社会労働委員会 第2号
- 発言数
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- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1964/01/29
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 労働大臣より発言の申し出があります。これを許します。大橋労働大臣。
○大橋国務大臣 第四十六回通常国会の冒頭にあたりまして、一言所信を申し述べまして各位の御理解と御協力を仰ぎたいと存じます。 私は、労働行政を推進する基本的心がまえとして、完全雇用の達成と労働条件の向上を目標として、経済諸施策全体との調和を保ちながら一歩一歩着実に前進してまいりたいと存じ、明年度の予算の編成をはじめ、機会あるごとにこの趣旨に沿うて微力を尽くしてまいった次第でございます。 特に、本年は、わが国経済がいよいよ本格的な開放体制への移行という局面を迎え、経済基盤の一そうの強化を急務とする年でありますので、今後とも国民全体の福祉との均衡をはかりつつ、この目標の実現のため真剣に努力してまいる考えであります。よろしく御指導御鞭撻くださるようお願いする次第であります。 最近の雇用情勢を見ますと、経済の拡大に伴い雇用は著しい伸びを示し、特に若年労働者、技能労働者を中心とする労働力不足の状態は、今後の経済発展と新規労働力の供給事情を考慮しますと、一そう強まるものと考えられます。 しかし、他面、中高年齢求職者等の就職はなお容易でなく、ことに石炭産業等にみられるように産業構造の転換に伴い多数離職者の発生を見ている状況であります。これに対処するためには労働力需給関係の不均衡の是正と労働力の有効適切な活用について計画的な施策がより一そう必要であると考えております。 このため、まず総合的な雇用計画を樹立し、全国的視野に立って有効適切な需給調整を行なう基盤を確立することが肝要であると考え、三ヵ年計画で労働市場センターの設置及び関連通信網の整備を行なうこととし、全国の求人、求職状況を迅速、的確に把握し、有効な結合を促進する基盤をつくることとしたのもその意味にほかならないのであります。 これと並んで移転労働者用住宅の大量建設、雇用促進融資ワクの拡大等の措置の強化、中高年齢者に対する就職指導、職業訓練の促進、炭鉱離職者に対する就職奨励金制度の新設等、いわゆる広域職業紹介による就職の実をあげ、労働力の全国的流動化を実現する具体的施策を強化し、両々相まって真に実効ある総合的な雇用対策の樹立推進に最大の努力を傾けてまいる所存であります。 次に、技能労働者の養成と技能水準の向上の問題でありますが、本格的な開放経済のもとで、きびしい国際競争に耐え、欧米先進諸国に伍してわが国の国際経済社会における地位を高めていくためには、生産の中核をなす技能労働者の養成確保とその技能水準の向上が喫緊の要務であります。 かかる事態に対処するため、民間の技能向上のための施策を援助助成することなどにより、技能水準の一そうの向上をはかるとともに、本年度に引き続き職業訓練を拡充強化し、技術革新の時代にふさわしい技能労働者の確保につとめてまいる所存であります。 すなわち、民間機関の実施する各種技能コンクールに対しまして積極的な指導援助を行なうとともに、技能センターを設置してその利用に供する等の措置を講じ、これと技能検定との連携調整をはかり、労働者の技能習得意欲を一段と増進させ、技能水準の向上に資してまいる考えであります。 また、公共職業訓練につきましては、再就職の困難な中高年齢失業者や産業構造の変革等により離職を余儀なくされる人々に対する転職訓練を重点的に推進し、これらの人々の雇用の安定をはかるとともに、技能労働力の確保に資する考えであります。 さらに、事業内職業訓練につきましてもその推進をはかり、特に中小企業の現状にかんがみまして、これに対する助成援助を一そう強化してまいる所存であります。 次に、中小企業の労働者の労働条件と福祉の向上をはかる施策につきましては、中小企業の生産性を向上し、その成長発展をはかるためにも重要であります。 このため、中小企業の経営基盤の強化のための諸施策と相まって、最低賃金制の実効ある拡充、労働時間の漸進的短縮、労務管理の近代化対策等の諸施策を推進し、さらに、中小企業者等が自主的に設置する労働福祉施設に対する融資ワクを増大する等、今後とも積極的な諸施策を講ずる考えであります。とりわけ中小企業退職金共済制度につきましては、昨年十一月の中小企業退職金共済審議会の答申の趣旨にのっとり、適用対象である中小企業者の範囲の拡大、掛け金月額の最高額の引き上げ、中小企業退職金共済事業団の資金の還元融資、建設業等における期間を定めて雇用されるものについての特別措置等を骨子とする改正法律案を提出し、今国会において御審議を願う考えであります。 なお、これと関連して労働者五人未満の事業所に対して失業保険を当然適用することにつきましては、各方面の要請もあり、労働省としてもその必要性に着目し、労災保険の五人未満事業所に対する当然適用とともに、昭和四十一年度実施を目途として諸般の準備を進めたいと考えております。 次に、賃金問題につきましては、最近の経済成長の過程における雇用労働諸情勢の推移に伴って、賃金制度をめぐって種々の問題が生じておりますので、先般来学識経験者の方々に賃金制度について国民経済全般の見地からの調査研究をお願いしている次第でありまして、有益な研究の成果が得られることを期待しております。 また賃金は、国民経済と調和を保ちつつ消費者物価の安定と相まって実質的に改善されるべきものと考えますので、今後とも関係労使がかかる観点から賃金問題を合理的に解決するよう期待し、そのために政府としては必要な基本資料の整備、提供につとめてまいりたいと考えております。 さらに、最低賃金制度につきましては、さきの中央最低賃金審議会の答申に基づき、その実効ある拡充をはかってまいる所存であり、また、すでに決定を見ました最低賃金のうち、実情に沿わなくなったものにつきましては、その改正について鋭意努力しているところでありまして、今後とも一そうこの面の努力を続けてまいりたいと存じます。 次に、労働災害の防止につきましては、労働政策の最も重要なものの一つとして従来から格段の努力をいたしてきたところでありますが、なお、多くの災害が発生し多大の経済的損失をもたらしているのみならず、多数のとうとい人命が失われていることは遺憾にたえません。 このような実情に対処するため、労働基準法に基づく監督、指導の強化、関係規則の整備、行政体制の充実等により労働者が安心して働くことのできる職場環境の形成のために全力をあげて当たりたい所存であります。その一環として、かつ、これらの諸施策を実効あらしめるために、労働災害防止計画の作成と実施、事業主の行なうべき労働災害防止活動を効果的ならしめるための体制の整備とこれに対する指導、助成、建設業等の特に危険かつ特殊な作業についての特別規制措置等を実施いたしたいと考え、労働災害の防止に関する法律案を重ねて本国会に提案することといたしたのでありますが、御承知のように本法案実施に要する経費はすでに今年度予算にも計上いたしてありますので、労働省としては本法案の早期成立を期待いたしている次第であります。 さらに、労災保険制度につきましては最近における社会経済、労働情勢の変化にこれを適応せしめ、これを一そう充実させるため昨年末、労災保険制度全般の再検討について、労働者災害補償保険審議会に対し諮問いたしたところであり、同審議会の検討の結果をまって、関係法律の改正を考慮いたしたいと考えております。 また、労働保険審査会の能力を拡充し審査の迅速、適正を期するため、委員の増員を行なう等労働保険審査官及び労働保険審査会報に所要の改正を行なうため、本国会の御審議をお願いする考えであります。 次に、労使関係の問題であります。 経済の繁栄と民主々義の発展とは、健全な労働運動の進展とよき労働慣行の確立に負うところがきわめて大であります。 政府といたしましては、従来から労働教育その他の施策を通じ、自由にして民主的な労働運動の発展と正常な労使関係の形成につとめてまいりましたが、今後ともかかる施策をさらに推し進める考えであります。 特に今後は、開放経済体制への移行等を控え、これに対処して問題を円滑に処理するためには、労使が平素より相互信頼を基調とした話し合いによる合理的な問題処理の慣行を確立しておくことが最も大切であると考え、全国的な話し合いの機運の醸成につとめているところでありますが、今後もかかる考え方を基本として労使問題の解決に当たる考えであります。 次に、婦人年少労働者対策でございますが、職業対策といたしましては、若年層を中心とする婦人労働力の需要に対処し、未開発な面の多い婦人の労働力を適正かつ有効に活用するための施策を推進するとともに、中高年層婦人の就業援助を強化するため、家事サービス訓練施設、内職相談施設の充実につとめる考えであります。 また、婦人及び年少労働者の保護福祉の増進をはかるためには、かねて中小企業密集地域に「働く婦人の家」「勤労青少年ホーム」を設置してまいりましたが、これらの整備拡充をはかるとともに、中小企業団体に設置を勧奨してまいりました年少労働者福祉員につきましても一そう活動の活発化を促進し、年少労働者のための産業人事相談制度の普及につとめる所存であります。 最後に、ILO八十七号条約につきましては、できる限り早期にその批准をいたしたい政府の基本方針にはもとより変りはなく、私といたしましても、就任以来最も力を尽くしてきた問題でありますが、今国会においてもすでに開会冒頭に同条約批准承認案件及び関係法案を提出しているところでありまして、関係案件の成立を期するために引き続き一そうの努力を傾注してまいる所存であります。 以上、労働行政の当面の諸問題につきまして所信の一端を申し上げましたが、今後各位の御意見を十分拝聴しながら労働行政の推進に一そう力を尽くしてまいりたいと存じます。 何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○田口委員長 ただいまの労働大臣の説明に関連し、昭和三十九年度の予算措置の概要について労働省会計課長から説明を聴取することにいたします。鈴木労働省会計課長。
○鈴木(健)政府委員 労働省所管昭和三十九年度予算案の概要につきまして、お手元に御配付いたしてあります資料によりまして御説明申し上げます。 一ページの総表でございますが、上から二段目の歳出のほうを御説明をいたしたいと存じますが、昭和三十九年度要求額が八百二十一億四千二百二十万二千円でございまして、昭和三十八年度予算七百三十三億五千五百九万八千円に対しまして八十七億八千七百十万四千円の増額でございます。この三十八年度予算の中には本年度補正予算四億二千七百五十七万三千円を含んでおりまaので、それを差し引きますと、当初予算に対しまして九十二億一千四百六十七万七千円の増でございまして、率といたしましては一一二・六%ということになっております。特別会計につきましては、特別会計の項におきまして御説明申し上げたいと存じます。 次に各項に入りまして、六ページをお開きいただきたいと存じます。 第一が近代的労働市場の育成と労働力流動化の促進に必要な経費でございまして、現下の労働力需給の不均衡とこれを契機として今後予想されます労働力不足の情勢に対処いたしまして、さしあたり近代的な労働市場育成のために三ヵ年計画に基づきまして、職業安定組織網の再編強化という従来行なってまいりました労働力流動化の推進をさらに強化するに必要な経費でございます。要求額といたしましては財政投融資額で六十億、予算額で百十七億一千一百七十二万三千円でございます。 その一は労働市場センターの設置及び関連通信網の整備でございます。昭和三十八年度予算におきまして、失業保険被保険者期間の通算を実施するために、失業保険計算センターの予算が認められたわけでございますが、この諸施設を利用いたしまして、さらにかつそれを一歩進めまして、広域職業紹介の業務を実施するための労働市場センター構想を出したわけでございますが、この構造は、労働市場センターという中枢機関を中心といたしまして、これを第一線の安定所とテレタイプ及びテレックスによって直結し、電子計算機を使いまして、従来安定所ごとに分断されておりました労働市場を再編いたしまして、全国にわたる労働市場を形成し、労働力移動の流動化をはかろう、こういう考えのものでございまして、完成いたしますまでに総額三十億を要するわけでございますが、これを三ヵ年計画で実施いたしたいということで、その第一年度といたしまして、三十九年度におきまして九億九千八百九十四万円を計上したわけでございます。その機能につきましては、ここに書いてありますような機能を営むということでございます。 二番目が広域職業紹介活動の強化及びその裏づけとしての移転労働者用住宅の大量建設と雇用促進融資の拡大でございますが、以上申しました労働市場センター構想は、いわゆる組織の問題として、労働力の流動化に対する問題でございますけれども、実際問題といたしまして労働力の流動化をはかるためには、どうしても移動する労働者のための移転用住宅というものがなければ円滑なる流動化をはかれないわけでございまして、そういう意味におきまして三十八年度に引き続きまして移転労働者用住宅を大量、すなわち一万戸を建設いたしたいという考え方でございます。 なお、流動化に伴いまして、移動する労働者を使用する事業主に対しまして、その事業主が、住宅、福祉施設、訓練施設等を建設整備してまいりたいというときの融資額といたしまして、契約ベースで財政投融資額六十億、資金計画額といたしまして五十億を計上いたしておるわけでございます。 次が、労働市場別賃金実態の速報でございますが、労働力流動化の裏づけといたしまして、労働市場別の賃金の実態がわかりませんと労使ともに非常に不便を感じ、また、流動化を阻害いたしますので、明年度、労働市場別の賃金実態調査をいたしまして、年に二回程度これを関係の労使にお知らせするというようなことをやりたいというのが、労働市場別賃金実態調査の速報でございます。 次は、4の雇用動向調査でございますが、雇用労働力の地域間、産業間、規模間及び職業等の移動状況の実態を基本的に明らかにする資料が現在ないわけでございますが、こういうものを明らかにする資料をつくりまして、雇用失業対策の基本資料としてまいりたい、こういう調査でございます。 以上が、近代的労働市場の育成と労働力流動化の促進に必要な経費でございます。 第二が、失業対策の推進に必要な経費でございまして、各事項に入ります前に、失業対策全体としての慨況をまず申し上げますと、三十九年度におきまする失業対策関係の対象人員は三十三万五千九百人と考えております。就職促進措置で措置すべきものが十二万、失業対策事業の対象として考えておりますものが十九万四千、失対就労者の就職促進関係で措置すべきものが二万一千九百、合計三十三万五千九百名を対象として考えておりまして、三十八年度予算で対象として考えておりました二十六万六千五百人に対しまして、六万九千四百人の増でございます。予算にいたしますると、三十九年度の失対関係全般の予算が三百六十四億九千二百万でございまして、三十八年度の予算に比べまして約三十三億の増額になっております。右肩に書いております要求額の五百九十九億六千四百九十六万六千円は、いま申しました失業対策関係予算プラス失業保険国庫負担金の二百三十四億七千三百万円を加えた金額でございます。 各事項について申し上げます。 まず、その一が中高年齢失業者等に対する就職促進措置の強化でございますが、これは昭和三十八年七月、職安法の改正に基づきまして、中高年齢失業者等に対する就職促進の措置を忠実に実施してまいりたい、こういった予算でございまして、就職促進措置の中には、就職指導課程と転職訓練課程に分かれることは御承知のとおりと思いますが、その課程に年間十二万人を対象といたしまして、就職指導課程のもの、それから転職訓練課程のもの、二つに分けまして、これらのものの適職をあっせんする、こういう立て方になっております。そのもとになります就職行為等をお世話する人の問題でございまするが、通り一ぺんの紹介ではなく、その就職者の生活実態に即しました、それに応じた、特定の指導官が特定の就職者に結びついた、きめこまかい職業のあっせんを行ないたいということで、就職促進指導官を三十九年度において三百五十人増員いたしまして、いままでございます就職促進指導官を合わせまして七百七十六人でこうした仕事に当たりたいという考え方でございます。また、こういう就職促進指導官によりまして、先ほど申し上げましたような、まず就職指導の実施をするわけでありますが、就職を指導する過程におきまして、就職指導手当を支給することになっておりまして、この就職指導手当の額は、月額一万五十円であります。三十八年度が九千百五十円であったものが、一万五十円を計上いたしております。 次に、転職訓練関係でございまするが、先ほど申しましたような年間十二万人の対象人員を、転職訓練課程におきまして、次のページの計にございますように、七万八千四百人に転職訓練を行なって、適職につけるという方策を講じたいと思っております。また、この転職訓練を受ける過程におきまして、訓練諸手当を支給するわけでございますが、その月額は、三十八年度におきまして一万二千五百五十円であったものが、三十九年度におきましては月額におきまして一万三千三百円を計上いたしております。 次が、失業対策諸事業の実施でございまするが、失業対策事業の一日平均吸収人員、一般失対の平均吸収人員は十八万六千人を計上いたしておりまして、三十八年度の二十万三千人に対しまして一万七千人の減でございます。 事業費単価につきましては、労力費の単価は五百一円九十銭で、三十八年度の四百五十八円に対しまして九・六%の増額であります。この五百一円九十銭は、失業対策事業賃金審議会の意見に基づきまして、昭和三十八年八月に実施されました屋外労働者職種別賃金調査により、建設業総合工事中、失対事業の事業主ごとに対応する道路、河川等の工事における定額制、通勤制の日雇い労働者の一般的な給与額を基礎として算定いたしました四百九十九円九十銭に、北海道冬季加算分として前年どおり二円を加えたものでございます。 また、資材費、管理監督費、事務費等につきましては、若干の値上がりを見込みまして、事業費単価といたしましては、昭和三十八年五百九十八円五十三銭であったものが、三十九年度におきましては六百五十七円八十五銭というふうに計上いたしてあるわけでございます。 高率補助につきましては、三十八年度四億円でございましたものを、一億円増加いたしまして五億円計上いたしております。 特別失対事業につきましては、金額は四十一億で前年と同じでございまするが、一日の平均吸収対象人員は八千人といたしております。 次に、失業対策事業就労者の就職促進でございまするが、まず第一が、雇用奨励制度の拡充でございます。雇用奨励制度のうちの雇用奨励金につきましては、三十八年度と同じ考え方で、同じ金額で同じ対象人員でございます。 就職支度金につきましては、対象人員、貸し付け金額それぞれふやしまして、対象人員は一万五千人、貸し付け金額は、三十八年度二万円であったものを平均三万円といたしたわけでございます。 転職促進訓練につきましては、本年度に実施いたしました実績にかんがみまして、大体昨年度とほぼ同程度の額を計上いたしております。 次が十二ページをごらんいただきたいと思いますが、失業保険国庫負担金でございます。一般失業保険におきます保険金の総額が、このまん中から少し下のほうになりますが、八百八十五億三百万円になります。大体その四分の一額——完全に四分の一になりませんのは、広域紹介に基づく給付延長につきましては国庫負担は三分の一でございますので、その間若干の相違はございますが、四分の一額の二百二十一億四千七百万円、日雇いにつきましては、保険金総額三十八億五千四百万円の三分の一額十二億八千五百万円、事業費負担金四千百万円、合計二百三十四億七千三百万円を失業保険国庫負担金として計上いたしておるわけでございます。 第三に、炭鉱離職者対策の強化に必要な経費でございまするが、総額といたしまして六十六億六千四百四十四万二千円を計上いたしております。昨年の通常国会における炭鉱離職者臨時措置法の改正に伴うものを着実に実行しようとする予算でございます。 まず、炭鉱離職者援護業務の充実でございますが、援護業務の内容につきましては、この区分の中に書いてございますように、1から7までの援護業務を行なっておるわけでございますが、この4の再就職奨励金の支給費、5の民営事業助成費を除きましては、三十八年度の事業の踏襲並びに若干の拡充という考え方に立っております。 新規事業として要求いたしております再就職奨励金は、石炭合理化による離職者の再就職を促進するために再就職奨励金を設ける制度を創設するのでございまして、支給額といたしましては、離職後一年以内のものにつきましては給付日額の七十五日分、一年から一年半のものにつきましては給付日額の五十日分、一年半から二年のものにつきましては三十日分を支給するという制度を設けたいという考え方でございます。 5に書いてあります民営事業助成費でございます。これも新規でございますが、これは炭鉱未亡人対策といたしまして、家政婦施設、家政婦の宿舎、託児書に対する助成費でありまして、八百十二万四千円を計上いたしております。 なお、申し落としましたが、再就職奨励金の支給費は三億五千五百八十四万七千円でございます。 次の2、炭鉱離職者緊急就労対策事業の実施でございますが、現行法では三十九年十二月十七日で緊就事業は廃止されることになっておりますけれども、政府の方針といたしまして、これを四十三年三月三十一日まで実施するという考え方のもとに、三十九年度におきましては二十四億九千四百万円の予算を計上いたしたわけでございます。一日の平均吸収人員は六千四百人、事業費単価は千五百円で計上いたしてございます。 炭鉱離職者職業訓練の実施でございまするが、これは大体三十八年度と同じ程度の規模で転職訓練を実施いたしたいという考え方で予算を計上してございます。 一五ページの就職促進指導の実施につきましては、三十八年度と同じ考え方でございます。 次は一六ページ、第四の技能労働者の育成と技能水準の向上に必要な経費でございますが、技術革新の進展に伴いまして、今後の経済の発展の推進力となる技能労働者の育成と技能水準の向上に資するため、技能コンクール方式等による技能検定の飛躍的な拡大と、職業訓練の拡充をはかってまいりたいという予算でございまして、要求額といたしまして七十億二千八十一万二千円を計上いたしております。 その第一は、技能コンクールの実施促進及び技能検定との連絡調整でございまして、民間における自主的な技能コンクールの実施を助長し、さらにこの技能コンクールと技能検定制度の連携調整を行ない、技能検定の実質的な拡充をはかる。すなわち、民間の団体が行ないます自主的な技能コンクールにおいて、国が定める一定の基準以上の成績をおさめた者に対しましては、技能検定の実技試験を免除するという方策をとりますと同時に、こうした民間の行ないます技能コンクールに対しまして国が補助を行なうという立て方でございます。それと国際職業訓練競技大会への参加は昨年と同様でございます。技能検定の実施につきましては、いま申しましたように実技試験は技能コンクールにおいて実施いたしますので、学科試験だけ残りますが、それは従来どおりやるということで、明年度やりまする技能検定の職種といたしましては二十六職種でございます。この経費が一億一千七百十八万円でございます。 なお、こうした技能コンクールの実施を円滑ならしめるために、技能センターを一ヵ所、明年度において設置いたしたいということで、一億九千百六十七万九千円を計上いたしております。 次の転職訓練を中心とする公共職業訓練施設及び内容の充実でございますが、一七ページをごらんいただきたいと思います。 (1)の公共職業訓練の充実につきましては、一般訓練所におきまして新設は十ヵ所の二十職種、増設は二十職種でございます。総合職業訓練所におきましては、新設はございませんで、職種増が十五職種でございます。なお、一八ページをごらんいただきたいと思いますが、身体障害者職業訓練所を北海道に一ヵ所新設いたしたい考え方でございます。 (2)の転職訓練の推進につきましては、失業対策及び炭鉱離職者対策のところで御説明申し上げたとおりでございます。 次に、一九ページの4、事業内職業訓練の強化拡充でございますが、この事業内職業訓練の内容は、ここに書いてあります(イ)、(ロ)、(ハ)の三つになるわけでございますけれども、(イ)の共同職業訓練団体に対する運営費補助は、対象人員が伸びましたぐあいに応じまして予算を増額して計上いたしております。共同職業訓練施設につきましては、設置数は十五ヵ所でございます。事業内職業訓練施設設置資金の貸し付けでございますが、先ほど申しました六十億の財政投融資の内訳といたしまして、事業内職業訓練に一億九千万円のワクを考えておるわけでございます。 次は二〇ページに参りまして、第五の中小企業労働対策の推進に必要な経費でございます。 産業構造の変革に伴います中小企業における労働面の諸問題に対処するために、労働行政の諸施策の展開にあたりましては、特に中小企業に重点を置き、総合的に、計画的にこれを実施してまいりたいという考え方に基づく予算でございまして、総額といたしまして六億四千八百五十九万二千円を計上いたしてございます。 その1は、中小企業労務管理近代化のための集団指導の推進の経費でございまして、中小企業の集団ごとにこれを指導いたしまして、それぞれの近代化計画を樹立させてそれを着実に実行させて、中小企業の実質的な労働条件のレベルアップをはかろうという計画で、昭和三十七年より基準局を中心に実施をいたしております策でございますが、明年度におきましては、従来労務管理近代化の推進員が三千人でございましたものを、千人増加いたしまして四千人といたしまして計上をいたしたわけでございます。その他は大体従来のベースでございます。 次が二一ページの2、中小企業退職金共済制度の改善と加入促進でございますが、まず第一は、中小企業退職金共済法の改正でございまして、中小企業者の範囲を、中小企業基本法に合わせまして二百人から三百人にいたしたい。第二番目が、掛け金月額を、千円を二千円に増額いたしたい。第三番目が、先ほど大臣の御説明にもございましたように、建設業等短期に雇用される者につきまして、退職金共済制度を新たに創設いたしたい。第四番目に、融資制度の創設でございまするが、中小企業退職金共済事業団の余裕金が本年度末で百三億程度になる予定でございますので、大体そのうちの一割程度を共済契約者または共済契約者を主たる構成員とする協同組合等に対する還元融資として考えていきたい。この四つの点を中心とする中小企業退職金共済法の改正を行ないまして、それに必要な経費をここに一応計上いたしたわけでございます。 次が、中小企業労働者福祉対策の推進でございますが、第一が、福祉協議会の設置運営でございます。二二ページでございます。従来、三十八年度予算におきまして九十協議会の予算が認められておったわけでございますが、これを倍にいたしまして、百八十協議会の設置運党費を計上してございます。 次が、年少労働者の福祉対策でございまするが、第一が、勤労青少年ホームの増設でございます。勤労青少年対策の重要性にかんがみまして、設置個所の増加といたしましては、いわゆる倍増いたしまして、八ヵ所増設する。従来十四ヵ所でございますので、三十九年度で全国で二十二ヵ所の勤労青少年ホームができるという計算になるわけでございます。次が年少労働者カウンセリング制度の普及でございます。年少労働者の職業生活への適応を高めるためには、やはり家庭その他におきまする緊張とか不満とか葛藤とかというものを適切な人による生活相談によって解決するということが必要なわけでございまするが、こういった意味の産業カウンセリング制度を新しく取り上げまして、労働省といたしましては、これを普及したり、あるいは講習会を開催する、こういう費用をここに計上いたしておるわけでございます。 婦人労働者福祉対策は、大体昨年度と同程度の予算でございます。 中小企業労使関係の安定促進も、三十八年度と項目、金額ともに同程度でございます。 小規模事業所に対する失業保険の適用拡大につきましては、先刻大臣から申し上げましたように、昭和四十一年度を目途に五人未満の事業所を当然適用にいたしたいという考え方でございまするが、それまでの期間に、できる限り多数の小規模事業所の適用をはかってまいりたいということで、事務費といたしましては相当の金額でございますが、これを計上いたしておるわけでございます。 6の、事業内職業訓練の強化拡充につきましては、技能労働者の養成と技能水準の向上につきまして、前に出ました項で申し上げたとおりでございます。 次が、二四ページでございますが、第六、近代的労働条件の促進に必要な経費でございまして、総額七億三千五百十九万八千円を計上いたしております。 1の、中小企業労務管理近代化のための集団指導の推進につきましては、先ほど中小企業対策のほうで申し上げたとおりでございます。 次は、2、賃金に関する施策の推進でございますが、これは、一つは、最賃法の施行に関する費用でございまして、昭和三十八年八月の最賃制度のあり方に対する答申に基づきまして、関連業種の労使の意見を反映させるために専門部会の開会の回数を増加したこと、業者閥協定の件数を増加したこと等によりまして、若干の予算の増額を見ております。 次は、二五ページでございますが、賃金構造華本調査の実施でございまして、三年に一回、いわゆる賃金センサスを実施するわけでありますが、その費用が三千五百三十七万七千円計上されておるわけでございます。 3の産業災害防止対策の推進につきましては、先ほど大臣の申されたような趣旨におきまして、高率災害事業場災害防止対策の推進、労働災害防止協会の育成、検定検査の強化、重要職業性疾患の防止に対する施策、科学技術の振興と書いてございまするが、これは予算項目上こういうふうになっておりますので、中身は産業安全研究所、労働衛生研究所の研究費の増額、機械設備の整備に要する費用でございます。 次に、二七ページ、4の労働時間関係実態調査でございますが、労働時間問題の重要性にかんがみまして、まず商店等サービス業、監視断続的労働等の特殊な部門における労働時間に関する実態調査を整備いたしたいという考え方でございます。 次が、二八ページの、第七、合理的労使関係の樹立に必要な経費でございまして、国民経済の実態認識に立脚した労使話し合いによる問題の処理の推進及び民主的な労働組合の発展と労使関係の安定に資するための経費でございまして、総額といたしまして五億百九十四万八千円を計上いたしております。 その一は、中央、地方における労働問題懇話会の費用でございまして、これは昨年度どおりでございます。 次は、2の労使関係の安定促進でございますが、これは、若干の事務費を増加したという程度の予算を計上いたしております。 3の、日本労働協会事業委託費でございますが、三十八年度におきまして、事業委託費といたしまして四千五百万円を計上いたしたわけでございまするが、これになお五百万円を加えまして、委託費合計五千万円で労働協会といたしまして適切な事業を営んでいただくというたてまえにいたしておるわけでございます。 4、5、6に掲げておりますのは、中小企業労働対策の項で御説明申し上げたものでございます。 次が、第八、婦人、年少労働者等対策の推進に必要な経費でありまして、婦人、年少者等の特性を考慮し、その職業及び生活の安定向上をはかり、あわせて人的能力を開発するために、中高年齢婦人の就業援助の強化等の施策を推進する経費でありまして、総額として三億六千二百九十五万三千円を計上してございますが、このうち、労災保険といたしまして一億一千三百九十二万四千円掲げておりまするが、これは、若干ここに書いてある項目と性質を異にいたしておりまする脊髄損傷者に対する特別療護施設の新設費をここにまとめて掲げてあるわけでございます。 1が、中高年齢婦人の職業援護対策の推進でございまするが、ここに掲げてあります事項は、全部三十八年度と同じ事項でございまして若干の金額の増額をいたしておる程度でございます。 2の、婦人及び年少労働者福祉対策の推進につきましては、先ほど申しましたように、勤労青少年ホーム、産業カウンセリング制度等が中心でございまして、ことさら説明するものもないと思います。 3の、勤労者家庭生活向上対策の推進でありますが、これの金額がふえましたのは、三二ページの(ハ)に書いてあります家事福祉施設の運営——失業対策事業就労者の就労促進対策として行なっております家事福祉施設の運営費が平年度化いたしましたためにふえたのが金額としてふえておるわけでございます。 4の、婦人の地位向上対策の推進でございますが、これも大体昨年度と同じ程度の費用、項目を計上いたしておるわけでございます。 三三ページのせき髄損傷者に対する特殊療護施設の新設でございます。これは新しい試みでございまするが、現在労災病院等におきまして療養中のせき損患者のうち、すでに症状が安定いたしまして、理学療法、機能回復訓練、日常生活動作訓練等を終わりまして、復職更生を希望している者について、みずからの勤労の報酬によって生活を営むことができるようにいたしたいということで、その一つの項目といたしまして、長町県の諏訪に一ヵ所更生作業所を設置運営してみたい、こうした予算でございます。 次が、三四ページの第九、国際労働行政の充実強化に必要な経費でございまして、項目といたしましては、(イ)海外広報活動の充実、(ロ)OECD諸会議の参加の渡航費——約三百万円計上してあります。(ハ)はILOの諸会議の参加とILO分担金でございます。以上、国際労働行政の充実強化に必要な経費といたしまして一億四千七百七十万九千円を計上いたしております。 次は第十、行政運営の刷新改善に必要な経費といたしまして、五億三千四百八十六万五千円計上しておりますが、そのおもなものは、(イ)両特別会計における業務処理の機械化でございます。(ロ)は、職員管理対策の強化といたしておりまするが、これは管理職手当の一般の伸びと労務管理の打ち合わせ等のためのブロック会議の費用、そういうものでございます。(ハ)の労働研修所の整備運営は、三十八年度予算におきまして労働研修所の施設費が認められましたので、三十九年度から労働研修所が運営を開始する運びになりますので、それに必要な初度調弁費、運営費をここに計上してあるわけでございます。 第十一が一般行政事務費等に必要な経費でございまして、ここに掲げてありますのは、義務費的なものあるいは人件費、事務費でございます。 ただ、ここで一つだけ申し上げておきたいのは、3の労働保険審査会費でございますが、先ほど大臣のごあいさつにもありましたように、審査会の委員三名の増がここに計上されておるわけでございます。 以上で労働省関係予算案の一般会計分を終わりまして、特別会計分に入りたいと思います。 最初に、労災特別会計について御説明申し上げます。 労災特別会計の歳入につきましては、保険料収入五百九十億五百万、じん肺等の国庫負担金十一億三千二十万八千円を含みまして、歳入合計といたしまして九百三十三億六千百一万一千円でございます。 歳出につきましては、保険金が四百六十三億三千百万円、以下大きな項目だけ申し上げますが、四二ページの労働福祉事業団出資金が二十五億五千九万五千円、それから四三ページの予備費が三百七十八億八千三百十一万五千円等々合計いたしまして、歳入額と同じ九百三十三億六千百一万一千円でございます。 内容を概括的に申し上げますと、労災保険特別会計の収入及び支出の主体をなす保険料及び保険金につきましては、前年度より、適用労働者数、賃金等の伸長によりまして、ある程度の増加を見込んでございます。 歳出におきましては、労働災害の防止に関する法律の施行に関しまして、いわゆる労働災害防止協会の活動を促進するための労働災害防止対策費交付金といたしまして、三億四千万円を計上いたしております。 次に、先ほども申し上げましたが、身体障害者職業訓練所を労災保険で新設するという道をここで開いております。 次に、これも先ほど申し上げましたが、せき損に対する特殊療護施設の新設費一億一千三百九十二万四千円を計上しております。 そのほか、労災病院の食費、薬価代等の運転資金といたしまして五億円を計上いたしております。そのほかは、大体平年度のベースで予算を計上いたしておりまして、ことさら申し上げる内容のものはないものと考えております。 次に、失業保険特別会計について御説明申し上げます。 失業保険特別会計の歳入は、保険料収入——四五ページでございます。八百七十二億五千九百万円、一つ飛びまして一般会計より受け入れが、先ほど申し上げましたように二百三十四億七千三百万円、運用収入七十六億八千二百六十万四千円等を合計いたしまして、歳入合計で千二百六億九千八百五十五万四千円でございます。 歳出につきましては、保険給付費九百二十三億五千七百万円、保険施設費二十九億一千四百九十一万七千円、雇用促進事業団出資金百二十一億六千六百八十四万二千円、それから最後に、四九ページで、予備費七十四億三千二百九万九千円、歳出合計千二百六億九千八百五十五万四千円でございます。 その内容について概括的に申し上げます。 歳出の給付費につきましては、一般保険につきましては、保険規模の増大と最近の給付実績にかんがみまして、月平均受給実人員を三十八年度予算の五十一万九千人に対しまして、三十九年度におきましては五十二万八千人と見込み、給付月額につきましては、賃金の上昇を織り込みまして、三十八年度予算の一万六百十円に対しまして一万二千二百九十一円といたしております。また、日雇い労働者につきましては、三十八年度予算の十八万一千人に対しまして十九万四千人の受給人員を見込みまして、所要額を計上いたしております。 二番目に、失業保険の給付施設の充実を期するために、三十八年度に引き続きまして、総合職業訓練施設、労働力流動化のための移転就職者用住宅、簡易宿泊所等の建設、職業訓練特別給付金の支給を行なうほか、三十九年度におきましては失業保険受給者のうち、保険金が就職指導手当に満たない者に対しまして、その差額を支給する制度を新たに新設することにいたしております。 以上が両特別会計についての概括的の説明でございます。 以上をもちまして、昭和三十九年度労働省所管予算案の概要につきましての説明を一応終わらしていただきたいと思います。
○田口委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時十七分散会