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46回国会衆議院1964/06/05

大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第3号

発言数
148
登壇者
13
会派数
3
開催日
1964/06/05

会議録

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 これより会議を開きます。  小委員長所用のため、指名により私が小委員長の職務を行ないます。  先日の理事会の申し合わせにより、本日は大蔵大臣の出席を求めて小委員会を開会する予定でありましたが、大蔵大臣はただいま参議院予算委員会に出席中でありますから、大臣が出席されるまで暫時休憩いたします。    午後六時十四分休憩      ――――◇―――――    午後七時十四分開議

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  国税庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。木村国税庁長官。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 去る五月十五日のこの小委員会におきまして、平岡議員から私に対し、安井、金子両名を直ちに処断し、そして私自身も監督不行き届きのゆえをもって、いさぎよくその座を去るべきであるという趣旨の御発言がありましたのに対し、私が、この職に恋々としておるわけではないが、でっち上げの事実に基づいて責任をとれと言われるのは、はなはだ迷惑である等の発言をしました。事実は前にたびたび申し上げたとおりでありますが、右の用語は穏当を欠くと思われますので、ここに遺憾の意を表する次第であります。

卜部政巳日本社会党

○卜部小委員 議事進行について。いまの国税庁長官の陳謝の意に対しまして、大臣はどういうふうにお考えなのか、大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 大蔵委員会では大蔵省所管事項に対しては、いつでも非常に好意的なお立場て御審議をいただいたり、御叱正をいただいておるわけでありますので、大蔵省も過去も現存もまた将来もまじめな行政をやってまいりたい、かように考えますので、変わらす、ひとつ御鞭撻のほどをお願い申し上げます。      ――――◇―――――

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。渡辺美智雄君。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それでは私から、税の執行につきまして若干国税庁長官に御質問を申し上げたいと存じます。  私は現在の税の執行につきましては、自由民主党が政権を持っておるわけでございますが、自由民主党の政策の中でも、あるいはまた非常に人情家と言われる大蔵大臣のたびあるごとの談話、その他の国会答弁等におきましても、また木村長官が年頭の辞その他において一般に新聞等に発表されておるいままでの談話や訓辞、こういうふうなものにおきましても、非常に行き過ぎたところの税の執行というものをやれというふうなことは、一度も聞いたことがございません。また、私は本日木村長官に質問をするわけでございますが、これは私はもっと実際のそれの担当をした人にお聞きしたいというのが、ほんとうの気持ちであります。責任上どうしても国会答弁ということになると、長官に御答弁を願わなければならないので、そういい点においては本心ではございませんが、しかしながら、何と申しましても木村さんが国税庁に君臨をして、そうしてその執行の衝に当たっておるというふうなことでございますから、これは不本意ながらあなたに質問する以外に方法はない。  それで現在の税の執行というものが末端においては往々にして、皆さん方が考えていることと非常に違うような形で実施をされておるということがしょっちゅうあるわけであります。幾ら木村長官といえども、おれの部下には一人も絶対いないということを断言するというわけにはまいらないだろうと思うのであります。現在は警察はこわくないというふうなことでありますが、非常に民主化されたはずの税務署におきまして、税務署はこわいということは、これは一般の中小企業者の一致した意見であります。一体どこからそういうふうな問題が出てくるのか、こういうふうに考えるのでありますが、私はやはり一つには税法というものが難解であって、しかもその税法というものが法律できめられるはか省令あるいは通達あるいはそのほかの署長や係長の考え方によって執行されているというところが非常に多い。税法の中でも、署長の認めるところにより、課税上弊害がなければ云々というようなことはざらにあるわけです。通達のときにおいても、そういう文句がたくさん使ってある。非常に認定に属するような取り扱いが多くなされておる。こういうふうなことが、私はややもすると乱用されたりなにかするということ等も手伝って、税務署は国会で応答をしているようなわけにはちょっといかないというような印象を民衆に与えておるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、私がこれから御質問を申し上げるわけでございますが、木村さんがただ一方的に部下の話だけをうのみにして、それでどこまでも現時点においてはそれで正しいんだというふうな考え方をなされるのも、立場上ある程度やむを得ないかと思いますけれども、しかしながら、もし万一間違った報告を受けておるというふうなこと等もあると、これはやはり相当問題になるわけであります。したがいまして、私はやはり部下の言うことは全部正しいとお思いになる長官の気持ちはよくわかるけれども、現実というものは必ずしも長官の考えているとおりにいっているかどうかということは、これはむずかしい問題であります。したがって、私は謙虚な立場で――われわれは何もここで木村さんをいじめてやろうとか、木村さんを困らしてやろうということは実際問題として毛頭思っていない。私は、木村さんという人はきわめて潔癖な方であって、よくいえば非常にまじめ、謹厳実直な方であります。しかしながら、悪くいえば、少しいこじであって、すなおに解釈してくれないというふうにとれないこともない。しかしながら、私はここであなたに傷をつけるつもりは毛頭ないのでありますし、木村さんを立場上困らせるということも毛頭考えていないのでありますから、ひとつ率直にすなおな御見解を披瀝をしてもらいたい、かように考える次第でございます。私はいままでの社会党の皆さん方の御質問に対しまして、どうも長官は少し意地になっているんじゃないか。ほんとうにそういう実態を把握したならば、そういうふうな答弁ができるはずがないと思うような節も多々ございます。したがいまして、そういうふうな点でこれから御質問を申し上げてみたいと思います。  きょうは税の執行に関する小委員会というふうなことでありますから、税の執行一般というふうなことでございますけれども、たまたま社会党の平岡さんをはじめ皆さんから、その一つの例として飯塚税理士という方の行なったところの税の指導というものが中心になって、いろいろ議論をせられておるわけでございますので、飯塚君の行なった行為というふうなものを例とし、あなたの応答、質問というふうなものを対照して、その中で私が奇異に感じておる問題について御質問を申し上げてまいります。  断わっておきますが、飯塚さんと私とは何も利害関係はございません。しいて言うならば、栃木県で同じ選挙区であるし、同業者として顔見知りだというふうな程度のものであります。飯塚さんという方は、非常にこの人も、私は率直に申し上げますと、きちょうめんで合理主義者でございます。しかしながら、ややもすると、こういう世の中にはなじまないというふうなところもあるいはあるかもしれません。あまりにも合理主義であるために、そういう点において税務署その他に対して感情を害しているというふうな点も多々あるでありましょう。しかし、それはそれといたしまして、一つの法律行為というものについて、私は実情をただしていくということでなければ、事これ飯塚税理士一人の問題ではなくして、旅費、日当の問題にせよ、あるいは別段賞与の問題にせよ、あるいは水増し給与といわれる問題にせよ、いろいろむずかしい問題を含んでおるのであります。私はこれは個人飯塚にこいう問題が起きているというばかりでなくして、同じようなケースは東京管内にもたくさんあります。私はたくさん知っております。それから大阪の管内にもあります。その他の管内にもございます。こういうふうなことでありますから、税の執行について少なくとも関東信越国税局だけがきわめて厳格な取り扱いをし、関東信越国税局だけが厳重であって、川一つ渡れば東京ではまた解釈が違うんだ、こういうふうなことでは、われわれとしてはこれを放置するというわけにはまいりません。したがって、公平な穏当な取り扱いをするという点からも質問をするのであります。  この飯塚事件というと、私は実はあまりよく知らなかったのであります。たまたま選挙中でございまして、投票日が二十一日ですか、十一月二十日の新聞に、要するに「税理士が脱税を指導」ということで、これは平岡先生からも御指摘がありましたが、「架空の賞与に計上国税局で調査に乗りだす」というふうな大きな見出しで出たわけであります。われわれもこれはきわめて被害甚大でありまして、税理士というやつは全くこういう悪いことをしているやつだという印象を与えまして、全く迷惑をしたのであります。しかしながら、実際問題といたしましては、その内容がわかりませんから、おそらく国税局の方が調査をしてやるからには、まあ官庁のやっておることに間違いはないのだろうというふうな印象を持ったのは事実でございます。しかしながら、新聞を読みまして私が非常に奇異に感じましたことは、その文章の中を見ると、「現職の税理士が脱税を合法的に指導した」というふうなことが書いてあるのであります。一体脱税を合法的にどういうふうに指導したのだろうか、合法的に指導して脱税になるだろうか、法律にかなっておって脱税になるというのは一体どういうことなのか、私は非常に疑問を持ったのであります。それからまた「税理士法違反の疑いがあるとして調査を開始した。」ということが国税局の談話として載っておるのでありまして、新聞では「国税局では今後の調査方針につき「税理士法違反がおもな目標だが、合わせて関係業者の脱税も追及する」」こういうふうなことがあったわけであります。そのあとの新聞を全部見ると、いまになって考えると、何か飯塚税理士を取り調べをするというのが目標なんだ、こういうふうな予断のもとにこの調査が開始されたのではないかというふうな疑問を持つようにもなったわけであります。  さらに、十一月二十五日の税のしるべというふうな新聞を見ましても、これもまた私は非常にショッキングな見出しで「飯塚税理士の不正行為」というふうなことが書いてあるわけでございますが、内容を見ると、関与先への経理指導では、民法、税法など各条文を悪用して、別段賞与など特異な経理指導を行なって不当に税金を軽減したとか、あるいは引当金を設けられることになっておるところの基本通達の二百六十五条を応用してやったんだというふうなことが出ておる。特に十一月二十五日には安井直税部長は、「場合によっては告発」というふうな見出しの中にはどういうことを言っておるかというと、税理士法の違反の事実があるので懲戒処分をする、こういうことを税のしるべの中で談話として発表をしておる。直税部長というものは実際問題として税理士を調査をしない前、本人の弁明を聞かないうちから処分をするというふうな権限がはたしてあるだろうか。そういうふうなことで、これは選挙後でありましたが、非常におかしい、どうもこの事件はおかしいというふうに実は少し疑いを持つようになってきたのであります。  さらに、その税のしるべにこういうことも書いてある。「報酬、給与の水増しなど法の網の目をくぐる目にあまる行為」がある。法網の目をくぐるということは一体どういうことなのか、私もこれはよくわからないのであります。しかしながら、前に言ったように、合法的に脱税したというふうな言い分と、法網をくぐるというふうなこととは、大体同じようなニュアンスでなかろうかということはわかったけれども、はたしてそれが税理士法違反というようなことで、直接税理士がすぐ処分をされるというふうな状態になるだろうかということで、私はまたたいへん疑問を深めたのであります。  ところが、十二月十二日になって産経新聞ではこういうことを書いてある。「法の盲点つく飯塚会計事務所五千万円の脱税指導」法の盲点をつくというと、これは税理士が処分されるのだろうか。弁護士などは法の盲点をついたものはみんな処分をされなければならないのだが、どうもそういうような新聞が少し私は解せないということで非常におかしく思ったのであります。さらに十二月十二日付の読売新聞には金子訟務宜の談話として飯塚税理士の登録を取り消すことを考えておる、こういうふうなことを談話として発表しておるのであります。おそらく新聞社は間違って書いたわけでもないでしょう。みんなの新聞が一斉に、事前にすでに十一月に飯塚税理士が調査が目的であるとか、あるいはともかく飯塚税理士は合法的に脱税しているから、これは取り消すんだとか、処分をするんだとかというふうな、出先の訟務官が、あるいは直税部長等がこういう不穏当なことをぼんぼん新聞に発表するということは、何の目的で一体これはやったのであろうか。私はこの事件についてますます疑問を持つに至ったのであります。ところがそれ以降になりまして、ちょうど三月の四日でありましたか、私も忙しいために実際問題として飯塚氏から詳しい内容を聞くような余裕がなかったのであります。たまたま大蔵委員会の小委員会においてこの問題が議論をされるというふうなことでありますので、私は小委員じゃございませんでしたが、それは関心を持っておったことでございますから、ここへ来て、差しかえてもらって一緒にお聞きをしたわけでございます。私も一介の見解を持っておるけれども、事実の全貌というものがわからないうちに軽々にこういう発言をするということは責任ある立場といたしまして私も差し控えなければならぬ、こういうふうに考えましたので、私は実際は発言をしないで今日までじっと待っておった。その間に皆さんのやり取りというふうなものもよく聞いたり、また現地等にも行って、現地の実情というものも聞かしてもらう。  それで、話は戻りますが、三月の四日の、横山委員が木村長官にいろいろと御質問なさった。その中で要するに初めて言われたわけでございますけれども、国税局のどなたですか、飯塚税理士が田中勝次郎博士と行ったところが、その際に訴訟事件を取り下げろというふうなことを言った、言わないというふうな議論になってきた。私はまた非常にこれは疑問に思ったのであります。それで、そのあとになると、今度は平岡先生のときでございますが、田中勝次郎博士の証明書の写しというものを私はちょうだいをした。しかし私はそれでも信用できない。実際問題として国税庁の顧問弁護士というふうな法律家の方がそういうふうなものを出すわけもなかろうし、それはほんとうなんだろうか、はたして田中勝次郎という方は、同姓異人ではなかろうか、こういうふうにさえ私は考えたのであります。ところが、どうもその長官の御答弁を聞くというと、田中勝次郎という人は、証明書を書いた人は、国税庁の顧問弁護士だ、こういうふうなお話であります。また、ある人の話を聞くと、月給十万円とか幾らとは知りませんが報酬を払って、訴訟やなんかをやってもらうところのれっきとしたところの弁護士さんなんだ、こういうふうなことも聞いております。  そこで長官にお尋ねいたします。私は、この事件は、いままでの経過を見ると、予断をもって取っ組んでこられたような印象を持っておるのでございますが、長官、いかがでございましょう。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 国税庁、局あるいは鹿沼の税務署が予断をもって調査をしたということではございませんので、先般私がこの小委員会で御答弁を申し上げましたように、法人の調査をしておるうちに別段賞与という特異な経理方法でもって脱税が行なわれておるということを発見をいたしまして、それで最初はそれほど多くの件数でもあるまいという考えであったのが、机上調査をいたしております過程において、相当広範囲にこういう経理が行なわれておるということがわかってきたわけであります。それではたしてこの別段賞与が実際に会社側から個人の従業員に支払われたものであろうかどうかというところに疑いを持って、それで従業員等の反面調査をいたしました結果、実際に会社側で支払う意思がなかった、あるいは従業員のほうとしてもそれの支払いを受けて、それを再び預け入れるという意思がなかったということが判明をいたしましたので、もしこういう事件がそのまま見過ごされるということになりますと、税務当局としては、今後ますますこういう方法による脱税が行なわれはしないかということをおそれたわけでありまして、その結果、いろいろ飯塚税理士との交渉の過程は省きますけれども、最終的には一般一律の調査に踏み切った、これが事実でございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官にちょっとお願いしておきますが、私、いままでの速記録は全部読んでおります。長官のおっしゃったことは、速記録にある限り全部わかっておりますから、同じことをお繰り返しにならなくてもけっこうですし、私のほうもなるべくダブらないように問題点だけを拾い上げて御質問をしたいと思います。  それからお坐りになったままでけっこうだと思いますから、私に対してはそのままひとつ御答弁願えればけっこうです。  それで長官にお尋ねしますが、別段賞与のことはどうせあとでお尋ねをしたいと思うのですけれども、訟務官とか直税部長が税理士を処分するとか、税理士の登録を取り消すとか――登録を取り消すということは首にするということですよ。かりに長官、部下に何かまずい人があったとしても、そこですぐあした首にしますなんていうことは、おそらく言えないであろうと思うのですよ。税理士だって人間ですからね。あれも人の子たる拾いということもあるけれども、新聞社が全然言わないことを談話として、私は処分をする、こういうことを考えておるのだということを――これは税理士の処分というのは長官がやるんでしょう。そうじゃないですか。それを直税部長や訟務官が、出先でそういうことを新聞に発表するということはどういうことですか。穏当なことですか、まず、それをお聞きします。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 新聞記事は、私は全部を見ておりませんけれども、国税の当局側として正式に新聞発表をいたしましたのは二回ございます。それは昨年の十一月二十日と十二月十一日でございます。それ以前に、たとえば先ほど御指摘になりました十一月二十日の栃木新聞に出ておる事実はございますが、これは国税局側において発表したというのではなくて、御承知のように昨年の六月から八月、また十一月中旬鹿沼税務署管内の関与先について相当の調査をいたしております。その結果、おそらくこれは新聞が取材したのだと思いますけれども、それを十一月二十日の栃木新聞に載せておるのであります。それで税務署で正式に発表いたしましたのはその十一月二十日の栃木新聞に出た日においてでありますけれども、十一月二十日の記事でありますから、これはおそらく十九日ごろに栃木新聞は取材したものだと思います。そうして二十日に発表いたしましたのは、その日の栃木新聞に出ておりまして、一般がそういう事実を知って注目をした。それで新聞記者の言うところによると、飯塚氏が記者会見を出し入れておるというような事情がわかりましたので、調査に着手するに至った事情を発表したのであります。それから十二月十一日にももう一回発表しております。これは飯塚税理士が、当局の調査は不当であるということを談話して載せておる。また本件が税務調査に関係をしておる問題でありまして、飯塚会計事務所の関与先及び一般に相当の関係のある方々はでき得れば修正申告を出してもらって、そうしてそれ以上の調査を省略したい、こういう気持ちで発表をいたしておるのであります。それで私が持っております十二月十一日の発表の内容を見ましても、ただいま仰せになったように懲戒処分をするとかあるいは資格の取り消しをするというようなことは言っておらないはずであります。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官、時間が足りないものですから、長くなれば三日も四日もこれををやらなければならない。なるべく早く切り上げたいと思いますから、聞いたことだけひとつ答弁してくれませんか。私の言っていないはずのものが新聞に談話として出ることは、あなたのほうがそういうふうなことを言わなくとも、新聞に出ているのですよ。私は、新聞記者というものはそんなに常識のない人はあまりいないと思うのです。少なくとも談話として出すのには、一応意見を聞かずに、かってにやるまい。しかし電話で談話をとることもありましょう。しかしながら、実際問題として全然発表しないということを、あなたの部下がかってに発表しているのですよ。しかし私のほうに報告がないから、これは事実じゃないのだ、そういうお考えは、これは改めていただきたいということを私は最初から言っているのです。資料がなければ、持っていって見せますよ、こちらにたくさんありますから。栃木新聞の十一月二十日にも書いてあります。「税理士法違反がおもな目標だが、」それから十一月の二十五日の税のしるべ――税のしるべというのは、これは非常に税務署なんかでも奨励をし、われわれも実は奨励をしておる。ともかく税理士会としても皆さんに読んでもらおうということで、非常に信用の置ける新聞で、もしこの新聞が信用を置けないというふうなことを長官がお言いになるならば、私も、全国税理士会の総会が近くありますから、これは信用が置けない新聞であるからということを発表しなければならぬと思うのですが、私はこの新聞は税のことで非常に詳しく書く新聞だと思っておるのですが、発表しないことを書きますか。十一月二十五日の税のしるべを読んでください。関東信越国税局直税部長の話というのが載っておりますから――ありませんか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 持っていないです。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 じゃ見せましょう。こんなことは実際私は困ったものだと思うのですよ。ちゃんと書いてあるのです。大体私は、これは補佐するほうも補佐するほうだと思うのです、これだけの問題が起きてきているのだから。こんな資料ぐらいは――私は忙しくてこればかりにかかっているのじゃないのです、あらゆる問題をやっているのですから。いろいろな資料も集めて、ただ下のほうの関係者ばかりでなくて、ほんとうにこの関係者が正しいことを言っているかどうかということを調べさして、そのためにはいろいろな問題を見てやっていただいたらいいと思うのです。これはコピーですから間違いないのですよ。これは発表になったでしょう

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 わかりました。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それから読売新聞、これも私は読売新聞の方がいるかどうか知りませんが、読売新聞はでたらめを書きますでしょうか。それに何と書いてありますか。関東信越国税局金子云々の下を読んでください。何と書いてありますか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 これは新聞の記事でありまして、私は新聞がうそを書いておるとは思いませんが、なお本人に会ってこういうことを一体しゃべったかどうかということを確かめてみたいと思います。もしそういうことをしゃべっておるとすれば、これははなはだ軽率であり、かつ不穏当だと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 何と書いてあるのですか。新聞では何としゃべったことになっておるのですか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 「関東信越国税局金子国税訟務官の話「飯塚税理士が経理を依頼されていた事業所は約四百あり、ほかにもかなりの事業所で脱税している疑いがある。場合によっては飯塚税理士の税理士登録を取り消すことも考えている」」

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官は、長官の調べたところでは訟務官がそういうことを言うはずはないと言われるが、新聞は見てわかっている。事実だったら新聞はうそをつかないだろう、読売新聞はうそをつくと思いますか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私は言うはずはないと申し上げたのではないので、新聞がうそをついておるとは私は申し上げておりませんが、はたしてこういうことをしゃべったかどうかということを一度本人に確かめてみたい、その上でもしこういうことを言っておるとすれば、先ほど申し上げましたようにこれはまことに不穏当であり、よろしくないことですから、これは厳重に注意しなければいかぬ、こういうことを申し上げたのです。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 ちょっと関連をお許し願いたいのですが、いまの件ですが、私は金子訟務官の発言については、当然長官でなくても補佐の諸君も、現在までどういう経緯があり、そしてどのように対処してきたかという点については、調査する時間も余裕も相当にあったと思いますし、それをいまみたいに、いま一度本人から確かめてみたいというような御発言については、いささか納得がいきません。ですから直ちに総務課長でも本人に電話を入れて確かめて、本委員会が終わるまでにその経緯を明らかにしていただきたいと思います。私たちは、できるならばこの小委員会をきょうで終わりたいと思っておりますので、そういった点については、せっかく御質問がありましたので、ぜひそういう手続をとっていただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 いま有馬委員からお話もありましたように、他を責めるには急で、自分のほうの部下の言っておることは調べないで、ただうのみにするということは、長官、とんだ間違いを起こしますよ。これは国会答弁でこれだけ騒ぎになっておる問題で――読売新聞というのは一流新聞ですよ。そこに談話として出ておるのですから、こういうふうなことについて全然調べてないとおっしゃることは、よくいえばあまり部下を信用し過ぎる。もう少しいろいろな点を八方目を配ってぜひともやっていただきたい、私はこのように考えるのであります。すみやかにその事実というものをお調べを願いたい。  もう一つ、金子訟務官の談話というのが朝日新聞に出ております。これはこういうふうなことが出ておるので、このこと自体は私はどうこうということは申しませんが、「金子訟務官の話「飯塚税理士には九月ごろから三度ほど勧告したが聞いてもらえなかった。税の負担の公平を欠くし、今後の税務行政にしこりを残すので飯塚税理士の調査に手をつけた。納税者は飯塚会計事務所から勧められて架空の賞与の支払いで脱税した人が多いが、悪質者には過年度分でも更正決定で重加算税を追徴したい。正確な脱税額は調査がおわらなければはっきりしない。」こういうことを言っているわけです。この中で、更正決定で重加算税をとるとか、架空の賞与の支払いで脱税をしたというふうなことを言っていますが、これも調査の段階において、そういうふうな断定的なことを新聞に発表するということは、これは少し私は先走っているのではないか、こういうふうに思うのです。  それからその次に、私は事実問題を長官にお尋ねをしたいのですが、国税庁の顧問弁護士であるところの田中勝次郎先生という人は、いいかげんな男で、でたらめや何かをやたらにやる男か、それとも信頼の置けるりっぱな、まじめな、固い、法律家としてきわめてりっぱな方か、その点だけ、伺うまでもないと思いますが、長官の御意見を承ります。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私はまだ田中勝次郎さんには一度もお目にかかったことはございませんので、私の実感でもってお答しにすることはできませんが、しかし顧問弁護士としてお願いをしている以上は、信用の置けない人だとは思いません。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それは私は当然かことだと思います。国税庁で長い間頼んで、金を払って顧問弁護士として、一つの指導者として尊敬をしておる方でしょうから、その人がいいかげんな方だと私は思わないのが当然だし、またそうあるべきだと思うのです。ところが私はその人の証明書というものを、平岡先生の質問のときに初めて内容を聞かしてもらったのですが、この人の証明書というものは信頼ができる、そういうことになれば、この中で安井直税部長は、税務訴訟を取り下げろというふうなことを言っておる。修正申告をしろ、別段賞与、日当についてもやれ、こういうことを言った。長官が認められる、信用の置ける顧問弁護士が立ち会いのもとでこれを言ったというのです。そうするとわれわれ国会議員は、それはともかくいいかげんな証明書なんだから、そんなものはどうでもいいというわけには現実問題としていかぬのですよ。ですから、当然国会の問題としてでもりっぱな材料として取り上げられてくるというのは、これは当然過ぎるほど当然で、あたりまえのことで、これが取り上げられぬなら世の中はやみです。私はそういうふうなことについて、実際問題としてそれは長官には何と言っているか知らぬけれども、下ではそういうこけおどしみたいなことをやっているのですよ。長官知らないのじゃないですか。大体だれも自分のことを悪く言う人はないですから、そういうふうな行き過ぎた言動というのが多いのですよ。先ほども私は話を聞きましたけれども、ずいぶん国会議員に対してだって侮辱するようなことを言う第一線の中堅幹部があるのですよ。あえてここで私は公表しませんけれども、そういう人もいるということを長官、頭に置いてやってもらわぬと、自分はりっぱなんだから、おれは正しく、悪いことは一つもしないのだから、だれも部下はそんなことをするわけはないということでは、私は行政の長はむずかしいと思うのです。私は木村長官という人は非常にりっぱな、謹厳居士で、まじめな、むしろ潔癖な人ですよ。そう思って私は信じております。しかしながら、部下の言うことも全部おれと同じだというふうにお考えになることは、長官としてはけっこうかもしれぬけれども、現実にこういうふうに同じく自分が使っている人から、片一方は言わないと言い、片一方は言ったということが出てくるというと、事実は一つしかないのです。どういうふうに裁断するつもりですか。長官にお答え願います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私は、田中勝次郎さんは先ほど申し上げたように、いいかげんなことを言う人だとは決して申し上げておりません。ただこの際に、九月二十八日に飯塚税理士と田中さんとが行かれたのは、田中さんにとってはそのとき初めて関東信越局へ行かれたのでありますが、しかしながら飯塚税理士はその前に何回か行っておられるわけです。それで田中さんに会って、部下に会ってもらって、そして田中さんの御心境を聞いてもらったところが、そういう訴訟を取り下げろとか、ほか四条件ありますけれども、そういう条件は当然前の回に飯塚税理士と直税部長との間において行なわれておったということを自分は信じておった、こういう発言があったのであります。それからまた直税部長と飯塚、田中、両氏が会ったときには、やはりそこに局の数人が立ち会っておりますが、そういう人たちから聞いても、そういうことを条件として提示したのではない、そういうふうには聞いておらない、こういうことを言っております。それからこの前の委員会で申し上げましたように、九月二十八日にこの二人が、安井直税部長に会われる前に東京国税局へ行って、そこで東京にある二件の訴訟を取り下げたいと思うということを、東京国税局の訟務官に申し述べておられるのでありまして、そういう点から考えて、取り下げの意思はむしろその当時の飯塚氏にあったんじゃないか、こういうふうに判断をいたします。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 そのお話はこの前長官からお聞きをしていますから、ダブると長くなりますので、なるべく私は要点だけお尋ねするのですが、前のお答えでは、そのときに田中さんは内容をよく見ないで判こを押したというようなことを長官はお答えになりましたね。間違いありませんか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 田中さんは、先ほど申し上げた私の部下が直接田中さんにお目にかかって話を聞いたところによりますと、個々の内容について確かめて証明を出したというわけではない、そういう個々の点については記憶がない、こういうことをおっしゃっておられます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 これは重大です。長官、重大ですよ。少なくとも法律家です。日本の全部の納税者を束縛する国税庁の法律顧問ですよ。報酬を払ってやっているのです。その人が内容を見ないで判こをついて、右は真実であることを証明します、弁護士、法学博士、田中勝次郎、ぼたもち判を押すわけないでしょう。長官は田中さんに会ったことがない。私はこれはいけないと思いますね。こういうふうな問題が起きて、自分の部下同士で、片一方の税理士と、その税理士が行ったときに立ち会ったところの、部下であるところの――これだって一種の部下ですよ――顧問弁護士と、関東信越国税局の直税部長が争っているというのだから、むしろ税理士の言い分も聞くべし、直税部長の言い分も聞くべし、同時に第三者である、法律顧問なんだ、弁護士なんだ、法学博士である、一番信頼して頼んでおる人なんです、その人に意見を聞いて、一体、君これは法律論争としてどうなんだと、そういうときに顧問弁護士の意見を聞くことは何ら差しつかえないし、むしろそういうときには長官のほうから呼びつけて、少し専門的な立場で、第三者的な立場で検討してみるというために頼んでおくのじゃないかと私は思うのです。どうなんですか長官、必要ないですか、そういうことは。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私の部下がかねがね仕事の面で田中さんに接触をしているわけでありますからして、その者に命じて心境を聞いてもらうということのほうが、私が直接お会いするより以上に重要なことを田中さんとしてはお話になる、こういうふうに私は信じております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 そうすると、あなたが直接会って聞くまでもない、部下が聞けばそれでいい、たいした事件じゃない、そういうお考えですか。長官、それはやっぱりそうではなくて、これだけ国会で問題になっていることですし、田中弁護士だって自分の部下なんだから、長官室に呼びつけてどうなんだ、一番最初から立ち会って知っているのだから、そういう方にお聞きするべき筋合いのものだと思います。国会でこれだけ問題になっているということはたいへんなんです。速記録も永久に残ることなんですし、私は長官が進んでその人までも呼んで聞いてもらいたかった、私はそう思います。  それから田中が内容はよく知らぬけれども、判こを押したという部下の主張を正しい報告であると長官は信じられて疑わないのですか。一点の疑点なく信じておられるのですか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私が毎日使っておる部下のことでありますからして、その者が田中さんと隔意のないお話をした。そのお話の結果を私に報告した、私は正しいと思っております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官は少しも疑問を抱かないのですね。自分の顧問弁護士が、しかも相当具体的に書いてこの証明書が出れば、相当これは問題になると普通の常識を持っておる者ならば、だれしも直感でわかります。まして自分の部下で金を払って外部から頼んでおくりっぱな人、その人が具体的なこまかいことを書いて、自分の部下の直税部長と全然違ったことを言ってきているのに、内容を知らないで判こを押したのです。そういう弁護士さんをふしぎに思わないですか。それをふしぎに思わないようだというと、でかい事件が次々と出てきてもやむを得ません。世間のだれに聞かしたって常識論争ですから……。長官の良心に従っての心境をひとつお聞きしたいと思うのです。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 ただいまお答えしたとおりです。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 少しも疑問を持たないですね。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 初対面の私が、しかも私の立場において田中さんにお目にかかって話を聞くよりも、毎週仕事の上で懇談をしておる当該の課長がお目にかかって、隔意のない面談をいたしておるわけでございますからして、私はその報告は正しいものと信じるわけです。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官、私は常識論争として言うのだけれども、そういうことでは円満な税務行政はできません。当然顧問弁護士さんを呼んで内容を聞くというくらいの熱意と誠意と、それくらいの細心の注意がなくては問題を起こすだけだと思うのですよ。部下を信用することはけっこうです。けっこうですけれども、もし部下の言うことが正しいということになれば、国税庁顧問弁護士の田中勝次郎の言ったこと、証明書はでたらめであるという結果になってきます。そういうことですね。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私は何もこれをでたらめと申し上げておるのではなくて、先ほど申し上げたような心境で田中さんが判をつかれた、こういうふうに信じております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 法律顧問というものは、そういうもので大蔵省の法律関係はみんな処理されているのですね、そうですね。そういうふうに認めていいですね。大蔵省の法律関係は、内容を見ないで判こを押してもいいのだ、それで不審は一つも持たないのだ、顧問弁護士さんがそうならそういうふうに信じているのでしょう。長官どうなんですか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 判こをつかれた場合に、一々の内容を精査しておらないというお話でございますし、また先ほど申し上げたように、その前の会に当然五条件というものは出されておったんだろうというこを信じておられたようでありますからして、私はそういう誤解の上に、あるいは判を押されたのではないか、こういうことを考えております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官、あまりえこじなことを言いますと、あとで引っ込みがつかなくなりますよ。普通のしろうとだったら何も見ないで判こを押してそれで済むかもしれません。ミーちゃん、ハーちゃんならば……。法学博士で国税庁の顧問弁護士で、しかもその内容が具体的に書いてあって、それがもしかすると、場合によっては大きな問題になるという可能性を包蔵しておるのに、法律顧問が内容を見ないでついうっかり判こを押して出しちゃった、こういうことが通用しますか。そういうことが通用するというふうなお考えでは、これはとても重大な問題に発展します。これはもう、常識問題ですから……。それなら次の質問に入りますが、間違いありませんか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私はいま申し上げたように信じておるわけでありますが、なおその際田中さんに直接面談をいたした、当の課長が来ております。だからそういうことでもう少し詳しくということであれば、その者に説明をさせたいと存じます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 これは課長云々よりも、そういう証明書について、国税庁の顧問が出したということになれば、もし内容がでたらめなら、田中さんはたいへんな問題になります。そういうことをお含みの上、ひとつ今後の質問を私続けます。  私はこの事件で非常に疑問に思っておるところがあるわけです。この田中さんの証明書を言うまでもなくして、長官の答弁の中で、たとえばこういうふうな答弁をされておる。保険というものは損金にならないものは益金として課税されるという意味の答弁をされておる。三べんくらい繰り返して言っておる。これを税理士会の諸君が見て、ずいぶん税法をひっくり返し、通達を見たって、損金にならないものが課税される、こういうふうなことでは会計原則もなければ税法もないと言うのですが、長官、法人税法第何条によって御発言になったのか。ひとつその条項をお示し願いたいと思います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 会社の経理上経費として認められないものは、これは損金にはならないわけでございまして、それは当然益としてあらわれてきて、これに対して法人税が課税されるというのは、私は当然だと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それでは長官、ここで法規のイロハを議論したって始まりませんけれども、それじゃ、事業年度第一期で、全然利益がまだ出ない、設立したばかりと仮定してもいいですよ。借りてきた金で損金にならない、生命保険を払ったとしたら課税されますか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 これは借りてきた金でございますから、当然その会社の金ではなくて、借りてきた金ですから、収益にはならないと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官、そういうものの考え方で、部下の言うことを聞いているから間違いが起きるんですよ。部下も部下ですよ、私からはっきり言えば。いいですか、これだけ国会で問題になって、長官の答弁資料ぐらいは、見てないんですか、部下は。長官が何と答弁をされておるか、見てないんですか。だれも助けてやる人はいないんですか。これでは、長官は重大な間違いを言っているんです。損金にならないものは課税されるんだと三べんも言っているんですよ。これは明らかな間違いなんです。この部分は取り消さなければならないんです。これが長官の税法の解釈ということになったら、たいへんな問題になるんですよ。最初の一回ぐらいは、これはそのときだけなら、私は、間違ったっていいと思うのですよ。しかしですよ、それから何週間も過ぎて、相当また国会で問題になっておるときに、部下がこれを読んでやって、ああ、長官、こんな間違ったことを言っていてお気の毒だ、長官、よく税法のことはわからぬだろうから、そういうふうな間違ったことを言っちゃったんだろう。わかりませんよ、長官だって、神さまじゃないんだから。税法だって、法人税法、所得税法がある、物品税法から何でもかんでも一切となったら、これは全部わかれといったって無理だけれども、こんなことは一番初歩のことなんですよね。しかし人間だから、間違いのあることだってありますよ。しかしそれが、きょうに至っても、そういうものが課税されるんだと、同じようなことを言わせるという、これは部下も部下だ、私は、そう思う。これでは、私は、いかに人のいい長官でも、法律論争になってくるというと、大きな重大なミスを残すことになります。課長さん、いませんか、どなたか。――鳩山さん、損金にならないものは、課税されるんですか。

鳩山威一郎大蔵事務官(国税庁直税部長)

○鳩山説明員 ただいまのお話でございますが、前回、長官が御答弁になりました趣旨は、まあ、これは委員さん、よく御存じでお聞きになっておるんだろうと思いますが、平岡委員のほうから、課税に影響ないというお話があったわけであります。課税に影響ないから、これは何でもないじゃないかという趣旨の――これはごく常識的に申し上げたんで、私は、このいまここで通達に書いてあるようなしちめんどうくさい表現はとるつもりはございませんが、そういう趣旨で、要するに、課税に影響ないというお話があったものですから、いや、そうじゃない、納税者の身になってみれば、それは損金になると思って保険に入ったものが、そうでなかったら、実際に課税に影響があるという趣旨のことを、きわめて常識的な用語で簡略に申されたことでございます。これはその質疑応答をごらんになれば、それでよくおわかりのことだろうと私は思います。これを通達にあるようなあらゆる条件に正確に表現すれば、きわめて長くなり、かつ、かえって本質がわからぬというふうな趣旨でございますから、その辺は御了解いただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それは鳩山さん、そういうことじゃないんです。あのときの争いというのは、納税者の側に立ってどうだのこうだのということじゃなくて、法律論争としてどうなんだ。私は、こういうことを聞いているんですよ。法律論争として聞いているんですよ。損金にならないものは課税されるということはないんです。ただ、飯塚君が、たまたまあのとき、損金にもならないし、益金にもならない、課税要件にもなりない、課税もされないというものだ、こういう説明をしたということが、向こうでもそう言った、こういうんですよ。そう言ったけれども、ともかく、どうもそれじゃ話が、税金が少なくならないということが論争点になっておるんであって、これはだれが読んだって、前後の関係、どこを読んだって、これはもう間違った答弁であることは間違いないんです。それまでも間違わないのだというふうなことを言い出してくるにおいては、これはもう言語道断と言わざるを得ない。これは鳩山さんも、非常に私の尊敬をし崇拝をする鳩山先生の御令息さんですから、私は、最大級の敬意を払って御質問申し上げますけれども、実際問題としてそういう点はやたらにえこじを申し上げるのじゃなく、もっと実際端的なお話をして、間違ったら、ああ間違ったんだ。改めればいいのですよ。小委員会なんですから、私はどこまでも、そいつをともかく長官の責任だ責任だといって追及するなんて気持ちには毛頭なっていない。だけれども、私は、非常にこの事件を通じて奇怪に思っていることは、それでもやもやしておるうちに、これは三月の十四日に、大貫という飯塚君の職員以下四名の職員が逮捕されて、逮捕された理由というものは、飯塚税理士と共謀の上、税理士法第三十六条違反の疑い、こういうことらしい。逮捕されたけれども、逮捕は、国税庁の告発によってなされて、国税庁は、いままで約三十件近く告発しておる、正確な数字は私わかりませんが、こういうふうな中で、二十一日間その人が勾留されておる。しかし、逮捕状記載の事実によっては起訴できなかった。逮捕の理由、逮捕状に記載された事実、それによっては起訴できなかった。それで、いわゆる同族会社の会社の議事録をあとからつくったということ、それを用いて法人税を脱税したということ、こういうことを理由にさらにぶち込まれて、約五十日間牢獄に呻吟をしたわけです。朝から晩まで逮捕状記載事実を責められたわけです。そういうふうなことがある。ところが、それでもどうしても逮捕状記載の事実によって、三十数件の告発によっても起訴されない。非常に奇妙きてれつな事件だなあという感じを一般の人はだれしも持っているのです。しかも、起訴の最初の内容というものは証拠隠滅だ。会社の議事録をつくって、どうして証拠隠滅になるのだろう。非常に疑問に思っておる。それのみではありません。弁護人が言うように、刑法百四条の証拠隠滅罪というものは、他人の刑事被告事件についてその証拠を隠滅したるものを証拠隠滅罪という。他人の刑事被告事件とはだれなんだ。一体刑事被告事件があったのか。かりに、その書類を、総会をやらないものをやったようにこしらえたとしても、一年も前の話である。その当時捜査などはやっていない。告発しようと思ってもいなかったという説明も先ほどあった。そういうふうに、捜査の段階に入っていない、刑事被告人もいない、その段階において、はたして証拠隠滅罪ができるんだろうかという弁護側の反駁というものはきわめて適当なものであると私は思います。しかしそれは裁判の問題でありますから、私はさらにそれを続けませんけれども、これは首なし事件である。しかも、脱税といってぶっ込まれても、本犯がいない。他人の刑事被告事件の証拠隠滅というものが、本犯がいない。その他人がいない。ここにこういうふうな世にもまれなる首なし事件というものがつくられてきた。まさにこれは、事実は小説よりも奇なりということばは、こういうときに使われるのじゃないか。あまり文学的才能がありませんからわかりませんけれども、私はそういうふうな印象を持ったのであります。  それから、もう一つは、私がここで非常に疑問に思っておりますものは、普通問題が起きるというと、それに対しては告発します。脱税犯を告発する場合は、国税庁では告発の基準があります。その基準にはたして今回の告発がかなっているかどうか、こういうふうなところで、これはあとでその書類を出してください。告発の基準、これは委員長、ちゃんと書類になって規則できまっておるのですから、ひとつ出していただきたい。  こういうふうなことで、非常にこの事件というものは私は奇妙きてれつだという印象を受けた。しかもその会社が、調べてみると、有限会社が多い。そこで長官にお伺いする。株主総会を開かなければ別段賞与を出すことができないのかどうか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 株主総会の決議がなくとも別段賞与は出せないことはないと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 株主総会の決議がなくとも別段賞与は出せる。その場合はだれが出すのですか。一般的な問題ですからね、これは別に飯塚事件に限った問題ではありませんから。税の執行についてこれから専門的なことを少しお伺いをいたします。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 説明員から答弁させます。

小宮保大蔵事務官(国税庁直税部審理課長)

○小宮説明員 ただいまの御質問でございますが、だれが出すかということにつきましては、税法上は別に何らの規制はございません。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 だれが出せばいいのですか。社員総会議事録は要らないというのだ。

小宮保大蔵事務官(国税庁直税部審理課長)

○小宮説明員 もちろん賞与を出すということについては法人が出すということでありますから、法人としての何らかの意味での意思決定がそこにあれば、合理的なものとして認められれば、それは一応会社のほうは出したということになる。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それはそのとおりなんです。社員総会議事録をつくってもつくらなくとも関係がないのですよ、そういうものは。関係のないものを証拠としたといって証拠にならないものによって証拠隠滅という起訴をされているのですよ。間違いないです。あなたの言うとおりなんです。ちょっと待ってください。いいですか。実際問題として、有限会社法からいうと、社員総会というものは成規の手続を経なくてもいいのです。有限会社では社員総会をやろうじゃないか、みんなで話になれば社員総会だし、取締役会といっても別に取締役は取締役会を開かなくてもいいのです、場合によっては。そうですね、審理課長。

小宮保大蔵事務官(国税庁直税部審理課長)

○小宮説明員 賞与を出すか出さないかということについては、会社の意思として、会社が出したということの客観的な事実があれば、税法上はそれは出されたものとして扱わざるを得ないと思います。ただし御承知だと思いますが、いわゆる法人税の申告を出します場合には、確定した決算に基づいてということになっておりますので、一年間の決算には当然賞与を出したということも一つの計算の要素として入っておりますから、全体としてそれが株主総会その他成規の機関によって承認されておるということが必要であることは申すまでもないわけでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 これは重大なる御発言をなさった、まさにそのとおりであります。審理課長さんそのとおりなんだよ。これは実際問題として、皆さんが決算書を受け取ったというのは、株主総会なり何なりいずれにせよ、そういう決定があったから決算書を受け取って税金を取っておるのでしょう。そういうふうにみなして取っておるわけですね。ところが今回偽造問題云々というふうに騒がれておるのは、決算確定する以前の問題を騒がれておるのです。決算日以前に社員総会をやった、やらないという騒ぎなんです。確定した決算ができるわけはないでしょう。決算日が到来しないのに確定した決算ができますか。こういうところに実際は相当な問題がある。なぜしからばそういうふうな決算、かりに社員総会議事録をつくったかどうか、これは私はこう考える。税務署の人はややもすると決算期日というものを中心にしてそれ以前に意思決定されてないのは認めないようなことをしょっちゅう言うのです。長官、別段賞与を一般の場合出す場合、社長なり取締役会なりあるいは社員総会の場合もあるでしょう。そういうものが意思決定をするのは決算日当日以前でなければならないのか、以後であってもよいのか、御答弁を願います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私は前回の委員会でも申し上げましたように、今回問題になっておる別段賞与というのは、現実に支払われた別段賞与を問題にしておるのではないのです。そうじゃなくて、別段賞与という経理を仮装して、その会社側としては支払う意思がないのに別段賞与という形をとってやっておるということを問題にしておるわけです。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 私はね、仮装したものは問題じゃないのです、そんなものは。仮装したら脱税にきまっているのです。そんなことは私は問題にしているのじゃないのです。仮装をしなかったのを問題にしているのですよ。いいですか、長官。別段賞与の意思決定は決算以前では悪いのか、以後では悪いのか、以前ではいいのか、どっちですか。これが一番の問題点なんですから……。

小宮保大蔵事務官(国税庁直税部審理課長)

○小宮説明員 会社の経費がいつの時点で発生するかということは、これはなかなか一般的に申し上げにくいことでございますけれども……。と申しますのは、たとえばかりに――たとえば悪いのでありますけれども、かりにですが、入っておる家賃なら家賃の支払いをする。これはかりに契約期間で各月ごとに発生することになれば、月末に発生するというように見たらいい。賞与につきましては、これは会社の給与規程できまっていて、盆暮れに払うということがはっきりしておれば、やはりそのときに発生するというように見ざるを得ないと思います。事業年度を過ぎましたものの取り扱いでございますけれども、これは渡辺先生よく御承知のとおりでございまして、われわれのほうの法人税の取り扱い通達、基本通達といっておりますが、それがあるわけでございまして、原則的には事業年度でなくちゃいけないということにしておるわけでございます。ただ、支給することが確実であるということが認められまして、しかもそれが申告期限までに各人別にきっちりと分別されておるということがはっきりしておる場合には、特にその当該事業年度において経費にするということを認めておる次第でございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それでよろしいのです。それは支給することが確実である場合においては、決算期以後においても、決算確定以前ならば、もっとわかりやすく言えば、三月の末日締め切りで、しかし三月末にきめなくても、四月、五月になってきめても、それは五月の締め切り日までに明細がわかって申告を出せば経費として認める、こういう取り扱いですね。それはそのとおりそういうふうなことになってまいりますと、ここで引き当て金というものは、単なる見積もりであります。賞与の引き当てということが通達の二百六十五に書いてありますが、引き当て金というのは見積もりなんです。見積もりだから、これは決算当日以前にはできない。たとえば減価償却引き当て金の問題にいたしましても、減価償却をする場合に、法律で一つの限度は定まっておる。百万円なら百万円までは経費に認めるということはきまっているけれども、八十万にするか六十万にするか十万にするか、これは会社の自由なんです、法人の場合。個人と違う。したがってそれをきめるのは会社の利益等も勘案をしてきめることが多い。したがって幾らに額をきめてそれを認めるかということは、決算期日以後、つまり申告日までの間にこれをきめられる、そういうことが多いと思うのであります。貸し倒れ引き当て金の問題にしてもそうであります。五〇%こういう条件のものは認めるといっても、一つ一つの貸し倒れの認識をする必要はないのであります。貸し倒れ引き当て金のごときは、一定の形式を備えたものに対し、条件を備えたものに対しは、やはりそれ以内できめられる、それも決算期日以後なんです。ところが関東信越国税局の指導調査、こういうものを見ると、決算当日以後のものは認めないという指導をやっておる。そこに問題の第一点が出ておる。いいですか。皆さん、長官、直税部長、これはこれだけの問題になっているのですから、税法その他の専門家なんだから、そんな全部のことじゃないのだから、問題になっているここだけの問題なんだから、そのことくらいは思想統一をして、どなたでもお答えができるようにして、そうして来てくれなければ、大蔵委員会はほんとうにがっかりしますよ。腰抜けしてしまいますよ。決してむちゃくちゃな質問をし、決して無理難題を私は吹っかけたことを言っておるのではありません。私はそういう点において実例を申し上げます。名前は伏せておきますか。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 抽象的に……。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 私の尊敬する委員長の御示唆もありますから、名前をはっきり言うのは差し控えますけれども、鹿沼税務署管内で、これは飯塚君の顧問先であります。そこでIさんという材木屋さんのうちに行ってみたのです。そこでどういうふうな実態であるかということを、ひとつ参考に。三十件ばかり私材料を持っておりますから、全部テープレコーダー等をとっております。資料も全部ありますから、いつでも必要に応じてお目にかけて、ほんとうにまずいところは直していただく、お互い行き過ぎがあるのだから、そういうところは直していただく、こういうふうなために私はこの委員会において申し上げるのです。Iさんの話。これは間違っていませんから、いいかげんじゃないのですから。私はいつから頼んだのか、こういうふうな質問をいたしましたところが、伊藤さんは、飯塚さんは昭和二十四年から頼んで一番古い方だと言っております。非常によくやってくれます。いままで何の大過もありません。私は別段賞与というものは妥当だと思っておった。ところが局からの調査がばかにきびしいので、あるいは違法かなとも思った。三十六年ですか、初めて利益が上ったので、約百万円ちょっとだそうですか、約百万円の別段賞与というものを立てた。そうして従業員に長くいてもらって、従業員の励みのつくように、こういうことで未払いに計上して、各人にちゃんと一人一人こういうわけで盆、暮れの賞与のほかにこれをやるのだから、ともかく金がないから、すぐはやれないけれども、五年間ばかり先ということで、年六分の利息でひとつ貸しておいてくれないかということを申告期前にちゃんと話をしてある。それでその内容というものはやはり古くつとめた人と新しい人と一緒にというわけにはいかない。古い人にはたくさん、新しい人には少し、こういうふうにやっておいた。そうしてその当座すでに三割は払っちゃった。現在までに六割は払っちゃった。約四十万くらいしか残ってない、こういうふうな状態である。したがって、私は払わないという気持ちは毛頭持ってないし、説明を聞いても成規な手続に少しも違反をしていない。したがって、ごまかそうなんという気持ちは毛頭ございません。従業員の名前をかたって、架空にして、そうして税金をごまかしてやろうなんという気持ちは一つもない。こういうふうなことで長く会社につとめておった人の七、八人に対して現在まだ残っておる。やめた人にはちゃんと六分の利息もつけて全部払っちゃった。二年間の間税務署からは何とも言ってきてない。突然この間がたがた押しかけてきて、約一ヵ月間朝から晩まで連日工場において帳面を広げて、何を調べるということなしに、何だのかんだのと言っておった。調書は三べんも書き直した。全く、えらくもう疲労こんぱいしてしまった。正しいとか、正しくないとか、そんなことはもうどうでもいい。要するにこうして毎日一ヵ月近く来られたのでは、暮れが差し迫っておるのだし、商売にならない、こういう状態だ。それじゃそんな修正申告をする必要はないじゃないか、何で修正申告をしたのだということを聞いた。税務署が修正申告をしろと強制したのだろうと私は聞いたのです。ところが、いや、しろと言って強制はしない。税務署の方が来て、国税局の方が来て、私は修正申告しろとは申し上げませんよ、違法だとも断定はできませんよ、断定できないと言うのです。しかしながら、違法だということになったときには重加算税がかかったり何かたいへんだ。違法ならば、そのときに違法だから君のほうは修正申告しろとはっきり言えばいい。事実を調べてみて違法だとは断定できない、しかし、まあ修正申告してしまったほうがいいのじゃないかと思う、こういうふうな話なんだ。毎日々々もういやになってしまった。税金はそれでは幾ら納めればいいのですか。そうだね、五十万も納めればいいでしょう、こう言うんだ。つくづくいやになってしまった。しかし、おれはもうすでに従業員に支払ってしまっておるのだから、その分はどうしてくれるのだ。その源泉税は返してやる、こういう話だ。それで自分のところの二階に来てもらって修正申告を書いて出した。それでも四十何万か五十万近い金を納めた、こういうのです。実際問題としてそれでは修正申告なんか出さなくてもよかったんじゃないかと言ったら、いや、そう言うけれども先生、なんです、十二月のころになって毎日毎日来ておったのでは、工場の事務所で一ぱいに書類を調べているというと、お客さんが買いに来てもこそこそ帰ってしまう。そういうことでどうしても商売にならない。気分的にもいやだ。だから私はそれらについては、修出申告をしました、こういうことなんです。これについては何にも差しつかえないと思っておったところが、ほかは何も取りませんからというお約束があるのに、今度は利子税をよこせ、よこせという毎日の催促で、つい最近になって居たたまれなくなって六万円払った。返してくれると言った源泉税もまだ返してもくれない、こういうことです。そして調べたところの内容は、やる気がなかったのだろう、やる気がなかったのだろう、ほんとうは払う気がなかったのだろう、検察庁にも呼ばれて三回調べられた。しかし、私が終始一貫やる気があったからやったので、すでにもう払っておる人もあります、嫁に行った従業員もいますと言ったところが、検察庁が来て鹿沼税務署総動員して全部調べた。東京まで調べた。東京に嫁にきた人も調べられた。もらっておるのは事実だから何ともしかたがない、こういうふうな問題が出ておるのです。私は具体的な問題を出すまいと思うけれども、こういうものが幾つもあるのですよ。一律に、飯塚君のやった別段賞与はみんな悪いのだ、こういうふうな予断を持ったところの指導をやると、無実の民を罪におとしいれて非常に反感を買います。池田内閣はそんなことをやってみそもくそも一緒くたにして税金を取れと言っておりません。もし払ってあればこの処理をどうするのか、払う意思があった場合この処理をどうするのか、こういう場合どうなんですか。そんな抽象的なことを言ってわからないといえば、どこそこ何番地と私は申し上げますよ。委員長から抽象的にというお話だから抽象的にお話し申し上げたのです。  同じような例は、鹿沼に上沢さん、言ってしまったけれども、Uさんでもいいです。こういう人が、たった十万円ばかり、私はそんなむずかしい手続でごまかそうなんという気持ちはあるわけがないじゃないですかと頭から湯気を立てておこっておりますよ。これもうろうろと来られるので、それで別の税理士さんにとっかえてやった。聞いてみたらば、まあともかく違法だとわかったときに困るから出しておいたほうがいいのじゃないかということで修正申告をとられてしまった。この人は、ほんとうはあなたはやる気がなかったのじゃないかと言いましたら、修正申告でそういうことを言うなら、これから税務署へ行ってとっ返してきます。ちょっとお待ちなさいと私はとめておきましたが、そういうふうな人があるのです。それからどうですか、長官。飯塚税理士は悪い税理士だ、従業員に二百万円の賞与があった。一年三ヵ月の女子従業員に六十万円の架空賞与をやった、こういうことをおっしゃいましたね。そこで長官に聞きますが、それは架空だったのですか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私はこの前からの答弁ではっきり申し上げておりますように、別段賞与は即脱税だ、あるいは違法だということを申し上げているわけじゃないわけです。別段賞与という形をとって実際支払われておらない、支払う意思のない者がそういう形をとって支払われたようにしておるというものは脱税であり違法である。したがって、それでは一体、ある税理士の関与先でありましても、これはいろいろな場合があると思います。実際支払う意思を持っていて現実に別段賞与を支給しておる場合と、そうではなくて、先ほど申し上げたように支払う意思がないのに支払ったようにしてそして経理しておる場合、いろいろあると思います。したがって仮装された別段賞与……。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 いまの例で言ってください。一番悪い例を言ってください。長官が、こういう悪い例があると言った例で言ってください。仮装であるかどうかということは……。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 いまの例は調査中であります。したがって、私がこの前申し上げたのは、いかにも社会通念上から見ておかしいじゃないですかということを申し上げたわけです。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 一番悪い例はいまだ調査中なんですね。――これはこうなんです。金子訟務官は修正申告を出せ、違法だ、こう言うのです。それで調査に来たところの星さんという、私は会ったことはないけれども、調査官がいるそうです。その人は、あなたの場合はこれは合法だから何ともしようがない、実際そのとおりだからしようがない、鹿沼税務署にも法律どおりやってもらうほかしようがないでしょう、どっちをとっていいかわからぬというのだよ。従業員から何から歩いて、みんなこれは放棄の書類だけはつくらされたから取ったけれども、金子訟務官に渡したとか言っていましたよ。しかしこれは、私は、違法だということならば、払う意思で皆さんに言ったことだから必ず払います、間違いなく払いますとちゃんと言っています。のみならず、私はそういうふうな例も非常に多いということを知ってもらわなければならないのですが、違法だということを上で言うと、下まで、何でもかんでも、違法でないものも何でも、ともかくかっこうを合わして修正申告を取ってしまおう。長官がこういう悪いことをしたと断定してかかったものについては……。税務署では、あなたのほうはいいんだとちゃんと言っているんですよ。修正申告もしていなければ、修正申告をしろとも言わないんですよ、事実なんだから。こういうふうに、予断をもってすべてを判断して税理士をきめつけてそれをゆすぶるというやり方、これは私は問題があると思う。確かに税務官吏として負担の公平というふうな問題から考えるといろいろな点がありましょう。しかし旅費の問題、水増しの問題、ずいぶん問題になりました。検察庁で問題にしましたか。追起訴していますか。千円以上は脱税だ、二千円、三千円は不当だ、こういうふうにお思いになりますけれども、これは確かに法律の盲点なんです。長官、中小企業は千円以上は旅費を実際に払っても、それは高過ぎるから不当なんですか。その点をお聞きしたいと思います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 旅費ではなくて日当だと思いますが、やはり旅費にしろ日当にしろ、これは実費弁償的な性格を持っておるわけでありますから、旅費と名がつけば幾ら高くてもいいんだというわけにはまいらぬと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それはそのとおりなんです。であれば、あなた方が見て高過ぎると思ったら、なぜ更正決定を出さないのです。それをお聞きします。二千円が高いと思ったら、なぜ更正決定をしないのか、ひとつ長官に承ります。――早く答弁してください。簡単でしょう。更正決定したらいいでしょうと言うんですよ。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 これはやはり相当広範囲に同じ類型のことが行なわれておりますので、それとの見合いにおいて調査を進め、同じような処置をとらなければなりません。したがって、一件見つかったから一件すぐやるというわけにはまいらぬと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 これは私は一般論として申しますけれども、やはり旅費というのは中小企業は千五百円では高い、あるいは二千円じゃ高過ぎるというふうなことは、一つの基準があるわけですから、それによって更正決定をやって、そして確かにそういうのは悪いんだということをはっきりさせればいいんですよ。更正決定しないでただ修正申告せい修正申告せいというようなことを言わないで、やはり更正決定で、こういうのはだめなんだ、千五百円、二千円は高いんだというふうなことで更正決定をおやりになったらいいと思うのですが、その点はいかがでございますか。そのほうが問題を混乱させないでしょう。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 更正決定を行なって済むものもあれば、今回の事件のように一税理事務所の指導によって相当同じ方法でもってやられておるという場合には、これは単に更正決定をして、それで終わるというわけにはまいりません。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 更正決定をすればそれで終わるというのではなくて、罰則はあとでだってできるのですよ。一年も二年もほうり投げておかれたのでは、いいと思ってまねする人だって出てきますよ、長官。行政措置としてどんどん処理するものは処理したらいいじゃないですか。一税理士がやっているんだといってぶん投げておいて、二年も三年も置いて、四年さかのぼってやれだの五年さかのぼってやれだの、そういうことが適切な税務行政ですか。適切ですか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、相当広範囲に同じようなやり方でもって行なわれておるので、一挙に全部をやるというわけにはまいりません。逐次調査を進め、調査の終わったものから処置していく、こういうことになっております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 長官、三年もさかのぼってやれとかどうとか言っておって、一つ芽が出たときにやったらいいじゃないですか。そういうものをなぜぶん投げておくのですか。そういうことを私は言っているのですよ。一飯塚の問題じゃないのですよ。みながまねするでしょう、二年も三年も放置しておいたら。もし悪いことであれば、日当の二千円は高過ぎる、内閣総理大臣が七百円だ。千五百円、二千円はけしからぬというなら、なぜそのつどびしびしやっていかないのですか。そうすれば全部最初から解決がつくのですよ。交通事故だって警察官は道路に立ってないで、わざわざ電信柱の陰にみな隠れていて、あれは踏切で一時停車しなかった、あれは何だ、件数は何件あがった、こういうふうにやるのはおかっぴき根性ですよ、もしやるとすれば。私は少なくとも税務行政というのは、指導の立場にあるのだから、警察行政じゃないんだから、ぶん投げておいたのでは納税者がかわいそうでしょう。あなた方が間違っていることがわかったならば、一つ一つ発見したときにやっていったらいいじゃないですか。なぜそんなにたくさんぶん投げておいたのでしょうか。ぶん投げておいたから数がふえたのでしょう。その理由を説明してください。

鳩山威一郎大蔵事務官(国税庁直税部長)

○鳩山説明員 旅費とかあるいは旅費のうちの日当とか、あるいは給与に関する問題につきましては、それはやはり全部一律にやるということは、各地域あるいはその会社の規模等によりまして必ずしも適切ではないということがありますために、一律の基準というものは従来からやっておらないわけでございます。これをなぜ更正決定しないかというところはそういう点をおつきになっていると思いますが、これは必要があればしなければならない場合もあるかと思います。そういった場合にはやはり更正決定も必要かと思いますが、なるべくそういうことにならないで、やはり申告納税ということがいまの税制のたてまえになっておりますから、それは修正ということもあとからでも可能なわけでありますから、そういった、自分のところはこの辺が適正であろうという、まず第一次的には当該企業の判断で処理を願うということのほうが税務指導としては適切であるということでありまして、修正申告ということもやっております。しかしどうしてもそういうことで処理できない場合には更正もいたしたいと思っております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 きょうは一応この程度にしておきますけれども、これは鳩山さん、そういうことをいったらたいへんな問題になりますよ。これはおどかすわけじゃないけれども、ほかはみんなばたばたやっているのですから、飯塚君だけそんなに有利な取り扱いをされたのでは困ります。もしそういうことだということになれば、事実を隠蔽しているから、そういうふうな逆なことを言われるともう詰まっちゃうんですよ。申し上げましょう。私の考えでは、旅費は千五百円、二千円といっても、一がいにこれは脱税であるときめつける手は法律上ないのです。法律が不備なんだ。そこに問題点が出ているのですよ。私は実際から言うと、日本の旅費規則はきわめて不備である。旅費制度というのは不備である。アメリカ、イギリス、ドイツ、こういうふうな国は実費弁償というものを大体基準に考えておる。アメリカなどは大体一日二十五ドル、九千円という一つのワクが設けてありますが、その範囲で実費弁償。イギリスあたりは非常に極端な実費弁償主義です。日本だけは旅費というものは実費弁証じゃないのですよ。第一、公務員がそうじゃないのですよ。旅費を所得として見ているのは日本だけなんです、世界各国で。しかも明文をもって課税しない所得という中に旅費を出しているのですよ。非課税所得の取り扱いをしているのは、世界で、文明国では日本だけなんです。だから今晩の十一時に出発してあさっての午前一時に帰ってきても二泊三日の日当を出すのですよ。今晩の十一時に出たら日当出すのはおかしいじゃないですか、もう過ぎちゃっているのだから。それでも日当を出しているのですよ。これはどういうことかというと明治以来の伝統なんですよ。しかも身分によって差をつけておる。あなた方、社長が多くて従業員が少ないというけれども、どこの会社だって社長と従業員とうんと差をつけています。国家公務員だって差をつけております。これは大蔵省給与課長の岸本晋氏が書いた「旅費法精義」というのがある。この中で旅費の問題について詳述しておる。どういう考え方かというと、本来、実費弁償というものから出発してきておる。これは間違いない。性格論である。しかし法律論としては別だ。「現行法上の旅費は、実費弁償を本体としながらも、給与的性格をも帯びているということができるのである。」長官の答弁と違うのだ、同じ大蔵省内でも。「日額旅費(法律第二十六条)や旅行手当(法律第四十一条は更にそのような性格が濃厚である。又、旅行命令の取消等の場合に支給する旅費(法律第三条第六項)、喪失旅費額に相当する旅費(法律第三条第七項)等は、どちらかといえば、旅行中の実費弁償というよりは、損害補填の性格をもつものなのである。」性格が三重構造になっておるのです。したがって、「況んや法律第三十条第一項及び第二項の旅費や死亡手当(法律第四十条)に至っては、殆んど実費弁償たるの性格を有していないものということができよう。」というふうな解釈をし、これに対して非常に論争が起きておる。人事院で通達を流しておる。時間がないからその通達や何かは申し上げませんけれども、こういうことも言っておる。「旅費の金額が職務その他階級によって差をつけられている場合は、更にそうした問題の生ずる余地が生じてくる。かように見てくると、現実の制度としての旅費は一応勤務条件の一部を構成するものとして、団体交渉のみとめられる職員の場合には、交渉の対象となしうるのではあるまいかと。」したがって、旅費というものは、給与的性格を持つか、実費弁償かということは、労働法に関係してくるのです。あなた方が旅費は給与的なものでないということを断定できるとすれば、ひとつ長官の明言をここでお願いしたい。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 所得税法の六条にいっております「職務に関し必要な旅行をなした場合に支給を受ける旅費」というものは、当然社会通念上旅費としての相当額をいうものだと思います。旅費という名目であればどんなに高くても課税されないというのではないと思います。また判決でも、会社その他の団体の経費、ことに旅費等は、当該会社の規模その他の状況から見て当該会社の業務遂行上通常かつ必要なものであると一般に認められる程度のものでなければならない、こういっております……。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 質問に答えてください。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私は、旅費というものが給与の補充的な意味を持つものだとは税法は考えておらないと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 それでは日額旅費というものは実費弁償的なものですね。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 日額旅費というもの、そのつど旅程を調べて支給するということが困難である、非常にひんぱんに日帰りの旅行が行なわれておるという場合に、平均的なところをもって算出してございますので、基礎はあくまでもやはり実費弁償的なものだと思っております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)小委員 税務署で出張しない女の子に旅費を分けているのはどういうわけですか。もし絶対にそういうことがないと言うなら、私は実例を出して争いますよ。課長ばかり旅費を取ってしまっておれたちのほうに回ってこないというような問題は、役所ではしょっちゅう起きているのですよ。実費弁償ならばそういうようなことはないのだから。私はそういう点からいって、この旅費の問題等については法律に不備がある。しかし長官のように、幾ら要ってもいいというものでもない。おのずから限界がある。その限界というものはなかなかむずかしい。会社によって違う。したがって、会社の一つ一つについて更正決定を出せばいい。一律に一ぺんにまとめてやるなんというようなことはできない。まして二千円以上は脱税なんという予断を持ってやることは間違いなんです。したがって検察庁は全然相手にしない。出張しないものを出張したようにつくったものは、これは論外です。そういうのも多少あるようです。そういうのは論外です。しかし全体を論じてもらわなければ困る。  私は、この問題については、もっとこまかい点について長官の明快なる御答弁をお願いしたい点がございますが、一時間というお約束をして、平岡先生にはなはだ恐縮千万で、二時間やってしまって、ほんとうにこれは春日先生に申しわけございませんでしたが、以上をもちまして、私は本日はこの程度にとどめ、その他の分については質問の権利を保留します。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員 平岡忠次郎君

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 冒頭に委員長に要請いたします。  関信越局の安井直税部長に対し、安井君が本年一月、日光の石田屋の主人から押収した録音テープを当委員会に至急提出せしめるようお取り計らいを願いたい。これは飯塚君の保険勧誘の話法を録音したテープでありまして、安井君が同店から証拠として、正確に言えば証拠隠滅のため、押収持ち返ったままのものであります。  なおまた、五月十五日委員会議事録第一一ページの三段目の私の論述にある鹿沼市の岩村興業株式会社社長の別段賞与支払い意図の証言書で、これまた関信越局安井直税部長のおそらく机の中にでも埋もれてあると思うが、同時に提出方お取り計らい願いたい。  前者は、保険業法違反容疑から飯塚君の白を証明するリトマス反応試験紙ともいうべきものであります。後者は、不当別段賞与なりとの当局側の喧伝を一挙に打ち砕くに足るところの貴重な証拠であります。右の二つの資料提出をお願いいたしておきます。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 御返事申し上げます。  重要な問題でございますので、理事会で協議をしていただいて、その上で適当な処理をいたしたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 では、五月二十二日の大蔵委員会理事会で理事諸君の合意に達しました点は、小委員会はなお継続再開せらるべしとのことでありました。委員諸君の御同意を得まして、補足的な質問といたしまして私はこれから御質問もいたしますし、なお必要な所見の開陳を行ないたいと存じます。  保険課長にお尋ねします。四月十六日の議事録にありますとおり、あなたの直属局長である高橋さんは、飯塚処断の事実を当日朝まで全然知らされなかった旨答えておられます。したがってあなたが独断で飯塚君並びに部下従業員の保険業務による収入の糧道を断ったわけでございますが、その理由を明確にお答え願います。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 私は保険第二課長でございまして、損害保険事業を担当いたしております。それで本日ここにまいりましたのは、生命保険を担当いたしております中込保険第一課長が五月二十三日から六月十四日まで出張を命ぜられておりまして、私が事務代理を発令されております。したがいまして、本件につきましての役所におきますいろいろな資料、それから若干の引き継ぎを受けております。さような意味で本日当委員会に参ったわけであります。したがいまして、ただいま御指摘の点若干御説明申し上げますと、昭和三十九年の三月十八日に医療法人桃李会御殿山病院理事長の波木一男さんという方から、大蔵省銀行局保険課長あてに上申書というものが提出されました。これはこの前の四月十六日の委員会に出ております。これが保険課といたしましての問題の発端でございまして、これは直ちに当時の第一課長が二月の二十一日にこれを受けつけまして、大同生命の東京総局に対しましてその事実の調査を同日に命じたわけでございます。さようにいたしまして直ちに大同生命のほうから翌二十二日、担当の安井課長という方が大蔵省へ見えまして中間報告、さらにこの上申書に出ておりますところの今井支社長という方の出頭を二月二十四日に命じたわけでございます。そうしますと二月二十五日に当人の今井支社長という方が役所に見えまして事情の説明があった。それから三月の十六日にこの上申書の御当人であります波木院長が当庁に見えまして、大体上申書と同趣旨のことの申し出があったわけであります。それに役所といたしましては、やはり大同生命の東京総局に対しまして重ねて事情の調査を命じておったわけであります。それが大体の時間的経緯でございまして、三月十六日までにかような経緯といたしまして、保険課といたしましてこういう調査を続行したわけでございます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 何かあなた、全然ピンぼけな答弁で、当事者がいないのじゃ話にならぬです。いつから御出張ですか。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 五月二十三日から六月十四日まで……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 どこへいらっしゃっているのですか。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 ヨーロッパへ出張いたしております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 それでは当事者がいませんけれども、そう何回も小委員会を開く機会がないでしょうから、なお質問をすることにしましよう。四月十六日の直橋局長の答弁によりますと、飯塚税理士は保険業法に違反している、そういう募集をしているという課長の報告のままに答弁されまして、こういうものを紹介代理店にしておくこと、あるいはその職員を外務員として登録しておくことは好ましくないから、その登録を取り消すべきだということになって、今年三月十七日に取り消した旨を答えられておるのであります。答弁の要旨は安井直税部長等から頼まれてやったのではない、保険課長の責任において独自にこの処断をした旨を陳述されておりますが、あなたの聞き知った範囲におきまして、これを確認できますか。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 局長がこの四月十六日に御答弁申し上げました時点におきましては、保険課といたしましては、ただいま申し上げました上申書が出ておる段階でございます。上申書の中に保険業法違反の疑いがあるということがるるいろいろと述べられておりまして、それをもとにいたしまして局長が御答弁申し上げたと思います。したがいまして局長がこの飯塚代理店主につきまして、保険募集の取り締まり法に違反した事実があったために取り締まり法を発動して、代理店の取り消しをいたしたということではないというふうに私は承知いたしております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 取り消しの理由は何ですか。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 この取り消しは、大蔵省といたしまして募集法に基づいて取り消しをいたしたことは全然事実ございません。現実にはこの飯塚代理店というのは、大同正命との代理店契約が存在しておったわけでございますが、それを大同生命のほうの事由で、代理店契約の解除というかっこうで代理店でなくなっております。したがいまして、法律に基づいて取り消したということでは全然ございません。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 この前の局長はそう言っていない。そういう話法とか勧誘の方法が悪かった、それで取り消したという旨を答えている。全然違う。答弁に食い違いがある、話にならぬ。高橋局長の答弁はぼくがいま言うたとおりだ。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 この高橋局長の答弁でございますが、ちょっと読んでみますと、「結局、結論だけ申しますと、好ましくない事例があったとみなされますので、代理店契約を取り消しております。」それから「これは募集の禁止規定かございますが、それに触れる疑いがある行為があったということで取り消しをいたしております。」こういうふうに出ております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 当然のことながら、その結論を出す前に、飯塚君の疎明並びに意見を求めたと思いますが、飯塚君はどう疎明をされましたか。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 その前に若干経緯を御説明させていただきたいと思いますが……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 いや、それだけでいいですよ。あと長くなるから、疎明を求めたのかどうか、飯塚君はどういうように疎明をされたか。

安川七郎大蔵事務官(銀行局保険第二課長)

○安川説明員 飯塚代理店主が保険業法違反の行為があったというふうに役所が考えまして、それに対してそういう措置はとった事実はございません。したがいまして、飯塚代理店のほうからその疎明を求めた、あるいは疎明の機会を与えたということも同時にないわけでございます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 これは非常に重大なことです。釈明もさせていない。あなたのほうの処断の唯一の理由は、保険料が損金とならなかったという波木院長の幼稚でばかげた陳述をそのまま事実として取り上げた点にあります。飯塚君は第一級の税理士であります。そのような児戯にも類する話法で勧誘するはずがないのであります。およそ、取引には損益取引と交換取引の二つがあります。これは先ほどの渡辺君の質問の内容にも触れることなんですけれども、たとえば一万円で仕入れた物を二万円で売ったとすれば、一万円の利益を生じます。当然これは課税対象となります。これが損益取引であります。しかるに、かりに現金五十万円の保険料を支払い、これを資産に計上した場合、または別途積み立て金を取りくずして充当した場合には、いずれも交換取引であります。そして課税の対象とはなりません。現金という資産が減って、定期預金や株券または郵便貯金の形に変わる場合と同様であるわけであります。しかし驚くべきことに、四月十六日の木村長官は、損金にならないものは結局利益となって、すべて課税されるということを繰り返し繰り返し答弁されたのであります。税務会計知識の浅薄ぶりを発揮されたわけでありますが、第一課長の場合におきましても同様の誤認に基づかれまして、飯塚君を不当に遇し、糧道を断っことになるわけであります。保険勧誘の話法を録音したテープ、先ほど申しましたその録音テープは、第一課長のそそっかしさがどう反省されなければならないかを如実に示します。先ほど私は証拠として録音テープをここに提出してくれと言った点は、この事実が証明されるからであります。日光市の石田屋さんというのは録音マニアなんです。ちょうど五年ほど前、飯塚君から保険勧誘を受けた。そうすると、録音マニアですから、そのテープをとってあるわけです。それを安井直税部長は、えたりかしこしで、これを持っていけばいいのだと、持ち帰っているわけです。ところが、自分でかけてみて分析したら、とてもじゃないが、飯塚君が、そういうばかばかしい、保険料はすべて損金になるなんという説明をしているはずはない。ですから、そのテープをここに出していただきたいことを先ほど要求したわけであります。  それで結論といたしまして、飯塚君は保険業法違反の事実なくして、年収九百四十万円を不当に奪われた結果になりました。したがって、次の段階におきまして、国による損害賠償が現実の日程に上った場合におきまして、国損に対する第一課長の責任を免れることはできないのであります。私は第一課長と違いまして、一方的意見を聞くのみでなく、やはり第一課長の疎明の機会を与えたいと思いましてきょうここに招いたわけですが、あなたがかわりに来られたので、この点は、私のこの問題に対する質問に制約がついておるといえども、後日第一課長の疎明の機会をやはり持たせなければならぬと考えております。  だから、話法を使って違法的な勧誘のしかたをしたから大同生命との代理店契約を解除せしめたということ、飯塚君の陳述とか疎明を聞かずしてやったことは重大な手落ちだと思っております。実損としては年収九百四十万円がこれでパーになったわけでありますから、当然次の段階で国損として損害賠償が請求されましょう。そのときに非常に第一課長は責任があるわけです。帰りましたら、またその点はもう一回よく聞かなければならぬと思っております。それでは保険課長よろしゅうございます。  次に、当委員会は、根拠薄弱な飯塚事件訴訟の実態を知る権利と義務があろうと存じます。木村長官に尋ねるべきかもしれませんけれども、お疲れのようですし、またこういう言い方は悪いかもしれぬですけれども、まじめにうそをつくという、そういうお方とあまり気持ちのよからざる応答を繰り返してもおられませんので、谷川国税庁総務課長にお聞きしたいと思います。  谷川さん、飯塚事務所に関する訴訟の経過と見通しについて述べられたい。ただしくだらない陳述を整理しまして、エッセンスだけ申し述べていただくために、私の論述を次々に確認してもらう形で進めたいと思います。  そこで第一にお尋ねする点は、飯塚税理士自身についての告発は何月何日ですか。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 平岡さんちょっと申し上げますが、訴訟関係のことについてあまり具体的なことについては多少御遠慮願いたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 具体的というのは。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 訴訟のこまかい点について……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 それは変じゃないですか。なるべく御趣旨に沿うようにしますけれどもね。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 そういうことでひとつお願いします。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 谷川さん、時間を節約するために、私の記憶にして間違いがないとすれば、三月の十三日なのですがね。

谷川寛三大蔵事務官(国税庁長官官房総務課長)

○谷川説明員 さようでございます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 それから大体三ヵ月たっているわけですね。しかるに検事局はこれを取り上げ得ないという実情でございます。容疑の事実が皆無だからであります。結局関信越局の安井部長に踊らされました長官の大失態だと思っておりますが、どうでしょう。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 国税当局としてはこのいま現に起訴されております四人のほかに、飯塚税理士を告発したのであります。それはこの四人は税理士の資格を持っておりませんので、この四人がみずからの考えでもってそういう指導をしたということではなくて、飯塚税理士の指導があるのじゃないか。ことに飯塚税理士は社長でありまして、この四人の使用人についてはこれを監督する責任の立場にある人でありますからして、われわれとしては税理士法違反の疑いで告発したわけでありまして、その告発後において検察庁でどういう判断のもとにおいて起訴を現在までされておらないかということは、それはわれわれは存じておりません。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 ここに列席の各位が聞いたとおりであります。要するに、三ヵ月前に告発されて、まだ起訴になっておらんということだけを皆さんに知っていただければけっこうです。  次に尋ねますが、これより先三月の初めに従業員四名を税理士法三十六条違反であなたのほうで告発しました。しかし検事から容疑の事実なしとして退けられまして、告発はすれども起訴にならない。これまたアウトとなっております。そのとおりですね。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 われわれとしては刑事訴訟法によって告発をしたのでありまして、その後の事情は検察庁における調査の結果どういう事情になっておるか、これはわれわれの知るところではございません。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 結局起訴にならなかった。長官があわてた内幕があるわけです。長官は三月四日の横山君の質問で、その時点ですでに起訴しておる、とうそを言った。そううそを言った手前かろうじて四日後の三月四日に至って検事に泣きついて起訴してもらったのが、何とこれは刑法百四条による証拠隠滅罪、またの名を総会議事録作成罪ということであります。つまり飯塚の従業員が魚屋の会社や八百屋の有限会社または病院法人の経理をやっている当然の仕事のたてまえから行なった、議事録をつくったということが起訴の理由となっております。第一回の公判におきまして検事が冒頭陳述もできず弱り切ったという事実が、この告発と起訴がいかに根拠薄弱な急仕立てのものであるかを物語っておると思います。こういう議事録の作成等の仕事は、およそ日本国じゅうの税理士のやっていることでありますし、もしこれが有罪であるならば日本国じゅうの税理士を全部有罪となるのみではありません。役場の前の代書屋さん、警察の前の代書屋もこれまた一蓮托生で有罪になりかねないとあって、公判維持はとうていできずと検事が頭をかかえ込んでいるわけであります。第一回の公判で冒頭陳述も証人喚問もできずに大失態をさらした事実がこの起訴の実態であります。総務課長、この事実を否定する勇気がおありかどうかお答えを願います。

谷川寛三大蔵事務官(国税庁長官官房総務課長)

○谷川説明員 公判中でもございますし、この内容につきましては私はお答えするなにがございません。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡小委員 第四番目に、五月二十二日の金曜日は大蔵委員会の理事会でしたが、その時点までいま申し上げるようなことであったので、庁側も全く面目を失いましてわずかに追起訴を行なうことになっていると陳弁したわけであります。そこで先週の月曜日、すなわち五月二十五日にその追起訴なるものが行なわれました。内容といたしましては三月当初の起訴不成立に終わりましたところの税理士法三十六条の脱税指導違反とほとんど同工異曲のものでありまして、これは法人税法第四十八条脱税教唆の容疑と看板を塗り変えただけのものであります。これまたためらう検事に泣きついて提訴してもらったというのが事実のようであります。少し詳しく申しますと、国税当局の告発は飯塚事務所関係で三十六社にわたりますが、検事局で取り上げて起訴したのはわずかに七件であります。当日追起訴の事実をかぎつけて五大紙の一つの読売新聞の記者が宇都宮地検に参りまして、検事に追起訴の事実を確かめに行ったわけであります。そうしたら検事が言うのには、新聞に書き立てないでください、とてもじゃないが苦境に立つばかりですからとの情報を私は得ております。これは検事が飯塚君の得意先から押収した書類の中に、私のここにいま持っております形式によります一連の「書類範囲証明書」を見ているからであります。この「書類範囲証明書」によりますと、飯塚君の責任を負うのは、一、巡回担当主査が関与先から提供を受けて監査を実施した書類の範囲、二、決算担当主査が関与先から提供を受けて決算監査に取り入れた書類の範囲、この二つのリストに基づいてのみ会計処理、監査、決算等が行なわれるのであることが、事務所と得意先当事者同士で合意されておるわけであります。この関係書類リストは、具体的には約六十項目に分かれておりますが、この範囲においてのみ、会計事務所は責任を負うのであるから、裏預金が出ようと、この範囲外のことであるならば、当然飯塚事務所は関知せざるところであるわけであります。迫起訴が今回もとうていものになるまいと検事が慨嘆しているのも、検事が押収した書類の中から一連のこの証明書を見ておるからであります。だから、長官のいろいろな陳弁とは何にも関係なしに、公判はしかく国税側の圧倒的不利の実績と展望の中にあるわけであります。しかし、私がここで強調しなければならぬことは、先ほども申し上げたように、公判の勝利では飯塚は救われないのであります。私は、飯塚事件の公判のおおよその帰趨が、飯塚の白、国税当局側の黒星となるべき展望に立ちながらも、飯塚事務所の経営が傍若無人の高級官僚の策謀によって今日まですでに非常に深く傷つけられておりまして、その傷があまりにも深く、誤用された国家権力による傷痕が一体何によって償われなければならないかについて同僚諸君とともにこれを究明しなければならないと考えるものであります。この究明と追及なくしてデモクラシーの土壌は育ちません。私はこの事実を看過するわけにはいかないのであります。拷問のあらしの結果、得意先が不本意にも飯塚事務所から離間させられまして、いまやその数七十五社に及んでおります。非常にうがって言うならば、これこそ安井君あたりのねらったところでありまして、長官の不見識がまたこれを招いたものであるといえるのであります。したがって、贖罪は、長官、安井君、金子君等が、まず現職の場からどういうふうに責任をとっていただくかということになると思うのです。しかし長官自身は非常に善意できたと思う。そういう点で、先ほども冒頭にあなたの陳謝の事実もありましたし、この点を深く私は追及しようとは思っておりません。しかし善良な一職業人の名誉を棄損し、営業を阻害し、糧道を断つの暴挙をあえて行なった事実についてわれわれは看過するわけにいかぬのであります。  贖罪の第二は、損害補償でありましょう。現在までの飯塚君の損害は、七十五社の離脱で月間損害八十万五百円、年間で九百六十万六千円、それから先ほど申した保険業シャットアウトで、飯塚関係三十八年度の実績によりますとこれが九百四十万円、両方合わせて年間千九百万円の巨額にのぼるわけであります。賠償の通常方式によりますと、これは十ヵ年分となりますから、一億九千万円の巨額が、弁護人の海野晋吉事務所の見通しでは、ほとんど通るとのことであります。もしこれが国税当局敗訴と決定した場合、この大事件を惹起した国税の指導者の諸君は、この国損に対していかなる責任を負うのであるか。さらにすでに当該事件に投入した国税当局の調査人員は、延べにして五千人にもなんなんとしておるわけであります。ここでも何ら国益のないところの国の浪費が行なわれたわけであります。当委員会は、国民の名におきまして、国税当局側の終結方式を監視する義務があると思っております。しかし、私がこの際に特に申し上げなければならぬことは、従来官庁の汚職等が行なわれた場合、国民のふしぎに思うのは、高級官僚たる上司は逃げて、法律上の責任者として下級官吏のみが処罰されたり、ひどいときは自殺をしいられるようなことになって事件に終止符が打たれるがごとき場合が多いのであります。当大蔵委員会は、飯塚事件の落着終結を、飯塚事務所の犠牲において決着させることを許さぬと同程度の重大関心をこの結末に払うべきであります。すなわち、あとから有馬君が指摘されるでありましょうけれども、鹿沼税務署長等の公務員法違反等のみに皮相的な目を向けて、その背景と、これをあやつり、これをしいた上級者の非違行為と権力指導に目をおおらてはならないことを特にこの際強調せざるを得ないのであります。鹿沼税務署長、鹿沼税務署員等は、むしろ上級指導者のむちで動かされた被害者と目すべきものと私は考えます。被害者である下級者処罰で形式的な事件終結は、大蔵委員会の良識において、これは断固退けなければならぬと思っております。そうでないと、社会人心の納得できる締めくくりにならないからであります。私は特にこのことを強調したいと思うのであります。非常に先走ったようですけれども、これが被害を受けたほうの飯塚君の現状です。計数的に年間千九百万円、これがあなた方の不当な権力徴税行政によって、被害者飯塚君の重荷となっておるわけであります。  私は、もう別段あなた方からこれ以上聞く必要はないのでありますので、きようはこの点を特に強調しまして、私の質問を一応終わることにします。あといろいろな問題が出ますれば、それに相対応する質問の権利は当然保留いたします。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私、多少誤解があると思いますので、一、二点だけ申し上げておきますが、三月四日に横山委員の御質問に対して、飯塚税理士が起訴されておるということを申し上げてはおりません。速記録を見ますと、「この問題は刑事裁判になる可能性のある問題であり、現在検察庁において具体的に調査をいたしておりますので、云々、こう申しておるので、起訴とか告発とかということを直ちに申し上げてはおりません。  それからもう一点、先ほどの宿題でございますが、十一月二十五日付の「税のしるべ」に飯塚税理士を懲戒とか告発とかいう点が安井部長談として載っておる、これを確かめろというお話でございましたので、安井直税部長と連絡いたしました結果はこうでございます。  新聞記者から次のような趣旨の質問があった、それは脱税指導の事実があれば当局としてはどうするか、こういう質問があったので、安井部長は、そういう事実があれば税理士法に当てはめて懲戒することになるし、場合によっては告発の対象となる、こういうことを答えておりますので、その点を御答弁いたしておきます。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 有馬輝武君。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 先ほどの読売その他の記事に関する問い合わせの結果をまずお聞かせいただきたいと思います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 ただいま申し上げましたのが事実でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 新聞がでたらめを報じたのかどうかということです。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 金子君はうちに電話がないそうでございまして……。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 連絡がついたのかつかないのか。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 金子訟務官は十二月の十一日に一回だけ記者会見をやっております。その際には記者から、脱税指導が行なわれたときは一番重い処分は何か、こう聞かれて金子訟務官は、一番重いのは取り消し、続いて業務停止がある、という問答が行なわれた、こういうことを言っております。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 いまの問題についても、これはいままで渡辺小委員並びに平岡小委員の質疑に対する御答弁を聞いておりましても、当面を糊塗するような答弁に終始しておりますので、時間も経過しておりますので、私はそれ以上お尋ねしませんが、とにかく事実を調査して、その上に立ってそのような発言をしておった場合の措置についてだけお伺いしておきます。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私がいま連絡をとって調べさせました限りでは、こういうことを言っておるのであります。なお念のために後刻調査をいたしますが、もし新聞記事にあるようなことを言ったとずれば、先ほど申し上げましたように、はなはだ不穏当でございますので、厳重に注意をいたしたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 それからこれは念のために伺っておきますが、鹿沼税務署長が準備いたしました「税務書類作成等に関する依頼書」は、代表四名から頼まれたから作成したのか、その点をいま一度伺います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 この書類をつくりました経緯は、前に申し上げましたとおり、関与先の代表者からほかの税理士さんを紹介してくれということを頼まれて、それであくる日税理士部会の代表者、部会長以下四名を招いて相談をした結果、作成したものでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 あなたは鹿沼税務署長が相談して招いたとおっしゃるのですが、その部会長の関口さんが五月七日証明書を出しております。「税務書類作成等に関する依頼書(飯塚税理士を解約し他の税理士の斡旋を依頼する文書)の作成備付及使用に付鹿沼税務署当局と事前に打合せ、相談、協議等を行った事実は当部会には絶体にありません右証明いたします」またほかの鈴木さんという人からも私が作成を依頼したものではない云々の証明書が出ております。  問題は、こういう虚偽の発言を本委員会においてなされることは許されないと思うのです。もう時間がありませんからこれ以上申し上げません。こういった証明書が出ておるのですから、虚偽の証言をされるので、一回か二回で終わるはずの本委員会がこんなに長引いた一番大きな原因になっておりますから、長官としてはそういった点についてはやはり真実の答弁をされることを要求もし、何回も注意を促したはずですけれども、こういった虚偽の答弁は絶対に許されない。このことだけを申し上げておきたいと思います。  人事院の職員局長にお伺いいたします……。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 私は虚偽の答弁はいたしておりません。面会票というものがございまして、それにちゃんと記載をしてございます。あとでお見せいたしたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 職員局長、長くお待たせして恐縮でしたが、私がお伺いしたいのは、国家公務員が特定の業者に対して業務を妨害するような文書を作成し、これを強要するような行為が許されるかどうかという点であります。  いま少し具体的に申し上げますと、ここに文書を読みますが、「税務書類作成等に関する依頼書「私儀今度一身上の都合により、税務書類作成等に関する一切の事務について飯塚税理士との契約を解約いたしましたので、税理士のあっせん方をお願いいたします。」こういう文書をあたかも依頼されたがごとくていさいを装ってみずから作成し、これに捺印させて強要した行為が国家公務員として妥当であるかいなか、この点をお伺いしたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 お答えいたします。いま有馬委員がおっしゃるとおりとしますと、私は、それが税務署長の業務として妥当な行為であるかどうかということがひとつ問題となると思います。その点は実は私申しわけないのですが、一応国税庁関係の法律関係、あるいは内規的なものを存じませんので、おっしゃる点に関しましては、若干どうかなと思われる点がございますけれども、どうもそれを業務、あるいは広い意味での税務署長としてなすべき仕事上の、なしていいことかどうかという判断が、いたしかねます。この点が第一の前提になると思います。  それからもしかりにそれが職員として、公務員として越権的な行為あるいは権利の乱用といいますか、そういうふうな行為、あるいはいまお話の出ました税理士に対しまして信用の棄損といいますか、あるいは業務妨害というふうな刑法上の問題ということになりますれば、これは公務員としてはふさわしくない行為だということが言えると思いますが、実は私は先ほどから有馬委員、その以前お二人の質疑の中途からお伺いしているのですが、どうも非常に複雑なケースのようでございまして、私としてはいま出てきたばかりでございまして、ちょっとその辺の事実判断がつきかねますので、なお法令解釈をいたしまして判断いたしませんと、これはとにもかくにも一人の国家公務員の懲戒事案に当たるかどうかという問題になりますので、残念ながら的確なお答えがいたしかねるということでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 これは一般的に言いまして、単に税務職員だけでなくて、国家公務員として特定の業者に業務妨害に当たるような行為をすることが妥当なのかどうかという抽象論といいますか、一般的な国家公務員の分限としてお伺いをしておるわけです。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 ごく一般的に抽象的なことで申し上げれば、業務妨害そのものは刑法上の問題でもございますから、当然公務員としてふさわしくない行為だ、こう思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 重ねてお伺いいたしますが、あっせん業というものは、国家公務員としてやってよろしいかどうか。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 有馬委員のおっしゃるあっせん業と申しますのは、職業としてのあっせん業というものは公務員がやればこれは兼業でございまして、当然届け出をもって許可をしなければならない。たまたま何か偶発的にといいますか、個別的に何らか業者の間のあっせんをやったというような場合は、これは公務員の立場としてやった場合もありましょうし、あるいは一人の私人としての立場もございましょうし、なかなか軽々に判断はいたしかねる。しかし公務員として当然あっせん業といわれるようなものをやっておるとすれば、これはやはり規定でもって許可を受けていなければ公務員としてふさわしい行為だとは思われません。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 特定の個人をあっせんしたのならば、まだ私人として許さるべき範囲の行為かとも思うのですが、多数の人間に対して、しかも書類を印刷して行なうということになれば、これは業に近いのであります。それがはたして妥当かどうか、この点をお伺いしておるわけです。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 先ほどからその点に関しましては国税庁側、政府側から若干御質疑の点でお答えがあったようでして、私としては有馬委員がおっしゃるとおり、そのとおり肯定してお答えするということにはいささかちゅうちょを感じますので、もう少し事実関係がはっきりいたしませんと、私どもの判断はやはり差し控えなければならない、こう思います。ただし、前にお答えいたしましたように、ごく抽象的な一般論としては、おっしゃるようなことが公務員にふさわしくないということは言えると思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 ですから本件について今夜は聞いたばかりだということでありますので、これ以上お尋ねするのは何かと思いますから、この際お願いをしたいと思います。それは文書をあらかじめ印刷し、そして特定の業者を解約して、他の業者の推薦を依頼させる、こういう行為をやっておりますので、これが国家公務員として許さるべき行為かいなかについて、人事院としての正確な判断をここ二週間くらいの本国会の会期中に結論を出して、お聞かせいただきたいと存じます。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 少なくとも有馬委員がお読みになりました先ほどの文書に関しましては、これは政府委員のほうも否定はなさっていらっしゃいません。したがいまして、その文書がどういう性格のものであり、あるいは税務署長としてそれが一定の規定に基づいた業務であるかどうかということは私ども判断ができませんが、しかし広い意味で業務として、あるいは業務でないとしても、なすことが必ずしも禁止されるような性質のものであるかどうかという点の判断は、ただいまいたしかねるわけでございますが、御要望のとおり、私どもといたしましては、国税庁あるいはその他の関係の方々から伺いまして、その点に関する判断をいたすように努力いたしたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 次にお伺いいたしますが、これは長官にお伺いいたします。  この前の委員会において、別段賞与について関東信越局長と私の考え方は違うという発言をされたことは事実であります。  ここでお伺いいたしますのは、そういった多元的な徴税の方法というものが許されるものかどうか、この点をお伺いいたします。簡明率直にお答え願います。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 先ほども申し上げましたように、別段賞与というものが現実に支払う意思のない、いわば仮装された別段賞与というものでございますので、これは別段賞与として扱うわけにはいかないと思います。  それから先ほど私が虚偽の答弁をしたというふうにおっしゃいましたが、税務署では面接応接記録せんというようなものをつくっておりまして、十二月四日の午前十時十分から十時四十分ごろまでの間、例の税理士鹿沼部会と面接いたしております。面接者は関口さんという鹿沼の部会長ほか三名、粂川さん、尾花さん、青柳さん、税務署のほうは署長と総務課長が出ておりますが、そこでこういうことを署長は言っております。「本日御参集願ったのは他でもないが、昨日或税理士の関与先の代表者四名が来ていままでの税理士からはなれる人々が多数いるかも知れない、この場合、納税者は税理士等についてよく知らないからすぐにも困ると思うからあっせん願えないかとの申出があった。このことで私達公務員としては個々の税理士を紹介することは出来ないから部会としてこの納税者を引受けることが出来ないかと相談した。」それで一部会長はこれに対して、この問題は私達としても十一月下旬より考えていたもので宇都宮部会ともよく相談し、飯塚との契約がはっきり解約されたものであれば部会で引受けることとしたい。またこのことは私達の引受けの態せいとも関係があり部会へお願いいたします。個々の問題は部会の事情等物事を公平に取扱等の処置もあるので署は部会へ連絡方を願う旨の申出があった。」こういうのが記録に残っております。

有馬輝武日本社会党

○有馬小委員 あなた方並びに下僚の人たちの言辞がそのまま受け取れないというところに本委員会の調査の目的があったわけです。一方的にあなたが何か知らないけれども、そういったものを読み上げられても、当の人たちが判を押して依頼した覚えはありませんと言っておるのです。問題は、たとえいまあなたが読み上げられたようなこが事実であったとしても、いま職員局長から話があったように、あまりかんばしくない行為をやっておることを是認し、またこれを正当化しようとする態度の中に徴税の民主化といいますか、これに対する現在の国税庁長官としての考え方の欠陥があるのじゃないか、私はこう思うわけです。問題は個々の事実について言いのがれたり、あるいは強弁したりすることにあるのではなくて、私たちが本委員会で調査を進めてまいったのは、そういう特定の業者に対して国家権力を利用して圧迫を加えるとか、あるいは徴税行政に対して疑問を持たせるような行為があってはならない、これが本委員会の調査の目的だったはずです。飯塚君が正当であるかどうか、あなたのほうが正当であるかどうかということに焦点があったのじゃなくて、問題は国の最も重大な徴税について疑問を持たせる、それを国税庁みずからがやるというところに問題があったわけです。そこら辺について私は終始客観的にあなた方の答弁を伺ってまいりましたけれども、多くの疑問を残さざるを得ないわけです。ですから私は、この際小委員長にお願いしたいと存じますが、本委員会でこの問題が取り上げられまして、その質疑の過程については多くの問題点が残っておりますので、これを御検討いただいて、特に政権を担当しておられる内閣として厳密に分析をされて、その結論をしかるべき形で出していただきますように、この際お願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 いまの有馬委員の御意見につきましては、先ほど平岡委員の申し出もありましたのとあわせて、大蔵委員会の理事会にはかって善処することにいたします。――春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 せかれておりますので、私は二、三分ほど私の見解を述べて長官の善処を求めたいと思うのでありますが、私は行政のかなめは厳粛なる人事管理にあると思うのであります。いままで渡辺君、平岡君の御質問を伺っておりますと、これは白なりという確信のもとに質問が行なわれた。また長官側の御答弁によりますと、これについては黒であるという一個の信条をもって御答弁がなされておりますが、しかし実際的には、われわれが受けております第三者的印象は、何となく長官の論証も脆弱であるということでございます。たとえばいま有馬君が述べられたような、いわゆる税務代理士を契約せしめる等の問題にいたしましても、その他いろいろのやりとりの中におきまして、たとえば金子君でありますとか、関東信越国税局の直税部長の新聞記者に述べられたところでありますとか、もしそういうことがあったならば、これはまことに不当なことであり、厳重に注意を行なう、こういうふうに言われておりますが、私も長い間党関係でスポークスマンとして記者会見をやっておりますけれども、実際問題として記事になります場合は、事実上たとえば税理士法違反の事実が明らかになった場合にはどうなるかという記者の質問を出しまして、そうしてたとえばそういうことが明らかになった場合には、これはこういう行政処分があるのです、こういうようなことを金子何がし、それから直税部長の安井何がしという者がかりに記者に答えますれば、それは全然普通のことであり当然な事項であって、それは新聞記事にはならないのが通例でございます。あたかも犬が人間にかみついても記事にならないが、人間が犬にかみつくと記事になるようなもので、やはり記事という問題は何かしら印象的なことであり、少なくとも税理士というものは、脱税指導を行なったときには免許を取り消されるくらいなことは、こんなことは記事になり得ない問題であると思うのでございます。そういうような問題についても、私はすべからく長官に要望いたしたいことは、あなたも、われわれ立法の府にある者も、いま誠意を尽くして仕上げなければならない問題は、あらゆる行政機構の民主化の徹底であると私は思うのであります。たとえば、おいこら警察という時代がございまして、この官僚警察を断じて民主化しなければならないという立場から、ずいぶんの努力が払われてまいっておると思うのでございます。たとえばサーベルをとって警棒をこれに与えていこう、それからまた警察官の教習所なんかでは、おいこらなんという用語は断じて使ってはならないという警察官としての民主化教育というものが非常に熱心になされておるのでございます。私はずっと長い時間いろいろと御意見を拝聴いたしておりまして、なるべく公正な科学的な感情でこれを判断しようとつとめてまいっておりますけれども、ここで得ました私の印象は、国税庁長官が、やはりみずからの部下をかばう心のほうが何となく優先しておるような印象なしとしないのでございます。私は国税庁というような一種の特殊の世界の中におきましては、やはり上司と下僚との間において、いろいろな情感がこもごも通い合い、またそういうような血や心やぬくみが通い合わなければ、こういう大いなる仕事というものはいろいろな面で渋滞を来たすことはよくわかりますが、それかといって、いまやすべての行政面が民主化されて、いま国民の非難事項は徴税行政にあるのでございます。生命、財産というものが尊重されております憲法のもとにおいて、生命はもういまや完全と言ってもいいくらい保障の態勢がなされておると思うのでありますが、しかし財産権の中でこの徴税行政というものは、一たびその疑いをかけられてさまざまな弾圧的調査を食らってまいりますと、いま渡辺君が読み上げられました男のような心境ですね、何もかももういやになってしまう、わずらわしさにたえないということで、みずから確信がありながら、あるいは裁判の結果国家補償が受けられるような立場にある者が、四十五万なり五十万なり、みずからの財産権について大いなる侵害を受けなければならないというようなことになるといたしますれば、これはやはり全国民の徴税行政について、租税法定主義というその保障のもとに執行の義務と、またその権限を掌握されておりまする長官の責任は非常に重いと思うのであります。本日いろいろな段階を経て、ここで問題のけじめのついた形と私は理解すべきであろうと思うのでありまするが、どうかひとつ全国的にあなたの掌握下にある数万の徴税官吏というものが、ほんとうに民主化されておるかどうか、これはあらためてこのような御意見にかんがみて、少なくとも国会議員たる者が不実のことを公の席で論ずるわけもございませんし、私も冷静なる立場においてこれを――私も十三年間ここでともにこういう問題を扱ってまいりましたけれども、こういう話を承るのはまあ異様なことでございます。鹿沼税務署のやり方が法律的に間違っておるとするならば、これはおのずから一審、二審、三審と経るかもしれませんが、裁判の結果明確になりますので、この点はわが国の徴税行政というものに対する国民の信頼度をさらに高めていき、少なくともこれを確保することのために、厳粛なる裁判が行なわれなければなりません。けれどもやはりこれは恣意的に、 感情的に問題を取り扱わないで、ひとつこれを契機にして、言うならば雨降って地固まる式に、善良なる長官――私とも長い間いろいろおつき合いいただいておりますけれども、ほんとうにてらいなく誠実におやりになっておるあなたが、この問題についてこういうような苦境に立たれて、そしてそういう不十分な答弁をせざるを得ざらしめておるという国税庁の幹部諸君、その人たち、それは地方国税局のしかるべき課長、部長、署長等についても、何か自分たちだけが持別の国家権力を与えられておる、そうして国民に君臨しておるのだというような考え方が絶無ではない。これは明らかに憲法に規定されておりまするとおり、国家公務員は国民すべての奉仕者である、奉仕者であるべき税務職員が、実際の査察や何かでは、おまえはとか、時には、激高すれば、きさまとか、いろいろなことを言って、それが非難事項として幾つもあるのでございますから、それから類推すればこういうような問題が一分八間の形で、スタートがゆがんでいるよらずっとゆがんできてしまうという面もあろうと思います。私は鹿沼税務署であろうとだれであろうと、この税理士であろうとだれであろうと、租税法定主義だから、法律に違反をした指導を行なっておるような税理士があれば、これは法律に照らして処断して、そんな者は免許も取り消して、一方においては明確なる国政の厳正なる執行を確保してもらうための適切な措置は必要であると思うが、同時に片方において少なくともそういう国家権力をあずかっておるところの、しかも財産権について深刻なる影響力を与え得る徴税官吏の行政執行というものについては、私は神経質過ぎるくらいの神経を使ってもらってしかるべきだと思います。  願わくばいたずらに――いたずらとは申しません、あなたは善良なる判断を持ってそのような確信をされておりまするが、本日は多くの幹部諸君も参られておりますので、皆さんの判断の中で、これは間違っておるなというような御判断があったら、そういうような諸君はやはり責任をとって、そうして全体として民主的な、またすべての者が信頼できるような徴税機構を、これは国民のために、そして徴税というものはわが国の国家存立の基礎をなすものですから、財政収入の全的なものを確保願わなければならぬのでありますから、どうか権威を高めるために、今後とも十分注意をして税務の執行に当たられんことを私は強く要望いたしておきます。

木村秀弘国税庁長官

○木村(秀)政府委員 ただいま春日委員からお述べになりましたように、私は国民の命から二番目の財産に対して非常に重大な責任を持っておることは事実でございます。したがって、この職務を執行するにあたりましては行き過ぎがないように、慎重に、その基本はあくまでも税務行政の民主化にあるわけでございますからして、そういう点については今後十分の注意をいたしてまいりたいと思います。また行き過ぎがありましたような場合には、これはやはりそれなりの、それに相応した処置をとるべきである、これは監督権を持っております私の立場からして当然のことでございますので、そういう点については今後とも十分注意をして税務の執行にあたりたいと存じます。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)小委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後十時十七分散会

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