商工委員会 第5号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/02/07
会議録
○二階堂委員長 これより会議を開きます。 小笠公韶君外六名提出の電源開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。 本日は、提出者、政府委員のほかに、参考人として電源開発株式会社総裁藤井崇治君が出席されておられます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 提案者にお尋ねをしますが、先般の委員会でいろいろ質疑がかわされたわけですが、伺ってみまして、どうも議員立法という形で改正案をお出しになった積極的な理由が薄弱だと思うわけです。提案者としては、運営面に関係する理事増員ということを、議員立法で出すことの適否というものについて、どうお考えになっているか。基本的な考え方、積極的な理由、その点をひとつ伺ってみたいと思います。
○神田議員 ただいまお尋ねになりました電源開発株式会社の理事の増員について、議員立法としての積極的な理由をもっと突っ込んで説明しろということでございますが、これは先般もお答え申し上げましたように、電源開発法が施行されて、会社が発足してもう十一年余りになっておる。この間非常に事業量が膨張してまいっておる。また性格的にも、公共的使命を持って、大きな躍進をしてまいっておりまして、いまの理事の定員五名では、日常の業務も完全になし遂げていくことに非常な支障を生じておる。お尋ねの、それならひとつ政府が出すのがあたりまえじゃないか、こういうような御意見のようにも承りますが、前通常国会以来政府側におきましても、いろいろ事情がございまして、事態は遷延を許さないと申しますか、前向きの仕事もだいぶございますので、どうしてもひとつ早急にこの問題を、所要の増員をいたしたい、こういうことでございまして、議員立法の道を選んだ。ですから言いかえますと、緊急を表する事態である、日常の業務を十分やるのみならず、いろいろかかえておられる問題も前向きで解決しよう、そのためには五名では足らない。もっと簡単に言えば、適当な例かどうか知りませんが、もう十一年余もたっておる。そのままの着物を着ていたのでは、とてもこれは活動ができない。そこで最小限三名をひとつ増員したい。政府側のほうでなかなか手が回りかねておりますので、電源開発法はもともと議員立法でずっとその後の改正等も行なってまいっておりますので、この機会にひとつ議員立法でお願いして、早く内容を整えて、そうして会社の運営に万々支障ないようにいたしたい、こういうことでお願い申しておるわけであります。
○中村(重)委員 お尋ねしていることは、いまの提案者の答弁がどうも明瞭でない、明確でないということを言っておるのです。議員立法であるからといって、内容が薄弱というか、あいまいであってもよろしいということにはなりません。理事の増員が必要である、そのことは、電発自体がその必要性を感じておるということであるならは、そのことを政府提案としてお出しになるということは当然でなければならぬと私は思うのです。ただいまお答えのように五名の理事では、電発の事業内容からして増員の必要があるのではないか。そのことは、三名増員の可否は別といたしまして、増員の必要があるとするならば——それは増員もしなければならぬでしょう、ある程度増員が必要であるということも考えられるわけであります。だがしかし、法律案を提案をするということになってまいりますれば、その形式というようなものは、十分慎重な検討の上になされなければならぬ。非常な緊急性があったのだとかいうようないろいろなお答えというものは、どうも納得がいかないわけであります。いろいろな事情ということでお答えになったわけでありますけれども、理事の増員が必要であるということ、そのことがいろいろな事情ということはどういうことをさすのか、私の頭の血のめぐりが悪いのかもしれませんけれども、どうもその点はもっと明確であってよろしいのではないか。やはり運営面ということにおいて、理事をこれだけふやしなさいといって押しつけていくというような形にとられないとも言えないわけでありますから、そういう点については、もっと明確な御説明を願いたいと思います。
○神田議員 議員立法ですることは、先般申し上げましたように、政府側も希望しておる。それからまた電発側からも、これではなかなかたいへんだというたっての陳情も前からしばしばあるわけでございます。われわれもそれを検討いたしまして、できるだけひとつ早くその要望に沿いたい。ことに電源開発株式会社は議員立法でやってまいった関係上、そういう諸般の事情が熟していて、しかも政府側が当時の情勢においては、たくさんの法律もかかえておって手が回りかねる、ひとつなんとかしてくれぬかというような事情等もございまして、放置できない、このまま放置しておくと運用面でも困るのではなかろりか、いろいろ事業量をたくさん持っておることは御承知のとおりでございますので、そこで議員立法でした、こういうことでございまして、別に裏に事情があったという音加味ではないのでございまして、実態そのものが、まあ見るに見かねるというか、放置できない、こういうような事情で議員立法を選んだわけでございます。
○中村(重)委員 実態が見るに見かねるといったようなことですが、この場合、総裁から理事増員の必要ということについて御答弁があった中に、理事会を開くという場合に満員にならないというのですね。それと、外国の人たちといろいろ話し合いもしなければならない、いろいろな会合にも出なくちゃならない、こういうようなお答えがあったわけですね。理事が理事会を開いて満員にならない、だから増員をするということは、これは私の聞き違いであったかもしれませんが、そういうお答えであったと思いますが、私はそういうことでは納得できません。 それから、理事の八名の担当業務表というものをお配り願っておるのですけれども、これを見ましても、どうも同じようなことが書かれてあるわけですね。何かかえって複雑になるような感じすらするわけなんです。こういう表の中から見ましても、やむにやまれない、見るに見かねるのだという、提案者が何か緊迫感というのか、そういうことを感じられたというのが私にはわからぬ。それでもって、こんな緊急性があるから議員立法で出さなければならなかったのだということであれば、どうも説得力がないような感じがいたします。議員立法で出さなければならなかった事情、それも明快にお答え願いたいし、この種のものを議員立法として出すことについての可否、その提案者の基本的な考え方というものをひとつあわせて聞かしていただきたい。
○神田議員 いろいろいまお尋ねになりましたようなことは、私ども提案する際にも議論になったことでございまして、お尋ねの趣旨はよくわかるのでございます。まあしかし、先般来お答え申し上げておりますように、たとえば理事が寡少である、事業量に比べて非常に寡少であるということは、もっと具体的に言いますれば、これらと必ずしも同種同業だというわけにはまいりませんが、同社よりも資本金や事業量が少ないというように私ども考えております日本航空にいたしましても、理事は十六人ということになっております。あるいは帝都高速度交通営団、これも十三人というようなことになっております。あるいは国際電電等も十三人、こういうことになっております。さらにまた、必ずしも内容が全部同じではございませんが、発電設備や資本金等もほぼ近い中部電力に比べましても、中部電力は十五人の役員をお持ちになっておる。こういうことを考えましても、電発会社が全国的な規模において事業をおやりになっておる。しかもまた、いま中村さんからもお話がございましたように対外折衝面においても非常にふえてまいった。仕事を始めてから十一年になりまして、電力の開発も非常に伸びてまいっておりまして、なおまた相当開発する段階になっておりますし、それから海外にコンサルタントというようなこともやっておられる。さらにまた石炭対策の一環として大きな火力発電もいよいよ実施する段階になっております。そういうことを考えますと、いまの五人でやっていくということになるとどうであろうか、ことに補償等の関係は、御承知のようになかなか困難性あるいは複雑性と申しましょうか、非常に増してまいっております。都道府県との折衝事務も、理事が参らぬと知事はなかなか相手にしないと申しましょうか、あるいは広域運営をやるというような場合にも、やはり電発を代表する資格を持った方でないと、あちらに参りましても十分協議をする相手としてぐあいが悪い。そういうことになりますと、日常業務をやりながらそういった折衝面、そういった問題等を考えますと、やはりよそのほうがずっと事業量に応じた役員が整備されておる、こちらのほうはそうでないということになりますと、自然とそういうことが会社の日常業務にまで及んでまいりますものですから、これは一日も早く適当な理事の増員をやって、そして所要の業務にひとつ支障のないようにしたい、こういうことでございます。政府の提案ももちろん考えたのでございますが、いろいろ当初との関係もございますし、議員提案でお願いしたほうがスムーズにいくのではなかろうか、こういうような考えを持ちまして、改正案をお願いしておるわけでございます。
○中村(重)委員 提案者が理事を増員するのにそれほどの関心をお持ちになるのには、どういう人が理事として適当であるとか、あるいは官界とか民間とか、いろいろな面があろうと思う。そういうことについても御関心というものも相当あられるのじゃないか。そういう点についての御構想があれば、ひとつ伺ってみたい。
○神田議員 その点につきましても、いろいろ私ども、増員されたあとどういう方が理事になろうかということにつきまして、一般的な議論もいたしたわけでございます。これは先般中村さんが御自分の御意見をお含めになって電発総裁にお聞きになっておられたようですが、私どもあのお考えについては全く同感なんです。ことに電発も十一年余になっておりますから、なれている部内から、優秀な方もたくさんお持ちになっておるようでありますから、できるだけ用いて、そして所期の目的を達成すべきものである、こういう基本的な考えを持っております。しかし他から優秀な方を迎えられるということでありますれば、これは例外的に総裁がお考えになろうと思いますが、どなたをどうしようかということまでは私どもお話はございませんし、私自身も考えておりませんが、選考の方針の基準と申しましょうか、これは中村委員が先般申されたことは全く同感でございます。総裁もまたそんなような意向であるように聞いておりますので、その点はひとつそういうように御了承願いたいと思います。
○中村(重)委員 いろいろ他の電力会社等の例をお引きになったわけでありますけれども、私は電発の性格、企業内容、しかも比較的事業が固定した形になっており、資本金というものはほとんど国家の資金であるということ、もろもろの点から考えると、引用された他の電力会社等の場合とは異なる。その企業が資本金が同じだから理事の数も大体同じであるべきだということは、見解の相違もありましょうけれども、私はそうはとりません。そういうことから、理事の定員ということについても考え方が変わってくるだろうと思います。私はまず、三名が二名であるとか、一名が適当であるとかいうようなところまで煮詰めた考え方を持っておりませんが、とにかく議員立法で出すということについての基本的な考え方というものを中心にきょうお尋ねするつもりでいろいろお尋ねしておりますけれども、まだ納得のいくお答えが出ないのです。それから、総裁にお尋ねしますが、理事の勤務状態はどういうふうになっておるか、最近一年間でけっこうでありますが、その状態をお知らせいただきたい。
○藤井参考人 理事の勤務でございますが、大体いま五人おります。五人のうちで、一人は電気専門の技術者で、これは最も大切な仕事でございまするから、電気の技術面を担当して遺憾なきを期せしめるようにさしております。 もう一つは、建設が非常に重要な問題でございますので、土木の専門家、これも技術ですが、担当いたしておりまして、これはほとんどその問題で明け暮れいたしておるのでございます。 あとの三人のうち一人は、ほとんど全部補償問題に没頭いたしております。これは全国で、北は北海道から南は九州まで、各都道府県庁を主として対象にしていろいろ折衝を申し上げる必要がありますために、どうしても理事を一人かかり切りにさせておかなければならないので、これはもう半分くらいは外へ出ておることが多いのでございまするが、そういうことに没頭いたしております。 残りの二人でございますが、そのうちの一人は——お聞き及びかと存じまするが、数年来広域運営ということを各電力会社と一緒になってやっております、ことに広域運営が円滑にいくようになりましたのは、これはてまえみそかも存じませんが、電源開発会社ができ、相当強力な発電所を持ち、送電線を持っているがゆえに円滑にいくようになったんだと思います。それにほとんどかかり切りでございまして、実は一人の理事が急に病気になったために、ほんとうはきょう出席しなければならない副総裁をかわりに九州にやって、いろいろ問題の討議に当たらしておるのでございまするが、この広域運営と計画、これはちょっと荷が勝ちすぎるのですが、やむを得ませんから、人数が少ないのでしょうがないから、計画事項と広域運営に関連いたしまして、料金の折衝というものが、これは会社として非常に重要な問題ですが、そういう料金の問題、あるいは事業上の電力会社との問の取りきめをします基本的の問題、そういうことのために、三つの問題を一括して一人の理事に担当さしておるのであります。 あとの一人は、これも最も大切な仕事でございまするが、会社の経理と、それから経理に関連したところの資材の調達ということに全力をあげさしておるのでございまして、実はもうそれで手一ぱいで追い回されておるようなわけでございます。実はこの間もちょっと申し上げましたが、先年来海外との技術協力をいたすことになりまして、海外へまいりますると、どうしてもその国の総理大臣とか、あるいは場合によりましては大統領にお目にかからなければならない場合があるのでございます。そういうことに人を派遣したいのですが、実はできないで多少手違いを生じておるというような実情でございます。かようなわけで、実は私どものほうの理事は、そう言ってはなんでございまするが、相当忙しく、てんてこ舞いしておるようなわけでございます。
○中村(重)委員 この理事八名の担当業務の表が配付されておるわけですが、これを見ると、八名を何か無理に割り当てたというような感じすらあるわけです。ただいま、対外折衝という形で大統領と会わなければならないとかなんとか、そういうことから理事増員の必要性をいまお答えになったわけですが、そういう外地の関係の折衝を別といたしまして、その他の業務運営上、理事が非常に少ないために大きな欠陥が生じておるというような、そういうことに対しての具体的な例があればお答え願いたい。
○藤井参考人 これは私ども無恥をしてでも、理事が行けないときには私どもも出かけて行ったりして補償の折衝等もする場合があるのでございまするが、実は補償のようなデリケートな問題になりますると、私がいきなり出たんでは折衝の余裕が残されませんので、できるだけ私は出ないようにしておるのですが、理事が足らないためにやむを得ない場合がありまして、これは相手のある相談ごとでございますので、出てかえって非常に不便を感ずるような場合も非常に多いのでございます。 それから、特に問題は広域運営ですが、これは全国を四つのブロックに分けて、北海道と東京、東北、それから中部が中部電力、関西電力、北陸電力、それから中国電力、四国電力、九州電力の四つに分けてやっておるのでございますが、これは最後にはそれを中央協議会といって、東京で月に一度ずつ社長が集まって協議をするのですが、そういうブロック別のまず最初の準備会、いろいろの折衝をしなければなりませんが、それが月四回にもわたりますと、手が足りなくてどうしても行けないというようなことで、私のほうから無理を言って、地方へ出かけていかなければならないのを東京へわざわざ来てもらって御相談したり、ずいぶん無理なようなことをしておる例も多々ございます。これは私のほうの会社の実情をもっと詳しく申し上げますと、よくおわかりになると思うのでございまするが、そういうような実例もございます。 それから、先ほど申し上げることを忘れましたけれども、やはり私のほうにも三千名ばかりの従業員を抱えております。それは戦後の世間の状態といたしまして、労務関係としていろいろ折衝する場面もございます。ことにべースアップ等の問題にぶつかりますると、何日間か徹夜してやらなければならぬ。そういうときには、どうしても担当理事にこれを引き受けさしてやる以外には方法はないので、そういう場合になってくると対外折衝はおろそかになってしまいますので、こういうようなときにも非常に手薄で困っておるのでございます。
○中村(重)委員 それほど理事が少ないためにお困りになっておる。それならば、政府に対して、あなたは理事を増員をしてくれということを積極的に働きかけをしておられるか。その点どうですか。
○藤井参考人 これはごもっともなことで、実は私ども一両年前から通産御当局にも、理事の増員について御配慮願いたいということは切々としてお願いいたしたのでございまするが、ちょうど一昨年以来、役所におかれましても電気事業審議会をお開きになって、新しい電気事業立法の御計画もございまするし、私もその委員の末席を汚しておりますが、非常にお忙しいのと、いろいろ役所のほうでこれだけを切り離してやっていただくことは非常にむずかしいような実情を私どもは拝見いたしまして、あまり無理も申し上げられません。そこで、私どもから、イージーゴーイングであったかもしれませんが、議員立法であることを思い起こしまして、無理やり、議員立法でもけっこうですから、一日も早く何とかして私どもの手薄なところをお助け願いたいというので、これをお願い申し上げたような次第でございます。
○中村(重)委員 政務次官にお尋ねしますが、総裁は、理事を増員するという問題だけを切り離して政府提案とすることについても、どうもぐあいが悪いように感じた。感じでございますから、そのことをあまり総裁に追及するわけにはまいりません。ところが、今度通産省提案予定の法律案の中にも理事増員というのがあります。ですから、電発の場合に、議員立法であるから議員だけが出せる、政府は出せないということはないはずですが、あなたはそういう電発のほうで理事を増員しなければ困るという実情をお感じになっておられたのか、お感じになっておられたとするならば、理事だけを増員をするということを政府提案としてすることは非常に困難であるという印象をどういうことで総裁に、電発側に与えられたのか。これはあなたが就任される前のことだったろうと思いますが、しかしこうした法律案は継続審議にもなっておりますし、あなたとしても十分そういうことについては事情をよく承知していらっしゃる。それらの点について経緯を伺っておきたい。また考え方をひとつ聞かしていただきたい。
○田中(榮)政府委員 私から一応お答え申し上げたいと存じます。この電源開発促進法の一部改正案につきましては、昨年の通常国会に提案をされたのでございます。その当時私も商工委員の一員といたしまして、本法提案につきまして電源開発側の意見も聞きましたし、通産省側の意見も承ったのです。ところが、昨年の通常国会は、中村議員も御案内のように、通産省としましては相当多数の法案をかかえておりまして、そして当時いろいろな電気事業審議会の審議も進められておったというふうな実情でございまして、これはひとつ議員立法でやったらどうだろうかという意見もわれわれの仲間に出まして、実際問題としまして、この電源開発促進法はすでに提案のいきさつが議員立法で提案せられ、その後重要な面につきましても、しばしば議員立法で改正をされておる事実がございますので、理論的に申し上げましても、議員立法でやってさしつかえない手段でございまするし、また一面、当時の通産省としましては、多数の法案をかかえて非常に困っておった。それから同時に、理事三名の増員につきましては、いま電発総裁も申し上げましたように、業務量が非常に多い、それからまた、その内容も非常に重要性がある、差し迫った問題であるから、何とかひとつ便宜議員立法でやったらどうか、こういう話がございまして、われわれも実はこれに対しましては賛成を申し上げた次第でございます。さようなことでございまして、すでに昨年の通常国会で提案されて、それが審議にならずに流れて、そして臨時国会においてこれが継続審議になったようないきさつがございますし、一面また電源開発側におきましても非常に急を要するという状態でございますので、理論的にいろいろ御議論があるかと存じますが、通産省側としましても、できればひとつこのまま議員立法で、一日も早く電源開発側の要望を実現さしていただきたいという希望を実は持っているわけでございます。
○中村(重)委員 政務次官の答弁は納得できません。また、非常に無責任な態度であると考えます。当時あなたが責任者でなかったので、あなたに無責任だということを、当時の提案の事情で責めることは当を得ないと思いますが、しかしいまの御答弁は私は納得がいかない。電発の事業量というものが年々急速な伸びを示していくということはあなたも御承知のとおりであります。そういうことに対して、その理事の増員が適当だとか、あるいは理事でなくても、いろいろ機構上の改正をやってそれを強化していくというようなことが必要であるとか、いろいろなことについての配慮というものがなされなければならぬ。これは非常に忙しかったから政府としては提案をすることはできなかった、こういうことは理由になりません。しかし、きょうは同僚の議員の質問もございますので、時間の関係もございますから、この点に対する質問を留保いたしまして、私はきょうの質問を終わります。
○二階堂委員長 森義視君。
○森(義)委員 私は、国会議員一年生の上に、電気事業に関しましてはずぶのしろうとですので、あるいは幼稚な質問をするかもわかりませんが、ひとつ懇切丁寧にお答えを願いたいと思います。 先日来の委員会を承っておりますと、質問者と答弁者のやりとりだけで、うしろですわっておりますとずいぶんわからないことがたくさんあるわけです。特に私のほうでは新人の委員が多いわけでございますので、ひとつ私を含めてみんなにわかるように丁寧な御答弁をお願いしたいと思うわけです。 そういうことを前提といたしまして、まず最初に提案者にお尋ねしたいわけでございますが、電源開発法が去る十三国会で自民党の議員提案として成立いたしました当時の立法精神について御説明を承りたいと思います。
○神田議員 当時の事情は、電気が非常に足らない、とにかく日本の経済復興のエネルギーのもとなんだから、何をおいても電力の開発が急を要する、こういうような事態でございました。九電力会社が電力を附発いたしておったのでございますが、御承知のように九電力会社は経済ベースで進んでまいるものですから、大電源の開発というものは手がけることがなかなか容易でなかったのです。それからまたもう一つは、九電力が電力を開発してお互いに融通し合うというようなところまで到達することは、見通しがきわめて困難であった。そこで、この際国費をもって電源開発会社をつくって、そうしてひとつ大規模に電源開発をやろう、そのためには外国からもひとつ金も借りてもいいし、あるいはまた開発機械なんかもひとつ輸入して、とにかく水力の包蔵量は多いのでございますから、重点的に開発しよう。それには九電力がそれだけの力がない、そこでそれをやるには特殊法人をつくって、国費をそこに大幅につぎ込んでやれるようなことを考えようじゃないか、こういうことが基本的の考え方でございます。もっとさかのぼりますと、日本の電力会社のあり方をどうするかというようなことが、占領中にやはり議論がありまして、五人委員会というのがあって、五人委員会が答申した線があるのでございます。日発を解体する、当時の九配電会社をどうするか、こういうようなことがございまして、日発を解体して九配電会社に電力会社の性格を与えてひとつやる、しかしそれだけではやはり主要目的が十分達成されないから、ある程度の融通会社としての電力会社をひとつつくったらいいじゃないかという五人委員会の答申もあったわけでございます。それらがいろいろ事情がございまして、あるいは松永委員長構想と申しますか、そういうような構想がございまして、会社ができなかった。九電力だけできた。そこで九電力だけでやってみたところが、なかなか経済ベースでいくから大容量の電力の開発ができない。そこで、これはどうしてもひとつ国策会社をつくって電力の供給を円滑にしたい、こういうことで世論も盛り上がってまいりまして、私も当時の提案者の一人でございましたが、これはもう国策としてみんなで考えて、超党派でひとつやろうじゃないかというようなことまで進みまして、いろいろ御相談して計画してまいったのでございます。それがいろいろな事情で超党派で共同提案できなくて、当時の与党がこれを提案した、こういうようないきさつでございます。先般来もこの審議の途中に答弁等もございましたように、とにかく国費、が六百億もこの会社につぎ込んである。無配の会社でございます。民間では九電力が一億円しか持っていない。六百一億のうち六百億円というものは政府が出資している。だから無利子の金で開発さしている。そのほかに二千四百億円以上でございますか、いろいろの投資、財政投融資によって、そして電源開発をやってまいった。そこでたとえば只見川の開発だとかあるいは天龍川の開発、あるいは御母衣の開発、あるいは北海道、九州等においても、あるいはまた最近においては火力の開発もやっておる。さらにまた広域運営の面から千二百キロメートルの超高圧線も敷設して、広域運営をやって、九電力の電力需給をいま円滑にしてやっている、こういう事情なんでございます。しかもなお日本の包蔵水力はまだ相当あるのでございますが、御承知のように、これから開発されるものはますます経済ベースには乗ってくるものが少ないのだと思うのです。そういうものを今後ますますこの会社がやっていく、あるいはまた石炭対策の一環として大容量の火力発電所もつくっていこう、あるいはまた原子力発電についてもこの会社が二割くらいの出資をしている。これもやはりいつ配当があるかわからぬ会社でございますが、政府出資ですからこれはできるわけであります。電源開発は特に一番の経費が金利で、要するに開発が相当長期にわたりますから、金利が一番経費としてかさむわけでございますが、その点政府が出資しておりますから、安い電力ができるわけであります。そういうわけで大きな使命を持っていると思うのでございます。そういう構想のもとでこの会社が設立を見まして、今日までそういう意図でやってまいっております。今後もなおそういう考え方をひとつ推し進めて、十分所期の目的を達していきたい、こういうことに考えておるわけでございます。
○森(義)委員 いまの御説明ですと、これは当時の国会における提案説明の前段の説明だと思うのです。ポツダム政令による電力再編成で九分断された当時、私どもは地元で九分断反対の運動を盛んにやってきておりますので、当時の電力事情だとかそういうことはよくわかりますし、この電源開発促進法の経緯等も知っておるのです。ところがいまの説明ですと、提案当時における前段説明としてのあれであって、その法案の中に盛られておる電発会社の性格というものをもう少し詳しく説明してほしい。
○神田議員 電発会社の性格についていま申し上げたわけでございますが、詳しくというと、どういう程度まで申し上げればよろしいのでございますか。
○森(義)委員 それではあとで私のほうから申し上げます。 次に、藤井総裁にお伺いしたいのですが、あなたはいまの電源開発促進法に基づいてつくられた特殊会社の最高責任者として、この会社の運営についてどういうふうな理念の上に立っておられるか、と申しますのは、法の精神と照らし合わせてどういうふうにお考えになっておるか、ちょっとお伺いしたいのです。
○藤井参考人 これはもちろん私ども立法の精神を体しまして運営に当たっておるつもりでございますが、開発の面におきましては、特に開発困難な大規模な地点あるいは総合開発の地点というようなところに重点を置きまして、これは当初立てられました計画をほぼそのとおりに実行してきておると思います。当時立てられた計画以上に、あるいは中国と四国を結ぶ送電線を建設するといったようなことは当時の計画にはございませんでしたけれども、これは広域運営の必要上どうしてもそういうものが要るのだというので、これは西地域の各社の要望にもこたえて、そういうものを建設したのでございますが、建設の面といたしましては、大体いま申しましたようなつもりでやっておりまして、今日では私どもは九電力の足りないところを補っていく、私どもこれを補完作用といっておりますが、補完的な役目を果たすようにつとめております。御承知のように、区域を分けて供給をいたしておりますと、どうしてもその間に円滑を欠く面も多々あると思いますが、そういう点について電源開発会社がその役目を果たすようにしたい。また料金の面につきましても、急激に料金を上げることは、地方の産業その他の面において非常に困られる事情も一ありますので、先年、東京電力と協力いたしまして、東北電力の料金値上げをある程度緩和するようにお手伝いしたようなこともございました。私どもは、ただ単に営利のみを目的とするのではなくて、ほんとうに国家の使命を果たすことが第一義の目的だ、こう考えてやっておるのでございます。もちろん料金も、これは買ってもらえる料金にしなければなりませんので、今日ではなるべく建設費も安くして、経営費も合理的にいたしまして、できるだけむだを省いて、安い料金で各電力会社に卸売りをしようという考え方には立っておりますけれども、基本的な考え方といたしましては、政府の特殊機関として、政府の意図されておるところをなるべく実現するように果たしていくのが私どもの使命だ、かように考えてやっております。
○森(義)委員 私の質問のしかたがまずいために、質問者と答弁者の歯車が何か合っていないように思うわけです。そこで私のほうから具体的に質問をしたい内容についてお尋ねをするために、去る十三国会で水田委員から提案説明をされた内容について、議事録の抜萃を私持っておりますので、ちょっとこれを読んでみます。電源開発会社はこういう会社だということがはっきりと提案説明の中で書かれております。前段には、先ほど説明がありましたように、当時の電力事情の問題、特に日米経済協力並びに東南アジアの経済開発という点から今後の日本の産業の見通しを書いて、そのために必要な動力の問題、そして再編成後の電力の開発のためにどうしても急速に特殊会社をつくってやらなければならない、そういう事情について説明をいたしております。そういう説明のあと、この法案の骨子を次の三点にしぼっているわけです。その一つは、「既存電力会社を初め自家発電及び公営企業の開発計画を極力促進することを原則として、その資金確保については政府がその努力を義務づけられること」、次に重要なのは、私が聞こうとしておる問題に触れるわけですが、第二番目は、「大規模なかつ国土の総合的な開発、利用、保全を必要とするような特殊地点の電源開発については、新たに特殊会社を設け、主として政府の直接資金をもって総合的かつ急速なる建設に当らしめようとしていること」である。そこで「本特殊会社は、でき上った発電関係施設を建設完了とともに、逐次電力会社に譲渡または貸し付けんとするものであって、みずから発送電の運営を意図しているものではなく、もっぱら電源開発のみを目的とするものであります。」というようにおっしゃっておるわけです。第三番目には、「電源開発の円滑な実施をはかるため、電源開発に関する基本計画の審議または関係行政機関の施策の総合調整に関し、電源開発調整審議会というものを設け、総合的な観点から水利権あるいはその他の権利関係の調整を一挙に解決しよう」こういうところにこの法案の骨子がある。ここで第二番目に触れておられる電源開発会社というものは電力の開発をするのが目的であって、みずから発送電の運営をいたすようなものではない、でき上がった発電設備は九電力に譲渡もしくは貸し付けるものであるということを明らかに提案説明の中におっしゃっておるわけです。そこで質問の中で、電力再編成によるところの九分断で支障を来たしたので、また日発を再現しようとしておるのではないかという質問に対して、決して日発の再現ではございません、日発は電力の卸売りを本業といたしております、今度つくる特殊会社は電力を卸売りするのが本業ではなくて、電源を開発して、その設備を九電力会社に売り付けあるいは貸し付けるのが本職である、したがって、全然日発の再現とは性格を異にしておる、こういうように明らかに答弁しておるわけであります。 そこで総裁にお聞きしたいのですが、このような立法趣旨に基づいて発足された電発が、今日この精神に基づいて運営されておるのかどうか、こういうことについてお伺いしたいわけです。
○藤井参考人 お答え申し上げます。 第一点の、電力会社あるいは自家用発電というようなものに対して寄与、貢献するという問題でございますが、これはもう佐久間発電所の建設等で御承知のように、この面においては相当の寄与をいたしておると存じております。 それから第二点の、開発した電源をあるいは発電設備等を九電力会社に譲渡するとか、あるいは運営をまかせるとか、そういうようなことに対してはどうかという御質問でございますが、それに対しては、その方針は少しも変わっておりません。ただ、いままではでき上がった発電所を譲渡したことも、また運営をまかしたこともございません。と申しますのは、今日までの状態で各電力会社から私どものつくった発電所を買収をするというような希望を申し入れられたこともございませんし、またそういうことを相談をした例もないこともございませんが、むしろほかの資金のほうに追われておられるようなこともありまして、いまだかつてそういうものを譲渡したことはございません。しかし私どもはその点については、これを電発がぜひ持たなければならない、こういうふうには少しも考えていないのであります。ことに今度この通常国会において御審議願い、成立することを期待いたしておるのでございますが、石炭の火力発電所の問題でございます。こういうようなものの建設は、もちろん計画から建設までは電力会社と完全に相談してやるつもりでございますし、場合によりましては電力会社にその運営をまかせてもいい、あるいはすぐそれを買い取るという会社があれば譲ってもいいという、私どもはごくとらわれない考え方で進んでおります。 それから第三点の基本計画の問題でございますが、これは電源開発調整審議会の問題でございまして、これはおのずから電源開発会社とは別個の問題だと存じますので、私から御答弁申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○森(義)委員 ただいまの総裁の答弁ですと、つくった発電設備を電力会社に譲渡するあるいは貸し付けるという法の立法精神には何ら反しておらないし、そうありたいと思っておる、しかし今日までのところはどこからもそういう申し入れがないので、法二十三条の第三項ですか、それに基づいて電気供給をやっておる、卸売りをやっておる、こういう御趣旨の答弁だと思うのです。 そこで通産省にお伺いしたいのですが、この法の精神から言うならば、この特殊会社は、電力を売る会社ではなくて、開発してその設備を譲渡または貸し付ける会社だ。ところがいま総裁の説明のように、そういうことが行なわれておらない。その点についてどういうふうに今日まで行政指導をしてこられたのか、どういうお考えなのか承りたい。
○宮本政府委員 実はそのときの参議院におきますディスカッションにおきまして、附帯決議がつけられまして、その第二項で、「政府は電源開発株式会社の業務運営に関し、電気事業者に対する電力の電力に主点を置き、発電施設等の譲渡又は貸付は特殊の必要がある場合に限るよう、善処すべきである。」ということで、確かに提案理由の御説明には、いま森先生のおっしゃったようなことがあったのでありますが、その後の国会の審議におきまして、なるべく電力の供給に主力を置け、そしていわゆる譲渡または貸し付けば特殊の必要のある場合に限るようにやれという附帯決議がついたのであります。これは二十七年六月二十七日であります。ただ、確かに法律の提案の趣旨は、なるべくつくったらすぐ売れということでございましたが、やはりその後の事情でこういう附帯決議がつきましたことと、当時は各電力会社自体に買い取る資金的余裕がありませんし、九電力と電発があわせてこの十年間一生懸命に電源を開発したということでございますので、われわれといたしましては、もちろん法律にも譲渡または貸し付けといった規定はございますが、まあどちらかと申せば、いままではそういう余裕もございませんでしたし、またそういう附帯決議の線に沿って今日まできております。ただし、これは絶対いかぬということはいっておりませんが、具体的に、たとえばある発電所その他を売るということになりましても、現在の段階では、むしろ電力会社としては、ある程度安い値段で買ってもらえばかえって都合がいいと考えておるものと思いますが、そういうことで、いままでのところは一度もこういうケースはございません。
○森(義)委員 いまの御説明ですと、附帯決議という形で、参議院で電力の供給に主点を置く、そういうことならば、この衆議院の各委員会連合審査が行なわれましたね、それから公聴会で多くの人の意見を聞いて一ずいぶん私あの議事録を読むのに時間がかかりましたが、あの中に盛られておる一貫した立法の精神というものは、完全にその条項で曲げられてしまったわけですか。
○宮本政府委員 当時のいきさつ、私ちょっと存じませんので、神田先生いかがでございますか。
○神田議員 腹を割ったお話を申し上げますが、当時は電発、いまの電源開発会社は、融通会社まで持っていこうという意図だったのです。ところが司令部が、それじゃ自分たちがポツダム政令で日発を解体させたメンツ上つくらせるわけにいかぬ、こういうことなんです。これは非常に折衝したのです。結局占領中でございまして、向こうのほうのメモで、真相を申し上げるとそういうふうになったわけなんです。しかし占領中メモをもらったのですから、その趣旨を体して立法いたしたのですが、それは私どもがみんな一致しておったのです。とても電力会社は電力がほしいのだし、それからもうずっと開発開発で金に追われるわけでございます。ですから、おそらくこれを引き取る会社はないんじゃなかろうか、また国としても、採算を度外視して買い取り会社の利益だけ考えてやるわけにはいかぬだろうと思うのです。買い取り会社は、自分がいま開発の途上に、ほかで開発したものを自分の所有権まで持っていかなくてはならぬ積極的な事情がないわけなんです。ですから、いろいろないきさつよりも、その実際上の事情が、そういうような話が出てこなかった、いわゆる必要がなかったと申しましょうか、占領政策がその辺に無理があったのではないかと思うのですけれども、これは腹を割ったお答えを申し上げておるわけでございますから、そういうふうにお聞き取り願いたいと思います。
○森(義)委員 それでは、電発は旧日発の再現と考えてもいいわけですね。
○神田議員 それは少し違うのじゃないかと思うのです。旧日発の際は、たしかあれは五千キロ以上の発電所を全部日発が持ったのでございます。だから全く九電力というものは配電会社になってしまって、電力は買う、五千キロ以下の発電所しか持てなかったのです。それを、それではいかぬからというので解体になって、所要の発電所はあげて九電力に戻して、それに直せということになったのでございますが、そのとき五人委員会がございまして、五人委員会の多数意見は、三五形の電力の融通会社をつくれということだったのです。多数意見、五人委員会のいわゆる四人意見ですね。ところが松永さんだけが、そういうものは要らないという単独意見だったのです。当時の世論と申しましょうか、大体九電力に分けましても、いわゆる地域的の事情がございまして、優劣がつくものでございますし、また水力の包蔵量というものはそれ自体がいろいろ差がございますから、どうしても最低——これは三五%がいいかどうかいろいろ議論はあったのですが、最後に三五%程度の融通会社をつくれ、そういう正規の答申だったのです。ところが司会部はその正規の答申をとらないで、松永安左工門さんの個人意見をとって、あのポツダム政令にしたわけなんです。ですから、これは非常ないきさつがございまして、そこでやってみたのだが電力の開発が遅々としていかない、私企業でございますから、いわゆる九電力に政府の資金をつけるわけにいかぬ。そこで電力を強力にひとつ早期に開発しようとなると、やはり特殊機関をつくらなければならぬということでつくりまして、そして三五%程度は五人委員会のうちの四人の答申案なんだから、世論もそうなんだからひとつそうしようじゃないかと言ったのだが、もう司令部はそれを聞かなかった。自分たちは松永安左工門さんの単独意見でポツダム政令でやったものですから、もうそれをやらなければ許さぬ、オーケーをくれないということになったわけなんです。そういうようないきさつで、結局無理だったのじゃないか、おそらくそうならぬだろう、そのほうがいいと思っておった。しかし占領中でございましたから、それくらいのことでやめてしまったのでは何もならぬということで、こういうふうな方法でいった、こういうことなんでございます。
○森(義)委員 そこで三十八年度の電源開発の基本計画を先ほどいただいたわけですが、これを見てみますと、九電力の新規の水力発電は五十四万三千キロワットアワーですね。それに対して電発のあれは四十八万四千キロワットアワー、このように九電力の水力発電の九割にひとしいものを、今度新規のあれで基本計画の中にうたわれておる。このことはいまのお話とかみ合わせますと、ずんずんと電発が日発化の傾向をたどっておるような数字に思うのですが、その点についてちょっと説明をいただきたい。
○藤井参考人 これは先ほども神田先生からお話がございましたように、日発とは全然性格が違うのでございまして、日発は当時五千キロワット以上の発電所、火力発電所のほとんど全部と、それから十万ボルト以上の送電線を全部一手におさめまして、そうして九つの配電会社に電気を卸売りしてやる。その電力量は総計の九割ぐらいになっていたかと思いますが、これは当時の軍の要請によって、電力の面で日本をコントロールするというのが大きなねらいであったのでございます。今度の電源開発株式会社すなわち電発は、そういうことを一つもねらっておるのではなくして、どこまでも大きい開発、困難な地点あるいは総合開発の地点を開発し、そうしてそれを九電力会社に補完的な役割りを果たさせるために卸売りしておるのでありまして、その年度の予算事情、経費事情等によりまして、電発がよけい開発することもあるし、あるいはそれほどでき上がらないこともあるのでございますが、現在のところでは、まだ全体の発電力からいったら、電発は水力こそ日本で一番よけい持っておりますけれども、現在のように火主水従時代になってまいりますと、供給力の面からいくと電発はまだ微力なものであるし、将来といえどもそういう日発の再現のような機能を果たさせようと思ったって果たすこともできないし、私どももそれをねらっておりません。ただ、先ほども申し上げましたように、会社が分かれておりますと、その間に電力の需給にどうしても過不足が出てきたり、ぎごちなさが出てきたりいたします。また、御承知のように日本の東は五十サイクルであり、西は六十サイクルであるのでございますが、サイクルが違うため電力の融通のできないようなところに、佐久間の付近に今度は直流変換設備をつけまして、そうして三十万キロワットくらいな融通力を持たせるような設備をつくって、日本の全体の電力設備を合理的に、なるべく不必要なもののないようにしようという、そういう役目を果たすというのが私どものねらいでございまして、日発の再現などというようなことは、私ども少しも考えたこともございませんし、将来もこれは不可能だと思います。
○森(義)委員 引き続いて藤井総裁にお尋ねしたいのですが、この会社の責任者として、法の目的、趣旨に合致した会社の運営で、大体どのくらいの人員があればやっていけると考えておられたのか。当初たしか五百数十名で発足しておるわけですが、いま相当ふえていますね。それから会社の将来についてどういうふうにお考えになっておられるのか。当時の国会の議事録を見てみますと、これはいま通産大臣をしていられる福田さんの答弁なのですが、第二期工事が大体三十五年で終わる。第二期工事が三十五年で終われば大体目的達成の建設は終わってしまうのだから、したがってこの会社は三十五、六年をめどとして清算会社に入る。こういうことを答弁しておられるわけです。そういう国会の法案提案当時の答弁のやりとりと、いまの電源開発会社がどんどんと人員が三倍になる、これ以上またふやす、こういう形で広がっていくこととの間に、ずいぶん違ってきておると思うわけです。そういうことについてどういうふうに総裁はお考えになっておられるか。この会社の運営について、将来の見通しについて。
○藤井参考人 これは、会社発足当時は確かに五百人ばかりの社員で運営しておったのでございまするが、その当時はまだ会社も緒についたばかりでございまするし、建設地点といたしましても、佐久間とそのほか北海道の糠平あるいは岩手県の東亜等のごくわずかの地点だけに手を染めておったのであります。人数もそうたくさん要らなかったのでございまするが、その後、先ほども申し上げましたように、電力設備をつくってそれを電力会社に譲渡するというようなことが行なわれなくなりまして、自分でどうしてもその発電所の保守、運営をしていかなければならない。そういうようなことで逐次保守要員がだんだんふえてまいります。また開発地点も、その後田子倉とかあるいは奥只見とか御母衣とかいったような、わが国といたしましては最大級の水力発電所の建設が次々に生まれてまいり、また低品位炭を利用する火力発電所を九州に設ける。これもむしろ官庁の御慫慂もあり地方の要望もありましてやってみたのでありまするが、そういうことのためには、水力と違いまして火力のほうは人がわりあいよけい要るので、そういうようなことで今日ふえてきておるのでありまするが、今後発電所がふえれば、その発電所の保守、運営のために若干ずつ人をふやさざるを得なくなってくると思うのでありまするが、しかし私どもの今日の方針では、最小限度の人しか使わない方針で、逐次人を減らしております。現に、これはいいことか悪いことかわかりませんけれども、本年度、昨年の四月、今度は来年度、本年の四月の新しい大学の卒業生等は、技術者のごくわずか若干名を採用する程度で、もう新規の採用をしないというようなことで、極力人を減らしております。と同時に、火力発電所のほうの建設につきましては、できるだけ関係の電力会社のそういう経験者をいただいて、そういう方々に運営をしてもらちということにいたしております。若松の低品位炭の発電所の場合におきましても、所長は中国電力のエキスパートをもらい、そしてその人にそれ以下の人を採用してもらって、大体経験者をほかの電力会社から融通してもらう、こういうような方法をとっておるのでございます。
○森(義)委員 いろいろとたくさん聞きたいことがありますので、ちょっと時間の関係上要約して、飛ばして質問さしていただきたいと思います。 ひとつ提案者にお伺いしたいのですが、そこで今回提案されております理事の増員の問題なんですが、前回の委員会でも、また先ほどの中村委員の質問の中にも、理事を五名から八名にふやすことについては、いろいろ議員立法として提案された趣旨なりあるいはその理由について御質問が行なわれておるのですが、私たち聞いておりまして、ずいぶん答弁の内容が了解できない点があるわけです。そこで重ねてお伺いするわけですが、先ほどからの説明のように、電源開発会社というものは立法趣旨と違った、いわゆる電気供給業をある程度やる——ある程度というよりも、これに主力を置くような形にずいぶん変わってきておる。そういうことで相当人員も要るし、また片方では電源開発もやらなければならぬということで、非常に繁雑になってきておる。こういうことで人がふえてきておる。人がふえてくれば、それを監督するあるいはその責任に立つ理事の人員もしたがってふえざるを得ないだろう、こういうことなんですが、五名から八名という数字ですね。こういう数字を出す以上は、どういう理由で三名ふやさなければならぬかという科学的な裏づけが明らかにならなければならないと思う。この間の答弁では、電発のほうは一挙に倍にしてほしい。ところが一挙に倍にというのはちょっと無理だから、そこはひとつ最小限で三名くらいどうだ。大体腰だめ式な数字なんですね。少なくとも、将来のこの電源開発会社の運営の見通しからいって、あるいは現状の運営のいろいろな非常な困難な点からいって、これだけはこういう理由で必要なんだという科学的な裏づけのある人員を出していただかないと、またこれじゃどんどんこのまま拡大していって、また次に理事何名ふやさなければいかぬ、こういうことになろうかと思うわけです。だから、そういう腰だめ式な、あるいは中開をとったようなこういう形じゃなくて、八名という数字が出される以上は、それに対する科学的な納得のいくような説明をつける必要があると思うのですが、その点について、この間の答弁以外に何か説明できることがあればお答え願いたい。
○神田議員 理事の五名を八名にするひとつ科学的な答弁をしろということでございますが、これは何か計算機で出てくるものですと、科学的の裏づけもできるわけでございますが、電源開発会社の組織、機構また業務内容、こういうものを達観いたしまして、他の類似の会社、公団、あるいは民間の企業等ともいろいろ比較勘案いたしまして八名くらい、三名増員くらいが適当なんじゃなかろうか。これは腹を割った話でございますが、電発側では、ぜひひとつ十名ということでございました。また、いまお尋ねの意味もよくわかりますが、これはできるだけ科学的に、ものさしに乗せて割り切れれば一番いいのでございますが、どうもこれは、やはりなられる人の問題もあろうかと私は思うのでございます。頭数を、理事をふやしたらだれでもいいというわけではないのでございまして、政府機関であるから、できるだけ少数精鋭主義でやっていただきたい。創業当時五名でございましたが、十年余たってまいって、しかも事業量の規模が非常にふえておる。しかもまたふえつつある。労務担当のお話もございましたが、これすら専任担当がないというようなことは、私は会社の運営の内部面からいっても、これは適当なものではないと思うのでございます。それから補償の問題にいたしましても、広域運営の面からいきましても、あるいはまた会社のいろいろないきさつはございましたが、しかしとにかくいま現に実在して、そして将来を期待されていることは事実でございますから、この辺でひとつ最小限精鋭主義でやっていただくということで三名に御納得していただいて、再々ということにはどうなりますか、事情が急激に大変化でもあれば別でございますが、とにかくゼロからこれだけの大きな会社になって、しかも十年の年月を経ておりますから、将来は増員するといたしましても、やはり相当期間間があるのではなかろうか。ここで三名を増員しておけば、すぐ朝令暮改というようなことにはならない、こういうようなことをいろいろ御相談しまして、いまこういうお願いになったわけであります。
○森(義)委員 先日の委員会で総裁は、理事が不足だという理由の一つとして、ペルーだとかタイだとか外国へ出かけていかなければならぬ。特に私はぺールへ二回も行った。そういうところに行くと大統領や大臣に会わなければならない。ところがそういう外国に出る問題については、法の二十三条の二に「会社は、前条第一項の事業の円滑な遂行に支障のない限り、」外国へ行ってもいい、こういうように書かれているわけです。「前条第一項の事業の円滑な遂行」と申しますと、二十三条の「電源開発及びこれに附帯する送電変電施設の整備」、こういう本来の仕事の円滑な運営に支障がない限り外国に出て行ってもいい。外国に出て行って、人が必要だから、円滑な運営に支障を来たしたからふやせ、こういうことでは理由にならないと思うのです。もちろん理事をふやすということは、この点だけじゃないと思うのですが、重要な理事をふやしてほしいという要望の中に、外国に行くときには必ず理事クラスが行かなければならぬ、私も二回行ったんだ、こういうことは海外の技術提携とか援助とかそういう問題について、これは国の政策遂行上必要な点もあろうかと思いますけれども、そういうことで将来にわたってどんどんと海外に発展していかれる。先ほどわが国の水力の包蔵量について聞きたいと思っておったのですが、おそらく海外進出のほうが多くなってくるのじゃないか。日本の国内における水力の包蔵力から考えて、もうある程度開発するところは開発し尽くしている。これから大きな機構をかかえて海外に進出していく。そうなりますと、どんどん理事が——各国に駐在理事が必要だということになりかねないと思う。そういうようなことになると、だいぶいま御答弁のような趣旨とは違ってくるのではないか。いま理事を八名にふやしておけば当分はふやす必要はないのだ、こうおっしゃっておられますけれども、海外にこれからどんどん進出していくというような一つの見通しから考えるならば、海外駐在理事というのが必要になってくる。そうなってくると、また変えなければいかぬ。だから先ほど申しましたように、将来の見通しというものをはっきりつかんだ上に立っての八名か、あるいは当面最小限度精鋭主義で、これでいいということの八名なのか、そこらあたりもう一度お伺いしたいと思います。
○神田議員 たいへんごもっともなお尋ねでございますが、実は海外進出のことも十分考えました。海外進出をこちらがたくさんやりたいと思いましても、これは相手のあることでございます。また競争もあるわけでございまして、相手のいろいろな事情等も考えまして、ここで三名をふやすということは、少なくとも五名の三名ということ六割くらいになるわけでございますが、これで相当期間持ちこたえできるのではなかろうか、会社運営はやはり役員が共同責任で負うわけでございますから、組織力でやるわけでございますから、これで私は相当期間——相当期間というのはいつまでかと言われると、五年か十年ということになると思いますが、事情の大変化のない限りは相当長期に有能な方でやっていただける、こういう見通しで三名増員にしぼったわけでございます。
○森(義)委員 将来の見通しというのはまだはっきり出ていないようですけれども、次に進めたいと思います。 先ほどわが党の中村委員の質問に対して、こういう簡単な法案を、昨年度は法案がふくそうしておったので、通産省にお願いするということよりも、議員立法でもできるのだから、しかも電源開発促進法というものが議員立法で成立しておるのだから、その中の一部改正だから議員立法でもいいではないかというような形で五名を八名に増員の提案がなされた、こういうふうに私承ったわけなんです。本来から申しますならば、これは当然監督官庁であるべき通産省がもっと懇切丁寧に、開発会社から要請されるまでもなく、日本の産業の動力源である電源開発、こういう国策会社に対してもっと指導をはっきりさせて、要請される事前に、必要に応じて理事を増員する法案を出していくのが順序だと思う。それはこんな簡単なことなんです。いわば一行ほどの法案の改正を、なぜ法案が錯綜しておったからといって出せなかったのだ。そういう説明ではちょっと納得できないと思う。こういうことをやるから、議員立法で理事の人事権に関することについての改正案を出すから、自民党と電源開発とはあらゆる面においてあらぬうわさを立てられるような結果に陥るのではないか、私はそういうふうに思うわけなんです。だからそういうことこそもっときれいに、これは通産省は監督官庁として、当然言われるまでもなくやるべき問題なんだから、やるべきであって、そういうことが行なわれたら、私はもっと簡単にこの問題はスムーズにわれわれも了解できたと思うのです。だからそういう点について、いまからでもおそくないですから、これはひとつ自民党の方々も議員立法という形の提案を取り下げてもらって、政府提案で改正案を出すという形にしてもらえないだろうかと思うのです。どうでしょう、提案者にお伺いいたします。
○神田議員 いろいろ御親切な御意見を拝聴したわけでございますが、一つだけ納得のいかないことは、どうも私どもも考えていないような御想像もあったようでございます。この点は、さようなことは断じてないことだけはひとつはっきり御念頭に置きかえていただきたいと思います。 いま、ことしはひとつ政府提案にやりかえたらどうだというような御意見のようでございますが、私どもこれはずっと、前々国会でございますか、提案当時からそういう諸般のことをいろいろ研究いたしまして、そしてすっきりした気持ちで改正案をお願いいたしたようなわけでございまして、いま撤回して政府に出さすというようなことは考えておりません。そういうわけでございますから、ひとつこの法案をよろしくお願いいたしたいと思います。
○森(義)委員 それは何も、理事を五名から八名にふやすのだからといって、そのことを、自民党が議員立法で出されたから直ちにそういううわさを私は信頼しようとは思いません。ところがこの法案の中にも、人事権に関しては明らかに権限者が明確に規定してあるわけです。これは内閣の任命なんです。しかも人事に関する監督権も通産省とはっきり規定してあるわけです。事人事に関する問題については、これは当然任命権者であり監督権者である政府から出すのが通なんです。こういうことを通産省がなまけておって、見るに見かねて自民党のほうから提案せざるを得ないということは、これは怠慢であると思うのです。通産政務次官どうですか。
○田中(榮)政府委員 実はこれは、当時も政府提案でやるか議員立法でやるかということにつきましては、いろいろ論議されたのでございます。しかしながら、たてまえが議員立法として提案されました法案でございまするし、従来も、議員立法の法案でありますがゆえに議員立法として改正をされておったいきさつもございますので、そこで従来の例にならって、やはり議員立法でやったほうが妥当じゃないだろうか、こういう観点から議員立法にしたわけでございまして、先ほど私の説明が不十分であったかもわかりませんが、通産省が当時いろいろの法案をかかえておって、忙しくてしようがないから議員立法でやってくれ、そういう意味のものではないと思います。一方また、理事三名の増員というものが、電源側といたしましても非常に急を要するというような関係もございました。かれこれ勘案をいたしまして、それでは理論的に議員立法で改正しても決して不適当なものでもないから、ひとつ議員立法でやっていただいたらどうだろうか、こういうことで、別に通産省の怠慢でこれを議員立法に押しつけたとか、政府提案でやるのをいやがったとか、そういう事実は毛頭ございませんので、その点だけひとつ御了解願いたいと思います。
○森(義)委員 本法が議員立法だから、その法律の改正については議員立法でやるというのは一つのやり方じゃないか、これは一応筋が通ったような聞こえ方をするわけです。ところが今度提案しておられるのは、電源開発促進法の内容を改正されるあれじゃないのですよ。人事権に関する問題なんですね。だから私は、議員立法で出されたものを議員立法で内容修正の提案をされるのは、これは一応筋が通っていると思うのですが、事人事権に関する問題については、法律の中に明らかにその権限の所在を明確にしてある。そのものを議員立法で出すところに一つの問題点がある。それからいま一つは、たいへん急を要する問題だ、だから議員立法で出したのだ。急を要する問題ならばなおさらのこと通産省が出すべきなんです。議員に頼んで、お願いして出すべき問題とは違うのです。それこそぼくは通産省が出すべきだと思う。その点について、ぼくは、急を要する以上はよけいにそういうことを考えるわけですが、通産省が出すと急を要することに間に合わないということなのでしょうか。
○田中(榮)政府委員 別に通産省が出したから間に合わないとか、そういう意味ではございません。当時のいきさつといたしましては、やはり議員立法であるがゆえに議員立法で改正をしたほうが妥当じゃないかというのがおもなる見方であったと思います。 それからまた、いまお話にもございました人事に関する内容であるから、これは政府提案にすべきであるという御意見のようでございますが、そもそも人事に関する内容も含めてすでに議員立法されておる法案でございますから、したがってその部分を議員立法で改正することは一同差しつかえない、こういう考え方を持っております。
○森(義)委員 人事の問題というのは、煙の出ておらないところにおいても疑いを持たれる問題なんです。いわんや与野党でこういう審議をされる中において、何もないとしても、注意して、慎重であるべきだと思うのです。したがって、そういう意味で、人事の問題だからこそよけいに議員立法という形を避けたほうがよかったのではないか。だから通産省としては、こういう必要性を感じ、この法案の成立をぜひ期待されるならば、そういうほうにいまからでも切りかえてやられたほうがいいのじゃないか、私はこういうふうに思うのですが、その点はこの程度で終わりまして、次に補償問題について総裁にお伺いしたい。 総裁は先日の答弁で、補償費は総工事費の一五%、その内訳は公共補償が大体五五%で個人補償が大体四四%くらいだ、こういうふうに御答弁なさっておられるわけですが、これはここ一、二年の状態がそうなのか、あるいはこの会社が生まれてから十年間の統計の数字なんですか。
○藤井参考人 これは、会社ができましてから今日までのものをひっくるめまして、平均しての御答弁を申し上げた次第でございます。
○森(義)委員 最近の補償はどんどんと高くついてきておると思うのですが、ここ一、二年の補償の総工事費に占めるパーセントというのはどのくらいですか。
○藤井参考人 ごく最近やりました例で申しますると、これは国有地の多いところは非常に安くいくのでございまするが、たくさん払ったところで二三%くらいなところもございます。そうかと思うとわずか六、七%で済んでおる地点もございます。これは多少年度が古くなりましても、公共補償で、道路のないところに道路をつける、たとえて申しますると十津川でございまするが、御承知のように五条から新宮のほうに通ずる道路が昔なかったのでございます。あそこに発電所を建設するのに道路をぜひつけろという御要求がありまして、それで道路費に相当食われておる。そこなんかは二三%くらいになったという例があります。これが一等多くかかった極端な例の一つだろうかと思います。地点ごとによって相違がございますから一がいには申されませんが、大体そのくらいであります。
○森(義)委員 ひとつあとで、各年次ごとの総工事費と補償との関係、それから補償の中における公共補償と個人補償の推移、これを資料として出していただきたい。 それから、さらに引き続いてその点についてお伺いするのですが、九電力会社が独自で電源開発をやっておりますが、それの補償と虚発の補償との間に何か連携がありますか。
○藤井参考人 連携と申しまするか、こういう問題につきましては九電力会社も含めまして常に打ち合わせをいたしまして、大体の方向を歩調を一緒にするようにいたしております。目下まだ建設に着手しておりませんけれども、これは予算にはすでに前年度頭を出しております、九頭竜川の問題のごときものも、北陸魅力と私のほうの会社とが一年以上も検討に検討を重ねまして、そしてこれでいこうじゃないかというので方針をきめまして、それを地元に示して、一ぺんは地元のほうで断わられた。それでは工事をやめましょうといって、工事の進行を一年くらいストップしたことがあるのでありますが、その後地元との折り合いもつきまして工事を進めることにいま段取りを進めておりますけれども、そういう例のごとく、私どもは単独にやるわけにまいりません。ひとり九電力ばかりではございません。建設省の近くに工事がございますれば、そういうようなものとも大体歩調のとれたような行き方をいたしております。
○森(義)委員 総裁はこの前の答弁で、補償の問題については、十年前につくった基準に基づいてやっております、こういうことだったのですが、先ほどの資料を出していただくときに、十年前の補償の基準について、何かあれば出していただきたいと思います。
○藤井参考人 それは申し合わせがございまするから、整えてお送りいたします。
○森(義)委員 実は私、奈良県ですが、奈良では、ああダムの町ということばが非常な流行になっているわけです。これはどういうことばかといいますと、いままで非常に純朴であった山村僻地が、電源開発が始まりますと、一挙にして紅灯緑酒のちまたに化し、通りなんか酒気を帯びたいかがわしい女性が彷徨する、そういう姿を諷して、ああダムの町という流行語がはやったわけです。そこで、青少年の教育問題について非常な影響を及ぼしているわけです。先ほど総裁がおっしゃいました十津川の開発のときに、十津川の青年が、タクシーで往復一万五千円もかかる大阪までタクシーで遊びにいくようになった、こういう形も生まれてまいります。十津川あるいは北山の開発の問題は、学校の先生方が非常に困っておられるわけです。通学通路に飲み屋がずっと並んで、子供たちが通ると、昼日中、寝ぼけづらして酒気を帯びた女性が、非常に卑わいなことばを使いながら歩いておる。いままで見たこともない異常な光景に接して、子供たちはびっくりしておる。先生方は教育上非常な支障があるということで、ああダムの町ということばがはやっているわけです。そこで、こういう問題についての精神補償という問題はお考えになっておられるのか、あるいは従来そういうことについては、そういう形にならないような特別な配慮を請負土建業者との間にやっておられるのかどうか、ひとつそのことについてお伺いしたい。
○藤井参考人 ただいまの御質問、しごくごもっともなことで、私どももその問題については非常に頭を悩ましておるようなわけでございます。これは工事を担当しておる業者に対しまして、そういうことのないように注意はいたしておるのでございまするが、どうもそういうことで、業者はたしなめましても、そういう商売をする人を私ども規制するわけにいかないので、実は非常に心痛しておるような問題でございます。もちろんそういうことも含めまして、補償基準もできておるのでございますが、ただ最近の例といたしまして、確かにそれはダムの町という歌が示したような事例もございましょうけれども、機械化が進んでくるにつれまして、従業員、ことに若い従業員の方々は、そういうことの興味よりも、むしろ夜まじめに勉強をするということが逐次ふえてきているということは、非常に喜ばしいことだと思っております。しかし何といいましても、補償にはどうしても金が伴うものでございますから、つい金を使う浮薄な気分が横溢する、自然そういうことのために、いま御指摘のようなことがあると存ずるのでございますが、なお今後私どももできるだけ気を配りまして善処いたしたいと考えております。
○森(義)委員 次に、補償屋ということばがございますが、これは電源開発の補償交渉が始まりますと、どっかから漂然とやってくるわけです。そうしてダム建設の予定地に家を建てる。それで補償の話が済んだら、次の予定地を探して移って、またそこで家を建てて、次から次へと補償金をあさり歩く補償ジプシーというので、こういう補償屋というのが奈良県でも相当あるわけです。十津川から今度は上北へ電源開発は移りますから、そういたしますと、あの地域だけでも専門の補償屋が相当あらわれてくる。そういう問題の取り締まりについて、発電としてどういうふうにお考えになりますか。
○藤井参考人 これも御指摘のとおり、私ども非常に頭を悩ましておる問題でございまするが、これを取り締まる方法が実はないので、ただ、私どもはそれを新戸と称しまして、それは補償の対象から一応除いて交渉をいたしております。これは従来長年そこに住みついておる方々の補償と同じようなことをしますと、どうしても話がもつれてまいりまして、古くからおる人たちの気分をそこないますので、それは別の扱いにいたしておるのでございます。どうもいまの日本の法律のたてまえ上、新戸をそのところにかまえてはいけないということが、法令上私どもで措置することができませんので、実は非常に悩んでおる問題でございます。これは場所によって多いところと少ないところがございますけれども、どうもそういう人たち、しかも法律の間隙を縫っていろいろ難題を持ちかけてくる人がございます。その場合になかなか話がつきませんので、最後には土地収用法のお世話になる場合が非常に多いのでございます。土地収用法の関係のない場合はたいてい——古くからいる人たちに対してはそういうことはございませんが、新戸に対してはやむを得ず土地収用法という伝家の宝刀にたよらざるを得ない場合が多いのでございます。せっかく御了承を願います。
○森(義)委員 いま土地収用法によって立ちのきをしてもらうということばがありましたが、最近電発のほうで土地収用法を適用された例がありましたら、お聞かせ願いたい。
○藤井参考人 ございます。それは福島県にも例がございますので、その例も御必要でございますれば、最近の資料を書面にいたしてお差し出ししてよろしいと思います。
○森(義)委員 次に、電発と請負土建業者との関係についてお伺いしたいのですが、政府資金でこういう国策的なことを特殊会社でやっておられる以上は、開発会社の金というものは、国民の税金だけじゃございませんが、ほとんど国民の税金と考えていいと思うのです。そういう場合における土建請負業者の関係について、公正を期するための特別の何か規定とか、そういうものがあるんですか。たとえば入札の場合、指名入札でやっておられるのか、公開入札でやっておられるのか、そういうこともあわせてお伺いしたいのです。特に工事が、ほとんど土建業者にかかわるばく大な工事であるだけに、ややもすると疑惑を招くような問題が内部に介在しないとも限らないと思う。その点についての、公正を期するための特に配慮している点についてお聞かせ願いたい。
○藤井参考人 これはきわめて重大な問題でございまして、私どももそれに非常に気を配っておるつもりでございます。それでこの工事の規模に応じまして、一応これは建設省でおつくりになっておる過去の実績基準等がございますので、そういうものを土台にいたしまして、その上にその業者の信用状況をあわせて調査したものがございます。それで一定の資格以上のものを、しかもダム等でございますれば、その工事が粗漏になっては禍根を将来に残しますので、そういうことのないように、相当経験者であることを私どもは必要としておるのでございまして、大きいダムを建設する業者は、これらを勘案いたしまするとせいぜい十指以内になってくるのでございます。そういうものの間から私どものほうは順番を大体きめまして、そして三社ないし四社ぐらいずつ手のあいた業者を指名いたしまして、指名入札をいたすことにしております。しかも指名入札も、それに先立ちまして、そのときには、まだ私どものほうでは一切予定というか、どれくらいな工事で済むということが漏れてはたいへんでございますので、そういうものを集計しないことにいたしております。それで、指名入札をして、入札が済んでから後にそういうものの集計をする。開封するその直前に集計をさせまして、私のところでそれを見て、しかる後に開封するといったような、競争入札のしかたにいたしましても、相当慎重を期しておるつもりでございまして、おかげをもちまして、今日までこういう問題については、私のところでは、あまり問題を生じた例はございません。
○森(義)委員 時間がありませんので、あと一つだけ政務次官にお伺いしたいんですが、法第四条の総合調整についてであります。今日、洪水調節ダムだとか、あるいはかんがい用水のダムだとか、あるいは工業用水のダムだとか、あるいは電源、あるいはその他のこれらを総合した多目的ダムだとか、いろいろな形で、それぞれの所管省が、建設省なりあるいは農林省なり通産省なり変わって、あるいは競合して、いろいろ調整するような問題があると思うのです。その場合に、どういうふうな具体的な手続でやっておられるのか、ひとつお伺いしたいわけです。たとえばいま吉野郡の大滝ダムですね、あれは洪水調節用のダムだ、こういうことで地元の説得にかかっておられるわけですが、ところが地元では、すでにもう京阪神の工業用水のダムとしてこれはつくられるんだ、工業用水の水路が、水取り口が下市のところにできておる、そういうことで、洪水調節ダムだ、いわゆる公共の福祉のためにはひとつ皆さんも大所的見地に立って御納得願いたいのだ、こういうような説得にかかっておるんだけれども、地元民は、そうじゃないんだ、これは京阪神の工業用水のダムなんだ、だから、受益者負担で、京阪神の工業家がもう少し一部を負担して、肩がわりすべきじゃないかということも出てきておるわけです。そういうことに関連して、総合調整が具体的にどういうふうに行なわれておるのか、ひとつ政務次官のわかる範囲内で御答弁願いたいと思います。
○宮本政府委員 法第四条の規定によりますと、確かに、この促進法の目的が、特に河川法その他でいろいろな目的、たとえばかんがいとか、治水とか、上水道とかいうので、共同事業を行なっておる場合が多いわけでございます。御承知のように、多目的ダム法というのが今日ございまして、あれに指定されましたダムは、それぞれの関係の分から一応共同に費用を分担しております。それから、そうでなくても、いろいろ実例もございますが、いろいろな方法があります。たとえばその分担の方法は、電発法の施行政令の中で、電源開発促進法第六条二項の規定による費用の負担の方法及び割合の基準に関する政令というのがございまして、これで、たとえば治水が大体何割、それから上水道何割というようなことに応じてそれぞれ、たとえば治水の場合は建設省なら建設省、あるいは電気が介入する場合には電発なら電発ということで、一定の方式によりまして費用を分担しております。
○森(義)委員 しかし実際はそれぞれなわ張り争いがあって、うまくいっていなのじゃないですか。うまくいっていますか。
○宮本政府委員 確かに時間がかかる例もございますが、実例としてたくさんございますので、後ほど資料で差し上げたいと思います。
○森(義)委員 終わります。
○二階堂委員長 佐々木良作君。
○佐々木(良)委員 時間がだいぶおそくなっておりますから、簡単に一、二質問の形で意見を述べまして、責めをふさいでおきたいと思います。 まず、この法案が出ましてから問題になっておる一番ポイントの、議員立法の形の問題についてでございますが、これは提案者もそれから政府側もいろいろ説明をされておりますけれども、いずれにしても、この問題はほんとうはやはり筋が通るのは、これは政府提案にすべきでありまして、議員立法でなければならぬという理由はないと思う。これは通産省側におきまして、いろいろな事実上の問題があってちゅうちょされておったこと、格別、最近における公団、公社に対する天下り人事に対する世評、特に院内における天下り人事に対する世評の相当きびしいものがある。したがって、通産省方面で、自分が提案されるとかえって天下り人事のための場所を広げるのじゃあるまいかというような世評を受けることをむしろ気にされて、憶病風に吹かれながらちゅうちょされておった。しかし実際は電発のほうでは、仕事はふえるし、はよう何とかしてもらいたということがあって、まあまあ昔生みの親であったところのいまの提案者が見るに見かねて、しょうがないというので、まあ役を買って出たというのが事実であるわけです。したがって、私は、この問題については、はっきり筋は通らぬけれども、まあ何とかはようせにゃならぬという必要を満たすためやむを得ざる措置だと理解せざるを得ないと思うのです。実際に筋道を立てていくと、いろいろな問題がありますから、私はそういうふうに理解せざるを得ないと思いまして、むしろ神田さん以下提案者には、まあえらいつらい役を買って出てもらってたいへん御苦労さんと、深い敬意を表したいと思います。したがって、むしろさかさまに、通産省当局のほうは、大臣も一ぺん出てきて、十分頭を下げてあやまって、事情はひとつ率直に理解してもらうといと措置をとられんことを私は希望するわけです。各委員に対しましてそういうような立場で、格別この法律は十一年前につくるときにいろいろな紆余曲折のあったやつですから、そう速記録の前で四角四面にばっかり言えぬこともあるわけですから、その辺も、通炭大臣もあの当時の最も立役者ですから、その辺をひとつ十分に新しい議員さん方に事情を説明して、協力を得る態度をとられたいと私は思います。したがって、こいつは、繰り返すようですが、筋が通らぬけれども、必要を満たすためにやむを得ざる措置ということで、私は了承いたしたいと思います。 それから、二番目に、法案の内容でありますけれども、理事を五人を八人にしたいということでありまして、運営上の理由がいろいろ述べられてあります。現実に私ども会社を見ておれば、当然それぐらいなものは必要だと思います。したがって、私は、この問題は先ほど森さんもお話があったように、五人とか八人とかいうことはたいして問題じゃない。むしろ、総裁なり会社側で必要があると思われるなら、八人などとけちなことをいわず、十人でも十五人でもやられたらいいと私は思う。しかし一番最初法律をつくりましたときの経緯は、先ほど神田さんからお話がありましたように、GHQとの関係でいろいろややっこしいことがあったこと、その辺が、総裁を前に置いておいて恐縮ですけれども、発電所をつくるのに少なくとも相当な期間がかかるのに総裁の任期を二年にしたり、それから、役員も少なくしておかなければならぬということで五人にした。そういうような仕事上の必要が出てくれば、私は遠慮なしに十人でも十五人でもふやされればいいと思うのです。問題は、むしろそういう点を会社のほうが自主的にぐんぐんと進められるような態度をとられればいいと考えるわけです。その監督は、監督官庁の通産省がやればいい。このたった八人ぐらいにする法律が、何か知らぬけれども、奥歯にものがはさまったような感じになるのは、私は、先ほどたいへんいい質問だったと思うのですけれども、森さんがいろいろな角度から質問をされておりましたが、電源開発それ自身の基本的な問題が、十年たちますというとだいぶ内容が変わってきたり、それから、事情が変更してきたりしておるので、そこに問題があるのであるから、この八人の理事の問題とその問題とは区別してわれわれも審議をし、理解をするようにつとめてまいりたい、こう思うのです。したがって、この法案でここで審議する必要があるのは、ほんとうはいまの理事の問題ではなくて、森さんがさきに触れたような意味で、電源開発会社をつくってから、促進法をつくってからもう十一年たっておりまして、神田さん自身、十一年前のちょうどいまごろ、そこへ立っていろいろ言いたいことも言えなかったり、いろいろGHQとそれから電気事業者、しかも電気事業者の中で再編成直後の日発勢力、配電勢力の中でごちゃごちゃの中でやった。しかしながら現実に二十五年には電力の大飢饉がくる、電力不足がくる、これを克服するためにしょうがないというので、半分GHQにうそをつきながらつくった経緯があるわけです。筋道の通らぬ点がたくさんある。だから実際は、この辺で電源促進法もそれから会社自身も再吟味する時期にきておると思うのです。提案者も御存じのように、あのときの目論見書を引っぱり出していただけば、大体十年でやることはやりますということになっている。そして実際は電源開発会社当局の御努力によりまして、ほんとうは目論見書以上に、十年間で、法案審議のときにやろうと思っておった以上に電源開発の実績と成績があげられておるわけです。私はこれに対して敬意を表するので、自画自賛のようですけれども、同じようなかっこうできたところの公団だとか公社だとかいうので、設立当初、法案審議の過秘で目論見書等が出されて、そのとおりに成績の上がっておるためしはない。ほんとうはぼくはそういうのがあったら見せてもらいたいほど、法律をつくるときにはいいかげんな話で目論見君をつくるけれども、実績があがったためしがない。しかし、電発だけは百数十%の成績を十年間にあげられたことは事実であります。だから、この功績は多とし、大いに推賞すべきものだと思う。しかし先ほど来森さんからお話があったように、実際は積極的に取り組んだところの佐久間、只見、御母衣等の大電源開発、開発困難な地点、大規模な地点、これらの水力開発は、大体最初やろうとしたことは済んだことは事実です。したがって今後なお水力をやろうとするならば、ほんとうはむしろ大規模なというよりは、多目的の国土開発上の必要な仕事にほんとうに取り組んでいくということならば別問題であり、ほんとうにそれで取り組むならば、同じ水力の取り組み方も、この辺で従来とはちょっと違った方向で考え直していいと私は思う。それからおそらく次に出てくる石炭火力の問題も——石炭火力は、法律はほんとうは衆議院を通るときにはなかった。電発法、促進法の衆議院のここを通るときはなかった。参議院の審議の過程で、むしろ成立をさせるために、妙な話ですけれども、私ども妥協して、石炭を使うということにしなければぐあいが悪いというので、石炭火力もやるのだという参議院修正を行なって衆議院であとで了承を得たことがある。だから、初めから予定しておったのじゃなかった。ところが現在は、むしろ石炭火力の必要が国民経済上の立場からもエネルギー経済上の立場からも現実に出て、そしてことしから石炭火力自身を電源開発でやられるという筋ができた。これは今後の問題で非常に大きな問題だと思うのです。したがって正直に言うと、電発の任務はこれまでの任務から変わって、建設面では大きな水力、土木の立場をとるならば、国土開発上の立場、それからエネルギーの立場では、格別石炭エネルギーの効率的な使用、こういう意味で、ちょっと従来とは違ってきたことは事実です。 そこで神田さん、私は軽い意味で御所見を承っておきたいのですが、そういうふうに建設面でも十年で一区切りついて、新しい任務にこれからつこうとしている。それから、先ほど総裁は、海外協力の問題でありますとか、広域運営の問題でありますとか、盛んに言われておりますし、この提案理由にもその辺が相当理由にはなっておりますが、これは本来の電源開発の仕事ではなかったので、もしこれから海外事業を行なったり広域運営をほんとうに積極的に行なっていくとなれば、ほんとうはこれも最近において、 この一、二年の間に新しくできたところの任務だ、こういうふうに思われるわけです。だから、繰り返して言うようでありますが、十年間で当初目的は百数十%達成した。ここで理事もふやしてやられるならば、一ぺん再出発の意味で促進法も、会社の内部も考え直し、吟味し直してほしい感じがするわけです。幸いに今度は事業法も出るそうでありますから、電気の面からの見方はまた事業法の審議の際に十分していいと思うのですが、せっかく理事をふやされるのだが、竹に木をついだようなかっこうで、海外もやらなければならないし、広域運用もやらなければならない、こう言われて、それはそうだというなら、昨今の事情から見て任務は明らかに違ってきたのだから、それはそれとしておいて、ひとつ本気に考え直してみる必要があろうかと思うのですが、神田さん、十一年前を振り返ってみながら、ちょっと答弁をもらっておかぬと質問になりませんから、ひとついい答弁をいただけませんか。
○神田議員 ただいま佐々木委員から、本法案の最初の審議に振り返って、たいへん御協力していただいて、さすがは電気問題の権威者であって、うんちくを傾けられた示唆に富んだ御発言をちょうだいいたしまして、敬服の念をさらに深めたわけでございます。 ただいまお述べになりました御意見等につきましては私も全く同感でございまして、この改正案をお願いしょうという際にも、いまお述べになりました等々のことがわが党におきましても非常に議論になりました。しかしそれを直ちにこの法案に盛り込みますと、またなかなか年月といいますか、相当の時間がかかる問題になりますので、またそういう準備を進めるにも、この際緊急の機構整備といいましょうか、責任態勢を明確にすることが必要だ。そこでこの法案の審議の際に、いまお述べになりましたような御議論はちょうだいできる、そこでひとつ十分御審議願いまして、またいろいろ委員会としての意思表示の問題も出てまいると思います。そういうことを十分御相談いたしまして、いま大事な際でもございますので、電発の将来の方向というものをなお一そう十分なものに守り育てていきたいというようなことにいたしたいという腹がまえでございまして、いろいろ申し上げたいこともございますけれども、いま佐々木委員のお述べになりました御意見は全く同感でございますので、以上申し上げまして、簡単でございますがお答えにかえます。
○佐々木(良)委員 いろいろ自民党としても御提案者としてもお考えになっておるようでありますから、重ねては申し上げませんが、ともかく一区切りでありますから、ほんとうにやられるのならば、新しい会社を今度またつくるというぐらいの感じで新任務につかれんことを私は希望するわけであります。 言い過ぎでありますから、総裁がそこに見えてはぐあいが悪いようでありますが、世評から見ましても、最近電発がいわゆる業務の停滞状態にある感じは率直に受ています。事業は一生懸命されておるようでありますけれども、周辺から見て、電発の業務の運営が停滞しておるような観を呈しておることは事実であります。したがって海外事業の問題にしろ、石炭火力の問題にしろ、従来の水力開発の問題にしろ、広域運営の問題にしろ、それらの仕事が、これまでの状態で見ると、ほんとうにしなければならぬ佐久間とか只見とか御母衣などという建設が済んでしまったので、しかたがなしに仕事をさがして何かやられるみたいな観を呈しておる。しかし総裁からも先ほど話があり、提案理由にもありましたが、これらの仕事は積極的に取り組まなければならぬものだ。それが従来の会社の姿から見ると、惰性のようで、ほんとうの仕事が済んでしまったから、しかたなしに寄せ集めの仕事のような観を呈しているのは事実です。そのような意味で、私は再出発の決意を固められたいということを希望するわけであります。同時に、そのような業務の面の変更が、あるいは業務面のそのような変化が、会社の人事面に対していわゆる停滞ぎみの雰囲気をつくっていることは事実であります。上が五人くらいの理事で頭が押えられておるから、なおさらむうっとしたような、少し暖房のきき過ぎた部屋におるような感じになっていることは事実だと思います。したがいまして、この業務面、人事面を含めて、もしこの法案が通ってなお電発が新任務についてやれということでありますならば、この二つの面に一そうの決意を固められてやるように、同時にまた、われわれ十一年前につくった者は責任があるわけでありますから、それがいく見込みがあるように、見込みがなければもういまのうちにでも解散なら解散、新しいものに任務をまかせる、こういう生んだ者としての責任も私どもは明確にいたしたいと思います。 ひとつ会社側並びに提案者に強く希望を申し上げまして、質問を終っておきたいと思います。どうぞひとつ頼みます。
○二階堂委員長 次会は来たる十一日火曜日午前十時理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会