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46回国会衆議院1964/05/22

大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第5号

発言数
52
登壇者
6
会派数
3
開催日
1964/05/22

会議録

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 これより会議を開きます。  金融に関する件につき調査を進めます。本日は、まず歩積み、両建て預金特別検査の結果について銀行局長から、また拘束預金に関する調査の中間集計結果について公正取引委員長から、それぞれ報告を聴取することといたします。高橋銀行局長。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 お手元に簡単でございますが、資料が参っておると思いますが、今回四月に行ないました検査の結果を概要御報告申し上げます。  資料の二枚目のほうに、実施要領が表で出ております。対象金融機関として選びましたものは、三十九の金融機関でございます。都市銀行が十二行、地方銀行九行、相互銀行八行、信用金庫十、こういう内訳になっております。店舗の総数は六十九店に達しております。各店ごとに、大企業と明らかに大企業と目されるものは対象からはずしまして、また貸し出し額が非常に小さいというものも除きました。また実際問題として遊興娯楽関係などはあまり対象に含めないようにしております。一店で五十人程度を抽出いたしまして、その一人一人について非常に詳しい貸し出しと預金の表を提出さしております。それからそれに伴うところのいろいろな資料、必要な資料は各店ごとに用意させまして、そしてその上で査定というふうな手続に入ったわけでございます。一店五十人と申しますが、ここにもありますように、都市銀行の一店の債務者というものは二百四十人程度である。地銀を見まするとやや多いようであります。相銀になりますとちょっとふえますが、五十人というものはカバレッジとしてはそう低いものではない、かなりのカバレッジになるんではないかと思います。  一枚目に戻りまして、その検査の対象となりました債務者の数が一番下に書いてございますが、この数を全部合わせますと、検査の対象になりました債務者の総数は三千四百五十七名ということになっております。数としてはある程度一般的な傾向を把握し得る数にのぼったのではないかと思っております。しかしながら、全体の店舗数及び債務者数から見ればきわめてその一部にすぎませんので、これがすべての傾向をそのままあらわしているものだというふうに断定することは誤りであると思いますけれども、しかしそれほど見当違いなものではないように考えます。  なお、この中で、この数字にありませんが、自粛対象の預金があるとみなされました債務者の数は、三千四百五十七名中二千五百六十九名でございまして、七四%に達しております。それ以外のものは自粛対象預金としてはないということになっております。  そこでこの検査の結果でございますが、ここにありますABCのCの欄で、預金が貸し出し額に対してどの程度の割合あるか、債務者の預金というものの割合がございますが、都市銀行では五一%、地方銀行五〇・六、相互銀行五一・九、信用金庫五三・六という数字になっております。  これはなおやや一年前に三月、四月に行ないました検査の当時と比較してみますと、若干の差異はございますが、銀行等につきましてはあまり差はないというふうに見られます。  全体の数字を申しますと、三十八年における特別検査の結果としては、都市銀行の債務者預金比率は五五・六%、今回は五一でございますが、このまま比較するわけにはまいりません。というのは店舗が必ずしも同じ店舗を調べているわけでございませんで、原則としてかなり違った対象店舗を選んでおります。ですから、直ちにそのままそれだけよくなったとか悪くなったという判定は困難かと思いますが、そういうことであります。地方銀行は四五・八、今回は五〇・六、相互銀行は前回五六・六今回五一・九になっております。信用金庫は前回五四・七、それが今回五三・六、若干の凹凸がございますが、債務者預金に関しましては大差はないということになると思います。  なお、一のDの欄でございますが、Dは自粛対象預掛金の金額がございます。その金額が債務者預金全体に占める割合がEの欄に出ております。Fの欄は貸し出し額に対する自粛対象預金の割合が出ております。  これをやはり前回の検査と対比して申し上げてみたいと思います。三十八年の特別検査の数字は、都市銀行においては一〇・一でございましたが、今回九・九で大差はございません。地方銀行は前回九・六、今回一〇・七という数字になっております。これも店舗が違うということなどから見ますと、あまり目立った差異でもありません。それから相互銀行に至りますと、前回は二二・五である。相互銀行はその後の普通の銀行検査におきましても、調べたところによると、常に二〇%を上回っておったのでございますが、今回の特別検査におきましては、それが一二・七%になっております。これがそのまま相互銀行全体の趨勢をあらわすということにはならないと思いますけれども、しかし非常に歩積み、両建て問題の自粛に熱心なところだけを選んだわけじゃない。成績のいいようなところも入っておりますが、かねがねあまりよくないと思われておったところも含めておりますので、まあまあ平均とは言いかねますが、その傾向をあらわすものとしてはかなり改善されているのではないかということが言えそうな感じがいたします。信用金庫は前回が一八・五でございまして、今回一八・九でございますから、まあまあ大差ない、このような成績になっております。  この検査の結果から見まして、いま申し上げたようなことから、相互銀行についてはかなり改善のあとが見られるような節がございます。その他につきましては、多少の変動はありますけれども、大差はないというふうなことになる、こういうことになっております。  なお、ここにありますところの自粛対象預掛金と申しますのは、昨年の三月並びに四月にそれぞれの金融機関の協会において自主的に申し合わせをいたしましたその自粛の基準をとりまして、それに該当するとみなされるものを取り上げた。大体申しますと、これは明らかに自粛の対象になると思われるものを査定されたものでございます。でありますから、拘束預金というふうな点では、拘束性という点から申しますと、これよりずっと多い金額があるのでございますが、拘束性預金のすべてがその各金融機関の自粛申し合わせにそのまま該当するわけでございません。それぞれ一応の理由のあるものは、自粛の対象にはならないということになっております。そういう点拘束預金とは違うのである。それらの中から自粛の対象になるものを選んだのであるということになりますが、なお多少実際問題というか、理論的な問題にもなるかもしれませんが、この取り方の問題でございますけれども、検査官の査定をした際のやり方から見ますと、この自粛対象預掛金の中にすでに金利の措置はやってある、つまり、手形割引の場合であれば、債務者に拘束預金をとっている場合、その金利を日歩三厘に通常の金利よりも引き下げる、あるいは貸し出し担保にして貸し出しをするという場合に、日歩一銭七厘とかいうふうな基準がございますが、これは金融機関によって多少違う点がございます。そういった自粛の申し合わせの中にとられておりますところの暫定措置、完全に相殺することができない場合には、金利を低くするということが入っておりますが、そういったことも、すでにこの中では行なわれている。行なわれているけれども、それは依然として本格的な意味での自粛措置そのものをやっていないことになりますから、それはこれらの対象預掛金の中に含まれているのだということになります。ですから、問題がすべて全部が直ちにけしからぬということになるわけでありませんで、暫定措置ではあるけれども、金利の措置が行なわれているものもある程度は含まれているというような性質のものでございます。  大体この表をもとにいたしまして、検査結果の概要を御報告申し上げました。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 次に、渡邊公正取引委員長。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 簡単に申し上げます。  私のほうの調査のやり方は、すでにお配りしてある資料でごらん願ったとおりでありますが、三月末日現在のもとに状況を調べまして、対象としましては、東京都及びその近県を一応第一着手としまして、とにかくこれだけやってみようというので、近県と申しますのは、千葉、埼玉、神奈川、これに限定しまして、そうして相手方としては中小企業者、この考え方としましては、中小企業基本法にいう中小企業者というものを対象としてアトランダムに相手方を一応選定しまして二千四百通照会状を出しました。その内訳としましては、業種別に見ますと、製造業関係が千二百、建設業関係が百、卸売り業関係が七百、小売り業関係が二百、サービス業関係が二百であります。そしてどういうことを中心に調査したかということにつきましては、これまたお手元に「拘束預金に関する調査表」の一応のひな型といいますか、照会に出しましたのをお配りしてございますのでごらん願いたいと思います。  時限としては、一応四月の二十日をきめておいたのですが、なかなかそれまでにうまく集まりませんでしたので、一応四月三十日というときまで延ばしまして、集まった数がいま中間集計結果として差し出してあります四百五十六通の回答の分であります。この調査はできるだけ回収率をよくすることが必要だと思いまして、一面これと並行しながら督促的な意味で、もしお出し願っておりませんでしたら何とか御協力願いたいという意味の書面を別途出しましたところ、報告を聞いたところによりますと、その後に百六十八通来ておりまして、現在手元にある数字は六百二十四通あるということでありまして、いずれこの数を、その後の回収まで込めたところでもって、最終的な一応の検討をしてみたいと思っております。回答を求めました事項の中でも、もう少し操作をしないとちょっとデータにならぬというのもありますが、国会の期日が迫りましたので、一応計算できた分だけについてこれを出した、そういうような意味で、いわば中間集計であるということを御了承願いたいと思います。中間集計の結果についてちょっと申し上げますと、大体のことはそこの書面に書いてあるとおりでございます。第一表でいま申しましたように、発送数が二千三百九十一、それから回収が、この集計のときは四百五十六、借金がありという回答のあったものが三百九十、借金なしと答えて、一応問題の外にあるのが三十五、回答があったが利用できなかったもの、これは中小企業ということを中心に考えておりますから、大企業にこちらのほうの照会がまぎれていったもの、あるいは大企業であるか中小企業であるかわからぬといったものは一応これからはずすという意味で、結局三十一は集計から抜かしたというわけであります。第二表に一応の数字が出ておりますが、都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合、その他の金融機関、一応この別に区分しまして、借入金が一体どのくらいあるか、借り入れ先の企業の数、それから借入金、そこには長期借入金、短期借入金、割引残高、商手担保の借入残高、これをそれぞれ区別して集計してございます。借入金の最終残高のところで、企業数は三百九十、借入先の延べ数が千百四十二、借入金金額二百三十二億、預金額百四億、うち、拘束預金が六十三億、その拘束の形態としては、両建て、歩積み、根担保、あるいは、一体これは両建てなのか、歩積みなのか、根担保なのか、その姿は金融業者としてはよくわからぬが、とにかく拘束を受けている預金、この三つがあるわけでありまして、その内訳がその次に書いてございます。結局A分のB、これは借入金に対する債務者預金の比率が四四・九、借入金に対する拘束預金の比率が二七・三、預金総額に対する拘束預金の比率は六〇・八、こういう数字になっております。  それからもう一つ、もう少し詳細な点を聞いてみたいと思いまして、この調査表の中で借入金について手形割り引きについて、きわめて最近の事例一件についてこういう点を示してほしいということを聞いたものがございます。一体最近のものについて両建てさせられたか、させられなかったか、あるいはある程度金利措置がなされたかどうかといった点を一つの企業について一件だけこまかく照会した分であります。この点は、全体にわたっての集計は出ておりませんが、それがその次の三ページにある分であります。最近の事例における両建て預金について、両建てをさせられたというものと、両建てをさせられなかったもの、それから、実際にはさせられなかったが、しかし、前から拘束預金があるといたようなものを三つに分けて、一応区別して数字を出しております。それを業種別、金融機関別に区別したのが第三ページであります。  それから両建て預金をさせられたもの。すなわち、第三表のAについてどの程度の両建て預金がなされたかという分についての集計表が第四表であります。借入金額合計件数が六十件。借入金額合計が三億五千四百十四万円。このうち両建て預金が一億一千三万余円。三一・二%。業種別、同時に金融機関別のはその次の表になっております。件数は必ずしも多くありませんから、すぐにこの比率をもってそれぞれの銀行がどうだという結論を出すのは早いと思いますが、一応なまのままで数字を出しております。  それから、最近における歩積み預金のものについては、歩積みをさせられたというものと、させられなかったというものと一応分けて第五表にしてあります。業種別、金融機関別がそれであります。なお、歩積み預金をさせられたものとしまして、一体どの程度の歩積みをさせられたかという点につきましては、第六表に掲げてあります。  第七表のほうは、させられたものについて、歩積みの率というのがどの程度の散らばりを見せているかという表であります。  以上申したような点は総括のほうに一応説明として書いておきましたが、繰り返して申しますが、中間集計でありまして、その後回答も相当ありますので、今回の集計に間に合わなかった分の集計もし、同時に、全体についてもう少し分析をしてみたい。そうして、いずれ当委員会にその結果を御報告申し上げるつもりでおります。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 質疑の通告がありますから、これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 最初に銀行局のほうから少しお伺いしておきたいと思います。  これは非常に簡単な資料でありまして、実は私、今度はかなり精密な資料を御提出いただけるというふうに期待しておりましたけれども、前回の資料と並べてみると、まさに前回の検査と同じスタイルになっているわけです。しかし、この前と今度とはこの問題の取り上げる角度がだいぶ違っておるというふうに考えております。ということは、前回ももちろん当委員会においていろいろ議論がありましたけれども、今度ほどいろいろな角度から問題にした経過での検査ではなかったわけであります。この資料だけでは非常に不十分だと思いますので、ちょっと二、三の問題についてお伺いをしておきますけれども、この検査の日程のところに「臨店して、査定対象債務者を指定し、資料作成を依頼」こういう形になっておりますね。そうすると、特定の形式のものに出させたのではないかというふうに私は思うのですが、何かそこの査定対象債務者を指定して資料の作成を依頼した、何かその資料はないのですか。たとえばいまの公取のほうでは調査表をお出しになっておりますから、ここに調査表が出ておればわれわれはこの調査表の原表から、あとで公取にはお願いいたしますけれども、いろいろな問題点がまだ拾い出せることは、原表を見ればわれわれはわかるわけです。ところが、あなたのほうの銀行局のほうのは、そういうこまかいものが一つもないために、何にもなしでこれからいろいろ次々と聞いていかなければならぬ点があるわけです。何かそういう資料作成の依頼要項というか、あるいはこういうものに書き込んでくれというようなそんなものがあったのではないかと思いますが、その点はどうなっておるのでございますか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 これは通常の検査の場合にも相手方にこういう資料をつくってくれということは依頼します。今回の場合資料も、相手方に作成させた資料の表、実はございますけれども、大体の考えは一件ごとに当該債務者についてどういう条件で貸し出しをしたかというのを、全部日にち別に書かせるわけです。それに対応いたしまして、預金の項につきましても、その預金をした日にち、その預け入れた金額、担保の関係、こういったことを全部あるだけ書かせる。当該債務者につきまして、現在残高もあるわけですが、その残高も書きますけれども、預入の年月日、日にち、全部書き出される。それを今度はさらに当座、普通通知で、定期積み金、あるいは掛け金であるとか、そういった預金種別に全部分類させる。さらに拘束、非拘束というふうな分類もさせるわけでございます。かなり煩瑣な表でございますが、要旨は貸し出しをしたのと、その預金とがいかなる関係にあるかということを把握するために必要な資料でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 そうすると、その原表は一応その査定をするときにはいろいろとその問題についての話をしますが、銀行局は書いてもらったものについてはもらってきておるわけですか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 全部持って帰っております。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 実は私、ちょっと昨日、事前にきてもらって、いろいろ聞いてみたところでは、何かそういうことはよくわからないようなふうでありましたけれども、いまのお話で、あとで原表のモデルは見せてもらいますけれども、実はこの問題について私どもはここへただぱらっと全体の平均値だけ出されたのでは、わからない点がたくさんあるわけです。それはなぜかといいますと、まず第一に今度は昨年来、自粛措置についておのおの協会等が申し合わせをいたしておるわけですから、その申し合わせをした時期と、これは四月の当時になっておりましょうけれども、その一人の一店舗五十の債務者について、いまちょっとわかりましたのは時期がわかっておりますから、要するにこの問題をひとつ時期別に見たらどういうことになっておるのかということが、私は知りたいと思うのです。ということは、こういうふうに統計では出ておりますけれども、はたしてそのトレンドはだんだん銀行によって種類も違いましょうし、いろいろ違いはありましょうけれども、改善の方向に向かっておるのか、あるいは少数統計だから必ずしもそういうことが精密に出るかどうかは別として、一向に改善されていないのか、逆にふえている場合もあるかもしれないし、まず時期によってこれらの問題がどういうふうな形になっておるかということが、私が知りたい一つの理由です。  それからまた、いまの問題の中で実はたとえば銀行協会の場合には資料の出方が拘束預金とこの自粛対象というようなかっこうで問題が出ておるわけです。そうすると拘束預金の比率を二割減らすのだというような申し合わせになっておるというのが銀行の場合の例ですから、そうしてみると、これでは拘束預金が表に出てないわけです。ただ将来債務者預金と、それから融資額と自粛対象の預託金ということになっておるわけですから、ここでは一体拘束預金はどういう形であったかという一項がやはり私は必要になってくるのではないかと思う。そうするといまの資料から計算をすれば、いまの拘束預金それから自粛対象との関係というものはこれで出てくると思う。  もう一つちょっとお伺いしておきたいのは、金利の問題は、これはあわせてその中の調査には出ておりましょうか。いまの依頼をした資料作成に、その部分における金利はどうかというのは出ておりましょうか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 ここに出しました表は、前回から二回ばかり資料を提出してございますが、それに合わせてまとめたわけでございまして、詳しい資料がないのが遺憾であるという点でございますが、実は拘束のようなものにつきましては確かに向こうの申告もございますし、こちらの認定もございます。ただこれらは非常に問題が存するところでございまして、これをそのまま直ちに表としてお配りしていいものかどうか、私ども確信は持ち得ません。つまり銀行側のほうが、金融機関の側がこれだけ拘束預金がありますというのに対して、大蔵省のほうの認定額は大体それを上回っております。銀行側が言った数字よりも拘束預金の段階ですでに差があるわけであります。自粛対象のものにつきましても、一応銀行自体に自分で自粛基準に触れるものと思う金額を書き出させております。それに対して査定を行なっておるわけでございますが、もちろんこれにも差が生じております。そういったことは資料としては一応取りまとめておるのでございますが、実はかなりの人数を動員したわけで、検査部が中心になっておりますが、これらの資料を財務局等も含めまして集計するのにちょっと時間がかかりまして、そのために実は第四・四半期の検査の手当てがまだできないでおる。しかも第一・四半期の本年度の定例の検査のために出張しなければならぬというふうなことで、当時この検査に従事した従事員の大半、ほとんど全部がいま定例検査に出かけてしまっておるような状態です。資料はありますが、これは三千何百名で、その内訳が非常にたいへんな数にのぼりましょう。それで少数の残った人員がそれをいま堀委員のおっしゃった傾向別にどうか、最近の時点において変わっていないかどうかという点を出させようとすることはかなりの日数を食うものでございますので、この点できないことではございませんが、まああれだけの人数でやって、しかもかなり縦横にめんどうな表ですから、見るのに非常に煩瑣な表でございますので、それを仕分けするのには数字的には非常に困難だと思いますが、しかし傾向はだれかが見ていけばいいのでありますから、傾向は調べてお答えできると思います。最近になっても両建て等の割合が少しも変わってないかどうかという点ですね。ただ話として私どもが検査官のほうからまとめてきましたところでは、やはり相互銀行などにおいては改善の色が非常に著しいものがある。最近両建てを要求しておる割合が非常に減っておるということは言えると思います。銀行等につきましては、これはあまり明確にそういう傾向は察知できない現在の時点における数字でございますから、これが最近の二、三カ月でも非常によくなっておりますれば、確かにそれは結果として出てこなければならぬ。その出た数字があまり変わっておらない。一年前の数字とさほど変わってない。そういう点から見ると、最近何カ月間に両建て、拘束でもけっこうですが、その割合がよくなっておる、改善されておるということはあまり顕著でないのではないか、これは要するに私は、その根本的な問題は、最高の経営責任者の態度じゃないかと思います。結論を先に申し上げて何でございますが、相互銀行の中にはかなり熱心にやっておる、まじめに取り上げて自粛を徹底しろというふうなことを支店のすみずみまでにらみをきかしてやるものもある。そうでない銀行等におきましては、通達はもちろん流しております。しかし、たとえば預金が減ってもかまわない、支店の預金の伸びが非常に悪くなっても、大いに自粛をやらなければいかぬというふうな徹底した意気込みが見られるところは非常に少ないということは申し上げていいのじゃないかと思います。全部が全部同じだとは申し上げませんが、少しずつ態度が違うと思います。そういうことでありますから、それがやはり実績に反映しておるのじゃないか。なお利率の点につきましては、貸し出しにつきましては全部レートを記入させておる。預金のほうはレートがきまっておりますから、貸し出しのように記入させてはいない。貸し出しのレートは、金利措置をしているかいないかということが判定上必要でありますので、それは全部とっております。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 やはり三千五百枚ばかりの原表ですから、これの解析と製表というのは相当な時間を要すると思いますが、肝心なのは——私はもちろんいまのこういうふうなぱらっと総計を計算したものもめどとして必要だと思いますけれども、一ぺんやはりこれは中身を少し分析してみる必要があるのじゃないか。ところが分析自体はそうやって製表されておりますが、銀行局に手がなければ——これは大蔵省にはそういう調査をする専門的な、官房かなにかに調査関係のスタッフはいないのですか。

纐纈彌三自由民主党大蔵政務次官

○纐纈政府委員 詳しくはよく知りませんが、検査部はございます。しかし、スタッフはどうも人がいないようでございますが、大体検査部のほうだけでやっておると聞いております。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 その原表ですね。個々の名前とかなんとかというのは困りますけれども、要するに預金者の名前とか金融機関の名前がなくて、ただ番号とかなんとかで処理をされておれば、一応あとは調査項目をあれすれば、政府がよく使っておる何とかってあるじゃありませんか。この間の農地報償の調査なんかやっている、調査専門のところへ出して作業をさして、こういう項目、こういう項目についてこれを解析して、製表して出せといえばできるのじゃないかと思うのです。費用その他は、これは別個の問題ですけれども、どうですか銀行局長、その点だけを別途にすれば、何も製表その他の事務的処理をするのには、私は差しつかえないように思うのですけれども、とても銀行局でいまの三千五百枚きちんとやりなさいといっても、率直に言ってちょっとできないんじゃないかと思うのです。第一、そういうことはやるようになっていませんよ、銀行局のスタッフは統計調査の専門家じゃないのですから。せっかく原表が集まったのなら、そういう専門機関に渡せるような製表にすること自体は、私はそんなにむずかしいことでもないだろうと思うので、何かそういう措置をして、というのは、私いまのお話だけを聞いて、モデルを見せてもらっていろいろ知りたいことはたくさんあるわけですよ。せっかくこれだけの調査ができておるわけですから、この中で知りたいことをやはり明らかにすることは、今後の対策に非常に重要なんです。今後われわれがこの国会中にやれるかどうかの問題については、それが役立つかどうかの問題は別として、今後私は少なくとも四半期に一ぺん、要するに年に四回くらい、こういう歩積み、両建ての特別検査をやってもらいたいし、そのために、必要ならば検査部の人員をふやしてもらってもいいからそれをやる、そして一回きちんとしたものをつくってやっていくと、全体の様子というのが非常によくわかってきて、そこまでやっていけば私はだんだんこの問題は解決のほうに進んでいくと思う。ぱらっとした紙一枚ぐらいでは、率直に言うとこれくらいのことをやっているなら知れてるわいということになりかねないわけですよ。だからせっかくあなた方がそれだけ努力をして、定時検査すら支障を来たすほどのエネルギーでやられたものを、私はやはり生かして使いたいと思いますので、その点はひとつ政務次官、大蔵省として検討をしてください。ちょっと答弁を求めます。

纐纈彌三自由民主党大蔵政務次官

○纐纈政府委員 お話しまことにもっともで、せっかく苦労してつくったものを集計ができないというのは残念でございます。ひとつ帰りましてよく相談をしまして、ぜひそういうことができるようにみなと相談をします。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 そこで、それが自粛対象のものであるかどうかという仕分けをするためには、一つの基準がなければできないと思いますね。要するにいま出たそういう原表を見ながら、相手方の金融機関に対してこれはどういうものですか、これはこういうものです。それについて、それは拘束預金には相違ないけれども、拘束預金の中身が不当であるかどうであるかという問題について仕分けをしたわけですから、仕分けをするためには基準が要る、その基準というのはこの前銀行協会が出しておりますところの歩積み、両建て預金の自粛措置、三十八年十二月二十四日というのが基準ですか、ひとつその基準をちょっと伺っておきたい。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 検査部でやっておりますところの検査の基準は自粛申し合わせそのものでございます。で承りますので、拘束預金ではあるけれども妥当であるかないか、つまり一応の理由が認められるものというものにつきましては、向こう側からまず整理したものといたしまして、向こうで申告してきますから、これだけは理由がある、これに対しましてこちらが聞きながら一件一件査定するわけです。一件当たり五十人程度のものを二、三日かけて数名がやるわけですから、かなり立ち入った話をしながらやるわけでございます。ただしあの自粛基準の中には一概に数字の上で基準を設けられないものがあるわけです。正当な理由のあるものとかいうふうな基準がございますが、何が正当であるかということについては概念的にはわかりますけれども、何割までがいいというふうにはきめられない。結局、先ほど資料と言いましたが、相手方の債務者の財産状況というものも出さしているわけです。ですから債務者の経理の状態がいいと認められるものは非常に少なくていいはずだ。非常に経理が悪いというもの、負債ばかりがやたらに多くて、損益状況もよくないというものについては、同じ手形割引をするにしましても、やや大目に見てやらなければならない、こういったことがございます。これをなるべく早くふぞろいにならないように検査部としては努力をしたわけでございますが、しかし必ずしも全部が全部同じようにそうであるわけではない。ですから検査を受けた店舗によっては、大蔵省の見方は非常に辛いというものも出てきますし、多少の査定上の差違はやむを得ないんじゃないかと思いますが、原則はあくまで自粛基準でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 そこで、自粛基準が、項目としては実は一から七まであるのですね。これにはいずれもきわめて例外的なことではあるが、債務者の都合または事情、相当の理由があると認められるものを除くというような字句で、七つの項に全部例外規定がつくってあるわけです。だからいまのように、基準のところはまさに基準の上にもう一つ基準をつくらないと困るくらいに実は抽象的な部分が確かにあるわけです。いまおっしゃるように確かにそれは債務者側の経理状況というものが、いまの相当の理由の中のウエートを占めることもよくわかります。そこで私が知りたいことの一つは、一から七までの項目の中で、一体どれに該当するものはどのくらいであったかとか、これはこまかく比率を出すことはなかなか困難であるかもしれませんけれども、おおむねこの基準によってやったということになると、七つか、残りそれ以外というものがあるでしょうけれども、七つの項目のいずれかに該当しておったのには相違ないと思うのです。そういうような中身が今度の調査では検査官一人一人の感じとしてはあるかもしれませんけれども、そういうものについて触れておるかどうか。ということは、今後金融機関に対して自粛を求める場合には、これらの中で七つの中のこの部分についてが一番どうも問題が多かった、この部分の取り扱いについては特に厳重に処理してもらいたいというような指導ができると思うのですけれども、その点についての取り扱い方はどういうふうにしていますか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 この点は実はその査定表があるわけでございますが、先ほど銀行に書き出させたもの、それにいろいろと検査官が書き込んでいるわけでございます。ですから先ほど統計の話がございましたが、実際問題として本人でなければわからないようなものになってしまっているわけです。それですからこれらの内訳が実際、割合でもどうなっているかということは、統計を出そうとしましてもたいへんなことになるわけです。ただ傾向的に私が聞いている範囲で申し上げますと、過当なものという点で見るかどうか問題がございますが、むしろ考えてやらなければならぬもの、拘束性預金であっても相当これは引いてやらなければいかぬ、自粛の対象でないというふうに見てやらなければならぬものとしては、やはり手形割り引きに際しまして、これは本人も裏書きしているわけですから、大体第三者の振り出したものでありましても追及を受けることがあるわけでございますが、一たん不渡りになったりすると銀行はきらうわけでございます。ですからやはり拘束預金の中から正当な理由あるものとして引かれたものとしては、比較的多いのは手形の割り引きの場合に根担保的な意味でとっておるもの、この預金ですね、それは場合によって一割の場合もありましょうし三割の場合もあると思いますが、そのくらいまではやむを得ないと見て、それを越えているものはこれは行き過ぎじゃないか、そんなにとらぬでもいいじゃないかというふうな、これは非常に範囲が広いのでございますが、正当な理由あるものとしての控除項目としてはこういうものが比較的多いように思います。  それからあとは、定期積み金のやつがいいことになっているわけであります。定期積み金で過当な契約をしなければいい。貸し出し額に対して、それをオーバーするような定期積み金の契約をするのはいかぬけれども、その範囲内であればいいじゃないかという、これは両建てになるわけでございますが、ことに定期積み金の期間が相当経過いたしますと、実際借りている金額と積み金の比率からとるとかなり大きくなってきますが、こういった点について定期積み金は一種の拘束であるとわれわれは認定をしているのですが、これは除外される。しかし積み金契約のほうがはるかに多い、無理やりそういう契約に加入させられておるということであれば超過しているものはいかぬ、こういうことになりますが、金額的に比較的多いものを、正当な理由ありとして控除するものが多いものを探すとそういうことになるのじゃないか。なお通常の貸し出しに対しましてこれが拘束であるということは両者は一致しましても、過当であるかないかという場合に、割り引きではなくて通常の貸し出しの場合にはいろいろございます。明白なのは、いわゆる預金のほうが先行しておりまして、先に普通に預金があった。たまたま途中で金を借りることになった。期限は到来しておらぬ、そういうことがいまの貸し出し簿から明らかにわかるという場合は、これは正当な理由がある。これも担保、いわゆる担保貸し出しという狭い意味の預金担保貸し出しの中に入ります。こういう場合は概して金利も安くしているのが通例でございますが、金利の面ばかりでなしに妥当なものであるというふうなことでございます。あとこれは本人が一体拘束されていると思っているのかどうかどっちかわからぬようなものがございますが、たとえば設備投資を近くやる。それについて預金は相当あるのだけれども、あえて引き出さぬでおる。どういう理由でこんなに貸し出しに対して比較的預金が多くあるか、これはいずれ近いうちに設備投資をやるつもりなんだ、そういう意味ではかっては拘束から始まったものであるけれども、近くおろすことになる、そういうことが明瞭である、こういう認定された、そういうものは除かれる。ここに七項目あげてありまして、それぞれたんねんに見てはおるわけでございますが、しかし、こういうやむを得ない場合、非常に一件、一件ごとに見るとどうもどのくらいまでをやっていいかわからぬというふうな、つまり不当なものとみなしていいかわからぬケースが実際出てくるわけであります。前にも私この小委員会で申しましたが、灰色のものがある、拘束であるかないかさえもはっきりしていないものがある。そういうことがあります場合に、あまり疑わしい、わからないものは一応除外していい、自粛対象だときめつけられないものは除いたらどうかというようなことをやっております。ですから、はっきりとこの項目のどれに該当するとは言えないけれども、まあこの程度のものはやむを得ないからというふうな、マクロ的に判断して継ぎ足しておる。はっきり除外されるもののほかに幾らかわからぬけれども、アローアンスは認めておるというふうな点もございます。厳格な意味でこれらに該当するものを全部表にして出すということはまず困難の度を越えているものじゃないかと思いますので、傾向を申し上げました。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 そこで、それは少し困難なようでありますから、これは表になるかならないかは別として、その次にこういうふうに問題にしております理由は、中小企業の金利負担を減らしてあげようというのが主たる目的なんです。もちろん歩積み、両建てというものの不当性の問題もありますけれども、それを借りることによって金利負担が正常な状態から著しく上回ることをできるだけ避けたい、こう考えておるわけですが、今度のこの調査でそういうふうな、さっきも金利は書いてあるというお話でありますが、結果としての金利負担というものは、これは大体出ますね。どうでしょうか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 一人一人のケースにつきまして出せばそれは出ると思います。ただ全体計算としてマクロ的に都銀の分がどうなるかということは、大体のところはできると思いますけれども、つまりこの自粛対象がほとんど一〇%である。それをたとえば金額では定期預金みたいなものが中心でございます。もしそれがない場合には一体幾らになるのかという計算は、一応概数としては出ると思います。前に私試算として言ったことはございますが、地方銀行の例などで申しますと、こういう自粛に該当するようなものをかりに両建て相殺したというふうな点で申しますと、その下がり方は非常に大きくはございません。年利でもって一%にはならない程度だと思いますが、それに近い引き下げになるかと思います。しかしこの一%未満と申しましても、利潤率から申しますと、非常に大きなものでございますから、銀行にとってはたいへんなことになりますが、負担するほうの側の感じから申しますと、そうひどい大きな数字にはならないと思います。ただ拘束がもしもっと金利の低い——実際問題としてわからないのですが、通知預金なんかで拘束されている場合がもしあるとしますと、これはかなりの差になる。たとえ一割でも両建てが相殺された場合、かなりの変化があると思いますが、定期預金ですと、五分五厘でございますから、これに対してもし金利措置なんかやっておりますと、その差はごくわずかでございます。非常に大きな差にはならないと思います。ただ三割ぐらいの拘束があったとしますと、これ全部を相殺すればたいへんなことになります、相当な変化がありますが、私どもが自粛の措置から見てけしからぬというものを相殺させたという場合の金利負担の差というものは、金融機関の損益には相当影響がございますが、負担として相当大幅な、年利にして二分も三分も下がるということにはならないということを申し上げます。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 私がいまこの資料についてお伺いをしたいと思う事項は大体以上でありますが、いまの話を聞きながら、機械的な製表のできる部分と、調査をした人が多少自分で見て整理をしなければならぬものと、二つに確かに分かれると思います。私は今後の問題としては、姿勢を正しくしてもらうためには、やはり何といってもこの検査の手をゆるめず行なうということが最大の要件だろうと思うのです。ところがばっとやってあとは資料の整理もせずに、また次の仕事にかかるということでは、検査に行く諸君もなかなかたいへんなことであるししますから、これは今後の議論の中に出てくると思いますけれども、今度は六十九行というふうに非常に間口を広げて一斉にやったということですが、多少間口を狭くしてもいいから、専門の担当者がしょっちゅう歩積み、両建てのためにだけ歩いて資料をやっていると、その諸君は常に残っておるわけですから、一わたりして帰ってきたら資料を整理をし、また出ていっては資料を整理をしということで、私はさっき四半期に一回ずつやったらどうかと思ったのですが、そういう形からすると、こういう大々的なものをときどきやるよりは、常時検査部に当分の間常設の諸君がいてそういうものをやったほうが、いまのこの検査の私どもの願っておる目的にかなうのではないかという気がしますが、あなたのほうはそれについて、今度の検査をした結果と、それからこの検査の資料を整理をして、今後いろいろの指導方針をこの中から打ち立てるということのためには、どちらのほうのスタイルがよいのか、ちょっとお答えをいただきたい。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 その点は堀さんのおっしゃる方法も一つの方法であると思いまして、私どもまだきめてはおりませんが、そういう手段がいいかなとも思っております。しかしいま考えておりますのは、もう少し効果的な方法は、検査としてやる方法でございますが、たまたま昨年、御記憶ございましょうが、十一月現在で——銀行の場合で申しますと、十一月、五月というのは比較的手がすける、そのとき現在で拘束預金に関する、あるいはその中での自粛対象というものの数字がございます。非常に小さな数字が出ておったわけでございますが、私ども今回の検査によっては、たとえば都市銀行は、全部の都市銀行十二行がいずれも二店かそこらは調べられておるわけです。その割合というものは相手にいってありますから、各店は知っておるわけです。そこでいつ現在でとるか、向こうの言い分ならば五月現在で、全支店別の数字を銀行局へ出してもらう。いままで銀行協会が取りまとめまして得た結果だけをこちらに出すということになっておりますが、話し合いをいたしまして、これは全支店の分を店別に全部、あの様式でけっこうですが書いてもらう、それをあらゆる金融機関からとる、店別の資料を全部集めておくわけです。それは五月現在でもけっこうですが、そういたしますと、普通の検査がかなりの数毎年行なわれます。周期がありますから大体ことしは来ないというふうなことはあるいはございますが、日本銀行のほうもその間を縫ってやっておりますから、何のことはない、一年に一ぺんぐらい来るのが普通なんであります。都市銀行の場合には回数が減りますが、それは例の特別検査をやればいいわけであります。そういう方法で、行ったときに、必ずいまでもやっておりますが、支店検査をやる。本店以外に支店を二つか三つ拾って定例検査の中でやる、従来もやっておりますが、従来はそういう資料がないわけであります。今度はこちらにみないただくことにしまして、この数字が全体がおかしければ訂正を求めますが、それを照らし合わせて検査をするということであります。いつどこへ来るかわからぬということで、かなり緊張せざるを得ないのじゃないか。特定の数名の者に専担させるということも一つの方法でございますが、たとえば都市銀行のように四年に一回ぐらいしか定例検査がないというところはそういう者にさしたらいいのじゃないかと思いますが、あとは大体、日本銀行を含めれば年に一回ぐらい検査または考査を受けることになっております。その際に店別の資料を出していただいて、それをもとに実際に改善しているかどうかというようなことも相当できるのじゃないかというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 そこで、実はほかの分の資料はちょっとありませんけれども、銀行の分については三十八年の十月末で、自粛対象と一般預金の比率というのは〇・四%ということになっておるわけですね。そこで今度のこれで見ますと、自粛対象と一般預金の比率は、前回が一七・六%、今回が一九・二%、それで銀行側がお出しになっているのが〇・四%、これは比率だけで見ると一対五十ぐらい違うわけですね。それで、同じルールでものを見て、五%内外ぐらいの開きということなら、これはサンプルも小さいし、カバレージも小さいことですから、それぐらいの誤差はあり得ることだと思うのですが、一体この〇・四%と一九・二%の開きというのはどこから出るのでしょうか。いささか開き過ぎているという感じがするのですが……。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 根本的には、拘束性預金調べという全国銀行の調査にあたりまして、そういってはなんですが、はたして支店別に厳格に基準を示して調べたものであるかどうか、よくわからないわけであります。そういう数字で、昨年十一月の数字では非常に低い比率になっておりますが、今回の検査にあたりまして、もちろんこれは中小企業を対象にしたので、全国銀行で見れば大企業が相当含まれますから、事情は違うにいたしましても、中小企業の分だけを、たとえば中小企業貸し出しが都市銀行で二兆円ある、二兆円に対してかりに一〇%かければ二千億円になるわけです。それに対して都市銀行の一切がっさいを合わした数字はその当時五十九億九千、六十億をちょっと欠けるという数字を出しております。これは、大企業を含めて、一切を含めての自粛対象預金がそれしかないのだという数字で、あまり違いが大きいので、われわれもその点驚くわけでございますが、たとえば今度臨店いたしまして、検査の対象になった店、そこから提出してもらった自粛対象預金が幾らあるのかということを見てみますと、本人が申告した割合が決してこんな低い数字じゃないのです。こちらで一つの例を申しますれば、申告した分で、これは算術平均で申します。都市銀行の場合九・九というわれわれの査定に対しまして、申告した額が五・七あるわけです。それから地方銀行の場合には一〇・七という結果が出ておりますが、それに対する申告が七・七であります。たとえば、こういうように銀行の場合におきましても五・七とか七・七とかいうふうに——これは貸し出しに対してでございますが、預金に対して見れば、ほぼこの二倍になるわけでございますね。債務者預金比率が大体五一%くらいでございますから、貸し出しに対する比率と預金に対する比率では大体二倍の違いがございますが、その程度のものを申告しておるわけでございます。ですから、検査をするということになれば、やはりそうでたらめな数字は出せないので、相当こちらのあれに接近した態度で出てきておる。ですからこういう結果が出ておるのだし、申告もこう出ておるのだから、全体をとってみてもそう低い数字が出るはずはない。大体こちらの申し渡しもわかっておりますから、同じような基準で各店の数字を出させるのが非常にいいのじゃないかというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 銀行局の点は大体わかりました。確かにいまの五月と十一月に銀行側としては各地の銀行協会に資料を集めて、それを全国銀行協会に集めて、大蔵省に提出をするということに、自粛通達になっていますが、それはおそらく、いまのこういうような一枚紙が出てきたのでは、これはわれわれがここでどうしようもないと思うように、大蔵省もどうしようもないと思うのです。いまの各支店別の大蔵省側の希望するようなスタイルのものが集まってくれば、いまおっしゃったように、おそらくこの比率は、少なくとも五・七くらいのものは出てくることになるでしょうから、これはだいぶ情勢も変わると思いますし、それがそうなってこないと、実は拘束預金の中に占める自粛対象の比率を二年間に二割下げるということは、これまでの状態では私あまり意味がなかったと思うのですが、ここまであがってくると、その二割というものにはかなり意味が出てきますから、これまでの問題というものは生きてくると思うのですが、そういう形で行なわれれば、かなりこの問題の検査の手数は省けるということになるだろうと思います。  次に公取のほうへお伺いをしたいのでありますけれども、これから資料を整理なさって——私どもは少し急ぎましたから十分なものが出ていないというふうに思います。特にいま銀行局のほうで申しておりました皆さんの原表を見せていただきますと、借り入れ金についてはおおむね長期、短期、商手の割引残高等、こまかく項目を分けて各銀行種別その他で記入をするような表になっておりますから、現在における債務の状況というものが、全体がわかり得ると思います。結局いまの歩積み、両建ての問題の裏側にあるのは、やはり債務者の債務の状態との関係というものが、いまのいろいろな比率に関係をしてくるのではないかというふうにわれわれも判断をするわけでありますけれども、それらの点について、この次の機会にもし可能でございましたら資料を整理をしていただくと、こういう債務の状態のときには大体これくらいの率になる。これは何も個々全部のあれでなくてもけっこうですけれども、たとえばきょうお出しをいただいております資料の中でも、歩積みの率についての分布をお出しいただいておるわけですが、この歩積みの分布の中で、非常にパーセンテージの高いものというのはおそらく債務状態が悪いということであろうとは思うのであります。ところがそうでなくて、歩積みの高いのをとっておるかもしれないわけでございまして、そこらについては、歩積み、両建てともに——両建ての場合でも両建て預金の比率が非常に高いというものはおそらく債務の状況によるのではないかというふうにわれわれは常識的に判断をいたしますけれども、しかしそうでなくて、あるいは銀行側がたとえば預金をふやしたいというようなことが先になっておるならば、債務の状態にかかわらず両建ての多いものも出てくるかもしれない、こういうふうな感じを持つわけでございます。ですから、それらの点について、あとで原表を拝見いたしましたらそれらの集計もできるようなふうに考えられますので、お骨折りがいただけるかどうか。  それから私ちょっといま出していただいた資料の中で少し比率等の計算をしてみたわけでございますけれども、いろいろな件数が並べてございます中で、次に六百二十四件のものでもう一回整理をなさるときにあわせて少し比率をこの中でお示しいただけると私たいへん好都合だと思うわけであります。それは、たとえばちょっと例をあげて申し上げておきますと、三ページに金融機関別に両建てをさせられた、両建てをさせられなかった、この際にはさせられなかったが、拘束預金がある、計、こういうふうになっておりますけれども、ただこれだけで見ておりますと、少数な統計ですから必ずしもこれが非常に正確だとは私思いませんけれども、大体マクロ的に見た場合に、ちょっと比率をとってみますと、これは私やはり非常に参考になる点があるというふうな感じがいたします。その点いろいろな項目について、できますならば、なるたけそういう比率の計算も含めた資料でお出しいただくと、あとで私どもがもう一ぺん再計算する必要もないかと思いますので、そこらの点について、もう少し、今度もう一回お出しいただくことになろうと思いますから、詳しい資料のときにはそういう計算等につきまして少し御配慮をいただいておきたいと思います。前段、その他についての私の希望についてお答え願いたいと思います。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 御指摘の点につきましては、最終報告の際にはできるだけ比率を出してみたいと思います。件数が少ないので、その比率が何を意味するかということは、これは別途判断したらいい問題ですが、比率として出すということはできるだけ御趣旨に沿いたいと思います。  それから債務状況云々という問題は、これは私のほうとして、無記名のアンケートでとることにしたわけですが、あまり無理なことをお願いして回収率が悪くなるのもどうだろうか、したがいまして、ここにありますように、金融機関からの借り入れ金についてはこれはかなり、一応分けて書いてもらっておりますが、この方が金融機関以外のものからどういう借り入れをしておるかとか、あるいは資産状況がどうであろうかとか、そういうような、この方のバックをなしているものについては、今回の調査ではあまりいろいろ右から左と縦横ながめるというのも、回収率の点を配慮しましていかがであろうかと考えましたので、もしあなたの御希望が、その人の信用状態がどんなふうだったろうかというような意味で、金融機関以外の借り入れ金ということになりますと、この調査の中に入っておりません。ただ、この調査の範囲内でできるだけ分析してみるということはわれわれのほうとしてやってみたいと思っております。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 まず第一点は、債務者預金の借り入れ対比率についてでありますが、高橋さんのリストによりますと、今回の調査と前年度の調査とは相当似通っておると思うのです。差は大きくあっても一〇%内外ぐらいのものじゃないか、ところが別途公取の今回の調査とこれを対照いたしますと、都市銀行については大同小異でありますが、地方銀行、相互銀行、信用金庫について見ると、銀行局の調査と公取の調査とがかれこれ二〇%以上開いておると思うのです。これについて冒頭両氏から御説明のときに述べられたように、いずれにしても、こういう困難な調査だから必ずしも正確を期しがたいとは述べておるが、しかしいずれにしても政府機関が相当の努力をされて得られた統計資料として、同一時点における同一統計が二〇%も開くというのは異様なことに思うのですが、この統計結果の大きな相違点について、どういうような心証を得られておりますか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 債務者預金につきまして、なるほど地銀では一〇%以上違っておる。それから他の場合は数%の違いであると思いますが……。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 三十八年と三十九年ではそうだが、公取との比較ですね。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 公取との比較において申しまして、債務者預金に差がある程度認められますが、私どもに関する限り、債務者預金は一〇〇%とは申しませんが、ほとんど正確に把握されている。銀行側も従来債務者預金そのものをうその数字を出すというふうなところはございません。三千四百五十七名の調査対象債務者数でございますが、これの全体をとったものでございますが、大体この五〇%をやや上回る程度の率になっているという点、心証といたしましても実態をあらわしているものと私どもは考えております。対象がこれよりもたとえば一けた少なくなりますれば、その場合変動が生ずるということはありましょうが……。かといって、この公取のほうの調査につきまして、私よけいなことを申し上げませんが、これは無記名でとったものでございまして、これにわざわざうそを書く必要もないので、債務者預金には、個々の数字に変わりはございましてもそれぞれ私は理由があるのだ、いずれも実態をあらわしているんじゃないかというふうに考えております。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 同一時点における同一対象の調査が、具体的な対象は違うとはいいながら、たとえば都市銀行については、銀行局のデータ五一%に対して公取のデータでは五三・一%、これは非常に近いですね。ところが地方銀行になると、五〇・六%に対して、公取は三九%としております。これは二〇%以上開く。それから相互銀行については五一・九が四四・七、信用金庫については五三・六が四五・四と相当の開きがあるのですね。どうしてこう開くかという問題。この問題の重大性にかんがみて、こういうような基礎資料はできるだけ正確を期さなければならぬと思うが、二割以上、三割近くも銀行によっては違うんだが、渡邊さん、これはどういう心証を持っておられますか。何でこんなに違っちゃったのかということですね。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 もう少しこれは分析してみていいと思いますけれども、結局私のほうは冒頭に申し上げましたように、一応調査の対象である債務者として東京及びその近県に限った。おそらく銀行局のほうはもう少し広いんでしょう。ですから、一応対象としてあがってくる地方銀行というものもやはり相当違っておりますし、いろいろな意味の私は解釈はできると思います。ただ、債務者預金の額などはおそらくそう相互の間に解釈の違いもないわけですから、一応出てきた数字をマクロ的に見れば、もう少し別な調査をしても、銀行協会の数字だって、債務者預金の数字自体を私はそう別に疑わなくてもいいと思います。その辺は調査対象の違いがこの辺へ出ているんじゃないかというふうに考えて、そう間違いはない、こういうふうに思います。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 銀行局の調査には、その調査対象からするいろいろな説明もあるし、主張もあると思うのです。ところが公取のほうは、匿名の文書報告だからそういう説明や主張が入っていないから、いわば真相に触れる度合いが比較的高いような印象はするのだけれども、しかし、これは匿名の預金がありますとか、あるいは第三者預金があるとかいうので、多少の違いはあるだろうと思うけれども、しかしどうして二〇%も違うのだろうという点は、なおもう一ぺん御両者で御検討願いたいと思うのです。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 その点につきまして、たとえばわが方で地方銀行など、これは各店別にそういう債務者預金の比率が出ておるわけでございますが、だいぶ格差があるのでございます。同じ地方銀行でもその比率が六〇%をこえるところがあるわけであります。そうかと思うと四〇に近いほう、場合によりますと三三%というのもございます。債務者預金比率が三三%くらいしかないところと、六一%というふうな数字のところと店によって非常に差異が大きいのでございます。ですから、たまたまぶつかったその対象によって非常に違ってくるということは言えます。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 それから、私はこの際大蔵省に要望いたしたいことは、借り入れ金に対する拘束性預金の比率は出ておりませんな。出していただくことはできませんか。すでに集まっております資料の中から借り入れ金に対する拘束性預金の比率を算出願うことはできませんか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 その比率は出ております。先ほども申告よりも認定のほうが多いと申し上げましたのは、その認定のほうの数字は公取でお調べになった自発的な数字よりも高いというような数字でございますが、ただいま拘束預金の額を申し上げます。  都市銀行は三五・四%、これは貸し出し金で拘束預金を割った比率でございます。地方銀行三四・二、相互銀行四一・六、信用金庫四七・〇、かように、概して公取でお調べになった数字を上回った認定額になっておりますが、この認定にあたりましては、要するに形式は定期預金である。非常に問題になるのは見合い預金というやつでございまして、形の上で拘束であるかないかの判断が非常に困難なものでありますが、わからないものはなるべく拘束に入れてしまうというふうなやり方をしております。その点はお断わりしておかなければいけません。争いになってこれは本人が自発的に定期預金にしたものか、そうでないかよくわからぬ、議論をしても始まらぬという事態がしばしばあるわけでありますが、これはみな一応拘束にする。拘束にしたから全部不都合だというわけじゃないのでありますから、拘束とみなすという検査の方針でやっておりますので、その結果こういう高い数字が出ておると御了承願いたい。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 渡邊公取委員長に伺いますが、あなたのほうの資料によりますと、これは相当のものが出ております。都市銀行二九、地方銀行三五、相互銀行三二・七、信用金庫三五、これは借り入れ金に対する拘束性預金の度合いというものが非常に大きいのでございます。銀行局が調べられたものは、相互銀行と信用金庫については、また都市銀行についてもそれよりはるかに上回っておる拘束性預金というものがある。先般来本委員会において、金を借りたい人から金を拘束して、これを封鎖しておくということは不当なことである、こういう論議を行なってまいりました。このことは中小企業に対する実質金利の低下をはかることのためにも、また道義条理からいうても、これはまさに独禁法上不公正取引の疑いありということで論じてまいったわけでありまするが、事実上御調査の結果、こんな膨大な拘束性預金が実在しておるということをここに認識された公取委員長として、これが対策はいかにあるべきとお考えになっておりまするか。その後だいぶ長い間御見解を伺っておりませんし、また調査の結果がなければ、その実態が把握できないであろうから、あなたとしても責任ある見解の表明はあるいは困難であったかと思うのでありますが、いま両機関の調査結果によってその実態が明らかになりました。かくのごときは、公正取引委員会として、その課せられておる国家的職責にかんがみて、どうせなければならぬとお考えになっておりまするか、この際、御見解をちょっと御開陳願っておきたいと思います。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 こういう事態、数字のこまかい点につきましては、これはまだいろいろ検討の余地があろうと思うのです。かなり広範にわたって、しかも拘束預金といいましても、自粛対象になっているようなもの、これにもまだいろいろ議論があろうと思いますが、少なくともそれが相当大きな額存在しているということは、独禁法の立場からしましても、ぜひこうしたものは排除しなければならぬものだというふうに考えております。ただ、それのやり方をどういうふうにやったらいいかという問題につきましては、われわれのほうとしても、これは春日さんよく御存じのように、かなり長い間の根強い問題でありますだけに、いろいろ慎重に考えていくべき問題があるのではないかと考えております。まあ考えられますのは、特殊指定とか、そういう手段でやることであります。これも、どういうかっこうでやるのが一番適当か、その場合にその次の手をどう考えていくかという問題もあるわけですけれども、もう少し時間をかしていただきながら、事態の推移と同時にわれわれのほうとしては委員会としての結論をきめてまいりたい、かように考えております。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 ただいま銀行局長の調査報告に徴しましても、実際に拘束性であるかどうかということを弁別することがなかなか困難なものがある、こういうことでございました。拘束性それ自体の弁別が困難でありといたしますれば、ましてやその合法性、違法性といいまするか、不当性、合理性といいまするか、そういうものの弁別はさらに困難であろうと思うのでございます。でありますから歩積み、両建てを、過当なものがいけないにしろ、不当なものがいけないにしろ、ともかく過当なものが銀行局の調査資料によって相当あるのでありますから、したがって、独禁法上の制約は別といたしましても、とにもかくにも銀行局自体が考えておりますいわゆる過当な歩積み、両建てを排除するというこの観点に立っても、これを排除するためには一体どういうことがなし得るか。やはり一個の基準というものが明示されるのでなければ、やろうと思っも、私はやろう、やろうというだけでなし得ないと思います。空を飛ぶときには飛行機がなくては飛べません。なくして飛ぼうと思ってもだめであります。海を渡るときには汽船がなければ渡れない。だからやはり渡るためには渡るに必要な、弁別、識別するためにはそれに必要な基準というものをつくらなければ、やはり過当な歩積み、両建てに対して自粛せしめるというても、自粛せしめようがない。高橋君のような聡明な人が、また辛らつな人が、その現実の事態に対処してこれを識別しようと思ってもはなはだ困難だとここに告白されておる。ましてやその自粛通達の中には——私たちは片言隻句を漏らさず読んでおるのであるが、正当な理由のあるものはこの限りでないと書いてある。正当ということの主張は一方的なものですよ。やはり銀行が正当でございますといえば、銀行検査官がそうかといって言いくるめられてしまって帰ってくる場合があって、すなわち、借り手に対する国家の法律の保護が的確に行なわれがたいうらみなしとはしない。だから公版が銀行行政に参画する、しないという問題は全然別個の問題として、あなたの職責権能からいうてやはり弁別し得るだけの尺度を高橋君に与えてやらなければ、高橋君がやろうと思ってもやれないような事態があるのではないかと私は思う。つまり、特殊指定の告示をやらなければ、銀行がこれを銀行検査、抜き打ち検査、強制検査をやったところでやりようがない。今回同一のことをおやりになったけれども、事実上的確な把握ができ得ない。でき得ないということは、この資料必ずしも正しくないかもしれませんけれども、借り入れ金に対する拘束性預金の弁別、これは重大な問題です、一人一人を対象にして見れば。すなわち不当に取引を、不公正に取引をされたのか、あるいは公正な取引であるのか、これの分かれ目になるものが銀行の検査とあなたのほうの検査のデータとは——都市銀行については二九%が公取、銀行では三五%といっておる。地方銀行については公取は三五・七%といっておるが、銀行は三四・二%、この辺は若干近いのですが、相互銀行なんかは三二・七%、片一方は四一・六%、高橋君が言われたように対象が違うから、地域が違うから、同一事物に対しての判断の違いということはいえませんけれども、それにしても三〇%近い開きを持つということは、お互いに、銀行局も公取もわれわれも加えて、大いにこの辺は考察を加えなければならぬ問題の焦点であると思うのです。やはり不公正な取引とは何ぞやという、その特殊指定が国の責任において明示されるにあらずんば、監督行政を行なっても的確なる成果をおさめることができない。先般本委員会において堀君の質問に答えられて公取委員長は、最もすみやかに、とりあえず特殊指定を行なう。特殊指定によって効果があがらない場合には職権発動をする。そのあとのことはあらためてその場合考えると言っておられる。だからあなたに課せられておる緊急の使命は特殊指定を行なうことである。われわれは五月の当初にすでにそのような指定がなされるものと期待しておったが、本日私は、ちゃらんぽらんとは言わないけれども、このようなずさんな資料、と言っては語弊があるかもしれませんけれども、二〇%も三〇%も開くような資料を提出するにとどめてなおかつ事態の推移をながめるということは、私はあなたが職責をむなしくしておるとは言わぬけれども、国税庁におられたころの渡邊さんにしては、えらいゆったりした男に変貌してしまったような印象を払拭いたしがたい。御心境いかがでありますか。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 私どものほうから一言お断わりしておきますが、拘束性預金の中で預金者がほんとうに自発的にやった分は一応数字は出しておりますということを書いております。したがってそれがいまお話になった銀行局の数字にどの程度響いているか、これはよくわかりません。ただ少なくとも拘束性預金というものについてのカテゴリーのきめ方が、私のほうのきめ方と、おそらくいま貸し付け金額、拘束性預金の比率の場合には、それは拘束してあれば全部入っているという点は、やはり頭に置いて見ていっていいんじゃないかというふうに思います。  それから特殊指定をやって全体の姿勢を整えていくということにならざるを得ないのじゃないかという気持ちは現在でも持っております。しかし問題は一体どういうかっこうのものがいいか、どういうものが悪いかという点については、やはりいろいろなデータも集め、検討もした上で——というのは正当の事由があるとか、あるいは債務者の事情によるとかというような、自粛基準というものを見てまいりますと、あなたもごらんになってよくおわかりのように、いわばかなりわかりにくい文句が非常に多いのです。確かに第三者から見れば非常にわかりにくいが、銀行から見れば大体わかるのです。債務者から見ても大体わかるのです。やはりそこの点をわれわれとしては考えながら、どういうかっこうのものが、特殊指定をするか、あるいは特殊指定をする前段階としての一つの基準としてつくるか、何かもう少しつくってみたい。われわれのほうの中で寄り寄り委員会で何回かやっておりますが、やはり一応相当の意見がまだありまして、最後の結論を出すまでには、もう少し慎重に考えていきたい、こういうふうに考えております。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 私は問題の重要性にかんがみまして、慎重を期せられること、これは当然事項であろうと思うのです。けれどもこの問題が起きたのは昨年の六月でございますよ。本委員会においてこのことが論じられたのが昨年の五月、六月でございますから、あなたが公取委員長に御就任になった翌月——そうでごさいましょう。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 三月です。

春日一幸民主社会党

○春日小委員 三月ならなおさらです。それですでに一年有半もたとうとしておりまする本時点において、この間大蔵大臣が所見を述べ、本会議において総理大臣が不退転の決意を述べられておるのです。それから高橋銀行局長だけがこれに対してうしろ向きの答弁をされておりまするけれども、しかし本委員会においては論議はだいぶん成熟しておるのです。公正取引というものを排除するための特殊指定、これは公取においてすべからくすみやかにこれをなさるべきである。あなたはすみやかにやると言われておった。だからその論議が行なわれたのは、私は向こうの第一委員会室でやったのだが、かれこれ四月くらい前だったかもっと前だったかと思う。それからずいぶんあなたの調査も進んできておるし、今回は事あらためてこのような具体的な権威ある資料も、大蔵省の資料は三十八年の調査と三十九年の資料とあまり違っておりませんから、私は相当手なれた資料だと思うのですが、あなたのほうといえども、とにかく相当の資料ができております。だからこの事態にかんがみて、あなたはもはやその職責を尽くすべき段階だと思うのです。右を見て左を見て何もなさぬというような、あなたは単なる行政機関の責任者じゃなくて、監察機関の責任者であることにかんがみて、私はこの際大いに決意を持って断を下してもらいたいと思うのです。しかし本日は理事会の申し合わせで、一応この資料に対して御質問を申し上げて、さらにわれわれがこれが対策について精査する、こういう限界にとどむべしということでございましたから、資料関連事項として私の疑義をただすにとどめますが、しかし本調査はすでに一年有半経過いたしておることにかんがみまして、当然の職責を尽くされんことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 ちょっとさっき私伺うのをあれしたのですが、そちらの原表のほうには担保の実情は、とってありますね。根抵当の設定の状態……。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 担保の内容はとっております。内容を分けまして不動産とか有価証券、預金、それから別に保証、こういうもので担保をとっております。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 そうすると要するに、私はさっきいろいろあれしましたし、あとでまた少し原表を見せていただいて意見を述べますけれども、特に私はやはりこの際両建て預金について、一千万円なら一千万円借りるというときに根担保ですでに一千万円を設定しておいて、両建てがある場合もあるかもしれないと思うのです。だから要するに借り入れ金とそれから担保設定額と、それからいまの拘束預金と自粛対象、ここの関係をこれはちょっと私特に問題として少し調べてもらいたいと思うのです。それは三千八百枚全部についてやらなければ、それはランダム・サンプリングでやってもらっていいわけなんですが、少しその点については、いまの両建て預金の中身の問題について早急にひとつ調査をしてみていただきたいと思います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 御要望によりまして、私どものほうもどういう担保の取り方をして、さらにその上に拘束預金をとっておるか、調べていきたいと思います。特によく問題にされます点は、預金をとっておきながらいわゆる純債部分に対してではなく貸し出し総額に対して担保を設定しておるというような例があるのであります。つまり一千万円で五百万円預金してある、借りておるのが五百万円ではないか、ところが一千万円に対して数千万円の担保を取られておる。そういうことが歩積み、両建て問題について一つの悪い点であるということを聞いております。その実情を原表によりましてサンプル調査を行なって、いずれ御報告したいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 さっきちょっと銀行局長のお答えの中に、拘束預金の中に見返りとそれから見合いが何か入っていないかのような、しかし大蔵省は入れたのだというような表現がありましたが、これは、銀行協会のほうでは、一応「自粛措置の対象となる過当な歩積・両建預金は拘束性預金の中で次の各項の一に該当するものをいう。」といってあって、「見返または見合の預金をいう。」というふうに何かちょっと入れているのです。だから見返り預金または見合い預金というものは、全部拘束預金だとみなしていいというふうに思っておったのですが、銀行局としては、案外そういう考えじゃなかったのでしょうか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、担保預金というものは非常にはっきりしておるわけです。それから見返り預金も大体わかるのです。というのは、見返りというのは通帳、印鑑等を銀行側が預かっておる。だからこれもわかるわけです。一番問題になりますのは、見合いなんでございまして、ここに争点がある場合がある。というのは、これは通帳も印鑑も全部債務者にいっておるわけです。銀行が押えておるか押えていないのか判定困難な場合がそこに生じてくる。私どもは相当見合いを拘束に入れております。一番多いのが、全体のほぼ半分近いのが担保預金でございます。それに次ぐ四〇%以上占めておるのが見合い預金であります。見返りが案外少なかった。見合い預金がわりに多い。その多い四十何%も占めておる見合い預金が拘束であるかないかで、判定が非常に困難な場合があることを申し上げたわけであります。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会

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