわけでございませんので、いろいろな予測しない事情によりまして予算に対応いたしました額の不足する場合も、理論上はあり得ようかと思います。そのような場合には、そのような面が予知できるような段階になりましたならば、予算の全体にわたりまして、実行の過程におきまして、その決算の状況に赤字が出ないような予算支出項目に対する配意をいたさなければならないと思います。また、ある限度の問題につきましては、毎年額はわずかでありますが、四億の予備費がありますから、この予備費をもって対応するということに相なろうかと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 私は、あなたのほうの決算が予算額よりも実際は減ることがあると言っておるのじゃないのですよ。予算額よりも増収があった場合にはこうこうだと言って、自然増収と努力増収の二項目に分けて詳しくその使い方まで分けておりますが、いろいろな事情で事業量が減ったり、いろいろな事情で減収した場合には、これはたとえば予備費を使うのだとか、あるいは節減によってこれを埋めるとかいうような場合、減額した場合のことをここに書かないというのは片手落ちじゃありませんか。そうでないと、NHKの予算というものは、予算を編成する当時から、実は予算額よりもずいぶんたくさんふえるんだという印象を与えるじゃありませんか。もうそれを予定しておるのだ、それはたてまえとしてはそういうことをあなたたちが腹の中で持っておられるにしても、しかし条文のたてまえからするならば、予算額よりも減少した場合にはこうこうこういう措置をするという条文がなかったならば、この第七条は片手落ちじゃないですか。そこを聞いております。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お説ごもっともとも存じますが、予算のたてまえといたしましては、年度途中に蹉跌を来たすような予算を組みますことは避けなければならない点であろうと思います。そういう面で、編成当時におきましては、そのような事態が起きないであろう予算を編成することをたてまえといたしておりますので、所期のとおりにまいりませんで、万一不測の事態によって非常な不足の状況が起きますならば、歳出関係における使用の関係に配意いたしますとか、あるいは予備金を使いますとか、また非常手段といたしましては、一時借り入れ金を使うというような面を総合的に配意をしなきゃならぬのじゃないかと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 私は実行面を言っておるのじゃありませんよ。たてまえ論を言っておるのです。この条文として見た場合に、予算額よりもふえた場合にはこうこうだと言っておるが、減った場合にはこうこうだということをどこかに入れなければ片手落ちではないか。決算の場合については、第八条、第九条において、それぞれ剰余金があった場合、不足金があった場合と書きますが、予算の場合にはたてまえとして——これは前田副会長にお尋ねします。たてまえとしてふえるということだけを予想するのはけっこうです。予想して、また実際不足があった場合には、小野さんのおっしゃるような、いろんなからくりをすることは必要です。だがしかし、減った場合にはどうどうだということを書かなければ、条文としては片手落ちじゃないか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 理論的にはごもっともの御意見だと思います。それに対しては、私も異論はございません。ただ、NHKの予算の編成は、予算自体が主たる目標になるのではなくて、事業計画というものが中心になるわけでありまして、したがって、これもいろいろ多くの議論があるかと考えます。しかし、どうも受信料額の決定というものは、同時に事業計画の内容と直結しておるというたてまえで、従来の慣行としてこのような形をとっていると考えられます。ただし、繰り返して申し上げますが、理論的には全く同感でございます。

片島港日本社会党

○片島委員 いや理論的にこれがおかしい、やはり片手落ちだとおっしゃるなら、私はそれでいいのです。そうでないと、やはりふえた場合はこうだといって、減った場合のことも、あろうとなかろうと、たてまえとしては、両方をここに明記すべきだと思うが、いままでの慣例としてこれで通っていたのですから、事業計画が中心になるんだとおっしゃるのなら、何もふえた場合のことも書かぬでもいいのです。ふえた場合のことを書くならば、減収した場合のことも書いたらどうだ。実際の場合には、計画の繰り延べ、あるいは変更、予備費の支出、こういったようなことがとられることは、どこの事業においても当然であります。私はいまのたてまえ論を実は聞いたわけです。

森山欽司自由民主党

○森山委員 関連して。予算総則第七条一項、二項につきまして、先ほど昭和三十五年度、六年度、七年度として、三十五年度に二十五億くらいの予算に比べての増収があった。三十六年度に三十五億円の増収があった。三十七年度に二十九億円の増収があった。七のうちの二カ年度ぐらいについて触れられたわけでありますが、それが事業量の増加によっての処置と、職員の能率向上によって職員たちの特別の給与の支給に当てられたもの、これは分けられるのでしょう。分けられないのですか。給与として支払っておられる昭和三十五年度の四億七千万円、三十六年度の四億七千万円、三十七年度の六億一千万円というのは、そういう意味でお出しになったのじゃないですか。それ以外に、第七条第二項の職員の能率向上による企業経営の改善によって、職員に対する特別の給与の支給に充てることができるというのが、いまの金額になっているわけじゃないのですか、違うのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほど申し上げました金額は、七条第一項のいわゆる増収額でございます。この中で、第七条第二項の職員の能率向上に帰すべきもの、こう考えまして、その全部または一部を経営委員会の同意を得て職員の給与に充てる、こういう規定がございます。この関係で適用をいたしましたものが、先ほど申し上げました各年度で申し上げますと、三十五年度におきましては二億四千二百万円でございます。三十六年度では三億四千二百万円でございます。三十七年度は四億二百万円でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、受信料増収額の使用状況は、給与として二十五億の中の四億七千万、三十五億の中の四億七千万、二十九億の中の六億一千万円、そういう単純な問題じゃなくて、七条二項に基づくものは、給与以外の項目に配意をし、また、この給与と書いてあるものは、すべて七条の二項によるものではないというふうに解釈していいですね。そうですね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほど申し上げました給与関係のものは、この七条二項のものでございます。これ以外のものはございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 増収として、昭和三十五年に二十五億円増収になっておる。三十六年度に三十五億円増収になっておる。三十七年度に二十九億円増収になっておる。三十八年度はまだ出ておりませんが、やはり相当な増収が出ると思いますが、それらのうち給与として回されておるものが、三十五年度四億七千万円、三十六年度四億七千万円、三十七年度六億一千万円というので、予算総則七条第二項にあります「職員の能率向上による企業経営の改善によって、収入が予算額に比し増加し、または経費を予定より節減したときは、その増加額または節減額は、経営委員会の議決を経て、その一部を職員に対する特別の給与の支給に充てることができる。」という、その特別の給与ではないですか、私はこう聞いておるのですが、それ以外に、ほかの項目にも七条二項によるものも入っておるし、あるいはまた、この給与という中にも七条二項によらないものも入っておるか、その点を伺いたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほど申しました三十五年度増収額二十五億のうち給与に充てましたもの二億四千二百万円、三十六年度は増収総額三十五億のうち三億四千万円、三十七年度は増収総額二十九億に対しまして給与関係が四億二百万円、これは七条二項によるものであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、私がいただいた資料は、おたくからもらったものか、郵政省からとったものか、どちらかわかりませんけれども、私の調査のためにいただいた受信料増収額の使用状況は、三十五年度の増収二十五億の中で四億七千万円が給与になっておる。いまの話だとそのうち二億四千万円が七条二項によるものだということです。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 ちょっと行き違いがあるようでございます。その資料が間違いではございませんけれども、ただいま私の申し上げました金額は、七条二項の関係によりまして職員の特別の給与として支給したものでございます。これはいわゆる増収手当と申しますか、そういうような業績手当、こういった筋合いのものでございます。このほかに件数がふえることによりまして、加入の職員等に対しましては、臨時の雇い、その他人件費関係によって措置しなければならない面が出てまいります。その面も職員に対する給与といえば給与でございますが、それを合体いたしますといまのような数字になろうかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 一つだけ承っておきたいと思うのですが……。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 関連質問はなるべく簡潔に。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この一項と二項というのは「事業量の増加等」というのと「職員の能率向上による企業経営の改善」によるというのは、抽象的にはわかるのですが、具体的にはどういうふうな形でおつかみになっており、またどういうような形で特別の給与を出しておられるのか、それをちょっと聞きたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほど申し上げましたように、概念的にこれを明確に定義づけることはきわめて簡単でございます。しかしながら、実際に個々の増収額につきまして、これは七条一項の増収と見るべきか、二項の職員の能率向上の結果生じた増収額と見るべきかは、非常に微妙でございます。ただし、七条一項の増収額がございましても、増収の規模をやはりそこに労務過重を要する原因があって生ずるわけでございます。そういうような関係から見ますと、能率向上が先行いたしまして、そのために生じた増収ではございませんでも、増収の結果がいわゆる処理件数の増加その他の関係において労務の負担を生ずるわけでございます。これを処理しなければならない。こういう面については、定員を直ちに増加するわけでもございませんし、現在員をもってそれを処理しなければなりませんので、その限度におきましての職員の能率向上が結果的に出てくるということは申せるかと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 だから、能率向上手当というのは、何かそういう手当があって出しているのか。どういうことなんですか。超過勤務で出しているのか、能率向上手当という名目で出しているのか、どういう名目で出しているのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 これはよく官庁等にもありますように、いわゆる年度末においてそういった企業努力による増収が明確になりました場合には、その中における業績手当、こういうような関係で出ているわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると最近三年間ぐらいで、本給に対して大体どのぐらいの割合で出していますか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 三十六年度に三億四千二百万円の七条二項の振り当てをいたしておりますが、特別賞与の予算といたしまして四・二カ月分を予算に計上いたしましたが、これに対しまして〇・八二カ月を年間に増額して支給いたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 官庁は幾らでしたか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 業績手当といたしましては、私の記憶ではおおよそ年間に〇・一五か〇・二ぐらいではなかったかと思います。それは古いかもしれませんけれども、大体そのぐらいだろうと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 一般官庁は〇・一五か〇・二ぐらいの業績手当だが、NHKは〇・八二カ月出した、こういうことですね。わかりました。

片島港日本社会党

○片島委員 私は次に移ろうと思ったんですけれども、これは小野さん、やはりこれに書いてあるとおりに言わなければならぬ。第二項においては、ここで能率向上による企業経営の改善によってふえた場合には、経営委員会の議決を経て、その一部を職員の——特別ですから、第二項によった場合にも、職員の特別給与以外にも使っておるのだ、書いてあるとおりそうおっしゃればいいでしょう。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そのとおりでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 いろいろお聞きをしなければならぬことが多いものでありますから——昨日から受信料が非常に問題になっているのですが、私は、NHKとしては受信料の問題は一番重要な問題だと思います。そこで、最近あなたのほうから臨特放送関係法制調査会のほうに出された意見書で、日本放送協会は理念的には国民全体の機関であり、法律的には一種の公の社団としての性格を持ち、受信設備の設置者はこの公の社団を構成する社員的性格を持つものである、であるから、NHKはりっぱな公共放送をやって、また広域にあまねく良質の放送をやって——であるから、この社員的性格を持つものが受信料の支払いの義務を負担することが妥当だ、こういうふうに結んでいる。これはどういう珍説を出されようと差しつかえないのでありますが、もっと明確な御判断ができないものか。いろいろな学者が集まってきめられた意見書だそうでありますけれども、自分で受信機を買って据えた、そうして全然自分は知らない間はいつの間にかある社団の社員になっておった、こういうようなことが理論的に成り立つものかどうか。いやおれは社員になれとも言われなければ聞いたこともないが、しかし社員としてこの公の社団に支払うのが当然だ、こういうような新説を出しておられるが、これについてはもう少し明確な、国民が納得のいくような考え方というものはないものか、この点を、これは前田副会長でありましょうか、春日さんでありますか、伺いたい。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 現在、現行法にきめられている聴視料というものの性格と申しますか、これはどういうものであるかということですが、これは従来先生方にもいろいろ御議論がありますし、これをいかなる性格できめていくかということは、やはり放送法の改正にとっては非常に大きい問題ではないかと思うわけであります。これには従来、税金にしたらどうかとか、あるいは公用負担にしたらどうかとか、あるいは受信の許可料にしたらどうかとか、いろいろな説がありますけれども、結局、受信料の性格というものをきめなければならぬのは何かということになりますと、やはりその国の放送というものを、たとえばNHKのような公共企業体にやらせるのと、商業放送というような形態と両立でやらせる形態に国の方針がきまった場合に、そういう公共企業体のラインを一体どこに求めるかということから問題は出てくるように考えているわけです。そうして考えますと、とにかくそういう公共企業体の財政を受け持つものとして、現在の放送法では受信機を設置した者は契約しなければならぬというようなことになっておりまして、これは当委員会でもいろいろ受信料が——そうしますと、放送の対価でございますから、これを国際放送に使うのは、受信者の対価を使うのはおかしいじゃないかというように、いろいろな問題が起っておりますし、これは法律的に非常に理論的に考えると、受信者というものは、受信機を設置した場合にNHKの放送を聞く権利を持つと同時に、そういうNHKという国家がきめた公共企業体の財務負担をする義務を負う、そういうふうにすれば、すべての問題といいますか、そういうことが非常にスムーズに理論づけられるのではないか、そういう意味合いにおいては、国会がNHKの予算を審議するのは、やはり国民の名において、受信者の名において審議するのだ、経営委員会の組織にしましても、それはやはり国民といいますか、受信者を代表してNHKの経営を見ていくのだ、あるいは会計検査院の検査がNHKになされておりますが、これはやはりそういう受信者の代表として、NHKの会計が妥当にやられておるかどうかということを精密に検査するのだ、そういう一連のNHKの性格というものを考えてまいりますと、受信者の性格を、そういうふうな一応受信機を設置した者は会員的性格を持つのだ、だからNHKはそういう会員の相当の意向、国民的意向なり要望なりを聞いて経営をやらなければなぬというところがそこに生まれてくるのではないか、そういうふうな考え方で一応理論づけをしたわけです。そのためにはやはり受信者に対して事業報告なりあるいは決算の報告なりをある程度法律できめて、密接なる受信者との関係を確立していかなければならぬのではないか、そういうふうに考えたわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 それはよくわかるのです。それはよくわかるから、そのように書いてあればいいのでありますが、これを読みますと、あなたのほうの日本放送協会をある公の社団である、こういうふうな性格を持っておるのだが、しかしあとのほうで、何にも知らぬのにおまえはNHKの公の社団の会員だ、社員だぞというようなことを押しつけることによって、受信料が取れるんだというような書き方でなくて、いま赤城さんがおっしゃったような意味で受信料は支払うべきだとおっしゃるならばわかるけれども、この表現が私はちょっと気になったからお尋ねをしたわけであります。あなたがいまおっしゃったような形のもとで支払うべきだというのならば、それは私はわかるのであります。それとここに書かれてある——これはラジオ受信料と関係してまいりますが、その社員的性格を持つ受信者が、受信料の支払いの義務を持つというのは、ラジオも、またテレビも、両方とも含めてそういうことを書いておられると思うのですが、どうでしょう。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 両方含めて考えております。

片島港日本社会党

○片島委員 ラジオ受信の契約者が急激に減っております。これはどうしてああいう法律があるにかかわらず、減っておると思われますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 契約の体系を甲と乙に現在分けてございます。その限りにおきまして、甲の面は漸次普及をいたしまして、行く行くは国民の大部分がこの対象になる趨向にございます。その過程におきして、乙のラジオだけの、まだテレビをつけない聴取者につきましては、漸次甲に移行をいたすにつれまして減少をいたします傾向は、あの料金の体系をきめましたときの予想のとおりでございまして、そういう趨勢をたどって減りつつあるわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 乙の減っておる契約数と、甲のふえておる契約数とは、比率はどういうことになっているでしょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 いま比率をはっきり数字で持っておりませんが、数といたしましては、三十九年度は甲で百三十万人増、乙で八十万人減、このように見ております。

片島港日本社会党

○片島委員 私が聞いておるのは、あなた方は甲にみんな切りかえるから減るのだ、将来はみんな甲になるのだ、こう言われておりますけれども、山間僻地までなかなか全部そうはいかないのです。それで私は、減っておるのは甲に切りかえたからだ——甲に切りかえた者もおります。あるいはラジオを持っておっておったが、甲にも入らないがラジオもやめた人もおりましょう。しかし、ラジオだけ持っておるけれども、契約をしないようになった者もおるのじゃないか。ラジオの乙の減り方にはこの三種類があると思うのです。どうですか、この三つのうちで大体どういう程度に……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お答え申し上げます。  私は先ほど大勢を申し上げたわけでございますが、甲への加入のために廃止になる件数というものは八〇%と推定をいたしております。その他の理由によりまして乙を廃止いたしますのが二〇%、こういうふうに見ております。

片島港日本社会党

○片島委員 この二〇%というのは、いままでラジオを持っておったけれども、もうラジオもやめた、そういうのは私はないと思うのです。ラジオだけ持っておるが、しかし、ばからしいからもう契約はしないというのだろうと思うのですが、いかがでしょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 内容的にはそのようなものもあろうかと思います。これは否定をいたしませんが、現実に契約の異動の面から生じます。それから二〇%は、ラジオを廃し、またテレビも持っておらないというような対象になっております。

片島港日本社会党

○片島委員 テレビももちろん持たないがラジオも設置しない、そういう人はほとんどおらぬと思うのです、いままでラジオを持った人は。そうすると、あとの二〇%は持ってはおるが契約に応じない、こういうことじゃないですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 その辺のところは、具体的に私どもの現在の調査能力の段階におきましては、実態を明確にはなかなか把握できないと思いますが、大体におきましては、この廃止の関係は、一応契約はしなければならぬ状態にあっても、これを拒否して廃止の形になっておるというものが皆無であろうとは思いませんが、転居等によって一たん廃止するという事例もあるわけであります。これはまた相当後になりまして加入の面であるわけでございますが、そういうような異動の面でいろいろな態様がございまして、全体の件数をまとめてみますと、現在のところは、先ほど申し上げましたような率の異動状況になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連して。そうすると、各放送局、それから郵便局から、ラジオの聴取料について払ってくれぬ、どうも聴取料が取りにくい、こういうことで付せんがついて戻ってくるようなものはどの程度ありますか。あなたも郵政省の事務次官をやっておって知っておるはずであります。郵便局の集配人が行ってどうしてもこれは納めぬということで困り切って放送局へ回した、また放送局から付せんがついて戻ってくる、また行った、またやる、また放送局へ戻る、こういう件数があるはずでありますが、そういうような件数はどの程度ありますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 ただいま具体的な数字を手元に持っておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 予算の審議をするときにそういうものを持っておらぬということで答弁になりますか。予算を審議するときには、そういうことこそ一番重要な問題でありますから、ちゃんと調べておかなければなりません。忠告をしておきます。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 できるだけ調べまして、調査いたしました結果、御趣旨に沿うような資料が集まりましたら、後日御答弁申し上げたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員 関連でお尋ねします。  予算を見ると、放送受信契約乙は、年度当初二百八十六万が八十万減って二百六万になる、その減った分の八割は甲料金のほうに移るから、残りの二割がほんとうの減となるということでございますが、ただいまの質疑の過程でちょっと疑問に思われる面がいろいろある。たとえば素朴な見方ですけれども、自動車は最近ラジオをつけておるものが多いと思います。私が調べました昨年の十月の資料によると、貨物自動車で営業車が十万八千、自家用車が二十二万一千、小型四輪が百二十万二千、バスが一万一千、それから乗用車で普通自家用車が六万六千、営業車が四千、小型自家用車が七十六万四千、営業車が十万七千、こういうような数を数えますと、ラジオをつけそうな車が二百万台ぐらい統計上あるわけです。全部の自動車の統計が昨年の十月で三百十万あるうち、二百万ぐらいがおおよそラジオをつけている可能性があるわけであります。そういうものから取れるだけ取ってみると、この年度末二百六万という数が一体どういう根拠に基づいて二百六万になっておるのか。先ほど森本さんは、昔の経験で、郵便局の連中がよう取り切っていない面もあるのではないかというお話もあったようでありますが、自動車のふえ方から見まして、相当つけているものがある。こういうものについてはもっと取れるのではないか、よう取り切っていないというような感じを受けますが、いかがですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 現在の自動車のいろいろな実情から考えまして、仰せのとおり、それから申しますと非常に矛盾があるのじゃないかとおっしゃるのは、私どもにはよくわかります。この方面にもいろいろ努力をいたしておりますが、現在自動車の関係で受信契約ができておりますものが十六万でございます。先ほど御指摘の数字から申しますと非常に少ないようでございますけれども、私どもが最近この面については運輸省の自動車の登録台数その他の関係等もいろいろ調べておりますが、その前提にラジオの受信機に対しまして料金をとります根拠は、ただ自動車の中にラジオがあるというそれだけではないのでありまして、それが車体と一体になりました固定の施設になっておるというものを対象にいたしております。そういう面から申しますと、私どものいまつかんでおります登録台数は二十八万台ということになっておるわけであります。そのうちまだ一〇〇%は取れておりませんで、七〇%でございますが、十六万の契約が現在あるというようなことであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 これは私が経済企画庁のほうから調べたのですが、三十八年十月の貨物自動車、バス、乗用車、特殊車、小型車、これを全部合わせると三百十万あるのであります。その中にはオートバイなんかも入りますが、ラジオをつける可能性のある車がおおよそ目の子算で二百万台ある。いまのお話を伺いますと二十八万台というのはいかにも少な過ぎるのじゃないか。その中で十六万台ということですから、乙料金の廃止ということが話題になりましたけれども、NHK自体が意識的か無意識的か知らぬけれども、免除しているのじゃないですか。大体がよう取り切っていないのじゃないですか。十分取るだけ取っておいて廃止するとかなんとかいうならわかりますが、自動車に関する限りは取り切れないでおいて、廃止等の議論が出ている。ある意味において事実上大部分はラジオについてはすでに免除になっている、廃止になっている、ごくわずかが残っているのだというような印象を受けますが、しかし、それはさておいて、いまラジオだけですから、いずれテレビのほうもやりますが、一体どのくらい取り切れておるのか、きわめて安易にふわっとやっていって、取れる範囲でおやりになっているのか。やはり法律の三十二条でもって契約をしなければならないと、一般国民に義務づけられておる。義務づけられている裏には、NHKも契約をしなければならない義務がその裏にあるわけです。そういう努力が十分果たされておるかどうかということは、やはり問題点の一つじゃないかと思います。関連質問でございますから、いずれ時期をあらためてこの問題についてもテレビ等と一緒に、もっと数字をこまかく、きめこまかい質問をしたいと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 大臣が参りましたから、大臣のほうにお尋ねします。  これは関連しますから、最初にお尋ねしておきたいのですが、いまの臨時放送関係法制調査会はどういう性格ですか、大臣の諮問機関ですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 お話のとおり、大臣の諮問機関でございます。

片島港日本社会党

○片島委員 諮問機関である調査会は、学識経験者によって各方面の意見、放送業者の意見あるいは学者の意見、そういったような者の意見を、自主的な態度で答申案をつくるということがたてまえであろうと思います。ところが、NHKからも民間放送からも出ておりますいろいろな意見もまた聴取されておるようであります。ところが、郵政省からきわめて膨大なる意見書が出されました。聞くところによると、この意見書は微に入り細にわたったものでありまして、私は読んでみましたが、それを調査会のテキストに使っておるというようなうわさを聞くのであります。そうすると、きわめて自主的な立場で検討をしておるさなかに、テキストになるようなああいう微に入り細にわたったものをあなたのほうからお示しになる。向こうが放送部長なり担当課長なり大臣を呼んで、こういう問題についてはどうだろうかという質問があったならば、その問題については郵政省はこう考えますと言われるのは一向差しつかえありませんが、尋ねもしないあらゆる問題を網羅して膨大なる意見書を提出せられ、それがテキストに使われるということになれば、諮問機関の自主性というものは著しく失われるものと考えますが、いかがでしょう。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 その点を明らかにしてお答えを申し上げたいと思います。  この調査会は諮問機関でございますから、この調査会をいかに運営していくかということは、すべて調査会そのもの、さらにしぼって言えば、その代表である会長がその責任と権限のもとに運営されることは申すまでもございません。ただ庶務的な仕事については、人手がないからということで、私のほうの者がその下において会長の命令に従って庶務的な仕事をお手伝いをしておるという事実はございます。  そこで今日までの調査会の審議の模様を側面から伺ってみますと、各方面から意見を聴取されておるようでございます。そこで郵政省に対しましては、先般この放送関係についてはどういうような点が問題点であるか、長らく放送の監督行政をやっておりますから、そういう見地からどんなところに問題があるかということを聞きたい、これは郵政省の意見ではない、ただ客観的に問題のある所在をひとつ資料として提出してほしい、こういう会長からの御要望がありましたので、そこで今日までいろいろと調べました結果の問題点を御報告いたした。そうして、この諮問機関である調査会の今後の御調査の上の参考に資する、こういうふうな意味合いで提出したのでございまして、郵政省はこう考えておるというふうな、意見に類するようなものは何ら提出しておらないのでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 いませっかく六月になって答申をやろうとしておるときに、会長が個人として聞かれたから出したといま言われますが、問題点をいろいろと研究しておるさなかに、意見ではないとおっしゃいますけれども、あれはよく読んでみれば、郵政省は大体こう考えておるということがわかるのです。だからそれをテキストにして向こうは勉強しておるということが新聞で報道せられておるのです。それにまた臨時放送関係法制調査会の一番重要な問題は、これから私が質問します受信料であろうかと思うのであります。その受信料については、まだ当分実施をしない、少なくとも大臣の答弁によれば、年内には実施をしないのに、六月には答申が出るというのに、一番大きな問題であるいま真剣に調査会が取り組んでおる受信料の問題について、ラジオ受信料はまだだいぶ間があるのに、全廃するとか、それからこういうような微に入り細にわたったものを——意見ではないとおっしゃるが、意見みたいなものを渡す。こういうことになれば、自主的な諮問機関である調査会は骨抜きになってしまうのじゃないか、こういう感じがするものでありますから、この受信料の問題についてはさらに伺うのです。あなたは、それは尋ねられたからと、こういうことでありますけれども、尋ねられたから問題点を指摘しただけではなく、あれには、大臣も読まれたように、非常に意見がたくさん入っておるので、私はちょっとお尋ねをしたわけです。  問題が非常に多いから、私は先に進みますが、郵政大臣はNHKから予算案を出された場合には、これを拒否する権限はありますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 これを拒否するということの規定は、法律にございません。

片島港日本社会党

○片島委員 それでは大臣は、NHKの予算案が出ましたときに、これは妥当でないと認めたときには、この予算案は妥当でないという意見を付して出される権限といいますか、理論的にはそういうことはできますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 この予算案を私のほうで検討いたしまして、これに対しての郵政省として意見書を付しまして国会の御審議のために提出する、こういうことでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 私が聞いておるのは、あなたのほうは、NHKから出してきたならば拒否する権限はない、それならば、これは妥当であると認めることもあろうし、妥当でないと認めることもあろうが、いままでは条件を付しておおむね妥当だ、こういう意見が出ておりますが、しかし、妥当でないと認めるときには、この予算案はこういう点が妥当でないという意見を付して出すことができますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 もちろんそれはできると存じます。

片島港日本社会党

○片島委員 妥当でないという意見を付して出すことはできる。いままでそういうことが一回でもありましたか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 今日まではそういう事実はないと承知しております。

片島港日本社会党

○片島委員 それでは表面上は拒否権はないけれども、提出するまでにいろいろな点で気に食わないところは削って、拒否して、そうして郵政省の意見として妥当であると認めるところに持ってきて出されておるのじゃありませんか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 いまのお話は、その予算案を一部分修正をして国会に出すかというお話ですが、そういうことはいたしませんので、予算は提案されたものそのままを国会に提出して、ただ郵政省としての意見書を付する、こういうわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 それではあなたのほうは、NHKから出されてきたものについて何も手を触れない。それは何も手を触れておりませんか、あなたのほうに説明をするだけですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 説明を受けまして、郵政省として検討を加える、そういうだけでありまして、それに修正をするということはできないたてまえになっております。

片島港日本社会党

○片島委員 修正をするかせぬかということを言っておるのじゃないのですよ。出されたものはそのままうのみにするのか。これは重大な問題なんです。そういうことになりますと、あなたのほうは素通り、トンネルということになるわけなんです。意見はつけるけれども、おおむね妥当であるということになれば、受信料などは国会が決定をしますけれども、NHK予算にしても、こちらでこれを取りかえる、修正するということは実際上できないのです。そうすると、受信料でもNHKがかってにきめられる、こういうことになりやしませんか。あなたのほうでは、こういう点はおかしいじゃないかとか、そういうようなことを事前にいろいろと折衝された上で出されるのじゃないか、そうでないと、NHKの予算について私は非常に不満に思いますのは、毎年国会提出がおそいのです。一般会計予算があのように早く出るのに、NHK予算は非常におそいのです。それはやはり郵政省なんかあたりで多少手間どっているのじゃないか、いろいろとNHKが気がねをしながら、あちらに探りを入れ、こちらに探りを入れながら、大体これならば間に合うということで出されるのではないか、こういうふうに考えるからお尋ねをしておるわけです。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 こちらが検討いたします場合には、もちろんNHKから説明を聞き、その場合にあるいはこちらの意見を担当者としてお話しするかもしれませんけれども、予算として提案されたものについては、こちらが手を加えるということはいたさないことになっております。

片島港日本社会党

○片島委員 問題が多いから先に進みますが、ラジオの受信料とテレビの聴視料というものは、その性格はどう違うものでありましょうか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいまの御質問の意味が、ちょっと私わかりかねるのでございますが、受信料と申しますのは……。

片島港日本社会党

○片島委員 ラジオの受信料とテレビの聴視料と、その料金の性格はどう違うものでありますか。

吉灘中郵政事務官(電波監理局放送部長)

○吉灘説明員 お答えいたします。法律的性格は全く同じであります。

片島港日本社会党

○片島委員 先ほどの問題に関連しますが、臨時放送関係法制調査会がいま一生懸命にやっておる途中に、ラジオ受信料の全廃問題などが出てまいりましたが、しかも閣議で申し合わせまでしておられるようでありますが、調査会がこれと異なるような、あるいはラジオもテレビも含んだ受信料といったような形で答申をせられた場合には、一体どうなりましょうか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 調査会の答申が出ますならば、私どもとしましては、できるだけその調査会の答申を尊重してまいりたいと存じます。

片島港日本社会党

○片島委員 ラジオについてはこう、テレビについては、すなわち甲についてはこう、甲というのはテレビ、ラジオを含んだものでありますが、その二つに分けて出るか、あるいは受信料というものの総体的に見た性格というものが打ち出されるかわかりませんが、おそらく受信料というものは総体的な性格を持って答申がされるのではないかと思うものですから、そうした場合には、いままであなたが考えておられる希望的なラジオ料金の全廃ということはお取り消しになる、こういうことでございますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 答申案がどういうふうな形になって出るかわかりませんけれども、私としましては、その答申を十分尊重しながら検討を加えてまいりたい、こう存じております。

片島港日本社会党

○片島委員 きのうの大柴委員、またこの前の予算委員会における森本委員に対する答弁では、ラジオ受信料、乙の受信料の廃止について、大臣は、今年はオリンピックを控えてNHKの経費がかさむということと、難視聴地域を解消するということなどもあるので、今年内には——これは微妙なところです。昨日も私は聞いておりましたが、今年度とは言わないで今年内は無理だと、こういうふうに言っておられます。これはまたあとで聞くといたしまして、オリンピックを控えてNHKの経費がかさむ、難視聴地域の解消に金がかかるからできない、こういう御答弁でございました。オリンピックは今年初めて日本でやることでありますが、そうすると、逆に言えば、オリンピックがなかったならば、オリンピックの経費がかさまないから可能だ、いまでも可能だ、こういうことですか。  それからこれはNHKにお尋ねしますが、難視聴地域の解消ということは、NHKの至上命題であろうと思います。何も今年に限って難視聴地域の解消をやらなければならぬということはございません。いままでも、来年からも、続けて難視聴地域の解消をやらなければならぬので、大臣がこういう理屈を中に入れたのは当たらないことであります。ラジオ受信料を全廃するということには当たらないことをあなたは言われたわけなんです。難視聴地域の解消というのは、何も今年ラジオ受信料を全廃しょうとしまいと、そういう問題とは関係なく、これはちゃんと法律に書いてあります。あまねく難視聴地域を解消せよと書いてあるのですから、こういうことは理屈にならぬのです。そうすると、オリンピックを控えてという一つだけです。私はオリンピックに関する経費の予算書をいただきましたが、オリンピックをやるためにほかの番組がそれだけやめますから、それにかかる金はオリンピックの放送費からまた引かなければならぬ。オリンピックは今年だけの問題でありますが、オリンピックがなかったならば全廃可能、こういうことですか。オリンピックにかかる金というものも少ないには少ないが、これを差し引きますと、それがなかったならば、難視聴地域の解消ということは、これは理屈にならない。したがって、オリンピックさえなければ、いまからでもできるということに裏を返せばなりますが、そういうことに考えてよろしゅうございますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 理論的に申し上げますと、ただいまのお話のとおりでございまして、難視聴地域の解消にしましても、まだ今後何年かかかるわけでございまするから、したがって、そのための経費がかかるから収入のもとを少なくするということはできないじゃないか、こういうお説であれば、まことにそのとおりだと私も思います。ただ、私の気持ちとしましては、ラジオ単独の受信者というものは年々減少してまいりまするし、まあ全体の収入からいえば比較的金額も少ないことであり、方向としてこれは全廃の方向に向かっていくことが非常に好ましいというふうに私は考えております。それだからといって、難視聴地域の解消について努力せぬでもいいという意味ではもちろんございませんが、その辺はNHKで努力をしていただいて、そういうような方向に向かって検討をしてもらいたいという希望を私は申し述べたのでありまして、その辺はオリンピックの問題にしましても、これは常識的な話をしたのでありまして、いまのような理詰めの話になってきますと、それはただいま御質問のとおりだと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 いろいろと理由を並べられて、昨日はまたほかの委員からの入れ知恵で社会保障的な意味も持っておるというようなことまで言われました。ところが、全廃をされる理由として述べられたのは、ごく軽い意味で、また常識的にさらっとした気持ちで答えたと言われておりますが、いままで報ぜられておるのは、難視聴地域の解消、オリンピックの実施、社会保障の意味も含む——NHKは社会保境はやっております。御存じでしょう。貧乏な者やいろいろの施設に対して、社会保障の見地から減免の措置を講じておるのです。これはいまのラジオ、乙の契約とは何の関係もありません。テレビにも社会保障的な減免措置はあります。社会保障は、社会保障として別に拡大をすべきであって、これは何も意味がない。難視聴地域解消も意味はない。オリンピックもたいした意味はない、今年だけのことです。ということになれば、そういう理屈を並べたのは、これは理屈にはなっておらぬのです。だから、それならばそれで、あっさりとラジオ、乙はなかなか取りにくいとか、あるいはだんだん減少しておって、NHKの財政にもたいして関係がないからとか、こういったような、もっともっともらしい、あなたのほんとうの腹を言われないと、いろいろと理由をくっつけられましても、私たちがその大臣の言われたことをよく考えてみると、あれもこれも理由にならないというようなことばかりであって、そういうことを国民の前に新聞、マスコミを通じて言われることが、国民に非常な誤解を与えておると思うから、実はこの問題について私は聞いたわけであります。  あとは午後に譲りまして、午前中の質問はこれで終わります。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 この際三十分間休憩いたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後一時四十九分開議

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。片島港君。

片島港日本社会党

○片島委員 きのうからの問題ですが、大臣はもともとずぶのしろうとじゃないし、また、表面は非常に口がうまいようですけれども、私が聞いていると、どうも口べたな、言い足らぬところがあるのじゃないか、こういうように感じるわけです。乙の契約の受信料の問題に関連してでありますが、もう昨日から論議が戦わされておりますから、私はそう深くは申し上げませんが、しかし、乙料金を廃止する、こういうことについて、一応そういうことを自分も希望し、期待し、また考えておる、しかし、甲料金については、いろいろな財政の問題もあるからそこまでは考えておらぬ、こういうお話であります。ところが、実際を言いますと、理論的にもまた実際的にも、甲契約をそのままにして乙契約だけ手をつけるということは、法律問題としてもできないのじゃないか。そうすれば、やはり現在の段階では、乙料金は今年内はできないが来年になったら考える、そうすれば、いまはとりあえず考えてはおらないけれども、しかし、実施をするという時期になれば、一方だけを実施して、乙料金だけを全免して、あとは、三百三十円の甲料金はそのままにしておいて、これからひとつ検討していこうというわけにはまいらぬと思う。というのは、きのうから論議がありましたように、三百三十円の中にはラジオ料金が入っておるわけなんであります。それは五十円までは入っておらぬけれども、その当時論議にありましたように、また小野専務が昨日答弁いたしましたように、約三十円くらいが入っておる、こういうわけなんであります。そうすると、やはりほんとうを言うならば、大臣が乙料金だけの全廃ということをおっしゃったことは、甲というものに対して全然考えぬわけじゃなかった。やはりちょっとことばが足りなかった。考えがそこまで及ばない点があった。その点は私は認めます。が、しかし、いよいよ実施をするという時期は、同時でなければどうしてもできない。そうだとすれば、それまでに、いま直ちにとは申しません。いま直ちに乙料金を廃止するわけじゃありませんから、乙を全免するならば、それを実施するまでに検討を進めて、同時に解決をすべきものである。理論的にもまた実際的にも解決をしなければいかぬ。どういう解決方法をするか、これは今後の検討の問題である。が、しかし、甲料金だけ残った場合には、これをどういうふうな理論づけをして国民に納得をしてもらうかということは、これは別問題であります。しかし、実施をする時期までには検討を終え、実施がいつになろうと、私は同時に解決をしなければならぬものだと思う。それを、大臣は、いや、甲料金のことは別だと、全然切り離したような印象を与えられるものですから、昨日のように論議が長引くのじゃないか。一月になるか、二月になるか、三月になるか、四月になるかという議論よりも、それもお尋ねしますが、それよりもまず先に、これは同時に解決をすべきものである、それについてはいろいろな検討を加えなければならぬ問題がある、こう私は思うのでありますが、その点はいかがでございましょう。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまのお話、まことにごもっともだと存じます。したがいまして、私の気持ちとしては昨日来申し上げたとおりでありますけれども、実際問題としては、これは相当に検討をしていかなければ実現はなかなかできないものだと思いまするので、さような検討の時期においては、料金を含めまして十分検討をしてもらいたい、また私どもも検討したい、かように考えております。

片島港日本社会党

○片島委員 まあ同時にという私の質問だと御賛成だと思うのです。そうとってよろしゅうございますね。——そうしますと、同時解決ということになりますと、ここにやはりどうしても期日という問題も出てまいりますが、この予算が通過をいたしました後においてでありますならば、そのときには予算額が減収になる。その場合にどうするかといえば、予見しがたき理由で留保せられておる予備費というものもありましょうし、あるいは計画を一部変更をして実施を繰り延べるというような方法もございましょう。ところが現在はこの予算を審議しておるわけであります。そうして、四月一日まで約二十数日間これから審議をするわけでありますから、そうしますと、大臣は非常にあいまいに言われて、一月とも二月とも三月ともまた四月ともわからないということですが、一月、二月、三月はいいでしょう。しかし年度内にやるのか、年度を過ぎてやるのかということは、これは重大だと私は思う。一月に実施するか、二月に実施するか、三月に実施するかは問題ではありません。これはどうせ同じことです。五十歩百歩です。しかし年度内に実施をするということになれば、いま予算の審議中でありますから、その期日が明確にならないと、年度を越えてやるのか、年度内にやるのか、もし年度内にやるということであれば、この予算は審議ができないわけであります。なぜかならば、いま予算を審議している中には、全免をしないというたてまえでつくっておられます。それを、大臣がかわられようと、かわられまいと、前大臣の意向を継いで、次の大臣がやるわけでありますから、そうすれば、年度内だということになれば、この予算はどうしても審議ができない、修正をしなければいけない、こういう非常に重大な問題です。それを、やるかやらぬかわからないのだけれども、どうも年度内にやられるというような感じなのであります。明年度ということになれば、これは明年度の予算でありますから問題はありませんが、年度内か年度を越えてか、年度内ということになればこの予算の審議に非常に大きな影響があると思うのであります。その点だけは明確にしておいていただかなければならぬ。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 まことにごもっともな御意見でありまして、三十九年度の予算というものは、私の意見書にも申し上げましたように、おおむね妥当である、こういうことでありますので、いま申し上げましたような料金の免除ということを考えるとすれば、事実上やはり四十年度に入らなければできない問題じゃないかと考えます。というのは、やはり一面においては法律の改正ということも要しますから、予算だけの面から措置するということもなかなかできないであろうと思いますので、早くて事実上は四十年度というふうに御了承いただきたいと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 わかりました。それで非常に明確になりました。年度内には実施されないということであれば、これから十分御検討を願いたい。三十九年度はやらない、四十年度の初めからということならば、私はこの予算で異存はございません。ただお尋ねしたいのは、四十年度からはFMが本格化される年であります。そして建設費は一そう大きくなります。FMの本格的な実施に伴う建設資金及びラジオの建設維持費というものは、そういうことになればすべて甲料金をもってこれからまかなっていくということにたてまえ上なると思いますが、そう受け取ってよろしゅうございますか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 もしかりに乙料金のほうが廃止になるとすれば、やはりNHKの収入の大部分の源泉は甲料金にたよるということになろうと存じますので、結果としてはいまお話しのとおりになるだろうと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 NHKにお尋ねします。第二次六カ年計画はラジオも含んだ計画でございますが、そういうことになりますと、当然四十年度、四十一年度における第二次六カ年計画は変更されるものと思いますけれども、どうでございましょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 ただいまの料金の基盤が狂ってまいりますと、計画の変更を要する場合も起きてこようかと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 NHKと民放の関係についてでありますが、NHKは受信料をもってまかない、また民放は広告収入で経営をするというたてまえになっております。NHKがラジオ受信料乙を廃止するということになれば、たてまえとして民放でラジオ放送に広告収入をつけるということ、これはちょっと御説明しなければならぬかと思いますが、同じような時間数、同じような施設、内容的には幾ぶん違うにしても、同じような番組を国民に提供しているわけであります。そういたしますと、NHKの分は広告料にはよらない受信料だが、それを廃止したということになれば、民放でも実はテレビに転向して、ラジオのほうの収入は非常に下がっております。しかし、NHKは同じような電波を同じような形で同じ時間流しながら、これは要らぬ。こっちのほうは広告収入で、幾らでもいままでと同じように広告収入を取ってもいいということに、たてまえからいって矛盾が出てきやしないかと思いますが、その点はいかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 確かに一方においてはNHKはラジオの料金を取らない、また一方において民間放送ではラジオに対してでもスポンサーをつけて料金を取るということになりますと、そこにやはり差異が出てくるのではないかという御者心見はごもっともだと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 それでありますから、やはり民放の広告による収入ということも、ラジオについてはあわせて検討しなければならぬのじゃないか、こう思いますが、いかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただNHKのほうは交信する立場から受信料をやめるといり問題になりまするし、一方民間放送のほうは、広告でありますから、受信料を払う払わないにかかわらず、広告の効果があるということであれば、それに対しての対価というものをもらってもそれは別に不合理なことはない、かように思います。

片島港日本社会党

○片島委員 たてまえとしては、ラジオもテレビも、受信料を徴収してのまかないとスポンサーによる料金によるまかないという二本立てのたてまえであります。一方は受信料を取らないよりになった場合に、一方のラジオのほうに——同じあなたのほうで免許されておるわけでありますが、その電波を放出して国民に提供するための料金でありますから、それは野放しでおいても何らそこには因果関係も何もないことだ、これは私は理論的にちょっとおかしいと思うのですが、いかがでしょう。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまの点は私も十分検討してみたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、ラジオの聴取者が非常に減ってくるということになりますと、その広告の効果というものも少なくなってくる。したがって、そのためにスポンサーの払うべき料金もむしろ減額すべきではないかということであれば、それは私ごもっともだと存じます。しかし、かりにラジオのほうの受信者はそう減らない、あるいはふえるというような場合を仮定いたしまして、そういう際にその聴取者がスポンサーの広告をあまねく聞くということになって広告の効果が大きいということであれば、それに対する対価を同様に取っても、別にこれは不合理ということはないのではあるまいかと考えます。

片島港日本社会党

○片島委員 それは御検討をお願いしておきます。  話がちょっとほかのことになりますが、新聞、ラジオ、テレビ、これは三者の合同所有を認めないという根本基準の場合に、FMとUHFのほうはいまのラジオ、テレビの中に一緒に含まれるものでありましょうか。別単位になるものでありましょうか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 この問題は今後の日本のFM並びにUHFをどういうふうにして普及させていくかという問題の基本に関する事柄でありまして、きわめて重大であると存じます。したがって、この問題については午前中にお話のございました臨時放送関係法制調査会において十分に検討していただいて、その答申を尊重して省としての方針を立ててまいりたい、かように考えております。

片島港日本社会党

○片島委員 関連してまいりますが、FMは、NHKでやっておりますものもラジオの受信料の中に含まれておるわけであります。その場合に、ラジオの単営、特にFMの単営というものは民放に免許を認めるのか認めないのかという問題が起きてこようかと思います。ラジオについてNHKでは免除するというような事態が間近に迫っておるということになれば、FMの民放に対する単営を認めるか認めぬかという重大な問題にも関係が出てこようかと思うのですが、その点はいかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 仰せのとおり非常にこの問題はむずかしい問題であり、かつ重大な問題であると存じます。現にFM免許の際には単営の事業に免許してほしいという申請も相当数ここに出ております。したがって、 この問題は、先ほど申し上げましたように、根本的な方針を立てまして、その方針に基づいて許可すべきかいなかということを決定していきたいと思いますので、今日の段階においては私はちょっと申し上げることはできないわけでございます。申し上げることができないというよりも、むしろ方針が立っていない、こう申し上げたほうがいいと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 いずれにしても来年の再免許を控えまして、答申も出てまいる。そうすれば、もういやがおうでもFMあるいはUの問題の結論を出さなければならぬのです。少なくとも今年内に結論を出さなければならぬ。いまの段階ではまだ何とも答えられないのじゃなくて、わからないのではないかと私は思います。しかし、非常に期日も間近に控えておりますから、このことの免除にも関係をし、関連して、ラジオの単営、特にFMの単営という問題で非常に熱心な申請があると思うのですが、それに非常に大きく影響してくる、そういうことも十分考慮をして、早急に御検討をお願いしたいと思います。  次に、難視聴区域解消の問題についてでありますが、NHKはあらゆる地域に電波を送り、りっぱな番組を提供するというのが使命です。これはNHKのほうにお尋ねしたらいいかと思うのですが、それがために共同受像施設に助成をされておるのであります。難視聴地域における共同受像施設に対する助成金が、受信機の台数にほとんど画一的にきめられております。   〔委員長退席、秋田委員長代理着席〕  標準は言うまでもなく二十契約以上、そして二十一のときには二十五万、五十九のときには六十万、こういったように画一的にきめられておるわけであります。まあ営業上からいうならば、受信料徴収というたてまえからそれがいいかと思いますが、ところによりましては、これは九州山脈の山奥でありますが、共同受像施設をつくりましたけれども、一戸当たりの負担が五万円以上になっております。それは非常に密集していない遠いところまでアンテナを引っぱりますから、自然材料代などが高くなります。ところが、そうでなく、わずか二、三十くらいの契約のところで基準によった助成がされ、しかしながら一方密集した百契約以上のところにもやはり同じような基準で助成がなされておりまして、あなたのほうからいただいた助成金で、表面はそうはなっておりませんが、実際上は十分まかなって少しばかり金の余った組合もあります。ところが、あなたのほうからいただいた上になおかつ四万何千円も一月で負担しなければならない、こういうような地域もございます。そうすると、NHKが助成金を出す場合に、営業的に考えた場合には、あなたのほうのいまの基準は正しいと思いますが、公共的な意味から考えた場合には、そういう負担が非常に重い山間僻地に対しては、その基準を変えて一契約当たりの助成額をふやす、そういうところに限って、検査に合格しておりながら、やはり都会地における映像よりも映像がうまくいっておらない。そうすれば、当然この助成金について、ただ契約数を基準とするのでなく、住民の契約者の負担、そのために実は二十契約以上という基準に合う地域でありながら、個々の負担金が高いために申請をようし切らないでおるところがたくさんあります。そういう意味からも、助成金の基準、非常に負担の高くなるところには特別に配慮をするということが必要であろうと思います。いかがでございますか。

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 お答え申し上げます。  まことに適切な御意見であると思います。私どももそのような方向で今後の問題を処理してまいりたいという心がまえを持っておりますが、現在それではどういう状態かと申しますと、御承知のように第二次チャンネルプランに基づく置局が中心でございまして、しかし、同時に全国の御要望をできるだけ満たしたいという考え方で、ただいま御指摘のような一応の標準を設けて今日に至っておるわけでございますが、今後の実情を見ますと、御指摘のようなところがかなりふえてまいっておると考えますので、私どもは、この御審議いただく明年度予算の実施に関しましても、この面ではできるだけ心を砕いて、全国的な御要望に応じ得るような体制をとりたいと考えておりますし、また第二次チャンネルプランに基づく置局の促進につれて、さらに一段とこの問題を具体的に処理していく努力を続けてまいりたいという精神でおります。

片島港日本社会党

○片島委員 昨日の軍事基地の問題に関係しますが、どうも大臣の御答弁が明確でないのであります。やはりNHKの責任でもなく、契約者、受信者の責任でもない。今度の場合は、相手が米軍であろうと、これは政府の責任である。政府がそのしりぬぐいはしていくのがたてまえである。こういう事態がますますふえていくということになれば、そういう事態をつくった責任がNHK及び受信者側に全然ないのに、非常に受像なり受信が困難になったというようなものがますますふえていくということになれば、そういう事態を招いた加害者、と言うと悪いのですが、責任体が責任を持ってそれを補っていく。これはすべてNHKが全部責任を持ってやっていくべきものではなくて、こういう事態をつくったそういう団体なり国なり、そういう人が責任を持っていくというのが——いまでもそうでありますけれども、今度の場合は金額もわずかだし、いろいろな事情もあったようでありますが、しかし、今後は、今年の予算にも含まれておるものをも含めて、全体としてこれが増大をするということになれば、NHKがこれを減免していくというのは筋道が通らないと思うのですが、大臣いかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 昨日も申し上げましたが、この問題は従来あまりなかった問題でありまして、新しい事態だと考えます。したがって、今後も私どもも十分に検討をしていきたい。受信料金がどういうものであるかという問題にもからみ、またこれが一つの損害を与えて、それに対する賠償だということに考えますと、法律論的にもなかなかむずかしくなるのじゃないか。無過失損害賠償責任問題というようなことにもなりますので、そういう点もあわせて考えなければならぬような問題になるかもしれませんし、十分これは慎重に検討すべき問題じゃないか。といいますのは、いままでそういう問題がほとんどなかった。新しい事態でありますから、またこれに対して新しい法律的な研究もしていかなければならない、かように考えております。

片島港日本社会党

○片島委員 そうじゃないのです、私が質問しておるのは。これから先増大していく難視聴地域、これはNHKの責任でもなく、受信者の責任でもないと思います。これをだれが払うかは別です。しかし、NHKがそれを全部これから先自分の受信料において減免措置をとっていくということは、NHKが財政的に豊かであるとか、貧困だとか、そういうことじゃありません。たとえ余裕がどんなにあっても、自分のほうの責任でないのに、NHKがそういう責任を全部あとで背負っていかなければならぬということが、今後のたてまえとして、いまのやつも含めて将来ふえるならば、NHKに責任を負わせることは不適当ではないか。不適当であるから、さらに今後検討していきたいとおっしゃるなら、それでいいのです。ただNHKがやはり責任を持たなければならぬのか。あるいは半分くらい持つのか持たぬのか、はっきりしないものですから……。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 そういう問題すべてを含めて今後十分に検討して、適正な結論の出るように努力したいと考えます。

片島港日本社会党

○片島委員 どうもはっきりしないのですが、しかし、私のそういうのも含めるということは、含んでいただいたわけでありますから……。それに引きかえて、山間僻地の難視聴地域、これは安宅委員も前から主張しておられます。やはり私と同じ山国出身でありますが、NHKでは全国地区にあまねく晋及さしていくということが至上命令であります。しかし、それを果たそうとしても、実はやらなければならぬという果たす意思があるけれども、果たすにも果たし得ないという条件下にある。そういう果たし得ない分については、NHKが当然責任を持っていかなければならぬものです。そういうところについては、私はNHK自体で考慮していくべき問題だと思うのですが、これも大臣からひとつ伺いたい。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 もちろんNHKの性格からいいまして、難視聴区域はすみやかに解消して、あまねく国民が放送を受信できるような方向に大いに努力をしてもらわなければならぬし、またその責任もあることは仰せのとおりでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 NHKにお尋ねしますが、難視聴地域の共同受像施設に対する助成については今後さらに検討する、こういう御答弁でございました。しかしながら、助成の基準といいますか、一つの組合が二十契約未満の地域、この中には山間僻地でわずか一世帯または数世帯というようなところで基準にも合わないので、非常に高い経費がかかっておる。私設アンテナを無理をしてつくっても、基準に合わないために助成が一銭もない。しかもそういう施設でありますから、検査にも合格していないものだから、受像は非常に不良である。また、助成基準内の集落でありましても、助成外の負担、先ほど私が申し上げました助成金以外に出さなければならないために、個人または共同で私的なアンテナを設置してやっておるが、それはまた受像がきわめて不良である。こういう恵まれないところの地域の人々に対しては、これはどうにもならぬのでありますから、助成基準内にある集落には特別の助成金を考慮される、こういうことであれば、これは近く解決しましょう。しかしそういう助成基準というものにはとうてい合わないで非常に困っておる。しかし、テレビは見たい、非常に悪い映像を受けておる、そういう恵まれない地域の人々に対しては、これはどうにもいたし方がないのであります。あなたのほうで高額な施設をつくってまでそれを助成して、りっぱなものにすることはできないのであります。またそれは非常に大きな金がかかったわりにどうにもならぬ。それほど望んでいない。それよりもむしろそういうところには、都会の平地の非常によく見えるところと同じような聴視料を徴収しないで、そういうところは、いなかで現金収入のない、貧しい人の多いところでありますから、そういうものに対しては特別な減免措置を講ずることが、基地周辺以上に必要であります。基地周辺は、NHKの責任でもなければ受信者の責任でもない。ところがこれはNHKの至上命令が果たし得られないところであります。そういうところに対しては特別の減免措置というものを講ずる。これは私は当然な考え方であると思うが、いかがでございますか。   〔秋田委員長代理退席、委員長着席〕

前田義徳日本放送協会副会長

○前田参考人 ただいま御説明のありましたような地域で、聴視者が非常に御苦心をなさりながら、経済的犠牲を払いながら、しかも画像がはっきりしない。理由のいかんを問わず、画像がはっきりしない。私どもが常識でよく見えるという受像機以外の実情のある世帯からは、聴視料はちょうだいいたさないというのが、もともとたてまえになっておりますので、御指摘のような場合には、おそらく聴視料はちょうだいしておらないのではないか、このように考えます。

片島港日本社会党

○片島委員 それは事実に多少違いがございます。見える、見えないということは、これはいろいろ理屈がございますから、一定の基準を設けて、この程度の基準に合致しておるならばそれは半分はちょうだいしよう、この程度までに不良になったならば、これは全免しよう、基準なしに、それくらい見えればいいじゃないか、まあしんぼうせよということでなく、また、そうかってにいいかげんに免除するというのじゃないのです。そういうところの基準を設けて、そう小さくはきめられませんから、ここは半額ぐらい、これ以下になったら全部免除、こういったものを制度的につくっていただきたい、こう思うわけです。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○田辺参考人 いまの御質問に対しまして的確なお答えに完全にはならないかと思いますが、現在、御承知のように、各受信地を全国的に調べまして評価をすることになっております。御承知と思いますが、五、四、三、二、一というような数で受信の状況の評価の基準をつくっております。そういうふうな状態におきまして、五の状態のいいほうから、一のほうが一番悪いわけでございますが、五は妨害がなくて非常にいい、完全な状態でございます。四は、ほとんどそれに近いものを四にしております。三と申しますのは、若干の妨害があることは受信者において気になるけれども、一応それはじゃまにはならない程度である。三というのは、一応方針的には受信料をいただく最低の基準としておりまして、その下の二は、妨害がひどくて非常に受信ががむずかしいもの、それからというのは、全く受信ができないもの、この二つは受信料の対象とは基準的には考えておりません。

片島港日本社会党

○片島委員 非常にむずかしいことではありましょうけれども、できるだけ聴視者の便宜をはかるために、その基準についても緩和をしてもらうということと、全然取らないものと取るものとの間にもう一つ中間ぐらいをつくって半額、こういったようなものも検討していただきたい、こう考えるわけであります。ぜひひとつ御考慮をお願いしたい。二カ月でありますから六百六十円、それがそのまん中にある連中は、上の六百六十円取られるか、ゼロになるか。しかし、山間、いなかへ行きましたら、六百六十円という金は大金でございますから、その中間ぐらいのところあたりは、半分ぐらいは免除するというようなことはできないことはないと思いますから、この点は御研究を願いたいと思いますが、いかがでありましょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 理論的に申しますと、先生のおっしゃることはきわめて合理的でございます。そのような受信の度合いに応じて料金単価を設けることは最も理想的な料金形態でございますけれども、何しろ電波のことでございまして、どこからどこまでがどういうふうになるか、こういう区分は明確でございません。その点では非常にむずかしい問題だろうとは思います。考究問題でありましょうけれども、現在ではおそらくいまの品位段階に応じまして、大体通常見えるというような状態以上のものについて受信料をいただく、残余のそれ以下のものにつきましては契約の対象にしないというのが、ただいまとっておる方針でございます。

片島港日本社会党

○片島委員 契約の対象にしないのをうんとたくさん置いていただくのならば、何も言いません。ですけれども、あなたのほうとしては、やはりできるだけよけいいただいたほうがいいわけでありますから、そういうことになれば、中間地帯というのが私のほうには一番多い。その基準品位は、あなたは技術屋でありませんからわかりませんけれども、専門家ならばその基準はわかります。そういうものを立ててもらって、そして——私は感心しておるのですが、各地の放送局は山の中までよく行っております。そういうところの苦情なりは、そういう地域はいつかは回りますから、わかります。そういう技術者が一つの基準をもってやるということになればできないことはございませんから、その点は私は御考慮を願いたい、こう言っているのです。できないと言って、やっぱり突っぱねるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 先ほど申し上げましたように、理論的にはお説まことに正確でございまして、それについては将来考究いたしてみたいと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 非常に前向きで御検討をお願いしたいと思います。ただ考えているだけで停滞しておったんでは困ります。  松井理事が見えましたので、お尋ねしますが、オリンピック関係予算で、この前松井理事は、組織委員会に支払う放送の五億六千八百万円は、NHKのオリンピック予算の六億五千三百万円とは何ら関係がない、こういうふうに、この前の逓信委員会で、私の質問に対して答弁されておるのであります。ところが、私が資料をいただきましたところが、この五億六千八百万円の中には、NHKの国内テレビ放送権料としての一億八千万円が入っておるようでありますが、これはどういう食い違いでございましょうか。

松井一郎日本放送協会理事

○松井参考人 お答えいたします。確かにいま片島先生のおっしゃったとおり、私どもの六億五千三百万円の中には、約一億八千万円のNHK受信の一応日本国内に対する分担金というものが含まれております。したがって、その限度においてこの一億八千万円というものは五億六千八百万円の内訳になるということでございまして、ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。私がこの前の委員会で御返事申し上げたのは、非常に簡単なことで説明が不十分で御迷惑をかけたと思います。したがって、この際おわび申し上げるとともに、私どもの数字の説明を、いまの私の説明で御了解願いたいと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 その点は了解いたしました。  それでは資金計画についてお尋ねいたします。  本年度当初の既契約数が千五百三十四万、年度内増加が百二十万、合計千六百六十四万となっておりますが、この増百三十万というのは、あなたのほうの全体予算の中で、百三十万の半分の六十五万が三百三十円の対象になっておる。それでなければおかしいと思いますが、間違いありませんか。契約は四月一日からでなく、一年じゅう続いて増減が続くわけでありますから、六十五万未契約分が増額になると承知していいのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そのとおりでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 そうしますと、収納関係ですが、あなたのほうの資金計画によりますと、今年度の収納予算額は六百二十八億二千百八十一万二千円。しかし年内に収納に至らない分があるので、差し引き六百二十一億九千三百五十九万四千円だということでありますが、これは間違いありませんか。そうすれば差し引き六億二千八百二十一万八千円は年度内には収納できない、こういうことだと思うのですが、いかがでしょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そのとおりでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 そういう収納に至らないという意味はいかがなものでありますか。あきらめてもう取れないということでございますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 在来受信料の収納につきましては、なかなかいろいろな事情で所定の時期に支払ってもらえないものがありますが、これはいろいろ回収に努力をいたしております。ただいま出ております未収の関係につきましては、一応予算といたしましては、在来いろいろ回収につとめてまいったわけでございますが、いろいろな情勢から見て収納は困難であろうと、一応予定をいたしております。ただしこれは権利を放棄するものではございません。収納の努力はいたしますが、おおよそ資金計画のもとになります確実な収入の面から見ますと、これだけは努力しても、在来の経過から見て収納がなかなかむずかしいではないか、こう見られるものを、一応予算上は入らないものと予定をいたしております。

片島港日本社会党

○片島委員 聴視料というのは年度の初めに一括して取るものではなく、割引をして十二カ月取るもの、六カ月取るもの、あとは二カ月分ずつになっております。そうすると、どうしても徴収する場合には、こうずれながら、今度行ったときに取れなかったが、次に行ったときに取れる、こういう形で、会計年度をあなたのほうがつくられておるにかかわらず、会計年度とは関係なく、ずっと続けて徴収をしていかれるわけであります。そういたしますと、この収納に至らないものというのは、収納をあきらめて、年度内に入らない、来年度もこれを取る見込みはない、もう放棄した部分である、もうどうしても取れないものが六億数千万円だ、こういうことでよろしゅうございますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 そのようなことではございません。一応予算上の面におきましては、確実な財源としては回収の面で成算が持てない、ただし権利としては保留いたしておりますので、回収の努力はいたします。

片島港日本社会党

○片島委員 私の言っておるのと少し違うのです。月々に収納をしていかれれば、当然今年度の収納にならないで、三月三十一日までの収入には入らないが、しかしそれは翌年に繰り越していくという分が相当あると思うのです。あなたのように、権利は保留しておる、努力はしようというのでなく、努力をしなくても、当然繰り延べ繰り延べされてあとになって入ってくるやつがあるわけなんです。その分のほうが大きいのじゃないか。年度内の収納に至らないというのは、なかなか取れないが、今後権利を保留して取り立てばやりたいというものよりも、年度内の聴視料であるが、しかし収納は現実には年度を越しての収納になるというのが相当多いと思うのです。それはどうですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 お説のとおりそのようなものは多うございます。これは回収可能でございます。三十九年度の収入の中には、三十八年度中に収納すべかりしもので三十九年度に回るものも予定をいたしてございます。

片島港日本社会党

○片島委員 それでは私たちに配られた資金計画というのは間違っていますね。受信料の収入については、受信契約甲において年度初頭千五百三十四万、年度内の増加契約者数百三十万、これは六十五万人分でありますが、これによる受信料収入六百二十八億何がしから年度内に収納に至らないものを控除した受信料収納額六百二十一億となっておりますが、昨年度の収納に至らないで今年度に収納に入る何億円というのは、これには落ちておりますね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 それは落ちてはおりません。

片島港日本社会党

○片島委員 年度内の収納に至らないものを六億三千万円控除しておるならば、昨年収納に至らなかった分で今年収納に至った何億円をこれに加算しなければならぬじゃないですか。これは一つも書いてないじゃないですか。それを書くならば、翌年に繰り越す分は控除しておいて、前年度から取り残しておいて入ってくる分は隠しておくなんて、そういう資金計画がありますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 表現の不正確な点はあるだろうと思います。しかしその収入は放棄をいたしておりません。

片島港日本社会党

○片島委員 いや私は先ほど聞いたのですよ。先ほど聞いたのは、六百二十八億から収納に至らない分があるから六百二十一億だ、こう言うから、それでは収納に至らない分は六億二千八百万円でございますね、そのとおりだ、この内容はどうかと言えば、あなたがいろいろ言うから、これは今年度の収納に至らないが、来年度の収納に至る分が相当ございましょうかと聞いたら、それはあります。あるならばこの計算に合わぬじゃないですか。それにプラス昨年度の収納に至らず今年度の収納に至る分を加えて、こうならなければ——私の先ほど言った六億三千万円というのは、あなたは収納に至らない分がこれだけなのだという答弁をしたじゃないですか。それなら、昨年度の収納に至らず今年度収納に至る何億円かは、どこに隠しておるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 別段隠しておるわけではございません。ただ、この表現のように、年度初頭契約者と、年度内に入るもの、いわゆる年度内に権利が発生してそれで収納するものとは書いてはございませんが、これからあがりますものには前年度に未収になっているものもあります。これの収納可能なものがその表現の中で収入の中に算定されるようなつもりで表現をしておるわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 表現の問題を言っておるのじゃないですよ。それじゃもう一回取り消しになりますか。ここに書いてあるとおり——読んでください、資金計画の本年度の入金額というのを。六百二十八億のうちから今年度収入に至らないものを控除した受信料が六百二十一億だ、じゃ、収納に至らないものは六億三千万円だ、そのとおりだ、そういう収納に至らないものは権利を放棄するのかと言ったら、放棄しないでこれは来年度に入ってくるのだ、四十年度の予算の中に当然含まれてくるのだ。それならば収納に至らないものを控除し、かつまた前年度収納に至らず、今年度の収納にあがってくる何億円があるからということになれば、六百二十一億円が違ってくるじゃありませんか。六百二十一億円じゃないですよ。それを入れるならば六百二十五億か六億になるでしょう。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 数字の上では先生のおっしゃるとおりでございまして、六百二十八億の受信料に対しまして、将来収納に至らないと思われる欠損金の対象といたしまして一%を予定をいたします。それを控除いたしましたもの、資金計画の上で残りの九九%につきましては、本年度中に、この予算年度中に確実に収納したいという努力目標で、資金計画をつくってございます。一%につきましては別途支出予算のほうへ償却金として入ってございます。これは将来三十九年度の予算からどうしても取れない分を予定いたしましたものでございます。したがいまして、先生のおっしゃいますように、三月末にこの一%のほかに若干ずれがあるかと思いますが、資金計画上は一応年度内に九九%は全部収納したいという形で予算を組んでございますので、その分につきましては資金計画上はあらわれてまいらないようになっております。

片島港日本社会党

○片島委員 昨年度末までの正式に契約した者の中で聴視料が年度末までに取れなくて、そうして三十七年度でよろしゅうございますけれども、三十七年度なら三十七年度末までに契約をしておって、三月三十一日までの現金収入にならないで三十八年度に収納になった分、これは幾らございますか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 お答え申し上げます。  三十八年三月三十一日、すなわち三十七年度末の受信料の未収金は六億四千六百万ございました。そのうちで、昨年度、ただいま申し上げましたような形で、将来徴収不能というふうに予定をいたしましたものが三億二千三百万用意いたしてございまして、したがいまして、いま三十八年度経過中でございますが、この差額約三億二千万につきましては、年度初頭の月のずれといたしまして、前年度中に取り切れなかった分を努力をいたしておるわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 努力をするかせぬかというようなことじゃないのです、私が言っておるのは。毎年度、毎月毎月集金に回っておるのですから、そして二カ月分ずつ取っておるのですから——不在のときもありましょうし、なかなか年度内に集金がいかぬ。一年間、会計年度に関係なく毎月毎月集金されておるはずなんです。そうすれば、必ずや相当の金額が、年度内の契約にかかわらず、次の年度にずれて収納されるのは当然なことである。しかもそれはどの月を区切ってみてもあまり変わらないくらいあるのがほんとうなんです。しかし、そういうわけにいかないで、何かあなたのほうでは技術的にうまくやって、月割りでないように三月三十一日までに大体取り立てるような方法をしておられるにしたところで、なおかつ六億三千万円というものが四十年度にずれていくんだと、こう言うから、それならば、今年度の契約の中で三十九年度のこの中に入ってくる金額はどれくらいか見込まなければならない。三十九年度の予算において四十年度に繰り越す見込みが立っておるのに、三十八年度の未収分が三十九年度初頭に繰り込んでくる見通しが立たないはずはないじゃないですか。まだ先のことは見通しがついておるが、いままでのことは見込みがつかないということはないじゃないですか。それならば、ここに三十九年度の収入に入ってくるべきもの、未収であったものが幾ら幾ら、これが明確にならなければならない。三十八年度の未収分で、三十九年度の資金計画としてあなたたちが使うことのできる予算の中に何億円ありますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○小野参考人 説明がいささかまずかったようであります。訂正をいたしますと同時に、あらためて申し上げますと、資金計画上の収入の面におきましては、そのような不安定なものは入っておりません、これは資金計画の正確を期します上から。しかし三十九年度予算の受信料総収入六百四十億の中には、前年度から持ち越しで三十九年度に回収されるであろう、こういう収入も入っておるわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 あなたは郵政省の簡易保険局長をやられておったことがあると思うのですが、保険料の徴収をやる場合でも、非常に長く払わないときには解約になりますけれども、何カ月間かの猶予期間があります。そうすれば、よう払わない者が次々、次々とずっていくでありましょう。それは保険料の収入としてあなただちは打ち切って、簡易保険の積み立て金の資金計画を立てますか。当然この年度末までに入ってくるべき保険料が延滞して、二カ月なり三カ月なり後に入ってくる分というものは、年度内のあなたのほうの保険料としての収入には入らないが、それは翌年度の分の保険料に入れて資金計画を立てるでありましょう。同じことです。簡易保険の保険料を集めるのと受信料を集金するのは同じ性格なんです。それが、この三十九年度の資金計画の中にはそういう不安定なものはとは何ですか。あなたたちはあきらめて年度ごとに打ち切るのですか。保険料でも何でも年度末に払わなければもう解約だというふうにあきらめますか。そうじゃなくて、やはりずっと続けて取っていくじゃありませんか。それと同じならば不安定じゃないです。これは当然留守があったり、金繰りが都合が悪いからまたにしてくれというのもあったり、それからちょうどそのときにわざわざ集金人が行くのがめんどうだから、まあこの次のときに隣のやつと一緒にしようとか、いろいろなやつがあるから、確定収入があるわけなんです。確定収入でなければいかぬ。未確定収入というのは、非常に根性の悪い、意地の悪いやつで、絶対に払わない、解約をする対象となるべきものであって、解約対象なんです。契約をしておるものは不安定収入じゃありませんよ。それならば、これに、今年度は収入に至らないやつがある。それはしかし私のさきのなにでは、来年度は取れるのだ、こういう御答弁でした。それなら、この資金計画の中に、昨年度から引き続き収納をやっておったけれども入らない分が何億円だ、これが明確にこれに記載されておらなければなりません。記載されると、六百二十一億というのは計算が狂ってきます。二重、三重の書類をつくっておって、私たちに与えたのでは説明ができぬ、あなたのほうの持っておるのでは説明ができる、こういうことでは、私はちょっとこの予算を審議するのには都合が悪いと思うのですが、いかがですか。私は入金のことを言っているのですよ。予算を言っているのじゃないのです。予算をどうこう言うのではなく、資金計画の中にこれだけの分が入ってくるというものがなければならぬと思う。その金額がどれくらいか。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 説明がたいへんまずくておわかりにくかったと思いますが、いろいろな送金その他の事故で三月末一ぱいに収納に至らないものにつきましては、決算時におきまして未収金というものに計上いたします。四月に持ち越しまして、あくまで取る努力をいたすものでございます。先ほど申し述べました一%控除をいたしました将来収納に至らないものと申しますのは、努力をいたしましても、転居とか、あるいは死亡とか、行くえ不明とか等によりまして永久に取れないと思われるものをこの予算の中に予定をいたしまして、一応支出の形で控除をしておかないと、受信料収入につきまして将来欠損が起きるという問題が起きてまいりますので、それを一%といたしたものでございます。資金計画と九九%——一%控除いたしました九九%の関係につきましては、ただいま申し述べましたように、三月末までに入りません場合には、未収金を立てまして、前年度分の回収を四月一日以降にも努力をいたすわけでございますが、一応予算といたしましては、資金計画を立てます場合には、三月末までに九九%につきましては全力をあげて全部取るようにしたいという形で予算を組んでございまして、将来徴収不能の対象となるものと思われる一%についてだけ控除をいたしまして、金額を計上いたしておるものでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 私は予算のことを聞いておるのではないのです。入金額ということを聞いておるのです。あなたのほうの入金額を——ここを読んでくださいよ。六百二十八億から、この間に書いてある収納に至らないものということが中に書いてあるから、差し引いたら六億三千万円というものが出てきた。これは転居したり死んだりしてどうしても取れないものか。あきらめたものか。そうではなくて、入金は継続的にくるものであるから、当然何ぼ努力しても翌年回しになるものがあるので、その翌年回しになるものがこの六億三千万円かと、こう私は聞いたのです。そうしたら、小野さんは、そのとおり、本年は取れないやつがこうだ、それに来年取れるやつがある。それならば、資金計画ですから、入金の場合に削るやつがあるならば、入ってくるやつもこの入金のところに入れておかなければ数字が合わぬじゃないかということを私は言っているんですよ。

志賀正信日本放送協会主計部長

○志賀参考人 六億二千八百万円の欠損金の対象にしました一%につきましては、いろいろの努力をいたしましても、これだけは、過去の傾向値から、死亡その他によって全く取れないだろうというふうに見越しまして、一%計上したものでございます。これにつきましては、将来とも取れる見込みはまずございません。

片島港日本社会党

○片島委員 それじゃ小野さんのさきの答弁は、それは違っておるんですよ。これは取れないやつなんです。取れないやつなんでしょう、いまの主計部長のお話では。それならば話はわかる。それなら初めから、この分は取れないというふうに言えばいいんです。時間がかかるばかりです。  私は、郵政大臣にお尋ねする前に、一言お尋ねしておきたいのでありますが、ラジオやテレビの制作に当たります者は、協会の中で普通の事務をとっておられる者と違って、製作に当たっておる者は、ほかの職業部門と違って特に神経も使い、また特殊な創造力といいますか、そういうものも必要であろうと思うのであります。しかも放送事業というのは人が相手で、人と人との関係のよしあしということが番組にも非常に影響してくると思うので、そういう場合には、そういう部門には十分な時間的な余裕を与え、休養も与え、創造力を涵養するためにも、勤務時間あるいは拘束時間というものを短縮すべきではないか。ところが、私が外から見ておりますと、かえって製作に当たる者のほうが時間的な余裕がなくて非常に忙し過ぎる、こういうような面が見られるわけであります。私は一般のいわゆる職業部門というものと、そういう特殊な部門、創造力も必要とし、神経も特別ななにを使うというような者については、勤務時間や労働条件などについては、拘束時間を短縮するとか、勤務時間を短くするとか、あるいは特別な給与を与えるとかというような特別な配慮が払われてしかるべきだと思うのですが、そういう配慮は行なわれておらないようでありますが、いかがでありますか。

栃沢助造日本放送協会専務理事

○栃沢参考人 最近の協会の仕事の量が非常にふえてまいりまして、業務量と定員の面においてある程度のアンバランスが出ている面もございますが、しかし、協会の勤務時間というものは、拘束四十三時間、実働三十八時間でございまして、協会の仕事が、いまおっしゃいましたように、非常に精神的な面があり、創造的な面がございますので、相当そういう点を配慮して時間をこのようにきめておるわけでございますが、何分にも協会の仕事の性質から、現場の部門におきましては三交代制をしいておりまして、普通の勤務時間、それから午後から出てくる勤務時間、それから深夜からやる仕事というふうに三交代制をとっております関係から、いろいろな環境の整備というようなことにつきましては、逐年相当改善を加えていっております。いまだ十分とは申しかねますけれども、ただいまおっしゃいましたような線で、職員の仕事をしいいような環境、それから時間の面においても施設の面においても、両面ともそのように考えておる次第であります。

片島港日本社会党

○片島委員 非常に膨張していくので、事業の面において無理な点もあるかと思うのでありますけれども、私は、そういう現業部門といいますかについては、特別な労働条件、特に十分な休養を与える、非常に忙しいところに神経ばかりとがらしておってはなかばかうまいものができぬ、こういうようなことを私は感じましたので、特別にそういう部面については御配慮をお願いいたしたいと思います。  それから、オリンピック放送に関して、宮川さんは——ここに大臣もおられますが、一月十八日の閣議において佐藤科学技術庁長官がオリンピックの桐星通信を利用することについて発言がなされ、それが閣議でいろいろ話し伺いがあったということは大臣から聞いておられませんでしたか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 聞いております。

片島港日本社会党

○片島委員 それならば、私がこの前オリンピック通信に関してあなたに質問をしましたのに、あなたの答弁はきわめて——私は「それからまたシンコム三号も近く打ち上げられるといっておりますけれども、これもどういう軌道に乗るかはまだ全然わかっておらぬ。」こういうようなこともつけ加えて、リレー、テルスターなどの利用について質問をしたのに、あなたは「衛星によりましてテレビ画像をアメリカに送る場合におきましては、確かに御指摘のような通信時間が非常に短いということ」「それとその通信の可能な時刻が確かに御指摘のようにございます。そういうような点を勘案いたしまして、現在のところでは、オリンピックのときに相当長い期間に、ちょうどこちらで一番いいテレビ信号をアメリカに送るということはちょっとむずかしいのではないか」こういうような御答弁でありました。私はこれは二月の十九日にお尋ねをしたわけであります。そうすると、さらにまた二十五日に中井徳次郎君は、これは私よりもちょっと研究が足らない質問でありましたが、テルスターが何時間使えるのか、また新しい衛星が出てくることも考えられるがどうか、こういう質問をしておられます。そうすると、実は現在のところ軌道を描いておる衛星を使えば一回三十分ないし四十分、しかし三時間で世界を一周回るから、場合によっては二十分のこともあれば、十分になり、五分になり一分になり、ゼロのときもある、こういう御答弁でございました。しかしテルスター二号はオリンピックの時期には最悪の状態にあるということはもうわかっておるのです。非常に状態が悪い。だから四月九日から十五日までの世界ラジオ・テレビ学校放送会議を一番状態のいい四月、五月、これに中継放送で送ろうということはきまっておるじゃないですか。これは前からきまっておる。状態が悪いのです。リレーについても状態は悪いのです。一月三十一日でありましたか、KDDの宮宇宙通信研究部長が講演をいたしましたときにも、テルスターもリレーもオリンピック時には非常に状態が悪い、こう言っておる。それに中井君の質問のときには、何だかあの答弁を見てみますと、何か一回に三十分か四十分間は見られるようなことを言っておる。現在の衛星で見られないことはわかっておるのです。そこで、それよりも前に、私が質問する前の日に、閣議において、シンコム三号を利用しようじゃないか、しかもシンコム三号は静止衛星でありますから、現在の太平洋にあるシンコム二号と違って、スマトラ上空あたりの太平洋の上空に来る。であるから、静止衛星はいつでも使えるわけでありますから、ひとつそういうときに検討してみたらどうか。そうしたならば、ここでそうだ、それでは郵政省、NHK、外務省でそれぞれ検討して、早急に対策を講ずることになった。あなたは何もそういうことは言っておられない。シンコム三号が四月から六月の間に打ち上げられるであろうということはもう前から私たち聞いております。どこに打ち上げられるかわかりませんでしたが、スマトラ付近に打ち上げられるということになれば、これは利用できる可能性が非常に多いわけであります。そうするならば、非常に日進月歩と動いておる問題でありますから、結論は言えないにしても、私たちが質問をするときには、正確なことを、現在はこうなっておる、それからまた新しいリレー衛星の打ち上げも要請しておる、シンコム三号のことについてはなるほど閣議でこういうことで早急に対策を講ずることになった、これに解説をしてあるところによると、その費用をこちらが分担をし、またさらに、こちらのほうでシンコムそのものはそういう装置を持たないから、それに装置をつける、それによって金がかかるのは負担をする、日本のほうでもそれに合うようなことをやれば、六カ月間で鹿島のやつを改装すれば間に合うからオリンピックには間に合うであろうというようなことまで、私はこれは知っておることで、あなたに聞かぬでもよかった。それをあなたは何かわかりませんというようなことを答弁なさるが、も一う少し現在はどういうふうになっておるのか、これも御存じでありましょうし、そのほかにもありましょう。ちぐはぐなことを言わないで、現段階においてはどういう構想でオリンピック放送をやるのだと考えておるのか、この点を明確にしておいてください。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいま私の説明が悪かったので、疑念をお持ちになったようで、相すまぬと思っております。  私決して中途はんぱなことを申し上げたり何かするつもりは一つもございませんで、現在上がっておりますリレーの一Bとテルスター二号、このものが十月に使えないということは確かでございまして、ただ使えないという意味は、五分間くらい若干両方から見える時間が十月ごろにあるかもしれないということは、計算によれば出てはおりますけれども、私はそれは使えないというふうに判断して、使えないと申し上げたわけであります。そういう意味で、その二つの現在上がっております星は使えない。それから閣議の席上におきましていろいろ話が出たということの詳しい内容は、私閣議に出ておりませんでしたので、どういうお話があったかわかりませんでございますが、アメリカでこのくらいの金があればどうするというような話とかいいますものが、いま片島先生シンコム三号というふうにおっしゃっておりましたが、われわれシンコム三号であるのか、それともほかの星であるのか、実はその点疑問に思っておりまして、どの星についてそういうことを発言されたのかも、その当時非常に疑問に思っておりまして、現在でもまだわかっておらないわけであります。したがいまして、シンコム三号について確実にこれが使えるということを申し上げかねたものですから、申し上げなかったわけであります。

片島港日本社会党

○片島委員 それは確実にこれが利用できるかできぬかはだれもわかりません。それは新リレーができましても、どういう軌道を通るかわかりません。しかし私が言うのは、いまの状態でリレー、テルスターは使えない。それならば中井君が質問したときにも、あなたは御存じないかもしれませんが、いまリレー、テルスターは回っておるが、これは使えませんぞ——あなたは長い答弁をして、三十分か四十分か、五分になることもあればゼロになることもある——そんなことは要りませんよ、使えないなら。もし使える衛星が新たに打ち上げられたとしたならば、移動衛星である場合にはこういうことになるのだ、こういう注釈がついておらぬのです。  それからシンコムのことは、打ち上げられるか打ち上げられぬか知りません。これは大臣にお尋ねします。十八出の閣議で佐藤科学技術庁長官は、米国では四月にシンコム三号の打ち上げ計画があるが、これを利用して東京オリンピックの国際向けテレビ放送を考慮すべきであると提案をし、郵政省、NHK、外務省でそれぞれ検討した上、早急に対策を講ずることになったと新聞は報じておりますが、間違いありませんか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 閣議の日にちは私記憶がはっきりいたしませんが、今日まで二、三回、オリンピックの情景を世界各国に宇宙通信衛星を通じて送りたいものである、こういうような意見が出ました。今日の段階におきましては、先ほど電波監理局長から御説明いたしましたように、現在上がっておりますリレー一Bあるいはテルスター二号、これらは、十月ころになりますときわめて不適当な位置になりまするので、これを利用することは困難であるということは御承知のとおりでございます。そこで、話が前後いたすか知りませんが、わがほうとしては、何とかこれに対してアメリカ側の積極的な助力を得たい、こういう考えから、たまたま一月二十七、八日行なわれました日米貿易経済合同委員会の際に、外務大臣を通じましてその意向をアメリカ側に申し入れた次第でございます。それから従来郵政省はアメリカの航空宇宙局NASAと常に連絡をとっておりまするので、NASAに対しましてさらにこの旨を郵政省として要請をいたしたのでございまするが、最近になりましてNASAから、簡単な手紙でありますが、私のところにまいりまして、その手紙の内容をかいつまんで申しますと、まず第一には、NASAの実験計画の現在の予算においてはこれは困難であるという結論になったということが一点。それから第二点としましては、アメリカにおける関連した機関がこの問題の資金の調達ということについて積極的にいま協議を進めておる。それから第三段としましては、この資金の調達が可能であればNASAとしては十分に技術的な支援をいたすつもりである。こういうはなはだ簡単でございますけれども、さような要旨の手紙がまいりました。そこで私はこれに追っかけまして、ぜひこの実現を見るように重ねて御尽力を願いたいということをとりあえず打っておきました。そうして、要するにNASAの現在の予算内ではできないということははっきりしたのでありますが、しからば関係するアメリカの機関において資金の調達を協議中であるということについては、その内容をもう少し詳細に知りたいと思いまして、これに対しては、われわれのほうもいろいろ手を尽くしていま調査をしておるという段階でございます。

片島港日本社会党

○片島委員 それはリレーですか、シンコム三号ですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 これはリレーともテレスターとも、あるいはシンコムともこちらから注文はつけておりません。向こうから適当なる衛星を上げてもらいたい、こういうことでいっております。

片島港日本社会党

○片島委員 十八日に間違いありませんが、その閣議においてシンコム三号を利用するということを、私が先ほど読み上げたようなことが確認できますか。シンコム三号を、佐藤オリンピック担当相は十八日の閣議で、米国で四月から打ち上げる計画があるが、これを利用して東京オリンピックの国際向けテレビの放送を考慮すべきであるという提案をしました。そして郵政省とNHKと外務省でそれぞれ検討した上、早急に対策を講ずることになった、こうなっておりますが、これはいかがですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 これはシンコムの三号衛星を四月から六月の間に太平洋上に打ち上げる予定があるであろうという一つの情報でありまして、確実なる向こうからの通知ではございません。そこで、そういう情報も聞いておるから、もしそれが東京オリンピックの場合に利用することができればまことにしあわせである。したがって、これに対してNASA等についてはどういう考えか、ぜひ協力してほしいという意味の要請をこちらからしたわけであります。

片島港日本社会党

○片島委員 それは大臣、シンコム三号が四月か六月ころに打ち上げられる情報があるが、かりに六月としましょう。それからでは、これはあなたのほうがいかにいろいろと仕事を進めていかれても、鹿島町につくっているリレー衛星用の基地に、シンコム用の送受信装置を付設するという方法をとれば、六ヵ月間はその完成にかかるというのですから、そういう情報だけで閣議でこれの話が出て早急に検討すると言っておるのです。四月になってでも、六カ月ならば、すぐかかっても技術的に送受信装置を設置するということになれば十月になります。何かそういうふうな話がある——私たちはもうその情報は、閣議で聞かぬでも前から知っております。そうすればその対策をするのには、もういまから始めないとオリンピックに間に合わないのです。それがこの新聞によると打ち上げなんかできるような、六カ月あれば間に合う見込みであるといって新聞が報じているくらいなんです。ですから、その情報とは何ですか、それは全然根も葉もないものですか、それともどこからの情報か、そしてそれについては対策を検討することとなったとしておりますが、いま郵政省としてはどういう対策を検討しておられますか。またNHKも検討することになったとしておりますが、NHKはどういう対策を検討しておりますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 シンコム三号が四月ないし六月ごろに上がるということは、われわれも聞いております。それで確かにその情報が詳しくわかりまして、一体星の内容がどんなものであるか、もしそれを使えるとした場合において、われわれのほうがどういう送受信機を用意したらいいのかということを、われわれが情報をとって確認いたしませんと、準備の進めようがないわけでございます。それでアメリカに対しましては、その情報を教えてもらうように、また、そのシンコムが使えるかどうか、一体使わしてもらえるものかどうかということも聞いておるわけでございますけれども、現在までのところアメリカ側からは、こういうようなものである、また使える見込みがあるからというような返事は来ておらないわけでございます。しかし、そうかといいまして、われわれといたしまして、決してただじんぜんと日を送っておるわけではございませんで、あらゆる技術的なチャンネルを通じましてシンコム三号というものは大体こういうようなものだろうというようなことは、情報をいろいろ集めたいと思っておりますし、また現在電波研究所長ほか一名が地上局委員会のほうにも出ておりますので、それを通じましたならば、その席上におきましてシンコム三号の技術的な条件というようなものも聞き出せるかと思いまして、それを上田所長にも私からぜひいろいろアメリカ側と折衝して聞いてくれということも申してございます。しかし、いまのところ、アメリカ側からシンコム三号を使わしてやるとか、あるいはこれはこういうようなものだから準備したらどうかというようなことはまいっておりません。

片島港日本社会党

○片島委員 ローマの地上局委員会には、議題には載っておりません。それを議題外でお話をされるならば別でありますが、議題にはそういうものは載っておりません。ですから、あなたは担当者として常に現在の実情、それからこれから先進めていく方針というものを正確にキャッチをし、前向きに推し進めていって、国会においては正確な答弁をしていただきたいということを希望いたしておきます。  最後に、NHKが画期的な番組の編成がえをこの四月六日から実施をするということに相呼応して、民放でもいろいろと検討を進めております。そこで私は一つだけお尋ねをしておきたいのでありますが、いままで免許をされる場合の基準がありまして、一般総合局の場合には教育、教養三〇%、準教育局は教育二〇、教養三〇、教育専門局は教育五〇、教養三〇、こういうふうな基準を設けておられまして、これが免許の一つの条件、こういう条件をつけられることが、法的にあの法律では四十四条の四項でははたして根拠になるかどうかわからぬが、とにかくこういう基準をつくっておられるわけであります。そうしてその番組がいま社会的な問題となっておるわけであります。非行少年を生むとか、あるいはその温床になるとか、いろいろと腐心をせられております。これは大臣にもお尋ねをしておきますが、今度の大臣の諮問機関である懇談会というものはどういう性格を持っておるものか、これは大臣からあとでお聞きするとして、こういう基準をつくっておいたならば、この基準に合っておるかどうかを、免許後においてどのような方法で調査をしておるか、また、その結果をまとめてみたことがあるのか。非常にむずかしいことではありますが、こうやらなければいけないぞという基準を設けておるだけでは、やっておるかやっておらぬかわからぬ。私がこういうことを言いますのは、たとえば六チャンネルの「ベン・ケーシー」というのは娯楽番組であります。しかし一〇チャンネルの「ドクター・キルデア」は教育番組だろうと思うのです。そういたしますと、どちらがどれだけ娯楽的であり、どれが教育的であるかという判定がむずかしければ、こういう基準をつくっておくということは、何ら意味のないことになってきやしないか。少なくとも、こういう基準をつくった以上は、何らかの方法で、非常に困難ではあるが、やはりあの局は大体この基準に合っておる、あの局はまあまあだ、あの局はけしからぬ、この基準にそむいておるという、何か一つの基準というものがなければ、基準をつくったって意味がないのです。そういうような総合局とか、専門教育局とか、今度は一二チャンネルをつくるのでありますが、何が娯楽か、何が教育か、何が教養かということが何もわからぬでおっては、この免許条件の基準なんというものは意味がない。そうすれば何らかの方法であなたのほうでは調査をしておって、これはまあまあ九十点だ、七十点だ、五十点だというようなことをやらなければ、あなたのほうは責任が果たせないと思うのですが、そういうことをやられたことがございますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 教育とか教養とかいうことの定義につきましては、これは確かに非常にむずかしい問題でございまして、何を教育というか、何を教養というか、何を娯楽というかということにつきましては、個々の考え方によって多少差異があると思います。それが現在しさいにきまっておらないということはお説のとおりでございますけれども、しかしながら、その間におのずから教育と教養と娯楽というものの常識と申しますか、そういうものは確かにあると思います。そういうようなことで一応教育局あるいは準教育局というようなものが免許になってございますけれども、個々の番組についてわれわれが報告をとってするということは、現在の法律のたてまえでできませんものですから、われわれといたしましては、一年間を通じての番組のあり方、そういうようなものの報告を受けております。  それからまた、これが再免許に相なりまするときにはそれを考慮する、つもり過去の実績を考慮して再免許するかしないかということをきめることになっておりますので、そういう場合にはいままでの番組表を添付いたしまして、それを審査いたしまして再免許のときの審査にあてておる、こういうことでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 たとえばいま専門教育局というのはNETが一つだけなんです。それでまるでしろうとがあのずっと並んでおる番組を見た場合に、実際テレビを見た場合に、こういう基準があるとは思わないです。おもしろいという点について、娯楽について全く同じような気持ちしか受けないのです。NHKはいままでも民放よりも非常に公共的なほうに力を、これはいろいろまた民放のほうからも苦情もあるし、いろいろな世論もあるので、いままでも非常に公共的なところに相当力を入れておるのです。それはいいとして一般の民放における総合局、準教育局——準教育局というのは三つあるわけですが、専門教育局、こういう基準を設けておる以上は報告を聞くといいますが、報告を聞いたのでは、チャンバラ劇を教育の番組の中に入れて報告してきたら、ああそうか、これは三〇%の中に入っておるのか、これではあなたのほうでこういう基準をつくった意味はないですよ。西部劇であろうと、これは教養のほうだといって番組のパーセントに入れてきたなら、なるほどそうやっておるのか、そうじゃなくて、あなたのほうは免許されるのです、一つの標準をつくっておられるならば、いま何らかの方法において調査をして——それはきわめて不満足な調査であるかもしれません。しれませんが、これはまあまあの局だ、これはいかぬ局だ、これはけしからぬ局だということが何かなければ——それならばもうこういうものは全部やめてしまって、娯楽だの教育だのいわないでかってにやらせい、もとよりこれは自主的にやるべきものであって、政府が干渉すべきものではありません。しかしそれが自主的に履行されておるかどうかということは、免許をする一つの条件を——権力を持っておられるあなたのほうでは、何らかの方法で調べておくべきものを全然調べておられぬのですか、全然それはわからないのですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 番組の内容につきましては、御承知のように自主的な番組審議機関がございまして、その番組審議機関の審議の内容というものにつきましては、私たち報告をとっております。

片島港日本社会党

○片島委員 そうじゃないのです。報告をとっておるのじゃなくて、報告にはチャンバラや西部劇が教育というところに入っておるかもしれぬが、あなたのほうが免許をするときに、そういうふうな内容のものを出しておかないとあなたのほうが免許しないから、数字だけは合わしておるが、内容的にあなたのほうが客観的に見た場合に、はたしてこれがこういうパーセンテージに近いかどうかということをいままで調べてみられたことがあるか、結論的なものを出して結果をまとめてみたことがあるかないかということです。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 先ほども申しましたように、再免許のときにあたりましては、過去の実績を証明する番組表を添付するという形におきまして、そのときにそういう報告をとりまして審査しておるわけでございます。

片島港日本社会党

○片島委員 再免許のときの参考にするのですが、平素調べておかなければ参考にできないでしょう。平素調べておかなければ、再免許のときに、大体適合しているかいないかということがわからないから、それは何らかの方法であなたのほうで再免許までに、その三年間にまとめておく必要があるのではないか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 お説につきまして、私も決して同感をしないわけではございませんけれども、現在の法律のたてまえから申しまして、個々の番組につきまして一々報告をとるということはできないようになっておりまして、報告をとれるものといいますものは、別にこれだけのものを報告がとれるということになって限られておるわけでございます。われわれといたしましては、法律の範囲内におきまして、御趣旨に沿ったようなできるだけ多くの人からいろんなことを聞くとか、そういうような形によりまして、また、報告として向こうが出してきたものによって、そういうことに対する内容をわれわれが知っていくという以外にないと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっと関連して。あなたのほうは、免許するときにはそういう条件をつけても、あとほうりっぱなしですか。そんなら何で免許のときにそういうところの条件をつけるのか。それなら初めからそういう条件をつけなければいい。教育番組が何ぼで、教養番組が何ぼなんということは、免許したあとは一切知らぬということでは何もならぬじゃないか。教育テレビとしての免許の基準をつけた以上、それが実際に実行されておるかどうかということは、やはりこれは一応見ていく必要があるでしょう。免許するときには一つの条件をつけておいてあとは知らぬ顔だったら、片島さんが言われるように、何もかも初めからそんなことをつける必要はない。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 事務当局といたしましては、現在の法律の中で最大のことをいたさなければなりません。それで先ほど申しましたように、個々の番組にわたりまして遺憾ながらこれをとることはできないわけでございます。しかし、いま申しましたような番組審議機関の報告をとるとか、また番組の一年間の報告を向こうが出せばとるとか、あるいは番組制作基準というものをとるとか、そういうようなことによりましてこれをチェックするわけでございます。しかし、それも全く野放しだというような御意見でございますか、野放しというつもりではございませんで、われわれとしてはできるだけのことはしておるつもりでございます。しかしまた、かりにそういうような状況でありましても、それでは初めから免許のときに条件をつけるのは全然意味がないのじゃないかという御意見のように伺ったのでございますが、これは議論になることかと思いますが、つけたことが全然無意味かどうかということにつきましては、相手の放送局に対してそういうことを期待をいたしておりますし、また向こうが申請のときに、誓約というかそういう形できておることは決して無意味ではないと思います。

片島港日本社会党

○片島委員 あなたのほうは、書類で報告をとるということは法律で制限をせられております。だから、そんなに立ち入って干渉することはできません。しかしあなたたちは、こういう基準をつくった以上は、報告はとれないが、あなたのところで監督機関として基準をきめたんだから、ほかの何らかの方法で、実際の画面を見て、たとえば一〇チャンネルは教育を五〇%、教養三〇%、その他を二〇%、こういうふうなことをきめておるのですから、私が見た場合には、これはどうもあまりほかのものと変わらないように思うが、しかし番組編成審議会があなたのほうに出す場合には必ずそれに当てはめてきます。それでなければ、再免許のときに免許をしないかもしれませんから。その報告とは別に、何らかの方法で、あなたのほうは、客観的に、これはまあまあかそうでないかということを、日ごろから調べておく必要がある。なければ、こういう免許基準をつけたということは無意味だ。そういうことをいまからやったらどうですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまのお説、私まことにごもっともの点が非常に多いと思います。現在の法律が、放送関係につきましては、率直に申しまして、免許をしておる事業ではありますけれども、少なくとも番組に関する限りは非常に自由な立場の法律になっておりまして、番組の内容に政府として干渉することができないのはもとよりのこと、自主的な番組の編成ということが強く打ち出されておるわけであります。そこで各社には番組審議機関が置かれまして、良識のある方々がこの番組審議委員になっておられますから、私どもとしては、一応番組についてはこれらの審議機関を信用いたしまして、この法律の趣旨に基づいてよい番組を送ってもらうということを期待しておるわけであります。しかし最近は、御指摘のようにテレビによる影響というものが非常に世間の問題にもなってまいりまして、特に年の若い判断力の未熟な人たちに対する悪影響ということが強く言われるようになりました。私も、自分では忙しいものですからしょっちゅう見るわけにいきませんけれども、ときどき見る番組の中にも相当殺伐な場面等があります。そこで世論の動向も考えまして、昨年とりあえず東京におけるNHK並びに民間放送の番組審議委員の方々、また民放連の役員の方々にお集まりを願いまして、この問題について真剣に取り組んで番組向上のために自主的に努力していただきたいということを要請したわけであります。その趣旨には皆さんが賛成されまして、ぜひ何らかの共通した自主的な機関をつくろうではないかということで、いまその実現に近づいておる次第でございまして、まず第一段としてはさような機関において厳重に番組の向上について措置を願いたいというふうに考えております。  なお、たびたび申し上げますけれども、臨時放送関係法制調査会におきましても、やはり今後の法制整備に対する考え方としての答申をいただけると考えております。これらを十分に参酌いたしまして、法律の改正というようなものを要すればまた御審議を願わなければならぬか、かように考えております。現在の段階におきましては、先ほど申し上げましたとおり、番組審議委員の方々の良識を信用する、そして社会通念によって教育番組あるいは教養番組というようなものを考えていきたい、こう存じておるような次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 さっきからあなた方放送法の三条のことを言っておられますが、これは大臣なり電波監理局長というものは前の速記録をよく勉強してこなければだめですよ。この三条の問題と、いわゆる教育番組ならば何十%しなければならないということがどういうふうに抵触するかということは、この委員会において相当論議をせられたわけです。論議をせられた上にあの免許基準を出しておるわけです。そうしてその免許基準によってそれぞれの免許をおろしておるわけです。ところが、それを野放しにしてしまって、教育テレビだか総合テレビだか娯楽テレビだか何だかわからないようなかっこうになってきておる。それをもう一度もとに戻って、法律では一つも干渉できないから一切野放しであるというようなことになるとするならば、何で免許の基準をおろすときに、いわゆる免許基準としてああいうものを入れたか。大臣それはどうですか。それならば免許基準のときに、教育番組なら何ぼ、教養番組なら何ぼということは入れられないはずです。放送法の三条をたてにとるならばそうでしょう、大臣。こういうことは、それぞれの委員会にはそれぞれの論議の過程というものがあるわけです。だからその場限りにおける答弁でこれを済ましていこうといったってだめなんですよ。当委員会においても、その点については相当論議せられたわけですよ。そんなにあなた方に監督する権限が一切ないというならば、免許基準を設けるということが初めからそもそも間違いである。番組の個々の問題については、それは自主的に編成するけれども、いわゆる教養番組が何十%、教育番組は何十%やってもらう、それが教育テレビ局である、こういう考え方に立ってあの免許基準をこしらえたでしょう。そうでなければ、あなた方が言うように、放送法の三条をたてにとって何にもできないということにするならば、そもそも免許基準のときにそういうものを入れるのがおかしいじゃないですか。どうですか大臣。そこにいる委員の方々はこの論議は全部知っているんですよ。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 委員会における審議の経過が非常に大切であるということも仰せのとおりと存じます。そこで教育番組あるいは教養番組というものが何をさすかということになりますと、これは具体的に例をあげることは非常にむずかしいことだと思います。これこそやはり社会一般通念上そのように考える以外にはないと私は存じます。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから一般通念上、教養、教育というものについては、あなたと同感でありますよ。ただ、現在の教育テレビ局というものが、それがはたして教育テレビ局であるかどうかということについては、これはほとんど全員一致して一般の総合、娯楽テレビ局と変わりがないという解釈を持っておるわけですよ。だからそういう点については、一体郵政省としてはどういうふうな行政指導をしていくのかということを先ほど来言っておるわけです。ところが、あなたのほうは、そういう問題については放送法の三条によって何ら指導することができないというようなことを言っておるから、それならば、そんな免許基準というものをつくるのが間違いである、こういうことなんです。この点はまた日をあらためて私やりますけれども、これは大事な点でありますから、電波監理局長もよく勉強して、これを論議したときの速記録も十分読んできてから、その場限りでない回答をしてもらいたい、こう思うのです。

片島港日本社会党

○片島委員 番組審議会のほうから番組を提出せられる、その提出せられるのはおそらく次の再免許の場合のことがありますから、このワクにはめて番組の報告はあるわけなんです。ところが、その番組はおそらくこれに違反をしないように報告がくる、その報告しかあなたたちはもらわない。これはもうこの基準に違っておらぬのですから、そうすれば再免許をする場合の条件にはなりますけれども、あなたたちは内容を知らぬが、ただこれに合致したものを向こうは出しますから、いままでこうやりました、そうすればこれを再免許しなければならぬのであって、再免許をしないということはあり得ない。また、実際問題として、ばく大な設備投資、株式上の認可とか給与規程とか退職制度というようなものをつくって、大企業として継続的なことをやっておるわけです。しかし、あなた方は、この基準に合わなかった場合は再免許しないことができるのです。そういうことを迫水さんが言ったことがあります。しかし、実際問題としては、書類として出てくる表はちゃんとパーセントに合うておる。それならば私の言ったように、あなたのほうで別に調査をしてみて八十点なら八十点、五十点なら五十点、三十点なら三十点という点数をつけておられるならば別であります。それをやっておらぬということであるならば、向こうから出てきた書類はちゃんと向こうもやっているということならば、再免許をしないということはあり得ない、こういうことになりますが、そうでしょうね。ほかに調査していないんだから……。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 ただいまお話しになりましたように、この基準に反したようなことをやっております放送に対しましては、再免許の際に、検討の上再免許しないということはできるたてまえでございます。しかしながら、実際問題としては、なかなか困難なことがあろうという事実を申し上げます。  なお、この番組についてどういう審査をやっているかということは、非常に厳密な審査はやっておりません。しかし十分これは考えまして、報告書を審査するなり、あるいはその他の資料によって、十分にこれはできる限りの審査をやってまいりたい、こう考えます。

片島港日本社会党

○片島委員 これで終わりますが、実際上は再免許しないわけにいかないようにやっておるんだ、あなたのほうで。なぜかならば、向こうから出てくる書類だけによって——番組はちゃんとこれに合わして出てくるのだから、再免許をしないことができないような仕組みにあなたのほうではなっておるんじゃないですか。そういうふうにつくっておるんじゃないか、そうでしょう。実際問題として、電波監理局でこういうパーセントをつくってみたけれども、これについては何ら自分のほうでは調べたこともない。向こうから出てくるものはみんな基準に合っておる。しかしそれを調べた上で再免許しないことがあり得るんだ。あり得たって資料も何も持たない。向こうからきた資料しかないのだから、実際これは何にもならぬ。再免許ということは何も意味がないことですね。これは、役所だから仕事をやっておったほうが、仕事があって楽しみかもしれませんけれども、しかし意味のないことなら別にやらぬでもいいわけです。実際は再免許はしないことはできないように自分のほうでちゃんとそういう方式にしているんじゃないですか。

古池信三自由民主党郵政大臣

○古池国務大臣 先ほど申し上げたとおりでありまするが、今後できる限り御趣旨に沿って再免許の際にも十分審査できるように努力をいたしたいと存じます。

加藤常太郎自由民主党

○加藤委員長 次会は来たる十一日午前十時から理事会、理事会散会後、委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。   午後三時五十六分散会

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