地方行政委員会 第57号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/06/16
会議録
○渡海委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行ないます。 消防に関する件について調査を進めます。去る十一日発生した昭和電工川崎工場の爆発事故に関する問題について質疑の通告がありますので、順次これを許します。田川誠一君。
○田川委員 昭和電工の川崎工場の爆発事故は、その後死亡者もふえまして、十六名の犠牲者を出したようでございますが、昭和電工の事故の翌々日ですか、すぐ近所の日本オレフィン化学会社川崎工場でも化学薬品をタンクにつぎ込み中に爆発して三人の死傷者を出しました。この日本オレフィン化学会社の現場では、そのほかにベンゾールの入ったタンクが並んでおりまして、これ引火したならば昭和電工事件以上の惨事になるような状況であったようであります。川崎市は石油化学工場がたいへんたくさんありまして、川崎市の市民はこうした相次ぐ爆発事故におそれをなしておるわけですが、一日も早く事故の原因を究明して事故の防止対策を講ずることが急務であると思います。 そこでまず第一に伺いたいのは、この昭電事故の原因でございますが、おそらくまだはっきりしたことはわからないと思いますけれども、負傷者の証言によりますと、爆発寸前に白いガスが多量に空気中に流れていたとか、またすぐ近所で建設工事をやっておってその付近でだれかが、あぶないから逃げろというようなことを育った直後に爆発をした、こういうことを負傷者が言っておるようでありますけれども、消防庁では係の方が現場においでになったようでございますが、何かその原因をつかめたかどうか、また確実におつかめにならなくても、どのような原因でああいう爆発が起こったのか、推測でもけっこうですからお伺いしたいと思います。
○松村政府委員 昭和電工の事故の原因につきましては、ただいまも調査中でございまして、確たるところは現在のところわかりませんが、ただいまお話がございましたように一つは、プロピレン・オキサイドの流れておりますパイプからそれが漏れておったところへ、付近で工事をやっておりました溶接の火花が引火してこういう事故になったのではないだろうか、こういうのが一つの説です。それからもう一つは、そうでなくて、プロピレン・オキサイドの貯蔵されておりますタンク自体が何らかの原因によって爆発した、こういうものが爆発すれば当然それに伴って火災を生じますが、そういったことが原因ではなかろうか、こういった説と三通りあるわけでございます。私どもの役所の技官が現地を調査いたしたのでございますが、タンクが破裂しておるということは、これは非常に明確になっておるのでございますけれども、さてそこでそれ以上進んで、いま申しました二つの原因があるいはほかにもあるのかもしれませんが、一体どれが真の原因であるかということは現在のところはっきりいたしておりません、したがって、現在消防庁としましても、消防庁あるいは現地の川崎市の消防局において、その原因についてはなお調査中でございます。
○田川委員 通産省の方、来ておりますか。——プロピレン・オキサイドのタンクからかりにガスが流れておった場合に、溶接の火花が散って爆発するというようなことは化学的にあり得るかどうか、お聞きになったことはございませんか。
○内丸説明員 プロピレン・オキサイド自身につきましては可燃性のガスでございます。それが気化いたしまして滞留していくという状態があった場合には、何んらかの着火原因によって火災を発生するということはあるというふうに考えております。
○田川委員 原因はひとつ徹底的に調べていただきたいのでありますが、私現場に行きまして、しろうと考えで非常にあぶなかったと思われることは、プロピレン・オキサイドのタンクのすぐそばで建設工事が行なわれておる。大体距離は十メートルか十五メートルくらいだと思いますが、そういう可燃性のガスの貯蔵所のそばでああいう建設工事をやり、しかも溶接をやっておる、こういうことが一体許されるのかどうか。タンクのそばで囲いをしておったということでありますが、タンクのそばの囲いを見ますと、トタンの板をちょっと張りめぐらした程度であります。そうした危険物のすぐそばで火花を散らす溶接をやっておることが一体妥当かどうか、このことについて消防庁にお伺いしたい。
○松村政府委員 まず、消防関係の法令の規定によりますれば、危険物の製造所は五メートルの空地を持たなければならないということが最低限度の要求として規定されております。したがって、この場合は五メートル以上七メートルというふうに聞いておりますので、法令上は問題はないかと思いますが、しかしこういうことは現場現場の事情によりまして、良識を持って危険が出ないように、法令は最低限度でありますが、それ以上に距離を保つとか、あるいは高い障壁を設けて危険が発生しないようにするとか、そういう点が私は望まれるのではないかというふうに考えます。
○田川委員 こうしたあぶない物のそばで溶接をやる場合に、 いま長官がおっしゃったように一応五メートルの間隔をあけなければいかぬという法律の規定がありますけれども、万一ということを考えなければいかぬと思うのです。そこで、かりに五メートル以上の間隔を隔ててそうしたものをやる場合にも、爆発の危険のある物のそばにこういうような完全な防御施設をやらなければいけないという一つの規定を何らかつくる必要があると思うのでありますが、この点についてはどういうお考えかお伺いをしたいと思います。
○松村政府委員 この点につきましては、現在の法令では五メートルという間隔でございますが、これはいろいろ実情を調査の上、そういう結論を出したのでございまして、特に法令では最低といいますか、共通といいますか、そういうことを規制するのが一応のたてまえになっておりますが、その点につきまして、いまの産業経済の状態等から考えて、もっと間隔をあける必要があるというふうに一般的に考えられますならば、立法的にこれを解決することが妥当だと思いますけれども、しかしこれは法令だけの問題ではなくて、やはり会社自体の良識等によって、法令はこれだけだけれども、危険性があるからということで、もっと距離をあけるなりあるいは中間に障壁を設けるなりすることが、これはすぐにやれる問題でございますから、そういうことが望まれるのではないかと思います。
○田川委員 そうした行政指導をひとつこれから厳重にやっていただきたいと思います。 それから次に、このプロピレン・オキサイドは、ああした爆発性のものであると思いますが、高圧ガスの取り締まりの対象になっていないということは、ちょっと片手落ちのような感じがすると思いますけれども、先日の商工委員会でありますか、通産大臣がこの種のものに対しても強力に取り締まりの立法をしたい、こういうことを言っておりますが、通産省の事務当局に対して、ひとつこの取り締まりの立法化の意思があるかどうかお伺いしたいと思います。
○内丸説明員 プロピレン・オキサイド自体と申しますのは、圧がそれほど高くありませんので、従来高圧ガス取締法の対象外ということで取り扱っておったわけでございますが、今回の事故によりまして、相当圧が低いけれども、可燃性と申しますか、爆発性の強いガスであるということが実際に立証されたわけでございますので、はたしてこういったガスにつきまして、現在の規制の状態がそのままでいいかどうかという問題があると思いますが、この点につきましては、この種の可燃性ガスの施設というものにつきまして、専門技術者からなります調査員を派遣いたしまして、現在の保安その他の状況を調査いたしました上で、こういつた可燃性ガスについての保安体制の強化ということについて、どういうぐあいにやったらよろしいかというようなことを関係省庁とも協議いたしまして、至急検討を加えることにいたしたいと思います。
○田川委員 早急にひとつ検討をしていただきたいと思います。 その次に、最近家庭で使われておりますプロパンガス、それから石油ストーブの類、これは一般の家庭でもずいぶん普及されておりますが、事故もずいぶんあるようでありますが、これらは消防法にいわれておる危険物に一体入っておるのかどうか、消防庁の方にお伺いしたい。
○松村政府委員 お話の点については、危険物に入っておりません。
○田川委員 これは私どもの考えでは、通産省の管轄に入ると思いますが、消防法にいう危険物に入ってないというのは少し考えなければいかぬことではないかと思います。はたしていまのような状態であなた方は十分な予防処置を講ずることができるか、石油ストーブやプロパンガスの取り扱いについて十分な予防処置がとれるかどうか、ひとつお伺いしたい。
○松村政府委員 プロパンガス、石油ストーブにつきましては、お説のとおり通産省の所管でございますけれども、消防も一般的に火災予防の仕事を担当しているわけでございますから、そういう見地から、関係省庁のほうにもいろいろ要望連絡を申し上げておりますけれども、率直に申し上げますと、プロパンガス、石油ストーブは、各家庭においてこれを使うことが今日非常に普及しているわけであります。そういう点で、地方の消防としましても非常に関心を持っている問題でございまして、これを消防の中へ持ってくるということにすれば、もっと火災予防に効果的であるということが消防関係者のいつわらない考え方であるのでございます。しかし何分にも現在は他の省の所管でございますので、この点につきしては、今後の問題としまして十分相談してまいりたいと思います。
○田川委員 この問題は消防庁、通産省、そういうところでもっと真剣に考えていただかなければいかぬと思います。第一線の消防に従事している人たちも、いま長官が言われたようなことを相当強く言っております。でありますから、安全を期する意味で、消防当局が石油ストーブの構造の規制につき十分発言できるような指導体制を一日も早くとってもらいたいと思います。これに関連して川崎市にブリヂストン液化ガスの貯蔵タンクがございますが、これは外国からガスを持ってくるのですか、ちょっとこまかいことはわかりませんけれども、相当大きな貯蔵タンクがあります。これは世界でも相当大きな部類に属するタンクだそうですが、ああいうものが爆発したならば、付近一帯は相当な被害をこうむるというようなことでございまして、こうしたことについても、もっと消防当局は真剣に保安対策、予防処置というものを考えていただかなければいかぬと思います。プロパンガスもそうであります。 ここで長官にもう一つお伺いしたいのは、消防法にいう危険物の中にどうも時代ずれしたものがあるような気がします。私どもにはよくわかりませんけれども、別表を見ますと、たとえば戦前よく使われておりました松根油のようなものが入っております。おそらくいまこの松根油なんかあまり利用されてないと思いますが、そういう古いものが依然として危険物の中に入っておる。一方、最近どんどん使われ始めたいろいろな化学薬品がこの危険物に入ってないというような状態で、どうもこの危険物の表の中身を少し再検討する必要があるような気がいたしますけれども、消防庁でこの危険物の内容をここで少し入れかえる考えはないかどうか、お伺いしたいと思います。
○松村政府委員 私もお話のとおりのことを痛感いたしております。それで別表については現在検討を続けておりますが、しかし、ものによりましては、いろいろ各省の関係するところにもなりますので、問題の解決が早急にはいかないと思いますけれども、今後ともお話の趣旨にのっとりまして努力していきたいと思います。
○田川委員 検討、検討で、あまり話がよくわかりませんが、この危険物の内容を実際にこれから検討するのかどうか、もう一度お伺いしたいと思います。
○松村政府委員 これはもちろんお話を待つまでもなく、新しい時代に即応して当然検討を進め、必要な改正を得なわなければならないと思っております。 〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○田川委員 時間がありませんから次へ進みます。 その次に危険物の製造所や貯蔵所の位置についてですが、今度の昭電事故の場合は、幸いに一般の民家には被害がなかったようでありますが、戦後の石油化学工業の急速な発展に伴って工場がどんどんどんどん拡張される。一方一般の住宅の宅地の入手がなかなか困難であるということで、こうした危険物の製造所や貯蔵所の付近に民家が接近して建てられるという例も少なくないと思うのです。危険物の製造所や貯蔵所の位置は、たしか法律か政令で一定の間隔はなければいかぬという規定があるようでありますけれども、民家のほうの側、家を建てるほうの側には何ら規制がされてないように感じます。この点について消防庁のお考えを伺いたい。
○松村政府委員 お話のように危険物の製造所等を建てます際には、民家からは十メートル以上とか、学校からは三十メートル以上、こういうように規制がなされておりますが、それではその逆に、既存の製造所の周辺に民家を建てるという場合はどうなるか。これにつきましては、はっきりした規定がないわけでございまして、法律的にはいろいろと問題があるようでございますが、この点につきましては、いずれ——これは建設省の所管になりますのですかどうですか、その点については法律的にも明確な規定を設けることが消防の見地から考えましても、大事なことであると思います。
○田川委員 これは消防庁でぜひ至急検討していただきたい。同時に、各市町村に依頼して調査をしていただきたい。工場のこうした爆発物、危険物の近所に一定の規定の間隔の中にそうした民家が建てられておるところがかなりあると思うのですが、これは調査をして私のほうにひとつ資料を出していただきたいと思いますが、そういうことができますか。
○松村政府委員 多少時間がかかるかと思いますが、調査して報告いたします。
○田川委員 これはぜひ調べていただきたいと思います。 次に、神奈川県は川崎を控えて石油化学工場なんかが相当たくさんございます。神奈川県の調査によりますと、高圧ガス関係の工場、貯蔵所、そうしたものが約五百八十あります。それから火薬庫、これは一級、二級、三級、その他火薬庫合わせますと七十四カ所あります。そのほか、駐留米軍の火薬庫もございますし、それから原子力研究所なども三ヵ所ばかりあるわけです。県内にそうした危険なものの貯蔵所がたくさんあるわけです。したがって、事故もいままでずいぶん起きております。これは神奈川新聞の調査で、県の調べとして出ておりますが、昭和三十年以後に死傷者を多数出した神奈川以下の爆発事故、ちょっと読み上げます。三十年八月に日本カーリット保土ケ谷工場で爆発事故があり、死者一名、重軽傷三十名。それから同じ年の一月にやはり同じ工場で死者二名、重軽傷者十四名。それから三十四年の一月に東洋化工横浜工場で死者三、市傷者二十、軽傷五百七十、民家の破壊されたのが千戸。それから同じ年の十二月に横浜の神奈川区の第二京浜国道で、これは火薬の運搬車が衝突をして死者四名、重軽傷九十九名。三十五年の五月に横須賀市の銃砲の火薬店で事故があり、行方不明一名、重軽傷二百四十六名。それから三十七年の二月に日本カーリット保土ケ谷工場で死者五名、重軽傷三十数名、こういう事故が起こっております。ずいぶん事故が多いわけです。 そこで、私が最も心配をいたしますことは、原子力研究所のことであります。川崎には原子力研究所が二カ所、それから横須賀市に一カ所あるわけですが、この原子力研究所は民間でやっておりますが、核分裂を利用して鋼鉄の強度を調査しておるというようなことをやっておるようです。これに対して万一そうした原子力の研究所の中で事故が起こった場合の処置というものが、十分に考えられておるかどうかということが非常に心配でございます。われわれから見ると、全く無防備な状態ではないか。消防に聞いても、警察に聞いても、事故が起こった場合に、一体どういうふうにしてやるのだという対策が何らなされていないというような状態でありますけれども、これに対してあなた方は一体どういうお考えをお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
○松村政府委員 原子力の関係は科学技術庁の所管でございまして、そういう点につきましては科学技術庁のほうで指導されておると思いますが、消防といたしましても、事故が発生した際には、これに当たるのは消防の任務でございますから、原子力関係のことにつきましては、これは最近のことで、現段階では満足なところまではいっていないのでございますけれども、研究所でいろいろ研究したり、あるいは東京の消防庁あたりでは特に現実の訓練をしたりして、着々原子力の関係の消防の対策を進めております。しかし、何ぶんにも新しい問題でありますために、地方の都市あたりではまだ十分な対策が立てられていないかと思いますけれども、これは今後特に重要な問題として、原子力関係の地域の消防に対しては指導の徹底をはかってまいりたい、こういうふうに今日考えておるのでございます。
○田川委員 いま検討しているというお話ですけれども、一体具体的に、たとえば川崎の東芝の原子力研究所で放射能が流れたとか、出たとかいうような、あるいはまた爆発が起きたとかいうような場合に、具体的にどういうような処置をするのか。実際そういうような検討をしておるのですか。
○松村政府委員 これはいま特に現実化しておりますのは東京消防庁でございますが、東京消防庁では特にその対策も立て、現実に訓練も行なっております。したがいまして、こういうのをモデルにしまして、今後地方の関係都市にそれを及ぼしていきたい。しかし、現在何ぶんにも緒についたばかりでございまして、まだ十分満足のいける対策までには至っておりませんけれども、今後そういう点につきましては努力を積み重ねてやってまいりたいと考えております。
○田川委員 東京の消防庁でそういう検討をしておるという話ですけれども、関係の市では何ら検討がなされていないわけです。でありますから、そうした関係の市に対して、一刻も早く東京消防庁と連絡をとって、何らかの応急処置のとれるように早急に指導していただきたいと思う。それでないと一般の市民はもうたいへんな心配であるばかりでなく、ここに一たび事故が起きたならば、相当影響すると思うのです。これはひとつ、先ほどの一般の石油化学工場のことももちろんでありますけれども、それよりももっと重要なことだと私ども思うわけですから、どうかこれは真剣に考えていただきたい。 それから最後にお聞きしたいのは、米軍の火薬庫のことでありますが、神奈川県には相当米軍の火薬庫があるわけです。米軍の火薬庫の中はわりあいに保安設備も整っておるし、かなり日本側よりも慎重に取り扱いをやっておるように私ども聞いております。しかし、われわれが心配するのは、その保管された火薬を外に出した場合、運搬をする場合に、十分な予防処置、保安処置がとれてないと思うのです。 大体神奈川県にある火薬庫は、アメリカから火薬、弾薬を積んで、それを横須賀で荷揚げして、日本の輸送会社に委託をして輸送し、ておるわけですが、こういうような交通事情でありますから、幾ら慎重に保管処置がとられ、予防処置がとられておっても、運搬するほうは日本側でやらなければならぬ。しかもこうした交通事情の中で運搬をしなければならない、こういうことで、非常に危険な状態に置かれておると思うのです。これに対して警察のほうで相当警備態勢をとっておるという話も聞いておりますけれども、警察のほうでは、現在神奈川県でそうした米軍の弾薬、火薬類を運んでおる状態について、十分調査をしておるかどうか、私ははなはだ疑問だと思うのですが、こういう問題について警察のほうでは一体どういうよりな態勢をとっておるか、また消防のほうでどのような処置をとっておるか、これをまずお伺いしたい。
○大津政府委員 火薬類の問題につきましては、火薬類取締法によって警察にもある程度の権限を与えられております。と同時に、特にまた火薬類を運搬いたします場合におきましては、火薬類の運搬をするものが警察官に届け出をすることによりまして、その運搬の場合の路線その他についても、交通事情その他いろいろな点を考慮いたしまして、これに対して指示を与えるというようなこともできまするし、危険防止のため必要がある場合においては、この運搬車両につきまして警察官が指示を与えるというような権限も与えられておりまして、特にまた火薬の運搬に関しましては、総理府令で詳細に技術的な点まで制定をいたしまして、その適正な運用をはかっておる、こういうことでございます。
○松村政府委員 火薬につきましては、これは主として通産省の所管でありますし、また米軍の問題でありますので、消防としてはこの問題につきましては積極的に接触いたしておりませんが、ただ事故が起きた際には、消防としては現場にかけつけて被害を最小限度に食いとめなければなりませんので・・。事前の予防的なこととしては具体的な対策を地方の消防では持っていないように聞いております。
○田川委員 私は、米軍の火薬の荷揚げをしておるすぐそばに住んでおるのです。で、毎日米軍の火薬を積んだトラックを見ておりますけれども、いま警察の局長が言われたような十分な指示を警察が与えておるかどうかはなはだ疑問だと思うのです。その運搬車に監督するような人は乗っていないようです。それから火薬を運搬しているという表示だけはしておる。しかし十分な責任者がいない。またその火薬が通るときの交通の整理も全然行なわれていない。こういうような状態、もっとひどいのは、火薬のその運搬車が通る道路が悪いわけなんです。私も心配でならないので、道路だけは何とかもう少し画さなければならぬということで、最近は少し道路がよくなったわけですけれども、もう少しこの火薬を運搬する経路の道路をよくする。それから車にしっかりした監督する人を乗せる。それから交通の繁雑する時期には、警備を警察で出して、交通整理をよくやるというような処置をしないと、必ず事故が起こると私は思うのです。この点はもう少し真剣に何か考えていただかないと、えらいことになるのではないかと思うのですが、消防庁、警察庁、その他関係の官庁とこの際十分検討して、もう少し十分な体制を整えてもらいたい。これはいろいろな政治問題にも発展してくると思うのです。この点についてぜひこれは早急にやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○大津政府委員 御趣旨まったくごもっともでございまして、よく実情を調査いたしまして、御趣旨に沿うように努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○田川委員 そこで神奈川県ばかりでなく、米軍の基地が全国にたくさんあります。そういうところに米軍の火薬を運搬しておる例もたくさんありますから、これを警察のほうで調べて、米軍の火薬、弾薬その他を運搬する場所、その資料を提出していただきたいと思います。あらためてこの委員会で私もう少し根本的な問題についてお尋ねをしたい点もございますから、多少時間がかかってもいいですから資料を、全国的なものを出していただきたい。いかがですか。
○大津政府委員 可能な限度におきまして、調査をいたしたいと思います。
○田川委員 私の質問はこれで終わりますが、化学工場だとか火薬工場の爆発は、事故があると一瞬のうちに多数の犠牲者を出します。しかも一度爆発するとなかなか防ぎようもございません。そうしたことを考えますと、一般にどうもいまの状況は、化学関係に対する安全監督体制というものが少しおくれているのじゃないか。工場の技術はどんどんどんどん進むけれども、それに対する予防処置や保安処置がそれに追いつかないというのが現状のような気がいたします。今度の昭電事件をきっかけに、ひとつ事故の究明を徹底的にやっていただいて、そしてこのような惨事が再び起こらないように関係当局、特に消防、警察、通産省、自治省、労働省、こういった関係当局で十分な対策をとっていただきたい。これをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○森田委員長 秋山徳雄君。
○秋山委員 たまたま昭和電工の大きな爆発事件が起こりまして、いま方々で、どこへ行ってもその話で持ち切っておったわけですけれども、人間というのは非常におかしなもので、日町がたちますとだんだんとその心持ちがさめて遠ざかっていく、そういうのが通例のようであります。したがって、今日ここでいろいろ質問を行なうのも、何かもうすでに終わってしまったような感があるものを議論するのはどうかと思う節がないわけでもありませんけれども、たまたま起こったこの問題を契機といたしまして、労務災害関係と同時に、付近に住居を待つ人たちの不安というものがまだまだぬぐい去られない面があると思います。同時にいま田川委員からいろいろな形で質疑が行なわれましたように、特に東京近在、その中におきましても神奈川県の中におきましてはいろいろなケースがあるわけでありまして、爆薬の場合にはどういう防災関係を考えなければならないのか。あるいはまたいま話題になっております石油化学から生まれてくるいろいろな商品がありますが、商品になるまでの過程においていろいろなガスの問題などが出てくると思いますが、これらについてどうしたらば災害を未然に防ぐことができるのかということが、将来の目的でなければならないと思います。そういうところに立って二、三お尋ねを申し上げたいと思うわけです。 いま当局の説明によりますと、なかなか原因がはっきりしないということですが、これは幾日たったにもかかわらず、すでに時間的にかなりの時日を経ているにもかかわらず云々と言っても、わからないものはしかたがないと思います。しかしながら先ほどの御答弁の中に、何か保安距離五メートルである、したがって法的には何ら問題がなかったというような御答弁のように承りましたけれども、そういうことになりますと、私みたいに全くのしろうとになってみますと、昭和電工の中にたくさんのタンクがあり、それから多くの管が各方面に無数と言っても過言でないほど引きめぐらされているわけであります。したがって、そのパイプから離れて何メートルということなのか、あるいはまた貯蔵量あるいはそれに伴って流れていくガス量、こういった計算がどういうことになっているのか、わかりかねるものがありますが、これらについてまずこまかく御説明をいただきたいと思うわけであります。
○松村政府委員 先ほど間隔五メートルと申しましたのは、その建物の外壁といいますか、外側から五メートル、こういう意味でございます。
○秋山委員 そうすると、建物またはタンクから五メートルということになりますと、それから流れてくる、送っていくパイプそのものに対しては、考え方によってはそれと直結しておっても問題がないのだということに理解できるわけですが、そういうことなんでしょうか。
○松村政府委員 法律的にはそういうことになるわけであります。
○秋山委員 ものの考え方がちょっとおかしいと思うわけであります。先般来の新聞にはこういうことが書いてあります。「下請の保安に不備、労災防止法が通ったばかりに」という見出しが出ております。したがって私たちがちまたを歩きましても、お前たちは高い給料をもらって、調査費をもらっていながら何をきめたりつくったりしているのだと言われると、一言の返答もできないような始末になってまいります。いまお話に出たように、タンクから五メートル離れておろうが十メートル離れておろうが、中と同じようなものが何メートルか先に送られていく、そのパイプのそばでやっておれば問題が同じ結果になるのではないかということは、しろうとでもわかるわけです。ところが法律ではそういうものには触れていない。パイプから五メートル離れて云々ということであれば話がわかりますけれども、そうでない。そこらに何か割り切れないようなものがあるような心持ちがしてまいりますが、そういうことについては間違いございませんか。
○松村政府委員 いまの問題は、私のほうの技官から答えさせます。
○永瀬説明員 距離をとる問題につきましては、製造所でございますと、製造所の製造装置とか、あるいは中間の製品のタンクがございますが、これらをつなぎますパイプは製造所といたしまして一括して考えておりますので、その間のパイプからは距離をとる必要がございます。これは危険性が同じであるという考え方からでございます。ただ、製造川から他の製造所あるいは純然たる貯蔵のタンクから他の貯蔵のタンクにつながりますところの配管につきましては、危険性がきわめて小でございますので、これは距離をとることを必要といたしておりません。
○秋山委員 何か世間でいわれていることばは、あなた方もよく御存じだと思うのでございますけれども、どだい法律というものはざると同じで、どんな法律でもみんな抜け道があるのだということをよくいわれます。私はそういうことは信じたくないのですけれども、これはつくる人と使う人と、いろいろの関係から言って、利害が伴う場合は別として、利害相反する場合は、それぞれの解釈をいたすでありましょう。それはそれといたしましても、少なくもこうした営造物なり工場なりを考えた場合に、いまお話にありましたよりに、製造過程から貯蔵タンクまで行くパイプあるいはまたそれから先の何かに送られていくパイプ、これらのものを考えたときに、やはりこれらはすべて同じような考え方が持てるわけたと思います。特にまたパイプの大きさ、小ささなどによって違うかもしれませんけれども、いずれにしても一時間にどのくらいの量が流れていくのか、それによってもまた違ってくるのではないかとも思われます、これらの想像はいろいろできると思いますけれども、いずれにしてもそうしたパイプの付近、これもやはりすべて同じものとみなすのが当然の道であろうかと思うわけであります。私も爆発が起こりまして三時間かそこらのうちにかけつけてみたのでありまするけれども、その惨事が起こった場所などを見てまいりますと、どの場所が発火点であるかは不明にいたしましても、いずれにしてもその付近は何本かのパイプが敷設されております。したがって、なるほどこんな近いところで火花の出る作業をやっておれば当然危険を伴うのだということは、どんなしろうとでもわかることであります。しかも、私の記憶からいけば、おそらくそうした危険な工場の中で火気を使用する場合におきましては、そこの担当責任者から、火気を使ってもよろしいという何か許可のようなものが必要になっておると記憶しておりますが、もしそうだといたしましたならば、昭和電工の場合に、あれは千代田化工が工事を請負ったと記憶しておりますが、それからまた他の下請負業者に下請をさせております。その下請の人たちとの関係がどうなっているかわかりませんが、いずれにしても許可証は出ているものと見なければならない。したがって、その許可証がどういう形でだれから出されて、どの方が受領して、どの方が責任者なのか、工事の関係からいけばその点はおわかりになっておると思いますが、参考までにこの問題を片づけておきたいと思うので、御答弁いただければ幸いです。
○松村政府委員 ただいまお話しの火気使用につきましては、これは別に許可をとるとらないの問題はないわけでございます。
○秋山委員 そうすると、たいていの場合には——たとえばガスのほうは私あまりよく知りませんが、高圧ガスの関係になりますと、たぶんそういった規定があったように記憶いたしますが、それもありませんか。
○松村政府委員 ここにいまちょっと通産省の関係の方がおられませんけれども、高圧ガスにつきましてもそういう許可は要らないというふうになっておるようでございます。
○秋山委員 そうしますと、ただ単に、請負業者が請け負った以上はどこでもその工場内で火気は使用しても差しつかえないということになりますが、それでいいわけですね。
○松村政府委員 それはそういうことになりますが、そこは工場なりあるいは請負業者なりの良識で、危険だと思えばそれに相応の措置をした上で火気を使用するということにしていただかなければならないと考えております。
○秋山委員 昭和電工の中などに入ってまいりますと、御存じのようにどこへ参りましても火気厳禁という札が出ておるわけでございます。そういう中で工事を行ない、しかも何日間か何ヵ月かわかりませんが、その間において溶接のような、あるいは電気溶接であるかガス溶接であるかわかりませんが、そうした火気を使うのに、一向差しつかえない、だれにも相談しないで工事請負人だけでどんどん使用していいのだということになりますと、これもまた、ざるでもって、法律で関係ないところに問題が出てくるのじゃないかということが出てまいりますけれども、そういうふりに理解して差しつかえありませんか。
○松村政府委員 これは、法令の規定を離れまして、工場事業場等におきましては防火のためのいろいろな悪坊なりいろいろな規則ができておると思います。また防火管理者等もございまして、防火のためのいろいろな措置等も考えております。そこで、ただいまの場合のように昭和電工内で火を建設業者が扱うというような場合には、工場の防火の責任者等の解をとった上でやらなければならない事柄であって、おそらく現実にもそういうふりにしておるだろうと思われます。
○秋山委員 先ほど申し上げましたように、法律がすべて完ぺきとはいいませんけれども、少なくもだれが考えてみても、火気厳禁というおきての中で火を使うにかかわらず規則にも何もうたわないで良識の上に立って火気を使ってよろしいのだということでは私は取り締まる人自身がむずかしさを感じてくると思います。取り締まり官がかりにそういうことは困るではないかと注意をいたしましても、どこに法律があるのだ、どこに規則があるのだとわれたときに、困るのじゃないかと思うわけでが、こういうことこそどこかの規定の中に入れるべき問題ではないかと思うわけですけれども、そういうことについてあなた方どうお考えになりますかお伺いしておきます。
○松村政府委員 一般的に申し上げますると、消防法によりまして、消防当局が、火災の危険性のあるような場合におきましては、建物なり、あるいは人の行為なりについて関与する権限を持っておりまするから、もしそういう事態が現実にありました場合においては、そのような規定でもって措置ができないことはございません。
○秋山委員 あまり時間もたくさんありませんので、原因に付帯したことことをここで何回繰り返してもやむを得ないと思いますので、あとはお役人の皆さん方の良識に訴えることといたしまして、他のほうへ進んでまいりたいと思います。 総じて考えてみたときに、現在におきましては、施設に重点を置きながら、いわゆる世に言う高度の経済成長の問題とからみ合わせまして、施設を拡充し、そして量産に励んでいる、そういうことが中心になっておると思いますが、そういうことの上に立って考えたときに、やはり工事の請負をさせる人たち、あるいはまたこれを請け負う人たち、こういう人たちの立場から考えますと、やはり世に言う上場株などにおいてりっぱな会社というものになれば、たいした調査もしないでどんどんこれは工事請負の契約をいたします場合もありましょう。同町にまた、そういう面に立って、一応信頼の置ける会社、工場ということであるわけでございましょうけれども、えてして取り締まり官が強くものにぶつかっていく場合は、小規模の、いわゆる世に言う中小企業の人たち、こういう人たちにはかなり厳重な申し入れもいたしておりますし、あるいはまた、厳重に注意もし勧告もいたしておりますわけですけれども、えてして大工場や大会社になりますと、その点が何かはっきりしないことがあるような心持ちがしてなりません。これは実例をあげてみれば幾つもあることでありましょうけれども、そういうことは別といたしまして、今度の場合におきましても、やはり同じように、なるほど千代田化工建設といいますと、りっぱな会社でありましょう。しかしながら、その人が直接技術家を向けて調査をし、そして火気の厳禁の中で使う火のこと、こういつたことについて関係者といろいろ打ち合わせをしたのかもわかりませんけれども、その人は別にしておいて、またその下請が工事に参画している。そういうことになりますと、おそらく小さい工場ですから、そう人もいないでしょう。したがって、下請の行為の人たちそのものが保安関係についての知識が乏しいのではないかという気が私はするわけであります。そういう人たちがきて仕事をやるのですから、あるいはあやまちなしとは言い切れない面があるのではないかとも思います。そういうことを考えたときに、これは建設省の関係になるかもわかりませんけれども、そういうことについて建設省なり通産省なりがどういう形をもって下請業者との関係を考えておられるか、この点をおわかりでしたらばお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○東村説明員 労働省でございますが、お答えいたします。 今国会に衆議院で法律が通ったというお話でございますけれども、実はその法律におきまして、ただいま先生御指摘のように、一つの工場、事業場でいろいろ建設をやっている、仕事をやっている、その場合に、元請工場があり、下請があり、さらにその下請がある、こういうことになりますと、この安全に関して見ましても、責任体制が非常に不明確になり、問題が起こった原因を追及していくと、どうも責任がはっきりしない、こういう問題がございますので、今後におきましては、全体を統括的に見る責任者をきめる。さらには、その下請相互間の連絡調整、仕事のやり方を管理する、こういう必要があろうということを考えまして、先ほど先生が御指摘になりましたような法律を現在提案しているわけでございます。それが通りますればその辺の関係がすっきりいく、こういうふうに考えております。
○秋山委員 いまの労働省からの御答弁でありますが、気のついたところはいつでもかまいませんから、早く直していかなければならないのはごもっともだろうと思います。 そこで、私どもいつも考えておりますことは、これはひとり石油化学工場だけではないのでございまして、道路の建設にいたしましても、あるいは地下鉄の建設のようなむずかしい仕事にいたしましても、あるいは大きなビルをつくるにいたしましても、その付近を通行する人たち、あるいはその付近に住まっておる人たち、その人たちの災害ということになりますと、これは見えるものもあるし見えないものもあるし、神経的な被害もかなり多くあるような心持ちがするわけであります。最近でこそ打ち込みくいの音などは非常に変わってまいりまして、それらについての被害は少ないようでありますけれども、いまだにまだ道路上を歩いておって上から落ちてきたものの災害が多く考えられるようなときでありますので、それらについては特別の配慮をしながら法律の作成あるいは規則の規定にかからなければならないと思います。こういう点につきましては、特に建設省の人たちに注意を払っていただかなければならない問題だと思いますが、これは注意だけにとどめておきたいと思います。 そこで、川崎のように、石油化学が非常に発達したところにおきましては、いま話題になっておりますようなものだけではなくして、高圧の関係になるもの、ならないもの、これらの区別が一般の市民には非常にわかりかねる面があります。だからといって、市役所なり県庁なりの関係の人たち、あるいは消防署の人たちが、この工場においてはこういうものをつくっているのでこういう危険があるから気をつけてもらいたいとか、こういう場合には注意心をしなければいけないとかいうように、パンフレットなどのようなものを配って歩くようなわけにはなかなかいかないと思います。だからといって、だれも知らないうちにものができていく、知らないうちに危険の度合いが増していくということになりますと、非常に付近の住民を初めとして、出入りする人たちも何かこわさを伴ってくるのではないかという気がいたします。先ほど田川委員の御質疑の中にもありましたように、あるときは火薬が爆発をして付近住民が非常に迷惑をし、負傷者を出したということもあるでしょうし、あるいはまたガスの爆発によって、同じような惨事を起こしたこともありますでしょうし、道路上で起こった場合は別といたしまして、これが工場や、あるいはまた貯蔵所などで起こる可能性があった場合には、少なくも事前にこうしたものを防いでおかなければならない国家的義務があるではないかという気がするのであります。しかるにもかかわらず、いままでいろいろ聞いてみましても、何か私の所管ではないのでということで御答弁が終わるようなことが再三あるわけですけれども、それではいつまでたってもこうした問題は解決を見ることができないのではないか。したがって、どこか一ヵ所に特別な課なり局なりをつくりまして、そういうところに専門技術家がおりまして、原子力の場合にはどうである、あるいは高圧ガスの場合はどうである、あるいはそれ以下のものといえども可燃性物件の取り扱いにおいてはどうである、こういうような研究を常時進めながらこれに対処していく、こうしたものがあっていいんではないかという気もするわけですけれども、現在の政府においてそういうことが考えられているのかいないのか、あるいはまた、消防署が中心になって各省からいろいろな資料を集め、消防署の中にそれぞれのエキスパートか技術家を置いて研さんを積んでいくということがあるのかどうなのか、そういうことを御答弁いただければ幸いであります。
○松村政府委員 ただいま御指摘のように、災害に対処する態勢につきましては、一元化されておりません。それぞれの行政目的に沿ってそれぞれの行政官庁がこれを担当しておるわけでございますが、これらの中につきましては、できるだけ統合すべきものは統合することがいいものもあるかと思います。しかし中には、やはりそれぞれの行政目的に沿った行政機関でやったほうがいいものもあると思います。現在政府部内においても、そういったことにつきましては議論があるわけでございますけれども、これは今後の問題として関係省集まって相談をしていかなければならない問題かと存じます。 なお消防といたしましては、現地の消防におきましては、これも非常に人数あるいは技術の面から見ましても貧弱な態勢でございますけれども、それぞれ現地の消防においては技術者がおりまして、危険物関係のことはもとよりでございますが、そのほかの面につきましては、火災予防、災害予防の責任を負う消防といたしましては、できる限りの予防措置、あるいは事故が起きたときにはこれに対処することをやっておるような次第でございます。
○秋山委員 先般来の新聞を見てもわかりますように、昭電の社長さんが新聞に発表されました御意見の中に、これだけの事故がありましても事業計画においては別にたいした影響はないんだという、あるいは株式の配当についても、現在のところ別にたいした影響はないんだというふうなことを言っているようでありますけれども、あれだけの大きな災害が発生をし、遺族の人なんかは非常に嘆き悲しみ、将来をどうしようかという考えのさなかに、なるほど事業は大切かもしれませんけれども、少なくとも株式配当で株主には不便をかけないとか、あるいは目下の状況においては事業関係においては少しも差しつかえないというふうなことを公然と言っておるようでは、なかなかこうした事件の再発を防ぐということはあり得ないということが言えると思うわけでありますが、それほどに世の資本家の人たちというものは、人権のことも考えなければ、人さまの不便も考えない。ただ自分たちの会社がもうかり、自分たちの株主に忠実であればよろしいんだというふうな観念を持っているとしたならば、これほど私は間違った考え方はないのではないかと思うわけであります。 したがって、ここで尋ねておきたいことは、新聞紙で読んでみますと、下請の下請になりますか、その請負って工事を行なっておった人のうち、そこの会社ですか企業ですかわかりませんけれども、そこの従業員をはじめ社長に類する人、こういう人まで不幸な目にあったということを見たわけですけれども、こういう小さな会社か何かわかりませんけれども、こういうところの人たちが労災保険はどの程度すべての工員にかかっておったのか、同時にまたこれと付帯いたしまして、いままで災害をこうむった死亡者、あるいは負傷者、この方々がおそらく一人も残らず災害保険に加盟しておるんじゃないかという心持ちもするわけですが、いまの災害に対しての補償関係について、こまかく御説明をいただきたいと思います。
○東村説明員 ただいま御指摘の下請の下請という、いろいろ何層にもわたる問題でございますが、こういう場合は法律的には一番元請で一括して入ることになっております。ただ先生の御指摘の、そういう場合の社長さんとか重役さん、これはちょっと労働者という概念に入りませんので、除かれると思います。 なお、本災害についての補償でございますが、死亡いたしました遺族に対しては、遺族補償費というものと葬祭料というものが払われます。その総額は約二千四百万円でございます。このほかに、死亡をされないで負傷されておられる方がもちろんあるわけですが、こういう方々に対する補償費を含めると、補償費の総額は約五千万円程度になるものと思われるわけでございます。その支払い等についても、現地でいま早急に手続を進めております。
○秋山委員 そうしますと、いまの御説明で尽きると思いますか、一人も漏れなく対象にはなるはずだと思いますが、同時に最高、最低の金額をお示しいただきたいと思います。
○東村説明員 お答えします。 ただいま具体的な資料がございませんが、なくなった方には平均賃金というものの千日分を支払うことになっております。したがいまして、平均賃金というものが各労働者によって異なりますので、最高、最低がいま先生の御指摘のように出るわけでございますが、方式はそうなっております。葬祭料というものは平均賃金の六十日分、こういうかっこうで支払われます。
○秋山委員 負傷者に対するものはどうなっておりますか。
○東村説明員 負傷病者に対しましては、その方々が入院なり病院におられますと、その実費がすべて払われますし、休業中にも休業補償というものが払われることになっております。なお障害が残った方にはやはり障害補償というものが払われます。
○秋山委員 まことに恐縮ですが、後ほどでけっこうですが、死亡者に対しましての最低、最高の平均の額、これをお調べになって出していただきたいと思います。
○東村説明員 後ほど調べて報告いたします。
○秋山委員 そこで先般来通産省におきましても四日市で公害病対策ですか、これらについて、いまはやりの石油のコンビナートについてのいろいろな災害関係があると思いますので、それについてお調べになったということを聞いておりますが、この結果がわかっておりましたならばお聞かせをいただきたいと思います。
○斎藤説明員 四日市の公害問題につきましては私の担当でございませんけれども、一ヵ月前に調査団を出しまして、帰ってまいりました結果どのようでございましたか、私まだ伺っておりません。
○秋山委員 これはひとり川崎だけではなくいたしまして、各地区において石油のコンビナート関係がいろいろ問題になっておるところもあります。これらについての災害関係ということになりますと、端的に言えば、そのためのせきが出る病気がありますね、ぜんそくですか、こうしたものが非常に大きいのだということも言われておりますが、ただ単にぜんそくだけではなくして、その他たくさんの公害問題が起こっておるのではないかとも思います。そのために先般新聞で見れば、三島市のように、たまたまそういうものができようとしておりましても、住民の反対などにあってできかねているということも聞いておりますが、おそらくこれから先の問題になりますと、そういうことが方々で起こってくるのではないかという心持ちもしてくるわけであります。同時にまたこれからつくるところは、そういうことで反対運動が強ければそれもできなくて済むかもわかりませんけれども、すでに知らないうちにできてしまって、そのために住民に対する大きな公害があるのだということになりますと、これを一体どういう形態で除去していったらいいのか、こういう問題が起こってくると思います。これらについて、ただ工場を経営しておる人たちにのみまかせてもいいのかどうか、これからつくる場合には設備その他で規制ができるかもわかりませんけれども、いますでにできておるところではそういうことはむずかしくなってくるのじゃないかと思います。これらについては、どうしても国家補償か何かの形で指導しながら、費用もある程度国で持ってやらなければできないではないかという気がしてくるわけですけれども、そうした用意があるのかないのか、こういう機会に尋ねておきたいと思います。
○斎藤説明員 石油化学工場の公害の問題の御質問でございますけれども、石油化学工場の公害と申します場合には、主として煙害と申しますか、有毒なガスを出します問題と、それから汚水によります公告の問題であろうかと思います。四日市の場合もそうでございますけれども、大体石油化学の場合には、ガスは絶対外に出さない、ガス漏れがありますと非常に危険でございますので出さないということで、特に余りましたガスは全部燃してしまうということにいたしておりまして、私どもの聞いておりますところでは、有毒ガスによる石油化学の害はまずほとんどないというふうに聞いております。それから汚水を出すということも、石油化学の場合にはほとんどございません。むしろ四日市の場合の公害の問題は、あのコンビナートの中にございます火力発電所の重油をたきますところから参ります煙の中の亜硫酸ガスの問題でございますとか、あるいは石油化学工場でない、ほかの、石炭を使います、たとえばカーバイドを焼きます工場とか、あるいはカーボンブラックの工場とか、こういったところが炭じんを煙突から出しますので、そういった関係が主として公害の原因になっておるのではなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、通産省としましては、公害防止のために、まず煙の問題につきましては、大気汚染防止法という法律がございまして、特に川崎地区とか四日市地区等の工場地帯につきましてはその指定をいたしまして、おもな施設ごとに出します煙の中の炭じんの量等を法律で規制いたして、それに沿うように工場を指導いたしております。 それから水につきましては、水質汚濁防止法という法律が先般制定になりまして、これによりまして、主要な河川につきまして、工場が流します水につきまして、一定の基準以下に、出します水をきれいにしますように法律でもって規制をいたしておりまして、またそういった設備を、公害防止施設を企業が設置します際には、開発銀行によります資金の融通について、政府としてあっせんいたしておる状態でございます。
○秋山委員 説明によれば、いろいろ理屈もあるでしょう。しかし実際には、あなたが言われるように、排気ガスはみんな燃してしまえばいいんだとおっしゃいますけれども、これが完全に燃え去っていけばいいのですけれども、なかなかそうはいかないような向きがあるわけです。すべてあなたのおっしゃっておることは、もっともらしい点もありますけれども、あなたがいまおっしゃっておるとおりならば、世にいう公害なんかないのであって、いま金さえかければ、これはかなりなくなすことができるはずなんですが、なかなかその金ができない。いまあなたのことばにもあるように、ただ融資をするだけでは、これはやがて返さなければなりませんでしょうし、何年間かは利息は遠慮してもらっても、あとは払わなければならないということになりますと、それだけよけいな利益があがっていくかいかないかによっても違ってくると思います。ですから、しかたがないから、これからつくるところにはいろいろな規制ができるかもしれないけれども、すでにできてしまっておるところにおいては、やはり国でそうしためんどうを見て、一日も早くそれに対処した方策を立てなければならない、こういうことではないかと思うわけです。私がいま横浜の人なんかに聞いてみますと、カーボン工場から出る煙、これが非常に困るんだという声もあるようであります。なるほど知り合いのうちへなんか行ってみますと、御婦人の白たびが一日持たない、毎日洗たくしなければ白さは保っていけない、こういうことが常時言われております。これなんかも、かつて私がインドへ行ったとき聞いたことですけれども、あそこらでつくる新しいカーボン工場なんというものは少しも煙が出ておらない。こういうふうに新しい施設に変えれば、おそらく皆無とはいかないまでも、かなり直すことができるのではないかというふうに想像するわけです。これはあなたの御答弁のとおりだと思います。これには思い切った金を出してやって、施設をさせるほかに方法はないのではないかと思うわけです。だから、先ほど申し上げましたように、そうしたことを考える用意はないのかということなんであって、恐縮ですが、もう一度それについての御答弁をわずらわたしたいと思います。
○斎藤説明員 公害の防止につきましては、最大の努力をしたいというふうに思います。
○秋山委員 これで最後にいたしますが、いま話題に出ましたように、直接関与している人たちは労災関係で死亡の場合には千日分という支給金があるようでございますけれども、いま千日分をもらったところでそう膨大な金にはならないような気持ちがいたします。たとえば日給換算で幾らになるかということになりますが、かりに月額十万円もらうと仮定いたしましても、思っただけの金額にはならぬかとも思います。同時にまたその関係はそれで終わったような心持ちになるかもしれませんけれども、その遺族の方々が、状況によって違いましょうけれども、その人たちがどうやら社会人としての生計が保てる、これほどのことができればまあまあということも考えられないわけではありませんけれども、概してそこまでは行きかねる。これにも多少の不安が残るわけですけれども、それよりももっと考えなければならぬことは、やはりいま通産省の人たちの御答弁の中にありましたように、目で見えない、急にはからだにも感じない、そういうことを通じてじわじわ体力に影響してくる、そういった俗にいう公害関係というものがかなり広くあろうかとも思います。これらについては何の補償もできないわけですけれども、だからといってこれをほうっておくわけにはまいりません。そのために関係の各省の方々は、いま申し上げましたように十分御配慮をいただきながら、これらの公害対策を一日も早く立てられんことを希望するわけであります。 同時にまた、先ほど消防庁からの御答弁がありましたけれども、私が知っている限りにおいては、消防庁でりっぱな御答弁をなされましょうとも、府県に配置になっておる消防署の人たち、こういう方々がそれほどのむずかしい科学知識を持っているとは思えません。全部の方はもちろん持っていないでしょうし、そうしたところに、たとえば川崎のような消防署には専門の知識を持ったこういう方々が何人おるか、私は不幸にして調べておりませんけれども、おそらくあれだけの石油を中心とした産業が大きく開発されている地域にもかかわらず、万全を期するだけの消防署員はおらないような心持ちがしてなりません。だからといって、監督官庁であります通産省においても、同じように現地へ出向いていって指導監督をしていくという人たちの数からいけば、これもやはりごく少量の人しかおらないのではないかという心持ちがいたしてまいります。特にまた、科学進歩の状態から見ますと、非常に発達のテンポが速くなっておりまして、業者はどんどん進んでいくし、役所は進もうと思っても進みきれない何ものかがあるようなことが考えられてまいります。これらについては十分配慮をしながら、予算の面においても十分納得がいく説明を大蔵当局なんかにしまして、十分な予算を獲得しながら、こういうものと完全に取り組んでいっていただきたい、こういうことが私は今日の世の人たちの願いではないかと思いますので、これを申し上げまして、皆さん方の善処を要望しながら私の質問を終わらしていただきたいと思います。
○森田委員長 門司亮君。
○門司委員 ごく簡単に最初に消防庁に聞いておきますが、この問題は掘り下げて議論をしますと非常に長くなりますので、ごく簡単に要点だけ申し上げておきます。 消防署関係の仕事としては結局低圧のガスというか、いわゆる危険物に対する取り締まりだけをすればよろしい、こういう杉が法律で出てまいると思います。ところがこの爆発をいたしました問題の建築物、新しい設備をいたします場合に、私は法律的に非常に大きな欠陥がありはしないかと思いますことは、この作業場は工場内の一つの装置の変更であります。増築ではありません。したがって届け出は変更届けで済んでおる。これの変更届けの出ておりますのが九月二十四日付で、現地の消防署が受け入れたのがたしか六月の六日の土曜日だと思います。七日が日曜でありましたので消防署が受け付けたのが六月九日。そうして消防署としては完全な現場検証もしなければ許可も与えていない。しかし手続からいえば工場の一部施設の変更であって、許可を得るものではないということが一応手続上は考えられる。しかし、現場へ行ってみれば増築であることは間違いない。こういう法的な欠陥が一つありはしないかと私は思う。 それから先ほどから問題になっております危険物との隔壁の問題でありますが、これについても隔壁はあったということでありますが、高さが八メートルである。建物の高さは十二メートルである。作業場からこのタンクまでの最短距離は七メートル二十である。最高の距離で十メートル八十くらい。そうすると、かりに溶接をしておってその火花が引火したとすれば十分引火の可能性がでてきる。隔壁というものが大したものになっておらない。しかもその隔壁の場所というのは爆発したタンクのところから見ればごく近接した場所に置いてあったということが一つであります。こういう形でタンクの中心からはかってみても一メートル八十くらいしかなかったのでありますから、タンクの半径を入れると一メートルしかなかった。ごく接近した隔壁でしかなかった。もしそういう問題でこういう爆発事故が内部からの引火であるとするならば、私はそういうところに落ち度があったのではないかということが考えられる。しかしこれは先ほどからお話しのように、受注しておるものと発注しておるものとの間におけるいわゆる危険防止にゆだねられる、ここに一つの欠陥が出てくる。これらの問題に対して消防庁としては将来どういう形でこれに対処すればよろしいというようなもしお考えでもあるなら、この際ひとつ発表しておいてもらいたいと思います。
○松村政府委員 今度の事故につきましては、原因等についてもまだ確たる結論を得ていないわけでございますが、こういった原因を追及しつつ、その間におきまして今日の時世、特に産業、経済の進展の状況に見合って法令等において検討すべき事項がありますならば、検討を加えた上で立法的な措置をとりたいとも考えておりますが、現在の法令のもとにおきましても、消防といたしましては、危険物につきましてはもちろん直接にいろいろ監督する方法がございますが、一般的につきましても、火災予防のためということでありますならば関与できる余地もございますので、さしあたっては現行法令のもとにおいて消防当局において、まず自主的に工場側において、先ほどから申しておりますように良識を持って防火のためにいろいろ措置を講じてもらうよう指導させたいと思いますし、また消防自体も、先ほど申しましたように、人員、技術者の点において現在非常に不十分でございますが、これらの問題も考えつつ、消防自体がしばしば現場におもむいて、防火の見地から査察をしていろいろ指導を加える、こういうことをやってまいりたいと考えております。
○門司委員 時間がありませんから、それ以上聞きませんが、次に労働省側に聞いておきたいと思います。 労働省側にお聞きをしたいことは、御承知のように三十八年の三月二十日のいわゆる労働省の省令で、四月一日施行になっておりますボイラその他の取り締まりに対する規則の改正が行なわれております。これはこの改正規則の中の第一種容器の規定に触れるとは思いません。労働省の規定によるならば、大体常時中の液体が四十度というようなことになっております、ところがあのタンクの中に入っております液体は大体五度から十度であって、そうして沸点が三十三・九度、こういう数字が出ております。したがって私は、この第一種の取り締まりの対象になるとは考えません、片方は四十度というのですから。これは五度から十度ですから非常に低いのです。それから沸騰するにつきましても三十三・九度、こうなっております。この爆発の一つの原因として、タンクの中において蒸留のガスができる、そのガスを押えることのために窒素が入るようにできている。この窒素がある程度押えるのだが、しかし空気が入ったことのために爆発したのではないかという一つの想定がございます。この想定を考えてみますと、消防としては、この爆発説は一つの想定であるが、この想定からいいますと、当然この省令に当てはめて、監督局が容器の検査をしなければならないということまではいっていないかもしれないけれども、法律はそうかもしれないが、しかし爆発したことは事実です。この点について、せっかく省令を改正されたのだが、何かもう一段容器の取り締まりをやっている労働基準局として考える余地がありはしないか、三十三・九度でもガスのできるのは事実であります。何も下が四十度から上のものだけというのは、この場合私はちょっと問題があるような気がするのです。この点に対する労働省側の御意見がもしあるなら聞かしておいていただきたい。
○山口説明員 いま御指摘のとおり去年の三月にボイラ及び正力容器安全規則を改正いたしまして、その第一条の第五項の四号の大気圧で沸騰するような圧力の液体を内部に保有する容器、その規定の中にひっかかるというふうに改正したのであります。今川のプロピレン・オキサイドは沸点が三十三・九度でございます。そうして使用しておりました状態が五度ないし十度という観点から考えまして、少なくともこの規定には入らないというふうに考えております。 ただ、今後の問題としまして、先生御指摘のように、まだ原因がはっきりしておりません。したがって、いまここでいろいろ申し上げるのは早計でございますけれども、もし内部爆発とかあるいは空気が入って爆発したとか、いろいろ考えられますけれども、今後徹底的にこの原因が究明された暁におきましては、われわれはこの規則についてさらに検討いたしたいと思っております。
○門司委員 これも時間がありませんが、もう一つ労働省に聞いておきたい。 労務管理の問題ですが、御承知のように、ここでは発注者が昭和電工であって、工事の受注者は千代田加工であります。千代田化工は、その下に約十あるいは十をこえるかもしれませんが、それにたくさんの工事を依頼しております。この点を千代田加工に聞いてみますと、私のところは令部か並列された下請であって孫はないのだと言っております。それはどちらでもいいですが、とにかく千代田化工はじめ工事現場には約十ぐらいのものが作業をしておったのは間違いがございません。これは負傷者もそういう形で出ておりますから、仕事をしていたことは間違いありません。そうなってまいりますと、労務管理の面で非常にむずかしい面がありはしないか、ここはいわゆる火気厳禁の場所であります。したがって、そこで溶接をやったり切断をやったりしたようなことでは、火気厳禁がたいして効果がないかもしれませんが、しかし火花でなくてその他の火気であったということになれば、やはりたばこの火だとかいろいろなものが想定される。しかしちょうどそのときは休憩時間中であったとも言われておりますが、問題になりますのは、労務管理の中で命令系統というものが一貫いたしておりません。それから働いておる労務者というものが、その日その日大体かわってくるだろうと思います。したがって融和がほとんどとれておりません。そういう中で、こういう危険な場所で作業をするということについての労務管理のあり方は、一体これでよろしいかどうかということになりますと、私はいささか疑問があるのです。ところが現状としてはやはりそうならざるを得ないかもしれません。仕事をしているほうの側から考えれば、配管工はどこかに頼む、電線の敗戦はどこかの会社に頼む、鉄骨その他はまた他に頼むということで、そういうことにならざるを得ないかもしれません。しかし労務管理の面で、そうだからといって、いま申し上げましたようなことでは済まされないと私は思うのです。したがって、労務管理の非一貫性からくる——作業場のいわゆる融和ということばはどうかと思いますが、秩序を保つという意味で、何か欠けた点がなかったかという気がするのです。その点に対する労働省側の意見をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○東村説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように現在の法体系といいますか、実情からいたしますと、親工場ないし発注元がございまして、その下に下請、さらに下請、こういうかっこうになっておりますと、たとえば労働基準法の適用などにおきましては、その下請の責任者が最終的な責任を持つ。ですから、一つの現場で親工場があって、その下へずっといろいろな下請さらに再下請があると、おのおのがその責任を持つという体系になっておりまして、ただいま問題になっておりますような、同じ現場で働いていて相互に関連がなくて労務管理の一貫性がないということになりますと、ちょっと手のつけようがないということはいま御指摘のとおりでございます。そこでそういう問題からいろいろな事故が発生する、労務管理の一貫性がない。一つの現場にあるのだから整整として作業が行なわれるべきではないかという考えのもとに、ただいま国会に法案を提出いたしまして、その法案の中におきまして主として安全保安の関係を中心とはいたしておりますが、その元請のほうで、つまり一番上の責任者のほうで、下請さらに再下請、全体を統轄する管理責任者、責任体制を明確にしなければならないという義務を課しておるわけでございます。したがいまして、この法案が成立いたしますれば、いま先生の御心配のようなことが法律的な裏づけをもって整備される、こういうふうに考えております。
○門司委員 法律が通りましてもなかなか実態は困難だと思います。人が毎日かわりますからね。だから前日注意をしておいたといっても、翌日の人は聞いておらないからわからない。毎日毎日同じことを聞かせるといっても、これはたいへんだと思います。そういうことは一片の法律だけでいくものじゃない。責任があるからといっても実態にそぐわない。人間がかわりますから、間違いはあります。 その次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、これも法的にはわれわれの調査の範囲では関係がないようでありますが、実は今度の被害が非常に大きく拡大したということは、あの現場にいわゆる現場事務所があったということですね。それから倉庫その他があって、実際から言いますと、危険なものがあって、その危険なところで危険な作業をしておる。そのそばに現場事務所があったということですね。これは千代田化工をはじめみんなで十幾つかのおのおのの現物事務研がここにあった。図面を見れば倉庫もあったように見受けられます。したがって、その爆発と同時に一番大きな被害を受けたのはここにおった人なんですね。直接溶接をしておった溶接工の三人と、それからクレーンの取りつけをやっておりました者二人というような、直接現場におったと考えられておる人と、ほかの人で大きな被害を受けたのは、これらの現場事務所におった人がかなり大きな被害を受けておる。それが今度の被害の拡大の原因になっている。しかしこの施設についても、法的にはたいして問題がないようであります。工場の中におけるいわゆる仮設建築物であって、単なる届け出をすればよろしい。六ヶ月以上のものでなければ仮設建築物で通るはずであります。こういう問題等も、やはりほんとうにこういう災害があってあぶない場所だからというようなことで、何かの規定をして、そういう危険なところに人をたくさん集めないというような方法が講じられないものかどうか。私はむしろこの場合でも、こういうところに合成がなくて人がいさえしなければ、そう大きな人間に被害はなかったと思います。外国の例を見てまいりましても、あるいは聞いてまいりましても、化学工場においてはかなり爆発事故はあるようであります。しかし大体はオートメーション化しておるので、ただパトロールする人たちがメーターを見て歩くくらいの程度であって、したがって爆発は起こしても人に対する被害はきわめて少ないのであります。ところが日本の場合はそうではなくて、爆発すれば必ず人に対するかなり大きな被害があるということでありますが、これらの問題についていまの法規にはそういう危険な場所に事務所というようなものの設置ということについて、何ら差しつかえはないと思いますが、法規的に考え方が何とかなりませんか。労働省でもどこでもよいのですが、お答えできるところがあれば答えていただきたい。ただこれは建設省の関係だけだと言って逃げないようにしてもらいたい。
○朝日説明員 私、建設省の建設業課長でありますが、ただいま先生のお話、はなはだ残念ながらまだそういう問題について検討したことはございません。今後十分関係者とも協議いたしたいと思います。
○門司委員 ちょうど零時半になりますからこれでやめますが、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、御承知のように危険物の取り扱い、さらにこの工場の工程を見てみまして、 かりにこれを第一工程、第二工程というようなことに、しろうとなりに考えてみますと、第一工程の分は高圧ガスで、そのほうの取り締まりを受けている。第二工程の部分は低圧で、今度爆発したところであります。その次の段階になりますとこれまた高圧になる。したがって取り締まり官庁というものも、ここからこれまでは通産省だ、ここは消防がやればいいのだ、その部分が終わるとまたここは通産省がやる、容器は労働省でやるというようなことで、危険防止に対する一貫性というものはほとんどないのですね。したがって立ち入り検査をしても、これからこれまでは私の部分だから立ち入り検査をする、これからこれまでは向こうの分だから向こうでおやりなさい、こういう形ではいけないと私は思うのです。やはり立ち入り検査というものは総合的に行われるような態勢が必要ではないか。現地の消防局に聞いてみますと、六月二日に問題のあの部分はそういう形で総合査察と言いますか検査と言いますか、そういうことをやるようにしておった、こういう話だけは聞いておりますが、しかしこういう問題はやはりある程度法制化する必要はありはしないか。ここでは時間がございませんから通産省の諸君に激しく聞けませんが、もう一つ考えられることは、こういう危険物に対する取り締まりとしての一つの問題に火薬があります。火薬の場合はおのおの作業場というものが、十分なる隔壁あるいは土塁で囲まれて、相当な距離がなければ認可されない、したがって事故が起こったといたしましてもそこだけで済んでおる。ほかに被害というものはあまりない。ところがこの種の問題でこういう大きな被害を起こしましても、そういう規定はどこにもないということですね。そうしてさらに会社側の悪口を言えば、そういう狭い工場の中に利潤を上げることのために無理に増設するというようなところに問題か起ったのではないかと思う。土地の狭いところでそんなことを言っても土地が得られないという理屈はあるかもしれない。しかし会社の利益よりも人間の命のほうが大事なことは間違いないのであって、こういう危険なものを取り扱っているところの火薬の製造に対します法規とか、あるいはこれに類したようなもので規制することができないかどうか、この二つの点を聞いておきたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○松村政府委員 まず、前段の御質問でございますが、先ほどもここで申し上げましたように、現在災害に対する防御体制というものが一元化されておりません。したがいまして、御指摘のような不都合な状況もいろいろ出るわけでございますが、この防災体制の一元化ということにつきましては、今日大きな一つの課題になっておるのでございます。したがいまして、こういう事件をきっかけに、そういう問題と真剣に取り組む必要があると思います、しかし、現体制のもとにおきましても、先ほどお話のように、現場におきまして実際の運用によって法令の欠陥を補うこともできるだろうと思います。さしあたっては、そういう点に特に配慮をいたしてまいりたいと思います。 なお、後段の火薬の問題は、これは通産省の方にお答え願いたいのでございますが、火薬のうちのごく一部は危険物になるわけで、その危険物になっておる限りにおきましては、消防法規の対象としてこれを取り締まっていくことにいたしております。
○斎藤説明員 石油化学につきましての事故は今回初めてでございまして、御承知のように、非常に高度な技術を駆使いたしまして、そのために生産即保安というようなことで、保安面の施設も、たとえばオートメーションというようなことで、自動的に防止装置が働くように、組み込まれるようになっておりまして、万一こういう事故がないように私ども信じておったわけでありますが、はからずも今回、例外的な原因によるものと思いますけれども、こういうことが起こりましたので、お説の火薬のようにまわりに障壁をめぐらすということをして事故の起こった場合の防災措置を検討したらどうかという点につきましては、これから十分検討してみたい、かように考えております。 ————◇—————
○森田委員長 この際、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。 八郎潟干拓地における新村設置の準備体制調査のため、秋田県に委員を派遣いたしたいと存じます。つきましては、衆議院規則第五十五条により議長に承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、派遣期間、派遣委員の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十四分散会