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46回国会衆議院1964/05/14

災害対策特別委員会 第6号

発言数
81
登壇者
10
会派数
2
開催日
1964/05/14

会議録

中山榮一自由民主党

○中山委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際おはかりいたします。  先ほど理事各位と協議いたしました結果、東北、北関東等における凍霜並びに九州地方等における長雨による被害状況等調査のため、それぞれ現地に委員を派遣し、実情を調査いたすことに決定いたしたのでありますが、理事会の決定のとおり委員派遣承認申請を行なうに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山榮一自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  つきましては、派遣地、派遣期間、期日、派遣委員の員数及びその人選、並びに議長に対する承認申請手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山榮一自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、航空機利用の必要があります場合にも、委員長においてしかるべく取り計らいたいと思いますので、御了承願います。      ————◇—————

中山榮一自由民主党

○中山委員長 次に、東北、北関東等における凍霜並びに九州地方等における長雨による被害状況及び災害対策の実施状況等について、関係当局より説明を求めます。農林省中西官房長。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 お手元に資料をお配りしてございますので、それに基づいて御説明申し上げたいと思います。  去る四月二十八日夜半から冷え込みまして、二十九日の朝に相当大きな被害が東北地方を中心にして起こりまして、この凍霜害について、直ちに三十日、月曜日でございましたが、関係各局の担当官を派遣いたしまして、県当局とあわせて実態を見てこさせたわけでございますが、別途、統計調査部を通じまして各県の被害の集計もやっております。それの県段階における資料が、第一ページの上段のほうにございます。これは五月八日までに農林省に届けがありました数字を集計したものでございます。  大きいのは、やはり県等の報告にもありましたように、果樹と桑、それぞれ三十億円前後ということで、大きな被害を示しております。今後若干の補正といいますか、これに金額が加わるということも予想されますけれども、とりあえずの数字としてまとめてみたわけでございます。  降霜の概況につきましては、もうすでにお聞き及びでございましょうと思いますので、簡単にいたしたいのですが、日本海へ南下してきました大陸高気圧の関係で、ひどいところはマイナス八度、しかもその低い温度が持続した時間も相当長かった。いままでに三十二年ごろにも凍霜害がございましたけれども、それに比べてなお持続時間が長かったというような報告を得ております。二ページの中ほどに書いてありますが、最低気温を各地について摘記してございますが、この温度は百葉箱の中における気温であり、したがって、霜を結ぶところの草の上の最低気温はこれからさらに二度ないし五度低いことが多いという注書きをしてございます。相当強烈な気象条件であったと考えられるわけでございます。  農作物の被害の概況は、麦類、なたね、バレイショ、それぞれ被害のあり方を二ページの中ほどからずっと書いておりまして、三ページのほうでは、リンゴ、桃、日本ナシ、ブドウ、カキというふうになっております。特に新しい芽といいますか、新梢といいますか、その伸長期にあたって枯死が見られる、あるいは花が非常な被害を受ける、しんまで黒変するというようなことのようでございます。桑につきましては、春繭の掃き立ての準備の段階でございまして、そのときに桑が被害を受けるということで、これも非常に深刻な問題となっております。そのほか、野菜とか水稲の所等について被害が見られるわけでございます。  次いで、長雨の関係でございますが、別に一枚刷りでお配りしてございます四月以降の長雨ですが、一応四月末を区切りにし、まして県のほうからそれぞれ被害の報告が集まっております。この表によりますと、合計欄で九十六億二千七百万円ということになっておりまして、麦の関係が六十六億円と、非常に大きいようでございます。統計調査部としまして農林省自体の調査を進めるわけでございますが、二十日前後におおむね数字が固まってくるというふうな見通しを立てております。  そこで、対策でございますが、凍霜害のほうにつきましては、各方面からいろいろな要望が出てきております。とりあえず急ぎまして、先週の金曜日の閣議で、天災融資法を発動するという基本方針を閣議了解を得まして、直ちにそれに基づきましてその発動についての段取りを進めておるわけでございます。それと並行しまして、農林省としましては、天災融資法を発動するにつきまして、その間のつなぎ融資を関係銀行筋に要望いたしております。地銀協会、信連協会、銀行協会、信用金庫協会等の団体を経由しまして、それぞれの地方のそれぞれの筋につなぎ融資について協力をわずらわしたいという通達を出しております。  そのほか、十数項目にわたります御要望なり陳情なりがあったわけでございます。それらにつきましては、目下考え方を取りまとめまして、財政当局とも打ち合わせをしておるわけですが、たび重なる災害でございますし、過去の債務を返済し切れない間にまた被害があるというようなことも考えられます。それらを考え合わせまして、できるだけ早く——十数項目にわたって検討しておりますけれども、それらを逐次具体化できるものから早急にやってまいりたいと考えております。  さらに長雨の対策でございますが、昨年相当大きな被害がございました。それに類似した対策を講ずることは考えられるわけでございますけれども、とりあえず調査の実態を固めまして、それに基づきまして、先例等も参酌しながら、改善すべき点は改善して対策を講じてまいりたい。同じような気象条件が続くか続かないか不明確でございますけれども、とりあえず四月一ぱいの長雨というものを対象として被害の現状と対策の考え方を至急に取りまとめたい、かように考えております。  概略御説明を終わります。     —————————————

中山榮一自由民主党

○中山委員長 災害対策に関する件につきまして質疑の通告がありますので、順次これを許します。湊徹郎君。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 私は、去る四月二十九日を中心に東北、北関東等十二県を襲いました、いまだかつて経験のない大規模な深刻な凍霜害について、政府の所信と対策をただしたいと存じます。  これにつきましては、一昨十二日、本会議において自由民主党を代表いたしまして亀岡議員が緊急質問を行ない、それぞれ大臣のほうから答弁があったわけでございますが、答弁については、不明確な点あるいは納得いたしかねる点等もございますので、それを補足し、さらに掘り下げて質疑を行ないたいと存じます。  質問に先立って、被害農家の方々に対して衷心からお見舞い申し上げますと同時に、一日も早く痛手から立ち直って、正常な営農と生活が確保できますことを祈ってやまない次第でございます。  自由民主党のほうの現地調査とその報告に基づいて、党としても政調第一部会において対策要綱をきめたわけでございますが、それと並行して、ただいま農林省から話がありましたように、いち早く調査団を現地のほうに派遣して、八日には天災融資法の発動を閣議了解でおきめ願った。この点については感謝にたえない次第でございます。農家の方々の御努力と相まって、政府の早急な対策樹立とその強力な実施、それによって農水の方々の不安を一日も早く解消して鼓舞激励いたしますことを望みたい次第でございます。  まず最初に、このたびの災害の特徴といたしましては、従来凍霜害としては例を見ないほど非常に広い範囲にわたっております。第二点としては、特に果樹、桑、これにつきましてはほとんど全滅に近い非常な深手を受けておるわけでございます。三番目には、異常な気象異変、特に三、四月には高温が続きまして、農作物の成育が進んだ、そこに持ってきて急に低温、それも場所によっては六度から七度、しかも接触瞬間といいますか、持続時間が、これまた場所によっては六時間から七時間というような異常低温に見舞われたところが多いわけでございます。その影響は、農家の方々を不安な状態におとしいれただけでなしに、広く言いますと、社会不安を醸成している点も見られる次第でございます。桑については、蚕糸製造業者、さらには製糸業者、あるいは果樹については、かん詰め加工業者、その地域全体の商工業者、さらには農業団体、その従業員、職員というぐあいに、その影響する範囲がきわめて大きいのがその特徴でございます。したがって、不安の解消策として、一日も早く手を打ってもらう、こういうことが必要であると思います。特に災害対策というものは、場合によっては拙速もやむを得ない、そういう面があると思います。正確さよりも、スピーディーに事を運んでいく、タイミングをはずさない、こういうことが一番肝心であろうと思いますので、そのために、天災融資法、さらには激甚災害の指定等、これについては、本会議においても大臣から、調査をできるだけ早くまとめて、その上で手を打ちたいというような話があったわけでございますが、大体その時期はいつごろになるか、まずその点をお聞きしたいと思います。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 先ほど申し上げました被害は、実は中間報告の被害でございます。それで、この中旬のうちには数字を締め切りたいということで作業をしていますので、できますれば下旬にかけてできるだけ早い時期に天災融資法の発動をやりたい、かように考えております。なお、激甚災の問題も同時に決定できればしたいのでございますけれども、この問題については、適用基準の解釈の問題等も若干残っております。そこで、現段階でそれと同時と申し上げるのは、少し言い過ぎになると思います。そういう意味合いで若干の検討の時間をいただくかもわかりません。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 先ほど申しましたように、以下各項目についてお尋ねしたいわけですが、基本的には、異常気象が一番大きな原因である。こういう災害を未然に防止しますために、農業気象の対策、これが一番基本になると思いますが、率直な話、この気象対策については十分ではなかったというふうに考えられます。お聞きしますと、気象庁のほうでは、農業気象の観測施設を年次計画でもって進めておる、こういう話ですが、現在どの程度、どの範囲までその計画が進行しておるか、そしてどのくらいで大体万全の予防措置あるいは観測ができるような体制になるのか、その辺の状況をまずお聞かせ願いたいと思います。

畠山久尚気象庁長官

○畠山(久)政府委員 ただいまの農業気象の観測ということでありますが、農業気象観測施設のほうは、ただいまのところ、できておりますのは、東北六県と、それから北海道の一部、それから九州では宮崎県の一部、これが昭和三十九年度までの状況であります。それで、どれだけの期間でそれが完成するかというお尋ねでありましたが、これは何年待てば日本全国にその網が広げられるかということは、いまちょっと申し上げかねます。そういう状況であります。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 さらに気象庁にお聞きをしたいのですが、実は一昨日の本会議で、亀岡君が福島の気象台の問題について質問をしたわけでございますが、それは人家連檐の町のまん中にあって、非常に場所として適当でない、実際に災害地の気温と三度も四度も気温の差がある、こういう状態で、予報が一番大事な観測、特に農業気象観測の仕事をするには不適当ではないかというような趣旨の質問に対して、運輸大臣は、「学問的に申し上げましてあの気象観測所がどうこうということではないと私どもは見ております。」こういうふうに答弁をなすっておる。もちろん、私しろうとですから、よく存じませんけれども、実際の被害を受けた場所や何かに比べて三度も四度も温度差がある、おまけに高い建物がどんどん周辺に建っておって、風の方向さえつかめないという現況で、どうこうということはないということは、ちょっと解しかねるわけなんですが、その辺の事情について御説明をお願いしたいと思います。

畠山久尚気象庁長官

○畠山(久)政府委員 福島の地方気象台が町の中心になって、回りに高い建物なんかができたために、近所の畑の気温あるいは風を正確にあらわさないということは、お話のとおりでありますけれども、先ほどお話が出ました農業気象観測の施設が、福島県は私は正確にその数を記憶しておりませんけれども、たしか三十何カ所置かれているはずでございます。それで、そういう観測所からの現況というものが、必要な場合には刻々入るように手配してありますので、そういう観測資料を人手しておりさえすれば、福島の気象台が町の中になっても、かりにその場所ではいわゆる都市気象ということで最低気温が回りの畑より幾らか高いということはあるかもしれませんが、それはそれとして、実際の現場の気温なり風なりというものは、そういう観測施設によって手にとるように知ることができるものでありますから、そういう意味からいって、福島の気象台が町の中心になったということは、実際の仕事の上では問題がないのだと大臣もお答えになったのだと思います。実際の観測した実況をつかむには、そういう施設が福島ではすでにできておるということでございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 そうしますと、将来とも現在の福島の観測所は変える御意思はいまのところないというふうに受け取ってよろしゅうございますか。

畠山久尚気象庁長官

○畠山(久)政府委員 いま福島の気象台を移転するということは考えておりません。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 いまの農業気象の観測に関連して、農林省としては、気象庁のほうと連絡をとりながらどのような気象対策を今後考えておられるか、その点をお尋ねいたしたい。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 お話しの点、やはり長期予報の中で凍霜害の予報が相当前からございまして、さらに警報も出るというようなことでございます。そういう場合の伝達方法といいますか、警戒体制のとり方等について若干反省すべき点も残っておるというふうに考えております。相当長時間にわたった冷え込みのために、せっかく打たれた対策が足りなかったという例もございますが、そういう意味の、そういう事態に対処し得るような予防体制というものを固めていく必要がある。特にひどい被害でございまして、従来の用意では足りなかった点があったように思いますが、今後の一つの踏み台として、将来にはそういうことがないように万全の態勢をとりたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 次に、天災融資法の関係でございますが、この点については、先ほど発動の時期は大体五月二十日ころまでにできれば発動を急ぎたい、こういうお話でした。それから問題は、天災融資法を実際に適用します場合に、政令でもって融資率を単年度の被害者と連年被害者と分けて、三割、六割というふうにきめてありますが、実際に農家の手元に渡る金額は、一般被害の場合五万円程度、果樹の場合でも八万円というようなことになりますと、現実の問題として果樹農家等においては農薬、肥料等概算二万円程度は投入しておりますので、そういう点から考えて、この金額では、せっかくの天災融資法もなかなか恩典に浴するところが少なくなってしまうという点もございますので、貸し付け限度額をある程度政令を弾力的に運用願ってそしてワク一ぱい考えてもらうとか、あるいは金利の点も、自創資金は御承知のように五分になっておりますので、六分五厘では若干問題がある。これはもちろん系統資金でございますから、いろいろ原資の上で問題はあろうかと思いますが、そういう金利の点、償還期限の点、さらには、そういう少ない金額のわりに借り入れ手続が非常にめんどうくさいというような問題等もございますので、この機会にそれらの点を改めていく考えはありませんか。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 御指摘の点、それぞれ検討を加えるつもりではおります。ただ議論しておって長くなってもあれですし、できることから逐次やってまいりたいと思っております。特に特別被害地域等もその指定について天災融資法の発動のときには同時にいたすつもりでおります。そういうことで三分五厘の地域もできるわけでございますし、何とか現状の困っておられる状態を早く前向きに立ち直るようにお手伝いしていくという気持ちで全体を検討してまいるつもりでおるわけでございます。

中山榮一自由民主党

○中山委員長 湊君に申し上げます。先ほどの理事会の申し合わせによりまして、質疑はおおむね二十分程度に、そのつもりでお願いいたします。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 それでは急いでやりますが、激甚災害の指定、これには現在指定基準が二つございます。現在までの調査段階に照らして、私どもはぜひとも該当さしていただきたいと考えておりますけれども、その点における問題点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。過般の本会議でも、農林大臣は「おそらくこのたびの災害は激甚災害の指定に相なろうかと考えられます」というような答弁を再度されておりますので、その点をさらに詳細にお聞かせをいただきたいと思います。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 詳細にというお話でございますのであれですが、三十七年の第二回の中央防災会議で、激甚災害の指定基準というのがつけられております。その四項で、天災融資法の激甚災害基準が書いてあるのですが、二つございます。一つは、全国農業所得推定額のおおむね〇・五%をこえる災害、〇・五といいますと、おそらく一兆八千億程度の農業所得がございますから、九十億程度というようなことになります。第二の基準は、それと違いまして、〇・一五%をこえる災害、さらに、一つの都道府県の中で特別被害農家の数が三%をこえる、そういう県が一つ以上ある、こういうようなことで第二の基準ができております。これだけを形式的に考えますと、先ほど申し上げました六十数億の被害、さらに特別被害農家に該当する戸数、大体この要件に当たるのではないかと思いますけれども、ただ全体として考えられますことは、施設災害の場合と違いまして、資金需要が非常に大きいケースの災害に当たらないのではないかと考えられるわけです。しかし、地域の特性その他いろいろ考え合わせなければならないと思います。そういう意味で、いまここでこれが適用されがたいと言い切ることも避けたいのでございますけれども、この基準だけに即して、現在の調査の被害だけで直ちに激甚災の適用はできるのだというふうにも申し上げかねる点が残っております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 次に、農業共済保険金の概算払いの問題についてでございますが、特に春蚕の掃き立てが不可能になりました農家に対して、再生産確保のために農業共済保険金の仮払い、それに関連して再保険金の概算払いの時期でございますが、大体現地においては六月十五日ごろをめどにして支払い準備を進めているように聞いております。時期的に間に合いましょうか、この辺お伺いをいたします。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 十五日というと、おそいほうでそのくらい、早ければ上旬にはということでございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 同時に、蚕繭共済の場合の再保険金の概算払いの限度額、これも本会議で大臣のほうから、省令改正等についてなるべくそういう措置を講じたいと考えている、こういうことでございますが、一般の農作物共済並みに蚕繭共済のほうを考えていくことを事務的には検討なさっておりますか。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 事務的な検討をいたしております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 同じように果樹共済のことですが、これにつきましても試験調査を現在やっておるので、四十一年ごろになれば、その結果に基づいて本格的に果樹のほうも共済に入れるというような見通しだ、こういう答弁を再度伺ったわけですが、試験調査の経過と現在の状況を簡単にお聞きいたしたいと思いますし、聞くところによりますと、四年ほど前から試験調査をやっているというふうにも聞いておるのですが、やはり結果が出るのは四十年まで待たねばならぬものかどらか、特に被害の対象金額等の捕捉が非常に困難であると思われる漁業共済等についても制度化の段階にあるのだから、これは一日も早く実現をしてもらいたいと思っておりますが、その経過と、現在の技術上の問題点等ありましたら、簡単にお伺いしたいと思います。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 お答えいたします。  おっしゃるとおり、果樹共済につきましては、数年ばかり前から種々調査をいたしておりますが、組織的な実験調査というものは昨年度から実施いたしたわけであります。本年度はその二年目ということになっております。この実験調査は、大体当初三年間の予定で発足をいたしておりまして、三年経過いたしましたら、一応のデータがそろいます。その結果を待ちまして実施段階に入る、さらには必要な措置をどうするかという点で検討いたしたいというふうに考えております。  現在問題点としてございますのは、一つには、果樹の生産等につきまして基準収量を正確に把握しなければならないわけでございますが、これらの点につきまして多少まだ技術的に問題があると思います。さらに、損害があった場合の補てんの場合、損害評価が、安い経費で最小限の人員でもって的確にできるかどうかという問題点がございます。さらには、価格の変動等がございまして、損害があった場合にむしろ果実の価格が上がるというふうな現象になっておりますが、そういう価格変動を織り込むかどうかという点、さらには、雪害等でいろいろ問題になりました果樹の木の損害をどうするかという問題等、なかなかむずかしい問題がございます。それらの問題等につきましては、この三カ年間の実験調査の段階におきましてそれぞれ究明をいたしたい、かように考えております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 時間がないようでございますから、問題点だけ申し上げて簡単なお答えをちょうだいしたいと思いますが、一つは、今度の災害の復旧促進指導につきましては、改良普及員あるいは蚕糸関係の技術員、農協の営農指導員等、全力をあげてやっておるわけでございます。その指導経費等について、あるいは人件費の一部等について今度の対策の中で考える意思があるかどうかということを、本会議で亀岡議員から質問したのですが、この点についてお答えがなかったようですので、かわって再度お尋ねをしたいということが一点。  それから、今回の被害にかんがみまして、畑作の被害であり、しかも経営の規模が小さく、特に果樹の場合はほとんど専業農家、養蚕の場合もまたそれに近い状態であるというところから、どうしても生活の問題を考えていく必要があるわけです。救農土木事業についても、総理からも、とくと考えたいというような話があったわけですが、この点についてもさらに明確にできます点があるならば、お伺いをしたい。  三番目には恒久対策についてでございます。これは重油をたいてやるというのが、いまの段階では一番有効な方法のようでございますが、何ぶん設備も固定しますので、それらについて財政的な一部援助をする御意思があるかどうか、あるいは自動警報機のようなものを設ける、そうして年次計画で整備していく、そういう考えがあるかどうか、さらには、試験場等において、将来主産地が形成されて団地化した場合に備えて、ウインドマシンとか、あるいはスプリンクラーの散水施設であるとか、あるいはスピードスプレヤーの活用であるとか、そういうことを試験的に今後考えていくお考えがあるか  どうか、その点をお尋ねして質問を終わりたいと思います。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 私からただいまのお尋ねに一括してお答えを申し上げたいと思います。  まず第一点の技術員、普及員等の事務費に対する助成について政府は考えがあるか、こういうお尋ねでございますが、これは前例等もあることでございまするから、政府としては御趣旨に沿うように努力をいたしてまいりたいと考えております。  次に、救農土木事業についてのお尋ねでございますが、これも被害の状況は現地の統計調査で出てまいりまするので、必要があればその方面との連絡をいたしましてやるようにしたい、こう考えております。  恒久対策でございまするが、これは今後の災害に対する大きな措置でございまするので、簡単にはできませんけれども、十分手配をしてまいりたい、かように思っております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 以上で終わります。

中山榮一自由民主党

○中山委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 農林常任委員会でも御質問をいたしましたし、本会議等におきましてもいろいろ政府の御所見等も承おいてなおお聞きいたしたいと思いまりましたので、重複をしない範囲内においてなおお聞きいたしたいと思います。  根本的な問題でございますが、現在の農業政策、農業政策と申しますか、そういう面は、私のかつての経験から申しますと、補助金制度を改めまして融資という方向にいっておるのが事実でございます。災害につきましてもやはりそういう方向でお考えでございますか、お伺いいたします。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 補助金から融資へというふうなことをよく新聞その他で見受けるのでございますけれども、農林省として、全体の農政のシステムを、補助金であったものを逐次計画的に融資のほうに振り向けていく、融資一本、いわば補助金はだんだんなくすのだという方向であるというふうにとられると、実はそうでないのでございます。当然必要な補助、特に土地基盤整備等その他今後開発すべき技術、普及すべき技術等に重点を置いた補助方向の体制は今後も持っていくつもりでございます。ただ、融資でやります場合のほうが、農家の自主的な判断を尊重することにもなり、また、与えられたワクにこだわらないで大きくも小さくも事業ができるという意味合いで、融資のほうが長所を持っておる部面も相当ございますが、そういう点については、勇気を持って融資のワクをふやしていくという方向で今後も措置していくことになっておるわけでございます。  災害につきましてどうかというお尋ねでございますが、施設災害等についての補助は当然ございます。ただ、ただいま問題になっております天災融資法、あるいは激甚災の問題等にしましても、事業資金あるいは経営資金というような場合には、やはり融資でいいのじゃないか。また、自創資金の場合の経営維持のための融資というようなものも、金利あるいは償還条件についての検討は必要かと思いますけれども、そういう体制で進めていって、何ぶんの努力の中でそれぞれ解決し得るのじゃないか、かように考えております。ただ、累次の災害がありまして、償還条件等について特別の配慮をする必要がある場合も数多いと思います。そういうものについては、個々のケースにあたって金融機関を指導しまして、無理のないような体制をとっていくとい三原則のもとで動いておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私も地方庁におりまして農業政策のお手伝いをしてまいりましたものでございますけれども、私の受ける実感といたしまして、現在の農家は、昔よりも補助金が少なくなって、借金がふえていく傾向にあるということは——これは事実いろいろこまかな規定等を、いま時間がございませんので申し上げませんが、確かにそういう傾向があると思います。災害の問題につきましても、私の実感からいたしますれば、かつてとは相当やり方が違って、借金のほうに向かっているように思いますが、そういう点は私の考え方は間違いでございましょうか、伺いたい。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 地域によってそういうケースがあることは否定いたしません。そういう場合に、償還の条件等についてどう配慮していくかというようなこと、あるいは救済全体として一体どうするのだ、非常に大きな問題でございますが、そういう問題はそれなりの問題として別途考えたいと思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私のお尋ねすることに的確にはおっしゃってはおらないのでございますけれども、私は確かにそういう実態だと思う。このたび私は社会党の調査団といたしまして災害地を回ってまいりました。その災害の模様等につきましてはもう重ねて申しません。各地におきまして、災害者に畑の中でいろいろ話をしてまいりました。その話を聞きますと、とにかくわれわれは借金を重ねてきている、あるいは新農村建設以来、また、いろいろな土地の造成、それからこのたびの近代化あるいは果実の集団化、そのたびに借金を重ねてきている、そしておまけに、そういうふうな政府の施策による借金よりも、農地当局がとうに御存じのとおり、この指導が間違いだとかなんとか私はいまここで申しませんが、身に余る農機具等の借金をしている。それで現実はどうか。出かせぎ者というものが非常に多い。しかもそれが一町二町程度の昔のだんな衆が出かせぎしている。なぜ出かせぎをするのかということを聞きますと、とにかく借金を返さなければいけない、農家の経営では借金を返せない実情なので出かせぎに来ている、そういういわば富農が行っている状態。そこで、いまここで借金をさせるということは、非常に問題があるのじゃないか。前々からお話を聞いておりますと、融資の面につきましても一そうの御努力を願いたいのでございますけれども、農業会あるいは地方県庁等におきまして要望しておる助成、補助等につきまして、私の受ける印象では、何か非常にぴったりしないものがある、ちゅうちょしている面があるように思われる。一項目一項目につきまして私申し上げませんけれども、こういう助成につきましては、私の受けているような印象——とにかくそういう助成、補助というものはあまりやらないのだという私の印象は間違いでございますか、どうですか、お伺いいたします。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 華山先生の御意見でございますが、やはり農民感情としては、借金をして近代的な農業にいくよりも、またそのために借金をふやすよりも、わずかな金でも、返済しなくてもいいというお金をいただいたほうが、いい気持ちにもなりまするし、また一面、そのほうが大きく農民を助けることになるかと思います。これこそ政策問題になってくる。いわゆる農業政策の問題でございます。政府としては、ただいま先生のおっしゃいましたように、助成のほうを打ち切るとか減少して、そうして融資のほうに切りかえていくという考え方は、農林省においてはさらに持っておりません。しかし、出す金が、いままで考えられなかったような、これも政策上生じてきたことでございますが、御指摘にありましたように、広い範囲に融資を向けていくというようなことでございますから、そこに非常にたくさんの借金もできる。また幅広くやる補助金でございますから、一つ一つを取り上げてみますと非常に零細になってくる、こういうような現実もあると思っております。しかし、ただいま先生御指摘がありましたような、また私から申し上げましたように、農民感情としては、できるだけ返さなくてもいい金を特に災害等においては考えるべきであると思います。しかし、融資は公共的なことでもあり、また新しい農業を成長さしていくのにはこれまた必要でございまするので、両々相まって考えていきたい、こういうふうに思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 伺いますが、果樹につきましてほとんど全滅的な土地があります。霜等につきまして、これは特性でございますが、私の視察いたしました山形県では、三三%程度の減だろうといいますけれども、どこの畑も三三%減ずるのではない。霜の害を受けないところは受けておらない。霜の害を受けているところは徹底的に受けている。したがって、その地方の農家では収穫皆無の状態になっている。ただ、三三%というふうな数字をとらえて、これが一般的なものであるというふうなものの考え方でございますと、間違いだと私は思う。もう壊滅的な打撃をある農家は受けておる。ことに農林省の指導によって果実につきまして集団の奨励策、したがってその集団的なところは全滅するというふうな状態がございます。したがって、そのたびに、ただばく然と融資によって農業経営の部分だからやるということでなしに、そういうふうな徹底的な被害を受けた農家につきましては特別な措置が要るのではないか。そして果樹につきましては、御承知のとおり、その年には果実はできない、リンゴなりナシなりができないのだということになりましても、ほかのものを植えるわけにはまいりません。しかも一ヵ年間というものは、来年の収穫を考えますと、そこに農薬なり肥料なりをどうしたって投下しておかなければならない、そういうふうな特徴がございます。  そこで、どなたか専門家がおいでになれば伺いますが、私は一応の資料を持ってまいっておりますが、リンゴ園につきまして、今後一カ年間、来年に備えまして、薬品なりあるいは肥料なり、一町歩についてどのくらいの経費が要りますか、承りたい。

酒折武弘農林事務官(園芸局長)

○酒折政府委員 リンゴにつきまして、肥料、農薬がどれだけ要るか、私はいま資料を持ち合わせておりませんから正確に申し上げられませんが、生産費といたしましては、大体反当五、六万円見当、そのうちの一部を肥料代に回しますとか、病害虫防除のために果樹は特に農薬を多く使いますから、相当な臨時支出をいたしておる、このように考えます。

華山親義日本社会党

○華山委員 反当たり五、六万円ということは、一カ年だと五、六十万円ということです。そういう借金をしたのでは、とてもこれは決済はできません。そういう事情をよくお考え願いたいと私は思う。しかも、その畑からは一カ年間何にも入らない、そういう特殊な事情が農家にございます。そういう点で被害激甚な農家があるということをお考え願いたい。いまお話のとおり、今後一カ年間収穫皆無であって、五、六十万円の農薬、肥料を使わなければ来年の収穫が期せられないということでは、農家は何ともなりません。  それから伺いますが、四十一年には共済制度ができるであろうということを農林大臣は言われましたが、先ほどの御答弁では触れておりません。四十一年度からは実施できる御予定でございますか。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 ただいま華山先生から御指摘がございましたように、昨日の本会議におきましても農林大臣は、その実現のために努力する、こう言っておりますので、事務当局といたしましても、私どもといたしましても、できるだけそのように実現できるような努力をしてまいりたいと存じます。

華山親義日本社会党

○華山委員 よく記憶しておきますので、ぜひひとつお願いしたい。  それから果樹につきまして特にお願いいたしますが、そのように果樹については現在共済制度がない。しかし、選択的拡大ということで果樹の面に農林省は非常に力を入れている。集団的な栽培を奨励している、また、果樹のことにつきましては、スプレヤーを買うとか、いろいろな面で金も使っている。一面において農業対策がそういう方向に向かって、果樹共済はなおあとに長引く。果樹共済があって初めていろいろな奨励策もできるのじゃないか。ちょうどその過渡期に入っている。果樹共済をやろうとする直前で農林省は選択的拡大の果樹奨励をやっている。ちょうど過渡期に当たっている。そういう過渡期に被害を受けた農家というものは実に気の毒だと思うのです。また、将来これらの農家は先ほどお話したようになかなか立ち上がれない。そういう中におきまして、特別に助成なり援助なり、共済制度とまではいかなくとも、そこには格段の農業政策上の考慮があっていいのではないか。こういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 そういうこともできるように、そうしたことが加味されるような方向でこの共済制度を実現するよう努力をしてまいる所存であります。特に先ほど課長から申し上げましたように、非常に調査もむずかしゅうございます。先生のような御意見で農民自身が協力していただかないと、この調査はできないのでございますから、お話のように、この制度をつくることが農民の果樹の栽培にいかに必要なことであるかということを今後大いに農民自身によく理解していただいて、御協力を願えるようにしたい、そうして一日も早く私が申し上げましたようなことの実現できることを期しておるのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私がお尋ねいたしましたのは、現在たまたま果樹についていろいろな農業政策がとられている、しかし、その農業政策というものは、果樹共済というバックがなければなかなかできない政策です。果樹共済というバックなしにいままで農林省は進めてこられた。ところが、果樹共済というものは今後四十一年でなければできない。ちょうどいまその中途はんぱな過渡期に、農家が先ほど申し上げましたような災害をこうむっているわけでございます。それですから、今後の果樹の奨励、そういう方面から申しましても悪い時期であったということを考えられて、今度の災害については特別な措置を考慮なさるべきじゃないか、こういうことをお聞きしているわけでございます。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 なるほど、そういう制度がありますればここで救われるわけでありますが、なおその制度ができていない。そのできるまでの間にこの災害があって農民が苦しんでおるのでございますから、それを何とか救う道を考えよという先生の仰せ、ごもっともだろうと思うであります。そこで政府といたしましては、御指摘があったようでありますが、融資の問題等を含めまして、先生の農民に対するあたたかい思いやりが生きるように私どもは検討を加えてまいりたいと思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 まだ伺いたいこともありますが、時間もだんだん短くなったと思いますので、次にお尋ねいたします。  さきに私がこの問題とは別に農林大臣にお尋ねしたことは、現在農民はなぜ出かせぎをしなければいけないか、とにかく農業経営では一家をささえることができない、借金を払うことができない、そういう状態で出かせぎしている。したがって、この出かせぎの状態そのものを直すということが根本的ではあるけれども、過渡期におきましては、わざわざ百万程度の農民が都会に集まる必要はないじゃないか、一種の救農事業、そういうものを起こしてもらいたいということを私申したのでございますが、その際、農林大臣は、ごもっともでございます。おっしゃるとおり十分に考慮するとおっしゃった。それに加うるにこのたび東北地方等における災害でございます。災害がなくたって救農事業は起こすということを私に農林大臣は約束された。事情を調査して起こしますということではなしに、出かせぎ防止等の面からも、災害に関するところの救農事業をぜひひとつやっていただきたい。御所感をお聞きいたしたい。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 農民が部会に出て働く等の問題につきましては、根本的にいろいろ論議しなくちゃならぬと思いますが、それはそれといたしまして、ただいま御意見のように、やはり都会にたくさんの農民が集まってくる。産業の地方分散という意味から、また農村の開発という意味からも考えまして、大臣の申し上げたように、地方に開発を意味したいろいろの仕事を起こす、わざわざ都会に出なくても地方で生活ができるようにすべきである、こういう意味でおっしゃったろうと思っております。それに対しては先生も御同感のようでございます。ときたまたまこういう必要のあるときに災害が起きてまいりまして、それでさきに私の申し上げたような意味から、地方開発等を含めた救農土木事業としてやれば、相まって非常にけっこうなことだと思いますので、先ほど私からも申し上げましたように、必要のあるところ、あるいはやれるところは、検討を加えて進めていくようにしたい、こう考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 申し上げておきますが、農林大臣が私におっしゃったことは、土地の開発という意味でおっしゃったのではございません。農道とか、あるいは耕地整理とか、そういうふうな農民が直接利害関係のあるような仕事を地方に起こして、そして都会に農民が集まるのを防ぐということをおっしゃったのであります。さらに加うるに今日の災害でございますから、その点ひとつ十分な御配慮を願いたいと思います。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 もちろん、大臣のおっしゃったことは、具体的にそこまで踏み込んでお話になったとは思います。また、そのように先生から御指摘があったことと思います。なるほど、地方開発という意味からいいますれば、直接農民の農業に連なる仕事も必要であり、特にこれらは救農土木事業として取り上げていく必要があると思いますので、大いに検討を加えて善処いたしたいと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 もう一つ伺いますが、桑の被害でございます。桑は、私ども見てきたところ、副芽がやや出かけております。しかし、その後雨も降りましたからどうなっておりますか、心配でございますけれども、少なくとも約十日はおくれるのじゃないか、それでは済まないのじゃないか、こういうふうな気がいたしますが、副芽が出たからといって、それでいいというものじゃございません。枝がそろいません。それから農繁期に入ります。さらに詳しく申しますと、果樹地帯における桑園というものは、消毒というものと非常に密接な関係がある。それで、いままでこの時期というものを調整しながらやってきた。その調整がめちゃくちゃになってきた。そういうふうな意味から、副芽が出たからといって、それでもういいのだというものではないわけであります。その点はひとつよくお考えになりまして——やや楽観論もございますので、その点につきまして農林当局のお考えもひとつ伺いたいと思います。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 養蚕関係の専門家も来ておるのですけれども、そういう楽観的な考え方、たえば過去の災害のときの事例をそのまま援用しまして、あとで、よかったじゃないか、だからことしもいいのじゃないかという見方も、一部にはございました。しかし、被害の程度、現地の実情等をも見まして、決してそういうものではなさそうだということで、現在のところ、これからの副芽、あるいは再生と、いろいろな段階についての施策を万全に講じていきたい、府県当局等とも連絡をよくしまして、技術指導体制にも遺憾のないようにしてまいる方向で進んでおります。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから大体私の経験では、養蚕をやっているというところは、大規模に養蚕をやっているところじゃございません。いずれも寒村、山村地区の貧農が——貧農ということばは悪いのでございますけれども、そういう人が多い。これは土地によって違うかもわかりませんが、私の県の山形県なんかはそういう傾向が強いのでございます。それで、私も県におりましたときは、できるだけ桑は平地から山へというふうなモットーで、平地では果樹を植えろ、山地では桑を植えろ、こういう政策でやってきた。ほかの県もそういう傾向があると思います。そのことにつきましては私は農林省とも打ち合わせてやってまいりました。それで、いまこの霜害でございまして、もうまっ黒になっております。そういう点もお考えの上で、ただ統計的にこれだけの災害だとか、全県でほこれだけの災害である、そういうふうなことでなしに、ひどい農家があるというふうな点を考慮して、激甚災害なり、あるいは天災法なり、そういうことを考えていただきたいということを特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

中山榮一自由民主党

○中山委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 往復二十分の時間制限では、とても基本的な災害対策をお尋ねすることはできませんが、端的に、今度の長雨災害にあって農民が困っておりますので、それに対して農林当局はどう対処するのか、そのことについてお尋ねしてみたいと思います。  昨年も御承知のとおり長雨でたいへんな被害を農民はこうむったわけです。また引き続いてことし、これでは、最近の農民生活は非常に苦しくなっておるだけに、たいへんなことだと思うわけです。ことしは非常に天候に恵まれた、麦も豊作だというような期待があったわけですけれども、四月の初めから雨が非常に多くなった、そういうことで出穂期、開花期にちょうど直面したというので、また裸麦、それからなたねがそういう災害をこうむったと思うのですが、これは雨が例年と比較するとことしは早く降った。したがって、これは人災ではなくて天災だ、もうどうすることもできないのだということになってくるとそれでおしまいだ。実際は早刈りその他農林省の指導出先は言うまでもありませんが、そういう指導によって損害を軽少にとどむることもできたのじゃないか、そういうように考えられるわけですが、ことしの長雨災害は、昨年の災害に対する経験の上からいたしまして、何か指導上適切ではなかったというようにお考えになっている点はないかどうか、まずその点について一応伺ってみたいと思います。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 昨年長雨で御承知のように、時期的には若干昨年のほうがおそかったようでございますけれども、しかし、結果としては約千億近い被害がございました。そういう経過でいろいろ対策を講じてまいりました。ことしの現在までのわれわれの手元では約九十六億というようなことでございます。今後の気象条件いかんによってはまだ拡大するかもわかりません。技術的な方策としては、これはかねてのやり方ですけれども、強い品種、あるいはこれからの手入れというようなことで万全を期するよう、毎年営農指導対策を通達して対処しておるわけでございます。ただ、地域によりまして人手が足りないというようなこともあり、特に裏作についてはさほど熱情も入らない、そういうところが、いわばある意味の病虫害の震源地になる。そういうところを飛び込んで共同防除をやるのだということを強く指導はしておるのですけれども、うまくそれが軌道に乗っていないところもあろうかと思います。今後病虫害の予防対策というような場合に、できるだけそういう体制で、隣が被害を受ければやはりさらにその隣に被害が及ぶということもございますので、そういうことを考慮に入れた集団的な力による予防あるいは防除ということに力を入れてまいりたいと思っております。そういう方向でやっておるのでございますけれども、十分それが徹底していないうらみが確かにございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろ対策上の問題点というものもあろうかと思います。しかし、現実に災害が起こってしまったのだから、これをどう救済していくかという点に問題をしぼっていかなければならぬと思います。それで端的に起こってくるのは資金対策、こういうことになるわけですが、九州各県の災害の状況は、五月十二日現在でありますが——これは五月五日現在で、私どもの手元に出された数字と大体合っておりますから、まあそういうことだろうと思うのです。九十六億二千七百万というような相当大きい数字ですが、激甚災害あるいは天災融資法の発動ということの見通しですね。もちろん、これは基準があるわけですけれども、そういうことを計算することもいまの段階ではできないのだろうと思うのですが、いままでの経験からして大体の見通しはつくんじゃないかと思います。その点いかがでしょうか。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 直観的なことを申し上げてあとで違ってくると問題を提起するので、政府委員としてはなはだ遺憾な点があるかと思いますので、あまり率直なことは申し上げにくいのですけれども、被害が相当大きいという意味で何らかの対策はやはり講じなければならないというふうに直観的には思っております。そういうときには、やはり前例もございますし、順序として天災融資法等から考えていかなければならぬだろうという推測をいたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 まあそれ以上の答弁はできないでしょう。法律の拡大解釈でいろいろ多くの迷惑を及ぼすことは避けなければなりませんが、万人の喜ぶことは、法の運用よろしきを得て大いにそういう発動をやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  それから、当然起こってくることですが、自作農維持資金の融資ワクを獲得するということは積極的にやってもらいたい。  次に問題となるのは、種子対策であります。今度の九州各県の麦の災害というものは、小麦はたいしたことはありませんが、ビール麦あるいは裸麦が相当被害があった。私は長崎県出身でありますが、私の地元である長崎県は、裸麦は実は壊滅的な損害を受けている、こういうことであります。その内容を詳しく申し上げますと時間が二十分たってしまいますから、申し上げません。一〇〇%いかれているという地域すらある。非常に濃霧が長く続いたことの影響だろうと思うのです。小麦は埼玉県その他に適当な品種があるわけですけれども、裸麦の種子は、長崎県の場合は他の県に依存するわけにいかない、県内でこれを何とかしなければいかぬ。これはまたたいへんなことだろうと思う。同時に、たいへんなことであればあるほど、当然費用がかかってくる。そういうことに対する措置はどうするのかということになるわけですが、それらの点に対しては、いままで輸送費等は当然国が見てきたわけですが、県内の場合はそうはいかないなんということになってまいりますと、それは困るわけです。そういう苦心が必要であればあるほど費用というものがそれに伴ってまいりますから、そういったような種子をさがすということに対して当然起こってくる費用の負担をどうするか、それらの点に対しての考え方を聞かしていただきたいと思います。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 昨年の長雨に際しまして、種子対策、特に開拓地の種子購入を重点にしまして講じたことは、すでに御承知のとおりだと思います。幸い政府が買い上げるということで、種子の適性を持った麦を、もし足りない場合にはそれをもっとふやすということも実は可能でございます。準種子といいますか、準種子をふやすことによって前向きにいいものができるような体制を整えるということはできます。それに対する補助金といいますか、助成をどうするかというようなお尋ねでございますが、何ぶん全体の調査を待ちまして、その上で対処することになると思うのです。現段階で、麦の種子についてどうするかということはお答えしかねるのでございますが、いろいろな被害の実態を考え、対策のそれぞれの項目とのかね合いでございますから、御趣旨は十分尊重して検討を進めていきたいと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろひっかかってくる問題もあるだろうと思う。しかし、どうしても種子は確保しなくてはいけない。ですから、この種子の確保についてどうお考えになるか、講入費であるとか、あるいは輸送費であるとか、そういうことに対しては融資の措置も必要になってまいりましょうし、あるいは補助も当然考えていかなくてはならぬと思う。いままでずっとやってきておることでありますから、どの程度までいけるんだという見通しというものも当然あるわけですから、それらの点に対してどう取り組んでいるのか、もう少し適切なお答えが私はできるんじゃないかと思いますから、お答え願います。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 お話の点でございますが、種子あるいは準種子の講入のあっせん、種子不足分をそれぞれ市町村別、県別でまとめていただきまして、それを供給余力のあるところのものと結びつけるということは、農林省として出先の食糧事務所等もございますので、県と連絡させまして万全の措置をとりたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 次に、共済対策でお尋ねいたします。  再保険の概算払いのことにつきましては、先ほども質疑がございましたから大体わかりましたけれども、これは六月の半ばなんということじゃなしに、できるだけ早くやってもらいたい。同時に必要になってくることは、これは昨年もその措置によって非常に助かったことですが、米の予約金の支払いというものは、これもできるだけ早くやってもらいたい。これは農民が非常に待望いたしておると思います。ほかの問題は、いろいろとむずかしい問題にひっかかってくると思います。しかしながら、共済金の概算払いであるとか、米の予約金を早く支給してやるとかいったようなことは、これはあなたのほうが努力すると、そう問題がひっかからないでできると思いますから、そういうことを早くやってもらいたいということです。  それから、支払い共済金の組合等の責任分担分であります。これが実は昨年の長雨のためにもう出してしまって、共済会計というのは非常に行き詰まってしまっておる、こういうことですから、それに対しましては、基金から融資するとか、あるいは国が助成をする、補助金を出していくといったようなことについて、私は特段の配慮が必要になってくると思います。それらの点に対しての考え方をひとつ聞かしていただきたい。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 概算払い等について、昨年も相当大きな金額を国でやっておりますが、時期的にいいますともう少しあとでございます。やはり米の予約ということと並行するものですから、あまり早目に概算金だけ出すということもやりかねる点がございます。予約とどう結びつくか、予約の見通しが大体立ったところでないといけないという気がいたします。いずれにしても、早く金が要るということでございましょうから、やるときまりましたならば、そういう点についてそれぞれ迅速に措置していくという準備、心づもりは十分整えております。  共済組合の資金不足等につきましても、特別会計あるいは基金等を通じまして、仮払い融資等に遺憾のないように当然配慮してまいるつもりでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 御承知のとおり、一割流用するという形になっておりますね。ところが、昨年出してしまっておる。各県同じであろうと思うのです。それだけ困っておるわけですから、これに対しては、いまお答えのとおり、特段の措置をしてやってもらいたい、こういうことです。  それから、米の売り渡し予約金をすみやかに払う、このことに対しては、あなたのほうとして心がまえもあろうと思います。その点に対してはどうですか。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 先ほど申し上げましたように、米の出荷と関連しての措置でございます。いろいろ苗も手配したり、植えつけしたりしておるところもございますけれども、そのでき方を見たりして、その上でないと概算払いというものはできません。去年は非常にあとのことでございましたから可能であったわけでございますが、そういう点を考え合わせながら、やはり農家に渡る金全体としての問題をどう処置するか、若干時期がおくれたようなことになりますけれども、米の予約が軌道に乗り始めるできるだけ早い機会に概算払いをできるだけ早くするかというような問題は、それなりの問題としてまたあわせて検討はできると思います。現段階でそれだけ切り離して早くということはむずかしいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私もむちゃくちゃなことを要求するわけじゃないのです。非常に農民が困っているんだから、できるだけスムーズに事を運んでいく、そういうことで農民の窮乏をこの際何とか打開していくんだというかまえであなたのほうで取り組むのと、そうでないのとではたいへんな違いが起こってまいりますから、その点について十分の配慮を賜わりたい、こういうことです。その点については政務次官から考えを聞かしていただきたい。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 やはり災害を受けた者の身になってみますと、どうせやることでも、あとでやってくれるのでは役にも立たぬし、それは農民のためになりません。御指摘のように、一日も早くやれるものならやっていくことが、私は真の行き方だと考えております。御指摘のように、できるだけ早くやれるものから進めていくことに努力いたすことをお誓い申します。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 次に、等外麦の問題ですが、昨年も等外麦の上は買い上げをやるんだ、下は赤カビ病その他で家畜にも使えない、飼料用にもならないんだから、これはもう収穫がなかったものだ、こういうことでやるということが、農林大臣の答弁であり、指導であったと思う。ところが、現実にどうであったかというと、焼き払ってしまったものは、これはもう全然収穫がなかったと認めるけれども、若干でも収穫をしておったということになってくると、これは下といえども、収穫がなかった、いわゆる無収穫であったという扱いはできないんだ、こういうことをおやりになったんです。これでは、やっていることがまちまちなんです。こういうでたらめなことじゃいかぬ。ことしはどうするか、端的にひとつこの点に対してのお答えを願いたい。それから昨年はどういう指導をやられたか。私がいま申し上げたようなことがあったかなかったか、そういう点に対してお答え願いたいと思います。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 いまの等外下、共済保険制度の意味において、収穫と見たかどうかという御質問でございますが、私どもは、等外下でも経済的利用価値のあるものは一応収穫と見ますけれども、経済的利用価値のないものは、たとえ収穫できましても、それは損害として減量するというふうに指導いたしまして、現に赤カビ病その他によりまして家畜のえさにもならないというようなものにつきましては、これは全部収穫なしと措置いたしたわけでございます。今回もやはり長雨によりまして赤カビ病その他が発生しているようでありますが、それらにつきましては、実情に即して指導していきたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 昨年はそうむずかしいこと言わないで、等外の下は飼料にも使えないんだから、収穫が全然なかったものとみなす、こういう取り組みであったと私は理解をしております。ところが、先ほど申し上げたように、何か少しでも取り入れをやったような形跡があると、そいつはだめだ、畑で燃やしてしまったというのでなければ、それは無収穫であるとみなさないんだ——しかも出先では指導がまちまちなんですよ。そういうことであってはならぬということなんです。いまも、あなたのほうで出された資料によっても明らかなように、赤カビ病が発生をしている。これは事実であります。ですから、それはえさにも使えない。等外上は買い上げる、等外下については無収穫である、こういう取り扱いをはっきりして、あまり何か針の先でなにするようなことはおやりにならないということでことしはひとつ取り組んでもらいたい、こう思います。  また、食糧麦の問題にいたしましても、実は割り当てをやった値段は安くないということで実際の消化はできなかったといったような、むだなこともありますから、そういうことに対しても適切な措置をとってもらいたい、こう思います。  なお、農業課税の減免の問題とか、それから、いつも要求されることでありますが、救農土木、こういうことは積極的にひとつやってもらいたい。農村の実態は、あなた方のほうではどこまでつかんでいらっしゃるかわかりませんけれども、いまも非常に苦しいんですよ。窮乏のどん底におちいっているという実態でありますから、そういう実情に即するように、適切に、しかもすみやかにやってもらいたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

中山榮一自由民主党

○中山委員長 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 政務次官お忙しそうでございますので、初めに代表的な答弁を願って、あと事務当局に質問をいたしたいと思います。  いま同僚議員の中村君からいろいろ項目的な長雨の被害に対する問題についての質問がございましたので、重複を避けたいと思うのでありますが、端的にお尋ねをいたしたい一点は、昨年有史以来の被害を受けた麦等につきましては、特例の措置をとったわけであります。天災融資法に基づく指定、あるいは激甚災害の地域指定に入らなくても、特別な災害地域として特例措置を昨年とりまして、そうして基準の緩和をはかりながら実情に応じて適用していく積極的な政策をとって、これらに対するところの措置に備えてもらったわけでありますが、今回の九十六億に及ぶ九州地区の被害につきましては、昨年同様に特例措置を生かしてこれを講じてもらいたい、これが第一の要求であります。先ほど官房長のお話を聞いておりますと、先例等もありますので、それに準じてやるようにいたしたいという意思表示をなされたわけでありますが、政務次官、どういうふうにお考えになっているか、御決意のほどを承りたい。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 事務当局としては、ただいま先生のお話に出ましたように、よほど検討を加えて、先例にならって特例措置を講じたい、先例、よく検討して、こういうことばより使えぬと思いますが、私は政務次官として、大きな被害を受け、何とか立ち上がろうとしておりまするこれらの方々に対して、十分検討に検討は加えますけれども、できるだけ特例措置を講じていくことのほうが、農民として大きなしあわせにもなり、災害を助けてあげることになる、こう思いますので、できるだけそうした方向で処理してまいりたいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 これはやはり昨年同様の特例措置を講じていただきたいとお願いをいたすわけですが、鹿児島の場合は、昨年これをもとにいたしましてつなぎ融資を県単で二億五千万円もやっております。ことしも、被害額は、いまのところ九州では鹿児島が一番大きいわけでありますがそういうような目当てがなければ、県の貧弱な財政資金の中からはつなぎ融資もできませんので、早急に態度をきめていただいて、万全の処置を講じていただくようにお願いをいたしたい。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 災害を受けた農民の立場に立っての非常に思いやりのある御発言でございますので、その御要望にこたえられるよう、私たちとしてはできるだけそうした方向に向かって検討を加えていくことを申し上げておきます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そういうようなことでお願いをいたしまして、次に一点だけお尋ねし、これも要望を申し上げておきたいのですが、被害額の中身をごらん願えばおわかりになりますとおり、工芸作物でありますなたね、これが十七億ほど被害を受けているのであります。鹿児島の場合には、たばこ、なたね、こういうような工芸作物によってかろうじて農家収入が維持されているという状況であります。換金作物である工芸作物がこのように八割以上も被害を受けているということになりますと、その畑作地帯はたいへんな被害でありまして、裏作のほうがかえって主たる収入になるというような状況であります。そういうような地域において、反当五万円も収入が入るべきものが入らないということになりますと、農家の経営というものは非常に困ってくるという姿になります。ところが、残念ながら、なたねが共済目的の中に入っていない。もちろん、これは全国的なベースでないので、地域的な特異な生産物であるということで共済ワクの中に入っていないのだろうということで考えるわけでありますが、これをやはり共済の目的の中に入れて国が再保険の措置を講ずるような措置を講じてもらわないと、こういうのはことしだけじゃありません。例年のように長雨のために災害が起こり、菌核病等によってことしもひどい被害を受けておる。こういうような状況の中で、農民の生活を保障するという立場から、この問題について農林省としては検討を願ってはおると思うのでありますが、今日の態度はどういうような態度であるのか、お答えを願いたいのであります。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 数日前でございましたか、やはり先生の御選出県である鹿児島県のほうからたくさんの方々がおいでになりまして、御発言と同じようなことを御陳情がございました。やはり畑作で、しかもなたねの所得というものは非常に多い、それが毎年毎年災害で被害を受けておりますので、地域は狭いけれども、全国的にわたるものではないが、そうしたことを考えて共済目的に入れてくれ、政府はそういう考えでひとつ検討してくれということでございました。残念ながら、現在までは果樹のほうを中心といたしまして研究をしておるような次第で、こういう被害があることは承知していても、現在のところは、なたねを共済の中に入れるということを考えたり研究をしておりませんが、こういうことがたび重なってまいりますので、十分研究してみたい、そしてできることならば御要望に沿えるようにしたいと思っておりますが、まだ研究にかかっておりませんので、せっかくの機会にこれからひとつ研究に入らしていただきたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 鹿児島県は、農業を主体にしている県であるがゆえに、全国一の貧乏県だ。その中で、県民の六割五分が農業によって生計を維持しておる。反当収益もそうあがりません。しかしながら、そういうような工芸作物をつくることによってわずかに現金収入を得ている。それがこういう長雨あるいは病気のために被害を受けて、共済の支払い能力がない。だから、そのような農民の生活を守るという立場からいうならば、国が当然再保険の措置を講じて、そういうような収穫皆無に近いような状態になった場合には、農家の収入をある程度補償するという考え方に立っていただかなければ、ますますこれは貧困化して取り残されていくというかっこうになりますので、ぜひこの点につきましては果樹と同様に早急に前向きの方向で検討を願いたいと思っておるわけでございます。今後の善処方を要望申し上げておきます。

丹羽兵助自由民主党農林政務次官

○丹羽(兵)政府委員 ただいまの御意見でございますが、善処するよう大いに検討いたします。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 官房長にお尋ねをいたしますが、この長雨による被害は九十六億という報告が出ました。ただ、この鹿児島の場合、特異な現象といたしまして、奄美大島の沖永良部、与論島、この二つでありますが、そこに干害が起こって、水稲の植えつけができなかった。それによりまして被害率が六五%、それを指導いたしましてサトウキビ、なたねに切りかえたわけですが、それでも活着率がよくないということでこの被害がまた出てまいりました。この干害は実は昨年も起こったわけであります。ところが、昨年全国的に出ましたところの麦、なたね等の被害につきましては、それぞれの措置をして特別措置を認めてもらったりしたわけでありますが、この奄美大島の干害については昨年も何らの措置も講ぜられなかった。ただ一つ取り残されておったわけであります。これの被害額は三カ町村分で二億四千二百万という数字であります。三カ町村分で二億四千万という姿でありますので、部分的ではありますけれども被害額はきわめて大きいということが言えるわけであります。そこで、この奄美群島の干害によるところの被害対策については、ことし何らかの措置を同様に講じてもらいたいという声が、非常に切なる声として上がってきておるわけでありますが、これに対応するところの対策はお考えになっておるかどうか、お聞かせを願いたいのであります。

中西一郎農林事務官(大臣官房長)

○中西政府委員 昨年の例では、四月と六月の干害によりまして五、六億の被害があったようでありますが、天災融資法の発動をしたようでございます。ことしの被害の実態はよく聞いておりませんでしたが、鹿児島県の陳情書等によりますと、なたねについては平均四〇%にも満たないということで、お話のとおり、転作をしてみたが活着もよくないとか、いろいろな事情があるようでございます。なおよく連絡をとりましてやはり所要の対策は講じていかなければならないだろうというふうに考える次第でございます。

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