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46回国会衆議院1964/06/25

大蔵委員会 第56号

発言数
132
登壇者
17
会派数
3
開催日
1964/06/25

会議録

山中貞則自由民主党

○山中委員長 これより会議を開きます。  専売事業に関する件及び税制に関する件について調査を進めます。  過般の本委員会において、委員長より政府に対し検討を要望しておきました未成年者喫煙禁止法とたばこ専売法との関連問題及び公的医療機関に対する課税の問題について、それぞれ報告を求めます。遠藤日本専売公社監理官。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 未成年者喫煙禁止法に違反いたしました小売り人の指定を取り消すかどうかという問題につきまして御報告申し上げます。  去る二月四日の当委員会におきまして、田中先生の御質問に関連をいたしまして、委員長から今回のたばこ肺ガン問題にかんがみまして、未成年者喫煙禁止法の趣旨を徹底させるために、たばこ小売り人が同法第四条に違反をいたしまして未成年者にたばこの販売をしたときは、小売り人の指定を取り消すように立法上または行政上の措置を講ずべきではないかということに関連をいたしまして、検討の御要求がありましたわけでございます。本件につきましては、関係特庁でございます警察庁、法務省、厚生省並びに専売公社と協議をいたしました結果、次のようにさしあたり措置をすることといたしたいと思うのでございます。  第一は、指定の取り消しを行なうためには立法を要することになるのでございますが、その際に、いろいろ問題がございますが、たとえて申しますと最近の流通機構等の問題に関連をいたしまして、たばこ小売り人の指定制度そのものをなお存続すべきかどうかというような問題、またそれに関連いたしまして、自動販売機械との関連といったような問題がございまして、この問題の結論を出します際にはそれらの問題もあわせて考慮をいたさなければならない点がございます。したがいまして、早急に結論を出すことは困難ではなかろうかというふうに考えるのでございます。したがいまして、今後とも関係各省庁との連絡を緊密にいたしますとともに、目下専売公社におきまして、たばこの販売制度全般にわたって検討を進めますために販売調査会というものを設けておるのでございますが、この調査会におきまする調査結果等との関連も考慮いたしながら慎重に検討をいたしていきたい、かように存ずる次第でございます。  それから、さような次第でございますが、未成年者の喫煙禁止法の趣旨を徹底いたしますことは、今回のたばこ肺ガンとの関連からきわめて重要なことと存じますので、これにつきましては早急に措置をいたす必要があると考えられます。したがいまして、公社におきましては小売り人に対しまする販売面に関しまする検討、指導等につきまして今後とも従来に増した努力をいたしますとともに、これらの指導にもかかわらず、同法第四条によって処罰をされるような小売り人に対しましては情状に応じまして始末書を徴する、あるいは販売上の制約を加える、あるいは次回の指定申請に際しまして指定をしないというような従来より一段と強い態度で指導をいたしまして、喫煙禁止法の趣旨の徹底をはかることといたしたい、かように考えておる次第でございます。なお、これらの指導面につきましては従来から機会のありまするつど公社におきまして通達その他の措置をいたしておるのでございますが、特に五月七日付で、ただいま申し上げました方針に基づきまする措置を各地方局長に通達をいたしておる次第でございます。その通達の内容を簡単に申し上げますと、全体として今回とろうといたしまする措置の周知徹底方を各種の販売業界誌等を通じまして小売り人各位に徹底をいたしますることはもちろんでございますが、禁止法第四条の規定によって処罰されましたたばこ小売り人に対しまして、再度の違反を行なわないようにするために始末書をとるということ、それから情状によりまして当該小売り人の営業所に隣接をして他の小売り人の販売をさせるような措置をする、それから最後に、これらの措置によりましても所期の効果が期せられないという場合には、先ほど申し上げました次回の指定更新期におきまして指定不継続の措置をとるということが通達の趣旨でございます。  以上簡単でございますが、今回とることといたしました措置の概要を御報告申し上げます。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 泉主税局長。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 お手元に公益法人の行なう医療保険業等の調べという一枚紙の資料を差し上げてありますので、それをごらんいただきながら御報告申し上げたいと存じます。  先般当委員会におきまして、公益法人などが行なっておりまする医療保険業の実態につきましていろいろ論議があったところでございます。そこでその公益法人の行なっておる医療保険業の内容につきまして、今国会中に調査して御報告申し上げることになっておったのでございます。お手元に差し上げてあります資料には、、これらの医療法人のうち代表的な法人といたしまして十法人を掲げてございます。特殊法人が一つ、社会福祉法人が二つ、学校法人が二つ、財団法人が五つ、合わせまして十法人になっておるわけでございます。  その内容を御説明申し上げますと、まず第一に、現在課税非課税がどうなっておるという点から申し上げますと、この初めの特殊法人から財団法人の日までこの八法人は御承知のとおり法人税法施行規則の第一条の十一という条文におきまして公益法人の収益事業に対して課税する、その場合の収益事業の範囲を定めておるのでございますが、そのうち医療保険業につきましては第三十号で規定されております。医療保険業は本来収益事業に該当するのでございますが、それにカッコ書きがございまして、ここにいう医療保険業のうちでも収益事業として扱われるものから除かれておるものがございます。それがまず第一は日本赤十字社、社会福祉法人、学校法人等でございまして、この初めの五法人はそういう法人として政令で非課税になって去るわけでございます。  その次の財団法人のFと申しますのは、その規定のうちに健康保険法第一十三条の「規定による施設の経営につき政府の委託を受けたもの」というのでございます。その規定に該当するものでございます。  その次の財団法人Gと申しますのは、厚生年金保険法の第七十九条の規定による施設の経営について政府の委託を受けたものに該当するわけでございます。  それから財団法人のHは同じく規定の中にありまする「絶核予防法の規定に基く健康診断、予防接種及び医療を行い、かつ、これらの医学的研究を行うもののうち」とこういう結核予防法の関係でございます。  それから財団法人の一はこの法人税法施行規則第一条の第十一のカッコ書きの一番しまいのほうに「大蔵大臣の指定するその他の法人の行うもの」というものがございますが、この告示が出ております。その告示に基づいて非課税になっておる法人でございます。  それからJは財団法人ではございますが、その営む医療保険業が収益事業に該当しておる法人でございます。その調査いたしました内容、これは厚生省のほうにお願いをいたしまして報告をとっていただいたのでございますが、これによりますとまず第一に、診療報酬の中に占める社会保険診療報酬収入がどういう割合になっておるか、これを見ますと大体の法人は非課税になっておりますだけに、それぞれ八五%以上、診療報酬のうちに社会保険診療報酬収入が占めておるわけでございます。ただ問題がございますのは、財団法人のJは二九%しか占めておりませんが、これは課税法人でありますから、当然でありまするが、告示で非課税になっておりますIの法人につきましては、この割合が三七%でございまして、他の非課税法人とは著しく割合が違っておる点が問題であろうかと思います。  その次は、全病床数のうち、いわゆる差額徴収を行なう病床数の割合を示しておりますが、これにつきましては、学校法人のD、これは七八・五%というかなり高い比率を占めております。I法人は七〇・三%、J法人は、これは課税法人である関係もありましょうが、九二・五%ということになっておるのでございます。  なお、差額徴収料金は、その次の次の欄にございますように、それぞれ金額がございますが、学校法人のDは、この差額徴収料金が、一口当たり千五百円ないし二万円という、かなり高いのもあるようでございます。それからI法人は八百七十円ないし四千八百円、課税法人でありますJにつきましては、八百五十円ないし五千円というふうになっております。  その次は、入院収入のうちで差額徴収の収入額の占める割合、これが出ておるのでございますが、病床数の割りからいきますと、学校法人のDが二四・四%、財団法人のIが五・八%、Jのほうも二九・六%ということで、この面から見ますと、差額徴収の収入割合は、全入院収入の割合から比べますとかなり低いようでございますが、差額徴収を行なう病床数の割合から見ますと、ややおかしい点があるように見受けられるのでございます。ただこの実態につきましては、まだ報告を徴しただけでございます。立ち入って内容を十分検討して調査いたしておりませんので、今後、この点は検討いたしたいと存ずるのでございます。  その次は収支計算でございますが、この収支計算の表は、学校法人のDだけは三十七年の四月から三十八年の三月までの卒業年度でございますが、それ以外の法人につきましては、三十八年四月から三十九年三月までの間に終了した事業年度の数字に相なっております。収入、支出、差額と出ておりますが、このうち学校法人のDは一億九千五百八十六万一千円と、いかにも相当の収益があがっている感じのようでございますが、これは計理のやり方が違うのでございまして、減価償却費、それから研究研修費は本部のほうに一括計上するということで、病院会計のほうにはそういう項目を立てておりません。そのために、いかにも収益が多いようでございますが、減価償却費、研究研修費を計上いたしますと、収益はぐっと減ることになるわけでございます。それから財団法人のFとGは欠損でございます。それから財団法人のH、Iは若干の収益をあげておるというような状態でございます。  この調査につきましては、公益法人はこのほかにもまだ多数ございますので、さらに今後検討いたしますとともに、先ほど申し上げましたように、数字のややおかしいと思われる点につきましては、さらに突っ込んだ調査をいたしまして、今後、政令の内容及び告示の内容につきまして検討を重ねたい、かように存じておるのでございます。その意味では、まだ中間報告的な形になりましたことを、あしからず御了承いただきたいのでございます。  以上をもちまして御報告を終わります。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 ただいまの報告に対し、質疑の通告がありますのでこれを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほどの専売公社からの未成年者に対するたばこの販売、このことについての今後の措置についての報告があったわけなんですが、この報告の中の前段にある、たとえば流通機構ということから考えて、自動販売機等もある今日、たばこ小売りというような制度を根本的に検討し直す必要があるだろう、こういうふうに受け取ったのですが、そうですね。——その点については私は賛成です。  ところが後段で言われた未成年者喫煙禁止法の四条による罰金を受けた者、これに対してただ始末書をとる、こういうことだけですね。あらためて更新するときに考えるとかなんとかいうことがありましたが、具体的な措置としてはそういうことですね。未成年者喫煙禁止法四条で罰金刑に処せられるのですよ。その者に対する措置。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 先ほど申し上げましたように、始末書を徴することはいま御指摘のとおりでございます。始末書を徴して、再度の違反を戒めたにもかかわらず、さらに違反を犯すというような者につきましては、隣接の場所に他の小売り人の出張販売を認めます、あるいは新規指定を認めるといったような措置によりまして対応いたすということが、指定継続の中間においてとろうとする措置と考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いやいや、罰金刑に処せられておるのですよ。それに対して、直しました程度でおくのかというのです。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 未成年者喫煙禁止法に基づきます違反として罰金を科せられたわけでございますけれども、専売法違反の処分でございませんので、現行法といたしましては、ただいまお話の処分を受けたのにその程度かということでございますが、私どもいろいろもう少し実効的なまたは多少制裁的な意味が込められる措置がなかろうかというので、だんだん検討いたしたのでございますが、専売法の立て方と申しますか、今日の全体の趣旨その他からいって、どうも先生お示しのような趣旨にぴったりくる適当な措置がさしあたりございませんでした。この辺が、一般消費者に対するサービス面を欠かすことなくしてでき得る最大限と申しますか、ところではなかろうか。これ以上のことになりますと、やはり立法上の問題として解決をすることになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だからぼくは立法論をやっているのです。公社は国会に法律の提出権もありません。だから最初に大蔵省の態度も聞いておるわけですね。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 私は大蔵省です。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ大蔵省から、そういうことについての立法、改正案といいますか、単独でもよろしい。そういうものを出す用意があるのですか。何か調査会の審議を経て云々ということだが、そういうことについての諮問を調査会にするのですか。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 ちょっとことばが足りなかったかと思いますが、報告の前段に申し上げました点は、立法上の措置を講ずる場合に関連する問題がいろいろございまして、それらの問題を考えながら、今後慎重に前向きの姿勢で検討してまいりたいという趣旨を申し上げたつもりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 前向きの姿勢じゃない。現に罰金に処せられているのですよ。その者に対して専売局としては始末書程度でいいのですかということです。専売法によると、その資格に、破産の宣告を受けた者はいけないとなっていますね。民法上においての破産宣告を受けた者でも失格者なんですよ。これはおそらく財産上の問題からきたものだと思う。これはもちろん専売法ですから、そういった販売能力あるいは財産というようなことも一つの目安でありましょう。私が先ほどから言っているのは、そういう面ばかり強く書いておるのですが、そういう点はぬかっておるのではないか、こう言っているのですよ。罰金もはっきりした刑罰です。その刑罰に処せられた者を始末書程度でおくのか、それでいいのかということです。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 問題が二つに分かれるわけでございまして、現在罰金刑を受けた者、それを放置しておいてよいかという点でございますが、それは現在の専売法では指定取り消しといったような意味の制裁を加える規定になっておりませんので、専売法の観点からいえば放置せざるを得ないということに相なります。ただ将来にわたってこういう法制でいいのかという点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、他に関連するいろいろな問題がございますけれども、慎重に検討していくことにしたい、かように申し上げたのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 やろうと思ったら、現在だってやれぬことはないのですよ。この法律でできませんか。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 できないと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 四十二条の二号を見てください。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 ただいま御指摘の四十三条二号は「この法律に基づいて公社の指示した事項に従わない」という条文でございますが、この指示事項に未成年者喫煙禁止法に違反してはならないという指示を加えるという点につきましても実は検討いたしました。検討いたしましたけれども、この四十三条でいっておりますものは、やはり現在の専売法に定める専売法益と申しますか、専売法の目的達成のための事項に限られるべきではなかろうか、したがいまして未成年者喫煙禁止法で禁止をいたしておりますものは、何と申しますか、現在の専売法以前の面でもございますので、したがいまして、そこまでこの指示事項を運用いたしますことは、法解釈上多少問題があるというふうに考えております。この点は実は公式ではございませんが、法制局等にも若干相談をいたしまして、さようなふうに私ども考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうなると、法制局の見解を聞きたいのですが、この法律に基づくということは言うまでもなくこの専売法に基づくということだけれども、いわゆる公の秩序、善良の風俗、こういうものから考えてみた場合、たばこ専売法の精神からいって入りませんか。この法律に基づくということは、この法律にきっぱりと何条何項というふうにきめてある事項だけに限ると解釈するのですか。そうするなら、この法律に基づく限りどんな反社会的なことをやってもかまわぬ、こういう解釈ですね。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 この専売法自身が全体といたしまして専売収入の確保を目的にいたしましてそれに基づく、いわば専売秩序と申しますか、そういう考え方でできておりますので、ただいまその専売法の構成から申しますと、先ほど申し上げましたように、やはりこの条項におきまする指示は専売法の目的達成のために必要な限度内というふうに考えるべきではないか、法律に規定されていない部分をさらにこの指示で補完をするというのは問題があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この法律にというのは、この法律、専売法で明確に規定してあるだけをいうという狭義の解釈ですか。たばこ販売という一つの事態をとらえて、それが反社会性を持っている、公の秩序を乱す、そういう場合に、この法律に規定がないからといって手放しでほっておくのか、それが公社の行き方、大蔵省の行き方ならそれでよろしい。それならそうですと大きい声で言いなさい。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 私ども現在の専売法の解釈としては、多少ことばとしては不穏当な面もございますけれども、さように考えざるを得ない。しかし将来の問題として専売法の規定を改正をする、あるいはそういう形で専売法益の中にそういったものを広く取り入れていくということは検討を要する問題でございますので、今後とも検討をしてまいりたい、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでははっきりと確認しますが、次官も、それから公社はだれが来ているんですか。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 販売部長が参っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大蔵省及び専売公社は、たばこさえ売れるならばいかなる反社会性が起こってもかまわない、それを確認しますと言ってください。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 ただいま申し上げましたのは、現在の専売法の目的のうちに広く反社会性を有する一切の行為を排除することを包含をしているとは必ずしも考えられないというふうに申し上げておるわけでございまして、そもそも専売公社はたばこの小売りに関しまして反社会性がある販売行為であろうとなかろうと一切かまわないのだというふうには申し上げておりませんので、御了承願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それなら始末番で終えるというようなことでなく、何らかの処置がやられるはずですよ。この法律ということをあくまで狭義に解するのですか。この法律の精神は何です。たばこの専売についてのいろいろのことを規定しておる、なるほどそうなんです。しかし法というものはすべて公の秩序、善良の風俗の上に成立するんですよ。そうでしょう。それならばこの法律だってその精神を持っておるはずなんです。ところがこの法律でない根拠を示してください。  なお、念のために申し上げますが、法令第二条との関係の解釈を聞かしてください。公の秩序、善良の風俗……。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 たいへんむずかしいお尋ねでございますが、やはりたばこ専売法はたばこの財政専売という目的を達するために、その限度で規定が置かれておるのではないだろうか、一切の公序良俗に反するものを野放しでいいというような意味ではなしに、それと違った次元で専売法というものが構成されておるというふうに考えるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だからすべての法は公の秩序、善良の風俗の上に成立するのですよ。そうでしょう。この法律はそういうものとは別個にできておるとは言わせません。どうなんですか。別個にできておるのですか。そこをはっきりしてください。公の秩序、善良の風俗は無視しても、たばこが売れたらいいのだ、こういう趣旨なんですか。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 公の秩序、善良の風俗に反してもたばこが売れればいいのだとは書いてございませんが、たばこが円滑に売れるようにというような趣旨で法律ができておる、かように考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大前提である公の秩序、善良の風俗に反するものならば、何らかの方法を講じなくてはならないじゃないですか。そうでしょう。それが立法の欠陥だと言うのですか。立法の欠陥ならば、なるほどあなたは前向きで検討と言うが、前向きもうしろ向きもない、直ちに改正すべきですよ。いまここでも改正できぬことはないのです、議員の全部の意思があれば。おそらく自民党の諸君といえども、善良の風俗、公の秩序を乱してもかまわない、法はそれとは別だというような議論をする人はないと思うのです。どうなんですか。それとは別個に法があるのですか。法律以前の問題、法律の基礎の問題です。

遠藤胖大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○遠藤政府委員 未成年者喫煙禁止法に、未成年者に事情を知ってたばこを販売した者は罰金に処するという禁止規定並びに罰則の規定がございますが、それを無視いたしまして、たばこを販売させようというふうには専売法には書いておりません。ただ未成年者喫煙禁止法で禁止した規定を犯した者につきまして、さらに専売法の領域におきまして指定取り消しというような形で二重に制裁を科するということは目下法制としてできておらないという趣旨を申し上げておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 同じことを言われておるようだけれども、公の秩序、善良の風俗、これはすべての前提なんですよ。いいですか。それに反することは明らかであるのに、手をこまねいて何もできないということはあるのですか。許可は一体だれがするのですか。一たん許可した者に対して許可するものの御都合によりあるいは感情により、それを取り消したりあるいは停止したりすることはいけないので、そういう意味において、法律はかくかくたる場合ということになっておるのですよ。法律の読み方が違います。いいですか、許可する者が取り消し権を持っておるのが前提なんですよ。しかし行政処分に対してそうかってなことをしてはいかぬというので、その権利に対する制限が四十三条です。そうでしょう。だから四十三条にないから全然できないと言うことはできませんよ。法律の読み方が逆です。許可権者は取り消しができるのです。しかしかってにそう取り消させてはいけないから、かくかくたる条件というのが四十三条の各条ですよ。それがないからできないというのは話が違う。これもあなたがわからなければ法制局長あるいは法学者のだれかを呼んでいただきたい。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 きょうはこの問題を議題にしてやっているわけじゃないので、あなたの質疑中に指摘された法制上のいまだ整備されざる点をこの際何とか考えようということで一応の回答をさせたのですから、また引き続き検討させます。未成年者に酒を売って罰金を取られた者とその許可取り消しの問題とも関連がありますから、引き続いて検討するということできようのところは御了解を願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 委員長の趣旨を了解いたしました。しかし法律の読み方というものは、そう読まなければいかぬ。違うというならばいつでも討論に応じます。したがって、前向きじゃなしに、そういう意見を入れていつ改正案をつくるか、これだけ答弁してください。

纐纈彌三自由民主党大蔵政務次官

○纐纈政府委員 田中委員から先般の質問の際に、私どもも専売法の改正をしていかなければいかぬということを申し上げて、その結果いろいろ検討いたしまして、本日は事務当局からこれに対する経過報告を説明したわけでございます。いままでの応答によりましても大体御了解を得られたと思うわけでありますが、すでに関係各省とも相談をしつつ、一応これを法制化することについてはなお検討しなければならぬということで、とりあえず急場の措置といたしまして行政措置によってやろうということで、さらに引き続き前向きに法制化についても検討するという形で参っておるわけでございまするから、今後とも真剣にこれを検討いたしまして、不備な点は改正をすることにやぶさかではないのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まだ言いたいことはありますが、このくらいにしておきましょう。これも当国会の初めの時期に申し上げた点を本国会中に処理をしようとする大蔵委員長の取り扱いには私は敬意を表します。この大蔵委員長でありますから、本日の議論を聞いていただいて、なおかりに閉会になりましょうとも、前向きと言えるか、直ちに解決する方向へ委員長も努力をせられるであろうことを確信して終わります。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実はただいま大蔵省のほうから御報告がありました公益法人の行なう医療保険業の調べにつきまして、前回厚生省側が私どもにいろいろと約束をしておられた点があるわけです。この調査範囲が非常に狭いのですが、厚生省のほうでは少なくとも国会が終了するまでに現在のこの差額徴収のあり方については全国的な調査を行なって御報告をいたしますということを私はここで確認をしておるのですが、全国的な調査を完了いたしましたか。

渥美節夫厚生事務官(医務局総務課長)

○渥美説明員 ただいまの差額徴収の調査の問題でありますが、私医務局の者であります。保険局におきまして現在資料の調製中でございます。きょうあすにはできると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 きょうあすにはできるというのなら、あしたもう一ぺん委員会を開いていただいて報告をいただきますけれども、ともかくここではわずかなものが出されておるわけですが、私は、なるほどこういう特異的な現状についても問題があると思います。しかしそれよりも大きな全国的な事実は一体どうなのかというのでなければ——私どもがここで議論をしておるのは、ある特定なところをどうしようこうしようというような議論をいましておるわけではないわけです。要するに、公益法人なりその他課税上の恩典がありながら、本来のこの恩典が与えられた趣旨に反した措置が行なわれておるという実態があるならば、どちらかを正さなければならぬ。要するに公益法人たるにふさわしい医療形態のほうに整えるのか、それが現在の診療報酬のあり方としてやむを得ないというならば、今度は筋を通して課税をするのか、そのいずれかに筋を通すということが実は当委員会における前回の論議であったわけであります。ですからいまの点は、私のほうでここで答弁を受けましたときは、この国会中に御報告をいたしますということでありましたから、私は、これはただその部分的なものをここに例証しただけであって、本来は全体のものがあるべきであろうというふうに考えておるわけですが、そうするとあなたは医務局で、いま保険局できょうあすにできるなどという答弁をしておられるようだが、責任を持てますか。

渥美節夫厚生事務官(医務局総務課長)

○渥美説明員 保険局でその書類の調製をやっているこの件数の調製につきまして、私どものほうは相談を受けておりますので、きょうまたはあすまでには保険局においても調製が完了するというふうに考えております。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案に基づいて、今回この連合会が法制化をされる、こういう措置がとられるわけでありますが、この連合会の性格、任務、そういうものをまず明らかにしていただきたい。また、大体連合会というのは、行政区域単位にあるのか、それとも、何個くらいを大体妥当な基準というか、単位組合何個くらいを連合会の組織下に入れるいう、何か指導要領というようなものがあるのですか。大体どの程度の規模のものを好ましい連合会として一応指導しようとするのか。これをひとつ……。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 お話のとおり、今回の改正は、連合会組織が現在任意発生的にできておるのでございますが、その連合会組織の法的基礎を与えようというのが、改正の趣旨になっております。それでは、連合会はどういう仕事をするのかということにつきましては、第十条の二に新しく規定を設けておりまして、「会員の指導及び育成に関する事務、会員の行なう事業についての連絡及び調整に関する事務その他納税貯蓄組合の健全な発達を図るため必要な事務を行なうことを目的とし、」というふうに規定いたしておりますように、現在、任意発生的に連合会組織はできておりますけれども、法的基礎がありませんために、連合会は何を行ない、単位納税貯蓄組合では何を行ううのかということが明確でございません。この規定によりまして、今度は、連合会は、単位納税貯蓄組合の普及発達をはかるためのその指導育成に関する仕事を行なう、これが第一でございます。その際におきましては、いろいろ納税貯蓄組合だよりとかいったようなPRパンフレットなどを出しておるのでございますが、単位組合でございますと、加入人員も少のうございますし、また、経費の点からいってそれができませんので、連合会におきまして、そういうPRパンフレットをつくって配付する、そうして組合員が納税貯蓄を行なうことを指導していくようにやっていくという考えでございます。連合会は、それではどの程度の規模というお話でございますが、これは必ずしも一定の規模がいいとは考えておりません。その地その地の状況によりまして、御承知のように、現在、市町村の中に相当貯蓄組合がございますので、市町村単位の貯蓄組合もできましょうし、あるいは、十数ヵ町村を単位といたしまして税務署の管内がございますので、その税務署管内の連合体もできるでございましょうし、さらに、そういった連合体の連合体と申しますか、そういったようなものもできることと思うのでございます。したがって、私どもといたしましては、国税と地方税と両方納税貯蓄組合があるわけでございますのでいずれの連合体でなければならぬというようなかたくなな考えは持っておりません。やはりその連合体の行なう事業にふさわしいような形の規模のものができればいい。そういう意味では、その行ないます内容によりまして、PRパンフレット等をつくろうというようなことになりますと、相当大規模でないと、経費の点から成り立たないというふうにも考えられますが、そういった事業の内容に応じて、それぞれの大きさの連合体ができるもの、こういうように考えておるのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 第十条の二の挿入によって、会員の指導守及び育成をやるというけれども、パンフレットやリーフレットというのは連合会自身が発行するのですか、それとも、税務署の発行したものを単位組合に配付したり、あるいは講習会の場所を見つけたりするだけで——連合会が発行するわけですか、そういうパンフレットなりリーフレットなり納税だよりなりは。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 これは連合会が発行するというふうに考えております。ただ、その資料の提供は税務署のほうでいたす場合があろうかと存じます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、連合会というのは一体だれがそういう資金を負担をして、大体その資金はどこから持ってきておるのですか。現状はどうなっておって、今後そういう資金はどうするつもりでおるのか。その点はどうですか、これからの指導として。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 これは武藤委員御承知のとおり、納税貯蓄組合の制度につきましては、国から若干の補助金が出ておりますが、そのほかに実際は各地に非常に奇特な方がおりまして、その奇特な方がいわば手弁当でみずからそういう納税貯蓄組合の結成及びその運動の推進役をやっていただいております。そういう意味では、そういった連合会の会長さんになっておられるような方は、みずから自分の私費を投じてそういうことをやっていただいておりますので、まことに恐縮千万に存じておるのでございます。そういう意味で、私どもとしては、この補助金を、少なくともその事務費に相当する程度の補助金は出しまして、そういった方が身銭を切って運動するという形でないようにいたしたい、かように念願いたしておるのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そういたしますと、昭和三十九年度の予算で、納税貯蓄組合に対する補助金総額は六千八百八十八万円ですね。この六千八百八十八万円というのは、単位組合に対する補助助成ですね。これが増額されない限り、単位組合に従来行っておった補助金が、今度は連合会に幾らか吸い取られるわけです。単位組合に配賦される額がそれだけ減るということになるわけですよ、そういう方法で補助金を連合会に出すということになれば。そこで、まず、交付基準、それから、納税者に対するこの金がどう還元されているか、その実態はあなたはどのように把握されておりますか。単位組合に出された補助金がどのように配賦されておるか。また、その交付基準は一体どのくらいなものを——千円について幾らとか二万円について幾らとか基準があるわけでしょう。それはどうなっておるのですか。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 この納税貯蓄組合の補助金は、三十九年度におきましては七千三百八十八万一千円と、前年度に比較いたしまして五百万円増額されております。もっともこれは単位組合が増加したことに基づく補助金の増加でございまして、今回の予算におきましては、連合会についての法制化は行ないますけれども、連合会にすぐに補助金を出すということは行なわないということを予算当局と話し合いいたしておりますので、現在の段階で、この金額がふえましたのが連合会のほうに吸い取られるというようなことではございません。単位組合のほうに交付することになります。  交付基準等につきましては、国税庁のほうからお答え申し上げます。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 お尋ねの納税貯蓄組合に対する補助金の交付の基準についてお答え申し上げます。  納税貯蓄組合の補助金は、御案内のとおり納税貯蓄組合が使いました事務費に対して補助を出すということになっております。そして国、それから県、市町村、それぞれ、納税貯蓄組合が国税、府県税、市町村税、それぞれを納付した割合に応じて、国が出す補助金の限度額あるいは地方団体が出す補助金の限度額というものが定められております。その限度の範囲内で事務費を補助する、こういうことになっております。ただ現在予算に計上されておりますのは、三十九年度は七千三百八十八万一千円でございますが、これが従来の実績から申し上げますと、納税貯蓄組合が実際に使いました事務費の全部を実はカバーしておらないわけであります。その点は納税貯蓄組合のほうにたいへんお骨折りを願っておるわけでございます。したがいまして私どもといたしましては、なるべく各納税貯蓄組合がそれぞれの活動状況、またその活動の成果等に応じて補助金が配分されますように、基準をきめて配分しておるわけでございます。具体的な基準といたしましては、予算の関係もございますので、国税納税者が一組合の中で九人以下のところには配分いたしておりません。十人以上の単位組合を対象といたしまして、それぞれ国税納税者の数によって段階を設けまして、ある一定の額をそれぞれはじき出しまして、それに応じて配分いたしておるわけでございます。  簡単に申し上げました。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 ある一定の額に見合う算出をするという、そのある一定の額々私は聞いておるわけなんだ。一万円の納税額に対して何ぼというのか、それとも頭数に対して一人幾らというのか、あるいは地理的条件というか、税務署からの遠近とか、何かそういう基準で交付しておるのかということを開いておる。それを明らかにしなければだめじゃないですか。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 ただいま申し上げましたように、国税組合員が十人以上の組合に対して交付いたすわけでございますが、その具体的な交付の基準は、国税組合員が十人から十九人までのものは二千円でございます。二十人から四十九人までの組合に対しては二千八百円、五十人から九十九人までの組合に対しては四千円、国税組合員が百人以上の単位組合に対しては一万円、こういうことになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 ついでに、徴収部長、県税、市町村税の場合もその基準はわかりますか。それと国とのアンバランスというものを把握しておるかどうかを確かめるために聞きたいのですが、わかりますか。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 お答え申し上げます。  県、市町村が出しております補助金の出し方は、県、市町村によって非常に区々であるように聞いております。現在私ども資料を持っておりません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それは徴収部長、資料を持ってないのは、きょうは御無理ないでしょうが、あとで検討して——県税や市町村税の場合は頭割りじゃないのです、徴収金額なんですよ。国の場合は構成人員の何名から何名までという率でやるわけですね。ですからこういう点は、やはり徴税ということになれば、納めるほうは、国税も県税も市町村税も、これは金が違うのだなんて考えていない。ところが、もらう補助金が、国税と地方税では制度も違う、基準も違うということは、同じ日本の納税者の立場から見るとどうも不合理な気がする。この点はひとつ再検討すべきだと私は考えるが、あなたの見解はどうですか。同時に政務次官、いかが考えますか。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 現在の交付基準が単純に国税納税者の数だけでいっておるという点がはたして適当かどうかという御指摘でございます。実はこれは、補助金の性質から申しまして、組合が必要な経費を国税の納税のためにどれだけ使ったかということは、結局国税の納税のためにどれだけ実際に活動していただいたかということであろうかと思います。ですから、それに一番マッチした交付の基準というものができればこれは一番いいというふうに考えております。ただたとえば納める税額の多寡だけによるということも、また実際に用した手数なり経費と税額が必ずしも相関するというふうにも見られない点もございます。いろいろな点を考慮して、さらによりよき点が求められますように研究はいたしてみたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 確かにそれは税額だけでやるのはまずいですね。だから、人頭数と税額と、あるいは税務署の遠近なども加味する事情もあるかもしれぬ。そういう点をひとつ十分検討して、県、市町村税とのアンバランスがあまりにもあったのでは、納税者の立場から見ると不公平だ。というのは、私らは納税組合に三つ入っているわけです。国税納税組合、県税納税組合、市町村税納税組合と、ぼく自身は三つ入っているわけです。ところが、県、市町村税の場合は、額に応じて配分されるから、ぼく一人が入るか抜けるかによってえらく還付金が違うわけです。ですから、九人とか十人でぱたぱた小さいのをつくるとなると、多額納税者は引っぱりっこになるわけです。ですから私は、国のほうの交付基準というものももっと多角的に検討して、地方税との関連というものをもう少し考える必要があるのではないか。方法としてどういう内容になるかは検討した結果でなければわからぬけれども、いまの制度では、とにかく他との振り合い上不合理な点が非常に感じられる、そういう点について今後検討するかどうかということだけ、ひとつ政務次官に……。

纐纈彌三自由民主党大蔵政務次官

○纐纈政府委員 武藤委員のお話、まことにごもっともだと存じます。お説のように税額だけであれするということになりますと、各団体とも相当条件は違いまして、金持ちの市町村だとよけいいくとか、こういうようなことになりますし、金持ちのほうではわりあいに集めやすいということもあるかもしれません。そういうような関係がありますが、また一面、頭数だけでいくということは、いまお説のように私は必ずしも合理的であるかどうかということは疑問だろうと思うわけです。そういう意味合いにおきまして、いま武藤委員のおっしゃいますように、ここで連合会もできたことでございますし、また補助金の額にも限度があるわけでございますから、そういう点を勘案し、同時にまた地方自治団体と国との格差があるということは私はまずいと思いますから、それらを十分検討して、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大臣が来ましたからはしょってお尋ねいたしますが、資料として要求をしておきたいのは、徴収部長の直接の担当ではないけれども、あなたの認識を深めるためにも、この際ひとつ、県税、市町村税の還付割合あるいは補助割合、交付基準、そういうものと国税の基準とを一括して当委員会に御提出を願いたい。資料要求をいたしておきます。  さらに主税局長に二点お伺いしますが、この法律は公布の日から施行することになっている。そうすると、納税貯蓄組合連合会というものは補助金を全然もらっておらない。直ちにこれが事業を開始する、あるいは育成事業をやるということになった場合の資金が足りなくなる。そういう場合に、単位組合に補助されたものを連合会が還元をする動きが出てくると思うのですね。それだけ単位組合は事務費の補助金が減ってくる。ここを何か三十九年度中に手当てをしようと考えておるのか。それとも三十九年度中は補助金は一銭も連合会にいかぬのだから、連合会の仕事は一応従来どおりくらいしかやれない、新機軸を打ち出して金のかかる仕事はやれぬ、こういう考え方で主税局はおるのか、これが第一点。  第二点は、明年度からは連合会に対する補助金は、単位組合の従来の額は減らさないで何とか手当てができるという見通しでおるか。連合会に対しては将来も全然補助金をやる気がないのかあるのか。主税局長は参議院の答弁では将来は考えたいとはっきり言っているわけですね。将来とは一体いつごろを目途にしておるのか。それがわからぬと単位組合は補助金が減りますから、単位組合の奇特な人たちは、少々その奇特さが報われておったのが削られるわけです。あなたの答弁を見ると、とにかく奇特な人がおって、奇特な人がおってということをこの議事録に十回も述べているのですけれども、どんなに奇特な人でも、納税組合長をまるで自分負担で何年も続けられる人はないのです。ぼくらのうちのほうでは組合、長は輪番で町内持ち回りです。集金も毎月奥さん方が交代して月別にやっているわけです。そういうところのちょっぴりの補助金が連合会に吸い上げられるということは、そういう奇特な人に対して気の毒ですから、その点についてのこれからのあなたの見通しはどうなんですか。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 お話のとおり、この法律が公布、施行されましても、連合会には三十九年度は補助金が参りません。したがって、単位組合から吸い上げるほかはないわけでございますが、それもまた好ましくないと思います。そういう意味で、連合会組織は、本年は組織としてはできましょうとも、その事業の内容は従来からありました程度を多く出ることはできないだろう、かように考えておるのでございます。  将来の問題でございますが、これは予算の問題でございますので、いまから私から申し上げることはできませんけれども、私どもといたしましてはやはり連合会組織に補助金を与えて、心なくとも事務費程度の補助はすべきものだ、そういう意味で予算要求をいたしまして、ぜひ予算に入れてもらいたい、かように考えてるのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それではくどいようですが、主税局長、昭和四十年度から、額の多少は言わぬですが、連合会に対する補助助成の努力をする、こう受け取ってよろしゅうございますか。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 これはもちろんお話のとおり努力するわけでございますが、予算といたしましては国税庁のほうの予算になっております。もちろん私も主税局長を続けておりますれば、国税庁のほうをお助けしてその予算が実現するように努力いたしたいと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 堀委員のほうから大臣に対する質問がありますので、私はあと一点だけ銀行局長にお尋ねしておきたいのでありますが、社内預金の問題について、かつて銀行局長は通達を出されました。ところが銀行局長の通達が出ても、労働基準局のほうではその通達を守らぬ。退職した人の社内預金というものは違法でない、従来どおり預かってもいいのだということで、基準局はだいぶあなたの趣旨と違った指導を末端でいたしておるようでありますが、その後銀行局としては社内預金のあり方について検査をしたり、あるいは基準局とそういう意思のそごがあることについて認識をしておるのか、認識してないとすれば、あなたのほうはそれをどうこれから改善をしなければならぬという指導をするつもりでおるのか、そこらの点を通達を出した以後における社内預金について、少し銀行局長にお尋ねしてみたいと思います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 いまのお話はたいへん意外でございまして、あれは私の名前だけの通牒じゃありませんで、労働省の基準監督局長と連名でございます。ですから実行を監督するのは労働省でございますので、私のほうといたしまして社内預金そのものを直接に検査したり何かすることはできません。労働基準監督局がその下部機構を使いましてそういう取り締まりをするわけでございます。退職金をそのまま継続して預かっていいのだという解釈をいたしている事実はたいへん意外でございます。もしそういうような事情がございますれば私のほうから厳重抗議を申し入れまして、趣旨の徹底をはかるつもりでおります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 銀行局長にお願いしておきますが、長崎市にある労働基準局ですね、ここはかなり大きい造船所に対する社内預金のあり方について、銀行局長の本委員会における答弁とはたいへん趣旨の違う指導をいたしておるようでありますから、一つの個別な指摘をしたわけでありますから、この基準局と十分打ち合わせをして遺漏のないように取り計らっていただきたい、こういう希望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 平林剛者。

平林剛日本社会党

○平林委員 納税貯蓄組合法について二、三お尋ねしておきたいと思うのであります。  今回提案をされました納税貯蓄組合連合会が政府の御説明によりますと、自然発生的に各地にあるという御答弁でございます。これははたして自然発生的にできたものであるかどうか、それとも税務署の指導によってこういう機運が醸成されたものであるかどうか、その実情について明らかにしてもらいたいと思う。私ら法案の審議をしている場合に、自然発生的にこれができたというような理解のしかたをしておらぬもんですから、実情はどうかという点をお尋ねしたいと思う。

泉美之松大蔵事務官(主税局長)

○泉政府委員 私が参議院で自然発生的に連合会組織ができたと申しますのは、なるほど単位納税貯蓄組合を結成するにつきましては、税務署のほうから商店街とか特定の地域におきまして納税貯蓄組合がありますことのほうが、納税貯蓄組合員でない者よりも納税成績もいいことになりまして、結局納税者のほうにとっても便利であるということから納税貯蓄組合の結成をおすすめして、納税貯蓄組合をつくっていただくようにはいたしておりますが、連合会のほうは、そういう単位納税貯蓄組合ができてきますと、いろいろほかの単位組合はどうやっているのだろうか、そういったことからいたしまして、単位組合だけでやっておったのではたいした仕事ができない、したがって、連合体組織でやっていこうじゃないかというような話がだんだんと出てまいりまして、連合会組織の法的な基礎はございませんけれども、できたということで申し上げたのであります。もちろんその結成の過程におきまして、税務署なりあるいは国税局のほうといろいろ連絡がございまして、それは連合体組織をおつくりになるならこういう形がいいでしょうといったようないろいろなアドバイスは申し上げておると思います。結成されるにつきましてはやはり単位納税貯蓄組合だけでは仕事がうまくいかない、もっと広い範囲で仕事をやっていく必要があるということでできたものでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は自然発生的にできた納税貯蓄組合の連合会、こう考えておらぬのです。実際にはいまお話がありましたように、官のほうの指導あるいはそういう示唆というものがございまして、全国的にこういう形が生まれてきたと見ていいのではないだろうかと思うのであります。  そこで、現在私の承知しているところでは、すでに全国で八百くらいの連合会があるという話を聞いておりますが、その実情はどうでございますか。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 現在できております連合会は、全国で八百七十八ございます。そのうち全国単位のものが一つ、国税局単位でできておるものが四ございます。それから都道府県単位でできておりますものが二十六、税務署単位あるいは市町村単位その他というのが八百四十七というふうになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 そういう連合会は、いま全国単位あるいは国税局単位、都道府県単位、税務署単位でございますけれども、役員の選び方などについてはどうやっておられる状況ですか。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 連合会の役員のやり方についての御質問でございますが、これは連合会のほうの自主的な御決定ということになっておるというふうに聞いております。

平林剛日本社会党

○平林委員 自主的かあるいは相談でまとまったのか、その実情は私のほうがよく知っているかもしれませんが、あなたの把握している状況はどうですか。その役員はどういう傾向の人によって構成をされているか。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 連合会は、申すまでもなく単位組合が相当数寄りまして、お互いに相談して連合会をつくろうじゃないかというのでできたものが多いわけでございます。したがいまして、連合会の役員、たとえば連合会の会長さんというような方は単位組合の組合長さんの中から選ばれるというのが普通の形であるというふうに聞いております。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は今回の納税貯蓄組合法の改正によって法制化されようとする連合会あるいは単位組合の中におきましても、これが往々にして納税者各個人に対して家庭の事情とか諸般の理由を押えつけていくような動きになることを非常に心配しておるわけであります。いわんやこの連合会の結成などが、自然発生的というよりは、むしろ官の指導によって行なわれておるというところから考えまして、その目標がどこにあるかというのは、説明申し上げるまでもなく、税の容易かつ確実な納付のために資することにあるわけですから、官製の指導によって行なわれれば行なわれるほど、納税者の諸般の事情というものをこの形によって圧迫し、あるいはそれによってだんだん行き過ぎが起きるというようなことを懸念しなければならぬと思うのでございまして、そういう点についての配慮はどういうふうにされておられますか。これはむしろ大蔵大臣なりあるいは国税庁の責任者なりから特にこの件についての私の心配に対してお答えをいただきたいと思っております。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 申すまでもなく、連合会の母体でありますところの単位の納税貯蓄組合、これも一番始めの形は、やはり納税者の方々が、あるいは地域的な商店街といったようなところ、あるいは同業種の方といったような方が納税をできるだけ容易にしよう、そういうお気持ちででき上がったものが非常に多いわけでございます。したがって、私どもといたしましても——もちろんこれが国税の期間内に納付されるという割合が納税貯蓄組合の普及ないしは発展につれて向上してまいります。その点では納税貯蓄組合のより一そうの成長をもちろん望むわけでございまして、その意味でもし必要ならば資料を提供する、あるいは説明会を持つといったようなことをいたしているわけでございまして、あくまでもその納税貯蓄組合が自然発生的にできてきたということは、私どももちろん尊重といいますか、それを官のほうのいわば言いなりになるようなそういう組合にするというふうに持っていく気持ちはもちろんないわけでございまして、あくまでも組合長さん方あるいは役員の方等が自主的に納税貯蓄組合の内容がよりよくなるように持っていっていただくということが理想でございます。同じことは、単位の納税貯蓄組合を母体としてできてまいっております連合会についても同様でございまして、御指摘のたとえば役員の選出について国税局とか税務署がくちばしを入れるというようなことは厳に慎まなければいけないというふうに考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 私はこれがそういう官製的なにおいがする納税の促進運動という性格に陥るであろう危険性を感じているわけであります。同時にまたかりに同税庁なりあるいは政府なりが、いまお話しになりましたような気持ちで指導に当たるといたしましても、地方によりましては、町のボスだとかあるいは税務署に多少名前を売りたいとか名誉欲とかいろいろな人間としての持っている性格から見まして、一般の納税者に対する圧迫になることをおそれているわけでありますが、そういうことを十分注意しなければならぬ。特に今日の税金はたいへん重いわけでありますし、今日の経済情勢から考えてみて、決定された納税をするというのは、国民にとって容易なことではない。そこへ持ってきて、右門捕物帳に出てくるカラッ八のような者があらわれて、連合会の責任者になったり、あるいは単位組合の長になってお先棒をかつぐ、そういう人間のために納税者が迷惑を受けないような配慮は私は絶えずしていっていただかなければならぬということを考えているわけでありまして、特にこれに対しての配慮を要望しておきたいと思うのであります。  もう一つは、納税貯蓄組合の取り扱い金融機関につきまして、今回の法律案によって新たに商工組合中央金庫を追加することに相なっているわけであります。  私はこの機会にお尋ねしておきたいのですが、納税貯蓄組合の取り扱い金融機関として銀行とか信用金庫あるいは労働金庫、信用協同組合その他ございますけれども、との各金融機関における預け入れ口数と金額の状況についての御調査がございましたら、その実情をお話しいただきたいと思うのであります。

小熊清大蔵事務官(国税庁徴収部長)

○小熊説明員 お尋ねは、納税貯蓄組合預金が銀行にどれだけ預金さえているかというご質問かと存じます。三十八年九月末現在の調べでございますが、全体の数だけで申し上げます。預金しております組合員の数は四百七十五万人でございます。その預金の残高が三百四十九億四千七百万円、したがいまして、それをかりに一人当たり平均残高をとってみますと七千三百五十七円でございます。それから金融機関別でございますが、これは全国銀行とか相互銀行とかそういう区別で調査が出ておりますので、それを申し上げますと、実は預金残高しかその銀行別のうのが出ておりませんのですが、全国銀行で二百八十億一千八百万円、それから相互銀行が十一億五千万円、信用金庫が四十五億六千七百万円、信用組合が十一億九千三百万円、労働金庫が千九百万円、かようになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 大体その問題についての質問は終わりますが、委員長にお尋ねします。  まだ大蔵委員会に付議されておる法律案はどういうのがございましょうか。——私の質問の趣旨がよくおわかりにならぬようだが、議員提出になっております法律案が幾つかあるわけでございますが、この審議はどういうことになっておりますか。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 議員提出の法案は四件ございます。したがって、時間がございますればいつでも審議いたしますが、かりに時間がなくて審議に入れなかった場合でも、先ほどの理事会の取り扱いによって継続審査いたすことにしております。

平林剛日本社会党

○平林委員 本委員会も会期末になりまして、残された時日がたいへん少のうなりました。ただいま審議をしておる納税貯蓄組合法が上がりますと、政府が提出した法律案は全部上がるということになります。大蔵委員長としてはまことにその職責を果たしたという意味におきまして、たいへん名委員長という名前が残るだろうと思うのであります。ただ、私が点数をつければ八十点であります。なぜか言うと、本委員会におきまして審議をすべき優先的な取り扱いとして委員長に要望したい点は、私はやはり議員立法であります。その議員立法が今日残された時日の中でなお審議の時間が得られなかったことは、私まことに遺憾に任ずるわけであります。本末法案を作成する任務は議院にあるのでありまして、政府自体は、私に言わせると行政機関たるベきものであって、本来委員会としては、議員から提出された法律案が最優先的に審議される慣行が望ましいと思うのでありまして、賢明なる大蔵委員長におきましては、こういう点を十分配慮せられて、次におきましてはどうかひとつ優先的にこの問題が取り扱われるような慣行を委員会においてつくってもらいたい、これを要望いたしたいと思うのでありますが、これができますと百点を差し上げます。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 その問題は、関連法案が政府提案でありますときには並行して付議してございまして、審議を阻止したこともなければ、おくらしたこともありませんし、また正式に議員提案のほうの審議をあるやれと言われて、それをいやだ、政府提案が先だという議論をしたということもないので、いつでも審議には応ずる、また軽重いずれと言うて議論すべきものとまた範疇は別であろうと考えまして、公正なる運営をしてきたつもりであります。九十五点ぐらいはあると思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 私の指摘をするまでもなく、いち早くこういう問題について配慮してくだされば、九十五点も差し上げてよいけれども、実際としては私は八十点だと思うのであります。ぜひひとつ将来にわたってこういう問題について、委員長だけでなく同僚議員においても十分配慮せられることを私は希望する次第であります。  もう一つ、金融小委員会ですか、ここにおきまして審議中の問題もございますが、これは適当な時期に審議をする機会を与えていただけますかどうかを確認いたしまして、きょうの質問は終わりたいと思います。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 あなたの党の理事にお聞きになればわかったと思うのですが、小委員会も、両小委員会ともに閉会中も引き続き継続設置をして審議を進めるということにしております。手落ちはございません。  これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  おはかりいたします。  本案を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  本法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 大久保武雄君より、歩積み、両建ての規制に関する件について発言を求められております。これを許します。大久保武雄君。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員 私は自由民主党、日本社会党並びに民主社会党の三党を代表して、歩積み、両建ての規制に関する件について、当委員会において次の決議をせられるよう動議を提出いたします。  まず最初に、案文を朗読いたします。    不当な歩積・両建の規制に関する件   大蔵委員会は本年初頭以来不当な歩積・両建の是正に関し本格的な検討を重ねてきたのであるが、最近大蔵省が実施した特別検査の結果によると、相互銀行においてはかなり改善の徴が見られるに反し、都市銀行及び地方銀行においてはほとんど改善の実があがつていないのは極めて遺憾とするところである。 よつて、  一、大蔵省は新たなる指導基準を金融機関に示達し、一年間を目途として不当な歩積・両建が完全に解消するよう行政指導を強化するとともに、これに協力しない金融機関に対しては、行政上厳格なる措置をとるべきである。  二、公正取引委員会は不公正な取引と認められる歩積・両建に関する具体的基準について検討を進めるとともに、金融機関の自粛状況を常時監視し、必要と認める場合には遅滞なく特殊指定を行なうべきである。  以下その趣旨を御説明申し上げます。  歩積み、両建ての規制に関しましては金融及び証券に関する小委員会における調査検討の結果、去る六月十九日同小委員長たる不肖本員が当委員会に報告いたしました自由民主党、日本社会党並びに民主社会党の各決議案を基礎として、さらに超党派的に各党間の話し合いを進めたのであります。  歩積み、両建てが小小企業者をはじめ、一般債務者に与える影響の重大なことは言うまでもないことでありますので、これが解消につきましては、過去十余年の長きにわたり論議されてまいり、また大蔵省におきましても幾たびか金融機関に対し、自粛の警告を発してきたところでありますが、今日に至るも依然として改善されず、大蔵省が去る五月に実施した特別検査の結果によりましても、相互銀行においてはかなり改善の徴が見られるのに反し、都市銀行及び地方銀行においてはほとんど改善の実があがっていないことが判明したのであります。これは、これまでとられました自粛措置が具体的に明確でなくかつ適切なきめ手がなかったためと考えるのでございまして、この際強力な規制措置をとる必要が痛感されるのであります。  そこで、三党同において超党派的に慎重検討を重ねました結果、前述の案文を取りまとめた次第であります。  次に本決議案の内容をふえんして御説明いたします。不当な歩積み、両建ての是正につきましては、金融行政を所掌する大蔵省として、金融行政上の立場からこれを放置しがたいことは当然と言えます。したがいまして、大蔵省は金融機関の立場もさることながら、債務者の立場をも十分に考慮して、この際、当委員会の意図するところにのっとり、歩積み、両建ての自粛に関する指導基準を新しく決定し、これを金融機関に示達して、特に銀行については、一年間を目途として不当な歩積み、両建てが完全に解消するよう行政指導を強化し、これがため、適時特別検査を実施する等、これが自粛を厳正に監督するとともに、もしこれに協力しない金融機関がありました場合には、法令の定めるところに従い、行政上厳格な措置をとるべきことといたしたのであります。  この際、念のため、大蔵省において決定いたしました「銀行の歩積、両建預金の整理方針」並びに銀行の「歩積・両建預金の自粛基準」を速記にとどめるため朗読しておきたいと存じます。    銀行の歩積、両建預金の整理方針  一、報告の徴求と指導   1 各店別に、歩積、両建預金等に関する報告書を年2回徴求する。   2 報告書に基づき自粛対象預金の貸出に対する比率を一定期間内に一定率以上減少させるよう指導する。(おおむね1年で解消させることを目途とし、とりあえず半年間に半減させる。)   3 定例検査の際報告書の内容について検査を行なうものとするが、都市銀行については、定例検査の周期が長いので、中間に適宜特別検査を行なう。   4 2の実施状況を調査確認するため、来年1月以降において全面的に特別検査を実施する。  二、指導基準設定    次により指導基準を決定する。   (イ)現行の自粛基準の表現の明確化を図る。   (ロ)自粛対象預金に対する措置は、次のとおりとする。     なお、拘束解除または金利措置をとった場合は、銀行は、相手方に書面でその旨を通知する。    (a)相殺    (b)拘束解除    (c)金利措置   (ハ)金利措置については、手形割引の場合の金利を明確に定めることとし(1銭8厘か、約定金利より4厘下げ(従来は3厘下げ)の何れか低い方とする。)、また、その計算方式についても明確化する。     なお、都市銀行については、担保預金に見合う貸付の金利を従来の自粛基準よりさらに一厘引き下げるよう指導する。(百万円超の貸付については1銭5厘)  三、責任の明確化     各銀行ごとに担当役員を定め、責任をもって実施させるものとする。     なお、是正状況の不良と認められる銀行に対しては、最高責任者を含めた関係者に対する責任の追求その他行政上の厳格な措置をとるものとする。  四、債務者への通知     銀行は、毎年債務者に対して、拘束性預金の有無及びその内容を通知するとともに、その写を保存する。(これにより、銀行から通知のないものは、拘束されていないことになり、自由に払い出せることになる。)(備考)相互銀行および信用金庫についても、概ね本案に準じて指導する。    歩積・両建預金の自粛基準  1 自粛の対象となる歩積・両建領金    自粛の対象となる歩積・両建預金は、拘束性預金(担保、見返もしくは見合の預金または定期積金をいう。)のうち、次の各項の一に該当するものをいう。   (1) 貸付と同時にその貸付金の一部をもって創設された拘束性預金   (2) 貸付後に受け入れられた拘束性預金   (3) 貸付前に受け入れられた定期預金または定期積金で、貸付日以後支払日または満期日が到来したにもかかわらず、貸付金の返済に充当されず拘束性預金となっているもの   (4) 貸付前に受け入れられた要求払預金で、貸付日以後拘束性預金となっているもの   (5) 貸付を伴う定期積金で、契約額が貸付の金額をこえるものおよび過度の一時先掛がなされているもの   (6) 手形割引または商業手形見返の貸付に際して徴求されている歩積預金または根担保預金もしくは見返、見合預金で、その程度が過当なもの  2 自粛の対象とならない拘束性預金     拘束性預金のうち、次の各項の一に該当するものは、自粛の対象から除外する。   (1) 債務者が、その経理事情、経営事情等の理由により、自発的に当該拘束性預金を置くことを希望していることが具体的に証明される場合   (2) 債務者の手元流動性、支払手形等の経理状況あるいは業況の推移等の経営状態から判断して、維持すべき必要かつ適正な預金水準(非拘束性預金を含めて)を超えないものと客観的にも思料される場合(ただし、1の(1)に該当する預金を除く。)   (3) 当該預金が貸出額に比し極めて少額で、そのつど返済に充当することが煩雑である等、手続面でやむを得ないと認められる場合  3 自粛措置     自粛対象に該当する預金については、次のうち何れかの措置を講ずるとともに、(2)または(3)の措置を講じた場合には、その旨を当該債務者に書面をもって通知する(なお、これらの措置をとることにより、以後債務者に対して貸出面で不利となるような取扱いは、しないものとする。)。   (1) 当該預金と貸付金を相殺すること。   (2) 当該預金の拘束性を解くこと。   (3) 金利措置     なお、1の(1)に該当する預金については、必ず相殺を行なう。     また、金利措置をとったものについても、当該預金の満期日等に際して、債務者が希望するときは、相殺または拘束の解除を行なう。  4 金利措置    3の(3)に掲げる金利措置は、次のとおりとする。   (1) 貸付に際し預金を担保として徴しているときは、その預金額に対応する部分の貸付の金利について、1件の金額百万円を超えるものは日歩1銭6厘以下、1件の金額百万円以下のものは日歩1銭7厘以下に引き下げること。     ただし、1年もの定期預金を担保とするものは、これより1厘高としてさしつかえない。   (2) 手形割引に際し、歩積預金または根担保預金を徴しているときは、その預金額に対応する部分の手形割引金利は、日歩1銭8厘または約定金利より日歩4厘低い金利のうち何れか低い金利(これにより日歩1銭6厘を下廻るものについては、1銭6厘にとどめることができる。)以下に引き下げること。ただし、1年もの定期預金に対応するものは、これより1厘高としてさしつかえない。   (3) 見返または見合預金についても、その額に対応する貸出金については、(1)または(2)により取り扱うこと。  5 以上は自粛措置の対象となる過当な歩積・両建預金にかかるものであるが、自粛の対象とならない担保および見返預金についても、その額に対応する貸出金の金利を4に準じて引き下げるものとする。(注)  1 拘束性預金   (1) 担保預金とは、正式に担保権を設定したものをいう。   (2) 見返預金とは、担保権設定に必要な書類の一部を徴しているが、その手続は留保して拘束しているものをいう。   (3) 見合預金とは、担保または見返の手続をとらず、銀行において預金額を留保して拘束しているものをいう。     見合預金については、設定の都度、当該預金を拘束している旨を債務者に書面をもって通知するものとする。     なお、当座預金等の要求払預金について、銀行が当該預金の平均残高または最低残高に対して一定水準を維持することを要求していると認められる場合には、いうまでもなく見合預金となる。   (4) 債務者に対しては、毎年拘束性預金の有無およびその内容を書面をもって通知するものとする(これにより、拘束されている旨の通知のない預金は、当然のことながら自由に払い出せることになる。)。  2 即時両建     1の(1)に掲げる「貸付と同時に」とは、実質的に解釈し、貸付の生ずる前後に受け入れられた預金であっても、当該貸付との間に密接な因果関係を伴なう場合(たとえば、その預金の設定なしには当該貸付を実行しない場合等をいう。)を含むものとする。  3 過当な歩積預金等     1の(6)に掲げる「過当なもの」とは、歩積預金については、商慣習上是認される限度をこえるもの、根担保預金等については、不渡発生の場合の危険を担保するために必要な最低限度をこえるものをいう。     この限度は、手形の内容等に応じて異ることは当然であるが、通例は、割引極度額の一〇%ないし三〇%が一応の基準となると考えられる。  次に、公正取引委員会は、わが国の経済憲章たる独禁法の実施を励行するために設置された特別の機関でありまして、独禁法上の不公正な取引を取り締まる独自の権限を持った官庁であります。したがいまして、不公正な取引と認められる歩積み、両建てが完全に解消しない限り、これに関する特殊指定を行なって、これが根絶をはかることは当然の職責に属するのであります。しかしながら、公正取引委員会が行なう特殊指定の権限は、伝家の宝刀とも言うべきものでありまして、もし大蔵省の監督行政により不当な歩積み、両建てが完全に解消することになるならは、あえてこれを発動する必要もないと考えられるのであります。したがいまして、公正取引委員会は、小公正な取引と認められる歩積み、両建てに関する具体的基準について検討を進めるとともに、金融機関の自粛状況を常時監視し、半年後に実施さるべき大蔵省の特別監査の結果、改善の実が上がっていないことが判明する等、公正取引委員会において必要と認める場合には、遅滞なく特別指定を行なうべきことといたしたのであります。  以上が本決議案の趣旨及び内容でございますが、何とぞ満場一致で御賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

山中貞則自由民主党

○山中委員長 ただいま大久保武雄君より不当な歩積み、両建てに関する規制について、本委員会において決議をされたいとの動議が提出されましたので、本動議について議事を進めます。討論の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ただいま議題となりました歩積み、両建てに関する決議につきましては、私ども長年当委員会で論議をしてまいりました。本日ようやく、この解消についてほぼめどが立ってまいりましたことは、私どもとしてもきわめて満足をいたしております。  そこで、この問題に関しまして、二、三少し問題点を提起をいたしまして、大蔵省その他におきまして十分ひとつ、この決議が実行される過程においてこの決議が遺憾なく行なわれるように、補完的な部分を含めて、お考えをいただきたいと思いますので、その点について申し上げます。  今回の決議が順序どおり適正に行なわれてまいりますならば、中小企業のこれまでのいろいろな負担というものは著しく改善されることをわれわれは期待をいたしておるわけでありますが、反面、これまでの金融機関のいろいろな状態から見ますならば、このような取り締まりその他が強行をされてまいりますにつれて、中小の金融機関に対する貸し出しが、ややもすれば消極的になるおそれなしとしないと思うのでございます。客観的な事実について申し上げますと、都市銀行につきましては、昭和三十七年の三月と三十九年の三月の二ヵ年を比較をいたしてみますと、総貸し出しは約五割増加をいたしております。ところが、一千万円以下の中小企業に対する貸し出し比率は、三十七年の三月に二四・七%でありましたものが、三十九年三月末には二〇・一%と約四%余り貸し出し比率としては低下をいたしております。貸し出しの総額が五割ふえておるときに、中小企業に対する貸し出しの比率が低下をしておるというのが現在の情勢でありますから、もし今回の歩積み、両建てが適正に指導をされる結果として、このような傾向がますます顕著になるということであるならば、中小企業に対してはきわめて遺憾な事態が生じてくるわけでございます。今回のこの措置によりまして、なるほど一時的には貸し出し金と預金が相殺をされますから、その歩積み、両建ての解消に伴う貸し出し金の減少というものが、これは機械的に生じてくる部分がありますけれども、その機械的に生じる部分を越えて貸し出しが制限をされるようなことが起きますならば、これはわれわれの趣旨に全く反するものでありますので、この点におきましては、大蔵省において十分指導監督をしていただいて、このような事態がかりそめにも起こることのないよう十分な配慮をお願いいたしておきたいと思うのです。特に資本金が五千万円という、ことに中小企業の範疇が変わってまいりましたために、銀行側においては、現在五千万円以下に対しては二五%程度貸し出しをいたしております。こういうことになっておりますけれども、五千万円以下の中小企業ももちろん問題がありますが、やはり一千万円以下の中小企業というものの数も相当に多数を占めておる現状でありますので、これらについては、単に五千万円以下ということにとどまらず、これまでの例によるとおり、一千万円以下の貸し出しの状態等もつまびらかにしながら、これらの行政しの指導において遺憾なきを期していただきたいと考えるわけであります。  二番目の問題は、いろいろと金融機関の話を聞いておりますうちに、中小企業側にもいろいろ問題のある点が実は指摘をされております。なるほど、最近のいろいろな倒産の問題の中には、単にこれは金融の引き締めのみによらずして、中小企業の側における内部的な問題に発するものもなしとしないのでありますが、これらの問題については歩積み、両建てを解消させるというこのわれわれの考え方を十分中小企業の中にも浸透さしていただいて、かりそめにもそういうことのために安易なる借り入れ等に依存することのないよう、これらについては中小企業庁等とも御連絡をされて、われわれの意のあるところが中小企業側にも十分理解をされるような指導を含めて御検討をいただきたいと思うのであります。  第三点は、信用補完の問題でござい背景になっております一つの点は、信用力が中小企業において不十分である。そのために、それを補完する意味で歩積み、両建てを行ないたいという金融機関側の意見もあるわけであります。私どもは、そのような問題については、金融機関側のそのような一方的な発言を認めるわけにはまいりません。しかし、反面、信用保証、信用補完の問題につきましては、現在の信用保証協会なりあるいは中小企業保険公庫のような信用供与をいたします機関が実は大口のものに対してのみ信用を供与し、言うなれば、信用を比較的必要としないものに信用を供与して、本来信用供与を必要とするものがこれらの信用補完の問題から除外をされているという点も見のがしてはならないと思うのであります。私どもは、これらの問題につきましても、今回の歩積み・両建てが適正に行なわれることを補完する意味におきましても、この問題については、大蔵省側におい、新たなる態度で検討を進められることを強く要求をいたしたいと思うのであります。  最後に、金融機関のこれらの歩積み、両建ての背景になっておりますものの中には、預金競争なるわが国の特異な現象である金融機関内における過当競争の問題がございます。これらについては、国民がそのいろいろな実情についてつまびらかにしていたい点がたくさんあるわけでございますので、ややもすれば、これらの金融機関のランクの発表が、預金の多寡によってその順位が発表されているというのが一般的通例でありまして、このことがますます預金獲得競争に拍車をかけている現状に至っているではないかと思うのであります。そこで、預金量が意味があることは当然としてあるわけではありますけれども、それがあくまでも金融機関の優劣を定めるかのごとき錯覚を国民に与える点については、大蔵省側として新たなる角度から検討が必要なのではないか、今回の決議の中に示されておりますように、これに協力しない金融機関に対して行政上厳格なる措置をとるべきである、こう述べられているのでありますが、これは単に歩積み、両建てだけにとどまらず、金融機関のあり方として適正であるかどうかにつきましては、おそらく大蔵省の総合的な判断を持っているものと考えるわけであります。そこで、今後これらの問題の経緯と関連をいたしながら、これらの過当競争を是正するための措置として、金融機関における総合的な評価と申しますか、判断の基準となるべき順位等については、少なくとも当委員会に大蔵省はこれを発表をいたしまして、現在の金融機関がどのような形で正当な業務を行なっておるかという点について、私どもが判断をし得る資料を提出をする等、あらゆる角度を含めて、金融機関が公正なる業務を行ない得るような措置について、大蔵省側が当委員会に各種の資料を提供する等協力をしてもらいたいと考えるわけであります。  最後に金融機関の問題で、一般的に金融機関という概念で論議がされております。金融機関には、大きな都市銀行から小さな信用金庫に至るまで格差がいろいろありますから、これらの行政の指導についてはいろいろと困難な点があることはわれわれも承知をいたしますけれども、少なくともこの決議の趣旨が示すように、これらの不当なる歩積み、両建てのすみやかなる解消を私どもは望んでおるのでありますから、それらについては、いたずらに金融機関の経営上のことのみに藉口して、これらが遅延することのないよう、少なくとも前向きに強力な指導によって、この決議の決定をいたしております方向を確実に履行していただくということを大蔵省当局に強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)

山中貞則自由民主党

○山中委員長 春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日委員 私は民社党を代表いたしまして、ただいま提案をされました不当な歩積み両建ての規制に関する決議案に対しまして、賛成の討論を行ないます。「たどりつき振り返りみれば幾山河、越えては越えては来つるものかな」というのは河上肇先生が長かった、かつ困難な労働運動の来し方を振り返られてされた歴史的な詠嘆でありまするが、私もいまここに、十数年にまたがって本委員会で激しく論難、糾弾され、なおかつ何ら成果のあがり得なかったこの問題が、いまここに十分であるとは申しがたいではありましょうが、大蔵省に対してはその行政指導を通じて、また公正取引委員会に対しては、その職権発動の方向について一個の姿勢が整えられた。これを完全に解消せなければならぬという、この姿勢の整えられましたことについて、各位とともに深く同慶にたえないところでございます。この機会にこれらの諸問題の本質、それからなおその経過をあわせて想起しながら、すみやかにこの目的を達成せなければならぬであろうことを協調いたしておきたいと思うのでございます。少なくともこれらの問題は、何と言って令法的な根拠は独禁法に由来いたしておりますことは、金融小委員会において、かつはまた本委員会において、しばしば論及されて明らかなとおりでございます。少なくとも金の借りたい人から別に預金をせしめ取って、それで安い金利を付して預かり、高い貸し出し金利で貸し出すという、いわば独禁法に言う優位な立場にあることを利用して、弱い者に不利な取引をし得るような行為は、何といっても不公正な取引である。すべからくこのような不公正な歩積み、両建てはなくしろという主張は、しばしば本委員会において十数年間繰り返し強調されてまいったところでございます。こういうような所論は、いまから四、五年前でありますか、田中大蔵大臣が自民党の政調会長であられました当時、新潟において一個の談話を発表せられました。すなわち金利政策がさまざま論じられておるけれども、このような歩積み、両建てがひんぱんに行なわれておる。これを見のがしておくようでは、わが国の金利が低金利政策だ、高金利政策だと言ったって、実質金利と名目金利の間にこんな大きな隔離、格差があっては意味をなさないものである。すみやかに歩積み、両建てはなくすべきである。時の自民党政調会長として田中大蔵大臣が新潟談話でそのことを強調して意見を発表せられました。その直後でありまするが、日本銀行山際総裁も、同じような趣意の発言をなされたのでありますが、それは、いまやわが国が開放経済に対処しようとする国際競争力に応ずるわが国の企業体制を強めていくことのためには、何といっても企業コスト々軽減していかなければならぬであろう。そのためには、いま中小企業にし対て大きな金利負担をぶっかけておるところの歩積み、両建てをなくするにあらざれば、国際競争力に対処することのための金利政策を云々したところでそれは架空の論議である、こういうような意味のことを述べられまして、ゆえに歩積み、両建てはすみやかになくすべき性質のものである、こういうことが強調されました。自来本委員会において、この問題がさらに論難され、政府の善処方を強く要望いたしましたことに端を発しまして、衆参両院の本会議において、あるいは大蔵委員会、通産委員会、予算委員会等においてさらにこれが深く論じられまして、その後本年度の本会議でございますが、池田総理大臣も、これは前向きの姿勢で断固としてなくするように責任を持って善処する、これは国民の前にもまた国会に対しても、強い決意の表明がなされ、誓約がなされたことでございました。  私は、いまこういうような経過をたどって、ここにこの決議がなされようといたしておるという点について、公正取引委員会並びに大蔵省並びに金融機関は、よくこの決議の真意の何であるかを銘記されて、善処願わなければならぬと存ずるのでございます。このような決議がいまここに事あらためてされなければならぬということについて、私は特に遺憾の意を表せざるを得ません。なぜかならば、わが国は立憲法治国でございます。法律は、行政府によって厳格に執行されなければならぬのでございます。どろぼうがどろぼうを行ないますときに、そのようなときにはそれは仮借なく逮捕して、公共の福祉のために、また安全のために、これは法に照らして処断がされなければならぬでございましょう。法に不公正な歩積み、両建て、あるいは不公正な経済行為というものは、独占禁止法によって、これこれの処断をせなければならぬということが、法律によって明定されておるのでございますから、私はこのような論議があろうとなかろうと、決議がなされようとなされまいと、国民からその信託を受けておりますところの公正取引委員会は、当然にして職権を発動し、そのことをなくするために、すでに十数ヵ年間独禁法制定以来、その法律の執行の衝に当たっております公取が、職権発動によってこのことをなくすべかりし問題であったと思うのでございますが、あえてそのことなかりしがゆえに、本日このようにわれわれが事あらためての決議をなさざるを得ないというこれらの問題についても、職務怠慢のそしりを免れないと思うのでございまして、十分の御反省を願いたいと存ずるのでございます。  わけて大蔵省銀行当局につきましては、この問題はずっと何代かの銀行局長に対しまして、入れかわり立ちかわり強調されてまいったのでございまして、しかもそのつど十数回にわたっての警告が発せられておる。しかるに金融機関は、これに対して全然反応を示さなかった。まことに遺憾なことでございまして、そのことはやはり金融機関に対しまする御監督、これを、国民の前に全的責任をゆだねられております銀行局が、少なくとも独占禁止法に違反をする疑いのあるような、歩積み、両建てが公々然として行なわれておること、このことはすなわち金融機関については膨大なる利潤を、そうして中小企業については残酷なる搾取がなされておることを見のがしてまいられましたような、そのあり方というものについては、いまここに省みて、私は十分その責任を痛感し、その責任感の上に立って今後に対処してもらいたいと思うのでございます。  なお、金融機関でありまするが、独占禁止法に違反をする行為というものは、火つけ、強盗、これと同じように破廉恥罪でございます。そのような破廉恥行為を少なくとも公共性高き金融機関の内部において、たとえ一人でも二人でも五人でも、そういう行為を行なう者を容認しておるということ、しかもそのことが実際問題として金融機関として業務を運営していく必要上やむを得ないなどと、そういう論拠もない、法的根拠もない詭弁を弄して、何かこの問題の本体をぼやかし、ごまかして過ごしてまいりましたこの態度に対しまして、私はまことにこれは遺憾にたえません。もし銀行員の中に一人でもどろぼうをしたり、火つけをしたりする者がありましたら、銀行の責任者はみずからそういう者を処断しなければならない。歩積み、両建てもそれと同じ。独禁法による犯罪者であるのでございますから、したがいまして、そういう者があったなら、公取が何と言おうと、銀行局が何と言おうと言うまいと、みずからそのような破廉恥者あるいは法律に違反するような行為者があったときは、その責任者は当然みずからの責任において処断すべかりしものであったにもかかわらず、本日まで、そのことをいわゆる慣習でありますとか、あるいは銀行業務の運営上余儀ない他の事情があるなどと言って依然として法律違反の行為を繰り返し行なってきたことに対しまして、私はこの際糾弾とともに猛烈なる反省を求めざるを得ないのでございます。  いずれにいたしましても、こういうような経過にかんがみまして、本日大蔵省に対しましては、第一項において、すなわち歩積み、両建てが完全に解消するよう行政指導を強烈に行なっていく、従わざる者がある場合は、行政上厳格なる措置をとるというのでございますから、どうかそういうような意味合いにおきまして、ひとつ、いままではそうでございましたけれども、今後は心機を一転して、そうして院の決議にのっとって厳粛なる執行が願いたいと私は思うのでございます。  なお、公正取引委員会に対しましては、一方大蔵省においてそういう行政がなされておることは事実関係として御念頭に置かれることは、これは妨げないではございましょうけれども、しかし公正取引委員長は人格、識見高潔な方でございまするから、われわれは初歩的な理論を述べる必要はございません。少なくとも歩積み、両建てをたくするという、この本来の行政機関は公取でございます。独禁法によって商業、工業、金融業において不公正な取引があった場合には、これこれの処置をなすべしと国家は公取にその処置、権限をゆだねておるのでございます。したがって、行政指導が行なわれるということ、わが国の産業、経済の実態にかんがみまして、あなたがその推移を監視されるということは適切ではございましょうけれども、しかし、時期によっては単独、固有の権限というもの、これを忘却なさっては相ならぬと思うのでございます。すなわち、第二項に明示されておりますことは、その推移を常時監視し、必要と認めたときには端的にその職権発動を行なっていくということが第二項の、この決議の意思でございまして、すなわち、あなたのほうはいままで特殊指定についても準備はお進めに相なっておるようでございまするが、本日の段階においては何らまだまとまってはいないようにわれわれは拝承いたしております。しかしながら、本件についてはすでに昨年五月以来しばしば論じられたところでございまして、そのたびごとにあなたの御答弁は、特殊指定を第一段階に行なう。特殊指定を行なってなおかつ歩積み、両建てが解消できないという場合には第二、第三の強硬な措置をとるということが本委員会において述べられました。自来一ヵ年を経過して、本日特殊指定がなおかつ行なわれていないことについては、私は遺憾でございまするが、しかしわが国の産業、経済の実態がいまそのことを行なうことを困難ならしめておるという現状については、私も一個の観念論、本質論を強調するものではございません。けれども、すでに一ヵ年の経過がございます。すべからく私は、他の一方において銀行局が責任的な執行を進めてまいりますことと並行して、あなたのほうにおきましては、第二項の中にわれわれが定めておりますこの院の意思というものが那辺にあるのか、そしてまた独禁法によってあなた方に負託されておりますところの責任が何であるか、これをさらに銘記されまして、十分なる執行あらんことを強く要望するものでございます。  なお、ただいま堀君から強調されておるところでございますが、この決議案を通読しますと、前文におきましては相互銀行はだいぶいいが、都市銀行並びに地方銀行がいかぬということを前文で叙述いたしまして、よって云々という一項、二項がしたためてあるのであります。したがいまして、このことは読みようによっては、特に都市銀行並びに地方銀行のみを局限対象とするような誤解を与えるのおそれなしとはいたさないのでございます。したがいまして、この前文はただ、いままで歩積み、両建てというものがどういうような状態であったのか、この現実、実態関係をここに記述したにとどまるものでございまして、一項、二項というものはそうした相互銀行、信用金庫、信用協同組合、こういうすべての金融機関に対して不当な歩積み、両建てを完全になくすることを指向いたしておる決議でございますから、したがいまして、その自粛の措置、解消の段階というものは、これには緩急がございましょう。半年でやるもの、一年でやるもの、一年半でやるもの等がいろいろございましょうけれども、こういうような自粛の決議は金融を業とするすべてのものを対象にすべきものであるということについて、十分この思想統一をはかっておいていただきたいと思うのでございます。  なお、政府関係金融機関といたしまして商工中金、不動産銀行等がございますが、これまた貸し出しにあたって同様の歩積み、両建てを行なっておりますし、これまた歴然たる事項でございます。民間金融機関に対してこういうような強硬措置をとられるにあたりましては、すべからく政策機関あるいはまた政府関係機関、これがまず率先してみずからのえりを正さなければならぬことは当然な事項でございます。政府におかれてこれらの諸機関に対しても厳重なる措置をとられますことを強く要望いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

山中貞則自由民主党

○山中委員長 これにて討論は結局いたしました。  おはかりいたします。  大久保武雄君提出の動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、大久保武雄君提出の動議のごとく決議するに決しました。  なお、本決議は内閣総理大臣、大蔵大臣、通産大臣及び公正取引委員会委員長あて参考送付いたしますから、御了承願います。  ただいまの決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。田中大蔵大臣。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 不当な歩積み、両建て預金の規制につきましては、ただいまの決議の趣旨を尊重いたしまして金融機関に対する指導をさらに強化し、その整理の徹底につき万遺憾なきを期してまいりたいと存じます。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 不当な歩積み、両建ての規制に関する御決議の点は、御趣旨に沿いまして公正取引委員会としてもこの不当な歩積み、両建ての根絶を期するようこの上とも努力してまいりたいと思います。  なお、討議の過程におきましていろいろ御意見、御批判のありました点につきましては、公正取引委員会といたしましても十分反省いたしまして、今後においてはそうしたいろいろな御批判を受けないように十分その職責を果たしてまいりたいと思います。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 証券取引に関する件、専売事業に関する件及び税制に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 このたび証券局が発足をいたしまして、かねていろいろとこれまで証券業について問題のありました点については、大蔵省側におきましても根本的な検討を加えて新たな出発をされることだと考えております。  そこで、実は過ぐる委員会におきまして私が、免許制、免許基準の問題等について大臣と論議をいたしまして、その問題は大蔵省側として検討を進められることになっておるわけでございますが、これに関してきょうはちょっと一つだけお伺いをしておきたい問題がございます。  最初に事務当局にお伺いをいたしますが、政令二百十九号、証券業者の登録、資本の額、純財産額及び営業用純資本額等に関する政令の一部を改正する政令というのは何月何日に出されたものでありますか。

松井直行大蔵事務官(証券局長)

○松井政府委員 三十八年六月二十五日でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この政令は三十八年六月二十五日に出されたわけでございますから、ちょうどいまから一年前ばかりの段階でございます。当時は実は証券業者のあり方について、免許制になるということは前提になっていなかったと思うのでありますけれども、当時、この政令二百十九号を出す時点における大蔵省の業者に対する考え方の中に、今日の免許制の問題を考慮して、これを出されたものであるかどうかお伺いをいたします。

松井直行大蔵事務官(証券局長)

○松井政府委員 証券業界の再編成、職能分離等につきましては、終戦後アメリカから輸入しました制度それ自体につきましていろいろ論議がございました。したがって、免許制の問題も論議としてはございましたけれども、当時におきましては依然証取法の登録制のもとにおきます措置としてこれが行なわれたものでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま証券局長の答弁で明らかになりましたように、これは登録という現在の状態を前提として出されたものであることに間違いはございません。  ところでこの政令の内部を少し私検討いたしてみまして、実はきょうは時間があれば少し論議を深めたいのでございますけれども、大臣も参議院に御出席のようで時間が十分ございませんから、詳しい論議は後日に譲るといたしましても、この政令の中には、元引き受けを営業の全部または一部の内容とする会社については、一億円であったものを現在二億円、前号に掲げる会社以外の会社で、特別区の存する区域または大阪市に所在する有価証券市場における売買取引を営業の全部または一部の内容とするものについては、これまで五千万円であったものを一億円、前各号に掲げる会社以外の会社で、名古屋市に所在する有価証券市場における売買取引を営業の全部または一部の内容とするものについては、二千五百万円であったものを五千万円、前各号に掲げる会社以外の会社で、有価証券市場における売買取引を営業の全部または一部の内容とするものについては、千五百万円が三千万円。要するにこの中に書かれておりますことは、アンダーライターは一億を二億円にしよう。なぜ二億円にするかというと、これまで一億円であったものを倍にするのだという。その次に、東京の特別区と大阪にあるものについても一億円にする。なぜするのか。五千万円を倍にする。  実はこの問題の中に私は疑問を持っております。一体アンダーライターの業者の資本金は幾らであるべきなのかという議論があってのことかという点について、ちょっと疑問がある。一億円であったものを二億円にする。アンダーライターの場合もその他の場合も同じであります。それでは証券業者というものが投資家保護に徹するあり方については、東京の特別区と大阪市内におる業者、名古屋の業者、それ以外の地域におる業者というものが、投資家保護という観点については、資本金がこのようなかっこうで、一億円、五千万円、三千万円というようなことでいいのかどうか。これは機械的にこれまでのものを倍にしたということはわかりますけれども、やはりこういう問題が提起をされるときには、その時点における六百余りの業者がこまかく分析をされてその業態、あるいはいろいろだ諸条件を勘案した中で、その中の結論としてこういう問題が提起をされてくるというならば、私は政令のあり方としてまた検討の余地があると思うのでありますが、まことに機械的な資本金の増額にとどまっておるわけであります。何らここには現在の登録業者のいろいろなあり方についての分析、その他のものによってきたところの大蔵省側としての証券業の指導に対する明らかな基準も何もない。何となく少ないよりは多くしたほうがいいじゃないかというような行政指導は、現在われわれが考えておるあるべき証券業者というものを指導していこうという立場から見ると、きわめて不完全なものだといわざるを得ないのであります。  そこで、私が本日特に大臣にお伺いをいたしたいことは、実は先ほども局長が申しましたように、この問題は現在の新たなあるべき証券業者というものを頭に置いて免許問題を具体的にスタートさせるという時点における問題ではなかったわけであります。そういう前になかった時点にあったものが、しかし現実には昭和三十九年の十二月三十一日までに、もし資本金が増額をされなければどういうことが起こるかといえば、証券取引法三十一条によりまして、「資本の額が公益又は投資者保護のため必要且つ適当と認められる金額で政令で定めるものに満たない会社」は、その登録を拒否し、あるいは審問をするということになるわけであります。現存はまだ登録制であります。きわめて強い拘束力を持って実は政令が施行されております。そこで私が伺いたいことは、新たなる免許基準が出されて、いまの六百なら六百の業者はそのあるべき免許の姿にこれからどんどん努力をしていく、自主的に資本金も高めてもらわなければならない部分もあるでしょう。ここにはアンダーライターだけが別ワクにされてディーラー、ブローカーその他のところは何らの分析もされていないというのが資本内容の現状であります。しかし実質的には大蔵省も私も、あるべき業者の姿というものは、現在のようなディーラー、ブローカーごちゃまぜの姿でいいとは考えていないわけでありますから、職能分離が完全とはいかないまでも、できるだけ完全に分離をされるべきものだということは、大臣も私もおそらく考えに異なるところはないと思います。こういうことを考えてまいりますと、そういう職能のあり方と現在の状態、そういう分析がこまかくされた上において、必要な資本金の額が検討されてしかるべき段階にきておるのではないか。私が特に本日申し上げておるのは、免許制の問題をこれから発足させるにあたって、実は資本金をふやしたくないけれども、どうしてもふやさなければならぬということでふやしました。しかしふやしてその後免許にいくときに、しかしあなたのところはどうも免許基準に達しませんからやめてもらいますということになったときに、大蔵省の行政として、大蔵省が昭和三十九年十二月三十一日には古い登録の問題の関連において資本金を一億にふやせと言われましたので、私は一億にふやしました。にもかかわらずその後のあるべき姿に届かないということだけで免許がもらえなかったということになったときには、私は行政の一貫性が失われるのではないかということに危惧を持つわけであります。  そこでこの点に関してひとつ大臣としてこれらの問題を——私は何も資本金を上げろなどというのではないのであります。上げるなら上げるに足る、要するに分析が行なわれ、将来の免許制の基準との展望を含めた再検討が必要なのではないか、こういうふうに判断をするわけでありますが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 証券取引法につきましては、当委員会の御発言もございましたし、また時代の要請もございますので、免許制の方向を確立していま検討中でございます。この内容については未定でございます。また業界の実態等に即して調査もしなければならないし、業界の意向、また世界各国の例、そういうものもありますので、現在作業を進めておるという段階で、全く未確定の内容でございます。そういう状態において現在ことしの十二月までに資本金を引き上げろということは、裏返していえば免許制がきまって日本の証券業者のあるべき姿がこうであって、事実上はそれに遠いから経過措置を何年にとって、どのように上げるということが一番正しい、こういうお考えであろうと思います。私も理論の上ではよくわかりますが、現有十二月末までに資本金を上げろということを言いましたのは、現行の制度、いわゆる免許制度ということを考えない状態においてやったわけでございます。しかもまた対顧客の債務に対する最終担保というような問題、それから保護預かりの残高が非常にふえておるし、取引高もふえておる。こういうことで総体的に見まして現在の証券業者の資本金が小さいというのは、事故が起こり明らかになると非常にそれが痛感せられるわけであります。でありますから、証券業者の資本金というものに対してはもっと上げなければならないということは、免許制のいかんにかかわらず、現在の段階においても上げなければならない状態がございますわけであります。もっと大きくしなければならぬという案もあったわけでありますが、業界の意向もあり、そんなに急に上げても上げられるものではないということで、一応ことしの十二月までに引き上げる額を約倍ということにきめたわけでありますから、私は免許制というものが近い将来にとられるといっても、それができるまで現在の資本金のままでいいという状態ではありませんので、この倍という引き上げ自体でも必ずしもこれでいいんだということではなかったわけでありますが、免許制の問題とは分離をして考えてみましても、これを引き上げるということはやはり実行しなければならないだろというふうに考えておるわけです。もう一歩別な面から申し上げますと、私もこの問題は検討いたしました。業界自体が話がつけばいいんだが、つかない場合これを一体どうしようと考えたのかということであらゆる状態を検討しました。そういうときには資本金の何倍までしかお預かりができないと九取引を制限する、そうすれば一級証券業者、二級証券業者、三級証券業者、いまのちょうど公認会計士というようなものと同じようなものに、どっちかにならなければいかぬ。当時の状態としてはなかなかそれを一挙にきめるわけにはいかぬというわけで、非常に厳重に現状を見ながら、急に制度的に締めるというわけにもいかぬので、現収的には資本金を少なくとも倍程度に上げてお客さんに対する責任というものを果たさなければいかぬということに結論づいたわけでありますから、免許制、新しい証券局ができてから取り組んでおりますものとは別に、最小限この程度上げなければならないのだという考え方で資本金の引き上げということを考えましたので、いまの状態においてもこれを実行してまいりたいということでございます。  それからもう一つ、あなたがいま指摘されたように、今度上げても新しく免許制になったときにまた上げなければそれも失格する、こういう問題が起こったら一体どうするか、全く行き当たりばったりということになるんじゃないかというようなお話だと思いましたが、一つの問題、この免許制がまだ半年も時間がかかるという場合に、その間にまた現行のままで上げるのかということはもうこれでやらない、あとは免許制がきまったらその法体系、いろいろな問題を検討しますから、その時点までは今度のやつを一回上げまして現行の制度のままでもう一ぺん免許制との間に引き上げるというようなことはいたすつもりはないという考え方であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの後段の点はそういう意味ではなくて、実はここでこういう形で資本金を引き上げますと、業者側としては大蔵省の指導のとおりにやりました、こうなりますね。ところが今度は免許基準というものは私はかなり幅があると考えております。これは会員業者で一億に満たないものを一億にするというのは実は一番下のほうの問題なんです。そうすると、その最低の人たちというのは将来的にそういう小さな形で一体いいのかどうかということはあるべき証券業者との関連で問題が出てくる点だと私は見通しておるわけです。そうすると、あなた方がその問題の出ない前に政令でともかく出したのだから無理やりに一億円にならなければだめだとしておいて、今度はあるべき姿との間に差があるためにこの人たちは結局ここまでいけなかったというときに、大蔵省というところは無理やり——そんなことならそのままにしておいてくれて、自分たちで努力して、お前できなかったからそれじゃしかたがないからおやめなさいということになったならいいけれども、無理に一億にさせられたわ、しかし差があり過ぎてどうも免許にもさしてもらえなかったという業者がもしかりに出るとすれば、その人たちの立場というものは全くお気の毒になるのではないか、あるいは行政の一貫性という点についても問題が生ずるのではないかということで、私は問題を一つ出したわけであります。それはしかしごく例外的な問題かもわかりませんが、私がいま前段で触れたように、一体何のために資本金をふやすのか、投資家保護のためでしょうね。投資家保護のために資本金をふやすなら、一体名古屋の業者と大阪の業者が、最低資本金が一億円と五千万円の差があっていいのかどうか。それはあるいは小さな十万くらいの人口の都市の、証券取引所もないような業者というものを考えるならばこれは別ですよ。要するに片や一億、片や五千万円、この問題の中には筋も何にもないのです。そんな単に何となくふえたらいいだろう、何となくふやすには倍くらいがいいだろうというような権威のない政令の出し方に実は問題があるわけです。これまでの証券部というものが、証券業者を完全に把握をして判断をしておるならば、こういうかっこうではなくて、業態のあり方によって保護預かりが幾ら幾ら以上のものは少なくとも幾らにしろとか、そういうことなら説得力がありますけれども、これは率直に言ってそうなっていないのです。東京都の場合でも、特別区ならば一億円、特別区でなかったならどこへいくかといえば三千万円になるのです。よろしいですか、こういうような理論的に何ら根拠のないものを——これが出たときは私は海外に行っておったから知らなかったけれども、こうやってみてその後論議をしたいと思ったけれども、率直に言うと大蔵省はどうもあまり論議をしてほしくないようなことをしょっちゅう言うから私黙ってきた。しかし今日ここにおいては私は黙っておられぬわけですよ。あまりにも説得力がない、科学的でない、客観的に納得ができない。私は何も資本金をふやしなさんなと言っているのじゃないのです。ふやすならふやすふやし方があるだろう、それはやはり現在の業者を分析をして投資家保護のために必要な資本金の額にふやすのが必要であって、裏返して言うならば、いま大臣が、事故が起こるたびに痛感をすると言われたけれども、一体事故と資本金の関係はどうですか。ここで私はいま証券業界があまりよくないから事故の問題についてつまびらかにしません。しないけれども、ともかく事故が一番高額の金額で起こっているのは一体どういうところで起こっているのか、一億円以下の資本金のところにだけ起こっているわけじゃないですよ。よろしいですか、そういう事故の問題は資本金が小さいから払わなかったという問題ではないと私は思う。資本金が小さかったからその会社は事故を起こして投資家に、顧客に迷惑をかけても金を払わないでいいというような行政指導は私はとられていないと思うのです、あなた方が登録をしてまいる業者について。だからそういうことを考えてくるとこれは説得力がないのです。そういうことだけが資本金をふやすという主たる要件にはなっていないわけです。私が申し上げていることは、何も資本金をふやすなということを言っているのではないけれども、この政令の姿というものはいかにも説得力がないし、こういうようなことで証券業の指導を新しく証券局が発足した今日においてやるということは、私は証券局の権威に関する問題だと思います。どうでしょうか。そこで私はまずこの再検討をしてもらいたい。内容については皆さんが、ひとつ新たな証券局のスタッフが十分検討されて、大臣とも協議されてけっこうですが、まず再検討だけはしてもらわなければ私は納得しません。こんなアンダーライタ一二億でその他一億でいいなんて、これも一億の差ではたしてアンダーライターの資本金がいいのかどうか率直に言って大きな疑問があります。ですからその点については再検討をするということだけひとつ大臣にお答えをいただけば、これで私は終わります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 再検討しないということではございませんが、再検討してもこれだけ変えるという気はないのです。これはどういうことか率直に申し上げますと、二千八年の六月でございますが、私もこの資本金引き上げの政令をきめるときにみずから事務当局を呼んで十分検討した結果きめたことなのです。これは当時本委員会でもいろいろ証券の問題が問題になりまして、そのときにはまだ事務当局は、率直に申し上げて免許制ということはむずかしいですと言って、私自身が、これからの開放体制に対して免許制にしなければいかぬ、これは信用組合がだんだん今日のように大きくなってくる過程において整備をされてきた、それから信用金庫も相互銀行もやはりその歴史を持ち過程を持って今日のように整備をされてきておるのであって、これから金融と証券というものは大きな二大柱にならなければならぬというときにこういう状態ではいかぬ。ですから、いろいろの理屈はあっても免許制に踏み切らざるを得ないのだ、こう言ったのですが、当時事務事局は長いこと検討しましたが、なかなかそんなことを言われてもたいへんです、私にそういうことを言ってもらっちゃ困ります、こういうことだったのです事実は。ところが私は、この委員会で皆さんの御発言に対して、あの当時の状況と将来を考えるときに、行政の責任者の立場から考えると免許制にせざるを得ないと思いますと免許制の方向を私はみずからの責任ではっきりしたわけです。要するに免許制をやるならば、次の国会に出せるか、こういうのですから、それはなかなかむずかしいかもわかりませんが、正面から取り組まざるを得ないでしょう。こういうことが証券局設置の根本的な問題になったわけです。ところが免許制ということが非常にむずかしいという状態から、免許制をやりますと、こう言ってみても、いますぐ片づく問題じゃない。現状を見ますときにどうするか、これは最低少なくとも上げなければならぬ。私はこの倍くらいの案を出したわけです。少なくとも五億円とか十億円とか、何年間かかってもいいからという考え方を出したのですが、現在の法制下において、いままでのしきたりからいうと、審議会の意見も聞いたり、また業界の意見を十分聞いておるのですし、実情に合わせなければなりませんので、なかなか大臣の言うようには急速に参りません、こういうことでありましたから、業界にずっと当たらして、最低限現在のままで国民に対処して責任を持てるというような状態は一体どうかといって出たのがこれなんです。  ですから、あなたの言うとおり理論もないじゃないか、これはどうもはっきりせぬ——私も事実はっきりしないと思っているのです。そうですか、あの当時から現在まで考えますと、実情を十分考えて、一つ一つの状態を十分見まして、業界の意見を聞いたときに、そんなに大臣が言われるように一挙に三年間、二年間といっても、なかなかそうはいきません、ですからもう少し下げてもらえませんか、前向きの体制をとっておる証券業者、われわれ自体がのみ得るものでひとつ今日かんべんしてもらいたいということで、業界の意見を十分聞いてここに落ちついたわけです。ですから事実に多少ウェートをかけ過ぎたということは言い得ると思います。ですが一時その後私のところへも、今度免許制というような方向を打ち出したならば、急にこれは上げないで待ってくれないかというような陳情もあります。与党の代議士の諸君からもございますが、それはそういうのじゃなくて、われわれの責任で十分やりますから、大臣の言うような高いものではなく、これでひとつやらしてください、こういうことで官民一体になってつくった政令でありますから、当時の事態、現在の事態から考えますと、これをもう一ぺん再検討して時期を延ばすというのじゃなくて、これは最低の条件として出したものであります。ですから、せっかく堀さんの御意見ですから、私も検討いたします、こう言ってしまいたいのでございますが、しかしどうもその場だけの話ではなく、われわれとしてはほんとうに最低の条件ということで出したのでございますので、どうぞひとつそういう意味でこの政令はこのままやらしていただいて、そうしてあなたがいま言われたように、もしそれを引き上げさしておって、次の通常国会をめどにして考えておる証券業法の免許制をやったときに、それが落ちるというときには、また実情に合うように経過措置を何年にするか、こういうことになると思います。これはほんとうに最低の条件をきめたのでありますので、検討はしても、変えるという結論がなかなか出てこない、こういうことでひとつ御了解いただければ幸いだと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私はいまのあなたの答弁を伺いながら、まさに事務当局の答弁とちっとも変わらないと思うのですね。そこには政治がないですよ。政治というのは何かというと、その段階に応じて最も的確な判断をするということが政治だと思うのですね。行政当局は事務的な処理ですからこういう結果が起こるのですよ。最低倍にしたい、ふやしたいということは、私は否定していませんよ。私は何も証券業者の肩を持って言っているわけじゃないのです。要するに新しく証券業というものをつくりたいという意思から言っておるわけです。その段階に支障のあるようなことはしてもらいたくないということを私はこの際言っておるわけであります。資本金ふやすのは当然なんです。ふやすのは当然だけれども、みそもくそもふやしなさいというようなことがいま必要かどうか、こういうことを私は言いたいわけですね。新たな段階なんじゃないですか。  あなたはこの前内閣委員会で私に、証券局が設置をされましたならば、こうもやります、ああもやりますと大いに抱負を述べましたが、新たな段階がきたのです。新たな段階でいま私が述べたことは、この当委員会でお間きになっておる方も、説得力はないという点について同感だと思います。ただ機械的に五千万円を一億円にした。土台のほうに間違いがあるものを、その間違いを点検することなく倍にしておるということは、倍にしたこと自体にやはり間違いがあるのです。ですから、名古屋の取引所の証券業者は五千万円の資本金なら安心していいのかどうか、大阪は一億ならいいのかどうか、こんなことは一これは説得力が何もないのです。そうじゃないのです。取引の実態の姿が保護預かりの実態の姿とその関連において、あるいは自分の持っておる有価証券を一体業者がどれだけ手持ちがあるかどうかということの関連においてこの問題が出ておるので、単なる資本金だけの問題じゃなくて、これは財務諸比率を含めて証券業のあり方の問題から答えが出てこなければならないものを、こういうかっこうで出しておるということは、私はいまの証券局が新たな発足をした段階で、これを再検討するというのは私は当然のことだと思うのです。だから私が特に大臣の非常に貴重な時間をここでお願いしておるのは、まさにあなたの政治家としての判断を求めておる。政治家の判断というのは、やはり説得力のないもの、合理的でないものについて新たな段階で新たな処置をすることです。その判断がなければ事務当局だけでやればいいのですよ。どうですか。  私はこまかいことを言おうと思いません。思いませんけれども、ともかく再検討してもらわなければ、私は承知しないですよ。こんなばかげたことを証券局が新たなかっこうでやっておるというようなことは、大蔵省の証券局なんというものは信頼するに値しない行政部門に私は転落すると思う。そういうことをさせないために私はここで言っておるのですからね。いいですか。大蔵省の今後の証券行政の発足にあたって、やはり証券業者もなるほどと納得して、やはり大蔵省が示す新しい基準に向かってはあらゆる努力をしてやりましょうという意欲を起こさせるためにも、私はこのようなさまつなる事務的な処理を強行する段階ではない。新たな証券局の発足にあたって、どうしても私は大臣がこの問題については再検討していただくということをお答えになっていただけない限り、私はめったに時間を延ばさないのだけれども、きょうはちょっとそうはいかない。政治的な回答をお願いいたします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 これはひとつ十分こちらの立場も御理解いただいて御了解いただきたいと思いますのは、証券局も確かに新しくできました。初代証券局長もできました。これは新しい開放経済体制に対しまして、資本問題とまっこうから取り組もう、こういう考え方でございます。でありますから、少なくとも証券取引法の改正も考えてます。しかも免許制という方向は打ち出しております。そういう歴史的に非常に有意義なときでございますから、いままでやっていたものくらい再検討してストップしてもいいではないか、こういうことでございますが、理論の上ではあなたの考え方はわかります。わかりますが、先ほど申し上げましたとおり去年の、八、九月、十二月ころまでは、まだまだ免許制には事務当局非常に困難さを感じておりましたが、だんだんこのころになってその事務当局も免許制をやらざるを得ない、われわれもひとつまっこうから取り組みます、証券局の初仕事として当然やらなければならないということで、いま鋭意作業をやっておるわけであります。でありますが、これがまたすぐ片づく問題ではないのです。この間も通常国会に提案できるか、しなさい、こういうお話がございましたが、とにかく私も全精力をあげて努力をいたします、こういうことであります。それまですべてのものをストップして待っていられるかといろ問題もありますが、先ほど申し上げましたように、この十二月までに資本金を上げろということは、基準とかその他何もないわけではございません。実情に即して大体相手の話を聞きながらやったのですが、少なくとも表面的に理論的に、名古屋が大阪の半分というものの差はどうなんだ、こう言われれば——名古屋をなぜ一億にしなかった、こういう御意見もございますから、そういう意味ではこれは非常にむずかしい問題はございますけれども、先ほど申し上げたように、もろ実情を見まするときに、最低の条件として出したものでありますので、これを実行いたしましても、新しい免許制度をやる場合の障害にならないという幅できめた政令でございますので……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そんなことは、去年の六月に新しい基準に何も関係のないときにきめたものだから、いまのあなたのような答弁にならない。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 新しい基準は、私が当時からも言いましたように、私はこれを出すころから無免許論者でありましたから、私は私なりにちゃんとした目標と実情判定をちゃんとしておったわけです。そういう意味でいろいろ御議論もございましょうが、やはり理想的なものができるまでいまよりも一歩でも前進するものも、ストップしたほうがいいじゃないかと言うのじゃなくて、証券業者として投資家に対して最低の条件を満たそうということで政令案を出したのでございますから、これ免許制という抜本的な問題とは相反しない、その合理性の中の何分の一、何十分の一かのものだ、こういうふうにひとつ御理解いただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 時間がないからやめます。やめますけれども、私納得しません。やはり私は大蔵省の行政は筋が通っていなければならないと思う。私はここで五年間やってきているのは、大蔵省の行政は筋を通してもらいたいということを常に要求して今日にきている。率直に言ってこんなに筋が通らない政令なんというのは幾らもないわけです。だからこれ以上大臣に答弁を求めませんが、私の考えは絶対今後あらゆる機会を通じて当委員会でやらしてもらいます、まだ半年ほどありますから。これまでにまだ資本金がふえたものはないわけです。私は一たんこうと思い込んだ以上、これは筋が間違っていると言われれば私はいつでもおりますが、私はいまの限りでは私の筋が間違っているとは思わない。だからこれは絶対に取り下げません。十二月まで機会のあるたびに当委員会でこれを取り上げていただくことを委員長にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 先けどの堀君の質問に対し、非課税医療法人の問題で明確でない点がございましたので、厚生省の保険局松尾医療課長が参りました。答弁を補足させます。

松尾正雄厚生技官(保険局医療課長)

○松尾説明員 御報告を申し上げます。  先般当委員会におきまして、病院の入院料の差額に関する実態を調査をせよという御指示がありました。鋭意作業を進めまして、ただいま印刷にかかっておりますので、おそくとも明日の午前中までにはお手元に届くようにしたいと思います。  時間の関係もありますから、簡単に要点だけを申し上げますと、全国の六千三百十三の病院を対象にいたしまして調査を進めました。現在までに四千四百五十二病院が把握されました。大体全体の七一%程度でございます。この中で国立関係あるいは公立関係につきましては、ほぼ一〇〇%実績がつかめました。ただし個人関係あるいは医療法人関係につきまして、まだ完全には調査が行き届いてはおりませんで、ほぼ半分程度をやや越す調査の実情でございます。そういうような状態から、一応集計をいたしまして御報告申し上げるということを御了解いただきたいと思います。  四千四百五十二の病院が調査されたわけでございますが、その中で差額徴収を病院として行なっておるというのが千九百八十四病院でございます。全体の病院の数にいたしまして、四四%程度になるわけでございます。これは先ほども申し上げましたように、国立関係はすべて集まっておりますが、個人あるいは医療法人関係の調査率がまだ少ないのであります。その経営主体別の比較をいたしますには、ほんとうは全部集まらなければ正確なことは申し上げられませんが、かりにほかのところも全部出たと推定をいたしましても、最低のものは国立機関であり、それからその他の公的機関というものの比率が非常に高いように見受けられます。こういう実態になっております。全病床数が六十万九千七百五十二ベットでございますが、この中で差額徴収の行なわれるベット数というのは八万四千七百七十四・六ベットでございます。そういう状態でございまして、五十三万五千ベッドというものは差額徴収が行なわれていないという実態であります。なお詳細は一人部屋、二人部屋、三人部屋というふうに分けてございます。また大体どの程度のものであろうかという徴収額も一応クラス別に分類をいたしました。大体百円以下のところが三分の一でございます。はなはだしく高いところは、五千円以上というものもごくわずかの〇・二%程度でございますが含まれておる、こういう段階でございます。これは逐次階級別にお示しができると思います。全体のワクの中で、先般も御指摘がございましたように、かなりたくさんのべットが差額徴収をしておるという御指摘があったと思いますが、大体五〇%以上のベットが差額徴収をしておられる病院を特別に抜き出しまして集計をいたしました。大体三百九十二病院というものが、その病院のベットの半分以上が何らかの差額徴収を行なっているということで、これも経営主体的に一応分類をいたしましてお手元に届けるようにいたします。  また理由別にいたしましてもこれは非常に千差万別でありまして、とうてい一覧表で集計をするということにまいらぬ複雑な構成でありますが、その中でおもな理由として、たとえば個室あるいは特別の設備がついている、あるいは非常に静かであるというような条件、要件というものをそれぞれ抽出いたしまして、それが幾つか組み合わされた形で実際には行なれておるということを明らかにしたいということでまとめておるわけであります。御了解願いたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 本日は時間もありませんから、詳しい論議は後日引き続き行なわさせていただきたいと思います。ただ私どもは、実は調査をしていただくのが目的ではなくて、その調査の実態をもとにしてこういう望ましくない医療の状態を改善するということが主体でありますし、それについては、やはり厚生省としては単に医務局にとどまらず、差額徴収のベッドのあり方というものが特に公的なものに相当に多いといういまのお話ですが、これは非常に重要な問題だと思うのです。やはり国民の医療のあり方というものが、皆保険になり、いまの制度になってきた中で、これは取り残されておる暗い部分の一つだと私は思う。やはりこれを正さなければ、ほんとうの意味の社会保険の医療というものが国民に公平に平等に行なわれるということにならないと思いますので、これらについては資料をいただきまして十分検討いたしまして、後日ひとつあらためて論議の機会を持たしていただきたいということを要望いたしまして、終わります。

山中貞則自由民主党

○山中委員長 本問題は今後も当委員会において、実態の把握並びにその実態論に立っての税制上の検討を進めることにいたします。  なお当問題が提起されましたのは、社会労働委員会との合同審査の席上でありましたので、本日の報告されました事項について、社会労働委員会のほうへ委員長より通告をしたいと考えます。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  本会期中に付託になりました請願は三百四十四件でありまして、その取り扱いにつきましては先刻理事会において協議いたしたのでありますが、この際、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  おはかりいたします。  本日の請願日程中、日程第一ないし第七、第九、第二四ないし第二六、第二九ないし第三一、第三五ないし第三七、第四〇ないし第四二、第四九、第五〇、第五二、第六五ないし第六八、第七〇ないし第七二、第七六ないし第八〇、第八四ないし第八九、第九三、第一四七、第一五九ないし第一六四、第一七〇ないし第一八二、第一九八ないし第二〇四、第二一四、第二一七ないし第二五一、第二五三、第二五四、第二五六ないし第二五八、第二六二ないし第二六四、第二七四、第二七七、第二七八、第二八二、第三〇二、第三〇三、第三〇八及び第三一二ないし第三一四の各請願につきましては、おおむねその趣旨が妥当と思われますので、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと序じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 なお、本会期中、参考送付されました陳情書は五十二件でありまして、印刷して配付しておきましたから御了承ください。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。安宅常彦外九名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、有馬輝武君外十二名提出の酒税法の一部を改正する法律案、製造ただこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案及び入場税法の一部を改正する法律案並びに国の会計に関する件、税制に関する件、関税に関する件、金融に関する件、証券取引に関する件、外国為替に関する件、国有財産に関する件、専売事業に関する件、印刷事業に関する件及び造幣事業に関する件の各件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、申し出の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 引き続きおはかりいたします。  本院本会議において閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中国政に関する調査を行なうため設置いたしておりました税制及び税の執行に関する小委員会並びに金融及び証券に関する小委員会の両小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。  なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になりました場合、委員を各地に派遣し、その実情を調査するため、議長に対し、委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

山中貞則自由民主党

○山中委員長 参考人出席要求の件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になりました場合、税制に関する件について来たる七月三日参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山中貞則自由民主党

○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十二分散会

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