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46回国会衆議院1964/02/12

商工委員会 第7号

発言数
32
登壇者
3
会派数
2
開催日
1964/02/12

会議録

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 これより会議を開きます。  まず、鉱業に関する件について調査を進めます。  硫黄の需給体制に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許可いたします。沢田政治君。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 きのうはガス、石油の問題について質問したわけでありますが、きょうは硫黄の需給計画について質問したいと思います。きのうは私は石油のほうは不勉強でありましたが、きょうの問題は私もある程度従事した産業でございますので、むだな表現は一切避けてずばりお聞きいたしますので、御答弁のほうは具体的にお願いいたしたいと思います。  現在通産当局におきまして、昭和三十九年度上期の硫黄の需給計画の検討が行なわれておるというようなことを聞いておるわけでありますけれども、これに伴いまして外国の硫黄の大量の輸入が計画されておる、こういうことを聞いておるわけであります。私はこの問題について、需給計画と同時に、この輸入の問題について特にお聞きしたい、このように考えておるわけであります。この輸入の問題は、私の考え方によりますると、現在の若干上向きの好況によって、ここ数年来非常に悩んできたところの、苦しんでおるところの硫黄の産業がようやく若干軌道に乗りつつあるわけであります。ところが輸入によって、若干上向きになっておるところの国内の硫黄産業に非常に直接的な大きな打撃を与えるのみではなく、この輸入問題を通じて見られる行政指導の基調が、硫黄業界の今後のあり方に対して深刻な影響を及ぼすだろう、このように考えるわけであります。  まず昭和三十九年上期の硫黄の需給計画についてでありますが、硫黄の企業連盟で提出したところの生産計画によりまするならば、昭和三十九年上期の国内鉱山による産出量は十二万六千二百二十トン、つまり月平均にいたしまして二万二千三十六トンとなっておるわけであります。これに対して通産省の案ではこれが十一万七千六百トン、月平均一万九千六百トンとなっておるわけであります。つまり八千六百二十トンの差が出ておるわけであります。これはいかなる理由によってこのような差が出てきておるのか、この点を明確にしていただきたい、このように考えます。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 お答え申し上げます。ただいま先生から御質問の、三十九年度の上期の需給の想定の作業をいまやっておる最中でございますが、その中で、国内の鉱山からの生産の量でございますが、先生御指摘の十一万七千六百トンの生産量の一応の数字はございます。これはなお検討の段階でございまして、いまお話の十二万六千トン以上出るという山側のお話があるようでございまして、なおその点をさらに詰めて検討いたしたい、こういうように考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 まだ十一万七千六百トンというものは明確でないとおっしゃられますけれども、私も、これが明確であるならば非常に大きな問題だと思うのです。それで、十一万七千六百トンという数字があがっておるわけでありますけれども、おそらくこういうような理由から出てきたんじゃないかと私は考えるわけです。私の調査したところによりますと、この理由は、第一に、すでに生産を行なっているところの北海道阿寒、これは一時は閉山しましたね。この阿寒鉱山及びこれも北海道でありますが、岩尾鉱山の生産量が全く見積もられておらない。ここに大きな数字の差が出てきたんじゃないか、このように私は考えるわけです。第二に、これは人の名前をあげて失礼でございますけれども、原木担当技官が、硫黄企業連盟が提出したところの生産計画を、理由もなく独断で削減した、こういう事実があるやに私は聞いておるわけであります。しかし実際には阿寒は月産六百トン、半期におきまして三千六百トン、岩尾は半期五百トンの生産を現実に行なっておるわけであります。したがって昭和三十九年上期においても、ほぼ同様の生産がわれわれの調査では見込まれておるわけであります。しかるに、そういう事実があるのに対して、いかなる理由でこの生産をカットしたか、こういう点を私は聞きたいと思うわけであります。また他の部分におきましても生産の削減した見積もりがなされておる、こういう傾向が見られておるわけであります。つまり一月三十一日にこれに関連する問題で省内で打ち合わせ会議がなされた、その場合西家鉱業課長も、必ずしもこれがわからなかった、こういうことを言ったとか言わないとか、これは事実かどうかわかりませんけれども、そういうことを聞いておるわけです。わしもわからなかったということを言っておるやに聞いております。したがって、いかなる理由でこの生産計画が削減をされたのかどうか、私はその裏を知りたいわけです。どういう理由なのか、何かそこに他に目的があって、事実生産されたものを削減したのかどうか、これはやはり需要業界の関連もあるし、価格の問題もあるし、またこの雇用の労働者は非常に心配しておるわけですね、これを明らかにしていただきたい、こういうように考えます。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 私も直接その作業にタッチしておるわけでございませんので、詳しい事情を先生から伺いまして、もう一ぺんとくと調査してみたいというように考えておりますが、ただいまお話の阿寒あるいは岩尾鉱山についての生産の見通しでございますが、私の聞いておりますのは、第四・四半期の実績があるようでございます。これはある程度見通しになりますが、これよりは大目に見てある。つまりさらに増産が可能であるというふうに大目には見てあるけれども、必ずしも山側から出る数字をそのまま見てはおらない、こういうことだそうでございます。それで基本的な考え方といたしまして、実際その程度のものが無理なく出るということであれば、これは当然国内の生産見込み量の中に入れてしかるべきでなかろうか、こういうふうに私考えるわけであります。ただ、長い目で今後の日本の硫黄鉱業のあり方はどうあるべきかということの関連においても、目先の問題であるかもしれませんが、やはり一つ考える必要があるのではなかろうかということでございまして、そういう面からの検討はまだ本格的に私どもでやっておりませんが、問題を端的に申し上げますと、硫黄並びに硫化鉱も同じような状況にあるわけでございますが、今後の自由化を控えまして、この二つの鉱種を一体どういうふうに考えるかということでございます。御承知のように日本の硫黄は資源的に非常に多くあるわけでございますが、コストの面からこれを見てみますと、現在でも大体二万円をこえるというふうなことでございまして、ヨーロッパあるいはアメリカあたりの現在のコストから見ますと、大体倍ぐらいの割り高であるという状況にあるわけでございます。特にここ一両年来、フランスあるいはカナダにおきまして天然ガスからの回収硫黄というものが非常に大量に出るようになったということでございまして、これがしかもコストの上から非常に安く、輸入が自由化された暁においては、入ってくるというおそれが実はあるわけであります。それからまた一方国内におきましても、最近御承知の鉱害問題が非常にやかましくなっておりますが、この鉱害をできるだけ防止するというたてまえから、石油精製あるいは火力発電等からの硫黄回収というものが相当本格的に今後出てくる。そういった面からの、これはいわばコストがない副産物という考え方もできますので、要するに国内なりあるいは国際の硫黄価格次第でどうにでもその価格操作ができるという性格のものであろうと言えるわけでありますが、現にそういったものの本年度の生産が一万二、三千トンになるという見通しになっておりますから、これが将来相当多く出てくるんじゃなかろうか、こういう問題等もございまして、われわれ今後の自由化の問題をどういうふうに考えるかということで、いよいよ本格的にこの問題に取り組もうという段階にあるわけであります。こういった面を一方に考えながら、無理をして今後増産する、一ぺん思い切って閉山したものがたまたま一時的に国内の市況がいいということで、また再開をいたしまして、無理な増産をするということになると、今後の経済情勢のいかんによっては、また三十六年ごろの状況にもなりかねないんじゃなかろうか、こういう心配をいたしておりますので、私もそういう問題について今後、業界とともどもいろいろ検討してまいりたいと思っておるわけでございます。そういう問題が一方においては長期的に見てあるということをひとつ御理解願いたい、こういうように考えるのであります。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 硫黄の将来の需要供給の問題については、質問しながら私も私なりの考え方を申し述べたいと思います。いまおっしゃられるように、石油からの回収硫黄といいますか、これが相当出ておるということも、当面相当大きい問題じゃないにしても、将来はやはりこういう問題も相当問題になるであろう、こういうように考えるわけであります。それで端的にお聞きいたしますけれども、先ほどお聞きしました十一万七千六百トンというようなぼくらの聞いておる通産省の案というものは、これは決して確定的なものではない、まだ検討の段階であるというように理解してけっこうなわけですね。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 そのとおりでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 次に、この昭和三十九年度上期の需給計画を立てるにあたりまして、その前提になっておるところの昭和三十八年度下期の在庫につきまして、硫黄企業連盟が計算した二万二千四百六十九トンというものがあるわけです。ところがこれに対しまして、二万六百九トンと通産省のほうで出されておるわけであります。今日までその根拠というものは、私もいろいろな方面から聞いておるわけでありますけれども、その根拠というものは非常に明らかにされておりません。こういうことで、ある立場から見るならば、非常に不明朗だ。なぜこう差が出てくるのか、こういう点が非常に言われておるわけであります。したがって私どもが考えるならば、硫黄企業連盟の計算しておるところの二万二千四百六十九トン、こういうものは実際にある在庫なんだから、これは事実だと思うわけです。したがってこのように事実と反するところの、違うところの二万六百九トン、こういうものがどういう事実から出てぐるのか、またどういう根拠から出てくるのか、こういう点について明確な御答弁をいただきたいと思います。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 お答え申し上げます。現在第四・四半期のちょうど半ばを過ぎた、時期的にはそういう時期にあるわけであります。あと一月半の間に、一体大きな需要先である化繊関係がどの程度の消費見込みであるかということでございまして、現時点における在庫は、先生御指摘のようにはっきりするわけでありますが、いまお話のございました私どもの数字の二千六百九トンというのは、ことしの三月三十一日現在、三十九年度期初に持ち越す在庫の見通しという数字でございますので、確かにいま申し上げましたように、今後の需要の見方によっては、いろいろの数字が出てくるのもやむを得ないんじゃなかろうか、こういうように存ずるわけでございまして、私どもの需要の見方、これはそれぞれ原局があるわけであります。繊維局あるいは軽工業局、こういったところでたんねんな作業をやっていただきまして、その数字をもって三月までに必要な数字ということではじいてまいって推定をいたしますと、いまお話しの二万六百トンになる、こういうことでございます。これは推定でございますから、はたして三月末日現在このとおりの数字におさまるかどうか、あるいは在庫がもっと少なくなるのか、これは今後の一月半の状況いかんによるのではなかろうか、こういうことでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 在庫というのは、現在あるのが在庫なわけだね。推定とか、いろいろな今後の需給によっても在庫が違ってくると言われますけれども、その付近のことはどうもわからないわけです。もう一ぺん御答弁を願いたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 ただいま問題になっておりますのは、三十九年度上期の需給の見通しがどうだろうか、こういうことでございますが、その場合に、まず供給の側といたしましては、三十九年の上期の当初において生産者の倉庫の中に一体どれだけの在庫があるか、これが供給の面の一つの項目でございます。それからそれにプラスいたしまして、当該期に一体どれくらいの生産があるだろうか。その生産の中には、鉱山からの生産と、先ほど申し上げました石油精製その他からの回収による生産、この二つがあるわけでございます。この期初の在庫と当該期における生産、これが全体の供給量になるわけでございます。それに対して、需要量というのは、当該期において硫黄を使う各産業においてそれぞれどれだけ使うだろうか、これが大部分でございますが、さらに需給の円滑化をはかるためにどうしても適正在庫というものが要りますから、今度は期末、九月の末においてそれぞれの山の倉庫の中にどれぐらいの在庫を置いておく必要があるだろうか、こういう計算に相なるわけでございまして、いま問題になっておりますのは、三十九年の四月一日に一体山元においてどれだけの在庫を持っておる必要があるだろうか、これが問題になっておる九月の在庫であります。したがいまして、在庫というものは確かに現実の数字でありますが、いまここで作業をいたしております、問題になっておる在庫というのは、本年度末の三月三十一日現在で山で一体どれぐらいの在庫を持っておるだろうか、こういうことでございますので、あと一月半ばかりのそれぞれの山における生産なり、払い出しの状況いかんによって相当動いてくる可能性がある、こういうことでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 この在庫の問題については、私も一つのかなり詳しい資料を持っていますけれども、さらに問題がありますけれども、この問題にあまりこだわっても先に進みませんので、先に進みます。  次に私お聞きしたいのは、通産当局は、私の考えによるならば非常に不明朗な点を含む需給計画である、こういう理解を私はしておるわけであります。そこで、昭和三十九年上期の供給の不足分、一万一千八百十八万トンをはじきだしておるわけでありますけれども、これに従って、上期において一万二千トンの外国の硫黄を輸入する、こういうことを決定したか、もしくは決定するというように聞いておるわけです。つまり、通産当局が一万二千トンを緊急輸入すると、こういうことを聞いておるわけでありますけれども、当局のほうでよく知っておると思うけれども、日本の硫黄工業は昭和二十五、六年より非常に不況に坤吟してきたことは御承知のとおりであります。そしてこの不況下に多くの企業整備あるいは休閉山が相次いできた、これもまた事実であります。しかも、雇用労働者が今日まで約四千名首切りされておるわけであります。減ったと申しますと都合がいいわけでありますけれども、首切りされてきておるわけであります。そして今日ようやく需給のバランスが若干くずれてきておるわけであります。したがって、若干の値上がりの状況も現実に出てきておるわけであります。このような経過をつぶさに振り返ってみます場合に、硫黄資源の賦存状態からいって、日本の場合には国内における完全な需給体制というものが、価格の問題は別としても、可能であるわけであります。にもかかわらず、硫黄鉱業対策の不十分さによってこそこういうバランスがくずれてきたわけです。なぜこれを輸入しなければならぬのか、こういう点、私どもとしては非常に理解に苦しむわけであります。特にこういう現況にあるにもかかわらず、人の名前をあげるのはこれまた非常に失礼でありますけれども、鉱業課の原木技官は、硫黄企業連盟の運営委員会に対して、次のようなことを言っておるように私は聞いておるわけであります。硫黄の値段を下げろ、そうすれば輸入問題を考慮してもよい、もし硫黄の値段を下げなければ、問題を起こしたところの安いばら積みの硫黄の輸入によって値段の低下をはかる以外にない、こういうことを言明しておる、このように私は聞いておるわけであります。事実かどうか知りませんけれども……。こういう考え方があるとするならば、非常に驚くべきことだと思うのです。通産省としては、やはり全体の産業を発展させるという一つの任務もあると同時に、国内の資源というものを開発していく、それを促進させる、助成させる、こういう一つの任務もあると思うわけですよ。それを片一方の立場に立って、値段を下げなければ外国から入れてくるぞ、こういうことは、だれのために、なぜそういうことを一技官がやっておるのか、私は非常に疑問に感ぜざるを得ないわけであります。最近たまたま通産省管内において汚職の問題が出ておるわけでありますけれども、まさかこれは汚職につながるとは思いませんけれども、何か需要業界のお先棒をかついでいるような、そういう利益の先頭に立っておるようなにおいも、私の印象では強く受けるわけです。したがって、技官に対して、当局のほうではそういうような指導をせよと言っておるのかどうか、責任ある御答弁をいただきたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 お答え申し上げます。いま名前をあげてまでの御注意をいただきまして、私、もしそういうことがあれば、事情をよく調べまして、十分注意いたしたいと思います。いろいろ言い方によって、こちらの真意が必ずしもそのとおりに受け取られにくいということもあることですが、その点は十分注意をしたい、こういうふうに思います。ただ私どもの担当官が申し上げておる趣旨は、実はこういうことではないかと思います。先ほど申し上げましたように、日本の硫黄資源というのは、資源的には非常に豊富であるわけでございますが、どうもコストの面で、現在でも二万円をこしておる、一方諸外国の状況を見てみますと、大体八、九千円、日本に着いて一万二、三千円ということでございまして、相当国産のものが割り高になっておるということは、これはおおうべくもない事実でございます。これをそのまま、量的に足りるから、非常に割り高であってもこれを国内の需要家はみんな使いなさいというには、その一方において、できるだけコスト・ダウンの方向で、価格を引き下げる努力を願う必要があるのじゃないか。おそらく需要業界の皆さま方も、諸外国のものに比べて日本のものは高いから、われわれ一つも使わないということはおっしゃらないと思います。私たちの行政指導も、そういった考え方で、いわゆる安定供給源と申しますか、そういった意味からも、国内でできるものはできるだけ、使えるだけ使いたいということで指導しておるわけでありますが、それについては限度があるじゃないかということで、そのためにはできるだけ合理化をはかっていただいて、コストの引き下げをはかっていただくということが必要ではなかろうかと思います。おそらくそういった趣旨から、先ほど言われたような言い方になったのではなかろうかと思いますが、私どもの考えておる趣旨はそういうことなのでございます。たまたま一時的に硫黄が逼迫いたしておりまして、将来どういうことになるか知りませんが、昨年の夏、例の硫黄の荷役問題がございまして、硫黄そのものの価格は非常に安いわけでございますけれども、これを去年の秋以来は非常に厳重な包装をいたしましてこちらに持ってくるわけでございますので、硫黄そのものの値段よりも包装賃のほうが高くつくというふうな現状で、いまやむを得ず輸入しておる。したがって国産のものよりも非常に割り高な値段でしか入らないという状況にあるわけであります。こういう状況もいつまでも続くものでなかろうというふうに考えるわけであります。やはり増産していただくこともけっこうでございますけれども、増産による無理によってコストがだんだん上がっていくということでは問題があるのじゃなかろうかという感じでおるわけであります。ただ包装のしかたなり、あるいは需要家に対する態度がもしそういう誤解を招くようなことであれば、私ども重々注意しなければならぬわけでありますので、帰りましたらさっそくよく事情を聞いて注意をしたいと思います。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 この輸入問題に関連してでありますが、輸入問題の経過を私なりに見ますと、すでに昭和三十八年度下期の一万六千四百トンと予定されているのに対して、中国硫黄の輸入によるフレートの外貨が不要になったのを機会にして六千トンの追加輸入の許可を与え、さらにまた四千トンは三十八年度下期の第三次分としてあるわけです。さらにまた二千トンは昭和三十九年に回す、そういうような決定をしておったように私は聞いているわけであります。このような経過と諸事情を考慮して考えてみますと、昭和三十九年度上期の需給計画と、それに基づく一万二千トンの輸入計画は、目的が先に設定されて、これを入れなくちゃならぬ、絶対入れるのだ、こういうような目的が前提として設定され、その前提に従って資料作成やあるいは計画の決定が作為的になされた、こういうように私どもとしては考えられてならないわけです。一方硫黄の企業連盟の生産計画は鉱山局に対する答申であり、責任を持って生産する、こういう計画であろうと私は理解するわけであります。単に硫黄企業連盟がこれだけやりたいという願望じゃないと思います。これだけやる計画であるという答申であると考えるわけであります。以上の事情を考えてみまして、またこれに関連しまして、今回の輸入がいかなる経緯でこれを輸入しなければならないか、またいかなる根拠でこれを輸入しなければならないと御判断をなされたのか、明確な御答弁を賜わりたいと思います。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 お答え申し上げます。私ども基本的な考え方といたしましては、国内における生産につきましていろいろ御協力申し上げておる仕事のほかに、やはり硫黄の需要業界に対して供給の責任を十分に果たす責任がある、こういう立場にもあるわけであります。それで実は昨年の夏、例の荷役問題が起こりました以後の状況を見てまいりますと、あの問題が片づかないために、せっかく外貨の割り当てをして商売ができたが、硫黄の輸入がなかなか間に合わないということで、相当需要家の側に御迷惑をかけた推移があります。もちろん国内で生産できるものは最優先には考えますけれども、ただどうしてもそれだけでは量的に不足であるというものについては、これは当然輸入すべきじゃなかろうか、こういう考え方でございます。しかもこの硫黄のほとんど半分以上のものは、御承知のように化繊向けに使われておるということでございまして、ウエートは最近だいぶ落ちてまいりましたけれども、化繊は相当日本の外貨をかせぐ、輸出の面でも重要な役割りを果たしておるということからいたしまして、やはりこういった需要家の面に非常に御迷惑をかけるということは絶対にあってはいけない、こういう基本的な考え方でおるわけでございます。やはり需給の面の数字的な計算をしてまいりまして、どうしてもこれだけのものは不足であるということになりますれば、これは輸入でそれをまかなうということも当然必要であろう、こういうふうに存じておるわけであります。ですから問題は、おそらく需給の見通しなり、生産の見通しがはたして実態にマッチしておるかどうかというところにあるのではなかろうか、それ以外に他意は何らないと思います。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 いま、需要の側に迷惑をかけてはたいへんだ、こういうことを言っておられるわけですけれども、もちろん原料が足りなくて需要側が生産できないということはゆゆしい問題です。これは当然考えなければならぬ問題だと思うわけだけれども、しかしながら、いままでの経過を考えてほしいと思うわけです。硫黄の場合は滞貨でだぶついて、閉山、休山、値下り、こういう事実もあったわけです。したがって非常にだぶついて値下りした場合は休山、閉山、これは労働者が解雇されてもやむを得ない、足りない場合は閉山させておいて、今度は足りなくなったら外国から買ってきたほうがいい、こういうことじゃ一貫した政策がないと思うのです。その場当たりの安直な方途で進んでおると思うわけです。したがってやはり需要業界に対して、需要産業に対して迷惑をかけてはいかぬということも当然わかりますが、これは当然考えてもいいのだけれども、それと同時に、国内の硫黄の需要と供給とのバランスを長期にわたってとっていく、考慮していく、策定していくということが政策じゃないかと思うのです。したがって、特に今回考えられておるのは、一昨年から昨年にかけて多くの閉山が出たわけです。やや最近開山しておるところがあるわけだけれども、現在足りないからまた一万二千トン輸入する、こういうことでは、非常にその場当たりの、余ったならば、これはやめてもいい、つぶれてもいい、足りなくなったから今度は輸入する、こういうことでは私は一貫した政策に欠けると思うのですけれども、その点どうお考えですか。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 率直に申し上げまして、最初お答え申し上げましたように、どうもまだ手が回りかねておるというのが真相でございますが、日本の硫黄鉱業を将来どういった方向に持っていくかという本格的な作業は、実はまだやっておらないわけであります。先ほど申し上げましたように、できるだけ早い機会に、これは硫化鉱も同じでございますが、せっかく鉱業審議会という場もあるわけでございますから、そういうところで将来の基本方針をはっきりきめて、その線に沿うて業界あるいは需要業界を含めましての御協力を願う、こういうつもりでおるわけであります。その点をまず御了承をお願い申し上げたいと思います。ただ基本的には、いままで方向として硫黄業界にいろいろお願い申し上げておりましたのは、今後の世界的な価格の動向から見まして、日本の硫黄のコストが非常に高い、これは現実の事実でございます。この高いものをそのまま需要家に押しつけるということについては問題がありはしないか、これを全く国際価格並みということはなかなか申し上げられないと思います。自然条件も違いますし、いろいろのほかの金属鉱業についてもあると同じような条件が硫黄にもあると思うのでありまして、国際価格並みというのは硫黄については最も困難な問題である。しかしそれにしても、できるだけ合理化をしていただきまして価格を引き下げていただく。大体私たちがいままで申し上げているのは一万五、六千円くらいまでひとつ目標で引き下げられないだろうか、これは厳密な計算をいたしておるわけではございませんので、いずれ先ほど申し上げましたような場で作業を本格的にやりたい、こういうように思っておりますが、要するに価格引き下げの方向での合理化をぜひお願いしたいというふうなことで、従来硫黄業界に対する一貫した御指導を申し上げている、こういう事実があるわけでございますので、その点ひとつ御了承願いまして、価格が非常に高くなっても国内でこれはできるから、また人を新しく入れれば増産もできるから輸入をやめろという考え方については、これは少し問題があるのではなかろうか、こういう感じでおるわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 硫黄の場合は外国に比して高い、これはなるほどおっしゃられるとおりです。約倍高いわけです。これは事実です。ただ、高いから外国から輸入したほうがいい、こういう考え方は、私としてはどうしても安直だと思うのですね。高いからということになったら、第一次産品は全部高いですね。農産物にしてしかり、石油にしてしかり、石炭にしてしかり、非鉄金属にしてしかり、若干とれる国内の鉄鉱石にしてしかり、硫黄にしてしかり。だから、高いから外国から入れたほうがいいという、そういう政策を一つの政治の基調にしたならば、農産物も、日本の農業はやめたほうがいい、こういうことに、極論するならばなると思うわけです。そういう面のみからものを考えるべきでない、私はこういうように考えておるわけです。  それで、さらに輸入の問題でありますけれども、今回の輸入の価格の面から、いまおっしゃられるように、包装した場合はあるいは国内の価格より高くなる場合もあり得るわけです、いろいろな手数料を含めて。これはすでに経験していると思う。そういうことで、価格の面から、非常にバラ積みに固執しておるのではないか、こういうように考えておるわけであります。価格が高くなるからバラ積みを輸入したい。バラ積みを輸入することになると港湾労働者がまた騒ぐわけです。したがって別の考え方によると、汗をかかない五月ごろまで需要業界のために何とか入れてやりたい、こういうような面が大きな前提の目的に置かれておるのじゃないか、こういうように考えておるわけです。したがって私は、こういう考え方というものは非常に安直だし、軽薄なあれだと思うのですね。それは別といたしましても、たとえばバラ積み輸入の問題は非常に問題になった。私の聞くところによると、あの問題が起きた当時、結局今度バラ積みで輸入する場合には、労働省、さらに通産省、運輸省、全港振、はしけのほうの労働者の日港労連、あるいは全港湾の港湾労務者その他の関係団体の承認がなければ輸入しない、こういうような取りきめになっておるやに私は聞いておるわけです。したがって今度バラ積みで輸入する、こういうことは、口港労連その他の関係団体からはっきり入れてもいい、こういうような見通し、承諾を得ているのかどうか、私はお聞きしたいわけです。非常に大きな問題があるやに私は承っております。さらにまた、これを輸入することになると、今度は絶対拒否する、硫黄産業の労働者がピケを張ってでも阻止する、いままでどんどん首を切らせて犠牲にしておきながら、若干よくなったならば今度は外国のほうを輸入する、こういうことでは黙って見過ごされぬ、こういうことを言っておるわけです。そういう点を十分先の見通しを立ててバラ積みで輸入する、こういうような考え方を持っておるのかどうか、お聞きしたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 まず最初の御質問についてお答え申し上げたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、国内が外国に比べて値段が非常に高いから、そういう高いものは使わないで輸入するんだ、こういう気持ちは毛頭ないわけでございます。割り高であっても、ある程度のものは安定供給源を確保する、あるいは国内資源をできるだけ愛護するという意味からも、これは当然ある程度のものは、割り高であっても国内のものを使うという考え方で、私たち今後需要業界にお願いしていきたいと思っております。需要業界もそういう感じでおると思います。ただそういたしました場合に、経済情勢の変動によりまして、やはり需要量というものが非常に多くなったり少なくなったりするということは事実でございますので、そういう面をクッションとして輸入の面で補う、こういう基本的な考え方でおるわけでございます。外国のほうが安いから、これを使うのだという考え方は毛頭持っておりません。これはひとつ十分御理解願いたいと思います。  それから、そういう基本的な考え方で、先ほど申し上げましたように、足りないものをどうしても輸入しなければいかぬという場合には、これはやはり外貨節約という面からも当然でございますが、需要家の側から見ても、できるだけこれを安い価格で入手させるような方途を講ずべきじゃなかろうかというふうに思うわけでございまして、例の荷役の問題に関連する包装の問題、これはまだ解決をいたしておらないわけでございますが、もしかりにバラ積みの荷役が可能ということになれば、衛生上の問題からいたしまして、夏場の特殊の時期に向かうまでにこの問題を解決して、その時期に入れたほうがよかろうという考え方を実は需要業界では持っておるわけであります。私たちといたしましても、それはなるほどもっともだという考え方でおるわけでございますが、ただ、いまお話の、港湾関係方面の話がどの程度いっておるか。これは私のほうでは通商局のほうで窓口になっていただいておりまして、その後の進捗状況は聞いておりません。どうも五、六月ごろならバラ積みでいいんじゃなかろうかというふうなことを需要家としてお考えになるのは当然かもしれませんが、いまの段階でそういう見通しがあるかどうかということについては、私まだその後の状況を聞いておりませんので、はっきりお答え申しかねるということでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 一万二千トンの輸入、これはぜひとも入れる、こういう決定をしておるのか、入れたいというように考慮しておるのか。特に、生産業者はもちろんだけれども、そこの生産するほうの労働者も、供給できる、こう言っておるわけですね。にもかかわらず、これは絶対輸入しなくちゃならぬ、てこでもこの一万二千トンの輸入は動かしたくない、こういうように通産当局のほうで考えておるのかどうか。これを明確に聞かなければ、私のあとの質問のしようも違ってきますので、その点を前提として明確にしていただきたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、いまの段階においては、まだ数字の検討中であるわけでございまして、この四月からいままでの外貨割り当て制度がどういうことになりますか、いま法律の改正が国会に出されておりますので、どういうかっこうになるかわかりませんが、いずれにしても、やり方としては従前の外貨割り当て時代とほとんど変わらないような輸入の許可制度になると思います。これがやはりいままでの例からいたしますと、大体三月末までには、量をどれくらいにするか、それに必要な外貨が一体どれくらい要るかという最終の結論を出す必要があるわけであります。目下まだその作業中ということでございまして、一万二千トンをいまこの時期において必ず入れるんだという最終の結論はまだ出しておらない、こういう状況であると思います。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 この輸入問題に関連して、地域においては相当問題になっておるわけです。これは決して生産業者だけの問題、生産に従事している労働者だけの問題ではなく、地域の行政体の人々も非常に、心配しておるわけです。いままで首切り、首切りということで、人が半分も減らされて、自治体が成り立たなくなった。それでせっかくやや好転のきざしがあるときに、さらに輸入するということは、政府はもう硫黄産業を見捨てておるんじゃないか、こういうことで、私の聞くところによると、二十五日ごろ、請願行動か攻撃行動かわかりませんけれども、日本全国の硫黄産業が所在しておる自治体が大挙して来ると聞いておりますので、これは非常に重大な問題じゃないか、このように考えるわけです。  それと関連して、これは私の見方かもわかりませんけれども、たとえば、通産当局が昭和三十九年度上期の輸入計画の中に、労働組合の春闘、春の賃上げの闘争の影響も考慮した、こういうことを言っておるそうです。あまり名前をあげたくないけれども、そういうように聞いておるわけです。そうだとするならば、非常に大きい問題だと思うのですよ。まだストが発生しないのに、ストライキをやられるだろう、そして滞貨が減るだろう、こういうことは、正常な頭では考えられないわけですね。業者であるならば思惑買いをするけれども、政府自体が、労働組合がストライキをやってたいへんなことになる、いまのうちに輸入してストライキに対抗しておかなければならぬ、準備しておかなければならぬ、こういう考え方というのは、私は許されないと思うのです。大げさに言えば、スト破りだと思うのです。また、ストというものを予期して、奨励しておるということにもつながると思うのです。したがって、そういうことはあり得ないと思うけれども、あり得るならば、非常に謀略的な手段だと思うわけです。ストライキをやられるだろうから、もう外貨なんかはどうでもいい、買っておけ、こういうことは、ほんとうの思惑買いだと思うのです。自由化になってから思惑買いがなくなったなんといって政府はいばっておりますけれども、政府自体が、ストライキをやられるだろうといって硫黄を早手回しに買っておくということは、全く思惑買いだと思うのです。したがって、ストライキをやられて相当減産するだろう、そして需要業界に対して供給が続かないだろう、そのためにストライキの対策として輸入するという考慮がこの中にあったのかどうか、あったとするならば大きい問題だと思うので、お聞きしたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 お答え申し上げますが、いまのお話は、最近、ことしの春闘は大きいだろうというかけ声もありまして、需要家の側はそういう点をずいぶん御心配になって、そういった感じから、輸入の量を、そのための準備としてのものも必要だからというようなことをおっしゃっておるようでございますが、先ほどお話しの、私たちのところでいま作業している現在の数字には、そういったものは全然含まれておりません。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 最後に、今回の輸入間胆に関連して、いま政府の行政指導のあり方に対して、非常に検討すべき点が多いじゃないかと私としては考えています。これは私の考え方として指摘したいと思うのです。その基本点は、国内の硫黄鉱業の真の育成ということを深く検討しておらない。その結果、一時的に生ずる供給の不足を、安直に、さっき指摘したように、足りなくなったら外国から輸入する、こういうことにのみたよっておると思うわけです。しかもこれを国内の価格の抑制策に利用しておる。価格を下げねば輸入するぞ、こういうことで、輸入ということを一つの恐喝と言ったら悪いわけでありますけれども、おどかしの道具にして値下げをさせようとしていると思うのです。私も、やはり外国の製品なり原料に対応できるようにコストを下げて競争力を強めるということはわかりますよ。わかるけれども、硫黄が若干上向きになってきたのは最近です。つい最近まで、ばたばた閉山しておったわけです。それを若干立ち直ったときに、また価格が高いから外国のものを輸入するというのは、一つのどうかつだと思うのです。将来においては合理化して価格がつり合うように努力することは、当然ぼくは義務だと思うのです。その点わかるけれども、非常にせっかちな手段じゃないかと思うのです。すでに通産当局のほうで御承知のように、日本の硫黄資源は、現在稼働しておる鉱山のみでも二億数千万トンというような鉱量があるわけです。含有量で七千万トン以上もあるわけですね。したがって今後百年は——これは百年という数字ははたして確かかどうかわかりませんけれども、私の調査では、百年はこれはもう楽にもてるんじゃないか、これは供給できるんじゃないか、こういうように、非常に世界的にも有数なものだと思うんですよ。一国の供給量としては、百年間も将来これは自給体制ができるんだから、供給力があるんだから。そういうことだと思うんです。したがって政府の施策、ほんとうの政策というものが完全であれば、完全な自給体制というものができる、こういうように私としては考えるわけです。しかも、何といいますか、安い高いの問題がありますけれども、外貨の問題を考えたならば、一〇〇%の供給力がある産業をやはり伸ばしていく、温存していく、こういうことが、外貨の乱費という点から考えても当然とるべき措置じゃないか、このように考えるわけです。  さらにまた、私は世界の硫黄の状況を見ますと、たとえば米国ではフラッシュ硫黄の生産が、一九五六年度の六百四十二万トンが六〇年には四百九十万トン、こういうように減ってきているわけです。アメリカでも非常に減ってきておるわけです。生産には限界が見えておるし、また減少しつつあるわけです、アメリカの場合を見ましても。したがってこのために、アメリカの場合、カナダ硫黄の大半がアメリカに向けられておる、こういうことも私の調査では明らかであるわけです。またさらにフランスでも、昭和三十九年度の生産量の全部がすでに国内化学工業用として契約済みである、こういうようにいわれておるわけであります。供給の非常に鈍化というものが見られておるわけであります。その反面、化学工業が非常にどんどん飛躍的に成長して、非常に需要というものが拡大しておるわけであります。一九七〇年代では、おそらく数百万トンの供給不足になるのではないかとさえ硫黄については言われておるわけです。これは見方もいろいろあると思うけれども、そういうように考えるならば、何もいま若干外国の製品が安いから入れなくちゃならぬということじゃなく、世界的に非常にもう供給不足になることは、回収硫黄の問題もありますけれども、一般的には非常に供給不足になるじゃないか、こういうようにいわれておるわけなんで、したがって、やはり国内で今後百年間も供給力があるし、自給力があるんだから、これを伸ばそうという方向に対して、今後さらに現在以上に努力するお気持ちがあるかどうか、お聞きしたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 硫黄の世界的な需給の見通し、これはなかなかむずかしい段階でございまして、先生御指摘のように、特にフランス、カナダ等におきますいわゆる回収硫黄でございますが、これの生産が非常に顕著にふえてきておるわけでございます。昭和三十六年の生産実績、カナダでいいますと、三十五万トンばかりの回収硫黄があったわけでありますが、これが翌年の三十七年度、これはちょっと実績とまでは言い得ませんが、回収能力としては二百七十万トンばかりあると私は聞いております。それからもう一つのフランスでございますが、これがやはり昭和三十六年度は百万トン強という数字であったんですが、これが翌年の三十七年には百四十万トン、非常に顕著なふえ方をしているわけであります。しかも御承知のようにコスト的に見て非常に安い、こういうことでもございますので、先ほど申し上げました国内の回収硫黄が今後だんだん生産がふえていくという点等もにらみ合わせまして、かなり先のことまで考えても、コスト的にいまの国内の鉱山の二万円以上というのは非常に割り高ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。さらにその先、世界的にも不足になってどんどん値段が上がってくるということになれば、これは非常にけっこうなことでございますが、当面はやはりそういう価格の推移でいくのではなかろうかと思う。したがいまして、そういうことになりますと、それに比べて非常に割り高のものを、国内で間に合うからといって、輸入を全然認めないというようなことで、その全量を需要家のほうに強制するということはどうだろうか、問題がありはしないかということで、実はできるだけそういった国内需要家に引き取ってもらう硫黄の量を、割合を多くするという意味から、価格の引き下げの御努力をお願い申し上げておるというのが、いままでの考え方であるわけであります。  それから一番初めに御指摘になりました、地元の市町村等でも今度の輸入問題を非常に重要視しておるというお話でございます。これは硫黄の問題だけではなくて、地下資源産業全体について言えることでございますが、生産に非常に弾力性がないわけでございまます。したがいまして、いまたまたま国内の需要が、化繊等の景気が一時的に非常にいいわけでございまして、そのために需給が逼迫しておるということで、せっかく——せっかくと申しますと少し語弊があるかもしれませんが、すっきりした山になったのに、また緊急に人を入れて増産するということについて、はたしてそれがいいかどうかというような問題も実はあるわけです。現在すでに整うておる体制をさらに縮めてまで輸入するという考えは毛頭ないわけでありますが、いまあるものをさらに無理して人を入れて一時的な硫黄の増産をやるということについては、いまの状況から見てどうだろうかという気持ちが私たちするわけであります。  それから輸入問題を国内の生産者に対する値下げに強引に利用しているというお話でございますが、これは先ほど申し上げましたように、私ども役人はものの言い方を非常に注意しなければならぬというふうに思うわけでございますが、おそらくその趣旨は、できるだけ合理化をして価格を引き下げていただくということで、そんな言い方をしておるのではないかと思います。私自身といたしましては、むしろ逆の感じを持っております。国内の硫黄鉱山というのは、どちらかというと、比較的規模の零細ないわゆる中小鉱山が多いわけでありまして、需要家は御承知の、りっぱなパルプ会社あるいは化繊会社ということで、どちらかというと勢力的に見て力の強い大手でございますので、そういう大手に物を売る場合に、国内の硫黄の業者の皆さまが非常に弱い立場にあられて、はたして適正な値段でものが引き取られておるのかどうかということを実は私、逆に心配するわけでございまして、そういう気持ちがするほどでございますから、もし私のほうの担当官が、安くなければ輸入するぞというふうなことで申し上げたとするならば、これは非常に誤解を招くおそれがございますので、十分注意をいたしたい、こういうように考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 先ほどから私も言っておるように、硫黄の場合一つとらえても、外国のほうは安い。外国から入ってくるのは、裸のままでは半分だ、それは認めるわけです。そうして国内のは値段が高いということは、さっきからあなたもおっしゃられておるわけです。それもわかるわけです。ただコストを下げれといっても、特に硫黄の場合は中小企業に属する鉱山が非常に多いわけです。それを中小企業のような零細な企業に、外国より日本のものは高いから下げれ下げれといっただけでは、これはコストも下がらぬと思うのです。合理化もできるような自力がないと思うのですよ。そういうことで、日本の場合は非常に高くて外国の場合は安いということをあなたは御指摘しておられるわけれども、安いとか高いとかばかりいっておったってどうにもならぬわけです。したがって、外国の製品と太刀打ちできるような行政指導なり国の政策をどう行なっておるかということですよ。具体的に、これだけやってもとても外国と太刀打ちできないからこの産業はだめならだめということでけっこうだけれども、高い高いと一方的にいうほど通産当局が、それほど政策で具体的に援助してきたかどうか。あったならばそれを具体的に示してもらいたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 まことに遺憾な次第でございますが、先ほど申し上げましたように率直に申し上げまして、硫黄の将来をどういうふうに持っていくかという基本の方針がまだはっきり定まらないという状況でございまして、せっかく鉱業審議会というのがあるわけでございますので、できるだけ早い時期に、その場で、専門家、学識経験者等お集まりを願って、今後の方針について、またその方針に持っていくための国の施策あるいは業界の御努力を願わなければならぬ事項等をできるだけ早い時期にきめて、硫黄の政策を確立したい、こういう感じでおるわけでございます。その点非常に遺憾でございますが、御了承願いたいと思う次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 三回目だと思うのだけれども、重ねてお聞きします。通産省で考えておられるといわれるところの昭和三十九年上期の計画の十一万七千六百トンというのは、これは未確定なものですね。それと同時に、一万二千トンの硫黄輸入も、需要業界に迷惑をかけては、深刻な打撃を与えては困るから、だから輸入しなくてはならぬという考慮の段階であって、もし国内の供給量が満たし得るというめどなり前提が立ったならば、量を削減するかあるいは輸入をしないこともあり得るというようにとっていいのですか。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 こういうふうに御了承を願えれば私たいへんけっこうだと思います。いままで緊急輸入的にやりましたほかの物資についても同じでございますが、一番常識的な準備といたしましては、いまの外貨の事態ですと、予備費というものがあるわけですけれども、予備費をそれぞれの項目に計上して支出するには少し手続を要しますので、予備費に計上するかわりに当該品目の予算に一応計上いたしておきまして、個々の外貨割り当て、今度は輸入の許可ということになっておりますが、輸入の許可はそのときどきの状況——状況の推移が半年間のうちに相当あると思いますが、その状況の推移によって輸入の具体的な許可をする、この二段がまえでやるということで御了承願えれば、いま申し上げました、最初の、従前の外貨の割り当ての額をどうするかということにあまり神経を使っていただかなくて済むのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございまして、一応基本的にはそういうラインでひとつ御了承願えればという感じを率直に申し上げる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 私は、最後に申し上げますが、特に通産当局の硫黄に対してとっておられる、輸入の問題を含めての政策の問題について、業者のほうはどう考えておるかわかりませんけれども、硫黄産業に従事しておる労働者、あるいは地域の住民、あるいは地方自治体、これらの人々が非常に深い疑惑と不信と不安を持っておることは、これは事実です。国内の産業がもうかるとかもうからぬとかいう立場よりも、地域格差の是正とか、そういう意味からいっても、なぜこれを保護しないのか、なぜ、外国から買ったほうが安く、それを売ったほうがだれかがもうかる、こういうたてまえのみから政治をやるのか、こういうことについて、非常に深い不信と不安を持っておることはこれは事実です。さらにまた私の聞くところによりますと、国内の産業をつぶしてまでも外国のものを買わなくちゃならぬというものの考え方に対しては、当該産業の労働者じゃなく、たとえば港湾の人方、日港労連の人方も、はたの者がこぞってあなた方と共闘を組みますというところまでいっておると聞いておるわけです。そうあなた方が考えるほど簡単なものじゃないわけです。それは別といたしましても、この硫黄の一万二千トンの輸入は非常に大きな影響を持つ、そういうことなので、慎重なる考慮を払うことを要望したい。と同時に、ただ単に外国のものが安くて日本の硫黄は高いといって、第三者のように上から評価するだけでなく、安くなるように強力な政策を今後立案計画すべきであることを強調して、私の質問を終わります。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤政府委員 硫黄の直接生産をやっておられる山の方だけでなくて、その周辺の方まで非常に心配しておられるということでございまして、私たちの真意をある程度よく御理解願うということも当然必要だと思います。その点、私どものいままでの努力が足りなかったことをここでおわび申し上げなければいけないと思いますが、先ほどお話しのように、近くそういう方々の御陳情があるということでございますれば、私喜んで御事情も伺いたいと思いますし、また私どもの、先ほど来申し上げておる基本方針はまだ確立しているわけじゃありませんが、基本的な考え方、ラインは大体先ほど申し上げたようなことでありますので、そういう点につきましてもいろいろお聞き取り願いたい、こういうふうに思います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 次会は、明後十四日金曜日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十五分散会

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