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46回国会衆議院1964/02/04

商工委員会 第3号

発言数
105
登壇者
9
会派数
2
開催日
1964/02/04

会議録

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 これより会議を開きます。  小笠公韶君外六名提出の電源開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本案につきましては、前国会において趣旨の説明は聴取いたしておりますので、お手元に配付いたしてあります資料によって御了解いただくことにいたし、この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  本日、本案審査のため、電源開発株式会社総裁藤井崇治君、並びに副総裁大堀弘君の両君を参考人として御出席願うことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」〕と呼ぶ者あり

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 それでは、質疑の通告がありますので、順次これを許します。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 まだ定足に達しないようですから、定足を調べた上でやっていただきたいと思います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 過半数二十名に達しておりますので、質疑をお願いいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 議員提案による電源開発促進法の一部を改正する法律案について、質疑をいたしたいと思います。  電発法の一部改正は、政府も同じ電源開発促進法の一部を改正する法律案の提案を用意しております。それからまた電気事業法の附則の中に、電源開発法の一部改正がやはり予定されておるようであります。ここで議員立法を審議することはいいのでありますが、しかし、これを審議して採決するということになった場合に、あとから政府提案が二件ほど出ますが、一事不再議ということになりませんか。それに抵触することになりませんか。この点、審議の技術上の問題でありますが、答弁をしていただきたいと思います。

神田博自由民主党

○神田議員 お答え申し上げます。  ただいまのお尋ねは、一事不再議の原則にどうなるかということでございますが、私ども、それは影響ない、前例もございますし、内容が完全に異なっておりますから、そのほうはひとつ御審議をしていただきたい、こういうことでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 電気事業法の附則で、手続的にあるいは他の法律を改正するという場合がありますが、同じ法案、すなわち電源開発促進法の一部を改正する法律案、こういう同じ法律案を、内容が違えば別々に採決をしてよろしいという前例がありますか。

神田博自由民主党

○神田議員 これは法律上のことでございますが、前例あるように承知いたしておりますが、なんでしたら法制局のほうからでも答えていただきましょうか。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 それでは、ただいまの質問は法制局の担当官が見えましてから答弁をいたさせます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それでは、それは法制局に答弁を求めるといたしまして、法案の内容に入って審議をいたしたいと思います。  まず、電源開発促進法による電源開発株式会社の沿革といいましょうか、会社のできた当時のいきさつから今日までの一つの沿革について、どなたでもいいですが、説明をしていただきたいと思います。これは特にこの法律案審議にあたって、新しい議員もたくさんおることでありますし、私自身もまだ電源開発株式会社の事業運営等について承知いたしておりませんから、ひとつ説明を願いたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 ただいまの御質問でございまするが、電源開発株式会社は十一年半ほど前に、御承知のごとく電源開発促進法によって設立された会社でございまするが、当初予定されました計画どおり、開発困難な地点あるいは大規模な水力地点といったようなものの開発は大体実行してまいりまして、今日では水力発電所を約二百二十万キロワット、火力発電所はその後、従来捨てて顧みられなかったところの低品位炭を活用いたしまして、九州の若松につくったのでございまするが、それを加えますると、二百三十万キロ以上の設備をつくることができたのであります。同時に、主要なる大水力発電所、たとえて申しますれば、北のほうから、田子倉、奥只見のような只見川水系の発電所、それからわが国で最初にできました天竜川筋の佐久間発電所、それから庄川筋の御母衣発電所といったような、わが国でも水力発電所といたしましては最大級の発電所の間を二十七万五千ボルトの送電線で連絡いたしております。また二、三の線には、四国と本州とを結びまする中四連絡線も建設いたしまして、いまではその主要なる送電線が一千キロメートル以上にも達しておるのでございます。これは私から申し上げるのははなはだおこがましい次第でございまするが、大体計画どおりの仕事をやってまいりまして、いまでは年間三百億以上の収入をあげておるような次第でございまして、最近広域運営ということがやかましくいわれておりますが、おかげをもちまして広域運営の面におきましても、この会社ができたために円滑にいっておると私ども自負いたしておるのでございます。この問題につきまして、国会を初め政府御当局のなみなみならぬ御鞭撻に対して感謝いたしておるような次第でございます。  簡単でございまするが、お答え申し上げます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 電源開発株式会社の組織とか資金、そういった点についてもひとつ御報告をお願いしたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 電源開発株式会社の資金は、当初政府の御出資に非常に期待をいたしておったのでありますが、財政上の都合等もございまして、当初一千億円の出資をお願いするつもりでありましたが、現在では六百一億円の出資、そのうち一億円は電力会社が持っておりますので、政府の御出資は六百億円になっております。その他二千四百億円ばかりは政府の低利資金、これは主として資金運用部の金であるとか、あるいは簡易保険の積立金の運用であるとか、あるいは余剰農産物の資金といったようなものを拝借いたしまして、総額約三千億円のものを投じてやってまいっておるのであります。現在までは配当もいたしておらないのでございますが、これは金利といたしまして平均四分五厘以下になっておりますから、相当安い資金で建設いたしておりますので、したがってそれが電気料金等に非常な貢献をしておる結果になっております。大体さようでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうすると、この法律によりますと、政府が半分以上株を持つ、こういっておりますが、その内容は、六百億が政府で、電力会社等が約一億、こういう形になって、半々じゃなくて、とにかく六百対一という状態で資金がまかなわれてきた、こういうことですね。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 さようでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そこでこの提案者に伺いたいのですが、理事を三名ふやすということについて、なぜ議員立法で出されたのですか、この点についてひとつ事情を明らかにしてもらいたいと思います。

神田博自由民主党

○神田議員 現在理事五名でございまして、今度三名をふやしたい、こういうことになっております。それを議員提案といたしました理由は、先般の国会で提案理由にも申し上げましたように、いまの五名の定員というものが十一年半前の設立当時の定員でございまして、その後、いま電発総裁からお答えがございましたように、電源開発会社の業務が飛躍的に増大してまいった、電源の開発その他各方面にわたって仕事がふえてまいった、なおまた今後いろいろ海外方面までの調査もやる、あるいはまた火力の発電も大きく担当するというようなことでございまして、どうしてもいまの五名では仕事をやっていくのに十分でない、こういうことで、三名をひとつしぼってお願いをしたわけでございます。これは、たとえば大体電力会社としての規模からいいますと、中部電力くらいに匹敵する規模になりますが、たとえば中部電力の役員の例をとりましても、十五名ございます。あるいはまた同じ国策公団であります水公団等の理事の定員を考えましても、八名ということになっておりまして、水公団と比べましても、電発会社はその数倍に相当する事業量を持っておる、また広範な仕事を分担しいる、こういうことでございまして、この際ひとつ業務の十分な運営をして、そしてその本来の目的を十分達成させるには、最小限五名に加えて三名を増員したい、こういうことで急いで議員提案——従来電源開発法は議員法でやってまいりまして、その後の改正等もそういった手続でまいった関係上、この際もひとつ議員提案でお願いいたしたい、こういう趣旨でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 電発が、発足以来業務量が非常にふえてきたということはわかります。その点はわかるのですが、いまあとのほうの、電発法の制定が議員立法だから、この理事の増員も議員立法でやった、こうおっしゃるのですね。そうすると、政府が今度電源開発促進法の一部改正を出すのはおかしいことになる。これまた議員立法でそれの改正を出さなければおかしいという理屈にはなりませんか。

神田博自由民主党

○神田議員 すこし舌が足らないのでそういうようなお尋ねをちょうだいしたと思っておりますが、まあ役員の増員でございますから、できれば政府提案にしていただくことに私も同感といいますか、そういう考えでありましたが、政府部内のいろいろな事情があるようでございまして、しかもいま私が申し上げましたような事業量が非常に増大してまいった、今後も非常に仕事の分量がふえてまいる、また折衝の面が非常にふえてまいった、所要の手続をしてまとめてまいるのに非常に時間がかかるというようなことでございまして、そういう事情を勘案いたしまして、そういった従来の例もございますのでこういうような措置をとった、こういうふうにお考え願いたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 大臣がいませんから、次官に伺います。  議院は立法府ですから、当然提案する権利を持っておりますから、議員立法で出そうが、政府が出そうが、けっこうなんです。しかし、この電源開発株式会社というのは通産省の監督下にあるのですね。電発の事業量がふえて、五名の理事ではどうも手不足である、だから業務に支障を来たすと思われるからふやすべきだということの内容なら、行政に関係したことですから、当然議員立法によらずに通産省で提案すべきじゃないか。特に今回電源開発促進法の一部改正法律を用意しておるのですから、その中に一項加えて、五名を八名にするという提案をされるべきじゃないか。それをされない。される用意があればこの議員立法は撤回してもらって、その中へ入れてもらえばいいのであります。いまの答弁によると、政府のほうでもいろいろ事情があるというのですが、どういう事情で通産省のほうからこれが提案されなかったのですか。私は、当然これは政府提案になるべきが妥当な内容だと思うのです。運営とかほかのことに対して、われわれが議員提案権をもってこれを修正するなり変えるなりということは当然あってもいいのですけれども、理事をふやすという項目は、当然監督行政の立場にある通産省からそういう発議がなされるのが妥当じゃないかと思うのですが、出せなかった理由はどこにあるのですか。

田中榮一自由民主党通商産業政務次官

○田中(榮)政府委員 ただいま提案者であります神田議員から一応御説明がありましたので、大体御了承と存じますが、この電源開発促進法はその制定及び主要の改正が、従来の経緯から見まして、大体におきまして議員提案で行なわれておりましたので、そういう意味におきまして、この理事増員の議が行なわれました際に、議員立法で出したいからという要請がございまして、これに対しまして、政府側といたしましても御同意を申し上げた次第であります。  それから提案をいたしました当時の状況でございますが、電気事業審議会の答申を受けまして電気事業法の制定を当時準備中でございまして、電力会社と電発のあり方につきましても、政府部内におきましてもいろいろ検討をしておりました段階でございますので、電発の理事増員につきましては急を要するということでございますので、一応議員立法におまかせしたわけでございます。なお、提案されました当時の事情といたしましては、前国会におきまして相当多数の法案を通産省として国会に提案をいたしておりまして、そうした関係から、政府提案をするという余裕もございませんし、さような事情を勘案いたしまして、実は議員提案をお願いいたしたような次第でございます。  事情といたしましては、以上申し上げたような事情でございました。

板川正吾日本社会党

○板川委員 では、こういうことですか。政府は五名を八名にするという内容については、了承しておる。内容はいい。しかし、前国会で法律案が非常に山積しておって、なるべく数を少なくするという方針もあって、政府案として提案するまでにいかなかった、しかし、政府案として提案しないが、議員立法で出されるならまあやむを得ない、こういうことなんですか。

田中榮一自由民主党通商産業政務次官

○田中(榮)政府委員 最初に申し上げましたごとくに、電源開発促進法は従来議員立法ですべて改正をいたしておりましたので、そのことを尊重いたして、議員立法で提案することに実は御賛成を申し上げた次第でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうすると、次に政府が用意しておる電源開発促進法の一部を改正する法律案というのは、通産省がいろいろ考えておって予定法案になっていますが、あれは結局は政府が提案せずに議員立法で出させるということになりますか。従来から電源開発促進法は議員立法で出して、大きな修正も議員立法でやったのだからという議論ですと、今度政府が用意しておるのはおかしいという理屈にもなりませんか。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 昨年のいきさつについて、ちょっと補足さしていただきます。  昨年の通常国会の六月ごろでございましたか、先ほど神田先生からお話がありましたように、電発の事業量が非常にふえてきたというようなことで、そういうお話が起きてきたようでございます。それで、当然政府機関の役員の人事につきましては政府がしたほうがいいということは考えておったようでございますが、いろいろな法案が込んでおるとか、時期的に間に合わないというような事情で、議員提案という形をとられたわけでございますが、御承知のように昨年の通常国会でこの法案が流れてしまいまして、それが臨時国会あるいは特別国会にずっと次々と移ってまいりまして、確かに提案いたしました当時と今日では多少事情が異なっております。しかし、先ほど来お話がございましたように、過去のいきさつもございますし、特に先国会で継続審議という御決定をいただきましたので、今度こういう議員提案という形で出していただいておるわけでございます。なお、それじゃ今後いろいろ改正を政府提案するかしないかという問題でございますが、これは先ほどの一事不再議についてどうかという点がはっきりし次第、場合によっては後ほどまた別途の問題で政府提案するかどうかということは検討をいたしたい、こう考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 はっきりしないのですが、通産省が予定法案としておる電源開発促進法の一部改正というのは、出すか出さないかまだはっきりしない。それから電気事業法の附則の中で同じく電源開発促進法の一部改正をするという用意があるやにわれわれ伺っておるが、しかしこれも出すか出さないかわからない。こういう形ですか。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 電源開発促進法を改正いたします理由といたしましては、今回のこれを別にいたしまして、実は世銀の借款に伴う電発法の規定の一部改正の問題がございます。ただ、これは御承知のように一応今度の予算で予定はいたしておりますが、まだ世銀のほうがはたして電発に貸すかどうかというようなことが今後の世銀の当局との折衝にゆだねられておりますので、現在のところ、それがどうなるかということがまだ未定でございます。それから附則のほうの問題は、これは現在電気事業法について御提案申し上げるべくいろいろやっておりますが、最終的に、電気事業法の附則でやるか、あるいはもっと広域運営その他の問題で根本的に直すかどうかという点はいまだ検討中でございまして、現在のところはまだ、必ず出すとか出さぬとかいうことははっきりいたしておりません。したがいまして、この継続審議の理事増員のことだけとりあえずお願いしたいということなのでございます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 板川君にちょっと申し上げますが、最初の御質問ですね、ただいま法制局の第三部長が見えておられますが、質問をしていただきまして、御答弁をお願いいたしたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 法制局に伺いますが、この電源開発促進法の一部改正ですが、これが議員立法で出されております。内容は理事を増員するという項目だけです。政府がいま予定されている法案に、同じく電源開発促進法の一部を改正する法律案、これが用意されている。その内容は理事の項目には関係なく、他の事項であります。もう一つは、やはり電気事業法の附則でこの電源開発促進法の一部を改正するという動きがあるやに聞いておる。そこでこの議員立法の法律、これをわれわれが審議して採決をした場合、あとからその法律と、一事不再議ということにならぬかということです。もちろん、たとえば例として、電気事業法のような附則で他の法律を変えるという場合は従来あったかもしれません。あったかもしれませんが、政府が用意されておるというのは電源開発促進法の一部を改正する法律案、全く同じ名前の法案が出るわけですから、こういう形でも一事不再議という原則に反しないか、それが心配である。あるいはそういう例もあるというなら、そういう事例を明らかにしてもらいたい。

浜中雄太郎衆議院法制局参事(第三部長)

○浜中法制局参事 ただいまお話しの一事不再議の問題でございますが、これは、同じ会期におきまして前に議決した事項と同じ事項を議決するという問題でございまして、同じ法律について再び別の事柄について議決するということは、一事不再議に当たらないのでございます。すなわち、事柄が同じであれば一事不再議になりますが、内容が違いますと、一事不再議の問題にならないと存じます。でございますから、たとえ他の法律の附則で改正しようとも、あるいは同じ一部改正法という形で出されようとも、事柄が違いますと、これは一事不再議の問題になりません。また、そういう事例もたくさんございます。そういう次第でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 わかりました。内容がそのものずばりでなければ、法案が同じでも一事不再議の原則に反しない、こういうことで、事例もたくさんあるということですから、それならけっこうです。了解しました。  次に質問をいたしますが、これは電源開発株式会社という株式会社になっておりますが、これは商法にいう株式会社ですか、どうなんです。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 これは電源開発促進法に基づきました特殊法人でございまするが、法律に明定してない限りは商法に準拠することになっておりまするから、特殊会社であると同時に商法上の法人と私どもは考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 株式会社ですと、商法上から言えば、執行部ですか、理事か重役、これを選ぶ場合には株主総会で選ぶということになっておりますが、この会社は、株主総会で選ぶのじゃないのですね。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 これは、こういう手続になっておるのでございます。まず役員、すなわち理事以上の候補者は、私どものところで政府に内申いたしまして、政府のほうで、まず閣議で候補者を選ばれまして、そうしてそれを会社のほうに通告を受けます。会社はそれに基づきまして株主総会を開きまして、株主総会の決議をとるのでございます。とったその結果を政府に報告いたしまして、政府では今度は正式な——二度とも正式な閣議でございまするが、閣議で最後の決定をされまして任命を受ける、こういう形になっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうすると、理事を任命する発議権は内閣にある、政府にある。政府で一つの候補者をきめて、ワクかもしれませんが、候補者をきめて、会社に内示して、株主総会で特別な事情がなければそれをきめて、それがさらに閣議においてきめられて任命される、今度の場合、こういう手続を経ることになるのですか。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 さようでございます。ただ、政府に発議権は形式的にはございまするが、政府では常に理事者の、ことに総裁の意見を尊重して従来おやりになっておりますので、その問題についてかつてトラブルを生じたことはございません。念のためにお答え申し上げます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 別にトラブルが起きたかどうかということを聞こうとしておるわけではなく、手続の問題を聞いておるわけです。商法によれば、株主総会で理事なり重役なりは決議することになっておる。しかしここではそうじゃなくて、内閣が候補者をきめて、株主総会の議決を経た上で政府がまたこれを任命するという手続をとっておるようなんですが、そうするとこの電源開発株式会社法でどこかに、商法の株式会社の手続と違うところはこれは本法によるというような規定がなくてもいいということになりますか。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 これは原則といたしましては電源開発促進法によってやるのでございますが、電源開発促進法の規定がない場合におきましては商法の規定による、こういうことになっておりますので、その点は、もし抵触する事項があるとすれば、特別法である電源開発促進法のほうが優先する、こういうことになるかと存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この電源開発促進法の二十六条によると、工場抵当法の適用というところで、ある事項については工場抵当法を適用し、ある条項については適用しないというふうな規定があるのですが、そうすると、そういう意味の法律があるなら、同様に、この項目は本法によってやる、この項目は商法の何条を適用するという意味の規定は別に必要ないか。まあ法の不備じゃないかという意味で質問しておるわけです。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 確かに御指摘のように工場抵当法の適用がございます。御承知のように電発の場合は、社債以外はすべて政府の借り入れ金で実際運営されておりますので、実際問題といたしましてこの二十六条の規定は現在は動いておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ちょっと関連して。二十四条と二十条の関係だね。二十四条では明確に商法の例外規定をうたっておるのです。それから二十条ではうたわずしてきておるのです。そうすると、いわゆる商法会社編のこれは特別法である。したがって特別法であるから、これに規定せられておるものが優先するのだ、こういうことだと思うのです。ところが同じ法律の中に、二十四条では、わざわざ商法の規定は適用しない、こうなっておるでしょう。二十条とはどういう関係ですか。言いかえれば二十四条と商法二百九十七条、二百五十四条との関係……。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 二十条の場合は「総裁、副総裁、理事及び監事は、株主総会の意見を聞き、内閣が任命する。」で、通常の商法によりますと、当然役員というものは株主総会できめることになっておりますが、御承知のように、ほかのいろんな特殊法と同じように、こういうものを内閣が任命するということによりまして商法の特例とみなされると思います。それで二十四条のほうは、たとえば普通の場合は、もしこの規定がございませんと、当然社債の発行限度というものは普通の資本あるいは準備金の総額というようなことで、そのトータルしか出せないのですが、この場合は特に、電源開発株式会社が設立当時特に資金を政府資金その他によりまして大規模に手当をしなければならぬという意味で特に十倍、つまり普通の場合でいけば十倍でなくて一倍であるのを、資金の必要性から、ここで商法の規定をこえて、十倍ということをきめたのではないかと私は思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 同じことでしょう、結局は。この規定がなかったならば商法によるのです。そうでしょう。二十条も、この規定がなかったならば商法によるのです。同じことでしょう。同じことなのに、一方はわざわざ商法の適用をせず、適用をこえてと、こういう文句が入って、片方は入っていないのはどういうわけですか。あなたの言っていることは同じことですよ。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 ちょっと私も当時のいきさつは存じませんが、おそらくこれは他の立法例もそうじゃないかと思いますが、役員を政府が任命権を持っておる場合に、商法の規定にかかわらずという規定は、おそらくほかの法律でも入ってないのじゃないかと思います。あとのほうは一定の限度で、商法ではこういうふうに一倍である。しかし十倍にするために特にここで念のために断わったのじゃないかと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 結局は一緒なんですよ。一緒なんだが、一方には特に規定があり、一方には規定しないということはどういうわけかということです。他の立法例がそうかもしれない、こういうことなのですが、他の立法例がそうあったからといって、これが正しいということはできぬわけです。  それではもう一ぺん、あらためて伺うが、この電源開発株式会社の株主総会というものはどういう権限を持っておるのですか。具体的に聞いてみましょうか。商法に定められておる普通決議事項についてはどういう権限を持っておるか。それから特別決議事項についてはどういう権限を持っておるか。条文でいくならば、たとえば商法の普通決議事項、二百五十四条、二百六十九条、あるいは特別決議事項からいくと三百四十三条、特殊の決議事項は二百六十四条、こういうものの権限があるのかないのか。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 おそれ入りますが、もう一回条文を……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは一つずつ伺いましょう。この電源開発株式会社の株主総会というものの権限を聞いているわけです。普通ならば役員も総会できめるわけです。ところが、 これは特例二十条をもって政府任命である。そうするならば、一体株主総会は何をやるのか、こういうことですよ。  そこで、商法のいわゆる普通決議事項、たとえば二百六十九条、これは役員の報酬でしょう。普通の場合は役員の報酬は株主総会できめる。この場合は二百六十九条の権限はあるのか、ないのか、報酬はだれがきめるのか、どうしてきめるのか。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 これは私から御答弁申し上げたほうがいいと思いますが、この特別法に規定のない限りはすべて原則に従いまして総会できめることになっております。したがいまして、ただいまお尋ねの役員の報酬等は全部株主総会できめております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは三百四十三条の定款はどうです。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 定款も株主総会できめております。ただこれには御承知のごとく特別法があるものでございますから、特別法の規定はそのまま定款の中へうたい込むようになっておりますが、株主総会できめております。もちろんそれから定款等の問題につきましては、政府の御認可を得ることになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 特殊の決議事項の二百六十四条、すなわち役員の商取引……。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 もう一度恐縮でございますが、御趣旨を……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 電源開発株式会社法では、役員は他のことはしちゃいかぬ、ただし大臣の認可を得たときはこの限りではないということですが、いま申しました商法の二百六十四条は、役員が第三者を相手にする商行為とかなんとかについて、特別の決議を得るよう規定している。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 お答え申し上げます。これはことごとく政府の御認可を得てやっております。私どもの運用といたしましては、できるだけそういうものはやらないようにはいたしておりますが、ほとんど報酬のないようなもので、やむを得ないものは御認可を得てやっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あなたは先ほど、特別法だから、特に定めのある場合はこれに従う、定めなきときは母法によるのだ、そうするといま言っておるように、役員が商取引をするとか、会社と反対の取引をするとか、そんなことはしないと言うが、理論的にはあり得ると思うのです。その場合には政府の認可を得て云々と言っておりますが、そうすると、間違いじゃありませんか、これに特別の規定はないのです。ただ他の役をする場合、兼業の場合にはいけない、しかし大臣の許可をもらったらいいというのが電源開発法のたてまえです。商法の規定は、そういう場合に株主総会において特別決議を必要とする。これに対する特別法に何も書いてないじゃありませんか。そうすると、これは商法に戻るのですかどうですかと聞いておるのです。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 実はそういう例にぶつかったことはございませんので、私どもも研究が不足いたしておりますが、商取引のようなことを会社とするというようなことは、私どもは考えたことがございませんので、まことに不勉強でございますが、将来といえどもそう  いうことはあり得ないと考えております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 田中君に申し上げますが、関連質問でございますので、できるだけ簡単にお願いいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういうことはあり得ないじゃ答弁にならないのです。だから、この場合どうなるのか、的確な回答を文書でいただきましょう。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 承知いたしました。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 商法と電源開発、すなわち母法と特別法との関係でね。委員長が言うとおりに私は関連だし、臨時委員でございますので、これでおきたいと思いますが、要は、第二十条では、役員の任命は内閣でしょう。内閣が任命をするのに、なんで議員立法で出すのですか。必要ならば内閣がやればいいじゃないですか。政府の提案でやればいいじゃないですか。しかも今国会において、この法律の別な改正が出てくるというのですよ。同じ法律を一国会で改正するから、私はあえて一事不再議ではないかと言うのです。少なくとも形式的な一事不再議になるのですよ。理事を内閣が任命する、同意を得るといって、だれが総会に同意を求めるかといえば内閣ですよ。その内閣が、すなわち政府が提案してしかるべきものを、何がゆえに議員立法でやるか。その点を明らかにしていただきたい、これで終わります。

神田博自由民主党

○神田議員 先ほど板川さんの御質問がございましてお答え申し上げたとおりでございますが、ちょうど田中さんがおるすだったものですから、どうかあとで速記録をごらんになっていただけばよくわかると思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 提案者に伺いたいのですが、理事を五名から八名にする、十一年半もたったから仕事の量もふえて中部電力くらいの業務量をやっておるのだ、しかし中部電力は重役が十五人もおるのに、これは五人しかいない、業務量からいっても八名くらいは妥当だろう、こういうふうな大ざっぱな議論ですね。しかし一般の株式会社である中部電力と、これは実質的には政府機関ですね。六百億政府が出資して、株主といったって、一般の株主というのは一億しか出資していない。六百対一の割合でしょう。だから、政府機関ですから、一般の株式会社による電力会社等から見れば、業務の範囲ももっと少ないわけだと思うので、中部電力と同じ程度に考える必要はない。だから八名にしたいのだということにはなるでしょうけれども、しかし、このたてまえにどうしてもしなくちゃならないという理由を、提案理由には一応抽象的にありますが、もう少し具体的に説明をしていただきたい。

神田博自由民主党

○神田議員 これは先ほどもお答え申し上げたように、十一年半もたっておりまして、たいへん事業量がふえてまいっておる。しかも質的変化もございまして、なかなか社内だけでやるわけにはまいりませんで、それぞれ現地のほうに出て折衝するような場合も多くなっております。また、あるいは広域運営とか火力建設につきましても、いろいろな官庁関係その他の会社と、とても五人ではできない、これは腹を割ったお話でございますが、当初、とても五名じゃいかぬから、一躍倍にしていただきたいというような御要望であったのでございますが、しかし一躍倍にするということもどうであろうか、三名くらいの増員でおやりになったらどうだ、しぼってひとつ事業分担を十分お考え願ったらどうだろうか、こういうような折衝の過程も実はあったわけでございます。政府側も、ぜひそのようにやってもらいたいというような御要望もございまして——お手元に資料がまいっておると思いますが、理事八名の担当業務の表を御一覧願いますと、よく内容が出ておりますが、ことに資料の2のほうには、電力会社等の役員の定員表も詳細に載せてございます。それから資料の3には、特殊法人の理事定員一覧表、こういうものも調べましてずっと詳細に書き込んでございます。常勤、非常勤にわたりましてずっと網羅させてございます。それでございますから、この表をよくごらん願っていただきますと、いまお尋ねの点が御了承願えるのじゃないか、こう考えております伊どうでしょうか、八名の担当業務を読みましょうか。それともごらんになったままで……。大体こんなことでございますので、よく資料がまとまっておりますので、ごらん願いたいと思います。それで御了承願いたいと思います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 板川先生にお願いですが、あと質疑者が四名ございますので、できるだけ簡単にお願いいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 四人といって、別にきょうで終わるわけじゃないからいいでしょう。これは慎重審議しなくちゃならぬ重要案件なんですから……。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 慎重審議をしていただくために申し上げておるのです。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この法律によると、電源開発調整審議会というのがあります。八条で審議会の設置が規定されております。また九条では審議会の任務というものが書いてあります。この審議会のメンバーが十条にあって、それは、大蔵大臣、農林大臣、通産大臣、建設大臣、自治大臣、経済企画庁長官、こういう閣僚がそろっておるわけです。ただし、そのほかに八名の、いわゆる任命委員があるわけです。この任命委員の、九条による審議会の実際の活動というのは、これは大体大蔵大臣や通産大臣がやるんじゃなくて、八名の任命委員が中心になってやっておられると思います。すると、この業務の内容を見ると、任命委員の仕事というのは、実質的には理事を補佐してやる。いわゆる権限はないが理事を補佐してやるということになる。この任命委員の八名がもう少し活用されれば、五名でも仕事をやり得るんじゃないか。あえてふやさなくても、よその株式会社にないような任命委員という八名の者かおって、理事を補佐するような役割りをなしておるから、それで仕事ができないであろうか。この点はどうお考えですか。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 いま御指摘の点は、電源開発調整審議会の委員のことをおっしゃったんだと思いますが、これは御承知のように、毎年この法律に基づきまして、たとえばことしで申し上げれば、三十九年度の電源開発計画というものをきめる場合の審議される方でございまして、電源開発株式会社とは直接の関係はございません。これはいわゆる電源開発調整審議会の委員でございまして、これは電源開発会社の常務とは関係のない方でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうすると、理事が決定を下すに必要な重要な案件については、審議会で審議をして結論を出したりするようなことではない、執行部に関係するものじゃない、こういうことですね。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 そういうことでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総裁に伺いますが、本法の改正がかりに成立をみた場合、理事になる増員される在名の予定者と言いましょうか、これは当然先ほども説明があったように、任命権も発議権も内閣にありますが、一応総裁に相談もあるんじゃないか。あるいは三名増員される場合に内閣から意見を聞かれた場合に、われわれのほうはこの三名がいいと思うという株主総会の原案を出されるのでしょうから、そうしますと、政府のほうで、それはもちろん候補者をきめて、これでどうかと提案になるのだろうけれども、実質的には総裁の意向が政府に反映してくるのじゃないかと思います。そういう意味で三名のその次に増員されるというのは、大体その見当、意中の人というのはあるのですか。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 これは私、ひそかに候補者を持っております。そうして、たぶん政府御当局でも私どものお願いする候補者を御採択願えると思っております。特に今度増員をいたしますにつきましては、地方の補償問題とか、あるいは海外の技術協力の問題だとかいったように、相当な役員が出てまいりませんと、なかなか先方様も相手にしていただけないというような場合が多いために、そういうような相当なエキスパート、権威のある人間を推薦申し上げたい、かように存じております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 内閣から意見を聞かれた場合には意中の人は持っておる、こういうことですが、これは内閣もほんとうからいえば注文しなくちゃならないのですが、結局三名の増員されるのは、いわゆる官僚の天下り人事、そういう形の者がとかく選ばれ、世評を受けておるのですが、増員をする、しかしそのワクは官僚の天下りの者を連れてくる、そのために増員するんだ、こういうことであれば私は問題だと思う。ほんとうの会社の運営を考えて、海外の技術開発とか、あるいは補償問題とか、そういった非常に仕事の量のふえておる問題について専門家を選ぶというならば、社内からだってあるんじゃないか、あるいは民間からもあるんじゃないか。ただ三名が、ほとんど従来の例からいうと官僚天下りの人事の受け入れ態勢をつくる、しかもそれを議員立法でつくるという形になれば、これは国民が疑惑を持ってくると思う。そこで一体三名の意中の人というのはどうですか、そういう国民の批判にこたえ得る意中の人でしょうか。それともいわゆる官僚の天下りですか。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 私の会社は、少なくとも私が責任を持つようになりましてから、お役所の天下りの人事はほとんど一度もお願いしておりません。またそういうことを受けた例もございませんし、今度私ども御推薦申し上げる場合にも、そういう意図は全然持っておりません。社内には相当たくさんなエキスパートがおりますから、その点は御安心願いたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 あとでいいのですが、理事の氏名と経歴を資料で出していただきたい。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 ただいまのは、現在の理事の氏名、経歴でございますか。それでよろしゅうございますか。

板川正吾日本社会党

○板川委員 よろしいです。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 承知いたしました。いま答弁申し上げてもよろしゅうございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それじゃ答弁してください。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 それでは申し上げます。理事の武居功君は、会社の創立以来多年つとめておりまする電気のエキスパートでございます。技術者でございます。それから土木を担当しておりまする伊藤理事、これも長く民間におりまして、会社の社員から登用した土木専門の技術者でございます。それから石田理事がありますが、これも会社創立以来十数年会社につとめておりまして、社員から理事になった者でございまして、これが現在広域運営とか、そういうようなものを担当いたしております。それからただ一人、これは私のほうから懇請いたしまして、経理に明るい人をぜひもらいたいというので、大蔵省にこれは私のほうからお願いしていただいたのが、白石という理事がおります。それからもう一人、高橋という理事がおりますが、これも会社創立以来十余年間おりまして、ごく最近理事に登用いたしたような次第でございます。そのほか監事が二人おりますが、一人は技術者出身、一人は事務出身でございますが、監事二人とも会社創立以来会社につとめておりまして、高級社員から監事に登用いたした次第でございます。簡単でございますが……。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それではひとつ三名の増員のときは、さっき言った要望にこたえてやってもらいたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 承知いたしました。

板川正吾日本社会党

○板川委員 その法律が通った場合にね。  この提案理由によりますと、非常に補償業務がふえてきている。こういう理由が提案理由の大きな一つになっておりますが、われわれしろうとでわかりませんが、電源を開発をして発送電の設備を備えるということになると、非常に広範な地域に設備を置かなくちゃならない。そこで他の土地を借りて送電をしたり、山の中に発電所を設けたりするわけですから、補償業務が多いのはわかるのですが、一体この補償業務がどのような実情に現在あるのか、参考までにひとつお聞きしたいのです。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 補償業務を大別いたしますると、個人補償と公共補償とになるのでございますが、個人補償の問題につきましては、通産省、農林省、あるいは建設省その他の役所で御相談願いまして、一定の基準がすでに十年ぐらい前に設けられております。その基準にのっとって交渉を進めております。大体今日までの経験に徴しますると、基準でほぼおさまっております。どうしても折り合わない場合におきましては、やむを得ず土地収用法のお世話になることになっておりまするが、これも例は今日までのところでは少なくて済んでおります。それから公共補償でございまするが、これはあるいは学校の移設だとか、新しく県道なり林道をつくるとかいったような、主としてこれは都道府県庁を対象にしての交渉でございまするが、これは最近相当ふえてまいっております。実はこういうことを、先刻御承知のように全国的にわたって補償をいたしておりまするために、補償につきましては相当エキスパートも必要でございまするし、特に公共補償の場合におきましては、県知事さんなり、あるいは都道府県の議会の議長さんなりに相当顔のきくといいまするか、これは語弊がございまするが、行って簡単にお目にかかれるような人が必要なのでございまして、そういう意味で、実は下級社員はもちろんですが、高級社員程度ではなかなかお目にかからしてもらえないというようなことで、どうしても理事を出したいというので、実は理事を出しておるのでございます。そのために私は、会社の運営はもちろん総裁が全責任を負ってやるべきものではございまするが、会社の社風を確立し、運営を円滑ならしめるために、理事会を中心にして、毎週一回ないし二回の役員会で方針をきめてやっておるのでございまするが、常に満員になることがないのであります。そういう意味で、理事をどうしてもふやしてもらわなければ困る。また、先年来海外の技術協力をするようになっておるのでございまするが、この場合には、多くは、海外において、その国の総理大臣なり、場合によりましては大統領等にもお目にかからなければならない場合も多いのでございます。そういうときにはどうしても資格がほしいのでございまして、私も先年、海外技術協力の第一号のペルーにおきまして契約をいたしたのでございまするが、大統領との関係がございまして、私二度にわたりましてペルーに参ったこともございます。ごく最近は、タイ国においてもコンサルタントを引き受けることになっておりまするが、それはどうしても行かなければならないのに、実は手薄で行けない、こういうふうな実情になっておるのでございます。これは話が脱線いたしましたが、とにかく補償問題には相当苦慮いたしております。しかし、おかげをもちまして今日までは大体基準に従って民間の補償はいたしておりますし、それから公共補償にいたしましても、地方の知事さんなりあるいは議会の議長さんなりの非常なお骨折りで、比較的円滑に進んでおります。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 楯兼次郎君。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 補償問題につきまして、関連でお伺いをしたいと思います。私はこの委員会は初めてでありまするし、声がちょっと出ませんのでお聞き苦しいと思いますが、ごしんぼう願いたいと思います。  電源開発促進法の第七条に損失補償の項目がございまして、いろいろ書かれております。そこでお伺いをいたしたいのは、この補償問題で、私は個人の民間の場合をさしているわけでございますが、これと工事をする当事者との間に紛争が起きました場合に、通産省か、あるいは電源開発か、どちらか知りませんが、中に立ってこの補償問題のあっせんをしたというようなことが、実例があるのかどうかという点をひとつ最初にお聞きしたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 内容が少し食い違っては困りますので、もう一度お尋ね申し上げたいのですが、工事をやっている工事人と、その土地の所有者とのトラブルの問題でございましょうか。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 電源開発なりあるいは通産省として、監督上、事業遂行上、補償問題において紛争が起きた場合に、中に立ってあっせんをしたことがあるかどうか、こういうことをお聞きしているわけです。だから、この第七条は、補償問題については正確にはどういうことになるのか知りませんが、円満に収束をせよ、努力をせよというようなことが書いてあるわけですね。ただ、これは文字だけであって、実際の紛争が起きたときに、指導監督上、あるいはその他の点から、その中に入って円満におさまるようにあっせんをしたことがあるかどうか、あるいは指導をしたことがあるかどうか、こういうことをお聞きしているわけです。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 御承知のように、電源開発を行ないます場合に、たとえば大きなダムをつくって工事をするというふうな場合に、実際におやりになっていらっしゃいます電源開発あるいは九電力と地元との間で、いろいろな問題が起きます。法律のたてまえから言いますと、やはり場合によっては土地収用法にかけることによって解決するという場合が多いわけでございます。その場合には、土地収用法に基づきましてあっせん委員会というものがちゃんとございますので、なるべくはそちらにお願いをしておるわけです。ただ陳情その他いろいろお話がありましても、これはあくまでも当事者と、あるいはそういう別のあっせん委員会、土地収用法に基づく収用委員会、そういうほうにお願いをしておるようなわけでございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 私は初めてでありますからよくわかりませんが、公益事業令ですが、これは生きておるかどうか知りませんけれども、一番新しい六法をもらいましたら載っておるので生きておると思うのですが、この公益事業令の七十八条は、補償問題について適切な処置方が書いてあります。書いてあるのですが、この条項に該当をしないような建設行為が行なわれた場合があるのです。おいおいこれから申し上げますが、そういう場合は、監督官庁としてどういうような措置をおとりになるのか、お聞きをしたいと思います。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 公益事業令の七十八条は、他人の土地に立ち入り、あるいは伐採とかいう補償の問題でございます。しかしいま先生のおっしゃいましたように、実際問題として、やはり土地所有者との間にいろいろトラブルがございます。もちろんわれわれがあっせんと申しましても、なるべくは当事者の円満なる解決によるというのが方針でございまして、場合によりましては、先ほど申し上げました土地収用法による収用というような手続をとる、これが原則でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 それでは、私がお聞きをしたいことの全貌の概略をまずここで申し上げて、そうして監督官庁としては、こういう事実が行なわれておる場合に、どういうふうな指導をしたらよろしいかという点をお聞きをしたいと思います。  概略を申し上げますと、こういうことです。私の住んでおる地方は中部の地方で、木曾川あるいは飛騨水系、水力発電ダムが各所にあるわけです。いつも補償問題についてはごたごたを起こしておるわけでありますが、その中の一つの例を申し上げます。これは直接あなたのほうの関係はないかもしれませんが、あまりにもひど過ぎますので、何とか政府のほうでこれは指導、監督をしなければいかぬのではないか、こういう点から一つの実例を申し上げてみたいと思います。  私がいま具体的な一つの例として申し上げますのは、関西電力の飛騨の地区にありまする打保発電所であります。これは昭和二十七年一月建設の着工、昭和二十九年十二月工事完成で、三十年一月から操業開始をしておるわけであります。これの建設の経過、補償問題の経過を見ますると、こういうことになっております。当初貯水地域は、橋があるのでありますが、その橋までである。バックウォーターとして、約四百メートル上にありますその橋まで許可願いたいという話があったのです。そこで村も大体了承いたしまして、工事をやりまして門を締めた。ところが、そのバックウォーターの区域より上流三百五十メートルにわたって貯水をされてきたわけです。ここまでしか水はこないという、それから上流三百五十メートルに私有地があるわけです。そこでゲートを締める。水のつかないと説明のあったところで、最深部は三メートル半にわたって貯水地域になってしまった。したがって関係者は非常に憤慨をいたしまして関西電力に抗議をした。ところが一向にこれは取り上げないわけです。そのうちに、話を聞いてみますと、その地域までの水位上昇の、水位を上げることについての請願許可を、沿線住民がおこって反対したので、県の方へ出しておるわけですが、今日においては、これが却下になりまして無許可のまま操業をしておる、こういう事例があるわけです。いろいろのこうした補償問題で紛争事件があるのでありますが、私は一つの例を取り上げたのでありますけれども、本人の言い分を聞きますると、富山に関西電力の支社があるそうであります。そこへ行って文句を言うと、本社へ行けと言う。本社へ行けばまた支社へ行けと言う。たまりかねて名古屋の通産局へ行って話をしたところが、それはけしからぬと言うだけで、そのまま音さたがない、こういう状態です。したがって、これは建設に必要な土地の補償問題ではないわけですね。全然話のないところを水をつけてしまった、こういう事例がありながら、関係者本人が再三とにかく関係者に話をしても一向に話がつかぬ、こういう事例です。だから、私は先ほど公益事業令の七十八条とかいうのをちょっと見たのですが、これにも該当しない。それから促進法の七条の補償とも別なんですね。当初水がつかない、そういう説明をしておいて、村民の了承を得て貯水をしたら、全然話のないところに水がついてしまった、この問題です。幾ら話をしても、こっちへ行けばあっちへ行けと言う、あっちへ行けばこっちへ行けと言う、そのうちに会社のほうは、水を上げてもらいたい、こういう申請を県へ出しておるという状態です。だから、これはどこで解決するか私は知りませんけれども、少なくとも監督官庁であるあなた方が何らか指導をして解決する以外に円満な解決方法はないじゃないか、こういうふうに考えるわけです。  なお話を続けますが、この問題であまりにも当事者は激高をしておるわけです。いろいろ話を聞いてみますと、ダムの建設をすると当初話のあった当時からの、何といいまするか、いろいろの補償の問題が集積をして、ここへ集約をされてあらわれてきた、不満が累積をして出てきた、こういうふうにとれるわけです。といいますのは、たとえばそのときの当事者が言っておるのに、こういう例があるのです。ダムをつくって沈むその土地について、実権者でない、所有者でない同居人と話をして、そこで協定をしたわけですね。契約を取り結んだ。ところがあとで、それは同居人ではあるけれども実権者でない、こういうことがわかって、覚え書きといいますか、協定を結んで、補償をした金の倍以上を追補償金として実権者、所有者に支払ってあるような例がある。それ以前にも、もっと大きな問題があるわけです。しかしそれは、一応ざっくばらんに言いますると、お前の判をひとつ貸してもらいたいというので、ぽんぽんと書類に全部判を押してしまった。あとで気がついておこったけれども、すでに本人の判がついてあるので文句が言えない、訴訟も起こせない、そういういろいろな不正事件が累積をして、いま私が申し上げました予定地でないところに水がついた、ここに住民の怒りが結集をしておるというのが実情なんです。したがって、私はいろいろ土地の事情を聞いてみますると、もう監督官庁が何とか行政指導をして解決する以外には円満な解決方法はない、こう思ったので、この問題に関連をして申し上げておるわけなんです。こういう問題はどうですか。

宮本惇通商産業事務官(公益事業局長)

○宮本政府委員 打保ダムの問題はまだ詳しく承知しておりませんが、これは誠意を持って実情を調べた上で善処いたしたいと思いますので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 それでは問題解決の推移を私は見守りたいと思いますが、先ほど来あなた方の答弁では、いままでは円満に解決をしておる、解決をしておらないものは土地収用法その他によってやるのだ、こういう考え方、態度では解決はしないと思いまするし、この問題は、先ほど簡単に申し上げておきましたように、全然別の問題なんですね。対象の土地がないわけですね。極端なことをいえば、だまして水がついておる。文句を言うから水位上昇を申請した、こういうばかげたことをやっておるわけです。あなたの、指導の上から問題解決をはかるということばを信用して、推移をひとつ見守りたいと思いますが、何とか善処をしていただきたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 補償問題をちょっとお伺いしますが、補償の費用が非常に膨大な、建設費の何か四割くらいに達するという説もあるそうなんですが、それは場所によってでしょうが、補償問題さえ解決すれば、電源開発の事業の半分以上は終わったというくらいだそうですが、この個人補償の中には線下補償もあり、立ちのきもあり、さらにいろいろ漁業、営業の補償もあると思うのです。実際そういう膨大な費用が、補償費用の中にはかかっておるのですか。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 補償は、今日までのところ全体の一五%くらいになっておりまするが、その一五%のうちの四五%ぐらいは民間の一般補償、それから五五%ぐらいが公共補償になっております。これはだんだん地点が不利になりつつありますので水没戸数も勢いふえてまいります。それから地方庁の御要求によって公共補償等もいろいろ、新しい道をつける場合には、古い道幅の狭かったものを一定の基準、建設省のきめられた基準に従ってやらなければならないというので道幅を広げたりするようなことで、多少金額がふえる傾向がございます。これは、私どもといたしましては何とかして補償は少なからしめたいと努力はいたしておりますけれども、趨勢がさような状態になってきておりますので、実はわれわれもいろいろな苦慮いたしておるような次第でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 法律の三条で、電源開発の基本計画を定めるということになっておりますね。基本計画の資料が出ておりますか、きょう出されたのでわからないが。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 きょうは皆さまに差し上げていないかと存じまするが、これはもちろん基本計画を年々つくらなければならないことになっておりますので、もし御必要なら後ほどお届け申し上げます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 基本計画をひとつ出してください。今度火力発電もされ、さらに将来は原子力もやらなくちゃならぬ、こういうことになろうかと思うのですが、この法律によると、石油業法の場合には年々基本計画を立てるといっておるけれども、これは別に毎年とも書いておりませんが年々基本計画というものは、何年後かを目標に立てておるのですか。これはひとつ資料を出していただいて、次の金曜日のときに、基本計画を中心にひとつ質問をしたいと思います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 総裁に申し上げますが、次回の委員会までに基本計画の資料を御提出願います。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○藤井参考人 基本計画を年々つくっておるものもございますし、長期の計画、これはその年々によって多少修正されておりますが、そういうものをつくっておりますので、いま委員長から御指示のありましたように、次会までにお届けを申し上げます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 次会の前にひとつ資料は出してください。それから、先ほど楯委員からの要望の点は、ぜひひとつ通産省として円満な解決に努力をしてもらいたい。もしそれの解決がないならば、当時者を参考人に呼んで、ひとつ意見も聞くということもしたいと思いますから、ひとつできれば話し合いで解決するようにあっせんなりをしてもらいたいと思います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 両参考人におかれては御多忙中のところ長時間御出席いただき、ありがとうございました。  なお、本案について次に審査いたします際にも、本日と同様役員の方に参考人として御出席願うこととし、人選に関しましては委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階堂進自由民主党

○二階堂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本案は来たる七日金曜日に審査を続行する予定でございます。  次会は明後六日木曜日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会

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