災害対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/06/02
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 まず、さきに東北地方における凍霜による被害状況調査並びに九州地方における長雨による被害状況調査のために現地に派遣されました委員から、それぞれ報告を聴取することにいたします。村山喜一君。
○村山(喜)委員 去る四月下旬東北地方、なかんずく、福島県、宮城県、山形県に襲来いたしました凍霜による被害状況調査のため、中山委員長、渡辺栄一君、井谷正吉君、稲富稜人君及び私が現地に派遣され、さらに現地におきましては地元選出の衆参両院議員多数の参加を得まして、つぶさに現地の調査をいたしてまいりました。以下、その調査の概要につきまして御報告申し上げます。 去る四月二十七日大陸から東進してまいりました移動性高気圧が、二十八日に東北地方をおおったため、同日から二十九日にかけて晴または快晴という気象状況で、風もまたきわめて弱いという状態で、その結果、両日とも夜間気温の低下がきわめて強く、二十八日夜半より二十九日の払暁にかけ、ごく一部分の地域を除き、ほとんど各県下全域にわたり零度以下を記録し、降霜をもたらしたものであります。 今回のこの凍霜害の特徴は、農作物に損傷を与える低温、すなわち零下四度以下の気温が著しく長く持続し、しかも広範な地域にわたったということであります。 本年は、降霜以前の高温のため、平年より桑樹にあっては開葉期が、果樹にあっては萌芽及び開花期が早く、このようなきわめて悪条件のもとに凍霜に遭遇したため、桑樹の新葉及び開葉がまっ黒に枯死し、凍死の状態になったので、副芽も萌芽せず、春蚕の掃き立てば不可能と考えられ、果樹、特にリンゴ、ナシ、桃、カキ、ブドウ、桜桃等は、芽及び胚珠が枯死したためほとんど結実したものがなく、結実を見たものでも一本の木で数えるほどであり、これさえも商品価値のない、子供のおやつ程度であろうと思われるのであります。われわれは、各県下の桑園、果樹園等きわめて広範囲に視察をいたしたのでありますが、例外なく全滅の状態であり、きわめて深刻であります。被害農民の話によりますと、その被害を最小限にとどめるべく、重油を燃やしたり、あるいはむしろでおおいをかぶせたり、不眠不休の努力を重ねたとのことであり、その労苦ははかり知れないものがあるのでありますが、その効果もなくこの惨状にあい、悲嘆にくれておるのであります。特に果樹専業農家の損害については、ここ一年間は生産がないのでありまして、年間所得のきわめて少ない農民のために、またこれが地方財政に与える影響等も考え、われわれはあたたかい救いの手を差し伸べる一そうの努力を惜しまないものであります。 なお、各県当局におきましても、樹勢回復、病害虫防除等、当面の事後対策について指導を行なっておるのでありますが、国におきましても適切なる指導と助成に力を置き、農家経済の回復に努力されんことを希望するものであります。 次に、県側の調査によります三県の被害額について申し上げます。 まず、福島県について申し上げますと、桑園の被害面積約一万一千三百ヘクタール、被害額約二十五億二千六百万円、果樹につきましては、リンゴ、桃、ナシ、ブドウ等約六千二百ヘクタール、約二十六億四千八百万円、麦類、水稲苗しろ等主要食糧作物約八千三百ヘクタール、約三億二千万円、野菜約二千七百ヘクタール、約三億七千六百万円、なたね、たばこ、飼料作物等の工芸作物は約一千六百ヘクタール、約五千五百万円の額にのぼり、総合計約五十九億二千五百万円となっております。 なお、新たに五月十三日から十四日にかけて再度凍霜害が発生し、その被害額は、果樹、桑園等合計いたしまして約九千七百万円に及んでおります。 次に、宮城県について申し上げます。まず、桑園は約二千四百ヘクタール、約三億七千三百万円、果樹は、リンゴ、桃、ナシ、カキ、ブドウ、梅等約二千ヘクタール、およそ七億九千九百万円、その他水稲苗しろ、野菜等約二億四百万円の被害となっております。総合計およそ十三億七千六百万円に及んでおります。 最後に、山形県についてでありますが、桑園は約三千五百ヘクタール、金額にして七億六千五百万円、果樹は、リンゴ、ブドウ、洋ナシ、桃、桜桃、カキ等合わせまして約四千七百ヘクタール、金額十七億二千四百万円、野菜約六百ヘクタール、金額にして約一億三千九百万円、水稲苗しろ約百ヘクタール、金額で約三百万円となっており、総合計およそ二十六億三千万円に及んでおります。 なお、山形県におきましては、例年にない暖冬寡雪の年でありましたため、融雪期における流水と四月下旬よりの降雨が少なく、連続的な晴天と高気温によって異常干天となったため、農作物、特に水稲についてはその被害が大きく、五月二十二日現在の県の調査によりますと、被害予想面積は約二万二千七百ヘクタールで、作付面積の約二割に当たり、その内訳は、作付不能面積約一万五千七百ヘクタール、作付後の用水不足、枯死あるいは枯死寸前のものが約七千ヘクタールにも及んでおります。今後の天候の状況によって被害面積等の変動はあるにしても、植付期の用水確保のため、水路及び井戸の掘さく、揚水機の設置等、それに要する経費も農民にとってはなみなみならぬものがあると思うのであります。 以上、各県の被害額について申し上げたのでありますが、これら三県の合計額について見ましても約百億円をこす額であり、これが果樹、養蚕等によって生計を営む被害農家にとってはきわめて深刻な問題であり、これら被害農民の勤労意欲高揚のためにも、政府におきましてはすみやかに万全の対策を講ずべきであると思うのであります。 次に、各県の要望事項について一括して申し上げますと、第一は、天災融資法の早期適用と特別被害地域の指定であります。特に天災融資限度額を五十万円に引き上げるとともに、償還期限を七年に延長されたいというのでありますが、現行法における融資額では現状に即したものとは思われませんので、この災害から立ち直るためにも、政府は現状に即した融資額の拡大等について検討されたいと思うのであります。 なお、ここで一言申し上げたいと存じますが、法の適用があり、融資を受ける場合の手続等について、地元民よりその簡素化を強く望まれ、時宜に即した措置をされるよう要望するものであります。 第二は、激甚災害の指定についてであります。本件については、災害の実態にかんがみ、激甚災害の指定を行なう必要があると考えられるのであります。 第三は、自作農維持資金の特別ワク設定でありますが、被害農家の経営を維持するため、長期かつ低利の資金を必要といたしますので、早急に交付をされたいというのであります。 第四は、すでに貸し付けられました制度資金の償還条件の緩和であります。これは被害農家が減収によって従来借り受けております各種資金の償還が不可能となる場合がありますので、償還期限の延長措置を講ぜられたいというのであります。 第五は、農業改良資金の融資ワクの拡大等であります。これは桑園の改植に必要な資金の融通等のため、農業改良資金の融資ワクを拡大するとともに、特認事業として重油燃焼器の購入を指定されたいというものであります。 第六は、農業共済保険金の概算払いであります。これは春蚕の掃き立て不能農家に対し、再生産確保のため蚕繭共済金の早期支払いを行なうため、再保険金の概算払いをされたいというのであります。 第七は、果樹共済制度の早期実施についてであります。本件につきましては、各種災害に対処しながら果樹生産の増大を推進するためには、果樹共済制度の早期実現が必要であるというのでありますが、これは果樹専業農家の経営安定をはかるため、強い要望がなされたのであります。 第八は、樹勢回復用速効性肥料の購入費の助成であります。今回の凍霜害によりまして被害を受けた果樹、桑樹等の樹勢を回復いたしますには、速効性肥料の施用が必要でありますので、この購入費について助成されたいというのでありますが、本件につきましては、一部町村におきましては、早急を要することでもありますので、被害農家に対しまして、疲弊した町村財政の中から購入費を支出あるいは助成等の措置を講じておるとのことであり、この点については、政府におきましても積極的な援助をされたいのであります。 第九は、病虫害防除用農薬の購入費の助成であります。被害を受けた果樹、桑樹等につきましては特に病虫害の多発が予想され、この防除に徹底を期さなければなりませんので、樹勢回復と同様その助成を強く望むものであります。 第十は、被害農作物の転作に要する種子購入費の助成であります。 第十一は、夏秋蚕用蚕種の購入費の助成であります。これは春蚕収入の激減に対処して、夏秋蚕を増し掃きをする必要に迫られておりますので、これを円滑にするため、夏秋蚕用蚕種の購入に対して助成されたいというのであります。 第十二は、蚕種の予備催青に対する助成であります。これは掃き立てまでの時間的余裕と今後の対策による回復を考慮し、蚕種製造業者に、農家の申し込みの量以上の、この回復に見合った蚕種を予備的に催青せしめておくことが必要でありますので、この場合、蚕種に残が生じたときは、その催青に要した費用について助成されたいというのであります。 第十三は、農業改良普及員、蚕糸関係技術員、開拓営農指導員、農協営農指導員等が行なう災害復旧促進指導に要する事務費の助成でありますが、これら職員に十分な災害復旧促進指導の活動を期待いたしますには、これに要する事務費、特に超過勤務手当について助成をされたいというのであります。特に、単協の一部経費負担にかかわる養蚕技術員の給与については、国において、災害の実情にかんがみ、助成の道を講ぜられたいと存じます。 第十四は、三十九年産米の概算金の早期支払いであります。 第十五は、被害農家の所得減少を補てんするための救農土木事業の実施及び失業対策事業の実施であります。 第十六は、地方交付税の増額についてであります。本災害に対処いたしますため、県、市町村の財政負担が増大しておりますので、これに対し特別交付税の増額をされたいというのでありますが、各市町村とも税収入の減少が予想されますので、特に財政当局におきましては考慮の上万全の施策を講ぜられんことを希望するものであります。 第十七は、被害農業者に対する所得税の減免及び純損失金の繰り越し控除の措置について十分考慮されたいというのであります。 なお、開拓者に対しましては、一般農家以上に、天災融資、自作農維持資金等の融資措置と、農薬、肥料等に関する助成措置をされたいとの要望があったことを申し添えておきたいと存じます。 なお、山形県におきましては、干ばつに対しまして、用水の確保、水路掘さく、揚水機の設置等についての助成措置、干ばつ被害地域の用排水対策事業の促進及びおそまき予備苗しろ設置費に対する助成につきまして要望があった次第であります。 以上、各県の実情及び要望について申し述べたのでありますが、政府は、今次災害の特異性を考慮され、各要望事項について慎重に検討を加えられるとともに、これが期待にこたえるべく善処されるよう強く要望いたしまして、報告を終わります。 なお最後に、本調査にあたりまして御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝の意を表する次第であります。(拍手)
○中山委員長 細田吉藏君。
○細田委員 九州地方における長雨等による災害について現地調査を行ないました派遣委員を代表して調査の概要を御報告申し上げます。 本調査に参加されました委員は、塚田徹君、湊徹郎君、中村重光君、西宮弘君と私であります。調査いたしましたのは、主として長崎、熊本、鹿児島及び宮崎の各県であり、調査期間は五月二十一日から二十五日までの五日間であります。今回は、行程の都合上、福岡、佐賀、大分の三県には参ることができませんでしたが、板付空港におきまして、福岡県並びに佐賀県の代表の方々、また宮崎におきまして、大分県の代表の方々がそれぞれお見えになりまして事情を聴取いたした次第でございまして、後ほど申し上げます資料あるいは対策等につきましては、九州全般にわたりましての資料といたした次第でございます。 まず、今回の災害発生の原因となりました異常気象状況と各種農業被害の概況について御報告申し上げます。 災害発生の原因となりました九州地方の気象状況は、本年一月から二月にかけては、寒気の南下が見られなかったために、高温、寡照、多雨のいわゆる暖冬異変の気候が続き、その後、二月中旬から三月まではほぼ平年並みでありましたが、四月以降になって平年に比べ摂氏五度から七度の高温が続き、しかも四月中旬以降は日照も少なく、連続的な降雨を見たのであります。その間、四月二十五日から二十六日にかけて九州北部、特に長崎県五島列局地方及び佐賀、長崎県境に集中豪雨が来襲し、二日間に百五十ミリから二百ミリの降雨量をもたらしました。また鹿児島においては、四月二十九日を中心に瞬間最大風速が秒速二十メートルから十六メートルの突風まじりの雨があったのであります。一方、鹿児島県奄美大島地区、特に南離島(沖永良部島、与論島)では、二月から四月まで平均降水量の四〇%にも満たない降雨しかなく、異常乾燥に遭遇するという、両極端の気象異変に見舞われたのであります。 このような気象状況のため、麦類におきましては、一月から二月の暖冬異変により軟弱徒長ぎみであったのが、二月中旬から三月にかけての正常な気候により、平年並みないしやや良の作柄に持ち直したのでありますが、しかし出穂以後の高温、寡照と連続的な降雨により、四月中旬ごろから赤カビ病及び根腐れ等の被害が増加し、減収と品質低下が見られ、また二条大麦では、出穂期の異常な気象条件のため、不稔現象が各地で見られるに至ったのであります。このように麦は異常気象のために大きな災害を受け、調査いたしました四県の被害額だけで、約六十八億七千八百万円という大きな被害額になっております。なお、これを麦の種類別に見ますと、裸麦が最も被害が大きく、以下、大麦、小麦の順となっております。 次に、なたねについて見ますと、三月までの作柄は平年並みかやや良と見られていたのでありますが、四月上旬並びに下旬に高温、寡照、多雨の気象状態が続き、南九州ではたまたま開花期に当たったため、菌核病が発生蔓延し、相当な減収が見込まれるに至ったのであります。なたねの被害額は、調査いたしました四県だけで約二十三億一千万円にものぼっております。 次に果樹について見ますと、栗におきましては、その原因についてはいまだその真相は判明いたしておりませんが、とにかく高温多雨の連続によりキクイムシの大発生を見て枯死園となったものも多く、その被害額はますます増大する傾向にあり、投資額を合算すれば、熊本、宮崎県等におきましてはその被害額は相当に多額なものになっております。その他ビワ、梅等の果樹は、二月下旬の寒波により幼果の寒害を受け、桃、ナシ等の落葉果樹も、四月初旬の連続多雨により受精障害を来たすとともに、幼果期の腐敗や生理障害が著しく、相当の被害をこうむっております。 また、野菜類についても、長雨、高温による病害、湿害等により多大の被害を受けております。 次に、熊本、宮崎、鹿児島の各県における早期水稲の災害についてでありますが、早期水稲は四月以降の高温、寡照、多雨により苗が著しく徒長軟弱となり、苗代末期にはいもち病の発生を見、しかも雨続きで防除の徹底を欠いたため、苗のいもちの本田持ち込みが多く、さらに苗が徒長ぎみで素質が悪く、移植後の活着不良で一部不時出穂を見たものもあって、植えかえを要するものもあるようであります。これには技術的にはなお調査の余地のあることと思われますし、深植えによる植え痛み、田植え時期の差(苗代日数の長短)、品種による差などと、その被害の程度にも差はありますが、いずれにいたしましても、異常気象によりまして来たした災害でありまして、その被害額は、三県を合わせますと約十七億八千八百万円にものぼっております。 その他、四月下旬の集中豪雨により各地に一時的な水害が発生し、農業用施設にも損傷と被害をもたらし、また宮崎県においてはシイタケの被害が発生する等と、災害が発生しておるのであります。 調査いたしました四県の被害総額が約百二十億二千万円、九州全体では約百六十一億七千九百万円にのぼる被害となっております。もっとも、この点につきましては、調査いたしましたのが、五月十九日ないし二十日現在の数字でございますので、後ほど全体の額については調査いたしましたものを申し上げたいと思います。 次に、調査をいたしました各県の被害額を県別に詳細に御報告を申し上げなければなりませんが、お手元に「九州地方における長雨等による被害状況」、それぞれ五月十八日、二十日、二十一日現在で資料として差し上げてございますので、時間の関係上省略をさせていただきます。 なお、この資料によります被害のほかに、鹿児島県奄美大島地域では、長雨とは逆に、二月以降降雨が少なく、昨年と同様に干ばつによる農作物の被害を受け、その被害総額が二億四千万円に達しております。 なお、今回の長雨による災害は、九州地方のほか、山口県及び四国地方にも相当な被害が与えられておるのであります。中国並びに四国につきましては私ども調査をしてまいりませんでしたが、対策につきましてはあわせて考慮する必要があろうかと存じております。 調査の地区、日順等は省略いたしますが、私たち調査団が直接現地の声を聞き、この目で災害の実情を見てまいりまして特に感じた点を申し上げます。 調査団は、県庁、市役所、町村役場等で関係者の代表の方々から被害状況を聞き、陳情を聞きましたほか、実際に農家に立ち寄り、畑におりてその痛ましい被害の実情を見、農民諸君の声を聞いてまいったのでありますが、麦は赤カビ病、うどん粉病等病害や根腐れ、枯れうれ等によって色が変わり、穂の中にも実はなく、農民は二年続きの災害にただぼう然としていたのであります。収穫をいたしましたわずかばかりの麦も、赤カビ病による毒素を含み、食糧とならないのはもちろん、牛馬の飼料にすらならず、これを牛馬に与えましても、下痢症状を起こして倒れるというありさまであります。しかし、この飼料にさえならない麦であっても、農民にとっては、特に年老いた農民にとっては、半年間の営々辛苦の結晶であるだけに、簡単には焼き捨てることもできず、一度は脱穀機にかけ、乾燥をしてみなければ気が済まないといった切実な姿が各所に見受けられ、このことがかえって未収穫とはならず、共済の対象からはずされるという結果となっているのであります。また、麦もなたねも収穫とならないと知っていても、次の稲などの植えつけを考えると、これが刈り取りを急がねばならず、人手は不足し、臨時手伝いを雇わなければならず、この手伝いの日当の支払いに頭を痛めているといった現状であります。 このように、今回の異常天候は、二年続けて農民から麦、なたねなどの作物を奪い、現金収入の道を断ったばかりか、麦、なたねなどの焼却の手数、その油代、手伝いの日当の支払いと、二重三重の重圧を与えているのでありまして、調査団一行は心から同情申し上げるとともに、その救済にはあらゆる努力を惜しまない決意をしてまいったのであります。 また特に考えさせられましたのは、二年続きの災害により農家の生産意欲が著しく減退してきたことであります。いわゆる三ちゃん農業となりつつある現在の農業が、連続して起こったこの災害にますますその耕作意欲を阻害され、現金収入の道を得るため若い者の離村が増加し、残った者も、つくれば損をする、努力をしただけ損をするという考えを起こして、その耕作意欲をなくしつつあるということは、日本の農業の将来にとって重大な問題であると思うと同時に、一日も早く対策を行なう必要があることを痛感してまいったのであります。 次に、対策について申し上げますが、本災害の実態は各県とも共通のものが多く、その要望事項におきましてもほぼ同類のものが多いので、ここに一括いたしまして調査委員の意見を付して申し上げたいと思います。 〔委員長退席、大久保委員長代理着席〕 お手元に「九州地方における長雨等による災害に関する要望事項」という印刷物に一括しておきましたので、逐次これについて申し上げたいと思います。 第一は、被害農家の資金対策についての要望でございますが、その一は、今次災害に天災融資法を適用し、特別被害地域に指定するとともに、昨年に引き続く災害の実情にかんがみ、天災融資法第二条第二項の特別被害農業者の算定基準の特例を定め、昨年の該当農家で本年度麦その他政令で定める農産物の減収による損失額が百分の五十以上、開拓者にあっては百分の四十以上を適用者とされたいという要望でありますが、この点は、二年連続しての災害である点を特に考慮して、天災融資法の貸し付け条件を大幅に緩和する必要があると思います。また、激甚災害法第八条の適用についても要望がなされておりますが、局地的にはその被害が甚大なること及び二年続きの災害であることを考慮し、山口県、四国等を含めて検討するなど、政府の一そうの考慮を望むものであります。 なお、この際つけ加えて申し上げたいと思いますのは、この資料にはございませんが、天災融資法の根本的な改正を要望する声も強く出ておりました。 その二は、被害農家の経営安定をはかるための自作農維持資金の災害融資ワクの拡大及び借り入れ手続の簡素化についての要望でありますが、今回の長雨による災害はほとんど施設災害を伴っておりませんので、救農土木事業の実施による現金収入の道がないため、自作農維持資金借り入れに対する期待が非常に大きいのでありますから、この際貸し付けワクの拡大を行なう必要があるかと思います。 その三は、開拓者資金の災害資金ワクの拡大と算定基準の特例についての要望でありますが、これについてはその一で述べましたとおりでありますが、特に開拓者である点を考慮して、資金ワクの拡大と算定基準の緩和を行なう必要があると思います。 その四は、引き続く災害のため特に被害の大きな農家に対する各種農林資金の旧債の償還期限の延期についての要望でありますが、これについても、二年連続しての災害である点から、特段の考慮を払うことが肝要であると思います。 第二は、麦類の種子の確保に対する要望であります。麦の種子については、農家の自給が困難な状態にあるので、国において種子の需給調整の措置を講ずるとともに、種子の購入費、輸送費及びその他の経費についての助成を望むというものであります。九州におきまして耕作されている麦のうち、特に裸麦は九州特有の品種でありますので、その需給調整については特に考慮を払うとともに、その経費についても国の助成が必要であると思います。 第三は、麦の共済金の概算払いについての要望であります。 その一は、災害の実態に応じて早期概算払いの措置を講じてほしいというものでありますが、これは被害地における被害額はなお日を追って増加しつつある現状から、政府はこの支払い金が一日も早くできるよう特段の努力を願うものであります。 その二は、支払い共済金の組合等の責任部分についても、昨年に引き続く異常災害にかんがみ、全額国庫負担の特別措置を願うというものでありますが、組合におきましては、いまだ昨年の支払い分さえ完全に支払っていないのみか、昨年の災害によって積み立て金もほとんど皆無に近いという状態でありますので、政府は至急検討の上要望に沿い得るよう努力されることを希望いたします。 第四は、昭和三十九年産麦の買い上げ及び払い下げに関しての要望でありまして、その一は、本年産麦は著しく品質が低下し、相当量の等外麦が出ると予想されますので、等外麦についても全量政府買い上げ措置を願うというものでありますが、全体の収穫量が激減した上に、品質の低下により等外麦ばかりの現状では、農民はこの等外麦の買い上げをしてもらう以外には麦による現金の収入が皆無となりますので、この点は特に考慮する必要があるかと思います。 その二は、政府手持ちの食用麦及び飼料麦の払い下げについての特別の配慮を願うというものであります。 第五の要望は、農業課税減免措置でありますが、災害により農民は収入をなくし、県、市町村は二年連続しての災害対策に相当な出費をいたしておりますので、政府はこの点を考慮の上、国税の減免及び地方税の減免に対する財政上の措置を講ずるべきであると思います。 第六は、昭和三十九年産米の政府予約申し込み開始を早急に実施し、予約概算金の支払いの特別措置に対する要望でありますが、災害による困窮に農民は一日も早い現金支払いを要望いたしておりますので、政府は、昨年の例をも考慮し、極力支払いが早くなるよう努力すべきであると思います。 第七の要望は、救農土木事業についてでありますが、前にも述べましたごとく、農家は全く現金収入の道が閉ざされたのでありますから、特に被害の著しい農家に現金収入の道を与えるために早急に国が救農土木事業を行なう必要があると思います。これは昨年の事例を聴取すると、土地改良事業の実施に際して被災地で行なうよう配意したところがありますが、特に市町村は農家の負担が少なからざるため必ずしも円滑に行なわれていないと思いますので、国が被災農家の現金収入の道をはかるため救農土木事業について考慮する必要があると思うのであります。 第八は、被害調査、指導等の経費助成についての要望でありますが、これは県の災害防止対策の指導、災害調査等、応急対策を広範囲に進めるための経費に対する助成措置であります。 第九は、クリの被害に対する要望であります。 その一は、クリの緊急防除費の国庫助成でありまして、今後の被害の再発及び拡大を防止するため共同防除を推進する上から、農薬代の国庫助成を願うものであります。 その二は、クリの病害虫を植物防疫法第二十二条に規定する「指定有害動植物」として発生予察事業の実施を望むものであります。 その三は、クリの植えかえ苗木の買い入れ資金の助成措置を望むというものであり、その四は、クリ栽培農家に対する既成借り入れ資金の返済延期措置について、これまでの果樹農業特別措置法に基づく果樹園経営計画による植栽資金及び近代化資金等借り入れ農家について、据え置き期間及び償還の延期を願うというものであります。 以上四点が、クリの災害に伴う要望でありますが、今回のクリの災害は、熊本、宮崎両県の被害だけで八千万円にものぼり、ひどいものは枯死するという状態でありまして、その災害の復旧には三年を要し、被害額も、育成期間の投資額を合わせると甚大なる額になるのでありますから、このクリの被害を天災融資法にいう被害額の算定に加えるとともに、その防除措置についても適切なる指導を与えることが必要であると思います。 第十は、なたねの被害に対する要望でございます。なたねの基準価格の引き上げ、並びになたねの農業共済制度適用についてでございます。 次に、早期水稲の災害に対する要望について申し上げます。 その一は、早期水稲の不時出穂に対し天災融資法の適用を願うというもので、その二は、農業災害補償法適用の緩和、その三が、植えかえ用種子の確保についての特別措置を講ずるとともに、購入費、輸送費その他の経費についての助成措置、その四は、早期水稲の不時出穂を共済事故として認定されたい、等に対する要望であります。早期水稲の災害に対しては、長雨による麦、なたね、果樹等に対する被害に加えての災害でありますので、これら要望事項の実現については特別の考慮が必要であると思います。なお、早期水稲につきましては、以後の栽培方法等についても研究の余地も十分に残されていると思いますので、この点政府は特に研究調査を行ない、適切なる指導を行なうことが必要であると思います。この際、特にその四として申し上げました早期水稲の不時出穂を共済事故として認定されたいという要望につきましては、特に特別なる事情にかんがみて特段の考慮を払う必要があると存じます。 次に、その他の要望事項でございますが、農協倉庫の経営について要望がございました。これは各市町村の農協倉庫が二年連続の災害により麦の預け入れが激減したため、倉庫経営が非常に困難を来たしておるので、保管料の助成を望むというものであります。このことは、倉庫経営の方法そのものについても十分に検討の余地はありますが、政府は米の移管等について考慮をするとともに、経営方法についても適切な指導を行なうことが必要であると思います。 〔大久保委員長代理退席、委員長着席〕 なお、これらの要望事項とは別に、各県において出されました要望事項がありましたので、簡単につけ加えて申し上げたいと思いますが、資料の一番終わりにあるカンショ栽培についての問題でございます。昨今のでん粉の値下がりは、カンショの植えつけを目前に控えてますます農家の生産意欲を減退せしめておりますので、この際政府は、農民に残されたこれからの現金収入源であるカンショ栽培と密接な関係にあるでん粉の価格については、農産物価格安定法の趣旨によりその適正価格を維持するために、砂糖、コンスターチの輸入について特別に考慮をするとともに、政府買い上げワクの拡大を望むというものであります。 以上が今回の調査の結果の概要でありますが、最後にさらに、今回の長雨による災害が昨年に引き続いての連続災害である点を特に強調し、その被害額も日を追って増加いたしておりまして、お手元に差し上げた資料のほか、本日現在における全国の被害総額は二百二十億五千八百万円余にも達しておる点を御報告申し上げ、政府の早急な対策を望み、報告を終わることにいたします。なお、調査にあたりましては、現地におきまして関係者各位から非常なる御協力をいただきましたので、この席をかりまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
○中山委員長 派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。 この際、委員長から政府当局に申し上げますが、ただいまお聞き取りのとおり、地元からの種々の要望等につきましては、政府当局においては十分にそれぞれの対策について遺憾のないよう、地元各位の期待にこたえるよう善処されんことを強く要望いたしておきます。 —————————————
○中山委員長 これより災害対策に関する件について質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。天野光晴君。 〔「大臣がいないぞ」と呼ぶ者あり〕
○井谷委員 これからの質問に入ると、これは一つをあげても大きな問題だが、責任大臣がおられぬということは、質問せられるほうもこれは力が入らぬと思うし、軌道に乗らぬと思うのです。農林大臣、あるいは気象庁の問題があるから運輸大臣、大蔵大臣、みな出られるべきだ。
○中山委員長 いま政務次官が参りますので、御了承願います。大臣はいま予算委員会のほうに出ておりまして、ちょっと都合がつかないらしいのです。
○天野(光)委員 質問をいたしますが、ただいまお話がございましたように、責任者がお見えになっていないので、事務的な答弁だけではちょっと困るものもあろうかと存じますが、そういう点、ひとつある程度責任を持った答弁をしていただくことを前に要望しておきます。 私は、四月二十八日の夜半から二十九日の早朝にかけて東北並びに北関東地域に起こりました凍霜害の対策を重点的に質問をいたします。時間が非常にないようでございますので、もうすでに三十五日間も経過しておることでもあり、地元からのいろんな情勢もキャッチされており、本会議の質問あるいは前回の委員会の質問等においてある程度の論議はされておりますので、具体的に質問をいたしますから、答弁も簡単でけっこうですから、わかりやすく結論を申し述べていただきたいと思います。 質問に入る前に、このたび中山委員長を班長とする井谷、村山、稲富、渡辺各委員が、凍霜害の激甚地と目される福島、山形、宮城地方に出張されまして調査されました点につきまして、この席から厚く御礼を申し上げておきたいと思います。 そこで、この前の委員会でも湊君から質問があって、答弁をされておりましたが、天災融資法の実施を下旬に行なうという話があったわけです。それに対していまだ具体的に施行されていないようでありますが、その点はどうなのですか。
○中西政府委員 お答えします前に、お話が出ておりましたので若干お断わり申し上げておきたいのですが、大臣は非常にこの災害に関心を持っております。いろんな資料を見ておるのでございますけれども、予算委員会でそれぞれ農林関係の御質問があるようでございまして、こちらに出向かれない事情でございます。現在参議院の農水に出ておられます松野政務次官に来ていただくように手配をいたしております。御了承願いたいと思います。 お尋ねの天災融資法の発動でございますが、四月二十八日、九日の分につきましての考え方については、もうほぼ最終的な結論に至っております。特別被害地域の問題あるいは激甚法適用の問題等について大詰めにきておるのでございますけれども、その後、五月の中旬、さらに下旬に長野で非常に大きな災害がございましたが、関係県約十県ほどにわたっております。そういう新しい霜害が起こりまして、それとあわせて検討をしてみることが必要だと思われまして、下旬に措置すると申し上げましたのは若干おくれておるわけでございますが、中旬あるいは下旬の模様もおっつけ判明してまいります。全体を含めてできるだけ早く措置したいと考えております。
○天野(光)委員 激甚地の指定も大詰めにきておるという答弁ですが、大詰めにきておるのでは、大体アウトライン程度は言っても差しつかえないと思いますが、どういう形で激甚災の指定をされるような事務的な手続が進んでおるのか、その点ひとつ……。
○中西政府委員 こういうことでございます。四月の下旬の凍霜害につきまして、福島県等で特にひどい被害がございました。われわれ事務的にいままで得ておる結論から申しますと、激甚法指定基準のB基準、中央防災会議でおきめ願っておるB基準には当たるというふうに考えております。B基準というふうに考えますと、該当の府県が限定されます。その場合、一番被害の大きかった県についてはこれは問題ないと思うのですが、その次の被害のあったところ、あるいはそれよりも若干軽度だったところについて激甚法を適用し得るかどうかについては、なお検討を要します。さらに、長野県を中心とすると申し上げました五月中旬、下旬の被害状況を調べておるのでございますけれども、四月の下旬のものと、一連といいますか、同一の天災、気象条件に基づくものであるという認定をするのにはやや困難がございます。そういう意味で、長野県その他に起こりました中下旬の分については、激甚法の適用は現段階では困難な見通しであります。ただ、被害調査が途中でもございますので、確定的なこととお受け取り願うと、かえって誤解を生ずると思いますけれども、現状というお尋ねでございますので、現状を申し上げたわけでございます。
○天野(光)委員 そうしますと、激甚地の指定も、あるところによってはやるという見通しがある、こう了承してけっこうなわけですね。——そこで、その激甚地の指定を受けない地域に対しては、特別立法の措置等による、いわゆる昨年の麦作の被害等に準じたような方針で、激甚地の指定を受けなかった地域に対してはそういう特別措置を講ずる意思があるのかどうか。
○中西政府委員 昨年の長南等の場合のなたねあるいは麦につきましての裏作についての特例法と、今度の果樹の霜害についての関係とは、やや趣を異にすると考えております。そういう意味で、これと同じ趣旨の特例法を出すということは、もともと考えておりません。ただ、融資のワクそのものをふやすというような筋合いで、激甚法の適用をすべき地域については明確にしてそれをいたしたい。さらにもっと根本的には、先ほど来のお話にもありましたが、天災融資法そのものをどうすべきかというような議論も別途ございますので、これは現段階での応急対策としてすぐどうだというふうには考えられませんけれども、将来の問題としては当然含めて考えたい。天災融資法の根本的な手直しということもあっていいのではないかと考えておる次第でございます。
○天野(光)委員 そうしますと、ワクをふやす用意はあるということですが、ワクだけふやしていただいても、利息が高いとどうにもならないと思うのです。そこで、いわゆる現在の天災法の改正をしてということでは間に合いかねると思うので、改正するということは将来の問題でありますが、今度の災害に対して、くどいようですが、これは根本ですから重ねてお伺いしますが、激甚地の指定を受けなかった地域のものに対しては、ワクをふやす用意もあるか、利子の六分というものでなしに、低利に扱うというような考え方はないわけですか。昨年のような特別立法の措置を考えないということになりますと、ワクだけをふやして、利息は下げないというような考え方に受け取れるのですが、その辺はどうでしょう。
○中西政府委員 利息の問題につきましては、元来天災融資法の特別被害地域、特別被害農家の制度がございまして、六分五厘でなしに、三分五厘を適用するという道が開かれております。それは当然適用があるとお考えになってけっこうです。それで、激甚法の適用にならない地域につきましては、これは当然、客観的に申しまして被害がさほど激甚でなかったということで、結果としてそうなるのでありますが、天災融資法の発動があれば、三分五厘地域というものも、激甚法の適用がなくても当然考えられます。さらに、天災融資法に関連して、自創資金の融資の準備もいたしておりますので、自創資金のほうでの貸し付けワクをどうするかということも含めて貸し付けワクの問題も対処してまいりたい、かように考えております。
○天野(光)委員 先ほど、先月の下旬に発動するという考え方であったが、その間また凍霜害が他に起きたから、それで延びたのだということでありますが、今後またいろいろな災害が関連して起きてきますと、また延びる可能性があるんじゃないかと感じられますが、四月の二十八日の夜から二十九日の朝にかけて起きた被害に対する天災融資法の発動はいつまでにやるかというめどをきちっとしていただきたいと思うのですが、その点どうですか。
○中西政府委員 めどでございますが、これからあれに類似した凍霜害があるかもわかりませんけれども、一応ないだろうというふうにも考えられます。そういう意味で、いままでの分について早急に措置をいたしたい。この上旬中に間に合えばけっこうなんですけれども、少なくとも中旬にかかれば全体の措置を済ませたい、かように考えております。
○天野(光)委員 どうも中旬というと一カ月も延びる。災害が起きて五十日も六十日もたって——早急にやると本会議で総理大臣が答弁しているのに、そういうように事務的に延びてははなはだ困ると思うのです。その点は、最悪の場合でも今週中あたりに仕上げるようにひとつ希望いたしておきます。 次に、被害農家の農業近代化の資金、制度金融の償還の問題ですが、いわゆる災害をこうむった農家が償還をするということは容易でないと思います。これは当分延期するということが望ましいと思うのですが、この点についてお考えがありましたら……。
○中西政府委員 償還の延期の問題でございますが、重ねて災害を受けたというような農家につきまして、特に借りかえ資金も天災融資法の中で用意いたします。そういうことで、実質的には償還が延びていくというふうに考えられますし、さらに一般的な制度金融に通じまして、特に個々の農家について必要があれば適宜の措置を講ずるという一般的な原則も打ち立てられております。末端を指導しまして、そういう点について遺憾のないように取り計らいたい、かように考えております。
○天野(光)委員 次に、農業災害補償法に基づく共済金の仮払い、国からの再保険の概算払いを早期に行なうという問題でありますが、特に養蚕地帯からの申し入れで、他の農作物は三分の二、養蚕の場合は二分の一ということになっておるので、三分の二にしてほしいという要望が強いのですが、これについては、この前、考慮するというような答弁があったようでありますが、具体的にどのようになっておるか。いわゆる共済金の仮払い並びに再保険金の概算払いの現在までの事務的な進行の状態と、養蚕に対する限度額の引き上げの問題についてどのように進んでおるのですか。
○中西政府委員 概算払いの段取りにつきましては、もうすでに準備は完了いたしております。府県等を通じまして要望が上がってきますれば、末端にお流しできるという段取りになっております。 さらに、限度額の問題ですが、お話の二分の一を三分の二に引き上げろという点につきまして、これも方針としては決定いたしました。そういうふうにするということについては、関係の連合会あるいは都道府県にも連絡をしておりますが、省令改正を要します。数日の猶予をいただきたいと思います。
○天野(光)委員 次に、被災地の各種農業団体に対する助成でありますが、御承知のように、秋作までの準備は全部完了しておる状態であります。肥料等はもう取り返しはつかないわけでありますが、いわゆる農薬、肥料、種あるいは資材等の問題について、農家にものを貸しておるわけでありますが、回収が不能である。そこで、資材のごとき、これは果樹地帯に多いと思うのですが、袋、箱その他の資材等は、ことしはとれませんから使いません。それで、利息がつくのなら返すというので、返されても、返された農協としてはどうにもならないという状態で、これは当然無利子で農家のほうに農協が預けておくというようなかっこうになると思うのですが、それに要する農協のいわゆる資金繰りの関係から利子の補給をしてやらなくては、農協自体がまだ完全でありませんので、容易でないという問題があるのですが、これについての考え方があるかどうか。また、最近契約栽培というのをやっております。これは私のほうの果樹地帯でありますが、単一農協で二千五、六百から三千万くらい、要するに契約栽培として農家にすでに金を出しております。これは全然返ってこない。これは利息等も取りかねるのじゃないかと思うのですが、この災害を受けた結果、全般的な農協の損害に対する金繰り、利子の補給でありますが、こういう点について考慮があるかどうかという点であります。どんな小さな農協でも三百万から五百万くらいの赤字がこの災害で起きたわけでありまして、この点に対する国としての救済の方法があるかどうか。 それから問題は、養蚕団体の養蚕技術員の俸給の支払いの問題でありますが、これは国が三分の一、県が三分の一、養蚕団体が三分の一。養蚕団体は養蚕農家から金が一銭もあがってこない。そうすると、養蚕技術員には実質的には三分の二しか俸給が渡らぬことになるのでありまして、これからの肥培管理その他非常に容易でない状態における特に養蚕技術員でありますが、これについての政府の措置としてもうすでに考慮あってしかるべきだと思うのです。その二点について。
○中西政府委員 災害の関係で、農協の資金繰りなり、前貸しした資金の焦げつき、あるいは特約栽培の場合の同様の事態に即して何か考えがあるかという第一点の問題でございます。これにつきましては、個々の資材それぞれについては千差万別だろうと思うのです。それを一つ一つ取り上げて補助体制の中に組み込むということは、行政技術的にもきわめて困難でございます。そういう意味で、農協経営一般としまして、その金繰りが非常に困っておるということも予想されますので、系統機関にそういう点についての配慮をするように連絡をいたしております。さらに、ほんとうに経営が困難になるというような場合には、経営不振農協に対する一般の措置が用意されておりますから、そういうようなかっこうでの対策の中でこれを善処していくということでございます。他方、合併の促進等もやっておりますけれども、全体としての取り組みをいたしたい。個々の問題についての取り組みはきわめて困難であるというように考えておるのであります。 養蚕の技術員について、繭の検定料が入らないということに関連して、俸給が減るのではないかという第二の点でございます。この点につきましては、夏秋蚕、晩秋蚕の模様を見定めまして、全体としてほんとうに困るというときには、時期はおくれますけれども、あとで穴埋めをするという方針でございます。
○天野(光)委員 農協に対する助成を系統機関のほうで配慮するように申しつけてあるという答弁ですが、もうちょっと具体的に、どのような配慮をせよと、数字的に出せるものなら答弁していただきたい。
○中西政府委員 ただいまお触れになりました点は、御承知のように、系統組織として当然の任務にわたる事項であります。個々具体的なことについてああしろこうしろということは、農林省としてはいたしておりません。しかし、こういう事態があったので、要望がある場合には適宜措置すべきであるという趣旨の、抽象的な連絡をいたしておるわけであります。
○天野(光)委員 次に、被害農作物の樹勢回復あるいは病虫害発生防除のために、現在急を要するので、県並びに市町村で助成をしてこれを実施しております。国においても以前においてやったことがあるわけですが、話に聞きますと、何か農林省が会計検査のほうの問題があったので弱腰だというような話を聞くのでありますが、扱い方の要するに行政指導その他がまずかったのではないかと思うのですが、そういうことは抜きにして、ほんとうに激甚な災害をこうむった地域であり、いわゆる肥培管理をやるためには、先ほど派遣委員の調査報告にもあったように、速効肥料を用いてそして至急にこれをやらなければならないわけでありますのに、それに対してまだ具体的なかっこうができていないようでありますが、いわゆる樹勢回復、病虫害の発生防除等に対する具体的な助成の措置はどのように事務的に進んでおるか、その点。
○中西政府委員 お話の点でございますが、確かに三十三年ごろまでは、肥料、農薬等について補助金を出してまいっておるわけです。ところが、会計検査その他でいろいろな問題がありまして、その後やっておりません。今回特に御要望も強いことでございますし、実は過去の事例等さかのぼって検討いたしてみました。そして検討の趣旨としましては、会計検査院の指摘といいますのは、農村省の役人だけが指摘されて困るのではなしに、地方公共団体あるいは末端の農協等についてもいろいろ御迷惑を及ぼす結果になりかねないのであります。そういう意味で、そういうことにならない仕組みで要望にこたえたいという趣旨で検討を重ねてまいりました。最近の、何といいますか、末端の事情等にも合わせる。といいますのは、個々の農家にとっては、自分のところは肥料よりは農薬がほしい、あるいは農薬よりは肥料がほしい、その数量まで限定されて、そうでないと、補助金の目的外使用ということで摘発されるというようなことでは困りますから、そういうことでないように、末端の実情に即して何か助成の方法があるのではないか、そういう趣旨で、現在結論として持っておりますのは、特別交付税の措置で、年度末近くになりますけれども、地方公共団体等で支出された分についてのあと埋めは自治省のほうにお願いして善処したいということで連絡をいたしております。現在のところでは、自治省としては好意的に対処したいという返事をもらっています。数字その他につきましてはなお公共団体のほうと詰め合わせが必要であろうと思いますけれども、大きな方針としてはそういうことで了承を得ておりますので、そういう措置をいたしたい、かように考えております。
○天野(光)委員 どうもただいまの問題についてはちょっと了解しかねる点があるのですが、ここで特別交付税の話が出ましたから、自治省からお見えになっておるはずですから、両方あわせてお伺いいたします。 被害農家に対して国税及び地方税の減免の措置は当然これには行なわれることであります。そこで、国税関係について、所得税は、前年度の所得税を今年度納めることに法律はなっているわけですが、そういう点で、昨年度の収入を持っているようならけっこうなんですが、みな食ってしまって、ないという状態における所得税、国税の扱いはどうするか、完全に延期というわけにもいかないだろうと思うのだが、その辺の扱い、減免の措置をどういうようにやるか。これは国税。地方税のほうは当然減免をされるだろうと思いますが、減免をするために収入減になる地方自治団体に対し、要するに特別交付税等によってこれをまかなうようになると思いますが、その点の、現在自治省において煮詰めておるとするならば、具体的にどうなっておるかということと、ただいま、病虫害の防除あるいは樹勢回復等の地方公共団体でかかったものを特別交付税で見るということで交渉して、大体了解済みだという官房長からの答弁でありますが、特別交付税の性質はちょっと違うのじゃないかというように考えるわけであります。いわゆる税収入が減になった点に対して特別に考慮を払ってやるという筋はいいと思うのですが、大まかに解釈すれば当然そのワクの中に入るかとも思うのでありますが、いまけつに火がついたように非常に急を要する問題で、地方公共団体では、やむを得ざる形で、各市町村も県も全部予算措置をして金を現に出しているわけでありますから、それに対して助成措置をとるほうが私は当然だと思うのですが、そこらあたりの法的見解はどうなっているか。これは特別交付税でもまかなわれて差しつかえないという解釈をされておるのかどうか。 それから、もうすでに三十五日以上たっておるのですから、相当対策はできておると思うのですが、交付税の繰り上げ支給等もやるべきだと思うのです。そういう点、具体的に、現在まで自治省において事務的にでき上がっている点をお聞きしておきたいと思います。
○山本説明員 ただいまの特別交付税の点でございますが、特別交付税は、交付税法によりまして、災害といったような事情がございます際に、税収入の減少、あるいは被災のための特別の財政需要、両面の需要に基づきまして交付するように規定されているわけでございます。したがいまして、いま御指摘がございましたように、税が減収になる、それを補てんする、これも一つの機能でございます。同時に、災害のために各種の事業をやらなければならない、そのために特別な財政需要がありました際には、やはりそういった特殊事情も算定をする、こういう両面を持っておりますので、ただいまの農林省のほうの御答弁のように、個々具体的な内容につきまして特別交付税でどういうぐあいなやり方をするかというようなところまで、実を言いますとまだ煮詰まってないと思いますが、従来の扱いから申し上げますと、昨年の長雨あるいは凍霜害、こういった事情に対しましては、それぞれの地方団体の農作物の被害額を基礎にいたしまして、その被害額をもとにして一定の率を乗じまして特別交付税の算出基礎額をつくる、こういうような方法によりまして措置をいたしてまいったわけでございます。特別交付税の総額は年度間できまっておりますので、年度途中の各種の事情をどういうぐあいに判定するか、交付税法によりまして二月にきめることになっておりまして、ただいまの状況のもとでどういう算定になるか、的確には申し上げかねるところでございますが、従来の例から申しますと、先ほど申し上げましたように、被害額を基礎にいたしまして計算をする、こういうようなことになってまいるのではないかと存ずるわけでございます。 また、繰り上げ交付の点の御指摘があったわけでございますが、交付税の総額の四分の一を四月と六月にそれぞれ交付いたします。実は、本日六月二日でございますが、きょう全国で千五百億弱の交付税の概算交付をいたしておりまして、それぞれ被害県にも、県分、市町村分十数億から数十億の金額が交付されておりますので、当面の資金繰りは各団体ともついておるのではないか、かように存じておるわけでございますので、特別に現在のところ資金的に非常に困るから繰り上げ交付という段階まではまだいっていない。ただ、全般に交付税がわりあいに多くいきますのでそういうことでございますが、そのほか、今後特別に必要になってくる事態が起これば、またそのときに考えさせていただきたい、かように存じておるわけでございます。
○天野(光)委員 そうしますと、地方自治団体が、今度の災害にあたって樹勢回復あるいは病虫害発生防除の措置をとる緊急措置上、やむを得ざる形で現在すでに支出しておる金額というものに対しては、どのように交付税で見ていただけるわけですか。
○山本説明員 先ほど申し上げましたように、特別交付税の算定といたしましては、個々の団体がどういう対策をおやりになるか、いろいろ団体によって事情があろうと存じます。ある団体はこの仕事をやり、ある団体はこの仕事をやる、いろいろあろうと思います。しかも、補助金と同じようなかっこうで一つ一つ使途を指定して交付いたすわけではございません。これは財源として税金と同じような意味での交付をいたすわけでございますので、個個の団体のやったことそのものを取り上げまして計算することは、自治の観点からいきましても公平を欠くのではないかという点もございますので、先ほど申し上げましたように、発生した被害額という客観的なものをそのままつかまえまして、それに一定率を乗ずる、たとえば一%だとか、財政力に応じまして率等も違ってまいりますが、そういったかっこうで計算の基礎を出しておるわけでございます。したがって、ただいま御指摘の点から申し上げますと、個々の団体がどういう仕事をやって幾ら出したかという、その実績そのまま特別交付税の計算基礎としてはいささか使いにくいというかっこうになろうと存じます。
○天野(光)委員 官房長に再度質問しますが、そうすると、農林省は全然直接助成するという考え方はなくて、もう一にかかって地方交付税におんぶするのだという考え方のように聞こえるわけですが、すでにそういうふうに方針を確定したわけですか。この樹勢回復あるいは緊急必要な措置上やむを得ざる形における緊急対策として必要な助成というものはやらない、これは自治省の交付税でやってもらうのだということで農林省はもう方針を決定したのですか。
○中西政府委員 先ほど来の御質問に関連して、事務的処理を補助金という体系で行なう場合に一番困難のある農薬と肥料というものを取り上げて申し上げたわけでございますが、その点については、補助金というのは非常に困難であるから、特別交付税で措置するという方針を実は農林省としては現在のところきめておるわけでございます。ただ、樹勢回復あるいは全体としての凍霜害の防止対策というような面にわたって、もうすべてを特別交付税でというふうに考えておるわけではございません。たとえて申しますと、スピードスプレヤーなどを入れまして能率のよい病虫害防除をやってもらう、あるいは重油燃焼器等についての配慮をするというようなことで、凍霜害の対策全体について補助金で的確に行ない得る、また前向きにそれが大いに有効であるというふうなそれぞれの項目につきましては、現在大蔵省に対して予備費の要求をいたしております。まだ結論を得ていませんけれども、そう日をかけないで結論に至り得るのではないかと思っております。相当項目について実現の見通しは立っておるわけでございます。
○天野(光)委員 政務次官にお尋ねします。 これほどの激甚災害をこうむった農家が、いままでの質問を通して考えると、天災融資法の激甚地の指定を受けるという以外にさしたるものがないという感じが強いと思うのです。金額の大小は別ですが、やはり災害そのものに対する助成措置というものをとることが望ましいと思うのですが、現在までの官房長の答弁によりますと、事務的にはもうすでにその方法は打ち切って、特別交付税のほうでまかなってもらうのだという考え方のようでありますが、一考を要すると思うのです。その点いかがでしょう。
○松野政府委員 今回の福島、宮城、山形その他における凍霜害におきましては非常な被害をこうむって、まことに気の毒に存じております。私どもも、さっそく政府の機関を通じて調査いたしまして、すみやかに天災融資法の早期適用をやるということで、いま努力中でございます。 なお、いま天野委員御指摘のいわゆる樹勢回復の速効肥料あるいは病虫害の防除費用その他、いわゆる直接の補助金を何も考えていないのじゃないかというお話もございましたが、これは毎回の災害あるごとにこういう問題が起こるのでございますが、適用した後にいろいろな問題が過去において起きておったので、なかなか困難な状況にいまあるそうでありますけれども、なおうちに帰りましてよく検討してみたいと思っております。
○天野(光)委員 時間がないようですから、大急ぎでいま二点だけ。 当然、収穫皆無地帯あるいは収穫七〇%以上減という地帯が多いわけでありますが、特に、養蚕地帯のほうは一応夏秋蚕に考えるという点もあろうと思いますが、果樹園地帯はそうはまいりません。特にくだものがとれない果樹園地帯は、来年度の収穫を目途として今年度はより以上多く経費もかかり、非常に容易でない肥培管理費用を必要とするわけでありますが、現在現金収入が一銭もないということで、もうすでに労働省関係では出かせぎの募集をやりまして、現地に出向いて農家と相談をしておりますが、出かせぎに他に転出したのでは、果樹園は来年度もゼロであります。来年もまただめであります。そういう点で、どうしても果樹園の手入れをし、肥培管理をしながら現地にとどまる以外にない。そうすると、現金収入の道がない農家は非常に困るわけでありますが、そういう点で救農土木というような問題で非常に大きく叫ばれておるのでありますが、現在農林省としては、農家のほんとうに困るというこの立場から、現金収入を与えるための措置として救農土木等についての考慮の余地がすでに払われているのじゃないかと思いますが、具体的にできておるのでしたら、その具体的な方法をひとつお聞かせを願いたい。
○中西政府委員 救農土木等につきましては、かねて御要望もありまして検討してまいりました。県によっていろいろ事情は異なるのですけれども、団体常等事業量が少ないにしましても、どこか近くにあるというような場合には、繰り上げ施行する、あるいは林業についての事業があれば、それも繰り上げ施行するというような形で、それぞれの県の御要望をよく聞きまして、具体的な事業地域に即して善処してまいりたい、かように考えております。
○天野(光)委員 最後に、恒久的対策について二、三の点をお伺いいたしたいと思います。 先ほど質問の半ばに、恒久的対策の予防措置については具体的に考慮している、一つは、スピードスプレヤーの問題とか重油燃焼器等を調製してやるのだというようなお話のようですが、私のほうの果樹園地帯は、ナシとリンゴと桃というふうに分かれております。そういう点で、スピードスプレや一等はナシ園地帯にはまだ使えない状態でございます。そういう点から、どうしても重油燃焼器を購入してやる——今度の凍霜害でもこれを装置したところは非常に成功しておるわけでございまして、そういう点でこれをどうしてもやりたいと考えておるのです。三十二、三年ごろにはこれを助成して農林省がやったことがあるのですが、今度の災害の恒久的対策として一体どの程度これを予算化してやろうというお考え方であるか、それが第一点。 それから、いつもだと二、三時間くらいで予防措置を講ずることが間に合ったわけでありますが、今度の場合は七時間も、要するに長時間にわたって氷点下四度という温度を持ったわけでございます。そういう点で重油の保有量というものが非常に足りなくなりまして間に合わなかった地帯が相当多く出たわけでありますが、重油を確保しておくのにはやはり相当資金が必要であります。この資金繰りあるいはその利子の補給等について、具体的に事務的には進んでおると思うのですが、その点どうなっておるか。 それから、果樹共済は、来年度まで調査して四十一年度からだということですが、調査が一体どうしてそんなに長くかかるのか、何年もかかるほど調査期間を必要とすべき性質のものであるかどうか、他の農作物はすでにやっておるのだから、そんなに調査を必要としないと思うのですが、現在どのような調査をするためにそういうように手間どっておるのか。 それからもう一つ、農業気象を農林省自体はどういうように考えておるか。要するに、気象庁のほうに委託してやっておるのであろうと思うのだが、この間も、調査においでになられた委員の方を気象台に御案内申し上げたのですが、現在の状態では、農林省のものは頼まれた程度にしか考えていない。そこで今度のような場合も、霜がおりるという通報だけです。今度の霜は、零下何度になって何時間くらい続くのだという予防的な通報がないと、予防措置のしようがないということです。霜がおりるといっても、零下一度でも霜がおりる、二度でも霜がおりる、零下一度、二度なら対策を講じなくてもいいのであるが、今度のように四度以上というと、霜よりも凍害のほうが多いわけでありまして、そういう点、農業気象というものに対してもう一歩進んだ考え方でやるべきじゃないか。委託してやるというような考え方でなしに、もう少し具体的にこの問題を考えるべきだと思うが、この点について農林省当局はどう考えておるのか。 以上三点についてお尋ねしたい。
○中西政府委員 第一点の果樹共済の問題でございますが、御指摘のように、二、三年かかって実行するということでございますが、なぜそうなるのだろうかということでございます。要するに、被害の分布の状況あるいは被害の程度というものをもとにしまして制度化します場合に、共済なり再保険の体系に織り込めるような基礎数字の把握が必要でございます。そういう意味で、若干の年数を継続してとらえませんと保険の設計ができないという本質的な問題がからんでおります。欲を申しますれば長いほうがいいのでございますけれども、といって、あまり長くてもぐあいが悪いということで、調査は三年くらいで打ち切って制度化してみたらどうかということで取り進めておるわけでございます。それでも十分な保険設計ができるというふうには言いかねるのですけれども、制度についての要望も勘案しまして、一応そういうことでつくってみて、さて掛け金がどうなるか、共済金あるいは再保険金はどうなるかという数字の詰めをしてみて、その上でないと制度化ができないということでございます。といって、おくらせるつもりはございませんから、できるだけ督励してやりたいと思います。 なお、重油の保有量をもっとふやして資金的な裏づけをというお話でありますが、個々の資材についてそういう計算をいたしますと、きわめて零細な補助金になります。それを全体としてどうするかというようなことで考えることができればよいのでありますが、これも地帯により、果樹の種類によって違うというような関係で、なかなか一律には取り扱いにくいし、補助金の体系としては非常に取りきめにくい性質のものだと考えております。何といいますか、もっと大きな農業政策全体としての援助なり資金的裏づけということに重点を置きまして、たとえば天災融資法の場合には経営資金というような大きなワクになるわけでありますが、そういうような形での援助のほうが、受けるほうからも出すほうからもよいのじゃないかというようにいまのところは考えております。 それから農業気象については、私あまり詳しくは存じませんが、圃場その他における圃場気象、あるいは微気象というか、作物と作物との間の気象、そういうような点については農業試験場等においていろいろ研究もし指導もいたしておりますが、北極圏の冷水塊がどうだとかいうような問題になりますと、これは農林省としてはちょっと手も足も出かねる次第でございます。長期予報、地域予報あるいは当面の予報というようなことについては、気象台の御意向を伺って警報を発するというような段取りになってから、それぞれの組織を通じて準備をし、それの対応策を講じていくという現状でやむを得ないのじゃないか。ただ、それぞれの市町村段階あるいは部落、あるいは特定の果樹園なり桑園なりにそれを徹底させる点におきまして若干欠けたところがあったというふうに反省いたしております。そういう点につきましては今後十分準備ができるように配慮いたしてまいりたい、かように考えております。
○天野(光)委員 答弁漏れがあります。重油燃焼器等の今後の予防対策としての予算組みが現在してあると思いますが、スピードスプレヤー並びに重油燃焼器等の具体的な現在の方針を明らかにしていただきたい。 それから、いまの農業気象の問題ですが、今度の場合も、前に申し上げましたように、ただ霜がおりるという通報しかしない。今夜霜があるぞ、そこで各市町村あるいは農協等は、末端において警戒体制に入って、何度になった何度になったといってそれをいわゆる部落に言いふらすだけのことで、たとえば今度のように、特殊な状態だと思いますが、十一時ごろから零下三度、四度に下がって、朝まで続くというようなことになれば、その予防措置も相当適切に講じなければならないのじゃないかと思いますが、そういう点、どうも借り家でやっているような感じを気象台のほうから受けたわけであります。私のほうでもどうもそこまではというような感じも、この間調査に参りましたとき受けたのであります。そういう点で、気象台と農林省とは、一体農業気象についてどの程度の話し合いをしてどういう措置を講ずるようになっておるのかという点をただしておきたいと思います。
○中西政府委員 第一点のスピードスプレヤーあるいは重油燃焼器等についてでありますが、現在の折衝の段階でおおむね結論に達しておる点を申しますと、スピードスプレヤーにつきましては、県有という体制で国が半額補助するということで、被害面積、被害の程度の大きなところを重点にしまして、二十台に少し欠けるかと思いますけれども、おおむね二十台程度を確保したいと思っております。それから重油燃焼器につきましては、共同的な施設としてそれを保有し管理するというような場合に、被害の面積等についての実態を調査しました上で、何台か重油燃焼器を補助して共同施設として持たせたいということで折衝をいたしております。まだ設置個所その他については結論を得ておりません。補助率は、現在のところではまだ折衝の段階でございますので、何とも言えないのでございますが、一応二分の一で要求をいたしておるわけでございます。できるだけ広くそれを利用してもらうという趣旨で、補助率は若干下がりましても個所数を重点にということで現在方針を立てておりますけれども、共同施設ということになりますと、桑の場合は、稚蚕共同飼育というようなことで共同桑園という例が多うございますけれども、果樹の場合にはそれに当たるケースが非常に少ない。その辺どういうふうに調整するかというのが目下の問題点であります。 それから気象台との関係でございますが、これは先ほど来申し上げたとおりで、何といいますか、警報の直前、十日後どうなるかというような連絡は求め、かつ受けておりますけれども、やはり決定的な問題は、その直前の警報をどうして末端に周知するかということにあろうかと思います。それと同時に、周知するだけでなしに、防除体制をあわせて指導するということが必要だと思います。一時間程度の重油ならばそれぞれ用意があったようでございますけれども、数時間となるとそれが足りなくなったという点で、大いにわれわれも、何といいますか、一つの大きな試練を経まして、今後そういうことがありました場合に、十分対処し得るように指導等に遺憾のないようにいたしたい、かように考えております。
○天野(光)委員 以上で私の質問は終わりますが、いずれにしろ、災害を受けてぼう然自失している農民の立場を考えて、ずいぶん時間的に事務的運営がかかっているが、災害を受けたのですから、早急にやるべきじゃないかと思うのです。その点どうもスピードアップが足りないように感ぜられます。これでは国民から受ける不信感も相当強くなるんじゃないかと思いますので、そういう点から、派遣委員の調査報告にもあったことで全部尽きておるわけですが、政府はひとつ善処して、農民から信頼を受けるような措置を一日も早く速急に行なうということを条件として、私の質問を打ち切ります。
○林委員 関連して。本質問はいずれ質問の順序の際にいたしたいと思いますが、ちょっと関連して、法制上わからない点が一、二ありますので、その点だけを説明願いたいのです。 天災融資法の特別被害地域の指定ですが、二条の五項一号に、旧市町村の地域の中のまたその一部というようなこともあるようですけれども、そういうことがあり得るのかどうか、そしてその一部の認定は、どのような基準で認定しているか、説明願いたい、それが一つ。 それから、三条の国庫の補助の問題です。都道府県あるいは市町村と、単協の組合あるいは金融機関と利子補給、損失補償契約をした場合の国の補助というのはどういう形でなされるのか、そしてその国の補助に対する第五条の政府への納付金というのはどういう関係になるのか、その点ちょっと説明していただきたい。
○中沢説明員 お答え申し上げます。 第二条の五項の特別被害地域の指定の問題でございますが、これは旧市町村の区域の一部の場合もございます。そのあとに書いてございますように、当該地域の特別被害農業者の数が当該地域の被害農業者の数の一割以上である区域のうち、知事が申請されまして、そのうちから農林大臣が承認するという順序になっております。 それから国庫補助の関係のことでございますが、これは簡単に申し上げますと、国の補助は三分五厘の場合と六分五厘資金の場合と違いまして、六分五厘資金の場合には二分の一、三分五厘資金の場合には六五%国が負担することになっております。 最後の項は、損失補償を受けましたあとの国への納付金でございますが、これは金融機関に対しまして国が損失補償をいたしました場合に、なお金融機関と金を借りました農家の方々の間の債権債務の関係は残るわけでございますが、その後金融機関がその金を借りました農家の方から返済された資金につきましては、それを全部国に返すのではなくて、まず回収に要しました費用を引き、なおかつ金融機関に所属する部分を差し引いた残りを国に返す、こういうたてまえになっております。
○林委員 先ほどの特別地域ですけれども、これは条文を見ますと、旧市町村の全部の場合はいいのですが、「一部又はその都道府県の区域内の耕地面積が十町歩以上である開拓地区の区域であって、」開拓地のほうはいいのですが、「その区域内において農業を営む被害農業者中に含まれる当該天災に係る特別被害農業者の数が当該被害農業者の数の百分の十」とあるのです。そうすると、旧市町村のうちの一部——耕地面積十町歩以上の開拓地区の区域はわかりますけれども、旧市町村のうちのまたその一部の区域の、その一部というのはどういう基準できめていくわけですか。
○中沢説明員 具体的な過去の例に徴しましてここでお答えできないのはまことに恐縮でございますが、予想されますのは、旧市町村の区域といいましても、部落なんかが幾つか固まって旧市町村の区域を構成しておるような場合、その一つの固まっている集落というものが考えられるのじゃないか、こういうふうに考えられます。
○中山委員長 あとで林君の質問がありますので、関連は、時間の都合がありますので打ち切ってください。
○林委員 これで打ち切らせていただきますが、利子補給の場合はどうですか。市町村が市町村財政で利子補給をして、あるいは都道府県が利子補給をして、そして市町村に対しては都道府県は補助し、都道府県に対しては国が補助するという形になるのかどうか、あるいは市町村に直接国の補助がくるのかどうか、その国の補助というのはどういう資金がどこからくるのか、それから利子補給の場合は、政府への納付金の制度はないのか、それだけ聞いて打ち切ります。
○中沢説明員 国は県に対して補助いたしますが、その場合に、県と市町村の分担割合は、法律上、予算上もきめておりません。事実上県と市町村の間でお話し合いが行なわれているようでございますが、過去の例によりますと、大体市町村が利子補給をする場合には、残りの二分の一、つまり県が四分の一、市町村が四分の一という形が多いようでございます。 それから、利子補給の場合の納付金のたてまえはございません。
○中山委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 故大野先生のお葬式が迫ったようですから、簡単に承りますから、ひとつ明快にお答えを願います。 東北地方を襲いました凍霜害に対する農林省の方針なり対策というものは、天野委員の質問によって大体明らかになったのですけれども、九州地区における長雨災害に対しての対策は明らかでありませんので、その点に対してお尋ねいたします。 まず、農林省において現在集計しておる長雨災害による各県の被害状況はどういうことになっておるか、数字だけでけっこうでありますから、お答えを願います。
○中西政府委員 五月十五日現在で百五十億になっております。
○中村(重)委員 私どもの手元に配付されております九州各県の被害額、それは中国、四国を若干含んでおるようでありますけれども、二百二十億五千八百万円、こういうことになっておりますが、相当の数字の開きがあります。いまの明らかにされた数字は、統計調査事務所の報告によるのか、調査された内容について……。
○中西政府委員 統計調査部の末端をほとんど動員しまして計算をいたしました結果で、農林省の公式の数字であります。
○中村(重)委員 その点に対してはまたあらためてお尋ねをすることにいたします。 今度の被害に対して農家の方々が何を一番望んでおるかということに対しましては、先ほど来調査団のほうから報告がございましたので、農林省のほうでは明らかであると思うのです。まずその第一は、何といっても天災融資法の指定を受けるかどうか、このことにあるわけであります。東北地方におきましては大体方針が明らかになったのでありますが、九州、中国、四国の長雨被害に対しては天災融資法を適用しようと考えておるのか。
○中西政府委員 当然天災融資法の適用は必要であると考えております。
○中村(重)委員 それでは前会の私に対する答弁と変わりません。前会の質問に対しましても、多分適用になるものと推測する、こういうことでありましたが、もうそういう段階ではなくて、具体的にひとつお答えを願わなければなりません。大体いつごろ指定を決定されるのか。
○中沢説明員 お答えいたします。 統計調査部の被害額が確定いたしますと、政令を出す場合に特別被害地域の指定が必要でございます。その場合に、県のほうから特別被害地域に関する資料を出していただく必要がございますので、現在そういう天災融資法を適用していただくように事務をとり進めておるのでございます。
○中村(重)委員 特別被害地域の指定を受けただけでは、個々の農家にはたして三分五厘の特別措置が行なわれるのかどうかということは保証できないわけであります。先ほどの報告でも明らかなように、ことしの被害額は昨年よりもむしろ下回っておるということは言えます。しかしながら、連年災であるということにおいて、農家の受けた痛手というものは昨年以上であるということは考えられるわけであります。特に最近の農作物の蔬菜の値下がり等、いろいろな悪条件が積み重なってまいりまして、農家経済は破壊されておるという現状の中におきまして、具体的に個々の農家に対して特別被害農家としての指定をするかどうか、この点が問題になるわけでありますが、その点に対する考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○中西政府委員 先ほど金融課長がお答えしましたようなことで、目下各府県と数字の詰め合わせをやる段取りになっておるわけですが、その数字がきまりましたならば、天災融資法の発動ということになります。同時に特別被害農家あるいは特別被害地域も決定いたします。それが決定し次第、天災融資法の融資ができる、こういう段取りになるわけでございます。
○中村(重)委員 数字は調査なされなければならないわけであります。いまの答弁では、やらなければならぬという気持ちは大体あるようでありますけれども、実際に個々の農家に対して特別の措置をするということになってくると、特例というものがなければならぬと私は思う。昨年もやったわけでありますから、ことしもそうした特例措置を講じなければならぬとお考えになっておるかどうか、ひとつ農家の気持ちになって明快にお答えを願いたい。
○中西政府委員 特例措置についてのお話でございますが、その点も含めて検討いたしております。ただ、被害全体としては去年の三分の一程度、連年災であるというお話もございますが、そういう点を含めまして、さらに、現地を調査してこられた方々、あるいは農林省の地方の出先等で、一番初めのころにお話のありました二百分の百三十というお話もございますが、開拓の場合はまた若干数字が違うというようなことも聞いております。そういう点を含めてどうするか、今日まで検討いたしておりますが、しばらく検討さしていただきたいと思います。
○中村(重)委員 その検討は前向きの検討であるのか、前会は、多分指定される地域の質問であったと思うのですが、私の質問の内容は、個々の農家に対するそうした特例措置というものを含めてお尋ねしたのでありますが、その際のあなたのお答えは、推測ということであったのであります。相当農家の方々も期待しておる——期待しておるということだけじゃなくて、そうしてもらわなければどうにもならぬという状態に追い込まれておるわけでありますから、大体前向きで検討する、こういうように了解してよろしいか、さらにまた、いつ結論が出ることになるのか、その点をひとつ明らかにしていただきたい。
○中西政府委員 先ほど農林省の公式の数字で百五十億だと申し上げましたのですけれども、これは言うまでもなく五月十五日現在の中間的なものでありますから、それがまたふえてくるというふうに推測できます。そこで、何といいますか、昨年とことしの被害の累積によって各府県別に一体どうなっておるかということを詳しく当たってみたいと思っております。総額だけで五百億と百五十億だというようなことだと、これは判断いたしかねる点もございます。あるいはそれだけで判断するということになりますと、裏作についての特例措置は要らぬのじゃないかという議論も出なくはない。その辺の関係をもう少し詰めた上で前向きになるかというふうに思っておりますけれども、現段階では、いきなり前向きと申し上げかねる事情にございます。
○中村(重)委員 数字は、先ほど来申し上げるように、これは非常に重要でありますけれども、連年災であるそのことから考えて、やはり特例措置を講ずる必要があるのだという気持ちをあなたは持っておられるか。
○中西政府委員 連年災であるということは、一つの重要な考慮の要素だと思っております。さらに県別に、去年もひどい、ことしもひどい、こういう県もあろうかと思いますし、去年はひどかったが、ことしはあまりひどくないという県もあろうと思います。そういう点を考慮しまして善処したい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 非常に重要な問題でありますので、政務次官からこの点に対してひとつ考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○松野政府委員 九州地方の連年の長雨災害で、これもまことに気の毒に存じておる次第であります。いま官房長がお答え申し上げたとおり、昨年実施いたしました特例措置につきましては、もう少し調べまして措置いたしたいというように考えております。
○中村(重)委員 調べるのは調べてもらいたい。しかし、私たちもさっそく東北地方並びに九州各地の調査をいたしております。さらにまた、先ほど来それぞれの地区の代表から、こうあるべきであるということに対しての調査の報告なり見解を明らかにしたということは、その必要性を認めておるからであります。強調いたしておるからであります。特例法というものは、農家の方々が困っておるから昨年は特例法を出さなければならぬということで出した。ことしは昨年よりも数字は下回っておるかもしれない。しかし、連年災ということにおいて、農家の受けた痛手は昨年以上である。このことを考えてみると、あまり数字というようなことにこだわるべきではなくて、ともかく何とか農家の現在置かれている立場を救済しなければならぬという考え方の上に立って特例措置を講ずる必要があると私は考えるのであります。いま一度明快にその点をお答え願いたい。
○松野政府委員 皆様の現地に行かれて御調査された結果に基づいての御意見も十分体しまして、そしてすみやかに、その特例措置をやる必要があるかどうか、検討を加えたいと思います。
○中村(重)委員 各要望事項を中心にいたしまして質問をいたしたいのでありますけれども、大野先生のお葬式の時間がもうすでに過ぎておりまして、お葬式が始まっておるようであります。敬意を表さなければなりませんので、私の質問はこれをもってきょうは終わりたいと思います。
○中山委員長 この際お諮りいたします。 先ほど九州地かにおける長雨による被害状況について詳細の御報告がありましたが、数字等について委員長の手元に提出されておりますので、これを会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。さよう取り計らいます。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十三分散会