石炭対策特別委員会 第25号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/09/10
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 参考人の出頭要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、石炭対策に関する件については、今後いろいろの問題で参考人の出頭を求め意見を聴取いたさなければならない場合が多いことと存じますので、この際、閉会中の参考人の出頭要求につきましては、その人選、出頭日時等をあらかじめ委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————◇—————
○中村委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。 鉱害問題について質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
○井手委員 鉱害に関して一、二点要望をかねて特に関係当局の積極的な対策を促したいと思います。 第一点は、炭鉱の閉山について経営者の態度にはなはだ遺憾な点がありますので、石炭局長並びに合理化事業団のほうに格段の指導をいただきたいと思います。 それは、従来鉱害水道並びに炭住の水道は炭鉱が維持管理いたしておりましたのを、閉山買い上げに伴って坑口を閉鎖することになるのでありますが、その際地元の対策に非常な苦労があるにもかかわらず、往々にして、いな多くの炭鉱が、地元市町村に対して突如坑口を閉鎖するという通告をいたします。本来なら炭鉱と地元はお互い助け合わねばならぬ問題であって、長い間地元にお世話になっておった炭鉱が閉山をするという場合には、当然市町村関係者にあいさつするのが私は人の道だと考えております。ところが、そういう閉山に対するあいさつと申しますか、善後策についての相談があまりあっておりません。たまには、中にはあるところもあるでありましょうけれども、ほとんどないのであります。うわさを聞いて市町村が心配して炭鉱に出向いていくというのが普通でありまして、あとに莫大な鉱害なりあるいは離職者の問題、たくさんの問題がありますから、当然炭鉱が出向いて地元市町村なり関係方面にその善後策を相談するのが、私は普通だと思う。それがほとんどない上に、突如として水源をとめるというような通告をすることは、私ははなはだ遺憾千万と考えます。この例は福岡、佐賀、長崎各地にあるのであります。全国にあるはずでありまして、最近も私の関係する二、三の炭鉱で、鉱害水道に対して何ら手当てをなさずに打ち切ってしまった、あるいは市町村に、あの干ばつのさなか、水源である坑内水の坑口閉鎖を通告したという事実があるのでありまして、私はこういう経営者の態度を非常に遺憾に存じております。そういう問題についてとういうふうにいままで指導なさっておるのか。私は、その措置がなされずして買い上げがなされるということはあり得ないと考えております。過去の問題は私追及しようとは考えておりませんが、今後はその点について万全の指導をやってもらいたい。この点を強く合理化事業団並びに石炭局長に要望いたしておくところであります。その点、第一にお伺いいたします。
○井上説明員 ただいま井手先生から、炭鉱を閉山するに際しまして、地元の市町村等関係者に十分の事前の連絡もなしに突如閉山をするというような例が多いために、地元の市町村ほか関係者に御迷惑をかけているというようなお話でございますが、私もお説のように、そういった事例を今日までしばしば聞いておるわけでございまして、これに対しましては、私どもとしまして、行政指導としましては、井手さん御承知のように、閉山につきましては政府としましてできるだけ計画的に段階的にやっていこうというような考え方を持っておるわけでございまして、閉山計画につきましては、年々石炭鉱業審議会にはかりまして、地域別に、炭田別にできるだけ計画的にやるようにというような指導をいたしておるわけでございます。それを通じまして、できるだけ関係の地元市町村等にもあらかじめ御理解をいただくというふうに考えておるわけでございます。しかしここ一、二年の実態を見ますと、やはり炭鉱の経営が、経営者自身としましては非常に何とか経営を持続したいという熱意はありながらも、どうしても会社経理その他の事情から、あるいは山の事情等からやむなく終閉山せざるを得ないというような事例が、最近非常にふえてきております。特に中小炭鉱につきましては、なかなか政府の計画どおりに行なわれていない事実もあるわけでございますので、したがいまして、先生御指摘のような点が相当あるということは私も認めておるわけでございます。これに対しまして、今後の方策としましては、できるだけ計画的に閉山していくという従来確認しました路線はできるだけ守らせるように、私は指導してまいりたいというふうに考えております。それによりまして、突如閉山というような姿のできるだけないような行政指導をいたしていきたいというふうに考えております。 なお、お尋ねの水道管理の問題でございますが、これは従来の通例といたしましては、炭鉱が閉山いたしました場合に、従来炭鉱が維持管理をいたしておりましたその水道は、普通の例では、市町村に引き継がれるというような場合が多いわけでございますが、その際、その施設を改良更新するというような必要があるわけでございまして、そういった場合には、国といたしましては、市町村に対して補助するというようなことも必要になろうかと思いまして、今後の対策としましては、私ども前向きにそういった施策を強化してまいりたいというふうに考えております。
○井手委員 私が石炭局長に求めておりますのは、炭鉱経営者の心がまえでございます。閉山の時期なり計画的閉山なり、あるいは経営の内容ではないのでありまして、炭鉱も地元もそれぞれお互いに助け合ったものでありますが、しかし閉山になりますと、炭鉱側が地元にお世話になる番であります。お世話にならなければならぬ炭鉱の経営者が、閉山にあたって地元市町村なり関係方面に対する折衝に誠意を欠いておるという問題がある。 〔委員長退席、有田委員長代理着席〕 実はいつごろ閉山したい、買い上げはいつごろになる見込みだから水道はどうしましょうとか、離職者はどうしましょうということを進んで相談を持ちかけるのが順序ではないか。幾ら市町村から心配して相談に行っても、そのうちそのうちと言って先に延ばす傾向が非常に多いのであります。なるべく買い上げ代金を有利に処分したいという気持ちが経営者にあることは、私どもわからぬわけではありません。けれども私が特にあなたに頼んでおるのは、経営者の心がまえです。いつまででも、おれは経営者であって、何もあなた方にお世話になるものではない、おれはおれのほうでかってにやるのだ、そういうお殿様的な考え方を、この際改めてもらいたい、そういう指導を厳重にやってもらいたいという意味です。坑口を閉鎖しなくては買い上げができないことは、私は承知しております。しかし干ばつのときに、坑内水を水源としておるものなどについては、十分炭鉱の経営者は考えなくちゃならぬ問題だと私は思う。あとは野となれ山となれ、市町村で何とかするだろう、おれはおれの都合でやめるのだ、そういう考えであってはならぬのです。その点を私は厳重に経営者に対して警告を発してもらいたいという意味ですから、それだけに対して石炭局長から誠意ある御答弁をいただければそれでけっこうです。
○井上説明員 ただいまの御指摘の点につきましては、そのような事実があります場合には、これははなはだけしからぬ話でございまして、私は事実ないと言っているわけではありません。往々にしましてそういうこともあろうかと思います。そういった場合につきましては、私ども厳重に注意いたしますし、それからさらに今後そういうことのないように、経営者に対しまして通産省といたしましても厳重に警告いたしたいというふうに考えております。
○井手委員 それでは第二点についてお伺いいたします。 鉱害が非常にふえてまいったことはこの委員会で何回も指摘されたとおりであります。前回石炭局の鉱害課で調査しました三百五億円という残存鉱害量については、これは非常に過小に見積もられた炭鉱側の二、三年前の資料を基礎にした数字であると考えておりまして、実際は八百億円から一千億円の残存鉱害があると私どもは考えております。また、無資力炭鉱も非常にふえてまいりました。その無資力炭鉱の鉱害復旧をはじめ、そういったものは閉山の年を含めて大体五年以内に復旧するというのが、今日までの通産省の言明でございました。約束でございました。この鉱害復旧をめぐって、通産省と農林省の間に連絡が十分であったかについて私は若干疑問を持っております。これは過去のものについては問いませんが、膨大な鉱害の復旧をやる場合にはよほど緊密にやらなくてはならぬのであります。通産局と農政局の連絡、こういつたことについては、ひとつ格段の連絡提携について新たなくふうをしてもらいたい、これは要望であります。 それからまた、これは石炭局長に頼んでおきたいのですが、鉱害復旧、農地の復旧をする場合には、当然家屋を先行させなくてはならぬのです。同時にまた河川、道路の復旧を並行してやらねばならぬのでありますが、その各方面との連絡をまた欠いておるところがありはしないか。特に従来、各県の土木部との連絡が不十分ではなかったのか。閉山炭鉱に対して無関心ではなかったのかという私は心配を持っておるのでありますから、翌年度の鉱害復旧の計画をなすにもたっては、現地においても中央においても十分な連絡をしていただきたい。その責任者の会合を持ってもらいたいということ。特にあとで申し上げますけれども、復旧量が非常に増大してまいりますから、飛躍的な増大になってまいりますから、従来の連絡程度ではとても追いつくことではないと思います。その内部については、役所間の内部の問題ですから多くは申し上げません。そのことについて十全の対策を強く要望いたしておきます。 それから、その問題に関連いたしまして、この無資力炭鉱の鉱害復旧をすみやかに完成させなくてはならぬのであります。たとえば、この委員会でも再々議題になりました私のところの小城炭鉱などは、いまの査定では三百四十町歩、五百七十戸の復旧に十六億以上と推定されておりますが、完成時までにはおそらく二十億円に達するであろうと見られております。そうなってまいりますと、お約束どおりになれば一炭鉱だけで一カ年の間に五、六億の復旧が必要であります。それから他の無資力炭鉱あるいは臨鉱などを加えますと、一年の復旧総額は六十億円くらいではとても足らぬのではないか。それから、これも私のほうの地元の問題ですが、ため池と水路の復旧に九百七十万円を予定しておったのが、農林事務所の現地設計、最終設計では二千五百万円かかることになりました。そういう例はどこにもあるのです。ところが、これを消化するところの鉱害復旧事業団にそれだけの能力があるかと言えば、これはほとんどないのです。現在の鉱害復旧量を消化するだけでも精一ぱいです。私は、現在どのくらいの能力で、その実績がどうかについてはここでは申し上げませんが、いままでの鉱害復旧の実績を見てまいりましても、随所に手直しが起こっております。工事会社の監督もほとんどできない。言っていいかどうかわかりませんが、あるところでは、危険物であるガラスやびんの割れたものなどたくさんの量を鉱害地に持ち込んで二、三町歩だめにしたということもある。それは人手が足りなかったためであろう、こういうふうに私は善意に解釈しております。たとえ中央で四十二年度までに鉱害復旧をお約束なさっても、農政局や鉱害復旧事業団のいまの能力では、九州管内において年間四十億五十億ということではとてもむずかしい。せいぜい十数億ではないかと言われております。聞くところによりますと、九州の鉱害復旧事業団の技術陣は四十七名だそうでありまして、いまのところ予定された鉱害復旧を消化するには、最低百名は要るそうです。それも一人当たり、普通の場合は七、八百万円の工事量だそうですか、それを一千二百万くらいに引き上げてもなお五十数名不足する。一番問題は技術陣の不足であります。そうかといって、鉱害復旧が今後十年も二十年も同じ復旧量でいくのかというと、なかなかそう簡単にいかないのであります。新規に雇うとしても、そういう技術者は簡単に手に入るわけのものでもございません。そうなりますと、ここにやはり一大英断をふるって、農林省なりその他の関係機関から出向の方式か何かによって技術陣を強化しなくてはならぬというきわめて緊要な問題が起こってまいりますが、これに対して石炭局なり農地局においてはどういう対策を持っておられるのか。いま各方面における一番の鉱害復旧に対する要望の焦点は、すみやかに鉱害を復旧してもらうため技術陣を強化してもらいたいという一点に集まっておるようでございまして、もし鉱害復旧事業団にして技術陣の定員がふえないということであれば、いかに私どもがここで論議しても実際の消化はむずかしい。端的に申しますと、農政局の人なりあるいは復旧事業団の人が、どんなに中央でお話し合いなさっても、せいぜい、一炭鉱の消化量は四千万円か五千万円ですよ、どんな話し合いも結果においては役に立ちませんよということを言っておられるそうです。私は正直なことばと思うのです。この事態に対してどういうふうに両省ではお考えになっておるのか、その点のひとつ責任ある御答弁をいただいておきたい。
○井上説明員 ただいま井手先生からいろいろ御意見があったのですが、最初に特に農地復旧等に関連いたしまして、通産省と農林省との連絡が十分でないのではないかというような御指摘もありました。このおことば、私単に通産省、農林省の関係だけでなしに、御承知のように鉱害復旧に関連いたしましては、他の関係各省もあるわけでありますから、それらを含めまして、今後私ども通産省といたしましては、農林省はもとよりでございますが、鉱害復旧に関係のあります関係各省とは緊密な連絡体制をとりまして、そのことによって鉱害被害者に御迷惑がかからないような体制をつくってまいりたいというふうに考えております。それからなお、関係中央官庁だけでなくて、各県との連絡調整のお話も出ましたが、この点もまことに御意見ごもっともだと思いますし、特に工事の施行ということになりますと、地元の各県あるいは市町村との関係が非常に密接なわけでありますので、こういった点につきましては、水も漏らさない体制が必要でありますので、こういった点についても十分連絡体制を強化してまいりたい。 いま私、一つの思いつきでございますが、要すれば中央諸官庁相互間の連絡、あるいは実際工事の施行面を担当します各県、各市町村あるいは鉱害復旧事業団あるいは合理化事業団、通産局の鉱害部というような出先におきます関係者の連絡協議体制というようなことも、この際気持ちを新たにしまして、ひとつ強化する方策をあわせて考えてまいりたいというふうに考えております。 それから最後に、鉱害処理能力の問題について御指摘があったわけでございますが、この点につきましては私どももお説のように、現在の鉱害復旧事業団の技術陣の強化につきましては、従来からそのように私どもも認識いたしておりますので、この強化拡充につきましては十分努力してまいりたいというふうに考えております。
○井手委員 最後の技術陣の強化なりあるいは予算の確保について、これは石炭対策の重要な面でございますし、今回の有沢調査団の目的の大きな一つでもあります。定員をふやさないという閣議決定も承っておりますが、そういう空気の中にこれを実現するにはよほどの決心と勇気が要るわけでありますから、この点はひとつ大臣のほうにもよくお伝えを願って、再びこういう論議が委員会で起こらないような十分の対策をとってもらいますことを特に要望いたしまして、質問を終わります。
○有田委員長代理 次会は、来たる十月九日午前十一時より理事会、理事会散会後、委員会を開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十一分散会