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46回国会衆議院1964/09/11

建設委員会 第43号

発言数
35
登壇者
7
会派数
2
開催日
1964/09/11

会議録

丹羽喬四郎自由民主党

○丹羽委員長 これより会議を開きます。  建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 大臣が御就任になりまして、大体河野さんのいろいろの計画路線をそのまま引き継いでやっていただけるというふうに承っておるのでございますが、河野さんがちょうどおやめになりました直前に、私たちに新首都建設に関するところの構想を御説明になりました。御承知のように、この問題は、もうおそきに失するのではないかとさえ私どもは思っております。しかし、こういう問題が政府のほうから新首都建設構想として発表されたということは、非常に私どもは歓迎しておる。ことしは水でもって東京都政が大きな破綻を暴露いたしました。また、水だけでなしに、日々朝晩のラッシュ、もう東京はこのままではどうにもならないということははっきりしております。また隅田川のあの水質汚濁の問題にいたしましても、とにかく東京をこのままにしておいたんではすでにどうにもならない。しかし道路一つを住みよく改良していくというふうなためにも、建設省がことしの六月十六日に発表されました「東京の現状」という書類を見ましても、八兆円というばく大な費用が必要である、公共投資が必要である、こういうふうに指摘しておりますし、またそれには山手線であるとか、中央線であるとか、交通ラッシュの解決のためには、これらの線を全部複々線化しなければならない。あるいは水の対策というふうなもの、いろいろ合わせていきまして、もう十数兆あるいは二十兆以上の公共投資が加えられなければ、東京都民は人らしい生活をすることはできない、こういうふうな現状に置かれておるわけです。そこで、これに備えるために首都圏整備法ができて、工場の疎開であるとか、建築の制限であるとか、あるいはまた周辺の市街地の開発、官庁の疎開、そういうふうなことを進めておりますけれども、これも遅々として進まないという状況であります。だから、この際、どうしても東京都を現状のままで置くのではなしに、やはり新首都を新たにつくらなければならないというふうな声が各方面から出てきております。社会党の私どもも、やはりこの問題につきましては、すでに二回にわたって首都建設問題調査会設置法案を国会に提案しておったわけであります。したがいまして、こういうふうな構想が政府から出てきたということは、非常に私どもも歓迎するところでございますし、大いに協力いたしたい、こういうふうに期待をしておるのでございますが、はたして、建設大臣がおかわりになりまして、この構想は引き継いでどんどん推し進めていただけるのかどうか、その辺のところをまずお伺いしたい。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 東京の現状から見まして、その人口の状況、交通の状況、公害の問題等から見まして、何らかの措置を講じなければならぬ、これはだれしも感じておるところであります。その一環として、首都を移転したらどうか、これは一つの見識だと思うのであります。そこで、前大臣の引き継ぎ事項として、私もこの問題を研究しております。それで、前大臣のときに、民間の学識経験者の方々を集めまして、そこでいろいろな問題点を整理しているようでありますが、その中でまだ煮詰まらぬ問題が相当あるわけであります。たとえば行政機能と経済機能とを分離した場合に、はたして一体どういうことになるのだろうかというような問題、それから、首都を移転したあとの東京の将来というものは一体どういうふうに持っていけばいいものかというような問題、いろいろ考えてみると、たくさんの問題があるわけであります。しかしながら東京の過密状態を何とかしなければならぬという点はお互い同感なわけでありますから、そこで問題を一つ一つもっと真剣に煮詰めてみよう。どうせこういうことに断を下すについては、建設省だけの判断ではいかぬわけであります。これは内閣全体としてその判断を下すという時期が出てくるわけでありますから、その場合にまごついちゃいかぬという意味で、この問題の問題点はどこにあるか、そうすると、それを一つ一つほぐすについてはどういう点を考えていったらいいかというような点は、事務当局に命じまして、真剣に研究さしておるわけであります。  そこで、結論を一体いつ出すのかという問題が出てまいりますが、そう急にどうというわけにはいくまいと思います。しかし問題が問題でありますから、そういう点を煮詰めまして、一応われわれとしては、こういう点はどうだろうというような段階に来ましたら、もう一度民間学識経験者に集まってもらいまして、そこで一つの方向を打ち出すか打ち出さないかという問題になろうかと考えるわけであります。  ただ、ここでこの問題を考えたときに、土地を一体どうするのかという問題にぶつかってくるわけでありますが、御承知のように、日本の現在の自由経済の状況下において、首都を移転し始めるそうだ、具体的にここになりそうだということになって、土地ブローカーが入り込んでたいへんな地価の暴騰が起こったりすると、とても計画どおりいかぬだろう、そうすると、その前には一つの法律改正が必要なのであって、土地の暴騰を押えるとか、何らかの法体系も必要じゃないだろうかというようなことを考えながら、いろいろこういう問題のときはどうだ、ああいう問題のときはどうだ、というようなことを研究させておる段階でありまして、まだ断を下すというところまではきておらぬわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 少なくとも前の河野大臣がこの問題を発表されたときには、お話の中に、これをぐんぐん推し進めていく推進力になりたいというふうな気魄が私どもには感じられました。だから、これは河野さんやる気だなと私どもも思っておりました。また大臣がいまおっしゃいますような土地の問題ということにつきましても、すでにそのときに発表されました首都圏建設の構想という書類の中に、用地買収費というふうなものも数字が出されておりますし、あるいはまた地域的にも、ある意味では何か構想を持っておられるようであるというふうなことも考えられました。またわれわれが求めるなら、別にいまおっしゃる民有地をそう広大な地域を買収しなくても、国有地が非常に広く展開しているところもあるわけであります。だからそういう点を考えても、ほんとうにやる気になれば、私はこの問題は何でもないと思うのです。たとえばこれで発表されておりますのも、第一次計画と第二次計画と合わせて必要な経費として一兆二千八百五十五億、こういう数字が出ております。それでもって相当な規模の官庁都市といいますか、とにかく国会あるいは重要な政府機関を全部移してしまう、こういうふうな構想をもって臨んでおられる。ところが一方では、東京の都市改造をやろうというのには、道路の改造だけでもってもう八兆も要る、こういうふうなものと比べていきますと、首都建設をしたほうが、広大な地域に新しい都市計画に基づいて——日本ではいままで都市計画に基づく町づくりというものは、近代的なところでは札幌ぐらいであったと思います。しかし内地ではほとんどそういうふうなものはないようであります。だから新しい構想に基づくところの大都市計画というふうなものに、この際われわれも踏み切るべきじゃないか。同時にまた他の国でも、たとえばブラジルではブラジリアをつくっておりますし、またアメリカはすでにニューヨークからワシントンをつくって移転したのであります。あるいはまたオーストラリアでもキャンベラをつくって、新首都としてやっておるというふうに、もうすでに首都が新しくつくられた例もあるわけでありますから、この際やはり建設大臣が推進力にならなければ——他の大臣にはいろいろの利害の問題、たとえば通産大臣であれば、いまあなたのおっしゃる商業都市としての東京、経済都市としての東京の将来はどうなるか、あるいはまた農林大臣になってきますと農地の問題というふうに、いろいろ周囲を見なければなりませんが、建設大臣に関する限りは、やはり国づくり町づくりということで、それを担当しておるのはあなたでありますから、だからあなたが推進力にならないでこの問題が推進するはずはないと思います。私は河野さんのお話、それからいまあなたの御答弁を承りまして、これは少し足踏みを始めたのではないかなというふうに大いに心配するのでございますが、いかがなものでしょうか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 これはものの考え方なんですが、たとえば首都を移転した場合に、東京に対する投資が減るのだろうかということですが、やはりこれだけの人数がおる以上は減らないと思います。そうすると東京の首都を移転することの意義は一体何だ、人口疎開をするのか。人口はその構想でも三十万そこそこですね。そういう人口の疎開という点からいうと、千分の三十くらいです。ですからほかに何か意義を認めなければならぬわけです。ですから、そういうような問題もありますから、建設大臣としては、責任を持ってひとつこれを推進していこうというのには、やはりいろいろな問題を考えて、確信を持っていかなければならぬわけですから、そしてそれは建設大臣だけの所管でできるものじゃない。政府の、いまのところはいわば池田内閣の責任においてやるわけですから、そういうふうな確信を持つまでには、相当な調査、準備というものが必要であって、だれから聞かれてもこれが一番いい方法だという一つの確信がない限りは、軽々には出せないと思うのです。やっていこうという考え方には変わりありませんが、進め方のテンポは、多少人によって、私の場合と河野大臣の場合と、若干違うかもしれない、その点は御了承願いたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 日本のように政治と経済が非常に結びついておるところでは、政治の中心地へどうしても経済が集まってくる。したがって東京がいまこのようになったということは、東京が首都であったということが一番大きな原因であると思う。だから、そういう意味においては、東京の今日の過密状態を起こしてきた一つの大きな要素をひっこ抜いて、別のところに持っていく、いわば東京の株をよそへ株分けする、人口並びに産業の株分けをする、こういうことになって、その株分けされた地域は、あるいはまた大きな都市におそらく発展していくでありましょう。また第三次計画として、将来計画としては、百万都市にするのだというふうな考え方であります。またその百万都市には、さらにその周辺へ計画的に三十万、五十万の衛星都市を配置していくことによって、東京の町の膨張を少なくとも現状に押える。私は新首都が建設されたからといって、決して経済都市としての東京都が今日の繁栄を失っていくというようなことは考えておりません。また人口の膨張もこれでぴしゃっととまるなどとは考えておりません。またふえていくであろうと思います。しかしふえていくにいたしましても、その増加率というものは非常に大きな違いがあるだろう、大きく押えられるだろう、そういうふうな効果は十分にある。しかも今日のままで五十五年には一千四百万になるであろうというふうなことが言われておるのに、このままおいでおいでどうするか。やはりそういう構想を、この際建設大臣としてはどんどんお進めいただくのが、あなたのいま課せられた重大な任務であると思う。また同時に、小山さんがこの問題をどう進めていくかということが、あなたの政治家としてのかなえの軽重を問われることになると思う。この問題に消極的になるということは、小山さんという人は肝の小さい人だ、こういうふうなことに私はなってくると思う。あなたがこの問題にほんとうにお取り組みになるなら、私どもは与野党をこえて大いに御協力して、できるだけの推進力になってやりたいと思いますから、ひとつその点についてはもう一ぺんよく検討していただきまして、せっかく河野さんによって大きく歩み出されようとしたところの日本の新しい町づくりという大きな仕事、これはもう世紀の仕事になると思います。だから、小山さんの手で新首都建設の構想をきちんとまとめて第一歩を踏み出すということになれば、日本の歴史に残る小山さんになる。だから小山さんは、建設大臣としてちょうどいいときにあなたは——河野さんがせっかくいい苗木を植えられて、その苗木を育てるのも育てないのも、小山さん、あなたです。だから日本の歴史に残るところの小山建設大臣として、あなたがぜひこの偉業をやり遂げていただくように心からお願いいたしまして、この問題についての質問を打ち切りたいと思います。  その次にお尋ねいたしたいと思いますのは、これは建設省、運輸省あるいは厚生省から来ていただいておりますので、小さな問題を二、三お尋ねして、そのあと治水問題をお尋ねいたしたいと思います。  私は、この前の国会で綾部運輸大臣に来ていただきまして、土地収用法の強化の問題をめぐりまして、土地収用法を強化するということは、今日の公共事業がこれだけ必要に迫られている限り、これはやむを得ないと思う、個人の私有権を非常に制限するが、これはやむを得ないと思う、そして収用された土地がその本来の目的に使われている限りにおいてはそれはよろしい、しかしながら、しばしば収用の目的以外のことに使用されている。   〔委員長退席、正示委員長代理着席〕 その一番いい例は、このごろどんどん都会内にできてくるところの高架の道路、あるいは鉄道の高架下の空間の問題がある。土地収用法ができました当時には、土地は直接道路敷地として使われるのであって、そんな空間というものは考慮の中に入っておらない。ところがこのごろは、近代建築の進歩とともに、道路あるいは鉄道が全部上に上がりました。勢い空間というものが問題になってくる。ところが、たとえば私鉄にいたしましてもあるいは国鉄にいたしましても、その高架の下をいろいろな他の目的に貸しております。たとえば工場に貸しあるいはひどいのはバタ屋さんに貸しておる。あるいは古金屋に貸し、朝から晩までカン、カン、カン、鉄をつぶすのに大きな騒音を立てる。あるいはまた飲み屋街にしてしまっておるというふうに、非常に公共に対して迷惑を及ぼすような、周囲の住民に迷惑を及ぼすような使用のしかたをいたしております。だからこれはどうしても、収用の目的以外に使用する場合には、付近の住民の福祉を阻害しないように管理しなければならぬ、こういうふうに土地収用法を修正してくれ、こういうことを頑強に私は主張した。ところが何とかこのまま通してくれ——それで綾部さんに出てもらった。その問題については適正に管理するようにちゃんとやるから、こういうふうなお話でありました。五月二十三日に綾部運輸大臣に出ていただきまして、私のそういう意見には根本的には賛成だ、だから行政指導を強固にして、法律の改正があればなおけっこうであるが、しかしながら改正がなくてもちゃんとやらせるから、だから安心してくれ、こういうように綾部さんは御答弁になっておる。ところが、私がそのときに具体的に例をあげました、その方面の高架下の管理というものが、一向その後改善されておりません。私は担当の役所のほうにお尋ねいたしたいと思うのでありますが、綾部さんがそのようにこの委員会ではっきり言明されました。したがって、それは、私は相当な効果を期待しておるのに、一向その効果がないということは、どういう通達をお出しになったか、どういう指導方針でやっていかれるのか、政令でもおつくりになるのか、あるいは次官通達か何かで、そういうふうな趣旨を徹底されておるのか、全国のそういうふうな高架を持っておる鉄道関係に対して、どういう監督の方針を示しておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。

岡田良一運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡田説明員 ただいまの御趣旨につきましては、先般の国会におきまして運輸大臣からも御答弁いたしましたように、その趣旨で運輸省でも現在いろいろ検討しております。先般、これは衆議院のここでお話がありましたのと同様の趣旨におきまして、参議院におきましても、附帯決議が議決されておりまして、それによりますと「よって政府は、可及的速やかに各事業法において事業の用に供するため取得した土地を公共の福祉に適合するよう管理することについて所要の法改正を行なうべきである。」そういう附帯決議を受けておりますので、法的改正という点について、現在いろいろ検討をいたしております。この点につきましては御趣旨もよくわかっておりますが、法律的に検討いたしますと、一つは現実に収用した土地と、収用しないけれども、一応私鉄なら私鉄という土地収用を適用し得る事業が収用した場合で、多少法律的な地位が違う。そういうような問題と、それからそういうふうな場合に、ほかの営業の自由といいますか、高架下を使う場合には、営業の自由が制限されるわけでありますから、それとの関係をどういうふうにするかというような問題が法律的にあるわけでございます。なおその点、法律改正でございますので、現在検討いたしております。  しかし先般の御趣旨もありましたので、法律改正とは別に、一応全国の私鉄に通牒を出しまして、鉄道施設の用に供するため取得した土地の管理、特に高架下施設の管理について、公共の福祉に反することがないようによくやれというような趣旨の通牒を出しまして、その努力をいたしております。先般ございました近鉄の問題につきましては、すぐ近鉄を呼びまして御趣旨を伝えまして、至急に改善するようにということを申したわけでありますが、なおそのほかにもそういう事態もあるかと思いますので、現在、各陸運局に命じまして、そういう状況を調べておりますが、まだ最終的に全部取りまとまっておりません。現在作業の途中でございます。そういう経過になっております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 通牒を、それではいつお出しになりましたか、その写しを一部私の手元にちょうだいいたしたい。  それから、その法的改正をあなたのほうで考えておられるという模様でございますが、それはどういう法律をどのように変えていかれるお考えなんでしょうか。

岡田良一運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡田説明員 参議院のこの附帯決議によりますと、「各事業法において」ということになっておりますので、まあ私鉄の場合ですと、地方鉄道法でということになるかと思います。その点につきましても、これは土地収用法の関係のものでありますから、むしろ土地収用法においてそういう条項を入れるほうが適当ではないかというふうな考え方もあるかと思いますので、地方鉄道法がいいのか土地収用法がいいのか、それから「各事業法において」ということになりますと、地方鉄道法だけではなくて、先ほど出ました高速道路の問題もございましょうし、いろいろなものがございますので、それこそいろんな事業法において、そういう問題を取り上げなければならないというふうなことになりますので、そういう関係のところともよく連絡をいたしまして、措置いたしたいと考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 参議院でも、私と同様な意見の附帯決議がつけられた。そして地方鉄道法も変えなければいけない、道路法も変えなければならぬ、こういうふうに、いろいろな法律を一斉にそういう趣旨で変えていく、変更していくということになって、改正していくということになってくると、これは手続もたいへんだと思うのです。むしろそれよりも、私があのとき申しましたように、土地収用法を背景にして取得した土地の管理については、公共の福祉に沿うように管理しなければならない、こういうふうに土地収用法そのものを改正したら、一本でもって全部に網がかかる。だから私はその改正のときに強硬に主張したのですが、どうにもあのときには、あなたのほうで応じてくれなかったので、まことに残念に思っているのですが、建設大臣いかがでしょう、それだったら土地収用法をそういうふうな方向に変えていくというふうに考えていただけたら——あるいは建設大臣のほうでそういうことは困るということでしたら、われわれの議員立法で出しまして、与党も賛成しあるいはあなたのほうもいやということをおっしゃっていただかなければ、それはそれでもいいのですが、私は各事業法一本一本変えていくということになると、高架下の空間を持つという事業体が幾つもありますから、それじゃ非常に手続上めんどうだと思うのですが……。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 いま岡本さんのおっしゃることは、土地収用をした土地だけでなしに、土地の収用をするような事業体事業体の場合にという御趣旨じゃないかと思うのですが、そういたしますと、土地収用法に書くのか、各事業法に書くのか、いろいろ法制上、私もその辺はしろうとですが、どっちがいいのか、これは検討を要すると思います。それは、御趣旨は私も賛成です。現に私のほうの高速自動車道路の下は、むやみな事業体に貸してはいかぬということでやっておるわけですから、これはひとつ検討します。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 それでは、次の問題に入ってまいります。  最近、私どものほうで天ケ瀬ダムができます。その天ケ瀬ダムができましたのを機会に、天ケ瀬上水道というのを京都府でやることになりました。ところが給水単価が非常に高くつく。いままでその地域の町で、一番安いところで二十円、高いところで三十円程度であったその水道料金が、大体四十円から四十五円になる、こういうことになってまいります。だから住民のほうでは、水道ができて簡易水道が上水道に変わるのは非常にいい、しかしながらそう料金がべらぼうに上がっては困るという声が出てきております。そこで、切実な問題になってきたものでございますから、私調べてみました。すると、六大都市の水道料金と中小都市の水道料金、あるいは町村の水道料金を比較してみますと、たとえば大阪が十円、京都が十一円五十銭、一番高い神戸で十九円です。ところが中都市になっていきますと、安いのは一宮市の十円というのがありますが、福井で十四円、仙台で二十五円、奈良で二十八円、大体十円台から二十円台になってきている。ところが小さな町村にいきますと、安いのもございますが、大体三十円から四十円というふうに、だんだん小さな町ほど水道料金が上がってくる。そうすると、都市は、道路も舗装されているし、いろいろの点で公共施設が進んでおります。そうしてまた経済も繁栄している。そういうようなところでは住民の使う水が安くて、しかも、ほこりっぽい、始終洗たくしなければならぬような、そういうようないなか町に住んでいる人ほど水が高い飲料水も高ければ、洗たくにも金がかかる、こういうことになって、だから水道料金に非常に大きな地域格差ができてまいっている。どうしてそういう地域格差ができるのか。そこで考えられるのは、第一に古く建設された施設に対するなにと、新しく建設された建設費の問題、これが一番大きななにだと思う。だから、その建設費についての起債であるとか、国庫補助であるとか、そういうようなことが問題になってくるわけでございます。御承知のように、上水道には国庫補助がございません。ところが工業用水道には国庫補助があるのです。ここでまた工業とそれから一般の国民生活に必要な水との間に大きな差別待遇があるわけでございまして、工業用水が、いろいろな投資のあるおかげで、政府からのてこ入れのあるおかげで、大体六円以下、東京の四円五十銭から神戸の五円五十銭というように、工業用水はべらぼうに安い。ところがいなかのほうの町のなには、四十円をこえる水を飲んだり、それを洗たくに使わなければならぬ、こういうことになってきているのでございますが、これは非常に大きな矛盾だと思うのです。  環境衛生局長にお尋ねしますが、厚生省では、こういうふうな国民衛生に密接な問題について、国庫補助をやって、公共投資をやって——道路については、これは公共施設だからただで通れる、橋もただで渡れるように、水もせめて、あとの給配水ぐらいの施設については各町村で担当するとしても、原水を提供するぐらいはどうして公共投資でやれないか。これは建設大臣も考えていただかなければ言なりませんが、厚生省としても、頭からそういう主張をし、そういう考え方でおられるのか。そういう考え方でおられるけれども、財政上の理由で今日行き悩んでいるというのか。水道というのは、これは井戸を掘るかわりに——もともと井戸を掘ったって金がかかるのだから、水に金が要るのはあたりまえだ、こういう考え方でおられるのか。厚生省の水道というものについて臨まれる基本的な態度というものはどういうところにあるのか、その点を承りたいと思います。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林説明員 お話のように、水道料金に場所別に相当な差があることは仰せのとおりでございます。そういう大きな差のつきます原因は、料金の基礎となります建設費が大きな根源となっておることもお話のとおりであります。したがいまして、建設費に対して補助金を出すというふうなことで料金の調整をはかることができれば、これは申し分ないわけでありまして、国としては、戦前におきましても、また戦後しばらくの間は、建設費の一定の割合の補助金を出しておったわけであります。しかしながら水道の水の緊要性は、他の水を利用する場合よりは非常に緊急性を要する場合が多うございます。補助金のワクというようなことで制限を受けまして、拡張計画がおくれるということは許せないような事態が起こっておる。そのようなことから、むしろ起債を大幅にとることによって事業の推進をはかりたいということで、戦後補助金の方針をやめまして、起債一本にいたしたわけであります。ただお話のように、小さい町村におきましては水道料金が非常に大幅に高くなるということで、人口五千人以下の給水人口を有するような小規模の水道に対しましては、今日においても簡易水道として補助金を出しております。四分の一の補助をいたしております。さらに小規模の飲料水供給施設というような小型の水道に対しましては、四割の補助を今日出しておるわけであります。ただこのような程度の補助を出しましても、なおかつ簡易水道の中には一トン当たり一月千円近い水道料金を納めざるを得ない。東京都あたりは百四十円であり、六大都市で一番安いのがお話のように大阪でございまして、百円程度の水道料金でございますが、そういうものに比べて十倍近い料金を払っているという事態がございまして、補助金程度では調整がつきかねるほどの事態が生じておることはお話のとおりでございます。片や工業用水については補助金があるということで、私どもといたしましても、人間の生活必需品たる水道の料金がこのように違うということは好ましいことではないということで、何らかの措置が必要ではないかと、実は検討いたしておるわけであります。検討はいたしておりますが、ただ水道料金が個々の家庭に及ぼします財政上の影響は、他のガスとか電気に比べればはるかに少ないのが一般的でございますので、それらとの関連もにらみ合わせていま考えておるわけでございますが、何ぶんにも水道の年間の事業総額が一千億をこえるというような大企業でございまして、これを補助金で処理していくということは容易ならぬことであるという一面の問題点もあるという状況でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 緊急を要するから、しかも事業規模をできるだけ大きくしなければならぬから、補助金に期待しておったのでは頭が押えられるというふうなお話でございます。しかしながら、いかに緊急を要しても、たとえば災害復旧なんかはみな公共投資でやる、あるいはまた高潮対策なんかでもどんどん公共投資で大きな国費を出してやります。だから、国民が水が飲めない、あるいは洗たくするにもこと欠くということになれば、国はやはり——憲法にも、最低の文化生活は保障するというのですから、そういう考え方に立てば、国はこれに対して公共投資としてどんどんやるのが当然だと思う。だからいままでの考え方が、水道というものは井戸にかわるものだ、だから自分で掘るかわりに水道施設に金を投じる必要があるんだ、それをかわりに公共団体が一時つくっておくから、それをぼつぼつあと払いしなさいというような考え方が日本の水道行政の中にしみ通っているから、こういうふうな問題がいつまでも、水の価格の大きな地域格差として出てきておる。しかもこれは文化が発達すればするほど、国民生活が文化的になればなるほど、水の使用量は大きくなる。バケツやたらいで洗っていた洗たくも、洗たく機を使うようになれば水の使用量はふえますし、また御承知のように、いなかでは、たんぼから水をくんでおふろをたてます。そうすると水がもったいないものだから、浴槽の中でからだを洗いますから、私などもたまにいなかへ行っておふろをごちそうになると、あとから入ると、しじみ汁のようなふろになっております。いなかではそれがみんな普通なんですね。そういうような非常に汚いふろでも、それでもあかは落ちるのですから、それで一応はいなかの人はなれておりますけれども、しかしながらそのような不健康な日常生活をやらせておる。これが水道にかわれば、どんどん衛生的に入浴回数をふやせる。さらにまた、たとえば議員会館でもそうですけれども、どこの浴場でも、浴槽の中で手ぬぐいを使わないでくださいということが都会のふろでは鉄則になっておる。そのことは、外へとんどん水が流せるということですね。だからいなかの入浴の形式と都会の入浴の形式とはそのような開きがあるわけです。国民に衛生上十分な条件の中で文化的な生活をさせるためには、やはり考え方を切りかえていただきたい。このことを私は痛感しましたので、所管の局長であるあなたにお願いをいたしておきたい私どもも大いに協力をいたしたいと思いますから、どんどんそういう気持ちで取り組んでいただきたいと思います。  そこで今度は天ケ瀬の水道の場合を見ていきますと、これのアロケーションがどうも私のふに落ちない。天ケ瀬は上水道と発電と、それからもう一つ例の治水と三つからなっておりますが、このアロケーションを見てみますと、天ケ瀬ダムに今度天ケ瀬の発電所ができました。九万二千キロワットアワーです。ところが、これで水没する関西電力の大峯ダムがありますが、これが三万二千キロワットです。差し引き六万キロワットに対してアロケーションがかけられておる。そういうふうにして建設資金が配分されておる。そういたしますと、一見それは当然のように見えるのです。三万二千キロワットが沈み、今度九万二千キロワットの発電所をつくるのだから、六万キロに対する建設費を持てばいいじゃないか。ところで、この大峯発電所というのは、三十年ほど前につくられたもので、減価償却をしておるのです。だから古い発電所をまっさらにしてかえてもらうということになるわけです。だからそういう意味においては、これは非常に電力は優遇されておるというふうに思えるのでございますが、こういうアロケ−ションの中にこういうふうな不平等がある。これはどういう理由なのか。やはり設備投資はある程度、いかなる設備投資といえども、それに対するところの減価償却というものがあるはずです。だから減価償却分だけは当然差し引くべきものだと思うのに、三十年前にもう償却も終わったようなものを、新たなものとして扱っておるというようなところに、発電に対する優遇があると思うのでございますが、これはどういうことでございますか。局長でけっこうです。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 それではお答え申し上げます。  ただいま先生がおっしゃいました大峯ダムの発電所でございますが、これは天ケ瀬ダムの築造によって完全に水没をいたすものでございます。水没いたしますので、これの補償額を算定いたしております。補償額算定はどういうふうにいたしたかといいますと、この残存期間が十年余りございますが、その余りの間、いままで得た利益から考えまして、これくらいの収益は得られるだろうというようなことを積算いたしまして、それに耐用年数が切れたというときにおきます残存価格というものを考えたわけであります。その残存価格は、これが残っておる大峯ダムの発電所の値打ちである、こういうふうに見まして、それから今度それを取りこわしてしまうわけでございますから、取りこわしますと、そのままにあれば幾分価値があるけれども、なくなるものもありますが、しかしそれを取っ払いますと、そこに発生材が出ます。その撤去費を除いた発生材による費用を差し引いたものを補償額として算定いたしました。  それから、先生が先ほど大峯ダムとおっしゃいましてお話がございましたのは、志津川ダムではなかったろうかと思うのでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 あれは志津川ダムですね。石井さんのつくったダム……。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 いまの右岸側にございますのが志津川ダムでございます。左岸側の、大峯ダムのダムサイトで発電をいたしておりますのが大衆ダムの発電所であります。右岸側で取り入れまして、下のほうに持っていっておりますのが志津川ダムの発電所でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 いずれにいたしましても、水没したダムは大峯ダムなんでしょう。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 水没いたしましたのは大峯ダムでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 その大峯ダムが三万二千キロワットとして計上されて、それが差し引き六万キロワットに対する出資の配分を受けておる。これはあなたのほうから出ておるいろいろな書類の中にそういうことを書いてありますから、私はそれに基づいてこういう意見を出しているのです。だからあのダムといえども、やはりあのダムを通じて関西電力は相当長期にわたって発電をして、もう十分もとをあげておる。したがって、もう償却期間は大体過ぎておる。だからそういうものが残存価格としてごくわずかに計上されるならいいが、それが三万一千キロワットとして計上されて、九万二千キロワットから三万二千キロワットを差し引いた六万キロワットに対してアロケーションをかけておるということなんです。だからこれは非常に電力を優遇し過ぎておるのではないか。こういうような電力に対する特別措置が講じられるのなら、公共投資としての水道に対しても、何らかもっと水道料金が安くなるような配慮が行なわれてもいい。これはまるまる頭から、身がわりだといって建設費をどんとかけてきておる。その建設費の高いことから、今日四十二円もするような水道を下流の住民が使わなければならなくなってくる。だからもっと配分というものが——こういうダムが水没する事例というものはほかになかったかもしれません。初めてのケースかもしれません。しかしその初めてのケースに対して行なわれておるところのこのアロケーションというものがきわめて不公正であるというように私には思えるのです。だから、これはぜひひとつこの問題を明らかにしておきたいというふうに思うわけです。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 お答えを申し上げます。  先生、何かちょっと誤解をしておられるように思うのでございますが、大峯ダムと一緒に大峯ダムの発電所のほうはすぐ取りつぶしてしまうわけであります。したがいまして、これに対する補償というものはいま申しました補償額だけしか算定をしておりません。もう一つの志津川発電所のほうは、発電所の位置は下流にございまして、それは生きておるわけでございます。ところが、水位が今度変わるわけであります、変わりますと、もと取っておった取り入れ口そのものずばりで水が取れないわけでございます。というのは、落差が大きくなりますから、すべての施設が間に合わなくなる。ですから、水を、一ぺん落差を殺して、落としてやって、その水位で取らないと、管の計算とかすべてのものが間に合わないわけであります。そういうことで、先生がおっしゃっておるのは、おそらく志津川発電所の問題ではなかろうかと思うわけであります。これはつぶれないわけであります。ところがそういうふうに落差を落とすというところに、今度技術的に非常に無理が起こるわけであります。それを計算いたしまして、アロケーションに入れてあるわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 まだ私には理解できません。しかし、あまりこの問題だけで時間をとってもなんですから、あとでもう一度、私の部屋にでもどなたか担当の方に来ていただいて、よく御説明願いたいと思います。  そこで、水道に対する起債の問題、これは公営企業の金融公庫から借りてやりますと、償還が十五年です。そうして七分三厘という高い利息です。ところが、たとえば住宅金融公庫が民間の家に対して貸すのは、二十五年から五十年の年賦で、そうして五分五厘、あるいは電力債に至っては三十年で六分五厘というふうに、他の政府のいろいろなこういう財政投融資その他の資金の貸し付けは水道に比べると非常に安いのです。水道だけが十五年、七分三厘、これはまるで、水道事業というものは地方公共団体がやる営利事業だ、だから商売人に対して金を貸すのと一緒でいいのではないかというような考え方からなっておるようにより思えないのです。これは建設大臣は金融畑のお方でございますし、その間のなにを御存じだろうと思うのですが、水道に対する起債がこんなに過酷であるということが、水道料金を高くしておる一つの理由なんですね。だからこの問題についてはやはりもっと政府として考えてもらわなければならぬ。直接あなたは担当じゃありませんが、どの面から見ても、たとえばこういう起債の面から見ても、あるいはアロケーションの場合で見ても、あるいはまた公共投資というような、政府の補助というような面から見ても、どういう面から見ても、水道というものが今日非常に冷遇されておる。だからこういうことは社労で直接厚生大臣に対して言うべきことかもしれませんが、しかしながら、アロケーションの問題について私は大きな疑問を持ちましたので、この機会にアロケーションの問題でやろうと思って来たのですが、話がもう一つ私はよくわからないから打ち切りますが、とにかく水道というものが冷遇されておる。たとえば長柄の可動ぜきと高山ダムの問題では、長柄の可動ぜきの水は工業用水に回る。これはトン三円くらいでつくる。ところが高山ダムでつくる水は、ダム建設という面から、頭からトン十円もする。現実はこういうふうなことになっているのです。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 高山ダムにつきましては、妥当投資額を計算いたしまして、そしてその比率でやっておりますから、一円九十銭かなんか、大体二円ちょっと近い金になります。長柄の可動ぜきは安くなっておりまして、五十銭くらいだと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 私の数字の覚え違いかもしれませんが、とにかくそのとき私のぴんときたのでは、とにかくべらぼうに安い長柄の水を工業用水に回して、そして高山の高い水を水道用水に回す、だから、同じ淀川で水資源公団がつくる水ですから、当然プール計算して同じ値にすればいいじゃないか、私はこう思うのです。同時にこれは上下流の工業用水の問題にもなると思う。たとえば、高山ダムから長柄可動ぜきに至るまでの中流でかりに水の利水権をとろうと思えば、それに対する水の使用料はやはり高山でつくられた水の費用に応じて払わなければならぬ。長柄可動ぜきでせきとめられた水を使う場合には、いまあなたのおっしゃるトン五十銭ならトン五十銭で使える、これを基準にした料金で使える。そうすると、下流と上流でも非常に大きな水に対する料金の開きがある。こういうことは大阪の工業と淀川沿岸の京都の工業との間の立地条件の大きな開きにもなってくると思うのです。私はきょうは上水道と工業用水道との処遇の問題について議論しているのでございますが、いずれにしてもこういう上水道に対する非常に大きな冷遇というものがありますから、建設大臣もそういう点、今後こういう不公平のないような方針を打ち出していただくような御配慮をこの機会にお願いいたしておきたい、御答弁ございましたら、お願いいたします。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 いまだんだん伺っておりまして、非常にいいことを言っておられると思います。それで問題は、金融債の利率が高いのでなしに、建設費が高いことだろうと思います。その建設費の高いのをどうやって薄めていくかという問題だと思いますので、その面からひとつわれわれもこの問題打開に努力したいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 それでは、きょうお尋ねいたしたいと思う治水問題について入っていきたいと思います。  建設省は昨年治水水系計画を発表された。一級については十二年、二級については十五年でもって大体九〇%の治水効果をあげたい、こういうふうな治水水系計画をあげておられます。それが治水施設のあるべき姿であるというふうに銘打っておられるのです。そこで具体的に、それでは治水水系計画というものはどういうふうなものとして打ち立てられるのか具体的に知りたいと思いますので、例を由良川にあげて御説明願いたいと思うのでございます。由良川の場合、局長にお伺いいたしますが、どういうふうな治水事業をその内容としておられるのか。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 お答え申し上げます。  由良川につきましては、現在直轄改修を綾部市から下流海に至るまでの間を行なっておるわけでございます。そしてそのうち綾部市から福知山市までの間、これは大体築堤方式で工事を行なっておるわけでございます。この築堤方式でございますが、特に重要なところ、たとえば福知山の市内であるとかあるいは綾部の市内、人家の密集いたしておりますところは、完全に堤防で囲むという方式をとっております。しかしながら田地である部分、といいますと、数字で申し上げますと、大体福知山から綾部間は二十一平方キロございますが、そのうちの大体十七平方キロくらいは守れるようにいたしたいあとのところは霞方式と申しまして、流量が非常に守りにくくございますので、それを守りますようにすると堤防が大きくなるようなこともございますので、霞方式で、少しそういう水田のところに入るような方式で改修をいたしたい。それから福知山から下、海に至る間、これは人間で申しますと、つまり老衰病にかかって、コレステロールがたまっておるというような状態になっておりまして、川の幅といいますか、山から山の間というものが非常に狭うございまして、もう五百メートルから七百メートルぐらいしか広さがございません。場所によっては大江町のところは広うございますが、そういう部分的なところは除いて、大部分は山から山の間が非常に狭まっておる、そこに一秒間に六千立米以上の水がここへ入ってくる、そうすると、これは堤防をつくると、山から山へほとんどたんぼも家もみなのけていただかなければいけないというようなことにもなりますので、そういうような方式はとれないということで、大江町とか、どうしても人家が非常に多くて広くなっておるところ、こういったようなところに対しては堤防方式を考えてみたい。そのほかのところに対しては、これは掘さくをいたしまして、現在の河道でございますと大体低水路で三百立米ぐらいでございますが、現在の低水路では三百立米ぐらいしか流れないわけでございます。それでこれを掘さくをしてもう少し広げまして、そして五百立米ないし八百立米ぐらい、せめて八百立米ぐらいにいたしたい、こういうふうなことで現在計画を立てております。  以上が大体河道に対する計画でございまして、そのまた上流に現在大野ダムというのを建設し、あれは四年ぐらい前でございましたか、竣工いたしました。その大野ダムによって、大体福知山において九百トンぐらいの水をカットできたのでございますが、さらにその上流に芦生ダムを現在考えておるわけでございます。もしこのダムができますれば、このダムの影響は福知山ぐらいまでしか及ばないのではないかと思いますが、というのは途中に土師川であるとか、あるいは犀川であるとか、あるいは上林川でございましたか、そういうような川が入っておるわけでございます。それで、その芦生ダムでカットした影響が下流まで及ばずに、そういう支川の大きいもので消されてしまうわけでございます。しかし福知山まではほとんど影響がございませんが、福知山に至るまでに大体影響ができてくるのではなかろうか。そうすると先ほど霞堤で遊水させて、それによって幾分か、四百トンばかりカットしておりますということをちょっと申し上げましたが、福知山——綾部間でございますが、そういうものがある程度救われてくるのではなかろうか。そうするとその築堤をあまり上げなくとも、連続堤にすることができるようになる可能性があるというところで、その辺を現在検討をして、その芦生ダムとのにらみ合わせ、費用というものとのにらみ合わせ、そういったものをいま検討いたしておるわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 そうすると、河道の掘さくをやる、こうおっしゃる。その中には、たとえば長い間の問題になっております河口の近くに、西島であるとか瀬戸島であるとかいうような島がありまして、これが非常に水路を阻害しておりますね。こういうものの撤去も含まれておるのかどうか。それからまた、河口に土砂が押してまいりまして、それで河口の水はけが悪い。だからそういうふうな土砂の堆積の防止というふうな問題をどういうふうにされるのか。あるいは、もう一本土師川というのが兵庫県から流れてきておりますね。これが上のほうにダムの適地がない。だからこれの水をどう押えるかというふうな問題が残っておりますが、これに対する対策も何かお考えになっていらっしゃいますか。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 お答えを申し上げます。  まず、西島とか、河口に至るまでの州であるとか、あるいは岩がちょっと島のようになっておるところがございますが、こういったものにつきましては、先ほど申しましたように、現在の三百トンないし五百トンの流量の幅の河道を、八百トンくらいに広げるということを考えておりますので、これは当然のける覚悟でございます。それから、一番河口の問題でございます、海の出口でございますが、その出口のところ、これにつきましては、もう少し検討をさしていただきたい。というのは、実は砂丘海岸の特徴でございまして、非常に海の砂というものが波によって、あるいは海流によって運ばれておる。これを防ぎますのは、非常にむずかしいのでございまして、いままで成功しておる例が非常に少ないわけでございます。普通考えられておりますのは、導流堤というのを出しまして、河口の閉塞を防いでおるわけでございますが、これが長年にわたって、海砂といいますか、海の漂砂といいますか、その漂砂がどういうふうに動いているか、その動きがどの辺までの深さでとまっておるか。それが一年ではだめなんでありまして、何年もはかっていかないと、ある年には非常に大きく動いておるかもしれない。そういうことを十分調べましてつくらないと、つくったものが非常にむだになる。しかも導流堤というのは非常に金がかかるわけでございまして、そういうことを考えまして、海のほうはもう少し調査さしてもらわないと、とても一年や二年の調査では決定できかねるのじゃないかということで、現在ではとりあえず——それも、いま申しました河口閉塞というのは、上流が勢いよく流れるように、つまり由良川がよく流れるようになりますと、河口の状態もまた変化をいたしてくるわけであります。その変化の状態を見て後でないと、河口閉塞という問題はなかなか解決ができませんので、そういう点を十分調査をし、また実際にやってみて、それから決定をいたしたい、こういうふうに考えております。  それから土師川の問題でございますが、これは上流にいいダムサイトがございませんので、砂防については考えていきたいと思っておりますが、ダムサイトはございません。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 大体それで由良川に対するお考えはわかりました。  それからそういうふうな治水水系計画として、政府のほうでは八兆三千億というものをお考えになっておられるようでございます。この八兆三千億において大体九分どおり日本の治水計画はでき上がるのだ、こういうことでございます。その十五年の計画の中の最初の五カ年計画として、新五カ年計画一兆四千五百億を今度予算要求するのだ、こういうふうな御意向のように承っております。ところがこの一兆四千五百億を見てみますと、治水水系計画では八兆三千億のうち五六%の四兆六千億が河川に投ぜられる。それから三七%の三兆一千億が砂防に投じられる。ダムについては七%の六千億が投入される、こういうふうに発表しておられます。そして新五カ年計画では、一兆四千五百億の五九%が八千五百二十億として河川に投ぜられ、一五%の二千百五十五億が砂防に投じられる、ダムについては三千二百四十五億、二二%です。そしてこれを、基本的な計画である八兆三千億の治水水系計画の中で新五カ年計画、最初の五カ年計画が終わった段階におけるその八兆三千億の治水水系計画の進捗率というもので比較していきますと、河川は一八・五%終わる。砂防は七%である。ダムは五四%進むということになるのです。ダムだけがどんどん先行していくのです。つまり全体計画は六千億である。その全体計画六千億のうち、三千二百四十五億最初の五カ年でやってしまう、こういう計画になっております。五四%です。だから今度の新五カ年計画というものは非常にダムに偏重した新五カ年計画、こういうふうに思われるのです。どうしてそんなにダムだけどんどん進めるのか、こういうことでございますが、他の、河川が二〇%に満たない、砂防は七%だ、ダムだけが五四%もやってしまうのだ、こういうようなことになぜなるのでしょうか、その理由を承りたいのです。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 ちょっとお答え申し上げますが、ダムの数字と砂防の数字が少し入り組んでおるように思いますが、先生何か資料が、いまお話しになったのが、少し違っておったのじゃなかろうかと思います。たとえば例を申しますと、砂防二千百五十五億というふうに先生おっしゃいましたが、砂防は三千二百四十五億でございますが、少しその辺が違っておりませんでしょうか。私のほうの数字を申し上げますと、五カ年計画では一兆五千四百億、そのうちの河川は八千五百二十億、それからダムが二千百五十五億、砂防が三千二百四十五億でございますが、そういうことで、先生がおっしゃったのは数字が違うように思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 そうすると、全体計画では六千億です。六千億の中で二千百五十五億をやるんですね。それでも三分の一済みますね。六千億のうち二千億が済めば進捗率は三三%、それから砂防が三兆六千億のうち三千二百四十五億だから、それをあなたのおっしゃる数字に直しても一〇%です。砂防が一〇%で、それからダムが約三五%です。私はけさあわてて計算したから、数字をひっくり返して間違っていましたが、それにいたしましても、ダムと砂防とで、その片方は三五%も進んでいる。砂防は一〇%より進まぬ。河川は二〇%だ。非常に進み方がアンバランス、不均衡です。どうしてこんなにダムばかりを進めるのか。  それじゃもう一つ意見として出させていただきますが、このことから、やはり東京都の水飢饉あるいは大都市の水需要に備えるために、非常にダムを急いでおるということはうかがえるのです。だからせっぱ詰まって、現在の日本の経済成長のもとでやむを得ない、こういうふうなお考えだと思うのです。それが建設省の弁解だと思うのです。しかしながら、これは日本の治水事業としての公共投資というものが非常におくれてきた。そのためにどんどん山は荒れる、川はあばれるで、非常に大きな災害が出てきた。その災害の中の一部分として渇水という問題が出てきておる。だから治水事業としての公共投資全体がおくれておったことが今日の水飢饉を来たしておる。もっと早くに流量調節をやるようなダム施設をつくり、同時にそれと一緒に河川の事業、治水事業というものが進められておったら、今日のような水飢饉はなかったのです。だから全体がおくれてきておる。おくれておるから、しかたがないからいま緊急対策としてダムの水づくりばかりやっておるというのが、今日の建設省の河川行政である。だから言いかえますと、そういうことになってまいりますと、今日の新五カ年計画というものは、治水ということを犠牲にして、とにかく利水だ、水つくりだ、こういうふうな新五カ年計画だ、こういうふうに私どもには思える。だから、高度経済成長で、民間の設備投資なんかどんどん政府は推し進めておる。その他の設備投資もやっておる。オリンピックもけっこうです。だけどやはり国民の一番生活の基盤であるところの治水というものを忘れておる、置き去りにしておるというところに、いままでの政治の大きなひずみもあったし、現在、新五カ年計画そのものが治水を忘れた利水計画だ、こういうふうなそしりを免れない、こういうふうに思うのでございますが、建設大臣いかがですか。

上田稔建設技官(河川局長)

○上田説明員 それでは私からお答え申し上げます。  現在、ダムに非常に力を入れておるわけでございますが、この金は治水分の金でございます。それで、必ずしも水資源と一緒になってやるということには限っておらないわけでございますが、それを前提にいたしまして、ダムというのは非常に下流の人たちには喜ばれておるわけでございます。それで、堤防でございますと永遠にわたって土地も失われるし、でき得るならダムによって山の中で水をゆっくりさして、下流においては水は早くという、治水の根本方式に従ってやってもらいたいということで、私どもはダムに相当力を入れたわけでございます。  それから、砂防につきましては、これは建設省がやっております砂防は、渓流砂防が大体主体でございます。したがって、土砂の扞止とか、あるいはのりくずれ防止もございますが、そういうことを主体に、一部河川によっては、関連のあるものは、農林省との話し合いで、山腹もやっておりますが、しかし大部分は渓流砂防でございます。そういうことで、非常に下流の住民の人々に影響を与える大きなものをまず取り上げて、治水の根幹になるものを取り上げようじゃないかというところで取り上げてまいりますと、大体こういうことになりまして、砂防のうちでも荒廃砂防というものをまず最初に取り上げた。現在もう山が荒れておる、川に出てくる、こういう荒廃砂防というものを大きく取り上げまして、この計画を立てたわけでございます。それから予防砂防といいますか、予防渓流砂防、つまり雨がちょっと大きく降ればあとになって出てくるであろうと想定されるような、予防渓流砂防というものを少しあとに回したわけでございます。そういう関係で、こういう数字になったわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 私はこの数字を見て、新五カ年計画というものが、これから五年間の日本の治水事業の根幹をなしていくものだ。その根幹をなすところの新五カ年計画が、河川、砂防、ダムの間に、その五カ年を通じての進捗率においてこのような不均衡があるということについては、どうももう一つ納得いきません。ダムも大切です。私が建設委員になった動機というものは、私の住んでおるところが始終水にやられるというところから、淀川治水の問題と取り組んでいきたい、何とかして、私が代議士をやっておる間に淀川の治水の問題に目鼻をつけたい、こう思って、私は建設委員を志して入りました。そうして川を強勉しておる間に、最初は、なるほど私は流量調節が大事だと思いました。ダム建設が大事だと思っておりました。ところが、だんだん強勉しておる間に、洪水の半分以上を占めるものはどろや石だ。だから雨が降って水が流れてくるのでなしに、ぐずれた土や石が非常に大きな破壊力になって流れてくるのが洪水だ、というようなことをだんだん読んだり聞かされたりするうちに、やはり何としても砂防というものは非常に大事だということがだんだんわかってまいりました。それだけに、この全体計画としての八兆三千億のうちには、三七%という大きな部分を砂防が占めておるということについては、この全体計画には敬意を表します。これは正しい本来の姿だ。ところが、最初の五カ年計画はすっかり砂防を置き忘れておる。こういうような新五カ年計画になっておる。これは何としても、新五カ年計画の全体計画の中で三七%も当初組んでおきながら、最初の五カ年には一〇%より進まないというようなことでは、これは非常に砂防を置き忘れた新五カ年計画である。このことはほんとうの治山治水ということを忘れた利水計画だと言われてもやむを得ない新五カ年計画ではないかというふうに思うのです。だから、大臣も、今後、この新五カ年計画というものはまだ本ぎまりではありません。これから予算化されていく、年々の予算折衝の過程の中で、予算化されていく問題であろうと思いますが、しかしながらそういう批判がある、そういう意見がある、しかも国会の中で治水問題については非常に真剣に取り組んでおる者の中に、そういう意見があるということを十分におくみ取りくださいまして、今後予算折衝なりあるいは政策の樹立の中で十分お考えを願いたいと思います。  まだ、ほかにもう少し御質問したいと思っておりましたが、非常に皆さんもお疲れのようで、それぞれお開きの人もたんとございますから、この程度できょうは終わりまして、また次の機会に譲ることにいたします。どうもおそくまでありがとうございました。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長代理 本日は、この程度にとどめ、次会は十月十日、土曜日、午前十時より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後二時五十一分散会

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