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46回国会衆議院1964/05/15

商工委員会 第44号

発言数
85
登壇者
11
会派数
3
開催日
1964/05/15

会議録

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 これより会議を開きます。  まず、通商に関する件について調査を進めます。  レモンの輸入自由化の問題について質疑の通告がありますので、これを許可いたします。中川俊思君。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は、最近のいわゆる開放経済を日本の貿易事情が迎えつつありますときにあたって、通産省がおやりになっておることがはたして妥当であるかどうかという点について少しばかり疑問を持っております。申し上げるまでもなく、立法府は行政府を監督する立場にあるわけでございますから、そういうような問題がもしあるとするならば、監督の責を問われる場合もございます。一体議会は何をしておるのか、こういう場合もありますので、一応政府に真相をお尋ねして、そうして政府もまた、自分らのやっておることが正しくない、これはなるほどよくなかったということがありますならば、謙虚な気持ちで反省をしていただきたい。こういう大乗的な見地に立って一、二御質問を申し上げたいと思います。  すでに御案内のとおり、レモンの自由化という問題が起こっておるようでございますが、これは私どもは全く突如として耳に入ったのであります。いずれ日本のあらゆる商品が一〇〇%自由化に向かっておることは事実でございます。それに向かって進んでおることは事実でございます。しかし、いろいろな点から国内産業を保護しなければならない面もございまして、御案内のとおりまだ自由化に至らないものがある。そういう点は十分国内手当てをして、かりに自由化になっても国内産業に打撃の起きないような措置をして自由化を進めておられるのだと私どもは信じておる。またこれが当然のことでもございまするし、日本としては日本の立場があるのでございますから、そういう手当てを十分してやらなければならないことは申し上げるまでもございません。そこで、レモンが突如として自由化されたことは一体どういう意図に基づくものか、まずその真相を通産大臣から承りたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 レモンの自由化の問題は、私が就任したときすでに、自由化の問題が出ると同時に、レモンは自由化をしてはどうかという意見が出ておりまして、外へは自由化ということは御案内のように全部いつ幾日にするとか、この品物は自由化するというようなことは前に発表しないことになっておりますので、そういうことは申し上げておりませんが、レモンの問題はもう二年前からそういう問題があったわけであります。その理由は何かということになりますと、レモンの場合は、国民が食生活的に使っておるのは大体七割以上が海外から輸入をいたしておりまして、二、三割が国内で生産される、こういう段階になっておるわけでありますが、レモンというものは国民の消費生活という面から見ても非常に国民が関心を持っており、できるだけ安くこれを手に入れる、良質のものを安く手に入れる、こういうふうな希望を持っておるわけであります。バナナの自由化が起きました前後におきましても、実はそういう問題もあったのでありますが、しかしこれが今日まで決定に至らなかったわけであります。ところが御案内のように、物価の問題に関連をいたしまして、健康的にも必要な食料でもあるし、消費者にできるだけ安く供給するには、やはり自由化する以外に方途はないであろうということになりましたので、先般の経済閣僚懇談会の席上、これが議題になったわけであります。同時に議題になったのはノリとコンニャクでありますが、これについては輸入しておる量が非常に少なくて、生産者の国内で生産しておる量のほうが非常に多い。こういう部分は逆になっております。ノリにいたしましても、コンニャクにいたしましても、国民の使う分のうちで相当部分は国内生産であります。そこにいささかレモンとの場合の相違があるわけでございますが、いずれにいたしましてもこれは自由化をすべきであるということになりまして、国内においてレモンをつくっておられる人は三千人前後——二千五百人くらいと聞いておりますが、こういう問題については、ノリや、あるいはまたコンニャク等の自由化をする場合には、もちろん生産者の問題も考えなければいけないということでありまして、われわれとしても、これは何らかの措置を農林省で今後とられるであろうということを考慮のうちに——経済閣僚懇談会ではそこまではっきりは出ておりませんが、何らかの対策は考えなければいかぬだろうという暗黙の了解もあって自由化に踏み切ったというのが実相でございます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 大臣がいまおっしゃるように、物価の問題、あるいは消費者の立場を考える、そういうようなことはよくわかっております。わかっておりますが、いやしくも政府は中小企業を助けなきゃならない、農民を助けなきゃならないというのでいろいろな政策をやっておる。農業基本法だとか中小企業基本法だとかいう法律をつくってそれぞれ対策を講じておられるのでありますから、消費者の立場を考えると同時に、生産者の立場も考えなきゃならないと思う。それならば、いまレモンを自由化するにあたって、レモンの生産者に対して一体どういう対策を、どういう手当てを講じておられるのか。いまの大臣のお話を承りますと、農林省と連絡して、まだ具体策は考えていないが、考えよう。考えようではいけない。考えてからやらないといけない。考えないうちにそれをやったところにレモンに対するいろいろな黒い影が出てきておる。突如として全く——なるほどそういう自由化の問題レモンを自由化する、レモンだけでなくいろいろな問題を自由化するというのは、もうすでに相当前から問題になっておると考えておるが、生産者対策を十分考え、しかる後に政府はその手を打つべきじゃなかったかと私は思う。農林省と連絡をして、農林省が何とか考えておるだろうでは困る。閣議の席上、農林大臣も出席しておるのでありますから、おれのほうはこういうふうに踏み切ろうと思うが、お前のほうは一体どうやっておるのかということを、大臣から農林大臣にそのくらいの質問があってしかるべきじゃなかったかと私は思うのですが、その点はどうなんです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 御案内のように、国内のレモンと海外から輸入するものとの品質、価格というようなものを比較しますというと、大体海外からくるのは七十円前後、高いのは九十円前後で、もっとも大きさにもよりますが、国内のは三十円前後、どうしてかといいますと、非常にかおりが少ない。品質淡いまのところはどうしても海外品に負けておるような実情であります。そういうふうに値段の差異が出ておるということは、品質がそれだけ相違をしておるというところに問題がある。そこでわれわれとしては、自由化をいたしました場合に、はたしてどういうふうな値の動きになっていくか。それによって、いわゆる生産者がどのような影響を受けるかということがここに明らかにされてくる。もちろん量の問題もございましょう、そしてまた値段の問題もございましょう、これは一応一定の期間——三月なり半年なりの事情を見てみれば、ここに出てくるわけであります。われわれからいえば、国内でもっといいレモンができるように育てていくほうが本筋でありますから、その場合に、もしこういういい方法があるということであれば、そういう措置も考えるべきでありますが、しかしレモンの生産者に影響を与えるということであれば、損害がどれだけあるかということでありますから、さしあたりの問題としては、まず損害補てんということである。その次には、もっとこれを奨励していくという二つの方途がなければならないと思うのであります。そのさしあたりの問題である損害補てんということになりますれば、一応実情を見た上でこれに対する態度をきめてもおそくはないのではないか、こういう私は感触を持っておりましたので、直ちにどうするかということについて農林大臣にその席で質問をすることはいたさなかったわけであります。しかし、私はこれは当然考えなければならない問題である、こういうふうには存じておりますので、これは、農林省と今後の経過を見まして、そうしてレモンの業者に対しても適当な措置をとるようにいたすべきではなかろうかと考えておるわけでございます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 大臣、おことばを返すようですが、あなたのおっしゃることは本末転倒しておると思う。ということは、自由化したならば生産者にどれだけの損害を与えるかということは、自由化して、とにかくやってみてからでなければわからないというあなたのお話。それではその政府の調査が済むまで自由化が行なわれないのならばよろしい。しかし、もうすでに閣議で決定して告示したとかなんとかいうのでしょう。そうするともう自由化の段階に入っておる。自由化の段階に入ってしまえば国内の生産者は非常な打撃をこうむる。だからその打撃はどの程度あるかということは事前に調査をして、これなら大丈夫だから自由化してもいい、こういう手を打つのがあたりまえじゃありませんか。まず自由化しておいて、そうしてどのくらい損害があるか、それを見てからやろうというのでは、ちょっとこれはおかしい。そんなことをやっておったら、レモンをつくっておる者とか中小企業者というものはその間持ちこたえができませんばたばたみな倒れていく。そういうことになれば、私が冒頭に言ったように、農業基本法をつくっても中小企業基本法をつくっても何にもならないということになる。だから、いまあなたのおっしゃることにおことばを返すようだが、本末転倒していないかと私は思う。自由化したらこれだけの損害を与えるから、それに対する手当てをしてやろう、こういうのであります。たとえば、あなたのほうで出しておる特振法でもそうじゃありませんか。もし日本の基幹産業を自由化したらどういう損害をこうむるかもわからないからして、あらかじめ特振法という法律を出して税法上の問題、金融上の問題を十分検討してからやろうというので特振法を出してきておるのじゃありませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 これは私は問題があります。もちろんあなたのおっしゃるのも一つの議論である、御意見であると思います。しかし、こういうふうに消費者がいま現実に非常に困っておる。現実に困っておるから、さしあたりそういうたくさんの消費者がそういうことを要望しておる場合には、まずそういう手を打って、事後に対策を考えるというのも一案。政治であればあらかじめ相当な影響があるということのほうが大きい。たとえば今度の場合ノリをやらなかったとか、コンニャクをやらなかったというのは、いわゆる国内で出産しておる者が非常に多いのでありまして、ウエートがまるで違う。ノリの場合だったら九〇%以上は国内生産でございます。片一方のコンニャクの場合もそうであります。レモンの場合はずっと昔からほとんど海外から輸入しておって、最近レモンをつくろうというようなことになってレモンの栽培が行なわれておるのであります。したがいまして軽重の問題を論じた場合においては、まず消費者の問題を先に考え、そしてそれが影響があった場合にはこれを考えていく、いわゆるレモンの生産業者の場合も考える。これは私はおことばを返すという意味ではございませんが、やり方としては二通りの方法があるのではないかというふうに考えておりまして、私たちは後者の方法をとったわけであります。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は、大臣のおっしゃることは、はなはだ失礼だがちょっと詭弁のように感じる。ということは、消費者の数が非常に多いので、消費者の立場を考えておれのほうではやったのだとおっしゃる。むろんわれわれも消費者全般、国民全般を代表する国会でございますから全般を考えます。しかし、それなら消費者だけよければ生産者はどうでもよろしいかということになる。だからこそ私が先ほど来申しておりますように、政府が特振法をお出しになるのでも、やはり生産者というか、つまり基幹産業の立場をまず考えてから特振法をお出しになろうというのでいま特振法を出しておられる。それは同じなんです。だからいまあなたのおっしゃることは、簡単に言えば、消費者のためならば生産者は犠牲になってもいいじゃないかということに通ずる。これは中小企業の一人や二人は死んでもいいじゃないか、農民の一人や二人犠牲になってもいいじゃないかという思想に通ずる。消費者の立場もむろん考えなければいけません。消費者はどうでもいいというのではない。レモンが高いぐらいはあなたよりも私はよく知っている。広島県はレモンの一番の生産地であるから、私はレモンの生産者からしばしば陳情も受けておるし、レモンの値段がどのぐらい高いかということも知っておる。生産者の立場も考え、消費者の立場も考える、そこをうまくコントロールしていくのが政治なんですから、あなたがいまおっしゃるように、消費者の立場を考え、レモンの値段がいまどうだ、自由化したらこういうふうになるのだということは、ちょっと極論かもしれないが、中小企業の一人や二人死んでもいいということに通ずる。だから、どうせ自由化するものならば、けがのないような方途を講じて自由化する。私が先ほど申したように、これは一体どれだけ農林大臣と打ち合わせをしておられるのか。まだしておられない、そうでしょう。閣議の席上、私が内容を聞くところによると、大臣から農林大臣に対してそういう質問もなかったはずである。農林大臣も、自由化してもだいじょうぶだ、これだけの対策は講じておるということはなかったはずです。全く突如として行なわれておる。しかも党との連絡ができていない。今日は政党内閣であります。自民党の貿易対策委員会でこの問題についてどういう結論を出しておるかということを、あなたはきのう総務会に出ておられるからよく御存じのはずだ。党との連絡もできていないでそういうことが突如として行なわれたところに、いろいろ考えなくてもよろしい疑問が上ずる。具体的なことは申し上げません。私も政府与党でございますから、あなたを困らせるようなことはしないが、私が申し上げたいことは、今後もこういうことは自由化に伴ってあるのだから、十分連絡をして、生産者も消費者もなるべく被害が少ないような状態においてやってもらわなければ困るということです。一方的に抜き打ち的にやられることは困る。石油の市況の改善策にしてもこれと同じ問題です。スタンドの新設は一切認めないという通産大臣の名前でもって指令を出しておるが、あなたはこんな指令を御存じかどうか知らないが、そのために、全国三百何ぼのスタンドの業者は非常に困っていますよ。そういう強いものではないのだ、スタンドをつくるにしてもできるだけ一定の規制を設けて、三百メートルの範囲内ではつくってはいけないとか、ちょうどだばこの小売り店のように、五百メートル離れていなければいけないとかいう規制を設けられるのはいいけれども、石油が乱売状況であるからスタンドの新設は一切認めないというような指令を出されてみたり、こういうことが通産省ではたび重なっておるから、実は前から言おうと思っておったんですが、きょう言うわけです。まだ石油の問題もあります。民族資本の石油の問題にしても、民族資本の大きな会社は、いま丸善の二の舞いにならんとしておる会社もある。そうして外資がどんどん入ってきて、通産省は石油業法をつくったけれども、石油業法はいま全く死法になっておる状況です。そういう問題がたくさんあるが、政府与党だから今日まで言わなかったが、あまり重なるからきょう言ったんです。あなたはここでいろいろなことをウナギみたいにつるつるとあっちに抜けたりこっちに抜けたりして言っておりますが、こういうレモンの問題について、たとえ一人の出産者でも一人の国民でも困らせてはいけない、困らせないような措置を講じて自由化に踏み切るべきではなかったか。どうなんです。重ねて大臣の所信を求めます。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 これは一言で問題をあれするというようなことではございません。あまりこれは議論めいたことを申すつもりで申し上げておるのではありませんが、しかし政治というものは利害対立の多い問題を解決しなければならない場合が多々あります。そういうときに、事前において問題を解決しながらいくのも一つの方法であれば、事後においてその問題の処理を考えるのも一つの方法だと思うのでございます。そういう意味合いにおいて、政治をやる場合に、一人に損害を与える場合でも事前にすべての問題を考えてからでなければ政治はやれないのだという行き方では少し窮屈になりはしないか、かように私は考えておりますので、おしかりを受けてまことに恐縮でございますが、決して生産者のめんどうを見ないという意味で申し上げておるのではないのでございまして、今後その影響等がはっきりとすぐ値段の上にも数量の上にもあらわれてくると思います。そうすれば、そういう面も考慮して十分対策を講ずべきである、生産者のことも考えて差し上げるべきである、こういう考え方を持っておるわけでございます。  なお、油の問題でございますが、これについては一応の方針として、石油業界がいまのようなやり方をしておりますと、年間四百億から五百億の損失である。そうして中小企業、特にいま御指摘になりましたような、いわゆる民族資本が先に参ってしまうということでは困る。その一番の根源になっておるのはどういうことかというと、これまた過当競争、乱売でございます。そうしてその乱売のもとをなしておるのは、むやみに過当競争をしてスタンドをつくるということでありまして、そういうスタンドをつくるようなことはできるだけ自粛をしたらいいではないかということであります。これは機械の製造業者の方が来られたときも申し上げておりますが、それを今後全然永久に許さないというわけではないのでありまして、その問題については、いま鉱山局において種々今後のやり方について研究をいたしております。したがってあなたの御心配のような非常に極端なことが行なわれないように、またそういう製造業者もその道を考えるということでなければならないではないかと私は思っておるところであります。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 時間が長引きますから、あまりなんですが、私もあなたと同じように、一人のために国民全部を犠牲にせよ、そういうやぼなことを言っておるのではない。先ほどもお話のように、全国で二千か三千ばかりだから、全国民に比べてわずかな数ではあるが、わずかな数であっても、やはり国民一人一人のことを考えて行なわなければ真の政治じゃありません。一人のために多くの者を犠牲にするということはいけないけれども、真の政治は国民一人一人のことを考えて行なうべきである。政治というものはあ——なたからそんなことを聞かなくても、私はそのくらいのことは知っている。あなたは知らないからそんなかってなことを言っておるけれども、スタンドの問題で四月二十一日に通産省はこういう指令を出しておるじゃないか。スタンドは認めないというのではない、自粛せよということを言っておる、こういうことをあなたは言っておるけれども、そうじゃない。あなたは知らないのです。読んでみましょう。たくさんあるけれども、最後に一番大事な「スタンドの増設も」つまり石油の販売競争の「遠因と考えられるので、三十九年度のスタンド関係の設備投資は原則として新規投資を認めない方針で強力な行政指導を行なう。」こういう指令書を通産省が出しておる。あなたは知らないだけです。こういうことをいわれれば業者はびっくりしますよ。こまかい問題まで大臣が一々目を通さないくらいのことは私も知っておりますが、四月二十一日付で「市況対策について」というので出しておる。こういうように原則として認めないといえば、業者は、認められない、こうくる。だから自粛せよというのと認めないというのと違うのです。  それから通商局長に聞きますが、今度のレモンの自由化について、どこか特定の会社がアメリカのサンキストとの間に特約をしたとか、日本国内における販売について特約をしたとか、そういうようなことを通商局は聞いておることがあるかどうか。それから、もしそういうことがないとするならば、従来レモンを扱っておる業者に対しては、同じような状況で輸入を認めさすのかどうか。かりに認めさすとしても、アメリカのサンキスト会社、大きな輸出業者との間にそれらが従来どおりうまくやっていけるのかどうか。やっていけなかった場合には、通産省はどういう責任をとるか。この点をお伺いしたい。

山本重信通商産業事務官(通商局長)

○山本説明員 輸入業者の中で一部の業者が独占的な契約をやっているかどうかということでございますが、私が聞いておる範囲では、そういうような事実はございません。なお、そういううわさもございますので、念を入れて調査はいたしております。いままでのところ、そういう事実は確認いたしておりません。  それから、自由化をいたしますと輸入関係の秩序が新しい秩序に切りかわってまいることは、これは避けられないことでございまして、それが公正妥当な自由競争という範囲で行なわれる限りにおきましては、ある意味において新しい秩序にかわっていくということは避けられないと思っております。ただ、それが非常に急激に行なわれ、また結果において独占的な状態が出てくるようなことがございますれば、これはまた弊害をいろいろ生じますので、その場合には、通産省といたしましてはできる範囲の指導をいたしたいというふうに考えております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 もし特定の業者との間にそうした独占的な輸入が行なわれるというような事態がありそうな——あなたはよく知らない、そういうことをうわさに聞いておるというけれども、声なきところにうわさはない。どこかにそういう声があるはずです。そのことについて通商局としてはもっと慎重に検討すべきだと思う。いまあなた、そういうことがあった場合には対策を講ずるとおっしゃるけれども、はなはだ御無礼だけれども、通商局長一人のお考えで対策が講ぜられないほど強い力が上からかかってくるかもしれない。したがって、そういう問題はいまのうちに災いを未然に防ぐ必要がありはしないかと私は考える。あなたはいまそういううわさは聞いておるがとおっしゃるが、うわさではない、事実がある。あなたは単にうわさとしてここで答弁しておられるけれども、私はその事実を承知しておる。だから通商局としてはもっと実情把握につとめて、そして事前にその対策を講ずべきではないかと思うのですが、どうですか。

山本重信通商産業事務官(通商局長)

○山本説明員 一部にそういうようなうわさがあるようでございますので、私のほうでもいろいろ調査をいたしておりますが、いままでのところ、私のほうではそういう事実は確認いたしておりません。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 時間がかかりますから、私はこれ以上なにしませんが、とにかくこれは重大な問題です。こういう問題のためにわが党内閣にいろいろな疑点を持たれるということは、通産大臣としても重大な責任を感ぜられる結果になるのですから、どうか慎重にやっていただきたいということを要望しておきます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今回レモンの自由化が突如として行なわれた。特にわれわれが遺憾とするのは、福田通産大臣の発言でその自由化がきまった、こういうふうな報道もなされております。通産大臣がイニシアをとって突如としてこの自由化を行なったというふうにわれわれ聞いておるのです。とにかく問題があるからいままで自由化をしなかった、その問題のある品目を自由化する場合には、当然のことですが、ある程度業界に与える影響等を考慮すべきじゃないか、こう思っておるのでありますが、どういうような気持ちでこの自由化を突如として行なったのか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 まず、経済閣僚懇談会における発言の、だれが何を言い、だれがどう言ったかということは申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、私がその発言の張本人というふうに新聞には書いてありますが、これは間違いであります。しかし賛成したことは事実でございまして、それはやったほうがいいと思った。それはなぜかといいますと、先ほど中川委員にも申し上げたところでありますが、レモンはもう国民ほとんどが——都会等においてはみんな食べるようになっている。そして相当高い。だんだん高くなってきておるのでありまして、最近は一つ九十円なんというものが出てきておる。産地のアメリカでは十円くらい、国内に持ってきましても二十円くらい、原価がそれくらいのものです。それがどういうかげんか知らぬがそういうふうに高くなるというのは、これはやはりそこに何かの問題があるわけでありますが、自由化をしたほうが値段が安くなる、そして消費者に安いレモンを提供できる、だからこの際はひとつこれをやったほうがよろしい。ほかのものは生産者が非常に多い。生産者が多い少ないということで問題をきめるわけではありませんが、先ほど申し上げたように、どういう影響があるか。いま国内のレモンは三十円くらい、海外から来ておるものはどんなことをしても七十円平均であります。そうすると、そういうふうに値段の差があるのは品質が悪いのでありますが、しかし自由化をいたしました場合に、どの程度に国内に——いまつくっておられる人が同じように三十円で売れて、そして数量もそれだけ売れるということであれば、これは影響があったとは言えないわけでございます。そこでそういう事情をよく調べた上で、値段というものはなかなかむずかしゅうございますから、それをはっきり幾ら下がるだろうということもわれわれは断定できないわけであります。だからそれも見た上で対策を考えよう、こういう考え方に立ちまして、まず消費者が高い値段で買わないようにするという意味で自由化に踏み切った、こういうわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 値段を考慮すると、消費者の立場を考えると自由化したほうがいいだろう、こういうことのようであります。しかし消費者の立場を考えて自由化するというのは、いま中川委員も言われたように、工業製品の場合には私はそれはそのまま当たるだろうと思うのですが、農業生産物を自由化するということは、消費者の立場だけでは私はむずかしい問題があると思う。御承知のようにEECがイギリスの加盟を拒否したのは、フランスの農産物との関係が中心であります。それからEECの中でも農産物についてはなかなかお互いに利害が対立しておって、しかもそれが農民層に影響を与えるということで自由化が進まない状態であります。ですから、農業生産物の自由化を今日政府がずっとおくらしておるのはそこにあるのであって、ただ消費者側の立場がいいから自由化をしたほうがいいという理屈では私は政治にならぬじゃないか、こう思うのです。一体、この自由化に踏み切って実行された場合にどういうような打撃が日本の生産業者に与えられますか、どういうことを予想しておるのですか。もっとも、自由化するからには心配ないのだ、何とかやっていけるのだということで自由化に踏み切ったかと思うんですが、実際これが自由化されてアメリカから二、三十円のレモンが大量に入った場合に、一体影響なしと思っておるのですか、その点、大臣どうお考えですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 これは価格の問題ですから、必ずこれくらいになる、入ってくるのが幾らになる、こういうことは私は予想で申し上げるのでありますからあれでありますが、海外から入ってくるのは大体五十円前後にはなるのじゃないか。そうすると、国内のはいま三十円くらいいたしておりますが、これが二十五円になるか、そこら辺は品質の差でありますからも嗜好にもよりますし、いろいろあるでしょう、だからそこら辺まではなかなか予測しがたい。そこで、そういう現実の問題として、ここで三カ月なり四カ月なりたちますと価格の面に影響があらわれてまいりますので、そこで対策を考える、こういうことです。対策を考えないというのじゃございません。  それからあなたのおっしゃった農業生産物は慎重にやらなければならない、これはもちろんごもっともで、今後もわれわれは慎重にやります。特に酪農製品であるとかそういういろいろ問題になっているものにつきましては、非常に神経質に取り扱ってきておるのであります。ただ御案内のように、それは数が少ないからかってにやっていいということで申し上げておるんじゃありませんが、日本の農業のうちで三千人前後の方がやっておられるわけであります。これはもちろん海外から輸入するよりは国内でいいものができたほうがいいのでありますから、そういう政策はまた別に考えなければいかぬでしょうが、とにかくいまの場合それがどの程度の影響ということになりますと、われわれは一応期間を限ってみて、そうして現実の姿を見た上で措置を講じたい、かように考えておるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 では農林省園芸局長に伺いますが、いま通産大臣が言われましたように、三十円程度のものが二十五円程度になるかもしれぬ、とにかく相当の値下がりをするということは予測されております。これは一応の予測で、あるいは三十円が二十円になるか十五円になるかわかりませんが、この自由化をされた場合に日本の生産業者にどういう影響が考えられますか。とにかく二割はいまのところでも下がろうと大臣も予想しておるのです。二割というのはたいへんな金額に当たると思うのですが、そういう暴落をした場合に生産業者にどのような影響を予想しておりますか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 現在のレモン生産業者の収益の状況を推算いたしてみますと、これによりますと反当で二十万円から二十五万円前後の収益を上げておるというのが現状であります。これは他の果実の収益と比較してみますと、よいと言われておる雲州ミカンよりもいいとさえ言われております。これがどこまで下がるかという問題でありますけれども、かりにこれが十五万円まで下がったとした場合に、他の果実と比較しますと、雲州ミカンよりは若干悪くなりますが、他の桃やナシ、カキ、そういう果実よりはまだまだよいと思います。十万円程度にまで下がっても、まあそういうことはめったにないと思われますけれども、十万円程度に下がってようやくカキ、ナシ、桃等と大体バランスのとれた収益になるというわけでありまして、確かに自由化の結果によりまして生産業者の手取り額が相当減るということは起こると思います。しかし結果的な数字として見ますと、他の果実と比べてそれほど悪いものにはならないという予測を立てております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私はこの点しろうとですが、これはいずれ生産業者を呼んで事情を聴取してみなければわからぬと思うのですが、それでは農林省はこういうことですか。今度の自由化は大賛成だ、日本のレモン生産業者に対する影響はさしてない、どっちかというと日本の生産業者というのはいまもうけ過ぎている、だから、いま大体反当たり二十万円から二十五万円の収益を得ているから、これは最も多いという雲州ミカンよりもなおいいのだ、十五万円程度というと三割から四割ですが、三割以上下がってもまだ桃やナシやカキよりも収益が多いから、とにかく相当の値下がりをしても生産業者にさしたる打撃はない、こういうわけですか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 御質問がどういう影響を与えるかという御質問でございましたから、それを私申し上げたわけでございますが、先ほどの御答弁の中で申し上げましたように、生産業者にとっては、現状に比べまして相当の手取りの減はありましょう。その点はわれわれとしてもまことにお気の毒だと思っております。ただ、それが客観的にどういう状態になるかということにつきましては、先ほど申し上げたように他の果実とのバランスの点から申しますと、大体バランスのとれたかっこうになるということが予想される、こういうことを申し上げたわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この生産業者の経営の実態等について、資料をあとで出してもらいたいと思います。これはカキやナシや桃を専業でやっている方はあまりないのじゃないかと思う。一部にはあるかもしれませんけれども、しかしこれは資料を見た上で議論したいと思うのですが、農林省としてはこのレモンの生産業者が相当の利益を上げておったから、この際自由化をして相当値下がりさして消費者に喜ばれても、生産業者にはさしたる打撃はないのだ、こういうたてまえのようでありますから、これはひとつ生産業者の実態を調査の上で、また質問したいと思うのであります。  このレモンの自由化について問題のもう一点は、中川さんは与党ですからたいへんおとなしく言われたのですが、この米国のレモン業者、これは御承知のようにサンキストというのが一番大きいのだそうでありますが、これが日本の伊藤忠商事、あるいは西本貿易というような大きな商社と結んで、日本の販売網をひとつ独占的に行なおうというようなことで、しかも日本の関係業者が急遽渡米して目下打ち合わせ中だ、こういうことなんです。もしこの新聞報道、日本経済新聞の五月十二日ですが、この新聞報道のとおりであるとすれば、私は、日本のレモンの販売業者に非常な打撃を与えるんじゃないかと思うのですが、この点に対する影響の度合いというのをどういうふうにお考えでありますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 先ほど通商局長からも中川委員の質問にお答えをいたしましたが、私も実はその問題は、通産省として一番責任のある立場にあるわけでございますので、最も神経質に当初から考えておるところでありますが、ソール・エージェントをつくる意思はいまのところないということを、サンキストははっきり明言しております。したがって、だれが買いに来られても売りますと、こう言っている。自由にする、こういうことでございますから、そこで私は、いまのところそういうことはあり得ない、こう信じておるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 だれが買いに来ても売りますということは、日本の、そういうある政界の一部と結びついた人の情報によって、最初にサンキストに話を持っていって、売ってくださいと言えば、実質的にはその人に全部売るということになるんじゃないですか。それはサンキストの立場は、買いに来ますればどなたにも売ります、こう言うには違いません。しかし、この二つの商社と合弁会社をつくらないならつくらないかもしれませんが、実際はこれに優先的に売って、実質的にはそういう独占権を考えるということになりませんか、そういう心配もありませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、そういう心配はないと思っております。ということは、それはお説のように、私が申し上げたのは、ソール・エージェントは考えていない、そういうことははっきり言っておりますが、これは、品物が百しかないところを、百先に買い占めてしまえば、あとの者は買えないのじゃないか、こういう形は起こるかと思いますが、これは自由競争の問題でありますから、それはあり得ると思います、そうなるというのではなくて。そういうことはしないようにしてもらいたいということは、はっきりわれわれのほうから申し入れるつもりであります。そういうことはしてもらいたくないし、またそういうことはする意思はございませんと向こうがはっきり言っておるのでございますから、向こうの言うことを信用いたしておるわけであります。事実が出てくれば、それはそれとしてまた考慮せざるを得ないでありましょう。

板川正吾日本社会党

○板川委員 通商局長に。日本のなまミカンは、アメリカに自由に輸出できておりますか。

山本重信通商産業事務官(通商局長)

○山本説明員 検疫法の関係がございまして、現在輸出いたしておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 これは、かつてレモンを自由化する場合に、日本側としては日本のなまミカンを買ってくれという注文をつけたことがあるんだそうだ。なまミカンを買ってくれればレモンを自由化してもいい、こういう注文をつけた時代が前にあったそうだ。これは当然だと思うんだね。向こうのいわゆるかんきつ類を輸入するのだから、日本のもひとつ買ってくれと言うのはあたりまえの話です。ところが、日本のなまミカンには虫がいるということで輸入をさせないというなら、この問題をいつまでも向こうの言うとおりに——われわれ虫のいるのを食っているのかもしれませんが、とにかく虫がいるということで自由に輸入をさせないというのは、この問題、片手落ちじゃないですか、この点どう思いますか。

山本重信通商産業事務官(通商局長)

○山本説明員 従来正式に交渉の場で先方にその両方の問題を結びつけて話をしたことは、私の承知している限りでは実はございません。しかし、先方に対して、ミカンの問題はミカンの問題としてかねてから申し入れをいたしております。特に先方が何か輸入制限の意図を持ってそういうことを言うようでありますと、わが方としては絶対がまんできないことでございますので、その点は従来からも強く申し入れをいたしております。ただいまのところ先方で、虫といいますか、病気のことを非常に心配しておりますので、その点十分になお調査を進めてもらいまして、できるだけ私たちのほうの輸出もできるように、今後も強力に交渉を続けたいと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 実際になまミカンには虫がおりますか。アメリカの言うように虫がおりますか。調べたことがありましたか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 これは従来アメリカとその問題で意見の相違がございまして、日本側といたしましては、十分に防除の措置を講じておる。したがって、だいじょうぶですといっておりますが、向こうとしてはその程度の防除では安心できない。とにかく技術上の問題でありますとともに、病害虫の問題はアメリカとしてもきわめて神経質に考えておるわけであります。もしもそれが入りますと、アメリカのそういうかんきつ類が全部やられてしまうというおそれもある、そういう意味できわめて慎重に扱っておる、これはやむを得ないことだと思います。意見の相違はあったことはあります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 日本ではなまミカンに虫はいないと思う、しかし、アメリカのほうはいると神経質に言っておる。農林省はこれでやむを得ないというようなことじゃ、幾らこれからも交渉したって、実際はなまミカンの輸出なんてできないのじゃないか。だから私は、虫がいるということで輸入させないということは、向こうのかんきつ業者を守ろうとするアメリカ側の意図であって、われわれのほうとすれば、そういう虫がいるとかいうことに因縁つけて、自由な輸入を阻止しておるというほかはない。それを農林省がどうもやむを得ないと思うなんていうことじゃ、向こうのレモンは自由に輸入をすることになったが、日本のやつはやむを得ないじゃ困るので、自由にするということを了承する限りは、日本のなまミカンもどんどん輸入してくれ、それをやるのがあたりまえの話じゃないか。やむを得ないじゃ済まないと思う。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 やむを得ないと申し上げましたのは、神経質になることはやむを得ないと申し上げたのであります。われわれといたしましては、もちろんアメリカに対して十分な措置を講ずるからぜひとも輸入の許可をしてもらいたいという折衝は従来もやっておりますし、今後も強く進めるつもりでおります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 なまミカンがアメリカに輸入される見通しがありますか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 現在のところ、その病害虫の問題で打解の見通しは立っておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私は、レモンの自由化をやるというなら、従来からもそういう問題があったのですから、そういう問題を取り上げて向こうに譲歩をさせた上で自由化をやるべきじゃなかったか、こう思うのです。  時間の関係で、もう一点でやめますが、通産大臣に最後に一つ伺いますが、このレモン自由化は、このまま閣議決定どおり踏み切ってやりますか。それともこうした国会の意向を取り入れて、これに対する何らかの措置を講じますか、この点だけ一つ伺いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 ただいまのところ、先ほど申し上げましたように、方針を変更する意図はございません。ただ、生産者に対する対策については、よく事情をつまびらかにいたしまして、対策をきめてまいりたい、かように考えております。   〔委員長退席、小川(平)委員長代   理着席〕

板川正吾日本社会党

○板川委員 資料の要望を一つしておきます。生産者の実態等についてあとで資料を出していただきたい。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 先ほどの御質問の中に、農林省としては、現在が非常に収益が大きいから、少しは安くなってもいいんだという意味において自由化をしたのかというような御質問がありました。私の答弁は、どういう状態になるかということについての農林省の見解いかんという御質問でございましたので、そういう影響の度合いについての推測を申し上げたわけでございます。自由化の可否につきましては、先ほど通産大臣からも御答弁がありましたように、それが国内生産者に及ばす影響の深さなり広さ、あるいはまた消費者物価の問題、あるいは流通合理化の問題、そういったものを総合勘案して考えたわけでございまして、単に、先ほど申しましたように、生産者に対する影響が比較的少ないからそれだけで踏み切ったのでありますというわけのものではございません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私が質問したのは、通産大臣が、大体これを自由化するために二割ぐらい下がるかもしらぬ、確たる見通しはないけれども、とにかく下がることは事実だ、また下げるために、消費者のために下げる方法としてこういうふうに自由化したのだと言われた。だから下がった場合にいまの生産業者にいかなる打撃があるのか、影響があるのかということを私は聞いたのです。ところがあなたの答弁は、それには答えていない。答えてなくて、いま反当たり二十万から二十五万に収益をあげておる。これが十五万円になってもミカンよりは多いじゃないか。十万円になれば、ナシや桃やカキと同じぐらいになる。だからこういう実態からいうと、ナシや桃やカキから見ればまだもうかっているから自由化してもたいした影響がないというふうにわれわれは聞くのです。そういうようにとっているのですよ。だからそういう実態をなおわれわれは調査をして次の機会に農林省の見解もさらに追及したいと思っている、こういうことです。

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 久保田豊君。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 関連をして通産大臣に要点だけお聞きします。  第一に、このごろレモンが非常に高くなって九十円もするようになった。だから消費者が非常に困ったから自由化した、こういうことですね。消費者というのは何ですか。いま大体においてことしの上期のレモンの輸入の割り当てワクは百三十万五千ドルぐらいです。全部入れてみたところが、下期も同じようにしてみたところが十億円足らずじゃないですか。これの消費者というのはいまどういうものかというと、これは一般大衆じゃありませんよ。国民からいえば、ある意味においてぜいたくに属する面です。アクセサリー的な消費です。食生活が非常に高度化してくるにつれて、こういうレモンのそういう意味での消費もふえておることは、これは間違いない。ウイスキーを飲むときにレモンを中に入れたり、あるいは料理の端へちょっと入れたり、あるいはいろいろな飲料の材料の味つけに使ったり、こういうのが今日の現状でしょう。これはふえます。ふえますけれども、そういう面がいわゆる消費者の全般的な負担になるなんということはほとんどない。これはいまのところ、いわゆる特殊消費、需要であります。そういうものは、かりにいままで五十円だったものが九十円に上がったって、国民生活全体にはたいしたことはない。ただ輸出入の関係からいえば相当問題になります。そこでこの点に対して大臣の認識は全く——ただ消費者、消費者と言うけれども、消費者の内容なり消費の内容というものは分析してあったか、分析していない。この点について第一に今度の処置はおかしい。  もう一つは、この点をはっきりお答えを願いたいのだが、この問題の経過というのを御承知のはずだ。これはあなたが大臣になる前だけれども、三十一年に御承知のとおりバナナの輸入が問題になって、そしてこのバナナについては生産者のほうから、特にリンゴ業者あるいはかんきつ業者から反対が多くて、これは一応延期になった。その際にレモンは一回自由化したのです。ところが当時は、レモンは生産者のほうからいうと、ようやく芽がふき出して、これからやろうというところであります。そういう段階で、御承知のとおり三十三年になってまたこの自由化の取り消しをしておる。その取り消しをしたときの基本的な方針というのは何かというと、こういう特殊の消費の少量なものについては日本の農業で、特にかんきつ作地帯においてやっていけるという観点から、そのときははっきり自由化の取り消しをしておる。それから以来、御承知のとおりレモンというものにかんきつ作地帯において農民が関心を持ってきたわけです。さっき園芸局長は反当二十五万円ぐらいになるとおっしゃったが、それは成園のことです。いま成園というものは、日本のかんきつ類にはそうたくさんはありません。三十三年に自由化が押えられてから、初めてレモンについても、もう少ししっかりつくってみようじゃないかというので、その当時から作付がふえた。まだ成園でありませんからレモンもそんなにとれない。一反歩から二十五万円とか三十万円というのは、成園の場合は、そのくらいとれましょう。しかしそうなったのは少ない。御承知のとおりかんきつの作付はずっと急速にふえている。この中にレモンというものが相当のウエートを占めておる、こういう段階です。ですから私は多少この際輸入レモンの値が上がったからといって、その消費の特殊性というものも考えずに自由化する。いままででも全く朝令暮改じゃないですか。三十年に自由化して、三十三年までやってみて、そうして今度は国内での増産でやるのだということでこれを取り消しておる。また今度は少しばかり上がったら、今度はまた自由化する。自由化しなくても、それだけ消費が上がるというならば、当面の段階として、そういう経過を考えて、前期のあるいは後期の為替の割り当てのワクをふやせばいいじゃないですか。百二十万五千ドルで足りないというなら、これを二百五十万ドルなり、三百万ドルにしてやったら値が下がるのではないか。そういう経過措置を考えずに、この際、そういうものを飛び越えて、突然今度は自由化をする。しかも農業のほうは何らの措置もとられておらないではないか。せっかくこれから農民がレモンの質を改善して増産をしようというので植えつけをどんどん始めた。まだこれは実はなりませんよ。期間は相当長くかかります。これが成園になるにはまだ三年、四年かかる。そういう際に、またここでばっさり自由化するなんということは、私には全くその考えがわからない。ですから新聞に載ったようなことや、あるいは最近政界でいろいろなことが取りざたされることは当然だと思う。しかもこれは私どもの聞いたところでは、経済閣僚会議の懇談事項には予定をされておらなかった。その際に突如として、あなたが言い出したのか、だれが言い出したのかしらぬけれども、突然に予定事項外の問題を取り上げて即決をしてしまう、こういうやり方というものは、どうしてもこれは暗い影があると見ざるを得ない。暗い影があるかないかは別といたしまして、こういう消費の特殊性というものを正確に認識せず、そうしていままでの政府のこの問題の扱いの経過というものを全く無視した、しかも国内のレモン生産というものがようやく基礎を持ちかけたときにこういうばかなことをやることは、どうしても納得できない。私は、もうすでに告示をしたものだと思いますけれども、政府はあらためてこれを検討して取り消すべきだ。取り消すべきが当然であります。いままでの経過並びにこの問題の性質からいって、どういう理由があるのか知らぬが、これは取り消すのが当然であります。  以上四点について、大臣のはっきりした御見解をひとつお聞きしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 先ほど来、各委員からの御質問でお答えを申し上げたところでありますが、半期百三十万ドルとか、あるいは年間二百七十万ドル、それを使う人の層は非常に希薄である、こういうお話でございますが、われわれの見るところでは、家庭でもレモンを買って、健康のためにずいぶん食べておられる人もあるようでありまして、もちろんそういうものを食べない人もあるし、また紅茶に入れるというので自分のうちでレモンを買っておられる人もありますので、これは私は、ある意味では見解の相違になるかと思うのでありまして、消費者がどのくらいまでふえておると考えるか、こういう基準というものはなかなかむずかしかろうと思うのであります。したがいまして、消費者の面を考えて今度自由化をいたしたのでありますが、しかしその場合に生産者にどういう影響が起きるかということは、われわれとして、いますぐにはその質、量がわかりませんので、それを十分調査した上でこれは考えてしかるべきことである、こういうふうにわれわれは理解をいたし、また対策を考えておるところでございます。  四点ということでございまして、あるいは私のお答えが抜けておるところがございますれば、またお答えをいたしたいと思います。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 関連ですから要点だけ言いますが、輸入レモンがいま相当上がったというなら、これに対処する対策としては、私が申し上げたように、当面の対策としては、いままでの経過なりそれから農業との関係を見れば、輸入の割り当てワクをふやせばいいじゃないか。そういう措置をとらずに、なんで一挙にそういう措置を飛び越えてレモンの自由化をしたか、この点がわからないのであります。ですから私は、そういう経過から見て、政府はこの際、はっきり今度の自由化措置を取り消して、そうして輸入ワクをはっきりして、統制下のいわゆる割り当てをふやしたらいいじゃないか。追加の割り当てをしたらいい。そうすればレモンは下がってきますよ。ちっとも心配はない。そういうワクの中で、国内のようやっと芽を出してきたものを育てていくというのが政府の基本方針です。そのために三十一年に自由化をしたものを三十三年に取り消しているじゃありませんか。そういう経過をあなたは全部無視していまのようなお話をされることはだれだって——まあ中小企業者の問題とか、あるいは大手の連中がサンキストをどうやったとか、いろいろ問題があります。しかし、私はそういう問題に触れる前に、本質的な政府の政策、態度というものが一貫していない。どうしたって、どっちから見たって、これは筋が通らない。ですから、繰り返して私は御質問するわけですが、これははっきり政府の間違いですから、いろいろな経過から見て間違いなんだから、間違いは率直に反省をして、この際、自由化措置を取り消す。そうしてレモンの値上がりについては輸入ワクの割り当てをふやしたらいい。これが一番妥当な措置だと思いますが、その御決意があるのかどうか。この点をあらためてお伺いをいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 レモンを国内でつくっている、また優良なレモンをつくるようにするということについては、私は、政策として今後も続けていいかと存じております。必要があればそういう措置を講じたらいいと思います。ただ三十一年から三十三年、また今度、こういうことでございますが、もうその間相当年限もたっておりますし、私たちとしては、いまのところこれを取り消すという意思はないわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 もう一点だけ。それなら、そういう経過と、納得のいくような理由づけをはっきりしてもらいたい。いままでのようなお話では、どうしたって、だれだってこれは納得しませんよ。何かその間に別の要因が働いてこういう措置になったとしか考えられない。はっきり申すと、なぜこの際に、そういういままでの政府の政策、態度なり何なりを急変しなければならなかったか。ただ単にレモンの値が上がったから消費者が困るというだけでは理由になりません。そのレモンの値上がりを押えるには割り当てをふやせばできる。それをワクをふやさずに今回突如として自由化したという理由の説明には、いままでのあなたの説明では一つもなっておらぬ。あなたはそれで説明ができたつもりかもしれませんが、国民は納得しませんよ。私は、この点についてのはっきりした納得のできる、少なくとも国民の納得のできるような御答弁が政府からない限り質問を留保します。この点について、いままでのような御説明では、十分に具体的な措置の方法があるのに、それを飛び越えて、突如として一切の経過と政策の方向を無視した今度のような決定をされたという理由の説明にならぬ。この点をもう一度はっきりお示しをいただきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、これは御意見であるかもしれませんが、消費者が非常に高いものを買うということをできるだけ押えるという行き方では、あなたの仰せになったような行き方も一つの方法と思いますが、自由化をするというのも一つの方法だと考えておるわけであります。そうなりますと、意見の相違ということにあるいは相なるかもしれません。ただし、この問題に関連して何らかの変な問題が裏にあるのではないかということでございますが、私は断じてそのようなことはない。また私はそういうことを関知もしておりません。もしそのような事実があれば、われわれとしては責任をとるべきだろうと思っております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 私は関連ですからこれ以上のあれはいたしませんけれども、これはなお外務大臣なりあるいは農林大臣が事の真相なり、政府の政策、態度というものががらっと理由なくして変わったことになりますから、もう一度、短時間でよろしゅうございますから質問させていただきたいと思いますから、質問を留保して、私の質問は一応打ち切りにします。

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 中村時雄君。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 私は時間がありませんので、三点ないし四点にしぼってお尋ねをしていきたいと思います。  御存じのように、三十一年に自由化をされて三十三年に突如自由化が禁止になっていった、その理由は一体どこにあったのか。これが第一点であります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 三十一年に自由化をして三十三年に改めた、今度どういうわけでこういうふうにしたか、私はこれは理由をつまびらかにはいたしませんけれども、政策の変更というものは、私は世界情勢がこういうふうに動いておるような時代においてはまま起こり得ることだと思うのでありまして、こういうレモンの問題についても、消費者が非常に高くなるということであれば——その当時の値段と比べていただいてもわかると思いますが、非常に値段が高くなってきておる。だからこの際には自由化したほうがいい、こういう意味で踏み切っておるわけであります。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 どうもレモンの問題でだいぶ通産大臣もすっぱくなったらしいですが、この理由はそういうところじゃなかったらしい。当時競馬の問題で農林委員会でいろいろな問題が起こった。そのときにいろいろな商社がその中に介在をした。その中にレモンの問題もからんできたのであります。そのときレモンは禁止のたてまえをとっておったが、政府のほうに向かって、レモンが腐っておるからというので、無為替輸入を二年間やったはずであります。そういうたてまえから、けしからぬという声がほうはいとして起こって、ついにその当時の河野農林大臣は自由化せざるを得ないという立場をとって自由化された。そうして自由化になっておったものが、また突如として自由化禁止の方向をとってきた。それは私はほとんどが政策であり、あるいは生産農家のため消費者のためでなくして、与党内におけるいろいろなたてまえが、まあ何個師団に分かれておるか知りませんけれども、そういう関係から、この問題が政治的な力を持って再び現在のような統制に入った、こういうのが私は経過であったと思うのです。そこでその統制になったものが今度自由化される。その理由は先ほどから通産大臣がお話しになっておる。私どもはこういう見解を当時持っておった。そこで、レモンはわずか十億ドルくらいであり、しかも実際のアメリカのレモンと競合していった場合に、はたして国内においてそれ以上の品質のりっぱなものができる自信があるかどうかという問題が一つ。もう一つは、経営上がら見て、そういう姿で立ち上がるよりも、少なくとも園芸作物として別途の方向で生産者というものを守っていくのがほんとうでないかという考え方を持っておる。そういう立場から考えますと、果樹、たとえばリンゴであるとかあるいはミカンであるとか、そういうかんきつ類を含めて一番大きな問題は、生産者、農家として最も打撃をこうむるのはバナナの自由化であります。そこでバナナの自由化を阻止して、レモンのような影響のあまりないものを自由化すべきが当然じゃないかと思っております。しかるにそれが逆の方向をとっている。だからこそその自由化を禁止していった理由をお聞きしたのであります。  そこで第二点としてお尋ねしておきたいのは、園芸局長もここにいらっしゃいますが、現在ミカンがあまりアメリカに入らないという、その理由は防除、その面からこれを輸入しないのだという。実際にあなた方はその後的確に日本のミカンの輸出に伴うところの防除に対する研究をしたことがあるのかどうか。事実防除が完ぺきであるとは思っておりません。あなたは何かあやふやなことを言っておりましたけれども、きれいごとではなくて、ほんとうの姿を、実態の上に立ってものごとを考えていきたいと思っておる。そういう立場からあなた方は研究をし、それがよりよき方向をとっているか、この点をお聞きしたい。  続いて、ミカンが向こうで輸入されないとおっしゃいますけれども、かん詰め類はどうですか。ミカンのかわりにかん詰め類として送っているものが大体金額にして幾ら。逆にレモンのほうは日本が輸入する金額は幾らでどういうふうになっておるか、ここで見解を発表していただきたい。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 第一点の防除の問題でございますけれども、これはアメリカの技術者などを呼びましていろいろ打ち合わせも昨年しております。その結果といたしましては、こちらの技術者のほんとうの見解を申しますと、アメリカの要求するような一〇〇パーセント安全であるということは現段階では言い切れない。その点がこちらの弱味であるということを申しております。はたして一〇〇パーセントの安全度を要求することが正しいかどうかということに、実は問題があろうかと思います。現段階においては一〇〇パーセントの安全度を要求され、こちらはそこまでいっていないというふうな違いがあるのでございます。  それから第二点でございますが、ミカンかん詰めの輸出は約二千万ドル。これは大部分アメリカでございます。それに対しましてレモンの輸入額は約百五十万ドル前後というわけでございます。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 そうするとミカンのほうは大体において二千万ドル近く、レモンのほうは輸入されるのが百五十万ドル近く、したがってケース・バイ・ケースでいったら名目は立つというわけなんですね。そうすると残る問題はどこにあるかということなんです。あなたにひとつお聞きしておきたいのは、ここが一番大事なところですよ。日本のレモンがアメリカのレモンと競合ができるだけの実質的な方途が見出せるかどうかということ、このことをお聞きしておきたい。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 現在の日本のレモンは、アメリカに比べましてやはり品質が劣っております。この原因は、収穫後の取り扱いにつきまして日本が不十分であるという点もございますが、同時にまた、気象条件が日本は適さないということで、その面から申しますと、やはりわれわれといたしまして近い将来に日本のレモンをアメリカのレモンと品質上対抗できるようにし得るという自信は持っておらないのです。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 私はレモンの自由化がどうとかこうとかと言うのではなくてももっと本質的な問題にきていると思うのです。一体何ゆえに農業基本法をつくり、何ゆえに構造改善をやり、何ゆえに選択的拡大の方向をとり、しかも池田さんに言わせたら革命的な改革をやるのだということになれば、なぜそういうことをいままでも便々としてやらずに、よりよき指導法であなた方は指導しないのか。そういうことが明確に裏づけができないからこそ、いろいろな問題が、生産技術としての立場が問題になってくる。私はよりよき経営の成り立ちができるならば、そういう問題の解決の方向はあると思うのです。それについてどういうお考えですか。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 従来農林省といたしましても、レモンの生産につきましては積極的にこれを推進する考えはございませんでした。しかし、また反面におきまして栽培をしようという農家に対して、それをおやめなさいとまで積極的には申しておりません。しかし、御指摘のとおり、これはそういう品質の面におきましてはたして将来相当競合できるかどうかという点については問題がございますので、生産をする場合におきましても慎重な将来への見通しを立てた上でやるという点につきましては、今後も十分指導していきたいと思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 時間がないのでやめてくれということなのですが、その関係はまたあとでそれじゃゆっくりやるとして、いま言ったように、やはり農村の生産者、業者の問題を明確にしておくということを総合的な基本対策の上に立てて今後やってもらいたい。いま私がとめても自由化がとまるわけでもないので自由化される。自由化をされる名目は明確になると思うが、名目の犠牲になる人たちをどうするかということが今後事務当局としても一番大きな問題としてあらわれるだろうと思います。そういう立場は通産大臣としても十分御配慮願いたいし、その心がまえをお聞かせ願いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 先ほど来申し上げておりましたとおり、傾向を見て善処いたしたいと思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 それから、これと同じように韓国ノリの問題にしても、現在日本においては四十億枚といわれておる。それが三十億枚しかできない。できないという間隙を縫っていろいろな問題を惹起しております。一々私は詳細にわたっていろいろな質問をしたかったのでありますが、私に与えられた時間が五分しかないので質問にも何にもならないが、結論だけを、腹がまえだけを通産大臣に質問をしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 ノリその他とコンニャク等の問題については、十分慎重に配慮いたしてまいりたいと思います。      ————◇—————

小川平二自由民主党

○小川(平)委員長代理 次に、内閣提出のアジア経済研究所法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日は、本案審査のために参考人としてアジア経済研究所所長東畑精一君、同じく理事渋沢正一君、田島秀夫君の三名が御出席になっております。  まず、研究所長からアジア研究所の事業経過等についての説明を約十分程度聴取することといたします。東畑精一君。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 アジア経済研究所の法律案の改正につきまして、皆さんのお呼び出しを受けましてお話しを申し上げるのはたいへん幸いといたします。  十分間にごく簡単に申し上げますが、研究所は、特殊法人になりましたのが三十五年の七月一日であります。ちょうどこの七月でまる四年になるわけであります。その前身は、同じ名前のアジア経済研究所という財団法人が一年と数カ月間ございました。で、過去に、特に四年間に非常な膨張をいたしたわけなんであります。人員で申しますと、最初のころ五十数名でございましたが、現在は百八十一人になっております。  予算につきましても、最初は三千万円余でありましたですが、現在三十九年度は四億二千六百万円余になっております。こういう膨張をいたしましたのでありますが、やっておる仕事といたしましては、御承知のように総務部というものがございます。資料部もございますし、それから管理部もございます。それから調査関係は調査研究部、長期成長調査室、それから統計部、それから動向分析室、こういうふうになっておりますが、特にその中で御説明申し上げたいことは、一つは資料部でございまして、資料は御承知のように、図書館とか、そういうことになっております。これは単にアジア経済研究所の内部の図書館といいますか、研究所員だけが使う図書館ということではございません。大学の図書館は大学内部の図書館でございますが、われわれの研究所は外に向っても公開しておる、こういう図書館でありまして、実際問題といたしましては、後進国問題につきまして資料その他のセンターになっております。こういうことになりましたから、ちょうど国会の図書館の規模の少し小さい形になっておりまして、国会のほうともよく連絡いたしまして、仕事が、資料の収集その他がなるべくダブらないように、こういう実際上の運用をいたしております。それから、外部からいろいろとレファレンスをお聞きくださいますので、それに対しても答えておる、こういう形になっておるのでありますから、普通の研究所の図書館とは多少違うということであります。  それから研究のほうはわれわれの研究所の主眼点でありますが、先ほど申しましたように、本来の調査研究部というのがございまして、これが七つの部屋に分かれております。東南アジアから西アジアにかけまして五つの研究室と、そのほかにアフリカの研究室、ラテンアメリカの研究室というふうになっております。そのほかに、名前は違っておりますが、調査研究をいたしておりますのが一つ、統計部というのがありますので、これは統計のほうの収集をいたし、同時に、その分析をいたしておる次第であります。  それからもう一つは、長期成長調査室というのがございます。これは過去二年間、アジア諸国における一九七〇年の経済状態はどうなるか、こういう意味の長期成長の調査をやっております。もう一つは動向分析室と申しまして、これはもっと短期な、毎日毎日の事件、ことに東ア諸国におきましては、御承知のように日々事情が変わってきて、なかなか情勢はつかみにくい毎日の情勢を集めまして、その中にどういつだ動向があるか、こういう意味の調査をやっておる次第であります。  研究全体に参加いたしておりますところの人間が現在約六十数名になっておりまして、そのほかにわれわれの研究所といたしましては、二十四人の若い学徒を、主として後進国でありますが、後進国の研究所あるいは大学へ一年ないし二年間派遣しておりまして、現地に着きまして、ことばはもとよりそうでありますが、それぞれの目的に応じて勉強をやっておる。これが将来われわれの研究所の中核になってくる人物であります。これを開所以来ずっと続けておりまして、現在までに帰りましたのが、つまり一回、二回、いま三回生が行っておるわけでありますが、約四十人ぐらい帰っておりまして、研究所の中でやっておりますが、そういう人を入れまして約六十何名になっています。そのほかに二十四名の者がすでに出ております。こういう次第でございます。  研究所は、実は急激に膨張して高度成長をいたしたわけでありますが、それに伴いましてこういう点に重要な問題がございます。これは、もともとここができますときに、アジア経済研究所、特殊法人の法律が出ましたときにもお話し申し上げておりますが、実は日本にいままで特別に後進国についての専門家といいますか、そういう人が非常に少なかった。またそれを養成するということがなかなかむずかしかった次第なんでございます。それをひとつやる必要があるというので、日本につきまして全く事情を知らぬところが多いものでありますから、多数の人を募集いたしまして、その中から選別をいたしたのでありますが、実は私所長としまして一番困難を感じてきましたことは、若い人はたくさんおるのでありますけれども、中堅の専門家というものは非常に少ない、こういうことになりましたので、ピラミッドをつくった。ところが、下のほうはどんどん出てきたのでありますけれども、上のほうは必ずしも充実していない。こういう弱点がございまして、できる限り内部で養成した人が将来中堅になり、上層部になってもらうようにというので、何年間かはしんぼうしていなければならぬ、こういうことでございました。その間、比較的上層部のほうはよそから援助を請う、実業界その他において調査部長をしているとか、調査課長をしているとか、こういう方が八人でありましたか、来ていただく、それから役所のほうも若干の人に来ていただ導く、こういう形でずっといままでやってまいりました。ところが、先ほど申し上げましたように、まる四年、財団法人からいいますともう五年に近くなってまいりました。だんだん内部の人も充実しつつあるという次第であります。しかし、完ぺきにピラミッドができ上ったというわけのものではございません。実際問題といたしましては、特にアジアでありますが、後進国の経済を中心とし、並びに経済発展の諸条件、こういうのが一つの大きなプリンシプルになっておりまして、その形におきましてやっております問題は非常にたくさんございまして、その一つ一つが報告として出ておりますが、大体はいままでに出しましたのが百九十八項になっているかと思います。これからもどんどんそれが出ていくというわけであります。一番問題は、アジア及びその他の後進国についてのほんとうの専門家をつくりたいということであります。こういう調子をしばらく続けていきますと相当の人材ができるのではないかと、これを一つの楽しみにいたしております次第であります。出まして、新しくそれをやりだすというので、二、三年で人を養うということはなかなかできませんので、五年とか十年とか待っていただかなければならぬではないか、こう思っております。それで初めのころは、研究につきましては、及び調査につきましては、こういうふうな形になっております。内部の人による研究ということと、外の人の援助による研究、こうなっておりまして、初めの段階におきましては、外の人の援助による研究というのが非常に多かったのであります。このごろは内部の人による研究がだんだんふえてまいりました。  それからもう一つ問題があると思いますが、それは国内におきましては比較的問題が少のうございますが、国際的といいますか、諸外国におきまして後進国関係の研究所というのが非常にふえてまいりました。現にわれわれが連絡をしておりまして、資料の交換その他をやっているところが約四百ございます。こういう諸機関とわれわれのほうとの間に非常に密接な関係がだいぶふえてまいりました。現に昨日ときょうでありますが、OECDのほうにも研究所ができまして、二十何カ国のそれぞれの研究所の所長を招待いたしまして実は会議をやっているわけであります。私もその招待をされたわけでありますけれども、多少健康上無理じゃないかというので残念ながら行きませんで、かわりの男が行っているわけであります。そういう形のこと、それからエカフェのほうからだんだん連絡が強くなり、現に昨年の暮れ三カ月はわれわれのほうの研究所員がエカフェの仕事についてのコンサルタントといたしましてバンコクへ行っている、こういう形になっております。  その他日常的な意味の関係は非常に多いと思います。つまり、いままで技術協力とか経済協力とかいうことがございましたが、研究協力という問題が新しい問題として出てまいりました。これは私自身としても、どうも不明のいたすところでありますけれども、研究所ができたときにはあまり予想もしていなかったような問題になった。新しくそういう問題が起こりまして、研究所としましても多少外国からの認識もだいぶふえてきたというところまで成長いたした次第であります。  時間がございませんのできわめて簡単なことを申し上げまして、なお御質問によりましてお答えいたしたいと思います。     —————————————

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 次に、政府並びに参考人に対する質疑の通告がありますの  で、これを許可いたします。楯兼次郎君。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 いま所長さんの簡単な説明があったわけです。われわれも研究所を見せていただいたのですが、三十分や一時間では内容がよくわからぬ。あの研究所へ行き、それからいま手先にありませんが、あなたのほうの資料を一通り読ませていただきまして、私どもが考えますことは、一体あの経済研究所は学者といいますか、相当深くこまかく研究をして、その成果というものがいまの陣容からいきますと学者の——学者といっても中途はんぱになるだろうと思いますが、学者の養成機関のみに終わってしまうのではないかというような、これは率直な意見ですが、感じを持ったわけです。そういう点について所長さんの見解をお伺いしたいということ。  それから外務省なり各省に、アジア方面の研究をされる部局があると思うのです。たとえば外務省はアジア諸国の貿易、経済、政治等いろいろな研究をされて、同じような書類をわれわれもいただいておるわけなんですが、各省との統一というか、連携というか、そういうものは一体どうなっておるのかという点。  それから、時間がありませんのでついでに申し上げますが、第一に申し上げました学者的な養成ということと関連をいたしまして、研究所の成果というものが、現実のアジアと日本における経済交流なり経済外交なり貿易の面にどういうふうに生かされておるのか。発足早々でありますから、なかなかそこまでの成果はあがっておらぬといえば別でありますが、それならば将来、現実の面にどういうふうに具体的に生かそうとされるのか、そういう将来の計画をお聞かせ願いたいと思います。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 ごもっともな御質問だと思います。  第一点の学者の養成所になっているのではないかという問題でありますが、これは私自身、いまはそうではありませんが、学者の端くれをやったことがありまして、おっしゃることはこういう問題ではないかと思います。つまり、先ほどもおことばにありましたが、現実感というものが失われるのじゃないか、いたずらに紙の上の勉強をおそれられるのではないかと思っております。もちろん人によりましては、ややもするとそういうふうに走る人があり得るとは思いますけれども、機構といたしましてそれを防ぐ一つの方法は、どういう問題を選ぶかということによって現実との接触性が養われる。こういう意味で、つまり私どものやっておるところでは、問題の選定ということに非常に現実的な問題を当て込んでおる、こういう形で第一点の御心配になっておられることは防いでおるかと思っております。また現にそれができておるかと思っております。  それから第二点の、各省の研究との間の関係ということでありますが、実際問題といたしまして、われわれのほうは、法律にも書いておりますように、基本的な問題とか、総合的にやるとかということになっております。そういう意味から申しますと、日常の問題ということについては、現実の行政に当たっておる人でないとなかなかやりたくてもやれないと思います。そういう形で、多少世離れしておるといっては悪いかもしれませんが、長期的に見たら必ず浮かび上がってくるという問題は、少しじっくりかまえてやる必要があるのではないか。よく言う話ですが、ビルマへ行って害虫駆除をやっても、仏教の影響で、殺生をやるのは困るということで、害虫駆除すらなかなか普及しない。こういうように、やはり仏教が経済行為に対してどういう影響力を与えておるかということもあります。そういうことになりますと、経済の発展ということについて、単に経済だけではいかぬ、どうしても多少他の条件を考えなければならぬ、こういうことになるのでありますから、私どもといたしましては、先ほど申しましたように条件ということについても検討しなければならぬ。こうなってきますと多少深くなってくるのではないか、役所はおそらくなかなかそこまでの時間的余裕が少ないのではないか、こういう意味で、ダブっておるという感じが少なくないかと思っております。特にわれわれとして関係が多いのは通産省と外務省と農林省、経済関係の省及び外交に関係の多いところが大部分だと思いますが、ここはそれぞれの次官が参与になっていただいておるということもありますし、ことに通産省のほうと外務省のほうとは局長、部長の幹部の人数名とわれわれの研究所と始終定期的に会合いたしておりまして、ことに問題を選定するというときには、どういうふうにやるかということにつきましては連絡をいたしておりますので、できる限りダブっておるところを廃止してお互いに相援助し合うというふうにやっておると思っております。  それから第三点は非常に重要なことで、これはなかなか痛い御質問なんであります。研究の成果は一体どうなのか、役に立っておるかという御質問なんでありますが、これはひとつ皆さんに十分御了解願いたいと思いますけれども、私どもの研究所はまだ非常に若いのです。三十以下の人が大部分であります。それで、むやみに政策論をやっては困ると思うのです。私自身もそうだと思います。われわれの比較的狭い視野で、政策論ということになるときわめて大きな問題となってくる。われわれはできる限り身を慎んで、あそこはこういう事情です、どこはこういう困難があるとかいうことをはっきりと申し上げることによって、政治家あるいは政府の方々にその決定の御判断材料になればわれわれとしては目的を達したことではないかと思っております。その意味の努力はずっと続けておる次第なんであります。しかし、あるいはこれじゃ何も政策に役に立たぬではないかとおっしゃるようなことが多少あるかもしれませんが、主眼点は、もちろん特に貿易の発展とか経済協力とかいうことについて役に立つ、こういうのが主眼点になっておりますが、その材料をできる限り正確にごらんに入れたいというつもりでおります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 いまの東畑さんの御答弁ですが、全く私もあそこの事務所へ行き、あるいは資料を読んで、あなたのおっしゃるようなことを把握といいますか、感じておるのです。ところが、いろいろ研究して成果を普及するということが主目標になっておるのですが、そうなると、繰り返すようでありますが、通産省にもあるかどうか知りませんが、外務省等でも、あなた方の研究所で発行する資料と全く同じような情報か、機関誌か、本か、いろいろなものを発行しておるわけです。われわれもアジア地方の事情を知るためには、主として外務省等の書類によって承知をしておるわけです。そうすると、あなたのほうが全く同じとは言いませんが、似たようなことをやっておるじゃないか、悪く言えば重複しておるじゃないか。私はどうもアジア経済研究所というものは、またあとでお聞きしますが、政府との関係がはっきりわからぬのですよ。何だか外務省等にあるのと同じものをつくって、重複して同じような書物を発行しておるのじゃないかという気がするわけです。それからまた日本の貿易に、政治家があなたのほうの資料を経済外交に対する判断の資料にするということをおっしゃいますが、ついこの間やりましたジェトロとの関係は一体どうなっておるのかというような疑惑がわいてくるわけです。したがって、同じようなことをやるのですから、多少重複してもしかたがないのですけれども、四、五年前から新しい使命を持って生まれた研究所であるならば、従来と違ったニュアンスといいますか、目標といいますか、使命というものが、しろうとでもわかるようなものが出てこなければいかぬのじゃないかという点が——こまかく研究していけばそういう点がわかりますよとおっしゃられればそうかもしれませんけれども、われわれしろうとが短時間に話を聞き、あの研究所を見ますと、そういう感じしか受けないわけです。非常にくどいようでありますが、こういう点どうでしょう。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 ジェトロのお話がございましたが、私はジェトロのことをそれほどよく存じませんけれども、どうもこれは市場の具体的な取引とか貿易とかいうものについての研究あるいは実行ということが主になっておるのではないかと思います。どうも例をたとえて悪いですけれども、毎日の新聞のようなことになってくるのではないか。私どもはもう少し長い形になる。具体的に例をあげると一番いいと思いますけれども、たとえばアフリカならアフリカにおける貿易発展ということは、アフリカの繊維なら繊維に対する、あるいは機械に対する需要というものは一体どこから出てくるのか、そこの根拠をついていかないと、長い意味での貿易政策はできないのじゃないか、こういう形になっております。御心配のほうはごもっともだと思っております。これはなかなか痛いところなんです。おっしゃる点は痛いところだということは率直に認めておりますが、ほかの機関とえらいダブっているという感じはないのではないかと思っております。それからジェトロのほうといわず、その他の貿易関係のほうでも、われわれのほうの委員会にそこの調査部長なり何なりが参加していただきまして、それぞれの機関ではできない問題をアジ研でやろうじゃないかというお話もございました。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 それから、何かあなたのほうでけしからぬじゃないかということを言うようで申しわけないのですが、総合的な予算といいますか、三億か四億ですから、これは議論するほうが無理だと思うのです。全く中途はんぱである、内容もすべて中途はんぱであるという印象しかないわけです、率直にわれわれの意見を申し上げると。ところがあなたのほうの資料を見ますと、やれ調査協議会だとか総合専門委員会だとか資料協力、いまあなたがおっしゃったように、いろいろ膨大なといいますか、広大な委員会やら何やらたくさん設けております。中途はんぱなところへ、陣容からいっても、われわれが見た場合、それほどの会を運営するような人がおるのかと思われるような内容になっておるわけです。だから私のほうは、あるいは過去にあったそういう機関とはっきり区別することはなかなかむずかしい、こうおっしゃる点はよくわかるのですが、何らか従来他の省にないものを生み出していくという点になると、どうせやるならもっと陣容も多くして予算も多くして、新しいものを目標にやっていくべきだという感じがするわけでありますけれども、どうも二億か三億で、やれ調査協議会、やれ専門委員会、やれ何々だということで、機構は全く複雑多岐にわたって、かえって仕事の能率があがらないし、統一がとれないし、したがって、生きた資料をとるのにぼやけてしまうのではないかというような気がするのですが、そんなことはないでしょうか。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 最初に申し上げましたように、アジア経済研究所は、設立当時実際みな平均年齢二十何歳という若い人ばかりでありましたから、これはむしろ将来勉強する者の卵なんで、これを養成しなければならぬということになっております。(楯委員「学者の養成機関みたいですね」と呼ぶ)学者にでもなってくれればまだいいのですけれども、これは世界のいろいろな研究機関その他を見ますと、なかなかレベルも高くなっておりますので、なかなかたいへんだと思いますが、そういうこともありましたのと、部分的な問題につきましては、日本の貿易関係が特にそうだと思いますが、そういうところには相当の知識が集積しているということもわかりましたので、外の人がある意味で中心になりましたような委員会を組織して、問題によりまして十幾つくらいの委員会を毎年つくりまして、一つ一つの問題を平らげていった、同時に内部の連中をだんだん養成してきたということであります。このごろは内部の連中もその委員会に入って、相当重要なメンバーになってきております。あるいはまた委員長になっている人もございます。それは外部の現存しておるところの知識だとかいうものにはやはり協力願いたい、これはあくまでもやっていこうと思いますが、同時に内部がだんだん充実してきますと、内部としては相当の調査能力が出てくると思います。ところが、ちょっと見ますと、いささか複雑になっておるような御印象を得られたかと思いますが、実は後進国はアジアだけでも二十幾つかあるのであります。世界じゅう集めれば七、八十もあるわけでありますが、研究者養成方法といたしましては、それぞれ一国をやっていく、それの研究ということを積み上げる形によって後進国研究を深くする、それで大多数の人間は一国々々を担当しているわけであります。中国なら中国、インドならインド、それだけでは問題は尽きないわけであります。貿易問題になってくると、今度は貿易という面でひっくくらなければならぬ。統計もそうであります。そういう形で、個別国家を担当している者と総括的な問題をやっている部分がある。そうなるのでありますから、機構としては非常に複雑に見えるかと思っておりますが、やり方としてはどうしてもそうせざるを得ない、こういうことであります。  それから予算につきまして、中途はんぱだとおっしゃってお話しくださったのでありますが、大いにふやしてやれよ、こういうふうに御厚意のあるお話かとも思います。これは非常にありがたいのでありますけれども、なかなか健全に有効に消化していくというのは、人件費なら幾らでもふえていくということになりますけれども、われわれのほうは人件費よりはるかに調査事業費のほうが多いのでありますから、これを非常にりっぱに消化していくというのは、なかなか困難なことであります。何よりも研究し調査する人間がなければ、せっかくお金はらようだいしてもこれはむだづかいになるんじゃないか、こういうふうにおそれておりますが、漸を追うて、だんだん一歩一歩固めていって拡張したい。それで昭和四十二年度になりましては、現在百八十何人の陣営を二百七十人ぐらいにしたい、こういうことであります。最初のころは、私もちょっとまずかったのですが、多少図に乗って拡充拡充してきたのでありますけれども、あまり急激に拡大していくと、ことに中堅以上の人がないところで拡大していくと、必ずしも研究所としてはよくないというので、二年ほど多少人の採用というものをストップいたしました。それで昭和四十二年に二百七十人にする、もとの案では四百何人ということになっておりましたが、とてもそんな急激なことはやり切れないというので、非常に縮めまして固めつつあるという状況でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 私の予算の足らぬというのは、予算をもっとふやしたらいいじゃないかという足らぬじゃないのです。あなたのほうの資料にありますりっぱな機構と陣容と予算とを比較した場合に、あまりにもアンバランスではないか、そういう気がするものですから、お伺いしたわけです。  そこでほかに聞くこともないのですが、職員もいい人がおるとかおらぬとかいう話もあるのですが、一体職員の身分というのはどういうことになっていますか。政府が金を出す、補助金を出す、民間からも金を出す、そうして人を採用するということになりますと、給与によって優秀な人が採用できる、できなぬという問題も起きると思うのです。  それから、これは間違いないと思うのですが、あなたのほうの関係書類を二、三日前に読んでちょっと記憶しておるのですが、あなたのほうは、銀行だとか商社の人も来て、数は少ないのですが、一緒になってやっておられるのでしょう。そうすると給与の関係等は銀行、商社との関係も考慮しなければならぬ、こういうことになるだろうと私は思うのですが、給与問題といいますか、そういう身分上の問題はどういうことになっておりますか。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 給与につきましては、研究所の職員につきましては全額国庫補助になっております。公務員のベースよりはやや上になっているかと思っております。  それからよそから出向してきた人は、手弁当で一年とか二年とか来てくださる、それで立っておる、こういうふうになっております。ただし私の部下になるわけであります。私が厳重に監督しておる、そんな調子になっております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 あと本会議がありますから、私はこれでやめておきます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 私は関連して一、二お伺いいたしたいと思います。いまの段階での研究所として、そう無理なことを言ってもだめだと思いますけれども、私はかつて旧満州におったことがありまして、満鉄の調査部の内容をある程度知っておるわけであります。私はどうしても、性格は多少違いましょうけれども、ああいうものがなければ、日本のこれからのほんとうのアジアとの結びつきの基礎というものはできないと思う。いま目先の貿易がどうだ、何がどうだということをやっておったのじゃだめだというふうに考えるわけであります。  そこで、私はまずアジア経済研究所が、出発当初ですから、これは何としても所長になる方がこれに一生をつぎ込むくらいの意気をもって、最後まで基礎づくりをやるということが一番大事だと思います。満鉄の調査部にいたしましても、あの歴史を考えてみますと、やはりその当時の首脳部がああいうものの重要性をはっきり認識をして、いわゆるゆるがない基礎をつくったから、あれだけのものができて、あれだけの効果を出したと思うのであります。ところがいまの日本の政治は、そうはいきません。内閣がかわるたびに、あっちに行ったりこっちに行ったりして、いろいろ考えの変わった人がそれぞれ局に当たる。こういう際ですから、私は東畑先生もちろんそのお覚悟で御就任になったことと思いますけれども、そういう政情のあっちに移るかこっちに移るか、したがって担当の大臣もいろいろな考えの人がぼつぼつ出てくる、こういう際には、何といっても中心になる所長さんがこれに一生をつぎ込むというくらいの覚悟で当たっていただくということが私は大事だと思います。東畑先生の非常に大きなお力については、言うまでもなく私ども後輩としてよく承知しておるわけでありますが、そう言ってはあれですが、先生のこれからの御一生の仕事として、私はぜひこういう点をしっかりひとつやっていただきたいと考えるわけであります。  もう一つは、経済研究所ということでありますけれども、これからのアジアと日本との結びつきということを考える場合に、表面づらのいわゆる経済関係ということだけ追及していったって、これはものになるはずがない。どうしても私は、その度合いはやはり生産の基礎である技術問題なり何なりというものに対しても、日本が強くそういうものをはっきりつかんで、現地の実情と合った技術関係の開発というか実情調査というものをやっていかなければ、ほんとうの経済開発なり産業開発にはなっていかない、それとマッチした、日本のそういうところの反帝国主義的な民主的な結合というものはできてまいらないと思います。そういう点をこれからどういうふうに取り入れられていくかという点もお考えになっておると思いますが、お聞かせをいただければ幸いだと思います。  それからもう一つの点は、何といいましてもアジアはいま激動期であります。現在の政治勢力なり現在の社会制度といいますか、そういうものだけをあてにしておったのでは、日本のこれからのほんとうの開発、協力というものはできないと思います。私はそういう動く情勢については、これはなかなかむずかしいことでありますけれども、どういう社会的な変化なり何なりが動きつつあるかということについては一番的確につかまないと、これからすべてのことをやる場合にうまくいかないと思うのであります。こういう点について、私は思いつきでありますけれども、かつて満鉄の調査部の嘱託員をしておりまして、あそこの内容を多少知っておりますので、東畑先生にひとつ御苦労を願って、しかも大きな構想を研究所としては持って、そうしてとてもいま申しましたようなことについてもこれは一気にできないと思いますが、基礎づくりをやっていただくことが、これから日本のためにも、またいま担当されております地域住民のためにも必要じゃないかと思いますので、そこらについてのお考えなりあるいは御計画等があれば、簡単に要点だけ御説明をいただきたい。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 久保田さんから激励のことばをちょうだいしまして恐縮なんでありますが、私もだいぶぼけてきまして、ひょろひょろいたしておるのでありますが、実は前にたしか申し上げたと思うのです。この特殊法人になるときに、何で特殊法人にするのだという御質問をずいぶん受けたのであります。そのときにきわめて率直に申した。これはちょっとことばはまずいかもしれませんが、大体日本の政界と言ったら悪いかもしれませんが、財界は、正直に申し上げてぼくは非常に飽き性だと思っております。それで一年たってすぐだめじゃないかというのでは、どうも人が続かぬ。しこうして人を養え、こういうことであったものですから、少なくとも私はだまされてもかまわぬですが、私が人をだますのは困る、先生いつまでこれは続くのですか、こう言われては、私は人は養えないと思いましたので、特殊法人といいますか、つまり財政的安定といいますか、少なくとも持続する、こういう保証がなければ私はやる気がしない。当時の総理大臣の岸さんには申し上げた。できるだけ早い機会において特殊法人にするから、そこは安心してやらないかということでありました。それで勇み立って実はやったわけです。いま満鉄の話がございましたのですが、私も多少アジ研へ行きましてから調べてみまして、実にそういう点は大きな安定というか、何といいますか、思い切りやってみろ、こういう一種のムードで支配していたと思いますので、りっぱな成績があったと思っております。私のほうのアジ研のほうもその意味においてできる限り努力いたしたい、こう思っております。  それから第二点でありますが、ただ経済だけやっておったってそれはだめだ、こういうお話でありますが、特に後進国についてはごもっともなことであります。一番研究としてやりやすいのは貿易なんであります。これは港と港の関係になりますので、しかも経済論理が支配しておることで、はっきりわかりやすいという意味で一番やさしいのでありますけれども、さて、港まで物がどういうように集まってくるか、どういうように生産されるか、それから港へ着いたものがどういうふうに社会へ分かたれていくか、こういうことになってきますと、これは経済だけでは絶対に解けるものではない、こう思っております。ですから、経済に関連があるという意味におきましては、それは技術、自然、政治、社会ことごとく——宗教というようなことも一たん触れざるを得ないのではないかと思っております。こういう点になりますと、必ずしも内部的にはこれを全部やることはできませんので、諸大学及び諸研究所の方々に、そういうことにつきましては特に援助を請うておる次第であります。  それから現在の政治家を当てにしておってはだめじゃないか、こういうお話でありますが、実は毎日、新聞を見るのがこわいといいますか、転々とつまり変わってくるというわけなんであます。それで毎日の新聞等を見ておると、記事がないときにはそれほどの事件でないものを大きく書く、記事が多いときには相当重要なことも小さく出るというようなことがありまして、毎日毎日それに追われておりますと、なかなかほんとうの見通しができないのではないか、こういう感じがございますので、昨年以来、毎日毎日のことをよく整理するというので、現に三十種類くらいの世界じゅうの新聞——現地の新聞がおもでありますが、その新聞をよく整理しながら、どういうのがつまりほんとうの動きであるかということの把握をいまやらしておるわけであります。これは一年であります。またやっておる人間がたしか九人かと思っております。世界じゅうもちろんそれでカバーすることはできません。朝鮮とかべトナムとか問題の多いところをいまタックルいたしておる次第であります。できましたならば、何とか世界のことが少しでもわかって、世の中に多少の貢献もしたい、そういう努力をやっておるのでありますが、なかなかこれでどうも、先ほどのあれもありましたが、へたをすると机上の単なる学究に終わってしまうのでは残念なんですから、ときどきはここへ呼び出されるということももちろんでありますけれども、若干の方々はときどきたずねてくださっておる、いろいろと注意ももらったりし文句ももらったりしておりますが、これはわれわれにとっては非常にありがたいことなのです。ほんとうのおか目八目というのは実にありがたい話で、実はそれをお願いしたい。また、この委員会にお呼び出しくだされば、いつでも喜んで参りまして、率直にいろいろな事情を申し上げたいと思います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 板川君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 東畑先生に一言だけ伺いたいのです。アジア研究所というのが、アジアのいろいろな資料をそろえておって、どう使うかということは、ひとつ政治家なり国が使ってほしい、こうおっしゃられておるのですが、アジア問題の研究者として東畑先生に一言伺いたい。それは御承知のように、最近東西貿易というのが国際舞台の重要な課題になってきております。どこの国でも、後進国、特に人口の大半が存在しておるアジア地域ということに注目の焦点が合ってきておると思います。そういう意味で、これからますますアジア研究所の存在は必要になる時期がくるだろうと思うのです。そこで日本の立場というのは、最近の新聞を見ますと、朝海国連貿易開発会議代表が急遽日本に帰ってきた。朝海さんが帰ってきて、新聞報道等によると、どうも日本の立場というのが国際舞台では非常にあいまいだ、OECDに加盟したから先進国グループというところで、その場所に出ると、日本はアジアの一員じゃないか、後進国じゃないかというようなことで、実はまともな、ほんとうの腹の底を打ち明けた話という場に入っていけない。また、アジア・グループのほうに入ってくると、日本は先進国じゃないか、われわれのほうのグループじゃないといって、これはまた相手にされないというようなことで、日本の立場というのが非常にむずかしい。こういうことで苦心をされて、いろいろの相談に帰ってきたのだろうと思うのですが、とにかく日本は将来、日本の立場から言えば、やはり経済や政治の重点を徐々にアジア中心に振り向けていくべきじゃないか、こう考えておるわけです。そういう点について、これはアジア問題の研究者として先生の御意見を伺ってみたいと思います。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 私も朝海報告というものは新聞で承知したのでありますが、それは、ある意味でもっともな報告だ——もっともだというのは当然そういう運命に日本が置かれることではないかと思っておりました。それほど実は予期しておりましたので、驚くという意味はございませんでした。と言いましても、現代の日本は一種の世界における問題の国ということになっておる。これは事実だと思っております。ある国は先進国として取り扱う、ある国は、経済の先進国かしらぬが、しかし思想的にも人種的にも東洋の一国なんだ、日本のようなやり方をもってすれば、東洋諸国はもっとりっぱな国になれるのだ。多少はそういうこともあります。それに対してまた多少のひがみもあると思いますので、日本の置かれた現在の世界的地位というものは、非常に危険というとことばは悪いですが、非常に微妙な段階に日本が置かれておる。こう平常私は思っております。そのことを考えると、やはり後進国問題というのは、日本が世界において今後おそらく二十年とか三十年、この次の世代において、ほんとうに世界じゅうにおけるテストをされる国ではないか、こう思っております。何の気なしにやった、というと語弊がありますけれども、アジア研究というのも、深く考えれば考えるほど、大事といいますか、非常に大きな問題だ。はたして自分でそれにタックルできるかどうか、非常に疑っておる次第であります。努力はしなければならぬと思います。  一昨年でありますか、南アフリカの代表の人に会いまして、いろいろ話をしたことがありますが、いまだによく記憶しておることは、実は南アフリカ連邦というのは、アフリカにおいて唯一の先進国なんです。周囲は貧乏国なんです。それで非常に自分たちが問題にしておることは、同じような問題を東洋の日本が持っておる。だから日本の一挙一動というものを実に注意をしているのだ。どういうふうに日本は処理をするか、とってもって南アフリカの問題について参考になるのだという話をしたことがございます。非常にこれは深刻なんですという向こうの話、思いつきの話ではありませんで、聞いたことがあります。どうも私はこれに対してとても答えはできぬ。率直に申しまして、これも失言するかもしれませんが、まだ日本に真の意味の後進国政策というものはない。貿易についても、私は多少そういう心配をいたしております。いままで保護貿易保護貿易ということが一つのプリンシプルでございました。今日のような世界になって、日本は一体貿易政策というものをどうやるのだ。これもこう言ってはどうかと思いますが、ないのではないか。それよりはるかに大きな意味において、後進国問題がそうなんであります。貿易と後進国問題とがぶつかったのがまさに今度のジュネーブの長い間の会議でないかと思います。朝海氏がああいう機運にあることを感ぜられたことは、まさに当然あるべき世界の空気ではないか、私はこう思っております。でございますから、この問題は単に一アジア経済研究所の問題ではありません。私どももできる限りはそういう問題についての何らかの、つまり支点ができれば、こういうので、遅々たる歩みでありますけれども一生懸命でやっておるわけであります。そんなわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ちょうど朝海さんの報道とともに、これは朝日新聞ですが、ある投書があります。それによると、どうも日本のアジア政策というのは非常に中途はんぱで、どういうんだかわからない。こういうことです。その千葉の松本さんという人の投書によると、これは先生と全く同感ですが、アジア諸地域の国民は、日本は、われわれが当面している苦難を積極的に救おうとしない、外交政策があいまいでまことにたよりにならぬ、こういう声がある。しかも大国なら大国らしく自主的外交を進めていくべきじゃないか。後進国なら後進国らしく、もっと後進国に援助の手を差し伸べていくべきじゃないか。ところが都合のいいときは大国、先進国になるけれども、都合の悪いときにはアジアの一員、後進国の一員というような形をとって、この日本の態度というものは非常にあいまいだ。外国、タイのバンコックに行った人だそうでありますが、外地に行ってこられた人がそういうような投書をされております。まことにわれわれも同感だと思うので、こういう点の考慮といいましょうか、こういう点を是正するような検討も今後あわせてやっていただきたい。われわれも努力することはもちろんでありますが、研究所のほうでもひとつそういう点にさらに突っ込んだ研究をしてもらいたいと思います。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 ありがとうございました。実は、われわれのところでやってない問題が一つございまして、これは手がないためでありますが、それは各国がいかなる形において後進国政策をやっておるか。アメリカ、イギリス、フランス、たくさんあります。それを実はやってないのであります。ただ一つ例外は、ドイツだけやらしておる。というのは、ドイツは御承知のように植民地関係ということもございませんし、政治上のひもつきの関係というものがない。こういう国なものでございますから、ある意味で経済上の見地が鋭く出てくるのではないか、そういう意味でアメリカ、イギリスなんかとだいぶ違うと思って、ドイツが後進国政策をいかにやっておるかということは、あるいは日本の問題を考えるのに役に立つのではないかという見当なんでありますが、それで先進国の後進国援助政策についての唯一の例外としてやらしておるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この後進国の援助の問題で、実は社会党では大会で和栄政策という方針を採択しております。それはどういうのかというと、どうも日本の憲法は戦争を放棄しておるけれども、しかし各国が自分の国を守るについて相当の犠牲を払っておる、軍備に対する犠牲を払っておる、ところが日本はその軍備を持たない、しかし憲法の前文にあるように、各国の正義に信頼して持たないということになっておる。しかしそこで、日本の、軍備を持たないで各国にまかせるというのはどうも弱いじゃないか、何となく無防備でいいということに通じたり、あるいはダレスさんの真空論なんか出ると、それがほんとうじゃないかというふうな気持ちになる。それは日本自体が国を守るという意味の犠牲を払ってないからだ。しかしわれわれはあくまでもいまの憲法の精神がいいのだ、そして世界的に、そういう国民感情も考慮した上で後進国援助の犠牲を軍備に払うと同じような意味において日本が払っておる、しかもこれは国連の舞台で堂々と日本が後進国援助のためにこういう負担を年々いたします。そのかわり日本は無防備ですから、いかなる国も日本を侵すことがないようにという提案を国連にして、各国の承認を得た上で、日本は平和国家である、軍備を持たない、しかし各国の持っておる軍備に見合う負担を後進国援助のため、世界平和のために日本は負担するのだということになれば、いかなる理由があっても日本を侵す国はないのじゃないか。そうなれば無防備、戦争放棄という状態においても安心しておられる。そこで真空論というような議論も脅威にはならない。こういうふうな考え方をとっているのですが、将来幸いにして社会党政権がとれるようになれば大いにそういう方向で進めたいと思うのですが、それに対して御見解があれば、ひとつ伺いたいと思います。

東畑精一アジア経済研究所所長

○東畑参考人 御意見を承って、私としては少し大き過ぎる問題でお答えのしようがないと思いますけれども、それは私は有力な考えじゃないかと思います。私どもに関連した範囲におきましては、つまり日本の過去の印象としていろいろなものが残っておりますが、だんだんそれも消えておる。事務的な意味で時間がかかることがありますけれども、調査隊が行くとか留学生が行くと、大体みんな喜んで受け入れてくださっている。ことに一昨年でありますか、インドの村なんかにこちらから三人行きまして調査をする。非常に歓迎してくれる。それから、向こうへ行って二年間勉強をした連中がみな、私は初めどうも二年間続かないのではないかと心配いたしておりましたが、どの連中も、もう少しいたい、延期をしてもっといたい、中には二年やそこらではだめだ、五年間くらいいなければだめだというのが出てまいりまして、これは別なことばで申しますと、その人々が現地にまいりまして気持ちよく勉強できたという証拠ではないか、こう思っております。そういう意味ですから、いわゆる警戒的な意味のことをわれわれとしては研究所に関する限り一度も経験したことがない。そういう意味で非常に喜んでいる次第であります。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 参考人の各位におかれましては長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。どうぞ御退席くださってけっこうでございます。  次会は公報をもってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十分散会

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