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46回国会衆議院1964/06/26

商工委員会 第62号

発言数
49
登壇者
7
会派数
2
開催日
1964/06/26

会議録

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 これより会議を開きます。  内閣提出の特許法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許可いたします。久保田豊君。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 この特許庁の今度の法案というのは、要するに電子計算機を入れて新しい事務体制をつくろう、こういうことにあると思う。そこできょうはあまり時間もありませんから、要点だけ簡単にお聞きしたいと思います。  第一にお聞きしたいのは、日本の特許、これは実用新案、商標その他も含めて、これの出願件数というのは欧米諸国に比べると、きわ立って多い。特にあなたのほうからもらった資料を分析をしてみますると、大体において三十六年ごろから急速に件数がふえておる。ことに特許と実用新案の特許件数を見てみますと、日本では三十二年九万二千件、それが三十六年に十一万五千件になっておる。ところが、西欧、西ドイツでは三十二年が九万五千件、三十六年が十万五千件です そのほか米国では七万五千件が八万六千件にふえている。英国では四万一千件が四万五千件にふえただけです。あるいはフランスでは二万九千件が三万五千件にふえているという程度です。日本が特にきわ立って多い。たとえば三十五年度を見ますと、全体で出願件数が十七万件です。それが三十八年度では二十六万二千件、こういうふうに非常にふえておる。そのふえた原因というのはどこにあるかということなんです。それと、今後もこういうふうに急増していくという見通しかどうかという点です。この二点について、こういうふうに非常に激増していく原因がどこにあるかという点と今後の見通しについて、ひとつまず第一にお答えをいただきたとい思います。

佐橋滋特許庁長官

○佐橋政府委員 ただいま御質問のとおり、三十五年くらいまでは大体十六、七万件で、やや安定をしておったのでございますが、三十六年の後半から急増いたしまして、三十七年は二十一万件、三十八年は二十六万件ということになっておりまして、現在も、三十九年に入りましても、一月から五月まで大体二万三千件から二万四千件の出願がございます。ということは、三十九年の歴年をとりますと、大体二十八万件以上の出願件数、この傾向でずっと現在ふえてきておるわけであります。この三十六年の後半ごろからなぜ日本の出願件数がふえたかということでございますが、ただいま久保田先生御指摘のように、先進国におきましては逐年微増いたしておるわけでございます。ところが日本の場合は、ただ。いま申しましたように三十六年後半から急激にふえている。これは自由化、開放体制というものに伴いまして、日本人のいわゆる特許による工業所有権といいますか、製作というものが保護されるというようなことで、特許に対する認識が急速に強まったということと、いまの貿易自由化あるいは開放体制というものに対しまして、外国からも日本の市場が非常に有望だということで、日本に対しまして特許の出願がふえてきておるという状況でございます。今後の見通しにつきましては、現在、ただいま申しましたように五月までは相変わらず高水準でございまして、今後これがどういう線で安定するかということにつきましては、いろいろわれわれのほうとしても研究をいたしておりますが、いわゆる鉱工業生産指数の伸びとかいうものと必ずしもパラレルに動くわけでもございませんし、現在のところ、今後どういう傾向で伸びていくか、どういうところで安定するかということについては、実はわれわれといたしましては五里霧中でございまして、現在依然高水準であるということだけは旨えるわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 いまこういうふうに日本が特に二、三年来急速にふえてきたという原因についていろいろ理由を述べられた。それは私はそのとおりだと思うのです。しかし、これはどうもそれだけではないように私は思うのです。この内容を少し検討してみますと、つまり防御出願が非常に多い。これは私はあとの問題でも質問しようと思うのですが、防御出願が非常に多いということは、一つは、いままでの出願案件の特許庁の処理のしかたが適切でないのじゃないか。こういうことが一つ大きく作用しているのじゃないか。もう一つは、未処理件数が非常にふえております。この点についてはあとでまたお聞きをいたしますが、この二つがからみ合って、日本の特許に関しますいわゆる民度の低いと言いますか、常識的なレベルが低いという点とからんで、こういうふうに急速に防御出願がよけいになってきているのじゃないか。だからこの問題の将来を卜するには、単に客観的な情勢がこうであるとかいうことだけでは片づかない。やはりいままでの処理のしかたが不十分じゃないか。ですから民度の低いのとあわせて防御出願が非常によけい出る、あるいは出したものが三年も四年も未処理でもってほっておかれるということから、これが悪循環をしているのじゃないか、こういう点を強く感ずるわけですが、こういう点の反省なり検討というものは、特許庁として行なわれておるのかどうかという点を、まず第一に私はお聞きしたい。

佐橋滋特許庁長官

○佐橋政府委員 ただいま御指摘のように、特許の未処理案件というものは逐年累増いたしておりまして、三十八年の年未では四十六万一千件という膨大な数字に上っておりまして、これを現在の特許庁の処理能力でやりますと、大体二年十カ月分という滞貨を持っておるわけです。御指摘のように、確かにこの処理がおそいということが非常に問題でございますが、われわれは処理がおそいから出願が多いというふうには考えておらないわけであります。特許庁といたしましてはできるだけこの処理を早く進めたい。と申しますことは、いわゆる工業所有権につきましては、早く審査をしまして、それを公表させて、その上に新しい技術の展開を期待するというのが特許法のねらいでございますので、できるだけ早くやらないと、現在のような目まぐるしい技術革新のときには非常に問題が多いわけであります。われわれの目標といたしましては、特許、実用新案は少なくとも出願後二年以内に処理ができるように、意匠、商標につきましては一年以内という目標を立てて現在せっかく努力をいたしておりますが、御承知のようにこの特許関係の審査というのは人間がいたします関係上、なかなか思うように能力があがらないと同時に、出願の案件が逐年非常にむずかしくなっておりますので、そういう点からも特許の処理能力は飛躍的に増大をいたさないわけでございまして、われわれといたしましては人員の充足なりあるいは機械化なりによって、できるだけただいま申しましたようなH標に到達したい、こういうふうにいま考えておるわけであります。ただ、それだけでは不十分でございますので、現在特許法の改正審議会を再開いたしまして、制度的に問題がありはせぬかという点でいろいろ御検討を願っておるわけでございまして、特許庁としましてはできるだけ早い機会にこの滞貨を処理して、順調なといいますか、正当な形に返したい、こういうふうに考えておるわけであります。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 どうもいまの御答弁じゃ私どもは満足しない。やはり処理のしかたに不十分な点がある。それでなければこういう同じような、似たような防衛出願がそうたくさん出るはずがない。これと、要するに未処理件数が四十六万もたまって、二年半もかからなければこれの始末がつかない。年々出てくる新しいやつを始末しながらやっておったら、いまのままでいったら十年たったってできませんよ。こうやっていって悪循環をして、やはりこういうふうに、いわゆる客観的に見て必要な特許出願以上にふえてくる点が相当あろうと思う。ですからこの点は、私はきょうは時間がありませんからこれ以上、特に本件についてはもう参議院でも一応の審議をしていることですから、突っ込んだ質問はいたしませんけれども、どうもこの点は佐橋さん、もうちっとあなた自身が頭を冷やして反省をし直してみる必要がある、こう思うのであります。  そこでその次の問題です。いまも触れましたとおり未処理件数が非常に飛躍的にふえている。これで見ると、このあなたのほうの特許庁の年報といいますか、これを分析してみると、とにかく三十三年が二十七万八千件ですよ。それが三十八年では約四十六万件、倍増しているわけなんですね。こんなに未処理件数がふえてきたということは、どこにその原因があるかというと、私は次のような諸点が原因ではないかと思う。そこで私は、それについて一つ一つ私の見解を申し上げますが、これに対するお答えをいただきたい。  第一に、審査官と審判官の基本ノルマが高過ぎるんじゃないか。外国の例をとってみますと、欧米の例では大体一人の年間処理が百件ですよ。ところが日本の、あなたのほうの定員といろいろな年々の処理件数を合わせて対照して検討してみると三百五十件です。日本の審査官なり審判官が、私は能率は決して悪いとは思わない。しかし欧米では百件しかやらぬものをこっちで三百五十件やれ、こういう基本のノルマのとり方が間違っておりゃせぬか、この辺のやはり根本的な再検討をすることが一つではないか、これがこういう未処理件数の滞貨がふえてくる一つの原因ではないかというふうに思う。この点に対するあなたの見解はどうかという点が第一点。  それからもう一つは、この前の質問で出ましたが、あなたのほうの年々の出願件数に対する見通しが甘過ぎる、もっといえば低過ぎる。たとえば三十八年度を見ると、総合で見て四・八%というのをあなたのほうでは予算要求の基礎にとっておられる。ところが実際にはどうかというと、項目別によって多少の増減はありますけれども、実際には総合でもって七・三の出願件数を見ておる。そのうちで一番問題の特許についてはどうかというと、あなたのほうで立てた場合の予算見積もりは五・〇です、前年度の増し方が。ところが実際は一一・一ふえている。これをもう少し分析してみると、そういう結果になる。要するに、その年その年の出願件数の把握のしかたが間違っている。したがって予算や定員や仕事の予定が初めから狂っておる、この点が滞貨のよけいになってくる原因じゃないか、こういうふうに、私はしろうとで事情がわかりませんけれども、思うわけです。この点は、どういうふうにあなたのほうはお考えになっておるかということが第二点。  第三点は、審査官と審判官だけは増員しておる。ところがこれを補助していくべき事務員の増員というものはバランスが一つもとれていない、こういう点が非常に多いのではないか。三十三年から三十七年までのあなたのほうの定員の増を見てみると、審査官と審判官は百名増員をしておるのに——定員ですよ、これは現員じゃありません。職員は二十名しか増員していない。審査官と審判官だけふやしたって、これを援助して事務的にさばいていく職員が二十名ばかりでできるはずがない。できないから、あなたのほうではどういうことをやっているかというと、審査官、審判官の定員を食って職員を実際入れているじゃないですか。こういうでたらめな増員、バランスをとっておらないところに、私はこういう滞貨の出てくる主体的な第三の大きな原因があると思う。この点についてはどういうふうに皆さんは見ておるかという点をお聞きしたい。  第四の原因としては、年々の増員計画が全くでたらめです。このあれで見ると、こんなでたらめな増員計画というものはあるものじゃない。たとえばあなたのほうでは、三十二年、審査官の増員要求は百四十二名されておる、査定になったのは七十三名、審判官の要求は二十六名、査定になったのは十九名しかない。ところが三十三年になると、審査官は一人も要求をしておらない。それから三十四年になると審査官は六十五名の要求をして十二名しか認められておらない。三十五年はややよくて七十名の要求で、これに対して五十七名とっておられる。審判官については十八名を要求して九名とっておられる。こういうように、ずっと年々の人員要求と、それのとった脈、これは一つは大蔵省の無理解な点があろうかと思います。しかしながらこういうふうな、私は何を基準に——これは一つも、たとえば滞貨の増なり出願件数の増なりというものと合っておらない。こういうでたらめな要するに増員計画、ここにも一つの大きな原因があるんじゃないか。  それから、さらにその次の大きな原因としては、仕事と人員と機構の配分ということがきわめて不適切であります。さっき言いましたように、審判官それから審査官と事務員とのバランスが全然とれておらないというようなこと。ところが出願件数はこういうふうにどんどんふえてきておるけれども、あなたのほうの分類審査官は八名でずっとストップです。これでもって一番最初出願したものの分類が早くいくはずがありません。こういう点、あるいは審判官の定員を事務員が食っている、こういう点とか、仕事と人員と機構の配分が、そういってはあれですけれども、でたらめになっておる。こういう点も滞貨をよけいにしている主体的な原因の大きな点ではないか。  その一番大きな根本原因として六つめにあげたいのは、佐橋さん、これはよく聞いておいてください。特許庁長官というのは、いわゆる通産省本省のえらい連中の腰かけの場所です。ですから、大体見てみると、特許庁の長官のいわゆる在任といいますか、平均年数というのは一年二カ月くらい。そうして次から次にかわっている。かわるものですから、長官自体が特許行政の内容というものがつかめない。しかも役人の悪いくせで、おれのいるうちに何か新しいことをやって点数をあげて一いわば特許庁というのは、通産本省からいえばうば捨てだ。だからこのうば捨てから早く浮かび上がろうというので、何か新しい仕事を計画される。事情がつかめない上、新しい仕事を計画する。そうして一年か一年半、そこらで帰ってしまうから、どの仕事も全部しり切れトンボ。あらゆる仕事がしり切れトンボになっておる。この根本の弊害を直さなければ、決して私は——特許庁の長官なんというのは、うんとえらい人でなくてもいいと思う。将来の通産省をしょって立つあなたのような人が行かなくていい。もっと地味な人でけっこう。少なくとも五年や七年はあそこにがっちりしりを落ちつけて、特許行政のすみからすみまで手に取るようにわかって、そうしてその中からしっかりした計画を立てぬことには、いま申しましたようなあれは私は解消しないと思う。今度は電子計算機を入れてやると言われましても——この点についてはこの次に質問をいたしますけれども、私はいま大きな滞貨の増してきている原因として六つを上げました。この点についてまず長官のお考えをお聞きをして、最後の項については、大臣に、はっきりした答弁をお伺いいたしたい。

佐橋滋特許庁長官

○佐橋政府委員 御質問の点についてお答えをいたします。  第一点は、日本の特許庁の審査、審判のノルマが高過ぎるのが、いわゆる滞貨を来たしておる原因ではないかということでございますが、確かにただいま御指摘のように、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスその他の国に対しまして、日本のノルマは非常に高いわけでございます。しかし、何といいますか、このノルマというのは、言ってみればいわゆる予算の請求の基礎になっておる数字でございますが、現実はこのノルマを必ずしも固守はいたしておりません。ただ日本の場合に、御承知のように特許、実用新案、意匠、商標という分類がございますが、先進国にはこの実用新案の制度がないわけでございまいます。ところで、われわれわれの一番時間を取りますのは特許、実用新案でございまして、特許、実用新案のトータルの中で実用新案の占める割合は七割ないし八割でございます。あとの二割ないし三割が特許でございます。言ってみれば、発明の程度のやや低いというものが実用新案の概念かと思いますが、いわゆる比較的容易にできる工夫考案というものが、日本の場合には相当な数を占めておりますので、いわゆるイギリス、アメリカ、ドイツ等の先進国のノルマと一律に比較するのは若干問題があろうか、こういうふうに考えております。  二番目の、出願の見通しが甘過ぎたんじゃないかという点でございますが、これはまさに御指摘のとおりでございまして、従来三十三年から三十六年までは、ほぼ十七万件のところで出願が安定をいたしておったわけであります。三十七年の後半から急に伸びてきたわけでございまして、三十七年の出願の見通しにつきましても、特許庁は明かな間違いをおかしました。三十七年から三十八年になる場合に、三十八年には大体三十七年の後半の数字で安定をするのではないかというふうに考えたところ、三十八年はさらにそれを大きく上回わる数字の出願が実際となってあらわれたために、確かに未処理案件が増大をいたしたわけであります。ところが、今年度の予算は、三十八年現在に対して五%増しの話を大蔵省にいたしまして、これは、現在のところ大体その数字で動いておるわけでございます。ただ、先ほどもちょっと申しましたように、先行出願の動向をはかる先行使用となるものがどうもございませんので、これは全くの趨勢からくる修正値で現在まで要請しておった。それが三十七年の後半から大きく狂ってきたというところに問題があるかと思いますが、今後はこういう点につきましてはあまり狂わない数字が出るのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから第三点として、先生御指摘の審査、審判官とその他の職員の割り合いが、ほかの国に対して著しくアンバランスではないかということでございますが、この点も御指摘のとおりでございます。一人の審査官に対しまして、言ってみれば補助職員は、大体先進国では三名近い人がついているが、日本の場合はその半分以下でございます。そういう点で、いわゆる審査、審判官だけがふえても、その他の職員の増員がない場合に事務処理の適正は期しがたいということは、全く仰せのとおりでございます。しかし、これは従来官庁のあまりいいところではないかもしれませんが、予算要求の場合に、何といいますか、それぞれ比較的認められやすいところで取るという、役人の悪いと言えば悪い習性がございます。特許の未処理案件の増大その他から、一番ネックになる審査、審判官は比較的増員が容易である。これはわれわれの要求どおりにはつけてもらえませんけれども、それでもなおかつほかの一般事務職員よりは、いわゆる予算の獲得が、人員の増加の認められ方が比較的容易であるという安易なところからまいっておりまして、現実の面では先生御指摘のように、いわゆる仕事に合った人員の配分ということをやらなければなりませんので、いわゆる定員の貸し借りということで糊塗しておるのが現状でございます。しかし、従来そういう取りやすいところで取る、しかも取りやすいところですら十分に取れておらないということは御指摘のとおりでございますので、昨年から、三十九年度の予算要求からは、現実をとくと大蔵省に認識してもらうことに努力をいたしまして、今年度は比較的定員を審査、審判官以外も取れておるわけでございます。ただ、従来のようになかなか審査、審判官以外の一般事務職員の増員は困難でございますので、何といいますか、絶対不足いたしております、審査、審判官の増員に主力を置いて、一般の事務職員の仕事を機械にかえて、今後の増員はなるべく少なくいたしまして、審査、審判官の充員に全力を注いでまいりたいというのが今度の機械化の一つの大きなねらいでもあるわけでございます。そういう意味におきまして、確かに日本では、先生御指摘のように仕事と人員の配分がアンバラであるということは十分認めておりますが、今後はそういう点については、御趣旨のようにできるだけ適正に運用してまいりたいと考えておるわけでございます。  それから最後のは大臣から……。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 これは大臣にお聞きしますが、いま申しましたように、五十万件近くも滞貨があるということ、これは年々の新しいものを処理していくから、このままいったら十年たってもだめですよ。これは産業上及ぼす被害は膨大なものです。非常にこれは重大な問題だ。単に事務がたまったという簡単なものじゃない。要するに特許庁内部の事情から見た——私はしろうとですからよくわかりませんが、あなたのほうからもらった資料だけをたよりにしろうと流に分析してみると、いま申しましたように五つの原因があげられる。その一番大きな原因は何かというと、長官がだめなんですよ。長官が大体平均一年二カ月ぐらいしかおられない。これは佐橋さんがだめだと言っておるのじゃありませんよ。一年二カ月では特許行政なんというのはわからない。わからないうちに——特許庁というのは通産省本省からいえば、いわばうば捨て山みたいなものだ、うば捨て山というとちょっとあれでありますけれども、わき役なんですね。だからここで何か新しい企画をして成績をあげて本省なり何なりへ移っていこうというのは、当然長官としてもそういう気持ちになると思うのです。そこで事情もわからぬうちに何か新しい仕事を始める。しかし計画が立っても事情がマッチしておりませんから、ほとんどの仕事が中途はんぱ、そして途中でさっとかわってしまう、新しい人がまた同じようなことをやっておる。こういうことですから、私は特許庁の長官のごときは将来いわゆる官界の大ものになるとか、あるいは通産省をしょって立つとかいうりっぱな人でなくてもいいじゃないかと思う。もっとじみな人でけっこうだから、こういう人を少なくとも三年も五年も安定させておいて、そして特許行政というものをすみからすみまでしっかり知って長期の計画を立ててやらなければ、今後新しい電子計算機を入れても問題は根本的に解決しないと思う。これは通産大臣として本気に考えていかなければならない。どうもいままでの特許庁長官の人事というのは、何か本省のほうでいろいろ問題があると、まあ一時あそこへやっておけということになる、やられた人は、何かここで新しい仕事をして成績をあげないことにはまた帰っていけないからやる、そしてそれが完成をしないうちにくるくるとかわってしまう、これがいま指摘したような大きな結果をもたらして、こんなべらぼうな滞貨を来たしておる根本の原因だ。ですから機械の力にたよることもけっこうですが、こういう人事の根本のあり方というものを大臣としては検討をしてやる必要があると思いますが、この点はどうですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 ただいまお示しをいただいた趣旨は全く私としても同感でございます。いまのようなやり力ではたして今後ふくそうしてくる特許の問題を解決していけるかどうかということは、かなり疑問が存すると私も考えておる。そこでこれをどう抜本的に解決するかということが今後の課題であると考えます。これに関連して人事の問題等々もお話がございましたが、私としても何とかこの問題を解決するように、通産省として大いにここいらで本腰を入れて研究してみる必要があるということを深く感じておる次第でありまして、今後そういう意味で善処してまいりたいと思います。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 時間もありませんから、今度の電子計算機を入れる問題に移ります。  これはいろいろ簡単な資料をいただきましたが、どうもこれは思いつきじゃないかという感じがするのです。また歴代長官が新しい仕事をやったと同じような思いつきじゃないか。私は電子計算機のことはよくわかりません。しかし、実はある関係で私はIBMの業務内容というものを——これはしろうとですから正確なことはわかりませんが、電子計算機が各会社等に入っておる。それとIBMとの関係をごく小さな窓から見てみますと、日本では電子計算機の使い方がまだよくわかっていないということがはっきり言えるのです。ただ概念として、電子計策機を入れれば仕事が非常に能率的になっていくだろうというふうな一般の常識があるわけですね。ところがやってみて、あすこの業務内容を、いろいろ専門的な事務をやっている連中に聞いてみますと、必ずしもそうじゃない。いま一番悩んでいる問題は、いわゆる電子計算機さえ入れれば何でも事務がどんどん早くいくだろうという常識と、これを受け入れる会社なり官庁の体制が整っていないということとのアンバランスが非常に大きい、そのために従業員も非常に苦労している。そして入れてみたところが案外能率が上がらない、間違いが多いという場合が非常に多いようです。  第一に私がここでお聞きしたいのは、この電子計算機を入れて特許庁の仕事を機械化していこう、能率をあげていこうという計画は、特許庁全体としてはどの程度の期間研究をされ、用意をされたものかという点です。特許庁のこれに連関する機構の配置その他を見ますと、これが入ってもそうひどく変わっておるようにも思われない。ですからこういう点についてどの程度——幹部が一人や二人電子計算機の仕事はやってもだめだ。全体の機構なり人員がこれをそれぞれの部門で研究をしてかからなければなかなか能率があがらないもののようであります。そういうものをやった結果この案が出てきたのかという点について、しろうとながら非常に疑問を持つわけですが、この点はどうか。  もう一点は、原簿のかわりに磁気テープを使われる。これはけっこうですが、磁気テープを使われた場合に残る問題は何かといいますと、磁気テープはたびたび使えば摩滅いたしますし、それから吹きかえが簡単にできます。そんなことを吹きかえをするような悪い人間はそうおらぬかもしれませんけれども、一たん吹きかえでもするというようなことになりますと、ずっと長期にわたって保存しなければならぬし、しかも内容が変更になっては困るという二点で、磁気テープを使われる点についても相当問題があるのではないかという点ですが、この点はどの程度研究をされたか。  それからさっきも言いましたとおり、全面的にこれをお使いになることになれば、事務の配分の点、人員の配置の点、庁全体の運営の点、機構の改革というような点を当然伴わなければ、全体が機械化して能率をあげる効果は出ないではないか。どうもこういう点があまりはっきりあらわれておりません。この準備が十分できておらないうちにへたにやりますと、二年くらいのブランクができるのではないか。いまでさえ約五十万件近くの滞貨を持っておるのに、ブランクを二年もつくったら、おそらく永久にこの特許庁の仕事を軌道に乗せることは困難ではないかという点が非常に心配をされるわけですが、これらの点については、どのような御検討、準備をされた上で始められておるのか。またこれを入れるについて将来の仕事の見通し−おそらくあなたも歴代の長官と同じようにあそこに二年、三年と腰を落ちつける人ではない。今後半年か、場合によればもっと短い間にあそこを飛び出してしまうのではないか。もちろん事務の人は残るでしょうが、長打ががちっと頭を押えた人でなければこの問題の解決はできない。歴代の長官と同じように、おる間に新しい仕事をやって、あとは野となれ山となれという犬で次の人に引き継ぐということではたいへんなことになると思うのですが、以上の諸点についての御検討なり御用意なり、ひとつ納得のいくように御説明いただきたいと思います。

佐橋滋特許庁長官

○佐橋政府委員 お答えいたします。事務の機械化は私の思いつきではないかということでございますが、決してそうではございません。確かに御指摘のように長官は一年くらいでかわっておりますけれども、この問題はずっと前の長官からの引き継ぎの事項でございまして、今度実際にそれが実るということでございます。特許庁といたしましては、審査を何らかの形で機械化することが必要ではないか。一番ネックになっております審査の処理能力を上げるために、審査の機械化というのは三十六年から研究を進めてまいっております。今度提案をいたしております法律の改正を要する事務の機械化は三十七年末から検討を加えてきまして、いろいろの事務をどうしたら電子計算機に乗せ得るかということにつきましては一年有半研究を重ねてまいり、同時に今度入れます日立製作所からも、このプログラミングにつきましてもいろいろ打ち合わせをし、実際に数回のテストをして支障がないという自信がついて、今度予算要求がやっといれられたようなわけでございまして、その点につきましては前から十分に研究をいたしてまいったわけであります。  これが幹部だけのことではなくて、全庁員が一致しなければ問題は簡単にいかぬのではないかという御指摘、これはそのとおりでございまして、特許庁は御承知のように来年で特許法施行以来八十年になるわけでございます。ところがその仕事のしかたは、八十年間全く同じようなやり方をいたしてきたわけでございます。こういう、特許庁以外の各分野におきましても事務の能率化、合理化ということが非常に大きく取り上げられておりますときに、特許庁が太政官以来のやり方で終始しておっていいわけはございませんので、能率化の線に沿ってできるだけ機械化し、能率化してまいりたいということで、この機械化を考えてきたわけでございます。ただいま申しましたように、長い間同じような仕事をやってまいった関係上、庁員が全部その気になるかどうかということはわれわれも一番頭を使う点でございまして、これは再三の研修を行ない、現在も準備室でいろいろのパンフットを出し、あるいは各関係部局一緒になって相談をいたしておりまして、この移行につきましては、私はたいした問題か起きないのではないかというふうに考えておるわけでございます。  このテープが、何回も使えば摩滅してしまうのではないかということでございますが、われわれが現在事務の機械化として考えておりますのは出願と登録を全部機械化するわけでございます。このテープ、現在ここに持ってまいっておりますが、現在の試験研究の結果では、これは千回以上摩滅しないという保証が出ております。これを二巻つくりますので、その回数があらわれますので、一巻のいわゆる寿命が切れる時期にはさらに新しいのと取りかえる、常時二本持っておるということにしてまいりまして、この登録が磁気テープ摩滅によって消耗するとか消失するということがないように考えておるわけでございます。先ほど先生の御指摘の、簡単に吹きかえられるのではないかという点につきましては、これは厳重な管理をいたしますので、吹きかえをされるということは万々ないと考えております。  機械化に伴って、いわゆる機構の問題等の御質問がございましたが、現在この機械化をやっておりますのは一部でございまして、一部が出願、登録を所管いたしておりますので、とりあえずはこの機械化についても大きな機構変革はないと思いますが、いよいよ本格的に全部磁気テープに載せるという場合には、若干の機械の手直しも必要かと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 時間がありませんからはしょりますが、私はもっといろいろ質問したいのですが、この調子ですから、質問をなるべく簡単にいたします。  そこで大臣にお聞きいたします。工業所有権制度改正審議会からは、こういう事務の機械化も必要だけれども、特許制度そのものをもっと簡単化するような、いわゆる特許制度全般の再検討、改正をしたらどうかという、結論は出していないようでありますが、結論に近いような意見が出ている。これをおやりになる気があるのかどうかという点と、やるとすれば、これとこの機械化の結びつきというものをまた新しい観点から再検討しなければならぬが、これがへたにすると私は混乱のもとになりやせぬかと思いますが、この点はどうかという点が第一点。  それから、こんなに五十万件近くも滞貨を持っている。しかも今後といえども三十七万件ないしは三十万件近い新しい出願がある。こういう状況では、これを解決するにはどうしても長期の計画的なあれが必要です。私は、少なくともいわゆる五カ年計画というものをぜひ立てなければならぬ段階にきていると思う。こういう五カ年計画を立てておやりになるお考えがあるかどうかという点が一つ。  それには一番根本は、長官の腰かけ制度をやめて、少なくともこの五カ年計画を当初から手がけて、そして一応完成して滞貨もなくなるまで、最終的にまでやれるような人をがちんとそこに据えておくということが私はぜひ必要ではないかと思うわけです。この点について大臣としてはどうお考えになっておるかという点が第三点。  第四点は、いまの庁舎でうまく専務がとれるかということですね。私はいろいろ内部の諸君に聞いてみましたが、あの庁舎ではもう仕事はできない、こう言っておる。したがって、これは機械を入れても電子計算機を入れても、それだけでなかなかうまくいくとは考えない。ぜひ庁舎の建築ということを考えなければならぬ。その際に特に重要な問題は、今度の磁気テープの保管の問題も含めて、少なくとも、書庫といいますか、いわゆる資料庫、資料の保存の一元化、能率化をはからなければ——五カ年計画もこれが一つの大きな柱になろうと思う。そういう計画があるのかないのか、またないとすれば、これから立ててやる気があるのかないのかという点をお聞きしたい。  もう一つは、特許庁の会計を見ますと年々黒字です。要するに大蔵省のほうが特許庁のもうけ分を吸い取っている。そして人員はやらない、予算はやらない、こういうことなんです。こんなべらぼうなことはないと思う。特許行政であるとか、この前問題になった電気機器の検定であるとか、世の中が変わってくるときにそれに即応するのには、従来の予算の制度なんというものは、そして大蔵省的な考えで、できるだけちょっと与えて、取るものはできるだけ取る、税金を取るのと同じように役人が頭っ張りをする、こういう財政制度というものは不適当である。私は、この点を変えなければ今後の特許行政はうまくいかないと考える。これもしろうとの思いつきですが、私はこれらの点を根本的に改善することが特許行政を軌道に乗せる根幹と考えますが、大臣はこの点についてどうお考えになりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。機械化をいたした場合において、これが今後の合理化の問題と関連して矛盾を生ずるようなことはないかというお話でございますが、われわれといたしましては、そういう矛盾のないように措置いたしてまいりたい。特に何か抜本的に考えなければいけないではないかという御趣旨は、先ほども申し上げましたが、これはほんとうにここいらで考え直さなければいかぬ、こう私は存じておるわけであります。  それから五カ年計画のようなものをつくって、だれか一人長官その他でもきちっとポストを据えておいて、それが片づくまでやらせるような意気込みでやらなければいかぬじゃないかという御趣旨、五カ年計画は実は持っておるわけでございますが、もちろんこれは遂行いたします。また人事の面についても、そういう御趣旨を体して運用をしてまいりたいと考えておるところであります。  なお、新しい庁舎でもつくって、資料の整備ということについていまの庁舎ではだめだというお話はごもっともなんです。私たちは大蔵省に対しまして常にこのことを交渉いたしておりまして、ようやく実をいいますと新しい庁舎をつくる敷地も見つかったというか、本省の中でつくるように大体話がつきましたので、近くこれを実現をいたしたい、大蔵省と交渉をいたしたい、かように考えておるところであります。  なお、いわゆる特許によりまして収入があげられておるにかかわらず、その収入が全部特許の事務に使われておらないというこの姿は、私はやはり不合理だと思うのです。これは何ももうけ仕事でやっておるのじゃないのであります。むしろ支出が多くなっても問題はない、こういう意味合いにおいて、今後予算の編成にあたっては特許のために一そうこの予算が増大し、いわゆる合理化が行なわれ、滞貨といいますか、特許の未処理件数が減っていくように大いに努力をいたしたいと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 これで最後にしますが、まだ質問したいのですが、時間の関係がありますからこの程度にしまして、繰り返して申しますが、これはある意味においていまの特許行政の行き詰まりです。これは単に電子計算機を入れただけでは問題の解決にはならない。へたをすると逆になる。ですから、この電子計算機を入れること自体についてもさらに一段と研究を進められて、万全を期していただきたい。というのは、たいがいの会社が電子計算機を入れても二年ぐらいは軌道に乗らない、かえって、むしろところによっては事務の停滞を来たす場合が多い、実際の人に聞いてみますと、こういうのが、実例のようであります。そういうことがあると、いまでさえ五十万近くの滞貨を持っておる特許庁としてはなおたいへんなことになるから、なお一段とひとつ研究にくふうを重ねた上でやっていただきたい。  なお大臣としては、いま最後に私申しましたように、やはりこれは抜本的な問題の解決を全面的にはかるよりほかしょうがない、こういう段階に来ておると思いますから、ひとつ大臣も、優秀な長官がおられるわけですから、この機会にこういう抜本的な対策を考えていただきたい。もっともこれは内閣でもかわると大臣やめられるかもしれませんけれども、少なくともそういう点についてはひとつ責任を持って善処されることを要望いたしまして、私の質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 おはかりいたします。  本案につきましての質疑を終局するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたします。  採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 速記を始めてください。  遠藤三郎君外十九名提出の工業整備特別地域整備促進法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保田豊君。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 内容を確認する意味で、三点だけ簡単に御質問をいたしますから、提案者の遠藤さん並びに政府のほうから御答弁をいただきたいと思います。  その一点は、この法案を通すについて、附帯決議が出るように、三党間で話がついておりますけれども、その第一項に「速やかに」という表現があります。「速やかに」という表現は、これはお打ち合わせのように、次期国会を含む場合もあり得る、こういうふうにわれわれは了解をいたしますが、この点を御確認をいただきたいということが一つであります。  それから、「根本的に再検討する」というのは、いわゆる補助率のかさ上げ案、普通そう言っておられますが、標準負担額をこえた場合においては、累進方式によって補助率をするということを、全体の再検討でありますから、そういう意味も当然含む。もちろんこれをすぐ認めるとかなんとかいうことじゃありませんけれども、そういう問題の再検討も含むというふうにわれわれは了解をいたしておりますが、この点もひとつ御確認をいただきたいということが一つであります。  それから、一番最後の五項に、「区域の具体的決定に当たっては、」云々というのがございますけれども、この問題については、新藤都市の指定にも多少問題が残っておりますが、特にこの工業整備については、たとえばいわゆる福山と笠岡の問題、備後地区のようなこういう問題もありますので、こういう点については、実情に即して政府側において最終決定をするときに御善処をいただきたい、こういう意味にわれわれは理解をいたしますが、この点もひとつ御確認をいただきたい。この三点であります。

遠藤三郎自由民主党

○遠藤議員 ただいまの御質問の第一点でありますが、「速やかに」という意味は、もちろん次の国会をも含めて、できる限り早くこの問題を処理しよう、こういう考えであることをあらためて確認をいたしたいと思います。  第二点の「再検討する」という問題でありますが、これはもちろん補助率の問題その他万般の問題について、不備な点を補充する、補完する、そういう意味で、あらゆる点について検討をしょう、こういう意味であることを、これまた確認をしたいと思います。  それから、第五の「具体的決定に当たっては、その名称にこだわらず実体に即して善処する」という、この問題については、かねていろいろ論議をいたしましたとおり、でき得る限り名称その他にこだわらないで、実情に合うように考えていく、善処することを——これは政府の決定事項でありますから、われわれは三党共同で政府にこれを要望する、こういう考えであることをはっきり言明しておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ただいま決議の案を拝読いたしておるわけでありまして、御決議になりました際には、もとより本委員会、国会の御決定でありますから、尊重いたすことはもちろんでありますが、ただいまの遠藤議員の御答弁の中で、この点は直接に政府に関係のあることであるからと言われました第五の点でございますが、従来から、この第五に盛られておりますような内容の御要請は、ただいま久保田委員の御指摘になりました当該地方から、私も聞いておるわけであります。それに対しましては、私ども名称にこだわるつもりはございません。しかし、おあげになりました具体的なケースは、二つの県にまたがるケースでもございますしいたしますから、両方の関係の地方並びに県において、お互いにひとつ一緒に事をやろうという合意が自然にできまして、そしてその上で、そういうことを両方とも御希望であるということでございましたら、閣議了解の趣旨にかんがみまして、その段階でそれを検討するにやぶさかでない、こういうふうに申し上げてございます。ただいまもそのように考えております。

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 おはかりいたします。  本案について、質疑を終局するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、討論に入るのでありますが、討論の通告がございませんから、直ちに採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、小笠公韶君外二名より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提案者より趣旨の説明を聴取いたします。小笠公韶君。

小笠公韶自由民主党

○小笠委員 附帯決議案を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    工業整備特別地域整備促進法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当り、左の諸点につき速やかに適切な措置を講ずべきである。  一、地方産業開発については、速やかに本法並びに新産業都市建設促進法等の関連法を併せ根本的に再検討すること。  二、工業整備特別地域整備事業の地方負担の軽減を図るため、新産業都市の場合と同様に、実施に当たっては、国の予算および財政投融資を重点的に投入し、また地方債の活用を図るとともに、当該地方公共団体の負担力と事業の内容等を勘案して、補助率の引上げ等適当なる国庫による必要な財政措置を講ずること。  三、産業公害並びに産業災害の防止を図るため、工業整備特別地域整備事業の基本計画に、公害防止及び産業災害防止対策をおりこむ等万全の措置を講ずること。  四、工業整備特別地域整備事業の実施にともなう市町村の合併は、必要最少限にとどまるよう指導すること。  五、工業整備特別地域の区域の具体的決定に当たっては、その名称にこだわらず実体に即して善処すること。  以上であります。  本附帯決議を提出いたしましたゆえんのものは、申し上げるまでもなく、今日の日本の地方産業開発体制につきましては、いろいろ施策すべき面が多々ございまするが、今後その施策にあたって特に留意すべきものがあるのであります。  その第一点といたしましては、ここに書いてございますように、いろいろな施策がございますので、それをひとつ虚心に反省し、その施策の形態、その内容、その機能等につきまして根本的に検討し、そこに統一と秩序をもたらす必要があるのではないかと思うのでございます。そういう意味におきまして、第一項を規定いたしたわけであります。  第二の問題は、おくれた地方産業開発をいたしますにあたりまして、特に工業整備特別地域整備特別事業等を行なうにあたりましては、新産業都市と同じように、地方の負担力が弱いのでございますから、その負担を軽減し、その建設事業をすみやかに完成せしめるという意味におきまして、政府がここに財政的、予算的な援助を強力に実施する必要があるということをうたっておるわけであります。  第三の問題は、申し上げるまでもなく、近代産業におきまする産業公害、産業災害の問題は、今後の社会生活と産業発展の上からいたしまして、最も重要な問題であります。今後新しく工業整備特別地域を建設するにあたりましては、当初からこの問題を頭に入れて、その対策に万遺漏なきを期せられたいということであります。  四、五につきましては、申し上げるまでもございません。五の点につきましては、先ほど久保田委員からもお尋ねがございましたような意味を含んでおるわけでございます。  以上、簡単に提案の理由を御説明申し上げたわけございますが、皆さま方の御賛同をお願い申し上げまして、提上案の理由といたします。(拍手)

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 起立総員。よって、本動議のとおり、附帯決議を付することに決しました。  この際、経済企画庁長官より発言を求められておりますので、これを許可いたします。宮澤経済企画庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ただいまの御決議につきましては、各党一致しての御決議のように承りますので、政府といたしましても、もとよりこれを尊重いたすべきものと考えます。  一言付言さしていただきますと、そのうちで第二項につきましては、新産業都市につきましても同様な問題がございまして、政府といたしまして、今後この問題を研究しようということになっておりますので、したがいまして第二項につきましても、それとあわせて検討を進めていくべきものか、かように考えております。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、理事会において御協議願いましたとおり、申し合わせの件についておはかりいたします。  まず、案文を朗読いたします。     申し合せ   地方産業開発に関する議員立法に  ついては、各党間で承前に充分協調  を図ること。  以上のとおり、申し合わせをいたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  暫時休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ————◇—————    午後零時三十九分開議

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。  本日の請願日程全部を議題として、審査を進めます。  各請願につきましては、委員各位も、文書表等により、内容等は御承知のことと存じます。また理事会におきましても、内容等を十分検討いたしましたので、紹介議員の説明等を省略して、採決いたします。  本日の請願日程中、第一ないし第九、第一一及び第一二、第一五、第三二及び三三、第三六ないし四六、第六二ないし一六一、第一六四ないし一六六、第一六八ないし一八六、第一九一ないし一九九、第二〇一ないし二〇九、第二一一ないし二三二、第二三四ないし二四九、題二五二ないし二五六及び第二六五の各請願は、いずれもこれを採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  次に、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり三十五件であります。      ————◇—————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、競輪の選手制度改善に関する件について、おはかりいたします。  理事会において御協議を願いましたとおり、本件に関し、決議をいたしたいと存じます。  まず、案文を朗読いたします。    競輪の選手制度改善に関する件   政府及び関係団体は相互に協力し  て競輪の選手処遇に関する諸経費の  増額を図るとともに、選手制度の改  善につき、速やかに総合的恒久的対  策を講ずべきである。  以上のとおり、委員会において決議するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本件の、関係方面への参考送付等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、閉会中審査に関する件について、おはかりいたします。  内閣提出の鉱業法の一部を改正する法律案、春日一幸君外一名提出の消費者基本法案、松平忠久君外二十八名提出の官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案、同じく中小企業組織法案、通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、公益事業に関する件、鉱工業に関する件、商業に関する件、通商に関する件、中小企業に関する件、特許に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件、鉱業と一般公益との調整等に関する件、以上の各案件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本国会に設置いたしました中小企業問題小委員会は、閉会中もこれを設置し、調査を続けることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員会または小委員会が閉会中審査を行なうにあたりまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合の人選、日時、手続等、並びに小委員及び小委員長の辞任の許可、補欠選任の指名に関しましては、あらかじめ、すべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件について、おはかりいたします。  閉会中の審査案件が付託になり、審査のため委員派遣を行なう必要が生じました場合は、委員派遣承認の申請に関しまして、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、明日から閉会となりますが、明日は午後二時より、閉会中の審査をいたしますため、委員打ち合わせ会を開催いたしますから、御出席をお願いいたします。  暫時休憩いたします。    午後零時四十五分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らな   かった〕

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