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46回国会衆議院1964/04/27

石炭対策特別委員会 第16号

発言数
69
登壇者
4
会派数
2
開催日
1964/04/27

会議録

中村寅太自由民主党

○中村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、鉱山保安法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は鉱山保安法の一部を改正する法律案について質問をいたします。  まず、昨年の十一月九日の三池の大災害、期せずして同日に起こりました鶴見の国鉄事故、引き続いて十二月になりますと田川の上尊鉱業の糒炭鉱の爆発事故、最近はまた日炭高松の第二坑の爆発による事故、あるいは常磐炭鉱の事故、こういうふうに炭鉱災害というのが現実に引き続いて起こっておるが、一向これが改善された現象が見当たらない。こういうような労働災害の実情と、また半面交通災害等続発していると言ってもよろしいわけでございますが、こういうように質的にも量的にも災害が増加しておる。一体この理由はどこにあるのか。これは大臣にお尋ねするのが適当と思いますけれども、後ほど見えるそうでありますから、まず鉱山災害、特に炭鉱災害が続発しておる原因は一体どこにあるのか、これをお尋ねいたします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま細谷委員より、炭鉱に関します災害が続発しておる、これはどういうわけであるかという御質問をいただきました。私どもとしても、この労働者の人命の保護ということにつきまして、これは何より基本的かつ重大なことと心得ておりまして、鋭意その防止に努力いたしておるのでございますが、それにもかかわらず、御指摘のごとく、三池災害以来さらに数回にわたり災害を起こしましたことは、まことに残念でもございますし、かつ遺憾にも存ずる次第であります。  三池災害以来、今年に入りまして、特にいろいろな頻発災害あるいは爆発というような事故を防ぎますために、たとえばいろいろな石炭に関します緊急対策を急速実施いたしまして、諸般の事項について整備を急ぎますと同時に、そのつどそれぞれの向きに対しまして警告を発し、あるいは戒告をする、そういうふうな手を次々に打ってまいりますと同時に、今回御審議をお願いしております鉱山保安に関します法令の整備その他自主保安体制の確立というようなことをやりまして、災害の防止を極力はかりますことに努力いたしておるつもりでありますけれども、遺憾ながら、ただいま御指摘のように災害が起こっておりますことはまことに遺憾に存じます。いろいろと自然を相手にしてやっております関係もございまして、なかなか十分に、現在までその目的を完全に果たすということができませんことはまことに遺憾でありますが、今後さらにわれわれといたしましては、保安融資その他の制度を活用いたしまして、設備の整備をはかりまして、さらにいろいろな保安の体制を一つ一つ強化してまいりまして、この災害の防止をはかりたい、かように存じておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私の質問は、そういう災害が続発しているのは原因がどういうところにあるかという質問でございますけれども、的確な答えがございませんので、さらに重ねて質問申し上げますと、金属、非金属鉱山の災害を見ますと、昭和三十年は、稼働延べ百万人当たりの災害率というのが二三一、ところが昭和三十八年は一五一。災害回数を見ますと、五千八百六十七回というのが三千四百六十五回、こういう点で、金属、非金属鉱山の例を見ますと、若干この災害関係が減少しておる傾向が見えるようでありますけれども、石炭鉱山を見ますと、昭和三十年——この三十年という年も相当災害のあった年なんです。この災害のあった年を基準として見てみますと、昭和三十年に鉱山労働者が三十二万おって、災害回数が五万二千三百八十一回、ところが三十八年は、鉱山労働者の数は二十万人と減っておるのですけれども、災害回数は五万二千八百五十一回と逆にふえているのです。そうして、稼働延べ百万人当たりの災害率を見てみますと、災害者数が五七九・五、こういう数字になっておるのですけれども、三十八年は九八〇・七、こういうふうにふえまして、指数は三十年を一〇〇として一六八という数字を示しておるわけなんです。いま申し上げましたように、三十年というのは災害の相当多かった年です。ところで三十年というのは、期せずしてまた石炭合理化法、スクラップ・アンド・ビルトという政策が推進された年なんです。こういう問題から見ますと、おのずから原因が明確ではないか。保安第一だ、生産という大前提は保安だ、こういうふうにせんだっての本会議で、私の質問に対して池田総理も答えましたけれども、実態はそうなっておらぬということが如実に証明されておるのではないか、こう思いますが、もう少し立ち入って、原因はどういうふうに把握しているのか、認識しているのか、これをお尋ねします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま細谷先生御指摘のごとく、三十年におきましては鉱山労働者が三十二万人に対しまして発生回数が五万二千強、三十八年は二十万に対しまして五万二千八百五十一となっておりまして、三十八年が回数におきましてもむしろ微増しておるという実情でありますことは、御指摘のとおりでございます。われわれといたしましては、この三十年以来保安の問題につきましてもいろいろと努力をいたしてまいりまして、実は三十八年に始まります災害五カ年計画におきまして、三十八年が初年度であった関係もありまして、十一月ごろまでは相当減少をしてまいっております。そういうことで運んでおったのでございますが、御承知のごとく、これはまことに遺憾なことでございますが、三池の災害によりましてこの実績が非常に大きく上回るという結果を招きました。この原因が何であるかというお尋ねでございますが、もちろん災害の種別について見ますと、種々の理由によって起こっておりまして、災害の原因そのものから申しますと、最も多いのはやはり落盤事故でございます。鉱床がいろいろと変わります関係もあります。この原因を一言にして申し上げることは私もなかなかむずかしいのでございますが、本年に入りまして、もちろん先ほど御指摘のございましたようにたびたび災害が起こっておりますけれども、先ほど御指摘のございました金属山あるいは非金属山につきまして漸次減少の傾向を見ており、かつ石炭につきましても、これは決してあげつらうわけではございませんけれども、ただいまのところでは今年の災害発生回数は、昨年に比べますと相当漸減をいたしておる傾向にございまして、こういうことを逐次努力をさらに積み重ねてまいりたい、かように存ずるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまのおことばによりますと、昨年は三池があったからいまの私の申し上げた統計数字というものが多くなったかの趣旨のお答えですけれども、そうではないのです。いま私が申し上げた三十八年は三池を含めた数字でございますけれども、三池を含めない災害回数は、一引けばいいのですから、五万二千八百五十回、昭和三十年に比べますとこれも増加しております。それから、稼働延べ百万人当たりの災害率、これを見てみますと、九五七・五四ということでありまして、先ほどの九八〇・七四と比べまして、たいした違いじゃございません、指数としても一六〇くらいになるわけですね。この中で死亡をとってみますと、昭和三十年は七・三〇、三池を除いた数字が七・六九、いずれもふえております。三池を入れますと死亡者は稼働延べ百万人当たり一五・九五、こういう数字になっておるわけですね。いま末尾のほうのおことばの中に三十九年になりますと若干よくなっているということでありますが、三十九年一月二月、この二カ月間における死亡者の数をとってみますと五十一名、昨年の同期、一月二月は九十六名、若干減っております。若干減っておりますけれども、これは大勢として、努力があらわれたのだ、こういう筋合いのものではございません。いまのおことばは、これは皮相的ということばにすら値しないんじゃないかと私は考えますが、重ねてこの点についてお尋ねいたします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま細谷先生の御指摘のごとくに、私、先ほど三池を引き合いに出しましたのはあるいは少しことばが過ぎたかもしれませんが、三十八年におきましては、三池を入れますと一五・九五の死亡率ということに相なっております。なお、三十九年におきまして若干減少したのは努力のあらわれだというふうにお聞き取り願ったとすれば、これは私の若干言い過ぎであるかと思います。もちろんこの災害を、ことに頻発いたします落盤その他の災害を減少させますために努力を重ねておる次第でありますけれども、この数字が、御指摘のごとく、百万人当たり災害率がなかなか下がらないということは仰せのとおりでございますが、この点に関しましては、先ほど来申し上げておりますように、いろいろと保安の設備、体制、ことに頻発災害をいろいろな設備の面からも防止していくということにいたしまして、今後災害を減少させていきたいということをわれわれは念願いたしておる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 きわめて抽象的でお答えには不満です。先ほど申し上げたように、金属、非金属関係の鉱山については若干漸減という傾向が見られるにかかわらず、炭坑災害というものが非常に多くなっている。事故というのが百万人当たりでは一・七倍になっておる。そういうことから全鉱山の災害というものも、全体としては、昭和三十年を基準といたしましてもふえておる。金属、非金属のほうは減っておるにかかわらず、全体としてはふえておるということも如実に統計が証明しております。そういうふうな異常な炭鉱災害の激増、激発ということは、これは三十年からやられた石炭合理化、こういうものに密接な関係があると思うのですが、いかがですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 私どもの感じといたしましては、たとえば合理化によりまして坑内を単純化しあるいは集約化するということ、そのことはむろん保安という観点に背馳するものではないというふうに考えますけれども、その過程におきまして、いろいろ状況の変化に対する順応がおくれたというようなことでありますとか、あるいは機材が非常に大型化してくるというようなことからくる、そういう面の災害が逐次ございますことは、あるいは細谷委員のお説のとおりかもしれぬと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは政府委員としてはなかなか具体的に答弁しにくいかもしれませんけれども、合理化というものが強力に推進されてきた、しかも、いま私は三十年と三十八年の統計を比較して申し上げたわけですけれども、その問の三十一年、三十二年から三十八年までの統計の推移——ただ単に三十年と三十八年を比べたのでなくて、三十二年あるいは三十五年、三十七年こういうものを見てみましても、統計の推移というものが、私が申し上げておることをやはりはっきり証明しておるんではないかと思う。そのことはどういうことかといいますと、やはり炭鉱の合理化ということに基づいて首切りが強行された、労働強化というものが現実に行なわれておる。たとえば坑外夫というのをどしどしと坑内夫に入れていき、坑内夫の中の間接夫、仕繰り夫というものをどんどん第一線の採炭夫にしてしまう、掘りさえすればいいのだ、こういうようなこと。具体的には労働条件の切り下げというものが起こっております。あるいは経費の節減をやって、なるほど切り羽のほうではホーベルとかそういうものを採用して大型化しておりますけれども、設備全体の近代化がアンバランスを来たしておる。部分的な近代化が行なわれて、設備全体としての近代化、それに伴う保安設備というものができておらぬ、こういうようなこと。あるいは労働者、これは自分の生命に関係するのですから、一番切実な問題として保安をとらえておるが、その労働者の保安に対する意欲というものが権利を剥奪されておる、権利がだんだん弱くなってきておる、こういうことから現実にはたとえば保安協議会、こういうような問題が形式的な運営になっておる、実質的な保安対策になっておらぬ、実質的な民主的な運営になっておらぬ、こういうことが決定的な原因であると思うのですが、いかがですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま細谷委員の御質疑では、要するに合理化が行なわれていろいろ設備あるいは坑内のアンバランスが起こっておるのではないか、それから労働者の保安に対する意欲が十分に反映されていないのじゃないか、それが原因ではないか、こういう御質疑でございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ坑内の集約化ということ、それ自体は大きな目で見ますとやはり保安的にむしろ効果があるべきものであるというふうに考えておりますけれども、なおこれに対しましていろいろ保安設備が十分追いついていけますように、実は本年から保安融資という制度を拡張いたしまして、先生のいま御指摘ございました、もし保安施設が不十分である場合には、この保安施設を十分に充実させるという方向に向かって進んでまいりたいというのが、われわれの気持ちでございます。また、今回御審議をお願いいたしております保安法におきまして、監督員の補佐員に労働者の代表を入れるということも、先ほど御指摘のありましたような方向に向かって進んでまいりたいという一つの気持ちを持っておるわけでございます。われわれとしましてはそういうふうな方向に向かって逐次対策を強化いたしますことによりまして、いろいろ災害の起こります原因、具体的には先ほど申し上げましたように、災害の中に、落盤でございますとか、あるいは機材運搬の関係でございますとか、あるいは坑外への運搬であるとか、いろいろございますが、そのそれぞれについての対策を逐次講じていくことによりまして、先ほど来たびたび御指摘をいただいておりますような、百万人当たりの災害率というものをとにかく減少させたいという方向で、現在努力をいたしておる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 努力、決意ですか、努力の目標だけしか言われないのでたいへん残念ですが、大臣がちょうどいらしておりますから、きわめて基本的な問題でございますがお尋ねしたいのです。  炭鉱災害が激発しておる、質的にも量的にも。この原因は石炭合理化による首切りなり労働強化の強行、労働条件の切り下げ、生産のための施設の近代化は行なわれたけれども、それにバランスするような保安対策、保安施設というものが講じられぬ。そういう面における経費の節減というものが、保安地役に対して行なわれてきておる。あるいは労働者の身近な切実な問題というものが、保安委員会等保安のやり方についてやはり反映してなかった。いわゆる生産第一主義であって、この間本会議で大臣も私の質問にお答えしていただいたのですが、保安対策というのが前提なんだ、その上に生産というものが成り立っておるのだというお答えでございますけれども、実態はそうじゃなくて、生産第一主義です。保安軽視、保安無視、こういうところから起こっておるのではないか、それが最大の原因ではないか、直接の原因ではないかと私は考えるわけでありますが、大臣の所見をひとつお尋ねいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 あなたは炭鉱地域に長くおいでになって専門に御研究になっておられるわけでありますから、事情はおわかりのことと思いますが、私はそういう生産第一主義というのがこういう結果を招いておるかどうかということについてはちょっと疑問に思っておるわけであります。それでどういうことかといいますと、いまスクラップ・アンド・ビルドの過渡期であります。そうして石炭産業に対してグルーミーな、あまりいい感じでないといいますか、一般の人がそういうほうへ入っていかない。むしろ逆に人がやめていくというときであります。やめる場合においても、先山がやめた場合とあるいは運搬をしておった人がやめた場合とでは非常に違います。そういうものをいろいろ入れかえながら石炭を掘らなければいけない。いわゆる人の配置転換をしておることが、いままでのように専門でやっておった人のところへそうでない人が出てきたりするというようなことが、かなりいろいろの面に影響をしておるのではないだろうか。これが安定をいたしまして——一応ここ一両年のうちに大体安定しつつあると思っております。安定すればかなり変わってくるのではないか、そういう面での弊害も少なくなるのではないかと思っております。私は、経営者の側からいえば、そういう災害が起きることは決して経営自体にプラスではないと思うのでありまして、そんな災害が起きたことによる被害に対する面ばかりではなくて、その後の経営の上に大きな支障を来たす、信用にも大きな影響がありますから、経営者から見てもそう何でもかんでも、保安はどうでもいいから掘れ、こういう感じは私はないものだと思っております。保安は十分見ながら、しかもできるだけ掘りたい、そう思うでありましょう。  一方、今度は労務者の側から見ても、山がつぶれるというようなことでは困るから、私は経営者と労務者とがいつでもそうけんかしておるものだとは思っておりません。やはり自分の山を愛するという気持ちは労務者の方も、特に長い間やっておられる人は持っておられると思う。そうすると、おやじがそれほど炭が出ないで困っているなら、少しでも掘ってやろうかというような意味でやる労務者も相当おる。また、そういう組合も私はあると思っております。いわゆる労使一体になっているようなところもある。そういうような場合において、少し無理がいくという場合もあり得るわけだと私は思っておるのでありまして、あなたのおっしゃるように、しゃにむに経営者がいわゆる生産第一主義、合理化第一主義で何でもかんでもやらなければいかぬということからきておるのではない。むしろそういうような時代の波による配置転換の事情、あるいはまた経営困難の事情による、やはり出炭をふやしたいという一つの意欲が経営者あるいは労務者両方から出てきておるということは私はうなずけるのでありますが、何でもいいから生産第一で掘りさえすればいいのだというような感触でやっているのではない、そういう面もそれはないとは申し上げませんが、私はむしろいま言った配置転換の問題のほうが、今日のいろいろの問題を起こした一つの理由ではないかと思っております。もちろん三池のような、ああいう大きな災害等はまた別でございますが、ほかのところにおいてはそういうところがかなり響いておるのではないか。いまあなたの言われたような原因と、私が申し上げたような理由とが、大体半々くらいの形で左右しているのではないか、こういうふうに私は思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 おことばをとらえるわけではございませんけれども、経営者が生産を上げなければならぬという意欲を持つことは当然でございます。また労働者も生産を上げようという意欲を時って働いておるということ、これは当然なことです。問題はそういう生産の意欲というものが一切に対して優先してしまう、本来ならば保安というものが土台でなければならぬのに、そういうものが忘れ去られておる、忘れ去ったということばはあるいは少し実情を飛躍しているかもしれませんけれども、少なくとも軽視した、こういうことはいなめない事実だろう。いま大臣のおことばの中に、生産を上げなければならぬ、生産を上げなければならぬ、あるいは職場の転換期でありますからということで、なれない人が入った、たとえば請負を導入した、保安の知識はございません、山の経験がございません、そういうことからやはり災害が生じてくる、こういうことであろうと思う。私の質問に対して半分はそういうことだというので、半分は認めた、なま殺しのような答弁でございますけれども、その点はやはりきちんと認めていただかなければ、保安対策というのはできないと思う。  そこで私が申し上げたいのは、生産が第一主義じゃなくて、やはり保安というものが前提になるのだという基本的な考えは大臣もゆるがないと思うのですけれども、端的に申し上げますと、そういう合理化が強行されておる面を認めながら、監督行政について質的に量的に不備があった、こういうふうに私は考えておるのですが、この点いかがでしょうか、大臣に伺っておきたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、いまの保安の問題について十分力を入れ、また注意をいたさなければならないということについては、かねがね申し上げているとおりでございまして、質的にどうかということになれば、今度もいろいろ法案の改正等において提案をいたしておるような面における質の変更といいますか、質をよくするという意味で努力をいたしておるつもりであります。また量ということになれば、保安を監督する人の数の問題それからその監督員の巡回の度合い、あるいは検査のしかたの数をふやすとか、いろいろあるでありましょうが、こういう面については御案内のように、従来にも増してその度合いを深めておるようなわけでございまして、われわれとしては質、量両面から保安の改善に努力いたしてまいりたいと考えておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 質、量ともに改善というおことばでございますけれども、たとえばせんだって起こった日炭高松の場合でも、事故が起こる二、三日前にはここはあぶないぞというわけで三、四日ストップしたはずです。三池の場合にも、監督官が数回にわたって、ここがあぶないぞという指摘をした、まさしくその場所でやはり爆発が起こっている。きわめて具体的に指摘しております。ところがそれがしり切れトンボになっているわけですね、日炭高松の場合でも、あるいは三池の場合でも。これはやはり監督行政の不備、不徹底を如実に物語っておると私は言わざるを得ないと思うのですが、保安局長、いかがでございますか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま細谷先生からお話のございましたように、監督官はその問題について指摘しておる、おるにもかかわらず、まさにその場所で災害が起こっておることは不備ではないか、こういう御指摘であります。われわれといたしましては、先ほど大臣から申し上げましたように、従来も、特に現地の監督署を昨年増設いたしまして、極力その監督の密度を上げることに努力いたしますと同時に、さらに現在におきましては、ただいま御指摘のございましたような点につきまして、主として事後の追跡検査を極力行なわせるという方向で努力いたしますと同時に、さらに今年は各炭鉱につきまして全般的な保安計画というものをしっかり立てさせて、それを計画そのものとして十分把握すると同時に、その具体的な問題点について極力その検査の焦点を集中していくという方向をとることによりまして、監督の質的な充実をはかりたい、かように存じて、現在その進行の準備を進めておる途上でございます。  いま御指摘のございましたように、すでに起こりました災害について、実際上の指摘をしておって、それが現実に行なわれていないというようなことになることを今後防ぎますために、今年の一月から、具体的には、その施設が現実に直るまではその作業現場をとめるという措置も、従来に増して相当ひんぱんに行なっておることも事実であります。こういうような方法を極力実際に繰り返してまいるということによりまして、日炭高松で災害が起こりましたことはまことに遺憾でございますが、われわれとしましては、そういう現実にその個所を直させるということに重点を置いた監督方針に向かって現在進んでおる次第でございまして、そこが非常に不備だからというお話でございますが、われわれとしては、いま申し上げましたように、まさにその方向に向かって監督のやり方を強めつつあるということをお答えいたしたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 監督のやり方を強めたいということでございますけれども、ごく最近起こりました白炭高松の第二坑の事故では、作業をストップさしておるにかかわらず、ストップをとめて翌々日ですか、事故を起こして八名の人がなくなっている。これは何と言いましてもやはり監督の不徹底です。そういうものが安全になってから作業を再開さしているというけれども、そうなっておりません。私はこの前の委員会でも指摘したのですけれども、監督、検査の行政を強化するのだ、これはおことばはそのとおりでありますけれども、予算を見てみますと、これは合理化によって炭坑が減るから実質的な予算はふえておるのだ、こういうことになるかもしれませんけれども、一坑当たり三十八年度は監督検査の予算は一万九千百円、三十九年度は幾らかといいますと三万九千五百円、人数はそのままであります。一坑当たりの担当の職員はふえているでしょうとおっしゃいますけれども、予算を見てもこの程度、この程度では監督行政の不徹底から、やはり原因が予見されているにかかわらず災害が起こっている、こういう点からいって具体的にやはりその姿勢がこの予算の中においても示されておらぬのじゃないかと私は考えますが、いかがですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいまお話のございましたように、三十九年度におきましては仰せのとおり増員はいたしておりません。それから非常に少ないではないかというお話もあろうかと思いますが、旅費は約六百万円程度しかふえていないことも事実であります。ただこの監督官の問題につきましては、三十六、七年の両年度に連続に六十名の増員をいたしておりまして、この充実をはかり、かっこの監督官が現実に稼働をいたしてまいる。いろいろ訓練期間もございまして、監督官の活動がいよいよこれから動いてくる事情もございますし、あるいはまた、これは申しわけにならぬかもしれませんが、炭坑の数が昨年の千二百坑に対しまして、これは予定でございますが、約半分ぐらいに減ってくるというような事情もございまして、私どもとしては現在の監督官の定員と、それから与えられました予算を最も有効な使い方をしまして、先ほど来申し上げましたような監督のやり方をいろいろと重点的に行なっていくという方向によって、監督の万全を期し得るのではないかというふうに考えておる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大臣にお尋ねしたいのですが、監督の十全を期したいということでありますけれども、私はいま申し上げたように監督官の役割りというものが、危険個所をあらかじめはっきりする、あるいはそういう計画というものが不完全だということをやっていって、最後の九分九厘まで、九分九厘まではいっておりませんが、とにかく半ば目的は達しつつも、しり抜けで事故が起こっているという例を最近よく見かけます。三池の場合もそうです。高松炭鉱の場合もそうです。そういうことからどうしても、これは監督行政の不行き届きというよりも、不備というか不徹底という責めは必然的に起こってくるのではないかと思います。この点についてもいま局長からお答えがございましたけれども、予算の面においても不十分である、あるいは旅費等の面においても不十分であります。私は質的にその不徹底さを排除する適確な具体的な方法は、しかも責任の所在を明らかにするという意味において、たとえば相当大きな炭鉱、あるいはよく災害の起こる可能性のある炭鉱についてはそういう監督官を常駐させる、たとえば一定規模以上の労務者がおるところ、あるいは危険性を持っておる炭鉱等については、監督官を常駐させる、こういう措置をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私はこれは、保安と生産というものは一体であるということからくる一つの大きな、本質的な問題だと思うのです。たとえばあなたのおっしゃるように、そういう監督官を常駐さしたからそれで絶対防げるとは言えないと私は思います。監督官が二六時中切り羽の先へ行っておって、そこでガスが出ないか、あるいは坑内が不備でないかということをいろいろ調べておっても、切り羽が多い場合には、片方で見ているうちに片方が爆発するということも起きるでしょう。だからこれは、絶対ということはなかなかできない。これは地上における作業においてもそうですか、地下における作業においても同じであります。そういう意味からいいますと、むしろ石炭は国営ということにしまして、ちょっとでもそういうことがあったら全部ストップ、こうしたらだいぶ防げるだろうと思うのですが、それでは能率の点が問題になる。下がってくるでありましょう。私は、そこら辺をどう調和するかという問題であろうと思うのであります。大体石炭は、あなたも御承知のように、私企業でございます。そうして、それを監督しておるわけです。われわれから言えば、監督官がそれを指摘するまではわれわれの責任であると思うのです。指摘した後においてどうするかということになりますと、これはまあ指摘して、ひどいときにはやめろと、こういうのももちろんやっております。しかしこれは、あぶないですよという限度か、相当危険ですよという限度か、まあちょっと気をつけなさいという限度か、そこら辺は監督自体がむずかしかろうと思うのであります。でありますから、やることについては私たちもできるだけ努力をいたしてまいりたいと思うのでありますが、いま先生のおっしゃるようなシステムにしたからこれはもうだいじょうぶだというわけにもいかぬのではないかと私は考えるのであります。そこら辺に、この保安のむずかしさがある。実際に地下において仕事をしておるということのむずかしさがある、こう思うのであります。まあそういうわけでありますけれども、先生のおっしゃるように、そういうものを置いたほうがいいかどうかということについては、いわゆる大手の山あたりには常駐させるようにしたらどうかというようなことは、私は必要があるかどうか研究してみることは差しつかえないと考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は災害というものに対しては、絶対安全ということを要求したいと思います。これは現実に絶対ということは不可能なことでございますが、少なくとも保安というのが一切の生産の前提だ、こういう考えに立つならば、よりベターだという方策は、やはり講ずべきではないかと思うのです。大臣がおっしゃいますように、なるほど指摘するということは国の役割りであります。やることは経営者がやらなければなりません。私が申し上げているのは、経営者にこういう点があぶないからということを指摘した。そしてやらせた。その完了が見届けられない。完了しない間に事故が起こる。やらせたつもりでありますけれども、それで解除したところが、翌々日には事故が起こった。こういう点からいって、不徹底のそしりを免れ得ないのではないか、こう私は考えます。こういう点で、絶対を要求しているわけではありませんけれども、監督官の常駐制というものをよりベターな問題として、ひとつ検討して実施すべきではないかと私は考えております。しかし、時間がありませんので、次に移らしていただきます。  私はもう一つの事故の原因、請負夫、保安の知識経験のない人という例を先ほどあげましたが、これはまた後ほど質問することにいたしまして、やはりこの災害が特に石炭の山に起こっておる一つの問題点は、議輪の中心になっております。非常に大きな前進なのだと局長みずからが自負しておりますこの鉱山保安法、端的に言いますと、この保安法の不備からきているのではないか。鉱山保安法という法律はきわめて抽象的であります。一切の問題はすべて規則に譲られておる。三つの規則ができております。石炭関係の規則を見ますと、五百条になんなんとする問題があります。それでこの法律自体は、きわめて抽象的な問題ばかりで、一種のざる法です。私はこういうところに問題があるのではないかと思う。今回その法律改正に向かおうとしているわけですが、その法律の不備、そして一切を規則に譲っておる。規則に譲って、省令だという形でやっておる。そして監督の不徹底が起こっておる。ことばは適切ではありませんけれども、経営者と通産省がアベックで石炭の合理化を推進しているのではないかという批判すらも起こるような事態になっておる。この法律の不備についていかがお考えになっておりますか、お尋ねします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 御指摘のごとく、鉱山保安法それ自身は保安に関します一種の基本法とお考えいただきたいと思います。先生御高承のごとく、鉱山と申しましても、たとえば先ほど来お話のございましたように、石炭もございますし、またメタルもございます。同時に、石灰石というような非金属もございます。また、石油というような鉱種もございます。同時にまた、これらの鉱種それぞれは、いろいろ非常に態様を異にする面を持っております。またそれぞれの鉱種につきましても、御高承のごとくに、三池のような非常に大きな鉱山もございます。また、ほんとうに数名でやっておるというような小さな山もあるわけでございまして、これらのそれぞれの鉱山が具体的に非常に実情を異にしておる。かつ鉱山技術そのものも、先生御高承のように、非常に日進月歩の形で変わってまいります。そういうふうな非常に変化の多い、かつバラエティーに富んだものを規制いたします場合に、法律といたしましては、これを非常に基本的な、かつ共通の部分にとどめる、そして絶えず時日とともに変化をいたします、あるいは鉱種によって非常に違うというような事項につきましては、御承知のごとく、石炭、金属、石油、それぞれ別の規則によりまして細部についての規制をしていくということが、むしろ鉱山の実態に、かつ時々刻々の変化に応じ得ることではないか、かように私どもは存じまして、鉱山保安法自身が不備であるということからそういうふうにしておるということではないことを御了承いただきたいと思います。  なお、この鉱山保安法及び鉱山保安規則の制定につきましては、もちろんこれは労使及び各鉱種それぞれの代表者をもって構成いたしております協議会の十分な審議と討議を重ねました末に改正をしていくものでございますので、先生のいま御指摘になりましたような一方的なものでは必ずしもないという実情にあるわけでございます。ただ、もちろんこの法律体系全般の問題といたしまして、今後いろいろとまた変化が起こってまいります場合に、常に現実に即応した形に法令全体を変えていくということは、われわれといたしましても常に考えてまいりたいことであることを申し添えたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この問題はこれから具体的に質問するのですけれども、この鉱山保安法は今度は二点について改正されようとしておるわけですが、私はこの鉱山保安法というのはきわめて抽象的であると思う。一番大切な基準というものはすべて規則にゆだねられておる。私は端的に言いますと、鉱山関係の基本法というのは鉱業法にあるわけです。鉱業法を受けてまた、この鉱山保安法がある。そしてこれは一つのざる法のようなもので、抽象的なものだ。一切のものが、金属鉱山あるいは石炭鉱山あるいは石油鉱山の保安規則にゆだねられておる。流動しているのですからそれは考え得るにしても、端的に申し上げますと、石炭と金属鉱山、石油鉱山というものは違います。採掘の方法も違います。条件がずいぶん違います。鉱業法を受けて、本質的に相当違っておるのですから、そういう規則というものは必要でありましょうけれども、たとえば石炭に対する保安法、石油鉱山に対する保安法、金属鉱山に対する保安法、こういうふうに法においてざる法にならないような具体的な最低基準を持った法体系にすべきではないか、こういうふうに考えますが、大臣の所見をお尋ねします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、この保安の問題は山によって異なり、また鉱種によって異なると思うのであります。そこで原則的なものは鉱山保安法の中に入れておきまして、あとは保安規則というもの、またその山自体の保安の何らかの規制というようなことによってやっていくのが実情に合うと思うのでありまして、たとえばいま先生のおっしゃったようなやり方にしてみても、石炭の場合あるいは硫黄の場合あるいは鉛、亜鉛、銅というようないろいろなものがあるわけでありますが、そういう場合において、銅山においても大資本がございます。小さいものもございます。また、銅自体が硫黄山と近接しておる場合もあれば、いろいろの条件がその山々によって異なると思います。だから原則は保安法によりまして、そしてそれに応じて規則をまたつくり、また規則だけではいけないので、その山自体の保安のやり方というもの、そういうふうに細分化していくということのほうがいいのではないか、こう考えておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 基本的な点は保安法できめてあるのだ、こういうことでありますけれども、端的に言いますと鉱業法がある、鉱山保安法がある、省令、政令がある、そして保安規則がある。ですから実情に沿うように、そういう段階においてやっておるわけですね。ところがこの鉱山保安法で保安を守るべきものが基本的にきめられておるかというと、ほとんどきめられておりません。一切が規則にゆだねられておるというのが現状ではないかと思うのです。しかし、これも時間がありませんから次に進みます。  そこで私が今度の鉱山保安法の改正点についてまずお尋ねいたしたい点は、中央鉱山保安協議会から三回にわたって答申がなされております。第一次の答申は三十七年の二月二十日、これについては三十七年の五月、法律百五号でこの答申を取り入れて法の改正がなされました。第二次の答申というのは三十七年の八月十一日になされておるわけでありますが、この答申は特に保安教育の問題に重点が置かれて答申がなされております。第三次の答申というのが今回で、三十九年の三月二十三日になされておりまして、それは今度の法に全面的といいますか、その答申の趣旨が取り入れられて法の改正がなされております。お尋ねいたしたい点は、第二次の答申は保安教育の問題に重点が置かれておりますが、これについては法の改正というのは行なわれないで、第一次と第三次の答申というのが取り入れられて法の改正になっておりますが、これは一体どういうことから起こっておるのですか、まずお尋ねします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま御指摘のございました保安教育の問題につきましては、三十七年から三十八年につきまして予算措置をもちまして、約五倍程度の予算を計上いたしまして、この保安教育の充実をはかった次第であります。保安教育そのものにつきましては、すでに御承知のごとく鉱山保安法の第六条に、保安教育についての義務を課しております。かつそれぞれの保安監督官の研修その他につきましても、そういうふうなことを従来もはかっておったわけでありますが、これは具体的に実際のその保安教育の密度を強めることに問題がありました。そういう趣旨で、予算措置をもってこれに対処いたした次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 第二次の答申は予算を裏づけろという答申の内容がありますが、予算措置で事足りた、こういうことでありますけれども、もっと保安教育という問題に力を入れておったならば、あるいは救護隊員の養成なり訓練というものに力を入れておったならば、私は未然に防ぎ得たという面もあったのではないかと思うのです。ところで第三次の答申に基づいて、その第一点は、生産と保安という問題について保安には責任を持っていただかなければならぬ。そこの最高責任者が保安については管理者ではないという点からやはり問題があったのだろうということから、答申に基づいて保安統括者というものを置くことになったわけでございます。そこで簡単な問題でございますけれども、この保安統括者を任命するのは鉱業所の所長か何かだということでございますが、鉱業権者と統括者の関係はどういうふうになるか、お尋ねします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 御承知のごとく、鉱山保安法の第四条におきまして、鉱業権者の義務を課しております。そしてこの保安統括者につきましても今度新しくその義務を課すことになりますが、従来と申しますか、鉱業権者は、その四条に規定いたしておりますように、それぞれの項目につきまして責任を持っておるわけであります。ただ具体的な問題につきまして、それぞれの鉱山労働者、つまり保安管理者その他を一切含めましたそれぞれの職務につきましては、この保安法のそれぞれの個所、及びさらに具体的にはいろいろな項目を、この保安法及び保安規則の中に個別の問題を列記してございます。その場合に、この鉱業権者と具体的な保安統括者の責任がどういうふうになっているのか、こういう御質疑であろうかと存じますが、この鉱業権者の持っております義務を、鉱業権者はときによりまして法人である場合もあるわけでありますが、この鉱業権者の持っております保安に関する義務を具体的に明記されました事項につきましては、統括者が代行するという形に相なるかと思います。したがいまして、その範囲につきましては、鉱業権者の義務を代行する代行者としての義務と責任が、保安統括者に課せられるということに相なろうかと思います。なお御承知のごとく、この保安法の最後の五十八条におきまして両罰規定を設けておりますので、通常の場合、一般的に鉱業権者がこの両罰規定によりまして両罰を科せられるという場合も当然出てまいるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これが法の改正の重要な一点でありますが、これもきめ手にならないのじゃないかと思うのです。なるほど現地の鉱業所長というのは統括者になります。いままでなら次長なら次長というものが保安の責任者になっておったのが、生産も保安も一体となってやろうということで、しかも保安を前提としてやろうという形で、現地の責任者がなったことはいいわけであります。そして四条に鉱業権者の義務が明記されておりますからいいようであります。四条というのはいままでもあったわけです。しかも災害というのは激発しております。そうなってきますと、保安を軽視する、生産にどうも重点がかかり過ぎるという傾向は、これだけではきめ手にならないと思うのですが、どういうふうにお考えになるのか、お尋ねします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 今回保安統括者の制度を新設いたしましたのは、ただいま御指摘のございましたように、従来は保安管理者という制度を設けておりました。この保安管理者は主として技術に関する面を担当するという意味におきまして、技術に関する国家試験を通りました者でなければなれないという形になっておりました関係上、所長でない、たとえば保安部長というような人が、保安の具体的な責任を負っておるという形に相なっておったわけであります。ただ、いろいろと保安の問題を考えます場合に、たとえば人員の配置であるとか、あるいは保安に関する予算を十分に配分するというような問題を含めまして、技術以外の問題が相当あります実情もございまして、そういう関係で、この鉱山に関するいわば最高の管理をいたしております鉱業所長が、その山に関しては保安の全責任を負うべきである。こういうことから保安統括者という制度を設けた次第であります。  御参考までに申し上げますと、現在におきまして、いわゆる従来までの制度の保安管理者が所長である、つまり技術出身の所長で、保安管理者をやっておるというものが、石炭におきましては約二割程度にとどまっております。こういった点に、やはり先ほどいろいろと問題になりましたような、保安を十分に推進していくのには、どうしてもその所長が全責任を負うという形において保安の重視をはかっていくという体制にすることが、災害の防止の面から見まして最も重要であるということから、実は統括者の制度を設けたような次第であります。従来もやはり、先ほど申し上げましたように、保安管理者並びに鉱業権者が両罰を科せられる。したがって鉱業権者も罰則の適用を現実に受けて、処罰されておるという例も多々あるわけであります。このこと自身きめ手にならないという御意見でございますけれども、法律の体系といたしましては、それで鉱業権者に責任がある場合には追及されているわけであります。ただ現実問題といたしまして、いま申し上げましたように技術関係だけの分野を受け持っている保安管理者では、十分きめのこまかいところまでいき得るかどうかという点に、いろいろと従来問題もございましたので、そういう意味で、所長を統括者にいたしまして保安の全般についての責任を負うということにいたした次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 確かに体系としては、現地の責任者が統括者になるということでありますから、いままでは責任者は二割程度しかなっておらなかった、保安管理者というのはそうではない人がなっておる、そういう点で悪い面もあったわけで、それはそれとしていいわけです。そういった形としては一応前進したわけでありますけれども、問題はやはりきめのこまかい保安対策を講じていくという場合に、この保安統括者というものが十分握っておらなければいかぬと思うのです。その一例として、これは小さな問題でありますけれども、十九条の四項に「保安統括者は、省令の定めるところにより、保安技術管理者に保安委員会の議長の職務を行なわせることができる」というように書いてあります。こうなりますと、やはり保安統括者というのは形式だけになってしまう。それはたとえば旅行等でやれない場合もありましょう、その肌合には技術管理者、こういう者に代行していただくというのはいいかもしれない。これは十九条のように、保安委員会等で末端の意向を聞くのは非常に重要だと思いますが、こういう運営はせっかくのあれが抜けてくるのではないかと思いますが、いかがですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま御指摘になりました保安統括者は、法律上鉱業所長をもって充てさせるということにつきましては申し上げたとおりでありますが、ただ鉱業所長は、これは先生も十分御承知のごとく、人事、資金、労務、その他生産、保安、全面にわたりまして非常に広い、その鉱山全体の統括管理に当たるわけでございます。具体的に考えますと、先生が最も詳しくていらっしゃる三池というようなものを考えますと、非常に大規模な鉱山でございます。この場合に、保安統括者がどうしても議長として終始出なければならないということになりますと、かえって事実上そういったほかの仕事の制約もございましょうし、また開催度数がどうも思うようにいかないというような場合も起こってくるのではないか。また議事の内容が非常に技術的な問題に限られるというような場合も、ときによってはあろうかと思います。そういう場合にはむしろ、上級保安技術職員の資格を有しまして、保安に関する技術的なことを実際にやっております保安技術管理者が議長になって保安委員会を運営するというような道を開いておいたほうが、実際上の運営がうまくいくのではないかというような場合も考慮いたしまして、さようなふうにいたしたわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それならばわざわざ十九条に新しい項を設けなくても、十六条で消化できる問題なんです。わざわざ十九条に新しい項を起こしても、これは原則的にとにかく統括者というのは名目だけでいいんだということになって、法の目的は達せられないのではないかと私は思うのです。重ねてひとつ……。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 御指摘のごとく、十六条におきまして「旅行、疾病その他の事故によってその職務を行うことができない場合に」云々、こういうふうに書いてございますが、その事故という字句をあまり広く読みますと、いろんな場合につきまして、むしろ先生のお話しになりましたのと逆に、広く抜けてくるおそれもあろうかと思います。むしろこの事故ということで処理するのではなくて、やはり一応代理し得る余地も与えておくほうが、かえって保安委員会の運営が十分回数も多くまた事実に即したものができるのではないかというふうなことからいたしたわけでありまして、この十六条であまり広く読んでは、かえって先生の御懸念なさるような事態が起こるのではないか、かように存ずるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは運営の問題で、私はその辺に法の期待と違うような運営をなされると困るので特に御質問申し上げておるわけです。  ところで、私先ほど申し上げたわけですけれども、この鉱山保安法は具体的な最底基準については一切を省令に譲っておる。たとえば保安規程の問題あるいは三十条「省令への委任」ということで、きわめて重要な問題が一切省令に譲られております。私は、この法律の体系は、先ほど申し上げたように、きわめて問題がある。これがやはり災害の一つの原因になっているのだと確信しておるわけです。  そこでお尋ねしたい点は、たとえば炭じんがやはり爆発の原因になっております。したがってたとえば炭じんの基準なら基準、あるいは測定の基準、あるいは通風の問題なり、炭鉱の種別をきめる指定の基準、それからそれをどういうふうにきめるかという基準の問題、あるいは二十九条の保安図というものができるわけですから、これを労働者に十分周知徹底させていくというような義務、あるいは常設救護隊あるいは救命用具の問題、あるいは爆発が起こる、もう地下と地上では連絡がとれなくなる、その最小限の連絡をとるような施設、こういうような問題がきわめて大切だと思うのです。こういうような基本的な保安上の問題については、やはり法の中に織り込んでいく、規則にゆだねない、これがやはり正しいやり方ではないか。なるほど合理化によって坑内の情勢は激変しております。日進月歩ということばは適切ではありませんけれども、変化しておる。その変化に対応するためには、法ではいけないのだ、規則でなくてはいかぬのだ、こういう御意見のようであります。そういう激変が起こるならば、最小限の基準は法でやって、そしてその法の運営は、定期的な検査なり何かの基準をきめて、それによって運営していくことによって災害を、絶滅とはいかぬにしても、根本的に減少させることができるんじゃないかと思うのです。大臣いらっしゃいますので、もう時間もないようでありますから、最後にお尋ねしておきたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 実は先ほどもお答えいたしたところでございますが、立法技術の問題もありますし、またその立法でもって規制するところの事業によっても、立法のしかたも変わるかと私は思うのであります。そういう点から考えてみまして、先生の言われるような考え方もあり得ると思いますけれども、われわれとしては、今日のごとき立法体系をもってこれに対処していっても差しつかえないのではないか、こういうふうな解釈を私は持っておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 たとえば規則にゆだねられております石炭坑の種別、甲種炭坑、乙種炭坑というものがあります。さらに通産大臣の許可があった場合には、特免地域というものがあります。過去の例を見ますと、安全だと思われる乙種炭坑で事故が起こっているんです。これは法律の中にきちんと基準をきめないで、一ぺんきめた甲種炭坑、乙種炭坑、特免というものを、合理化によって坑内の状態が激変しているにもかかわらず、金科玉条としてやっている、こういうところに事故の非常に大きな原因があるわけです。端的に言いますと、こういう乙種炭坑というものは重要な問題ですから、これを法の中においてきちんときめる。その法を受けて、いまのような激変が起こっておりますから、その激変に対応するようなものを規則の中においてやっていく、こういうことが必要であろうと思う。こういうことだからアベックだと言われるような原因が起こる。それを証明するかのごとく、炭鉱災害が激発している、こういうことだと思うのです。したがって、そういう基準を設けて、甲種、乙種に分けるのはけっこうでしょうが、たとえば具体的な作業の問題もあります、隣の炭鉱はどうするのか、あるいは甲と乙とが同じ坑道で結ばれている場合はどうするのか、こういうような場合があるかと思うので、そういう体系にしなければいかぬのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま御指摘のございましたたとえば甲種、乙種というようなことは、少なくとも法律に書くべきではないかという御意見、ただいま大臣からも申し上げましたように、御意見としては十分傾聴いたしたいと思います。ただ、先ほど来たびたび御答弁申し上げておりますように、現在の保安法それ自体が種々の鉱種その他にわたって共通のものをきめるという体制をとっております。またこういう体制によってそれぞれ規則にゆだねたから実効性がないということに必ずしも私はならないのではないか。むしろこういう形で鉱山保安法自体には保安に関する基本的な問題を規定いたしまして、それぞれの鉱種、それぞれの規模その他各鉱山についての具体的な特殊事情というものは保安規程によってもっとこまかくきめて、その保安規程を一定の形に規制をしていくというような現在の仕組みでいくことも、また決して実情にそぐわないものではないように私は考えるわけであります。ただいまの甲種、乙種の問題にいたしましても、これは確かにいま御指摘のありましたように、いろいろとむずかしい問題を含んでおります。この甲種乙種、あるいは先ほど来たびたび御指摘のございました炭じんの問題でありますとか、救護隊あるいは救命具というような一連の問題につきましては、この鉱山保安法と並行いたしまして具体的に、これはもちろん鉱山保安法によりまして、中央鉱山保安協議八会にはかって、各方面の技術的かつ具体的な意見も徴した上で、これに並行して改正をいたしていくということで現在進めておる次第でありまして、先生の仰せの点、そういう御議論もあろうかと思いますけれども、保安法そのものは、およそ石炭、金属、非金属さらに石油というような全般を共通いたします保安についての基本法というような考え方でわれわれはいっておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、そういう考えだから災害が起こるのじゃないかと思います。端的に申し上げますと、先ほど私が質問したように、三回の答申があった。その答申というのは何かといいますと、中央鉱山保安協議会の答申です。中央鉱山保安協議会というものの構成は、労使なんですよ。第三者が入っているのですよ。妥協の産物なんですね。そうでしょう。そうじゃないですか。妥協の産物なんだ。その答申の内容の範囲内でしか法律の改正というものを行なわないというところに、災害が起こっている原因があると思うのです。中央官庁として災害を絶滅させるんだというかたい決意を持つならば——妥協のあるところに災害が起こってくる。事実なんですよ。そういうものじゃなくて、断固とした保安法をやはり立てるべきじゃないかと思う。答申がありませんとできませんということでは、中央官庁として、通産省としてこれは役に立たないと思うのです。答申を金科玉条として、答申の都合のいい部分だけを法律の中に織り込んでいる。それが基本法でございます。一切は規則だ。ところがその答申というものは、本質的な性格は妥協なんだ。妥協があるところに保安が軽視されている、保安が前進しない、確立しない、こういうことだと思うのですが、いかがですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 中央鉱山保安協議会は、ただいま先生の御指摘にもありましたように、労使及び学識経験者、この三者が同数をもって構成されておりますことは御高承のとおりであります。これの答申だけを立法化するから災害が起こるのではないか、こういう御意見、ごもっともでございますが、ただ先ほど来申し上げておりますように、鉱山それ自体について見ますと、いろいろな面、角度を持っておりますことも、これは先生つとに御高承のとおりであります。具体的に鉱山の保安を十分進めていくという面からいたしまして、実際鉱山に関連を持っておるそれぞれ各般の立場と意見が十分総合的に反映されることが、やはり保安の確保という点から申しますと、私どもは必要ではなかろうか、かように存じます。それがおそらくこの鉱山保安法におきましてもこういった構成のものの愚見を聞くという形をとっております一つの理由でもあろうかと思います。この保安協議会におきましていろいろ議論いたします場合に、ただ一方的な議論が行なわれるわけではないわけでありまして、いろいろな論点につきまして、これは法律にすべき事項、これは規則によってこまかくきめていくべき問題、あるいはさらに、これは具体的な予算なり行政指導でやっていくべきものというふうな、問題それぞれの性格につきましても、十分それぞれの委員の意見を総合いたしまして結論づけていくわけでありまして、そういう意味でやはり、全般的な意見の総合されたものという形で私どもはこの保安法を扱っていくということがよろしいのではないか、かように思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 中央鉱山保安協議会なり地方保安協議会の意見というものは十分に尊重されていかなければならぬ、もっと活用していただかなければならぬ。しかし、あとでも質問申し上げますが、労使、第三者の同数でありますから、結論というものはやはり妥協ということに落ちつくのが常識だ、そういうところから災害が忍び寄る、そういうすき間から忍び寄る、こういうことになるわけでありますから、監督官庁としては、意見は尊重しますけれども、保安を絶対確保するのだという信念のもとに対処していかなければならぬのじゃないかということを私は主張しておる。  そこでこの炭坑の種別の問題で、端的に言いますと、残念ながら安全だと思われる乙種炭坑で爆発が起こった。特免地区でも過去に大爆発が起こった例が多々ございます。これはやはり行政の誤りです。不備、不徹底です。先ほど指摘したとおりなんです。あるいは鉱山の通気の問題、あるいは坑内ガスの問題、これは外国の例から比べても、たとえば酸素は空気中には二一%あるですね。そうでしょう。ところが坑内の空気は一九%でいいのだ、あるいは炭酸ガスはどうだ、メタンはどうだ、あるいは温度はどうだとあります。外国でも基準があります。日本でも基準がありましょう。あるいは炭じんの爆発、一定のカロリーのもので揮発分がこれだけあるものは、こういう条件になりますと爆発しますというのが科学的に証明されております。ところが、必ずしもそうはいきません。どういうことかというと、微細な炭坑の持っておる固有の条件というものが加わって事故が起こる。たとえば、一般に炭じんが爆発するというのは一立方メートル五十グラムくらいになってあぶないといわれているが、七千二百カロリーの三池の場合、事情を聞いてみますと、そこまで達しておらぬらしいけれども爆発している。それはやはりその炭坑の固有の条件というものを持っておる。そういうものは規則に譲って、一定の基準というものはやはり法の中でぴしゃっと定めておくことがよろしいのではないか。私はこういう主張です。しかしこれはどうも、答申を金科玉条としてやっていく、こういうお考えのようでありますから、意見が根本的に対立しておるわけであります。そんならそれでけっこうでしょう。そういう規則を金科玉条として適時適切に、一ぺん乙種炭坑ですと指定したらば未来永劫に乙種炭坑の権利を確立するという形じゃなくて、一年に二回とか三回測定をして、これがいかぬとなったら甲種のほうにする。端的に言いますと、石炭というのはブロワーが動いているときはメタンガスは少ないけれども、ブロワーが半時間、一時間とまったら、もう爆鳴気に達するのですね。そういうのは炭坑の条件が違っていましょう。いずれにいたしましても、法の体系の整備という問題と、一つは規則などで許可されたものを金科玉条としてやっておるところに問題があるのですから、こういう点を改めていただかなければ、こんな保安法に二点書いたからといって、これは改まるものじゃないと思う。時間がありませんから、これについてどうされるのか、はっきりとした決意をお尋ねしたい。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいま細谷先生から御指摘のありました点は、非常にごもっともな点だと思います。われわれといたしましても、この指定その他につきまして、一ぺんきめたら動かさないというようなことではないわけでありまして、これまでもその実情に応じて絶えず指定変更を行なっております。ことに、先ほどちょっと申し上げましたが、今年の二月に特に厳重な石炭緊急対策を指令いたしまして、これによりまして、ただいま先生からお話のございましたような調査を逐次進めまして、いまお話のありましたようなあぶないというものがあります場合には、これはそのつど変更をさせておる次第であります。これは今後とも、先生の御指摘がございましたように、積極的に発動いたしまして指定変更を行なっていく方針でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 ここで監督行政の強化という問題が出てくるわけでありますが、先ほど御質問いたしましたので触れませんけれども、その監督行政の強化というものと並列的に、四十六条の中央保安協議会ですが、たとえば四十六条の一項には「議に附さなければならない。」第三項には「諮問を受けて、保安に関する重要事項について調査審議」する、こういう規定がございますけれども、そういう協議なり、諮問によるばかりでなくて、適宜の調査権を付与するというお考えはないものなのかどうか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 ただいまの御質問は、保安協議会それ自体に調査権を与えようということでございますが、これは個々の委員に個人的な調査権を与えることと二つあるかと思います。  第一点の、協議会それ自身の調査につきましては、先生すでに御高承のごとく、問題が起こりますごとに、たとえば三池の場合にも、この中央保安協議会のメンバーをもちまして具体的な調査を行なった次第でありまして、協議会自身としての調査活動は現在も行なっておるわけであります。ただ、これは一つの諮問機関でございますので、その一つの組織と申しますか、機関全体としての行動ということに相なるわけでありまして、それとかけ離れて、個々の委員に個人的に随時の調査権を認めるということはどうか、こういう問題でございますが、この点は保安協議会そのものが一つの合議体でございます関係もありまして、その全体の意思決定によって動いていくということに相なろうかと思います。したがって、随時と仰せのございましたその随時が、委員個人として随時ということでありますと、これはいろいろほかの協議会、あるいは行政委員会というようなものとのバランス、比較考量の問題も起こってまいると思いますので、ただいまそこまでやることが適当であるかどうかにつきましては、若干私どもは確信を持ち得ない次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは相当たくさんおるわけなので、随時各人で動くということになりますと、いろいろな問題点もあるだろうと思うのです。しかし単なる諮問機関という性格ではやはり問題があるのであって、もっとこの時期においては、少なくともこの情勢においては、事故を絶滅するという意味において活用する、こういうことが必要であろうと思う。したがって、たとえばその協議会なら協議会の議を経て、あるいは会長の了承を得て調査をしていく、こういうことで、単なる諮問機関として、これはいかがですかということ、あるいは調べてください、こういった問題ばかりでなくて、これを活用するということが非常に大切ではないか、私はこう考えますので、この問題については前向きの姿勢で扱っていただきたいと思います。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 その点につきましては、ただいま先生の御指摘のございましたような方向で、われわれといたしましても、この協議会がいろいろの問題につきましてそういった活動をしていくということについては、仰せのとおりの方向で考えてまいるつもりでおります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これに関連してひとつお尋ねいたしたいことは、法第三十八条「鉱山保安監督局長等に対する申告」ということで、鉱山の保安の問題について問題があった場合は、鉱山労働者は局長に対して申告することができるということになっております。  そこで私がお尋ねしたい点は、あるいはいますぐ資料はないかもしれませんが、合理化法が実施されました昭和三十年以降、この三十八条に基づいた申告件数がどのくらいあったのか、それはどういうふうに処理をしてまいったのか、こういう点について、いまわかればお答えいただきたいし、なければ後ほど資料でお出しいただいてもけっこうであります。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 その申告の回数、内容につきまして、たいへん恐縮でございますが、いまちょっと手元にその資料がございませんので、これは後刻取り調べました上で御返事申し上げたいと思います。  申告がございました場合に、各監督局長といたしましては、直ちにその実情を調べまして、それに応じた行政措置をとり、また違反事実がもしあれば、場合によってはこれを行政処分にするというようなことも現実に行なっております。ただ、その申告自体がいろいろな内容を持っておりまして、その内容あるいは具体的なケースについてただいまここで御説明申し上げることがかないませんことはまことに恐縮に存じます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 後ほど資料をいただくとして、そういう申告件数が年度的にどういうふうになっておるのか、あるいは通産省として、そういう申告と災害との関係があったかなかったか、活用されておるのかどうか、こういう点についてひとつ資料をぜひお願いをいたしたいと思います。  次に移りますが、第十五条の問題、保安監督員補佐員というものを置くということになるわけでありますけれども、これも答申の一つの柱であります。ところでお尋ねしたい点は、一つの鉱山があるとします。それが幾つかの坑に分かれておったとします。第一坑、第二坑、第三坑と地域的にわかれておったといたします。その場合に、この保安監督員なり保安監督員補佐員というものの人数なり配置はどういうふうになさるお考えなのか、お尋ねいたします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 御高承のごとく、この保安監督員補佐員は、今度新しく規定をいたしました事項でございまして、この具体的な運用は今後にまつわけでありますが、私どもは現在、たとえば保安監督員そのものについて考えますと、それぞれ山の事情によりまして、保安監督員の人数は具体的にそれぞれの山によって異なっております。また鉱山監督局長は必要がある場合には監督員の増員を命ずるということにもなっておりまして、たとえばいま御指摘のございました、一つの山で坑口がたくさんあるというような場合には、これはいろいろ山によって実情が違っておりますけれども、大体各坑に応ずるような監督員が置かれておるのが現状であります。この補佐員につきましても、今後具体的な運用といたしまして、おそらくそういう形になってくるのではないか、かように存ずる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それではお尋ねいたしますが、たとえば一つの鉱業所というものがある、それに一坑、二坑、三坑、四坑とあって、これは坑口ももちろん違う。そういう場合には、効果があがるような人員配置だということでありますから、おそらく第一坑には保安監督員というのは一人なら一人、第二坑にも一人置く、第三坑にも一人置く、こういうことになるのではないかと思いますが、その場合に補佐員というのは一体何名ぐらい置くおつもりなんでしょうか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 監督員補佐員につきまして、ただいま御指摘のございましたように、一応条文といたしましては「前項の保安監督員補佐員のうち一人は、その鉱山の鉱山労働者の中からその鉱山の鉱山労働者の過半数の推せんにより選任しなければならない。」こういうふうに規定いたしております。ここで「うち一人は」と書いておりますのは、これは法律上規制せられます最低限の義務を課したわけでありまして、もちろんこの補佐員を具体的に置きます場合に、人数の制限はないわけであります。これは先ほど来いろいろ申し上げておりますように、鉱山の規模その他によりまして、あるいは監督員も一人、補佐員も一人という場合もございましょうし、また監督員は一人で補佐員が数名という場合も起こってまいるかと思います。法律といたしましては、それらの共通の問題といたしまして、労働者の推薦するそういう補佐員を少なくとも一人は置くのだということを規定いたしたものでありまして、現実問題として、実情に応じて所要の人数をきめ、その所要の人数を労働者の推薦した者から任命していくということはもちろんけっこうなことであります。それはそれぞれの山によりましていろいろ実情が異なっておりますので、全般的な運営がうまくいくような仕組みに、それぞれ話し合いあるいは今後の運営によって持ってまいりたい、かように存ずる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこでお尋ねしたい点は、十五条の二項「補佐員のうち一人は、その鉱山の鉱山労働者の中からその鉱山の鉱山労働者の過半数の推せんにより選任しなければならない。ただし、その推せんがないときは、この限りでない。」こうあります。炭鉱には御承知のように、職員組合と労働組合というのがございます。へたをしますと、その労働組合というのが第一組合と第二組合、二つあるいは三つ等に分かれている場合もあろうかと思うのです。まともに読みますと、鉱山労働者が千人おったとする、五百人以上から推薦を受ければそれでいいということになるが、それではやはり保安体制というものはできないのではないか、そういう場合にいかがいたしますか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 これは、ただいまもお答え申し上げましたように、鉱山によって非常に実情が違っておることは御指摘のとおりでございます。法文といたしましては、各鉱山に共通の最低の義務を規定いたすということに相なるわけでありますが、同じようなやり方はやはり保安法の保安委員会のところに、「鉱山労働君の過半数の推せん」ということを規定いたしております。現実問題といたしましては、この保安監督員補佐員及び保安委員会というような性質を考えますと、具体的な山の実情によりまして、実際はそれぞれの代表者が出ているというのが実情でありまして、組合が幾つもあるというような場合でも、実際に保安委員会の委員はそういうみんなの構成になっておるわけであります。そういうことはこの法文の運用といたしまして実際上何ら妨げないわけでありまして、この保安監督員補佐員につきましても、逆用といたしましてそういう方向におそらく向くようになるのではないか、かように存ずる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これがまた紛争を起こすといけませんから、念を押して聞いておるわけです。「その鉱山の鉱山労働者の過半数の推せん」といいますと、一人置くなら過半数一人でいいということになるのですが、それではやはり保安体制ができないのではないか。そういう点で実際問題としてはそこにある鉱山の職員組合、労働組合、鉱員組合なりが二つなり、三つに分かれておった場合には、やはりそれぞれの組合の過半数の推薦という形でないと、協力一致しないと保安体制というものはできないわけですから、そうせざるを得ぬじゃないか、そうすべきではないかと思いますが、重ねてひとつお願いします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 この点は同じような形が保安委員会についてございますということを申し上げましたが、具体的にそれぞれの山によりまして——これを行なったために逆に紛争が起きてうまくいかないというような事態が決して好ましいものではないということは、われわれも先生と同じ考えを持っております。ただ法文といたしまして、やはり基本的な書き方といたしましては、この「過半数の推せん」という書き方に相なるわけでありますが、これは具体的な山の実情に応じまして、行政的にそういうような方向に持っていくというようなこともあるいは必要が起こってまいるかもしれませんが、やはり新しく置きました補佐員が十分その本来の目的を達して、山全体としての秩序及び安全な円滑な運営がはかられる方向に運用してまいりたい、これは運用の問題としてお考えいただきたいと思います。  ただ、一般的に申しますと、鉱山は数多くございますが、保安委員会でもそうでございますが、やはり山によって、そういう特殊な事情のある山につきましては、現実問題として先生の仰せになったような形になっておるわけでありまして、一般的に申しますと、金属山及び石炭鉱山を含めましてこういった書き方で行なわれているということを申し上げておきたいと思います。特に先生の御指摘になりましたような事例について、もしこれが相互の山全体としての話し合いによりまして、そういうバランスのとれた形になっていくということは、もちろん差しつかえもございませんし、むしろそういう方向にいくものであろうというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いくものであろうではなくて、保安体制を強化する、確立するという観点からは、はなはだ好ましい姿じゃありませんけれども、やはりそういう組織から推薦された者を加えていく、保安委員会の構成も同様でありますが、そうでないと、災害というのは、九分九厘確立しておっても残りの一厘から起こるわけなんですから、そういう体制を確立することが必要じゃないかと思うんです。これはまあ法律の書き方について意見の違うのはやむを得ないと思いますけれども、運用の面においてはやはり保安体制を確立するという前提から対処していかなければならぬ、こう私は思います。  そこでお尋ねしたいのは、そういう人たちは第十八条によって、「国家試験に合格し、且つ、一定の資格を有する者でなければならない。」こういう制限がついてまいります。国家試験に合格した人、必ずしも保安体制確立の優秀な者じゃない。これは最低基準だと思うんですね。かりにこの人が保安体制を確立するには非常にいいアイデアを持っておる、非常に経験を持っておるといった場合に、その国家試験の資格を持っておらない場合に一体どうするのか。これはあり得ることだと思うんです。お尋ねいたします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 この点に関しましては、やはり保安監督員もそうでございますが、いわばサイドチェッカーといたしまして鉱山の保安に関する技術的問題を含めました保安問題を検討していく役目であります。もちろんこの国——家試験は、いろいろ程度はあろうかと思います。ただ少なくともある程度、たとえば特に坑内の保安に必要な技術的な知識を求めておる試験の資格を持つということは、これはこの職種の性格から申しまして、われわれといたしましては必要ではないか、かように存ずるわけであります。なお、そういう、先生のご指摘になりましたような非常に優秀なアイデアを持っておるというような方につきまして、もしそれが必要がある場合には国家試験をとるということもこれはできるわけでありまして、われわれといたしましても、そういうことが非常に明確であるという場合には、そういうふうな方向に持ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 まあ保安問題について経験、知識を持つということは、やはり国家試験に合格することであろうと思うんです。私どもの経験によりますと、必ずしも技術に練達しておるから保安の適任者だ、こういうふうに言えない。せんだっても私は申し上げたわけでありますが、その人の性格によって、もう九分九厘まで非常に保安体制についてはやっておりますけれども、必ずそのわずかの、その人の性格から出てくるもので災害が起こってくる。端的に申し上げますと、たとえば一つの炭鉱が重ねて同じような原因の事故を起こしておるのであります。これはやはり炭鉱の経営者なり、そこの保安管理者に性格的な欠陥があるというケースがあるんじゃないかと思うんです。そういう点で私は特に申し上げておるわけであります。  次にお尋ねしたい点は、保安委員会の問題でございますが、十九条の二項、私は権利剥奪ということを冒頭申し上げたわけですけれども、どうもやっぱり炭鉱合理化という形で、せっかくの保安委員会があるにかかわらず、やはり形式的に流れる。端的に申し上げますと、組合が幾つかに分かれておりますと、保安上の了解ができても、あの組合が言ったからおれのほうは反対だという感情的なものが入りますと、保安体制はできないと思うのです。そういう点で保安委員会の運営というのは、ほんとうに保安体制を確立する、そういう意味において民主的なものでないといけないわけであります。お尋ねいたしたい点は、十九条二項の「通知しなければならない。」こう書いてございます。ところが答申には、答申の文章を読んでみますと、「通知すべきこととし、議題となるように法定すべきである、」こういうふうに答申は書いてあります。これは一体どういうことなんでしょうか。通知するということ、ただこういうことがありました、監督局からこういうことを言ってきましたと通知することと、通知して議題とするということは違うと思うんですよ。どうしてこれは答申のとおりにやっていないのですか。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 通知するということによりまして、実際には保安委員会に付議いたしておるわけでございます。これは条文の書き方でありますが、規則におきましても、五十四条の二におきまして「処分の内容を保安委員会に通知」するということは保安委員会の全員にそれを知らせることでありまして、当然これは議題になるものであると思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 通知すれば議題になるということでありますけれども、法律では通知しなければならぬという義務は課してありますけれども、通知しました、忙しかったから文書で通知しました、こういうことでも違法にはならないんですよ。答申ははっきり通知して議題としなさい、問題があるなら議論しなさい、こうなっておるのですよ。これはやっぱり問題がありますね。答申を金科玉条としておるようなことを言っておりますけれども、都合の悪いところはやっぱり抜いておるところから災害が忍び寄っておると思うのです。どうして答申どおり書かないのですか。通知し議題としなければならぬと表現すればよろしいでしょう。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 通知し、これを議題としなければならないということを条文として書くべきであるという御意見、そういう御意見もあろうかと思いますが、ただ法律的な技術の問題といたしまして、保安委員会に通知するということ——保安委員会そのものは、御承知のような一つの諮問のための合議体でございます。したがいましてこの十九条で「重要事項を調査、審議し、」云々というふうに書いてございますが、これに通知したことは、議題とすべきであるということを書くまでもなく、当然これは議題にされるべきものである、かように考えております。実際には監督局長がいろいろ処分をいたし、あるいは通知をいたしました事項は、必ずこれは議題といたしておるはずでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私が承知しておる範囲内では、必ずしも局長さんが期待しておるような形にはなっておらぬ経験もありますから申し上げておるわけなんです。むろんこれはそういう協議機関でありますから、通知して協議する、協議する中からまた保安体制の前進があると私は思うのであります。通知しなければならぬということになると、ただ一片の通知に終わるのではないかということを私は心配しておるわけです。  そこで、この保安委員会というのは非常に重要でありますから、具体的にお尋ねしたい点は、省令により保安委員会を設けるということでありますが、規則五十条で、中小炭鉱の場合には保安委員会は任意設置となっておりますが、これはやはり保安委員会は、大きかろうと小さかろうと、規模に応じて必置制にすべきではないか。そしてさらに保安委員会というものは、形式ではなくて、実質的な討議が必要でありますから、定期的に開催する、こういうことが必要であろうと思いますし、またこの十条に保安規程というものがありますが、これは自分の生命に関する大きな問題をになっておる労働者にとっての保安問題、そういう問題でありますから、その十条の保安規程の細目の中において、労働者の意見というものが単なる補佐的なあれだけではなくて、十分生きるように配慮する必要があるのではないか、こういうふうに思います。保安規程の問題も、これまた省令の定めるところによりという形で規則にゆだねられておる、こういう問題はどこの炭鉱も必要なのでありますから、当然必置にすべきではないかと私は思うのです。これらについての当局のお考えをお伺いいたします。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 まず保安委員会を定期的に開くべきであるということにつきましては、規則の五十二条に、月一回以上開催しなければならないというふうになっておりまして、これは必ず毎月開くことになっておるわけであります。それから保安規定につきましても、五十五条においてきめておるわけでありますが、先生御指摘のごとく、五十人以上の鉱山労働者ということで、義務を課しておりますものは五十人以上でございますが、もちろん保安規程をそれ以下の鉱山におきましても設けておるところもあるわけでございます。この保安規程につきましては、これは保安委員会におきまして、現在も付議をいたしておりまして、この調査審議の内容といたしまして、実際に保安規程の設定変更という場合には、これは当然保安委員会の議題として付議いたすように運んでおる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 任意設置という形になっておるのですが、これはやはり大きかろうと小さかろうと、保安第一ということであって、しかも中小炭鉱でも事故が非常に多いわけでありますから、やはり必置制にして保安体制を確立するということが私は必要であろうと思う。五十人を境目にしてやっておるようでありますけれども、こういうところに問題があるのじゃないかと思うのです。そういう点で、保安委員会の問題にしても、保安規程の問題にいたしましても、あるいは保安図の問題、いろいろ問題があるようでありますが、こういうことを特に必置制にするようにして、ひとつ保安体制確立という形で、もぬけのからにならないようにお願いしたいと思います。  時間がありませんので、きょうはまだ請負の問題なり、あるいは保安行政なり、あるいは後遺症の問題等についてお尋ねしたい点があるわけですけれども、これは次会に譲らしていただくことにして、ただ一つ最後にお聞きしておきたいのは、金属鉱山等で中小鉱山が閉山します。そうしますと、もうあとはもぬけのからで、そこから汚水が流れてきて、そうしてそれがいろいろな害を及ぼしております。だれもおりませんから、市町村でやらなければならぬということで、市町村はたいへん迷惑を受けております。市町村の財政負担がおこっております。現に山形県等で起こっております。これについてどういうふうに対処するつもりか、これを最後に承っておきたいと思います。

川原英之通商産業事務官(鉱山保安局長)

○川原政府委員 最近閉山いたしました硫黄山その他で、そういうふうな閉山後の鉱害が生じているということがときどきございますのは、御指摘のとおりであります。この場合に、私ども実は非常に苦慮いたしておるのでありますが、鉱業権者が現実に残っているという場合には、これは当然保安法によりまして、その閉山当時の鉱業権者に対する責任の追及ということは可能でございます。ただ今後の問題といたしまして、こういう場合がかりに起こったらどうか。と申しますのは、鉱業権者は会社でありまして、会社がかりに解散をしてしまって消滅しているというような場合に、そのあとに起こってくる鉱害という問題をどうするかというこの点が、おそらく細谷先生のお尋ねになる点だろうと思いますが、この場合におきまして、この鉱業権者の承継者がおりますれば、これは当然その承継者に参るわけでありますが、これもいない、要するに会社自身が解散をしてしまって、実体がなくなっているという場合について、これを何らかの措置によって鉱害を除去するということが必要であろうという点につきましては、まことにただいま御指摘のとおりであります。ただ、現在の保安法その他の法律から見ますと、まことに答弁にはならぬかもしれませんが、いろいろきめ手をさがしておるのでありますが、現在その消滅した鉱業権に対する追及ということが法律的にも事実上むずかしゅうございます。もちろんそういう事態は好ましいことではないと存じますので、今後もう少し研究をさせていただきたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いま具体的に山形県で起こっている問題で、市町村がたいへん困っているわけでありますから、実情をひとつお調べいただいて、その御報告をしていただくと同時に、ひとつ善処していただきたいと思います。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 次会は、来たる五月七日木曜日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会するとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会

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