社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/01/30
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。八木一男君。
○八木(一)委員 厚生大臣に御質問を申し上げたいと思います。小林厚生大臣が厚生大臣に御就任になりましてから、国会で本格的な審議をしますのは初めてであろうと考えるわけでございまして、その最初でございますので、厚生大臣のこの行政の責任者として担当される御所信をまず伺っておきたいと存ずるわけでございます。 まず、厚生大臣は、当然憲法第九十九条に従いまして憲法を尊重する重大な責任があるということを自覚されて、憲法の条章を完全にするためにということを第一の本義としてその仕事を進められるものであると考えておるわけでございますが、それについての小林厚生大臣の御所信を伺っておきたいと思います。
○小林国務大臣 お話のような趣旨であるべきと、かように考えます。
○八木(一)委員 さらに具体的に伺っておきたいと存じまするが、憲法の条章に従いまして、国権の最高機関でございまする国会の審議を非常に重視して問題を進められる、また各法律に従った民主的な各審議会の意見を尊重してきわめられる、また、あらゆる面で内閣またはその代表者である総理大臣があらゆる場所で公式に声明をした問題、意見を発表した問題について、ほんとうの意味でそれを忠実に前進せられるという気持ちでやっていられる御所存であろうと考えまするが、これについてはっきりとお答えを伺っておきたいと思います。
○小林国務大臣 仕事に当たる気持ちは、お話のとおりであるべきと思います。
○八木(一)委員 厚生大臣の行政の一番おもな部分は、社会保障に関する部門であると考えるのであります。社会保障の問題を進めるにあたりまして、憲法のどの条文をもとにして進めておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
○小林国務大臣 憲法第二十五条の規定があります。それに従ってやるべきだと思います。
○八木(一)委員 憲法第二十五条の規定の第一項を、具体的な政治の面ではどのような制度がこれに対応しているかということについて、厚生大臣の御意見を伺いたいと思います。
○小林国務大臣 しばしば私申しておりますが、「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」こういうことが基本になっております。
○八木(一)委員 御質問はもっと具体的なことを伺ったわけです。私のほうから時間の関係上申し上げますが、憲法第二十五条の第一項をまともに受けている制度は生活保護制度であろう、法律としては生活保護法であろうというふうに考えるわけでありますが、厚生大臣の御意見を伺いたい。
○小林国務大臣 さように考えます。
○八木(一)委員 そうなりますと、生活保護の基準というものは、健康で文化的な最低限度のものを保障するものでなければならないということに当然なると存じますが、これについての厚生大臣の御所信を伺いたい。
○小林国務大臣 そういう気持ちで従来とも当たってきておる。しかし、結果的に世間にはいろいろな見方がある、こういうことでございます。
○八木(一)委員 まず厚生大臣は、現在の生活保護の内容が、憲法第二十五条第一項の規定に沿うものでないと思われると思いますが、これについてどうお考えになりますか。
○小林国務大臣 これはそういう気持ちで政府が当たる、こういうことでありますが、これはもう弾力的というか、流動的であるべきでありまして、いつの時代の最低生活がこういうものであるとか、こういうことは一定していません。常に生活水準を上げる、こういうことで考えておりますので、この時期にこれはどうだった、こういう問題になってくると思います。
○八木(一)委員 その面においては、一応おっしゃったことは半分はけっこうであります。生活水準が上がってきて、結局文化的なというような要素は、これは世の中が進むに従って当然発展、前進をしなければならないことであります。ですから、健康で文化的な最低限度というものは、流動的であるということは正しいと思います。ただし、一定の時期における、一定の地域における健康で文化的な最低限度というものはいかなるものであるべきかということは、その基準がなければならないというふうに考えますが、いかがですか。
○小林国務大臣 基準というものは、いろいろの見方がありまして、非常にむずかしいと思います。しかし、その時点において政府が施策したものがそのときの最低生活に当たる、こういうふうに言わざるを得ないのであります。
○八木(一)委員 健康で文化的な最低限度というものですから、そのものについて人間のあらゆる面で考え得るもので、その最低限度の線というものを確かめていき、それに対応した内容をつくっていかなければならないということはおわかりになると思いますが、どうですか。
○小林国務大臣 そのとおりだと思います。
○八木(一)委員 そういたしますと、いろいろの見方があると思いますが、たとえば政府が今度の生活保護について、予算要求上は一七%か一八%要求された。ところが、大蔵省の査定で一三%の増に落ちついた。一定の基準があるべきものが、厚生省という生活保護を担当しておられる省においては一七が至当だと思って要求されたものを、ほかの事情でこれを一三に削減をするということでは、ほんとうの一定の線が出ていないわけです。腹づもりで要求をし、腹づもりで査定をしたということ、ほかの問題であればともかく、健康で文化的な最低限度の生活、そういうものを保障するものを、そのような腹づもりで要求をしたり、腹づもりで査定をするということは憲法の条章から見て許されないことだ、かようにお考えになりませんか。
○小林国務大臣 これは政府がきめたとき、政府がその基準が適当である、こういうことで、厚生省は厚生省の立場でものの考え方があると思います。しかし、政府全体としてはこうだ、こういうふうにひとつ御了解願います。
○八木(一)委員 それでは一七%要求されたときには、厚生省としては確信がなしに要求されたのですか。
○小林国務大臣 生活保護基準をいまのような一般的な予算の要求のしかたでやっていることがいいかどうかということには、私は多少の疑問を持っております。したがって、将来の問題としては、私は相当再考しなければならぬと思っておりますが、生活の基準というのは、物価の騰貴もある、あるいは国民生活の向上の問題もある。したがって、水準を向上させることについては、私どもはできるだけ水準を向上させたい。しかし、政府全体としては他の財政上の一般の問題もある。また、国民生活一般の問題であるからこの程度で、こういうことにきめておるのでありまして、そのやり方がいいか悪いかということについては私は疑問を持っておるが、いまはそういう方法でやった。しかし、このやり方については私はある程度疑問を持ち、あるいは多少遺憾の点がある、こういうふうに考えております。
○八木(一)委員 この厚生者の要求も、最初の要求自体が非常に手ぬるいものであるけれども、とにかく厚生省としてはそれがいいものとして要求をされた。ほかの各省の諸要求ならば、憲法が定めた最低限度というものは関係がないので、幾ぶん財政上その他で翌年に延ばすということも考えられるでしょう。ところが、憲法できまった健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護において、その専門である厚生省が確信を持って出したものを、結果的には政府の意見とおっしゃるでしょうけれども、そういうようなからみで削減されるということは、憲法の条章をほんとうに考えていない。政府の権力で、いいかげんな腹づもりでやったらいいという考え方に政府がなっている証拠であります。そういうことは許されることではない。大蔵大臣であろうと総理大臣であろうと、憲法の二十五条第一項の性質上これらの意見は許されない。二十五条を守るべき厚生大臣は、どんなことがあってもこれは抵抗しなければならない。大蔵大臣がこのようなことを制限するような意見を言ったならば、敢然として論戦をもって戦うべきであり、総理大臣が無理解であればそのような内閣にいることはできない。辞表をたたきつける決心を持ってこれに抵抗しなければならない。生活保護の要求が削減されるようなことは、憲法二十五条の条章からして許されることではないと考えなければならないと思いますが、厚生大臣の確固たる御意見を伺いたいと思います。
○小林国務大臣 私は、八木委員の考え方にも相当共鳴するものがあります。したがって、いまのやり方がいいやり方かどうかということに、私はある程度疑問を持っております。これはあなたのおっしゃるとおり生活の問題でありますから、こういうことは、いろいろ上げ下げということがそうあってはならない、こういうふうに考えるのでありますが、しかしこれは大蔵大臣がどうした、あるいは厚生大臣がどうしたということではなくて、究極において物価の上昇あるいは生活水準の向上を見込みまして、ことしはこの程度でもってやれる、こういうことで政府の方針をきめた、将来の問題は私はまた一つの課題として考えたい、かように思っております。
○八木(一)委員 内閣総理大臣の出席を要求しますので、委員長としてさっそく手続していただきたいと思います。要求は委員の当然の権利であり、そのようなことを扱うのは委員長の義務ですからやってください。出てこないと責任をまた追及しますから。委員長が手続をしなければ、委員長の責任を追及しなければならない。
○田口委員長 手続しますよ。
○八木(一)委員 それでは、生活保護法の内容に少し入りたいと思います。 今度の生活保護の要求の標準金額を、簡単でけっこうですから、社会局長のほうから言ってください。
○牛丸政府委員 このたびの一三%の基準の引き上げによりまして、生活扶助の標準四人世帯の一級地を例にとりますと、三十八年度におきましては一万四千二百八十九円でございました。ところが一三%の基準引き上げによりまして二万六千百四十七円。四級地を例にとりますと、一万四百三十一円のものが一万一千七百八十七円になるわけであります。
○八木(一)委員 いま、ちょっと言おうと思ったのですが、向こうから言いましたのですが、四級地を聞こうとして申したのです。すべての書類には一級地の金額しか出ていない。こういうことでは一般行政上の実態を知らせることにはあいまいですから、一級地を書いたら必ず四級地を書く慣例をつけてください。そういう注意がなければならない。そういうことでは行政上も審議上も非常にぐあいが悪い。すべての場合に、一級地を言ったならば四級地を言うというくせをつけてください。 それからその生活扶助の中の飲食品費をちょっとおっしゃっていただきたい。
○牛丸政府委員 飲食品費は、従来は九千三百二十四円のところが、今度の改訂によりまして一万四百十七円、伸び率は一一一・七%ということになっております。
○八木(一)委員 それは一級地でしょう。四級地を言ってください。四級地について準備をしていないようなことではいけない。
○加藤説明員 私からかわってお答えいたします。 四級地はその七三%でございます。
○八木(一)委員 金額は計算してないのですか。
○加藤説明員 いまちょっと資料を持っておりません。
○八木(一)委員 私は調べて金額を知っているのです。知っているけれども、そのようななまけたことではいかぬ。すべて一級地で答弁すればいいということで、ほんとうの実態をごまかそうとしている。すべて生活保護に関する限りは、一級地を言うときには四級地も言う、内容についても、一級地を言うときは四級地の内容も言う、そういうようなくせをつけるようになさい。厚生大臣はそのように指導しますか。 飲食物費の内容はどのように分かれておりますか、お伺いします。
○牛丸政府委員 飲食物費は、主食と副食その他に分かれておるわけであります。
○八木(一)委員 生活扶助以外の飲食物費を除いた部分は、どういう項目で整理されておりますか。
○牛丸政府委員 それはその他の経費として計上しておりまして、実額で申しますと、四千九百六十五円のものが五千七百三十円、その伸び率は一一五・四%ということになっております。
○八木(一)委員 先ほども標準家族と言われましたけれども、四人ということを親切に言われませんが、それは四人ですね、四人の勘定ですね。それから五千七百三十円は一級地ですね。
○牛丸政府委員 そうでございます。
○八木(一)委員 厚生大臣からでも、社会局長からでも、保護課長からでもけっこうですけれども、なるべく厚生大臣から伺いたいと思いますが、嗜好品費というものはそれに入っているかどうか。
○牛丸政府委員 これは一般的な栄養調査の例によったわけでございまして、その中には当然嗜好品費は入っておるわけでございます。
○八木(一)委員 もう一回おっしゃってください。
○牛丸政府委員 嗜好品費は入っております。
○八木(一)委員 嗜好品費の内容は何ですか。
○牛丸政府委員 その内容まで私よく存じておりませんが、一般的な飲食物の内容として当然入っておる、こういうふうに考えております。
○八木(一)委員 私の前に調べた例では、嗜好品の中にはたばこ、酒というものは入ってなかった。生活保護の担当局長がすぐわからないようでは困りますけれども、それは入らないのじゃないかと思います。それについて局長……。
○牛丸政府委員 酒、たばこの類は、私も入らないと思います。しかし、その他のものは入っておると思います。
○八木(一)委員 厚生大臣はどう思われますか。酒、たばこは入ると思われますか思われませんか。
○小林国務大臣 これは通常入れておらぬじゃないかと思います。
○八木(一)委員 厚生大臣も局長も、そのように生活保護の内容をはっきり御存じない。厚生大臣は一番の責任者ですよ。しかし専門家でなくて、一年くらいしかいつも大臣をしておらないまずい自民党の内閣編成の方針であるために、その状況があるから厚生大臣をそう詰めませんけれども、社会局長はかわったばかりという言いのがれなのかどうか知らないけれども、厚生省のベテランでありながらはっきりわからない。ですから、生活保護について政府はどういうことを考えているか。 一生懸命やっているといっても、ほんとうに一生懸命やっておらないということになる。内容を知らない。金額だけでなく、それが入っているかどうかというところまで責任者が知らない。そういうことではなしに、ほんとうに取っ組んでやるようにしていただかなければ困る。しかし、知らない現状もあります。あなた方だけではなかったわけです。前の人もおそらくそうでしたでしょう。今後政府がそういう姿勢を直すようにしなければならないということを厳重に注意しておきます。 現在の問題として、総理大臣がきのう予算委員会で御答弁になっておられます。私は予算委員会で直接に聞きませんから内容はよく存じませんけれども、信頼すべき全国紙に載った記事できょう拝見をいたしました。そこで、物価の問題に対する山花秀雄君の質問に対して、「酒、タバコ、砂糖など大衆が使うものの物品税は安い方がいいのはもちろんだが、その税収で、そんなものを十分に手に入れることができない低所得者層を何とかするのが先決だと考えている。」ということを言われております。財政サービスでそんなことを考えろということも言っておられるようであります。厚生大臣は予算委員会にも出ておられますので、そういう御答弁があったことは御存じだと思いますが、それといまの関係についてどうお考えになりますか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○小林国務大臣 総理の予算委員会での答弁を私はしっかり承っておりませんので、いまお話しのことが十分理解できませんが……。
○八木(一)委員 大臣は大臣なりに一生懸命やっておられたことは、私も存じております。だけれども、厚生行政というものは、大臣が一生懸命やられたよりもはるかに重大な責任があり、特に憲法の条章を受けている生活保護の問題は、さらに重大な問題があるわけです。ですから、あなたは大臣になったことを名誉と考えられないで責任と考えられて、あなた方全員が在任期間中に、標榜している行政責任を果たしていただくということが至当である。そういう点について御注意にならなかったことは、何らかの生理的な事情でおられないこともあったでしょうけれども、それであったら少なくともきょう新聞を読む。こういう関係のある問題については御注意になっていただきたい。私も速記録を調べておりませんから正確なことはわかりませんけれども、酒やたばこ、砂糖の税金について山花秀雄君が質問をして、消費者の負担率を下げることが必要だということに対して、それを下げることよりもそういうような金を貧乏な人に回して、その人たちが、少しでも飲んだり吸ったり食べたりするようなことをすることが大事だという意味の答弁をしているわけです。一般的に中間層のために税金を減らすということは重大な責任であるけれども、それを十分にしきれないことに対する責任に対して、弁解かどうか知らないけれども、それもそうだけれども、その税金を減らすよりもそれを低所得者に回して、低所得者が一本なりとたばこを吸い、酒が飲めるような状況にすることが大事だということを、内閣総理大臣が言っているわけです。ほんとうにそれが本気でなあるらば、生活保護の予算を削ることはできない。削るよりも前に、嗜好品が入っていないのは何事だ、厚生省はなまけているじゃないか、なぜそれをしないか、そういうことをしなければならない。そのようななまけた池田君だから、あなた方としては、なまけていてもときどき感覚的にはましなことを言うことがありますけれども、ほんとうにやらなければいけないということであなたは池田君に突っかかるといい。いまからでもおそくありません。予算は修正ができる。撤回して出し直しもできる。直ちにきょうあなたは池田総理大臣に談判をして、予算をその点修正すべきである。厚生省の原案どおり一七%、これも少ないけれども通す、そのかわり、総理の考え方を見て、酒、たばこ、そのようなものをごくわずかでも生活保護者がたしなむことができるように改正するのが総理大臣としての責任である、直ちにあなた直しなさいということを、きょう直ちに総理大臣に言うべきだ。その意味で、委員長、内閣総理大臣の出席を要求している。議運の決定が何であろうと、理事会がごちゃごちゃ言おうと、これをあなたが聞かれたならば、池田君をここに直ちに来させることが当然だというふうにお考えだろうと思う。委員長はどう思いますか。
○田口委員長 予算委員会の関係がありますから、予算委員会とのかね合いで、ひとつ研究してみます。
○八木(一)委員 出席要求をされましたか。要求をされるのはあなたの義務ですよ。それから後は話し合いでよろしい。直ちに総理大臣の出席を要求してください。された形跡がない。直ちに通告をしてください。そうでなければ、委員長に申し上げておきますが、池田勇人君に対しても一不親切だ。池田勇人君が本気でそういうことであれば、こういうような論議で厚生大臣も局長もぼんやりしているようなことを国民が非常に心配をし、要望をしている、それを、議会の論議でやっているところを池田勇人君に聞かせたならば、彼に良心があれば、直ちに予算を修正する気持ちを起こす可能性はないとは言えない。池田勇人君が良心的な政治家として行動するチャンスを、あなたが出席要求を通告しないことによって失わせることになる。そのような意味で直ちに要求をし、直ちに池田君の出席を実現してください。
○田口委員長 田中理事にこちらの要求を……。
○八木(一)委員 厚生大臣、そのようなことで生活保護費の中には酒、たばこがない。健康で文化的な気持ち、厚生大臣は親切な、あたたかい気持ちをお持ちだと思うのです。ですから、厚生大臣を困らせるために言っているのではなしに、世の中のいまの慣例が、しなければならないことをしない、そのからを破ろうとしないという現状が内閣にも厚生省にもあるし、国会にもある。それを打破するために言っているわけであって、小林さんがこれから打破していただければ、それは非常にりっぱなことだと思うのです。いままでのことは問いませんけれども、とにかく酒もたばこもない。いまの世の中で、たばこの好きな人が生活保護の状態になったときに、これは年寄りで生活保護になったら、死ぬまで一本も規定ではたばこを吸えない。たばこを吸うために、ほかのほうを、ふろに入るのをやめたといったら、それはその他の経費でできますよ。けれども、ほんとうに保障された経費で一本のたばこも吸えない、一ヵ月一ぱいの酒も飲めない、子供がキャラメル一つも食えないというような状態、そういうことに仕組まれた生活保護法が正しいものかどうか。それはふろへ行かないで、ふろ賃をがまんしてたばこを吸うことはできる。やろうとすればできる。散髪に一年間行かないで、それでキャラメルを食うこともできるのです。エンゲル係数とかなんとかいって、生活保護費をごちゃごちゃに、わけのわからない計算を昭和三十七年からやって、わからないでごまかすような計算方式をとっているけれども、昔は下着を一年に一枚というような計算があった。そのほうが、悪いが正直だ。下着一枚では悪いじゃないかということがわかる。一番程度の低い下着一枚の時代があった。それが一年に一枚半になった。下着一枚であれば、一番安い下着ですから破れるにきまっている。そうなれば、下着を着られない生活が生活保護法に準じた生活ということになる。下着を着られないような生活が文化的な生活であるはずがありません。いま、エンゲル係数というのでごちゃごちゃ計算をして、その他経費の中に入っているということになる。その他経費の中にはタオルのお金も入っていれば、ちり紙代も入っている、散髪代も入っている、あるいはふろ代も入っている。自分のうちにふろはありませんからね。ふろに行かなければほんとうに不潔でしょうがない。ふろ代が二十何円というときになったら、その他経費の相当部分はふろ代だけで消えてしまう。それがはっきり項目に出ていたならばそれがわかる、あまりひどい、と。あまりひどければ、小林さんがこれにすぐに気がつかれる。これじゃいかぬじゃないか、職を賭してもそれは直すという気持ちになる。ところが、ごたごたに入っているから、あなたは気がつかれません。気がつかれないで、ただあなたは一生懸命でやっているというだけで、一番大事なことを抜かしているということになる。そういうことでなしに、ものをはっきりさせて、いけないところは直していく。田中角榮君だって、ほんとうにあなたがそれを知っておって不運な人に、たばこがどんなに好きでも生涯一本も吸わないで暮らさせるつもりか、前に、アル中になるくらい酒の好きな人が不幸にして生活保護者になったときに、死ぬまで酒一ぱいも、二級酒一ぱいも飲まさないで過ごさせるつもりかと言ったら、田中角榮君だってわかるはずだ。けれども、そういうことを大臣が知ってない。だから問題は進まない。そういうことについてよく調べられて、ほんとうに健康で文化的な生活が保持できるように生活保護法を抜本的に面していく、それには無理解な大蔵大臣とは断じて論戦して譲らない、裁断を下す総理大臣があなたに加担しない場合には、そのような総理大臣の不信任をあなたは天下にぶちまけて辞表をたたきつける、そういうような決心でやる心がまえがあるかどうか、はっきりとお答えをいただきたいと思います。
○小林国務大臣 辞表をたたきつける問題は別といたしまして、本気でひとつやりたい、また、先ほどお話のありました生活保護基準を、ほかの予算のような考え方で出すことがある、私は間違いがある、こういうふうに思っております。したがって、中の恥を申し上げれば、多少あるいは最初の要求にも一般の予算要求のような考え方があって出ているのじゃないか、そういうふうなことで基準をきめることはいけないというふうに私は考えております。したがって、ことしの一三%も、外から見れば削られた、こういうふうに見えることがありますが、中から考えれば、あるいはどの点というものがやはりあってやっている。その要求のしかたに私はある程度間違いがある、こういうふうに思っております。したがって、先ほど申し上げたように、私も一最初の要求を出す場合には、私としては実は率直に申して満足しておりません。こういうふうな要求のしかたはよくない。したがって、厚生省が出したらもうそのまま認められるような自信のあるものを出すべきだと私は考えておりますが、多少惰性のためにことしはそこまで参らなかった、こういう内部事情も私はひとつ率直に申し上げておきます。したがいまして、生活保護ということは非常に大事なことであるし、また世間でもこれがいろいろのものの一つの基準になる、あるいは社会保障、社会福祉施設その他の収容施設における基準にもこれがなっておるのです。非常にこれは大きな問題であります。でありますから、あなたのそういうふうな御意見は、私はある程度共鳴をするところがあります。それでいまの生活保護の内容等につきましても、あなたの言うような点があります。これはこれだけのカロリーでもってとにかく生活が維持できる、それを一々こまかく分類してこれこれというふうになっておらぬのも事実でありまして、そこがある程度今後また注意をしなければならないことである、こういうふうに考えております。
○八木(一)委員 大体大臣のお答えけっこうであると思いますが、ちょっと後半心配な点があるのです。それは確信を持って、一七みたいな貧弱なものでなくて、たとえば二五とか、そういうものを出すというお気持ちとして受け取りたいのですが、一七が確信がなかったので、いろいろな観点から一三が正しいと査定されたというようなお気持ちがそこに入っておるとすれば、それはまたゆゆしき問題になりますから、どっちなんですか。
○小林国務大臣 その点は、やはり厳正な考え方で出すものを初めからきめなければいかぬ、そういう方向をぜひ検討したいと思っております。ことしの問題につきましても、それじゃこれ以外には一歩も引けない、こういう考え方でやったかどうかということとは別問題であります。他の予算と多少混同したような考え方が要求した当時ありはせぬか、そういうことを私は心配しておるのです。
○八木(一)委員 そのお気持ち、確信を持って要求して一歩も譲らない、そのことは特に生活保護に対してはやらなければならないと思うのですが、その前に、そうなると、通らなければたいへんだから、確信を持ったという考え方がほんとうの確信じゃなしに、少なく要求しておいて完全に通そうというほうに、もしつながったらたいへんなことになる。確信を持つというのは、昭和三十九年度のある時点における、どこの場所における健康で文化的な最低生活がどうあるべきか、大蔵省の考えなんか一切頭に入れないで、どうあるべきかということを根本的に考えられて——当然ことしの一七は少ないです、もっと多くなければならない。そういうものを確信を持って計算をされて、それが二五%増であろうと五〇%増であろうと、それを出した以上は断じててこでも引かないという考え方にならなければいけないと思います。確信があるというのは一七が一三に下がるということであれば、これは攻撃をおそれて形式的なたてまえだけを重視して、出したものはてこでも譲らない、そのかわり初めから出すものは小さく出していくということになったらたいへんです。そうじゃない。私の言っているようなほんとうの生活保護の基準というものは、もっと急速に上がらなければならないというたてまえに立って、確信を持って計算されたものを出された以上は、これはてこでも一歩も引かないという態度でやられるかどうか、それを伺っておきたい。
○小林国務大臣 これはやはり相当客観的なものでなければいけない。実は私は最近中央社会福祉審議会でもあなたのお話のようなことを申した。こういう方向では適当でない、したがって、いまのようなキャッチボールみたいなやり方でなくて何か生活保護基準については考えられないか、こういうことも私は御相談申し上げておるのです。だからして確信を持って出すということは、ある時点においてやったり取ったりする、こういうことでなくてある程度何かもっと確固たる方向はないか、こういうことなんです。
○小林委員 関連。せっかく八木委員の質問中でございますけれども、これは重大な問題です。人間の生死に関する最低の生活基準をどこに置くかという問題です。そこで、大臣の御答弁も私は少し進歩したと思いますけれども、ほかの予算の要求は、これは行政的措置なんです。行政的措置ですから、それは大臣折衝で、あるいは大臣の実力で伸ばしたり縮めたり、あるいはパーセンテージを上げたりする、それは行政措置として各省の折衝において許されることなんです。けれども、生活保護の基準をきめるということは行政的措置じゃない、法律行為なんです。生活保護法に、いわゆる生活保護の基準は厚生大臣これを定めると法律でちゃんと規定されているのですから、その規定に基づいてあなたが基準をきめられるという、その基準は法律行為なんだ。それを他の一般の行政措置に基づく予算措置と同じように、大蔵大臣との折衝で伸ばしたり縮めたりするなんということは、これは一つの法律違反だと私は考える。だからほかの厚生省一般の予算とはおのずから違って、いわゆる生活保護の基準の要求事項というものは、厚生大臣みずからの手で考えなければならない。あなたは最善のオールマイティなんだ。あなたのきめたものは、これは一つの法律としてりっぱな効果をあらわすのだから、だれもそれを左右することができない、それが法律のたてまえであります。だからそれをきめるについて、あなたはいまいささか惰性があるとおっしゃいましたけれども、そういう惰性は法律違反行為なんですから、先ほども八木さんが言われたように、惰性は断固として排斥してもらって、あなたが一七%増の基準を示したならば、それは一つのりっぱな法律的な適法行為なんだから、総理大臣が何と言おうと大蔵大臣が何と言おうと、あなたはそれを拒否するだけの権限も法律上の根拠もお持ちになっておる。それを例年の惰性によって一七%の増を出しながら、大蔵大臣に頭をはたかれて一三%に退却したなんということは、これは大蔵大臣も悪いし、総理大臣も悪いが、一番悪いのはやはり厚生大臣だ。あなた自身がそういうことをやっておるとあなた自身が法律違反を犯した、こういうことになるのです。そのためには、いまも言われるように一つの法律行為をおやりになるのですから、細部にこまかく、それはやはりあなたの責任において研究してもらわなければいけない。それを何ですか。いま大臣に聞いても社会局長に聞いても、嗜好料はたばこが入っておるようで、酒が入っておるようで何が何やらわからないという、全くあいまいもこたる形でそういう基準をおきめになっておるところに、やはりせんじ詰めていけば私は厚生省みずからの勉強も足りなければ、そういう生活保護の基準に対する真剣な心がまえもない、努力も足りない、こう言わなければならぬのでありまして、私は、この点はいま一回明確にして聞いておかなければ、いまの問答は了承できませんから、あえて関連質問をしたわけであります。
○小林国務大臣 こういう議論がこの委員会で前に出たかどうかわかりません。私は知りません。いまこういう議論をしておられるということは非常にありがたい、こういうふうに存じております。それから法律で厚生大臣がきめるといっても、それは政府の代表の厚生大臣がきめるのでありまして、予算要求の過程の厚生大臣、こういう意味ではございません。しかし、あの法律を尊重するというたてまえで、この問題についてはもっと確固たる客観的の材料を持って、厚生省ももっと自信ある態度を持って当たるべきだ、こういうふうに考えます。いままでのやり方についてあなたの御非難されることは、私もある程度甘受いたします。
○八木(一)委員 ただいま私語で伺いましたが、田中理事からのお話で、きょうは実質上無理だというお話であります。情勢も、私も一年生でありませんから知っておりますからあれですけれども、そういうことは非常に間違ったことですから、それを直すように委員長としてはやっていただきたいし、ただいま来られなければきょうの午後でもよろしいし、きょうの晩でもよろしい、最大限譲って明日でもよろしい、総理大臣が本委員会に出席されるように、また本委員会に出席される都合がついたら直ちにその時間に開会をされるように、委員長においてお取り計らいを願いたいと思います。
○田口委員長 了承いたしました。努力いたします。
○八木(一)委員 いま小林進委員が小林厚生大臣に聞かれたことについての問答を拝聴しておりまして、私も同感であります。法律のほうが優先する、厚生大臣がきめたならば法律行為によってきめたんですから、それを予算で裏づけするのが大蔵大臣としての義務だろうと思う。予算案というものは政府内の折衝で原案が出ただけです。こんなものは間違ったと思ったら撤回して出し直しすることも、できるし、また与党の方、野党の方にも相談をされて、議会で修正されることも容易にできるわけです。そういう点について今後全責任を持って数日間に対処されるかどうか、伺っておきたいと思います。
○小林国務大臣 法律で定めるには予算の裏づけを持ってから定める、こういうことでありまして、いままでのところは何も厚生大臣が定めたわけじゃありません。これから定めるということになりますが、しかし、定め方についていまのようないろいろな異論があると思うので、われわれは注意をこれから十分しなければならぬ、こういうふうに思っております。
○八木(一)委員 それでは憲法の精神に従って厚生大臣は、少なくとも本年度最初の厚生省として確信を持った一七%に定める、したがってそれについての予算措置をとらなければならないから、政府としては予算案を撤回して出し直すようにしてほしいと閣議で御主張なさるかどうか。
○小林国務大臣 それは従前の方法で予算折衝をしておる、このやり方についてはいろいろの批評もあり、考え方もある、しかし、ことしは政府としてああいうきめ方をした、したがってあれに従う、こういうことを私は考えております。
○八木(一)委員 厚生大臣が非常に熱心に取っ組んでおられるような気持ちを披瀝されて、その点については非常に敬意を表したのですが、いまの点においては限界があると言われた。しかし、いま御答弁になっておるその限界について、厚生大臣の責任を沈思黙考されまして、この壁を打ち破るべく決心を固められる必要があると思う。数日間一生懸命考えられて、ほんとうの政治家としての立場に立つかそれとも池田内閣の一閣僚としての立場に固執せられるか、どちらか決心を固めていただきたいと思います。後にまた御質問申し上げます。 次に、ひとつもう少し内容に移りたいと思います。 厚生省では、この前の厚生大臣のときに、社会保障制度審議会の答申、勧告に従いまして、昭和三十六年度を起点にして昭和四十五年度に生活保護基準を実質三倍にするという計画を発表された。これは当然厚生省全体に踏襲されて小林さんもそのような考え方もあろうと思うが、それについてのお考えを承りたい。
○小林国務大臣 昭和四十五年を目標とする、こういうことでありますが、私どもはその勧告を尊重してそういうようにいたしたいと考えます。
○八木(一)委員 昭和四十五年に三倍になるとするならば、間でへこんでも急速にいけばいくという答弁は、それは形式的に成り立つかもしれませんが、昭和四十五年に三倍になるとするならば、今度一三%ではそこにへこみができて非常に困難だ。一七%でも、実質三倍ということを考えれば、これは要求が少ないということになると思います。それについて厚生大臣はどのようにお考えになりますか。
○小林国務大臣 これは社会保障制度審議会の勧告があった、厚生省はそういうふうに決定した、こういう問題でありませんが、私どもは尊重していきたい。こういうことで、多少のでこぼこはあります。しかし、昭和三十九年度までにも相当な進捗を示しておる。こういうことで、そういう目標に向かって、あなたのおっしゃるようにでこぼこもあるし、ぼこがあったらでこを出す、こういうようなことは考えなければならとぬ思います。
○八木(一)委員 尊重するということは——でこがあることは了承できる。ぼこがあるということは尊重したことにならないと思います。昭和四十五年までに三倍にするというのが、早まって四十三年に三倍になれば、これはかまいません。ところが、四十五年に三倍にならなかったり、あるいは途中で、同じように平均でいくならまだしも、ぼこがあって、後に昭和四十四年に急激に上げたところで、四十三、四十二、四十一、四十年は当然あるべき姿になっていないわけだ。そのときの国民の人権が侵害されたあとでは、取り返せないわけだ。ぼこというものは絶対許されないわけだ。ところが、本年度の予算ではぼこがある。それについてはどうお考えになるか。
○小林国務大臣 大体四十五年までにそういう目標を達するには、年率でどのくらいやったらいいか、こういうふうな問題があるわけでありますが、われわれの計算では、一応年に約一二・九八%ずつやればその目標に達する、こういうことで、ことしも少なかったと世間では申すかもしれませんが、一三%でいく、こういうことでございます。
○八木(一)委員 政府委員の中に、年金複利表をお持ちの方はありませんか。——なければないで、しょうがないけれども、どなたか取り寄せていただきたいと思う。三十六年を起点として十年間一二・九八をかけていけば、元利合計、それが十年回転すると三〇〇になるという計算でやっておられるのではないかと思うのですが、牛丸さんおわかりでしょうか。
○加藤説明員 便宜私からお答え申し上げます。 八木委員のおっしゃいましたように、一二・九八%ずつ引き上げをして、複利計算でやって三倍になるわけでございます。
○八木(一)委員 厚生大臣おわかりですか。複利計算でいくとそういうことです。 ところで厚生大臣、社会保障制度審議会の答申、勧告をお読みになりましたか。
○小林国務大臣 大いに、全部精読したとも申し上げられませんが、読んでおります。
○八木(一)委員 牛丸さん精読しておられますか。
○牛丸政府委員 読んでおります。
○八木(一)委員 それじゃ局長、厚生大臣の答弁にちょっと欠陥があることにお気づきになりませんか。
○牛丸政府委員 ただいまの御質問は、実質という点の問題だろうと考えます。したがいまして、一二・九八%に平均いけば、これは三倍になるというわけであります。しかし、三十九年度の一三%は、まだ名目とか実質とかいうことはこれからの問題でありまして、私どもは一三%というふうに考えてやっていいのじゃないかということでございます。
○八木(一)委員 何とかうまくごまかそうという答弁ですが、これは答弁技術じゃないのです。別に私は、厚生大臣や牛丸さんや加藤課長さんをつるし上げようという気持ちは毛頭ありません。熱心にやろうという気持ちはわかるのですが、大蔵省というわからずやの壁がある。総理大臣をえらいと思っている方もあるかもしれませんが、ぼくらから言わせれば、問題を一つも把握しておらないで、はったりばかり言っておる。あなた方には御苦労があるでしょう。御苦労があるでしょうけれども、その御苦労が実を結ぶようにするためには、逃げを張らないで率直に言っていただかないと問題が進まない。小林厚生大臣、一二・九八を掛けでいけば三倍になる、複利表がありませんから、それは政府の答弁を信頼しておきます。ところが、物価が上がっていますね。社会保障制度審議会の答申では、実質三倍にせよといっているのです。ですから、毎年物価がこんなに上がっておれば、実質は三倍にはならぬ。だから一三というのは正しいということにはならぬ。そんなことを田中角榮君が言ったら、ものを知らぬにもほどがあると田中角榮を論破してやらなければいけないのです。一三%では少ないのです。ですから、この一三%をいまお考えになって、この予算を撤回して一七に戻すという努力をされる。まかり間違ってどうしてもできないことでも、来年は二〇ぐらいやってその穴を埋めて、国民にその責任をとれなかったことについて、それをちゃんとやっていくということをお考えにならなければ困る。池田君だってこんなことは御存じないです。あの人は、われわれは批判しておりますけれども、与党の方は信頼しておることであります。しかし、こういうことについては御存じなくて、さっき言ったように放言ばかりしておる。ですから、総理大臣にも教育して、よくものをわかってもらわなければ困る。わからずしではったりばかり言っておる。そういう点について総理大臣によく教育なさって、あなたもよく御勉強になっていただいて、ものを進めていただきたいというふうに考えておるわけであります。一三%は非常に少ないということであります。 その次に、この基準についていろいろな考え方があると言われたけれども、厚生省としては、御用学者でなくて、ほんとうに中正な学者を集めて、それから生活の実態を調べて、そういうことをやる方法も一つありましょう。それからもう一つは、前から言われておるように、一般の生活水準の平均に対してどのくらいのパーセンテージであるかというのが、非常に大きなファクターであろうと思う。また、そういういろいろなファクターを全部考えて出して、社会保障制度審議会の答申を、いいかげんじゃなしに、完全に尊重するということが大きなファクターであろうと思う。 その間の問題について申し上げますと、一般生活水準については、昭和二十六、七年これに対しての比率が五四・八だったわけです。ところが二十八年に四八・一と下がった。二十九年は四七・八、三十年は四四・八、三十一年には四一・四に、三十二年には三九・七まで下がった。三十四年には三九・一、三十五年には三八・〇に一番下がり切ったわけです。あまり下がったときにぼんやりした政府が気がついて、それから三十六年からちょっとずつ上がり出した。これは前に下がり出したのをカバーしたにすぎない。この二、三年上げた上げたということをよく言われておるけれども、それは罪滅ぼしにすぎない。本来の姿ではないわけです。現在のところで、昭和三十八年には四六・五です。そうすると、昭和二十六年、二十七年よりもはるかにまだ少ないのです。今度のものを上げても、これは厚生省の推計によると四六・八、まだまだ足りないわけです。社会保障はしっかりやるということを政府がしょちゅう言い、国民の世論になり、社会保障制度審議会があれだけ勧告しておるときに、昭和二十六年、二十七年の限度よりはるかに少ないのがなかなか直らない、こういうような現状になっておる。 内容で申し上げますれば、たとえば薄暗い電灯しか生活保護はつけられない。どこに文化的な生活がありますか、もちろんテレビは買えません。年寄りが何かの古雑誌で楽しもうとしても、目が悪くて薄暗い電灯では読めもしないというような状況になっておる。いまの生活保護法の扱いでは、テレビを譲ってもらったときに、心あたたかい前線の人がやっておることがありますけれども、原則としては許されていない。古ラジオが故障してしまったならば、新しく買う費用はどこからも出てこない。お互いに苦しい生活はしていますけれども、しかし比較的恵まれていますわれわれが、ほんとうにその人の身を考えて、ラジオがぶっこわれてラジオも何にもない。目が悪くなって電灯が薄くて本も読めない。食べるものは一級地ですら一食が——これはどれくらいなりますか。飲食物費は四人分が一万円ちょっとこえるということになれば、一人分の平均が二千五百円、一日分の平均が八十円何がし、一食分の平均が二十何円平均ですよ。四級地ですと、二十円切れることも現段階ではあるのです。十八円くらいです。一食二十円あるいは十円台、多くても三十円近く、そんなもので楽しい生活ができますか。裁判所で犬の食費に対する民事裁判があったときに、犬の食費一食分が五十円という計算で払えという判決が出ておる。犬の食費が五十円ですよ。憲法二十五条に保障された食費が一食二十円平均、悪いところは十八円、そういう状態です。食費はそんなもので、電灯は大きなものをつけたらもう生活保護が打ち切られる。ラジオがぶっこわされたら何も楽しみがない。そんな生活をしている人を残しておいて、高度成長もへったくりも何もあったもんじゃない。池田さんに厳重に抗歳をされてそういうものを直される、厚生大臣も責任を持ってそれを直していかれるというような御決心を表明願いたいと思う。
○小林国務大臣 私は八木委員の御意見、ご質問を非常に歓迎します。私も一三%上がたって、これを誇示したことはありません。いばったこともありません。われわれも必ずしも満足しておりません。しかし、国の財政の全体からいまこういう姿になっておるのでありまして、私はあなたの苦言を率直にお聞きしております。これは国民全体として考えなければらぬ問題として承っておるのであります。したがって、あなたのそう言うことは、私は肯定いたします。また、そういう議論が行なわれることを歓迎いたします。しかして、これはわれわれの今後の態度としてても、ぜひあなたの言うことを参考にしていかなければならぬと思います。ただことしの問題としては、あなたにこれをどうこうということはお約束できない、こういうことでございます。
○八木(一)委員 私は一般質問で、私の希望としては十数時間を要するだけの質問量があるのですが、これは与党の方や同党の方がいるから十何時間はできないと思いますが、きょうだけで私の一般質問は終わるわけには参りません。途中で切りますけれども、後日一般質問の続きをやるということをはっきり申し上げておきます。 生活保護問題についても、まだまだ掘り下げる問題がございますが、十分この問題について厚生大臣がさらに御検討になり、その事態において、もっと深く掘り下げて問題を申し上げたいと思います。ただ御研究になることについて、生活保護法の抜本的改正のために、社会党のほうでは、生活保護法の一部を改正する法律案という題目になっておりますが、その中で、生活保障法と名前を変える生活保障法案というものを連続四回ほど国会に出しております。そこにおいて、生活保護の非常な欠点、その基準の低いこと、基準の決定方式の誤っておること、その生活保護法第四条の補足性の原則という鬼のようなジャのような条項をどうやって変えなければならないかということ、世帯単位を個人単位に変えなければならないということ、また扶養役務の追及は不当であるというようなこと、それから自立助長の精神がいまの生活保護法に一つもないということ、それをどうやっていかなければならないかということが克明に書いてあります。それもひとつ御研究になっていただきたい。 それから社会保障制度審議会の答申、勧告にも、わが党の完全なものに比しては、やや手ぬるい感じがございますけれども、しかし、そこにもそれと同様な方向が出ておるということを十分に御検討になって、それを今度実地に生かすというふうな方向で御研究になっていただきたい。その御研究になった段階において、かなり深くこの生活保護法の問題について御質問を申し上げ、厚生大臣の御意見も伺いたいと思います。 それからほかの問題に一応移りたいと思います。 その次に、実は今度は基準の問題になりますが、生活保護法が健康で文化的な最低の生活を保障する基準に対応したものになるということになりますと、今度はほかの積極的な防貧制度、たとえば厚生年金とか国民年金とか、あるいはその他の所得保障制度ですね。そういうことになりますと、結局ほかの積極的なものは健康で文化的な最低限度より上回る。別なことばで言えば、そのことばの内容をどうとるかということは弾力があると思いますけれども、健康で文化的な相当の程度というものが基準として考えられなければならないと思います。厚生大臣も同じようなお考えだろうと思いますけれども、御答弁を願います。
○小林国務大臣 そのとおりであります。
○八木(一)委員 厚生大臣も同じ考えで、非常にその点について確信を強めたわけであります。それは非常に大事なことでございますので、今後厚生省の各局長に厚生大臣のお考えを、局長諸君も同じだと思いますけれども、ひとつ浸透をしておいていただきたい。特に局長各位はここにおられますので、とにかく積極的な防貧制度の基準は健康で文化的な相当の程度が基準だ、それが至当である——相当の程度の考え方については弾力がありますけれども、大臣はそういうお考えであるということを各局長は正式にはっきり記憶をして、その点について努力をしていただきたい。 それはその点で終わりまして、次に、厚生大臣のごあいさつの点にちょっとひっかかる点があるわけであります。ごあいさつを読みますと、厚生大臣が付加して言われましたことの九割九分は非常にけっこうだと思うのですが、一点だけひっかかる点があるのですけれども、これは厚生大臣の御意思じゃないと思う。原稿を考えた官房がそういう考え方で書いたと思うのですが、第一ページの九行目に、「現在、厚生行政は、社会福祉、社会保険、公衆衛生のそれぞれの分野におきまして、」と書いてある。これは厚生大臣の御意思じゃないと思いますが、どういうことですか。
○小林国務大臣 どういう御意図で御質問か私わかりませんが、私は読むこともありますし、自分でしゃべることもありますから……。
○八木(一)委員 意地悪な質問はしないで私の気持ちを申します。いつも意地盛はしませんけれども、意地悪はやめにします。いまちょっとぼんやりしてそういう聞き方をしましたけれども、「社会福祉、社会保険、公衆衛生」という書き方は間違いです。「社会福祉、社会保障、公衆衛生」と書かなければならぬ。ここにいまの厚生省の官房や企画室の間違った考え方がある。憲法二十五条には社会保険などと書いてない。「社会保障」と書いてある。それを厚生省のいままでのしきたりでごまかして、すりかえている。非常に間違った考え方です。厚生大臣はそういうお考えじゃないと思います。これは偶発的に印刷のミスプリントか、事務的な取り扱いで保障が保険にかわったという意味で理解したいと思います。厚生大臣は憲法二十五条の精神に従ってやられるのですから、社会保障ということを考えられて——社会保険というのは部分的に問題を限定した考え方で、大臣にはそのような考え方はないと私は考えます。その点についての厚生大臣のお考えを伺いたい。
○小林国務大臣 これはおっしゃるとおりでございます。
○八木(一)委員 厚生大臣がそのお考えで非常に安心をいたします。国民のために、安心をいたしました。これはミスプリントとして考えたいと思いますが、各局長にもこういうミスプリントをするような状態があるということを深く反省をせられまして、憲法の条章を実際に生かすために、一生懸命に大臣を補佐されるという気持ちに全局長、また部長がなられるようにしていただかなければ困る。社会保険というと部分的になりまして、例をあげて申し上げますれば、社会保険的な考え方のために日本の社会保障制度が伸びていない点がずいぶんある。たとえば国民年金の制度を最初に創設したときにどのようなことが起こったか。拠出制年金で保険料を払えない者は、六十五歳になっても三千五百円の年金はおろか、それを減少したものも、ある程度以下の保険料納入の者はもらえないということがあった。払えない者については免除制度があった。免除制度はあったけれども、免除制度というものはごく初期の例外的な問題と、保険料納入と免除制度がごったまぜにまざった場合に有効に発揮するだけであって、極端な一番わかりやすい例で言えば、免除を全部受けた場合は一文の年金支出の要件にもならない事態があったわけです。そのような不合理を徹底的に国論が追及し、われわれも追求しまして、厚生省の当局も努力をして部分的には直りました。たとえば百円に対して五十円の国庫負担がつく、保険料を納めたら国庫負担がつくけれども、納められない人に国庫負担がつかないという不合理はないということで、百円について五十円の部分は納入できない免除適用者にもこれが積み立てられるということになりました。百五十円に対して七十五円が積み立てられることになりました。しかし、まだその限度にとどまっておる。したがって、保険料を納入することができないような人たちは約三分の一、これは千二百円に上げられるかもしれませんが、六十五歳で約三分の一の年金しか保障されていない。ところが、保険料を納入できないような人が老齢になったならば、またその人が死んで遺族の生活を考えたならば、その人が障害になって苦しいことを考えたならば、最も年金という所得保障の必要度の多い人にこなかったり、少なくなる、こういうところに社会保険主義の害毒がある。社会保障という概念でこれをなされたならば、そういうことはできなかったと思う。ところが、この制度をつくる前にいろいろな厚生省の恣意的な、私的な審議会みたいなものをつくって、そこに保険会社の人を入れてその構想を聞いた。任意保険の民間保険のような構想を社会保障の考え方に入れるのは間違いであるが、そういうような構想を聞いてもとをつくったために、このような弊害が起こったわけです。一例をいまあげたわけでありますが、これは厚生省関係だけではありません。労働省関係の失業保険にも似たような欠点がずいぶんあります。失業の度の一番多い人が、保険料納入期間が少ないために失業保険がもらえない。また、多い人は九ヵ月もらえるけれども、少ない人は六ヵ月しかもらえない。蓄積のない、低賃金しかもらえないような人の失業保険金額が多い人よりも少ない。すべていまの社会保険の概念の根幹が、保険料納入に対比した給付を受けるというような誤った保険的概念で組み立てられている。社会保障というものはそういうものでありません。必要な人に、ブレーキをかけるような条件なしに必要な給付が必ずいく。そのようにならなければほんとうの社会保障ではない。ところが、保険的概念のためにそれが制約されている。そういうことをあたりまえなことのように考えて、厚生省にもそういう間違った意味の社会保険思想が蔓延しておる。そうして社会保障ということばを使いたがらない。あらゆる面ですりかえて、憲法をすりかえて、社会保険という概念でこれを発表して、社会保険をやれば社会保障が完成するような間違った考え方を植えつけようとしている。そういう非常に間違った考え方が厚生省には蔓延しておる。そういうことを直すように厚生大臣としては指導し、監督していかれなければならないと思うのですが、厚生大臣のお考えを伺いたい。
○小林国務大臣 社会保険は社会保障の一種でありますから、お話のような態度であるべきだと思います。
○八木(一)委員 私の考えどおりに御賛成くださって、そういうようにやっていかれるというお気持ちですね。それを確認しまして、社会保険主義と直接には関係はありませんけれども少し関係があって、社会保険でやると手続上ぐあいが悪いからといって重大な問題が実施をされないという問題がある。これもこっちから申し上げます。 五人未満の事業所に健康保険を適用するとか、あるいは厚生年金保険を適用することがなまけられている。こういうことについては非常にいけないと思います。怠慢だと思います。それについての厚生大臣の御意見を伺いたい。
○小林国務大臣 いまの御意見は、五人未満にしろ、こういう御意見があっての質問と思いますが、それはいかがですか。
○八木(一)委員 五人未満の事業所に社会保険の適用がおくれていることは非常にけしからぬ、それについてどう思うかということです。
○小林国務大臣 これは五人未満の経営状態とか、あるいは雇用の状態の不安定とか、いろいろな原因があっておくれていますが、できるだけ早く適用すべきである。こういうお考えにはわれわれも全く同感でありまして、現に五人未満でももう二十万人近く入っておるのでございます。しかし、まだ相当数の未加入者があるから、これを入れるようなあらゆる努力をわれわれはしなければならぬ、こういうふうに思っております。
○八木(一)委員 包括の適用で入れるということを行政的に努力されることはけっこうです。それは前からあったけれども、それで片がついていない。法制的にこの五人未満の事業所に強制適用するということを当然考えなければいけないことになっており、これはこの社会労働委員会の論議で、数年間口をすっぱくして言い、各厚生大臣がそれに基づいて努力をすると言っており、あらゆる察議会が答申に基づいて強い勧告をしており、それから与党の社会部会だってそういうことをお考えになっておられると推察しますし、野党ではもう十何年前から絶対に適用せよということを言っているのです。国民もそれを要望している。それを厚生省が事務的に怠慢であって実行されない。これは厚生省の非常に大きな責任だと思う。小林さんは大臣になられてからそんなに時間はありませんけれども、小林さんの任期中に、どんなことがあっても強制適用を実施するというような御決心になっていただきたい。それについての小林さんのお考えを伺いたい。
○小林国務大臣 いつまでやるかわかりませんが、したがって、期間が短ければできない。しかし、私どもはそういう方向に持っていくつもりで事務当局を督励いたしております。
○八木(一)委員 この問題については、官房企画室か、保険局か、年金局かわかりませんけれども、こうした問題を担当している高級公務員はだれですか。
○小林国務大臣 保険局長です。
○八木(一)委員 保険局長に伺いますけれども、その準備はどのようにできておるか。
○小山政府委員 高級ではありませんけれども、一部を担当しておりますので申し上げますと、保険、年金、それから社会保険庁、この三つで共同してやっておりますが、もう一つ、来年度は労働省を加えまして、四つで、これはもう終点はきまっているわけですから、どういうやり方で終点にたどりつくかという方法なんかを明年度中に編み上げようじゃないかということになって、それぞれ若干ではございますけれども、予算措置をお願いするような内容になっております。一年間の間に何とか対案をまとめる努力をするという目標を立てて進むことになっております。
○八木(一)委員 今度の三十九年度予算には、何かその予算の裏づけはありますか。
○小山政府委員 いま申し上げた省内の三つ、それから労働省は、多分失業保険と労災両方に入ったと思いますが、それぞれ若干でございますが、計上しまして、費用をお互いに持ち寄り、人間もお互いに集め合って努力をする、こういうことになっております。
○八木(一)委員 それだったらけっこうですが、いままでの例では、労働省のほうがこの問題については厚生省よりも積極的なんです。厚生省のほうが、こういう問題については本腰にならなければだめです。ところが、その弟分と言っては労働省はおこるかもしれないが、この問題については二番目の順位であるところが熱心で、一番肝心なところが不熱心では困る。いままで不熱心だったことをお確めになりますか。
○小山政府委員 努力が十分でなかったという点は、おっしゃるとおりだと思います。ただ、これは別に労働、厚生、どちらが熱心で、どちらが熱心でないということはないわけであって、両方常に共同して研究をしているわけでございます。問題は、ことばでどう言っておるかということではなくて、対案としてどういうものをつくり上げることができるか、そのことが問題でございます。
○八木(一)委員 そういうことで非常にけっこうですけれども、いままでの実績では、ことばだけでなくて、事務組合みたいなものをつくってやることを、先鞭をつけたのは労働省のほうです。これは四、五年前だと思います。どうもいままでは、厚生省のほうがこの点では歩みが鈍かった。いままでのことは言いませんけれども、これからは労働省をがっと引っぱる。あんな四十一年とかなんとかいう変な目標でなしに、来年度には必ずやる。いま小林厚生大臣がいいことをやろうという決心をお示しになったのを、事務当局も厚生大臣に全面的にお手伝いをして、断じて来年度はすぐやる、調査なんということなしにすぐやる、このくらいな勢いでやらなければいけないと思う。そのことについて、厚生省には有能なスタッフがおられるのですから、うしろにいるのはずっと有名な秀才ばかりですから、ほんとうにやれと言えばやる能力があるんですよ。ですから、絶対に来年にはできるように、調査なんという手ぬるいことでなくて、実際にできるというふうに推進していただきたいと思います。それについて厚生大臣の御意見を伺いたい。
○小林国務大臣 これはもうあなたの御意見に対して私は賛成をし、そういうふうにいたしましょう。みな聞いておりますから、それに従って補佐してくれる、かように存じております。
○八木(一)委員 厚生大臣に、ちょっと気になることがあるのですが、この前本会議で答弁なさったときに、社会保障に積極的に取り組む御決心を御披瀝になったときに、社会保障研究所ができるので云々という御発言があったと思うのです。厚生大臣御自分の御発言であって覚えていらっしゃるかどうかわからないし、私もきっちり覚えてないのですが、社会保障研究所が設立されて、それの研究の成果を待って本格的に取り組むということに聞こえたのではないかというような感じがしたわけです。それであってはちょっと困ると思う。そこで、親切な質問にしますが、社会保障研究所というものは、ほんとうに純粋に中正公平に学問的に社会保障の問題について研究すべきものであって、社会保障研究所の研究成果を待って行政をするというのは誤りだと思う。行政をするのは、これは最高に社会保障制度審議会があり、その答申、勧告を尊重してやる。具体的な問題については下部の社会保険審議会とか年金審議会とか、そんなものがあるけれどもそういう意見も参照されたらいいけれども、最高には社会保障制度審議会の答申、勧告を尊重してやられるということでなければならない。あのときはことば足らずでおっしゃったのか、私が聞き間違えたのか知りませんけれども、あの答弁では、社会保障研究所の研究の方針に従ってというふうに聞けないことはなかった、それでは誤りだと思うのです。そういう御意味ではないと思うのですが、これは基礎調査であって、方針については社会保障制度審議会の方針を最高のものとして、その他の審議会の方針を参照して、それでやっていくというような方針でなければならないと思いますが、それについてちょっと伺いたいと思います。
○小林国務大臣 それはもうお話のとおりで、必要なものはやはり行政はどんどん進捗せしめる。もっと根本的な問題等にいろいろ検討してもらう問題がありますけれども、きょういろいろお話になったような問題をここへかけないうちはやりませんなんということは申しません。きまることはどんどんやっていきたい、こういうことでございます。それで趣旨としてはあなたのおっしゃるとおりであります。
○八木(一)委員 もう一回確認しておきますが、社会保障研究所では基礎調査をする。調査のデータに従って、社会保障制度審議会やほかの審議会で、こういうデータをもとにして、どういう方向で進めるべきかという論議が行なわれ、方針については社会保障制度審議会をはじめとする各審議会の意見を尊重されて、最終的には政府が決定される、その基礎のものを、社会保障研究所が基礎のデータなり、そういうことをやられるというふうに解釈するのが当然であると思いますし、厚生大臣もそういうふうにお考えだと思いますが、もう一回だけはっきり……。
○小林国務大臣 お話のとおりだと思います。
○八木(一)委員 その次に、まだ時間があるようですから、社会保障制度審議会の答申、勧告をよくお読みになったそうですか、社会保障制度審議会の昭和三十七年八月の答申、勧告を内閣総理大臣に大内兵衛会長から出されましたときに、社会保障制度審議会の決定に従いましてその問題を実際に行政的に進めれば、あのときの物価水準ですけれども、物価で変わりますけれども、このような予算になる、概算になるという計算をしたものがあって、それをつけて内閣総理大臣に出すという決定をしたわけです。大内会長からも、それをいたしましたという答弁があるわけです。そのつけてあった概算表について、これは厚生大臣が御存じであるかどうか。
○小林国務大臣 私は、正直に申して承知しておりません。
○八木(一)委員 それでは企画室か官房で知っておりますか。
○伊部説明員 審議会のほうから資料をちょうだいいたしております。
○八木(一)委員 企画室少ししっかりしてもらわなきゃ困りますが、そういうような概算表、たとえば社会保障制度審議会の昭和三十七年八月のものを実際に進めるのにはどのくらいの予算が要るというようなことは、非常に重大な問題なんです。それを責任者である厚生大臣に——厚生大臣はその勧告のときには、まだ厚生大臣でなかったから、御存じにならなくてもいいですが、それをお読みになるようにすすめる、そういうような補佐がなければほんとうに企画室とも官房とも言えない。全くの手落ちだと思う。これは小林さんの前の厚生大臣も知っておられるかどうかわからない。小林厚生大臣以前の厚生大臣にも、企画室としてはあなたが担当だったかどうか知らないけれども、それを厚生大臣にお見せしたかどうか、知っておられたら伺いたしと思う。
○伊部説明員 勧告をちょうだいいたしました当時の大臣には御説明申し上げてあると思います。
○八木(一)委員 非常に重大な責任だとお考えになりませんか。企画室長に伺います。
○伊部説明員 実は審議会からのお話では、これは非常に参考的なものであるという点が一点ですね。それから第二点といたしまして、実はあの数字の積算基礎につきましても、あの数字が出ましたときにいろいろ数回協議をいたしたわけでございますが、積算基礎におきましていろいろ不明な点がございます。したがいまして、われわれのほうといたしましては、個々の数字ということよりも、要するに社会保障制度審議会の勧告の御趣旨とされます西欧水準並みの社会保障を実施せよというめどとして、参考的に御掲載になったものではないかというぐあいに思っておりまして、事実、たとえば厚生年金保険の今度の目標水準が審議会の目標水準をこえるような状況でございますので、そういう意味からも、あの数字はあの時点においての意味は大いにあった、そういう勉強もいたしたということであります。
○八木(一)委員 いろいろな弁解を言っておられますけれども、参考としても、それから大まかな予算の推定の参考としても、そういうことは大臣にとって一番大事なことなんです。事務局よりも大臣のほうが大事なんです、どういうふうになるかというのは。そういうものを歴代の大臣にも報告をしないで、そんなことで社会保障制度審議会の答申、勧告を尊重したと言えますか。大体がそういう点でけしからぬです。それから、いまいませんけれども、いたら総理府の長官をちょっとすぐ呼んでください。大体大事なこの勧告をどう思っているのですか、企画室は。「われわれは総会十六回、全員委員会三十六回、各種の分科会等数十回をもった。」というようなことで、これは総理府ですけれども、政府のほうが委嘱されたいろいろな学者が一生懸命やられた。そういう熱心な審議会なんです。情報を聞いて知っていらっしゃると思うけれども、最後の総会のときには激論数時間に及んで、今井一男君が総理官邸の食堂で吐血をして倒れるまで論議をしている。そのくらい熱心に政府が委嘱された学者が討議をした結果を、それを報告もしないとは何事ですか。あなたは最近かわられたのかもしれないから、あなた自体の責任は追及しませんが、厚生大臣、これほど制度審議会並びにいろいろなものについて尊重すると言われながら、こんなに尊重されていない実態がある。これは社会保障制度審議会だから厚生省だけではありません。内閣自体、おそらく総理府も似たようなことではないか。そういう点で全部がたるんでおる。真剣ではない。そういうことを戒めるように厚生省は厚生大臣が戒められ、内閣全体については閣議で、こういう事態がある——この方はかわったばかりですから、個人の何々が悪いとおっしゃる必要はありません。全体に役所がたるんでおるし、熱心な審議会も不熱心な審議会もあるかもしれないけれども、不熱心な審議会があるからといって、熱心な審議会のことを同じように扱って、一生懸命審議されたものを報告もしない、大臣に読ませもしない。おそらく池田君は読んでいないに違いない。そういうことについて、池田君が読んでいないといけないから、正しい政治ができるように池田君を呼んでいろいろと質問の中で教えてあげようと言っているのに、一年半出てこない。官房長官の黒金君がぼやぼやしてそれを取り次ごうとしない。自民党の国対委員長が政治的なセンスを出そうとしない。そういうところに、全部政治が曲がっておる。委員長、そういう経過は少し御存じだと思いますが、そういう曲がっている経過を直すために、委員長も御努力を願いたいと思います。 そこで、具体的な問題を申し上げますが、そこの概算ですが、一つだけ申し上げます。たくさん言っても時間がかかるでしょうし、幾ら頭のいい厚生大臣も、一ぺんに数字をたくさん覚えられませんから、一つだけ申し上げます。 昭和四十五年度に、この答申、勧告を出した昭和三十七年度の物価水準——物価水準を入れないで考えてはいけませんよ。その物価水準で一兆二千五百三十億という国費支出が社会保障関係に必要だ。ですから、いまみたいに物価が上がっていますと、ほんとうに尊重するためにはもっとふやさなければいかぬですが、そういうことになっておる。そうなれば、今度の厚生省予算が、社会保障といろいろな事務費もあるでしょうが、大体社会保障重点の厚生省予算が二〇%余、そんなことでは間尺に合わないですよ。五〇%ふえても間尺に合わない。そういうことをまず頭に入れられて、田中角榮君なんかに絶対に論戦に負けないように、池田勇人君なんかがぼんやりしないように教えてやって、予算を取らなければいけない。三十七年度の物価水準で、昭和四十五年に一兆二千五百三十億ですよ。それをよく覚えておいてください。そうなれば厚生省の二〇%アップなんというものは問題にならない。それについての厚生大臣のお考えを伺いたい。
○小林国務大臣 私は今度予算編成に当たってみまして、むろん私どもの省の社会保障関係経費をたくさんふやしたい、こういうことを考えますが、何といたしましても予算というものは国民所得の再分配の問題でありまして、ややともすれば、まだ日本は貧乏だな、金がないな、私もこういう考え方にぶち当たらざるを得ない。だから私どもは全体としての調和の中で予算を得る、こういうことが必要であります。したがって、私どもはあとう限りの努力をするが、やはり社会保障もその他も国全体の予算が何とか調整と申しますか、調和のとれることを考えなければならぬ、こういうことは考えます。お話のようなのは、いまの国民所得の問題をどう見てかの問題でもありますし、いまのように予定のとおりに高度成長ができて国民所得がふえていけば、その中の分配はこういうふうになる、こういうようなお考えであろうと思うのであります。そのもとが変われば、やはり国全体としては何か考えるところがなければならぬ、こういうふうに考えております。
○八木(一)委員 親切に御説明します。これは政府の所得倍増計画に合わせて社会保障をどのように伸ばすか、その目標は非常に手ぬるい目標であります。比較的社会保障制度の整備されている西欧諸国の昭和三十六年の現段階に、四十五年に追いつくという案です。ですから、四十五年にこのとおりになっても、まだ十年間おくれておるわけです。それでこれなんですよ。昭和三十六年の西欧諸国の標準に追いつくのにこれだけ要る、まだ十年間おくれておる、こんな手ぬるい案でこれだけになるのです。こういうことを大蔵省のわけのわからない連中を全部集めて講義しなければいかぬ。総理大臣なり、そういう連中にもそうしなければ、問題は展開できない。 そこで毎年予算を要求されるときに、大蔵省のほうから、概算要求は各省の前年度要求の五〇%にとどめてくれ、そういうようなことがいつも閣議決定をされると伺っておる。ことしもそのようにされたかどうか、伺いたいと思います。
○小林国務大臣 そのようにいたしました。
○八木(一)委員 それはいいこととお考えになるかどうか。
○小林国務大臣 これは各省を同じ格づけにすることは、むずかしいと思います。したがって、必ずしも絶対例外がない、こういうふうな考え方はできない。また、そのような保留をした閣僚もあります。
○八木(一)委員 小林さんは保留されたですか。
○小林国務大臣 私は、ことしはいたしませんでした。
○八木(一)委員 保留されたのは何大臣ですか。
○小林国務大臣 それは急に出てきた役所というものがたくさんあります。そういうところは、 いままでの標準でやられては伸びがない。たとえば、私が聞いたところでは科学技術庁とか、そういうところはそういうことをいたしておられました。
○八木(一)委員 大体最終的にきまるのですから、最初の要求を五〇%にとどめてくれというような田中君の申し出が間違っておる。そういうことを田中君にさせている主計局が間違っておる。大蔵省が日本国全体を支配しようというような現状である。そういうような主計局のやり方について、最高の責任をとる閣議でそれを徹底的に批判をして、そういう思い上がりはやめさせるというふうにされなければいけないと思う。それをあとで査定するのは、ある程度査定しなければならないでしょう。当然この省としてやらなければならないものを五〇%に一律にとどめるというようなやり方は、これは時代錯誤です。すでにやや完成した制度もある、これから猛然と発展しなければならぬ制度もある、それを同じようにとどめるというような頭自体がどうかしている。田中君なり主計局長なり、そういう者の迷妄をさまさずに国政を運行するのは誤りで、ある。そういうことがあったら断固として反対する。それを池田君が大蔵省上がりということで処置しようとするならば、総理大臣の間違いを指摘しなければなりません。発展すべきものと、やや発展のスピードが落ちていいものとある。われわれに言わせれば、なくてもいいものもある。そんなものを、同じように最初の要求をかぶせるというのは大間違いである。実際の査定では小林さんもさんざん努力されて、ほかの省よりも厚生省は伸びがちょっと多いでしょう。そういうことがある。そういうことが大蔵省のえげつない査定のやり方の中で通るということは、あなた方がほんとうの主張をされるならば、最初から五〇%でかぶせるようなことは絶対できぬ。二〇%にとどまらず、五〇とか六〇の増額を取り、財政全体ではほかの不必要なものを削減するというように、国政をよい方向に直すという契機があるわけである。そういうことについてぜひ勇敢にやっていただきたいと思います。私は厚生大臣かかわるたびにそれを申し上げている。ところが、前の厚生大臣は、それをしますと言いながらそれの申し送りをいたしておられないらしい。ですから、その申し送りを忙しくて忘れられても、それを補助すべき官房がそういうことについててんでその気がない。小林さんがここ十年間厚生大臣でやっていただければ論議はどんどん浮くのですが、小林さんが総理大臣になられるかもしれないし、何年もやっていられるという状況にないのが残念です。それは与党が間違っている。適任ならば大臣は五十年、やってもいい、不適任ならば一ヵ月で、やめさせるということになってもいい、そういうことです。それをぽかぽかと首をすげかえるようなことをやったら、ほんとうに行政がいかないのです。そういうことが間違いであるということを池田君に言ってほしい。みんなに大臣の肩書きを着せて、選挙にぐあいよくなるというような考え方で国政をやられてはたまったものではない。自分が、厚生大臣として、労働大臣として、大蔵大臣として最初適任だと思ったならば最後まで続けるべきであり、たらい回しみたいなことをするのはほんとうにけしからぬことだということを言っていただきたい。それで総理大臣がそれを反省しないで、やらないような総理大臣なら、そういうような総裁はやめさせるというような意気込みで進んでいただい。それまでにやめなければならぬという時代には、これぞ大事だと思ったことは必ず次の厚生大臣に確実に申し送りをする。官房がそれをなまけるようなことは許さない、そういうふうにしていただきたいと思います。今後予算について五〇%の制限をするようなことは断じて、やらせない、そのような御決意を伺いたいと思います。
○小林国務大臣 よくわかりました。
○八木(一)委員 それでは同僚議員が待っておられますから、あと、二、三分で終わります。 たとえば国民健康保険を何とか四年間かかってやるというようなへっぴり腰、なぜ一ぺんにやれないか。日雇労働者健康保険はあのようにほかの社会保険より給付が少ないのに、なぜそれを直そうという積極的な意欲を示されないか。これは厚生大臣自体の責任としても、あらゆる審議会の答申、勧告を尊重する点においても、この委員会における附帯決議その他を尊重する点においても、あらゆる点で怠慢であります。政府のやったことの怠慢を十分に反省をせられて、それを急速に取り返される、このような御努力を最大限度に、職を賭してもやられるということの御決意を伺っておいて、あと十時間分質問がありますが、それはあとにいたしまして、その御決意を伺いたいと思います。
○小林国務大臣 いま、職を賭してと勇まし過ぎることは私は申しませんが、お話のような必要がある、さような決意で努力する、こういうことを申し上げます。
○八木(一)委員 質問は留保しまして、あと十数時間分ございますことを申し上げておきまして、きょうは一応ここで終わります。
○田口委員長 小林進君。
○小林委員 申し合わせの時間もございまするので、ごくかいつまんで要領よく御質問をいたしたいと思いますので、ひとつ御答弁も明確にいただきたいと思うのであります。厚生行政一般についての質問は次の機会に譲ることにいたしまして、私は当面非常に世上を騒がしくいたしておりまする、非常に緊急処置を要するインターンの問題について、厚生当局の善処を促したいということで、質問をいたしたいと思うのであります。 厚生大臣が御就任になりまして、まだ所信表明を聞いたばかりでありますけれども、最近の新聞紙上等に拝見いたしまする厚生行政の混乱というものは、私はどうもその極に達しているのではいか。カラスの鳴かない日はあっても、医療行政に関する問題が紙上をにぎわさないことはないという状況でございます。そこへもってきて、今度はまだ医者の卵にもならない者が、白衣を着て東京都内を悲痛な声で叫んでいるという。その陰には看護婦さんがだんだんなくなっていく。四十一万も定員があるにもかかわらず、実労働をしている者は十七万名しかいない。看護婦なんかやめてしまえといって病人をほうり出して、看護婦さんがその職業に興味を持たないという状況、実労働に携わっている職員も、まさに明日の希望がないという状況、厚生行政の中で特に医療行政は、何を取り上げたところで、満足にいっていることが一つもないのであります。まさに世上を騒がしているそういう中で、かすかに漏れ承りますれば、厚生大臣は非常に豪気で、何かおやりになっているそうでありまするが、いやしくも一国の行政を担当している者が世間を騒がして、関係者を騒擾の中に投げ入れているようなことは、これは厚生大臣としては下の下たるものであります。こういうような状態が行なわれているのは、実に慨嘆にたえない次第でございまして、そういう問題は、大臣の姿勢みずからも大きく反省をしてもらわなければいけないのではないか、特に医療行政の問題等は、あなたの前任者の前任者のそのまた前任者、数代の大臣が血肉を分けて苦労をしながら、やっと前厚生大臣が中央医療協までつくり上げてやや軌道に乗せて、ようやく一つ問題がおさまりかけたかと思うときに、また前回にまさるような丁々発止の火花を散らして、一切の苦労がまさに水泡に帰するような状態に投げ出されておる。これは大臣がひとりよがりになって厚生省の大臣室で官僚を叱咤をしていばっていたところで、問題の解決になるどころではないのであります。これはもう大臣の姿勢の問題でございまして、まことに私は嘆かわしい。嘆かわしいが、時間がありませんから、こういう一般質問はまた明日に延ばして、これはひとつ堂々の陣を張りながら、私は所信を述べていかなければならないと思うのでありまするが、きょうはその中のたった一つの、インターンの問題——これももう、いわば出願の手続をする時期は過ぎているのですから、過ぎているにもかかわらず、三千百有余名の学生諸君は、厚生行政のあり方は断じて承服できないと、試験も目前にしながら、彼らは試験を放棄してあれほどの大騒ぎをしている。われわれは心配でありまするから毎日見ているけれども、その中に厚生省のこれをどう解決するかという答案が、まだ一つも出ていないのです。出ていないということは、よきにつけあしきにつけ、大臣の無能を表明しているのであるといわなければならない。無能ですよ、残念ながら。あなたの無為無策、血能を表明しているものである。これは嘆かわしいです。 そういうことでまずお伺いいたしますけれども、いま学生がその出願を保留いたしまして、一月の二十五日には、みずからああやって日比谷の公会堂なんかに全国の学生の代表が集まって大騒ぎをいたしておりますけれども、四月を期してインターンになろうというその学生がなぜ騒いでいるのか、その実情を厚生大臣は一体御存じになっておるのかどうか、お聞きをいたしたいと思うのであります。大臣にお尋ねをいたします。
○小林国務大臣 だいぶ前言でいろいろ仰せられましたが、私は医療行政がそう混乱しているとは思っておりません。医療は現に秩序正しく行なわれております。ただ、一部にいろいろの論をなす者がありますが、医療行政そのものが非常に混乱をしておる、こういうふうには私は思っておりません。また、中央医療協の問題は、私が諮問をして、その諮問に対することで三者がいろいろの議論をなされておるわけでありまして、この内容に私は関与いたしておりません。したがって、厚生省がいかにもこれを混乱せしめておるようにもし思われるならば、非常な誤解であるということをあらためて私は申し上げておきます。これはあなた方も一方的のお話だけでお聞きにならないで、十分にそれぞれの関係者からお話を聞いた上で御判断を願いたいと私は思います。さようなことを私は、余分なことであるが、この際つけ加えておきます。なお、医療協は、現に別段解散もしておりませんし、別にまたこれが決裂をしておるわけでもありません。現に二十五日におきましても、会長は、われわれはこの審議を継続する、したがってその間にいたずらな政治的の取引その他はしてもらいたくないということをあらためて私に報告をいたしておるのでありまして、その辺のことはひとつ十分お含みおきを願いたい、かように存ずるのであります。 なお、インターンの問題でありますが、インターンが騒いでおる、これは一つの事実でありますが、身分あるいは待遇等につきましていろいろ御不満のあることもわかる。したがいまして厚生省は、現に予算はとにかくわれわれの希望どおり成立はしなかったのであるが、大蔵省に三十九年度の予算も要求しておる。しかして、その中の一部分は成立しております。これは、御承知のように宿舎の問題もあり、国立病院等につきましては百人の宿舎を用意する、こういう予算も成立しておりますし、またインターンを、受け入れる施設に対しましても、その謝礼あるいは庁費等についての補助金も、従来五百万円であったのが二千何百万円かにふえておるのでありまして 私どもが何にもしないで漫然としてこれをながめておったということは、一つの誤解として受け取っていただきたいのでございます。むろんわれわれの要求は五億余要求しておったが、十分な予算の成果をおさめておりません。しかし、私は、先般の本会議においても、私の口からあらためて申し上げたのでありまして、身分、待遇等においても十分考慮すべき問題であるということを言い、前向き姿勢で私どもはこれを考える、こういうことを言っておりますが、最近、二、三日前にインターンの代表者に会いましたら、そこの審議会から出た答申に基づく協議会をいつ発足するか、だれが委員になるか、その日付を言わなければわれわれは引き下がらない、こういうようなお話でありますが、前日にその答申を受けて、きょう、いつからそれを発足しますなどということは物理的にもめんどうな問題であるということはお察しがつくかと思うのでありまして、私どもは、われわれ厚生省がとにかく責任を持ってこの問題について善処しよう、こういう考え方を示しておるのでありまして、これを放置するという気持ちはありません。したがって、現段階において、来年度の問題はきょう、あすの問題ではない、こういうことで十分審議の余裕もあり、来年度の問題として私どもは相当な措置をいたすつもりでその準備をするわけであります。そういう事情でございまして、この問題は、何もきょう起きた問題ではありません。この問題はすでに十八年進行しておるのでありまして、これをわれわれは、いろいろやはりお話もごもっともな点があると思って、それに対して善処したい、こういうふうに考えておるのでありまして、いまの、まだきょうおさまらぬとかあすおさまらぬとか、こういう問題は、協議会の発足の日時をここで言え、こういうお話であるから、それはいまできない、こういうことを申しておるのであります。事情だけを説明申し上げておきます。
○小林委員 どうも、医療行政が整々と秩序よく行なわれている、単に、騒いでいるのはその一部であるという、これは実におそるべき大臣の見解を私は承りました。そういうような認識でいられるから問題がおさまらない。そんなことでいられるから問題がおさまらないのでありまして、医者が騒ぎ、医者の卵が騒いで、看護婦が騒ぐ、職員が騒ぐ、それはまさに医療行政なんというものは、一皮むけば噴火山の頂点にいるようなもので、どこからでも火をふき出す、実に危険な状態にある。病院は病院で、患者に食わせる費用もないというようなことで、一つ火をつければどこからでも、大火事で燃え立ってどうにもならないような、そういう累卵の危うきの状態にある今日の実情を、整々と秩序よく行なわれて、騒いでいるのは一部だなんというおそるべき大臣の見解を私は承った。けれども、その問題は、いまも申し上げますようにいまここでやっては時間がもう足りないから、これは来週の議題にしておくのでございまして、まずインターンの問題ですけれども、その原因は那辺にあるかといえば、いま少しくきめこまかく応答していかなければならぬのでありますけれども、三十八年七月でございましょう、医師試験審議会の答申、その答申に基づいて厚生省がその予算を、答申を正しく実施せられないというところに問題の原因があるのでございましょう。なぜ一体答申を尊重しないのであるか、なぜ答申どおりに予算を約まれないのか。私どもはいろいろ研究してみますに、あの審議会の答申というものは、インターン制度の完成を目ざしたものでなく、ほんの当面これだけのものは最低限度手当てをしなければならないという、ほんとうに最低にして最も可能な答申にすぎない。それをなぜおやりにならない。話は余分になりますけれども一、特に厚生省は、何でもかんでもみんな審議会を設けてはそこへ問題を提起しておいて、そしてじんぜん日を重ねておいて、今度は答申が出てくると、その答申を、部分的に自分の都合のいいところだけを用いて改正をしたり、あるいは都合の悪いところはそれを放置したり、先ほども言われるように、制度審議会の答申なんかも一三年も四年もかかって、その間だけは、答申が出るから答申が出るからと言って答申に名をかりてサボタージュしておいて、今度出たらその答申を一つも尊重しないという、実にずるい怠慢なやり方をおやりになっておるのでありますけれども、今度の問題も何でもない。あなた方は特に医師試験審議会にこのインターンの問題の答えを求められて、出てくれば尊重するというかまえもわれわれに答弁をせられた。ところが、出てきたらばそれを行なっていないじゃないか。だから学生は憤慨する。憤慨する者が悪いのか、答申を正しく尊重しないでおるあなた方のほうに一体罪があるのか、私はそこをお伺いしたい。なぜ答申どおりにおやりにならないか。三十九年度にその答申に基づいてどういう予算措置をされたのか、まずそこをひとつお伺いをいたしたいのであります。
○尾崎政府委員 答申の項目といたしまして、まず実地修練施設の庁費を一億九百万、それから指算していただきます先生方に対する謝金を一億一千八百九十六万五千円、さらにインターン生が病院に泊まり込みまして勉強ができますようにという意味で、宿泊施設の整備費の補助を二千五百二十万円、実地修練生の生活を、安定させますようにという立場で、これはいまの審議会からは国が修練生に対して費用をやれというふうなのが第一案で、第二案といたしまして、それができなければ貸与金、金を貸すような制度を考えろという案がございましたので、後者の貸与金を三億六千万、そのほか実地修練施設の実態を見せてもらいましてレベルを上げていく指導費、これを百二十六万円、合計五億一千四百九十五万三千円を要求いたしたのであります。このほか、意見書には修練生の身分をしっかりさせろとかの御意見もございますが、この関係は医師法をいじるかどうかという問題に関係いたしますので、これはあまりやらないで、全面的に予算を要求しておったわけでございます。
○小林委員 その五億六千三百万円の要求に対して、一体幾らが予算化されたのでありますか。要求ではなくして、現実にその答申にこたえる三十九年度の予算は一体幾ら決定をされたのか。
○尾崎政府委員 予算総額は、三十九年度の予算といたしまして二千百八十七万九千円でございます。この費用は、先生方に対する謝金が一千万、それから施設損料、これが一千八十五万でございます。それから最後に申しました指導費が九十四万一千円、これで昨年の四百九十一万七千円に対しまして二千百八十七万九千円、なおこのほかに、先ほど大臣から御答弁がございました国立病院におきましてのインターン生の宿舎整備費が二千六百万余りあります。
○小林委員 五億六千三百万円のあなたの要求は、一応審議会の答申にこたえようとしたための最低限度の要求でございましょう。あれは最初からサバを読んだ予算でございますか。そのサバを読んだ予算か最低限度の予算か知りませんけれども、五億六千三百万円の要求に対して二千百九十万円の予算の決定というのはどういうことですか。何十分の一ですか、それだけしか取らない。それであなたは満足をしておいででありますか。大臣、それで満足をしておいでですか。また、答申の線に沿うた形はこれでよろしいとお考えであるか、お聞かせ願いたいのであります。
○小林国務大臣 満足はしないが、やむを得ずそういうことになったのであります。
○小林委員 そういう予算の問題よりも、私はあげ足をとるわけじゃないが、さっきあなたはいみじくも、この問題はきのうやきょうの問題じゃない。十八年以前からこれは燃えた問題である、そのとおりです。十八年前からもこの問題が火をふいてきていたとするならば、今日ここにきて学生が騒ぐなんというのは、われわれも言わせればおそすぎる。同時に、十八年も前に起こった問題であるならば、なぜ一体その間これに対する修正をしなかったか。大臣は十八年とおっしゃったから、私はその十八年間、何にもしてこなかった厚生省の責任をここで陳謝をしてもらわなければいけない。あなたのおっしゃるとおり、二十一年にこの制度を設けられて、二十三年にはもはやこれに対する運動が起こっている。二十七年にも起きている。二十八年にも起きている。二十八年に、すでに二億円の予算の要求が出されている。そのとき決定を見た予算が七百万円であります。二十八年に、十年以上前に二億円のインターン制度に対する予算の要求をして、そのときに七百万円の金額が実現を見ている。その後は一体何をされたでしょうか。十八年の間、その後何をされたか。昨年度の予算は一体幾らですか。わずかに五百万円じゃないですか。十八年も前から火をふいている問題ならば、二十八年に二億の予算を要求して、七百万円の予算がついているならば、三十八年に、あなたが努力されているならば、この予算は物価の値上がりを含めても、少なくとも一億や二億の予算がついていなければならぬ。二十八年に七百万つけた予算が、三十八年度には五百方円に低下をしているということ、そこに、いわゆる厚生省というものが、こういう重大なインターン制度という、いわゆる医者の卵の基礎をつくる問題にいかに冷淡であるか、いかに投げやりにしているか、いかにサボタージュしているか、騒がなければ、百年たっても何にもやらないという、その根性がまる見えになっておるじゃありませんか。あなたが十八年とおっしゃるならば、その十八年における過去の努力はどんな努力をしたか。しかも、なぜその二十八年の七百万円が、三十八年に五百万円の予算しかつけ得なかったかという、その経緯もあわせてお聞かせを願いたいと思うのであります。
○小林国務大臣 私は存じませんから、調べてお答えいたします。
○小林委員 そのとおりなんです。大臣はそのとおりなんです。そこに、大臣の厚生大臣として資格を、われわれは残念ながら云々しなければならないという基本問題が出てくるわけです。いま初めて起こった問題じゃない。十八年間の大きな問題である。こういうふうにだんびらを切って広言をしておきながら、しからばその十八年における努力の姿は一体どうなのかといったら、調べてみなくちゃわからない。そんな答弁がありますか。そういう姿勢がありますか。それだからやむにやまれずしてこういう追い詰められた学生が、火をふいて騒がなければならないという問題が起きてくる。きょう起こって、きょう原因があって、きょう騒ぐ問題ならば、これはやむを得ないという話もあるのだろうけれども、十八年前から起こっている問題ならば、いやしくも将来の医学生の基礎に関する問題ならば、その十八年間に何らかの手入れをしていなければならぬはずじゃありませんか。そんなことではいけませんよ。そういうような姿勢が、いわゆる歴代厚生大臣の姿勢であり、厚生官僚のあり方なんです。官僚のあり方なんです。実に無責任きわまる。こんなことでわれわれが了承できるものじゃない。しかも、私は言いますけれども、医師試験審議会は一体どういう改善策を小林厚生大臣に出されたのか、その内容をお聞かせ願いたい。私の調査によったところでは、大体五つの問題に集約して審議会の答申がなされている。これは小林厚生大臣になされておるのです。施設と指導体制を十分期待できるように厳選せい。おやりになりましたか。第二番目は、実地修練の内容を改善せい。実地修練の内容の改善をされましたか。第三番目には、実地修練者の生活の不安定を除き、実地修練に専念させるようにせよ。学生が騒いでおる問題の中心はここにあるのですよ。この問題を一体具体的にどう予算化されたか、どう処置されたか。第四番目には、施設に対する国の助成処置を強化せよ。これがいまもおっしゃるように、五億何ぼに対して一体施設の補助金は幾らです。第五番目には、国家試験を再検討せよ。これはインターン制度の存廃も含めて大いに研究せよ。こういう形の答申がなされておるが、いまあなたの答弁の中には何もこれが出ていませんじゃないですか。何もこれが具体化されていないじゃないですか。御答弁を願いたい。
○尾崎政府委員 このインターンの問題につきまして、十八年間何もしてないじゃないかというお話でございますが、前任者の方々が、たとえば国立病院のインターン生に対して手当を出すというふうな予算を出すとか、いろいろ御努力になっておりましたが、予算が標準予算になっておりまして、なかなか実を結ばなかったのであります。この問題につきましては、学生が騒ぎだしてからわれわれがアクションをとったわけではございませんで、この問題自体の重要性にかんがみまして、一昨年の暮れから各施設を調べたり、あるいはわれわれのほうで見に行くことで実態を調査し始めたのであります。また審議会にもお願いするというふうにして、改善を厚生省の立場でとり始めたのでございまして、その点騒ぎだしてからやりだしたというふうなお考えは少し事実と違うように存じます。 なお、この御意見の第一の実地修練施設をいいものにしろというお話、これは三十九年以前にしろ、実地修練施設の指定が指定がえになりますので、従来の施設で、たとえば医師の数が十分ない、指導が十分できないというふうなところにつきましては、それをやめるというふうなことで、四百四、五十ありましたのを三百五十くらいに減しております。それから指定施設をいいものは厳選していくという問題は、実行の一歩を踏みだしております。 なお第二の修練内容の改善につきましては、実地修練生がどういうふうな勉強をするか、指導するかという問題につきまして、カリキュラムの改正を考えております。これをことしすぐ出そうとしたのでございますが、修練生の方々が、生活保障がないのにこれだけやっていくというのはちょっと待てというので、いまこれを改正することをストップしておったわけでございますが、いまからも、外国のカリキュラムとか、また日本でよくやっていただいておりますところの修練内容というようなものを御紹介するとか、この内容の向上にはつとめていきたいと思います。 第三の身分の問題でございますが、この点、地位を明確にするという問題は、いままでの例等にかんがみまして、ある程度病院内でどれくらいの仕事をしてもらうかという点も明らかにしていく努力を願っておりますが、これは近日できると思います。 生活基盤の改善でございますが、この問題は、先ほど申しましたように二億六千万の貸与金を要求したのでございますが、これがゼロになりました。いままで文部省の関係で持っております育英資金、これも一実際には千人くらいがいますでに借りておりますが、これをさらに利用するような方向で文部省と交渉をいまからしたい。なお、各施設施設にも、ある程度手当を出していただいておるところもありますので、こういうふうな点がもしお願いできますれば、生活の保障をしてもらうようにお願いをしよう、こういうように思っております。 それから、最後の、政府に対しての援助、助成の問題でございますが、これは先ほど申しました二千百万がこの基本であると思います。
○小林委員 あなたはごちゃごちゃ言われましたけれども、ひとつ論議を進めていく上において、あなた方の答申に対する処置を、考え方をここで述べますけれども、第一に対しては、まず、このインターン生のいわゆる修練のためには、国立病院を中心にして、大病院にこれを限定せしめる、そういう考え方でしょう、第一番目は。違いますか。第二番目の実地修練の内容を改善するという点については、答申どおりにやりたいという考え方はあるらしい。第三番目には、いまも言うように、これはインターンの、いわゆる学生の生活も最近変わりましたか、何か三分の二だけに月一万円ぐらいの、総額が二億ぐらいの貸与金をやりたい。それはいま全部はねられたが、そういうのがあなた方の考え方です。第四番目には、指導手当金を含めた総額二億何ぼの金がほしいという。それから第五番目の、インターンを病院の機構に入れるための身分改定のためには医師法の改正をやりたい、そういう考えじゃありませんか。 以上が、大体答申に対する厚生省の心がまえだったんでしょう。予算措置の問題は別として、答申に対する考え方はそれだったんでしょう。そうすると、答申が求めている経済問題と身分関係の問題というものは、少なくとも厚生省のこの答申に対する考えの中には何にも出てこない。ただ一つはっきりしていることは、赤字でどうにも困って、あっぷあっぷしているような国立病院にインターンという、ただの医者の卵を連れていって、ただで働かして、国立病院の赤字解消でもやろうなどというような、勘ぐれば勘ぐれるような、そういうことの処置しかこの答申に対して処置をしないということがわれわれには見受けられる。三千百六十名の学生に対する指導費がわずか一千万で、何が一体できる。どうですか、その関係は。身分関係と経済関係の、まず身分の——あなた方の考え方に私の考え方が間違っているかどうか、まずそこからやっていきましょう。
○尾崎政府委員 いまの国立病院を中心にして云々というお話は、少し誤解だと思います。国立病院でも、私たちの考えました基準に合わない国立病院は落としていく。だから、すべてほかの病院と同じように扱っておりまして、国立病院にインターン生を集中しようというような考え方は毛頭持っておりません。その点はひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。 なお、第二のカリキュラムの改正、これはお話が一致しておるようでございますが、身分の問題につきましては、医師法の改正も考えましたが、それだけでなく、やはりインターン生が病院内でどういうふうな地位を占めるか。医者に準じての地位を占めるような点——この機構上の施設の職員としての立場、そういうような点をはっきりさしていくように努力していきたいと思います。 なお、医師法改正はやりませんでも、いまのインターン生を、病院内でどれくらいな仕事を医師の監督下にやらせるかというような範囲等は明確にして、インターン生がある程度はっきりした立場で、病院内で働けるようにやっていきたいと思います。
○小林委員 それでは、時間もありませんから、問題を二つに分けて、身分問題からやっていきますが、このインターン制度ができ上がったのは二十一年の二月の十七日、当時のGHQの公衆衛生部長のサムスが来て、戦時中から戦後にかけて、日本の医療教育があまりにも低下しているということで、それをどう救済するかということの着眼に立って、アメリカやヨーロッパにおけるシステムを入れたわけです。その制度を入れた以上は、内容もヨーロッパ並みのインターンの制度に近づくような教育をしていかなければならぬと私は思う。一体アメリカやヨーロッパにおけるインターンの身分は何ですか。どういう形になっていますか。学生か、医者か、医者の卵か。医者でもない学生でもない、ふわふわっとした浮遊物であるのか、どっちなんです、これは。
○尾崎政府委員 インターンの身分は、国によって多少違うようでございます。医者でもない学生でもないというふうな国が相当ございます。中に、国によりますと、医師の仮免許を与えるというふうな立場で仕事の実施を裏づけておるというふうな国も、ごく少数はありますが、大部分は、医師でもない学生でもない、とにかくインターン生という意味であります。
○小林委員 私の研究によれば、これをアメリカあたりのシステムで見れば、これをどう言うのかね、僕は英語はあまり強くないけれども、大体病棟勤務医というか、そういうような一つの名称で呼ばれるような形で、その病院なら病院、総合病院の修練にかからぬような病院にいて、これは夜も一昼も勤務をして、そうして発病入院から退院していくまでの経過を一貫して見ながら、これを学問的に、実地的に究明していく、こういう制度がインターンだ。イントラス、インターン——そこでこういう言葉が出てきたと私は釈解をしているわけであります。そのためには、やはりあくまでも一つの病院に勤務をして、そうしてそこに宿泊をして、勤務医のいない、常勤の医者がいないあとを補助的に受け持ちながら、昼夜の分かちなく、一貫して修練を重ねていくというのが、これがインターンの一つの身分といえば身分。そのためには当然、その労働、技術に対しては報酬というものが支払われている。ところがわが日本には、そういうような形が一つも行なわれていないではないですか。行なわれていない。ここに私は問題があると思うのであって、一体この身分をそのままに放置しておくことが正しいのですか、どうですか、あなたの御意見は。
○尾崎政府委員 いまお話しの病棟勤務医は普通レジデンスと呼ばれている。これは医師の身分を持った者の名前じゃないかと思いますが、それはそれといたしまして、インターン生が、いまお話しのとおり病院内に泊まり込んで昼夜を分かたず患者の状態を見ておる、あるいは急救患者等も見ておる。そういうような訓練を受けることが本質であるということは、お話のとおりだと思います。それで日本でも現在、いまのインターン施設におきまして、不十分ではございますが、千名ぐらいの宿泊施設を持っておるところがあるようでございますが、これでは十分ではない。国立なども少ないというので、宿泊施設の整備をする補助金をことしは出したわけでありますが、国立病院の百人分しかそれが認められていないのは、はなはだ残念でありますが、おそまきながら、いまの宿泊関係の手当ても強化していくというような手をいま打っておるわけであります。そうして、病院から手当を出しておるという点、これもアメリカなどの制度は言われるとおりでございまして、日本はそれを、全員に国から手当を出すというようなことをいろいろ研究してみたのでございますが、なかなかその点がむずかしかった。いま現に日本でも三分の二——国立病院とか大学を除きましたあとの民間病院の大多数の分が、二、三千円から一万五、六千円までの手当を出しております。それをいまから、われわれのほうで強化するかどうかというふうな点を検討しておるところであります。
○小林委員 大体あなたの話を聞いていると、だんだん矛盾が拡大されてくる。第一、三千百六十何名もいるインターンの宿泊に百の施設しかなくて、どうして一体完全な教育ができるのですか。そういうことをなぜ一体きちっときめないのですか、それが戦後千五百人だけは、あなた方の法律に基づくインターンとして収容はできるが、あとはどうなる、あとはどうでもいいのですか。それではその設備に収容できる千人だけをインターンにすればいいじゃないか。インターンの教育の過程でそういう不公平をそのままにしておいて、それで努力をしますということもおかしい。 それから、いま一つは俸給の問題。一体、インターンは国で生活費、給料を見るのがほんとうなのか、あるいはインターンをせられたその病院で給料を支払うのがほんとうなのか、あるいは学生がみずからの授業料を自分で出すと同じように、学生みずからがアルバイトその他で自腹でやるのがほんとうなのか、この三つのうちどれが、ほんとうなのか。これも研究中なんですか。
○尾崎政府委員 インターンの宿泊施設は、現在の時点におきまして、先ほど申しました千七十余の施設が不十分ながらございます。それで、これを増加さすようにことし予算要求をしたのでありまして、なるほど一挙に全部できぬじゃないか、名前に即さぬじゃないかということはお話のとおりでありますが、これはインターンの名前に合うように宿泊施設を増加さすという手を三十九年度に打ち始めた。それが国立病院では百人分が認められただけであって、その点は不十分でございますが、現在の宿泊の設備の便宜を強化するという方向では努力をしていきたいと思います。 それから、インターン生に対して手当を出すのはどこが出すかという問題でございますが、答申では国が手当を出してやるように、それができなければ育英資金というお話でございまして、いろいろ考えてみたのでございますが、国からインターン生全体に手当を出すというような法制がはなはだ困難でございますので、育英資金を要求した。しかし、育英資金で生活の苦しい人は金を借りてやるというだけでなく、各施設がインターン生に、その労務の代償と申してはおかしいのでありますが、手当を出すということが現実に日本でも行なわれておりますし、諸外国の例もそうでございますから、その方向をいま推すべきではないか。ただ、これは審議会の答申の線と多少違っておる点もありますので、われわれはいま検討しておる、こう申し上げたわけであります。
○小林委員 ともかく、十八年もたっているにもかかわらず、こうやって討論しているとみな研究中研究中で、そういう基本的な問題をあなた方が一つも解決しないところに問題の悪さがあるわけです。一体なぜ身分の問題を解決しないか。一体なぜ俸給、給料の問題を解決しないか。十八年もたっておるにかかわらず、いまここにきて、しかも答申を受けたり、あるいは各大学の医学部長会議等でも見るに見かねてそれぞれあなた方に意見書を差し出したり、あるいは忠言を与えたりしているにもかかわらず、それをいまここにきて問題の中心をついていけば、ことばの上ではいま研究中だという。私が言うように、俸給なら俸給として国が出すならば出す、本人が出すならば出す、あるいは学生の身分で学生の延長なら延長だということにする、あるいは勤務をしている病院がアメリカのシステムのように五十ドルなら、五十ドル出す、なぜそういうようにきちっときめられないのですか。そういうことを研究中だと言っていて問題が解決できますか。そういうことを研究中だと言っていていまの緊急差し迫った問題が解決できるとお考えになりますか。一体どう措置されますか。いまのインターンの学生の生活がどんな実情であるか御存じでありましょうか。七割以上はアルバイトです。そうして、病院へ行けばじゃま者扱いをされるか、あるいは無給の労務者、雑役夫並みにこき使われている。教育なんか一つも行なわれておりません。どっちへ行ったところで修練は一つも行なわれていない。雑役夫並みに使われているか、じゃま者扱いをされている。そうして、行っている学生は、勉学をしたあと一年間、食うためにアルバイトで狂奔をしているという状態である。これを一体どう解決をされますか、大臣。これは大臣にお尋ねしましよう。どう解決されますか。
○小林国務大臣 いま私が説明したように、従来のような状態ではいけないということでああいう予算を出した、こういうことも私は申し上げた。予算が通らなかったことは非常に残念であるが、ごもっともな面が多いので、私は、身分あるいは待遇等について、最近の機会においてぜひ結論を出したい。いまはそう申し上げる以外にありません。
○小林委員 もう時間がありませんから、まだまだありますが、問題を提起しておきます。いま言ったように身分関係、これはどうしても早急に解決していただきたい。学生なら学生だとはっきり言いなさい。普通の大学生より二年も三年もよけい勉強してきた。普通の大学を出た者なら出た者で、会社へ入ってもどこへ行ってもみな見習いであるが、見習いでも二万五千円ぐらいきちっとも一らって、それぞれの職場で半年なり一年なり見習いの期間を持っている。彼らだけが二年も三年もよけい勉強しておきながら、インターンという名前のもとに一銭の俸給ももらえず、身分も保障されないで、健康保険へも入れなければ、自分の病院へ入院もできないような形で、はあはあしている、こんな矛盾を放任しておいたことは重大な問題である。この身分関係を早急に措置することを要求する。やらなければ承知しません。 いま一つ提案がある。各医学部長や各大学の教授の間で、今日ここにきて、こういう制度はもう改廃して大学教育を重視すべきだという議論もありますが、例の司法研修制度というものがある。これは弁護士になろうと検事になろうと判事になろうとかかわりなしに、公務員試験という一つの国家試験を通った者だけを司法研修所に入れて、国家がきちっと一つのシステム、機構を持って、責任者も置いて、彼らに一年間ちゃんとくれるべき俸給もくれて教育をしている。その教育が済んでから弁護士になる者は弁護士、判事になる者は判事補、検事になる者は検事に、こういうように分かれている。こういうような形だとおのずから身分は明らかです。同じような形を持っておりながら、一方は試験の前にこういうように一年間修練の期間を設けて、学生でもない、医者の卵でもないという形で、しかも身分の保障もしない、生活の保障もしない。できたらこれを司法研修制度のような形に持っていくということも一つの案ではないか。いずれにしても、こういう問題を含めて、まだ研究中などということはもう二度とこの国会の場では言わない、早急に措置をするということを確約していただきたいと思います。大臣、確約ができるかどうか、御答弁をしていただきたいと思います。
○小林国務大臣 ただいまの御意見はきわめて傾聴に値すべき意見として私も了承いたしております。なお、お話のようなことは、私ども三十九年度、四十年度と——予算そのものはもう四十年度を待つ以外にない、こういうことでありますからして、この会議でこれを繰り返して言われるということはあるまい、かように考えております。
○小林委員 もう時間もありませんから、私は結論を急ぎますが、そういうふうにあなた方の努力が足りない、研究が足りない、その結果、ついに答申をむげにせられて、吹けば飛ぶような将棋のこまになるような、わずかの涙金をもらってこれを糊塗しようとしたところからこういう問題が起きた。けれども、予算は、八木さんの意見によればいつでも修正ができるから、またあらためて予算を加えるという論拠も成り立つが、それはそれとして、約二千百万円の予算は予算でありますから、その予算の中でいま急に急カーブで完成することの困難だということはわかるが、いま大臣が言われたように、四十年度の予算の決定のときにはきちっとしたものをつくりたいというその答弁は、私は好意的に受ける。実は受けられないが時間の制約のために、涙をのんで好意的にそれは受けることにいたしまして、そういうあなた方のやり方が悪いために、また試験審議会とそれから実地修練部会との合同部会が一月の二十五日に緊急に開かれた。その結果、またあらためて新しい意見書というものが厚生大臣に提出せられておる。その意見書をあなたはおもらいになったでしょう。これはすなわち、現政府の予算はやむを得ないものとして、緊急に、しかし、こういう処置だけは早急にやりなさいという意見書が一月の二十五日に出ている。これに対し一体どういう措置をおやりになるか、これさえもあなたたちが土足でけるというならば、私は一片の良心も認めるわけにはいかぬ。どういうふうに処置されますか、その処置を伺いたい。
○尾崎政府委員 ただいまの意見書には三点ありまして、第一点は医学教育、これは学部及び大学院、さらに卒業後の教育、それを含めての医学教育、医療制度を含めて、全体として根本的に検討していく機関、これは医育機関と医療機関、さらに関連諸団体、関連諸機関と緊密に協議をする体制を至急に発足させろというのが第一点であります。それに対しましては、きょうでも医学教育に関係のあります文部省と連絡をとりまして、一緒になってこの医学教育、インターン制度をどういうふうに改善していくかという抜本的な措置を講ずるような話し合いをやっていきたい、こういうふうに考えております。 それから、第二の問題といたしましては、三十九年はほぼ従来どおりの方法で実地修練を行なわざるを得ないが、各インターン病院に対して、インターン生の教育内容の向上と身分、生活の安定のために、できるだけの配慮をしてもらうように依頼しろという御意見であります。これに対しましては、二月中にインターン施設に対しまして私から教育内容の向上のために御努力願いたい、それに対しましての参考資料といたしまして、代表的な教育課程をやっておられますところの内容等をお送りするというようなことをやっていきたいと思います。さらに、身分の安定をはかりますために、先ほどから申しております。どれくらいな監督指導のもとにやらせたらいいかというふうなこともはっきりさせまして、その病院側に御連絡する。生活安定につきましては、いまお話がありました、各施設である程度手当を出していただくというふうなことを、どの程度までお願いできるかいま検討中でございますが、その問題と、さらに育英資金をもう少し利用できるような方法を交渉してみたいと思っております。 第三点は、三十九年から各インターン病院の実地修練の方法の連絡調整をはかる、また内容の向上をはかるために、病院の調査、連絡を行なう、そして根本的な検討の材料とする、こういうふうな御指示でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げました九十六万の旅費がございますので、この旅費を使いまして、実地修練部会の先生方にお願いするとか、またうまく実地修練をやっておられます病院の先生方にお願いして、全体のレベルの向上をはかっていくように、御趣旨の線に沿っていきたいと思います。
○小林委員 先ほども大臣の答弁がありましたのと同じでしょうが、一月の二十七日に学生の代表と局長はお会いになったでしょう。
○尾崎政府委員 会いました。
○小林委員 その結果、大臣がさっき言われた協議会の発足、メンバーの問題、こういうふうなところで落ちついたのかどうか、その内容をお聞かせ願いたい。
○尾崎政府委員 大臣が、いまの協議会の発足というような話で、すぐ至急にやるからというお話があったのに対して、学生は、その日取りとか見通しというふうな点を具体的にそこで話をせよということで、それが私はまだ時間的に無理だという話で、大臣がお話しになったようなことになりました。
○小林委員 この協議会の発足ということは、いまの意見書に基づく緊急の措置だ。抜本的な問題の解決には一つもならぬ。抜本的な問題は、私が申し上げたように給料の問題、経済生活の問題、その身分の問題等、これが抜本的な問題でありますから、これは早急にやってもらう。さしあたりこの意見書に基づいてすぐにやらなければならぬ緊急問題——彼らはまだ届け出をしていない、その期日も過ぎておるのであります。こういうような緊急事態の問題でありますから、二十七日のときの大臣の答弁は、これはいまここでは言えないということがあるかもしれませんが、もう二十七日を過ぎてきょうは三十日でありますから、三日間もお考えになれば日取りやメンバーももうきちっときまったことでありましょうから、ここでいつ発足をしてどういうメンバーになるのか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○尾崎政府委員 先ほどから申しておりますように、この問題は医学教育の関係ともからんでやれという御意見でありますので、文部省にきょうでも参りまして、文部省の意見をよく聴取するということになってまいると思います。そのつもりでいまおるわけであります。したがいまして、その話がもう一つ話し合いができておりませんので、まだここで申し上げる段階ではございません。
○小林委員 あなたたちは、いつも研究中とおっしゃる、まだできていないとおっしゃる。二十五日の意見書ができて、こういうようなむしろしりに火がついた緊急問題であるというのに、まだ文部省と話をしていないと言う、それで答弁になりますか、それが誠実のある答弁と言えますか。それじゃ文部省と交渉してどうこうするというその原案でよろしいから、草案をひとつここでお示し願いたい。
○尾崎政府委員 まだ文部省のほうと話ができておりませんので、それはこちらのただ気持ちということでございますが、まず手初めに、厚生省の医師試験審議会の両部会長と医学教育に対応いたします審議会、これはどれになりますか、まだ向こうの御意見はわかりませんが、おそらく医学視学委員会になるかと思いますが、その正副委員長に一緒に御参加願いまして、この根本問題をどういうふうに話をしていくかという打ち合わせをやっていただければありがたい、こういうふうに文部省のほうに連絡してあります。さらに、それでお互いに医学教育、インターン問題をそれぞれ話を進めていきました上、できるだけ早く関係団体、たとえば学術会議の第七部会、また医学という方面に関心を持っておる団体の御意見も一緒になってやっていただくように調整をしていただければと思っております。それはただこちらの希望であります。
○小林委員 もう時間もありませんし、同僚諸君も待っておりますからやめておきますが、総括いたしまして、私はいままでの答弁は非常に不満足であります。こういうような問題をここまでじぜん日を過ごし、腹案の程度で打診していない。いつ発足するかまだわからない、こんなことで問題の解決になるわけはありません。非常に不満であります。 そこで、ひとつ御注文をつけておきますけれども、これは一両日のうちに問題を明確にきめていただきたい。来週あらためてこの問題についてまた質問を繰り返します。そのときには、文部省との交渉はでき上がらないという御答弁はなさらないように、そしていつこの協議会は発足する、メンバーはこう決定したという御答弁を、来週の火曜日に正確にお聞かせを願うように私は御注文をつけておきます。できますか。できませんければ、私はまだこの質問をやめるわけにいきません。
○尾崎政府委員 御趣旨の点で努力をいたしたいと思います。文部省の返事がまだございませんので、ここでできますと申し上げることは不可能でございますが、その線で努力をいたします。
○小林委員 来週の火曜日まで質問を留保いたしまして、関連質問がありますので私の質問を終わります。
○河野(正)委員 時間がございませんから、簡単に関連してお尋ねを申し上げたいと考えます。 いろいろ論議されましたように、医師が人命を直接扱うわけでございますので、そういう意味で臨床教育というものを充実さしていこうということがいまインターンの問題をいろいろ論議されます一番大きな問題であるわけでございますが、その点と関連をしてお尋ねを申し上げたいと思います点は、いずれにいたしましても教育を受ける側の、研修いたします側のインターンのほうにも一非常に金が要る。と同時に、また一方、インターン生を教育する側にも施設その他で金が要る。いずれにいたしましても、とにかく医学生には金が要るということに帰結することになってまいると思います。それからいろいろ論議が発展して、いまいろいろ論議されましたような点が問題として提起された、こういうふうに考えるのでありますが、そういう意味でお伺いをいたしたいと思いまする点は、もうそろそろ大学入学試験も始まるわけでありますけれども、医学を教育いたしまする教育機関では施設の充実その他に非常に金が要りますので、そういう一切のしわ寄せ——もちろんインターン生を教育する場合もそうでございますけれども、そういう一切のしわ寄せというものが、実は学生諸君に全部背負わされておるというのが現状でございます。特にその極端な例は、私学に学びまする学生諸君、すなわち、いよいよ入学試験が始まりますると、入試にいいましても、相当の学校におきましては数百万円の学債を積まなければ試験は通っても入学することはできない、あるいは幸い入学いたしましても相当授業料が高い、実験料が高い、それぞれ相当に大きな負担をしなければならない。そこで将来、日本に有能な科学者を出していく、あるいはりっぱな医者を社会に送っていくという意味からも、私はやはり金のかからない教育というものが行なわれなければならない。ところが残念なことには、いま申し上げますように、医学を研修する者にとりましては非常にばく大な金がかかる。そういうことでは、私はりっぱな教育者、りっぱな医者を社会に送るということは困難になるであろう。そういうことを憂慮いたしまするために、この医学の教育を行ないまする教育機関につきましては、先ほど、インターンにつきましては施設に対する助成をやるというような予算が若干認められておるようでありますけれども、しかし私は、教育そのものは文部省の所管でございますけれども、インターン生を含んで学生諸君がそれぞれ教育を受けまする施設、そういう点に対しては、将来医療行政に対して大きな貢献をするわけでありますから、また人類に対して大きな貢献をするわけでありますから、そういう意味で私は、厚生省としてこういう医療機関に対しては大幅な助成をすることが必要であろう、これは学校当局に対する非常に強い熱望であります。と同時に、ひいては金がなくともりっぱな教育を受け、りっぱな医人が社会に送られるわけでありますから、科学者が社会に送られるわけでありますから、そういう意味で私は厚生大臣は今後御努力される必要があろうと思う。また、そのことが、いまのインターン制度を解決する一つのかぎにもなっておるわけでありますから、そういう意味で大臣の御所見をこの際承っておきたいと思います。
○小林国務大臣 お話のとおりだと思います。私どもも、そういう分野に相当お手伝いをしなければならぬと思います。
○河野(正)委員 この点については了承をいただいたわけであります。具体的に、たとえば来年度の予算なら来年度の予算で文部省と十分お話を願って、特に私学の場合が問題でございますが、医学の教育を行ないまする私学等に対して、そういう施設について大幅な助成を行なうという方向で御努力を願う決意がございまするかどうか。この点はインターン制度の改善とも関連をいたしますので、ひとつこの際明確にお答えをいただきたいと思います。
○小林国務大臣 私学校においては、付属病院等について医療金融公庫というものを使うというふうなことも考えられます。それから、その他の方面におきましてもお話のようなことは厚生省としても十分考えて、文部大臣ともお話をしたい、こういうふうに考えております。
○河野(正)委員 時間がございませんから、この際、いまのお考えをお改め願いたい点が一つあるわけです。というのは、私学の場合に医療金融公庫というお話が出ましたけれども、私は教育に利潤を追求すべきでない、医療金融公庫は当然利潤をあげて、金利まで添えて返還しなければならぬ、教育に利潤を追求するということは誤っておると思う。そういう考え方でなく、いま私が申し上げましたように、金がなくても教育できる。それがインターン制度の改善にも通ずるわけですから、そういう意味で、ぜひ助成をするというたてまえで厚生大臣は今後御努力願う決意があるかどうか。医療金融公庫という教育に利潤を追求するという考え方は、この際ぜひお改め願いたいと思う。そういう意味で、最後にひとつ明確にお答えを願いたいと思う。
○小林国務大臣 従来、おそらく厚生省としては、学校は学校だ、こういうふうな考え方である程度きたのではないかと思いますが、医学教育については、これじゃいけないと私は考えまするので、私ども、その問題についてはぜひ考え方を変えなければならぬ、こういうふうに思います。
○田口委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二月四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時三十八分散会