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46回国会衆議院1964/02/07

大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

発言数
34
登壇者
8
会派数
2
開催日
1964/02/07

会議録

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 それではこれより会議を開きます。  今般、皆さまの御推挙によりまして、本小委員会の小委員長に就任をいたしました。金融並びに証券行政上幾多の問題が山積いたしておりますおりから、本小委員会の使命もまた重大なものがあると存じます。つきましては、皆さまの御協力を心からお願いいたしまして就任のごあいさつといたします。(拍手)      ————◇—————

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 金融に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 政府側にお伺いしたいのですが、同僚諸君にも行かれた方があろうと思いますから具体的に質問があると思いますが、いま藤平さんから伺った二つの問題ですね。ブラジルへ借り入れ金として持っていったものを資本金に繰り込むことが第一、第二番目には、ブラジルに進出しておる金融機関を通じて日系企業のめんどうをもう少し見てもらいたい、要約すればこの二つになるのですが、時間の関係上率直に、政府側の対ブラジルの経済情勢の認識及びこの要望について、どういうふうにお考えですか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 ブラジルにはずっと前に私も行ったことがございます。以前七、八年前まではブラジルは外国の企業進出を非常に歓迎するときわめてオープンで、そのころに西独その他ヨーロッパの諸国もどんどん進出しましたし、日本もそのころ石川島はじめ進出したわけです。最近になってインフレを食いとめようというためでしょうが、先ほども伺っておりますと、企業に対する税金を非常に引き上げる。それから外貨の事情がいつも悪いのですが、向こうから入ってくるのはいいけれども、出る場合には非常にきびしい規制をする。一割までは配当を許すと言いながら実際は送らせない。その他いろいろ矛盾したことが起こっておるわけです。大統領は、あそこはたしか四年だけで必ず交代するということになっておるようですが、現にいま私どものかかえておる大きな問題はウジミナスの問題で、非常にばく大な資金不足、当初予想もされなかったような大きな、向こうに言わせますと千何百億クルゼイロ不足しているというようなことで、この解決がまだなされておりません。そんなようなことで、ブラジルにつきましては、あのとめどもないインフレ、先ほどのお話ですと、物価は四、五割で為替レートのほうが半分になっているといいますけれども、それまではむしろ為替レートを無理に維持している。そうして国内のインフレのほうがはるかに進んでいるという状態であったと思います。最近一年間の物価騰貴率は大体七割というふうに私ども聞いておりまして、アメリカもこのブラジルに対して何とかこれをとめようとしますけれども、私は、あの国の一番の欠陥は最低賃金制にあると思うのです これは官庁といわず、民間人といわず、むしろ物価騰貴に先がけて賃金が上がるものですからとめどもないインフレになる。これは日本における戦後のインフレを食いとめたドッジ方式でもやらない限りとまらないと思いますけれども、ただあの国は比較的テロ的な行為がないのですけれども、ときどきわりにおだやかな政変があるのですけれども、いわゆる革命は少ないといわれておる。ほかの国ではしばしば革命がございますが、そういう状態でありますので、比較的安心して日本の企業も進出したのだと思いますけれども、革命はなくともこのような状態になりますと投資した金は回収できないということになるわけです。私どもどういうふうにこれを処置すればいいかたいへん思案に余る問題であります。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 それが答えですか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 いま、ただブラジルについてどういう認識を持っておるかというお尋ねに対してお答えしたわけでありますが、具体的な問題についてはまたお答えいたします。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 それで認識はわかったのですが、具体的な要望二項目について……。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 先ほどの要望の中で、私の所管ではございませんが、為替局の課長補佐が参っておりますが、設備資金として持っていったものは資本にする、運転資金の分は一応借り入れ金という形で置いておくという話。それを資本金に組み入れたいということは、為替局の態度としては、もしそういう御希望があればそういう振りかえを、つまりこっちからの貸し付け金になっておるのを出資に直すという点についてはやれるはずだ、認めることは可能であろう、こういう話でございます。  もう一つの日系銀行の融資をもう少しやってくれぬかというお話でございますが、先ほども銀行の名前をあげておられましたが、富士系、三菱系、住友、東銀の支店がございます。現地銀行としては三つございますし、支店が一つございます。内容を詳しくは私どもまだ検討に至りませんけれども、たとえて言いますと南米銀行の場合、十一月の数字でありますが、七十五億クルゼイロの貸し出しを行なっておりますが、うち進出企業向け、こちらから進出していった企業に対する貸し出しが約十三億クルゼイロであります。その割合は一七%ぐらにしかなりませんが、それ以外に日系のコロニアといいますか、それに対する貸し出しが六三%でございます。貸し出しの中で両者を合わせますと八〇%はいわば日系に貸しておるということになります。大体においては日本人系統の会社に貸し出しを行なっておるようであります。東山銀行の場合でも日系の進出企業に対する貸し出しは三〇%になっておりますが、これもほかのコロニアに対する貸し出しがら見ますと、かなり日本人向けの貸し出しがあるわけであります。そういう現状でありますので、その貸し出しについてもっと日系にたくさん貸せという問題についてはあまり多く資金的には期待できないではないか。こちらから、たとえば豊和工業の場合ですと、日本の豊和工業が内地の銀行で金を借りて向こうに送るということはかまわないのでありますが、ただ先ほど申しましたように元本返済の可能性がないわけでありまして、これに対して送るということはどうかという問題。もう一つは為替リスクをどうする、円建てで貸し出した場合向こうから円建てで返すについて、これは異常なインフレインフレでございますから、はたしてそういう計算でやっていけるのかということがあります。しかし、為替リスクをカバーできない場合、とうてい日本側の銀行としては貸すことはできないだろう。いま考えられますのは、もちろん現地の資金をどうやったらもっと豊富にできるかという点でございますが、何しろそういうべらぼうなインフレの状態にあるときに、いわゆる貯蓄性の資金がどんどん銀行に預金されるという可能性が少ないわけですね。銀行ですからいろいろ決済その他の関係で金がどんどん動く。そういう滞留資金があるということだと思いますが、やはり、むしろ物に変えて持っておったほうがはるかに銀行利子よりももうかるわけでございますから、これを補給するということは非常に困難で、東京銀行の場合ですと、これは支店でございますから、本店とのつながりにおいてドルを持ち込むこともできるわけであります。しかし、東京銀行としてもそんなに自由に資金があるわけでございません。政府からの預かり金などを運用しているわけでありまして、それをブラジルにどんどんつぎ込むというわけにはいかないのであります。かなり東京銀行はブラジル支店には力を入れておるのですよ。相当以前からの状態を知っておりますが、そういうことで、むろん現地において借り入れをするにあたって、たとえば保証を取りつけるという問題でしたら、相互に現地の銀行間で保証してやることもできると私思いますけれども、量的に申しますと、日系の銀行も——おそらく日系だけじゃないと思いますが、銀行の資金量としてはあまり豊かではないはずなんです。ただ、いまお話を聞きますと、あまり資金的な不足の問題を訴えているというのじゃなくて、むしろ現地におけるインフレとどんどん資本が減っていくという状態、しかもその資本金の何割をこえたら法律の税をかけるというようなそういった財政措置を何とかしてもらいたいというようなふうに聞こえたわけでございますが、金融としては私も申し上げたようなことで、的確に私ども把握するに至っておりませんが、まあ、こういうことでございます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 第一の、出資に振りかえることが可能であるという技術的な問題をもう少し……。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 為替局の人が来ておりますから……。

杉山弥太郎大蔵事務官

○杉山説明員 技術的な問題と申しますとどんなことでございましょうか。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 借入金を資本金に回すことは可能であるというわけですね。これはただ事務的に進めれば何も支障はないのかということ。

杉山弥太郎大蔵事務官

○杉山説明員 現在海外投資は全部許可制になっておりますので、私のほうへ具体的に御相談いただければ、具体的には為替局投資二課というところでやっておりますから、ここへ御相談いただければ、御相談に応じて処理いたしたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 これだけブラジルで問題があるのですが、いままであなたのほうへそういう要望がきたことはないのですか。そういう情勢についてあなたは御存じなかっのですか。

杉山弥太郎大蔵事務官

○杉山説明員 私のほうへもときどきお話があるかと思いますが、その場合特に異論を申し立てることなく処理しておると私どもは考えております。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 実績はありますか。

杉山弥太郎大蔵事務官

○杉山説明員 いまはちょっとその資料を持ち合わせておりませんが、出資振りかえについての実績はあると思います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 これは私の推足でございまして、何の根拠もございませんが、ただいま豊和工業のほうのおっしゃったことで、はたしてこちらにある豊和工業がそういうことを望んでおるかどうか問題があるわけですね。出資してしまえば、元本は相当長い間寝るわけですね。配当も送ってこない。そういう条件のもとで、日本の豊和工業が貸付金にしておれば、大統領が変わるなり何かすると、あの国は簡単に政策が変わりますから、また取り返しができるかもしれない。しかし、出資してしまったものはいかにも金を出しっぱなしで回収できないということで、本社自体がそれを希望しないという問題があるのじゃないですか。こう私は推定するのです。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)小委員 私は、高橋さん、大蔵委員会から堀さんと行ったときに、ちょうどリオへ着いたとき、その日に非常に得をしたのですよ、一ぺんに急激な変化があって。これは非常にいい目にあったのですが、インフレで公務員のベースアップも、日本のような〇・何%ではなくて、七割ベースアップした国だから、ちょっと想像がつかないわけで、いまほかの人が言われたのは、あなたがいま言われるような内部事情もあるだろうと思うのですが、これは政治問題にしなければなかなか処理がつかぬ。高橋さんに幾ら無理を言っても、これは技術的な問題ではないのですよ。この間輸銀の総裁の森永さんに会ったら、ウジミナスの問題があるから行かないと言っておりました。ブラジルは御承知のように、私が外国へ行ったうちで一番日本人を歓迎してくれた国でもあるし、それから日本の工場がいま言われたように十ぐらい行っているわけなんです。石川島造船とか、大日本紡績とか、ウジミナスとか、その他いろいろあるので、いろいろいま言われるような問題があるわけですけれども——外務省がいま来ておられるようだけれども、国の方針できちっときめなければ、銀行局長がどう言ったって、中南米課長が文句言ったってなかなか処理がつかぬ。それでこれはもっと政治問題にしなければ、私は、いま豊和工業のことで言われたように、捨ておけない問題だと思います。いろいろ現地でも石川島造船を見て回ったところが、一万トンぐらいの船ができておりてなかなかうまくいっているようでございます。その後半年たつからどういう状態になっているかわかりませんけれども、しかし何か技術的にどうこうするということではなくて、もっと日本とブラジル間の外交のあれとかなんとかいうことのあれをしなければ片づかぬのではないですか。どうですか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 それでそのきっかけですね。私は、いまの外交的な意味の、あるいは政治的な解決ということの端緒として使えるのはウジミナスの問題ではないか。これは非常に金額も大きいです。いままで投資した額も大きいですが、これから要求される額も大きい、向こうとしてはかなり無理をしてつないでおりますが、ほんとうの意味の完成まで至らない。これは昨年、堀越さんたちが向こうに行きまして交渉したのですが、これまたすこぶる奇抜なあれであって、飛行場に迎えて案内してくれたそのときまでの責任者が、翌日から全然姿を見せず、全然違った人があらわれてきて話にならぬということでした。結局、冗談のようですが、東京に来たいのでしょう。——外国に行くのは向こうではなかなかむずかしいそうです。東京に来たい、東京で話をしたいのだろうということになりまして、東京会談ということになったのです。それはまだ行なわれておりませんが、いずれそう遠からず東京で締めくくりをしなければならぬ。そのときに日本に相当な出資も要求されるわけですが、これの配当金もくれぬということであれば、とてもわが国としても応じられない。だからそういう配当金送金の問題、借り入れ金利子、元本の送金の問題についてちゃんとした取りきめをやらなければ——これはほとんど政府ベースの話になりますから、形はあくまで民間ベースでございますけれども、実際にはやはり政府が相当裏からは入らなければならぬ。そういうときにいまのような問題も厳しく要求して、はっきりした書きものによる向こうの政府のそういうことに対する確約、そういうものを取りつけた上で解決したいと考えております。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 私、実はブラジルに行って一番痛切に感じたのは、やっぱり日本で見ていますとブラジルというのは何かはるかかなたの国で、どうも無縁の国のような感じが実はしているわけです。日本人は行っているけれども無縁の国のような感じがしている。しかし行ってみるとやはり五十万のコロニアとその子孫がいるわけですし、企業もさっきのお話のようにかなり進出をしている。私は一番痛切に感じたのは、リオデジャネイロ空港におりて町へ入ったらとたんにフォルクスワーゲンの車が洪水のように走っているわけですね。一体フォルクスワーゲンがどうしてこんなに多いのですかといって外務省の方に聞いたら、いやこれはブラジルの国産車であります、サントスにフォルクスワーゲンが出てきて、現地組み立てではなくて一貫生産をやっている、こういうことらしいのです。向こうはイタリア、ドイツみな移民がかなり多いわけですが、私も二、三日しかいませんでしたけれども、ずっといろいろ見た感じの中では、どうもわれわれはブラジルのコロニアその他を少し捨て子にしてきた感じがあるということを痛感したわけです。  そこでウジミナスの問題は、私は実にあれを最初にやった日本側の人は責任を感じてもらわなければいかぬと思うのです。なぜかというと、もし海岸線にあの製鉄所をつくっておるならば、私はもっといろいろな問題は解決が早かったと思うのですね。一体製鉄するのに石炭のないところに製鉄所をつくって、それを鉄道でえんえんと、鉄鋼の場合には鉄鉱石よりも石炭の量のほうが多いのに、それを運んでいって製品にしてまた海岸まで運んで出てくるなどという、立地上まことにどうも経済的でない措置が講じられておるので非常に遺憾だと思うけれども、もうここまできたらこれをちゃんとしなければしょうがないんじゃないか。向こうで当時聞きましたのは、厚板の規格ものが大体できるようになってきたという話でありました。今度はホット・ストリップをつけて薄板もやりたいというような話も出ておりました。そういう話を聞きながら、第一点というのはやはりウジミナスをものにして、コールド・ストリップミルもつけて、要するに厚板、薄板、少なくとも銑鋼一貫作業ができるところまで何としてもこれはやらなければならぬのだということが第一点ですね。それと同時に、いまの元本送還問題ですけれども、私は何か政府でブラジルの中に一つのファンドか何かをつくりまして、そうして国内には出せないからそこへどんどんもし積むのなら一応それを積ませる。その積んだものはインフレヘッジならインフレヘッジを何らかの形でどんどん向こうでやらせる。そうして積んではインフレヘッジをやり、積んではインフレヘッジをやりながら、向こうに出したものはいまは持ってこないけれども、十年、二十年先の果実の段階でとるということ、その積んだもので再投資をやりながらひとつともかくウジミナスを頂点としてずっと末広がりの経済基盤をつくっていくようなことを、やはり政府は外務省、大蔵省、通産省等一体になってマスター・プランを少なくとも十年計画ぐらいのもとに考えるべきじゃないだろうか、こういうことを現地に行ってみて痛感したわけです。どうもドイツあたりそうあわてて持って帰ろうとしていないようです。大体持っていったものから出た果実を再投資再投資して、あそこにだだっと根を張ろうという政策をとっているように見られましたので、これまでわれわれがブラジルというのは何か移民問題みたいな感じで見ていたのですが、行ってみて、もう移民の段階は過ぎた、要するにブラジルに対する経済開発、経済協力及びわれわれの出したそういう出資が生きるように、長い目で問題を見ていくという姿勢にならないと、短期的にものを見たら逆に非常に損をするということで、長期的に見たときに初めていまの損害を最小限度に食いとめて、逆にそれを成果に転じることができるのではないだろうか、こういうふうな感じを強くしまして、ブラジルの商工会議所の皆さんのお集まりのところでその意見を述べましたところが、非常にブラジルの関係者に喜んでいただいて、日本の国会から来ていただいて、そういう遠大な考えを披瀝してもらったのは初めてだ、ぜひそれはひとつ日本へ帰ってそういう方向でお願いをしたい、こういうことだったのです。これは与党の皆さんも一緒に行って、与党の皆さんも、全くそうだ、われわれはブラジルを含めて南米に少し無関心過ぎたのではないかという反省をしたわけです。  そこで将来の問題ですが、何かそういうことをできる可能性があるかどうか、要するに一つウジミナスで例をとってもいいです。われわれはウジミナスに出資をする、いろいろ為替の問題もありますが、出資をしたもので出てくる利益は何か受けるものがあって、わがほうでつくったもので受けて、そうしてそれでインフレヘッジをするときはするし、必要な投資をするときはして、さらにそれを拡大していくというような、何かそういうファンドというものは考えられないかどうか。これは突然だからあれですが、政治的な意味でなく、技術的に考えられるかどうか、ちょっと一ぺんお答え願いたい。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 一つの問題は、たとえば西独は現在でも六十億ドルからさらに七十億ドルの外貨を持っておる。だからむしろ政府が民間の海外進出をどんどん慫慂しておる。むしろドルがたまり過ぎて困るものですから逆に海外投資をする、そういう非常にゆとりのある国です。日本はその点になりますと、やや外貨の面で自転車操業に近いようなことですから、その点ではほんとうにわずかな外貨も惜しまなければならぬようなことで、腰を据えて投資をするのは非常にいいのですけれども、それだけの余裕がないということですね。ブラジルだけならいいけれども、ほかにもいろいろ海外進出がございますから、そういう問題があるわけです。  それからもう一つ、クルゼイロに現地ではかえなければいけません。ドルのままで貸し出しをするというわけにはいかない。クルゼイロにかえなければいけない。円のままではいけない。そのクルゼイロは現金で持っておったらどうにもならぬわけです。どんどん物にかえて、つまり投資なり何でもいいのですが、物にかえておかなければいけない。現金で持っておったら一年たてば半分になってしまう。こういう非常なリスクを負っているわけですね。ですから西独の場合ですと、確かにこれは非常に長い目でやっていると思います。だから現地のお金を回収しようと思わない。ただブラジルの中におけるドイツの企業の基盤を拡大するということでやっておりますから、どうやらおそらくやれるのだと思いますが、日本の場合にはどんどん投資をふやしていく体制が現地であるかどうかという問題ですね。しかもそれは金利でいえば年に七割の金利をいただいてもともとなんですから、それをどうしても、ああいうインフレの国では膨大な利潤が出るのです。決してこれは商売がうまくいっているのではなくて、普通にやっておれば値がどんどん上がるのですからもうかる。そのもうかったやつに超過利得税をかけてとられてしまったのでは、なかなか年に七割以上の実収を確保するということはむずかしいのではないか、そういう点やはりいまのブラジルのとんでもないインフレが、もう少し常識的なインフレになる時期まで待ってもいいのじゃないかと私は思うのです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)小委員 高橋さんにもう一つ。これは外務省のほうにもちょっと聞きたいと思うのだが、大体二十億ドルの国際収支の赤字があるそうですか、やみドルでやはり二十億くらいブラジルに持っておるそうです。そういう現状でぼくは田村さんに前にいろいろお世話になったのですが、佐藤さん、ブラジルに土地を買っておけ、たいへんなことになる——私は金がないからといって笑っておりましたが、それほどいま土地が上がっているわけです。あなたのおっしゃるとおりです。そこで私はいませっかくほかの人が見えたので、いろいろ苦情はあるけれども、これはやはり何か政治的な日本の外交とか、国として何か大きな方針を立ててやらないと、なかなかいまの状態では、ブラジルの国のことをどうこう言うことはできませんが、ただ現状は、先ほど言われたように、たくさんの商社が、いま十社ぐらい日本から行っておるでしょう。そうしていままで粒々辛苦してどうやら根を張った、しかもブラジルには五十万人日本人がおって、そうしてブラジルというのは非常に日本に好感を持っている国であります。おそらく世界の中で日本人を一番歓迎しているのはブラジルじゃないかとぼくは思うのですが、そのくらい大事なところだから、このままに捨てておくということはたいへんです。きょうは一緒に行っておられた与党の議員はおられませんが、われわれと同じ意見なんだと思うのですよ。だから技術的にもいろいろ問題のむずかしいところもあるし、われわれもひとついろいろ関係者のほうにも話をしようと思っておりますが、いま移住局はもうなくなったんでしょう。今度は移住局のかわりに中南米局をつくって、そして中南米のことをもっと国がやるようにという方針をぼくら視察団で一ぺん話しに行こうと言っているのです。そういうような情勢にあるので、高橋さん言われるような銀行の金の問題はそうだろうと思うが、外務省はどうですか、そういう問題についてどういうように考えられておるのですか。

奈良賀男外務事務官(経済局ラテン・アメリカ課長)

○奈良説明員 私、中南米等、主として貿易の面をやっておりまして、きょうは経済協力課長、南方のほうに出張しておりまして見えておりませんが、常日ごろ私見ておるわけでございまして、そういうことで、主管ではございませんが、二、三意見を申し述べさしていただきます。  いま佐藤先生のお話ですけれども、ブラジルは約四十億ドルにのぼる対外債務をかかえているわけでございまして、ことしと来年でどうしても支払わなければならぬのが十億ドル、グラール大統領は十三億ドルと言っておりますが、どうも十億ドルくらいじゃないか。それで、そのうちの三分の二は何とか自分の力でやっていけるが、あとの三分の一は待ってもらわないと困る、繰り延べてもらわないと困るということを年頭にグラール大統領が言っております。もうヨーロッパの国々、アメリカ、あるいは日本なんかにも具体的に話があると思うのですけれども、グラール大統領は、年末に、いまから三十年くらい前に比べてコーヒーを三倍もブラジルは現在輸出しているけれども、入手するドルはその当時に比べて七割か八割くらいしかない。要するに非常に交易条件が悪い。自分のことは一応たなに上げ、たとえば国家機関、鉄道だとかいろんな国家機関に非常に膨大な補助金を出して、最初から赤字財政でスタートしているとか、ブラジリアのああいう建設をタイムリーに進めたとか、非常にけっこうな行事ではございますけれども、経済的な観点から見ますと非常に問題があるわけでございます。そういうことはともかくとしまして、やはり国際的にブラジルのことを考えてくれないからいまのような状態になった、こう申して、国連の貿易会議とかガットでの会議とか、いろいろ声を大きくして言っておるわけであります。それに対しては、御承知のように、非常に大切なことだから考えようということに、国際的には、多角的にはなっているわけでございます。  問題をブラジルに戻しまして、それじゃグラール大統領は責任を人にばかりやっているかといいますと、そうじゃなくて、やはり一生懸命やっておるわけでございまして、先ほどの利益率、利益がたくさんあった場合には税をとるというのは、これは一つの国内施策として、非常な反対はありながらも、強力にやっているわけであります。これが日本の企業だけにやられるのであったら、これはわれわれ黙っちゃおりませんけれども、国内の企業、それから外国進出の企業、一律にそういう問題をやる。それから利潤の送金も無差別にやって、所得税も上げようとか、要するに国内的にも努力をする。国際的にも努力をする、それが現状じゃないか。  そこで問題は、先ほどの藤平さんのお話があったことにもからむのですが、日本から出ている企業がそういう環境の中でつぶされないようにする。すでに出ている企業が生き延びて、やがて明るい時代になって、過去をふり返ってみて、ああよかったというようなふうに持っていくこと、新しい企業進出ということは非常に内輪にして——どうしても自分で出るというならこれはもちろんけっこうですけれども、そうではなくて、すでに進出している企業が何とか生き延びて、ほかの国から来ている企業と競争してやっていく、そういうふうにわれわれ考えていくべきじゃないか。そういう意味から、藤平さんの二点の御要望なんかも、われわれとして技術的な問題はこれから考えなければよくわかりませんけれども、まあできるだけ好意的に考えてやったらいいんじゃないかということで、外務省としてはそういう立場をとりたいと考えております。  それから、ブラジルの金がやみでどこかに流れているのではないかという問題、これは確かにあると思います。その点も、自分のことはたなに上げてわあわあ言っている一つの欠点だと思うのですが、しかし実態は、どのくらいのドルがヨーロッパの銀行に預けられておるのかということは、よくわかっておりません。ブラジルに土着して民族資本化すべき金が、そうでなくて安易によその国に流れておるということは、うわさでは聞きますけれども、実態はよくわからないのです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)小委員 もう一点だけ。現地では、いまあなたの言われたように、国際の赤字を何とか処理せぬならぬとは言っておるけれども、最後になればアメリカがもう一ぺん援助するのではないかというような希望的な意見を大統領は持っているらしい。しかし、そんなことは望めるか望めないかわかりませんが、ただ大統領は、もしアメリカがわれわれを援助しなければわれわれはキューバになるということをほのめかしているという話も聞いているけれども、どうですか。アメリカはその後ブラジルに対して援助するような傾向はあるのかないのか。これはケネディが死んでからあとだからわかりませんけれども、そういう情報はないですか。

奈良賀男外務事務官(経済局ラテン・アメリカ課長)

○奈良説明員 ブラジルの中でも御承知のように特に東北伯、あそこが赤の温床といわれまして、非常に開発がおくれ、所得も低い。ブラジル全体の中でも一番問題になっているところですが、そこには例のアメリカの進歩同盟基金が、資料は持っておりませんが、相当の部分があそこの開発に流れておる。それから、ことし来年に十億ドルともかく支払わなければならないというブラジルの国際収支の状況に対して、アメリカは非常に同情的でございまして、国際会議の場でも、よそのヨーロッパの国々をたたいて、むしろサイドからリードしている。表立った顔は出しておりませんけれども、同情的な態度だというふうに私ども聞いておりますけれども、とりあえずことし来年払う金のどういう部分をどういうふうに待ってやるかというのが全然まだ具体化しておりませんので、アメリカの態度というものははっきりしませんが、一般的には援助を持つことができないと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)小委員 もう一点だけ。ちょっと外務省にお伺いするのですが、いま海外に行っている日本の移住民は全体でどれくらいあるのですか。大体の概略で……。

奈良賀男外務事務官(経済局ラテン・アメリカ課長)

○奈良説明員 いま移住局から一人事務官が来ておりますので……。

高島省三外務事務官(移住局調査官)

○高島説明員 正確な計数は持ち合わせございませんから、おおよその概数しか申し上げられないと思いますが、現地籍を取得した者を含めまして、ブラジルは御指摘のように四十万から五十万という数ですが、そのほかの各地区を合わせますと、全体として百万以内、こういうふうに推進しております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)小委員 それでどうですか。南米はどのくらいあるのですか。大体のあれでいいのですが……。

高島省三外務事務官(移住局調査官)

○高島説明員 その次に、一番多いのはハワイでございますから、ハワイを除きますと、南米としては六十万ちょっと越すかと思います。

大久保武雄自由民主党

○大久保小委員長 本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会

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